星空からジャングルまで!旅行ライター大注目、今年行きたい観光地やレジャー施設

2025年に流行するモノは何か、専門家が大断言する「GetNavi NEXTトレンド」。今回取り上げるのはレジャー部門。

 

オーバーツーリズムを抑制するためのサステナブルな観光や、2025年オープンの沖縄の大型テーマパーク「ジャングリア」、2024年のオープン以来、予約困難の大人気となっている「任天堂ミュージアム」など、大注目のレジャー施設を一挙紹介。

 

【新たな観光資源の活用】オーバーツーリズム抑制のため、観光地や観光時間の分散化が進む

2024年の訪日外国人旅行者は9月時点で2688万人を超え、過去最高を記録した2019年の3188万人に迫る勢い。加えて日本人の国内旅行客も、コロナ禍を経て急激に増えている。

 

それにともなって、観光客の集中による交通渋滞や自然破壊が問題視されている。いわゆるオーバーツーリズム対策は待ったなし。

 

まだ知名度は低いが魅力のある観光地の情報を発信したり、これまでと異なる時間帯の受け入れを強化したり、サステナブルな観光を模索する動きが進んでいる。

↑インフラツーリズムの定着前から富山県を代表する観光地で知られた黒部ダム。6〜10月の観光放水が見もの。

 

【インフラツーリズム】知的好奇心も満たされる、大人も子どもも楽しめる社会見学

↑洪水を地下に取り込む首都圏外郭放水路。地下神殿とよばれる調圧水槽の見学が人気。

 

インフラツーリズムとは、ダムや橋などの公共施設を観光資源として活用する取り組み。国土交通省ではポータルサイトを立ち上げ、全国各地のインフラツアーを紹介している。昨今、SNSで巨大な建造物が注目を浴び、観光客も増加中!

↑神奈川県の水源地のひとつ、宮ヶ瀬湖の宮ヶ瀬ダム。4〜11月頃に迫力のある観光放水を行う。

 

【サステナブルツーリズム】地域の自然や文化を大切にする、持続可能な観光のカタチ

↑熊本県阿蘇市のMTB草原ツアー。2023年の「サステナブルな旅AWARD」大賞に輝いた。

 

世界的にSDGs(持続可能な開発目標)の達成が進められるなか、環境・文化・経済への影響に配慮した観光が注目されている。2023年には観光庁が「サステナブルな旅AWARD」を創設するなど、持続可能な旅の選択肢も増えている。

↑旅行者にとっても、旅先の自然や文化を尊重できているかが旅プランを選ぶ基準になっていく

 

【星空ツーリズム】コンテンツが少ないナイトタイムを星空で有効活用!

↑星空観賞のために多くの観光客が訪れる東京の離島、神津島。2020年に星空保護区に認定。

 

空を見上げるだけで楽しめる星空観賞。光害の少ないいわゆる“田舎”ではごく当たり前の景観だが、これを観光資源ととらえ売り出す動きが盛ん。暗い夜空を維持するための基準を設けた「星空保護区」といった認定制度も浸透しつつある。

↑2018年に日本で初めて国際ダークスカイ協会の星空保護区に認定された西表石垣国立公園。

 

【ヒット確定の根拠】官民を挙げて推進されるサステナブルな観光

「観光庁が2024年に『オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光促進事業』を実施し、各地域の取り組みを支援するなど、観光業者と官公庁が協力して観光客の一極集中に対応しようという流れができています」(旅行ライター・高井章太郎さん)

 

約60haのジャングルの中で体験する極上のエンターテインメント

↑世界自然遺産に登録された沖縄北部の「やんばる」。その一角のゴルフ場跡地を広大なテーマパークに(画像提供:ジャパンエンターテイメント)。

 

ジャングリア
2025年オープン予定

 

スケールの大きな自然を舞台にした唯一無二の体験は、話題になること間違いなし!

沖縄北部の“やんばる”とよばれるジャングルの中に、2025年オープンを目指して開発中の大型テーマパーク。亜熱帯の植物に囲まれた異空間で、サファリライドやジップラインなどのアトラクションを楽しめる。絶景のインフィニティ露天風呂を備えた温浴施設も併設。

URL/junglia.jp

↑レストランは鳥の巣がモチーフ(画像提供:ジャパンエンターテイメント)。

 

↑大型の装甲車に乗り込み、ジャングルの中を冒険するサファリライド。大迫力の恐竜も登場(画像提供:ジャパンエンターテイメント)。

 

【ヒット確定の根拠】没入体験ブームの立役者、新進気鋭のマーケ集団が主導

「プロジェクトの中心を担っているのは、2024年3月に没入体験施設『イマーシブ・フォート東京』をオープンさせた『刀』社。マーケティングの精鋭集団が手掛ける、リアルな体験にこだわった没入型アトラクションに期待!」(旅行ライター・高井 章太郎さん)

 

みんな大好きな任天堂の歴史を見て・聞いて・体験して学べる!

↑2人1組で巨大コントローラを操作して、懐かしのゲームにチャレンジ(画像提供:任天堂/(c) Nintendo)。

 

ニンテンドーミュージアム
2024年10月オープン

 

オープン1か月強で約5万人が来場。予約困難な大人気施設に

1889年創業の任天堂が生み出してきた娯楽の歴史を知り、体験できる施設。過去に発売した製品の展示のほか、当時の遊びをいまの技術で作り変えた体験展示も面白い。花札を作ったり、遊んだりするワークショップも用意されている(有料・当日予約)。

 

住所/京都府宇治市小倉町神楽田56
時間/10:00〜18:00
休み/火曜(祝日の場合は翌日)
料金/大人3300円、中学・高校生2200円、小学生1100円(事前予約の抽選販売)
URL/museum.nintendo.com

 

↑足元の大画面とスマホで楽しむ、現代の技術を駆使した百人一首(画像提供:任天堂/(c)Nintendo)。

 

↑中庭に設置された大きな土管やハテナブロックは記念撮影にぴったり(画像提供:任天堂/(c)Nintendo)。

 

【ヒット確定の根拠】任天堂の娯楽の歴史がぎっしり詰まった、思い出のミュージアム

「創業時から製作している花札に始まり、トランプやテレビゲームなど誰もが遊んだことのある玩具やゲームが展示されており、子どもから大人までみんなの思い出にリンクするはず。ショップやカフェもあり楽しみ方は多彩です」(旅行ライター・高井 章太郎さん)

 

アメリカでは約5000万人がプレーする、注目のスポーツ

↑テニスと卓球、バドミントンを合わせたようなスポーツ。ダブルとシングルがある(画像提供:(社)日本ピックルボール協会)。

 

ピックルボール

2024年には日本で国際大会が開催され各地に専用コートも続々登場

ピックルボールは、パドルとよばれるラケットで穴の空いたプラスチックのボールを打ち合うアメリカ発祥のスポーツ。バドミントンと同じ広さのコートがあれば楽しめるため、日本でも専用コートが増えており、生涯スポーツとして始める人が増えている。

↑アメリカでの競技人口は2022年時点で約890万人(画像提供:(社)日本ピックルボール協会)

 

YONEX
EZONE(左)/VCORE(右)
各3万1900円

 

ラケットやゴルフ、スノーボードで培ったカーボン加工技術を採用した高品質パドル。100回以上の試作を重ね、高反発性能のスイートエリアが広いEZONE(Eゾーン)と、操作性の高いVCORE(Vコア)が完成した。

 

【ヒット確定の根拠】場所をとらず安全なため老若男女問わず人気が急上昇

「穴の空いたボールは空気抵抗が大きく、スピードが出ないため誰でも安心して楽しめます。実際アメリカではシニア層にも人気が高いそう。日本では体育の授業に取り入れた学校もあり、いま、最も注目度の高いスポーツです」(旅行ライター・高井 章太郎さん)

 

旅行ライター:高井 章太郎さん
海と島を愛する旅ライター。近年は日本の島を巡っている。冬のお目当てはおいしい魚介。

 

※「GetNavi」2025月2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです。

東京駅の駅弁屋「祭」で必食の弁当はコレだ! 売上ナンバーワンを含む、厳選6品を紹介

駅弁は鉄道旅を盛り上げる名脇役。旅先で選ぶのも楽しいが、東京駅の「祭」なら日本各地の名物駅弁が手に入る。人気の駅弁を持って出発!

【ここで買えます!】駅弁屋 祭 グランスタ東京

毎日、日本各地から届く約150種類を超える駅弁が並び、朝から祭りのように賑やか。定番から季節限定まで種類は豊富だが、目当ての駅弁があるなら早めにゲット!

所在地:東京駅 グランスタ東京内 1F 中央通路エリア(改札内)
営業時間:5時30分〜22時

 

【「祭」売上No.1】甘辛の牛そぼろと牛肉煮が米と絡む、贅沢な牛丼風弁当

【山形】牛肉どまん中

新杵屋/1480円

山形新幹線開通にあわせて発売された大人気駅弁。名称の由来になった山形県産米「どまんなか」に、甘辛いタレで煮込んだ牛そぼろと牛肉をたっぷりのせた。小芋煮や昆布巻きなどのおかずも上質。

 

【ここが絶品!】
代々職人に伝わるキレの良い特製ダレ

牛肉を煮込む秘伝のタレは、山形の醤油を使い、もともと和菓子屋だった新杵屋ならではの独自の製法で作られている。

 

【「祭」売上No.2】発売60周年の定番弁当は1000円を切る値段も魅力

【東京】チキン弁当

(株)JR東日本クロスステーション/900円

昭和39年の東海道新幹線開通とともに発売されたレトロなパッケージのロングセラー。トマト風味のライスと、しっかり下味がついた柔らかな唐揚げの組み合わせで、子どもにも大人にもファンが多い。

 

【ここが絶品!】
トマト風味のライスは濃すぎない上品な味

トマト風味のライスはあっさり味で、スクランブルエッグとドライトマトのオイル漬けを一緒に食べるとオムライス感あり!

 

蓋を開けると磯の香り漂う、海の幸たっぷりの名物弁当

【北海道】氏家かきめし

厚岸駅前氏家待合所/1250円

根室本線厚岸駅の前にある氏家待合所で販売している厚岸名物。牡蠣などの煮汁とひじきで炊いたご飯に、じっくり煮込んだ牡蠣やツブ貝、アサリ、フキ、シイタケなどを盛り付けている。

 

【ここが絶品!】
濃厚なうま味を秘めたぷりぷりの牡蠣

特製のたれで煮込んだ大ぶりの牡蠣は、名産地、厚岸ならではのおいしさ。牡蠣のうま味が染み込んだひじきご飯も絶品!

 

売り切れ必至の肉厚えんがわ寿司

【新潟】えんがわ押し寿司

神尾弁当/1480円

いま駅弁業界で最も話題なのがえんがわ寿司。創業30周年の押尾弁当の商品は、特製の甘酢で締めたカレイのえんがわを酢飯と合わせて押し寿司に仕上げた。甘味のあるえんがわの脂は酢飯と相性抜群。

 

【ここが絶品!】
脂ののったえんがわをストレートに味わう

甘酢で締めているため、えんがわの脂が口に残らず、いくつでも食べられる。そのまま食べておも良いし、わさび醤油も◎。

 

明治31年創業の老舗が守り続ける伝統の味

【神奈川】鯵の押寿し

大船軒/1150円

100年以上にわたり愛されている鎌倉名物。伝統の合わせ酢で締めた鯵は肉厚で食べ応え十分。握り寿しを箱に詰めてから専用の型で押す、独自の製法で食べやすくおいしい押し寿司に仕上げた。

 

【ここが絶品!】
鯵と米で使い分けるこだわりの合わせ酢

酢飯には芳醇な赤酢入りの合わせ酢を使用。鯵は清水、醸造酢、砂糖を配合した専用の酢で締めており風味の違いも楽しめる。

 

希少なカニを敷き詰めた山陰の冬を代表する味覚

【鳥取】元祖 かに寿し

アベ鳥取堂/1480円

新鮮なカニをボイルして、1本ずつ手作業で取り出す本物の味。専用の酢を数種類ブレンドし、甘酸っぱく調味している。カニの下に敷き詰めた錦糸卵も、鳥取産の卵を使ったオリジナルだ。

 

【ここが絶品!】
独自の保存技術により全国で通年販売が可能に

昭和27年の開発当初は冬季限定だったが、昭和33年にカニの身のフレッシュ保存技術を開発し、一年を通して食べられるように。

 

※「GetNavi」2025月2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです

【ギャラリー】

ぬくぬくこたつで美食三昧、ストーブ列車で雪見酒! 冬だから乗りたい名物列車7選

冬の鉄道旅は、春や秋とはひと味違う崇高な美しさにあふれている。立春を過ぎても、まだまだ冬景色が残っている場所は日本のあちこちにある。

 

旅の途中には、秘湯や冬ならではの味覚も満載だ。今回は食べ鉄ライター・澄田直子さんに、本州・四国・九州の魅力いっぱいな鉄道旅を紹介してもらう。

 

今こそ行きたい北海道の鉄道旅!冬の釧路湿原やオホーツク海岸線を走る、絶景&味覚体験

 

【青森・津軽鉄道ストーブ列車】ダルマストーブが温めるレトロな車内で雪見酒

↑ストーブは1両に2台。譲り合って座ろう

 

90年以上愛され続ける、津軽鉄道の名物列車

昭和5年の津軽鉄道全線開業時から現在に至るまで、戦時中の物資欠乏による運行中止を除き、冬の津軽の雪原を運行する人気列車。津軽五所川原駅から津軽中里駅までの約45分の区間を1日3往復する。竹かごに地元の食材を使ったお総菜が詰まったストーブ弁当は予約での販売。ダルマストーブで炙ったスルメや日本酒を片手にノスタルジックな鉄道旅を満喫しよう。

↑地吹雪のなかを進むDD352ディーゼル機関車

 

↑石炭が燃える匂いも郷愁をそそる

 

↑現在は4代目の客車が活躍する

 

↑ストーブ弁当は3日前までに予約(2個〜)

 

<ここに注目!>
名物のスルメはもちろん、車内販売が楽しみ!

「この列車のハイライトはダルマストーブの上で炙るスルメ。車内で販売されているのでぜひ購入して炙ってもらってください。日本酒やリンゴのスナック菓子、石炭クッキーもありますよ」(澄田さん)

↑炙りスルメと日本酒で乾杯

 

DATA
運行区間:津軽五所川原駅〜津軽中里駅
運行日:2025年3月31日まで1日3往復運行(12月中は本数が異なる)
問い合わせ:津軽鉄道
URL:https://tsutetsu.com/

 

【岩手・三陸鉄道こたつ列車】冬の三陸鉄道リアス線の旅は、ぬくぬくこたつで美食三昧

↑ビューポイントのひとつ、大沢橋梁では速度を落としてくれる

 

車内イベントも満載の景色と味覚を楽しむ列車

3月23日までの土日と祝日に、三陸鉄道リアス線の久慈駅〜宮古駅間を1日1往復する観光列車。4人掛けのこたつが12台設置され、風光明媚な海岸線を眺めながら暖かな鉄道旅が楽しめる。予約で味わえるウニやアワビ、ホタテなど海の幸をふんだんに使用したお弁当やスイーツも美味。車内では、岩手北部の小正月の行事に現れる“なもみ”が登場するイベントも。

↑全席指定。人気なので予約は早めに

 

↑突如現れる“なもみ”に車内は騒然

 

↑大漁舟唄御膳3500円(要予約)

 

↑宮古駅発便はスイーツが予約できる

 

<ここに注目!>
洋風こたつ列車に乗って釜石〜久慈間を制覇

「釜石駅からの『洋風こたつ列車』に乗車すると宮古駅で『こたつ列車』に乗り継ぐことができます。両方のこたつ列車に乗ってのんびり1日かけてリアス線を満喫するのもイイですね」(澄田さん)

↑洋風こたつ列車にも予約販売のお弁当がある

 

DATA
運行区間:久慈駅 〜 宮古駅(洋風こたつ列車は宮古駅〜釜石駅)
運行日:2025年3月23日(洋風こたつ列車は24日)までの土・日曜、祝日
問い合わせ:三陸鉄道
URL:https://www.sanrikutetsudou.com/

 

【青森〜秋田・リゾートしらかみ】荒々しい日本海の絶景を望む、冬の五能線を走る観光列車

↑雪景色のなかを走るリゾートしらかみ「青池」

 

雪と氷が彩る、冬の東北の魅力を満喫できる列車

日本海の絶景ポイントが集中する五能線を走る列車。青森駅~秋田駅間を「橅」「青池」「くまげら」と名付けられた3つの車両が運行する。車内では津軽三味線の演奏や津軽弁の語り部による実演、特産品販売も。沿線には十二湖、千畳敷、青池などの見どころが多く、冬ならではの神秘的な風景やアクティビティも魅力。冬の北東北の魅力を味わい尽くせる路線だ。

↑雪と氷に覆われた千畳敷駅

 

↑岩館から陸奥赤石まで絶景が続く

 

↑「橅」に設置された展望室

 

↑個室感がある「橅」のボックス席

 

<ここに注目!>
途中下車して入りたい海辺の絶景露天風呂

「見どころの多い路線ですが黄金崎不老ふ死温泉は特にオススメ。日本海の波打ち際に露天風呂があり、潮騒を聞きながら湯浴みが楽しめます。ウェスパ椿山駅から送迎もあって便利です」(澄田さん)

↑混浴と女性専用の露天風呂があり日帰り利用も可
↑混浴と女性専用の露天風呂があり日帰り利用も可

 

DATA
運行区間:青森駅〜秋田駅
運行日:運行日はHPで確認
問い合わせ:JR東日本
URL:www.jreast.co.jp/railway/joyful/shirakami.html

 

【山形〜新潟・海里】新潟と庄内の食を味わい、日本海の景観を楽しむ

↑1、2号車はお弁当を事前にウェブで予約できる

 

夕日や新雪、車窓の景色を楽しむスタイリッシュな観光列車

新潟〜酒田間を運行する、美食と日本海の景観が楽しめる列車。4両編成のハイブリッドディーゼル車両は、日本海の夕日のオレンジと新雪の白を、グラデーションカラーで表現した車体が印象的。1、2号車は乗車券と指定席券をみどりの窓口などで購入する。3号車は売店、4号車は食事、ドリンクがセットになったダイニング車両で、旅行会社が扱うチケットが必要となる。

↑4号車の最後尾にある展望スペース

 

↑1号車は2人掛けのシート

 

↑新潟駅で人気の雪だるま弁当

 

↑モノクロームの世界を走り抜ける

 

<ここに注目!>
日本海に打ち寄せる笹川流れの波の花は必見

「日本海の荒波が岩にぶつかり、白い泡が空中に舞う現象を『波の花』といい、新潟の海岸沿いの冬の風物詩になっています。海里では『波の花』が見られるスポットで停車してくれるので、観賞できるかもしれませんよ」(澄田さん)

↑波の花は笹川流れあたりでよく発生する

 

DATA
運行区間:酒田駅〜新潟駅
運行日:金〜日曜、祝日を中心に運行
問い合わせ:JR東日本
URL:http://www.jreast.co.jp/railway/joyful/kairi.html

 

【兵庫〜島根・あめつち】日本文化のルーツをたずねて神話のふるさと、山陰地方へ

↑山陰の山並みとたたら製鉄の日本刀の刃文を表した車体

 

自然や神話を彷彿させるメタリックブルーが美しい列車

城崎温泉駅から鳥取駅、鳥取駅から出雲市駅、米子駅から出雲横田駅と3つの路線を走る観光列車。神社、酒、歌舞伎、相撲など、さまざまな文化のルーツがあると言われる山陰地方の美しい風景を巡る。風光明媚なポイントでは徐行運転を行い、車窓の景観が堪能できる。山陰の味覚が楽しめるお弁当やスイーツが予約できるほか、車内アテンダントによる解説も。

↑2号車の車内。カウンター席も人気

 

↑車内を地元の工芸品が彩る

 

↑名湯、城崎温泉に立ち寄るのも良い

 

↑鳥取県のブランド米「星空舞」を使用したスイーツセット

 

<ここに注目!>
予約制のお弁当は必須!麗しい料理が旅を彩る

「列車を予約したら、ぜひお弁当やスイーツも予約してみてください。区間によって予約できるアイテムは異なりますが、どれも地元の食材や名物を盛り込んだ充実の内容です。4日前までに専用のサイトから予約できます」(澄田さん)

↑鳥取〜出雲市区間でオーダーできる「山陰の酒と肴」※下りの出雲市駅行きの場合「山陰の酒と肴」の提供は松江駅発車後になる

 

DATA
運行区間:鳥取駅〜出雲市駅、米子駅〜出雲横田駅、城崎温泉駅〜鳥取駅
運行日:運行日はHPで確認
問い合わせ:JR西日本
URL: http://www.jr-odekake.net/railroad/kankoutrain/ametuchi/

写真提供:JR西日本

 

【愛媛・伊予灘ものがたり】たおやかな伊予灘を走る、美食と絶景の特別な鉄道旅

↑海岸線に映えるあかね色の車両

 

沿線のおもてなしに心温まる!景色と味覚を楽しむ列車

松山駅から八幡浜駅までを時間帯ごとに、4つのルートで運行する観光列車。それぞれ趣向を凝らした食事を用意しており、予約すれば風光明媚な車窓の景色を眺めながら車内で味わうことができる。3両編成で、カウンター席や4名利用のボックス席、2名にちょうど良いペアシートとさまざまなシートタイプがあり、どの席からも大きな窓からの眺望が美しい。

↑1号車「茜の章」。伊予灘に沈む夕日をイメージした

 

↑「双海編」でオーダーできる食事

 

↑下灘駅で停車して伊予灘の美しい景色を撮影できる

 

↑旅の後は道後温泉で疲れを癒やして

 

<ここに注目!>
鉄道旅の憧れの最終形1両丸ごと貸し切り!

「伊予灘ものがたりの3号車はなんと1両丸ごと貸切車両となっています。定員は2〜8名で、利用料金は人数分の乗車券、特急券プラス個室料金3万3600円。記念日などに最高ですね」(澄田さん)

↑専属アテンダントやウェルカムドリンクのサービスも

 

DATA
運行区間:松山駅〜伊予大須駅、松山駅〜八幡浜駅
運行日:土〜日曜、祝日を中心に運行
問い合わせ:JR四国
URL:https://iyonadamonogatari.com/

 

【福岡〜大分・或る列車】100年の時を越え蘇る、唯一無二の豪華列車で粋を知る

↑故・原 信太郎氏の模型を元に設計された車両

食と空間、もてなしを楽しむ至福のトレイン・ジャーニー

↑2号車は落ち着いた雰囲気の個室

 

明治39年、当時の九州鉄道がアメリカのブリル社に発注したものの、活躍する機会のなかった豪華列車、通称「或る列車」。その幻の列車が、100年の時を経て2015年に九州の地に復活した。黒を基調にゴールドで彩られた優美な車両は、内装もクラシカルで格調高い。博多駅から由布院駅までの約3時間の車内ではコース料理を提供。本格的な豪華列車の旅が楽しめる。

↑1号車には2人席、4人席を用意

 

↑雪を抱いた由布岳が美しい

 

↑冬の早朝、金鱗湖に立ち上る朝霧

 

<ここに注目!>
九州各地の食材を用い地元の器を使って提供

「乗車料金に含まれるコース料理は南青山の『NARISAWA』のオーナシェフ成澤由浩氏が監修したもの。九州各地の食材を中心に、オリジナルの器で提供される料理は美食家にも絶賛される味わいが楽しめます」(澄田さん)

↑料理に合わせて地元のワインや焼酎も用意する

 

DATA
運行区間:博多駅〜由布院駅
運行日:土〜月曜の運行
問い合わせ:JR九州
URL:https://www.jrkyushu-aruressha.jp/

※「GetNavi」2025月2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです

【ギャラリー】

↑混浴と女性専用の露天風呂があり日帰り利用も可

今こそ行きたい北海道の鉄道旅!冬の釧路湿原やオホーツク海岸線を走る、絶景&味覚体験

澄み渡る空気、見渡す限りの白銀の景色、荒々しく打ち寄せる波……。立春を過ぎても厳しい寒さが続き、まだまだ冬景色を楽しめる北海道の鉄道旅は、崇高な美しさにあふれている。旅の途中には、秘湯や冬ならではの味覚も満載。

 

今回は食べ鉄ライター・澄田直子さんに、冬の北海道ならではの鉄道旅を紹介してもらう。

 

鉄道マニアでなくても楽しい!冬の鉄道旅は魅力がいっぱい

鉄道旅というと、桜や菜の花、新緑や紅葉をイメージする人が多いかもしれない。しかし冬こそ鉄道旅が楽しい季節と語るのは、鉄道ライターの澄田直子さんだ。

 

「観光列車の多くは夏場に運行しています。そのなかであえて運行するのには、それだけの魅力があるからです。例えば『SL冬の湿原号』は、北海道の希少な自然が残る釧路湿原をSLに乗って旅するという夢のような体験ができる列車。全国でも動態保存されているSLはごくわずかですが、その貴重な列車に乗って白銀の世界が見られるのです。汽笛と蒸気を上げながらゆっくり進む列車の車窓からは雪原に遊ぶタンチョウヅルの姿が拝めることも。車内販売や停車駅でのイベントなど、旅路を楽しくしてくれる仕掛けも満載で、鉄道マニアでなくても十分に楽しめますよ」(澄田さん)

 

車内に置かれたストーブでスルメを炙れる「津軽鉄道ストーブ列車」や、こたつが設置された「三陸鉄道こたつ列車」など、冬ならではの体験ができる列車も魅力的。

 

「楽しむコツはあえて寒いところに行くことでしょうか。荒々しい日本海の景色を眺めたあとは、温泉が身に染みます。冬は魚介がおいしいので食事も楽しみ。日本の美しい景色を見つけに、冬の観光列車で出かけてみてください」

 

【SL 冬の湿原号】雪原を行く漆黒の車体は風物詩。レトロなSLに乗って出発!

齢80を超えるSLで古き良き汽車旅を満喫

1940年に製造され、1975年に引退した蒸気機関車C11形171号機を復元し2000年から運行開始。釧路〜標茶間を冬の間だけ運行する人気鉄道路線だ。釧路を出発した列車は1時間30分かけて釧網本線の標茶駅に到着。そこでしばらく停車し、釧路駅に引き返す。車窓には雪に覆われた釧路湿原が広がり、運が良ければ、タンチョウやエゾシカなどを見ることができる。

 

【ここに注目!】北海道唯一のSLでのんびりと景色を楽しむ

「製造から80年以上が経とうとするSLは、メンテナンスにも運行にも多大な労力がかかるため廃止路線が増えています。北海道唯一にして冬の湿原を行くこの路線は貴重!」(澄田さん)

↑2000年から運行を続ける人気路線

 

↑客車内のダルマストーブでスルメなどを炙ることができる

 

↑レトロモダンな客車。川に面したカウンター席が人気

 

DATA
運行区間:釧路〜標茶
運行日:2025年1月18日〜3月23日の週末を中心とした特定日
問い合わせ:JR北海道
URL:www.jrhokkaido.co.jp/travel/sl

 

【流氷物語号】流氷押し寄せる海を眺めながら、冬のオホーツク海岸線を旅する

↑海側の並び席と海側ボックス席は指定席となっている

 

流氷を車内から楽しむ北海道随一の絶景路線!

網走駅から知床斜里駅までのオホーツク海の海岸線を走る冬限定の列車。1月下旬から3月上旬にかけて流れ着く流氷の季節に合わせてディーゼルの2両編成の列車が運行され、タイミングが合えば車窓から流氷を見ることができる。乗車時間はおよそ1時間で1日2往復。「流氷物語3号」では絶景が楽しめるよう一部区間で減速運転する計らいもウレシイ。

↑北海道の自然が描かれた車体

 

↑海側のボックス席は要予約の指定席

 

【ここに注目!】“海の見える”駅、北浜駅は期間限定“流氷の見える”駅に

「とても風光明媚な路線です。下り(1号・3号)はオホーツク海に面した北浜駅で10分間停車するので写真撮影ができます。流氷の押し寄せる海や遠くに連なる知床連山など、圧巻の景色が魅力です」(澄田さん)

↑雪に覆われた北浜駅のホーム

 

↑網走駅の名物「モリヤのかにめし」もお忘れなく!

 

↑網走から出航する流氷観光船も合わせて楽しみたい

 

DATA
運行区間:網走駅〜知床斜里駅
運行日:2025年2月1日〜2月28日と、3月1日、2日、8日、9日
問い合わせ:JR北海道
URL:https://www.jrhokkaido.co.jp/travel/ryuhyo/

 

※「GetNavi」2025月2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです

 

【ギャラリー】

 

 

 

iOS17.2で登場の「ジャーナル」はどう使う?iPhoneで記録する日記アプリの活用法

2023年12月のiOS 17.2リリース後、突如ホーム画面に現れた新アプリ「ジャーナル」。iPhoneに標準搭載の日記アプリとして公開されましたが、最新バージョンへのOSアップデート後に初めて存在を知った、というケースも多いのではないでしょうか。

 

一見、よくある日記アプリのようですが、ジャーナルにはiPhoneの機械学習を用いた提案やリマインドなど、ユーザーが無理なく記録を継続していくためのさまざまな機能が盛り込まれています。そんなジャーナルを上手に使いこなすには? ガジェットライターとして活躍する井上晃さんに、基本の使い方や活用法を教えていただきました。

 

 

Apple純正アプリだからこその機能も!
「ジャーナル」で気軽に日記を楽しむ

 

ジャーナルは、iPhone標準搭載のシンプルな日記アプリ。日々の瞬間や人生の特別な出来事をテキストで記録するだけでなく、写真やビデオ、オーディオ、位置情報などを追加することで、より具体的に思い出を彩ることができます。

 

・日記を書くためのヒントが提案される

ジャーナルのもっとも特徴的と言える機能が、iPhoneの機械学習を活用した提案。写真や音楽、ワークアウトなど、iPhoneに記録されたデータをもとに、パーソナライズされた提案が作成され、日記を書くためのヒントとしてユーザーに提供されます。

 

外出先で撮影した写真と撮影場所の位置情報がセットになっていたり、ウォーキング中に聴いていた曲が歩数の記録に紐づいていたりと、アプリから提案されるヒントはユーザーの行動によってさまざま。

 

「日記を書くときは、その日のイベントや自分の心情について綴ることが多いと思います。ですが、日記に書けそうな特別な出来事が毎日あるとは限りません。いざ日記をつけ始めても内容に悩んでしまい、結局継続できずに諦めてしまったという人も多いはず。

 

ジャーナルは、iPhoneに記録されたユーザーの行動履歴に基づいて日記のネタをレコメンドして、日記を継続していくためのサポートをしてくれます。普段の自分だったら思いつかないようなテーマが提案されることもあるので、新鮮な気持ちで日記を書くことができます」(ガジェットライター・井上晃さん、以下同)

 

・パーソナルな情報を非公開で書き留められる

ジャーナルでは、SNSに投稿するような感覚でカジュアルに日記を書くことができますが、SNSとは違い、日記の内容がネット上に公開されることはありません。他人の目を気にすることなく、鍵付きの日記帳のように思ったことを書き留めておけるのも、ジャーナルの魅力です。

 

写真家が教える「iPhone15/iPhone15Pro」の撮影術…13枚の作例で解説するポートレートモードの使いこなし

 

「ジャーナル」を使いこなすための基本設定

ジャーナルを最大限に活用するために、まずは設定のカスタマイズから始めましょう。

 

・リマインド設定で記入を習慣づける

日記を習慣化するためのリマインドを設定します。あらかじめ曜日と時刻を設定すると、指定したタイミングでプッシュ通知が届くので、忘れずに記入することができます。

 

【設定方法】
「設定」アプリ→「ジャーナル」→「ジャーナル記入のスケジュール」→「スケジュールする」をオン

 

アプリの操作中に出てくるポップアップ(写真左)から設定に飛ぶこともできます。

 

・「記入の提案」をオンにする

iPhoneに記録されている情報をジャーナルに連携すると、そのデータに基づいた提案がアプリ内に表示されます。デフォルトですべてのデータ共有がオンになっていますが、有効・無効は設定からカスタマイズが可能です。

 

【設定方法】
「設定」アプリ→「ジャーナル」→「ジャーナル記録の提案」→「提案のプライバシー設定」

各種データとの連携をオンにすることで、ジャーナルからの提案の幅が広がります。

 

・「ロック」機能でプライバシーを保護

iPhone本体のロックとは別に、アプリ自体にロックをかけることも可能です。アプリを開く際に、デバイスのパスコードや生体認証が必要になるので、他者からの閲覧を防ぎます。

 

【設定方法】
「設定」アプリ→「ジャーナル」→「ジャーナルをロック」→「ロック」をオン

 

iPhone15Pro・ProMaxで夜景撮影に成功するには?望遠レンズの活用や構図の決め方など夜景写真家が解説

 

アプリからの提案が日記のヒントに!
「ジャーナル」の4つの記録方法

設定ができたところで、早速日記をつけてみましょう。ジャーナルの記録方法には、いくつか種類があります。

 

1.新規エントリーを作成する

ジャーナル上の記録のことを、「エントリー」と呼びます。新しくエントリーを作成するには、画面下部にある「+」アイコンをタップします。

 

「新規エントリー」を選択すると、テキストのほか、写真やボイスメッセージ、位置情報などをリアルタイムで記録することができます。エントリーの編集や削除、ブックマークは、該当のエントリーを左右にスワイプすることで簡単に行えます。

 

「基本的には作成した当日の日付がエントリー日として記録されますが、日付の右にある『…』アイコンをタップして『カスタムの日付』を選択すると、エントリー日を自由に設定できます。過去の写真や位置情報などのデータを用いてエントリーを作成する場合は、そのデータが記録された日付を選択することも可能です」

 

2.ジャーナルからの提案にもとづいて書いてみる

記入の提案をオンにすると、iPhoneに記録されたデータからパーソナライズされた、ジャーナル記録のヒントが作成されます。アプリからの提案をもとに日記を作成したい場合は、「モーメントを選択して書く」から選択して書くことができます。

 

「ミュージック」アプリで数日の間に再生した曲が、モーメントに表示されます。

 

「おすすめ」タブでは、日記のネタになりそうな写真や外出の記録などが、機械学習によってピックアップされて提案されます。「最近」タブには、ウォーキングの歩数や最近聞いた音楽などのデータが、直近の日付・時間順に並んで表示されます。

 

「撮影した写真や聴いた音楽が、日時や位置情報と紐づけられ、グループ化された状態で表示されるので、その日の思い出をより正確に思い返しながら記録することができます」

 

ワークアウトのデータと、そのときに撮影した画像を紐づけて投稿することも可能です。

 

3.日記の内容に困ったら「振り返り」を使ってみる

おすすめタブに表示される日記のアイデアの中には、「振り返り」という機能もあります。振り返りでは、アプリから質問形式で投げかけられるテーマに対して回答するようなかたちで、自分の考えを書き留めることができます。

 

円形の矢印アイコンをタップすると、質問の切り替えが可能です。

 

「振り返りには、内省を促す問いかけのようなテーマがいくつか表示されます。書く内容が思いつかない日は、振り返り機能を活用して、自分を見つめ直してみるのも良いかもしれません」

 

4.外部アプリからシェアして記録

外部アプリやWebサイトのデータを引用する際は、共有機能を使います。タブに提案が表示されないコンテンツでも、エントリー内に挿入することが可能です。

 

各アプリやサイトの共有機能をタップすると、iPhoneの共有メニューが開き、ジャーナルアプリのアイコンが表示されます。アイコンを選択すると、ジャーナルの新規エントリーが開き、リンクが引用されます。

 

「ネットニュースを読んだ感想を書きたいときや、購入したチケットについて記録したいときなど、そのページのURLを引用することでリンクに飛ぶことができます」

 

なお、ジャーナルで記録したエントリーは、SNSのタイムラインのように、スクロールで遡って閲覧することができます。

 

 

画像右上の「≡」(ハンバーガーボタン)をタップすると、写真やアクティビティ、振り返りなど、過去に投稿した投稿のカテゴリーや、ブックマークなどが表示されます。いずれかをタップすることでフィルタがかかるので、見たいエントリーに絞って振り返ることができます。

 

使い方は自分次第。
何気ない日々の記録を残してみる

ジャーナルはその名の通り、日記として使うことを前提としていますが、その使い方は日記以外にも。井上さんは、ジャーナルの活用法として、「思ったことや気になったことをざっくばらんに書き留める、メモ的なアプリとして利用するのも良いと思います」と話します。

 

「ふと思いついたことって、その場で記録しておかないと後々忘れてしまいがちですよね。ジャーナルならサクッと記録ができますし、その日の行動がデータとして残るので、後で思い出す手間を省いてくれます。
例えば、Apple Musicで曲を流していて偶然好みの曲やアーティストを見つけたときにも、ジャーナル上で記録しておけば名前を忘れてしまうことがありません。ウォーキング中に気になった花を撮影しておいて、後で種類を調べるために記録しておくのも良いと思います。自分の行動や思考を後で思い返すための、備忘録のような使い方もオススメです」

 

 

他の人に見られる心配がないからこそ、どんな些細なことでも書き留めておける「ジャーナル」。日常の一瞬に焦点を当てた、ちょっとした記録の積み重ねが、自分だけの新たな発見につながるかもしれません。これまで日記をつけてこなかった人も、継続して日記をつけるためのはじめの一歩として、活用してみてはいかがでしょうか。

 

 

Profile

ガジェットライター / 井上晃

スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。

2万4800円の工場見学!? “常陸野ネストビール”の木内酒造がビール・ウイスキー・日本酒全部載せのバスツアーで提供する贅沢体験の数々

日本におけるクラフトビールの黎明期からトップレベルの人気を博し、いまやウイスキーなども手掛けるビッグネームが「常陸野ネストビール」の木内酒造。その姿勢は、“大和魂”を重視しながら、実は海外交流にも超積極的。大胆な“攻め”の社風も特徴です。

 

そのポリシーが、個性派ビールやウイスキー事業の原動力にもなっているのですが、今度は“バー付きバスツアー”というユニークな事業を開始。お酒好きにはたまらない、贅沢体験の数々をいち早く体験してきました。

↑「BAR BUS HITACHINO(バーバス常陸野)」の車内。バータイムでは、同社の様々なお酒(炭酸水もあり)を自由に楽しめる。

 

ウイスキー、ビール、日本酒のつくり方を1日でチェック

「バーバス常陸野」は朝10時に東京駅を出発し、木内酒造が誇るビール、日本酒、ウイスキーの製造拠点を中心に見学し、19時半を目安につくば駅に到着するという日帰りのツアー。

↑この日のドリンクは、「常陸野ネストビール」の「ホワイトエール」「ラガー1823」や、「日の丸ウイスキー KOME」「日の丸ジン 蔵風土」など。「BAR BUS HITACHINO」と描かれたタンブラーは、オリジナルのミニエコバッグとともに持ち帰れる。

 

車内バータイムでのふるまい酒のほか、直営店でのランチとディナーも含み、大人1名2万4800円(税込)。移動はお任せで、多ジャンルの酒について学ぶことができ、ときに里山など大自然の景観に癒され、グルメ三昧! しかもオリジナルのお土産付きと、けっして高くないツアーだといえるでしょう。

↑最初に到着したのは、ウイスキーなどをつくる八郷(やさと)蒸溜所。敷地の畑には「金子ゴールデン」(木内酒造が積極栽培している、日本原産のビール用大麦)が植えられ、6月上~中旬ごろには収穫を迎える。

 

茨城県石岡市の八郷は良質な水に恵まれ、また盆地のため昼夜の寒暖差が大きく、熟成地としても理想的。また八郷地区は日本の里山100選に選ばれるなど日本の原風景が残る地域で、蒸溜所からは東の富士と呼ばれる筑波山の凛々しい眺望を望みます。

↑売店が併設された、一般開放もしているビジターセンター。ここでは木内酒造の歴史のほか、ウイスキーの素材や製造工程を展示パネルとともに学べる。

 

【ウイスキー】この蒸溜所だけの独自仕様がもりだくさん

ウイスキーは概して、製麦→糖化→ろ過→発酵→蒸溜→熟成→ブレンド(ヴァッテド)→瓶詰といった工程でつくられますが、それぞれ順に追ってスタッフが案内。特に木内酒造ならではのポイントというと、まず仕込み用タンクの独自性が挙げられます。

↑手前が「ろ過器」で奥が「糖化槽」。ウイスキーとしては珍しく、大麦麦芽以外に小麦、米、そばなど多様な原料の使用を想定しており、その糖化温度を管理しやすくするために、分けて導入している。

 

また、「培養タンク」や「発酵タンク」も特徴的。前者は自社培養酵母を造るための設備で、菌によってはバニラやココナッツのような風味が生まれるのだとか。そして後者は、ステンレス製のほかに木製も使用し、なおかつ材質を変えることで、より多彩な原酒をつくれるようになっています。

↑左がスロベニア産とフランス産のミックスオーク材、右がフランス産のアカシア材を用いた発酵タンク。イタリアのガロベット社製だ。

 

蒸溜所のシンボルともいえる「ポットスチル」(単式蒸溜器)は、スコットランドの名門・フォーサイス社製で、ストレートヘッド(ボディとネックが直線)の形状。ラインアームはやや下向きで、濃厚で香り高い酒質を狙っていることがわかります。

↑釜から上部に伸びる部分(ここはストレートヘッド)と、折れ曲がって伸びるパイプ(ラインアーム)の角度などが酒質を決めるひとつの要素に。写真手前が「初溜釜」、奥が「再溜釜」。

 

また、こちらは連続式蒸溜機を付設したハイブリッドスチルとなっていて、蒸溜室の奥にはその連続式も設置されています。一般的に、連続式蒸溜機はグレーン原酒用の設備となりますが、八郷蒸溜所では個性的なグレーン原酒をつくるために、ポットスチルでもグレーン原酒を蒸溜。この点もかなり独特です。

↑この連続式蒸溜機はジンのほか、グレーンウイスキーも蒸溜する予定だという。

 

そして熟成樽の材質にもこだわりが随所に。ジャパニーズウイスキーは日本原産の木材を珍重しますが、同社ではその定番であるミズナラ樽はあえて使いません。一方で重宝されているのはサクラ樽。サクラの熟成樽が特別珍しいというわけではありませんが、蒸溜所がある石岡市には県内屈指の桜の名所「常陸風土記の丘」があり、その点もサクラ樽を重用する理由です。

 

 

↑樽材によって異なる風味を、原酒のボトルと材質を並べることで紹介。左端がサクラの鏡板。

 

見学のあとは、ウイスキーをテイスティングしながらのランチ。樽や熟成年月などが異なる3種の原酒を飲み比べ、個性がどう変わるのかを自らの鼻と舌で体験します。

↑左から、2種の自社酵母を使ったバーボン樽の23ヶ月熟成。ジャマイカのラム樽で熟成をかけた32ヶ月もの。国産小麦を51%使用し、ラム樽で30ヶ月熟成したグレーンウイスキー。

 

味わえる料理は、蒸溜所内に2023年に開業した「常陸野ハム BARREL SMOKE」で製造する自家製シャルキュトリ(ハムやソーセージなどの加工肉)の盛り合わせと、自家製フォカッチャです。同社では近隣の養豚農家と提携し、飼料の一部に麦芽の搾りかすなどを使用し育てた特別かつ高品質な「常陸野ポーク」を一頭丸ごと購入。そのうえで自社加工し、燻製にもウイスキー熟成で使用した樽のチップでスモークしています。

↑シャルキュトリはポルケッタ、ビアシンケン、ピスタチオ入りハムなど様々。地元ブランド「常陸秋そば」のそば粉と天然酵母による自家製フォカッチャも美味!

 

なお木内酒造では「石岡の蔵」という、国内の蒸溜所でも珍しい製麦施設をもっており、ここではスコットランドの伝統製法であるフロアモルティング(いまや現地でも希少な、ハンドメイドの製麦)も行っているとか。このツアーにその見学は含まれていませんが、いつか見てみたいものです。

 

【ビール】海外で最も有名なクラフト“フクロウビール”の総本山

次にバスが向かったのは、「常陸野ネストビール」と「常陸野ハイボール」がつくられている、那珂(なか)市の額田(ぬかだ)醸造所。ウイスキーもビールも麦のお酒ではあるものの、製造は途中から大きく異なることが見学によって深く理解できます。

↑まずは、麦の種類や副原料の説明からスタート。

 

ウイスキーは、麦汁を発酵させたもろみを蒸溜するお酒。蒸溜によって濃度の高いクリアな酒質へ磨き、長期の樽熟成で風味付けを行いますが、ビールは麦汁にホップを添加して発酵、短期熟成という手順を踏むフレッシュな(なかには長期熟成ビールもあります)醸造酒であるため、より麦汁の方向性が味わいを大きく左右します。

↑“ビールの魂”と呼ばれるホップを、乾燥させペレット状にしたもの。防腐や香り付けに必要な、ある種最も味を左右する主原料だ。

 

それはつまり、ビールはウイスキー以上に麦の品種や焙煎度合い、副原料などが重要ということ。そのため額田醸造所では、まず原料の紹介に始まり、次に設備や各工程の解説へ進みます。

↑手前から糖化用のマッシュタン(タンク)と、煮沸用のケトル。ほかに濾過用のロイタータン、凝集物の除去用のワールプール。これらを使って麦汁を移動し、発酵工程へ。

 

澄んだ麦汁は、ワールプールから発酵タンクへ移動させます。この時点では、まだお酒になっていない麦ジュースの状態。酵母を加えて発酵させることにより炭酸ガスを含んだビールとなり、その後ラガー(下面発酵ビール)の場合は約1ヶ月間低温熟成させます。

↑発酵タンクがズラリ。1本6000リットルですが、クラフトビールのマイクロブルワリーとしてはかなり巨大(醸造所の生産量は1年約3000klで、330mlボトル900万本分)。

 

ちなみに「常陸野ネストビール」は、世界におけるジャパニーズクラフトビールとしては日本屈指の知名度を誇るブランドです。それは、他社に先駆けて海外展開を進めてきたから。いまや生産量の約半分が海を渡り、輸出先は40ヶ国以上。NYのマンハッタンではフクロウマークのトラックが走る姿を見られます。

↑見学後は、もちろん試飲もあり。写真のボトルはサンプルで、この日はタップから注いだ「ヒストリー1602」という限定のエール(上面発酵)ビールをいただいた。

 

テイスティング時には、ホップ品種の違いを、ペレットを比較しながら確認できます。個性が魅力のクラフトビールは、よりホップの使い方が重要。その違いを学ぶチャンスもここでは得られます。

↑右端のビールが「ヒストリー1602」。こちらは秋田県横手市産のホップ(生のチヌークホップなどを使用)と、地元那珂市産の「金子ゴールデン」を一部使用した、フローラルな香りが特徴だ。

 

【日本酒】蔵でも貫かれるバリエ―ション豊かな酒造り

そしてバスは、木内酒造の祖業である日本酒の蔵へ。醸造酒であるため製法の概要はビールと似ていますが、麦芽でなく蒸した米で仕込むなど、素材の種類や加工法には大きな違いがあります。

↑ブルワリーの額田醸造所と同じ那珂市にある「鴻巣の蔵」。木内酒造は江戸時代の1823(文政6)年に木内儀兵衛がこの地で酒造りを始め、「菊盛」などの銘酒を生み出してきた。

 

特に日本酒の場合、味の方向性を大きく左右するのが精米歩合(米を削る度合い)であり、食用米のコシヒカリと、酒米で有名な山田錦は何が違うのか(あえてコシヒカリで醸す日本酒もあります)、そして精米歩合が酒質をどう変えるのか、など実物を見ながら学べます。

↑山田錦と、その山田錦と日本最古の原生酒米・雄町(おまち)をルーツに持つ愛山を、精米歩合別に展示。削るぶんだけ小さくなる、粒の大きさに注目したい。

 

ほかにも、日本酒とビールの違いに挙げられるのが麹(こうじ)の有無(なかには、麴を使うビールもあります)。麹とは穀物に種麹(麹菌や、もやしともいいます)を付着させた日本ならではの発酵原料のことで、日本酒ではこの麹を作る「製麹」が最も重要な工程ともいわれます。

↑製麹したあとの米麹。左が、伝統的に日本酒や醤油、味噌などに用いられる「黄麹」で、右が焼酎に頻用される「白麹」(木内酒造の「淡雫(あわしずく)」など、白麹で醸す日本酒もある)。

 

この酒蔵でも、木内酒造ならではの製法が見られます。わかりやすい点を挙げるとすれば、発泡性をもたせる日本酒の貯蔵槽にビール用のステンレスタンクを使っていること。

↑右に見える「ビアサーマルタンク」が、発泡性日本酒用の貯蔵タンク。ビールを手掛ける木内酒造ならではといえるだろう。

 

その一方、仕込み蔵には木桶で仕込まれた米焼酎なども。自由な発想から、ときに伝統的に、そして革新的な製法で、バリエ―ション豊かな酒造りを行っていることがわかります。

↑こちらは、伝統的な杉の木桶。

 

製麹を行う麹室(こうじむろ)など、いくつか立ち入りできない場所もありますが、一連の醸造工程を見学したあとは、バーとショップが併設された「ききさけ処」に移動して試飲を体験。

↑左がフルーティーな「菊姫 純米大吟醸」で、右がきめ細かい発泡が楽しめる「菊盛 純米吟醸にごり酒 春一輪」

 

「ききさけ処」では多彩な日本酒のほかに「常陸野ネストビール」や焼酎などもラインナップしており、銘柄によっては試飲も可能。一般開放しているので、今回のバスツアーでなくても足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

ディナーで社長が語ったモノづくりの流儀

見学の全行程を終えたラストには、「鴻巣の蔵」内にあるレストラン「蔵+蕎麦な嘉屋」でのディナーが待っていました。建物は、1924(大正15)年に建てられた蔵をリノベーションした空間。メニューは蕎麦のほか、使われる野菜や肉はすべて茨城県産の素材を厳選し、常陸野の美食と自慢の日本酒とのペアリングを楽しめます。

↑ツアーで提供される料理はおまかせの特別コースとなり、こちらはそのメインとなる「常陸野ポーク」のロースト。発酵玉ネギのソース、赤からし水菜、かぼちゃのピューレで味わう。

 

コースの料理は一皿ひと皿が、木内酒造の日本酒とのペアリングを考えて構成され、ラストには名物の蕎麦が登場。この蕎麦ももちろん「常陸秋そば」で、同社では「金子ゴールデン」の裏作期間を有効的に活用する意味で栽培しています。

↑「木内家秘伝のつけけんちん蕎麦」

 

「蔵+蕎麦な嘉屋」が提供するそばの割合は、外一(そば粉とつなぎの割合が10:1となる、九割そばの一種)。今回味わったメニューは、木内家に伝わるけんちん汁をつけ汁にしたもので、酒粕と味噌の風味、野菜の旨みがとけこんだコクのある味が、香り高い蕎麦にマッチします。

 

このディナーには木内酒造代表の木内敏之社長も加わり、バスツアーの狙いや今後の展望、使命感などを聞かせてくれました。

↑木内家九代目当主の敏之社長。日本のクラフトビール黎明期の1995年に「常陸野ネストビール」を立ち上げ、1996年より醸造開始。2016年にはウイスキーづくりも始めるなど、チャレンジングな同社をけん引する存在。

 

「よそが真似できないことをやるというのが、うちの理念のひとつにあり、このバスツアーもそうです。風土の景観や恵みを楽しんでいただきながら、私たちのモノづくりを知っていただきたいと思いました。

 

ただ、いろいろな冒険をしてきたなかで、私が次に注力したいのは日本酒なんです。理由は、自分自身が還暦を迎えたことで、あらためて祖業に向き合いたいと思ったから。また、蔵元の数が年々減少しているなど、市場が縮小しているから。であれば、うちならではのユニークな取り組みで業界を盛り上げたいと思ったんです。

 

ですから、このツアーでは最後に皆さんを『蔵+蕎麦な嘉屋』でお迎えし、ここではウイスキーやビールではなく日本酒を存分に味わっていただきたい。これからの木内酒造は、日本酒にもより注目ください!」(木内社長)

 

「バーバス常陸野」は運行開始を記念して5月末までは平日限定割引が適用となり、不定期で国内外のトップシェフによるプレミアムな料理を味わえるガストロノミーツアーが開催されたり、美術館でのアート鑑賞などを組み合わせた見学工程が行われたりと、特別な企画も。お酒好きはもちろん、旅好きの人も要チェックです!

 

「BAR BUS HITACHINO」
運行予定:木・土・祝(9:30受付)10:00発〜19:30着予定
料金:大人1名 2万4800円(税込)※運行開始記念により平日限定で大人1名2万1800円(税込)を2024年5月末まで実施
予約ページ
サービスサイト
※20歳未満は申し込み不可

「旅するロルバーン」をどう使いこなす?開発に関わった堤信子さんと担当者が語る、もっと気楽に旅や日常を記録し楽しむ極意

旅先の写真、立ち寄った美術館のチケットやショップカード……大切な旅を、リアリティをもって思い返せるさまざまな記録や紙ものを、もっと気負わず面倒なくまとめておけたらいいのに___。人気のノートブランド「ロルバーン」から、そんな希望をかなえるシリーズ「旅するロルバーン」が誕生しました。

 

開発に関わったのは、“紙ものコレクター”としても知られ、18年以上にわたってロルバーンを愛用する縁で「旅するロルバーン」のアドバイザーを務めるフリーアナウンサーの堤信子さんと、デルフォニックスで商品企画やマーケティングに携わる花澤翔子さん、大谷春菜さん。「旅するロルバーン」が生まれた経緯から使いこなしのポイントまでをインタビューしました。

 

思いの一致で一気に商品化へ!
欲しかった“簡単で疲れない”旅ノート

旅をしながら保存やメモすることで、その瞬間を記録することができるのが「旅するロルバーン」。2020年2月に発売された、ページを自由に入れ替えられる「ロルバーン フレキシブル」の新シリーズとして、2023年7月に発売されました。

 

この開発には、旅好きで文具に造詣が深い堤信子さんが携わっています。

 

堤信子さん。

 

「普段から、旅行には必ずノートを持ち歩いて、航空チケットや訪れた場所のパンフレット、お店の紙ナプキンや箸袋まで、さまざまなものを貼りつけて記録してきました。でも、一日中外出してホテルに戻るとクタクタで、ペンを握ったまま寝落ちすることも。この作業は楽しい反面、ちょっと大変だなとも思っていたんですね。そうした経験から、旅をしながら簡単に、疲れずに情報や思い出をストックできるノートが欲しいと願っていました」(堤信子さん)

 

堤さんがこれまで手にした旅ノートは、スケッチブックから、大学ノート、ポケットだけのものまで多岐に渡ります。その一部を特別に見せていただきました。

 

ポケットを自作した堤さんの旅ノート。

 

時には、飛行機の機内紙や御朱印帳を使うことも。

 

機内紙の世界地図には、航路を書き込んで。

 

表紙にも荷物のタグを貼るなどアレンジを加えています。

 

お菓子のパッケージもそのまま貼り付けて。

 

あらゆるメーカーのノートを試してきた堤さんですが、どれも少し不便さがあり、100%満足できずにいたといいます。そんなとき、仕事を通じて出会い、互いにリスペクトする関係だったデルフォニックス代表の佐藤達郎さんに、旅ノートの悩みを打ち明けたそう。2019年、ご一緒したお仕事後の雑談中のことでした。

 

「当時のロルバーンは取り外しができなかったので、ノートが余ったり足りないことに不便さを感じていました。『旅によって必要な枚数が違うので、自分でページやポケットが調整できる旅ノートがあったら最高ですね』とお伝えしました」(堤さん)

 

実はこのとき、発売を間近に控えていたのが、ページを入れ替えられる「ロルバーン フレキシブル」でした。堤さんが同じ構想を抱いていたことに、佐藤社長も驚いたのだとか。その後、「フレキシブルの進化版として、旅に特化した商品を一緒に作りましょう」と佐藤社長から声がかかり、共同プロジェクトが始動しました。

 

進化する定番ノート「Rollbahn(ロルバーン)」が20年経ってもファンを増やし続ける理由

 

紆余曲折の連続!
旅するロルバーンができるまで

 

旅するロルバーンの開発は、2020年から2023年にかけて、私たちの日常から旅が消えた外出自粛期間と重なります。「結果的にこの期間がちょうど良かった」と話すのは、商品開発に携わった花澤翔子さんです。

 

デルフォニックス、商品企画部の花澤翔子さん。

 

「この商品の一番のポイントは、紙ものを気軽にストックできる、紙製ポケットがあることです。そのポケットの制作がとくに大変でした。リングを取り外しポケットを入れ替えるのではなく、ポケットそのものに切り込みをいれ、リングから直接取り外せる仕様にしたんですが、ここに苦慮しました」(デルフォニックス・花澤翔子さん)

 

ポケットの強度を出すのが難しく、完成には2年もの年月が。ポケットの折り方も何通りも試したそう。

 

一方で、カバーづくりも一筋縄ではいきませんでした。

 

「『フレキシブル』のカバーはすべて合皮だったので、旅するロルバーンも合皮でデザインするところから始まりました。でも、包み紙や箱など、“紙ものコレクター”でもある堤さんとご一緒するのに、本当に合皮でいいのか、堤さんらしさを表現できる方法が他にあるのではと、メンバー間で議論になることもありました」(花澤さん)

 

ある日堤さんは開発チームを、「文具部屋」と名付ける自身のオフィスに招きました。

 

「“紙フェチ”の私が、長年かけて大切に集めた膨大なコレクションを見ていただきました。どれも思い入れのあるものばかりでしたが、旅先で出会った、とっておきの3種類を持ち帰っていただいて、デザインに活かしていただけることになったのです」(堤さん)

 

デルフォニックスに持ち帰られたコレクションは、後に「マップ」「ウォールペーパー」「レター」柄として商品に反映されます。フレキシブルシリーズでは初めて、紙製のカバーが導入されました。

 

こちらがカバーデザインのモチーフになった、堤さんの貴重なコレクションです。

 

「マップ」のモチーフは、100年以上前のパリの地図です。パリの百貨店が、貴族階級の上顧客向けに配っていた年間手帳の付録でした。

 

こちらがその年間手帳。堤さんが古書店で手に入れ、大切に保管してきました。

 

「ウォールペーパー」のモチーフは、18世紀パリの貴族の館に使われていた壁紙です。アンティークショップで一目惚れし、ビリビリの状態で売られていたものを筒に入れ大切に持ち帰ったそうです。

 

「レター」は、ビンテージ市場において高値で取引きされる、「エンタイア」(切手が貼られ消印された、使用済みの手紙やハガキのこと。)から筆跡を抜いてデザインされました。紙には、レースやエンボスといった細かな加工がほどこされています。堤さん曰く、筆跡の美しさを見ているだけで楽しいそう。

 

堤さんは、カバーのサンプルを初めて手にした日のことを、鮮明に記憶しているそう。

 

「デルフォニックスの、ものづくりのセンスには絶対の信頼があったので心配していませんでしたが、ビンテージ特有の質感やデザインがどこまで再現されるのかドキドキでした。でも、目にした瞬間、『わっ、素敵!』と興奮しました。洗練されていながら、アンティーク感もしっかり感じられましたし、地図の切り取り方やロゴの色、配置など、すべてが絶妙で、さすがデルフォニックスさんだとあらためて感じました。あまりのうれしさに、その晩はサンプルを抱いて眠ったほど!」(堤さん)

 

「堤さんとの打ち合わせはいつも楽しかった」と話す花澤さん。取材も和やかなムードで行われました。

 

旅するロルバーン
基本の使い方は?

 

旅するロルバーンは、きれいに仕上げることを意識せずとも完成する、だれでも簡単にトライできる旅ノート。ここからは、中身を詳しく見ていきます。

 

「スターターキットは、堤さんとコラボレーションした特別な表紙の『ウォールペーパー』『マップ』『レター』の3種に加え、『クリア』と『クリアグレー』の全5種。B6サイズに近いLサイズと、A5サイズの2サイズ展開です。

表紙を開くと、方眼メモの片面がポケット仕様になっている方眼ポケットリフィルが10枚、やや厚紙を使用した無地のクラフト台紙が5枚、ホワイト台紙が5枚、ジャバラ折りで広がる表裏6面のアイボリー色のリフィル1枚がセットされています」(デルフォニックス・大谷春菜さん)

 

デルフォニックス、マーケティングプランナーの大谷春菜さん。

 

さらに、それぞれのリフィルの使い方を紹介します。

 

・方眼ポケットリフィル

(写真提供=デルフォニックス)

 

「旅で出会った紙物などを、ストックできるポケット付きのリフィルです。ポケット部分は、日付や行き先、旅の予定、その瞬間に感じたことを書きこむのに便利です。裏面はポケットがないのでメモとして使ったり、シールや写真を貼ったりするのもおすすめです」(大谷さん)

 

・無地のクラフト台紙とホワイト台紙

(写真提供=デルフォニックス)

 

「白と茶色の無地ペーパーです。ノートのように書きこむのはもちろん、イラストを描く、ご当地スタンプを押すなど、スクラップ帳として使えます。クラフト紙は何を貼っても見栄えが良く、ホワイト紙はサイン帳にぴったりです。仕切りに使うのもおすすめです」(大谷さん)

 

・ジャバラ折りの無地リフィル

(写真提供=デルフォニックス)

 

「ジャバラ折で広く使うことができるので、フライヤーやパンフレットなど、サイズの大きな紙ものを貼るのに適しています。地図を書いて、行った先に印をつけ、記録する使い方もおすすめです」(大谷さん)

リフィルは、ジャバラ折りの無地リフィル以外、買い足すことが可能です。

「フレキシブルシリーズの専用リフィルやアクセサリと互換性があり、組み合わせ次第で何通りもの楽しみ方があります。身軽に旅がしたい方は、リフィルだけ持って、帰宅後に編集する使い方もおすすめです」(大谷さん)

 

フレキシブルのリフィルとアクセサリ。TO DOフォーマットやポケットなど、豊富なラインナップが揃う。

 

「Rollbahn(ロルバーン)」愛が高じてコラボモデルも!? “堤信子式”使いこなしとコレクションする理由

 

堤信子式
旅するロルバーンの使いこなし

普段から旅するロルバーンを愛用する堤さんに、独自の楽しみ方を教えていただきました。

 

1.京都旅行専用ノート

 

堤さんは京都が好きで、これまで何度も足を運んでいます。その度に同じノートを持って行くそうです。

 

「これは表紙がポケットになっているので、テーマにちなんだ写真やポストカードを挟むのがおすすめです。ノートには、ショップカードやパンフレット、レシートなど、あらゆるものをストックしています。きれいにまとめようと思わず、ポケットにポンポンと気軽に入れるのがポイントです。何泊かする場合は、インデックスに日付を書き込み仕分けに使うと便利です。
このノートには京都旅行の全部が詰まっているので、旅行時はこの一冊を持っていけばいいという安心感がありますね」

 

2.コーヒーのドリップバッグコレクションノート

 

「コーヒーのドリップバッグをコレクションするノートもあります。ドリップバッグをストックし、お店の名刺を貼って、一言コメントを書きます。リピート購入する際に役立ちます。ジャバラのリフィルに日本地図を貼り、訪れたお店に印をつけてオリジナルのショップマップを作るのも楽しそうです」

 

3.レター ストックノート

 

「手紙のストックにも利用します。グループ別に仕分けし、サンキューカードや切手、住所シールもストックしておけば、すぐにお返事が出せて便利です。そのまま旅先に持って行き、そこで出会った素敵なポストカードで返信を出すこともあります。いただいたお手紙を見比べながら、このハガキはどの方に送ろうかなと思いを巡らす時間もワクワクします。また、表紙にシールを貼ってリメイクをするのも楽しいです」

 

ほかにも、さまざまな使い方をしているそうです。

 

「京都のお菓子屋だけをまとめたノートもあります。包み紙はもちろん、貼られていたシール、包装紐も貼っています。SNSに旅の写真を載せると友人からおすすめのメニューを聞かれることがありますが、店ごとにまとめているのでスマホで情報を遡るよりも手軽に調べられます。友人とのコミュニケーションツールとしても役立っています。また、最近は御朱印を紙でいただくケースもあるので、1冊にまとめるのもいいですね」

 

旅に必ず持参する道具と
お気に入りの併用アイテム

手のひらサイズのiNSPiC。スマホアプリから簡単に印刷ができる。

 

堤さんには旅行の際、旅するロルバーンと一緒に必ず持っていく道具があるそう。

 

「糊は、後で剥がれる心配のない昔ながらの大和糊(やまとのり)を愛用しています。また、最近のお気に入りは、Canonのミニフォトプリンター『iNSPiC』です。今まで写真だけは帰ってきてからプリントアウトしていましたが、これなら帰りの移動中にでき、道中に旅ノートが完結します。写真の台紙がシールになっているので貼るのも便利です」(堤さん)

 

堤さんが旅に必ず持参する七つ道具。(写真提供=堤信子さん)

 

最後に堤さんは、旅するロルバーンの魅力についてこのように語ってくださいました。

 

「移動制限のあった日々は、身体を動かす喜びを再発見する良い機会でした。その喜びをデジタル時代にアナログに記録することで、旅の実感を深めることができると感じています。人は忘れやすい生き物ですが、旅のカケラが思い出を呼び覚ますこともあります。お店でもらったコースターを見ると、『ここのプリンおいしかった!』と当時の思い出がよみがえる瞬間があります。
思い出を視覚や触覚で感じられるように残すことで、旅をしたという実感をより深く味わえるのではないでしょうか。ノートづくりを通じたクリエイティブな体験も楽しみながら、自由に使っていただけたらうれしいです」(堤さん)

 

現地の空気感まで一冊にスクラップ。「旅ノート」で思い出を記録する方法

 

非日常の旅だけじゃなく
日常のあらゆるシーンで使ってほしい

 

「旅するロルバーン」は、ネーミングからも、旅に特化したアイテムのように思いますが、堤さんのように、日常の至るシーンで使ってほしいと大谷さんは話します。

 

「商品化にあたり、開発、企画、販売のメンバーで、『旅とは何か』という問いを立て、ディスカッションを繰り返しました。とくにコロナ禍で物理的な移動が制限されていた時期だからこそ、『乗り物に乗って遠くに出かける旅』だけでなく、近所のカフェや博物館に足を運んだり、“推し活”といった日常のさまざまなシーンも旅なのではという意見が交わされました。

 

『旅するロルバーン』には、非日常の旅で思い出をたくさん詰めこんで欲しいという思いと、暮らしの中で自由に楽しんでほしいという両方の思いがこめられています」(大谷さん)

 

実際、デルフォニックスの社員も、以下を一例とした思い思いの使い方をしているそうです。

・領収書や保証書の整理に使う
・料理の写真や献立、お買い物メモを記録する
・ライブや観戦、観劇の記録を残す

 

「私も推し活に利用していますし、出張ノートや、学校、仕事の資料を挟んでいるユーザーもいます。Lサイズは持ち運びしやすく、趣味用に最適です。A5サイズはパンフレットをなるべく折らずにストックできるので、旅行用にとくにおすすめです」(大谷さん)

 

リフィルやシール、付箋等を5つのファイルに仕分けできるクリアケースとのセット使いもおすすめ。(5パーツフォルダー 全10色 275円〜)

 

旅するロルバーンのスターターキットは、5種×2サイズ展開。上部左から、クリア、クリアグレー、下部左から、レター、ウォールペーパー、マップ。

 

Lサイズ(横155×縦184×厚み20mm) 2,530円〜(税込)
A5サイズ(横175×縦220×厚み20mm) 2,750円〜(税込)

 

記録の仕方ひとつで、旅をいろいろな角度から、何度でも味わうことができるようになります。年末年始の旅の相棒に、または日常のかけがえのない瞬間をストックするために、旅するロルバーンを手にしてみてはいかがでしょうか?

 

 

Profile

フリーアナウンサー / 堤 信子

青山学院大学経済学部を卒業後、FBSにアナウンサーとして入社、その後フリーに。NTV「ズームインスーパー」TBS「はなまるマーケット」など朝の情報番組でレギュラーを長年務め、TV、ラジオ、講演、司会などで幅広く活躍中。また、エッセイストとして、長年の趣味でもある文具雑貨の旅をテーマにした著書を出版するなど趣味本にも力を入れ、WEBや紙面での連載も手がける。つつみ紙とお菓子箱のコレクターとして、「マツコの知らない世界」などの番組出演多数。著書も『堤信子のつつみ紙コレクション』(玄光社)など多数がある。
X(Twitter)
Instagram

 

Brand Profile

Delfonics(デルフォニックス)

デルフォニックスは、1988年に設立した、日本のステーショナリーメーカー。「Stationery that frees your creativity.」をモットーに、文具をカルチャーの一つとしてとらえ、商品を生み出し続けるとともに、直営店舗「DELFONICS」「Smith」ではカルチャーやデザイン心をくすぐる商品をセレクトし届けている。

旅するロルバーン

GWはネモフィラ畑や足湯場へ! 全国のおすすめ癒しスポット 8選

花や緑が色づく春は過ごしやすく、おでかけしたくなる季節。いつもより少し遠出をして、屋外で過ごす時間を楽しみましょう。今の季節に訪れておきたい、全国のおすすめスポットを紹介します。

 

1.茨城県「国営ひたち海浜公園」
春のフラワーリレー中。開花予想はこまめにチェックを!

 

スイセン、チューリップ、ネモフィラにバラなど、春に旬を迎える花の絨毯が楽しめるエリアといえば、ここ。4月中旬から5月上旬にかけて、森の妖精のようなブルーの小花が愛らしいネモフィラが鑑賞できます。「みはらしの丘」にあるネモフィラは、約530万本というから圧巻! この美しいブルーの絨毯と開放感ある景色は、春限定の世界です。カメラを片手にゆっくりと散歩しながら、ベストショットを狙ってみては?

 

・穴場は早朝7時のモーニングタイム

ネモフィラは日の当たる方向や角度で表情が変わります。早朝7:00〜9:00頃は比較的に人が少なく、風も穏やかで神秘的な花の姿に集中できます。晴れた日の10:00〜正午にかけては、空とネモフィラの境界線がなくなるような水色の世界が広がります。午後には光を浴びた花びらが、キラキラと宝石のように輝きます。そして、太陽が落ちていく夕方から閉園までの時間帯は、マジックアワーの演出がドラマチック。時間帯によって表情を変える「みはらしの丘」の景観が楽しめます。

 

・レンタサイクルで周遊するのもおすすめ

色とりどりのチューリップやポピーにバラなど、ネモフィラ以外にも春から初夏にかけてさまざまな花が咲いているので、エクササイズを兼ねて、広い園内をレンタサイクルで回ってみるのはいかがでしょうか。

 

【DATA】
国営ひたち海浜公園
住所:茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4
電話:029-265-9001
https://hitachikaihin.jp/

 

2.神奈川県「彫刻の森美術館」
順々に咲く桜と新緑のコントラストが美しい!

1969年に自然と芸術の調和を目指して作られた、国内はじめての野外美術館です。7万平方メートルの広大な屋外展示場にアート作品が展示されています。春はしだれ桜、ソメイヨシノに次いで、山桜、寒山桜へと、4月下旬にかけて順番にさまざまな種類の桜が見頃を迎えています。桜と彫刻作品が生み出す春限定の風景を味わいましょう。晴れの日はもちろん、雨や霧のかかった情景も美しい場所です。

 

・世界有数のコレクションが並ぶ「ピカソ館」

パブロ・ピカソの代表的な作品といえば、キュビスムの技法で制作された「アヴィニョンの娘たち」や戦争の悲惨さを描いた「ゲルニカ」などが有名です。ピカソ館では、テーマ展示「異形のピカソ」を開催中。油彩、素描、版画、タピスリー、セラミックなど、ピカソの作品を17の主題(テーマ)に分けて、時系列にとらわれない、自由で自然な展示空間で構成しました。ひとつの視点、限られた時間から見られることを拒否し、時空を超えた連続体としてのピカソ。その異形の姿が感じとれます。

 

・歩き疲れたら、足湯でひと休み

こちらの施設には、無料で入れる温泉足湯コーナーがあります。敷地内から湧き出る源泉が使用されているあたりが、温泉地・箱根らしい魅力です。熱すぎず、ぬるすぎないちょうどいい温度で、座りながら屋外の彫刻作品が鑑賞できます。ホットドックやソフトクリームなどの軽食が楽しめるカフェやビュッフェレストランも併設されているので、美術鑑賞の合間にひと休みしながら、ゆったりと過ぎゆく時間を過ごすのも贅沢ですね。

 

【DATA】
彫刻の森美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
電話:0460-82-1161
https://www.hakone-oam.or.jp

 

3.栃木県「塩原温泉湯っ歩の里」
ドライブの疲れを癒す足湯場

レジャースポットやおしゃれカフェ、桜の名所など、春のドライブに人気の那須塩原エリア。こちらの施設は中でも塩原温泉の中心街にあるので、休憩スポットとして立ち寄るのにおすすめです。全長60メートルの「日本最大級の足湯」は、高原山など周辺の木々や季節の情景を味わいながら足湯に入ることができます。足湯は膝下のみをお湯に入れるので、長時間入っていてものぼせることなく、血行の促進と免疫力アップ効果が期待できます。

 

・周囲の山々や空を映し出す鏡池を望む足湯回廊

施設中央にある鏡池の周囲をぐるりと囲むようなエリアが「足湯回廊」。幅1.5メートル、全長60メートルの足湯場に源泉掛け流しの湯が張ってあります。6種類の浴槽には大小さまざまな形の石が埋め込まれているので、それらの石の上を歩くように移動することで、足裏のマッサージ効果が得られます。

 

・初夏にはあじさいが咲き誇る文学碑エリア

明治・大正・昭和の多くの文人たちに愛された「夏目漱石文学碑」や「室井犀星文学碑」「長塚節文学碑」が設置されています。塩原という街を愛した文豪たちにより、この地で生み出された名作に思いを馳せながら、のんびりとお散歩してみるのはいかがでしょうか。

 

【DATA】
塩原温泉湯っ歩の里
住所:栃木県那須塩原市塩原602-1
電話:0287-32-3101
https://yupponosato.com

 

4.千葉県「東京ドイツ村」
季節の花が咲き誇る田園テーマパーク

東京ドーム約19個分もの広大な敷地の中に、花と緑が溢れる施設です。春は芝桜にソメイヨシノ、ビオラなどのピンク色の景観が広がります。田園風景をイメージした園内にある観覧車は、ドイツの国旗色。ゆっくりと動く観覧車に揺られながら、遠くに見える富士山や園内のカラフルな花を眺めて、おしゃべりするのも楽しいひとときに。「こども動物園」では、ヤギやヒツジ、ミニブタなどのエサやりができます。「世界のふわもこ動物王国」では、ひよこやハリネズミなどの小動物に触れられる体験コーナーもあるので、こちらも要チェック!

 

・ネモフィラと空のブルーがどこまでも広がるエリア

5月の中旬まではネモフィラが一面に咲き誇るエリアも! 晴れた日、青と白のコントラストを背景にした写真撮影は欠かせません。パターゴルフ場は18ホール4コース、9ホール4コースあり、関東一のスケール。ゴルフ初心者からベテランまで、満足できるコース展開になっています。

 

・ドイツグルメが楽しめる飲食エリアも充実!

園内あるレストランでは、カレーやパスタなどからソーセージの盛り合わせの「ジャーマンスペシャル」、豚肉を香辛料とともに煮込んだ「アイスヴァイン」といったドイツの家庭料理も食べられます。10名以下であれば予約なしで利用できるバーベキュー場では、何種類ものドイツビールが楽しめます。

 

【DATA】
東京ドイツ村
住所:千葉県袖ヶ浦市永吉419
電話:0438-60-5511
https://t-doitsumura.co.jp

 

5.長野県「長野市城山動物園」
善光寺から徒歩10分、桜が楽しめる無料動物園

桜の名所として親しまれている城山公園に隣接する無料の動物園。公園内には約150本の桜の木があり、春は善光寺とセットで訪れる人がとても多い癒しスポットです。

 

・アシカの食事タイムにはトレーニングの様子を鑑賞できる

ペリカンやフラミンゴ、ペンギンなどの鳥類からサル類、ヤクシカなど、小動物を中心に35種類230頭羽が飼育されている園内には、「カリフォルニアアシカ」の姿も。アシカは頭のいい動物で、アシカショーなどが行われる動物園も少なくありません。ここではアシカのショーは開催されていませんが、11:00と15:30の餌の時間帯には、アシカのキレある動きが見られることでしょう。

 

・繁殖期の春はピンク色に変色!

モモイロペリカンは元々の体は白色。しかし、春の繁殖期を迎えると綺麗なピンク色に変化します。まさに春の桜のような色味をした美しい姿が見られます。ほかにも魅力溢れる動物たちがたくさんいるので、かわいらしい表情を追って撮影するのもいいですね。

 

【DATA】
長野市城山動物園
住所:長野県長野市上松2-1-19
電話:026-233-0586
https://johyama.com

 

6.北海道「モエレ沼公園」
“大地の彫刻”をカメラ持参で散歩する

270万トンの廃棄物を埋めたゴミ処理場の跡地に建てられた施設で、東京ドーム約40個分もの広さがあります。設計したのは、日系アメリカ人で彫刻家のイサム・ノグチですが、施設が完成する前に亡くなっています。その後、数年の月日を経て、彼の遺志を引き継がれる形で完成しました。4月中旬から5月にかけては桜とアートの融合した景色が楽しめ、夏にはモエレビーチがオープン。北海道の広大な大地と彫刻作品の融合による美しい世界観は、ひとたびシャッターを押したら、止まらなくなることでしょう。

 

・公園の全貌が一望できるモエレ山

三角形のシルエットが美しいモエレ山。5つのルートがあり、どちらから登っても10分ほどで山頂に到着します。眼下に広がる札幌の市街地、園内の全貌、そして、どこまでも突き抜ける大空の中で大地を踏み締めて過ごすことで気分爽快に。深呼吸して大自然からのエネルギーをチャージしましょう。

 

・隅々まで存分に堪能したい派はレンタサイクルがおすすめ!

園内には、イサム・ノグチがデザインした遊具やアート、約1,600本の桜、モエレビーチに噴水など、見どころがたくさんあります。レンタサイクルを使えば、広い園内をすみずみまで効率よく巡ることができます。「サクラの森」は桜が見頃を迎えているので、シートを広げてお花見ランチもいいですね。

 

【DATA】
モエレ沼公園
住所:北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1
電話:011-790-1231
https://moerenumapark.jp

 

7.静岡県「はままつ フルーツパーク ときのすみか」
いちご狩りとフルーツの花の鑑賞が楽しめる!

一年を通じて比較的温暖な気候の浜松は、魚介類、野菜、そしてフルーツとおいしい食材の宝庫です。こちらの施設は、年間を通じて15種類ものフルーツの狩りができることで人気。今、シーズン中のいちご狩りは5月末まで楽しめます。春から夏にかけて順に収穫を迎えるのは、梅、さくらんぼ、桃、ブルーベリー、ぶどうに梨など。桜だけではなく、フルーツの花にも注目してみましょう。

 

・りんごも開花のシーズン中!

りんごというと、長野県や青森県など、寒い地域での栽培が主流ですが、こちらの施設には約300本のりんごの木があります。春から初夏にかけて、桃色がかった白のかわいい花が開花の時期を迎えています。

 

・ワイン工場の見学やオリジナルラベルづくりもできる!

施設内には、ワインの工場見学やオリジナルラベルづくり、ワイングラス名入れ体験などがあります。フルーツパークで醸造した完全オリジナルワインや、山梨県産のぶどう「ブラッククイーン」を100%使用して醸造した数量限定ワインほか、世界のワインが並んでいるので、おみやげにおすすめです。

 

【DATA】
はままつフルーツパーク ときのすみか
住所:静岡県浜松市北区都田町4263-1
電話:053-428-5211
https://hamamatsu-fp.co.jp

 

8.沖縄県「フォレストアドベンチャーin恩納」
ターコイズブルーの海を見下ろす最高のロケーション!

フォレストアドベンチャーとは、自然の木々を生かした自然共生型アドベンチャーパークです。全国各地に40パークあり、自然の森をそのまま生かしたつくりなので、施設によってコースのレイアウトや景観も異なります。沖縄県恩納村のパークは、目の前に東シナ海が広がりターコイズブルーの海を見下ろしながらの最高のロケーションにあります。

 

・アドベンチャーコースはロングとショートから選べる!

バンジージャンプのような飛び降りる勇気が試されるものもあれば、地面にすぐ着地できる低空のターザンスイングもあります。年齢や体力に合わせてショートコースが選べるので、運動不足の解消目的で訪れるのもよさそうです。大人も童心に返り、楽しんでみるのはいかがでしょうか。

 

・パーク内には沖縄ならではの花々もたくさん

沖縄といえば、ハイビスカスやブーゲンビリア、プルメリアなど、濃いピンク色の華やかな花が見られる地域。ほかにも沖縄の三大名花の一つであるデイゴなど、本州ではなかなか見られない珍しい花があります。花言葉を調べながらそれらに触れてみるのも、こちらの施設ならではの楽しみ方と言えます。『青の洞窟』として知られる美しい海辺まで車で5分なので、合わせて立ち寄りたいスポットです。

 

【DATA】
フォレストアドベンチャー in恩納
住所:沖縄県国頭郡恩納村真栄田1525
電話:090-4739-9140
https://foret-aventure.jp

 

この時期にしか咲かない花や、夏に向かって緑が濃くなっていく木々の姿が楽しめるスポットをご紹介してきました。週末のお出かけプランを立てる際の参考にしてみてください。

“住みたい街”博多に暮らすように泊まる!「CROSS Life」ホテルが旅行や出張のベースキャンプ化しそうなワケ

福岡がいま熱い。昨年末発表された、令和2年の国勢調査(5年に一度行われる)の結果によれば、福岡県は昭和45年の国勢調査以降、人口が増加し続けている。とくに福岡市は政令指定都市のなかでトップの増加数・増加率。県内の北九州市が全市町村で最大の人口減を記録したのと対照的である。

 

自治体は国際会議の誘致やスタートアップへの支援などが功を奏していると胸を張るが、大東建託による2022年の「住みたい街 自治体ランキング(全国)」でも福岡市が3年連続で1位。ビジネスのしやすさだけでなく、交通機関や飲食店の充実ぶりなど暮らしやすさも評価されている。

↑博多名物の屋台は、令和になっても健在だ

 

もとより歴史と文化、庶民の暮らしとビジネス、そして買い物やアクティビティなどの遊び場を、2.5km四方にミニマムパッケージ化したような街なのだ。

 

そんな福岡、とくに文化の色濃い博多区を拠点に滞在するのに、うってつけの場所が生まれた。2022年10月1日に天神地区と春吉地区に同時開業したホテル、「CROSS Life(クロスライフ)」だ。繁華街やオフィス街に近いエリアにあり、観光にもビジネスにも立地はいかにも便利そうだ。

↑クロスライフのサイン。写真はクロスライフ博多柳橋

 

クロスライフの客室と大浴場、食事などのサービスは?

まずは、気になる客室と共用部から見てみよう。

 

↑アートとネオンサインが点在するソリッドな「クロスライフ博多天神」のロビーラウンジ

 

↑こちらは博多の伝統と現代らしいカジュアルさが共存し、あたたかみを感じさせる「クロスライフ博多柳橋」

 

↑客室。クロスライフ博多天神は「コンフォートツイン」(定員2名)、クロスライフ博多柳橋はソファベッド付きの「コンフォートツイン」(定員3名)がボリュームゾーン。写真はクロスライフ博多天神の「ユニバーサルキング」

 

↑クロスライフ博多天神には、4名を収容できる「ロフトツイン」が11室あるのが特徴

 

↑クロスライフ博多柳橋には、2段ベッドを備える客室がベッドのサイズ違いで4室(各定員4名)

 

↑客室備え付けの備品の一部。モノトーンにそろえられミニマルな印象

 

↑大浴場には「NATURAL HEALING」をテーマにしたデジタルアートを設置。時間と共に刻々と変化する。浴場内にはサウナも完備する

 

↑提供される朝食(ビュッフェスタイル)の一例。博多らしい食材も堪能できるのがうれしい

 

↑チェックインはフロント、あるいは自動チェックイン機でも行える

 

↑アメニティはフロントに用意されており、必要な分だけゲストがピックアップするスタイル。また、館内にはランドリールームも。このあたりはカジュアルホテルらしい

 

オリックス ホテルズ&リゾーツの新ブランドが提案する滞在スタイルとは?

さて、このクロスライフ博多天神、クロスライフ博多柳橋を擁する「クロスライフ」は、オリックス・ホテルマネジメントが展開するORIX HOTELS & RESORTS(オリックス ホテルズ&リゾーツ)が新たに手がけたホテルブランド。

 

現在、札幌・京都・大阪の3都市に展開する「CROSS HOTEL」のシスター(妹)ブランドと位置付け、「地域とのつながり」というコンセプトを踏襲しながら、20〜30代向けのカジュアルラインとして誕生した。

↑国内全15軒、約3500室を展開するオリックス ホテルズ&リゾーツのブランドポートフォリオ。運営会社のオリックス・ホテルマネジメント執行役員で営業本部長の森直樹氏は、「人生におけるさまざまなステージに寄り添うブランドでありたい」と意気込む

 

上のポートフォリオを見ると“カジュアル”に位置付けられる「クロスライフ」だが、筆者が実際に宿泊して感じたのは、ただのカジュアルホテルにとどまらない存在だということ。なぜなら、博多カルチャーの断片を違和感なく点在させ、宿泊者を館内で思い思いにくつろがせる、むしろ出かけたくなくなりそうな一風変わったホテルなのだ。

 

その背景には「Play with Local 〜地域と一緒に〜」「My 3rd Place 〜自分らしい居場所〜」「360°Life 〜自由なライフスタイル〜」という、3つのコンセプトがある。

 

カジュアルホテルらしくない3つの体験とは?

日本のホテルブランドとしては珍しいコンセプト型のホテル。3つのコンセプトに呼応したそれぞれの“体験”を、前出のオリックス・ホテルマネジメント執行役員・森直樹氏のコメントとともに見ていこう。

 

1.地域の文化を“知る”入り口がある

 

「Play with Local 〜地域と一緒に〜」をもっともわかりやすく体現するのが、クロスライフ博多柳橋に導入された小石原焼(こいしわらやき)の数々。小石原焼とは、ろくろを回しながら器に幾何学的な模様をつけていくのが特徴の、博多織や久留米絣と並ぶ福岡の伝統工芸だ。50軒ほどの窯元が現存しているという。

↑写真のように刷毛を使って釉薬に模様をつけたり、刀で彫り込みをいれたりして独特の模様と風合いを生み出す

 

↑こちらは刀で模様をつけたもの

 

クロスライフではこの小石原焼を、博多柳橋の各階のサインに使用している。同じ小石原焼でも作家によって作風はまったく異なり、各階で違う作家の作品が階数を表示したり部屋番号を彩ったりしている。ただしセキュリティ上、宿泊階以外には行けないのが残念。ここに一部を紹介しよう。

 

↑クロスライフ博多柳橋のエントランスに鎮座するのは、福岡県在住の彫刻家によるもの。江戸時代に北九州で生まれた木綿織「小倉織」の端材を活用しており、ゲストはチェックイン時に渡される紐を自ら結んで完成に関われる

 

伝統から打って変わり、現代のカルチャーとの入り口も設けている。例えば「My Favorite Coffee by CROSS Life」の取り組み。ユニークなカフェが多い福岡のカフェ文化の一端を、クロスライフのカフェにおいてリレー形式で提供することで、味わい知ってもらおうというものだ。

↑クロスライフのカフェで提供中の「manucoffee(マヌコーヒー)」。独自焙煎による風味豊かな味わいに加え、コーヒーかすを活用した有機肥料の開発や、イラストレーターの支援など、コーヒーショップにとどまらない活動でも支持されている

 

↑コーヒーのおいしさに、マヌコーヒーの実店舗を訪れた。サイケデリックなコーヒーを目指す、と内装にも世界観が表れている

 

クロスライフ博多天神には、地元のアーティストたちによる現代アートが館内の目立つところに飾られ、まるでギャラリーのように鑑賞できる。こちらも一部をチェックしてみよう。

 

大事にしたのは、「ここで体験して終わりにしないこと」だという。「クロスライフですべてを体験できるわけではありません。クロスライフで関心をもち、実際のお店や工房へ足を運んでいただき地域を盛り上げる、その動線を作りたいと思っています」(森氏)

 

2.地域の人と“つながる”伝言板がある

↑ロビーに設置されたコネクトボード

 

地域との接点をつくるという点では、両ホテルともロビーに設置された伝言板「コネクトボード」も大事な役割を果たす。地域のいいものを気づいた人から気軽にシェアしていこう、という提案だ。

 

「観光客だけでなく、地元の人にも『こんな素敵な場所が身近にあった』と気づいていただくきっかけにしたいです」(森氏)

 

ちなみに伝言板ではないが、変化を続ける博多に残った“下町”感を間近に感じられるのも、ギャップがあっておもしろい。クロスライフ博多柳橋は、発祥は昭和初期、今にいたるまで“博多の台所”と呼ばれ親しまれている「柳橋連合市場」に隣接している。

↑ホテルの窓から隣接する「柳橋連合市場」を望める。昔ながらの情緒を色濃く残す場所だ

 

↑実際に訪れ、店主とコミュニケーションをとりながら買い物したり食堂に立ち寄ったりできる。夕方には続々と店じまいするので、早めの訪問がおすすめ

 

3.一日中“自由に過ごせる”多機能型コミュニティスペースがある

↑クロスライフ博多柳橋の2階に位置する「360°Hub」

 

「360°Hub(スリーシックスティーハブ」と名付けられたのは、ラウンジ。朝食営業が終わったあとは、終日カフェとして開放される。極端にいえば、コーヒー1杯で夜まで過ごせてしまう。そこには、“ハブ”としたとおり、ひとりでノマドワークするだけでなく、訪れるさまざまな人との接点にもなってほしい、という思いが込められている。

 

「“コワーキングスペース”と限定せず、読書をする、絵を描くなど自分らしく時間を過ごせる空間にしたい。自宅、職場、そしてもうひとつの居場所として使って欲しいと思います」(森氏)

↑クロスライフ博多天神のカフェ&バーの奥に位置する「360°Hub」

 

ゲストがそれぞれの都合や好みに合わせて過ごしながら、自然と地域と接点をもてる。そんな仕組み作りが試みられている。

 

森氏は、「ホテルとは従来、宿泊するための場所にすぎず、気軽に足を運べる場所ではありませんでした。クロスライフでは、宿泊者だけでなく、通りすがりの人や地元の人にも気軽に来て、思い思いに時間を過ごしていただきたい」と話す。

 

文化も、遊びも、ビジネスも、活気あふれる今の福岡・博多を、各々の時間軸にしたがって体験するなら、いわば“ベースキャンプ”にしたくなる「クロスライフ」は、選択として大いにアリだろう。

 

クロスライフ博多天神
福岡市中央区春吉三丁目26番30号

クロスライフ博多柳橋
福岡市中央区春吉一丁目6番5号

 

カジュアル滞在を極めるなら
東京=博多間をつなぐ「ジェットスター」がお得!

最後に、“足”の選択肢は? 九州の玄関口である福岡へは交通手段が豊富だが、首都圏からよりお得に向かうなら、LCC「ジェットスター」がおすすめだ。2022年7月に日本就航10周年を迎え、現在は国内15都市・17路線を運航している。

 

ジェットスターを使えば、成田空港第3ターミナルが発着地となるが、LCC最大のメリットである運賃は、最安運賃片道5580円(エコノミークラス「Starter」の片道運賃。支払手数料、空港使用料等別途。諸条件適用)。競合他社でジェットスターを下回る価格のフライトがあれば、その価格より10%引きとなる「最低価格保証」のサービスもある。

 

しかも朝イチの便なら、最新機材「エアバス A321LR」に乗れるのだ。

↑ジェットスターの最新機材「エアバス A321neo(LR)」

 

↑CFMインターナショナル社の新型エンジンによって燃費効率が向上、環境負荷軽減にも一役買う

 

↑座席背面。モバイル端末ホルダーやUSBポートが設置され、目的地まで自分のスマホやタブレットを充電しながら使用できる(“機内モード”に設定要)

 

快適さを我慢することなく、気軽な旅を楽しめるはず。年末年始、春休み、ゴールデンウィークと今後半年で続く大型連休に活用してはいかがだろうか。

 

 

取材・文・撮影=GetNavi web編集部

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】トラベラーズノートの「クラフトファイル」が領収証管理に便利だった

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

領収証入れにぴったりの紙製ホルダー

少しずつ旅行や出張が増えてきました。新型コロナウイルスの感染対策で、この2〜3年は旅行を控えていたという人も多いはず。そこで、旅行や出張に付き物である大量の領収書やレシートを、楽に楽しく整理できるツールを紹介します。

 

楽しい旅ほど、毎日の食事やお土産のレシートでお財布がいっぱいになってしまいます。お財布からレシートを取り出した後、どこにしまったのかわからなくなって経費の精算期日に間に合わなかった、という経験もあるのではいでしょうか。(そして大抵期日が過ぎてからどこからともなくひょっこり出てきて悔しい思いをする……)

 

そんな思いを何度も経験した私が出張で使っているのは、デザインフィルの縦長ノート「トラベラーズノート」……ではなく、トラベラーズノートに取り付けられる「クラフトファイル」です。

↑新品(左)と、筆者が使用中のクラフトファイル(右)

 

デザインフィル
020 Kraft Paper Folder クラフトファイル
400円(税別)

 

トラベラーズノートと組み合わせて使うことを前提としている商品ですが、単体で使ってもとても便利。適度な厚みと強度があって、領収書管理にぴったりなのです。

 

クラフトファイルは開くと左右にポケットがあるので、それぞれ経費精算する領収書と、しないレシートで分けて収納すると、帰宅後に混乱することもありません。

↑縦長なので長めのレシートも楽に入れられる

 

新幹線の領収書やチケットは、ポケットの前面につけられた切れ込みにぴったり。帰りの新幹線のチケットを入れておくのにもよさそうです。

↑ポケットの前面の切り込みはショップカードや切符など小さな物にちょうどいいサイズ

 

さらに、背の部分に筋が入れられているので、レシートをたくさん入れて厚みが増しても、ファイルが勝手に開いてしまう心配はいりません。

↑中央の折り線の左右に薄く筋が入っているのがわかる

 

そしてカスタマイズ。トラベラーズノートシリーズといえば、さまざまなリフィルから必要なものを選んで組み合わせられる、カスタマイズが特徴ですよね。

 

私は立ち寄った京都のトラベラーズファクトリーでスタンプを押して、購入した「イノダコーヒ」のシールも貼りました。

↑旅先のご当地のスタンプを押してアレンジ

 

スタンプを押せるのは紙製ならでは。無地でシンプルなので出かけるほどに模様が増え、自分だけのクラフトファイルが完成していく様子を楽しめます。

 

領収書管理は旅の付き物。面倒だからこそ、旅を楽しみながら使えるツールで乗り切りましょう!

 

日帰りで海外旅行できる『0泊弾丸旅』が復活!LCCピーチが羽田-ソウル路線を再開!

LCCのPeach(ピーチ)名物『0泊弾丸旅』が、再び国際線で動き出しました。2022年10月30日より、ピーチが国際線となる羽田~ソウル(仁川)線の運行を約2年7か月ぶりに再開したからです。

 

同社は日本のLCCで唯一、羽田空港に就航していることで知られていましたが、コロナ禍により一旦は運行を停止。そして、この日、路線の再開と共に、名物の0泊弾丸旅も復活を果たすことになったのです。そこで0泊弾丸旅で楽しむソウルの旅を検証してみることにしました。

↑羽田-ソウル(仁川)線を10月31日に再開したピーチの機材は、フルエコノミー180席のエアバスA320が使われる

 

日帰りなのにソウルでの滞在時間は正味15時間もある!

実はコロナ禍前、日帰りのスケジュールを国際線で予約するのは困難でした。というのも、JALやANAなどフルサービスキャリアの割引切符には“最低滞在日数”が定められていて、事実上、観光で日帰りすることは不可能だったからです。そんな状況に一矢を報いたのがLCCのピーチでした。LCCならではの格安運賃を設定し、フライトも現地で楽しめるスケジュールを組み、一時は0泊での海外旅行がブームを呼んだほどでした。

 

そして今回、路線再開でピーチはほぼ同じスケジュールを提供することになったのです。

 

この日、再開した羽田-ソウル(仁川)線は、10月30日のソウルから飛んできたMM808便からスタートし、羽田には31日午前0時50分に到着しました。そして、折り返しの羽田発ソウル行きMM809便が路線再開のフライトとなり、約30分遅れの31日午前2時24分に出発。ソウルへは午前5時03分に到着しています。搭乗率はともに95%を超える、ほぼ満席の状態だったそうです。

↑ソウル行きのMM809便は172名の搭乗があり、搭乗率は95%のほぼ満席の状態で出発した

 

ここからは、ソウルへの0泊弾丸旅をシミュレーションしてみましょう。

 

まずはフライトスケジュールです。羽田空港を出発するのは、深夜の1時55分(MM809便)。ここから2時間半ちょっとのフライトした後、4時35分にソウル(仁川)に到着します。帰国便は同日22時40分(MM808便)のソウル(仁川)発となり、羽田には日付が変わった翌日0時55分に戻るスケジュールです。

 

日帰りなので荷物を預けることはほとんどないでしょうから、予定通りソウルに着けば、イミグレ(出入国管理)を通過して5時から5時半ぐらいには入国できるはずです。そして、帰国する際は2時間前までに搭乗手続きをすることを考えると20時30分ぐらいには仁川国際空港に到着しておく必要があります。それでも実質的な滞在時間は15時間ほど。0泊弾丸旅の醍醐味は、まさにこの滞在時間をいかに有効に活用するかにかかってくるわけです。

↑ソウル・仁川国際空港

 

ソウル市内への移動は空港鉄道「A’REX」がオススメ

幸い、5時台からは仁川空港からソウル駅までノンストップで行ける空港鉄道「A’REX」が運航していて、これを使えば1時間弱で到着できます。韓国観光公社のサイトによれば、運賃は現在9500ウォン(日本円:1000円弱)で、筆者が過去に乗車した経験ではタクシーに乗るよりもかなりお得でスムーズに到着できました。これを使うことでソウル市内には7時前には着けるはずです。

↑仁川国際空港からソウル市内を結ぶ空港鉄道「A’REX」。運賃は9500ウォンとリーズナブルな設定が嬉しい

 

この時間になるとお腹もだいぶ空いてきているでしょう。ソウル市内で観光をフルにするなら空港や電車内で朝食を取る方法もありますが、個人的にはここはそれをグッと我慢してソウル市内に着いてモーニングをいただくのも悪くないと思っています。そして朝食を終え、午前8時、いよいよ行動開始です。

↑朝食として軽く食べるのに最適な「ケランパン」。繁華街の屋台で売られている

 

ソウル市内では様々な楽しみ方があります。韓国の歴史を踏まえた史跡巡りをするのもいいでしょうし、明洞(ミョンドン)や東大門(トンデムン)あたりで買い物三昧するのもいいでしょう。人気の化粧品を買うには最適な場所です。また、洒落た雰囲気として若い人に人気の梨泰院(イテウォン)に行って、エキゾチックな雰囲気を味わうのもいいと思います。

↑景福宮にある「興礼門(フンレムン)」。李氏朝鮮王朝によって建てられた。守門将交代儀式も見所の一つ

 

↑ソウルでもっともショッピングで賑わう明洞(ミョンドン)。日本の東京・銀座のような場所だ

 

↑地元のローカルフードを探すなら地元の市場を巡るのもあり。写真は「通仁(トンイン)市場」

 

グルメ三昧としては韓国グルメの代名詞とも言われる「サムギョプサル(豚三枚肉)」が個人的には一番のオススメ。他に「カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)」「参鶏湯(サムゲタン)」なども外せない韓国グルメです。また、お土産を買うにはソウル市内の各地にある「ロッテマート」や「emart」なら、余った時間に手軽に買い物ができて便利だと思います。

↑韓国と言えば焼肉。骨付きで出され、必要に応じてハサミでチョキチョキと切ってくれるのが楽しい

 

↑景福宮近くの超有名店「土俗村」で参鶏湯(サムゲタン)で温まるのもいい

 

↑サムゲタンや焼肉を食べた後のデザートは、韓国のかき氷「パッピンス」で決まり!

 

↑ソウル市内の各地にある大手スーパーマーケット「emart」。写真は仁川市内の店舗

 

日帰りであることを肝に銘じ、移動の無駄を省くのがコツ

気をつけないといけないのは、15時間という滞在時間です。一見すると半日以上もあり、時間的にもたっぷりあると思いがちですが、行動に無駄があるとアッという間に時間は過ぎていってしまいます。中でも注意したいのが移動時間です。ソウル市内は地下鉄で楽に移動できますが、思いついたままに何度も乗っていれば、それだけで時間は無駄に過ぎてしまいます。

 

そこでこの移動による無駄を省くために、行きたい場所をあらかじめ絞り込んでおくのです。「今回は○○と△△に行く」と絶対行きたいところを決めておき、それをこなしても時間に余裕があれば次の目的地へと向かうのです。とにかく日帰りなので、時間の無駄は徹底して省く!そんなつもりでソウルでの一日を効率よく使いましょう。

 

そして、ソウル市内の移動でぜひ使いたいのが「T-money」です。これは日本の「Suica」「PASMO」のようなもので、チャージ式の交通系ICカードのことです。カードを購入し、現金をチャージしておけば地下鉄だけでなくバスなどで使え、切符をいちいち買う必要がありません。しかも運賃が割引されるので結果としてお得になります。

↑「T-money」チャージ中。カード自体の購入は、仁川空港内のコンビニやA’REXの自販機などでできます

 

楽しかったソウルでの滞在を終え、いよいよ帰国です。この場合も仁川までは空港鉄道「A’REX」が便利でしょう。T-moneyも使え、特に夕方はソウル市内からの渋滞に巻き込まれずに済むので、むしろこの鉄道利用がオススメです。列車には直通と一般がありますが、両電車の時間差は10数分程度なので、駅に着いたら列車の種類を選ばずに乗ってしまっても特に問題はないと思います。

 

往復のフライトではとにかく“寝る!”ことを優先しよう!

さて、これでソウルでの0泊弾丸旅も終わりに近づいてきました。疲れもピークに達しているかもしれません。なにせ、この旅では前日夜から徹夜で行動しているようなものですから。実はこの旅のツライところはここにあります。要はこれをツライと感じるかどうかでこの旅の印象は大きく変わってくるのです。そこで、往復のフライトではとにかく「寝る!」ことに専念しましょう。それだけでも疲れ方はまったく違うと思います。

↑ソウルまでのフライト時間は約2時間半。ピーチのフライトは往復とも深夜になるので、少しでも寝ることに心掛けよう

 

一方で、思い立ったときに宿の予約もなしにフラッとソウルに出掛けられる0泊弾丸旅の魅力は大きいと言えます。ピーチでは11月17日より羽田-台北(桃園)線の再開も予定しています。こちらも0泊弾丸旅に対応できていて、早朝5時55分に羽田を発ち、台北(桃園)に8時55分着(MM859便)。帰路は台北(桃園)を20時55分に発って、羽田には翌日0時50分(MM860便)に到着します。ピーチとしてはこちらも0泊弾丸旅を積極的にオススメしていきたいとしています。

 

ただ、台北での滞在時間は12時間ちょうどで、帰りのチェックイン時間を踏まえれば実質10時間程度と、ソウルでの場合よりもかなり短くなります。その意味でもいかにソウルでの0泊弾丸旅がお得なのかが実感できると思います。

 

この日、路線再開を記念して立ち会ったピーチ・アビエーションの森健明CEO(最高経営責任者)は、「8月に韓国政府によるビザ免除措置により日本からソウルへ向かうお客様が増え、10月から日本政府の入国制限緩和で韓国からのお客様も急増している。就航先の入国規制緩和前から路線再開を進めてきたが、結果的に良いタイミングで就航できた。今後も需要の増加を期待している」と述べました。

↑羽田-ソウル(仁川)線の再開をアピールするピーチ・アビエーションの森健明CEO(右)

 

いよいよ動き出したLCCでの国際線。再び旅行を気軽にに楽しめるピーチの『0泊弾丸旅』で、あなたも海外旅行へ出掛けてみませんか。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

1年で4万マイル貯めるには? マイラー上級者が説く、今すぐ実践できる「マイル貯蓄」の極意

今月より日本から海外人気地域への渡航規制が緩和され、航空会社の海外線、国内線ともに旅行客は戻りつつある。ところが、国内はまだしも、海外旅行は記録的な円安や燃油サーチャージ高騰のダブルパンチ。コロナ前よりも旅行費用は大幅にアップしている現状がある。そんななか、「よりお得に海外旅行へ行きたい」と考える人たちから、がぜん注目を集めているのが、“実質0円”で空の旅を楽しめる“マイル旅”だ。

 

果たして、どうしたら効率的にマイルを貯め、その恩恵にあずかれるのか? 航空機搭乗以外の“陸マイラー”活動だけでも年間に大量のANAマイルを獲得しているという筋金入りのマイラー、堀川知之さんに、ビギナーでも短期間で達成できるマイル貯蓄の極意を聞いた。

↑目指せ、実質0円旅

 

カード決済を見直すだけで年間1万2000マイル貯まる

マイラーのほとんどが旅行好き、もしくは飛行機好きだ。堀川さんも旅行が趣味で、コロナ前は年2回海外旅行に出かけていたという。しかし、マイラー歴は約5年と、意外なほど浅い。

 

「旅行は好きでもマイルへの関心は低く、マイルを意識する以前は、貯まったマイル数を見ても『なんとなく貯まっているな』程度の認識しかありませんでした。ところが、この無頓着がたたり、ある日、マイルの一部が失効するという痛恨のミスをしでかしました。ANAやJALのマイルに3年の有効期限があることを知らなかったのです。この失敗に学び、あらためてマイルの正しい価値や使い方を把握しようと調べ直したことが、マイルを貯める直接のきっかけになりました」(堀川さん)

↑話を聞いたマイラーは、ソニー銀行に勤務する堀川知之さん。“ANA派”としてマイル貯蓄に励む日々

 

貯めたマイルは、王道である国内線・国際線の特典航空券への交換に加え、国際線ではエコノミーからビジネスクラスへの座席のアップグレードに利用することもできる。特に堀川さんの興味をそそったのは、1マイルの価値が変動することだった。

 

マイルのお得な使い方はやはり特典航空券への交換です。シーズンや出発時間帯にもよりますが、国内線特典航空券で利用する場合、1マイル当たり数円程度の価値になります。さらに、国際線特典航空券ではビジネスクラスで1マイル当たり5円程度、ファーストクラスでは10円以上の価値になるケースもあります。工夫次第ではより高価値でマイルが使えることがわかると、一気にマイルを貯める意欲が高まりました」(堀川さん)

 

目標を決めることでマイルを貯めるモチベーションが上がる

それでは、これからマイルを始める人に向け、具体的に、堀川さんが実践してきたマイルの貯め方を教えてもらおう。

 

「目標となるマイル数があったほうが貯めやすいので、まずはどこに行きたいかをベンチマークしました。私はハワイ往復分相当の4万マイルが第一目標でした。ハードルを下げて早く目標に到達したいという人は国内線で場所を設定するのがいいですね。リゾート派なら、羽田―沖縄は往復約1万4000マイル(ローシーズン)と、比較的貯めやすいと思います」(堀川さん)

 

最も気になる陸マイラーが効率よくマイルを貯めるコツとしては、取りこぼしを少しでも抑える方法を挙げる。

 

ショッピングや公共料金など日常の決済を、すべてANAカードに集約。ふるさと納税もマイルが付与される『ANAのふるさと納税』を活用しています。またANAカードは、セブン-イレブン、スターバックス、マツモトキヨシといった身近にあるANAカードマイルプラス加盟店でANAカードで支払うと利用金額に応じてマイルが加算されるので、マイルのために、店まで多少距離があってもANAカードマイルプラス加盟店で買い物をする努力をしています(笑)。インターネットショッピングも、Yahoo!ショッピングやAmazonなどの加盟店に、ANAマイレージモール経由でアクセスをして買い物をすれば、マイルが貯まるのでお得です」(堀川さん)

 

カードの刷新やネットアンケートでもチリツモでマイル数がアップ!

さらなるマイル獲得のため、堀川さんは、クレカを一般的なANAカードから、マイラーにはおなじみの『ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード』に変更した。このカードは利用額に応じ、1ポイントにつき1マイルに交換できるポイントで付与される。優秀なのは、有効期限がポイントをマイルに交換してからカウントされること。マイルに換えなければ実質無期限になるので、使う時だけマイルに交換すれば、有効期間切れの心配が解消されるというわけだ。

 

獲得マイルの増えるキャンペーンや、カードの継続時に付与されるボーナスマイルなど機能が充実しています。ショッピングでも通常のANAカードの0.5%に対し1%付与されるので毎月約10万円の決済で年間1万2000マイルの獲得が可能になりました。年会費は3万4100円しますが、このカードにしてからより取りこぼしが減り、マイルが右肩上がりで増えていきました。さらに1枚で2名まで空港のANA専用ラウンジを利用が可能で、手荷物1個を無料で自宅まで届けてくれるなど、旅行時に便利な実用的な機能も気に入っています! 」(堀川さん)

 

カード決済以外でも効率よくたまるマイル修行がある。

 

ネットアンケートですね。ちりも積もればで1年間続けていけば数万ポイントが貯まるので、それをマイルに交換します。私が行っているネットアンケートでは、通常ポイント数の50%がマイルになりますが、複数のポイントプログラムを経由することで約70%まで交換率を高めています。」(堀川さん)

 

ダメ押しはコレ。
「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」の外貨預金で年4万マイルを突破!

↑ソニー銀行の「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」は、Visa 加盟店で使える Visa デビット付きキャッシュカード。国内の提携ATMで入出金や残高照会が利用できるほか、世界200以上の国と地域でのショッピングに使え、「Visa」および「PLUS」のマークのついた海外のATMでは現地通貨をスマートに引き出せる

 

しかし、ここで満足しないのがマイラースピリッツ! 堀川さんが大いなるマイル増量計画の切り札として導入したのが、年会費無料のVisa デビット付きキャッシュカード「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」だ。同カードの保有者は毎月末の外貨預金残高と投資信託残高に応じてマイルが貯まるほか、預金利息のほかにマイルを受け取ることのできる「ANAマイル付き外貨定期預金」が利用できる。

 

外貨預金は為替レートによって元本割れが生じるリスクがありますが、日本円に比べて高金利のため資産分散・通貨分散の観点からもおすすめできます。さらに、外貨預金と投資信託の月末の残高に応じてマイルを積算するので、資産運用をしながらマイルを貯められることもポイント。私は南アフリカランドと米ドルでANAマイル付き外貨定期預金を利用していますが、これだけで年間に約3万マイル。公共料金やショッピングのカード決済分を加えると、1年で4万マイル以上を貯めることに成功しました。それまで目標到達に少なくとも3~4年かかると思っていたので大幅な期間短縮ですね」(堀川さん)

 

『ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET』とANAのカードを2枚持ちして、それぞれをうまく使い分けすることが、大量マイル獲得の早道だと結論付ける。

 

やはり劇的に貯まるようになったのは『ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET』でANAマイル付き外貨定期預金をスタートしてからです。年1万2000マイルから4万マイル台になりましたから。獲得した総マイル数も5年で優に20万マイルを超えました。これまでに貯めたマイルで出かけたのは羽田―那覇、羽田―石垣島、そして来年の1月には、コロナで先延ばしになっていたハワイにも行ってきます。今のペースで貯まっていけば毎年ハワイ旅行ができるかもしれません!」(堀川さん)

 

年間で10万マイルを貯める“ガチマイラー”には及ばないが、初心者にはむしろ、堀川さんの極意は真似しやすいはずだ。マイル貯蓄アップと、お得旅を楽しんでみてはいかがだろう。

 

【関連記事】
マイラー歓喜! 年会費・審査ナシでANAのマイルがザクザク貯まるカードを持つとどうなるか計算してみた[PR]

 

取材・文/安藤政弘 撮影/鈴木謙介

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】京都の老舗らしからぬ!? ダジャレ炸裂の評価印を大人買い

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

京都で見つけた、ユニークなダジャレ評価印

新型コロナウイルスの影響でなかなか立ち寄ることができなかった京都へ、数年ぶりに行ってきました。京都には魅力的な文房具店さんがたくさんあるため、一日では周りきれないほどです。

 

今回は数ある素敵な文房具店のなかでも、ユニークなハンコが揃う老舗を紹介します。

 

京都新京極にある田丸印房は、大正元年に創業した老舗ハンコ店です。創業時は雑貨店でしたが、時代の移り変わりとともに、印章を中心とした商品展開に変わっていったそうです。

 

↑新京極の通りの一角にずらりと並ぶハンコ

 

京都に長くお店を構えている雰囲気が漂う店頭には、ハンコがつまった商品棚が並びます。

 

↑店内には草花や歌舞伎など大小さまざまなハンコがある

 

地元の方はもちろん、観光エリアにあるため修学旅行で立ち寄る方もいるそうです。

 

↑店舗の入り口付近には、ひときわ鮮やかな棚が!

 

なかでも目を引いたのが、こちらの棚。

 

↑お店の入り口にある棚にカラフルなハンコがぎっしり!

 

この棚に入っているのは、教員や指導員が使う「評価印」と呼ばれるもの。評価印とは、一般的に「よくできました」「がんばりましょう」という文字とともに花のモチーフがあしらわれているものが多く、読者の皆さんも学生時代、成績表や宿題などに評価印が捺されているものを見たことがあるのではないでしょうか。

 

しかし、田丸印房の評価印は一風変わった絵柄とコメントが魅力なのです。

 

↑「やったねこ!」(猫柄)、「OK!」(桶柄)、「モ~すこし!」(牛柄)、「そうでスネーク」(蛇柄)などユニークな柄の数々

 

コメントには、動物や食べ物を掛け合わせたダジャレの連発! なかには「まっイッカ」(イカ柄)や「ソーダね」(ソーダ柄)など、使いどころの見当がつかない物もあります。

 

↑評価印シリーズの人気ベスト6。第1位「見ました」、第2位「ストロベリーグッド」、第3位「よくがばんバッタ」、第4位「まんてんとうむし」、第5位「wonderful」、第6位「済」(タコの墨柄)

 

どこに使うかはさておき、一目みると、なんだかどれも欲しくなってしまう不思議な魅力がありますね。

 

5個購入でケースもサービスとあれば、悩む理由はありません。たくさん購入してしまいました。

 

↑購入した評価印10個。5個ずつサービスの箱に入れていただいた

 

この評価印は人気商品で、40年ほど前からオリジナルの絵柄のスタンプを作り始め、現在では柄の数は3500種類を超えているのだとか。

 

↑手持ちのカラーインクと合わせると、より楽しい印象に

 

新作はあるかなと店頭へ探しに行くのも楽しそうです。

 

京都になかなか行けないという遠方の方は、田丸印房さんのサイトでも購入可能です。サイトでは「ほめる・たたえる(70〜100点)」、「ふつう(40〜70点)」、「しかる・はげます(0〜40点)」と用途別で見られるので便利ですよ。

 

これから手帳の季節ですから、手帳に日々の自己評価を捺していくなんて使い道もよさそうです。

 

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ

マイラー歓喜! 年会費・審査ナシでANAのマイルがザクザク貯まるカードを持つとどうなるか計算してみた

いますぐ海外旅行を計画していなくても、いずれ訪れる解禁の日にむけ、マイルはしっかり貯めておきたい。そんなマイラーにおすすめしたいのが、ANAのマイルがザクザク貯まる「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」だ。マイルを貯めやすいといわれるカードは決して少なくないが、はっきりいってこのカード、次元が違う。そのメリットをじっくり紹介していきたい。

 

そもそもマイルを貯めるにはどんな方法がある?

・フライト利用で貯める!

もっともポピュラーなマイルの貯め方が、飛行機に乗るともらえるフライトマイルだ。マイル数は、搭乗区間の基本マイレージと予約クラスごとに積算率をかけて算出し、例えば、「成田・ホノルル」間(片道)は3831マイル、「成田・パリ」間(同)は6194マイルが付与される。海外出張や頻繁に旅行へ出かける人は貯めやすい。

※フライトにて積算されるマイル数は、「ご搭乗の区間基本マイレージ」と「予約クラス*ごとの積算率」によって異なります。積算されるマイル数についての条件、注意事項等はこちらを参照してください。(ANAの外部サイトにリンクします)
*予約クラスとは、航空券の購入運賃の運賃種別により分類されるクラスです。

 

・ショッピングで貯める!

普段の買い物にクレジットカードを使ってもマイルは貯まる。飛行機には乗らずにマイルを貯めるいわゆる“陸マイラー”は、マイルの付与率が高いクレカを選び、公共料金や通信費などもすべてカード決済にすることで、毎月効率よくマイルを積算している。

 

・“ポイ活”でマイルに交換して貯める!

ANAカードの提携パートナーのクレジットカードや、ショッピングで付与されたポイントならマイルへ移行が可能。また、ポイントサイトを使って貯めたポイントもマイルに交換できる。賢いマイル獲得術として「陸マイラー」には定番だ。

 

・その他の方法で貯める!

“フライト・クレカのポイント・ポイ活”。実はこれ以外にも、より効率的に、しかも大量にマイルを獲得する手段がある。それが「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」保有者限定で利用できる、外貨を預けるだけでマイルが貯まるプログラム。すでに他行でもっている外貨預金がANAマイル付き外貨定期預金の対象通貨なら、ソニー銀行に外貨送金して預けると、満期時にマイルを獲得できる。しかも、外貨預金や投資信託の月末残高に応じて、毎月マイルが積算されるのだ。

 

他にも、さまざまなマイル獲得方法を備えている。フルに活用すると「年間3万マイル貯める」ことも夢じゃないのだという。一体どうやって? 次で詳しく説明していこう。

 

ソニー銀行「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」

Visa 加盟店で使える Visa デビット付きキャッシュカード。国内の提携ATMで入出金や残高照会が利用できるほか、世界200以上の国と地域でのショッピングに使え、「Visa」および「PLUS」のマークのついた海外のATMでは現地通貨をスマートに引き出せる。

 

「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」でANAのマイルがもっと貯まる理由

世界を飛び回るビジネスパーソンならまだしも、年1-2回の旅行でもらえるフライトマイルだけでは1万マイル貯めることさえ難しいが、「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」は、飛行機に乗ることなく年間3万マイルも貯められるらしい。なぜそんなに貯まるのか? 理由を紐解きつつ、具体的にシミュレーションしてみよう。

 

理由1・カードの新規発行で貯まるから

ソニー銀行の新規口座開設と「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」の発行を同時に申し込むと500マイルが進呈される。

理由2・ANAマイル付き外貨定期預金で貯まるから

ANAマイル付き外貨定期預金は「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」保有者限定の商品で、満期になると外貨か円の普通預金へ振り替え、同時にマイルが積算される。満期のマイル獲得に加えて、外貨の預け入れを繰り返すことで効率よくマイルが貯まる。例えば、南アフリカランド148万円を6か月定期で2期間預けると、2万5400マイルとなる。

※申し込みが可能な通貨ならびに預け入れ期間および獲得マイル数は、定期的に見直しされるため、申し込み時に最新の条件の確認が必要。

理由3・外貨預金・投資信託で貯まるから

外貨預金と投資信託の月末の残高に応じてマイルが積算されるので、資産運用をしながらマイルを貯めることも。月末の残高総額が100万円以上500万円未満の場合は、100万円あたり20マイルも貯まる(年間最大4800マイル※)。他行で預けている外貨をソニー銀行へ移行するだけで、毎月気が付くとマイルが貯まっているということに! 例えば、月末の合計残高300万円×12か月で、720マイルが貯まる。

※月末の外貨預金と投資信託の合計残高が1000万円以上で1年間継続された場合。

理由4・国内ショッピングで貯まるから

月間の利用合計金額1000円に対して5マイルが積算される。コンビニの買い物などの少額決済でもマイルとして積算されるので無駄がない。例えば月7万円ずつ12か月利用したら、4200マイル。さらに毎月の公共料金や通信費もまとめて支払えば、マイルは加速度を増して貯まっていく。

 

=3万820マイル(年間)

 

さらなる理由は……
ANAクレカと2枚持ちできて、マイルも統合できるから

すでにANAカードを使っている人が「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」を申し込む場合、ANAマイレージクラブのお客様番号を伝えることで、2枚のカードで貯めたマイルは自動的に統合されるのも見逃せない。

あなたのプランでどれくらい貯まるかチェックしてみよう!【獲得マイルシミュレーション】

 

こんなメリットも見逃すな!

マイルを大量獲得できる2枚目カードとしても活躍しそうな「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」は、現地通貨の為替コストが安く、海外のATMを使って外貨がすぐに引き出せるなど、実は現地に着いてからも大活躍。1枚で海外旅行の強い味方になるはずだ。

 

・外貨両替の為替手数料でお得!

現地通貨を渡航前に準備しておく時、「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」なら、1USドルあたりの為替コストは業界最低水準の4銭〜15銭。たとえば1000USドル利用時の支払い額を外貨両替、カード会社所定の為替レートと比べてみると、外貨両替より2850円~2960円、カード会社所定の為替レートより1850~1960円、それぞれ得になる。

 

ほかに、ソニー銀行の為替手数料で得をする裏技はさまざま。毎月第一または第二金曜日の“雇用統計タイムセール”には外貨購入時の為替手数料が0円となる。またソニー銀行で口座開設すると、開設日が属する月の翌々月末日までの期間、外貨預金の円による、外貨購入にかかる為替手数料が無料に。例えば、1万米ドルの購入なら1500円、1万豪ドルなら4500円もお得だ。

 

ちなみに、世界200以上の国と地域にあるVisa加盟店では、デビットカードとして日本と同じように買い物が楽しめる。海外で決済をする際、10通貨中、対象の外貨預金口座に残高があれば、口座から直接引き落とされ、特別な手数料はかからない。

 

対象となる通貨は、例に挙げたUSドル・豪ドルのほか、ユーロから南アランドまで全10通貨と豊富だ。

 

・現地での外貨引き出しがスムーズ!

海外ATMを使って、自分の外貨預金口座からすぐに現地通貨を引き出せるため、空港での面倒な両替は一切不要。さらに「優遇プログラム Club S」のステージによっては、海外ATM利用手数料が最大月5回まで無料になるおまけ付き。

 

・年会費無料・審査なし!

年会費、新規発行手数料は無料。またカード発行のための審査がなく、申し込みから1週間程度でカードを受け取れる。口座に入金した瞬間からすぐに利用ができるのもうれしい。

 

・スタイリッシュなカードを持てる!

さまざまな場所で提示することになるカードは、やはり恥ずかしくないデザインがいい。ソニー銀行のVisaデビット付きキャッシュカード(写真)にあしらわれるマルチカラーストライプは、世界中の紙幣を集約するというストーリーをデザインしているという。今回はANAのイメージカラーであるブルーと、ソニー銀行のイメージカラー、グリーンを配した。

 

外貨預金が加わりマイルを貯める最強の切り札!

分散投資が一般になるなか外貨を銀行に預けるだけでマイルが貯まるのは「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」だけ。さらに国内ショッピングでの利用や外貨預金と投資信託の残高に合わせ、マイルが積算されていく。しかも、積算額も半端ではなく1年でハワイも夢ではない。陸マイラーにとっても最強の選択肢となるだろう。

 

※「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」は、日本国在住の個人で、ソニー銀行に円普通預金口座を保有する15歳以上のかたが利用できます。
※海外在住など非居住者は申し込みできません。
※ANAのマイル付き外貨定期預金は、「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」をもつかたのみ申し込みできる商品です。
※満20歳以上のかたが利用できます。
※リスク商品に関する重要事項はこちら

 

文/安藤政弘

コロナ禍で売上9割減!『地球の歩き方』が出した“旅行しにくい時代”への答えとは

世界各国の詳しい現地情報や旅のノウハウが掲載された、旅行ガイドの定番『地球の歩き方』。海外旅行には必ず持っていく! という人も多いでしょう。しかしコロナ禍で海外取材に行けず、ガイドブックの改訂がいっさいできなくなるという事態に……。そんな『地球の歩き方』が、最近何やら変わったガイド本を次々と出版し、話題になっているのです。

 

なかでも、オカルト誌の金字塔(?)として創刊から40年超の歴史を誇る『月刊ムー』とコラボした『地球の歩き方 ムー ~異世界(パラレルワールド)の歩き方~』の発売には、出版業界もザワつくほど。今回、聞き手となるブックセラピスト・元木忍さんも「一体何があったの?」と驚きを隠せなかったそう。

 

そこで『地球の歩き方』の編集長、宮田崇さんに、同誌がコロナ禍の逆風の中、どこへ向かって歩いているのか、そして大ヒット中『地球の歩き方ムー』の見どころなどをうかがいます。

 

地球の歩き方

2022年2月に発売された『地球の歩き方ムー』は、3月時点で11万部の大ヒットを記録。他にも東京オリンピックに合わせて出版された『東京』、読者からのリクエストが多数寄せられ出版となった『東京 多摩地域』も話題に。また「旅の図鑑」シリーズは、2020年から2022年3月末までに14冊をリリース。『世界の祝祭』『世界のカレー図鑑』など個性豊かなラインナップが並びます。最新刊は3月に発売された『地球の果ての歩き方』。

 

コロナ禍で、海外旅行ガイド本の売上は9割減

元木忍さん(以下、元木):今日はとっても楽しみにしておりました! うかがいたいことだらけなのですが、まず2020年秋、ダイヤモンド・ビッグ社から学研プラスへ『地球の歩き方』が丸ごと事業譲渡されるというニュースがありました。私自身も大きな出来事として記憶しているのですが、その背景から教えていただけますか?

 

宮田 崇さん(以下、宮田):私にとっても青天の霹靂でした。2020年11月に事業譲渡に関する決定事項が発表されて、2021年1月に新会社「地球の歩き方」が設立となりました。入社して20年以上『地球の歩き方』に携わってきましたが、ここまで海外旅行市場がダメージを受けるのは初めてで、変化に適応しようと、とにかく必死でした。

 

地球の歩き方編集部・編集長の宮田崇さん。この日は『地球の歩き方ムー』のタイアップTシャツでご登場!

 

元木:ちょっと衝撃的でした。その背景には新型コロナウイルスの影響があったということでしょうか?

 

宮田:そうですね。2020年4月に最初の緊急事態宣言が出た時は、多くの書店さんが休業していました。もちろん海外にも行けないので、『地球の歩き方』ガイドブックシリーズの売上は9割減。当時は「コロナも夏前には収束するだろう」って思っていたし、東京オリンピックを見越して出版した『地球の歩き方 東京』や2006年から発行している『御朱印』シリーズも好評で、今につながる図鑑シリーズの企画も進めている時期でした。正直、すぐには心の整理がつきませんでしたね。事業譲渡から3か月くらい多忙な時期が続いて、記憶が抜けているんですよ、白髪も増えちゃったし(笑)。

 

元木:なんと……そこから学研グループにいらっしゃって、同じく出版社でも、かなり“文化”が違ったのではないでしょうか?

 

『地球の歩き方』は大好きで、いろいろな地域を読んでいたという元木さん。

 

宮田:コロナが想像以上に長引き、海外旅行が思うように解禁とならない焦りがないわけではありませんが、「旅人を第一に考えたい」という思いは変わっていません。会社が変わっても以前と仕事の内容には大きな変化はないですね。

 

元木:「地球の歩き方」に、学研らしさも重なって面白いことができそうですよね。ところで、現在の編集部にはどれくらいの人数がいるのでしょうか?

 

宮田:12名ですね。年間100本を目標に出版スケジュールを組んでいます。コロナ前は、海外などのガイドブックを年間約80本、女性向けの『aruco』、御朱印や島旅などのシリーズ本も合わせると年間120本くらい出していました。

 

旅ができない状況下だからこそ生まれた図鑑シリーズには、旅の奥行きを知る面白さがある

『地球の歩き方 東京』はこれまで海外の地域を紹介してきた『地球の歩き方』の創刊40周年を記念し、初の国内版としてリリース。東京を再発見できる定番のガイドブックとして、長年の“歩き方ファン”からも親しまれている一冊です。『世界244の国と地域』は“旅の図鑑シリーズ”の記念すべき第1弾。197ヵ国と47地域の情報をギュッと濃縮した一冊。次の旅行先選びにもおすすめです。

 

元木:年間100冊はすごい目標ですね! もちろん、関わる外部スタッフさんもいらっしゃってのことだと思いますが、いろいろなご苦労が想像できます(笑)。ちなみに最近話題で、私も大好きな図鑑シリーズは、学研プラスに移ってから発売されたものなんですか? きっかけを教えてください。

 

宮田:企画したのは学研グループに入る前です。東京にオリンピックが来るから『地球の歩き方 東京編』を出そう、それと合わせて、オリンピックの開会式・閉会式を見ながら世界各国の雑学を読んで楽しめる本を作ろう! と、旅の図鑑シリーズとして『世界244の国と地域』を発売したのがきっかけです。

これは売れるぞ~! とやましい気持ちもありましたね(笑)。結局、東京オリンピックが1年延期になって、タイミングがはずれてしまったのですが、ちょうど海外旅行に行けない時期が続いていたので、読者には「地球の歩き方が、次の旅先選びのための本を出してくれた」って前向きに捉えてもらうことができました。

 

元木:なるほど、学研に移籍する前だったんですね! “図鑑”が入っていたので、最初から学研が絡んでいると思っていました。でもオリンピックは1年延期になってしまったものの、話題の本になりましたよね。

 

左から『世界のすごい城と宮殿333』『世界のすごい巨像』『世界のすごい島300』。ページをめくるたび、「すごい」と呟いてしまいそうになる、“すごいシリーズ”3部作。まだまだ知らない世界の一面を垣間見せてくれます。

 

元木:この図鑑シリーズ、タイトルセンスがいいですよね! コレクションしたくなるというか、本好きにも旅好きにも刺さるものが多いんですよ。『世界のすごい巨像』とか思わず手に取りたくなっちゃうんですよね。

 

宮田:すごいシリーズのテーマは、最初はノリで提案したものでした(笑)。私自身が仏像好きで、当初は世界の仏像を集めた本を作ろうと企画したのですが、世界中を網羅した一冊にするのがなかなか難しくて……。それが『世界のすごい巨像』にしたら、見事にハマってくれました。

 

元木:『世界なんでもランキング』と『世界のグルメ図鑑』も素晴らしかったです。『世界遺産 絶景でめぐる自然遺産完全版』も、たくさんの世界遺産の本がある中で地球の歩き方が出すとこうなるのねって新しい発見もあって。

 

元木さんお気に入りの『世界のグルメ図鑑』。イタリアの餃子“トルテッリーニ”はこれで名前を覚えたそう。

 

宮田:ありがとうございます! 『世界なんでもランキング』は、“アームチェアトラベル”(=自宅で海外旅行の気分を味わうこと)をどこまで楽しめるか? って考えていた時に、家族と楽しめる、子どもたちと楽しめる本にしたくて企画したものでした。『世界のグルメ図鑑』も、この担当者がとにかくグルメなんですよ。旅に行けなくてもお腹は空くよね? から企画が始まりました。世界のグルメを紹介しつつ、世界の言葉で「おいしい」を言うとどうなる? とか、自宅で作れるレシピ、日本で食べられる場所も紹介して、旅にいけない中で旅人に寄り添うにはどうしたらいいか? ある種、大喜利のような。いろいろな制限がされている中でも旅の気分を味わえるようなテーマを考えていました。

 

元木:ガイド本は、現地取材をして作っていますよね? 今回の図鑑シリーズのネタはどこから集めてきたのでしょうか?

 

宮田:創刊時から携わっているスタッフも多いので、ガイドブックには使えないけれど、世界のネタは豊富にあったんですよ。例えば、「イランの女性って高すぎる鼻がコンプレックスで、美容整形で鼻を低くしているらしい」「オーストラリアの水にはフッ素が入っているから、虫歯になる人が少ないらしい」「カタールは、飛行機にハヤブサを持ち込めるらしい」とか。飲み会の中で出てくるようなネタを、放出しているところです(笑)。

僕も、これまで72の国と地域に行ったことがあるんですけど、本を作りながら「あれ? まだ120も行けていない国と地域があるの?」って気がついちゃったんですよ。図鑑シリーズを通じて、旅にいけない旅人たちも、まだ行ったことのない場所がたくさんあることに気がつくんじゃないかと思っています。

3月に発売した『地球の果ての歩き方』もタイトルだけ読むと「なんで?」なんですけど、知ると行きたくなる……。そうか、まだ攻めていないエリアがあったか! って発見してもらえるとうれしいですね。

 

『世界遺産 絶景でめぐる自然遺産 完全版』『地球の果ての歩き方』。宮田さんが入社した頃、当時の社長からポルトガルのロカ岬がいかに素晴らしい果てか、熱弁されたのだとか。もしかして、旅のプロは果て好きが多い?

 

10年後には、ムーの言葉が真実になる……かも?

大ヒットを記録中の『地球の歩き方ムー』は発売前から重版出来。今は入手困難となった初回限定版には、『月刊 ムー』デザインの表紙に着せ替えられる帯付き。

 

元木:そして、月刊ムーとのコラボですね。まずは大笑いしました。地球の歩き方を愛している宮田編集長が、なぜムーなのか……。学研プラスに来たからってまさか、無理矢理コラボしたわけじゃないよね? と思ってしまって(笑)。一体どんな背景があったのでしょうか。

※『月刊ムー』は学研プラス(旧学習研究社、学研バブリッシング)が出版元として40年間発行。現在は学研プラス傘下のワン・パブリッシングが承継している。

 

宮田:きっかけは地球の歩き方の現社長の一声でした。もともとムーの編集部にもいた経緯があったので、やろうよ! って。僕自身も幼少期には、世界の七不思議に始まり兄貴とツチノコを探しもしました。愛読書は手塚治虫全集だったので、ムーに出てくるような地球外生命体やUFOの存在は否定派ではありません。

あと実は、ムーと地球の歩き方って同級生(創刊年が同じ1979年)でして。地球の歩き方として、謎めいたムーの世界を歩かせることができたら面白いと思ったので、かなり楽しく制作することができました。

 

元木:めちゃくちゃいい話ですね。ムーのファンのためにも、そして世界中を旅している人たちにもいろんな解明をしてくれちゃう発想が最高です! 制作はどのように進めたのでしょうか? 苦労はありませんでしたか?

 

宮田:そうですね、見せ方の部分ではたくさんの工夫があります。例えば、エジプトのピラミッドにしても地球の歩き方の観光地としての解説と、ムーが唱える不思議な説を両方読んで楽しめる作りになっています。

 

元木:交互にページがあるので、1つの場所について、地球の歩き方とムーが追いかけっこのように読める面白さがありますね。

 

同じ地域でも、地球の歩き方とムーそれぞれの視点で書かれており、情報量もたっぷり!

 

地球の歩き方のページでも、ムー的な解説が入るコラムはデザインをムー仕様に。

 

また、ページの隅にはUFOに連れ去られるモアイ像のパラパラ漫画も! 細かいところまで見逃せないのは、地球の歩き方イズムです。

 

宮田:実は、ムー的な視点ってすごく大切で。例えば、歴史的な地域を訪れて、「ここをあの英雄が……」って何もない場所を見て、思いを馳せるのは難しい。でも、史実だけでは語り尽くせない部分もムーの解釈を知ることで、イメージできてワクワクするかもしれない。事実や史実だけを丁寧に正確に伝えることも大切ですが、地球の歩き方読者にもムー読者にも、新しい旅の視点を与えられる一冊になったと思います。

 

元木:しかも、11万部(2022年3月時点)の大ヒット! すごいことですよ。

 

宮田:くっついちゃいけない“二人”がくっついたからですかね?(笑)内容はしっかりしているので、「便利なものがまとまった」「欲しい情報が一冊になった」というニーズもあったかもしれませんね。

 

元木:あとSNSの発信もとても上手ですよね。

 

宮田:ありがとうございます。発売30日前からTwitterでの告知を開始し、毎日ツイートし続けました。
Twitterは、人によって接する時間帯が変わります。いつもフォロワーさんが初見の状態を意識してつぶやいていくと、10回連続でつぶやいたこともそのうちのひとつが「初めて見た情報」になることもあるんですよね。しつこいくらいやった結果、発売前に重版が決定しました。

 

ムー以外にもご存知、大泉洋さん出演の『水曜どうでしょう』ともコラボしていた地球の歩き方。創刊時の表紙デザインに、ポエトリーなキャッチコピーが綴られた『ヨーロッパ21カ国完全制覇(上巻)』(右)と、現代の馴染みある表紙デザインにメルヘン街道の朝が描かれた『ヨーロッパリベンジ ヨーロッパ20カ国完全制覇完結編 21年目のヨーロッパ21カ国完全制覇(下巻)』(左)。どうでしょう軍団とともに旅している気分を味わえるファンにはたまらない、まさに永久愛蔵版!

 

世界中を旅すれば、世の中から争いごとはなくなる

元木:素晴らしい! 今後、ムーのようなコラボはありますか? ムーと同じ出版社には『歴史群像』という、これまた面白そうな雑誌もありますが?

 

宮田:ドキッ(笑)。いろいろと考えてはいます。旅と歴史は、とても相性がいいんですよ。福沢諭吉が書いた『西洋事情』ってご存知ですか? 幕末から明治にかけて書かれたもので、「レディの前でタバコを吸うな」とか書いてあるんです。お遍路さんのガイドブックにも「茶屋の娘がかわいい」って書いてあったり、昔のガイドブックには生きた情報があるんですよね。リブート作品のようにできたら面白いなぁと考えたりはしていますよ。

 

元木:なるほど。いろいろな切り口ができそうですね。最後に、これからについても伺いたいのですが、海外旅行も少しずつ再開できそうな雰囲気も出てきましたよね。

 

宮田:ついに本業の海外旅行が始まる! って感覚はありますね。ただ、世界の情勢でいうとまだまだ気軽に……というのは少し難しい部分もあります。

僕、中東エリアがすごく好きで、シリアも行ったことがあるんですけど、とにかくみんな優しい人なんです。カバンのチャックが空いていたら、肩叩いて教えてくれるんですよ。それに「どこまでいくの?」「バス停はあっちだよ」ってホスピタリティも世界トップレベルだと思います。世界で、そこに住む人を知れば、嫌いな国なんてなくなると思っちゃいますよね。

 

これはあくまで個人的な考えですけど、全人類が世界中を旅すれば、世界中から争いごとはなくなる……って信じたいですね。

 

【プロフィール】

『地球の歩き方』編集長 / 宮田 崇

大学1年の時にインドに行って以来、旅にはまる。コツコツ旅に出て24年、72の国と地域を訪れた。過去の担当タイトルは、ベトナム、カンボジア、東アフリカ、チュニジア、エジプト、南米、メキシコ、アメリカ全般、ハワイ、など多数。地球の図鑑シリーズ第1弾『世界244の国と地域』で、世界には244の国と地域があることを再認識し、世界制覇を密かにたくらんでいる。

 

さくらももこの抱腹絶倒、伝説の旅エッセイで、何処にもいけないストレスを発散する

日曜日の18時になると「あっ、まるちゃんの時間だ」とテレビをつける。テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』は大好きな番組で、心の底から笑え、元気をもらえるからだ。作者のさくらももこさんが突然この世を去ってから早3年、同じ静岡出身者としては、もっともっと新しい作品を読んだり、観たりしたかったと残念な気持ちでいっぱいだが、それでも彼女が残したものは大きい。大きな書店では文庫化されたさくらさんの本が今も平積みでずらっと並んでいる。

 

ももこの世界あっちこっちめぐり』(さくらももこ・著/集英社・刊)はその中の1冊で、「non-no」誌上で1996年~1997年にかけて連載された旅エッセイだ。世界各地の名所を訪ねたさくらさんのリポートは爆笑もので、コロナ禍で何処にもいけないストレスを発散させてくれるのだ。

 

しょうもない発見やズッコケ話に期待

さくらさんは旅行がそれほど好きではなく、また、ファッションやブランド物にも興味がなかったという。だから仕事の依頼があったとき編集部の意図がわからなかったそうだ。

 

「もう、どこへでも好きなところに行って好きなことをしてきて下さい。別にnon-noだからといって、オシャレな事を書かなくてはなどと考えなくてけっこうですから」とおっしゃって下さったので、かなりホッとした。どうやらnon-no側は、私が世界のあっちこっちに行って、しょうもない発見やズッコケ話などを持って帰ってくることに期待をよせている様子である。non-noの誰かがハッキリ私にそれを期待していると言ったわけではないが、たぶんそうに決まっている。

(『ももこの世界あっちこっちめぐり』から引用)

 

さくらさんの旅は、イコールまるちゃんの旅。歯に衣着せぬリポートはおもしろくないわけがない。ページをめくる前からワクワク気分になる。章立ては下記のようになっている。

 

スペイン・イタリア編

バリ島編

アメリカ西海岸編

パリ・オランダ編

ハワイ編

番外編

 

父ヒロシとまる子の海外旅行

この本で、いちばんおもしろく読んだのが、アメリカ西海岸編。さくらさんの父親であり「ちびまる子ちゃん」でいつも皆を笑わせてくれるヒロシが登場するからだ。ヒロシの語り口調は”静岡のお父さん”そのもので、私の父も同じような喋り方をするので親近感が湧くのだ。

 

さて、さくらさんが小学生だったころ、父ヒロシに世界で行ってみたいところは? と尋ねたところ、「オレはグランドキャニオンを見てえなァ」と答えていたのだそうだ。それから20年が経ち、ヒロシの夢を叶えてあげることになった。

 

ヒロシは本当にうれしそうであった。(中略)おそらく彼の人生の中で一番のクライマックスがやってきたといえよう。彼は六十歳を過ぎて初めてパスポートをとってきた。ズボンのポケットから得意そうにパスポートを取り出して私と母に見せた時のヒロシの顔はまさに人生最大のクライマックスが近づいている者の表情であった。

(『ももこの世界あっちこっちめぐり』から引用)

 

こうして、さくらさんとご主人、そしてヒロシはアメリカ西海岸へと向かったのだが、それまで親孝行などしてこなかったのに、この急な展開で彼女は不安を覚えてしまう。『まる子、親孝行がアダに!!』というような新聞の見出しまで想像してしまう件は、まるちゃんらしくアニメを観ているようにおもしろく読める。

 

そして、一行はヨセミテ公園、サンフランシスコ、ラスベガスを巡り、いよいよグランドキャニオンへ。

 

ヒロシはグランドキャニオンを見れてよかったと連発していた。予想よりもはるかに壮大だった事に驚いた様子である。「キャニオンはでけぇなァ」と、勝手に略して言っていたのが何ともヒロシらしいところだ。

(『ももこの世界あっちこっちめぐり』から引用)

 

父ヒロシのキャラクターは最高だ、というより、それをどこまでもおもしろく書けるさくらさんの才能をあらためて感じたのだ。

 

パリとピエール・ラニエの時計

パリのことは花輪クンにまかせておけばよい。あんなオシャレな国は、まる子なんかには縁のない話だ。と、さくらさんは思っていたそうだ。しかも1996年といえば、その前年にフランス政府が核実験を強行したことに、さくらさんはカンカンに怒っていた。

 

にもかかわらず、パリ行きを決意したのは、政府の強引な方針に国民が泣き寝入りするのはどこの国も同じ事とフランス国民に同情したのと、ピエール・ラニエの腕時計に魅せられていたからだという。

 

実はさくらさんがこのエッセイを書くまで私はピエール・ラニエを知らなかった。フランスの時計メーカーで、高級品ではなく、手頃な値段の地味めなブランドなのだが、ある時期から限定版の腕時計をシリーズで販売し始めた。さくらさんはそれに魅了されたのだ。

 

美しい石や貝などを素材にした絵が文字盤に描かれているというもので、主に動物や楽器が絵のモチーフとして選ばれている。それらの絵はひとつひとつ手作業により制作されるため大量生産はされずに各デザインごとに九百九十九本のみの限定販売となっている。

(『ももこの世界あっちこっちめぐり』から引用)

 

さて、時計を求めてパリに向かったさくらさんだったが、ピエール・ラニエには本店というものはなく、また、現地では置いてある時計店も少なく、さらに限定モデルを探し出すのは難しい状況に。それでも親切な店員に出会い、問屋まで探しに行ってくれ、なんと9本も限定モデルをゲットできたというエピソードはフランス人の意外な一面を伝えてくれている。

 

ちなみに、ピエール・ラニエは、その後、さくらももことのコラボの限定モデルを発売、これがとってもカワイイのだ。

 

このほか、スペインではガウディに魅せられ、イタリアではベネチアングラスの金魚鉢を買い、バリ島では毎日ナシゴレンを食べ続け、ハワイではハンモックに揺られ……、などなど、さくらさんならではの気取らない海外旅行記は誰をも笑顔にしてくれる。ストレス解消にもひと役の1冊といえる。

 

【書籍紹介】

ももこの世界あっちこっちめぐり

著者:さくらももこ
発行:集英社

ああ素晴らしき、この世界! スペインでガウディにキュンとして、バリ島で毎日ナシゴレンを食べ、父ヒロシと長年の憧れグランドキャニオンに飛び…。行く先々で思いもよらない出会いやハプニングがある。それがももこの旅。一九九六年五月から約半年間にわたって世界じゅうをめぐった記録を、感動も驚きも尾籠な話も全部ひっくるめて綴る、抱腹絶倒、伝説の旅エッセイ。初の文庫化!

楽天ブックスで詳しく見る
Amazonで詳しく見る

オンライン廃線巡りで、家にいながら歴史鉄道散歩~注目の新書紹介~

こんにちは、書評家の卯月 鮎です。自宅から少し行ったところに、住宅街なのに突然だだっ広い道路がまっすぐ広がっている不思議な空間があります。調べてみると、そこは昔の花街で、その道は中心となる大通りだったと分かりました。

 

廃線跡から見えてくる風景

風景からふと昔の名残が見えると、「今、自分は長い歴史の上に立っているんだなぁ」と感慨が湧いてきますよね。それは廃線跡も同じでしょう。私は鉄道オタクではないですが、廃線巡りのロマンには惹かれるものがあります。

 

廃線跡巡りのすすめ』(栗原 景・著/交通新聞社新書)の著者・栗原景さんは、旅、鉄道、韓国をテーマに活動するフォトライター、ジャーナリスト。小学生のころからひとりで各地の鉄道を乗り歩いてきた強者です。『地図で読み解くJR中央線沿線』(三才ブックス)、『新幹線の車窓から~東海道新幹線編』(メディアファクトリー)、『アニメと鉄道ビジネス』(交通新聞社新書)など鉄道に関する著書も多数。

 

 

 

入門するなら名古屋鉄道美濃町線

序章「初めての廃線跡巡りに―名古屋鉄道美濃町線」では、入門編的な位置づけで、岐阜市~美濃市に残る名古屋鉄道美濃町線の廃路跡を訪れます。比較的最近(2005年)に廃止されたためか、線路跡がよく残っているうえ、危険な場所が少なく歩きやすいのがポイント。

 

鉄道が生きていた時代の地図をスマホに表示し、まずは起点の「徹明町駅」へ。元駅ビルは空き屋ですが、1階のきっぷ売り場はそのまま。アスファルトに入った斜めの亀裂は、レールを剥がして埋めた跡だとか。言われなければ見過ごしてしまう“遺跡”もあちこちに残っているんですね。

 

そうこうしていると年配の男性に「美濃町線を歩いているんですか」と話しかけられる著者の栗原さん……。単に廃線跡の情報だけでなく、地元の人々とのちょっとした交流も挟まり、読んでいて旅情感があります。

 

オンライン廃線巡りに役立つサイトは?

「そういう楽しみ方もあったのか!」と新鮮に感じたのが、第2章のオンライン廃線巡り。最初に「グーグルマップ」の航空写真で廃線跡をチェックするのが基本。そこを「ストリートビュー」でたどっていくと、撤去されていないコンクリート橋脚などがしっかり確認できるそうです。

 

昭和の戦前期から撮影されてきた航空写真が見られる国土地理院の「地理院地図」、全国49地域で明治期以降の地形図を閲覧できるサイト「今昔マップ」など、便利なサイト・アプリも具体的に紹介されていて、本書を手に取ったその日からオンライン廃線巡りに出発できます。

 

日本最後の非電化軽便だった石川の尾小屋鉄道、廃線跡の沿道にしだれ桜が植樹され新名所となっている福島・喜多方の日中線など「特徴的な廃線跡4例」、「廃線跡巡りの持ち物について」、「著者がおすすめする廃線跡」と各章で切り口もいろいろ。今よりもゆっくりと時間が流れていた時代、鉄道を中心に栄えていた風景を想像して、ノスタルジーに浸るのもいいですね。

 

【書籍紹介】

廃線跡巡りのすすめ

著者:栗原 景
発行:交通新聞社

在りし日の鉄道の姿を想像しながら歩く『廃線跡巡り』。やってみたいとは思っていても、そもそも下調べからして難しそう! たしかに昔はそうでした。それが今、劇的に始めやすくなっているのです。事前調査から実際に歩いてみるまで、数多くの廃線跡を巡った著者が豊富な実例と実体験をもとに新しい廃線跡巡りのHow Toと、廃線跡をもっと楽しむ方法を詰め込んだ実用の一冊です。

楽天koboで詳しく見る
楽天ブックスで詳しく見る
Amazonで詳しく見る

【プロフィール】
卯月 鮎
書評家、ゲームコラムニスト。「S-Fマガジン」でファンタジー時評を連載中。文庫本の巻末解説なども手がける。ファンタジーを中心にSF、ミステリー、ノンフィクションなどジャンルを問わない本好き。

 

【8月31日まで】「地球の歩き方」がKindle Unlimitedで読み放題!コロナ禍の活用術を中の人に聞いた

いま、「地球の歩き方」がAmazonのKindle Unlimitedの読み放題となっているって知ってましたか?

 

しかも今回は、旅好き女子のためのプチぼうけん応援ガイド「aruco」、初めてその場所を旅する人や、短い滞在時間で効率的に観光したい旅人におすすめのシリーズ「Plat」、自分流に楽しむリゾートステイを応援する「ResortStyle」も含めた主要4シリーズ全176タイトルが読み放題なんです!

 

これだけ読み放題なら、ざっと眺めるだけでも旅行気分に浸れるかもしれません。でも、せっかくなら、もっと本物の旅に近い体験をしたいと思いませんか?

 

そこで、今回は「地球の歩き方」を使った、家にいながらの旅行体験「アームチェアトラベル」について、「地球の歩き方」の中に人に教えてもらいました! これを実践すれば、あなたの「旅に行きたい!」欲も満たされること間違いなし!!

 

 

■「地球の歩き方」Amazon Kindle Unlimited 詳細はこちら(Amazonページへ移動します)

配信期間:2021年7月1日(木)~2021年8月31日(火)
200万冊以上のKindle電子書籍が読み放題のサブスクで初回30日間無料、以降は月額980円(税込)。

・対象書籍:「地球の歩き方」主要4シリーズ全176タイトル電子版
「地球の歩き方ガイドブック」シリーズ:110タイトル
「地球の歩き方aruco」シリーズ:28タイトル
「地球の歩き方Plat」シリーズ:23タイトル
「地球の歩き方ResortStyle」シリーズ:15タイトル

各シリーズ詳細はこちら(「地球の歩き方」公式サイトに移動します)

 

「アームチェアトラベル」って何?

 

「アームチェアトラベル」とは、自宅にいながら自由に旅行気分を味わうこと。海外では一般的に使われている言葉のようですが、「脳内トリップ」「妄想旅行」なんて言い換えてみるとわかりやすいですね。「よし! 今日はアームチェアトラベルをやるぞ!」と決め込むよりも、海外の絶景写真集を眺めているうちに、海外ドラマを見ているうちに、旅ブログを読んでいるうちに、「あ、旅行気分を味わっていた!」という方が多いかもしれません。

 

今回は、『地球の歩き方』の旅行マーケティング部所属の倉林さんと曽我さんにアームチェアトラベル、そして旅行の楽しさについて教えていただきました。そもそもアームチェアトラベルとはどんなものなのでしょうか?

 

倉林 元気さん
旅行先では蚤の市、古着屋を必ず探す。古着、雑貨巡りが大好き。JICAの青年海外協力隊でミクロネシア連邦チューク州駐在経験もあり。

 

曽我 将良さん
バックパック旅行好き。ビーチバレーが趣味で、行った国々のビーチでオーバーヘッドキックを決めている写真を撮っているのだとか!

 

倉林さん「本を読んだり、写真集を眺めたり、現地のラジオ番組や音楽を聞いたり、ぼんやりといつか行ってみたい国の情報を検索するだけでも、立派なアームチェアトラベル。日常の中で旅気分を味わうって意外と簡単にできるので、入門編として『気になる国を調べてみる』『気になる国のガイドブックを読んでみる』から始めてみるといいかもしれませんよ」

 

曽我さん「旅行って頑張っても年に1〜2回しか行けませんが、アームチェアトラベルなら365日好きな場所へいつでも旅行ができます。旅先を検索窓に入力するだけで、普段見られないような南極の景色や過去に訪れた旅行先の今の風景が見られたり、気づきが得られるはず。旅行と同じように試行錯誤しながら、自分が一番旅行気分を味わえるアームチェアトラベルを見つけて欲しいですね」

 

また、アームチェアトラベルは大きく分けると2つの楽しみ方ができるのだとか。ひとつめは、「過去に行ったことのある国や地域でアームチェアトラベル」する方法。もうひとつは、「旅行情報を参考に行ったことのない国や地域にアームチェアトラベル」する方法。ネットや本など参考にできるものがたくさんありますが、まとまった情報として活用できるのが『地球の歩き方』! プランの立て方からおすすめの観光スポットまでたっぷりと掲載されています。

 

『地球の歩き方』の意外な読み方&活用法

 

私も「アームチェアトラベルをやろう!」 と、無計画にペラペラと旅行雑誌を読みながら、YouTubeで現地ガイドさんの動画を見たのですが、30分と楽しむことができませんでした。そんな話を倉林さんと曽我さんにしてみると、「しっかりプランを立てないと!」とお叱りが! ごめんなさい!! 一体、どんなプランを立てるのが良いのでしょうか? お二人にそれぞれ今行きたい国でプランを考えてもらいました。

 

■倉林さんのバングラデシュ旅

1.『地球の歩き方 バングラデシュ』を最初からじっくり読み込む
2. 現地到着初日と最終日以外の日の過ごし方を決める(複数個所を巡る周遊型か、拠点を決めたじっくり滞在型か)
3.『地球の歩き方』でピックアップした場所をGoogle Mapに落とし込む

「旅行の醍醐味は「五感」をフル活用できるところ。旅先で存分に楽しむためにも準備は大切。なので僕は、準備としてのアームチェアトラベルをします。『地球の歩き方』は旅の先輩。とりあえず欄外コラムやはみだし情報まで全部読みます。先輩の経験談がたっぷりと語られていますよ!」

 

■曽我さんのエジプト旅

1.地図を広げてエジプトの全体像を把握する
2.航空券を調べて、金額感を把握する
3.『地球の歩き方 エジプト』を読みながらモデルコースを参考に行く場所を決める

「新しい旅行先が見つからないなら、本屋さんに足を運ぶのがおすすめ。インターネット上だと欲しい情報以外は見過ごしがちですが、KindleUnlimitedなら好きなだけ読めるので気になる国を一気にダウンロードすれば本屋さんにいる時と同じように楽しめますよ」

 

始める前に「何」をしたいかを考えることが大切なんですね! お二人とも、旅行に行くことを想定しながらプランを立てられていたので、お話を聞いているだけでもワクワク感が伝わってきました。

 

お二人も活用していた『地球の歩き方』ですが、初めて手に取った方はどこから読んだらいいかわからない人もいるかもしれません。そんなときは、以下のポイントを抑えておくのがおすすめです。

 

■『地球の歩き方』の読み方&活用方法

・初めての旅行先であれば、冒頭のモデルプランページを参考に

・どの国でも掲載されている「旅の準備と技術」には、その国のすべてが詰まっているので必読

・掲載されている情報は、現地取材したものなので、本当に直面したスリリングな情報も……!

・一度訪れた場所でも知らなかった歴史や民族文化・風習、地形や建築解説ほか幅広く掲載されていることもあるので、旅の上級者にこそ読んでほしい

・簡単な会話集や歴史年表、関連書籍や現地の流行事情など、あえて後ろのページから読んでみると、意外な情報に気が付く場合も

・定番のガイドブック以外にも、旅の雑学『図鑑シリーズ』・72時間濃縮プラン『Plat』・女子旅プチおうえん『aruco』など個性豊かなシリーズも発行されている

 

初心者でも手軽に楽しめる「アームチェアトラベル」5選

では、初心者でも手軽に楽しめるアームチェアトラベルを5つご紹介しましょう!

 

【行きたい場所が見つからない人向け!】
・絶景写真集などから行ってみたい場所を探す(所要時間:1時間〜)

海外の絶景だけを集めた写真集や雑誌を見て気になる場所の『地球の歩き方』を読むだけでも十分楽しめます。またInstagramのハッシュタグ「#世界の絶景」「#photo_travelers」でも写真や動画が見られますよ!

 

【スマホだけでいつでもできる!】
・一人で、家族と、友達と! 過去に訪れた場所を写真で振り返る(所要時間:1〜2時間)

あなたのスマホの中に、旅先の写真いっぱい入っていませんか? それを眺めているだけでも十分なアームチェアトラベルに。ひとりでも楽しいですが、家族や友達をオンラインで繋げて、写真を披露したり「これはどこでしょう?」クイズを出し合うのもおすすめ。

↑ポキを食べて浮かれている2018年の私。ここはどこでしょう? クイズに使えそう! ちなみに正解は、Nico’s Pier 38。トロリーに乗って行ったなぁ〜♪

 

【じっくりと時間をかけたい!】
・旅の先輩である『地球の歩き方』から、先輩っぽい発言を引き出して学ぶ(所要時間:2時間〜)

旅の先輩である『地球の歩き方』は、発言も少し先輩っぽい(笑)。以下は地球の歩き方 マダガスカルで紹介されているお土産物屋さんについての記述。

 

ただし観光客にはかなり値段をふっかけてくるので、あらかじめ相場を調べておいてしっかり値切ろう。交渉次第で2分の1〜5分の1ほどになることもあるので試してみよう。

(『地球の歩き方 マダガスカル』から引用)

 

ありがとう、先輩!!(笑)他にもちょっぴりポエミーな一節があったり、読めば読むほど味わい深い文章がたくさん。行き先にもよりますが、隅から隅までじっくり読むのには2時間程度かかるので、通勤や通学、お昼休みの合間に読むのもおすすめです。

 

【1日中旅行気分を楽しみたい!】
・香り、味、耳で現地の雰囲気を再現する(所要時間:2時間〜)

旅行気分を味わうなら、嗅覚・味覚・聴覚を刺激しましょう。個人的には、蒸し暑い日に熱々のタイラーメンを作り、イヤホンでタイの音楽を聞きながら食べていたら、「あれ? ここはタイかな?」と感じることができました(タイ旅行未経験ですが)。

↑買ってきたタイ料理の素材。味覚からのアプローチも大切な要素!

 

【少しの空き時間でもできる!】
・『地球の歩き方』の表紙と同じ場所をGoogle Earthから探してみる(所要時間:10分〜)

『地球の歩き方』で使われている表紙のイラストと同じ場所をクイズのようにGoogle Earthから探し出すのも盛り上がります。先ほどご紹介した地球の歩き方 マダガスカルの表紙はバオバブの木が描かれています。

 

 

Google Earthで調べてみると……バオバブの木を発見!

 

本当にこんな形をしているのかとか、人が写っているところもあるので実際の大きさも想像でき、臨場感が増しますね!

 

私なりのアームチェアトラベルを実際にやってみた!

最後に、私が実際にやってみたアームチェアトラベルをご紹介。

 

ひとつめは、過去に2回(2018年春&2020年新春)訪れたハワイ〜! 海外旅行はホノルルしか経験していませんが、他の国には行かなくてもいいくらい大好きです! 仕事中も「イライラしないように」とよくハワイアンミュージックを聴いているのですが(笑)、振り返ってみればそれもアームチェアトラベルだったかもしれません。

 

せっかくなので、今回はいつもよりハワイ感が高まるアームチェアトラベルをしてみましょう!

 

■アームチェア・ハワイ旅

1.現地で買ってきたものを机の上に並べる
2. 現地のラジオ番組やハワイアンなBGMをかける
3.『地球の歩き方 ハワイ1オワフ島&ホノルル』を読んで、行ったことのある場所や次、行きたい場所に付箋する

 

 

「こんなことで?」と思うでしょ? これが不思議なのですが、気がつくと机の周りがハワイになります(笑)。振り返りながら『地球の歩き方』を読んでいると旅行中に通り過ぎていた場所や新たな魅力を見つけることができます。

次行くなら、朝早く起きてbikiに乗ってモンサラット通りへ行きたい! そして「カフェ・モーリーズ」でフライドライスを食べるっ

 

次に旅する先は「パリ」。地球の歩き方の編集長にコロナ前、人気だった観光地を伺ったところ、

 

・「地球の歩き方ガイドブック」シリーズ:イタリア、シンガポール、パリ、ベトナム、台北
・「地球の歩き方arucoシリーズ」:ソウル、ニューヨーク

 

と教えていただけたので、今回は地球の歩き方 パリ&近郊の街を参考に、パリの街をネット上でお散歩してみることに。というのも、アート作品をウェブ上で公開する美術館が増え、いつでもどこでもアート散策できるようになったのです。実際のパリでは、予算の関係上そんな優雅な過ごし方できそうにもないので(笑)、アームチェアトラベルでたっぷり楽しみましょう!

 

■アームチェア・パリ旅

1.『地球の歩き方 パリ&近郊の街』から行きたい美術館をチョイス
2.美味しいフランスパンをトーストし、部屋の中をパリっぽい匂いにする
3.映画『ミッドナイト・イン・パリ』のサントラを聴きながら、美術館のサイトをチェック

 

↑ルーブル美術館をバーチャルで見学してみました! バーチャル訪問はこちら

 

行ったことはありませんが、音楽と食べ物があると現地感が深まります。地球の歩き方 パリ&近郊の街には美術館や施設の最新情報が掲載されているので、「行くときにはパリ・ミュージアム・パスを絶対買おう!」「え、オペラ座ってふたつもあったの?」「書店めぐりとかおしゃれなんですけど!」と旅行に役立つ情報も満載でした。

 

今のうちから「行きたい場所」や「もう一度訪れたい場所」についてアームチェアトラベルしておくことが次の旅行の糧となり、自分自身を支えてくれるはずです。

 

ちなみに『地球の歩き方』の編集長にコロナ後に人気になりそうな観光地についてお話を伺ったところ、「具体的なデスティネーションというよりは、アフターコロナの旅のスタイルが変わるので、密にならないネイチャー系の観光地は全体的に人気になると思われます」と教えてくれました。ぜひ旅行先選びの参考にしてみてくださいね!

 

そして安心安全に旅行ができるようになった際には、リュックの中に『地球の歩き方』先輩を一緒に連れて、コロナ前よりもちょっぴりレベルアップした自分で旅を楽しみたいですね!

 

■「地球の歩き方」Amazon Kindle Unlimited 詳細はこちら(Amazonページへ移動します)

配信期間:2021年7月1日(木)~2021年8月31日(火)
200万冊以上のKindle電子書籍が読み放題のサブスクで初回30日間無料、以降は月額980円(税込)。

・対象書籍:「地球の歩き方」主要4シリーズ全176タイトル電子版
「地球の歩き方ガイドブック」シリーズ:110タイトル
「地球の歩き方aruco」シリーズ:28タイトル
「地球の歩き方Plat」シリーズ:23タイトル
「地球の歩き方ResortStyle」シリーズ:15タイトル

各シリーズ詳細はこちら(「地球の歩き方」公式サイトに移動します)

 

【INFORMATION】

「aruco東京シリーズ」発刊記念プロジェクト!
HISとのコラボによるオンラインツアーを開催!!

「旅好き女子のためのプチぼうけん応援ガイド」地球の歩き方arucoシリーズは女性に人気の海外エリア38タイトルを発行しています。【arucoシリーズの詳細はこちら

今回、シリーズ初の国内版『aruco東京』『aruco東京で楽しむフランス 』『aruco東京で楽しむ韓国 』『aruco東京で楽しむ台湾』の4タイトルを同時発売。発刊記念プロジェクトとして、HISとのコラボによるオンラインツアーを開催予定です。

実施期間は8月~9月。各タイトルにちなんだ「おうちで海外気分」をテーマに行う予定です。

 

沢木耕太郎『旅のつばくろ』で自宅で国内旅行を楽しむ

今からおよそ30年前、夢中で読んでいた本がある。それは沢木耕太郎氏の『深夜特急』。香港をスタート地点に、インド、ネパールからシルクロードを辿って、トルコ、ギリシャへ、そして欧州を横断して最終目的地のイギリスのロンドンまで、基本バスだけを乗り継いで一人旅をした沢木氏の紀行小説だ。このシリーズはベストセラーとなり、バックパッカーの若者たちの手引書にもなった。臆病な私には絶対に真似できない旅だから、せめて疑似体験がしたくてページをめくりつつ、乗り合いバスに揺られていたのだ。

 

その沢木氏の最新刊『旅のつばくろ』(沢木耕太郎・著/新潮社・刊)は、世界各地を縦横無尽に歩いた彼の、初の国内旅エッセイ集となった。

 

初めての一人旅は東北一周

本書は、JR東日本が発行している車内誌「トランヴェール」の連載エッセイを単行本化したものだ。これからは、もう少し日本国内を旅してみようかと沢木氏が考えていたところに、エッセイの依頼があり、それを絶好の機会と見なし受けたのだそうだ。

 

思い起こせば、私が初めてひとりだけの「大旅行」をしたのが、十六歳のときの東北一周旅行だった。小さな登山用のザックを背に、夜行列車を宿に、十二日間の旅をしたのだ。このときの経験が、その後の私の旅の仕方の基本的な性格を決定したのではないかと思われる。いや、もしかしたら、それは単に旅の仕方だけでなく、生きていくスタイルにも深く影響するものだったかもしれないと、いまになって思わないでもない。

(『旅のつばくろ』から引用)

 

ここ数年の北への旅は、自身の16歳の旅を確かめ直すものであり、また、日本を旅することの新しい驚きの発見にもなったと沢木氏は語っている。

 

龍飛崎への思い

あの沢木氏が怖気づいて行くことができなかった場所があるという。それが津軽半島の「龍飛崎」。

 

高校一年が終わった春休み、沢木氏は、当時の国鉄が発行していた均一周遊券を使って一人旅を計画。行き先は東北。手にした東北周遊券は急行、準急など乗り放題だったので、所持金はわずか3千円くらいだったそうだ。

 

ガイドブックを買う余裕がなかったので、小さな時刻表と簡単な地図だけを見て、気に行った土地の名前を選んでそこに向かうというスタイルの旅をすることになった。津軽半島の龍飛崎もそうやって決めた目的地だった。が、しかし、16歳だった沢木少年は列車内で不安に襲われる。

 

列車には行商のおばあさんたちが大勢乗っていた。リュックひとつで旅をしている少年の姿が珍しかったのか、盛んに話しかけてきてくれるが、何を言っているのかわからない。本当にひとこともわからないのだ。(中略)心細くなってきた私は、自分はどんなところに連れて行かれてしまうのだろうという不安に苛まれるようになった。そして、ついに、怖気づいた十六歳の私は、途中の駅で飛び降り、青森行きの列車を待って逆戻りしてしまったのだ。

(『旅のつばくろ』から引用)

 

沢木氏が怖気づいて行けなかったのは、後にも先にも、龍飛崎だけだそうだ。本書では、当時を取り戻すべく50年ぶりに龍飛崎に向かった話を「風の岬」というタイトルで記している。

 

山形県「遊佐」への旅

沢木氏はある日偶然つけたテレビで、日本地図にダーツを投げ、突き刺さったところに取材に向かうという番組を観た。そのとき彼は、これぞ私にとって「夢の旅」と思ったという。

 

ダーツこそ投げていないものの、これに近い旅をしたことがあるそうだ。地図を見ながら、ふっと眼に留った地名、そこは山形県の日本海に面した町「遊佐」。小説の主人公の出身地をどこにしようか地図を眺めているとき見つけた場所だ。

 

私の目に留った理由は二つある。ひとつは、何と言ってもその字が美しいことである。軽やかで楽しげでスマートだ。もうひとつは、かつて私が一九三六年のベルリン・オリンピックについて調べたとき、日本選手団の中に、この珍しい字を姓に持った人が二人もいて強く印象に残っていたということがあった。水泳選手の遊佐正憲と馬術監督だった遊佐幸平の二人である。人の姓ではユサであるのに対し、山形の町はユザと発音するらしい。

(『旅のつばくろ』から引用)

 

その後、沢木氏は、その遊佐に行ってみることにした。風光明媚なところで、ホテルの窓からはきらめく日本海が見え、反対側には雪を頂く鳥海山がそびえていた。沢木氏の初の「夢の旅」は予想以上にすばらしいものになったそうだ。ガイドブックなどに頼らず、こんな旅先の決め方も一度はやってみたい気がする。

 

山手線の旅

今のコロナ禍で遠くには行かれない人も多いだろう。けれども遠くに行くだけが旅ではない。近場にも新しい発見があるものだ。

 

本書では「初めての駅、初めての酒場」と題した、山手線の旅が紹介されている。東京の城南地区で育った沢木氏にとって城北地区や城東地区は馴染みが薄いそうだ。山手線で考えてみると、渋谷を中心にして内回りは上野まで、外回りは池袋まではどの駅でもかなりの頻度で乗り降りしたことがあるものの、上野から池袋までの駅はあまり利用したことがないという。

 

とりわけ、日暮里となると、ひょっとしたら一度も駅の外に出たことはないのではないかという気がするくらいである。そこで、いや、なにが「そこで」なのか自分でもよくわからないが、春の盛りの、好天のある日、日暮里に行ってみることにした。

(『旅のつばくろ』から引用)

 

ただ駅で乗り降りするだけではもったいないので、日暮里出身の作家、吉村 昭の記念文学館を訪ねたそうだ。そして、帰りには日が傾きはじめたので、居酒屋と小料理屋の中間のような店に入ると、常連客らしき人々も、店のおかみも、見かけない客の登場が気になってしかたない風だったと記している。そして、何者に思われているのか想像すると、内心なんとなく楽しくなったとも。都内の一日、いや半日のこんな旅も、意外と楽しいかもしれない。

 

この他、東日本各地を列車で旅した話はどれもとてもいい。やはり沢木耕太郎の紀行文は最高だとページを閉じたとき、そう思った。

 

【書籍紹介】

旅のつばくろ

著者:沢木耕太郎
発行:新潮社

つばめのように軽やかに。人生も旅も−−。沢木耕太郎、初の国内旅エッセイ。旅のバイブル『深夜特急』で世界を縦横無尽に歩いた沢木耕太郎。そのはじめての旅は16歳の時、行き先は東北だった。あの頃のようにもっと自由に、気ままに日本を歩いてみたい。この国を、この土地を、ただ歩きたいから歩いてみようか……。JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」で好評を博した連載が遂に単行本化!

楽天koboで詳しく見る
楽天ブックスで詳しく見る
Amazonで詳しく見る

 

元国際線CAが教える! 出張をスマートで快適にする支度の極意

出張に行く、と決まったら、どんな荷物を準備しているでしょうか? 女性は、化粧品や替えのストッキング、ヘアケア用品など、宿泊の伴うとなると荷物が多くなりがちです。その上、仕事に必要なパソコンや充電器といった電子機器、資料などのかさばる持ち物がありますから、必要なものだけを賢くチョイスし、ミニマムにまとめて出発したいもの。

 

出張先で慌てないよう、スマートに移動できるパッキングのコツや、トラベルグッズにはどんな便利グッズがあるでしょうか? 仕事で国内外を飛び回っていた元ANAのキャビンアテンダントで、現在は商品企画コンサルタントをつとめる高城良子さんに、スピーディに準備しスマートに出張をこなすための極意を聞きました。

 

“スムーズな移動”を考慮して荷物を整える

ひとくちに「出張」と言っても、どんな手段を使ってどこへ移動するかで、内容はずいぶんと違います。土地勘がないところへ出かけるときは、駅名や場所に間違いがないか、下調べに注意が必要です。飛行機と新幹線、両方の乗り入れがある地域なら、どちらをチョイスするかなど、どのようなルートで行けばスムーズか、イメージしてみましょう。また、どんな乗り物を使うかでパッキングの方法を変えるのも大切だとか。

 

「衣類や化粧品、パソコンなどの重たい荷物はキャスターつきのスーツケースやボストンバッグに入れ、財布や携帯電話などすぐ取り出すものはポシェットタイプの肩掛けバッグに入れておくと、乗り場などで慌てずに済みます。新幹線では、キャスターつきのスーツケースだと置く場所に困るので、座席上の収納棚に乗せられるようボストンバッグにするか、一泊用の小さなスーツケースを使ってみてください。事前にチケットが押さえられる場合には、比較的スペースにゆとりがある出入口付近の席を取るのもいいでしょう。

 

飛行機での移動のときは、大きな荷物は預けた方が空港内の移動は楽ですが、到着後に荷物を受け取るまで時間がかかるので、余裕を持ったスケジューリングが必要です。また、電子機器は預けられませんから、飛行機を使うときはパソコンをスーツケースから出し、エコバッグなどに入れ替えて搭乗しましょう」(高城さん)

 

荷物の多さと行動パターンでバッグを選ぶ

出張するときに持っていきたいバッグについて、高城さんのおすすめを聞きました。「資料やサンプル品などを持って出張する場合は、キャスターつきのスーツケースがおすすめです。また、荷物が少なく済むときや、現地移動が多いときなどは、肩掛けのトラベルバッグなどを使いましょう」(高城さん)

 

・静かなキャスターと抜群の収納力のキャリー

少しずつ進化を続けている無印良品のハードキャリーは、2017年の春にキャスター部分が大きく変わったそう。静かで安定性がよくて収納力がある、高城さんもおすすめのキャリーです。


無印良品「キャリーバーの高さを自由に調節できるストッパー付きハードキャリー(19L)黒」
価格:1万2900円

「単輪のものから双輪に変わったことで動きが滑らかになり、静音性の高い素材になったことで、キャスターが発生する騒音を軽減しています。早朝のお出かけや凹凸のある道などでの移動が、以前よりスムーズになるでしょう」(無印良品・川尻淳子さん)

 

・使わないときの収納のことも考えたキャリー

キャリーバッグを買ったものの、出張の機会自体は少なくて置き場に困る、という人におすすめなのが、収納時に場所を取らない省スペース設計のこちら。使わないときに厚みを半分にして置いておくことができます。


無印良品「半分の厚みで収納できるソフトキャリーS」
価格9900円

「中のパネルを上げると厚みが半分になったり、SサイズをLサイズの中に入れても収納できたりと、使わないときのことを考えて設計しています。Sサイズは機内持ち込みが可能です。生地には撥水加工を施しているので、雨の日の移動も安心ですよ」(無印良品・川尻淳子さん)

 

・軽くて丈夫な持ち運びしやすいトラベルバッグ

2~3泊にも対応できる大きめのトラベルバッグです。高城さんおすすめのポイントは、軽さと丈夫さ。出張先で出歩くことが多いときにはキャスターつきのものより、肩に掛けてパッと持ち運びができるタイプが便利だそうです。


エルベシャプリエ「コーデュラナイロントラベルショルダーXL(ノワール/パプリカ)」
価格4万3200円

「ナイロン製なので汚れが付きにくく、付いても落としやすいのが魅力的です。丈夫で、見た目より収納力もあります。出張の往路には使用しなくても、荷物が増えることを想定して、折り畳んでスーツケースに入れていきますね」(高城さん)

 

宿泊はリラックスできる好きなホテルで

宿泊先を自分で自由に決められるなら、一緒に出張するメンバーがリラックスして宿泊できるよう、好みを押さえておくのもポイントです。高層階に不安がある人や非常口付近を好む人、特にタバコについては、禁煙の部屋でないと匂いが気になる人や、逆に喫煙できる部屋がいいと望む人がいるので、事前にリサーチしておきましょう。では、自分ひとりなら?

 

「自費で少しプラスしても、ぜひ自分が好きな時間を過ごせそうな宿泊先を選んで、移動を楽しめるようにプランニングすると快適です。同じビジネスホテルでも、大浴場やサウナがあったりマッサージやエステが受けられたり、また食事のおいしさもそれぞれ違います。レディースプランなどの特典が受けられるホテルもありますし、オーガニックのアメニティを揃えたホテルや、女性専用フロア完備のホテルなどもあります。仕事で行かなければならなくて億劫でも、気持ちを切り替えて、ホテルライフを楽しんだり現地で散策したりするなどのゆとりが持てると、出張が楽しくなりますよ」(高城さん)

 

快適に過ごせる持ち込み必須アメニティ

ホテルのアメニティが充実しているか心配なら、お気に入りのものを持って出かけましょう。出張が多い場合は、常にトラベル用のポーチにストックしておき、日常で使うものとは分けておくと、パッキングのときに慌てずに済みます。

 

・天然原料の歯磨き粉とナチュラル素材の歯ブラシ

合成界面活性剤不使用で天然原料をベースにした歯磨き粉と、環境のことを考えてつくられた竹製の歯ブラシのセット。ほどよいミントの香りがよく、高城さんは打ち合わせ前などの歯磨きにも使っているそうです。


ゴーウェル「トラベルセット ナチュラル トゥースペースト&トゥースブラッシュ」
価格2808円

「国産の牡蠣の殻を使ったホワイトニング歯みがきです。天然の海塩とペパーミントの香りで、爽快感が続きます。乾きやすく、汚れても洗えるコットンのポーチが付属しています」(go well ナチュラルハーティーマーケット・小松和子さん)

 

・お米からできた消臭スプレー

移動時や飲み会などで洋服にニオイがついてしまったとき、ホテルの部屋に入ってニオイが気になるときなどに高城さんが使うのは、こちらのお米からできた消臭スプレーです。天然成分なので空気中に撒いたり、肌に直接触れる衣類に噴射したりしても、安心して使えるのだそうです。


ファーメンステーション「お米でできた消臭スプレー コメッシュ」
価格1944円

「他の香りでごまかさすのではなく、天然の微生物がそこにあるニオイを吸収する無香料タイプのスプレーです。長時間の移動で蒸れてしまった靴や、出張のとき着替えられないスーツなどにもお使いいただけます」(ファーメンステーション・酒井里奈さん)

 

・飛行機やホテルで乾燥しがちなお肌に使えるバーム

乾燥した口元や目元など、高城さんはお肌全体に使うため常に携帯しているという、天然素材でできたリップバーム。


ブルーメ エデナ「ナリッシングリップバーム」
価格1782円

「マカデミアナッツオイルと東京利島産椿油を主性分に、オーガニックシアバター、アルガンオイル、モリンガシードオイルを配合しています。高知産の良質な柚子とジンジャー精油を使って、ほんのり香る微香タイプのリップバームです」(ブルーメコスメティクス・堤梓さん)

 

移動が楽に感じる出張ルック

出張で困ることのひとつに、「移動中に洋服がしわになる」「重たい荷物を持って歩くのでパンプスで足が痛くなる」など、服装にまつわるトラブルがあります。快適に移動するために、どんな服装をチョイスしたらよいか、高城さんおすすめのアイテムを聞きました。

 

・足が痛くならない! 軽くて脚がキレイに見えるパンプス

徒歩での移動が多くて困っていたときに高城さんが見つけたパンプスは、ビジネスシーンでも使えるシンプルなデザインと履きやすさが魅力のヒールシューズ。


ヒルズアヴェニュー「プレーンウェーブソールエア」
価格1万9440円

「軽量化とクッション性を両立させるパイロン製のソールを使っており、軽さはブランド史上最軽量の約175gです。脚をキレイに見せる4.5cmのヒール高ながらも、フロント部分との高低差を3cmに抑えたので、長時間履いたときの疲労を軽減します。艶やかなエナメルのブラック、ネイビーに、新色の2018AWはスエードとパイソン柄が登場し、暗くなりがちなビジネスファッションの差し色にも活躍してくれます」(ヒルズアヴェニュー販売店・PRAIA 大西博之さん)

 

・疲れにくいのにきちんと見えるビジネスファッション

長時間座っていなければならない新幹線や飛行機などでの移動は、洋服にシワがつきやすく、堅苦しい服は着ているだけで疲れてしまうものです。高城さんおすすめのブランド、スタニングルアーには、ほど良いゆとりがありながらも、ビジネスシーンにもきちんとして見える洋服が揃っています。

スタニングルアー
左:「STUNNING LURE × Dickiesコラボパンツ」
価格1万9440円

右:「ハイツイストニットブルゾン」
価格2万3760円

「パンツは、キレイなシルエットを保ちながら、ヒップまわりから足にかけてほど良いゆとりがあるつくりです。移動時にも疲れやすく、リラックスして履いていただけます。また、ニットブルゾンは軽い素材感でコンパクトにまとめられ、持ち運びに便利です。冷房対策に、一枚お持ちいただくのがおすすめです」(スタニングルアー・箭内亮介さん)

 

次の出張に向けてトラベルグッズを準備し、快適に過ごせるホテルやディナーの場所などを調べてみましょう。心身そろっての充実が、出張成功のカギです。

 

【プロフィール】


商品開発・PRコンサルタント 高城良子さん

タキアソシエイツ株式会社代表取締役。元ANA国際線キャビンアテンダント。商品企画開発。PR コンサルタント。現在、ホテル・旅館などリゾート施設の顧問として、オリジナルのお土産の開発、オーガニックアメニティの導入など、出張をともなう仕事も多い。

 

GetNavi webがプロデュースするライフスタイルウェブメディア「@Living」(アットリビング)

at-living_logo_wada

旅の不便解消は「ホムセン」におまかせ!! あると便利なトラベルグッズ

日常とは切り離された時間を過ごす旅行中は、些細な不便ごとが意外とストレスになります。ここではそんな旅の不自由を解消するアイテムをピックアップ。これで快適な旅が送れるはず。

 

その1

ロックしたまま引いてもタイヤを傷めない特別仕様

カインズ

キャリーケース「TRADDYストッパー付き

1万2800円〜

2015年にグッドデザインアワードを受賞。軽量素材ポリカーボネート100%で耐衝撃性に優れています。走行中にグリスが供給されるグリスパックタイヤが、滑らかな動きと静音走行を実現。3サイズ(※)展開。

※:キャスターを含まない本体の高さが48㎝、60㎝、66㎝の3種。写真は60㎝

↑坂道や電車内で動かないようにタイヤにロックがかけられます。後輪ロックが一般的ななか、前輪ロックを採用

 

↑ロックをかけたまま引いても、前輪ロックなら地面から前輪(ハンドルの反対側)が浮くためタイヤを傷めません

 

 

その2

旅行中の身体と顔の不快感をスッキリ拭う

DCMホールディングス

MEN’S ボディシート(30枚・写真上)/MEN’S フェイシャルシート(42枚・写真下)

267円(ボディシート)/213円(フェイシャルシート)

長時間のフライトや夏場のレジャーで気になるベタつきや汗を拭きとるシート。化粧品メーカーの商品に比べ約半額とお手ごろです。フェイシャルシートはひんやりした使用感のクールタイプもあります。

 

 

その3

におわず清潔性を保てる綿100%のタオル

DCMホールディングス

抗菌防臭タオル

159円(ハンドタオル)/537円(スリムバスタオル)

抗菌防臭効果が使用後や部屋干し時の嫌なにおいを防ぎます。キャンプや登山などのアウトドア、ホテルでの部屋干しが必須な長期旅行に最適。綿100%でふんわりとした手触り。フェイスタオルや大判バスタオルもあります。

 

 

その4

いざというときのためにあると安心できる!

カインズ

エチケット袋にもなる携帯トイレ EKT-1526

298

エチケット袋としても使える携帯トイレ。凝固剤入り尿処理袋と持ち帰り用の袋が3セット入っています。尿処理袋は丈夫なポリエチレン素材。

↑袋はプラスチックの口付き。携帯トイレ、エチケット袋どちらの場合も使いやすいです

 

【もっと詳しく知りたい方はコチラ!】

ドン・キホーテ&業務スーパー 殿堂入りベストバイ
680円+税/学研プラス

ドン・キホーテの激安テレビ&家電から業務スーパーで大人気の大容量食品まで、おトクなアイテムだけを集めた1冊。紹介している商品はすべて専門家のお墨付きを得たものばかり。注目度が高いホームセンターの逸品もピックアップ!

【夏の本まとめ】アウトドアからインドアまで――いつもとは違った「夏休み」を送るための4冊

夏休みは取れたけど、これといって何をするのか決めていない、計画を立てるのすら面倒くさいというあなたに、「いつもと違う夏を過ごす」ためのガイドブック4冊を紹介します。これで、無為な夏休みから抜け出せるに違いありません!

 

 

【その1】ひと味違う夏の旅行にしたい人にオススメの1冊

 

旅行には行きたいけれど、どこに行きたいかは決まっていないあなた。富山県はいかがですか?<「富山県のひみつ」――13の鉄軌道に乗って富山を味わい尽くせ>で紹介されている「富山県のひみつ」は、富山の魅力を余すことなく紹介したマンガです。

 

同県は、黒部ダム、おわら風の盆、世界遺産の五箇山合掌造り集落などの観光や、ほたるいか、ますの寿司など日本有数の美食の宝庫でもあります。それだけでなく、実は、鉄道ファン垂涎の、ローカル線の宝庫でもあるのです。

 

例えば、黒部峡谷鉄道は、富山を訪れたらぜひ乗りたいローカル線の筆頭でしょう。もともと電力会社が水力発電の電源開発のために建設された鉄道なのですが、日本三大峡谷のひとつである黒部峡谷の絶景を楽しめるとあって大人気の路線です。他にも地元出身のレジェンドマンガ家の人気キャラたちとコラボしているJR氷見線と万葉線など、親子連れでも楽しい鉄道も多く走っています。

 

ひとりで行っても、家族で行っても楽しい富山県の鉄道の旅、オススメです!

 

■「富山県のひみつ」
https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405916857

 

 

【その2】キャッチ&イート! この夏「海釣り」を始めたい人への入門書

 

この夏に何か新しことを始めたい! 夏と言えば海! ということで、今年の夏は「海釣り」に挑戦してみませんか?<『図解でよくわかる海釣り入門』――この休み、海釣りデビューしてみませんか?>では、「図解でよくわかる海釣り入門」を参考に、海釣りデビューのスポットを検討します。

 

一口に海釣りといっても、いろいろな種類があるようで、防波堤やイカダ、小磯、砂浜に加え、海釣り専用の釣り堀や海釣り公園という場所もあるそうです。初心者向けなのは、海釣り公園か釣り堀。東京から近いところでは、江東区の若洲海浜公園や大井ふ頭中央海浜公園に海釣り施設があるようです。また、神奈川県の川崎市の扇島西公園や浮島つり園などもオススメです。

 

海釣りの種類と入門用の用具、釣り方など、海釣り入門のための基礎中の基礎を、イラストで解説している「図解でよくわかる海釣り入門」はまさに海釣りビギナー向けの書籍です。本書を読んで、海釣りデビューを検討してみてはいかがでしょうか? 自分で釣った魚をビールとともに食べる! 最高の夏があなたを待っています!

 

■「図解でよくわかる海釣り入門」
https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405912892/

 

【その3】夏こそオトナのDIY! ひと味違う休みを堪能する1冊

 

わざわざ人手の多いところに出かけるよりは、自宅でなにか休みらしいことをしたい。そんなあなたに提案したいのは「ピザ窯作り」!<「ピザの味は窯で決まる」ならば、ピザ窯から作ればいいじゃないか!>では、筆者が「DIYでピザ窯を作る本」を眺めながらマイピザ窯の構想を練っています。

 

ああ、憧れるなあ。筆者のようなマンション住まいの人間にとって、マイピザ窯は見果てぬ夢なのだろうか? 煙の問題もあるから、さすがにベランダに作るのは無理だろう。何か方法はないだろうか? 自分の手でおいしいマルゲリータを焼き上げたい。それを隣人たちに振る舞ってみたりもしたい。マイピザ窯というなんとも贅沢な妄想を抱く筆者が、この1冊を見逃すわけがないのだ。

 

「DIYでピザ窯を作る本」では、ピザ窯の基礎知識、作り方、そして楽しみ方までを豊富に紹介。ピザを食べるためにピザ窯から作り始める。なんともオトナな香りがします。この夏、己のDIY魂に火をつけ、ひと味違う休みの過ごし方をしてみてはどうでしょう?

 

■「DIYでピザ窯を作る本」
https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405916528/

 

 

【その4】家にいながらゴージャスなバカンスを楽しめる1冊

仕事が忙しくて長い休みもとれない。でも、バカンス気分は味わいたい! そんなあなたにオススメなのが<『世界遺産の街を歩こう』――家にいながら「世界遺産」をバーチャル・トリップしてみませんか?>で紹介されている「世界遺産の街を歩こう」。

 

本書はヴェネツィア、フィレンツェ、ドゥブロヴニク、パリ街など、街や地域全体が世界遺産に登録されている場所を49か所厳選し、紹介。もし、どこにも出掛けられず家でため息をついている方がいたら、美しい写真を眺めているだけで旅した気分に浸れること間違いなしの1冊です。もちろん、これから旅に出掛ける方にはガイドブックとしても使ます。

 

さぁ、あなたならどこの世界遺産の街を歩きたいとですか? 実際に訪ねることはできなくても、この本が私たちを日本にいながら世界遺産の街へと連れて行ってくれるはず。

 

■「世界遺産の街を歩こう」
https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405912736/

国内旅行感覚では後悔する! 「ハワイ旅行」に持っていくと便利なもの5選

夏休み到来! 今年はどこに出掛けますか? 人気海外旅行先ランキングで、いつも上位に入っているハワイ。訪れる日本人の数も多く、主要観光地では日本語が通じやすいこともあって、国内旅行していると錯覚することがあるかもしれません。

しかし、ハワイはやっぱり外国。日本では当たり前にあるものがハワイにはなかったり、日本との違いを感じる場面も少なからずあります。そこで現地在住の筆者が、ハワイ旅行にぜひ日本から持って行くことをおすすめするアイテムをご紹介します。夏休みの旅行の準備に、ぜひ参考にしてみてください。

 

1:歯ブラシ・歯みがき粉

日本のホテルではビジネスホテルでも、部屋のアメニティとして、歯ブラシと歯磨き粉が用意されているのが普通。でもハワイのホテルでは部屋にない場合が多いんです。フロントに頼めばもらえることもありますが、ホテルによっては「自分で用意して」と言われる場合もあります。

現地のドラッグストアなどですぐに購入できますが、アメリカの歯ブラシは日本のものに比べてヘッド部分が大きくて使いにくため、日本から持っていったほうが無難でしょう。それに「歯を磨きたい!」と思ったときに、すぐに磨けないのはストレスに感じますよね。

 

2:スリッパ

ショッピングやビーチ遊びから帰って、ホテルの部屋でくつろぐときは、靴を脱いでゆっくりしたいですよね。日本のホテルでは簡易スリッパが用意されていますが、ハワイのホテルではほとんどありません。海に行くときに使うビーチサンダルをスリッパとして代用してもいいですが、簡易スリッパを持ってくれば、飛行機のなかでも使えるため便利です。

 

3:マスク

もう一つ飛行機のなかで持っていると役立つのがマスク。機内の空気はとても乾燥しているため、マスクをつけておけば、乾燥対策になります。行きの飛行機で「マスクが欲しい」と思って、帰りの便のために現地でマスクを探そうと思っても、ハワイではマスクはほとんど売られていません。性能の良い日本製を持っていくほうがずっといいでしょう。ただし、ハワイ到着後もマスクを付けていると、「感染症でも持っているのでは……」という目で周囲から見られる可能性もあるため、風邪などでない限りつけないほうがいいですよ。

 

4:ウェットティッシュ&ポケットティッシュ

ハワイ滞在中はビーチや公園などに出かけて、外出先でサンドイッチやおにぎりを食べることもあることでしょう。そんなときにさっと手を拭えるウェットティッシュは、やっぱり便利。食べ物をこぼしたときや洋服が汚れたときなどにも使えるうえ、かさばらないため、持っていって損はないはず。携帯用のポケットティッシュも、現地ではあまり見かけないため、日本から持って行くことをおすすめします。

5:クオーター(25セント硬貨)

コンドミニアム滞在派とレンタカー派の方は、持っていると役立つのが、現地で「クオーター」と呼ばれる25セント硬貨。コンドミニアムの共用洗濯機では、料金をクオーターで支払わなければならないタイプのものがあるんです。筆者が以前住んでいて、旅行者も多く滞在するコンドミニアムでは、共用洗濯機の料金は1回2ドル。クオーター8枚を毎回用意しなければならず、両替機があったのですが、1ドル札を入れても、4枚出てくるはずのクオーターがなぜか3枚しか出てきませんでした(クオーター1枚分は手数料として取られたのか?)。

 

また、レンタカーに乗って道端に駐車する「ストリートパーキング」を利用するときも、クオーターが役立ちます。クレジットカード払いができる料金メーターが増えてきていますが、旧式のものはコインしか入らず、クオーターがあると便利です。日本からわざわざ硬貨を持ってくる必要はありませんが、おつりでクオーターをもらったときは、それを別にしてキープしておくといいですよ。

 

ハワイ滞在を快適にするためには、日本から持ってくる荷物の工夫もやっぱり重要。ここで紹介したものも、ぜひ一緒に持って行ってみてはいかがでしょうか?

国内旅行感覚では後悔する! 「ハワイ旅行」に持っていくと便利なもの5選

夏休み到来! 今年はどこに出掛けますか? 人気海外旅行先ランキングで、いつも上位に入っているハワイ。訪れる日本人の数も多く、主要観光地では日本語が通じやすいこともあって、国内旅行していると錯覚することがあるかもしれません。

しかし、ハワイはやっぱり外国。日本では当たり前にあるものがハワイにはなかったり、日本との違いを感じる場面も少なからずあります。そこで現地在住の筆者が、ハワイ旅行にぜひ日本から持って行くことをおすすめするアイテムをご紹介します。夏休みの旅行の準備に、ぜひ参考にしてみてください。

 

1:歯ブラシ・歯みがき粉

日本のホテルではビジネスホテルでも、部屋のアメニティとして、歯ブラシと歯磨き粉が用意されているのが普通。でもハワイのホテルでは部屋にない場合が多いんです。フロントに頼めばもらえることもありますが、ホテルによっては「自分で用意して」と言われる場合もあります。

現地のドラッグストアなどですぐに購入できますが、アメリカの歯ブラシは日本のものに比べてヘッド部分が大きくて使いにくため、日本から持っていったほうが無難でしょう。それに「歯を磨きたい!」と思ったときに、すぐに磨けないのはストレスに感じますよね。

 

2:スリッパ

ショッピングやビーチ遊びから帰って、ホテルの部屋でくつろぐときは、靴を脱いでゆっくりしたいですよね。日本のホテルでは簡易スリッパが用意されていますが、ハワイのホテルではほとんどありません。海に行くときに使うビーチサンダルをスリッパとして代用してもいいですが、簡易スリッパを持ってくれば、飛行機のなかでも使えるため便利です。

 

3:マスク

もう一つ飛行機のなかで持っていると役立つのがマスク。機内の空気はとても乾燥しているため、マスクをつけておけば、乾燥対策になります。行きの飛行機で「マスクが欲しい」と思って、帰りの便のために現地でマスクを探そうと思っても、ハワイではマスクはほとんど売られていません。性能の良い日本製を持っていくほうがずっといいでしょう。ただし、ハワイ到着後もマスクを付けていると、「感染症でも持っているのでは……」という目で周囲から見られる可能性もあるため、風邪などでない限りつけないほうがいいですよ。

 

4:ウェットティッシュ&ポケットティッシュ

ハワイ滞在中はビーチや公園などに出かけて、外出先でサンドイッチやおにぎりを食べることもあることでしょう。そんなときにさっと手を拭えるウェットティッシュは、やっぱり便利。食べ物をこぼしたときや洋服が汚れたときなどにも使えるうえ、かさばらないため、持っていって損はないはず。携帯用のポケットティッシュも、現地ではあまり見かけないため、日本から持って行くことをおすすめします。

5:クオーター(25セント硬貨)

コンドミニアム滞在派とレンタカー派の方は、持っていると役立つのが、現地で「クオーター」と呼ばれる25セント硬貨。コンドミニアムの共用洗濯機では、料金をクオーターで支払わなければならないタイプのものがあるんです。筆者が以前住んでいて、旅行者も多く滞在するコンドミニアムでは、共用洗濯機の料金は1回2ドル。クオーター8枚を毎回用意しなければならず、両替機があったのですが、1ドル札を入れても、4枚出てくるはずのクオーターがなぜか3枚しか出てきませんでした(クオーター1枚分は手数料として取られたのか?)。

 

また、レンタカーに乗って道端に駐車する「ストリートパーキング」を利用するときも、クオーターが役立ちます。クレジットカード払いができる料金メーターが増えてきていますが、旧式のものはコインしか入らず、クオーターがあると便利です。日本からわざわざ硬貨を持ってくる必要はありませんが、おつりでクオーターをもらったときは、それを別にしてキープしておくといいですよ。

 

ハワイ滞在を快適にするためには、日本から持ってくる荷物の工夫もやっぱり重要。ここで紹介したものも、ぜひ一緒に持って行ってみてはいかがでしょうか?

何が書いてある? それっていったいどんな意味?「御朱印」の真実

お寺や神社で参拝したときにいただく「御朱印」。墨書の内容も印のデザインも、それぞれの社寺オリジナルなので、集めるのも楽しいものです。

 

では、そもそも御朱印にはどんな意味があり、なんのためにいただくのでしょうか? “御朱印ブーム”のなか、まるでスタンプラリーのような感覚で集印することで見逃されがちな、本来の意味や、そこになにが書かれているのかなど、御朱印の基本をチェックしてみましょう!

 

Q1.「御朱印」ってどんなもの?

寺院や神社で、参拝の証としていただける印状のこと。B6判くらいの和紙などに、社寺やそこの本尊の名前が墨書され、朱色の印が押されます。

 

Q2. 歴史的にはいつから存在する?

その歴史は意外に浅く、江戸時代以降とされています。元々は、四国八十八箇所や西国三十三箇所といった巡礼の際に、“信者が奉納した写経と引き換えにもらうもの”でした。その名残で「納経印」とも呼ばれています。この元をたどると、鎌倉時代にさかのぼるともいわれています。

旅が一般化するにしたがって“現地にたしかに行った”証として、一般の人々に浸透していったと考えられます。神社には、明治時代に広まったようです。

 

Q3. 御朱印にはなにが書かれている?

お寺か神社か、さらに宗派によっても書かれる内容が異なります。一例を挙げてみましょう。

 

・寺院の御朱印

お寺の御朱印では、中心になるのは御本尊やお堂、宗祖の名。下のように、お寺が大事にする経文が書かれることもあります。

↑京都・宝厳院の御朱印

 

1:謹んで拝みます、を意味する「奉拝」
2:御本尊の名など ここでは「念彼観音力」(ねんぴかんのんりき)という法華経の経文
3:参拝日
4:寺院名 寺が置かれた山の名“山号”が添えられることも
5:この寺院を表すモチーフの印 ここでは「嵐山羅漢」の印。寺院内や周辺に並ぶという奉納された石仏のこと
6:御宝印・三宝印
7:寺院印

 

また、日蓮宗では「妙法」と書いたものを「御朱印」、題目「南無妙法蓮華経」を書いたものを「御首題」と呼んで区別しています。お寺によっては、すでにほかの御朱印が書かれた帳面には御首題は書かず、御朱印に限る場合もあるようです。

 

・神社の御朱印

神社の御朱印は、比較的シンプル。神社名や神社印が中心となります。

↑京都・貴船神社の御朱印

 

1:御祭神名
2:神社名
3:参拝日
4:神社印
5、6:神社にゆかりのある印やモチーフ

 

Q4. お札とはどう違う?

社寺で授与されるものといえば、「お札」があります。これはお祓いや祈祷がされ、その社寺の神仏のいわば“分身”としていただくもの。対して御朱印は、あくまで参拝した証明書ですから、正確にはご利益を求めるものではありません。

ただし、神職や僧侶の直筆によって、本尊のお名前などを墨書したものですし、御朱印を受ける=社寺に参拝して功徳を積むことでもあるため、謹んで受け保管すべきです。

 

Q5. いただくときのお参りはどうすればいい?

通常、お寺や神社に参るときと同様です。正しい手順については、こちらを参照してください。

 

Q6. 御朱印はどうやって保管すればいい?

「御朱印帳」を持参して書いていただく、あるいは社寺が用意した紙に書いて授与される、のいずれかです。御朱印帳は、オリジナルを売店で販売している社寺があるほか、文房具店や雑貨店でもさまざまなデザインのものが販売されています。

また持ち帰った御朱印や御朱印帳は、仏壇や神棚があれば上げるといいでしょう。ただ、社寺でいただいたという謹んだ気持ちで粗末に扱わなければ、本棚などに保管して問題ありません。

↑一般的な御朱印帳。中ページは屏風のような蛇腹折りになっている。榛原「御朱印帳」1836円

 

Q7. 社寺に行かなくても授与される?

御朱印とは参拝した証明書。本来は険しい旅を経て霊場を巡ることでご利益を得ようとした巡礼の証ですから、その場に行っていただくのが基本です。ただし一部の社寺では、健康上の理由で現地に行かれない人のために郵送に対応しているところもあるようです。

社寺に行くのはあくまで参拝が目的ですから、御朱印集めが目的にすり替わってしまったり義務感とならないようにご注意を!

 

さて、上で例に挙げた御朱印はすべて京都の社寺のもの。どういったところでいただけるのでしょうか?

さて、そんな御朱印を集めるのにもってこいのチャンスがあります。京都の由緒ある社寺10社をめぐる、新緑のシーズン限定の御朱印拝受ツアーです。

 

古都の社寺を巡り御朱印をいただく

京都といえば、春の桜か秋の紅葉。そんなイメージが強いのですが、実は合間のシーズンにも京都の美しさを充分に堪能できることは、まだあまり知られていません。

京都の1年を通して大きな寒暖差が奏功して、秋は赤々と色づく紅葉が、春に新しい葉をつけ徐々に葉の緑が色濃くつやを増していく、これもまた美しい季節なのです。緑の色合いを変化させながらも春から夏まで長く楽しめるので、前々から予約し予定を合わせて出かけたのに時機を外してしまった……そんなハズレがないのも、またオフシーズンなので人も少なめで交通機関にもホテルにも比較的余裕があるのもうれしいところです。

 

近年は、この“青もみじ”に合わせて特別拝観や庭園のライトアップを行う社寺も増えています。そういったチャンスを生かして、社寺をめぐって歴史や美しさにふれながら御朱印をいただきましょう。それこそ御朱印をいただく本懐というものですね。

 

・貴船神社

全国に500社ある「貴船神社」の本社。鴨川の源流に位置して、水、降雨・止雨を司る龍神、高龗神(たかおかみのかみ)を祀っており、1300年前には建て替えが行われたと伝わるほど、起源は古くまでさかのぼります。

 

所在地=京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
電話番号=075-741-2016
受付時間(御朱印の授与)=9:00〜17:00 ※ライトアップ期間中は時間延長
http://kifunejinja.jp/index.html

↑本宮につながる石段の灯篭と青もみじのコントラストが美しい

 

↑特別御朱印では、左下に青もみじと、同社が水神を祀っていることにちなんだ波紋をかたどった印が押される

 

↑上写真の参道など、神社の各所を照らし出す「新緑のライトアップ」も期間限定で実施(2018年5月26日・27日、夕暮れ〜20時)
↑絵馬発祥の地とされる同社。このシーズン限定で、青もみじの絵馬が登場する

 

↑京都市内の料亭の料理人たちも汲みにくるという御神水

 

・宝厳院

臨済宗天龍寺の塔頭(たっちゅう)寺院のひとつ。素朴な茅葺の山門と、室町時代に嵐山を借景として作られた回遊式庭園が有名です。この庭園「獅子吼(ししく)の庭」へは、春と秋の特別拝観時のみ入場できます。

 

所在地=京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町36
電話番号=075-861-0091
春の特別拝観=3月17日〜6月30日
営業時間=9:00〜17:00
http://www.hogonin.jp/

↑庭の中央部にある、獅子がうずくまっているような形の巨石「獅子岩」。ちなみに「獅子吼の庭」の“獅子吼”とは、仏が説法するという意味だとか。庭を散策しながら、人生の心理や道を肌で感じ、心を癒すという

 

↑特別御朱印では、「獅子吼の庭」をプリントした厚めの紙を使用している

 

↑苔むして禅宗らしい素朴さが感じられる茅葺門。御朱印は門を入って左の売店で受けられる

 

・常寂光寺

百人一首にも詠まれた“小倉山”は、当時京都中心部から牛車などで日帰りできる観光地として貴族に愛された場所。ここ日蓮宗・常寂光寺の土地には、平安時代に藤原定家の山荘「時雨亭」があったとされています。

 

所在地=京都府京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
電話番号=075-861-0435
拝観時間=9:00〜17:00
http://www.jojakko-ji.or.jp/

↑ふもとにある仁王門。仁王像は、運慶作とされている

 

↑特別御朱印は黄色の紙に書かれている。これは、かつて経文など寺の重要な書物に、虫除けのために使っていたウコン紙をモチーフにしたものだとか

 

↑庭園が小倉山の傾斜地に広がっており、てっぺんの展望台まで登ると、京都市内を見渡す抜群の眺望を拝める

 

↑嵯峨野名物の竹林と、青もみじの競演が見事

 

【旅情報】

「古都京都の青もみじ&御朱印めぐり」

新幹線の往復チケットと特別御朱印授与券、その御朱印めぐりに便利な1dayチケットがセットになったプラン。上記3社寺をはじめ京都市内の10社寺(上のほか、下鴨神社、河合神社、神護寺、東福寺、曼殊院門跡、東寺、北野天満宮)とコラボレーションしており、各所で特別御朱印が受けられます。

↑京阪電車・叡山電車1dayチケット(特別版)、京都地下鉄・嵐電1dayチケット。さらに特別御朱印授与券2枚が付き、10社寺から2ヶ所でこのツアーだけの特別御朱印を受けられる。3ヶ所目以降でも、台紙を提示すれば代金を払って拝受が可能

 

また6月中旬までの限定開催日のみ、通常非公開の瑠璃光院が庭のもみじをライトアップしており、このツアーのオプションとして、予約で参加が可能。この機会に訪れてみては?

 

・瑠璃光院

岐阜の浄土真宗無量寿山光明寺を本坊とする支院。水を引き入れた庭園が美しく、特に2階の書院にあるテーブルに写り込んだ「瑠璃の庭」は、SNSでも話題。通常非公開ですが、春と秋のみ特別拝観を行っています。

 

所在地=京都府京都市左京区上高野東山55
電話番号=075-781-4001
春の特別拝観=4月15日〜6月15日
拝観時間=10:00〜17:00
ライトアップ実施日=2018年5月26日・27日、6月2日・3日・9日・10日
ライトアップ時間=19:00〜20:30
※ライトアップは別途予約が必要です
http://rurikoin.komyoji.com/
http://souda-kyoto.jp/travelplan/rurikoin_yase_sp/

↑今回初めて、自慢の庭園がLEDでライトアップされる。日中は冴え冴えと美しい青もみじが幽玄な雰囲気に一変。ライトアップ各日人数限定

 

↑瑠璃光院の徒歩圏内にある「八瀬もみじの小径」も同時にライトアップ。こちらは公道なので、予約不要

 

撮影・取材・文=@Living編集部

 

GetNavi webがプロデュースするライフスタイルウェブメディア「@Living」(アットリビング)でくわしく読む

at-living_logo_wada

「住む」がビジネスに!? ノマドワーカーがついに辿り着いた家とは?

世界中を旅しながら、好きな文章を書いて暮らす。物書きや旅行が好きなら誰もが一度は夢見てしまう、そんな生き方を約2年間にわたって実践している女性がいます。「これからの暮らしを考えるウェブメディア」として2015年に生まれた「灯台もと暮らし」の創刊編集長であり、エッセイスト、トラベルライター、フォトグラファーとしても活動する伊佐知美さん。彼女は2016年4月から現在にいたるまで、文章を書きながら世界約40カ国100都市を旅し、“家をもたない暮らし”を続けてきました。

 

インタビューの前編では、伊佐さんが世界一周の旅に出た理由、そして約2年間の旅の道程で、“東京に家(拠点)がほしい”という本音に気付くまでの過程を追いました。後編となる今回は、そんな彼女が東京・三軒茶屋でついに見つけた家をご紹介します。

 

“旅と家(たびといえ)”を逆さから読んで、“えいとびたー”と名付けられたこの家は、伊佐さんとほか4人の旅人がともに暮らすシェアハウス。どんな経緯からこの暮らしが始まり、ここから一体どんなことが始まろうとしているのか……? 伊佐さんの気になる胸の内をたっぷりと伺いました。

 

家が欲しくてたまらないのに家を持つことが怖かった

「これってたぶん誰にも理解してもらえないと思うんですけれどね。私、つい最近まで家を持つことが本当に怖かったんです。理由はいろいろあるのですが、大きくいうと精神的な面と経済的な面で。例えばお金のことでいえば、ずっと旅暮らしを続けていると、すべての物価を航空券に換算するクセがついてくるんです。具体的にいうと、ベッドが4万円するとなったとき、同じ値段でタイへの往復航空券が買えるなって考えてしまったり。引っ越し費用に50万円払うなら、南米にでも行って1ヶ月くらい暮らせば語学学校まで通えちゃうなとか。今までは家賃がなかったから、その分がそのまま旅の費用に充てられていたけれど、もし家を持ったら固定費が発生するし、そこに帰る義務みたいなものが発生するなぁって思えちゃって(笑)。あと、その暮らしを契約期間の2年間ずっと続けてしまったら、いつかそっちの方が日常になっちゃうんじゃないかなって」

 

2年前に旅立った時点では、まだ結婚もしていた伊佐さん。誰かとともに帰る家があることの温かさや安心感を知っていたからこそ、踏ん切りがつかなかったところもあるようです。

 

「今は独身なので、もちろん最初はひとり暮らしをすることを考えました。でもその時点でも今でも、私の中で大きく決まっているのは、これからも旅と一緒に生きていきたいっていうことだけ。旅の拠点は欲しいけれど365日住むわけでもないですし、このタイミングで東京にひとり暮らしの家を借りるって、本当に自分が今やるべきことなのかなぁって。一般的には当たり前の暮らしなのかもしれないですけれど、それが自分に必要なことなのかどうしても分からなくて、何だか怖くなってしまったんですよね」

 

↑日当たりのいい大きな窓には、まだカーテンが間に合っていない状態。アジアで買った布や、絵本や詩集などを並べて、ディスプレイ棚の役割をもたせつつ、華やかな空間を創り出しています

 

決め切れない気持ちに変化が起こったのは、昨年末のこと。同じ旅人でライターでもある友人・古性のちさんと、下北沢でAirbnb(宿泊施設や民泊のシェアサービス)をシェアしたときでした。

 

「彼女とは、下北沢の前にタイでも数日一緒に過ごしたことがありました。そして下北沢で10日間くらい一緒に暮らしたとき、気付いたんです。“旅人”っていう自分と似たような生活スタイルをもつ人と暮らすのって楽しいし、経済的にも合理的、その上自分の周りの人たちも集まれるから、なんだかわくわくが増える選択なんだなって。そこからまず、私と古性さんとで一緒に暮らしてみようかという話になりました。その後どこで暮らそうかと場所を考えたりしているうちに、もっと人が増えてもいいんじゃないかって思うようになって。それから12月末に、ふたりでシェアハウスを作ってみようという、具体的なイメージが決まったんです」

 

↑世界中の土地々々で、快適なスペースをみつけては“書斎”としてきた伊佐さん。家をもったことで、そのワーキングスペースにも定位置ができました

 

旅人による旅人のためのシェアハウスをつくる

海外を旅するときは、2~3ヶ月間日本を離れることも珍しくありません。ふたりだけでひとつの家をシェアしても、長期間家を空けてしまうリスクは残りました。でも、身の回りにいる親交の深い旅人たちをもっとたくさん集めてみれば、自分たちの思うような、持続可能なシェアハウスができるかもしれない。そこで伊佐さんたちは、一緒に暮らせそうな友人らに声をかけることにしたのです。

 

「私と古性さんを含めて、最初のメンバーは全部で5人です。声をかけたひとり目は、私たちの共通の友人でWebメディア『TABIPPO.NET』編集長のルイス前田くん。彼はこれまでに二度も世界一周をして、昨年はアメリカ横断を仕事でもしちゃうような人で、最近は実家の成田から東京の会社まで通っているのを知っていました。家が欲しいはずだから『一緒に借りない?』と誘ってみたら『いいよ!』って言ってくれて。もうひとりは、anan webで『移動する同棲生活』という連載をしていたライターの前田麻衣さん。彼女は私のライティング講座に通ってくれていた女性で、私がアシスタント募集をかけたところに応募して下さっていたのですが、同じ“旅人属性”だし、もしかしたら一緒に暮らせるのかも?と思いました。なんかこれ、多分常識ハズレの行為なのは分かってるんですけれど、ちょうどアシスタントの最終選考があったので、面接で『アシスタントよりも一緒に暮らすのどう!?』って口説いちゃったんです(笑)。麻衣ちゃんのパートナーで一緒に同棲生活をしてきた『IMAGINAL』代表の脳内アーティスト・稲沼竣くんも一緒に快諾してくれました」

 

↑ベトナムで買った、手作りのバッグやアクセサリーが、真っ白な壁によく映えます

 

家探しはメンバー探しとほぼ同時進行。以前『灯台もと暮らし』の取材で知り合った不動産関係者を頼りに世田谷近辺で2~3軒を回ったそう。年末にスタートして年内に内見というスピード感でしたが、伊佐さんたちのワクワクする気持ちが運を引き寄せたのかもしれません。三軒茶屋から徒歩2分、2階建70平米の一軒家という、ドンピシャな物件を早々に見つけました。

 

「家賃は約20万円だから、光熱費を含めても費用は大体ひとりあたり5万円程度。1Fにも2Fにもキッチン、浴室、トイレがある不思議な二世帯住宅で、全面DIYしてOK、という願ってもいない条件でした。全員フリーランスで旅人っていう人たちなので、契約の締結までは少し時間がかかりましたが(笑)、最終的には契約することができました。初めて5人全員が顔を合わせたのは、実は契約の当日。世の常識で考えたら『大丈夫か!?』って思われると思うし、私もそもそもシェアハウスは初めてなので、不思議な気持ちはあったんだけど」

 

メンバーには出会って間もない人もいれば異性もいます。一般的な感覚でいえば躊躇しそうなところですが、みんながふたつ返事で快諾したのはなぜだったのでしょう。

 

「それはきっと、メンバーに“旅”っていう共通項があったからかな。いろんなライフスタイル、ライフステージ、人生経験を持っている人がいるなかで、私のように30歳を越えて旅の優先順位を高くして生きられる人って、実はとても少ないんです。まずその時点で、みんなが同じ価値観を共有できているという認識はありました。古性さんが言っていたんですけど、それってもう“キレイな熱帯魚とか普通の魚がたくさん泳いでいる広い海で、自分と同じウーパールーパーを見つけたようなキモチ”なんですよ(笑)。それに旅してる人ってね、細かいことを気にしたら生きていけないので、色んなことを許せるようになってくるんです。みんなそういう生活を年単位で経験している人たちだから、最初から仲間意識がありました。

実際楽しいんですよね。『今度の6月にちょっとみんなでベルリン行こうよ』なんて誰かが突然言い出しても、『いいね!じゃあ何日に現地集合にする?』って返事が即返ってきますから。普通だったら仕事どうするの?とか、お金は?とか、絶対なるじゃないですか(笑)」

 

↑大きな姿見が括り付けられ、かつて板間だったと思われるスペースとぶち抜きでリノベーションした約15畳の居間。取材にうかがった日は、本格的に住み始めてまだ2日目! 初めて自分の布団を敷き、寝て起きた記念日だったそう

 

こうしてシェアハウスを作ると決めた当初から、伊佐さんやメンバーたちの頭の中にはさまざまな構想が浮かんでいたといいます。その構想とは……?

 

ここに“住むこと”をビジネスにできないか?

“旅と家”を逆さから読んで“えいとびたー”と名付けられたこの家、この暮らし。実はシェアハウスを作ると決めた当初から、伊佐さんやメンバーたちの頭の中にはさまざまな構想が浮かんでいたといいます。

 

「自分たちが旅をしていたとき、すごく困ったのが、東京の宿やAirbnbはやっぱり高くて、泊まるところがなかなか見つからなかったこと。私たちはここを広い意味での旅人のためのシェアハウス、これからの“旅をしながら暮らす人”のひとつのモデルケースにできたらいいなって思っているんです。たとえば誰かが3ヶ月旅に出るなら、その間、東京に短期間の住まいが必要な別の旅人が住めばいい。もちろん誰でも良いわけではなくて、各メンバーが信頼を置いている知り合いに限り、というのが最初はいいかなとは思っていますが……。

あえて“えいとびたー”と名前をつけてロゴを作って、連続イベントなどを始めてみたのも、この新しい生き方、住まい方、働き方をビジネスに繋げていけたら、もっと持続可能な旅ができるかもしれないという思いがあるからです。せっかく三軒茶屋徒歩2分という好立地でDIYもできる物件なので、もっと楽しいことを仕掛けられたらいいなって」

 

そもそも旅人ばかりが集まったシェアハウスなので、入居当初は伊佐さんが知人からもらった必要最低限の家電製品しかなかったこの家。どの部屋をどのメンバーが使うかも一応は決めてありますが、5人全員が揃う機会は伊佐さんいわく「滅多にない」ので、今後家の中がどんな風に変わっていくのかはまだ誰にも分かりません。

 

「個々が自分の家具を買って自分の部屋を独自に完成させるというよりも、DIYで壁にディスプレイ棚を取り付けたり、開閉式のテーブルを作り付けてコワーキングスペースを作ったり……といったことを考えています。一応自分の部屋はあるけれど、そこでイベントをすることもあれば、代わりに誰かが住んだりってこともあるという。今のところ、光熱費はその月に家にいる・いない関係なく等分ですが、食事やその他の家事についてはあまり細かいルールを決めていません。まだ暮らし始めたばかりだから大きな問題は起こっていないけれど、メンバーの誰かがすごくガマンをしたりするのはイヤだから、言いたいことはちゃんと言えるようにコミュニケーションをとっていきたいかな」

 

↑伊佐さんの部屋は、空いたままの壁面にDIYでディスプレイ棚を取り付けたり、開閉式のテーブルを作り付けて簡易デスクにしたり、コワーキングスペースとしての機能をもたせることも予定しているそう

 

旅先でも日常のなかでも人と関わっていたい

海の見える街でアトリエのある家に住んでみたい。前回のインタビューでそんな夢を語っていた伊佐さんですが、始まったばかりのこの暮らしは、それとは全く違う形をしていました。

 

「もちろんそういう家もいつかは建ててみたいんです。だから“えいとびたー”は終の住処というイメージで作ったわけではありません。でも今のところ私にとって、東京のこの家は自分が戻ってきたい場所。自分でもなんで一人旅ができるんだろう?ってたまに不思議に思うくらいなのですが、実はすごく寂しがりなんですよね。以前東京で普通に暮らしていたころは、寂しくなると終電間際でもどこかに遊びに行けたし、そこで誰かに会えた。でも一方で私はひとりの時間もすごく必要なタイプで、初めての本を書くとなったとき、孤独にならなきゃ書けないかもしれないと思ったんですよね。それが世界一周の旅に出たひとつの理由でもありました。知らない街で四季の移り変わりを見て、知らないごはんを食べて。そうやって本当にひとりになれば、もしかしたら創作意欲が刺激されるんじゃないかって期待した部分もありました。

それはたしかにそうで、これからも必要な時間なのだけれど、これからずっとそれだけを続けるイメージは持てなくて。なんでかっていうと、ひとりで過ごす時間は『ただただ静かな人生』だったから。景観や自分が触れる物がどんなに美しくても、人と関わらないと、私は劣化していくのかなってすごく思ったんですよね」

 

いつか海の見える丘の上にお気に入りの家を建てたとしても、そこにはたくさんの人を呼びたい。そう語る伊佐さんにとって、家とはもしかすると“人”そのものなのかもしれません。

 

「今後どんなことが起こるかは未知数だけれど、“えいとびたー”は今の時点の自分にとって、いちばん理想としていた形になったと思います。この物件はちょっと珍しくて契約期間が5年もあるのですが、それまで同じメンバーが住み続けているかどうかも今は分かりません。今後三軒茶屋の駅の周りに再開発の話も出ているので、10年後にはこの建物そのものもなくなっているかもしれませんしね。ただ今は、この新しい暮らしにすごくワクワクしている状態。私は海外のドミトリーをよく利用してきたのですが、こういうスペースにいろんな人が出入りすることで、新しい何かが始まるっていう場面をたくさん見てきました。私もそもそも頭の固い人間なので全く心配がないわけではないですけれど(笑)、そういう暮らしを自分の家で一度やってみるのもいいかなって」

 

【プロフィール】


編集者/伊佐知美さん

1986年新潟県生まれ。Webサイト「灯台もと暮らし」創刊編集長。エッセイスト、トラベルライター、フォトグラファー、オンラインサロンの主宰、イベント登壇といった活動に取り組む。2017年に「灯台もと暮らし」での移住者への取材をもとにした初の著書『移住女子』(新潮社)を上梓。同年秋には、オンラインコミュニティ「旅と写真と文章のSlackコミュニティ」を新たに立ち上げた。

灯台もと暮らし http://motokurashi.com/

 

何気ない日常を、大切な毎日に変えるウェブメディア「@Living(アットリビング)」

at-living_logo_wada

『世界遺産の街を歩こう』――GW、家にいながら「世界遺産」をバーチャル・トリップしてみませんか?

世界遺産の街を歩こう』(学研パブリッシング・編/学研プラス・刊)は、街や地域全体が世界遺産に登録されている場所を49ヵ所厳選し、紹介した本。もし、このGWどこにも出掛けられず家でため息をついている方がいたら、ぜひおすすめしたい。美しい写真を眺めているだけで旅した気分に浸れること間違いなしの一冊だ。もちろん、これから旅に出掛ける方にはガイドブックとしても使える。

 

 

 

意外と知らない世界遺産の基本とは?

2017年の時点で、世界遺産総数は1073件。「祝!○○が世界遺産に登録!」というニュースが毎年のように飛び込んでくるが、そもそも「世界遺産って何?」と聞かれて、あなたはそれを明確に答えられるだろうか? 本書ではこの基本を詳しく解説している。

 

世界遺産誕生のきっかけとなったのが、1960年に着工されたエジプト・ナイル川のアスワン・ハイ・ダムの建設だ。これによってヌビア遺跡が水没する恐れがあったため、遺跡内のアブ・シンベル神殿を移築することとなった。その後、歴史的価値のある遺跡や建築物を、国際的な組織によって守ろうという機運が生まれたのだ。

(『世界遺産の街を歩こう』から引用)

 

世界遺産とは、自然と人類の歴史によって生み出され、過去から引き継がれ、次世代に受け継ぐべき貴重な文化財や自然環境のことを指す。1972年のUNESCO総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づき、世界中の顕著で普遍的な価値のある文化遺産、自然遺産が選ばれることとなった。

 

ちなみに記念すべき世界遺産第1号は、アメリカのイエローストーン国立公園やエクアドルのガラパゴス諸島など12件だった。

 

 

街全体が世界遺産とは?

この本で厳選し紹介している世界遺産49件は、街やエリア全体が世界遺産として登録されているところだ。

 

「旧市街」、「歴史地区」、「古都」といった名称で呼ばれ、古くからの建物が密集している地域一体を指す。その地域のなかでも、特に重要とされる宮殿や寺院などの建物はリストのなかに記載されているが、ベンチや公衆トイレ、電話ボックスはどうかといえば、厳密な定義は成されていない。いずれにせよ、世界遺産の街では景観を壊すことがないようにさまざまな工夫が成されており、そうした努力の痕跡を見つけ出すのも、旅の楽しみの一つといえよう。

(『世界遺産の街を歩こう』から引用)

 

本書では、さらに世界遺産に登録されるための“登録基準”についても詳しく解説している。

何度でも行きたくなるヨーロッパの歴史散歩

本書ではヨーロッパで34件の世界遺産の街が紹介されているが、私が何度も訪れているにもかかわらず、また行きたいと思うのが、「北のヴェネツィア」と呼ばれるベルギーの“ブルージュ歴史地区”だ。

 

私たち家族は長年パリで暮らしていたが、日本からのお客が来るとパリ案内をしたあとは、必ずブルージュに連れて行った。パリから車で北に向かって2時間半走るとブルージュに着く。

 

ベルギーの北西部にあるこの街は「水の都」、「北のヴェネツィア」など、さまざまな異名で美しさを称えられる古都で、運河では白鳥が戯れるとてもロマンティックな街。連れて行った親族や友人たちは皆、ここが気に入り「わぁ~、素敵な街ね。さすが世界遺産」と言っていたものだ。

 

ブルージュの起源は、九世紀に初代フランドル伯のボードゥアン一世が築いた城塞とされる。切り妻屋根のフランドル地方特有の家々と、教会や鐘楼が建ち並び、街中には運河が流れている。そんな中世にタイムスリップしたような街並みは、「屋根のない美術館」とも称されている。

(『世界遺産の街を歩こう』から引用)

 

ブルージュでは観光用のボートに乗って街中を流れる運河をクルーズすると、この街の美しさを堪能できる。この他に厳選されているのが、北・西ヨーロッパ編では、イギリス・エディンバラ市街、フランス・パリのセーヌ河岸、スイス・ベルン旧市街、オーストリア・ウィーン歴史地区など8ヵ所。

 

南ヨーロッパ編では、バチカン市国、イタリア・ヴェネツィア、イタリア・フェレンツェ歴史地区、ギリシャ・コルフ旧市街、スペイン・古都トレド、スペイン・グラナダ、トルコ・イスタンブール歴史地区など18ヵ所。

 

東ヨーロッパ編では、チェコ・プラハ歴史地区、ハンガリー・ブダペストのドナウ河岸、ポーランド・ワルシャワ歴史地区、ロシア・サンクトぺテルブルグ歴史地区など8ヵ所。それぞれの街並みが、うっとりするような美しい写真とともに紹介されている。

 

 

アジア、中南米、アフリカの世界遺産の街も行ってみたい

私は”水”のあるところが好きなのかもしれない。アジア編のページをめくっていて「あっ、ここ素敵!行ってみたい」と思ったのが、中国の麗江旧市街だ。雲南省西北部の標高2400mに位置する麗江は、かつて少数民族ナシ族の王都として栄えた高原の都市。

 

旧市街には、水路や石畳が敷かれた通り、延々と連なるいぶし銀の瓦屋根の木造建築など、800年以上の時を経た今も当時の面影が残されており、ナシ族をはじめとして少数民族が昔ながらの暮らしを営んでいる。

(『世界遺産の街を歩こう』から引用)

 

アジアならではの情緒ある景観がとても美しい! アジア編ではこの他に、ネパール・カトマンズ谷、ベトナム・古都ホイアン、ウズベキスタン・ブハラ歴史地区など7ヵ所が選ばれている。

 

さらに中南米編では、メキシコ・メキシコシティ歴史地区、キューバ・オールド・ハバナ、ペルー・クスコ市街、ブラジル・サルヴァドール・デ・バイア歴史地区の4ヵ所。

 

アフリカ編では、モロッコ・マラケシ旧市街、チュニジア・チュニス旧市街、エジプト・カイロ歴史地区、マリ・ジェネン旧市街の4ヵ所が紹介されている。

 

さぁ、あなたならどこの世界遺産の街を歩きたいと思うだろうか? また、実際に訪ねることはできなくても、この本が私たちを日本にいながら世界遺産の街へと連れて行ってくれる。

 

 

【書籍紹介】

世界遺産の街を歩こう

著者:学研パブリッシング(編)
発行:学研プラス

世界遺産のなかで150カ所近くある歴史地区、旧市街、およびそれに相当する地域から、ヴェネツィア、フィレンツェ、ドゥブロヴニク、パリなど特に若い女性に人気のあるエリアを厳選!豊富なビジュアルでいながらにして世界遺産の街歩きが楽しめる!

kindlleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
Bookbeyondで詳しく見る

 

 

 

 

 

 

飛行機ならプレミアムエコノミー、船なら花火クルーズで少し贅沢な旅を――『ちょっと豪華な乗り物の旅 』

先日、初海外に行って来ました! 夜中に日本発、朝にハワイ着の便だったので「おっ、飛行機の中で眠れるし、起きてハワイとか最高じゃん!」と思っていたのですが…全然寝られないっ!! こんなに飛行機の旅って大変だったのですね。ゴールデンウィークに続々と海外に行く方を、今までは「海外ですか。ふ〜ん」とあまり関係ないように思っていましたが、これからは「あの長い飛行機の旅を…お疲れ様です」と思ってしまいそうです(笑)。でもそんな飛行機旅も「プレミアムエコノミー」以上になれば乗り心地が違うというじゃありませんか〜!

 

 

そこで今回は『ちょっと豪華な乗り物の旅 大人のたしなみシリーズ』(学研パブリッシング・編/学研プラス刊)より、移動の時間まで楽しめちゃうちょっと大人な贅沢旅についてご紹介いたします。

 

 

長距離飛行機に乗るなら「プレミアムエコノミー」がオススメ

どこでも寝られるから、6時間くらいの飛行機は問題ないだろ! と完全に甘く見ていました。これから海外に行くよ、という方は少し気持ちのハードルを上げておきましょう。何度も行かれている方も、次回はちょっと贅沢して「プレミアムエコノミー」クラスを選んでみるのはいかがでしょうか? 座席がエコノミーより20センチ近く余裕があって、機内食もちょっぴりリッチなんだとか。「でも、お高いんでしょ?」と思った方、実はそんなでもないというのです!

 

値段はエコノミーよりも上がるが、ビジネスクラスに比べるとかなり割安で、年末年始や夏の繁忙期を避ければヨーロッパやアメリカへの10万円代のチケットも手に入る。

(『ちょっと豪華な乗り物の旅 大人のたしなみシリーズ』より引用)

 

しかもプレミアムエコノミーは、一般人では利用できない空港ラウンジも入れる! シャンパンとスイーツを嗜んでから、のんびり搭乗できるなんて出発前から旅が始まっているかのようですよね。

 

比較サイトも多くあるので、今までエコノミーだけで検索されていた方は一度「プレミアムエコノミー」も候補に入れて検索してみてください。あら、これくらいならいいかもねって気持ちになりますよ! 帰りは現地のお土産を見たりしたいですし、とりあえず往路だけ変更してみると気分もアガっていいかもしれませんね♪

 

 

1950年代後半のJALファーストクラスの添乗員は着物だった!?

『ちょっと豪華な乗り物の旅 大人のたしなみシリーズ』には、約60年前のJALファーストクラスの写真が掲載されていたのですが、ビートルズが初来日した時に来ていたハッピは、ファーストクラスに乗ると着られたものだったそうです。また添乗員さんは着物で接客しており、「世界一のサービス」と言われていたそうです。

 

着物といっても、客室サービス用のそれはちょっと特殊で、上下が別々になったセパレートタイプだった。狭いトイレで5分か10分で着替えなければならないので、そういう工夫がなされたのだろう。帯も簡単に装着できるワンタッチ式のものだったらしい。

(『ちょっと豪華な乗り物の旅 大人のたしなみシリーズ』より引用)

 

緊急時にスムーズな動きができないなどの理由から現在はなくなってしまったそうなのですが、2020年に始まる東京オリンピクに向けて、こういうサービスを再開してみるのもいいかもしれませんよね。でもファーストクラスなんて、宝くじが当たったりしない限り乗れないだろうな〜(遠い目)。

 

 

ぶっちゃけ船旅っていくらかかるの?

船の旅と聞いて思い浮かべるのは、タイタニックのようなドレスを着ているお金持ちしか参加できない…と思いますが、現代はそんなこともないとのこと。

 

客船の種類はサービスの違いで分類できる。値段の目安は1泊5万円から25万円のラグジュアリークラス、2万円〜7万円のプレミアムクラス、8000円から4万円のカジュアルクラスだ。

(『ちょっと豪華な乗り物の旅 大人のたしなみシリーズ』より引用)

 

ちなみに、クルーズの料金には宿泊代、移動運転費用、1日3色の食事代、軽食や夜食、船や部屋によっては酒代、プールなどの施設利用、ショーなどの観覧費用も含まれているので、船の中でお金を使う必要がないと思うとお得かもしれませんよね。大きな船だったら、あまり船酔いも気にならなそうですし、3年後くらいまでにお金を貯めて船の旅に出かけてみようかな。

 

 

船旅未経験なら、2泊3日の花火大会クルーズがオススメ

しかし、実際に行くとなると知らないことが多すぎてドキドキしちゃうので、まずは国内の船旅から初めてみるのはいかがでしょう。近年、チケットが取れにくく人気になっているのが、「花火大会クルーズ」。2泊3日程度で、海を会場にした花火大会をなんの障害もなく独占できちゃうだけでなく、美味しいご飯を食べながら見れちゃうんです。ポイントがまとまっていたので、ご紹介しますね!

 

Point 花火大会クルーズのポイント

1 クルーズ初心者に最適の日程

2 海が穏やかな時期に集中

3 メリハリのある旅を堪能

4 船上から優雅に花火見学

5 花火から反対側の客席でも配慮あり

(『ちょっと豪華な乗り物の旅 大人のたしなみシリーズ』より引用)

 

価格は10万円前後からあったので、予算とスケジュールに合わせて検討してみると夏休みの最高の思い出が作れますね。想像しただけでもリッチな気分!

 

『ちょっと豪華な乗り物の旅 大人のたしなみシリーズ』には、飛行機・船に加えて、鉄道の旅、バスの旅も紹介されています。陸・海・空、あなたならどのリッチ旅を選びますか? ゴールデンウィーク、そして夏休みの参考にしちゃいましょう。

 

 

【書籍紹介】

ちょっと豪華な乗り物の旅 大人のたしなみシリーズ

著者:学研パブリッシング(編)
発行:学研プラス

船、旅客機、観光列車、特別な高速バスなど、バラエティに富んだ「ちょっと豪華な乗り物」の旅を取り上げる旅行ムック。乗り物の案内やその利用法、おすすめの旅行プランなどをビジュアルルポで紹介。「少し贅沢な乗り物旅」に思わず出たくなるガイドブック。

kindlleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
iBooksで詳しく見る
Bookbeyondで詳しく見る

出張や旅行中の朝は黄金時間! ランニングでリアルなローカル体験を

初めて目にする絶景に心を揺さぶられたり、新しい味覚やカルチャー、そして価値観と出会ったり……。旅は、私たちにたくさんの刺激と活力を与えてくれます。そんな日常を離れた極上の旅体験を重ねていくと、やがて「暮らすように旅をする」という旅スタイルに憧れを抱くようになる方も多いのではないでしょうか。長期滞在したり、ホテルではなくコンドミニアムなどに宿泊して自炊したりすることはひとつの方法ですが、もっと手軽に「暮らすように旅をする」方法があります。

それが、旅した先でランを楽しむこと。ローカルな風景を間近に見ることで、現地の生活者の一員になったような気分を味わうことができます。とりわけ、地元の人たちの生活スポットである街なかを走る“街ラン”には、ガイドブックには載っていない意外な発見や楽しみがいっぱい。街ランをきっかけに、地元の人のみぞ知る穴場スポットや名店を知ることは難しいことではありません。

 

街ランや、旅先での街ラン=“旅ラン”の魅力を探るべく、ランニングを軸にさまざまな活動を行う「RunGirl」のメンバー、入江由起さんに話を聞きました。

 

旅先でランするメリットとは?

旅行や帰省には必ずランニングシューズを持っていき、滞在先でもランニングを楽しむという入江さん。メインの写真と下の写真は、入江さんが2016年に訪れたバリ島はウブドのホテルの敷地内をランしているときの様子です。

↑「バリ島へはヨガ・リトリートのために行きました。体を動かしたいというマインドで行ったので、ヨガだけでなく、ホテルの広い庭でランニングを楽しみました」(入江さん)

 

旅先でのランニングはトレーニングと違って、あくまで楽しく体を動かす感覚で行うのがベターだと話す入江さん。

 

「それほど速いスピードではなく、時間を決めて、次の予定までの空いた時間に楽しむのがいいと思います。おすすめは、起きてから朝食までの時間。海外旅行の場合は、太陽の光を浴びることで体内時計が正常になり、時差ボケを治す効果もあります。また、単純にランニングするとおなかがすくので、食事がおいしくなります。さらに、朝早くから活動をスタートできるので、その後の時間を有効に使えるという大きなメリットもあるんです」(入江さん)

 

“旅ラン”するなら朝!

旅先で街ランする場合も、入江さんは朝の時間がおすすめだと言います。

 

「人びとが活動し始める朝の時間帯は、街全体がとてもエネルギッシュ。1日をスタートする地元の方たちの暮らしが垣間見えるので、楽しく走れます。私はよく、朝食をとるカフェを決めてそこまでランします。以前ハワイへ行ったときには、ハウツリーラナイというお店のエッグベネティクトがおいしいということで、旅仲間と、そこで朝食を食べようという話になったんです。ただ、お店はホテルから少し離れているうえに早朝なので交通機関もない。そこでランニングが移動手段となり、みんなで楽しく走りながら目的地まで行けたのはうれしかったですね」(入江さん)

 

ほかにも、ファーマーズマーケットまでランして、そこでフレッシュなジュースや焼きたてのスコーンを調達したり、国内旅行であれば港の朝市までランして、新鮮なお魚を食べたり……。入江さんの旅ランエピソードは、聞いているだけでワクワクするものばかりです。

 

「海外でも朝走る人は多く、そんなローカルランナーたちに混じって走ることもあります。どこの街にもランナーが数多く集まる場所があるんです。例えばニューヨークならセントラルパーク、シカゴならミシガン湖の湖畔など。地元のランナーたちは、走ると気持ちのいい場所を知っているので、彼らが向かって行く場所を目がけて走ると、まちがいないですね」(入江さん)

 

地元のランナーとは、「どこから来たの?」という会話が生まれたり、彼らがおすすめのお店を教えてくれたりすることもあるそう。

 

「ランニングを楽しんでいるという共通点があるだけでお互いに親近感が生まれますし、ランナーにはヘルシー志向の方が多いので、食べ物の好みが似通っているなど、心地よいと思える場所が重なるんです。彼らが教えてくれたローカルなおすすめスポットへ行き、その場所で出会ったまた別の地元の方から新たな情報を得て、『次はそこへ行ってみよう』と、滞在先での行動範囲がどんどん広がっていく経験は、一度や二度ではありません」(入江さん)

 

旅が豊かになる、現地での“街ラン”

入江さんに旅先での街ラン、つまり旅ランの魅力を尋ねたところ、開口一番に「旅が豊かになることです」という答えが返ってきました。

 

「普段は音楽を聴きながら走ることが多いのですが、旅先での街ランでは、イヤホンを外します。現地の風の音、街の音、人の声に耳を傾け、景色を楽しみながら走りたいからです。走りながら目に留まったショップを覚えておいて、『ランチはここにしよう』『明日はこの雑貨屋さんに行ってみよう』と計画することもあります。車では見逃してしまうような場所にたどり着くことができるのは、街ランの大きな魅力。それが、旅が豊かになるゆえんだと感じています」(入江さん)

 

気分の上がるランニングウエアで走る

旅先で楽しくランニングするために欠かせないのが、ランニングウエア。入江さんは、機能的でシンプルなウエアに、アクセントでカラーを入れるコーディネートが気に入っているのだとか。

 

「普段のファッションはベーシックな色味が多いのですが、ランニングシューズは別。走っていて元気が出るような明るいカラーを足もとに持ってきて、そのほかのアイテムはシックな色味のものを選ぶというスタイルをよくします。ファッションも走るモチベーションになるので、好みのスタイルを見つけて楽しむといいですね。私は海外ランナーのインスタを見て流行りをチェックしています。また、ブランドだとビクトリアズシークレットのスポーツラインに注目しています」(入江さん)

 

旅というほど遠出しなくても、ちょっと足を伸ばすだけで街ランを味わうことはできます。ぴったりの街とは……。

清澄白河で知る“街ラン”の醍醐味

美術館やギャラリー、カフェが多く点在し、近隣に大きな公園もある東京・清澄白河は、都内でも有数の街ランスポットです。入江さんも何度か走ったことがあるのだとか。

 

「清澄白河へは、気になっていたロースタリーカフェの日本上陸のタイミングにランして行ったのが始まりでした。銀座からスタートして、清澄白河に当時できたてほやほやだった『ブルーボトルコーヒー』に行ったり、ニュージーランド発の『オールプレス エスプレッソ』を覗いてみたり……。清澄白河は、コーヒー好きのランナーにとっても魅力的な街ですよね。

 

おすすめのビュースポットは、清洲橋。眼下を流れる隅田川には船が通り、スカイツリーも見えます。清洲橋にほど近い隅田川沿いのリノベーションホテル『LYURO 東京清澄』にあるKAWATERRACE(かわてらす)も、とても気持ちのいい場所です。そこから木場公園まで足を延ばしてもいいですね」(入江さん)

 

気候が暖かくなり、走りやすくなるこれからの季節。次の旅の予定までの期間は、電車に乗って出かけた先で街ランするのもよさそうです。

 

「めざすは、ランニングウエアのまま電車に乗ったり、街を歩いたりできる時代。街じゅうにランニングウエアを着たアクティブガールが溢れたら素敵だな、と思います」(入江さん)

 

【店舗情報】

KAWATERRACE(かわてらす)

所在地:東京都江東区清澄1丁目1-7(LYURO 東京清澄内)
電話番号:03-6458-5540
営業時間:7:00〜24:00
アクセス:半蔵門線「水天宮前」駅4番出口より徒歩10分、半蔵門線・大江戸線「清澄白河」駅A3出口より徒歩10分

「LYURO 東京清澄」内にあるKAWATERRACE(かわてらす)は、誰もが水辺での時間を楽しめるオープンな多目的スペース。宿泊者やレストラン利用客のみならず、近隣にお住まいの方や清澄白河を訪れる方にも開放しており、ランニング後のクールダウンや“街ラン”の際の立ち寄りスポットにおすすめです。

 

PITMANS

所在地・アクセス:同上
電話番号:050-3188-8919
営業時間:7:00〜22:30(不定休)
ブレックファスト/7:00〜10:00 ランチ/11:00〜14:30(Lo 14:00) カフェ(土日祝のみ)/14:30〜17:00  ディナー/17:00〜22:30(Lo 22:00)※3/31(土)までは17:00〜21:30(Lo 21:00)

LYURO2Fに位置し、KAWATERRACE(かわてらす)に併設したスロースモークバーベキューを楽しめる「PITMANS」では、7:00-10:00の間、ブレックファスト「清洲橋モーニング」を提供。各種ドリンクをご注文のお客様にトーストとゆで卵をサービスしてくれます。休日朝の“街ラン”立ち寄りスポットのリストに加えてはいかがでしょう。

 

【プロフィール】

RunGirlメンバー / 入江由起さん

看護師。「走る女性のパワーで毎日を豊かに」をキーワードに、ラン+アフターパーティというスタイルの女性だけのランニング大会「RunGirl★Night」の開催など、ランニングを軸にしたさまざまな活動を行うRunGirl(一般社団法人ランガール)メンバー。2008年から仕事仲間とマラソンを始める。ホノルルマラソン、東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソンに出場。ベストタイムは4時間27分。RunGirl http://rungirl.jp

 

何気ない日常を、大切な毎日に変えるウェブメディア「@Living(アットリビング)」

at-living_logo_wada

「人が来ない…」青森・十和田の冬を救え! 大自然×LEDで「氷瀑ツアー」を創った3者の挑戦

ウインタースポーツが目的でもない限り、わざわざ寒い場所へ観光に訪れる人は少ないでしょう。とりわけ、東北地方では冬季の集客の弱さを指摘されて久しく、新たな取り組みを模索する地域が増えています。青森県十和田市もそのひとつ。十和田市は、年間の宿泊者数に対して12~3月の宿泊者数は、わずか約14%と低迷しています。この「冬が弱い」という課題をクリアすべく、十和田市と星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル、パナソニック エコソリューションズの三者が一体となって、新たな観光資源を創出する動きが始まりました。それが、「奥入瀬渓流氷瀑ツアー」です。

↑ライトアップされた氷瀑↑ライトアップされた氷瀑

 

ライトアップした国立公園の氷瀑を巡るツアーに参加

20180305-s2 (116)↑冬の奥入瀬渓流

 

奥入瀬渓流(おくいらせけいりゅう)とは、十和田湖から焼山まで14kmにわたって流れ出る渓流で、十和田八幡平(とわだはちまんたい)国立公園の代表的な景勝地。そこで見られる主な氷瀑(ひょうばく・滝が凍ったもの)をLEDカラー投光器でライトアップし、その美しい姿を体験できるのが「奥入瀬渓流氷瀑ツアー」です。こちらは、十和田市が開催するツアー、奥入瀬渓流ホテルが開催するツアー(宿泊者が無料で参加可能)の2種類があり、今回、後者に参加する機会を得たので、その様子をレポートしていきます。

 

今回は、20時30分発のツアーに参加。ホテルに横付けされたマイクロバスに乗り込んでいざ出発です。LED投光器を積んだワンボックスカーが先導するように進み、ツアー客が乗ったバスは、これ追うようにして山道を進んでいきます。

↑氷瀑を目指して山道を進むツアーのバス。バスの両脇には雪の壁が↑氷瀑を目指して山道を進むツアーのバス。バスの両脇には雪の壁が

 

氷瀑に到着すると、先行のワンボックスが所定の位置に停車して、投光器で氷瀑をライトアップ。ツアー客はバスから降り、これを鑑賞するという流れです。鑑賞ポイントは馬門岩、雲井の滝、双白髪の滝、銚子大滝、白糸の滝、紫明渓など。それぞれのポイントには「氷」「浮世絵」「樹海」など個別にテーマが設定され、これに応じた演出パターンがプログラミングされています。

20180305-s2-(0-3)↑ワンボックスカーに搭載するLED投光器で氷瀑をライトアップ

 

実際にライトアップされた氷瀑を見てみると、やはり「圧巻」のひとこと。ダイナミックな造形の氷瀑、その周囲の積雪が投光によって刻一刻と色を変え、見たことのない光景を創り出しています。降りしきる雪が光を反射し、キラキラと輝くさまもまた格別。途中、ライトが消され、促されて空を見上げると木々の間から満天の星が……という粋な計らいもありました。かなりの寒さでしたが、氷瀑の鑑賞は数分程度なので、問題はありません。むしろ、寒さが映像体験と結びついて、より強く印象に残るはず。総じて、感動を語りたくなるけれど、言葉では正確に説明できない、体験しなければわからない……そんな類の体験でした。

↑馬門岩↑鑑賞ポイントのひとつ、馬門岩(まかどいわ)のライトアップ

 

↑奥入瀬渓流も↑氷瀑だけでなく、黒く輝く奥入瀬渓流の水面や色づいた積雪もみどころ

 

20180305-s2-(0-4)↑「浮世絵」をテーマとし、深緋(ふかひ・黒を含んだ赤)、江戸紫、躑躅(つつじ・赤紫の一種)などの色を使った「雲井の滝」のライトアップ

 

環境への配慮のため、移動式のライトアップを採用

さて、本ツアーは冬の集客のために創設されたと先述しましたが、以下ではツアー誕生の詳細について、十和田市と星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル、パナソニック エコソリューションズのそれぞれの担当者に聞いていきましょう。まずは、本ツアー誕生の経緯を十和田市の観光商工部・観光推進課の小泉和也氏に聞いてみました。

十和田市 観光商工部 観光推進課 観光企画係 係長 小泉和也氏↑十和田市・観光商工部の小泉和也氏

 

「冬の観光客の集客が少ないという課題解決のために、何ができるか? と考えたところ、かつて、平成4年~8年の間に行っていた奥入瀬渓流の氷瀑のライトアップを復活させてはどうか、という案が出てまいりました。ライトアップするにあたって、参考にしたのは山形県の酒田市の例(玉簾〔たますだれ〕の滝のライトアップ)です。そちらを担当していたのがパナソニックさんで、それがお声掛けするきっかけになりました。ただ、問題は奥入瀬渓流が国立公園のなかでも特別保護地区で、環境への配慮が求められる場所だったこと。かつてライトアップを行った際は、発電機を使い、クルマが渋滞して排気ガスが増えるなど、環境面での問題もあって継続できなかった。今回も環境省に相談に行ったところ、ライトの機材を滝の近くには設置できないということで。そのような事情があって、現在のクルマを使った移動式のライトアップを実施することになり、技術的な面でパナソニックさんにご支援いただいた次第です」(小泉さん)

 

移動式ゆえに投光ポイントを固定するのに苦労した

小泉さんが話す通り、「奥入瀬渓流氷瀑ツアー」を技術で支えたのがパナソニック エコソリューションズ社。エコソリューションズ社とは、パナソニック4カンパニーの一角を占める大手企業で、住空間に関連する設備を主に扱っています。今回は、ライティング事業部の籠谷 葵(かごたに・あおい)氏に、本ツアーを実現した技術について話していただきました。

↑籠谷 葵氏↑パナソニック エコソリューションズ社、ライティング事業部の籠谷 葵氏

 

「当社では『ダイナミック演出』として、建物や自然のモノに光を当ててライトアップする機器を提案しています。例えば、東急プラザ銀座をライトアップした例や、金沢で神社仏閣を照射した例、京都タワーなど、ランドマークをライトアップした例もありました。最近は手軽に植栽だけを照らしたい、ライトアップを手軽にやりたい、というお客様も増えており、そんなニーズに応じて『ダイナワン』(2018年3月発売)という単体のモジュールも発売する予定です。

 

自治体さんに地域のランドマークをライトアップしませんか、と提案させて頂くことも多く、今回は、山形県・酒田市さんの取り組みが十和田市さんの目に止まり、お声がけを頂くことになりました。氷瀑ツアーで、実際に使っている器具は『ダイナペインター』という大型の投光器。RGBの色を混ぜて、1600万色が作れるようになっています。こちらの器具を使って氷瀑を照らすと雪や氷瀑が映えますので、そこを試行錯誤してやっていった次第です」(籠谷さん)

↑「ダイナペインター」の例↑LEDカラー投光器「ダイナペインター」の例

 

今回のケースでは、環境保護のハードルが高かったため、氷瀑のライトアップのためには特別な工夫が必要だったといいます。

 

「照明器具を同じ場所に置いておけない、という課題がありまして。電源となる蓄電池をクルマに載せ、それに投光器具を接続して運行する形としました。また、周囲の動物への影響を考えて、氷瀑だけを際立たせてライトアップしながら、各拠点での鑑賞が5分以内に収まるようスケジューリングしています。苦労したのは、投光器を載せたクルマを停める位置によって、光の見え方が違ってしまうこと。国立公園ということもあって、マーキングができないので、カーナビのGPSでポイントをつけたり、木などの自然のものを写真に撮ったりして、ポイントを身体で覚えるのが難しかったです」(籠谷さん)

 

ちなみに、投光器を載せたクルマの運転を行うのは、地元のNPO法人。いまでは、ドライバーが停車位置をしっかり覚えて、迷わずにライトアップできるようになったそうです。

↑投光器を積んだライトカー。↑ライトアップを行うライトカー。市がリースを受けたトヨタのハイエースに、LEDカラー投光器「ダイナペインター」と照明コントローラー、5kWリチウムイオン蓄電池を搭載しています

 

星野社長に冬の運営は「簡単ではない」と釘を刺されていた

一方、今回の氷瀑ライトアップツアーのプロジェクトに参加した「星野リゾート」とは、ホテル・旅館業界の風雲児として知られる星野佳路(ほしの・よしみち)氏が育てた、国内有数のリゾート運営会社。経営不振の宿泊施設を買い取って見事に再生させるため、「再生請負人」としても知られています。「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」もその例に漏れず、同社が2005年より経営権を取得して運営したもの。2008年より冬季は休業していたものの、2017年の12月に冬季営業を再開し、合わせて「氷瀑ライトアップツアー」の運営も開始しました。そのあたりの経緯を同ホテルの総支配人、宮越俊輔氏にお話を聞いていきましょう。

↑星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルの総支配人・宮越 俊輔氏↑星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルの総支配人・宮越 俊輔氏

 

「経営を引き継いでしばらくは運営が難しく、収益を安定させるために、冬だけはクローズしていました。しかし、近年はグリーン期の宿泊が埋まってきて、4月から11月は8割ほどの集客ができるようになってきた。経営が安定してきましたし、お部屋やレストランの改装も進んだので、冬にもチャレンジしよう、と。さらに、県のほうで積極的に台湾や韓国にアプローチを行い、直行便やチャーター便を増やしたこともあって、冬も海外のお客さまが来るようになってきました。また、国を挙げて国立公園にインバウンド集客をしようという『国立公園満喫プロジェクト』が始まり、奥入瀬がそのプロジェクトに選ばれまして。これはチャンスだということで、冬季の営業を再開したんです」(宮越総支配人)

↑同ホテルのシンボル、岡本太郎のブロンズ製オブジェ「森の神話」↑同ホテルのシンボル、芸術家の岡本太郎氏によるブロンズ製暖炉「森の神話」

 

↑客室からは↑客室の眺めは抜群。「渓流ごろんとチェア」から、冬の奥入瀬渓流が見下ろせます

 

とはいえ、いくら追い風があっても冬季の営業が難しいという事実は変わりません。その点、星野リゾートの社長、星野佳路氏にも釘を刺されていたとか。

 

「どちらかと言うと、社長が(冬季営業を)クローズした本人なので(笑)。実は、社長は『国立公園満喫プロジェクト』のメンバーの一人なのですが、経営者の立場としては冬季の運営には反対で、『冬を再開するのは簡単ではない。何もないところにお客さまを呼ぶのは難しいぞ』というお話はもらっていました。確かに単独でやったらかなり難しかったでしょうが、今回は地域の協力が大きかった。青森県や十和田市の観光課さん、地元のJRバスさんにサポートをいただけましたし、プロモーション面でも影響力のある方を紹介してもらえました。そこは、『冬の集客を増やす』という同じベクトルを向いていたからこそ、実現したことですね」(宮越総支配人)

 

インバウンド需要が多く、氷瀑ツアーの評判も上々

こうして始まった冬季営業および氷瀑ツアー、現在の状況はいかがでしょうか?

 

「当初、ホテルの予約の入りはかなり鈍かったのですが、十和田市さんの取り組みはかなり話題になっていましたし、星野リゾートとしても冬の一つの大きな話題になりました。今年は全体の6割くらいの部屋数を稼動させていて、それでもまだ埋め切れてはいないですが、少しずつは取れるようになってきました。特に台湾、韓国、中国からのお客さまの割合が多い。こうした地域の方々にとっては雪と氷が珍しいことも多く、それ自体がウリになるんです」(宮越支配人)

↑同ホテルの氷瀑の湯↑氷瀑をイメージさせる工夫は館内にも。同ホテル冬限定の露天風呂「氷瀑の湯」には、氷瀑を模したディスプレイ(右)が

 

20180305-s2 (49)↑同ホテルは料理も魅力。ビュッフェレストラン「青森りんごキッチン」では、地元食材をふんだんに使った料理が楽しめます

 

↑料理の一例「鴨のスモークとりんごのサラダ」↑料理の一例「鴨のスモークとりんごのサラダ」

 

「氷瀑ツアーの評判も上々。もともと1日2便のバスで合計50名くらいの募集だったのですが、やがて、すぐに埋まってしまうようになって。最近はもう一便増やして1日3便にしたのですが、それでもコンスタントに予約が入ってくる状況。なんといっても、国立公園でホテルの玄関からバスですぐに出発できて、手軽に帰ってこられる場所はなかなかありませんからね。ただし、青森空港からのアクセスが悪いので、そこが今後の課題。その点、もっともっと認知度を上げていけば、手を上げてくれる観光施設や交通業者さんも増えるはずなので、そこに期待したいですね」(宮越総支配人)

20180305-s2 (29)

プロジェクトを企画し、仕組みを作った十和田市。環境保護のハードルをクリアすべく、技術で支えたパナソニック。リスクを恐れず冬季営業を再開し、宿泊施設のツアーを主導した星野リゾート。3者のうち、どれが欠けても今回の氷瀑ツアーは実現しなかったことでしょう。言い換えれば、地域の特性を活かして適切なパートナーと組んだなら、観光資源は創れるという良い見本になりそうです。

 

なお、2018年の氷瀑ツアーは、十和田市のツアー(十和田市街地発着:大人2000円、子ども1000円)が3月17日(土)まで。星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルのツアー(宿泊者限定・無料)は3月18日(日)まで。ライトアップされた氷瀑がもたらす感動は、ぜひ大切な人と分かち合ってみてください。ちなみに、十和田市、奥入瀬渓流ホテルとも、来年以降も氷瀑ライトアップツアーを行うとのこと。いまから「行きたいリスト」に入れておいてもいいかもしれませんね。

20180305-s2 (55)

 

雑誌『CREA Traveller』編集長に聞くTraivalな旅の醍醐味

女性のオピニオン誌の先駆けである『CREA(クレア)』のスピンオフ誌として、2000年に創刊した『CREA Traveller(クレア・トラベラー)』。旅行専門誌ながら、いわゆるガイドブックとは一線を画す誌面をつくり続け、“発見ある旅”を提案しています。

 

今回は、ブックセラピストとして活動する元木忍さんが、『CREA Traveller』の編集長・倉林里実さんを訪ね、その舞台裏を覗いてきました。

 

海外への興味のきっかけは、デヴィッド・ボウイへの恋心だった!

元木忍さん(以下、元木):美しいビジュアルと深く掘り下げた情報で読み応えたっぷりの『CREA Traveller』ですが、まずは編集長・倉林さんご自身の経歴をお聞かせください。

 

倉林里実さん(以下、倉林):最初は出版業界ではなく、金融会社の国際部にいまして。ハーバード大学に短期留学を経て出版社に転職しました。そこでライフスタイル誌の立ち上げに携わり、そして編集長も務めました。

 

元木:そこを辞められて、文藝春秋に転職なさって『CREA』編集部に在籍されることになったわけですね?

 

倉林:はい。2008年のことです。デスクとして入り、2年後に編集長となって。2011年に『CREA』のスピンオフ誌である『CREA Traveller』編集部に異動となって2013年から現職です。

20180302_kaki_Li_02
CREA Traveller
1110円/文藝春秋
ハイエンドな“旅の専門誌”として年4回発行。通常号のほかに、好評だった特集をコンパクトサイズにまとめた別冊もある

 

元木:一冊まるごと“旅”の雑誌。ハイエンドな海外旅を提案してくださっていますが、倉林さんの海外への興味っていつごろからあったのですか?

 

倉林:そもそもは“下心”からなんです。デヴィッド・ボウイが大好きで。彼に会いたい一心で英語を勉強したんです(笑)

 

元木:え!?  それは意外(笑)。いつからお好きなんですか? あ、それを訊くと年齢がわかってしまいますね(笑)

 

倉林:中学生か高校生のときに、映画『戦場のメリークリスマス』の主題歌を聴いて、それがとっても美しくて。ピアノをやっていたんですが、このころはまだ耳がよく、一度聴いた曲はすぐ譜面に起こせていたんです。でも……『戦メリ』はできなかった。それが悔しくて、大枚はたいて楽譜を買って。そして映画を観たら、とんでもなくデヴィッド・ボウイがかっこよかった!

 

元木:すごい! そこでハマッてしまった?

 

倉林:はい(笑)。彼にインタビューできるよう、毎日ひとつずつ、英語のフレーズを覚えました。

 

元木:英語に対する向学心の原動力が、デヴィッド・ボウイだったとは! で、実際にインタビューはできたんですか?

 

倉林:残念ながらそれは叶わず……。でも、デヴィッド・ボウイとの出会いをきっかけに英語を頑張って、海外との接点ができました。大学時代はホームステイもして。沢木耕太郎さんの『深夜特急』にも影響されて、ともかく旅をしたくなって。

 

元木:そうして、現在の『CREA Traveller』に繋がっていくのですね。

 

倉林:学生時代は旅をしたくてもお金がありませんから、そうそう行けませんでしたけどね。大学では、モトクロスのサークルに入っていて大会にも出ていました。オートバイはどこへでも行けますから、夏休みを利用して日本一周をして。テント泊もして!

 

元木:ええっ! すごいです。モトクロスって、バイクで未舗装の斜面やデコボコなところを泥だらけになって走る競技ですよね? 革ジャンとか革パンを履いて? うわ〜、今のエレガントなお姿から想像がつきません!

 

倉林:ふふ。当時の先輩に会うと、こういうファッションをしている私を見て「ヤワになったなぁ」なんて言われますね(笑)

20180302_kaki_Li_03↑『CREA Traveller』の倉林里実編集長

 

旅=トラベルの語源は、苦労する=トライバル

元木:はじめての海外旅行はどちらですか?

 

倉林:大学のとき、アメリカのサンディエゴに。大学時代はそれっきりで、社会人になってからはお金を貯めてはパリによく行きました。金融会社の国際部で働いていましたから、海外とのやりとりもしょっちゅうありました。

 

元木:海外の旅を案内する雑誌をつくるようになったのは、いつからですか?

 

倉林:前の会社のライフスタイル誌のときです。その雑誌ではじめて、ベトナムを取り上げまして。これまで、よその女性誌でベトナムを特集することなんてなかったんです。料理研究家の有元葉子さんによく登場いただいていたのですが、有元さんは、ふだんからベトナムによく行かれていて。それで、この号はなかなかの評判になりました。そうそう、そして偶然にも、このベトナムブームを盛り上げたのが『CREA』だったんです!

 

元木:縁を感じますねぇ。では、百戦錬磨の倉林さんにとって、一番よかった場所はどこでしょう?

 

倉林:この質問、よくいただくんですが、そう聞かれるとつい「どこも素晴らしかったです」と答えてしまうんですが(笑)。2年ほど前に取材したペルーは印象的でした(2017年冬号・「奇跡のペルー」)。やっぱり地球って広いなぁ、と実感しました。

 

元木:交通手段が発達して、インターネットも当たり前になった今の時代は、「どこでもすぐ」なので、地球は狭くなったなぁ、近くなったなぁ、って錯覚をしがちですものね。

 

倉林:旅がラクになったというか、どこでも行きやすくなっていますが、ペルーへは27、28時間もかかります。あらためて「遠くまで苦労して行った」という点に、旅の醍醐味を思い出しました。
実は、旅を意味する“トラベル”の語源は、“トライバル”。これ、苦労という意味なんです。ペルーでは、それを久しぶりに実感しましたね。

 

元木:その気持ちわかります。苦労とかハプニングがあったほうが旅らしいですものね。では、海外でのハプニングを教えてください。

 

倉林:海外取材に出ますと、トラブルのひとつやふたつは必ず起きますね(笑)。事前にリサーチしていたにも関わらず、取材したいお店がなくなっている、とか。

 

元木:海外取材あるある、ですね(笑)

 

倉林:イギリスの特集(2017年秋号・「英国の休日」)では、取材する場所がいっさいなくなってしまいました。

 

元木:え!? いったいどうして?

 

倉林:お城や庭園、宿、パブなど歴史的な景観を管理している財団があるんですが、そこに取材許諾を取っていたのが、現地でいきなり「いっさい不可。取材もだめ!」となってしまって。方針が変わった、の一点張り。撮影保険も掛けていたんですが、途方に暮れました。

 

元木:当然、日本にいるときに取材先はすべてリストアップしているんですよね。

 

倉林:もちろんです。3カ月スパンで企画、取材・撮影、編集、発売となるので、リサーチはおおよそ1カ月ほど。それらが、理由なしにすべてダメ……。私と現地のコーディネーターさんとで、必死にほかの候補を探しまして。当初は「庭園特集」のつもりでしたが、急遽、「英国の休日」としました。

前号の秋号では、「英国の休日」を大々的に特集。英国最古の巡礼地であるカンタベリーや古都・ウィンチェスター、ヴィクトリア女王の避暑地であるワイト島といった南部の都市を中心に、最新ロンドン事情までを凝縮↑前号の秋号では、「英国の休日」を大々的に特集。英国最古の巡礼地であるカンタベリーや古都・ウィンチェスター、ヴィクトリア女王の避暑地であるワイト島といった南部の都市を中心に、最新ロンドン事情までを凝縮

 

元木:そんなに大変なトラブルがあったとは……。誌面を拝見してもまったく気づきませんでした。素敵だなぁって、のほほんとページをめくっていましたよ。

 

倉林:ありがとうございます。本当にね、毎日ハゲそう、ヒゲが生えてきそう(笑)って思いながら必死で作っています。先ほど「素晴らしかった」とお話したペルーですが、実はここでも大きなトラブルがあったんですよ。

 

元木:興味津々です!

 

倉林:ペルーって、アマゾンの6割を占めているんですが、クルーズ船に乗ってアマゾン川をリバークルーズする旅を企画していたんです。でも、日本を出発する3日前に、その船が沈没してしまって……。

 

元木:急遽、予定を変更した?

 

倉林:はい。内容はバックナンバーをご覧いただくとして(笑)。ロッジをベース地にしてアマゾン川沿いを散策するのですが、まずロッジへの前払いの宿泊代金が決済できておらず。日本から乗り換えのアトランタでメールチェックしたときに気づき、慌てて再度カード決済の手続きを。なんとか飛ぶギリギリ直前で手続きができました。さらには……

 

元木:まだあるんですか!?(笑)

 

倉林:はい。私とライターさんの女性、カメラマンさんの男性の3名だったんですが、ロッジには「スリールーム」とお願いしたのに、1部屋に3つのベッドが用意されていただけだったという(笑)

 

元木:それ、おかしいです(笑)。

 

倉林:ま、すぐに慣れちゃうんですが。取材スタッフとは海外では密に過ごしますが、たまに東京で会うと、日本ではあまり会うことがないのでなんだか照れくさくてね。

 

元木:取材現場ではラフなかっこうをしているのに、都会ではおしゃれして気取っていて、というような(笑)

印象に残った取材地のひとつ。ロンドンからクルマで1時間程度のケント州・ダウン村は、進化論で知られるチャールズ・ダーウィンが暮らした家も↑印象に残った取材地のひとつ。ロンドンからクルマで1時間程度のケント州・ダウン村は、進化論で知られるチャールズ・ダーウィンが暮らした家も

 

「国民、みな庭師」と称されるほど、ガーデニングが盛んな英国。世界遺産に登録された庭園もある。“庭園の大特集”は実現しなかったものの、その取材の片鱗はわずかに誌面に残った↑「国民、みな庭師」と称されるほど、ガーデニングが盛んな英国。世界遺産に登録された庭園もある。“庭園の大特集”は実現しなかったものの、その取材の片鱗はわずかに誌面に残った

 

続いて、旅のプロによる“取材旅”の進め方をうかがいます。そのなかで見つけた、不世出の観光スポットとは……?

20180302_kaki_Li_07

 

旅とは「謎解き」。予想とは異なる答えが楽しい

元木:1冊の構成は、どのようになっているんですか?

 

倉林:第1特集は海外で、旅先はひとつで100ページほど。第2特集以降は国内を紹介しています。そのなかで、私は海外の50ページ程度を担当しています。

 

元木:おおっ! 編集長自らがつくっていらっしゃるんですね。

 

倉林:編集部は私を含めて3名ですが、ライターさん、カメラマンさん、コーディネーターさんなどたくさんの方々と一緒に1冊をつくりあげています。

 

元木:構成で心がけていることは?

 

倉林:インターネットのおかげで、世界各国のことを知った気になってしまいがちです。でも、探せば絶対にあるんですよ、われわれの知らないものが。できるだけ斬新なものを探しています。

 

元木:たとえば?

 

倉林:台湾の特集(2016年春号・「美麗なる台湾」)でのことです。まだ知られていない、見たことのない“富豪”の家があるのでは? と探し回りまして。英語のサイトだけでなく、台湾語のサイトもくまなくチェックをしましたら、霧峰林家(むほうりんけ)という台湾5大豪族のひとつで、こちらの大邸宅が見学施設としてちょうどオープンすると知ったんです。

 

元木:日本で言うところの文化財住宅みたいなものでしょうか。で取材を申し込んだんですね。

 

倉林:はい。すぐにアポイントをお願いしました。とにかく素晴らしくて。この屋根の“反り”、すばらしいでしょ?

台湾を特集した号が好評だったため、コンパクトサイズの別冊が誕生した。本誌では、この写真の正面(かつ夜に撮影したもの)が堂々と表紙に。見たことのない風景で話題をさらった↑台湾を特集した号が好評だったため、コンパクトサイズの別冊が誕生した。本誌では、この写真の正面(かつ夜に撮影したもの)が堂々と表紙に。見たことのない風景で話題をさらった

 

元木:とっても象徴的ですね。

 

倉林:この“反り”の角度が大きくなればなるほど、権力を持っている証なんですって。ここまでの跳ね上がりは皇帝に匹敵するとか。これを見つけたときに「やったー!」と思いました。諦めずにコツコツ調べたことが報われた思いでした。
この号、台湾でもとても売れたんですよ。日本語なのですが、中国語でスポット名を記載したことも、功を奏したかもしれませんね。

 

元木:台湾には、感度の高い人たちが集まっているイメージがあります。私たちが洋書に憧れるように、台湾の人たちにとっては日本の雑誌がおしゃれなんでしょうね。
それにしてもバイタリティがすばらしいです! 取材中、毎日予定が変更になるなんてしょっちゅうですよね? 現地の一般の方にもリサーチするんですか?

 

倉林:「あそこがいいよ」と言われたら、すぐに行動してますね。

 

元木:予想に反して読者からの評判がよかった、食いつきがよかった、という号は?

 

倉林:ニューヨークでしょうか(2015年秋・「華麗なるニューヨーク」)。『CREA Traveller』の読者は、歴史や文化が好きな方が多いので、都市はあまり特集にしていません。が、“ニューヨークの食がおいしくなっている”という事情を検証したり、美術の最新事情を大特集にしました。
一方、私はニューヨークではなく、グランドサークルを担当しましてね。ちょうどそのころ、アンテロープキャニオンが話題で、アメリカ先住民の方に案内いただいて月明かりの下で、撮影したんです。「たぶん、売れないだろうなぁ」と思っていたのに、売れてちょっとびっくりしました(笑)

 

元木:では、そんな倉林さんが、旅先で必ず行く場所、チェックするものはありますか?

 

倉林:本屋さんや市場があれば必ずチェックします。あとはトラムというか地下鉄。電車に乗ると、その町の物価がわかるので。

 

元木:町の風景や、人となりがわかりますものね。
さて、最新号(2018年3月発売予定)についてこっそり教えてください。

 

倉林:2年半ぶりのパリ特集です。ちょっと見ないうちにこんなに素晴らしくなっていたのか? というのを実感していただけるかと。世界中の鉄道好きが集まってくるような「地下鉄の奥の奥まで見学できるツアー」や、ル・コルビュジエの建築が集まった町に出かけたり、マルシェでの肉市場、解体するところも取材しており、ちょっとした“大人の社会科見学”になっています。

 

元木:きっとまた深くて濃い内容なんでしょうね、楽しみです。

美しいビジュアルも『CREA Traveller』が支持される理由のひとつ。「毎号が、名刺代わりのようなもの。取材地で外国の方にお配りしても“とてもきれい!”と評価いただいています。ですから、写真のクオリティは下げたくない。今採用している紙は発色のいい高級紙ですが、これからも使い続けます」↑美しいビジュアルも『CREA Traveller』が支持される理由のひとつ。「毎号が、名刺代わりのようなもの。取材地で外国の方にお配りしても“とてもきれい!”と評価いただいています。ですから、写真のクオリティは下げたくない。今採用している紙は発色のいい高級紙ですが、これからも使い続けます」

 

元木:最後に、倉林さんが“旅に求める”ものってなんでしょう?

 

倉林:そうですね……「謎解き」でしょうか。想像や事前知識とは異なる“答え”が出ると、おもしろいですね。
ある方が興味深いことをおっしゃっていたんですが、人類はアフリカで誕生してヨーロッパ大陸を渡ってアジアに来て、そして南米に、というように、われわれには“旅する遺伝子”が備わっているってね。「旅したい!」には理由がないというか、本能のような気がします。

 

元木:なるほど、とても合点が行きました。こうお話をしていて、誌面には出てこない「裏話」のようなものをもっと知りたくなりました。倉林さんだけでなく取材陣のエピソードなんてどうでしょう? 旅エッセイみたいな感じで?

 

倉林:「裏トラベラー」ってどう? なんて冗談でよく言っていますけどね(笑)。裏はさておき、この春には『CREA Traveller』のウェブサイトがいよいよスタートする予定です。こちらもどうぞお楽しみに!

 

【プロフィール】

20180302_kaki_Li_10

CREA Traveller 編集長 / 倉林里実(左)

大学卒業後、証券会社の国際金融部を経て、アメリカ・ハーバード大学に短期留学。帰国後の1994年、出版業界へと転身しライフスタイル誌の編集部に。2008年、文藝春秋に入社。デスクとして『CREA』に配属。2010年に編集長を務める。2013年より『CREA Traveller』の編集長に。

CREA WEB「CREA Traveller」
http://crea.bunshun.jp/subcategory/トラベラー

 

ブックセラピスト / 元木 忍(右)

ココロとカラダを整えることをコンセプトにした「brisa libreria」代表取締役。大学卒業後、学研ホールディングス、楽天ブックス、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)とつねに出版に関わり、現在はブックセラピストとして活躍。「brisa libreria」は書店、エステサロン、ヘアサロンを複合した“癒し”の場所として注目度が高い。

brisa libreria http://brisa-plus.com/libreriaaoyama

 

取材・文=山﨑 真由子 撮影=泉山 美代子

 

何気ない日常を、大切な毎日に変えるウェブメディア「@Living(アットリビング)」

at-living_logo_wada

 

「家」って必要なの? 世界を旅するノマドワーカーが辿り着いた答えとは?

生き方にこだわる人、こだわりのある暮らしをしている人。そんな人にスポットをあて、こだわりを貫くために住まう家とはどのような場所なのか、それぞれにとっての「家」の存在を紐解いていきます。

 

世界中を旅しながら、好きな文章を書いて暮らす。物書きや旅行好きなら誰もが一度は夢見てしまう、そんな生き方を約2年間にわたって実践している女性がいます。

 

「これからの暮らしを考えるウェブメディア」として2015年に生まれた「灯台もと暮らし」の編集長であり、ライターやフォトグラファーとしても活動する伊佐知美さん。彼女は2016年4月から現在にいたるまで、ライターとして文章を書きながら世界約40カ国100都市と国内を旅し、“家をもたない暮らし”を続けてきました。いまなお、その旅を継続中の彼女ですが、最近になって、東京に「家」という拠点を持つべく物件探しを始めたのだとか。

 

幼い頃からの夢だった、街から街へと気ままに旅する日々を愛してきた彼女が、なぜいまあらためて、「家」を持とうと思ったのか。世界中でAirbnbなどを利用し、多種多様な住居に触れてきた彼女が描く、理想の住まいの姿とは……? 物件探し中の現在から、実際に契約して暮らしをスタートさせるまで、前・後編にわたってインタビューをお届けします。

↑今回の主役、編集者でありライター、フォトグラファーでもある伊佐知美さん。オーストラリア・バイロンベイのビーチにて↑今回の主役、編集者でありライター、フォトグラファーでもある伊佐知美さん。オーストラリア・バイロンベイのビーチにて

 

タワマンに憧れていた女性がスーツケースひとつで旅に出るまで

両親が転勤族で、小学生のときに初めて転校した場所が上海。その後は地元・新潟を転々と。そんな原体験から、旅や異文化への関心を持つようになった伊佐さん。本好きだったこともあり、その関心はいつしか「文章を書きながら世界中を旅する」という夢へと繋がっていったそうです。実際に29歳のとき、現在勤めている会社「Wasei」でその夢を叶えた彼女ですが、実はほんの数年前までは、本当に“普通の暮らし”をしていたのだとか。

 

「国公立の大学に通い、出版社に就職したかったけれど、面接は全滅。たまたまご縁があった金融系の会社で総合職に就き、24歳のときに一度結婚をしました。それまでも、旅や書くことへの憧れはずっとあったけれど、バックパッカーになる度胸があるわけでもなく、がんばって年に2~3回海外旅行に行くくらい。豪華なタワーマンションに暮らすことに憧れていた、わりとミーハーな人だったと思います。

 

でも、結婚を機に仕事を辞めて、これからの生き方を考えていた冬のある日、エアコンが動くのを見ながら『こうやって“生産”もせず、ただただお金を消費している自分の人生ってなんだろう?』と疑問を持ってしまったんですよね。『私って何のために生きてるんだろう?』って(笑)」

 

やっぱり前向きに生産したい、できることなら文章に携わる仕事がしたい。あらためてそう思った伊佐さんが見つけたのは、大手出版社のアシスタント職でした。しかし、やはりライター未経験者が突然大手出版社のライターになれるはずもなく、彼女はあるときTwitterで流れてきた、新しいウェブメディアのライター募集ツイートを見つけて応募。社外で兼業ライターとして活動をスタートさせます。

 

「始めたころは、記事1本のギャランティが500円。それが半年後には1万円、そして2万円になり、ウェブだけではなく、雑誌の仕事もいただけるようになっていました。 この仕事を海外にスライドできたら、世界一周の旅が実現できるかも……そんなことを考え始めた矢先に、今所属している株式会社Waseiの代表に、『新しく立ち上げるウェブメディアの編集長をやってみないか』と声をかけてもらいました。結果、立ち上げから一緒にやれることに」

 

とはいえ当時から「“いずれ旅に出る”という選択肢も捨てきれてはいなかった」という伊佐さん。それでも編集長になることを選んだ理由は、自分が信頼する仲間らとメディアを立ち上げるという経験と、その時間がとても魅力的に映ったから。

 

「今思えば、20代後半は、やっぱり子供がほしいなぁという気持ちもあって、それが旅に出ることをためらっていた理由でもあった気がします。まぁでも結局のところ、私はやっぱり長い旅に出てみたかったんです。それも20代の、若い感性があるうちに。

 

だから、非常識だなとは思いつつも、その気持ちが消えないので『旅に出たいです』と、ほどなくして家族や仕事仲間に相談しました。普通は反対されたりすると思うのですが、元夫(後に離婚しちゃったんですけれど!)は大学時代の同級生で、学生の頃から『書き物をしながら旅がしたい』と夢を語っていた私を知っていたので、やさしく『行ってきな』と言ってくれました。仕事仲間にいたってはむしろ『やっと行くんですね!』と背中を押してくれて…… 本当にありがたいですよね。

 

そして仕事や身の回りを整理して、よし旅に行くぞ! と準備ができた頃、書籍の執筆依頼や、世界一周の連載依頼をいただきました。『灯台もと暮らし』の編集長も続投させてもらえることが決まっていたので、結果としてですが、晴れて『海外を旅しながら書き仕事をする』状態が整ったんです」

↑『移住女子』(新潮社/1404円)都会ならではの息苦しさから解放されるべく、地方へ移住し、そこで自分らしくのびのびと生きる、8人の女性たちのルポ↑『移住女子』(新潮社/1404円)都会ならではの息苦しさから解放されるべく、地方へ移住し、そこで自分らしくのびのびと生きる、8人の女性たちのルポだ

 

29歳のとき、ついに叶った幼い頃からの夢。旅立ちは2016年4月のことでした。「旅中はもちろん家なし。寝泊まりは、民泊サービスのAirbnbが7割。あとはゲストハウスやホテル、現地知人の家などがメイン。けれど、旅立つ当初に設定した『世界一周は8ヶ月間!』という期間もいつしか延び延びになり、『帰国しました宣言』をしないまま今に至ってしまっています(笑)。だから実は、もうかれこれ2年ほど固定の住居がありません」

 

↑ベトナム・ホイアンにて↑ベトナム・ホイアンにて

 

↑白亜の大理石で築かれたシェイクザイード・モスク(アラブ首長国連邦)↑白亜の大理石で築かれたシェイクザイード・モスク(アラブ首長国連邦)

 

では、意気揚々と念願の海外へ出かけた伊佐さんが、始まった“固定の住居がない”毎日に感じたこととは……

 

人生にはやっぱりリビングが必要!

「家をなくして旅をし始めた当初は、『これって最高に自由!』と感じてすごく楽しかったです。だって、家がないから今日どこに泊まってもいいなんて、そんな環境下に置かれたことがなかったから。

 

でも、今思い返すと笑い話ですが、実は出発してから数ヶ月後のしばらくの期間は、『私には家がない』という状況に精神的に落ち込んだ時期もあったんです(笑)。帰れる場所といったら新潟の実家だけ。それも素晴らしいことなのですが、世界一周中も仕事の都合で東京に度々帰ってきていたので、そのとき『どこで寝泊まりすればよいのか』と悩んでけっこう辛かったですね。

 

ただ、『家がない生活』も、ひと山越えると(?)日常に近付いてしまうのか、途中からなんだか慣れました。宿泊先を決めずに移動しても、いまはスマホさえあればウェブの力を駆使してどうにかなる。そもそも仕事で日本にいる以外は海外を旅し続けていて、その間は『家なし』なんて考える暇がないくらい、やっぱり最高に楽しかったですしね」

 

↑スペイン・バルセロナの街角のカフェにて↑スペイン・バルセロナの街角のカフェにて

 

今はこのように、明るく話す伊佐さん。けれど、当時彼女が抱いた“家がない不安”とは、具体的にどんなものだったのでしょう? モノがないこと、落ち着いて眠れるベッドがないこと、夜の寝床を確保するたびに、いちいち出費がかさむこと……。激動の人生に心を震わせながら、それでもなお旅を続けた伊佐さんは、このあとひとつの答えに辿り着きます。

 

「旅に出たときは70ℓのスーツケースを持っていきましたが、今は機内持ち込みできる35ℓのスーツケースとリュックサックだけに減りました。実際、旅をしてみると、肌身離さず持ち歩くほど、毎日に必要なモノってそんなにないんだなって気づいたんです。人は世界中どこでも暮らしていて、人が暮らしている限りそこにはモノが存在します。最終的に、私が『これは日本から絶対に持っていかねば』と感じたのは、自分の眼に合ったコンタクトレンズくらいのものでした。

 

でも、ちょうどイギリスのロンドンでAirbnbを利用していたときだったかな。広くて心地いいリビングダイニングが、すごく心地よく感じて、なんだか無性に泣きたくなったことがありました。お気に入りのモノが置ける場所があり、いつでも好きなようにくつろげるソファがある。キッチンがあって、そこには食べかけのグラノーラだったり、ラップで包まれた野菜の切れ端が冷蔵庫に入っていたり、『温め直して食べてね』というメモとともに、鍋が置いてあったり……。そういう、家というか、日常の積み重ねが一番美しいんだってことに、ふと気付いてしまったときがあって」

 

↑モロッコ・マラケシュの“家”では、陽射しがあふれるポーチでも仕事を↑モロッコ・マラケシュの“家”では、陽射しがあふれるポーチでも仕事を

 

↑スペイン・シッチェスの“家”のリビングダイニング↑スペイン・シッチェスの“家”のリビングダイニング

 

「旅を続けることって、日常の営みみたいなものをすべて失っていくことの繰り返し。実はリビングのような場所って、家の中だけではなく外にもあると思うんです。それは道端で毎日顔を合わせる人の存在だったり、行きつけの八百屋さんがあることだったり、大好きな人がそばにいてくれることだったり。一方の旅人は、どこにいてもやっぱりよそ者。自由で解放感に溢れてはいるけれど、毎日シャンプーとコンディショナーを持ち運ばなきゃならないし、電源とWi-Fiを探して街をさまようこともしょっちゅうです。毎日同じお風呂に入って、そこにいつも同じシャンプーが置いてあることの素晴らしさって、みなさん感じたことありますか? 私はあるんです(笑)」

 

必要最低限の荷物を持って暮らす……というと、少し前に話題になった、ミニマリストの生活を連想する人もいるかもしれません。しかし伊佐さんは、モノを持たずに暮らしていく術を体得し、旅の魅力に今なおとりつかれていながら、「やっぱり今もタワマンは好きだし、インテリアに関する理想もたくさんある!」と言い切ります。

 

「人生に、『お気に入りのモノ』は必要なんです(笑)。多くを持ち歩けない、究極のミニマリストみたいな暮らしを一定期間続けてみた結果、自分が気に入ったモノを購入して、毎日それに囲まれて生きることって、本当はすごく贅沢で豊かな体験だったんだなって実感しました。それはもしかしたら、人生で味わえる最大の楽しみのひとつなんじゃないかとさえ、今は思います。確かに余計なモノは要らないし、使い捨てのモノだけを選んでも生きていける世の中ではあるけれど、だからこそ多少値が張っても、自分が心地いいと思う家具や、食器に囲まれて暮らしたい。自分の感覚に従って厳選したものに毎日触れることは、人生に必ず大きな影響を与えると思うんです。それを改めてやりたくなったから、私はいま家という拠点が欲しくなったんだと思います」。

 

↑クロアチア・ドゥブロヴニクの“家”での仕事は、風通しのいいベランダで海を眺めながら↑クロアチア・ドゥブロヴニクの“家”での仕事は、風通しのいいベランダで海を眺めながら

 

そうして、お気に入りの物に囲まれて過ごす楽しさに気づいた伊佐さんが出した、“家”への答えとは?

 

自分と同じような感覚を持った人たちと、暮らしと家をシェアするという選択

’17年10月末に帰国して以来、ここ最近は東京を中心に日本国内に滞在中。といっても相変わらず住所不定な彼女は、国内でもAirbnbを利用しながら仕事を続け、ゆるゆると家探しをしています。このインタビュー時点では、部屋はもちろん住む街さえもまだ未定。

 

「仕事仲間も友だちもたくさんいるので、まずは東京に拠点を持つのがよさそうだなと思っています。当初はひとりでの賃貸契約を考えていましたが、少し前に同じく世界を旅しながらライターをしている女性と、タイのバンコクや東京で、ホテルやAirbnbの部屋をシェアする機会がありました。そのときの生活が想像以上に楽しかったのと、直感ですが『なんだか未来がひらけそうな感覚』が持てたので、彼女を含めた旅人複数人で家をシェアする暮らしも素敵だなぁと今は考えています。そして実際に、現在はそれが実現できそうな物件を探していますが、なかなか理想に近いものが見つけられないので……難しいですね。今後どうなるかは自分でもまだ分かりません」

 

東京で家を決められたとしたら、ですが、実はその後は海外も含めた多拠点居住の構想もあるそうです。

 

けれど、おいしい料理を作りたくなるキッチンや、お気に入りのソファが置かれたリビング。毎日ぐっすりと安心して眠れる寝室。原稿を書くための専用スペースに、空や四季の移ろいを眺められる広い窓など。彼女が家に求める理想を聞いてみると、そのちょっぴり波瀾万丈な人生と比べたら、決して特別なものには感じませんでした。

 

「ミニマリストのように、何も持たないことが身軽さであり自由だという考えもあると思います。でも私が考える“身軽さ”ってそうではないんですよね。世界中どこでも、今すぐ自由に飛び立てるっていう身軽さを知り、それが自分にもできるのだと分かったからこそ、今やっと安心して家を持てる気になったというか」

 

’18年、年明けすぐにでも拠点を決めたいと話す伊佐さん。そんな彼女が、いま東京のどこで、どんな家を選び暮らすことになるのか…? インタビュー後編では、その気になる結果をご紹介します!
20180227_hayashi_atL_10

編集者 / 伊佐知美

1986年新潟県生まれ。株式会社WaseiにてWebサイト「灯台もと暮らし」の編集長を務めるほか、個人としてライター、フォトグラファー、オンラインサロンの主宰、イベント登壇といった活動に取り組む。2017年に「灯台もと暮らし」での移住者への取材をもとにした初の著書『移住女子』(新潮社)を上梓。同年秋には、オンラインコミュニティ「旅と写真と文章のSlackコミュニティ」を新たに立ち上げた。
灯台もと暮らし http://motokurashi.com/

 

取材・文=小堀真子 撮影=泉山美代子

 

何気ない日常を、大切な毎日に変えるウェブメディア「@Living(アットリビング)」

at-living_logo_wada

 

 

札幌の“夜”はコレ抜きじゃ語れない!! 2大定番「夜景スポット」と「シメパフェ」を現地レポ

夜景の綺麗な街って魅力的ですよね。読者の皆さんはどの街を思い浮かべますでしょうか? 2015年10月、夜景観光における国内唯一の事業団体である(一社)夜景観光コンベンション・ビューローが国内外の夜景観光活性化を目指し、全国約4500人の夜景鑑賞士による投票を実施。その上位3都市を「日本新三大夜景」と認定しました。その3都市が、長崎・神戸、そして札幌です。

 

見事日本新三大夜景都市に選ばれた「札幌」には、藻岩山山頂展望台やテレビ塔などたくさんの夜景スポットがあります。今回は2つのオススメ夜景スポットを紹介しましょう!

 

【その1】

JR札幌駅に直結したJRタワーにあってアクセス抜群! 「JRタワーT38(スリーエイト)展望室」

20180222_bln1_1

JR札幌駅に直結したJRタワーにあり、アクセス抜群なこちらのスポット。6階から専用エレベーターで一気に上がる最上階38階の展望室には地上160mのパノラマが広がり、北は石狩湾新港の向こうに水平線を、西は北海道大学や手稲山を望み、南は碁盤の目に整備された夜景が、豪華な札幌中心部から札幌ドームまで一望できます。

 

札幌の街並を360度見渡せ、オフィスビル群とネオン街との都市ならではの夜景を満喫できるはず。三大夜景都市の全容をご覧いただくのにオススメです。

20180222_bln1_2↑日中、晴れていれば左手に遠く小樽を望むことができる北サイド。正面奥には札樽自動車道や丘珠空港、石狩湾新港が位置する北都・札幌のエントランスエリア。ここで見る眺望の奥行きは深く、開放感のあるスケールを味わえます

 

20180222_bln1_3↑男性の方にぜひお試しいただきたいのが「展望トイレ」。地上160mの眼下に広がる夜景を眺めながら……

 

南回廊にある「T CAFE」ではカフェメニューに加えて、夜はワインやカクテルなど多彩なバーメニューも提供されます。札幌で1番高いフロアでのカフェタイムも楽しんでみてはいかがでしょうか。

=====================================

JRタワー展望室T38(タワースリーエイト)

◎場所/札幌市中央区北5条西2丁目5番地  JRタワーイースト6F(受付)

◎TEL/ 011-209-5500

◎営業時間/10:00~23:00(最終入場22:30)

◎料金/大人:720円、中・高校生:500円、小学生・幼児(4歳~):300円

http://www.jr-tower.com/t38

=====================================

 

【その2】

インスタ映えする風景がカップルに大人気!「旭山記念公園」

20180222_bln1_4

1970年に札幌市創建100周年を記念して開園した「旭山記念公園」は、標高137.5mに位置する展望台からは、日中は石狩平野や日本海、札幌市内を一望することができます。夜はライトアップされた噴水と、その向こう側に広がる札幌中心部の灯りが幻想的で、インスタ映えする風景がカップルに大人気! 地下鉄「円山公園」駅から路線バス「旭山公園線」に乗車して約15分、住宅街のなかにある地元の方に人気の夜景スポットです。

20180222_bln1_5

なお、噴水は4月下旬~10月31日まで運転しており、運転時間は

・10:00 ~ 19:00(4月、5月、10月)

・10:00 ~ 20:00(6~9月)

・ライトアップ・・・日没 ~ 運転終了まで

となっていますので、噴水を写真に収めたい方は運転時間にご注意ください。

=====================================

旭山記念公園

◎場所/札幌市中央区界川4丁目

地下鉄東西線「円山公園駅」から、JR北海道バス旭山公園線(円13)で約15分、「旭山公園前」下車

駐車場(2か所 合計119台)利用時間:午前6時~午後10時(無料、夜間閉鎖)

※上の第1駐車場は通年利用できますが、下の第2駐車場は冬季閉鎖

http://www.sapporo-park.or.jp/asahiyama/

=====================================

そのほかにも、日本新三大夜景都市の名に相応しく、市内にはたくさんの夜景スポットがあります。夜もカラフルな札幌の街並みを、お楽しみください。

■参考:札幌夜景観光ガイド
https://www.sapporo-yakei.jp/

 

【番外編!】

巨大な工場の存在感・造形美が圧倒的! 「室蘭工場夜景」

札幌から特急「スーパー北斗」に乗車して約1時間20分、高速バス「むろらん号」乗車で約2時間半の室蘭市が、いま夜景で注目されています!

20180222_bln1_6↑北海道を代表する重化学工業・港湾都市である「室蘭」は、日本十大工場夜景エリアのひとつです

 

巨大な工場の夜景が観光スポットとして注目されるなか、平成23年2月23日・第1回全国工場夜景サミットが開催され、川崎市・室蘭市・四日市市・北九州市の四エリアにより共同宣言が採択されました。そして第3回サミットより山口県周南市、第5回サミットより兵庫県尼崎市、第6回サミットより静岡県富士市、第7回サミットより千葉県千葉市が加入。そして平成28年に開催された第8回サミットより大阪府高石市と大阪府堺市が加入し、現在では、十大工場夜景都市となっています。

 

光り輝く保安灯の美しさに加え、巨大な工場の存在感・造形美が室蘭工場夜景の魅力! クルーズ船にのって海上からその圧倒的な存在感を眺めることもできます!

 

詳しくは室蘭の観光情報サイト「おっとむろらん」(http://muro-kanko.com/)でご確認ください。

20180222_bln1_7↑海上からの工場夜景

 

北海道・札幌を訪れた際には、室蘭まで足を伸ばして夜景を楽しんでみてはいかがでしょうか? 昼間は地球岬からの絶景を眺めたり、ご当地ラーメン「カレーラーメン」もお楽しみください!

=====================================

【室蘭へのアクセス】

バス:高速むろらん号(北海道中央バス http://www.chuo-bus.co.jp/

20180223_bln1_1

◎区間/札幌駅前ターミナル~室蘭観光協会前間

◎運航頻度/約1時間に1本

◎所要時間/約2時間半

◎料金/往復3860円、片道2060円

 

JR:特急スーパー北斗(JR北海道 http://www.jrhokkaido.co.jp/

20180223_bln1_2

◎区間/札幌駅~東室蘭

◎所要時間/約1時間20分

◎運賃/片道 4810円〔特急指定席利用〕

=====================================

 

札幌の“夜”の新定番! 「シメパフェ」の名店3選

夜といえばお酒も外せませんよね。皆さんは、お酒を飲んだあとの「シメ」の一品として、何を召し上がりますか? やっぱりラーメン?そんな常識、札幌では通用しません。お酒を飲んだあとのシメのラーメンならぬシメのパフェ、その名も「シメパフェ」が札幌の夜の新定番となりつつあります。

 

搾りたての牛乳からできたソフトクリームや地元の旬の食材などを使った冷たくて甘いパフェで1日を締めくくる習慣は、季節にかかわらず、ここ数年、札幌市民の間だけでじわじわと広がりをみせてきました。これを受け、そんな札幌の知られざる食文化を1人でも多くの方に知っていただくため、「札幌パフェ推進委員会(http://sapporo-parfait.com/)」が設立されました。

 

現在札幌市中心部だけでも20店舗以上のお店が加盟し、各加盟店が工夫をこらした様々な種類の「シメパフェ」~飲んだあとや食事をしたあとなど1日の最後を締めくくるパフェ~を提供しています。

 

今回は、そんな「シメパフェ」の中から、3店舗をハシゴしてみましたのでご紹介いたします。

 

【その1】

パフェ、珈琲、酒「佐藤」

狸小路1丁目の路地裏に位置しおしゃれな“和”の雰囲気のお店の入り口にはソフトクリームが輝いてます!

20180223_bln1_3

オススメは、お酒・肴・パフェ・珈琲がセットになった「佐藤堪能コース」(2300円、税別)。

20180223_bln1_4

パフェとお酒の組み合わせがコースになっていること自体が観光客からしますと驚きなのですが、今回はお店自慢のパフェのなかから「塩キャラメルとピスタチオ(単品・1100円、税別)」をいただきました。見た目からして大人感のあるこちらのパフェ、甘さ控え目、ピスタチオ・カシスなど素材の味が引き立ち、パフェを食べながらお酒が飲みたくなる気持ちが抑えられません! お店の方にうかがうと、パフェにあわせてスパークリングワインを召し上がる方が多いとのこと。まさしくオトナのシメパフェを満喫いたしました。

 

マスコミにも頻繁に取り上げられる行列店ですが、お店の方にうかがうと21時過ぎが混雑のピークとのお話ですので、その前の入店が狙い目かも。

=====================================

パフェ、珈琲、酒「佐藤」

狸小路1丁目の路地裏に位置。パフェと珈琲とお酒、この3つのこだわりがコンセプト。北海道産の食材と自家製にこだわったソフトクリーム・アイスクリーム・ソルベ・焼き菓子などを組み合わせ、味の変化や食感も緻密に計算されたパフェは絶品。ネルドリップで丁寧に抽出された珈琲はパフェと好相性。お酒も日本酒、ワイン、焼酎、ウィスキー、コニャックなど豊富なラインナップです。

◎場所/札幌市中央区南2条西1丁目6番地1 第3広和ビル1F

◎TEL/011-233-3007

◎営業時間/火〜木 18:00〜24:00、金 18:00〜26:00、土 13:00〜26:00、日 13:00〜24:00

◎休業日/不定休

http://pf-sato.com/

=====================================

 

【その2】

Parfaiteria PaL【パフェテリア パル】

豊水すすきの駅からすぐ、バースタイルでパフェとお酒が楽しめる夜パフェ専門店です。

20180223_bln1_5↑ススキノの街を見下ろす開放感のあるカウンター

 

20180223_y-koba2 (2)_R↑メニューは手書きのイラストでとってもおしゃれ!

 

20180223_y-koba2 (1)_R↑旬のフルーツをふんだんに使うため、パフェのメニューは全て期間限定

 

今回頂いたのは季節を問わず、常時召し上がれる「ピスタチオとチョコレートのパフェ」(単品1250円、税別)。

20180223_y-koba2 (3)_R

甘さを抑えたパフェをおつまみに、もう1杯お酒を楽しみたくなる、さっぱりとしたパフェを満喫しました。PALさんは飲んだあとの時間でもさっぱり食べられるよう甘さは比較的抑えたパフェを、1つ1つ手作りで提供しており、来店するお客様のなかには女性だけでなく男性同士の来店も多いとのこと。パフェと一緒に女性の方はスパークリングワインやサングリア、男性の方はウィスキーをあわせて召し上がられる方が多いそうです。バーでゆったりとお酒を楽しみながらのシメパフェを満喫しに訪れてみては!

=====================================

Parfaiteria PaL【パフェテリア パル】

「夜に楽しめるパフェ」を提供してくれるオトナのための夜パフェ専門店。メニューはどれも期間限定で、旬の果物がふんだんに盛り付けられており、生クリームが使われていないのでさっぱりと食べることができます。ジャズが流れるゆったりとした空間での「シメパフェ」で、今宵はどうぞ良い夢を。

◎場所/札幌市中央区南4条西2丁目10-1 南4西2ビル6F

◎TEL/011-200-0559

◎営業時間/18:00~翌2:00

◎休業日/12/31〜1/2

http://risotteria-gaku.net/parfait

=====================================

 

【その3】

ななかま堂

すすきの駅から徒歩5分雑居ビルの2階にあるこちらのお店、かわいいナナカマドののれんと、クマゲラの看板が出迎えてくれます。

20180223_y-koba2 (4)_R

20180223_bln1_10

お店のなかには座敷席もあり、和の雰囲気が漂っています。

 

季節毎に約5種類のパフェを用意されているなか、今回いただいたのは「洋梨とゴルゴンゾーラのパフェ」(単品1300円、税別)。

20180223_y-koba2 (5)_R

ゴルゴンゾーラが引き立ち、シロップやシャーベットにアルコールを使っているため、お酒にピッタリ合うパフェを満喫しました。

 

お店の方によりますと、若い女性のグループでスパークリングワインと一緒にパフェを楽しまれる方が多いとのお話。

 

また、こちらのお店、22:00以降はパフェのテイクアウトも行っているとのことですので、すすきの周辺にお泊りの方はホテルまでお持ち帰りすることも可能ですね。

=====================================

ななかま堂

2017年5月オープン。北海道の食材を沢山とりいれ北海道の牛乳を使用したソフトクリームをパフェのパーツの一部として採用し、甘さの強弱・食材の相性・食べ進めるごとの味の変化を計算しつくされたパフェです。シメパフェにふさわしいパフェをご賞味ください。

◎場所/札幌市中央区南4条西5丁目 第4藤井ビル2F

◎ TEL/011-596-8607

◎営業時間/18:00~24:00(L.O. 11:30)、金土祝前日 18:00~26:00(L.O. 1:30)

◎休業日/不定休

http://risotteria-gaku.net

=====================================

今回は3店舗を巡ってみましたが、どちらのお店も“お酒に合う”パフェを追求され、夜小腹が空いた時にもう少し飲みたい&甘いものを食べたいという欲求を見事に叶えてくれる一品で、こういったパフェがあるからこそ、札幌市民の皆様に「シメパフェ」文化が浸透してされているということを強く感じました。

 

札幌の夜は「夜景」、そしてシメは「シメパフェ」で! ぜひ皆様も体験してみてください。

「これは永遠に残すべき宝物」クオリティの高すぎる手作りドールハウスがネット上で話題!!

世間で注目を集めている商品が一目でわかるAmazon「人気度ランキング」。さまざまなカテゴリの注目商品がわかる同ランキングだが、商品数の多さゆえに動向を追いかけられていない人も少なくないだろう。そこで本稿では、そんなAmazon「人気度ランキング」の中から注目の1カテゴリを厳選。今回は「おもちゃ」のランキング(集計日:2月6日、昼)を紹介していこう。

 

スーツケースの目印といえばステッカー!

●1位「UTSAUTO 「100枚」セット防水シールステッカー スーツケースバイクデコレーションステッカー 防水加工なので安心」

出典画像:Amazonより出典画像:Amazonより

 

ステッカー100枚セットの人気が急上昇。同商品は防水加工がされているので、自転車やスケボーなどアウトドア向けのアイテムにも気軽に貼り付けられる。

 

色々なアイテムと相性の良いステッカーだが、スーツケースの目印としても大人気。特に卒業シーズンが近いこの時期は、卒業旅行を控えた学生たちの頼れる味方に。ひと足先に卒業旅行をエンジョイ中の学生もいるようだが、これから旅行の準備を始める人もチラホラ。

 

ネット上では「卒業旅行で月末からヨーロッパ巡り!」「来週から卒業旅行でアメリカ行くんだけど、何も準備してない…」と海外に行く学生の声が多く上がっている。旅先で荷物のトラブルを防ぐためにも、スーツケースには目印をしっかり付けておこう!

 

●2位「仮面ライダービルド DXクロコダイルクラックフルボトル」

●3位「ベイブレードバースト B-103 ブースター スクリュートライデント.8B.Wd」

●4位「DNYCF USB充電ケーブル」

●5位「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー ダブル変身銃 DX VSチェンジャー ルパンレッドセット」

●6位「DNYCF プロペラ 4枚セット」

●7位「ベイブレードバースト B-98 神改造セット」

 

手作りドールハウスがネット上で話題に!

●8位「シルバニアファミリー ルームセット はじめてのシルバニアファミリーおすすめ家具セット セ-158」

出典画像:Amazonより出典画像:Amazonより

 

ショコラウサギのお母さんと、冷蔵庫や勉強机などの家具がセットになった「シルバニアファミリー」シリーズのアイテムがランクイン。シルバニアファミリーといえば、ネット上ではあるドールハウスが話題に。

 

注目を集めたのは、2月3日に投稿された「妻が子供の頃、シルバニアファミリーの家がほしいと言ったらお祖父さんが作ってくれたというドールハウスが泣けるほど昭和の住宅なのでみんな見てほしい」というツイート。「食器以外は家具も全部手作りらしい」とも綴られており、同時にアップされた画像には本格的に作りこまれたドールハウスの内装が写っている。

 

同ツイートは2月6日現在で6万6000件以上のリツイートを記録。他のユーザーからは「これは永遠に残すべき宝物だと思います」「昭和の良き時代の空気が詰まってる」「本物の住宅かと思いました!」「クオリティ高すぎでしょ…」と驚愕の声が相次いだ。

 

●9位「プラレール 新幹線変形ロボ シンカリオン シンカリオン超進化マスコン シンカギア 初回特別 E7 Shinca スペシャルVer.付」

●10位「仮面ライダービルド 駆鱗煙銃 DXネビュラスチームガン」

 

ステッカーに人形の家具グッズなど、様々なジャンルのアイテムが注目を集めた今回のランキング。果たして次回はどんなおもちゃが急上昇するのだろうか。

世界初の「完全自走」で手ぶら旅行を実現! 掃除ロボットの次は「自走式スーツケース」がくる!

旅行時のネックといえば、移動時に片手を塞いでしまうスーツケース。しかし、ここで紹介するスーツケースは、そんなネックを解決する「完全自走式」なのです。スマホとBluetooth接続することで、スマホの所持者の後を勝手についてくるこのアイテムの魅力を紹介。

 

 

縦・横を問わず、最大4時間&最大時速9㎞で走行可能!

20171222_bln01_2

 

合同会社イーコネクト

Travelmate

13万6080円〜※ (2018年2月先行予約開始)

Bluetoothでスマホと接続することで、そのスマホを持つ人の動きに合わせて自動で追尾してくれる完全自走スーツケース。施錠や解錠などの操作もスマホから行えるほか、スーツケースの重さなどもアプリで確認できます。(※2018年2月からイーコネクトwebサイト上で先行予約の受付を開始)

 

20171222_bln01_5

障害物や段差を自動で避けながら、最大時速9㎞で走行。省スペースな縦と安定感のある横のどちらでも自走可能。フル充電で約4時間駆動します。

 

最先端な発想を形にした旅の概念を変えるアイテム

久々にガツンと新しいアイテムが登場しました。スーツケースをロボット化するというアイデアだけで否が応でも期待が高まってしまいます。そんな自走式スーツケースの「Travelmate」に筆者同様の期待を抱いた人はかなり多いようで、米国のクラウドファンディングサービスでも瞬時に76万ドルもの資金を集めたといいます。

 

バッテリーやモーターを内蔵したスーツケースが、専用アプリをインストールしたスマホを追尾するという仕組み自体はロボット掃除機の親戚といった感じ。ただし、スーツケースという性格上、障害物にぶつかって感知するという手は使えません。そこで、内蔵カメラなどを利用して、障害物や段差などを認識し、きちんと避けて追従してくれる作りになっています。ユーザーはスーツケースを転がしながら歩くといった必要がなく、手ぶら感覚で旅行に行けるというわけです。

 

今後、カメラなどのセンサーを活用して、自宅の監視などができる機能を搭載することも検討されているというのがまた面白い。まさに最先端な発想のアイテムといえます。

 

操作はスマホから&給電もできる!

20171222_bln01_9↑バッテリー残量などもスマホで確認可能。付属のGPSタグを利用することで、スーツケースの位置も調べられます

 

20171222_bln01_7↑付属のGPSタグ

 

20171222_bln01_6↑スーツケースの操作に必要なアプリはiOSとAndroidの両方を用意。施錠・解錠コードは家族などにシェア可能です

 

20171222_bln01_8↑スーツケース天板には、2基のUSBポートを搭載。他製品への給電も可能で、スマホやタブレットなどを充電できます

 

20171222_bln01_10↑USB充電機能の使用イメージ。スーツケース本体には、取り外し可能なリチウムイオンバッテリーを搭載します

 

 

20171222_bln01_11↑内装のイメージ。バッテリーやホイールなどのぶん、多少容量は小さくなりますが、それほど影響があるわけではありません

 

20171222_bln01_12↑大きなホイールを採用し、安定した二輪駆動を実現。多少デコボコした道でも問題なく走行可能といいます

 

S・M・Lの3サイズ展開

20171222_bln01_11

3サイズ展開で、Sサイズは機内持ち込みが可能です。いずれも最大積載量約40kg。価格は、Sサイズが13万6080円、Mサイズが16万920円、Lサイズが19万80円を予定。

 

 

年末年始に出かけたいけど、お金がかかる! 家族でお得にレジャーを楽しむ方法とは?

せっかくの冬休み、家族みんなでたくさんの思い出を作りたい。でも、年末は何かと入り用で出費がかさんでしまった……。遠出するにも、家族4人の往復交通費だけで家計を苦しめることになり兼ねない。うまく節約しながら家族みんなで出かける裏ワザはないものだろうか? 近所に住んでいる家計研究家の氏家祥美さんなら、何か良いアイデアをくれるかも。さっそく相談しに行って見ようかな。

1225_maita09

 

節約もしたいけど、家族で出かけたい……それって欲張り?

 

comment-father
冬休みになって、子どもたちも近所で遊ぶだけではつまらないだろうし、せっかくだからどこかに連れて行ってあげたい。だけど、この時期はどこに行っても高くついてしまいそうで……。お得にレジャーを楽しむ方法ってないですか?

 

 

setsuyaku
2017年度のふるさと納税はもう申し込みましたか? 毎年12月31日が締め切りなので、もしまだならふるさと納税の返礼品を旅行サイトのポイントにする方法がありますよ。

 

 

comment-father
え!? 返礼品って食品や郷土品ばかりかと思ってました! まだふるさと納税をやったことなかったからこの機会に挑戦したいな。

 

 

setsuyaku
寄付先によっては、寄付額の50%の金額を旅行サイト内で使用できるポイントとして還元してくれる自治体もあるんです。使用期限は旅行サイトによって異なりますが、年末に申し込んでおいて翌年の好きな時期に使う、なんてこともできますよ。年明け早々にふるさと納税を寄付すれば、2017年度+2018年度のポイントを合算して春以降の旅行に使ったりもできますね。

 

 

comment-father
そんなすばらしいものだったなんて知らなかった! ふるさと納税の返礼品は、お肉やお米だけでなく、その地域の宿泊券などもあるんですね。子どもたちと一緒に遊べるレジャー体験もいいな。「ふるさとチョイス」などの専用サイトには、年収や家族構成に応じた適正寄付額を調べられるページなどもあって初心者でもわかりやすい。クレジットカード決済で寄付することもできるなんて便利だなぁ。

 

 

setsuyaku
ちなみに、参田さんはどこのクレジットカードを使っていますか? 会社によってポイントや受けられる特典はさまざまですよ。

 

 

comment-father
クレジットカード……いつも使ってるけど、どこの使ってたっけ? そんなに違うんですか!?

 

 

setsuyaku
はい、特にネットショッピングをする方は必ず見直した方がいいですよ! 例えば、楽天トラベルは楽天カードを通して決算することでポイントの還元率が上がったり、宿泊料金が割引されたりします。ビューカードであれば、切符や定期券の購入、Suicaのチャージすると、通常より3倍も多くポイントがつきます。クレジットカードで使ったお金は、家計簿アプリの「Zaim」や「マネーフォワード」が管理しやすいですよ。

 

 

comment-father
知りませんでした! 楽天トラベルを利用するなら楽天カードで決済、冬休みに新幹線を使うならはビューカードで決済するのがお得なんですね。しかもZaimやマネーフォワードは、クレジットカードだけでなく、銀行口座とも連動させることもできるらしい。早速、妻に教えてあげよう。

 

 

setsuyaku
東海道新幹線を使うなら、2017年12月15日〜2018年1月9日の期間実施されているファミリー車両も見逃せませんよ。子ども連れ専用の車両として座席を販売しているので、通常車両よりも周囲の乗客に気を遣わなくていいのが一番の魅力。さらに、人数分の乗車券を買うとプラス1席無料でついてくるので、赤ちゃん連れの家族や荷物が多くてもゆったり座れます。1ドリンク引換券付きで至れり尽せりです。

 

 

comment-father
そんな限定チケットがあるんだ! 専用車両なら、小さな子どもがいても周りも同じ環境だから気兼ねしなくて良さそう。予約は利用日の4日前からか、覚えておかなくちゃ!

 

 

setsuyaku
新幹線の乗車券なら、金券ショップもチェックしておくといいですよ。距離が近い場所へ行くなら回数券、遠い場所なら株主優待券を選ぶと、割引率が高まる傾向があります。ぜひ店頭で比較してみてください。あと、旅行でホテルや旅館を予約する場合は、子ども料金に注目してみてください。宿によっては、大人と同じベッドを使えば、わずかな食事代を払うだけで、未就学児無料になるところもあります。年末年始は特別設定になっているところも多いので、予約時に確認してみてください。また、無料送迎付きの宿を選ぶと交通費の節約になります。

 

 

comment-father
つい大人の料金ばかり注目しがちだけど、家族みんなで最終的にいくらになるかを計算したらもっといい宿を選べるかもしれないんですね。これで交通費や宿の節約はできそうだけど、レジャー施設のチケットも結構お金がかかるんだよね……。

 

 

setsuyaku
それなら数百円で入館できる科学館、博物館はいかがですか? お台場の日本科学未来館ではASIMO(アシモ)の実演ショーを見ることができたり、上野にある国立科学博物館は、常設展のクオリティが高いのでお子さんも喜んでくれると思いますよ。

 

 

comment-father
国や自治体が経営している博物館や科学館は、規模が大きいわりに入館料が安い施設が多いですよね。改めて調べてみると楽しいかも。早速、子どもたちと一緒に計画を立ててみます!

 

1225_maita07

【ふるさと納税の返礼品例】
「Q400 ハウステンボス&九十九島3日間/長崎県佐世保市」
大阪(伊丹空港)発着限定「ふるさと納税」返礼ポイントで行く贅沢紀行! ハウステンボスにある豪華ホテル「ホテルヨーロッパ」に宿泊、九十九島の遊覧船クルーズなど楽しみが盛りだくさんです。エイチ・アイ・エスが企画する特別プラン「佐世保市ふるさと納税特別企画旅行商品」に70000円相当の旅行代金として利用できる目録が贈られ、それを持ってエイチ・アイ・エスへ申し込む流れになります。

ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」
https://www.furusato-tax.jp/

 

 

まとめ

1225_maita08

身近なサービスで節約してお出かけ!

早速、ふるさと納税で返礼品に設定されている宿を予約してみたら、通常の半額で宿泊ができることに! 回数券などを利用したら、帰省時の新幹線代も安く済ませられそうだ。冬休みの期間は、どこの施設も値段が高く設定されていて、お金がかかるイメージだったけど、今まで使っていなかったサービスを駆使すれば、案外節約できそうだな。よし、今年のうちにふるさと納税&クレジットカードの変更をしておかなくては!

 

 

【助けてくれたご近所さんは…】

setsuyaku
家計研究家 氏家祥美さん
ファイナンシャルプランナー事務所「ハートマネー」代表。お金・仕事・時間のバランスがとれた『幸福度の高い家計』の仕組みづくりを提案する。著書『いちばんよくわかる!結婚一年生のお金』(学研パブリッシング)、「子どもの年代別学校に行かせるお金の貯め方」(PHP研究所)ほか多数。
https://www.heart-money.net/

 

 

日々の「参った!」というお悩みを5分で解決!「参田家(まいたけ)のおうち手帖」

matitake300x97_01

いま家族で旅行するなら高知県・室戸市がイチオシ! 室戸岬“以外”のおすすめ観光スポット5選

2017年は大政奉還から150年となる節目の年。坂本龍馬をはじめ、中岡慎太郎、ジョン万次郎、岩崎彌太郎などの偉人を輩出した土佐藩、すなわち高知県では、「志国高知 幕末維新博」が大々的に行われるなど大いに盛り上がっています。2018年は「明治維新」から150年ということで、この熱気はまだまだ続きそうです。この機会に高知を訪れてみよう、と考えている方も多いと思いますが、せっかくならほかの観光も一緒に満喫したいですよね。そこでゲットナビウェブが注目したのが、高知県の東南端に位置する都市・室戸です!

 

室戸岬だけじゃない! 親子で楽しめる施設&イベントが盛りだくさん

「室戸」と聞いて多くの方がまず思い浮かべるのが、室戸岬ではないでしょうか? 日本八景にも数えられるこの地はあまりに有名ですが、このほかにも室戸には親子で楽しめる観光スポットがたくさんあります。今回はその一部をご紹介しましょう!

 

【おすすめスポット①】

いざ地球の謎探索へ! 「室戸世界ジオパークセンター」

20171127_y-koba2_1

「ジオパーク」とは、地球について学び、体感できる場所のこと。室戸のジオパークは2011年に世界ジオパークにも認定されています。室戸世界ジオパークセンターは、このジオパークを楽しむためのヒントや情報を入手できる拠点です。

20171127_y-koba2_2↑ガイドが案内してくれるツアーも用意されています

 

特に、12月31日まで開催中の企画展「地球×ちきゅう」がおすすめ! これは、昨年行われた、室⼾沖100kmの南海トラフ付近で地球深部探査船「ちきゅう」が海底掘削を⾏い、コアを採取し、⽣物の起源や地震のメカニズムなどを解明するという国際プロジェクトを解説するもの。 地球深部探査船「ちきゅう」の紹介を中⼼に、1⽇先⽣の授業・実験といったワークショップや掘削体験、「ちきゅう」の模型の展示などが行われています。室⼾独特の地形の成り⽴ちへの理解をより深めることができ、まさに、親⼦連れでの学習体験にピッタリ!

20171127_y-koba2_4↑ドリルピットやコアレプリカなど、普段なかなか見る機会のない展示も行われています

■室戸ユネスコ世界ジオパーク
http://www.muroto-geo.jp/

 

【おすすめスポット②】

室戸とクジラの歴史を最新デジタル技術で体験! 「キラメッセ室戸・鯨館」

20171127_y-koba2_5

室戸市吉良川町の海岸沿いに位置する道の駅「キラメッセ室戸」。その敷地内にあるのが、2017年3月にリニューアルしたばかりの「鯨館」です。ここでは360°パノラマの勢子舟乗船VR体験や、高精細スキャンによってデジタルアート化された迫力ある古式捕鯨絵図など、室戸とクジラの歴史を最新デジタル技術を使って体験することができます。

20171127_y-koba2_6↑展望デッキでは、AR技術を使って絶景の海をバックにクジラと一緒に記念写真を撮ることができます

 

さらに、室戸の山海の幸やオリジナルジェラートが味わえるレストラン「⾷遊鯨の郷」、地元の野菜・果物や鮮魚、加工品などをお手ごろ価格で購入できる直売市場「楽市」も併設。体験して、味わって、お土産まで購入できる道の駅「キラメッセ室⼾」は必⾒ですよ!

■道の駅 キラメッセ室⼾
http://www.kiramesse-muroto.jp/

 

【おすすめスポット③】

独特の景観をいまに残す「吉良川の町並み」

DSC08175_R

その昔、豊かな⼭林資源を使い、良質な⽊炭と薪が取れることから「⼟佐備⻑炭」の産出地として⼤いに栄えた吉良川。その従事の繁栄をしのばせる⼟佐漆喰を使った「⽩壁の建造群」や、台⾵などの強い⾬⾵から町屋を守るためにつけられた⽔切り⽡が独特の景観をつくっています。

↑日本の懐かしい町並みをいまに残しています

 

【おすすめスポット④】

室戸海洋深層水を利用してリラックス! 「シレストむろと」

20171127_y-koba9

シレストむろとは、室⼾海洋深層⽔を利⽤した健康増進施設です。体温に近く、負担のかからない不体感温度に設定した温⽔プールをはじめ、露天⾵呂やフィンランドサウナ、外気浴ホットタブ、⾜湯など、本格的な施設を完備。インストラクターの指導のもと、さまざまな⽔中運動プログラムを体験することもできます。

20171127_y-koba2_8↑楕円形の温水プールの各ゾーンでは、アクアマッサージや水中ウォーキング、ストレッチなど、水流や水圧を利用した水中運動が楽しめます

シレストむろと
https://searest.jp/

 

【おすすめスポット⑤】

高級魚・金目鯛を味わい尽くす! 「室戸キンメ丼」

20171127_y-koba2_10

室⼾市は、「⻄⽇本一のキンメダイの⽔揚げ地」です。そんな室⼾のキンメダイを売り出そうと、2012年に市内10店舗で提供を始めたのが「室⼾キンメ丼」。⾼級⿂・⾦⽬鯛の照り焼きとさしみが両⽅楽しめると人気を博し、最近ではこれを味わうためにわざわざ室⼾へ⾜を運ぶ⼈も増えているそうです。

20171127_y-koba2_11

20171127_y-koba2_12↑照り焼きの味付けなどは参加各店それぞれが趣向を凝らしています

■室戸市観光協会
http://www.muroto-kankou.com/category/eat/

 

歴史と⽂化、豊かな⾃然が⾄る所に残る室戸市。近年ではそれを体験できる施設やイベントも充実しており、親子で楽しめること請け合いです。 遊んで、食べて、学べる室戸は、家族旅行先の有力候補地ですよ!

食べなきゃ後悔する! 日本人にオススメの、冬に食べたい「ポーランド」の絶品スープ5選

日ごとに寒さが増し、温かいものをいただきたくなる季節となりました。著者が住むポーランドの伝統料理には、さっぱりしたものからクリーミーなものまで、冬に飲みたい絶品スープが勢ぞろいしています。今回はそのなかから日本人がつい何回も飲みたくなってしまうスープを5つご紹介します。

 

1: ジュレック

20171117_kubo02

ジュレックは「ポーランドの味噌汁」とも呼ばれます。ライ麦を発酵させた際にできるザクワスというものを入れたスープで、その独特な酸味と味わい深さが特徴。固ゆでの卵、白ソーセージやスモークベーコンなどが入っており、食べごたえは抜群です。通常はパンといっしょに食べるため、これだけでお腹いっぱいになってしまうかもしれません。

 

2: バルシチ

20171117_kubo03

見た目はただ真っ赤で、人によっては口にするのも抵抗を感じてしまうようなスープです。しかし、この色は赤ビーツという野菜からでるもので、バルシチは一種のベジタブルスープ。シンプルなだけに味はスパイスに左右されやすく、レストランや家庭によっても異なります。しかし、見た目とは裏腹に日本人にとってはホッとする味わい。非常にあっさりしていて飲みやすいです。

 

3: ロスウ

20171117_kubo04

ポーランドの家庭では、日曜日にロスウを飲むのがお決まりです。ロスウはいわゆるチキンスープですが、数あるスープの中で最も伝統があるといわれるもの。メインの具としてマカロンと呼ばれる、短くて細いパスタが入っています。ポーランドで日本風ロスウといえばラーメンのことですが、ラーメンほど濃い味ではありません。透き通る色合いからも分かるように、とても優しい味がします。

 

4: ズパ・グジェボヴァ

20171117_kubo05

ポーランド人が好きな食べものの1つにキノコ(ポーランド語でグジェヴィ)がよく挙げられます。家族できのこ狩りに出掛けるのは秋の恒例行事。ポーランドの森で採れた新鮮なキノコの旨味がたっぷり入った、ほっこりできる味わいのズパ・グジェボヴァはみんなの大好物です。とりわけポルチーニ茸のスープは日本人観光客にも大人気。高級食材として知られるポルチーニ茸ですが、ヨーロッパで流通しているポルチーニ茸の9割がポーランド産なのです。ぜひとも本場のポーランドで味わってみてください。

 

5: ズパ・グラショヴァ

20171117_kubo06

こちらのスープは、ゴロゴロとした牛肉とニンジンやジャガイモといった野菜が具材となっているため、ビーフシチューのような感覚で食べることができます。実はグヤーシュと言われるハンガリーの伝統料理なのですが、今ではその周辺国や地方での代表的なスープとして知られるようになりました。ポーランドで飲まれる数あるスープの中でも比較的味が濃く、また材料の1つであるパプリカパウダーの香りと甘みは病み付きになります。

20171117_kubo07

以上、ポーランドの代表的なスープを5つ紹介しました。どれも1年を通して食べられるものですが、冬になるとスープのバリエーションは一気に増えます。ポーランド旅行の際はぜひ、いろんなお店でスープを飲み比べてみてください。