2・9(肉)の日に読みたい 赤坂に帰還した「ロウリーズ」のこれぞ王者のリブ!

昨秋、赤坂に誕生した新しいランドーマーク「赤坂インターシティAIR」。話題のショップがひしめく中、「お帰り!」と声をかけたいのが「ロウリーズ・ザ・プライムリブ赤坂店」。

 

お帰り……っていったいどういうこと? かつて、ここには「赤坂ツインタワー」というビルがあったのをご記憶だろうか。地下の広大な空間に、日本初のプライムリブ専門店として「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」があったのだ。

 

残念なことに2014年、赤坂ツインタワーの老朽化・解体・再開発とともに「ロウリーズ」は恵比寿へと移転。ところがこの「赤坂インターシティAIR」の登場によってこの地に復活。それを祝して、当時の様子と新たな「ロウリーズ・ザ・プライムリブ赤坂店」についてお話ししよう。

 

これぞ、アメリカンスタイルのローストビーフ!

移転先である恵比寿店(もちろん現在も営業中)でも、同じメニューを食べられるとはいえ、“日本のロウリーズ”の原点=赤坂への帰還はうれしいもの。と言ったところで、知らない人にはなんのこっちゃ、だろうから、まずは「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」について。

 

来年で創業80周年を迎える「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」は、1938年、アメリカ・ロサンゼルスはビバリーヒルズに誕生した、その名の通り“プライムリブ”の専門店。

↑本国の「ロウリーズ」。乗ってきたクルマを自分で駐車場に停めることなく、預けてそのまま食事をできるというスタイルをつくったのも、「ロウリーズ」が最初だった↑本国の「ロウリーズ」。乗ってきたクルマを自分で駐車場に停めることなく、預けてそのまま食事をできるというスタイルをつくったのも、「ロウリーズ」が最初だった

 

プライムリブとは、すなわち“高品位なリブロース”のこと。リブロースとは“牛の背中の、肩の方に寄ったあたり”を指し、やわらかく適度な脂身のある部位である。肋骨の付いたロース肉といえばおわかりだろうか。この質のいいリブを存分に食べられるレストランが「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」で、プライムリブ=ローストビーフというほど、アメリカではポピュラーな料理である。

 

ここで、日本のローストビーフを思い出してみてほしい。近頃はローストビーフ丼なるものも市民権を得ているものの、薄くスライスしたローストビーフを薔薇のように盛り付けた姿と、「ロウリーズ」のプライムリブはまったく異なる。その見た目は、超レアに火の通った大きなリブステーキといったところ。なんといっても分厚く、表面積が広い! さすがはアメリカ、やっぱりビッグなんだねぇ。

 

そんなアメリカ伝統のプライムリブ専門店が、日本に初上陸したのは、今からさかのぼること16年前の2001年。同店を地下に擁した赤坂ツインタワーへは、最寄駅の赤坂や溜池山王から歩くのではなく、“タクシーで乗り付ける”、そんなスタイルが日常的だった。設えは、本国「ロウリーズ」同様、ゴージャスでクラシカル。ドレスコードというわけではないけれど、Tシャツ&ジーンズなんてのはご法度。それなりの“オシャレ”をして出かけるレストランだったのだ。

↑本国のダイニングフロア。広々と余裕のあるスペースに大きなテーブル、エレガントにカーブを描くソファがゴージャスだ↑本国のダイニングフロア。広々と余裕のあるスペースに大きなテーブル、エレガントにカーブを描くソファがゴージャスだ

 

↑本国のアーカイブより、ウェイティングバー↑本国のアーカイブより、ウェイティングバー

 

創業以来変わらない“伝統”が目白押し

さて、3年ぶりに復活した赤坂店へ行ってきた。かつては地下へと歩むところ、エスカレーターで上階へ。お店のコンセプトとメニューは当然変わらないものの、アプローチの違いで、印象がぐっと変わるもの。……これはこれで新鮮だ。

 

だが、ウェイティングバーとして利用できる「フランクバー」に足を踏み入れた途端、「帰ってきたな」という気分に。インテリアこそまったく異なるものの、ロウリーズがロウリーズたる雰囲気というものが全体から滲み出ている。

↑赤坂の新店。まず目に飛び込んでくるのは、ウェイティングスペースでもあり、食後の一杯を楽しめる「フランクバー」。ビル内の共有ラウンジとしての顔も持つ↑赤坂の新店。まず目に飛び込んでくるのは、ウェイティングスペースでもあり、食後の一杯を楽しめる「フランクバー」。ビル内の共有ラウンジとしての顔も持つ

 

↑新店の、天井高5メートルの堂々たるダイニングスペース。インテリアは山際順平氏、照明はDavid Singer氏がデザインした↑新店の、天井高5メートルの堂々たるダイニングスペース。インテリアは山際順平氏、照明はDavid Singer氏がデザインした

 

サービスしてくれるウェイトレスのコスチュームも変わらない。それどころか、これは本国の創業当時から変わらないデザインなのだ。

↑1938年に撮影された、クラシカルなスタイルのコスチューム。今も同じく、アメリカの伝統を感じさせる↑1938年に撮影された、クラシカルなスタイルのコスチューム。今も同じく、アメリカの伝統を感じさせる

 

コスチュームに限らず、もっとも大事な肉の質、そして調理法、さらにテーブルの大きさや動線まで、本国と同じ。広々としたスペースには、“シルバーカート”という可動式調理器具と“カーヴァー”というお肉をカットしてくれるシェフが待機しているのも同様だ。

↑伝統的な提供システム。独自の調理器具“シルバーカート”とプライムリブをカットしサービスするシェフ“カーヴァー”↑伝統的な提供システム。独自の調理器具“シルバーカート”とプライムリブをカットしサービスするシェフ“カーヴァー”

 

さて、久しぶりのプライムリブにはやる気持ちを抑え、スパークリングワインで喉を潤していると、サービスマンが「当店、創業以来のオリジナルメニューです」とやって来た。これまたお約束のサラダ(コースに組み込まれている)「オリジナル・スピニング・ボウルサラダ」の登場だ。このパフォーマンスも「ロウリーズ」の魅力のひとつだろう。ワゴンの上には氷の入ったボウルがあり、その上にサラダの入ったボウルがあって、このボウルをクルクルと回しながら頭上からドレッシングを注ぎ、丹念に和えるのである。

 

じっくりマリネされた贅沢プライムリブ

クラムチャウダーも平らげ、胃袋もすっかり準備万端となったところで、ようやくお待ちかねのプライムリブ! ついに“シルバーカート”がやってきた。

 

ロウリーズ特製のスパイスをたっぷりともみ込み、じっくりと時間をかけて焼き上げられた「骨付きリブロースの塊」がタテに3本、そびえ立つ様子は圧巻のひと言。

↑新店でも、ロウリーズらしいアイコンのひとつ、シルバーカートは健在↑新店でも、ロウリーズらしいアイコンのひとつ、シルバーカートは健在

 

↑カートの中では、適温に熱せられたリブロースの塊がいくつも鎮座し、カットされるのを待っている↑カートの中では、適温に熱せられたリブロースの塊がいくつも鎮座し、カットされるのを待っている

 

肉の銘柄は、肉ラヴァーの間ではすっかりおなじみのアンガス牛。和牛では味わえない、牛本来の旨みを実感できるはずだ。アンガス牛をはじめ、いわゆる赤身牛は噛めば噛むほどおいしさが広がるのだが、ロウリーズのプライムリブは、噛み応えがありながら、スーッと口中にほどけていくよう。そのままでも充分すぎるほど旨みが濃厚で、つられて酒も進んでしまう。

 

それに、オリジナルのオウジュソースがまたよく合うこと!。塩と胡椒も用意され(これまたロウリーズのオリジナル。創業当時からレシピは変わらずだ)、さらには薬味としてホースラディッシュもたっぷりと。味を少しずつ変えて食べ進むうちに、すっかり満腹となった。

↑プライムリブのほか、オリジナル・スピニング・ボウル・サラダ、ヨークシャープディング、マッシュドポテト、ホイップドクリームホースラディッシュがセット↑プライムリブのほか、オリジナル・スピニング・ボウル・サラダ、ヨークシャープディング、マッシュドポテト、ホイップドクリームホースラディッシュがセット

 

ちなみにカットの大きさ(厚さ)によって名前が変わることも付け加えておこう(もちろん値段も変わる)。ディナーでは、トーキョーカット(約120g)、カリフォルニアカット(約180g)、イングリッシュカット(約240g)、ロウリーカット(約300g)、ダイヤモンド・ジム・ブレーディカット(約500g強)の5種類。「たくさん食べたい!」と思ってはいても、サイドディッシュとして、マッシュポテトにクリームドコーン、クリームドスピナッチ(ほうれん草)がもれなく付いているので、そうそう大きなカットは選べないが。

 

さらには、プライムリブから出た脂を使って焼き上げられた「ヨークシャープディング」もセットされているので、食べ応え度はかなりのもの。この後、デザートにコーヒーといただいて、至福の時間はあっという間に過ぎていったのだった。

 

ゴージャスな空間で、おいしさとエンターテインメント性を兼ね備えた「ロウリーズ」が、まさにここに復活した! となると、「かなりお値段が張るのでは?」という危惧もあるだろうが、それはご心配なく。「オリジナル・スピニング・ボウル・サラダ+プライムリブ(トーキョーカット)+マッシュポテト+クリームドコーン+クリームドスピナッチヨークシャープディング」ならば4000円(税、サービス料金別)で食べられる。

↑初来店ならば、このセットメニューがおすすめ。アメリカンスタイルの分厚いローストビーフ、しっかりと食べ応えのある付け合わせなど必食のメニューだ!↑初来店ならば、このセットメニューがおすすめ。アメリカンスタイルの分厚いローストビーフ、しっかりと食べ応えのある付け合わせなど必食のメニューだ!

 

ということで、意外にもお手ごろな「ロウリーズ・ザ・プライムリブ赤坂店」へ、貴兄も出かけてみないか?

 

撮影/GetNavi web編集部 写真提供/ロウリーズ・ザ・プライムリブ

グルメなら知っておきたい伝統的調理法「熾火」とは? 恵比寿イタリアンの超名店で真髄を味わえる!

大人グルメの超激戦区・恵比寿で屈指の人気を誇る「DELIZIOSO ITALIA」が、「BRACERIA DELIZIOSO ITALIA(ブラチェリア デリツィオーゾ イタリア)」として、10月6日にリニューアルオープンしました。本稿では、本格的なグリル料理を気取らずに味わえて、しかも高コスパな同店の魅力をレポートしていきます!

 

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今回のリニューアルで店名に付いた「ブラチェリア」というのは、炭火焼きの料理を提供するイタリアンのこと。2000年、恵比寿界隈で初めてピッツァの薪窯を導入したレストランとしてオープンした同店は今回、伝統的な調理法「熾火(おきび)」を新たに採り入れました。

 

熾火とは、薪や炭が赤く燃えた状態の火のこと。熾火は昔から世界中で使われている調理方法ですが、機械では再現が難しく、現代にもいにしえの方法が受け継がれています。同店では素材の味を引き出したり、香りを付けるために、炭と薪を使い分けているそうです。

 

知ってたら株がアガる! 恵比寿の隠れ家レストラン

ここからは、リニューアルオープン前に行われたメディア向け食事会の様子をお伝えします。実際に行ってみると、まさに恵比寿の大人のレストランといった雰囲気。高級すぎず、広すぎず、落ち着いていてオシャレなので、ふだん使いからデートまで活躍してくれそう。

↑恵比寿駅から5分ほど歩いて到着。店内に入ると、まるでイタリアを訪れたかのよう。自然素材を採り入れた暖かみのある空間です↑恵比寿駅から5分ほど歩いて到着。店内に入ると、まるでイタリアを訪れたかのよう。自然素材を採り入れた暖かみのある空間です

↑カウンター席もあります。しっぽりとワインバー的に使うのもあり↑カウンター席もあります。しっぽりとワインバー的に使うのもあり

 

カウンター席の目の前には、同店が選び抜いた食材がディスプレイされています。熾火というシンプルな調理法だからこそ、素材へのこだわりがスゴい! 季節の旬に合わせて仕入れる食材も変えているそうです。

↑幻の牛といわれる黒毛和牛「田村牛」をはじめ、一級品の肉をそろえています↑幻の牛といわれる黒毛和牛「田村牛」をはじめ、一級品の肉をそろえています

↑魚介は契約漁港から直送。市場に出向いて仕入れることも↑魚介は契約漁港から直送。市場に出向いて仕入れることも

 

素材の旨みがあふれる熾火グリル

さっそく自慢の料理をいただきましょう! アラカルトメニューも豊富な同店ですが、なかでもオススメはメインや前菜、パスタを選べるプリフィックスコース(3800円~)です。

↑まずは乾杯から。写真左は白ワイン、写真右は「モレッティ」というイタリアのビール↑まずは乾杯から。写真左は白ワイン、写真右は「モレッティ」というイタリアのビール

↑魚介系の前菜盛り合わせ。サンマ、カツオなどの旬魚に、イシガキガイという珍しい貝も↑魚介系の前菜盛り合わせ。サンマ、カツオなどの旬魚に、イシガキガイという珍しい貝も

↑肉系の前菜盛り合わせ。パルマ産生ハム、レバーペーストなどの定番に加え、牛タリアータ風、熟成ラードの薄切りなど変わったものも↑肉系の前菜盛り合わせ。パルマ産生ハム、レバーペーストなどの定番に加え、牛タリアータ風、熟成ラードの薄切りなど変わったものも

 

前菜とお酒を楽しんでいると、いよいよ主役の登場! 今回は「鳥取県産 田村牛 本日の赤身と霜降りの盛り合わせ」をチョイスしました。赤身系は「ウチモモ」、霜降り系は「トウガラシ」という部位です。肉の芳醇な熟成香と柔らかさ、そしてなんといっても熾火によって凝縮された旨み、香ばしさがスペシャルな一皿です。

↑お肉の付け合わせも選択可能。写真は「ルッコラとフルーツトマトのサラダ」↑お肉の付け合わせも選択可能。写真は「ルッコラとフルーツトマトのサラダ」

↑赤ワインはあえてイタリア産のみに絞ってセレクトしているとか。メインの肉料理と相性ピッタリ!↑赤ワインはあえてイタリア産のみに絞ってセレクトしているとか。メインの肉料理と相性ピッタリ!

 

もうひとつ、筆者が個人的に感動したのは、パスタのバリエーションの多さ。豊富な種類の麺とソースを選択して注文します。日本では珍しいイタリア各地の伝統手打ち麺も味わえます。

↑パスタ麺は10種類から選べます。細い麺、太い麺、ショート型など多彩↑パスタ麺は10種類から選べます。細い麺、太い麺、ショート型など多彩

↑本日のパスタ1皿目「イノシシの赤ワイン煮込みソース」↑本日のパスタ1皿目「イノシシの赤ワイン煮込みソース」

↑面はかなりワイドな平打ち麺「パッパルデッレ」という種類をチョイス↑麺はかなりワイドな平打ち麺「パッパルデッレ」という種類をチョイス

↑本日のパスタ2皿目「イタリア産4種チーズのクリームソース」をモチモチのニョッキで。ハチミツをかけて食べるクアトロフォルマッジォ風です↑本日のパスタ2皿目「イタリア産4種チーズのクリームソース」をモチモチのニョッキで。ハチミツをかけて食べるクアトロフォルマッジォ風です

 

ドルチェは8種類から選べます。どれも本格的な大人のスイーツぞろい。

↑本日の焼き菓子。青カビ系チーズを使ったベイクドチーズケーキ↑本日の焼き菓子。青カビ系チーズを使ったベイクドチーズケーキ

↑ティラミス。甘さひかえめで、上品なまったり感↑ティラミス。甘さひかえめで、上品なまったり感

↑フレッシュフルーツタルト。この日は赤と白のブドウをトッピング↑フレッシュフルーツタルト。この日は赤と白のブドウをトッピング

 

恵比寿のイタリアンでこの価格、間違いなく大満足です。ボリュームのある料理が多いので、何名かでシェアしていろいろ味わうと、さらに良いでしょう。ボジョレーのシーズンにワインを楽しんだり、クリスマスシーズンにグルメな大人デートをしたり。今冬の食シーンに活用してみてはいかがでしょうか!

 

【SHOP DATA】

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BRACERIA DELIZIOSO ITALIA(ブラチェリア デリツィオーゾ イタリア)

住所:東京都渋谷区恵比寿4-27-17 ルピナス恵比寿1F

アクセス:JRほか「恵比寿駅」徒歩5分

営業時間:月~金 17:30~24:00(L.O.22:30)、土日祝ランチ 11:30~15:30(L.O.14:30)ディナー 17:30~23:00(L.O.22:00)

定休日:なし