壁を使ったトレーニングで、自宅でコツコツ、でも着実に代謝アップ!

代謝アップや代謝低下の食い止めに効果的なのは、筋肉の量を増やしたり、大きな筋肉を刺激したりすること。それは、筋肉がある人や大きな筋肉をしっかり使った生活を送っている人ほど、多くのエネルギーを消費するからです。そこで、ダイエットエキスパートの和田清香さんに、自宅でできる代謝アップのメニューを教えてもらいました。
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体幹を意識しながら、大きな筋肉を鍛えることが効果的

代謝アップのために筋肉を鍛えなくてはいけないと思っても、「ジム」や「筋トレ」という言葉を聞くだけで、気持ちが萎えてしまう人も多いのではないでしょうか。壁を使ったトレーニング「壁トレ」の考案者でもある和田さんは、代謝を高めるメニューも壁を使うことで自宅で手軽に行えるといいます。

 

「代謝アップメニューのポイントは、たくさんのエネルギーを消費する大きな筋肉を刺激すること。体幹を意識することで軸ができ、目的の筋肉を的確に鍛えることができますが、このとき壁があると軸ができやすいんです。心拍数が少し上がる程度のメニューを行うと、有酸素効果もプラスされ、より効果的です」

 

自宅でできるメニューでコツコツ、でも着実に代謝のアップを目指しましょう。

 

 

壁で体勢を固定し、体幹を軸にして大きく回転

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体の正面を壁に向けて立ちます。ひざを伸ばしたまま右脚を水平になる高さまで上げ、足裏を壁につきます。ひざを伸ばせるように、立ち位置を調整しましょう。お腹を引き上げて両腕を肩の高さで横に広げ、手のひらを壁に向けます。

 

 

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息を吐きながら、広げた腕ごと上体を右にゆっくりねじります。息を吸いながら1に戻り、息を吐きながら今度は上体を左にねじります。足で壁を押しながら行い、頭〜軸脚の縦のラインは床に対して垂直に、左右の指先〜指先までの横のラインは水平を保ちましょう。これを5回くり返し、脚を反対にして同様に。

 

<これでもOK!>

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壁につく側の脚のひざを伸ばしたまま行うのがつらい場合は、ひざを曲げてもOK。ただし、軸脚は曲げずにまっすぐ伸ばして行いましょう。

 

 

「空気いす」の姿勢で、下半身の大きな筋肉を刺激

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壁を背もたれにして両ひざを曲げ、「空気いす」の姿勢をとります。両手は胸の前でクロスさせて。後頭部〜尾てい骨までを壁に押しつけ、ひざは90°の角度を目指しましょう。

 

 

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左ひざを伸ばし、左脚を水平にします。ここでゆっくりと4〜5呼吸。脚を反対にして同様に。

 

 

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1の姿勢に戻り、左足首の外側あたりを右脚に乗せます。両腕は頭上に伸ばして「バンザイ」をし、手の甲を壁につけます。背中側で壁を押しながら、ここでゆっくりと4〜5呼吸。脚を反対にして同様に。

 

 

足を壁につけた「腕立て」ポーズで心拍数を上げる

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背中を壁に向け、壁から1mほど離れて立ちます。前屈し、肩の下で両手を床についたら、片足ずつ足裏を壁につけていき、最後は両足を壁につけてひざを伸ばします。後頭部〜かかとまでのラインが一直線になるように。

 

 

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左足を壁から離し、ひざを曲げて胸の方に引き寄せます。足の甲は伸ばしましょう。1に戻り、反対側も同様に。左右交互に10回くり返します。

 

 

和田 清香

自分自身が15キロの減量に成功した経験やさまざまなノウハウを生かしたダイエット情報を発信しているダイエットエキスパート。ニューヨークで学んだボディケア術をはじめ、体験したダイエット法は350種類以上。著書に『30秒でスッキリ!壁トレ 体を動かすのが好きになる!』(ナツメ社)ほか、多数。

 

撮影/布川航太 ヘア&メイク/ 斎藤節子 文/馬渕綾子

 

 

 

ハードなことは必要なし! 効率よく代謝を上げるトレーニング

寒い日が続くと、ついつい家にこもりがちに。夏に比べ、冬は運動不足になる人が急増するようです。すると基礎代謝が低下し、冬太りを招くことにも繋がります。そうならないためにも、効率よく代謝を上げるためのトレーニング法を、コンディショニングトレーナーの桑原弘樹先生に教えていただきました。

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大切なのは、どこを刺激するか

激しい運動をすれば、もちろん代謝は上がります。ですが、効率的に代謝を上げるには「普段あまり動かさない筋肉を動かすこと」が必要です。

 

「肩甲骨のまわりにある褐色脂肪細胞。この褐色脂肪細胞には、白色脂肪細胞(内臓脂肪や皮下脂肪にある細胞)をエネルギーに変える働きがあります。しかし残念なことに、加齢とともに減少してしまうのです。その上、背中まわりの筋肉は、意識して動かさないと日常生活の中ではあまり動かすことがありません。
つまり、背中まわりのストレッチを行うことにより、代謝が上がり、より効率的に多くのエネルギーを生み出すことができるようになるということです」(桑原先生)

 

他にも足のつけ根や、男性に比べ筋肉がつきにくいと言われている胸に刺激を与えると効果的なのだそう。

 

 

代謝を上げる7つのエクササイズ

それでは、さっそくエクササイズをご紹介します。サイドシザーズ、バタ足、バイシクルは、代謝を上げるだけでなく、腹筋を鍛えるのにも効果的なので、一石二鳥ですよ!

 

日ごろ全く運動していない人は、もしかしたら、目安回数をクリアできないかもしれません。ですが、できない事はこれから伸びる可能性があるということ。初めはしんどくても、徐々にできるようになると、だんだん楽しく感じるようになります。諦めずにチャレンジし続けることも大切です!

 

【1】肩甲骨のエクササイズその1(目安回数:20往復)

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(1)直立の状態から、脚を肩幅程度に軽く広げます。
(2)手のひらが天井に向くように、両腕を目の高さぐらいまで引き上げます。
(3)手のひらを反転させながら、両腕を勢いよく後方に振り上げます。
(4)(2)と(3)を繰り返し、20往復させましょう。

 

【2】肩甲骨のエクササイズその2(目安回数:20往復)

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(1)直立の状態から、両腕を体の前でクロスさせます。
(2)両腕を左右に思いっきり開きましょう。
(3)(1)(2)を繰り返し、20往復させましょう。

 

【3】サイドシザーズ(目安時間:30秒)

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(1)あお向けになったら、両ヒジを床につけて上体を起こし、両脚はピンと伸ばしたまま床から浮かせます。
(2)左右に大きく開脚し、右脚が上にくるようにクロスさせます。
(3)再び左右に大きく開脚したら、今度は左脚が上にくるようにクロスさせましょう。
(4)(2)と(3)を、交互に30秒間繰り返し行いましょう。

 

【4】バタ足(目安時間:30秒)

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(1)仰向けの状態になり、おへそを覗き込むような体勢になります。床にヒジをつき、体勢を安定させましょう。
(2)両脚をピンと伸ばしたまま、少しお尻が浮く高さまで持ち上げます。
(3)脚を左右交互に、上下に動かしていきましょう。これを30秒間繰り返します。

 

【5】バイシクル(目安時間:30秒)

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(1)仰向けの状態になり、おへそを覗き込むような体勢になります。床にヒジをつき、体勢を安定させましょう。
(2)両脚を軽く曲げ、自転車をこぐようなイメージで、大きな円を描くように、脚をゆっくりと動かしていきましょう。これを30秒間繰り返します。

 

【6】プッシュアップ(目安回数:10回)

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プッシュアップとは腕立て伏せのこと。10回繰り返し行いましょう。腕は肩幅よりも少し広めに開き、頭からかかとまでが一直線になるように心がけてください。もしこの体勢がツライようなら、ヒザを床に着けた状態で行ってもOKです。その場合、いちど腕立て伏せを行う体勢を取ってから、ストンとヒザを床に落とすようにしましょう。そして、ヒザが直角に曲がるよう、かかとを持ち上げながら行います。

 

【7】バーピージャンプ(目安時間:60秒)

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(1)直立に立った状態からスタート。
(2)床に手のひらをつけるようにして、しゃがみます。

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(3)両脚を勢いよく後ろに伸ばした後、(2)のように両脚を戻します。

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(4)両手を上に上げながら、真上に思いっきりジャンプをし、頭の上で手のひらをパチンと合わせます。これを60秒間繰り返し行います。

 

 

これらのエクササイズは、特に1日の中で1番代謝が低い朝に行うのがオススメです。
自宅でも簡単にできるトレーニングなので、みなさんも日々の生活にとり入れてみてはいかがでしょう。

 

桑原 弘樹

〈桑原塾〉主宰。多くのアスリートにコンディショニング指導を行うほか、スポーツ・サプリメントの開発にも携わる。