大型ウッドデッキ&ガーデン家具再生プロジェクトに密着! 和信ペイント×ハンディ・クラウン直伝 塗装テクニック9

経年変化で色あせたウッドデッキが、和信ペイントの塗料「クレオパワー」で、きれいに生まれ変わった!

塗料メーカーの和信ペイントと塗装用具メーカーのハンディ・クラウンがタッグを組んで、「道の駅・アグリパークゆめすぎと」(埼玉県杉戸町)に設置された大型ウッドデッキやガーデン家具を生まれ変わらせると聞いて、DIY誌「dopa」編集部が密着取材を敢行。その道のプロが行なっている、塗装の基本から知られざるテクニックまでをご紹介する。

使った塗料はこちら

屋外木部をしっかりガード!「クレオパワー」

ウッドデッキと枕木アプローチに使用した、防腐・防虫・防カビ・防蟻・防藻性能に優れた和信ペイントの木材保護塗料。厳選した薬剤・樹脂・顔料の組み合わせによって、木材を保護することができる。水性タイプなので臭いが少なく安全で、乾燥も早い(20℃で約2時間)のが特徴。カラーはライトオーク、ライトウォルナット、ウォルナット、ブラウン、けやき、クリヤーの6色(3.2㎏は3色のみ)。今回はブラウンを使った。サイズと価格は、0.7㎏ 1480円、1.6㎏ 2580円、3.2㎏ 4480円、14㎏ 10780円(いずれも税込)

 

半造膜タイプの木材保護塗料「ガードラックアクア」

フェンスやガーデン家具に使用した。防虫・防腐・防カビ・撥水効果に優れた、鮮やかな色に仕上がる塗料

 

総勢14名のチームワークに感動!

塗装は総勢14名が2日間にわたって行った。使った塗料「クレオパワー」は、防腐・防虫・防カビ・防蟻・防藻性能も高く、湿気や紫外線などによる劣化の激しい屋外木部に適した塗料。水性塗料で臭いも少なく、安全な塗料として定評がある。下地処理から1度塗り、2度塗りと進むごとに、きれいに生まれ変わっていくデッキと、そのチームワークに感動すら覚えた。プロの技で生まれ変わったデッキは、道の駅に訪れる人たちの憩いの場になること間違いなしだ。

それにしても、和信ペイントとハンディ・クラウンという塗装のプロフェッショナルから教わる知識やテクニックは、目からウロコの連続だった。優れた塗料の性能をしっかりと活かすためにも、読者の皆さんにはご紹介した塗装テクニックをぜひマスターしてほしい。

 

塗料選びのポイント

造膜タイプ塗料の経年変化に注意!

かつて造膜タイプの塗料を塗っていた箇所は一部、スポンジ状に腐ってしまっていた

ペンキのような造膜タイプの塗料を塗ったにも関わらず木部が腐ってしまった、という読者も多いかもしれない。その理由は、塗膜が劣化してできたひびやはがれ、ビスの頭などから水が浸透し、逆に塗膜があるためにその水分が木部から抜けずに腐ってしまうためだ。造膜タイプの塗料にはそのようなケースがあることも留意して塗料をチョイスしたい。

 

テクニック1
下地処理は念入りに

仕上がりを左右するのが下地作り。見た目はもちろん、塗料の持つ性能を発揮させ、木部を長持ちさせることができるのでしっかりと。

下地処理で使ったハンディ・クラウンの道具。ワイヤーブラシやハンドパットのほか、サンダーなどの工具も場所に応じて使い分けた
下地に塗ってある塗料はスクレーパーなどでこそぎ落とす
ブラシやスクレーパーで削り落としたらウエスで粉を拭くこと
デッキや階段には高圧洗浄機を使った

テクニック2
養生が完成度を決める!

美しい仕上がりにするには養生は必須。ほかのアイテムへの塗料の飛散も防ごう。

養生で使った道具。はさみはマスカー用
ハンディ・クラウンのマスカー用のはさみは、スパッとビニールも切ることができ、かつ左手でもカットできる優れもの
すき間もマスキングテープでしっかりと養生

 

テクニック3
ハケの準備は怠らずに!

案外忘れがちなのはハケの準備。塗料をつける前に後れ毛をしっかりと取ろう。

指でハケをはじくように。後れ毛がしっかりと取れる
サンドペーパーで毛先をなでつけるのもおすすめ。番手は240番程度
今回使用したハンディ・クラウンの塗装道具一式。塗装箇所に応じて使い分けた

 

テクニック4
塗料はよく混ぜる!

塗料の色の成分である顔料は比重が水より重いため沈殿している。そのため、最初によく振って撹拌することが必須だ。

顔料がしっかりと混ざるように、上下左右に大きく振る
注ぎ口のない丸型の塗料缶は、ガムテープや養生テープなどを使って写真のように注ぎ口を作るのがおすすめ。これだとフタの縁に塗料が残らず、フタが塗料で固まることも防ぐことができる
写真のように三角の頂点部分から注ぐ

 

テクニック5
ハケの持ち方は鉛筆握りで!

塗りをストレスなく効率よく行うコツは、ハケを鉛筆を握るようにすること。塗る方向に合わせてハケ先を回転させるのがポイント。

ハケの正しい持ち方。鉛筆を握るように人差し指と中指に挟むように
上から下へ塗る時のハケの向き
上から塗ったハケを指先でクルリと回転させて下から上へと塗っていく
横へ塗る時は写真のような持ち手に。人差し指と中指の間で、塗る方向に合わせて向きを変える

 

テクニック6
最初は塗りづらいところから!

塗りはじめは、角や下側、すき間など塗りづらいところから塗るのが基本。仕上がりに差が出る塗りの基本だ。

塗料をつけるのはハケの長さの7,8割程度。余分な塗料は落としてから塗りはじめる
塗りづらいフェンスの手すりの下側から塗りはじめた
鋭角になった角も最初のうちに塗っておく
ガーデンチェアもひっくり返して裏側から塗る

テクニック7
ハケの特性を活かして効率アップ!

広い面、狭い面など、塗る箇所に応じてハケを使いこなして、スムーズにかつ効率的に塗っていこう。

デッキなど広い面はコテバケを使った。柄をつけることで腰の負担をなくし作業性もアップする
コテバケは後ろにゆっくりと引きながら塗っていくと、均一にきれいに塗ることができる
すき間や下側の塗装には、柄を自由に曲げることができるベンダーが便利
ハンディ・クラウンの防虫防腐用のハケ。固く弾力のある豚毛と化繊の混交で塗料の乗りもいい
枕木の塗装は、防虫防腐剤用の毛先の固いハケを。凸凹にしっかりと塗ることができる

テクニック8
2度塗りが基本!

塗料の性能をしっかりと引き出し、長持ちさせるには2度塗りが基本。ムラなくきれいな仕上がりに。

ウッドデッキの下地処理をしたところ
塗料(クレオパワー)を1度塗りしたところ
塗料(クレオパワー)を2度塗りしたところ。ムラなくきれいに仕上がった!

 

ガーデンテーブルを下地処理したところ
ガーデンテーブルを塗料(ガードラックアクア)で1度塗りしたところ。ガードラックアクアは、1度塗りで十分、発色よくきれいに仕上がる塗料のため、1度塗りで完了

 

テクニック9
後始末もスマートに!

余った塗料は正しい処理を。また、ハケをきれいにして繰り返し使えるようにしよう。

余った塗料は新聞紙でふき取り処分する。塗料缶に戻すのはゴミなど不純物が混ざってしまうため避ける
水性塗料を使ったハケは、まずは水でよく洗う
よく洗ったハケを水につけておくと、翌日には、写真のようにハケの根本などに残った塗料が流れてきれいになっている
ハケを乾かすには、クセがつかないように毛先を上にすること

再塗装プロジェクト、大成功!

総勢14名による塗装が完了!ビフォーアフターの写真をとくとご覧あれ!

ウッドデッキ&階段(塗料は「クレオパワー」使用)

Berore
After

階段&アプローチ(塗料は「クレオパワー」使用)

Before
After

フェンス(塗料は「ガードラックアクア」使用)

Before
After

ガーデンテーブル&チェア(塗料は「ガードラックアクア」使用)

Before
After

 

プロジェクトに参加した和信ペイントとハンディ・クラウンのメンバー。2度塗りしてきれいによみがえったデッキで「大成功!」

「クレオパワー」の〝パワー″を実際に見てみよう!

今回、プロジェクトの現場となった「道の駅・アグリパークゆめすぎと」(埼玉県杉戸町)には、デッキのほかにも和信ペイントの「クレオパワー」で生まれ変わったアイテムが盛りだくさん。「アグリパークゆめすぎと」で、『クレオパワー』の実力に、実際に触れてみてはいかがだろうか。

 

和信ペイントの様々な塗料を試すことができるイベントがあります!

2024年8月29日(木)~31日(土)(29日は一般方は入場できません)

幕張メッセで行われる「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2024」。

このイベントでは、和信ペイントのブースで、様々な塗料を試したり、手作り体験ができます。

カフェトレイやウッドキーフォルダー、ヨーヨーやコマ作りなど、手作りを楽しむことができるワークショップやプレゼント企画も盛りだくさん。詳しくは以下のサイトでご確認を!

https://www.washin-paint.co.jp/

●和信ペイント株式会社ブース:6 ホール 6B17

●ショーに関しての詳しい内容、来場者事前登録などは「第 60 回 JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2024」公式ホームページをご覧ください。https://diy-show.com/

塗装で家具を蘇らせる(2)/アンティークワックスをスチールウールで塗装する

使い込んだり、年月を経ることで家具は徐々に劣化していく。一番顕著に表れるのは塗装部分だ。一番目立つ部分でもあるので、再塗装は家具を蘇らせるには効果的だ。

ちょっと飽きた家具は再塗装でイメージチェンジ!

古ぼけても愛着のある家具を塗装で再生しよう。

今回の記事ではふたつの家具をモデルにして水性多用途塗料を使う方法と、ワックスを使う方法で実際にリペインティングしている。

*CASE1 水性多用途塗料を重ね塗りするエイジング塗装のやり方はコチラ

 

CASE2 アンティークワックスをスチールウールで塗装する

Before。ワックスで塗装する曲げ木のチェア。二ス仕上げだがひどく劣化している

 

After

 

下地調整の手順例

  1. 水で濡らして固く絞ったウエスで全体の汚れを落とす。
  2. 研磨カスを受ける下敷きを敷いた上に載せる。
  3. 1回目の研磨。80番のサンディングパッドで材のとげ、キズなどを落とす。
  4. 研磨カスをぬぐい落とす。
  5. 2回目の研磨。120番のサンディングパッドで、全体を平滑にしていく。
  6. 研磨カスをぬぐい落とす。
  7. 3回目の研磨。180番のサンディングパッドで、全体がサラサラになるように研磨する。
  8. 全体を水拭きして、木部に残った繊維を毛羽立たせる。
  9. 乾いたウエスで空拭きする。
  10. 4回目の研磨。320番のサンディングパッドで、毛羽立ちを取り去り、よりサラサラに研磨する。

 

丸棒や曲面のある家具を研磨するケース

ワックスを使った塗装の場合も、やはり大切なのは下地調整になる。とくにワックスは仕上がり後に木地が透けて見えるので、できるだけなめらかに下地調整することが大切だ。

再塗装する椅子は、ワックスを塗る前に段階的に研磨して、ガサガサを取り去りサラサラの面へと下地調整する。

この作例の研磨で注意する点は骨組みの材が丸棒なので、研磨面が平面のサンディングブロックや電動サンダーでは、十分に研磨することができないところだ。そこで柔軟な素材をベースにした、スリーエムのサンドブラスターと呼ばれるサンディングパッドを使用して研磨した。

水に浸し固く絞ったウエスで汚れを拭き取ったら、80番のサンディングパッドから研磨を始め、研磨し終わったら、研磨カスをよくはき落とし120番、180番と番手を細かくしながら研磨していく。180番のサンディングパッドを使った研磨が終わったら全体を水拭きし、乾いたウエスで水気を拭き取ってから、320番のサンディングパッドで最後の研磨をする。水拭きすることで、微細な木の繊維が毛羽立ち、これを研磨することで最終的になめらかな面になるのだ。

スリーエムのサンドブラスターから必要な番手を選ぶ。これは320番

 

<ワックス塗装のサンディング例>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

ワックス塗装の手順例

  1. スチールウールにワックスを取り、研磨するように下地調整の済んだ面にすり込む。塗り残しのないように注意する。
  2. DIY用のペーパータオルやウエスで、ワックス面を拭きならす。
  3. 塗装面がなじんだら、状態を観察し、必要なら手順1と2の工程を繰り返す。
  4. 色つきワックスを使った場合は、色つきワックスがなじんだらクリアのワックスを塗って色移りを防いでおく。
  5. (おまけ)たまに乾いたウエスなどで空拭きしてやるとツヤを保てる。

 

スチールウールでワックスを塗装する

今回使用したワックスは、自然素材で作られたターナー色彩のアンティークワックス。ミツロウを主原料として、オイルは植物油、溶剤には口紅などに配合されるイソパラフィンを使用した安全性の高いワックスだ。

ワックスは、木材に浸透し木部を保護着色する塗装の仲間だ。今回はアメリカの家具作家が基本的なワックスがけの方法として用いている、スチールウールを使ってワックスをすり込むように塗る方法を紹介する。

スチールウールはスーパーなどで洗浄用に売られている極細で洗剤が含まれないタイプを使用する。インターネットで探すとワックス塗装用スチールウールもあるはずだ。

スチールウールを使ったワックス塗装はいたって簡単。適量のワックスをスチールウールですくい取り、きれいに下地調整された面に、木目に沿ってすり込むように塗ればいい。そして目で見てこれで十分となるまで塗装を繰り返す。あまり厚く塗ることはできない。無理に厚塗りすると、できあがってもワックスが乾燥せず、ベタベタになってしまうので注意する。しかしベタベタにしてしまっても、ウエスなどでぬぐい取れば簡単に修正できる。素手だとワックスで手が汚れるので、必ずゴムやプラスチックの手袋をして作業したい。ワックス塗装が済んだら、写真のようにウエス状のペーパーなどでよく磨いてやればいい。よく拭くほどにツヤが出てくる。

色つきのワックスの場合、塗布したワックスに衣服などが触れて汚してしまう可能性があるので、好みの色で塗装後、数日してワックスが硬化したのを見計らって、クリア色のワックスを全体に塗り、ごく薄い透明な被膜を作ってやると安心だ。この工程を加えるとツヤを増すこともできる。

 

使用したのはターナー色彩の新製品「アンティークワックス」。容量120g(1平米当たり20~30g)、カラー全8色(クリア、ホワイト、チーク、ラスティックパイン、チューダーオーク、ダークオーク、ジャコビーン、ウォルナット)

 

ワックスを塗るために使うのはスチールウール。スーパーなどでスチールウールたわしとして売られているものから洗剤分の配合されていない極細タイプを選ぶ

 

ワックスのついたスチールウールは素手でさわると手が汚れるので、写真のようなプラスチックやゴムの手袋は必須だ

 

<ワックス塗装の手順例>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

*掲載データは2015年12月時のものです。

塗装で家具を蘇らせる(1)/水性多用途塗料を重ね塗りするエイジング塗装のやり方

使い込んだり、年月を経ることで家具は徐々に劣化していく。一番顕著に表れるのは塗装部分だ。一番目立つ部分でもあるので、再塗装は家具を蘇らせるには効果的だ。

ちょっと飽きた家具は再塗装でイメージチェンジ!

古ぼけても愛着のある家具を塗装で再生しよう。

今回の記事ではふたつの家具をモデルにして水性多用途塗料を使う方法と、ワックスを使う方法で実際にリペインティングしている。

 

CASE1 水性多用途塗料を重ね塗りするエイジング塗装

Before

 

After

 

下地調整の手順例

  1. 全体のほこりやチリをぬぐってしまう。
  2. 研磨カスを受ける下敷き、滑り止めを敷く。
  3. 1回目の研磨。60番か80番のサンドペーパーで研磨し、古い塗装を落としていく。
  4. 研磨後は研磨カスをはき落とす。
  5. 2回目の研磨。120番で1回目の研磨すじを削り落とすように研磨する。
  6. 研磨カスをはき落とす。
  7. 3回目の研磨。180番で2回目の研磨面をよりなめらかに研磨していく。
  8. 研磨カスをはき落とす。
  9. 4回目の研磨。240番で研磨面をならすように研磨する。
  10. 研磨カスをはき落とし、よく絞ったウエスで全体を水拭きする。
  11. 全体を完全に乾燥させる。

 

きれいな塗装の7割は下地調整で決まる

塗装は、劇的に色調や雰囲気を変えることができるので、塗料を塗ることに気を取られて当然だが、塗装の本当の醍醐味は、下地調整と呼ぶ塗装する面をなめらかに研磨する工程にある。

今回塗装したカラーボックスはMDFボードに樹脂のシートを張った素材なので、下地調整は塗装が載りやすいように、面全体を均一に荒らすという工程になる。荒らすといっても、ザラザラにするのではなく、少しずつサンドペーパーの番手を細かくしながら、研磨によってつくスジをだんだんと細かいものにし、最後に塗料がなめらかに載りやすい、微細なスジのついたなめらかな面を作る作業になる。

下地調整の最終段階は、手でさわった感じがサテン調のサラサラした感じにするのが目標になる。一般の木材でも工程は同様だ。

市販のサンドペーパー(紙やすり)を使ってサンディングする

 

やすり目の程度は裏に印刷された数字で判断できる。写真のサンドペーパーは120番

 

電動サンダーを利用してスピーディに均一に下地調整する

研磨には紙やすりとも呼ばれるサンドペーパーを使う。サンドペーパーは鋭い鉱物の粒を用紙に接着したもので、用紙に印刷される番号が小さいほど粗く、番号が大きいほど細かくなる。木工では60番、80番、120番、180番、240番、320番、400番などが多く使われる。

基本的なサンディングは現在では電動工具のサンダーを利用する。以前はサンディングブロックという、硬木の角材にサンドペーパーを巻いたもので面を研磨するのが基本だったが、あまりに時間がかかるのと、熟練しないと研磨むらを作ってしまうので、ごく小さな研磨以外、現在はDIYからプロまで電動サンダーが使われる。

電動サンダーにはいくつかの種類があるが、今回のような家具の場合はオービタルサンダーと呼ぶ種類のサンダーを選びたい。オービタルサンダーはサンダーの中で一番作動が穏やかで下地調整に使いやすいモデルだ。市販のサンドペーパーが使えるのでコストパフォーマンスも有利だ。

 

平面下地調整のメイン工具

スプリングを使って適切なテンションでサンドペーパーが固定でき、アルミダイキャストベースで正確な平面を保持できる。中上級者にも使いやすいオービタルサンダー

 

<オービタルサンダーのセッティング例>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

エイジング塗装の手順例

  1. 下地調整が済んだ面に下塗りの塗装をする。下地が透ける部分があってもよい。
  2. 塗装面が完全に乾くまで十分乾かす。
  3. 下塗りの塗装の上に上塗りする。多少まだらに透けるように薄めに塗ってもよい。
  4. 上塗りの塗装が下塗りの塗装面に密着し、完全に乾燥するまで待つ。
  5. 180番のサンドペーパーで必要な部分を削り、下の塗装面を出したり、木地面を出したり使い込んだ感じに加工する。
  6. (おまけ)塗装が完全になじんだ頃を見計らって、アンティークワックスなどクリアのワックスを塗ると、より自然な感じになる。

 

明るい重ね塗りで塗装に表情をつける

異なる色を塗り重ねておいて、塗装が乾燥したら部分的に塗装をはがして、下地と下塗りと上塗りの兼ね合いやはげ具合で、使い込んだ雰囲気を出すのがエイジングだ。今回はこのテクニックを使って、暗い(黒い)感じの棚を正反対の明るく軽やかな雰囲気に塗装する。塗装のはがしはエイジングの一種であるが、今回は補助的な工程として、下塗りに対して上塗りを少しむらに塗って、下塗りの色味も見える状態で塗装するエイジング塗装とした。

使用した塗料はアサヒペンのマグカラーと呼ばれる水性多用途塗料。屋内外木部だけでなく鉄、プラスチックなどにも塗れる多用途塗料で、暖かな雰囲気の色調で35色をラインナップする家具塗装に使いやすい塗料だ。

塗装に使った塗料はアサヒペン・水性多用途マグカラーの水色、カーキー、アイボリー。マグカップ型の容器ひとつで0.8平米程度塗れる

 

下地調整の済んだ上に下塗りをするが、古い家具の下塗りプライマーは大体が白色なので、それを意識してアイボリーをベタ塗りする。下塗りは入隅や細かな部分まで塗っておく。広い平面は多少かすれても大丈夫だ。下塗りが済んだら十分に乾燥させる。乾燥時間は塗料の指示時間以上はとりたい。下塗りが十分乾いたら上塗りする。塗り色は水色をチョイスした。わざとかすれさせて塗り、下塗りが透けて見える部分を残したりすると、水性多用途塗料でも変化のある表情をつけることができる。上塗りが乾いたら全体を見渡して必要な部分にサンドペーパーをかけて下塗りや下地の見える部分を作れば完成だ。重ね塗りは事前に端材などで練習しておくと雰囲気がつかみやすいだろう。

 

<簡単!サンディングブロックの作り方>

<水性多用途塗料を使ったエイジング塗装例>

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*掲載データは2015年12月時のものです。

塗装をするための道具とその使い方・後編/超実践的DIY道具ラボ【12】

エクステリア、インテリアを問わず、塗装することで、美しい色で装飾され、その塗膜や成分で材の劣化を防ぎ、保護をすることができる。今回は、塗装の工程で使用する道具を集めて紹介。

 

不要な部分に塗料がつかないようにする養生用品

せっかくきれいに塗装しても、本来しなくていい部分にまで塗料がついてしまっては台無しだ。そこで塗装の前段階として、養生と呼ぶ作業をして、不要な部分を汚れないように保護する。

養生にはマスカー、ブルーシート、マスキングテープなどを使うのが一般的。マスカーはマスキングテープと半透明のポリシートを組み合わせた製品で、塗装しない部分の境界線にマスキングテープを張って、ポリシートを広げればその部分の養生ができるというもの。住宅の塗装現場で多くの例を見ることができる。ブルーシートはおなじみの青いシートで、養生シートとも呼ばれる、まさに養生のためのシート。マスキングテープは塗らない部分に張って、塗料がつくことを防ぐテープ。粘着力が調節されていてはがしやすくなっている。マスキングテープの代わりにガムテープは使わないほうがいい。ガムテープは粘着力が強いので、はがす時に下地部分をはがしてしまうからだ。

マスカー。それぞれ下の白い部分が折りたたまれたポリフィルム。使う時はポリフィルムを広げて養生する。ポリフィルムの幅は300mmから3600mmまであり広さに合わせて選択できる

 

[マスカーの張り方]

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

 

幅広のマスキングテープ。幅は一般的ガムテープと同じ

 

マスキングテープの幅の狭いタイプ。細かな部分のマスキングに

 

広く使われている紙製のマスキングテープ。セロテープ等と同じサイズ

 

紙製マスキングテープで塗装の境界線を養生しているところ

 

塗装場所にするウマの下にブルーシートを敷いて地面が汚れないように養生している

 

つやつや塗装面にするための下地調整に使う道具

エクステリアの塗装ではあまり登場しない工程だが、インテリアの家具塗装で重要視される工程に下地調整がある。下地調整は木地面を研磨して平らになめらかにする作業。塗装した際にきれいに塗料が載り、すべすべの塗面に仕上げることができ、透明塗料を塗った場合は木目を際立たせることができる。

研磨には主にサンドペーパーを使い、製材された材ならば240番程度から320番、400番と目の細かいものに替えてなめらかに研磨する。320番で研磨した後、材の研磨面を湿らせ400番の耐水ペーパーで水研ぎするとさらさらな研磨面を作ることができる。また研磨工程では電動サンダーを利用すると快速に研磨できる。

市販のサンドペーパー。同じ番手でも空研ぎに使うサンドペーパーと、水研ぎに使う耐水ペーパーがあるので注意。一般的には、空研ぎに使うサンドペーパーから必要な番手を選ぶ

 

サンドペーパーの裏には番手が大きく印刷されているのでわかりやすい

 

[サンドペーパーの番手(粒度)の目安]

60 粗目
80
100
120 中粗目
150
180 中目
220
240
280
320 細目
360
400
500 超細目
600
800

 

手動のハンドサンダー。専用のサンディングパッドから必要な番手を選んで使う

 

電動サンダーで下地調整する場合、研磨程度をコントロールしやすいオービタルサンダーが使いやすい。材に密着させつつ、強く押し付けることはせず、振動なりに研磨する

 

適当な木片にサンドペーパーを巻き付ければ、即席のサンディングブロックとして使うことができる

 

鉄部の塗装、再塗装の下地調整に使う道具

サビの浮いてきたトタン屋根など、金属に塗られた古い塗料を塗り直す場合は、サビや汚れを取り除いて、金属の面を出し、しっかり塗装できるように下地を調整する。この調整には、金属ブラシ、スクレーパー、塗装はがし用砥石などや、研磨ディスク、カップブラシなどをセットしたディスクグラインダー、200番前後のサンドペーパーを取り付けた電動サンダーといった道具を使う。また新品の鉄材は保護のため油分が塗布されているのでそのままでは塗料が載らない。これを落とすには燃料用アルコール、パーツクリーナーなど脱脂剤を使うのが簡単で確実だ。塗料はDIYでは、木部、鉄部共用できる水性多用途塗料が使いやすい。

鉄塗装の下地調整に使う道具例。左からカップブラシをセットしたディスクグラインダー、スクレーパー、金属ブラシ

 

脱脂に使う燃料用アルコールは薬局でも手に入る

*掲載データは2017年2月時のものです。

塗装をするための道具とその使い方・前編/超実践的DIY道具ラボ【11】

エクステリア、インテリアを問わず、塗装することで、美しい色で装飾され、その塗膜や成分で材の劣化を防ぎ、保護をすることができる。今回は、塗装の工程で使用する道具を集めて紹介。

 

塗装用ハケの基本的な選び方と使い方

塗装に使うハケは塗料に合わせて水性用、油性用、万能(共用)などがあり、毛にもウマ、ヒツジ、ブタ、イノシシそれに合成繊維などがある。それぞれ毛質や弾力性に違いがあるので、目的に合わせて使い心地も考慮しながら選びたい。ハケのサイズは使用目的に合ったものを購入すればいいが、一般的にハケ幅30mmと50mmのスジカイバケと70mmの平バケがあれば不自由しない。それ以外のサイズは必要なときにそろえていけばいい。ハケのサイズは号数で表示されていることもあるので、号数と㎜寸法の関係を示す表組を掲載しておく。

手を汚さないための手袋は必須アイテム。使い捨てのプラスチック手袋や洗濯などで使うビニール手袋をするのがいちばん。軍手は塗料が染みると、手を汚してしまうので、使わないほうがよい。

水性塗料に使ったハケは使用後、たっぷりの水で洗い塗料分を完全に落とし、乾燥させて保管する。油性塗料に使ったハケは指定のうすめ液を使って洗浄した後、中性洗剤で洗い塗料分を完全に落としてから乾燥させるが、水性塗料と違って完全な洗浄は難しい。プロはハケを使う間隔が短いので洗浄乾燥はせずに、水性、油性共に使ったハケの毛部分を水中にぶら下げて保管する。また、色味の変化をきらい、ある色に使ったハケはほかの色には使わない。

ハケの洗浄を忘れてハケが固まってしまった場合、水性塗料に使用したハケはもう使えないので捨てるしかない。油性塗料であれば、うすめ液を使えば戻せる可能性はあるが、大量のうすめ液を使うことになるので、そのハケは捨て、新しいハケに替えるほうが現実的だ。

塗装の様子。ここではビニール手袋をしてスジカイバケを使い、材をウマに載せて塗装している

 

[ハケの幅、号数と寸法の関係]

号数 尺寸 mm(約)
3号 3分 10mm
5号 5分 15mm
8号 8分 25mm
10号 1寸 30mm
12号 1寸2分 36mm
15号 1寸5分 42mm
16号 1寸6分 48mm
20号 2寸 55mm
25号 2寸5分 70mm
30号 3寸 84mm
35号 3寸5分 100mm

 

基本的な塗装道具

50mmスジカイバケ。使用する機会の多いハケだ

 

30mmスジカイバケ。細かいスペースの塗装で必要

 

70mm平バケ。幅の広さを利用して広い面を一気に塗るときに使用

 

ビニール手袋

 

塗料を小分けにして使える塗料カップ

 

塗装用ハケのバリエーション

塗装に使うハケには、柄の先に毛のついた一般的なハケ以外にもデザインの違うハケのバリエーションがある。

ローラーバケ、コテバケ、ベンダー、ウエスなどだ。ローラーバケはハンドルの先に塗料を含むローラーがつき、ローラーをころころと転がして塗る。コテバケはハンドルの先に塗料を含ませるコテがついて、平らな面にコテを滑らせて塗るタイプ。

ベンダーは鉄の薄板にフェルトやスポンジが張られていて、そこに塗料をつけて塗る道具。全体を自由に曲げることができるので、狭い部分、入り組んだ部分の塗装に使われる。きれいなウエスは、ステインのような粘度の低い塗料を、雑巾がけのように拭き塗りするときに使う。

ローラーバケと塗料を入れる塗料バット。バット上でローラーを転がして塗料をつける。ローラーバケは幅が60mmから250mm程度まで何種類か選択でき、ローラー部分は交換できる

 

ベンダー。曲げやすい鉄板のハンドルに塗装用のフェルトがついている。全体を曲げてすき間などを塗ることができる

 

コテバケで塗装しているところ。コテ面に塗料をつけたらを滑らせて塗装する

 

ステインをウエスで材に吹き塗りしているところ。使い古した雑巾やTシャツなど、きれいな綿布ならウエスとして使える

*掲載データは2017年2月時のものです。

 

トタンひさしの再塗装にトライ!/暮らしに生かすDIYメンテナンス【6】

屋根が瓦やスレートでも、ひさしはトタンという家は多い。新築時にはしっかり塗装されていても、5年から10年で塗装の効果が弱まるという。サビで穴のあく前に再塗装する。

 

きれいな塗装のコツはていねいな下準備!

ひさしの再塗装作業では、基本的に脚立上での作業になるので、脚立を設置する地面がしっかり安定しているかを確認すること。

塗装する部分は平滑できれいであれば、塗装自体は誰でも簡単にきれいに塗れるもの。塗装前の下準備を念入りにしておくことが、きれいな塗装のポイントだ。

古い塗装やサビを落とすには、スクレーパー、真ちゅうブラシ、電動サンダーなどの道具を使う。広い部分は電動サンダーやスクレーパー。狭い部分には真ちゅうブラシが使いやすい。削ったり、研磨する作業が済んだら、ウエスできれいにぬぐっておく。

塗らない範囲を汚さないためのマスキングもていねいに、徹底的に張り巡らしておく。今回のようにローラーバケを使う場合は、ローラーバケの長さも考慮してマスキングしておかないと塗装しなくていい壁部分に塗料がついてしまうので、よく観察してていねいにマスキングする。

塗装は、塗料をしっかりかくはんして開始する。ハケ塗りの場合、塗料は少なめに取り、ハケは立てて塗る。とくに垂直部分は厚塗りせず、塗料が垂れないように塗る。ローラーバケはまんべんなく塗料を取ったら、よくしごいて取り過ぎた塗料を落としてから塗装する。

ポイントは本塗装の前に、トタンの素地まで出た部分を、ハケを使って拾い塗りしておくこと。下ごしらえをしっかりしておけば、本塗装は簡単。ローラーブラシを使い均一を心がけて塗れば、誰でも失敗なく塗装できるはずだ。

アサヒペン水性シリコンアクリルトタン用3Lを使用。酸性雨、酸性雪、排気ガス、塩害に強い超耐久塗料

 

再塗装には塗装道具以外に、古く浮き上がったり、はがれかけた塗装や、サビを落とすための道具も必要になる。写真は右からローラーバケつぎ柄、シーリングガンと変性シリコン充てん材、サンドペーパー、スクレーパー、ローラーバケ、ワイヤーブラシ、水性トタン用ハケ、マスカー、マスキングテープ、トタン用塗料、バケット型ローラートレイ

 

数十年は経ったと思われるひさし部分。全体に塗装部分の劣化がはっきりと見てとれる

 

Step1 下準備

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

 

Step2 塗装

*掲載データは2016年10月時のものです。

「同人誌を詰めるのに最適!」 大容量のコンテナバッグが急上昇したAmazonランキング

世間で注目を集めている商品が一目でわかるAmazon「人気度ランキング」。さまざまなカテゴリの注目商品がわかる同ランキングだが、商品数の多さゆえに動向を追いかけられていない人も少なくないだろう。そこで本稿では、そんなAmazon「人気度ランキング」の中から注目の1カテゴリを厳選。今回は「ホビー」のランキング(集計日:2月8日、昼)を紹介していこう。

 

生産終了疑惑でユーザーが注目!?

●1位「To LOVEる -とらぶる- ダークネス 金色の闇 ナースVer. 1/7 完成品フィギュア」

●2位「東邦化研 エンジンカラー スプレー クリヤー (160ml)」

出典画像:Amazonより出典画像:Amazonより

 

塗料の密着性をアップさせたり、色のくもりなど塗装の劣化を防ぐ「エンジンカラー」がランクイン。購入者からは「色のにじみがかなり少なくなって、綺麗にマスキングできた!」「ラッカー塗料は禿げやすいから、すごい重宝してる」と好評の同商品だが、生産終了疑惑が話題に。

 

あるホビーショップが2月6日に、「エンジンカラースプレー等が生産終了… 東邦化研のラジコン向け塗料がメーカーと流通在庫のみで終了するようです」とFacebookで呟いた。ネット上では「エンジンカラーは塗膜が強いから名前の通り、エンジンカラーに最適な塗料だったのに…」「代用品見つかるまでの分を確保しなきゃ!」「エンジンカラー生産中止はつらい…」と悲しみの声が続出している。

 

大容量のコンテナバッグが話題

●3位「ポポンデッタ 国鉄コンテナバッグ」

出典画像:Amazonより出典画像:Amazonより

 

国鉄のコンテナをモデルにした形状の“持ち運びバッグ”が急上昇を果たした。「国鉄っていうところが良い」「コンテナ柄がすごい可愛い」と話題を集めているが、実用性の高さに注目する声も。

 

「大宮のJRグッズショップでピコーンと来て買ったんだけど、A4まで入れられて蓋が閉まって肩かけしやすい」「特殊買物だけでなく保管用にしても可愛い」と綴られたツイートが2月7日に登場。実際に使用した写真もアップされており、大きさの異なる本がバッグの中でキッチリ整頓されている様子が。同ツイートは2月8日現在で1万5000件近いリツイートを記録しており、さらに拡散を続けている。

 

ネット上では「同人誌を詰めるのに最適だ!!」「コミケ会場で雨が降った時の対策になる」「夏コミの買い物に便利やなって思ったわwww」「コミケの戦利品を収めるのによさ気」と話題になっているもよう。次のコミケでは、コンテナバッグを持つ人が多数確認できるかも?

 

●4位「PowerLeadハンドヘルドクリーナーブラシ、パワースクラバークリーニングキットキッチン、バスルームなどのポータブルコードレスパワースクラバーブラシ(バッテリーモデル)」

●5位「創動 仮面ライダービルド BUILD7セット 食玩・清涼菓子(仮面ライダービルド)」

●6位「艦隊これくしょん 艦これ SPMフィギュア 白露改 水着mode」

●7位「U-Kiss ラジコンカー RCカー ラジコンバギー 4WD オフロードリモコンカー 電動オフロードバギー 四駆のラジオ バギー ラジコンオフロード 登山車4×4ダブルモーター カーリモートコントロールモデル 乗り越え抜群 子供おもちゃ(緑)」

●8位「(LuluLAB)スカル フェイスマスク 2枚組 サバゲー 装備」

●9位「星のカービィ テラリウムコレクション 夢の泉の物語 BOX商品 1BOX=6個入り、全6種類」

●10位「258本超大型文房具絵具セット(色鉛筆、水彩絵具、クレヨン、固形水彩) 子供、絵初心者向け設計し」

 

ネットの話題から人気に火が点いたアイテムが多数ランクイン。次回は一体どんな商品が注目を集めるのだろうか。