同時に見る書く綴じる! 綴じたまま書き込めるファイルなど「収納する」部門11商品

“はかどり”をキーワードに選出された文房具のなかから、一般の方の投票によってナンバーワンを決定する「文房具総選挙2018」。新製品GetNaviがプロデュースする、毎年恒例の文房具のイベントです。

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いよいよ本日、2月24日(土)朝6時から投票受付がスタートします。(〜3月11日(日)23時59分まで)

 

ノミネート商品は、2017年4月から2018年3月に発売の文房具のなかから、菅 未里、きだて たく、古川 耕、美崎栄一郎の文房具やビジネスのジャンルで活躍する各氏に加え、TSUTAYAバイヤー2名とGetNavi編集長の計7名の選考委員によって、あらかじめピックアップされた全57点。以下の6部門に分かれています。

書く・消す

・記録する

・収納する

・伝える

・切る・貼る・綴じる

・分類する・印をつける

 

ここでは、部門ごとに紹介していきましょう。投票すると抽選でプレゼントがもらえる商品もあるので要チェック!

 

「収納する」部門

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No.23
セキセイ「アクティフV フリップファイル」216円

マチが広くコピー用紙なら約100枚入るフラップ付きクリアファイル。ファイルを反らせるとフラップが開き、書類の出し入れも簡単。

 

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No.24
キングジム「クリアーファイル『カキコ』」648円〜

上下のフラップで書類を挟む新方式のクリアファイル。ファイリングしたまま書き込みができます。A3の書類も見開きで収納可能。

 

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No.25
ナカバヤシ「スタンドクリップボード」885円

自立するクリップボード。カバーを裏側に折り返すと縦横どちらの向きでも自立し、PC入力時の書類スタンドとしても活躍します。

 

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No.26
LIHIT LAB.「スマートフィット オルトナ キャリングプレート(リュック用)」3240円

リュックから収納物を取り出しやすくするタテ型バッグインバッグ。自立機能やリュックの口の開閉を邪魔しないラウンドフォルムです。

★投票してご応募いただいた方に、抽選でプレゼント!

 

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No.27
プラス「パスティ スマート」345円〜

かわいい&使いやすいカラフルなクリアファイル。保管時の目印になる背ラベルに、横から入れるサイドインラベルホルダーを採用している。

 

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No.28
ゼブラ「ペモ アイディー」1080円

赤・黒2色の薄型ボールペンと付箋を、IDカードホルダーにセット。急な来客や打ち合わせでも確実にメモを取ることができます。

★投票してご応募いただいた方に、抽選でプレゼント!

 

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No.29
コクヨ「ペンケース <シェルブロ>」1620円

ペンを約35本収納できる大容量ペンケース。貝のようにガバッと大きく開口し底面が広がる構造により、使いたいペンをすぐに見つけられます。

 

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No.30
キングジム「マグトレー」5378円

強力な磁石でパーテーションやデスクに貼り付き、A4サイズの棚を設置できます。耐荷重は3㎏で、コピー用紙500枚を載せても余裕です。

★投票してご応募いただいた方に、抽選でプレゼント!

 

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No.31
ハイモジモジ「ワーカーズボックス」399円

書類をクリアファイルごと放り込んでプロジェクト単位で管理できる書類箱。中面には名刺や領収書が挟めるバインダーが付いています。

★投票してご応募いただいた方に、抽選でプレゼント!

 

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No.32
サンスター文具「キルノ」1058円

最大6本のマスキングテープを収納できるスタンドの上部にハサミが付属。もちろんセロハンテープなどほかのテープにも使えます。

 

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No.33
レイメイ藤井「クルマーレペンケース」1404円

よく使うペンを小物と分けて収納できます。ポーチには内ポケットとフロントポケットが付属。巻物状のふた部分にはペンが4本入ります。

★投票してご応募いただいた方に、抽選でプレゼント!

 

※エントリーナンバーは五十音順に付与

 

【投票方法】

6つの部門ごとに、機能性に優れ仕事が“はかどる”と感じたアイテム3点・合計18点に投票してください。結果発表は、 GetNavi 6月号(4月24日発売)誌面やここ GetNavi web、さらにTSUTAYAの主要店舗で行います。

 

投票はコチラから

↓ ↓ ↓ ↓ 

https://pf.gakken.jp/user/op_enquete.gsp?sid=GNW&mid=002851jX&hid=bBW9g249P_0

 

さらに……

3月11日(日)には投票イベントの開催が決定!

最終日の3月11日(日)には、タッチ&トライや選考委員によるトークショーなどを楽しめるイベントを開催します。イベント会場では、全ノミネート商品を実際に試してから投票が可能。素敵なプレゼントが当たる抽選会も予定しています!

・実施日: 3月11日(日) 13時〜17時半(予定)
・会場: TSUTAYA 横浜みなとみらい店 (神奈川県横浜市西区 みなとみらい4-7-1 ミッドスクウェア1F)

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奮ってご参加を!

ピタッと真っ平らが気持ちいい! 180度水平に開くノートなど「記録する」部門11商品

“はかどり”をキーワードに選出された文房具のなかから、一般の方の投票によってナンバーワンを決定する「文房具総選挙2018」。新製品GetNaviがプロデュースする、毎年恒例の文房具のイベントです。

20180224wada_001

いよいよ本日、2月24日(土)朝6時から投票受付がスタートします。(〜3月11日(日)23時59分まで)

 

ノミネート商品は、2017年4月から2018年3月に発売の文房具のなかから、菅 未里、きだて たく、古川 耕、美崎栄一郎の文房具やビジネスのジャンルで活躍する各氏に加え、TSUTAYAバイヤー2名とGetNavi編集長の計7名の選考委員によって、あらかじめピックアップされた全57点。以下の6部門に分かれています。

書く・消す

・記録する

・収納する

・伝える

・切る・貼る・綴じる

・分類する・印をつける

 

ここでは、部門ごとに紹介していきましょう。投票すると抽選でプレゼントがもらえる商品もあるので要チェック!

 

「記録する」部門

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No.12
マークス「EDiT 大人の ライフログ用ノート」2592円〜

これまでの半生を振り返り過去の出来事や考えを記録できます。40代の自分を見つめ直し、この先の目標を具体的に描くためのノート。

★投票してご応募いただいた方に、抽選でプレゼント!

 

No.13
カシオ「MP-12R」実売価格 1814円

「20÷6」を「3.333…」ではなく「3余り2」と計算できる電卓。商品の箱詰め作業で端数を知りたい物流現場で好評価を得ています。

★投票してご応募いただいた方に、抽選でプレゼント!

 

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No.14
コクヨ「キャンパス書類収容 カバーノート」1026円〜

持ち歩きたい書類とノートを一緒に収納できるカバー。プロジェクトごとなどにまとめておくと、書類の紛失などのトラブルも減らせます。

 

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No.15
ショウワノート「水平開きノート」270円

180°水平に開くノート。段差がなくフラットに開くので、紙面を大きく使えます。また、コピーをするときに中央に影が出ないのもポイント。

 

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No.16
シャープ「WG-S50」実売価格1万5350円

画面に手書きできる電子ノート。5000ページ分のノートと4年分のスケジュールを管理できます。方眼や罫線などフォーマットは多数。

 

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No.17
キヤノンITソリューションズ「ネットde手帳工房」5400円

綴じ手帳を1冊から作れる、オーダーメイド手帳作成WEBサービス。豊富なレイアウトサンプルに加え、自作レイアウトでも作れます。

★投票してご応募いただいた方に、抽選で本商品と同じ紙と表紙で作成した同体裁の無地のノート(非売品)をプレゼント!

 

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No.18
エムディーエス「ビタミンS」248円〜

ヘルスログが残せるノート&お薬手帳。ビタミンカラーの表紙は気分を明るくするうえ、家族や通院先で色分けでき管理がしやすくなっています。

 

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No.19
デザインフィル「PLOTTER」7560円〜

一枚革を金属のパーツで挟んだシンプルなバインダーを中心とした手帳シリーズ。天のり製本のリフィルパッドなど特徴的なアイテムが揃います。

 

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No.20
サンスター文具「ライティア」324円〜

TODO管理に特化したメモやふせんのシリーズ。1枚ずつめくってタスクを管理するふせんなどアイデアが効いています。

 

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No.21
アピカ「RINGO」540円

簡単に開閉できるプラリングで、紙の差し替えが可能なリングメモ。リフィルは上質紙のほか、撥水レインガード紙も用意されています。

 

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No.22
エムプラン「レフ版のついたリングノート」540円

一見ごく普通のA5リングノートですが、いざというときにはレフ板に早変わり。スマホと組み合わせてインスタ映えする写真が撮れます。

 

※エントリーナンバーは五十音順に付与

 

【投票方法】

6つの部門ごとに、機能性に優れ仕事が“はかどる”と感じたアイテム3点・合計18点に投票してください。結果発表は、 GetNavi 6月号(4月24日発売)誌面やここ GetNavi web、さらにTSUTAYAの主要店舗で行います。

 

投票はコチラから

↓ ↓ ↓ ↓ 

https://pf.gakken.jp/user/op_enquete.gsp?sid=GNW&mid=002851jX&hid=bBW9g249P_0

 

さらに……

3月11日(日)には投票イベントの開催が決定!

最終日の3月11日(日)には、タッチ&トライや選考委員によるトークショーなどを楽しめるイベントを開催します。イベント会場では、全ノミネート商品を実際に試してから投票が可能。素敵なプレゼントが当たる抽選会も予定しています!

・実施日: 3月11日(日) 13時〜17時半(予定)
・会場: TSUTAYA 横浜みなとみらい店 (神奈川県横浜市西区 みなとみらい4-7-1 ミッドスクウェア1F)

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奮ってご参加を!

ここまでやるか!? 個人情報を徹底ガードするテープなど「書く・消す」部門11商品

“はかどり”をキーワードに選出された文房具のなかから、一般の方の投票によってナンバーワンを決定する「文房具総選挙2018」。新製品GetNaviがプロデュースする、毎年恒例の文房具のイベントです。

20180224wada_001

いよいよ本日、2月24日(土)朝6時から投票受付がスタートします。(〜3月11日(日)23時59分まで)

 

ノミネート商品は、2017年4月から2018年3月に発売の文房具のなかから、菅 未里、きだて たく、古川 耕、美崎栄一郎の文房具やビジネスのジャンルで活躍する各氏に加え、TSUTAYAバイヤー2名とGetNavi編集長の計7名の選考委員によって、あらかじめピックアップされた全57点。以下の6部門に分かれています。

・書く・消す

・記録する

・収納する

・伝える

・切る・貼る・綴じる

・分類する・印をつける

 

ここでは、部門ごとに紹介していきましょう。投票すると抽選でプレゼントがもらえる商品もあるので要チェック!

 

「書く・消す」部門

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No.01
コクヨ「選べるボールペン <エラベルノ>」 各108円(ボディ・インクともに)

軸と芯を好みに合わせて組み合わせられるボールペン。軸は細・中・太の3種、芯はゲルと油性があり、ボール径やインク色を計14種から選べます。

 

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No.02
サクラクレパス「サクラクラフトラボ 001 ゲルインキボールペン」 5400円

真鍮とスモークアクリルを組み合わせた上質なボールペン。レッドブラック、グリーンブラックなど仕事でも使える遊び心あるインクを採用しています。

 

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No.03
プラス「個人情報保護テープ 『両面テープケシポン ダブルガード』」 540円

隠して貼って2重に守る個人情報保護テープ。両面粘着のパターンテープでDMの宛名を隠し、さらに用紙を貼り合わせて見えなくする

 

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No.04
ゼブラ「サラサマークオン」162円

ゲルインクの弱点「にじみやすさ」を解消したマーカー。新成分を配合したインクは耐水性が高く、上からマーカーを引いてもにじみにくいのが美点。

★投票してご応募いただいた方に、抽選で3本セットしてプレゼント!

 

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No.05
三菱鉛筆「ジェットストリーム スタイラス シングルノック」378円

低粘度油性インクのジェットストリームに、スマホを操作できるスタイラス機能をプラス。ディスプレイ、紙ともに滑らかな書き心地。

 

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No.06
トンボ鉛筆「サインペン[プレイカラードット]」172円

0.3㎜の極細芯と5㎜のドットが捺せる丸スタンプ芯のツイン水性カラーペン。細字筆記・ドットスタンプ・ラインマーカーと用途はさまざま。

★投票してご応募いただいた方に、抽選で全12色セットをプレゼント!

 

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No.07
ぺんてる「フィットライン」108円

厚い本の曲面にもまっすぐ引けるラインマーカー。筆圧をかけると折れ曲がる特殊なペン先が、紙面に密着しきれいな線が引きやすくなっています。

 

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No.08
パイロット「フリクションボール2」432円

フリクションボール多色ノックに、筆箱に収納しやすいスリムな2色タイプが登場。多色でも結局使うのは黒と赤だけという人に最適。

★投票してご応募いただいた方に、抽選でプレゼント!

 

No.09
トンボ鉛筆「ホルダー消しゴム モノゼロ メタルタイプ」648円

精密極細ホルダー消しゴムの金属軸タイプ。ガイドパイプが長いおかげで消しゴムの先端がよく見え、ピンポイントで消しやすいのが魅力です。

 

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No.10
ヒサゴ「目隠しセキュリティ テープ」648円〜

機密情報を隠せる目隠しテープ。跡が残らずきれいにはがせる再剥離テープなので、コピーをとるときの一時的な目隠しなどに使えます。

 

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No.11
パイロット「油性ボールペン『スーパーグリップG (ノック式/キャップ式)』」108円

100円油性ボールの大御所がリニューアル。ホールド力の高いグリッドグリップを採用し、書き味と握りやすさが大幅に向上しました。

 

※エントリーナンバーは五十音順に付与

 

【投票方法】

6つの部門ごとに、機能性に優れ仕事が“はかどる”と感じたアイテム3点・合計18点に投票してください。結果発表は、 GetNavi 6月号(4月24日発売)誌面やここ GetNavi web、さらにTSUTAYAの主要店舗で行います。

 

投票はコチラから

↓ ↓ ↓ ↓ 

https://pf.gakken.jp/user/op_enquete.gsp?sid=GNW&mid=002851jX&hid=bBW9g249P_0

 

さらに……

3月11日(日)には投票イベントの開催が決定!

最終日の3月11日(日)には、タッチ&トライや選考委員によるトークショーなどを楽しめるイベントを開催します。イベント会場では、全ノミネート商品を実際に試してから投票が可能。素敵なプレゼントが当たる抽選会も予定しています!

・実施日: 3月11日(日) 13時〜17時半(予定)
・会場: TSUTAYA 横浜みなとみらい店 (神奈川県横浜市西区 みなとみらい4-7-1 ミッドスクウェア1F)

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奮ってご参加を!

文房具総選挙2018がスタート!「仕事がはかどる」ナンバーワン文房具はどれだ!?

GetNaviが主催する恒例のイベント「文房具総選挙」の開催が、今年も決定!「はかどり」をキーワードに、全57商品がノミネートしました。順位は読者の投票によって決定。これこそ仕事がはかどる! というアイテムに奮って投票を!

 

文房具総選挙とは?

雑誌『GetNavi』が毎年開催するイベント。文房具に関するアワードが多数あるなかで、本イベントは来場者の投票に基づきナンバーワンを決めるのが特徴です。第6回目となる今回は、TSUTAYAとタッグを組んで、いままで以上の規模で開催します。

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さっそく、今回の「文房具総選挙 2018」のポイントをまとめてみました。

 

Point 01. ノミネート賞商品選考委員会が発足!

文房具に詳しいプロ6名と本誌編集長の、計7名で選考委員会が発足。これぞ! と思われる商品を持ち寄り、ノミネート商品の選定を行いました。「書く・消す」「記録する」「収納する」「伝える」「切る・貼る・綴じる」「分類する・印をつける」の6部門を設けています。3月11日(日)のイベント当日は、選考委員も会場に集う予定です。(詳細は後述)

 

選考委員は、雑誌『GetNavi』やGetNavi webでもおなじみの面々。


文具ソムリエール
未里さん
文房具を紹介するサイトを運営。メディア出演、コラム連載等で活躍中。プロデュース商品も多数。


雑食系文房具ライター
きだてたく氏
最新の便利機能系から面白駄文房具まで、何でも使い倒してレビューするのが信条。GetNavi webでも連載中。


放送作家・ライター
古川 耕氏
ラジオの放送作家。本誌では「文房具でモテるための100の方法」を連載中。


ビジネス書作家
美崎栄一郎氏
「『結果を出す人』はノートに何を書いているのか」などヒット本を数々手掛ける。アナログとデジタルを組み合わせたノート術を実践。


TSUTAYA文房具バイヤー
佐藤百恵さん
中堅バイヤー。マステやレター、付箋などの紙モノが好き。食べものや犬のモチーフには目がない。


TSUTAYA文房具バイヤー
米沢裕行さん
文房具部門を担当。人をワクワクさせたり、思考を創造的にさせてくれたりする文房具を広めるのが仕事。


GetNavi統括編集長
野村純也
ゲルインクの青ペンを愛用。雑誌編集という仕事上、リフィルは月1本以上を消費し、付箋の消費量もハンパない!

 

ノミネートの基準は、仕事やプライベートのちょっとした作業をはかどらせる「はかどり要素」のある文房具のみが対象。2017年4月から2018年3月の間に発売する商品に限ります。なお、昨年8月に開催した第5回文房具総選挙で上位入賞を果たした商品は、「殿堂入りのはかどり文房具」として、今回はノミネートされていません。

 

Point 02 . TSUTAYAでタッチ&トライできる!

文房具総選挙の投票期間中、TSUTAYAの主要店舗ではノミネート商品の一部(TSUTAYAで取扱いのある商品に限る)を試せます。実際に見たことのないアイテムは特に要チェック!

 

Point 03. Webや読者ハガキからの投票が可能に!

これまでは、文房具総選挙イベント当日に会場でしか投票できませんでしたが、今年は、イベント当日までの約2週間、特設サイトから投票を行うことができる。また、巻末の読者ハガキからも投票可能だ。

 

投票方法は、特設サイト・GetNavi4月号に挟み込みの読者ハガキ・イベント会場3種類。機能性に優れ、仕事がはかどる! と感じたアイテムを各部門3点に投票してください。

 

Point 04. 投票最終日にイベント開催!

最終日の3月11日(日)には、タッチ&トライや選考委員によるトークショーなどを楽しめるイベントを開催します。イベント会場では、全ノミネート商品を実際に試してから投票が可能。素敵なプレゼントが当たる抽選会も予定しています!

・実施日: 3月11日(日) 13時〜17時半(予定)
・会場: TSUTAYA 横浜みなとみらい店 (神奈川県横浜市西区 みなとみらい4-7-1 ミッドスクウェア1F)

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ノミネートする商品は、全57点。明日2月24日、雑誌『GetNavi』4月号と当サイトの発売日に合わせて発表します!

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GetNavi 4月号

「文房具総選挙 2018」特設サイト
http://getnavi.jp/bunbougu-senkyo2018/

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ガンガン消費すべし! 付箋の「正しい使い方」、文房具のプロが教えます

【きだてたく文房具レビュー】惜しみなく使いまくるべきふせん2

 

「付箋はティッシュのように使え」。これは、テレビ東京の番組による「テレビチャンピオン文房具通選手権」3連覇チャンプ、“文具王”こと高畑正幸氏の言葉だ。

 

例えば、本を読んでいた時に何か関連して思いついたら、すかさず付箋にサッと書き込んでサッと貼る。もったいないから……とケチケチしていては、せっかくの浮かんだアイデアも本を読み終わったころには忘れてしまう。どちらかといえば、そっちのほうがもったいないだろう。

 

なので、付箋は常に手に届く範囲に置いておき、使う時は躊躇せずにガンガン消費する、というのが正しい使い方なのである。

 

今回は、そんなティッシュ方式で使うのに便利な付箋2種類を紹介したい。

 

デスクトップのティッシュ付箋

文具王の言葉にならって筆者がデスクに常備しているのが、3Mの「ポストイット 強粘着 ポップアップノート」。

 

75×75㎜の強粘着付箋(ポップアップ専用リフィル)が引っ張るだけで次々と、まさにティッシュのように出てくる付箋ディスペンサーである。

↑現在は、仕事中に思いついたことや、3時間以内に解決すべき急ぎの作業を書いてはPCモニターに貼って、片付いたら即捨てるという方式で使っている↑現在は、仕事中に思いついたことや、3時間以内に解決すべき急ぎの作業を書いてはPCモニターに貼って、片付いたら即捨てるという方式で使っている

 

定位置に置いておけば、電話を受けながらでも片手で付箋が取り出せるので、ほぼ卓上メモのような感覚。あまりに便利なので、自宅のPC前と作業デスク、会社のPC前の3台体制で運用中だ。

 

……なんだけど、ただちょっとしたワードをメモするだけだと、75㎜四方というサイズはちょっと大きく感じる時もあった。それがつい先日、この商品が『ポストイット 強粘着 ポップアップふせん/ノート』にリニューアル。これがまさに「待ってました!」という進化を果たしてくれたのである。

↑3M「ポストイット 強粘着 ポップアップふせん/ノート」1296円。こちらは最初から3色セットの「トリオ」↑3M「ポストイット 強粘着 ポップアップふせん/ノート」1296円。こちらは最初から3色セットの「トリオ」

 

↑2色セットの「コンビ」。もちろん付箋を入れ替えれば25㎜幅×3としても使用できる↑2色セットの「コンビ」。もちろん付箋を入れ替えれば25㎜幅×3としても使用できる

 

進化した箇所は写真でも分かる通り、従来の75×75㎜付箋だけでなく、75×25㎜、75×50㎜サイズにも対応。25㎜幅を3ライン、または50㎜幅を1ライン+25㎜幅2ラインというように、組み合わせて使えるようになったのだ。

↑左が75㎜幅のみの前モデル。右の新モデルは押し出しパーツが3ラインとなった↑左が75㎜幅のみの前モデル。右の新モデルは押し出しパーツが3ラインとなった

 

前モデルは付箋リフィルを押し出すスプリングがひとつだったのに対して、新モデルは3つ横並びに増えた。これで、最大3本の付箋を同時に押し出せるようになったということだ。

 

これなら、ちょっとしたメモは50㎜幅、書類にコメントを追記するときは25㎜幅というように、シーンによって使い分けが可能。もちろん75㎜幅もこれまで通り使える。

↑ポップアップ用の専用付箋リフィル。通常の付箋はセットしても使えない↑ポップアップ用の専用付箋リフィル。通常の付箋はセットしても使えない

 

↑使い始めは、詰め替えリフィルがセットになったお買い得な「スペシャルセット」もおすすめ。1868円↑使い始めは、詰め替えリフィルがセットになったお買い得な「スペシャルセット」もおすすめ。1868円

 

ひとつ、これは前モデルから共通の難点なのだが、このディスペンサーはあまりにも気軽にふせんが使えるため、専用の付箋リフィルの消費がやたらと早い。気がつくと付箋切れ、なんてことがしょっちゅうなのだ。購入時には、できれば詰め替え用にリフィルも揃えてまとめ買いしておくことをオススメする。

 

どこでも持ち運べるティッシュ付箋

デスクトップ用は上記のポップアップディスペンサーで良しとして、じゃあ外出先で付箋を使いたい場合はどうするべきだろうか。

 

そう考えている人はそれなりにいるようで、その解決策として使われている製品ももちろん存在する。

↑カンミ堂「クリップココフセン Mサイズ」予備リフィル1個付き 421円↑カンミ堂「クリップココフセン Mサイズ」予備リフィル1個付き 421円

 

カンミ堂の「クリップココフセン Mサイズ」は、ノートや手帳にクリップオンして持ち歩けるポップアップ型ふせんだ。

 

金属クリップに、ディスペンサーとして使える付箋ケースを貼り付けただけのシンプルなものだが、これが外出先でちょっとしたマーキング用に使うには、ちょうどいいサイズ感なのだ。

↑クリップで表紙に挟むだけなので、とにかく運用がラク↑クリップで表紙に挟むだけなので、とにかく運用がラク

 

例えば電車の中でビジネス本なんかを読んでいて、「あっ、ここメモっておきたい!」となった時にも、本の表紙にクリップココフセンをはさんでおけば話は簡単だ。その場でスパッと付箋を抜いて貼っておいて、あとで落ち着いてから再確認するだけである。

 

というか、単純にしおりの代わりとして使うだけでも充分に役に立つ。

↑外でも付箋が使える安心感というのは、意外と大きい。ユビキタスふせんである↑外でも付箋が使える安心感というのは、意外と大きい。ユビキタスふせんである

 

そもそもフィルム付箋なので、情報を書き込むといった用途にはあまり向いていない。手帳に未解決のToDoを書き込んだ時に目印として貼っておくとか、そういった目印用にザクザクと気軽に使うのがベストのように思う。

 

ところで、今回あえて通常の「クリップココフセン」(細いSサイズのもの)ではなく「クリップココフセン Mサイズ」と銘柄指定したのにはワケがある。

 

目印として使うにはSサイズで充分なのだが、Mサイズは幅広なだけでなく、フィルム素材自体が少し硬めに設定されているのだ。実際、本に貼ってカバンに放り込んでおくと、薄くて柔らかいSサイズのココフセンはクシャクシャになってしまうこともままあった。やはり、雑にザクザク使うなら、ちょっと硬めぐらいのコシがあったほうが使いやすい。

↑替えリフィルでも硬めが欲しい場合は、パッケージの「ふせん硬め」を目印に↑替えリフィルでも硬めが欲しい場合は、パッケージの「ふせん硬め」を目印に

 

使い切ってしまった場合は、クリップからケースを剥がし、クリップタイプではないノーマルの「ココフセン」(裏が貼って剥がせる粘着材タイプのもの)を貼り直せばOK。

 

ただし、硬めフィルムの使い勝手が気に入ったなら、補充の際も「ふせん硬め」とパッケージに書かれたものにすること。そこまでじゃなくていいや、という場合はノーマルのものでも充分だし、そっちのほうが少し割安だ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

“指先舐め”は嫌われる! 使えば病みつきの書類めくりがサクサク進む指サック

【きだてたく文房具レビュー】カチカチガサガサ肌になりがちな冬場にありがたい文房具

 

いろいろと意見はあろうが、筆者にとって“冬場にありがたい文房具ナンバーワン”といえば、指サックだ(逆に、冬場にイヤな文房具のトップは金属軸のボールペン。冷たいから)。

 

体質なのか、とにかく冬の手荒れがひどく、指先なんか何度も皮が剥けた挙げ句に角質化してカチカチ。キーボードを打つのも憂鬱なぐらいである。で、そんな指のタイミングを見計らったかのように、3月発売予定の著書の校正紙が出版社から束でドカッと送られてきたのだが、こんなカサカサ・カチカチの指ではページをめくるだけでひと苦労。そこでお世話になるのが指サック、というワケなのだ。

 

この連載でも、以前に指サックのオススメを取り上げたことがある(その時も当時の著書の校正紙をめくるのにヒイヒイ言ってた)のだが、今回は先日発売されたばかりの「摩擦力2倍!」をうたう新製品を試してみたいと思う。

指先ペロリはもう古い! シールからクリームまで書類送りに便利な「進化系指サック」をレビュー!

↑プラス「メクリッコキャッチ」S・M・L 各4個入り 194円↑プラス「メクリッコキャッチ」S・M・L 各4個入り 194円

 

これまでの指サックといえば、シリコンやニトリルゴム製が基本だったが、プラスから発売された新しい指サック「メクリッコキャッチ」は、素材に摩擦力の高いソフトエラストマーを使用。「摩擦力2倍!」というキャッチは、このソフトエラストマーに由来しているようだ。

↑摩擦力2倍!とまでは分からなかったが、確かに軽い力でも紙に食いつくのは感じられた↑摩擦力2倍!とまでは分からなかったが、確かに軽い力でも紙に食いつくのは感じられた

 

実際に使ってみると、グリップ力は確かに強い。というか、軽く紙に触れた状態で指先を横に動かすと、そのまま紙がふわっとくっついて動く感じ。触れてさえいれば、ほぼ確実にサックの面が紙を捉えてくれるので、上滑りすることはほとんどなかった。

 

なにより良くできているなー、と感じたのが、この形状だ。立体形状になっており、横から見ると指の先端まで包むようになっているのが分かる。この形のおかげで、指の腹のどこで触れてもきちんとグリップするという安心感がある。

↑指先まで包み込むような立体形状で、指先までフルに使える↑指先まで包み込むような立体形状で、指先までフルに使える

 

実際、指の先端から腹まで指先全体を使ってめくり作業ができるというのは、かなり快適だった。

 

近年の流行である指輪のようなベルト型指サックだと、どうしても指の先を使った作業ができない。また、無意識にベルトの巻かれた部分だけを使おうとするので、指の動きがいささか不自由な感じになってしまう。

↑ベルト型は気軽に使えるが、指の腹しか作業領域がない↑ベルト型は気軽に使えるが、指の腹しか作業領域がない

 

じゃあ対して、昔ながらの指全体を包むようなタイプのサック型ならいいんじゃないかと思うが、こちらは指が蒸れて気持ち悪いのが難点だ(そもそも、それを解消するためにベルト型が登場したという経緯がある)。

↑ベルト型の普及でだいぶ見なくなったサック型。とにかく蒸れるので、長時間作業すると指がシワシワにふやける↑ベルト型の普及でだいぶ見なくなったサック型。とにかく蒸れるので、長時間作業すると指がシワシワにふやける

 

また、サイズにもよるがサック型は指の第一関節にまで干渉することがあり、これがまたなかなかに使い心地が悪いのだ。

↑第一関節に干渉しないよう、フチをえぐり込んだ形状。曲げ伸ばししても不快感はゼロ↑第一関節に干渉しないよう、フチをえぐり込んだ形状。曲げ伸ばししても不快感はゼロ

 

対してメクリッコキャッチは、根元がえぐれたような形になっており、関節の動きを邪魔しない。それに加えてサックの内側にも滑り止めのリブがついているため、指を曲げ伸ばししても、サックがズレたり回転したりないようになっている。形状が特殊なだけに、ズレ・回転があると不快だろうなと思っていたのだが、さすが、その辺りはきちんと解決されていた。

 

もちろん、爪側・腹側両方に通気穴があるので、試用中の1時間装着では蒸れるという感じもほとんどなかった。

↑通気穴に加えて、爪側が大きく開口しているので、爪を伸ばしていても装着できる。まさにリング型・サック型の「いいとこ取り」だ↑通気穴に加えて、爪側が大きく開口しているので、爪を伸ばしていても装着できる。まさにリング型・サック型の「いいとこ取り」だ

 

サイズはS・M・Lの3タイプ。どれが自分に合うか分からないという場合は、パッケージ裏面におよその指の目安が印刷されているので、そこに指を置いて判断してみて欲しい。

↑パッケージ裏のサイズ確認ゲージ。指を当ててみればだいたい合うかどうか判断できる↑パッケージ裏のサイズ確認ゲージ。指を当ててみればだいたい合うかどうか判断できる

 

 

筆者の指の太さはほぼ男性平均ぐらいだが、人差し指にはMサイズ、親指でLサイズがジャストフィット、という感じだった。素材的にはかなり弾力もあるので、厳密にきっちり合わせなくても問題はない。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

マイナーな文房具の下克上! 37年目の新ガチャックが想定外の便利さだった

【きだてたく文房具レビュー】書類をスッキリしっかり綴じる日陰の文房具

 

複数ページにわたる書類の束を、バラけないようにまとめるために使う文房具。と聞いてまず想像するものってなんだろうか。

 

だいたい、まず浮かぶのはステープラー(ホチキス)だろう。枚数が少なければ、針なしタイプのステープラーを選ぶこともあるだろう。あとはクリップとか、もしかしたら、穴を空けて綴り紐で、というオールディーズな人もいるかもしれない。

 

で、ここまで来てもまだ出てこないのが、ガチャックという選択肢だ。

↑OHTO「ガチャック」。留められる枚数によって3タイプがある↑OHTO「ガチャック」。留められる枚数によって3タイプがある

 

そもそも、ガチャックという道具を知らない人も多いだろう。OHTO(オート)から発売されている連射式クリップで、なんと1981年から現在まで販売されているロングセラーである。

 

本体に“ガチャ玉”と呼ばれる金属クリップを装填し、本体先端を紙束の端に押し当ててスライドをガチャッと押し出すと、ガチャ玉が自身の弾性で紙を挟み留めるというシンプルな道具だ。

 

ステープラーと違って紙に穴も開けず、さらにガチャ玉は外せば何度でも再利用が可能。コピー用紙なら最大で60枚(大ガチャ玉)まで留められるという優れた性能を持っている。

↑コピー用紙60枚が一発で留められて、外せば穴も開かずに元通り。そして玉は何度でも再利用が可能だ↑コピー用紙60枚が一発で留められて、外せば穴も開かずに元通り。そして玉は何度でも再利用が可能だ

 

……なのに、マイナー。愛用者はいるにも関わらず、知名度はどうも低い。なぜかというと、「これ、すごく使いやすいよ!」とはどうしてもオススメしにくいポイントがいくつかあったからなのだ。

 

しかし、なんとつい先日、ガチャック発売以来の大改革とまで思えるリニューアルを果たした、新製品が発売されたのである! これなら「ガチャック、便利だよ!」と胸を張って言えると感じたので、こちらで紹介したい。

↑OHTO「3WAY ガチャック」648円↑OHTO「3WAY ガチャック」648円

 

そのリニューアルしたガチャックとは、「3WAY ガチャック」。これが従来品の不便さをしっかりクリアしてくれた、まさにオススメのガチャックなのだ。

 

3タイプのガチャ玉が全部使える!

まず、名前の3WAYとは、3種類のガチャ玉が装填できるということ。

 

従来のガチャックには、紙を20枚まで留められる小ガチャ玉、40枚用の中ガチャ玉、60枚用の大ガチャ玉があったのだが、それぞれのサイズに専用の射出器が必要だったのである。いつも20枚以下しか紙を留めない、と決まっていれば小ガチャ玉と小ガチャック本体を用意しておけばいいが、たまに30枚ぐらい留める必要が出た時には何の対応もできなかった……(これはステープラーも同様だけれど)。

↑3WAYガチャック専用の新しいガチャ玉。中玉のみ従来の中ガチャ玉と変更なし。各540円↑3WAYガチャック専用の新しいガチャ玉。中玉のみ従来の中ガチャ玉と変更なし。各540円

↑左から薄・中・厚玉。留める枚数で厚みは違うが、それ以外は幅も奥行きもほぼ同じだ↑左から薄・中・厚玉。留める枚数で厚みは違うが、それ以外は幅も奥行きもほぼ同じだ

 

 

対して3WAYガチャックは、本体と同時に発売された新しい20枚用の薄玉、40枚用の中玉、60枚用の厚玉の3種類が全部装填可能。枚数が変わったら玉を入れ換えるだけで対応できるようになったのだ。

 

なにより、この3WAYガチャックと同時に発売となった薄玉・厚玉が、中玉とサイズを揃えてくれたのが非常にありがたい。

↑左が従来の小ガチャ玉。この小ささは、想像以上に使いにくかった↑左が従来の小ガチャ玉。この小ささは、想像以上に使いにくかった

 

筆者が個人的に使用頻度の高かった20枚用の小ガチャ玉は、幅13㎜・厚さ3㎜とかなり小さい。つまむとたまにポロポロと取りこぼして、なかなか面倒だったのだ。

新しい薄玉は幅16㎜と中玉に揃えてくれたおかげで、かなり扱いがしやすくなったのである。特に指先が荒れがちな冬場は、かなりラクだ。

 

バネ式ローディングで連続使用がラク!

従来ガチャックは、中に装填したガチャ玉を押し出すのに、重力を使用していた。というと聞こえはいいかもしれないが、要するに、使う度に本体を下に向けてガチャ玉を本体先端まで落としてやる必要があったのだ。

 

これが意外と面倒で、何十部という束を連続して留めようとした時は、本体をずっと下向きにして使うか、一部留めるたびに手首をひねって下に向けて戻す、ということが必要だった。また、たまに玉が落ちてこない時は本体をゆすったり、スライダーを少し動かしたり、といったコツが必要だった。

↑バネを使った自動ローディング。ステープラーの針送りとよく似ている↑バネを使った自動ローディング。ステープラーの針送りとよく似ている

 

↑上向きで使っても常にガチャ玉が安定して送られるシステム。従来品と比べて最も使いやすくなったポイントだ↑上向きで使っても常にガチャ玉が安定して送られるシステム。従来品と比べて最も使いやすくなったポイントだ

 

3WAYガチャックは、装填した玉を後ろからバネで押し進める方式に進化したため、上向きで使っても、常に玉が先端に自動でロードされるようになった。

 

これが作業のリズムを重力ローディングに狂わされることがなくなり、ものすごく快適なのだ。常にガンガンと玉が出るので、作業効率もかなり高い。これなら、始めて使う人が「ステープラーの代わりにこれで紙を留めて」と渡されても、何の迷いもなく作業ができるはずだ。

 

装填方法は良くも悪くも

3WAYガチャックは、先の通りバネ式ローディング機構のため、玉の装填が少し面倒になった。

 

まずボディをガバッと開き、後端にある投入口から玉をすべり込ませていく。必要な分だけ入れたら、ボディを閉じると自動で玉が先端まで送られて、使用可能となるという仕組み。装填できる玉数が8個と少ないガチャックは、ステープラーよりも頻繁に装填作業が発生する。いちいちボディを開いて玉をこめて……というのはちょっと面倒だ。

↑いちいちボディをフルオープンにしないと、ガチャ玉が装填できない。バネ式ローディングの便利さとトレードオフなだけに仕方はないが……↑いちいちボディをフルオープンにしないと、ガチャ玉が装填できない。バネ式ローディングの便利さとトレードオフなだけに仕方はないが……

 

従来ガチャックはボディの後端にスリットが開いており、ここから玉を押し込んでやるだけ。装填スピードはあきらかにこちらの方が速い。ただ、押し込む時はグッと強めに押す必要があるため、慣れていないとなかなかやりにくい。また小ガチャ玉はスリットが小さいため爪で押し込むことになるのだが、女性など爪を伸ばしている人には難しいだろう。

↑ボディ後端のスリットから1発ずつ押し込んでいく従来方式。こちらの方が圧倒的にラクだし速い↑ボディ後端のスリットから1発ずつ押し込んでいく従来方式。こちらの方が圧倒的にラクだし速い

 

そういう点では、3WAYの方が全般的に手間は増えたけど、装填作業そのものはやりやすい、ということになるだろうか。後端からガンガン押し込む従来式に馴染んでいる身としては、ボディをいちいち開けるのはちょっと面倒だが、それでもバネ式ローディングのラクさを思えば仕方ないかな、という感じ。

 

あと一点、厚玉・薄玉とも、大ガチャ玉・小ガチャ玉と比較して紙を留める力がわずかに弱くなっているように感じた。もちろん薄・厚とも必要充分なグリップ力はあるので、使っている最中に紙束からスポッと抜けるようなことはないのだが、そこは少し気になったところだ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

ガテンな現場だけじゃない! 熱烈な“ヤチョラー”をも生み出した「測量野帳」は本当に万能ノートか?

【「毎日、文房具。」が●●な人にすすめたい文房具】シーンを選ばず大活躍する定番ノート

 

「測量野帳」というコンパクトなサイズのノートをご存知でしょうか?

 

発売はなんと1959年。もうすぐ60年になるロングセラー商品です。

 

その名前の通り、測量をする測量士のために作られたノート。土木の工事現場や建築の現場などで活躍してきたものですが、近年その使いやすいサイズや機能性の高さから、測量に関わる仕事をしていない人たちの間でも人気が高まり、さまざまな使われ方をするようになりました。

 

特に私がオススメしたいのが、ビジネスシーンでの活用。私自身もサラリーマンとして仕事をするなかでよく持ち歩く、コンパクトなノートとして愛用しています。

 

まずはこの測量野帳の特徴から見ていきましょう。

 

ジャケットの内ポケットにも入るスリムでコンパクトなサイズ

サイズは縦165㎜×横95㎜×厚み6㎜のコンパクト&スリムなサイズ。スーツの内ポケットにも入りますし、手帳と一緒に持ち歩いてもかさばりません。

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私は個人的に、薄さが特に気に入っています。

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表紙はハードカバー

表紙は少し固めの芯材に布調のクロスが貼られています。美しく丈夫な作りです。ハードカバーなので、立っていても安定して書くことができます。

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用紙のタイプは3種類

中の紙はすべて上質紙。めくりやすく、またさらさらとしていて、とても書きやすいです。枚数は40枚で厚すぎず少なすぎず、ほどよい枚数。そしてレイアウトは、異なる測量方法に合わせた3種類をラインナップしています。

 

最近では汎用性が高い3㎜方眼の「SKETCH BOOK」(右)が、一般ユーザーの人気を集めています。

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シンプルな作りので使い道もアイデア次第。ここからは、ビジネスシーンでのオススメの使い方を紹介します。

 

1.TODOリストとして使う

スーツの内ポケットにも入りますし、他のノートや手帳と一緒に持ち歩いても邪魔にならないほど薄いので、TODOリスト専用ノートとして持ち歩くと便利です。

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2.アイデア出し専用ノートとして使う

ふとした時に思いついたアイデアを蓄積する、専用ノートにするのもオススメです。アイデアはいつものノートに一緒に書くと埋もれてしまって探すのに苦労する場合がありますので、専用ノートを作って一箇所にまとめるといいでしょう。

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アイデアを001、002とナンバリングすると、モチベーションも継続しますよ。

 

3.手帳のサブノートとして使う

手帳に挟めるほど薄いので、手帳のサブノートとしても使えます。手帳によってはメモページが少ないものもありますので、これが補完する役割を担ってくれます。

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4.学びメモとして使う

新入社員や若手社員にぜひ採用していただきたいのが、シンプルにメモ帳として使うこと。立ったままでも書きやすいので、先輩や上司に呼ばれた際や、そのほかさまざまな現場でメモを取るのにぴったりです。ガシガシ使ってNo.1、No.2と使い終わった冊数が増えていくにしたがって、仕事への自信も高まっていくことでしょう。

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シンプルな作りで使い手を選ばない万能ノート「測量野帳」。これ一冊あれば、仕事に役立ってくれること間違いなしです。

 

こんなあなたにおすすめ!
・メモをよく取る人
TODOメモをいつもどこかにやってしまう人
・ノートを取るのが苦手でアイデアを書いたメモがどこかへ行ってしまう人
・新入社員など若手社員の人

 

【商品情報】

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コクヨ「測量野帳」価格216円(税込)

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。

机の上がモノで溢れている……。ならばキングジムのスキマ棚でスペースをひねり出せ!

【きだてたく文房具レビュー】机上にスペースを創り出す棚

 

オフィスのデスクは、だいたい幅1200㎜×奥行き700㎜というあたりが標準的。この面積で広々と仕事ができるかというと、まずそんなことはない。

 

まずPCとキーボードにマウス、モニターがあって、下手するとノートPCも1台あって、資料を並べてペン立てを置いて……となると、あとはA4の書類を広げたらデスクの表面は見えなくなる、という感じだろう。

↑筆者の会社デスク(1100×700㎜)。机の天板はほとんど見えない↑筆者の会社デスク(1100×700㎜)。机の天板はほとんど見えない

 

せめて、もうちょっと広い場所で余裕を持って仕事ができれば……と思ったとき、まず手がけるべきは新たな“土地開発”、いや“開拓”だ。1200×700㎜程度のデスクトップはもう限界なんだし、もっと手つかずの場所……天井まで広がる“タテの空間”を新たに宅地造成するべきなのだ!

 

そういう意欲に溢れたオフィス環境改善アイテムが、キングジムから発売されているので、ぜひ紹介したい。

 

液晶モニター上空を小物スペースに活用

かつてPCのモニターがブラウン管だった時代(15年くらい前)、奥行きのあるモニターの上は、クリップケースや卓上カレンダーなどの小物置きスペースとして機能していなかっただろうか。いまや、薄い液晶モニターがベーシックになってしまったせいで、ブラウン管モニター上にあった小物たちは行き場を失ってしまったのだ。

↑キングジム「ディスプレイボード」(500㎜タイプ)3780円↑キングジム「ディスプレイボード」(500㎜タイプ)3780円

 

じゃあそのスペースを復活させればいいじゃん? ということで発売されたのが「ディスプレイボード」だ。液晶モニターの上にセットするだけで、500㎜×168㎜(幅200㎜タイプもある)という広い面積の小物置きスペースが出現してしまうのだから、まさにかつて失われた土地の再発見ツールである。

↑棚板の裏面に取り付けられたアーム。アーム位置は、液晶モニター裏の凹凸に合わせて変更が可能↑棚板の裏面に取り付けられたアーム。アーム位置は、液晶モニター裏の凹凸に合わせて変更が可能

 

↑モニターの裏面にアームを突っ張るように設置すれば、棚が完成↑モニターの裏面にアームを突っ張るように設置すれば、棚が完成

 

取り付け方は簡単で、まずボード手前のフチを液晶モニターの上辺に引っかけるように載せたら、あとはアーム2本を曲げてモニター背面に突っ張るようにセットするだけ。これで、安定したフラットな棚が出来上がり。

 

アーム先端の接地部分は上下左右に動くので、iMacのように背面が湾曲しているタイプのモニターにも、安定して取り付けることが可能だ。

↑デスク上で場所を取るもの、ちょっと置いておくだけのものなど、かなり気楽にポイポイ置ける↑デスク上で場所を取るもの、ちょっと置いておくだけのものなど、かなり気楽にポイポイ置ける

 

ボード自体は幅500㎜タイプで耐荷重1kgまでなので、デスク上でかさばっていた小物あれこれを載せるぐらいなら、まず問題はなし。

 

着座状態で手を伸ばすのには少し高い位置に天板が来るので、できれば、椅子から立ち上がったときに手にするもの、もしくは単に視線を向けるだけのものを配置するのがベストだ。筆者はスマホやPC作業用のメガネ、卓上カレンダーなどを置いている。

 

さらに広大な面積を空中に生み出すには?

筆者にとってディスプレイボードは、もはやこれなしではデスクトップの土地運用が立ち行かないぐらいの存在だが、欠点がひとつある。

 

液晶モニターはデスクに1台しかないので、これ以上の増設が難しいということだ。

↑キングジム「マグトレー」5378円↑キングジム「マグトレー」5378円

 

そういう苦情がキングジムに寄せられたかどうかは不明だが、それじゃあという感じで昨年末、新たに発売されたのが、空中に増設可能な棚「マグトレー」だ。

 

吸着部に強力な磁石を内蔵し、スチール面に貼り付けられるため、パーテーションやスチールラックの側面、デスク引き出し面などにバンバンと棚が増やせるのである。

↑写真で右上に見えるフラットな部分にネオジム磁石が内蔵されている。下の縁はずり落ち防止のゴムストッパー。これで耐荷重を稼いでいる↑写真で右上に見えるフラットな部分にネオジム磁石が内蔵されている。下の縁はずり落ち防止のゴムストッパー。これで耐荷重を稼いでいる

 

天板の面積は320㎜×230㎜と、ありがたいことに書類を入れたA4クリアホルダーをそのまま平置き可能。

 

さらにネオジム磁石のパワーで、耐荷重はなんと3kg。これなら書類を入れたリング式ファイルを空中に並べて立てておく、なんて使い方もできるだろう。

↑外す時は下からヒョイと持ち上げるだけ。あっけなく簡単に取り外しできる↑外す時は下からヒョイと持ち上げるだけ。あっけなく簡単に取り外しできる

 

磁石は吸着部の上辺に集中しているので、しっかりと貼り付く一方、外すときは下から軽く持ち上げるだけで取り外せるようになっている。

 

また、漏れた磁力を利用して、クリップをまとめて貼っておけるクリップポケットも付いており、置いた資料を整理するのに外したクリップをひとまずここにくっ付けておく、なんて使い方もOKだ。

↑書類を留めていたクリップなどは、ここに一時保管できる↑書類を留めていたクリップなどは、ここに一時保管できる

 

↑オフィス入り口のドアに、呼び出し電話を載せてしまうことだってできる↑オフィス入り口のドアに、呼び出し電話を載せてしまうことだってできる

 

オフィス内であれば、ホワイトボード脇に貼ってマーカーやイレーサーを置いたり、受付近くに貼って呼び出し用の内線電話を設置したり。アイデア次第でいくらでも“土地”が簡単に生み出せるのは、とにかく便利のひと言である。

↑ディスプレイボードとマグトレーで、一気にデスクの上がスッキリ!↑ディスプレイボードとマグトレーで、一気にデスクの上がスッキリ!

 

↑あらためて、最初の写真と比較してみよう↑あらためて、最初の写真と比較してみよう

 

マグトレー、ディスプレイボードとも数千円と、少々お値段はするが、しかし都会の狭小オフィスで棚の分の面積が“無”から生み出せるのだと考えれば、ハッキリ言ってまったく高くはないはずだ(なんなら、面積あたりの地価を計算してみるといい)。

 

そういう意味では、こういった空間の有効活用系アイテムは今後もっと注目されるジャンルになるだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

キングジムのお家芸炸裂!ポケットから取り出さず書き込めるクリアファイル「カキコ」がお見事

背表紙に四角のグラフィックが入った、オフィスの大定番ファイル「キングファイル」。そのメーカー、キングジムは、書類をファイルに入れたまま書き込みができるクリアファイル「カキコ」を2 月16 日に発売します。

↑A4タイプで、ポケット枚数は20 ポケットと40 ポケットの2 種類。カバーのカラーは赤、水色、ネイビー、黒、白の5 色展開です↑A4タイプで、ポケット枚数は20 ポケットと40 ポケットの2 種類。カバーのカラーは赤、水色、ネイビー、黒、白の5 色展開です

 

「カキコ」は、ポケットが袋状ではなく、上下についたフラップで書類を挟む形状。そのため、書類を収納したまま直接文字を書き込めるという、新発想のクリアファイルなのです。

↑書類は上下についたフラップで挟まれる仕組みになっている↑書類は上下についたフラップで挟まれる仕組みになっている

 

一般的なクリアファイルは、書類の保管・閲覧を主な目的としているため、収納した書類に書き込みをしたいときは、一度ポケットから取り出さなければなりません。ところがこのカキコなら、ファイルに書類を入れたまま書き込みができます。打ち合わせや授業で使用する資料や楽譜など、後から追記したりマーカーを引いたりする書類の収納に最適です。

↑書類をファイルに収納したまま書き込みができる↑書類をファイルに収納したまま書き込みができる

 

また、上下についたフラップで書類を挟めるため、左右見開き2ポケットを使えば、なんとA3 サイズの書類を収納することも可能。また背表紙にはペンホルダーが付いており、書類とペンを一緒に持ち運ぶことができ、表紙の裏のポケットに封筒やふせんなどの小物も収納できるのです。

 

↑ペンを1本収納できるペンホルダー付き↑ペンを1本収納できるペンホルダー付き

 

↑封筒など小物を収納できるポケット付き↑封筒など小物を収納できるポケット付き

 

そのまま書き込めるから「カキコ」。ネーミングは安易ですが、モノはなかなか手が込んでいるのでした。

 

【商品情報】
キングジム「カキコ」
648円(20ポケット)/972円(40ポケット)

 

目肩腰の疲れに効く!? やさしく真っ直ぐピシッと引ける蛍光マーカー3選

【きだてたく文房具レビュー】疲れ目にも、ヨロヨロした手にも、あわてんぼうにもぴったりの蛍光マーカー

 

この年末に、インフルエンザに感染してしまった。とはいえ、かかってしまったものはしょうがなく、仕事関係の各方面にメールで詫びを入れたら、あとはベッドに入って薬が効くのを待つだけである。

 

どちらかというと問題は熱が下がってからで、せっかくの正月休みだというのに、体内にウイルスが残った生ける生物テロ兵器状態では、出歩くわけにもいかない。熱も無く咳も治まっているが、外には出られず。とはいえ年末の忙しい時期に寝て過ごした焦燥感だけはあるので、ぼんやり休む気にもなれない。

 

こういうときこそ……ということで今年は元旦から、しばらく溜め込んでいた資料を読み込んで、目に付いたポイントを蛍光マーカーで次々とチェックする、という作業に勤しんでいた。

 

で、せっかくの機会なので、各メーカーの蛍光マーカーをとっかえひっかえしていると、「やっぱりこのマーカーはいいな」「おっ、新製品の、悪くないぞ」などといくつか光るものがあったのである。そこで今回は、新旧取り混ぜて、おすすめの蛍光マーカーをいくつか紹介したい。

 

疲れた目にも優しいソフトカラー

使っていてまず感じたのが、前日まで39℃台の熱が出ていた目には、蛍光マーカーのパキッとした発色はけっこうキツい、ということ。もちろん目立たせるための製品だからそれでもいいのだけど、とりあえずもうちょっと柔らかい色でも問題ないだろう。

 

そこでほど良かったのが、パイロットの「フリクションライト ソフトカラー」だ。

↑パイロット「フリクションライト ソフトカラー」全6色 各108円↑パイロット「フリクションライト ソフトカラー」全6色 各108円

 

お馴染み、こすって消せるフリクションシリーズの蛍光マーカーだが、このソフトカラーシリーズは名前の通り、発色がソフト。従来のシリーズと比べるとぼんやりと淡い色合いで、つまり紙の白とのコントラスト差が小さくなるので、目が疲れにくいということだ。

↑通常の蛍光色(左)とソフトカラー(右)。ひと目見ただけで淡さと柔らかさが分かる↑通常の蛍光色(左)とソフトカラー(右)。ひと目見ただけで淡さと柔らかさが分かる

 

病み上がりの目にも優しい=仕事で疲れた目にも同じく優しいわけで、長時間紙面を見ていても確かに負担が少なく感じた。特にソフトイエロー、ソフトグリーンあたりは穏やかな色調で、目がチカチカせず心地よい。

 

とはいえ色はきちんと付いているので、後から見直しても自分のチェックした部分ははっきりと見分けられるし、使いにくさを感じない。

↑こすって消せるフリクションインクは、ラインの引き間違いをしても安心↑こすって消せるフリクションインクは、ラインの引き間違いをしても安心

 

もちろん他メーカーからも同様のソフトカラーマーカーが発売されてはいるが、フリクションということで「間違ったら消せる」アドバンテージは非常に大きい。

 

どうせ後で消せるから、と思えばこそ、大胆にズバズバとラインを引いていけるのは気分的にもかなりラクなものだ。

 

窓付き&紙を選ばない万能マーカー

蛍光マーカーはチップが大きいため、自分がいま文章のどこまでラインを引いたのかが分かりにくい。そのため、ついついはみ出し・引き足らずが出てしまう。

 

そういうときに便利なのが、先端チップに透明な窓が付いた三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」だ。

↑三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」全10色 各140円↑三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」全10色 各140円

 

この透明窓からチップの下が見えるので、いま自分がどこまでラインを引いたのかがはっきりと視認できる。

 

これは非常に便利な機能で、しばらくプロパス・ウインドウを使ってから別のマーカーに切り替えると「なんでチップの向こう側が見えないんだよ!」と不条理な怒りまで感じてしまう。一度この便利さになれてしまうと、もう戻れないのである。

↑プロパス・ウインドウシリーズならでは窓付きチップは一度慣れるともう手放せない↑プロパス・ウインドウシリーズならでは窓付きチップは一度慣れるともう手放せない

 

もうひとつ便利なのが、速乾性の高いクイックドライインク。紙面のあちこちにラインを引いていると、気づかぬ間にまだ乾いていないインクの上をこすってしまい、手にインクが付着することがある。

 

クイックドライインクは、乾燥時間を従来の1/3にまで短縮できるため、そういったトラブルが少ない。

↑上が一般的な蛍光マーカー、下がクイックドライ。書いて数秒後に指でこすってみると、クイックドライインクはしっかり定着している↑上が一般的な蛍光マーカー、下がクイックドライ。書いて数秒後に指でこすってみると、クイックドライインクはしっかり定着している

 

インクがあまり染み込まないコート紙などにラインを引いても、驚くほど早く乾くので、こすってしまったときの「あっ、しまった!」という焦りを感じずに済む。写真の多い企業パンフやカタログなどはコート紙が多いので、これは非常に助かるのだ。

 

蛍光マーカーが下手、という人にも安心

蛍光マーカーでラインを引くのが下手、という人は意外と多い。ヘラのような平たいチップだと、少し手元が狂っただけでガタガタとした線になってしまうのだ。

 

筆ペンタイプの蛍光マーカーならガタガタ線のリスクは減らせるが、今度は筆圧が変わると線の太い細いが変わってしまう。なんにせよ難しいのである。

 

そういう蛍光マーカー下手に優しいのが、ぺんてるから昨年末に発売されたばかりの「フィットライン」だ。

↑ぺんてる「フィットライン」全5色 各108円↑ぺんてる「フィットライン」全5色 各108円

 

↑太字チップの先端。この溝からぐにっと曲がることでクッション効果を発揮する↑太字チップの先端。この溝からぐにっと曲がることでクッション効果を発揮する

 

ツインマーカーの太字(ラインを引く方)チップに爪楊枝の後端のような溝が刻まれており、ここからぐにっと曲がるようになっている。これにより、不要な筆圧をクッションのように吸収し、安定した線が引けるのだ。

↑チップが折れ曲がって不要な筆圧を吸収するので、安定したまっすぐなラインが引きやすい↑チップが折れ曲がって不要な筆圧を吸収するので、安定したまっすぐなラインが引きやすい

 

チップの硬さ自体は従来品と変わらないので、筆圧をかけても筆ペンのように線が太ることはない。一方で、クッション効果によって手元の傾きもある程度吸収するので、線のガタツキも減らせるのである。

 

病み上がりで手元がふらつく状態でも、実際にかなり安定した線を引くことができた。これなら、だいたいどんなシーンで線を引いても、きれいな線が引きやすいはずだ。

↑特殊チップが最も実力を発揮するのが、分厚い書籍への曲面マーキング↑特殊チップが最も実力を発揮するのが、分厚い書籍への曲面マーキング

 

クッションチップのさらに大きなメリットとして、辞書など厚いページ物の曲がった紙面にもきれいに線が引きやすい。曲面を意識して、なぞるように線を引いていくことで、ページののど側のようなマーキングしにくい部分にもスパッとラインを引いていくことができるのだ。

 

不器用な人でも確実に効果が出るという意味で、かなり使いやすい蛍光マーカーと言えるだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

 

男子だって熱かった! 心くすぐる文房具いっぱいの「文具女子博」に突撃してみた

2017年12月15日〜17日、東京流通センターで日本最大級の文具の祭典「文具女子博」が開催されました。なんと来場者は3日間で2万5000人! 師走の寒さが厳しくなる中、熱気に包まれた会場の様子をレポートします。

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「文具女子博」とはいったい?

文具メーカー70社以上が一堂に会し、おしゃれで可愛い魅力的な文具や限定の文具をその場で買える! そんな日本最大級の文具イベントです。文具“女子”博という名前ではありますが、男子も入場OKなイベントです。

↑こちらがコンセプトイメージ。文具“好”(すき)博と読んでしまえば……もう文具好きなら誰でもOKなのです!↑こちらがコンセプトイメージ。文具“好”(すき)博と読んでしまえば……もう文具好きなら誰でもOKなのです!

 

さまざまな限定イベントや限定商品がありましたが、その中でも筆者が特に注目したイベント&限定品をご紹介します。

 

ファン殺到の「マスキングテープくじ&テープビュッフェ」

こちらは開催直後から大行列をなした特別企画「マスキングテープくじ」。当たりが出ると限定のマスキングテープがもらえ、はずれた人も「テープビュッフェ」に参加できます。

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このテープビュッフェがとにかくすごかった! 壁一面にさまざまなブランドのマスキングテープがズラリと並ぶ様は圧巻。もらったオリジナルシール台紙に欲しい柄のマスキングテープを無心になって巻きつけていきます。

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ビュッフェコーナーのマステはどんどん入れ替わり、その数500種類以上。一期一会の出会いも楽しむことができました。

 

紙好きホイホイの「ペーパーバイキングdeオリジナルノート」

こちらは、紙好きさんにはたまらない特別企画「ペーパーバイキングdeオリジナルノート」です。

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たくさんの種類の紙の中から15種類を選んで、ノートに製本してもらえます。マスキングテープやシールで、ノートをデコレーションできるコーナーもありました。

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普段買うことができない超レア文具も登場

女子文具博ならではの商品と出会うこともできました。たとえばTwitterで話題になったKino.Qの紙神経衰弱。マークも数字も書かれていないトランプで、どのトランプも見た目は全て真っ白。

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実はこれ、紙の種類を揃えて遊ぶ紙の神経衰弱なのです。あっちがケントで、こっちがホワイトクラフトで、こっちは……? 難易度は高そうですが、文具好きでなくてもみんなで盛り上がれるトランプですね。

 

こちらは、マスキングテープを作る際に切り落とされる端っこの部分の詰め合わせ。

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普段は販売されていないものです。でも、もちろんちゃんと貼ることはできます。20本で100円ととてもリーズナブル!

 

続いては書店の有隣堂のブックカバー。有隣堂で文庫本を買うと、10色の紙のブックカバーのなかから1色を選んで装着してもらうことができますよね。文具女子博では、その文庫カバーを10色セットで販売。こちらもお手頃なお値段でした。

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色が綺麗で手触りも良い紙なので、小さな封筒を作ったりクラフトワークに使ってもおしゃれですよね。

 

入手困難なおまけも!

購入者に限定のおまけを付けてくれるブースも、たくさんありました。特に人気があったのが、コクヨブースの「ヤチョーピンズ」。測量野帳モチーフのピンです。コクヨ商品を5個以上購入した方に各日先着で配られました。

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“文具女子アワード”はあのテープカッターに!

会場中央では「文具女子アワード」も開催! 来場者が、イチオシの文具に投票できます。投票すると「文具女子Awardステッカー」がもらえました。

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大賞はコクヨのテープカッター「カルカット(クリップタイプ)」が受賞! これはマスキングテープを挟むだけで綺麗に、そしてサクッと切ることができる新商品のテープカッターですね。たしかにコクヨブースで飛ぶように売れていたので、この結果は納得です。

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寒い冬の休日に開催されたにも関わらず、大盛況で熱気あふれるイベントとなった「文具女子博」。ツイッターでは、東京以外での開催を望む声もたくさん上がっていました。いち文具ファンとしても、第2回の開催に期待したいと思います!

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。

文房具界のポスト・ハンドスピナーはコレ!会議中にも活躍する無意味ギミック満載の暇つぶしペン

【きだてたく文房具レビュー】意味なくカチカチポチポチクルクルし続けたくなる中毒ペン

 

2017年の春頃から、日本でも子どもたちの間で爆発的に流行して、そして年末にはもう誰も欲しがっていないもの……と言えば、ハンドスピナーである。

 

そう、遠い昔のように思うかもしれないが、あれ、つい昨春から夏にかけての話なのだ。ただ単に羽根が延々と回り続けるだけの、意味なしオモチャがなぜあれほど売れたのかはさておき、アメリカではそういう意味なしオモチャをまとめて「Fidget Toy」(フィジェット=いじくりまわす)と呼ばれており、きちんとしたジャンルとして成立している。

↑いま現在、売り逃して大量在庫を抱えているであろう玩具店さん多数のハンドスピナー↑いま現在、売り逃して大量在庫を抱えているであろう玩具店さん多数のハンドスピナー

 

で、いまそのアメリカで、ハンドスピナーの次に“キテる”と言われているのが、意味のないガジェットをあれこれペン軸に搭載した「Fidget Pen」というもの。

 

例えば退屈な会議で時間を持て余しているとき、意味なくペンのノックをカチカチと押し続けていることはないだろうか。あのペンを使った暇つぶしを、もっと効率的に行おう、という趣旨である。これならハンドスピナーと違って大人も仕事中に楽しめるとあって、2018年には日本でもブレイクするかもしれないので、注目しておいて損はない。

 

無意味な気持ちよさ満載ペン

Fidget Penの中でも比較的初期に発売されたのが「Fidget Widget Pen」。6種の暇つぶしガジェットを搭載したペンである。

↑ThumbsUp「Fidget Widget Pen」9.99ドル↑ThumbsUp「Fidget Widget Pen」9.99ドル

 

まず目につくのは、軸上で一列に並んだ5個のボタンだろう。

 

これは押せるけど、何の意味もないボタン。押し込むとカチッカチッと硬めのクリック感があり、なかなか気持ちいい。

↑左は意味なしクリックボタン、右は意味なしトグルスイッチ。押して気持ちいい、というだけが存在意義だ↑左は意味なしクリックボタン、右は意味なしロッカスイッチ。押して気持ちいい、というだけが存在意義だ

 

その上には、ロッカスイッチ。これも全く何の意味もないスイッチである。パチッパチッと切り替える感触を楽しむためだけのものだ。

↑さすが感触に特化しているだけあって、どれも触っているだけでクセになる楽しさだ↑さすが感触に特化しているだけあって、どれも触っているだけでクセになる楽しさだ

 

ペン軸の裏側には、指の腹で転がすためだけのロータリースイッチとスライダースイッチ。これも言うまでもなく、感触だけの意味なしスイッチだ。

 

さらに、グリップ部はダイヤルのように回せるが、もちろんこれにも意味はない。3つが連なっており、すべて回す硬さがちょっとずつ変えてあるところは芸が細かい。

↑チープな見た目にも関わらず、ノックノブの押し込み感は重厚で、高級ペンのそれに近い↑チープな見た目にも関わらず、ノックノブの押し込み感は重厚で、高級ペンのそれに近い

 

最後に、ペン軸後端のトグルスイッチ。押し込むとペン先が出るノックノブになっており、これだけが唯一、意味のあるスイッチだ。ガッチョン! という重々しいノック感はいかにも「押し込んだ!」という満足感があっていい。

 

大人が遊べるFidget Pen

先の「Fidget Widget Pen」が初期型の“Fidget Pen”で少しオモチャ寄りのビジュアルだとしたら、最新型でかなり洗練されているのが「FIDI PEN」である。一昨年、アメリカのクラウドファンディングで出品され、無事に成立して商品化されたものだ。

↑FIDIPEN.com「FIDI PEN」24ドル↑FIDIPEN.com「FIDI PEN」24ドル

 

これも全体的に意味のないガジェット類が積載されているのだが、見た目的にはちょっとオシャレペン感もあり、より「大人が会社でこっそり持っていても怪しまれない」要素が強い。

↑各スイッチともFidget Widget Penより押し心地がまろやかで、高級感がある↑各スイッチともFidget Widget Penより押し心地がまろやかで、高級感がある

 

普通のペンと比べて違和感があるとしたら、やはり軸のロッカスイッチだろう。Fidget Widget Penよりも押し心地がソフトだが、パチッと弾むような感覚があり、ついつい何度もパチパチしてしまう。

 

軸上にはもうひとつ、クリクリと回して遊べるボールもある。小さなトラックボールのようなものだが、指でいじっても音がしないので、会議中などに手遊びするならこれがベストだろう。また、ボールを押し込むとわずかにコリッとしたクリック感があるのも楽しい。

↑感触の楽しさで、無限にビョンビョン・クルクルと指でいじり続けてしまう↑感触の楽しさで、無限にビョンビョン・クルクルと指でいじり続けてしまう

 

隠し機能的に備わっているのが、フリップ・クリップだ。クリップを持ち上げるとロックが外れ、バネの力でビョンと立ち上がるようになっている。これを指でビョンビョンと弾くとこれも感触が気持ちいい。

 

軸後端のノックノブは、押し込むと深めのストロークがあって押し心地がいいのに加えて、さらに回転するホイールもついている。ハンドスピナーのようにベアリングが入っているわけではないが、指で弾いて回転させると、わりと長く回ってくれる。これもついつい「どれぐらい回転させ続けられるか」という遊びに没頭してしまうため、中毒性が高い。

 

↑なだらかなくぼみは、サテンのようなすべすべ感。気がつくとこればかり触っている↑なだらかなくぼみは、サテンのようなすべすべ感。気がつくとこればかり触っている

 

そして、このペンで最も中毒性が高く、最も官能的なのが、ペン軸に掘られたスムースディップと呼ばれる“へこみ”である。

 

つるんとした単なるへこみなのだが、これがすべすべしていて、さすると恐ろしく気持ちがいい。特にサテンの手触りなどすべすべとしたものに弱いタイプの人であれば、軽く1時間ぐらいはずっと、すべすべとさすっていられる恐ろしいガジェットだ。ボールだホイールだとあれこれついていても、結果、一番気持ちいいのがプリミティブなへこみである、というのはちょっと面白い。

 

ちなみに、本質から外れるので言及はわずかに止めておくが、今回紹介したどちらもペン自体はごくありふれた油性ペンである(Fidget Widget Penの方が若干なめらか寄りで書きやすい)。特にアメリカのオモチャペン系によくあるタイプのもので、筆記具としてはまあ必要充分というところだ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

文房具を駆使してインフルエンサー!? “インスタ映え”に効力を発揮するノートがあったとは

【きだてたく文房具レビュー】いいね!がもらえる名脇役ノート

 

今年の新語・流行語大賞は「インスタ映え」だそうで、たしかに去年から今年にかけて、どこに行ってもよく耳にしていた気はする。

 

「Instagram(インスタグラム)」と聞くと、おっさんは「若い女子のすることだろう」と避けがちかもしれないが、要するに“スマホで写真を撮ってSNSにアップする”というだけの話である。ラテアートやらふわふわなパンケーキの写真をインスタに載せるか、飲み会で出た豪華刺し盛りの写真をFacebookに投稿するか、ぐらいの話であって、やってることに大差はない。

 

今やスマホ(ガラケーでも)を持っていながら写真を撮らない人なんて、かなり少数派に属するはずで、だいたいはなんだかんだで1日1枚ぐらいは撮っているんではなかろうか。で、どうせ撮るならちょっとでも、人に見せた時に「いい写真だね」と言ってもらえるような見栄えの良い写真を撮りたい、というのが人情だろう。そんな人間の欲求にピンポイントで応えるノートというのがあるので、紹介したい。

 

つまり今回は、ノートの紙質とかそういうのは一切抜きで、撮影に便利なパーツだけの話である。

 

影を飛ばしてくっきり明るい写真を撮れるノート

↑M-PLAN「レフ板のついたリングノート」A5サイズ 540円↑M-PLAN「レフ板のついたリングノート」A5サイズ 540円

 

M-PLANから12月に発売される「レフ板のついたリングノート」は、A5サイズの5㎜方眼リングノートに、名前の通りレフ板を備えたもの。

 

写真に興味のない人にはピンとこないかも知れないが、実はこの“レフ板”というのが、写真をきれいに見栄え良く撮るのに必須といっていいほど重要なのだ。

↑ノートの後ろに銀色のレフ板が見開きで付属している↑ノートの後ろに銀色のレフ板が見開きで付属している

 

このノート、後ろ側に銀色のメタリックボードが付いており、これが簡易的ながらレフ板として機能する。

 

ノートにレフ板が付いている意味というのは、特にない。ただ、スマホでちょっとした写真を撮るためにわざわざレフ板を持ち歩くよりは、いつものノートについでにレフ板が付いている、という方がお得でうれしいというものだろう。

 

↑こちらがレフ板なしの写真(iPhone7のカメラで撮影)↑こちらがレフ板なしの写真(iPhone7のカメラで撮影)

 

↑こちらはレフ板ありの写真。トレーラー側面がくっきり明るくなっているのが分かる↑こちらはレフ板ありの写真。トレーラー側面がくっきり明るくなっているのが分かる

 

これを被写体のそば、上から見て影ができている側に置いてやることで、光を反射して明るく撮影することができる、というわけ。(この辺の理屈は、説明し始めるとキリがないので、興味のある方はレフ板・ライティングなどのワードで検索してください)

↑実際の撮影風景。照明の反対側に置いて影を消すのが基本的な使い方だ↑実際の撮影風景。照明の反対側に置いて影を消すのが基本的な使い方だ

 

レフ板を使う時は見開き状態にして立ててもいいし、ノートの裏表紙台紙がスタンドになっているので、これで支えて立ててもいい。スマホは両手で支えつつシャッターボタンを押すのが安定した撮影姿勢なので、いちいちレフ板に片手をふさがれないのはありがたい。

↑台紙はこのようにスタンドとして使用できる↑台紙はこのようにスタンドとして使用できる

 

実際には「がっつり実用」というレベルには満たない、オマケ程度の性能だ。しかし、あれば便利なレフ板がノートのオマケとしてついていると考えれば、それだけでも常備する価値はあるかも知れない。

 

知る人ぞ知る使い方、黒背景のノート

もうひとつ、オフィシャルでは「写真撮影に便利」とはひと言も謳われていないが、実は知る人ぞ知る小物撮影にちょっと便利なノート、というのも存在する。

 

マルマンの『Mnemosyne(ニーモシネ)』リングノートがそれだ。

↑マルマン「Mnemosyne(ニーモシネ)」A5リングノート(方眼/無地/7㎜罫)594円↑マルマン「Mnemosyne(ニーモシネ)」A5リングノート(方眼/無地/7㎜罫)594円

 

ニーモシネといえば、文房具好きの間では書き味の良い高品質紙を使ったノートとして有名だ。しかし、今回のような撮影用途で便利なのは、紙の方ではない。リングノートの表紙裏面が、背景の黒バックとしてなかなか有能なのだ。

↑表紙裏面は何の印刷もない、ただ黒一色のボードとして使える↑表紙裏面は何の印刷もない、ただ黒一色のボードとして使える

 

表紙板の裏面は何の装飾もない黒一色。プラ製なのでアップで撮影しても紙の繊維が目立つことはない。しかもうっすらと梨地になっているので、周りの光がペカペカと極端に反射することもない。

↑撮影時は上に被写体を置いて撮るだけ↑撮影時は上に被写体を置いて撮るだけ

 

↑黒バックは被写体がくっきりと浮かび上がるので、見せたい部分をしっかり見せられる↑黒バックは被写体がくっきりと浮かび上がるので、見せたい部分をしっかり見せられる

 

↑A5サイズは、これぐらいの小物の撮影にちょうど良いサイズ感↑A5サイズは、これぐらいの小物の撮影にちょうど良いサイズ感

 

例えば文房具など小物の写真を撮ってSNSにアップする時など、この程よい黒バックが重宝するのである。

 

机の上にダイレクトに置いて撮ると、気付かぬうちに埃や汚れが写り込んでしまったり、変な反射光でみっともない写真になってしまうこともままあること。そういう時に、サッとニーモシネの表紙裏を敷いてやるだけで、グッと締まったいい写真になったりするのである。

 

ニーモシネ、そもそもノートとしても優秀であることだし、いざという時に備えてこちらも1冊、どうだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

これは癖になるスルスル感! カーブもギザギザも思い通りの病みつきガラスカッターマット

【きだてたく文房具レビュー】高熱でも超音波でもかかって来い! のカッターマット

 

文房具には、「必要があるから使うモノ」と「使ってみて初めて必要性が分かるモノ」がある。

 

必要があるから使う……というのは、これを使わないと元から作業が成り立たないモノ。例えばペンがないと字は書けないし、糊を使わないと接着できない。つまり、かなり重要度が高いやつだ。対して、カッターマットなんかは、なくても紙が切れてしまう。新聞とか雑誌を下に敷けばなんとかなるし、気にせず机の上ダイレクトでカッター使っちゃう人だっている。

 

ところが、実際にマットを使うとカッター刃のもちは良くなるし、なにより切りやすい。一度使えば「あ、やっぱりマットいるんだ」と分かるのだ。

↑筆者の作業机は全面をカッターマットにしてある。なにか思いついた時に、すぐカット作業ができて便利↑筆者の作業机は全面をカッターマットにしてある。なにか思いついた時に、すぐカット作業ができて便利

 

で、もちろん筆者も、カッターマットの必要性は把握していたのだけど、このほど、実はその“さらに先”があったことを知った。使ってみたら、ガラス製カッターマットがものすごく良かったのである。

↑ゴッドハンド「ガラスカッターマット」151x227mm 1944円↑ゴッドハンド「ガラスカッターマット」151x227mm 1944円

 

今回紹介したいのは、ゴッドハンドの「ガラスカッターマット」。名前に聞き覚えがない人もいるかもしれないが、ゴッドハンドというのは文房具メーカーではない。異常に鋭くて切れ味の良いニッパーなどを作っている、模型工作用具のメーカーだ。

↑耐熱硬化ガラス製なので、ヒートカッターや超音波カッターにも使用可↑耐熱硬化ガラス製なので、ヒートカッターや超音波カッターにも使用可

 

そもそも、ガラスがカッターマットに使えるのか? と思われるかもしれないが、それが使えるのである。

 

実は、かつて印刷所でアナログ製版をしていた頃は、フィルムを切り貼りするのに巨大なガラスの作業台が使われていたのである。また、日本ではあまり普及していないが、海外のクラフト業界では、けっこう使われているとも聞く。

↑マットに刃を取られないので、フリーハンドで曲線を切るのがおそろしいほど軽快に。これはラクだ↑マットに刃を取られないので、フリーハンドで曲線を切るのがおそろしいほど軽快に。これはラクだ

 

では、普通の軟質樹脂製のカッターマットと比べてガラスの何がいいかって、まず切りやすい。カッターの刃先がガラスの上で滑るので、刃がスルスル動かせる。思った方向に刃を動かせるので、曲線カットや細かい切り抜きなんかもすごくやりやすいのだ。

 

ただし、その代わりカッターの刃が鈍るスピードはやたら速くなる。刃もちの悪さは意識して、こまめに刃を折る必要があるだろう。

↑左が軟質樹脂製マット、右がガラスマットでのギザギザ切り。左は、カドの頂点がえぐられたような穴になっている↑左が軟質樹脂製マット、右がガラスマットでのギザギザ切り。左は、カドの頂点がえぐられたような穴になっている

 

ガラスだと刃がマットの中に沈み込まないというのも、切りやすさのポイント。

 

軟質マットでギザギザと刃を動かして切ると、曲がり角の頂点に大きくえぐったような穴が開いてしまう。これ、「こういう切り方をしたら、こうなるものだ」と思って今まで気にもしていなかったのだが、実はマットに刃が沈み込んでいたからこその現象だったのだ。

 

その証拠に、ガラスカッターマットなら切り口がキレイで、穴も開いていない。

↑塗料や油性インクも、ひと拭きでキレイに。これはとてもありがたい↑塗料や油性インクも、ひと拭きでキレイに。これはとてもありがたい

 

あと、これは切りやすさには関係ないのだが、作業中に塗料や接着剤が付いても溶剤で簡単に拭き取れる、というのもガラスの大きなメリットだ。

 

油性マーカーのインクなんかも、軟質樹脂製カッターマットに付いてしまうと、もう二度と取れないものだが、これも無水エタノールとペーパータオルで拭うと、すっかりピカピカ。ペーパークラフトをする時にのり・接着剤をこぼしたり、塗料がついてしまったりするのはよくあるトラブルだが、それが簡単にリカバリーできるのはありがたい。

 

サイズ比やカッター刃のランニングコストで考えれば、かなり割高感のあるマットだが、趣味でクラフトをやっている人なら買って間違いはないと思う。性能的には、一度使うともう軟質樹脂製マットに戻れないぐらいのインパクトがある。

 

ただしかなりの人気商品のため、一度売り切れるとしばらくは品切れが続いてしまう。ネットで見つけたら即買いをオススメしておく。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

アレやったっけ……記憶力に自信をなくした世代に捧ぐ、タスク管理文房具

【きだてたく文房具レビュー】To Doを完全管理できる意外な組み合わせ文房具

 

いよいよ2017年も、残りあと1ヶ月。おおかたの人はもう、来年の手帳の準備が終わった頃合いだろう。

 

スケジュール管理の方法は百人百様で、営業仕事のために30分刻みのバーチカルでがっつりスケジューリングする人もいれば、内勤だからマンスリーだけで充分という人もいる。筆者は、残念ながら秒分に追われるほどの仕事もなく、マンスリーに日々の作業と〆切を書き込むだけで、だいたい事足りる派だ。ただ、わざわざマンスリーのブロックに書き込むほどじゃないけど忘れたらマズい、という日々の雑事はそこそこあるので、毎朝、その日1日分のToDoリストはまじめに作るように心がけている。

 

その関連で最近ちょっと面白かったのが、あるToDo管理系の文房具と、ToDoまったく関係ない文房具の組み合わせ。自分の環境では、このコンビネーションがなかなかイイ感じに効果を発揮してくれたのだ。せっかくなので、皆さんにもオススメしておきたいと思う。

 

To Do管理はスタンド式付箋で行う

まずTo Do管理系は、「スタンド式 TODOふせん」。サンスター文具から「ちょっとした不便を解決してくれるライトな事務文具」というコンセプトで発売されたLightia(ライティア)シリーズのひとつだ。

↑サンスター文具「Lightia スタンド式 TODOふせん」全6柄 各486円↑サンスター文具「Lightia スタンド式 TODOふせん」全6柄 各486円

 

商品名からだいたい見当がつくだろうが、「自立する付箋台紙に8本の付箋が並んでいて、ここに今日1日のタスクを書き込む」という、非常にシンプルなもの。台紙を立てた状態で机の目に付くところに設置して、トイレなどちょっと離席するタイミングでつねにチラッと見るように習慣づけると、作業の漏れが減らせるだろう。

↑置きっぱなしだと視線が滑りがちなので、できるだけ見るように意識したい↑置きっぱなしだと視線が滑りがちなので、できるだけ見るように意識したい

 

で、終わった時点でピッと剥がせば、残っているタスクが一目瞭然。剥がした下には空白の付箋が出てくるので、新しいTo Doはその空いた箇所に書き込む。これなら、台紙のリストは常に更新された状態になるわけだ。

 

これが意外と便利で、とにかく見えている部分が今現在のすべてのTo Doという仕組みである。作業をひとつし漏れたけど、日にちが変わっちゃったから改めて次のページに書き写す……なんて必要はない。

↑めくったところに、新しいTo Doを書き込む↑めくったところに、新しいTo Doを書き込む

 

さらに、これが付箋というのがポイントで、外出するときは、剥がしたタスクを手帳に貼って持ち出すことができるのである。

 

社内だけで作業が完結する人には不要だろうが、「基本は内勤だけどあちこち外に出ることもあるかな」というタイプの人にとっては、社内用のTo Doリストをいちいち手帳に書き写す手間がいらないのは非常にラクだ。

↑台紙から剥がした付箋は、手帳やノートに貼って持ち出しが可能↑台紙から剥がした付箋は、手帳やノートに貼って持ち出しが可能

 

何より、社内用と外出用でリストが2系統あると、書き写しのミスや二重作業などトラブルの元となる。スケジュール管理は、できるだけ1系統に統合する方がいい。

 

そういう意味でも、「スタンド式TODOふせん」はかなり実用性の高いスケジューラーと言える。

 

“付箋のゴミ箱”が終わったことリストになる

この付箋と組み合わせて便利だったのが、カミテリアの「ふせんのゴミ箱」。こちらは商品名だけではどんなものなのか、ちょっと想像しにくい。

↑カミテリア「ふせんのゴミ箱」3枚入り 全4柄セット Lサイズ 486円/Sサイズ 378円↑カミテリア「ふせんのゴミ箱」3枚入り 全4柄セット Lサイズ 486円/Sサイズ 378円

 

スリーブから覗いているつまみを引き上げると、ふたつ折りの台紙が出てくるので、ここに剥がした付箋を挟んだり貼り付けたりして収納するものだ。

 

要するに、使用済みの付箋を一時的に捨てることのできる増設ポケット、という説明が一番分かりやすいだろうか。

↑スリーブから台紙を抜くと……↑スリーブから台紙を抜くと……

↑使い終わった付箋は台紙にポイ!↑使い終わった付箋は台紙にポイ!

 

客先に付箋付きの資料を持ち込んだ際に、その場で剥がした付箋のやり場に困ったことはないだろうか? だいたい相手に「コレ、捨てておいてください」とも言いにくいし、ひとまず筆箱の中に突っ込んでおくぐらいが解決策だろう。

 

そういう場合には、手帳やノートにこの「ふせんのゴミ箱」を貼っておき(スリーブの背面に貼り剥がし可能なシールが付いている)、ゴミになる付箋をひとまずポイポイと突っ込んでおく。あとは帰社してから、本当のゴミ箱に改めて捨て直せばOKだ。

↑手帳やノートの表紙裏あたりに貼っておくと、外で使う時に便利↑手帳やノートの表紙裏あたりに貼っておくと、外で使う時に便利

 

そしてこの「ふせんのゴミ箱」が、先ほど手帳に貼って持ち出した「TODOふせん」の捨て場に、ちょうどイイ感じなのである。

 

出先でタスクを片付けたとして、自分のやった作業内容が書かれた付箋をその場でポイ捨てするのは、プライバシー的にも仕事的にも、やはり不用心に過ぎる。何より、未解決のタスクと混ざらないよう、「ここに入っているのは確実に終わったもの」として分かる集積場が必要なのだ。

↑ゴミ箱の中がやり終わった「Doneリスト」に。記憶力に自信がなくなる世代には、驚くほどありがたい↑ゴミ箱の中がやり終わった「Doneリスト」に。記憶力に自信がなくなる世代には、驚くほどありがたい

 

あと、これは若い人には伝わりづらいかも知れないが、ある年齢を過ぎてくると、自分の記憶能力に一切の責任がもてなくなる。

 

正直なところ、「TODOふせん」にない項目が、終わったから剥がしたのか、そもそも書き忘れているのかの区別がつかないのである。かなり危なっかしい話だが、これがまた40代以降の熟年層には結構な“あるある”なのだ。

 

しかし、そういう時にも「ふせんのゴミ箱」があればひと安心。中を見れば、そこにあるのがTo Do(やること)リストではなく、Done(やったこと)リストになっているのである。

 

もちろん、台紙にも手帳にも貼ってなくて、ゴミ箱にすらなければ、それは単なるリストの書き忘れ。そこまでは文房具でフォローできないので、自分のぼんやりっぷりを呪いながら、改めてタスクを組み直そう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

寝坊したメーカー担当者が電話出演!? 文房具好き垂涎のファン&メーカーイベントで新作も掘り出し物もザクザク!

文房具好きが休日の朝から集まって情報交換をしたり、自慢の文房具をプレゼンし合ったりする、『文房具朝食会』というイベントがある。

 

昨年秋には初めて、雑誌『GetNavi』との共催も行われたこの文房具朝食会。今年は、さらにいくつかの文房具メーカーも加わっての合同開催ということで、再び編集部のある学研ビルにお集まりいただいた。

↑2度目のGetNavi共催となる文房具朝食会は、記念すべき第150回の会合でもあった↑2度目のGetNavi共催となる文房具朝食会は、記念すべき第150回の会合でもあった

 

記念すべき第150回の会合でもあるこの日は、なんと関東に台風21号が直撃。残念ながら悪天候での開催となってしまったが、文房具好きは、多少の雨風ではくじけない。

↑早速、熱のこもったプレゼントークを展開する参加者の皆さん↑早速、熱のこもったプレゼントークを展開する参加者の皆さん

 

定時にはほぼ全員(18名)が揃ったところで、昨年と同様、まずは3卓に分かれての文房具プレゼントークの時間。自分で持ち寄った文房具を、「これ、いいんだよ!」とアツくオススメするトークが、それぞれの机で繰り広げられた。

↑カール事務器のカレンダー手帳は、自らリングなどをカスタムしたもの↑カール事務器のカレンダー手帳は、自らリングなどをカスタムしたもの

 

↑赤色好きな朝食会メンバーが「ついに入手しました!」と持ち込んだ、津軽塗の万年筆。深い朱色が美しい↑赤色好きな朝食会メンバーが「ついに入手しました!」と持ち込んだ、津軽塗の万年筆。深い朱色が美しい

 

↑JALオリジナルの、かわいい飛行機型ディークリップ↑JALオリジナルの、かわいい飛行機型ディークリップ

 

ちょっと興味深かったのが、直接的には文房具“じゃない”小物を持ち込んだ参加者も何人かいたこと。

 

文房具好きは、実は小物全般好きでもある。なので、もちろん他の参加者から「文房具じゃないじゃん」などの無粋なクレームは入らない。みんな、こういうのも大好きなのだ。

↑もはや何が出てくるのか予想もつかないプレゼントークだが、それがまた面白い↑もはや何が出てくるのか予想もつかないプレゼントークだが、それがまた面白い

 

例えば、今年の8月にアメリカでの皆既日食観測ツアーに参加したメンバーは、それを記念して発行された特殊な記念切手を披露していた。

 

実はこの記念切手、ある文房具的な秘密の処理が施されているのだという。

↑アメリカで発行された皆既日食の記念切手。一見、真っ黒な丸だけの図柄だが……?↑アメリカで発行された皆既日食の記念切手。一見、真っ黒な丸だけの図柄だが……?

 

↑体温で温めると、月のクレーターが!現地でも即売り切れというレアな切手だ↑体温で温めると、月のクレーターが!現地でも即売り切れというレアな切手だ

 

この切手は、文字が消えるフリクションボールペンでお馴染みの、温度によって変色する「メタモインク」で印刷されており、温めると“太陽を覆った月の表面”が見えるようになっているのだ。

 

こういうひと味変わった文房具関連ネタで盛り上がれるのも、多くのマニアが集まる『文房具朝食会』というイベントの面白さなのかもしれない。

 

さて、たっぷり1時間かけてさまざまな自慢の逸品を鑑賞し合ったあとは、今回の合同開催に名乗りを上げてくれた文房具メーカーによる、新製品プレゼン大会となった。

↑神戸派計画は、カラフルノート「iiro」の新色を紹介↑神戸派計画は、カラフルノート「iiro」の新色を紹介

 

神戸の印刷会社・大和出版印刷が展開するステーショナリーブランド「神戸派計画」からは、40色以上から選べる、罫線の色までカラフルなノートシリーズ「iiro(イーロ)」の新色、蛍光のNeon Color 5色を紹介。

 

鮮やかなのに目にうるさくない、かつ退色しやすい蛍光インクに耐久性を持たせた印刷に苦労した、とのこと。さらには、この時点ではまだメディア未公開だった新製品までこっそりお披露目される、というスペシャルなひと幕もあった。

↑カウネットオリジナルの便利アイテムにどよめく参加者↑カウネットオリジナルの便利アイテムにどよめく参加者

 

コクヨのオフィス通販「カウネット」は、オリジナル開発のシリーズ「カウコレ」から、持ち運びできるホワイトボードや、剥がしやすい梱包テープなど複数の製品がプレゼンされた。

 

中でも、1本で消し込みとマーキングができる蛍光/グレーの「2WAYチェックマーカー」は、「仕事の即戦力になりそう!」と参加者から高評価を受けていた。

↑カウコレ2WAYチェックマーカーを試筆↑カウコレ2WAYチェックマーカーを試筆

 

最後に、キヤノンITソリューションズが展開する、200ページすべてをカスタムできる手帳作成サービス「ネットde手帳工房」と、そこで作れる「ワタシメイド手帳」のプレゼン……のはずだったのだが。

 

なんと担当者が連日の展示会疲れから寝坊する、というハプニングが発生!

↑スマホを経由しての遠隔プレゼンタイム↑スマホを経由しての遠隔プレゼンタイム

 

それでもプレゼンを聞きたいという参加者の要望で、急遽、電話によるプレゼンが行われることとなった。

 

『文房具朝食会』主催の原さんがたまたま持ち込んでいた「ワタシメイド手帳」の現物と、スマホからの音声による前代未聞の遠隔プレゼンに、一同は大受けしていた。

↑最後は全員でGetNaviを手に記念撮影。ありがとうございました!↑最後は全員でGetNaviを手に記念撮影。ありがとうございました!

 

今後も、ほぼ毎月1回ペースで行われるという『文房具朝食会』。ディープなマニアから文房具の面白さに目覚めたばかりのライトユーザーまで、誰でも参加できるイベントなので、気になった方は参加してみてはいかがだろうか。

ここにいたのか! 本やノートに挟んで「ちょっと気になる」を逃さない極薄付箋

【「毎日、文房具。」が●●な人にすすめたい文房具】どこにでも忍び込ませられる付箋

 

「クリップココフセン」は、付箋をいつでもどこでも好きな場所に挟んで持ち運ぶことができる、クリップタイプの付箋です。付箋は丈夫で破れにくいフィルムタイプ。1枚抜き取ると、ティッシュペーパーのようにポップアップでどんどん出てくるので、とても使いやすいんです。

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例えば手帳に付ければ、後から見返したい予定が書いてあるページに付箋を貼ったり、

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ノートに付ければ、大切なことが書いてあるページに付箋を貼ることができますね。

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また、ビジネス書などの実用書に付けておけば、重要なポイントのところに付箋をすぐに貼ることができます。

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そして意外と活躍するのが、旅行のガイドブック。

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行きたい観光名所やお店などを見つけるたびに付箋をどんどん貼ることができます。

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使い終わっても、別売りの「ココフセン」を買ってクリップに付け替えるだけで、何度も繰り返し使うことができますよ。

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そろそろ来年の手帳を購入した方も多いはず。手帳にワンポイントプラスのアイテムとしてもおすすめです。

 

こんなあなたにおすすめ!

・付箋をよく使う人

・旅行に行く予定がある方、よく行く人

・手帳を上手に使いたい人

 

【商品情報】

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カンミ堂「クリップココフセン」価格421円〜453円(税込)

http://www.kanmido.co.jp/products/cocofusen/clip_cocofusen.html

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。

授業や会議で指されたくない人へ! 悪目立ちを防ぐパイロットの縦横無尽ペンケースをレビュー

【きだてたく文房具レビュー】悪目立ちしないペンケース

 

仕事柄、友人知人からの文房具の相談に乗ることが多い。この間も、仕事関係では先輩に当たるライターの方から「なんか使いやすいペンケースってない?」という非常にザックリとした相談を受けた。

 

「なんか使いやすい」も何も、アンタが今どんなペンケースを使ってて、どこが不満なのか分からない以上は、何も言えねぇよ! という言葉は社会人として飲み込んで、「そうですね、最近は立つペンケース系がすごい流行ってますねえ」と、当たり障りのない回答をすると、あちらが「うーん……」と妙に渋い反応をする。

 

あれ? 想定外の反応に「どうしたんですか?」と聞くと、「立つペンケース、使ったことあるんだけど、会議とか打ち合わせの時に使うと変に目立ってイヤなんだよね」とのこと。

 

なるほど。考えたこともなかったが、たしかにテーブルの上に自分のペンケースだけがにょっきり立っている状態を、“悪目立ち”と受け取る人はいるのかも知れない。そして、そういうことならこちらにも解決案がないことはない。

↑パイロット「Tatemo」全9色 各1296円↑パイロット「Tatemo」全9色 各1296円

 

“立つペンケース”系は、立たせて使うことで中の筆記具を取り出しやすい、さらに狭い机でも省スペースで展開できる、という大きなメリットがあるが、今回の先輩ライター氏は、場合によっては立たせたくないこともあるという。

 

ならぱ、立たせても寝かせても便利なものがあれば良いのだろう。ということでオススメしてみたのが、パイロットの立つペンケース「Tatemo」である。

↑フタを開いて自立させた状態。これだけで充分に安定して立つ↑フタを開いて自立させた状態。これだけで充分に安定して立つ

 

使用時は、斜めに切られた前面の開口部をファスナーで開けてガバッと展開させる。するとフタと本体がマグネットで固定され、三角のくさびのような形に変形するので、これでペンスタンドのように立たせることができるようになる、というもの。

 

変形によって底面積は1.5倍ほどに増えるので、使っていてもまず安定して自立する。これならカフェのテーブルなど狭い机で作業をする時も、場所が広くスッキリ使えるというわけである。

↑立てた状態なら、狭い机でも仕事がしやすい↑立てた状態なら、狭い机でも仕事がしやすい

 

Tatemoの面白いところは、この三角のくさび型の状態で立たせるだけでなく、寝かせてペントレーのように平らに使うこともできる、というところ。といっても、さほど特殊な仕掛けがあるわけではない。単に、背面もフラットになっているから寝かせても安定している、というだけの話である。

 

しかし、実は立つペンケース系の中でこれは意外にレアな特性なのだ。基本的に立たせて使うことを前提としているので、他の製品は寝かせた状態ではペンが取り出しにくかったり、広い開口部がキープできなかったりするものが多い。

↑寝かせた状態でも中の文房具へのアクセスはスムーズ↑寝かせた状態でも中の文房具へのアクセスはスムーズ

 

対してTatemoは、寝かせたトレー形態でも開口が充分に大きく、ペンが取り出しやすくなっているのがポイントだ。また、ファスナー周りに少しフチが残るようになっているので、トレーとして寝かせた時もザラッと中からペンが出てくる心配もない。

 

縦・横どちらにしても安定するので、自分の使用環境に合わせて置けば快適に使うことができるだろう。

↑会議中に立てた状態。確かにちょっと悪目立ちするかも?↑会議中に立てた状態。確かにちょっと悪目立ちするかも?

 

↑寝かせた状態。これなら注目も受けずにやりすごせるはず↑寝かせた状態。これなら注目も受けずにやりすごせるはず

 

フタには、立つペンケース系ではすっかり定番になった面ファスナー付きポケットが付いており、消しゴムやふせんなどの小物はここに収納可能。立たせたとき底に沈まないように、という工夫である。

↑フタ側についたメッシュポケット。決して使いやすいわけではないので、あまり使わない類のものを収納する方がいい↑フタ側についたメッシュポケット。決して使いやすいわけではないので、あまり使わない類のものを収納する方がいい

 

ただ、このポケットは口が狭く、決して使いやすいわけではない。使用頻度の高い消しゴムなどはペン型のものを使うなどして、ここにはボールペンの替えリフィルのような、いざという時の備品を収納するのがベターだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

整形疑惑の“ジョン・レノン”だと!? ほぼ日手帳とビートルズが繰り広げた熱い一夜に潜入

2002年版の誕生以来、手帳のスタンダード・セレクションとして愛用され続けている「ほぼ日手帳」。LOFTの手帳部門の売上では13年連続ナンバーワンに選ばれ、2017年版は約67万部が販売された。手帳としての機能性はもちろん、手帳カバーでのさまざまなブランドやアーティストとのコラボレートも魅力のひとつ。2018年版は79種類ものラインナップとなり、その中でも話題となっているのが、ザ・ビートルズとのコラボレートモデルだ。

 

20171129_wadafumiko_001_IMG_8416↑会場に並べられた、ほぼ日手帳のザ・ビートルズとのコラボモデル

 

アートディレクターの秋山具義、吉田ユニ、イラストレーターの塩川いづみ3氏によるデザインで4種類販売され、それぞれ曲名にちなみ、素材やフォルムも異なっている。秋山は「ラヴ・ミー・ドゥ」と「ヘルプ!」、吉田は「イン・マイ・ライフ」、塩川は「ブラックバード」をイメージしてデザイン。手帳カバー全体はもちろん、内側のポケット、しおりなどにもザ・ビートルズにちなんだ意匠が盛り込まれ、持っているだけでうれしくなる。

 

その発売を記念して10月5日に六本木のライヴハウス「ABBEY ROAD」でトーク&ライヴイベント“ほぼ日のビートルズ・ナイト!”が開催され、糸井重里とムーンライダーズの鈴木慶一によるトークと、ザ・ビートルズのトリビュート・バンドのザ・パロッツのライヴが行われた。

↑手に手にほぼ日手帳を持つ本日の出演者、ザ・パロッツとマブジョン↑手に手にほぼ日手帳を持つ本日の出演者、ザ・パロッツとマブジョン

 

ビートルマニアからも一目置かれる“本物”のバンド

まず、登場したのはザ・パロッツ。1990年に結成された彼らは、毎年イギリスはリヴァプールで開催されている世界最大のビートルズ・フェスティバル「ビートルズ・コンベンション」にアジアのバンドとして初めて出演を果たしたほか、2007年には英国を代表するロック・バンドのひとつ、アークティック・モンキーズのサポート・アクトも務めた。さらに2013年、日本ツアー中のポール・マッカートニーのプライベートパーティに招待されて、本人の前で演奏、さらに共演も果たすなど、世界各国のビートルマニアからも一目置かれている“本物”のバンドだ。

しかし、残念ながらジョン・レノン役のチャッピー吉井が9月12日に急逝。ポールのパーティでも“Hi, John!”と呼ばれたほどのジョンそっくりの演奏や立ち居振る舞いを観ることは叶わなくなったが、この夜は急遽、ザ・ファブラッズのジョン役である“マブジョン”こと馬渕英将が代役を務めた。

↑ザ・パロッツによるザ・ビートルズの楽曲が、会場を引き込む↑ザ・パロッツによるザ・ビートルズの楽曲が、会場を引き込む

 

イベントに参加した人たちが食事やドリンクを楽しみながらスタートを待ちかねていたところに、ザ・パロッツが登場。1曲目の「ア・ハード・デイズ・ナイト」でいきなり会場内の温度をぐんぐんと上げていく。続いて「オール・マイ・ラヴィング」「ロール・オーバー・ベートーヴェン」「レット・イット・ビー」が演奏されていったが、目をつむるとまるでCDを聴いているかのような再現性で、日本のバンドながら海外でも通用し、高く評価されている理由がよくわかるものだった。

その後は「イエロー・サブマリン」「ひとりぼっちのあいつ」「抱きしめたい」を熱演。“マブジョン”との息もピッタリのパフォーマンスで、大きな拍手と歓声が湧き起こった。

 

はちみつぱいはビートルズがいなかったら存在していなかった

ザ・パロッツのファースト・ステージが終わると、糸井と鈴木が、「涙の乗車券」のB面曲「イエス・イット・イズ」をバックにステージ上に登場。司会から、どうしてこの曲を選んだのか? と問われて、鈴木が「“イエス・イトイ・イズ”と、“イット”と“イトイ”の発音が近いから」と説明して笑いを呼んだ。リアルタイムでザ・ビートルズを体験しているふたりだけあって、並々ならぬ思い入れがあり、トークはいきなりマニアックな内容に。

↑ほぼ日の代表、糸井重里氏と、ムーンライダーズの鈴木慶一氏↑ムーンライダーズの鈴木慶一氏と、ほぼ日の代表、糸井重里氏

 

ザ・パロッツの演奏中に話していたという「ア・ハード・デイズ・ナイト」のイントロについて、あの“ジャーン!”という鳴りはどのようにして形成されているのかを喧々諤々と話し始める。また糸井が、鈴木がムーンライダーズの前に組んでいた、はちみつぱいはザ・ビートルズがいなかったら存在していなかったのか? と鈴木に問いかけると、音楽家としての鈴木慶一は存在しなかったと思うと答えて、かけがえのない存在であり、自らのルーツであることを明言した。さらにザ・ビートルズから過剰なまでの好奇心と集団でものを作ることのおもしろさを学んだと続け、夢中になっていた当時を糸井と思い出しながらも話は思わぬ方向に行ったり来たり。プロデューサーであるジョージ・マーティンがザ・ビートルズと出会った頃の説や、デビュー前の心情や環境、カバーの選曲の妙、バンドの編成論、マーケティングなき時代の活動形態、あまりにジョンに似ている“マブジョン”の整形疑惑、解散直前のポールの心情などをおもしろおかしく語り合った。

ザ・ビートルズの約10年間の活動に対して、ムーンライダーズの長さについて聞かれると鈴木は「集団でうまくやっていこうという気持ちがみんなにあるのと、みんなで何かを作っていくことに対しての愛情があるから。ひとりじゃだめだから、助けてよと言えるメンバーがいるから続くんです」と長寿の秘密を明らかにした。さらに糸井が「メンバーみんなが俺が一番という気持ちはないの?」と突っ込むと、鈴木は「全然ない。ムーンライダーズは全員ジョージ・ハリスンだと思う。でも、ジョージも時々カッとなるからね」と答えて、会場は爆笑に包まれた。

 

ザ・ビートルズの魅力と奥深さをあらためて知らされた2時間

20分の予定があっという間に過ぎ去り、30分に近づいたところで司会から声がかかって、ザ・パロッツのセカンド・ステージへ。糸井からのリクエストである「ノー・リプライ」からスタートし、「サムシング」を演奏したところで、メンバーが手帳のデザインの良さや感想を話してから「ラヴ・ミー・ドゥ」「ヘルプ!」「ブラックバード」「イン・マイ・ライフ」をパフォーマンス。生のサウンドを耳にして、手帳のデザインから生まれるイマジネーションがより深くなっていくような体験をさせてくれた。そして鈴木がリクエストした「ゴールデン・スランバー」へ。『アビイ・ロード』B面のハイライトである組曲で、続く「キャリー・ザット・ウェイト」〜「ジ・エンド」〜「ハー・マジェスティー」までを完全再現してくれた。その完璧なパフォーマンスを目の当たりにして、アンコールの拍手が鳴り止まず、再度ザ・パロッツが登場。“マブジョン”の存在感が光る「ツイスト・アンド・シャウト」で大団円を迎えた。演奏中も糸井と鈴木からの話しかけに答えて、ポールの前で演奏した時の裏話や演奏法などを、笑いを交えて披露。あっという間の2時間が終わった。

↑ザ・ビートルズ愛にあふれた面々↑ザ・ビートルズ愛にあふれた面々

 

糸井と鈴木の愛情たっぷりのトークのおもしろさはもちろんだったが、何よりも驚かされたのはザ・パロッツのリアリティ。トリビュート・バンドに関して、正直なところカバー・バンドくらいの認識しか持ち合わせていなかったが、その重箱の隅をつつくほどのこだわりに感服させられっぱなしだった。楽器や奏法、歌い方はもちろんのこと、ちょっとした仕草やファッションまでとことん研究していることがわかり、認識を改めた次第。ポールも思わずステージに飛び入りしたのもよくわかるほどの魅力で、この日集まったザ・ビートルズとほぼ日手帳のファンもきっと同じ思いを抱いたことだろう。

 

【セットリスト】

1部

「A Hard Day’s Night」

「All My Loving」

「Roll Over Beethoven」

「Let it Be」

「Yellow Submarine」

「Nowhere Man」

「抱きしめたい」

 

2部

「No Replay」(糸井重里リクエスト)

「Something」

「Love Me Do」

「Help!」

「Blackbird」

「In My Life」

「Golden Slumbers」(鈴木慶一リクエスト)

 

アンコール

「Twist And Shout」

 

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写真提供:ほぼ日刊イトイ新聞

書けるマステとプチなカッターが出逢ったら……ロール付箋の上位互換となるベストカップルが誕生した!

【きだてたく文房具レビュー】最強のロール付箋が完成するマスキングテープ&テープカッター

 

全面糊タイプのロール付箋は、使ってみると便利さが実感できるアイテムだ。短く切ってノートのインデックスにしたり、長く使って食べかけの菓子袋を仮留めしたりと応用が利くため、ひとつ手元に常備しておくと、なかなか使い勝手が良いのである。

 

とはいえ、その便利なロール付箋にも不満がないわけじゃない。ここはちょっとアレだなー、と感じてもいた。それが、最近立て続けに発売された新アイテムふたつを組み合わせて使うと、なんと驚き、ロール付箋の完全上位互換として機能して、やたらと使いやすくなったのだ。

 

まず紹介したいのが、今年の7月にマークスから発売された「水性ペンで書けるマスキングテープ」。これはまさに製品名のとおり、テープの上から字が書けることを眼目にしたマスキングテープだ。

↑マークス「マステ 水性ペンで書けるマスキングテープ」小巻サイズ 6色 各388円↑マークス「マステ 水性ペンで書けるマスキングテープ」小巻サイズ 6色 各388円

 

マスキングテープといえば、そもそもマスキング、つまり塗装などをするときに塗料を弾くためのもの。文字が書けてしまうのは本来の用途からするとマズいのだが、それでもまぁ、油性インクであれば字が書けないことはない(あくまでも、書けないこともない、レベルの話だが)。

 

なので、マステユーザーの中には、油性ペン+マステをロール付箋のように使う人もいなくはなかった。

↑上ふたつは字が書けるマスキングテープ。紙に書くような感覚で、くっきりと水性インクが乗る。一番下の通常のマステは、インクを弾いてしまってきれいに書けない↑上ふたつは字が書けるマスキングテープ。紙に書くような感覚で、くっきりと水性インクが乗る。一番下の通常のマステは、インクを弾いてしまってきれいに書けない

 

ところが、この字が書けるマスキングテープは、なんと通常のマスキングテープではまず弾かれてしまっていた水性ボールペンや蛍光マーカーでも、くっきり字が書けるのである。

↑水性ペンで書ける意外の使い勝手は、通常のマステとほぼ同じ↑水性ペンで書ける以外の使い勝手は、通常のマステとほぼ同じ

 

これなら、ロール付箋のように好きな長さに切って貼って、上から字を書くのも自由自在。書類にコメントを書き足したり、手帳のマンスリーにスケジュールを追記したりするのにも便利だ。

 

特に筆者は、常用のボールペンが水性のゲルインクボールペンであるため、“いつものペンが使える”というのは非常にありがたい。ただ、普通の紙ほどはインクを吸わないので、書いた後の乾燥時間はややかかる。そこは注意が必要かもしれない。

 

↑粘着力もあるので、ちょっとした仮留めもそつなくこなす↑粘着力もあるので、ちょっとした仮留めもそつなくこなす

 

さて、冒頭にも書いたロール付箋の不満ポイントだが、それは粘着力だ。ロール付箋はあくまでも付箋として作られているため、粘着力が弱い。貼っておいたものが、知らず知らずのうちにへラッと剥がれてしまうこともよくあった。

 

ところが、この字が書けるマスキングテープの粘着力は「ロール付箋以上、普通のマステよりやや弱い」という程度。手帳やノートの上から剥がす時に紙の表層を連れてくることはないが、かといって勝手に剥がれることもない。ちょうどいい、という表現がぴったりくる感じだ。これぐらいの粘着力があれば、仮留め用にもより使いやすいだろう。

 

このマステに相性バッチリ! と感じたのが、11月に発売されたばかりのコクヨ「テープカッター カルカットクリップ」である。

↑コクヨ「テープカッター カルカットクリップ」各3色 10〜15㎜幅用 388円/20〜25㎜幅用 410円↑コクヨ「テープカッター カルカットクリップ」各3色 10〜15㎜幅用 388円/20〜25㎜幅用 410円

 

カルカットと言えば、コクヨから発売されているテープカッターシリーズ。特殊な形状の「カルカット刃」を採用し、テープがスパッと軽く切れて、しかも切り口がギザギザせず真っ直ぐになるということで、2014年の発売以降ずっと人気となっている。

 

つまりこのクリップタイプのマスキングテープカッター(以下、長いのでクリップカッター)は、カルカット刃を搭載した、クリップでマステのロールを挟んで使う、超コンパクトなテープカッターなのだ。

↑軽い力でサクッと切れる↑軽い力でサクッと切れる

 

使い方は、ふっくらした形状のクリップをマステのロールに直交するよう挟むだけ。あとは切りたいところまで回しながら移動させて、テープをちょっと上に引き上げるだけでキレイに切れる。

 

感覚としては手でマステをビリッとちぎるのに近いが、手応えは軽いし、さすがカルカット刃だけあって切り口もフラットだ。

↑左が一般的なテープカッター、右がカルカット刃の切り口。ギザギザが小さく、遠目にはほぼまっすぐに見える↑左が一般的なテープカッター、右がカルカット刃の切り口。ギザギザが小さく、遠目にはほぼまっすぐに見える

 

非常にシンプルな道具に思えるが、よく見るとさまざまな工夫がなされているのが分かる。例えばクリップでマステを挟む時、挟み口の受け側(下側)が動いて大きく開き、ロールに挿し込みやすいようになっている。で、一度挟むと今度はロールが抜けにくいように受けが閉じ、さらにテープがカッター刃に水平に当たるよう固定してくれるのだ。

↑挟む前は、受け側が大きく開く↑挟む前は、受け側が大きく開く

 

↑挟むと、テープが抜けにくいように閉じて固定する↑挟むと、テープが抜けにくいように閉じて固定する

 

さらにこの可動式の受け側は、マステのロールの厚さにも対応しており、テープ巻きの長いもの(ロールが分厚い)も、使い続けて少なくなったものも、常に同じような角度でカッター刃に当たるよう調節してくれる。

 

クリップ形式のカッターなのに、テープ残量によって使い心地が変わらないこの機構は、本当に良くできていると思う。

↑ロールの厚みが変わっても、刃の当たりが変わらない構造↑ロールの厚みが変わっても、刃の当たりが変わらない構造

 

このクリップカッターと、先の字が書けるマステを組み合わせて使うと、まず切り口がフラットになるのが使いやすい。付箋代わりにメッセージを書いて貼る時、テープを手で千切ると見栄えが悪いし、切り口から浮いて剥がれやすくなってしまう。やはり切り口はできるだけキレイな方が、いろいろとありがたいのだ。

 

また、カッターとして非常にコンパクトなのも、相性を高めるポイントのひとつ。文字が書けるマステは応用の幅が広いアイテムだけに、できれば筆箱に放り込んで常備しておきたい。であれば、カッターも筆箱に入って邪魔にならないサイズであるべきだろう。大容量の筆箱ならクリップカッターを挟んだままでも入るし、それが無理ならバラで入れておいてもいい。

 

このふたつを組み合わせて持ち歩くことで、何かの時に助かることもきっとあるはずだ。使い勝手の良さは保証する。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

油性マーカーでセンスが分かる? 「マッキー」がさりげなくオシャレを演出してくれるとは!

【「毎日、文房具。」が●●な人にすすめたい文房具】何の変哲もないクリアファイルでセンスを主張できる油性マーカー

 

仕事中も、何かと重宝する黒の油性マーカー。時には資料の分類のため、ラベルやクリアファイルに、これで書き込むことも多いのではないでしょうか。

 

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ただ、こうして黒の油性マーカーで書くと、なんだか事務的でおしゃれじゃない……と思ったことはありませんか? そんな時におすすめしたいのが、「マッキーペイントマーカー」です。

 

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油性マーカーの定番「マッキー」シリーズのひとつで、白・銀・黄・金・ピンクの5色展開。中でもおすすめのカラーは金と銀です。ただ書くだけで、マットな輝きが文字をセンス良く見せてくれるのです。

 

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こちらは、金のマッキーペイントマーカーでクリアファイルに書き込んだもの。写真ではわかりづらいかもしれませんが、実際に見ると黒の油性マーカーで書いたものよりずっとシックに、おしゃれに見えるのです。

 

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文字を目立たせすぎずに書きたい時は、銀のマッキーペイントマーカーで。角度によって、文字の表情が変わります。

 

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黒いものや色の濃いものに書いてもはっきりとした線が書けるので、黒の油性マーカーでは見づらくなるものに書き込むときにも便利。

 

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ノートに名前やタイトルを書き込むときに使っても、ぐっと見栄えがよくなりますよ。

 

また、ガラスや金属面にも書き込み可能なので、アイデア次第で使い方が広がりそうです。普通の油性マーカーよりもインクが乾くのに時間がかかりますので、そこは注意してくださいね。

 

もともと工作や園芸、工場や工事現場向けに開発された商品ですが、オフィスワークでも活躍するマッキーペイントマーカー。黒の油性マーカーでは味気ないとき、少しだけカッコよく見せたいときに、1本持っているとなにかと便利なアイテムです。

 

こんなあなたにおすすめ!

・黒い油性マーカーに飽きた方
・タイトルやラベリング、分類をおしゃれに見せたい方

 

【商品情報】

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ゼブラ「マッキーペイントマーカー 極細」価格248円(税込)

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。

書類100枚をスッポリ! クリアファイルをまとめて放り込めるクリアファイル「フリップファイル」をレビュー

【きだてたく文房具レビュー】クリアファイルを飲み込むクリアファイル

 

いま、来年2月に出る予定の超面白い文房具本(ご期待ください!)を執筆している最中なのだが、現時点でかなり時間が無く、なかなかのギリギリ進行。そのため、ちょっとした空き時間を見つけては原稿チェックをせねばならず、チェック用の原稿プリントアウト100枚ほどを、常にカバンに放り込んで持ち歩いている。

 

これが重いのはまぁ仕方ないとして、A4の紙束100枚というのがやたらと持ち運びにくい。

 

最初は適当な角2封筒にドサッと放り込んでいたのだが、厚みがあるためにきちんと納まりきらず紙の端が飛び出していたり、あとは何度もカバンから出し入れしているうちに封筒のカドが擦れてボロボロになってきたりと、あまり具合がよろしくなかったのだ。

↑運用3日にしてもうボロボロの角2封筒↑運用3日にしてもうボロボロの角2封筒

 

こういうの、どうしたらいいんだろう? と考えていたら、フと、先日の文房具関連展示会で新製品として紹介されていたクリアファイルを思い出した。アレ、使えるんじゃないだろうか。

 

↑セキセイ「Actif V フリップファイル」タテ型・ヨコ型 全6色 各216円↑セキセイ「Actif V フリップファイル」タテ型・ヨコ型 全6色 各216円

 

ということで思い出したアレというのが、セキセイの「ActifV フリップファイル」。一見したところ、特に代わり映えのしない普通のクリアファイルなのだが、まず容量が違う。コピー用紙でなんと100枚を飲み込んでしまうのだ。100枚! それ、まさにいまピッタリ欲しいやつである。

↑コピー用紙100枚を収納した状態。まだ入るな、という実感↑コピー用紙100枚を収納した状態。まだ入るな、という実感

 

マチの厚さが最大で16㎜とかなりの幅広になっているため、実際にコピー用紙100枚(厚さ約9㎜)を入れても、キツキツにならない。指を差し込む余裕もあるので、書類を取り出すのもかなりラクだ。「100枚収納可」とあるのは、それなりに安全マージンを取った数字のように思える(実際130枚ぐらいは安定して入った)。

 

また、普通のクリアファイルごと収納ができるので、たとえば会議資料を人数分それぞれクリアファイルに入れて、それをさらに収納する……という使い方も可能だ。

↑開く時は書き込みラベル兼用のタブをつまんで……↑開く時は書き込みラベル兼用のタブをつまんで……

↑ガバッと後ろに反らすだけで、大きく開く↑ガバッと後ろに反らすだけで、大きく開く

 

今回の使い方で言うと、頻繁に中の書類を取り出すという条件があるのだが、これまたフリップファイルは充分に条件を満たしていた。

 

収納した紙が勝手に飛び出さないようにフラップ状のフタがついているのだが、製品名の通り、フラップのタブをめくる(flip)するように反らすだけでフタがガバッと大きく開き、書類にアクセスすることができるのだ。このフタが非常に良くできていて、閉まった状態だと振ろうが逆さにしようが勝手に開くことはないが、手でめくれば何の力もいらずにスルッと開く。片手でも簡単にできるので、これが非常に使いやすい。

↑タテ型は短辺方向が大きく開く↑タテ型は短辺方向が大きく開く

 

フタが短辺側についているタテ型とヨコ型があるが、これは自分の使っているカバンの形状で使い分けるといい。このフラップ状のフタのおかげで、ファイル自体はカバンの中に入れたまま、書類の出し入れができるからだ。

 

つまりリュックならタテ型がいいし、トートやビジネスバッグならヨコ型が便利、ということ。

↑本体がかなり頑丈なので、カバンの中に入れたままでも書類の出し入れはラクだ↑本体がかなり頑丈なので、カバンの中に入れたままでも書類の出し入れはラクだ

 

今回の筆者の使い方は、「最初からたっぷり紙を入れて持ち運ぶ」用途だったが、例えば、展示会などでカバンの中に空っぽのフリップファイルを入れておき、ブースで資料やカタログをもらう度に、その場でどんどん放り込んでしまうのだ(展示会の資料はクリアファイルに入っていることも多いが、もちろんそれもそのまま入る)。

 

本体がしっかりした厚めの素材でできているので、多少手荒に扱っても、中身が折れ曲がるようなことはない。また、マチが厚いこともあって、ファイルボックスに入れてもへにゃっと崩れることなく自立してくれる。プロジェクトごとに資料を分類して整理する際にもかなり使えるだろう。

↑ファイルボックスに放り込んでおけば自立するので、扱いやすい↑ファイルボックスに放り込んでおけば自立するので、扱いやすい

 

大量の書類持ち歩き・資料の分類整理などほぼ万能に使える気がするので、このフリップファイル、ちょっとまとめ買いしてみたいと思う。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

なんて健気なんだ! 無印良品のファイルボックスが受け止める意外なモノとは?

【「毎日、文房具。」が●●な人にすすめたい文房具】ファイルの収納以外にも活用できるボックス

 

会社で無印良品のファイルボックスを使っています。

 

極めてシンプルで、無駄のないデザイン。価格は700円(税込)とリーズナブル。ただし、私はファイルボックスとしては使用していません。

 

実は、私はデスクの足元にこのファイルボックスを置き、「スリムなゴミ箱」として使用しているんです。

 

足元に丁度良いサイズなんです。すごく重宝しています。足元に置くのが少し気になる方は、机の引き出しに入れても、もちろんジャストサイズです。

 

飾りっけのないポリプロピレンのファイルボックスが、健気にオフィスにマッチします。色は半透明とホワイトグレー。好きな方を選んでみてください。

 

ファイルボックスとしては使ってあげられないけれど、毎日のように私のクリアデスクを支えてくれている大切な存在です。オフィス以外にも狭い場所、例えば洗面所などでも使えますよ。

※本来の使用目的とは異なりますので、ご利用は自己責任でお願いします。

 

こんなあなたにおすすめ!

・気づけばいつも机がゴミで散らかっている方
・自分の席とゴミ箱を一日に何度も往復している方

 

【商品情報】

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無印良品「ポリプロピレンファイルボックス・スタンダードタイプ・A4用」価格700円(税込)

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。

書く・見る・綴じる・持ち歩くがシームレスにつながる。断言、「PLOTTER」はノートの完成形である

大人がもつべきノートとは、いったいどんなものだろう?

 

学生時代、学習帳から罫線の細い綴じノート、あるいはルーズリーフへ移行した私たちは、社会人になってまた綴じノートを使っている。しかし、綴じノートは選択肢が豊富だがページの入れ替えも追加もできないし、とはいえルーズリーフでは、ページの入れ替えは自在でもバラバラに散逸する可能性が高い。

 

「そういった観点から、1985年に日本に上陸した“システム手帳”は90年代を席巻し、バブル期の象徴ともされました。便利なため、今でもそのまま使い続けている方はたくさんいらっしゃいます」と話すのは、システム手帳の代表的なブランド「ノックスブレイン」を手がけてきた斎藤崇之さん。ただし、システム手帳はツールが多く煩雑になりがちで、以降新たなユーザーはそれほど増えていない。

 

そこで、ノート、ルーズリーフ、システム手帳が持つそれぞれのいいとこ取りをすることで、システム手帳の「ノックスブレイン」とは異なる、まったく新しい価値をもつツールとして今秋登場したのが、「PLOTTER(プロッター)」である。「なにかに邪魔をされることなく思考を巡らせ、AIにはできない“ひらめき”を大切にできる。そんなツールを目指しました」(斎藤さん)

 

「PLOTTER」も一見システム手帳のように、バインダーを軸にツールを自由にピックアップし構築していく。ではなにが違うのか? ラインナップから確認してみよう。

シンプルに徹しながら機能を凝縮したツール

まずは、バインダー。2015年、「ノックスブレイン」から「ルフト」というレザーバインダーが登場した。本体の一枚革、リフィルを綴じるリング、それを固定するバックプレートというわずか3パーツからできており、平らに開き綴じると薄く、真鍮製のバックプレートが背表紙にデザイン性を与えた「ルフト」は、従来のシステム手帳にないコンセプトが支持され、大ヒットとなった。今回の「PLOTTER」は、バインダーにこの「ルフト」を継承し、革の種類やサイズを増やして、あらためて軸に据えている。“ナローサイズ”と名付けられた細長い独自サイズも「PLOTTER」のラインナップに加えられた。

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6穴リングレザーバインダー

プエブロ 1万800円〜1万9440円/ホースヘアー 8640円〜1万4040円/シュリンク 7560円〜1万2960

皮革はイタリアンショルダーレザーの「プエブロ」、タンニンレザーに微細なエンボス加工を施した「ホースヘアー」、シボを施した「シュリンク」の3種類。とくに「プエブロ」は秀逸。ハイブランドにも卸しているイタリアの名門タンナーによる革で、ショルダーレザーを微細な針を植えた剣山のような金属タワシで丁寧にこすることで、やや起毛した状態に仕上げてあり、使い込むほどに色濃くつやが増していく。もっともエイジングを楽しめる革だ。それぞれA5、バイブル、ナロー、ミニの4サイズをそろえ、カラーは「プエブロ」が4色、「ホースヘアー」が3色、「シュリンク」が5色をラインナップする。

 

続いて、“ノート”部分となるリフィル。

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リフィルメモパッド

無地 518円〜691円/2mm方眼 518円〜691円/6mm罫線 518円〜691円/ToDoリスト 453円〜648

ドローイングペーパー 604円〜712円(A5・バイブルサイズのみ)

“ルーズリーフ”特有のバラバラになりがちなページを天ノリで固め、必要な分だけ切り離せるパッドタイプで、バインダーに挟むほか、ノートのように単体でも持ち出せるのが特徴だ。「ドローイングペーパー」を除いて、「PLOTTER」のために開発されたオリジナル用紙を採用しており、クリームがかった紙色が目にやさしく、薄いが万年筆で書き込んでも裏抜けしにくい。

 

またリフィルには、スケジュール管理のシリーズも用意されている。

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リフィル2018年版月間ブロック 561円〜972

リフィル2018年版週間レフト式 1080円〜1944

「2mm方眼」をベースに、見開きでブロックタイプのマンスリー/レフト式のウィークリーをレイアウト。ムーンフェイズや六曜を表示するほか、バイオリズムなどを記入できる欄も盛り込むなど、限られたスペースに日々の情報を最大限効率的にまとめられるよう、綿密に計算されている。こちらもオリジナル用紙を採用。1枚ずつ単ページで構成されているので、必要な期間の分だけ持ち歩ける。

 

20171030wadafumiko005↑「リフィルメモパッド」は角を丸くトリミング。これによってルーズリーフでありながら単体の“ノート”としての顔が現れた

 

書き込まれ、パッドから切り離されたこれらのリフィルをまとめるのが「プロジェクトマネージャー」だ。

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プロジェクトマネージャー 453円〜648

オレンジやマスタードといった鮮やかな色と、ホワイトやグレーなどシックな色をアソートしたペーパーフォルダーのリフィル。表側にはタイトルやメモ、メンバー名を書ける欄が、内側にはプロジェクトの進捗を管理できるガントチャートがプリントされている。

 

さらにこの「プロジェクトマネージャー」やリフィルをストックできるのが、「リフィルストレージ」。

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リフィルストレージ 2160円〜2808

2本の留め具にリフィルの穴を差し込み固定。リフィルなら約300枚が綴じられる収納量をもっている。スナップボタンで留められ、リフィルの出し入れが簡単でありながら、リフィルをしっかりホールドしてくれる。

 

また、リフィルのラインナップとして、便利なアクセサリーツールがある。その一部を紹介する。

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アクセサリーツール

バンドリフター 1188円〜1296円/本革ペンホルダーリフター 1188円〜1296円/スケール下敷 432円〜496

バインダー機能をサポートし、ユーザーのクリエイティビティを刺激するツール。バインダーをホールドするバンドが付いた「バンドリフター」には世界時差表と度量衡表を、ペンを留められる「本革ペンホルダーリフター」にはカリグラフィーの見本と偉人の名言を使った文字級数表を、「スケール下敷」にはスケールや分度器を凝縮してレイアウトした。

 

※価格はすべて税込

 

PLOTTERオフィシャルホームページ
www.plotter-japan.com

PLOTTERオンラインストア
www.plotter-japan.net

 

あらゆる瞬間に“クリエイティビティ”は訪れる

ブランドコンセプトは「創造力で未来を切り拓く人のために」。「PLOTTER」というブランド名自体が、PLOT+ERで“計画する人・主催する人・構想する人”を示している。このツールが、ユーザーのクリエイティブワークをアシストするという意味だ。

 

「この“クリエイティブワーク”とは、いわゆる“クリエーター”だけのものではありません」と前出の斎藤さんは説明する。デザイナーや建築家などはもちろんだが、例えば会社員や主婦の仕事にも、“クリエイティビティ”は必要であり、あくまですべてのひとを対象としたツールであるというのが趣旨だという。

 

そこで一例として、GetNavi webの編集部員ならどんなシーンで活用できるのかを探るべく、早速使ってみた。

 

【オフィスで……】

ミーティング中にタスクをピックアップする

↑参加者が多くてスペースが限られたミーティングルーム。「To Do List」をメモパッドのようにリフィルだけ単体で持ち込み、メモを取ったりタスクを書き出したり。0%〜100%まで進捗を示す記入欄には、報告された進行状況に応じてチェックを入れられる

参加者が多くてスペースが限られたミーティングルーム。「ToDoリスト」をメモパッドのようにリフィルだけ単体で持ち込み、メモを取ったりタスクを書き出したり。0%〜100%まで進捗を示す記入欄には、報告された進行状況に応じてチェックを入れられる。

 

デスクでプロジェクトごとにメモをまとめる

↑今週のタスクを書き出した「To Do List」と企画のラフスケッチを描いた「2mm Grid」などをプロジェクトやジャンルごとにまとめられるのが「プロジェクトマネージャー」。言わば“キュレーションツール”だ。進行中の企画はバインダーに綴じて管理すれば、メモのまとめ、追加、閲覧が自在だ

今週のタスクを書き出した「ToDoリスト」と企画のラフスケッチを描いた「2mm罫線」などをプロジェクトやジャンルごとにまとめられるのが「プロジェクトマネージャー」。言わば“キュレーションツール”だ。進行中の企画はバインダーに綴じて管理すれば、メモのまとめ、追加、閲覧が自在だ。

 

まとめたノートを資料としてファイルする

↑完了したプロジェクトは、「プロジェクトマネージャー」に挟んだままの状態で、まとめて「リフィルストレージ」へ。ただストックするだけでなく、閲覧もしやすいため、次の企画のアイデアソースとしても活用できる

完了したプロジェクトは、「プロジェクトマネージャー」に挟んだままの状態で、まとめて「リフィルストレージ」へ。ただストックするだけでなく、閲覧もしやすいため、次の企画のアイデアソースとしても活用できる。

 

バインダーごと持って外出する

↑素材、デザイン、つくり、どれをとっても上質なバインダー。いつも持ち歩くことで、革が徐々に色や質感を変え、手に馴染んでくるようなエイジングを楽しめるのも贅沢な体験だ

素材、デザイン、つくり、どれをとっても上質なバインダー。いつも持ち歩くことで、革が徐々に色や質感を変え、手に馴染んでくるようなエイジングを楽しめるのも贅沢な体験だ。

 

取引先の会議室でスケジュールを書き込む

↑ウィークリーは横向きの時間軸でスケジュールを管理するので、そのまま右ページのメモ欄に視線を移動しやすい。ちなみに右ページの端には縦に、その週を起点とした40日分の日付が記載されている。このように昨日は凝縮されているものの、一見するとシンプルな印象なので、オフィスのデスクやミーティングの際にさっと開いて誰かの目に入っても、恥ずかしくないのもうれしい

ウィークリーは横向きの時間軸でスケジュールを管理するので、そのまま右ページのメモ欄に視線を移動しやすい。ちなみに右ページの端には縦に、その週を起点とした40日分の日付が記載されている。このように機能は凝縮されているものの、一見するとシンプルな印象なので、オフィスのデスクやミーティングの際にさっと開いて誰かの目に入っても、印象が良いのがうれしい。

 

【休日に……】

家でアイデアのソースを書き留める

↑注目のローカーボメニューについて、レシピの情報を収集したり思いついたアイデアをストックしたり。新しいアイデアは即、リフィルメモパッドを開いて書き込み。特に「2mm Grid」は、薄めの方眼罫が書く時は目安に、見返すときは目立たず、と適度な存在感を保っていて使いやすい。万年筆でも裏抜けしにくいので、気分よく書き進められる

注目のローカーボメニューについて、レシピの情報を収集したり思いついたアイデアをストックしたり。新しいアイデアは即、リフィルメモパッドを開いて書き込み。特に「2mm方眼」は、薄めの方眼罫が書く時は目安に、見返すときは目立たず、と適度な存在感を保っていて使いやすい。万年筆でも裏抜けしにくいので、気分よく書き進められる。

 

レシピやアイデアを閲覧しやすくまとめる

↑仕事と同様、メモは散らばらないよう目的別に「プロジェクトマネージャー」でまとめる。写真やイラストの入ったプライベートのメモも、これで“カバー”することで、ビジネスシーンでバインダーを開いた時に周囲の目に触れることなく携行できる

仕事と同様、メモは散らばらないよう目的別に「プロジェクトマネージャー」でまとめる。写真やイラストの入ったプライベートのメモも、これで“カバー”することで、ビジネスシーンでバインダーを開いた時に周囲の目に触れることなく携行できる。

 

メモがある程度溜まったらストレージへ移動する

↑アイデアは一定量溜まったら“倉庫”へいったん収納。溜めたアイデアはいつでも気になった時に見返すために側に置いておきたいのだが、「リフィルストレージ」なら見た目もシックなので、本棚にさりげなく立てかけておけるのがうれしい

アイデアは一定量溜まったら“倉庫”へいったん収納。溜めたアイデアはいつでも気になった時に見返すために側に置いておきたい。「リフィルストレージ」なら見た目もシックなので、本棚にさりげなく立てかけておけるのがうれしい。

 

家やカフェでくつろぎながらメモをチェックする

↑出かける際に持ち歩いて恥ずかしくない上質さ。シンプルながら、背表紙部分のバックプレートが「プエブロ」ならマットゴールド、「ホースヘアー」ならマットブラック、「シュリンク」は無垢の真鍮で適度な存在感を主張する。手に触れる革のしなやかさが心地よく、所有する喜びももたらしてくれる

出かける際にいつも持ち歩きたくなる上質さ。シンプルながら、背表紙部分のバックプレートが「プエブロ」ならマットゴールド、「ホースヘアー」ならマットブラック、「シュリンク」はアンティークゴールドで適度な存在感を主張する。手に触れる革のしなやかさが心地よく、所有する喜びももたらしてくれる。

 

このようにビジネスシーンで、プライベート空間で、使い道は違っても「PLOTTER」の同じアイテムが、それぞれの思考を巡らすシーンにフィットした。ひらめきをそのまま書き留めたい、情報をすぐに確認したい、しかもスマートに使いこなしたい。これらをシームレスにつなぐことで、さらに新たな創造性が刺激される。そんなモノ発信の好循環が生まれそうだ。

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ちなみに、レザーバインダーに始まりリフィル、プロジェクトマネージャーへとつながっていくラインナップは、あくまで今回のローンチ時のベースとなるもの。レザーバインダーを起点として、あらゆる“PLOTTER”のためのクリエイティブツールが今後、さまざま創られていくというから楽しみだ。

 

昨今、“大人の”とか“プレミアム”とか、そんな耳障りのいい形容詞を冠しただけの“ちょっとオシャレな”文房具があふれている。そんななかで「PLOTTER」は、シンプルだが品質の良さ、使い勝手の良さを随所に感じさせる本質的なデザインと作りをもっている。

 

見ればわかるし、使えば実感できるはずだ。ノートでありルーズリーフでもあり、またシステム手帳でもある。「PLOTTER」とは、いわば究極の“道具”なのだ。

 

撮影/湯浅立志(Y2)

なんて常識破りな! コクヨのボールペン「エラベルノ」は軸もインクも字幅も好き勝手に選べるの

【きだてたく文房具レビュー】ボディもリフィルも好き勝手に選べるボールペン

 

文具店の店頭でボールペンを買う時、初めて見るペンならひとまず手にとって試し書きをする、ということはあるだろう。で、その時に「あー、ちょっとなー、こうじゃないんだよー」と感じたことはないだろうか?

 

例えば「惜しいなー。もうちょっと軸が太かったらバッチリなんだよな」とか。逆に「あと少し軸が細い方が手に合うんだけど……」ということもあるだろう。もしくは、軸はバッチリ握りやすいのに書き味がちょっとハマらない、という場合もあるはずだ。

 

筆記具の好みは人それぞれ。このような、文房具好きなら誰もが一度は感じたことがあるだろう、ボールペンの「ちょっと違う」問題に対してコクヨが出したのは、「じゃあ、軸とリフィル(芯)を好きなように選んで組み合わせたらいいじゃん?」という、ごもっともにして大胆なアンサーである。

↑コクヨ「エラベルノ」軸(左から太・標準・細)各108円/リフィル(油性・ゲル)各108円↑コクヨ「エラベルノ」軸(左から太・標準・細)各108円/リフィル(油性・ゲル)各108円

 

コクヨ「エラベルノ」は、まず軸をグリップ径3タイプ(太・標準・細)×2色(スモーク・クリア)からチョイス。次にインク2種(シルキー油性・エアリーゲル)×リフィルのボール径2タイプ(0.5㎜・0.7㎜)×インク色3/4色(油/黒・赤・青、ゲル/黒・赤・青・ブルーブラック)を選んで軸にセットし、最終的に自分好みの1本を購入できる、店頭カスタム式のボールペンだ。

↑エラベルノの店頭ディスプレイ。軸別・インク別にきちんと試筆サンプルが用意されている↑エラベルノの店頭ディスプレイ。軸別・インク別にきちんと試筆サンプルが用意されている

 

例えば、筆圧が弱めの人なら、グリップは「太」の方がしっかり力をかけられるので持ちやすい(色は自由に)。でインクは、筆圧をかけなくても濃いめの線が書ける「エアリーゲル」の「0.7㎜」に……という感じで組み合わせていく。

 

店頭には各組み合わせの試筆用ペンが揃えられているので、ここで自分の好みをあれこれ検討すればOKだ。

↑リフィルの入れ替えは、通常のボールペンと同じ手順↑リフィルの入れ替えは、通常のボールペンと同じ手順

 

エラベルノの面白いところは、この軸とリフィルの組み合わせ次第で、まったく違った性格のペンが生まれてしまうところだろう。これまでも、多色ペンなどで自分好みのリフィルを入れてカスタムすることはあったが、ここまで極端な変わりようは感じたことがない。

 

太さは細グリップの最も細い部分で直径約10.7㎜。対して太グリップの最も太い部分が直径約13.2㎜。この差、たかだか2.5㎜と侮るなかれ。実際に書き比べてみると、ペン先端への力のかかり具合がまったく違うのだ。

↑ふっくらとグリップ中央が膨らんだ太グリップと、中央がすぼんだ細グリップ。握り心地や力の入り加減がまったく違う↑ふっくらとグリップ中央が膨らんだ太グリップと、中央がすぼんだ細グリップ。握り心地や力の入り加減がまったく違う

 

同じリフィルを使っていても、太いグリップで力を乗せて書くのと細いグリップでコントロールして書くのでは、書き味が驚くほどに変わってくる。もちろんどちらが良いかは個人の好みだが、その好みの差が自分でハッキリ認識できるぐらいのレベルで別物になるのが面白い。

↑グリップの削がれた平面に指を乗せるだけで、驚くほどホールドが安定する↑グリップの削がれた平面に指を乗せるだけで、驚くほどホールドが安定する

 

3種とも共通なのは、一部を削ぎ落としたような“Dグリップ”を採用していること。その削ぎ落とした面に人差し指を乗せることで、すべすべなグリップの割に、しっかりとしたホールド感が得られるようになっている。

 

手汗をかくため、滑りやすいグリップに日頃は憎しみすら感じている筆者だが、このグリップはかなり好感が持てた。

 

さらに差が出るのが、リフィルのタイプ。

 

「エアリーゲル」は、確かに“エアリー”と言えるほどタッチが軽いサラサラのゲルインクだが、それより特徴的なのが、インクの発色の良さ。黒は本当に驚くほどがっつりと黒々しており、書いた字が読みやすい。

↑インクたっぷりで黒々とした筆跡のエアリーゲル↑インクたっぷりで黒々とした筆跡のエアリーゲル

 

ボール径で言うと、0.5㎜は軽さを感じつつもコントロール性が良く、字が下手な人でも丁寧に書きやすい。0.7㎜になると軽さの印象が強くなるが、それ以上にズバッと黒くて太い線が書けるのがとても楽しい。

 

「シルキー油性」は、完全にぬるぬるに振り切った低粘度油性インク。体感としては、低粘度油性の代表である三菱鉛筆の「ジェットストリーム」よりも、さらにぬるぬるとした印象だ。

↑低粘度油性インクの中でも、トップクラスの滑らかさを感じるシルキー油性↑低粘度油性インクの中でも、トップクラスの滑らかさを感じるシルキー油性

 

0.5㎜だと、この滑りを使ってスパッとシャープな線が気持ち良く書ける感じ。ただ0.7㎜になると、もうなめらかすぎてペン先がどこに行くのか分からないほど。なめらか系が好きな低粘度油性ファンでも評価が分かれそうなレベルである。

↑軸の中ほどに空いた穴から、リフィルの種類が確認できる。「G/05」ならゲルの0.5㎜ということ↑軸の中ほどに空いた穴から、リフィルの種類が確認できる。「G/05」ならゲルの0.5㎜ということ

 

筆者の個人的な好みでいうと、丁寧に書きたい時は「細グリップにエアリーゲルの0.5㎜」、議事録や取材メモを取るなど速度優先は「太か標準グリップに0.7のエアリーゲル」というチョイスだろうか。

 

自分の作業に最適なペンを見つけ出す楽しみを味わうためにも、できれば店頭で納得いくまで試し書きをして、ベストな組み合わせを見つけて欲しい。というか、できれば軸を太さ別で3本と、リフィル全種(油性・ゲルと、0.5㎜・0.7㎜の組み合わせ)でまとめ買いして、自宅でじっくり書き比べて遊ぶのが一番楽しいと思う。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

ビジネスマンの目からウロコ! 女子高生のカワイイ水玉ペンに意外な使い道があった

【きだてたく文房具レビュー】ビジネスマンも使える3in1カラーペン

 

女子中高生という生き物は、色ペン(水性カラーペン)がやたらと好きだ。

 

もしも機会があれば、彼女たちのペンケースを見せてもらうといいが、かなりの確率で色ペンが、少なくとも3色……場合によっては12色とか、ギッチリと入っているのである。そんなに使って何をするのかと言うと、基本はノート。今どきの女子の勉強ノートは、異様にカラフルでポップに彩られているのが普通なのだ。

 

で、そんな彼女たちが最近ガチで注目しているのが、トンボから発売された新製品の水性極細サインペン「プレイカラードット」である。しかもこれ、おっさんが仕事で使うにも意外と悪くない、ある特殊な機能を備えているという。

↑トンボ鉛筆「プレイカラードット」全12色 各172円↑トンボ鉛筆「プレイカラードット」全12色 各172円

 

実は以前にもこの連載で、トンボの水性極細カラーサインペン「プレイカラーK」を「女子向けだけど、おっさんにもメイン筆記具としてオススメ」として取り上げたことがある。

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先端径が0.3㎜とボールペン並みの極細で、サインペンなのに書き味がキシキシせずなめらかで、にじみ・裏うつりもない。その上、色数が豊富。プレイカラーシリーズは日常使用の筆記具として、そもそもかなり優秀なのだ。

 

で、そのシリーズ最新版こそが、あらためて今回紹介したい「プレイカラードット」。前バージョンの「プレイカラーK」は0.3㎜+0.8㎜のツインタイプだったが、「プレイカラードット」は0.3㎜+ドットスタンプマーカーのツイン、というこれまであまりなかった組み合わせになっている。

↑なめらかに書ける0.3㎜の極細チップ+5㎜のドットスタンプチップ↑なめらかに書ける0.3㎜の極細チップ+5㎜のドットスタンプチップ

 

クリップのついた方のキャップを外すと、丸棒をすっぱり切り落とした断面のような、円筒形のチップ(直径5㎜)が現れる。この円筒チップを垂直に紙に押しつけると、丸いドットのスタンプが捺せる…という仕組みだ。ドットをたっぷり捺してかわいい手作りカードを作るのもいいし、ノートの見出しマークに使うのもいい。

↑円筒形のチップ。 捺すときに、フチ全体に荷重をかけるようにくるんと回してやるのが、上手く捺すコツ↑円筒形のチップ。 捺すときに、フチ全体に荷重をかけるようにくるんと回してやるのが、上手く捺すコツ

 

↑てん、てん、とドットを捺すだけでかなり楽しい↑てん、てん、とドットを捺すだけでかなり楽しい

 

ただし、スタンプ時に思った以上にインクがドバッと出るため、紙によってはインクの水溜まりができる場合も。水性インクのボールペンや万年筆の筆跡の上に捺すとにじみの原因になることもあるので、そこだけ注意だ。

 

目からウロコ! ビジネスマン向けの使用例3

実用方向でオススメなのが、手帳ユース。

↑ブロックマンスリーに情報を圧縮して書き込める↑ブロックマンスリーに情報を圧縮して書き込める

 

ブロックマンスリーに、例えば「定例会議は青」「課のミーティングは赤」のように決めて捺せば、予定がさっと把握しやすい。直径5㎜のドットは大きすぎず小さすぎずで、はっきりと目に入ってくる。さらに「ジムに行く日はオレンジ」「近所のスーパーのポイントデーは緑」のようなプライベートの用件をしれっとビジネス手帳に紛れ込ませることも可能だ。

 

ただし、あまり色を多用すると「これなんの予定だっけ?」となるので、多くても3~4色ぐらいにとどめておくのがポイント。

 

また、ToDoリストのチェック代わりにドットスタンプを捺すのもいい。単にペンで跳ねチェックを入れるよりも、スタンプを捺した方がカラフルで見栄えがするし、逆に未チェックの項目がより目立つようになる。

↑はっきりと“やりました”感が出るので、タスクのうっかり抜けも減らせるかも↑はっきりと“やりました”感が出るので、タスクのうっかり抜けも減らせるかも

 

もうひとつ、この丸スタンプチップは、普通のラインマーカーのように線を引くのにも使える。

↑柔らかいドットチップは紙にフィットして線が引きやすい↑柔らかいドットチップは紙にフィットして線が引きやすい

 

チップが柔らかいので、硬めのラインマーカーで均一な線を引くのが苦手、という人にはむしろ使いやすいかもしれない。丸スタンプのインクは0.3㎜芯よりも薄い色になっているので、下の文字も問題なく読み取れるはずだ。

 

ただ、先ほども記した通り、ペンや紙によっては字がにじんでしまう危険性もある。予め大丈夫か確認しておく方が安全だろう。

 

「0.3㎜のカラーペン+スケジュールスタンプ+ラインマーカー」の3 in 1だと思えば、使用頻度はそこそこ高いし、使い勝手も良好。「色ペン使う年でもないしなー……」などと引かずに、おっさんでも筆箱に何色か放り込んでおいて損はないと思う。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

インクが出ない! そんなプレゼンやミーティングでの“ちょい恥”をなくすホワイトボードマーカー3種をレビュー

【きだてたく文房具レビュー】カスれ対策に効くホワイトボードマーカー

 

例えば、初めて訪ねた会社でブレスト的な会議をすることになったとしよう。

 

挙がった内容を、片っ端からホワイトボードにマーカーで書いていこうとするのだが、すっごいカスれてまともに書けない。先方の会社の人が「あっ」みたいな表情になったので、こちらも慌てて「大丈夫ですよー」と笑いながら次々に別のマーカーを取って書く……が、なんとすべて書けない。先方の人が「あっ、あっ」みたいな顔をしている。

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困ったことに、ほとんどのビジネスマンは自社内のホワイトボードマーカーに対しては寛容だ。多少インクがカスれた程度なら、「まぁ、なんとか書けるし」ぐらいで済ませてしまう。しかしそれだと、今のように社外の人間が混じっての作業時に恥ずかしいことになる。

 

身内(のマーカー)に対して甘いのは、この際しょうがない。しかし、せめてカスれ対策が施された優秀なホワイトボードマーカーを導入しておいた方が、何かあった時に困らなくていいと思うのだ。

 

カスれ対策その1……ノック式マーカーにする

まず、インクかすれの要因として大きいのが、キャップの閉め忘れだ。

 

会議の最中にいちいちキャップを開け閉めするのは面倒だし、そもそも忘れがち。結局、会議が終わってからもうっかりキャップを閉め忘れて放置されたマーカーは、次に使うまでに先端がカスカスに乾いてしまう。

↑ぺんてる「ノック式ハンディ ホワイトボードマーカー」丸芯中字 赤・青・黒 各183円↑ぺんてる「ノック式ハンディ ホワイトボードマーカー」丸芯中字 赤・青・黒 各183円

 

そんなキャップの閉め忘れ対策として有効なのが、ノック式マーカー。ぺんてる「ノック式ハンディ ホワイトボードマーカー」は、以前この連載でも紹介したノック式油性マーカー ハンディのホワイトボードマーカー版だ。

↑ノック式は、片手でペン先チップの出し入れができる簡便さが大きなメリット↑ノック式は、片手でペン先チップの出し入れができる簡便さが大きなメリット

 

軸後端のノックボタンを押すと、ペン先チップがシャッターを開けてジャキッ! と現れ、もう一度押すとスルッと軸内に収納される。少しボタンは重いが、感覚としては普通のノック式ボールペンと同じである。

↑少し柔らかめで、なめらかな筆記感↑少し柔らかめで、なめらかな筆記感

 

キャップを閉め忘れる理由のひとつに、いちいち両手を使わないと閉められないから面倒くさい、というのがある。しかしノック式なら片手で操作できるので、閉め忘れにくい。さらにうれしいのが、キャップの開閉をするときにうっかりインクが手に付いてしまう、お馴染みの汚れダメージがゼロにできること。あの不快な手の汚れがなくなるだけでも、充分に使う価値はあるだろう。

 

カスれ対策その2……そもそも乾かないマーカーを使う

ノック式ですら閉め忘れてしまう、というぐらい無精でぼんやりした人間が社内にいる可能性も、もしかしたらあるかもしれない。

 

その場合、とれる対策はひとつ。そもそも先端が乾かないマーカーを使うしかない。

↑シヤチハタ「潤芯ホワイトボードマーカー」丸芯 赤・青・緑・黒 各162円↑シヤチハタ「潤芯ホワイトボードマーカー」丸芯 赤・青・緑・黒 各162円

 

シヤチハタ「潤芯ホワイトボードマーカー」は、なんとキャップを72時間(3日間)閉めなくても大丈夫! という、極度の乾きに強いマーカーだ。その秘密は特殊インクにある。

↑キャップ開け放しで24時間放置したペン先チップ。分かりにくいが、薄い皮膜が張っている状態↑キャップ開け放しで24時間放置したペン先チップ。分かりにくいが、薄い皮膜が張っている状態

 

潤芯のキャップを閉めずに放置すると、乾いたインクがペン先チップの表面に薄い皮膜を作る。この皮膜が、それ以上のインクの蒸発を防ぐという仕組み。次に使用するときは、何も考えずにそのまま書けば皮膜が破れて、その下からフレッシュなインクによる黒々とした筆記が可能となるわけだ。

↑特殊インクの性質か、乾燥するとグレーに近い色合いになる。視認性はあまり良くない↑特殊インクの性質か、乾燥するとグレーに近い色合いになる。視認性はあまり良くない

 

3日もあれば、無精でぼんやりした人がキャップを閉め忘れたとしても、次の人が気づいてくれるはず……。

 

カスれ対策その3……直液式マーカー+プッシュリフレッシュを取り入れる

一般的なマーカーペンで、ペン先チップにインクを供給する方式として多用されているのが、軸内に綿を詰めてそこにインクを染みこませた“中綿式”という方法。

 

安価で作りやすく気圧の変化に安定、というメリットがあるのだが、どうしてもインク容量が綿の分だけ少なくなってしまう。つまり、インク切れが早い。

↑ぺんてる「ノックル ボードにフィット ホワイトボードマーカー」中〜太字 赤・青・黒 各216円↑ぺんてる「ノックル ボードにフィット ホワイトボードマーカー」中〜太字 赤・青・黒 各216円

 

それなら軸にインクを直接ドボドボと入れちゃえば、たっぷり使えるじゃん? というのが“直液式”のマーカー。現在、複数の製品が発売されているが、オススメなのは、ぺんてる「ノックル ボードにフィット ホワイトボードマーカー」だ。

↑開封時はチップにインクが浸透していないので、ボタンプッシュで中綿にインクを押し出す必要がある↑開封時はチップにインクが浸透していないので、ボタンプッシュで中綿にインクを押し出す必要がある

 

ノックルは、正確には“半直液式”と言うべきもので、ペン先チップから軸先端にかけてちょっとだけ中綿が入っていて、その後ろのタンク内にインクがちゃぷちゃぷと入っている。

 

この先端中綿にインクを染みこませるためには、軸後端のボタンにキャップをはめて、グッグッと数回プッシュ。すると、タンクから押し出されたインクが中綿に浸透して、書けるようになるのである(開封時はインクが染みてないので、使う前にまずプッシュが必要)。

↑未使用品のラベルを剥いた状態。インクと中綿が分かれているのが見える↑未使用品のラベルを剥いた状態。インクと中綿が分かれているのが見える

 

もちろん、書いているうちに中綿のインクは切れてカスれてくるが、そんな時はボタンをまた数回プッシュすれば、インクは再充填されて復活。またしっかりと書けるようになる。

 

インク量は軸の側面窓から確認できるので、中綿式マーカーによくある「本当にインク切れなのか分からないので、捨てにくい」ということもない。

↑根本がジャバラ状になったペン先チップ。曲がるストローのように、自由に折れ曲がる↑根本がジャバラ状になったペン先チップ。曲がるストローのように、自由に折れ曲がる

 

実はこの半直液式のノックル、もう20年以上も前から売れ続けているロングセラーなのだが、「ボードにフィット ホワイトボードマーカー」は一昨年に登場した新バージョン。

 

「ボードにフィット」の名の通り、柔らかなナイロン製チップの根元にジャバラ状のスリットが刻まれており、筆圧をかけるとまるで筆ペンのようにしなって、ボードに密着してくれるのだ。

↑チップをしならせることで、筆ペンのような筆記感を味わえる。ボードにフィットするので非常に書きやすい↑チップをしならせることで、筆ペンのような筆記感を味わえる。ボードにフィットするので非常に書きやすい

 

筆者はマーカー類のチップの硬さが苦手で、いつも書きにくさを感じていたのだが、これはかなり快適。ペン先の角度など気にせずグイグイと書いていける。また、筆圧の強弱によって中字~太字を書き分けられるので、ボードの大小に関わらずこれ1本で済む、というのもなかなか便利だ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。