ガラスペンの書き方・手入れ、壊れた時の対処法は? インク沼に続く「ガラスペン沼」の世界と初心者向けの使い方のコツ

最近、若い女性を中心に人気が高まっているガラスペン。筆記具としてはもちろん、ガラス工房で職人の手によって一本一本つくられる“芸術品”として、その美しさに魅了される人が増えています。

 

2021年12月に日本初のガラスペンに特化した入門書として『見て、さわって、書いて、描く はじめてのガラスペン』(実務教育出版)を出版した武田健さんに話を聞きました。ガラスペンの魅力や使い方、さらにこのブームをブームで終わらせないための“ガラスペンのこれから”についても伺います。

 

インクブームから波及した、ガラスペンブーム

実は、発祥は日本と言われているガラスペン。武田さんによると、「はっきりとした時期はわかっていませんが、100年ほど前に日本のガラス工芸職人が、作品の一つとして『ガラスペン』をつくったことが始まりのようです」とのこと。ではなぜ、長らく脚光を浴びてこなかったガラスペンに、今になって注目が集まっているのでしょうか? 武田さんはその背景には、「昨今のインクブームが密接に関係しているのではないか」と言います。

 

「私がインクを好きになったのは2010年のこと。ちょうどその時期から黒や赤だけでなく、さまざまな色のインクが各メーカーから販売され始めました。気づけばここ数年でインクは大きなブームになっていて、今ではたくさん集める人も増えてきています。しかし万年筆は、一度インクを入れると使い切るまで取り換えることができません。そのため、たくさんインクを持っていても、なかなか自由に使うことができず、もったいないと感じている人が多くいました。

そこで、ペン先を洗えばすぐに別のインクを使うことができる “つけペン”が注目されるようになったのだと思います。そしてつけペンの中でも、含ませられるインクの量が多く、文字を書くのに適しているのがガラスペンです。ここ2-3年でインクファンの皆さんがこのことに気づき始め、ガラスペンの認知度が上がっていったのではないでしょうか」(武田さん、以下同)

 

↑インクアドバイザー・文具ライターの武田健さん

 

「インクを自由に変えて使えるところはもちろんですが、ガラスペンの魅力はなんといってもその美しさ。ひんやりとした感触や透明感のある見た目は、ガラスならでは、ですよね。並べたときも美しいし、書いているときもとても気分が上がります。

ガラスペンの多くは、日本各地にあるガラス工房で職人が一本一本手づくりしていて、いわばすべてが“限定品”。同じように見えても微妙に形が違ったり、書き味が違ったりするところも、ガラスペンの面白いところです。しかも、上質なものは数万円もする万年筆と比べて、ガラスペンは良いものでも1万円ほどで購入可能。手軽に所有できる芸術品として、これからもっと広がっていくのではないかと考えています」

 

意外と簡単! ガラスペンの使い方

ガラスペンを使ってみたいけど割れてしまいそうで怖い、と不安に思う人も多いはず。そこで武田さんに、ガラスペンの基本的な使い方や、使う時の注意点を教えていただきました。

 

1.ガラスペンを使う前に、まずは準備!

・ガラスペンを置くケース

「必要以上に恐れることはないですが、まずは『ガラスペンは割れ物である』という意識を常に持っておくことが大切です。ガラスペンを使うときには、机の上で転がらないようケースを用意しておきましょう。私は万年筆用のものを使っています」

 

・水と拭くもの

「そのほか、ペン先を洗う水と、ペン先を拭くためのティッシュや柔らかい布も用意してください。水はガラスペンが当たっても割れないようなプラスチックカップに入れておくのがおすすめです」

 

2.準備ができたら、インクをつけて書く

「準備ができたら、いよいよガラスペンを使っていきましょう! まずはペン先の半分くらいまでインクに浸けます。インクをペン先に付けるときは、ペン先がインク瓶の底に当たらないよう注意してください。インクは“毛細管現象”によって上へと引き上げられるため、ぽたぽたと垂れることはありませんが、余分なインクは用意したティッシュなどでそっと拭うといいと思います」

 

「書くときには、ペンを少し寝かせて、力を入れすぎないように注意。インクが自然と下に落ちるよう、くるくると回しながら書くのがコツです。書いていくうちに少しずつインクの濃淡が出てくるのも面白いところ。インクの付け方や紙にもよりますが、一回インクを付けると、だいたいはがき一枚分くらいの文字量を書くことができます。

私はガラスペンとインクの色味を揃えることが多く、その日の気分によって使い分けています。なかにはネイルと色を合わせる人もいるのだとか。色のコーディネートができるのも、ガラスペンの楽しみの一つです」

 

3.使い終わったあとの片付けも慎重に

「ガラスペンを使い終わったら、ペン先をティッシュなどで拭ったあとに水洗いをします。洗ったあとにもう一度拭けば、そのまますぐに別のインクをつけても問題ありません。インクの粘度が高く、ペン先の溝に残ってしまったときには、歯ブラシなどでこするときれいに落とすことができます」

 

↑武田さんが愛用する、上海発のステーショナリーブランド「KACO」の万年筆ケース

 

「ペンを片付けるときには、ペン先保護のためにゴムチューブをつけるのを忘れずに。ゴムチューブはガラスペンを購入したときについていることが多いですが、もしなければ、ホームセンターなどで販売しているので探してみてください。また私は、ガラスペンを収納するケースとして『KACO』の万年筆ケースを使っています。クッションがついているので、持ち運びたい方にもおすすめ。ガラスペン作家の方もよく使用されています」

 

↑自身のオンラインショップ「KEN’S NIGHT」で文具も販売している武田さん。コニーラップというラッピングペーパーでつくられたオリジナルのメモ帳は、表面がつるつるしていて裏写りもしないため、万年筆やガラスペンと相性抜群! 右下の可愛らしいイラストは、武田さんのSNSにもよく登場する似顔絵だそう

 

「私は万年筆を長文用、ガラスペンを短文用として使い分けています。ガラスペンはちょっとしたメモ書きや、新しいインクを買ってきたときの試し書きにぴったりです。中でも私がおすすめしたいガラスペンの使い方は、SNSにアップする文章をガラスペンで書くこと。私自身Twitterなどで、紙に手書きした文章に、使用したガラスペンとインクを添えて撮った写真を投稿しています。スマホで打ち込んだ文字だと皆一緒ですが、手書きの文字は一人一人まったく違って個性が出ますし、思いもより伝わるはずです。

また、インクを使って書くと濃淡が出るからか、癖がある字でも味が出るんです。私も最初は自分の字に自信がなかったのですが、万年筆やガラスペンで文字を書くようになってからは、自分の字も悪くないかもと思えるようになりました。ガラスペンは自己表現のためのツールの一つ。デジタルの時代にあえて“手書き”することの楽しさを、ぜひ皆さんに知ってもらいたいです」

 

↑武田さんのインク見本帳。手持ちのインクがどのような色かすぐわかるように、ガラスペンを使ってつくる人が増えているそう

 

武田さん愛用のガラスペン 5選

日頃からガラスペンを使用し、現在は75本ほど所有しているという武田さん。今回はその中からお気に入りを5本、紹介していただきました。

 

・紙に写る影まで美しい!「HASE硝子工房」のガラスペン

「大好きな作家さんの一人、HASE硝子工房の長谷川さんがつくったガラスペン。くるくるとしたらせん状の模様や落ち着いた色に、どこか和の雰囲気が感じられて、とても素敵ですよね。光が当たったときに紙に写る影もきれいで、使っていると気分が上がります」

 

さくらんぼづくしの愛らしい「八文字屋」×「Kokeshi」のコラボ

「こちらは山形で300年続く老舗書店・文具店『八文字屋』とガラス作家・藤田えみさんのブランド『Kokeshi』がコラボして生まれたガラスペン。山形産さくらんぼの佐藤錦をイメージした赤いトンボ玉や、軸にあしらわれたさくらんぼの刻印、ぽってりとしたフォルムがなんともかわいらしいですよね」

 

ご当地の伝統菓子がモチーフ!「八文字屋」×「GLASS STADIO しなぷす」のコラボ

「こちらも同じく八文字屋と、『GLASS STADIO しなぷす』のガラス作家・並木亮太さんとのコラボガラスペン。山形の老舗和菓子屋『乃し梅本舗 佐藤屋』が創作した伝統的な寒天菓子『空ノムコウ』をイメージしてつくられています。このようなご当地ものをモチーフにしてつくられたガラスペンは、その地域の人なら思わず欲しくなってしまうはず!」

 

繊細な美しさを随所に感じる「Shoko Yamazaki」のガラスペン

「オリジナルのインクなども手掛けているShoko Yamazakiさんがつくったガラスペン。私が持っているような小ぶりサイズのものは、小さな手の方でも使いやすいと思います。軸の中の繊細な網模様は、光を当てるとさらにきれいに見えます。また、軸の上についている小さな玉は、Shokoさんがつくるガラスペンの特徴。可愛らしいアクセントになっています」

 

・絶妙なカラーとフォルムが特徴の「OfunaGlass」のガラスペン

「大人気でなかなか買うことができない、川口剛さんが手がけるOfunaGlassのガラスペンは、絶妙なカラーグラデーションが魅力。私はターコイズが好きなのでこの色を選びましたが、販売されているものは一本一本色やデザインが異なるので、ぜひ好みのものを探してみてください!」

 

ガラスペンを選ぶ時、壊れてしまった時は?

「ガラスペンを購入するときには、まずはお店に行って、試し書きをしてみることをおすすめします。ガラスペンは一本一本書き味や太さが異なっていて、好みも人それぞれ。実際に試しながら、自分好みのものを探してみてください。作家さんによっては工房で直接販売しているところもあるので、そこで話を聞きながら購入するのも一つの方法だと思います。

また、ガラスペンは使っているうちにペン先が欠けてしまうこともありますが、工房に相談すれば、多くの作家さんが修理をしてくれます。私も過去、文字を書いている最中に、ペン先がポキッと欠けてしまったことがあったのですが、すぐに直してもらえました。このように修理しながら長く使えたり、購入後も直に作家さんとつながったりできるのもガラスペンの魅力だと考えています」

 

ブームで終わらせない! たくさんの可能性を秘めたガラスペン

ブームになっている一方で、実は作り手の数がまだまだ少ないというガラスペン。その理由は、「まだ歴史が浅いから」だと武田さんは言います。現在販売されているガラスペンの多くは、「ボロシリケイト」と呼ばれる硬質ガラスでつくられていますが、このガラスを使った工芸品の製法が体系化されたのはごく最近のこと。そのため、ガラスペン作家の“大御所”と呼ばれる人でも、つくり始めたのは2014年頃からだそう。

 

「ガラス作家さんは基本的に、ガラスペンだけを専門にしているわけではなく、アクセサリーやオブジェといったガラス工芸品をメインでつくっていることが多いんです。そのためこれからガラスペンをつくってくれる作家さんがもっと増えていったらいいなと思っていて……。いろいろな工房に足を運びながら、今まさに新しい作家さんを探しているところです」

↑武田さんがHASE硝子工房で購入したペンダント

 

「そしてガラスペンブームを一過性で終わらせないためにできることも考えていきたいと思っています。例えば、ガラス作家さんの“ものづくり”について深く知ることもその一つ。今は作品をSNSにアップしている作家さんも多くいて、直接コンタクトが取れたり、作家さんの思いを知ったりすることもできます。

私は以前、HASE硝子工房に行って作家さんの技術を目の当たりにしたことで、ガラスペンだけではなくペンダントも欲しくなって購入しました。こんなふうに、ガラスペンが好きな人はガラスのアクセサリーを身に付けてみたり、ガラスのペーパーウェイトをペンと一緒に使ったりするのもいいと思うんですよね。好きな作家さんのガラスペンを入口に、どんどん世界が広がっていくと、もっと楽しくなるはずです」

 

手軽に持てる芸術品として、毎日の暮らしを豊かにしてくれるガラスペン。まだまだいろんな可能性を秘めたこのガラスペンの魅力を、見て、触って、使って、体感してみてはいかがでしょうか?

 

【プロフィール】

インクアドバイザー・文具ライター / 武田 健

3000本以上の万年筆インクを所有し、様々なショップとのコラボインクをプロデュース。オンラインショップ「KEN’S NIGHT」ではオリジナル文具の販売も行っている。著書に「美しい万年筆のインク事典」、「和の色を楽しむ 万年筆のインク事典」(グラフィック社)。21年12月には日本初のガラスペン入門書となる「見て、さわって、書いて、描く はじめてのガラスペン」(実務教育出版)を出版。

 

『見て、さわって、書いて、描く はじめてのガラスペン』(実務教育出版)

 

カチカチうるさいノック音に悩まされない! 新作ボールペン「Calm(カルム)」の150円とは思えない内部機構と性能に驚愕

ボールペンに何を求めるか、というのは意外と人それぞれだ。“書き味”とか“インク色”なんていうのは実は二義的で、「先端の方で握りやすいグリップ」とか「愛用の手帳のホルダーにぴったり収まる軸のサイズ」などが選択肢として大きかったりもする。

 

そんなボールペン選びの中で、「ノック音がうるさくないやつ」という選択肢も当然にありうるだろう。例えば図書館などで勉強する機会が多い人は、自分が押したノックの「カチッ」という大きさにビクッとしたことがあるんじゃないだろうか? あの音、静かな場所だとかなり響くし。また逆に、オンライン会議中にずっとカチャカチャとノックを弄ぶ同僚にイラッとしたことだって、あるかもしれない。その場合、自分はそうあるまいとして「ノックが静かなペンがいいな」と考える人もいるだろう。

 

つまり、“音”もボールペン選びのファクターになりうるのだ。“ノック音が静かなボールペン”というのも、もっとジャンルとして広がってもいいのではないか。

 

ノック音がかすかなサイレント・ボールペン

ぺんてるから2021年12月に発売された「Calme」(カルム)は、まさに静音性にこだわったボールペンシリーズである。

 

ノックの静音性をウリにしたボールペンは、現行品だとLAMY「noto(ノト)」や三菱鉛筆「ジェットストリームプライム」などがあるが、どれも千~数千円という価格帯。いわば静音性は、高級ボールペンならではの付加価値だったわけだ。(高級筆記具に多く採用されている回転繰り出し式は、当然のことながらさらに静音性が高い)

 

対して「Calme」は単色で税込165円と、完全に普及品のお値段。これはまず嬉しいポイントだろう。

ぺんてる
Calme(カルム)単色
0.5mm/0.7mm径
各150円(税別

 

一般的なノック式ボールペンをゆっくりノックしてみると、まずノックノブを一番下まで押し込んだ時にカチッ、バネで少しノブが戻る時にカチッと、1アクションで計2回の音がするはず。

 

対して「カルム」は、まず一番下に押し込んだ時の音がほぼ無音・無衝撃。戻る時にわずかにクリック感があるが、こちらも非常に小さな音だ。ぺんてるは「従来比でノック音を66%低減」と謳っているが、体感上ではもっと静かにすら感じられる。

 

↑メーカーによると「完全に静音にするとノックした感覚がなく違和感があるので、そこの調整に苦労した」とのこと

 

一般的なボールペンのノックをものすごくざっくりと説明すると、ノックノブから伸びたノック棒で押し下げられることで回転子が回り、外カムに引っかかってロック=ペン先が出る。もう一度ノック棒を押し下げるとロックが解除される=ペン先が引っ込む、という流れ。このとき、回転子とノック棒、回転子と外カムでそれぞれ噛み合う際に鳴るのが、いわゆる“ノック音”と呼ばれるものなのだ。

 

対して「カルム」はノック棒と外カムが一体化した摺動子(しゅうどうし)と呼ばれるパーツが回転子を内包して、上下から挟む構造になっている。そのため、押し込み時にノック棒と回転子/回転子と外カムの噛み合いに衝撃が発生しにくく、つまりノック音が静かになるという仕組み。

↑カチャカチャした動作音が少ない、ユニークなノック機構

 

ノックを解除する際も、ノブに指をかけたままゆっくり戻せば、ほぼ無音。ノブから素早く指を離せば多少の衝撃音はあるが、気を遣ってノックする限り、極めて静かに書くことができるだろう。

 

改良型インクと革シボ調グリップで書き心地も良好

静音性に加えてもうひとつポイントとなっているのが、とても握りやすいグリップ。エラストマーにカメラのグリップをイメージした革シボ調の加工を施すことで、握ると指にしっとりと吸い付くような感触を与えてくれるのだ。しかもこの革シボグリップは、先端ほぼギリギリから前軸端まで続いているロング仕様なため、持ち癖に関係なく、どこを握っても気持ち良い。

↑革シボ調のロンググリップは、しっとりした手触りで握り心地が良い

 

搭載するリフィルは、低粘度油性インクの「ビクーニャ フィール」(ぺんてる)と共通となっている。ビクーニャは非常になめらかではあるが、ボテ汚れが多く、個人的にはかなり苦手なインク……と思っていたのだが、今回久しぶりに使用してみると「あれ? こんな書きやすかったっけ?」と驚いた。

↑改良型は、これまでのビクーニャインキとは明らかに書き味の違う、ゴー・ストップのしやすい適度ななめらかさ

 

搭載するリフィルは、低粘度油性インクの「ビクーニャ フィール」(ぺんてる)と共通となっている。ビクーニャは非常になめらかではあるが、ボテ汚れが多く、個人的にはかなり苦手なインク……と思っていたのだが、今回久しぶりに使用してみると「あれ? こんな書きやすかったっけ?」と驚いた。

 

ぺんてるによると、実は今回の「カルム」に合わせてビクーニャ フィールのチップを改良し、書きやすくバージョンアップしたとのこと。実際、多発していたはずのボテもほぼ発生しなくなり、適度なスルスル感で気持ち良く書けるようになったなー、という印象だ。

 

多色・多機能「カルム」も、もちろん静音性高し!

「カルム」は単色だけでなく、3色の多色タイプ、2色+シャープの多機能タイプも同時リリースとなっている。単色とは仕組みは違うが、当然ながらこちらも静音性の高さがポイントだ。

ぺんてる
カルム 多色タイプ多機能タイプ
400500円(税

 

↑ボディは単色とほとんど印象の差がないスマートさ。実際、数値上では直径で1mm以下の違いしかない

 

多色/多機能タイプは後軸内端に緩衝材が入っており、リリースされたノックノブがバネで戻る際のガチン! という突き当たりの衝撃を吸収するようになっている。こちらはトンボ鉛筆の多色ボールペン「リポーター」でも採用されていた機構で、目新しいというほどではないが、とはいえ明らかに他の多色よりも静かなのはありがたい。

↑軸後端に内蔵された緩衝材で、ノック戻りの衝撃を吸収。これで音を低減させている

 

↑こちらも書き味には満足感あり

 

リフィルは単色と同様、こちらも改良型のビクーニャ多色用リフィルになっている。穏やかにゆっくり書きもでき、勢いをつけた走り書きにも対応できる性能で、とても書きやすい。静音性だけでなく、革シボ調グリップの握りやすさ+改良型リフィルの書きやすさの好相性という点に限っても、充分に「買って良し」と言える出来ではないだろうか。

 

 

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クリアホルダーごとまとめるキングジムの力技ファイル「ホルサック」の実力は?

クリアホルダーはとても偉い。書類が折れ曲がらないように保護してくれるし、中身の出し入れが簡単なので、書類をまとめる収納/携帯ツールとしても実用的だ。人に書類を手渡す際にはパッケージとしてすら機能するし、透明だから中に何が入っているのか一目で把握できるのもいい。

 

そして、これだけ機能性に優れて多用途なのに、単価も安い。消耗品扱いなのが申し訳ないほどで、みんなもっとクリアホルダーを評価してあげて欲しいのである。

 

……と、いささか感情移入し過ぎた導入になってしまったが、仕事をする上でクリアホルダーが非常に重宝するのは間違いない。例えば、“1案件 1クリアホルダー”のように書類を整理している人が、日本中にはかなり大勢いるはず。つまり、情報をファイリングする単位としても役立っているのだ。もしクリアホルダーがなかったら、書類を探す手間だって大変なことになるだろう。

 

それだけ便利なクリアホルダーだ、活用しやすくなるツールと組み合わせれば、もっと便利になるのは当然の流れだろう。

 

クリアホルダーをファイリングすればより便利になる

“1案件ごとに書類を収納するストッカー”としてクリアホルダーを考えた場合、求められるのは「閲覧性」だと思う。抱えている案件が1つだけなら問題ないが、だいたいのビジネスマンは複数の案件を平行して動かしているはずだ。であれば、どのクリアホルダーにどの書類が入っているか、が把握しやすくなってくれた方がありがたい。そこで使ってみてほしいのが、キングジムの「ホルサック」だ。

キングジム
ホルサック 6枚収納/12枚収納
500円/660円(税別)

 

一見するとファイルのようだが、表紙を開いてもページらしきものはない。その代わりに、見慣れない尖ったパーツが6本(12枚収納モデルは12本)、ニョキニョキと中央から生えている。

 

↑クリアホルダーを綴じるキモは、この尖った謎パーツ

 

このパーツをクリアホルダーの上端に差し込み、そのまま下端をスリットに押し込むと……なんとクリアホルダー自体がホルサックに綴じてしまえるのだ。

 

差し込んだクリアホルダーは、ポケット式ファイルのページのように機能する。綴じたままで書類が出し入れできるし、ペラペラとめくって閲覧も可能だ。特に「ペラペラとページをめくれる」のが重要で、これなら、どのクリアホルダーにどの案件の書類がまとまっているか、を探すのが圧倒的にラクなのである。

 

↑クリアホルダー上端(開口部)に尖ったパーツの1本を差し込む

 

↑続いてホルダー下端をそのままスリットにグイッと押し込むと……

 

↑この通り、綴じた状態でページをめくるように閲覧できる。必要な書類探しがとてもラクだ

 

クリアホルダーを取り外すときは、綴じるときと逆手順で、下辺→上辺の順に抜けば、簡単に分離させられる。

 

外出するときは、今日のうちに回る予定のクライアント分のクリアホルダーをサクサクッと綴じて持ち出せばいいし、クリアホルダーを分離させてそのまま相手に手渡すこともできる。「ホルサック」の表紙でカバーされているため、クリアホルダー自体にはスレ汚れや折れ曲がりの心配もない。

 

↑上辺が開いている一般的な形のクリアホルダーであれば、だいたい問題なくファイリングできる。厚みがあったり複数ポケットタイプだったりしても問題なし

 

ちなみに、開いた状態で逆さにしてバサバサと強くふると、当然、中の書類やクリアホルダーが抜け落ちる可能性はある。そういう場合は「ホルサック」の表紙についているフラップを差し込んでしまえば、表紙ががっちり固定。勝手に開くこともないし、中身が飛び出す心配もない。一応、抜け落ちのリスクを減らすためにも、閲覧するとき以外はこうしてロックしておいたほうが確実だろう。

 

↑表紙は勝手に開かないように、半円のフラップを差し込んでロック

 

この製品、つまりザックリ言ってしまえば「書類をまとめてファイルしたクリアホルダーを、まとめてファイルする」という入れ子構造のツールだ。

 

言葉の上ではややこしいが、使ってみれば非常にシンプルな製品ので、どう運用したらいいのか? と迷うようなことはないだろう。机の上に書類の入ったクリアホルダーが積み上がっている人であれば、まず整理が圧倒的にしやすい。外回りが多く、クリアホルダーを何枚もカバンに入れて持ち歩いている人は、情報の出し入れ・携帯がスムーズになる。

 

クリアホルダーを日常的に使っている人なら、誰がどう使ったって仕事効率が上がることは間違いなしなのだ。

 

 

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【菅未里の自腹買い文房具】学生時代に愛用した定番ボールペン「シグノ」に25年間で起きた変化とは

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

超定番ボールペン「シグノ」の最新事情

今回紹介したいのは、三菱鉛筆のロングセラーボールペン「ユニボール シグノ」(以下、シグノ)です。……といっても、読者のみなさんもご存知ですよね、シグノは。

 

言わずと知れた大ヒット作です。ゲルインクならではの滑らかな書き味や顔料によるくっきりとした発色が評価され、今やゲルインクを採用したボールペンの超定番商品になっています。日本中のオフィスのペン立てにシグノがささっているのではないでしょうか。私も、10年以上愛用しています。

↑筆者もずっと愛用しているシグノ

 

三菱鉛筆
ユニボールシグノ 0.38mm
150円(税別)

※ほかに0.5mm、0.28mmもラインナップする。

 

そのシグノを今回あらためて取り上げるのには理由があります。子どもの頃にシグノを知った世代は、最近のシグノの変化をきっと知らないだろうからです。

 

31色にまで増えたインクカラー

もともと1979年発売のボールペン「ユニボール」の別ラインとして1994年に作られたシグノ。私はその2年後に登場した極細の0.38mmを愛用しているのですが、発売当初は、インクの色は8色でした。しかし今や、この0.38mmは31色にまで増えています。

 

その歴史は、インクカラーへの需要の変化を物語っています。

↑発売当初から今に至るまで売られている6色(かつてあった蛍光黄と蛍光桃2色は廃番)

 

2003年に4色が追加されました。

↑2003年に追加された4色

 

続いて、2008年にもカラーを追加。

↑2008年に追加された6色

 

さらに、2017年にも追加されています。

↑2017年に追加された12色。微妙なニュアンスカラーも多いですね

 

色数がどんどん増えている様子がわかります。なかなか違いが理解されにくいピンク系のインクも、たくさん用意されています。

↑ピンクの微妙な差も表現されています

 

今、グリーンブラックやブルーブラックのような黒ベースの大人っぽいインクが流行っていることをご存じかもしれませんが、早い段階で、そういったインクをボールペンに採用したのもシグノでした。

↑ビジネスシーンでも活躍する黒系インク

 

こういったインクは厳密にいうと“黒”ではないのですが、落ち着いた色ですから悪目立ちせず、仕事でも使えるでしょう。だから黒に飽きたビジネスパーソンにも人気です。

 

そういえば、黒系のインクといえば2008年に「ラベンダーブラック」が廃盤になったことを覚えているファンもいるかもしれません。実は、ラベンダーブラックは海外では今も売られているのですが、国内では手に入らないのは残念です。微妙なニュアンスカラーが充実しているシグノらしいエピソードです。

 

文字にもイラストにも活躍

このように色への探求心が尽きないのがシグノの特徴です。書きやすいのは前述の通りですが、色数が豊富なので、文字を書くだけではなくイラストや図形にも向いています。私はアイデア出しの際にシグノを使っていますが、気分に沿ったさまざまなカラーのインクを使いたいので、シグノがぴったりなのです。

↑文字を書くにも、イラストを描くのにも向いているのがシグノです

 

学生時代にお世話になった方も多いであろうシグノですが、今は、ここまでラインナップが増えているのです。

 

仕事にも、趣味にも。ノートにも、手帳にも。懐かしいシグノを見直してみませんか?

 

 

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ここまで最適化してくるとは! コクヨ「キャンパスノート」専用修正テープのこだわりぶりをチェック

さすがに「キャンパスノート」を知らない、という人はいないと思う。総合文具メーカーのコクヨから発売されている日本で最もメジャーなノートで、その年間生産数は1億冊! 間違いなく、文房具業界のレジェンドブランドのひとつだ。

 

このキャンパスブランドが、最近ちょっと面白い展開をしているように見える。例えば、2019年に発売された「キャンパス まとめがはかどるノートふせん」は、ノートの1ページにあと数行だけ書き足したい、といった際にページ端に貼って紙面を拡張できる、特殊な用途の付箋だ。キャンパスノートと同じ用紙に同じ罫線が印刷されているため、貼った際の違和感が非常に少ない、というのがポイント。要するに、キャンパスノートに使う専用ツール、と言える。

 

つまり「ユーザーがキャンパスノートを選ぶ理由」として、こういった専用ツールを作ったわけだ。もちろん、そもそもノート国内トップシェアという立ち位置があっての話ではあろうが、それにしても野心的なやり方だと思う。

 

今度は、キャンパスノートに特化した専用修正テープが登場

そして、そんなキャンパスノート専用ツールとして次に登場したのが、修正テープである。コクヨ「キャンパス ノートのための修正テープ」という名前からもはっきり分かる通り、まさにキャンパスノートのために作られたツールなのだ。

コクヨ
キャンパス
ノートのための修正テープ 5.5mm・6.5mm幅
6m220円/10m270円(ともに税別)

 

何がどうキャンパスノート専用か? というと、最大のポイントはやはり、キャンパスノートの紙色に合わせたテープ色だろう。これは貼り比べてみると一目瞭然で、一般的な修正テープはノート用紙に貼ると白すぎるのだ。そのため、修正した箇所がパキッと浮き出すように見えて、目立ってしまう。

↑「修正テープ」の部分を修正。肉眼だとなおのこと、一般的なテープの白さが目立つ

 

対して「キャンパスノートのための修正テープ」は、ほんのわずかに青みがかったグレー色のテープ。これがキャンパスノートに貼られると、なるほど、違和感はかなり少ないようだ。見る角度や光の当たり方によっては、ややテープ色が暗すぎるように見えることもあるが、それでも白浮きするよりははるかに目立ちにくい。

 

ラインナップは、テープ幅で6.5mmと5.5mmの2種(テープ長もそれぞれ6mと10mがあるので、正確には4種)を用意している。

↑ヘッドやボディのロゴ色もA罫(ピンク)用とB罫(青)用になっているので、使用時に間違えることはなさそうだ

 

修正テープを使い慣れている人であれば、このテープ幅に対しても「ん? なんか微妙に見慣れない数字だな」と感じるかもしれない。一般的な修正テープの幅は4mmや6mmといった整数であり、0.5という小数点以下の数字は存在しなかったからだ。

 

ではなぜ「キャンパスノートのための修正テープ」が6.5mm5.5mmなのかというと、それはキャンパスノートの罫線幅が7mmA罫)と6mmB罫)だからである

 

例えば6mm罫に対して5mm幅の修正テープを使うと、中央に貼っても上下に0.5mmずつの余白が出る計算になる。結果、修正しきれなかったはみ出しが発生してしまうわけだ。かといって6mm幅テープを使うと罫線まで消えてしまう可能性が高い。

↑テープ幅0.5mmの差で、修正しきれないはみ出しが発生している

 

そこで、罫線キワキワまで修正を入れられるよう、余白を可能な限り減らすための+0.5mm幅、という発想だ。ただし、罫幅から余白が少なすぎるため、美しくテープを引くためには、それなりに慎重に作業する必要はあると思う。

 

もうひとつ特徴的なのが、薄い金属板を採用した新しいテープヘッド。

↑金属板ヘッドがスパッとテープ端を切るため、修正テープが苦手な人でもカットミスが発生しにくい

 

紙面に当てて修正を入れたあとに本体を引き上げると、この金属板のフチでテープをきれいにカットする仕組みなのだ。このキレの良さはかなり優秀で、修正箇所に切り損ねてガタガタになったテープ端が残ることもなく、非常にスマート。「修正テープできれいに修正できない」というトラブルの大多数はこのカットミスに由来するはずなので、そこで失敗しにくいのはありがたい。

 

「キャンパスノート」以外でも使えるか?

この優秀なヘッドなら、キャンパスノート以外でも使いたいと思う人はいるかもしれない。

↑製品名下にテープを貼った状態。マルマンのルーズリーフ「ジウリス」はかなり色味が近いが、それ以外はやはり違和感あり

 

ただ、実際によく見てみると、ノート用紙の色って、意外と製品によって違う。そのため、キャンパス専用のこの修正テープを使うと逆により目立ってしまう、なんてこともある。例えばナカバヤシ「ロジカルノート」はやや紙面が赤っぽく、キャンパスノート用ではハッキリと浮いてしまうようだ(もちろん、罫線の合間に破線の補助線が入っている“ロジカル罫”に、そもそもマッチしてないという問題もあるが)。

 

もちろんメーカーとしては「だから、キャンパスノートに使ってくださいよ」と言ってるわけなのだが。

 

 

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マーカーとして使える蛍光タイプや布に使える耐水タイプも!最新「ドットマーカー」は描画以外にも便利

ボールペンやシャープペンシルといった、ド定番筆記具と比較するのは難しいが、それでも明らかに水性カラーペンの人気は、以前よりはるかに高まっているようだ。中高生は、女子を中心に“ノートのカラフル化”が進んでいるし、男子にだって細字カラーサインペンを日常筆記用に使っている人がそれなりにいる。

 

筆者は、公式書類でもない限りは「筆記は黒インクに限る」という固定概念に特に意味はないと考えている派なので、多彩なカラーペンを楽しむ層がもっと増えれば面白いと思う。

 

また、カラーペン自体も、色数だけでなくペン先チップやインク特性に特徴を持たせたものがここ数年でかなり増えている。

 

その中でも人気が高いのが、“ドットマーカー”タイプである垂直に円筒状や球状のチップを捺す(おす)だけできれいなドットが描けるため、手軽にノートや手帳の紙面を飾ることができるというものだ。トンボ鉛筆「プレイカラードット」や呉竹「ZIG クリーンカラードット」などが先行してすでにかなり売れているらしく、後続の製品もあれこれ出始めているようだ。

 

↑ポンポンとドットを捺していくことで、こんな絵も描けてしまう呉竹「ZIG クリーンカラードット」

 

【プレイカラードット】ビジネスマンの目からウロコ! 女子高生のカワイイ水玉ペンに意外な使い道があった

【ZIG クリーンカラードット】色味とタッチが絶妙…ボールペン代わりになるエモい「細字水性サインペン」

 

そこで今回は、そういったドットマーカータイプの製品を2点、紹介したい。かわいいもの好き男子や大人が使うのも、充分にアリだと思う。

 

蛍光&ドットが使いやすい最新マーカー「マルライナー」

まず紹介するのは、2021年8月に発売されたエポックケミカル「マルライナー」だ。従来のドットマーカーは「細字」と「ドットチップ」のツインタイプが主流だったが、こちらは単体で球状ドットチップの「マル」と細字の「ホソ」に分かれて展開している。その分、1本辺りのお値段は少しお安くなってます、ということだろう。

エポックケミカル
マルライナー マル 全24色
各140円(税別)

 

↑ただポンポンと捺してるだけでも楽しく遊べるのがドットマーカーの魅力だ

 

蛍光色の色数が多いのが特徴

何より目を惹くのが、その色数だ。ローンチで「マル」が全24色というのは、呉竹のクリーンカラードットと並んでドットマーカーではトップクラス。そもそも“多彩さ”がカラーペンの魅力である以上、色数の多さはシンプルに購入時の選択基準になり得るはず。その点で、エポックケミカル、勝負してきたな? と感じる。

↑スタンダードな蛍光から人気のマイルドなトーンまで、多彩に揃うラインナップ

 

そしてその24色の中に蛍光色が多く含まれている、というのも大きなポイントだ。というか、製品自体のスタンスが「丸いチップの蛍光マーカー」なのである。

 

黄色系・オレンジ系・青系・緑系・紫系・ピンク系にそれぞれ微妙なニュアンスのバリエーションがあるため、ありきたりな蛍光イエローは飽きたという人でも、選び甲斐がありそうだ。

 

“マーカー”としてのメリットも大きい

ただドットが描けるマーカー、というだけだと「うーん、使わないかな?」とパスする人はいるだろう。対して、ドットも描ける蛍光マーカーなら、蛍光マーカー+αの製品として欲しくなる可能性はある。

↑球状のチップを使うことで、太いライン&ドットが自在に

 

正直、ポンポンとドットを描くのは誰がやっても相当に楽しいので、蛍光マーカー目的で買ってドットマーカーにハマった、という人も出てくるんじゃないだろうか。

 

また、純粋に蛍光マーカーとして考えても、ドットチップにはメリットがある。

↑ドットだけでなく、“蛍光マーカー”としてもラインが引きやすく優秀!

 

↑紙に当てる角度を考えないと上手くラインが引けないチゼルチップ(写真上)に対して、どこから当てても問題ない球状チップ(写真下)。きれいにラインを引くのが苦手な人にはこっちが便利だ

 

マーカーペンのペン先チップといえば、先が平たくなった硬い“チゼルチップ”(たがね型)が主流だが、常に正しい角度で紙に当てないと均質な線が引きにくいという難点がある。対して球状のドットチップは、どの角度で紙に当てても同じように線が引けるのだ。力の入れ加減で線の太細が変わってしまうというデメリットはもちろんあるが、個人的にはチゼルチップよりも圧倒的に使いやすいと思う。

布用に特化したドットマーカー「ヌノデコペン ドット」もおすすめ

もうひとつ紹介したいのが、KAWAGUCHI「ヌノデコペン ドット」だ。そもそもKAWAGUCHIというのは手芸用品メーカーであり、さらに製品名からもなんとなく推察できるとおり、こちらは布にドットを捺すための手芸用ツインマーカー(ドット/細)なのである。

KAWAGUCHI
ヌノデコペン ドット 全15色
各280円(税別)

 

構造としては他のドットマーカーと同じで、柔らかいドットチップを捺すことでドットが簡単に描けるというもの。ただしインクが耐水性の強いタイプなため、布に描いて乾燥した後なら洗濯も可能となっている。もちろん、紙に使うのでも問題はない。

 

↑無地のコットントートにポンポン、でオリジナルバッグの完成。乾燥すれば洗濯もOKだ

 

基本的には、トートバッグやTシャツなどに自分でデザインしたドット柄を入れる、という使い方が楽しめそうだ。また、小さな子どもが複数いる家庭では、兄弟姉妹の靴下などに各自の色のドットを捺しておくことで、混ざってしまわないような目印にもなる。あとは保育園でのお着替え用着に、名前の横にかわいいマークなんか入れてあげると、喜んでもらえるんじゃないだろうか。

 

 

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後端ノックの新機構採用で「黒」がより使いやすくなった3色ボールペン! 黒インク約70%増量替芯も同時発売

三菱鉛筆は、なめらか油性ボールペン「ジェットストリーム」シリーズから、使用頻度の高い黒インクが使いやすくなった、3色ボールペン「ジェットストリーム 新3色ボールペン」と、インク量が通常品に比べ約70%増量した黒インク替芯「長持ちリフィル」を、12月13日に発売します。

 

今回発売となるジェットストリーム 新3色ボールペンは、インク色の中で使用頻度の高い黒インクを、使いやすく進化させた3色ボールペン。黒インクを使用する際のノック棒をペンの後端部分に配置し、シングルノックのような操作感で黒インクを繰り出すことができます。

 

インク色は黒・赤・青で、ボール径は0.5mmと0.7mmの2種類が選べます。軸色はボール径0.5mmがブラック、Wライトピンク、アイスブルー、ベリーピンク、グレージュの全5色、ボール径0.7mmがネイビー、ダークオリーブ、レモンイエローの全3色です。税抜価格は500円。

 

同日発売の長持ちリフィルは、チューブを薄くすることにより、同社通常品(SXR-80)と同じ形状で互換性を保ったままインク量をアップし、通常品比で約70%増量。チューブが薄くなることで、プラスチック使用量も通常品に比べ約30%減量、紙製のパッケージを使用しており、環境へ配慮しています。税抜価格は130円で、ボール径は0.5mmと0.7mmを用意。インク色は黒のみです。

 

また、長持ちリフィルは、ジェットストリーム 新3色ボールペンにも搭載されています。

書き味滑らかでオシャレでサステナブルなボールペン「Penon(ぺノン)」は時代が求める条件を全クリア

筆者は、基本的に文房具は“機能で選ぶ”派だ。日常的に高頻度で使うツールだから、機能が優れていた方が正しいに決まっているし、選ぶ意味があると思う。ただ、日常的によく使うからこそ、ルックスがショボいものを使う気にはならない、という“見た目で選ぶ”派の言い分も、もちろん理解できる。使うたびに「うーん、これ見た目がなぁ……」と思っていたら、テンションはダダ下がりだろう。

 

また、自分のテンションの問題に加えて、外からどう見られるかも重要だ。特に筆記具は意外と使うところを他人に見られているので、気を遣っておいて損はないのである。

 

はしゃぎすぎない、ジャストにかわいいボールペン

とはいえ、ただ「見た目の良い筆記具」と言っても、シック系やハイセンス系、ファンシー系、ファニー系といろいろ。そんな中で、かわいいけれど甘ったるくない&落ち着きすぎない品の良さで文房具ファンの間で注目を集め始めているブランドが、クラウドファンディングからスタートした「Penon」だ。達成率800%超えの人気に後押しされ、2021年9月からは一般販売がスタートしている。

Penon(ぺノン)
ネクタイペン/メガネペン
各1300円各1200円(ともに税込)

 

ベースは明るめの木軸に金属パーツをあしらったデザイン。これだけなら単に落ち着いてるペンだなーという印象だが、クリップにあしらわれた「メガネ」「ネクタイ」が、雰囲気を“ほど良くかわいい”感じにしている。

↑クリップにあしらわれた刺繍ネクタイとメガネフレームが、イイ感じに主張している

 

ペンとして使っている時に視界に入ると、「あ、メガネ(ネクタイ)だ」と気付くぐらいの目立ち度合いで、これ以上に主張が強いとやりすぎだし、逆に控えめすぎるとつまらない。このちょうどいいオシャレさのバランス取りは見事だ。

↑手に握るとこれぐらいの目立ち加減。メガネキャラをアピールしたい人の最適解とも言える

 

↑そのまま筆記に使っても面白いが、個人的にはやはり胸ポケットに挿したときが一番かわいいように思う

 

もうちょっと踏み込んでアクセントが欲しければ、「フラッグ」シリーズもあり。ペン後端からにょきっと刺繍の旗が伸びたルックスは、かなりユニークだ。旗の柄には、ハリネズミやリスといった刺繍映えするオシャかわな意匠に加えて、なぜかアゼルバイジャンやソマリアといったレアなものが揃っている国旗シリーズもラインナップしていて楽しい。

Penon
フラッグペン ショート/ロング
各1400円(税込)

 

↑ペン後端からかわいい刺繍旗がピコッと立っているのが、たまらないかわいさ

 

とはいえ、かわいいだけじゃなぁ……と思いながら使ってみると、意外や、書き味もなかなかに優秀で驚いた。ボール径0.5mmのニードルチップからたっぷりめに出るゲルインクは、サラサラ感が強く、なかなかに書いていて気持ちが良い。

 

ちなみにリリース情報には「セラミックボールを使用」とある。ニードル+ゲル+セラミックボールという組み合わせであれば、OHTO(オート)のOEMのような気はするのだけれど、確証はない。

↑正直、かわいいだけのペンだと舐めていたのだが、書き味の良さもかなりのもの。サラサラ好きにはハマる可能性大だ

 

もう一つの特徴が「サステナブルな文房具」だということ

↑リフィルは、替リフィルのパッケージに入れて郵送すればリサイクルされる仕組み

 

ところでこの「Penon」の特徴としてもうひとつ挙げられるのが、サステナビリティに対する取り組みである。

 

まず木軸は、伐採した量以上の植林が約束されている森林認証の木材を使用。リフィルも廃プラが出ないよう、無償で回収しリサイクルへ回す仕組みを作っているとのこと。もちろん、ユーザーレベルではあくまでも心がけ程度の話だが、身近な文房具からSDGsに取り組むメーカーを応援するのは、悪い話ではないだろう。

↑もちろんパッケージもエコなダンボール製。側面にフルート(ダンボールの断面)が見えているのがオシャレ

 

↑開封時は、ストッパーを外すと……

 

↑重なったジャバラがほどけて、このように開く。この構造はかなりカッコイイ!

 

ちなみにパッケージも脱プラを目指して、ダンボール製となっている。薄いダンボールをジャバラに重ねて厚みを出している構造がなかなか面白く、このままプレゼント用にしても違和感のないオシャレさなのだ。

↑パッケージ下部には、ちょっと工作マインドをくすぐるパーツが並ぶ

 

↑切り抜いて組み立てると、このとおりペンスタンドに

 

↑スタンドはまっすぐペンが立つので、やはりフラッグペンが最も似合う

 

さらによく見ると、パッケージからなにかパーツが切り抜けるようになっていた。これを切り抜いて組み立ててみる(のりか接着剤があるとラク)と、ペン1本が入るペン立てが出来上がるのだ。特に「フラッグペン」シリーズを立てるとしっくりハマる感じ。机に立てておくとなかなかキュンとくる雰囲気になるので、入手された方はぜひ組み立ててみて欲しい。

 

 

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ボールペンの書き心地は重心バランスがカギ! 三菱鉛筆「ユニボール ワン F」は驚異的なしっくり感を備える

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第15回となる今回は?

 

第15話

三菱鉛筆
ユニボール ワン F
300円(税別)

低重心で安定した筆記を叶える「スタビライザー機構」を搭載したゲルインクボールペン。より濃くくっきり書ける顔料インクを採用している。ボディは、くすみ色をベースに、時の経過を感じさせる褪せた色合いの7色展開。「消炭」や「無垢」、「花霞」など美しい色名にも注目だ。

 

重心の絶妙な位置調整で筆記具の可能性を拓く

2021年9月に発売された三菱鉛筆のボールペン「ユニボール ワン F」は、昨年発売されたユニボール ワンの上位モデル。もとのペン自体がすでに洗練されたものではあったのですが、本品はその高級版という枠には留まらない、より革新的で、今後極めて大きな意味を持つペンとなる可能性を秘めています。

 

その理由をひと言で言えば、「ペンの“重心バランス”を見直し、その最適解を提示してみせた」となるでしょうか。

 

近年、ペンの重心の位置が書き心地を大きく左右することが知られるようになり、特にペン先側に重心を寄せた「フロントヘビー」なペンが増えてきました。これはペンを短く持つ人にとっては確かに扱いやすいのですが、だからといってただ闇雲にペン先だけを重くしたのでは、また別の持ちにくさが生じてしまいます。

 

それに対してユニボール ワン Fは、重心の位置をペン先のやや後ろ、ちょうどグリップの真ん中あたりと定め、わざわざ内部に金属パーツを仕込んでチューニングを施しています。この効果は絶大で、持ったときのしっくり感、ペン先のコントロールのしやすさは驚異的なレベル。握った瞬間、明らかに「何か違う」と感じられるインパクトがあります。

 

これが意味するのは、“筆記具にはまだ未開拓の領域があり、進化の余地が残されている”というのを実証してみせたこと。ここで示した可能性により、ペンはまた新たな次元に突入するかもしれません。

↑ペン先に金属パーツを内蔵。オレンジ色の部分が、金属パーツを使用している部分を示している

 

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【第14話】ゲルインクボールペン「ボールサインiD」を低重心にする先端パーツをメーカーが公認した理由とは

ジムニーや納豆の色、生姜の香り…「ご当地インク」の魅力を600色保有するマニアが語る!

ここ数年、「インク沼」という言葉をよく耳にするようになりました。万年筆のインクにハマってコレクションすることを指します。

かつて、黒やブルーブラックといったシックな定番色ばかりだった万年筆のインクが、近年はカラフルになっていることで人気が加熱。さらにブランドや店、地域とコラボレーションした限定インクや、インクをミックスして好きな色にカスタマイズできる店が登場するなど、コレクター心をくすぐる商品や仕掛けが次々と生まれ、その人気に拍車をかけています。

 

今回は、そんなインク沼にハマったひとり、FM OZEで文房具をテーマとしたラジオ番組『他故となおみのブンボーグ大作戦!』を担当しているふじいなおみさんに取材。なかでもコレクションがライフワークとなっている“ご当地インク”の魅力を教えていただきました。

 

ご当地インクとは? すでに1000種類以上も存在

万年筆のインクは、手軽に扱える「カートリッジタイプ」が定着しているため、万年筆を日常的に使わない人には、ボトルタイプのインクは縁遠い存在かもしれません。ところが今、そのボトルタイプのインクが続々と発売されているのです。さまざまなカラーのボトルインクを手軽に楽しむために、最近では“ガラスペン”も注目されるなど、万年筆のインクを取り巻く話題は尽きません。

 

元々文房具マニアだったふじいさんも、店でカラフルな万年筆用のインクを見かけて一気にのめりこんでいったと言います。とくに沼にハマったのが、「ご当地インク」というジャンル。

↑文房具プレゼンターとして活動するふじいなおみさん

 

「“ご当地インク”とは俗称で、コレと言った定義があるわけではありません。広義では各地の文具店やメーカーが製造・販売する“お店限定インク”を意味しますし、狭義としては“その土地の色を表現したインク”と解釈できると感じています。2006年、北海道にある大丸藤井セントラルさんがセーラー万年筆とともに、店舗オリジナルインクを製造・販売したことがご当地インクの起源と言われていますが、2007年に兵庫県にあるナガサワ文具センターさんで『Kobe INK物語』を売り出したことが、ブレイクのきっかけとなりました。インクの色味が個性豊かでどれも可愛いのはもちろんですが、瓶も可愛くてコレクター心をくすぐるんです。現在では、1000種類以上のご当地インクがあると言われています」(ふじいなおみさん)

↑北海道の四季からイメージした植物などをモチーフにした「セントラルオリジナルインクシリーズ」。「これがご当地インクの元祖と言われています。『四季』というシリーズで、2020年に復刻されました。この3つに加えてラベンダーがあるのですが人気で入手できず……」とふじいさん

 

↑種類も豊富な「Kobe INK物語」

 

自宅には、600種類以上のインクを保管しているふじいさん。今回は特別に“インク沼”入門編におすすめのインクを紹介していただきましょう。

 

迷ったら“地元のインク”から探してみよう

まず、どのようにお気に入りのインクを探したらいいでしょうか?

 

「直感で選んでもらってもいいですが、インクと一言に言ってもたくさんの種類があるので、個人的なおすすめは“地元のインク”から始めることです。私は北海道出身なので、『函館トワイライトブルー(北海道・石田文具)』はもう、たまらない色ですね。函館山から見た夕暮れの空をイメージしたインクなのですが、インクを使うたび思い出が蘇り、懐かしく感じられます」

↑北海道の石田文具が展開するオリジナルインク。左から「函館トワイライトブルー」「函館山」「函館がごめ」

 

↑「函館トワイライトブルー」をオーナメントニブというペン先を装着したつけペンで書いてみると……青に加えて“夕焼けの赤”もうっすらと。液体として見える色味、書きたての色味、インクが乾いてからの色味と、同じインクでも表情が変わってきます

 

「また、最近では“香り付き”のインクも出ているんです。群馬県にある文具店・三田三昭堂さんと『からっぽペン』を作っている文具メーカー・呉竹さんがコラボレーションした『墨インク 珈琲』は、高級感ある切子ガラスの瓶に入ったインクなのですが、ちゃんとコーヒーの色と香りがするんです。また、長崎県にある文具店・石丸文行堂には、岩下食品とコラボレーションした『岩下の新生姜』の香りと色が楽しめるインクもありますよ」

↑墨インクには「墨インク 珈琲」の他にも、龍脳、伽羅、檜など6種類が展開されています

 

↑「岩下の新生姜万年筆インク」。長崎にある石丸文行堂からの提案で実現したインク。製造は文具女子からの熱い信頼を集める“トノリム”ことTono & Limsが担当

 

「岩下の新生姜万年筆インク」は、通販でも購入が可能。オンラインストアでは万年筆とセットになったスターターセットも販売されているので、ここから始める! というのも楽しいかもしれません。

 

「他にも、『どうしてこれを?』と思うような面白いインクも多数あります。例えば、北海道北斗市公式のキャラクター“ずーしーほっきー”の尻尾部分をイメージして作られた『ほっきーるーじゅ』(北海道・石田文具)、COLOR TRAVELERシリーズの中でも攻めたカラーの『讃岐うどんだしゴールド』(広島・多山文具)」。また北関東を中心に展開している趣味の専門店JOYFUL2が手がけた群馬県『上州焼きまんじゅうブラウン』と茨城県の『納豆ブラウン』は、色比べをするのも楽しいカラーです」

↑北海道の石田文具が展開するオリジナルインク。左から「函館八幡坂ブルー」「渋墨」「ほっきーるーじゅ」

 

↑同じく北海道の石田文具が展開するオリジナルインク。左から「金森赤レンガ」「遺愛学院」「函館カレー」

 

↑「讃岐うどんだしゴールド」は、広島県の多山文具が手がけるCOLOR TRAVELERシリーズのひとつで、他にも「牡蠣(オイスター)シルバー」「広島ソウルフードブラウン」など、名称も個性的なカラーがたくさん

 

↑左が群馬県「上州焼きまんじゅうブラウン」、右が茨城県の「納豆ブラウン」。他にも群馬・茨城・栃木にまつわるカラーが展開されています

 

「王道ながら攻めているインクもあって、紙の上で旅する万年筆をコンセプトに作られた『京阪電車ステーションカラー万年筆用インク』(京都・文具店TAG)や、スズキのジムニーや日産のスカイラインGT-Rなど車体カラーをイメージした車好きにはたまらない『名車インクコレクションシリーズ』(神奈川・湘南garage)、『セントラルオリジナルインクシリーズ』(北海道・大丸藤井セントラル)は、北海道に由来する植物や生物をイメージしたインクも人気のご当地インクです」

↑京都の文具店TAGと京阪電車が共同開発したインクは「七条駅(うすふじ)」、「清水五条(写真左・せいじ)」「祇園四条(写真右・うこん)」「三条(うすあけ)」の4駅が販売されました

 

↑「名車インクコレクションシリーズ」は、スズキと日産がそれぞれ監修も行なった本格アイテム。オンラインショップ湘南garageで購入可能

 

通販で購入できるもの、直接店舗に行かないと買えないもの、電話で取り寄せできるもの、イベント出展で購入できるものなど入手方法はさまざま。SNSのハッシュタグ「#ご当地インク」「#インク沼」などでインク仲間と情報交換を行うのも楽しいと教えてくれました。

 

インクの可能性は無限大。楽しみ方もさまざま!

たくさんのインクを紹介していただきましたが、ふじいさんは集めたインクをどのように保管・管理しているのでしょうか? 集めた後の楽しみ方について教えていただきました。

 

「コレクションして飾っておくのもいいですが、せっかくなら“書いて”楽しみたいですよね。ガラスペンがあれば、ボトルインクに直接ペン先を入れて紙に書くことができますし、万年筆もコンバーターを装着すれば、好きな色のインクを使うことができます」

※色が混ざってしまうこともあるので、使う前にはペン先&コンバーターをしっかり水洗いしましょう。

↑取材時にもたくさんのペンを持参してくれたふじいさん。書き味やインクとの相性なども考慮していると、インク沼から万年筆沼、さらに紙沼にもハマってしまい、沼の広がりは止めど無し

 

「実は、インクには消費期限(開封から2〜3年が目安)があるんです。光による変色もあるので、なるべく箱に入れて暗所で保管するのがいいでしょう。でも、正直この期限内に使いきれない! ということもあるので、お迎えしたら(手に入れたら)まず、カード型の『インク帳』に書き溜めておくことを習慣にしています。私は、1枚目に書き味、色味、購入した日など自分で作ったフォーマットに記入し、2枚目は『ヌルリフィル』(特殊加工したユポ紙)という最高の書き心地を味わえる特殊な紙に記入、3枚目としてインクにどんな色が配合されているのかチェックできるクロマトグラフィーにまとめています」

↑ふじいさんのインク帳。眺めているだけでも個性豊かなご当地インクの楽しさを味わえます

 

「また最近では、『インク採集キット』という蝶をモチーフにしたキットも販売されています。水の入ったビーカーの上に蝶を吊るし、羽の下にインクを垂らしてしばらく浸しておくと、羽全体にきれいな模様が浮かび上がってくる“インク蝶”を作るキット。小さなお子さんでも簡単にできるので、自由研究やおうち時間のお供としても楽しく使ってもらえると思います。同じ青でも、インク蝶を使うことでインクに含まれる色の分析ができるので、化学の勉強にもなりますよ」

↑これまでふじいさんが集めてきたインク蝶たち。本物の蝶のように鮮やかです

 

↑インク蝶を『岩下の新生姜万年筆インク』で作ってみると、ピンクだけでなくうっすら黄色の色味も浮かび上がってきました。インクを垂らし、水につけてから10分ほどでインク蝶は完成

 

さらにふじいさん、この度とうとう、オリジナルインクを作ってしまったのだそう! 一体どんなインクを作ったのでしょうか?

 

「今回、トークライブに合わせて『なんでもない日の小さな思い出』という名前のインクを、セーラー万年筆さんとのコラボで制作させてもらいました。ボトルについているイラストも、このインクで万年筆画家のサトウヒロシさんに描いてもらったもの。2020年末くらいからこの企画が始まり、セピア色のインクが完成しました」

↑2021年10月16日に行われたトークライブ『ご当地インクでSHOW!』に合わせて完成したオリジナルインク「なんでもない日の小さな思い出」

 

こうしてインクを集めていくうちに、ふじいさんの暮らしも華やかに楽しくなってきたそう。インク好きの仲間との交流を通じて新しいインクを知ったり、「あの子は名古屋出身だから、名古屋のインクでお手紙を書いてみよう」とインクが縁を深めてくれたり、ふじいさんを日々刺激してくれていると話します。

↑耳元にはインクボトルインクのイヤリングが。「ご当地インクの正装で来ました」とのこと。ありがとうございます!

 

↑この日履いてきてくれたスカートまで手作り! インク柄の布からオーダーし、自作したのだとか

 

手書きの機会は減っていますが、だからこそインクを通じて書く楽しさ、知識を深め広げていく楽しさ、日本の魅力を再発見する楽しさを感じられるはず。まずは、ご当地インク沼に浸かる所から始めてみてはいかがでしょうか。

 

【プロフィール】

ラジオパーソナリティ、文房具プレゼンター/ふじいなおみさん

北海道札幌市生まれ。FM OZEで放送中のラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ及び制作・技術を担当。他故壁氏さんとユニット「たこなお文具堂」として、文房具の楽しさを伝える活動を開始。万年筆インク(中でもご当地インク)コレクターであり、2015年生まれの娘とともに学童文具の観察を行う。

 

 

取材・文/つるたちかこ 撮影/我妻慶一

 

 

従業員8人、山形の町工場発! 大人のための「金属の積み木」20%早割中

ヒカルマシナリーは、「TSUMIKI Pen Stand」を、12月31日まで20%オフの早割価格で、同社ECサイトにて予約受付中です。通常販売価格は税込3万6340円ですが、期間中は2万9040円で購入可能。発送は2022年1月中旬~2月中旬に順次行われます。

 

同製品は、型に流し込む鋳造品ではなく、熟練した職人が材料から削り出しで作るステーショナリーアイテム。金属の切削面の美しさに注目し、積み木のように触って組み合わせを楽しめて、インテリアに馴染むようなデザインの製品開発が行われたそうです。金属毎の特性の違いや良さ、組み合わせの美が感じられるように、色、比重、硬度、防汚、磁性など、特性の異なる金属を使用しています。

 

バリエーションは「UMI」「TSUKI」「TONO」「HANE」の4種類で、いずれも鉄(黒染)、真鍮、ステンレス、銅が使われています。

 

ペン立てとして、1段から4段までペンやインテリアの雰囲気や、そのときの気分に応じてペン立ての形状や配色の組み合わせを変えられます。また、ペン立てとしてだけではなく、ペーパーウェイト、一輪挿しなど、様々な用途に展開できます。

音ハラスメント意識の強いミレニアル世代向け、ぺんてるから静音設計ボールペン「Calme」登場

ぺんてるは、単色ボールペンと多色・多機能ボールペンでそれぞれ異なる静音設計を採用した、静音油性ボールペンシリーズ「Calme(カルム)」を発表。12月15日から全国の文具取り扱い店舗で順次発売します。ラインアップと価格は以下のとおりです。

 

Calme 単色ボールペン/0.5mm、0.7mm/各165円(税込)
Calme 3色ボールペン/0.5mm、0.7mm/各440円(税込)
Calme 多機能ペン/2色ボールペン0.5mm+シャープペン0.5mm)/各550円(税込)
Calme 多機能ペン/2色ボールペン0.7mm+シャープペン0.5mm)/各550円(税込)

 

Calmeは、「音ハラスメント」意識を持った、20~30代を中心としたミレニアル世代に向けて、「自分も周りも“穏やかに心地よく”」をコンセプトに掲げた製品。シリーズ全体で静音性を実現するために、単色ボールペンと多色・多機能ボールペンで、それぞれ最適な機構を開発しています。これにより、ボールペンのノック時の操作音を、従来製品に比べて66%低減したそうです。

 

また、ノック時に手に感じる衝撃を和らげ、書きやすさを実現しているとのこと。

 

さらに、軸にはカメラに使われることが多い、革シボ加工技術を生かした革調のグリップを採用したほか、濃くて発色が良いうえになめらかな油性インキを搭載。使い心地にも注力しています。

 

単色ボールペンは軸色違いがあり、黒/カーキ/グレイッシュホワイト/レッド/ブルーを用意。また、インキ色は黒、赤、青があります。

 

一方の3色ボールペンと多機能ペンは、黒/カーキ/グレイッシュホワイトの軸色をそろえています。

人気のホワイトボードノートの進化版「Write White+」が学研ステイフルから登場

学研ステイフルはホワイトボードノート「Write White+」を発売しました。ラインアップは、「WW+ホワイトボードノート A5タイプ」全2種と、「WW+ホワイトボードノート B5タイプ」全2種をそろえ、価格はA5タイプが1320円(税込)、B5タイプが1430円(税込)です。

 

Write White+は、2020年11月に発売されて以降人気の高い「Write White」の進化版。ノートには、ToDoリスト/方眼/無地の3種類のフォーマットが入っており、仕事はもちろん、暮らしでも役立つとしています。

 

また、書いたものをうっかり消さないようにしたり、重ね書きしたりもできる、透明の保護シートが付いています。なお、A5タイプ・B5タイプともにページ数は6ページとなっています。

 

ゲルインクボールペン「ボールサインiD」を低重心にする先端パーツをメーカーが公認した理由とは

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第14回となる今回は?

 

第14話

UO
ステンレス製先栓
550円(税込)

「ボールサイン iD」のプラスチック製の口金の置き換えパーツ。純正のクリップと同じステンレス製で、装着すると高級筆記具のような低重心の書き心地になる。

 

↑ベースとなる、サクラクレパスのゲルインクボールペン「ボールサイン iD」

 

デザイン事務所とサクラクレパスのこだわりが生んだ完成形

2020年12月に発売されたサクラクレパスの「ボールサインiD」は、インクが普通の黒以外に、ブルーブラック、ブラウンブラック、グリーンブラック等々、黒系のバリエーションのみで6色も揃っているという、なんともマニアックな一本でした。直線的なフォルムながらエッジを丸めたデザインも良く、全体的にとても良いペンなのですが、一点、ペン先の三角部品(口金)が樹脂製で、色味・成形ともにやや浮いているのが残念でした。

 

ところがその半年後、このペンのデザインを手掛けた浜松のデザイン事務所「UO」がボールサインiD専用の口金パーツ「ステンレス製先栓」を限定発売したのです。しかもサクラクレパス公認で。

 

想像するにおそらく、もともと金属製としてデザインしていたものの、価格を220円に抑えるために泣く泣く断念……したものの、やはり本来の形でも使ってほしい、との熱い思いから販売に踏み切ったのだと思われます。そんな話、ほかに聞いたことないんですが。

 

しかもこれには続きがあって、2021年10月にはなんとサクラクレパス本体が、口金を金属製にした「ボールサインiD プラス」を発売することになったのです。価格は385円、インクは黒系3色のみとなってしまいましたが、それを補って余りある完成度の高さ。いや、初代の軽やかさだって決して悪くなかったんですけども。

 

ともあれ、現代国産ボールペンの解像度の高さ、ぜひあなたも手に取って味わってみてください。

 

↑削り出しの金属製の口金を搭載する「ボールサインiD プラス」もラインナップ。インクは、ピュアブラック、ナイトブラック、フォレストブラックの3色だ

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第12話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第13話】定番の油性ボールペン「ビックオレンジEG」がまさかの廃番! 後継モデルもさすがの書き味だが……
https://getnavi.jp/stationery/649279/

秘密は軸にあり!「サラサナノ」が極細ゲルインクボールペンなのにガリガリしない理由

ゲルインクボールペンの0.3mm径というのは、かなり扱いが難しいと、筆者は思っている。立ち位置は、現在のゲルインクボールペン市場では最も細いボール径。この“細さ”がクセモノで、どうしてもガリガリとした引っかかりの強い筆記感になってしまうのだ。

 

つまり、ボールが小さいだけに紙の繊維などの微細な凹凸に足を取られやすかったり、先端が鋭すぎて紙の表面を掘ってしまったり、という状態である。「このガリガリした書き味がいい!」という人以外にとって快適じゃないのはもちろん、このガリガリした衝撃によってペン先が跳ねてしまい、カスレが発生しやすいのも問題と言える。

 

筆者も、ゲルインクの細径が好きでメイン筆記具にしているが、それでも0.38mm(≒0.4mmクラス)。この0.1mmの差は数字以上に大きくて、正直、自分には0.3mmは使いこなせないなー、と諦めていたのである。

 

しかし、2021年11月に発売されたゲルインク0.3mmの新製品が、試してみるとなかなかに面白い。特殊な構造で、ガリガリ感を抑える工夫がされているのだ。

 

極細0.3mmでもガリガリしないゲルインクボールペンとは?

その新製品というのが、ゼブラから発売された「サラサナノ」。名前でお分かりの通り、ゲルインクの王者こと「サラサ」シリーズに新たにラインアップされた、0.3mm径のボールペンである。

 

ゼブラ
サラサナノ0.3mm、全 32
各200円(税別)

 

ちなみに、シリーズの大看板である「サラサクリップ」にも、以前から0.3mm径は存在している。ただ、個人的な感覚では「サラサとはいえ、やっぱり0.3はガリガリするよなー」という印象のペンだった。実は「サラサナノ」のインクリフィル部分は、この従来の「サラサクリップ」0.3mmと共通なのである。

 

えっ、じゃあ結局ガリガリじゃん! と考えるのは、早計に過ぎる。不快なガリガリを抑制する工夫は、リフィルではなく軸の方にあるのだ。

 

ガリガリ抑制の仕組みとは?

↑引っかかる感じが少なく、細い線がサラッと軽く書ける筆記性能は、非常に優秀

 

「サラサナノ」のボディには、バネが2本内蔵されている。1本はノックの制御を行うための口金内部の前バネ。こちらは、ノック式ボールペンすべてに入っているお馴染みのやつだ。

 

そしてもう1本が、軸後端に収まっている振動抑制用の後バネ。「うるふわクッション」と名付けられたパーツである。この後バネが、サスペンションとなってリフィルの上下動を吸収。ガリガリした振動を抑制する、という仕組みなのだ。

 

↑ペン先がバネで上下に動くことで、紙表面の凹凸を乗り越えやすく、強い筆圧を逃がす効果も得られる(写真提供:ゼブラ)

 

↑ノックボタンの下に位置する黒いパーツが「うるふわクッション」。これがバネを内蔵したサスペンションだ

 

サスペンションとはいっても、書く際にブワブワ動くほどではなく、タッチは硬め。筆圧をグイッと強くかけると少し沈むかな? 程度なので、違和感はないだろう。

 

しかし、この“硬いサス”こと「うるふわクッション」が、思った以上に良く効く。小さな字を書くにも、これまでなら紙の繊維に引っかかってガリガリと揺れていたペン先が、かなりスムーズに動かせるのである。この書きやすさは「本当にサラサ0.3と同じリフィルなの?」と驚くほど。他社のゲルインク0.3mm径と比較しても、引っかかりの少ない書きやすさはトップクラスだと感じた。

 

ザラザラしてペン先が引っかかりやすい付箋の書き味は?

↑コピー用紙やノートよりも平滑度が低い付箋の紙でも、サラサラと快適筆記

 

従来のゲル0.3mm径にとって、付箋は鬼門だったと言える。付箋は書き込み面積が少ないだけに、細い字で書き込みたい。しかし表面がザラッとしている(平滑度が低い)ため、特にペン先がガリッと引っかかる率が非常に高かったのである。

 

そこで「サラサナノ」を付箋書き込みに使ってみると……おおー、確実に書きやすい! 筆者は今まで、付箋への書き込みは油性の0.3mm径を使っていたのだが、今後は「サラサナノ」に切り替えても良さそうだ。

 

↑鼓型に削りこんだ不思議な形状の口金。メーカーリリースには「先端視界を確保しやすい」とあるが、あまりその効果は体感できなかった……

 

もうひとつ、口金の金属化も大きなポイントで、先端重量を増やして低重心化し、書きやすさを高めている。

 

これは明らかに、昨今のボールペントレンドのひとつ。先だってもこの連載で、“300円帯ボールペン”として「ユニボール ワン F」と「ボールサインiD plus」を紹介したが、つまりは従来の100~200円のボールペンを、リフィルはそのまま、軸や口金部分のアップグレードで低重心・高品質化させる……という方向性だ。

強みは書き心地を高める低重心! 新価格帯「300円ボールペン」の真価とは?
https://getnavi.jp/stationery/675698/

 

しかし、それらと同じ方向性でありつつ、それを一段安い200円帯で売ってしまうあたり、いかにも“学生の味方”であるゼブラらしい。

 

↑全32色のカラーラインナップ。人気のビンテージカラーなども揃って、ローンチの時点ですでに充実感が高い(写真提供:ゼブラ)

 

カラーラインアップも、0.3mm径としては一気に最多クラスとなる32色。これまで「サラサクリップ」0.mmが20色だったので、1.5倍以上も増えたということになる。

 

もともと、0.3mm径はインクカラーの選択肢が少なめということもあって、この32色という大ボリュームも「サラサナノ」を選ぶ理由として大きいのではないだろうか。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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強みは書き心地を高める低重心! 新価格帯「300円ボールペン」の真価とは?

日本の文房具業界とは本当に凄いところで、毎回なにか新しい動きがあるたびに「おお、そう来たか!」と驚かされている。例えばボールペンひとつ取ってみても、最近であれば低粘度油性の超極細化であったり、ゲルインクの多彩化であったりと、様々な“そう来たか”ムーブメントが生まれている。

 

そこへ今秋頃から、新たに文房具メーカーがぶつけてきた“そう来たか”が、これまで「アクロ300」(パイロット)ぐらいしかなかった、単色ボールペンの300円帯という新ジャンルである。

 

これまでの国産単色ボールペンは、だいたい100円~200円と、1000円以上という価格帯で分けられていた。端的に言えば、普通/高級、というシンプルなゾーニングだったのだが、この間にいきなり割り込んできたのが、300円帯なのだ。

 

この300円帯ボールペンが面白いのは、既存の100~200円帯ボールペンブランドを、見た目の高級感ではなく機能面でアップデートさせた、という部分だろう。

 

では、価格が300円前後になったことで、何がどう良くなったのか? 今回は、そのあたりをじっくりと確認したい。

 

300円帯になることで実現した「ユニボールワン」の完成形

まず300円帯という新ジャンルの先陣を切ったのが、2021年9月に発売された三菱鉛筆の「ユニボール ワン  F」。くっきり濃いゲルインクで、昨年大きな話題となった「ユニボール ワン」の新モデル、という立ち位置となっている。

 

搭載インクは黒のみなのに対して、ボディは「無垢」や「茜空」などくすみのある和色という演出も面白い。ボール径0.38mmが4色(消炭=Fブラック、無垢=Fグレー、花霞=Fピンク、日向夏=Fイエロー)、0.5mmが3色(霜柱=Fブルー、葉雫=Fグリーン、茜空=Fレッド)。ちなみにリフィルは従来と共通なので、インク色・ボール径ともに好みで入れ替えが可能だ。

 

三菱鉛筆
ユニボール ワン F
0.5mm径/0.38mm径
各300円(税別)

 

先ほど300円帯に対して「見た目の高級感ではなく機能面でアップデート」と述べたが、とは言え定価120円(税別)の「ユニボール ワン」と比べると、約200円アップした分のルックスの向上は充分にあるだろう。

 

ゴムグリップを廃して先軸を延長したことでなめらかな流線型ボディとなり、ペン先端までの流れがスラッと非常にシャープな雰囲気になった。ワイヤークリップやノックノブなど、目立つパーツは従来と同じなのに、パッと見の印象はずいぶんリッチに感じられる。

 

↑右が「ユニボール ワン F」。先端から口金、軸へと、一続きに流れる流線型が美しい

 

そして機能面での最大の変更が、「スタビライザー機構」と呼ばれるパーツによる低重心化だ。先端からチラリと金属の口金が覗いているが、実はこの口金パーツはグリップ中ほどまで続いており、先端からグリップにかけての重量を稼いでいる。

 

この“グリップ中ほどまでが重い”という前掛かりな重量バランスが、非常に絶妙。重心の取れた位置(スイートスポット)で握ると、不快な重さは感じず、しっとりと吸い付くような握り心地となるのだ。なるほど、これは確かにスタビライザー(安定装置)だと納得させられた。

 

↑グリップまで貫通している金属製のスタビライザーパーツ。これだけでもずっしりとした重みがある

 

↑握るスイートスポットはグリップ中~後側。先側の持ち癖がある人だと、握り位置を矯正されるような感覚があるかもしれない

 

↑「ユニボールワン」(上)との重心位置の比較。10mm以上も低重心化しているのが分かる

 

このしっとりと吸い付くようなバランスによって、ペン先が指の動きにきれいに追随。さらに先端の金属化で寸法精度が上がったことで、リフィルのカチャカチャする先ブレを抑え込む効果(ゼブラ「ブレン」ほどではないが、ブレにくい)も加わり、とにかく書き心地が良い。

 

普段はボールペンの重量バランスなんか気にしたこともない、というユーザーでも、握ればまず「ん?なんか今までと違うぞ?」と気付くレベルで、これは体験的にかなり斬新な製品だと思われる。

 

↑ただ重いのではなく、安定感の高さを感じる。正直、これは体験してみて欲しい

 

書いていて感じたのは「コスト的に『ユニボール ワン』ではできなかったこと(シャープなデザインやスタビライザーの搭載)が、価格帯のステージをひとつ上げることで可能になったんだな」ということ。

 

もしかすると、三菱鉛筆が開発時にまず想定していた「ユニボール ワン」の完成形こそが、この「ユニボール ワン F」というモデルなのかもしれない。価格は上がっているものの、むしろ「これが300円台で買えていいの?」という驚きすらある仕上がり具合である。

 

“ラインナップ全部黒”の「ボールサインiD」も300円化

サクラクレパスから2021年10月下旬に発売された「ボールサインiD plus」も、注目の300円帯ボールペンだ。こちらも、先行して発売されている「ボールサインiD」のアップデートモデルという立ち位置となっている。

サクラクレパス
ボールサインiD plus
シルバー軸(0.4mm径)/ブラック軸(0.5mm径)
各350円(税別)

 

6色のカラーブラック系ゲルインクでラインナップを揃えたことで、人気の高い「ボールサインiD」だが、後ろ重心めのバランスや、やたらとツルツルしてグリップ感の弱いボディは、筆者個人として少し残念に感じていた。

 

ところが「ボールサインiD plus」として300円帯にステージを上げたことで、このネガティブをスパッと解決してしまったのである。

 

↑「ボールサインiD plus」(右)は先端視界を確保するためか、段差をつけて先を絞った口金が特徴的。軸と口金の結合部で段差が減っており、先持ち癖の人にも使いやすくなった

 

↑「ボールサインiD」(上)との重心位置の比較。なんと15mm近くも低重心になっている

 

↑口金は単体で約4.0gと、かなりズッシリ

 

バランスについては、先端をプラから金属の口金に変更することで低重心化。やや後ろ重心気味だった「ボールサインiD」と比べると、書き味がかなり良くなったように思う。先端だけに重みがかかるため、早書きをする際には多少振り回される感覚はあるが、使っているうちに慣れるだろう。

 

実は、口金による低重心化に関しては、「ボールサインiD」のデザインを担当したUOデザインから、口金を金属化する「ステンレス製先栓」というカスタムパーツが今年6月に発売されていたのである(しかもサクラクレパス公認)。デザインした事務所に続いて、メーカーも同じ方向でアップデートしてきたということはやはり、これが本来あるべきボールサインiDの完成形だった、と考えるべきだろう。

 

↑個人的にはこれが最高にありがたい、軸のグリップ力アップ

 

さらに、これまでツルツルだったボディには、全体にマットなゴム系の塗装が施された。実のところ、改善点としてはこちらの方がとても嬉しい。

 

なにしろ「ボールサインiD」は、手汗をかくと握るのがつらいレベルでツルツルしていたため、インク色などは非常に気に入っていたものの、夏場には使えないなぁと感じていたのである。対して、新たに塗装されたボディは手触りもしっとりしており、握った指先に気持ちの良い摩擦がかかるようになった。これなら安心して握れて、長時間筆記でも指の疲労が減るはず。

 

↑価格は150円以上も上がるが、書きやすさの点でplusを選ばない理由はない! と感じるほど優秀

 

ただし、残念なことがひとつ。「6色全て黒」が話題だった同シリーズだが、「ボールサインiD plus」ではカラーラインナップを絞り、ピュアブラック(ブラック)、ナイトブラック(ブルーブラック)、フォレストブラック(グリーンブラック)の3色のみとなってしまった。価格を上げるうえで人気の高い色に絞った、ということは理解できるが、ミステリアスブラック(パープルブラック)を愛用していた筆者としては、削り落とされちゃったなー、という寂しい気持ちにもなった。

 

もちろんリフィルは従来と共通なので、入れ替えてしまえば済む話ではあるのだけど……とはいえノックノブのパーツカラーと齟齬が出てしまうのは、もったいないところである。

 

 

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24種類の新デザインをイッキに発売! “透け感”を楽しめるキングジムのマステ「SODA」

キングジムは、貼ってはがせる透明フィルム素材のマスキングテープ「SODA(ソーダ) 透明マスキングテープ」シリーズに、箔押しタイプや新サイズの10mm幅、「アデリアレトロ」とのコラボデザインを含む24種類の新デザインを、12月3日から発売します。

 

SODAは2020年12月に発売した、透明なデザインが特徴的な、貼って剥がせるフィルム素材のマスキングテープです。透明度の高いフィルム素材を使用しているので、下地の色を生かして貼ったり、複数枚を重ねて貼って、透け感を活かしたアレンジを楽しむことができます。

 

箔押しタイプは、金箔のみのシンプルで使いやすいデザインや、韓国で人気の紙吹雪デザインなど、箔押しならではの華やかさと透け感の組み合わせが新しい6種類のデザインを用意。税別価格は340円~420円。

 

最も要望が多かったという10mm幅タイプは、手帳の隙間を埋めたり、写真のフレームとして使うなど、細かい部分にも使いやすく、幅広いデコレーションが可能です。税別価格は300円(※10mm幅箔押しタイプは税別340円)。

 

石塚硝子のグラスウェアブランド・アデリアレトロのコラボデザインは、代表的な4つの図案「コレック」「風船」「ズーメイト」「野ばな」を、透明な質感を活かしてテープに落とし込んでいます。懐かしくも新しいカラフルでポップなデザインと、クリアな質感がマッチした、レトロな雰囲気のデコレーションが楽しめます。税別価格は340円~420円です。

 

詳しいラインナップは、以下のギャラリーをご覧ください(画像をタップすると閲覧できます)。

インテリアに馴染む壁掛けモデルが登場だ! キングジムの電子メモパッド「ブギーボード BB-15」12月15日発売

キングジムは、紙に書くような滑らかな書き心地の電子メモパッド「Boogie Board(ブギーボード)」シリーズ初のインテリアモデル、「ブギーボード BB-15」を、12月15日に発売します。価格は6000円(税別)。

 

「ブギーボード」は、同社が2010年に販売を開始した、付属のスタイラス(描画用のペン)や爪などで液晶画面に直接書き込みができ、ワンタッチで消去ができる電子メモパッド。

 

今回発売となるBB-15は、付属スタイラスのマグネット部分を本体に近づけるだけで画面を消去でき、壁にかけたままでもスムーズに操作可能。従来モデルと比べて外枠が細く、筆記面積が大きい正方形のシンプルなフォルムで、インテリアにも馴染むデザインです。

 

背面にあるマグネットで金属製のデスクや冷蔵庫に貼り付けることができ、市販のねじで壁にも取り付けられるので、様々なシーンで活用できます。付属のスタイラスは、内蔵マグネットで本体側面や金属面に固定可能。

 

ブギーボード専用スマートフォンアプリ「Boogie Board SCAN」にも対応。アプリでは、書いた内容を画像データとして保存でき、テキストを加えたりするなどの編集ができます。データ化した画像はフォルダで管理をしたり、共有もできます。

定番の油性ボールペン「ビックオレンジEG」がまさかの廃番! 後継モデルもさすがの書き味だが……

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第13回となる今回は?

 

第13話

 

 

ビック
BIC オレンジEG(左)
110円(税込)

1961年に誕生し、「オレンジBIC」の名で親しまれる油性ボールペン。手ごろな価格ながら、書き心地とデザイン性に優れ、“定番ボールペン”として世界中で愛されてきた。60周年を迎えた今年、廃番が決定。ファンの間に激震が走った。

 

↑後継モデル(110円・税込)の筆記距離は従来品より長い3.5km。インク残量が見やすいクリアボディだ

 

後継モデルでは拭えない淋しさから、いつか来るツールの“寿命”に思いを馳せた

「BIC オレンジEG」が廃番になると聞いて驚きました。OKB(お気に入りボールペン)総選挙を主催して10年間、様々な定番品がカタログから消えていくのを目の当たりにしてきましたが、これはさすがに大丈夫だろうとタカをくくっていたからです。なにせ1961年発売の大先輩。世界中で愛されている油性ボールペンの代名詞的な存在であり(欧米では特に)、それがまさか……いや、考えてみれば、まさにその巨大さゆえに、昨今のアナログ道具離れや、安価で高品質な日本製ボールペンの台頭のダメージを直に被っていたのかもしれません。

 

しかし、幸いにも後継となる「BIC クリスタルオリジナルファイン0.8 黒インク」がすぐに発表され、すでに市場に出回り始めています。こちらはその名のとおり綺麗なオレンジの透明軸で、筆記距離は1.75倍に伸び、環境への配慮も行き届いています。書き味はBICらしい重みと粘りがあり、旧ファンにも親しみやすいバランスになっているのは流石です。ただし、先代の“不透明軸ならではのレトロなキュートさ”は失われてしまいました———やはり、一抹の淋しさは拭いきれません。

 

いま、あなたが愛用しているそのツールだって、いつかきっとなくなる日が来る。そんなプロダクトの「寿命」に少しだけ思いを馳せてみると、目の前の風景が変わって見えてくるはずです。我々は別れから、残されたものの価値を知ることができるのです。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第11話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第12話】滑らかながら心地良い手応えを備える! 三菱鉛筆「ジェットストリーム」が15年にわたり最高のボールペンであり続ける理由
https://getnavi.jp/stationery/637544/

 

【菅未里の自腹買い文房具】透明なケースを2個くっ付けた奇抜なペンケースが実は理にかなっている理由

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

“クリア系文房具”が人気

ここ数年、透明で中身が見える“クリアボディの文房具”が人気です。ペンケースでは「Kept」(レイメイ藤井)、「クラシカルポーチ クリア」(コクヨ)などが有名です。ペンでは、おなじみの「フリクション」(パイロット)からも「透明ボディシリーズ」が発売されましたね。

 

クリアカラー人気は、ファッション業界の影響を受けたものかもしれませんし、さらに文房具メーカーの技術力アップも関係しているかもしれません。

 

そんな中で、クリアボディのペンケースには、複数の収納スペースを持つタイプが出てきています。「ピープ」(コクヨ)や「ミッテ」(サンスター文具)は、全体としてはクリアカラーなのですが、中に非クリアカラーの収納スペースが設けられており、外に見られたくない物を分けて入れられる作りになっています。

 

というわけで、今回紹介する「ツインペンケース」(キングジム)も、透明ながら2つの収納スペースを併せ持つペンケースです。

↑最近流行のクリアカラー。5色ラインナップしていますが、「ミドリ」は青みがかっていて涼しげですね

 

キングジム
チアーズ ツインペンケース
1250円(税別)

 

仕様頻度によって使い分ける

発売前に知る機会があったので、すぐに私がやっていたInstagramでのライブ用にサンプルを入手したのですが、色味が実にいいのです。全5色なのですが、どれもいい。私は悩みに悩んで「ミドリ」を購入しましたが、どの色を買っても正解だったと思います。

 

この商品、2つのペンケースがくっついているような、不思議な形をしていますね。この2つを持ってパカっと“割る”ようにすると、2つに分かれ、それぞれの中身にアクセスできるようになります。2つのスペースは、マグネットでくっついているんですね。

↑割るように90°開くと、それぞれのケースの入り口が現れます

 

↑すると、2つのペンケースからそれぞれ中身を取り出せるようになります

 

このようにスペースが分かれていることで何に役立つかというと、“使用頻度によって使い分けられる”ということです。クリアの方はファスナーで開閉しますが、クリアカラーの方(写真ではミドリの方のケース)にはファスナーがないので、すぐに中身を取り出せるのです。だから私は、こちらには普段よく使うペンを入れています。

 

↑色付きのケースには蓋がないオープンタイプのため、すぐに中身を取り出せます

 

もう一方の透明なスペースにはファスナーがついていますから、たまに使う付箋や修正テープ等を入れています。スペースはかなり大きく、マスキングテープなら通常の太さで10本が入ります。大容量も、この手のペンケースの魅力ですね。

↑この通り大容量でさまざまな文房具がたっぷり入りますが、スペースが2つに分割されているため、中身を整理し、取り出しやすいのです

 

↑15mm幅のマスキングテープもこの通り、すっきり入ります

 

大容量なのに取り出しやすい

一方、色のないクリアなケースは、ファスナーがきちんと側面まで来ているのもポイントです。こうなっていると口が大きく開くので、中身を取り出しやすいのです。コストダウンのためにファスナーが短いペンケースも少なくないので、ここは要チェックです。

↑ファスナーが側面まで来ています。取り出しやすさを考えたとき、見逃せないポイントです

 

さらに、ファスナーまで透明になっているのがわかりますか? 芸が細かいですね。

 

個性的なデザインはもちろん、大容量で、しかも2つのスペースがあるため無駄な出し入れも最小限。中身が見えるので取り出しやすいのもいいですね。「2つのペンケースをくっつけた」と聞くと奇想天外に思えますが、実は非常に理にかなっていて便利なのです。

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
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100冊超から選抜!「手帳総選挙」で選んだ2022年のおすすめ手帳15選

デジタル化が進む一方で、“紙の手帳”の人気は衰え知らず。機能やデザイン、サイズ、紙質など、むしろ選択肢の幅は増えています。そろそろ翌年の手帳を準備する頃ですが、「どれを選べばいいのかわからない」と、“手帳迷子”になっている人も多いのでは?

 

今年で10回目を迎える「手帳100冊! 書き比べ総選挙!!」(以下、手帳総選挙)は、会場に並ぶ100冊以上の手帳を、持ち込んだ愛用のペンで書き比べして楽しんだり、自分に合った1冊を選び抜いたりしながら投票できるイベント。そこで編集部はこの「手帳総選挙」に参加し、定番から新作まで2022年に使いたいおすすめの手帳をピックアップしました。

 

今年で10回目を迎える「手帳総選挙」とは?

この手帳総選挙を主催するのは、手帳愛好家による日本手帖の会。2010年に発足し、会の活動として恒例となった手帳総選挙は、2021年で10回目を迎えました。東京、横浜、大宮、名古屋、神戸、仙台、博多と全国を巡回。ジャンル問わず魅力的な手帳が100冊以上展示され、実際にページをめくりながら使い心地を確かめられるのはもちろん、日頃使っているペンで書き込みも可能。お店ではなかなか書き込みができないので、実際に買ってみたら「インクが裏抜けしてしまう」「思ったよりも書き込みスペースが小さかった」など失敗することもありません。楽しみながらお気に入りの一冊を見つけられます。

 

↑定番の手帳から、初めて見るような個性的な機能をもつ手帳まで、100冊以上を展示

 

日本手帖の会で代表をつとめる折比嘉育郎(おりひかいくお)さんによると、ここ10年で手帳のトレンドが変化してきているそう。男性ユーザーを中心としたビジネス向けの手帳から、女性でも使いやすい手帳が増え、スケジュールを管理するツールから、日記や手書きを楽しむツールへと進化しているのだとか。2022年版はとくに、女性向けの手帳ラインナップも充実しているとのこと。

 

「最初は公民館を借りて始めました。自費で手帳を買ってきてみんなで書き比べしてみよう! というオフ会のようなイベントでしたが、回を重ねていくごとに東急ハンズさんやロフトさんなど一緒に取り組んでいただける店舗さんも増え、今年で10回目を迎えることができました。趣味で始めたものでしたが、全国規模に広がりたくさんの方と一緒に楽しめるイベントになったのはうれしい限りです。

 

徐々に女性の来場者数も増えています。スケジュール管理がデジタル化されていますが、近年は自分の暮らしを豊かにする振り返りや日記、これからの未来を考えるツールとして手帳を愛用される方が増えてきたように感じます。その変化も感じながら楽しんでいただきたいですね」(日本手帖の会 代表・折比嘉育郎さん)

 

↑エントリーナンバー1は世界初の手帳「レッツダイアリー」。会長である折比嘉さんのこだわりでもあるのだとか

 

ではここからは、第10回手帳総選挙で編集部が見つけた、2022年に使いたいおすすめの手帳を紹介していきましょう。

 

機能性もデザインも万人に支持される定番

まず紹介するのは、無駄のないデザインと機能で、1年を通じて使い続けやすいことから定番として安定した人気を誇る手帳の2022年版。

※手帳に貼られた番号は、「手帳総選挙」でのエントリーナンバーです。

 

・ほぼ日「ほぼ日手帳 Planner(A6)」

ほぼ日
「ほぼ日手帳 Planner(A6)」
2750円(税込)

1月始まり。「ほぼ日手帳」の使い勝手はそのままに、すべてのページが英語表記になったインターナショナル版。表紙に箔押しされた「手帳」の文字のみクラシックな日本語表記でありながら、「ほぼ日手帳」の定番でもある各ページ下に記載された“その日の言葉”も英語で表記されており、英語を勉強中の人にもうれしいですね。別売りのカバーを、お馴染みの多彩なラインナップから選べます。

 

↑1日1ページの書き込みができる“「ほぼ日手帳」らしさ”をそのままキープ。方眼サイズは4mmと少し大きめに。、巻末には「動物が出てくることわざ」「日本の丼」と日本文化が紹介されたおまけページがあり、海外の友人などへのプレゼントとしても喜ばれそう

 

・MARK’S「EDiT(エディット)週間ノート(セミA5)ポケット」

MARK’S(マークス)
「EDiT(エディット)週間ノート(セミA5)ポケット」
2640円(税込)

12月始まり。TO DO管理のしやすさに定評ある「EDiT」の週間ノートタイプ。2022年版ではこのポケット付きカバーが新登場し、持ち運びがさらにしやすくなりました。メモページも102ページと充実しているので、スケジュール管理とノート機能を1冊で完結できそうです。プリントされた文字の存在感が抑え目で、プライベートや仕事など幅広い用途で使えます。

 

↑月曜始まりのウィークリーページは、ざっくりと3分割されたバーチカルタイプで、自由にアレンジできるのが魅力。タイムスケジュールを書き込んだりタスク管理したり、メモとして利用したりライフスタイルに合わせて自在に使えます

 

・東急ハンズ「hands+ダイアリー タイムスケールブロック ウィークリー(B6)」

東急ハンズ
「hands+ダイアリー タイムスケールブロック ウィークリー(B6)」
2530円(税込)

12月始まり。東急ハンズオリジナルのスケジュール帳「hands+ダイアリー」から、チャート式に記入し管理できる、3か月ごとのチャート付きB6マンスリーと、ウィークリーが複合したタイプ。スケジュール帳に必要な要素を凝縮しており、日付など印刷された文字が大きく見やすいのも特徴。スケジュール・タスク管理としての機能はもちろん、日記帳としても愛用できるカジュアルさも持ち合わせています。オリジナルのコシのある紙を使用。

 

↑ウィークリーページはブロックフォーマットになっているので、時間管理をするよりメモや日記を記入するのに適しています。付属のカバーにはジップ付きのクリアポケットが付いており、ペンや名刺、チケットなど小物の持ち運びにも便利と、機能面がとにかく充実

 

続いて、紙の質感や色にもこだわった2022年手帳をピックアップ。

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

紙の質感や色にもこだわった手帳

1年間使い続ける手帳なので、中の紙にもこだわっていきたいところ。毎日使いたいと思えるような質感や毎日使うペンとの相性のいい手帳を選びたいですよね。

 

・Luddite「ファンクションノートPRO」

Luddite(ラダイト)
「ファンクションノートPRO フリーフィールドV(バーチカル)(B6)」
「ファンクションノートPRO パラレルプランナー(B6)」
各 1980円(税込)

中の紙に、巴川製紙所が製造する手帳専用紙「トモエリバー」を使用。薄く嵩が抑えられる一方インク抜けが少なく、書き心地もなめらか。。この「ファンクションノートPRO」は、日付が空欄になっているため好きな日から使い始められます。他にも1日1ページごと書き込める「デイリープランナー」や、見開きで1週間の予定が書き込める「セパレート」、0〜24時まで予定が書き込める「バーチカル」などフォーマットが10タイプが展開。

 

↑月曜始まりのウィークリー。方眼罫のサイズも写真左の「フリーフィールドV」が5mm、「パラレルプランナー」が2.5mmと異なります

 

・パイロット「クルールフォンセB(B6)」

パイロット
「クルールフォンセB(B6)」
各1045円(税込)

1月始まり12か月分。筆記具メーカーのパイロットが考案した、手書きが映えるノート「couleurfonce(クルールフォンセ)」のダイアリータイプ。なんといっても紙色に特徴があり、ブラック・グリーン・ネイビーの3色がラインナップ。黒ペンでは見にくいため、パステルやメタリックカラーのペンを使って彩りを楽しめます。

 

↑使うカラーペンを1色に統一すればクールな印象、多色を使えば賑やかに、と印象も自在に彩れます。フォーマットはブロックタイプのマンスリー

 

・ニトムズ「STALOGY(スタロジー) エディターズシリーズ 365デイズノート(A6)」

ニトムズ
「STALOGY(スタロジー) エディターズシリーズ 365デイズノート(A6)」
1650円(税込)

ニトムズのデザインステーショナリーブランド「STALOGY」の、ダイアリーとして使えるノート。日付を自由に記入し始められるブランクタイプの1日1ページで、計368ページを綴じていながらコンパクトなのは、薄く軽い紙を使っているから。ノートのように丸めて手で持てる厚みです。鮮やかな色の表紙が目印で、ほかに赤や水色も。

 

↑ページには、時刻を表す数字、日付・曜日が上部につつましくレイアウトされるほかは、すべて方眼罫という、究極的に削ぎ落とされたデザインが特徴。思考を邪魔しない点も秀逸

 

お馴染みのノートと同じデザイン、同じ素材でスケジュール管理

多くの人にとって馴染みのある定番ノートと、同じデザイン、同じ紙、同じ罫線を採用した手帳も注目。

 

・ロディア「マンスリーダイアリー」/コクヨ「キャンパス ダイアリー」/マルマン「クロッキーダイアリー」

左=ロディア「マンスリーダイアリー(A5)」1月始まり
中=コクヨ「キャンパス ダイアリー ベーシックスタンダードタイプ(A5)」12月始まり
右=マルマン「クロッキーダイアリー(ポケットサイズ)」日付自由記入式
660円/495円/660円(すべて税込)

フランス生まれのブロックメモの代名詞「ロディア」、学童用ノートとして誰もが一度は使ったであろうコクヨの「キャンパスノート」、スケッチに多用されるマルマンの「クロッキーブック」に、それぞれダイアリータイプが発売されています。ロングセラーならではの品質で、スケジュール管理も快適に行えるはず。

 

↑撥水性と耐水性をもつ、ロディアらしいオレンジの表紙をめくると、ブロックタイプのマンスリーが登場。ブロックメモより厚手でコシのある紙を採用しています。キャンパスダイアリーは、キャンパスノートと同じオリジナルの「キャンパス用紙」で、白い紙は視認性も抜群。クロッキーダイアリーも、オリジナルの「クリームクロッキー」を採用しており、筆圧によって強弱もかすれも自在に表現できます

 

・デルフォニックス「Rollbahn(ロルバーン) ダイアリー横型(L)」

デルフォニックス
「Rollbahn(ロルバーン) ダイアリー横型(L)」
1650円(税込)

10月始まり。今年20周年を迎えたロルバーンのダイアリーは、2か月分見開きで使えるリングノートタイプ。横長で、ノートPCの手前に広げておくにも邪魔になりません。。ノートページが140ページ分もついており、スケジュール管理もメモもこれ1冊でまかなえそうです。

 

↑スケジュールはマンスリーページのみで、シンプルなスケジュール管理をしたい人におすすめ。ロルバーンでは定番のクリアポケットが12枚付き

 

・コクヨ「野帳手帳2022 ヨコ型 ハードカバー」

コクヨ
「野帳手帳2022 ヨコ型 ハードカバー」
1100円(税込)

1月始まり。コアファンも多い「測量野帳」のダイアリー。コクヨオリジナル帳簿用紙を中紙に採用、作業着やスーツ、コートのポケットにすっぽり入るサイズで、耐久性に優れたハードカバーで立ちながらでも記入しやすい点など、“野帳”らしさは健在です。

 

↑日曜始まりのブロックタイプのマンスリー。横型なので、1週間をページをまたがず確認できます。また六曜と月の満ち欠け(新月・満月・上弦・下弦)も記載されています

 

最後に、個性豊かなフォーマットをもつ2022年手帳を紹介します。


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

個性豊かなフォーマットをもつ手帳

最後に紹介するのは個性豊かな手帳たち。懐かしいデザインをそのまま受け継いだクラシカルな手帳から、365日分を横展開で確認できる手帳まで。

 

・博文館「懐中日記(B7)」

博文館
「懐中日記(B7)」
1210円(税込)

1月始まり。明治時代から使われており、日本最古の手帳とされる「懐中日記」。カバー表紙の絵柄は毎年の干支に合わせて作られ、これを楽しみに愛用しているファンも多いそう。文庫本ほどの大きさなので、本棚やカバンに常備しておき毎日忘れずに書き込めるはず。

 

↑1ページに2日分の記入欄が設けられており、予定のメモや日記を綴るほか、写真や切り抜きを貼ってもOKと、アレンジは自分次第。巻頭には「年始の所感」という“渋い”ページも

 

・新潮社「マイブック 2022年の記録(文庫サイズ)」

新潮社
「マイブック 2022年の記録(文庫サイズ)」
440円(税込)

1月始まり。新潮文庫をモチーフに、手帳へとアレンジしたもの。毎日1ページずつ書き込んでいくことで完成させる、自分だけの文庫本。文庫本と同じく右開き(縦書き)なので、たまには縦書きを楽しみたい、という人にもおすすめです。

 

↑目次、各ページに振られたノンブル(ページ番号)、あとがき、しおりなど、文庫本そのものの設計が新鮮。あとがきでは1年の振り返りを。奥付(同書のスタッフなどを記載する最終ページ)の著者欄が空欄になっており、自分の名前を記入できます

 

・Scikaku「ポケットプロジェクト」

Scikaku(サイカク)
「ポケットプロジェクト」
2485円(税込)

12月始まり。一見すると短冊のようですが、経本専門の製本職人の技術が集約された蛇腹形状になっており、広げると表裏で365日分超のスケジュールを網羅。ひたすら横方向へ展開するので、入り組んだプロジェクトの進行管理などにも重宝しそうです。付属のスリーブケースに収納して、角折れなどもなく持ち運べます。

 

↑蛇腹になった手帳を広げると、月間スケジュールのすぐ隣からガント&バーチカルのタイムスケジュールが出現。必要なところだけを開いて使いながら、伸ばせば過去も未来も一目で把握できる、プロジェクト管理にも使いやすい手帳です

 

・佐々木印刷「四角い手帳 3年ウィークリー(B5変形)」

佐々木印刷
「四角い手帳 3年ウィークリー(B5変形)」
2860円(税込)

1月始まり。ウィークリーを上下に3年分併記したフォーマットで、正方形のため、横一列に1週間をレイアウトしつつカレンダーも横に配置。記入スペースも十分なので、子育ての記録や3か年プロジェクトの進行管理などにも便利です。

 

↑見開きのウィークリーページに3年分の予定が書き込めるので、3年前の同じ日に何があったのかが一目瞭然。過去/未来を意識して毎日を送れるはず

 

選ぶのも楽しみのひとつ。試して投票して、1年の相棒を見つけよう

まだ紹介したい手帳はたくさんありますが、続きはぜひ手帳総選挙で確かめてみてください。東京では11月下旬に東急ハンズ銀座店で開催予定です。またクライマックスとして、12月には「手帳収穫祭2021」が開催予定。手帳総選挙の結果発表に加えて、ミニショップやミニギャラリーも多数出店するとのこと。毎年個性豊かな手帳がランクインしているとのことなので、今年の1位を予想しながら楽しめそうです。

 

【イベントデータ】

手帳100冊! 書き比べ総選挙!! @東京

日時=2021年11月27日(土)11:00~20:00/11月28日(日)11:00〜18:00
場所=東急ハンズ銀座店(東京都中央区銀座2-2-14 マロニエゲート銀座1)
参加費・予約=なし
イベント情報 https://tsj.connpass.com/event/200431/
問い合わせ https://twitter.com/NipponTecho/

 

手帳収穫祭2021

日時=2021年12月19日(日)10:00〜18:00
場所=すみだ産業会館ホールD(東京都墨田区江東橋3-9-10 墨田区・丸井共同開発ビル8階)
チケット購入=要
イベント情報 https://tsj.connpass.com/event/200440/
問い合わせ https://twitter.com/NipponTecho/

 

【プロフィール】

日本手帖の会代表 / 折比嘉育郎(おりひか・いくお)

本職はITエンジニアで知的生産システムの開発・運用に従事。日本手帖の会では、交流の場「手帳サロン」、書き比べ「手帳総選挙」等のイベント開催や、書籍監修、企業・学校向け講座、海外交流等の活動を行っている。

 

しおりとしても使える、カンミ堂の人気付箋シリーズから新製品「ココフセンページ」登場

カンミ堂は11月5日、携帯性と利便性に優れたフィルム付箋をラインアップする「ココフセンシリーズ」から、本やノートなどの冊子状のものに、しおりのように挟んで使えるマーク用途のフィルム付箋「ココフセンページ」を発表。11月24日に発売します。希望小売価格は297円(税込)です。

 

ココフセンシリーズは、カンミ堂の中で人気の付箋シリーズで、2011年発売の「ココフセン」は、本やノートなどの表紙にケースを貼り付けて、付箋をコンパクトに持てることから注目を集めたというアイテム。

 

今回発売するココフセンページは、ケースを本などにじかに貼ることに抵抗がある人が一定数いたことから、「マーク用途に使いやすい付箋のかたち」を考えたとしています。

 

付箋が収まっているケースは約幅54×高さ115~120×奥行き3.5mm。手のひらサイズの四角形状で、本やノートなどに挿し込みやすくなっているそうです。また、付箋は1枚ずつ引き出せるポップアップ方式を採用することで、付箋を取り出す手間やストレスを取り除いたといいます。なお、付箋の幅は約6mm。文庫本やノートなどの行に合わせて貼りやすい幅になっています。

 

付箋の素材には半透明のフィルムを採用することで、文字の上に貼っても文字が隠れることがないうえに、紙より薄く、しかも丈夫でやぶれにくくなっています。加えて、特殊な表面処理を施しており、油性ボールペンや鉛筆での筆記も可能です。

 

付箋のタイプは、ドットやストライプなどの柄が入った総柄タイプ、ページから飛び出る部分は色が濃く、文字にかかる部分は色が薄い見出しタイプ、使い方を選ばないシンプルな無地タイプの3つを用意。

↑総柄タイプの「ココフセンページ イエロー RS」。ケースがピンクの製品もあります

 

↑見出しタイプの「ココフセンページ アイボリー S」。ケースがパープルの製品もあります

 

↑無地タイプの「ココフセンページ グレー S」。ケースがブルーの製品もあります

 

なお、付箋の枚数は1ケースあたり120枚。1ケースに4色入っており、各30枚ずつとなっています。

2分割によって重要箇所がリンクする!「ココサス ポップアップ」で付箋の利便性は高速進化

付箋とは、本の要点が書かれたページに目印として貼ったり、書類にコメントを添付したり、という用途を持つツールだ。

 

……とは言ったものの、そもそもそれ以上の機能を与えるのは難しい。しょせんは「貼って剥がせる(再剥離性、という)のりを塗布した紙片」でしかないのだから。

 

ところが、その単なる“のり付き紙片”に新たな機能を付加したのが、2013年に発売されたビバリー「ココサス」だ。

↑発売当時、単に“貼る目印”だけじゃない機能性が話題になったビバリーの「ココサス」

 

矢印型の付箋がミシン目で2分割できるようになっており、矢印先端を書籍のページ内にある、注目すべき要点部分を指し示すように貼る。分離した矢印の根本部分はページ端に貼る。

 

書籍を閉じているときは、開くべきページを根本部分で確認。ページを開いたときは、見るべきポイントを矢印先端が教えてくれる、という仕組みである。従来の付箋にありがちな、「付箋を貼ったものの、ページのどこに要点があるか分からない」というトラブルも、この分割方式なら発生しないというわけだ。

 

便利な矢印付箋がポップアップに進化

筆者は、発売されたときからこの「ココサス」の大ファンで、今でも資料の読み込みをする際には、手元に欠かせないアイテムである(特に、蛍光マーカーでラインを引きづらい古い書籍には必須)。その「ココサス」に新製品が登場したとあっては、そりゃ注目せざるを得ないだろう。

ビバリー
ココサス ポップアップ
各520円(税別)

 

その新製品こと「ココサス ポップアップ」は、名前の通りポップアップ式ケースに収納された、“フィルム付箋タイプの「ココサス」”だ。

 

ケース中央からはみ出た付箋の端をつまんで、シュッと引くことで抜き出せて、ティッシュペーパーのように次の端が自動的に現れる。抜き出したフィルムの矢印は、従来の「ココサス」と同様に先端と根本に分割できるようミシン目が入っているので、これまた従来通りに「要点指示」と「ページ指示」に分けて使うことが可能。

↑ケースからシュッと引き抜くと、次の付箋の端が自動的に露出。何枚も続けて貼りたいときにはポップアップ式が便利だ

 

↑使用時は、ミシン目からピリッと切って……

 

↑ピンポイントに要点指示+ページマークに。一般的な付箋よりも圧倒的に分かりやすい!

 

資料の読み込みでは、付箋を何枚も立て続けに貼りたい。ところがベタベタと数多くふせんを貼ってしまうと、ページのどこに要点があったのかが分からなくなりがちだ。

 

つまり、「ココサス」の機能とポップアップ式の利点はガッチリと噛み合って、非常に相性が良いのである。実際に使ってみると、むしろなんで今までポップアップにしなかったの? というレベルで、使いやすいと感じた。

 

↑同じページ内に複数のチェックがあっても、色分けして貼れば分かりやすい。半透明フイルムなので、文字にかかっても問題なしだ

 

ポップアップケースの裏には、手帳や本に挟んで使うためのクリップが付いている。このクリップにもちょっとした工夫があり、二重になったクリップの内側で挟むとケースの上部がページ端から飛び出すように、外側で挟むと飛び出さないようになっているのだ。

↑裏面のクリップは、二重構造がポイント

 

例えば手帳に挟んで持ち歩く場合、普段は飛び出していると邪魔なので、クリップの外側を使う。いざ付箋を使うときはクリップ内側を使うと、ケース上部がインデックス代わりになって、アクセスしやすくなる。

 

もちろん、現時点で使うページに挟めばしおりとしても機能するわけで、シーンによって二重のクリップを使い分ければ、使い勝手も上がりそうだ。

↑挟む位置を変えるだけで、スッキリ収納(外側クリップ)・インデックスで分かりやすく(内側クリップ)と使い分けられる

 

現在では、文具店の店頭に数多くの“機能性付箋”が並んでいるが、「ココサス」はそのジャンルの先駆けとも言える画期的なもの。さすがに発売からすでに8年が経過して、愛用者以外にはやや影が薄くなっているのを残念に思っていたのだが……ポップアップタイプの発売をきっかけに再び注目されるようになれば、長年の愛用者としても嬉しいかぎりである。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

ミドリ70周年記念のXSシリーズ限定アイテムや「オジサン」文具セットなどが発売

↑真ん中左の「『ミドリ』70周年限定XS コンパクトハサミ」(税込660円)などをそろえた、グリーンで統一されたXSシリーズの限定文房具

 

デザインフィルは、文房具ブランド「ミドリ」の70周年を記念し、世界最小クラスの機能文具を集めた「XS」シリーズや、ロングセラーの「ダイヤメモ」など、22製品を限定アイテムとして発売しました。

 

ミドリは、1950年に便せんやノート、スケッチブックなどの紙製品の製造・販売から始まったブランド。現在では、紙製品を主力としながらも、紙とともに使うことで楽しくなる機能文具など、「デザインと紙」を領域に定めたうえで、トータルに文房具を展開しています。

 

今回発売した限定アイテムは、“色”をテーマにしたとする製品。ミドリの原点であるグリーンのアイテムや、ミドリのものづくりの姿勢を「芽、花、種」でイメージし、芽(グリーン)/花(ピンク)/種(ベージュ)の3色のやさしいペールカラーで表現したアイテムをそろえています。

↑「『ミドリ』70周年限定連用日記 扉 リサイクルレザー」は本文366ページで、3年連用と5年連用をそろえています。価格はどちらも3300円(税込)

 

↑「『ミドリ』70周年限定ダイヤメモM」。本文は40枚になっています。価格は132円(税込)

 

↑「『ミドリ』70周年限定ミニクリーナー」は616円(税込)

 

↑「『ミドリ』70周年限定マルチ定規30cm」は330円(税込)

 

↑「『ミドリ』70周年限定メッシュペンケース」は396円(税込)で、「『ミドリ』70周年限定メッシュペンポーチ」は506円(税込)

 

70周年記念の限定セットも登場

また、ミドリ70周年を記念して、人気アイテムの限定セットも登場。11月18日から発売します。

 

限定セットは、紙そのものの魅力を活かした日本製のシンプルなプロダクト「MD PAPER PRODUCTS」、世界最小クラスのステーショナリーシリーズであるXS、上から色を塗って自分らしくアレンジすることができる浸透印タイプのスタンプ「ペインタブルスタンプ 浸透印」、ミドリの人気者「オジサン」のセットが用意されています。

↑MD PAPER PRODUCTSからは、透明軸の「MD万年筆」とオリジナルボトルインクのセット「70周年限定 MD万年筆 ボトルインク付」が登場。価格は4950円(税込)。このほか、原稿用紙をイメージした5mm方眼罫を7色でデザインしたMDノートライトのセットや、「MD用紙」のブロックメモ3種セットなども販売されます

 

↑XSの修正テープやコンパクトホッチキスなど、全8アイテムを専用ケースに入れたキット「70周年限定 XSステーショナリーキット 8種入」。価格は5060円(税込)です

 

↑カードや封筒が付いた、浸透印タイプのスタンプ「70周年限定 ペインタブルスタンプ 浸透印キット」。お祝いや感謝の気持ちを伝えられるキットになっているそうです。価格は2640円(税込)

 

↑レターカッターやピークリップスなど、オジサン柄のさまざまなアイテムをオリジナルのミニバッグに詰め込んだスペシャルなセット「70周年限定 オジサン文具セット」。価格は3520円(税込)

 

なお、70周年限定 オジサン文具セットの発売に合わせて、オジサンのLINEスタンプもリリース。日常のコミュニケーションで使いやすいフレーズをあしらった、40種のスタンプを楽しめるそうです。

三菱鉛筆が世界で初めて紙製のリフィルを開発、プラスチックを約88%削減可能に

三菱鉛筆は、主原料に紙を使用したインク収容管を用いたリフィルの開発に成功したと発表しました。紙を主原料にしたリフィルの開発は世界で初めてとするほか、開発は日本製紙と昭和丸筒の協力を得たとのこと。

 

この紙製のリフィルは、3層の独自開発紙と最外層のパーチメント紙で構成された、全4層構造を採用。開発では、使用するインクの浸透性やガスバリア性などのインクに関わる特性と、紙管の機械的性質である反発力やリフィルの巻き強度などにおいてテストを重ねたとしています。

 

開発の結果、インクが長期間リフィル内にあってもインク漏れや染み出し、巻き形状のほつれなどは発生せず、形状を維持することが可能な構造を実現したそうです。これにより、従来のリフィルに比べてプラスチックを約88%減らすことが可能になります。

 

使用されるインクは、なめらか油性ボールペンの「ジェットストリームインク」。加えて、インク量はジェットストリーム スタンダード(SXN-150系)リフィルの約1.6倍となっており、従来品に比べて長い期間使用できます。

 

なお、製品化については今回アナウンスされていません。今後市販されるのを楽しみに待ちたいところです。

大容量でも倒れない! 自立するペンケース「エアピタ」の吸着力を検証【動画ダイジェスト】

仕事や勉強など、作業がはかどる機能をもつ「はかどり文房具」の頂点を、ファンの厳正なる投票で決定する「文房具総選挙」。2021年の文房具総選挙で、機能別部門「収納する」部門の部門賞に輝いたのが、クツワ「エアピタ」です。

 

GetNaviのYouTubeチャンネル「GetNaviチャンネル」では、同イベントで各部門の1位に輝いたアイテムを新人編集部員・小山雅斗(以下、小山くん)がレビューする動画を公開中。今回は、この「エアピタ」のレビュー動画をダイジェストでお届けします。

↑今回レビューする「エアピタ」を手にする小山くん

 

検証した商品はコレ!

クツワ
エアピタ
1540円(税込)

 

幅広い用途で使える!吸着力抜群なシリコンケース

一見普通のシリコンケースに見える「エアピタ」は、底の部分に吸盤がついており安定して自立させて使えるアイテムです。

 

小山くんいわく、見た目以上に使用用途が多いのもポイントだそう。

 

例えば、ペンケースとして使えば、勉強机を広々と使用できる上に、折り返した蓋をスマホスタンドとして使えるとのこと。

 

この使い方について小山くんは「オンライン授業のときに、ここで映像を流しながらノートを取ることもできますし、スマホのタイマーアプリを使えば時間の区切りをつけながら勉強に取り組むこともできます」と提案。

 

さらに「ペンケースとしてだけではなく、例えば化粧品ケースとして使えば、外出先の洗面所で立てかけながら使うこともできますし、シリコン素材なので水捌けもよく中身が濡れる心配もありません」と小山くん。なるほど!

 

気になる吸着力を検証

吸盤付きのシリコンケースとのことで、気になるのはその吸着力。小山くんはMacBookにエアピタをくっ付けてみたようです。

「(土台の)材質によるものの、MacBookが持ち上がるくらいの吸引力があるので机の端で使用しても安心です」と話していました。

 

また、大容量なのもエアピタの魅力とか。実際に、小山くんの自宅にあったペン20本分が余裕で入るほどの大容量だと紹介していました。

 

もちろん大量のペンが入った状態で、スマートフォンをくぼみに置いても、全く倒れない様子。

試しに押してみても、全く倒れませんね。

 

ちなみに、スマホは横置きも可能。「動画も見やすいようになっています」と小山くん。

 

一方、吸着力は強力ですが、取り外しは意外と簡単。

ケースの底にある「PUSH」と書いている部分を押すだけで、簡単に取り外せるそうです。

 

ペン20本が入った状態で振っても、がまぐちが開くことはありません。

 

小山くんが実際に使用した感想

実際の商品を試した後で「学生さんのペンケースから、旅行先の化粧品ケースとしても使えますね」と小山くん。

 

そうして導き出された、小山くんの結論。

 

詳しくは動画をご覧ください

 

文=於 ありさ

いざという時に安心! 老舗の技ありカッター「クランクハイパーAL型」をレビュー【動画ダイジェスト】

仕事や勉強など、作業がはかどる機能をもつ「はかどり文房具」の頂点を、ファンの厳正なる投票で決定する「文房具総選挙」。2021年の文房具総選挙で、機能別部門「切る・貼る・綴じる」部門の部門賞に輝いたのが、オルファ「クランクハイパーAL型」です。

 

GetNaviのYouTubeチャンネル「GetNaviチャンネル」では、同イベントで各部門の1位に輝いたアイテムを新人編集部員・小山雅斗(以下、小山くん)がレビューする動画を公開中。今回は、この「クランクハイパーAL型」のレビュー動画をダイジェストでお届けします。

↑今回レビューする「クランクハイパーAL型」を手にする小山くん

 

検証した商品はコレ!

オルファ
クランクハイパーAL型
実勢価格890円

 

老舗メーカーの安心感とM字型のツメの便利さが好ポイント

「クランクハイパーAL型」は、通常のカッターに、M字型のツメを付属しているもの。

 

小山くんいわく「M字型のツメが万能」なのだそう。「もちろん老舗カッターメーカー・オルファさんだからこその信頼できる製品だと思います」と小山くん。

 

「ちゃんとゴム(のグリップ)がついているので、軍手をつけた上での作業でも滑らずに安心」。

 

さらに、「一段一段ロックが付いているので、事故なんかにも繋がりにくい信頼のおけるカッターなんじゃないかなと思います」と話します。

 

ネット通販を利用する人必見! 万能すぎるM字型のツメ

小山くんによると、このM字型のツメはネット通販を利用し、段ボールが多く届く人に便利なのだそう。

 

実際にテープ部分を切ってみた小山くんは、少し引っ掛かりはあるものの綺麗に切れた様子。

その使用感について「普通に切れちゃいますね。すごいグリップ感も良くて、手汗をめちゃくちゃかいちゃう僕でも、滑らずに使えました」とご満悦。もちろん通常のカッターの方も切れ味抜群です。

 

ちなみに、M字型のツメは斜めになっており、テコの原理でこじ開けられるほか、ネジ穴を潰してしまって空回りしてしまうネジの下に差し込み、ツメを当てながら回すことによってネジも取れるとのこと。

 

これらの機能を紹介した後で「こういう機能がカッターについているのは嬉しい」と話しました。

 

小山くんが実際に使用した感想

実際の商品を試した後で小山くんは「カッターとしては申し分なしですし、何よりもこの(M字型のツメ)工具だけで買うことってあんまりないんですけど、カッターについてきてくれているというので、ちょっとしたところで安心につながるのかなと思いました」と太鼓判。

 

そうして導き出された、小山くんの結論。

 

詳しくは動画をご覧ください

 

文=於 ありさ

癒し効果がありながらしっかり働くゆるふわ指サック「はにさっく」を紹介【動画ダイジェスト】

仕事や勉強など、作業がはかどる機能をもつ「はかどり文房具」の頂点を、ファンの厳正なる投票で決定する「文房具総選挙」。2021年の文房具総選挙で、機能別部門「分類する・印をつける」部門の部門賞に輝いたのが、ライオン事務器「はにわの形の指サック〈はにさっく〉」です。

 

GetNaviのYouTubeチャンネル「GetNaviチャンネル」では、同イベントで各部門の1位に輝いたアイテムを新人編集部員・小山雅斗(以下、小山くん)がレビューする動画を公開中。今回は、この「はにさっく」のレビュー動画をダイジェストでお届けします。

↑今回レビューする「はにさっく」を装着した小山くん

 

検証した商品はコレ!

ライオン事務器
はにわの形の指サック<はにさっく>
495円(税込)

 

なぜこれが、文房具総選挙で部門第1位に……?

「はにわの形の指サック〈はにさっく〉」は、はにわモチーフの指サック。

 

小山くんは、「文房具総選挙の1位が埴輪の形? と思うと思うんですけど、この商品は我に帰ったような気づきを与えてくれる商品です」と続け、その理由を次のように話しました。

 

「実際にこれを机の上に並べて置いてみてください。仕事を頑張ってて、疲れた時にふと埴輪を見てみてください。ものすごい癒しになるんですよ」と小山くん。

 

さらに続けて「僕たちは、利便性とか効率化に偏りすぎていたなと思いました。本来は、これくらいシンプルな商品で良いんですよ。指サックなら、紙を滑らずに取れたらいい。それに加えて、置いておくだけで日々、辛い仕事の合間とかに癒されることができる、それでいいんじゃないか」と視聴者に投げかけていました。

 

機能性も十分! ゆるふわなだけじゃない

もちろん指サックとしての機能は完璧とのこと。

 

続けて「デスクにおいていたら会話のきっかけにもなって、コミュニケーションの活性化にも繋げそうですね」とオフィスで使用するメリットを提案。

また「この商品は埴輪と指サックって似てるよねみたいな話から生まれたそうです」と制作秘話も明かしました。

 

そうして導き出された、小山くんの結論。

 

詳しくは動画をご覧ください

 

文=於 ありさ

使い道は無限大! キングジム「オールインクリップボード」の全部入りぶりを体感【動画ダイジェスト】

仕事や勉強など、作業がはかどる機能をもつ「はかどり文房具」の頂点を、ファンの厳正なる投票で決定する「文房具総選挙」。2021年の文房具総選挙で、機能別部門「記録する」部門の部門賞に輝いたのが、キングジム「オールイン クリップボード」です。

 

GetNaviのYouTubeチャンネル「GetNaviチャンネル」では、同イベントで各部門の1位に輝いたアイテムを新人編集部員・小山雅斗(以下、小山くん)がレビューする動画を公開中。今回は、この「オールイン クリップボード」のレビュー動画をダイジェストでお届けします。

↑今回レビューする「オールイン クリップボード」を手にする小山くん

 

検証した商品はコレ!

キングジム
オールインクリップボード
660円、1078円(カバー付き)(ともに税込)

 

幅広いニーズに応える!“全部入り”のクリップボード

キングジムの「オールイン クリップボード」は、クリアーポケットや名刺入れなど、名前の通り“全部入り”の機能満載クリップボード。

 

多機能を紹介した後で、小山くんは「さすがに立ち仕事で、これだけ収納する場所があれば、他のところに機能が欲しいと思うことは少ないんじゃないかなと思いました」とコメント。では、実際に「どのくらい入るのか?」を検証してみることに。

 

のど飴や印章もOK! どのくらい入るのかを検証

「かなり厚みが出るくらい入れてきちゃいました」と小山くん。

 

ペンや紙はもちろんのこと「名刺も1日で渡しきれない枚数が入ります」と感心。

 

チャックポケット部分には、印鑑や小物が入るポーチ、薬をイン!

 

メッシュ部分には「休憩中に食べるのど飴とか、ケータイも入ります」と紹介します。

 

機能をフルで使用した小山くんは「正直、何を入れようか迷うくらい。すっごいたくさんのものが入るので、例えば入館証を首から下げている方は、全然この中に入れられますし、持ち歩かなきゃいけない小物があっても入ると思うので、みなさんが実際何を入れようかなということを考えるのがいいんじゃないかな」と感想を述べていました。

 

気になるバインダー機能も満足度高め!

さらに「ここまでの容量は必要ないよ、という方には、クリップボードとメッシュのポケット、そしてカバーのないタイプもありますのでおすすめです」と、カバーなし・メッシュポケット付きの「オールイン クリップボード」を紹介。

クリップボードの性能については「すごく書きやすいですし、クリップもすごくしっかり掴んでくれるので、すごく安心して使えると思います」と満足そうに話していました。

 

そうして導き出された、小山くんの結論。

 

詳しくは動画をご覧ください

 

文=於 ありさ

キーボード無し&期限をリマインド! 斬新すぎる新時代の「テプラ」をレビュー【動画ダイジェスト】

仕事や勉強など、作業がはかどる機能をもつ「はかどり文房具」の頂点を、ファンの厳正なる投票で決定する「文房具総選挙」。2021年の文房具総選挙で、トレンド部門「デジタルと連携してはかどる! デジアナ文房具部門」部門の部門賞に輝いたのが、キングジムのラベルプリンター「テプラ PRO SR-MK1」です。

 

GetNaviのYouTubeチャンネル「GetNaviチャンネル」では、同イベントで各部門の1位に輝いたアイテムを新人編集部員・小山雅斗(以下、小山くん)がレビューする動画を公開中。今回は、この「テプラ PRO SR-MK1」(通称:テプラMARK)のレビュー動画をダイジェストでお届けします。

↑今回レビューする「テプラ PRO SR-MK1」を手にする小山くん

 

キングジム
ラベルプリンター <テプラ>PRO SR-MK1
1万6500円(税込)

 

スタイリッシュな見た目がたまらない! 新世代のテプラ

「テプラ PRO SR-MK1」は、ラベルプリンターとしておなじみの「テプラ」の1機種。今までのテプラにはない、スタイリッシュなデザインが特徴です。

 

商品を持ちながら小山くんは「まず、気になるのがこのデザインですよね。僕が想像していたテプラって、キーボードがついていて、いかにも事務用品という見た目だったんですけど。これ見てみると、本当にテプラなの? って疑ってしまうくらいスタイリッシュですし、オブジェとして置いておいても違和感がないような見た目になっています」とデザインを絶賛。

その後、キーボードがない代わりにスマホでデザインして、印刷できるということを解説しました。

 

さらに、このテプラは、ACアダプタでも乾電池でも動くとのこと。「これはいいですよね。やっぱりテプラってちょこちょこって持ち歩くこともありますし、電池だけだといざというときに使えなくても困るので、どちらも対応しているのはありがたいなと思います」と小山くん。

 

スマートフォンアプリを使ったラベル作りに挑戦

今回、小山くんはスマートフォンアプリを使用してラベル作りに挑戦しました。

↑「専用アプリもおしゃれ」と小山くん

 

アプリには、プリセットから作成する「クイック作成」、細部まで自分で決められる「こだわり作成」のほか、ボディソープ、シャンプー、コンディショナー、すべてにおいてデザインを統一してラベルを作りたいという際に便利な機能があります。

 

今回、小山くんは「クイック作成」を使用して、ラベルを作ってみた様子。

↑まずはアプリとテプラをペアリング。「電源ボタンがゆっくり点滅したら、ペアリングできている証拠です」と小山くん

 

豊富なデザインの中から、小山くんは容器用のラベルを選択。

 

デザインをチョイスしたら、あとは文字を入力して、そのまま印刷を選択すれば完成! なんとも簡単です。

 

「わー! できてるできてる! めちゃくちゃかわいいです!」と小山くん。「今回は、塩を作りましたが、砂糖を作るならここに“砂糖”と入力するだけなので簡単ですね」と絶賛していました。

 

続いて、こだわり作成のページから、イニシャルと日付が入るタイプシールの作成にもチャレンジ。

 

1つ1つのパーツを拡大したり、入力し直したりしながら……

 

「Thank you 小山雅斗ラベル」を作成しました。

 

↑動物のスタンプも簡単にチョイスして、なごみ系のラベルを作成できます

 

まるでリマインダー! 注目のタイムラベル機能とは?

また「テプラ PRO SR-MK1」には、登録した日付にアラームを送ってくれるリマインダーのような機能、タイムラベル機能が搭載されているのも注目です。

 

例えば、精肉の賞味期限をラベルで作った際に、アプリ側でもその賞味期限をお知らせしてくれるといった機能。

タイムラベル機能を使うには、アプリでマイラベルを選択し、印刷履歴から印刷したラベルを選びます。

 

そこからタイムラベル設定画面に飛び、アラームをかける日を編集すると、タイムラベル設定一覧に指定した時間が出るようになります。賞味期限はもちろん、課題の提出時間などを設定するのにも便利ですね。

 

以上のインプレッションによって導き出された、小山くんの結論。

 

詳しくは動画をご覧ください

 

文=於 ありさ

 

ボールペン派の物欲も刺激!? 速記や強筆圧に耐えるシャープペン「オレンズネロ 0.5」をレビュー【動画ダイジェスト】

仕事や勉強など、作業がはかどる機能をもつ「はかどり文房具」の頂点を、ファンの厳正なる投票で決定する「文房具総選挙」。2021年の文房具総選挙で、トレンド部門「勉強がはかどる! 学生応援文房具」部門の部門賞に輝いたのが、ぺんてる「オレンズネロ 0.5」です。

 

GetNaviのYouTubeチャンネル「GetNaviチャンネル」では、同イベントで各部門の1位に輝いたアイテムを新人編集部員・小山雅斗(以下、小山くん)がレビューする動画を公開中。今回は、この「オレンズネロ 0.5」のレビュー動画をダイジェストでお届けします。

↑今回レビューする「オレンズネロ 0.5」を手にする小山くん

 

ぺんてる
オレンズネロ 0.5
3300円(税込)

 

芯が折れないシャープペン

「オレンズネロ 0.5」は、ぺんてるの人気シャープペンシリーズ「オレンズ」の最上位モデル「オレンズネロ」の芯径0.5mmモデル。

スタイリッシュでカッコいいデザインと、芯がなくなるまで折れずに書き続けられるのが特長です。

 

本当に芯は折れないのか、検証 

社会人になってからは、もっぱらボールペン派だという小山くん。今回は、本当に芯が折れることなく使い切ることができるのか、検証していきます。

通常のシャープペンシルは、2〜3回ノックした状態で筆記をするのに対し、「オレンズネロ 0.5」は最初のワンノックだけで、あとは芯を繰り出さずに使用するとのこと。

 

↑「オレンズネロ 0.5」で紙に文章を書いていく小山くん

 

「本当なのかチェックしていきます……」と半信半疑で紙に文章を書いてみたところ、しっかりと文章が書けました。

 

このあと、小山くんは4行にもわたる文章を筆記。その間、一度も芯が折れることはありませんでした。

 

小山くんが実際に使用した感想

実際に書いてみた感想を小山くんは「芯がなくなるまで、書き続けられちゃうんじゃないかと思いました。しかも僕、結構筆圧が強めなんですけど、全然芯が折れる感じがなかったです。これはね、ボールペンから変えてもいいかなって思っちゃいました」と満足そうに話しました。

 

さらに「学生さんとか、たくさんノートを取る授業もあると思うので、これを使うの、めちゃくちゃ良いと思います。さらに見た目もスタイリッシュでカッコ良いので、見た目にこだわりたい方にも良いと思います」と太鼓判。

 

そうして導き出された、小山くんの結論。

 

詳しくは動画をご覧ください

 

文=於 ありさ

 

場所はとらないが用途は広い! 自立するファイル「ジリッツ」をレビュー【動画ダイジェスト】

仕事や勉強など、作業がはかどる機能をもつ「はかどり文房具」の頂点を、ファンの厳正なる投票で決定する「文房具総選挙」。2021年の文房具総選挙で、トレンド部門「仕事がはかどる! テレワーク&フリーアドレス文房具」部門の部門賞に輝いたのが、キングジム「ジリッツ」です。

 

GetNaviのYouTubeチャンネル「GetNaviチャンネル」では、同イベントで各部門の1位に輝いたアイテムを新人編集部員・小山雅斗(以下、小山くん)がレビューする動画を公開中。今回は、この「テレワーク&フリーアドレス文房具」部門で1位を獲得したキングジム「〈ジリッツ〉クリアーファイル」のレビュー動画をダイジェストでお届けします。

↑今回レビューする「〈ジリッツ〉クリアーファイル」を手にする小山くん

 

キングジム
<ジリッツ>クリアーファイル
660円(10ポケット)、935円(20ポケット)(ともに税込)

 

利用用途が広い自立できるファイル

「〈ジリッツ〉クリアーファイル」とは、背にスタンドを内蔵したポケットタイプのクリアファイル。

小山くんは、ファイルを自立させることでできることを次のように提案、利用用途が広いことを説明しました。

 

「仕事中に書類を立てながら、作業できます。さらに事前にレシピを印刷することで、料理中にレシピを見ながら料理ができたり、音楽をやる方なら、楽譜立てがない場所でも楽譜を見ることができます」

 

また「ファイルが自立するということは見やすいだけでなく、省スペースで作業できるようになります」と小山くん。「在宅ワークでデスクが広くなくて困っている人にも、最適なアイテムなんじゃないかな」と話していました。

 

使い勝手の良さが魅力

さらに小山くんは機能性があるにも関わらず、使い勝手が良いのも魅力であると言います。

「機能性があるのに、普通のファイルと変わらないスリムさじゃないですか。これも実際触ってみて、すごくいいなと思ったポイントです。普段は普通のファイルとして使いながら、立てて使いたいときだけスタンドとして使える仕組みになっているので、むしろこれからファイルを買いたい人であればスタンド用途がなくてもジリッツを持っておくことは、あとあと便利になるんじゃないかなと思いました」

 

また、組み立てが簡単にできるのもジリッツの魅力。カメラに向かってスムーズな組み立て過程と、収納過程を見せながら「こういう小さいストレスがないところもいいなと思いました!」と嬉しそうに話していました。

 

小山くんが実際に使用した感想

さまざまな用途で使用できるジリッツ。料理中のレシピ立てとして使用してみたという小山くんは、その感想を次のように話します。

 

「今まで僕が料理中にレシピを見る時はスマホで見ていたんですけど、スマホでレシピを見ている時って少し手を離している間に画面が消えちゃったり、手が汚れているのにスクロールしなきゃいけなかったり、結構面倒が多いじゃないですか。それがジリッツを使うことで、一度印刷するという手間はあるもののレシピを見ながらの作業は楽になりました。レシピを溜め込むことでレシピブックとして使用できるのも、かなりありなのかなと思いました」

 

そうして導き出された、小山くんの結論。

 

詳しくは動画をご覧ください

 

文=於 ありさ

名前通りの無敵っぷり!文房具総選挙2021大賞「ガテン無敵マーカーPRO」の威力を検証【動画ダイジェスト】

仕事や勉強など、作業がはかどる機能をもつ「はかどり文房具」の頂点を、ファンの厳正なる投票で決定する「文房具総選挙」。2021年の文房具総選挙で、機能部門「書く・消す」部門の部門賞と同時に、見事「大賞」に輝いたのが、寺西化学工業「ガテン無敵マーカーPRO」です。

 

GetNaviのYouTubeチャンネル「GetNaviチャンネル」では、同イベントで各部門の1位に輝いたアイテムを新人編集部員・小山雅斗(以下、小山くん)がレビューする動画を公開中。今回は、この「ガテン無敵マーカーPRO」のレビュー動画をダイジェストでお届けします。

↑今回レビューする「ガテン無敵マーカーPRO」を手にする小山くん

 

寺西化学工業
ガテン無敵マーカーPRO
253円(おの型)、473円(極太)(ともに税込)

 

濡れているものに書ける無敵のマーカー

「ガテン無敵マーカーPRO」は、水に強いインクと耐摩耗性に優れた強化型ペン先を採用した油性ペン。

濡れても落ちないどころか、濡れたものにも書ける、商品名同様に無敵なアイテムです。

 

見た目も強い……。

 

実際にどのくらい落ちないのか徹底検証

今回は実際に濡れている環境で使用してみて、本当に書けるのかを検証するとのこと。

 

用意したのは濡れたジップロックと、濡れたスマートフォンケース(ハード)。

小山くん、水滴が画面越しでもわかるほど、しっかりと濡らした状態で検証に挑みます。

 

準備も完了したところで、いよいよ検証スタート! まずは濡れたジップロックから。

「見た感じは擦ったら消えそうですが……」と小山くん。

 

そのあまりの落ちなさに驚きを見せながら、机に置いて強めに擦ってみるも全く落ちず、手にもつきません。

 

興奮気味で、さらに文字を書き足す小山くん。今度は書いてすぐに擦ってみますが……

その威力は変わらず!

 

これには小山くんも「書き終わってから、かなり早めに触っているんですけど、全然取れないですね。これはちょっと感動します」と嬉しそう。次に、異素材のスマホケースに筆記。

こちらも威力は変わることなく、「正直、これは新感覚ですね」と小山くん。

 

「だって、濡れてなくても書いてすぐの状態で擦ったら落ちるじゃないですか。これ、本当に書いてから数秒で擦っているのに全然取れない!」と感動した様子を見せていました。

 

小山くんが実際に使用した感想

実際に検証してみて小山くんは「ここまで落ちないし、いろんな材質に書けるとなると、今までのペンとはちょっと違った用途だったりとか、今まで書いていたんだけど、洗うたびに落ちちゃうもの、例えばお子さんが使っているアイテムだとかに使っても、相当解決するんじゃないかな。大賞取るのも納得の強さです!」と振り返り。

 

そうして導き出された、小山くんの結論。

 

詳しくは動画をご覧ください

 

文=於 ありさ

 

書きたい気持ちを後押し、視覚的ストレスの少ない「ほぼ日ノオト」登場

ほぼ日は、目のストレスに着目し、デザイン心理学に基づいて作られた新しい罫線のノート「ほぼ日ノオト」を発表しました。発売は11月1日で、価格は単体が297円(税込)/5色セットが1485円(税込)です。

 

ほぼ日ノオトは、デザイン心理学に基づいたコンサルティングや空間開発の支援を展開する、千葉大学工学部発ベンチャーのBB STONEデザイン心理学研究所が開発したノート。「勉強しなさい、などと強制するのではなく、書きたい・学びたいという気持ちをさりげなく後押しするようなノートを作りたい」という考えから開発がスタートした製品だといいます。

 

ノートには、一般的な罫線と違い、長い横線と短い縦線が組み合わさっており、人間の錯視を利用して、線がつながっていないのに罫線に見えるよう設計されています。これにより、表や図が書きやすいほか、文頭が自然とそろった、きれいなノートをとれるそうです。

 

また、ノートを開いたときの威圧感が軽減され、長時間紙面と向き合っても視覚的ストレスが少ないとのこと。

↑使用例その1。勉強用のノートとしてはこのような使い方ができます

 

↑使用例その2。レシピノートだとこのような使い方が可能です

 

サイズはセミB5サイズ(179×252mm)で、カラーは全5色展開です。

完売多発のガラスペンって知ってる? プロが教える「文房具4大ヒット」

“いま”爆売れ中のモノを「日用品・ホビー」からセレクト。識者陣がヒットの背景を解説する。消費者ニーズに“ビッタビタ”な“ゴン攻め”商品の数々、知らないとマジでヤバいです!!

※こちらは「GetNavi」2021年10月号に掲載された記事を再編集したものです

文房具ライター

きだてたくさん

最新の機能系からファンシーな雑貨系まで、文房具ならなんでもガッツリ使い倒してレビューするライター。GetNavi webでも連載中。

ヒットその1 お気に入りのインクはつけながらすぐに発見! ……万年筆インクの色味を手軽に楽しむならガラスペンが最適!

 

インクと併せてハマると奥深いガラスペンの世界

いまや全国各地でインク専門のイベントが開催されるほど、多彩な万年筆インクは文房具界で大きなブームだ。しかし色味を確認するにも、いちいち万年筆にインクを吸入して、書いたらしっかり洗浄して……と、楽しむための手間が多いのが難点。そこでいま注目されているのが、ガラスペンだ。インクをペン先につけるだけで試し書きに十分な量が書けて、洗浄も基本は水洗いでOK。気軽にインクをあれこれ“味見”するには最適なツールと言えるだろう。

 

「ガラスペンは美麗な一点ものも多く、かなりの奥深さがあります。ガラスだけに取り扱いには注意が必要ですが、使いこなせば文房具上級者間違いなしです」(きだてさん)

 

【トレンドのツボ】大量生産が不可能なため需要に追い付かない場合も

筆記具のほかに工芸品としても人気のガラスペン。昨年開催された「文具女子博 #インク沼2020」では専門の販売コーナーも設けられるほど。大量生産が不可能で、人気モデルでは発売されるとすぐに完売状態が続く。

 

【ガラスペンその1】インク付けが不要になった万年筆タイプのガラスペン

【ガラスペン】 2019年9月発売

ヤーチンスタイル

ネオン・コレクション

2万9700円

ガラスペンは基本的には“つけペン”だが、これは軸内部にインクを溜めてペン先へ染み出させるコンバーターを搭載。万年筆と同様の使い勝手の良さで、ガラスペンならではのキリッとした硬質の書き味を楽しめるのが魅力だ。

 

【ガラスペンその2】ナチュラルな木軸も魅力のペン先着脱式ガラスペン

【ガラスペン】 2019年8月発売

Gecko Design

デビル ディップペン

1万1000円

風合いの良い木軸の先端にゴムベルトでペン先を装着した、保管しやすいガラスペン。ペン先を逆さにして木軸にはめ直すことで、繊細なペン先を木軸に収納できる。スチールのペン先も付属。

 

【ガラスペンその3】色相艶やかなボディは柔らかい手触りも上々

【ガラスペン】 2017年9月発売

Pent by 大西製作所&まつぼっくり

アセテート キャップ付きガラスペン

1万8920円

丸みを帯びた軸デザインに、軽くて丈夫なホウケイ酸ガラスのペン先を採用。アセテートのボディが放つ光沢は瑞々しく、手に吸いつくような手触りも心地良い。ストッパー付きキャップが落下を防ぐ。

 

ヒットその2 抗ウイルスで高次元の安心を……コロナ禍のいまだからよく手にする文房具にこそ気を遣いたい

 

抗ウイルス機能の見極めが安心に使うポイント

抗ウイルス機能を持った製品とは、基本的に表面に付着したウイルスを減少させる効果があるものを指す。つまり、手指に付いたウイルスを消毒するところまでは期待できないのである。これは知っておきたい重要なポイントで、抗ウイルス効果を信用しすぎるのも問題なのだ。とはいえ、新たにウイルスが付着しないという点が評価され、筆記具を筆頭に抗ウイルス文房具への関心は高まっている。

 

「これまでの感染対策にプラスして導入する、という考え方なら、メリットは大きいです。国内製品ならSIAA(抗菌製品技術協議会)などの専門機関が効果を認定しているかどうかも、選ぶ際のチェック材料にしましょう」(きだてさん)

 

【トレンドのツボ】不特定多数の人が使うモノは抗ウイルスへの関心が高い

不特定多数の人が使う文房具では抗ウイルス製品の需要が高い。セーラー万年筆が発売する抗菌・抗ウイルスボールペン「セラピカキレイ」シリーズは、昨年4月〜9月の出荷量が前年同期の4.6倍に急増した。

 

【抗菌文具その1】文房具を清潔にするならまずはペンケースから

【抗菌文具】 2021年3月発売

ナカバヤシ

抗菌・抗ウイルス生地製ペンケース

1870円(スリム)/2310円(ワイド)

繊維上のウイルスを99%以上減少させる加工技術「クレンゼ(R)」を施した生地を用いる衛生仕様のペンケース。抗ウイルス効果は洗濯50回後まで続き、内部まで清潔な状態を保てる。

 

【抗菌文具その2】抗ウイルス仕様で清潔を保ちやすい

【抗菌文具】 2021年5月発売

ナカバヤシ

ロジカル・ケアタッチ・抗ウイルス表紙ノート

165〜462円

表紙に抗ウイルス加工を施してあるため、清潔を保ちやすいノート。病院などの医療現場や、備品管理台帳のように多人数で1冊を共有するようなケースでも比較的不安が少なく、使いやすい。

 

【抗菌文具その3】よく触れるペンは抗ウイルスが安心

【抗菌文具】 2020年10月発売

ナカバヤシ

KIREID 抗菌・抗ウイルス銅 低粘度油性ボールペン

1320円

表面に付いたウイルスを素早く不活性化させる銅合金「クリーンブライト(R)」をペン軸に採用。銅の弱点である変色にも耐性があり、美しい輝きが長持ちするのもうれしい。

 

ヒットその3 オフィスは膝上デスク! ……在宅ワーク中でも仕事する場所を選ばない

 

作業スペースの奪い合いは膝上デスク導入で解決

家族に複数の在宅ワーカーがいると、数少ない机をめぐって作業環境の奪い合いになりがち。仕事ができるスペースを探して家の中をウロウロ流浪するなんて、なかなかに悲壮な話だ。そこで昨年秋ぐらいからにわかに注目度が高まっているのが、クッション付きの天板を膝に乗せて使う膝上デスク。ソファーや座椅子にリラックスした姿勢で座っていても安定してPC作業ができるので、普通の机よりもむしろ快適! という意見もあるほどだ。

 

「場所を選ばないから、気分次第で『今日は違う部屋で仕事してみよう』なんてことも可能です。自宅内をさまようのが逆に楽しくなるかもしれません」(きだてさん)

 

【トレンドのツボ】需要増で新製品が続々登場、バリエーションも豊富に揃う

在宅ワークが増えた昨年以降新製品が続々と登場。テーブルのサイズやクッションの種類など様々なタイプが揃う。PC作業のほか、ゲームでコントローラーを安定させる、読書で本を置くなど幅広い使い方がされる。

 

【膝上デスクその1】普段の仕事机感覚で使えるマウスパッド搭載デスク

【膝上デスク】 2021年6月発売

ナカバヤシ

ノートPC・タブレット用 ひざ上テーブル

8613円

タブレット/スマホ用スタンドに加えて、左利き右利き両対応のマウスパッドを搭載。クッション部は中央が抜けていることで、膝に乗せた際の安定感を保ちつつ、長時間作業を続けても蒸れにくい通気性を確保している。

 

 

↑自宅内で作業場所を探す際に便利な手提げハンドルが付属。吊り下げて収納することもできる

 

【膝上デスクその2】ほど良い硬さのクッションでどんな姿勢でも作業が快適

【ひざ上デスク】 2021年5月発売

ソニック

広々ひざ上デスク

3850円

裏側の全面クッションは、どんな姿勢でも安定感抜群。落ち着いた姿勢で作業を進めることができる。タブレットスタンド付きの天板はフラットで、ノートPC+メモやノート筆記という組み合わせでも使いやすい。

 

ヒットその4 遠目からでもわかります……映えるだけじゃなく視認性が高くて使いやすい透明ペンケース

 

見た目だけと思いきや実は機能性も高かった

透明ペンケースのユーザーは、やはり若い女性がメイン層。しかし、性別や年齢を理由に使うのを渋るのはもったいない。実は、透明ならではの機能的なメリットが意外と大きいのである。視認性の高さはほかの素材と比べてはるかに勝るし、なにせ中身が丸見えだから、ケース内をゴソゴソ探る手間がほぼゼロ。使いたいモノをスパッと迷わず取り出せるのは、それだけで間違いなく使い勝手の良いペンケースと言える。

 

「透明なことに加えて、見せる・見せないをコントロールしたり、整理収納機能を持った製品を選べば、作業効率アップも期待できそう。実用性で透明を選ぶのはアリだと思います」(きだてさん)

 

【トレンドのツボ】使い勝手の良さとともにインスタ映えすると大人気!

機能性の高さが好評。最近ではSNSなどで映える文房具としても人気で、Instagramの「♯勉強垢」では愛用の文房具の写真がアップされることが多く、なかでも透明ペンケースは特に数多く投稿されている。

 

【透明ペンケースその1】見せると隠すの使い分けでペンケースをスッキリ整理

【透明ペンケース】 2021年4月発売

サンスター文具

クリアポーチ mitte(ミッテ)

1430円(フラット)・1595円(マチ)

透明ペンケース内部に不透明のポケットを備えることで、「見せる」と「隠す」を両立。使用頻度の高いお気に入りのペンは取り出しやすいケースの手前で見せ、使いかけのふせんは見栄えが悪いからポケットに隠す、といった分別が可能になる。

 

【透明ペンケースその2】ツインの透明ペンケースで効率的な分類収納

 

【透明ペンケース】 2021年6月発売

キングジム

チアーズ ツインペンケース

1375円

四角柱型で2部屋分割構造の透明ペンケース。筆記具とそれ以外の小物、というような整理分類がしやすい構造だ。中身を取り出すときは、磁石の留め具が付いた中央からパカッと割るようにして開くと、机に平置きしやすい形に変形する。

 

【透明ペンケースその3】自慢の文房具を魅せるための見栄えを考えたペンケース

【透明ペンケース】 2021年6月発売

コクヨ

ツールペンケースPiiip〈ピープ〉

1650円

人に自慢したいペンは透明ケースに、それ以外はインナーケースにと仕分けることで、見せたいモノに視線を集める“映え系”ペンケースに新色が登場。インナーは分離してミニペンケースとして使うこともできる。

 

「映える文房具」として大人気! 機能性もすこぶる高い「透明ペンケース」3選

“いま”爆売れ中の「文房具」を紹介し、識者がヒットの背景を解説する。今回は、「透明ペンケース」をご紹介!

※こちらは「GetNavi」2021年10月号に掲載された記事を再編集したものです

 

遠目からでもわかります……映えるだけじゃなく視認性が高くて使いやすい透明ペンケース

文房具ライター

きだてたくさん

最新の機能系からファンシーな雑貨系まで、文房具ならなんでもガッツリ使い倒してレビューするライター。GetNavi webでも連載中。

見た目だけと思いきや実は機能性も高かった

透明ペンケースのユーザーは、やはり若い女性がメイン層。しかし、性別や年齢を理由に使うのを渋るのはもったいない。実は、透明ならではの機能的なメリットが意外と大きいのである。視認性の高さはほかの素材と比べてはるかに勝るし、なにせ中身が丸見えだから、ケース内をゴソゴソ探る手間がほぼゼロ。使いたいモノをスパッと迷わず取り出せるのは、それだけで間違いなく使い勝手の良いペンケースと言える。

 

「透明なことに加えて、見せる・見せないをコントロールしたり、整理収納機能を持った製品を選べば、作業効率アップも期待できそう。実用性で透明を選ぶのはアリだと思います」(きだてさん)

 

【トレンドのツボ】使い勝手の良さとともにインスタ映えすると大人気!

機能性の高さが好評。最近ではSNSなどで映える文房具としても人気で、Instagramの「♯勉強垢」では愛用の文房具の写真がアップされることが多く、なかでも透明ペンケースは特に数多く投稿されている。

 

【透明ペンケースその1】見せると隠すの使い分けでペンケースをスッキリ整理

【透明ペンケース】 2021年4月発売

サンスター文具

クリアポーチ mitte(ミッテ)

1430円(フラット)・1595円(マチ)

透明ペンケース内部に不透明のポケットを備えることで、「見せる」と「隠す」を両立。使用頻度の高いお気に入りのペンは取り出しやすいケースの手前で見せ、使いかけのふせんは見栄えが悪いからポケットに隠す、といった分別が可能になる。

 

【透明ペンケースその2】ツインの透明ペンケースで効率的な分類収納

 

【透明ペンケース】 2021年6月発売

キングジム

チアーズ ツインペンケース

1375円

四角柱型で2部屋分割構造の透明ペンケース。筆記具とそれ以外の小物、というような整理分類がしやすい構造だ。中身を取り出すときは、磁石の留め具が付いた中央からパカッと割るようにして開くと、机に平置きしやすい形に変形する。

 

【透明ペンケースその3】自慢の文房具を魅せるための見栄えを考えたペンケース

【透明ペンケース】 2021年6月発売

コクヨ

ツールペンケースPiiip〈ピープ〉

1650円

人に自慢したいペンは透明ケースに、それ以外はインナーケースにと仕分けることで、見せたいモノに視線を集める“映え系”ペンケースに新色が登場。インナーは分離してミニペンケースとして使うこともできる。

 

芯を潰した粘着テープの究極系? カードタイプになった3Mの梱包テープの使い勝手は群を抜いている!

先日、生活用具を収納する棚の整理をしていて気付いてしまったのだが、我が家、梱包テープが多すぎる。

 

まずクラフトテープと布テープとPPテープがあって、さらに手で切れるPPテープだの、両フチに粘着材がなくてめくって剥がしやすい布テープだのと、あれこれ機能を付加したタイプもあって、もはや棚に収まりきらなくなっている。荷物のやり取りが多いモノ系ライターという仕事柄、ある程度しょうがないとはいえ、困ったなー、と。

 

↑工具とかテープ類を突っ込んである自宅の棚。数えてみたら、梱包用だけで18本もあった。「空母でも梱包するつもりか」と妻に怒られた

 

だが冷静に考えると、こういった梱包テープの類にだって、非はあるんじゃないか? 実際に使うテープ部に対して、芯の間に空いたあの無駄な穴はなんだ。あの空間さえなければ、もっとすんなり収納できるだろう。

 

例えば都内で家賃15万円50平米の家として、一般的な梱包テープの穴の面積が約0.045m2なので、ざっくり計算であの空虚な穴1つあたり毎月135円がコストとして払われ続けることになる。(もちろん、棚などを使えば収納効率も違うので、そんな単純な計算はできないが。)これ、許せることだろうか!?

 

「スコッチ 透明梱包用テープ」は超薄型だから邪魔じゃない!

と、上記はさすがに言いがかりに近い話ではあるが、梱包テープが意外と場所をとって邪魔、という点に関しては同意いただけるんではないだろうか。もうちょっとスッキリ収納できてもいいのでは?

 

まさにそういう部分で最強なのが、3M(スリーエム)から発売された「Scotch(スコッチ) 透明梱包用テープ ポータブルタイプ」(以下、ポータブル梱包テープ)である。

 

3M
Scotch(スコッチ) 透明梱包用テープ ポータブルタイプ
7m
オープン価格(実勢300円前後)

 

なにがポータブルかというと、一目瞭然、あの穴がない! 2mm厚の紙板を芯として、そこに48mm幅のPPテープを巻き付けてあるというもので、とにかく薄くてスッキリ。感覚的には“カードサイズ”と言いたくなるくらいなのだ。

↑指で挟んで持てる梱包テープ、という新ジャンルだ。新品の状態で厚さは約5.5mm

 

↑50m巻のテープと比べると、サイズ差は歴然

 

並べて見ると、とにかく“収納面積の無駄にならなさ”が圧倒的。従来のPPテープ1個分のスペースがあれば、ポータブル梱包テープがどっさり積み重ねて置けるわけで、それはもうありがたいとしか言いようがない。テープ長は7m(従来品はだいたい50m巻)しかないが、そこを考えてもやはり相当な省スペースだろう。

 

なにより普通の家庭であれば、50m巻テープを使い切るのもなかなか大変。それならスリムな7m巻を備えておけば充分、という考え方もできるのではないか。

 

↑紙管のロールと比べるとややぎこちない動きになるが、使いづらいと感じるほどじゃない

 

使う時は紙板の芯を表、裏、とひっくり返すようにしてテープを伸ばしていくので、やはり紙菅芯から伸ばしていくのとは作業感が違う。とは言っても、まぁそういうものかと思って使えば、特に不具合は感じないはず。

 

テープ自体は0.06mm厚と、PPテープとしてはやや厚手という範囲。粘着もしっかりしているので、梱包だけでなく、ちょっとした補修作業にも充分に使えるだろう。

 

↑PPテープは、やはり手で切れる方が、圧倒的に面倒がない

 

さらに、テープが手でスパッと切れるというのもポイントだ。ちなみに、手で切るときは最初からグイッと力を入れて引き切るのがコツ。じわじわ力を入れると、テープが端から伸びていって切れなくなってしまう。ここは慣れが必要かもしれない。

 

とはいえ、「カッターやハサミが不要」+「ポケットに入れても邪魔にならないぐらいの薄さ」という組み合わせは、引っ越し作業などには最適ではないだろうか。

 

↑このサイズ感なら、ポケットに入れて持ち歩いても違和感なし。DIYでも役立ちそうだ

 

以前、この連載でも薄型の布テープ「アウトドアテープ」(ヤマト)を紹介したことがある。登山やキャンプの荷物にスルリと入るスリムさで、こちらも非常に優秀な製品だ。

“潰れたガムテ”がこんなに便利なんて! ヤマト「アウトドアテープ」がキャンプでも災害時も活躍する理由
https://getnavi.jp/stationery/537788/

 

すべてのテープ類が薄型になればいい、という極論を言うつもりはもちろんないが、こういった“収納に場所を取らないテープ”という選択肢がもうちょっと増えると、いろいろと便利だと思う。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

普通のデスクよりむしろ快適!? 在宅ワーカーにハマった「膝上デスク」2選

“いま”爆売れ中の「文房具」を紹介し、識者がヒットの背景を解説する。今回は、「膝上デスク」をご紹介!

※こちらは「GetNavi」2021年10月号に掲載された記事を再編集したものです

 

オフィスは膝上デスク! ……在宅ワーク中でも仕事する場所を選ばない

文房具ライター

きだてたくさん

最新の機能系からファンシーな雑貨系まで、文房具ならなんでもガッツリ使い倒してレビューするライター。GetNavi webでも連載中。

作業スペースの奪い合いは膝上デスク導入で解決

家族に複数の在宅ワーカーがいると、数少ない机をめぐって作業環境の奪い合いになりがち。仕事ができるスペースを探して家の中をウロウロ流浪するなんて、なかなかに悲壮な話だ。そこで昨年秋ぐらいからにわかに注目度が高まっているのが、クッション付きの天板を膝に乗せて使う膝上デスク。ソファーや座椅子にリラックスした姿勢で座っていても安定してPC作業ができるので、普通の机よりもむしろ快適! という意見もあるほどだ。

 

「場所を選ばないから、気分次第で『今日は違う部屋で仕事してみよう』なんてことも可能です。自宅内をさまようのが逆に楽しくなるかもしれません」(きだてさん)

 

【トレンドのツボ】需要増で新製品が続々登場、バリエーションも豊富に揃う

在宅ワークが増えた昨年以降新製品が続々と登場。テーブルのサイズやクッションの種類など様々なタイプが揃う。PC作業のほか、ゲームでコントローラーを安定させる、読書で本を置くなど幅広い使い方がされる。

 

【膝上デスクその1】普段の仕事机感覚で使えるマウスパッド搭載デスク

【膝上デスク】 2021年6月発売

ナカバヤシ

ノートPC・タブレット用 ひざ上テーブル

8613円

タブレット/スマホ用スタンドに加えて、左利き右利き両対応のマウスパッドを搭載。クッション部は中央が抜けていることで、膝に乗せた際の安定感を保ちつつ、長時間作業を続けても蒸れにくい通気性を確保している。

 

 

↑自宅内で作業場所を探す際に便利な手提げハンドルが付属。吊り下げて収納することもできる

 

【膝上デスクその2】ほど良い硬さのクッションでどんな姿勢でも作業が快適

【ひざ上デスク】 2021年5月発売

ソニック

広々ひざ上デスク

3850円

裏側の全面クッションは、どんな姿勢でも安定感抜群。落ち着いた姿勢で作業を進めることができる。タブレットスタンド付きの天板はフラットで、ノートPC+メモやノート筆記という組み合わせでも使いやすい。

これも抗菌なの? コロナ禍でヒット中の「抗菌・抗ウイルス文具」3選

“いま”爆売れ中の「文房具」を紹介し、識者がヒットの背景を解説する。今回は、「抗菌文具」をご紹介!

※こちらは「GetNavi」2021年10月号に掲載された記事を再編集したものです

抗ウイルスで高次元の安心を……コロナ禍のいまだからよく手にする文房具にこそ気を遣いたい

文房具ライター

きだてたくさん

最新の機能系からファンシーな雑貨系まで、文房具ならなんでもガッツリ使い倒してレビューするライター。GetNavi webでも連載中。

抗ウイルス機能の見極めが安心に使うポイント

抗ウイルス機能を持った製品とは、基本的に表面に付着したウイルスを減少させる効果があるものを指す。つまり、手指に付いたウイルスを消毒するところまでは期待できないのである。これは知っておきたい重要なポイントで、抗ウイルス効果を信用しすぎるのも問題なのだ。とはいえ、新たにウイルスが付着しないという点が評価され、筆記具を筆頭に抗ウイルス文房具への関心は高まっている。

 

「これまでの感染対策にプラスして導入する、という考え方なら、メリットは大きいです。国内製品ならSIAA(抗菌製品技術協議会)などの専門機関が効果を認定しているかどうかも、選ぶ際のチェック材料にしましょう」(きだてさん)

 

【トレンドのツボ】不特定多数の人が使うモノは抗ウイルスへの関心が高い

不特定多数の人が使う文房具では抗ウイルス製品の需要が高い。セーラー万年筆が発売する抗菌・抗ウイルスボールペン「セラピカキレイ」シリーズは、昨年4月〜9月の出荷量が前年同期の4.6倍に急増した。

 

【抗菌文具その1】文房具を清潔にするならまずはペンケースから

【抗菌文具】 2021年3月発売

ナカバヤシ

抗菌・抗ウイルス生地製ペンケース

1870円(スリム)/2310円(ワイド)

繊維上のウイルスを99%以上減少させる加工技術「クレンゼ(R)」を施した生地を用いる衛生仕様のペンケース。抗ウイルス効果は洗濯50回後まで続き、内部まで清潔な状態を保てる。

 

【抗菌文具その2】抗ウイルス仕様で清潔を保ちやすい

【抗菌文具】 2021年5月発売

ナカバヤシ

ロジカル・ケアタッチ・抗ウイルス表紙ノート

165〜462円

表紙に抗ウイルス加工を施してあるため、清潔を保ちやすいノート。病院などの医療現場や、備品管理台帳のように多人数で1冊を共有するようなケースでも比較的不安が少なく、使いやすい。

 

【抗菌文具その3】よく触れるペンは抗ウイルスが安心

【抗菌文具】 2020年10月発売

ナカバヤシ

KIREID 抗菌・抗ウイルス銅 低粘度油性ボールペン

1320円

表面に付いたウイルスを素早く不活性化させる銅合金「クリーンブライト(R)」をペン軸に採用。銅の弱点である変色にも耐性があり、美しい輝きが長持ちするのもうれしい。

 

人気モデルはすぐ完売!「インクの味見」に最適な「美麗ガラスペン」3選

“いま”爆売れ中の「文房具」を紹介し、識者がヒットの背景を解説する。今回は、「ガラスペン」をご紹介!

※こちらは「GetNavi」2021年10月号に掲載された記事を再編集したものです

 

お気に入りのインクはつけながらすぐに発見! ……万年筆インクの色味を手軽に楽しむならガラスペンが最適!

文房具ライター

きだてたくさん

最新の機能系からファンシーな雑貨系まで、文房具ならなんでもガッツリ使い倒してレビューするライター。GetNavi webでも連載中。

インクと併せてハマると奥深いガラスペンの世界

いまや全国各地でインク専門のイベントが開催されるほど、多彩な万年筆インクは文房具界で大きなブームだ。しかし色味を確認するにも、いちいち万年筆にインクを吸入して、書いたらしっかり洗浄して……と、楽しむための手間が多いのが難点。そこでいま注目されているのが、ガラスペンだ。インクをペン先につけるだけで試し書きに十分な量が書けて、洗浄も基本は水洗いでOK。気軽にインクをあれこれ“味見”するには最適なツールと言えるだろう。

 

「ガラスペンは美麗な一点ものも多く、かなりの奥深さがあります。ガラスだけに取り扱いには注意が必要ですが、使いこなせば文房具上級者間違いなしです」(きだてさん)

 

【トレンドのツボ】大量生産が不可能なため需要に追い付かない場合も

筆記具のほかに工芸品としても人気のガラスペン。昨年開催された「文具女子博 #インク沼2020」では専門の販売コーナーも設けられるほど。大量生産が不可能で、人気モデルでは発売されるとすぐに完売状態が続く。

 

【ガラスペンその1】インク付けが不要になった万年筆タイプのガラスペン

【ガラスペン】 2019年9月発売

ヤーチンスタイル

ネオン・コレクション

2万9700円

ガラスペンは基本的には“つけペン”だが、これは軸内部にインクを溜めてペン先へ染み出させるコンバーターを搭載。万年筆と同様の使い勝手の良さで、ガラスペンならではのキリッとした硬質の書き味を楽しめるのが魅力だ。

 

【ガラスペンその2】ナチュラルな木軸も魅力のペン先着脱式ガラスペン

【ガラスペン】 2019年8月発売

Gecko Design

デビル ディップペン

1万1000円

風合いの良い木軸の先端にゴムベルトでペン先を装着した、保管しやすいガラスペン。ペン先を逆さにして木軸にはめ直すことで、繊細なペン先を木軸に収納できる。スチールのペン先も付属。

 

【ガラスペンその3】色相艶やかなボディは柔らかい手触りも上々

【ガラスペン】 2017年9月発売

Pent by 大西製作所&まつぼっくり

アセテート キャップ付きガラスペン

1万8920円

丸みを帯びた軸デザインに、軽くて丈夫なホウケイ酸ガラスのペン先を採用。アセテートのボディが放つ光沢は瑞々しく、手に吸いつくような手触りも心地良い。ストッパー付きキャップが落下を防ぐ。

3年後の未来を描き、今を記録する……「3年連用日記」発売

マークスは、“未来を描く”ためのコンテンツが充実した「3年連用日記」を発売しました。価格は3520円。

 

同社の「連用日記」は2015年に誕生した、毎年書き続けることで、過ぎ去った日々を振り返るだけでなく、「未来のために、今を記録する」日記です。同年発売の「5年連用日記」に加え、今回は3年間の日々を綴る「3年連用日記」が新たに登場しました。

 

3年連用日記は、まずは「3年後までにしたい10のこと」「未来年表」などのコンテンツページに「3年後までに実現したいこと」を描き、記していきます。

 

メインの日記ページは、「3年後までにしたい10のこと」や「未来年表」の目標に沿った行動の記録や、日々の日記、よかったことだけを箇条書きしたり、育児日記、ペットや趣味、食事、体調管理の記録などテーマを決めて、自分らしいスタイルで続けられるシンプルなレイアウトです。1ページに3年分、毎年同じページに書き込むことで、1年前、2年前の様子が自然と目に入るので、振り返りを楽しんだり、自分の変化や成長に気づくことができます。

 

日々の日記だけでなく、「日本&世界の白地図」「記念のフォトページ」「心に響いたフレーズ集」などのページに、旅の足跡や記念写真、誰かの言葉や本で見つけたフレーズも一緒に記録できます。

 

表紙は、箔押しをさりげなく施したシンプルで上品なカバーで、くすみカラーのベージュ、甘すぎないコーラルピンク、深みのあるレッドと、飽きのこない色味を採用しています。

 

また、現在販売中の5年連用日記も、スタンダードなカラーのレッドとネイビーに加え、「キャメル」が新色に追加されています。

ウイスキーの樽から生まれた、“クセになる、なめらかな書き味”の多機能ペンが限定発売

三菱鉛筆は、ウイスキーの樽材をペン軸に再利用した「ピュアモルト」シリーズから、“クセになる、なめらかな書き味”の「ジェットストリーム」リフィルを搭載した多機能ペン「ピュアモルト ジェットストリームインサイド 4&1 5機能ペン」を、数量限定で10月26日に発売します。参考価格は2200円。

↑左上からホットワインレッド、トワイライトブルー、ブライトイエロー、ホリデイグリーン

 

今回発売する限定軸色は、秋冬の季節感を反映し温かみのある軸色に仕上げた、上位バージョン「oak wood premium edition」です。秋から冬にかけての景色の移ろいや、家の中でのゆったりとした時間を過ごす情景を、軸のカラーリング、ロゴ印刷色、軸色名で表現。

 

「ホットワインレッド」は、家でホットワインを飲んでいるときに白い湯気が立っている様子を、「トワイライトブルー」は、明け方の冬空と雲を、「ブライトイエロー」は、秋の散歩道で目にするイチョウ並木を、「ホリデイグリーン」は、クリスマスリースやオーナメントの色合いをイメージ。ピュアモルト限定軸色シリーズでは初めてのマット塗装を採用しています。

↑ホットワインレッド

 

ボール径は0.5mm。インク色は黒、赤、青、緑の4色で、芯径0.5mmのシャープも搭載。書類・資料の色分けした書き込みや、手帳への筆記に最適です。

 

ウイスキーを熟成した樽材(オーク材)をペン軸に使用している「ピュアモルト」シリーズは2000年に発売。ウイスキー樽の味わいや、木目の個体差、使い込むことによるエイジングを楽しめます。

アイデアと完成度に脱帽! コクヨの2つ折りファイルとコピー用紙で作るノートが書類の持ち歩きを快適化

前回、PC関連の便利アイテムとして、コクヨ「BIZRACK(ビズラック)」シリーズの新しいワークツール2点を紹介した。ところが「BIZRACK」の新アイテムはまだあって、それも紹介しないわけにはいかないぐらいに面白いのである。

在宅ワーク環境を快適化!コクヨのPC周辺アイテムでキーボード入力もメモもスムーズ
https://getnavi.jp/stationery/659728/

 

が、その前にまず前提として述べておくべきポイントがある。それが、テレワークによって「書類を持ち運ぶ機会が増えているらしい」という話なのだ。これまではオフィスに置きっぱなしだった資料などの書類は、在宅で仕事をするならそれも持って帰らなきゃいけないし、出社する際には当然再び持って行くことになる(もちろん、持ち出せるものに限るが)。サーバーにファイルをアップロードして閲覧すればいいのでは? という話もあろうが、画面で見るよりプリントアウトした方が、取り回しがラクというケースも多いのである。

 

そこで今回は「BIZRACK」シリーズから、書類輸送に適した最新アイテムを紹介したいと思う。

 

コンパクトに書類を運べるドキュメントファイル

“書類”と一般的に呼ばれるものを大きく分けると、自分だけで見るためのものと、他人が目を通すものの2つになる。他人(社内でも社外でも)が見る用の書類であれば、そこはやはりシワなく折り目なくピシッとしているべき。だが単に自分が参照するためだけにプリントしたものなら、多少折れてようが読めるなら問題ないし、それよりは持ち運びしやすさを優先したっていいだろう。

コクヨ
2つ折りドキュメントファイル<ビズラック>
700円(税別)

 

そういう感覚で運用するなら、「2つ折りドキュメントファイル<ビズラック>」はかなり優秀だ。A4サイズの書類ホルダーを、その名の通り2つ折り(A5サイズ)にして携行できる。つまりコンパクト化されるため、単純に持ち歩きやすくなるという話である。

 

近年増えてきた感のある「書類の二つ折り収納」だが、小さなカバンにもスルッと入って助かるという人も多いのではないだろうか。実際、筆者はノートPCレスで外出する際には小さなボディバッグを多用しているので、今後はこの「2つ折りドキュメントファイル<ビズラック>」がヘビーに役立ってくれそうな気がしている。

 

↑表紙のゴム紐を外して開いた様子。A4書類を半折りの状態でストックできる

 

 

↑インデックスで仕切られた書類収納。インデックスの山が表紙と同色で見づらいので、ラベルシールか何か貼った方が使いやすいかもしれない

 

書類ホルダー部は、2山のインデックスで3つに分かれており、書類の分類収納が可能。案件ごとに分けてもいいし、至急/いつでもいい/終わったけど念のため保持、というように優先度で分けてもいいだろう。

 

同サイズの紙をざっくりと収納するツールなので、必要な書類を探す手間を考えれば、インデックスによる仕分け収納は必須と言える。

 

↑ペン類も飲み込むミニポケット。容量は大きくないが、簡易的なペンケースとしても機能しそう

 

書類ホルダー以外には、透明窓のミニポケットと名刺用のスリットがついている。特にミニポケット(厚さ8mmの物まで入る)は、付箋やラインマーカー、目薬など、書類仕事にあると助かる小物がまとめて持ち運べるのがありがたい。

 

PCを使わない書類チェックのような作業であれば、何ならこのドキュメントファイルひとつでこなせるわけで、これはなかなか気の利いた仕様だと思う。

 

↑名刺をストックしておくと、ファイル自体を紛失したときに戻ってくる確率が上がる(名前シール代わり)。特に必要なくても入れておくのがオススメだ

書類をオフィス外に持ち出すにあたって、空き時間に腰を下ろせる場所で資料を読み込んでおく……というような使い方なら、「2つ折りクリヤーブック<ビズラック>」もアリだ。

コクヨ
2つ折りクリヤーブック<ビズラック>
600円(税別)

 

こちらは10枚のクリアポケットを備えたファイルを、先のドキュメントファイルと同様に2つ折りにしたもので、パラパラとページをめくれる分、閲覧性が高い。外出先で、急に一覧や数字を参照する必要に迫られた場合などは、携帯しやすさも含めてかなり便利なのだ。

 

↑表紙を開くと、書類ホルダー兼用の中表紙が現れる

 

↑さらに中表紙を開くと、ペラペラとめくって見られるクリアポケットのページが出現。書類は側面から入れるサイドスロー式だ

 

↑中表紙はホルダー型のポケットも兼ねる。カドを差し込んで固定しておけるので、収納した書類が抜け落ちる心配もなさそうだ

 

実のところ、2つ折りのクリヤーブックはすでに他メーカーからいくつか先行製品が出ているのだが、それを踏まえても良さを感じるのが、展開時の表紙にあたるホルダー型のポケット。2辺が開くクリアホルダーのような形状のポケットなので、ひとまずざくざくと書類を入れておくのに使えるのである。

 

ポケット式はいちいち書類を収納するのが手間だが、こういうラフに使える要素が入っていてくれると、気軽に使えていいと思う。

コピー用紙と書類をまとめてノート化

書類を携行するだけに限らず、汎用性の高さで面白いのが「クリップノート<ビズラック>」だ。

コクヨ
クリップノート<ビズラック>
550円(税別)

 

背のクリップでA4サイズ程度の紙なら何でも挟みこんでおけるというもので、コピー用紙を挟めば無地のノートになるし、書類を一緒に挟んでおくことも可能だ。

 

また、ルーズリーフのように紙の抜き差し自在だが、リング穴は不要、という便利さが最大のポイントと言える。

 

↑背表紙には、回転式のクリップを2つ備える。閉じるとギュッと強めの圧がかかるので、紙の固定にも安心感がある

 

↑A4用紙を差し込んでクリップを戻せば、この通りしっかりち綴じられたノートの完成だ

 

以前にこの連載でも紹介したPageBase(ページベース)「SlideNote(スライドノート)」と同じコンセプトの後発製品だが、使い勝手の部分で違いがある。

第三のノート誕生! 入れ替え可能な“綴じ”ノート「SlideNote」は“アイデア出しは手書き”派の最適解!?
https://getnavi.jp/stationery/573803/

 

まず「SlideNote」は、背全体を挟む大きなスライドクリップが特徴だったが、この「クリップノート<ビズラック>」は樹脂製の回転クリップを2点に備えている。「SlideNote」はA4以下であればどんなサイズの紙でも綴じることができたが、こちらはクリップが上下端に分かれて配置されているため、基本的にはA4限定と言っていいと思う。

 

↑プリントアウトの書類と無地ページを混ぜ込んだ仕事ノートも、簡単に作れる

 

とはいえ背周りがコンパクトな分だけ、表紙は非常に開きやすい。表紙を360度折り返して使うこともできるほどで、これは閲覧だけでなく立ったまま筆記も可能というメリットがある。また、背が薄い=全体的にスリムということで、カバンに突っ込むときも、よりスムーズに入った。

 

↑表紙を折り返すことで、クリップボード的な使い方も可能だ

 

また、挟む紙が少なくても抜けにくい、というのも「クリップノート<ビズラック>」の重要なポイントだろう。回転クリップは紙1~2枚程度でもしっかり挟んでくれて、背を折り返しても抜ける気配はほとんど感じない。書類を挟んでの閲覧用ファイルとして使うのであっても、スポ抜けしての紛失を心配しなくて良いのは嬉しいところである。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

「うるふわクッション」で書き心地が進化! 極細ジェルボールペン「サラサナノ」

ゼブラは、極細ジェルボールペン「サラサナノ」を、11月5日に発売します。税込価格は220円。

↑上段左から、ビリジアン、緑、フレッシュグリーン、ライトグリーン、黄、オレンジ、レッドオレンジ、バーミリオン、赤、ピンク、ライトピンク、マゼンタ、紫、茶、グレー、黒
下段左から、セピアブラック、ダークグレー、ブラウングレー、レッドブラック、キャメルイエロー、カシスブラック、ボルドーパープル、グリーンブラック、ブルーブラック、ブルーグレー、青、コバルトブルー、ペールブルー、ライトブルー、ナイトブルー、ブルーグリーン

 

同製品は、ペンの上部にスプリングを加えた「うるふわクッション」を採用。筆圧に応じて中芯が上下に動くようになり、筆記時のガリガリ感がスプリングで吸収され、ペン先の紙へのひっかかりが少なくなって、インクが安定して出るようになりました。さらさらとした書き心地で、くっきりキレイな線を書くことができます。

 

豊富な32色のラインナップで、手帳に色分けして書き込んだり、日記を装飾したり、よりカラフルで多彩な表現が可能。

 

ジェルインクのみずみずしさをクリップやノックの透明部分で表現したデザインで、金属製の先端部分は、書いているところが見えやすいような形状になっており、ほどよい低重心を実現しています。

アップデートでペン機能を拡充! 筆圧感知でさらにリアルな“紙”に近づいた「クアデルノ」

富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は、電子ペーパー「QUADERNO(以下クアデルノ)」の本体ソフトウェア機能のアップデートを、10月12日より開始しました。アップデート対象機種は、「QUADERNO A5 (Gen. 2) FMVDP51」「QUADERNO A4 (Gen. 2) FMVDP41」です。

 

アップデートではペン種の追加と筆圧対応(万年筆、筆ペン)が行われ、5種類のペン(ボールペン、万年筆、筆ペン、マーカー、ハイライト)が使えるようになりました。本物の紙とペンのような、はね・はらいなど繊細な表現が可能となり、筆圧をダイナミックに反映し、文字やイラストでも、表現に深みや奥行きを出すことができます。同製品は、紙のような使い心地で、アナログの良さを活かすことにこだわっていましたが、筆圧感知が追加されたことで、よりリアルな紙の体験に近づいています。

 

また、これまでハイライトは、テキストの上にしか引くことができず、利用用途が制限されていましたが、「手書きの上にマーカーを引きたい」や「グラフなどの図表の上にもマーカーを引きたい」などといったユーザからの要望があり、新しく赤・黄・青・緑の4色のマーカーとハイライトが使えるようになりました。ボールペン、万年筆、筆ペンの3種に新色の白色も増え、色のバリエーションも豊かになり、スケジュールやノートにも自由にマーカーを使って楽しむことができます。ペンの色に白が追加されたことによって、PDFを簡単に手書きで修正したり、まるで印刷された紙を修正ペンで消すかのような、白色のペンの使い方もできるようになりました。

↑左:PCやスマホ上の表示/右:クアデルノ上の表示

 

ペンツールパネルも進化し、消しゴムやハイライトへの切り替え、色・太さ等を1タップで切り替えることが可能。ペンや色が増えても、複雑な設定は必要なく、簡単にペンの設定を選ぶことができます。

透明PVC×国産本革で、素材にもこだわった! “透明感のあるシステム手帳”Makuakeプロジェクト開催中

文匠は、デザイン性と使い心地を大切にした文房具ブランド「LETS STATIONERY GOODS(レッツステーショナリーグッズ)」を、新たに立ち上げました。

 

 

同ブランドの名前の由来は、「Let’s enjoy the stationery!=さぁ文房具を楽しもう!」の頭字語を取ったアクロニムで、ブランドロゴは、各所に文房具を散りばめたデザインとなっています。

 

ブランド初となる新製品は、透明PVC×国産本革を使った透明なシステム手帳。高級素材にこだわり、中身を入れ替えてカスタマイズも楽しめます。現在、Makuakeにてプロジェクトを開催中です。一般販売価格は1万5500円ですが、10月12日11時現在、Makuake特別価格では、20%オフの1万2400円~となっています。

 

「中身が見える、誰かに見てもらう、自分らしく飾れる」ことをコンセプトに、“透明感のあるシステム手帳”を開発。カラーはナチュラル(茶)とブラック(黒)の2色展開で、サイズはバイブルサイズです。

 

中身はロゴを表す表紙と下敷きが付属。「透明=中身が見える」という利点から、表紙を自分の好きなデザインに変えることで、オリジナルのシステム手帳に見せることができ、SNSなどで共有して楽しといった使い方もできます。また、ビジュアルだけではなく、ユーザーに永く手帳を楽しんでもらうため、“高品質素材だけを使う”ことにもこだわっています。

 

透明のPVCビニール素材は片面非転写1.5mm厚で、一般的にプロダクトとして使われるPVCビニールは1mm程度かそれ以下の厚さがほとんどですが、1.5mmを採用したことで素材のゆがみが起こりにくく、安定した形状を維持でき、厚みもあるので簡単に破れにくくなっています。片面非転写で、ビニールに色移りや転写を防止し、コピー用紙や写真を挟んでも問題なく使用できます。

 

レザーは染料オイルで仕上げた、ソフトで触り心地の良い国産革を採用。使い続けることで、革に染み込んでいるオイルが艶と光沢を生み出し、経年変化による革のビジュアルと質感が楽しめます。

 

バインダーにはドイツのKRAUSE(クラウゼ)社製のものを採用し、バイブルサイズに対応した、6穴×リング径20mm仕様です。

在宅ワーク環境を快適化!コクヨのPC周辺アイテムでキーボード入力もメモもスムーズ

とある調査によれば、コロナ禍の1年で売り上げを伸ばしたファッション関連製品の第2位が、PCケース・バッグだったという。前年比で598%だというから、これは相当なものだ。

 

ちなみに第1位は当然ながらマスク類で、80,508%。“8万%”なんて、昨対(昨年比)でそんな数字、初めて見た。と、さすがにケタが違いすぎるマスクはさておき。

 

PCケース・バッグが大幅に売れ行きを伸ばした要因として考えられるのは、やはりオフィス・自宅間でノートPCを持ち運ぶ機会が増えたということ。あとは、在宅環境でのPC周辺環境を快適にしたいという要望もあるだろう。ウェブ会議など、これまであまりなかった業務に対応しやすい製品というのも、望まれているんじゃないだろうか。

 

仕事のやり方がコロナ前とは変わっちゃったんだから、仕事道具も変えていくのは当たり前、という話なのである。

 

そこで今回は、コクヨのワークツールブランド「BIZRACK(ビズラック)」から10月に発売される、新しい機能を持ったPC周辺アイテムを2点紹介したい。それぞれ、変わってしまった仕事環境に対して「こういうのがあると便利じゃない?」という提案が含まれており、なかなか面白いのである。

 

狭い机でのウェブ会議を快適にするPCスタンド

まず紹介したいのは、「スライドボード付きノートPCスタンド <ビズラック>」。

 

“運搬”という用途が明白なPCケースと違って、PCスタンドというのはまだ認知度が低い。しかし、実は使うことで首・肩の負担を減らして作業ストレスを軽くする効果が期待できるため、できれば使った方がいいツールなのだ。

コクヨ
スライドボード付きノートPCスタンド <ビズラック>
4500円(税別)

 

収納時は13インチのノートPCとほぼ同サイズの薄い板状。このままPCと一緒にケースに入れて持ち運ぶのも問題なさそうだ。

 

そして、いざ使用するときは、表面のスタンド部を持ち上げ折り返してからノートPCを乗せると、ほどよい角度がついた状態になるという仕組み。さらに折り返し方を変えることで、角度は15度/25度の2段階に調節できる。

 

↑スタンドでノートPCに程よく角度をつけることで、作業効率はアップする

 

↑角度は2段階に調整可能。手首から肩にかけて無理のない角度を選ぶとラクだ

 

この角度がつくことで、今まで液晶を見下ろしていた視線が少し上がる。これによって、まず首の負担がかなり減るのだ。近年、スマホを見下ろし続けることによって頸椎を痛める“スマホ首”が問題になっているが、ノートPCの画面見下ろしもなかなかに問題なのである。

 

また、打健姿勢も変わって肩の位置が下がるため、肩胛骨周りの緊張が減る=肩こりもラクになるというわけだ。

 

↑スタンドなしの状態。首が前傾して、肩周りにもやや無理がある姿勢だ

 

↑スタンドで角度をつけてやると、首・肩が自然な位置に戻る。長時間の作業だと、これだけで体の負担が大きく違ってくるはず

 

↑PC内蔵カメラの高さも変わるので、スタンドを使えばWEB会議での写りもナチュラルに。ドーンと鼻の穴を晒さずに済むのはありがたいかも

 

とはいっても、ここまではあくまでも普通のPCスタンドのメリットでしかない。「スライドボード付きノートPCスタンド」が面白いのは、狭い机でウェブ会議が快適になる、とあるギミックの部分なのである。

 

そのギミックというのが、名前の通り手元から引き出せるスライドボードだ。

 

↑筆記具を使いたい場合は、スライドボードを引き出すと……

 

狭い机にPCを置いていると、ウェブ会議中にメモを取るだけの場所も取れない、なんてこともあるだろう。そういうときは、スタンド下端のタブをつまんで引くと、とフラットなボードが出てくる。これをパタンと折り返すと、ちょうどキーボードにフタをする形でボードが安定。

 

なんとこのキーボード上の板が、メモを取るための簡易的な机面として機能するのである。

 

↑キーボードが一時的に机として使えるように。ウェブ会議でのメモ取りはこれが快適

 

ボードはしっかりした硬さでたわみにくいため、上で筆記することで勝手にキータイプされてしまうようなことも、ほぼなかった。もちろん書きづらさもなし。書く場所がないからと、膝の上にノートやメモを置くより、はるかに快適だ。

 

また、画面とメモが同じ垂直軸上の近い位置で並ぶため、筆記時に際に画面から大きく視線を外さなくて済むのもありがたい。相手側から見ても、会話中にこちらが(メモを取るためとはいえ)顔を逸らしているのは、あまり感じの良くないもの。その点でも、キーボードの上で筆記できたほうが、印象の点で好ましいだろう。

 

↑文章を書く時などは、手元のグラつきがそれなりに気になる。ひとまずは「ウェブ会議用ツール」と考えて使うべきか

 

ただ、使ってみた感覚としては、スタンドとして使うには素材的な安定感がやや足りないかな、と感じることもあった。特に15度モードで使っていると、使用時に左右にグラグラと傾くことがあるのだ(25度だとだいぶ安定する)。これは、使いにくいと感じる人もいるかもしれない。

 

とはいっても、「狭い机でウェブ会議をする際のメモの取りやすさ」という視点で作られたPCスタンドは他にない。この利便性は一度味わってしまうと、なかなか離れがたい魅力があるのだ。

 

PCにくっつくガジェットポーチに、自立機能をプラス

合わせてもう一つ紹介したいのが、同じくBIZRACKシリーズの「スタンド型ノートPCオーガナイザー <ビスラック>」。これはシンプルに、マウスや電源ケーブル、イヤホンといった、ノートPCと同時に使いたいガジェットを収納するポーチだ。

コクヨ
スタンド型ノートPCオーガナイザー <ビズラック>
3200円(税別)

 

↑前面の収納量はこんな感じ。ポケットは膨らむが、厚みのあるものも収めておける

 

↑裏面のメッシュポケットは横マチがしっかりあるので、見た目以上の容量がある

 

表側の素材はネオプレンで伸縮性のあるポケットが3列4個並び、裏側は全面メッシュポケットとゴムベルト、という構成。ポケットに必要なツールを入れた状態でゴムベルトをノートPCにかけてしまえば、一体化してまとめて持ち運べるのがメリットだ。オフィス内での移動はもとより、自宅内でだって、必要なものはまとまってくれていた方がありがたいのは、道理である。

 

↑自立させる際は、裏面のマグネットスナップをパチンと留めるだけ

 

↑中身が入ったまま自立するので、ツールスタンドとしても使える

 

で、いざ作業を始める段になれば、PCから外して、ゴムベルト両端の根本にあるマグネットスナップを噛み合わせる。すると、少し傾いた四角柱型に変形して自立する。

 

携帯時は一体化、作業時は自立してコンパクトに置ける。徹底的に場所を取らない仕組みはユニークだ。

 

↑タブ裏面にはうっすら段差があるので、そこにスマホ下端が乗ると安定する

 

さらに、自立状態で下端のタブをめくってスマホを乗せると、スマホスタンドとしても機能する。自立した本体が傾いていることで、スマホ画面が見やすいようになっているのだ。

 

PCで作業しつつ業務連絡はスマホで受ける、といったやり方であれば、この使い方はかなりスマートにハマるのではないだろうか。スマホでウェブ会議に出たり、ビデオ通話をしたりするにしても、使いやすいのは間違いない。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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必要な文房具がポストに届く! 三菱鉛筆が手がける筆記具業界初のオンライン講座「Lakit(ラキット)」とは?

大手筆記具メーカーの三菱鉛筆が2021年、オンデマンド型のオンラインレッスン配信サービスの提供をスタート。サイトで好きな講座を選んで決済すると、必要な道具がまとまったキットが自宅のポストに届き、それを使って動画を視聴しながらレッスンを楽しむというものです。レタリングやチョークアート、デッサン、ドットアート、さらには刺繍などさまざまですが、どれもプロを目指して絵を学ぶというより、巣ごもり生活でできた暇な時間に趣味としてはじめてみたい、という人向けだそう。どういったサービスなのか、実際に“受講”を楽しみながらレポートしていきます。

 

“書く・描く”を自宅で楽しめるオンラインレッスン「Lakit」

「Lakit(ラキット)」は、「クリエイティブを楽しむためのキット付きオンラインレッスン」がコンセプト。そのレッスン内容は、「書く・描く」を中心とした1レッスン完結型のもの。講師はSNSを中心に人気を集めるクリエイターが務めています。

 

レッスンで使用する道具は、各レッスンの講師が選定済み。道具選びに悩むことなく始められるうえ、希望者にはレッスンに使用する道具をキットとして自宅まで配送してくれるサービスもあるので、街に道具を買いに行く手間も省けるのは魅力的です。「書く・描く」ことが好きな人、そのものを楽しみながら受講できることに重きをおいた、1レッスンで完結する作りになっています。

 

↑Lakit公式サイトのトップ画面

 

では、さっそく試してみましょう。

 

手帳を華やかに! イラストレッスン受講レポ

「Lakit」のレッスンラインナップの中から、今回は書籍、広告などのイラストを制作するほか、イラスト講師としても活動をするイラストレーターのカモさんによる『毎日の予定が楽しくなる! 手帳イラストのいろいろ』を受講してみることにします。実際のレッスンを写真で追っていきます。

 

1. 郵便ポストに届く

「Lakit」のレッスンを購入後、レッスン動画はすぐに視聴できるように。キット付きレッスンを受講の場合は、通常は購入後翌営業日にキットが発送され、その後、営業日基準2〜4日でポストに投函されます。

 

2. レッスンに必要な道具がまとめて届く

キットを開けてみると、今回のレッスンに使う水性サインペン「EMOTT」と水性サインペン「PURE COLOR」5色、練習用の文庫サイズのノートがセットに。これらの道具は、講師を務めるカモさんが裏移りのしにくさや、描き心地にこだわってセレクトしたもの。手帳への描きやすさや、レッスン後の持ち運びなども考慮されています。

 

3. PCやスマホで好きな時間に動画を再生

キットが到着したら、「Lakit」の会員ページにログインしレッスンを受講します。ライブではないため、自分の都合に合わせ、好きなタイミングで受講し、ストップ/リスタートも自在です。

 

今回のレッスンでは、最初に道具の使い方を習った上で、アイコンと飾りを描く練習を開始。最後には手帳イラストの枠を超えて、ノートの活用方法やメッセージカードの作成などのアレンジ例まで学びました。

 

↑日常使いに便利な、手帳に描くアイコンにも挑戦

 

円の次は、手帳の予定に出てくることが多い天気や予定を表すアイコンを描くのに挑戦。見よう見まねでは難しいマークも、ポイントを抑えながら描くことで、良い感じになります。

 

↑難しそうに見えていた飾りも、動画に沿って描けば簡単!

 

描くだけで映える飾りにも挑戦。EMOTTとPURE COLOR、2つのサインペンを適切に使い分けることで、かわいく描けました。

 

↑手帳だけでなく、ノートやメモにも使えそう

 

矢印や、吹き出しも我流で書いていた時よりも、心なしかかわいい印象。自分でルールを決めれば、手帳が見やすくなりそうです。

 

↑気持ちや動作を表すポイントのレクチャーも

 

比率を間違えたら、かわいくなりきれない棒人間もこの通り!先生曰く「丸く描くとかわいくなる」とのことでした。

 

↑自分の手帳に書いてみる

 

レッスンの最後には、今回練習したアイコンのアレンジ方法や使うシーンを紹介。動画は約60分で終了しました。せっかくなので、習ったアイコンや、文字とイラストを自分の手帳に書いてみたところ、見ているだけで楽しい1ページになりました。

 

気になる文房具も試せる!? 使う道具もさまざま

今回受講したレッスン以外にも、さまざまなレッスンがあるのが「Lakit」の魅力。それぞれ使う=届く道具も異なり、文房具ファンにはモノ視点での楽しみも!

 

デッサン

デッサン講師センザキリョウスケさんによる『鉛筆のいろいろな表現を楽しもう』は、デッサン用の鉛筆の削り方から、球体の書き方を解説してもらった後、身近なモチーフである立体物の描き方が学べる講座。モチーフの色や模様、明るさなどを鉛筆で表現することを学べて、はじめての方はもちろん、経験者も新たな発見が見つかる講座です。

 

↑鉛筆、練り消しゴム、カッターナイフ、スケッチブックがセットに

 

チョークアート

『チョークアートを描いて、ようこそ! の瞬間を飾ろう』は、ぼかしや混色などチョークアート特有の表現を楽しみながら、ウェルカムボードをつくるレッスン。チョークでお花や飾りを描く方法はもちろん、筆記体を描くコツや図案をトレースする方法など準備段階から習えるので初心者の方も無理なく楽しめる内容です。

 

キットには、チョークパステルや、ブラックボードポスカに加え、講師の若井美鈴さんが今回のレッスンのために作った図案シートも。マネして描けるので、初心者の人でも安心して楽しめます。

 

↑はじめてチョークアートを描く方にも使いやすいセット

 

水彩画

美術家・大谷尚哉さんによる『三色の絵の具で広がる、美しい空の水彩画』は、水彩絵の具の3色だけで空の表情を表現する方法が学べる講座。空の鮮やかさを表現する方法や、雲の描き方を学べます。

 

水彩画というと、なんとなくハードルを高く感じてしまいがちですが使用する道具は至ってシンプル。コンパクトで場所をとらないというのも講師のこだわりです。

 

↑自分で買うのには迷ってしまいそうな画材がキットで送られてきます

 

見立てアート

絵やコラージュの表現を通して、いろいろなかたちを何かに例える『見立てアート』は、大人だけでなく、想像力豊かなお子さんと一緒に楽しむのにもおすすめな講座。カラーペンで描いた図が何に見えるかを想像し作り上げていきます。

 

キットは、色画用紙やはがきサイズのカード、イラストボード、色鉛筆などの豪華セット。たくさんの道具を使って、いろんな色や形を楽しめます。

 

↑色や形を楽しめる道具が豊富

 

ほかにもこんなレッスンを体験できる!

さらに身近なツールで、ちょっと変わった趣向のイラストを学び、楽しめる講座もいろいろと用意されています。

 

にほんごハンドレタリング

『エレガント文字で大切な人に言葉を贈ろう』は、雑貨デザイナーであり、ゆる文字プランナーの宇田川一美さんから、にほんごハンドレタリングを学べる講座。普段、書く文字とは一味違う文字は、品があり華やかなため、大切な人へお祝いやお礼を伝えるシーンで活躍すること間違いなし。流れるようなラインとループを練習し、エレガント文字をマスターできます。

 

パンイラスト

フードイラストレーター・まるやまひとみさんによる「パンを描いて、おいしいを記録しよう」は、色鉛筆などを使って、おいしいパンの描き方を学べる講座。パンの描き方だけでなく、焼き色、光沢感・立体感の表現方法まで丁寧に教えてくれます。パンの焦げまで表現!

 

ステンドグラス風マンダラ

「ステンドグラス風マンダラで、こころ落ち着くひとときを」小さな丸い紙に色鮮やかなマンダラを描くレッスン。ステンドグラスのような美しい作品は、ゆっくり丁寧に模様を描くので、心が落ち着くひとときが過ごせるのも特長です。

 

人生の物語

「描き出して考えよう!人生の物語と今の自分」は、自分の人生を物語にたとえて、扉絵をデザインするように今の状態を可視化できるというもの。色鉛筆と、A5サイズの紙という身近なツールで楽しめます。作品を完成させる楽しさだけでなく、普段意識していなかった内面に気づいたり、挑戦したいことが見つかったりするのも、この講座のポイントです。自分の人生に向き合うきっかけにもなりそうです。

 

気軽に自分のペースで楽しめる! 実感した5つのメリット

今回、「Lakit」のレッスンを受講して気づいたメリットは、大きく分けて5つあります。

 

1. 道具をそろえる手間がない

「やってみたい!」とは思うものの、近所に買いに行ける場所がなかったり、何か一つだけ道具が見つからないと「やっぱりいいや」と思ってしまうもの。『Lakit』の場合は、講座を購入時に使用する道具が一式送られてくるキット付きレッスンがあるので、その心配がありません。

また、家にあるもので賄える方や、気軽に手に入れる手段がある方は、レッスンのみを購入することもできるので、不必要に家に物があるという状況を防ぐこともできます。

 

2. 使ったことのなかった文房具を試せる

気になる文房具を試すきっかけになるとのメリットもあります。レッスンの中で、クリエイターがおすすめする使用方法で楽しめるので、「どういう使い心地かがわからない」「買ったけど、使わなかったらどうしよう」という人にもおすすめです。

 

3. 好きな時間に好きなだけ楽しめる

オンラインで受けられるということもあり、時間や場所を問わずに学べるのは、普段なにかと忙しい現代人にとって魅力的。さらに、一度買った講座には視聴期限がなく、何度も見ることができるため、繰り返したり、一時停止しながら自分のペースで心ゆくまで学べるのもうれしいポイントです。

 

4. いろいろなジャンル、クリエイターを試せる

講座のジャンルが豊富なだけでなく、それぞれの講座を担当するクリエイターが、その道のプロなのも特長です。習いたい内容から選ぶだけのはもちろん、かねてからファンだったクリエイターの講座を申し込み制限などなく選ぶのもよいでしょう。

 

5. 普段の暮らしのなかで活かせる

多くのレッスンの場合、講座の最後には受講した内容の応用例や、活用シーンを紹介してくれます。習ったことを日常生活の中で実践すれば、いつもよりもちょっぴり楽しい毎日になりそうです。

 

「何か趣味がほしい」「新しいことを始めたい」「でも、忙しい」という人は、おうちで過ごす時間が多い今こそチャンス。このLakitをはじめ、最近はたくさんのオンライン講座が登場しています。気になるレッスンとちょっとした時間があれば、試しにいろいろと受講してみてはいかがでしょうか。

 

「OSAMU GOODS(オサムグッズ)」生みの親・原田治氏が「カワイイ」の裏側に込めたこと

昨今、若い女性を中心に人気を集めている「OSAMU GOODS」。アメリカンレトロなデザインとかわいらしいキャラクターに、多くの人が魅了されています。実はこの「OSAMU GOODS」が誕生したのは1976年。一世を風靡したイラストレーター・原田治氏によって生み出されました。

 

2016年に惜しくもこの世を去った原田氏。時代が変わっても愛され続ける彼のイラストレーションの魅力はどこにあるのでしょうか? 生前の原田氏と親交があったイラストレーター・信濃八太郎さんにお話を伺いました。

 

↑原田氏は1984年から2000年代初頭までミスタードーナツのノベルティにもイラストを提供。誰もが一度は原田氏のイラストレーションを目にしたことがあるはず!

 

↑2020年には、ミスタードーナツ事業創業50周年を記念して、「ミスド×原田治 エコバッグ」が販売されました

 

流行に左右されずにつくられた「OSAMU GOODS」

信濃さんは今から20年以上前、イラストレーションを学ぶ「パレットクラブスクール」に通っていました。このスクールを京都で立ち上げたのが、イラストレーターの安西水丸氏、原田治氏、ペーター佐藤氏、アートディレクターの新谷雅弘氏の4人からなる「パレットくらぶ」。信濃さんはこのスクールが築地で始まったときに原田氏に出会いました。

 

「僕は大学生のころから安西先生に師事していて、パレットクラブスクールに通うようになったのも安西先生が講師をしていたことがきっかけでした。原田先生と深く関わるようになったのは、卒業後にそのままスタッフとして勤務を始めてから。そこで原田先生の人柄にとても惹かれ、『OSAMU GOODS』の魅力も再発見することとなりました」(イラストレーター・信濃さん、以下同)

 

↑2019年に世田谷文学館で開催された「原田治展」。この企画展にあわせて復刻グッズが販売されるなど、再ブームのきっかけになりました

 

信濃さんは、「OSAMU GOODS」が今も人気を博している背景には、どのような理由があると考えているのでしょうか?

 

「時代が変わっても『OSAMU GOODS』が愛されているのは、原田先生が流行に左右されることなくイラストレーションを描き続けてきたからだと思います。

そもそもイラストレーションは、ファッションと同じように流行があり、時代によって求められるものが変わっていきます。例えば原田先生よりも少し前の世代にあたる1960年代後半は、ベトナム戦争があって、日本各地で学生運動が起こっていた時代でした。当時のイラストレーションは、その時代の雰囲気を反映するかのように、暗いトーンのものや社会性を帯びたものがもてはやされていたんです。

その時代の流れをガラリと変えた一人が、原田先生。1970年に雑誌『an・an』が創刊され、健全で明るいアメリカのライフスタイルを日本の若者に提示していこうとする中で、アメリカ帰りの“原田治”のイラストレーションが、アートディレクター・堀内誠一氏に見出されました。そこから原田先生のハイカラで洗練された、アメリカンテイストのイラストレーションが一気に広まっていったのだと思います。

原田先生をはじめ、僕が尊敬する『パレットくらぶ』のイラストレーターたちは、描く絵は違えども、どこか健康的で明るい雰囲気がありました。原田先生も、時代に流されない自分の軸を持っていて、『OSAMU GOODS』をはじめ、自分が良いと思ったものを信じてつくってこられたのだと思います。だからこそ、今も古びることなく、多くの人から愛され続けているのではないでしょうか」

 

ソーダファウンテン「コーム ジル(レッド)/ コーム ジャック(アイボリー)
1320円(税込)
パッケージデザインも可愛らしいコームは、1970年代後半に生産された「OSAMU GOODS」。20年以上の時を経て、現在復刻販売されています。

 

幼少期から育ててきた「感性」が原点になっている

時代の流れにあわせることなく、自分が良いと思ったものをつくり続けていた原田氏。それができたのは、原田氏が幼いころに見たものや触れたもののことをずっと大切にしていて、自身の“感性”に自信を持っていたからだと信濃さんは言います。

 

「原田先生は、築地で輸入食品の卸売りを営む家に生まれました。幼いころから舶来品を目にする機会が多くあり、そこでアメリカの缶詰のロゴデザインやビビットな色合いに惹かれたようです。その一方で、ご両親に歌舞伎や新国劇、映画に連れられ、日本文化にも深く触れられてきました。幼少期に受けた影響を“種”として、そこに水を与え、栄養を与え、ずっと大切に育ててこられたのだと思います。それが“原田治のつくるもの”の原点になっているのだと感じますね。

また原田先生の“審美眼”は本当に素晴らしいものでした。お会いして話をするときにはいつも、おいしいお茶とお菓子を、それに合う素敵な器とともに用意してくださったりして……。生活の中のあらゆるものに対して“美”の意識を持っていました。

そして僕が衝撃を受けたのは、原田先生が36歳のときに出版された書籍、『ぼくの美術帖』です。自身の愛する美術家や作品について綴られているのですが、若いときから膨大な知識を持っていたことに本当に驚きました。この書籍は『OSAMU GOODS』以外の仕事を断って一年間かけて執筆をしたそう。自分自身がつくるものだけでなく、自分がよいと感じたものを広く伝えたいという気持ちも持っていたことがうかがえます」

 

↑2019年に新装復刊した『ぼくの美術帖』。原田氏の美術への愛が溢れるエッセイです

 

生活の中に「美しくてかわいいもの」を取り入れてほしいという思いがあった

原田氏が幼少期から育ててきた感性が原点になった「OSAMU GOODS」。原田氏は「OSAMU GOODS」を通じて、人々の生活の中に「美しいもの」や「かわいいもの」を届けたいという思いも持っていました。

 

「原田先生は、自分が描くイラストレーションやキャラクターについて、『健康的で明るくて、誰が見てもハッピーな気持ちになれるものに仕上げたい。そこにスパイスとして、ちょっとした切なさやさみしさを混ぜたい』とよくおっしゃっていました。それが原田先生の思う“美しいもの”や“かわいいもの”なんだと思います。そこにたどり着くために、キャラクターの目の大きさや、目と目の距離、位置など、それらが1mmずれると見ている側にどう影響を与えるのかということも、徹底して研究されていたと聞きました。

 

実際、『OSAMU GOODS』が発売されたことで、大人はもちろん、子どもたちも“美しいもの”“かわいいもの”を日常生活の中で使うことができるようになりました。これは原田先生が残した大きな功績の一つだと僕は思っています。

 

ただ一方で、原田先生には描きたいものが他にもあったのではないかと思っていて……。仕事とは関係のない時間に、抽象画や抽象的なコラージュ作品をつくられていて、それが事務所にもたくさん飾られていたんですよね。また、僕がパレットクラブスクールでスタッフをしていたとき、原田先生が授業で縄文時代の美術の話をされたことがありました。教室の壁三面にガムテープを貼って現代までの時間軸に見立て、このガムテープのほとんどが“縄文時代”にあたるんだということを説明し、『争いのない平和な時代が一万年以上も続いた縄文時代の、土偶や土器に見られる屈託のない晴れやかな表情や美しさからもっと学ぶべきだ』とおっしゃっていたのが印象に残っています。

 

でも原田先生のことだから、今の時代に刺激的な形で“美術”を提示するにはどうしたらいいだろうと考えたと思うんです。そこで出した一つの答えが『OSAMU GOODS』だったのではないでしょうか。日本の生活の中に“本当に美しいもの”“本当にかわいいもの”を取り入れてほしいという思いが、『OSAMU GOODS』には込められていると僕は思っています」

 

OSAMU GOODSの裏には、原田治の“ドライな視点”がある

『OSAMU GOODS STYLE』(パイインターナショナル)が、2021年6月に待望の復刊! 1万点を超える「OSAMU GOODS」の中から原田氏が200点を選び、紹介した作品集です

 

「美しくてかわいいもの」を目指して、1mm単位の検証を重ねてつくられた「OSAMU GOODS」。信濃さんはさらに、「OSAMU GOODS」の裏にある、原田氏の「ドライな視点」にも魅力があると言います。

 

「僕は、原田先生が持つある種の“ドライさ”がすごく好きだったんです。スタッフの間で密かに名付けた、目の奥が笑っていない独特の“オサムスマイル”というのがありまして……(笑)。あまり歩み寄ろうとせず一定の距離を保ちながら、相手を喜ばせるようなコミュニケーションをする。そんな一面を持っている方でした。僕は『OSAMU GOODS』のデザインにも、それが反映されているように感じています。ただ“かわいい”だけではない、どこか突き放すようなドライさ、大人のにおいのようなものが『OSAMU GOODS』にはあって、そこが世代を超えて愛される魅力だと思っています」

 

最後に、信濃さんに、原田先生との印象的なエピソードをお聞きしました。

 

「僕が駆け出しのイラストレーターだったころ、自分の絵のことで悩んでいた時期がありました。その際に原田先生が僕の絵を見て、僕に何が足りていないのか、どんな勉強をしなくてはいけないのかを、オサムスマイルで延々と話してくださったことがあったんです。追いつめられるようで胃が痛かったのですが(笑)、僕がどういう方向に行くべきなのかをとても具体的にアドバイスしてくださいました。

それ以降もさまざまな画集や写真集を見せてくださったり、映画、文学、歴史、ファッションなど、あらゆる話をしてくださったり、いろいろと気にかけてもらいました。自宅に突然画集が送られてきたこともありましたね。同封されていた手紙を読むと『君にこういう絵を見せたらどんな絵を描くのか見てみたい』と書かれていて、なぜ僕にここまでしてくれるんだろうと思いつつ(笑)、本当にうれしかったです。

僕にとって原田治は、ドライで厳しい人でした。だけど、それゆえのやさしさやカッコよさを持っていて……。僕は原田先生の作品だけではなくて、その人間性にとても心惹かれるんです。『OSAMU GOODS』が好きな方にはぜひ、その背景にある思いや原田先生自身の魅力についても、知ってもらえたらうれしいです」

 

今買える、2021年発売の最新「オサムグッズ」

原田治氏がイラストに込めて伝えたかったことを、現代の私たちはグッズを通して受け取ることができます。続々と登場する新作のなかから、2021年に発売された「オサムグッズ」をいくつか、最後に紹介しましょう。

 

・2022年版手帳

マークス「EDiT 手帳 2022 スケジュール帳 1月始まり 1日1ページ B6変型 オサムグッズ」
各3600円+税

11ページのフォーマットが人気の「EDiT(エディット)」。自由度の高いドット罫をベースに、24時間に対応したバーチカルの時間軸を配したレイアウトと、なめらかな書き心地のオリジナル手帳用紙が特徴です。

このEDiTのカバーの表裏に、オサムグッズのイラストを採用。ピンクには「ジル」と「ジャック」、パープルには「キャット」と「ドッグ」があしらわれているほか、キュートな総柄デザインもラインナップします。

©️Osamu Harada/Koji Honpo Licensed by Cosmo Merchandising

 

マークス2021年12月始まり手帳 月間 B6 ストレージドットイット オサムグッズ」
各1500円+税

スライドジッパー付きのポケットをカバーにしたシリーズにも、オサムグッズバージョンが。ポケットには、ペンや付箋など、手帳の書き込みに必要なグッズなどを収納して身軽に持ち運べます。中ページは、ブロックタイプのマンスリー。1か月の予定を俯瞰して確認することができます。

©️Osamu Harada/Koji Honpo Licensed by Cosmo Merchandising

 

・文房具

学研ステイフル「オサムグッズ ボールペン」
各650円+税

クリップ部分に、ジルやジャックなどオサムグッズのイラストがあしらわれた油性ボールペン。軸の鮮やかなクリアカラーも持ち味です。インクリフィルは、三菱鉛筆「S-7L」が対応します。

©️Osamu Harada/Koji Honpo Licensed by Cosmo Merchandising

 

学研ステイフル「オサムグッズ A5 リングノート」
各780円+税

5mm方眼罫のA5版ダブルリング式ノート。全ページにオサムグッズのロゴが入っています。中紙は80枚・160ページ、ゴムバンド付き。

©️Osamu Harada/Koji Honpo Licensed by Cosmo Merchandising

 

学研ステイフル「カセットテープメモ」
各540円

昭和の技術遺産、カセットテープをモチーフとしたメモ。ネジまで再現されているのがニクイ。「A面」「B面」の2柄40枚入り。

©️Osamu Harada/Koji Honpo Licensed by Cosmo Merchandising

 

・バッグ&ポーチ

お馴染みのバッグブランド“レスポ”からも、オサムグッズとコラボレーションしたシリーズ「Lesportsac × OSAMU GOODS」が登場。

レスポートサック「オサム チェッカード フラッグ」
左「ヨーク サッチェル」1万5950円(税込)
中「スモール ジェニー」1万4850円
右「デラックス イージー キャリートート」1450

おなじみのジル、ジャックのほか、ハンプティダンプティなど、イギリスの童歌「マザーグース」をモチーフとして誕生した「オサムグッズ」のキャラクターの数々を、ポップアート調にアレンジし施したチェッカーフラッグプリント。全 16 型展開。

 

レスポートサック「オサム タイポグラフィー」
左「デラックス ミディアム ウィークエンダー」2万1450円
中「ダニエラ クロスボディ」8800
右「キャリアー バックパック」22000

「LeSportsac」のアーカイブプリントからインスパイアされたタイポグラフィーをベースに、オサムグッズのキャラクターを散りばめたデザイン。モノトーンカラーがシックな印象です。全 20 型展開。

 

ほかに、オサムグッズのキャラクターを大胆にレイアウトした「スペシャルスタイル」もラインナップ。

 

レスポートサック
左「Osamu Shopping Tote<エメラルド トート>」
右「Osamu LS Tote<エメラルド トート>」
各9900円

A4サイズが入る縦型トート。ショッピング中のジルを描いたデザインと、LeSportsacの「L」と「S」をフィーチャーしたデザインの2種。

レスポートサック
左「Little Betty Blue<レクタングラー コスメティック>」

右「Osamu Emblem<レクタングラー コスメティック>」
4070

水着姿のリトル・ベティ・ブルーが描かれたポーチと、オサムグッズのロゴをスタンプ調にデザインしたポーチに2種。カラーリングの効果も相まって、よりレトロなかわいさが際立っています。

レスポートサック
左「Jill and Jack<ミディアム スクエアー コスメティック>」

右「Cat and Dog<ミディアム スクエアー コスメティック>」
各3960

オサムグッズのメインキャラクターが全面に描かれたスクエア型ポーチ。グリーンはジルとジャック、イエローはキャットとドッグが表裏にデザインされています。爽やかなパステルカラーも魅力。

©Osamu Harada/Koji Honpo

 

【プロフィール】

イラストレーター / 信濃八太郎(しなのはったろう)

イラストレーター。1974年生まれ。日本大学芸術学部演劇学科舞台装置コース卒業。在学中より安西水丸氏に学ぶ。パレットクラブスクール修了。パレットクラブスクール、ペーターズギャラリー勤務を経てフリーに。現在、WOWOWシネマ『W座からの招待状』にて小山薫堂さんと案内人役を務めるほか、『W座を訪ねて』では全国の単館系映画館を取材している。東京イラストレーターズソサエティ会員。https://www.wowow.co.jp/detail/116390

 

現在信濃さんは、WOWOWで放送中の「W座からの招待状」に出演中。同番組では、ナビゲーターを務める小山薫堂さんが文章を、信濃さんがイラストレーションを、阿部海太郎さんが音楽を、濱田岳さんが朗読を担当して制作した、1分程度のアニメーションを「招待状」とし、毎週1本の映画を紹介しています。
https://www.wowow.co.jp/special/003858

 

 

 

サクラクレパスの大人のための筆記具からカスタム式のボールぺンが登場! 新色「漆黒」のインキも

サクラクレパスは2021年11月上旬から、「SAKURA craft_lab 006」を発売すると発表しました。

 

大人に「かく」喜びを届ける筆記用具として開発されているSAKURA craft_labシリーズ。ユーザーからの支持に加え、文房具店店員が自腹でも買いたい文房具を選ぶ「文房具屋さん大賞」を複数回受賞するなど、プロからも厚い信頼を寄せられている商品です。

 

いまだかつてない深い黒「漆黒」のインキも登場

今回発売される「006」は、カスタマイズ方式で組み立てるキャップ式単色ゲルインキボールペン。ボディ、コア、クリップ、レフィルのそれぞれのパーツを自由に選び、288通りのカスタマイズを楽しめます。ボール径は0.5mmで、インキカラーは、漆黒、ブラック、ブルーブラック、ブラウンブラック、ボルドーブラック、グリーンブラックの全6色を用意しました。新色として初登場する漆黒は、通常の黒よりも濃度が高く、いままでにない深く濃い黒となっています。

 

SAKURA craft_lab 006の税込価格は、ペンに組み合わせた状態で、2万8050円〜3万4650円。レフィルは、漆黒のみ275円、それ以外は220円です。

サクラクレパスの創業100周年記念商品第2弾は、エイジングを楽しめる金属製ボールペン

サクラクレパスは、創業100周年記念商品第2弾として、2021年10月下旬から「SAKURA craft_lab 001Sエイジングエディション」を発売します。本製品は、創業100周年記念商品第1弾として2021年2月に発売された「SAKURA craft_lab 001S」と金属研磨剤、吹き上げ用クロスがセットになったものです。

 

100周年記念商品の金属製ボールペンと限定ラベルの研磨剤がセットに

SAKURA craft_labは、2017年から続く、”大人に「かく」喜びを届ける筆記用具”ブランド。そのブランドから発売された同社の100周年記念商品第1弾は、「SAKURA craft_lab 001」をベースに、軸をオール金属にした回転式単色ゲルインキボールペンでした。

 

これだけでも十分に高級感があるのですが、今回発売されたエイジングエディションは、ボールペンに加え金属研磨剤と拭き上げ用のクロスがセットになり、金属の醸し出す余韻をより楽しめる製品になりました。また、金属研磨剤のチューブには、SAKURA craft_labの世界観をイメージしたラベルが貼られています。

 

SAKURA craft_lab 001Sのカラーは、真鍮(ブラスゴールド)と、洋白(ニッケルシルバー)の2色でしたが、エイジングエディションではブラスゴールドとなります。

 

ペンの軸には、「SAKURA1921-2021」の刻印が入ります。ボール径は0.5mm。ブルーブラックのインキが標準装着されています。

 

SAKURA craft_lab 001Sエイジングエディションの税込価格は1万3200円です。

緑色の中紙に、75色の罫線!? このノート、キワモノと思いきや意外と使い道があった

ノートを選ぶとき、大抵の人は「判型」と「罫線」で検討するのではないだろうか。そして、それ以外のことは、まず考えないような気がする。

 

もちろん、それが間違いだという話ではない。判型と罫線のタイプを自分の用途に合わせて選ぶのであれば、それで必要充分に役には立つはずだし。(逆に、そこを考えずにノートを選ぶなとも思う)

 

実のところ、ノートを選ぶのにもうひとつ、考えてみてもいい要素というのがあるのだ。それが「色」。

 

ただし「色」といっても、表紙の色のことではない。例えば、用紙の色は白でいいのか? とか、罫線の色はグレーでいいのか? とか、そういう部分である。今回は、それらの色が違うことで何が変わってくるのかを、実際の製品を見ながら考えてみよう。

 

“緑色のノート”で筆記ストレスが軽減!?

まずは、用紙の色について。そもそも紙と言えば白、というイメージは強い。ではなぜ白なのか? と言えば、鉛筆などのカーボンブラックと対極にある色なので、書いた文字や線が最もくっきり見えるから、というのが大きな理由だろう。

 

ただ、白というのは光が乱反射して見えている色である。つまり目への入射光量が大きいわけで、端的に言えば「白=まぶしい」のである。夏の日差しを思い出してもらえば分かると思うが、まぶしすぎる光は、目の疲れに直結する。

 

それなら紙は白くなくてもいいんじゃないか、ということで提案したいのが、緑色の用紙を採用したアックスコーポレーションの「グリーンノート」だ。

アックスコーポレーション
グリーンノート(無線綴じタイプ)
ドット入り罫5mm方眼
各170円(税別

 

↑ノートは白いもの、という固定概念を打ち破る緑色の紙面。罫線は黄緑色で印刷されている

 

人間の目は、だいたい380~780nm(ナノメートル)の波長範囲の光を見ることができる。いわゆる可視光という領域だ。

 

その中でももっとも見やすいのが、波長507~555nm。色でいうと、明るい緑や黄緑色にあたる。これが人間の目にもっとも負担の少ない色というわけ。

 

長々と面倒くさい話をしたけれど、要するに「緑色は目に優しい」とだけ理解してもらえればOKだ。

 

↑目に負担が少ないため、長時間筆記でも疲労感が少なめ。勉強用には効果がありそうだ

 

「グリーンノート」は、白い用紙と比較して光の反射を14%カット、と謳っている(メーカー公称値)。この14%がどれほどの数値かは、体感で推し量るしかない。

 

しかし実際に30分ほど筆記していると、確かに目の疲労は少ない。というより、集中力が途切れず長続きするような気がする。実は正直なところ、それほどの期待はしていなかったのだが……予想していた以上に、効果があると感じられた。

 

↑グリーンノートと従来の白いノートの見え方比較

 

↑筆記具による見え方の差。肉眼だと、鉛筆はややぼんやりして見えた

 

筆跡の見え方については、上の通り。もちろん白い用紙に書いた場合ほどパッキリとするわけではないが、それでも見づらさを感じるほどではない。この高すぎず低すぎずの適度なコントラストも、目に優しいのだ。

 

ただ、鉛筆・シャープペンシルの薄い芯(~HBぐらい)だと、中高年の目にはうっすらして見えるので、逆に目が疲れるかもしれない。なので、筆記具は自分の読みやすさに合わせたものを選んだ方が良さそうだ。

 

カラフルすぎる73色の方眼ノート

紙色の次は、罫線の色について考えてみよう。5mm方眼の色は、何色がいいんだろうか?

 

基本的には、罫線といえば薄い青やグレーがお馴染みだ。うっすらして筆跡の邪魔にならず、かといって書くガイドにならないほど視認性が悪いのも困る。そういった部分でノートを選ぶ人もいるだろう。

 

しかし、それはだいたい彩度の高低だけの話で、罫線色そのもの(色相)にこだわったことって、あまりないのでは。

 

kaku souvenir
73色の風景を包んだノート
1760
紙色は白・淡クリーム・ホワイトクリームの3タイプがある。

 

kaku souvenirの「73色の風景を包んだノート」は、その名の通り73色の方眼罫を印刷した特殊なノートだ。めくっていくと、用紙1枚ごとに違うカラーで印刷された方眼が現れる。それも、蛍光色や金・銀・銅色あり、もはや無地なのでは? ってぐらい視認できない薄い色ありで、かなり驚かされる。

↑ページごとに異なる色の方眼罫が現れるのは、なかなかのインパクト

 

ちなみに色のタイプは、

1. マンセル表色系
色相・明度・彩度に基づくマンセル表色系の基本5色相(赤・黄・緑・青・紫)をベースに20色

2. 蛍光色
蛍光グリーン・オレンジ・イエロー・ピンクの4色

3. プロセスカラー
色の3原色(シアン・マゼンタ・イエロー)+黒×極薄・薄・標準の3種で12色

4. ゴールド・シルバー・ブロンズ
金・銀・銅の3色

5. 適正8色
ノート罫線として適正と思われる8色×薄濃3種で24色

6. 黒と白
黒にシアン・マゼンタ・イエローを混ぜた深みのある黒を、配合を変えて9色+黒い紙に白罫線1色

……で、合計73色という構成になっている。

 

↑色や濃淡でずいぶんと方眼に対する印象が変わる。これまで罫線に使われていない色でも、使ってみると「これアリだな」と思うものはあるかもしれない

 

蛍光色ははなから罫線向きではないのは分かるし、視認できない極薄罫線が役に立たないことだって、おそらく見るまでもないだろう。

 

そこへ予想外に、暗めの紫色やオリーブドラブの罫線、使いやすいかも! みたいな発見もちょくちょくあったりするから、油断がならない。色に関しては好みの問題も大きいが、その自分の好みを確認するためにも、使ってみると楽しいのだ。

 

また、色によって「累日の睡蓮」や「傲慢なるマジェンタ」「純真無垢な好奇心」といったリリカルな色名が付けられているのもユニーク。ちなみに蛍光オレンジの色名は「24.5561の電磁」。24.5561Kはネオンの温度定点だな、というように、色名の元ネタをいちいち探っていくのも面白い。

↑蛍光色や金銀など、あきらかに罫線向きではないものも含まれていて、それはそれで楽しい

 

先にも述べたとおり、用紙1枚ごとに罫線色が違うので、もし気に入った罫線があったとしても、それをずっと使い続けることはできない。そういう意味で、このノートに「グリーンノート」のような実用性はないと言える。あくまでもさまざまな色の罫線を試して楽しむだけの、ファンツールとして捉えるのが正解だろう。

 

しかし、できればこの73色罫線から気に入った色を1つ選んでノートが作れたらいいなー、とも思うのだ。(個人的には「深雪に恋息吹」色で1冊作りたい。)「73色の風景を包んだノート」が罫線の色見本として使えるようになれば、より楽しめるんじゃないだろうか。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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【菅未里の自腹買い文房具】コワモテなのに内面はペンへの優しさに溢れたペンケース

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

大切なコレクションを傷から徹底防御するペンケース

文房具店の伊東屋には、「ロメオ」というオリジナルブランドがあります。ボールペンが有名な高級ブランドなのですが、ペンケースもラインナップしていることをご存知でしょうか? 今回、私が個人的にお勧めしたいのはこのペンケースです。

ロメオ
クロコ型押し コレクションペンケース(6本用)
1万5000円(税別)

 

牛革にクロコの型押しを施したペンケースです。いかにも大人っぽく、高級感あふれるデザインですが、実はこの内側に、おすすめしたい特徴があるのです。

 

起毛加工がペンを傷つけない

↑内側には起毛加工が施されているため、ペンが傷つきません

 

内側が起毛になっているのがわかりますか? 収納したペンに傷をつけない作りになっているのです。このケースにふさわしいペンに、傷などつけたくないですよね。

 

ペンが傷つく原因は、おもに2つ。落としたりぶつけたりすることと、ペンケース内でベン同士がぶつかることです。前者は気を付ければいいのですが、後者は、ペンケースによっては避けられません。

 

しかし、このロメオのペンケースなら大丈夫。上記のとおり、ケースの内側がやわらかい起毛になっていることに加え、ペンを個別にベルトで固定するので、互いにぶつかることもありません。

 

しかもこのベルト、横から引っ張ると締め付けることができます。つまり、太さが異なるペンを一緒に収納することが可能だということです。

↑このベルトを引っ張ると、ペンを締めつけることができます。太さが異なるペンも収納できます

 

さらには、上下にはフラップが付いています。これも、ペンがファスナーとぶつかって傷がつかないようにするためでしょう。なんと厳重な守りなのでしょうか。

↑上下に同じ素材のフラップがつき、ペンのキャップ部分と、尻軸をカバーしてくれます

 

ペン好きな方への贈り物にも

傷から手厚くペンを守るこのペンケースは、大切なペンを安全に持ち運びたい方にお勧めです。12本入りのケースもあるのですが、私は持ち運びが現実的な6本ケースのほうをお勧めしておきます。

 

高級感があるだけではなく、ペンをしっかりと守る実用性もあります。持ち運びもしやすいですし、価格も税込1万6500円と、中に入れるペンのことを考えると高すぎるわけでもない。

 

大切なペンを収納するのはもちろん、ペン好きの方への贈り物にしても喜ばれるのではないでしょうか?

↑ケースを開くと大切なペンを一覧でき、自慢のコレクションを持ち歩く際にもぴったりです

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
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アロンアルフアの新商品「タフパワー」が登場! 耐水性と耐熱性が向上し、液量のコントロールも容易に

瞬間接着剤「アロンアルフア」を販売する東亞合成が、同シリーズの新商品「タフパワー」を10月から販売開始します。

耐水性・耐熱性が向上し、液量のコントロールも容易に

「タフパワー」は、接着剤を大幅に改良し、耐水性と耐熱性を向上。アロンアルフアシリーズのなかでも特に優れた耐水性・耐熱性(東亞合成調べ)で、水回りや熱に晒されやすい箇所の補修や工作に最適です。硬質プラスチック、合成ゴム、金属、木材、陶器、軟質ビニールなど、幅広い素材を接着できます。また、キャップを外してすぐに使えるワンステップ開封を採用して開封の手間を軽減。エラストマーとポリエチレンのハイブリット型容器を採用することで、液量のコントロールが容易になっています。

 

↑ワンステップ開封で、開けたらすぐに使えます

滑らかながら心地良い手応えを備える! 三菱鉛筆「ジェットストリーム」が15年にわたり最高のボールペンであり続ける理由

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第12回となる今回は?

 

第12話

三菱鉛筆
ジェットストリーム スタンダード
165円(税込)

2006年に登場し、「低粘度油性ボールペン」というジャンルを生み出したエポックメイキングなペン。“クセになる、なめらかな書き味”がコンセプトで、従来の油性ボールペンよりも摩擦係数が最大50%軽減された「ジェットストリームインク」を搭載している。くっきり濃く書け、乾きが速いのも特徴だ。

 

筆記具は、書き手と共に“在る”ことを求められている

ペン先のボールが回転している感じがきちんと伝わってくるのがいいなと、初めて使ったときからずっと思っていました。三菱鉛筆の「ジェットストリーム」。

 

この感触は案外ほかでは味わえないもので、例えるなら「ギアの軽いロードバイクで軽快に飛ばしている感じ」とでもいいましょうか。ホバーのように地表から浮き上がるのではなく、「地面(=紙面)」をしっかりと噛む、そのかすかな手応えと感触をあえて残しているような気がします。

 

これまで当連載でずっと考えてきましたが、あらためて「良い筆記具」とは、いったいどういうものでしょうか? そもそも道具とは、己の内にある思考やイメージを外部に出力するためのものです。そんなバイパスを介さずに脳から直接出せればいいのに……と、もどかしく思うときもありますが、いまの技術でそれは不可能ですし、むしろ「道具」と格闘しているうち(それは「言葉」も含みます)、当人も思っていなかったような高みにまで連れて行ってくれることさえあります。つまり道具とは、使い手を拡張・変容させ得る動的な触媒であり、ならば目指すべきは、存在を透明化することではなく、「心地良く共に“在る”こと」。

 

2006年の発売以後、最高峰のボールペンであり続けるジェットストリームは、単に滑らかだからすごいのではなく、低粘度インクで「透明」になりすぎないよう、踏みとどまったところに、そのすごみと最大の発見があったのです。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第10話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第11話】書き味はペンと紙の組み合わせ次第! コクヨ「ペルパネプ」で「手書き」の妙味を体感できる

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規格外の大容量と閲覧性の良さを両立した無敵ペンケース「デテクールコンボ」が文句なしの便利さだった

これは“最近の傾向”といえるほど明確な話ではなく、あくまでも筆者の肌感覚でしかないのだが。最近、ペンケースには比較的容量が求められているような気がするのだ。これには、「ペンのカラーラインナップ増加」と「在宅ワーク」という、2つの要素が前提となっている。

 

まず、昨今発売されたゲルインクボールペンはやたらとカラフル化しており、筆記具メーカー各社とも、主力のゲルインクはだいたい10~50色以上のボリュームになってきている。もちろん、それ全部買う! という人はそういないだろうが、とはいえ気になる色があれば手に入れたいわけで、結果的に手持ちのペンが増えて、ペンケースも大型化するという流れだ。

 

在宅ワークに関しては、自宅に仕事専用のデスクがない場合、ワークスペースまで「文房具+PC周りの小物」をまとめて持ち運びたい、ということになる。文房具だけなら小さいペンケースでもなんとかなるかもしれないが、ノートPC用のマウスやACアダプタなどのかさばる物もまとめるとなると、やはりガジェットケースを兼ねられるサイズの方がありがたい。

 

ということで、大容量ペンケースを求める人がわりと増えているんじゃないか、と思うのだ。

 

 

容量・機能ともに文句なし! の超大型ペンケース「デテクールコンボ」

さすがにメーカーもそのあたりはとっくに汲み取っているようで、ペンケースの大型化は着々と進んでいるように見える。とはいっても、単にたっぷり入るというだけであれば、極端にいえばビニール袋だってかまわないはず。やはりそこは、ペンケースならではの機能性っていうのも欲しいだろう。

 

その点も合わせて興味深いのが、2021年10月に発売予定のレイメイ藤井「デテクールコンボ」だ。

レイメイ藤井
デテクールコンボ
4500円(税別)

※写真右は、比較用に置いた従来品「デテクールモバイル」

 

ぶっちゃけ、かなりデカい。形状的なものもあって「小ぶりのランドセル?」と思ってしまうようなサイズ感。

 

さすがにこれを“ペンケース”と言い切るのはそれなりに度胸がいるが、とはいえ機能的には間違いなくペンケースだし、そもそもが同社の自立型ペンケース「デテクール」シリーズの最大モデルという立ち位置なのである。

 

↑前面カバーをペロリとめくって、後ろに回す。カバーの端を後部下端に当てるだけで、磁石で固定される

 

↑左側がペンケースユニット、右側が小物ケースユニットに分割されている

 

使用する際は、まずダブルジッパーを引き上げて、前面カバーをめくり上げる。めくったカバーを後ろに回すと内蔵する磁石でピタッと固定される、という仕組みは、シリーズ共通だ。

 

内部はざっくり2分割。ペンケースユニットと小物ケースユニットに分かれており、それぞれ下段は「デテクール」にお馴染みの、30度に傾いて出てくるバスケットになっている。

↑バスケットに指をかけて引き出すと、中身の出し入れがしやすい30度に傾く

 

↑スタンバイ完了。これだけたっぷり入っていても、どこに何が入っているのかひと目で確認できて、使いやすい

 

バスケット自体が自分の方に向かって差し出されている状態なので、ペンなどもスッと取り出しやすく、戻すのも投げ込むようにすれば簡単だ。

 

この出し入れの快適さ・効率の良さは他に類がなく、一度「デテクール」シリーズに慣れてしまうと、なかなか他のペンケースを使う気になれないほど。

↑机に肘をついたままの体勢で、手首に負担を掛けずにスッとペンが抜き取れる。このラクさは「デテクール」シリーズならでは

 

↑小物ケースユニットのバスケットは、ノートPC用のACアダプタもそのまま入る収納力をもつ

 

もうひとつ、バスケットは中で2つに仕分けられているが、直立したままだと奥側には視線が届きにくい。

 

ところが、傾ければ全体が見渡しやすくなるため、閲覧性が高まるというのもメリットだ。視線が行き渡らなければ、単に収納したまま死蔵するペンやツールが増えるだけ。大容量ペンケースには、この“閲覧性の高さ”が絶対に必要なのである。

↑上段には、ケーブル類や小物を放り込んでおけるトレーを配置

 

↑不要なら、トレーは外してしまってもOKだ

 

小物ケースユニット上段は平トレーで、バスケットに入れると沈みそうな小物を入れておくのに最適だ。さらに、マジックテープで固定しているので、バスケットに背の高いものを入れたい場合は設置高を調整できるほか、不要なら取り外してしまっても良い。ここは自分の使い方によってカスタムできる仕様だ。

 

↑ペンケース側上段ポケットには厚みのあるものが入るので、比較的応用が利く

 

また、ペンケースユニット上段はポケットになっている。消しゴムやテープのりなど、こちらも同様に、バスケットに入れてしまうと沈んでしまう小物を収納するのにちょうどいい。

 

↑ユニット単位で分離可能。本体が大きすぎて置く場所がない、なんていう場合にも便利だ

 

カスタムといえば、もうひとつ。実は、ペンケースユニットと小物ケースユニットは、それぞれが本体から単体で分離できるようになっている。例えば自宅内で使う場合、「今日は文房具は使わないな」と思ったら、小物ケースだけ出して持ち運べば済むという話である。

 

なにしろ本体サイズが大きいだけに、テーブルが狭いなど、置き場に困るシーンもあるだろう。分離させたユニット単位で運用できるなら、助かることも多そうだ。

 

筆者は実際、どう活用しているかというと……?

↑工作ツールを入れて運用している例。小物バスケットに「ポキステーション」(カッターの刃折りケース)がすっぽり入るのは、我ながらナイス発見だった!

 

ちなみに筆者は現在のところ、「デテクールコンボ」を工作用のツールを持ち運ぶためのケースとして運用してみている。ヤスリやカッターナイフ、ドライバーなど使用頻度のある程度高いものを入れてあるため、これがなかなか活躍してくれている。閲覧性の高さで「あのツールどこに入れたっけ?」みたいなトラブルがおきにくいこともあって、普通の工具入れよりも使いやすいぐらいだ。

 

ただ、工作用ツールは文房具よりも全体的にサイズが大きいため、できれば同じ構造で二回りほど大きい「デテクールギガコンボ」が欲しくなってしまうんだけど。

 

 

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変態的ペン先をもつ2色線ペン「twiink(ツインク)」がただのキワモノではない理由

最近の現役中学高校生のノートを見せてもらうと、たいてい驚かされるのが「紙面のカラフルさ」と「色使いの上手さ」である。筆者が中高生の頃(30年以上前)にシャープペンシル+一部に赤ペンで書いていたノートとは、全くの別物。要点や図表に3~5色ぐらいは平気で使い分けているし、それだけ色を使ってもスッキリ見やすいノートが多い=きちんと色分けのメソッドを持った上で書かれているのだ。うーん、すごい!

 

もちろん、平気で他人にノートを見せられるのは、ノートに自信がある人に限られるので、全ての中高生がスゴいノートを作れるわけではないだろう。それにしても、全体的なノート筆記の技術とクオリティは、我々の世代から大きく底上げされているように感じるのである。

 

そして、その要因のひとつに、発色の向上や色数の増大といった「カラーペンの進化」も含まれているはず。ということで今回は、そんなカラーペンの進化形のひとつを紹介したい。

 

正直、我々おじさん世代からとって見ると「え、どういうこと?」と首をひねるような、しかしそれでいて「面白そう……使ってみたい!」とも思わされる、かなり変わった進化形カラーペンなのだ。

 

「ペン先がツイン」という、カラーペンの進化

その変わった進化形というのが、サンスター文具から2021年6月に発売された「twiink(ツインク)」である。一見、外見からはその特異性は分かりづらいかもしれない。

サンスター文具
2色線ペン twiink(ツインク)
各198円(税込)

 

しかし、キャップを外してみると……なんと、色の違うプラ製の極細ペンチップが2本、平行に並んでいるのだ。この「twiink」、それぞれ単色線&単色線&二重線が書き分けられる、1本3役のカラーペンなのである。

↑カラーペンとしてはかなり珍しい、並列の細字ツインチップ

 

↑並列ツインチップといってまず思い当たるのは、コクヨ「2トーンカラーマーカー mark+」(下)。「twiink」(上)と比べるとやはり雰囲気は近い

 

【関連記事】チップからチップが生えてる…!? 次世代ラインマーカーの刺客、サンスター文具「Ninipie(ニニピー)」の仕組みと使い心地をレビュー

 

実際に二重線で文字を書いてみよう。視界がブレているみたいで、ちょっと酔ったような気持ち悪さもあるが、インパクトの大きさは間違いないところだろう。人目を引くので、店頭POPなどの文字書きに使うのも良さそう。とにかく「目立つ」の一点突破ペンとして持っておくのも面白いんじゃないだろうか。

↑単色で使う場合は、チップが1つだけ紙に当たるように角度をつける。そのままくるっと軸を回せば、素早く別の色にチェンジ

 

……と、ツインチップの二重線ばかりをフォーカスすると、単なる面白ペンでしかない。だが、実は「twiink」の真価は単色にこそある、と思うのだ。

 

単色で書くには、ペンチップが1本だけ紙に当たるような角度で握るだけ。特に違和感なく、普通に細字カラーペンとして書くことができる。そして色を変えたいと思ったら、手の中で軸をひねるように180度回転させれば、もう1色のチップ単色で書けるというわけ。

↑二重線/単線×2色と、持ち替えずに3つの書き分けができるのは面白い機能だ

 

通常通りカラーペンの色を変える場合を考えると、今使ってるペンにキャップを閉めて、持ち替えて、またキャップを開けて……と、どんなにスムーズにやっても数秒はロスをする。さらにその間に集中は途切れるしで、どうしても面倒くささを感じてしまうはずだ。

 

対して「twiink」は、色替えに要するタイムが1秒以下。単色ペンはもとより、ノック式多色ボールペンよりも確実に速い。ノートをカラフルに書きたい場合、この高効率さは見逃せないだろう。

 

↑カラーは8タイプで、ライトブルー・グリーン・バイオレット・ピンク・レッド・オレンジの6色を組み合わせている

 

↑「ライトブルー×レッド」(左)のように違系統色の組み合わせはひと目で分かるが、「オレンジ×ピンク」(右)のような同系色同士は、どちらの色か見分けづらいのが問題か

 

ちなみにカラーラインナップは、2色の組み合わせが8タイプ。基本的には暖色×寒色か、暖色同士または寒色同士という組み合わせになっている。選び方としては、単色ペンとして筆記する機会の方が多いはずなので、単色で使いやすい色から選ぶのがベストだろう。ただ、二重線になったときにインパクトの大きい組み合わせというのもあるので、そちらメインで選ぶのもアリだと思う。

 

 

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記念アイテムが当たるキャンペーンも! 「ミドリ」70周年スペシャルサイトがオープン

デザインフィルは、同社が展開するプロダクトブランド「ミドリ」の70 周年を記念して、70周年記念限定アイテムの発売やプレゼントキャンペーンなどの特別企画を開催します。

 

9月8日には70周年を記念したスペシャルサイトをオープン。同サイトでは、プレゼントが当たる「クイズに答えて記念アイテムを当てよう!「ミドリ」70周年クイズキャンペーン」も開催。ミドリの人気アイテムや歴史にまつわるクイズを、ヒントを参考にしながら回答すると、全問正解者の中から抽選で70名に「オリジナル一筆箋」(非売品)をプレゼントします。また、Instagram「文具のミドリ」公式アカウントでも、限定アイテムの発売に合わせた投稿型キャンペーンを予定しています。

 

70周年限定製品として、ブランドの原点や挑戦を象徴する深みのあるグリーン、ものづくりへの姿勢を「芽、花、種」でイメージしたペールカラーなど、「色」をテーマにした限定アイテムを10月に発売します。11月には、人気アイテムの魅力をたっぷりと楽しめる70周年限定セットも発売予定で、詳細は後日、70周年スペシャルサイトなどで発表される予定となっています。

芯径0.9mmで色鉛筆のような描画ができるカラーシャープが追加! 三菱鉛筆「EMOTT(エモット)」

三菱鉛筆は、“私らしい色づかいで、毎日を彩る”をコンセプトとして、デザイン性にこだわったブランド「EMOTT(エモット)」から、0.9mmのカラー芯を採用し、色鉛筆に近い表現ができるカラー芯シャープ「EMOTT(エモット)pencil」とカラー替芯「EMOTT(エモット)pencil 替芯」、多彩な色調で0.4mmの細い線を書き続けられる、新開発ペン先の水性サインペン「EMOTT(エモット)新5色セット」を、9月24日に新発売します。

↑EMOTT(エモット)pencil

 

↑EMOTT(エモット)pencil 替芯

 

カラーシャープEMOTT pencilは、0.9mmの太い径のカラー芯を採用し、描線の発色が良く、より濃い描画が可能です。また、筆圧をコントロールすることで濃淡を表現でき、描画の表情に深みをもたらすことができます。同製品は色鉛筆に近い表現ができるという特長から、“シャープペンシル”ではなく、“鉛筆”を意味する“pencil”からEMOTT pencilと名付けられています。また、カラー替芯も同時に発売。税込価格はEMOTT pencilが1100円、替芯は220円です。

 

活力に目覚めるカラー「リフレッシュカラー」(ライトブルー、グリーン、バイオレット、レッド)、太陽の恵みを受けた鮮やかなカラー「トロピカルカラー」(ライトピンク、ライトグリーン、オレンジ、フューシャ)、古き良き時代を思わせるノスタルジックな色合い「ノスタルジックカラー」(ブルーブラック、カーキグリーン、バーミリオン、イエロー)の、3つのカラーグループの4色セットを展開。セットには替芯ケース1本も入っており、替芯ケースには4色のカラー芯が各2本ずつ入っています。EMOTT pencil単色での発売はありません。

↑EMOTT pencil アソート リフレッシュカラー

 

EMOTT 新5色セットは、トレンドカラーの新色と既存色とを組み合わせた5色のカラーグループ。「ニュアンスカラー」「ボタニカルカラー」「ミッドナイトカラー」「バーチャルカラー」の全4種のカラーグループで、パッケージには、それぞれのカラーグループから連想できるイメージビジュアルが正面に施されています。それぞれの5色セットには、今回のセット限定の新色が組み込まれています(新色10色は単色での発売なし)。税込価格は1100円。

↑EMOTT(エモット)新5色セット

 

ニュアンスカラーは心地よい安らぎの色合いで、セット内容はエクリュ(新色)、アッシュローズ(新色)、シーフォグ、スレートブルー(新色)、サックスブルーの5色。ボタニカルカラーは幸せを彩る草花のナチュラルカラーで、アップルグリーン、カーネーション(新色)、グラジオラスレッド(新色)、ベージュ、コルク(新色)の5色です。静寂な夜空の幻想的なカラーがセットになったミッドナイトカラーはレモン、ペールラベンダー(新色)、バイオレット、ブルーブラック(新色)、ブラックの5色で、バーチャルを楽しむポップ・カラーのバーチャルカラーは、ピュアピンク、オレンジビーム(新色)、エメラルドグリーン、ブルー、ライトグレー(新色)がセットになっています。

シヤチハタ、桜や波など日本らしい和柄のゴム印セット「いろいとし」を発売

シヤチハタは、和柄デザインのゴム印セット「いろいとし」を9月2日から発売。販売はシヤチハタオフィシャルショップで、ラインアップは「和数字」「六花」「楚々」をそろえています。価格は和数字が1760円(税込)、六花が1980円(税込)、楚々が2200円(税込)です。

 

いろいとしは、桜や波など日本らしい和柄の印面をデザインしたゴム印セット。

 

和数字は、市松模様など日本らしい和柄の入った数字デザインのセットで、幅広い用途に活用できるとのこと。六花は、「長寿、健康、金運」などの幸運を呼び寄せると言われる六角形の花柄スタンプで、桜の枝や花びらなど、細かいモチーフが繊細に描かれています。楚々は、江戸時代から続く「源氏香の図」という香りを当てる遊びに使われていた柄が一部モチーフになっており、清らかな波のデザインに仕上がった、風情ある日本の伝統柄セットです。

 

また、パッケージにはゴム印と同様の和柄を採用。さらに、はんこ本体の木のぬくもりが伝わるデザインにしたとしています。

 

はんこは、枠やライン、波、小枝など、組み合わせ次第で自由にアレンジして楽しめるようデザインされています。これに加えて、インクの色の組み合わせを変えることで、より幅広いアレンジも可能とのこと。

 

季節の挨拶に出すはがきや、メッセージカードにピッタリ合いそうです。アクセントを加えるために、手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

↑こんなアレンジもできそうです

テレワークなどもこれでバッチリ、仕事道具をひとまとめにできるレイメイ藤井「デテクールフリーアドレスバッグ」などが登場

レイメイ藤井は、テレワークやフリーアドレスなどの働き方で便利に使えるアイテム「デテクールフリーアドレスバッグ」「デテクールコンボ」「デテクールデスクトップ」を発表。10月に発売します。価格はデテクールフリーアドレスバッグが5500円(税込)、デテクールコンボが4950円(税込)、デテクールデスクトップが2640円(税込)です。

 

レイメイ藤井によると、ペンスタンド部分が手前に30度傾くことで、収納したペンを探しやい、取りやすい、戻しやすいというサイクルを実現した「デテクールペンケース」の発売後、「大きいサイズ・収納力」を求める声があったとのこと。そこで、「あっと驚く機能で使いやすさを向上させる」というコンセプトはそのままに、テレワークやフリーアドレスなどのさまざまな働き方環境をサポートする新商品を発売するにいたったそうです。

 

デテクールフリーアドレスバッグは、A4書類やノートPCなどを収納できる、社内移動用のバッグ。ファスナーを下すことで、フロント上部をオープンにでき、収納物が見えやすくなります。

 

↑デテクールフリーアドレスバッグ

 

また、周囲の人に見られたくないときのために、パーティションボードを内蔵。左右にボードを広げることで作業スペースを見せないようにできるうえに、ボードにはA4対応のクリアポケットが付いているため、資料を見ながら作業もできます。

 

本体サイズは約幅380×高さ275×奥行き110mmで、重さは約750g。耐荷重は8kgまでです。

 

デテクールコンボは、ペンに加えてほかの文房具やPC周辺機器もひとまとめに収納できるケース。ケースの中にはペンケースユニットと小物ケースユニットを設け、それぞれ約30度傾く機構を採用しています。また、それぞれのユニットはケースから取り出して使うことも可能。

 

↑デテクールコンボ

 

このほか、フタを閉じて、持ち手のフックを持っての移動や、社内の個人ロッカーへの収納などにも適しています。

 

本体サイズは約幅175×高さ225×奥行き100mmで、重さは約490gです。

 

デテクールデスクトップは、デテクールペンケースをサイズアップさせて収納力を向上させたアイテム。長さ19cmまでであれば、定規や鉛筆などを収納できます。また、内側奥とペンスタンド部分の前方には消しゴムなどを入れられるポケットを設けています。さらに、本体外側の両側面にサイドポケットを設けているため、ペン以外の小物収納も可能です。

 

↑デテクールデスクトップ

 

本体サイズは約幅100×高さ215×奥行き100mmで、重さ約230gです。

 

なお、それぞれカラバリはブラック、ブラウン、ネイビーをそろえています。

サクラクレパスの人気シリーズに上質さや書きやすさなどを加えた「ボールサインiD プラス」

サクラクレパスは、ノック式の単色ゲルインキボールペン「ボールサインiD プラス」を発表。10月下旬から発売します。価格は385円(税込)です。

 

ボールサインiD プラスは、6色の黒インキをそろえた人気の単色ボールペン「ボールサインiD」のワンランク上のシリーズ。従来シリーズに上質さ、握りやすさ、書きやすさをプラスしたとしています。

 

黒インキのカラバリは、従来シリーズで人気の色だった「ピュアブラック(ブラック)」「ナイトブラック(ブルーブラック)」「フォレストブラック(グリーンブラック)」をそろえており、ビジネスシーンでもさりげなく個性を表現できるといいます。

 

また、従来シリーズのDNAを引き継ぎ、金属製のクリップや、自然に手にフィットするように六角形と丸形を組み合わせた本体軸を採用。このデザインに上質さを加えるため、新たにペン先の素材には削り出しの金属を使用したほか、本体軸には全体が滑りにくいマットなラバー素材を採用しています。

 

 

さらに、重心が従来シリーズよりも先端にくるようになり、より安定した書き心地を実現しているとのこと。

 

 

ラインアップは、ボール径が0.4mmのシルバー軸と、0.5mm径のブラック軸を用意しています。

発色鮮やかな三菱鉛筆「ユニボールワン」に安定した書き味とテーマ性ある軸色が特徴の「ユニボールワンF」登場

三菱鉛筆は8月31日、ゲルインクボールペン「ユニボールワン」から、軸色や書き味の上質感を高めた「ユニボールワンF」を発表。9月21日に発売します。参考価格は330円(税込)です。

 

ユニボールワンは黒は濃く、カラーは鮮やかに発色することから大人気となっているボールペン。今回登場したユニボールワンFは、テーマ性のある軸色と、低重心で安定した書き味が特徴となっています。

 

軸色は、雑貨や日用品に定着しつつあるくすみ色をベースにしながら、時の経過を感じさせるようなあせた色合いに仕上げています。色の選定にあたっては、日常生活で目にするなにげない景色を採用。「無垢」や「日向夏」などのイメージを軸色にしています。

 

 

また、軸全体のデザインは凹凸部分をかぎりなく減らしたなめらかなフォルムと、ワンポイントになっている先端の金属パーツを採用。シンプルさが際立ちながら洗練された印象にしているそうです。

 

さらに、ペン先の金属パーツは、低重心で安定した書き味を生み出す「スタビライザー機構」を搭載。ユニボールワンの特徴とうたう濃くくっきりとした黒インクを、軽い力でより安定してなめらかに書けるとしています。

 

ラインアップは、ボール径0.38mmで軸色が消炭(Fブラック)、無垢(Fグレー)、花霞(Fピンク)、日向夏(Fイエロー)のモデルと、ボール径0.5mmで軸色が霜柱(Fブルー)、葉雫(Fグリーン)、茜空(Fレッド)のモデルをそろえています。

月間予定を見ながら4つの予定やリストを管理、レイメイ藤井「2022年版フォープランダイアリー」が発売

レイメイ藤井は、左ページで月間の日程を見ながら、右ページで4項目の予定やリストを管理できる「2022年版フォープランダイアリー」を8月下旬から発売すると発表しました。

 

ラインアップは、従来からあるA5サイズに加えて、B6サイズ、日々の記録をしっかり書き込めるウィークリータイプ(A5サイズ、B6サイズ)の4モデルで、それぞれ価格はA5サイズが1430円(税込)、B6サイズが1320円(税込)、ウィークリータイプのA5サイズが1980円(税込)、B6サイズが1870円(税込)です。

 

フォープランダイアリーは、左ページに予定を把握しやすい月間ブロックを、右ページに4項目のリストを表示するレイアウトが特徴の手帳。集計欄が付いているため、家計簿として使うこともできます。なお、前年までは「カラーインデックス4プランダイアリー」が商品名でしたが、今年変更したそうです。

 

↑家族4人の予定管理などが可能

 

また、ユーザーから「もう少し小さめのサイズが欲しい」「日々の事柄をたくさん書き込めるタイプがほしい」という声があり、新たにコンパクトなB6サイズと、見開き2週間のページを加えたウィークリータイプを追加したとのこと。

 

↑こちらはウィークリータイプ。メモのように日々の事柄を記入できます

 

レイメイ藤井では、家族の予定や仕事のプロジェクト管理に向いているとしているほか、教科ごとに分けて学習計画を立てたり、勉強時間をグラフのように記入して見える化したりするなど、学習の利用でも便利だとうたっています。

 

↑こちらは学習で活用している例

 

月間ブロックで予定が見えるマンスリータイプの収録内容は、2022年/2023年の2年カレンダー、イヤープラン、目標設定ページ、マンスリーページ、方眼罫ノート、地下鉄路線図など。

 

↑マンスリータイプ

 

一方のウィークリータイプは、2022年/2023年の2年カレンダー、イヤープラン、目標設定ページ、マンスリーページ、ウィークリーページ、方眼罫ノート、地下鉄路線図などを収録しています。

 

↑ウィークリータイプ

「ほぼ日手帳2022」が登場、『犬夜叉』コラボなど充実の商品を一挙紹介

ほぼ日は9月1日から、「ほぼ日手帳2022」を順次発売します。発売されるアイテムは、手帳本体や手帳カバー、ほぼ日手帳関連の文具など、合計100以上にのぼります。

 

ほぼ日手帳2022は、「handwrite/この日、わたしは。」をテーマに、高橋留美子さんの漫画『犬夜叉』、Nintendo Switch用ゲームソフト『あつまれどうぶつの森』、MALHIA KENT、Candy Stripperのカバーなどが登場。また、ほぼ日の本社が神田に移転したことから、「神田」をテーマにした、近江屋洋菓子店と一緒に製作した商品などをラインアップしています。

 

繊細なタッチながら迫力あるデザインの『犬夜叉』コラボアイテム

『犬夜叉』とコラボしたアイテムは1日1ページタイプの「継承者」A5手帳カバー+本体セット(税込9680円)、1日1ページタイプの「継承者」A6手帳カバー+本体セット(税込6380円)、週間タイプの「INUYASHA」weeks本体(税込2860円)をラインアップ。デザインは繊細なタッチのカラーイラストを使用した迫力のある仕上がりになっています。

 

↑上からA5手帳カバー+本体セット、A6手帳カバー+本体セット、「INUYASHA」weeks

 

また、付属のクリアカバーを装着すると、たなびく雲の中に、父の形見である「鉄砕牙」の継承をめぐって対立した主人公の犬夜叉と異母兄・殺生丸の姿が浮かび上がります。

 

「INUYASHA」weeksは、犬夜叉とヒロインの日暮かごめ、旅をともにする弥勒、珊瑚、七宝が表紙に集合したデザインを採用。

 

さらに、全体にホログラム加工を施しているほか、手帳とおそろいで使える下敷きや、原作の魅力的な一コマを使用した一筆箋、スタンプなど、オリジナル文具も用意しています。

 

島暮らしの楽しさを1枚の絵に凝縮した『あつまれ どうぶつの森』手帳カバー

『あつまれ どうぶつの森』のアイテムは1日1ページタイプの「今日は なにする?」A6手帳カバー+本体セット(税込5500円)、1日1ページタイプの「今日は なにする?」A5手帳カバー+本体セット(税込8800円)をラインアップ。仲間たちと過ごす島での暮らしの楽しさを1枚の絵に凝縮したデザインとしています。また、おまけとして2枚1組のスケジュールシールが付いてきます。

 

↑左がA6手帳カバー+本体セット、右がA5手帳カバー+本体セット

 

老舗「近江屋洋菓子店」の包装紙をデザインした手帳カバー

神田をテーマにした商品では、神田で愛され続けている老舗の「近江屋洋菓子店」のカバーを用意。モチーフにしたのは、お菓子とともに人気の包装紙で、かわいらしさの中に上品さを兼ね備えたというデザインに仕上がっています。

 

ラインアップは1日1ページタイプの「おやつにしませんか?」A5手帳カバー+本体セット(税込7700円)、1日1ページタイプの「おやつにしませんか?」A6手帳カバー+本体セット(税込5280円)、週間タイプの「おやつにしませんか?」weeks本体(税込2640円)をそろえています。また、手帳とあわせて使うと楽しい文具も用意しているとのこと。

 

↑左からA5手帳カバー+本体セット、A6手帳カバー+本体セット、「おやつにしませんか?」weeks

 

漫画家・松本大洋さん描きおろしの「ねこと神田」の手帳カバー

神田をテーマに、漫画家である松本大洋さん描きおろしの作品を全面にプリントした手帳カバーも販売。御茶ノ水にある「聖橋」の上から見た景色が描かれたうえに、しなやかで躍動感あふれる白いねこや赤い電車の車体がコントラストとして映える、印象的な作品になっています。

 

ラインアップは、1日1ページタイプの「ねこと神田」A5手帳カバー+本体セット(税込7700円)、1日1ページタイプの「ねこと神田」A6手帳カバー+本体セット(税込5280円)をそろえています。

 

↑左がA5手帳カバー+本体セット、右がA6手帳カバー+本体セット

 

ネクタイの生地にお祭りのお面をデザインした週間タイプの手帳カバー

もう一つ、神田をテーマにした商品として、週間タイプの「わっしょい!」weeks本体(税込2200円)が発売。サーモンピンクの表紙にお祭りのお面がたくさん並ぶデザインの商品です。おかめ、ひょっとこ、きつねのコミカルな顔つきを、ネクタイの織りで細部まで表現。実際にネクタイに使われている生地を採用しているため、織目の手触りが心地よいうえに、シルキーな光沢を実現しているそうです。

 

 

子どもの日常をヨシタケシンスケさんがイラストで表現したほぼ日手帳day-free

ほぼ日手帳の特徴はそのままに、使い勝手のいい月間カレンダーと方眼ノートを組み合わせた月間ノート手帳「ほぼ日手帳day-free」も登場。今年はイラストレーターのヨシタケシンスケさんがイラストを手がけた商品になっています。「きょうのぼうけん」をテーマに85の子どもの日常のイラストが挿し込まれており、めくるたびにうれしい気持ちになれるとしています。

 

ほぼ日手帳day-freeは、A6サイズが1650円(税込)、Aサイズが2530円(税込)です。

 

 

また、1日1ページタイプの「きょうのぼうけん」A5手帳カバー+本体セット(税込8800円)、1日1ページタイプの「きょうのぼうけん」A6手帳カバー+本体セット(税込6050円)もラインアップしています。

 

↑左がA5手帳カバー+本体セット、右がA6手帳カバー+本体セット

 

人気の「MOTHER」シリーズからはカセットのパッケージとおそろいのデザインなど

人気の「MOTHER」シリーズからは、ファミコンカセットのパッケージとおそろいの「BEGINNINGS」(税込6050円)が登場しました。さらに、『MOTHER3』のキャラクターがずらりと並んだ、ひまわり色の「CAST(MOTHER3)」(税込5280円)や、キャラクターを革の凹凸で表現したweeksカバーの「CAST(MOTHER2/Leather ver.)」(税込1万6500円)も発売されます。

 

さらに、weeksからは『MOTHER2』の2つの顔を持つ街「フォーサイド」のマップを両面にプリントした「フォーサイド/ムーンサイド」(税込2860円)が発売。表裏でガラッと変わる雰囲気を楽しめるといいます。

 

↑左からBEGINNINGS、フォーサイド/ムーンサイド、CAST(MOTHER2/Leather ver.)、CAST(MOTHER3)

 

アメリカの写真家・ソール・ライターの作品を持ち歩ける手帳カバー

アメリカの写真家であるソール・ライターの作品をデザインした手帳カバーも発売。雪の上を斜めに走る、点線のような足跡のほか、赤い傘など、日常の中にあるドラマチックな「美」の一瞬が見事に収められた作品をカバーにしています。

 

手帳カバーの内側はシックに黒く、しおりの先は赤く仕上げています。

 

ラインアップは1日1ページタイプの「Footprints, c.1950」A5手帳カバー+本体セット(税込7700円)、1日1ページタイプの「Footprints, c.1950」A6手帳カバー+本体セット(税込5280円)、週間タイプの「Footprints, c.1950」weeks本体(税込2640円)をそろえています。

 

↑左がA5手帳カバー+本体セット、上が「Footprints, c.1950」weeks、下がA6手帳カバー+本体セット

 

2022年のカレンダーが手書きで書かれている表紙の「365にち」

週間タイプの「365にち」weeks(税込2640円)は、表紙に2022年のカレンダーが手書きで書かれている商品。数字と曜日、カレンダーを囲む線は、作家の岸田奈美さんの弟である、岸田良太さんによるものです。岸田奈美さんの『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』のページ番号が岸田良太さんの手書き文字で書かれていたことがきっかけで、作ったそうです。

 

また、手帳には、岸田良太さんの手書き文字をあしらった12色のカラフルなシールが付きます。

 

 

イラストレーターの久保田寛子さん描きおろし、夕暮れを描いた手帳カバー

1日1ページタイプの「光を数える」A6手帳カバー+本体セット(税込5280円)は、太陽が沈む前の夕焼けに染まる空と、灯りをともす家々の景色を、高台の電話ボックスの上から眺めるきつねを表紙に描いた商品。イラストレーターの久保田寛子さん描きおろしの表紙となっています。

 

 

チェコ児童文学の古典『こいぬとこねこのおかしな話』が手帳カバーに

「こいぬとこねこ」シリーズは、画家・作家として活躍したヨゼフ・チャペックによるチェコ児童文学の古典『こいぬとこねこのおかしな話』が手帳カバーになった商品。表紙の印刷はシルクスクリーンで、背表紙としおりの先は朱色を採用しています。

 

ラインアップは、1日1ページタイプの「こいぬとこねこ」A6手帳カバー+本体セット(税込6050円)、週間タイプの「こいぬとこねこ」weeks本体(税込2640円)をそろえています。なお、このシリーズの売り上げの一部はNPO法人ランコントレ・ミグノンに寄付され、動物保護活動に使われるそうです。

 

↑左がA6手帳カバー+本体セット、右が「こいぬとこねこ」weeks

 

テキスタイルの魅力がつまった「YUKI FUJISAWA」デザインの手帳カバー

箔や染めなどを通じてファッションの新しい価値を提案するブランド「YUKI FUJISAWA」デザインの手帳カバーも登場。カバーには、オーロラ色の地に繊細なレースをあしらい、上から白金箔を重ねています。地のグラデーションや、レースの立体感、箔の輝きなど、テキスタイルの魅力がつまっているとのこと。

 

ラインアップは、1日1ページタイプの「with time」A6手帳カバー+本体セット(税込1万1800円)、週間タイプの「Dreamscape」weeks本体(税込2640円)です。

 

↑左がA6手帳カバー+本体セット、右が「Dreamscape」weeks

 

「Candy Stripper」と今年もコラボ、全面にうさぎの刺繍を施した手帳カバー

若い女性に愛され続けているファッションブランド「Candy Stripper」とは今年もコラボ。2年目となる今年の手帳カバーには、全面にうさぎの刺繍が施してあるほか、襟元には本物のコットンレースを縫い付けています。

 

ラインアップは、1日1ページタイプの「Sweet Bunny (yellow)」A5手帳カバー+本体セット(税込1万2650円)、1日1ページタイプの「Sweet Bunny (pink)」A6手帳カバー+本体セット(税込9350円)です。

 

↑左がA5手帳カバー+本体セット、右がA6手帳カバー+本体セット

 

世界的ファンシーツイードメーカーのファブリックをぜいたくに使った手帳カバー

こちらのジッパーズタイプの手帳カバーは、世界的なファンシーツイードメーカー・MALHIA KENTのファブリックをぜいたくに使った商品。パッと目をひく華やかなツイードや、きらきらと光る糸、グラデーションのある糸など、さまざまな素材と色合いの糸が縦横に組み合わさって、複雑な美しさを醸し出しているといいます。

 

ラインアップは、1日1ページタイプの「Rose Tweed」A6手帳カバー+本体セット(税込1万6500円)、weeksカバー「Tricolore Tweed」(税込1万4300円)、1日1ページタイプの「Ciel Tweed」A5手帳カバー+本体セット(税込2万350円)です。

 

↑左からRose Tweed、Tricolore Tweed、Ciel Tweed

 

イギリス生まれ「LIBERTYFABRICS」のプリント生地を使った手帳カバー

こちらは、イギリスで生まれた「LIBERTYFABRICS」のプリント生地を使ったカバー。ポピーとデイジーの花をモチーフにしたカラフルな色の「PoppyForest」(1日1ページ/A6手帳カバー+本体セット/税込7480円)、野生の小さな花が絡み合うように生地全体に描かれた「Erica」(1日1ページ/A5手帳カバー+本体セット/税込1万1550円)、アール・ヌーヴォー期を代表するポピーの群生をデザインした上品な印象の「Clementina」(weeksカバー/税込1万3200円)をそろえています。

 

また、今年は初めて週間タイプのweeksを展開。アザミやナデシコ、バラ、アフリカホウセンカが咲く牧草地のような素朴なデザインのボタニカルプリント「JoannaLouise」(税込2640円)を用意しています。

 

↑左からPoppyForest、Clementina、JoannaLouise、Erica

 

毎年人気の「ミナ ペルホネン」シリーズに5年手帳カバーが登場

毎年人気の「ミナ ペルホネン」シリーズには、ほぼ日5年手帳カバーが初登場。通常版は「path」、大きい手帳は「woodbird」をラインアップし、テキスタイルも異なる仕様になっています。

 

「wood bird」はカバーのみで1万500円(税込)、「path」はカバーのみで8500円(税込)です。

 

↑左がwood bird、右がpath

 

土屋鞄製造所による、しっとりやわらかなオイルヌメ革使用の手帳カバー

土屋鞄製造所による手帳カバーは、手に吸い付くような感触のしっとりやわらかな「オイルヌメ革」を使用した、革ひもをくるりと巻き付けて留める手帳カバー「ROLL」や、鍵付きのジッパータイプとなっている5年手帳カバー「KEY」などがラインアップ。また、今年新登場のweeksのカバーにはジッパー付きのポケットが設けられています。

 

1日1ページタイプの「はじまりの手帳(ROLL)」A6手帳カバー+本体セットは3万7400円(税込)、1日1ページタイプの「はじまりの手帳(ROLL)」A5手帳カバー+本体セットは4万9500円(税込)、5年手帳通常版でカバーのみの「はじまりの手帳(KEY)」は3万8720円(税込)、weeksのカバーのみ「はじまりの手帳(ROLL)」は3万7620円(税込)です。

 

↑左が「はじまりの手帳(ROLL)」A6手帳カバー+本体セット、上が「はじまりの手帳(ROLL)」A5手帳カバー+本体セット、下が「はじまりの手帳(ROLL)」weeks、右が「はじまりの手帳(KEY)」

 

内側のポケットが充実した「PORTER」デザインの手帳カバー

「PORTER」デザインの手帳カバーは、小さなカバンで散歩に出かけるような使い勝手のよさが魅力。ボンディング加工を施した生地は、ナイロン素材を採用しています。また、カバーの正面と背面には広めのポケットを設けているほか、カバーを開いてもポケットが充実しているため、その日に使うものを手帳にひとまとめにできるとのこと。

 

ラインアップは、1日1ページタイプの「Stroll(サックスブルー)」A6手帳カバー+本体セット(税込1万5400円)、1日1ページタイプの「Stroll(ブラック)」A5手帳カバー+本体セット(税込1万9250円)をそろえています。

 

↑左が「Stroll(サックスブルー)」A6手帳カバー+本体セット、右が「Stroll(ブラック)」A5手帳カバー+本体セット

開閉の仕組みと分割構造が画期的! 透明で中身を探しやすい「ペンケース」の注目作2モデルをレビュー

これまでにも、自立型やら分割収納やら、さまざまな流行があったペンケース。ここ一年ほどで特に注目が高まっているのが“透明”なタイプだ。

 

ファッション業界においても、近年はPVC(ポリ塩化ビニル)素材の透明バッグが大流行しており、その流れで透明ペンケース(クリアペンケースとも言われる)も人気に……というのが、まず一つの要因だろう。

 

もちろん、Instagramなどでノートやペンが写り込んだ画像を載せる中高生(いわゆる“勉強垢”)の間でも、透明ペンケースの人気は高い。ただ写真を撮るだけでペンケースの中身が丸ごと見えるので、視覚情報が増える。端的に言えば“映える”わけだ。

 

さらには、そういった流行の話でなくても、透明ペンケースには利点がある。先にも述べた通り中身が丸見えだから、必要なペンなどを取り出す際に見つけるのがラクなのだ。閲覧性・視認性の高さはペンケースの機能でも重要なポイントであり、つまりは透明というだけで充分に有利というわけ。

 

そこで今回は、人気の透明ペンケースの中でも特に「これいいぞ」というものを紹介したい。

 

 

透明+分割収納=おしゃれで高機能なペンケース

そんな方程式が成立するのが、キングジムが2021年6月から展開を始めた「CHEERS!(チアーズ)」。ポップなカラーと透明感をテーマにしたステーショナリーシリーズだ。

 

初見では、同社既存のルーズリーフファイル「テフレーヌ」やバッグインバッグ「フラッティ」のポップカラーバージョン、というだけかな? と思っていたのだが、あらためて確認すると、全くの新顔である透明ペンケース「チアーズ ツインペンケース」がラインナップされていた。

 

で、これが触ってみると、なかなか面白い作りになっていたのだ。

キングジム
チアーズ ツインペンケース
1250円(税別)

 

完全クリアとクリアカラーの細長い直方体2つが組み合わせられた、ソフトなボックスタイプ。ただ不思議なことに、外からでは、ファスナーやスナップといった開け口が見つからないのである。

 

ではどうやって中身を出し入れするのか? というと、クリアとカラーのボックスを継ぎ目から割るようにパカリと開くと、それぞれの開け口が露出するという仕組みだ。

↑ペンケースを開けるときは、まずそれぞれのボックスを両手でつかむ

 

↑するとパカッと割れて、カラー側のボックスが開く。接続はマグネット式なので、開閉自体は簡単だ

 

クリアのボックスはファスナー、カラーのボックスは素通しの開口という形式。つまり、クリア側の本体自体が、カラー側のフタを兼ねているというわけだ。

 

カバンの中で勝手に開いてしまう可能性を考えると、ファスナーのついたクリア側に消しゴムやシャープペンシルの芯といった小物を、カラー側に筆記具を、という分け方が安心だろう。当然ながら、分けて収納することで、中がゴチャつかず出し入れがしやすくなる、というメリットもある。

↑一般的なサイズのペンケースが2つ合体しているわけで、容量的にはかなりゆとりがある

 

見た目のおしゃれさと、こういった「今のペンケースに求められている機能性」を上手く共存させているあたりは、なかなか感心させられた。

 

ただ、カラー側の開口がさほど大きくないので、筆者のように指が太めの人には筆記具の出し入れが少しやりづらいように思う。これはおそらく、手指のゴツいおっさんは最初からターゲットじゃないよ、ということなのかもしれない。

↑閲覧性が良くても、手の大きい人には出し入れがしづらい開口。これは少々残念なポイントだ

 

それでも、透明ならではの閲覧性の高さ+分割収納の機能性は優秀。夏っぽいルックスも含めて、いま買うべきペンケースと言えるだろう。

 

さて、この透明ペンケースのメリットをほどよく取り入れたペンケースが、同社にはある。

透明バッグインバッグ「フラッティワークス」にペンケースタイプ登場

とは言っても、PVCのチープなツルツル感ってどうも子どもっぽくて持ちづらいな……と感じる人はいるだろう。透明ペンケースの優位性は理解できても、自分に似合うかどうかや好みの問題もあるので、導入にハードルが高いというのも理解できる。

 

それなら、もうちょっと落ち着いた雰囲気で使える透明ペンケースはどう? ということでオススメするのが、同じくキングジムの「フラッティワークス ペンケース」だ。

キングジム
フラッティワークス ペンケース
スタンダードサイズ
1100円(税別)

 

こちらは、以前にもこの連載で紹介したバッグインバッグ「フラッティワークス」のペンケース版に当たる。

【関連記事】カオスなカバンにはこれ一つあればいい! キングジム「フラッティワークス」は“絶妙”を体現するバッグインバッグ
https://getnavi.jp/stationery/535720/

 

全体は厚手のしっかりした帆布製で、前面のみがPVCの透明窓という構成なので、チープな印象はほとんど感じられないのではないだろうか。それでいて、大きな透明窓によって、透明ペンケースのメリットである閲覧性は充分にあるわけで、良いとこ取りと言える構成だ。

↑透明窓は前面だけだが、これでも中は充分に視認できる

 

↑マチ幅は約35mmで、中身が入っている状態なら自立も可能

 

パッと見では薄くて容量が足りないような気がするかもしれないが、底面のマチが約35mmもあるため、意外としっかり入る。ボールペンやカラーペンなら10本程度は問題なく飲み込むし、さらに奥側には定規やハサミなどが入るワイドポケットも備えている。よほどゴチャゴチャと持ち歩かない限りは、これで必要充分と言えるんじゃないだろうか。

↑ささやかながら小物の整理ができる内ポケットを備える

 

↑本体裏側にもポケットが。名刺やカード類の一時保管に使えそうだ

 

マグネットスナップ留めのフラップを開くと大きく開口するので、閲覧性の良さと合わせて、中身の取り出しやすさも問題なし。

 

透明ペンケースの閲覧性は魅力的だが、あのツルツルした感じはちょっと……という人には、これが最適解だと思う。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

もうクリアファイルは捨てない、油性マーカーで書いても消せるうえに頑丈な「ReTag by wemo」4アイテムが発売

粘着シート・テープの開発、製造などを手掛けるフィルムメーカーのコスモテックと、デザインと戦略立案を手掛けるkenmaは、油性ボールペンで書いて消せるウェアラブルメモ「wemo」から、新シリーズ「ReTag by wemo」全4アイテムを発売しました。

 

ラインアップは、ドキュメントファイルタイプの「ReTag by wemo ドキュメントファイル」、インデックスファイルタイプの「ReTag by wemo インデックスファイル」、インデックスシールの「ReTag by wemo インデックスシール」、ラベルシールの「ReTag by wemo ラベルシール」を用意。店頭価格はそれぞれ以下のとおりです。

 

ReTag by wemo ドキュメントファイル 418円(税込)
ReTag by wemo インデックスファイル 462円(税込)
ReTag by wemo インデックスシール/Sサイズ4枚入り 550円(税込)
ReTag by wemo ラベルシール/2枚入り 495円(税込)

 

ReTag by wemoは、手に入りやすい一方で、劣化しやすく、すぐに捨てられがちなクリアファイルを、“脱・使い捨て”のサステナブルさと利便性を両立したとうたうシリーズ。どのアイテムも、人気を博したwemo同様、油性マーカーで何度も書いて消すことができます。これにより、何を収納したのか、いつ必要かなどを自由にメモできるといいます。

 

また、シールは再剥離可能な貼って剥がせるタイプのため、繰り返し長く使えるアイテムに仕上がっているそうです。

 

ReTag by wemo ドキュメントファイルは、A4サイズの書類が入るドキュメントファイル。ファイルの厚さが0.5mmと一般的なクリアファイルの約2.5倍厚いうえに、頑丈なため、使い捨てることなく使用できるとしています。

 

↑ReTag by wemo ドキュメントファイル

 

 

ReTag by wemo インデックスファイルも、A4サイズの書類が入る、厚さ0.5mmの不透明ファイル。見出し部分は油性マーカーで書いて消せますが、擦れによって文字が消えることはないため、引き出しや収納ボックスでの活用に適しているといいます。

 

↑ReTag by wemo インデックスファイル

 

 

ReTag by wemo インデックスシールは、ファイルなどに貼りつけられるインデックスシールで、ReTag by wemo ラベルシールはビンやボトルなどの曲面にも貼れるシール。どちらも油性マーカーでメモして消すことができます。

 

↑ReTag by wemo インデックスシール

 

 

↑ReTag by wemo ラベルシール

 

 

「BICオレンジEG」廃盤! その後継ボールペン「クリスタルオリジナルファイン」はファンを納得させられる出来なのか?

2021年7月、文房具業界に大きな衝撃が走った。

 

こんな書き方をしているトピックほど、実際はそう“大きな衝撃”でもないものだが、この衝撃の度合いは、かなり大きかったように思う。それが、フランスの筆記具メーカー、BIC(ビック)が発表した「『オレンジEG』廃番」の報である。

↑名前は知らないまでも、一度はどこかで見たことあるだろう「BIC オレンジEG」。非常にアイコニックなボールペンだ

 

BICのオレンジと言えば、オレンジ色の軸に黒のキャップ式というお馴染みのアレ。1961年に発売されて以来、「世界中で最も販売本数の多いボールペン」とされている製品だ。

 

「オレンジEG」は、そのオレンジのボディに独自の「EG(イージーグライド)インキ」という低粘度油性インクを搭載したモデルで、2011年に発売されて以来、特に低粘度油性ファンの多い日本を中心に売られてきたもの。ただ、海外では売り上げでかなり苦戦をしていたようで、10年目の今年、廃番という結果になってしまった。

 

ちなみに、EGじゃない、1961年発売のオレンジは世界中でまだまだ販売継続中なので、誤解なきよう。

 

オレンジEGの後継、現る!

愛嬌のあるルックスに軽いタッチの「オレンジEG」にはファンも多く、冒頭で述べたように大きな衝撃を受けた人もかなりいたようだ。しかし皆さん、ご安心を。廃番の報とほぼ同時に、後継製品の発表も行われたのである。


BIC
クリスタル オリジナル ファイン0.8(ボール径0.8mm)
100円(税別)

 

その後継製品というのが、BIC「クリスタル オリジナル ファイン」(以下、クリスタルファイン)である。

 

BICが1950年に発売した世界初の使い切り透明軸ボールペン「ビック・クリスタル」と「オレンジ・ビック」をミックスしたような、透明オレンジのボディが特徴となっている。見た目にもすっきりと軽快な印象で、まさに“オレンジの後継”というにふさわしいイメージだ。

↑見た目の変化は、口プラ(リフィルを固定するペン先の蓋)の色と、ボディの透明度が違う程度。グリップ感や重心バランスなども変わらない

 

インクについてはリリース情報では公開されていないが、低粘度油性のEGインキから、従来型の油性インキに戻されているとのこと。※メーカーに確認済み

 

ただ、意外にも筆記感はけっこう軽く、スルスルに近い。あれ、低粘度じゃないBICのインクってこんなに軽かったっけ? と何度か確認してしまったほどだ。

↑レガシーな油性インクながら、書き味のなめらかさはなかなか。ダマも出ず、快適な書き心地といえる

 

書き味に加えて、0.8mmという太めのボール径にも関わらず、ダマが出にくいのもポイント。どうやら、インクフローをかなり上手く調整しているようで(理由は後述)、30分ほどの連続試筆中、一度もダマが発生せずに書き続けることができた。

 

この辺りの性能はさすが、見た目とインクはレガシーでも、機能的には最新のペン! という感じだ。

↑使い切りボールペンではあるが、先端の隙間に爪を入れて引けば、リフィルを抜き出して交換が可能。昔の文房具店には、BICのリフィル抜き用器具が備えてあったという

 

もうひとつ「クリスタルファイン」の特徴となるのが、筆記距離の長さ。なんと従来と比較して1.75倍、線距離にして3.5kmも書き続けられるとのこと。

 

正直、これまで「オレンジEG」を使っていた際にも、「あれ? もうインク切れたけど、早くない?」なんて感じたことはない。というか、分類するとしたら、むしろかなり長持ちするボールペンだったはず。そこからさらに1.75倍というのは、なかなかに驚きの数字だと言えるだろう。

 

実はこの“長距離筆記”こそが、先にも述べた「インクフローを上手く調整」したことで達成されているのだ。無駄なインクを抑制することで筆記距離が伸び、ダマの発生も抑える。これは見事な進化と言えるだろう。

 

↑リフィルも、EGとクリスタルファインは同じサイズ。むしろインクはクリスタルファインの方が少なく見える

 

↑「BICにビックリ!」とバーコードシールまで誇らしげ

 

JIS規格においては、油性ボールペンの筆記距離は300m以上、とされている。つまり、JIS規格で定められた10倍以上の筆記距離が可能というわけだ。

 

ちなみに、これは筆者のざっくり感覚なので正確な数字ではないが、だいたい線距離500mで1万5000文字ぐらい、と換算している。であれば3.5kmは、10万文字以上書けることになる。

 

それでいて価格は100円(税込110円)ということで、単純なコスパの面で言えば、日本で購入できるボールペンとしてはおそらく最強クラスということになりそうだ。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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【菅未里の自腹買い文房具】手帳に必携! ニューノーマルな図柄を効率よく押せるミドリの回転印

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

場所をとらず、効率的な回転印

↑回転印の裏側。押す直前に、自動的にインクが印面につく構造です(写真ではインクパッドが見えるようスライドさせています)

 

私は回転印が好きです。回転印とは、数字や柄などいくつもの印面を回転させることで選べるスタンプですが、印面ユニット自体が“回転”し、インクパッドにタッチしたあとに捺せる(押せる)タイプもあります。

 

通常のスタンプは、押す際にいちいちインクを印面につけなければいけないのですが、つまり後者の回転印なら、自動でインクがつくのです。だから、とても楽です。インクをつけ損なうことも、逆につけすぎて滲むこともないですしね。

 

今回は私が気に入っている、ミドリのデコレーションスタンプ「ペインタブルスタンプ 回転印」(以下、回転印)を紹介しましょう。

 

ミドリ
ペインタブルスタンプ 回転印
1500円(税別)

 

回転印には10種類のモチーフがセットされているので、場所を取らないのも魅力です。これらを通常のスタンプで用意しようと思ったら、10個も必要になってしまいますから。

 

↑たくさんの柄が用意されているのも回転印の魅力です

 

ポンと押すだけで複雑な絵柄が現れる回転印。とても効率的なのがわかります。

 

コロナ時代の“ニューノーマル”を意識した印面

とくに今回ご紹介したいのは、「新しい日常」に対応したバージョンです。

 

これは以前からある回転印に新しく加わった商品。一年ほど前に発売した同シリーズは可愛らしいデザインといい押しやすさといい、「売れそうだな」と感じていたスタンプなのですが、やはり大変な人気で一時は品切れが続いていました。

 

↑たくさんの種類があるミドリの回転印を、いくつも購入してしまいました

 

その人気シリーズから出た「新しい日常」バージョンは、いったい何が「新しい日常」なのかというと、柄ですね。「在宅」「出社」「Takeout」といった、新型コロナウイルス感染拡大以降の社会で、しばしば耳にする単語やモチーフが揃っています。体温測定や、座りっぱなしの生活に欠かせないランニングの柄もありますね。

 

↑コロナ禍の下での生活に必要な柄が、このとおり揃っています

 

ノートや日記、手帳を彩ることができる

これを日記や手帳にポンと押せば、体調管理や日々の記録に便利だというわけです。もちろん手書きでもいいのですが、いちいち書くのは大変ですよね。

 

それから、これは油性インキを採用しているので、押したスタンプの上からマーカーで色を塗り重ねられるのも便利な点です。ノートを彩るのにも向いているでしょう。

 

↑コロナ禍での生活の記録に最適なスタンプです

 

細かいポイントですが、絵柄の線がとても細いのも素晴らしい点です。ここまで精緻な柄のスタンプは貴重です。一般的に精密な柄のスタンプは、インクをつけすぎると紙に印面を押したときに絵柄が潰れてしまうことがありますが、これは内蔵のスタンプパッドで適量がつくので、絵柄が潰れる心配がいりません。不器用な私でも写真のとおり、一度で綺麗に絵柄を押すことができました。

 

ミドリによると、付属のインキパッドで、10種類の柄を約2000回押すことができるそうです。インキがなくなっても補充用も販売されているので、使い捨てずに使い続けることができます。

 

スタンプが得意ではないという不器用さんにもおすすめしたい商品です。

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

書き味はペンと紙の組み合わせ次第! コクヨ「ペルパネプ」で「手書き」の妙味を体感できる

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第11回となる今回は?

 

第11話

コクヨ
ペルパネプ
ペン:143円〜440円(税込)、ノートブック:各990円(税込)

ツルツル、サラサラ、ザラザラの3種類の手触りのノートと、書き心地の異なる3タイプのペンを揃えるシリーズ。ノートはA5サイズだが、開いたときに中央に段差ができにくいフラット製本のため、A4サイズの面としても使える。罫線は3mm方眼や4mm方眼ドットなど全5種類。

 

ペンと紙の相性を趣旨に、デザイン性も妥協なし

ペン好きなら一度は必ず通る「ノート道」。お気に入りのペンに出会ったとき、ではそのポテンシャルを最も引き出せるのはどの紙なのか? それを知りたくなるのは当然の心情と言えましょう。結果、家には書きかけのノートが山積みに。あるいは良い感じのノートや手帳と出会ったとき、その紙にいちばん相応しい筆記具を見つけるべく手元のペンを取っかえ引っかえ、なんて人も多いと思います。

 

そうしたペンと紙の相性に焦点を当てたのが、コクヨの新ブランド「ペルパネプ」。同社が誇る製紙技術で作った質感の異なる3種類のノートと、ゼブラのゲルボールペン「サラサ」、プラチナ万年筆の簡易万年筆「プレピー」、そして自社の極細サインペン「ファインライター」という3本を、白を基調にリデザインしてトータルコーディネート。これは言わば、モノ単体を売っているのではなく、「紙とペンの組み合わせを考えるのって楽しいよね」という概念を売っている、もしくは筆記という行為の解像度を高めるための学習キットとでも言えるでしょう。

 

さらに思わぬ副産物も。それは白いボディで統一された各ペンの見栄えの良さ。どうにも安っぽさが否めない(これは決して悪いことではない)サラサやプレピーのシルエットが、こんなに美しいだなんて、透明軸のときには気づかなかった。コンセプトありきで終わらない、見た目にも使い心地にも配慮が行き届いた、極めて“地肩”の強いプロダクトです。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第9話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第10話】ジェットストリームに迫る滑らかさ! 伊東屋オリジナルのボールペンリフィルは優雅な書き心地で人に勧めたくなる

 

好評の文房具シリーズ「camino」から2022年版スケジュール帳発売、PCに並べて使えるメモサイズのマンスリー A7メモなどを用意

日本ノートは、風合い豊かな表紙素材と書き心地の良さで好評とうたうステーショナリーシリーズ「camino」から、2022年版スケジュール帳「『camino』ダイアリー 2022」を、8月10日に発売しました。ラインアップはマンスリー A7メモ/マンスリー A5/マンスリー B6/マンスリー&ウィークリー B6で、全14商品をそろえます。

 

マンスリー A7メモは、携帯性を重視したメモサイズのスケジュール帳。PCのキーボードに並べて使いやすいよう、フラットな一面で書きやすい糸綴じ製本で仕上げています。また、見開きで1カ月分の日付が載っており、最小限のメモで予定やタスクを記録できるとしています。

 

↑マンスリー A7メモ

 

↑見開き

 

 

マンスリー A5とマンスリー B6は、薄いうえに軽く、持ち運びやすいノートタイプの商品。A5サイズは、ゆったりと書けるストレスフリーなレイアウトを採用しており、B6サイズはたっぷり書けるとしています。

 

↑マンスリー A5

 

↑マンスリー A5の見開き

 

マンスリー&ウィークリー B6は、土日のスペースが充実した、週間ベースのレイアウトを採用。予定はもちろん、ライフログにも使いやすいとしています。また、1日ごとに8~22時の目盛りが付いています。

 

↑マンスリー&ウィークリー B6(バンドタイプ)

 

↑マンスリー&ウィークリー B6の見開き

 

なお、全ラインアップ共通でカレンダーは2年分となっており、期間は2021年10月~2023年1月までです。

 

希望小売価格は、マンスリー A7メモが693円、マンスリー B6が748円、マンスリー A5が858円、マンスリー&ウィークリー B6が1705円(すべて税込み)です。

ジェットストリームに迫る滑らかさ! 伊東屋オリジナルのボールペンリフィルは優雅な書き心地で人に勧めたくなる

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を1点ずつピックアップしている。第10回となる今回は?

 

第10話

ロメオ
ボールペンリフィル easy FLOW
880円(税込)

都内を中心に店舗を展開する文房具店、伊東屋のオリジナルブランドである「ロメオ」のインクリフィル(写真上)。同ブランドの看板商品、「No.3 ボールペン(8800円~/税込・写真下)」専用のリフィルで、低粘度油性インクを使っている。インク色はブラックとブルー。

 

積極的にプレゼントしたくなるほど、いいボールペン

餞別や転職祝いにと、隙あらば知人にボールペンを贈りつけてきた筆者ですが、振り返るとこれまで一番多く選んできたのはたぶんロメオ「No.3 ボールペン」です。

 

金属パーツをあしらったレトロな外見が醸し出す“イイモノ”感、そのわりに価格はそこそこお手ごろなことなどが主なチョイスの理由ですが、実は、中身である別売りの(以前は標準装備だった)「ボールペンリフィル easy FLOW」の素晴らしさをもっと知ってほしい……というのが秘めたる動機だったりもします。

 

2006年の「ジェットストリーム」登場以降、低粘度油性インクが標準の世の中となりましたが、数ある後発インクのなかでもこのeasy FLOWだけが、ジェットストリームインクの持つ「軽さ」に肉薄していると考えています。サラサラと水っぽくしただけのインクにはない、わずかに残ったヌメリ感が独特の滑るような軽やかさを生み出し、0.7mmボールにしては明らかに太く感じる筆記線も相まって、まるで「想像上の理想の海外ボールペン」的な優雅な書き心地を満喫させてくれます(ちなみにロメオは企画が日本の銀座・伊東屋、ボールペンのボディの生産は台湾、easy FLOWはドイツ製)。

 

ともあれ、その実力のわりにイマイチ知名度の低い不遇なインク。もっと世に知らしめるためには、やはり配るしかない……(捨て身の発想)。でも、そういう気にさせるぐらい、いいペンなんですよ。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第8話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第9話】鉛筆の六角軸とシャープペンの快適さ、上質な艶やかさ! イイトコどりしたコクヨ「鉛筆シャープ」は大人こそ使うべき筆記具

サイズも形も気にせず貼るだけ! 磁石を活用した収納ボード「MagEasy」がデスクの整理整頓問題を解決する

卓上の整理収納というのは、本当に頭を抱える難問だ。何が難しいかって、収納対象となる小物が、サイズ・形状・重さ・硬さなどの面で統一感がなさ過ぎる。細長い筆記具があり、ジャラつくゼムクリップがあり、立てるとヘニャっとなるメモ用紙があり、まとめて束ねないと場所をとるケーブルがあり……これらバラバラのものを上手にまとめて収納せねばならないのだから、面倒なことこの上なし。

 

さらに、ペンは立てた状態から抜き出したいとか、ゼムクリップはひとつずつつまみたいといったように、それぞれに適した取り出し方を考慮して収納しないと効率が悪い、というのもまた難しい。

 

一般的にデスクオーガナイザー(卓上小物収納)のほとんどは、ペン立て+多段トレーというタイプが多い。確かに、先に述べたバラバラ過ぎる収納対象をざっくり入れておく方法としてはアリだろう。収納力も見込めるし、トレーに放り込むならある程度のサイズ差は無視できる。

 

ただし、そのままではトレーの中が整理できないし、逆にトレー内部に仕切りが多いと、サイズ差が吸収できない問題が再浮上。結果、どうすりゃいいのかと頭を抱えることになる、という次第だ。

 

ほんと、どうすりゃいいのか?

 

卓上小物は磁石で貼ってしまう、という解決策

これに対する解答のひとつとして、ちょっと面白いと思ったのが、LHiDS CREATIVE(リーズクリエイティブ)の「MagEasy」。ボードを机に立てておいて、そこに磁石内蔵クリップを使って小物をバンバン貼り付けちゃおうぜ! という製品なのだ。

LHiDS CREATIVE(リーズクリエイティブ)
MagEasy 収納スタンド
4980円(税込)

 

なるほど、ボードに貼り付けるのはアリかもしれない。収納量の点ではトレーに比べかなり劣るが、サイズなどの条件を無視して整理できるのは魅力的だ。

 

例えばペグボード(有孔ボード)なんかも同じ発想と言えるが、磁石ボードは穴の位置に収納を左右されず、ボード上の好きな場所に配置できるメリットもある。さらに、着け外しもラク。

 

↑使用例としてはこんな感じ。とりあえず使用頻度の高いものを貼ってしまえば、身の回りがスッキリする

 

↑ボード裏面の足を広げるだけで自立する。思ったより底面が広く取られているので、倒れる心配はなさそうだ

「MagEasy 収納スタンド」は、205×300mmのボード(金属板をPUレザーで包んだもの)と、強力な磁石内蔵のクリップパーツがセットになったもの。このクリップパーツにもさまざまな形状があり、例えばケーブルを束ねられるタイプや、コイン型でゼムクリップなどを貼り付けておけるタイプ、メモやカードを挟んでおけるタイプ、などをラインナップする。

↑「MagEasyボード」に付属するクリップ。まずはこれだけあれば、A4ボードには充分だろう

 

ボードはA4程度なので、さほど大きくはない。使えるのはこの面積だけということなので、収納量的には、やはり物足りない感は否めない。しかしその分スッキリはするし、稼働率の高いレギュラーアイテムに絞って貼っていけば、逆に実用性は高まるはずだ。

 

また、貼ったものは常に“面出し”状態で一目瞭然なのも良い。探す手間が大きく省けるし、使ったものを戻さないとスペースが空いたままになるので、“使いっぱなし”に対する抑止力になるだろう。

 

↑スチール製のキーリングを使えば、鍵束などもピタッとくっつけて保持できる。常に見える位置にキープされていると、紛失のおそれも少ない

 

↑付箋などは、クリップに挟んだまま着け外しする

 

実際に運用してみて特に面白かったのは、磁石による着け外しのラクさである。小物を使いたいときはボードから引っ張ってペリッと外し、戻すときは空いてる場所に当ててパチッと貼るだけ。なにも気を遣う部分がないので、非常に手軽。面倒くさがりで定評ある筆者も、これなら安心して使えるのだ。

 

↑使用頻度の高いペンは、ペン立てに立てておくよりも、貼った方が使いやすい

 

↑100均のマグネットテープを貼るだけで、何でもMagEasy化が可能だ

 

磁力の強さに関しては、一番小さなコイン型のクリップパーツでも、鍵を複数本束ねたキーリングやハサミをしっかり固定できるぐらい。クリップのフチには磁石が入っていないので、そこをつまめばボードから取り外すのも問題ないし、なかなか気を遣った作りにはなっていると思う。

 

また、クリップパーツがうまく適合しなかったり、数量的に足りなかったりする場合は、小物に100均などで売っている磁石テープを貼って使うというのもアリだ。

MagEasyシステムを携帯できる手帳タイプ

ちなみに「MagEasy」には、収納スタンドの他に手帳タイプも発売されている。手帳といっても、A5サイズのカバー付きボードにクリップパーツでメモリフィルを貼っても使えるという話で、つまりは“携帯型MagEasy”と考えたほうが伝わりやすいだろう。


LHiDS CREATIVE(リーズクリエイティブ)
MagEasy 収納手帳
4980円(税込)

 

↑A5版のノートリフィルで運用する「MagEasy 収納手帳」。クリップボードとして使うのももちろんアリだ

 

名刺や付箋、イヤホンといった小物がすっきり収まるし、さらには名刺を挟んだクリップパーツを後からデスクのボードに移動させたり、といった融通が利くのも便利だ。とりあえず貼っておくだけで整理できるので、小物の持ち歩きをスッキリさせる効果は高いと思う。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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これはアイデア商品、ルーズリーフの収納に特化した「ルーズリーフイン」シリーズがキングジムから

↑左がルーズリーフイン ホルダータイプ、右がルーズリーフイン ケースタイプ

 

キングジムは、ルーズリーフの収納に特化した「ルーズリーフイン」シリーズを発表。9月3日から発売します。ラインアップは、「ルーズリーフイン ホルダータイプ」(税込550円)と、「ルーズリーフイン ケースタイプ」(税込429円)をそろえます。

 

キングジムによると、ルーズリーフはバインダーなどのファイルに収納して、分類・閲覧がしやすいため、多くのシーンで利用されているとしています。一方で、リング式のとじ具が採用されたバインダーはかさばるため持ち運びにくいほか、ルーズリーフ単体で持ち運ぶと破損してしまう不満もあるそうです。

 

そこで、とじ具を採用せずにポケットにルーズリーフをはさむだけで収納できるルーズリーフイン ホルダータイプと、ルーズリーフを硬くて丈夫なケースに収納して保護するルーズリーフイン ケースタイプを開発したそうです。

 

ルーズリーフイン ホルダータイプは、4枚のポケットが付いており、1ポケットあたり最大10枚のルーズリーフを収納可能。内容ごとにまとめて分類できます。また、ポケットは透明になっているため、収納したルーズリーフをポケットから取り出すことなく閲覧することができます。

 

ポケットには、フラップとストッパーが付いているため、持ち運ぶ際にルーズリーフが脱落しにくいのも特徴です。さらに、最大60枚のルーズリーフを収納できるマチ付きポケットも付いており、未使用のルーズリーフをストックできます。

 

一方のルーズリーフイン ケースタイプは、ルーズリーフを手軽に収納できるケースタイプのツール。これに入れることで、紙の折れを防止できるとしています。ケースは、上部に付いているフラップを引っかけるだけて簡単に開閉できる設計を採用しているため、ルーズリーフの出し入れもスムーズとのこと。なお、ルーズリーフの収納枚数は最大100枚です。

複数のクリアーホルダーを冊子のようにまとめて収納、キングジムから「ホルサック クリアーホルダーファイル」登場

 

キングジムは8月3日、複数のクリアーホルダーを表紙に差し込むだけで、冊子のように収納できるうえ、中の書類が見やすい「ホルサック クリアーホルダーファイル」を発表。9月3日に発売します。価格は「A4サイズ(クリアーホルダー6枚収納)」が550円(税込)、「A4サイズ(クリアーホルダー12枚収納)」が726円(税込)です。

 

キングジムによると、書類を手軽に収納できるクリアーホルダーは、「書類に穴をあけずに済む」「透明で中身が見える」「かさばらない」などの利点により、多くのシーンで使われているといいます。一方で、複数のクリアーホルダーを管理する際、 まとめて持ち運びにくいという不満もあるそうです。

 

そこで、複数のクリアーホルダーをファイルに差し込むだけで冊子のようにまとめられ、すっきりと持ち運べるホルサック クリアーホルダーファイルを発売するとのこと。

 

 

本体背の部分の「ホルダーストッパー・ポケット」に、クリアーホルダーを差し込むだけで安定してセットが可能。また、クリアーホルダーの開口部をふさがないため、ひとまとめの状態でも書類の閲覧や出し入れがスムーズにできるとしています。

 

 

紙資料を多く扱い、うまく整理整頓したい人ほど重宝しそうです。ホルサック クリアーホルダーファイルを使用して、資料を上手にまとめていきましょう。

キングジム「テプラ」PROの最上位機種が登場、1本のカートリッジでより多くのラベルを印刷できる「PRO SR-R980」

 

キングジムは8月3日、ラベルライター「テプラ」PROの最上位機種として、「PRO SR-R980」を発表。8月27日から発売します。価格は4万6200円(税込)です。

 

テプラは、1988年に国内初の漢字変換が可能なコンパクトラベル作成機として開発された製品です。現在も日本語ラベルライターの国内シェアトップブランドとして、ラベルライターの代名詞になっているとのこと。

 

PRO SR-R980は、従来機種「PRO SR970」に比べて、ラベルを印刷する際の余白を少なくすることで、1本のカートリッジからより多くのラベルを作成可能。8m巻きのカートリッジで約50枚多くラベルを作成できるとしています。

 

 

また、テプラ PROのカートリッジを本体にセットすると、テープの種類を自動で識別する機能を搭載。テープに合わせた印刷フォームや特殊印刷メニューを呼び出し、本体ディスプレイに表示してくれます。これにより、毎回各種設定を一つずつ操作する手間が省け、効率的にラベル作成が可能になるとのこと。

 

 

さらに、連続印刷時にラベルを引き抜くと次のラベルが印刷される「ピック&プリント機能」や、LANケーブルやネットワーク配線機器の管理表示用ラベルに特化した「ケーブルフォーム」機能を搭載しています。

 

 

本体サイズは約幅195×奥行き252×高さ101mmで、重量は約1260g。また仕様は、文章のメモリー容量が約500文字、内蔵辞書はATOKで約14万8000語・8327文字、文字サイズは13段階などとなっています。

 

なお、ネットワーク配線部材メーカーのパンドウイットコーポレーションと共同開発したケーブルフォームに向いているカットラベル(税込6050円から)や、テプラ PRO専用のシステムトランク(税込1万450円)も発売します。

カレンダーやタスク管理にも使える多機能下敷き「Teriw THE BOARD」がMakuakeで人気

 

クラウドファンディングサービス「Makuake」で、多機能下敷き「Teriw THE BOARD」が注目を集めています。

 

Teriw THE BOARDは、ソフトタイプとハードタイプの合成樹脂製シート2枚が圧着された下敷きシートと、薄く弾性に優れた銅板がセットになった製品です。2種類の下敷きシートをシーンに応じて選ぶことで最適なペンの書き味を導き出し、手書きを大切にしながら自己管理までできるとうたっています。

 

 

 

現時点で目標金額に対して1246%の支援を獲得しています。

 

Teriw THE BOARDを使用する際は、下敷きシートを銅板上部のクリップに留まるよう差し入れて装着。その下敷きシートが付いた銅板をノートの下に差し込みます。また、下敷きシートにはリフィルが付いており、リフィルは差し替えが可能です。リフィルのラインアップは、方眼紙のような「ガイドライン」、月間カレンダーのような「マンスリーリフィル」、ノートでタスク管理がしやすい「タスクリストリフィル」をそろえています。

 

 

Teriw THE BOARDはA5サイズとB6サイズをラインアップ。なお、現在Makuakeでは、B6サイズの「Teriw THE BOARD リフィルセット」が4510円(税込)で、A5サイズのTeriw THE BOARD リフィルセットが4840円(税込)で支援を募集しています。そのほかの支援プランもあるので、気になる人はチェックしてみてください。

 

マステは収集から次のフェーズへ! スライドか噛み切りか「マスキングテープカッター」はカットする触感で選ぶべし

マスキングテープ(以下、マステ)がコレクタブルな趣味アイテムとして認知されるようになって、もうずいぶん経つ。主な楽しみ方としては「いろいろな柄を集める」派が主流だが、ここ数年はちょっと風向きが変わって、「積極的に貼って楽しむ」派も、それなりに増えてきているようだ。

 

なにしろ、貯め込むことで収納スペースを圧迫する。置いておく場所が飽和したら「そろそろマステを買うのは止めようか」となるのも当然の話。みんながそうなったら、つまりそこでマステブーム終了である。

 

ということもあって、最近は文房具メーカーがかなり積極的に、マステを消費しやすい製品を発売している。例えば、以前紹介したコクヨ「Bobbin(ボビン)」などは、そういったマステ消費促進システムの最たるものだろう。

 

そういった文房具業界内の事情はさておくとして、そもそも集めるだけでは飽きるのも早いし、やっぱり文房具は使ってこそ楽しい、というもの。そこで今回は、マステを積極的に使うための専用ツールを2点、紹介したい。

 

“スライドして切る”が快適な「クイックテープカッター」

ミドリ「クイックテープカッター」は、5月に発売された最新テープカッターである。マステ周辺のツールは、全体的にやや可愛げというかファンシー感を打ち出し気味なところ、こちらはかなりシャープというか、機械感の強いデザインだ。

ミドリ
クイックテープカッター
968円(税込)

 

まず、マステを内部にセットしたら、本体のスライダーを引く。1回引くとテープが20mmほど出るので、必要な回数だけスライダーを引いたら、あとはテープを吐口上部のカッターに当ててひねれば、スパッと切れる。

 

仕組みとしては、ニチバン「プッシュカット」に非常に近いもの。あれの押しボタン式カッターがない版だと思ってもらえれば、だいたい正解と言えるだろう。切る仕組みが簡略化されている分、作りも「クイックテープカッター」の方がコンパクトだ。

【関連記事】
使う分だけ引き金引いてワンハンドでカット! ニチバンの良作を復刻した「プッシュカット」はやっぱり快適だった

 

↑スライダーをグイッと引くと約20mm分のテープが出てくるので、これを欲しい長さが吐き出されるまで繰り返す

 

↑最後にテープをカッターに押し当てつつひねると、スパッとカット。ギザの細かな金属刃なので、切り口は比較的フラットだ

 

ポイントは、スライダーで連続して同じ長さでテープが切れるという点。壁面にポストカードや写真を貼って飾ったり、ラッピングなどの用途には、テープ長が揃っていた方が見栄えも良い。塗装用(つまり、本来のマスキング用途)に使うにも、おなじ長さのテープを手軽に量産できると効率的なのだ。

 

もちろん、スライダーを引いて露出したテープの端をつまみ、そのまま好きなだけ引き出すこともできるし、逆にスライダを途中で止めて、柄の切れ目のところでのカットも可能である。

↑テープをセットする際は、透明カバーの穴に指を入れて、ケース側の突起に指をかけつつ開く

 

↑テープ端をローラーの▲マークの位置に貼り付けてケースを閉じれば、セット完了

 

搭載できるマステは、テープ幅が12~15mm/芯内径25mm以上/外径54mm未満、となっている。ようするに、だいたい普通サイズのマステなら使える、という感じで問題ないだろう(マステコレクターなら体感的に理解できるはず)。

 

セットの仕方も、本体をカパッと開いてテープを入れて、テープ端を本体に刻まれた▲印まで伸ばしてローラーに貼るだけ。最初はちょっと戸惑うかもしれないが、1-2度やればすぐに慣れるはずだ。

↑キッチン周りでのマステ使用も想定したマグネット。あると意外と便利な機能だ

 

本体にマグネットを内蔵しているので、スチール面に貼っておけるという機能もちょっと嬉しい。食品パックの再封などにマステを使っている人もいるので、普段は冷蔵庫ドアに貼っておけると便利なのである。

サクン! とした切れ味が気持ちいい「マスキングテープカッター」

一方、2020年11月に発売され、文房具総選挙2021にもノミネートされたLIHIT LAB.「マスキングテープカッター」は、色合いやデザインともにかなりファンシー寄り。こちらはいかにもマステ用といった雰囲気のツールだ。

LIHIT LAB.(リヒトラブ)
マスキングテープカッター
363円(税込)

 

セットしたテープを引き出したら、本体をグッと握る。すると先端の大きなギザ刃がテープを噛みちぎるようにしてカット……と文章で表現すると、なかなか非ファンシーな野蛮さである。

 

しかし、実はこの“噛みちぎる”カットの手応えが「マスキングテープカッター」最大のポイントと言える。

↑一見するとワニのような、かなり豪快なギザギザのプラ刃

 

刃がプラ製ということもあって、さほど切れ味が鋭いわけではない。ところが、テープに食い込んで切れる際に手に伝わる「サクン」という感触が、とても気持ちいいのだ。

 

このサクン感を「かわいい手応え」と表現する人もいるが、なるほど、なんか納得できるかもしれない。これを味わうために、ついつい意味なく何度もテープを切ってしまうぐらい楽しいのである。

↑必要な分だけテープを手で引っ張り出したら、ステープラーのようにぐっと握って押し込む

 

↑ピンと張ったテープに尖った刃の先端が刺さって、そこから裂き開いて、最後に切れる。この一連の感触が、かわいい「サクン」だ

 

開発時には、金属製のスパッと鋭く切れる刃を搭載する案もあったはず。そこをあえて、切る手応えを強く感じられる、失礼ながらナマクラ(刃物の切れ味が鈍いさま)なプラ刃をチョイスしているわけで、その考え方はなかなかユニークだ。

 

また、切れ味がナマクラなことで、テープの切り口がギザギザと大きく乱れるのも、味わいとしてアリ。マステでデコレーションをする場合、切り口が鋭くフラットなよりも、いかにもテープっぽい風合いのギザギザな方が好まれるケースもあるのだ。

↑最近こういうのなかなか見ないなー、というくらい派手にギザギザとなった切り口

 

↑テープセットは本体下部のカバーを開いて行う。対応テープは テープ幅15mm以下/芯内径25mm以上/外径54mm未満となっている。

 

同じ長さのテープがスパッと切れるシステマチックなカッターと、サクン感が気持ちよくギザギザに切れる感覚派カッター。どちらが優れているというわけではなくて、どちらも好きに選べるのが素晴らしい。マステ消費ツールもいい感じに成熟してきたなぁ、と感じる次第である。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

初心者でも書き込みやすいコクヨの人気シリーズ「ジブン手帳」に2022年版登場、たくさん書き込めるA5スリムサイズなどが追加

 

コクヨは、ライフログ手帳「ジブン手帳」シリーズの2022年版を発表。新ラインアップも加えて、9月上旬から順次発売します。

 

ジブン手帳シリーズは、毎年好評とうたうライフログ手帳。「一生つかえる」手帳をコンセプトに、自分や家族の長期記録を残す「LIFE」、24時間軸で日々の予定や記録を書き綴る「DIARY」、アイデアを書き記す「IDEA」の3分冊からなっています。

 

好評の理由は、情報の置き場所を緻密に設計したデザインになっているため、初心者でも書き込みやすいうえに、見返しやすい手帳になっているからとのこと。

 

2022年版では、縦軸に24時間軸、横軸に前後の日付と曜日を施すことで今が週のどのあたりか一目でわかる「T型タイムライン」を採用した「ジブン手帳 DAYs」シリーズに、よりたっぷり書けるA5スリムサイズをラインアップ。たくさん書きたい要望に応えたとしています。

 

↑A5スリムサイズのジブン手帳 DAYs

 

↑T型タイムラインを採用したスケジュールページ

 

また、ジブン手帳 DAYsの中紙には薄くて軽いのに裏写りしにくいうえ、消せるボールペンで擦っても紙が波打ちしにくいコクヨオリジナルの「THIN PAPER」を使用しています。このほか、1年の前半(1~6月)と後半(7~12月)の半年分ずつに冊子が分かれているので、重さを気にすることなく携帯できるとのこと。

 

なお、「ジブン手帳Biz」には、性別を問わずビジネスシーンで使いやすい、明るくナチュラルな印象のライトベージュが加わります。

 

↑ブラック、ネイビー、ライトベージュのカラバリをそろえたジブン手帳Biz。一番右は「ジブン手帳Biz 2022 リフィル」です

 

さらに、定番のLIFE・DIARY・IDEAが3冊セットになった「ファーストキット」や、単冊のDIARY、ミニマルな「ジブン手帳Lite mini」など、全33品番がラインアップ。メーカー希望小売価格は2420~4180円(税込)です。

 

また、手帳と一緒に使う小物をひとまとめにできる専用カバーや、よく使うページにアクセスしやすくなるインデックスシールなど、ジブン手帳が使いやすくなる周辺文具「ジブン手帳Goods」も用意。ジブン手帳を購入するのであれば、こちらもチェックしてみましょう。

【菅未里の自腹買い文房具】ペットボトルやプルトップをスムーズに開ける「3機能はさみ」は家に1本置いておきたい!

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

キャップが開かない! を解決する便利なはさみ

ペットボトル飲料を飲むとき、キャップがかたくて開かずに困ることはないでしょうか?

 

困ったことに、私にはよくあります。握力が弱い、それだけの問題でもありません。昨今は新型コロナウイルスが広がっているので、手洗いや消毒の後にハンドクリームをつける機会が増えました。だから、なおさら手が滑って開けにくいのです。同じ悩みをもつ方もいるのではないでしょうか。

 

そこで最近、手放せないのがこのはさみです。

デビカ
3機能はさみ
800円(税別)

 

ペットボトルのキャップの話をしているのに、なぜはさみ? と思われるかもしれませんが、このなにやら個性的な形状のはさみのハンドル部分を見てください。親指を入れる穴がありますよね。ここをペットボトルのキャップに押し付けると……。

 

↑親指を入れている黄色い穴。ここに秘密があります

 

このはさみがもつ3つの機能とは?

ペットボトルの蓋のオープナーになるのです。

↑キャップの上からはさみの穴をかぶせて回せばOK

 

この通り、キャップを開けるときの滑り止めになります。穴周辺がエラストマーになっていて、キャップに食い込むからですね。

↑黄色い部材はエラストマー樹脂で、滑り止めになっています

 

というわけで、今回ご紹介するのはデビカの「3機能はさみ」です。単なるはさみではなく、キャップオープナーとしての機能も備えているというわけです。

 

おや? ①はさみ、②オープナー……1機能足りませんね。

 

はい、さらにもう一つの機能があります。それは、ハンドルのツメを使ったプルタブ起こし。

↑このように、ハンドルのツメを使ってプルタブを開けることもできます

 

私はプルタブを空けることがないので、この機能は普段使っていませんが、缶入り飲料をよく飲む方には便利でしょう。特に、今は手を清潔に保つために爪を深く切っている方も増えていそうなので、そういう方には救世主になりそうです。

 

はさみとしても優秀!

「3機能はさみ」は単に3つの機能を備えているだけではなく、はさみとしても優秀です。刃物の町・岐阜県関市で作られているので切れ味は折り紙付きですし、実はハンドルをスタンドとして自立もするので省スペース。置き場所に困りません。

↑このように自立するのも、収納を考えると高得点。省スペースです

 

はさみの先端が丸いのも安全面を重視する方には良いでしょう。さらには刃先を守るカバーまでついています。お子さんがいる方には喜ばれそうです。

↑先端は丸く、ケガをしにくくなっています

 

非常に持ちやすいユニバーサルデザイン的なハンドルも興味深いですね。

 

リビングやキッチンに置いておくと便利でしょう。このコロナ禍にあって、強い味方になるはずです。

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

オレンジビックの廃盤を悲しんだBICファンへ朗報!後継ボールペン「クリスタル オリジナルファイン」が発売

フランスの世界大手筆記具メーカー「ソシエテ・ビック」の日本法人、BICジャパンは、「オレンジ イージーグライド(オレンジ)」を全世界で廃盤とすることを決定。文房具ファンを悲しませていましたが、早々にその後継となるモデルが発売!

 

1951年に誕生したBICのフラッグシップモデル【ビック・クリスタル】シリーズから、1本のインク筆記距離が3.5km(※)を誇るキャップ式油性ボールペン「クリスタル オリジナルファイン0.8mm」を、7月27日(火)から順次発売開始することを発表しました。
※認証機関 SGS にて筆記距離テスト実証済

ビック
BIC クリスタル オリジナルファイン 0.8黒インク
100円(税別)

 

【SPEC】
インク色:黒 (青・赤インクは2022年春発売を予定)
サイズ:最大径φ13.7mm 全長149mm
重量:5.4g
ボール径:0.8mm
生産国:フランス

 

筆記距離3.5kmの超・長持ちボールペン

ビック独自の高精度な製造プロセスにより、規則的なインクフローを実現。従来のBICオレンジEG(イージーグライド)は筆記距離2kmでしたが、クリスタルオリジナルファインは約1.75倍の3.5km分も使用することができるといいます。400字原稿用紙に換算すると、175枚も書けることに!(1文字5cmの場合)

長持ちすることでゴミの排出を抑えられるだけでなく、1本100円(税別)の手頃な価格で、環境にも財布にも優しいエコなボールペン。本体はインクが見えるクリアな透明軸で、インク残量が見やすく、ビックらしいレトロ感のある握りやすい六角軸が特徴。ボール径は0.8mmで、クラシック油性インクでなめらかな書き心地です。また、フランスのエコラベルであるNF環境マーク(NF400)取得商品となっています。

 

「オレンジビック」廃盤もあらためて発表

同時に、「ビック オレンジEG(イージーグライド)」廃番もあらためて発表されました。

1944年にフランスで設立されたBICは、世界初の使い切りボールペン「ビック・クリスタル」を1950年に販売開始。そして、1961年にはオレンジ軸が特徴の「ビック・オレンジ」が誕生しました。

 

そのデザイン性や価格、書き心地の良さから、瞬く間に“定番のボールペン”として、その地位を確立。誕生から 60年となる2021 年に、在庫限りで廃番となることが決定しました。

 

文房具はただの道具から楽しむ趣味へ! 文具ソムリエールが解説する「女子文具沼」の世界

文房具は、物を書いたり工作したりするための“道具”。仕事でもプライベートでも、暮らしに欠かせない存在です。これまでは、機能や性能に裏打ちされた実用性を追求する文房具が注目を浴びがちでしたが、最近では女性をターゲットにした“カワイイ”文房具=女子文具がたくさん登場しており、もともと文房具に興味がなかった人からも、熱い視線を浴びています。

 

文具ソムリエールの菅未里さんに、最近の文房具トレンドと“女子文具”の魅力について教えていただきました。

 

カラーバリエーション豊かな文房具の時代へ

「文具女子」という言葉が登場したのは、2010年代頃から。もともと万年筆など趣味性が高い文房具ではデザイナブルなものがありましたが、一般的には何かをするための道具にすぎなかった文房具が、この頃を境にシフトチェンジしていったそう。

 

「『文房具が好き』っていう気持ちが理解されない時代があったんです。文房具というと、好きとか嫌いとかいう感情のあるものではなくて、“必要だから買うもの”でしょう? と。『ボールペンが好きで集めているなんて、不思議だね』というところから、少しずつ“文房具を趣味で集める”という感情が世の中に受け入れられていったのが、2010年代後半あたりから。それに呼応するように、“女子用はピンク、男子用は黒か青”と決まりきったカラーリングしかなかった文房具の色に、バリエーションが増えていきました」(文具ソムリエール・菅未里さん、以下同)

 

機能や見た目もさることながら、この10年でもっとも変化があったのは文房具の色。もともとピンクといえばやや子どもっぽい薄ピンク一種類しかなかったものが、グレーピンクやサーモンピンクなどと細分化されていきました。

 

「ピンク色は、もともと人気がありますし、たしかに文房具としても売れ行きのいい色なんです。でも、ひと昔前までは『とりあえずピンクにしただけ』と感じる色味しかなく、物足りないものでした。近年は、メーカーさんが『ピンク色にもさまざまな色味がある』ということ理解して商品を開発されています。たとえばオフィスでも使えるような淡くて柔らかく、あまり目立ちすぎないピンクもあり、仕事の場においても気持ちが明るくなる文房具を選べるようになりました」

 

慣例に逆らって生まれた爆発的ヒット

菅さんが文房具のカラーリングで印象に残っているのは、2016年に発売されたプラスの「Pasty(パスティ)」というクリアファイルシリーズだそう。それまで原色ばかりだったファイルに、淡くかわいらしいパステルカラーのファイルが登場したのです。

 

「女子高生にアンケートを取って商品化したもので、パステルカラー8色で展開されました。ファイルに原色系しかなかったのは、実は商品の陳列棚に大きな関係があるんです。新商品のうちは“面出し”といって、表紙がよく見えるように陳列してもらえるのですが、しばらくたつと棚に背表紙を見せるように並べて販売されます。その際、淡い色では目立ちにくく消費者に選んでもらえない、という懸念から、ファイルは強い色で作られてきたんです。

 

そんな従来の常識を覆したPastyは、女子高生の間で人気となっただけでなく、医療機関からの支持も大きかったといいます。病院や薬局などの内装は淡い色が多いので、その雰囲気に合うファイルとして選ばれたんですね。展開色の選び方も独特で、ピンクもピーチピンク、ラズベリーピンク、チェリーピンクと3色ありました。カラーペンでは数種類のピンクが用意されることがあっても、ファイルで3種類のピンクを発売するのはとても珍しく、画期的な試みだったと思います」

 

2017年に始まった「女子文具博」は右肩上がりの大盛況

↑文具女子博公式サイトより

 

「女子文具博」は、日本最大級の文房具の祭典で、おしゃれな最新文房具を出展メーカーが即売するイベント。2017年にスタートし、今年で5回目となりました。従来、文房具の流通にはメーカーと消費者の間には“問屋”が存在するので、消費者とメーカーがダイレクトにつながる場の創出は、実は業界的に難しいものだったといいます。

 

「そんな中での船出でしたが、1回目から大きな注目を集めて大成功を収めました。2回目からは大手メーカーも参入するようになり、イベントの成功に呼応するように、ますます熱が高まってきています。はじめこそ文房具好きの間で話題になる程度にすぎませんでしたが、今ではもともと文房具が好きだった方以外からも、ただかわいいから集めたい、使いたい、という声が上がっているんです。“文房具が好き”という感情が理解されなかったときを知っている者としては、最近『わたしも文房具好きなんです』って声をかけられることがうれしくて。時代が変わってきたんだなという実感があります」

 

若い世代は文房具とデジタルツールを上手に使い分けている

文具女子博には20~40代くらいの女性が多く足を運んでいるそうですが、気になるのはデジタルネイティブと呼ばれる世代の若年層でも、文房具に注目している人が増えている点です。

 

「文房具の競合はデジタルツールだと思われがちなんですが、実はそんなことはないんです。もちろんスケジューリングやSNSなど、デジタルテクノロジーを難なく使いこなせる年代だと思いますが、一方で文房具にしかない楽しみも知っているんですよね。たとえば仕事の予定などの実用性が必要な部分はデジタルで管理していても、プライベートな予定や日記は手帳に書いたり、シールを貼ったりして楽しんでいることもあります。また、買ったものや“推し”ている文房具を写真に撮り、SNSにアップして共有する……ということもたくさんの方がされていて、文房具というアナログの世界とデジタルを上手に使い分けていらっしゃるんです」

 

2021年の最新「女子文具」トレンド10

それでは今、文房具を楽しむ女性たちの間では、どのような文房具が流行しているのでしょうか? 注目の商品とともに傾向をまとめていただきました。

 

1. 何といっても「メロンソーダ柄」が人気!

2年前あたりから人気色となったのがミントグリーン。“女子なら暖色系”という常識を覆し、現在はグリーンが映えるメロンソーダ柄がトレンドなのだそう。「昭和レトロ柄に流行がきていて、食のトレンドでも純喫茶やレトロな風合いに加工した写真が人気です」

 

マインドウェイブ「マスキングテープ ダイカット メロンクリームソーダ」
360円+税

「トレンドのメロンクリームソーダ柄が、波打つダイカットでさらにかわいくなった商品です。手帳や封筒、便箋などに貼ってデコレーションするのが楽しそう」

 

カミオジャパン「めくってかわってFUSEN クリームソーダ」
380円+税

「24枚入りの付箋は、さまざまな色の絵柄で構成されていて、飽きのこない作りになっています。淡い色でレトロな雰囲気が人気の理由です」

 

2. 各メーカーから出揃った「パン柄」も引き続き好調

トーストのアレンジやメロンパン、あんぱん、フルーツサンドなど、パンをモチーフとした付箋やシールなどが、各社から発売されています。「パン柄の文房具だけを集めている方もいますし、とにかくあらゆるものが発売されています。ちょっとしたメモ帳もパン柄だとうれしくなりますよね」

 

figpolkadot(フィグポルカドット)「パンをスライス出来るカード パンの朝食セット」
365円+税

「イラストレーターやがわまきさんのオリジナルステーショナリー。いろいろなパン柄のものがありますが、パンをスライスできるお楽しみつきがかわいいカードです」

 

figpolkadot(フィグポルカドット)「フルーツサンドラッピングペーパー」
370円+税

「こちらもfigpolkadotのもので、ラッピングに使ったりブックカバーにしたり、さまざまな用途で楽しめるペーパー。ぽってりとしたクリームといちごがおいしそうですよね」

 

3. 和名、くすみなどの「ニュアンスカラー」がブーム

これまでにあったいわゆる色鉛筆のような色味から、くすんだものや複雑な色合いが引き続き根強い人気となっています。
「万年筆のインクブームに象徴されるように、カラーの豊富さは文房具への熱をより高めています。彩度が低く渋みのある和名の色や、絶妙な色が多く、個性がありながらも仕事場でも持ちやすいのがメリットです」

 

カミオジャパン「日本の色見本帖付箋 じゃばら折り」
450円+税

「さまざまなサイズの付箋がひとつにまとまっていて、使い勝手がよいアイテムです。柔らかい色味で仕事でもプライベートでも使えるのがうれしいところ」

 

セーラー万年筆「SHIKIORI ―四季織― マーカー」(全20色)
200円+税(1本)

「春夏秋冬それぞれをイメージした5本のカラーが楽しめる水性マーカーです。春なら若鶯・桜森・夜桜・匂菫・海松藍と微妙で複雑な色合いで、手帳のデザインも楽しめそう」

 

シヤチハタ「いろもよう」(全24色)
650円+税(1色)

「色の名前を見ているだけでもうっとりしてしまうインクパッド。ブルーだけでも、水色、露草色、縹色、浅葱色、瑠璃色と5種類あります。くっきりと乾きやすいのもシヤチハタならではです」

 

4. クリアカラーで中身が見える作りにときめく!

中身が見えるタイプのペンケースは過去にもありましたが、“そうまでして見せたい文具がなかった”というところがこれまでとは違うところ。「今はかわいいペンや付箋などがたくさんあるので、透明なペンケースにして中身を見せたいという気持ちが強くなったんですよね。YouTubeで取り上げられたことから注目を集めています」

 

キングジム「チアーズ ツインペンケース」(全5色)
1250円+税

「人気のPVC素材で作られたペンケースは、マグネットでくっついています。中央からパカッと割るようにひらくことができる部屋構造になっているので、ペンと定規や付箋などを分けて入れられます。かわいい文房具をしまっておきたくなりますよね」

 

ぺんてる「エナージェルインフリー」(全10色)
200円+税

「インクの色が見えるクリアな軸を採用したゲルインクボールペンです。10色展開で鮮やかな色が多いのですが、色味によってはオフィス用にするなど使い分けられます」

 

5. ダイカットでこれまでにない新しいカタチに

ダイカットとは、金属板で作った型(ダイ)を使って、さまざまな形にくり抜くカット方法のこと。従来の直線や曲線で作られたものではなく、キャラクターや柄に合わせた複雑な形の付箋やメモ帳、シールなどがあります。「ダイカットの付箋やマスキングテープは、メモしたり貼ったりという機能的な使い方をするというより、手帳をデコレーションしたり集めたりして楽しんでいる方が多いようです」(写真右下は、前出のマインドウェイブ「マスキングテープ ダイカット メロンクリームソーダ」)

 

キングジム「KITTA トロミ」
480円+税

「マスキングテープですが、ロール状ではなく一枚一枚がカットされていて、使う時はぺたっとシールのように貼れるタイプ。ひとつに3種類のカラーがセットされています。しおり代わりにしたりチェックした部分に貼ったりするのにかわいいダイカットです」

 

ほかにもトレンドのトピックはいろいろ。引き続き菅さんに解説していただきます。

 

6. シリコン素材は汚れが気にならない

布や革製品が多いペンケースも、シリコン素材だとサッと拭きやすく、心地よく使えます。コロナ禍では除菌シートで汚れを拭き取りたい気持ちも現れているのかもしれません。「これまでは、ツルツルした素材で指紋や汚れが気になるものが多かったのですが、ホチキスカバーや穴あけパンチなどでも、指紋がつきにくい素材のものが増えてきています」

 

7. ペンは消えるタイプが優勢!細く描きやすいものがおすすめ

ペンはここしばらく、“消せる”タイプのボールペンが主流となっています。ボールペンというと、以前は油性のイメージだったのが一変しました。「また、細い文字が書けるものが人気で、ペンの胴部分だけでなく、クリップや口金の部分までがクリアカラーになっているペンも人気があります。ペンをクリアカラーにすると、バネや接続部分が見えてしまうので、技術の向上がクリアカラーを実現させたのだと思います」

 

8. キッチン用文具が使い勝手がよく重宝

文房具は通常、仕事や勉強などで使うことを想定していますが、最近ではキッチンで使いやすく役立つ文具がさまざま登場しています。「たとえばお便りやハガキなどをまとめて冷蔵庫に貼れるファイルや、冷凍や冷蔵ができるラベルテープなど、机から離れた場所でも使える文房具が注目されつつあります」

 

9. 子育てをサポートする文具が日常を楽しくする

“書く、貼る”など文房具本来の機能に加えて、ここ3年くらいの間で“子育てをサポートしてくれる”という軸を持った文房具が開発されているそう。「子どもが忘れ物をしないようにするホワイトボードや、うまくスケジュール管理ができるような手帳やノート、お片付けがじょうずにできるファイルなど、お子さんの育ちをサポートする文房具が日々の生活に役立つと人気が出ています」

 

10. 好みのものを作る文具クリエイターにも注目

最近はオンライン販売できる場が多く、個人でも文房具を制作している方が増えてきています。機をとらえて、素早く小ロットで作ることができるのが魅力です。「ペンを作るのは個人には難しいのですが、紙ものやシールなどはデザイン系の方や趣味で作っている方もとても多く、人気のイラストレーターさんや作家さんもいらっしゃいます」

 

 

巣ごもりに在宅ワークと、ライフスタイルや働き方が変わるなか、プライベートはもちろん仕事でも、他人の目線を気にせず自分にとって快適な過ごし方をしたい、というマインドが高まっている昨今。デスクの周りにお気に入りの文房具を取り入れ、自分が満足できる空間や時間を手に入れてみてはいかがでしょうか。

 

【プロフィール】

文具ソムリエール / 菅 未里

大学卒業後、文具好きが高じて雑貨店に就職し文房具売り場担当となる。現在は、商品企画、売場企画、文房具の紹介、コラム執筆、企業コンサルティングなどの活動を行っている。著書に『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。
https://misatokan.jp/profile

 

最終回答は「四角が最強」!コクヨのスティック&液体のり「カクノリ」はその強さを存分に生かす隙のなさだった

基本的に、“糊(のり)”の話はどうしても地味になる。現在のデンプンのりに近いものは、すでに江戸時代に広く普及しており(米を煮て作る「姫糊(ひめのり)」と呼ばれるもの)、明治時代にそれを腐らないよう処理したのが、現在でもお馴染みの「フエキのり」や「ヤマトのり」のルーツだ。

 

この“現在でもお馴染み”という部分が問題で、どうも“進化している感が薄い”のである。つまり、地味。

 

ちなみに、現在の液体のりやスティックのりも、昭和40年代~50年頃に生まれたもの。以降、細かな性能アップは重ねてきたとしても、さほど大きく変わった感はない。ライバルのテープのりが、機構や接着性能などを次々と更新して新製品を打ち出していくのに比べると、やはり受ける印象としては、結局のところ地味なのだ。

 

ただ、そんなレガシーなのりではあるが、普段使わないわけではない。レシートや領収書を貼って管理したり、ノートに学習プリントを貼ったりと、活躍の場はまだまだ多いのである。さらに言えば、目立たないだけで、新製品だってゼロじゃない。実は、きちんと機能的に進化したものが発売されているのだ。

 

四角いのりは“のりの大進化”だった!

のり界における久々のトピックといえば、2019年に発売されたコクヨ「GLOO スティックのり」だろう。スティックのりといえば円筒形……という固定概念を覆す角柱形状。四角い紙のカドにはみ出さず塗れる機能と、角形なのにのり体の乾燥を防ぐ本体機構は、非常に画期的だった。

 

その派生系として2021年3月に発売となったのが、コクヨ「カクノリ スティック/液体」である。

コクヨ
カクノリ
スティックのり120円(税別)/液体のり130円(税別)

 

比較的シンプルで大人っぽいデザインだった「GLOO」に対して、「カクノリ」は明確に小中学生向けを打ち出してきた。デザインはもとより、ボディのグリップ部を細くすることで、子どもの手でも持ちやすいようになっているのが、見た目上の大きなポイントだ。

 

現在のスティック/液体のりユーザーの多くが、プリントをノートに貼って学習用途で使っているのはほぼ疑いないわけで、製品を彼ら向けにチューンするのは、正しいと思う。

 

角(カド)まできっちりと塗れてはみ出さない

角形スティックのりがどう優れているかに関しては、今さら長々と述べる必要もないだろう。誰だって見た瞬間に「あっ、これならカドまできっちりと塗れて、はみ出さないな」と気付くはずだ。

↑後端を回して繰り出す四角いのりは、使い勝手が従来より段違いに良い

 

↑プリントのカドをはみ出さずに済むのが、とにかく快適。のり付け箇所が分かる青色は、乾燥すると透明になる

 

実際に使ってみても、カドまで過不足なく塗れるのは非常に快適。のりのはみ出しによってノートのページ同士まで貼り付いてしまって開かなくなる、という辛い経験をしたことのある人なら、選ぶべきはこれしかない。

 

ここからがコクヨの真骨頂!

ただ、スティックのりの角柱形は、円筒形に比べて気密性を保つのが難しいため、すぐに乾燥してしまうという欠点があった。「GLOO」以前にもいくつか角柱形スティックのりは発売されているのだが、どれも乾燥問題を解決できず、駄目になっていたのである。

↑四角いのり体を円形キャップで包むことで、隙間なく密閉して乾燥を防ぐ

 

それを「キャップ周辺だけ円筒形にする」というシンプルな手段で解決したのが「GLOO」と「カクノリ」。そして同じ手法で液体のりも四角くできるのでは? というのが、「カクノリ 液体のり」だ。

↑これほど直球で「四角い!」と感じさせるスポンジヘッドは珍しい

 

もちろん液体のりジャンルにも、ハケ型ヘッドやシリコンの角型ヘッドなど、カドに塗りやすいヘッド形状の既存製品はいくつかある。ただ、それらはハケやシリコンヘッドの中央に小さなのりの吐口が開いており、そこから染み出た液体のりをヘッド表面に広げて紙に塗るという構造だったのだ(もちろん、乾燥をできる限り防ぐため)。それでは、どうしても塗りムラができるし、のり量のコントロールも難しい。

 

↑スポンジヘッドの裏側。四隅まで液体のりが染み渡る構造だ

 

↑スティックのりと同様、カドがはみ出さない快適なのり付けが可能だ

 

その点、乾燥を気にせずに済むド四角なスポンジヘッドは、圧倒的に強い。ヘッドから均等に染み出す液体のりをズバーッと塗れるので、ムラもなく、かつカドまできっちり行き渡らせられる。これは正直、これまでの液体のりの中でも断トツの使いやすさだ。

 

接着力の強さで言えば、やはりスティックよりも液体の方が上。それでここまで使いやすいのだから、個人的には、カクノリはスティックよりも液体がオススメしたい。

 

オススメしたくなるポイントがもうひとつある

↑押すだけでパコッと簡単に外れる、気持ちのいいキャップ

 

最後にもうひとつ、「カクノリ 液体のり」はキャップもいい。

 

逆さまに立てて置ける先広がり形状なのに加えて、端にあるボタンをつまむように押すだけで、パコッと簡単に外すことができるのだ。文房具マニアの方なら、ゼブラの蛍光マーカー「オプテックス EZ」と同じキャップ構造だ、と言えばピンとくるかもしれない。

 

ベタベタしたのりも手に付きにくく、簡単オープンで快適。キャップを装着する際にもクリック感があるので、保存時にキャップが閉まりきってないという状態にもなりにくい。これはとてもいいものだ。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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思わずコレクションしたくなる、井の頭線の車両を完全再現した鉄道マスキングテープ「TAPE STATION」第2弾

 

鉄道マスキングテープ「TAPE STATION」の第2弾にあたる商品「渋谷駅/井の頭線」が、7月15日に発売されます。価格は660円(税込)です。

 

TAPE STATIONは、テープなどの梱包資材の製造・販売を手掛けるロジファクトが企画し、実際の車両を忠実に再現したとうたう本格マスキングテープ。今回発売される渋谷駅/井の頭線は、東京駅を発着する9路線の車両を再現した第1弾に続く商品です。

 

デザインは京王井の頭線の全7車両を完全再現。フォルムや機構、ドア位置など、細部まで作り込まれています。

 

 

↑実際に京王井の頭線を走る7色の車両を再現したマスキングテープ

 

↑こちらは9路線の車両を再現した第1弾のマスキングテープ

 

↑第1弾のパッケージ。東京駅がデザインに使用されています

 

 

また、パッケージはハチ公の背中が見える渋谷駅のハチ公口を表現。さらに、駅舎から車両が発車するかのようにテープを引き出せる仕組みは、第1弾から継続しています。

 

↑第2弾のパッケージは渋谷駅をデザイン。渋谷で待ち合わせをしたことがあればおなじみの光景です

 

マスキングテープのサイズは全長7mで、幅は20mm。材質は和紙を使用しています。

 

飾るのもいいですし、使って楽しむのも良さそうです。また、ひとつそろえると全色コレクションしたくなりそうな気がします。ちょっとしたお土産にも向いてそうですね。販売は首都圏を中心としたショップや、全国の小売店およびオンラインショップにて。気になる人は実物を見てみるといいかもしれません。

いつもの机をスタンディングデスク化するカウネット「パタスタ」が座りっぱなしの腰痛を解消する!

近頃はずいぶんと仕事が立て込んでしまい、スマホの歩数計で確認すると「77歩」!という日もあったほど。自宅でも、基本的にスマホはポケットに入れっぱなしなので、この歩数はおそらく、仕事机とトイレを何度か往復したのをカウントしたものだろう。

つまりずっと椅子に座りっきりで仕事をしていたわけだが、これがまぁ体に良くない。筆者はかなりの猫背なので、長時間座っているとまず腰がヤラれ、肩甲骨周りが固まり、背骨もきしむ感じ。つまり、ツライ。

↑猫背がひどいので、半日も座っているとたいてい腰から背中がバキバキ。座業の宿命と言えど、かなりの負担だ

 

お世話になっている整骨院の先生には、「1時間に1度は立ってストレッチでもしてください」と言われているが、仕事に追われていると、うっかり数時間ぐらいは平気で経ってしまう。

 

となれば次に考えるのが、いわゆる「スタンディングデスク」の導入である。板面の高い机で立ったまま仕事ができるデスクなら、座りっきりを回避できる。腰痛改善に効くという話もあるので、できれば試してみたいところ。

 

もちろん、狭い家に新たに机を一台新規導入するのは現実的じゃないし、そもそも値段がかなりお高い。では、自宅のテーブルを“スタンディングデスク化”できるツールを使えば、その辺りの問題もクリアできるかも?

 

立て、立つんだ“在宅ワーカー”!

そのスタンディングデスク化ツールというのが、オフィス通販のカウネットから発売されたばかりの「パタスタ」というPCスタンドだ。

 

これが“PCスタンド”というジャンルで語っていいのかどうか、ちょっとわからないのだが、これまでに類似製品のないアイテムなのは、間違いない。

カウネット
WORK FIT HOME スタンディングワーク用PCスタンド パタスタ
4980円(税別)

 

収納形態でのサイズは、小ぶりな座布団ぐらい(425×450mm)となかなか大きめ。とはいっても薄い板状なので、どこかに立てかけておけば、収納場所に困ると言うことはまずないだろう。

 

これをいったん広げ、折り紙を折るようにパタパタと組み立てると、立体的なスタンドに変形するという構造だ。

↑展開状態。畳まれているときは内蔵の磁石でくっついているので、勝手に広がってしまうことはない

 

↑折り目に従って折り曲げたら、スリットに差し込む

 

↑スリットから飛び出した部分のカドを折って、天板を乗せる

 

スタンド形態では、高さは260mm。これをダイニングテーブルや仕事机(だいたい高さ700~720mm)の上に置くと、トータルで高さ1m弱。つまりこれが、PCを置いて立ったまま仕事をするのに程よい高さになるというわけだ。

↑高さ約260mmのPCスタンドの完成。組み立て時間は10秒もかからない

 

ちなみにスタンドの天板面は260×450mm。13インチのノートPCを置いて横が少し余るぐらいの面積があるので、マウスや外付けテンキーなんかも置いて使うことができる。また底面積も板面と同じなので、机にA3のコピー用紙が置けるぐらいの空間が空いていれば、まず設置に問題はないだろう。

 

では、実際に使ってみよう。

立てば腰痛改善、座れば足がラク。交互なら超快適!

正直なところ、最初に見たときは強度的に不安も感じたのだが……使ってみれば、思ったよりはかなりしっかりした印象だ。折って作った柱部分がガッチリ支えてくれているので、左右にねじれるなどの挙動は全く感じられない。天板も端の方に手を乗せるとわずかにたわむが、作業に支障を感じるほどではない。少なくとも、PC作業をするのに充分な強度はあると思う。(ただし、飲み物の入ったコップを置くのはやめた方が無難だ)

↑13インチノートPC+マウス(筆者はトラックボール使用)でジャスト、という面積。個人的には、もうちょっと広いほうが嬉しい

 

↑端に手を乗せてもわずかにたわむぐらいで、作業スペースとしては安心して使えるレベル

 

さて、実際に立って仕事をしてみるとどうかというと、なるほど、これはいいものだ。

↑実際の使用風景。最初は座り体勢との違和感に少し戸惑ったが、5分もすれば慣れた

 

まず背がスッと伸びるので、椅子でバキバキ言ってた腰がかなりラク。腹部が圧迫されて呼吸が浅くなる(座業の猫背あるある)こともないので、集中しやすいというのもメリットだ。もうひとつ、食後でも立っていれば眠気に襲われにくいので、午後も効率が落ちにくいように感じた。

↑筆者(身長175cm)にはやや低いので、下に適当な台(写真下部のオレンジ色のもの)を置いて、高さを調節してみた。この構造では難しいと思うが、できれば高さ調整機能も欲しかったところだ

 

とはいえ、立ち仕事が快適なのはせいぜい30分~45分ぐらい。それ以降は足もだるくなるし、立ちっぱなしも、それはそれで腰痛の原因になり得るのだ。

 

要するに、長時間同じ姿勢でいることが“悪”なのであって、座りも立ちもほどほどが良い、ということ。逆に言えば、椅子に座ってつらくなったら立ち仕事、立ってだるくなったら座り仕事、と切り替えれば、常に快適でいられるわけだ。

 

↑スタンドのナナメ面にふせんを貼ると、うるさくない程度に視界に入るのが良かった

 

ということで特に時間を決めず、自分の体の欲求に従って立ち座りをローテーションしてみると、これがなかなかに快適。なんとなく仕事にリズムができるし、切り替えるごとにちょっとした気分転換にもなる。さらに、立ち仕事を始める前に体側を伸ばすなどの軽いストレッチを挟むこと一週間で、腰痛も確実に軽減した。うーん、これはいいな!

 

もちろん、立ち仕事が合う・合わないも、人によってあるだろう。それを確認する前にスタンディングデスク1台を導入してしまうのはギャンブルとも言える。それが、税込5千円ちょっとで試せるのであれば、合わなくてもギリギリ諦めがつきそうだ。合えばメリットは大きいので、これは試してみる価値があるのではないだろうか。

 

 

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在宅ワークの「机がない!」問題を解決するか?「広々ひざ上デスク」の実力を検証

在宅ワーク中の皆さんは今、どのような場所で作業をしているだろうか? 昨年から、いろいろな人に話を聞いているが、「専用のデスクにPCを置いて、ワークチェアに座った状態」で仕事をしているケースは、意外なほど少ない。

 

「食卓兼用のダイニングテーブルにダイニングチェアで」……なんていうのはなかでも快適な方で、「ローテーブル+床に直座り」や、「ベッドに座ってPCは膝の上」という状態もけっこう普通。

さらに問題なのが、家庭内に複数の在宅ワーカーがいる場合。夫婦ともに家仕事なんてことになれば、当然ながら必要な作業スペースは倍増である。果ては場所の取り合いで家庭内紛争なんて事態も聞くに至って、「家の中に仕事する場所がない」というのは、昨今なかなか切実な問題なのである。

 

かといって、面積の狭いところにデスクとチェアをセットで追加導入する、なんて無理筋もいいところ。それならせめて、デスクだけでもなんとかならないものだろうか?

 

「広々ひざ上デスク」ならその問題、解決できるかも?

座った状態で膝の上にPCを乗せて仕事する場合、困るのは「他に何も乗せられない」ことだ。書類を置いたり、マウスを動かしたりする場所もないわけだから、非効率も甚だしい。

 

ならば、ひとまず「デスクそのものを膝に乗せちゃう」のが、解決策としては手っ取り早いのではないだろうか?

ソニック
ユートリム 広々ひざ上デスク 裏面クッション&アームレスト付
3500円(税込)

 

まさにそういった用途で作られたのが、ソニックの「ユートリム 広々ひざ上デスク 裏面クッション&アームレスト付」(以下、広々ひざ上デスク)である。ざっくり言えば、単なる“板”なのだが、少しでも仕事が快適にできるよう工夫され作られているのだ。

 

まず重要なのが、作業ができる面積。天板サイズは約548×356mmとそこそこ広めで、13インチノートPC+A4書類を並べて置ける。これくらいの広さがあれば、マウスを動かすスペースだって充分に確保できるだろう。

↑そもそも、膝上のPC直置きは不安定なので、無意識の緊張を強いられて疲労感も強い。フラットで安定した天板があるだけで、かなりラクになる

 

↑13インチのノートPCとA4書類を並べた状態。これなら充分に仕事ができそう
↑13インチのノートPCとA4書類を並べた状態。これなら充分に仕事ができそう

 

手元側には、天板が傾いた際にPCがすべり落ちないように、ストッパーが付いている。しかも、このストッパーはクッション素材なので、アームレストも兼用しているのだ。この手の膝上デスクは他メーカーからもあれこれ発売されているが、アームレスト付きは比較的レア。作業中、加熱したPCから手首をちょっと離して休ませられるのは、地味にありがたい。

↑個人的に「加熱したPCに手首乗せっぱなし」が苦手なので、レストがあるのはとても嬉しい

 

端にあるスリットは、筆記具を置いておけるペントレー。膝上デスクは基本的に傾斜ゼロ状態で使われることがないので、ペンが転がり落ちないようにできる置き場がないと、使いにくいのだ。

 

さらに、内側に付属の滑り止めシートを貼れば、スマホやタブレット(最大13.5インチサイズまで対応)を立てるスタンドとしても機能する。スマホも膝上デスクに平置きするとすべり落ちやすいので、こういった場所に固定しておいた方が使いやすい。

↑一時的に筆記具を待避させるためのペントレー

 

↑トレー部に滑り止めシール(3枚セット)を貼れば、スマホ/タブレットスタンドに

 

本体裏面にはクッションが全面に張られているのだが、このクッションが、かたさ・厚みともになかなか“ちょうどいい”感じ。あまりフカフカしすぎていると机が不安定だし、かたすぎると長時間作業の際に膝が痛くなる。個人的には、「広々ひざ上デスク」のクッションがベストに近いバランスだと思う。

 

クッション厚は、ノートPCと自分の距離にダイレクトに影響する部分だが、これも腕が窮屈にならず動かせて、かつ目から遠すぎない。ほどよい印象だ。

↑少しかためのクッションで安定感良好。ただし通気性はさほど良くないので、夏場はやや蒸れそうな気もする

 

↑クッションが厚すぎると、収納時に邪魔になることも。これくらいが、空いた隙間にスッと置いておける限界かもしれない

 

使うコツとしては、デスク面と自分を近づけすぎないこと。先にも述べた通り、近すぎると腕が窮屈になって、肩こりの危険性が高くなるし。疲労しにくい姿勢で作業するには、とにかくデスクを抱え込まないように意識すると良いだろう。

 

また、猫背にならないよう、背もたれ付きの座椅子に深く腰掛けておくのもいい。その上で腕を縮こまらせないような距離を保てば、リラックスして作業ができるはずだ。

 

あくまでも机がない場合の次善策ではあるが、こういったツールを使うことで、場所なし在宅ワークがかなり快適になるのは間違いない。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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普段の梱包はもちろんアウトドアでも重宝する、超薄型の3M「スコッチ 透明梱包用テープ ポータブル」

スリーエム ジャパンは7月9日、ポータブルサイズの梱包用テープ「スコッチ 透明梱包用テープ ポータブル」を、7月15日に発売すると発表。

 

スコッチ 透明梱包用テープ ポータブルは、一般的な梱包用テープの芯の代わりに、厚さ2mmの平板コアを採用したことで、コンパクトで薄い設計を実現。机の引き出しや、高さが確保できなかった場所に収納できるうえ、カバンやポケットにも収まります。これにより、アウトドアや防災グッズとしても活用できるとのこと。

 

 

 

また、テープは刃物を使わず手で切れるため、子どもでも安心して使用可能。さらにテープを引き出す際に不快な音もほとんどしないとしています。

 

ラインナップは48mm×7mの「3852FLT-RD」(参考価格340円/税別)と、48mm×15mの「3852FLT-15-RD」(参考価格565円/税別)をそろえています。

 

スリーエム ジャパンによると、インターネット通販市場の拡大に加え、フリマアプリなどの普及によって、個人間で荷物の発送が増えているそうです。また、梱包用テープは、アウトドアシーンにおいては資材を束ねたり、仮固定したり、道具の応急補修をしたりと、従来から活躍しており、近年のアウトドア人気により、この需要はさらに増えると予想しているとのこと。

 

スコッチ 透明梱包用テープ ポータブルは、こうした市場を意識した商品となっています。持ち運びやすいことで今後はさらに用途が広がるかもしれません。

完成度が高かった初代機をどう超えたのか? 新「クアデルノ」の魅力をCOO竹田弘康さんに直撃

なかなか収束の気配を見せない新型コロナウイルスは、良くも悪くもビジネスの在り方を変えた。世界経済へのマイナス打撃は枚挙にいとまがないが、「これって結構いいんじゃないか?」というプラスの影響もあった。それは、「加速度的な働き方改革の実現」だ。テレワークやオンラインミーティングが一般的になるなど、世の中の仕事環境がある意味強制的にアップデートされたといえるだろう。

 

きっとこれはワクチンが浸透してコロナ禍が収まったのちも、継続される「働き方のニュースタンダード」になるはずだ。顔を突き合わせての会議や満員電車での通勤、究極的には物理的なオフィス空間など、本当に必要だったのかとビジネスパーソン全員が「当たり前」を疑い、より働きやすい世の中の実現へ、手探りで進んでいるのが現状だ。

 

パソコンの企画・開発を主業とする富士通クライアントコンピューティング(以下FCCL)も、ほかの企業同様に、大きく働き方を変えた。だが、FCCLで「クアデルノ」事業を推進するCOO竹田弘康副社長は、まだ現状に満足していないという。

 

「働き方は変わりつつあります。だが、もう一つの理想がある。私はオフィスから紙をなくしたいのです」

 

それを実現しうるツールが、電子ペーパーの新「クアデルノ」だ。2018年末より日本市場デビューを果たした電子ペーパーの第二世代機がついに発売される。果たしてどこが変わったのか。本当に真のペーパーレス時代を叶える乾坤一擲の一撃となりうるのか。

 

竹田弘康副社長に、その意気込みと将来のビジョンをうかがった。

 

――FCCLにおけるコア・コンピタンスは、いうまでもなく「パソコン」だと思います。そのなかで、ある意味キーボードと相容れないツールである「クアデルノ」の立ち位置・役割はどんなものでしょうか。

「おっしゃるとおり、働き方改革に連なり、デジタル・トランスフォーメーションが急速に進むなかで、FCCLのパソコンは市場にとってより重要な位置に置かれています。仕事のやり方がデジタライズしていくなかで、パソコンはとても大きな役割を担っていますが、一方で、ビジネスパーソンの方は、より自分に身近で、感覚的に扱えるツールで仕事をしたい場合がたくさんあると考えています。弊社でも会議などにはみんなパソコンを持って参加するのが当然になりましたが、多くのメンバーは紙のノートも持ってきます。これはやはり、『ちょっとしたメモは手書きで残したい』『手で書くことでアイデアが生まれる』ということだと思うのです。『クアデルノ』は、そんな思考・感覚のアウトプットをサポートするツールであり、パソコンとは役割が違うものと考えています」

 

――竹田さんご自身も「クアデルノ」を愛用されているとのことですが、会議や打ち合わせの在り方に変化はありましたか?

「そうですね。私はもちろんFCCLの役員陣は全員クアデルノを使っているのですが、いまはもう皆、手放せなくなっています。会議や打ち合わせの本質は、『コミュニケーション』ですよね。人と人の間にパソコンを挟んでの対話も珍しくなくなりましたが、話をしながらキーボードを打つというのはやはり対話に集中していない印象になってしまい、場合によってはコミュニケーションの質を下げることにも繋がりうる。その意味で、顔を見ながら書き込めるノートツールの役割は大きいものがあると考えます。ただ、紙のツールにはデメリットもあるのです。環境問題に加え、情報のセキュリティ面での脆弱性が高い。リモートワークが当たり前の時代、自宅やカフェで仕事をする際、情報が詰まった紙のノートなどを持ち歩くのは大変にリスクが大きいと思います」

 

↑インタビューはFCCLのオフィスのプレゼンルームで実施。こうした場所でも、紙資料などが配られるケースは激減しているという

 

――資源を無駄にしない、情報漏洩リスクを制御できる、という二点で、デジタルツールである利点が大きい、ということですね。

「その通りです。また『クアデルノ』は、パソコンを否定するようなものではなく、一緒に使うことを前提として設計されています。PDFファイルを自在に行き来させられますし、手書きの文字を自動で同期保存させることもできます。手書きメモを加えた資料を、パソコンからメールで送付、もしくはクラウドにアップ、というようなことが簡単に行える。手書きのフィーリングを残したまま、デジタルガジェットとしての実力も高い。いわば、『手書きの思考過程』と『パソコンでのアウトプット』を橋渡しするようなツールであると考えています」

 

――2020年から発生した新型コロナウイルス禍が、「クアデルノ」のビジネスに影響を与えた、というようなことはありますか?

「やはり新型コロナウイルスは、『ペーパーレス化』を加速させたと感じています。人が集まる会議は少なくなりテレワークが進むにつれ、パソコンを使った仕事が基本となり、弊社でも会議などで紙資料を配るシーンはほとんどなくなりました。とはいえ、日本の企業においてもテレワーク化が進行したとはいえ、その浸透度はまだ2~3割程度かと感じます。これからもペーパーレス化はまだまだ進むはず。それはすなわち、電子ペーパーにとって、大きな市場性が創出されうる、といえます」

 

――では、2年半ぶりの刷新となった、ニューモデルのことをお聞きします。率直に、新モデルのセールスポイントはどこになりますか?

「まず、コントラストの向上による見やすさの改善、各種操作に対するレスポンスの良化など、基本性能のアップがベースになります。しかし、進化点としてもっともわかりやすいのは『新型ペン』の採用です。ペンが使いやすいかどうかの基準には、大きく3つのポイントがあります。ひとつは『レイテンシ(筆記遅延)』、そして『書き味(摩擦性)』、最後が『視差(ペン先と線のズレ)』です。この3点をアナログの紙とペンの感覚にいかに近づけるかが課題なわけですが、新モデルでは、文教用タブレットで長くご一緒しているワコムさんとタッグを組みました。その最大のポイントが『ワコム デジタイザ』の新搭載です。これにより、素早く、そしてなめらかな線を自在に描けるようになったのです」

 

↑新モデルのタグラインは「A part of your brain」。「アウトプットに至るまでの『思考過程』をサポートするツールだと考えています」(竹田さん)

 

――具体的に、初代モデルとどのような違いが出るのでしょうか。

「初代機は、書きやすさを大きく左右する『視差』を初期設定でチューニングしていたのですが、これだと『クアデルノ』を反対に回転させて描くと、視差がより大きくなるような課題があったのです。実際の紙とペンでは、そのようなことありえませんよね? この改善のためにどうしてもデジタイザが必要でした。加えて、斜めの線もガタつくことなくまっすぐ描けるようになりました。初号機でも、文字は十分きれいに書けました。しかし新モデルでは、図や簡単なイラストなどもストレスなく描けるようになっています。初代が国語のノートだとしたら新モデルは理科のノートに進化した、と想像してもらうとわかりやすいかもしれませんね」

 

――この新「スタイラスペン」は、もう一つ大きな進化ポイントとして、充電が不要になりましたね。

「初号機ユーザーから、その点のリクエストはいただいておりました。やはりペンが人の思考と『クアデルノ』をつなぐポイントであるので、今回は、書き味、使い勝手、ユーザーインターフェイスに相当こだわりましたね。また、こだわりという意味では、新モデルではオプション品として、ドイツの人気筆記具ブランドLAMYさんとのコラボペンも発売します。さらには、リッチな質感を持つ専用カバーもA4、A5それぞれ各2色ご用意しました。これはいわば、『クアデルノ』に機能以上の価値を感じてほしいという思いが込められています。我々が扱っているパソコンは、あくまでツールであり、機能以上の価値を与えづらい。しかし『クアデルノ』は、ペンやカバーで個人の『嗜好性』を満たすことができるはずです。今回はまずLAMYさんとのコラボですが、その先の広がりもちろんイメージしています。電子ペーパーユーザーのなかには、『自分らしいデジタルのペンを持ちたい』と思いを馳せている人が、きっと多いと思います」

 

↑「LAMYさんには、いまの『クアデルノ』にもっともマッチするブランドとしてパートナーになっていただきました。この独特のスタイルに憧れるユーザーはたくさんいると信じています」(竹田さん)

 

――「価格」や「機能」の価値に加え、「感性」へ訴えかける価値も、新モデルでは得られるということですね。反響が楽しみですが、さらにその先、電子ペーパーの未来を竹田副社長はどう見据えていらっしゃいますか。

「元々は、ビジネスユースのペーパーレス化がターゲットの原点だったのですが、初号機は『個人ユース』で新しい発見も多くありました。お母さんがお子さんの勉強ドリルに活用している、という声もいただきましたし、音楽をやっている方が、『楽譜』を『クアデルノ』に入れて持ち運ぶという需要も想像以上にありました。また、私個人も木工家具づくりが趣味なのですが、家具のデザインが思い浮かぶとすぐにラフスケッチを描いておくようになりました。自分自身も仕事以外で『クアデルノ』を使い出しているわけです。すなわち、『書く・読む』という視点だけでも、このように多彩なニーズが広がっています。私たちは、『クアデルノ』単体でネットにつなぐなど、多機能化していく方向は考えていません。掘り下げるべきは『書く・読む』。特に『ペンで書く』という作業に、さらなる深みを与えようと、いま開発を進めています。現時点で詳しくは言えませんが、今回の新モデルは、ファームアップなどで、その点を徐々に進化させていきたい。『書く』という作業が、人の感情を表現できるほど『深さ』を手に入れたとき、はじめて『筆記』のデジタル・トランスフォーメーションが達成されると信じています。ご期待ください」

 

↑竹田副社長が自作したという「クアデルノ」のディスプレイスタンド。ナラ材を切り出し、ロゴを刻印した本格仕様。こちらの販売もFCCLには期待したい

 

富士通クライアントコンピューティング株式会社

執行役員副社長/COO

竹田弘康さん

 

【商品情報】

QUADERNO(Gen.2)

A5サイズ FMVDP51

A4サイズ FMVDP41

ともにオープン価格

 

本物の紙とペンのような「書きやすさ」と「読みやすさ」を実現した、超軽量・薄型電子ペーパーのニューモデル。膨大な資料の取り込み・閲覧、手書きメモやPDFへの書き込みなどが行えるうえ、手書きメモのコピー&ペーストや検索機能などを備え、アナログの良さとデジタルの利便性を両立している。新モデルは「書きやすさ」「読みやすさ」が向上し、さらにそのスマートなルックスも進化しました。『クアデルノ』と一緒に使えるアクセサリーも拡充し、より快適なペーパーレスライフを実現する。

 

公式サイト:https://www.fmworld.net/digital-paper/top.html

ECサイト:https://www.fujitsu-webmart.com/pc/webmart/ui3211.jsp#item

 

撮影/村田 卓

手書きのメモをスマホに同期できるスマホ対応ノート3選

手書きのノートは時間が立つとボロボロになったり、そもそもノート自体を忘れて手元になかったりと、見返すのが大変なときってありませんか?そんなときに便利なのがスマホ対応ノート。スマホ対応ノートは、手書きでノートに書いたものをスマホのカメラで撮影しデジタル化できるというもの。アナログとデジタルのいいとこどりをしたスマホ対応ノートですが、最近は種類が増えているためどれを使えばいいか迷いますよね。そこで今回はスマホ対応のノート3選をご紹介します。

 

目次

 


スマホで手書きのメモをすっきりデジタル化


キングジム ショットノート メモパッド Mサイズ 9101

 

「キングジム ショットノート メモパッド Mサイズ 9101 」は、ショットノートに書いた手書きのメモを専用アプリで撮影すれば、たちまちノートをデジタル画像データとしてデータ化できるメモパッドです。四隅のショットノートマーカーを読み取ることで画像に台形補正がされ、スマホの画面ピッタリの画像データに変換。ちょっとした商談メモや図形のほか、イラストなど、プライベートでも、メモしたレシピや子供のお絵かき等にもスキャナーいらずで簡単に画像データにできます。撮影して取り込んだノートはそのままメールで送ることも可能。また、Evernoteなどに投稿して保存・共有することもできます。

 


受験勉強や資格の勉強をぐんと効率化


ぺんてる スマート単語帳ノート SmaTan 12行 SMS3-C

 

「ぺんてる スマート単語帳ノート SmaTan 12行 SMS3-C 」は、ノートに書いてスマートフォンのアプリで覚えるスマートフォン対応暗記カード作成ノートです。まずはじめに、スマートフォン上に専用アプリ「SmaTan」をダウンロード。アプリ上でカメラを立ち上げ、見開きの状態のノートをかざし撮影。すると、一気に12枚のオリジナル単語カードが出来あがります。ランダム表示や間違えたカードだけを表示するなどの機能で、苦手なところを重点的に学習できる機能付き。満員電車でもカードをめくる作業が要らずストレスがありません。いつでもどこでも受験勉強や資格の勉強をぐんと効率化するアイテムです。

 


専用アプリを使えばデータ編集も可能なスマホ対応ノート


コクヨ メモ帳 スマホノート CamiApp A5 メ-MCA90D

 

「コクヨ メモ帳 スマホノート CamiApp A5 メ-MCA90D」は、読み書きしやすい片面仕様のスマホ対応メモパッド。専用アプリを起動して、カメラでノートを撮影すると、自動で傾きやゆがみを補正してきれいにデータ化されてスキャンできます。そして、データ化されたノートを、タイトル・撮影日・作成日・タグ・コメントで検索しやすく整理。さらに、そのままメールに添付して送ることが可能。また、図形ツールやペンツールで画像を編集でき、見てほしいところを強調したり、見せたくないところにマスクをつけて隠せます。

 

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大事な資料や小物の保存にピッタリ、防塵・防水に優れたキングジムの「クリアーファイル チャックタイプ」

 

キングジムは7月6日、防塵・防水に優れた「クリアーファイル チャックタイプ」を発表。7月30日に発売します。ラインアップはA4サイズ/6ポケット(税込726円)、A4サイズ/12ポケット(税込968円)、A5サイズ/12ポケット(税込748円)をそろえています。

クリアーファイル チャックタイプは、ポケットのサイド部分に密閉性の高いチャックを採用。水や汚れから収納物を守る仕組みです。IP55等級の防塵・防水性能を実現しているため、お風呂での学習や雨の日の書類の持ち運び、粉塵が舞いやすい屋外での書類確認などに適しています。

 

 

また、ポケットは開口部が大きく開く横入れタイプとなっており、チケットや写真などの小さい収納物や厚みのある収納物も出し入れしやすいとのこと。

 

 

綺麗に保存しておきたい書類や資料、小物などを入れておくのに向いていそうです。保存したい物が多い人は手に取ってみてはいかがでしょう。

鉛筆の六角軸とシャープペンの快適さ、上質な艶やかさ! イイトコどりしたコクヨ「鉛筆シャープ」は大人こそ使うべき筆記具

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第9回となる今回は?

 

第9話

コクヨ
鉛筆シャープ
198円(税込)

ペン先に鉛筆を削ったような細かな質感を施した、六角軸のシンプルなシャープペン。ノック部分の穴に直接芯を入れられる「スピードイン機構」を採用している。芯は0.3mm、0.5mm、0.7mm、0.9mm、1.3mmから選べる。

 

分類しがたい絶妙なデザインは、筆記具の新たな可能性

芯の太さはまるで鉛筆。けれど、ノック一発で書き出せる快適さはシャープペンそのもの。そんな鉛筆とシャープペンの良いとこどりをした筆記具が、各社から発売されています。ある製品は木軸で鉛筆らしさを表現、かたやある製品はシャープペン風の見た目ながら太い芯でガシガシ書ける……と、「鉛筆⇔シャープペン」間のどの座標に身を置いているかで、その製品のアイデンティティが透けて見えるのが面白いです。

 

さて、それでは2020年11月に発売されたコクヨの「鉛筆シャープ」はどうでしょうか。

 

ボディは六角軸で鉛筆風、しかし材質は光沢のある艶やかな質感で、これはかなり“非・鉛筆”的。特にブラックモデルはカドのエッジが際立ち、タイトでキリッと引き締まった凛々しい外見で、これは既存のシャープペンにはなかなかない凜々しさ。大人の普段使いにもイケるデザインだと思うのですが、皆さんどうでしょうか。

 

ふと思い出したのは、ユーザーインターフェースの世界で使われる「フラットデザイン」という考え方です。例えばスマホのアイコンなら、昔は見た目を既存のモチーフに寄せることで機能の説明をしていたのに対し、フラットデザインでは元イメージから距離を取り、抽象的でシンプルな見た目を指向しています。それに倣って言えば、本製品は、言わば「フラットデザイン的筆記具」。実は新しい座標に置くべき筆記具かもしれません。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第7話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第8話】万年筆入門にうってつけ!丸くカーブしたペン先が特徴のミドリ「MD万年筆」

https://getnavi.jp/stationery/551859/

衛生面でも安心! 書類や写真を傷や汚れから守る「ラミネートフィルム」5選

飲食店や書店などで見かけるラミネート加工されたメニュー表やポップ。ラミネート加工は、薄いフィルムで紙や写真を挟んで圧着させることで、水濡れや汚れ、劣化から守るというメリットがあります。また、アルコールシートなどでサッと拭いて消毒できるようになるので、衛生面でもオススメ。今回は、ラミネーターと合わせて使うフィルムから手貼りできるものまで、あると便利なラミネートフィルムをご紹介します。

 

目次

 


紫外線約70%カットで鮮やかさ長持ち!


Bonsaii ラミネートフィルム A4 LP100

紫外線を約70%カットし、用紙を日焼けから守る効果が高いA4サイズのラミネートフィルム。インクジェットプリンターインク・レーザープリンターインク・モノクロコピー・オフセットなどの印刷色や写真の鮮やかさを長持ちさせます。水や油、薬品に強いプラスチックフィルムで、燃焼しても、有害な物質が発生しません。

【詳細情報】
サイズ:216×303mm
内容量:100枚入

 


リピーターからの支持も厚いラミネートフィルム


アイリスオーヤマ ラミネートフィルム 100μm A4 LZ-A4100

用紙にツヤと張りを出し、水や汚れをしっかりガードするA4サイズのラミネートフィルム。ほどよい厚さの100μm厚なので、写真やパンフレットなどの仕上げに最適です。

【詳細情報】
サイズ(約):21.6×30.3cm
内容量:100枚入

 


ラミネートの余り部分が出ないジャストサイズ加工!


ナカバヤシ ラミネートフィルム A4 LPR-A4E2

従来のナカバヤシが手がけたPETベースのフィルム(Eタイプ)に比べると、サイズ的な余裕を省き、原稿に対しジャストサイズに加工されているので、ラミネートの余り部分が邪魔になりません。また焼却しても有害物質が発生しない、地球環境に優しいラミネートフィルムです。水や汚れに強く、油性マジックならフィルム面に書き込んでもきちんと定着して落ちません。

【詳細情報】
サイズ:216×303mm
内容量:100枚入

 


作業性を高める静電防止フィルム!


アスカ ラミネートフィルム A4 F1026

静電防止フィルムなので、用紙の位置を微修正するときにフィルムがくっつくことがなく、ほこりやゴミも付着しにくくなっています。3層構造できれいな仕上りに。エコフィルムだから燃焼しても塩化水素ガスが発生しません。

【詳細情報】
サイズ:216×303mm
内容量:100枚入

 


書類を傷や汚れから守るスタンダードなフィルム


GBC ラミネートフィルム LFM-R100A4

光沢感のある仕上がりで、書類や写真を傷や汚れから守るA4サイズのラミネートフィルム。写真の色あせを防いで美しく保管できます。スタンダードな100μmタイプ。

【詳細情報】
サイズ:216×303mm
内容量:100枚入

 

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せなけいこさんの「ねないこだれだ」などをポップにデザインしたステーショナリーシリーズが発売

学研ステイフルは、絵本作家・せなけいこさんの作品を取り入れたデザインのステーショナリーシリーズを6月28日に発売しました。

 

ステーショナリーシリーズは、せなけいこさんの代表作とも言える「ねないこだれだ」「めがねうさぎ」をはじめ、人気の作品をカラフルかつポップなデザインにして取り入れています。

 

 

商品はメモ帳(税込418円)、透明マスキングテープ(税込440円)、パックレター(税込528円)、巾着(税込1100円)など。

 

↑絵本のような表紙に仕立てられたメモ帳 ©Keiko Sena ©せなけいこ/ポプラ社

 

↑4つの柄をそろえる透明マスキングテープ ©Keiko Sena ©せなけいこ/ポプラ社

 

↑封筒の内側に、かわいい「おばけ」や「めがねうさぎ」が印刷されたパックレター ©Keiko Sena ©せなけいこ/ポプラ社

 

↑キャラクターが目立ってかわいい巾着。大きめのサイズで物を入れやすいのもポイントです ©Keiko Sena ©せなけいこ/ポプラ社

 

せなけいこさんの絵本を子どもの頃に何度も読み聞かせてもらったという人は多いはず。そんな絵本の独特な世界観を楽しめるアイテムです。昔ファンだった人やデザインが気に入った人はそろえてみてはいかがでしょうか。

開梱から個人情報保護までこれ1つ!新「ローラーケシポン」は段ボールの解体にも力を発揮した

筆者は普段、生鮮食品以外の物品購入のほとんどを、通販に頼った生活をしている。仕事柄メーカーにお願いした製品レビュー用のサンプルも届くし、フリマアプリで購入したあれこれも届く。エブリデイ、荷物が届く。ここまででなくとも、昨今は誰もが、以前より宅配で荷物が届く頻度が多くなっているのではないだろうか。

 

そうなると意外と面倒なのが、届いた荷物に貼られている宛名ラベルの処理である。ラベルを剥がさないままで段ボールを資源ゴミに出すのは、個人情報漏洩につながるなどいろいろと怖い。ところがアレ、カリカリちまちまと爪でひっかいて剥がすのは面倒くさいし、思ったように剥がれてもくれないのだ。

 

であれば、我々にとって必要なのは、宛名ラベルの「ここから剥がれます」という親切めかしたウソ(だいたい剥がれない)なんかじゃない。コロコロッと簡単に個人情報を消せる、真に親切なスタンプではないだろうか。

 

コロコロッと手早く個人情報を保護できる「ローラーケシポン」に新作登場

通販を多用している経験上、あの宛名ラベルをきちんと剥がすのは労力の無駄、ということは分かっている。だから筆者は、ローラータイプの情報保護スタンプを宛名の上から捺すことにしている。ラベルは剥がして廃棄するのではなく、貼ったままで読み取れなくしてしまうのが、一番ラクなのだ。

 

で、その個人情報保護スタンプの最新アイテムとしてこの6月に発売されたのが、プラス「ローラーケシポン 箱用オープナー」だ。

プラス
ローラーケシポン 箱用オープナー
1000円(税

 

新製品を紹介する前に、「個人情報保護スタンプ」の説明をしておこう。

 

宛名ラベルや郵便物などに印刷された内容は、例えば油性マーカーなどで黒く塗り潰しても、意外と読み取れてしまう。ところが、上から特殊な文字パターンを捺印すると、あら不思議。これだけで非常に読み取りづらくなってしまうのである(頑張れば読めてしまう可能性もあるが、個人情報抜き取りに対する抑止力としては充分)。

 

この文字パターンは、メーカー各社でいろいろと工夫があるところだが、特にプラスの文字パターンは認識阻害効果が大きく、優秀だと感じる。さらに、宛名の長さに合わせてローラーを転がし捺印できるローラータイプの「ローラーケシポン」シリーズは汎用性が高く、実用的だ。

↑宛名ラベルの隠したいところに転がすだけで、もう簡単には読み取れない

 

ただ、感熱紙やコート紙ラベルに使うとインクの乾燥が遅くなるため、しばらく放置しても、こするとスレ汚れが発生したり、文字パターンが崩れて宛名が再び読めるようになったりする。これはちょっと残念なポイントだった。

 

ところが新しい「ローラーケシポン 箱用オープナー」は、新開発のインクを採用。従来苦手としていた“インクをはじきがちな紙”にも、確実に捺印できるようになっているのだ。個人からの発送でもないかぎり、最近は感熱タイプの宛名ラベルがほとんど。それにきちんと対応してくれたわけだから、これはまさに“待望していたヤツ”と言える。

↑感熱紙ラベルの場合、従来インク(右)はそもそも乗り切らずに薄いし、こするとスレが発生。一方の新インク(左)は確実に隠蔽力を発揮している

 

使う際は、キャップを30度ほど回して外し、露出したローラー面を消したい部分に乗せてコロコロと転がすだけとシンプルだ。ちなみにローラー幅は26mm。だいたいの宛名面は、1回コロコロするだけでカバーできる。

↑使う時は、底部のキャップを軽くひねって外す。簡単なのだが、キャップレスのほうが嬉しかったな……

 

気になったのは、キャップの部分だ。従来のローラーケシポンシリーズは、ボタンを押すだけでキャップが開いてローラーが出てくるノック式(戻すのもワンノック)だったので、ローラーケシポン 箱用オープナーでは、わざわざキャップを着け外しする手間が増えてしまった。

 

とはいえ、ノック式じゃなくなったのは、次の項で述べる新ツールの搭載が要因なので、一概に悪いとは言い難いのだけれど。

 

開梱と情報保護は、同時に片付くと手間がない

その新ツールというのは、名前に「箱用オープナー」とある通り、開梱用のオープナーのこと。持ち手から金属製のつまみを掴んで引き上げると、折りたたみナイフのようにオープナーが出てくるので、これを段ボールの合わせ目に入れて開梱するという仕組みだ。

↑本体上部に内蔵された金属製のオープナー。刃長は約25mmと、オープナーとしてはかなり大きめ

 

荷物が届いたら、まず宛名ラベルをコロコロッと消し、それから“段ボールノコ”のようなギザ刃のオープナーを段ボールの合わせ目に突き刺して開梱。

 

この手順で済ませてしまえば、あとでゴミを出す際にモタモタしなくても済むというわけ。その点、オープナーと情報保護スタンプのセットという組み合わせは、なかなか理にかなっている。

↑届いた荷物は、まず最初にコロコロッとして個人情報を隠す

 

↑で、サクサクと開梱。セットで行えば面倒くささは感じない

 

ただ個人的には、このオープナー部はちょっと鋭すぎるようにも感じた。段ボールノコのような刃は、割と簡単に段ボールに切り込んでしまうので、梱包テープだけを切るのは意外と難しいのだ。

 

一方で、まさにノコのように使ってダンボールの解体もできるというのは、逆にありがたいという捉え方もできる。大きめの箱をバラしてゴミに出しやすくまとめると、やっぱりラクなのだ。

↑刃の収納は、上部のロックを押し込みつつ戻す。もしネバネバした粘着が刃に残っていたら、この時点で拭いておくこと

 

あとひとつ、ギザ刃にテープの粘着成分が残りやすいというのも、やや残念だった。これはできれば、フッ素コートのような非粘着仕様にして欲しかったところである。

 

とはいえ現時点では、開梱と情報保護が同時にできるというのはかなり便利。現時点でどちらのツールも持っていないのであれば、これ1個買ってしまえば済むのだから。

 

 

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いわば「メモ用紙専用の掲示板」!リヒトラブの「メモスタンド」が在宅ワークに超便利でした

この1年で、仕事の何が変わったかといえば、「打ち合わせの大半がZoomなどのオンライン会議になった」ことだろう。もちろん業種によっても違うだろうが、少なくとも筆者(フリーランスのライター)の場合、これが最も大きな変化だ。実のところ、オンライン会議中の微妙なラグが苦手ではあるけれど、それでも先方に出向く際の少なからぬ移動時間と交通費が発生しないのは、嬉しいところ。

 

ところで、そのオンライン会議によって、日常使いの文房具構成もちょっと変わってきた。従来の顔を突き合わせての打ち合わせでは、カバンに常に入っているA5ノートで議事録的なメモを取っていたが、オンライン会議の場合、すでにPCが乗っている狭い机上では、A5ノートですら邪魔になる。

 

ということで、A7前後のいわゆるハンドメモサイズが活躍する機会が、だいぶ増えたのである。これくらいが結局、ちょうどいい。

 

で、机上でハンドメモを多用するのであれば! ということで導入した“とあるツール”が案の定、めちゃくちゃ役に立っているのだ。同じく在宅ワークでメモ帳を多用している人には響きそうな気がするので、ぜひ紹介しておきたい。

 

メモ帳の情報が常に視界に入ってくる「メモスタンド」

そのツールというのが、リヒトラブの「メモスタンド」。ざっくりと言えば「メモ用紙専用の掲示板」という感じだろうか。ここに、普段使いのメモ帳とメモした情報が集約されることになるのだ。

LIHIT LAB.(リヒトラブ)
メモスタンド
680円(税別)

 

自立するスタンドボードの上辺には、クシのような突起が何本も突き出して並んでいる。まずスタンバイ状態にするために、ボード付属の「ツイストノート メモサイズ」のリング部分を、このクシ歯にひっかける。場所はどこでもいいが、使いやすいのは左右どちらかの端だろう。ちなみに使用するメモ帳は、同社の「ツイストリング」を使用しているものが前提となる。

↑並んだクシ歯にツイストノートメモのリング(ヒンジ部分)をひっかけると……

 

↑このような感じでメモ帳を固定できる。ひっかけたまま、めくったページを裏側に回すこともできる

 

オンライン会議で、メモを取らなきゃ!となった場合、クシ歯からひょいとメモ帳を外して取り出し、メモをとる。打ち合わせが終わったら、そのメモを取ったページをめくったまま、クシ歯にかけ直す。

 

これなら、机上にメモ帳を広げたままでなくとも、情報が視界に常に入ってくるという仕組みだ。こうやってメモ帳の“住所”を確定しておくだけでも、いざなにか書き取ることになった際に、メモ帳を探してゴソゴソ周囲をかき回す必要もなくなる。

↑さらに、リングを開いてページを取り出したら……

 

↑ひっかけたメモ帳の隣にストック

 

ただ、ハンドメモは当然ながら、だいたいのノートよりも面積が狭い。書き続けていくに従って、ページがどんどん進んでいくので、後から必要な情報にアクセスしたいと思ったら、それだけページをめくって戻らなければならないことになる。後から必要になるはずのページは、取り出して保存しておくのが便利だろう。

 

では、どうするか? メモ帳のリングをパカッと開いて大事な情報のページを取り出したら、それもリング穴をクシ歯にかけておくだけでいい。リング穴を破らずにページを抜き差しできる「ツイストノート」のメリットが、ここで活きてくるのだ。

 

↑メモ帳+メモページ単体+付箋ボードの使用例。書き取った情報が1か所に集約されているのは、それだけでありがたい

 

ボード自体の横幅は「ツイストノート メモサイズ」が3面並ぶサイズなので、つまりはメモ帳本体とは別に2ページ分の情報が掲示できることになる。

 

例えば、メモ帳+今日のToDoリスト+掲示しておきたい情報、みたいな使い方でもいいし、もしくは1ページ分を余らせておき、そこを付箋貼り付けボードとして使うのもアリ。

 

何にせよ、知りたい情報が常に視界に入っている、という状態が重要なのだ。

↑本体両端はペンスタンド。浅めで安定感はそんなによくないが、あればそれなりにありがたい

 

あと、地味にありがたいのが、三角柱のボード内側がペンスタンドとして使えるという部分。メモとペンは確実にセットで使うのだから、同じ住所で同居してもらうのが最も確実なのである。

 

在宅ワーク中、気分を変えてちょっと違う部屋で仕事をしようかな? という場合でも、このボードごと持って移動すれば、必要な情報・メモ帳・ペンがまるごと付いてくるので、なかなかにラクだ。

 

自分で“改造”してスマホスタンドにも!

↑ちょっと改造してスマホスタンド兼用に。ペンスタンド内にオモリ(石ころでもなんでも)を入れておくと安定する

 

ちなみに筆者は、このボードをちょっと改造して、右端にスマホを立てかけられるようにしてある。「ツイストノート メモサイズ」とiPhone 12 Pro Maxの横幅がほぼ同じくらいなので、面の埋まり方がしっくりくるのだ。スチレンボードを切って組むだけの簡単改造なのだが、これもまた便利である。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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【菅未里の自腹買い文房具】キングジム「ハルファイル」は冷蔵庫に貼りたい書類をまとめてホワイトボードにもなるファイル

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

今回はキッチン、とくに冷蔵庫周りで散らかりがちな書類を、いつでも見やすくスッキリ整理できる高機能なファイル。

 

キッチン、とくに冷蔵庫周りの書類を片付けるには?

冷蔵庫の周囲が混沌(こんとん)としている人は多いのではないでしょうか? チラシやダイレクトメール、お子さんがいるなら学校からのお知らせなど、こまごまとした書類が集まりやすいのがキッチン、特に冷蔵庫周りです。

 

そういった書類を、冷蔵庫の扉にマグネットで貼っている人も多そうですが、あまりおすすめできる方法ではありません。紙が重なるので見づらいですし、めくろうとしてマグネットやまとめた書類が落ちてしまったり、とにかく混乱の元です。

 

とはいえ、キッチンに書類が集まるのは、そこでまとめれば便利だからですよね。それなら、何とかしてキッチンでの書類を整理し、使いやすく見やすくしよう……そんな文房具があるのです。

 

冷蔵庫に貼り付くファイル「ハルファイル」

それが、キングジムの「ハルファイル」です。一言で表現すると、吸盤で冷蔵庫などに貼り付けられるファイルなのですが、実際に使っている立場からすると、とても便利です。

↑キングジムの「ハルファイル」(写真は「ハルファイル スタンダード A4変形」)。冷蔵庫に貼り付けることができます

 

キングジム
ハルファイル
800円〜1400円(税別)

 

サイズ・形には4種類ありますが、いずれも書類を収納するポケットがサイズ違いで複数用意されているので、書類を分類して入れられます。ごちゃごちゃしません。とくに、小さめの葉書や領収書を入れるスペースもあるのは、重要な点です。

↑開くと、たくさんの収納スペースが現れます

 

また、4種類あるうちの「スタンダード」(1400円・税別)、「スリム」(800円・税別)、「クリップ」(1200円・税別)は見開き形式になっていて、ガバッと開いた状態で貼れるのもポイント。ハルファイルに入れた雑誌のレシピの切り抜きを見ながら料理をする……といった芸当もできます。

 

簡易ホワイトボードとしても使える

それなら、最初から見開きで貼っておいたほうがいいのでは? と思われるかもしれませんが、実は、閉じたときにしか使えないもう一つの機能があるのです。それが、ホワイトボード。

↑ホワイトボードとしても使える表紙。ちょっとしたメモに便利です

 

このように、表紙がホワイトボードになっているのです。買い物リストに入れるべき食品や、ちょっとしたTODO、家族への伝言など、キッチンでメモが必要になる場面は少なくないはず。そんなときに活躍してくれます。

 

しかも、小さい「ポケット」(1000円・税別)以外は、ペンホルダーまでついていますから、本当に文字通り、小さなホワイトボードとして活躍してくれるのです。

↑ペンホルダーまで用意されています(「ポケット」タイプを除く)。文字通りホワイトボードなのです

 

取り付け方も多様

吸盤で貼れると書きましたが、吸盤以外にも、別売りのマグネットを取り付ければ冷蔵庫や金属のドアなどに貼ることもできますし、紐を通す穴も開いていますから、壁掛けで使うこともできます。キッチンに限らず、家中のどこでも設置できそうですね。

↑付属の吸盤や、ひもを使って壁などに吊るしたり、貼り付けることも可能です

 

大小さまざまな書類が入れられて、ホワイトボードにもなる。これひとつを設置するだけで、その周囲が小さなオフィスになるような気の利いたアイテムです。

↑ごちゃごちゃしがちな冷蔵庫周りも、これでスッキリ整理できるでしょう

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
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第二世代になった「クアデルノ」はどう進化した? 商品企画担当の「こだわり」

ノートパソコンやタブレットではなく、紙に向かってじっくりと思考したいーーそう考えるビジネスパーソンに絶大な支持を得ている電子デバイスをご存じですか?それは富士通クライアントコンピューティングの電子ペーパー、「QUADERNO(クアデルノ)」です。

↑電子ペーパー「QUADERNO (Gen. 2)」(左がA4サイズ、右がA5サイズ)

 

クアデルノは2018年12月に販売を開始、その薄さと軽さ、そして書き心地の良さが評価され、ビジネスパーソンが手帳の代わりとして使い始めました。その後ソフトのアップデートを経つつ、その使い勝手の良さからビジネス用途以外にも使われるようになり、勉強やイラストのラフ書き、リモート会議中のメモ書きへと活用シーンが拡がっています。

 

そのクアデルノが2021年6月にハードウェアを一新し、大きな進化を遂げました。生まれ変わった「QUADERNO (Gen. 2)」の魅力と開発にあたっての指針について、コンシューマ事業本部 マーケティング支援統括部 松下季氏、小池泰弘氏に話を伺いました。

↑小池泰弘氏(左)、松下季氏(右)

 

純増パーツの重さを開発とデザイナーがカバー

新クアデルノのもっとも大きな進化は、ワコムのデジタイザを搭載したこと。これにより、ペンで書く際のレイテンシー(遅延)が改善され約30%スピードアップ。さらに、専用ペンがバッテリレスになり、充電をする必要がなくなりました。

 

「デジタイザにより、曲線や斜め線が従来よりもなめらかに書けるようになりました。さらに垂直気味に書いても、寝かせ気味に書いても傾きを検知して補正をかけるため、本体を縦・横どちらにしても、どの方向から書いてもなめらかに書くことができます。これにより、旧モデルでは必要だった右利き、左利きの設定も不要になりました」(松下氏)

↑旧モデルより線がなめらかに。また、本体が縦・横どちらでも

 

デジタイザによるメリットの一方で、苦労した点も。

 

「デジタイザを搭載したことで単純にパーツが増えたため、重さや厚さもその分増えてしまいそうでした。しかし、クアデルノの良さは薄くて軽いこと。ユーザーの皆さんからも薄さと軽さは維持してほしいという要望が寄せられていましたので、開発に無理をお願いして何とか軽さを維持するように頑張ってもらいました。デザイナーにも、持ったときに薄さを感じるようにエッジを工夫してもらうなど、薄さと軽さにはこだわっています」(松下氏)

↑商品企画を担当した松下氏

 

その結果、厚みに関しては旧モデルと比較してA4サイズが約0.2mm薄くなっており、A5サイズは同じ厚みを維持。重さは、A4が約18g、A5が約10g重くなっていますが、本来は50gほど重くなってしまうところを最小限に抑えたとのこと。さらに、アクセサリーを軽量化することで、ペンとカバー、そしてクアデルノを足したときの総量は約100g軽くなっているそうです。

↑アクセサリーを付けた総量は軽くなった

 

クアデルノらしい機能のみを選択

クアデルノはメモを取る、または取り込んだPDFにメモを上書きするなど、ビジネスシーンでよく使われていましたが、ユーザー層が拡大するにつれて、プライベートでも利用もされることが増えたそう。今後もビジネスパーソンがメインターゲットではあるものの、英語を学ぶ人や資格を取りたい人、ペーパーレスで自宅やシェアオフィスを行き来するテレワーカー、サスティナブルな生活を送りたい20~30代女性にも訴求してきたいそうです。

 

となると、タブレットのように機能を拡充していくことがユーザーの要望になりそうですが、調査ではそういった声は挙がってこなかったとのこと。

 

「クアデルノのユーザーはビジネスにもプライベートにも意欲的で、最新ガジェットにも強い人が多い。でも、クアデルノに余計なことをしてくれるなという要望が多いんです。カメラはスマホにあるし、メールはタブレットで読めます。商品企画としては、新モデルでいかに使いやすく進化させ、お客様のニーズに応えるかというところが非常に難しかったですね。将来のアップデートまで見据えて、何度も議論を重ねました」(松下氏)

↑第2世代を開発するにあたり、どのように進化させるか、ユーザーの声をもとに議論を重ねたそう

 

新クアデルノでは、ラフデザインや綺麗な文字を書くことなど、通常の文具と同じような感性で扱えるデバイスとなっています。凝ったイラストは、紙やパソコン、タブレットに担当してもらうと割り切ることで、棲み分けにもなると考えているそうです。

 

ペンとディスプレイも進化

ワコムのデジタイザが搭載されたことで、専用ペンがバッテリレスになりました。これにより、ペンを充電する必要がなくなり、うっかり充電を忘れて書けなくなった、ということもなくなります。さらに、従来のサイドボタンに加え、ペンの頭部分にテールスイッチが追加され、それぞれに消しゴムや範囲選択など好みの機能を割り当てて使うことができます。

 

「従来の専用ペンはテールの部分は蓋だったんですが、消しゴムと勘違いしてひっくり返す人が多かったんです。そこで、テール部分に消しゴムなどの機能を割り当てられるようにしました。私はクアデルノに走り書きしたものを、あとで範囲選択して位置を入れ替え、思考を整理するといった使い方をしています」(松下氏)

↑新しくなった専用ペンは2か所にボタンがあるので、より効率的に作業できる

 

ここで旧モデルと新モデルを並べて試し書きをさせて頂いたところ、新モデルは旧モデルよりも反応が速く、かなり書き心地が良くなっていると感じました。バッテリレスになったことでペンも軽くなっており、図や文字もさらさらと書けます。紙に書いているような感覚がより強くなっていると感じました。

↑新しいクアデルノはペンへの追従性が高くなり、より紙に書いているような感覚が強くなっている

 

また、「読む」についても進化しました。プロセッサが進化したことにより、反応速度が約20%アップ、E Inkディスプレイも最新となったことでコントラストがアップしました。また、メモリ容量も約2倍(22GB)になり、ノート約20万冊相当が格納できます。

 

「ノートのサムネイルを表示させることもできるようになったので、直感的に欲しい情報を探せるようになりました」と松下さん。旧機種ではファイル名で探すしかありませんでした。細かなUIの改善も嬉しいですね。

 

今後も使い方が拡がるアップデートをしていく

クアデルノは文房具としての面白みもあります。普段持ち歩くものだから、やはりおしゃれなカバーは着けたいところ。新しいクアデルノでは、A4/A5サイズのそれぞれにベージュとネイビーの2色の専用カバーがアクセサリとして同時発売されます。旧モデルでは、カバーを付けるとあまりにも重くなるためA4サイズは専用カバーが用意されませんでしたが、今回は大幅な軽量化に成功したため、A4サイズでもカバーが販売されます。

 

また、ペンには1930年創業のドイツ文具メーカー「LAMY」とのコラボである「LAMYスタイラスペン」も発売されます。試用させていただきましたが、握ったときの感触が非常によく、私は筆圧が強い方なので、本当のペンで書くときのように力を入れられました。標準のペンだと少し細すぎると感じる人にオススメです。ただ、こちらは機能を割り当てられるボタンはサイドボタンのみ。贈答用に購入されることも考えて、箱にもこだわったそうです。

↑「LAMY」とのコラボである「LAMYスタイラスペン」

 

進化し続けるクアデルノ

ハードウェアの大きなアップデート、そして機能面でもきっちりクアデルノらしさを維持した今回のモデルチェンジですが、今後はどのように進化していくのでしょうか。

↑今後もアップデートを続けていくと語る小池氏

 

「これまでクアデルノは2回アップデートをしてきましたが、スキャナーからダイレクトに取り込めるなどの進化をしてきました。クアデルノ自体の進化というよりも、連携によって使い方が拡がるようなアップデートをしていけたらいいなと思います。」(小池氏)

 

新クアデルノには、本体のみでソフトウェアアップデートができる機能が用意されていますが、これには「今後も継続してアップデートをしていきますというメッセージを込めています」と松下氏。進化したばかりのクアデルノですが、長いお付き合いができそうですね。

 

新クアデルノの予約はすでに開始されています。発売は7月8日。実売想定価格はA5サイズが4万9800円、A4サイズが6万9800円(いずれも税込)となります。製品の詳細なスペックについては、発表会の記事もチェックしてみて下さい。

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

LAMYとのコラボペンも登場! 新型「クアデルノ」は爆速&快感なクリエイティブマシンに進化!

富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は、電子ペーパー「QUADERNO(クアデルノ)」の新モデルを7月8日に発売します。予約は本日6月22日より受付開始。実売予想価格はA5サイズが4万9800円前後、A5サイズが6万9800円前後。

↑A4サイズとA5サイズの2モデルをラインナップ

 

クアデルノは、本物の紙とペンのような“書きやすさ”と“読みやすさ”を実現した、超軽量・薄型電子ペーパー。データ化された資料を取り込んで閲覧したり、付属のスタイラスペンでメモなどを書き込むことが可能。手書きメモのコピー&ペーストや検索機能などを備え、アナログの良さとデジタルの利便性を両立しています。

 

新モデルでは、従来の「紙のように読める・書ける」という特徴はそのままに、基本スペックを大幅にアップ。CPUの性能が上がったことにより反応速度が約20%向上し、ページ送りやドキュメントの切り替えなど、よりスムーズな操作感を実現しました。さらに、最新のE inkディスプレイによりコントラストが向上したほか、保存ファイルをサムネイル表示する新UIの採用により検索性もアップしています。

↑CPUの性能が上がり、反応速度もアップ。より快適に使うことができます

 

↑最新のE inkディスプレイ採用によりコントラストが上がり、くっきり表示して読みやすくなりました

 

↑新UI(右)ではファイルがサムネイル表示され検索性がアップ

 

また、新たに「ワコム デジタイザ」を搭載したことにより、スタイラスペンのレイテンシ(遅延)が改善され、追従速度が約30%アップ。縦・横・斜めのどの方向から書き込んでもしっかり補正がかかるため、本体をななめにしてもなめらかでゆがみのない線が描けるようになりました。これにより右利き・左利きなど利き手の設定も不要になっています。

↑ペンのレイテンシを改善し、追従速度が約30%向上

 

↑曲線や斜線などもよりなめらかに書けるようになっています

 

従来モデルからの大きな変更点としては、付属のデジタルペンがバッテリレス仕様になったことも見逃せません。従来モデルでは本体とは別にペンを充電する必要がありましたが、新モデルでは充電不要で書き込むことができるようになりました。

↑付属のスタイラスペンがバッテリレスに。充電不要で書くことができます

 

さらに、スタイラスペンはサイドボタンとテールスイッチが備わっており、それぞれに赤ペン・消しゴム・ハイライト・範囲選択・拡大の5つの機能を自由に割り当てることができます。

 

ペンの設定をすばやく切り替えられるペンツールパネルも搭載しており、消しゴムやハイライトへの切り替えや色・太さを1タップで切り替えることができます。ペンツールパネルは常時表示が可能で、上下左右好きな場所に移動できます。

 

本体のストレージも従来モデルの2倍となる32GB(使用可能領域:約22GB以上)にアップグレードされ、従来比約2倍のノート約20万冊相当分が保存可能になりました。

 

アクセサリとして、ネイビーとベージュの2色から選べるカバーを用意。A4/A5用の2種類をラインナップしています。

↑カバーはベージュとネイビーの2色展開。サイズもA4/A5それぞれ用意されます

 

また、ドイツの筆記具メーカー「LAMY」とのコラボレーションにより、スタイリッシュな「ラミースタイラスペン」を新たにラインナップ。高級感のあるデザインで、自分用だけでなくギフトとしても最適なアイテムとなっています。

↑LAMYとコラボしたペンもオプションで用意されます

 

良質な思考時間を提供するツールとして進化

6月22日にオンラインで開催された新製品発表会には、同社の竹田弘康副社長と高嶋敏久執行役員が登壇し、クアデルノの開発コンセプトなどを説明しました。

↑オンライン発表会に登壇した高嶋敏久執行役員(左)と竹田弘康副社長(中央)

 

竹田副社長によると、クアデルノが開発された背景には「オフィスから紙をなくしたい」という思いがあったとのこと。昨今企業に求められる情報セキュリティや環境課題の観点から、紙の書類の利用をやめてデジタル化を進めるメリットがあるとし、デジタルならではの利便性とアナログの良さを両立させるデバイスとしてクアデルノが開発されました。

↑開発の原点にあったのは「オフィスから紙をなくしたい」という思いだったそう

 

初代クアデルノは2018年12月に発売され、当初はビジネスシーンでの使用を想定していたそうですが、ユーザー層が拡大するにつれ、趣味や習い事などプライベートでも活用されることが増えてきたとのこと。

↑当初ターゲットとしていたビジネスパーソンから、徐々にユーザー層が広がっていったそう

 

そして、発売から2年半のあいだにユーザーから得たフィードバックをもとに、カラー化やカメラ搭載、ブラウザ機能などの多機能化に進むのではなく、「書きやすさ・読みやすさ」「手軽に持ち運べる軽さ・薄さ」といったクアデルノの本質を追求することを目指し、今回の新モデルが誕生したとのこと。

↑多機能化するのではなく、クアデルノならではの良さを追求する方向で開発が進められました

 

ペンを手に取り、書きながら考えることで生まれる「良質な思考時間の提供」という新しいコンセプトのもとで進化を遂げた新クアデルノは、ビジネスだけでなく様々な場面で使えるパートナーになってくれそうです。

 

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「替刃式カイコーンPRO」を最速本格レビュー! 人気の開梱カッターがプロ仕様になったらどう変わった?

何度も言うが、筆者は生活物資の大半を通販で購入している、通販の超ヘビーユーザーである。そんな我が家には、毎日少なくとも1個、多い日だと10個ほどの荷物が届くこともある(コロナ禍で外に出る機会が減った分、通販の利用頻度が超加速した)。

 

それだけの量の荷物をバリバリサクサクと開けるためには、やはり専用の開梱ツールが必須。

 

そんな開梱ツールの中でも人気が高いのが、オルファの「カイコーン」である。2020年には、雑誌『GetNavi』で限定ブラックカラーバージョンが付録になったこともあって、持っているという人も多いかも知れない。ダンボールだけでなく、フィルムシュリンクや厚紙封筒タイプのパックなど、様々な梱包に対応した万能性の高い製品だ。

↑万能開梱ツールとしてお馴染み、オルファの「カイコーン」

 

もちろん筆者も、このカイコーンを普段からガチ愛用しているのだが、ヘビーに使っているためか、部分的にちょっと物足りなさも感じていたのである。「カイコーンPRO的な上位モデル欲しいよー」とあちこちで訴えていたら……なんと本当に発売されちゃったのだ。「替刃式カイコーンPRO」が。

 

しかも触ってみた感じ、従来モデルで物足りないと感じていた部分が全部潰されていて、文句の付けどころが見えない。えっ、もしかしてコレ最強じゃね!?

 

もはや不満なし!?“PRO”は最強の開梱ツールかも

2021年7月5日発売予定のオルファ「替刃式カイコーンPRO」(以下、PRO)は、パッと見の印象だと「従来のカイコーンが一回り大きくなった」感じ。たしかに、カイコーンのシュモクザメっぽい特徴的なシルエットは、相変わらずである。

オルファ
替刃式カイコーンPRO
オープン価格(市場価格1000円前後・税別

 

しかし握ってみると、その違いは歴然。カイコーンが厚さ約4.5mmのペラッとした板状だったのに対して、PROは約15.2mmと、大型カッターナイフのようにゴツくて分厚いボディに。

 

これで、作業時にグッと力を入れて握りやすくなった。いかにもプロツール然としてしっかり握れるボディは、まず嬉しい進化ポイントだろう。

↑従来から3倍以上も分厚くなってゴツッと握れるPROボディ。力を入れた作業でも安定感がある

 

そもそもなぜ力を入れて握りたかったかというと、それがカイコーン最大の不満点だった“スリッター問題”につながる。

 

カイコーンは、先端の尖った部分(スリッター)をダンボールの合わせ目に貼られた梱包テープに突き刺し、引き裂くようにして開梱する仕組みだ。そしてこのスリッターが樹脂製ということで、硬めのPPテープなどに刺すには、なかなか力が必要だったというわけ。

↑スリッター(開梱刃)は、樹脂製のボディ一体型から、金属に変更

 

そこでPROでは、このスリッターを金属化。さらに先端も鋭角になったことで、フィルムテープでも布テープでも、ザクッ、ズバーッ! と気持ち良く開梱できるようになったのだ。

 

あくまで体感的な話だが、樹脂スリッターと比べると、テープに突き刺すのに必要な力が半分以下になったぐらいに感じる。これは非常にありがたい。どれぐらいありがたいかって、ぶっちゃけ、我が家(自宅内3か所)に配備されているカイコーンを、すべてPROに置き換えようと即決したぐらいのレベルだ。

↑スリッターを合わせ目に突き刺してテープを引き切る。これが思った以上にラクになっていて驚いた

 

↑あとは、側面にカッター刃を入れて残ったテープを切れば……

 

↑あっという間に開梱作業完了!

 

もうひとつ、スリッターの位置が先端から後端に移動したことで、「スリッターを刺す」から「カッターで切る」の動作の間に、いちいち握り替える必要がなくなったのも、地味に便利である。

 

物理的に作業時間が●秒短縮できました! というほどの話ではないが、軽い力で作業できる・握り替える手間がない、という気分的な部分での快適性は、確実に大幅にアップしていると思う。

 

使い切り→替え刃式で、刃も大きくバージョンアップ

冒頭でも述べたとおり、カイコーンの優れた点は、ダンボール・フィルムシュリンク・封筒パック・硬いPPバンドなど、流通しているだいたいの梱包方式に対応できる万能ぶりだ。

 

で、その万能性の根幹となっているのが、左右に張り出した金属刃である。さすがオルファの刃だけあって、切れ味は抜群。かつ、先端ガードのおかげで刃が手に触れることもないため、非常に安全だ。

↑先端ガード(刃の先にある黒い滴型のパーツ)によって、子どもが勝手に触っても傷を負う危険は少ない

 

とは言っても、テープの粘着剤が刃に付着するなどで次第に切れ味は落ちていくので、切れなくなったら本体ごと取り替える(使い切り)というシステムだった。よほどヘビーに使うのでない限りはそれなりにもつし、替えるとしても市場価格で140円ぐらいのものなのだが。でも、SDGsが騒がれる昨今、捨てずに済むならそれに越したことはないだろう。

↑スライダでロック解除して引き抜くだけで、分解できる。テープの粘着剤が付着すると一気に切れ味が落ちるので、替え刃式への変更は大歓迎だ

 

ということもあってか、PROは替え刃式に変更されている。ボディの表裏にある赤いスライダを同時に引きつつ、先端をつまんで抜けば、替え刃パーツは簡単に取り外せる。戻すときは新しい替え刃を押し込むだけ。非常に簡単だ。

 

ただ、実はプレスリリースでこれを知ったときにまず考えたのは、「替え刃にするのはいいけど、刃がガタついたらイヤだな」ということ。刃がガタつくと切りづらいし、突然抜けたりすると、安全性の面でも不安。それならいっそ、使い切りの方がマシとも言えるぐらいだ。

↑替え刃パーツだけの状態でも、刃が手に触れない安全仕様。こういうところも気が利いている

 

↑替え刃は2個入りで400円前後。よりお得な10個パックもあるとのことで、購入確定だ

 

しかし、実機を触って安心した。この替え刃、めっちゃガッチリ固定されている! 刃の先をつまんで揺らしてもほぼガタつかず、これなら作業時の切りづらさは感じないはず。

 

刃をくわえて固定するボディ先端は硬いFRP製で、安定感は抜群。そこにかなり大きなカエシのついた替え刃パーツをバチン! とはめ込んでしっかりロックするので、すっぽ抜けも心配しなくて良さそうだ。

↑刃が長くなったおかげで、これぐらいの厚みにも問題なく切り込める。ダンボールカッターとして役立つ機会も増えた感じ

 

さらには、刃周辺もいろいろとバージョンアップされている。まず、露出している刃の長さが約4mmから約7mmへと変更。これは単純に、カットが可能な幅が広くなったと言うこと。つまり、一般的なダンボールを2枚重ねてカットして分解、なんてこともできるようになったわけだ。

 

そもそも刃自体も、厚さが0.6mmから0.7mmと約17%アップ。もともと厚めのがっちりした刃ではあったが、それがさらに頑丈になったのである。

↑先端ガードの形状比較。PRO(右)の方がパーツのサイズは大きいが、先端が削り込まれていることで、より使いやすくなった

 

もうひとつ、シュモクザメの目にあたる刃のガードも、よく見ると先端の上下を削りこんだ、より鋭い形に変更されている。

 

このガードは、尖った先端を切りたい場所に差し込むことで、刃のガイド役も果たしているのだが、当然、鋭いほうが差し込みやすくて使いやすい。本当に、細部にわたって改良されているなーという印象だ。

 

こういった細かいところまでしっかり改良されているあたり、PROに対するオルファの“本気”が感じられる。実際に使いやすさも大幅にアップしているので、もし「安価なのを取り替えつつ使う」ことにこだわりを感じているのでないかぎり、買うなら断然、PROがオススメだ。

 

ほんとコレ、開梱ツールの決定版と言っても過言じゃないと思う。

 

 

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