あなたは使いこなせる? 撮影エフェクト100通りのチェキ「instax WIDE Evo」出た!

富士フイルムは、instax “チェキ”シリーズのハイブリッドインスタントカメラの最上位モデル「instax WIDE Evo(インスタックスワイドエヴォ)」(以下、「WIDE Evo」)を2025年2月6日に発売します。

 

記事のポイント

カメラにも、プリンターにも1台で2つの顔を持つインスタントカメラ。特徴はフィルムエフェクト×レンズエフェクト×度合い調整で、自由な表現が楽しめること。また、世界中のWIDE EvoユーザーがSNSに投稿したチェキプリント画像と、使用された各種エフェクトを閲覧できる機能「Discover Feed(ディスカヴァーフィード)」で、アイデアを共有できます。

 

WIDE Evoは、グローバルで大ヒットしている「instax mini Evo」に続く、Evoシリーズ第2弾のモデルで、カードサイズのミニフォーマットフィルムの2倍の大きさとなる「ワイドフォーマットフィルム」に対応。カメラ背面のモニターを見ながら撮影、好きな画像を選んでプリントできるほか、スマホプリンターとしても使える1台2役のカメラです。

↑「instax WIDE Evo(インスタックスワイドエヴォ)」

 

↑「instax WIDE Evo(インスタックスワイドエヴォ)」用カメラケース

 

↑instax ワイドフォーマットフィルム「BRUSHED METALLICS」

 

「マゼンタ」や「モノクロ」など10種類のフィルムエフェクトと、「光漏れ」や「カラーグラデーション」など10種類のレンズエフェクトを組み合わせることで、簡単に「100通りの撮影エフェクト」を楽しめます。さらに、instaxシリーズで初めて搭載したレンズエフェクトの「度合い調整」により、光の入り方や色のグラデーションなどの強弱を100段階で調整できるため、思いのままに繊細な表現が可能だといいます。

 

 

また、写真を縁取り、より印象的に仕上げる「フィルムスタイル」や、広範囲を撮影でき、ダイナミックな表現が可能な「広角モード」により、ワイドフォーマットの魅力をより一層引き立てます。「100通りの撮影エフェクト」「度合い調整」「フィルムスタイル」「広角モード」の組み合わせは10万通り以上に及び、自由自在な撮影表現で「想像を超える一枚」を生み出します。

 

 

専用アプリは、世界中のWIDE EvoユーザーがSNSに投稿したチェキプリント画像と、使用された各種エフェクトを閲覧できる機能「Discover Feed(ディスカヴァーフィード)」を搭載。撮影表現の新たなアイデアを提供します。さらにBluetooth接続により、Discover Feedに表示されたチェキプリント画像のエフェクトをアプリを通じてカメラ本体にお気に入り登録でき、エフェクトの組み合わせを簡単に再現できます。

 

富士フイルム
「instax WIDE Evo」
オープンプライス

富士フイルム「チェキ」に大人デザインの「INSTAX SQUARE SQ40」登場

富士フイルムは、INSTAX 「チェキ」の新ラインナップ「INSTAX SQUARE SQ40」(以下、SQ40)を発表。6月29日に発売します。想定価格は1万8700円(税込)です。

 

SQ40は、スクエアフォーマットのアナログインスタントカメラ。富士フイルムによると、大人の女性や男性をターゲットにしているそうです。そのターゲットに合うよう、デザイン性を追求しており、ボディ全体はレザー基調にしたほか、手になじむ質感にもこだわっています。

 

また、撮影シーンに合わせた最適な明るさで撮影できる「オート露光機能」を搭載。加えて、レンズを回して電源を入れた後に、さらに同じ方向にレンズを回すとセルフィーや接写に最適な「セルフィーモード」に切り替えらるなど、撮影を楽しむ機能がそろっています。

 

なお、同日に最上位機種「INSTAX mini Evo」(以下、mini Evo)の新色であるブラウンモデルも登場。6月29日に発売します。想定価格は2万5800円(税込)です。

 

mini Evoは、カードサイズの「ミニフォーマットフィルム」に対応したモデル。撮影したその場でプリントできるうえに、専用アプリでスマホと連携も可能です。アプリでは、スマホで撮影した画像をmini Evoでプリントしたり、mini Evoでプリントした写真にフレームを付けて画像としてスマホに保存できたりします。

「つい触りたく」広瀬すず、新チェキ“INSTAX mini 12”で好きなもの撮影 キンプリ永瀬廉とのドラマ秘話明かす

富士フイルムはINSTAX“チェキ”の新製品「INSTAX mini 12」を発表。3月16日に発売します。合わせて製品発表会を開催し、俳優の広瀬すずさんと、4人組バンドの緑黄色社会が登壇しました。

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↑広瀬すずさん

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

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1998年の発売以来、“チェキ”の愛称で⾧く親しまれているINSTAX は、撮ったその場でプリントできるインスタントカメラです。INSTAX mini 12は「INSTAX mini 11」(2020 年 5 月発売)を進化させたモデルで、前モデルでも好評だったというオート露光機能に加え、接写やセルフィーに適した「クローズアップモード」を搭載。ファインダーから見える視野とプリントに写る範囲のズレを防止する機能をエントリーモデルとして初めて搭載し、さらにセルフィーでは、レンズの横にある「セルフィーミラー」を使用することで、プリントイメージを確認しながら撮影することができます。

 

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↑カラーは5色。左からクレイホワイト、パステルブルー、ブロッサムピンク、ミントグリーン、ライラックパープル。価格はオープン価格

 

INSTAXシリーズのCMに出演している広瀬さんは「マットな質感で、つい触りたくなります」と、ブロッサムピンクのINSTAX mini 12を手にして登壇。花好きな広瀬さんのためにフラワーマーケットが登場すると、オリジナルブーケ作りに挑戦します。

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↑「一気に春の気分になりました。いい香りがします」とピース

 

「センスが問われますね」と真剣な表情をみせるも、大きな白い花を選び「1本で終わっちゃいそう」と戸惑ったり、「全部引っこ抜いちゃった」と複数本まとめて抜いてしまったりと悪戦苦闘。「シンプルですが、ときに刺激的な色を取り入れて生きていけたら」と人生と重ね合わせつつ完成したブーケとともに、クローズアップモード撮影を楽しみました。

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↑選んだ花を引き抜くと「な、長い…」

 

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↑完成したプリントに笑顔

 

次にプリントをスマホでフレームごとスキャンし、デジタルデータ化するアプリ「INSTAX UP!」を紹介。すでに“私の好きなものコレクション”としてプリントをスキャンしていた広瀬さんは、お手玉の写真を取り上げ「ドラマでお手玉のシーンがあることに前日気づいて、1日で練習しました。現場でハマって、空き時間にみんなでやっていましたね」と1月期のドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)での、永瀬廉さんとのシーンの撮影秘話を告白。

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↑広瀬さんの好きなものコレクションの1つはお手玉

 

さらにINSTAX mini 12のキャッチコピー“たのしいがみるみるふくらむ”にちなみ、最近あった楽しかったことについても「そのドラマの現場は、お芝居していてすごい楽しかった。いろんな感情に出会えました。撮影後も今も余韻に浸るほどで、いい時間といい経験と、いい出会いがたくさんありました」と同ドラマへの思いを熱弁しました。

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↑プリントを箱に詰め込んだようなイメージで表示し、スマホを振るとシャッフルされたかのようにレイアウトが変わる「ボックスビュー」モード

 

後半には広瀬さんと横浜流星さんが出演するCM「INSTAX SQUARE Link 篇」の楽曲「Don!!」を歌う緑黄色社会が、ライブパフォーマンスを披露。広瀬さんは「CM撮影の時に現場でかかっていたので、今聞いて、本物だっ! って」と生演奏に大興奮し、「流星くんとは、大丈夫かなと思うくらいワチャワチャしていました。音楽があったからこそテンションがあがって、すてきなCMが完成しました」と楽曲の影響力の大きさを振り返りました。

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↑同じ舞台上で楽曲を聞いていた広瀬さん「この席やばいですよ。この景色をチェキで共有したい」

 

恥ずかしさゆえ自撮りをすることがまったくないという広瀬さんですが、最後にINSTAX mini 12について「やっぱり近いものや自撮りがきれいに撮れると思うと、撮りたくなりますね。みんなを撮りに現場に持っていこうと思います」と持ち運ぶ意志を報告。

 

しかし一方で「人見知りなので、『写真撮りましょう』は言えないです。言われるまで“待ち”です。言ってほしいな。チェキを隠し持って、いざというときに出したいと思います」と、はにかんでいました。

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↑念願の初対面で記念ショット

 

INSTAX 公式サイト:https://instax.jp/

スマホで撮った「チェキ」をARでデコれる! スマホプリンター「INSTAX SQUARE Link」

富士フイルムは、スマホの画像をスクエアフォーマットのチェキフィルムに出力できるスマホプリンター“チェキ”「INSTAX SQUARE Link」を、11月17日に発売します。

 

「INSTAX Link」シリーズは、専用アプリからBluetoothでスマホの画像をチェキフィルムにプリントできるスマホプリンター。今回発売となるSQUARE Linkは、AR(拡張現実)エフェクトでチェキプリントを彩る機能やメッセージ付きチェキプリントを楽しめる機能を搭載した、シリーズ最新モデルです。

 

「AR Print」は、専用アプリを用いて、同製品で出力したチェキプリントをARエフェクトで彩る新機能。ARエフェクトを重ねたチェキプリントを表示したり、その表示画面を動画や静止画として保存し、SNSで簡単に共有できます。

 

新たに搭載される「INSTAX Connect」は、専用アプリで、スマホの画像にチャットのメッセージを重ね合わせてプリントできる機能。メッセージ付きで送ったスマホの画像に、相手からの返信メッセージもあわせてプリントすることで、そのときの気持ちを写真で共有することが可能になります。

 

本体のカラーバリエーションは、アッシュホワイトとミッドナイトグリーンの2色展開。本体カラーに合わせた専用ハードケースと、スクエアフィルム用アルバムも同時発売します。価格はいずれもオープン。

アナタは全部ご存知ですか!? 2022年上半期売れたモノSELECTION「家電・デジタル」18選

早いもので、2022年ももう下半期!! ここでは、上半期に売れたモノ・話題になったコトを「家電・デジタル」カテゴリから総ざらいしていく。……さて、アナタは全部ご存知ですか!?

※こちらは「GetNavi」2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】レトルト亭

レトルト食品を湯沸かし不要でパウチごと温める斬新家電

【レトルト専用調理器】

2022年1月発売

アピックスインターナショナル

レトルト亭 ARM-110

実売価格7680円

お湯を使わずにレトルト食品を温められる調理器。レトルト食品を袋のまま投入し、本体に内蔵された低温ヒーターでパウチを挟み込んで温める。本体サイズは約W255×H200×D80mmとスリムなので、限られたスペースにも設置しやすい。

 

↑定格消費電力200Wと省電力なので電子レンジとの同時使用も安心。レンジでご飯を温めるなど並行して調理すれば時短になり、アツアツをいただける

 

↑ダイヤルを回すだけの簡単操作。目盛りの「小盛」は180g、「普通」は260g、「大盛」は300gまでがそれぞれで調理できる容量の目安だ

 

レトルト食品生産数量の推移(※1)によると、レトルト食品市場は10年間で概ね伸長傾向にある。例えばカレーは約1.1倍、シチューは約1.4倍、スープ類は約1.5倍の増加(※2)を記録しており、コロナ禍で引き続き市場の成長が見込まれる。

※1:公益社団法人日本缶詰ビン詰レトルト食品協会、2020年最新データおよび2011年以降推移データ
※2:それぞれ2020年と2011年の生産箱数に基づく

 

最近では丼ものや惣菜も登場しており重宝されているが、一方でお湯を沸かすのを手間に感じる人は多い。また、パックごはんやパスタもレンジで準備しようとすると時間がかかることも。そこで活躍するのが、レンジも湯沸かしも不要なレトルト亭だ。レンジでごはんを温めながら、パスタを茹でながら、カレーやパスタソースは本機にセットすれば、実に効率的。時短だし、先に温めていたごはんが冷めてしまうこともなく、アツアツを楽しめる。パウチごと温められるのでラップも要らず、洗い物とゴミを最小限に抑えられるのもうれしい。

 

商品化に際しては同社内でも、「レトルト食品の利便性を考えればレンジ1台で十分なのでは」といった、懐疑的な意見があったという。そこで生活者にダイレクトに訴求できるプラットフォームを試金石とするべく、クラウドファンディングを実施。結果として応援購入総額2200万円超、サポーター数3100人という実績を残し、その有用性を証明した。

 

各種メディアでの紹介やSNSでの反響も追い風となり、1月末の一般発売から4月末までの3か月間で約4万7000台を売り上げている。ライフスタイルの多様化に合わせて、さらなる利便性、安全性、省エネ性を追求する同社のプロダクトに今後も注目だ。

 

【ヒットの裏付け】クラファンで注目を集め一般販売も想定以上の好発進

試験的に行ったクラファンで購入総額2200万円以上を達成。バラエティ番組「家事ヤロウ!!!」の2022年ヒット予測で本誌編集長・川内が推薦して第1位に輝き、業界で話題を呼んだ。一般販売も好調。

 

コレも話題に!

ボタンひとつで温玉も作れる失敗知らずのゆで卵調理器

アピックスインターナショナル

ゆで卵調理器 エッグマイスター AEM-420

実売価格4490円

生卵をセットして注水、スイッチを押せば一度に4個のゆで卵が完成。固ゆでや半熟、コンロでは温度調節が難しい温泉卵も簡単に作れる。昨年4月の発売から1か月間で年間目標の3倍にあたる3万台、1年間で6万5000台を売り上げた。

 

ネクストヒット!? 同社の注目家電

ソーラー充電でき多彩なシーンで活躍!

アピックスインターナショナル

SOTOMO ソーラーパワーファン APF-560

実売価格1万1880円

背面にソーラーパネルを備え、屋内外問わず使える折りたたみ式の扇風機。太陽光発電した電気は内蔵バッテリーに蓄電されるので、アウトドアでの使用や停電時にも重宝する。USB接続で外部デバイスへの給電も可能。

 

【その2】バルミューダ×スタバ

独自のチューニングを施し店舗のおいしさを自宅で再現

【コーヒーメーカー】

2021年11月発売

バルミューダ

BALMUDA The Brew STARBUCKS RESERVE LIMITED EDITION

6万4900円

「スターバックス リザーブ」ブランドとコラボした限定モデル。カッパーとダーククロームが目を引く、洗練されたデザインが特徴だ。精緻な温度制御などの技術は踏襲しつつ、スターバックスの豆に合わせた専用の抽出モードを搭載。

 

↑モードはHot/Iced、サイズは店舗と同様にShort/Tallから選択可能。ドリッパーにはブランドロゴがあしらわれ、細部まで世界観にこだわった

 

【ヒットの裏付け】予約開始時は即完売で現在は販売店舗拡大中

店頭では予約開始から半日で、販売サイトでは2日間で完売。“おうちカフェ”需要が高まるなか、自宅でスタバ体験ができる唯一のコーヒーメーカーとしてファンの熱視線を集めた。

 

【その3】セカンド冷凍庫

省スペースで設置しやすく冷蔵庫の冷凍室の容量不足を解消

【冷凍庫】

2021年7月発売

AQUA

スリムフリーザー AQF-SF10K

販売終了

横幅36cm、高さ145cmのスリムボディながら容量102Lを実現。家具の間などデッドスペースに設置できると評判に。食材の大きさや形状に合わせてバスケットと棚を使い分けられるのも魅力。シンプルなデザインがインテリアに調和する。

 

↑現在は後継機種AQF-SF11M(実売価格5万1700円)が発売中。新色シャインブラックが加わり、サイズは変えずに容量が105Lに増加した

 

↑4段の引き出し式バスケットとガラス棚は取り外し可能。ガラス棚はフラットなので、型崩れが心配な食品も傾けることなく出し入れできる

 

【ヒットの裏付け】冷凍食品の消費が増えて冷凍庫も需要増

共働き世帯の増加やコロナ禍により冷凍食品や食材のまとめ買いをする人が増えたことで、ホームフリージングの需要が急増。当初想定した2倍以上の売れ行きで生産が追い付かず、数か月に渡って品薄状態が続いた。

 

【その4】Chiiil(チール)

リビングや寝室にも馴染む重ねて使えるデザインが斬新

【冷凍庫】

2022年4月発売

日立

Chiiil R-MR7S

実売価格8万5310円

キッチン以外のスペースにも置きやすい新コンセプトの冷蔵庫。グレー系を中心に10色のバリエーションを揃え、室内のレイアウトに合わせて選びやすい。最低約2℃から最高約16℃まで2℃刻みの温度調節と、庫内の棚の位置調整が可能。

 

↑本体サイズはW559×H750×D420mm。リビングや寝室など様々な部屋に設置しやすく、2台を組み合わせて縦置き・横置きもできる

 

【ヒットの裏付け】GREEN FUNDINGで目標の7倍を達成

昨年12月から3か月間クラファンサイトで先行予約を行い、目標の7倍以上にあたる720万円超を達成。ショールーム「蔦屋家電+」の展示でも冷蔵庫に見えないデザイン性を評価する声が多く寄せられた。

 

【その5】水硬度炊き分け炊飯器

硬度が高い水道水でもふっくらおいしく炊き上げる

【炊飯器】

2022年4月発売

東芝ライフスタイル

真空圧力IHジャー炊飯器 炎匠炊き RC-10ZWT

実売価格11万5080円

真空圧力IHジャー炊飯器のフラッグシップモデル。地域で異なる水硬度に合わせて炊き方を調節する新機能「水硬度炊き分け」を搭載する。熱対流の回転方向を切り替える加熱方式を採用し、米本来の甘みを引き出す。

 

↑内釜は大きな熱対流を起こす丸底形状を採用。加えて、より効率的に対流させるために中央部分に膨らみを設けた

 

↑業界初(※)のカラータッチ液晶を採用。ベースカラーはブラック/ホワイトに切り替えられ、非使用時は表示が消えるノイズレス仕様だ
※:国内家庭用100Vジャー炊飯器において(2022年4月20日発売)

 

【ヒットの裏付け】水硬度炊き分けが好評で出荷台数は従来機の4倍以上

従来の炊飯器にはなかった、水の硬度に合わせて炊き分ける新機能に惹かれるユーザーが多数。生産・出荷台数は、従来機種(RC-10ZWP)と比べ昨対4倍以上、シェアも昨対2〜3倍以上で推移している。

 

【その6】LOCABO

炊くだけで糖質をカット! 2台目炊飯器としての需要増

【炊飯器】

2021年7月発売

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糖質カット炊飯器 LOCABO

実売価格1万4800円

糖質が米に付着しないよう炊飯する機能を搭載。炊き上がりのおいしさにもこだわり、水分量・火力・蒸気量の調整を重ねた独自製法「LOCABO炊き」を採用する。サイズはW255×H220×D220mmで、省スペースで収納できるのも魅力。

 

↑炊飯時に水に溶け出した糖質(でんぷん)が外釜に溜まる二重構造。糖質最大45%、カロリー最大44%カットを叶える

 

↑炊き込みごはんもできる玄米炊飯機能や、炊き加減調整機能を搭載。スチームモードでは内釜を使って蒸し野菜も作れる

 

【ヒットの裏付け】クラファンで大注目!家電量販店でも上位に

昨年実施されたクラファンでは、開始から2週間ほどで応援購入総額7800万円以上を達成。手軽に糖質をカットでき、置き場所もとらないので2台目の炊飯器として購入者に喜ばれている。

 

【その7】テイエール

茶こし内蔵のケトルでティータイムのひと手間を省略

【電気ケトル】

2021年10月発売

ティファール

テイエール 1.5L

実売価格1万4000円

7段階の温度コントロール機能と保温機能を備えた電気ケトル。取り外し可能な茶こしに茶葉を入れれば、そのままティーポットとして使用できる。本体は割れにくい耐熱強化ガラス製で湯量がわかりやすく、ニオイ移りも少ない。

 

↑タッチパネル式電源プレートを採用。飲み物に合わせて7段階(60/70/80/85/90/95/100℃)の温度設定が可能だ

 

↑茶こしの底を取り外せるので、残った茶殻も取り除きやすい。日々使うモノなので、手入れのラクさも購入の決め手に

 

【ヒットの裏付け】活躍シーンが幅広く4か月で年間目標達成

1年間の売り上げ目標を4か月で達成。温度設定、保温、煮出し機能により、様々な飲み物を最小限の手間で作れるのが好評だ。お茶や紅茶のほか、漢方の煮出しに活用する人も。

 

【その8】BONECO

空気の質を追求するブランドのスタイリッシュな空気清浄機

【サーキュレーター兼空気清浄機】

2022年4月発売

BONECO

BONECO F220CC Clean & Cool Fan

3万9800円

スイスの老舗家電メーカーが“空気の質”にこだわり開発。キレイになった空気を強力なファンで室内の隅々まで循環させることで、効率的に快適な空間を実現する。最大運転音約60dBの静音設計で、夜間などシーンを問わず活躍する。

 

↑00.3μmまでの粒子を捕集するESPフィルターと、除菌効果のあるUV-Cライトを搭載。マグネット式カバーはすぐに外せてフィルターの手入れも簡単だ

 

【ヒットの裏付け】確かなブランド力が日本でも受容された

世界三大デザイン賞のひとつ「レッドドット・デザイン賞」受賞機種のデザインを踏襲。衛生意識の高まりを受け、クラファンで目標の407%を達成。国内一般販売が実現した。

 

【その9】DEEBOT X1

モップへの給水から洗浄・乾燥まで全自動化

【ロボット掃除機】

2022年3月発売

エコバックス

DEEBOT X1 TURBO

15万9800円

家庭用ロボット世界シェア2位の同社が発表したフラッグシップライン。5000Paのパワフルな吸引力に加え、モップへの給水から洗浄・乾燥までを自動で行う水拭きシステムを備える。独自のAI音声アシスタント「YIKO」による音声操作も可能。

 

↑中央のメインブラシと1対のサイドブラシを装備。写真下部の「加圧回転式デュアルモップ」は180回転/分で汚れを落とす

 

↑120万画素、148.3度の超広角レンズを有する高性能HDRカメラを搭載。AIが障害物を識別し、マッピングしてくれる

 

【ヒットの裏付け】モップの自動洗浄・乾燥機能に注目

モップの洗浄から乾燥までを自動化した革新性が話題に。「TURBO」はクラファンで先行販売を実施し、5400万円超で目標達成。同シリーズで自動ゴミ収集機能を搭載した最上位モデル「OMNI」も売れ行き好調だ。

 

【その10】セパレートコードレス

ダストボックスを分離してゴミ捨ての手間を軽減

【コードレススティッククリーナー】

2021年10月発売

パナソニック

セパレート型コードレススティック掃除機 「パワーコードレス」 MC-NS10K

実売価格6万5340円

ダストボックスを本体からセパレートした、新発想のスティッククリーナー。手元重量0.45kgの軽い操作性でスムーズに床掃除できる。クリーンセンサーが目に見えない約20μmのハウスダストまで検知し、キレイになるとライトが赤→青点灯に。

 

↑「からまないブラシ」を採用。円すい形のダブルブラシが髪の毛やペットの毛を自然に除去し、手入れの際の負担を軽減

 

↑本体をクリーンドックに戻すとモーターが起動し、本体内のゴミをドック内の紙パックに自動収集。都度のゴミ捨てが不要に。ダストボックスをなくしたことで本体のスリム化にも成功

 

【ヒットの裏付け】発売から半年間で計画の185%を記録

掃除後の手入れやゴミ捨てを負担に感じる人が多いという同社の調査結果に基づいて本機を訴求。昨年10月の発売から今年4月までの集計で販売計画の185%を売り上げている。

 

【その11】NFT

圧倒的な取引量とユーザー数で世界最大のNFTマーケット

【NFTマーケットプレイス】

2017年12月開始

OpenSea

“NFT版Amazon”ともいわれる、アメリカのスタートアップ発の一大マーケットプレイス。NFTの制作から出品までは手数料がかからないので一般の利用者も始めやすく、8歳男児が自由研究で描いた絵が最高160万円相当で二次流通した事例も。ETHほか多数のブロックチェーンに対応。

 

↑ナイキは昨年末、NFTブランドのRTFKTを買収。今年4月にはメタバースで着用できるバーチャルスニーカーを発表した

 

↑現代美術家・村上隆のNFTアートも話題に。「Murakami.Flowers Seed」は6月8日現在8098ドルの値が付いている

 

Non-Fungible Tokenの頭文字をとった「NFT」は、非代替性トークンと和訳される。デジタル空間のアートや音楽などコンテンツにブロックチェーン技術を適用。唯一性が担保されたデジタル資産として、制作者・所有者を証明できる点で画期的だ。マーケットプレイスを通じて売買され、二次流通の取引では制作者に一定の手数料が支払われるのが主流。コンテンツ・権利分野のビジネスを中心に、新たな価値の創出が期待されている。

ここで紹介するOpenSeaは、昨年3月に2300万ドル、同7月に1億ドル、今年1月に3億ドルの資金調達を実施。設立からわずか4年で評価額15億ドルを突破し、現在世界最大のマーケットプレイスとして君臨している。

昨年のNFTの市場規模は、一昨年と比べて約70倍(※)に成長。所有権において現行の法整備では不十分であるなど課題も残るが、大手企業や著名人の参入、意外な作品の高騰などセンセーショナルな話題は尽きない。まだルールや活用方法が模索されている状況なので、いま興味がないという人も今後の動向に注視してほしい。
※:フランス・BNPパリバ傘下の調査会社ラトリエのレポートよると、NFT市場の2020年取引額は約2.5億ドル、2021年取引額は約176億ドル

 

【ヒットの裏付け】今年1月の取引額が過去最高の50億ドルに

NFTは昨年から急激に注目され始めた。Googleトレンドを参照すると検索数のピークとなっている今年1月には、OpenSeaでの取引額が過去最高の50億ドル/月を計上した。

 

このマーケットプレイスも注目!

クレカも使えてNFT初心者にやさしいシステム

Rakuten NFT

トレーディングカードのように、ショップから「パック」を購入するシステム。獲得したNFTは個人間で取引ができる。2月のサービス開始以来、アニメやJリーグ、歌手などのコンテンツが展開。クレカ決済や楽天ポイントも利用可能だ。

 

アーティストのファンに向けた特典を用意

Fanpla Owner

音楽アーティストのファンサイトを手掛けるFanplusが5月に開始。アーティストに特化しエンタメ領域のNFTコンテンツを展開する。NFT保有者向けの先行チケット販売や限定コミュニティの提供など、実利的な付加価値も提供予定。

 

アスリートたちのパフォーマンスがNFTで蘇る

META ALL-STARS

トップアスリートに着目した、3月オープンのプラットフォーム。第1弾ではプロ野球・新庄剛志、第2弾ではフィギュアスケート・浅田真央のコレクションをラインナップに加えた。個人間のマーケット機能は今後拡充される予定。

 

【その12】M10 HD

必要十分な内蔵メモリでエンタメ視聴も快適

【タブレット】

2022年3月発売

レノボ・ジャパン

Tab M10 HD(2nd Gen)

3万6080円(ZA6W0116JP)

薄型・軽量設計の10.1型Androidタブレット。4GB(RAM)/64GB(ROM)メモリを搭載し、快適に操作できる。1280×800ドットのワイドIPSディスプレイは視野角が広く、ファミリーでの動画視聴がしやすい。音声検索にも対応。

 

↑背面に800万画素のアウトカメラを搭載。サウンド面では、フロントスピーカーとドルビーアトモスで臨場感のある音場を実現。動画や音楽、ゲームなどのエンタメを満喫できる

 

↑厚さ約8.25mmのメタルボディに質量約420gの薄型軽量設計。スマホ用充電器などと共用しやすいUSB 2.0 Type-Cポートを備える

 

【ヒットの裏付け】実売台数ランキングでApple製品に肉薄

BCNランキング(※)「タブレット」部門ではiPadが上位を占めるなか3月、4月ともに3位と健闘。10.1型高解像度ディスプレイで動画視聴やゲームを楽しみやすいと好評だ。
※:PC・デジタル家電のマーケティング調査を行うBCNがPOSデータを基に集計した売れ筋ランキング

 

【その13】ハイブリッドチェキ

多彩な撮影エフェクトとクラシックな風合いを兼備

【インスタントカメラ】

2021年12月発売

富士フイルム

instax mini Evo

実売価格2万5800円

レバーを引くとその場でプリントされるチェキ。各10種類のレンズ/フィルムエフェクトの組み合わせで、100通りの写真表現ができる。アプリ連携でスマホの写真データを共有し、チェキプリントすることも可能。

 

↑背面に3.0インチのTFTカラー液晶モニターを搭載。画面を見ながら撮影して、選択中のエフェクトもひと目で確認できる

 

↑エフェクト選択はダイヤル式を採用。操作音までこだわったアナログな操作感で、“作品を創る”楽しさを味わえる

 

【ヒットの裏付け】デザインが好評で計画の2倍以上を販売

世界三大デザイン賞から「iFデザイン賞」「レッドドット・デザイン賞」を受賞した、高級感あるクラシックなカメラデザインが好評。2021年度は国内で計画の2倍以上を販売した。

 

【その14】EOS R3

高速連写と高画質を両立し多様なシーンに対応する

【ミラーレス一眼】

2021年11月発売

キヤノン

EOS R3

実売価格74万8000円(ボディ)

フルサイズ裏面照射積層型CMOSセンサーと、映像エンジン「DIGIC X」を新搭載。電子シャッター撮影時には、AF/AE 追従で最高30コマ/秒の高速連写と高画質を両立した。高速性能を拡充し、プロやハイアマチュアのニーズに応える。

 

↑電子シャッターが約30コマ/秒を実現。従来のミラーレス機では難しかった、スポーツなどの素早い動きが撮影可能に

 

↑ブラックアウトフリーな電子ビューファインダーを搭載。表示パネルはシームレスな応答性を誇る約576万ドット有機ELだ

 

【ヒットの裏付け】現在は緩和されたが納品半年待ちが続いた

2300台/月を生産(※)しているが、国内をはじめ世界各国から注文が殺到。発売から約6か月間は半年待ちとなっていた。「視線入力」など直感的な操作性がプロ・アマ問わず支持される。
※:発売時から最需要期にかけての平均値

 

【その15】ゲーミングネックスピーカー

臨場感抜群の音響でゲーマーも納得

【ネックスピーカー】

2021年10月発売

パナソニック

ネックスピーカーシステム SC-GN01

実売価格1万9260円

人気ゲーム「FF XIV」のサウンドチームの協力で実現した4chネックスピーカー。RPG/FPS/ボイス強調と、3モードを切り替えられる。シリコンゴム製のパッドを採用し、質量約244gと軽量で、長時間プレイでも快適。

 

↑ボイスが届きやすい「エコーキャンセルマイク」を搭載。ゲームサウンドの干渉を抑え、快適なボイスチャットを叶える

 

↑側面に配したボタンでサウンドモードの変更やミュートの操作ができる。ゲームを中断せずに切り替えられて便利

 

【ヒットの裏付け】革新的な音響設計にゲーマーからの予約殺到

4基のスピーカー設計が革新的な「FF XIV」推奨モデルとして話題に。昨年10月の発売時には予約が殺到し、年明けの配送となる人が続出した。

 

【その16】ZE3000

独自開発の音質設計で残響や低域も鮮明

【ワイヤレスイヤホン】

2021年12月発売

final

ZE3000

実売価格1万5800円

新開発ドライバーの搭載により超低歪サウンドを実現。一音一音が埋もれず明瞭に聞き分けやすく、残響音までクリーンに拾える。IPX4の生活防水や、再生/停止と通話/終話のタッチ操作など、機能面も充実。

 

↑有線イヤホン設計のノウハウを生かした特徴的な形状。耳に接触するのは3点のみで圧迫感がなく、誰でもフィットしやすい

 

↑抜群の遮音性が好評の、ソフトな着け心地に仕上げたイヤーピース「TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様」を同梱。SS/S/M/L/LLの5サイズを揃える

 

【ヒットの裏付け】発売3か月時点で年間予想の3倍を販売

独自機構を実装し、従来の完全ワイヤレスイヤホンでは難しかった、低域の調整や自然なボーカルの聴こえを実現。発売3か月で年間販売予想の300%を達成している。

 

【その17】ミライスピーカー

音量そのままで聞こえやすく高齢者の家族に好評

【テレビ用スピーカー】

2020年5月発売

サウンドファン

ミライスピーカー・ホーム

実売価格2万9700円

テレビの音量は上げずに、音の伝え方を変換することで聞こえ方を改善するスピーカー。空間全体に音が広がる設計で、部屋のどこでもくっきりと聞こえる。サイズはW86×H143×D212mmと小型でテレビ台などに設置しやすい。

↑AC給電とテレビから本体イヤホンジャックへの端子接続のみで準備OK。機械の操作が苦手な人でも使いやすい

 

↑特許取得の「曲面サウンド」技術を採用。年配者には聞こえづらい高音域も、特殊な音波で広範囲に届けられる

 

【ヒットの裏付け】在宅時間増も影響し販売2年目で昨対4倍

在宅時間の増加もあり、発売1年目の販売台数1万台強から2年目は5万台強まで伸長。家族のテレビ音量に悩まされている人からの需要が多いほか、PCに接続して使う人も。

 

【その18】チューナーレステレビ

Android TV搭載で“動画派”には必要十分

【チューナーレステレビ】

2021年12月発売

ドン・キホーテ

AndroidTV機能搭載チューナーレススマートテレビ

2万1780円(24型)、3万2780円(42型)

チューナーを非搭載とし、低価格を実現したスマートテレビ。Chromecast機能を使えば、スマホ画面をミラーリング表示して大画面で楽しめる。ノートPCのデュアルモニターとして活用することもできる。

 

↑地上波放送は見られないが、Android OSを搭載し充実のネットコンテンツを満喫できる。HDMI端子を3基備え、接続端子も十分

 

↑NetflixやYouTube、Amazon Prime Videoなどの人気サービスにはリモコンから素早くアクセス。音声操作にも対応

 

私が解説します

テクニカルライター

湯浅顕人さん

本誌AV記事などのテスターとしておなじみ。AV以外にもPCやガジェット、アウトドアなど幅広い知識を持つ。

 

チューナーレステレビの人気について湯浅さんは語る。
「ドンキのテレビは、放送を視聴するためのチューナーを外し、ネット動画視聴に特化。Android TVを搭載したスマートテレビなので、ネットに接続するだけで動画配信や動画共有サービスが楽しめます。チューナー非搭載とはいえ、42V型のフルHDテレビが3万円台前半なら、売れるのは当然。さらに、NHK受信料の支払い義務が発生しないのも大きなポイントです」(湯浅さん)

とはいえ“テレビ”である以上、放送を見たい気持ちも湧いてくる。
「リアルタイムにこだわらなければ、テレビ視聴アプリを利用して番組は見られます。しかも、TVerなどの見逃し配信なら無料です。近年、テレビ番組をリアルタイムで視聴しない人が増えていますが、そういったスタイルのほうが便利だと思う人にはぜひオススメします」(湯浅さん)

また、スマート化の波はプロジェクターにも押し寄せている。
「Android(OSやTV)搭載のプロジェクターも人気です。前出の“放送をリアルタイム視聴しない層”のなかにはテレビを常時置かなくていいと考えている人が一定数います。そういう層が、“たまには大画面で見たい”とプロジェクターを購入しているのでしょう」(湯浅さん)

 

【ヒットの裏付け】若者から支持を集め、初回生産6000台が1か月でほぼ完売

昨今では、自宅では動画配信サービスが視聴できれば十分という若年層も多い。20~40代を中心に人気で、初回生産ぶんの6000台は1か月でほぼ完売。5月までの累計で1万台以上を売り上げている。

 

コレもAndroid対応!

持ち運びやすいサイズでネット動画もゲームも投影可能

【モバイルプロジェクター】

2019年6月発売

アンカー・ジャパン

Nebula Capsule II

実売価格6万7160円

500ml缶よりコンパクトなモバイルプロジェクター。Android TV 9.0を搭載し、HD解像度で最大100インチの映像を投影できる。単体でスマホと連携が行えるほか、HDMIケーブルでレコーダーやゲーム機と接続可能。

 

↑独自のオートフォーカス機能を採用。様々な場所へ持ち運んで使用しても、面倒な調整不要ですぐに高精細な映像を楽しめる

 

正当に進化した最新型はファミリーに最適

【ホームプロジェクター】

2022年6月発売

popIn

popIn Aladdin 2 Plus

実売価格10万9800円

シーリングライトとスピーカーが一体の3in1プロジェクターの最新モデル。ワイヤレスHDMIアダプター(別売)によって、手持ちのゲーム機や映像機器、PCの画面も投影できるのが特徴。より好みに合ったコンテンツを大画面で楽しめる。

 

↑Android 9.0を搭載し、さらに同社オリジナルの動画配信サービスやアプリも提供。子どもから大人まで、豊富なコンテンツを楽しめる

多彩な撮影エフェクトを搭載! クラシックな風合いも美しい「ハイブリッドチェキ」

早いもので、2022年ももう下半期!! そこで、上半期に売れたモノ・話題になったコトを総ざらい! 今回は「デジタル・AV」カテゴリの“売れたモノSELECTION”から、インスタントカメラ「instax mini Evo」を紹介。

※こちらは「GetNavi」2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ハイブリッドチェキ

多彩な撮影エフェクトとクラシックな風合いを兼備

【インスタントカメラ】

2021年12月発売

富士フイルム

instax mini Evo

実売価格2万5800円

レバーを引くとその場でプリントされるチェキ。各10種類のレンズ/フィルムエフェクトの組み合わせで、100通りの写真表現ができる。アプリ連携でスマホの写真データを共有し、チェキプリントすることも可能。

 

↑背面に3.0インチのTFTカラー液晶モニターを搭載。画面を見ながら撮影して、選択中のエフェクトもひと目で確認できる

 

↑エフェクト選択はダイヤル式を採用。操作音までこだわったアナログな操作感で、“作品を創る”楽しさを味わえる

 

【ヒットの裏付け】デザインが好評で計画の2倍以上を販売

世界三大デザイン賞から「iFデザイン賞」「レッドドット・デザイン賞」を受賞した、高級感あるクラシックなカメラデザインが好評。2021年度は国内で計画の2倍以上を販売した。

 

新開発イメージセンサー&高速画像処理エンジン搭載! 富士フイルム「Xシリーズ」フラッグシップミラーレス「X-H2S」

富士フイルムは、「Xシリーズ」の最新モデルとして、ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-H2S」を7月14日に発売します。価格はオープン。

 

同製品は、現行機搭載「X-Trans CMOS 4」と比較し、約4倍の信号読み出し速度の裏面照射積層型約2616万画素「X-Trans CMOS 5 HS」センサー(APS-Cサイズ)と、現行機搭載「X-Processor 4」と比較し約2倍の処理速度の高速画像処理エンジン「X-Processor 5」など、新開発のデバイスを採用したフラッグシップモデル。

↑「X-Trans CMOS 5 HS」センサー

 

最速40コマ/秒のブラックアウトフリー高速連写やAIによる被写体検出などが可能な高性能AFを搭載。6.2K/30Pや4K/120Pの動画撮影に対応し、高精細な映像も記録できます。ProRes 422 HQ・ProRes 422・ProRes 422 LTの、3つのApple ProResコーデックに新たに対応。高剛性ボディに5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正機構や、CFexpress Type Bカード対応のデュアルスロットを含む豊富なインターフェースを採用しています。

↑高速画像処理エンジン「X-Processor 5」

豊かな階調表現や立体的なボケ撮影が可能、富士フイルムから最新ミラーレス「FUJIFILM GFX50S II」登場

↑FUJIFILM GFX50S II

 

富士フイルムは、35mm判の約1.7倍となるイメージセンサーを採用したミラーレスカメラ「FUJIFILM GFX50S II」を発表。9月29日から発売します。

 

「GFX」シリーズは、35mm判の面積を上回るセンサー搭載の、ミラーレスデジタルカメラ市場を切り拓いてきたとうたうモデル。プロの写真家やハイアマチュアを中心に、画質や機動力で高い評価を得ているとしています。

 

FUJIFILM GFX50S IIは、約5140万画素のイメージセンサーを搭載。35mm判のイメージセンサー搭載カメラに比べて、1画素あたりの受光面積が大きいため、広いダイナミックレンジと高いS/N比を実現し、豊かな階調表現や、ノイズの少ないクリアな写真撮影が可能です。

 

また、浅い被写界深度により、背景を美しくぼかして被写体を際立たせる立体的な表現も可能とのこと。

 

さらに、5軸で最大6.5段の手ブレ補正も採用。三脚を使用できない場所や光量が少ない場所での手持ち撮影をサポートします。これに加えて、高速な画像処理エンジン「X-Processor 4」と最新のアルゴリズムによる高性能なAFも実現。手ブレ補正と合わせて、被写体を素早く正確にとらえることができるといいます。

 

本体サイズは約幅150.0×高さ104.2×奥行き87.2mmで、重さは約900gです。

 

なお、レンズキットは「フジノンレンズ GF35-70mmF4.5-5.6 WR」が付属。市場想定価格は本体が50万円(税込)前後で、レンズキットは55万円(税込)前後です。

 

高速かつ高精度なAFを実現した小型ミラーレス「FUJIFILM X-T30 II」

また、ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T30 II」も発表。こちらは11月から発売します。

 

↑FUJIFILM X-T30 II

 

FUJIFILM X-T30 IIは、「Xシリーズ」のフラッグシップモデル「FUJIFILM X-T4」と同等の高画質や、高速かつ高精度なAFを実現するモデル。約2610万画素の「X-Trans CMOS 4」センサーと高速画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載し、最短約0.02秒の高速なAFを実現しています。

 

また、像面位相差画素を全面に配置しており、画面中央から離れた位置にある被写体でも素早く正確に捉えられるとのこと。

 

これに加えて、最新のアルゴリズムを採用しているため、動体追従AFの性能も高くなっており、カメラに向かってくる被写体はもちろん、カメラから離れていく被写体も捉え続けられるそうです。

 

このほか、4K/30Pの動画撮影機能や、3型のチルト式タッチパネル液晶モニターなどを採用しています。

 

本体サイズは約幅118.4×高さ82.8×奥行き46.8mmで、重さは約378gです。

 

市場想定価格は本体のみで11万円(税込)前後、「FUJIFILM X-T30 II XC15-45mmレンズキット」が付くレンズキットが12万円(税込)前後です。

クラシックデザインがむしろ新しい! “チェキ”新モデル「instax mini 40」が登場

富士フイルムは、インスタントカメラ「instax(インスタックス)」シリーズの新たなラインナップとして、カードサイズのミニフィルムに対応した「instax mini 40」(以下mini 40)を、4月21日に発売します。

 

同製品は、撮ったその場ですぐにプリントして楽しめるinstaxシリーズの新しいエントリーモデル。トレンドに左右されず、多様なファッションや撮影シーンなど、どんなスタイルにも合わせやすいクラシックなカメラデザインが特徴です。

 

シンプルながらも存在感のあるクラシックデザインを追求。カメラ表面は、手になじむ上質な質感に加え、ブラックを基調としたボディカラーと、シルバーフレームをデザインのアクセントとしており、洗練されたボディデザインに仕上がっています。

 

2020年5月に発売された「instax mini 11」で好評だった「オート露光機能」も搭載され、シャッターボタンを押すだけで、撮影シーンに合わせて最適なシャッタースピードやフラッシュ光量を自動調整し、晴天の屋外など明るい場所から屋内の暗い場所まで、さまざまなシーンできれいな写真が撮影できます。電源を入れた後、レンズ先端部を一段引き出すだけで「セルフィ―モード」に切り替わり、セルフィー撮影や接写も可能です。

 

また、ブラックフレームに入ったオレンジ色の文字がアクセントになり、クラシックな雰囲気を高めるミニフィルム「CONTACT SHEET(コンタクトシート)」も、同日に発売。同製品は写真フィルムで撮影した画像を確認するため、撮影画像を印画紙にプリントした「コンタクトシート」をモチーフにデザインしたミニフィルムです。

 

そのほか、ステッチをあしらったブラックカラーのショルダーストラップ付きカメラケースも同時発売。mini 40の質感やシルバーフレームと、一体感を持たせることにこだわったデザインとなっています。

プロ写真家が教える“標準ズーム”で実践できる「とっておきの桜の撮り方」

桜満開の季節がやってきました。今年のお花見は密を避け座り込まず、歩きながら桜を撮って自宅の大画面TVで撮影した桜を愛でながら家族団らん、または1人酒を楽しんでみてはいかがでしょう。

 

今回は写真家の小平尚典氏に、標準ズームレンズでカッコよく桜を撮る方法を教えて頂きます。桜を撮る記事では、大口径レンズのボケを生かすのがありがちな方法ですが、なるべくカメラキットの標準ズームでも撮れる方法を選びました。

 

五角形を意識した構図を考える

「桜の花を撮るポイントは、花の形が五角形であることを意識すること。五角形の中にある五芒星は、平安時代から陰陽道で魔除けの護符として知られていました。日本人に親しみやすい形ですね。この形が集まって桜を作っています」と小平さん。そんなに近寄らないので意識していなかったが、言われてみれば桜の花は五角形、1970年の大阪万博のシンボルマークも五角形で桜でした。

↑桜の花が五角形であることを意識して構図を考えるといいそうです

 

↑花の形とその集合も五角形を意識した構図で撮ってみました
FUJIFILM X-E3 XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ 1/180sec F5.0 +0.67で撮影

 

露出はMが基本になる

「カメラのセッティングですが、露出モードはM(マニュアル)がオススメです。ミラーレスは液晶ファインダーを見ながら桜の明るさを確認できるので、自分で絞りを調整しましょう。空や背景でなく花の明るさを基準すればイメージ通りの画像になります」(小平さん)

 

小平さんのようなプロカメラマンは普段からマニュアルモードを使われていますが、自分の判断に自信を持てない場合はどうすればいいのでしょうか。

 

「その場合はオートブラケティング機能を使いましょう。自分が設定した絞り値より、アンダーとオーバーのコマを自動的に撮影してくれる機能です。設定の仕方は機種によって異なるので説明書を参照してください」(小平さん)

 

X-E3の場合は撮影設定のAEブラケティング設定から、コマ数とステップ数、補正の順番を指定できます。小平さんの設定は3コマ、1/3ステップで撮影順番はゼロ、+、−の順でした。撮影時はドライブモードでAEブラケティングを選択します。これでシャッターを1度押せば、指定された枚数で露出の異なるカットが連写されます。

↑X-E3のオートブラケティング設定画面、左がコマ数で右が明るさの段階を示します

 

↑オートブラケティング撮影では、まず設定した露出で1枚目が撮れます
FUJIFILM X-H1 XF100-400mmF4.5-5.6 1/500sec F5.0 ISO200で撮影

 

↑ 2枚目に1/3明るめの画像が記録されます
FUJIFILM X-H1 XF100-400mmF4.5-5.6 1/400sec F5.0 ISO200で撮影

 

↑ 3枚目は1/3暗めの画像が記録されます
FUJIFILM X-H1 XF100-400mmF4.5-5.6 1/640sec F5.0 ISO200で撮影

 

逆光で撮ろう

これで明るさに関しての問題は解決しましたね。次に気になるのはどの方向から桜を撮るかです。小平さんのオススメは逆光だそう。

 

「逆光で撮影するとまず嫌な影が出来ません。そして太陽光線がムラなく花に当たり、透過光の効果で花びらが明るく透けて見えます」(小平さん)

 

記念写真では、背景が明るく、人物が暗くなるため逆光を避けます。しかし、今回の撮影はマニュアルモードが前提で、明るさは自由に調整できるため問題ありません。逆光と言っても直接太陽が画面に入るとゴーストやフレアーが出やすいので、最初は太陽を画面に入れない構図から試してみるとよいでしょう。

↑左がピンク色の桜で、右が白い桜、太陽光が花びらの裏側から当たっています
FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/900sec F5.6 +0.33 ISO200で撮影

 

↑上級編で太陽を画面に入れました。絞り込んで光芒をクッキリさせました
FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/80sec F22 +0.67 ISO200で撮影

 

曇りの日は背景を黒くする

青空が背景なら白い桜が鮮やかなコントラストで映えますが、曇り空だと白と白が被ってしまいますね。このようなときはどう撮ればいいのでしょうか。

 

「曇り空や背景のヌケが悪いときは、桜の白が引き立つように黒い背景を探します。露出を切りつめてアンダー気味にしてもいいですね。それが無理な時は枝を入れるだけでも黒が入って画面が引き締まります」(小平さん)

 

↑桜の背景に松の木を持ってきて空を隠して黒くしています
FUJIFILM X-E3 XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ 1/320sec F5.6 +0.33 ISO200で撮影

 

↑露出を切りつめると桜の花だけが浮き上がってきました
FUJIFILM X-H1 XF16-55mmF2.8 R LM 1/500sec F5.0 ISO200

 

↑背景は白っぽい空ですが、右側に桜の枝を入れることで白と黒を対比させています
FUJIFILM X-H1 XF100-400mmF4.5-5.6 1/500sec F4.7 ISO200で撮影

 

空を青くするベストの方法は?

最後に桜の背景に欠かせない、空を青くする方法について検証してみました。1番カンタンなのはカメラのピクチャーモードをビビッドなどの鮮やか系にすることです。空だけでなく桜の花の色も鮮やかになります。カメラが自動的に補正してくれるので、何もしなくていい反面、補正が効きすぎてわざとらしい発色になる恐れもあります。

 

露出をややアンダーにすると青空の色に深みが出ますが、やりすぎると肝心の桜の色が冴えなくなります。最後にPL(偏光)フィルターを使う方法があります。これは太陽光線の不要な反射をカットするフィルターで、青空の色を濃くする効果も期待できます。

 

フィルター枠を回転させて、液晶ファインダーで効果を確認しつつ最大に効いた所で撮影してみましょう。夏に使うと効果抜群なのですが、今回は春だったせいか思ったほど効果はありませんでした。今回の比較撮影では、桜の色に影響を与えない、ピクチャーモードの変更、またはPLフィルターの使用が効果的でした。

↑左からノーマル、1/3絞りアンダー、ビビッドモード、PLフィルター使用

 

↑PLフィルターで水面の反射を抑えました、こちらは効果抜群ですね

 

手軽な標準ズームレンズでも、光の向きや構図などにこだわれば美しい桜を撮ることができます。この週末は、密にならないように桜の撮り歩きなどしてみてはいかがでしょうか。

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

「CP+2021」総括レポート前編:初のオンライン開催で見えたカメラメーカーの「ある変化」

2020年2月25日から28日にかけて、日本最大の一般向けカメラ、映像機器の見本市である「CP+2021」が、コロナ禍の影響から初のオンラインで開催されました。昨年は同様の理由から中止となってしまったイベントだけに開催を喜ぶファンの声や期待が大きかった一方で、オンラインではカメラやレンズの実機に触れることができないなど、大きな制約がある中での開催となり、出展者であるメーカーがどのような工夫をしてくるかといったことにも注目が集まっていたイベントです。

 

本稿では、4日間に渡ったオンラインイベントの様子や主要出展各社の特徴、主だった新製品、全体としてのトレンドなどについて前後編の2回に分けてリポート。前編となる今回は、CP+公式サイトと主要カメラメーカーについてです。

 

CP+公式サイトはカメラメーカー特設ページのポータル的役割に

まず、CP+2021の公式サイトでは、主催者(一般社団法人カメラ映像機器工業会・CIPA)イベントとして、会期初日に「キーノートスピーチ」「CIPAデジタルマーケット・セミナー」「上級エンジニアによるパネルディスカッション」の3つを実施。フォトアワード「ZOOMS JAPAN 2021」の受賞作品発表なども行われました。

 

主催者イベントについては、主に現在のカメラ市況の分析やトレンドについて解説するもので、業界関係者やプレス向けの色合いが濃いイベントです。とはいえ、今回はオンラインとなったことで一般の方の視聴も行いやすくなったので、来年も視聴したいと思った人もいたのではないでしょうか? また、今回のイベントでは、CP+公式サイト以外は参加メーカーのサイト上に特設ページを設ける形で行われたため、CP+公式サイトは、そのポータルとして機能していました。各社へのリンクは、参加者の目的ごとの絞り込みができるほか、SNSの情報なども確認できるようになっていて、ポータルとしての使い勝手は、初のオンラインイベントとしては悪くなかったと思います。

↑CP+2021公式サイトのトップページ。公式チャネルでは、主催者イベントのほか、出展各社の注目コンテンツをリンクしていた。また、出展社のセミナーの検索も可能

 

それでは、今回参加したカメラメーカーについて、それぞれ見て行きましょう。

 

【カメラメーカー1】OMデジタルソリューションズ(オリンパス)

オリンパスの映像事業部門が独立する形で2021年1月に誕生した新会社で、OM-Dシリーズをはじめとした、マイクロフォーサーズのミラーレスカメラなどを展開。CP+2021では、目立った新製品の発表などはなかったものの、同社のYouTubeチャンネル「OLYMPUS LIVE」を活用して、新会社の決意などを表明しました。カメラ機材や交換レンズを活用している写真家のトークや、撮影テクニックを解説するセミナーなども多数配信。既存の「OLYMPUS LIVE」のコンテンツも充実しているため、同社製品のユーザーだけでなく、これからカメラを購入しよういうユーザーにも役立つものになっていました。

 

↑配信では、写真家の山岸 伸さんと海野和男さんのプレミアムトークのほか、吉住志穂さん、佐藤岳彦さんのトークなどを実施。画面は、吉住志穂さんによる「OM-Dで撮る花写真」

 

【カメラメーカー2】キヤノン

TOKYO FMとタイアップした番組形式の映像配信、「CP+2021 ONLINE Canon Imaging Channel」を実施。ラジオ・パーソナリティーによるトークを交えつつ、写真家やタレントのトーク、製品の活用テクニックなどを配信。同社のフルサイズ・ミラーレスカメラ、EOS Rシリーズや新コンセプトカメラであるiNSPiC REC、PowerShot ZOOMなどのコンセプトやデザインワークについてのトーク、開発者による解説なども行われました。イベントに合わせた製品発表などはなかったようですが、フルサイズミラーレスのEOS R5、R6、交換レンズのRF50mm F1.8 STMなど、比較的最近発表・発売された製品の展示が多く、ユーザーの注目度も高かったのではないかと思います。ライブ配信ではリアルタイムのアンケートなども実施し、インタラクティブ性が高く参加者も十分楽しめたのではないでしょうか。

↑ライブ配信中心のコンテンツで、各プログラムの合間には、TOKYO FMのパーソナリティーらがトークを行うという本格的な番組構成。一日中見ていても飽きない工夫がされていた

 

↑プログラムは、「Catch the Technique」「Catch the Future」「Catch the Fun」「Catch the Community」の4つのカテゴリーに分けられ、さまざまなトークやセミナーが展開された。画像は、ハービー・山口さんによるトーク「モノクローム写真の魅力」より

 

【カメラメーカー3】ソニー

α7/9シリーズや各種交換レンズについてのコンテンツもありましたが、やはり2021年1月に発表されたフルサイズミラーレスカメラ「α1」、同年2月に発表されたフルサイズセンサー採用の映像制作用カメラである「FX3」、2つの注目機種に関連したコンテンツが多かった印象。この2製品を軸に写真家や映像作家による、機材紹介や使いこなしについてのセミナーやトークが数多く実施されました。今回は特に映像関連のコンテンツが多くなっている印象で、FX3などの専用機はもちろん、α7シリーズなどの動画撮影機能も含め、同社のカメラとレンズが動画撮影にも適している点や、そのための機能が理解できる内容になっていました。

↑オンライン上に同社のブースを再現することで、新製品などを体感できるように工夫されていた

 

↑セミナーやワークショップは、AとBの2ステージ構成。およそ40名のさまざまなジャンルの講師が登場し、イベントを盛り上げた。画像は山下大祐さんによる「瞬間と一時と、マルチに魅せる鉄道表現」より

 

↑ソニーの新製品「α1」。有効約5010万画素メモリー内蔵フルサイズ積層型CMOSセンサーを搭載し、約30コマ/秒の高速連写や8K 30pの動画撮影に対応するなど、現時点での“究極”とも言えるスペックのミラーレスカメラ。予想実売価格で88万円(ボディ)という超高価なモデルながら、プロだけでなく多くのハイアマチュアの注目を集めている。2021年3月19日発売予定

 

↑Cinema Line プロフェッショナルカムコーダー FX3。αシリーズミラーレスカメラと同じEマウント採用のプロ仕様ビデオカメラで、4K動画撮影対応で映像制作の現場に最適化した、豊富な機能を装備する。予想実売価格/50万4900円(ボディ)、2021年3月12日発売予定

 

【カメラメーカー4】ニコン

2020年後半に発売されたフルサイズミラーレスカメラ、NIKON Z 7II、Z IIとNIKKOR Zレンズの機能や特徴を中心に、写真家や映像作家などによるセミナーやトークを展開。Zシリーズの使い勝手の良さやレンズの写りの良さが伝わってくるコンテンツが豊富に用意されていました。今回は、写真だけでなく、映像制作の現場でZシリーズのカメラやレンズが適していることにも重点が置かれ、写真用にZシリーズを購入したユーザーにも、気軽に質の高い動画撮影を楽しんでもらおうといった方向性のコンテンツも用意。写真と動画の両方が高いレベルで楽しめるカメラとしてのZシリーズの魅力が伝わる内容になっていました。

↑オンラインステージはライブと事前収録のコンテンツを組み合わせて、4日間行われた

 

↑オンラインステージには19名の写真家や映像作家などが登場し、ニコンのカメラやレンズの魅力、現場での使いこなしなどについて解説した。画像は、動物写真家の半田菜摘さんの「Z シリーズで出会う北海道の野生動物」より

 

【カメラメーカー5】パナソニック

動画・映像制作Tipsサイト「Vook」とコラボし、ライブ配信プログラム「Creators Live! with LUMIX」を実施。2月26日は写真、27・28日は映像制作に主要テーマを分け、写真家や映像作家によるセミナーなどを配信しました。製品の紹介はもちろんですが、LUMIXを用いた写真や映像の作品制作の基本や、プロでも役立つ表現テクニックやTipsなども紹介。配信によるコンテンツは、ほとんどの内容がリアルタイム配信で、ためになる内容だけでなく適度に笑いありハプニングありの関西風味も加わって、長時間のコンテンツでも飽きずに見ていられる内容でした。

↑「Creators Live! with LUMIX」と題した、ライブ配信を実施。配信そのものは2月26日からの3日間だったが、内容が濃く、見応えのあるコンテンツが多かった

 

↑2月26日「写真を、究めよう。」、27日「動画を、はじめよう。」、28日「動画を、究めよう。」とテーマが設けられて配信された。3日中2日が動画関連となっていて、同社の動画への力の入れようが伝わる。画像は写真家・相原正明さんによるセッションより

 

【カメラメーカー6】富士フイルム

会期中のライブ配信によるコンテンツは用意されていなかったものの、発売になったばかりの新製品、FUJIFILM GFX100SをはじめとしたラージフォーマットカメラのGFXシリーズ、APS-CサイズカメラのXシリーズ、人気のインスタントカメラ“チェキ”など、製品タイプごとの動画コンテンツが用意され、特に同社の製品に興味のあるユーザーには、大変参考になる内容になっていました。また、同社の伝統ともいえるプリントサービスについても紹介され、プリントのお試しサービスも展開(2021年3月31日まで実施)。撮影からプリントまでを完結できる同社の総合力を実感できる内容になっていました。

↑FUJIFILM GFX100S、X-E4の2機種の新製品や人気のX-T4といったカメラだけでなく、プリントサービスについてのコンテンツも用意され、同社ならではの写真の楽しみ方が提案されていた

 

↑写真家によるトークなどのほか、上の画像のような開発者による対談なども実施。開発中のエピソードなども交えて、同社製カメラの使いやすさや魅力を伝えていた。画像は「X-E4 開発者トーク」より

 

↑FUJIFILM GFX100S。43.8×32.9mmの大型センサー採用で有効約1億200万画素の超高画素機ながら、約900gの軽量ボディを実現。5軸式で最大6段分の効果を持つ手ブレ補正を搭載し、超高画素で手持ち撮影が楽しめる。実売価格/76万8900円(ボディ)、2021年2月25日発売

 

↑FUJIFILM X-E4。携帯性に優れたスクエアなボディに、APS-Cサイズの有効約2610万画素センサーを搭載。ノイズが少なく高感度でも高画質に撮れるほか、4K動画撮影時も低ノイズだ。180度まで跳ね上げ可能なチルト式背面モニター採用で自撮りにも最適。画像のシルバーボディのほか、ブラックボディも用意。実売価格/10万8900円(ボディ)、2021年2月25日発売

 

【カメラメーカー7】リコー

動画配信としては、近日中の正式発表や発売が見込まれているAPS-Cサイズフラッグシップ一眼レフ「PENTAX K-3 MarkIII」や、シリーズ30周年を迎えた高級コンデジのGR、360度全天球カメラのTHETAに関連したコンテンツや写真家のセミナーが中心。このほか、ライブ配信を駆使して、PENTAX K-3 MarkIIIのオンライン・タッチ&トライ(予約制)が行われていたのは特徴的でした。また、新製品として2月25日発表の「HD PENTAX-FA31mm F1.8Limited」など3本のレンズや「J limited」と称されたPENTAX K-1markIIのカスタムモデル、開発発表が行われた「HD PENTAX-DA★16-50mm F2.8ED PLM AW」(仮称)についても紹介されていました。

↑PENTAXのKシリーズ一眼レフ、リコーGRシリーズ、THETAシリーズの3つが同社の主力機種だが、やはり今回は、貴重な一眼レフの新製品、PENTAX K-3 MarkIIIの注目度が高かったようだ

 

↑4日間に渡り、ライブ配信を含めた数多くのコンテンツを配信。特に2本のCP+公式チャネル枠は、写真家・森山大道さんが登場したり、『一眼レフに未来はあるか?』と称した挑発的な対談企画が行われたりして、同社ユーザー以外の注目も集めていた。画像は佐々木啓太さんによるセミナー「HD FA Limited 新しい3姉妹と語る写心」より

 

↑PENTAX K-3 MarkIII。同社のAPS-Cサイズ機のフラッグシップとして開発が進められているモデル。発売日や価格などは未定だが、基本性能が高いことはもちろん、操作性やファインダーの見え味などにもこだわった注目の一眼レフだ

 

 

↑左から「HD PENTAX- FA43mmF1.9 Limited」「HD PENTAX-FA31mmF1.8 Limited」「HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited」。アルミ削り出しの外観やシャープな写りと美しく柔らかいボケ味を両立した写りなどが特徴の高品質な交換レンズ。カラーは画像のシルバーのほか、ブラックも用意。4mm F1.9が8万7000円、77mm F1.8が12万円、31mm F1.8が15万6000円(各メーカー希望小売価格・税別)、2021年4月下旬発売予定

 

各カメラメーカーのオンライン発表を見て…

今回のカメラメーカーの出展内容は、写真撮影だけでなく、動画撮影に力を入れたものが多かったのが特徴的でした。これは、質の高い動画撮影が可能なフルサイズミラーレスカメラが普及し始めたこと、プロを含む映像作家がフルサイズミラーレスカメラを積極的に使い始めたことなどがあると思います。特にパナソニックは、イベントを行った3日中、2日を動画向けのコンテンツとしていたのは特徴的で、内容的にも動画撮影の初心者からプロの作家まで満足のできるものになっていて、勝負をかけてきたな……という印象。今回の出展社では、リコーだけが現行のミラーレスカメラを持っていない状況ですが、同社は一眼レフの新製品を出すことで、一眼レフや同社のファンの心を掴む方向で勝負をしていて、そちらも魅力的に感じられる内容でした。

 

後編ではカメラメーカーより、さらに配信でのアプローチが気になるレンズメーカーの出展状況からトレンドを見ていきたいと思います。

 

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新たな「X」は小さな実力派! 強力手ブレ補正搭載を搭載した「FUJIFILM X-S10」登場

富士フイルムは10月15日、ミラーレスカメラ「Xシリーズ」の新モデルとして、小型軽量ボディに本格的な撮影機能を搭載した「FUJIFILM X-S10」(以下、X-S10)を発表。発売は11月19日で、直販サイトでの価格(税込)はボディ単体が13万2000円、XC15-45mm F3.5-5.6レンズキットが14万3000円、XF18-55mm F2.8-4レンズキットが18万7000円、ダブルズームレンズキット(XC15-45mm F3.5-5.6+XC50-230mm F4.5-6.7)が16万5000円となっています。

↑FUJIFILM X-S10。カラーはブラックのみ

 

コンパクトボディに強力な手ブレ補正機能を搭載

X-S10は465g(バッテリー、メモリーカードを含む)の小型軽量ボディに、最大6.0段分の効果が得られる新開発のボディ内5軸手ブレ補正機能を備えるミラーレスデジタルカメラ。加えて、Xシリーズのフラッグシップモデル「FUJIFILM X-T4」で採用されている、裏面照射型2610万画素「X-Trans CMOS 4」センサーと高速画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載し、最短約0.02秒の高速・高精度AFが可能となっています。

 

また、ホールド性に優れた大型グリップやバリアングル式の液晶モニター、C1~C4のカスタムポジションを備えたモードダイアルなど、小型ボディながら操作性も良好。4K/30p動画記録やフルHD/240Pのハイスピード動画撮影に対応するなど、高い動画撮影性能も備えています。

 

センサー&画像処理エンジンがフラッグシップ機と同等ということで、描写性能は折り紙付き。そのうえで小型軽量ボディを実現したX-S10は取り回しもよく、さまざまなシーンで手軽かつ快適な撮影が楽しめるでしょう。

プロ写真家の撮り方に学ぶ! 身近な風景を「超広角レンズ」で切り取ってみよう

筆者が愛用するスナップ向きのカメラボディFUJIFILM「X-E3」にベストマッチな交換レンズを探す本企画ですが、今回は35mm換算で超広角15mmから広角36mmまでを1本カバーする「XF10-24mmF4 R OIS」をセレクト。レンズ側に手ブレ補正機能を搭載するため、ボディ側に手ブレ補正機能を持たない「X-E3」との相性も抜群です。

↑「XF10-24mmF4 R OIS」は重量410gと軽く、φ72mmのフィルターも使えます。右はFUJIFILM「X-A2」にフォクトレンダー「SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5」を装着したものです。ホットシューには水準器が取り付けられています

 

スナップショットの基本を見つめ直すために、FUJIFILM「X-H1」のオフィシャルCM動画撮影に参加した小平尚典さんに同行してもらいました。小平さんは1980年より写真週刊誌「FOCUS」の専属カメラマンとして活躍、御巣鷹山の日航機墜落事故、ホテルニュージャパンの火災などの報道写真から、若き日のスティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツなどの人物写真まで幅広く撮影、現在はメディアプロデューサーとして活躍中。2020年には富士山ドローンサロンを開設するなど常に新しいことに挑戦し続けています。

↑現在はメディアプロデューサーとして活躍されている小平尚典さん

 

仕事でも広角は10-24mmがあれば大丈夫

小平さんが仕事で使っているFUJIFILMのカメラボディは「X-H1」と「X-T2」で、交換レンズは標準ズームの「XF16-55mmF2.8 R LM WR」と広角ズームの「XF10-24mmF4 R OIS」、そして望遠ズームの「XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」の3本で、これに単焦点のマクロレンズ「XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro」を加えているそうです。

 

「80mmはポートレートにも使える柔らかい描写の傑作レンズですよ。あ、今日は広角ズームの話でしたね。10-24mmは歪みが少ないので建築写真にも使えます。単焦点レンズを複数持ち歩く必要がないので仕事にも散歩にも欠かせませんね」と小平さんも太鼓判を押します。

 

私はさらに超広角が使える「XF8-16mmF2.8 R LM WR」とどちらがいいか悩みましたが、重さが805gもあり、手ブレ補正非搭載だったので、スナップにはちょっとヘビーかと思い、10-24mmを選びました。ということで、今回は2人とも自前の超広角ズーム10-24mmで撮影します。

 

「この10-24mmレンズは、まず超広角15mm(35mm換算、以下も同じく)でのぞいてみて、20mmぐらいに戻しながら、ファインダーの四隅を見ながら調整していきます。それ以外は24mmにしてますね。ズーミングをして動かない棒立ち状態だと迫力ある写真は撮れないので、自分自身が動いて被写体を撮影しています。自らが動くフットワークが大切。広角ワイドはどうしても歪みが出ますが、それを気にするより、やはり広角はグッと被写体に寄るタイミングがコツだと思います」と小平さん。

↑「X-A2」は背面のチルト式液晶モニターを使って素早くローアングル撮影ができるという

 

瞬間を切り撮るために風景も連写する

小平さんも私もフィルムカメラ時代からのカメラユーザーであり、モノクロフィルムの現像から引き伸ばしまで、暗室にこもって自分でやっていた世代です。当時のフィルムは36枚撮りが最長で、実際は38枚ぐらい撮れましたが、それが終わるとフィルム交換が必要でした。撮影機材+フィルムを持ち歩く必要があり、海外ロケではフィルム管理が重要でした。

 

当時、フィルムは貴重であり、無駄なシャッターを極力切らないように気を配っていました。まあ、スタジオ撮影の場合は話が別で、冷蔵庫にフィルムがたっぷり入っていてじゃんじゃんシャッターを切っていましたが。その当時から一転して、デジタル時代は電池がなくなるまでシャッター切り放題で、何千枚も撮影可能です。これは夢のような話なので、私は、つい無駄に撮影枚数が増えてしまいます。小平さんは連写モードを常用されているようで、1つの被写体に対してのカット数が多いそう。

 

「最もいい瞬間がいつ訪れるのかを予想してシャッターを切りますが、その前後にもっといい瞬間があるかもしれません。ほんの数秒の違いかも知れませんが。風景写真でも光線の加減、風向きの違い、ほんのわずかな動きを捉えるため連写します」(小平さん)

 

そして、小平さんのモードダイヤルは常にMモードつまりマニュアルです。

 

「撮影モードはマニュアルです。ミラーレスほど、マニュアルで撮影すると楽しいものはないです。スナップであれば、シャッター固定で、例としてISO200で1/500sec、F5.6あたりから、ファインダーを見ながら、その絵柄の状況に合わせながら絞りリングを動かします。自分の気に入った露出で撮影できることは最高に楽しいです。もちろん開放で撮影したい場合はシャッタースピードを変えていきますが、フジのXシリーズは非常に操作がしやすくストレスはないですね。ぜひ、マニュアルでの撮影に挑戦してください。画質を重視するのでISO感度も200に固定、オートにはしません」と小平氏が、自身の撮影スタイルを語ってくれました。

↑「X-E3」に装着した10-24mmはボディが小柄なので大口径ズームに見えます

 

繊維の街・日暮里から谷中銀座、根津神社まで歩く

小平さんと待ち合わせたのは繊維の街として有名なJR日暮里駅。繊維街をブラブラ歩いて駅まで戻り、谷中銀座から根津神社へと抜けるルートを歩きました。スナップなので特に被写体は決めていません。小平さんは「X-A2」と「X-H1」の両方のカメラを使って撮影しています。「X-A2」を使った撮影ではレンズの焦点距離は22.5mm(35mm換算)になります。私は10-24mmの広角ズームのみで撮影、絞り優先AEでISO感度はAUTOにしました。それでは作例をご覧下さい。

 

【作例】

↑繊維街に入りカラフルな紐が軒先に並べられた店頭を切りとりました
(FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/1700sec F13 ISO12800 20mm相当で撮影)

 

↑同じ店頭を小平さんが撮影。歩道と人物を入れることで奥行き感が出ると同時に、軒先という状況もハッキリ分かるようになりました
(FUJIFILM X-A2 SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 1/60sec F8 ISO200で撮影)

 

↑歩道にあったオブジェ。場所を説明するため交差点の日暮里駅前と書かれた信号を入れました。
(FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/420sec F5.6 ISO200 36mm相当で撮影)

 

↑同じ被写体をX-A2で撮影する小平氏。広角レンズなのでかなり被写体に接近しています

 

↑小平さんは正面から連写してバイクのドライバーのポーズと位置がいいカットをセレクトしました。オブジェは動きませんが、背景が変化するため連写モードを使っています
(FUJIFILM X-A2 SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 1/60sec F8 ISO200で撮影)

 

↑老舗の佃煮専門店、中野屋を撮影。歩いてきた女性を入れることで動きを出しました
(FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/340sec F8 ISO200 30mm相当で撮影)

 

↑小平さんは15mmで空と周囲の状況を写し込んでいます。歩いている女性の背景が暗い位置で撮影しているため、白い服が浮かび上がって見えます
(FUJIFILM X-H1 XF10-24mmF4 R OIS 1/2000sec F4 ISO200 15mm相当で撮影)

 

↑経王寺の山門。山門の暗部がつぶれないようにダイナミックレンジを拡張するモードで撮影。奥の風景が額縁のように見える様子を狙いました
(FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/240sec F8+0.67 ISO800 24mm相当で撮影)

 

↑小平さんは15mmで手前の花にピントを合わせて、山門はボカして遠近感を強調しています
(FUJIFILM X-H1 XF10-24mmF4 R OIS 1/500sec F4 ISO200 15mm相当で撮影)

 

↑谷中銀座と七面坂の分岐点。正面に見えるのは犬専門のトリミングサロン。手前の道を入れて道路の二股の様子を強調しました
(FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/750sec F8 ISO200 29mm相当で撮影)

 

↑小平さんは電信柱が全部入るまで空を入れて撮影。左側の道路には自転車も入り、動きのある画面になっています
(FUJIFILM X-H1 XF10-24mmF4 R OIS 1/500sec F8 ISO200 24mm相当で撮影)

 

↑谷中銀座を撮った小平さんの1枚目。人影のない人気商店街、新型コロナウイルスの影響を感じさせられます
(FUJIFILM X-H1 XF10-24mmF4 R OIS 1/500sec F5.6 ISO200 18mm相当で撮影)

 

↑小平さんの2枚目。ズーミングで画角を狭くして手前の道路をカットして影と日向のコントラストを強調しています。影の面積が増えて不安なイメージがかき立てられます
(FUJIFILM X-H1 XF10-24mmF4 R OIS 1/500sec F7.1 ISO200 19mm相当で撮影)

 

元々は小川だったへび道で猫を探した

これまでのカットを見比べると、私の方が説明的な構図が多いと感じます。お店はこう撮る、お寺はこう撮るといった既成概念にいつしか囚われてしまっていたようです。このため、15mmという画角を活かしきれずについズーミングしてしまいがちに。

 

小平さんは被写体と向き合った時には、凄く高い位置から、地面すれすれのローアングルまで様々な構図を試して、順光、斜光、逆光と光の向きも検討してシャッターを切っていました。お寺を撮るのではなく、そこに何か面白い発見があるかどうか探す。そんな視点で街を歩いているそうです。

 

ここからは藍染川という小川を埋め立ててできた、へび道を歩きます。猫を探しながら歩いたのですが、なかなか本物の猫には出会えませんでした。

 

【作例】

↑小平さんが最初に見つけた猫。民家の白壁に描かれホッコリした雰囲気、左手前のネコジャラシも効いています
(FUJIFILM X-H1 XF10-24mmF4 R OIS 1/500sec F5.6 ISO200 36mm相当で撮影)

 

↑私が発見した猫は三次元に飛び出していました。トタンの壁に映った影の形もユニークでした
(FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/1100sec F4 ISO400 36mm相当で撮影)

 

↑小平さんが撮ったホテルリブマックス日暮里。超広角レンズのパースを使って建物の高さを強調しています。手前に自転車を入れることで画面に動きが出ました
(FUJIFILM X-H1 XF10-24mmF4 R OIS 1/500sec F7.1 ISO200 15mm相当で撮影)

 

↑小平さんが撮った、千駄木駅近くの通り、古い建物と新しい建物が混在、右に見えるリバティというパン屋さんは地元では有名らしいです。手前を走る自転車が街を生き生きと見せています
(FUJIFILM X-H1 XF10-24mmF4 R OIS 1/500sec F5.6 ISO200 15mm相当で撮影)

 

↑私が撮った道端に植えられたほおずき。最短撮影距離24cmなのでマクロ撮影もできます
(FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/300sec F4 ISO200 29mm相当で撮影)

 

↑根津神社の千本鳥居。普段は参拝客で一杯らしいのですが誰もいませんでした。逆側から見ると家内安全などのお願い事が書かれています
(FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/75sec F8 ISO200 15mm相当で撮影)

 

↑小平さんが撮った千本鳥居。色褪せた鳥居を混ぜることで画面に奥行きが出ています。さらに道をカットして鳥居だけをオブジェとして魅せています
(FUJIFILM X-H1 XF10-24mmF4 R OIS 1/60sec F4 ISO200 36mm相当で撮影)

 

広い所を広く、狭い所も広く撮れるワイドアングル

スナップには広角レンズがよく似合います。風景のより広い範囲を切り取りたい、狭い所は広く見せたい。そんな想いが広角レンズを選ばせます。その反面、被写体に思い切って近付かないと、テーマが背景に埋もれてしまうことも。広い範囲が写るので画面が散漫になりやすく、せっかく広角で撮影したのにPC画面でトリミングして使う。これでは広角レンズの意味がありませんね。

 

プロの物撮りなら周囲を広めに撮ってトリミングして使うこともありますが、スナップショットはなるべくノートリミングで。そのためには撮影時に画面の四隅まで神経を配って構図を決める必要があります。それだけではなく、一瞬のシャッターチャンスにも反応しなければなりません。インパクトのある被写体なら背景に負けずに目立ってくれるはずです。

 

最後に小平さんが最近テーマにしている木の写真と、私のホームグランドの吉祥寺で撮ったスナップをご覧下さい。

 

【作例】

↑逆光で絞り込み太陽の光芒を入れています。キレイな放射状の光が写るのがフォクトレンダーのこのレンズの特徴です
(FUJIFILM X-A2 SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 1/60sec F8 ISO200で撮影)

 

↑根津神社境内の巨木。こちらも逆光ですがレンズの性能がいいのでほとんどフレアが出ていません。階調性が豊かで、明るい空から暗い幹まできちんと描写されています
(FUJIFILM X-H1 XF10-24mmF4 R OIS 1/1000sec F5 ISO200 15mm相当で撮影)

 

↑降り出した雨の中を傘も差さずに早足で歩く女性。ノーファインダーで撮影。絞り開放だったのでAFが合ったのは偶然でした。後ろ姿でも人物認識してほしいです
(FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/200sec F4+0.33 ISO400 15mm相当で撮影)

 

↑吉祥駅南口からアトレを出た交差点。パースが強調され、ベンツのフロントノーズが長く見えています。道路も実際より広々としています
(FUJIFILM X-E3 XF10-24mmF4 R OIS 1/300sec F4+0.33 ISO200 15mm相当で撮影)

 

これからの涼しい季節は、ぜひ広角レンズをつけたカメラを持って、身近な風景を撮ってみてはいかがでしょうか。レンズを通して見ることで、見慣れた景色のなかにも新たな発見があると思いますよ。

 

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新進気鋭の風景写真家が語る「アカデミーX」の魅力――初心者から上級者まで納得するそのワケは?

多くの写真ファンの人気を集める富士フイルムX&GFXシリーズ。同社は、それらデジタルカメラを駆使してフォトライフをより楽しむためのセミナーを今春から大幅にリニューアルした。その内容やおすすめの受講方法などを講師の1人でもある写真家・今浦友喜さんに伺った。

アカデミーX講師 今浦友喜さん

1986年、埼玉県生まれ。写真誌の編集者を経て写真家に転向。風景からスナップまで「情景を拾い撮る」スタイルで活動を続ける。作品づくりにとどまらず、写真セミナーなどの講師としても多忙な日々を送る。
https://ja-jp.facebook.com/imaura.yuki

 

↑アカデミーXは、東京会場(富士フイルムイメージングプラザ)、大阪会場(富士フイルム大阪サービスステージョン)、福岡会場(富士フイルム福岡サービスステーション)の全国3か所で開催中

 

■アカデミーXの詳細・申込みはコチラ!
https://imagingplaza.fujifilm.com/academyx

 

魅惑の描画力に惚れ込んだ若き“Xシリーズ使い”

新進気鋭の風景写真家・今浦友喜さん。Xシリーズと出会い、その魅力に心惹かれてしまったという。

「なんといっても色彩美にしびれました。以前はRAW現像、プリントを自宅でしていましたが、狙いどおりに出力するのが一苦労。それがX-T1のJPEGデータをクリエイト(※1)でプリントしたら、一発で最高の仕上がり! 本当に衝撃でした。

 

いま愛用しているのは、X-H1とX-Pro2、それと中判ミラーレスのGFX 50S。私は、紅葉の名所や風景写真家の聖地のような場所に縛られず、琴線に触れた光景を“拾い撮る”スタイルなので、コンパクトなXシリーズはうってつけ。TPOで使い分けますが、特にX-Pro2は携行するだけでワクワクします。シャッターの音もたまりません(笑)」(今浦さん)

↑富士フイルム GFX 50Sを使った今浦さんの作品。「幹から出ていた葉にグッと近づきパースを強め、かわいらしさを狙いました。黄色はハイキーにすると色飽和を起こしがちですが、GFX 50Sの深い色再現はリッチなトーンで描ききっています。『カラークロームエフェクト(※2)』はデジタルの色の常識を塗り替えるほど優れた機能です」(今浦さん)

 

カメラ愛に溢れた今浦さんだけに、その多彩な機能の使いこなしにもこだわりがあり、かつ編集者の経験もあるためか、操作方法などの解説もわかりやすい。CP+で開催された「フォトウォーク」では2年連続で講師を務め、そのナビゲートがすこぶる好評だった。

「デジタルカメラは多機能ですから、意外と皆さん100パーセント使いこなせていなかったりします。中級以上の方でも失礼ながら『こう設定すれば、もっとキレイに撮れるのに』と感じる場面もありました。指導なんておこがましいことじゃなく、少しでもより良い写真表現のためのお手伝いができればと考えています」(今浦さん)

↑「講座では他の参加者にも触発されますし、密度の濃い体験ができると思います」と今浦さん。爽やかなキャラで人気も上昇中だ。「新製品のX-T3も楽しみです!」とメカ好きの横顔も

 

※1:クリエイト・・・富士フイルムが運営するプロラボサービス。リバーサル現像、各種プリント、デジタル出入力サービス等を行う
※2:カラークロームエフェクト・・・GFX 50SやX-T3に搭載されている、彩度が高く階調が出にくい部分に深みのある階調表現を加える機能

 

実践的なアドバイスが新しい表現世界を気づかせる

アカデミーXでの今浦さんの担当セミナーは、直近では『歴史と文化財の町“川越”でスナップ&風景!』撮影講座(9月29日*)が予定されている。

「私の講座では、現場で皆さんがどんなふうに撮りたいのかをお聞きして、具体的なカメラ設定や狙い方のコツなどを丁寧にお伝えしたいです。春の講座での一例を挙げると、露出に迷われていた方に、『ダイナミックレンジ拡張』機能の使い方を説明させていただきました。本機能はハイライトの白トビが自然に抑えられるので汎用性が高く、ノイズが目立つようなこともありません。階調再現が重要な風景写真だからこそ積極的に使っていきたい機能です」(今浦さん)

↑ヒントが満載の、今浦流セミナーの様子。春に開かれた講座では幅広い世代のXユーザーが参加し、今浦さんの話に熱心に耳を傾けていた

 

アカデミーXは今浦さんの講座以外にも、初心者から中・上級者までを対象とした多彩な講座が用意されている。

「中・上級者の方は、経験豊かなプロ写真家による自然風景、ポートレート、スナップ、モノクロなどの実践的な講座がいいと思います。もちろん、Xシリーズ各機種の使い方講座で、操作方法や各種設定を学び直してみるのもいいでしょう。

 

個人的にはXシリーズ対応RAW現像ソフトの講座を受けてみたい(笑)。講師の横山 崇さんはもともと画像処理ソフト開発に携わっていた方で、講座を聞けば目からウロコが落ちること間違いなしです。いずれにしても、まずは1回完結の講座から気軽に試してみるのがおすすめ。実践によって得られる“気づき”は、ガラッと写真を変えられる可能性を秘めていますからね」(今浦さん)

↑東京のセミナールームは富士フイルムイメージングプラザ内。スタジオが併設されていて、ポートレートなど、さまざまな講座で使用することもある。新型カメラやレンズのタッチ&トライコーナーも見逃せない。ギャラリーも要チェックだ

 

【10月の講座にも注目!】

10月21日(日)『昔にタイムスリップ! ~江戸東京たてもの園で風景写真講座~』*

江戸時代から明治、大正、昭和期の建物が復元・保存されている場所で、今浦さんが一味違う風景やスナップ撮影の楽しみ方を教えてくれる。

 

Xシリーズをもっと楽しむための『アカデミーX』 Q&A

Q1 Xシリーズをまだ持っていないのですが、受講可能ですか?

A1 可能です。カメラ貸し出しの講座があります。セミナーごとに対応が異なりますので、お問い合わせ下さい。

 

Q2 仕事帰りでも受講できますか? 土日の講座はありますか?

A2 平日夜の講座や土日の講座もあります。

 

Q3 講座は1クラス何名が定員ですか?

A3 講座によって異なり、8~20名程度。撮影実習を含む講座は16名程度です。

 

Q4 無料講座はありますか?

A4 Xシリーズの使い方を学べる「基礎講座」と「入門講座」は無料です。プロ写真家や専門家による講座は有料で、内容・回数などにより受講料は異なります。

 

Q5 今後、講座の数やバリエーションは増えていくのでしょうか?

A5 いろいろなジャンルやレベルに合わせたセミナーをどんどん増やしていきます。

 

■アカデミーXの詳細・申込みはコチラ!
https://imagingplaza.fujifilm.com/academyx

TEL 050-3786-7034

 

*すでに応募がスタートしているため、申し込みが締め切られている場合があります

 

寄れる“大口径広角レンズ”はやはり良い!! 富士フイルム「XF 16mm F1.4 R WR」で実感

吉森信哉のレンズ語り~~語り継ぎたい名作レンズたち~~ 第7回「富士フイルム 広角で寄れる大口径単焦点レンズ」

 

高画質設計のズームレンズは、どうしてもレンズの構成枚数が多くなる。だが、現在の製品では、光学特性に優れる特殊硝材やガラスの採用や、ナノレベル(1ナノメートルは、100万分の1ミリメートル)の最新コーティングの採用などにより、サイズの肥大化を抑えながら逆光特性なども向上させているものも少なくない。

 

そんなズームレンズの高性能化が進む一方で、それでもなお、単焦点レンズの魅力は捨てがたい。開放F値が明るくてもズームレンズより小型軽量設計が可能だし、ズームレンズでは難しい抜群に明るい開放F値も可能になる。そして、現在の大口径単焦点レンズにも、先ほど述べた先進技術が採用されている。だから、満足度の高い優れた描写性能を得ることができるのだ。

 

【今回紹介するレンズはコレ!】

15cmまで寄れる開放F1.4の広角24mm


富士フイルム
XF 16mm F1.4 R WR
実売価格11万3660円

35ミリ判換算「24mm相当」の広角になる大口径単焦点レンズ。開放F値1.4の明るさを持ちながら、世界で初めて(※)15cmまでの接写を可能にした。また、最速0.1秒の高速AFも実現し、過酷な環境下でも活躍する防塵・防滴・-10℃の耐低温構造も備える。約375gの軽量さと、コンパクトサイズも魅力。2015年5月発売。

●焦点距離:16mm(35mm判換算:24mm相当) ●レンズ構成:11群13枚 ●最短撮影距離:0.15m ●最大撮影倍率:0.21倍 ●絞り羽根:9枚(円形絞り) ●最小絞り:F16 ●フィルター径:67mm ●最大径×全長:73.4mm×73mm ●質量:約375g

※APS-Cサイズ以上のカメラ用で、開放F値1.4の24mm相当のレンズとして(発表時点)

 

高性能ズームレンズとは違う軽快さが魅力

現在のXシリーズの交換レンズ群で、広角24mm相当(実焦点距離16mm)をカバーするズームレンズは、広角ズームの「XF 8-16mm F2.8 R LM WR」(2018年11月下旬発予定)と「XF 10-24mm F4 R OIS」、標準ズームの「XF 16-55mm F2.8 R LM WR」の3本である。このうち、明るさと高画質の両方にこだわるとなると、XF 8-16mm F2.8 R LM WRと、XF 16-55mm F2.8 R LM WRの2本が選択肢となるだろう。

↑XF 16-55mm F2.8 R LM WR。実売価格は12万1180円

 

↑XF 8-16mm F2.8 R LM WR。2018年11月下旬発売予定で、希望小売価格は27万7500円(税別)

 

この2本、高画質かつズームレンズならではの利便性が魅力ではあるが、XF 8-16mm F2.8 R LM WRは全長121.5mm・重さ約805g、XF 16-55mm F2.8 R LM WRは、全長106mm・重さ約655gと、どちらもそれなりのサイズと重さになる。一方、単焦点の「XF 16mm F1.4 R WR」は全長73mm・重さ約375g。両ズームレンズと比べると、かなり小振りで軽量である。しかも、開放F値が“2絞り”も明るいのだ。

↑F1.4という抜群の明るさを誇るXF 16mm F1.4 R WRだが、APS-Cサイズ用ということもあり、そのサイズや重さは思ったほど“ヘビー級”ではない(フルサイズ対応の同クラスの製品は、大体重さは大体600g台になる。だが、本製品は300g台と各段に軽量だ)

 

「XF 16mm F1.4 R WR」の操作性や質感をチェック!

XF 16mm F1.4 R WRは重さ約375gの軽量設計が特徴のレンズだが、鏡筒は金属製でその材質感や仕上げはとても上質である。フォーカスリングも金属製で質感が高く、前後にスライドさせることでAFとMFが切り換えられる(AFはフロント側、MFはマウント側)。このスライド操作も快適で、AFの位置ではフォーカスリングは誤って回転しないようロックされる仕様となっている。

↑プラスチック製の花形フードが付属。このフードとは別に、剛性や質感に優れるアルミ製の角型フード「LH-XF16」が別売で用意されている

 

AFの挙動は、少しスムーズさに欠ける印象だが(クックッと動く感じ)、速度は広角レンズとしては不満のないレベル。また、AF作動音も割と静かで気にならない。

 

また、富士フイルムの交換レンズは、多くの製品が指標入りの絞りリングを装備している。このXF 16mm F1.4 R WRも絞りリングを備え、1/3段刻みでクリックが設けてあり、快適に絞りの微調節が行える。

↑マウント部近くに、指標入りの絞りリングを装備。昔のカメラに慣れ親しんだ人なら、違和感なくスムーズに扱えるだろう

 

やや惜しいと感じるのは、「円形絞り」が採用されているものの、ほかの円形絞り採用レンズと比較すると、少し角が見られる点(1、2段絞った状態でチェック)。とはいえ、その角はさほど目立たないし、極端に絞り込んでも径の形は整っている。

 

広角レンズゆえに開放F1.4でもボケ効果は感じにくい?

続いて描写性能をチェック。まずは本製品の開放値「F1.4」と、一般的な大口径ズームレンズの開放値を想定した「F2.8」で、背後のボケ具合を比較してみた。

 

【F1.4とF2.8のボケ具合を比較】

実焦点距離が「16mm」と短いため、被写体との距離が極端に近くない限り、F1.4でも“背景が大きくボケる”という印象はあまりない(ボケの大きさは実焦点距離の長さに比例する)。それでも、背景手前の木造家屋あたり(丸型ポストの右側)を見比べると、F1.4の方はF2.8よりもボケの大きさが実感できる。

↑F1.4(上写真)とF2.8(下写真)の比較/共通データ:富士フイルム X-H1 XF 16mm F1.4 R WR 絞り優先オート WB:オート ISO400

 

“最短撮影距離10cmの差”が大きく描写を変える

被写体との距離を詰めて“相手の懐に踏み込む”撮り方は、広角特有のダイナミックな描写につながる。この撮り方で重要になるのが「最短撮影距離」である。特に、画角が広くて遠近感が誇張される広角域では、近接時のわずかな距離の違いによって、画面に写る範囲や被写体の大きさがかなり変わってくる。

 

XF 16mm F1.4 R WRの最短撮影距離は「15cm」と、このクラスの広角単焦点レンズとしては非常に短い。一方、広角ズームのXF 8-16mm F2.8 R LM WRは「25cm」で、標準ズームレンズのXF 16-55mm F2.8 R LM WRは広角マクロ時に「30cm」である。広角24mm相当で撮影する場合、この10/15cm距離の差が、大きな影響を与えるのである。

↑フォーカスリングをMFに切り替えて、最短撮影距離「0.15m(15cm)」に設定した状態(上の数字と線は、被写界深度の表示)。撮影距離が15cmの場合、レンズ先端から被写体(ピント位置)までの距離はわずか5cmくらいである。

 

【撮影距離での描写の違い(15cm/25cm)】

花壇に咲いていた、色鮮やかなマリーゴールドの花。そのなかの一輪に注目し、最短撮影距離「15cm」と、ほかの広角レンズの最短撮影距離に多い「25cm」を撮り比べてみた。両者の差はわずか10cmだが、画面に写り込む範囲や花の大きさは、思った以上に違ってくる。

↑撮影距離15cmで撮影した写真(上)と25cmで撮影した写真(下)/共通データ:富士フイルム X-H1 XF 16mm F1.4 R WR 絞り優先オート F2.8 WB:オート ISO200

作例で見る「明るい広角レンズ」の魅力

ここからは、作例とともに本レンズの魅力を語っていこう。

 

【その1】

屋内の様子をしっかり写し込める

移築され復元された茅葺の農家。その内部の囲炉裏端を、自然光を生かしながら撮影した。24mm相当の広角画角により、内部の様子(背景)もしっかり写し込める。また、開放F1.4のボケ効果により、自在鉤(じざいかぎ)の背後も適度にぼかすことができた。

富士フイルム X-H1 XF 16mm F1.4 R WR 絞り優先オート F1.4 1/20秒 -0.3補正 WB:オート ISO500

 

【その2】

自然な描写も誇張した描写も可能

24mm相当の画角や遠近描写は、超広角レンズ(20mm相当より短いレンズ)ほど強烈ではない。だが、建物を斜めから狙って奥行きをつけると、肉眼とは異なる“遠近感の誇張”を表現することができる。使いようによって、自然な描写にも誇張した描写もできるのだ。

富士フイルム X-H1 XF 16mm F1.4 R WR 絞り優先オート F8 1/320秒 WB:オート ISO200

 

【その3】

寄りながら背後の様子や雰囲気を写し込める

古刹の山門前にあったモミジに、最短撮影距離の短さを生かして“一葉”に近づいて撮影。標準や望遠での近接撮影とは違い、背後の様子や雰囲気も写し込めるのが広角レンズの特徴だ。そして、接近しながらF1.4で撮影したことで、通常の広角撮影とは違う大きなボケ効果も得られた。

富士フイルム X-H1 XF 16mm F1.4 R WR 絞り優先オート F1.4 1/250秒 +0.3補正 WB:オート ISO200

 

【その4】

画面周辺の歪みも目立たない光学設計

本レンズは非球面レンズ2枚やEDガラスレンズ2枚を使用し、歪曲収差や色収差など諸収差を効果的に補正した光学設計だ。広角レンズで目立ちがちな“画面周辺近くの直線の歪み”も、しっかり抑え込まれるのである(電気的な補正ナシで)。

富士フイルム X-H1 XF 16mm F1.4 R WR 絞り優先オート F2.8 1/15秒 -0.3補正 WB:オート ISO1600

 

【その5】

先進のコーティング技術でクリアな描写を実現

レンズ全面に、透過率の高いHT-EBCコートを施し、独自開発のナノGI(Gradient Index)コーティング技術も採用。これにより、斜めの入射光に対しても効果的にフレアやゴーストを低減。今回、画面内に強烈な太陽を入れて撮影したが、予想以上のクリアさに感心した。

富士フイルム X-H1 XF 16mm F1.4 R WR 絞り優先オート F8 1/1700秒 +0.7補正 WB:オート ISO400

 

【その6】

被写体の懐に大胆に踏み込める

ピンク色のペチュニアの花の間から、クローバーに似たカタバミの葉が顔をだす。その“ピンクと緑のコントラスト”に惹かれて、15cmの最短撮影距離近くまで接近して撮影した。被写体の懐に大胆に踏み込める本製品ならではのアプローチである。

富士フイルム X-H1 XF 16mm F1.4 R WR 絞り優先オート F2.8 1/420秒 WB:オート ISO200

 

【その7】

適度なボケで背景がスッキリ

色が薄くなった焼き物のタヌキ。ちょっと強面だが、首をかしげるポーズが可愛らしい。F1.4の開放で撮影したことで、雑然とした背景が適度にボケた。また、よく見ると、鼻先の部分もボケている。

富士フイルム X-H1 XF 16mm F1.4 R WR 絞り優先オート F1.4 1/320秒 -0.3補正 WB:オート ISO400

 

“ここ一番”の重要な場面で、大口径広角の魅力を実感

今回取り上げたのは、開放F値「1.4」の大口径広角レンズだが、一般的に「広角」は、ボケの大きさや手ブレの心配をすることが少ない画角である。だから、標準や中望遠と比べると“大口径単焦点レンズの恩恵”を実感しにくいかもしれない。

 

だが、実際に大口径の広角レンズを使い込むと、軽快な単焦点レンズのフットワークの良さや、被写体の懐に踏み込める最短撮影距離の短さに感心する。

 

そして、光量に恵まれない場所や、被写体に接近した際に背景処理を行いたいときなど、“ここ一番”の場面で広角レンズの抜群に明るい開放F値のありがたさが実感できるだろう。

「逸材を撮るならこのカメラ!」プロレスラー・棚橋弘至が認めた本格ミラーレス「FUJIFILM X-H1」

「タナハシ~!」黄色い歓声の響く後楽園ホール。最近のプロレス会場は、「プ女子」(女性のプロレスファン)と呼ばれる新たなファン層に牽引されるように、活気に満ちあふれています。そして、そのファンの多くがカメラやスマホを手に試合を撮影しています。しかし、プロレスに代表されるような、動きが速く照明が限られた室内でのスポーツ撮影はブレやピンボケが発生しやすく、上手く撮るのが非常に難しい被写体。そこで重要になるのが、高感度やAF性能に優れたカメラと、被写体に最適化したカメラ設定です。

 

GetNavi webでは、そうしたプロレス撮影向きのカメラや設定を知って、かっこいいプロレス写真を撮ってもらいたい! ということで、スポーツ写真家の山田高央さんを講師にプ女子読者を招待しての撮影会を実施。山田さんオススメの富士フイルム製ミラーレス一眼「FUJIFILM X-H1」と山田式プロレス用スペシャル設定を駆使して、存分に撮影を楽しんでいただきました。

 

さらに後日、撮影会当日の試合に出場し、今回の参加者がともにファンだという新日本プロレスの棚橋弘至選手に3人の作品をプリントして見ていただき、山田さんとともにプロレスやプロレス写真の魅力、面白さなどについて語ってもらいました。本稿では撮影会~インタビューまで、その一部始終をお届けします!

↑「色鮮やかで力強い写真を撮っていただけて感激です。表情などもすごくシャープに撮れていてスゴイ! X-H1は軽くて、操作も簡単。しかも、AFが速い! プロレスの試合を撮るならコレ! ですね」(新日本プロレス・棚橋弘至選手)。棚橋選手のインタビューは記事後半でたっぷりご紹介!

 

【今回紹介する製品はコチラ!】

富士フイルム
FUJIFILM X-H1
実売価格25万8660円(ボディ)

仕上がりの良さで定評のある「フィルムシミュレーション」や高感度性能に加え、シリーズ初のボディ内5軸手ブレ補正、フリッカー低減撮影機能などを備えるハイパフォーマンスモデル。防塵・防滴・耐低温構造を持つ高剛性・高耐久ボディも魅力です。撮影会では、このボディに小型で高性能な望遠ズームレンズ「フジノンレンズ XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS」(実売価格8万460円)を組み合わせて使用しました。現在、期間内(~2018年9月30日)に購入した場合に3万円がキャッシュバックされるキャンペーンも実施中。

製品の詳細情報はコチラ↓
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ロープにピントが合って選手がピンボケ――“プロレス撮影あるある”解決法とは?

撮影会当日、まずはカメラの使い方や撮影時の設定、撮り方のコツなどを山田高央さんが作品を交えながらレクチャー。その後、後楽園ホールに移動し、FUJIFILM X-H1(以下、X-H1)を使って実際の試合の写真を撮る、というプログラムです。

【講師】

山田高央さん。1968年東京都出身。日本写真芸術専門学校卒。出版社写真部を経て2005年からフリーとして活動開始。週刊誌・月刊誌などではスポーツ・ポートレートなどジャンルを超えて多方面で作品を発表している。日本スポーツプレス協会会員・国際スポーツプレス協会会員。

 

【参加者】

小山さん。海外遠征も厭わないプロレス好きで、普段はコンデジを使用。選手がピンチのときの表情が好きだが、ぶれてしまうことが多く、なかなか上手く撮れないと悩み中。

 

石塚さん。棚橋選手が好きでプロレスを見るようになり、写真も撮るようになったという。高倍率ズーム機のオート機能で撮影を楽しむも、ブレやピンボケ、露出アンダーなどで苦しんでいる。

 

野口さん。気合を入れてミラーレス一眼を購入するも、ロープにピントが合ってしまい、ピンボケになることが多いそう。

 

山田さんによると、プロレスを客席から撮る場合には、

①ロープが邪魔でピントが合わない

②シャッター速度が遅くなってぶれる

③照明の加減によって露出が変化しやすい

という3つが問題になってくるといいます。

 

①については、AF測距点の位置をいかに素早く、最適な位置に合わせられるかがポイント。ピントは必ずしも顔に合わせるのではなく、顔とほぼ同じ距離にあり、かつ比較的動きの緩やかな胸の位置などで合わせると、合わせやすいとのこと。②については、被写体を止めて写すにはシャッター速度を目安として1/1000秒以上にする必要があり、そのためにはISO感度を上げて撮らないと露出アンダー(暗く写る)になるため、高感度時の性能がキモになります。③については、写真の明るさを一定に保つ必要があり、自動露出ではなく、マニュアル露出の使用がオススメとのこと。

 

これらの条件を考えると、AF測距点の操作がしやすく、高感度でも画質が破綻しない、しかも連写に強いというX-H1はプロレス撮影にぴったりだと、山田さんは語ります。蛍光灯などの照明のちらつき(フリッカー現象)による露出や色のばらつきを低減する「フリッカー低減機能」が搭載されている点も、室内スポーツ撮影における確実性を高めてくれるでしょう。

↑X-H1は、フォーカスポイントを直感的に動かせる「フォーカスレバー」を背面に装備。ファインダーをのぞきながらでも、ロープの合間をぬうようにピントを合わせることができます

 

↑上面には感度ダイヤル、シャッタースピードダイヤルという専用ダイヤルを装備。難しい印象のあるマニュアル撮影も手軽に行えます。また、大きなサブ液晶モニターで細かな設定状況が一目でわかる点も◎

 

↑AF-Cモード時の動体追従性を、被写体やシーンに応じて3つのパラメーターで細かく設定可能。「加速減速に強い」「激しい動きに強い」など5つのプリセットに加え、ユーザーカスタムにも対応します

 

↑高精細で視認性の高い、369万ドットの大型EVFを装備。連写モードを中速の「CM」にすると、ブラックアウトする時間が短くなり、動く被写体も快適に追いかけることができます

 

そのほか、ホワイトバランス(WB)などもオートでは多少のタイムラグが出る可能性があるので、固定するほうがチャンスに強くなるそうです。それらを踏まえた、プロレス撮影用のオススメ設定が以下の表のようになります。

【山田式プロレス用“スペシャル設定”(後楽園ホール版)】

↑「フィルムシミュレーション」は、フィルムメーカーである富士フイルムならではの絵作り機能。プロレス撮影では、スタンダードである「PROVIA」に設定し、なおかつWBを3600Kにすることでやや赤寄りの鮮やか描写となり、筋肉を美しく表現できます

 

実際の撮影での狙いとしては、選手がコーナーポストに登っているシーンなどは写真撮影に邪魔なロープがなく、確実に押さえたいシーン。さらに、試合中でも選手がにらみ合っているシーンや組み技が決まったシーンなどは、比較的動きが緩やかなので狙いどころです。そのほか、動きが速いシーンは狙いにくいですが、その場合は動きを予想しながら、最適なピントの位置を考えつつ構図を決めるのがポイントです。

↑講義では技術的な指導に加え、「何よりもあきらめないことが重要。連写するのであれば、イメージしている動きが終わるまでは連写を止めない。あるいは、狙った次の瞬間も撮ってみる。そうしたことで、運を呼び寄せるのも撮影のコツ」と山田さんは語ります

 

↑初めて手にするX-H1に興味津々の参加者。がっちりしたボディですが、約673g(レンズは除く)と見た目の印象ほど重くはなく、グリップもしっかりしているため女性でも無理なく扱えます

 

「単なる記録じゃない楽しさがあった」クリアな描写に大満足!

講義のあとは、いよいよ後楽園ホールに移動です。イベント当日もホールは満員。周りを見渡すとカメラを持った方も大勢いて、気持ちが盛り上がってきます。ということで、参加者の皆さんに試合前の意気込みを聞いてみました。

「仕事では一眼も使ってはいるのですが、X-H1はファインダーがキレイで期待しています。かわいい表情をアップで狙えたらと思います」(小山さん)

「躍動感のあるシーンを狙ってみたいですね。本格的なカメラで(グリップがしっかりしているので)持ちやすいです。あと、いい写真が撮れたら自分で大きなパネルに仕上げたいと思います。」(石塚さん)

「あわてずに撮りたいシーンをじっくり撮れたらと思います。ロープに邪魔されずにピントが合わせられるかどうか、挑戦してみます」(野口さん)

↑後楽園ホールは満員。試合が近づくにつれ、会場の熱気が高まっていきます。ファンのコールや拍手が続き、選手が入場。いよいよ試合開始です!

 

↑みなさん、撮影中は真剣そのもの。決定的瞬間を収めようと、夢中でシャッターを押していました

 

試合前半は少し緊張気味でしたが、後半はカメラにもかなり慣れてきたようです。当日、棚橋選手はセミファイナルの出場で、ちょうどいいタイミングでの撮影となりました。熱戦が終わり、3人とも数百枚の写真を撮って満足した様子。撮影後の感想を聞いてみると、

「いつもよりもキレイに撮れていてうれしかったです。アップで撮れて、新たな萌えポイントも見つかるなど、単なる記録じゃない楽しさがありました」(小山さん)

「ファインダーをのぞいただけでもキレイで、撮っていてテンションが上がりました。瞬間瞬間がぶれずに髪の毛までキッチリ撮れていてすごかったです」(石塚さん)

「思った以上にAFが合っていました。クリアに撮れて、満足度は100点でした」(野口さん)

みなさん、いままでの失敗を克服しつつ、撮影を楽しんでいただけたようです。試合はもちろん、最新一眼で撮るプロレス写真の仕上がりに、心底満足されていた表情が印象的でした。

 

こちらが参加者のみなさんが実際に撮影した写真。ベストな1枚を山田カメラマンのコメントとともにどうぞ!

↑小山さん撮影。「フレーミングを横にとり、相手選手とレフェリーを画面いっぱいに入れることで、リング上の緊張感を表すことができました。相手に向けられる棚橋選手のシャープな視線が勝負の厳しさを感じさせてくれます」(山田さん)

 

↑石塚さん撮影。「相手選手をコーナーに追い込み攻め続け、次の技を繰り出す僅かな合間に見せた、棚橋選手の気合いに満ちた表情が見事に写し出されています。被写体から目を外さない心掛けが、このような素晴らしい作品を生みました」(山田さん)

 

↑野口さん撮影。「試合前のアナウンス、彼の耳には全く聞こえていないような集中力。棚橋選手の表情から緊張感が伝わってきます。一瞬の動きも見逃さず捉えることで、真剣勝負を十分に感じさせてくれる作品となりました」(山田さん)

「写真1枚で多くのことが伝わる」棚橋選手ロングインタビュー

後日、参加者のみなさんの写真を見てもらうため、山田さんとともに棚橋選手を取材させていただきました。写真を見た瞬間「この写真いいなあ~」と一言。今回使用したX-H1にも触っていただきましたが、「持ちやすくて操作しやすい」と大変お気に入りのご様子でした。

 

――早速ですが、普段ファンの方が撮られた写真を目にされる機会はありますか?

棚橋弘至選手(以下、棚橋):最近、リングサイドで写真を撮ってくださる方が増えて、すごくうれしいんです。そこで、ポーズを少し長くとるようにしていますし、シャッターチャンスには合図もしています。ビッグマッチだと、そうしたシーンが特に増えますね。写真をツイッターなどのSNSにアップされている方もいるので、けっこう写真を目にする機会は多いです。

 

――では、今回の参加者の方の写真をご覧になられての感想はいかがでしょうか?

棚橋:この写真、いいなあ~。やっぱり、被写体もいいのかな(笑)。プロレスの試合って動画で見ることが多いと思うのですが、実は印象的なシーンというか、いわゆる“名シーン”と呼ばれるものは、写真のほうが記憶や記録に残るので、1枚の写真に残したいという気持ちがあります。そんななかで、いまはたくさんのファンのみなさんが写真を撮ってくださるというのは、本当にありがたい。その写真をSNSなどで見た方がプロレスを好きになってくれる可能性もありますし。

SNSや口コミを通じて、ファンの方が新しいファンを増やしてくれているのですが、そのときに1枚の写真があるかどうかで印象が変わると思うんです。例えば、同じ「面白かった」というツイートでも、そこに1枚の写真がつくだけで面白さが伝わりやすい。まさに「百聞は一見に如かず」です。文字が少なくても写真1枚で多くのことが伝わりますよね。

↑「様々な表情を撮っていただいていて、うれしいですね。しかも、髪の毛までシャープ。枝毛まで写ってそうですね(笑)」(棚橋選手)

 

――今回の撮影で使用したX-H1はBluetoothによるワイヤレス通信に対応していて、手軽にスマホに転送できるのでSNSへの投稿も簡単なんです。ところで、ご自身でも写真を活用される機会はありますか?

棚橋:巡業で各地を周っていますが、そうしたときに、自分がどこにいって、何を食べて、何を見たのか……それらを撮った1枚の写真を添えてブログなどにアップするようにしています。そうすることで、ファンの方にも追体験してもらえると思うので。

 

――写真はご自分で撮っていらっしゃるのですか?

棚橋:基本的に写真はすべて自分で撮っています。例えば、セルフタイマーを使ってモデル風に歩いているシーンを撮ってみたりとか。ときにはタイミングが合わなくて、失敗したりもするんですけどね(笑)。試行錯誤しています。

↑「1枚の写真で伝わることの多さを日々実感しています。それだけに、ブログの写真なども大切にしているんです」(棚橋選手)

 

――選手の立場から見たプロレス写真の面白さについて教えてください。

棚橋:リング上には喜怒哀楽が満ちていて、試合前の集中している顔だったり、相手に対して気迫で押している顔だったり、ときにはやられて苦しみもがいている顔だったり、様々なシーンがあると思いますが、そうした様々な表情を見られるのも写真の良い点だと思います。自分で見て気づかされることも多いですね。(参加者の写真を見ながら)……少し、ダイエットしなきゃいけないかな? G1(※)に向けて頑張らないと……。今日は歩いて帰りますね(笑)。

※毎年恒例の“真夏の最強戦士決定戦”「戦国炎舞 -KIZNA- Presents G1 CLIMAX 28」のこと。インタビューは本大会の開幕前に行いました

↑棚橋選手自身が撮ってほしいシーンについてうかがうと、「先日、棚橋選手は横顔がかっこいいですねって言われたので、棚橋を撮るなら横顔でってことで。じゃあ、正面はどうなんだという話ではあるんですが(笑)」と笑顔で語ってくれました

 

――読者の方の写真に続いて、プロの写真家である山田さんがX-H1で撮られた写真もご覧ください。

山田高央カメラマン(以下、山田):撮る側からすると、コーナーポストに上がったときやキメのシーンで少しタメを作っていただけると、私だけでなく、一般の方も撮りやすいと思うのですが、棚橋選手はそうした点も気を遣っていただいているんですね。撮影するファンにとっては本当にうれしいはず。一般の方もそうしたシーンが1枚でも撮れると、満足度が高いのではないかと思います。

↑入場後、ポストに上って決めポーズをとる棚橋選手。こうしたシーンでは選手が静止してくれることも多く、大きなシャッターチャンスに!(撮影/山田高央)

 

↑パートナーとの交代を待つ棚橋選手の真剣な一瞬の表情を捉えた1枚。ズームでぐっと寄って表情を切り取ると、選手の新たな一面が見えてきます(撮影/山田高央)

 

↑客席からだと、どうしてもロープが被ることが多くなりますが、X-H1のフォーカスレバーを駆使すればロープを避けてのAFも容易です(撮影/山田高央)

 

↑技を掛け合う激しいシーンでは、ある程度動きを予測してシャッターチャンスを待ちましょう。必ずしも画面内でロープを水平にする必要はなく、むしろ斜めになっているときのほうが躍動感が出る場合も(撮影/山田高央)

 

棚橋:さすがプロですね。画角にキチッと収まっていて、1枚1枚の表情がすべて違っている。選手の側では、写真を見るとどんな気持ちで試合をしていたかを思い出すことができるのですが、ファンの方が見ても、その時々の表情などから、シーンや感情を想像していただけると思います。そういう点でも写真は良いですよね。

 

――今回は山田さん含めて、このX-H1で撮影していただきました。棚橋選手も、よろしかったら少しカメラを触ってみてください。

棚橋:おっ、連写が速いですね。しかもAFも速い。撮りたいところに瞬時にピントが合う。以心伝心って感じですね。一眼カメラって少しハードルが高い印象もあったんですが、これは意外と軽くて撮りやすいです。操作も簡単だし、使っていくとカスタマイズできる部分も多いと思うので、初心者でもハイアマチュアでもプロでも撮影が楽しめそう。プロレスの試合を撮るなら、このカメラって感じですね。写りも、表情だけでなく髪の毛の1本1本まで見事に解像してますし。

↑「これは“100年に一台の逸カメラ”だ!!」(棚橋選手)

 

山田:私は普段の仕事ではリングの下から撮っているので意識していなかったのですが、今回のように客席から撮ると、やはり選手の前にロープが入るので、難しいケースもあるんですよね。その点、このカメラはフォーカスレバーでピントの位置を自在に変えられるなど、本当に撮りやすいんですよ。

 

棚橋:よく、ロープにピントが合っていて選手がピンボケになっている写真、ありますよね。

 

山田:そうなんです。今回参加された方からも、ロープにピントが合ってしまうという声が多くて。でも、このカメラは選手にピントが合いやすくて、一般の方でも使いやすいカメラだと思います。

 

棚橋:使いやすさとか、ピントの合わせやすさとか、これはもうプロ泣かせじゃないですか? 色もインパクトがあって、少し“盛れる”感じ。リングは照明が入るので背景が黒くなりますが、先ほど見せていただいた作品だと黒のトーンというか、黒い色のバリエーションもしっかり出ています。いまの時代、写真が盛れるというのは、SNSなどで使う場合などには重要ですよね。

↑「背面モニターもファインダーも見やすくてクリアですね。ピント合わせが特に速い!」(棚橋選手)

 

山田:プロレスのリング上は照明もきれいなので、そうした黒い色のトーンなどがきれいに写ると、選手もよりかっこよく撮れると思います。色も濃くそれでいてトーンもしっかり出るので、棚橋選手がおっしゃるとおり、写真が盛れるカメラですね。カッコいい写真が撮りたくて、今日は棚橋選手が出るから見に行こう! という方もいるのではないかと思います。そんな方に使ってもらいたい1台です。

 

棚橋:そうだと僕もうれしいですね。これだけ情報やエンタテインメントが数多くあるなかで、名前と顔を覚えてもらえるというのは本当に重要だと思います。会場でも、顔と名前が一致している選手は、応援しやすいと思いますし、そのぶん、声援も増えます。写真ももっと撮ってもらいたい。ただ、入場のときは拍手もしてもらいたいので悩ましい……。2回拍手して1回撮るって感じでお願いできるといいですね(笑)

 

――試合も写真も楽しんでほしいということですね。

棚橋:そうですね。もっともっと楽しんでほしいですね。試合を楽しんで、帰って写真を見て楽しんで、さらにプリントして楽しんでと1粒で3度楽しめる。そんな楽しみ方をしてもらえればと思います。

↑取材当日はA1サイズにプリントしたパネルも用意。大きくプリントして楽しめるのも一眼ならでは

 

――それでは最後になりますが、今回の参加者の方と読者のみなさんにメッセージをお願いします。

棚橋:みなさんにたくさん写真を撮って頂いているおかげもあり、いま、プロレスはさらなる発展が感じられるものになっています。もっといい写真を撮っていただけるように、我々ももっといい被写体であるために……僕もダイエット頑張ります(笑)。7月14日の大田区総合体育館から8月12日の日本武道館まで、G1 CLIMAX 28という全国的なシリーズも行われます。ここは1つ優勝して、優勝旗を振り回すといった感じで、絵になるシーンを目指しますので期待してください。最後に、GetNavi webとCAPA CAMERA WEBをご覧のみなさん、愛してま~す!

今回は3人の読者の方にFUJIFILM X-H1を使ってプロレス撮影を楽しんでいただきましたが、参加者の方はもちろん、指導していただいた山田さん、さらには被写体となっていただいた棚橋選手も含めて、みなさん納得の写りを得ることができました。

 

高感度に強く、フィルムシミュレーションにより色鮮やかでトーンも美しい。そんな富士フイルムのカメラの特徴に、快適なAFやクリアなEVF、高速連写など、ハイパフォーマンス機ならではの魅力がプラスされたFUJIFILM X-H1。このカメラなら、撮るのが難しい室内スポーツも楽しく撮れる――そんな魅力を存分に実感できるイベントになりました。読者のみなさんも、プロレスをはじめ、室内スポーツを撮るならFUJIFILM X-H1で存分に撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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取材・執筆/河野弘道  モノ・状況撮影/我妻慶一

楽しさ倍増間違いナシ!!――夏を思いっ切り満喫するための海水浴グッズ4選

夏本番、間近ですね! 暑い日々を乗り越えるために、時には海やプールで快適に過ごしたいものです。そこで今回は、海水浴の楽しさが倍増するアイテムをご紹介。水面を跳ねる特殊なボールや、様々なシーンで使い分けられるエアーマットなどをピックアップしています。海水浴グッズを駆使して、より良いサマーバケーションを過ごしましょう。

 

出典画像:ロゴス ニュースリリースより

 

[その1]

水深10mで撮影できるインスタントカメラ

出典画像:富士フイルム 公式サイトより

富士フイルム
水に強い写ルンです New Waterproof

富士フイルムの「水に強い写ルンです New Waterproof」は、防水カバーつきのインスタントカメラです。水深10mまでの水中写真が撮影できるので、スキューバダイビングなどに大活躍。もちろん印刷した写真は、従来の「写ルンです」同様の品質を誇ります。

 

<注目ポイント>
・水深10mまで撮影可能
・防塵・防雪のため様々な環境に対応
・撮影枚数は27枚
カバーが防いでくれるのは水だけではありません。ほこりの多い工事現場での記録や、雪が降っているなかでの撮影にも使用できます。撮影可能枚数は27枚なので、使い切ったら近くのフジカラーのお店でプリントしてくださいね。

 

[その2]

海やプールで新感覚のキャッチボールを

出典画像:ワボバ 日本公式サイトより

ワボバ
WATER BOUNCING BALL ワボバ

「WATER BOUNCING BALL ワボバ」は、海やプールで使いたくなる水面を跳ねるボール。普通のボールが地面を跳ねるのと同じように跳ねるうえ、水切りの石みたいな使い方も楽しめます。水に沈むこともなくカラフルなデザインなので、紛失の心配もありません。

 

<注目ポイント>
・水面を跳ねるボール
・水に沈まない
・ミットがセットになっているタイプも販売
ボールのラインナップは、55mm、56mm、60mmのサイズで展開。60mmのボールとミットがセットになっているタイプもあるので、水に入りながらキャッチボールもできますよ。様々な跳ね方を研究して、地上ではできないキャッチボールを試してみてはいかが?

 

[その3]

ワンタッチで簡易更衣室になるプライベートテント

出典画像:カワセ 公式サイトより

カワセ
プライベートテントUV

ビーチなどで着替える時に最適なカワセの「プライベートテントUV」。テントの生地は透けにくい“シルバーコーティング”が施され、紫外線もシャットアウトしてくれます。コンパクトに収納できるうえ、ワンタッチで組み立てられる仕様です。着替える場所がないような海や川に行くときでも、手間なく簡易更衣室が作れるとはありがたいですよね。

 

<注目ポイント>
・紫外線をシャットアウト
・ワンタッチ組み立て式
・簡易更衣室として最適
背の高いテントなので、立ったまま着替えることも可能。内部にはスマーフォンなどを入れておける小物入れポケットや、ヒモを通せばタオルハンガーにもできるリングがついています。

 

[その4]

3タイプに変形するソファー

出典画像: ロゴス ニュースリリースより

ロゴス
ビーチサンシェードソファー

シーンによって使い分けられるロゴスの「ビーチサンシェードソファー」。浮き輪などと同様に空気を入れて膨らませます。ソファーとしてはもちろん、シェード(日よけ)部分を出せばシェードソファーやフラットタイプのマットにも早変わり。ビーチやプールサイドで簡単にくつろぎ空間を生み出せます。

 

<注目ポイント>
・3タイプに変形可能
・コンパクトに収納できるエアマット
・ミニポンプも付属
エアマットタイプなので砂や水濡れも気にせず使えます。空気を抜けば付属している約38cmのコンパクトなバッグに収まるので、どこにでも手軽に持ち運べますよ。空気を入れる時に便利なミニポンプがついてくるのもうれしいポイント。

【参加費無料!!】最新カメラでプロレスをカッコよく撮ろう!! プロが教える撮影会参加者募集【6/17】

従来の格闘技ファンに加え、プ女子(プロレス女子)と呼ばれる女性ファンを新規に獲得するなど、近年再び大きな盛り上がりを見せるプロレス業界。なかでも数多くのスター選手を抱え、このプロレス人気をけん引し続けているのが「新日本プロレス」です。今回ゲットナビウェブでは、その新日本プロレス、そしてカメラ業界の老舗メーカー・富士フイルムとコラボした撮影会を実施することになりました!

 

舞台は6月17日(日)  の東京・後楽園ホール。使用するカメラは、今年3月に発売された富士フイルムのミラーレス一眼「FUJIFILM X-H1」です。

富士フイルム
FUJIFILM X-H1
実売価格21万8660円

従来から定評のあった“写真画質”に磨きをかけつつ、シリーズ初となるボディ内手ブレ補正やフリッカー低減機能を搭載したハイパフォーマンスモデル。防塵・防滴・耐低温構造の高剛性ボディもあいまって、これまで以上に難しいシーンでの撮影を可能としています。

 

「カッコいい、でもうまく撮るのは難しい」その悩みを最新カメラ&プロの指導で解決!

なぜプロレスで撮影会? と思われるかもしれませんが、その理由は「写真を撮りたいと思っている人は多いのに、うまく撮るのが難しいスポーツ」だから。普段プロレスを見に行かれる方ならご存知だと思いますが、慣れていないと読みづらい激しい動きや屋内ならではの照明のバランスなどによって、大きくぶれてしまったり、露出が定まらなかったりしてしまいます。

 

そこで今回は、スポーツカメラマンの山田高央さんを講師に迎え、事前におすすめの撮り方や設定などを解説。そのうえで、スポーツ撮影のプロも認める最新ミラーレス一眼を使い、思う存分、実際の試合でカッコいい写真を撮ってもらおうという企画になっています。後日、撮っていただいた写真をプリントして出場していた選手に見ていただく予定なので、もしかすると、あなたが撮った写真にコメントがもらえるかも!?

 

定員は3名、そして参加費は無料!! お席もこちらでご用意します。 本撮影会の様子は、顔写真や氏名、コメント、撮影いただいた写真などを使ってGetNavi webおよびCAPA CAMERA WEBにて記事化される予定ですので、こちらに同意いただける方のみご応募ください。プロレスが楽しめて最新カメラで撮影も学べる、このとっておきのチャンスをお見逃しなく!

 

【開催概要】

●日時:6月17日(日) 16:00~(試合終了まで)

●場所:後楽園ホール、および周辺の会議室

●定員:3名

●参加費:無料(※お席もこちらでご用意します。ただし、会場までの交通費は参加者ご自身のご負担となります)

●申込み方法:コチラの応募フォームより必要事項をご記入のうえ、ご応募ください

●申込み期間:6月5日(23:59)まで

※人数に限りがあるため、実際にご参加いただける方にのみ、6月8日(金)ごろまでに編集部よりメールまたはお電話にてご連絡させていただきます

 

【講師プロフィール】

山田高央(ヤマダ タカオ)さん

1968年/東京都出身/日本写真芸術専門学校卒

出版社写真部を経て2005年からフリーとして活動開始。週刊誌・月刊誌等でスポーツ・ポートレート等ジャンルを選ばず多方面で作品を発表している。日本スポーツプレス協会会員・国際スポーツプレス協会会員。

広瀬すずも大満足の富士フイルム「チェキ」新作。20代女子にリアルな感想を聞いてみた

富士フイルムは5月15日、スクエアフォーマットのフィルムに対応したインスタントカメラ“チェキ”の新モデル「instax SQUARE SQ6」(以下「SQ6」)を発表。発表会では同社のイメージキャラクターを務める広瀬すずさんが登壇し、その魅力を語りました。

↑発表会に登壇した、広瀬すずさん。右手に持っているのが今回の新製品「instax SQUARE SQ6」、左手に持っているのが広瀬さんが実際にSQ6で撮影したというチェキプリント

 

↑シンプルでスタイリッシュな外観デザインが特徴的なSQ6。カラーは写真左からパールホワイト、ブラッシュゴールド、グラファイトグレイの3色展開で、いずれも落ち着いた雰囲気を感じさせます。発売は5月25日、実売想定価格1万7000円前後

 

スマホの存在が逆風どころか追い風に!?

発表会ではまず、富士フイルムの代表取締役社長・COO、助野健児氏が登壇し、インスタントフォト分野における事業戦略を語りました。なかでも興味深かったのは、チェキシリーズが2017年度に過去最高の販売台数を記録したという点です。欧米での販売が好調なことに加え、国内や中国、東南アジアなどでも堅調に推移しているとのこと。スマホカメラに押されるカタチで苦戦を強いられているカメラ業界において、なぜチェキはこれほどまでに好調を維持しているのでしょうか?

↑2017年度の販売台数は、過去最高となる770万台を達成。今後はさらなる増加を見込み、2018年度は900万台を目標に掲げています

 

続いて登壇したイメージング事業部長、岩﨑哲也氏の話のなかに、そのヒントがありました。曰く、「思い出として残すだけでなく、スマホやSNSの普及によって写真はコミュニケーションの手段としても使われるようになっている」(岩﨑氏)とのこと。その点、その場で手軽にプリントできるチェキはコミュニケーション手段としてはぴったり。さらに、ちょっと懐かしさを感じさせるようなフォトジェニックな仕上がりも、デジタルネイティブ世代から人気を集めているそうです。

↑デジタルネイティブ世代にとってはチェキのアナログな雰囲気が逆に新鮮で、そこに価値を見出しているとのこと

 

岩﨑氏は、これまでは昔を懐かしむような一過性の人気なのではないかという声もあったとし、「最近では写真を撮った際の雰囲気・背景まで表現できる新たなジャンルとして確立しつつある」と今後のさらなる飛躍に自信を見せました。

20代女子の本音は?

続いて、新製品の詳細についてご紹介していきたいところなのですが、チェキのメイン購買層は10~30代女性。SQ6は男性が持っていも違和感のないメタリックなデザインとはいえ、やはり女性の購入者のほうが多いと予想されます。筆者(男/フォトジェニックとは縁なし)のレビューでは、肝心なところで外してしまう可能性が……。

 

ということで、ちょうど編集部に研修で来ていた新入社員のTさん(20代女性/チェキ愛用歴あり)に発表会に同行してもらい、率直な感想を聞いてみました。

 

SQ6の話に入る前に、そもそものチェキの魅力についてはどう感じているのでしょうか。

「学生のときに友だちとの旅行などで写真を撮影すると、印刷して配るのが大変でしたが、チェキならその場で簡単に写真を共有できるのでとでもお手軽だと思います。また、遠くに住んでいる親戚に会ったときや結婚式などのイベントのように、通常すぐに写真そのものを渡せないような場合でも、チェキならその場で写真をプレゼントできるのは素敵だと思いました」(Tさん)

 

確かに、友人との旅行はチェキが大活躍する定番シーンですよね。やはり、思い出をカタチとして残せる、しかもその場でプリントして共有できる、というのは大きな魅力です。

↑SQ6は前面のレンズ横(矢印部分)にミラーを装備し、さらに専用の撮影モードを用意するなど自分撮りが簡単に行えます。本体底面に設けられた三脚穴やセルフタイマー機能を使用して、集合写真なども撮影可能

 

また、チェキの仕上がりや描写については、こんなコメントも。

「じんわり現像する感じが、お手軽なのに“カメラで作品を作っている感”があってオリジナリティが出せると思います。仕上がりも、インスタみたいな加工をわざわざしなくてもオシャレになって便利」(Tさん)

 

やはり、チェキの独特な風合いは好評なようです。今回のSQ6には、そんなオリジナリティを出すための機能が満載。2つの画像を重ねることができる「二重露光モード」や、最短30cmまでの近距離撮影が可能な「マクロモード」、風景スナップに適した「遠景モード」など豊富な機能を備えるほか、発光部に取り付けてフラッシュの色を変えられる「フラッシュカラーフィルター」を同梱しています。

↑フラッシュカラーフィルターはオレンジ、パープル、グリーンの3色を用意。手軽に写真の雰囲気を変えることができ、いち早く使ってみたという広瀬すずさんも「何をしてもオシャレになる」と話していました

 

では、SQ6の最大のポイントでもあるスクエアフォーマット(真四角プリント)についてはどうでしょう? 昨年11月に発売されたデジタルイメージセンサー搭載のハイブリッドインスタントカメラ「 instax SQUARE SQ 10」で初採用されたこのスクエアフォーマットですが、今回は新たにフレーム部分を単色無地のブラックとしたフィルムもあわせて発表されました。

「スクエアだと、より一層インスタっぽくなってかわいいと思います。黒いフレームは少し大人っぽいので、比較的年齢が上の大人の女性は白フレームより黒を好みそう。または、鮮やかな写真と黒フレームのコントラストをチョイスするなど、白と黒を使い分けたりするのも楽しいと思います」(Tさん)

 

岩﨑氏によると、SQ6の開発の狙いとして「自己表現に最適なスクエアフォーマットを、もっと多くの人に楽しんでもらいたい」という想いがあったそう。想定価格も約3万円だったSQ10から半分近くになっており、黒フレームの追加も含め、スクエアフォーマットはチェキの新定番としてさらに浸透していきそうな予感がします。

↑同時発売予定の「instax SQUARE Film」BLACK(左)。写真をより引き立たせた表現が可能です

 

では、逆に不満な点はあるのでしょうか? 忖度なしのリアルな意見を聞いてみました。

「サイズ感は鞄に入れられるくらい、もう少し小さいとうれしいです。チェキをおしゃれアイテムとしてお出かけに持っていく人も多いと思いますが、首や肩に鞄と一緒にぶら下げるのは面倒ですし、天候や服装によっては持って歩くことに制限が出そうだと思いました」(Tさん)

 

確かに、SQ6の大きさは、118.7mm×128.1mm×58.1mm(突起部除く)で、決してコンパクトというわけではありません。ただ、重くはないので、アクセサリー類を活用し、その存在感を生かしてファッションの1つとしてコーデに取り入れやすいとも言えます。一方、Tさんの言う「鞄と一緒にぶらさげたくない」という“収納派”の意見もごもっとも。スクエアフォーマット対応のミニサイズ版が登場するとおもしろいかもしれませんね。

↑新発売のアクセサリーのなかで特に注目したいのは、速写ケースです。革製のケースはよく見かけますが、こちらは珍しいスエード製。触り心地がたまりません!

 

↑広瀬すずさんも登壇時、上の速写ケースを使用しており、トータルコーデの一部として違和感なく機能していました

 

発表会で提示された資料やこうしたリアルな声を聞く限り、現代の写真文化や需要と合致したチェキの人気はまだまだ続きそう。季節問わず楽しめるチェキですが、これからの行楽シーズンには特におすすめです。スマホ撮影もいいですが、チェキで思い出をカタチにしてみませんか?

 

 

(C)富士フイルムinstax“チェキ”新製品発表会

画質は最高評価!! 富士フイルムの実力派ミラーレス「X−E3」を徹底チェック!

富士フイルムは、そもそもフィルムや銀塩カメラを数多く発売していたメーカーであり、デジタル時代のいまでも画質や操作性へのこだわりを強く感じさせます。ここでは、同社のミラーレスカメラ中級機「X−E3」の実力を、画質・休日力・旅行力の3分野で判定。あわせて、おすすめの交換レンズや入門機についても解説します。

 

高機動な小型ボディと直感的ダイヤル操作を両立

富士フイルムのミラーレス一眼は、絞りリングやシャッター速度ダイヤルを備え、フィルムカメラのようなアナログ操作ができることが特徴。最初は戸惑うこともありますが、慣れればスムーズにカメラをコントロールできます。

 

なかでも昨秋発売の「X−E3」は、メカダイヤルによるアナログ操作と小型軽量ボディを両立。機能面では、位相差AFや高速連写モードに新対応したほか、タッチパネルやジョイスティックによる直感操作が可能になりました。趣味として写真撮影を楽しみたい人に最適なモデルに仕上がっています。

 

また今年2月には、ビギナー向けに一般的な操作性を採用したエントリー機「X−A5」を発売。こちらは180度回転するチルト背面モニターや美肌モードを備え、自分撮りなどが気軽に行えます。

 

【今回テストしたモデルはコレ!】

325点のAFで14コマ/秒の高速連写に対応

富士フイルム
X-E3
実売価格12万4790円(レンズキット)

【2430万画素】【秒約14コマ連写】【常用最高ISO12800】【約337g】

上位機「X-T2」などと同等のセンサー&エンジンを搭載しつつ、レンジファインダーカメラ風の薄型軽量デザインを採用。前モデル「X-E2」と比べた場合、連写やAFが大きく進化し、電子シャッターによる14コマ/秒の連写と、325点の位相差AFに対応しました。内蔵ストロボや液晶の可動機構は非搭載となります。

SPEC●撮像素子:有効2430万画素APS-C型CMOSセンサー ●レンズマウント:Xマウント ●液晶:3.0型、236万ドット ●メモリ:SDXCほか ●サイズ:W121.3×H73.9×D42.7mm

↑般的な十字ボタンはなく、ジョイスティックとタッチパネルで各種設定を行います

 

【特徴01

スティックやスワイプで直感操作ができる

AF測距点の選択は、背面スティックまたはタッチパネルで直感的に行えます。さらに液晶上のスワイプ操作に、様々な機能を割り当て可能です。

 

【特徴02

フルオートに設定できる専用レバーを搭載

電源レバーの後ろに「オートモード切換レバー」を装備。細かく機能を設定したあとでも、即座にフルオート撮影に移行できるのが便利です。

 

画質・休日力・旅行力の3分野で実力を判定!

<評価内容>

●画質

色味:オート撮影時の色味を判定。偏りや、実際と記憶のどちらに近い色味かをチェックしました。

高感度:各機種の最高感度まで、同一条件でテスト。ノイズと解像度のバランスを確認しました。

※テスト条件:色味は、屋外にて感度を最低感度に設定し、そのほかの機能を揃えて撮影。高感度は、屋内にて条件を揃えて撮影。掲載カット以外にも、全感度で撮影して評価しました

 

●休日力

AF:AFの範囲や速度、精度。子どもやペットなど動き回る被写体を追えるか注目しました。

フィルター機能:画像をデジタル加工して個性的な描写にするフィルター機能。数と効果をチェック。

スマホ連携:撮影中のリモコン機能や、撮影後の転送機能などの使い勝手を判定。対応機能もまとめました。

 

●旅行力

軽さ:撮影時、携帯時ともに重要なフルセットでの質量を実測。軽いほど持ち歩きはラクです。

バッテリー性能:ミラーレス一眼の泣き所のバッテリー持ちを比較。USB充電への対応も確認しました。

モニターの見やすさ:屋外で撮ることの多い旅先。晴天下での背面モニターの見やすさをチェックしました。

 

【画質】10/10

色味:☆×5

晴天らしさが伝わる鮮やかな色

クリアな青空と鮮やかな緑が表現され、晴天らしさが伝わる気持ちの良い発色となりました。忠実とはいえないが記憶色に近い仕上がりです。

 

高感度:☆×5

クラストップの高感度性能

独自のセンサーとエンジンによって、高感度ノイズを目立たないように低減。APS-Cセンサーではトップ級の高感度性能といってよいでしょう。ISO12800でも汚い印象はなく、実用的な画質です。

ISO6400

 

ISO25600

 

休日力:11/15

AF(測距点の数&範囲):☆×5

豊富な測距点と便利なジョイスティック

像面位相差AFに対応。測距点は325点と豊富で、ジョイスティック操作で素早く選べるのが便利。快適に合焦する性能を実感しました。

 

フィルター機能:☆×3

フィルターの種類はやや少なめ

ミニチュアやポップカラー、パートカラー、ハイキーなど8種類のフィルターを用意。連写や動画撮影との併用ができないのは残念です。

 

スマホ連携:☆×3

【Bluetooth:○、NFC:×、QRコード:○、自動転送:○】

多機能だが使い勝手には課題も

Bluetooth接続に対応し、画像の自動転送ができます。リモート撮影の際、カメラ側にライブビューが表示されない点はやや使いにくいと感じました。

 

旅行力:10/15

軽さ:☆×3

キットレンズはやや重い大口径タイプ

撮影時の質量は669g。ボディはミラーレス一眼として比較的軽量ですが、キットレンズが大口径タイプであるため、総質量はやや重め。

 

バッテリー性能:☆×4

持久力は普通だが、USB充電が便利

CIPA準拠の撮影可能枚数は約350枚で、ミラーレス一眼としては標準的なバッテリー性能。USB充電に対応している点は何かと心強いです。

 

モニターの見やすさ:☆×3

晴天の屋外では見えにくくなる

初期設定の状態ではやや暗く、晴天屋外では見えにくいです。明るさは±5段階に調整できるので、見えにくい場合は+側に設定したいですね。

 

X-E3の総合評価は?

同社独自のセンサー&映像エンジンが生み出す豊かな発色と、フィルムを換える感覚で絵作りを楽しめるフィルムシミュレーションを小型軽量ボディで味わえる点が魅力。やや重くなるものの、明るく切れ味の鋭い標準ズームが付属することも描写にこだわるユーザーには◎。

チルト液晶を求めるならコッチがおすすめ! 雑貨的なデザインと一般的な操作系を併せ持つ入門機

富士フイルム
X-A5
実売価格6万8460円(レンズキット)

【2424万画素】【秒約6コマ連写】【常用最高ISO12800】【約361g】

2016年に発売されたエントリー向けモデル「X-A3」の後継機。自分撮り対応のチルト背面モニターを受け継ぎながら、新たに像面位相差AFや4K動画、かすみ除去フィルター、Bluetooth機能などに対応。キットレンズが沈胴式の薄型タイプに変更されたことも見逃せません。

SPEC●撮像素子:有効2424万画素APS-C型CMOSセンサー ●レンズマウント:Xマウント ●液晶:3.0型、104万ドット ●メモリ:SDXCほか ●サイズ:W116.9×H67.7×D40.4mm

 

【特徴01

人肌を滑らかに補正できる美肌モード

自分撮りの際は、瞳AFで目にピントを合わせられるほか、自動美肌モードによって人肌を明るく滑らかに再現できます。その効果は3段階から選択可能です。

 

【特徴02

超高速シャッターや無音撮影ができる電子シャッター搭載

エントリー機ながら電子シャッター機能を搭載し、最高で1/32000秒の高速シャッターが使えます。また、電子シャッターによる無音での撮影にも対応。

 

【X-E3とココが違う!】

チルト式液晶やストロボ搭載でビギナーにうれしい

両機とも薄型ボディですが、チルト可動式の背面モニターや内蔵ストロボを備えることはX-A5の大きなメリット。ただし、外装の高級感や画質ではX-E3に及びません。

 

 

描写に優れた単焦点や防塵防滴レンズなど多彩

富士フイルムのAPS-Cミラーレス一眼は、Xマウントレンズに対応。超広角から超望遠まで20本以上のレンズラインナップが用意されている。特に、描写性能に優れた単焦点レンズが充実しています。製品名に「WR」があるものは防塵防滴に、「OIS」があるものは手ブレ補正に対応。

 

ワイドもテレも1本で撮りたいならコレ!

 

富士フイルム
XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR
実売価格8万5870円

【焦点距離:27〜206mm相当】【フィルター径:67mm】【全長97.8mm】【約490g】

27〜206mm相当の焦点距離を持つ高倍率ズーム。世界最高をうたう効果5段分の手ブレ補正を内蔵し、薄暗いシーンでも手持ちでの撮影ができます。防塵防滴ながら軽量なことも魅力。

 

大きなボケが欲しいならコレ!

 

富士フイルム
XF50mmF2 R WR
実売価格4万7590円

【焦点距離76mm相当】【フィルター径46mm】【全長59.4mm】【約200g】

200gの軽量を誇る中望遠の単焦点レンズ。ポートレートのほか、部分を切り取る感覚のスナップ用にも最適です。ほぼ無音で高速作動するAFや、適度なトルク感のあるMF操作も使いやすいです。

 

 

文・作例撮影/永山昌克

入門機でも実力は折り紙つき!! 「はじめてのカメラ」におすすめなミラーレス一眼【パナソニック/富士フイルム】

ミラーレス一眼のなかでも、入門機は特に豊富な選択肢があり、各社とも1〜2年ごとにモデルチェンジを行っています。本記事では、パナソニックと富士フイルムの現行モデルをご紹介しましょう!

※「画質」は、ISO感度と絞り値、焦点距離を揃え、露出とホワイトバランスはオートで撮影して評価。「AF」は、カメラに向かって走るオモチャの電車をAF-Cモードで連写して評価。「電子シャッター」は、高速な扇風機を撮影することで、動体歪みの発生具合をテストしました。スジが多く写るものほど歪みが生じがちです

 

【私が評価しました!】

カメラマン 永山昌克さん

雑誌やWEBで撮影と執筆を行います。休日は、父としてミラーレス一眼で息子たちの成長記録を撮影。

 

【その1】

さらに自分撮りを強化した極小マイクロミラーレス

 

パナソニック
LUMIX GF10/GF90
実売価格9万5130円(ダブルレンズキット)

昨年発売のGF9の後継機。180°反転するチルト式タッチパネル液晶などを受け継ぎつつ、自分撮り機能を強化。夜景をバックにした自分撮りに対応するモードやスリム効果などが利用可能になりました。ボディは、オレンジのほか、ホワイトやブラックも用意します。

【SPEC】
●撮像素子:4/3型、有効1600万画素MOSセンサー ●常用最高感度:ISO25600 ●レンズマウント:マイクロフォーサーズ ●モニター:3.0型、約104万ドット、チルト、タッチ対応 ●EVF:非対応 ●大きさ・重さ:W106.5×H64.6×D33.3㎜・約270g

↑ボタン類は最小限。多くの操作はタッチで行います

 

↑ボディの内側にリセットボタンを搭載。様々な設定をいじったあとでも、素早く初期状態に戻せます

 

画質:★×3

画素数こそ少なめだが発色や階調は良好

クリアな発色と滑らかな階調性、低ノイズな高感度画質を実感。少なめの画素数が惜しいです。

 

AF:★×5

コントラストAFでも良好なテスト結果

合焦率は96%と優秀。コントラストAFで、顔・瞳認識AFや追尾AFにも対応します。

 

電子シャッター:★×4

歪みはやや見られるものの、用途に応じて切り替え可能

動体歪みの度合いは普通。撮影メニューから、メカ/電子シャッターの切り替えができます。

 

【プロのイチ押し機能!】

スマホ感覚の美肌モード

顔認識と連動した美肌モードやスリムモードを搭載。自分撮りをいっそう際立たせられます。

↑美肌補正の画面。プレビューを見ながら補正の度合いを調整できます

【その2】

クラシカルデザインで4K動画撮影にも対応

富士フイルム
X-A5
実売価格7万2080円(レンズキット)

APS-C型センサーを搭載するXシリーズ最廉価機。レトロな雰囲気漂うデザインを受け継ぎながら、新たに像面位相差AFに対応。発色や高感度画質なども進化している。タッチ操作もサポートするほか、4K動画撮影機能やBluetoohでのスマホ連携機能も備えます。

【SPEC】
●撮像素子:APS-Cサイズ、有効2424万画素CMOSセンサー ●常用最高感度:ISO12800 ●レンズマウント:Xマウント ●モニター:3.0型、約104万ドット、チルト、タッチ対応 ●EVF:非対応 ●大きさ・重さ:W116.9×H67.7×D40.4㎜・約361g

↑液晶モニターは上側に180°回転。自分撮り時は、背面のダイヤルでズーム操作などが可能です

 

↑コマンドダイヤルは、回しやすい角度で配置

 

画質:★×4

大きな印刷にも適した高解像と鮮やかな色

彩度とシャープネスを適度に高めた見栄え重視の画質。A3印刷に耐える解像感もあります。

 

AF:★×3

瞳AFを使えるが動体追尾はもの足りない

AFは位相差を併用するハイブリッド式。今回の条件では合焦率75%とあまり振るわず。

 

電子シャッター:★×2

 

歪みがやや目立っており高速で動く被写体は不向き

 歪みが大きめなので、高速で動く被写体には注意。その場合はメカシャッターを使いましょう。

 

【プロのイチ押し機能!】

 光量調整に長けたフラッシュ

 内蔵ストロボは、スーパーiフラッシュ対応。シーンに応じて自然な光量に調整されます。

↑小型軽量ながら内蔵ストロボと外部ストロボの両方に対応する点も◎

 

第1号機の発売から10周年でますます勢いにのるミラーレス一眼。機能の進化も著しく、目が離せませんね! 今回紹介したエントリーモデルよりもワンランク上のミドルクラスをお探しであれば、こちらの記事をチェックしてみてください。

5段分の手ブレ補正を内蔵した中判ミラーレスGFX用望遠レンズ「フジノンレンズ GF250mmF4 R LM OIS WR」

富士フイルムが、中判ミラーレスカメラGFXシリーズ用の望遠レンズ「フジノンレンズ GF250mmF4 R LM OIS WR」を発表した。35mm判換算で198mm相当をカバーし、5.0段分の手ブレ補正機構を内蔵している。2018年5月下旬発売予定。希望小売価格 443,500円(税別)。

解像力と豊かなボケ味を生かして、被写体を強調した風景撮影やポートレート撮影などが楽しめる

 

■テレマクロ的な撮影も楽しめる
10群16枚のレンズ構成のうちEDレンズ2枚とスーパーEDレンズ1枚を採用し、色収差を徹底的に抑制。撮影距離による色収差の変動を抑制して、最短1.4mまでの近接撮影を可能とした。最大撮影倍率は0.22倍で、大きなボケを生かしたテレマクロ的な撮影も楽しめる。

 

■AF性能
高速・高精度で静かなリニアモーターを採用。電源オフ時や再生時には、リニアモーターを固定して不要な振動を抑えることができる。あらかじめ設定した位置に素早くピントを移動できるフォーカスプリセット機能、フォーカス範囲を制限してAF速度を高速化するフォーカスリミッターを搭載。鏡筒の先端部にはフォーカスコントロールボタンを配置し、AFやフォーカスロックなど好みの機能を割り当てることができる。

 

■防塵・防滴構造
軽量で堅牢性に優れたマグネシウム合金を採用。18か所にシーリングを施した防塵・防滴構造と、-10℃までの耐低温構造を備えている。最前面のレンズには、撥水・防汚効果があるフッ素コーティングも施した。

GFX 50SにGF250mmF4 R LM OIS WR を装着したところ

 

■アクセサリー
焦点距離を1.4倍に拡大する「フジノン テレコンバーター GF1.4X TC WR」も同時発売予定。「GF250mmF4 R LM OIS WR」と組み合わせれば、画質を劣化させることなく350mm(35mm判換算 277mm相当)までの望遠撮影が可能になる。希望小売価格は110,500円(税別)。F値は1段暗くなる。

GF1.4X TC WR(左)と、GFX 50S + GF250mmF4 R LM OIS WR + GF1.4X TC WR の組み合わせ(右)

 

さらに、マクロ撮影領域を拡大するマクロエクステンションチューブ「MCEX-18G WR」(全長約18mm)と「MCEX-45G WR」(全長約45mm)も同時発売予定。希望小売価格は、いずれも49,500円(税別)。

MCEX-18G WR(左)とMCEX-45G WR(右)

 

■GF250mmF4 R LM OIS WR の主な仕様

●マウント FUJIFILM Gマウント ●焦点距離 250mm(35mm判換算 198mm相当) ●レンズ構成 10群16枚(EDレンズ2枚、スーパーEDレンズ1枚) ●絞り羽根枚数 9枚(円形絞り) ●画角 12.5° ●開放絞り F4 ●最小絞り F32 ●最短撮影距離 1.4m ●最大撮影倍率 0.22倍 ●フィルター径 φ82mm ●サイズ(最大径×全長) φ108×203.5mm ●質量 1,425g ●付属品 レンズフロントキャップ FLCP-82、レンズリアキャップ、LCP-002、レンズフード、三脚座、レンズポーチ

「最上位ミラーレス一眼」はどこまで進化したか? ソニー/富士フイルムの二大モデルを実写比較

近年のハイクラスミラーレスではソニーの躍進が著しいですが、富士フイルムも強力なフラッグシップを投入しました。両機ともプロユースまで視野に入れたモデル。ここではその2台をプロのカメラマンが評価しました。なにかとイベントが多く撮影の機会が多い4月〜5月。ちょっと奮発して、最高級のモデルを買ってみてはいかがでしょうか。

 

※「画質」は、ISO感度と絞り値、焦点距離を揃え、露出とホワイトバランスはオートで撮影して評価。「AF」は、カメラに向かって走るオモチャの電車をAF-Cモードで連写して評価。「電子シャッター」は、高速な扇風機を撮影することで、動体歪みの発生具合をテストしました。スジが多く写るものほど歪みが生じがちです。

 

【解説する人】

カメラマン 永山昌克さん

雑誌やWEBで撮影と執筆を行います。休日は、父としてミラーレス一眼で息子たちの成長記録を撮影。

 

秒10コマ以上の高速連写や高精度な位相差AFに対応

写真愛好家など中上級者向けの分野でも、一眼レフからミラーレス一眼への主役交代が進んでいます。なかでも注目は、ソニーと富士フイルムが投入した新モデル。

 

ソニー「α7Ⅲ」は、人気のフルサイズ機α7シリーズの最新作であり、従来モデルの「α7Ⅱ」からあらゆる部分が進化。特に連写やAFといったスピード面での性能アップが目覚ましいです。

 

一方の富士フイルム「X-H1」は、シリーズ初のボディ内手ブレ補正を搭載するなど、同社技術の粋を注いだ最上位機です。動画性能やボディ剛性も大きく向上しています。

 

今回の試用は短期間でしたが、両機ともプロ仕様の一眼レフに勝る高機能と高速性、快適さを実感できました。20万円を超える価格を決して高価に感じない完成度の高さです。

 

【ソニー】

これからの“標準”となる爆売れ必至フルサイズ

ソニー

α7

実売価格26万9870円(レンズキット)

そのスペックの高さがプロやハイアマチュアから高く評価されているα9やα7R Ⅲといった上位機の長所を受け継いだスタンダード版。693点の位相差AFや10コマ連写、ボディ内5軸補正などのプロ機級の性能を、フルサイズ機としては破格の小型ボディに凝縮しました。【2420万画素】【秒約10コマ連写】【常用最高ISO51200】【約650g】

SPEC●レンズマウント:Eマウント●モニター:3.0型約92万ドット、チルト、タッチ対応●EVF:約236万ドット●サイズ:W126.9×H95.6×D73.7㎜

 

↑背面操作部のレイアウトは、先行する上位機α9やα7Rとほぼ同様。固化幕ボタンをカスタマイズできます

 

 

↑α9などと同じく、スティック形状のマルチセレクターを装備。ぐりぐりと動かしてAF測距点を軽快に移動できます

 

画質:★×5

撮影の自由度が大きく広がる階調や感度の余裕

今回のテスト機のなかでは唯一のフルサイズ機ということもあり、画素数こそほかのモデルと大きく変わりませんが、階調描写と高感度画質は抜きん出ていました。ISO6400やISO12800でも描写に汚い印象は皆無で、撮影の自由度は非常に高いです。

 

AF:★×3

浅い被写界深度ゆえシビアな合焦が求められた

AFテストの合焦率は85%と振るわない成績。テストは画角を統一して行いましたが、本機はセンサーサイズが大きいため、焦点距離が長くなり、被写界深度がシビアになることが影響しました。

 

電子シャッター:★×3

サイレント撮影の動体の歪みはやや目立つ

動体歪みの度合いはやや大きめでした。上位モデル「α9」とは異なり、アンチディストーションシャッターが非搭載なのは残念。もちろん通常のメカシャッターによる撮影なら歪みは生じません。

 

【イチ押し機能!】

裏面照射センサーによる超高感度に注目

新開発のフルサイズ裏面照射型センサーによって、拡張最高感度ISO204800に対応。屋内スポーツや野生動物など、薄暗いシーンで高速シャッターを使いたいときに役立ちます。

↑超高感度は、星景などの写真を撮るユーザーにもありがたいです

 

【富士フイルム】

写真も動画も最上級のXシリーズ新旗艦モデル

富士フイルム

X-H1

実売価格25万8660円(ボディ)

Xシリーズ最上位機として、ボディ内手ブレ補正を初搭載。既存モデルのX-T2より一回り大型化しましたが、ボディ剛性が強化され、大口径レンズ装着時のバランスは向上しました。AFや連写、動画も進化し、動きモノに強いカメラに仕上がっています。【2430万画素】【秒約8コマ連写】【常用最高ISO12800】【約673g】

SPEC●レンズマウント:Xマウント●モニター:3.0型約104万ドット、3軸チルト、タッチ対応●EVF:約369万ドット●サイズ:W139.8×H97.3×D85.5㎜

 

↑防塵防滴&耐低温に対応したマグネシウム合金製ボディ。表面硬度8H相当の対擦り傷性も備えています

 

↑各種設定値を素早く確認できるサブ液晶を天面に新搭載。電源オフでも露出補正量や電池残量などを表示してくれます

 

画質:★×4

初期設定では見栄えを重視した鮮やかな発色傾向

独自のAPS-Cセンサー「X-Trans CMOS III」と処理エンジン「X-Processor Pro」によって、フルサイズに迫る高解像と低ノイズを実現。発色は、青や緑は濃厚に、赤や肌の色は明るく再現。人肌を美しく見せる見栄え重視の傾向でした。

 

AF:★×4

動く被写体にもしっかりと追従する十分なテスト結果

AFテストの合焦率は90%と十分。AFは最大325点の測距点を持つ像面位相差AFに対応します。タッチパネルまたはフォーカスレバーを使って、ダイレクトに測距点を選べる点も快適です。

 

電子シャッター:★×4

 

撮影シーンに応じてシャッター方式を自動選択できる

 動体歪みの度合いは及第点。撮影メニューから、メカシャッター、電子先幕シャッター、電子シャッターの選択ができ、シーンに応じて各方式を自動的に切り替えることもできるのが便利です。

 

【イチ押し機能!】

映画のような落ち着いた色と豊かな階調

新フィルムシミュレーションとして、映画用フィルムの色合いを模した「ETERNA(エテルナ)」に対応。動画だけでなく静止画でも使用でき、雰囲気ある写りが得られます。

↑フィルムシミュレーションは撮影時や現像時に選択可能

 

 

クラシックで新しい、そんなミラーレス――もはや名機確定「FUJIFILM X-E3」を改めて評価&レビュー!

ミラーレス一眼は光学ファインダーを持たないためデザインの自由度が高く、コンパクトデジカメのようなスクエアでスマートなデザインのカメラも存在する。そうしたカメラの注目株が、昨年発売された富士フイルム「FUJIFILM X-E3」だ。このX-E3は、ファインダー搭載ミラーレスのXシリーズで最小最軽量ボディを実現し、2430万画素センサーと画像処理エンジン「X-Processor Pro」の組み合わせで、画質に関してもハイレベル。タッチパネルの採用により操作性も進化している。ここでは、このX-E3について従来機からの進化点や特徴をチェックし、その魅力を探る。

↑上面のシャッター速度ダイヤルなどは従来機種を踏襲しつつ、背面モニターをタッチパネル化。十字ボタンなどを廃して、すっきりとした操作系を実現
↑上面のシャッター速度ダイヤルなどは従来機種を踏襲しつつ、背面モニターをタッチパネル化。十字ボタンなどを廃して、すっきりとした操作系を実現。実売価格/ 8万7510円(ボディ)

 

【基本スペック】

画素数が2430万にアップして4K動画撮影などにも対応

独自のカラーフィルター配列を採用するローパスフィルターレス構造の「X-Trans CMOSセンサー」は、高品位画質の重要ポイント。そのセンサーの有効画素数が1630万画素から2430万画素にアップ。画像処理エンジンの進化などで、常用ISO感度も1段アップした。タッチ対応モニターや、4K動画撮影機能も魅力。それでいて、ボディ横幅はかなり抑えられた。

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↑正面
↑正面

 

↑背面
↑背面

 

↑上面
↑上面

 

↑X-E2はフラッシュが内蔵されていたが、X-E3には非搭載。代わりに「クリップオンフラッシュEF-X8」が付属している
↑X-E2はフラッシュが内蔵されていたが、X-E3には非搭載。代わりに「クリップオンフラッシュEF-X8」が付属している

 

【特徴①タッチパネル】

タッチパネル採用により十字キーを省略したシンプルな操作系

操作面では、タッチパネル式背面モニターにより、直感的にピント位置の移動やレリーズ操作が可能。スマホのようなフリックやダブルタップなどの操作に対応し、各種の機能呼び出しや設定を直感的に行える。これにより十字キーを省略して背面がシンプルになり、よりグリップしやすいボディに進化した。

↑十字キー操作のような感覚で、フリック操作で主要機能を呼び出して設定できる。スマホのような感覚で、違和感なく操作を行える
↑十字キー操作のような感覚で、フリック操作で主要機能を呼び出して設定できる。スマホのような感覚で、違和感なく操作を行える

 

↑ファンクション設定により、各種ボタンの機能割り当てが変更できる。上下左右のフリック操作で呼び出せる機能も変更可能
↑ファンクション設定により、各種ボタンの機能割り当てが変更できる。上下左右のフリック操作で呼び出せる機能も変更可能

 

【特徴②AF】

像面位相差AF採用で高速かつ高精度なAFが可能

AF測距点は91点(最大325点)。高速で高精度な位相差AFエリアは全画面の横50%と縦75%の広い範囲をカバーする。画像認識アルゴリズムの改善で、被写体への追従性も向上。また、フォーカスレバーによるダイレクトな操作で、迅速なAF測距点選択が行える。

↑背面のフォーカスレバーを操作し、被写体に重なるAF測距点を選択。タッチAFが可能なだけでなく、ファインダー使用時の測距点選択も快適だ。305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400
↑背面のフォーカスレバーを操作し、被写体に重なるAF測距点を選択。タッチAFが可能なだけでなく、ファインダー使用時の測距点選択も快適だ/305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400

 

【特徴③連写】

電子シャッター使用により14コマ/秒連写が可能

小振りでクラシカルな外観だが、本格的な連写機能を搭載。メカシャッター連写の最速値は8コマ/秒で、画質設定がJPEGモードなら連続62枚まで撮影することができる(非圧縮RAWでは23枚)。なお、電子シャッター設定時には、約14コマ/秒という高速連写も可能だ。

↑食事中のチョウを「8.0コマ/秒」の高速連写で撮影。フォーカスレバーによる測距点選択と相まって、リズミカルに一瞬が捉えられた。305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400
↑食事中のチョウを「8.0コマ/秒」の高速連写で撮影。フォーカスレバーによる測距点選択と相まって、リズミカルに一瞬が捉えられた/305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400

 

【特徴④フィルムシミュレーション】

手軽にフィルム感覚での仕上がり設定が可能

80年以上のフィルム製造で培ったノウハウを生かした「フィルムシミュレーション」も、Xシリーズの大きな魅力の1つだ。PROVIA /スタンダード、Velvia /ビビッド、ASTIA /ソフト、ACROS、など、フィルムを交換するような感覚で仕上がりが調整できる。

↑豊かな階調を追求した新モノクロモード「ACROS」で撮影。さらに、グレインエフェクト機能も使い、フィルム風の粒状感を演出した。305mm相当 シャッター優先オート(F4.8 1/500秒) WB:オート ISO250
↑豊かな階調を追求した新モノクロモード「ACROS」で撮影。さらに、グレインエフェクト機能も使い、フィルム風の粒状感を演出した/305mm相当 シャッター優先オート(F4.8 1/500秒) WB:オート ISO250

 

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↑フィルムシミュレーションは計15モードを搭載

 

↑「グレインエフェクト」の機能は、メニューの画質設定内で設定する。OFF、弱、強から強度を選択可能
↑画像の粒状感が調整できる「グレインエフェクト」の機能は、メニューの画質設定内で設定する。OFF、弱、強から強度を選択可能

 

【特徴⑤Bluetooth】

スマホとの常時接続が可能で画像の自動転送が容易

Bluetooth機能を搭載。これにより、専用アプリを導入したスマホやタブレットと常時接続が可能になり、撮影画像を自動的に転送することが可能になった。また、スマホやタブレットを使ったリモート撮影やカメラ内閲覧も可能だ。

↑セットアップメニュー内の「Bluetooth設定」。各端末とのペアリングや、機能のオンオフ、自動画像転送の有無を設定できる
↑セットアップメニュー内の「Bluetooth設定」。各端末とのペアリングや、機能のオンオフ、自動画像転送の有無を設定できる