“自己肯定感”を高めたい…幸福学研究者が教える幸せになるために心がけたい思考習慣

いま誰もが、忙しい日々に追われ周囲の視線を気にして、自分を見失っているのではないでしょうか? 毎日がもっと楽しくて、幸せに感じられるものならいいのに——。落ち込む時代の空気に反比例するように“ウェルビーイング”が重視されるなか、幸せを科学的に研究・実証する「幸福学」が注目されています。

 

幸福学とは、心理学を基礎として、統計的にどういう人が幸せなのかを明らかにしていく学問のこと。この連載では、幸福学を研究する前野マドカさんに、さまざまな視点から幸せを感じる習慣や思考法など、「幸せになる方法」を教えていただきます。第6回のテーマは、大人が自己肯定感を育むためにできること。

 

どうせ私なんて…は思考の悪癖。幸福学研究者が教える負の思考習慣をリセットする方法と効果

 

自分で自分をねぎらう習慣

———今回のテーマは「自己肯定感」。よく耳にする言葉になりましたが、あらためてどういったものなのか、教えてください。

 

「自己肯定感とは、文字の通りで “ありのままの自分を肯定し認めてあげること” を言います。自己肯定感には、自分の存在そのものを認める『絶対的自己肯定感』と、他者評価や成功体験によって育まれる『社会的自己肯定感』の2種類があるんです。最近よく言われている “自己肯定感が低い”“高い”という話は、絶対的自己肯定感のこと。絶対的自己肯定感の高い人は、自分のいいところもダメなところも含めて、自分を肯定できている人といえます」

 

幸福学の第一人者で、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授との夫妻で研究、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事なども務める、前野マドカさん。

 

———その絶対的自己肯定感は、どうやって育まれるのでしょうか?

 

「絶対的自己肯定感は、主に幼少期に育まれるものです。テストでいい点を採ったから、試合で活躍したからではなく、“存在しているだけで素晴らしい” と感じられる体験をどれだけしてきたかが影響します」

 

———そんな体験をしてこれたかどうか、自信がない……という大人は多そうです。

 

「もし幼少期に絶対的自己肯定感を育めなかったと思う人でも、不安にならないでくださいね。大人になってからでも高めることができます」

 

———安心しました。今からでもできる、自己肯定感の高め方を教えてください。

 

「今日からでも、すぐに始められますよ。道具は必要ありません。毎日シャワーを浴びる時、ポジティブな言葉のシャワーも一緒に浴びる “ホメホメシャワー” を試してみてください」

 

———“ホメホメシャワー” ですか?

 

「これは、実際に毎日大きなプレッシャーやストレスに直面している海外のハリウッドスターが実践していることです。『俺はできる』とか『私は最高!』なんて前向きな言葉を、シャワーと一緒に浴びるもの。“シャワーを浴びたら、自分を褒める” と習慣化するのがおすすめです。
寝る前に『私は今日も一日よくがんばった』と、自分に対して言ってから眠るだけでもいいんです。自分で自分をねぎらってあげることが、絶対的自己肯定感を育むことにつながります

 

———頭のなかで唱えるのではなく、声に出して言ったほうがいいんでしょうか?

 

「できれば声に出して言うことをおすすめします。自分で再度聞くことになりますから、より効果的ですよ」

 

誰かの自己肯定感を高めるためにできること

———自分で自分を褒めることが大切なんですね。逆に、他者の自己肯定感を高めるためにできることはありますか? 同僚や友人、パートナーや子どものためにできることがあれば知りたいのですが。

 

「ただ『すごい』や『えらい』とポジティブな言葉を伝えるだけでなく、何がすごいのか理由を一緒に伝えてあげましょう。すでにできていることやいいところの理由と一緒に伝えることで、自分の存在を認められるようになります」

 

———大人になると、褒めても「いやいや、私なんて」と謙遜する人も多いですよね?

 

「謙虚ですよね。とくに日本人は、照れ隠しで『いや』とか『そんなことない』とまず否定してしまう人も多いと思います。褒められたら最初に『ありがとう』と受け入れてみましょう。自己肯定感が高いアメリカの友人には、『その服かわいいね』と言うと『I know!』と返されます(笑)。自己肯定感が高い人の言葉を真似て、自分の自己肯定感を高めてみましょう」

 

———本当にちょっとした心がけで、自己肯定感を育んでいけるのですね。

 

自分で自分をいたわる。誰かに褒められたら、受け止める。『ありがとう』が承認になるので、褒めた相手も心地よくなれますよね。これは家族、同僚、友人、恋人、すべての人間関係に共通します。
先日、女子大学生向けのフォーラムに参加したのですが、『自分のことを好きな人』はたった2割程度だったんです。普通が6割、それ以外が2割。ところが、それが小学生低学年だと、ほとんどの人が『自分のことを好き』と手を挙げてくれます。年齢を重ねていくうちに人と比べる機会が増えるので、自分を好きだと認められなくなるんですよね」

 

———幸せな人は人と自分を比べない、幸福度は主体性と大きく相関があるというのは前回のお話にもありましたね。

 

「そうですね。幸せになるためには、主体性が大切。まずは自分が幸せになることで、自然と自己肯定感も高くなっていくでしょう。
もしどうしたら幸せになれるの? と迷ったら『幸せの4つの因子』を思い出し、自分はどんな時に幸せを感じるのか? 自分に足りないところはどこなのか? 照らし合わせてみるのがおすすめです」

 

幸せの4つの因子

■「やってみよう!」因子
・主体的にやりたいことに取り組んでいる人
・得意なことがあり、それを伸ばそうと努力をして強みをさらに高める人
・好きなことがあり、それを突き詰めようと打ち込んでいる人

 

■「ありがとう!」因子
・人の喜ぶ顔を見たいと思う人
・困っている人を支援したいと思う人
・他者とのあたたかい付き合いに感謝している人

 

■「なんとかなる!」因子
・考えすぎず物事を決断できる人
・失敗しても気持ちを切り替え立ち直るのが早い人
・自己受容できている人

 

■「ありのままに!」因子
・地位財形型の競争を好まない人
・自己像が明確な人
・他者への許容度が広い人

 

「小さなことからコツコツと幸せを積み重ねていきながら、幸福度、さらには自己肯定感を育んでいきましょう」

 

「幸福学」研究者が科学の力で導き出した、自分らしくいるための習慣「一杯のお茶をじっくりと味わう」

 

幸せになる思考習慣……「ホメホメシャワーで自己肯定感を高める」

・自己肯定感には、絶対的自己肯定感と社会的自己肯定感の2種類がある
・大人になってからでも自分を労ることで絶対的自己肯定感を高められる
・褒められたら、謙遜や否定をせず「ありがとう」と受け止める

 

「自己肯定感が低いな」と感じた人は、今夜からホメホメシャワーを実践してみませんか? まずは試してみる、これは幸福度の「やってみよう!」因子ともつながります。自分ができるところから行動し、暮らしの中の幸福度を高めていきましょう。

 

 

Profile

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社)などがある。

どうせ私なんて…は思考の悪癖。幸福学研究者が教える負の思考習慣をリセットする方法と効果

いま誰もが、忙しい日々に追われ周囲の視線を気にして、自分を見失っているのではないでしょうか? 毎日がもっと楽しくて、幸せに感じられるものならいいのに——。落ち込む時代の空気に反比例するように“ウェルビーイング”が重視されるなか、幸せを科学的に研究・実証する「幸福学」が注目されています。

 

幸福学とは、心理学を基礎として、統計的にどういう人が幸せなのかを明らかにしていく学問のこと。この連載では、幸福学を研究する前野マドカさんに、さまざまな視点から幸せを感じる習慣や思考法など、「幸せになる方法」を教えていただきます。第5回は、自分の意識を変える“マインドセット”の方法について。

 

無意識のシャットアウトに気づくこと

———これまでの連載で、幸せが伝播することや幸せになる方法を教えていただきました。今回のテーマは、自分の意識を変える、です。幸せになる方法は理解できても、「どうせ私は幸せになれない」と思ってしまう人も多いのではないでしょうか?

 

「人間には、思考のクセがあるんです。思い込みは自分では気づきにくいものなので、幸せになる方法をわかっていても、いざ幸せを手にしようとした時『どうせ私なんて……』とシャットアウトしてしまうことも。これは無意識にやっていることなので、意識的に幸せになろうとすることが大切です」

 

幸福学の第一人者で、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授との夫妻で研究、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事なども務める、前野マドカさん。

 

———どうしたらその無意識に気づけるでしょうか?

 

「仲良しのお友だちや家族に『私ってどんな口癖がある?』『私はいつもどんな顔している?』など、聞いてみましょう。自分では気づけない部分を教えてくれることがあります。他にも『私はどんな性格だと思う?』なんて素直に聞いてみると、思ってもいなかったようなことを教えてくれる人が出てくるかもしれません。新たな自分を発見できると、無意識の部分が見つかりやすくなりますよ。

 

———たしかに、周囲の人のほうがよくわかってくれている、ということはありますよね。

 

「そうですよね。また第1回でお伝えしましたが、自分の価値観に合う幸せをピックアップすることが大切です。幸せにテンプレートはありませんし、幸せは誰かの物差しで決めるものではありません。下にある幸せの4つの因子と照らし合わせながら、自分はどんな時に幸せを感じるのか、考えてみましょう」

 

幸せの4つの因子

■「やってみよう!」因子
・主体的にやりたいことに取り組んでいる人
・得意なことがあり、それを伸ばそうと努力をして強みをさらに高める人
・好きなことがあり、それを突き詰めようと打ち込んでいる人

 

■「ありがとう!」因子・人の喜ぶ顔を見たいと思う人
・困っている人を支援したいと思う人
・他者とのあたたかい付き合いに感謝している人

 

■「なんとかなる!」因子
・考えすぎず物事を決断できる人
・失敗しても気持ちを切り替え立ち直るのが早い人
・自己受容できている人

 

■「ありのままに!」因子
・地位財形型の競争を好まない人
・自己像が明確な人
・他者への許容度が広い人

 

幸福学研究者が教える、幸せになる思考習慣…「幸せ」の定義とは? 幸せは自分の物差しで決めること

 

———一方で、「幸せになれないのは、〇〇のせい」と自分以外に原因を探ろうとしてしまう場合もありますよね?

 

「幸せな人は、そもそも他人と比べることが少ないんですよ。幸福度には主体性と大きく相関があることが幸福学の研究でわかっています。つまり、幸せになりたいならまずは自分を幸せな状態にする。誰かに幸せにしてもらうものではないんですよね」

 

———ドラマや漫画でよくみる「幸せにしてあげるね」っていうセリフは、ちょっと違うとも言えますね。

 

「とっても素敵な言葉ですが、一緒に幸せになろうね、がいいかもしれませんね。もし家族や友人など関わる人たちの幸せを願うなら、『〇〇さんは幸せになれる』ってマインドセットをするのがおすすめですよ」

 

———マインドセットですか?

 

「例えば、なかなか心を開いてくれない友人がいるとします。『どう接したらいいかわからない』と思いながらコミュニケーションしていくと、不思議なことにその思いが言葉や体に表れてしまうんです。これは相手にも無意識に伝わってしまうものなので、友人は『この人は私のことを苦手だと思っている』と、さらに高い壁を築いてしまいます。

 

ただ『この人は変われる、幸せになれる』と自分のマインドを変えて話しかけてみると、声のトーンや表情が明るくなりコミュニケーションが変化するんです。相手もそれを感じとり、話しやすい雰囲気が生まれていきます。本当にちょっとしたことなのですが、『仲良くなりたい』とか『幸せになれる』とマインドセットして接するだけで相手の心は開かれるようになりますよ」

 

———無意識に相手の感情が伝わってくる感覚、わかります。このマインドセットは、いろいろな場面で活用できそうですね!

 

「相手を変えようと思う前に、自分のマインドを変えてみる。そうすると、人間関係はよりよい方向へ向かっていくでしょう。とはいえ、すぐに変わるものではありません。『〇〇はできない』『〇〇なんて無理』と無意識に決めつけてしまう人は、大きな氷の塊を少しずつ砕いていくイメージでコツコツと続けてみましょう」

 

幸せになる思考習慣……「『幸せになれる』とマインドセットする」

・幸せになれないと感じているのは、思考の“クセ”にすぎない
・無意識のクセや思考を意識してみよう
・より良い人間関係を築くためのマインドセットをしてみよう

 

「どうせ私なんて……」と思うことは無意識のクセにすぎません。自分では気づけない部分に気づけると、誰もが幸せへの一歩を踏み出せるようになるはず。次回は「大人が自己肯定感を育むためにできること」を紹介します。

 

Profile

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社)などがある。

 

他者貢献の実感が子どもを育む!幸福学研究者が教える子どもとともに幸せを感じる思考習慣

いま誰もが、忙しい日々に追われ周囲の視線を気にして、自分を見失っているのではないでしょうか? 毎日がもっと楽しくて、幸せに感じられるものならいいのに——。落ち込む時代の空気に反比例するように“ウェルビーイング”が重視されるなか、幸せを科学的に研究・実証する「幸福学」が注目されています。

 

幸福学とは、心理学を基礎として、統計的にどういう人が幸せなのかを明らかにしていく学問のこと。この連載では、幸福学を研究する前野マドカさんに、さまざまな視点から幸せを感じる習慣や思考法など、「幸せになる方法」を教えていただきます。第4回は、子どもと一緒に幸せを感じるために今日からできることをお伝えします。

 

幸せは伝播する!幸福学研究者が教える幸せのスパイラル現象を巻き起こす思考習慣とは

 

親子でワクワクする時間を増やしていく

———まずは自分自身が「幸せ」と感じることが大切だということを教えていただきました。今回のテーマは、家族。とくに子どもの幸せについて教えていただけますか?

 

「世の中のお父さんやお母さんは、無条件に子どもに『幸せになってほしい』と思っている方が多いですよね。それなのに子どもに怒ってしまったり、厳しいことを言ってしまったり。『なんでこんなことしてしまったんだろう』と自己嫌悪に陥ってしまう人もいます。厳しい方が教育上いいと考えている人もいるかもしれませんが、幸福学の観点から考えると怒られて伸びることはほとんどありません」

 

幸福学の第一人者で、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授との夫妻で研究、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事なども務める、前野マドカさん。

 

———多少厳しくしたほうが子どものためになるのでは、と思っていました。

「実はお子さんの学びが身につくタイミングは、面白がっている時とワクワクしている時。お子さん自身がワクワクするほど、学んでいくことができるんです。例えば、勉強が苦手というお子さんであれば、親御さんから『お父さん・お母さんに勉強を教えて』とか『一緒に勉強しようか』と、本人が主体的にやりたくなるようなきっかけを作ることが大切。ついつい『宿題やりなさい!』と命令したくなりますが、ワクワクするような仕掛けを入れてあげることがポイントなんです。大人と子どもが一緒に並んで作業することもおすすめですよ」

 

———作業ですか?

「お子さんが宿題をやっている隣で親御さんが家計簿をつけたり、パソコンで仕事するのもいいですね。一緒に同じような作業ができると楽しいですよね。また勉強することの目的も伝えてあげると、主体的に楽しみを見出してくれますよ」

 

“他者貢献”の実感が子どもを育む

———理屈ではわかっているのですが、なかなか言うことを聞いてくれなかったり、やることをやってくれなかったり……。どうしても怒ってしまいそうな時は、どうしたらいいでしょうか?

 

「ゲーム感覚でお手伝いをしてもらうことから始めてみてはどうでしょうか。もうゲームはやめなさい! と叱るのではなく、『どっちが早くおもちゃの片付けができるか競争しよう』とか『洗濯物を畳む競争しよう』となるべく、楽しく、ワクワク、やらされている感がないよう、面白そうなお手伝いに誘導することがポイントです。お手伝いができたら『〇〇ちゃんが***してくれて助かったよ』と、必ず一言をそえてあげること。子どもでも他者貢献できていると感じると、幸福度が高まります。また手伝ってもらうことで家事も減らせるので、一石二鳥どころじゃないはずですよ!」

 

———親子でワクワクする時間を増やしていくことが、幸福度を高めていくんですね。

 

「他者貢献は、お子さんの感性も育みます。お手伝いって生活に欠かせないものなので、とってもいいしつけになりますし、自立する際にも役立つんです。また、子供の頃のお手伝いの記憶は、“お父さん・お母さんと一緒にやった楽しい思い出”としてしっかり残ります。大切な思い出を振り返りながら、部屋を片付けたり、洗濯物を畳んだりする経験は、お子さんの幸福度をより高めてくれるでしょう。

 

ちなみに、幸福感の高い人は創造性が3倍もあるって言われているんです。以前もお伝えしたように、幸せって伝播します。まずは親御さんが幸せになる、そしてお子さんや周りの家族へと幸せを伝播させる。さらにお手伝いを通じて、お子さんが他者貢献を実感することができれば、親子でもっと幸せになれますよね。下記にある『幸せの4つの因子』を伸ばしながら、親子で幸せになりましょう」

 

幸せの4つの因子

■「やってみよう!」因子
・主体的にやりたいことに取り組んでいる人
・得意なことがあり、それを伸ばそうと努力をして強みをさらに高める人
・好きなことがあり、それを突き詰めようと打ち込んでいる人

 

■「ありがとう!」因子
・人の喜ぶ顔を見たいと思う人
・困っている人を支援したいと思う人
・他者とのあたたかい付き合いに感謝している人

 

■「なんとかなる!」因子
・考えすぎず物事を決断できる人
・失敗しても気持ちを切り替え立ち直るのが早い人
・自己受容できている人

 

■「ありのままに!」因子
・地位財形型の競争を好まない人
・自己像が明確な人
・他者への許容度が広い人

 

幸せになる思考習慣……「親子でワクワクする時間を過ごす

・学びが身につくのは、面白がっている時、ワクワクしている時
・他者貢献で幸福度を高める
・お子さんが上手にお手伝いできたら「〇〇ちゃんが***してくれて助かったよ」と必ず伝える

 

 

子どもに幸せになってほしいと思う気持ちは、どんな親も感じていること。子どもの幸福度を高める方法として、一緒にワクワクしながら「楽しくお手伝い」を実践してみましょう。次回のテーマは「相手を変えることはできない。まず、自分の意識を変える」を紹介します。

 

 

Profile

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社)などがある。

幸せは伝播する!幸福学研究者が教える幸せのスパイラル現象を巻き起こす思考習慣とは

いま誰もが、忙しい日々に追われ周囲の視線を気にして、自分を見失っているのではないでしょうか? 毎日がもっと楽しくて、幸せに感じられるものならいいのに——。落ち込む時代の空気に反比例するように“ウェルビーイング”が重視されるなか、幸せを科学的に研究・実証する「幸福学」が注目されています。

 

幸福学とは、心理学を基礎として、統計的にどういう人が幸せなのかを明らかにしていく学問のこと。この連載では、幸福学を研究する前野マドカさんに、さまざまな視点から幸せを感じる習慣や思考法など、「幸せになる方法」を教えていただきます。第3回は、周りの人も幸せにする方法を考えます。

 

幸福学研究者が教える“幸せ”になる思考習慣…いつも機嫌良くいるための考え方

 

「あ~幸せ」と言うだけでもいい。
伝播する幸せ

———これまで「幸せの定義」と「ストレスとの向き合い方」について教えていただきました。今回は少し視野を広げて、「他者を幸せにしたいと思ったら何をしたらいいか」をうかがえますか?

 

「とても壮大なテーマですね! 最近は“ウェルビーイング”という言葉も一般的になって、自分自身の幸せはもちろんのこと、“組織”の幸せ、“社会”や“世界”の幸せについて考える機会も増えてきたのではないでしょうか? ウェルビーイングとは、自身の体と心、地域社会や自分の所属しているところが“いい状態”であることを言いますが、大前提として自分自身がウェルビーイングな状態であることが大切なんです」

 

幸福学の第一人者で、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授との夫妻で研究、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事なども務める、前野マドカさん。

 

———ひとりひとりが幸せにならないと、社会全体も幸せになれないということでしょうか?

 

「今の社会には、自分自身がいい状態ではないのに、他人のために頑張ってしまう人が多いんです。とくに医療や介護、教育などのエッセンシャルワーカーにその傾向が強いのですが、他人のことばかりを優先してしまい、自分がバーンアウト(燃え尽き症候群。突然やる気を失ってしまうこと)してしまう。
『誰かを幸せにしたい!』と思う前に、自分が幸せになるために必要な『幸せの4つの因子』を思い出していただきたいですね。まずは自分が幸せになる、これが自分の周りや社会を幸せにするための第一歩になりますから」

 

幸せの4つの因子

■「やってみよう!」因子
・主体的にやりたいことに取り組んでいる人
・得意なことがあり、それを伸ばそうと努力をして強みをさらに高める人
・好きなことがあり、それを突き詰めようと打ち込んでいる人

 

■「ありがとう!」因子
・人の喜ぶ顔を見たいと思う人
・困っている人を支援したいと思う人
・他者とのあたたかい付き合いに感謝している人

 

■「なんとかなる!」因子
・考えすぎず物事を決断できる人
・失敗しても気持ちを切り替え立ち直るのが早い人
・自己受容できている人

 

■「ありのままに!」因子
・地位財形型の競争を好まない人
・自己像が明確な人
・他者への許容度が広い人

 

———幸せな人が、新たな幸せを生み出していくんですね。具体的にどんなことをすればいいのでしょうか?

 

「“2-6-2の法則”をご存知でしょうか? あらゆる集団において、パフォーマンスが高い人が2割、平均的な人が6割、パフォーマンスが低い人が2割に分類されるというものです。
例えば、会社の中に楽しそうに仕事をしている人が2割、無難に仕事をしている人が6割、ネガティブな人が2割いたとしましょう。ある実験で、楽しそうに仕事をしている2割の人がより楽しそうに過ごすと、楽しそうに仕事をする割合が増えた、つまり幸せが移ったという研究結果が出たんです。これは、どのような環境でも同じ。『類は友を呼ぶ』ということわざがあるように、人間は環境に影響されやすい生き物ですから、自分が良いと思う方、楽しそうな方へ、共感していくんです」

 

———それは、逆に不幸も伝播してしまうってことですよね。できることなら幸せを広げたいですね。

 

「心からワクワクすることは、誰かに言われなくても進んでやってしまうもの。ポジティブな面を見せていくと、自然と主体的に幸せになれます。恩着せがましい感じではなく、自分が素直に感じたうれしいことを相手に伝えるだけでいいんです。
例えば同僚と一緒にランチを食べて感想を共有したり、仕事でうれしかったことを共有したり、うれしい気持ちを表現するのに『あぁ~幸せ』と言うだけでもいいんです。ちょっとしたことを積み重ねていくことが大事ですよ」

 

———自分が幸せになれば、周りの人も幸せになるなんて素敵ですね。まずは自分が幸せになろう、と思えます。

 

「幸せだと“利他的”になるので、相手との関係性もどんどんよくなります。何かあれば応援してくれる、助けてくれると幸せのスパイラルがどんどん巻き起こっていくんです。幸せな人の家族、友達、同僚は、みんな幸せ。周りの人を幸せにしたいなら、まずは自分から幸せになりましょう」

 

幸せになる思考習慣……「社会の幸せを願うなら、自分から幸せになろう

・幸せは伝播する
・自分自身が幸せにならないと、ウェルビーイングな社会は作れない
・幸せな状態だと利他的になるので、幸せのスパイラルが起こりやすい

 

 

誰かを幸せにしたいと思う気持ちは素晴らしい心です。しかし自分が幸せでなければ、どんどん辛くなるばかり。自分自身が「幸せだ」と感じることが何より大切なんですね。次回は「子どもと一緒に幸せを感じるために、今日からできること」を紹介します。

 

 

Profile

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社)などがある。

幸福学研究者が教える“幸せ”になる思考習慣…いつも機嫌良くいるための考え方

いま誰もが、忙しい日々に追われ周囲の視線を気にして、自分を見失っているのではないでしょうか? 毎日がもっと楽しくて、幸せに感じられるものならいいのに——。落ち込む時代の空気に反比例するように“ウェルビーイング”が重視されるなか、幸せを科学的に研究・実証する「幸福学」が注目されています。

 

幸福学とは、心理学を基礎として、統計的にどういう人が幸せなのかを明らかにしていく学問のこと。この連載では、幸福学を研究する前野マドカさんに、さまざまな視点から幸せを感じる習慣や思考法など、「幸せになる方法」を教えていただきます。第2回のテーマは、いつも“ごきげん”で心地よくいるためのコツ。

 

幸福学研究者が教える、幸せになる思考習慣…「幸せ」の定義とは? 幸せは自分の物差しで決めること

 

ごきげんでいるためには、ストレスと上手に付き合うこと

———第1回では「幸せとは何か?」についてお話しいただきました。幸せとは、自身で決めて感じるものであり、『幸せの4つの因子』を伸ばしていくことが大切なんですね。

 

「幸福学では、以下に挙げる4つの幸せの因子を伸ばしていくことが、幸せをより感じやすくなると定義しています。今の自分にはどの因子が足りていないのか、俯瞰して考えてみると幸福度を高めていけるはず。いつも“ごきげんな状態”でいられます」

 

幸福学の第一人者で、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授との夫妻で研究、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事なども務める、前野マドカさん。

 

幸せの4つの因子

■「やってみよう!」因子
・主体的にやりたいことに取り組んでいる人
・得意なことがあり、それを伸ばそうと努力をして強みをさらに高める人
・好きなことがあり、それを突き詰めようと打ち込んでいる人

 

■「ありがとう!」因子
・人の喜ぶ顔を見たいと思う人
・困っている人を支援したいと思う人
・他者とのあたたかい付き合いに感謝している人

 

■「なんとかなる!」因子
・考えすぎず物事を決断できる人
・失敗しても気持ちを切り替え立ち直るのが早い人
・自己受容できている人

 

■「ありのままに!」因子
・地位財形型の競争を好まない人
・自己像が明確な人
・他者への許容度が広い人

 

———幸せかどうかは自分が決めるとわかっていても、周りからのストレスに押しつぶされてしまうことがありますよね。ストレスに負けず、常にごきげんな状態を保つにはどうしたら良いのでしょうか?

 

「多くの人は、『ストレスは悪いもの』というイメージを持っているのではないでしょうか。実は、自分のモヤモヤやイライラなど、心と体の疲れに気づかせてくれるありがたい存在なのです。ストレス=悪だと思うから、そこに蓋をしよう、我慢しよう、逃げようと思ってしまいますが、しっかりと自分で感じ取ることが大切。自分の心が、怒っているな、悲しいな、悔しいなとストレスからどんな感情を受けているのか、まず把握しましょう」

 

———ストレスを受けないように、とばかり考えてしまいがちですよね。

 

「ストレスを受けても、そのストレスに侵されなければいいんです。ストレスを把握できたら、あとはそれを発散するだけ。発散方法は、音楽を聴く、甘いお菓子を食べる、銭湯に行く、カラオケに行く……なんでもいいんです。私の周りにいる“いつもごきげんな人”は、ストレス発散が上手な人が多いんですよ」

 

———みなさん、どのように発散されているのでしょうか?

 

「ある企業で代表をされている方は、以前はストレスを受けても根性で歯を食いしばって乗り越えていたそうです。しかし、心がつぶれてしまった。それ以降、ちょっとでもストレスを感じたら、『自分で自分を甘やかしている』そうです。コーヒーをゆっくり飲んだり、お友達とカラオケに行ったり、どんどんストレス発散をしてコントロールできるようになったと教えてくれました。

 

ほかにも、『ストレスを感じたら30分で立ち直る』と決めている方もいらっしゃいました。その方は、心のざわつきを感じたら30分ほど時間をとって、鍵付きの日記帳に自分の心の素直な気持ちを書き綴るのです。ポイントは誰にもみられない場所で、誰にも読まれないものに書くこと。とにかく30分は誰にも邪魔されず素直な自分と向き合えるので、残りの1日を幸せに過ごせると教えてくれました」

 

———発散方法は人それぞれでいいんですね。

 

「自分の取り扱い説明書を作るように、自分が何をしたら元気になるか、どうしたらストレスを発散できるか、いくつかの方法を把握しておくことをおすすめします。海釣りに行くと全部を忘れて幸せを感じる、テーマパークに行くと幸せになれる、無心でキャベツの千切りをすると元気になるなど、なんでもいいですから」

 

———悲しい時や怒っている時など、さまざまな感情の取り扱い説明書ができると、ストレスと上手に付き合えそうですね。

 

「仕事でイライラしたら、人間関係に疲れたら、恋愛でモヤモヤを感じたら、家族とギクシャクしたらなど、日頃さまざまな感情を感じているはずです。ストレスを感じた時『私は怒っていたんだな』と自分を客観的に感じるだけでも、心は落ち着いてくるでしょう。ストレスに蓋をせず、上手に発散していくことが、幸せに一歩近づくコツです」

 

幸せになる思考習慣……「ストレスはありがたい存在」

・ストレスと上手に付き合う
・いつでもごきげんな人はストレス発散が上手
・自分なりのストレス発散法(取り扱い説明書)を携えておく

ストレス発散がわからないという人は、自分自身が何をしている時に楽しみ、うれしく感じ、リラックスできるのか、そこから考えてみてもいいかもしれません。次回のテーマは「自分が幸せになれば、周りの人も幸せにできる?」です。

 

Profile

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社)などがある。

幸福学研究者が教える、幸せになる思考習慣…「幸せ」の定義とは? 幸せは自分の物差しで決めること

いま誰もが、忙しい日々に追われ周囲の視線を気にして、自分を見失っているのではないでしょうか? 毎日がもっと楽しくて、幸せに感じられるものならいいのに──。落ち込む時代の空気に反比例するように “ウェルビーイング” が重視されるなか、幸せを科学的に研究・実証する「幸福学」が注目されています。

 

幸福学とは、心理学を基礎として、統計的にどういう人が幸せなのかを明らかにしていく学問のこと。この連載では、幸福学を研究する前野マドカさんに、さまざまな視点から幸せを感じる習慣や思考法など、「幸せになる方法」を教えていただきます。第1回のテーマは、そもそも「幸せ」とは何なのか……?

 

周りの人と自分の「幸せ」を比べてしまう

──「周囲の友人や知り合いは幸せそうなのに、一方自分は……」とネガティブに考えてしまうという人は、SNSがさかんになってからより多くなっているのではないでしょうか? ズバリ伺いますが、幸せって何なのでしょうか?

 

「幸せは、自分が決めることであって、感じること。人によって、幸せの感じ方は変わるんです。つまりその人自身が『幸せだわ〜』と思えれば、幸せでOK。幸せとは、何かを頑張らないと掴み取れないもの、誰かにもたらしてもらうものって思っていませんか? 例えば、アニメのお姫様やドラマの主人公のように運命に導かれてこそ、幸せのテンプレートに当てはめてこそ幸せ! と。まずは、幸せとは自分で決めていいもの、そして自分で育むものだと意識を変えることから始めましょう」

↑幸福学の研究者、前野マドカさん。同じく幸福学の第一人者で、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授との共同研究や共著も多い

 

──幸せは自分で決めるもの! 誰かと比べたり、幸せの大きさで判断したりするものではないんですね。

 

「そうですね。幸せは他人と比べるものではありません。幸福学では、幸せには4つの因子があり、これら『幸せの4つの因子』を伸ばしていくことが幸せをより感じやすくなると定義しています」

 

幸せの4つの因子

■「やってみよう!」因子
・主体的にやりたいことに取り組んでいる人
・得意なことがあり、それを伸ばそうと努力をして強みをさらに高める人
・好きなことがあり、それを突き詰めようと打ち込んでいる人

■「なんとかなる!」因子
・考えすぎず物事を決断できる人
・失敗しても気持ちを切り替え立ち直るのが早い人
・自己受容できている人

■「ありがとう!」因子
・人の喜ぶ顔を見たいと思う人
・困っている人を支援したいと思う人
・他者とのあたたかい付き合いに感謝している人

■「ありのままに!」因子
・地位財形型の競争を好まない人
・自己像が明確な人
・他者への許容度が広い人

 

──「幸せの4つの因子」に今の自分の気持ちを当てはめてみると、足りない部分が見えますね。忙しいからと「やってみよう」と思えなかったり、不安がいっぱいで「なんとかなる」と思えなかったり、自分のことでせいいっぱいで「ありがとう」が言えなかったり……。そもそも「ありのままの自分」ってどんな自分だったかな? とか。

 

「いい気づきですね。これら4つの因子と今の自分を照らし合わせて、自分に欠けているところはどこかな? と振り返ると、自分を俯瞰できて視野も広がりますよ。実は俯瞰できる人は幸福度が高いという研究結果もあるんです」

 

──そうなんですね!

 

「それに、幸せって意外と身近にあるもの。本当の幸せは日々の生活の中にあって、それが一番感じやすいんです。そこに気づけるかどうかが、幸せになれる大切なポイントです! お金があるから、いい会社の社員だから、結婚しているから幸せなんて一体誰が決めたのでしょう? 人のモノサシや価値観で幸せは決めるのはよくないですね。大切なのは、自分の価値観に合う幸せをピックアップすることです」

 

──頭ではわかっているのですが、すぐには日々の幸せには気付けないかもしれません。小さな幸せは、どうしたら感じられるようになるのでしょうか?

 

「自分がときめいたり、ワクワクすることってなんだろう? と考えればいいんですよ」

 

──たったそれだけですか?

 

「ときめきやワクワクは、旅行や特別なイベントじゃなくて大丈夫。コーヒーのいい香りで目覚めてときめいた、キッチンに花を一輪生けたらワクワクした、好きなアーティストの新譜に感動した、電車からの景色に心が弾んだ、など。どんな時にときめいてワクワクするのか、考えてみてください。そこに幸せがありますから。多くの人は、目の前にたくさんの幸せがあるのに、自分の意識が向いていないから気づいていないだけ。仕事に行かなきゃ、今日はミスしないようにしなきゃ、家に帰ったら家事をしなきゃと日々の不安で頭がいっぱいになっていたら、幸せに気づくヒマがないですよね」

 

──自分がときめく瞬間を知り、気づくことが、幸せを感じることにもつながるんですね。

 

「自分は何をしている時に楽しくて、ワクワクして、うれしくて、リラックスしているのかを知ることって大事ですよ。どうしたら幸せになれるか悩んだら、自分がワクワクすることを思い出して、実践してみてください。そして『私は幸せだ〜』って自分のモノサシで幸せを感じてみてください。

 

もっと幸福度を上げたいと思ったら、その幸せを誰かと共有するのがいいでしょう。一緒にご飯を食べて『これ、おいしいよね』って。高級なレストランじゃなくていいんですよ。家族で囲む食卓でも、仲間とのランチでも、誰かと幸せを共有すれば自分も相手も幸せになれます。小さなことをコツコツ積み重ねて、幸せを感じていきましょう」

 

幸せになる思考習慣……「小さな幸せを積み重ねる」

・幸せかどうかは、自分で決めるもの
幸せの4つの因子」で今の自分を捉え直してみる
・日常生活の中で、心がときめく、ワクワクすることを考える
・小さな幸せを共有して、幸せを積み重ねる

 

今日から実践できるものは、すぐに取り入れてみましょう。次回のテーマは「常に “ごきげん” でいるために必要な自分のトリセツ」です。

 

プロフィール

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社)などがある。

幸福学研究者が説く、顔を5度上げて歩く効果

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、お届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣12.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く

スマートフォンやパソコンが日常生活の必需品となって、私たちは「下を向く」ことが増えています。

 

下ばかり向いていると、肩も首も凝るし、姿勢も悪くなって、気分も沈んでしまうことはありませんか?

 

大学の研究室で、学生たちと「2週間、やや上を向いて歩いてみよう」という実験をしてみました。

 

その結果、「呼吸が深くなる」「空や木々の緑など、いままで見えていなかった景色が新鮮だった」「遠くが見えて気持ち良かった」など、気分が高揚し、リフレッシュする、という意見が多く寄せられました。

 

たしかに、いつもより顔を5度上げて歩くだけで、景色が変わります。なんとなく晴れやかな気分になれるから、不思議です。

 

大股で歩くことも同じ。たとえば、いつもより5センチ、歩幅を広げるだけで、前向きな気分になれます。

 

実際、私たちはいつも、気分を変えたいときに「顔を上げて」「大股で歩く」ことを実践していますが、気がつくと、元気に、幸せな気分になっています。

 

それは、たった5分、歩いてみるだけでわかる効果です。

 

心は、体の動きにとても影響を受けています。体の動きが心を引っ張ることがあるのです。

 

少しだけ顔を上げて、少しだけ大股で歩く。

 

呼吸は自然と深くなり、空の青さや木々の緑が、気持ちをリフレッシュしてくれるでしょう。

 

出典:Carolyn Gregoire「科学が証明したすぐ幸せになれる16の方法」

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

●いつもと違う習慣で楽しみを見つける習慣
1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす

●人とのつながりで温かさを感じる習慣
17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く

●合格点を下げてラクになる習慣
27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる

●自分の素直な気持ちを受け止める習慣
35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

全50の習慣は、こちらの本で網羅されています。

 

Book Info


『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)

前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

プロフィール

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

幸福学研究者が実践する「噂話」の習慣と効果

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、お届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣11.人のいいところをうわさする

ポジティブなうわさはあまり広がらず、ネガティブなうわさはあっという間に広がっていきます。なにしろ「人の不幸は蜜の味」なんて言葉があるくらいです。

 

「人のうわさをするときは長所や成功に注目するほうが幸せ」という研究結果があります。

 

実際、私たちは誰かのうわさをするとき、「いいことしか言わない」ように心がけています。

 

誰かの長所に注目すると、それまで注目していなかっただけで、それぞれのいい点がたくさん出てくるから不思議です。

 

ところが、長所や成功などポジティブなうわさには「すごいね!」と感心する人は少なく、「そうなんだね」とサラッと流されてしまうことが多いような気がします。

 

誰かの成功話は、つらいときにはチクッと心に刺さるもの。人は、自分よりダメな人間を見つけて、安心材料にする弱いところがあります。

 

でも、その気持ちをぐっと抑えて、誰かの長所や成功をうわさしてみてください。

 

誰かの成功を共に喜ぶ、あるいは誰かの長所をみんなに伝えることを繰り返していると、だんだんと自分も気持ちが良くなるから不思議です。

 

たとえば、誰かの悪口で盛り上がっている席で「でも、あの人にもあの人なりのいいところがあるよ」と発言することは、その場の空気を邪魔するようで、ちょっと勇気がいることです。でも、そのひと言で、場を優しく変えることができるでしょう。それは、とても前向きな転換です。

 

出典:前野隆司「幸せのメカニズム」

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

●いつもと違う習慣で楽しみを見つける習慣
1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす

●人とのつながりで温かさを感じる習慣
17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く

●合格点を下げてラクになる習慣
27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる

●自分の素直な気持ちを受け止める習慣
35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

全50の習慣は、こちらの本で網羅されています。

 

Book Info

『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)
前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

プロフィール

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

 

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

幸福学研究者が説く、辛い経験や転機をプラスに転換する方法と効果

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、お届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣10.人生のターニングポイントを振り返る

人生の転機を挙げて、そこから得たことを語り合う____これは、私たちが主催するハッピーワークショップの定番のコンテンツです。

 

ワークショップでは、同じグループになった人、それぞれの転機とそれによって得たことを話し合い、共感します。グループのひとりのストーリーに注目して、メンバーが役者となって短い劇をしてもらうこともあります。それは、とても有効で楽しいアプローチです。

 

人ひとりの転機とそこから得た学びは、まるで映画や短編小説のよう。そのストーリーは、どれも、とても深く貴重なものです。

 

誰かの物語を聞くと、その人になり変わって、自分が転機を迎え、それを乗り越えた気になるから不思議です。乗り越えたときの高揚感まで体感できるのです。 “幸せのおすそ分け” ですね。

 

まずは自分のヒストリーを振り返ってください。そして、自分の転機を思い出してください。

 

つらかったり挫折した記憶がまだ新しく、思い出すのがつらいと感じる場合は、ここでは取り上げず、すでに乗り越えた転機を取り上げるのがポイントです。

 

そして、その転機によってそこから得たあなたの強みやあなたらしさを挙げてみましょう。

 

過去の「つらい経験」が、あなたを「成長させた経験」に置き換えられれば、しみじみと幸せを感じるはずです。

 

転機はひとつでも大丈夫。逆にたくさん挙げられれば、たくさん挙げてみてください。転機の数だけ幸せがあります。

 

出典=前野マドカ、前野隆司「ハッピーワークショップの幸福度向上効果」

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

●いつもと違う習慣で楽しみを見つける習慣
1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす

●人とのつながりで温かさを感じる習慣
17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く

●合格点を下げてラクになる習慣
27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる

●自分の素直な気持ちを受け止める習慣
35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

全50の習慣は、こちらの本で網羅されています。

 

Book Info


『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)

前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

プロフィール

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

 

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

幸福学研究者が説く、仕事に没頭する効果と没頭するようになる考え方

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、お届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣9.「没頭」できる仕事をする

たとえば、私なら文章を書いているときに、気づいたら「あ、もう3時間もたっていた」ということがあります。大好きな「書く」ことに集中して、時間を忘れている状態です。

 

フローとかゾーンといわれる「していることに完全に浸り、精神的に集中している感覚」になれる仕事ができれば、創造性も生産性も高まります。それはとても幸せなことです。

 

もし、あなたがそんな仕事に就いているなら、その状況を満喫してください。

 

「いまの仕事ではゾーン状態になれない」という人も少なくないと思いますが、その場合には、没頭できる仕事を探すのも一考です。

 

しかし、自分が何を得意とし、何が本当にしたいのかがわからないと、そうした仕事を探すのも難しいでしょう。

 

その場合は、新たな仕事を探す前に、いまの自分の仕事をもう一度、見直してみませんか?

 

あなたは、仕事をするとき、何か工夫をしていますか? 何かを少し変えれば、ワクワクするようになるとか、この仕事はたしかに誰かのためになっている、という自覚を持つだけで、仕事に対する認識が変わります。

 

ゾーン状態になる条件は「難しさはあるけれど、難しすぎない」こと。かんたんすぎるとつまらないし、難しすぎるとストレスになってしまいます。

 

少しはストレスを受けるけれども、成し遂げられるような仕事がいいと思います。そんなふうに仕事を進められたら、人生はとても豊かになるでしょう。

 

出典=ミハイ・チクセントミハイ『フロー』

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

●いつもと違う習慣で楽しみを見つける習慣
1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす

●人とのつながりで温かさを感じる習慣
17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く

●合格点を下げてラクになる習慣
27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる

●自分の素直な気持ちを受け止める習慣
35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

全50の習慣は、こちらの本で網羅されています。

 

Book Info

『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)
前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

プロフィール

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。

 


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幸福学研究者が説く、脳の“勘違い”から幸せな感情を引き出す習慣

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、お届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣8.小さなことに声をあげて笑う

「ほほえめば幸せを感じ、怒鳴れば怒りを感じる」という研究結果があります。

 

一見、当たり前のことに思えるかもしれませんが、メカニズムが逆です。いま、ほほえみたいと考えていない人も、無理やりにでもほほえむ表情をつくれば、幸せを感じるという研究結果なのです。

 

つまり、表情や表現が、感情に影響するということ。ただし、その影響は10秒〜5分の短い時間に限定されます。

 

ところが、この短い時間のほほえみが、ポジティブな過去の出来事や言葉を思い出させるきっかけとなり、幸福感が持続されるということも、同じ研究でわかっています。

 

さらには、声をあげて笑えば、その効果は膨らみます。声をあげて笑うことで、体内の酸素摂取量が増え、脳から放出される幸福ホルモンのエンドルフィンが増加します。緊張がほぐれ、心拍数と血圧が低下することも科学的に証明されているのです。

 

友達と笑い合ったり、本や映画やネットサイトやテレビで、大笑いする時間が幸せなことは、皆さんもご存知のとおり。笑顔の場に身を置くことも幸せを感じる秘訣です。

 

もしも、少し気分が落ちている気がしたら、呼吸を整え、口角を上げて、ほほえんでみてください。ほほえむことで、脳が幸せと勘違いするともいえるでしょう。

 

人間の頭って、意外と単純。ほほえみや大笑いから幸せを感じ、そこから過去の幸せを思い出す。幸せのループが回り出すのです。

 

出典=R.L.アダムス『幸せな人たちが毎日欠かさない11の習慣』

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

●いつもと違う習慣で楽しみを見つける習慣
1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす

●人とのつながりで温かさを感じる習慣
17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く

●合格点を下げてラクになる習慣
27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる

●自分の素直な気持ちを受け止める習慣
35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

 

全50の習慣は、こちらの本で網羅されています。

 

Book Info


『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)

前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

プロフィール

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

 

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。

幸福学研究者が説く「自分の持っているもの」を数える習慣がもたらすものとは

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、お届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣6.「自分の持っているもの」を数える

「自分が恵まれている点に意識の焦点を当てることで、感謝など肯定的な思いが生じる」という研究結果があります。

 

「恵まれている」と考えると、誰かと比較してしまいがちなので、それよりも「持っているもの」と置き換えるほうが、適切でしょう。やる気、優しさ、足の速さなど持ち前の性質や特技でも、具体的な持ち物でもかまいません。

 

「自分の持っているものを数える」ことは、いま自分が置かれている状況にすでに幸せがあるという事実を感じること。

 

意識していたものから無意識下まで、あなたが持っているものは、意外とたくさんあることに気づくと思います。

 

とはいえ、「私は何も思い当たらない」と思う人も多いかもしれません。そんなときは、次の4つのヒントから考えてみてください。

 

(1) いまこの瞬間に集中できているか確認する(できていなかったら深呼吸)

(2) 自分のいいところをひとつでもいいから挙げてみる

(3) 周りにいる信頼できる人を思い浮かべてみる

(4) どこか体の一か所でも調子のいいところを探してみる

 

4つすべてを確認できなくても、2〜4の中のひとつでも当てはまることがあれば、それは、あなたが「持っているもの」です。あなたは自信を持って、「それがあるから、私は幸せ」と言ってOKです。

 

「幸せ」は本来、主観的なもの。自分が持っているものや幸せに感じることは、誰かと比べるものではなく、自分だけが幸せを感じるものでいいのです。

 

出典=前野マドカ ・前野隆司『ハッピーワークショップの幸福度向上効果』

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

●いつもと違う習慣で楽しみを見つける習慣

1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす

 

●人とのつながりで温かさを感じる習慣

17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く

 

●合格点を下げてラクになる習慣

27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる

 

●自分の素直な気持ちを受け止める習慣

35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

 

全50の習慣は、こちらの本で網羅されています。

 

Book Info

『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)

前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

プロフィール

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。

「幸福学」研究者が科学の力で導き出した、自分らしくいるために「分からないことを受け入れる」効果

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、お届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣5.わからないことは「わからない」と受け入れる

当たり前のことですが、完璧な人間なんて存在しません。完璧に見えるあの人も、何かに悩んでいたり、失敗していたりするのです。

 

誰にでも得手不得手があるはずなのに、多くの人が完璧を求める時代。気楽にわからないことを「わからない」と言いづらい時代です。

 

「わからない」ことがあるのが普通なのに、わからないという自分がイヤだったり、恥ずかしいと思ったり。現代人は窮屈です。

 

失敗も同じ。失敗が怖くて、前に進めなかった経験はありませんか。失敗を恐れて、新しいチャレンジをできない人が、たくさんいます。人間は失敗するのが当たり前なのに、それを恐れてジャンプしないのは、幸せを自ら遠ざける行為です。

 

「わからないこと」がある自分を当たり前のことととらえて、「わからないこと」を無理してわかろうとせずに、受け入れることが大事です。これはちょっと難しいことかもしれません。

 

最初はだましだましでも、「わからないことは当たり前。そんな自分を受け入れよう」と考えていけば、その考えはきっと身につきます。

 

もちろん「わからない」ことを「わからない」と正直に言ったあとは、それについて少し調べたり、勉強したり、誰かに聞いたりすることはいい習慣です。

 

いちばん幸せから遠いのは「わからない」ことをわかったふりして、完璧な自分を装うこと。完璧なふりほど、もろく、危ういものはないのです。

 

※出典=タル・ベン・シャハー『ハーバードの人生を変える授業』

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす
17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く
27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる
35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

全50の習慣は、こちらの本で網羅されています。

 

【書籍情報】

『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)
前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

【プロフィール】

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

 

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。

「幸福学」研究者が科学の力で導き出した、自分らしくいるための「7〜8時間の質のいい睡眠をとる」習慣

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、お届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣4.7〜8時間の質のいい睡眠をとる

よく眠って、目覚めた朝の気持ち良さは、誰もが知る幸せです。

 

睡眠の大切さは、広く知られるところですが、「7〜8時間の睡眠をとると幸せ」という研究結果があります。それより長い時間でも、短い時間でも、幸せ度は下がる傾向が見られます。

 

睡眠については体質もあるので一概にはいえませんが、基本として「7〜8時間睡眠がベスト」ととらえてください。

 

最近は、寝る直前までスマホを見て、なかなか眠りにつけない人も多いと聞きます。眠る直前までスマホを見ていると、交感神経が刺激され、副交感神経へのスイッチが入らず、頭が冴えてしまうのです。それ以外にも、考えごとや心配ごとが多くて寝つけない人もいるでしょう。寝つきが悪いのはもちろん、眠れたと思っても、眠りが浅く、実は眠れていない「隠れ睡眠不足」の場合も多いようです。

 

私は、“眠る時間だけど、まだあまり眠くない”というときには「すっごく眠い。いま、ものすごく眠い」と自分に暗示をかけています。不思議なことに、そうするとスッと眠りに入れます。とはいえ、この方法は慣れていないと少し難しいかもしれません。

 

コーチングをしている友人に教えてもらったのは、「手足の先が温かくなっていくのを感じる」という方法です。

 

体におもりがついて海の底に沈むようなイメージで、ゆったり布団に体を預けます。そして、手足の先が温かくなることをイメージする。最初は難しいかもしれませんが、何度か練習をすると、すんなり眠れるようになります。

 

※出典=Carolyn Gregorie『科学が証明したすぐ幸せになれる16の方法』

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす
17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く
27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる
35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

 

全50の習慣は、こちらの本で網羅されています。

 

【書籍情報】

『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)
前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

【プロフィール】

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

 

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。

「幸福学」研究者が科学の力で導き出した、自分らしくいるための「100%を目指さず、70%くらいでよしとする」心構え

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、お届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣3.100%を目指さず、70%くらいでよしとする

お母さんが子どもの87点のテストを見て、「90点いかなかったの? 残念ね」と言うか、「87点、すごいじゃない。上位の点数ね」と言うか。

 

子どもの成長にとっても、お母さん自身にとっても、後者の考え方のほうが、幸福度が高いといいます。

 

人はおおざっぱに物事を考えるほうが、幸せです。もちろん、おおざっぱがすぎて“いいかげん”というのでは困りますが、多くの人が許せる程度のおおざっぱであれば、自分も周りも幸せになります。

 

私は、今日中にやりたかった仕事がまだ残っている、でも、そろそろ終業時刻、というときには「だいたいはできたから、あとは明日にしよう」と思います。やりたかったことのすべてができなくても、「今日もよく頑張った」とポジティブに自分をほめてみます。

 

これを「今日のノルマがこなせなかった」、「あと少しで終わるのに、時間がきちゃった」と、ネガティブに考えることもできます。そんなまじめな考え方も、たしかに一理あります。でもポジティブなほうが幸せですよね。

 

日本人は几帳面でまじめな人が多いと評価されますが、すべてのことをきっちりしなければ心が落ち着かない、という人以外は、基本はきちんと押さえて、それ以外は“ざっくり”“ゆるっ”ととらえるという視点が大切です。

 

“ま、いっか”と思えれば、ずいぶんと心が楽になるでしょう。

 

※出典=前野隆司『幸せのメカニズム』

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす
17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く
27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる
35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

 

全50の習慣は、こちらの本で。

 

【書籍情報】

『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)

前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

【プロフィール】

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

 

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。

「幸福学」研究者が科学の力で導き出した、自分らしくいるための「手紙を書く」効果

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、お届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣2.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く

誰かに対して心の中で感謝するだけでも幸せを感じる効果はありますが、その気持ちを手紙にしたためると、より幸せに近づきます

 

私たちが主催するワークショップで、感謝している人に手紙を書いてもらったことがあります。

 

あるとき、参加者からひとりを選んで、感謝した相手への手紙を読み上げてもらうことになりました。彼女の手紙は、母親へのもの。その場に母親はいませんでしたが、感謝の手紙を書くだけで幸せな気持ちになります。読み上げるとさらに幸せを感じられます。参加した多くの人が感動で涙していました。それは、会場が幸福感で満ちあふれていた証しです。

 

実は、私たちも結婚記念日には、手紙の交換をします。毎年感激してくれるので、その様子をイメージしながら書いているうちに、自分も感動して泣きそうになってしまいます。

 

感謝の手紙を書くときのコツは、感動しながら書くことです。言い換えれば、自分が感動しない手紙は相手も感動しません。

 

互いに感謝の手紙を大切にして、時々、読み返したりもしています。手紙は読み返せるので、何度でも幸福感に満たされることができるのも、いい点です。

 

そういえば、うちの子どもは、家族からのバースデーカードや受験が終わったときの手紙などメモリアルなメッセージを机のシートの下に敷いています。

 

自分に対する応援メッセージや愛情あふれる手紙が目につくところにあるのは、幸福感を得られるいい方法ですね。

 

※出典=前野隆司『家族の幸福度を上げる7つのピース』

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす
17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く
27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる
35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

 

細字になっているものも含めて全50の習慣は、こちらの本で。

【書籍情報】

『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)

 

前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

【プロフィール】

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

 

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。

「幸福学」研究者が科学の力で導き出した、自分らしくいるための習慣「一杯のお茶をじっくりと味わう」

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、連載形式でお届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣1.一杯のお茶をじっくりと味わう

みなさんは一日に何回、お茶を飲んでいますか? そのお茶の味を覚えていますか? 家でも、カフェでも、オフィスでも、ひとりでも、友だちとでも、彼とでも、一日に一度でいいので、これからいただくお茶に意識を向けて、ゆっくりとティータイムに集中してください。

 

他のことは考えず、会話もせずに、静かに集中するのがポイントです。

 

香りはどうですか?

 

ティーカップは美しいですか?

 

味わいはどうでしょう?

 

誰かが丁寧に淹れてくれた、あるいは自分が淹れたお茶やコーヒーに集中するだけで、スーッと気持ちが落ち着いてくるのがわかると思います。

 

私たちのワークショップでは、この「一杯のお茶と向き合って、心を込めてお茶を味わい尽くす」というレッスンをしています。参加したみなさんは、それぞれに穏やかな笑顔になります。「あぁ、おいしい」という静かなつぶやきもあちこちから聞こえてきます。

 

お茶を味わい尽くす幸せを知ったら、たとえば、仕事のプレゼンや打ち合わせ前のお茶の時間に、いったん気持ちを緩めて、仕事に戻ることができます。深い悩みがあったり、たくさんのもやもやで落ち着かない心も、静かにお茶に集中することで、ほどけていきます。

 

大切なのは、一杯のお茶に集中して、味わい尽くすこと。これは、つまり、古くから日本に伝わる「茶道の心」、そのものですね。味わい尽くすのは、お茶以外でも、お菓子、食事、香りなど、五感に集中できるものなら、何でもOKです。

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす
17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く
27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる
35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

上記の全50の習慣は、こちらの本で。


『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)
前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

【プロフィール】

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

 

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。