刃は鈍角だが着眼点は鋭角だ!「キッター」の安全性と切れ味は日本文具大賞受賞も納得

【きだてたく文房具レビュー】子どもが「刃を折る」リテラシーを身につけられる安全なカッター

文房具業界における夏の話題と言えば、「日本文具大賞」だろう。2018年の機能部門グランプリは、オルファのキッズ用カッターナイフ「キッター」が受賞した。

 

日本最大の文房具アワードということで、テレビや雑誌などのメディアでも取り上げられる機会が多く、すでにあの不思議な「卵に棒が刺さってる」的なビジュアルを見た方もおられるだろう。

↑「ISOT(国際文具紙製品展)」のオルファブース。“キッズ用”を前面に押し出した、幼稚園ふうの展示になっていた

 

謳い文句には「小さな子どもでも思いのままに切ることを楽しめる安心設計のカッターナイフ」とあるが、果たしてどれほどのものなのか? 本当に小さい子どもに持たせて安心なのか? その辺りをチェックしてみたい。

↑オルファ「キッター」1296円

 

この「キッター」、日本文具大賞エントリー時点では、まさにあの卵に刺さったビジュアルのみが公開されており、どういう仕組みで安心設計なのかは見てもピンと来る要素がなかった。

 

で、ようやく手にした実物はこんな感じ。

↑卵形のベースとキッター本体。エッジのない優しいフォルムが特徴的だ

 

あの土台の“卵”はカッター部の収納ベース兼刃折り器となっており、キッター本体は細身ながら、雰囲気は従来のカッターナイフと見た目はさほど変わらない。カチカチとスライダーを押し出していくと、初めて「安全設計」と言われる最初の要素が見えてきた。

 

金属の刃の代わりに、黄色いプラスチックの薄い板が出てくるのだ。

↑スライダーで刃を出したところ。まず先端の黄色いプラカバーを折り取らないと、切れないようになっている

 

この黄色い板がキッター専用の刃なのだが、もちろん、このまま切れるわけではない。使う際は、まずこの板の先端を卵ベースの下側にある口に挿し込んで、ポキッと折ることから始めなければいけない仕組みなのだ。

 

そもそも大人でも、カッターナイフの刃を折る、という意識がなく、刃をセットしたらいつまでもそのまま切り続けるユーザーも多い。カッターナイフメーカーのオルファとしては、「刃は折るものですよ」という教育を、子どものファーストカッターとなるキッターから徹底して仕込もう、ということなのだろう。

↑卵型ベースに刃の先端を挿し込んで、山折り・谷折りと上下に動かすと先端が折り取れる。折れた部分はそのままベースの中に入る

 

良くできているな、と感じたのは、刃折り器にキッターを挿し込んだ時のこの角度。刃折り器に対して水平ではなく、ちょっとした角度がついているのだ。

 

子どものボディサイズと腕の力だと、水平のものを折り曲げようとするのは意外とやりにくい。最初からある程度の角度が付いていることで、力をかける場所=折り曲げ角の頂点を意識でき、スムーズに刃を折る動作ができるわけだ。

↑刃の露出は、ほんの数ミリといったところ

 

刃先端のカバーをポキッと折ると、ようやく金属の刃がこのようにちょっとだけ露出する。本当に、ほんのちょっと。実際に大人の使うカッターも、紙に当てて切っているのはこれぐらいの部分なので、これで充分に切ることができるのだ。

 

ほとんどがプラに包まれて金属刃の露出はわずかなので、子どもが刃を触って怪我をする、という危険は少ない。とはいえ、もちろん刃に直接触れれば、指などを切ってしまう可能性はゼロではないので、そこはやはり子どもだけで使わせず、親や監督者がきちんと見てやっていて欲しい。プラでコートされている分、深くズバッと切れ込む心配はなくて、怪我をしたとしてもせいぜい薄皮が切れて、ちょっと血が出るぐらいだろうけども。

↑オートロック機能がないので、先端を突き立てると、そのまま刃は本体にズルズルと収納される。これも安全性を考慮した仕様だ

 

刃の安全要素でついでに言うと、刃の折れ口が斜めではなくフラットになっているので、まず突き刺すということができない。さらに、従来のカッターと違ってオートロック機構(スライダーで操作しない限り、刃が後退しない機構)が搭載されていないので、無理に力を込めて突き刺そうとすると、刃がずるずると本体内に戻ってしまうのだ。

 

小さい子どもにカッターナイフを持たせると、逆手に握って先端を床面や壁、下手すると自分の体に押し当てることがたまにある(本当にあるのだ)ので、オートロックなしはかなり安心できる。

↑わずかな刃でも、シャープに切れる。このあたりはさすがオルファ製で、子ども用とはいえ間違いない

 

肝心の切れ味であるが、さすがオルファという感じでまったく不安なし。コピー用紙や画用紙などは、スイスイと自由に切ることができる。これで刃自体の切れ味が落としてあると、逆に切る時に力をかけすぎて怪我につながることもあるだろうから、子ども用とはいえ(だからこそ)切れ味は大事な要素なのだ。

 

で、先ほど「プラでコートされている分、深く切れ込む心配はない」と書いたが、このキッターで切れる厚みはせいぜい画用紙2~3枚重ねた程度。ダンボールだと、例えばAmazonの梱包用箱の薄いものでも、下まで切り込むことはできない。逆に切れないことを利用して、ダンボール工作で折り曲げる際の切り込み用カッターとして使っても、面白いかもしれない。

↑キッター専用替刃は2本セットで518円。刃を4回折ったら交換となる

 

さて、使っているうちに切れ味が落ちてきたな、と感じたら、子どもに「刃を新しくしようか」と言ってあげよう。

 

切るために刃を出している状態から、スライダーを1クリック分だけ前進させると、ちょうど刃の折り線が出てくるようになる。従来のカッターだと、折るのに刃をどれだけ出せばいいのか感覚的につかみづらいということもあるが、その点キッターは直感的に分かりやすい。

 

あとは最初と同じように卵ベースに挿し込んでポキッ、でOK。そこからまた1クリック分だけ前進させれば、切れるようになる。

↑刃の交換に関しては、子どもがやりやすいという工夫は特にない。わずかでも露出した刃に触れることになるので、ここは大人の仕事となる

 

ちなみに、使い終わった刃を交換する手順は、従来のカッターとほぼいっしょ。本体後端のキャップを抜き、スライダーを外して刃を交換する。新品状態の刃はほぼ金属刃が見えないので危険は少ないが、古い刃の処理なども必要になるし、なにより子どもに簡単にできることでもないので、ここは見ている親がするべき作業だろう。

 

特殊な刃や非オートロックなど、確かに安全性の高いキッターだが、使ってみて感じたのは、どちらかというと“リテラシー教育性の高さ”だ。

 

随所に刃を折る習慣付けがしやすく作られているし、刃のわずかな露出も「切る時はここを使って切るんだよ」と分かりやすい。子どもの頃からこういうものを使っていれば、怪我をする心配も少なくカッターを安全に使うリテラシーが身につくのだろう。

 

今の子ども、羨ましいことである。

さて、最後にもうひとつカッターナイフを使う時に忘れてならないものがある。カッターマットだ。

↑オルファ「ふたつ折りカッターマットA3」2581円

 

子どもに自由に切らせていると、だいたい思いもよらないところまで切り進めてしまうので、床や机を保護するためにはできるだけ大判のもの……少なくともA3サイズのマットを使って欲しい。これは、カッターの刃を保護して切れ味を長持ちさせる効果もある。

↑中央から折り畳むと、コンパクトなA4サイズに変形。これなら勉強机の引き出しにも入るので、収納場所を考えずに済むのはありがたい

 

ただ、A3サイズまでなると使いやすいが、今度は収納場所に困ることもあるだろう。しかし、二ツ折カッターマットであれば、使わない時は半分のA4サイズにパタンと畳んでおけるのだ。これくらいなら、どこでも適当に収納しておけるのではないか。

↑折り線が波打っているので、普通に切っている限り、まず刃が入り込むことはない

 

面白いのは、この二つ折りにする折れ目が波打っているところだ。これにより、カッターナイフで切っているうちに刃が折れ目に入り込んでしまうことが防げるのである。

 

良くできた製品なので、こちらは子どもだけでなく大人も使ってみて欲しい。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

尻尾つきのシヤチハタに、高級車の製造技術を活用したペンも!「文具展ISOT」をおさらいしよう

先日、東京ビッグサイトで「第29回 国際文具・紙製品展」が開催されました。通称は「ISOT(イソット)」。年に一度の“文房具の大商談会”とあって、日本のメーカーだけでなく世界各国から出展があり、また世界中の小売店担当者やバイヤーが集まります。

 

そこで、文房具の魅力を紹介する「毎日、文房具。」編集長として、またISOTを盛り上げるべく昨年から登場した「ISOT 文具PR委員」の一員として、文房具の最新情報を収集してきました。会場で歩いた歩数はなんと、2日間で3万歩オーバー。文字通り足を使って集めた情報の中から、個人的に気になった文房具を厳選して紹介します。

 

まずはアイデア抜群の新製品を3つご紹介しましょう。

 

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これが先端の突起。

 

なんとここで、ダンボールのガムテープをビーーーッと破ることができるのです。

刃物が付いているわけではないので、安全。カッターが持ち込めない場所での作業にもおすすめです。

 

ゼブラ「マッキーワーク」についてはコチラも → 乾かない&段ボールが開く!? アスクルの新作マーカーにグッとクル

 

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数々の特許を持つ、東大阪市の発明家である横田氏のアイデアを、エイジ化成が具現化して完成したのが「横田文具」シリーズ。

 

ローラーを回すことで、付箋を1枚ずつかんたんにめくれる「簡単にめくれる付箋ケース」や、

 

紙に折り目をつけることなく、一枚でもピシっと立てることができる「クタっとならないペーパースタンド 」など、

この手があったか! というアイデアと、スタイリッシュなデザインが見事に両立している製品でした。私もデスクにいくつか置きたいと思います。

 

エイジ化成「横田文具」についてはコチラも →まさに発明! 好きが高じて文具マニアがメーカーに作らせた文具が凄すぎ!

 

高校生が考えた「レシート日記」

レシートを貼って、その日に買ったものやお出かけの記録を残すための日記「レシート日記」です。ありそうでなかった新しいライフログツールだと感じました。

 

表紙のデザインもレシートっぽくなっていて可愛いですね。

 

続いては、デザインに優れた文房具の中から、特に“カワイイ”文房具を3つご紹介します。35歳のおじさんが言うのもなんですが、カワイイは正義です、えぇ。

 

SNSに写真をアップするときに使える「吹き出しノート」

これはスガイワールドの「吹き出しノート」

 

これを使えば、あたかもその人、もしくはペットやモノが話をしているかのような写真が撮れます。

SNSに写真をアップするときにぴったりですね。これもありそうでなかった製品。

 

スガイワールド「吹き出しノート」についてはコチラも → 機能追求型と遊び追求型。多様化する最新ノートの振り幅が凄い!

 

いつもよくみる輪ゴムがミニサイズ缶に「オーバンド缶 30g」

ミニサイズになるだけで、なぜこんなにカワイイのでしょうか。よく見る輪ゴム「オーバンド」のミニサイズ缶です。

 

丈夫なブリキ缶に入っているので、どこにでも持ち運びができて便利です。またハローキティデザインや迷彩柄などもありました。

 

猫好きにはたまらない「ネーム9 着せ替えパーツ おめかしっぽ」

ビジネスシーンでも家庭でも、なくてはならないとても便利なシヤチハタのネーム印「ネーム9」の 猫着せ替えパーツ「おめかしっぽ」

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【機能部門】グランプリは誰でも安全に切れる「キッター」

折る刃式カッターナイフを発明したオルファが、まったく新しい“切る体験”を提案。

 

「キッター」はご覧のとおり、刃が特殊なプラスチックで圧着して保護されており、切れる部分が最小限しか出ていません。先も尖っておらず平らになっていて、これなら子どもも安心。

 

下のスタンドには刃を折る機構があり、安全に刃を折ることもできます。初めてのカッターに最適な一本と言えるでしょう。

 

100年ぶりの進化で、かるーく開くダブルクリップ「エアかる」

もうひとつ、機能部門で気になった製品を挙げておきましょう。“てこの原理”を応用し、開く力を最大約50%も削減したダブルクリップ、「エアかる」(写真右)です。

 

ダブルクリップとは、もともとテコの原理を使って開け閉めをすることができるのですが、本体部分に小さな突起をつくり「支点」の位置をずらすことで、軽い力で開けることができるように。

 

さらにレバーの長さを変更することで、“てこの原理”をさらに利用し軽い力でクリップを開くことができるのです。

右がエアかる。レバーが長く、指に負担がかからない形状です。これが、実際に触ってみると驚きの軽さ。これからのダブルクリップのスタンダードになってくれたら、うれしいなと思います。

 

プラス「エアかる」についてはコチラも → ダブルクリップが唯一の弱点を克服! 発明から100年で初の革新とは?

 

【デザイン部門】グランプリは簡単にページを入れ替えできるノート「FLEXNOTE – UPWARD NOTEBOOK」

手で引き抜く・指で押しはめる、という簡単な動作で一枚ずつページの入れ替えができる、国内初のディスクバインド方式のノート「FLEXNOTE-UPWARD NOTEBOOK」です。

 

ルーズリーフやシステム手帳とは、またひと味違うページの入れ替え機構。私も仕事用ノートとして使ってみたいです。今後、手帳用のシートや対応するパンチのようなものがもし出てくれば、さらにカスタマイズの幅が広がりそう! 期待大です。

 

国内外の高級車に搭載される自社技術を筆記具に!?「Laurett’s MLK万年毛筆」

こちらは、丸安精機製作所の「Lairett’s MLK 万年毛筆」。“超美麗切削加工”という、世界レベルの切削加工により作られたボディはとても美しく、また触り心地も気持ちいいです。ずっと触っていたくなるような触感!

 

筆の部分も、「開明墨汁」とのコラボで筆運びの良い書き味を実現しています。

 

さて、ISOTには海外メーカーの出展も年々増えてきています。最後に、海外文具の注目作も紹介しておきましょう。

 

台湾初、高品質でカスタマイズ自由な「KEEP A NOTEBOOK 寫筆記」

台湾のCHING CHING STATIONERY(青青文具)の「KEEP A NOTEBOOK 寫筆記」は、A5スリム、もしくはコンパクトなハンディサイズのノートです。

 

紙は高品質で、万年筆とも相性がいいんです。リフィルの種類の豊富さが特徴で、一般的な横罫や方眼はもちろん、左ページが横罫で右ページが方眼のタイプや、旅の記録に適したものなど、さまざまなリフィルがあります。

「DIY MULTI POCKET NOTEBOOK COVER」を使えば、使いたいリフィルをセットして持ち歩くことも。私も台湾現地の文房具店で見たことはあるのですが、ぜひ日本でも取り扱って欲しいです。

 

いかがでしたか? 新製品の中にはこれから発売を予定しているものもありますから、発売が待ち遠しいですね!

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。

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紙は高品質で、万年筆とも相性がいいんです。リフィルの種類の豊富さが特徴で、一般的な横罫や方眼はもちろん、左ページが横罫で右ページが方眼のタイプや、旅の記録に適したものなど、さまざまなリフィルがあります。

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いかがでしたか? 新製品の中にはこれから発売を予定しているものもありますから、発売が待ち遠しいですね!

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。