⽊材・⾦属のカットを快適に! ハイパワーで低振動「18V XR ブラシレス・オービタルジグソー」発売

スタンレー ブラック・アンド・デッカーは、ツールブランド「DEWALT(デウォルト)」から、⾼耐久、ハイパワー、多機能、使いやすさを実現した「18V XR ブラシレス・オービタルジグソー」を、9⽉上旬より発売します。

 

ジグソーは、⽊材や⾦属などの直線や曲線カットに対応する切断⼯具で、本製品は電動⼯具など24機種(※1)を展開している18Vバッテリーシリーズです。⾼耐久・⾼効率・⼩型軽量のブラシレスモーターの採⽤、業界最⾼⽔準の低振動設計などにより、パワフルかつ快適な切断を実現。

(※1) インパクトドライバー、インパクトレンチ、振動ドリルドライバー、丸ノコ、レシプロソー、LEDライト、集塵機、ファン、ヒートガンなど24機種(国内販売のみ)

 

また、7段階の最⾼速度、4段階のオービタル(切断速度)調節機能などにより、素材の種類や硬さなどに合わせて効率よく作業することができます。

 

切断⾓度は0-45度にワンタッチで調節できるほか、ブレード着脱はワンタッチのラッチ式、ガイド線が⾒やすい2灯のLEDライトや⽊屑のブロワ機能、切断⾯の⽑⽻⽴ちを軽減する刃⼝板など、使いやすさにこだわった機能を搭載しています。柔らかい素材を保護するカバープレートや別売の集塵機との接続アタッチメントなどが付属し、希望⼩売価格は4万7300円(税込、バッテリーなど別売)。

 

DEWALT「18V XR ブラシレス・オービタルジグソー」

希望⼩売価格:4万7300円(税込、バッテリーなど別売)

収納家具の基本!棚受けの取りつけ方を徹底解説!/蝶番&金具辞典(19)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をこれまでお届けしてきた。

蝶番以外の金具も種類が豊富で、これらを上手に使いこなせば、建具&家具作りの幅を広げてくれる。今回からは、そんなラッチ、落とし、戸車、ステー…といった建具・家具に使うアイテムを紹介。

*蝶番の基本構造についてはコチラをチェック!

*蝶番の基本的な取りつけ方はコチラをチェック!

*ラッチ・掛け金の基本とバリエーションはコチラをチェック!

 

Hardware 11 棚受け

家具や収納スペースの棚板を支えるための金具。使い勝手をよくするためには強度を第一に考えるのが大切!

 

差し込み式の棚受けダボ。最も一般的なタイプで、棚の側板に穴をあけて埋め込む

 

受け座式の棚受けダボ。側板に埋め込んだメン(メス)に、オン(オス)をはめて棚受けにする

 

棚柱と呼ばれる、棚受けの一種。棚の数と位置を自由に決められるタイプで、重量のあるものにも対応できる

 

壁などに棚を吊るすために使う棚受けには、L字型、L字型に支えがついた三角形、プランターなどを載せるフォーク型、棚柱を立ててそこに棚受けを装着するものなど、さまざまな種類がある。

棚板の位置をいつでも変えられるようにはしたいけれど、作品をスマートに仕上げたいときに便利なのが棚受けダボだ。よく使われるのが上記写真の「差し込み式」や「受け座式」で、他にも先端にクギがついた「打ち込み式」などがある。ダボ穴はそれぞれ深さを一定にするのがポイント。市販のストッパーを装着するか、ビットにビニールテープを巻いて目印としよう。

 

折りたたみ式の棚受け。必要なときに起こして使うことができるので、狭いスペースで活躍する

 

細い角材を棚受けとして使用した例

 

L字のアルミアングルを棚受けとして使用した例

 

棚受けダボ(受け座式)の取り付け例

 

棚柱の取り付け例

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2014年8月時のものです。

収納家具に欠かせないスライドレール&キャッチの取りつけ方を徹底解説!/蝶番&金具辞典(18)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をこれまでお届けしてきた。

蝶番以外の金具も種類が豊富で、これらを上手に使いこなせば、建具&家具作りの幅を広げてくれる。今回からは、そんなラッチ、落とし、戸車、ステー…といった建具・家具に使うアイテムを紹介。

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Hardware 09 スライドレール

机の引き出しによく使われる金物。引き出し量と耐荷重をしっかりと把握しておこう。

 

横付け式、2段引きのスライドレール。レールの長さ、耐荷重によって価格が異なる

 

レールをつけ、スライド式の棚板にした例

 

スライドレールには、引き出し側面につける「横付け」、引き出し底の裏につける「センター付け」、パソコンデスクのテーブル天板を引き延ばすために使われる「天吊り」などの種類がある。さらに、4分の3ほど引き出せる「2段引き」と、完全に引き出せる「3段引き」など、レールによって引き出し量が異なるので仕様をよく確認しよう。

取り付けの際は、レール同士を平行に取り付けることが大事になる。また、レールの厚さぶんすき間が必要になるので設計の際には注意すること。

 

スライドレールの取り付け例

 

Hardware 10 キャッチ

掛け金などを使用しない扉を保持するための止め金物。キャビネットなどの室内用の収納家具の扉に最適だ。

 

マグネットキャッチ。横型と縦型があり、吸着力にもバリエーションがある

 

ローラーキャッチ。ローラー付きの受けが、扉につけた突起をしっかりとホールド。キャッチがボールタイプのものもある

 

プッシュキャッチを棚の開き戸に使用した例。押し込むだけで開け閉めができるので取っ手がいらない

 

主に、収納家具の扉の内側に使われるキャッチ。掛け金とは違って、表面に金具が見えないので作品をスマートに仕上げられる。種類としては、磁石の力で扉を保持する「マグネットキャッチ」、突起(ストライク)がローラーの受けに挟まることで扉を保持する「ローラーキャッチ」、扉を押すとスプリングの作動によって開け閉めができる「プッシュキャッチ」などがある。テレビやレコーダー用のキャビネットなど、磁気を嫌う製品を置く家具にはローラーキャッチかプッシュキャッチを使うとよい。以下では、マグネットキャッチの取り付け例を紹介するが、ローラーキャッチ、プッシュキャッチでも手順は同じだ。

 

マグネットキャッチの取り付け例(扉が側板の内側にくる場合)

 

マグネットキャッチの取り付け例(扉が側板の外側にくる場合)

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*掲載データは2014年8月時のものです。

吊り戸車&ステーの取りつけ方を徹底解説!/蝶番&金具辞典(17)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をこれまでお届けしてきた。

蝶番以外の金具も種類が豊富で、これらを上手に使いこなせば、建具&家具作りの幅を広げてくれる。今回からは、そんなラッチ、落とし、戸車、ステー…といった建具・家具に使うアイテムを紹介。

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Hardware 07 吊り戸車

ドア、窓、カーテンなどに使う吊り下げ式戸車。敷居なしで引き戸を作るならこの金物を使おう!

 

一般的な吊り戸車。金具部分は鉄、車輪は耐摩耗性の優れたジュラコン製のものが多い

 

引き戸には吊り戸車でドアを吊るし、鴨居につけたレールを走らせる方法もある。吊り戸車はよく倉庫の出入り口などに用いられることが多く、通常の戸車はドアの下に取りつけるが、吊り戸車はドア上につけるのが特徴。ドアだけでなく、窓やカーテンなどの戸車として使うことも可能だ。サイズもバリエーションがあり、ひとつの金具に車輪が複数ついているものも存在する。使うときはドアの耐荷重に注意して選ぼう。

 

吊り戸車の取りつけ例

 

Hardware 08 ステー

扉の開きを直角に止めるための金物。扉を開け閉めする感触にこだわることもできる。

 

折りたたみ式のステー。任意の角度で止められる。サイズやデザインもさまざま

 

ソフトダウンステー。扉がゆっくりと閉まるので、上開きの扉に使うのに最適。ある程度、扉に重さがないとうまく働かない

 

ライティングデスクなど、手前に引き出しながら開けるキャビネット扉などに使用される金物。小屋の窓などに流用しても面白いだろう。種類としては写真上のような「折りたたみ式」が一般的。他にも丸棒がスライドする「回転式」、閉まる方向にはゆっくりと折れ曲がる「ソフトダウンステー」、車のバックドアのように少ない力で開けられる「トルクステー」などがある。また、それぞれに横開き用と上開き用が存在するので、注意しよう。取りつけ方は蝶番と併用し、ステーは側板と扉の前板の裏につけて使用する。いずれも扉が直角に開いた状態で、ステーが45度になるように取りつけよう。

 

折りたたみ式ステーの取りつけ例

 

ソフトダウンステーの取りつけ例

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*掲載データは2014年8月時のものです。

戸車&レールを使った引き戸・引き窓の作り方を徹底解説!/蝶番&金具辞典(16)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をこれまでお届けしてきた。

蝶番以外の金具も種類が豊富で、これらを上手に使いこなせば、建具&家具作りの幅を広げてくれる。今回からは、そんなラッチ、落とし、戸車、ステー…といった建具・家具に使うアイテムを紹介。

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Hardware 06 戸車・レール

引き戸をスムーズに開閉するための金物。ドアの種類や重さなどを考慮して選びたい。

 

平戸車。レールは使わず、敷居の溝を走らせるタイプ

 

丸戸車。車輪に丸いくぼみがあり、丸いタイプのレールと合わせて使う。レールも鉄製や真ちゅう製といった種類がある

 

アルミサッシの取り換え用の戸車。はめ込み式で簡単に取り付けできる。購入する際はアルミサッシのサイズや種類をよく確認しておこう

 

開き戸を開くスペースがない場所などに有効なのが引き戸。戸車とレールを使えば意外と簡単に作ることができる。また、ドア・窓枠の下を戸車のサイズに合わせて掘れば、金具が表面に見えず、スマートに仕上げられるのも大きなメリットだ。

戸車には上記の「丸戸車」「平戸車」以外にも、車輪の両脇が覆われた「ソデ付き戸車」など、様々なバリエーションが存在する。取り付けるドアの種類や重さ、環境によって種類やサイズを選ぶようにしたい。とくにアルミサッシ用の戸車はメーカーによってサイズや形状が異なるので、交換する際は注意して購入しよう。

 

戸車・レールの取り付け例(引き戸)

 

戸車・レールの取り付け例(引き窓)

 

溝彫りや切り欠きを行なわない引き窓の作り方

断面イメージ図のように、上の窓枠に材をつけて窓がはずれないようにすれば、溝掘り&切り欠き加工は不要。ビギナーにおすすめ。

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*掲載データは2014年8月時のものです。

ターナー色彩の「エイジング仕上げ塗料キット」をdopa shopにて販売開始!

dopa 2023年4月号(No.153)掲載の広告と連動した、dopa shopオリジナルキット商品企画として、ターナー色彩のエイジング仕上げ塗料キットの販売をスタート!

【販売先リンクはコチラ】
https://dopashop.jp/products/detail/19

 

 

無垢の木材に塗り込むだけで、味のある古材のような仕上がりになる「オールドウッドワックス」1缶 と、重ね塗りすることで色に深さや厚みが出る下地材「ベースコート」100ml 1本をセットでお届け。

カラーはそれぞれ「アンティークグレー」「ウォルナット」「チーク」の3色から選択できます。

また、購入者にはもれなく、ターナー色彩オリジナルハケを1本無料でプレゼント!この機会にぜひお買い求めを!

 

エイジング仕上げ塗料キットの特徴と使い方

クレセント錠やシリンダー錠など「錠前」の留め方を徹底解説!/蝶番&金具辞典(15)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をこれまでお届けしてきた。

蝶番以外の金具も種類が豊富で、これらを上手に使いこなせば、建具&家具作りの幅を広げてくれる。今回からは、そんなラッチ、落とし、戸車、ステー…といった建具・家具に使うアイテムを紹介。

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Hardware 05 錠前

住宅などの防犯対策に欠かせない金具。毎日開け閉めする場所なので、ゆるんでいたらすぐに補修・交換を!

 

シリンダー錠。外側から鍵を回すとデッドボルトが飛び出してドアをロックする。内側からの施錠はサムターン式、プッシュ式などがある

 

引き違い窓用の鍵としてよく使われるクレセント錠。右・左側用があるので購入する際は要注意

 

使い勝手を考え、掛け金やチェーンなどには「南京錠」、小物入れの扉には「パッチン錠」といったスタンダードな錠前で十分だが、玄関などの外と内を隔てるドアには防犯性を高めるために必ず強固な錠前をつけるようにしたい。錠前としては一般的な「シリンダー錠」のほかに、ノブと鍵が一体になったものが使われることが多い。なお、引き違いの窓の錠前には、半円盤の突起(受け)にフックを引っかけて施錠する「クレセント錠」が多くの住宅に使われている。空き巣・泥棒に狙われにくくするために、二重ロック式や、ふたつ以上の鍵をつける(ツーロック)のがおすすめだ。

 

クレセント錠の取りつけ例

 

シリンダー錠の取りつけ例

 

その他の錠前

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*掲載データは2014年8月時のものです。

【本日締切!】豪華賞品が手に入る「第25回 dopa DIY大賞」応募作品大募集中!

もの作りファンのためのコンテスト『dopa DIY大賞』。今回で第25回目となる本コンテストは昨年11月より募集を開始。

今回も優秀なDIY作品にはドゥーパ!の誌面で紹介&豪華賞品を授与します。

2023年2月号の本誌内で豪華賞品を発表し、続々と応募作品が到着中のdopa DIY大賞に、新たな協賛メーカーが加わり、豪華賞品が一層グレードアップ!

自慢のDIY作品があるならば気軽にエントリーを。DIYer諸氏からのたくさんのご応募お待ちしています!

Web応募はコチラから!
*応募したら「#ドゥーパdiy大賞応募した」のハッシュタグで、SNS発信をぜひ!(必須ではございません)
*郵送での応募も受け付けています。詳細は本記事の最後にある「送付方法」を参照してください。

 

第25回 ドゥーパ!DIY大賞 協賛メーカー(五十音順)

EcoFlow

岡田金属工業所(ゼットソー) 

神沢鉄工(FEDECA)

京セラインダストリアルツールズ

シンワ測定

スターエム

スター電器製造(SUZUKID)

STIHL

スリーエム ジャパン(スコッチ(R))

髙儀(EARTH MAN)

ブラック・アンド・デッカー

マキタ

マックス

*協賛メーカーへのdopa DIY大賞に関するお問い合わせはご遠慮ください。

 

募集要項

●応募作品…DIYで作った作品。過去、ほかの作品コンテストで入賞された作品の応募はご遠慮ください。ユニークで斬新なアイデアに満ちた作品をお待ちしています。
●応募資格…個人、グループなど。ただし、現役のプロの方はご遠慮ください。また、受賞作品は本誌で紹介するため、誌面作りにご協力いただきます。なお、編集部による取材を受けていただく場合があります。

 

賞設定について *賞設定は変更になる場合があります

●グランプリ…1作品。すべての応募作品の中でもっとも優秀と評価された作品。豪華賞品が贈られます。
●準グランプリ…1作品。グランプリ作品に準ずると評価された作品。
●審査員賞…1作品ずつ。参加審査員各氏による推薦を受けた作品。
●dopa賞…1作品。本誌編集長による推薦を受けた作品。
●協賛メーカー賞…1作品ずつ。本企画に協賛をいただいた各メーカースタッフによる推薦を受けた作品。
●部門賞…1作品ずつ。各部門で最優秀と評価された作品。

 

部門賞について

●外メシ部門…野外で調理を楽しめるDIY作品。バーベキュー炉、ピザ窯、野外囲炉裏、キッチンストーブ、ガーデンキッチン、ガーデンシンク、ファイヤープレイスなど。
●エクステリア部門…ガーデン作品全般。ウッドデッキ、ガーデンベンチ、ガーデンテーブル、物置、フェンス、玄関アプローチ、立水栓、駐車場(カーポート)、室外機カバー、ポスト、池、花壇など。
●DIY家具部門…室内で利用する各種家具。
●DIYリノベーション部門…各種リノベーション作品。家や部屋、壁面・コーナーのリノベ、屋根裏の改造など。できるだけ遊び心のあるもの。*リノベ前の写真添付が必要。
●小屋・ガレージ部門…DIYで建てた小屋作品。ガレージ、ツリーハウス、キッズハウス、サウナ小屋、趣味部屋、工房など。
●クラフト部門…手工芸や趣味の小物、置物、玩具、カービングなど。
●溶接部門…溶接で作ったアイアン作品。
●車DIY部門…軽トラやワンボックスカーなどの荷台、荷室、居室をカスタムした作品。
●エコロジーDIY部門…SDGsを実現する作品や廃物利用、自然エネルギーを利用した作品、有機農業を応援するアイデア作品など。
●ノンセクション部門…上記の範ちゅうに入らないDIY作品。

 

審査方法

本誌編集部と審査員および各メーカーのスタッフによる厳正な審査のうえ、入賞作品を決定いたします。

 

応募方法

●作品概要を簡潔にまとめた文章、作品のカラー写真を数点添付のうえ、応募してください(作品説明のための、組み写真やイラスト、図面などを添付してもけっこうです)。
●作品1点につき、下記の応募用紙見本にあげた項目をすべて記入し、応募してください。「応募部門」は本誌で設定した部門の中から選んでください。
●応募は、おひとり様何点でもけっこうですが、同一部門への複数応募はご遠慮ください。
*ご記入いただいた個人情報(住所や名前など)は編集部からの連絡、賞品の発送に使用します。また、受賞された場合は賞品発送のため、氏名、住所、連絡先を協賛メーカーに提供する場合があります。

 

送付方法

●郵送(宅配便含む)の場合…応募書類の書式自由。ただし、パソコンで応募書類を作成した場合はプリントアウトした書類も添付してください。*作品本体での応募は、ご遠慮ください。
●応募宛先…〒135-0021 東京都江東区白河3-18-11 dopa 編集部「第25回 dopa DIY大賞」係
●WEBの場合…https://form.run/@dopa-diyaward25
●応募締切……2023年5月15日(月) *当日消印有効
●作品および各賞の発表…本誌2023年8月号から2024年6月号を予定 *掲載号は予告なく変更になる場合があります。

取っ手・レバー・ノブの留め方を徹底解説!/蝶番&金具辞典(13)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をこれまでお届けしてきた。

蝶番以外の金具も種類が豊富で、これらを上手に使いこなせば、建具&家具作りの幅を広げてくれる。今回からは、そんなラッチ、落とし、戸車、ステー…といった建具・家具に使うアイテムを紹介。

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Hardware 04 取っ手・レバー・ノブ

扉や引出しの開け閉めに必要になるのがこの金物。使い勝手や動作をイメージするのがポイント。

 

一般的なタイプのドアノブ。室内用のドアによく見られる。持ち手が円筒状になったものもある

 

取っ手は、戸の形態と開け閉めする際の動作に合わせて選ぶのが大事。手で握るタイプには「取っ手」や「ノブ」などがある。指先を引っかける「手掛け」や「引き手」、さらに指でつまむ動作の「ツマミ」など、種類やデザインはかなり豊富にある。指先を使うタイプの金物は、小さな力で開け閉め可能な扉や引出しに使うようにしたい。取り付け方はノブ以外はじつに単純で、建具の表側と、裏側から留めるタイプの2種類に分けられる。

 

取っ手のバリエーション

 

取っ手(裏ネジ式)の取り付け例

 

回転取っ手の取り付け例

 

ドアノブの取り付け例

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*掲載データは2014年8月時のものです。

落とし&アオリ止めの留め方を徹底解説!/蝶番&金具辞典(13)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

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蝶番以外の金具も種類が豊富で、これらを上手に使いこなせば、建具&家具作りの幅を広げてくれる。今回からは、そんなラッチ、落とし、戸車、ステー…といった建具・家具に使うアイテムを紹介。

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Hardware 02 落とし

横につければ建具の止め金物として、縦につければフェンスゲートやドア固定の補助として使える便利なタイプの掛け金。

一般的なタイプの落とし。これはキャッチと落とし本体を水平に取り付けるタイプ

 

ボルト式と呼ばれることもある「落とし」は掛け金の一種で、横でも縦でも使えるのが特長だ。物置などのドアの止め金物としてだけでなく、両開き扉の片方を補助的に固定するために使われることも多い。横に取り付けた際はつまみを上げて棒を左右に、縦に取り付けた際はつまみを横に動かして棒を上下にスライドすることで開け閉めできる。

 

落としの取り付け例(横)

 

落としの取り付け例(縦・その1)

 

落としの取り付け例(縦・その2)

 

 

Hardware 03 アオリ止め

ラッチ、打ち掛けなどの掛け金をよりシンプルにした止め金物。建具の一時的な保持、重くない窓や扉の固定などに使いたい。

最もシンプルで一般的なタイプのアオリ止め(真ちゅう製)。値段も安くてコストパフォーマンスがいい

 

機能的には掛け金の一種である打ち掛けと似ており、横向きに取り付けて使用する。構造としてはとてもシンプルで、フックのような形をした金具を、受けとなるリング状のピンに引っかけてロックする仕組み。障子扉や片開き窓といった止め金物として使われることが多い。値段も上写真のようなものであれば150円程度と安く、止め金物としてそれほど強度を求めないのであれば十分使える。

 

 

アオリ止めの取り付け例

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*掲載データは2014年8月時のものです。

ラッチ・掛け金の留め方&バリエーションを徹底解説!/蝶番&金具辞典(12)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をこれまでお届けしてきた。

蝶番以外の金具も種類が豊富で、これらを上手に使いこなせば、建具&家具作りの幅を広げてくれる。今回からは、そんなラッチ、落とし、戸車、ステー…といった建具・家具に使うアイテムを紹介。

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Hardware 01 ラッチ・掛け金

ガーデンハウスなどのドアや窓の開閉、戸締りなどのために必要な金具。蝶番と組み合わせて建具を使いやすくするのと同時に、防犯にも役立つ。

一組のオートキャッチラッチは、鉄棒と鉄棒をキャッチしてロックする機構のラッチ本体でワンセット。写真のものは、鉄棒がラッチ本体のロックを押し上げながら進み、鉄棒が進み切るとロックが落ちて固定される

 

エクステリア作品のドアや扉には、蝶番と一緒に開け閉めと戸締りのために、ラッチと呼ばれる鍵(南京錠やダイヤル錠)の掛けられる留め金をつけることが多い。こうしたエクステリアに使用される金具類は、ホームセンターでは木工や大工用の金具売り場ではなく、ガーデン、エクステリア用品のコーナーで売られていることが多い。木工や大工用の金具では、エクステリア用としては小さかったり、強度が足りない場合があるので注意しよう。

ここでは、ガーデンハウスなどのドアによく使われるオートキャッチラッチの取り付け方を紹介。ドア側につける鉄棒がドア枠につけたラッチ部分にあたると、自動的に掛け金の金具が持ち上がり、鉄棒が奥まで進むと掛け金が落ちてロックされる仕組みだ。

 

オートキャッチラッチの取り付け例

 

ドアへの取り付け例

 

エクステリアで使われるその他のラッチ・掛け金

エクステリア作品に使われるラッチ類は、オートキャッチラッチ以外にも様々な形状のモデルが存在する。古くから物置の戸締りに利用されてきたモデルから、カントリー風にデザインされたものまで、ここでは多くのバリエーションが存在するラッチ・掛け金の一部を紹介する。

オーソドックスな形状のラッチ。つまみをスライドさせてロックするタイプ

 

 

 

これはドアノブと一体型の打ち掛け。玄関前の門扉に使われていることが多い

 

帯金具。掛け金の一種で、古くから倉庫の金具として使われてきた。取り付け方は左記のダム掛け金と同じ。カラーも豊富

 

ダム掛け金と呼ばれる帯状タイプの掛け金。南京錠をかけることでロックできる。さらに取り付けるビスが帯の下に隠れるので、防犯上も有利

 

 

ゲートラッチ。鉄棒が折れ曲がっているのが特徴。ガーデンゲートなどにも使える

 

コーナー打ち掛け。つまみ部分がL字に折れ曲がっており、窓または引き戸の枠と、開口部の枠に取り付けて使う

 

忍止安全打ち掛け。コーナー打ち掛けと使い方は同じで、つまみの形状などが異なったタイプ

 

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*掲載データは2014年8月時のものです。

ピンヒンジ&ヒジツボはこう留めよう!/蝶番&金具辞典(11)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をお届け。

*蝶番の基本構造についてはコチラをチェック!

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Hinge 12 ピンヒンジ

ちょうど関節のような構造の小さなクラフト用蝶番。小型の箱、文房具、宝石箱、腕時計ケースなど、華奢で上品なクラフト作品にはとてもよく似合う蝶番だ。

ピンヒンジは小型のクラフト作品専用ということもできる超小型の筒型蝶番。写真のタイプで長さは下の写真のように、わずか25mm

 

 

取りつけ作業例

 

Hinge 13 ヒジツボ

和風のエクステリア向き蝶番の代表がヒジツボ。枝折戸や木戸など日本庭園に作られる造作には欠かせない。目立たないシンプルな構造が和風の庭作りによくマッチする。取り付けも比較的簡単。

一般的なヒジツボ。下側のヒジ(肘)と上側のツボ(壺)の組み合わせになる。工業規格ではなく、古くから鍛冶屋によって打たれた金具は、シンプルで独特な雰囲気を持っている

 

ヒジツボの取り付け状態の例。木戸の一部を想定している。柱になる右側の丸太にヒジ部分が打ちこまれ、そこに戸の枠になる竹に打ちつけたツボ部分が引っかけられている。引っかけるだけで、特にヒジとツボを固定することはない

 

取りつけ作業例

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2014年8月時のものです。

曲がり蝶番&アクリル蝶番はこう留めよう!/蝶番&金具辞典(10)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をお届け。

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Hinge 10 曲がり蝶番

扉板を上下ではさむタイプの蝶番。少し古いキャビネットなどによく使われていた。そのため、あえて曲がり蝶番を使うと作品にレトロな雰囲気を持たせることができる。

蝶番のイメージとは違い、部材の上下に取り付けるのが曲がり蝶番。最近の住宅ではあまり見ないタイプのレトロな雰囲気を持った蝶番だ

 

 

取りつけ作業例

 

Hinge 11 アクリル蝶番

基本的にアクリルの作品のフタに取り付けるためのアクリル製蝶番。平蝶番のバリエーションのひとつ。専用の接着剤で組み立てる。はじめてアクリルに触れる人には少し慣れが必要だが、慣れてしまえば非常に使いやすい素材だ。

透明のアクリル蝶番。専用接着剤で固定するので、金属の蝶番のようなビス穴はない。ホームセンターではクラフト用として羽根の長さが40mm程度のものが手に入る

 

 

取りつけ作業例

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*掲載データは2014年8月時のものです。

DIYで暮らしに火を取り入れよう!1/7発売の『dopa(ドゥーパ!)』152号の中身はちょろっと公開!

DIYライフマガジン『dopa(ドゥーパ!)』2023年2月号が、1月7日(土)に発売!

特集は「ストーブ・囲炉裏・焚き火」「チェンソーワークガイド」の2本立てです。

 

 

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特集は「DIYで愉しむ ストーブ・囲炉裏・焚き火」

今号のdopaでは、DIY的ファイヤーライフを実現する3種の神器「ストーブ、囲炉裏、焚き火場」をフィーチャー。それぞれの魅力を掘り下げつつ、火のある暮らしの住、食、遊を発信。自身のシチュエーションやニーズに合わせ、ぜひ暮らしに炎を取り入れてください。

Section 1 蓄熱ストーブがアツい!

特集の冒頭を飾るのは手作りストーブ。それもメイスンリーヒーター、ペチカ、ロケットマスヒーターといった“蓄熱ストーブ”を徹底解剖。高い燃焼効率とその巨大な質量で、エネルギーをロスすることなくキープ。そんなクリーンで高燃費な蓄熱式暖房の構造と魅力に迫る!

Section 2 囲炉裏の真価を発揮せよ!

東屋の床を切ったセミオープンな囲炉裏小屋、土間囲炉裏、ガレージの囲炉裏テーブルなどバラエティあふれる囲炉裏実例を皮切りに、達人が教える囲炉裏使いこなし術やコラムなど、囲炉裏と火遊びの情報が満載! 編集部の作るユニークな“土囲炉裏”作りのリポートも。これを読めば、あなたもイロリストの仲間入り。

Section 3 十人十色の焚き火場作り

焚き火の持つ解放的で野性的な炎は、ストーブや囲炉裏では味わえない。庭やプライベートフィールドで、思い立ったときに裸火と戯れる自由と快感を、魅力的な7つの常設型ファイヤーピットから紹介する。

第2特集 薪作りのためのチェンソーワークガイド

ストーブや焚き火といった火遊びはもちろん、開拓遊びを楽しむためにチェンソーを使いこなしたい。でも、なんだか危険そうだし、ちょっとハードルが高い……。本特集は、そんなビギナーでも思う存分、チェンソーが楽しめる知識やテクニックが満載! チェンソーの仕組みや選び方をはじめ、始動の準備、エンジンのかけかた、丸太の玉切りから斧を使った薪割りなど、基本のテクニックをていねいに解説。これを読めば、チェンソーなんてこわくない! 特別編として、チェンソーを使った伐木の方法も収録。

バラエティあふれる連載にも注目!

車中泊や旅を楽しむための軽バンカスタム、トリマー&ルーター木工、さらにはレザーソーイングやグリーンウッドワークなど、さまざまなジャンルのもの作りの魅力を個性あふれる作家とともにお届けします。その他、自給自足の田舎暮らしエッセイなど読み物も充実。

トルク蝶番&ピアノ蝶番はこう留めよう!/蝶番&金具辞典(9)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をお届け。

*蝶番の基本構造についてはコチラをチェック!

*蝶番の基本的な取りつけ方はコチラをチェック!

 

Hinge 8 トルク蝶番

フリーストップ蝶番と同様に開閉の途中で任意に止めることができる蝶番。こちらはステンレス製で、トルクも高いので、屋外でも使用できる。窓に使えば窓の開閉角度を自由に設定できる。

 

サイズの割にはがっちりとした作りのトルク蝶番。蝶番の真ん中にある、かしめてある部分が蝶番の動きをきつくするダンパー部分。より大きなトルク蝶番では、このダンパー部分がボルトで可動でき、トルク調整できるモデルもある

 

 

取りつけ作業例

 

Hinge 9 ピアノ蝶番

ピアノのフタのように長い部材を、しっかりと支えるための蝶番。長蝶番とも呼ばれている。長さがあるので、少しでもずれて取り付けると、ゆがんで開閉できなくなる。取り付けは注意深く行ないたい。

 

薄く、幅も狭く、その上長さもあるので、ビス留めの力の入れ具合を均等にしないと羽根がゆがんで開閉できなくなるほどデリケート。しかし取り付けた作品には高級感が漂う

 

羽根自体が薄いので、突きつけで真っすぐ留めれば、彫り込まなくてもそれほど違和感はない。彫り込んで取り付ければ、より精巧な仕上がりになる。宝石箱や手の込んだ小箱などに使うときは彫り込んで精度を上げた仕上がりにしたい

 

軸が長い分、回転に掛かる摩擦が軽減されるので、開閉は軽くスムーズになる。しかし、一部分でもゆがんでいると、開閉できなくなるので、くれぐれもビスの締め具合は全体で均一になるように注意する

 

取りつけ作業例

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2014年8月時のものです。

スライド蝶番&フリーストップ蝶番はこう留めよう!/蝶番&金具辞典(8)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をお届け。

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Hinge 6 スライド蝶番

システムキッチンやビルトインの家具に多く使われるスライド蝶番。キャッチが内蔵されたタイプでは、扉が開閉したときに、自動的に固定されるので使いやすい。また本体の調整ビスを調整することで、扉を取り付けた後で、取り付け位置の微調整ができる。

 

取り付け後も調整ビスで羽根を動かし、扉の位置を微調整できるスライド蝶番。何枚も扉が並ぶクローゼットなどに対応できるよう取り付け位置を工夫したタイプもある。T字型になった羽根部分にカップがあり、この部分を掘り込んで取り付ける

 

全かぶせと表示されたスライド蝶番を使うと、ぴったり本体を覆う扉の取り付けができる

 

取り付け後の扉の位置の微調整は、スライド蝶番の台座金具に内蔵された調整ビスを動かすことで対応する

 

各調整ビスを回すことで、数mmずつ扉の位置を調節できる

 

取りつけ作業例

 

Hinge 7 フリーストップ蝶番

ノートパソコンを開閉するときのようにフタと本体を、任意の角度で止めておける蝶番。

 

樹脂でできたフリーストップ蝶番。写真のもので羽根の幅50mm。羽根を折ると、ちょうどノートパソコンを開閉するぐらいの抵抗感(トルク感)で開閉できる。フリーストップヒンジと呼ばれることも多い

 

 

取りつけ作業例

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2014年8月時のものです。

バネ蝶番&アングル蝶番はこう留めよう!/蝶番&金具辞典(7)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

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Hinge 4 バネ蝶番

軸に巻かれたバネの反発力で、自動的に元の位置に復元するタイプの蝶番。自由蝶番と違い軸が1本なので、動きはひとつの方向だけに限定される。取り付け時、バネの力に逆らって羽根を広げるので少々力が必要。

 

バネ蝶番は写真のように、羽根が直角になった状態でロックするように軸にバネが巻かれている。蝶番を平らに開くとバネの反発力で、閉じる方向に動く

 

取りつけ作業例

 

Hinge 5 アングル蝶番

装飾性もある丈夫な蝶番で本棚や書斎の家具など、落ち着いた雰囲気を求められる作品によく使われる。羽根の片方はカップを掘り込んでつけ、片方は突きつけで固定するため、取り付けは丈夫になる。

 

アングル蝶番は円形のほうの羽根がカップ状になっていて、カップの分をドリルで掘り込み、そこに埋め込んで固定するので、確実な取り付けができる

 

羽根のバランスやデザインもいいので、取り付け後の内側からの見た目もいい

 

蝶番取り付け後、トビラを閉じて外から見た状態のアングル蝶番

 

取りつけ作業例

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2014年8月時のものです。

軽量な扉に使うフラッシュ蝶番はこう留めよう!/蝶番&金具辞典(6)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

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Hinge 3 フラッシュ蝶番

2枚の羽根が羽根1枚の厚さに収まるようにデザインされた平蝶番のバリエーション。フラッシュ扉のような軽量な建具に多く使われるためフラッシュ蝶番と呼ばれる。

フラッシュ蝶番は2枚の羽根が中抜きされて、厚さが羽根1枚分に収まっている。その羽根自体も通常の平蝶番よりかなり薄めに設定されているので、掘り込みなしで使っても、あまり不自然には見えない

 

フラッシュ蝶番に使われるビスは小さいタイプ。プラス1番のドライバーが対応する

 

取りつけ作業例

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2014年8月時のものです。

スイングドアに欠かせない自由蝶番の使い方はこれでばっちり!/蝶番&金具辞典(5)

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Hinge 2 自由蝶番

外からでも内からでも、押し開いて手を離せば自動的にドアが閉まる。スイングドアには欠かせない蝶番。

自由蝶番を展開したところ。2本の軸の中にバネが入っていて、それを締めることで生まれる反発力を利用し、自動的に閉まる。羽根を3枚にすることで、前後どちらからでも開けられる。バネをロックする小さな2本のピンは絶対になくしてはいけない

 

こうして谷に開くことができる

 

反対に山なりに開くこともできる

 

閉じた状態を上から見ると3枚の羽根が折りたたまれている

 

このように開くと上の軸のバネが効いて元に戻る

 

逆に開いたところ。下の軸のバネが効いて元に戻る

 

取りつけ作業例

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2014年8月時のものです。

平蝶番の使い方がまるわかり!蝶番の取りつけ穴の補修はこうやる!/蝶番&金具辞典(4)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をお届け。

今回は平蝶番をモデルに、蝶番の取りつけ穴の補修方法を紹介。

*蝶番の基本構造についてはコチラをチェック!

*蝶番の基本的な取りつけ方はコチラをチェック!

*建具の取りつけ手順はコチラをチェック!

 

Hinge1-4 平蝶番

平蝶番の取りつけ穴の補修例

蝶番自体は頑丈な金属製なので、それ自体が壊れるということはあまりないが、蝶番が固定されている木部の方は、想定外の力が加わったり、長年の使用でもろくなったりして傷んでしまうことがある。きちんと蝶番が固定できないと、他の部分も傷んでくるので、トラブル部分は早目に補修したい。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2014年8月時のものです。

平蝶番の使い方がまるわかり!建具の取りつけ手順を解説/蝶番&金具辞典(3)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をお届け。

今回は平蝶番をモデルに、蝶番の基本的な取りつけ方を詳しく紹介。

*蝶番の基本構造についてはコチラをチェック!

*蝶番の基本的な取りつけ方はコチラをチェック!

 

Hinge1-3 平蝶番

基本的な建具の取りつけ例(窓編)

 

基本的な建具の取りつけ例(ドア編1)

 

基本的な建具の取りつけ例(ドア編2)

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2014年8月時のものです。

平蝶番の使い方がまるわかり!まずは基本構造を解説/蝶番&金具辞典(1)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をお届け。

まずは平蝶番をモデルに、蝶番の基本的な仕組みや、はたらき、取りつけ方などを詳しく紹介。

 

<記事内ギャラリー>

 

Hinge1 平蝶番

<平蝶番各部の名称>

蝶番(ちょうつがい)は、開き戸やゲートなど開け閉めする動きの部分を支えるパーツ。上の写真の平蝶番というタイプが、サイズや材質のバリエーションも多く、広範囲に使われている。蝶番は付属の皿ビスで固定するのが一般的で、ビス頭が収まるようにビス穴を座ぐりしている面が表になる。

なお、「ちょうつがい」が正しい呼び方だが、「ちょうばん」という呼び方も慣用句として広く使われている。

 

ドアに使われている平蝶番、羽根の長さは100mm。蝶番の厚さ分、ドアの側面と枠は座ぐりされて、面がそろうように加工してある

 

羽根の長さ15mmという小さな平蝶番。クラフトの箱に接着剤で固定されている

 

平蝶番のサイズ

ステンレス製平蝶番のサイズ違いの例。長くなるにつれて取り付け強度を増すためにビス穴が増えていく。幅は左から20mm、32mm、40mmの例

 

<平蝶番のサイズ例> ※単位はmm

長さ 厚さ
25 20 0.8
32 22 0.8
38 26 0.9
40 32 1.2
51 34 1.5
64 40 1.5
76 49 1.5
100 66 1.5

 

それぞれの平蝶番に付属する専用の皿ビス。平蝶番のサイズに合わせた組み合わせになっている。ビスはぴったりの数が付属し、予備は入っていないので、なくさないように注意する

 

羽根が見える位置で取りつけると、作品によっては不自然な感じになる

 

平蝶番は羽根が外に見えないように使うと、すっきりした外観になる

 

平蝶番の背押しについて

左が背押しのある平蝶番、右が背押しのない平蝶番。背押しのない平蝶番は閉じたときのすき間が広くなる

 

平蝶番には、羽根を閉じたときにすき間が軸の太さ分開く背押しのないタイプと、すき間の少ない背押しのあるタイプがある。背押しの有無は、パッケージには明記されていないので、実物を手に取って確認する必要がある。背押しのある蝶番は材の合わせ面の内側に取りつけることが多く、背押しのないタイプは材の外側に取りつけることが多い。

材の合わせ面の内側に取りつける場合は、下の写真のように、掘り込みの深さが違ってくるので、注意が必要だ。

 

背押しと彫り込みの関係
背押しのある平蝶番を材の合わせ面に置くと、羽根2枚を重ねた厚みのすき間があく

↓↓↓

背押しのある平蝶番は、合わせた材をそれぞれ羽根1枚分の厚さずつ彫れば、材の面を合わせることができる

 

背押しのない平蝶番を材の合わせ面に置くと、軸の太さ分のすき間があく

↓↓↓

材を合わせるためには、それぞれの面を軸の太さの半分ずつ彫りこんで、面を合わせるように加工する

*掲載データは2014年8月時のものです。

誰でも美しく棚板を留められる!全米No.1メーカー「Kregポケットホールジグ」の使い方を詳しく解説!

棚を作る際、棚板の留め方はたくさんある。留め方次第で、スマートな棚になったり、頑丈な棚になったり、便利な棚になったりする。

単純なビス留めにもさまざまな方法があるが、ここでは誰でも簡単に美しく仕上げられる「ポケットホールジョイント」と呼ばれる固定パターンについて紹介したい。

ワンランク上の収納家具を作りたい人は必見です!

 

ポケットホールジョイントは裏側から留めるので、ビス頭が見えず、強度も十分にある

 

見えない位置から斜めに下穴をあけて棚板をつなぐ

ポケットホールジョイントとは、材料の裏面に斜めに下穴(ポケットホール)をあけ、ポケットホール専用ビスで接合する方法のこと。表面からビス頭が見えないので、見た目はきれい、かつ十分な強度が確保できる。

接合箇所をきれいに仕上げる方法には埋め木やダボ継ぎなどがあるが、それらと比べるとスピーディーに作業できるのが特徴。通常のビス斜め打ちはややコツが必要で、慣れないと失敗しやすいが、ポケットホールでは専用のジグをドリルガイドとして使い下穴をあけるため、ビギナーでも簡単に作業できる。非常におすすめの方法だ!

 

ビスを下に隠せる
見えにくい場所にポケットホールをあけるようにすれば、見た目すっきりで美しく仕上げられる。ポケットホールさえあいてしまえば、あとはビスを打つだけなので組み立て作業も超簡単

 

秘密は2段の下穴
ポケットホールジグを使えば、ビス頭が収まる大きい下穴と、ビスを打つための細い下穴が専用のドリルビットで同時にあけられる。これにより、ビスを打つ方向や角度が決まるので、ビギナーも安定した斜め打ちが行なえるようになる

 

カスタマイズは無限大!
ポケットホールジョイントでノックダウン式シェルフを作ってみよう

作り方はいたって単純。木取り後に棚板にポケットホール加工を施し、側板に天板・棚板を縦に1列ずつ固定してユニットを作り、最後にそれぞれを合体させるだけ(ノックダウン方式)。作例では階段状に製作したが、中央が凹んでいたり、橋渡ししたような状態で連結したりと、デザインは自由自在。ポケットホールを用いれば、このように棚板が隣り合う構造のシェルフも気軽に作れる!

 

<主な使用道具>
Kregポケットホールジグ320、ドライバードリル、クランプ、サシガネ、サンドペーパー

<その他の材料>
ポケットホール専用ビス(32mm)

<木取り表>

材の種類 サイズ(mm) 数量 使用部位
パイン集成材(18mm厚) 1112 2 側板A
764 1 側板B
416 1 側板C
400 9 天板・底板・棚板D

 

<Kregポケットホールジグ320を使ったノックダウン式シェルフの作り方>
*画像をタップするとご覧いただけます

 

棚の完成度が高まるポケットホールジグの決定版「Kregポケットホールジグ320」

キャリーケースの中に、ドリルガイド(ジグ本体)、ドリルビット、スクエアビット、シックスネスゲージ、クランプアダプター、ポケットホール専用ビスがセットになっている。板厚13~38mmに対応。AmazonほかECサイトにて販売中。希望小売価格7980円(税込)。

●問い合わせ先…(株)Japan Liebe

 

全行程をまるっと凝縮してお見せするYouTube動画はこちら!

tokobo wood

9年前から独学で木工を学び、YouTubeやwebサイトにて木工家具・図面の販売、テクニック指導を行なう木工家。愛知県を中心に全国でイベント出展・協力、ワークショップも精力的に活動している。
https://tokobowood.com/

ちょっと上級なチェンソーの玉切りテクニックを伝授!/DIY工具使いこなし術(13)

チェンソーといえば、イメージされるのはエンジンを動力としたモデルだが、今回紹介するのは、充電式バッテリーを電源とする電動チェンソー。

電源がバッテリーなので、一般的な電動チェンソーのように、コードを引き回す必要がなく、屋外でも軽快に使うことができる。

今回使用したバッテリーチェンソーはSTIHL MSA 160 C-BQ。径20cmの丸太の連続玉切りまで使用できる、高い実用性を持つモデル

 

長い丸太をきれいに玉切りする少し上級の切り方

長さのある丸太を玉切りしていると、切っている途中で材の重さで丸太が折れて落ちてしまうことがある。これを防ぐには、玉切りの途中からガイドバーの上側を使って、丸太を下から上に切るという方法を使う。

丸太を馬に載せて固定したら、切り方は下のイラストAのように丸太に(1)~(4)の部分を設定し、まず普通に上から(1)まで切る。次にキックバックしないよう気をつけながら上から(2)を切る。イラストBのようにガイドバーの先端上部(キックバック危険ゾーン)が材に当たるとキックバックしてチェンソーが自分の方に飛んでくるので、十分に集中して作業する。

(3)の部分はソーチェンの上側を使って下から上に切る。チェンソーの上側のスパイクを丸太に当て支点として切ると安定した作業ができる。(4)の部分は(3)から連続した動きで切り上げる。このときガイドバーの先端は必ず丸太の向こう側に出し、ガイドバー先端の上部が丸太に当たらない、キックバックしない体勢で切ること。

 

<丸太を割らない玉切りテクニック>

 

ガーデンリビング作りに使える小技テクニック

ここでは径10cm程度の丸太を杭に加工して、その杭に看板の板を付けるための溝を掘る。

丸太を杭にするには、丸太の片方の端を尖らす加工が必要。これは馬に固定した丸太の左右2面を斜めに切り取り、90度回転させてまた左右2面を斜めに切ればいい。切る度に安全に切れる位置に、その都度足場を決めることと、スパイクが使いづらいので、チェンソーを腕力で支えるため、しっかりと構えることが大切だ。

丸太に看板の板などはめる溝は、取り付ける板幅で2カ所に切れ目を入れたら、切れ目の底に合わせて、チェンソーの先を突っ込んで向こう側に貫通させて切る。キックバックしないように突っ込みはじめは、真っすぐに突っ込まず少し角度をつけて切り込むとうまくいく。

切り出した面はブラッシングという方法でならす。写真のようにチェンソーを立ててする方法と寝かせる方法がある。

 

<テクニック1、丸太を杭にする>

 

<テクニック2、溝を彫る>

 

日々のメンテナンスでチェンソーはいつも快調!

チェンソーは刃が命なので使用する前か後に必ずメンテナンスする。写真のような方法でメンテナンスすれば、チェンソーはいつも軽快に使うことができる。刃の研ぎは最重要なメンテナンスとなる。きれいに研げれば、振動も騒音も少なく、切断作業も早くなる。ソーチェンは小さなカンナが並んでいる状態で、ソーチェンの刃に向きあうデプスゲージはカンナの台にあたる部分。カンナ刃と台の高低差でカンナの切れ味が変わるように、ソーチェンの刃とデプスゲージの高低差で切れ味を保持するので、写真のように専用のファイルゲージでデプスゲージの高さを測定し、必要なら削って、刃とデプスゲージの高低差を合わせるようにする。

また、ガイドバーは上下7対3の使用率でひっくり返して使うと減りは平均して、ガイドバーの片べりを防いで長期間使うことができる。

写真◎冨士井明史/取材協力◎栗田宏武、スチール

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年8月時のものです。

電動だから使いやすい!バッテリーチェンソーの基本と玉切りのやり方/DIY工具使いこなし術(12)

チェンソーといえば、イメージされるのはエンジンを動力としたモデルだが、今回紹介するのは、充電式バッテリーを電源とする電動チェンソー。

電源がバッテリーなので、一般的な電動チェンソーのように、コードを引き回す必要がなく、屋外でも軽快に使うことができる。

今回使用したバッテリーチェンソーはSTIHL MSA 160 C-BQ。径20cmの丸太の連続玉切りまで使用できる、高い実用性を持つモデル

 

バッテリーチェンソーはDIYにぴったり

薪作り、枝払いなど園芸作業、軽度のログワークに使うなら、振動と騒音の少ないバッテリーチェンソーはとても使いやすい。住宅地の庭などで使うとなると、騒音の出るエンジンチェンソーは使えないので、バッテリーチェンソーしか選択肢はない。この、STIHL MSA 160C BQは36Vのハイパワーバッテリーリチウムイオンで駆動する高効率のモーターを搭載し、新型の低振動(=低騒音)ソーチェンを装備したモデル。

長さ30cmのガイドバーは、径20cmまでの樹木を切断するようにデザインされているので、ガーデンDIYで丸太を相手にするにはちょうど手頃なサイズになる。

バッテリーチェンソーは、充電したバッテリーをセットし、ハンドルサイドのセーフティーボタンを押しながら、スロットル(トリガースイッチ)を引けば、シャーッという軽快な音と共にソーチェンが回り出す。ちょうど丸ノコを使うのと同じように使うことができるのは電動ならではの使いやすさだ。

また、体の安全対策も重要なポイント。以下の写真のように頭、目、手、下半身、足は必ず保護して作業する。

 

<始動の仕方>

 

チェンソー作業の基本「玉切り」で扱いに慣れる

直径20cmまでの間伐材を、薪に使いやすい長さに切り分ける。こうした切断は、林業やログワークでは玉切りと呼ぶ。チェンソーの基本的な作業だ。切る材は写真のように馬に乗せ、安定して切れるように準備しておく。

チェンソーは本体と直角になるようにハンドルが付いていて、写真のように、ここを持ってぶら下げると、ちょうどバランスが取れるようになっている。そのままアクセルのハンドルを握り、目線が目、ソーチェン、墨線と一直線になるように構え、材にソーチェンを当てずにチェンソーを始動。すぐ回転が安定するので、目、ソーチェン、墨線を一直線に保ったままソーチェンを材に当てれば切断開始。ちゃんと研いであるソーチェンが付いていれば、チェンソーの重さだけで切れていく。玉切りでは材にチェンソーを押し付ける必要はない。押し付けなければ切れないのは、刃が減っているためなので、すぐ研ぎ直す。

枝払いなども同様に切る場所を決めたら、目、ソーチェン、墨線を真っすぐに構え切る。足元をしっかり決め、枝の落ちる方向を見極めて、なるべく枝の上部から、何回かに分けて切ると安全に切れる。枝払いなど、チェンソーを持ち上げる作業では、チェンソーが肩より上がらないように注意する。

 

<玉切りでのチェンソーの動き>

 

<玉切り作業手順>

写真◎冨士井明史/取材協力◎栗田宏武、スチール

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年8月時のものです。

ノコギリ&カンナのお手入れ方法を解説!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(18)

ノコギリ、カンナといった手工具は見るからにシンプルな構造で、メンテナンスといっても拭き掃除ぐらいしか考えられないが、こうした工具も、鉄と木材の組み合わせで組み立てられているので、分解掃除なども可能で、パーツの交換もできるのだ。

これでもっと手工具に親しめるようになろう。今回はノコギリとカンナのメンテナンス。

 

ノコギリの刃交換

ノコギリの刃は一般的に厚さ7mm程度と、薄く仕上げられているので、簡単に曲がってしまうし、サビも浮きやすい。また、切れ味が落ちたのをわからないで使い続けている人も多いようだ。刃が曲がったり、折れたりしていないのに、なんかノコギリの調子が悪いなと思ったら、刃が減っていると思って間違いない。切れ味が悪くなると、そのノコギリに手を出さなくなり、ほっておくとサビサビになってしまうということが多い。

現在のDIYに使われるノコギリは、メーカーごとに取り付け方法が違ったりするが、ほとんどの場合、刃は交換式となっている。自分のノコギリが交換式かどうかわからない場合は、ホームセンターで店員に見てもらえばすぐにわかる。メーカーがわかったら適応する新しいノコギリ刃を買ってくれば、すぐに刃を交換することができる。

新しい交換用の刃を手に入れたら、各メーカーの説明に従って、刃を交換する。ここで紹介する例では、柄の背金に沿った刃のフックを取り外し、取り付けすることで刃を交換できる仕組みになっているタイプ。注意する点は、工程の一部で直接刃を握る場面があるので、手を切らないように紙で包んだり、皮手袋をするなりして作業すること。

 

<ノコギリ刃の交換手順>

  1. 交換刃を用意する
  2. 古い刃を取り外す
  3. 新しい刃を正しくセットする
  4. 新しい刃を取り付ける
  5. できあがり

 

カンナの下面(下端)のメンテナンス

カンナの刃が仕込まれている木の部分は台と呼ばれる。この台の調整を台直しと呼び、刃の突き出し調整と、台の調整の組み合わせで、軽く引いてよく削れるカンナにすることができる。

台の調整はカンナの下面(以下、下端)の一部を薄く削り、刃の幅一杯に材との摩擦を最小限にして、軽く引けるようにすること。

メンテナンスは、はじめにカンナの下端をサンドペーパーで真っ平らに調整してからはじめる。平らな作業台の上にサンドペーパーを広げて、カンナの下端を当てて研摩する。こだわる人は、より精密な平面の得られる、鏡の上や板ガラスの上にサンドペーパーを置いて作業するという。

カンナの下端を削るには台直しカンナという専用のカンナもあるが、DIY用であれば、幅の広めのノミを真っすぐ立てて構え、これで削る方法でいい。台の下端を削る深さは0.1mm程度。デジタルノギスなどを使えば削り量を簡単に計測できるが、真っすぐな定規を下端に当てて、明かりを透かして見るという方法でも十分だ。

<カンナの下端調整の手順>

  1. カンナ刃、裏金を緩めて下端面より沈める
  2. サンドペーパーで下端を平らに均す
  3. 墨つけする
  4. 下端を削る
  5. すき間の確認
  6. カンナ刃、裏金の突き出し量の調整
  7. 試し削り。できあがり

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年12月時のものです。

切断や研磨などディスクグラインダーの使い方を徹底解説!/DIY工具使いこなし術(11)

専用のディスクが、毎分およそ1万回転という超高速で回転し、ディスクを交換することで、材を切ったり、削ったり、磨いたりできる電動工具が今回紹介するディスクグラインダー。

交換用のディスクは、加工する材の材質にあわせていろいろな種類があり、また、それぞれ切断、研削、研磨用に分かれている。

*ディスクグラインダーの基本編はコチラ

 

最新のディスクグラインダーは本体が細く、しっかりとグリップできるようにデザインされている。グリップデザインはディスクグラインダーを選ぶ際の重要なポイントだ

 

ディスクを使い分ければ多用途に使える

切断や研削、研磨する材料によって、取り付けるディスク(砥石と呼ばれる)を交換して使うのもディスクグラインダーの特長。これによって木材から、金属、非金属、レンガなどいろいろな材を加工することができる。

ただし、加工精度は荒く、5mm程度の誤差は想定内として作業したほうがいい。誤差は小さくできるが、練習が必要だ。

ディスクグラインダーで材を切るときは、ディスクをスタートさせ、しっかり本体を保持し、材に対して真っすぐに切断用砥石を当て切り始める。切断の方向は、上から下、奥から手前というように、ディスクグラインダーを引いてくる方向で動かす。切る材の厚さより深くディスクが切り込むと、キックバックを起こし危険なので、材に深く切り込まないように注意する。

同じく、研削や研磨の場合は、切るときと同じようにディスクをスタートさせたら、ディスクが材に対して20~30度の角度になるように構え、対象となる材の上に掛ける力は、ディスクグラインダー自体の重さとし、軽く動かして研削、研磨していく。力を込めて材にディスクを押し付ける必要はない。

また、ディスクの回りをカバーするホイールカバーは必ず取り付けて作業する。プロの現場ではずして使用するのを見ることがあるが、わざわざ進んで危険な状況を作ることはない。

 

中央の黒いボタンがディスク交換の際、ディスクの回転軸をロックするスピンドルロックボタンディスク

 

グラインダーを使った切断、研削

切断は材を切ること、研削は材を削ること。ディスクグラインダーは元々金属の加工用に作られた工具なので、色々な金属、樹脂に対応したディスクのバリエーションがある。ガーデンエクステリアではレンガ、テラコッタを切断するダイヤモンドホイールが活躍する。複数の材に兼用できるディスクもあるが、専用ディスクの方が材に対してよく切断、研削できる。

切断、研削砥石の一般的な見分け方。左の薄いのが切断砥石、右の厚みのあるのが研削砥石と呼ばれる研削用ディスク

 

鉄工用切断砥石

鉄板、鉄棒などを切るためのディスク。厚さ3~4mmまでの鉄板(軟鉄)なら、ストレスなく切断することができる。より硬い鉄鋼やステンレスには鉄鋼・ステンレス用の切断砥石を使う。逆にステンレス用切断砥石なら鉄板も切ることができる。

 

アルミ用切断砥石

建具の材料などによく使われるアルミ材の切断は、鉄工用切断砥石を使っても切断できるが、アルミはやわらかいので、鉄工用ではしばらく使ううちに砥石の目が詰まって切れ味が悪くなる。アルミの材質に合わせて作られた専用のディスクなら、いつでも快適な切断ができる。

 

ダイヤモンドホイール

主に合成ダイヤモンドを配合した金属製のディスク。レンガ、テラコッタ、タイル、あまり厚くない石材の切断に利用される。ガーデンエクステリア作りのDIYでは、一番出番の多いディスクといえる。レンガやテラコッタを切る場合は、火花の代わりにものすごい量の土煙が出るので、ゴーグルはもちろん、マスクの装着も必要だ。

 

プラスチック用切断砥石

よりやわらかく、ねばりのあるプラスチック、塩ビ、FRP等を切るためのディスク。DIYで作る配管や暗渠に塩ビ管を使うときの切断加工を大幅にスピードアップしてくれる。

 

鉄工用研削砥石

研削砥石は切断砥石より厚く作られている。切断砥石は傾けて使ったときに、力が掛かりすぎると回転中に破壊して飛び散り大変危険なので、鉄工での削る作業では研削砥石を使用すること。

 

木工用研削砥石

木工用のサンドペーパーが円周上に重ねて取り付けられたディスク。ディスクの縁が丸められているので、材の内側の隅や角部などでも使いやすい。

 

ディスクグラインダーを使った研磨

研磨は材を磨くこと。ここでは錆びた鉄製品、非鉄製品の錆び落しから、磨き上げまでの作業、木材の艶出しなどのことをさす。一般的に研磨では、何段階かに工程を分けて、その工程ごとに、ディスクを交換しながら磨き上げていく。

 

錆びた鉄材の研磨

一面に錆びの浮いた鉄材も、ていねいに研磨すれば、きれいな鏡面に仕上げることができる。古代、鉄は鏡として使われていたこともあるので、完璧に研磨できれば、言葉どおり鏡面になる。ここでは4段階で研磨している。

 

木材を研磨する

木材のなかでも広葉樹の材は、研磨することによってきれいな木目の浮き出る材が多い。ここではメイプル(カエデ)材を3段階で研磨して、木目を出している。

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

写真◎冨士井明史/取材協力◎白井 糺、イチグチ

*掲載データは2012年6月時のものです。

切断から研磨まで多用途に使えるディスクグラインダーの基本を解説!/DIY工具使いこなし術(10)

専用のディスクが、毎分およそ1万回転という超高速で回転し、ディスクを交換することで、材を切ったり、削ったり、磨いたりできる電動工具が今回紹介するディスクグラインダー。

交換用のディスクは、加工する材の材質にあわせていろいろな種類があり、また、それぞれ切断、研削、研磨用に分かれている。

 

最新のディスクグラインダーは本体が細く、しっかりとグリップできるようにデザインされている。グリップデザインはディスクグラインダーを選ぶ際の重要なポイントだ

 

ディスク100mm径用のディスクグラインダーが使いやすい

ディスクグラインダーは使用するディスクの径に合わせて100mm用、125mm用、150mm用、180mm用などのバリエーションがあるが、プロも含めて100mm用ディスクグラインダーがもっとも広く使われ、ディスクのバリエーションも豊富だ。実際に作業しても100mm用グラインダーは一番使いやすく、これ以上大きなモデルでは、工具を安定させるだけでも大変で、作業中には危険すら感じる。125mm用以上のモデルは、専門職用といえる。

ディスクグラインダーを使うときに、一番注意する点は、工具の保持。とくにスイッチ位置の関係から、始動するとき、片手で持つことになるので、スイッチを入れた拍子にディスクグラインダーを落とさないように、しっかりと保持すること。新型のモデルには今回使っているモデルのように、本体を細くして、持ちやすくデザインされたモデルもある。細身のモデルなら、手が小さい人でも、片手でしっかり保持することができる。

 

パワースイッチは本体後部についていることが多いため、スイッチのオンオフでは本体を片手で持つことになるので、しっかり保持して始動、停止する

 

誤作動を防ぐため、プラグは作業時以外は必ずコンセントから抜いておくことを習慣づける

 

市販のスピードコントローラーを使い低速側へ回転数の調整ができる。便利な別売アクセサリーだが、電子コントロール式のディスクグラインダーには使えないので注意

 

また、丸ノコのようにトリガースイッチから指を離せば、スイッチが切れるという仕組みもないので、モーターの始動、停止時はしっかり本体を持って、スイッチを操作する。コンセントにつなぐ前には、必ずスイッチが切れていることを確認すること。スイッチが入ったままコンセントにつなぐと、突然始動して危険だからだ。

金属を加工する場合激しい火花が散るが、見た目と違い熱くない。しっかり保持するなら素手。火花はちょっとという場合は革手袋をする。軍手は、万が一繊維が巻き込まれると、手まで引き込まれるので禁止。それよりも、目に切り屑が入るほうが危険なので、メガネ、保護メガネ着用は必須だ。

 

ディスクグラインダーで作業するときはメガネ、ゴーグル等で目を保護することが大切。細かい切り屑が目に入ると失明することもある。また切粉が舞うような作業ではマスクも必要だ

 

研磨砥石で研削する場合は写真のような角度(20〜30度)でディスクを斜めに当て、強く押し付けずに工具の重さなりで、手前に引きながら削る

 

切断砥石を使う場合はディスクを立てて材に当て、手前に引きながら切断する

 

金属の加工では激しい火花が散るが、熱くはない

 

中央の黒いボタンがディスク交換の際、ディスクの回転軸をロックするスピンドルロックボタン

 

ディスク交換の方法

ディスクを交換していろいろな材質を加工できるのが、ディスクグラインダーの大きな特長。ディスクグラインダーを使いこなすには、所有しているディスクグラインダーのディスク交換の方法はマスターしておきたい。

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

写真◎冨士井明史/取材協力◎白井 糺、イチグチ

*掲載データは2012年6月時のものです。

ひとりでDIYに励むお父さん応援企画!/ひとりDIYに役立つ素敵なテクニック集・その2

「ちょっとココ押さえてて」、「そっちもう少し持ち上げて」…、そんなことを気軽に頼める相方がおらず、切ない思いに駆られたことがあるDIYerは少なくないはずだ。

運がよければ、ものわかりのいい優しい奥さんや子供が手伝ってくれるかもしれないが、それだって、それぞれに予定もあるし、機嫌の良し悪しもあるし…。

ならばDIYerよ、ひとりでも不自由なく作業を楽しめる術を身につけようではないか!

まず知るべきは、クランプだ。そして、同士たちが編み出したテクニックだ。

これで、ひとりDIYがますます愉快になること間違いなしだ~!

*クランプの種類と使い方編はコチラ

*万力の種類と使い方編はコチラ

*F型クランプの自作編はコチラ

*現場で活かせるクランプ使用例9連発編はコチラ

*ひとりDIYに役立つ素敵なテクニック集・その1はコチラ

 

みんなが実践する裏ワザ、集めました!
ひとりDIYに役立つ素敵なテクニック集

ひとりDIYをサポートしてくれるのはクランプだけじゃない!

身近にあるアノ道具やコノ資材も、使い方次第で便利アイテムに変身!

全国のひとりDIYerよ、知恵で勝負だ! じゃんじゃん応用すべし!

 

9、二丁インパクトで素早く下穴あけ&ビス留め

ハードウッドや竹、金属などをビス留めするなら、先に下穴をあける必要がある。大量にビス留めする場合、これがかなりメンドクサイ。ふたりいれば、ひとりが下穴あけ、ひとりがビス留めと分担してスピーディーに進むのに…というところだが、ひとりでもインパクトドライバーまたはドライバードリルを2台用意し、それぞれに下穴用ドリルビット、ドライバービットをつけて使い分ければとても効率的。また、下穴あけ専用と割り切って安価なドライバードリルを購入するのもナイスアイデア。

 

10、重い枕木も一輪車ならラクラク運べる

一輪車で運べるのは、砂や砂利など、荷台の内部に収まるものだけじゃない。長い枕木だって、いったん載せてしまえばラクに運べちゃう。重い枕木をひとりで抱えて運ぶのは至難の業ですからね!

11、重い材は輪に引っ掛けて高所に上げる

ふたつのカーポートの間に屋根を作って、超幅広のカーポートを作ったFさん。どうやって重い梁などを高所に上げ、固定したのか? その答えは、「針金の輪」でした。

 

12、鉄筋や丸棒の保持は端材を切り欠けばOK

鉄筋にドリルで穴をあけるときは万力に固定するといいが、万力がなくても大丈夫。適当な端材をV字に切り欠き、そこに鉄筋をはめれば転がって逃げることがない。

 

13、丸太の保持は豪快にカスガイで

自然木の形状をそのままデザインに取り入れる「曲がり木工」が得意なYさん。チェンソーで丸太を割くときには、転がらないようカスガイでガッチリ保持。割き終わったら、カナヅチで軽く叩いてカスガイをはずすだけ。作品同様、作り方もワイルド~。

 

14、足を3つ目の手に!? 曲線の墨つけテク

材の端を曲線にカットするために、サシガネをたわませて墨つけ。しかし2本の手でたわませていたら、墨つけできない。そんなときは、足でサシガネを保持!

 

15、ドアをつけるときはバールで保持

ドアをつけるとき、上下左右に多少のすき間を作っておかないと、うまく開閉しない。とはいえ、ひとりでドアを持ち上げながら蝶番をビス留めするのは超タイヘン。そこで活躍するのがバール。バールの端をドアの下に差し込み、もう一方の端を足で踏んでテコの原理で持ち上げておけば、両手が使えるのでビス留め作業も問題なし!

 

16、ストレスなしで桟を裏からビス留めする方法

1×4材を数枚並べ、3本の横桟を留めてドアを作る。その場合、裏からビスを打つほうがしっかり接合できるし、見た目もスマート。そこで、平らな場所に横桟を3本並べ、その上に1×4材を並べてビスを打つことになるが、そのままだと必ずといっていいほど作業中に横桟がズレてしまい、イライライライラ…。そんなときは、合板を作業台にして、そこに横桟を仮留めしてしまえば、ズレることなくサクサク作業が進むのだ。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年4月時のものです。

ひとりでDIYに励むお父さん応援企画!/ひとりDIYに役立つ素敵なテクニック集・その1

「ちょっとココ押さえてて」、「そっちもう少し持ち上げて」…、そんなことを気軽に頼める相方がおらず、切ない思いに駆られたことがあるDIYerは少なくないはずだ。

運がよければ、ものわかりのいい優しい奥さんや子供が手伝ってくれるかもしれないが、それだって、それぞれに予定もあるし、機嫌の良し悪しもあるし…。

ならばDIYerよ、ひとりでも不自由なく作業を楽しめる術を身につけようではないか!

まず知るべきは、クランプだ。そして、同士たちが編み出したテクニックだ。

これで、ひとりDIYがますます愉快になること間違いなしだ~!

*クランプの種類と使い方編はコチラ

*万力の種類と使い方編はコチラ

*F型クランプの自作編はコチラ

*現場で活かせるクランプ使用例9連発編はコチラ

 

 

みんなが実践する裏ワザ、集めました!
ひとりDIYに役立つ素敵なテクニック集

ひとりDIYをサポートしてくれるのはクランプだけじゃない!

身近にあるアノ道具やコノ資材も、使い方次第で便利アイテムに変身!

全国のひとりDIYerよ、知恵で勝負だ! じゃんじゃん応用すべし!

 

1、長材をビスの仮打ちで支える

長い横材を留めるとき、ひとりで水平を保持しながらビスを打つのは難しい。そんなときは材の下端に合わせてビスを仮打ちし、その上に材を載せれば問題解決!

 

2、長材の片端をジャッキで支える

ガレージの外壁を丸太の半割りで仕上げた千葉県のYさん。この半割り材の長さが約3.5mあって、ひとりで水平に保持するのが大変。そこで山口さんが思いついたのが、片端をジャッキで支える方法。なるほど、これなら微妙な調整にも都合よさそう。

 

3、長材の両端を端材の仮留めで支える

小屋を作っていた編集部メンバーが、垂木の木口に3mの幕板をビス留めしたいが、ひとりではどうしても水平に保持できず、思いついた策。両端の垂木の下面に端材を留め、その上に幕板を載せれば、ラクに正確なビス留めが可能に!

 

4、結束バンドをコーナークランプに

宅配物を梱包していた結束バンドは、そのままコーナークランプとして利用可能。巻いて締めただけではどうしてもすき間ができるから、端材をクサビにしてテンションをかければ、簡易コーナークランプの完成だ。

 

5、自作クサビで材を保持

材を上に突き付けてビス留めしたいときなど、片手で材を正確に突き付けながらビスを打つのが難しい。そんなときは材の下にクサビを入れて、材を固定してしまえば作業がラク! クサビは端材を適当に斜めにカットすれば作れるから、とてもお手軽。

 

6、自作つっかい棒で材を保持

壁に蝶番を介して折りたたみ式の作業台をつけるときに、自作つっかい棒で材を支え、蝶番をビス留め。自作つっかい棒は、床から材までの寸法にあわせて端材をカットすればできあがり。床や地面からの高さがさほどない範囲なら、さまざまな場面で使えそうなテクニック。

 

7、両面テープで仮留めして正確にビス留め

ビス留めする際に、あらかじめ両面テープで固定しておくと、材がズレる心配がなく、とてもラクに正確にビス留めできる。とくに、繊細さを要求される小さい材の接合には有効。ガレージ6142の白井さんは、棚作りで、棚受けのアルミアングルを側板に留めるときに、このテクニックを使ってました~。

 

8、あらかじめ仮打ちで素早くビス留め

ビス留めの際、材を突き合わせてからビスを打ち始めると、ビスの先端が滑ったりして手間取るうちに材がズレてイライラ……。材を保持してくれる人がいないひとりDIYではよくあるパターンだ。プロの作業でよく目にするのが、あらかじめビスの先端を材に打ち込んでから、接合箇所に突き合わせる方法。これなら素早くビス留めできるから、材の保持が大幅にラクに!

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年4月時のものです。

ひとりでDIYに励むお父さん応援企画!クランプ・万力徹底ガイド/現場で活かせるクランプ使用例9連発!

「ちょっとココ押さえてて」、「そっちもう少し持ち上げて」…、そんなことを気軽に頼める相方がおらず、切ない思いに駆られたことがあるDIYerは少なくないはずだ。

運がよければ、ものわかりのいい優しい奥さんや子供が手伝ってくれるかもしれないが、それだって、それぞれに予定もあるし、機嫌の良し悪しもあるし…。

ならばDIYerよ、ひとりでも不自由なく作業を楽しめる術を身につけようではないか!

まず知るべきは、クランプだ。そして、同士たちが編み出したテクニックだ。

これで、ひとりDIYがますます愉快になること間違いなしだ~!

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*万力の種類と使い方編はコチラ

*F型クランプの自作編はコチラ

 

助手代わりに駆使するクランプ術が満載! クランプ使用例現場写真集

ひとりで作業する現場では、やっぱり助手がいればなあと思う場面はしばしば発生する。そんなときこそクランプの出番。クランプなら「重くないですか?」「お茶いれます?」など、気を使わずに、徹底的に使いこなすことができる。ここでは実際の現場で使われるクランプの使用例を紹介。

 

1、根太受けの組み立て

 

2、ひとりで横桟を取り付ける手順例

高い場所に横向きに材を打ち付ける作業の手順を紹介しながら、クランプの使い方を見ていく。こうしたエクステリアの現場では写真のような中型のグリップクランプか、中型のF型クランプが使われている。

 

3、パーゴラの組み立て

 

4、門柱上下の間隔を調整する

 

5、根太張り

 

6、ドアの板材をはぐ

 

7、高所の材の仮固定

 

8、カーブ用墨つけ定規を固定する

 

9、根太の高さを仮固定する

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*掲載データは2012年4月時のものです。

ひとりでDIYに励むお父さん応援企画!クランプ・万力徹底ガイド/現場で活かせるクランプ使用例9連発!

「ちょっとココ押さえてて」、「そっちもう少し持ち上げて」…、そんなことを気軽に頼める相方がおらず、切ない思いに駆られたことがあるDIYerは少なくないはずだ。

運がよければ、ものわかりのいい優しい奥さんや子供が手伝ってくれるかもしれないが、それだって、それぞれに予定もあるし、機嫌の良し悪しもあるし…。

ならばDIYerよ、ひとりでも不自由なく作業を楽しめる術を身につけようではないか!

まず知るべきは、クランプだ。そして、同士たちが編み出したテクニックだ。

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*万力の種類と使い方編はコチラ

*F型クランプの自作編はコチラ

 

助手代わりに駆使するクランプ術が満載! クランプ使用例現場写真集

ひとりで作業する現場では、やっぱり助手がいればなあと思う場面はしばしば発生する。そんなときこそクランプの出番。クランプなら「重くないですか?」「お茶いれます?」など、気を使わずに、徹底的に使いこなすことができる。ここでは実際の現場で使われるクランプの使用例を紹介。

 

1、根太受けの組み立て

 

2、ひとりで横桟を取り付ける手順例

高い場所に横向きに材を打ち付ける作業の手順を紹介しながら、クランプの使い方を見ていく。こうしたエクステリアの現場では写真のような中型のグリップクランプか、中型のF型クランプが使われている。

 

3、パーゴラの組み立て

 

4、門柱上下の間隔を調整する

 

5、根太張り

 

6、ドアの板材をはぐ

 

7、高所の材の仮固定

 

8、カーブ用墨つけ定規を固定する

 

9、根太の高さを仮固定する

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*掲載データは2012年4月時のものです。

F型クランプを自作してみよう!/ひとりでDIYに励むお父さん応援企画!クランプ・万力徹底ガイドの特別編

「ちょっとココ押さえてて」、「そっちもう少し持ち上げて」…、そんなことを気軽に頼める相方がおらず、切ない思いに駆られたことがあるDIYerは少なくないはずだ。

運がよければ、ものわかりのいい優しい奥さんや子供が手伝ってくれるかもしれないが、それだって、それぞれに予定もあるし、機嫌の良し悪しもあるし…。

ならばDIYerよ、ひとりでも不自由なく作業を楽しめる術を身につけようではないか!

まず知るべきは、クランプだ。そして、同士たちが編み出したテクニックだ。

これで、ひとりDIYがますます愉快になること間違いなしだ~!

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*万力の種類と使い方編はコチラ

 

作って使う道具DIY、F型クランプを作る

クランプは数がいるもの。数が増えれば経済的負担もそれなりになる。そこで、作れるなら、自作してみようということで、F型クランプを作ってみた。既製品のような完璧さはやや欠けるが、それなりに使うことができる。

 

自作したF型クランプ。アゴが木製ということで、ちょっとウッデイな雰囲気

 

クランプの定型といわれるF型クランプを手作りする。材料はホームセンターでそろえられるもので集めている。部材の数は6点とシンプルなものだ。目新しい部材といえば高ナットと呼ぶ、長さのあるナット。なければ、普通ナットや蝶ナットでもいいが、高ナットだと早回しがしやすい。工程で気を使う場面は穴あけで、穴が傾かないようにあけることが大切だ。堅い材を使いたいところだが、はじめの1台は、この作例どおり作ってみて、自作に自分なりの工夫を加えて、オリジナル度を上げて楽しみたい。

 

<木取り表> *単位はmm

材の種類 サイズ 数量 使用部分
垂木材(30×30) 110 2 アゴ
120 1 ハンドル
ボルト(8mm径) 150 2
高ナット(8mm径) 30 1 ロックナット

 

 

F型クランプの自作手順

写真◎冨士井明史/インストラクター◎白井 糺

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*掲載データは2012年4月時のものです。

ひとりでDIYに励むお父さん応援企画!クランプ・万力徹底ガイド/万力の種類と使い方編

「ちょっとココ押さえてて」、「そっちもう少し持ち上げて」…、そんなことを気軽に頼める相方がおらず、切ない思いに駆られたことがあるDIYerは少なくないはずだ。

運がよければ、ものわかりのいい優しい奥さんや子供が手伝ってくれるかもしれないが、それだって、それぞれに予定もあるし、機嫌の良し悪しもあるし…。

ならばDIYerよ、ひとりでも不自由なく作業を楽しめる術を身につけようではないか!

まず知るべきは、クランプだ。そして、同士たちが編み出したテクニックだ。

これで、ひとりDIYがますます愉快になること間違いなしだ~!

*クランプの種類と使い方編はコチラ

 

材をガッチリつかめ! 万力の種類と使い方

単純な工具ながら、ひとりDIYの工房にあるとないとでは、作品づくりの手順に大きな影響を与える。

万力はちゃんとしたものを手に入れれば、数十年は使える道具でもある。

 

木工用万力

バイスとも呼ばれる万力。まさに鉄の塊りといった道具だが、はじめは鉄工の道具として発展してきたので、無骨さは鉄工所向き。木工用の万力はつかむアゴが鉄工用より薄く、アゴには木の板か、木の板を取り付けるためのネジ穴が切ってある。

木の板が取り付けられない万力は鉄工用で、これで材を挟むと材をつぶしてしまうので、購入の際には木の板の保護材が見極めのポイントになる。アゴの長さが5cm程度のものから90cmもあるダブルハンドルの長大なモデルまで、バリエーションもある。

 

高速早締めバイス

 

平バイス

こちらも元は鉄工で穴あけをするとき、ボール盤のテーブルに置いて材を固定するための小型の万力。木工でもボール盤を使った穴あけでは、材を仮固定して、より正確な穴あけをするために使われる。

 

作業台兼用万力

簡易式の作業台として日曜大工に愛用される写真のような製品には、万力機能を備えたモデルもある。ハンドルを回すと天板が開き、ここに材を挟んで万力として使えるし、付属のブロックを天板上の穴にセットすることで、幅広な材にも対応できる。なんといってもホームセンターの店頭価格が1万円でお釣がくるという手頃さがうれしい。

 

スーパージョーズ

足踏みでアゴを動かし材を挟む大型の万力。締め付け力は1トンという強力なもので、丸太や枕木もつかむことができる。家具木工ではオーバークオリティー気味だが、エクステリアの木工では、ハードな作業もしっかりこなしてくれる。

 

ツインスクリューバイス

作業台の側面に取り付けるハンドルが2本付いた大型の万力。海外通販のキットで販売されている。2本のハンドルは同期させて回すこともできるし、別々に回すこともできるので、長い材はもちろん、少々テーパーのかかった材も締めることができる。

写真◎冨士井明史/インストラクター◎白井 糺

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ひとりでDIYに励むお父さん応援企画!クランプ・万力徹底ガイド/クランプの使い方と種類編

「ちょっとココ押さえてて」、「そっちもう少し持ち上げて」…、そんなことを気軽に頼める相方がおらず、切ない思いに駆られたことがあるDIYerは少なくないはずだ。

運がよければ、ものわかりのいい優しい奥さんや子供が手伝ってくれるかもしれないが、それだって、それぞれに予定もあるし、機嫌の良し悪しもあるし…。

ならばDIYerよ、ひとりでも不自由なく作業を楽しめる術を身につけようではないか!

まず知るべきは、クランプだ。そして、同士たちが編み出したテクニックだ。

これで、ひとりDIYがますます愉快になること間違いなしだ~!

 

ひとりでも快適に木工を楽しむために
クランプ・万力を使いこなす

材同士を締めて仮固定したり、作業のために材を作業台に固定させる道具がクランプや万力。
使う状況に応じて小さなモデルから大きなモデルまであり、締め込む方法も多彩だ。

 

工房の壁の一角を占領するさまざまな種類のクランプ

 

写真のような形状のパーツのカンナがけでも、万力ならしっかり固定でき安定した作業ができる

 

木工に親しめば親しむほど、使用頻度が上がっていくのがクランプや万力。さまざまな作業で、材をしっかり仮固定することは大切なポイントで、いろいろな寸法の作品づくりをするたびに必要なサイズのクランプが増えていく。壁一面にクランプを収納しているベテランも少なくない。

クランプと呼ばれる道具には、使う目的や、サイズ、それに製造者のアイデアによって、バラエティー豊かなデザインがそろっている。その数はちょっとしたコレクションとしてもいいぐらい多い。実際、実用と趣味を兼ねて、サイズ別に違うデザインのクランプを買い足して楽しんでいるDIYerもいるほどだ。

クランプと並んで材を仮固定するのに活躍するのが万力。バイスとも呼ばれる万力は、作業台などに本体が固定され、材を挟んで締めて固定する。切断やカンナがけなど、材をしっかり固定して作業する必要がある場合に使われる。木工では木工用万力と呼ばれる、アゴに保護用の木の板をつけた、木工用のモデルを使う。

 

接着剤を使った組み立てはクランプ技の見せ所

 

エクステリアの木工でもクランプは大活躍

 

バリエーション豊かなクランプで木工を楽しむ
クランプの種類と使い方

デザインと使い方に、バリエーションが豊富なのもクランプの特長。材を締めるという単純な目的のためにさまざまなアイデアを詰め込んだ、いろいろなクランプが市販されている。

 

F型クランプ

ロックなしのF型クランプ。ホームセンターで一番よく見るタイプがこれだ

 

木工用クランプでもっともベーシックといわれるのが、F型クランプ。見た目がアルファベットのFに見えるのでF型と呼ばれている。

片方のアゴにネジがついていて、アゴを動かして大体の締め位置を決め、次にネジを締めて本締めするという使い方をする。使用できる幅が10cmから60cm程度でさまざまな長さがある。アゴがロックできるロック付きタイプと、ネジを締めることで摩擦力で軸にロックするロックなしのタイプがある。

 

C型クランプ

本来は鉄工、溶接用として作られている鉄製のクランプだが、シンプルで頑丈なので、木工でもよく使われ、価格も安い。

構造上あまり大きな開口が作れないので、木工でも開口幅5cmから10cm程度のものが、作品の細かな部分で使われることが多い。アゴが鉄製で小さいので、木工に使う場合は、アゴに当て木をして使うこと。

 

ピストルグリップ式クランプ

現在クランプの主流となりつつあるのが、ピストルグリップ式のバークランプ。リリーストリガーを引くとアゴが自由に動くようになり、材を挟んだらピストルグリップを数回握ると本締めできるという動きで材を仮固定できる。

家具作りはもちろん、片手で締めと緩めができるので、高所でも使いやすく、エクステリア木工の現場でもよく使われている。

開口幅のバリエーションは中型のモデルで30cmと60cmというものが多い。同型のモデルで大型と小型もラインナップされているので、クラフトから家づくりまで、いろいろな場面で使うことができる。

 

クランプでゆがみを修正しよう

 

リバース機能のあるクランプを利用する

 

スプリングクランプ

濯バサミ型のクランプで、クリップとも呼ばれる。樹脂製のものが多く、開口部をあまり広く設定できないので、比較的薄いものや小さいものの仮固定に使われる。

 

ベルトクランプ

額縁などの組み立てに使われるクランプ。角を押さえるブロックの数を増減することで、三角形から多角形に、ブロックを外せば円形や不定形を固定することもできる。

 

ハタガネ

伝統的に日本の指し物作りで使われるクランプ。開口は30cmから90cm程度まで腕の長さで何種類かある。アゴは小さいが、慣れるとシンプルな構造だけにけっこう使いやすい。

 

ウッドクランプ

こちらは、西洋の伝統的なクランプ。2本のネジを回して材を締める仕掛けは、最初は回す方向に戸惑うが、慣れれば問題はない。このクランプならではの木の雰囲気もよい。

 

コーナークランプ

角部分で2方向の材を直角に仮固定するクランプ。額縁の組み立てなどで便利に使える。あまり大きなものには使えない。

 

写真◎冨士井明史/インストラクター◎白井 糺

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*掲載データは2012年4月時のものです。

洗面台の排水パイプのメンテナンス方法を詳しく解説!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(17)

歯磨き、手洗い、洗顔と毎日使う洗面台。長年使ってる間に、排水口から嫌な臭いが立ち上ってきたり、排水の流れが悪くなったりしたら、排水管の詰まりを疑いたい。

排水管は簡単な構造なので、ちょっと注意すれば、DIYでメンテナンスできる。リフレッシュした排水管で気持ちよく洗面台を使おう。

 

家庭の洗面台。下側にU字に曲がったトラップのあるタイプが今回の対象

 

<洗面台の排水パイプメンテナンスの手順>

  1. 止水栓を閉じる
  2. U字管の上側のナットを緩める
  3. U字管の下側のナットを緩める
  4. U字管のパッキングを検査する
  5. U字管の内部を掃除する
  6. 排水管の内部を掃除する
  7. U字管の上下ナットを締める
  8. 止水栓を開ける
  9. 水を流して排水の状態を確認する

 

排水管は洗面台から水が流れ落ちていく部分にUの字(Jの字)に曲がったトラップ部分(U字管)がついている。この部分に水を溜めて、排水管本管から上がってくる悪臭やゴキブリ、ネズミの侵入をシャットアウトしているのだが、曲がっている部分なので、知らない間にここに髪の毛や練り歯磨き粉、石鹸かすなどが堆積すると、水が腐って悪臭を発したり、除々に管が詰まって排水の流れが悪くなることがある。この部分をきれいにするだけで、悪臭や詰まりの問題は一発解消できる。

作業はトラップ部分を取り外して、管の内部を洗浄し、再び元に戻すだけなので、基本的な工具はトラップのナットを緩めるウォーターポンププライヤーと管内掃除用のブラシがあればいい。作業中に漏れた水を受けるバケツ、飛び散る可能性の高い汚水を拭く雑巾も用意しておくと安心だ。

U字管のナットは六角で対辺幅が36mm、43mmなどと太いので、ウォーターポンププライヤーも開口幅が十分なものを用意する。また口金がギザギザしているものは、ナットのメッキをはがし、傷つけてしまうので、口金はギザギザのない平らなタイプか、写真のような口金に樹脂のついたタイプを使う。ギザギザのものしかない場合は、口金にテープを巻いてナットを傷つけないように気をつけたい。

 

ウォーターレンチプライヤー(パイプレンチ)は開口が広く取れるようにデザインされたプライヤー。配管を傷つけないように、口金に樹脂のついたモデルを使った

 

パイプ洗浄用のブラシ。U字管の口から底まで届くものを使う

 

補助的に柄つきタワシがあると便利

 

水まわりの作業では基本となるのが止水栓を閉めてから作業をはじめること。排水管に直接関係ないがDIYでの安心感のためにも止水栓は閉めておく。

長年ほったらかしになっていたナットは、サビや水垢で固まって動かないことがある。CRC5-56など潤滑材を吹き、木づち、ゴムハンマー、プラスチックハンマーなどナットを傷つけないハンマーでナットを叩くと回るようになる場合が多い。

U字管のU字を抜けて向こう側まで届くパイプ掃除のブラシもあるが、かなり高価。実際の作業では、写真のようなパイプブラシで両側からU字の底までブラシをかければ、効果は十分ある。

 

<排水トラップのメンテナンス作業例>

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年10月時のものです。

マルチな使い方ができる!「ジグソー」活用の上級テクを徹底解説・後編/DIY工具使いこなし術(9)

切断用の電動工具としては、動きが穏やかで、手に触れにくいところに刃がついているので、初心者でも危険なく使えるDIYの入門用工具ととらえられることが多い。確かにそれは見識だが、使い方を工夫したり、選ぶモデルによっては、ベテランの片腕となる性能を発揮してくれるのもジグソーの実力だ。

*ジグソーの基本を解説した前編はコチラ!

 

ビギナーからベテランまでいろいろ使える切断用電動工具、それがジグソーだ

 

ジグソー用の直線切りジグを作る

フリーハンドでは切り線が墨線からぶれやすいが、ジグを手作りして、ジグソーが真っすぐにしか進めないように工夫すれば、安心して直線切りにジグソーを活用できる。厚さ3mm程度の合板やMDFボードを必要な長さ×幅30cm程度用意し、そこから左右2枚のフェンスを切り出す。このフェンスでジグソーのベースプレートを左右から挟み、両面テープで固定したら、ブレードを付けたジグソーを一度通して溝を切るだけの簡単な工作だ。

 

直線切りジグの作り方

 

直線切り用ジグを使う

 

メーカー製のジグもある

写真は、ボッシュ純正別売アクセサリーにラインナップされたPLS300というジグソーガイド。写真中央のスライドガイドにジグソーをセットして、スライドさせれば、簡単に直線切り、角度切りなどができる。最大切断幅は315mm、最大切断厚さは25mm、ガイド部は左右45度まで振ることができる。ボッシュの現行DIY用ジグソーに適応するが、ベースプレート幅があえばボッシュプロ用ジグソーでも使用できる。

ボッシュのジグソーに対応するPLS300

 

ジグソーはブレード交換でマルチ工具に変身

ジグソーは切断用電動工具の中ではブレードの交換が容易にできる。ジグソーを所有する人口も多いので、用途別にさまざまなブレードが開発されて販売されている。使いこなせば、DIYのいろいろな場面で活躍してくれる。

 

塩ビ管を切る

 

ゴム板を切る
鉄棒を切る

 

アクリル板を切る

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

写真◎冨士井明史/取材協力◎白井 糺、ブラック&デッカー、ボッシュ

*掲載データは2012年4月時のものです。

曲線だけでなく直線切りもおまかせあれ!「ジグソー」の基本を徹底解説・前編/DIY工具使いこなし術(8)

切断用の電動工具としては、動きが穏やかで、手に触れにくいところに刃がついているので、初心者でも危険なく使えるDIYの入門用工具ととらえられることが多い。確かにそれは見識だが、使い方を工夫したり、選ぶモデルによっては、ベテランの片腕となる性能を発揮してくれるのもジグソーの実力だ。

 

ビギナーからベテランまでいろいろ使える切断用電動工具、それがジグソーだ

 

直線、カーブどちらも切れるのがジグソーのいいところ

ジグソーは、ベテランでもよく使う汎用性の高い工具だ。ただし、気持ちよくサクサクと切断を楽しむには、モーターの力がある程度以上のものを選ぶ必要がある。厚さ38mmある2×材を切るなら消費電力が500W以上あるものを選ぶと、軽快に切ることができる。主に厚さ20mm程度の材を切るなら消費電力は400Wのモデルでも大丈夫だ。

作動は家庭用のコンセントを電源にして、トリガースイッチを引くと始動する。このときロックボタンを押すと、次にトリガースイッチを引くまで動作状態でロックされ、連続切断ができる。

新型モデルのジグソーの多くにオービタル機能が搭載されている。オービタル機能とは、イラストのように、スイッチをオービタル機能に切り替えると、普通は上下に動いているブレード(刃)の動きに前方にしゃくり上げる動きが加わり、切断スピードを増すことができる。直線を切る場合、とくに縦挽き(木目に平行に切る場合)では、オービタル機能を使わないと、切断スピードはのろのろしたものになってしまう。ただし、カーブを切る場合、オービタル状態では、曲線が切りにくくなるので、カーブ切りではオービタル機能はオフにして使う。

丸ノコの場合は、刃が少なくとも長さ10cm程度材に沈んでいれば、直進安定性は確保できるが、ジグソーでは、ブレードを見れば分かるように、ブレードの前後の幅は6~7mmしかなく、フリーハンドで正確な直線を切るのはベテランでも難しい作業だ。そこで、ジグソーを使った直線切りでは、必ず写真のようなフェンスで、ベースプレートの直進がぶれないようにして切るのが基本となる。

より正確に、いつでも直線をきれいに切るためには、紹介しているようなジグソー用の直線切りジグを自作したい。このジグの作成時間は30分以内。使う道具はジグソーとドライバードリルかインパクトドライバー。それにブレード幅より太いドリルビットがあればOK。簡単で効果の高いジグなので、自分のジグソーに合わせて自作したい。

ジグソーには、木材以外の素材を切るためのブレードも市販されている。これらを使えば、DIYの幅を広げることができる。

 

ジグソーのブレードの取り付け例

ジグソーのブレードの取り付け方法は、メーカーによりいくつかの種類があり、同じメーカー内でも開発時期によって違いがある。取り付け方法によって使えるブレード、使えないブレードがあり、各自のジグソーで確認していただきたい。失敗のないブレード選びは、ジグソーと同じメーカーの純正品から選ぶのが一番だ。

現在ホームセンターに並ぶジグソーのブレードはこの2種類がほとんど。取り付け部分の形の違いで、上が一般型、下がボッシュ型と呼ばれる

<ブレード前で固定する例>

<ブレード側面で固定する例>

 

ジグソーの構え方・基本の切り方

ジグソーは本体のベースプレートから下に向けて直角にブレードが出ているので、作業中のブレードの様子を見るのは難しい。インジケーターのついたモデルの場合、それを墨線に沿わせて進めればいいが、ない場合は、ジグソーの真上からブレードを覗き込むようにし、ブレードが墨線にのっているか確認しながら切る。

 

曲線を切る

カーブ切りは、フリーハンドでは、ぶれて少々墨線からはみ出すこともある。それを防ぐには、ねじ伏せるとは大げさだが、機械は真っすぐ進もうとするので、手首に力の入りやすい位置に、立ち位置を変えながら、カーブを追いかけながら切るとズレは少ない。小さなカーブや穴を切るときは曲線切り専用のブレードを使うとよい。

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

写真◎冨士井明史/取材協力◎白井 糺、ブラック&デッカー、ボッシュ

*掲載データは2012年4月時のものです。

蛇口の水漏れの修理方法を詳しく解説!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(16)

蛇口の先からぽたりぽたりと止まることなく続く水漏れ。イライラするし、長引けば水道代にも影響あり。作業前の止水をきちんと行ない、水道管内の水を抜いておけば、作業自体は簡単なもの。使う道具も簡単なものだけでメンテナンスできる。自分でやれば200円。

 

洗面台の場合はシンク下に止水栓があることが多い

 

<蛇口の構造>

 

今回は蛇口を閉めてもぽたぽたが止まらない蛇口からの水漏れをDIYでメンテナンス。

いくらハンドルを閉めても、蛇口の口からぽたぽたと水が止まらない場合は、蛇口の中で、開閉や水量を調節するパッキンとなるコマ(ケレップというのが本来の名称)がへたっているためで、これを新しいものに交換する。

水道関係のメンテナンスでは、まず水を止めてから作業を開始すること。水を止めるには止水栓というバルブを閉めて、水の流れを止める。

止水栓は戸建ての住宅では、屋外の母屋寄りの地下に、ケースに入って納められている。集合住宅では戸別の玄関近くにある配管スペースの中にある。洗面台、キッチンのシンクでは洗面台の下に止水栓があることも多い。

 

止水栓の状況。これは戸建住宅の例

 

これは集合住宅の例

 

止水栓を完全に閉めて、水を止めたら蛇口のハンドル下にあるパッキング押さえを緩めて、ハンドルごとスピンドルを取り出す。パッキング押さえを緩めるには、ウォーターポンププライヤーやカランレンチといった水道工事専用の、かみ合わせ部が平なレンチを使うが、家庭にあるプライヤーやペンチを使う場合はかみ合わせ部にガムテープを巻いたり、ゴム板などをあてがい、パッキング押さえを傷つけないように作業する。

パッキング押さえを緩めたら、蛇口本体からハンドルごとスピンドルを取り外す。スピンドルを取り外した穴からへたったコマをつまみ出し、新しいコマと交換する。まれに、スピンドルにコマがくっ付いて出てくることもある。

コマは家庭用のものなら、ほとんどが13用というタイプで大丈夫だが、念のため本作業前に一度今の手順で分解してコマを取り外し、コマを持ってホームセンターで現物合わせで確認してから購入するのが安全だ。

蛇口本体に新しいコマを差し込んだら、スピンドルを戻して、パッキング押さえを戻して締める。ここは締めすぎるとハンドルが回せなくなるし、緩いとパッキングから水漏れするので、あんばいが大切だ。ハンドルを回しやすく、水漏れもない状態で固定する。最後に止水栓を開けて、蛇口を開け閉めして具合がよければできあがり。

 

使う道具は口金の平らなモンキーレンチ、ピンセットの2点

 

コマ(ケレップ)の例。左が節水コマ、右がゴムパッキン付きコマ

 

パッキング押さえを傷つけないように口金にギザギザのない工具を使う(上)モンキーレンチ、(下)片口スパナ

 

<蛇口内のコマ(ケレップ)交換手順>

  1. 止水栓を閉じる
  2. 水の停止を確認
  3. パッキング押えを緩める
  4. 蛇口本体からスピンドルを引き出す
  5. コマを取り出す
  6. コマを交換する
  7. スピンドルを戻す
  8. パッキン押さえを締める
  9. 止水栓を開く

 

洗面台の蛇口の水漏れ修理の例

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年8月時のものです。

アルミサッシ網戸の網交換はDIYで簡単にできます!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(15)

アルミサッシ網戸の交換は業者に依頼すると、都内で1枚1800円からというのが現在の相場。これをDIYでやれば、最初の1枚は専用ローラーなどの工具代も含まれるので1枚1000円程度になるが、2枚目からは網と押さえのゴムの代金だけなので1枚500円程度で交換できる。自分でやればセーブ・マネー。これこそお得で楽しいDIY。

 

<アルミサッシ網戸各部名称>

 

<網戸交換作業の主な手順>

  1. 古い網を押さえている網押さえゴムをはずす
  2. 古い網をはずす
  3. 大きさを合わせて新しい網を枠に置く
  4. 一方の長辺(イラストのA)の網を網押さえゴムで押さえる
  5. 向かいの長辺(イラストのB)の網を網押さえゴムで押さえる
  6. 一方の短辺(イラストのC)の網を網押さえゴムで押さえる
  7. 向かいの短辺(イラストのD)の網を網押さえゴムで押さえる
  8. 周囲にはみ出した網を切り取る

 

アルミサッシ網戸の網は、サッシ枠の溝に専用の網押さえゴムで張られているだけなので、道具をそろえ、基本的な作業手順を覚えてしまえば、誰でもDIYで交換ができる。実際に自分で1回交換を体験して、手加減をつかめば、2回目からは、どんなサイズのアルミサッシの網も交換ができるようになる。

作業の大きな流れは、古い網押さえゴムをはずし、網をはがし、新しい網を張り、新しい網押さえゴムで固定すれば、交換は完了する。作業中の細かいポイントは左ページの写真で説明する。専用の工具は網戸用ローラーで、ホームセンターで300円程度。ほかの工具は下の写真のように、どこの家庭にも常備される一般的なものばかりだ。

古い網をはずすには、網押さえゴムを引っ張り出してはずせば、ぱらりと網ははずれる。このとき網押さえゴムは2分の1周ずつ2本取れるので、同じ長さで新しい網押さえゴムも2本用意する。網をはずした溝は古い歯ブラシなどで掃除しておくとよい。

古い網をはずした開口部に新しい網をかぶせ、あまりピンと張らずに、溝から3~10cm外側で、開口部に沿って網を切り分けておく。

溝の線と網の線を合わせたら、網が3~10cmはみ出すようにして、網を網押さえゴムで押し込むように溝にはめていく。網押さえゴムでの固定はまず両長辺からはじめ、次に残った短辺を押さえていく。まだ網が固定されていない長辺に網押さえゴムをはめるときは、網を押さえてくれる助手がいると作業がはかどるが、いないときには、写真のようなクリップで軽く押さえるとやりやすい。

長辺と短辺のすべての網押さえゴムを固定したら、枠の内側にカッターを当て、枠の立ち上がりに沿って余分な網を切り取れば、できあがり。

 

<使用した道工具>

左上から時計回りに、メジャー、目玉クリップ、歯ブラシ、網戸用ローラー、カッター、ハサミ

 

交換用の網と、網押さえゴムは事前に用意する。網は張ってある状態より、天地、左右が5~10cm以上大きいものを用意する。網押さえゴムには太さの種類があるので、同じ太さのものを手に入れること

 

STEP1 古い網を取りはずす

 

STEP2 新しい網を取り付ける

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年6月時のものです。

バリエーション豊かな電動工具「サンダー」の基本を徹底解説・後編/DIY工具使いこなし術(7)

日本では、あまり注目される工具ではないけれど、欧米ではカンナに代わる研磨道具として活躍する工具。

モデルのバリエーションも多く、研磨の種類に合わせていろいろ使い分けることも可能だ。

サンディングすれば作品の質が一気に上質になるぞ!

*電動サンダーの基本とオービタルサンダーの使い方を解説した前編はコチラ

 

電動サンダー4種。手前はデルタサンダー、中右からオービタルサンダー、ランダムサンダー、後ろがベルトサンダー

 

小さな角までカバーできるオービタルの発展型・デルタサンダー

名前の通りサンディングディスクがデルタ(三角州)型になっているサンダー。サンディングディスクの動きはオービタルサンダーと同じだが、サンディングディスクがデルタ型になっているために、写真のように作品の角部まできっちりと研磨することができる。

研磨力はオービタルサンダーと同様におだやかなので、広く木工一般から、複雑な構造の作品まで、利用することができる。

ただし、専用のサンディングパッドを使うことになるので、サンディングパッドを交換するごとに専用のサンディングパッドを購入することになる。

 

回転研磨でよりパワーアップ!・ランダムサンダー

ランダムサンダー(ランダムアクションサンダー)は、オービタル振動する研磨面が回転することによって、よりパワフルに研磨できるようにデザインされている。研磨面全体が回転するために、ランダムサンダーの研磨面はすべて円形になっている。基本的な運動にもうひとつの運動を加えてパワーアップするというのは、インパクトドライバーの考え方と同じだ。

オービタル振動しながら回転して研磨するため、研磨した粉の排出性もよく、目詰まりしにくいので研磨力も大きい。中ぐらいの番手のサンディングディスクをつければ、塗装のはがしも平滑にできるし、粗目のサンディングディスクをつければ、少々の材を削り取ることもできる。

パワーの必要なエクステリアの木工作品の仕上げ研磨や塗装はがしには最適なモデルだが、サンディングディスクが専用品となり、少し価格が張るのと、円形のディスクのため、入り組んだ部分が研磨しにくいというのが、ネックといえる。

 

ランダムサンダーの作動パターン

 

作品の段差をランダムサンダーで解消する

作品ができあがったら、端のほうに1mm程度の段差ができていたというとき、ノコギリの刃が段差に掛かれば、切り取れるが、刃がはずれてうまく切れないときに、ランダムサンダーのサンディングディスクを粗目に交換して研磨すれば、きれいに段差を解消できる。

 

大きな研磨で威力を発揮・ベルトサンダー

ベルト駆動でロール状のサンディングベルトを、キャタピラのように回して研磨するサンダー。手持ちで使うサンダーとしては大きなモデルで、作業中はしっかり保持しておかないと、力のない女性などだと、サンダーに引っ張られてしまう。また、ベルト面を上にして、作業台に固定して据え置き式として使うこともできる。

ベルトサンダーはパワーがあるので、研磨だけでなく、砥ぎ減らしのような、削る作業もできる。付属の定規を取り付けて、材の角度を一定にして研磨すれば、手押しカンナをかけたような、平面出しや角度出しの加工もできる。木工では、ベルト面を上にして固定して使われることが多い。

 

ベルトサンダーのベルトの流れ

 

力の強いベルトサンダーは両手でしっかり保持する

 

ベルトサンダーを作業台に固定して使う

ベルトサンダーは、ほとんどのモデルがベルト面を上にして作業台などに固定できる金具が付属している。研磨する材を手でもって作業するほうがやりやすい場合などに便利だ。

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

写真◎冨士井明史/取材協力◎白井 糺、ブラック&デッカー、ボッシュ、リョービ

*掲載データは2012年2月時のものです。

バリエーション豊かな電動工具「サンダー」の基本を徹底解説・前編/DIY工具使いこなし術(6)

日本では、あまり注目される工具ではないけれど、欧米ではカンナに代わる研磨道具として活躍する工具。

モデルのバリエーションも多く、研磨の種類に合わせていろいろ使い分けることも可能だ。

サンディングすれば作品の質が一気に上質になるぞ!

 

電動サンダー4種。手前はデルタサンダー、中右からオービタルサンダー、ランダムサンダー、後ろがベルトサンダー

 

モーターの力で素早くきれいに材を研磨できる

電動サンダーは、モーターで本体に取り付けるサンドペーパーを、振動、または回転、もしくは両方を合成して細かく動かして、材を研磨する工具。他にもベルトコンベアーのようにベルト駆動するものや、円筒を回転させてそこに材を当てて研磨するなど、目的によって特化されたモデルも存在する。単純な加工から、塗装前の仕上げ研磨まで、木工の工程の中でも、ひんぱんに使われるべき工具だが、日本の日曜大工では、登場する機会が少ない工具だ。

日本では工作用に販売されている材が、きれいにカンナがけされたものが多く、仕上がりも白木が好かれているので、必ずしもサンダーが必需品ではないと考えられているからともいわれる。

しかし、木工の常識として、研磨した面を作ってから最後に塗装して本当の仕上がりとなるのだし、市販の材がカンナがけ済みといっても、自分でサンダーを使って研磨すれば、よりきめ細かい面を作ることもできる。よりよい作品づくりのために、ぜひサンダーに注目してほしい。

 

サンダーに共通する使い方

一般的なサンダーは振動スピードを調節するスイッチなどはついていない。研磨の程度は振動の速度ではなく、サンディングペーパーやサンディングパッド、サンディングベルトの交換で調節する。

サンディングペーパー類は、細かい目から粗い目まで段階的に作られていて、交換することで粗い研磨から、細かい研磨まで使い分けられる。目の程度は番号がつけられていて、目が粗いほど番号が小さくなる。木工では80番から400番までの間の番手が多く使われる。

研磨する材や作品は動かないように固定しておく。サンダーは研磨したい部分にサンディングディスクを当て、サンダーが十分に振動できるように、あまり強くは握らず、軽く押さえる程度で作業する。材の木端など細い部分の研磨では、研磨中にサンダーが傾かないように支えて作業する。

 

サンダーは研磨面に対して平らに持つこと!傾くとどんどん斜めに研磨されてしまう

 

木工用サンダーのスタンダードモデル・オービタルサンダー

ベテランの間では仕上げサンダーとも呼ばれるモデル。研磨面がオービタルダイヤと呼ばれる微小な軌道を描きながら、細かく振動してサンドペーパーを動かして、材を研磨する。

電動サンダーの中では、一番おだやかな動きをするサンダーで、木工では、塗装時の木地調整や、切断面の簡単な研磨に使いやすい。材の形を変えるほどの大きな研磨はしにくいが、粗目のサンドペーパーを使えば、面取りなどに不自由はない。

他のサンダーが、専用のサンディングパッドを使うのに対して、四角い研磨面のオービタルサンダーは、市販のサンドペーパーを使うことができるので、ランニングコストの面でも有利だ。

またメーカーではオプションでサンドペーパーに、集じんの穴をあけるためのアクセサリーがあるので、これを使ってサンドペーパーに穴あけすれば集じん機能を生かすこともできる。

研磨作業では、あまり強く押し付けることはせず、サンドペーパーが自由に振動できる程度に押さえ、木目に沿って研磨するのがコツだ。オービタルサンダーは、長時間作業しても腕が疲れることが少なく、女性でも保持しやすいスタンダードなサンダーといえる。

 

オービタルサンダーの作動パターン

 

オービタルサンダーで塗装前の木肌調整をする

木肌調整とは、なめらかな塗装に仕上がるように、作品を研磨する作業。塗装自体より木肌調整のほうが、きれいな塗装のためには重要といわれる工程。細かな振動のオービタルサンダーに向いた作業だ。

 

オービタルサンダーに市販のサンドペーパーを取り付ける

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

写真◎冨士井明史/取材協力◎白井 糺、ブラック&デッカー、ボッシュ、リョービ

*掲載データは2012年2月時のものです。

自転車のパンクの直し方を詳しく解説!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(14)

現在タイヤチューブの穴あきによるパンクの修理料金はひと穴1000円から1500円程度。これが、タイヤレバー2本(プラスチック製200円程度)と、パンク修理キット(100円ショップで110円)を用意しておけば、あとは日曜大工の道具を利用してDIYで修理できる。

 

パンク修理はやればやるほど慣れてきて簡単に行なえるようになる

ここで紹介しているパンク修理は、英式バルブというバルブ形式のチューブを使う自転車のパンク修理の仕方。ママチャリと呼ばれる一般自転車、実用車に利用できる。

朝見たら、空気が抜けていたという場合、パンクと同時にバルブの破損という線も疑ってみる。バルブの虫ゴムを交換するだけで、大丈夫という場合もある。

自転車はひっくり返し、車輪を上にして作業するとやりやすいが、ハンドル上にランプやアクセサリー類が付いているときは、傷付かないように養生するか、外しておく。

まず、最初にブレーキを緩めて、タイヤまわりでチューブを自由に動かせるスペースを作っておく。チューブはリムに引っ掛けたり、かまれたりしないようにていねいに取り出すこと。修理したチューブをタイヤに入れるときは、捻じれたり、タイヤ内で折りたたまれたりしないように注意する。急がず、焦らず、ていねいに作業するのがコツだ。

 

購入したパンク修理キット。写真右から紙ヤスリ、虫ゴム2本、専用接着剤、パッチ4枚がセット。収納用のケース付き

 

長さ10cm程度の自転車用タイヤレバー。平らなプラスチック製が使いやすい(写真下)

 

STEP0 バルブの補修

 

STEP1 ブレーキを解除する

 

STEP2 チューブをはずす

 

STEP3 パンクを修理する

 

STEP4 チューブをタイヤに入れる

 

STEP5 ブレーキを元に戻す

*掲載データは2012年4月時のものです。

草刈り達人になろう!刈り払い機の正しい使い方、教えます/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(22)

「夏は雑草との闘いである」。これが菜園ライフや里山暮らしをする人の一致する意見だ。太陽の熱射を受け、ムシムシする空気の中で、刈り払い機を持ち、長袖&長ズボン姿で伸び盛る草に挑む。これが実にツライ。でも、草刈りが終わった後、ひとッ風呂浴びて飲む冷えたビールって、実にカンドー的!

 

 

【記事内ギャラリー】

 

「田舎」と呼ばれている地域では、刈り払い機(草刈り機)の常備が当たり前だ。農家では「一家に1台」どころじゃない。「ひとり1台」のケースだって珍しくないのだ。千葉県いすみ市の里山にあるドゥーパ!のガーデンスタジオも例外ではない。2サイクルのエンジン式と電動式バッテリータイプの2種類の刈り払い機を用意しており、夏が近づくと、とにかく草刈りに追われる。人気はやはりバッテリータイプだ。スイッチひとつで始動するし、軽くて取り回しが楽で静か。ただし、バッテリーが20分ほどでなくなるから、充電する時間帯が必要で、これを休憩時間にしている。

これに対してエンジン式は、ポンピングで燃料を送り込んだり、チョーキングしたり、スターターを引っ張ったりして、始動までにするべき手続きがいろいろある。パワフルだがうるさいし、振動も大きい。やや重い。排気ガスも充満する。ただし中には、エンジン式にこだわる人もいる。聞くと「あの振動とピーキーな2サイクル音がいいのだ」という。確かに、エンジン式刈り払い機で草刈りに集中していると、つい夢中になっちゃって、最後に気持ち悪くなるなんてこともあった。実は、これはかなりヤバイ状態なのだ。独立行政法人「国民センター」によると、刈り払い機の作業中の事故は、60歳代が最も多く、次いで70歳代、50歳代とか。事故の内容も、「刈り刃のキックバックで指を切断」「軍手が絡まり、巻き込まれて指を切断」「刈り刃の回転による飛散物が目に混入」「転倒して刈り刃が身体に接触」など、実にさまざまだ。

そこで、夏の草刈りシーズンを控えた今、気をつけたい草刈り作業をまとめてみた。

 

 

服装について

前述の写真を参照すること。頭のてっぺんからつま先まで油断禁物。刈り払い機の刈り刃による事故のほか、スズメバチへの対策も怠ってはいけない。また、草むらに入るときはマムシに注意すること。

 

作業時間

1日2時間以内、連続30分以内、休憩5~10分を基本にしよう。振動障害予防のためもあるし、熱中症対策にもなる。疲労による事故も防げる。

 

刈り刃に接触する事故対策

キックバックを避けるために、刈り刃の左右往復刈りを避けること。右から左に振りながら、刈り刃の先端から左側の3分の1の部分を使って刈ること。刈り刃の先端から右側の3分の1の部分が障害物にあたるとキックバックを起こしやすい(上写真参照)。できれば、切り株や岩、狭い場所などがある場所では、刈り刃が障害物にあたってもキックバックしにくい、ナイロンコードに変えたほうがいい。ベテランの中には、草などが絡むのを嫌がって、飛散防止カバーをはずす人がいるが、これは飛散物の事故の原因にもなるのでやめること。

 

刈り払い機(草刈り機)と刈り刃の種類と一般的な特徴

 

刈り払い機の草刈り、スペシャル情報

これ、おすすめ!斜面の草刈りで大活躍の「土手歩き」

一度やった人ならわかるはずだが、急斜面での草刈りはけっこう辛い。足元が不安定で、滑ったり、足が痛くなったり、体勢を立て直すために各所に力が入り、疲労の度合いもハンパじゃない。そこで使ってみたのが「土手歩き」という斜面専用草刈りスパイクだ。靴を載せるとほぼ水平になるように、角度をつけた鉄板を組み入れたもので、斜面でも足首を曲げずに作業できる。20~45度位までの斜面に対応でき、靴の脱着も簡単。本誌が実際に試した結果、ホントに楽だし、安全に作業できることがわかった。(イーハトーブ合同会社

これが「土手歩き」(左足用)。山側にスパイクが2本ついていて、地面をしっかりとらえる。靴を履いたまま、下駄の上に載せるようにして固定するだけ

 

谷川の足に「土手歩き」を装着して斜面の草刈り作業をする。驚くほど楽だった。斜面を平行に歩き、山側から刈り降ろしながら進むのが基本

 

肩掛けベルトを2点吊りベルトにすると作業が楽になる

これも「土手歩き」を考案した同社のアイデア。刈り払い機を1点で吊っている肩掛けベルトに1mほどのロープを結んで延長し、ハンドルとシャフトの交差位置に縛って2点吊りベルトにすると、刈り払い機がより自由に動かせ、作業が楽になるとか。一度試す価値あり?

 

チップソーの目立てで切れ味をアップ!

あまり聞いたことはないが、古いチップソーは、ダイヤモンド砥石をつけたディスクグラインダーで目立てすれば、驚くほど切れ味がよくなるそうだ。コツは砥石をほんの1秒くらいずつ、チップソーのチップの「逃げ面」と「すくい面」にあてることらしい。強くあてると削りすぎでチップソーの寿命が短くなってしまうとか。

 

刈った草を「まとめながら」刈る

刈り刃を右から左へ動かして刈り進むとき、左端で刃先を少し左側に倒してやると、刈った草がそこにまとまるので、刈り跡がきれいになるばかりか、あとで刈った草を集めるときに都合がいい。地域住民総出で行なう村道の草刈り作業のときは、これであなたはヒーロー?

左側で少し刃を傾けて、刈った草を寄せておく。これポイントです

 

文・写真◎脇野修平/取材協力◎金綱良行

参考文献/農家が教えるラクラク草刈り・草取り術(農文協刊)

*掲載データは2015年4月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

DIYの基本切断工具「丸ノコ」を使いこなそう!・実践編/DIY工具使いこなし術(5)

手で挽くノコギリと同じく直線を切るという作業を、ノコギリより大幅に素早くこなせるように生まれた電動丸ノコ。DIYでも大量の材を切断するなど、基本的な工程で大活躍してくれる電動工具だ。

基礎知識編はコチラ

 

作業中、丸ノコの動きに逆らわない

材を切るときは、材が傾かないように平らに置き、刃が正確に墨線に沿うようにベースプレート先端の墨線目盛りを合わせ、ベースプレート前部を材に載せる。このとき刃は材に触れないように注意する。刃が材に触れていないことを確認したら、ハンドル下のトリガースイッチを引き、モーターを始動させ、刃が安定したスピードで回転しているのを確認して切り始める。刃が材に触れている状態でスタートすると、キックバックして刃が跳ね上がるので危険だ。

材を切っているときは、丸ノコのベースプレートの前や後ろが持ち上がらないように置き、刃が材を切っていく速さに合わせて、真っすぐに墨線に沿って切り進める。丸ノコの作業中は、絶対、無理に押してはいけない。無理に押すと必要以上に刃が材に押し付けられ、キックバックして、跳ね上がった丸ノコが自分の方に走ってくる場合があり、とても危険だ。このため丸ノコの真後ろに立たないようなポジションを取ることも大切だ。運転中の電動工具を腕力で制御するのは不可能なので、機械なりの動きに素直に動かしてやるというのは、電動工具の使いこなしでは重要なポイントだ。

丸ノコは手で支えて機械の方を動かして材を切る電動工具なので、絶対に万力などで丸ノコを固定するような使い方はしてはいけない。

 

<丸ノコを使って木材を切る❶(切る量が少ない場合)>

 

ロアガードは固定しない!

切り始めにロアガードを上げてから、丸ノコを進めるのがわずらわしいので、本職の人たちは写真のように、木のくさびでロアガードを上げた状態で、固定して使っていることが多いが、刃がむき出しになり、回転しない状態でも体に触れれば切れるし、回転している状態なら、指など簡単に吹き飛ぶ。丸ノコのロアガードを固定した状態でキックバックしたり、転倒したりしたはずみに大怪我をしたり死亡したりという事故は、本職の大工の間でも年に何件かあるという。ロアガードの固定は絶対にしてはならない。

木のくさびで固定されたロアガード

 

<丸ノコを使って木材を切る❷(切る量が多い場合+ガイドの利用)>

 

作業中、体は伸び切らないようにする!

合板など長い面を切るときに、丸ノコを進めているうち、写真のように体が伸び切ってしまうと、丸ノコを保持しづらくなり、刃が左右にぶれたり、丸ノコの前が持ち上がったりする。これが原因でキックバックが起こり、丸ノコがもんどり打って自分の方に飛んで来たり、材の上に飛び出して、自分の方に走ってくるという、とんでもない事故の原因になる。長い距離を切るときは、体が前に傾いて腕が伸び切る前に、材の横に移動して、無理のない姿勢で切るようにする。材の横に体を出せば、何メートルある材でも、丸ノコと一緒に材の横を歩いていけ、安全に切ることができる。

体が伸び切ると丸ノコをコントロールできなくなる

 

<丸ノコを使って材を切る❸(平行定規を使って長い距離を切る)>

 

<丸ノコ用直線切りジグ(角度定規)の使い方>

 

<丸ノコを使った傾斜切り>

 

刃を交換して丸ノコの性能を使いきる

刃の交換できる丸ノコは、素材別に用意された交換刃を使えば木材、木質素材、スタイロフォームなど異素材を切ることができる。交換刃は金属、非鉄金属、アクリル、塩ビ、レンガ、コンクリート、石材などを切るためのものがあり、刃の表面やパッケージに適応素材が明記されているので、必要に応じた交換刃を購入する。購入する刃のサイズは、自分の使っている丸ノコの使用サイズと、同じものを使うのが原則だが、若干小さい径のものも使用できる。また丸ノコに取り付ける刃の真ん中の開いた取り付け穴径も、自分の丸ノコのものと同じものを選ぶ。165mm径の丸ノコでは20mmというのが一般的だ。

市販の交換刃に付属するスペーサー、取り付け穴径を2~4mm修正することができる。保管しておくと、思わぬときに役立つことがある

 

アングル用チップソー

主な切断の目的が、Lアングルの切断なのでアングル用と名づけられているが、ステンレス、焼きの入った鋼材以外の厚さ5mmまでの金属を切断できるチップソー。

アングル材やチャンネル材といった金属素材をきれいに切るためにデザインされたソーチップが32枚ついたチップソー

 

金属の大きな抵抗にもびくともしない頑丈な下地にソーチップがついている

 

アルミアングル材などはやわらかい材木のようにさくさくと切れる

 

数種の素材が複合された金属系サイディング材の切断も軽快

 

丸ノコ用切断砥石

レンガやコンクリートブロックを切るといえばダイヤモンドホイールを使いたいが、一枚の価格が数千円と、ちょっと高価。切断砥石なら同じサイズで数百円。ダイヤモンドホイールより減りは早いが、価格はリーズナブル。

ディスクグラインダーで使う切断砥石を大きく、薄くしたような外観。砥石といっても切断専用で回転する縁の部分で材を切る。盤の面上で何かを削ったり、研いだりすると砥石がばらばらに飛び散ることもある

 

切断砥石は切る素材にあわせた砥粒が、特殊な繊維と接着材で固められて作られる

 

厚さ20mmのレンガの切断したもの。刃の深さが50mmあれば、厚さ60mmの普通レンガでも表、裏と2回通せば簡単に切断できる

 

コンクリートブロックを切り落とした瞬間。切り粉がすごいが、簡単に切ることができる

 

墨線の上にガムテープを張ってから切ると、切断途中で材が割れたり、はじけたりしにくい

写真◎冨士井明史

*掲載データは2011年10月時のものです。

DIYの基本切断工具「丸ノコ」を使いこなそう!・基礎知識編/DIY工具使いこなし術(4)

手で挽くノコギリと同じく直線を切るという作業を、ノコギリより大幅に素早くこなせるように生まれた電動丸ノコ。DIYでも大量の材を切断するなど、基本的な工程で大活躍してくれる電動工具だ。

 

基本は刃径165mmモデル

DIYの現場で使われる切断工具の主役が丸ノコ。材料を切り分ける木取りという作業で、正確に素早く材を切断するためには欠かせない電動工具だ。

2×4材を切るにしても、完全に切断するのに手で挽くと1分程度かかるが、丸ノコを使えば数秒で切り落とすことができ、作業の効率を大幅にアップしてくれる。

丸ノコは円盤型のチップソーと呼ばれるノコ刃の大きさで、本体が大中小いくつかの大きさに分けられるが、DIYの現場ではチップソー直径が165mmのモデルが使いやすい。165mmチップソーの丸ノコは、プロの現場でも多く使われるスタンダードモデルといえる。165mmのチップソーを取り付けるタイプの丸ノコの、最大切り込み深さは、モデルによるが57mmから66mmと十分な深さがある。これだけの切り込み深さがあれば、薄い合板から厚さ38mmの2×材まで余裕を持って切断することができる。

丸ノコは直線切りの専用機という電動工具だが、直角の直線切り以外に、傾斜した直線切りができるように、チップソーを傾ける機能がついている。また、材の木目に沿って縦に長く切るときに、切り線が曲がらないように丸ノコをガイドする、ソーガイドや平行定規と呼ばれるガイドバーが付属することも多い。

 

ベースプレートと刃は直角に

家庭用の100V電源を電源にする丸ノコは、出力1000W以上のモーターとチップソーが組み合わされ、ハンドルと安全カバーのついた本体部分が、ベースプレート(定盤)の上に載っている構成で、基本的には、ベースプレートの面に直角にチップソーがセットされている。

 

丸ノコで切断作業するときの基本的ポジション。丸ノコの真後ろより少しずれて、墨線と墨線目盛りは真上から見える位置に立ち、右手をハンドルに添え、左手はモーターハウジングを支えるように置く。コードは自分の後ろに流れるように肩かけして背中に回しておく

 

作業の前には刃とベースプレートが正確な直角になっているか確認する。傾いている場合は、その丸ノコの説明書にしたがって修正する。説明書は取り出しやすいところに保管しておく

 

一般的な丸ノコは片側に45度の角度まで傾斜できるようになっていて、傾斜のついた直線も切ることができる。

ベースプレートは材料の上に載り、回転するチップソーをしっかりと支える重要なパーツで、精度の高さと頑丈さが必要とされる。鉄板製とダイキャスト製があるが、一般的にダイキャスト製のほうが性能は高く、ダイキャストのベースプレートのついた丸ノコは高級機とされる。

 

ベースプレートの前後についた蝶ボルトを緩めるとベースプレートを45度までの角度で傾斜させることができる

 

丸ノコに取り付けて木工用に使われるチップソーの刃。写真のように刃先はタングステンカーバイトなど超硬チップが使われることが多い

 

安全に丸ノコを使いこなすポイントのひとつは、電源プラグの管理。材を切る直前までプラグを抜いておくことを習慣づければ、思わぬ事故を予防することができる(バッテリー式なら電池をはずす)

 

モーター周りには、モーターを回すためのカーボンブラシが入ったホルダーがあり、カーボンブラシを交換するためのブラシキャップが2カ所ついている。カーボンブラシはモーターを回転させるためのパーツで、自動車のタイヤのように目印まで磨り減ったら交換する消耗品だが、週末だけの日曜大工での使用なら5~6年は交換しないで使えるので、日常的に心配はいらない。ただし交換するときは、2個一緒に交換する。また、最近の丸ノコには、チップソーの切断部分を照らすライトがついたモデルも多く、多少暗くなっても正確に墨線を追うことができる。

 

オプションの集じんノズルをセットすれば集じん機に接続することもできる

 

四角いブロック状のものがカーボンブラシ、モーターを回転させるために欠かせないパーツ。長年使っていた丸ノコが突然止まった場合、これが磨り減っていることが多い

 

丸ノコの刃(チップソー)の取りつけ方

古いチップソーを新しく交換したり、別の用途の刃と入れ替える場合は、写真のようにノコ刃交換レバーを押して、刃が回らないようにしながら、センターの固定ボルトを緩めてフランジをはずし、交換する刃を取り外して、シャフト側フランジの凸部に合わせて新しい刃を取り付ける。写真では刃のついていない丸ノコに新しいチップソーを取り付ける手順を紹介している。取り外し手順は写真の逆の手順で進めればいい。作業中は必ず電源プラグを抜いておく。

<木工用チップソーで切断できる材の一例>
木材、集成材、木質合板、MDFボード、木質フローリング、OSB合板、スタイロフォーム、ケイカル板、石膏ボード、ラスボード、ラスカットボード、パーチクルボード、竹材、ファイバーボード、インシュレーションボード等

 

写真◎冨士井明史

*掲載データは2011年10月時のものです。

ドライバードリル&インパクトドライバーでのビス打ちテクニックを解説!/DIY工具使いこなし術(3)

ビス打ちテクニック編

ビス打ちはドライバードリル、インパクトドライバーのもっとも一般的な作業。両工具のデザインもビス打ちを基本に考えられているのだ。

 

ビス打ちを極める者は、ビスにもこだわる!
木工に多用されるスリムビス(細ビス、なげしビスとも)。長さは28mm程度から120mm程度まで各種がある。左が錐先付きビス。右が割れ防止機能付きビス、共に長さ40mmのプラス2番

 

きれいなビス打ちのやり方

 

ビスの斜め打ちのやり方

 

溝をなめたビスを抜くビット

 

 

穴あけテクニック編

ドリルビットを使う穴あけテクニック。ここではより正確な穴あけや、ちょっと変わったテクニックを紹介。

 

ドリルガイドを使った穴あけのやり方

 

蝶番用ドリルビットで蝶番のビス穴センターに下穴をあける方法

 

ホールソーで少し大きな穴をあける方法

 

ドリルスタンドを使った穴あけのやり方

 

あると便利なドリルビット

 

写真◎高島宏幸

*掲載データは2011年12月時のものです。

強力なパワーでサクサクビス留め!インパクトドライバーの基本の使い方/DIY工具使いこなし術(2)

ドライバードリルと同様、ビス打ちはもちろん、ビスの下穴をあけたり、丸棒を通す穴あけなど、ドライバーとしてもドリルとしても活躍!作品の組み立てにかかわる作業の中心的存在になるのがこの電動工具。

 

より強力なパワーが必要な場面で威力を発揮する! インパクトドライバー

インパクトドライバーは、より強力なパワーを必要とする現場で多く使われている。大工はドライバードリルはほぼ使わず、もっぱら動きやすいコードレスのインパクトドライバーを愛用している。

先にも少し触れたが、インパクトドライバーは長さ60mm以上のビスを多量に打つ必要があるエクステリアの作品づくりの場面で威力が発揮される。

長いビスを素早く確実に打つために、インパクトドライバーにはインパクト機能が内蔵されている。インパクト機能はビットに負荷が掛かると、ビット軸の回転方向に打撃が加わって、より強い力でビスを回すことができる。長さ40mm程度の短いビスでは負荷がかからず、ドライバードリルのようにスッと打ててしまうが、長さ60mm以上のビスでは打ち込みの途中ぐらいからダラダッ、ダラダッと打撃音を発する。これがインパクト機能が効いている状態だ。

 

インパクトドライバーの操作部分は通常トリガースイッチと正逆回転切り替えスイッチだけとシンプル

 

ビットは2面幅6.5mm(=4分の1インチ)の六角軸のインパクトドライバー専用のものを使う。以前はインパクトドライバー用のドリルビットは少なかったが、現在は入手できるドリルビットの種類も増えて、ドライバードリルと同様に、ビス打ちにもドリル作業にも使えるようになっている。ボルトナットを締めるときも、インパクト機能が効き、しっかりと締めることができる。電源もドライバードリルと同様で家庭用100Vを使うモデルと、充電式の電池を使うコードレスモデルがある。

インパクトドライバーに使用できる六角軸ビットの例、左からソケットレンチ、六角レンチ、マイナスドライバー、プラス2番ドライバー、プラス1番ドライバー

 

<ビットの装着手順例>

 

エクステリア作品に使いやすい!
ハイパワーでコードレスなインパクトドライバー
14.4Vという高電圧、大容量の電池を電源とするインパクトドライバー(現在は18Vを超えるものもある)。コードレスでハイパワーなので、長いビスを使うことが多い野外でのエクステリア作品づくりにちょうどいい

 

1カ所に止まって作業するならいいが、エクステリアの作品づくり、特にウッドデッキのような面積のある作品の作業ではコードレスのインパクトドライバーがイチ押し。それも14.4Vや18Vという高い電圧、大きな容量を持った電池を使うモデルなら、屋外で長時間使っても、長いビス打ちの連続にもへこたれず働いてくれる。もちろん、野外で連続作業するときは予備の電池を充電状態にしてスタンバイしておくことも大切だ。

 

エクステリアでの作業では工具を写真のように横に構えることも多い

 

ウッドデッキ材の連続ビス打ちのような作業で活躍

 

写真◎高島宏幸

*掲載データは2011年12月時のものです。

木工を変えた!ドライバードリルの基本の使い方/DIY工具使いこなし術(1)

ビス打ちはもちろん、ビスの下穴をあけたり、丸棒を通す穴あけなど、ドライバーとしてもドリルとしても活躍、作品の組み立てにかかわる作業の中心的存在になるのがこの電動工具。

 

DIY木工に劇的な変化をもたらした! ドライバードリル

ドライバードリルの普及によって、それまでの材の木部同士で組む継ぎ手や、カナヅチとクギで組み立てるという方法が、広くビスを使った組み立てに変化したといわれる。現在ではDIYからプロの木工作家まで、作品の組み立てはドライバードリルやインパクトドライバーを使ったビス打ちによるのが一般的となるほど広く普及している。

ドライバードリルはモーターの力で、先端に装着する先端工具(ビットと呼ぶドライバーやドリルのこと)を素早く強力に回転させてビスを締めたり、穴をあけたりできる。

ドライバードリルは電源に家庭用100Vを使うモデルと、充電式の電池を使うコードレスのモデルがある。本体には締め付け力やスピードを調節するスイッチがあり、材の硬さやビスの締め込み具合、ドリルの回転スピードなどをかなり細かく調節できる。

同じ仕事をする電動工具には、次に紹介するインパクトドライバーがあるが、基本的な使い分けとしては長さ50mm以下のビスを多用し、細かなパワー調節が必要な家具作りにはドライバードリル、長さ60mm以上のビスを多用し、多くのビスを連続打ちするウッドデッキなど、エクステリアの作品づくりにはインパクトドライバーが向いているといわれる。

10.8Vのモデル(右)とそれよりも小さい3.8V充電式ドライバードリル(左)。ビットは付属品の専用ビットを使う。本格木工用というよりは組み立て家具や、家庭内のちょっとした修理などで使いやすい

 

ドライバードリルでは工具の先端にあるチャックと呼ばれる口金にくわえるビットを交換することで、1台のドライバードリルで、いろいろなドライバーやドリルとして使うことができる。

ビットの交換は、工具先端のチャックを必要な口径にゆるめ、ビットを口金の底まで差し込み、チャックを締めてビットを固定すればいい。

作業はビス頭や墨線をビットの先端で真っすぐに押さえたら、トリガースイッチを引き、ビットを真っすぐに押し込んでいく。ドライバードリルを保持する力が弱い女性などは、写真のように、片方の手でドライバードリルを後ろから押すように手を添えるといい。

ドライバードリルでは丸軸、六角軸両方のビットを使うことができる

 

<ビットの装着とビス打ちの例>

 

ボール盤はドリル用据え置き式工具

写真の工具はボール盤と呼ばれる据え置き式電動工具。ドリルビットを取り付けて、穴あけ、座ぐりに使われる。加工する材は、定盤と呼ぶ台の上に置かれ、レバーの操作で、ビットのついたチャックが下に下がってきて材に穴をあける。精度の高いポールで支えられているため、芯が振れることなく穴をあけることができる。DIY用の卓上ボール盤ならば、ドライバードリルより価格が安いものもあるので、家具作りの穴あけ専用として工房に設置すると便利だ。

 

写真◎高島宏幸

*掲載データは2011年12月時のものです。

スニーカーの寿命を延ばすメンテ術を伝授!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(12)

軽く、歩きやすいので、誰もが履いているスニーカー。ソールが減って、穴があいたらそこで寿命として捨てちゃうのが一般的。でも、簡単なメンテナンスで、スニーカーの寿命は何倍にも延ばせるのだ!

 

はがれたソールのメンテナンス

スニーカーのソール(靴底)は強力な接着剤で接着されているが、年月を経ると歩行時にかかるねじれや、湿気、といったものによって、ソールがはがれてしまうことがある。ひどいものでは、歩いている最中にはがれることもあるので、くたびれたスニーカーを愛用している方は注意が必要だ。

ソールのはがれた部分はできるだけきれいに掃除して、泥やほこり、水分を取り去っておく。接着剤を使った接着では、接着面がしっかりと乾燥していることが大切だ。次に接着面にヤスリをかけてカサカサにしておく。

接着剤は接着する両面に薄く均一に塗り(ヘラが付属している)、5~10分おいて、両面を合わせてクランプなどできちっと固定する。クランプがなければガムテープでぐるぐる巻きにしておいてもいい。温度25℃、湿度50%あれば数時間で実用強度に達し、2〜3日で完全に接着される。

 

<はがれたソールの修理手順(スーパー多用途超強力を使用)>

 

すり減ったかかとの補修

かかとが減って捨てるということも多い。しかし補修材を使えば、簡単な作業でかかとを再生することができ、スニーカーの寿命を延ばせる。

まず、かかと部分の汚れを落としたら、補修材付属のやすりで補修面を粗くする。次に写真のように補修材がたれないようにかかと周りをダム状にカバーする。ダムはクリアーファイルを切って使うと具合がいい。ダムの高さをソールの高さに合わせてテープで固定したら、そこに補修材を入れて均していく。均すには付属のヘラを水で濡らして使うと、やりやすい。この補修は一度にあまり厚く塗らず、厚くともかかとのふちで5mm以内にしておいて、1日おいて塗り重ねていくようにする。十分な厚さで固まったらダムをはがして、埋まり損ねた部分を修正すればできあがりだ。はみ出して硬化した部分はハサミなどで形を整える。

 

<すり減ったかかとの補修手順(シューグーを使用)>

 

すり減ったソールを直す

歩けば歩くほど減るのはソールの運命。ソールが減ってつるつるになると、雨の日は滑るし、ソールが薄くなってでこぼこした場所では足の裏が痛い。そこで、さっそくメンテナンス。すり減ったソールの補修は、専用の補修材を使うとやりやすい。

作業は、掃除と面を粗すことから。磨り減った部分を周囲まで、広めに掃除して、ゴミと水分を完全に取り除いてしまい、補修材の接着をよくするために付属のやすりで補修材を塗る面全体をこすっておく。

面の用意ができたら、補修材をソールに5mm程度の厚さで塗る。あまり厚く塗るとなかなか固まらなかったり、たれてしまうので、厚く塗る場合は1日おいて補修材が固まってから塗り重ねる。

1日おいて補修材が固まったら、カッターや彫刻刀を使って滑り止めを刻めば、補修は完了だ。

 

<すり減ったソールの補修手順(シューグーを使用)>

*掲載データは2011年12月時のものです。

ジャッキはエライ!傾いた小屋&デッキが簡単に修復できたのだ…。/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(20)

おそらくどんな車にもついている車載用のジャッキだが、1度も使ったことがないという人がけっこういるわけで、これは実にもったいない話。そこで今回は、使い方ひとつで、車載ジャッキは男のDIYの重要なツールになるという実証ドキュメント。ジャッキを使わずして、何が男ぞ!

 

傾いたデッキを修復、これで鉄製の重い焚き火台を置いても大丈夫

 

ジャッキ活用で復活した掘っ立て小屋

いきなり恥をさらすようだが、私の息子は、夏用と冬用のタイヤの交換を自分でやらない。1本1000円払ってガソリンスタンドでやってもらうという。つまり車のジャッキアップをしたことがない。私は怒った。そんな教育をしたつもりはない! 自分でやれ! すると、そのほうが楽だし安全だもん~などとチャラ顔で答えるのだ。どう思います?

まず、金を払えばいいという根性が気に入らない。もし、人の来ない荒野で、タイヤがパンクしたらどうするのか? JAFなんか来ないぞ! クマなんかもいるぞ! 日が暮れてくるぞ!ど~するんだ? え~!? と私は声を大にして言いたいのだ。

ま、いい。つまらないところで興奮してはいけない。そんな奴は、北の極地で、タイヤ交換ができないで、死んじゃえばいいのだ。それよりも、私は、とてつもない実力を持ちながら、その能力を発揮するチャンスにも恵まれず、暗いトランクの奥でじっと待機している車載ジャッキの復権を声を大にして叫びたいのだ。というのには理由がある。

実は、編集部で、数年前に建てた掘っ立ての高床式の小屋がある。基礎石を使っていないこともあるが、さすがに基礎柱が腐ってきて、小屋全体が傾き始めたのだ。これをなんとかせにゃと閃いたのが、車載のパンタグラフ型ジャッキを使った修復だった。まず腐った柱に支えられた根太をジャッキアップ、柱が浮き上がり、根太を水平に戻したところで、柱周りの四方に当て木をして補強した。当て木の下には砂利を敷き、平板を敷き、柱が沈まないようにした。こうして修復は万全に行なわれ、以後、小屋はまったく傾いてない。

このとき感動したのが、想像を超えたジャッキの力だった。小型ながら最大使用荷重が800kg。2坪程度の小屋の端っこを数cm持ち上げるのなんか笑っちゃうくらい簡単だった。敷石の上にジャッキを置き、ジャッキのハンドルを回すとメリメリいいながら小屋の傾きが直っていく。ジャッキは便利だと心から思ったのだ。

これに味をしめ、今回やったのが、根太が腐って傾き始めたパーゴラ付きウッドデッキの修復。普通なら、床材を剥がし、腐った根太を取り替えればいいという話なのだが、四隅にパーゴラの柱が載っているのがネックで、この柱をそのままにして、パーゴラごとデッキの傾きを直すという厳しい作業になる。そこでパーゴラの柱が載る部分を残して床材をすべて剥がし、パーゴラの柱にできるだけ近い大引をジャッキアップすることにした。

 

車載のパンタグラフ型ジャッキ。自分でタイヤ交換するとき以外、ほとんど使われることもない。ジャッキハンドルを回すと、計り知れない力を発揮する。タッパ(立端)が足らないときは、写真のように角材を載せてジャッキアップすればいい

 

柱が腐って沈み込んでいた掘っ立て小屋の柱をジャッキアップして修復した跡。腐った柱の周りに板材を当てて補強したほか、近くに新たな柱を追加した

 

パーゴラつきデッキ、簡単にジャッキアップしました…

 

まず、地面を平らにならし、枕木とコンクリート平板を置き、その上にジャッキをセット。さらにタッパ(立端)が足らないので4寸角の角材をジャッキに載せて、大引にかませる。ジャッキのハンドルを回すと、当然ながら簡単に大引が持ち上がり、沈み込んでいたデッキが一挙に水平に戻った。その状態のまま、あとは、新しい束柱に交換、ついでに束柱の数を増やし、床材を新しい材に張り替えたのだ。結果は見てのとおり。微妙に傾いていたパーゴラも正常に戻った。これはもう間違いなくジャッキの圧勝といっていい。

近年、確かにタイヤ交換を自分でやるという機会は劇的に減ったかもしれない。それにしたがって、車載ジャッキの存在感が薄まってきたのかもしれない。しかしだからこそ私は言いたいのだ。小さいけれど力持ち、普段は薄暗い車のトランクの片隅にひっそりと佇み、ここぞ!というときに一挙に爆発する陰のモンスターツール、ジャッキを忘れるなと。たとえば、小屋の根太を水平に立ち上げるときなんか、ジャッキを使って調整すると便利だと私は思うよ。

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2018年6月時のものです。

 

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「南京結び」完全習得!これであなたも半径5mのヒーロー!/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(19)

いろいろなロープテクニックがあるが、ここでは「南京結び」1本に絞りたい。軽トラに荷物を載せ、しっかりと固定するための代表的なロープテクニック。暗闇の中でも、目をつぶっても、すばやくできるようになれば、周囲のリスペクト、独り占めだ!

 

 

ロープはただの便利アイテムじゃない

アウトドア関連の書物やネットなどでチェックすれば、いやになるほど出てくるのがロープテクニックだ。連続写真やイラストなどでていねいに解説され、その種類も実に多彩。だが、どうだろう。その多彩さのため、その場で覚えることを後回しにして、とりあえずあとで役立たせるための「資料」としてとっておき、そのまま現在に至ってはいないだろうか? つまり、何も身についていない、という方はいないだろうか?

何を隠そう、最近までの筆者がそうだ。

たとえば、実際に車に荷物を固定するときにそれまでどうしていたのかというと市販の「タイダウンベルト」を使っていた。歯止めのついたベルトを引っ張るだけで簡単に荷物を固定できる。歯車を組み合わせたラチェット式のものだとさらに簡単に固定できる。大した力のいらない確実な方法だ。じゃあ、それでいいじゃないかと思うかもしれないが、それは違う。タイダウンベルトはただの便利アイテムだが、ロープは里山に生きる男のシンボリックな武器でもある。つまり、ロープ1本を自在に使いこなすことで得る利便性に加え、「俺はロープさえあればダイジョブさ…」という男としての構えがアピールできる。

で、前述の話に戻るのだが、じゃあ、多彩なローピングテクニックのなかで、ひとつだけ覚えるとしたら何がいいか? もちろん、迷わず「南京結び」を選びたい。またの名を「万力結び」、英語では「トラッカーズヒッチ」と呼ばれる、トラックなどの積載物をしっかり固定するためのローピングだ。当然ながら、トラックを使う職人さんや運送業者の方なら、ほぼ100%身についているローピングでもある。レンタルトラックなどで資材を運ぶDIYerにとってもめちゃくちゃ役に立つテクニックで、図解などを見れば、誰もが簡単に覚えられる。だが、しつこいようだが、覚えても身につかなければダメ。

では、身につける秘訣を伝授しよう。

 

軽トラに材木を固定するときの南京結びの手順例

 

まず、前述の手順写真を見ながら3~4回、次に実際に軽トラに資材を積んで実施すること5回。その後、これを使うチャンスが2週間に1回程度ほしい。これで、もう大丈夫。あとは、ギャラリーの前でさりげなくその技を披露するチャンスを待つだけだ。いつの日か、「おっ、やるじゃない」と思わせれば大成功。半径5mのヒーローの誕生だ。もし、これでいい気持ちになったら、ほかのローピングを覚えればいい。欲張らず、とりあえず「南京結び」1本に絞れば、必ずワンステップ進めます。

PS:もしこれで身につかなかったら…やっぱりタイダウンベルトしかないね、一生。

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2018年2月時のものです。

 

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すごいぞ丸太のロケットストーブ!簡単なチェンソーワークで作れます!/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(18)

玉切りにした丸太に、チェンソーで簡単な加工を施すだけで、ものすごいロケットストーブができるって知ってますか? 実は、たいしたことないだろうと思って試したら、びっくり仰天! その威力、ハンパじゃありませんでした! 里山の間伐推進のためにも、ぜひ、おすすめします!

 

 

仲間が、これはいい!と感動

2016年秋、八ヶ岳の麓で開催した本誌主催のフリマイベント「Dʼsマーケット」で出会ったOさん(長野県伊那市在住・72歳)から、ヒノキの丸太で作ったロケットストーブをいただいた。これを持ち帰り、使ってみたときの衝撃が忘れられない。点火口に乾燥したスギの葉を敷いて着火すると、ものの2~3分で火柱が上がり、耳を傾けると「ゴーッ」という音さえする。さっそく水を入れた鍋を載せてみると3分で沸騰し、その後、約2時間火柱を出し続けたあと、燃え尽きた。その場にはふたりの仲間がいたが、それぞれが「これ、使える…」「チェンソー1本でできるんだ…」と、ちょっと感動した様子だった。

これに似たログトーチとかスエーデッシュトーチとか呼ばれるものもあるが、多くは丸太の天頂部からチェンソーで切れ目を入れ、上から着火するタイプのもの。Oさんの丸太のロケットストーブは、丸太を2分割、あるいは3分割し、芯部分を削り取り、さらに点火のためのすき間(横穴)を最下部に作ったあと、カスガイを使って、再び丸太に戻し、天頂部には、五徳代わりのカスガイを打ち込んであるというもの。つまり下のすき間から着火すると、煙突効果によって、ものすごい勢いで火柱があがる。強力な調理機器にもなるし、暖房機器にもなる。もちろん、災害時の緊急熱源としても有効に違いない。

ちなみに、先日、前出のOさんのお宅に伺い、実際に丸太のロケットストーブ作りを見せてもらったが、前述の方法以外にも、いくつかの加工パターンがあることもわかった。要は、丸太を分割し、丸太の芯部分を削って、煙突のような溝を作り、なおかつ丸太の根元近くに点火口(横穴)を作ればいいわけだ。さらに、丸太の分割はチェンソー1本でもできるが、場合によっては、クサビを使うとさらに楽だということも知った。

ここでは、チェンソーとクサビを使って、丸太を3分割し、次に3分割したうちのひとつに溝(煙突部)と点火口の加工をするという方法を紹介してみたが、他にもチェンソーでツッコミ切りするとか、大口径のドリルビットを使うとか、いろいろな方法がありそうだ。

 

丸太のロケットストーブの作り方

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

こんな加工パターンもあります

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2017年8月時のものです。

 

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長持ちの秘訣教えます!刈り払い機のDIYメンテナンス/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(17)

里山の朝は空気をつんざくような2サイクルエンジンの轟音から始まる。刈り払い機(草刈り機)を使った雑草刈りだ。鎌(カマ)と比べて圧倒的な機動力を持つこの道具なくして、里山の暮らしは成り立たない、と思うくらいの必携道具だが、刈り払い機を長持ちさせ、安全かつ気持ちよく使うためには、地道なメンテナンスと整備が欠かせない。

 

最近びっくりしたのが、車のタイヤ交換をできない若者が増えたという話。ガソリンスタンドでお金を払ってやってもらうのだとか。おそらくそんな奴はマイカーのエンジンルームだってあけたことがないに違いない。腰が痛くなったジイさんならともかく、いい若いもんがめんどうなことはすべて業者頼り、お金で解決するというのでは、ちょっと情けないと思ったのだが、あなたはどう思います?少なくともそんな奴はJAFの来ないアウトバックには行けないね。

そんなわけで、今回は以前(本誌106号)、本欄で掲載した「刈り払い機の正しい使い方」で触れられなかった「刈り払い機のDIYメンテナンス」。車と同じように、とても簡単な作業なのだが、もしかしたら「自分でやったことがない」という人がいるかもしれない。刈り払い機は刃物がついた危険な道具でもあるわけで、日ごろの保守管理は自分や周囲の安全にもつながるし、もちろん刈り払い機の寿命を延ばすことにもなるのだから、しっかりやっておきたい。具体的には、刈り払い機のメンテナンスは、消耗部品の交換の判断とエンジンの始動不良の予防というのが主な目的だ。

なお、刈り払い機には、2サイクルと4サイクルの2つのエンジンタイプと電動式のバッテリータイプがあるが、ここでは現状では最もポピュラーな混合オイルを使った2サイクルのエンジンタイプをモデルケースにして説明してみた。刈り払い機は、メーカーや機種によって各部の位置が異なっているが、点検ポイント自体は基本的に同じなので、取り扱い説明書などをみてチェックしてほしい。また、4サイクルエンジンの機種も、燃料が違うくらいで、メンテナンスポイントは基本的に2サイクルエンジンとほぼ同じなので、参考になるはずだ。

 

<用意するもの>

左から、太めの針金、プラスドライバー(大小2本)、付属のコンビボックススパナ、付属の六角レンチ、古い歯ブラシ、グリス、ウエス、ダイヤモンドヤスリ

 

最低限やっておきたい!刈り払い機のメンテナンスポイント

POINT1 点火プラグのチェック

毎回ではないが、20~25時間程度の作業ごとにチェックしたい。電極がカーボンなどで汚れていたら歯ブラシなどで軽く掃除する。濡れていたら、ガソリンで洗い、乾かす。なお、電極のすき間(火花の間隔)は0.6~0.7mm(ハガキ3枚分程度)が正常。電極が焼けて黒くなっている場合は交換。

コンビボックススパナでプラグをはずす

 

汚れていたら歯ブラシなどで電極を掃除

 

POINT2 刈り刃の摩耗や破損をチェック

チップが埋め込まれた刃の先端が磨耗したり、変形している場合は、刈り刃の交換。たとえば、任意の3つ並んでいる刃の先端のうち、2個以上が欠けていたり、変形したり、先端のチップがなくなっている場合は、即交換。大丈夫な場合は、磨耗した刃先(チップ)をダイヤモンドヤスリで目立てして切れ味を再生する。

3つ並んだ刃の先端のうち、2個以上のチップが磨耗したり、欠けている場合は、即交換。そうでなければまだ使える。この写真でいうと右は欠けていないが、真ん中と左が欠けているのでNG

 

先端のチップをダイヤモンドヤスリで目立てする

 

POINT3 ギヤケースにグリスを補充する

50時間程度の使用ごとにグリスを補充する。ギヤケースのヘッド部の側面のネジをはずし、そのネジ穴からグリスを注入。ネジを元の穴に取りつけるとき、ゴミやホコリがつかないように気をつけること。

ギヤケースヘッド部の側面のネジをはずす

 

このネジ穴からグリスを注入する

 

POINT4 エアクリーナー内のエアフィルター(クリーナーエレメント)の掃除または交換

普通は25時間程度の使用ごとに、エアクリーナーケースのカバーをあけてチェックするが、ホコリの多いところでは使用後に毎回チェックしたい。汚れがあればはずして軽く叩く程度の掃除でOK。汚れがひどい場合は、混合オイルで洗い、固く絞って、乾燥してから取りつける。一般的には5~8年ごとに交換。

エアクリーナーを取り出して掃除

 

POINT5 アイドリングの調整

エンジンの回転が高すぎたり低すぎたりするときにアイドリング調整ネジを回して調整する。調子がいいときは触らないこと。

プラスドライバーでネジを回す。右回しで回転が高くなり、左回しで回転が低くなる

 

POINT6 燃料フィルターのチェック

汚れなどで詰まっていると燃料が回らずにエンジン不調の原因となる。

燃料の給油口から、太めの針金で燃料フィルターを引き出してチェック。汚れているときは、ガソリンでよく洗っておく。出し入れするとき、ゴミが燃料タンクの中に入らないように注意する

 

POINT7 各部の取りつけ部分をチェック

各部のゆるみを直し、サビやすい箇所はサビ止めスプレー

 

POINT8 刈り刃をはずしてヘッド内部を掃除

古い刃をはずす。ギヤケースの穴(ヘッド部横にある)に付属の六角レンチ(細い鉄の棒でもかまわない)を差し込んで、刃の回転を止めた状態で、コンビボックススパナで六角ボルトをまわして巻きつけ防止カバーや刃の押さえ金具をはずして掃除する。刃を固定している金具とヘッド部のすき間に泥や草が巻きついていたら除去する。なお、刃を固定しているネジは、逆ネジになっており、ゆるめるときは時計回り、閉めるときは逆時計回り。

ギヤケースのネジ穴に六角レンチを差し込み、刃が回転しないようにする

 

付属のコンビボックススパナで六角ボルトを回して刈り刃をはずし、すき間の草などを除去する

 

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2017年6月時のものです。

 

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自作の専用ツールが大活躍!自然薯採ったど~!これがDIYerの山芋堀りだ!?/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(16)

里山の自然薯(じねんじょ)掘りにハマって3年、すでに関東だけで500カ所のポイントを押さえているという自然薯掘り名人に出会った。つい、同行させていただけないかと頼んだのがいけなかったのか…?

今回は、房総の山林で経験した地獄のヤマイモ掘りの顛末。

 

初めて自然薯を自分で採るとこんな顔になります(両端のふたり)

 

自然薯とは?

山野に自生しているツル性のヤマイモ。栽培されているナガイモより細く、長い。葉は先が尖り、根元がハート形になっていて、夏には葉の付け根に花が咲き、葉のわきにムカゴができる。ナガイモよりも粘りがあり、トロロにすると美味。栽培されている自然薯も出回っているが、野生のものは珍重され、採集が難しいことから、価格も高い。

 

パソコンに500カ所、登録

今回の師匠、自然薯掘り名人を紹介したい。A・Kさん、64歳。電子回路設計の仕事に携わりながら、オフの日は神出鬼没に里山を駆け回るという野生の男だが、小学校のころから、真空管ラジオやワイヤレスマイクを組み立てていたという真正の理工系DIYerでもある。したがって、自然薯掘りのアプローチもやや理系。まずインターネットでグーグルマップとストリートビューを駆使し、自然薯ポイントのあたりをつける。後日、現場に行って確認し、自然薯の葉っぱや花、ツルなどを発見するとマーキングし、地中に持参の磁石を埋め込んでおく。次回ここに来たとき、コンパスが反応するので、迷うことはない。こうして確認した自然薯ポイントは、現在500カ所。ツルの太さを見て、それぞれ「ちょい大物」「かなり大物」「大物」と分類して自身のパソコンに登録している。

今回、出かけたのはそんなポイントのひとつ。場所はいえないが、房総の住宅地の裏手に広がる人けのない山林。もちろん土地オーナーの許可を取って入り込んだ。同行したのは名人とその友人親子。それに私の4人。全員、長靴に作業服、手袋に首タオルという〝闘う自然薯ファッション〟だ。

 

名人のパソコンに登録された500カ所の自然薯ポイント

 

ちょっと触るとすぐポッキリ

場に着いて広げたのは、名人手作りの自然薯スコップ。柄が分割式で、穴の深さに応じて、長さを調整できるし、先端部もいろいろあって、状況によって使い分ける。これを使って、いよいよ地面を掘り下げる。自然薯は大きなものだと地下1.5~2m以上に達する。これを折らないように掘り下げるわけで、自然薯の位置を見当しつつ、周りの土を取り除く。つまり2m近く掘るのだが、これだけでかなりの体力を消耗する。

 

ツール
今回持ち込んだ名人手作りの自然薯掘りツール。自然薯スコップは、柄がスチール製で軽く4~5つなぎで長さ調整が可。最長で2m40cm

 

磁石&コンパス
磁石(右)とコンパスは、常に携帯。ポイントを見つけると磁石を地中に埋めておく

 

自転車
自転車で行くときはこんなスタイル。自然薯スコップをフレームのように固定し、残るパーツはリアにくくりつけて走る。自転車も急坂に対応できるように超多段ギアに改造してある

 

自転車の荷台には…
鎌、自然薯スコップの先端、持ち手、マグライトなどが収まる

 

斜面で足場を確保する苦しい姿勢で、穴倉に顔を突っ込み、わけのわからない根や地中の茎を鎌でぶったぎり、指を伸ばして手を差し込み、曲りくねって伸びている自然薯を探るのだが、ちょっと触るとすぐ折れる。ミスを連発し、ポッキリと折れて4分割になった自然薯を手に、「採れた…」とよろよろと立ち上がったのは、穴掘りを始めてから2時間後だったが、私の頭の上で、「次、いきましょか…」の声が…。

その「次」がすごかった。今度は平地だったが、視界ほぼゼロの藪の中での穴掘りが続く。ここでも名人の手ほどきを受けながら、2m近く穴を掘るが、自然薯の先端が出てくるまで、ひたすら忍の一字。穴の入口にマグライトを吊るし、穴の中を照らしながら、ほぼ垂直に穴を掘る。穴の径が細くて、思うように土が持ち出せない。疲れ果て、手が震え、息が切れ、腹が減り、腰が立たず、もうダメ!と叫ぶ寸前、約1時間半後、ついに作業の終わりを示す自然薯の先端を捉えたのだった。

 

こ、こんなとこ、行くの?と思わず聞いてしまった藪の中

 

も…もう少しで…

 

こ、来なけりゃ、よかった……

 

ついに自然薯の頭を発見、その手前をほぼ垂直に掘り、芋の周りの土を慎重に取り除きながら進む。くれぐれも折らないように…

 

こ、腰が…

 

本日の収穫。トロロにしたら、ホントにうまかった

 

最後に名人にマジでいわれたことを伝えておこう。

私有地で掘るときは、必ず許可を取ること。また、現場を立ち去るときは、必ず穴を埋め戻しておくこと。そのとき、そこで根づくように自然薯の先端部分を埋めておくこと。あなたが自然薯掘りに挑戦するときは、この3つは守ってほしい。

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2017年4月時のものです。

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豪華賞品をゲットせよ!「第24回ドゥーパ!DIY大賞」の応募締切は5月15日(日)まで!

もの作りファンのためのコンテスト『ドゥーパ!DIY大賞』。

今回で第24回目となる本コンテストは昨年11月より募集を開始。いよいよ応募の締め切りまであと1カ月を切り、現在編集部にはDIYerからの応募作品が続々と届いている!

今回も優秀なDIY作品にはドゥーパ!の誌面で紹介&豪華賞品を授与。

DIY好きの仲間たちへ作品を披露するチャンス。DIY作品があるならためらわず応募して、掲載への切符をつかもう!

全国DIYerの皆様からの作品をお待ちしています。

 

第24回 ドゥーパ!DIY大賞 協賛メーカー(五十音順)

京セラインダストリアルツールズ

シンワ測定

スターエム

スター電器製造(SUZUKID)

STIHL

スリーエム ジャパン(スコッチ(R))

ゼットソー(岡田金属工業所)

髙儀(triton)
髙儀(WORX)

デウォルト

ブラック・アンド・デッカー

マキタ

マックス

*協賛メーカーへのドゥーパ!DIY大賞に関するお問い合わせはご遠慮ください。
*特別な表記がない限り価格は税込です。

 

応募者全員に贈られる参加賞はコチラ!

協賛…スリーエム ジャパン スコッチ(R)
超強力接着剤プレミアゴールド スーパー多用途 2 透明 20g

 

Web応募はコチラから!
*応募したら「#ドゥーパdiy大賞応募した」のハッシュタグで発信をぜひ!
*郵送での応募も受け付けています。詳細は本記事の最後にある「送付方法」を参照してください。

 

受賞賞品一覧(各1名)

グランプリ

協賛…京セラインダストリアルツールズ

自動カンナ AAP10N 11万5500円
&10万円、トロフィー

 

準グランプリ

協賛…マキタ

M850DSX 充電式震動ドライバドリル
2万5000円(税別)
MTD001DSX 充電式インパクトドライバ
2万5000円 (税別)
MUR140DZ 充電式草刈機
*バッテリー、充電器なし
1万3400円(税別)
MUH265DZ 充電式ミニ生垣バリカン
*バッテリー、充電器なし
1万400円(税別)
MUM601DZ 充電式芝生バリカン
*バッテリー、充電器なし
1万400円(税別)

 

小屋・ガレージ部門

協賛…京セラインダストリアルツールズ

集じん機 VC-1100
1万6500円

 

クラフト部門

協賛…京セラインダストリアルツールズ

充電式サンダー BS-1110L2
2万2000円

 

DIY家具部門

協賛…ゼットソー

パネルソー導突目240 3927円
ゼットソー265 2717円
ライフソークラフト145 1639円
パイプソー240 1749円

 

外メシ部門

協賛… 髙儀

triton スーパージョーズ
1万7380円

 

溶接部門

協賛…スター電器製造(SUZUKID)

マグホールド(シリーズ一式) 約4万円
*製品セットのマーケットプレイス価格

 

ノンセクション部門

協賛…髙儀

WORX 充電式ドリル&ドライバーAI
2万1780円

 

エクステリア部門

協賛…STIHL

バッテリーガーデンカッター GTA 26
2万2000円

 

DIYリノベーション部門

協賛…デウォルト

10.8V コンパクトレシプロソーDCS312D2 2万3980円

 

車DIY部門

協賛…ブラック・アンド・デッカー

トリプルパワーソース 電動マルチ空気入れ BDCINF18B
1万6280円

 

ドゥーパ!賞

協賛…京セラインダストリアルツールズ

充電式チェンソー BCS-1800L1
3万2450円

 

審査員賞1

協賛…京セラインダストリアルツールズ

ジグソー J-6500VDL
1万7600円

 

審査員賞2

協賛…スターエム

ドリルスタンドRULO
2万1780円

 

審査員賞3

協賛…京セラインダストリアルツールズ

充電式インパクトドライバー BID-1110L1
1万6060円

 

審査員特別賞1

協賛…マックス

常圧専用エアコンプレッサ AK-820
6万3800円

 

審査員特別賞2

協賛…シンワ測定

丸ノコガイド定規 たためるエルアングル 1mメートル目盛 8800円
曲尺平ぴたシルバー30cm表裏同目
曲尺用ストッパー金属製付JIS
5940円
完全スコヤ15cm表裏同目
2035円
2×4止型定規クリア
990円

 

マキタ賞

協賛…マキタ

MTD001DSX 充電式インパクトドライバ
2万5000円(税別)
M050フラッシュライト
*バッテリー、充電器なし
3200円(税別)

 

京セラ賞

協賛…京セラインダストリアルツールズ

充電式丸ノコ BW-1110L2
2万8600円

 

ゼットソー賞

協賛…ゼットソー

ソーガイドベスト鋸セット
1万868円

 

STIHL賞

協賛…STIHL

高圧洗浄機 RE 90 2万3100円

 

SUZUKID賞

協賛…スター電器製造(SUZUKID)

100Vエアープラズマ切断機 APC-15S エスパーダフォルテ
9万8380円

 

髙儀賞

協賛…髙儀

充電式ジグソー&のこぎりAxis
2万1780円

 

マックス賞

協賛…マックス

常圧ステープル用エアネイラ TA-225LU/4J
1万4080円

 

ブラック・アンド・デッカー賞

協賛…ブラック・アンド・デッカー

マルチツールインパクトドライバー EVO185I1
オープン価格

 

スターエム賞

協賛…スターエム

ドリルスタンドRULO
2万1780円

 

シンワ測定賞

協賛…シンワ測定

丸ノコガイド定規 たためるエルアングル 1mメートル目盛 8800円
曲尺平ぴたシルバー30cm表裏同目
曲尺用ストッパー金属製付JIS
5940円
完全スコヤ15cm表裏同目
2035円
2×4止型定規クリア
990円

 

募集要項

●応募作品…DIYで作った作品。過去、ほかの作品コンテストで入賞された作品の応募はご遠慮ください。ユニークで新鮮なアイデアに満ちた作品をお待ちしています。
●応募資格…個人、グループなど。ただし、現役のプロの方はご遠慮ください。また、受賞作品は本誌で紹介するため、誌面作りにご協力いただきます。なお、編集部による取材を受けていただく場合があります。

 

賞設定について *賞設定は変更になる場合があります

●グランプリ…1作品。すべての応募作品の中でもっとも優秀と評価された作品。賞金10万円のほか、豪華賞品が贈られます。
●準グランプリ…1作品。グランプリ作品に準ずると評価された作品。
●審査員賞…1作品ずつ。参加審査員各氏による推薦を受けた作品。数名に。
●ドゥーパ!賞…1作品。本誌編集長による推薦を受けた作品。
●協賛メーカー賞…1作品ずつ。本企画に協賛をいただいた各メーカースタッフによる推薦を受けた作品。数名に。
●部門賞…1作品ずつ。各部門で最優秀と評価された作品。

 

部門賞について

●外メシ部門…野外で調理を楽しめるDIY作品。バーベキュー炉、ピザ窯、野外囲炉裏、キッチンストーブ、ガーデンキッチン、ガーデンシンク、ファイヤープレイスなど。
●エクステリア部門…ガーデン作品全般。ウッドデッキ、ガーデンベンチ、ガーデンテーブル、物置、フェンス、玄関アプローチ、立水栓、駐車場(カーポート)、室外機カバー、ポスト、池、花壇など。
●DIY家具部門…室内で利用する各種家具。
●DIYリノベーション部門…各種リノベーション作品。家や部屋、壁面・コーナーのリノベ、屋根裏の改造など。できるだけ遊び心のあるもの。*リノベ前の写真添付が必要。
●小屋・ガレージ部門…DIYで建てた小屋作品。ガレージ、ツリーハウス、キッズハウス、趣味部屋、工房など。
●クラフト部門…手工芸や趣味の小物、置物、玩具、カービングなど。
●溶接部門…溶接で作ったアイアン作品。
●車DIY部門…軽トラやワンボックスカーなどの荷台、荷室、居室をカスタムした作品。
●ノンセクション部門…上記の範ちゅうに入らないDIY作品。

 

審査方法

本誌編集部と審査員および各メーカーのスタッフによる厳正な審査のうえ、入賞者を決定いたします。

 

応募方法

●応募書類には、応募作品名、応募部門、氏名、年齢、電話番号、住所、メールアドレス、職業、DIY歴などを記載のうえご応募ください。
●作品概要を簡潔にまとめた文章、作品のカラー写真を数点添付のうえ、応募してください(作品説明のための、組み写真やイラスト、図面などを添付してもけっこうです)。
●作品1点につき、下記の応募用紙見本にあげた項目をすべて記入し、応募してください。「応募部門」は本誌で設定した部門の中から選んでください。
●応募は、おひとり様何点でもけっこうですが、同一部門への複数応募はご遠慮ください。
*ご記入いただいた個人情報(住所や名前など)は編集部からの連絡、賞品の発送に使用します。また、受賞された場合は賞品発送のため、氏名、住所、連絡先を協賛メーカーに提供する場合があります。

 

送付方法

●郵送(宅配便含む)の場合…応募書類の書式は自由です。ただし、パソコンで応募書類を作成した場合はプリントアウトした書類も添付してください。*作品本体での応募は、ご遠慮ください。
●応募宛先…〒135-0021 東京都江東区白河3-18-11 ドゥーパ! 編集部「第24回ドゥーパ! DIY大賞」係
●WEBの場合…https://form.run/@dopa-diyaward24
●応募締切……2022年5月15日(日)*当日消印有効
●作品および各賞の発表…本誌2022年8月号および10月号を予定
*掲載号は予告なく変更になる場合があります。

すぐできる技を直伝!キャンパーのための「裁縫」入門テクニック

DIYキャンパーのネクストステップは、ズバリ鉄と布の加工。木工と組み合わせれば、ギア作りの幅が一気に広がること間違いなし!ここでは誰もがトライできるお手軽テクニックを厳選して紹介します。

 

~教えてくれる人~

浅田圭介さん

誰でも気軽に溶接体験ができるショップ、Fe★NEEDS(SUZUKID)鎌倉店、中目黒店の店長で溶接の腕前はプロ級。キャンプ歴20年のベテランキャンパー。自作ギアの一部は商品化、販売されている。

Fe★NEEDS
SUZUKID(スター電器製造)

 

<裁縫編>

工業用ミシンの構造と名称

問い合わせ◎わくわくミシン工房

  1. LEDライト…手元の明かりに
  2. 押さえレバー…押さえ金を上下させる。作業中は下ろして布を押さえる
  3. 糸調子ダイヤル…上糸の糸調子を合わせる際に使用
  4. 押さえ金と送り歯…布地を上下でしっかり挟んで送る
  5. 下糸用半回転垂直釜…下糸を巻いたボビンとケースを収めておく釜
  6. 二つ折りバインダー…帯状の素材を二つ折りにして縫いつけていくツール
  7. 縫い目調整レバー…縫い目長さを0~5.5㎜の間で調整する。一番下に下げると縫う向きが逆に変わる。返し縫いに使用
  8. はずみ車…回すと針が上下に動く
  9. ジグザク振り幅レバー…ジグザグ縫いをする際の振り幅を0~5㎜の間で調整する
  10. 大型糸立て棒…使用中はミシン糸を棒に通し、立てておく
  11. 針移動レバー…針位置の変更レバー。基本はR(右)でOK
  12. 作業台…ミシンに合わせて作った木製の作業台

 

<工業用ミシン針>

ミシン針は交換することにより、レザーにも対応。布地にはDP×17、19番針を使用

 

<ミシン糸>

ミシン糸。左が8番、右が20番

 

<フットコントローラー>

スタート、ストップを足元で操作する道具

 

ミシンをざっくり分けると家庭用、職業用、工業用の3種類がありますが、僕が使っているのは工業用ミシン。理由は単純でキャンプギアによく使う厚い布地やレザーも縫えるパワーがあるから。もちろん、いきなり高価な工業用ミシンを買う必要はなくて、家庭用ミシンで裁縫に慣れていき、ステップアップしていくのもいいと思います。工業用は使い方や構造もシンプルなので、本気で裁縫を絡めたギアを作りたい人にはぜひおすすめです。

工業用ミシンで使う縫い糸ですが、帆布用・厚地ステッチ用途に適した20番か8番を使います。針のサイズは19番。これは数字が小さくなるに従って、径が太くなっていきます。ちなみに今回は紹介しませんが、レザーを縫う場合は針を革専用のものに代えて使用します。

工業用ミシンは家庭用ミシンと違って、下糸はボビンケースを使用する垂直釜でセットする仕組み(後述参照)。家庭用ミシンでよくみる水平釜に比べ、糸締りがよく、縫い目の仕上がりが安定するところもポイントですね。

ミシン縫いのスピードは付属のフットコントローラーで操作します。踏み具合によって、無段階に調節できるので、ゆっくり縫ったり、縫い目を微調整しながら縫えて、使いやすいですね。

 

使用する材料と選び方

キャンピングギア作りで使う布地の例

左から、ナイロン(裏面PVCコーティング防水生地)、8号帆布、ブラッシングデニム

 

キャンプギアで使う布地は用途に合わせて選びましょう。強度が必要なのか、それとも防水が必要なのか。僕が作るのはチェアの座面やコットが多いので、厚手の布地、例えば4号帆布や耐久性のあるコーデュラナイロンをよく使います。逆に作ったギアを収納するツールバッグなんかは、薄手のものでOKです。いずれにせよ、外で使うものだから撥水加工されている生地であればベターです。でもそこにこだわりすぎず、デニムなど好みの生地を使うのもひとつの手です。ちなみに購入方法ですが、手芸屋さんではなかなか厚い生地が見つからないので、ウェブショップやネットオークションを使うことが多いですね。

 

ミシン縫いの準備

ミシンは上糸と下糸の2本の糸を絡ませて縫っていく。まずはミシン糸をボビンに巻いて、下糸の準備から始めよう。

 

<下糸を巻いて垂直釜にセットする>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

<上糸をかけて針に通し、下糸を引き出す>

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基本の縫い方

まずはミシン縫いの基本となる直線縫いと返し縫いをマスターしよう。はじめはゆっくり縫って動作になれたり、はぎれで練習してみよう。

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<縫う前にここも確認!> 縫い目幅の調整

直線縫いの場合は、布の厚さに応じて、縫い目の長さ(送り幅)を選ぶ。縫い目調整レバーの位置を変えて幅を調整しよう。薄地の布であれば、縫い目を細かく、厚手であれば送り幅を広く設定する。キャンプギア作りの場合は、厚手の布地が多くなるので、送り幅は3~4mmになるよう広めにとっておこう。

 

レバーを上下して縫い目幅を調整する。目盛りはないのでどの位置でどのくらいの幅になるのか覚えておこう

 

縫い目幅を変えて縫った例。下に向かって縫い目幅が細かくなっている

 

<縫う前にここも確認!> ジグザク縫いの振り幅調整

ジグザク縫いの振り幅もレバーで変更可能。縫い目幅と同じく、薄地の布には振り幅は狭く、厚手の生地には振り幅が大きくなるように設定しよう。

 

振り幅調整レバーには目盛りがついており、0~5mmの間で調整可能

 

ギア作りにおけるジグザグ縫いは、布テープで作ったループの縫いつけなどで活用する

 

チェアの背もたれを縫う

直線縫いのテクニックを使って、ローチェアの背もたれを作ってみよう。二つ折りバインダーを使って、布端の処理をするテクニックにも注目!

 

8号帆布で作るローチェアの背もたれ。布の上下の切れ端はアクリルテープを使って処理。張りつけ時にテンションのかかる座面の左右は、厚みが出るよう折り返して仕上げた

 

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

写真◎佐藤弘樹、冨田寿一郎

*掲載データは2019年4月時のものです。

すぐできる技を直伝!キャンパーのための「鉄工」入門テクニック

DIYキャンパーのネクストステップは、ズバリ鉄と布の加工。木工と組み合わせれば、ギア作りの幅が一気に広がること間違いなし!ここでは誰もがトライできるお手軽テクニックを厳選して紹介します。

 

~教えてくれる人~

浅田圭介さん

誰でも気軽に溶接体験ができるショップ、Fe★NEEDS(SUZUKID)鎌倉店、中目黒店の店長で溶接の腕前はプロ級。キャンプ歴20年のベテランキャンパー。自作ギアの一部は商品化、販売されている。

Fe★NEEDS
SUZUKID(スター電器製造)

 

<鉄工編>

使用する材料と選び方

ホームセンターで購入できる鋼材一覧がこちら。異形鉄筋や丸鋼は、焚き火ハンガーやスタンド脚部に、鋼板やエキスパンドメタルは焚き火台やグリルスタンド天板に……と用途に合わせて鋼材の形状やサイズを選びましょう。またアングルをテーブル端の補強兼飾りに使うなど、アイデア次第でさまざまな使い方ができるのがギア作りの面白いところ。機能だけでなく、デザインのアクセントとしても積極的に取り入れると面白いですよ!

 

テクニック1 切る<Cut>

鋼材を切る道具は手工具から大がかりなパワーツールまで実にさまざま。日曜大工の道具ぞろえですぐに始められる加工方法をピックアップ!

 

<丸ノコ>

鉄・ステンレス兼用のチップソー

 

ドゥーパ!読者の多くが持っているであろう丸ノコ。その刃を鉄工用に交換すれば、金属カットのできる丸ノコに変身! 板厚にもよりますが、木材を切るのと大差ない感覚で切れるはず。ちょっとした鋼材のカットならこれが確実。

 

作業音はやや大きめで、切断時には火花が飛び散る

 

6mm厚、32mm幅のフラットバーを切ったところ。切断面はきれい

 

<ジグソー>

鉄工用ブレード。刃が非常に細かい。3~5本セット、1000円前後で販売されている

 

木工の曲線カットや切り抜きに登場するジグソー。実は鉄工用のブレードを装着すれば、鋼材をカットすることができるんです。ただし木材に比べると切断に時間がかかることに注意。木材・金属兼用や厚板用のブレードもあるので、購入の際は注意を。

 

鉄工用ブレードを装着すれば、こんな鋼板を切断することもできる。しっかりと材を固定し、ゆっくりていねいに切り進めよう

 

カットした1.6mm厚の鋼板。切断面もきれい

 

<ディスクグラインダー>

ステンレス・金属用の切断砥石

 

丸ノコやジグソーと同じくディスクの付け替えにより、鋼材のカットができます。切断の際は火花の量、切断面のバリともに多く、切り口はやや粗め。焚き火ハンガーに使う太径の異形鉄筋やエキスパンドメタルなど、精度を求めない箇所に使うとベターです。

 

異形鉄筋やエキスパンドメタルの加工に

 

異形鉄筋の切断面。切り口はよ〜く見るとやや粗い

 

テクニック2 曲げる<Bend>

丸鋼や鉄筋など棒状の鋼材を曲げる方法を紹介。特殊な道具はいらないので、思い立ったら即実践!

 

バイスとパイプで曲げる

テーブルやチェアなどのフレームの曲げに

 

10mm径くらいの鉄筋や丸鋼なら簡単に曲げられるテクニックです。必要なのはバイスとパイプ、たったこれだけ。テコの原理で思った以上に簡単に鋼材が曲がるはず。ただし曲げたあとは必ず角度を確認して、狙った曲がりになるよう調整してくださいね。

 

<作業手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

バーナーで熱して曲げる

焚き火ハンガーに使う細径のフックなどに

 

トーチバーナーなどで鋼材をあぶり、材が赤くなるまで熱して、軟らかくしてから曲げる方法。細い丸棒を細かく曲げたいときなどに有効です。バーナーは火力が強ければ強いほど、曲げるまでの時間が短くなります。

 

<作業手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

細径の棒ならパイプベンダーも

フックに使うような細い径の棒ならパイプベンダーで曲げるという手もある。ベンダーには目盛りがついているので、任意の角度に曲げるのも簡単。写真のような手動式のハンドベンダーであれば3000~5000円ほどで購入できる

 

テクニック3 あける・つなぐ<Drill&Connect>

溶接ではなくボルト&ナットで鋼材を接合するテクニックを紹介。鉄工用ドリルで材にネジやボルトを通す穴をあける。

 

インパクトドライバーであける

木と鉄を組み合わせたテーブルに。写真の作例ではアングルに穴をあけ、天板裏に桟として固定。さらに脚となる角パイプと桟をボルトで接合している

 

3mmくらいまでの薄いフラットバーや鋼板など、材に厚みがない場合に有効な方法。インパクトドライバーに鉄工用ドリルビットを装着し、木材と同じように穴をあけていくだけ。厚みのある材やシビアな精度を要求されるシーンでは、後述のボール盤がベターです。

 

<作業手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

ボール盤であける

厚みのある材は、ボール盤の出番です。鉄工用のドリルビットを装着してビットをゆっくり下ろせば、確実に真っすぐな穴を加工することができます。また大量の鋼材を加工するときにもオススメです。

 

<作業手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

写真◎佐藤弘樹、冨田寿一郎

*掲載データは2019年4月時のものです。

解体するための道具の種類と使い方・後編/超実践的DIY道具ラボ(21)

住宅用家屋の解体というと急に敷居が高くなってしまうが、今回はDIYで作った小屋や物置、模様替えのための室内などをターゲットに、道具とその使い方、解体手順を紹介しよう。

作業服選び&解体の3大道具などを解説した前編はコチラ

 

解体作業で持っていると便利な道具

在来工法であれ、2×4工法であれ、解体には前編で紹介した「チェンソー」「はつり機」「バール」の3アイテムがあれば、大体の工程をクリアできる。だが、廃材をリサイクルしたいからていねいに解体したい、古民家によくあるホゾ組みを生かしたままにしたい、高所での解体作業をより安全に行ないたいという場合には、以下の道具が役立つので覚えておくといい。

 

<プライヤー>

ネジ頭の溝がつぶれたり、途中で折れたビスを無理やりこじり取るときに便利

 

<インテリアバール>

片手で扱いやすいサイズ(250mm程度が多い)のバール。へら部分が広いので、すき間をこじってはがす作業で活躍する。反対側はクギ抜きとしても使える

 

<インパクトドライバー>

木材からビスをはずすときに使う。錆びついていたりビス頭の溝が埋まっていてはずせないときは、ビットをネジはずし専用のものに替えるといい

 

<ハツリハンマー>

クサビ状のヘッドが特徴的な解体用ハンマー。ホゾ組みの柱をはずす際に衝撃を与えたり、ブロックやモルタルをはつる(壊したりはがしたりする)作業に使用する。重さは450g、700gが一般的

 

<折り込みノコギリ>

折りたたみ式ノコギリ。刃の長さは150mm程度が扱いやすい。持ち運びしやすく、細かな切断が必要な場面に使用する

 

<脚立>

天井など高い箇所の解体時に活躍する。足場板が広いモデルなどバリエーションが豊富。一番上に乗ってぎりぎり届くのではなく、中段ぐらいでも安全に作業できるサイズを選びたい

 

<ガラ袋>

解体で出た廃材を分別して廃棄するのに便利なポリプロピレン製の袋。サイズは600×900mm規格

 

小型重機ミニユンボをレンタルして使う

廃材を再利用するためにきれいに解体する必要がない、周囲に十分なスペースがあるということであれば、小型重機を解体作業に使う手も。1トン未満のミニユンボでも物置ぐらいなら簡単に壊すことができ、基礎の撤去から整地まで、短時間で作業することができる。こうした重機は自動車と同じで、私有地で私用に使う限り免許が不要。しかし、レンタル業者から借りる場合は、技能講習修了書の提示を求められる。購入して独学で操作方法を学んでもいいが、確実な操作と安全のためにも、建設機械メーカーなどが主催する専門の教習所で講習修了証を取得しておくのが得策だ。

3トン未満の小型重機なら扱うのもそれほど難しくはない。講習修了証は1~2万円程度で取得できる

 

解体作業の基本手順を知る

ここでは建築申請のいらないDIY小屋や物置を例に基本的な解体手順を紹介。解体といっても、やみくもに壊しては現場がグチャグチャになって整理がつかなくなる。基本的には組み立て時の手順と逆に進めていけばいい。なお、外装材解体(STEP4)と、屋根の解体(STEP5)の順番はどちらを先に行なってもいいので、天候や作業のしやすさに応じて決めよう。また、各工程を終えるごとに、各廃材は分別して整理しておくと片付けがラクになり、作業スペースも確保しやすくなる。

 

STEP1 現場の準備
住宅街なら近所に粉じんが飛び散らないか、ほこりが舞わないか確認。必要なら建物周囲に足場を立て、養生シートを張ろう。解体中に粉じん、ほこりが多く出そうならホースで散水してくれる助手も用意したい

 

STEP2 建具を取りはずす
室内の家具類はすべて運び出し、窓やドアなどを取りはずす。ていねいに作られた建具は、エイジングされたアンティーク風の作品として再利用できるし、金具類も状態がよければ、保管して次の製作に利用することができるので、細かくチェックしながら解体したい

 

STEP3 内装材を解体する
壁紙、壁板、床板、断熱材などを解体。天井から床(上から下)の順に作業を進める。はがす作業が多いので使う工具はバールがメイン。上下水道、電気、ガスを引いている場合は業者に撤去を依頼するのが確実だ

 

STEP4 外装材を解体する
外壁、窓枠、ドア枠などをはがしてしまう。部材に合わせて各種電動工具を使うとはかどる。解体した廃材からビスや金具を取りはずし、材質ごとに分別してガラ袋に収まる長さ(900mm程度)に切断してまとめておく

 

STEP5 屋根材や屋根下地を解体する
アスファルトシングルやスレートなどの屋根材をはがし、屋根下地も解体していく。高所での作業となるので、転落防止の安全対策には十分な注意が必要だ。可能なら、解体した廃材は取りあえず地面に落としてしまい、後で整理すればいい

 

STEP6 構造材を解体する
チェンソーを使って解体する。途中で崩れないように解体する部位、順番に注意し、バランスよく進めていく。基本は上から解体していくが、必要であれば突っかい棒をかますなど安全策をとる。長い材は解体したら運びやすい長さ(ガラ袋に入るサイズ)にカットしておこう

 

STEP7 基礎石を撤去して整地する
モルタルなどで固定した場合はハツリ機を使うとスムーズに粉砕、解体できる。現場に残った細かな屑を掃除し、地面を平らに均して整地する。なお、一連の作業で発生した大量の廃材は、たとえ木材でも焚き火で処分することは多くの自治体で規制されているので、近くのごみ処理場や環境センターに持ち込んだり、産廃業者に頼んで処分してもらおう

イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2017年10月時のものです。

解体するための道具の種類と使い方・前編/超実践的DIY道具ラボ(20)

住宅用家屋の解体というと急に敷居が高くなってしまうが、今回はDIYで作った小屋や物置、模様替えのための室内などをターゲットに、道具とその使い方、解体手順を紹介しよう。

 

作業服は動きやすくてケガを防ぐウエアで決める

解体作業中は材が頭に落ちてくる、床を踏み抜く、すき間に手をはさむといった予期しないアクシデントに見舞われることがある。そんなトラブルを安全にやり過ごせるようなウエアを身に着けることが大事。今回のテーマになっているDIY小屋や物置の解体では、それほど大げさなウエアは必要ないが、それでもこれらのポイントを押さえておくことで、快適に作業することができる。

 

 

とび職が愛用するニッカポッカも、作業服としてのズボンにおすすめ。太ももの上げ下げ、ひざの屈伸が快適だそう

 

粉じんやほこりから身を守るには、とにかく皮膚を露出しないようにし、汚れても気にならない服を着用する。コットン生地のTシャツは、汗をかくと粉じんや小さな木端がくっついて身体がかゆくなることがある。ジーパンは丈夫でいいが、汗をかくとひざが上がりにくくなって動きにくい。暑い季節でも半袖、短パンはケガのもととなるので避けておきたい。寒い時期には、少し大きめのつなぎを重ね着してもいい。また、服装以外の小物装備にもこだわろう。

 

<ヘルメット>

頭をぶつける可能性、物が落ちてくる可能性のある場所、屋根上などの高所では必須となる装備

 

<防護メガネ>

切断、はつり、引きはがしなどの作業では、くずが飛び散るので目の防護が大切。視野が広くとれるものを着用したい

 

<手ぬぐい>

汗をふくためというよりも、首に巻いて粉じんが衣服の中に入らないために着用する

 

<防塵マスク>

粉じん、ほこりが出る工程では必需品。呼吸がしやすく、顔にフィットし、しっかり防塵できるタイプを選びたい

 

<グローブ>

軍手でもいいが、写真のような作業用グローブのほうが性能がいいのでおすすめ。バリエーションも豊富

 

<安全靴>

つま先はもちろん、クギの踏み抜きから足裏を保護してくれるモデルをセレクトする

 

解体作業で使う3大道具

実際の木造住宅の解体作業を見ても、メインとなる道具は案外とシンプルだ。壁材や屋根材をはがすバール、柱など構造材を切るためのチェンソー、基礎を砕いて解体するためのはつり機の3アイテムが主に使われる。なお、構造材の切断に丸ノコは使わないようにしよう(解体後の木材カットなどには使ってもいい)。丸ノコは下に置いた材を上から切るものなので作業が進めづらく、横向きや上向きにして使うのは危険。構造材の解体には、いろいろな方向から切ることができるチェンソーのほうが適している。

 

<チェンソー>

柱材など構造部分の解体に使う。住宅街なら音の静かな電動チェンソーのほうがおすすめ。大排気量のエンジンチェンソーと比べるとパワーは劣るが、十分使うことができる

 

<はつり機>

ハンマードリルや電動ハンマーとも呼ばれている小型の削岩機。コンクリートにこびりついたモルタルなども比較的簡単にかき落とすことができ、コンクリートブロック、レンガを粉砕したいときにも使える

 

<バール>

長いバール(900mm程度が使いやすい)はテコの原理で、はがす、こじる、持ち上げるといった使い方をする。多少荒っぽい作業となる解体現場で活躍

 

小回りの利くレシプロソーで作業スピードアップ!

構造材に2×4材や垂木など、比較的薄い材を多く使っている場合は、レシプロソー(またはセイバーソー)と呼ばれる小型の電動ノコギリが便利。チェンソーでは作業がしづらい場所で手ノコを使うよりもすばやく解体できる。ブレードを交換すれば金属系の素材も切断できるので、1台あると非常に心強い。

チェンソーとは違って片手で操作でき、写真のような隅っこや狭い場所でも安全に使える

イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2017年10月時のものです。

解体するための道具の種類と使い方・前編/超実践的DIY道具ラボ(20)

住宅用家屋の解体というと急に敷居が高くなってしまうが、今回はDIYで作った小屋や物置、模様替えのための室内などをターゲットに、道具とその使い方、解体手順を紹介しよう。

 

作業服は動きやすくてケガを防ぐウエアで決める

解体作業中は材が頭に落ちてくる、床を踏み抜く、すき間に手をはさむといった予期しないアクシデントに見舞われることがある。そんなトラブルを安全にやり過ごせるようなウエアを身に着けることが大事。今回のテーマになっているDIY小屋や物置の解体では、それほど大げさなウエアは必要ないが、それでもこれらのポイントを押さえておくことで、快適に作業することができる。

 

 

とび職が愛用するニッカポッカも、作業服としてのズボンにおすすめ。太ももの上げ下げ、ひざの屈伸が快適だそう

 

粉じんやほこりから身を守るには、とにかく皮膚を露出しないようにし、汚れても気にならない服を着用する。コットン生地のTシャツは、汗をかくと粉じんや小さな木端がくっついて身体がかゆくなることがある。ジーパンは丈夫でいいが、汗をかくとひざが上がりにくくなって動きにくい。暑い季節でも半袖、短パンはケガのもととなるので避けておきたい。寒い時期には、少し大きめのつなぎを重ね着してもいい。また、服装以外の小物装備にもこだわろう。

 

<ヘルメット>

頭をぶつける可能性、物が落ちてくる可能性のある場所、屋根上などの高所では必須となる装備

 

<防護メガネ>

切断、はつり、引きはがしなどの作業では、くずが飛び散るので目の防護が大切。視野が広くとれるものを着用したい

 

<手ぬぐい>

汗をふくためというよりも、首に巻いて粉じんが衣服の中に入らないために着用する

 

<防塵マスク>

粉じん、ほこりが出る工程では必需品。呼吸がしやすく、顔にフィットし、しっかり防塵できるタイプを選びたい

 

<グローブ>

軍手でもいいが、写真のような作業用グローブのほうが性能がいいのでおすすめ。バリエーションも豊富

 

<安全靴>

つま先はもちろん、クギの踏み抜きから足裏を保護してくれるモデルをセレクトする

 

解体作業で使う3大道具

実際の木造住宅の解体作業を見ても、メインとなる道具は案外とシンプルだ。壁材や屋根材をはがすバール、柱など構造材を切るためのチェンソー、基礎を砕いて解体するためのはつり機の3アイテムが主に使われる。なお、構造材の切断に丸ノコは使わないようにしよう(解体後の木材カットなどには使ってもいい)。丸ノコは下に置いた材を上から切るものなので作業が進めづらく、横向きや上向きにして使うのは危険。構造材の解体には、いろいろな方向から切ることができるチェンソーのほうが適している。

 

<チェンソー>

柱材など構造部分の解体に使う。住宅街なら音の静かな電動チェンソーのほうがおすすめ。大排気量のエンジンチェンソーと比べるとパワーは劣るが、十分使うことができる

 

<はつり機>

ハンマードリルや電動ハンマーとも呼ばれている小型の削岩機。コンクリートにこびりついたモルタルなども比較的簡単にかき落とすことができ、コンクリートブロック、レンガを粉砕したいときにも使える

 

<バール>

長いバール(900mm程度が使いやすい)はテコの原理で、はがす、こじる、持ち上げるといった使い方をする。多少荒っぽい作業となる解体現場で活躍

 

小回りの利くレシプロソーで作業スピードアップ!

構造材に2×4材や垂木など、比較的薄い材を多く使っている場合は、レシプロソー(またはセイバーソー)と呼ばれる小型の電動ノコギリが便利。チェンソーでは作業がしづらい場所で手ノコを使うよりもすばやく解体できる。ブレードを交換すれば金属系の素材も切断できるので、1台あると非常に心強い。

チェンソーとは違って片手で操作でき、写真のような隅っこや狭い場所でも安全に使える

イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2017年10月時のものです。

レンガや石材加工のための道具の使い方を徹底解説!/超実践的DIY道具ラボ(19)

工事現場で使われるような本格的な石材加工の道具を使わなくとも、身近なDIY工具でレンガや石材、コンクリートブロックなどは成形できる。今回は本誌編集部がこれまで実際に使ってきた工具を実践例とともに紹介。

 

石工道具の基礎知識

手工具の石工道具は体力と叩くタイミングがポイント

石工に使う工具は、硬いレンガや石材を加工するために鋭くて強い打撃で加工できるように工夫されている。手工具だと、タガネ、レンガタガネ、石工ハンマー、ブロックハンマーなどがあるが、これらは鋼鉄製であることがほとんど。ハンマーの類は木工で使うカナヅチよりも重く、軽いもので約900g、重いものだと3kgを超えるものもある。

連続して使用するには体力が必要で、また思うように加工するには、材を打撃するタイミングや打つ位置など、実際に経験して作業のポイントを会得することも大切になる。

 

電動工具を活用するとスムーズに加工できる

石工作業のメインともいえる電動工具がディスクグラインダーだ。毎分1万5000回転という高速回転する先端部に、ダイヤモンドホイールを装着すれば、レンガ、石材、テラコッタ、コンクリートブロックといった石材全般の加工に利用することができる。ダイヤモンドホイールを装着したディスクグラインダーはプロのガーデナーにとっても必需品。

また石工用のチップソーを使えば、丸ノコでもレンガや石材の加工ができる。とくに長い寸法を切るには便利だろう。

 

<石材加工に使う主な道具>

 

CASE01 石工ハンマーと平タガネを使ったレンガの切断

石工ハンマーと平タガネだけを使ったシンプルな切断方法。レンガに墨線を引いたら、墨線にタガネを合わせて溝を削る。溝はなるべく深くくっきりと4面につけておく。その後は溝に合わせて平タガネを垂直にあて、一発で割れるように石工ハンマーで鋭く叩こう。

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

加工中の安全装備の例

石工作業では粉じんと切粉が激しく飛び散るので、必ず防護メガネと防塵マスクを装着する。帽子、衣服もすべすべの素材を選ぶと、多量にかぶる粉じんを落としやすい。

 

CASE02 ディスクグラインダーを使ったレンガの切断

ダイヤモンドホイールを取りつけたディスクグラインダーを使えば、平タガネよりも確実にきれいに割ることができる。墨線に合わせてディスクグラインダーで4面に切り込みを入れ、平タガネを切り溝にあてて石工ハンマーで叩けばOK。

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CASE03 丸ノコを使ったレンガ・コンクリートブロックの切断

ダイヤモンドホイールや石材用切断砥石を装着すれば、丸ノコ(またはスライド丸ノコ)でレンガやコンクリートブロックをカットすることも可能。ディスクグラインダーよりも切断線に合わせるのが簡単で、切り込める深さが大きいのでワンアクションで切断できるのが魅力だ。

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CASE04 ディスクグラインダーを使ったレンガの欠き取り

ピザ窯やバーベキュー炉の煙突や火床の部分などでは、レンガを切り欠く加工が必要になることがある。このような場合は、切り欠く部分に細かく切り込みを入れ、レンガタガネを使って欠き取る。切り残った部分はディスクグラインダーの刃先で削り取ればきれいに仕上げられる。

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CASE05 ディスクグラインダーを使った石材の切断

厚さ2㎝程度の石板ならディスクグラインダーを1度通すだけでカットできる。厚みのある石材では、レンガを切るときと同じように、材の4面に切り込みを入れてから平タガネをあて、石工ハンマーで叩いてカットしよう。

乱張り石などの薄い石板は簡単に加工できる。手順や感覚はCASE02とほぼ同じ。材の下側には枕木を置いたりして、ダイヤモンドホイールが傷つかないように作業する

 

このぐらいの厚さの石材も、ディスクグラインダーを一度通せばカットすることができる。石材の場合でもディスグラインダーは奥から手前に動かすことが大事

 

厚さのある石材はレンガと同じように、4面に切れ目を入れてから平タガネと石工ハンマーで割る

 

CASE06 丸ノコを使ったテラコッタタイルの切断

石材用(非金属用)切断砥石を取りつけた丸ノコを使えば、テラコッタや陶製のタイル、石板などもカットできる。表面が凸凹した材だと滑りにくく、キックバックを起こしやすくなるので十分に注意して作業しよう。

写真のような厚さのテラコッタタイルなら、サクッとカットできる

 

CASE07 タガネを使った石板の切断

石板やテラコッタタイルなどは、タガネをあててハンマーで叩けば、自然な感じにカットできる。乱張りのペイビングなど自然になじんだデザインにしたいときにおすすめだ。タガネは何種類か使い分けると雰囲気を出しやすい。

写真のように材の表面にすじを引いてから、平タガネで叩き割る。電動工具を利用するより自然な感じの加工ができる

 

CASE08 ハンマーを使った石材の割り方

ディスクグラインダーなどの工具を使えば、石材でもきれいな直線で切ることができるが、作品によってはより自然な景色にしたい場合もある。そんなときは、あえて石工ハンマーやブロック槌のみで直接材を叩き割って、偶然できる形状を利用するというのもテクニックのひとつだ。

好きな形・大きさにするのは難しいが、単純にハンマーで割るという加工も場合によっては作品づくりにいかすことができる

 

CASE09 平タガネを使ったレンガのクリーニング

自然な雰囲気で人気のあるアンティークレンガだが、古いモルタルがこびりついて使いにくいことがある。そんなときは平タガネなどで削れば、凸凹を修正できる。この方法は石材やタイルにも応用可能だ。

アンティークレンガにこびりついた古いモルタルを削り取っている様子。平タガネをあててこそげ取ったり、石工ハンマーで叩けば取り除ける

*掲載データは2017年8月時のものです。

野外DIYのお助けツール、一輪車(通称:ネコ)はエライ!/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(9)

たった1個しかないタイヤだからこそできるパフォーマンス。それが通称ネコとも呼ばれる作業用一輪車の魅力だ。重い資材満タンで、足場の悪い作業場をさっそうと駆け回る。地味だけど、ハードな里山DIYにはなくてはならないアイテムなのだ。

 

タイヤが1本だから機動力アップ!

タイヤが1個しかないからできること。まず細い1本道の走行ができる。たとえばビル施工の高所作業で、細い足場を資材を積んで移動するなんてことは2輪車や3輪車じゃ絶対できない。障害物があるところでも、車体を左右に倒しながら避けて移動できるのも一輪車の得意技だ。もっとすごいのは、タイヤの接地点を支点にして、その場でUターンができる。だからビルの工事現場はもちろん、農地の細いあぜ道でも大活躍するのだ。

 

細い1本道も安心して通過できる

 

車体を傾けて、障害物を避けながら走行できる

 

構造は恐ろしく簡単だ。フレームの前の下に車輪が1個、フレームの後ろの上の両側にハンドルがあり、両手にハンドルを持って押して走行する。荷台はフレームの上にあり、ハンドルの下に固定式のスタンドがある。荷台は、深型と浅型がある。タイヤはゴムチューブ式のものが一般的だが、近年では発泡ゴムを充填したノーパンクタイヤも多く出回っている。フレームの材質はスチール(鉄パイプ)が多いようだが、アルミニウム管を使った上級機種もある。というわけで、スペックによって多少価格帯は広がるが、スチール製なら1台5000~1万円程度、アルミ製なら1台1万円~2万5000円程度が目安。ブレーキ付きのものやエンジン付きのものもあるが、これはやや特殊で高価。一般DIYなら普通の一輪車で十分だ。なお、交換用タイヤは、チューブ入りが1本800円程度が目安、ノーパンクタイヤが1本1300円程度が目安で、タイヤ交換も簡単だ。

 

 

ちょっとアイデアな使い方、教えます

荷台で汚れた左官道具を洗う

 

ハンドルを下にして立てると絶妙なチェアに早変わり。作業の合間の休憩タイムにぜひ! けっこう気持ちいいです

 

荷台がトロフネ!? モルタルを練るのにちょうどいい

 

一輪車に囲炉裏の天板を載せ、「動く野外囲炉裏」を作ったことがあったが評判はイマイチ。中に砂を入れている

 

正しい持ち方、ダメな持ち方

ハンドルを持つ両手は肘を伸ばし、なるべくハンドルを低い位置でつかんで押して歩くというのがセオリー。肘を曲げると腕の筋肉の動きが不安定でバランスを崩しやすいという。確かに腕がフリー状態でふらつくと安定した走行ができない。これは一度やってみるとわかる。

 

なぜネコって呼ばれるの?

いろいろな説があるようだ。インターネットなどで検索してみると、ネコが通るような狭い場所を身軽に動き回れるからという説と逆さに伏せて収納するときの格好がネコの背中みたいだからとする説が有力。なかには、移動するとき、ゴロゴロと猫なで声のような音を出すからという説やネコの両後ろ足を持って歩かせる姿に似ているからという説もあるがホントですかね?

逆さに伏せると、ネコが前足を伸ばし、背中を曲げているように…見えるのかな?

 

サビだらけの一輪車を復活させました!

大切に使いたいと思っても、つい雨ざらしにしてサビつかせてしまいがちなのが作業用一輪車。編集部の一輪車も例外ではなかった! そこでこのぼろぼろ一輪車をサンディングし、2色の鉄部用塗装スプレーでオールペイントしてみました。

 

~用意するもの~
レンチ(24mm)、ミニバール、サンディングディスク装着のディスクグラインダー、潤滑スプレー(KURE5-56)、鉄部用塗装スプレー(グレイ&レッド)、金属用プライマー

左から潤滑スプレー、ディスクグラインダー、 コンビネーションレンチ(24mm)、ミニバール

 

用意した鉄部用スプレー塗料と金属用プライマー

 

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2015年8月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

工作好きライターが惚れた! ホームセンターの「プロ仕様」ツール19選

文房具と聞くと机上で使うモノを連想するが、ホームセンターで手に入るのは、工事現場や倉庫など、“プロの現場”で活躍するアイテムがほとんど。ここでは工作好きライターが惚れたプロスペックの名品を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです

 

私がオススメします!

工作好きライター

きだてたくさん

DIYから紙工作まで、モノ作りが大好きな工作系ライター。とはいえ手先が器用ではないため、高機能なプロツールに頼りがち。

 

工作好きライター・きだてたくの“殿堂入り”ツール3選

《切る》ドライバー並みに強靭なホルダーを持った最強カッター

カッターナイフ

タジマ

ドライバーカッター L560 オートロック

1034円

焼き入れしたステンレス鋼製のホルダーを採用した、高強度なL刃カッターナイフ。先端部分のツメがドライバーと同等の硬さを持ち、ネジ締めやこじ開け、折り線付けなど多用途に使える。もはやドライバーにカッターの刃が付いたといっても良いレベルだ。

 

切るだけでは終わらない現場仕事の頼れる万能ツール

「タジマ」は、一般にはあまり知られていないブランドかもしれない。しかしプロの現場においては信用度の高さで超メジャーなブランドだ。

 

特に本品は、1mm厚のステンレス鋼に焼き入れを施した高硬度なホルダーと、そこから伸びた先端のツメで人気が高い。

 

このツメは、ドライバーとしてネジ締めに使ってもビクともしない頑強さ。塗料缶の金属ブタをこじ開けたり、建材の隙間に挿し込んで捻ったりと、万能ツール級の働きをしてくれる。刃を収納すればすぐに使え、いちいち工具を持ち替える手間がかからない“作業効率の高さ”も人気の秘密と言える。

 

ボディ全体がエラストマー樹脂でできており、軍手や作業手袋を着けたまま握っても滑りにくいノンスリップ仕様。力を込めてグイッと作業をするうえで、頼りがいのあるボディなのだ。

 

[Point 1] ツメの頑強さ

↑先端のツメの硬度は、一般的なホルダーの約3.5倍。塗料缶の口に挿し込んで、こじ開けるなどの作業をしても潰れにくくい

 

[Point 2] 作業効率の高さ

↑ボディには替刃を2本ストックできるマガジンを内蔵。その場で手早く刃を交換できるため、屋外作業中も刃を替えに戻る手間がない

 

《繋ぐ》常に最適な量をキープできるドイツ発の高機能接着剤

瞬間接着剤

UHU

瞬着接着剤 ピペット

実売価格386円

液だれせず、常に最適な量を出せる「ダイレクトストップ機能」を搭載。非常に高い接着強度を持つだけでなく、実用強度到達後(接着から24時間後以降)は食洗機の使用が可能という耐水性・耐熱性も備えている。

 

液量コントロール機能で接着力を最大限に引き出せる

ドイツの超有名接着剤ブランド「UHU」の瞬間接着剤で最も魅力的なのが、「ダイレクトストップ」と呼ばれる機能だ。

 

塗り終わったときにボディから指を離すと、内部に陰圧がかかり、ノズル先端に出た余分な液剤を吸い戻せるという機能。これにより、液の出過ぎや液だれを防げ、ピンポイントな精密接着が可能になる。

 

そもそも瞬間接着剤は、量が多すぎると完全にくっつくまでにかかる時間が延びるし、最終的な接着強度も落ちてしまう。“ベストな液量をピタッと出せる”ということは、つまり“接着力を最大限に引き出せる”ということとほぼ同義なのである。

 

[Point] 精密な接着が可能

↑液剤を少量ずつ出せる細口ノズルと吸い戻し可能なダイレクトストップで、点接着や継ぎ目への流し込み接着もしやすい

 

《貼る》超強力に接着できるのに剥がしたあとはすっきりキレイ

両面テープ

スリーエム ジャパン

スコッチ 超強力なのに あとからはがせる両面テープ プレミアムゴールド

実売価格770円(平滑面用)、830円(粗面用)

2cmで200〜450gの荷重に耐える超強力な粘着力を持ち、適量を使えば重量物も固定できる両面テープ。不要になったら、付属の「はがしツール」を使えば、のり残りなくきれいに剥がせる。粗面用と平滑面用があり、どちらも屋内外問わず使える。

 

強くて剥がせる両面テープは賃貸DIYの必需アイテム

賃貸住宅では、棚の増設などをしたくてもネジ釘の類は使いづらい。であれば使うべきは固定力が強く、それでいて跡を残さずきれいに剥がせる両面テープだ。

 

本品は、事前に脱脂清掃などをした面に貼り付けるのであれば、ハンディ掃除機ぐらいは余裕で吊り下げられる強度を誇り、実用面では間違いなし。

 

付属の専用ツールを使って正しく剥がせば家にダメージを残すことなくスッキリ。賃貸の住環境改善には、欠かせない逸品だ。

 

[Piont] 跡を残さずはがせる

↑剥がす際は「はがしツール」の透明糸でテープの粘着層を分離させ、壁面などに残ったテープを取付面に沿って引っ張るだけ

 

《切る》部門の名品3選

 

【その1】“鉄腕”の名にふさわしいオールマイティな切れ味に感動

万能はさみ

エンジニア

PH-55 鉄腕ハサミGT

2816円

小型ボディにストレート刃、ギザ刃、ワイヤーカッター、オープナーの4つの刃を備え、紙から針金、果ては防弾チョッキ用の特殊繊維までザクッと切り裂ける。力を込めやすいグリップには、指詰めを防ぐガードも付いている。

 

[ここがプロレベル!]

使用可能用途が広すぎるからハサミはコレ一丁あればOK

「“切れ味の良い厚刃”+“力を入れて握れる頑丈なグリップ”の組み合わせは、万能度高すぎ! 考え得る限り、たいていのものはカットできちゃうので、もはやほかにハサミを持っておく必要性はないのかも?」(きだてさん)

 

【その2】切れ味抜群の刃と高グリップボディの最強コンビ

カッターナイフ

オルファ

スピードハイパー AL型

実売価格464円

フッ素加工を施すことで、切れ味を高めたスピードブレードを搭載。ボディには、グリップ力抜群のX型のラバーを配している。後端に備えたニッケルメッキのツメで、こじ開け作業や開梱作業もスムーズにこなせる。

 

[ここがプロレベル!]

圧倒的な切れ味でダンボールがまるで薄紙のよう!

「ダンボールやスチレンボードがス〜ッと軽く切れる壮絶な切れ味は、一度体感するとほかの刃が使えなくなるレベル。様々なシーンで役立つツメの便利さも含めて、カッターナイフとしては最強クラスでしょう」(きだてさん)

 

【その3】中身を傷付けずに作業できる物流のプロが認める開梱ツール

ダンボールカッター

長谷川刃物

段ボールのこ 物流くん

660円

物流センターなどで多く採用されている、プロユースのダンボール用小型カッター。ダンボールの分解、開梱作業に最適化されたノコギリ状の厚刃を持つ。スライド式ホルダーと先端の丸い短刃を備え、安全性も高い。

 

[ここがプロレベル!]

求められているのは必要なぶんだけ切れる切断能力

「ダンボールの解体用ツールは、刃が鋭いと切れすぎてケガや中身破損の原因に。その点、本品はギコギコと力を入れたぶんだけが切れるのこぎり刃でコントロールしやすい。刃先が丸いので安全性、作業効率の点でも優秀!」(きだてさん)

 

《留める》部門の名品4選

 

【その1】水と紫外線に強いアメリカ生まれのタフテープ

補修用テープ

呉工業

<強力多用途補修テープ>ゴリラテープ クリスタルクリア

1650円

高い環境耐性と強い接着力を持ち、屋内外を問わずに貼り合わせ補修や補強ができる透明なテープ。紫外線に強く黄変しない。厚手ながらもほど良い伸縮性があり、曲面にもぴったりフィットする。8.2m巻。

 

[ここがプロレベル!]

水中でも貼れる強靭さと手で切れる優しさと

「何より驚いたのは、水中でも貼れるほどの超タフな耐水性。濡れた面にも貼れ、水漏れなどの補修にも重宝します。それでいて手でスパッとカットできる使い勝手の良さも備え、まさに強くてやさしいゴリラのイメージぴったり!?」(きだてさん)

 

【その2】強粘着材と厚いテープで重量物もがっちり梱包

梱包用テープ

スリーエム ジャパン

スコッチ 透明梱包用テープ プロ仕様

実売価格625円(ディスペンサー付き)、525円(ディスペンサーなし)

0.77mm厚のPPフィルムを使った厚手透明テープ基材に、強力なゴム系粘着剤を使った梱包テープ。重量物の梱包に使っても剥がれず、強い衝撃にも耐えてがっちりと固定できる。テープの長さは50m。

 

[ここがプロレベル!]

コレさえあればダンボールの底抜け知らず!

「一般的な梱包テープの約1.2倍の厚みで、クラフトテープや布テープと比較しても強度は圧倒的。これを超強力な粘着剤で貼り付けるんだから、書籍など重量物の入った箱に貼っても底が抜ける心配はほぼゼロ」(きだてさん)

 

【その3】繰り返し貼り剥がしできるゲル素材の両面テープ兼滑り止め

滑り止めテープ

ブルーフォレスト貿易

コアラグリップ ゲル両面テープ

1078円(1mm厚)、2178円(2mm厚)

壁紙にも安心して貼れるゲル素材の両面テープ。適度な厚みと粘着力で、家具や突っ張り棒などの滑り止め、壁などへの軽量物の掲示などに活躍する。貼り剥がしでき、水洗いすれば再利用も可能だ。1mm厚タイプは3m巻、2mm厚タイプは5m巻。

 

[ここがプロレベル!]

マグネット感覚で散らばる小物を壁にピタッ

「我が家では、リモコンや箱ティッシュを壁に貼り付けるのに使用。粘着力が適度で、小物を壁から外すときもベリベリ剥がすというよりは、磁石を外すかのような感触。アイデア次第で色々使え、持っているだけでワクワクする!」(きだてさん)

 

【その4】巻くだけの簡単圧着で漏れをストップ

漏れ止めテープ

ロックタイト

シーリングラップ 1.2.3

実売価格594円

テープ同士のみが接着する、粘着剤不使用のシリコンゴム製テープ。引き伸ばして補修箇所に巻き付けることで、水や空気漏れをブロックする。のり残りやベタつきがなく、貼り直しや再補修も簡単。黒、灰色に加え赤もあり、すべて1m巻。

 

[ここがプロレベル!]

粘着剤不使用なのに意外とマルチな非粘着テープ

「家庭レベルでは使い道がなさそうと思われがちですが、実は掃除機のホースの空気漏れなどもピタッと直せます。工具などのグリップに巻けば、軍手で握っても滑らない強力な滑り止めに。電気配線などの絶縁用途にも使えます」(きだてさん)

 

《繋ぐ》部門の名品3選

 

【その1】シリーズ最強! 水・熱に強いタフネス接着剤

瞬間接着剤

コニシ(販売元)/東亞合成(製造元)

ボンド アロンアルフア タフパワー

実売価格534円

従来のアロンアルフアの2倍の耐水性・3倍の耐熱性を持つ、シリーズ最強の瞬間接着剤。プッシュ部分に弾力のあるエラストマー素材が使われており、液量を思いのままにコントロールできる。

 

[SPEC早見表]

布:×

木材:○

軟質ビニール:○

プラ:○

金属:○

陶器:○

合成ゴム:○

ガラス:△

耐水性:○

耐熱性:○

 

[ここがプロレベル!]

瞬間接着剤が苦手とする水周りの補修に活躍

「瞬間接着剤の最大の弱点だった耐水性・耐熱性が大幅に向上。さすがに常時水をかぶるような場所では接着力が弱まりますが、お風呂場の壁面タイルの剥がれぐらいなら難なく補修できます!」(きだてさん)

 

●「シリーズ最強」は耐水・耐熱性能において

 

【その2】計測・混合の手間を省く画期的な容器を採用

エポキシ接着剤

ロックタイト

インスタントミックス

実売価格329円

2種類の液剤をピストンで同時に押し出し、特殊なノズルの中で混合させるという画期的な構造を採用。エポキシ系接着剤の「2液を同量で均等に混ぜ合わせる」という手間をカットした。3分で硬化し、120℃まで対応。使い切りタイプ。

 

[SPEC早見表]

布:×

木材:○

ビニール:×

プラ:○

金属:○

陶器:○

合成ゴム:×

ガラス:○

耐水性:○

耐熱性:○

 

[ここがプロレベル!]

強力だけど扱いにくいエポキシ接着が超手軽に!

「2液式のエポキシ系接着剤は、1液式接着剤に比べて超強力に接着できて高耐性な反面、液剤を混ぜ合わせるのがとにかく面倒。でも本品なら、初心者でもミスなく混合でき、プロ並みの接着ができます!」(きだてさん)

 

【その3】光を当てれば4秒で硬化!接着・補修・成形もお任せ

液体樹脂

Spirit of Wonder

ボンディック

実売価格2730円

液剤に付属のUVライトを照射すると、約4秒でカチカチに硬化。接着作業だけでなく、パテのように欠けた部分を埋める作業もできる。ケーブルの補修にも活躍。握りやすいグリップを搭載した「ボンディックEVO」(2830円)もある。

 

[SPEC早見表]

布:△

木材:○

ビニール:△

プラ:○

金属:○

陶器:○

合成ゴム:×

ガラス:○

耐水性:○

耐熱性:○

 

[ここがプロレベル!]

溶接感覚で使える穴埋め接着が便利!

「折れたり欠けたりした部分の穴埋め接着作業は、従来の接着剤では不可能だったこと。本品なら、まるでプラスチックで溶接するかのように行えます。液を少量ずつ塗り重ねて、段階的に硬化させるのがコツ」(きだてさん)

 

●食品衛生法に適合していないため、食品・衛生に関わるものには使えません

 

【Pick Up!】プロ仕様の“剥がす”アイテムもスゴい!

[その1]

ドーイチ

固化したハードな接着剤はがし

1440円

剥がしたり除去したりするのが大変な、固化した接着剤やウレタンを溶かしてきれいにオフ。ベンゼンやトルエンなど、人体に害のある溶剤不使用なのもうれしい。

 

[その2]

AZ

超強力ラベルはがし雷神

202円

上からスプレーするだけで、紙ラベルをスルッと簡単に剥がせるようにする超強力な剥がし剤。強粘着のラベルにも対応し、経年変化でベタベタに劣化した粘着剤も、スプレーをして軽く拭き取るだけで除去できる。

 

 

《TOPIC》まだまだ深い! ニッチなプロ仕様ツール5選

【その1】剛厚テープで長距離も折れずに計測!

コンベックス

タジマ

剛厚Gロック-25 5.0m メートル目盛

4950円

一般的なコンベックスの約1.5倍もの厚さのテープを搭載。伸ばした際に折れにくく、しなりが少ないため、長い距離を測定しやすい。「水平に2m以上伸ばしても安定しているのはお見事。それなのにボディがコンパクトだから持ち運びしやすい」(きだてさん)

 

【その2】かわいい名前と見た目に反し耐荷重は脅威の12kg!

マグネットフック

コクヨ

超強力マグネットフック<たまフック> 大タイプ

2310円

マグネットフックとしては業界最強クラスの耐荷重約12kgを誇り、重い電動工具なども吊り下げられる。「磁力が強力なのに加えて、レバー操作で金属面から簡単に取り外せる機能性の高さもイイ!」(きだてさん)

 

【その3】凹凸面にも書ける現場仕様のタフネスマーカー

油性マーカー

寺西化学工業

ガテン無敵マーカーPRO

253円(おの型)、473円(極太)

コンクリートやレンガなどの凹凸面にも安定して書ける、強化型の硬いペン先チップを搭載。インクは赤と黒の2色で、ペン先の太さは2種類。「耐水性能が非常に高いので、水に濡れた面にもがっつり書けます」(きだてさん)

 

【その4】使わないときは薄さ1mm以下! プロ必携の縮尺スケール

定規

シンワ測定

折りたたみ縮尺スケール 8面 15cm

880円

不動産・設計業界で使われる三角柱型の縮尺スケールが、0.9mmの薄い折りたたみ式に。ノートや手帳に挟んで携帯できる。「筆箱でかさばる“三スケ”がこんなに薄くなるとは! 印字が消えにくい仕様も◎」(きだてさん)

 

【その5】極太芯を5本続けて使える大容量ペンシル

ノック式鉛筆

たくみ

ノック式鉛筆5連発

869円

一度に芯が5本入り、充填の手間なく使える建築用マーキングペンシル。落下を防ぐセーフティコードも付属する。「2mm径の芯5本をスムーズに出せる機構はかなりレア。キャップに簡易鉛筆削りが付いているのも便利です」(きだてさん)

 

 

●本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって変わる可能性があります

マグネットフックで耐荷重が12kg!? 工作好きライターが選ぶ「ホムセン プロ仕様のニッチな名品」5選

文房具と聞くと机上で使うモノを連想するが、ホームセンターで手に入るのは、工事現場や倉庫など、“プロの現場”で活躍するアイテムがほとんど。ここでは工作好きライター・きだてたくさんが惚れたプロスペックのニッチな名品を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって変わる可能性があります

 

【その1】剛厚テープで長距離も折れずに計測!

コンベックス

タジマ

剛厚Gロック-25 5.0m メートル目盛

4950円

一般的なコンベックスの約1.5倍もの厚さのテープを搭載。伸ばした際に折れにくく、しなりが少ないため、長い距離を測定しやすい。「水平に2m以上伸ばしても安定しているのはお見事。それなのにボディがコンパクトだから持ち運びしやすい」(きだてさん)

 

【その2】かわいい名前と見た目に反し耐荷重は脅威の12kg!

マグネットフック

コクヨ

超強力マグネットフック<たまフック> 大タイプ

2310円

マグネットフックとしては業界最強クラスの耐荷重約12kgを誇り、重い電動工具なども吊り下げられる。「磁力が強力なのに加えて、レバー操作で金属面から簡単に取り外せる機能性の高さもイイ!」(きだてさん)

 

【その3】凹凸面にも書ける現場仕様のタフネスマーカー

油性マーカー

寺西化学工業

ガテン無敵マーカーPRO

253円(おの型)、473円(極太)

コンクリートやレンガなどの凹凸面にも安定して書ける、強化型の硬いペン先チップを搭載。インクは赤と黒の2色で、ペン先の太さは2種類。「耐水性能が非常に高いので、水に濡れた面にもがっつり書けます」(きだてさん)

 

【その4】使わないときは薄さ1mm以下! プロ必携の縮尺スケール

定規

シンワ測定

折りたたみ縮尺スケール 8面 15cm

880円

不動産・設計業界で使われる三角柱型の縮尺スケールが、0.9mmの薄い折りたたみ式に。ノートや手帳に挟んで携帯できる。「筆箱でかさばる“三スケ”がこんなに薄くなるとは! 印字が消えにくい仕様も◎」(きだてさん)

 

【その5】極太芯を5本続けて使える大容量ペンシル

ノック式鉛筆

たくみ

ノック式鉛筆5連発

869円

一度に芯が5本入り、充填の手間なく使える建築用マーキングペンシル。落下を防ぐセーフティコードも付属する。「2mm径の芯5本をスムーズに出せる機構はかなりレア。キャップに簡易鉛筆削りが付いているのも便利です」(きだてさん)

 

 

工作好きライター

きだてたくさん

DIYから紙工作まで、モノ作りが大好きな工作系ライター。とはいえ手先が器用ではないため、高機能なプロツールに頼りがち。

 

 

●本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって変わる可能性があります

強粘着のラベルもスルッと剥がれる! 工作好きライターが選ぶ「ホムセン プロ仕様の名品」2選【剥がす部門】

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※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって変わる可能性があります

 

プロ仕様の“剥がす”アイテム

[その1]固化した接着剤やウレタンを溶かす!

ドーイチ

固化したハードな接着剤はがし

1440円

剥がしたり除去したりするのが大変な、固化した接着剤やウレタンを溶かしてきれいにオフ。ベンゼンやトルエンなど、人体に害のある溶剤不使用なのもうれしい。

 

[その2]スプレーするだけで紙ラベルがラクに剥がせる!

AZ

超強力ラベルはがし雷神

202円

上からスプレーするだけで、紙ラベルをスルッと簡単に剥がせるようにする超強力な剥がし剤。強粘着のラベルにも対応し、経年変化でベタベタに劣化した粘着剤も、スプレーをして軽く拭き取るだけで除去できる。

 

 

工作好きライター

きだてたくさん

DIYから紙工作まで、モノ作りが大好きな工作系ライター。とはいえ手先が器用ではないため、高機能なプロツールに頼りがち。

 

 

 

接着剤はここまで進化したか! 工作好きライターが選ぶ「ホムセン プロ仕様の名品」3選【繋ぐ部門】

文房具と聞くと机上で使うモノを連想するが、ホームセンターで手に入るのは、工事現場や倉庫など、“プロの現場”で活躍するアイテムがほとんど。ここでは工作好きライター・きだてたくさんが惚れたプロスペックの名品を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって変わる可能性があります

 

《繋ぐ》部門の名品3選

 

【その1】シリーズ最強! 水・熱に強いタフネス接着剤

瞬間接着剤

コニシ(販売元)/東亞合成(製造元)

ボンド アロンアルフア タフパワー

実売価格534円

従来のアロンアルフアの2倍の耐水性・3倍の耐熱性を持つ、シリーズ最強の瞬間接着剤。プッシュ部分に弾力のあるエラストマー素材が使われており、液量を思いのままにコントロールできる。

 

[SPEC早見表]

布:× 木材:○ 軟質ビニール:○ プラ:○ 金属:○ 陶器:○ 合成ゴム:○ ガラス:△ 耐水性:○ 耐熱性:○

 

[ここがプロレベル!]

瞬間接着剤が苦手とする水周りの補修に活躍

「瞬間接着剤の最大の弱点だった耐水性・耐熱性が大幅に向上。さすがに常時水をかぶるような場所では接着力が弱まりますが、お風呂場の壁面タイルの剥がれぐらいなら難なく補修できます!」(きだてさん)

 

●「シリーズ最強」は耐水・耐熱性能において

 

【その2】計測・混合の手間を省く画期的な容器を採用

エポキシ接着剤

ロックタイト

インスタントミックス

実売価格329円

2種類の液剤をピストンで同時に押し出し、特殊なノズルの中で混合させるという画期的な構造を採用。エポキシ系接着剤の「2液を同量で均等に混ぜ合わせる」という手間をカットした。3分で硬化し、120℃まで対応。使い切りタイプ。

 

[SPEC早見表]

布:× 木材:○ ビニール:× プラ:○ 金属:○ 陶器:○ 合成ゴム:× ガラス:○ 耐水性:○ 耐熱性:○

 

[ここがプロレベル!]

強力だけど扱いにくいエポキシ接着が超手軽に!

「2液式のエポキシ系接着剤は、1液式接着剤に比べて超強力に接着できて高耐性な反面、液剤を混ぜ合わせるのがとにかく面倒。でも本品なら、初心者でもミスなく混合でき、プロ並みの接着ができます!」(きだてさん)

 

【その3】光を当てれば4秒で硬化! 接着・補修・成形もお任せ

液体樹脂

Spirit of Wonder

ボンディック

実売価格2730円

液剤に付属のUVライトを照射すると、約4秒でカチカチに硬化。接着作業だけでなく、パテのように欠けた部分を埋める作業もできる。ケーブルの補修にも活躍。握りやすいグリップを搭載した「ボンディックEVO」(2830円)もある。

 

[SPEC早見表]

布:△ 木材:○ ビニール:△ プラ:○ 金属:○ 陶器:○ 合成ゴム:× ガラス:○ 耐水性:○ 耐熱性:○

 

[ここがプロレベル!]

溶接感覚で使える穴埋め接着が便利!

「折れたり欠けたりした部分の穴埋め接着作業は、従来の接着剤では不可能だったこと。本品なら、まるでプラスチックで溶接するかのように行えます。液を少量ずつ塗り重ねて、段階的に硬化させるのがコツ」(きだてさん)

 

●食品衛生法に適合していないため、食品・衛生に関わるものには使えません

 

 

工作好きライター

きだてたくさん

DIYから紙工作まで、モノ作りが大好きな工作系ライター。とはいえ手先が器用ではないため、高機能なプロツールに頼りがち。

 

高所作業のための道具とその使い方・後編/超実践的DIY道具ラボ(18)

家屋のメンテナンスを手がけていると、屋根や煙突の掃除、2階ベランダや外壁上部の補修、植木の剪定など、高所での作業が必要になることがある。そこで今回は高所で作業するための基本的な道具のバリエーションを見ていきたい。

服装や脚立のバリエーションを解説した前編はコチラ!

 

脚立とハシゴの使い方

脚立とハシゴは、使用中に傾いて倒れたり、滑ったりしないように設置することが大切だ。まず設置する地面の状況を見極め、脚立は4本の足が水平に立つことを確認し、脚立全体が傾いていないか確認する。どうしても水平に置けないようなら、足場の地面を少し削って全体が水平になるように修正するか、厚めの合板を敷いたりして水平面を作ってから設置しよう。ハシゴは2本の脚が水平に立つことを確認し、滑らないようにがっちりと地面にふんばることができるか確かめること。ハシゴは横から見て75度の角度で屋根などに寄りかかるように設置する。

ハシゴは上部がしっかり構造物に寄りかかるように余裕をもって立てる。ハシゴの角度は75度に設定するのが理想。写真のような場合、ハシゴ下部と小屋の階段をロープで固定するとより安定する

 

脚立やハシゴの昇り降りでは、3点確保を守るように心がける。3点確保とは、動きの中で両手両足の4点のうち、3点が確実に踏ん張っている状態のこと。たとえば、昇りの動きで両手が支柱をつかんでいるとき、両手は支柱をつかんだままにして、右足を上げて1段昇る。このとき左足はステップに踏ん張っているので、3点で確保していることになる。3点確保は木登りや険しい登山でも守られる基本的な昇り降りのルールで、これを守ることで脚立やハシゴからの転落を確実に防ぐことができる。

 

脚立を使うときは、手をついて身体を支えられる(3点確保できる)構造がある場所か、足場板に立たずに作業するのが理想

 

ロープによる身体の固定方法(屋根上作業時)

本格的な高所作業ではさまざまな安全対策が実施されているが、今回はなるべく安価でより安全に屋根上作業を行なえるよう、簡易な安全ロープを張って墜落を防止する方法を紹介する。

基本的には作業する屋根面の反対側にロープを張り、腰につけた安全ベルトとロープを結んだ状態を作ること。若干作業範囲に制約ができ、移動するのにロープの掛け替えといった作業が必要となるが、屋根からの落下は防止できる。安全ベルトやロープ、接続金具はホームセンターで購入することができるので、店員に相談すればそれほど高額な出費をしなくても装備をそろえることができるはず。ロッククライミングやフリークライミングをやっている人なら、手持ちの器材を使うことも可能だ。

ロープはm単位で販売されていることが多い。購入したら端部分がほどけないようにテープを巻くなど処理してから使用する

 

黄色と黒色の縞模様が特徴のトラロープ。強度が高い太さ12mmのタイプがおすすめ。ポリエチレン製で結び目が少し滑りやすいので注意して使うようにしたい

 

安全ベルトを腰に装着し、ここにロープを結ぶ。ベルトを締める位置は腰骨の高さにする

 

 

事前に足場を組んで作業するのもアリ

高所作業でもっとも本格的なものといえば、足場を組んで作業する方法。足場とは、単管パイプと足場板、足場板を支える支持材などで構成される、建物を囲む仮設の作業スペースのこと。基本は外径48.6mm規格の単管パイプを骨組みに、足場板や階段板、ランヤード(墜落防止用ロープ)を引っかける手すり材などを組み合わせて、高所でも安全に作業できるようにしている。

 

住宅に設置された単管足場の例。作業は足場板の上に立って行ない、手すり状に配置された単管パイプにランヤードのフックを掛けて安全を確保する

 

2丁掛けフックタイプのランヤードがついた安全ベルト

 

ただ足場はとても便利だが、材料をそろえるのにかかる費用や手間、各部材の組み方などを事前に知っておくことが必要。足場を組んだ高所作業の機会はそうそうなく、次回の使用まで単管パイプや金具類を劣化させずに保管しておく場所を確保するのは難しい。そのためDIYでは業者からレンタルするのが望ましい。レンタル料金は壁面積250平米で1カ月~1カ月半単位で20~30万円程度が相場。これに、輸送、安全管理、設置、撤去などの費用が加算されることもある。昇降機付きのタワーや高所作業車を貸し出しているところもあるので、近所のレンタル業者をチェックしてみよう。

 

骨組みに使う単管パイプ、接続金具のクランプ(写真は直交)、固定ベース。近年はハンマーだけで組み立てられる、ユニット化されたパイプを使うことが多い(クサビ緊結式足場)

 

金属製足場板。使うときは足場自体の重量制限によるスパン(渡し長さ)に注意する

 

自在ステップ。足場に階段を作るために使われる足場板だ

 

単管パイプに差し込んで使うジャッキベースにキャスターを組み合わせたもの。地面がコンクリートの場合に限るが、ベース金具として使えば移動式の足場(タワー)などが組めるようになる

 

単管パイプ用の簡易ブラケット(足場板受け)。足場板を好みの高さに取りつけられる

 

現在はあまり見られなくなったが、足場を構成する部材には丸太を番線(なまし鉄線)で組んだものもある。自然木なので使用後は薪にするなり、ガーデニングや木工の資材として活用できるため、DIYでの足場作りではこちらのほうが現実的かもしれない。使われる丸太は直径10cm程度のスギやヒノキの間伐材の皮をむいたもので、5~7mが定尺とされている。

イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2017年6月時のものです。

持っていると「ワクワクするテープ」って? 工作好きライターが選ぶ「ホムセン プロ仕様の名品」4選【留める部門】

文房具と聞くと机上で使うモノを連想するが、ホームセンターで手に入るのは、工事現場や倉庫など、“プロの現場”で活躍するアイテムがほとんど。ここでは工作好きライター・きだてたくさんが惚れたプロスペックの名品を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって変わる可能性があります

 

《留める》部門の名品4選

 

【その1】水と紫外線に強いアメリカ生まれのタフテープ

補修用テープ

呉工業

<強力多用途補修テープ>ゴリラテープ クリスタルクリア

1650円

高い環境耐性と強い接着力を持ち、屋内外を問わずに貼り合わせ補修や補強ができる透明なテープ。紫外線に強く黄変しない。厚手ながらもほど良い伸縮性があり、曲面にもぴったりフィットする。8.2m巻。

 

[ここがプロレベル!]

水中でも貼れる強靭さと手で切れる優しさと

「何より驚いたのは、水中でも貼れるほどの超タフな耐水性。濡れた面にも貼れ、水漏れなどの補修にも重宝します。それでいて手でスパッとカットできる使い勝手の良さも備え、まさに強くてやさしいゴリラのイメージぴったり!?」(きだてさん)

 

【その2】強粘着材と厚いテープで重量物もがっちり梱包

梱包用テープ

スリーエム ジャパン

スコッチ 透明梱包用テープ プロ仕様

実売価格625円(ディスペンサー付き)、525円(ディスペンサーなし)

0.77mm厚のPPフィルムを使った厚手透明テープ基材に、強力なゴム系粘着剤を使った梱包テープ。重量物の梱包に使っても剥がれず、強い衝撃にも耐えてがっちりと固定できる。テープの長さは50m。

 

[ここがプロレベル!]

コレさえあればダンボールの底抜け知らず!

「一般的な梱包テープの約1.2倍の厚みで、クラフトテープや布テープと比較しても強度は圧倒的。これを超強力な粘着剤で貼り付けるんだから、書籍など重量物の入った箱に貼っても底が抜ける心配はほぼゼロ」(きだてさん)

 

【その3】繰り返し貼り剥がしできるゲル素材の両面テープ兼滑り止め

滑り止めテープ

ブルーフォレスト貿易

コアラグリップ ゲル両面テープ

1078円(1mm厚)、2178円(2mm厚)

壁紙にも安心して貼れるゲル素材の両面テープ。適度な厚みと粘着力で、家具や突っ張り棒などの滑り止め、壁などへの軽量物の掲示などに活躍する。貼り剥がしでき、水洗いすれば再利用も可能だ。1mm厚タイプは3m巻、2mm厚タイプは5m巻。

 

[ここがプロレベル!]

マグネット感覚で散らばる小物を壁にピタッ

「我が家では、リモコンや箱ティッシュを壁に貼り付けるのに使用。粘着力が適度で、小物を壁から外すときもベリベリ剥がすというよりは、磁石を外すかのような感触。アイデア次第で色々使え、持っているだけでワクワクする!」(きだてさん)

 

【その4】巻くだけの簡単圧着で漏れをストップ

漏れ止めテープ

ロックタイト

シーリングラップ 1.2.3

実売価格594円

テープ同士のみが接着する、粘着剤不使用のシリコンゴム製テープ。引き伸ばして補修箇所に巻き付けることで、水や空気漏れをブロックする。のり残りやベタつきがなく、貼り直しや再補修も簡単。黒、灰色に加え赤もあり、すべて1m巻。

 

[ここがプロレベル!]

粘着剤不使用なのに意外とマルチな非粘着テープ

「家庭レベルでは使い道がなさそうと思われがちですが、実は掃除機のホースの空気漏れなどもピタッと直せます。工具などのグリップに巻けば、軍手で握っても滑らない強力な滑り止めに。電気配線などの絶縁用途にも使えます」(きだてさん)

 

 

工作好きライター

きだてたくさん

DIYから紙工作まで、モノ作りが大好きな工作系ライター。とはいえ手先が器用ではないため、高機能なプロツールに頼りがち。

高所作業のための道具とその使い方・前編/超実践的DIY道具ラボ(17)

家屋のメンテナンスを手がけていると、屋根や煙突の掃除、2階ベランダや外壁上部の補修、植木の剪定など、高所での作業が必要になることがある。そこで今回は高所で作業するための基本的な道具のバリエーションを見ていきたい。

 

安全を確保するための服装選びの2大ポイント

1、足の動きを制限しないズボンを履く

ハシゴや踏み台の上からバランスを崩して転倒すると、床の上で転んだときよりもケガをする確率は高くなる。高い場所での作業では作業のしやすさとともに、安全対策を講じておくのが大切だ。そのため服装は動きやすいものを身に着けるようにしよう。

ホームセンターで売られている作業着は価格が手ごろで、動きやすい機能を備えているのでおすすめだ。登山用のズボンやトビ職が履く下が広がったズボンも足さばきが楽で動きやすい。反対にジーンズはヒザが上がりづらく、高所作業には向いていない。

 

屋根に上がり、薪ストーブの煙突掃除をしている様子。傾斜がついているうえに手すりもないので特に注意が必要だ

 

屋根上の作業ではこのような無理な体勢をとることもあるため、動きやすい服装が必要となる

 

2、屋根上作業では頭と足元にも気を配る

屋根に乗る場合、もっとも重要なアイテムとなるのが作業靴だ。屈んだり中腰になることが多いので、滑りにくく脚の甲の部分がよく曲がるものを選ぶと、傾斜でもバランスが取りやすくなり踏ん張りもきく。トビ職の地下足袋もこうした作業に向いたアイテムといえる。また、滑る危険を回避するには、雨の日や現場が濡れている間は作業しない判断も大切だ。

 

傾斜のある屋根では屈んだり、ひざをつく姿勢をとることが多いので、よく曲がる靴の選択は重要だ

 

靴底が硬い靴は高所作業ではなるべく使わないようにし、写真のように靴底がよく曲がり滑りにくい材質の靴を履こう

 

ヘルメットもいざというときに頭を守ってくれるので、屋根に上がるなら確実に着用したい。購入する際は用途に墜落時保護用の表示のあるものを選ぼう。着用時は、ヘルメット内のサイズ調節ベルトやあごひもを締め、確実に頭にフィットさせることを意識しておきたい。

 

高所作業に使うヘルメットは必ず墜落時保護用の表示のあるものを選択する。これは透明バイザーがついたタイプで目の保護にも役立つ

 

脚立やハシゴのバリエーションを知っておこう

一般的な脚立は、2面のハシゴがAの字に開いて自立するタイプのことを指す。ホームセンターでは電球の交換など手軽に使えるコンパクトな1段モデルから、2m程度の高さのものまで購入できる。脚立は原則的に4本脚で自立した状態で使う道具なので、2面を平らに開いてハシゴのようにした使い方はしないようにしたい。

 

一般的なアルミ製脚立。ハシゴのついた2面を写真のように開いて自立させる。使用時はストッパーを正しくかけておくことが重要

 

片手で楽に開閉できるワンタッチバーが特徴の「脚軽~ASHIGARU~」という製品。軽くて持ち運びしやすいのが人気

 

足場板を広く取った折りたたみ脚立の小型タイプ

 

上部に持ち運びに便利なハンドルがついた小型タイプの脚立

 

なお、脚立には洗車用脚立と呼ばれるタイプもある。台形に開くため作業者が乗る足場が広く、足元の踏ん張りが利きやすい。横幅があり動ける範囲が広がるため、より安全に高所作業が行なえるだろう。ただし、あまりにも高さがあると前後に倒れる可能性があるので、そこまで高いモデルは販売されていないのが現状だ。

 

洗車脚立として販売されている幅広タイプの脚立。足場板が広いので上に立って作業することができる

 

ハシゴは、単純な固定式のものが一般的だが、ハシゴ部分をスライド式に延長して使えるタイプもある。外国製ではハシゴを1段ずつ伸び縮みできるモデルもある。

 

3脚タイプの脚立。植木職人がよく使っている

 

鉄パイプ製の脚立。いまはあまり使われていないタイプだ

 

1段ずつ伸縮できるハシゴ。長く使えてコンパクトに収納できる便利なタイプ

*掲載データは2017年6月時のものです。

防弾チョッキが切れるハサミに注目! 工作好きライターが選ぶ「ホムセン プロ仕様の名品」3選【切る部門】

文房具と聞くと机上で使うモノを連想するが、ホームセンターで手に入るのは、工事現場や倉庫など、“プロの現場”で活躍するアイテムがほとんど。ここでは工作好きライター・きだてたくさんが惚れたプロスペックの名品を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって変わる可能性があります

 

《切る》部門の名品3選

 

【その1】“鉄腕”の名にふさわしいオールマイティな切れ味に感動

万能はさみ

エンジニア

PH-55 鉄腕ハサミGT

2816円

小型ボディにストレート刃、ギザ刃、ワイヤーカッター、オープナーの4つの刃を備え、紙から針金、果ては防弾チョッキ用の特殊繊維までザクッと切り裂ける。力を込めやすいグリップには、指詰めを防ぐガードも付いている。

 

[ここがプロレベル!]

使用可能用途が広すぎるからハサミはコレ一丁あればOK

「“切れ味の良い厚刃”+“力を入れて握れる頑丈なグリップ”の組み合わせは、万能度高すぎ! 考え得る限り、たいていのものはカットできちゃうので、もはやほかにハサミを持っておく必要性はないのかも?」(きだてさん)

 

【その2】切れ味抜群の刃と高グリップボディの最強コンビ

カッターナイフ

オルファ

スピードハイパー AL型

実売価格464円

フッ素加工を施すことで、切れ味を高めたスピードブレードを搭載。ボディには、グリップ力抜群のX型のラバーを配している。後端に備えたニッケルメッキのツメで、こじ開け作業や開梱作業もスムーズにこなせる。

 

[ここがプロレベル!]

圧倒的な切れ味でダンボールがまるで薄紙のよう!

「ダンボールやスチレンボードがス〜ッと軽く切れる壮絶な切れ味は、一度体感するとほかの刃が使えなくなるレベル。様々なシーンで役立つツメの便利さも含めて、カッターナイフとしては最強クラスでしょう」(きだてさん)

 

【その3】中身を傷付けずに作業できる物流のプロが認める開梱ツール

ダンボールカッター

長谷川刃物

段ボールのこ 物流くん

660円

物流センターなどで多く採用されている、プロユースのダンボール用小型カッター。ダンボールの分解、開梱作業に最適化されたノコギリ状の厚刃を持つ。スライド式ホルダーと先端の丸い短刃を備え、安全性も高い。

 

[ここがプロレベル!]

求められているのは必要なぶんだけ切れる切断能力

「ダンボールの解体用ツールは、刃が鋭いと切れすぎてケガや中身破損の原因に。その点、本品はギコギコと力を入れたぶんだけが切れるのこぎり刃でコントロールしやすい。刃先が丸いので安全性、作業効率の点でも優秀!」(きだてさん)

 

工作好きライター

きだてたくさん

DIYから紙工作まで、モノ作りが大好きな工作系ライター。とはいえ手先が器用ではないため、高機能なプロツールに頼りがち。

 

 

こういう両面テープがほしかった! 工作好きライターが選ぶ「ホムセン殿堂入りプロ仕様ツール」【貼る部門】

文房具と聞くと机上で使うモノを連想するが、ホームセンターで手に入るのは、工事現場や倉庫など、“プロの現場”で活躍するアイテムがほとんど。ここでは工作好きライター・きだてたくさんが惚れたプロスペックの名品を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって変わる可能性があります

 

超強力に接着できるのに剥がしたあとはすっきりキレイ

両面テープ

スリーエム ジャパン

スコッチ 超強力なのに あとからはがせる両面テープ プレミアムゴールド

実売価格770円(平滑面用)、830円(粗面用)

2cmで200〜450gの荷重に耐える超強力な粘着力を持ち、適量を使えば重量物も固定できる両面テープ。不要になったら、付属の「はがしツール」を使えば、のり残りなくきれいに剥がせる。粗面用と平滑面用があり、どちらも屋内外問わず使える。

 

強くて剥がせる両面テープは賃貸DIYの必需アイテム

賃貸住宅では、棚の増設などをしたくてもネジ釘の類は使いづらい。であれば使うべきは固定力が強く、それでいて跡を残さずきれいに剥がせる両面テープだ。

 

本品は、事前に脱脂清掃などをした面に貼り付けるのであれば、ハンディ掃除機ぐらいは余裕で吊り下げられる強度を誇り、実用面では間違いなし。

 

付属の専用ツールを使って正しく剥がせば家にダメージを残すことなくスッキリ。賃貸の住環境改善には、欠かせない逸品だ。

 

[Piont] 跡を残さずはがせる

↑剥がす際は「はがしツール」の透明糸でテープの粘着層を分離させ、壁面などに残ったテープを取付面に沿って引っ張るだけ

 

工作好きライター

きだてたくさん

DIYから紙工作まで、モノ作りが大好きな工作系ライター。とはいえ手先が器用ではないため、高機能なプロツールに頼りがち。

 

 

液量が「ピタッと決まる」接着剤が気持ちいい! 工作好きライターが選ぶ「ホムセン殿堂入りプロ仕様ツール」【繋ぐ部門】

文房具と聞くと机上で使うモノを連想するが、ホームセンターで手に入るのは、工事現場や倉庫など、“プロの現場”で活躍するアイテムがほとんど。ここでは工作好きライター・きだてたくさんが惚れたプロスペックの名品を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって変わる可能性があります

 

常に最適な量をキープできるドイツ発の高機能接着剤

瞬間接着剤

UHU

瞬着接着剤 ピペット

実売価格386円

液だれせず、常に最適な量を出せる「ダイレクトストップ機能」を搭載。非常に高い接着強度を持つだけでなく、実用強度到達後(接着から24時間後以降)は食洗機の使用が可能という耐水性・耐熱性も備えている。

 

液量コントロール機能で接着力を最大限に引き出せる

ドイツの超有名接着剤ブランド「UHU」の瞬間接着剤で最も魅力的なのが、「ダイレクトストップ」と呼ばれる機能だ。

 

塗り終わったときにボディから指を離すと、内部に陰圧がかかり、ノズル先端に出た余分な液剤を吸い戻せるという機能。これにより、液の出過ぎや液だれを防げ、ピンポイントな精密接着が可能になる。

 

そもそも瞬間接着剤は、量が多すぎると完全にくっつくまでにかかる時間が延びるし、最終的な接着強度も落ちてしまう。“ベストな液量をピタッと出せる”ということは、つまり“接着力を最大限に引き出せる”ということとほぼ同義なのである。

 

[Point] 精密な接着が可能

↑液剤を少量ずつ出せる細口ノズルと吸い戻し可能なダイレクトストップで、点接着や継ぎ目への流し込み接着もしやすい

 

工作好きライター

きだてたくさん

DIYから紙工作まで、モノ作りが大好きな工作系ライター。とはいえ手先が器用ではないため、高機能なプロツールに頼りがち。

 

 

「最強カッター」はツメ硬度も3.5倍! 工作好きライターが選ぶ「ホムセン殿堂入りプロ仕様ツール」【切る部門】

文房具と聞くと机上で使うモノを連想するが、ホームセンターで手に入るのは、工事現場や倉庫など、“プロの現場”で活躍するアイテムがほとんど。ここでは工作好きライター・きだてたくさんが惚れたプロスペックの名品を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって変わる可能性があります

 

ドライバー並みに強靭なホルダーを持った最強カッター

カッターナイフ

タジマ

ドライバーカッター L560 オートロック

1034円

焼き入れしたステンレス鋼製のホルダーを採用した、高強度なL刃カッターナイフ。先端部分のツメがドライバーと同等の硬さを持ち、ネジ締めやこじ開け、折り線付けなど多用途に使える。もはやドライバーにカッターの刃が付いたといっても良いレベルだ。

 

切るだけでは終わらない現場仕事の頼れる万能ツール

「タジマ」は、一般にはあまり知られていないブランドかもしれない。しかしプロの現場においては信用度の高さで超メジャーなブランドだ。

 

特に本品は、1mm厚のステンレス鋼に焼き入れを施した高硬度なホルダーと、そこから伸びた先端のツメで人気が高い。

 

このツメは、ドライバーとしてネジ締めに使ってもビクともしない頑強さ。塗料缶の金属ブタをこじ開けたり、建材の隙間に挿し込んで捻ったりと、万能ツール級の働きをしてくれる。刃を収納すればすぐに使え、いちいち工具を持ち替える手間がかからない“作業効率の高さ”も人気の秘密と言える。

 

ボディ全体がエラストマー樹脂でできており、軍手や作業手袋を着けたまま握っても滑りにくいノンスリップ仕様。力を込めてグイッと作業をするうえで、頼りがいのあるボディなのだ。

 

[Point 1] ツメの頑強さ

↑先端のツメの硬度は、一般的なホルダーの約3.5倍。塗料缶の口に挿し込んで、こじ開けるなどの作業をしても潰れにくくい

 

[Point 2] 作業効率の高さ

↑ボディには替刃を2本ストックできるマガジンを内蔵。その場で手早く刃を交換できるため、屋外作業中も刃を替えに戻る手間がない

 

工作好きライター

きだてたくさん

DIYから紙工作まで、モノ作りが大好きな工作系ライター。とはいえ手先が器用ではないため、高機能なプロツールに頼りがち。

 

金属を切断するための道具とその使い方・実践編/超実践的DIY道具ラボ(16)

鉄の加工でも木工の木取りと同じように、プランのサイズに合わせて切断するのが作品づくりの第一歩となる。
今回は金工の現場で鉄材の切断に使うポピュラーな道具の実際の使い方を紹介する。

 

CASE1 ポリカ屋根のつなぎ目などに使うフラットバーの切断

【金切りノコギリ】

【丸ノコ】

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CASE2 ロケットストーブに使う一斗缶やペール缶の穴あけ

【金切りバサミorディスクグラインダー】

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CASE3 家具の骨組みに使うアングルと角パイプの切断

【ディスクグラインダー】

【バンドソー】

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CASE4 屋根に使うガルバリウム波板の切断

【チップソー切断機or金切りバサミ】

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CASE5 家具の脚やブロック積みに使う異形鉄筋の加工

異形鉄筋はブロック積みの補強に使うものだが、棚や椅子の脚のパーツとしてなど、家具作りに使われることも多い

 

【ディスクグラインダー】

【ベンダー】

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CASE6 ウエルカムボードに使う鉄板の切断&切り抜き

【ジグソー&プラズマ切断機】

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*掲載データは2017年4月時のものです。

金属を切断するための道具とその使い方・基礎知識編/超実践的DIY道具ラボ(15)

鉄の加工でも木工の木取りと同じように、プランのサイズに合わせて切断するのが作品づくりの第一歩となる。
今回は金工の現場で鉄材の切断に使うポピュラーな道具を紹介する。

 

金属の切断は刃の選択がポイント

金属の切断加工の手段を考える場合、すでに電動工具を持っていれば、その工具の刃を金属切断に適したものに交換して作業するのが一番合理的だ。DIYでも使われているジグソー、丸ノコ、ディスクグラインダーには、それぞれ専用の鉄工用の刃(刃の呼び名はジグソーではブレード、丸ノコではチップソー、ディスクグラインダーでは切断砥石)がラインナップされている。これら刃の種類には鉄用のほかにも、アルミ用、ステンレス用など細分化されたバリエーションが販売されている。切断面のきれいさでみると、この3機種では、丸ノコ、ジグソー、ディスクグラインダーの順に切断面は粗くなる。

手軽に金属の切断をするなら、手工具の金切りノコギリや金切りバサミを使う手もある。電動工具と比べて安価に手に入れることができ、金切りノコギリは金属パイプの切断に、金切りバサミは薄鉄板の切断に便利に使うことができる。

 

道具の基礎知識・手工具編

金切りバサミ

倍力機能のついた金切りバサミ。鉄製ペール缶(厚さ0.5mm程度)なら、軽い力で切ることができる

 

こちらは刃とグリップ部分に、スジカイバケのような角度のついたタイプ。刃先が鉄板の下に差し込みやすくなっているので、墨線を狙って切りやすい。小屋の水切りなどのパーツ製作に使われる

 

金切りノコギリ

ノコ刃を前後で保持する弦架けタイプ。一方の手でハンドルグリップ、もう片方の手で前方のグリップを保持して作業する。刃の取りつけ方向が前後どちらでも可能なモデルが多い

 

木工用ノコギリと同じ感覚で使えるグリップタイプ。弦架けがないのでコンパクトになり、込みいった場所でも作業しやすい

 

パイプカッター

小径の金属パイプの切断に有効。刃を回してあてながら、徐々に締め込んでいく仕組み。写真の面取りカッターもついているモデルが便利

 

ワイヤーカッター

ワイヤーや飛び出したクギなどを切断するときに便利な道具。1.5mm径のワイヤーなどペンチでは切れないことがあるので、持っていると重宝する

 

ベンダー

鉄筋の曲げ・切断が簡単に行なえる専用工具。非常に便利だが、高価なので使用頻度の高い本職でないともったいないと感じてしまうかもしれない

 

道具の基礎知識・電動工具編

丸ノコ

木工ではおなじみの電動丸ノコもチップソーを鉄工用に交換すれば、強力な金属切断工具になってくれる

 

写真はステンレスも切れる、鉄・ステンレス用。鉄工用チップソーは刃の部分が木工用に比べて大きく、見た目が角型になっている

 

ジグソー

丸ノコよりも比較的安全な木材切断工具として紹介されるジグソーは、ブレード(刃)を鉄工用(金工用)に交換するだけで、安全性はそのままに金属の切断に使用できる

 

金属切断用ブレードの例。木工用に比べて刃が細かく、全長も短くなっている。素材には折れにくくて寿命の長いバイメタルなどが使われている

 

チップソー切断機

板材は切れないが、溶接加工でよく使われる鉄パイプやアングルなどの棒材の切断に利用できる。チップソーで切るので、切断スピードは速く、決断面がきれいだ。溶接工房では溶接機とセットで使用されることが多く、騒音は大きめ

 

こちらは鉄工用、アルミ用のチップソーを装着して、金属を切断するスチールカッター。丸ノコと同じ感覚で使用でき、鉄のアングルなどが簡単かつきれいに切断できる

 

ディスクグラインダー

切断砥石の交換で、あらゆる金属を自由自在に切断することができる。すっぱりと切ることができるが、正確な直線で切るのは熟練が必要だ。また、回転するディスクを軽くなでるようにあてれば、切断面のバリ落としとしても使えるので便利

 

鉄工用バンドソー

専用のソーバンドをセットし、バンドソー部分を上から下に下ろして材を切断する。騒音が小さく、火花が出ないので使いやすいが、チップソーと比べると切断スピードがやや遅く、切り口には少しバリが出る

 

高速切断機

チップソー切断機がチップソーを装着するのに対して、切断砥石を装着するのが高速切断機。上から切り下ろして金属を切断するのだが、大量の火花が出るので安全メガネは必須だ

 

プラズマ切断機

プラズマジェットの噴射で瞬時に金属を溶解し、高速切断する。直線の切断だけでなく、フリーハンドで操作して、細かな文字や複雑な曲線を切り抜くことが可能。使うには別途コンプレッサーが必要で、背部にあるエアーレギュレーターにエアーホースを接続する。写真は100V 15Aのコンセントから電源を取れるDIY向きのモデル「SUZIKIDエスパーダ15トゥット」。厚さ1.6mmまでの鉄板を切断することができる

 

*掲載データは2017年4月時のものです。

塗装をするための道具とその使い方・後編/超実践的DIY道具ラボ【12】

エクステリア、インテリアを問わず、塗装することで、美しい色で装飾され、その塗膜や成分で材の劣化を防ぎ、保護をすることができる。今回は、塗装の工程で使用する道具を集めて紹介。

 

不要な部分に塗料がつかないようにする養生用品

せっかくきれいに塗装しても、本来しなくていい部分にまで塗料がついてしまっては台無しだ。そこで塗装の前段階として、養生と呼ぶ作業をして、不要な部分を汚れないように保護する。

養生にはマスカー、ブルーシート、マスキングテープなどを使うのが一般的。マスカーはマスキングテープと半透明のポリシートを組み合わせた製品で、塗装しない部分の境界線にマスキングテープを張って、ポリシートを広げればその部分の養生ができるというもの。住宅の塗装現場で多くの例を見ることができる。ブルーシートはおなじみの青いシートで、養生シートとも呼ばれる、まさに養生のためのシート。マスキングテープは塗らない部分に張って、塗料がつくことを防ぐテープ。粘着力が調節されていてはがしやすくなっている。マスキングテープの代わりにガムテープは使わないほうがいい。ガムテープは粘着力が強いので、はがす時に下地部分をはがしてしまうからだ。

マスカー。それぞれ下の白い部分が折りたたまれたポリフィルム。使う時はポリフィルムを広げて養生する。ポリフィルムの幅は300mmから3600mmまであり広さに合わせて選択できる

 

[マスカーの張り方]

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

 

幅広のマスキングテープ。幅は一般的ガムテープと同じ

 

マスキングテープの幅の狭いタイプ。細かな部分のマスキングに

 

広く使われている紙製のマスキングテープ。セロテープ等と同じサイズ

 

紙製マスキングテープで塗装の境界線を養生しているところ

 

塗装場所にするウマの下にブルーシートを敷いて地面が汚れないように養生している

 

つやつや塗装面にするための下地調整に使う道具

エクステリアの塗装ではあまり登場しない工程だが、インテリアの家具塗装で重要視される工程に下地調整がある。下地調整は木地面を研磨して平らになめらかにする作業。塗装した際にきれいに塗料が載り、すべすべの塗面に仕上げることができ、透明塗料を塗った場合は木目を際立たせることができる。

研磨には主にサンドペーパーを使い、製材された材ならば240番程度から320番、400番と目の細かいものに替えてなめらかに研磨する。320番で研磨した後、材の研磨面を湿らせ400番の耐水ペーパーで水研ぎするとさらさらな研磨面を作ることができる。また研磨工程では電動サンダーを利用すると快速に研磨できる。

市販のサンドペーパー。同じ番手でも空研ぎに使うサンドペーパーと、水研ぎに使う耐水ペーパーがあるので注意。一般的には、空研ぎに使うサンドペーパーから必要な番手を選ぶ

 

サンドペーパーの裏には番手が大きく印刷されているのでわかりやすい

 

[サンドペーパーの番手(粒度)の目安]

60 粗目
80
100
120 中粗目
150
180 中目
220
240
280
320 細目
360
400
500 超細目
600
800

 

手動のハンドサンダー。専用のサンディングパッドから必要な番手を選んで使う

 

電動サンダーで下地調整する場合、研磨程度をコントロールしやすいオービタルサンダーが使いやすい。材に密着させつつ、強く押し付けることはせず、振動なりに研磨する

 

適当な木片にサンドペーパーを巻き付ければ、即席のサンディングブロックとして使うことができる

 

鉄部の塗装、再塗装の下地調整に使う道具

サビの浮いてきたトタン屋根など、金属に塗られた古い塗料を塗り直す場合は、サビや汚れを取り除いて、金属の面を出し、しっかり塗装できるように下地を調整する。この調整には、金属ブラシ、スクレーパー、塗装はがし用砥石などや、研磨ディスク、カップブラシなどをセットしたディスクグラインダー、200番前後のサンドペーパーを取り付けた電動サンダーといった道具を使う。また新品の鉄材は保護のため油分が塗布されているのでそのままでは塗料が載らない。これを落とすには燃料用アルコール、パーツクリーナーなど脱脂剤を使うのが簡単で確実だ。塗料はDIYでは、木部、鉄部共用できる水性多用途塗料が使いやすい。

鉄塗装の下地調整に使う道具例。左からカップブラシをセットしたディスクグラインダー、スクレーパー、金属ブラシ

 

脱脂に使う燃料用アルコールは薬局でも手に入る

*掲載データは2017年2月時のものです。

塗装をするための道具とその使い方・前編/超実践的DIY道具ラボ【11】

エクステリア、インテリアを問わず、塗装することで、美しい色で装飾され、その塗膜や成分で材の劣化を防ぎ、保護をすることができる。今回は、塗装の工程で使用する道具を集めて紹介。

 

塗装用ハケの基本的な選び方と使い方

塗装に使うハケは塗料に合わせて水性用、油性用、万能(共用)などがあり、毛にもウマ、ヒツジ、ブタ、イノシシそれに合成繊維などがある。それぞれ毛質や弾力性に違いがあるので、目的に合わせて使い心地も考慮しながら選びたい。ハケのサイズは使用目的に合ったものを購入すればいいが、一般的にハケ幅30mmと50mmのスジカイバケと70mmの平バケがあれば不自由しない。それ以外のサイズは必要なときにそろえていけばいい。ハケのサイズは号数で表示されていることもあるので、号数と㎜寸法の関係を示す表組を掲載しておく。

手を汚さないための手袋は必須アイテム。使い捨てのプラスチック手袋や洗濯などで使うビニール手袋をするのがいちばん。軍手は塗料が染みると、手を汚してしまうので、使わないほうがよい。

水性塗料に使ったハケは使用後、たっぷりの水で洗い塗料分を完全に落とし、乾燥させて保管する。油性塗料に使ったハケは指定のうすめ液を使って洗浄した後、中性洗剤で洗い塗料分を完全に落としてから乾燥させるが、水性塗料と違って完全な洗浄は難しい。プロはハケを使う間隔が短いので洗浄乾燥はせずに、水性、油性共に使ったハケの毛部分を水中にぶら下げて保管する。また、色味の変化をきらい、ある色に使ったハケはほかの色には使わない。

ハケの洗浄を忘れてハケが固まってしまった場合、水性塗料に使用したハケはもう使えないので捨てるしかない。油性塗料であれば、うすめ液を使えば戻せる可能性はあるが、大量のうすめ液を使うことになるので、そのハケは捨て、新しいハケに替えるほうが現実的だ。

塗装の様子。ここではビニール手袋をしてスジカイバケを使い、材をウマに載せて塗装している

 

[ハケの幅、号数と寸法の関係]

号数 尺寸 mm(約)
3号 3分 10mm
5号 5分 15mm
8号 8分 25mm
10号 1寸 30mm
12号 1寸2分 36mm
15号 1寸5分 42mm
16号 1寸6分 48mm
20号 2寸 55mm
25号 2寸5分 70mm
30号 3寸 84mm
35号 3寸5分 100mm

 

基本的な塗装道具

50mmスジカイバケ。使用する機会の多いハケだ

 

30mmスジカイバケ。細かいスペースの塗装で必要

 

70mm平バケ。幅の広さを利用して広い面を一気に塗るときに使用

 

ビニール手袋

 

塗料を小分けにして使える塗料カップ

 

塗装用ハケのバリエーション

塗装に使うハケには、柄の先に毛のついた一般的なハケ以外にもデザインの違うハケのバリエーションがある。

ローラーバケ、コテバケ、ベンダー、ウエスなどだ。ローラーバケはハンドルの先に塗料を含むローラーがつき、ローラーをころころと転がして塗る。コテバケはハンドルの先に塗料を含ませるコテがついて、平らな面にコテを滑らせて塗るタイプ。

ベンダーは鉄の薄板にフェルトやスポンジが張られていて、そこに塗料をつけて塗る道具。全体を自由に曲げることができるので、狭い部分、入り組んだ部分の塗装に使われる。きれいなウエスは、ステインのような粘度の低い塗料を、雑巾がけのように拭き塗りするときに使う。

ローラーバケと塗料を入れる塗料バット。バット上でローラーを転がして塗料をつける。ローラーバケは幅が60mmから250mm程度まで何種類か選択でき、ローラー部分は交換できる

 

ベンダー。曲げやすい鉄板のハンドルに塗装用のフェルトがついている。全体を曲げてすき間などを塗ることができる

 

コテバケで塗装しているところ。コテ面に塗料をつけたらを滑らせて塗装する

 

ステインをウエスで材に吹き塗りしているところ。使い古した雑巾やTシャツなど、きれいな綿布ならウエスとして使える

*掲載データは2017年2月時のものです。

 

広い範囲で使われるボルト&ナット類/ドゥーパ!資材館【7】

数えきれないほどの種類が存在するが、ここではDIYでよく使われ、ホームセンターで購入できるタイプのボルト&ナット類をセレクトして紹介。

 

DIYで使うならどこでも手に入るメートルネジ

ホームセンターで販売されているボルト&ナットはJIS規格およびISO規格で製造されるメートルネジがほとんど。そこに若干USインチネジも在庫しているという感じになる。メートルネジのパッケージには、必ずM6×20などという表示がされている。これはMに続く数字がネジの軸径(mm)、×の後の数字がネジの軸長さ(mm)となる(表組参照)。これを見れば必要なボルト、ナットを簡単に見つけることができる。ネジは世界的に規格の統一化が進んでいて、現在ではアメリカやヨーロッパでも多くメートルネジが使われている。ただし、ハーレーはUSインチのボルト、ナット、BMW以前のミニ、旧車のスーパーセブン等はイギリスインチのボルト、ナットを採用している。マニアには知られた話題だ。他に管用ネジ、管用テーパーネジ、特殊ネジなど産業界で使われる規格もあるが、普通にDIYをしている限りはお目にかかることはない。また木材にボルト、ナットを使う場合は、ワッシャーを挟んだほうが材を傷つけにくい。

六角ボルト、六角ナットは、スパナ、メガネレンチ、ソケットレンチなどで六角部分をくわえて締めるので、六角部分の2面幅を知ってサイズが合った工具を使って作業する。2面幅もごく例外を除いて規格化されている(表組参照)。まれに例外があるので、最初の購入時はボルト、ナットをスパナ、メガネレンチ、ソケットレンチなどに現物合わせで購入するのが安心だ。

 

ボルト&ナットの主な種類を一挙に紹介!

 

六角ボルトを手回しできるノブに変換

溝を彫るための道具とその使い方・後編/超実践的DIY道具ラボ【10】

木工では切るだけでなく溝を彫る(切る)ことも、作品の出来映えを上げるためにも必要なテクニックだ。今回は溝加工にスポットをあてて、さまざまなアイテムによる溝加工のバリエーションを紹介する。

 

大入れの溝彫り1/ノコギリとノミで幅のある溝を彫る

棚板などを差し込む溝にする大入れの溝はノコギリとノミで彫る。墨線に沿って溝の底まで切れ目を入れたら、左右切れ目の真ん中にもう1本切れ目を入れてから、ノミで不要な部分を欠き取る。最後にノミで溝の底をきれいにさらっておく。

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大入れの溝彫り2/トリマーで幅のある溝を彫る

トリマーの両側にフェンスを固定し切削幅を限定して、トリマーの動きを規制する。こうしてまず溝の左右端を彫り、あとはトリマーを左右に振りながら溝をさらっていけば、幅のある溝もきれいに彫れる。

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本ザネ接ぎの溝彫り/丸ノコとノミで細長い溝を彫る

本ザネは、向かい合った2枚の板の木端の、片方に凹部、片方に凸部を加工して接合する方法。凹部の溝を彫るには、まず丸ノコで溝の幅を決め、次によく切れるノミでさらって整える。

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ホゾ継ぎのホゾ穴/ノミだけでホゾ穴を彫る

ノミだけで溝や穴を彫るのは古くからの方法。よく研いだノミでも根気、時間がかかる方法だが、焦らず意識的にていねいに作業するときれいに加工できる。作業は「彫る」よりも「切る」感覚で進めるとよい。

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溝のデザインバリエーションが楽しめる/ルーターテーブルで板接ぎの溝を彫る

ここではルーターを取り付けたルーターテーブルならではの溝加工として、板接ぎの溝加工を紹介。登場するビットは海外から取り寄せたもの。いずれもルーターテーブルでのみ使用できるビットだ。

 

・ジョインテッドビットで二重の斜め接ぎ

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・一度の切断でサネ接ぎができる

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・カッターで彫る雇いザネ接ぎの溝

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・見た目もきれいなフィンガージョイント

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溝切り専用の組み合わせカッター/テーブルソーでダドーを使う

ダドー(DADO)は昇降盤や、テーブルインサート(チップソーの厚みに合わせて、突出し部周囲を覆うフタ)のあるテーブルソーしか使うことができないスペシャルな溝彫り用カッター。セットされたカッターの枚数を変えることで、いろいろな幅の溝彫りに対応する。輸入品のためサイズがインチ規格なので、材の加工時に注意が必要。

*掲載データは2016年10月時のものです。

 

溝を彫るための道具とその使い方・前編/超実践的DIY道具ラボ【9】

木工では切るだけでなく溝を彫る(切る)ことも、作品の出来映えを上げるためにも必要なテクニックだ。今回は溝加工にスポットをあてて、さまざまなアイテムによる溝加工のバリエーションを紹介する。

 

ハガキの厚さの溝を切る/ノコギリで溝を一筋切るだけで端材が作品に

銘木は小さな端材になっても、材特有の味わいがあるものが多く、捨てるには忍びないもの。ラフに木取りしたものにノコギリで溝を切るだけで端材が小品に変身。絵ハガキなどは厚さが約0.3mmなので、ノコギリは胴付きノコギリを使用する。

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小穴作り1/平行定規をつけた丸ノコで薄板を差し込む細い溝を彫る

合板などの薄い板材を箱の底板や、本棚の背板などに差し込むための狭い溝を彫ることを小穴作りと呼ぶ。作業は平行定規をつけた丸ノコを使用。丸ノコのチップソーの厚さは標準で1.5mm程度なので、必要な幅になるまで丸ノコを横にずらして作業する。

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小穴作り2/トリマースタンドを使った細い溝を彫る

細いビットの種類が充実しているトリマーを使えば、小穴作りはもっと簡単。トリマースタンド(トリマーテーブル)にトリマーをセットし、ビットが小穴作りの位置にくるようにフェンス位置を調節して、フェンスに材を沿わせて送れば、きれいな小穴作りを簡単に何度でも同じ位置に彫ることができる。

必要なビットをセットしたトリマーのついたトリマースタンドを使えば作業は簡単

 

真っすぐな溝彫り1/トリマーにストレートガイドをつけて溝を彫る

トリマーは切削するビットの回転のために、フリーハンドで溝彫りをすると、左にカーブしていく性質を持っている。しかしストレートガイドを取りつければ、確実にまっすぐな溝を彫れる。トリマースタンドがなくても、この方法なら小穴作りの溝を彫ることも可能。

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真っすぐな溝彫り2/フェンスを置いてトリマーでまっすぐ彫る

ストレートガイドが使えないような部分では、トリマーが左カーブしないように、トリマーの左側にフェンスを立てて、これにトリマーを沿わせて切削すれば、まっすぐな溝を彫ることができる。

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2.4mmから21mmまでの溝が自由に彫れる/小型ミゾキリ(マキタ3005BA)

ミゾキリとは内蔵したカッターを8000回転/分という高速で回転させ、溝を彫る専用の工具。カッターを交換することで2.4mm~21mmの溝を彫ることができる。手持ちで作業するミゾキリの中では、高輝度LEDライト、ブロア、30度傾斜などの新機能を搭載し取りまわしがいいのがマキタ小型ミゾキリ3005BA。DIYでは見慣れない工具だが、溝彫りでは専用工具ならではの能力を発揮する。

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*掲載データは2016年10月時のものです。

集じんシステムを自作しよう・実践編/超実践的DIY道具ラボ【8】

木工で使う切断工具には切り屑、粉じんの飛散はつきもの。どんな工房でも掃除は欠かせない。しかし、今回紹介する集じん機を導入すれば、切り屑、粉じんを自動的に集めることができ、周辺をきれいに保って、作業空間をクリーンにすることができる。

 

工房中の複数ある工具を集じんする集じんシステム

工房に置かれた電動工具すべてに集じんホースを張り回して、中大型の集じん機やサイクロン集じん機で集じんするというシステムの設置は、工房派にとっては夢のシステムだ。専門の洋書でよく見ることができるが、国内でも工房に集じんシステムを導入している例を見ることができる。

そのような集じんシステムを作るには、工具ごとに枝分かれする集じんホースの長さと太さ、それに適応するパワーを持った集じん機やサイクロン集じん機の選択が重要になる。前ページのように、工具単体と集じん機単体の組み合わせなら、小型の家庭用電気掃除機で問題はないが、たとえば工房にあるすべての工具とサイクロン集じん機をひとつにまとめるシステムの場合は、各工具からサイクロン集じん機までのパイプやホースの長さと直径に対して適したサイクロン集じん機を選ばなければ、切り屑を吸引する力が足らずに吸い切れないことになってしまう。自分の工房に集じんシステムを作る場合は、ホースやパイプの長さが全部合わせて何mになるか、集じん機から一番離れた工具まで何mあるか、屈曲部が何カ所あるかを事前に確認しておき、購入予定のサイクロン集じん機のメーカーや販売店に問い合わせて、工房に合った機種を選定するようにしたい。

また各工具に接続するホースやパイプが主パイプに接続する部分には、空気の流れを遮断するシャッターを設置し、そのとき使う工具以外のシャッターを締めきって、空気の流れを切り換え、無駄な吸い込みを遮断して、使う工具1台だけから集じんするようにしなければ、効率のいい集じんはできない。

集じんシステムを構成するホース、パイプ、金具類はホームセンターの資材売り場を探せば合うものを見つけることができるが、専門ショップやウェブショップでも集じんシステム用にそろえられたパーツを購入することができる。

 

集じんシステム例1

壁に面してセットされた糸ノコとベルトディスクサンダーから集じんするシステム例。ベルトディスクサンダーには手製の集じんポートを介して、ベルト用、ディスク用それぞれの集じんパイプがセットされている。上部の集じんパイプの途中にはシャッターがつき、空気の流れをコントロールする

 

集じんシステム例2

プロの工房に設置されたシステムのパイプが集じん機に集まる部分。壁に設置されたパイプが工房のいくつかの据え置き型工具から引かれる集じんパイプ。右側手前の集じんホースは切り屑の多いテーブルソーから伸びて、一度ダストバケツに吸引され、ここで切り屑と空気の流れを分離し、切り屑の落ちた空気が集じん機に吸引される。集じん機に入るのはごく少量の粉じんだけになるので、メンテナンスの手間を大きく省くことができる

 

集じんシステム例3

写真左窓際に置かれたルーターテーブルと奥のテーブルソーの2台を集じんするシステム例。ルーターテーブルには途中分岐した集じんホースが取りつけられ、テーブルソーから取り出した集じんホースと2本束ねられ、テーブルソー下のダストコレクターにつながる。ダストコレクターにはシャッターのついた集じんポートが2口あるので、そこに2本の集じんホースをつなぐことができる。ダストコレクター上にある吸引パイプを集じん機に接続すればすっきり集じんできる

 

集じんシステム例4

広い工房に設置された大規模なサイクロン集じんシステム。写真では3系統に分岐した天井の集じんパイプが写真奥で集合し、手作りの大型サイクロン集じん機に集じんされるシステム。分岐した集じんホースは各据え置きの工具に接続され、空気の流れはパイプ各部に設置されるシャッターの開閉によってコントロールされる。据え置きの工具だけでなく、作業台の上で使う工具に集じんホースを接続できる取りつけポートや、工房の掃除に使える集じんホースも分岐されている

 

メイン写真の一番奥右側に設置されたオリジナルのサイクロン集じん機。すべての粉じんはここに集まる

 

シャッターの一例。これはシャッターを閉めた状態

 

シャッターを引き出して開いた状態。指で引いているアルミ板がシャッター板

 

天井に設置された集じんホース取りつけポートから集じんホースを伸ばしてくれば作業台で使う工具の集じんができる

 

木工旋盤はこのように切削ポイントの近くに集じん用フレキシブルホースをセットして集じんできる

 

掃除機ヘッドを取りつけ、集じんシステムを工房の掃除に使えるようになっている

 

クリーンな空気の工房を実現するエアフィルターシステム

JETエアフィルターシステムAFS-500

集じん機のフィルターでは取りきれない、微細な粉じんを取り除き工房内にきれいな空気を循環させるエアフィルターシステムを導入するのもおすすめだ。据え置きでも吊り下げでも使用できる。粉じんを取り除くフィルターの能力は外側5ミクロン、内側1ミクロン。風量3段階切り替え、タイマー3段階切り替え。リモコンつき。

しっかり支えて固定すれば吊り下げてセットできる

*掲載データは2016年8月時のものです。

 

集じんシステムを自作しよう・入門編/超実践的DIY道具ラボ【7】

木工で使う切断工具には切り屑、粉じんの飛散はつきもの。どんな工房でも掃除は欠かせない。しかし、今回紹介する集じん機を導入すれば、切り屑、粉じんを自動的に集めることができ、周辺をきれいに保って、作業空間をクリーンにすることができる。

 

集じん機を取り入れて快適木工作業

家庭用電気掃除機は工具から出る切り屑を吸い込んで集められれば集じん機として使うことができるので、工具との接続やホースの設置方法を工夫すれば、実用的な集じん機として利用できる。とりあえず今家庭にある電気掃除機を集じん機として使って、その便利さを体感してみるのもいいだろう。市販の電動工具には別売部品として、集じんホース接続用パーツが用意されているので、それらを使えばホースとの接続は確実に行なえる。

リョービ製トリマーのベースプレートに取りつけられた、集じんホース用アタッチメントとホース

 

リョービ製トリマーのベースプレートに取りつけられた、集じんホース用アタッチメントとホース

 

小型の集じん機として利用できる家庭用電気掃除機だが、本格的に連続利用するには、集じんの量とパワーが少々不足気味だ。家庭用電気掃除機のパック容量は大きくても12〜15L程度で、構造上吸引するモーターが集じんパックの後ろにあるため、パックが一杯になってくると、それにふさがれて吸い込み能力も落ちてくる。

家庭用電気掃除機でも工具に取りつけられれば集じん機として利用することができる

 

家庭用電気掃除機が採用する集じん方法の例。粉じんはホースからパックに入る。モーターはパックの後部にあり吸い込む

 

この吸い込み能力を維持しながら集じん容量も確保するために、工具メーカー製の集じん機は本体を円筒形にして、吸引する空気の流れが内部で旋回するようにしたタイプが多い。モーターを本体上部に設定し、集じん機内部で空気が上に吸い込まれ、切り屑は下に落ちるようにして、切り屑の堆積で吸引能力が下がらないように工夫している。

プロやベテラン木工家が使う木工用集じん機に広く採用されているのがサイクロン式集じんだ。サイクロン式は一部家庭用電気掃除機にも採用されて、能力の高さが話題になったシステムで、サイクロン容器の中で切り屑を旋回させ、空気の流れと切り屑を分離する仕組みになっている。容器の中で分離した空気は上部に流れ、フィルターを介して排出されたり、外付けの掃除機に吸い込まれ、一方切り屑は下方の集じんバッグやバケツに落下して集められる。このため集じん容量を多く取りながら、集じん能力が低下することもない。

吸い込んだ切り屑による影響を受けにくいように上部(フタ部分)にモーターを設置した工具メーカー製集じん機の例

 

吸い込まれた切り屑が内壁に沿って旋回するよう工夫された、工具メーカー製集じん機の集じんホース接続部

 

サイクロン集じんのバリエーション

手作りサイクロン集じん機

手作りサイクロン集じん機を使った作業例。工具から出て集じんホースを通った切り屑はサイクロン集じん機で分離され下のダストバケツに落ちる。吸引には家庭用電気掃除機を使用

 

ダストバケツに集じんされた切り屑

 

吸引に使った家庭用電気掃除機には細かな粉じんだけが少量集じんされる。このため長い時間使用しても、吸引パワーの低下がない

 

Oneidaダストデピュティー

Oneidaダストデピュティー(サイクロン集じん機)を使った集じんのシステム。円錐形のサイクロン集じん機横から出る集じんホースを工具に接続し、本体上に出るホースを掃除機(写真はコンドルバキュームクリーナー)に接続して吸引する仕組み。サイクロンとなることで集じん能力がアップし、切り屑が下のバケツに分離されて溜まるので、メンテナンスも楽になる

 

マイコレクターMY-75X

サイクロンドラム機能を搭載したムラコシのマイコレクターMY-75X。68ℓのポリ袋に集じんする、100V電源で使用できる工房向きサイクロン式集じん機。運転中の高さは約2m

 

オプションのアルミ丸型集じんフード

 

キャスターつきなので、作業場所の近くで集じんすることができる

 

天板全面に集じん穴のあいたフードつき作業台に接続することも可能

 

ダストコレクター

tritonのダストコレクターも集じんした切り屑と空気をコレクター内で分離する方式。家庭用電気掃除機を使うことができる

 

集じんホースからダストコレクター内に入った切り屑は下に落ち、空気は上に吸引される

*掲載データは2016年8月時のものです。

エンジンがかからないときはココをチェック!チェンソートラブル対処術

よく耳にするチェンソートラブルといえばやっぱり「エンジンがかからない!」。そんなときは落ち着いて、ここに挙げた項目をチェックしてみよう。意外にあっさりと解決してしまうかもしれない。それでもダメなときは、チェンソー販売店に相談を。

 

check 1 燃料をチェックしよう

そんな初歩的な…と思うかもしれないが、実際「半年前に使って燃料を入れたままにしておいたらエンジンがかからなくなった」なんて例は少なくない。この場合、燃料の劣化や結露により適切な燃料ではなくなってしまっている可能性が高い。燃料を入れ替えて再チャレンジしてみよう。

 

check 2 エアフィルター、燃料フィルターをチェックしよう

エアフィルターが詰まるとエンジンへの空気の供給が不足し、燃料フィルターが詰まると同じく燃料の供給が不足して、最悪、エンジンがかからなくなる。それぞれゴミが詰まっていないかチェックし、必要があれば掃除または部品交換をして再チャレンジしてみよう。

 

check 3 キャブレターの設定をチェックしよう

キャブレターの設定がずれていると燃料が適正に供給されず、エンジンがかからない可能性がある。あらためて取扱説明書に書かれているとおりに設定してから再チャレンジしてみよう。

STIHL MS 170 C-Eの場合、取扱説明書に「アイドリングスピード調整スクリューを反時計回りにしっかり止まるまで慎重に回してから、時計回りに2回転回します」とあるので、そのとおりに調整スクリューを回す

 

check 4 スパークプラグをチェックしよう

エンジン始動の際、チョークを引いてキャブレターの空気通路を絞り、燃料を濃くすることで始動しやすくする。ただ、操作手順を間違え、チョークを引いたまま始動操作を繰り返したりすると、供給過多の燃料によってプラグの電極がびしょびしょに濡れ、エンジンがかからなくなることがある(この状態を「プラグがかぶる」という)。そうなってしまった場合は、プラグおよびシリンダー内部をしっかり乾かしてから、正しい操作手順で再チャレンジしてみよう。

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写真◎門馬央典/アドバイザー◎相信武司(STIHL)

これで万全!チェンソーのアフターメンテナンス術13

チェンソーを使用するたびにしっかりとメンテナンスすれば、愛機が好調を保ち続けるだけでなく、いっそう愛着が増して心豊かになるもの。過去にドゥーパ!本誌で好評だったチェンソーメンテナンス企画をさらにボリュームアップして、13のメンテナンス術を紹介。

*すべてのメンテナンス作業はエンジンが冷えてから行なうこと。また火気厳禁。

撮影モデルはSTIHLのMS 170 C-E。ビギナーにも扱いやすい排気量30.1ccの小型機。価格のリーズナブルさも魅力

 

maintenance 1 全体の破損をチェックする

まず使い終わったチェンソーの外観をひと通り見て、破損や部品の欠落がないか確認する。

とくに防振ゴム(ドライバー先端で指している部品)が切れたり、ヒビ割れたりしていないか要注意。防振ゴムが切れると振動が大きくなり、真っすぐ切るのが難しくなる

 

maintenance 2 ファンハウジングを掃除する

エンジンの冷却風を取り込むファンハウジング。とくにヤニが多い木を伐るとここが詰まりやすいので、汚れを取り除いておく。

木クズなどはブラシでこすり落とす。こびりついた汚れはドライバーなどでそぎ落とす

 

maintenance 3 スプロケット周辺を掃除する

スプロケットカバー、ガイドバー、チェンを取り外し、隠れていた部分を掃除する。

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maintenance 4 エアフィルターを掃除する

エアフィルターが詰まるとエンジンに空気を供給しづらくなり、エンジン性能に影響を与えるので、きちんと掃除しておく。エアフィルターを取り外している間にゴミがエンジンのほうに入り込まないよう、周囲を掃除してからエアフィルターを取り外す。

エアフィルターにはさまざまなタイプがあるが、基本的にフィルターが2~3層重なり、内側のフィルターのほうが目が細かい構造なので、エアガンで掃除するときは内側から吹く(外側から吹くと内側の細かいフィルターにゴミが詰まる)。水洗いOKのものもあるので、それぞれの取扱説明書に従って手入れしよう

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maintenance 5 燃料フィルター、チェンオイルフィルターを掃除する

燃料フィルター、チェンオイルフィルターが詰まっていると、それぞれ燃料、チェンオイルの供給が不十分となり、不具合をきたす。状態をチェックし、詰まりがあれば交換する。

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maintenance 6 シリンダーフィンを掃除する

エンジンシリンダー外側は表面積を増やして冷却性能を上げるためフィン状になっている。ここにゴミが詰まると冷却性能が落ちるので、取り除いておく。

ブラシやドライバーでゴミを取り除く

 

maintenance 7 スパークプラグをチェックする

プラグ先端の電極のすき間が大きくなったり、カーボンがたまったりすると本来の性能を発揮できないので、状態をチェックしておく。プラグ交換の目安は100時間使用。交換の際は、最初についていたものと同じ型番のプラグを選ぶこと。異なる型番のものをつけると性能ダウンや故障の原因になりうる。

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maintenance 8 マフラーの吐出口を掃除する

不完全燃焼によるカーボンの発生は、チェンソーに使われている2サイクルエンジンの宿命。マフラーの吐出口にカーボンが詰まっていないかチェックする。なお、メーカー指定のエンジンオイルを使えば、カーボンの発生は比較的抑えられる。

マフラーの吐出口にカーボンが詰まっていたらドライバーなどで取り除く

 

maintenance 9 チェンオイルの吐出口を掃除する

チェンオイルの吐出口にゴミが詰まると、オイルの供給を妨げ、トラブルにつながる可能性も。状態をチェックし、必要があれば掃除する。

ドライバー先端で指しているところがチェンオイル吐出口

 

ゴミが詰まっていたらドライバーなどで取り除く

 

maintenance 10 チェンスプロケットをチェックする

チェンスプロケットは消耗品。ソーチェンによって摩耗し、溝ができてしまう。溝の深さが0.5mmになったら交換すべきなので、状態をチェックしておく。なお、各部品の交換時期の目安として「1:2:4の法則」というものがある。ソーチェンを2本使ったらスプロケットを交換し、スプロケットを2個使ったらガイドバーを交換。つまり、ガイドバー1本:スプロケット2個:ソーチェン4本の使用期間が同じというものだ。

まだソーチェンによる摩耗がない、きれいなチェンスプロケット

 

摩耗したスプロケット

 

摩耗してできた溝の深さが0.5mmになったらスプロケットの交換時期。専用のチェックゲージ(別売)もある

 

maintenance 11 ガイドバーを掃除して、各部をチェックする

ガイドバーの溝やチェンオイル用の穴を掃除する。その際に、ガイドバーが変形していないかチェックしておく。

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maintenance 12 ソーチェンを掃除する

ソーチェンに付着した木のヤニを掃除する。ワイヤーブラシでざっとこすればいいが、ワイヤーブラシによって刃が傷つくので、あとで必ず目立てを行なうこと。また、ソーチェンの各パーツをつないでいるリベット周辺にガタつきがないかチェックしておく。ガタついていたら、リベット穴が広がり、切れやすくなっているということだ。

ワイヤーブラシでこすってヤニを落とす。その後、潤滑・防錆のため、KURE 5-56を吹いたり、オイルに浸けたりしておく

 

からまったチェンをほどくコツ

ソーチェンをはずして作業していると、いつの間にかグチャグチャにからまっていることが。そんなとき、1カ所ずつほどこうとすると、別の所がより複雑にからまってしまうのでNG。輪になっている部分を2カ所持ってほどいていくのがコツだ。

常に2カ所の輪を持ち、順次ほどいていく

 

maintenance 13 ソーチェンの目立てをする

チェンソーは、常に刃の切れ味を良好にしておくことが大切。そのために、こまめに目立てをする。目立て作業は、丸ヤスリで刃を研ぐだけのシンプルなもの。ただ、正確な角度でヤスリを当てる必要があるので、とくにビギナーは補助具を使うと便利だ。また、目立ての後には、刃の出幅を決めるデプスの調整も行なう。

目立て道具セットの例。右から、補助具(やすりホルダー)を取りつけた丸ヤスリ、ファイルゲージ、平ヤスリ。丸ヤスリは、刃のサイズに合う径のものを選ぶ

 

やすりホルダーを、刃の角度および水平に維持するための補助具(ホルダーガイドFF1)もある

 

丸ヤスリによる目立てと、平ヤスリによるデプス調整が同時にできる便利ツール(2-in-1 やすりホルダー)。丸ヤスリと平ヤスリが適正な位置関係で固定されている

 

【目立ての手順】

 

【デプスの調整手順】

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写真◎門馬央典/アドバイザー◎相信武司(STIHL)

チェンソー木工術Part2・ガーデンテーブルを作る/DIYerのためのチェンソー使いこなし術

田舎暮らしの頼れる相棒、チェンソー。薪作りや枝打ちなど日々の仕事を能率的にこなすには欠かせない道具だが、価値はそれだけにとどまらない。もっとクリエイティブなDIYを楽しませてくれるし、じっくり大切に整備するほどに愛着を感じさせてくれる味わい深い機械でもある。そんな素晴らしきチェンソーライフに誘ういくつかのノウハウを紹介しよう。

今回は、丸太の輪切りを天板にしたワイルドなテーブルを作ってみよう。脚もやっぱり丸太から切り出した角材。天板裏面のホゾ穴に脚を豪快に叩き込めば、シンプルでいて存在感抜群のテーブルのできあがりだ。

 

Step 1 材料を切り出す

丸太から天板材と脚材を切り出す。一般的な木工のように緻密で繊細な作業は無用。ざっくりとした木取りでOKだ。

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Step 2 脚材と天板材を加工して組み合わせる

脚材、天板材をそれぞれ加工し、ホゾ組みする。ホゾ組みといっても、やはり緻密な作業は必要なし。現物合わせでガンガン組み立てていく。

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Step 3 各部を仕上げる

脚の長さをそろえ、各部を面取りすれば完成。どれくらい面取りするかは好みで決めればいい。

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チェンソー木工にはカービング用のガイドバーが有効

チェンソーで丸太に彫刻するチェンソーカービング(またはチェンソーアート)には、カービングバーと呼ばれるガイドバーが使われる。先端が細く、微妙な加工に適したガイドバーだ。この特集では、ホゾ穴を掘るときのみカービングバーを使っているが、サインボード作りなどにおいてもカービングバーのほうが使いやすいだろう。

一番手前がカービングバー(12インチ)。真ん中が18インチ、奥が25インチのノーマルガイドバー。製材に使うなら長いガイドバーのほうが幅広く活躍する

 

栗田さんが最近手がけたチェンソーアート作品。このような繊細な加工はカービングバーでなければ無理だ

写真◎門馬央典

栗田宏武 Hiroaki Kimura

カナダで開催されるチェンソーカービングチャンピオンシップで3年連続チャンピオンに輝いた経歴を持つ、国内チェンソーアーティストの第一人者。

チェンソー木工術Part1・サインボードを作る/DIYerのためのチェンソー使いこなし術

田舎暮らしの頼れる相棒、チェンソー。薪作りや枝打ちなど日々の仕事を能率的にこなすには欠かせない道具だが、価値はそれだけにとどまらない。もっとクリエイティブなDIYを楽しませてくれるし、じっくり大切に整備するほどに愛着を感じさせてくれる味わい深い機械でもある。そんな素晴らしきチェンソーライフに誘ういくつかのノウハウを紹介しよう。

チェンソーで木を加工して家具やオブジェを作る……これほどダイナミックでワイルドな木工はない。せっかくチェンソーを手にしたなら、ぜひその楽しさを味わいたい。入門編として、たとえばサインボード作りなどはいかがだろう。

 

Step 1 文字の輪郭を彫る

立体的な文字が重なりながら連なっているように見えるサインボードを作る。まずは文字全体のアウトラインを彫る。

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Step 2 文字を立体的にする

各文字の右端から左端に向けて傾斜がつくように表面を欠き取り、文字が重なる部分に段差をつける。

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Step 3 仕上げの装飾を施す

最後に好みに応じて装飾を施せば完成。ここではチェンソー木工らしいワイルドさを強調する仕上げに。

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曲面でも作業手順は同じ
文字を彫る面が曲面であっても、作業手順は変わりない。丸太のままサインボードを作るのも面白いだろう。

丸太を製材したときの端材でサインボードを作っているところ

写真◎門馬央典

栗田宏武 Hiroaki Kimura

カナダで開催されるチェンソーカービングチャンピオンシップで3年連続チャンピオンに輝いた経歴を持つ、国内チェンソーアーティストの第一人者。

正確に穴あけするための道具・後編/超実践的DIY道具ラボ【6】

DIYの基本テクニックのひとつとなる穴あけ。ドライバードリルやインパクトドライバーでなにげなく作業しているが「正確」に材に穴あけするのはけっこう難しい。今回は正確な穴あけのために考案されたいろいろなアイテムを紹介する。

 

ダボ穴を正しい位置にあける「Wolfcraftドウェルマスター」

板はぎなどに活用されるダボ接ぎのダボ穴は、はぎ合わせる板の双方に正確なダボ穴をあけなければならない。ドウェルマスターは対面するダボ穴の位置を正確に合わせてあけることができるジグ。付属のガイドピンや本体のフェンス、センターファインダーを組み合わせて、相対する板に正確なダボ穴をあけることができる仕組みになっている。

本体には6mm、8mm、10mmの径に対応する3個のドリルガイド穴が設定されている

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斜めのポケットホールを正しくあける「Kregジグジュニア」

アメリカン木工の組み立てテクニックであるポケットホールを正確にあけるためのジグ。厚さ約13mmから38mmの材に使用することができる。材の厚さに合わせて本体のスライダーを動かし、材にジグジュニアを固定したら、専用のドリルビットで穴あけすればきれいなポケットホールをあけることができる。

ジグジュニアのセット。本体、専用ドリルビット、専用ドライバービット、専用ビスなどがケースにまとめられている

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棚ダボ穴を規則正しくあける「Kregシェルフピンジグ」

シェルフ(棚)の棚板を載せるシェルフピン(棚ダボ)を整然とすばやくあけることができるジグ。専用のドリルビットも付属し、ドリルガイドでふらつかず、一定の間隔でダボ穴をあけることができる。棚ダボは5mm径の市販の棚ダボを使うことができる。

6連のドリルガイドがついた本体。専用のドリルビットなどがセットになっている

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工房に置きたい憧れの穴あけ専用工具「ボール盤」

穴あけ精度の高さという点では一番なのがボール盤。頑丈な支柱で支えられたモーター部に装備されたドリルチャックを送りハンドルで操作し、テーブルに固定した材に穴あけすることができる。手持ちで使うドライバードリル、インパクトドライバーの不安定さを完全に払しょくした工具だ。ボール盤は操作音が低いのも特徴で、一般家庭の室内で操作しても問題になることはない。さまざまなメーカーの製品があるが、ホームセンターで2万円~5万円程度が目安。

DIY向きモデルの例

 

精巧な穴あけでの操作性もよい

 

テーブルの高さを上下して穴あけ深さを調節できる。角度の調整も可能

 

プーリーの掛け替えで速度を変えることができる

 

正確なホゾ穴をあける「角ノミ機」

ホゾ接ぎに欠かせないホゾ穴をあけるための電動工具。角ノミと呼ばれる四角い穴をあけることのできるドリルを取り付けて使用する構造となっている。基本的な構造はボール盤と同様になる。ドリルビットを使えばボール盤として使用できる。角ノミは6.4mm、8mm、9.5mm、12.7mmなどを交換して使用することができる。いろいろな家具をホゾ接ぎで作りたいと考えているなら導入を考えてもいい工具といえる。

角ノミ機(中橋製作所NH-400)

 

材木のサイズに合わせてフェンスの位置を変えられる

 

ホゾ穴をあける位置を合わせてフェンスをセットする

 

材の位置を移して加工すれば、長方形のホゾ穴もきれいにあけることができる

正確に穴あけするための道具・前編/超実践的DIY道具ラボ【5】

DIYの基本テクニックのひとつとなる穴あけ。ドライバードリルやインパクトドライバーでなにげなく作業しているが「正確」に材に穴あけするのはけっこう難しい。今回は正確な穴あけのために考案されたいろいろなアイテムを紹介する。

 

水平器で垂直を確認する「丸型気泡管」

本体後部が平面なドライバードリルなら、そこに丸型気泡管を取り付けて、ドリルビットが垂直に立っているか確認しながら作業できる。丸型気泡管は気泡が左右に動く円筒型の気泡管と違い、写真のように全方位で水平の確認ができる水平器として使うことができる。全国のホームセンターで円形部分のみの単品を数百円で購入することができる。

丸型気泡管。これ以外にもさまざまなタイプの丸型気泡管が市販されている

 

このようにドライバードリルの後部に取りつけて、気泡の位置を確認すればドライバードリルが垂直に立っているか確認できる

 

鏡に映るドリルビットで垂直を確認「丸穴あき鏡」

ドリルビットが映るように鏡を置いて、そこに映るドリルビットと、本物のドリルビットが一直線に見えれば、ドリルビットは材に対して真っすぐ立っていることになるという理屈を応用したテクニック。作業例では丸穴のあいた鏡を使っているが、たまたま都合よく手に入ったもので、実用的には普通の手鏡などを立てたドリルビットの脇に置いて確認しながら作業すればいい。

ごく普通の鏡を利用すればいいが、写真のような鏡ならより使いやすい

 

鏡に映るドリルビットと実際のドリルビットが一直線に見えれば、ドリルは垂直に立っている

 

1台で6種のドリル径に対応「MILESCRAFTドリルブロック・穴あけガイド」

比較的コンパクトな本体に4mm、5mm、6mm、8mm、10mm、12mmの6サイズに対応するドリルガイド穴が設定されている。材の加工面に対して垂直な穴加工ができるほかに、角材の角部分、丸棒にも正確な穴あけをすることができる。

6種類のドリル径に対応するデザイン

 

底面には切り欠きがあるので角材の角の穴あけにも対応

 

こうした丸棒にも正確な穴あけができる

 

手持ちのドライバードリルがスタンドに変身「ドリルスタンド」

2本の支柱の間に取り付けられたドリルチャックにドライバードリルを接続してドリルスタンドとして使用できるようにしたモデル。上下の動きを支柱で支えるので、安定性は抜群。穴あけの深さを設定できるストッパーもついているので、一定の深さの穴あけも可能だ。6角軸の口金を持ったインパクトドライバーで使用できるモデルも登場している。

ドライバードリルを取りつけて、ボール盤のように使用することができる

 

ベースから支柱を下に引き出し、これで材をはさめば自動的に材のセンターに位置決めできる

 

ドリルチャック部分を左右の支柱で支えるので、正確で安定した作業が可能

 

ベースにはVブロックがついているので丸棒を保持することもできる

 

ホームセンターで入手しやすい「ドリルガイド」

ドリルガイドはプラスチックのベースと、そこに差し込むドリルのガイド穴があいたスリーブがセットになったもの。スリーブにあいたドリル径は4mm、5mm、6mm、8mm、10mm、12mmの6種類。ベースの対角線上にあいた小穴にクギなどを差し込むと、材のセンター位置決めもできる。コンパクトなのでパーツをなくさないように注意したい。全国のホームセンターで入手できる。

スリーブを差し込むプラスチックのベースとドリルを差し込む6種類の金属スリーブがセットになっている

 

ベースの小穴にクギなどを差し込むと、センター出し機能として利用できる

 

このようにベースに必要なスリーブを差し込み、ドリルビットを真っすぐに支えて作業できる

ウッドショックに負けるな!チェンソーで丸太から木材を切り出す製材テクニックを伝授/DIYerのためのチェンソー使いこなし術

田舎暮らしの頼れる相棒、チェンソー。薪作りや枝打ちなど日々の仕事を能率的にこなすには欠かせない道具だが、価値はそれだけにとどまらない。もっとクリエイティブなDIYを楽しませてくれるし、じっくり大切に整備するほどに愛着を感じさせてくれる味わい深い機械でもある。そんな素晴らしきチェンソーライフに誘ういくつかのノウハウを紹介しよう。

今回はチェンソーを使った製材術を解説。丸太を玉切りして薪を作るのはチェンソーワークの定番だが、丸太を割いて板や角材を切り出すのも面白い。緻密に製材された木材にはないラフな風合いが、いつもとは違う創作意欲をかき立ててくれるだろう。

 

technique 1 フリーハンドで製材する

曲面を切り落とすように丸太を割いて、平面を作る。それを4回繰り返せば、断面が四角の板や角材になる。まずは補助道具を使わずにチェンソーだけで割く方法を紹介。

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ラフな仕上がりでOKなら縦切りもアリ

より簡単に割きたいなら、丸太を立ててフリーハンドで縦切りするという手もある。当然、technique1の方法に比べればラフな仕上がりになるだろうし、熟練度によっても差がつくはずだが、チャレンジしてみるのも面白い。

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バンパースパイク(ガイドバーの根元付近にあるギザギザ)を支点にして切り込み、technique1と同様にガイドバーを斜めにしてカットしていく(*作業現場はオガクズを敷き詰めてあるので材を地面に置いたまま最後までカットできる。そうでない場合は材を安定した台に載せて作業するといい)

 

technique 2 割いた後の切断面を整える

切断面が荒れているときに、チェンソーを使ってきれいに整える方法(ブラッシング)を紹介しよう。

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technique 3 補助道具を使って製材する

市販の補助道具を使えば、チェンソーで、より精密な製材が可能になる。製材用の補助道具は一般的に「ソーミル」や「ランバーメーカー」と呼ばれ、ガイドバーを水平にセットして切るタイプと、縦向きにセットして切るタイプがある。ここではインストラクターの栗田さんが所有する、縦向きタイプを使った作業例を紹介する。

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曲面にガイドレールを設置する場合

ランバーメーカーのガイドレールを丸太の曲面に設置する場合は、水平にすること。そうすればガイドバーが垂直になり、垂直な面を切り出せる。

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写真◎門馬央典

栗田宏武 Hiroaki Kimura

カナダで開催されるチェンソーカービングチャンピオンシップで3年連続チャンピオンに輝いた経歴を持つ、国内チェンソーアーティストの第一人者。

木材を正確に切断するための道具 後編・超実践的DIY道具ラボ【4】

DIYを始めて最初にぶつかる難関といえるかもしれない“真っすぐ切る”。これまで多くの人が難関を越えようといろいろ知恵を絞ってきた。ここではノコギリ編、丸ノコ編に分けて“真っすぐ切る”というシンプルなテーマに合わせた補助道具、ジグ類を集めて紹介する。

 

丸ノコ編

アングル材
アングル材はアルミを成形したL字型の材で、これを必要な長さに切り、丸ノコのフェンスとして使う方法。アングルにはいろいろなサイズがあるが、今回は手近にあった立ち上がりが30×30mmのものを使っている。使用方法はチップソーを引っ込めた状態で丸ノコを墨線の上に正確に置き、丸ノコのベースプレートにそわせてアングルを配置し、アングルの両端を切る材にクランプで固定。丸ノコを滑らせて、チップソーが正確に墨線にそって動くか確認したら、チップソーを必要な切断深さに設定して切断する。

アングルをフェンスにして材を正確に切断できる

 

アングルはクランプで切る材にしっかり固定する

 

使う素材は必要な長さのアングルとアングルの両端を固定するクランプ2個だけ

 

丸ノコ用平行定規
平行定規は材の木端にそわせて、材を正確に割く(縦挽きする)ための定規。一定以上のレベルの丸ノコには標準装備品として付属している。長いほうの腕を丸ノコのベースプレートの取りつけ穴に差し込み、短いスライドが材にそって動くようにする。割く幅を決めたら写真のように材にそわせて丸ノコを進める。より安定させるにはスライド部分についたビス穴を利用し長さのある角材を取りつけるといい。

丸ノコに付属している平行定規

 

このように丸ノコに装着する

 

切る幅を決めて、木端をスライドさせて丸ノコを進める

 

なお、端材を両面テープなどで張りつけて、スライド部分を長くしておくと安定度を増すことができる

 

これは2本腕タイプの平行定規を装着した例。丸ノコによっては取りつけられないモデルもあるので事前に確認を

 

角度定規
建築やエクステリア木工の現場でしばしば目撃されるのが、角度定規と呼ばれる角度の変更できるフェンスがついた定規。定規は一方の腕にフェンスが立ち、丸ノコをそわして動かすことができ、もう一方の腕を材に押し当てて手で押さえ固定する。使用するときは定規の角度を設定し固定したら、墨線に丸ノコの刃を合わせ、フェンスを丸ノコのベースプレートにそわせて、もう一方の腕を材に押し当てる。あとは電源を入れて丸ノコをフェンスにそわせて前進させればいい。

持ち運びにも便利な小型のモデル

 

幅のある材にも対応する中型のモデル

 

フェンスの立つ腕に丸ノコをそわせれば材を正確に切断できる

 

小型のモデルについた角材を、フェンスからチップソー左側面までの長さで固定すれば、角材先端が墨線の位置になる

 

自作の丸ノコ用直線ジグ
必要な長さのフェンスとスペーサーを組み合わせて自作する直線切断用ジグ。丸ノコはメーカーやモデルによってベースプレートのサイズが違っており、汎用品がないので自作することになる。スペーサーの幅が、ベースプレート左側面からチップソー左側面までの長さになる構造なので、スペーサーの端を墨線に合わせ、フェンスにそって丸ノコを進めるだけで、墨線どおりに正確な直線が切れる。裏側に100番程度のサンドペーパーを張ると滑り止めになって使いやすい。

直線ジグに丸ノコを置いた状態

 

【作り方】

01 フェンスにする材の裏に両面テープを張り、スペーサーの材に張りつける。スペーサーのベースプレートの載る部分はベースプレート幅より広く取っておく
02 ベースプレートをフェンスにそわせて進め、スペーサーのはみ出した部分を切り取れば完成

 

【使い方】

01 墨線にスペーサーの端を合わせる
02 フェンスにそわせて丸ノコを進めれば正確に切断できる
03 なお、ベースプレートのスペーサーに載る側の反対側にスペーサーと同じ厚さの端材を張っておくと丸ノコが傾かない

木材を正確に切断するための道具 前編・超実践的DIY道具ラボ【3】

DIYを始めて最初にぶつかる難関といえるかもしれない“真っすぐ切る”。これまで多くの人が難関を越えようといろいろ知恵を絞ってきた。ここではノコギリ編、丸ノコ編に分けて“真っすぐ切る”というシンプルなテーマに合わせた補助道具、ジグ類を集めて紹介する。

 

ノコギリ編

当て木
反りやねじりのない真っすぐな角材を使いやすい長さにカットし、ノコギリを墨線に合わせて真っすぐに立てたら、この当て木の真っすぐな部分をノコギリにそえるようにして、ノコギリが傾いたり、墨線からそれないようにサポートする道具。じつにシンプルな道具だが、同じ原理の補助具は建具職人や指物師の作業場でも使われている。

ノコギリをあてる面にマグネットシートを張った当て木

 

当て木をスコヤで押さえた状態で、ノコギリを安定させて挽く例

 

マグネットシートを張った当て木をクランプで固定して挽く例

 

マイターボックス
正確なコの字型に組み立てられた溝型の箱側面に、数種類の角度の切れ込みを入れた、ノコギリで正確な切断をするためのジグの一種。溝の幅は市販品では約100mmに設定されているモデルが多い。ビスで作業台に固定できるタイプもあり、作業台に固定したほうが切断精度は高くなる。クラフト用の小さなタイプもある。

いろいろな角度の切れ込みがついたマイタ―ボックス。大きなほうは溝幅が100mm、小さなほうは溝幅が4mm

 

必要な角度の切れ込みにノコギリを差し込んで、切る角度を固定して切れる

 

小さなマイタ―ボックスにはノコギリも小さなものを使う

 

側面の張り出しを作業台に引っかけると安定する

 

ノコギリガイド
自由な角度に設定できる腕の片方にはノコギリを支えるマグネットがつき、もう片方の腕は材に引っかけて安定した作業ができるようL字のフェンスになっている。支点には角度目盛りがつき、15度間隔で角度を固定できるようになっている。折りたたんでしまえばコンパクトに収納することができる。

硬質なプラスチックでできたノコギリガイド。腕の角度を15度間隔で設定できる

 

たたんでしまえばコンパクトに収納できる

 

片方の腕を材に固定して、マグネットのついた腕でノコギリを支えて切る

 

腕にはノコギリを支えるためのマグネットがついている

 

支点の切り欠きを動かして角度を調節できる

 

ソーガイド・エフ
直線切断、角度切断以外に、傾斜切断、角度のついた傾斜切断までできる、刃の厚さが0.6mmのノコギリに対応するガイド。ノコギリの刃を上から押さえるというユニークな構造なので、マイターボックスのように材の制約があまりなく、かなり長い材の縦挽きも可能になっている。クラフトでさまざまな角度、傾斜を正確に切断する必要がある場合は非常に便利に使える。また、よりコンパクトになった「ソーガイド・ベスト」もある。

円形のプレートでノコギリを上から押さえる。ノコギリに合わせてプレートの高さも調節できる

 

直角に設定した状態。ボルトでしっかり固定できる

 

角度切りで左に45度振った状態。右にも45度まで設定することができる

 

プレートの角度を変更すればいろいろな角度の傾斜切断にも対応する

 

上から押さえるデザインなので、長さのある縦挽きにも対応する

古くから活躍してきたクギの種類と使い方 後編・ドゥーパ!資材館【4】

ビスにその座を追われてしまった感もあるが、古くから木材の接合に活躍してきたクギ。前回はクギの基礎知識や丸クギのバリエーションなどを紹介したが、今回はちょっと変わったクギたちを一挙に紹介!

 

主にインテリアで使われるクギ

サカメクギ
スクリュークギと呼ばれることもある、軸がスクリュー加工されたクギ。一度打ち込むと抜くことは非常に困難。写真の例は軸の太さが5mm程度と太く作られたタイプで、羽子板などの建築金具を柱や梁などに固定するために使う。

 

隠しクギ
おもに接着剤を塗った薄板の接合に使われる。頭に取り付けたプラスチック部分で材を圧着し、接着剤が硬化したら、頭のプラスチック部分をカナヅチで横から叩き、プラスチック部分から上を折り取ってしまう。接合部分には軸が見えるだけになるので、目立たない。

軸のプラスチックがかぶる部分の位置に切れ込みがついていて、ここから折れる

 

仮クギ
隠しクギと同じ原理で、薄板を圧着するのに利用される細クギ。軸径が0.9mmと細いので、曲げないように打つのに注意が必要だ。このクギは頭を折り取るのではなく、圧着後はプラスチック部分をペンチなどでつまんで引き抜いてしまう。

 

木クギ
円錐形に加工した硬木で作られた木製のクギ。和物の家具、建具等の組み立てに使われる。使用するとき接着剤を併用しなければ、作品を容易に分解することができる。使用するときはきつめに下穴をあけてから打ち込む。

 

合いクギ
軸の両側が尖っているクギ。クギを隠して材を接ぐために使われる。クギの頭がないため、下穴が必要だが、きれいに接ぐには正確な墨つけと下穴あけが必要になる。下穴をあけたら片方にクギを差し込み、もう片方をかぶせて、当て木をして材を叩いて打ち留める。

 

アンティーククギ
欧米の古い家具などに使われたクギを再現したクギ。頭のデザインはもちろん、打ち込んだら見えない軸部も再現されている。原則下穴をあけてから打ち留める。ワックス仕上げや、エイジング塗装した材によく合う。どこでも販売されているものではないので、見かけたら購入しておくのが得策。

手作りなので1本ずつ微妙に仕上げが違う
頭のデザインが不規則なところが個性的

 

糸カスガイ
木工で使われる小さなカスガイ。建築やエクステリアで使用する軸太さが8mm程度あるカスガイに比べて、こちらの軸径は3mm程度で作られている。作品をぴったり接合するのはもちろん、材と材の間にわざとすき間をあけて接合するときにも使うことができる。

 

波クギ
材を接いだり、割れ止めとして使われる波状をしたクギ。箱作品の角部分の接ぎなどにもよく使われる。クギ自体の高さがないので指でつまんで立たせにくい。指でうまくいかない場合は、ラジオペンチなどでつまんで支えてから打つとよい。

留め接ぎにした材の角部を波クギで接いだ例

 

飾りクギ
太鼓の革を張り留める場合は太鼓鋲、椅子の座面の革を張り留める場合は椅子クギなどと、使う場面によっていくつかの名前で呼ばれている。普通の丸クギを打った後で、クギ頭を隠すように頭にかぶせて打つ場合は飾りクギ、隠しクギなどと呼ばれる。写真は頭部分に装飾性の強い菊花をあしらった「菊」と亀甲をイメージした「亀」。

丸クギの頭のすぐ脇に打てば、クギ頭を隠すことができる。右が「亀」、左が「菊」

 

太鼓鋲
商品名としては太鼓鋲と呼ばれるが、このクギも使用する場面によって、上の飾りクギと同じように別の名前で呼ばれるタイプのクギだ。シンプルな飾りクギと見ても間違いではない。写真は黒く塗装されたタイプだが、白、赤、茶など何色か色のバリエーションもある。打つ場合は塗装がはがれないように木ヅチやプラスチックハンマーなどで打ったほうが安全だ。

使い勝手のいいシンプルな半球の頭

 

配線用ステープル
VVFケーブル等の配線を固定するための、ごく小さなカスガイ状のコの字型のクギ。絶縁のためにビニール被膜がかけられている。現在は電気工事士の資格がないとステープルで固定する配線作業は禁止されている。

配線用ステープルで固定された配線例

 

主にエクステリアで使われるクギ

カスガイ
カスガイといえばすぐ思い出すのがこちら。コの字型で両端が尖り、軸は9mm程度と太く、建築や仮設の現場で丸太、枕木などをつなぐために使われる。先端が2カ所あるのできれいに打ち込むには左右を均等に交互に打ち込むように作業する。カナヅチはなるべく重いものが使いやすい。

丸太の接合に使われた例
先に紹介した糸カスガイ(下)と比べたところ

 

カラー傘クギ
トタン波板などの波板を固定するためのクギ。広く押さえ防水性を高められるようにクギ頭に傘が取りつけてある。市販のカラートタンの色に合わせられるように、何色かのカラーで塗装されている。

上から見ると広い傘がついている

 

連結傘クギ
樹脂製の連結した傘にクギがセットされている。使用するときは1本ずつ切り離して使用する。こちらも各種波板の固定に使われる。波板の固定ではクギは山部分に打ち、山をつぶさない程度の力で押さえるように打つ。

ポリカ波板を打ち留めている例

 

カラートタンクギ
こちらもトタン波板を固定するクギだが傘はついていない。主に波板を壁として使うときに使われる。長さは25㎜と32㎜の2種類が設定され、市販のトタン波板の色に合わせられるように青や茶、ベージュなど10色程度のカラー設定がある。

トタン波板のカラーに合わせてクギを選べる

 

和クギ
鍛冶屋が鍛造で鍛えて作る日本のクギ。洋クギが進出してくる以前、明治初期までは使われていた。現在は樽やワッパ作り、民芸作品作り用にごく少量が流通している。四角い軸が特徴で、下穴をあけてから打つ。鍛造で赤めた鉄を水に漬けたときできた黒サビでおおわれている。打ち留めると材の表面に四角く残る頭の形も特徴的だ。

 

又クギ
逆V字の軸の両側が尖っているクギ。主に屋外で使う柵の番線や有刺鉄線、金網などを固定するのに使われる。どちらかというと仮設の組み立てに使われることが多いクギといえる。

丸太の柱に又クギで固定された番線

古くから活躍してきたクギの種類と使い方 前編・ドゥーパ!資材館【3】

ビスにその座を追われてしまった感もあるが、古くから木材の接合に活躍してきたクギ。長い歴史の中ではぐくまれたいろいろなクギや、DIYで活躍するクギを目的別にピックアップ。

 

クギのショートストーリー

どのくらい古くからクギが使われてきたかというと、日本では法隆寺金堂の調査で確認されているというので、なんと飛鳥時代のこと。西暦700年ぐらいだとすると、日本のクギには約1300年の歴史があるということになる。それから明治時代のごく初期までは和クギと呼ばれる四角い断面のクギが使われてきた。このクギはクギ鍛冶という専門の鍛冶屋によって鍛造。和クギは現在ではすっかり見る機会もなくなってしまったが、2013年から行なわれた伊勢神宮の式年遷宮では、新潟三条や燕の鍛冶によって特別に作られた和クギが使われた。

明治4~5年になると文明開化、欧風文化の導入による洋館の建築のためにフランスからクギを輸入。これが現在使われているクギが国内に広まるきっかけとなった。その後、クギはヨーロッパ各地、アメリカからも輸入される。クギの需要の広がりから国産品も作られるようになり、1908年北九州の官営八幡製鉄所で原料の線材の本格生産が開始され、現代使われている多種多様なクギの生産につながっているというわけだ。

 

斜めに打って接合力を高くする

クギは真っすぐの引き抜きに対して抵抗なく抜けてしまうが、意識的に少し斜めに打つことで、引き抜きに対する抵抗力を強くすることができる。写真では少し大げさに示しているが、クギ頭が凸凹に並ばない程度に斜めに打つのは非常に効果的。

斜め打ちするクギの方向を変えることで、効果が高くなる

 

使うクギの長さの目安は接合する材の厚みの約3倍

材を打ち留めるクギの長さは、写真のように板厚の約3倍を目安にする。接着剤を併用するなら2.5倍でもいいだろう。この目安はネジ山のあるビスに比べると長く設定されている。これはネジ山がない分保持力が低くなることを長さで補うためだ。厚さ12mmの板なら使うクギは30mmから36mm。厚さ20mmの板なら使うクギは50mmから60mmを目安にすればいい。

材に対するクギの長さは写真のようなイメージになる

 

丸クギのバリエーション

ステンレス丸クギ
丸クギのスタンダードとなる鉄丸クギのステンレスタイプ。JIS規格では16mmから100mmまで12種類の長さが規格化されている。サビに強いステンレス製なので、エクステリアや水分、湿気の強い場所では、積極的にステンレス丸クギを使用したい。

 

真ちゅうクギ
真ちゅうは黄銅のことで、身近では五円玉の素材として使われる。真ちゅうクギは元来下穴をあけた真ちゅう板を木材に打ち留めるために作られたクギ。強度は鉄、ステンレスより劣るが、磨くと金色に輝くので、クラフト作品の組み立てにアクセントとして使われることもある。

 

銅クギ
下穴をあけた銅版を木材などに打ち留めるためのクギだが、錆びにくさや風合いの渋さから民芸品、下駄、草履などの工作にも使われる。また、真ちゅうと同様に一般の木工の接合でもアクセント的に使うと和風の雰囲気を醸し出し、効果的な場合もある。

 

小鋲(こびょう)
軸径が0.9mmという極細のクギ。長さは6mmから25mmの間に6種類が規格化されている。薄い板材の接合に使われ、小型のクラフト作品で活躍する。クギ自体の保持力はあまり強くないので、組み立てには接着剤を併用したい。

指で支えられない場合は、プライヤーなどでつまんで支えて打つと安定して叩ける

 

フロアクギ
木製フローリング材を床下地に固定するために使う専用クギ。写真のように軸は細く頭が小さく、スクリュー加工されているので、一度打ち留めると抜くのは難しい。実際の作業はフローリング材のサネ部分に45度で打ち留め、クギシメで頭を材に沈めて固定する。

フローリング材のサネに斜めに打ち込んでいるところ
材の面まで打ったら、クギシメをあてて打ち、頭を完全に沈める

 

150mm鉄丸クギ
鉄丸クギの規格でもっとも長い150mmの鉄丸クギ。いわゆる五寸クギと呼ばれるもの。藁人形を打つのではなく、梁や棟木、柱など大型の建築構造を接合するのに使われる。鉄丸クギなので、建築構造の内部で使用し、湿気のある外部には使用しない。

 

材を傷つけないでクギを抜く

クギ抜きはなるべくしたくない作業だが、どうしてもクギを抜かなくてはならない場合、材を傷つけないように、写真のようにクギ抜きの下に当て木を置き、材を傷つけないようにして作業する。スペアの材がない場合などは慎重に作業したい。

当て木をしてクギを抜いているところ

 

丸クギの頭を目立たなくするつぶしクギのやり方

クギの頭をできるだけ目立たせずに打つ方法につぶしクギがある。クギの頭をアンビルや万力のたたき台に載せてカナヅチで叩いてつぶしたクギを使う。つぶした頭が材の木目と平行になるように打つと効果的だ。気になるようなら、打ち込んだ痕を木工パテで埋めてしまい、塗装すればクギ打ちの場所を完全に隠すことができる。

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材の接合に使うビスの種類と使い方 後編・ドゥーパ!資材館【2】

毎回、ジャンルを絞ってDIY資材を紹介する本企画。前回はビス選びの基本と木工用ビスを紹介したが、今回は金属用、コンクリート・石膏ボード用のビスの種類と使い方を解説!

 

金属用ビス

薄鋼板やアルミ材、鉄板同士など、またはそれらと木材を接合するビス。長くタッピングビスの一択だったが、
ドリルネジの登場でDIYでも簡単に作業できるようになった。

 

なべドリルねじリーマー
先端部に薄鋼板、鉄板、アルミ材などを貫通できる強力なリーマー(錐)がついたドリルねじ。金属同士はもちろん金属と木材の接合にも使うことができる。タッピングビスのように下穴あけの工程が省けるので、作業が省力化にできる。

【作業例】*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

 

六角ドリルねじ
ドリルねじの六角タッピング版。左の六角フランジタッピング同様、フランジがついている。下穴なしで金属板にビス打ちすることができる。

六角ボルトを締めるには写真のようなボックスレンチ(箱スパナ)ビットが必要になる

 

こちらも六角ボルトの周囲には接合力を高めるフランジがついている

 

タッピングビス
鉄板、薄鋼板、アルミ材同士やアルミサッシの窓枠の固定に使われることが多いタッピングビス。ナベ頭、トラス頭が使われることが多い、皿頭を使う場合は、ビス打ちする素材に合わせた皿取りビットで頭に合わせた皿を切削してから打つ。

左がナベ頭、右がトラス頭。トラス頭のほうが径が大きいので、より確実な締め込みができる

 

【作業例】*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

 

六角フランジタッピング
普通のビスより大きな力の掛かる部分を接合する場合にはボックスレンチで締める六角頭のタッピングを使うことがある。ウッドデッキの上にフェンスや柱のベースを固定するときなど必要になる。

六角ボルトの周囲についたふちがフランジ。ボルト頭の面積を広げて、よく締めつけられるようになる

 

コンクリート、モルタル、ボード用ビス

コンクリートへのビス打ちは、基本的に振動ドリルにコンクリートドリルを装着して下穴をあけた上で行なう。
ボード類は専用の下地を打ちこんだ上にビスを打つ。

 

コンクリート用プラグ
ビス打ちの下地になるプラグと呼ばれる樹脂の筒。これを振動ドリルであけた穴に打ち込み、この上にビス打ちする。コンクリート用の表示のあるものはモルタルにも同様に使用できる。

【作業例】*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

 

コンクリート用ビス
こちらはプラグなしで、下穴をあけるだけで直接コンクリートに打てるビス。ビスの写真をよく見ると、軸の山が高い山と低い山の2重らせんの組み合わせでコンクリートにがっちり固定される。なお、このビスはレンガにも対応する。

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カベロック(アンカー)
中空ボード、石こうボードにビス打ちするための下地になる大きな錐状のブロック。下穴なしで直接ボードに打ち込め、これを下地にビスを打つことができる。写真のものはビスもセットになっている。

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材の接合に使うビスの種類と使い方 前編・ドゥーパ!資材館【1】

毎回、ジャンルを絞ってDIY資材を紹介する本企画。第1回のテーマは、まさに何万種類のアイテムが存在するビス。その中からDIYで活躍するものをセレクトして紹介する。

 

ビスのいろいろ
ドゥーパ!ではビスという呼び方で統一しているが、ねじやスクリューも同じものを指している。ビスはフランス語、ねじは日本語(JIS規格はひらがなでねじ)。スクリュー、スレッドが英語。いずれも実際の現場で使われる呼び方だが、どれも軸にねじ山のついた円錐で、材と材を接合したり、材に何かを接合するために使われる。

頭のデザイン、溝の種類
ビスの頭はナベ頭、皿頭、トラス頭の3種類が一般的。ビスを締めたりゆるめたりするためにビス頭に切ってある溝は、プラスドライバーや電動ドライバーのビットで使える、十文字のプラス頭が圧倒的多数を占める。ドライバービットには+1番、+2番、+3番と規格があり、ビス頭の十文字溝の大きさに合わせて使い分ける。年配の方にはなじみ深いマイナス溝は、現在ではほとんど使われず、ホームセンターでは扱っていないところもある。1950年代以前の家具の再生や、アンティーク感を出すために使われる程度だ。溝の種類にはほかに四角穴、六角穴、ポジドライブなどあるが一般的ではない。

ビス選びの基本を覚えよう
DIYで使われるビスは主に、コーススレッド、スリムビス、ミニビスの3種類。ネジ部分、頭、首などの形状にはいくつかバリエーションがあるので、下記表を参考にしてほしい。なお、屋外で使うならサビに強いステンレス素材が頼りになるが、比較的高価なので予算と相談して使う材質を決めよう。

【代表的なビスの形状と特徴】

ドライバービットにはビス頭の溝のサイズに応じたバリエーションがある。一般的なビスの溝に合うのは写真右の+2番ビット。写真左は先端がシャープな+1番ビットで、蝶番用のミニビスなどに合う。また、より大きい溝に合う+3番ビットも存在する

 

ビスの長さは接合する板厚の2~3倍程度を目安に選ぼう

 

ビスを真っすぐ正確に打ち込むには、ビットとビスの間にすき間を作らないように、手首と腕を固めてしっかりと体重をかけるのが基本。また、インパクトドライバーはパワーがあるので、いきなり強く回すとビス頭をつぶす危険がある。打ちはじめはスイッチを軽く押してゆっくり回し、徐々に回転数を上げて小刻みに締めていくとミスを減らせる

 

材の保持が必要なく、もう一方の手があいた状態なら、ビスが安定するまで指をそえておくといい

 

高所のビス留めにおいても、なるべく電動ドライバーと目線の高さを合わせて作業するようにすると失敗しにくい

 

木用ビス

基本的に木材同士を接合するビス。木材以外でも樹脂と木材、竹と木材など条件が合えば、広範囲に使用できる。*各名称はパッケージ表記によります。

 

さら木ねじ
木用ビスの典型デザインといえるビス。きれいに打つには下穴をあける。SPFなど柔らかい樹種に向く。長さ15~75mm程度までのものが販売されている。

 

コーススレッド
小屋作りでよく使われるのがこのタイプ。軸径が太く、深くて幅広のネジ山で、木材を強力に締結できる。

 

木割れ解消ビス
木材の木口近くにビスを打つことでおこる木割れを独特な先端形状で解消するビス。頭の下面はフレキ加工され、材への密着度を高めている。

独特なスクリューデザインをした先端部分。この特殊な形状が木割れを防ぐ

 

しっかり加工されたフレキ部分。ここで材を削り、材への食い込みをよくする

 

万能ビス
高低2種類の山が2重らせんになってデザインされているビス。頭下面をラッパのような曲線にしてあるため、石こうボードに使っても張られた紙を破ることがない。先端には錐加工もされている。

打ち込み時の安定性がよい先端の錐と高低が組み合わされた山

 

ラッパ状にカーブした特徴的な頭下面

 

スレンダー木割れ防止ビス
現在のビスの多くは、先端部が木割れを防止するための特別なデザインになっている。このビスの先端は素早く材に入っていくようにデザインされている。頭下面のフレキもくっきり刻まれ、材にしっかり頭が沈むようになっている。軸も細めなのでエクステリアの家具などで、すっきりしたビス打ちができる。

打ち始めが安定して、素早く入っていく先端デザイン

 

ミニビス
頭を小さく、軸も細く作られた内装仕上げ用のビス。細かい部分にも使用でき、+1番のプラスドライバーまたはドライバービットを使う。頭は小さく目立たない。

一般的なビス(上)と比べると、ミニビスの頭の小ささと軸の細さ(2mm)が際立つ

 

ステン木用ねじフレキつき
酸化、サビに強いステンレスの仲間、SUS410ステンレスを使ったビス。鉄に比べて圧倒的にサビにくいので、水気のある場所や、エクステリアで使う作品では、ビスはステンレス製を選びたい。

頭の下面にはあっさりとしたフレキが刻まれている

墨つけするための道具の種類と使い方 後編・超実践的DIY道具ラボ【2】

テーマ別に便利な道具のいろいろを紹介する本企画。今回は、正確できれいな木取りの前に欠かせない作業「墨つけ」のための道具の後半編を紹介(前編はこちら!)。切断のための線引きの道具といった単純な見方ではくくれない、墨つけにこだわった便利な道具を紹介しよう。

 

分度器のついたスコヤ/プロトラクターステンNo.19

自由に動く腕と分度器を組み合わせたプロトラクター

自由スコヤは、任意の角度の対称から角度を写すので、角度を数字的に測定する必要がない。そのため目盛りなどはついていないが、プロトラクターは竿の端に分度器がついていて、墨つけする角度を測定することができる。設計図に従って墨つけする場合や、作品から設計図を起こして数値的に記録する場合に便利に使える道具だ。

分度器の目盛りを必要な角度に合わせれば正確な角度で墨つけできる

 

筋を切り込んで墨つけする/ケビキ

硬木で作られており、竿(横方向のパーツ)の先には小刃がついている

竿の端に取りつけた小刃で筋を引く道具。小刃で引いた筋は鉛筆で引いた筋に比べて圧倒的に細いので、それだけ精密な墨つけができる。ホゾで組む家具作り、指物作りには、シラガキとともに欠かせない道具だ。小刃は鋼なので、切れ味が悪くなったら鋭く研ぎ、いつでも軽くケビキが引けるように手入れが必要だ。

必要な長さに竿を設定し固定したら、材の端に台を密着させ、小刃で筋を引く

 

筋で墨つけするための小刀/シラガキ

シラガキは写真のようにシンプルなデザインの道具

柄のない小刀といったデザインをした、材に筋を引く(墨つけする)ための刃物。工作用の小刀にくらべて刃の角度が少なく刃幅が短いのが特徴で、鉛筆のように持って筋を引きやすくなっている。刃は片刃で、ときどき研いでいつも軽く筋を引けるように手入れしておく必要がある。この道具はケビキと同様に、ホゾで組む家具作りや指物作りでよく使われる。

鉛筆と同じように使って材にけがく(筋を引く)ことができる

 

欧米の木工家がケビキと言えばこれ/ホイールマーキングゲージ

ホイールマーキングゲージは先端にホイールカッターのついたシャフトと、真ちゅうのフェンスを組み合わせた欧米で使われるケビキの仲間

ステンレスのシャフトに、木製の柄がついた真ちゅうのフェンスを組み合わせたウッドリバーのホイールマーキングゲージ。ホイールマーキングゲージは西洋ケビキと呼ばれる道具で、フェンスを材に滑らせながら、シャフト先端についたホイールカッターで材に筋を引く。シャフトの先端にカッターがついているので、小刃の位置が竿の先端でないケビキよりも、筋を引ける範囲の自由度が高い。

フェンスから必要な寸法でシャフトを伸ばし、シャフト先端のホイールカッターで筋を引き、墨つけできる

 

自然木や多角形でも簡単に中心に墨つけできる/センターファインダー

センターファインダーは一辺が15cm程度のプラスチック板にフェンスを立てた道具

製材された丸棒はもちろん、自然木の丸太や、多角形の角材の木口のセンターを簡単に墨つけできる道具。半透明のプラスチック板の上に90度と60度に設定されたフェンスが立ててあり、そこにセンターを墨つけしたい材をあてて、板の真ん中にあいたすき間の定規で墨線を引く。材にあてる部分をずらして何本か線を引けば、全部の線が交わったところが、その材のセンターということになる。

フェンスで材をはさみ、写真のように線を引くとセンターを墨つけできる

 

円やカーブを墨つけする/コンパス、手作りコンパス、缶類、雲形定規

円を墨つけする道具の基本はコンパス。学生時代から使っていたものがあればそれで十分。普段の墨つけに鉛筆を使っているなら写真のように鉛筆を取りつけて使えるモデルが便利だ。

鉛筆を取りつけるタイプのコンパス

コンパスで引けないような大きな円を墨つけする場合は、木製の定規などを使って大きな半径で墨つけできるコンパスを手作りすることができる。一方の端にビスを打ち、必要な半径で鉛筆を差し込む穴をあけるだけでできあがりだ。

使わない木製の直定規の端にビスを打ち、必要な寸法に鉛筆を差す穴をあける

 

センターをビスで固定すれば大きな半径の円を墨つけできる

材の角に角丸を墨つけするときは、写真のように缶やテープなどのカーブを利用すると安定した墨つけができる。

缶類も安定したカーブの墨つけに利用できる

 

テープやテープの芯を利用して カーブを墨つけできる

もっと複雑なカーブを墨つけするには、製図用の雲形定規を使う。雲形定規はさまざまな半径のカーブを組み合わせた定規で、定規の中から自分の必要なカーブを選んで墨つけする。必要なカーブをつなげていけば複雑な墨つけも可能だ。

複雑なカーブを組み合わせた雲形定規

 

定規から必要なカーブを探して墨つけする

墨つけするための道具の種類と使い方 part1・超実践的DIY道具ラボ【1】

テーマ別に便利な道具のいろいろを紹介する本企画。今回は、正確できれいな木取りの前に欠かせない作業「墨つけ」のための道具を紹介。切断のための線引きの道具といった単純な見方ではくくれない、墨つけにこだわった便利な道具を紹介しよう。

 

墨線がくっきり引ける/工事用シャープペン2.0mm

一般の筆記具にはない、芯の太さが2mmある工事用に開発されたシャープペン。鉛筆や一般のシャープペンに比べて、よりくっきりした線を引くことができる。2mmという太さはノコギリ用の墨つけには若干広いが、丸ノコ用とすればとても使いやすい芯幅で墨つけできる。芯の色は黒、赤、白があり、木材以外の鉄、モルタル、防水紙など、墨つけする材に合わせて使い分けることができる。

見やすい墨線をくっきりと引くことができる

 

時間が経つと消える墨線/工事用消えるマーカー細字丸芯

合板、鉄、ガラス、プラスチック、コンクリート、塩ビ、布、皮革に使える消えるマーカー。植物から抽出した人体に無害なインクを使用する細字のマーカーは、墨つけ後72時間で自然に消えてしまう。作業後に放っておけば消えてしまうので墨つけの消し忘れを心配することもない。水性インクなので急ぐ場合は水拭きすれば消える。

木材に引くとほんのり紫がかった薄茶で線が引ける

 

3日後には線が消えている

 

ボード類に素早く正確にビス打ちピッチをマーキング/ビスピッチマーカーマルチ5段ピッチ

小屋の壁や屋根など、長さのある部分に正確な間隔で、ビス打ちの位置を墨つけできる道具。メインブロックのカートリッジで墨つけ間隔をセットし、材の端にガイド定規を突きつけて材の上をスライドさせれば、指定した間隔ごとにビス打ちの目安になる点がマーキングされる仕組みになっている。ふたつセットされたカートリッジで対応するピッチは100mm、150mm、200mm、250mm、300mmの5種類。エクステリアのDIYからインテリアのリフォームまでさまざまな場面で使える。

ガイド定規を材の端にあて動かせば写真のように点でビス打ちの位置をマーキングできる

 

アメリカン大工必携の墨つけグッズ/スピード定規

二等辺三角形をしたスピード定規。右の辺に材に引っかけるフェンスが立ち上がっている

アメリカのフレーマー(住宅組み立て大工)に広く使われている45度、90度、各種傾斜角などを確実に測定、墨つけできる道具。英語ではスピードスクエア。スピードスコヤとも呼ばれる。いろいろな大きさのモデルがあり、日本のサシガネのような感覚で使うことができる。45度と90度は定規の一辺に立ち上がるフェンスを材の端に突き当てれば簡単に測定、墨つけができる。国内のホームセンターでも徐々に見られるようになってきた。写真のものは12インチのモデル。

フェンスを材に引っかけて突きあてれば、素早く90度と45度の墨つけができる

 

90度と45度を組み合わせたスコヤ/止型スコヤ

台の右側が45度、左側が90度になっている止型スコヤ

片方が90度、反対側が45度に設定されたコンビネーションスコヤ。写真のモデルは商品名は止型スコヤとなっている。使い方は長辺に設定された厚めに作られた台を材の端に押しつけるだけ。必要に応じて、台から90度、45度を墨つけすることができる。90度の辺の長さが100mmの設定と比較的小型で、目盛りもついているので、家具木工など小型の作品づくりで重宝されている。

台を材の端に引っかけて密着させれば90度と45度を正確に墨つけできる

 

DIYからプロまで直角墨つけの必需品/スコヤ

腕の長さが25㎝ある目盛りつきのスコヤ。腕の付け根角を材に突きつければ45度も墨つけできる

利用する人も多く、作業中もっとも頻繁に使われる直角定規がスコヤだろう。写真のように片方の腕が厚く作られたL字型の定規で、台と呼ぶ厚い腕を材の端に押しつければ、片方の腕が台に対して正確に直角を指してくれる。単純な構造の道具だが、クラフトや指物に使いやすい小さなものから、エクステリアの小屋作りなどに使える大きなものまで、腕の長さで5cm程度から30cm程度まで選択できる。

台を材に突きつければ、自動的に台の直角に墨つけできる

 

任意の角度に設定して墨つけできる/自由スコヤ

腕(写真上部分)が自由な角度に動かせる構造になっている

定規の端についているネジで、任意に設定した角度に固定して使うことができるスコヤ。45度や90度以外に設定された角度を、別の部分に墨つけするときなどに使われる。腕の長さが15cmのモデルと25cmのモデルがあるので製作する作品の大きさに合わせて選択すればいいだろう。作品のバリエーションを広げてくれる、使い勝手のよい墨つけ道具。

使い方。まず必要な角度を自由スコヤに移して固定

 

別の部材に角度を写して墨つけする

 

連続して寸法を写す際に、設定長さを固定する/直尺用ストッパー

写真は15cmと30cmの直定規にストッパーを取りつけたところ

金属製の直定規と組み合わせて使うストッパーで、特定の長さや深さを設定して、その寸法を写す場合に便利に使える。材の位置を決める墨つけや、ホゾ作りなどでは、これがあるとないとでは、作業のはかどり具合が全然違ってくる。15cm、30cm、60cm、1mなどの定規に合わせたサイズが販売されている。ストッパーだけ単品で購入するときは自分の直定規に取りつけることができるか、実際に定規を持って買いにいけば間違いはない。

ストッパーは普段は取り外しておける

 

使い方。必要な深さ(長さ)をストッパーで固定

 

対になる部材に固定した寸法を墨つけできる