【自由研究業界の救世主】「まんがでよくわかる ひみつシリーズ」は無料で読めて使える

学研プラスの「まんがでよくわかる ひみつシリーズ」。食品や工業製品に職業、果ては自治体まで、様々な「ひみつ」についてまんがでわかりやすく解説したこのシリーズ、じつはインターネットがあれば無料で読めることを知っていますか? 2学期開始直前、まだ自由研究に手がついていないという方々のために、いくつか紹介していきましょう。

 

 

トンネルのひみつ

日本のトンネル技術は世界一ィィィ! あなたの知らないトンネルの世界――『トンネルのひみつ』>では「トンネルのひみつ」の中から、世界のトップレベルにある日本のシールド工法について紹介しています。

 

トンネルには大きく分けると、地中に掘るトンネルと、山の中に穴を開けるトンネルがある。日本は、地盤が柔らかいために地中のトンネルを掘るのが難しく、大きな事故も起きている。

しかし、現在の日本のトンネルの技術は世界でもトップレベルと言われている。特に、地中トンネルを掘るための「シールド工法」は、海外でも採用され、世界一の長さを誇る海底トンネル「英仏海峡トンネル」にも、日本のシールド工法およびシールドマシンが用いられている。

 

そのほかにも、いろいろな工法の紹介など「トンネルのひみつ」を読めば、いままで気になっていたトンネルについての疑問が解決するはずです。

 

トンネルのひみつ」 https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405916936/

 

 

お化粧のひみつ

そもそも人間はなぜ化粧をするようになったのでしょうか?

 

古代エジプト人は目のまわりに黒いふちを描いていましたが、これには2つの意味があったといいます。1つ目は太陽の光の反射を少しでも防ぐためで、現在、スポーツ選手が目のしたに“アイブラック”を入れているのと同じ。

 

そして、もうひとつの理由は信仰のため。古代エジプト人は「太陽は神さまのシンボル」と考えていて、その太陽が人の体の中では「目」にあたり、目には神さまが宿っていると信じていたのです。だから目を大切にし、まわりを黒くぬっていたようです。

 

ビジネスシーンでは男性も化粧が不可欠? 歴史からひも解くメイクの意味>で紹介した「お化粧のひみつ」ではこのような歴史から、化粧品はどうやって作られるのか? メイクアップ・アーティストの仕事とは? そして、どうしたらメーキャップアップアーティストになれるのか? まで興味深い内容が満載です。

 

「お化粧のひみつ」https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405914958/

 

 

歯ブラシづくりのひみつ

歯ブラシは決まったものを使っているよ! という方も多いかもしれませんが、選ぶ基準は人それぞれ。では、「やわらかめ」「ふつう」「かため」は、どういう基準で決められているかってご存知ですか? <歯ブラシが一番売れるのは12月! あなたの歯ブラシは、かため? ふつう? やわらかめ?>で紹介した「歯ブラシづくりのひみつ」によると

 

歯ブラシのヘッド部分の穴の大きさは「かため」も「やわらかめ」も同じ。毛のかたさは、穴に植える毛の太さを変えて調節しています。小さな力でも曲がりやすい細い毛を植えるとやわらかめに、曲がりにくい太い毛を植えると「かため」になるとのこと。

 

知っているようで知らない歯ブラシについて「歯ブラシづくりのひみつ」を読んで調べてみてはどうでしょう。

 

「歯ブラシづくりのひみつ」https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405915805/

 

 

いなり寿司のひみつ

なぜ「いなり」が、油揚げのことを指すのでしょうか? いなり寿司の語源は、稲荷信仰に関わりがあると言われています。稲荷神社は、日本全国の神社のうち3割以上を占めており、まつられているのは「五穀豊穣の神さま」です。その使いであるキツネの好きなものが「油揚げ」だと信じられているから……という説があります。

 

いなり寿司がすぐできる! キミは「味付けいなり揚げ」の存在を知っているか?――『いなり寿司のひみつ』>で紹介している「いなり寿司のひみつ」には、いなり寿司の由来から、地方ごとのいなり寿司の形や具材の違いなども解説されています。

 

たとえば、酢飯の味付け。関東は「白い酢飯」ですが、関西は「五目ちらし酢飯」を詰めます。東北地方の青森県では、紅しょうがで味付けした飯を詰める「ピンクいなり寿司」が有名です。地域によっては、米飯を詰めるとは限りません。代わりに「おから」を詰めるところもあれば、お蕎麦やソーメンを詰めるところもあります。

 

歴史や地方ごとの特色を調べつつ、自分で作ってみると幅の広い研究になるかもしれません。

 

「いなり寿司のひみつ」https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405916999/

 

 

「学研のまんがでよくわかる! ひみつシリーズ」

漁網、橋、ロケット、この3つの中でファスナーが使われているのは?――『ぼくたちのファスナーをとりもどせ!』

洋服などに付いている「ファスナー」。普段かなりお世話になっているものだ。さて、ここで問題。ファスナーに刻まれている「YKK」とはどんな意味があるのだろうか?

 

 

「YKK」ってどんな意味?

おそらく大抵の方は「ファスナーを作っている会社の名前」と答えることだろう。正解だ。ファスナーの製造などを行うYKK株式会社は、スライドファスナーの生産で有名な企業。ファスナーの世界シェアが45%を誇っている。

 

それではさらに問題。YKKの意味は?

 

YKKは、元々の会社名の頭文字を取ったもの。それが現在は正式会社名となっている。旧社名は「吉田工業株式会社」。この頭文字から現在の社名が「YKK」となっているのだ。

 

 

意外なところにファスナーは使われている

ぼくたちのファスナーをとりもどせ!』(池田圭吾・絵、佐藤宏文・文/学研プラス・刊)は、子ども向けにファスナーを紹介するタイトル。上記についてもこのタイトル内に記載されている。

 

そしてもうひとつ、このタイトルでファスナーの豆知識が紹介されている。

 

Q.このなかでファスナーが使われているものがあるよ。どれかな?

①はし
②さかなをとるあみ
③ロケット

(『ぼくたちのファスナーをとりもどせ! 学研ソトイコ!ブック』より引用)

 

大人の我々は、ファスナーが洋服やバッグ以外にも使われていることは知っているだろう。では、上記の3つの場所のどこで使われているか、ご存じだろうか?

 

実は、全部正解。「①はし」では、明石海峡大橋。橋の下に雨水を流す場所があり、そこにゴミを取り除く場所に使われている。

 

「②さかなをとるあみ」は、漁業用の網。ひもで結んでいた部分をファスナーにしているものがある。

 

「③ロケット」は、宇宙ロケットの装置をカバーするところにファスナーが採用されている。点検時に簡単に開け閉めができるようにということらしい。また、宇宙服にも採用されているそうだ。

 

 

日常の些細なことに目を向けよう

ファスナーは、常日頃意識せずに使っているもの。もはや、我々の日常には欠かせないものになっている。このようなものは、ほかにもあるかもしれない。そういったものを見つけて調べてみたりすると、意外とおもしろいことに気がつくはず。

 

ただぼーっと毎日を過ごすのではなく、ちょっとしたことに興味や疑問を持つ。そんな習慣を身につけると、いろいろなアイデアが湧いてくるようになるだろう。

 

【書籍紹介】

ぼくたちのファスナーをとりもどせ! 学研ソトイコ!ブック

著者:池田圭吾(絵)、佐藤宏史(文)
発行:学研プラス

みんなのファスナーが、世界からとつぜんきえた!? 巻末にはこのお話を読むとできる、自由研究と読書感想文のやり方つき!
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子鉄&ママ鉄必見!夏休みの締めくくりは、ドクターイエローに会いに行こう!――『スーパー特急のひみつ100』

男の子のママあるあるだと思うのだが、今まで電車になどまったくもって興味がなかったのに、我が子が電車に目覚め、プラレールにハマり、呪文のように列車名を唱え始めると、嫌でも電車の種類を覚えてしまう。

 

散歩コースとして、線路沿いの「電車がよく見えるスポット」をしっかりおさえている。ハッピーセットにトミカのおもちゃがつくとわかるや否や、息子を喜ばせたいがためにマックに通う。なんならコンプリートしたいので、同じく男の子を持つママ友とトレードしたり。いつのまにか自分自身が電車好きになっていた、なんてことは珍しくない。

 

そして、子どもも親も電車に夢中になると、おそらくこんな願いが心の中に生まれてくるのではないだろうか。

 

ドクターイエローを生で見たい!」と。

 

 

子鉄&ママ鉄の憧れ!「ドクターイエロー」とは

ご存じない方のために簡単に説明すると、「ドクターイエロー」とは線路の歪みや架線の状態などを走りながら調べる、いわば「電車のお医者さん」。輝く黄色のボディが印象的だ。

 

東京~博多間を10日に1回ほどの頻度で走っていて、運行予定などは公に発表されていない。そのため、見かけたら幸せになれるというジンクスがあるくらいである。

 

独身の頃、出張や帰省で東京~大阪間をかなり頻繁に移動していた私だったが、実は一度もお目にかかったことがなかった。そもそも「ドクターイエロー」という存在を知らなかったため、もし遭遇していたとしても視界に入っていなかったのかもしれないが。

 

今回は、そんな幸福の黄色い新幹線・ドクターイエローをなんとか生で見たいと思い、見事成功した私の記録をお伝えしたい。

 

 

ネットを駆使してドクターイエローに出会う!

確実にドクターイエローを見るためのポイントは2つ。

 

ネットで検測時刻をリサーチ

まずは、いつ走るかがわからないと始まらない。

 

JRに勤めている友人に聞いたらダイヤを教えてくれないかとも思ったが、さすがにそれ無理だろう。というわけで、ネットで検索しまくった結果、ドクターイエローに関する情報や今月の検測(走行、ではなく検測というのも、なんだか通っぽくていい)予想日をアップしているブログやHPにヒット!

 

なかには、ビックリするくらい細かい情報をアップしてくれているブログもあり、アメンバーであれば「○○駅は何時頃通過予定ですか?」などというコメントにも、親切に返答してくれていた。一体どこのどなたなのだろうか。ドクターイエローへの深い愛情を感じずにはいられない。

 

ひとつのブログで確認できればOKだが、複数のサイトの情報を見比べておくとさらに安心である。

 

当日は、ツイッターや掲示板などでリアルな運行状況をチェック

ドクターイエロー通の方の情報はほぼ間違いがないが、もちろん運行状況に乱れが起こることも有り得る。

 

そこで、当日はツイッターやドクターイエローマニアたちの掲示板をマメにチェックしておこう。「西の皆さん、東京駅をいま出発しました!」「○○駅、いま通過しました!」など、ドクターイエローが今どのあたりを走っているかがリアルタイムでわかるのだ。

 

自分が待機している駅近くの投稿や情報が得られれば、ドクターイエローはもう目の前だ。

 

私の場合は、ちょうど帰省とドクターイエローののぞみ検測日が重なることをキャッチしたため、岐阜羽島駅にて待機。予定時刻が近づくに連れて、ホームには少しずつ人が集まってくる。今日は通過するだけなのに。どうやら毎月来ている人もいるようだ。ドクターイエロー、半端ないって。

 

そして見事、ドクターイエローが通過していくところに遭遇できた。こだま検測であれば停車しているドクターイエローを拝めたのだが、致し方ない。ほんの数十秒だったが、そのかっこよさと言ったら…写真にもバッチリおさえることができた!

 

もう、とにかくカッコいいのだ。オーラが違う。息子も大喜びしていたが、私自身がめちゃめちゃ興奮してテンション上がりまくりだった。

 

 

見たい!乗りたい!特急列車が目白押し

あれから数年。最近は少し電車への熱が下がり気味だった息子と私だが、こんな本を見つけて、再びアツい想いが再燃! 『スーパー特急のひみつ100』(栗原 景・著/学研プラス・刊)は、見開きにドカンと迫力ある電車の写真が載っていて、文句なしにカッコいい!

 

息子と2人でページをめくるたび、「あ、これ乗ったことある!」「うわ、めちゃカッコいい!」と盛り上がる盛り上がる。

 

外観や車両の特徴、豆知識なども盛り込まれているので、「へーそうだったのかー!」という発見もあり、見ていて飽きない。

 

いろいろと気になる電車はあったが、「かっけー!」と声を揃えたのがラピート。なんばと関西国際空港を結ぶ南海電鉄のアクセス特急で、ロボットみたいな顔と発色の良いブルー、「レトロフューチャー」をテーマにした車両デザインに魅了されてしまった。客室の窓が楕円形なのもクールだ。

 

それから、車両のデザインだけでなく、内観や設備などがユニークなものも。阿蘇~別府間を走るJR九州の「あそぼーい!」は、木のボールのプールや図書館など、親子で楽しめる設備がたくさんあるとのこと。

 

東京~新庄間を走るJR東日本の「つばさ」には、なんと足湯や湯上がりラウンジつきの車両があるらしい。

 

鹿児島中央~指宿間を走るJR九州の「指宿のたまて箱」は、ドアが開くと、浦島太郎がたまて箱を開けた時の煙に見立てて、ミストが出るのだとか! いつか乗ってみたい。

 

 

お金がかからず、最高の想い出が作れること間違いなし!

これらの列車は、ドクターイエローと違って運行時刻が簡単にわかるので、乗車することはもちろん、お目当ての列車を見るために駅に行くだけでも楽しめる。

 

夏休みも残りわずか。テーマパークなどに遊びに行くのもいいが、どこも混雑しているだろう。何かとお金もかかる。ここはひとつ、駅へお好みの特急列車に会いに行くというプランはいかがだろうか。

 

そして、タイミングがあえば、ぜひドクターイエローとの遭遇にチャレンジしてみてほしい。我が家は、ラピート目的でなんばまで遊びに行こうかと計画中である。

 

 

【書籍紹介】

 

乗ってみたい! スーパー特急のひみつ100

著者:栗原景
発行:学研プラス

日本全国の特急列車のひみつを100紹介。新幹線からJR、私鉄の特急、観光特急から通勤特急まで、たくさんの列車を掲載する。迫力の写真と正面のイラスト、くわしいデータなど、乗りたくなる情報が満載のSG(スゴイ)100シリーズ第6巻。

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【夏の本まとめ】アウトドアからインドアまで――いつもとは違った「夏休み」を送るための4冊

夏休みは取れたけど、これといって何をするのか決めていない、計画を立てるのすら面倒くさいというあなたに、「いつもと違う夏を過ごす」ためのガイドブック4冊を紹介します。これで、無為な夏休みから抜け出せるに違いありません!

 

 

【その1】ひと味違う夏の旅行にしたい人にオススメの1冊

 

旅行には行きたいけれど、どこに行きたいかは決まっていないあなた。富山県はいかがですか?<「富山県のひみつ」――13の鉄軌道に乗って富山を味わい尽くせ>で紹介されている「富山県のひみつ」は、富山の魅力を余すことなく紹介したマンガです。

 

同県は、黒部ダム、おわら風の盆、世界遺産の五箇山合掌造り集落などの観光や、ほたるいか、ますの寿司など日本有数の美食の宝庫でもあります。それだけでなく、実は、鉄道ファン垂涎の、ローカル線の宝庫でもあるのです。

 

例えば、黒部峡谷鉄道は、富山を訪れたらぜひ乗りたいローカル線の筆頭でしょう。もともと電力会社が水力発電の電源開発のために建設された鉄道なのですが、日本三大峡谷のひとつである黒部峡谷の絶景を楽しめるとあって大人気の路線です。他にも地元出身のレジェンドマンガ家の人気キャラたちとコラボしているJR氷見線と万葉線など、親子連れでも楽しい鉄道も多く走っています。

 

ひとりで行っても、家族で行っても楽しい富山県の鉄道の旅、オススメです!

 

■「富山県のひみつ」
https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405916857

 

 

【その2】キャッチ&イート! この夏「海釣り」を始めたい人への入門書

 

この夏に何か新しことを始めたい! 夏と言えば海! ということで、今年の夏は「海釣り」に挑戦してみませんか?<『図解でよくわかる海釣り入門』――この休み、海釣りデビューしてみませんか?>では、「図解でよくわかる海釣り入門」を参考に、海釣りデビューのスポットを検討します。

 

一口に海釣りといっても、いろいろな種類があるようで、防波堤やイカダ、小磯、砂浜に加え、海釣り専用の釣り堀や海釣り公園という場所もあるそうです。初心者向けなのは、海釣り公園か釣り堀。東京から近いところでは、江東区の若洲海浜公園や大井ふ頭中央海浜公園に海釣り施設があるようです。また、神奈川県の川崎市の扇島西公園や浮島つり園などもオススメです。

 

海釣りの種類と入門用の用具、釣り方など、海釣り入門のための基礎中の基礎を、イラストで解説している「図解でよくわかる海釣り入門」はまさに海釣りビギナー向けの書籍です。本書を読んで、海釣りデビューを検討してみてはいかがでしょうか? 自分で釣った魚をビールとともに食べる! 最高の夏があなたを待っています!

 

■「図解でよくわかる海釣り入門」
https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405912892/

 

【その3】夏こそオトナのDIY! ひと味違う休みを堪能する1冊

 

わざわざ人手の多いところに出かけるよりは、自宅でなにか休みらしいことをしたい。そんなあなたに提案したいのは「ピザ窯作り」!<「ピザの味は窯で決まる」ならば、ピザ窯から作ればいいじゃないか!>では、筆者が「DIYでピザ窯を作る本」を眺めながらマイピザ窯の構想を練っています。

 

ああ、憧れるなあ。筆者のようなマンション住まいの人間にとって、マイピザ窯は見果てぬ夢なのだろうか? 煙の問題もあるから、さすがにベランダに作るのは無理だろう。何か方法はないだろうか? 自分の手でおいしいマルゲリータを焼き上げたい。それを隣人たちに振る舞ってみたりもしたい。マイピザ窯というなんとも贅沢な妄想を抱く筆者が、この1冊を見逃すわけがないのだ。

 

「DIYでピザ窯を作る本」では、ピザ窯の基礎知識、作り方、そして楽しみ方までを豊富に紹介。ピザを食べるためにピザ窯から作り始める。なんともオトナな香りがします。この夏、己のDIY魂に火をつけ、ひと味違う休みの過ごし方をしてみてはどうでしょう?

 

■「DIYでピザ窯を作る本」
https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405916528/

 

 

【その4】家にいながらゴージャスなバカンスを楽しめる1冊

仕事が忙しくて長い休みもとれない。でも、バカンス気分は味わいたい! そんなあなたにオススメなのが<『世界遺産の街を歩こう』――家にいながら「世界遺産」をバーチャル・トリップしてみませんか?>で紹介されている「世界遺産の街を歩こう」。

 

本書はヴェネツィア、フィレンツェ、ドゥブロヴニク、パリ街など、街や地域全体が世界遺産に登録されている場所を49か所厳選し、紹介。もし、どこにも出掛けられず家でため息をついている方がいたら、美しい写真を眺めているだけで旅した気分に浸れること間違いなしの1冊です。もちろん、これから旅に出掛ける方にはガイドブックとしても使ます。

 

さぁ、あなたならどこの世界遺産の街を歩きたいとですか? 実際に訪ねることはできなくても、この本が私たちを日本にいながら世界遺産の街へと連れて行ってくれるはず。

 

■「世界遺産の街を歩こう」
https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405912736/

今年の夏休みは最強にかっこいい工作を作る!――『最強工作クラフトウォーズ』

いよいよ夏休み。我が子が宿題をしっかりこなしていくかどうかは、親ならば気になるところだろう。特に、毎年恒例の自由研究・自由工作は悩みのタネだ。

 

我が家の息子の場合、昨年はサイズアウトしたTシャツを使った布ぞうりを作った。エコでもあるし、手先の運動にもなったし、見た目もおしゃれでとても良い作品だったのだが、いかんせんその後まったく出番がない点が残念なところ。今も靴箱の中で眠っている。

 

せっかく作るのだから、夏休み後も使えるものがいい。そして、男心をくすぐるような、全力で工作に取り組めるような、とびきりかっこいいものを。

 

そんな願いに見事こたえてくれる工作本が登場した。『最強工作クラフトウォーズ』(学研プラス・編/学研プラス・刊)である。

 

 

物語の主人公になった気分で敵と戦うための武器を作る!

本書には、「第1章<武器とモンスターを作る>クラフター魔界戦記」と「第2章<メカを作る>月面のガーディアン」という2つの物語が収録されていて、紹介されている工作はすべて物語の中に登場する武器やモンスター、メカという凝ったつくりとなっている。

表紙を見ただけでは、まさか工作本だとは夢にも思わないようなビジュアルだ。実際、私自身、ゲームの攻略本かなにかだと勘違いしたほど。

 

それもそのはず、紹介されている工作のデザインには、ゲーム業界で活躍しているイラストレーターやメカデザイナーが関わっているのだそう。とにかく、見た目をかっこよく、本格的なルックスを目指しただけあって、ページをめくるほどに「これが小学生の工作!?」という驚きが重なっていく。

 

しかも、特筆すべきは「材料」だ。ペットボトル、新聞、ダンボール、割り箸、紙コップなど、どれも家の中にありそうなものばかり。仮にない場合でも、100円ショップで手に入るので、すぐに揃えられるのも魅力だ。

 

早速「最強工作クラフトウォーズ」を手渡してみると、こちらの期待通り、いや、期待以上のテンションでページをめくり、笑顔がこぼれる息子7歳。そこへ5歳の娘も加わって、各々作りたいページを競うように折って目印をつけていく。つかみは完璧だ。

 

 

まずは大人が見本を作ってみた

子どもに作らせる前に、まずはどんなものが出来上がるかと夫が見本を作ることにした。選んだ武器は「細身のレイピア」と「はがねの両刃剣」。作り方が書かれたページには、クラフトレベルや制作にかかる時間の目安が書かれているので、自分の年齢やレベルに合ったものをチョイスできる。ちなみに、攻撃力やじょうぶさ、重さなどのレベルが記載されている点も、本物の武器っぽい。

 

第1章の最初に登場する「細身のレイピア」は、もっとも難易度が低く、制作時間40分なので、まずはここから取り掛かるのがおすすめだ。

 

作り方をざっくり言うと、新聞紙を丸めて、アルミテープで包み、ペットボトルの上の部分を切り取ってアクリル絵の具で色を塗ったら、アルミテープを貼った剣と組み合わせるだけ。

 

出来上がりはこんな感じだ。

かなり本格的であることが伝わるだろうか。

 

ダンボールで作る剣「はがねの両刃剣」の完成版はこちら。

割り箸で補強してあるので、かなり丈夫である。これなら強敵とも戦えそうだ。

 

2歳児が持ったときのサイズ感はこちら。こんな大きな剣のおもちゃを普通に購入したら、結構な値段がしそうだ。

ハイクオリティな工作の数々に脱帽!

我が家の息子は小2なので、比較的簡単なものを選んだが、本書にはもっと高学年向きの難易度の高い武器やモンスター、メカがずらりと並ぶ。ここからは見本で恐縮だが、たとえば、紙コップやペットボトルで、こんなモンスターが作れたり…

 

 

磁石、ペットボトル、洗濯バサミを使えば、こんなかっこいい変形ロボも!

 

大人も夢中になること間違いなしのクオリティだ。

 

 

自ら作った武器で戦う夏休みが始まる!

もちろん、今回作ったものはあくまで見本なので、実際に学校に提出する工作は息子自身にチャレンジさせる。

 

本書の作り方ページには、ダンボールを使う向き(向きを間違えると、強度が変わってしまうので)など細かい部分まで丁寧に説明書きがされているので、とても親切だ。また、ベースの武器をカスタマイズする方法も紹介されていて、子どもの自由な発想でオリジナルの武器が作れる点もおもしろい。

 

案の定、完成した武器を持って大喜びの子どもたち。早速戦い始めた。

 

 

 

【書籍紹介】

最強工作クラフトウォーズ

著者:学研プラス
発行:学研プラス

ゲームやSFが好きな子どもの想像力をかきたてるイラストとストーリーで展開する新しい工作本。RPGに登場する武器やモンスター、SFに登場するメカやロボットを工作することができる。読んで、作って、楽しい、最強のクラフト集。

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大きなおともだち歓喜!「ハンディ顕微鏡DX」のミクロ視点で我が家が大冒険ランドに

みなさんは、小学校の理科の授業で、ミジンコやミカヅキモといったプランクトンの顕微鏡観察をした経験をお持ちだろうか?

 

教科書で学んで「ちいさないきものがいっぱいいる」と知ってはいても、池を覗き込んだところで肉眼で見えるわけじゃない。でも顕微鏡で拡大してみると、本当にそこにいるのだ。あれは、なかなかエキサイティングな経験だった。

 

肉眼で見えないものが拡大されることで見えるというのは、面白いし興奮する。実は顕微鏡観察とは、大人も子どもも楽しめる立派なホビーなんじゃないだろうか。そして、拡大して見て楽しいだけなら、わざわざ池でプランクトンをすくって来る必要はない。

 

すぐそばにある身近なものを拡大して見るだけで、充分に楽しいのである。

 

そこで今回、ミクロの世界を覗き込むために用意したのが、レイメイ藤井「ハンディ顕微鏡DX」だ。

レイメイ藤井「ハンディ顕微鏡DX」3780
透過型顕微鏡と落射型顕微鏡(反射顕微鏡)の両機能を搭載しながら、幅62.7×高さ112.2×奥行き30mmのハンディサイズにまとめたポータブル顕微鏡。LEDライト付きで暗所でも観察できる上、UVライトに切り替えれば蛍光塗料なども浮かび上がらせる。本体重量70g。単3形乾電池1本で連続約24時間駆動。ハンドストラップ、スマホアダプターを付属。4月26日発売。
http://www.raymay.co.jp/bungu/contents/release/2018/08_RXT300/main.html

 

倍率は最大250倍!

↑倍率は100倍/150倍/200倍/250倍の4段階。ボディには倍率を設定する「クイックレバー」を備えており、ここを回すことでレンズを覗き込みながら、簡単に倍率を切り替えられる

懐かしのプレパラートを自作!

↑付属品には、プレパラート(玉ねぎの皮)、スライドガラス、カバーガラスも含まれる。まずは玉ねぎの皮を観察してコツをつかんでから、オリジナルプレパラートを作ろう

スマホで観察の楽しみ広がる!

↑付属のスマホアダプターでスマホのカメラレンズを挟んで本体にセットすれば、スマホのカメラ機能を使って観察が可能だ。スマホカメラの倍率に合わせてさらに拡大して見たり、撮影して保存や共有が簡単に行えたりと、現代に即した機能といえる

 

90秒でわかる「ハンディ顕微鏡DX

 

いざ、観察!

さて前置きが長くなったが、早速これを使って、家の中のあれこれを見てやろうではないか。

 

まず、付属のクリップ兼用スマホアダプターを使って、スマホをハンディ顕微鏡DXにセット。そのままレンズを覗くよりもスマホ画面の方が見やすいし、もちろん写真だって撮れる。ズーム機能でレンズ倍率を上げてさらに拡大することもできるので、グッと使いやすくなるはずだ。

↑アダプタの穴の中央にレンズが来るように装着しないと、画面にケラレが出てしまうので、そこだけ要注意

 

さて、準備ができたらご自宅探検隊、出動!

 

冷蔵庫の中は拡大したいものの宝庫!

ご自宅探検隊がまずやってきたのは、冷蔵庫。この中には、顕微鏡で観察すると面白いものがいっぱい詰まっていそうだ。

 

たとえば、野菜庫に入れてあった大葉はどうだろう?

↑落射モードは観察物の上から置くだけでいい。ピントは本体のダイヤルで覗きながら調節する

 

最初は、光を斜め上から照らす「落射モード」で見てみよう。これは、上から光を当てて観察物の表面を観察するモード。

↑LEDライトを上から直射する。いわゆる反射顕微鏡のモードだ

 

これで大葉の表面を見てみると……。

↑大葉の拡大画像(落射モード)。水滴のように光っているのが、シソ科独特の“油胞”だ

 

フレッシュな大葉であれば、100倍ぐらいでも表面に小さな水滴のようなツブツブがあちこちに見える。これは油胞というカプセルで、中には大葉の香りの元となる精油がつまったもの。シソ科の植物にみられる特徴で、この油胞を潰すとあの爽やかな香りが出てくる、という仕組みになっているのだそうだ。

 

「へー!」とひと驚きしたら、次は「透過モード」で観察しよう。観察物に下から光を当て、透過した像を観察するモードだ。

↑光源からライトパネルを通った光が、パネル内部の構造によって観察物を下から照らすように収束する

 

↑付属のプレパラートに対象物を置いて、スライドガラスをかぶせる

 

小さく切った大葉でプレパラートを作ったら、クイックズーム機能で最大倍率の250倍まで拡大してみよう。

↑大葉の拡大画像(透過モード)。強い光で透かして見るので、内部の構造が確認できる

 

すると、なにやら細かい粒子がうじゃうじゃと寄り集まって大葉を構成しているのが見えてきた。実はこれ一つ一つが、大葉の細胞なのである。

 

残念ながら染色液で染めないと、どれだけズームしても細胞核などは認識できない。しかし透過モードで見るだけでも充分に細胞っぽさが分かって楽しい。

 

他にも、冷凍野菜の細胞がどうなっているのか、とか、隅っこに残っていたお正月の餅(に生えたカビ)とか、見応えのあるものはいくらでもありそうだ。

 

500円玉を拡大すると国家機密が見える?

冷蔵庫の次は、いつもの財布の中身を拡大してみよう。

 

例えば10円玉を落射モードで拡大してみると、肉眼ではまったく認識できていなかった細い線が、いっぱい刻まれているのだ。

↑見慣れた10円玉も、拡大すると驚きの精密さ

 

↑約250倍で見てようやく分かるような細い溝も。どうやって作っているのか不思議だ

 

たかだか直径23.5㎜の中にこれだけの複雑な起伏があったとは! かなり探検しがいのあるミクロの世界である。

 

ただ、ハンディ顕微鏡DXを直に10円玉に載せると安定しないので、じっくりと見るのが難しい。そういう時には、木工用ボンドで転写コピーを取ってしまうと観察がラクになる。

↑顕微鏡を直接置いて見にくいものは、ボンドを塗って写し取る

 

↑乾燥したら、パックをめくるように剥がす。完全に透明になるまで待つのがポイント

 

10円玉の上に木工用ボンドを少し厚めに塗って、透明になるまでしっかり乾燥させたら、剥がして軽く伸ばしてからスライドガラスに貼るなり、ライトパネルに直接置くなりすればOK。

 

細かいエッジまで写し取った透明コピーを透過モードで見ると、これまた不思議な世界が楽しめるのだ。

↑肉眼で10円玉を見ても、こんな規則的なドットってあったっけ? と疑問を感じる。こういう凹凸は透過モードのほうが、陰影がくっきりするので見やすいだろう

 

木工用ボンドによる転写コピー法は、ほかにも指の指紋やボールの表面など、顕微鏡を直接載せられないものに使うと有効なので、覚えておいて損はない。

 

もうひとつ硬貨で、500円玉には顕微鏡じゃないと見えない超極小の刻印が入っているのをご存知だろうか?

 

裏と表の両面にあるのだが、見つけやすいのは裏(500と刻まれている方)。「5」「0」「0」という数字のフチにそれぞれ「N」「I」「P」「P」「O」「N」が各0.18㎜という小ささで入っているので、ぜひ見つけてほしい。

↑ヒントは、赤で印をつけたあたり。これも転写コピーしたほうが探しやすいかもしれない

 

↑250倍にしてようやく「P」の文字発見!

 

実は、このマイクロ文字の情報は、硬貨を作っている造幣局のサイトにも載っていない。もしかしたら、偽造対策のための国家機密かも……? なんて話をしながら探すだけでも、充分楽しめるはずだ。

 

机の上も探検しよう!

続いては、机の上に移動して紙モノを拡大だ。

 

手元に付箋があったら、裏返してハンディ顕微鏡DXをセット。

↑付箋を顕微鏡で見ると、貼って剥がせる秘密がわかる

 

↑画面左が粘着面で、右が普通の紙部分

 

ペタペタとくっつく粘着面を拡大すると、紙の繊維の隙間に、さっきの大葉の表面のような透明のツブツブが見える。実はこれが、付箋の粘着材なのだ。

 

付箋の粘着は、面全体に糊がべったりついているのではなく、この球体状の粘着材が点々とピンポイントでくっつく仕組み。だから、ふせんは貼った後から剥がすこともできるというわけ。

 

もし机の上に宅配の段ボールがあるなら、それも拡大しておこう。ツルツルした表面を削ぐように剥がすと、茶色いモロモロとした紙が出てくるので、拡大してみると……?

↑段ボール表面の表面を薄く剥がすと、また秘密を発見!

 

↑太さや色もバラバラの繊維に混じって、印刷インクの残骸も

 

茶色や白色の紙の繊維に混じって、赤や青、緑の点が確認できた。

 

段ボールはそのほとんどが再生紙で作られているため、原料の雑誌や新聞など古紙に印刷されたインクがかすかに残っているのである。普通にティッシュなどの紙繊維を拡大して見るだけでも面白いが、古紙再生の段ボールは、さらにカラフルで見応えがあるのだ。

 

UVライトで秘密を照らし出せ

最後に、「UVライトモード」も試してみよう。UV=紫外線を当てるいわゆる“ブラックライト”で、いつもの照明では見えないものが浮かび上がってくるのである。

↑非破壊検査などで活用されるブラックライト=UVライトは、紫外線が蛍光成分を浮かび上がらせる

 

例えば、配達されたハガキのフチを照らすと……?

↑ごく普通のハガキも、ブラックライトで照らすと謎の模様が!

 

普通では見えないバーコードが現れる。

 

これは郵便局で使われている自動仕分け機が、手書きの宛名を読み取り、その内容を特殊なインクで印刷しているのだ。そのため、配達済みのハガキや封書にはこのようなバーコードが隠されているのである。※投函された場所によっては、バーコード印刷がない場合もあります。

 

最後にもうひとつ、ブラックライトでぜひ照らして欲しいのが、トイレの床と壁。

 

なんだかプラネタリウムのように、辺り一面の光点が見えるかもしれない。だが、そんなキレイなものじゃない。実はこれ、我々男子がトイレで小をする際に、気付かず飛び散らしていた飛沫汚れ。通常の明かりでは目視できない汚れも、ブラックライトで丸見えになってしまうのである(汚いので、写真は載せないが、ぜひ自分の目で確認してください)。一度見てしまったら、もうトイレ掃除を奥さんに任せっぱなしにできなくなること請け合いだ。

 

……いかがだろうか。家庭内のごく身近なものに潜んでいる「肉眼では見えない世界」を探検するだけで、これだけの秘密が見つかるの、すごくないか! ?

 

考えてみたら、例えば2DKの家だって、顕微鏡で見たらおそろしく広大な土地である。未だ見ぬ秘密はごろごろと転がっているに違いない。ご自宅探検隊の探索行はまだまだ続くのである。

 

さらに、このGWや夏休みにハンディ顕微鏡DXを野外に持ち出したとしたら……そりゃもう、見て楽しいものは無限にあると言っていいんじゃないだろうか。

 

試してもらったのは……


雑食系文具ライター/きだてたく さん
最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

 

【レイメイ藤井の顕微鏡ラインナップ】

「ハンディ顕微鏡ZOOM」2160円
60倍〜120倍に拡大し落射モードで観察できるお手頃モデル。UVライトも搭載する。

「ハンディ顕微鏡petit」1620円
手の中に収まるほどのコンパクト・軽量モデル。拡大倍率20倍で落射モードを楽しめる。UVライト付き。