2021年はCAFE方式で生き残る、国産「ネオ・スポーツカー」に注目【3選】

エンジン車への規制が強まるなか、各社の威信を賭けたスポーツカーが生まれている。燃費規制という環境対応を見据えつつ開発されるのが、ネオ・スポーツカーだ。

※こちらは「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

環境に配慮した「ネオ・スポーツカー」

世界各国でエンジンを搭載したクルマへの規制が強まっている。アメリカや欧州で始まった「CAFE」という燃費規制が、日本でも2020年の燃費基準から導入されている。

 

CAFEとは自動車の燃費規制で、車種別ではなくメーカー全体で出荷台数を加味した平均燃費を算出し、規制をかける方式。ある車種では燃費基準を達成できなくても、そのほかの車種の燃費を向上させることでカバーできるというものだ。

 

燃費基準を大きく上回るEVやPHVなどを開発してCAFEの規制値をメーカー全体の出荷台数でクリアすれば良いので、規制値までの余剰分で走りやスタイルを楽しめる新たなスポーツカーが登場する。それが「ネオ・スポーツカー」である。

 

EVやハイブリッド、スタイルではSUVが全盛だが、2021年は注目モデルが続々登場する。メーカーが環境への対応を視野に入れるなかで登場する次世代のスポーツカーが与えてくれる夢に、期待せずにはいられない。

 

【その1】伝統のデザインを継承しパワフルな走りも健在

日産

フェアレディZ

価格・発売日未定

長いノーズと切り立つテールエンドは歴代フェアレディZのデザインそのもの。ヘッドライトは2代目の240ZGに用いられたドーム型レンズを再現するなど、レトロモダンなテイストだ。3.0L V6エンジンのパワーに期待したい。

↑ヘッドライトのティアドロップ形状は初代S30型を、LEDライトの2つの半円のデザインは、2代目240ZGをイメージしている

 

【ちなみに日産のエコカーの代表選手】

リーフ

332万6400円~499万8400円

初代モデルが登場してから10年を迎えた今年、累計販売台数が50万台を突破。2017年には62kWhバッテリーを搭載して航続距離を大きく伸ばしたリーフe+も登場している。

 

【その2】水平対向エンジンを継承し意のままに操れるFRマシン

スバル

BRZ

価格・発売日未定

力強い加速とフィーリングの良さを両立した、2.4L水平対向エンジンを搭載。新プラットフォームを基に生まれたボディは剛性が増し、ステアリング操作への応答性を高めている。アイサイトも初搭載となる。

↑高いホールド性とフィット感をもたらすスポーツシートを採用。疲れにくく、クルマの挙動を正確にドライバーへ伝えてくれる

 

【ちなみにスバルのエコカーの代表選手】

インプレッサ スポーツ

200万2000円~278万3000円

水平対向エンジンと電動技術を組み合わせたパワーユニット「e-BOXER」搭載モデルをグレード設定。スムーズな加速を実現している。

 

【その3】マツダの新たな歴史はこのモデルが作り出す

マツダ

RX-9

価格・発売日未定

2017年の東京モーターショーで世界初公開となったVISIONCOUPE。そのスタイルの流麗さに多くの人が魅了された。RX-9という名称が有力だが、100周年を迎えたマツダの新たな歴史を作る1台として期待したい。

↑インテリアも外観と同様にシンプルかつ流麗なデザイン。多くの人を魅了し、欧州では最も美しいコンセプトカーに選出されたほど

 

【ちなみにマツダのエコカーの代表選手】

マツダ3

222万1389円~368万8463円

ガソリンをディーゼルエンジンのように圧着点火させる「SKYACTIV-X」と、クリーンディーゼルエンジンモデルがラインナップ。環境性能に優れた1台だ。

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

え、青じゃなくてもいいの?免許証写真の背景色を「ピンク」にできる日産自動車の証明写真システム

300 人を対象に日産自動車が独自に実施したアンケートによると、「実は人に見せたくないと思っている写真」の第 1 位は「免許証の写真」(70.6%)とのことである。今の時代、スマホやプリクラで撮った写真は盛り放題ゆえ、警察署や運転免許試験場などで撮影される加工できない免許証の写真は必然的に人に見せたくない写真になるのだろうか。

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満足していない理由としては「顔色が悪い」「背景の色が可愛くない」「顔が丸く見える」「不機嫌に見える」といったことが挙げられている。圧倒的多数で嫌われている免許証の写真であるが、実は免許証に掲載される写真は「持ち込み」でもOKということは、あまり知られていない。さすがにプリクラで盛った写真はダメだが、一般の証明写真なら(スピード写真もOK)持ち込みが可能で、免許証の写真として使うことができる。

 

■ほとんどの都道府県では背景色がピンクでもOK

さらに、その免許証の写真の背景はピンク色でもOKなのである(ただし東京都はグレー・ブルー・ブラウンのいずれか。詳しくは都道府県の免許センターなどで確認のこと)。そう、免許証の写真はおなじみの青い背景色じゃなくてもいいのだ。青でもピンクでも、ほかの色でもOKだが着ている服の色と同化しないことが条件というところもある。

 

そして、ピンクの背景色でも日産自動車が開発した「ナデシコピンク」を背景色として撮影すると、特に写真写りがよくなるそうだ。ナデシコピンクとは「日産マーチ」に設定されたボディカラーのことで、繊細な調整を重ねて女性の肌が最も綺麗に輝ける色として日産が独自に開発したカラーである。ナデシコピンクを背景色にすれば、より美しい証明写真が撮れるのでは?ということで、日産自動車と証明写真ボックス「Ki-Re-i」(大日本印刷)を全国に展開している大日本印刷とが同開発して誕生したのが証明写真機「ナデシコピンク ID-PHOTO」である。

 

■実際、撮影してみた…。うん、確かに気分はアガる!

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そして、日産グローバル本社ギャラリー(横浜市西区)に設置されている証明写真機「ナデシコピンク ID-PHOTO」で撮影した写真がこちら…かなり恥ずかしいが実際撮った写真を公開しないことにはその違いが判らないので晒してみた。現在の免許証の写真と比較してみると、その違いは歴然である。

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ピンクが背景だと顔色も良くなり、気分が上がる!ただし、こちらの写真機はプリント画質や肌色の補正機能、印刷の画像処理技術を活かした証明写真ボックス「Ki-Re-i」をベースにしているので、運転免許試験場や警察で撮る写真よりはもともと綺麗に写る。そしてピンクの背景色にすればさらに「合法的?」に盛れるというわけだ。なお、神奈川県の場合、免許証の写真に「笑顔」はNGなので筆者が撮影した写真は実際に免許証に使うことはできない。

 

■2月20日(火曜日)から全国3500か所に設置される

「ナデシコピンク ID-PHOTO」で撮影できる背景ピンク色の証明写真は2月20日(火)から全国3500か所で撮影が可能となる。また日産グローバル本社ギャラリーに設置されている証明写真機「ナデシコピンク ID-PHOTO」では2月27日までの期間限定となるが無料で撮影ができる。週末はかなり混雑するとのことで撮影のために長蛇の列ができているそうだ。撮影可能時間はグローバル本社ギャラリーの営業時間と同じ朝10時~夜8時までなので、平日の仕事帰りに寄ってみるのがいいかも。

 

なお本社ギャラリーで撮影できるのは、ピンクの背景のみで、全国3500か所の写真機「K-Re-i」では通常の背景色の他に、ステッカーが貼られた筐体ではナデシコピンクの背景力が選択可能となる。3 月末までの期間限定なのでお早めに。

 

■そもそも、なぜ自動車メーカーが証明写真の世界に?

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さて、ここで気になるのがなぜ?自動車メーカーが証明写真の開発に携わるようになったのか?ということである。もともと「ナデシコピンク」 とは、人気のコンパクトカー 「日産マーチ」 のカラーとして生まれた。日産自動車のオリジナル色で「メイクのように、乗るひとの魅力を引き立てる」 ことを目指し、何度も繊細な調整を重ねて開発に至ったボディカラーなのである。

 

乗る人の輝きを引き出す 「ナデシコピンク」の魅力を、クルマ以外にも活かせないか?ということで「証明写真機」の開発がスタートした。もちろんそこには、写真だけではない。女性を綺麗に見せるナデシコピンクのマーチの存在を、改めて女性ユーザーにアピールする目的もあるだろうが。実際、車の色と免許証の写真の色が同じだったら小さな幸せを感じてしまいそうだ。また女性の場合は、車を持っていなくても、身分証明書代わりに免許証を出すケースが多いので、免許証の写真が綺麗であることは重要かもしれない。

 

【著者プロフィール】

自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

日産が脳波測定を活用した運転支援技術を発表!

日産自動車は1月3日、ドライバーの脳波を測定し、運転を支援する先駆的な研究を発表した。

 

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ニッサンの脳波測定による運転支援技術(Brain-to-Vehicle=B2V)は、ドライバーの反応時間を早め、ドライビングをよりエキサイティングなものにし、ドライバーとクルマの関係を再定義する。この技術は、人とクルマのコミュニケーション、社会とクルマとの関わり方を変えていくことを目指す「ニッサン インテリジェント モビリティ」における最新の成果だという。

 

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「将来の自動運転社会では、人間はクルマをコントロールしないと考える人が多いかもしれません。しかし、この技術はその反対です。ドライバーの脳波を活用して、ドライビングをさらにエキサイティングで楽しいものにしていくのです」と副社長のダニエレ・スキラッチはコメント。「ニッサン インテリジェント モビリティの取り組みのもと、自動運転や電動化、コネクテッドカーなどの技術により、私たちはよりよい社会を実現していきます」

 

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ニッサンのこのブレークスルーは、脳波測定技術を適用する研究の成果で、ドライバーが行なう次の運転操作のタイミングやドライバーが持つ違和感を把握する。ドライバーがステアリングを回す、アクセルペダルを踏むなどの操作をする直前に、脳の行動準備電位を検出し、ドライバーが操作を開始する前からシステムが操作を開始することで、ドライバーの反応の遅れをカバー。ドライバーが思い通りの運転をできるようサポートするのだ。一方、自動運転時に、脳波からドライバーの違和感を検出し、ドライバーが違和感を持たない自然な制御の自動運転にカスタマイズすることを可能にする。

 

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B2V技術の研究をリードしているニッサンのルチアン・ギョルゲ シニア・イノベーション・リサーチャー(SIR)のコメントはこうだ。
「拡張現実(AR)を活用することでドライバーの視線の先にある車内環境を調整したり、よりリラックスできる環境をつくり出すことも可能になるかもしれません。この技術の適用には大きな可能性があります。この研究が触媒となり、将来、より多くのイノベーションが日産車にもたらされるでしょう」

 

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ニッサンのB2V技術は、世界で初めて、ステアリング操作などの運転操作に関連する行動準備電位のリアルタイム検出。また、ドライバーが思い描いた運転と、実際に行なわれている運転が違うと感じるときのエラー関連電位(Error Related Potential)を計測可能としている。さらに、この技術はドライバーがヘッドセットを着用することで計測された脳波をシステムが解析・判断し、自動運転に適用。そして、マニュアル運転時には脳波によってドライバーの意思を把握すると、ドライバーが操作を開始する0.2~0.5秒前にクルマが運転操作を開始する。このことにより、ドライバーはシステムのサポートを意識することなく、スムーズに走行することができるようになる。

 

なお、ニッサンはこの技術を、米国ラスベガスで1月9日から開催される「CES(インターナショナル・コンシューマー・エレクトロニクスショー)」に出展し、ドライビング・シミュレーターを用いてB2V技術のデモンストレーションを行なう予定だ。

 

 

 

 

【東京モーターショー2017】日産自動車のクロスオーバーEVコンセプト「IMx」は航続可能距離600km!! 700NmでGT-Rを超える

完成車検査の一部を無資格者が行っていた問題で、ダニエレ・スキラッチ副社長の謝罪から幕を開けた日産自動車のプレスカンファレンス。しかし、ブースはEVを中心とした最新技術の見本市といったところで、世界初公開されたクロスオーバーEVコンセプトの「NISSAN IMx」を中心に、新型リーフの「LEAF NISMO Concept」、「セレナ e-POWER」といった初公開モデルが脇を固め、強みである電動化技術を全面的に押し出している。

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NISSAN_IMx

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2020年代はじめのEVはこうありたいという想いが込められた「NISSAN_IMx」はEV専用プラットフォームを採用し、前後ツインモーターにより4輪を駆動。航続可能距離600㎞超、出力は160kW+160kW、最大トルクは700Nmを想定。「和」の雰囲気が漂う内装は、自動運転時代の空間のあり方を提案している。↑2020年代はじめのEVはこうありたいという想いが込められた「NISSAN_IMx」はEV専用プラットフォームを採用し、前後ツインモーターにより4輪を駆動。航続可能距離600㎞超、出力は160kW+160kW、最大トルクは700Nmを想定。「和」の雰囲気が漂う内装は、自動運転時代の空間のあり方を提案している

 

 

LEAF NISMO Concept

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専用デザインをまとう「LEAF NISMO Concept」は、Cd値を維持しながらリフト量を低減し、空力向上を実現。専用サスペンションやタイヤなどに加えて、速度域を問わず瞬発力の高い加速フィールを引き出せる専用チューニングコンピューターも搭載する。↑専用デザインをまとう「LEAF NISMO Concept」は、Cd値を維持しながらリフト量を低減し、空力向上を実現。専用サスペンションやタイヤなどに加えて、速度域を問わず瞬発力の高い加速フィールを引き出せる専用チューニングコンピューターも搭載する

 

 

セレナe-POWER

「セレナe-POWER」は、室内や荷室の広さ、使い勝手の良さはそのままに、100%EV走行でありながらエンジンを発電機として使うことで航続可能距離の不安を払拭。外観ではグリルに「e-POWER」の象徴であるブルーのアクセントが施され、専用LEDテールランプや専用バッヂが「e-POWER」である主張する。発売は2018年春の予定。↑「セレナe-POWER」は、室内や荷室の広さ、使い勝手の良さはそのままに、100%EV走行でありながらエンジンを発電機として使うことで航続可能距離の不安を払拭。外観ではグリルに「e-POWER」の象徴であるブルーのアクセントが施され、専用LEDテールランプや専用バッヂが「e-POWER」である主張する。発売は2018年春の予定

 

さらに、2018年の第5シーズンから日系自動車メーカーとして初となるフォーミュラE参戦も表明した。累計走行距離が35億㎞に達しているリーフなどの知見を生かし、同社の電動化技術を活かしながら、走る実験場としてさらなる知見の集積を狙う構えだ。

 

また、電動化とともに注力している自動運転技術では、2020年以降の実用化を目指し、最新世代の「プロパイロット」を搭載した実験車両での公道を開始したと表明している。