2018年はどんな年になるのだろうか? 易学や風水学に通じ、天地の「気」を観測する望龍術の使い手でもある花谷幸比古宮司に、一年の傾向などについて、詳しくお話をうかがった。
慣例が破られ、大変化が起こる
「2018年の干支は、戊戌です。陰陽五行でいうと、戊と戌は、ともに『陽土』に分類されます。このように同じものがふたつ重なることを比和といいます。比和の年は、徹底的に幸せ、または不幸せになりやすく、大改革の年ともいわれています」
はたして、どんな改革がなされるのだろうか? こんなときは、60年前、120年前の出来事をふり返ることが予測の参考になると、花谷宮司はいう。60年ごとに同じ干支がめぐってくるからだ。
「2018年の60年前といえば、1958年です。ちょうど今上陛下が美智子様と婚約された年ですね。これは皇室の歴史から見れば、大変な慣例破りです。それをわかったうえで、今上陛下は大英断されました。
日本でロカビリーが大ブームになったのも、このころです。それまでは日本の歌といえば演歌調で、ロカビリーなどはやらないと思われていました。
また、1958年の総選挙では、自民党が絶対安定多数となる287議席を獲得しました。第57代内閣総理大臣に就任した岸信介は、法の改正や新しい社会制度の導入を進め、憲法改正を強く主張したことでも知られています」
こうした過去の例も踏まえ、2018年は、これまでのルールや慣習などを捨て、新しいことを行う年になると、花谷宮司は予測している。
「2018年は、憲法改正に向けて、大きな動きがあると見ています。祖父である岸首相の思いは、孫の安倍首相に通じているでしょう。憲法改正を進めていくし、法の骨組みまで変えてしまうと読んでいます。
年末には平成の御代が終わり、新たな元号になります。おそらく今上陛下が譲位されると、日本はコロッと変わるのではないか。大変革がはじまる時期だと思わなくてはなりません」
独立問題が激化! 災害にも注意
変化の時期を迎えるのは、日本だけではない。世界中が変わると、花谷宮司は語る。
「各地で独立問題が激化するでしょう。イラク北部のクルド人たちは独立国家の樹立を願っていますし、独立宣言を事実上撤回したとはいえ、スペインのカタルーニャ州も、今後どうなるかわかりません。イギリスのスコットランドでも、独立の是非を問う住民投票が行われました。そうした動きがいっそう激しくなり、いろいろな意味での独立戦争が起こってくるでしょう。
北朝鮮の動きにも気をつけねばなりません。あるいはこの年末から2018年早々くらいに、一戦を交える覚悟が必要になるかもしれません」
自然災害にも注意が必要だと、花谷宮司はいう。
「比和の年は、地震が多くなります。とくに太平洋側の地域にお住まいの方は、防災意識を高めていただきたい。
また、戊戌は『陽土』で、土は水を必要としますから、大雨や洪水も多くなるでしょう。
これまでの比和の年は、九州や東北が災害に見まわれるケースが多かったのですが、2018年は、太平洋に面する四国地方にも注意を払ったほうがよいと思われます」
穏やかな年とはいえなさそうだが、明るい話題もある。
「比和の年は、経済が非常によい。日本経済も世界経済も、大きく成長するでしょう」
「姦臣」を退け、漁夫の利を狙う
2018年の運気にうまく乗り、これを活用するにはどうすればよいのか。それを示唆する逸話があるそうだ。
「中国の古典である『韓非子』に、『狗猛くして酒酸む』という言葉が出てきます。
宋の時代に、荘子という評判の酒造店があったのですが、いつのまにか客足が遠のき、のぼりに工夫を凝らしても効果がなく、売れずに残った酒が酸っぱくなってしまった。そこで、ある老人に相談したところ、店先で飼っている犬が原因だと。その犬がだんだんと大きくなり、唸り声が恐ろしいので、女性や子供が寄りつかなくなったから客が減ったのだ、というのです。
著者の韓非は、朝廷にも大きな狗(犬)がいると書いています。だれかれかまわず門前で追い払ってしまう、獰猛で厄介な番犬のような人物です。韓非はこれを姦臣(邪悪な臣下)という言葉で表現しています。そのような人物がリーダーのそばにいると、だれも寄りつこうとしません。結果、会社や国が滅ぶことになると戒めています」
この逸話が示すように、集団の中でリーダーを務める人は、自分の身近に姦臣がいないか、注意を払う必要がある。
「安倍総理もそうです。憲法改正を進めるなら、姦臣のような人物を、まずは重要なポジションから外さねばなりません」
もうひとつ、「犬兎の争い」という言葉があるそうだ。
「中国人がよくいう話ですが、速く走る犬に、逃げ足の速い兎を追わせたらどうなるか。どちらも走りすぎて共倒れになります。そのときを待てば、まんまと2匹とも捕獲できます。
このように、AとBを争わせて、共倒れしたときにつかまえるというのが、2018年にとるべき策です。日本から見れば米中、中韓、南北朝鮮の間にも問題があります。そこに首を突っ込まず、両者を争わせて漁夫の利を得ることが肝心です。
とはいえ、逆につかまえられることがあるかもしれません。日本は、北朝鮮、韓国、中国と距離的に近い。ここで争いが起きたら、アメリカがいいところだけ持っていくでしょう。そのあたりに注意しながら、改革を断行していく年です」
生活の中で行う6つの開運法
一般庶民の生活レベルでは、どんなことが開運につながっていくのだろうか。
「これまでの仕組みや常識を変えていくとよいでしょう。あとは、争いが起こったら、距離を置いて待つことです」
いくつか具体的なヒントをいただいた。
(1)家庭内の仕組みを変える。
「これまで当たり前のようにしてきたことがあったら、それを変えてみましょう。母親が料理をしている家庭なら、父親やお兄ちゃんがその役割を担ってもいいし、日曜大工は父親の役目という家庭なら、母親やお姉ちゃんが交代してもいい。親が子にお小遣いをあげていたなら、子から親にお小遣いを渡してもいい。もちろん、無理に変える必要はありませんが、よりよい方向に変えられるところがないか、柔軟な視点に立って考えましょう」
(2)模様替えをする。
「家庭内の仕組みを変える必要がない場合は、模様替えをするのもけっこうです。カーテンやベッドカバーなど、面積の広いものを取り換えると、部屋の印象がかなり変わります。自分がいっそう心地よく暮らせるよう、身の回りで小さな改革を進めてはどうでしょう。
より大きく生活を変えたいときは、引っ越しを検討するのもけっこうです」
(3)預貯金の仕方を一考する。
「2018年は、景気がよくなります。うまくいけば、蓄えどくになるかもしれません。
そこで、いかに蓄えるかを考えたほうがいいでしょう。今は銀行口座に1000万円を預けても、わずかな利息がつくだけです。ならば、ほかの方法がないかを調べたほうがよい。たとえば切手、時計、絵画などで残すのはどうか、などです」
(4)常識破りの発想を大切に。
「2018年は、これまでの常識を破るような、ユニークな発明が増えると思います。
その波に乗れるよう、頭を柔軟にして、新しいことを考えましょう。たとえば、つま先にライトがついていて、夜道を照らしながら歩ける靴があったら面白い。どんなことでもかまいませんから、既成の概念にとらわれず、楽しみながら考えてみることです」
(5)争いの当事者にならない。
「対人関係については、公私いずれにせよ身近なところで争いが発生したら、距離を置いて静観することが大切です。どちらの味方もしないで、どちらかが倒れるのを待ちましょう。これほど楽なことはありません。冷静な落ち着きと心の癒しを最優先すれば、できることです。
2017年の衆院選では、希望の党と民進党が共倒れして、自民党が大勝しました。安倍総理には、よいブレーンがついているのかもしれません。この図式を参考にしましょう。
また、家庭内の争いといえば、夫婦ゲンカが真っ先に思い浮かびますが、ほどほどにしておかないと、どこかで漁夫の利を得る人がいるかもしれません」
(6)変化はチャンスだと思え。
「2018年が、改革と変化の年であることを不安に思う人がいるかもしれません。しかし、見方を変えれば、家庭、社会、国を動かす大きなチャンスなのです。このチャンスは、60年に1回しか訪れません。めったにないのですから、勇気を出して行うべきです。
予期しない変化が訪れたときも、いたずらに恐れず、変化の波を利用する方法を考えましょう。柔軟な発想があれば、必ずできます」
(ムー2018年1月号 「戊戌年 開運法」より抜粋)
監修=花谷幸比古
文=藤江優
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