ウズベキスタン人が日本に最適なヒューマンリソースになる3つの理由

ウズベキスタンという国をご存知でしょうか? 中央アジアに位置し、古くからシルクロードの中継地として栄えてきたエリアにあります。日本政府は海外から労働力を呼び込むプログラムの一環として、2019年にウズベキスタンと協定を結びました。日本へ労働力を送り出すためのウズベキスタンの取り組みや、ウズベキスタン人が日本の労働市場に向くと思われる理由などについて説明します。

 

150人の技能実習生が日本で働く

日本語を学習しているウズベキスタン人たち

 

ウズベキスタンは3500万人と中央アジアで最も多い人口を有する国で、約60%が若者で構成されています。ただ、働きたくても働く場所がないのが現状で、毎年約60万人が海外の労働市場に流出。現在は200万人以上の労働者がロシア、カザフスタン、韓国、トルコ、アラブ首長国連邦、アジアやヨーロッパの諸国で短期労働に従事しています。

 

日本も2019年に、技能実習と特定技能の人材を迎える協定をウズベキスタンと結びました。協定が結ばれたあと、ウズベキスタンの各州には無料で日本語や農業、介護について学習できる環境が整えられています。

 

こういった教室で1日3時間半、週に5日、合計6か月の間無料で学習し、試験に合格すれば日本語能力試験のN4(基本的な日本語を理解することができるレベル)を取得することが可能。試験の受験費用も国が負担しています。

 

2022年現在、ウズベキスタンで取得できる特定技能の資格はまだ農業と介護の2分野だけですが、2022年6月の在留外国人統計によれば、在留資格の「技能実習(1号・2号)」と「特定技能(1号)」を持つウズベキスタン人の数は現在、日本に147人、「技術・人文知識・国際業務」を持つ人は709人。ウズベキスタン政府はこの取り組みを拡大していく方針です。

 

ウズベキスタンの日本人への印象

タシケントにあるナヴォイ劇場

 

ウズベキスタンの首都タシケントにあるナヴォイ劇場は、第二次世界大戦後に抑留された日本人兵などの強制労働によって建てられました。1966年に起きた大きな地震でもこの建物だけが無傷だったことから、ウズベキスタン人は日本人の技術力をとても尊敬しています。

 

また、タシケントには日本庭園や日本人墓地など、日本に関わる場所もいくつかあります。国内では日本のドラマや映画も放送されているため、ウズベキスタンの人たちの多くは日本の技術や風習、文化に大きな関心や興味を抱いているのです。

 

そんなウズベキスタン人が日本の労働市場に向く理由は3つ考えられます。

 

1: 日本語の習得が速い

ウズベキスタンは130以上もの民族が住んでいる多民族国家でさまざまな言語が使われていますが、公用語であるウズベク語は、日本語と文法が似ています。そのため日本語が習得しやすいようで、とても早く上達します。日本人にとっても、ウズベク語は習得しやすい言語といえるかもしれません。

 

2: 日々の生活の中で介護に従事

ウズベキスタンには昔の日本のように家族と同居するという文化があるので、常に高齢者を敬い、優しくて思いやりのある人たちが多いのです。日々の生活の中で高齢者とかかわっているため、介護も自然と身についています。

 

3: 農業に従事している人が多い

ウズベキスタンは世界第6位の綿花生産国であり、世界第2位の綿花輸出国。近年はアラル海の面積と水量が縮小するなど環境の変化により綿花栽培は縮小していますが、穀物や野菜、果物といった農業が盛んです。農業に従事している人やある程度の農業知識を持っている人が多く、日本でも農業に関する仕事に向くといえます。

ウズベキスタンの農場

 

日本とウズベキスタンが協定を結んでからまだ2年程度のため、日本で本格的な労働力となるのはこれから。特定技能分野はいまのところ農業と介護だけですが、今後は他の分野にも拡大していく可能性があります。日本でたくさんのウズベキスタン人たちが労働市場を支える日も、そう遠くないかもしれません。

 

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イタリア人に言われて初めて認識! 日本人がよく言う「話し始めの“あ”」って何?

あるとき、「ねえ、日本人がよく言う“あ”の意味はなに?」とイタリア人に聞かれて、ポカン。

 

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日本語を流暢に話す日本人の皆さん! お気づきでしょうか? 話し始めるときに、何気なく発している、あの小さな小さな「あ」を。「なんの“あ”?」と聞き返せば、「ほら、話し始める前にみんな言うよね、「あ、ありがとー」とか「あ、すみませーん」って。あの“あ”だよ」

 

日本を旅行するイタリア人も急増し、日本はなんだか以前より、ぐっと身近なものになりました。日本人と触れ合う機会も増え、日本人と話してみたいと思うイタリア人は多いようですが、日本語の難しさたるや……。まずABCではない奇妙なアルファベート・ジャポネーゼ(カタカナ・ヒラガナのこと)に怖気付き、イデオグランマ・チネーゼ(漢字のこと)で語学としての習得は、諦める人がほとんど(笑)。

 

会話さえできれば読めなくたって、書けなくたって! さすがコミュニケーション力の高いイタリア人です。なんとなく真似しながら会話気分を味わおうと考える、浅はか、いや、手っ取り早く物事を進めようとする人も結構います。まあ、外国語の習得方法としては、それもアリです。正しいです。

 

一応、「コンニチワー」「サヨナラー」「アリガトー」のような基本挨拶をとりあえずマスターしたその後(ちなみに、「ドウイタシマシテ」は習得を諦めるイタリア人多し)、イタリア人がよく真似する日本語ワード、つまり、日本人がよく発すると思われるワードは、「へぇ~」「ふ~ん」「エー」「オォ~」などの感嘆詞。言葉にするまでもないような適当な相槌とも言えますが、思いのほか日本人は多用しているようです。

 

あら、もしかしたら、これらをちょいちょい会話に挟めば、日本語会話はほぼほぼ成立するんじゃ……? と思ったこともありました。というのも、私がとある日本人と会話していた時、同席していたイタリア人(日本語知識ゼロ)が会話の合間に「へぇ~」「ふ~ん」を絶妙なタイミングでぶちこんでいたら、相手の日本人に「あ、日本語話せるんですね〜!」と言われたことがあったのです。いえ、話せません(笑)。

 

お、そう、この「あ」です。この「あ」!(ここではあえて“お”から始めてみました)

 

まあ、このケースでは、ちょっと驚いたときの「あ」であると説明できますが、たいして驚くシチュエーションでもないときの「あ」が難しいんですよ~。「あ、ありがとう」「あ、そうですよねー」「あ、すみません」「あ、はい」…etc。この「あ」はなんでしょうか?たまに、イタリア語の前にも「あ」がついている日本人がいたりします。「あ、グラッツェ」

 

大げさに言ってる…と思ったアナタ!ちょっと気をつけてまわりの会話(特にやや緊張が伴う初対面同士や上司との会話)を聞いてみてください。聞き逃しそうな小さな小さな、「あ」。日本語を全然知らないイタリア人には、よく聞こえるようです。「日本人は、いつも「あ」「あ」って驚いてるよね。そのたびドキッとして心臓に悪い」とまで言っていたイタリア人もいますが、いや〜驚いてませんよね?

 

日本人は遠慮がちなので、話し始めのタイミングを推し量るための「あ」なのだ。聞いてもいないのにグイグイ会話に入ってくるイタリア人とは国民性が違うのだ。などと説明してみたりしていますが、どうでしょうか?

 

この「あ」の説明求ムw。