実践リポート・玄関ポーチの自転車収納をDIYでスマート化計画!

一家5人分の自転車が玄関ポーチを占拠するさまに辟易。

べつに誰に頼まれたわけでもないのに、突如ひとり勇み立ったDIY父ちゃんによる気まぐれチャレンジのドキュメント…。

 

Before

5台の自転車がぎゅうぎゅうに並ぶ玄関ポーチ。身動きしづらく、雑然としたさまが家族の精神に影を落とす…?

 

ドアが完全には開かない…

 

After

大人の自転車は宙吊り&縦置きで、床スペースを節約。子どもの自転車は自力で容易に動かせるよう床置きに。これで皆の心もスッキリでしょ!

 

余裕で全開!

 

<使用資材>

材の種類 長さ(mm) 数量 使用部位
SPF 2×4材 1820 4 棚支柱、宙吊り横架材
3040 1 棚支柱、宙吊りフック
SPF 1×4材 1820 10 棚板、宙吊りフック
SPF 1×1材 1820 3 棚受け、縦置きハンドル受け
相じゃくりスギ板(12×105mm) 2000 5 棚側板、ドア
1000 11 棚ドア
ヒノキ(9×30mm) 910 5 棚ドア横桟
水性屋外木部用塗料(1.6L) 1 全体
柱脚用金具 2 棚支柱
フェンスブラケット金具 1 宙吊り横架材
蝶番 4 棚ドア
取っ手 4 棚ドア
キャッチ 4 棚ドア
アンカープラグ(3.5×40mmビス) 2 棚支柱、縦置き後輪止め
胴クギ(19mm) 80 棚ドア
胴クギ(32mm) 60 棚側板
シリコンシーラント 1 各部
木工用接着剤 1 各部
丸棒(9mm径) 910 1 宙吊り横架材など
鉄アングル(30×30mm) 200以上 1 縦置き後輪止め
ビス(25スリム/41/65スリム/75/120mm) 適宜 各部

 

<使用道具>

丸ノコ、スチールカッター、インパクトドライバー(ドライバー1番&2番/ドライバー2番ロング/3mm径/3.5mm径/4.5mm径/9mm径/モルタル用5mm径ロング/モルタル用6mm径/鉄工用4mm径ドリルビット)、ノコギリ(アサリあり/なし)、カナヅチ、ノミ、コーキングガン、サンドペーパー、サシガネ、メジャー、水平器、ハケ、脚立

 

玄関ポーチ収納の改善で家族の精神的健康を…

ふと気づけば子どもが増えていた、ではマズいが、子どもの自転車ってのは、まさにそんな感じだ。

3人の子の成長に連れ1台ずつ増えていき、いつの間にか、わが家の玄関ポーチは一家5人分の自転車が占領。ドアが半開しかしない状態になっていた。

…なんて、いつの間にかも何も、当然、5台目のチャリがやってきた時点でドアが開かないことは判明していたのだが、決定的な不都合もないため見て見ぬ振りを決め込み、この状態で数カ月を過ごしてきたのだ。

しかし、こんな有り様、よくないに決まっている。決定的な不都合はないが、明らかに毎度毎度ちょっぴり不都合だし、重い荷物を持って出入りするときなど完全にイライラしていたもの。そうだ、わが家の揉め事のいくつかは、この玄関が原因に違いない。DIYerたるもの、ここはDIY収納術を駆使して玄関ポーチ事情を改善し、一家の精神的健康を取り戻さなければ…。

 

plan1 頭上壁面に棚を作る

既存のミニ物置の内容物が十分に収まる棚を頭上壁面に作り、ミニ物置分の床スペースをものにする!

 

壁裏の柱はハズしたようで意外とハズしていない

限られた敷地面積を有効活用するには、空中スペースを無駄なく使うのが常套手段だ。そこで目をつけたのが、もともと置いてあったミニ物置。これを頭上にリフトアップできれば、子どもの自転車1台分ほどの床面積があく。

というわけで、まずは既存の物置と同等か、それ以上の容量を持つ棚を空中に作ることに。しばらく逡巡したのちに選んだ方法は壁面利用。母屋の外壁に穴をあけることになるため躊躇したが、玄関ポーチの屋根が深く、台風でも雨は製作予定場所まで吹き込まないようなので決断。もちろん、それでもコーキングは念入りに行なうべきだろう。

ちなみに、壁面に穴をあけることなく4本の脚をつけてリフトアップすることも検討したが、収納物がけっこう重いことを考えると危険だし、脚が自転車収納の邪魔になりそうなので廃案となった。

さて、写真で説明するとおりの手順で行なった壁面棚作りだが、ハイライトは、序盤ながら、やはり外壁への下穴あけだった。壁の裏側に通っている家の柱に、棚の支柱をガッチリとビス留めしないと、重い収納物に耐えられない。だから下穴は、きっちり柱の位置にあけなければならない。失敗して壁に余計な穴をあければ、その分、浸水のリスクが増すから、絶対に避けたいところだ。

と、重要性を肝に銘じつつ挑戦した最初の下穴あけ。モルタル用ドリルがシュイーンとやや高い音を立てながら壁を削っていく。最初は探り探りだったため少し時間がかかったが、そのうちモルタル層を突き抜けたらしく、不意に手応えが軽くなった。

…ん? 手応えが軽くなっちゃまずいよね。それはつまり、裏に柱が通ってないってことじゃないの? あ、もしかして、もう少し右だったかなぁ? えー、いきなり失敗? 壁に余計な穴あけちゃったよー。

すっかりうろたえてしまった愚かなDIYerは、なぜかもう少し右に柱があると思い込み、発作的にドリルを突き立てる。力づくで失敗を取り消そうとするかのように、今度はアッという間にモルタル層を突き破ると、手応えは軽くなるどころかまったく無になり、回転するドリルに巻き取られるように断熱材のグラスウールが噴出して、ギョエェーッ!

そう、これこそが正しい失敗の姿だった。思い返せば、最初の下穴のときは手応えが軽くなってから赤茶色の粉が飛散していた。あれは柱が削れている証だったのだ。なるほど、相手がモルタルから木に変わると、あんなにドリルの手応えが軽くなるのね。これから同じ作業を行なう皆さん、そういうことです。断熱材ではなく木屑らしきものが飛び出してきたら、成功、you winですので、どうかうろたえないように。

こうして正真正銘の余計な穴をあけてしまったわけだが、この穴は、他の下穴以上にたっぷりとコーキング剤を注入してふさいだことは、言うまでもない。

壁面棚のわきに残る失敗の跡…

 

plan2 自転車収納を作る

既存の柱の間に横架材を渡し、フックをつけて自転車を掛ける宙吊り収納と、後輪とハンドルを簡易に固定して、自転車を縦に保持する縦置き収納を作る!

 

子どもに自転車宙吊りは無理、と彼女は言った

物置のリフトアップが完了したら、いよいよ自転車収納の計画を練る。これが楽しい。どんなふうにチャリをレイアウトしてやろうか。もちろん、コンセプトは空中利用だ。あっちにこのチャリを宙吊りして…その下にもう1台吊るせるかな? いや、子どものチャリなら、横に2台並べて吊るせるかも? うーん、やっぱり子どものチャリは立てて3台並べるか? チャリを立てるだけでも、けっこう床面積の節約になるからな。ねーねー、どー思う?

すっかり無邪気になってしまったボクの質問に、ヨメは凍てつくようなオーラで答える。

「子どもが自力で自転車を持ち上げて吊るすなんて無理でしょ。自転車を立てるのだって多分きついよ。私だって、いちいち重い自転車を持ち上げて吊るしたくなんかないし。てかムリ」

…なんたることだ。どんな不幸を経験すれば、この非協力的な態度がとれる? ちょっと考えてみ。そんなにダメ出しばかりしてたら、全然おもしろくない、極めて地味で当たり前な光景に仕上がってしまうでしょ。そんな地味なザマじゃ、『dopa』に載せても読者の目は引かないでしょ。あっちの空中にもこっちの空中にも、チャリが面白おかしくディスプレイされてる奇抜な画が欲しいのよ。

「でも、現実的に使えないもの作って雑誌に載せても、誰もそんなの作らないんだから、全然意味ないじゃん」

…なんたることだ。こんなところでDIY雑誌編集者にとって根源的な問いを投げかけられるとは。常日頃、誌面のインパクトと実用度至上主義の狭間で揺れているボクは、これですっかり弱ってしまい、気づけば、自分の自転車のみ宙吊り、ヨメの自転車はせめてもの縦置き、子どもの自転車はすべて床置きという、ほどよく実用的な玄関ポーチ自転車収納にまとめ上げていた。…この仕上がり、あなたはどう評価しますか? とりあえず、ドアは余裕で全開できるようになったし、わが家の玄関ポーチ収納事情は、すっかり改善されたと言っちゃってよさそうなんですが…。

製作・文・写真◎豊田D作

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2013年10月時のものです。

誰でも美しく棚板を留められる!全米No.1メーカー「Kregポケットホールジグ」の使い方を詳しく解説!

棚を作る際、棚板の留め方はたくさんある。留め方次第で、スマートな棚になったり、頑丈な棚になったり、便利な棚になったりする。

単純なビス留めにもさまざまな方法があるが、ここでは誰でも簡単に美しく仕上げられる「ポケットホールジョイント」と呼ばれる固定パターンについて紹介したい。

ワンランク上の収納家具を作りたい人は必見です!

 

ポケットホールジョイントは裏側から留めるので、ビス頭が見えず、強度も十分にある

 

見えない位置から斜めに下穴をあけて棚板をつなぐ

ポケットホールジョイントとは、材料の裏面に斜めに下穴(ポケットホール)をあけ、ポケットホール専用ビスで接合する方法のこと。表面からビス頭が見えないので、見た目はきれい、かつ十分な強度が確保できる。

接合箇所をきれいに仕上げる方法には埋め木やダボ継ぎなどがあるが、それらと比べるとスピーディーに作業できるのが特徴。通常のビス斜め打ちはややコツが必要で、慣れないと失敗しやすいが、ポケットホールでは専用のジグをドリルガイドとして使い下穴をあけるため、ビギナーでも簡単に作業できる。非常におすすめの方法だ!

 

ビスを下に隠せる
見えにくい場所にポケットホールをあけるようにすれば、見た目すっきりで美しく仕上げられる。ポケットホールさえあいてしまえば、あとはビスを打つだけなので組み立て作業も超簡単

 

秘密は2段の下穴
ポケットホールジグを使えば、ビス頭が収まる大きい下穴と、ビスを打つための細い下穴が専用のドリルビットで同時にあけられる。これにより、ビスを打つ方向や角度が決まるので、ビギナーも安定した斜め打ちが行なえるようになる

 

カスタマイズは無限大!
ポケットホールジョイントでノックダウン式シェルフを作ってみよう

作り方はいたって単純。木取り後に棚板にポケットホール加工を施し、側板に天板・棚板を縦に1列ずつ固定してユニットを作り、最後にそれぞれを合体させるだけ(ノックダウン方式)。作例では階段状に製作したが、中央が凹んでいたり、橋渡ししたような状態で連結したりと、デザインは自由自在。ポケットホールを用いれば、このように棚板が隣り合う構造のシェルフも気軽に作れる!

 

<主な使用道具>
Kregポケットホールジグ320、ドライバードリル、クランプ、サシガネ、サンドペーパー

<その他の材料>
ポケットホール専用ビス(32mm)

<木取り表>

材の種類 サイズ(mm) 数量 使用部位
パイン集成材(18mm厚) 1112 2 側板A
764 1 側板B
416 1 側板C
400 9 天板・底板・棚板D

 

<Kregポケットホールジグ320を使ったノックダウン式シェルフの作り方>
*画像をタップするとご覧いただけます

 

棚の完成度が高まるポケットホールジグの決定版「Kregポケットホールジグ320」

キャリーケースの中に、ドリルガイド(ジグ本体)、ドリルビット、スクエアビット、シックスネスゲージ、クランプアダプター、ポケットホール専用ビスがセットになっている。板厚13~38mmに対応。AmazonほかECサイトにて販売中。希望小売価格7980円(税込)。

●問い合わせ先…(株)Japan Liebe

 

全行程をまるっと凝縮してお見せするYouTube動画はこちら!

tokobo wood

9年前から独学で木工を学び、YouTubeやwebサイトにて木工家具・図面の販売、テクニック指導を行なう木工家。愛知県を中心に全国でイベント出展・協力、ワークショップも精力的に活動している。
https://tokobowood.com/

味気ないスチール製の物置を変身させるアレンジ術/ガーデン収納DIY大作戦!(番外編1)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

 

引き戸のみを付け替えちゃった! 味気ない物置を変身させるアレンジ術を公開

コレが……

物置の元の姿。よくある味気ないスチール製の物置だった

こうなる!

ウッディなオリジナルドアをつけることにより、庭に馴染むようになった物置。ドアのサイズは1枚当たり幅700×厚さ24×長さ1820mm

 

<DATA>
製作者…Nさん(67歳・DIY歴30年)
製作期間…3週間
製作費用…4000~5000円

 

どこの家でも見かけるスチール製の物置。dopa読者であれば「こいつ味気なくて、なんかつまんないんだよな~」と思っている人も多いはず。捨てるにはちょっと手間がかかるしもったいない、だけどこのままはなんとなく嫌。

だったら一部分を改造して庭に馴染ませちゃうってのはどうでしょう! 物置からドア部分のみを取り外し、自作のドアに付け替えたのがNさん。ビフォー・アフターを見ればわかるとおり、既存のドアを付け替えるだけで、こんなに雰囲気が変わっちゃうのは驚き。

Nさんがドアに使用した主要資材は、12mm厚と16mm厚のスギ板の廃材。これらをはぎ合わせながら進めていくドア作りのテクニック、公開しちゃいます!

 

*掲載データは2013年10月時のものです。

6つの竹活用アイテムをDIY!正しい良い子の竹くらべ/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(25)

里山暮らしの難題のひとつは、はびこる竹林だ。ちょっと放っておくと竹藪と化し、本来の生態系を破壊するとも言われている。

そこで、小春日和のある日、里山に集合し、外遊びで使える、竹を使ったもの作りを編集部で実践、遊びついでに、竹害の解消にひと役買おうということになった。

竹フレームのドームハウス、竹スモーカー、竹ルアー、竹竿、竹カトラリー、竹の珈琲ドリッパーなどを製作。

題して、正しい良い子の竹くらべ。結果は…!?

 

正しい良い子は、竹ルアーと竹竿で釣った魚を、竹スモーカーで燻製して竹皿に載せ、竹フォークと竹ナイフで食べ、竹ドリッパーで淹れたコーヒーを飲んでから、竹フレームハウスで寝るのだ

 

今こそ、竹伐採の絶好時期

竹害は、近世に、筍をとるために移入された孟宗竹が放置されることによって生まれたというのが定説になっているようだが、dopaのガーデンスタジオの敷地内でも、油断すると、スギやヒノキに混じって、竹がはびこる。(ただし、孟宗竹ではなく真竹なので、やや細めで、肉厚も少なめ。孟宗竹に比べ、伐採が楽)

そんなわけで、暇を見つけてはせっせと竹を伐採し、これまで、竹フェンスにしたり、竹炭にしたり、竹灯りにしたり、ツリーハウスの外壁材にしたりと、竹材の有効利用に努めてきたが、それでもまだ、竹は増え続けている。これをなんとかしたいと考えたのが、竹を使ったモノ作りだ。それも昔からよく見られるような水鉄砲や竹馬なんかのオーソドックスな竹クラフトじゃなく、よりチャレンジ精神にあふれた外遊びのためのもの作りだ。11~2月の今の時期、竹は水揚げが止まっているため、乾燥が早く、虫もつきにくいので、タイミング的にも悪くはない。

で、ガーデンスタジオに集まったのは編集部の面々。それぞれとっておきのアイデア(?)を持ち寄り、ドゥーパ!スタイルの「竹くらべ」を実践したのだが…。

 

竹ルアーを作る

<用意する材料・道具>
竹、手作りルアーの目玉シール、手作りルアー用の模様をつけるシール、釣り針、手作りルアーのための小さなリング(スプリットリング)、最小サイズのヒートン、竹挽用ノコ、切り出しナイフ、ディスクグラインダー(サンディングディスク装着)、紙ヤスリ、ピンセット、ラジオペンチ、キリ

 

竹の延べ竿を作る

<用意する材料・道具>
竹の先部分(2m程度、年数が経って、なるべく硬くてまっすぐなもの。)、竹挽用ノコ、切り出しナイフ、紙ヤスリ、バーナー、手芸用のリリアン紐、糸、瞬間接着剤

 

竹スモーカーを作る

<用意する材料・道具>
太めの竹、120mmのコーススレッド、竹挽用ノコ、紙ヤスリ、金属製の缶の丸いフタ(直径70mm程度)、キャンピングストーブ&燃料、燻製用チップ、Sカン

 

カトラリーや竹皿も作ってみました

 

これもいける! 超簡単・珈琲ドリッパー

 

竹フレームのドームハウスを作る

<用意する材料・道具>
太めの竹(8~15cm径、4mを5本程度)、針金、竹挽用ノコ、ナタ、ハンマー、インパクトドライバー(10mm径ドリルビット装着)、マジックペン、ペンチ、タープ(ヘキサタイプ)

 

今回のメインイベントが、竹のドームフレームハウス作り。4~6分割した竹材を組んで ドーム型のフレームを作るという作業だ。いろいろな資料を見てみると、基本的な組み方には幾何学的なセオリーがあるようで、そのセオリーを忠実に守る方法がベストだという結論に。また、ここではデッキの上で作ったので、竹で大きな輪を作り、その内側でフレームを組んだが、地面で作る場合は、10本の杭を円状に打ち、その杭にフレームを固定するという方法もあるようだ。

*小さく表示されている画像はタップするとご覧いただけます。

*掲載データは2017年12月時のものです。

 

半野外空間でコーヒータイムを楽しむパーゴラつきミニデッキをDIYで作ってみた!

ガーデニング作業の合間の一杯のコーヒータイム。

スツールに腰掛け、ガーデニングプランを立てながら、ゆったりと過ごす時間。

できれば風が頬をかすめる半野外な空間がベストだ。

独りで庭を眺めながら、ほっとひと息つく。

男のそんな思いに感応し、DIYで作る「庭カフェ」を提案。その作り方を解説しよう。

 

庭作業のブレイクタイムにこんな場所があったらやすらぐよね~?

 

夜はランタンを灯して、1日を振り返る…なんていい感じです

 

 

<使用材料一覧>

木材 2×4材、2×8材、4×4材、1×6材、サネ加工のスギ壁板、枕木(1200mm)、垂木
金物…コーススレッド(75/65/38mm)、細ビス(45mm)、鉄筋(10mm径)、傘クギ、スジカイ、ワイヤーメッシュ(2.6mm径)
石材…羽子板つき沓石、アンティークレンガ
塗料…油性ステイン、水性ステイン
その他…ポリカ波板、砂、珪砂

 

<主な使用道工具>

インパクトドライバー(ドライバービット/木工&金工ドリルビット)、トリマー、丸ノコ、スライド丸ノコ、ディスクグラインダー、ノコギリ、カナヅチ、カンナ、ノミ、水平器、丸ノコガイド、留めスコヤ、メジャー、番線カッター、ラジオペンチ、石工ハンマー、目地ゴテ、ガスバーナー、ハケ、ペール缶、脚立、養生シート

 

DIY POINT1 基本的な骨組みとデッキ部を作る

現状は、不定形のやや狭い場所。ここに屋根つきパーゴラ状のオーバーヘッドとデッキ&レンガペイビングの床、さらに壁をつけて、半分野外の部屋的空間を作る。まず、土台と基本的な骨組みを作る。

 

DIY POINT2 屋根を張る

ここではクリアのポリカーボネイト波板を屋根材として張ったが、垂木の密度を増やしてそのままにするのもよし、夏はよしずをかけたり、ツル性の植物を這わせたりして、天然の日陰にしても面白い。

 

DIY POINT3 アンティークなレンガでミニペイビング

床の手前右側はアンティークレンガをペイビングした。まずエッジ部分をやや深く掘り込み、レンガを立てて並べてエッジングとし、内側は地面をならしたあと、砂を敷きながらぴったりと敷いた。ハンパ部分はカットして調整。モルタルはまったく使っていない。

 

DIY POINT4 壁・棚・デスクを作る

板材を使った壁張りは、横使いでもいいし、縦使いでもいいのだが、ここではサネ加工したスギ板をすき間なくぴったりと合わせて縦に張っていった。ただし、上側の壁は採光のため、すき間をあけた。また壁張りの前に、その下地作りを兼ねて、横桟や棚板、さらに折りたたみ式のデスクを取りつけた。

 

DIY POINT5 枕木ウォールを立て、メキシカンタイルを張る

この空間にアクセントをつけるために、古い枕木を2本、右側に立てることにした。段違いに立て、変化をつけると同時に、メキシカンタイルをはめ込んで遊び心をアピールすることにした。

 

デスクの天板にもメキシカンタイルを張ってみた!

枕木と同様、今度はデスクの天板にもメキシカンタイルを埋め込むことに。今度は3枚のタイルを横に並べて張ってみた。

一度天板をはずし、トリマーで掘り込んだあと、ノミできれいに掘り込みを仕上げ 、やはりマルチ接着剤でタイルをはめ込んで接着した。いい感じです

 

DIY POINT6 押し開き窓を作る

正面から見て左の壁はすでに塞がっているが、これを開口し、押し開き式の窓をつける。3mm厚のアクリル板をはめ込んだ窓は、2×6材を割いたものを枠板とし、ストレートビットをつけたトリマーで溝加工したものだ。

 

DIY POINT7 鉄筋でランタンハンガーを作る

変哲のない鉄筋がノスタルジックな小物に変わる。ディスクグラインダーで適当な長さにカットしたあと、焚き火やガスバーナーで先端部を炙り、真っ赤になったところを石工ハンマーで叩いて、できるだけ平たくする。ここに上下に穴あけしたあと(金工用ドリルビット使用)、柱にビス留めすれば、いい感じのランタンハンガーになる。

 

DIY POINT8 エイジング塗装する

主な組み付けが終わった時点で塗装に入る。選んだのはキシラデコールの油性ステイン(エボニ)と水性ステイン(ワイス)。壁やデスク等のメイン箇所にエボニを塗り、デッキと窓枠、それにスツールをワイスで塗った。ただし、デッキ、窓枠、スツールはワイスを塗る前に、ガスバーナーで焼きムラを作り、その上にワイスを塗った。これでオシャレなエイジング塗装となるのだ。

 

ビギナー向きの簡単スツールを作ってみよう

1×6材2枚を並べた座板を2×4材の受けと脚で支える超簡単スツール。接合はすべてビスによる突き付けで、まさにビギナー向けの木工作品だが、簡単なエイジング塗装のアイデアで素晴らしい作品に変身する。

 

オシャレなワイヤーネットをつけてみよう

コンクリート補修用のワイヤーメッシュを加工し、両側に板材を取り付けて壁に取り付けるといろいろな小物を引っ掛けられるネットになる。

 

これで完成!

壁収納を利用して、いろいろなガーデンアイテムを収納するのに便利。デスクにはパソコンやクッキングストーブをおいてひと休み空間を楽しめる

写真◎佐藤弘樹/製作◎アポロ佐藤

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2013年2月時のものです。

手作りキャンプアイテムのアイデアとテクニックが満載!DIYキャンプギアに関する記事をまとめました

キャンプブーム&DIYブームで、キャンプで活躍するグッズ・ギアも自作する時代!

本記事ではこれまで掲載した、全国のキャンパーたち自慢のオリジナルギアや、定番ギアの実践リポート記事をまとめて紹介します!

 

 

キャンプギア作り・DIY実践リポート編

 

1.焚き火スタンド&ハンガー

溶接なしで作れる焚き火ギアセット。火床のメッシュは交換可能で経済的。お手軽アイアンDIYでタキビストに変身だ!

 

2.焚き火用ヘキサテーブル

キャンパーが欲しいギアNo.1のテーブルを超ローコストかつお手軽に作っちゃおう!天板と脚はホゾ継ぎで接合。ビスやクギは一切不要!

 

3.ドーナッツグリルテーブル

ちゃぶ台スタイルでワイワイ楽しもう!サイドテーブルと一体化したちゃぶ台モードにもなる!

 

4.アウトドアナイフを作ってみた!

鉄工用の金ヤスリが、なんとナイフに変身する。簡単レンガ炉で熱し、ハンマーで叩いて、ディスクグラインダーで成形・研磨するという流れ。はじめてでも1日あればできてしまうナイフ作りをリポート!刃の長さは約90mm。ハンドルはヒメシャラの木

 

5.革でナイフのシースを手作りしてみた!

手作りシースの定番は革か木だが、ここではあえて本誌で馴染みのないレザークラフトを取り上げよう。初心者でも十分楽しめる内容なので、皆さんぜひチャレンジを!手作りナイフにぴったり合うシースが完成した。革だけに、時とともに味わい深さが増すだろう

 

6.カップ(ククサ)を作ってみた!

フィンランドに古くから伝わるククサというカップをイメージしたデザイン。ブロック状の木材をひたすら手工具で削るという、シンプルな作業で作り上げる。削り作業に没頭する時間、手作業で作ったものならではの味わい…満足度120%!手で削ったからこその素朴な表情がいい

 

7.すぐできる技を直伝!キャンパーのための鉄&布加工テクニック

鉄工編

裁縫編

DIYキャンパーのネクストステップは、ズバリ鉄と布の加工。木工と組み合わせれば、ギア作りの幅が一気に広がること間違いなし!ここでは誰もがトライできるお手軽テクニックを厳選して紹介

 

 

全国のDIYerによる自作キャンプギア・実例編

 

8.大人の火遊びアイテム「手作りストーブ」の世界

9.屋外の暖房器具「手作り焚き火台」の世界

きっかけは趣味の竹細工で大量に出る端材をエネルギーに変換するため。手始めに小さなロケットストーブを作り、その後は薪ストーブ、焚き火台……、気づけば数々のアウトドア用の燃焼アイテムを自作してきた。そんな西川さんが気の合う仲間と集い、火を楽しむために作った作品の一部を紹介!

 

10.おしゃれで機能的なローテーブルが大集合!
前編
後編

キャンプメシのお供にぴったりなローテーブルを5作品収録!

 

11.ハイクオリティなキャンピングチェアが大集合!

DIYとは思えないハイクオリティな椅子を3作品掲載!いくつものスティック状の材が並ぶ写真のチェアは、デザイン的にも面白い

 

12.持ち運びに便利なキャンプ用の棚(シェルフ)を紹介!

記事内では2作品紹介。写真はリマジャグの購入をきっかけに作ったというジャグスタンド。自作するならコンパクトさが大事!

 

13.散らかりがちな小物類はハンガーラックですっきり!

記事内では4作品掲載。写真は硬質な素材ながら、曲線が柔らかさを感じさせるアイアンらしい作品だ。6mm径の丸鋼はペンチで簡単に曲げることができるそう

 

14.自作ハンモックでキャンプサイトをもっと快適に!

写真は、レインボーカラーのハンモックに、濃いグリーンがぴったりのハンモックスタンド。先端のコースターがアクセントになっている

 

15.こんなものまで!?なユニークなキャンプギア

左の炭の入った炉で飯盒内部の水を温め、右のコップに入れた酒を湯煎する仕組み。スルメイカでもあぶりたくなりますな~。他にはドリッパースタンドや背負い籠など、4作品を掲載。

 

オリジナルキャンプギアを作る本の第2弾『DIYでキャンピングギアを作る本Vol.2』が好評発売中!

同書は、2018年に発売し9刷を重ねたムック「DIYでキャンピングギアを作る本」の第2弾。昨今のアウトドアブームやDIYブームによって、キャンピングギアを自作する人が急増しているなか、「dopa」編集部が総力を挙げて、キャンパーたち自慢のオリジナルギアを全国で取材。手作りキャンプアイテムのアイデアとテクニックが満載の一冊です。

*内容の詳細はコチラ!

【書籍概要】
著者:ドゥーパ!編集部
定価:本体1600円+税
判型:A4変形

dopa編集部が実践!塗り壁のキュートな物置を作ってみた!/後編

dopa本誌でこれまで何度かお届けしている物置作り完全リポート。

今回のテーマは、木の壁とはまた違う温かい表情が特徴的な塗り壁だ。

物置とはいえ、その佇まいに心惹かれる、キュートな庭の構造物となるだろう。

作り方は意外とカンタン。DIYで味わい深い作品をモノにできること請け合い!

 

*道具や資材、床作り~壁の骨組みの作りなどを解説した前編はコチラ

 

意外とカンタン!

 

物置の構造図面

 

作業の流れ
  1. 床を作る
  2. 壁の骨組みを作る
  3. 屋根を張る
  4. 壁を張り、各部を仕上げる
  5. 外壁材を塗る
  6. 外壁を塗装する

 

Step3 屋根を張る

 

POINT02 相欠き加工は意外と簡単

2本の材の接合部を半分ずつ切り欠いて組み合わせる相欠き。高精度に仕上げるのは難しいが、今回の使用箇所はそれほどシビアに精度を求められるものではないので、ビギナーも十分に対応可能だ。

 

Step4 壁を張り、各部を仕上げる

 

POINT03 丸ノコできれいに窓抜き加工する

小さい窓抜き加工ならジグソーを使ってもいいが、今回のように大きい場合は丸ノコが向いている。長い直線カットが必要になるので、直線ガイドを使うと仕上がりの差は歴然。というわけで、直線ガイドの自作方法から紹介しよう。

<直線ガイドの作り方>

<窓抜き加工の手順>

 

Step5 外壁材を塗る

 

POINT04 セメント+軽量発泡骨材で施工しやすく、味のある仕上がり

今回の塗り壁のポイントは、セメントに砂を混ぜたモルタルではなく、軽量発泡骨材を混ぜたものを使うこと。この発泡スチロールを細かく砕いたような骨材を混ぜれば、モルタルに比べ軽くて粘りがあるからDIYでも施工しやすく、骨材が大きいから厚塗りも容易。また、均一に近い塗り厚ながら細かい凹凸があるから、モコモコとした温もりのある表情に仕上げやすいのだ。

 

POINT05 壁塗りの必需品、コテ板は自作でOK

左官バケツやトロフネで塗り材を練ったら、適度な分量をコテ板に載せ、そのコテ板を片手で持ちながらコテ塗りをするのが基本。コテ板は市販されているが、合板の端材などで簡単に作れるので自作がオススメ。なお、コテはさまざまな種類があり、プロは各種使い分けるが、使用回数の少ないDIYでは金属ゴテが1本あればOK。長さ180~210mm程度のものが扱いやすい。

 

Step6 外壁を塗装する

 

POINT06 水性塗料を水で薄めると塗りやすさ劇的アップ!

軽量発泡骨材を混ぜたセメントを塗った壁面は、凹凸があり、窪み部分には塗料が入り込みにくいので、水性塗料を水で少し薄め、サラサラの状態にするとスムーズにまんべんなく塗れる。また、広い面をローラーで塗り、端部をハケで塗るのが基本だが、とくに塗料が入りにくい窪みには、ハケで突くように塗ったり、筆で塗ったりすると、きれいに塗ることができる。

 

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2013年10月時のものです。

dopa編集部が実践!塗り壁のキュートな物置を作ってみた!/前編

dopa本誌でこれまで何度かお届けしている物置作り完全リポート。

今回のテーマは、木の壁とはまた違う温かい表情が特徴的な塗り壁だ。

物置とはいえ、その佇まいに心惹かれる、キュートな庭の構造物となるだろう。

作り方は意外とカンタン。DIYで味わい深い作品をモノにできること請け合い!

 

意外とカンタン!

 

物置の構造図面

 

使用した木材
材の種類 サイズ(mm) 使用部位
SPF 2×4材 1820 5 床・正面骨組み
SPF 4×4材 910 1 束柱
SPF 1×4材 1820 3 ドア骨組み
SPF 1×1材 1820 3 戸当たり
ホワイトウッド30×40mm材 1820 25 正面・側面・背面・屋根骨組み
針葉樹合板(9mm厚) 910×1820 2 床、屋根下地、軒天
ラワン合板(5.5mm厚) 910×1820 1 ドア
ウエスタンレッドシダー 2×6材 約700 1

 

その他の材料

基礎…羽子板つき基礎石4個、砂利(20㎏)1袋、インスタントモルタル(25㎏)1袋

屋根…ルーフィング、屋根材(オンデュビラタイル)4枚、棟カバー(オンデュリン)1枚、オンデュリン専用クギキャップ

壁…ラスカット(7.5×910×1820mm)4枚、下端起こし、シリコンシーラント、マスキングテープ、マスカー、セメント(25㎏)2袋、軽量発泡骨材2袋、発泡スチロール(10mm厚)、セメント壁用シーラー1L、セメント壁用塗料1L、タイル接着剤、タイル、タイル目地材

その他・全体…屋外木部用水性塗料1.6L、丸棒(9mm径)、蝶番、掛け金、ステープル、ビス(19/35スリム/41/65スリム/75mm)

 

材料費の目安

4万5000~5万円

 

使用した道具

丸ノコ、インパクトドライバー(ドライバー1番&2番/3.2mm径ドリル/3.5mm径ドリル/9mm径ドリルビット)、ディスクグラインダー(多羽根ディスク)、ノコギリ、ノミ、カナヅチ、タッカー、角度定規、クランプ、カッター、サンドペーパー、サシガネ、メジャー、水平器、脚立、スコップ、自作タンパー、電動かくはん機、トロフネ、練りクワ、コテ、コテ板、左官バケツ、コーキングガン、ローラー、ハケ、筆、塗料用バケット、ゴムベラ、ウエス、ブルーシート

 

作業の流れ
  1. 床を作る
  2. 壁の骨組みを作る
  3. 屋根を張る
  4. 壁を張り、各部を仕上げる
  5. 外壁材を塗る
  6. 外壁を塗装する

 

Step1 床を作る

 

Step2 壁の骨組みを作る

 

POINT01 勾配は現物合わせ。角度定規があると便利

屋根に雨流れの勾配をつけるため、壁の骨組みの上端に勾配をつける。角度は任意。今回は正面と背面に150mmの高低差をつけることにした。高低差を決めたら、実際に材を配置して、現物合わせで角度を墨つけ。その墨線に合わせて角度を設定した角度定規をガイドにすれば、すべての材を同じ角度でカットできる。

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*掲載データは2013年10月時のものです。

F型クランプを自作してみよう!/ひとりでDIYに励むお父さん応援企画!クランプ・万力徹底ガイドの特別編

「ちょっとココ押さえてて」、「そっちもう少し持ち上げて」…、そんなことを気軽に頼める相方がおらず、切ない思いに駆られたことがあるDIYerは少なくないはずだ。

運がよければ、ものわかりのいい優しい奥さんや子供が手伝ってくれるかもしれないが、それだって、それぞれに予定もあるし、機嫌の良し悪しもあるし…。

ならばDIYerよ、ひとりでも不自由なく作業を楽しめる術を身につけようではないか!

まず知るべきは、クランプだ。そして、同士たちが編み出したテクニックだ。

これで、ひとりDIYがますます愉快になること間違いなしだ~!

*クランプの種類と使い方編はコチラ

*万力の種類と使い方編はコチラ

 

作って使う道具DIY、F型クランプを作る

クランプは数がいるもの。数が増えれば経済的負担もそれなりになる。そこで、作れるなら、自作してみようということで、F型クランプを作ってみた。既製品のような完璧さはやや欠けるが、それなりに使うことができる。

 

自作したF型クランプ。アゴが木製ということで、ちょっとウッデイな雰囲気

 

クランプの定型といわれるF型クランプを手作りする。材料はホームセンターでそろえられるもので集めている。部材の数は6点とシンプルなものだ。目新しい部材といえば高ナットと呼ぶ、長さのあるナット。なければ、普通ナットや蝶ナットでもいいが、高ナットだと早回しがしやすい。工程で気を使う場面は穴あけで、穴が傾かないようにあけることが大切だ。堅い材を使いたいところだが、はじめの1台は、この作例どおり作ってみて、自作に自分なりの工夫を加えて、オリジナル度を上げて楽しみたい。

 

<木取り表> *単位はmm

材の種類 サイズ 数量 使用部分
垂木材(30×30) 110 2 アゴ
120 1 ハンドル
ボルト(8mm径) 150 2
高ナット(8mm径) 30 1 ロックナット

 

 

F型クランプの自作手順

写真◎冨士井明史/インストラクター◎白井 糺

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年4月時のものです。

ピザ窯や薪ストーブライフの必須設備・薪棚を作ってみた!/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(23)

薪ストーブやピザ窯などで使う薪は、生木だと煙が出るので、できるだけ乾燥させたほうがいい。そこで薪を乾燥させながらストックできる薪棚が欲しい。薪棚は薪を収納するだけじゃなく、薪を乾燥させる場所でもあるのだから。

 

簡単に作れる薪棚。できれば薪は間伐した順に並べ、できるだけ乾燥が進んだものから使うようにしたい

 

びっしり並んだ薪の木口群は、薪ストーブのある暮らしのシンボルだ

房総の里山にあるドゥーパ!のガーデンスタジオにはピザ窯もあるし、薪ストーブもあるし、ロケットストーブもある。そこで使用する薪は、玉切りした間伐材を割ったものだが、資材置き場の隅に置いてあったり、ピザ窯の横に積んであったりして定位置がなかった。適当に乾燥した薪を選んで使っていたのだが、乾燥期間がわからないので、薪を放り込んでみたらピザ窯の中が煙だらけになるということもあった。

そこで、風通しがよくて、取り出しやすいところに薪棚を作ることにした。薪は間伐した時期がわかるように順番に並べ、できるだけ乾燥の進んだ薪から使うようにすればいい。

選んだ場所は以前建てた高床式の小屋の軒下。ここなら適当に風が吹き抜け、乾燥しやすい。薪は冬の間、薪ストーブで使ったり、週末ピザ窯に使う程度だからそれほど大規模なものは必要ない。

製作は半日で十分だった。まず、古いブロックやレンガ敷きのテラスに基礎パッキンを置き、その上に1本柱を立てて小屋の壁に固定。これを基準にして、残った柱、横桟、棚板の受け、屋根の下地などを取りつけて骨組みを作る。あとは屋根材を張り、棚板を載せて固定し、最後に塗装をしてできあがり。幅約1800×奥行約400×高さ約1600mmの小さな薪棚だ。棚は2段にした。2×4材、垂木、サイプレス(豪州ヒノキ)などの廃材を活用したから、費用はほとんどかかっていない。屋根材は、以前小屋の製作で使ったオンデュリンの波板の残りだし、基礎パッキンは住宅建設中の現場からもらってきたものを使用。棚板は古くなってはがしたデッキの床板だ。

 

<簡単な薪棚の作り方手順>

 

2×材の接合パーツを使えば、さらに簡単

もちろん、薪棚はいろいろな作り方があっていい。

いちばん簡単なのは、たとえば、プラスチックや金物などを使った2×材の接合パーツを使って組んでいく方法だろう。2018年の夏の終わりに、千葉の幕張メッセで開かれたDIYショウで本誌がプロデュースしたテーマゾーンには、プラスチック製の「シェルフリンクス」というパーツを使った薪棚を飾っていたが、あれは本誌のスタッフが、現場でほんの数十分で組んだもの。シェルフリンクスは1個600~900円程度かかるので、大規模な薪棚を作る場合は、それなりに費用はかかるけれど、DIYビギナーやめんどくさがり屋にはおすすめ。

また、降雪地域など、頑丈で大規模な薪棚が必要になるところでは、単管パイプでガッチリ組んだり、鉄骨構造にしたり、それなりの対応が必要だろう。ほかにも、見た目にもかっこいい薪棚の自作キットや市販の薪棚も用意されているが、これは価格がやや高い傾向にある。

 

DIYショウのテーマゾーンでは、棚の接合パーツ(シェルフリンクス)を使った超簡単な薪棚を置いた

 

さっそく、できあがった薪棚に薪を積み上げてみた。焚きつけに使える細かな薪は、まとめて小さなコンテナに入れ、薪棚の下に。あとは、乾燥期間の新しいものから順番に薪を積んだ。不定形の薪の木口がびっしりと並んだ様もけっこう美しい。

これで冬の薪ストーブライフも安心だ。これなら、薪を割るモチベーションも上がるはず。簡単な薪棚作り、まずは大成功!

 

薪を作るなら、本誌オリジナルの薪割り機が便利

ちょっと宣伝。というよりホントにおすすめしたいのが、dopaの通販コーナー「dopa SHOP」で販売している「オリジナル薪割り機」を使った薪作りだ。大きな節さえなければ、女性でも簡単に薪が割れる画期的なツールで、これは2017年と2018年のDIYショウの実践で証明済み。使い方は、ステンレスの棒をシャカシャカとスライドさせて、玉切りした丸太の木口に打ち込むだけ。大した力はいらず、簡単に薪が作れる。DIYショウで初めて使った人の誰もが「なるほど…」と、納得していたすぐれものツールだ。

 

文・写真◎脇野修平

*掲載データは2018年10月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

シラカバの木をくり抜くように削って、カップ(ククサ)を作ってみた!/男心を刺激するアウトドア小物を作ろう(3)

アウトドア気分が高まる季節。今年は自作のアイテムを伴って、いっそう味わい深い時間を過ごそう。意外と簡単に作ることができ、手にすれば大いに心を満たしてくれるアウトドア小物の作り方を紹介!

 

CRAFT3 木でカップ作る

親しみやすいアウトドアアイテムといえば、木のカップ。ブロック状の木材をひたすら手工具で削るという、シンプルな作業で作り上げる。削り作業に没頭する時間、手作業で作ったものならではの味わい…満足度120%!

*金ヤスリのアウトドアナイフ作りの様子はコチラ!

*革でのナイフ用シース作りの様子はコチラ!

フィンランドに古くから伝わるククサというカップをイメージしたデザイン。手で削ったからこその素朴な表情がいい

 

自然の中に身を置き、手作りナイフで切った肉を頬張る…。ワイルドだ…。そんな自分にいっそう酔いしれるためにも欲しくなるのがウイスキーやワイン。器はやっぱり手作りじゃなきゃね。というわけで、木のカップ作りに突入。実践してくれるのは、シース作りに引き続き、長野修平氏。フィンランド伝統の「ククサ」タイプのカップを作る。地道に手工具で削る作業、ハマりますぞ~。

 

<カップ作りの道具と資材>

 

<1、内側を削る>

 

<2、外側を大まかに成形する>

 

<3、塩煮をする>

 

<4、形を仕上げる>

 

<5、クルミ油を塗る>

*掲載データは2013年4月時ものです。

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写真◎佐藤弘樹

革でナイフのシース(さや)を手作りしてみた!/男心を刺激するアウトドア小物を作ろう(2)

アウトドア気分が高まる季節。今年は自作のアイテムを伴って、いっそう味わい深い時間を過ごそう。意外と簡単に作ることができ、手にすれば大いに心を満たしてくれるアウトドア小物の作り方を紹介!

 

CRAFT2 革でナイフシースを作る

前回、完成したナイフにぴったり合うシース(さや)が欲しい。手作りシースの定番は革か木だが、ここではあえて本誌で馴染みのないレザークラフトを取り上げよう。初心者でも十分楽しめる内容なので、皆さんぜひチャレンジを!

*金ヤスリのアウトドアナイフ作りの様子はコチラ!

手作りナイフにぴったり合うシースが完成した。革だけに、時とともに味わい深さが増すだろう

 

革のシースを作りたくて訪ねたのは、クラフト作家の長野修平氏。趣旨を伝えると、「カンタン、カンタン!」と頼もしい返事。「要はナイフの形状に合わせて革を切り、筒状に縫い合わせればOK」との説明を聞くと、確かに手軽な感じがする。というわけで、長野さんにシース作りを実践してもらったところ、菱目打ちやスピーディースティッチャーといった特殊な道具が登場したものの、やっぱり作業はいたって単純。もちろん、熟練度によって仕上がりに差はあるだろうが、味わい深い革のシース、初心者だって間違いなく作れます!

 

<レザーシース作りならではの道具と資材>

 

<1、ナイフに合わせて型紙を作る>

 

<2、革をカットする>

 

<3、各部材を加工する>

 

<4、ベルトループを仮留めし、縫い穴をあける>

 

<5、ベルトループを縫う>

*縫い方の詳細は記事の最後も参照してほしい!

 

<6、本体を仮留めし、縫い穴をあける>

 

<7、本体を縫う>

 

<8、ナイフに合わせて形をつける>

 

<9、仕上げ剤を塗る>

 

針でも、スピーディースティッチャーでもどっちでもOK!

今回は2種類の縫い方を紹介するため、ベルトループは針、本体はスピーディースティッチャーと使い分けたが、すべて針で縫っても、スピーディースティッチャーで縫っても、もちろんOK。2種類の縫い方の手順をイラストでも掲載しておこう。

 

  • 針で縫う

 

  • スピーディースティッチャーで縫う

*掲載データは2013年4月時ものです。

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写真◎佐藤弘樹

金ヤスリを熱して、叩いて、研磨して、アウトドアナイフを作ってみた!/男心を刺激するアウトドア小物を作ろう(1)

アウトドア気分が高まる季節。今年は自作のアイテムを伴って、いっそう味わい深い時間を過ごそう。意外と簡単に作ることができ、手にすれば大いに心を満たしてくれるアウトドア小物の作り方を紹介!

 

CRAFT1 金ヤスリでアウトドアナイフを作る

鉄工用の金ヤスリが、なんとナイフに変身する。簡単レンガ炉で熱し、ハンマーで叩いて、ディスクグラインダーで成形・研磨するという流れ。はじめてでも1日あればできてしまうナイフ作りをリポート!

金ヤスリから作ったナイフ。刃の長さは約90mm。ハンドルはヒメシャラの木

 

そもそもこの特集の発端となったのが、阪口カメラマン発案の「鍛造ナイフを作ろう!」企画。さすがは自宅を在来工法でセルフビルドするほどディープなDIYerの阪口カメラマン、「わしはネパールのグルカ族村の鍛冶屋のナイフ作りだって見たことがある!」などとスゴイのかどうかよくわからないことを並べたてるのは聞き流すとして、「炉はレンガで簡単に作れるし、材料は鉄工用の金ヤスリでOK」という、ドゥーパ!的な親しみやすさを感じさせるアピールに惹かれ、やろうやろう!ということに。なんとも男心をくすぐるMYナイフ作り。本当にできるのか〜!? 興奮するぜ〜!

 

<使う材料はコレだけ!>

材料は鉄工用の金ヤスリ。長さは150mm

 

<ナイフ作りで大活躍の道具一覧>

 

<1、炉を作る>

 

人力では無理がありました……

最初は板切れであおいで炉の温度を上げようと頑張ってみた編集部豊田。2時間ほどネバったが思うように温度が上がらないまま体力が切れ、エアダスターのお世話になることに。体力自慢のDIYerは、一度挑戦してみてもいい……かも。

 

<2、鋼を熱して叩く>

 

<3、焼きなましをする>

 

<4、成形する>

 

<5、焼き入れをする>

 

<6、焼き戻しをする>

 

<7、刃を研ぐ>

 

<8、ハンドルをつける>

*掲載データは2013年4月時ものです。

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写真◎阪口 克

気分はインディアン!誰でも簡単に作れる!ティピーの製作を実践!/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(実践編)

ティピー=インディアン・テントは、庭やキャンプ地などで、わんぱくキッズの人気DIYアイテム。

今回は、ホームセンターで簡単に手に入る素材を使った、誰でも簡単に、しかもリーズナブルな予算でできる作り方を紹介してみよう。

 

 

用意する材料

  • 防炎シート(白色、半径175cmの半円形が型取りできる、1.8×5mサイズのものを用意。ホームセンターで2,500円程度で入手可能)
  • 荷造りひも(ハトメに入る細めのロープならなんでもOK。白いシートに映える派手めの色がおすすめ。今回は青色を用意)
  • 両面ハトメ(12㎜径、適宜。大手ホームセンターで入手可能)
  • 竹(細めのもの、長さ250㎝程度のものを6本用意)
  • クレパス(オイルクレパス。ビニールシートに楽しい絵を描けるものならなんでもOK)
  • テント用ペグ(7〜8本。なければ、木の枝で代用可)

 

用意する道具

  • ハトメパンチ(12mm径用)
  • 皮ポンチ(12mm径)
  • ハサミ(またはカッター)
  • ノコギリ(できれば竹用がベスト)
  • メジャー
  • ハンマー(ペグ打ち用。なければ石などで代用可)

 

 

ティピーの作り方手順

 

ハトメは簡単に作れます!

ハトメ=鳩目とは、靴や服、ブルーシートなどにある、ヒモを通す、環状の金具のついた穴のことだ。実は、このハトメ、今回、防炎シートの縁にいくつも作ったように、専用ツールとハトメの材料さえあれば、誰でも簡単に作れるのだ。

用意するのは、「ハトメパンチ」と呼ばれる専用工具と「皮ポンチ」と呼ばれる皮細工用の道具。それにハトメの材料となるアルミ製の金物。すべて大手ホームセンターなどで入手可能の品物だ。なお、今回は12mm径のものを使ったが、より小さな径のものも用意されている。なお、今回使用したハトメパンチは1000円くらい、皮ポンチは350円、ハトメ用金具は100セットで800円くらいで入手できる。

 

いよいよ組み立て開始!

まず、240cmほどにカットした6本の竹をこのように立てて骨組みを作る。ロープで束ねる位置は、シートの長さに合わせて決めること

 

シートをかぶせ、シートの端を地面にペグでしっかりと固定する。ハトメの穴にペグをいれてハンマーで打ち込むだけ。ぐるりと6〜7カ所くらいでいいだろう

 

扉の両側は長めのロープを使うと、飾りにも見える

 

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2009年6月時のものです。

製作協力◎サム・リード(ガーデンデザイナー、ルネッサン荘所属)
衣装製作◎さやか・リード(服飾デザイナー)
写真◎伊勢和人、編集部

シックな振り子時計の作り方を解説!/トリマーで作る!アメリカンヴィンテージファニチャー(3)

トリマー&ルーターを使いこなす、『ドゥーパ!』本誌でも大人気の本格木工企画より抜粋。今回は振り子時計作りをレクチャー。

幕板のデザインカット、飾り面取りをしたモールディングで、クラシカルな家具っぽさを演出した。一定の周期でゆっくりと揺れる振り子が、流れる時間に癒しをプラスしてくれる。

 

 

ポイントとなるトリマー&ルーターテクニックはこの3つ!

 

今回の振り子時計の形状は、壁掛けも直置きもできる箱型タイプを採用。

ビスを使ったのは蝶番とマグネットキャッチの固定のみ。本体の組み立てにはさまざまな継ぎ手を用いて強固に接合。ぴたりと収まった継ぎ手の美しさが作品に高級感をもたらしてくれる。

天板、棚板、底板は単純な突き合わせではなく、4枚刃ビットを使って通し大入れ継ぎで接合。また、背板と文字盤は小穴作りと呼ばれる継ぎ手を用いた。これは背板と文字盤の板厚と同じ4mm径ストレートビットで彫った溝に材をはめて組むのだが、背板だけは時計を調整するために、スムーズに上げ下げできるようにしたいので、側板の後方上部の溝は5mm径ストレートビットで彫っている。

扉枠の直角接合は、レール&スタイル ビットを使った框組み(かまちぐみ)で行なう。これはドアパネル作りによく用いられる継ぎ手で、今回は枠内にはめ込む板(鏡板)の代わりにアクリル板と中空ポリカを使い、中が見える構造にしている。

 

 

<木取り表>

材の種類 サイズ(単位はmm) 数量 使用部位
パイン材(18mm厚) 60×300 1 天板A
65×300 1 棚板B
70×300 1 底板C
70×590 2 側板D
30×250 1 幕板E
50×250 1 幕板F
40×590 2 幕板G
40×187 3 扉横枠H
40×506 2 扉縦枠I
60×約414 1 モールディングJ
60×約130 2 モールディングK
50×約366 1 モールディングL
50×約106 2 モールディングM
パイン材(25mm厚) 30×約380 1 モールディングN
30×約113 2 モールディングO
シナ合板(4mm厚) 302×245 1 背板P
303×291 1 背板Q
303×231 1 文字盤R
アクリル板(3mm厚) 186×186 1 窓S
中空ポリカ(4mm厚) 186×236 1 窓T

 

<仕上がりサイズ>
幅約414×奥行約130×高さ610mm(組み立て時)

<主な使用道具>
テーブルソー、インパクトドライバー(ドライバービット、センタードリルビット、10/13mm径ドリルビット)、ジグソー、ビスケットジョイナー、トリマー、トリマー用平行定規、ルーター、ルーターテーブル、ランダムサンダー(サンディングパッド100番/180番/240番)、耐水ペーパー(1500番)、金切りノコギリ、メジャー、留めスコヤ、クランプ、サシガネ、ノミ、カナヅチ、直定規、筆、ウエス、マスキングテープ、ハケ

<その他の材料>
フラッシュ蝶番(長さ50mm)2個、プッシュ式マグネットキャッチ(26×42mm)1セット、ビス(16mm)、ビスケット(10番)、木工用接着剤、瞬間接着剤

 

 

振り子時計の製作に必要なパーツはオフ・コーポレイションでそろえられる

今回使用したのは、SKC振り子ムーブメント(924円)、振り子玉セットゴールド(550円)、時針・分針74㎜黒(176円)、秒針88㎜金(88円)、文字盤用数字セット20㎜ゴールド(253円)。これらは木工ツールのウェブショップ、オフ・コーポレイションで購入できる。文字盤の数字はブラック、シルバー、ゴールドの3色。針のデザインは10種類以上あるので、作りたい作品に合わせてチョイスしよう。*価格はすべて税込

 

Step1 天板、棚板、底板、側板、幕板の加工

 

Step2 背板、文字盤の加工と各部材の塗装

 

Step3 各部材の組み立てとモールディングの加工

 

Step4 扉を作る

 

Step5 扉の取りつけと文字盤の仕上げ

 

村上英敏 Hidetoshi Murakami

正統派パイン家具にこだわる家具職人。アメリカで家具作りを学んだ経験から、さまざまな工具を合理的に活用する技術は折り紙つき。千葉県柏市にオーダー家具ショップ「ポプリローカルファニチャー」を構える。トライトンスーパーマイスターとして、さまざまなイベントでトライトン製品の講習も行なっている。YouTubeチャンネル「Triton Super Meister村上英敏の家具作り教室」でプロのテクニックを発信中!
https://www.popurri.co.jp/

 

写真◎佐藤弘樹

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2020年6月時のものです。

CAT HAMMOCK(ニャンモックスタンド)の作り方/愛猫のための家具をDIYで作ろう(2)

「猫ってどんな家具を使うんだろう?」と考えてDIY。ごはん台を作ってみよう、トイレカバーを作ろう。なになにニャンモックなんてものがあるのかと、いろいろなものを作ってみる。製作中は迷惑そうにしているけれど、完成後はいつも好奇心を持って迎え入れ、そして思い切り使ってくれる。DIYが好きな飼い主冥利につきるよ。

 

CASE02 CAT HAMMOCK(ニャンモックスタンド)

ハンモックが猫の体を包み込み、リラックス効果も期待できます

 

「猫ってよく寝るって言いますよね?僕もそうなんです。よく寝ます。ソファや座布団のふんわりも最高だけど、気持ちいいなぁと思ったら小さなダンボールの中でまったりしちゃうんだ。でさ、僕、SNSでニャンモックっていうのを知ったわけ。宙に浮いたベッドで仲間がスヤーッとしている姿を見たら僕も寝てみたいって思ったんだ」

 

<木材サイズ表>*単位はmm

木材の種類 サイズ 数量 使用部位
2×4材 450 1 貫A
320 2 土台B
1×4材 380 4 柱C
25mm径丸棒 450 2 ニャンモック掛けD
布(普通地) 500×500 2 ニャンモック

 

<使用した主な資材>
2×4材(1820mm/1本)、1×4材(1820mm/1本)、25㎜径丸棒(910mm/1本)、55mm・75mmスリムビス

<その他の資材>
布(普通地)、パラコード、60番普通地用ミシン糸、ペンキ系水性塗料

<使用した道具>
【接合・下穴あけ】インパクトドライバー(+2番ドライバービット、25mm径フォスナービット)
【切断・切り抜き】ジグソー(曲線切り用ブレード*木材用ブレードでも可)、ノコギリ、ハサミ
【固定】クランプ
【計測】メジャー、サシガネ、モノサシ
【塗装】ハケ、マスカー
【ソーイング】家庭用ミシン

 

<製作MEMO>
ニャンモックスタンドの土台と貫は2×4材を使ってどっしりと作りました。愛猫がジャンプして飛び乗っても安定感があります。1×4材で作る柱の角度は現物に合わせて決めました。ノコギリで柱の角度切りをするときはしっかりとクランプで固定してから行ないましょう。ニャンモックの紐通し部分はジグザグ縫いをして補強しています。

製作したニャンモック。引っ掛ける紐はパラコードなど丈夫なものを選ぼう

 

STEP1 土台を作る

 

STEP2 貫を作る

 

STEP3 土台と貫を接合する

 

STEP4 柱を作る

 

STEP5 貫と柱を接合する

 

STEP6 ニャンモック掛けに溝を彫る

 

STEP7 塗装する

 

STEP8 ニャンモックを作る

写真◎門馬央典、福島章公、編集部、製作者提供/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2021年1月時のものです。

 

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夏休み目前!猛暑に備えた「涼を創るカーテン作り」(2)/竹&単管パイプのサウンドカーテン編

いよいよ夏本番、じっとしていても暑い日本の夏がやってきた。じっとしていても暑いなら、むしろ体を動かして涼しさを呼び込むグッズを手作りしてしまおう。そこで、「カーテン」をキーワードに編集部員が五感で涼むカーテンのDIYにトライ。どんな作品ができたのか?

 

作品2 風が心やすらぐ癒しの音を奏でるサウンドカーテンを作る

 

暑い夏を乗りきるには「癒しの音しかないでしょ!」と息巻くのは編集部設楽。縁側に座り、セミの鳴き声と涼しげなウインドベル(つまり風鈴)の音に耳を傾け、かき氷を食べる……これしかない!

作ったウインドベルの種類はふたつ。ひとつは銀色に輝くボディがUFOを連想させる単管パイプを使ったもの。もうひとつはその乾いた音から懐かしさを感じさせる竹を使ったバンブーベルだ。

まずUFO風ウインドベルだが、パイプをしっかり挟みこんで固定する土台を、適当な端材で作るのがポイント。ディスクグラインダーでパイプを切断する際、パイプがきっちり固定されていないと非常に危険だ。またキックバックにも気をつけること。切断の際は火花が飛び散るのでエプロンなどで対策をしっかりしたい。

サウンド的な工夫としては、切断した単管パイプ内部にいらないボルトやナットをたこ糸で仕込んだ。これでベルが風で揺れたとき、内側からも涼しげな音がする。

バンブーウインドベルは、作り方の基本はUFO風ウインドベルと一緒。あまり太くない竹を選ぶと作品がスマートな感じになる。また和風の雰囲気を出すため、ここではたこ糸ではなく、麻ひもを使用した。

材料に特殊なものがなく、作り方も簡単。まさに親子で作る夏休みの自由研究に持ってこい! ペイントするとより楽しめるのでみんなでワイワイ作ってほしい。

 

<使用した材料>

青竹(外径30×長さ1500mm程度)2本、単管パイプ(外径25×2500mm程度)1本、角材(200×300×1000mm)1本、ステンレスのボウル(170mm径)、たこ糸・麻ひも適宣、ボルト・ナット・ワッシャー適宣

 

<使用した道具>

ディスクグラインダー(金属用切断砥石装備)、電動ドリル(3mm径の鉄鋼用ドリルビット装備)、クランプ、竹切りノコギリ、ノコギリ、カッター、マーカー、その他やすりなど

 

<UFO風ウインドベルの作業手順>

 

<バンブーウインドベルの作業手順>

写真◎伊勢和人/作◎ナマステ設楽

夏休み目前!猛暑に備えた「涼を創るカーテン作り」(1)/竹のウォーターカーテン編

いよいよ夏本番、じっとしていても暑い日本の夏がやってきた。じっとしていても暑いなら、むしろ体を動かして涼しさを呼び込むグッズを手作りしてしまおう。そこで、「カーテン」をキーワードに編集部員が五感で涼むカーテンのDIYにトライ。どんな作品ができたのか?

 

作品1 庭に渓流の涼しさを呼びこむウォーターカーテンを作る

 

流れる水の周囲は涼しい。そこで小宮は考えた。山道で渓流の側を歩くときに感じる、自然な涼しさをDIYで再現しようと。それがこの作品のテーマ。

材料は編集長宅の端材ボックスにあった40mm径程度の竹、長さは1200mm程度のもの。ここに細かい穴をあけ、節を抜いてホースを差しこみ、水を流せば岩肌を流れ落ちる白糸の滝といった趣となるのだ。

ポイントは竹にあける穴のサイズと、ホースと竹筒との接合方法。

竹にあける穴は、接合部から離れるほど大きくすると水の流れは均一になる。竹筒の長さを大体3等分して、ホースに近い3分の1の穴は2mm径、真ん中の3分の1は2.5mm径の穴、ホースから一番遠い端の3分の1は3mm径の穴をあけている。物体の内部にかかる水圧はどの方向にも均一なはずなので、穴の大きさは均一でいいはずなのだが、たぶんどこかで水が漏れるかしていたのだろう。ホース接合部より離れるにしたがって穴を大きく調整したほうが水の流れは均一になった。

また接合部は思いがけず水圧がかかるようなので、節を抜く径を正確に加工して、ねじこみ式のバルブなどを使ってがっちり取りつければ、作品としての完成度は増すだろう。

半日でできる工作なので、興味のある方はぜひ作ってみてください。うまくいくと気持ちいいですよ。

 

<使用した材料>

青竹(40mm径×長さ1200mm程度)1本、透明ホース(内15mm径×5m、使用する蛇口径にあわせる)1本、ビニールテープ1巻、ペットボトル用給水キャップ(給水くん)1個、麻ひも適宜、接着剤(木とゴムに対応するタイプ)

 

<使用した道具>

竹がまわらず置ける台または木工万力やクランプ、インパクトドライバー、2mm/2.5mm/3mmドリルビット(鉄工用)、鉄筋または全ネジを1m程度、竹切りノコギリ、ノコギリ、カナヅチ、クギシメ、メジャー、チョークライン、マーカーペン

 

<製作手順>

写真◎伊勢和人/作◎ビッグマン小宮

CAT BOWL(ごはん台)の作り方/愛猫のための家具をDIYで作ろう(1)

「猫ってどんな家具を使うんだろう?」と考えてDIY。ごはん台を作ってみよう、トイレカバーを作ろう。なになにニャンモックなんてものがあるのかと、いろいろなものを作ってみる。製作中は迷惑そうにしているけれど、完成後はいつも好奇心を持って迎え入れ、そして思い切り使ってくれる。DIYが好きな飼い主冥利につきるよ。

 

CASE01 CAT BOWL(ごはん台)

フードを入れる器と飲料水を入れる器を並べて置けます

 

「私たち猫って吐きやすい動物なんです。ごはんを食べ終えてすぐに吐いちゃうこともあります。フードの器が低いと頭を下げて食べることになって、食道が折れて苦しくなっちゃうんだ。フードの器は頭を下げずに食べられる高さにしてもらえるとうれしいな。そしたらいっぱいごはんを食べられるよ!」

 

 

 

 

 

<木材サイズ表>*単位はmm

木材の種類 サイズ 数量 使用部位
15mm厚パイン集成材 150×350 1 天板A
150×85 2 側板B
8mm径丸棒 適宜 4 ビス頭隠し

 

<使用した主な資材>
15mm厚パイン集成材、8mm径丸棒、30mmスリムビス

<その他の資材>
ステンレス製のミニボウル、ペンキ系水性塗料

<使用した道具>
【接合・下穴あけ】インパクトドライバー(ダボ錐ビット、10mm径ドリルビット、+2番ドライバービット)
【切り抜き】ジグソー(曲線切り用ブレード*木材用ブレードでも可)
【研磨】サンダー*サンドペーパーでも可
【ビス頭隠し】アサリのないノコギリ、カナヅチ
【固定】クランプ
【計測】メジャー、サシガネ
【塗装】ハケ、マスキングテープ

 

<製作MEMO>

天板にあけた円形の切り抜き穴に器をセットするため、縁つきのものを選びました。縁つきの器ならずれにくく、猫が安定して食事をできます。製作時のポイントはセットする器の型紙作りです。型紙を作って切り取り線を引くことで器にフィットした切り抜き穴を作れます。

使用した器は縁がついたステンレス製のボウル。縁が持ち手になり、開口部にはめたとき器がずれにくく安定する

 

天板に円形の切り抜きを作る

 

<ごはん台を組み立てる>

 

もっと手軽にごはん台を作るなら

天板と脚をビスで接合しただけのお手軽ごはん台。塗装をしたり、フードマットを敷くだけで見映えがよくなります。

天板に1×6材、脚に2×2材を使い、ビスによる接合だけで作ったごはん台

写真◎門馬央典、福島章公、編集部、製作者提供/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2021年1月時のものです。

 

ドゥーパ!YouTubeチャンネルでCAT BOWLの製作ダイジェスト動画を配信中!

DIYで作る猫のごはん台「CAT BOWL」

 

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また、猫の家具や遊具いっぱいの手作りの部屋の実例集や猫DIYに役立つ基本テクニックまで網羅。猫との住まいづくりの参考としてお楽しみいただけるのはもちろんのこと、愛猫のために家具や遊具を手作りしたい!というDIY派な飼い主さんの願いを叶える1冊になっています。

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太陽熱を利用したソーラークッカーで簡単クッキング!/太陽を連れて歩こう!~太陽熱編~

大変な時代になった。これまで当たり前と思っていた電気の供給が危ないというのだ。もしかしたら、「大節電時代」の到来!?

そんな不安を解消するためにも、ぜひ、チャレンジしてほしいのが自分でできる太陽エネルギーの活用。ここでは、太陽熱と太陽光を利用した自作エネルギーの作り方を紹介。簡単かつとってもお役立ち、しかも、場所を選ばない携帯性もある画期的な方法を提案してみた。

今回製作したソーラークッカーは、予算、なんと1000円! 製作時間60分でできたカンタン太陽熱調理器で、美味しいランチを作った! 日照30分で、お米が炊けた!

 

ソーラークッカーを作れば、電気やガスをいっさい使わないで本格的な調理ができる。製作を指導してくれたのは富岡裕子さん。「にこネットつくば」副代表としてソーラークッカー紹介はもちろん、環境教育・国際理解教育のための活動を幅広く行なってきている。ソーラークッキング協会の会員でもある

 

アフリカでも大好評だった
富岡式ソーラークッカー「サンピース」を作ってみた

太陽熱を利用して調理するソーラークッカーには、大きく分けると【1】パネル型、【2】ボックス型、【3】パラボラ型の3種類がある。熱効率からいうとパラボラ型が一番すぐれているが、DIYとなるとややハードルが高い。そこで、熱効率は落ちるが、段ボールやアルミシートなど身近な材料で簡単に製作できるパネル型やボックス型がDIY向きということになる。

そこで、今回はチョーお手軽なパネル型クッカー「サンピース」を紹介したい。発案したのは、環境教育や国際理解活動を推進しているグループ「にこネットつくば」の富岡裕子さんだ。

富岡さんがパネル型のオリジナルソーラークッカーを発案したのは2009年のことだった。もちろん、それまでさまざまな形のソーラークッカーが発案され、また販売もされてきていたのだが、富岡さんは「被災地や途上国でも簡単に作れる」ということを前提において考えた。

そのための基本方策のひとつが、「定規で計らずに作れる」だった。そうしてできあがったのがここで紹介する「サンピース(SUN PEACE)」だ。昨年の夏には、アフリカのマダガスカルを訪れ、現地で仲間とサンピースの講習会を開き、大好評を博したという。作り方を知っておくと、庭でも、アウトドアでも、もちろん被災地でも、大活躍するに違いない。

 

サンピースの製作に準備する主な材料、道具など>

プラスチック段ボール900×900mmくらいの正方形(紙の段ボール板でもOK)、防災用アルミシート(アルミホイルや非常用のアルミブランケットなどでもOK)、ガムテープ、梱包用の透明ガムテープ、梱包用のビニールひも、両面テープ、目玉クリップ4個、カッター(ハサミ)、マジックペン、定規(なくてもOK)

 

プラスチックダンボールの加工

 

アルミシートを張る

 

いざ調理実践!「お日様があれば、そこがキッチン」だった!

ソーラークッキングを始めるにあたって、いくつか注意点がある。

まず、熱効率をあげるためにできるだけ外側が黒っぽい鍋を用意しよう。金属性で薄手のものがベスト。さらに、保温のためにOPP袋(ラッピング用の透明な袋)のような耐熱袋で鍋を包み、鍋の下には魚焼き網などを置き、鍋が直接クッカー本体に触れないようにするとよい。

調理時間は、もちろんメニューによっても違うが、天気によって変わってくるのがソーラークッカーの特徴。気温の高低よりは湿気が少なくすっきり晴れる天気のほうが、効率はいいようだ。

また、太陽は移動するので、太陽と正対するようにマメにクッカーの位置を動かして調節することも大切だ。もちろん、何かの影が入るのは避けたい。鍋は熱くなるので軍手もあると便利。また、ソーラークッカーの反射光は直接目に入らないよう注意しよう。できればサングラスをかけて作業したい。

 

ご飯・ゆでタマゴ・ポテトサラダ・プリンを作る

 

いろいろあります!ソーラークッカー・ウォッチング

パネル式<鳥居式携帯用ソーラークッカー>

本誌27号(2002年4月号)で紹介した鳥居ヤス子さん(日本ソーラークッキング協会会長)が発案したパネル型ソーラークッカー。簡単に作れる上、折りたたんで携帯できるのが便利(日本ソーラークッキング協会)

 

パネル式<エデュクッカー003>

足利工業大学の中條祐一教授が設計したソーラークッカー。富岡さんが参考にしたクッカーだ。使わないときは写真のように折りたたむことができる(昭和理化学機械株式会社)

 

ボックス型<サンオーブン>

アメリカ製のボックス型ソーラークッカー。箱の内部に熱を閉じ込めて調理するため、煮込み料理に適しているようだ。反射板を折りたたんでしまうとトランク状になり持ち運びも便利(アンテロープ)

 

パラボラ型<かるぴかIP8C>

ベランダクッキングで手軽に利用できる軽量型(3.1kg)のパラボラ型ソーラークッカー。太陽への照準操作が簡単にできる照準器がパネル内部についている。収納するときは、三脚をはずすのでパラボラ型にしては意外とコンパクトだ(工房あまね)

 

取材・文◎オフィスインクベリー/写真◎伊勢和人

*掲載データは2011年6月時のものです。

移動式ソーラーパネルをDIYして発電をしよう/太陽を連れて歩こう!~太陽光編~

大変な時代になった。これまで当たり前と思っていた電気の供給が危ないというのだ。もしかしたら、「大節電時代」の到来!?

そんな不安を解消するためにも、ぜひ、チャレンジしてほしいのが自分でできる太陽エネルギーの活用。ここでは、太陽熱と太陽光を利用した自作エネルギーの作り方を紹介。簡単かつとってもお役立ち、しかも、場所を選ばない携帯性もある画期的な方法を提案してみた。

今回の太陽光編では、太陽光パネル架台+バッテリー収納一体式移動ボックスを作り、どこでも発電所を実現! 12V用の車載機器はもちろん、安価な車用のDC/ACインバーター導入で、フツーの100V家電やUSB機器も使える!

ライフラインのない場所で優雅に電気のある時間を楽しむ

 

太陽光を受けるためのパネルは、屋根の上に固定するというケースが多いが、それは「1日3〜4時間以上の日照時間」を確保できる場所に限られた話だ。ドゥーパ!が提案するのは、その条件を満たせないさまざまな場所でも太陽光発電の恩恵に浴せるアイデアだ。

そのために、考えたのが簡単木工でできる「太陽光パネル架台兼用のフタつき・移動式バッテリー収納ボックス」だ。

 

 

まず、太陽光パネルは角度を調整できる架台(フタ)に固定。太陽光を受けられる場所に移動し、太陽光を受けやすい角度に架台を起こしてやればいい。この架台は、収納ボックスから取り外しができ、パネルとコントローラーを結ぶケーブルの長さの範囲内なら、架台だけを移動できる。つまり、太陽光を受けやすい位置にパネルのみを動かすことができるというわけだ。

キャスターつきの移動式ボックスには、ディープサイクルバッテリーが収められているばかりでなく、底板にチャージコントローラーが、外側には12Vシガープラグが刺せるコンセントボックスが取り付けられている。これで12V用の電気機器が使用可能。通常の100V用家電を使いたい場合は、コンセントボックスに車のシガーソケットにつないで使うタイプのインバーターを介せばOK。パネルとコントローラーは、脱着が簡単な長い(今回は10m)ケーブルでつながっている。

なお、収納ボックスの作り方は簡単。板材を単純にカットしたり、木ネジで接合する程度の技であっという間に完成するはずだ。(後述参照)

 

覚えておきたい、ソーラー発電の豆知識

太陽光パネル(太陽電池)の発電量は…?

太陽光パネルの発電量は、地域や季節によって日照条件が異なるので一概にはいえないが、国内の日照時間の平均を1日あたり4時間程度と考えた場合、太陽光パネルの定格出力の4時間分くらいだと思えばいい。たとえば、今回の太陽光パネルのような40Wのパネルであれば、1日あたりの発電量は40W×4h=160Wh(ワットアワー)となる。設置場所は南向きが基本で、夏場は水平~30度くらい、冬場は40~60度くらいの設置角度にしたい。

チャージコントローラーの役割は?

チャージコントローラーの役目は、バッテリーの過充電防止と電流の逆流防止。なお、チャージコントローラーとバッテリー間の電線ケーブルは、できるだけ太い物を使って短く接続したい。

なぜ、ディープサイクルバッテリーなの?

ィープサイクルバッテリーは、通常の車用バッテリーに比べ、充電、放電の容量が多く長寿命。今回のバッテリーは、内部が液状でなく密閉タイプなので、液漏れの心配がない。こうした理由で太陽光発電には、ディープサイクルバッテリーが使われることが多い。 容量はAh(アンペアアワー)という単位で表されるが、実際に使用できる容量はその半分程度。今回使っている85Ah容量のバッテリーだと、40Ah程度となる。なお、バッテリーは雨に濡れない、換気のいいところに置いておきたい。

DC/ACインバータの役目は…?

DC/ACインバーターは、バッテリーに蓄電された直流電気を、家庭用電源と同じ交流100Vに変換するための機器。ただし、エネルギーの変換ロスがあるので、直流12V をそのまま使える電気機器を使うほうが理想的だ。

 

いつでも太陽光に正対し、場所移動も簡単にできるために
こんなバッテリー収納ボックスを作ってみた

バッテリー収納ボックスを製作していただいた堀口丈夫さん。東京・世田谷で「みんなの木工房D.I.Y好き。」を主宰

 

<バッテリー収納ボックスの製作に準備する主な資材、金物など>

コンパネ(12×600×1800mm・2枚)、2×4材(1820mm・2本)、キャスター(100mm径・自在&ロックつき・4個)、横長丁番(1個)、六角フランジタッピング(8×25mm・4個入り袋・4袋)、L型金具(4個)、ステンレスコーススレッド(38mm・適宜)、水性工作用塗料(黄色)

 

<木取り表>

材の種類 サイズ(mm) 数量 使用部位
12㎜厚コンパネ(12×600×1800㎜) 600×650 1 フタ兼太陽光パネル架台A
576×626 1 底板B
650×300 1 側板C
576×300 1 側板D
2×4材(SPF) 626 2 キャスターをつける材E
2×4材(SPF)を半分の幅に割いた板 248 4 コーナー材F
630 2 太陽光パネルを受ける材G
490 2 フタを収めるときの留め材H
530 1 太陽光パネル架台の角度調整脚I

 

ボックスの製作

 

太陽光パネル架台(フタ)の製作

 

キャスターの取り付け断面の保護塗装など

 

太陽光パネルの固定

 

*掲載データは2011年6月時のものです。

 

太陽光発電システムの配線&セット

 

さっそく12V用の扇風機と野外ランタンをコンセントボックスにつなげて通電、見事成功でした!

 

いざ通電実践!お日様のある場所で、発電開始!

配線が終了し、いよいよ発電実験。太陽光を十分に受けている状態で、まず、シガーライターソケット用のプラグのある12V用の扇風機や電気ランタンをコンセントボックスに接続してスイッチオンしてみる。見事に通電!

次に車載用のインバーターをコンセントボックスにつなぎ、100Vのパソコンや携帯用充電器をつないでみると、もちろんこれもバッチリ。さらにと調子にのり、アンプをつないでエレキギターをかき鳴らしてみると、もちろんこれもバッチリ。

今回の取材でいろいろと教えていただいたオフグリッドソーラーのスタッフによれば、「インバーターの最大出力(今回は350W)を超えない消費電力の電気機器だったら、まず大丈夫」だとか。

常識的にいえば、通常の明かりやテレビやラジオ等の通信機器、ゲーム機器なら、今回設置したレベルで十分。消費電力が大きい電子オーブンや冷蔵庫、エアコン、調理機器等は難しいということになりそうだ。

 

夏はパネルを上向きにした状態で太陽光を受ける

 

冬はパネルを立て、太陽光を受ける

 

車にもコンパクトに積めるから、
山川やキャンプ場、ガレージでの〝出張発電〟もOK

今回目指した太陽光発電システムは、なによりも携帯性、機動性ということがあげられる。そのため、太陽光パネルの架台とバッテリー収納ボックスとが一体になって移動できたり、あるいは別々でそれぞれが移動できたりという作りにした。

たとえば、車に積んで、ライフラインのないアウトバックに移動して「電気のあるアウトドアライフ」を楽しむこともできるし、家の中にバッテリー収納ボックスを置き、パネルだけ太陽光のあたる場所、2階のベランダなどに移動させたりすることもできる。

ただし、パネルとバッテリー収納ボックスとの距離は、ケーブルの長さの範囲内に限る。今回作った手作り太陽光発電システムは、キャンプや夜釣り、夜のガーデンパーティー、庭での演奏会など、いろいろな場面で大活躍するに違いない。

バッテリー収納ボックスとパネル架台を離し、陽の当たる時間帯を選んで、バルコニーにパネル架台を移動させるということもできる

 

写真◎佐藤弘樹、伊勢和人/取材協力◎ネクストエナジーアンドリソース

おしゃれなアンブレラスタンド(傘立て)を作ろう/トリマーで作る!アメリカンヴィンテージファニチャー(2)

欧米諸国では傘だけでなくステッキを立てかける場所としても使われていたそう。柱と前板・背板にデザインカット、底板はモールディングビットで飾り面取りを施し、ヴィンテージ感を演出した収納家具で玄関をおしゃれに彩ろう。

 

村上英敏 Hidetoshi Murakami

正統派パイン家具にこだわる家具職人。アメリカで家具作りを学んだ経験から、さまざまな工具を合理的に活用する技術は折り紙つき。千葉県柏市にオーダー家具ショップ「ポプリローカルファニチャー」を構える。トライトンスーパーマイスターとして、さまざまなイベントでトライトン製品の講習も行なっている。YouTubeチャンネル「Triton Super Meister村上英敏の家具作り教室」でプロのテクニックを発信中!
https://www.popurri.co.jp/

 

ポイントとなるトリマー&ルーターテクニックはこの3つ!

 

今回は、アパートやマンションなどの狭小玄関でも使いやすいようにスリムなサイズ感で製作。通常の長傘なら、一列に約6本立てられる。手持ちの傘の数や、玄関の空きスペースなど住環境に合わせて設計してほしい。

前板・背板と幕板の接合は20番のビスケット、柱と幕板の接合には0番のビスケットを使用した。ただ、幕板の幅は60mmと、ビスケットを入れるための溝彫りを行なうにはギリギリのサイズで、精細な作業が求められるため、ビスケットジョイナーの扱いに慣れていない場合はダボ継ぎで接合してもいいだろう。

底板、脚の固定は裏側から28mmビスで行なった。なお、今回は補強材には端材を使用したので、最低限必要な長さで細かく木取りしたが、脚の内側全周に行き渡るように長く木取りしてもOKだ。

また、底板の上に置く受け皿(水受け)は、2種類の工作材を瞬間接着剤で組み立てて製作。メンテナンス性を考えて本体には固定せず着脱式にし、中心にアイアン製の取っ手を取りつけて取り出しやすくしてある。今回は自作することにしたが、ちょうどいい大きさのトレーがあればそれで代用したり、トレーのサイズを基準にして設計してもいい。

 

<アンブレラスタンドの構造図> *単位はmm

 

<主な使用道具>
テーブルソー、インパクトドライバー(ドライバービット、4mm径ドリルビット、皿取り錐つき2.8㎜径ドリルビット)、ビスケットジョイナー、トリマー、トリマー用平行定規、tritonオービタルサンダー(サンディングパッド100番/180番/240番)、スピンドルサンダー、9mm厚合板(テンプレート用)、サンドペーパー(180番)、耐水ペーパー(1500番)、メジャー、留めスコヤ、クランプ、ハタガネ、ノギス、直定規、筆、ウエス、ハケ

 

<その他の材料>
ビスケット(0番/20番)、アイアン製取っ手、木工用接着剤、瞬間接着剤

 

<用意した塗料>
油性ステイン(ウォルナット)、水性ウレタン塗料(クリア)

 

<使用したトリマービット>

 

Step1 柱の加工

 

<ビスケットの溝、前板・背板と幕板の固定位置>*単位はmm

 

Step2 幕板、前板・背板の加工と組み立て

 

Step3 底板の加工

 

Step4 脚の加工と組み立て

 

Step5 各部材の組み立てと塗装&受け皿の加工

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2021年4月時のものです。

すごいぞ丸太のロケットストーブ!簡単なチェンソーワークで作れます!/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(18)

玉切りにした丸太に、チェンソーで簡単な加工を施すだけで、ものすごいロケットストーブができるって知ってますか? 実は、たいしたことないだろうと思って試したら、びっくり仰天! その威力、ハンパじゃありませんでした! 里山の間伐推進のためにも、ぜひ、おすすめします!

 

 

仲間が、これはいい!と感動

2016年秋、八ヶ岳の麓で開催した本誌主催のフリマイベント「Dʼsマーケット」で出会ったOさん(長野県伊那市在住・72歳)から、ヒノキの丸太で作ったロケットストーブをいただいた。これを持ち帰り、使ってみたときの衝撃が忘れられない。点火口に乾燥したスギの葉を敷いて着火すると、ものの2~3分で火柱が上がり、耳を傾けると「ゴーッ」という音さえする。さっそく水を入れた鍋を載せてみると3分で沸騰し、その後、約2時間火柱を出し続けたあと、燃え尽きた。その場にはふたりの仲間がいたが、それぞれが「これ、使える…」「チェンソー1本でできるんだ…」と、ちょっと感動した様子だった。

これに似たログトーチとかスエーデッシュトーチとか呼ばれるものもあるが、多くは丸太の天頂部からチェンソーで切れ目を入れ、上から着火するタイプのもの。Oさんの丸太のロケットストーブは、丸太を2分割、あるいは3分割し、芯部分を削り取り、さらに点火のためのすき間(横穴)を最下部に作ったあと、カスガイを使って、再び丸太に戻し、天頂部には、五徳代わりのカスガイを打ち込んであるというもの。つまり下のすき間から着火すると、煙突効果によって、ものすごい勢いで火柱があがる。強力な調理機器にもなるし、暖房機器にもなる。もちろん、災害時の緊急熱源としても有効に違いない。

ちなみに、先日、前出のOさんのお宅に伺い、実際に丸太のロケットストーブ作りを見せてもらったが、前述の方法以外にも、いくつかの加工パターンがあることもわかった。要は、丸太を分割し、丸太の芯部分を削って、煙突のような溝を作り、なおかつ丸太の根元近くに点火口(横穴)を作ればいいわけだ。さらに、丸太の分割はチェンソー1本でもできるが、場合によっては、クサビを使うとさらに楽だということも知った。

ここでは、チェンソーとクサビを使って、丸太を3分割し、次に3分割したうちのひとつに溝(煙突部)と点火口の加工をするという方法を紹介してみたが、他にもチェンソーでツッコミ切りするとか、大口径のドリルビットを使うとか、いろいろな方法がありそうだ。

 

丸太のロケットストーブの作り方

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

こんな加工パターンもあります

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2017年8月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

耐火レンガ&コンクリートで常設ロケストの作り方/庭でロケットストーブを愉しもう!(2)

自作ストーブのバリエーションのひとつとして、まだまだ根強い人気を誇るロケットストーブ。以前にも本誌で少しだけDIY事例を紹介したが、簡単に手作りできて、機能性も上々と好評の様子。そうなるとじっとしてられないのが、われらドゥーパ!編集部。庭で火を愉しみ、アウトドアクッキングを堪能すべく、ロケットストーブ作りに挑戦だ~!

Version A 一斗缶&薪ストーブ用煙突による簡易型ロケストの作り方はコチラ

 

そもそもロケットストーブって?

ロケットストーブの要は、断熱され、真っすぐに立つ煙突。これができれば、ロケットストーブはほぼ完成したといってもいい。あとは、煙突の下端に焚き口を設け、そこに薪を入れて燃やすだけ。このように、原理的な構造はとても単純だ。

そもそも真っすぐに立つ煙突は上昇気流を生んで燃焼効率を高めるものだが、断熱することで内部がより高温になり、上昇気流が増すとともに二次燃焼が起きるといわれる。つまり、燃焼効率がさらに高まるわけで、薪のエネルギーを有効活用でき、煙の排出が少なくなる。これが、ロケットストーブの機能が賞賛される理由だ。

なお、ロケットストーブには、煙突を横に延長させるなどして室内の暖房に利用するタイプもあるが、ここでは屋外での調理・焚き火用にターゲットを絞っている。

ちなみにロケットストーブの名称の由来は、完全燃焼状態となったときにゴーゴーと轟く吸気音がロケットのようだから、というのが有力のようだ。

Version B 耐火レンガ&コンクリートで常設のロケットストーブを作る

レンガを積むだけでも、ロケットストーブは作れる。が、しっかり固定して常設しておけば、毎回組み立てたり片付けたりする手間が省ける。庭の構造物として見栄えがよく、バーベキュー炉やピザ窯にも利用できるマルチなロケットストーブ作りに挑む!

こんなロケットストーブができました~!

 

天板の上に耐火レンガを並べ、内側に炭を入れて焼き網を置けば即席バーベキュー炉に!

 

耐火レンガを積んで壁を作り、大判の大谷石を載せればピザ窯に!

 

<使用資材一覧> *材料費の目安:約2万5000円

砂(20kg)6袋
砂利(20kg)6袋
セメント(25kg)1袋
コンクリートブロック30個
鉄筋(10×1000mm)12本
結束線
耐火レンガ38個(バーベキュー炉、ピザ窯の分は別)
耐火コンクリート(アサヒキャスターCA-13T/25㎏)1袋
仕上げ用モルタル(3㎏)4袋
シールシート
シーラー
多用途塗料

 

<使用道具一覧>

スコップ(穴掘り)
自作タンパー(突き固め)
水平器(水平の計測)
メジャー(計測)
トロフネ(コンクリート、モルタル練り)
練りクワ(コンクリート、モルタル練り)
プラスチックゴテ(水平に均す)
ブロックゴテ(モルタルを盛る)
サシガネ(計測、墨つけ)
ダイヤモンドホイールを装着したディスクグラインダー(ブロック、レンガのカット)
ペンチ(結束線を結ぶ)
ハンマー(ブロックのカット、鉄筋を打ち込む)
目地ゴテ(目地入れ)
金ゴテ(仕上げ用モルタル塗り)
カッター(シールシートのカット)
ローラー、ハケ、塗料バケット(塗装)

 

CHAPTER1 デザインを決める

レンガをどんな形に組み合わせれば機能的なロケットストーブになるのか?まずはアレコレ試した上で、デザインを決定する。

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

CHAPTER2 常設型ロケットストーブを作る

決めたデザインどおり、耐火レンガを耐火コンクリートで固定する。が、その前にブロック積みの土台を作って、使いやすい高さにかさ上げ。

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常設型ロケットストーブを使ってみました

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

*掲載データは2012年12月時のものです。

一斗缶&薪ストーブ用煙突による簡易型ロケストの作り方/庭でロケットストーブを愉しもう!(1)

自作ストーブのバリエーションのひとつとして、まだまだ根強い人気を誇るロケットストーブ。以前にも本誌で少しだけDIY事例を紹介したが、簡単に手作りできて、機能性も上々と好評の様子。そうなるとじっとしてられないのが、われらドゥーパ!編集部。庭で火を愉しみ、アウトドアクッキングを堪能すべく、ロケットストーブ作りに挑戦だ~!

 

そもそもロケットストーブって?

ロケットストーブの要は、断熱され、真っすぐに立つ煙突。これができれば、ロケットストーブはほぼ完成したといってもいい。あとは、煙突の下端に焚き口を設け、そこに薪を入れて燃やすだけ。このように、原理的な構造はとても単純だ。

そもそも真っすぐに立つ煙突は上昇気流を生んで燃焼効率を高めるものだが、断熱することで内部がより高温になり、上昇気流が増すとともに二次燃焼が起きるといわれる。つまり、燃焼効率がさらに高まるわけで、薪のエネルギーを有効活用でき、煙の排出が少なくなる。これが、ロケットストーブの機能が賞賛される理由だ。

なお、ロケットストーブには、煙突を横に延長させるなどして室内の暖房に利用するタイプもあるが、ここでは屋外での調理・焚き火用にターゲットを絞っている。

ちなみにロケットストーブの名称の由来は、完全燃焼状態となったときにゴーゴーと轟く吸気音がロケットのようだから、というのが有力のようだ。

 

Version A 一斗缶&薪ストーブ用煙突で簡易型ロケットストーブを作る

まずは安価な材料で手軽に作れるロケットストーブにトライ。これは、DIYでの製作事例が多いポピュラーなタイプ。簡単だけど、実力はバッチリだ!

18L缶(いわゆる一斗缶)のサイズは幅約240×奥行約240×高さ約350mm。コンパクト!

 

高温で燃える焚き口の内部

 

<使用資材一覧> *材料費の目安:約4000円

天切り缶(18L・フタ込み)、ステンレスハゼ折りシングル半直筒(106mm径)、ステンレスハゼ折りシングル・エビ曲90度(106mm径)、パーライト(14L)1袋

 

<使用道具一覧>

金切りバサミ、バール(缶に穴をあけられるものならなんでも可)、定規、メジャー、マジック、石工ハンマー(カナヅチでも可)、皮手袋、アルミテープ

 

煙突と容器と断熱材。という一番簡単な基本形のロケットストーブを作ってみた。工作は簡単で、取材の撮影をしながらでも1時間以内で製作できた、コンパクトかつ、実用的なモデルだ。

材料は燃焼部になる薪ストーブ用のステンレス煙突、容器になる18L天切り缶(いわゆるフタ付き一斗缶)に、断熱材になる園芸用のパーライト14L(15Lでも可)を用意する。

工作は容器となる天切り缶のフタと本体に煙突を通す穴をあけ、煙突を通し、天切り缶のすき間にパーライトを充填してフタをすればできあがりだ。

パーライトは大変に軽い資材なので、ロケットストーブ自体もとても軽く、女性でも簡単に持ち運べるので、ピクニックやキャンプに持ち込むこともできる。

焚き口に割り箸や枯れた杉の葉など、点火しやすい燃料を押し込み点火。これに十分火が回ったら、煙突の上からよく乾いた薪を縦に落とし込めば、すぐに薪に火が移って、本格的に燃焼する。

 

<製作手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

煙突の上にゴトクを載せれば料理用ストーブになる。煙突上端とゴトクのすき間は写真のように広めに設定すると、空気の流れがよくなり燃焼効率が上がる

 

ちゃんと燃えると炎は螺旋形に回りながら煙突から噴出してくる。これくらい燃えると、煙は出ない

 

料理してみた!

ロケットストーブの構造上、燃焼中は火加減の調節が難しいが、湯を沸かしたり、煮込んだりには便利に使える。火勢の強さでチャーハンなど中華料理には使いやすそう。ゴトクの上に鉄板を敷き、その上にフライパンを置くなど、火勢の調節をすれば、モチや肉、魚を焼いたりもできる。

4Lのナベで何かが煮込まれる。火にかけて5分経たずに沸いてくる

 

ナベの中では編集長特製の豚汁が煮込まれていた。ロケットストーブ完成から30分後には豚汁にありついた

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2012年12月時のものです。

塗装で家具を蘇らせる(2)/アンティークワックスをスチールウールで塗装する

使い込んだり、年月を経ることで家具は徐々に劣化していく。一番顕著に表れるのは塗装部分だ。一番目立つ部分でもあるので、再塗装は家具を蘇らせるには効果的だ。

ちょっと飽きた家具は再塗装でイメージチェンジ!

古ぼけても愛着のある家具を塗装で再生しよう。

今回の記事ではふたつの家具をモデルにして水性多用途塗料を使う方法と、ワックスを使う方法で実際にリペインティングしている。

*CASE1 水性多用途塗料を重ね塗りするエイジング塗装のやり方はコチラ

 

CASE2 アンティークワックスをスチールウールで塗装する

Before。ワックスで塗装する曲げ木のチェア。二ス仕上げだがひどく劣化している

 

After

 

下地調整の手順例

  1. 水で濡らして固く絞ったウエスで全体の汚れを落とす。
  2. 研磨カスを受ける下敷きを敷いた上に載せる。
  3. 1回目の研磨。80番のサンディングパッドで材のとげ、キズなどを落とす。
  4. 研磨カスをぬぐい落とす。
  5. 2回目の研磨。120番のサンディングパッドで、全体を平滑にしていく。
  6. 研磨カスをぬぐい落とす。
  7. 3回目の研磨。180番のサンディングパッドで、全体がサラサラになるように研磨する。
  8. 全体を水拭きして、木部に残った繊維を毛羽立たせる。
  9. 乾いたウエスで空拭きする。
  10. 4回目の研磨。320番のサンディングパッドで、毛羽立ちを取り去り、よりサラサラに研磨する。

 

丸棒や曲面のある家具を研磨するケース

ワックスを使った塗装の場合も、やはり大切なのは下地調整になる。とくにワックスは仕上がり後に木地が透けて見えるので、できるだけなめらかに下地調整することが大切だ。

再塗装する椅子は、ワックスを塗る前に段階的に研磨して、ガサガサを取り去りサラサラの面へと下地調整する。

この作例の研磨で注意する点は骨組みの材が丸棒なので、研磨面が平面のサンディングブロックや電動サンダーでは、十分に研磨することができないところだ。そこで柔軟な素材をベースにした、スリーエムのサンドブラスターと呼ばれるサンディングパッドを使用して研磨した。

水に浸し固く絞ったウエスで汚れを拭き取ったら、80番のサンディングパッドから研磨を始め、研磨し終わったら、研磨カスをよくはき落とし120番、180番と番手を細かくしながら研磨していく。180番のサンディングパッドを使った研磨が終わったら全体を水拭きし、乾いたウエスで水気を拭き取ってから、320番のサンディングパッドで最後の研磨をする。水拭きすることで、微細な木の繊維が毛羽立ち、これを研磨することで最終的になめらかな面になるのだ。

スリーエムのサンドブラスターから必要な番手を選ぶ。これは320番

 

<ワックス塗装のサンディング例>

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ワックス塗装の手順例

  1. スチールウールにワックスを取り、研磨するように下地調整の済んだ面にすり込む。塗り残しのないように注意する。
  2. DIY用のペーパータオルやウエスで、ワックス面を拭きならす。
  3. 塗装面がなじんだら、状態を観察し、必要なら手順1と2の工程を繰り返す。
  4. 色つきワックスを使った場合は、色つきワックスがなじんだらクリアのワックスを塗って色移りを防いでおく。
  5. (おまけ)たまに乾いたウエスなどで空拭きしてやるとツヤを保てる。

 

スチールウールでワックスを塗装する

今回使用したワックスは、自然素材で作られたターナー色彩のアンティークワックス。ミツロウを主原料として、オイルは植物油、溶剤には口紅などに配合されるイソパラフィンを使用した安全性の高いワックスだ。

ワックスは、木材に浸透し木部を保護着色する塗装の仲間だ。今回はアメリカの家具作家が基本的なワックスがけの方法として用いている、スチールウールを使ってワックスをすり込むように塗る方法を紹介する。

スチールウールはスーパーなどで洗浄用に売られている極細で洗剤が含まれないタイプを使用する。インターネットで探すとワックス塗装用スチールウールもあるはずだ。

スチールウールを使ったワックス塗装はいたって簡単。適量のワックスをスチールウールですくい取り、きれいに下地調整された面に、木目に沿ってすり込むように塗ればいい。そして目で見てこれで十分となるまで塗装を繰り返す。あまり厚く塗ることはできない。無理に厚塗りすると、できあがってもワックスが乾燥せず、ベタベタになってしまうので注意する。しかしベタベタにしてしまっても、ウエスなどでぬぐい取れば簡単に修正できる。素手だとワックスで手が汚れるので、必ずゴムやプラスチックの手袋をして作業したい。ワックス塗装が済んだら、写真のようにウエス状のペーパーなどでよく磨いてやればいい。よく拭くほどにツヤが出てくる。

色つきのワックスの場合、塗布したワックスに衣服などが触れて汚してしまう可能性があるので、好みの色で塗装後、数日してワックスが硬化したのを見計らって、クリア色のワックスを全体に塗り、ごく薄い透明な被膜を作ってやると安心だ。この工程を加えるとツヤを増すこともできる。

 

使用したのはターナー色彩の新製品「アンティークワックス」。容量120g(1平米当たり20~30g)、カラー全8色(クリア、ホワイト、チーク、ラスティックパイン、チューダーオーク、ダークオーク、ジャコビーン、ウォルナット)

 

ワックスを塗るために使うのはスチールウール。スーパーなどでスチールウールたわしとして売られているものから洗剤分の配合されていない極細タイプを選ぶ

 

ワックスのついたスチールウールは素手でさわると手が汚れるので、写真のようなプラスチックやゴムの手袋は必須だ

 

<ワックス塗装の手順例>

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*掲載データは2015年12月時のものです。

塗装で家具を蘇らせる(1)/水性多用途塗料を重ね塗りするエイジング塗装のやり方

使い込んだり、年月を経ることで家具は徐々に劣化していく。一番顕著に表れるのは塗装部分だ。一番目立つ部分でもあるので、再塗装は家具を蘇らせるには効果的だ。

ちょっと飽きた家具は再塗装でイメージチェンジ!

古ぼけても愛着のある家具を塗装で再生しよう。

今回の記事ではふたつの家具をモデルにして水性多用途塗料を使う方法と、ワックスを使う方法で実際にリペインティングしている。

 

CASE1 水性多用途塗料を重ね塗りするエイジング塗装

Before

 

After

 

下地調整の手順例

  1. 全体のほこりやチリをぬぐってしまう。
  2. 研磨カスを受ける下敷き、滑り止めを敷く。
  3. 1回目の研磨。60番か80番のサンドペーパーで研磨し、古い塗装を落としていく。
  4. 研磨後は研磨カスをはき落とす。
  5. 2回目の研磨。120番で1回目の研磨すじを削り落とすように研磨する。
  6. 研磨カスをはき落とす。
  7. 3回目の研磨。180番で2回目の研磨面をよりなめらかに研磨していく。
  8. 研磨カスをはき落とす。
  9. 4回目の研磨。240番で研磨面をならすように研磨する。
  10. 研磨カスをはき落とし、よく絞ったウエスで全体を水拭きする。
  11. 全体を完全に乾燥させる。

 

きれいな塗装の7割は下地調整で決まる

塗装は、劇的に色調や雰囲気を変えることができるので、塗料を塗ることに気を取られて当然だが、塗装の本当の醍醐味は、下地調整と呼ぶ塗装する面をなめらかに研磨する工程にある。

今回塗装したカラーボックスはMDFボードに樹脂のシートを張った素材なので、下地調整は塗装が載りやすいように、面全体を均一に荒らすという工程になる。荒らすといっても、ザラザラにするのではなく、少しずつサンドペーパーの番手を細かくしながら、研磨によってつくスジをだんだんと細かいものにし、最後に塗料がなめらかに載りやすい、微細なスジのついたなめらかな面を作る作業になる。

下地調整の最終段階は、手でさわった感じがサテン調のサラサラした感じにするのが目標になる。一般の木材でも工程は同様だ。

市販のサンドペーパー(紙やすり)を使ってサンディングする

 

やすり目の程度は裏に印刷された数字で判断できる。写真のサンドペーパーは120番

 

電動サンダーを利用してスピーディに均一に下地調整する

研磨には紙やすりとも呼ばれるサンドペーパーを使う。サンドペーパーは鋭い鉱物の粒を用紙に接着したもので、用紙に印刷される番号が小さいほど粗く、番号が大きいほど細かくなる。木工では60番、80番、120番、180番、240番、320番、400番などが多く使われる。

基本的なサンディングは現在では電動工具のサンダーを利用する。以前はサンディングブロックという、硬木の角材にサンドペーパーを巻いたもので面を研磨するのが基本だったが、あまりに時間がかかるのと、熟練しないと研磨むらを作ってしまうので、ごく小さな研磨以外、現在はDIYからプロまで電動サンダーが使われる。

電動サンダーにはいくつかの種類があるが、今回のような家具の場合はオービタルサンダーと呼ぶ種類のサンダーを選びたい。オービタルサンダーはサンダーの中で一番作動が穏やかで下地調整に使いやすいモデルだ。市販のサンドペーパーが使えるのでコストパフォーマンスも有利だ。

 

平面下地調整のメイン工具

スプリングを使って適切なテンションでサンドペーパーが固定でき、アルミダイキャストベースで正確な平面を保持できる。中上級者にも使いやすいオービタルサンダー

 

<オービタルサンダーのセッティング例>

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エイジング塗装の手順例

  1. 下地調整が済んだ面に下塗りの塗装をする。下地が透ける部分があってもよい。
  2. 塗装面が完全に乾くまで十分乾かす。
  3. 下塗りの塗装の上に上塗りする。多少まだらに透けるように薄めに塗ってもよい。
  4. 上塗りの塗装が下塗りの塗装面に密着し、完全に乾燥するまで待つ。
  5. 180番のサンドペーパーで必要な部分を削り、下の塗装面を出したり、木地面を出したり使い込んだ感じに加工する。
  6. (おまけ)塗装が完全になじんだ頃を見計らって、アンティークワックスなどクリアのワックスを塗ると、より自然な感じになる。

 

明るい重ね塗りで塗装に表情をつける

異なる色を塗り重ねておいて、塗装が乾燥したら部分的に塗装をはがして、下地と下塗りと上塗りの兼ね合いやはげ具合で、使い込んだ雰囲気を出すのがエイジングだ。今回はこのテクニックを使って、暗い(黒い)感じの棚を正反対の明るく軽やかな雰囲気に塗装する。塗装のはがしはエイジングの一種であるが、今回は補助的な工程として、下塗りに対して上塗りを少しむらに塗って、下塗りの色味も見える状態で塗装するエイジング塗装とした。

使用した塗料はアサヒペンのマグカラーと呼ばれる水性多用途塗料。屋内外木部だけでなく鉄、プラスチックなどにも塗れる多用途塗料で、暖かな雰囲気の色調で35色をラインナップする家具塗装に使いやすい塗料だ。

塗装に使った塗料はアサヒペン・水性多用途マグカラーの水色、カーキー、アイボリー。マグカップ型の容器ひとつで0.8平米程度塗れる

 

下地調整の済んだ上に下塗りをするが、古い家具の下塗りプライマーは大体が白色なので、それを意識してアイボリーをベタ塗りする。下塗りは入隅や細かな部分まで塗っておく。広い平面は多少かすれても大丈夫だ。下塗りが済んだら十分に乾燥させる。乾燥時間は塗料の指示時間以上はとりたい。下塗りが十分乾いたら上塗りする。塗り色は水色をチョイスした。わざとかすれさせて塗り、下塗りが透けて見える部分を残したりすると、水性多用途塗料でも変化のある表情をつけることができる。上塗りが乾いたら全体を見渡して必要な部分にサンドペーパーをかけて下塗りや下地の見える部分を作れば完成だ。重ね塗りは事前に端材などで練習しておくと雰囲気がつかみやすいだろう。

 

<簡単!サンディングブロックの作り方>

<水性多用途塗料を使ったエイジング塗装例>

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*掲載データは2015年12月時のものです。

オイル缶を使って初めての竹炭作りに挑戦!/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(15)

12月の新月のときに伐採した真竹が乾燥し、ようやく竹炭焼きに取りかかれる時期になった。オイル缶を使った初めての竹炭作り。うまくいくだろうか?やってみなくちゃわからないけど、ちょっとワクワク、ちょっとドキドキ。でも、森のなかの炭焼きって、気持ちいいっす。

 

2~3分割し、乾燥させた真竹。本当は肉厚な孟宗竹のほうがよかったのだが、太めの真竹なら大丈夫と判断

 

窯を取り出し、運命のフタあけ。な、なんと!これは炭なのか!?

 

超簡単な窯作り、前途は明るい…

溝口秀士さんという方が書いた『すぐにできるオイル缶炭焼き術』(創森社刊)という本がある。「すぐにできる」というところが気に入って、さっそく購入し、その実践機会を待っていた。昨年の12月、山から真竹を切り出して2~3分割したものを乾燥させておいたのだ。1カ月以上経ち、ついにその時が来たのだ。

ただし、頼れるのは、溝口さんが書いた『すぐにできるオイル缶炭焼き術』だけ。しっかりと読み、なるべく素直にそのやり方を踏襲することにした。

まず窯を作らなきゃいけない。用意するのは使用済みのオイル缶。これは近くの整備工場でもらってきた。あとは煙突。溝口方式では「波トタンを巻いたもので代用」だったが、これは物置にあったストーブ用の古い煙突をそのまま利用。これをディスクグラインダー、金切りバサミ、ペンチなどで加工し、写真のような窯を作った。ここまでは超簡単。前途は明るい。

 

<オイル缶の窯の作り方>

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森に漂う炭焼きの煙と香り、これが幸せの時間…

某月某日、いよいよ決行の朝がきた。地面に穴を掘り、窯を沈め、煙突をドッキングさせてセッティングする。窯の底に竹を2段に敷き、その上に、竹を立てた状態でびっしりと詰め込む。ついでにお茶の空き缶に松ぼっくりや栗のイガなどを詰め込んだものを入れてみた。これも炭になるらしい。窯の周囲を土で埋め固め、これで準備OK。着火まであと少し。見上げれば、森に陽光が差し込み、小鳥のさえずりなんかも聞こえてくる。まさにイメージどおりの炭焼き日和。

まず、詰め込んだ竹の上に、乾燥したスギの葉や枝などの焚き付けを載せて着火。即うちわで扇ぎ、煙突から煙が噴出してきたのを見届けると同時に、空気口が煙突と反対側になるようにフタを閉め、今度はフタの空気口をあけて、うちわでパタパタと扇ぎ立てる。煙突から白い煙がもうもうと立ち込め、あたりに霞みがかかる。そこに陽光が差し込み、乱反射し、小鳥のさえずりがまた一段と激しくなる。これが、清く正しい、森の暮らしなのだ。

続いて、まだやることがたくさんある。焚き付けがなくなってきたら、空気口からさらに新しい焚き付けを投入し、追い炊きし、窯の温度を高くし、それに合わせて、空気口を少しずつ閉めていき、さらに煙突の煙が透明になってきたら、ふたたび空気口を5分ほど全開し、次にふたたび空気口をふさぎ、窯全体に砂をかけて密封し、最後は煙突まで抜いて、砂で埋める…などということらしいのだが、そのへんから雲行きがおかしくなってきた。

 

<竹炭の焼き方>

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第一、窯の中がどうなっているのかわからない。頼りは煙突の煙だが、透明なのか、ただ単に出ていないのかも不明。意味もなく空気口を開け、うちわで扇いで、煙を出してみたりもしたが、ま、とにかく、「竹炭は2時間でできる」を信じて、じっと待ったあと、意を決して、窯を取り出し、フタを開けてみた。すると、な、なんと、炭らしきものが窯の中でしっかと立ち並んでいるではないか。ただし、正直に言おう。それは、炭らしきものではあったが、天に向かって、これは炭だとは言えないものだったのだ。半分は炭だが半分は茶色かったり、焦げている竹だったり…。思い当たる失敗の原因は多々ある。排煙口のすき間を完全にふさがなかったり、もしかしたら竹の乾燥も足らなかったのかもしれない。うちわのバタバタが足らなかったのかもしれない…などと反省しつつ、青空にリベンジを誓った。

PS:大量の「炭のようなもの」は、部屋の脱臭剤として活躍しています。

 

これは炭と言っていいんだろうか?炭焼きは、何回か失敗を繰り返して覚えるしかない?!

 

松ぼっくりも結構面白い炭になった

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2016年8月時のものです。

 

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ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

デザイン、使い方、遊び方自由…!鉄鍋でファイヤープレイスを作ってみた/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(14)

焚き火が嫌いだという人に会ったことがない。夕闇のなかでチロチロと燃える炎を前に、人はいろいろな想いを馳せ、寡黙になって火を見つめる。そんな時間が人生には必要だと思うのなら、庭にファイヤープレイスを作ろう。都会じゃできない。里山暮らしの特権だ。

 

小さな焚き火の思い出

ファイヤープレイスというと懐かしい思い出がある。ずいぶん昔、若い人類学者とふたりで、東アフリカのサバンナの1本道を果てしなく歩いたことがある。疲れ果て、やがて荒野にポツンと棘の木が1本だけ立っている場所にたどり着き、ここでひと休みすることにした。小さな焚き火の跡があり、我らも石を集めて火床を作り、小枝を集めて、肉を焼いた。そのとき石の下に吸いかけのタバコを発見したのだ。

人類学者が言うには「これは数日前にここを通った人からのプレゼントだ」と。つまりそれは、厳しい自然を生きる旅人同士の連帯の挨拶だという。

我らは暮れゆく光のなかでその吸い殻に火をつけ、スワヒリ語の古い言い伝え「山と山は出会えないが人と人は出会える」(ミリマハイクタニ ラキニビナダムフクタナ)を地でいく体験を楽しんだ。小さな炎にまつわる、アフリカの旅の思い出だ。

 

そんな炎を庭で楽しむために、ファイヤープレイスを作りたい。アフリカでは3個並べた石の上にコッヘルを置き、小さな火をおこすだけだが、庭で灯りを楽しみ、暖を取り、焚き火料理をするなら、やはりある程度大きなファイヤープレイスを作りたい。

いろいろなパターンがある。石、レンガ、枕木、砂利、モルタルなどを組み合わせて、好みのデザインにすればいい。ここでは、たまたま実家の庭で池の代わりに使っていた、大きな古い鉄鍋を掘り出し、焚き火台として使ってみることにした。直径約90cm、深さ約40cm、4~5人が火を囲むにはちょうどいいサイズなのだ。

 

鉄鍋でファイヤープレイスを作った

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

まず地面にくぼみを掘り、鉄鍋をどすんと置く。次に、周りに石(タフステンストーン)を置いた。鉄鍋だけよりも、このほうがデザイン的に落ち着くし、足置きや食器や食材などを置く場所にもなる。次にエキスパンドメタルを丸くカットし、鉄鍋のなかにはめた。すき間が下にでき、この上に置いた薪がよく燃える。まずは成功だ。

後日、雨が降った。雨を避け、屋根つきのデッキで焚き火ができないか?そこで目に入ったのが輪切りにしたドラム缶の残骸。これをデッキに運び、その上に鉄鍋を載せてみた。火を使わないときは板を載せてテーブルにもなりそうだ。これはいい。

 

鉄筋のロープ止めを3本、番線でつないで三脚を作り、ダッチオーブンを吊るし、鍋料理を楽しむバージョンも考えてみた。かっこいいけれど、鍋がひっくり返りそうで怖いかも…

 

夜、雨音を聞きながら、鉄鍋に小さな火をおこし、遠きアフリカを旅した日々を思い出す。どうやら焚き火は記憶を喚起する装置でもあるらしい。そういえば誰かが言っていたな。年を重ねたとき、語るべき旅がない人生なんてつまらない…。DIYer諸君、一度作る手を休めて、旅をしよう。

 

網を載せ、ポトフを温めて食べた

 

日が暮れてきて、ファイヤープレイスに着火。じっと炎を見ていると昔の記憶が蘇る

 

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2016年6月時のものです。

 

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ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

編集部が実践!移動式の2ウェイ室外機カバーの作り方

ガーデニングによし、BBQパーティーでも大活躍!

あるときはガーデニング用シェルフ&作業台、またあるときは野外パーティー用の移動式ワゴンというふたつの顔を持った便利なヤツ。これが本誌スタッフが考案したオリジナル室外機カバーだ。難しい技術一切無しのビギナー向けだから、どんどん真似してもらっちゃったり、進化させてくれちゃってもOK。日本中の庭を楽しくしたいですから!

 

プランニング

単に室外機を隠すだけでなく、より積極的に利用できるものをということで考えたのが、普段は「ガーデニングの作業台」だが、休日にデッキなどで食事をするときに「移動式ワゴン」のような利用ができるという2ウェイの室外機カバー。脚にキャスターを取り付けるのと、天板を折りたたみ式にして広くできるというのがポイントだ。

材料は安価で軽いSPF 材を使い、接合は基本的にビス留めによる突き合わせ、最後に好みの色で塗装するというビギナー向けの内容になっている。プラスαとして、棚やトレリス調の背板をつけてみたが、他にもワゴンとして使うときの「取っ手」や「引き出し式の収納」などがあると便利かもしれない。

 

サイズを決めて骨組みを作る

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棚板や天板を取りつける

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ルーバー部分を取りつける

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背の格子板を取りつける

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ワイヤーを使って折りたたみ式の天板にする

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キャスターを取りつける

脚の底にキャスターを取り付ける。ここも小さな下穴をあけてからネジ留めしたほうが安全。なおキャスターはストッパーつきのものを使用すること

 

塗装する

ここではキシラデコールのワイズを塗装した(木目が見えるステイン塗装)

 

完成!デッキ上におしゃれな家具が増えたって思っちゃいました!

 

さっそく室外機に合わせてみる。ばっちりでした。このぐらい余裕のサイズにしたほうが引き出しやすい

 

折りたたみ天板を上げれば使いやすい作業台になる!

 

キャスターがあれば、出し入れがかんたん!

*掲載データは2014年8月時のものです。

リノベーション・パターンBest5完全攻略/漆喰を塗る!

代表的な5つのリノベーション・パターンに編集部員がチャレンジ。で、作業後の率直な感想は「どれも特別な技術は必要なし! やる気さえあれば十分にDIYでできる!」。この5つのパターンを組み合わせれば、かなり大幅なリノベーションが可能なはず。やってみよう!

*Pettern1「天井を抜く!」はコチラ

*Pettern2「壁を抜く!」はコチラ

*Pettern3「畳をフローリングに張り替える!」はコチラ

*Pettern4「壁紙を張る!」はコチラ

 

Pettern5 漆喰を塗る!

漆喰の持つ柔らかでナチュラルなテイストは、部屋の居心地を格段にアップさせる。難しそうに見える壁塗りは、実は遊び感覚満載のDIYターゲット。気がつけば、左官作業の面白さに手が止まらなくなるはずだ。

Before

 

After

 

<使用材料>
うま~くヌレール(仕上げ用/オレンジ)

<使用道具>
コテ、コテ板、角コテ、ビニール手袋、マスカー、マスキングテープ、ファイバーテープ、ヘラ、スポンジなど

 

Point1 DIYでは下練り不要の漆喰がおすすめ

今回の撮影で使用したのは「うま~くヌレール(仕上げ用)」。面倒な下練りの必要がなく、フタをあけたらすぐに塗れるので、ほんとに簡単!ビニールクロスや砂壁などの古壁、プラスターボードの上から、直接塗れる漆喰だ。

 

Point2 壁の素材に合わせて下塗り用の漆喰を

合板やモルタル壁、タイルなど、そのまま漆喰が塗れない壁は、下塗り用のうま~くヌレールを使えばOK。これを塗れば、シーラーやラスシートなど面倒な処理なしで、室内外の壁塗りを楽しむことができるのだ!

モルタル壁に下塗り用のうま~くヌレールを塗っている様子。下塗りの翌日以降に仕上げ用の漆喰塗りに取りかかろう

 

Point3 プラスターボードの継ぎ目処理

プラスターボードの壁に漆喰を塗る場合、ボードの継ぎ目に漆喰をそのまま塗ると、乾燥後にひび割れしてしまう。継ぎ目には、ファイバーテープを使った下地処理を必ず施しておこう。

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<作業手順>

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簡単で個性的な仕上げパターンBest3

下地処理をした壁に仕上げの漆喰を塗っていこう。ここではビギナーでも楽しめる、コテを使わないパターンを紹介!

パターンをつける際は、コテで二度塗りをしながら進めていこう

 

超簡単で味がでる!ビニール手袋仕上げ

 

台所用品が大活躍スポンジ仕上げ

 

水平な線が美しいクシ引き仕上げ

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*掲載データ2014年8月時のものです。

リノベーション・パターンBest5完全攻略/壁紙を張る!

代表的な5つのリノベーション・パターンに編集部員がチャレンジ。で、作業後の率直な感想は「どれも特別な技術は必要なし! やる気さえあれば十分にDIYでできる!」。この5つのパターンを組み合わせれば、かなり大幅なリノベーションが可能なはず。やってみよう!

*Pettern1「天井を抜く!」はコチラ

*Pettern2「壁を抜く!」はコチラ

*Pettern3「畳をフローリングに張り替える!」はコチラ

 

Pettern4 壁紙を張る!

施工が簡単で、効果は絶大。モダンで落ち着いた部屋から、ポップでカラフルな部屋まで、空間のイメージをガラッと変えたいなら、壁紙を張ってみよう。用意する道具は、のりとハケとカッターでOK。この快感、ぜひ味わってください。

Before

 

After

 

<Renovation Data>
広さ…間口3.5×高さ2.3m
作業人数…1人
所要時間…約2時間
材料費…約2万円(壁紙2ロール、専用のり)

 

<使用道具>
バケツ(ローラーバケ用トレイ)、ローラーバケ、ハケ、撫でバケ、竹ベラ、地ベラ、カッター、ジョイントローラー、スポンジ、メジャーなど

 

Point 使用する道具と材料はシンプル!

壁紙張りに電動工具は一切必要なし。写真のとおり、専用のりと数種類のハケ、カッターがあれば、誰でも気軽に始めることができる。ハケをはじめ、ヘラなどは手持ちの道具を代用してもいいだろう。なお、これら道具は壁紙を販売するウェブショップなどで、セットになって販売されていることが多い。そこで一気にそろえてもいい。

今回の施工に使用した道具類と一部材料。左上から時計回りに、バケツ、撫でバケ、地ベラ、ローラーバケ、カッター、ハケ、ジョイントローラー、竹ベラ、フリース壁紙専用の粉のり

 

<作業手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

*掲載データ2014年8月時のものです。

賃貸物件にも導入可能!国産スギの木材をフル活用して、部屋の一角にワークスペースを作る!

編集長の身に年一ペースでやってくる腰痛による寝たきりの日が再び訪れるのを阻止すべく、編集部メンバーが立ち上がった!

 

After

 

Before。これがドゥーパ!140号で編集長が製作したスタンディングデスク。天板の高さは、編集長の身長180cm+スリッパを履きながら立つことを想定して106cmに設定してある

 

最近、とある事情で編集部2階の和室をリノベーションした。床は畳からフローリングに、障子や襖はリメイク、壁は漆喰塗り……と、なかなかに大規模な作業となったため、リノベ開始前に本誌140号の同企画で編集長・設楽が導入した、腰痛持ちの同士に捧げるスタンディングデスクは撤去されてしまった(前述写真参照)。

リノベは昨年秋ごろから始め、今年の1月半ばに作業は完了。その期間、本誌編集長はデスクワークで半日ぐらい座りっぱなしという日も何度かあったはずだ。これではまた腰がいつ爆発(ギックリ腰)してもおかしくない。一刻も早くスタンディングデスクを復活させなくては。

 

ホームセンターでおなじみ加工しやすいスギ無垢材!
中国木材の建材でお手軽リノベ

<カフェ板>

木端(板の側面)の「目隠し加工」が特徴。三角形の凸部と凹部を重ねていくことで簡単にすき間なく材を並べることができる。サイズは30×200×2000mm。参考価格1400円

 

<リノベ柱>

カフェ板がぴったりはまる溝を設けた、2×4サイズの柱材。サイズは38×89×3000mm。溝は幅31×深さ18mm。参考価格1200円

 

<ムクボード>

国産スギ材をはぎ合わせた板材。サイズは24×910×1820mm。参考価格5000円

 

●問い合わせ…中国木材
TEL:0120・707・141

 

<木取り表>*リノベ柱2本、カフェ板5枚、ムクボード1枚使用

材の種類 長さ(単位はmm) 数量 使用部位
カフェ板 1000 7
600 2
580 1 棚板
リノベ柱 2355 2
ムクボード 600×1200 1 天板
垂木材(30×45mm) 435 2 脚(下横)・天板受け
985 2 脚(縦)
515 1 脚(上横)

<その他の材料>
ラブリコ2×4アジャスターアイアン×2セット、棚受け金具150mm×2個、ビス55mm、オールドウッドワックス(スモークグレー)、キシラデコールインテリアファイン(カスタニ)

<主な使用道具>
丸ノコ、ジグソー、インパクトドライバー(プラスビット1番/2番)、プラスドライバー、カナヅチ、角度定規、メジャー、鉛筆、ハケ、スポンジ、マスカー

材料費…約1万6000円(塗料は除く)

 

製作ダイジェスト

*すべての部材を木取りしたら、あらかじめ塗装しておくこと

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

POINT
柱の溝に壁材がうまく入らないときは、壁材の角をサンドペーパーで削ったり、カナヅチで叩いてへこませる(木殺し)とはまりやすくなる

 

というわけで製作したのがこのミニワークスペースだ。せっかくなので今回は中国木材の建材を使い、以前よりもちょっとグレードアップさせてみた。

作り方は、リノベ柱と突っ張り金具で柱を立て、カフェ板で仕切り壁を作り、ムクボードの天板を角材で作った脚と受けに固定するだけ。作業は丸一日あれば完成できるはず。壁や床にビス留めはしていないので賃貸物件でもOKだ。リモートワークで集中するための空間としてはもちろん、ちょっとしたDIYの作業場として使うのもおすすめですよ!

リノベーション・パターンBest5完全攻略/畳をフローリングに張り替える!

代表的な5つのリノベーション・パターンに編集部員がチャレンジ。で、作業後の率直な感想は「どれも特別な技術は必要なし! やる気さえあれば十分にDIYでできる!」。この5つのパターンを組み合わせれば、かなり大幅なリノベーションが可能なはず。やってみよう!

*Pettern1「天井を抜く!」はコチラ

*Pettern2「壁を抜く!」はコチラ

 

Pettern3 畳をフローリングに張り替える!

畳をフローリングに変えれば、イメージチェンジ効果は絶大。お気に入りのフローリング材を張れば、部屋にいるだけで気分が盛り上がるだろう。作業はいたってシンプル。コツコツと繰り返し、ウッディな床を手に入れよう。

Before

 

After

 

<Renovation Data>
広さ…8畳
作業人数…2人
所要時間…約8時間
材料費…約7万7000円(フローリング材=約5万2000円)

 

<使用道具>
充電式集じん丸ノコ、インパクトドライバー、カナヅチ、クギシメ、カッター、定規(アルミアングルで代用)、メジャー

 

Point1 畳(廃棄物)の処分方法を決めておこう

撤去した畳、再利用の方法があればベストだが、そうもいかず置き場に困るという場合は、あらかじめ処分方法を決めておきたい。まずは施工場所の市町村に問い合わせること。適切な方法を指示してくれるはずだ。ちなみに今回の施工場所、埼玉県日高市では、近辺の産業廃棄物処分業者を数件紹介された。各業者に問い合わせたところ、畳の引き取りが可能か否か、こちらからの持ち込みが可能か否かなど、業者によって違いがあり、畳を引き取る業者では、畳1枚の処分代は2000~2500円が相場だった(その他に運搬費が必要な場合あり)。

 

Point2 根太や合板の厚さの決め方

畳(Before)とフローリング(After)の高さは、同じに仕上げるのが無難。高さを変えてもいいが、その場合、ドアが床に当たったり、気になる段差ができたりして、余計な手間がかかることも。同じ高さにするなら、「畳の厚さ」=「根太+合板+フローリング材の厚さ」ということになる。今回、各材の厚さは下図のとおりとした(できれば合板は12mmが理想だが…)。

 

Point3 フローリング材もビス留めで時間短縮!?

フローリング材の固定には、サネを組み合わせるときに邪魔にならないよう、頭の小さいフロアクギを使うのが定説だが、それなりの作業時間を要する。そこで、せっかちな編集部員がビス留めを試してみたところ、雄ザネを割らないよう一定の角度とスピードでビスを打ち込めば、問題ないことが判明(35mmスリムビス使用)。これにより作業時間の短縮が実現できた。

 

<作業手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

*掲載データ2014年8月時のものです。

リノベーション・パターンBest5完全攻略/壁を抜く!

代表的な5つのリノベーション・パターンに編集部員がチャレンジ。で、作業後の率直な感想は「どれも特別な技術は必要なし! やる気さえあれば十分にDIYでできる!」。この5つのパターンを組み合わせれば、かなり大幅なリノベーションが可能なはず。やってみよう!

*Pettern1「天井を抜く!」はコチラ

 

Pattern2 壁を抜く!

部屋の仕切り壁を抜いて、広々とした空間を創出するのは、リノベーションの定番パターン。石膏ボードなど両面の壁材を取りはずし、下地の間柱を撤去するというのが、基本的な作業手順だ。施工後はがらりと景色が変わり、大いなる達成感を得られるに違いない。

Before

 

After

 

Before

 

After

 

<Renovation Data>
広さ…間口1.8×高さ2.3m
作業人数…2人
所要時間…約4時間
材料費…0円

 

<使用道具>
ドライバードリル(ドライバービット、15mm径ドリルビット)、引き回しノコ、インテリアバール、バール、カナヅチ、クギ抜き、金切りノコ、ブルーシート、養生テープ、脚立

 

Point 構造材の撤去はタブー

基本的に、間柱とは壁の下地として立っている細い材のことで、壁を撤去するなら、一緒に撤去しても問題ない。ただし、通し柱や管柱、スジカイといった構造材を撤去するのは絶対にダメ。撤去したいものが構造材かどうか見極める自信がない場合は、大工さんや建築士など専門家に相談したほうがいいだろう。

 

<作業手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

*掲載データ2014年8月時のものです。

リノベーション・パターンBest5完全攻略/天井を抜く!

代表的な5つのリノベーション・パターンに編集部員がチャレンジ。で、作業後の率直な感想は「どれも特別な技術は必要なし! やる気さえあれば十分にDIYでできる!」。この5つのパターンを組み合わせれば、かなり大幅なリノベーションが可能なはず。やってみよう!

 

Pattern1 天井を抜く!

天井を抜けば、頭上の開放感が大幅にアップ。構造材むき出しのラフな雰囲気が味わい深い。作業上の注意点といえば、電気配線を傷つけないようにすることくらい。使う道具も限られ、ペースをつかめばガンガン作業が進んでいくはずだ。

Before

 

After

 

<Renovation Data>
広さ…3畳
作業人数…2人
所要時間…約3時間
材料費…0円

 

<使用道具>
ドライバードリル(15mm径ドリルビット)、引き回しノコ、インテリアバール、カナヅチ、クギ抜き、ブルーシート、養生テープ、脚立

 

Point1 頭と顔をしっかり保護!

上を向いて天井を解体していると、常に細かい粉じんが降ってくるし、予期せぬものが落下してくることも考えられる。必ず、頭、目、鼻、口をしっかりと保護して作業に臨むこと!

 

Point2 石膏ボードの撤去に大事な道具はこのふたつ!

石膏ボードを撤去する際の切断作業には、ドリル穴に差し込めて、曲線切りもしやすい引き回しノコがあると便利。また、石膏ボードを引きはがすには幅広のインテリアバールが使いやすい。クギ抜き一体型なら言うことなしだ。

引き回しノコ

 

クギ抜き一体型のインテリアバール

 

Point3 断熱材はきれいに取り外したい

天井を撤去することで、室内の断熱性、防音性が低下することは避けられない。それでも、改めて屋根下地に断熱材を張り直せば、低下を軽減することができるだろう。その場合、天井裏の断熱材をきれいに取り外しておけば、再利用しやすい。ちなみに今回の現場では、断熱材は野縁にタッカーで留められていた。

 

<作業手順>

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*掲載データ2014年8月時のものです。

竹害解消にひと役!階段アプローチに竹フェンスを作る/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(11)

よく手入れされている竹林は美しいが、放置された竹林は見苦しいばかりじゃなく、樹木の生態系を脅かす竹害として大きな問題になっている。そこで、もし、竹を使ったフェンス作りがポピュラーになれば、竹害対策に悩む里山ライフの一助になるんじゃないかと立ち上がったのだが……!?

 

 

やっぱり和テイスト……!?

房総のいすみ市にあるドゥーパ!のガーデンスタジオは山間の傾斜地にある。入口が階段になっていて、片側は地面がむき出しの切り通し、夏には雑草が伸び放題。もちろん、あまり見栄えがよくない。そこで、竹を使ったフェンスを作ることにした。冬の時期、竹は水分が少なくて、伐採後に虫がつきにくいとか。その竹は敷地内にふんだんにある。敷地内にある竹は、孟宗竹に比べて折れにくく、テーパーの少ない真竹であるのもフェンス作りにはちょうどいい。それになんといっても竹を利用することで竹林の整備にもなるし、他の樹木の保護にもなる。

ただし、竹を使ったフェンスは、どうやっても伝統的な和のイメージがつきまとうので、洋風の庭を目指す場合、デザインが難しい。がんばってもアジア風で、洋にはなりにくい。これをなんとかしたいと、いろいろ考えてみたが、やっぱり無理。そこでせめて少しでもモダンなデザインを心がけたのだが…。

まず、90mm角の柱を立て、その間に、4~6分割して細めに割いた真竹をすき間を作らずに、縦張り&横張りを併用して張っていった。幅広の笠木をかぶせ、下縁には垂木を取り付けた。こうしてできあがった竹フェンス。う~む、やっぱり和テイストか。柱や笠木は黒く塗装したが、思い切って白かブルーグレイにすればよかったとも思ったが、正直、その勇気がなかった。

 

手入れのされていない竹林。樹木の生態系の破壊にも通じる竹害は全国的に広がっている。竹フェンスはそのささやかな解決法…?

 

<真竹フェンス作りの手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

竹挽きノコはすごい!

竹林に入って竹を切るのが、けっこう大変。切るのは簡単だが、樹木が密集していて、枝がかりするのでまず倒れてこない。そこで真下に引っぱり、適当な長さでカット、また引っぱってカットというふうに、だるま落としの要領で引っぱり出すしかなかった。カットは荒めの剪定ノコと竹挽きノコを用意したが、圧倒的に竹挽きノコのほうが楽だった。竹挽きノコはエライ!

岡田金属工業所製の竹挽きノコが大活躍した。想像以上の切れ味

 

乱張り石のペイビングと固まる土で、階段の修復を

当初は予定になかった階段の再構築もやらざるを得なかった。実は、ここ数年、土留めの板だけで踏ん張ってきた土の階段だったのだが、よく見ると左右に土が崩れ、土留めの板そのものも腐りかけている。当然できあがった竹フェンスとのバランスも悪い。そこで、資材置き場をひっくり返して発見した乱張り石、固まる土、板材、杭、砂、砂利、セメントなどを駆使し、できるだけお金をかけないアプローチ階段作りに挑んだ。

まず、適当な板材を探し出して塗装し、各段の土留めの板を補強。これまでは正面だけだったのを左右にも入れて「コの字型」の土留め板とした。続いて砂利を敷き、点圧したあと、モルタルを使って乱張り石を敷いたのだが、圧倒的に量が足りず、仕方がないので各段の端に少しずつ集めて敷き、「これはデザインなのだ」と無理やり思い込むことにした。乱張り石のない、残った部分は、いろいろな色やメーカーの固まる土をごちゃまぜにしてぶちまけ、平らにならし、乱張り石の目地を埋めた。そのあとに水をまいて終了。真竹の伐採から階段ペイビングまで、ほぼひとりで5日間の作業だった。

 

<階段の修復の手順>

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取材・文◎脇野修平

*掲載データは2015年12月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

簡単に低コストでキュートな小屋をDIYで作ろう!

骨組みは2×材、外壁&屋根はトタン波板を採用。できるだけリーズナブルな材料を使った小屋作りの模様をリポート。ビギナーでもより気軽にチャレンジしやすい構造を目指し、通常の2×4工法をアレンジした、間柱の向きと棟木の形状がポイント!

外壁材のトタン波板は横張りに。コーナーのトリミングと破風板には2×6材を使用。通常は1×材を使うことが多いが、今回の場合は重厚感のある2×6材のほうが、トタン壁とのバランスが良いと判断

 

 

この小屋の最大の特徴は、2×4材で作る壁フレームの間柱の向き。通常の2×4工法では向きをそろえて組むのが一般的だが、2×4材の幅広のほうを外側に向けて組んでいる。これによりOSBの継ぎ目部分にあたるフレームの幅が広がって、ビスの打ち損じを減らせる。 また、屋根の束柱も間柱と同じ向きに固定し、棟木は2枚の2×材を逆T字に組んだ形状に。これにより垂木は角度切りを必要とせず、先端を棟木に載せてビス留めするだけでOK。よりビギナー向けの施工方法となっている。 通常の2×4工法の組み方をした小屋よりも強度的には若干劣ると思われるが、今回のようなコンパクトサイズの小屋なら問題なし。ぜひ気軽にトライしてみてほしい。

 

約3畳の室内。骨組みのみ水性ステインで塗装した。壁下地や野地板には構造用合板を使うことが多いが、今回はOSBを採用。独特の風合いを持つOSBなら、内壁を張らず、そのまま仕上げても雰囲気のいい室内に

 

【主な使用道具】
丸ノコ(木工用/鉄工用/プラスチック用チップソー)、スライド丸ノコ、インパクトドライバー(プラスビット2番/1番)、ドライバードリル(3/12mm径ドリルビット)、ジグソー(金属用ブレード)、ディスクグラインダー(金属用切断砥石、ディスクペーパー)、丸ノコ用平行定規、スピードスクエア、水平器、バール、ノコギリ、メジャー、自由スコヤ、チョークライン、サシガネ、ノミ、カナヅチ、ゴムハンマー、カンナ、ノミ、カッター、タッカー、金切りハサミ、波板ハサミ、つかみばし、コーキングガン、マスキングテープ、ハケ、塗料カップなど

【用意した資材】
2×4材(38×89×3658mm)26本
防腐処理済み2×4材(38×89×3658mm)7本
2×6材(38×140×3658mm)12本
防腐処理済み2×6材(38×140×3048mm)7本
OSB(9×910×1820mm)20枚
アカマツ野縁(30×40×3985mm)9本
スギ胴縁(15×45×4000mm)17本
アクリル板(9×910×1820mm)1枚
トタン波板(グレーホワイト8尺、約630×2420mm)8枚
トタン波板(グレーホワイト6尺、約630×1820mm)7枚
トタン波板(シャインブラック8尺、約630×2420mm)5枚
棟カバー(約1820mm)2本、コンクリート平板(60×300×300mm)8個
ルーフィング(1×21m)1巻、透湿防水シート(1×50m)1巻

【その他の材料】
ビス(50/75/90㎜)
スリムビス(38/40/50/65㎜)
なべ頭タッピングビス(25㎜)
溶融メッキクギ(50㎜)
捻り傘クギ(41㎜)
コーキング剤、蝶番(155㎜)3セット
取っ手2個
ドアラッチ1個

【用意した塗料】
屋外用水性ステイン(ウォルナット)

 

材料費…約14万円(塗料は除く)  

 

Work1 床を設置する

防腐処理済みの2×6材で床フレームを組み、OSBを2枚重ねて張る。

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます  

雑誌類をおしゃれにディスプレイしよう!三角ブックスタンドの作り方/かんたん家具3D図面集(16)

 

2種類の角材をフレームに、60mm幅に割いた野地板を張って作るブックスタンド。まずは細いほうの角材と野地板で棚を作るのだが、角材の取りつけ位置に注意。正面・上面図を参考に正確な位置に固定しよう。次にできあがったふたつのパーツを太い角材(支柱)で組み合わせたら、最後に45度に角度切りした側板を取りつければ完成だ。

 

ブックエンドは横板のすき間に収まる構造。適当なサイズの2×4材と、野地板の端材で作ろう

 

 

<主な使用工具>
丸ノコ(またはノコギリ)、ドライバードリル(2mm径ドリルビット、ドライバービット)、ヤスリ、メジャー、角度定規

 

 

製作◎ドイトウィズリ・ホーム

*掲載データは2017年8月時のものです。

作業台に便利機能をプラス!収納つきソーホースの作り方/かんたん家具3D図面集(15)

 

作業台として使うソーホースに収納スペースをつけたのが本作品。家具として、ガレージや工房の収納ツールとして使ってもいい。

脚や側板をはじめ、材の加工に斜めカットが多いので、ぜひとも丸ノコ用の角度定規を用意しておきたい。実際に合板の上に現物の設計図を書いた上で、材をあてがい、各材の角度を写し取ることをおすすめする。

収納スペースは手持ちの電動工具に合わせて広さを決定した。収納したいアイテムに合わせて、横桟の位置を調整するのもあり。自分流にカスタマイズして「使えるソーホース」作りを楽しんでほしい。

 

 

<主な使用工具>
丸ノコ(またはノコギリ)、インパクトドライバー(ドライバービット1番/2番)、ドリルドライバー(18㎜径ドリルビット)、丸ノコ用角度定規、サシガネ、アングル、クランプ(F型クランプ/スプリングクランプ)、キリ、メジャー

 

*掲載データは2017年8月時のものです。

毎朝、美味しい卵をいただこう!ニワトリ小屋の作り方/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(8)

早朝、ニワトリ小屋で産みたての卵を見つけたときの充実感!奇跡のような、まっ白な楕円の球体を手に取ってみると、ほのかにあたたかくて、まだ生命が宿っているのがわかる。そんな感性も田舎暮らしで培われるのだ。今回は正しいニワトリ小屋を作る話。

 

いい加減に作るとあとで後悔する。それがニワトリ小屋だ。では、どんな作りにすればいいのか? それを知るために、実際にニワトリ小屋を自作している里山の先輩たちに話を聞いてみた。

 

case1 Sさんのニワトリ小屋

まず、30年前から、千葉県いすみ市で「自給自足」の農業を目指してきたS夫妻。米や野菜を作るかたわら、20年前からはニワトリ小屋を自作し、その後、失敗と進化を重ね、「何棟作ったか忘れた」くらい、たくさんのニワトリ小屋を作ってきた。

 

ひさしが張り出し、雨水が吹き込むのを防ぐ。網は細めのチキンワイヤーネット。板を16cmほど地中に埋めて、イタチの侵入に備えている

 

 

産卵箱

 

case2 Aさんのニワトリ小屋

続いて、10年前、都内から千葉県大多喜町に移住し、里山暮らしをしながらクラフト製作を行なっているAさん夫妻。Aさん夫妻は、3年前、隣の家から若いニワトリのヒナをもらったことがきっかけになってニワトリを飼い始めた。

 

奥行き2800mm、幅2000mmの小屋に現在オス1羽、メス3羽。十分な広さだ

 

 

奥の部屋と手前の運動場の2室構成(A邸)。奥の部屋の床はコンクリート敷きの上にモミ殻を敷いている

 

case3 Nさんのニワトリ小屋

そしてもうひとりが、やはり千葉県市原市の里山で、ニワトリを飼っているNさん(80歳)だ。元宮大工で、小屋作りはお手のもの。

 

チキンワイヤーネットの下半分はホームセンターで見つけたプラスチックの網が張られ、二重になっている。基礎はみかげ石を布基礎のように並べている

 

 

産卵箱(N邸)。中にワラが敷かれている

 

中は2部屋に分かれており、連絡口で行き来できる。ケンカをしたりイジメがあるときは連絡口を塞ぐ

 

時々外へ出して運動させるが、タカやトンビに狙われるので注意しなければならないとか

 

必要な設備は…?

彼らの話を総合したアドバイスをまとめてみると…。

まず止まり木。夜はここで寝る。高さは1.8mくらいあってもいい。ニワトリはけっこう高く飛ぶらしい。次にエサ箱と給水器。太いモウソウダケの半割なんかを容器にしてもいい。給水器は空き瓶を利用した自作がおすすめ。また産卵箱も必要。これはメスが卵を産む場所。外からの視界を遮る壁を作り、下にモミ殻などを敷く。

 

夜ニワトリがゆっくり休める止まり木は必要な設備。高い所に設置しても大丈夫

 

産卵箱の例。合板で作り、モミ殻を敷いている

 

・部屋を分ける?
世代の違うニワトリを同じ場所で飼ってはダメ。ケンカをして傷ついたり、イジメで死んだりする。世代に合わせて、2、3室あると便利。

・広さは…?
高さは人が中に入って掃除などの作業をしやすくするために2mはほしい。床面積は広ければ広いほどいいだろうが、できれば5羽あたりで1.8×1.8mはほしい。

 

室内は2mほどの高さがほしい。人が立った状態で世話ができる

 

網の下半分を縦格子の竹を張って強化している例

 

・網フェンスは…?
菱形の網は野犬などに壊されやすいから駄目。チキンワイヤーネット(亀甲形の目の細かい網)を張り、ヘビ(アオダイショウやシマヘビ)の侵入に備えたい。2.5cm径の網目を抜けてヘビが入ってくることもある。また、網フェンスの下半分は竹を縦格子状に張って強化したり、二重にして、野犬やハクビシンに備える。ネットはできればステンレスかコーティングされたものがいい。ビニール膜のものは弱い。

・基礎は…?
イタチ除けのために、周囲の地べたを掘って、板やブロックを15cm以上埋め込む。生コンを打ち、ブロックを深めに埋めて布基礎にすれば完璧。

 

チキンワイヤーネットと呼ばれる網を使う。なるべく目の細かいもの

 

 

・すき間は塞ぐ
野ネズミやヘビ対策のため、すき間を見つけたらすみやかに塞ぐ。

・湿気はダメ、暑さもダメ
風通しをよくし、湿気を防ぐ。グチャグチャは禁物。雨除けのひさしはほしい。清潔を保つために小屋の中はこまめに掃除をする。夏の日陰を作るために、小屋のそばに落葉樹を植える。

・運動場はほしいが
ヒナや若いニワトリをタカやカラスが狙うので、囲いだけでなく、天井に防鳥ネットをかける。野鳥との接触も避けられ、鳥インフルエンザ対策にもなる。

 

水が入った空き瓶を逆さにして容器に入れるだけで、適当な給水器ができる

 

エサ箱の例。雨ドイを利用している

 

 

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2015年6月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

角度切りさえできれば簡単!ハンギングシェルフの作り方/かんたん家具3D図面集(14)

 

2×4材を67.5度の角度で正確にカットして組み立て、正八角形の枠を作ることがすべてといってもいい。スライド丸ノコがあれば比較的簡単だが、丸ノコの刃を正確にセットし、墨線に忠実にカットできれば、初級者~中級者でも作れる作品だ。

ここではシンプルなビス留めで接合したが、ビス頭が目立つのが嫌だったら、枠の組み立ては座ぐり穴をあけてからビス留めする「埋め木」をすればいい。また、棚板(1×4材)の組みつけは木工用接着剤で仮止めしたあと、ビス留めすれば楽だ。もちろんビス留めはすべて下穴をあけてからすること。

 

2枚の棚板は水平にすることさえ気をつければ、任意のサイズでかまわない

 

横から見る。枠板の接合や、棚板を接合するためのビス頭も見える。できればビス頭を隠すために座ぐり穴ををあけてからビス留めしたい

 

裏側から見たところ。ビス位置がわかる

 

壁に吊り下げるための額縁用の金具。重量があるので「大」サイズとした

 

 

<主な使用工具>
丸ノコ(またはノコギリ)、ドライバードリルまたはインパクトドライバー(ドライバービット)、ヤスリ、メジャー、角度定規

 

*掲載データは2017年8月時のものです。

写真のサイズも配置も自由自在!合板フォトフレームの作り方/かんたん家具3D図面集(13)

 

ラフな構造用合板をそのままフォトフレームにしてしまおうという発想。合板のサイズは自由。フレームのサイズや配置、形も好みで決めればいい。フレームの切り抜き方はいろいろあるが、ここではトリマーを使った。まず12mm径のストレートビットで深さ5mmの溝を彫る。トリマーにはガイドをつけて作業する(彫る位置によって平行定規とストレートガイドを使い分ける)。続いて、ガイドの位置はそのままにして3mm径のストレートビットにつけ替えて削る。9mm厚の合板に既に深さ5mmの溝が彫れているので、さらに深さ4mm以上で削れば、切り抜くことができる。

同時に、12mm径ビットと3mm径ビットの半径の差は4.5mmだから、切り抜いたラインの横には4.5mm幅、深さ5mmの溝ができる。それがアクリル板と背板を収める溝になるというわけだ。トリマーで彫った溝の端は丸いが、ノミで整えればOK。

 

<主な使用工具>
丸ノコ、トリマー(3mm径、12mm径ストレートビット)、ノミ、ドライバー、アクリルカッター、サシガネ、メジャー

 

 

*掲載データは2017年8月時のものです。

夜の庭で神秘的な空間を演出しよう。竹の循環利用にでっかい光が見えた!/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(7)

里山にとって「竹」とは何だろうと考えたら、いろいろ出てきた。タケノコ、竹炭、竹籠、竹酢液、竹クラフト…、いろいろな有効活用が考えられるし、反対に竹害という深刻なマイナスイメージもある。でも、いちばんロマンチックな活用法は「竹あかり」かもしれない。闇をほのかに照らす、ちょっと神秘的な光。これ、おすすめです!

 

竹あかりでユニークな起業

「竹あかり演出 ちかけん」というウェブサイトが面白い。偶然に見つけたのだが、もしかしたら、全国の里山で起こっている「竹害」対策や地域の活性化にも通ずる動きかもしれないと思ったのだ。

そのサイトのトップページには、小さな穴のあいた竹筒をランプシェードにした「竹あかり」の素晴らしいビジュアルとともに、「人と人・人とまち・人と自然をつなぐ 竹の無限の可能性」という文言が躍っていた。

このサイトを運営するのは、熊本の崇城大学建築学科の研究室で出会ったCHIKAさんとKENさんを中心とする若いスタッフだ。彼らは、地元の住民たちを巻き込み、竹あかりで演出した祭りを立ち上げ、さらに、学校を卒業後、竹あかりを新たな日本文化にしようと、合同会社「ちかけん」を設立。今や、全国を飛び回って、竹あかりのイベントやワークショップをプロデュースしているという。

 

「ちかけん」がプロデュースした京丹後市のツリーハウスの竹あかりイベント(写真提供「ちかけん」)

 

日本庭園を竹あかりが不思議感覚で演出する。ここまでくると竹あかりはすでにアートだ(写真提供「ちかけん」)

 

彼らのウェブサイトにこんなフレーズがある。

「まちでは、まつりやって(竹あかりの)、感動してもらって、山では、竹刈って、里山守って、使い終わった竹は、炭にしたり、堆肥にしたりして、土に返して。そして、その土で、米や野菜作ったら、俺ら、まじカッコよくね?」

カッコいいです。ホントに。

竹あかりは、竹筒にいろいろなサイズの穴をあけ、中にロウソクを立てて点灯したものだ。「ちかけん」のように、何十個も何百個も作って並べるとそれだけで幻想的な雰囲気を醸し出す。庭を竹あかりでライティングし、人を集めて、荘厳な音楽を聴く会とかもやってみたいし、ダイニングテーブルを自作の竹あかりで演出し、誕生日パーティーなんてのも面白い。あかりの形も、丸い穴だけじゃなくて、文字を描いてメッセージにしたり、動物の形にしたりも面白そう。つまり、それぞれが自分のやり方で楽しめる。これが手作りの竹あかりの魅力だ。その流れで、里山の竹害が少しでも和らぎ、さらにその流れで、使い終わった竹筒で堆肥を作ったり、竹炭を作ったりすれば、またまたうれしい。その堆肥で野菜を作れたら、さらにまたまたうれしい。そういうことだ。

 

竹あかりのロマンチックな光の中で、食事をする。これも悪くない

 

ドゥーパ!も作りました。それなりの竹あかり

我らも竹あかり作りに挑戦してみた。竹筒にいろいろな穴をあけて、中にロウソクを立てて点灯するだけだから、とても簡単と思ったのだが、実際やってみると、それなりのノウハウがあることがわかった。「ちかけん」のアート作品とは道具も制作方法も違うし、レベル的にはとてもかなわないけれど、それなりに楽しい竹あかりはできる。そう確信した。

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

 

ジグソーを使えば文字も書ける

文字を描いて、人の名前やメッセージの光を作るには、曲線用のブレード+ジグソーで穴あけをしよう。

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取材・文◎脇野修平/写真◎佐藤弘樹、ドゥーパ!編集部

*掲載データは2015年2月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

組み継ぎで組み立てる、合板ゴミ箱の作り方/かんたん家具3D図面集(12)

 

あえて構造用合板のラフな感じをそのまま活かしたゴミ箱。組み継ぎで4枚の板を接合し、ビスやクギは使わない。底板は側板の内面に彫った溝に収める。溝彫りにはトリマーが便利だ。ここでは12mm厚の合板を収める溝を彫るのに12mm径のストレートビットを使っているが、1回彫っただけではきつくて収めづらいので、1mmずらして2回目を彫り、13mm幅の溝にしている。溝の深さは5㎜とした。仕上がりを左右するのは、やはり組み継ぎの精度。作例は胴付きノコギリとノミで切り欠いている。木目や印字が隣の面に連続するように木取りすると、面白い仕上がりになる。組み継ぎのピッチは50mmとしているが、好みのバランスにアレンジしてもいいだろう。また、12mm厚合板を使用したが、このサイズであれば9mm厚合板でもよさそうだ。もちろん、独自のサイズで作るなら、大きさに合わせて合板の厚さを検討してほしい。

 

<主な使用工具>
丸ノコ、トリマー(12mm径ストレートビット)、胴付きノコギリ、ノミ、カナヅチ、ケヒキ、スコヤ、ハタガネ、メジャー

 

 

*掲載データは2017年8月時のものです。

サトヤマの田畑を守れ!イノシシ撃退の手作り新兵器を発見!?/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(6)

里山で、日夜繰り広げられている熾烈な闘い。それが獣害対策だ。なかでも対イノシシ戦がすごい! トタンやワイヤーメッシュを立て、電流を流した柵を張り巡らせる。しかし、それでもイノシシはやってくる。そこで立ち上がったのが、手作りの新兵器をひっさげたアイデアマンだった。カモン、イノシシ!ワシが相手じゃあ!

 

 

ひと工夫必要な防止柵

街の人にはピンと来ないかもしれないが、里山の獣害は深刻だ。とくにここ数年、西から東に向かって広がっているというイノシシの被害は甚大で、ドゥーパ!のガーデンスタジオのある千葉県の場合を見ても、農作物の被害額が約1億7000万円(2013年度、千葉県の農村環境整備課調べ)にものぼっている。千葉県の場合は、サルやシカ、ハクビシン、アライグマなどと比べて、イノシシの被害が飛び抜けて多いのだ。

原因はいろいろあるが、人口減少に伴う、里山の耕作放棄地が増えて、イノシシの生息圏が、餌が豊富にある里山に広がったことが大きいらしい。それに、狩猟人口(免許保持者)の激減が輪をかけた。

とにかく、イノシシをなんとかせにゃならん!というわけで、防止柵で田畑を囲ったり、ワナ(箱ワナやくくりワナ)をかけたり、イノシシの嫌がる臭いをばらまいたり(忌避剤散布)、涙ぐましい対抗策をとってきた。柵については、トタン板、ワイヤーメッシュ、ネット、有刺鉄線、電気柵など、さまざまなバリエーションがあるが、柵の周りの草むらを刈り取って視界をよくしたり、柵を高くしたり、柵の足元をジャンプしにくくしたりと、いろいろな工夫をする必要があるという。また、一番効果があるといわれる電気柵は、最近では太陽光パネルを利用したものがポピュラーになってきている。実際「電気柵をセットしてから被害がなくなった」という農業従事者の声も多く聞いた。

 

 

ワイヤーに触れると雷管が爆発……!

しかし「電気柵じゃあダメ!」と声をあげた人がいる。

Nさん(71歳、農園主)。13年前、それまで営んでいた自動車修理業を息子にまかせ、実家のあった今の土地に戻って、稲作を始めた。そこでイノシシ被害の洗礼を受ける。

「電気柵は万全じゃない。柵のそばにある下草や竹の子が伸びて電線に触れて漏電したり、イノシシが触れても効果がないことも多い」(Nさん)

電気柵とは、軽い電気ショックでイノシシを脅かして侵入を防ぐもので、100Vあるいは12Vバッテリーを電源とするパワーユニット(電気牧柵器)と接続した電線にイノシシが触れるとイノシシの体に電流が流れてイノシシを威嚇&撃退する仕掛け。ただし、電線に下草などが触れると漏電して効果が薄くなったり、電線にイノシシの毛深い部位が触れても効果がなかったり(鼻先に触れないとショックを与えにくい)、飛び上がった状態では(イノシシの足が地面に触れていない状態)通電しなかったりして、100%の撃退は難しいという。

 

太陽光発電による電気牧柵器を設置した電気柵。プラス端子を柵に、マイナス端子をアースして電流を流す。柵の周囲はイノシシが嫌がるように視界を広くするのが理想的

 

電線に笹や竹などが触れて漏電している状態。これはよく見かける

 

「これを作ってからイノシシが来なくなった」とNさん(市原市の自宅そばの畑で)

 

で、どうするのか。長年の自動車修理で得たメカの知識と溶接技術などを持っているNさんが、試行錯誤の末、行き着いたのが、鉄パイプや鉄板、スプリング、それに競技用の雷管(スポーツの競技会で使うスタート用の雷管)を使った「イノシシ撃退用爆発装置」だ(後述参照)。

細いワイヤーと連結させ、ワイヤーが引っ張られると撃鉄のストッパーが外れ、雷管が爆発する。ワイヤーを田畑の周囲に張り巡らし、ポイントにこの爆発装置をセットしておく。イノシシが中に入ろうとワイヤーに触れて動くと爆発する仕掛けだ。深閑とした田畑のなかで響き渡るものすごい音。爆発音は、運動会の徒競走を思い起こせばわかるはずだ。それに爆発後の火薬の臭いも獣は嫌がる。

 

雷管をセットし、畑にスタンバイしている状態。イノシシの侵入により、ワイヤーが引っ張られるとトリガー①が動き、続いてトリガー②のストッパー機能が外れ、筒のなかのスプリングが伸びて、撃鉄が雷管に当たる。スプリング①が伸びた状態でスタンバイしているので、ワイヤーのちょっとした動きでもトリガーが反応する

 

 

Nさんによれば、イノシシだけでなく、ハクビシンやカラスにも効くという。夕暮れ時、セットした装置が爆発するのを何度も聞いた。確かに、電気柵と比べて、シンプルで安価、効果もある。当然ほかの人にも使ってもらいたいから、商品化を考える。

Nさんは、昨年9月「鳥獣威嚇撃退装置」の実用新案を出願し、同11月に登録を終えている。溶接や金属加工の技術を持っている人なら手作りも可能だろうが、めんどうならNさんが準備中の「鳥獣威嚇撃退装置」の発売を待てばいい。商品名は「イノハイター」と命名するそうだが、どうせなら「シシオドシ」ならぬ「イノシシオドシ」にしてほしかった…(ダメかな)。

 

これが雷管(上)。「競技用紙雷管」として市販されている。これを木ネジの頭に当て、ビニールで包んで輪ゴムで固定する(下)。これをセットする

取材・文◎脇野修平/イラスト◎丸山孝広/取材協力◎いすみ環境と文化の里
参考文献◎「イノシシから田畑を守る」(江口祐輔著 農文協刊)

*掲載データは2014年4月時のものです。

 

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かさばる靴類をすっきり収納!シューズラックの作り方/かんたん家具3D図面集(11)

 

棚板の取りつけ角度は約45度。傾斜をつけることによって、収納力はそのままに奥行きを狭めることができるため、場所を取らないのがうれしい。もちろんこのままだと靴を立てかけることができないので、棚板の下部に40mm幅の前板をつけている。各パーツは棚板の木口部分にビス留めして固定するが、割れを防ぐために、必ず下穴をあけてからビス留めするようにしたい。側板の上部の角はジグソーで丸くカットして意匠を凝らした。なお、このシューズラックは男性用の靴が3足×4段=計12足ほど収納できる設計。収納したい靴の量に合わせて自由に作品のサイズを決めよう。

 

<主な使用工具>
丸ノコ(またはノコギリ)、ジグソー、ドライバードリル(2mm径ドリルビット、ドライバービット)、ヤスリ、メジャー、直角定規

 

 

*掲載データは2017年8月時のものです。

ワイングラスホルダー付きワインラックの作り方/かんたん家具3D図面集(10)

 

ワイングラスホルダーは、市販のものを取りつけた。これは1880円(税込)で購入したもの

 

38mmという厚さの2×4材に、ワインボトルの首を通すための30mm径のきれいな穴あけをすることが大きな関門。バリを防ぐために材料の下に適当な端材(捨て板)を敷き、30mm径のドリルビットで穴あけすること。

 

ボトルの首を通す穴は、30mm径に設定した

 

また枠板のコーナーの45度カットを正確に行なうことが次の関門となる。これは丸ノコの刃を45度に傾けた角度切りでクリアするが、いわゆる「留め継ぎ」のテクニックになるわけで、4カ所の角がすき間なくピタッと合うようにカットするのは非常に難しい。もしハードルが高いようだったら、角度切りをやめ、巴に組み、単純な突きつけ接合で枠板を作ってもかまわない。また、ビス頭を隠すために8mm径のドリルでわずかに穴あけしてからビス留めし、8mm径のダボで「埋め木」をした。

 

枠板のコーナーは「留め継ぎ」で接合。すき間なくピタッと合わせるのはけっこう難しい

 

枠板の接合は、8mm径のドリルビットでわずかに穴あけしたあとにビス留めし、ダボで穴埋めする「埋め木」と呼ばれる簡単なテクニックを使って、ビス頭を隠した

 

<主な使用工具>
丸ノコ、ノコギリ、ドライバードリルまたはインパクトドライバー(ドライバービット/8mm径ドリルビット)、電気ドリル(30mm径ドリルビット)、ヤスリ、メジャー

 

 

*掲載データは2017年8月時のものです。

マジで野鳥を呼べる!巣箱の作り方と掛け方を伝授/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(5)

「巣箱は庭のエクステリア」っていうのも悪くはないけれど、できれば本気で野鳥を呼び寄せ、野鳥観察を楽しみながら、彼らの子孫繁栄に手を貸してみたい。あなたがそう考えているならば、9割以上の確率で野鳥が入るという「まちがいのない巣箱作り」を目指したいものだ。で、今回は巣箱作りのスペシャリストに教えてもらった「正しい巣箱作り」の実践。

 

庭のマツの木に掛けられたシジュウカラの巣箱

 

これは、ビッグサイズのフクロウの巣箱。表面にスギの樹皮を張ってある

 

アオバズク(フクロウの一種)の巣箱。細長い形で、巣穴も大きい

 

子どもが自由な発想で塗装した巣箱も発見

 

3年前から巣箱作りに取り組んでいるというFさんのお宅を訪ねてみた。庭のマツの木に2カ所、母屋の裏手の柿の木に1カ所、シジュウカラ用の巣箱が掛けてあり、営巣する小鳥たちの様子を家の中から家族で観察できるようになっている。この他にも、アオバズク用(フクロウの一種)の大きな巣箱や大型のバードフィーダーなども用意され、かなりサスガな〝スバコロジスト〟(?)の香りが漂っている方なのだが、そんなFさんに、DIYで作る巣箱の作り方や巣箱の正しい掛け方を教えてもらった。

 

巣箱の作り方の基本

  • 素材はスギかヒノキの一枚板がおすすめ。合板は反るからダメ
  • 鳥の種類によって、適切な巣穴や巣箱のサイズの目安がある(下記表参照)
  • 塗装はしてもいいが、原色を使った過剰な模様や目玉のような模様は避ける。バーナーで焦げ目をつけてもいい
  • 屋根から雨水が入らないように気をつける
  • 底板の四隅に水抜き穴をあける
  • クギや蝶番はステンレス製にする

 

*留鳥:年間を通して同じ場所にいる野鳥 夏鳥:春〜夏にやってくる渡り鳥
*表内の数字は、ウェブサイト「森林管理局/巣箱作り資料」を参考としました。

 

1時間でできる、正しい巣箱の作り方

さっそくFさんにかんたんな巣箱を作ってもらった。対象となる鳥はシジュウカラ。日本全国の里山はもちろん、都会でも多く見られる。ヤマガラやスズメと並び、巣箱で繁殖する確率が最も高い野鳥だ。この形が、表にあるサイズの条件を満たしたオーソドックスな巣箱だ。慣れた人なら30分、子どもといっしょでもほんの1時間ほどで完成するはずだ。

 

<用意するもの>

スギ材野地板(12×120×1820mm)、ステンレス・スクリュークギ(32mm/34本程度)、ステンレス製蝶番(38mm程度のもの1枚)

 

<使用工具>

ノコギリ、定規、鉛筆、キリ、カナヅチ、ドライバー、ドリル、インパクトドライバー(ドライバードリル)、ドリルビット(28mm/10mm径)、トーチバーナー

 

 

<作り方手順>

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シジュウカラがやってくる正しい巣箱の掛け方

せっかく作った正しい巣箱も、正しい掛け方をしなければダメ。シジュウカラが巣を作るためにどうしたらいいのか? Fさんに聞いた「必勝ポイント」がこれだ。

ドゥーパ!(以下D) 巣箱を掛ける時期は?
Fさん(以下F) シジュウカラ(留鳥)の場合11〜1月。繁殖期に入った春では遅い。アオバズクのような夏鳥の場合は春(3〜4月)がいいだろう。
 巣箱を掛ける場所は?
F 巣箱を掛ける高さは1.5〜3m。これより高いとスズメと競合して負けることもある。木でも電信柱のような人工物でもいい。木に掛ける場合、枝葉が茂っていないすっきりした場所がいい。枝葉が茂っているところは蛇などの外的侵入があるのでシジュウカラが恐れるからだ。東西南北の位置は関係ない。また、複数の巣箱を掛ける場合、巣箱の間隔は10m以上。ひとつのつがいで10m程度の縄張りがあるからだ。
D 巣箱の掛け方は?
F 巣箱はやや下向きに掛けること。雨水が入ることや明るくなりすぎるのを鳥は嫌うのだ。また、人工物に掛けるなら針金でもいいが、木に掛けるときはシュロ縄などで固定したい。水に浸して湿らせた状態で木に縛りつけると、あとで収縮してがっちり固定できることも知っておきたい。
 ワカリマシタ。
F 成功を祈る…

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2014年2月時のものです。

 

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一升瓶もたっぷり収納できます!酒棚の作り方/かんたん家具3D図面集(9)

上段には四合瓶(720ml)、下段には一升瓶(1800ml)のサイズの酒瓶が収納できるようになっている。

 

木取りを終えたら、組み立て前にまずは側板の加工を行なおう。棚板は大入れ継ぎで固定するので、側板にトリマーで幅19mmの溝を彫る。深さは5mm程度が適当だ。さらに転倒防止用の柵(10mm径の丸棒)を通す穴もあけておこう。組み立てでは最後に背板を取りつけるようにする。すっきりとした印象になるように、背板は全面につけていないのが特徴だ。

トリマーで大入れ継ぎの加工を施している様子。トリマーを所持してない場合は、丸ノコで溝を彫り、ノミで仕上げるという方法もある

 

<主な使用工具>
丸ノコ(またはノコギリ)、ドライバードリル(10mm径ドリルビット、ドライバービット)、トリマー(6mm径ストレートビット)、ヤスリ、メジャー、直角定規

 

*掲載データは2017年8月時のものです。

ドラム缶の窯で竹炭作りに挑戦!/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(4)

「調湿作用がある」「嫌な臭いを取る」「水の浄化をする」「微生物を元気にするから堆肥に混ぜるといい」など、竹炭の効用再評価で、全国の里山で竹炭作りの機運が高まっているとか。そこで今回は、地元の人に教わったカンタンな竹炭作りのノウハウを紹介。

 

地元の鉄工所にドラム缶を持ち込む

竹炭作りにはいろいろな方法があるけれど、ここでは房総のいすみ市で、農業を営む金綱良行さんとその仲間が、「いすみ環境と文化のさとセンター」の資料をもとに実践したドラム缶を改造した窯を使う方法を紹介しよう。

用意するのは、燃料用のドラム缶を改造した手作りの窯と竹材(伐採してから2〜3カ月経ったものがベスト。真竹を使用)。あとはシャベル、それに煙突の中の温度を測る温度計があるといい。

ドラム缶の改造は、簡単な穴あけとカット、それに溶接が必要だが、これはドラム缶と鉄板(厚さ1〜2mm程度)を地元の鉄工所などに持ち込んで作ってもらおう(図参照)。ドラム缶や煙突、鉄板はホームセンターで購入できるはずだ。

 

炭作りの手順は後述のとおり。基本的には、炭窯を使って、竹材を「蒸し焼き」にすればOKだ。つまり、空気を少なくした状態で温度を上げればいい。というと簡単だが、ちょっとした加減で燃えすぎて灰になったりする。このあたりは経験ということになるのだが、やってみる価値は十分。金綱さんは炭焼き2回目の挑戦だったが見事成功。できあがった竹炭はハウス栽培の土壌改良に使うという。

なお、読者が実際に自分でやるときは、火災に対する用意を十分にすること。森の中や庭先ではなく、広い畑などで行なうことをおすすめする。

ドラム缶の長さに合わせてカットした 竹(真竹)を半割にする。これが炭材になる

 

半割にした竹材。竹は2〜3カ月前の11〜12月頃に伐採しておいたもの

 

炭焼きの実践ミニドキュメント

取材協力&写真提供◎金綱良行/参考文献◎『エコロジー炭やき指南』(創森社刊)

*掲載データは2014年4月時のものです。

 

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身の回りの小物整理に重宝!小物収納棚/かんたん家具3D図面集(8)

9mm厚合板で作る小物収納棚。デスクまわりにこれがあると、趣味の道具や、小さな資材、日用品まで、散らかりやすい小物がサッと整理できて重宝する。

 

天板、側板、底板の接合は組み継ぎ。胴付きノコギリとノミで加工した。背板のみ2.3mm厚合板を使ったが、これは溝を彫って接合。天板、側板、底板それぞれに後端から5mmあけて3mm幅、深さ5mmの溝を彫っている。溝彫りにはトリマーを使用した。棚板と仕切り板は相欠きで組み合わせ、天板、側板、底板を組んだ枠の中に収める。さらに棚板下端に転び止めを取りつけるが、これも側板と仕切り板を切り欠いて収めるため、パーツの形状はちょっと複雑になる。棚板と側板、仕切り板と天板および底板は接着剤で接合したが、ここにも相欠きなどを用いれば、より頑丈になるだろう。ただし、パーツの形状はいっそう複雑になり、把握するのに苦労しそうだが…。

 

 

 

<主な使用工具>
丸ノコ、トリマー(3mm径ストレートビット)、胴付きノコギリ、ノミ、カナヅチ、ケヒキ、スコヤ、ハタガネ、メジャー

 

*掲載データは2017年8月時のものです。

手軽に持ち運べる小物収納ボックス/かんたん家具3D図面集(7)

持ち手をつけ、手軽に持ち運べるようにした小物収納ボックス。4枚の側板および中央仕切り板の接合には組み継ぎを用い、底板と仕切り板の接合は大入れ継ぎ。ビスやクギをいっさい使わない構造となっている。

 

ここでは組み継ぎの切り欠きは胴付きノコギリとノミで、大入れ継ぎの溝彫りはトリマーで加工。使用したビットは8mm径ストレートビットで、いったん8mm幅で彫ってから2mmずらして再び彫り、10mm幅の溝にしている。溝の深さは中央仕切り板を除いて4.5mm。中央仕切り板は両面に溝を彫るため、深さ3mmとした。もちろん、ボックスのサイズや仕切り板の配置は、収納物に応じてアレンジするのがベター。また、作例は9mm厚の針葉樹合板を使いラフな仕上がりとしているが、堅木の無垢材などを使って緻密に仕上げようとすれば、なかなか作りがいのある木工課題となるだろう。

 

<主な使用工具>
丸ノコ、トリマー(8mm径ストレートビット)、胴付きノコギリ、ノミ、カナヅチ、ケヒキ、スコヤ、ハタガネ、メジャー

 

*掲載データは2017年8月時のものです。

堆肥作りは里山暮らしの基本!コンポストを作ろう/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(3)

菜園作りは里山暮らしの基本。今回は地元の達人に教わった、完全無農薬で野菜を作るためのコンポスト=堆肥の作り方。ドゥーパ!流のコンポストボックスも作ったぞ!

落ち葉や除草した青い草などを集めて堆肥作りに使おう

 

まずはコンポストボックスを作ろう

廃材を使って、コンポストボックスを作ってみた。ポイントは、かんたんに取り外せ、高さを変えられたり、切り返しが楽にできること。また雨が入り込まないように、傾斜のある屋根をつけること。屋根は合板の上に手元にあった半端な中空ポリカを張ったが(傘クギ使用)、普通の波板でかまわない。

このようにばらせる

 

組み立てた状態

 

地面にセットした状態

 

無農薬野菜作りの達人ゆずりのコンポスト

田舎暮らしを実践する人の多くが憧れるのが菜園作りだ。房総のいすみ市の里山にある「ドゥーパ!ガーデン工房」でも、小さな畑を作って、わずかでもいいから野菜を自給しようと試みているが、週末訪れるのがやっとというサイクルでは思うような世話ができない。それでも、葉陰の間からミニトマトやナスの実が覗いているのを見た瞬間などは嬉しくなってしまう。ただし、こうしてできた野菜の多くは、野鳥や虫たちに取られてしまうけれど…。

聞けば、野菜作りは土作りと同義だとか。つまり、土に入れる堆肥=コンポストをいかに確保するかがポイントなんだともいう。そこでいい堆肥はどうやって作ったらいいのかを、地元でおいしい野菜を作っている石井里佳さんに聞いてみることにした。

畑の際で堆肥を積んでおく。発酵が進んで暖かくなったら切り返しをする。ここでは箱ではなく、ビニールでしっかりと覆っている

 

石井さんは、昨年まで、野菜や苗、花などを直売する販売店の運営にかかわっていたが、昨年末から、無農薬による野菜作りのベテランとして知られる近藤立子さんに弟子入りし、実践的に無農薬による有機農業を学んでいる方だ。

今回は、石井さんに聞いた堆肥の作り方を特別公開。

まず、刈り取った雑草(生の植物)や落ち葉(枯れた葉。ただし針葉樹はダメ)を集め、菜園の片隅に仮積みしておく。しばらく野ざらしにしておき、中が発酵してきたころ(触ると少し暖かい)、コンポストボックス(図参照)に入れる。この中に、塩分のない生ゴミやわらなどを混ぜ込み、よく踏み込んで15cmくらいの厚さにする。次にこの上に鶏糞や苦土石灰、油かす、米ぬかを混ぜたものを敷き詰める(厚さ1〜3cmくらい)。落ち葉や雑草が乾燥していたら、少し水を加える。これをもう2回繰り返し、全部で6層にし、最後にもう一度雑草や落ち葉を載せる(図参照)。これでOK。1週間ほどたつと中が発酵し、暖かくなっているはず。ここでスキやクワを使って切り返して混ぜ合わせ、水分が少なければ水を加え、量が少なければ少し土や草を加える。すると再び発酵が進み、暖かくなる。また切り返す。また温度が上がる。これを数回繰り返すと、夏だったら3カ月ほどで完全に熟成して、温度が上がらなくなって臭いもなくなる。これで完成。

*参考文献:「無農薬で作るおいしい野菜」(婦人之友社刊)

 

堆肥を作ろう

コンポストボックスのなかに雑草や落ち葉を積み、その上に鶏糞や苦土石灰、油かす、米ぬかなどを積み、これを3回繰り返す。発酵して温度が上がったら、切り返して、よく混ぜて再度発酵を促す。

写真◎佐藤弘樹、ドゥーパ!編集部/イラスト◎丸山孝広/取材・文◎脇野修平

*掲載データは2014年2月時のものです。

 

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サイズアップで大人仕様にも!キッズハンガー/かんたん家具3D図面集(6)

まず、左右のA型フレームを組み立ててから、左右のフレームをつなぐ横板を取りつけること。板材の斜めカットが多いが、これは型紙(合板など)に原寸大の図を描き、そこに板材をあてがい「現物合わせ」で墨線を引いてからカットすればクリアできる。材の接合は、すべて下穴をあけてからのビス留めが原則。さらに棚板の取りつけ以外すべて、ビス頭を隠すために「埋め木」をすること。これは8mm径の穴あけをしてから、穴の中でビス留めし、そのあとに8mm径のダボを打ち込んで行なう。また、ハンガーをかける24mm径丸棒を差し込む両側の板の穴は、両側の板を重ねて穴あけをするといい。

 

すのこ状の棚板以外の接合はすべて座ぐり穴をあけてからビス留めし、ダボを埋める。いわゆる「埋め木」の接合にしてビス頭を隠す

 

子どもに合わせたサイズ設定だが、高さを変えれば大人用の設定にできる

 

<主な使用工具>
丸ノコ(またはノコギリ)、ドライバードリル(8mm径、24mm径ドリルビット、ドライバービット)、ヤスリ、メジャー、直角定規

 

製作◎ドイトウィズリ・ホーム

*掲載データは2017年8月時のものです。

間伐材で山の階段を作る/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(2)

房総の里山で週末DIYライフを実践している本誌スタッフの「したこと」「見たこと」「知ったこと」。里山新住民に捧げる連載2回目は、頼れる助っ人がどどっと押し寄せてきてやってくれちゃった「間伐材で階段作り」だ。マジ、オジサンパワー、ス、スゲー!

参加者全員で、できあがった山の階段を歩いてみました

 

頼れるボランティアグループ「市川里山整備隊」がやってきた!

編集部のDIY実践のベースとなっている房総いすみ市の森に、千葉県市川市のボランティアグループ「いちかわ里山整備隊」の面々がやってきた。同グループは、市川市の市民大学の受講生OBが集まり、受講後も地元の里山の維持活動を続けている総勢30名ほどの団体で、この日はこのうち9名の方たちが集まってくれた。リタイヤ世代が中心で、決して若くはないが、ファイト満々。チェンソーやカケヤ、枝切りバサミ、ヘルメットなどを持参し、この日は「間伐した材を使って、山道に階段を作る」と駆けつけてくれたのだ。

いすみの森は急斜面に雑木が密植し、昼なお暗く、その上、粘土質の土壌で、登り下りが大変。したがって間伐は緊急の課題なのだが、なかなか進まない。こうした助っ人部隊の登場は願ったりかなったりなのだ。

密植された木を間伐し、森を育てる。木を切ることが環境共生につながることも覚えておきたい

 

森で汗を流すことが本当に楽しそうな里山整備隊の面々。メンバーのほとんどはリタイヤ世代。現役時代は里山とは無縁なモーレツサラリーマンが多かったとか…

 

間伐の仕方

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山道の作り方

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急斜面に作った階段状の山道。これは、2本の杭によりかかる材を2本にして、土留め効果を高めている

 

間伐材の代わりに余っていた石材を土留めにして山道を作ってみた。これも悪くない

協力◎いちかわ里山整備隊/取材・文◎脇野修平

*掲載データは2013年12月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

 

ジグソーの練習にも最適!トイボックス付きキッズベンチ/かんたん家具3D図面集(5)

1×材を使った子ども用ベンチ。座板の下が収納スペースになっている。接合はすべてビスによる突きつけだが、座板のコーナー、側板や前後の板の波型など、各所に曲線カットがあるほか、背板の十字形のくり抜きなど、やや高度なジグソーワークも必要となる。

くり抜きは、20mm径の穴あけをして、そこにジグソーのブレードを差し入れてスタートする。時間をかけてゆっくりブレードを進めること。ただし、技術的に難しければ、より簡単な曲線加工や窓抜き加工にアレンジしてもかまわない。

 

座板の下は収納スペースになっている

 

前板、側板は波型に曲線カットしている。前板の中央に子どものネームをくり抜き加工している。難しければより簡単な模様に変えてもかまわない

 

<主な使用工具>
丸ノコ(またはノコギリ)、ジグソー(曲線用ブレード/直線用ブレード)、ドライバードリルまたはインパクトドライバー(ドライバービット、20mm径ドリルビット)、ヤスリ、メジャー、直角定規

 

製作◎ドイトウィズリ・ホーム

*掲載データは2017年8月時のものです。

森のツルでかごを作る/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(1)

房総の里山で、トライ&エラーを繰り返してきたドゥーパ!スタッフのD型行動は、留まることを知らない。森あり山あり仲間あり。「作る」を合い言葉に、今日もいけいけ、楽しいDIY! 里山新住民、必読の新連載、いよいよ発進!

 

ツルかご作りは、11~3月がベストシーズン

初冬の某週末。この日は房総・いすみ市の「ドゥーパ!ベース」に読者&編集スタッフが集まって、楽しいツルかごつくりのワークショップ。講師の大東悠子さんによれば、「山でツルを採るなら、ツルが休眠状態に入って虫がつきにくい11月から翌年の3月までがいい」とかで、いきなり山でツル採集に突入。木にからみつくツルをなるべく長く切り取る作業は、けっこうワイルドだけど、30分ほどで大量のツルをゲット!いい汗かきました。

急斜面でのツル採り。脚立、高枝切りバサミ、剪定バサミは必需品。ツルはなるべく長い状態で採集したい。太さもいろいろあると使いやすい

 

採集したツル。ビナンカズラ、フジ、クズ、アケビなど。ツルの種類は葉っぱで見分ける。採集したツルは、できればまだ柔らかいその日のうちにかご作りに使ったほうがいい。乾燥して硬くなってしまったら水につけて少し柔らかくしてから使う

 

<ツルかごの作り方>

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講師◎大東悠子(大人の野遊び塾主宰)/取材・文◎脇野修平

*掲載データは2013年10月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

工具の持ち運びに便利!引き出し付きツールトレー/かんたん家具3D図面集(4)

ウッディでかわいらしい雰囲気のツールトレー。引き出し付きなので、ハンドツール類はもちろん、ビスや金具など細かい材料の持ち運びにも便利だ。

材料には1×4材と1×8材を使用し、それぞれ幅を割いて加工している。ホームセンターのカットサービスで対応してくれるようであれば、利用すると手間が省ける。

各材の固定は基本的にビスによる突きつけ。目で見てわかる箇所は木ダボを使った埋め木できれいに仕上げている。

引き出し留め具は端材を使った簡単なもの。ビスの打ち込み具合を調整して、ほどよくテンションがかかるように留めるといい。

 

<主な使用工具>
丸ノコ(またはノコギリ)、インパクトドライバー(ドライバービット/9mm径、20mm径ドリルビット)、丸ノコ用角度定規、サシガネ、クランプ、メジャー

 

製作◎ドイトウィズリ・ホーム

*掲載データは2017年8月時のものです。

デッドスペースを有効活用!すき間収納用キャスター付きラック/かんたん家具3D図面集(3)

側板に取っ手、底面にキャスターをつけた移動できるラック。資材は1×4材と厚さ10mmの板材を使い、スリムに仕上げている。使っているパーツの数は多いが、一定サイズの直線カットがほとんどで、構造も複雑ではないので製作自体は難しくないはず。側板や前板などは棚受けにビス留めして固定。棚板は作品のアクセントとなるように、金色の真ちゅうクギで留めている。

 

 

背の高いものを置くときは転倒防止用の柵をつけたり、小物が多い場合は棚板を増やしたりしてもいい。収納したいものや自宅の有効活用したいスペースに合わせて設計しよう。

 

この作品は幅208mm。写真のようにちょっとしたすき間にも収めることができる

 

 

<主な使用工具>
丸ノコ(またはノコギリ)、ジグソー、ドライバードリル(2mm径ドリルビット、ドライバービット)、ヤスリ、メジャー、直角定規

 

製作◎ドイトウィズリ・ホーム

*掲載データは2017年8月時のものです。

3枚のパーツを組み合わせるだけで簡単に作れる合板テーブル/かんたん家具3D図面集【2】

サブロクサイズの合板1枚、パーツ3枚で作れる簡単テーブル作り。前回のアームチェアと合わせれば、立派なテーブルセットになる。

脚のパーツは相欠き継ぎで加工。それぞれを組み合わせ4本脚にする。今回の場合、互いに長さ210mm分の溝を欠き取って、組み合わせている。丸ノコとノミがあればビギナーにも簡単に加工できる初歩的な継ぎ手なので、ぜひトライしてほしい。

 

 

なお、脚と天板は小さく加工した細材で裏面から接合している。細材は合板に限らず、端材など適当な材でかまわない。天板裏からビスを打つことになるが、天板表面にビスの先端が突き抜けないよう長さに気をつけよう。

 

脚と天板は、このように細い接続材を介して接合している。細材であれば、なんでもかまわない

 

<主な使用工具>
丸ノコ、インパクトドライバー(ドライバービット)、丸ノコ用角度定規、ノミ、サシガネ、クランプ、メジャー

 

製作◎ドイトウィズリ・ホーム

掲載データは2017年8月時のものです。

サブロク板1枚で作れる合板アームチェア/かんたん家具3D図面集【1】

24㎜と厚みのある合板を使った家具作り。3×6(サブロク)板一枚からすべての部材を切りだせるのがうれしい。

がっちりとしたチェアの製作方法はシンプル。ポイントとなるのは側板の加工。脚の斜めカットと背もたれの斜めカットは、あえて角度を統一することにより、すっきりとした印象を持たせることを狙っている。実際に合板の上に寸法を落とし込み、設計図を書いた上で取りかかると作業しやすい。

 

 

上の写真では座面の上にクッションを載せて使用している。使用者にあわせて座面の高さや背もたれの角度を調整すると、よりフィット感の高い椅子となる。

 

チェア構造を下から見た様子。座板は前板と後板が補強となり支えている

 

 

<主な使用工具>
丸ノコ、インパクトドライバー(ドライバービット2番)、丸ノコ用角度定規、サシガネ、クランプ、メジャー

 

製作◎ドイトウィズリ・ホーム

掲載データは2017年8月時のものです。

DIYでミニシェルフを作ろう/簡単カッコイイ!合板インテリアの作り方

24mm厚の針葉樹合板を使って、椅子、スツール、テーブル、シェルフを製作。コンセプトは"簡単に、かっこよく"。ビギナーからベテランまで楽しめる合板木工の世界へようこそ。

今回のミニシェルフは文庫本や単行本、雑誌、レコードが収納できるサイズ。真ん中に仕切り板をつけて、片側を棚ダボ付きの可動棚とし、もう一方を固定棚にした。可動棚の棚板は幅をやや小さくする。

*図面の単位はmm

 

[製作手順]

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写真◎佐藤弘樹

白井 糺 Tadashi Shirai

世田谷区の工房では木工教室などを開催。クラフトマン世田谷代表として被災地支援活動などを行なっている。

DIYで棚付きダイニングテーブルを作ろう/簡単カッコイイ!合板インテリアの作り方

24mm厚の針葉樹合板を使って、椅子、スツール、テーブル、シェルフを製作。コンセプトは"簡単に、かっこよく"。ビギナーからベテランまで楽しめる合板木工の世界へようこそ。

今回は、子どもが勉強で使っていてもさっと教科書や参考書を片づけられる棚付きのテーブル。組み立ては主にビスによる突きつけ。天板の組み立てのみダボ継ぎとした。

*図面の単位はmm

 

[製作手順]

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写真◎佐藤弘樹

白井 糺 Tadashi Shirai

世田谷区の工房では木工教室などを開催。クラフトマン世田谷代表として被災地支援活動などを行なっている。

DIYで背もたれ付きチェアを作ろう/簡単カッコイイ!合板インテリアの作り方

24mm厚の針葉樹合板を使って、椅子、スツール、テーブル、シェルフを製作。コンセプトは"簡単に、かっこよく"。ビギナーからベテランまで楽しめる合板木工の世界へようこそ。

今回紹介するのは背もたれがついた椅子。背もたれの角度は現物合わせで決めた。スツールと同様各部材のカットができれば組み立ては簡単。座板と脚の接合は隠しクギ(埋め木)。

*図面の単位はmm

[主な使用道具]
丸ノコ、ジグソー、ドライバードリル(8mm径ダボ錐ビット ドライバービット)、自由スコヤ、直定規、クランプ、カナヅチ、サンドペーパー(240番)、トリマー(10Rのボーズ面ビット)

 

[製作手順]

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写真◎佐藤弘樹

白井 糺 Tadashi Shirai

世田谷区の工房では木工教室などを開催。クラフトマン世田谷代表として被災地支援活動などを行なっている。

DIYでスツールを作ろう/簡単カッコイイ!合板インテリアの作り方

シンプルな丸い座板のスツール。座板と脚の接合はダボ継ぎ。脚と座板のカットができてしまえば組み立てはあっという間。仕上げにトリマーで面取りを行なっているが省略してもOKだ。

[主な使用道具]
丸ノコ、ジグソー、ドライバードリル(8mm径ダボ錐ビット)、自由スコヤ、直定規、クランプ、ダボピン、カナヅチ、サンドペーパー(240番)、トリマー(10Rボーズ面ビット)

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白井 糺 Tadashi Shirai

世田谷区の工房では木工教室などを開催。クラフトマン世田谷代表として被災地支援活動などを行なっている。

 

編集部が体当たりで実践!七輪で陶芸/火を愉しむDIY

窯なんかいらない!七輪があれば陶芸はできる! それも粘土をこねはじめてから焼き上がるまで、なんと1日!
でもって、できあがりはジューブンにホンカク的。ホンマですか?と疑う人がいれば、ぜひこのページを見てください。棟梁脇野がしっかりと証明してくれる……はず!?

 

自分で焼いたという実感がいいのだ

数年前、陶芸教室に通ったことがある。結果からいうと、つまらなくなって途中でやめた。なぜか。自分で焼けない(焼成できない)からだ。生徒たちは、好きな形に粘土を成形するだけ。あとに続く素焼きや本焼きはみ〜んな先生がやってくれる。ある日、「これがアンタの作品」といってできあがった作品を見せられ、かかった費用の請求書がまわってくる。どうも自分で作ったという実感がない。陶芸が火の芸術であるなら、そのクライマックスシーンに立ち会いたいじゃないですか。

そこで、七輪陶芸である。家庭にある七輪で立派に陶芸ができるらしい。もちろん、火加減、焼き加減を見ながら自分で焼成する。失敗も多い。でも、誰でもできるし、手軽だし、なによりも始めから終わりまで、ぜんぶ自分でやるというのがいい。聞けば、焼いている時間が愉しいらしい。自分で成形した作品がどんなふうになるのかは火まかせだから、誰もわからない。それをわくわくしながら待つ時間。正しい待ち方は酒を飲みながら…というのも気に入った。まるでジャズの即興ライブを聴きながらバーボンを飲んでるみたい。まるで落語のオチを待ちながら、熱燗を飲ってるみたい。そんなわけで、大人がやる冬の野遊びとしては絶対におすすめですね、これは…。

もうひとつおまけに、その日にできちゃうというのがすごい。大ざっぱにいうと、陶芸の手順は、粘土の成形→乾燥→素焼き→冷却→釉がけ→本焼きというふうになるわけで、あたりまえにやったら、乾燥に1週間とか、冷却に半日とか、本焼きにひと晩とか、とにかく時間がかる。これをなんと1日で終わらせちゃう! 実はこれ、『ドゥーパ!』創刊の頃に、著名な陶芸家、吉田明氏から教わったやり方なんだけど、今回はこれを実践してみたい。ちなみに、成功率は50%くらい。でもいいじゃない。ハードルは少し高いほうが面白いはずだから。

今回用意した信楽と瀬戸の粘土。3キロ、500円程度で買えるよ

 

炭は、マレーシア産マングローブを使ったBBQ用を用意。これが一番いいとか

 

[用意した材料]
粘土、細かい砂(ここでは珪砂)、釉薬、ヤマト糊、炭 *ホントは、どこかで粘土採取からやればいいのだが、今回は専門店で買った陶芸用の粘土(陶土)。釉薬も陶芸専門店や陶芸.comなどで購入

[用意した道具]
七輪、餅網、鍋(ここではダッチオーブン)、一斗缶を浅くカットして底を抜いたもの、ドライヤー、ガスバーナー、火バサミ、釉薬を入れる容器、へら、刷毛etc.

 

手順1・粘土で形を作る
とにかく好きな形。オンリーワンを目指そうぜい!

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手順2・乾燥
ホントは自然乾燥が一番だが、時間がないので強制乾燥!

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手順3・余熱&素焼き
七輪登場!急激な温度変化は超危険!十分に余熱をしてから、徐々に温度を上げていこう

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手順4・釉掛け&本焼き
スリリングな時間がやってきた!酒でも飲りながら、火の神のご沙汰を待とう!

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編集部が体当たりで実践!丸太でたいまつ(スウェーデントーチ)作り/火を愉しむDIY

英語でスウェーデントーチと呼ばれる小さな焚火の作り方。丸太にチェンソーで十文字に溝を切り、そこに火をつけると、じわじわしぶとく燃え続ける。火床が地面に着かないので、雪の上に直に置けるし、小さめに作れば持ち歩きもできる。上面が五徳のようになるので湯沸しや煮炊きも可能。燃焼時間に対して使う薪の全体量も少ないエコな焚火だ。

 

[用意した材料]
丸太(長さ330×直径130mm)

[用意した道具]
チェンソー、ガスバーナー、羽子板付き基礎石、インパクトドライバー

 

下がつながっているので、トーチの名前通り、こうして持ち歩くこともできる

 

上面を平らにしておけば、ヤカンや鍋を置いて、湯沸しや料理ができる

 

製作手順

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編集部が体当たりで実践!ペール缶で炭焼き/火を愉しむDIY

本格的な炭焼きといったら、巨大な窯を作り、幾日も見張っていなきゃいけないものらしいが、ここではペール缶を使った超スモールバージョンに挑戦。しかも1日で片をつけてしまおうという安直なプランだ。これなら煙さえ出せる環境があれば、誰でも手軽に炭焼きが可能…なはずなのだが、果たしてそう上手くいくのかどうか!?

 

[用意した材料]
ペール缶(フタ付き)、薪ストーブ用煙突(直筒/T笠106mm径)、赤レンガ、丸太(コナラ)、薪、土

[用意した道具]
ディスクグラインダー(金属用切断砥石)、スコップ、シャベル、マジック、トーチバーナー、火ばさみ、うちわ、燻製用温度計

 

窯前あたふた劇場 ~「窯止めは突然に」の巻~

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窯前あたふた劇場 ~「あきらめずに煙を見よ」の巻~

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タンドール窯作りの記事はこちら!

 

今回のまとめに代えて…
「とはいえ、DIY炭焼き道は始まったばかりだ!」

2度も炭材に着火しながら、偶然にもその後の調整がうまくいき、なんとか炭ができた。この経験を踏まえて推測するのは、「そもそもペール缶の窯に対して106mm径の煙突は太すぎるのでは」ということ。最初からレンガでふさいで煙突を絞り、ゆっくり時間をかけて炭化を進行させたほうがよさそうだ。といっても、炭焼き職人じゃあるまいし、これは全然推測の域を出ない。きっと、ちょっとした条件の違いでも仕上がりが左右されるだろうし、試行錯誤を繰り返しながら自分なりのコツをつかむしかないのだろう。でもそんなふうにトライすることこそ、DIY炭焼きの醍醐味であることは間違いない。だって実際、失敗も込みで、すげえ面白いんだもん。

実はその後、こんな大失敗も。夜中までイイ感じで煙が出ていたので窯止めせずに寝てしまったら、翌日、窯の中にはこれっぽちの灰が残るだけ…。やっぱり放ったらかしは禁物です…。チキショ~

すぐにできる!断熱障子の作り方/断熱DIYアイデア&テクニック

手軽にチャレンジできて、効果も実感しやすい、建具断熱DIYを実践リポート。手工具だけで設置できるから超簡単。さっそく自宅に取り入れてみよう!

 

3層の空気層を持つ断熱障子を作る

 

After。中空ポリカが中に入っているとは、見た目にはわからない仕上がりに。プラスチック系障子紙は傷にも強いので、ペットを飼っているお宅にもおすすめだ

 

窓からの放射を遮る障子にはもともとある程度の断熱効果があるが、障子紙部分の空気層を増やせば、より断熱性を高めることができる。構造は下記図を参考にしてほしい。

ポイントは障子の桟・框(以下、枠)内に、収まるように資材を用意すること。組子から枠の奥行を測り、はめ込む中空ポリカと角材の厚みを決めよう。今回施工した障子は、13mmの余裕があったので、4mm厚の中空ポリカ+9mm角材を使った。また、最後に張る障子紙は、丈夫で両面テープで張れる、通気性がないため断熱性能が高い、プラスチック系のものを使うのがおすすめだ。

 

放射温度は約2℃アップ!(11月撮影)

障子設置前の窓の放射温度は13.2℃

 

断熱施工前の障子の放射温度は19℃

 

断熱施工後の障子の放射温度は21.1℃

 

[用意した資材]
9㎜角ヒノキ材(長さ1800mm)15本
中空ポリカ-ボネート(厚さ4×幅900×長さ1800mm)2枚
プラスチック系障子紙(幅940×長さ2150mm)2ロール

[その他の材料]
両面テープ(障子紙に付属)、細クギ、クリアテープ

[主な使用道具]
メジャー、サシガネ、ノコギリ、カッター、マジックペン、カナヅチ、サンドペーパー、カンナなど

材料費…約1万2000円

 

作業手順

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橋本岬樹 Misaki Hashimoto

建築会社「サガセール」の工事部リーダー。東京都内を中心に住宅や店舗のリフォーム業を請け負う。http://sagasale.net/

*掲載データは2019年12月時のものです。

すぐにできる!二重窓の作り方/断熱DIYアイデア&テクニック

手軽にチャレンジできて、効果も実感しやすい、建具断熱DIYを実践リポート。手工具だけで設置できるから超簡単。さっそく自宅に取り入れてみよう!

 

内窓キットで二重窓を作る

Before。今回の取りつけ場所はダイニングキッチンにある出窓。窓枠の奥行は約105mmあり、内窓を取りつけるには十分なサイズ

 

After。既存の窓枠の色に合わせて、ブラウンをチョイスした。窓ガラスはすりガラスタイプだったので、中空ポリカでも景観的には問題なし

 

「エコな簡易内窓キット」(アクリサンデー)という製品で既存の窓の内側に、二重窓を作る。樹脂製のフレームに中空ポリカをはめ込んだ簡単な作りではあるが、断熱性アップの効果は高い。資材のカットは大型刃タイプのカッターが1本あればOK。3時間程度で作業を終えられるので、この冬の断熱対策としてチャレンジするにはぴったりだ。

作業時は事前に窓枠の幅、高さ、奥行を測り、サイズが内窓キットと対応しているか確認しておこう。もし、幅や奥行が広くてキットの対応外だったり、窓が小さくて端材がもったいないなどという場合は、左記のセット内容と同様のパーツを、ホームセンターで別々に購入すればいい。面材に使う資材は、セット内容と同じ中空ポリカが、性能・コスト・加工性が良いのでおすすめ。

 

放射温度は約3℃アップ!(11月撮影)

設置前の窓の放射温度は16.5℃

 

設置後の二重窓の放射温度は19.2℃

 

[用意した資材]
エコな簡易内窓キット Mサイズ 1セット
[セット内容]
中空ポリカーボネート(ハモニカーボ・厚さ3×幅900×長さ900mm)2枚
上レール(幅21×長さ1800mm)1本
下レール(幅21×長さ1800mm)1本
横カバー(幅21×長さ900mm)2本
フレーム取っ手つき・縦用(幅6.5×長さ900mm)4本
フレーム・横用(幅6.5×長さ900mm)4本

[その他の材料]
両面テープ、タッピングネジ(どちらもキット付属品)

[主な使用道具]
メジャー、サシガネ、ノコギリ(プラスチック用)、カッター、マジックペン、プラスドライバー(ドライバードリルでも可)、ウエスなど

材料費…約7000円

 

作業手順

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橋本岬樹 Misaki Hashimoto

建築会社「サガセール」の工事部リーダー。東京都内を中心に住宅や店舗のリフォーム業を請け負う。http://sagasale.net/

*掲載データは2019年12月時のものです。

DIYで2面開きのミニ収納庫を作ろう!

市販品にはないサイズ、デザイン、機能。市販品を買っちゃ味わえない自己満足。物置はぜひともDIYでいきましょう。

好みのカラーリングで仕上げよう

 

上からも正面からも出し入れ可能

 

約90×90×60㎝の収納ボックス。上蓋、正面扉の2カ所が開閉する設計。ボックス内は収納物に応じて棚を追加することができる。外装のカラーリングや金具使いによって雰囲気が変わるはずだから、自己流のアレンジを楽しんでほしい。

 

収納物に応じて棚を設置しよう

 

棚の設置例は記事の最後で解説!

 

 

Step1 本体の骨組みを作る

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下穴をあければ普通ビスでもOK

材の端部にスリムビスでなく普通サイズのビスを打つ場合、ドリルで下穴をあけておけば割れを防げる。ビス径より0.5mmほど細いドリルを使うといい。

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Step2 本体の壁を張る

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羽目板をスクリュークギで張る

壁材は雄ザネと雌ザネを組み合わせる羽目板を使用した。これなら材が乾燥してやせても、すき間ができない。羽目板の固定にはクギ頭が小さく目立たないスクリュークギを使い、すっきりとした仕上がりを目指した。

15mm厚の羽目板を使用したが9mm厚や12mm厚でもOK

 

使用したのは32mmのステンレススクリュークギ

 

Step3 正面扉を作る

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Step4 上蓋を作る

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Step5 扉と上蓋をつける

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好みに合わせてアレンジしよう!

収納物に応じて棚を作る

少しだけ骨組みを追加して、その上に合板を載せれば棚ができる。収納物のサイズや数にぴったりの棚を設置して、収納効率を高めよう。

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カラーリングで個性を出す

シンプルなボックス形だから、カラーリングで雰囲気はがらりと変わるだろう。今回は男っぽくミリタリー風に仕上げてみたが、例えば白系のエイジング塗装ならナチュラルガーデンに合うし、原色でカラフルに仕上げればキッズの遊具収納にぴったりになるはず。

ミリタリー風ならステンシルがお約束。ちなみにベースカラーはライトグリーンとダークブラウンをほぼ1:1で混ぜたもの、ステンシルカラーはイエローにダークブラウンを少し混ぜたもの

 

金具で使い勝手とルックスを向上させる

上蓋を開けたときの保持のためにステーを、閉めたときの密閉性アップのためにパッチン錠をつけた。今回は扉の留め具や取っ手に端材を使ったが、お好みならそれらを金具にしてもいい。鍵をかけられるようにしたり、両サイドに持ち手をつけて移設しやすくするのもアリだ。金具によって機能だけでなく見た目の印象も変わることだろう。

上蓋は重いので、ステーがあると便利

 

パッチン錠はミリタリー風のカラーリングにもマッチ

ガルバリウム波板張りの2×4工法物置を作ろう!

市販品にはないサイズ、デザイン、機能。市販品を買っちゃ味わえない自己満足。物置はぜひともDIYでいきましょう。

シンプル木製ドア仕様

 

中には棚をつけて効率的に収納しよう!

 

床面積は、ちょうど合板1枚分(1820×910mm)。2×4工法で小屋を作るように組み立てる。外壁の波板は錆びにくいガルバリウム。木のトリミングとの相性もよく、カラーリングと装飾次第で、アメリカンにもナチュラルにもモダンにも演出できる。

 

Step1 床を作る

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Step2 壁の下地を作る

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Step3 屋根の下地を張る

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Step4 外壁を張る

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Step5 トリミングを張る

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Step6 屋根を張る

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Step7 ドアをつける

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Extra ドアを波板バージョンにマイナーチェンジ!

木製ドアと波板ドア、あなたはどちらが好み?

 

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写真◎福島章公、ドゥーパ!編集部

身近な資材で焚き火テーブルを作ろう!/DIYで愉しむ、焚き火&ストーブ

自分なりのアイデアで、オリジナル焚き火アイテム作りに挑戦してみよう。編集部が構想したのは、焚き火台とテーブルが一体になった焚き火テーブル。身近な資材を使って、できるだけ簡単に作るのがコンセプトだ。

 

[天板と火床のサイズ]*単位はmm

STEP1 火床を作る

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STEP2 テーブルを作る

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STEP3 火床とテーブルを組み合わせる

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さっそく焚き火~♪

使い心地は良好。あまり炎を大きくすると天板に燃え移らないか心配になってしまうので、ほどほどで楽しみたい。数時間使っても、一斗缶の外側にあるステンレス丸棒はさほど熱くならなかった。それに火床の一斗缶も意外と早く冷め、片づけるために長時間待たずに済んだ

 

バーベキューにもグッド!

もちろん炭火でバーベキューも楽しめる。もし炭専用で使うなら、火床をもっと浅くしたほうがいいかもしれない。ちなみに一斗缶には25cm角のバーベキュー網がジャストフィットだ

座りながら寄せ植え作業ができるガーデンテーブル兼作業台/DO IT!手作りガーデン【5】

スライド式のテーブルを広げると内部にガーデン作業バットがあり、そこで植え替え作業などをできるようにした。スライドテーブル自体をきれいに保持しておけるのがポイント。さらにバタフライテーブルつきなので、大勢でガーデンパーティーを楽しめるようになっている。

直線切り&突きつけだけで作れる!初めてのDIYにおすすめ

「ガーデンテーブルにもなり、ガーデニング作業台にも使える」をコンセプトにデザインしたガーデンテーブル兼作業台。天板はスライド式で内部に植え替え作業などができるスペースを作った。作業用の台には料理で使われるアルミ製の角バットを使用。角バットなら作業後に水洗いできてテーブル本体をきれいなままにしておける。

また、大人数でガーデンパーティーを楽しめるようにテーブル本体に延長用となるバタフライテーブルを取りつけた。

木材のカットは直線カットのみ。丸ノコを使えばあっという間に木取りができてしまうはず。組み立ても超シンプルで、ビスによる突きつけのみなのでDIYビギナーでもチャレンジしやすい。少し難しいのはバタフライテーブルの取り付け。スムーズに開閉できるかを確認しながら行なうとよい。また、スライド式テーブルがスムーズに開閉できるように、脚部に固定する天板はスライド式テーブルのサイズに合わせず、少しゆとりを持って取りつけるといい。

天板と脚部で塗料を白とグレーで塗り分けたのもポイント。庭のアクセントにもなり、植物との相性もいい色味になっている。今回は作業の都合上、組み立て後に塗装を行なったが塗膜により少々厚みが出て、スライドテーブルの開閉に支障をきたす可能性がある。塗装をしてから組み立てるのがおすすめだ。

スライドテーブルをあけた状態。作業スペースが450×485mmあるのでバーベキューコンロを置いてみた。バーベキューコンロはキャプテンスタッグのカルネ角型水冷バーベキューコンロ

 

【構造図】*単位はmm

【使用資材】

材の種類 サイズ 数量 使用部位
2×4材 785 2 幕板
700 4
1×4材 900 2 天板
825 6 バタフライテーブルの天板
785 2 スライド式テーブルのレール
630 2 幕板
605 6 棚板
550 2 バタフライテーブルの天板受け
530 5 作業バット受け
525 2 スライド式テーブルの受け
450 10 スライド式テーブルの天板
2×2材 785 2 棚受け
700 2 バタフライテーブルの脚
445 2 天板受け

 

【使用資材】
アルミ角バット、ステンレスJ型フック(2個)、32mm鉄横長蝶番、51mm鉄横長蝶番、キャッチャー、塗料(アクア エクステエナメル 0.7L缶/ホワイト)、(サドリンクラシック 0.7L缶/グレーアンバー)、ビス(65mm)、スリムビス(50mm、45mm、32mm、25mm)

材料費…約1万円

【主な使用道具】
ンパクトドライバー、スライド丸ノコ、サンドペーパー、養生テープ(マスキングテープ)、ハケ、塗料カップ、鉛筆

 

STEP1 脚部を作る

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STEP2 スライド式テーブルの天板を作る

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STEP3 バタフライテーブルの天板を作る

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STEP4 脚部に天板を組み立てる

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STEP5 塗装する

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バタフライテーブル&スライドテーブルが閉じているとコンパクト

 

バタフライテーブルだけを広げて使ってもいい

 

側面から見た様子

 

スライドテーブルは2×2材の天板受けを持ってスライドさせる。好みで取っ手をつけると引き出しやすい

 

キャッチャーから脚をはずしてバタフライテーブルの脚を立てる

写真◎田里弐裸衣、ドゥーパ!編集部

 

アポロ佐藤 Aporo Satoh

北海道生まれ。カントリーフィーリングにあふれたガーデン作品を得意とするガーデンエクステリアプランナー。千葉県茂原市でウッドワークアポロを主宰。趣味でパンクバンドのボーカルを担当。2児のパパ。

チェンソー木工術Part2・ガーデンテーブルを作る/DIYerのためのチェンソー使いこなし術

田舎暮らしの頼れる相棒、チェンソー。薪作りや枝打ちなど日々の仕事を能率的にこなすには欠かせない道具だが、価値はそれだけにとどまらない。もっとクリエイティブなDIYを楽しませてくれるし、じっくり大切に整備するほどに愛着を感じさせてくれる味わい深い機械でもある。そんな素晴らしきチェンソーライフに誘ういくつかのノウハウを紹介しよう。

今回は、丸太の輪切りを天板にしたワイルドなテーブルを作ってみよう。脚もやっぱり丸太から切り出した角材。天板裏面のホゾ穴に脚を豪快に叩き込めば、シンプルでいて存在感抜群のテーブルのできあがりだ。

 

Step 1 材料を切り出す

丸太から天板材と脚材を切り出す。一般的な木工のように緻密で繊細な作業は無用。ざっくりとした木取りでOKだ。

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Step 2 脚材と天板材を加工して組み合わせる

脚材、天板材をそれぞれ加工し、ホゾ組みする。ホゾ組みといっても、やはり緻密な作業は必要なし。現物合わせでガンガン組み立てていく。

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Step 3 各部を仕上げる

脚の長さをそろえ、各部を面取りすれば完成。どれくらい面取りするかは好みで決めればいい。

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チェンソー木工にはカービング用のガイドバーが有効

チェンソーで丸太に彫刻するチェンソーカービング(またはチェンソーアート)には、カービングバーと呼ばれるガイドバーが使われる。先端が細く、微妙な加工に適したガイドバーだ。この特集では、ホゾ穴を掘るときのみカービングバーを使っているが、サインボード作りなどにおいてもカービングバーのほうが使いやすいだろう。

一番手前がカービングバー(12インチ)。真ん中が18インチ、奥が25インチのノーマルガイドバー。製材に使うなら長いガイドバーのほうが幅広く活躍する

 

栗田さんが最近手がけたチェンソーアート作品。このような繊細な加工はカービングバーでなければ無理だ

写真◎門馬央典

栗田宏武 Hiroaki Kimura

カナダで開催されるチェンソーカービングチャンピオンシップで3年連続チャンピオンに輝いた経歴を持つ、国内チェンソーアーティストの第一人者。

チェンソー木工術Part1・サインボードを作る/DIYerのためのチェンソー使いこなし術

田舎暮らしの頼れる相棒、チェンソー。薪作りや枝打ちなど日々の仕事を能率的にこなすには欠かせない道具だが、価値はそれだけにとどまらない。もっとクリエイティブなDIYを楽しませてくれるし、じっくり大切に整備するほどに愛着を感じさせてくれる味わい深い機械でもある。そんな素晴らしきチェンソーライフに誘ういくつかのノウハウを紹介しよう。

チェンソーで木を加工して家具やオブジェを作る……これほどダイナミックでワイルドな木工はない。せっかくチェンソーを手にしたなら、ぜひその楽しさを味わいたい。入門編として、たとえばサインボード作りなどはいかがだろう。

 

Step 1 文字の輪郭を彫る

立体的な文字が重なりながら連なっているように見えるサインボードを作る。まずは文字全体のアウトラインを彫る。

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Step 2 文字を立体的にする

各文字の右端から左端に向けて傾斜がつくように表面を欠き取り、文字が重なる部分に段差をつける。

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Step 3 仕上げの装飾を施す

最後に好みに応じて装飾を施せば完成。ここではチェンソー木工らしいワイルドさを強調する仕上げに。

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曲面でも作業手順は同じ
文字を彫る面が曲面であっても、作業手順は変わりない。丸太のままサインボードを作るのも面白いだろう。

丸太を製材したときの端材でサインボードを作っているところ

写真◎門馬央典

栗田宏武 Hiroaki Kimura

カナダで開催されるチェンソーカービングチャンピオンシップで3年連続チャンピオンに輝いた経歴を持つ、国内チェンソーアーティストの第一人者。

編集部が体当たりで実践!素焼きの鉢でタンドール窯作り/火を愉しむDIY

「いつでも焼きたてのナンが食いたい!」

そんな燃え上がる欲望に胸を焦がし、編集長・設楽が挑戦したのはタンドール窯作り。どこでも持ち運び可能なサイズで、徹底的に軽さを追求。完成したのは入れたものをなんでも美味しく焼きあげてしまう、驚異の窯だった…。

 

*タンドール窯とは?
タンドール窯とは円筒形の粘土製壺型オーブン。北インドからアフガニスタンなど西アジアから中東にかけて使用されている土窯だ。その起源は古く古代インダス文明まで遡るといわれている。インド料理屋に行くとナンを焼いている筒状の窯がありますよね、アレです、アレ。

 

製作したポータブル・タンドール窯

 

ナマステ設楽がリポート。「魔法の窯の登場です!」

 

焼きたてのナンが食べたかった。ザックを背負いインドを放浪していたウン年前、歩き疲れた体にカレーとともに流し込むナンのおいしさといったらなかった。あのふわっとした柔らかさ、もちっとした食感、ほのかに鼻腔をくすぐる小麦の香り……んがぁーーー!ナンを自分で作って食べたい、そのための窯が欲しい! ここで「インド料理屋に行けばいい」なんて無粋なことを言ってはいけない。いつでも、どこでも、食べたいときに、たらふく食べたいじゃないかーーーー!

というわけで、「なければ自分で作る」んである。とはいえ、本場のタンドール窯は総重量60kg以上にもなるという。これはいけない。「いつでも、どこでも」というテーマから大きく外れるし、常日頃心掛けているウルトラライトの思想に反する(僕は山男でもあるのだ)。車での移動はもちろん、手持ちで持ち運べることを想定すると、目指す重さは10kg以下。さらには、友人に自慢できるようなかっちょいい見た目にもこだわりたい……そこで用意したのがペール缶とテラコッタの素焼き鉢、そしてオリジナルミックスの断熱材。

さあ、ここから始まるのは、魔法の窯作りに奮闘するひとりの男のドキュメンタリー。その一部始終をとくとご覧あれ!

 

【これがポータブル・タンドール窯の全貌だっ!】

重さはわずか1kg!製作時間はまさかの半日!材料費はたった4000円!

 

【使用した道具】
ドライバードリル(鉄工用ドリルビット/陶器用ドリルビット)、ディスクグラインダー(ダイヤモンドホイール/金属用切断砥石)、ジグソー(鉄工用ブレード)、カナヅチ、センターポンチ、棒ヤスリ、カッター、スコップ、メジャー、ハケなど

【用意した資材】
ペール缶(径300×高さ350mm)、テラコッタの鉢(径260×高さ310mm)、パーライト(18L)1袋、バーミキュライト(3L)1袋、川砂(適宜)、単管パイプ(径38mm)、焼き網など*塗料は含まない

 

ペール缶を好きなデザインに塗装する

塗装に準備したのは、ごく普通の水性ペンキ。窯の内部は300~500℃まで上がるタンドール窯だが、断熱材がしっかり熱を遮断してくれるとの判断からのチョイス。なお赤と黄色はなんとなくカレーの色をイメージしてみた

 

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断熱材をブレンドする

断熱材はパーライトをメインに、バーミキュライトと川砂を混ぜてみた。比率はパーライト7:バーミキュライト2:川砂1くらい。さらに耐火セメントを混ぜて固める方法もあるようだが、重くなるのでやめた。なお、この組み合わせや比率に科学的根拠などまったくないので、みなさんそれぞれで試してほしい

 

ペール缶のフタを丸く切り抜く

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素焼きの鉢をカットする

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単管パイプで空気調整口を作る

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素焼きの鉢に穴をあける

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各部材を組み立てる

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自宅の庭で気分はインド!タンドール窯で串焼きパーティー開催中

これ、ぜ~んぶタンドール窯で作った料理!

 

チキンケバブ!

 

タンドーリチキン!この照り!このシズル感!

 

【窯の火入れ】
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【ナンを焼いてみよう!】
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タンドールならではの道具も自作すべし!

【ナン取り出し用フック】
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【ミニガッティ】
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タンドール・レボリューション!

いや、みなさん、正直に言わせていただく。この窯はすごい、もう魔法の窯といっても過言じゃない。ちょっとすごすぎて自分でも困惑しちゃってる(笑)。これはピザ窯、バーベキュー炉と並ぶ野外パーティーの武器になることを確信してます!

もうね、どんな食材を入れても美味しくなっちゃうんですよ。今回、ナンをはじめ、タンドーリチキン、ケバブ、豚バラチャーシュー、サンマの塩焼き、さらには焼き芋を調理しましたが全部大成功。

まず調理時間が早い。しっかりと内部の温度が上がったタンドール窯は、ナンは1分少々で焼けちゃう。タンドーリチキンですら10~15分くらいでOK。遠赤外線の効果か外はパリッと、中はふっくらジューシー! 余分な油は下に落とし、旨みだけをギュッと閉じ込めるから、もうほんっとに美味い。焼き上げた肉や魚を串から取り外した瞬間、「ぷすっ!」と音を立てて爆ぜる瞬間がもうたまんない。

さらにポイント高いのは、炭を使った窯なので使用時の煙が少ないこと。肉や魚から落ちる油を熱源の炭に当てないように気をつければ、煙がほとんど出ません。これならお隣さんを気にせず、堂々とパーティーができるってわけ! ピザ窯じゃこうはいかない。薪と違って、炭ならすぐに手に入るしね。

作品自体の作りやすさもこの窯のメリット。今回のようにペール缶に塗装をしなければ、半日で製作可能。工具さえそろっていれば、DIYビギナーでも十分にターゲットにできるやさしい難易度。しかも材料費4000円ときたら……もう作らない理由がないでしょ。

最後に、こだわった重さ。ペール缶に詰める断熱材はパーライトをメインにブレンドし、なおかつセメントで固める方法を避けた結果、7kgという軽さを実現。まさにポータブルの名に恥じない持ち運びやすさ。庭で、海で、キャンプ場で、ベランダで、コンクリートジャングルの真ん中で、もうどこでもナンが焼ける! おい、これはもう革命じゃないのか!?(笑)

ほんとになんてポテンシャルの高さなの、タンドール窯ちゃん……みなさんもぜひタンドール窯を自作して、オリジナルの窯料理を好きな場所で楽しんでね! では、ナマステ~(さようなら~) 。

ちゃぶ台スタイルでワイワイ楽しもう!ドーナッツグリルテーブル/DIYでキャンプ家具を作ろう【3】

サイドテーブルと一体化したちゃぶ台モードにも!

 

天板は折りたたみ、脚は取り外し可能。収納時はコンパクトに!

 

それぞれの天板裏には板つきナットを固定。脚の先端に取りつけたボルトを回し入れてパーツを接続

 

市販の丸形バーベキューコンロから着想を得た、ドーナッツ型のバーベキューテーブルセット。バーベキューをやらないときは、サイドテーブルと一体化したちゃぶ台スタイルに。それぞれの天板は蝶番で接合されているので半分に折りたため、脚を取り外して持ち運ぶことができる。

材料の加工のポイントはトリマーを使った天板のラウンドカット。付属のストレートガイドからL字のガイドプレートを取り外しトリマー本体に固定。ガイドプレートには角材を取りつけ延長。材の中心から時計の針を回すように材を切削していく。6mm径のストレートビットで切削するので、一度に彫れる深さは3mm。7回ほど切削を繰り返して丸く切り抜いた。

2×4材の脚の先端には、下穴をあけハンガーボルトをねじ込んで固定。あらかじめ天板裏に取りつけた板つきナットに回し入れることで、天板と脚を脱着できる仕組みとした。

キャンプ場で、自宅の庭で、みんなでテーブルを囲んでバーベキューを楽しもう。

 

市販の丸形バーベキューコンロに合わせて製作。コンロのサイズは径355×高さ290mm

 

【主な使用道具】

インパクトドライバー(ドライバービット2番、下穴錐5mm径、ドリルビット15mm径)、丸ノコ、トリマー(6mm径ストレートビット、ガイドプレート)、ランダムサンダー、丸ノコガイド定規、ノコギリ、ハンマー、ノミ、カンナ、ペンチ、プライヤー、クランプ、サシガネ、メジャーなど *塗装道具は除く

 

【用意した資材】

ラワンランバーコア板(厚さ21×幅900×長さ900mm)1枚、合板(厚さ5.5mmの端材)1枚、SPF 2×4材(厚さ38×幅89×長さ2440mm)1本

 

【その他の材料】

スリムビス(20/50mm)適宜、ハンガーボルト(M8×長さ50mm)8本、二枚合長蝶番(長さ180mm/150mm)それぞれ2枚、板つきナット(M8)8枚、木部用ワックス(ジャコビアン、ウォルナット)

 

【木取り表】

長さ(単位はmm) 数量 使用部位
ラワンランバーコア板 径900 1 天板A
径410 1 天板B
SPF 2×4材 230 4 脚C
230 4 脚D
合板 200×65 2 天板受けE

【仕上がりサイズ】
径900×高さ255mm(テーブル大)/径410×高さ255mm(テーブル小)
幅450×長さ900×厚み65mm(収納時)

【材料費】
約7000円(塗料は除く)

 

製作のポイント1/トリマーで合板を丸くカットする

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製作のポイント2/蝶番を使って天板を連結する

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製作のポイント3/ボルトをねじ込み、脚パーツを作る

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製作のポイント4/板付ナットの固定、その他

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写真◎佐藤弘樹

関 英利 Hidetoshi Seki

SEKI WOODWORKS主宰。千葉県いすみ市在住。サーフィンと木工を愛するナイスガイ。

エーゲ海の風景を思わせるベンチつきレイズドベッドを作ろう!・DO IT!手作りガーデン【4】

高床式で立ったまま植物の手入れができるレイズドベッド(花壇)を軽量ブロックでDIY。丈夫な作りにするために基礎はL形基礎。軽量ブロック部分には縦筋と横筋を入れている。備えつけのベンチ脚も軽量ブロックで縦筋入り。多少粗っぽく使ってもへっちゃらだ。

土圧に耐えるL形基礎で頑丈な構造に仕上げた

立ったまま植物の手入れを楽しめるレイズドベッド。高齢者や車いす利用者でも気軽に植物に触れることができるので、公園など公共の場に作られていることが多い。

そんなレイズドベッドを軽量ブロックで製作した。立ったまま作業できるように軽量ブロックを4段積んで高さ700mm程度になるようにしている。

基礎は土圧に耐えられるようにL字に曲げた鉄筋を使用するL形基礎(レイズドベッド基礎構造図参照)にした。頑丈な作りにするため、軽量ブロックには縦筋と横筋を入れている。コンクリートブロック仕上げのままだと武骨さが残るため、漆喰とタイルで化粧することにした。漆喰は白、タイルは涼やかな印象になるように青系のものを選んだ。

また、ガーデニングの合間にひと息ついたり、道具置き場に活用できるベンチをつけている。ベンチは脚を軽量ブロックで製作。高さ400mm程度になるように2段積む。しっかりした作りにするため縦筋を入れている。レイズドベッドと同様に漆喰で仕上げた。ベンチの座板には2×4材を使用し、道具掛けとして木の枝を取り付けている。

ブロック面を白い漆喰で仕上げたため、エーゲ海風の涼やかな作品に仕上がった。ガーデンキッチンの近くに作ってミニ菜園やハーブガーデンにしてもよさそう。植物好きの高齢者がいる方ならプレゼントとして作ってみると喜ばれるはずだ。

なお、モルタルなどを使用するので製作日数は7日以上見ておくといい。

 

【構造図】

【使用資材】

材の種類 数量 使用部位
軽量ブロック(100mm・コーナー) 8 レイズドベッド、ベンチ脚
軽量ブロック(100mm・鉄筋) 27 レイズドベッド
異形鉄筋(10mm径×3640mm) 8 基礎、レイズドベッド、ベンチ脚
番線 適宜 基礎、レイズドベッド
砕石(20kg) 3 基礎
セメント(25kg) 2 基礎、レイズドベッド
砂(25kg) 6 基礎、レイズドベッド
コンクリート用接着剤(ハイフレックス) 適宜 レイズドベッド・ベンチ脚の化粧下地
ハイモルタル(25kg) 1 レイズドベッド・ベンチ脚の化粧下地
モザイクタイルシート10mm角 4 レイズドベッドの化粧
タイル用接着剤(セラ・タック/2kg) 1 レイズドベッドの化粧
インスタントセメント(4kg) 1 レイズドベッドの化粧
漆喰(ヘイ!ヌレール/16kg) 1 レイズドベッド・ベンチ脚の化粧
2×4材(1200mm) 5 座板
ウエスタンレッドシダー端材(490mm) 2 座板受け

【その他の資材】
塗料(オスモカラー カントリーカラー0.75L缶/グレイブラウン、ダブブルー)、六角ボルトナット(2本)、ゴムシート(2×100×100mm)、特厚金折45mm、コーススレッド(65mm)、スリムビス(40mm)、コンクリートアンカー(スピットアンカー/下穴径6mm)、木の枝(高さ約1800mm)

 

材料費…約4万円

 

【主な使用道具】
ディスクグラインダー、インパクトドライバー、振動ドリル機能つきインパクトドライバー、サンダー、マスキングテープ、シャベル、ブラシ、各種コテ、コテ板、スポンジ、練クワ、タンパー、バケツ、スペーサー、チョークライン、クランプ、メジャー、カッター、ゴムハンマー、彫刻刀、水平器、サシガネ、ラチェットレンチ、鉛筆

 

STEP1 基礎を作る

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STEP2 レイズドベッド本体とベンチ脚を作る

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STEP3 タイルを張り、漆喰を塗る

 

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STEP4 ベンチを作る

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写真◎福島章公、ドゥーパ!編集部

 

石川豊花 Yutaka Ishikawa

「ロバロバファクトリー」主宰。立体作家。鉄、木、コンクリートなどの素材を使って、さまざまな作品を制作。現在、神奈川県小田原市を中心にエクステリア施工を行なっている。独創的な空間作りに定評がある。

エーゲ海の風景を思わせるベンチつきレイズドベッドを作ろう!・DO IT!手作りガーデン【4】

高床式で立ったまま植物の手入れができるレイズドベッド(花壇)を軽量ブロックでDIY。丈夫な作りにするために基礎はL形基礎。軽量ブロック部分には縦筋と横筋を入れている。備えつけのベンチ脚も軽量ブロックで縦筋入り。多少粗っぽく使ってもへっちゃらだ。

土圧に耐えるL形基礎で頑丈な構造に仕上げた

立ったまま植物の手入れを楽しめるレイズドベッド。高齢者や車いす利用者でも気軽に植物に触れることができるので、公園など公共の場に作られていることが多い。

そんなレイズドベッドを軽量ブロックで製作した。立ったまま作業できるように軽量ブロックを4段積んで高さ700mm程度になるようにしている。

基礎は土圧に耐えられるようにL字に曲げた鉄筋を使用するL形基礎(レイズドベッド基礎構造図参照)にした。頑丈な作りにするため、軽量ブロックには縦筋と横筋を入れている。コンクリートブロック仕上げのままだと武骨さが残るため、漆喰とタイルで化粧することにした。漆喰は白、タイルは涼やかな印象になるように青系のものを選んだ。

また、ガーデニングの合間にひと息ついたり、道具置き場に活用できるベンチをつけている。ベンチは脚を軽量ブロックで製作。高さ400mm程度になるように2段積む。しっかりした作りにするため縦筋を入れている。レイズドベッドと同様に漆喰で仕上げた。ベンチの座板には2×4材を使用し、道具掛けとして木の枝を取り付けている。

ブロック面を白い漆喰で仕上げたため、エーゲ海風の涼やかな作品に仕上がった。ガーデンキッチンの近くに作ってミニ菜園やハーブガーデンにしてもよさそう。植物好きの高齢者がいる方ならプレゼントとして作ってみると喜ばれるはずだ。

なお、モルタルなどを使用するので製作日数は7日以上見ておくといい。

 

【構造図】

【使用資材】

材の種類 数量 使用部位
軽量ブロック(100mm・コーナー) 8 レイズドベッド、ベンチ脚
軽量ブロック(100mm・鉄筋) 27 レイズドベッド
異形鉄筋(10mm径×3640mm) 8 基礎、レイズドベッド、ベンチ脚
番線 適宜 基礎、レイズドベッド
砕石(20kg) 3 基礎
セメント(25kg) 2 基礎、レイズドベッド
砂(25kg) 6 基礎、レイズドベッド
コンクリート用接着剤(ハイフレックス) 適宜 レイズドベッド・ベンチ脚の化粧下地
ハイモルタル(25kg) 1 レイズドベッド・ベンチ脚の化粧下地
モザイクタイルシート10mm角 4 レイズドベッドの化粧
タイル用接着剤(セラ・タック/2kg) 1 レイズドベッドの化粧
インスタントセメント(4kg) 1 レイズドベッドの化粧
漆喰(ヘイ!ヌレール/16kg) 1 レイズドベッド・ベンチ脚の化粧
2×4材(1200mm) 5 座板
ウエスタンレッドシダー端材(490mm) 2 座板受け

【その他の資材】
塗料(オスモカラー カントリーカラー0.75L缶/グレイブラウン、ダブブルー)、六角ボルトナット(2本)、ゴムシート(2×100×100mm)、特厚金折45mm、コーススレッド(65mm)、スリムビス(40mm)、コンクリートアンカー(スピットアンカー/下穴径6mm)、木の枝(高さ約1800mm)

 

材料費…約4万円

 

【主な使用道具】
ディスクグラインダー、インパクトドライバー、振動ドリル機能つきインパクトドライバー、サンダー、マスキングテープ、シャベル、ブラシ、各種コテ、コテ板、スポンジ、練クワ、タンパー、バケツ、スペーサー、チョークライン、クランプ、メジャー、カッター、ゴムハンマー、彫刻刀、水平器、サシガネ、ラチェットレンチ、鉛筆

 

STEP1 基礎を作る

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STEP2 レイズドベッド本体とベンチ脚を作る

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STEP3 タイルを張り、漆喰を塗る

 

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STEP4 ベンチを作る

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写真◎福島章公、ドゥーパ!編集部

 

石川豊花 Yutaka Ishikawa

「ロバロバファクトリー」主宰。立体作家。鉄、木、コンクリートなどの素材を使って、さまざまな作品を制作。現在、神奈川県小田原市を中心にエクステリア施工を行なっている。独創的な空間作りに定評がある。

蔓性植物を絡ませたくなるベンチつきパーゴラを作ろう・DO IT!手作りガーデン【3】

柱、ベンチ、壁、垂木、桁まで木部の材はすべて間柱材。長さ105mmにカットした間柱材をサンドイッチするように組み立てた柱がポイントで、壁や桁はログハウスの工法のひとつであるピース・エン・ピース工法の要領で取りつけていける。

 

ピース・エン・ピース工法の要領で壁をはめ込んでいく

一部分に壁があり庭のコーナーなどに作ると目隠しフェンスの役目も果たすベンチつきパーゴラ。暑い夏は垂木にシェードなどの布地を掛ければ手軽に避暑スペースを作れる。また、壁の横にはワイヤーメッシュを取り付けているので、蔓性の植物を這わせたり、ハンギングプランターなども楽しめるはずだ。

使用した木材は間柱材のみ。サイズは27×105×2985mm(長さは3000mmと表記されていることもある)。ホームセンターでは5本束で販売されており、入手しやすい材だ。

柱も間柱材で製作。桁や横桟、壁を柱にはめ込むように取りつけるため、105mmにカットしたものをサンドイッチするように組み立てた。

柱をこのように組み立てると、壁を好きなようにはめ込んでいける。本作ではすき間なくはめ込んでいったが、すき間を作ってもいいし、すき間なくはめ込んで窓抜き加工をしてもいいだろう。

作品づくりの重要ポイントは、しっかりと柱と桁の水平&垂直を確認しながら取りつけること。この作業を正確に行なってしまえば完成まで一挙に進むはずだ。

仕上げに木工用ディスクを装着したディスクグラインダーで柱や桁にダメージ加工し、使い込んだ風合いを演出したが、仕上げは好みで。自由度の高い作りになっているので、自分なりのベンチ付きパーゴラが作れるだろう。

後ろから見たところ

 

下から垂木を見たところ。垂木が放射状に取りつけられているのがわかる

 

ブルーとグリーンの重ね塗りでラフな雰囲気に仕上げた

 

【構造図】*単位はmm

【木取り表】*単位はmm

材の種類 サイズ 数量 使用部位
間伐材 2300 12 柱材
2300(幅50mmに割いた材) 8 柱材
2080 10 桁、横桟
1440 1 座板受け
1235 1 座板受け
350 33 座板、ベンチの脚
275 2 座板受けの支え
245 4 ベンチの脚
105 12 柱材
105(幅50mmに割いた材) 8 柱材

【その他の資材】
基礎石10個、インスタントモルタル3袋、ワイヤーメッシュ2枚(1×2m/網目サイズ100×100mm)、スリムビス(40mm)、水性塗料

 

材料費…約4万5000円

 

【主な使用道具】
インパクトドライバー(ドライバービット/6mm径ドリルビット)、丸ノコ、ディスクグラインダー、カナヅチ、ゴムハンマー、タンパー、メジャー、水平器、ハケ、ベンダーなど

 

STEP1 整地して柱の基礎石を配置する

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STEP2 柱とベンチの脚を作る

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STEP3 柱を立てて各部材を組み立てる

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STEP4 ダメージ加工をして塗装する

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写真◎田里弐裸衣、ドゥーパ!編集部

 

川鍋正人 Masato Kawanabe

イノセントガーデン主宰。ヴィンテージ感ある庭作りを行なう。古民家を自らリノベーションしたcafe ONIWAのオーナーとして、カフェの雑木林が印象的な庭作りもこつこつと行なっている。今回製作したベンチつきパーゴラもこのカフェで見られる。http://www.innocent-garden.com/

週末サクッとDIY!4つの電動工具でベンチ作りにチャレンジ!

「リーズナブル、それでいて機能性十分」。これ、DIY向けパワーツールの話。安かろう悪かろうは今は昔。家庭用の電動工具も今や進化を遂げているのだ! ここではシンプルなベンチ作りを通して、4つのパワーツールの基本テクニックを紹介。製作時間は約2〜3時間。ササッと作れて、達成感もばっちりの休日DIYを楽しもう!

丸ノコ、ドライバードリル、インパクトドライバー、サンダーの4つのリョービ・パワーツールをフル活用!

 

【展開図】*単位はmm

【木取り図】*単位はmm
2×4材(38×89×3050mm)

【資材リスト】*2020年2月時のデータです
・ 2×4材(厚さ38×幅89×長さ3050mm)…2本 1500円
・ コーススレッド 75mm(50本入り)…150円
・ 水性多用途塗料 200ml(クラシックグリーン)…810円
材料費…約2460円

 

【使用する道具】
[材の切断]
丸ノコ、スピードスクエア、丸ノコ用平行定規、丸ノコ用角度定規

[材の研磨]
サンダー

[材の加工、固定]
インパクトドライバー(ドライバービット2番)、ドライバードリル(9mm径皿取りビット、3.5mm径ドリルビット)

[材の計測]
サシガネ、メジャー

 

Step1 丸ノコで材を切断する

材料の直線・割き(縦挽き)・傾斜・斜めカットには欠かせない丸ノコ!

 

丸ノコを使って、2×4材からそれぞれの部材を切り出す。4種類のテクニックを使い分けて加工しよう

 

【前準備】

丸ノコのチップソー(刃)の出幅を調整する。材の厚みより2~3mm程度深く刃を出すのが目安だ。作業台には厚めのスタイロフォームのような捨て板を敷いておくと、切り口にバリやささくれ、割れが出にくい

 

【直線カット】

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【割き加工】

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【斜めカット】

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【斜めカット】

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Step2 サンダーで材を研磨する

カットした木口のバリやささくれをしっかり研磨して、作品の仕上がりをワンランクアップ!

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Step3 インパクトドライバーとドライバードリルで各パーツを組み立てる

10.8Vのドライバーは、軽量で操作性の高さが魅力。下穴あけのひと手間がビスを真っすぐ打ち込むコツだ。

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写真◎福島章公/取材協力◎京セラインダストリアルツールズ

佐相顕悟 Kengo Sasou

ウッドデッキをはじめとしたエクステリアから家具作り、リフォームまで手がける施工集団D.PARADISE所属。https://www.d-paradise.com/

ディスクグラインダーでバリバリ切断!ドラム缶ピザ窯は本当に使えるのかを検証!

簡易ピザ窯として巷でちょっと話題になっているのが、ドラム缶を使った窯作り。そういえば、使い道がなくて場所を取っていた古いドラム缶があるのを思い出した編集部は、さっそく製作に挑戦! ピザ窯としての使い心地も確かめてみました。

焼き室を上から覗いた状態。焼き床(大谷石の端材)の両脇にあけた穴から、火の熱が上がってくる

 

鉄さえ切れれば簡単に作れる!

モルタルや耐火レンガを使った常設型に比べ、このドラム缶ピザ窯はと~っても簡単に作れるのが魅力だ。

まずは、ドラム缶の出っ張り(輪帯)を目安に、3分の1(焼き室パーツ)と3分の2(燃焼室パーツ)サイズになるように切り分ける。燃焼室パーツをひっくり返して重ね、焼き室と燃焼室の入口、火床から上がってくる熱の通り道となる穴をあける。加工の際に出た端材で焼き室の扉を作り、全体を耐熱塗料で化粧すれば、もう完成。

200Lのドラム缶の板厚は1~1.6mm(種類によって異なる)で、鉄工用ディスクを装着したディスクグラインダーならば難なく加工することができるが、キックバックが起こらないようにじっくり進めよう。また、金属加工時は激しく火花が散るので、手袋や防護メガネ、長そでやエプロンを着用したい。

200Lサイズのドラム缶。使う前に中をよく洗浄しておこう

 

【使った道具】
ディスクグラインダー(鉄工用ディスク)、インパクトドライバー、メジャー、カッター、マスキングテープなど

【用意した資材】
ドラム缶(200L)、大谷石、耐火レンガ、蝶番、落とし、ドリルビス、耐熱スプレー(黒)など

 

いざ、製作チャレンジ!

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果たして使い心地はいかに!?

火入れしてみる。ちょっと燃焼室が広すぎたかもしれないが、熱は約30分で220度に到達

 

これ以上窯の温度が上がらなさそうなので、網に載せたピザを投入。扉を閉めて待ってみることに。本当に焼けるのか…?

 

約10分後に取り出してみると、意外(?)にもおいしそうに焼けたピザが!

 

結果は大成功!美味かった!

飾り棚つきフェンスと曲線カットがアクセントのゲートを作ろう・DO IT!手作りガーデン【2】

シンプルなデザインのフェンス&ゲート。フェンスは板を横張りし、ゲートは板を縦張りした。フェンスには飾り棚を取りつけ、花やガーデンアイテムを飾れるようにしたのがポイント。

 

柱を水平&垂直に立てることが重要

リビングから庭を眺めたとき、目の前のフェンスがメッシュパネルのものだったり、ゲートがアルミ製のものだと無機質な印象を受ける。そこで庭の植栽に似合うような木製フェンス&ゲートを作ることにした。

フェンスのデザインは板を横張りしたシンプルなもので、花やガーデンアイテムを飾れる棚をつけた。棚は棚板と箱形のものを製作。箱形の棚は花を飾ると額縁ガーデン風になる。フェンス板にはプランターをハンギングしてもいい。植物によるデコレーションを存分に楽しめるはず。

ゲートはフェンスが横張りだったので、縦張りにした。また、アクセントになるように上部を曲線仕上げにしている。

製作のポイントは、基礎を設置する位置をそろえることと柱を水平&垂直に取りつけること。基礎を正確に設置するには水糸が必要。水糸をピンと張って、すべての基礎の位置がそろっているかを確認したい。柱を取りつけるときは水平器で垂直を、水糸で水平をしっかり確認しながら取りつけていく。また、フェンスの板を2段目まで取り付けても柱がグラグラするときは地面に杭を打って柱に固定するといい。

製作のポイントをしっかり押さえればフェンス板と棚の組み立ては簡単。花を飾れるフェンス&ゲートなので、作り終えたらDIYだけじゃなくガーデニングにもはまってしまうかもしれない。

フェンス全体。全長は約12m

 

箱形の棚はフェンスの真ん中に取りつけている

 

【フェンス&ゲート正面図】*単位はmm

【木取り表】*単位はmm

材の種類 サイズ 数量 使用部位
1×6材 1800 28 フェンス板
900 4 フェンス板、ゲート
600 2 棚板
300 6 箱枠
390 6 箱枠
1×4材 900 6 ゲート
75×75mm角防腐アカマツ材 1110 1
1090 2
1030 1
1020 1
980 3
930 1
920 2
895 1

【その他の資材】
ゲート用ラッチ、蝶番(ヘビーTヒンジ6インチ)、羽子板、基礎石6個、砕石2袋、ボイド管(125mm径・4000mm)、ドライモルタル(2袋)、ビス(45mm)、油性塗料

 

材料費…約5万円

 

【主な使用道具】
ンパクトドライバー(ドライバービット/3㎜径ドリルビット)、丸ノコ、カナヅチ、プラスチックハンマー、ノコギリ、ジグソー、クランプ、スピード定規、サシガネ、メジャー、水平器、ハケ、コテバケ、スコップ、水糸、トロフネ、練クワ、モルタルひしゃく、タンパーなど

 

STEP1 基礎を作る

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STEP2 塗装&柱を立てる

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STEP3 フェンス板&棚を組み立てる

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STEP4 ゲートを作る

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写真◎江藤海彦、ドゥーパ!編集部

【製作指導】

白井 糺 Tadashi Shirai

世田谷区の工房では木工教室などを開催。クラフトマン世田谷代表として被災地支援活動などを行なっている。

暑いぞ、おい!DIYで自宅の庭にプールを作ろう!~プランニング編~

全身の肌をじりじりと焼き尽くすような、強い日差しが降り注ぐ季節がやってきました。そんな猛暑を乗り切るには水浴びするのが一番。今年の夏は自宅の庭で、DIYでプール開きをしてみませんか?夏休み中の子供たちも喜ぶこと間違いなし!

パターン1・日曜大工感覚で作る!解体も可能な木枠+シートタイプ

1、水圧に耐えられる構造にする
浴槽の構造は、角材や2×材などで骨組みを作り、合板で壁を取り付けるのが一般的。ここで注意しておきたいのは、水圧は水の深さが深いほど高くなり、思っているよりも水圧の力は強いということ。解体するのであればできるだけ簡単な構造にしておきたいが、壊れてしまっては元も子もないので、なるべく頑丈に作っておこう。

2、大きいシートで全体をすっぽり覆う
木枠のすき間からの水漏れを防ぐにはブルーシートなどを使う。シートはなるべく厚手のもので、サイズはプール全体を覆える大きさであればOK。さらに防水性にこだわるなら、池作りに使う防水シートを使う手もある。

3、杭などを立ててさらに補強する
底面に近いほうが水圧が高く、耐久性が不十分だと木枠の下部が広がって倒壊して水が溢れてしまう。倒壊を防ぐためには木枠の外側にあてがうように杭を立てたり、骨組みにスジカイを入れるなどしておくと安心だ。

 

パターン2・耐久性にこだわる!コンクリートでガッチリ固定タイプ

1、穴掘りは重機を使うのがおすすめ
シャベルで地道に手掘りするのも手だが、広くて深いプールを作りたいときや、地盤が固くて掘り進めることができないときはミニユンボを利用するといい。操作方法は建設機械レンタル店でもひと通り教えてくれるが、不安な人はメーカーの技能講習を受けるといい。自分の敷地内で乗るのであれば特別な免許はいらないので、ぜひトライしてみよう。

2、ブロック、砕石+ワイヤーメッシュを下地に使う
コンクリートで浴槽を作るタイプは耐久性の高さ、さらに地面の下に設置するのであれば水圧のことを考えなくてもいいのがメリット。よくガレージの基礎として用いられる、コンクリートブロック布基礎を地面の下に作るイメージで作れる。側面は鉄筋を入れながらブロックを積み、全体をコンクリートでカバー。底面には砕石を突き固めてワイヤーメッシュを張り、ベタ基礎にして耐久性をアップさせてもいい。

3、排水方法を決めておく
底面に排水口を作り、地下に配管をつないで排水するといった方法もあるが、底面に勾配をつけたりする手間を考えると、DIYでは水中ポンプなどを使って排水するのがベター。また、あまり水を入れ替えない使い方をする場合は、電動フィルター(ろ過機)の設置が必須になる。

4、最後にコンクリートの塗装もしておきたい
使うときだけ水を入れる場合でもコンクリートは劣化していくので、コンクリート用の塗料で多少なりとも防水対策を施しておく。ウレタン系のプール専用塗料は取り扱いが難しいため、DIYではあらかじめ防水剤を混ぜたりFRP樹脂などを使おう。

 

パターン3・いろいろ選べる!簡単施工で高品質なキットタイプ

1、市販のキットプールは種類が豊富!
家庭用の大型ビニールプールといえば、INTEX社(外国製)などが有名だ。その他の素材ではFRPや木製などがあり、形も長方形や円形などさまざま。次回は、DIYで設置できる組み立て式のプールを厳選して紹介していくので、チェックしておこう。

2、プールつきデッキにカスタマイズ
キットのプールをそのまま庭に置いて楽しむのもいいが、せっかくならばプールの周囲にウッドデッキを作って、リゾート感あふれる庭を演出してみよう。泳ぎ疲れたときの休憩所としても使うことができ、プールと床板の高さを合わせればハシゴやステップがなくてもプールに入ることができる。

3、穴を掘って埋め込んで設置してもOK
プールの大きさに合わせて穴を掘って整地し、地中に埋めて常設するのもひとつの方法。ビニール製のプールを設置する際は、土の重みで変形しないようにブロックで囲ったりしておくといい。

 

イラスト◎丸山孝弘

シンボルツリーを囲む八角形のガーデンベンチを作ろう・DO IT!手作りガーデン【1】

DIYビギナーでもすぐに真似できて、おしゃれな庭にグレードアップできるエクステリアアイテムの作り方を紹介する本企画。今回は、シンボルツリーを庭に植えている人におすすめのベンチ作りにドゥーパ!編集部がチャレンジ!

 

角度切りとビス留めの練習にもなる!

木を中心にしてぐるりと囲むように設置するベンチは、公園や街の広場などでもよく見かける定番のガーデンアイテムだ。木陰でお茶を楽しめたり、庭作りでの休憩所としても使えるので、庭に大きな木を植えているのであれば、その太さに合ったベンチをDIYしてみよう。ただ、円形となるとなかなかハードルが高くなるので、ここでは円形よりも手軽に作れる八角形のベンチを提案したい。

製作の一番のポイントは、角度定規と丸ノコで行なう「角度切り」。八角形なので67.5度の角度切りで材を大量にカットするのだが、少しでも狂うとうまく組めずに座板同士にすき間が生じてしまうといった問題がある。そこで今回は、細い板で座板のつなぎ目を隠すようにし、多少角度が狂っていても見た目にはわからないように設計。角度切りにあまり神経質になる必要はないのでぜひチャレンジしてほしい。

なお、木材は耐候性の高い105×20mm角のハードウッド(サイプレス)を使っている。ビス留めの際は必ず下穴をあけることを心がけよう。

 

今回は常緑樹のヤマボウシをシンボルツリーに見立て、ジャストサイズのベンチを製作する

 

【座面の上面図&脚の構造図】

【木取り表】*単位はmm

材の種類 サイズ 数量 使用部位
サイプレス(20×105) 型紙に合わせる 32 座板
380 16
400 8 座板受け
320 8
420 8 脚の補強材
サイプレスを割いた材(20×52.5) 400 8 座板の桟
約480 8 つなぎ目隠し材

【その他の資材】
スリムビス(35、45mm)、型紙用の合板、塗料

材料費…約3万7000円

 

【主な使用道具】
丸ノコ、ノコギリ、インパクトドライバー(ドライバービット、2㎜径ドリルビット)、丸ノコ用平行定規、角度定規、スピード定規、分度器、アルミアングル(定規として使用)、サシガネ、メジャー、鉛筆

 

STEP1 座面を作る

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STEP2 脚を作る

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STEP3 補強材・目隠し材を作る

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STEP4 塗装後、ツリーの周りに設置する

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写真◎福島章公、ドゥーパ!編集部

リモートワークにも便利なライティングデスクを作ってみた!/デザインにこだわった「本当に欲しい」2×材家具作り【1】

さまざまな接合テクニックを取り入れた引き出しつきの作業机。作品づくりをとおして、ノミ、ノコギリ、カンナといった手工具の基本的な使い方も同時に身についちゃいます。

 

脚は斜めカットでスマートに。表面からビスが見えないように組み立てたので見栄えもいい

 

天板受けを利用した引き出しは小物入れに便利

 

丸ノコで木材を縦に割く作業とノミを使ったホゾ継ぎ、切り欠きがキモ

椅子に座ってパソコン作業をするのにぴったりなテーブル作り。本体に使うのは2×2、2×4、2×10、1×4、1×6材といろいろな種類の2×材・1×材を使っているが、用意する本数はそれほど多くない。

このテーブルは平はぎ継ぎ、ホゾ継ぎ、切り欠き、埋め木など、さまざまな木工技を駆使して組んでいるのが特徴。これらの作業はポイントを押さえれば決して難しいことではない。表面からはビスが見えなくなり見栄えよく仕上げられるので、ぜひチャレンジしてみよう。

脚の2×10材はそのままだと太く無骨な印象を与えるので、斜めにカットしてスマートに見えるように仕上げている。さらに天板受けにスライドレールを固定し、引き出しを取りつけた。引き出しは13mm厚の集成材と2.5mm厚の合板で箱を組み、余った1×6材で前板を隠し、上端を切り欠いて取っ手代わりにしている。

なお、塗装はブラウンのワックスを使用。組み立て前にその都度ウエスで拭き塗りしている。完成後にはデザインのアクセントとしてレッドを入れてみた。

 

【ライティングデスクの構造図】*単位はmm

【用意した資材・木取り表】
2×4材(厚さ38×幅89×長さ1830mm)1本、1×4材(厚さ19×幅89×長さ1830mm)1本、2×10材(厚さ38×幅89×長さ1830mm)1本、1×6材(厚さ19×幅140×長さ1830mm)3本、2×2材(厚さ38×幅38×長さ1830mm)1本、集成材(厚さ13×幅100×長さ1830mm)1本、カラー合板(厚さ2.5×幅450×長さ914mm)1枚

 

 

【用意したその他の資材】
丸棒(10mm径)、スライドレール(3段式、350mm)、ビス(10/51/75mm)、スリムビス(30/50mm)、木工用接着剤、ブライワックス(ジャコビン)、ターナーミルクペイント(ゴールデンレッド)、ウエス、塗料バケツ、ハケ

 

材料費…約7000円(塗料は除く)

 

【主な使用道具】

インパクトドライバー(ドライバービット2番、10/12mm径ドリルビット)、丸ノコ、オービタルサンダー、ベルトサンダー、丸ノコ用平行定規、丸ノコ用角度定規、スピード定規、クランプ(F型、ハンディ)、メジャー、サシガネ、カッター、鉛筆、両刃ノコギリ、アサリなしノコギリ、胴付きノコギリ、ノミ(9、15、24mm)、カナヅチ、カンナ

 

Step1 平はぎ継ぎで天板を作る

1×6材を割いて角を落とし、木工用接着材で接合してフラットな天板を作る。

 

 

Step2 脚を作る

脚と底脚はホゾ継ぎで接合。さらに底脚は貫を固定するために切り欠いておく。

 

 

Step3 天板と脚を組み立てる

天板と脚をひっくり返して、天板受けと貫をビスでそれぞれ固定する。

 

 

Step4 引き出しを作る

天板受けにスライドレールを固定し、集成材と合板で組んだ箱を取りつける。最後に1×6材の化粧板を張れば完成。引き出しの位置は左右どちらでもいいのでお好みで。

 

 

Step5 天板を仕上げる

装飾と補強を兼ねて、天板の木口に細く割いた1×材を取りつける。丸棒を使った埋め木と呼ばれるテクニックを使う。

 

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

 

*掲載データは2019年4月時のものです。

製作◎関 英利/写真◎冨田寿一郎、編集部

DIYでキャンプ家具を作ろう〜【2】焚き火用ヘキサテーブル

キャンパーが欲しいギアNo.1のテーブルを超ローコストかつお手軽に作っちゃおう!

ファミリーキャンプの必須アイテムをスギ板で製作。天板と脚はホゾ継ぎで接合。ビスやクギは一切不要

組み合わせ次第でミニテーブルやロングテーブルに変身!

 

関 英利 Hidetoshi Seki

SEKI WOODWORKS主宰。千葉県いすみ市在住。サーフィンと木工を愛するナイスガイ。

キャンパーに大人気の六角形の焚き火テーブル。既製品では約2万円で販売されているこのテーブル。今回はスギの野地板をチョイスし、超ローコストで製作。サイズは小誌125号の本連載で作った焚き火台の使用を想定した。材料は野地板5枚と革ひも6本のみ、製作難易度も低いので、ぜひビギナーも遊び感覚で気軽にチャレンジしてほしい。

 

製作のポイントだが、まず天板の60度カットを正確に行なうこと。丸ノコと角度定規を使った角度切りのいい練習になる。木取りした天板には脚を固定するホゾ穴とひも通し穴をあける。

 

天板と脚の固定はホゾ継ぎ。ホゾ穴の幅が狭いと脚を差し込むのが大変だし、幅が広いとすぐに抜けてしまう。できるだけシビアにホゾとホゾ穴の加工を行なうように。ひも通し穴は使用するひものサイズによって、径の大きさを変えてもいい。作例では革ひもを使ったが、ガイラインやパラコードを使うと、よりアウトドアテイストを高められる。

 

今回はクリアのチークオイルを塗装して、ナチュラルテイストに仕上げた。ぜひ手持ちの焚き火台のサイズに合わせ、製作を楽しんでもらいたい。

収納時は天板、脚をそれぞれ重ね合わせ、連結用の革ひもでしばっておけば省スペース

 

6枚に分かれている天板は革ひもで連結する

 

テーブルの組み立ては天板のホゾ穴に脚を差し込むだけ

 

【主な使用道具】


インパクトドライバー(12mm、15mm径ドリルビット)、丸ノコ、ジグソー、オービタルサンダー、丸ノコ用角度定規、ノコギリ、ノミ、サシガネ、F型クランプ、ハンドサンダーなど
*塗装道具は除く

【用意した資材】

スギ野地板(厚さ12×幅180×長さ1820mm)5枚、革ひも(鹿革レース吟付/厚さ2×幅3×長さ900mm)6本、チークオイル(クリア)

【木取り表】

長さ(単位はmm) 数量 使用部位
スギ野地板 700 6 天板
250 12

仕上がりサイズ…幅1440×奥行1220×高さ250mm(展開時)
厚さ120×奥行1220×高さ250mm
材料費…約1250円(塗料は除く)

 

【製作のポイント1】
木取りする

【製作のポイント2】
天板の加工

【製作のポイント3】
脚の加工

DIYでキャンプ家具を作ろう【1】焚き火スタンド&ハンガー

溶接なしで作れる焚き火ギアセット。火床のメッシュは交換可能で経済的。お手軽アイアンDIYでタキビストに変身だ!

溶接は一切不要の焚き火スタンド作り

キャンパー必携の焚き火スタンド&ハンガーのセット。簡単に作るコツは精度の高さが必要な加工箇所をホームセンターの加工サービスを利用して済ませてしまうこと。今回、脚となる角パイプのカットと穴あけ、アタッチメントとなるアルミチャンネルのカットと穴あけを加工室にオーダー。これだけで製作のハードルがグッと下がる。かかる費用は1500円ほど。もちろん、スチールカッターやグラインダーで自ら挑戦してもいい。

 

市販品の焚き火スタンドの脚にはパイプが使われていることが多いため、ここではあえて角パイプをチョイス。X状に広げたスタンドに火床となるステンレス金網を載せ、ハトメのついた四隅と丸カンボルトを差し込むことで組み立てる。

 

火床となるステンレス金網だが、1mで2枚分の火床が製作可能。度重なる使用で火床がヘタっても、交換できるのがうれしいところ。材料費も1枚あたり約700円と経済的。
焚き火ハンガーは丸鋼とアイナット&ボルトを使った超シンプルなもの。溶接テクニック不要のアイアンDIYを楽しんでほしい。

収納時の焚き火スタンド&ハンガー。コンパクトにまとまるので、キャンプ場への持ち運びもラクラク

 

【焚き火スタンド・各パーツ】

 

【主な使用道具】

クランプ、両面ハトメパンチ、カッター、プライヤー、インパクトドライバー(ドライバービット/12㎜径ドリルビット)、メジャー *ホームセンターで加工に使用した工具は除く

 

【用意した資材】

角パイプ(厚さ1.6×13mm角/長さ1000㎜と2000mm)それぞれ1本、アルミチャンネル(厚さ2.4×30mm角/長さ300mm)1本、丸カンボルト(M8×70mm)4本、ステンレス金網(#24/幅500×長さ1000mm)1枚、トラスネジ(M5×長さ25mm)4本、ナット(M5)4個、ワッシャー(M5)8枚、両面ハトメ(12mm)適宜、丸鋼(13mm径×長さ1820mm)1本、アイナット(W3/8サイズ)2個、六角ボルト(半ネジ/M10×長さ220mm)2本、耐熱スプレー(黒)

 

【木取り表】

長さ(mm) 数量 使用部位
角パイプ(13mm角) 600 4
アルミチャンネル(30mm角) 30 2 アタッチメント
ステンレス金網(#24) 470角にカット 2 火床

仕上がりサイズ…幅450×奥行450×高さ300㎜(展開時)
材料費…約5000円(加工代、塗料は除く)

 

【製作のポイント1】
脚の組み立て

 

【製作のポイント2】

火床の加工

 

【製作のポイント3】

焚き火ハンガーの組み立て

トリマーで作る!アメリカンヴィンテージファニチャー【No.01】〜ベッドサイドテーブルを作る

トリマー&ルーターを使いこなす本格木工企画。天板や引き出しの飾り面取り、本体下部のデザインカットで、古き良きアメリカンヴィンテージの世界観を演出した。就寝前に読む本、飲み物、目覚まし時計などの置き場に最適。

写真/佐藤弘樹

 

 

村上英敏 Hidetoshi Murakami

正統派パイン家具にこだわる家具職人。アメリカで家具作りを学んだ経験から、さまざまな工具を合理的に活用する技術は折り紙つき。千葉県柏市にオーダー家具ショップ「ポプリローカルファニチャー」を構える。トライトンスーパーマイスターとして、さまざまなイベントでトライトン製品の講習も行なっている。YouTubeチャンネル「Triton Super Meister村上英敏の家具作り教室」でプロのテクニックを発信中!
https://www.popurri.co.jp/

 

今回、ポイントとなるトリマー&ルーターテクニックは3つ。

天板には形状の異なる2種類のビットで表裏両面を飾り面取りすることで、装飾性と高級感をアップさせている。摺り桟と棚板は単純な突き合わせではなく、通し大入れ継ぎを採用。これは4枚刃ビットを使い、板厚と同じ幅で深さ3㎜の溝を彫り、材を差し込んで接合している。なお、背板と引き出しの底板は小穴作りと呼ばれる継ぎ手の一種で接合。これはストレートビットで彫った深さ5㎜の溝に材をはめて組んでいる。

 

引き出しの前板・先板と側板の直角接合はドロワーロックジョイントビットで行なう。箱作りによく用いられる包みアリ組み継ぎはダブテールジグという特殊な道具が必要になるが、ドロワーロックジョイントビットならビットの突き出し量を変えずに、フェンスの位置と加工材の向きを変えて切削するだけで、クギやビスを使わない強固な箱を簡単に作ることができる。ビギナーだけでなく、効率を追求する上級者にもおすすめしたい1本だ。

 

【主な使用道具】

テーブルソー、インパクトドライバー(ドライバービット+2番、2.8/8㎜径ドリルビット、皿取り錐つき2.8㎜径ドリルビット)、ドライバードリル(ポケットホールジグ用ドリルビット)、ジグソー、ビスケットジョイナー、ポケットホールジグ、トリマー、トリマー用平行定規、ルーター、ルーターテーブル、ランダムサンダー(サンディングパッド180番/240番)、耐水ペーパー(1500番)、メジャー、留めスコヤ、ハタガネ、サシガネ、ノミ、カナヅチ、直定規、筆、ウエス、マスキングテープ、ハケ

 

【その他の材料】

スライドレール(3段引き、長さ200㎜)1セット、ビス(12/32㎜)、座つきなべ頭ビス(25㎜)、ダボ(8㎜径)、ビスケット(10/20番)、木工用接着剤、瞬間接着剤、引き出し取っ手1個

 

【用意した塗料】
油性ステイン(ウォールナット)、ウレタン塗料(クリア)

 

CHECK!

ビスケットジョイナーとポケットホールジグを使えば簡単に材が接合できて作品の質も大きく向上!

今回、天板の接ぎ合わせと幕板の接合にはビスケットジョイナーを使用。溝に入れるビスケットが木工用接着剤の水分を吸って膨らみ固まることで強固な接合が行なえる。また、摺り桟と棚板の接合にはポケットホールジグを使用。これは、ビスの斜め打ちのガイドとなる下穴をきれいにあける道具。一度使えば、その仕上がりの良さに手放せなくなるはずだ。

ビスケットジョイナー。使用するビスケットのサイズにダイヤルを合わせ、ビスケットジョイナーのセンターラインを材の墨線に合わせてセット。本体を押し込むと刃が飛び出して材に溝を彫る。写真はDEWALT(デウォルト)製でネットで3万8000円程度

 

溝に入れるビスケット。サイズは0番、10番、20番の3種類

 

ポケットホールジグ。ジグの線と材の墨線を合わせてジグに材を固定。専用ドリルをポケットホールの穴に差し込んで、材に穴をあける。写真のモデルは現在非売品だが、手ごろなモデルならネットで5000円程度から購入できる

 

Step1 天板を加工する

【天板裏面の溝位置】

 

STEP2 摺り桟と棚板を加工する

【右側板の溝位置】※左側板は左右対称

Step3 側板、幕板、脚を加工する

 

Step4 モールディングの加工と塗装

 

Step5 各部材を組み立てる

 

Step6 引き出しを作る