家電のプロは「最新の空気清浄機」をどう見たか? 主要5モデルの実力チェック!

今シーズン登場した大手空気清浄機メーカーの最新モデルは、各社の最新技術を投入した意欲作揃いです。そんな最新モデルのなかから5機種を厳選。“家電のプロ”戸井田園子さんが、それぞれの実力をじっくり検証しました。

 

チェック人

家電コーディネーター 戸井田園子さん

戸井田

消費者目線に立った製品評価でおなじみ。空気清浄機の主要機種は欠かさず自宅でチェックしています。

 

空気清浄機利用者の悩みは花粉と面倒なフィルター掃除

空気清浄機の最近のトレンドは「花粉・ニオイ除去」「メンテナンスの軽減」。花粉除去に関しては、室内で気になる空気の汚れに「花粉」を上げる声が多く、それに対する機能を各社強化しています。メンテナンスに関してはフィルター掃除の自動化の流れができつつあります。

 

今回試した5機種のなかで、パナソニックと日立は花粉除去に効果的な気流制御技術を採用しています。ニオイ除去ではダイキンがツインストリーマにより有害化学物質を分解し、脱臭力が従来の2倍に向上。ダイソンは花粉からニオイ、有害ガスまで捕集できる高機能フィルターを採用しています。フィルターの手入れの手軽さでは、自動掃除機能採用の日立とシャープに注目。さらに「IoT化」もトレンドのひとつに。シャープはAIoTクラウド連携の自動運転機能を強化し、新たな可能性を示しています。

 

その1

花粉撃退気流など様々な気流で室内の空気を清浄!

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パナソニック

加湿空気清浄機 F-VXP90

実売価格8万3850円

ハウスダストのなかでも重い花粉を効率的に吸引する気流など多彩な気流を搭載。花粉除去性能は従来の約2倍に向上しました。OHラジカル量がナノイーの10倍の「ナノイーX」で脱臭力もアップ。●サイズ/質量:W398×H640×D268㎜/11.8㎏ ●空気清浄適用床面積〜40畳 ●空気清浄時間8畳/約7分 ●最大加湿量870㎖/h ●フィルター交換目安約10年

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2本の気流で床上の花粉を本体下部に導き吸引。送風と吸気が干渉せず、花粉が舞い上がりにくいです。

 

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フィルターは簡単に着脱。集じんフィルターは掃除機でホコリ除去。脱臭フィルターは手入れ不要です。

 

戸井田’s CHECK 

状況を先読みする独自のプログラムで快適!

「多彩な運転モードで集じん性抜群。状況を先読みするなど、独自のプログラムで自動運転し、人が操作しなくても快適性を高めてくれます」

 

その2

AIで空気環境や使い方を学び最適な自動運転を選択

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シャープ

プラズマクラスター加湿空気清浄機 KI-HX75

実売価格8万1460円

AIが空気環境や使い方を学習する機種。クラウド上のAIと連携し、花粉の時期には自動で花粉除去運転に切り替わります。空気清浄の効果が実感できるモードやフィルター自動掃除機能を装備。●サイズ/質量:W405×H666×D316㎜/約12㎏ ●空気清浄適用床面積〜34畳 ●空気清浄時間8畳/9分 ●最大加湿量750㎖/h ●フィルター交換目安約10年

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部屋の隅々に風が行き渡る循環気流を実現。プラズマクラスターがホコリの静電気を除去し、効率良く集じんします。

 

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本体背面の「自動掃除パワーユニット」がプレフィルターを定期的に掃除。ゴミ捨ては約半年に1回。

 

戸井田’s CHECK 

人工知能が自ら考えて空気清浄するのが新しい

「AIで状況に合わせて運転する次世代型。フィルター自動掃除で手入れを軽減し、プラズマクラスターで付着菌やニオイの抑制も期待できます」

 

その3

増強したストリーマで花粉や有害ガスを分解

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ダイキン工業

加湿ストリーマ空気清浄機 MCK70U

実売価格6万3500円

●サイズ/質量:W395×H600×D287㎜/12.5㎏ ●空気清浄適用床面積〜31畳 ●空気清浄時間8畳/9分 ●最大加湿量650㎖/h ●フィルター交換目安約10年

放電量を増やしたツインストリーマでフィルターに捕集した花粉を芯まで分解。有害ガスの分解スピードや脱臭性能が2倍に向上しました。集じん力が持続する「TAFUフィルター」を新採用。

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集じん力が持続する「TAFUフィルター」を搭載し、電気集じんユニットをなくしたことで、メンテナンス性が向上しました。

 

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フィルター上部に2つのストリーマユニットを搭載。フィルターに効率良く照射できる設計です。

 

戸井田’s CHECK 電気集じん部を省略してメンテの手間を軽減!

「独自の電気集じんの長所を残しつつ、電気集じん部をなくして手入れを省手間化。加湿を併用しても空気清浄能力が落ちないのは同社のみです」

 

その4

従来比約2.5倍の吸い込み速度で花粉を素早く捕集する!

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日立

自動おそうじ クリエア EP-NVG110

実売価格9万1580円

8畳の清浄時間わずか6分の高性能モデル。従来機種の約2.5倍の吸い込み速度の気流で花粉を素早く捕集する「快速花粉」気流を新搭載しました。自動掃除機能でプレフィルターの清潔さを維持。●サイズ/質量:W360×H673×D291㎜/13.4㎏ ●空気清浄適用床面積〜48畳 ●空気清浄時間8畳/6分 ●最大加湿量約800㎖/h ●フィルター交換目安約10年

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背面両側からワイドに吸気。「快速花粉」気流は斜め前への送風で花粉の多い床上付近に気流を起こします。

 

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緑色の自動お掃除ユニットが、運転48時間ごとにプレフィルター上を移動しながらホコリを除去。

 

戸井田’s CHECK 

自動掃除機能をはじめメンテのしやすさが光る

「自動お掃除機能搭載に加え、前面パネルがガラス製で手入れがラク。洗って脱臭力が回復する脱臭フィルターを採用しているのも魅力です」

 

その5

PM0.1や有害ガスを高性能フィルターで徹底除去

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ダイソン

Dyson Pure Hot+Cool Link

空気清浄機能付ファンヒーター

実売価格6万5780円

360°集じんの空気清浄機と扇風機、ファンヒーターを融合。フィルターの活性炭量を増やし、室内の有害ガスの捕捉・分解能力を高めました。専用アプリで室内の空気の状態をモニター可能。●サイズ/質量:W222×H632×D222㎜/4.01㎏ ●空気清浄適用床面積〜8畳 ●空気清浄時間畳/約30分 ●加湿機能非搭載 ●フィルター交換目安約1年(※1日12時間使用の場合)

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PM0.1レベルの粒子を99.95%除去し、清浄な空気で送風。ホルムアルデヒドなどのガスも逃しません。

 

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360°グラスHEPAフィルターはメンテ不要で1年で交換。手入れは本体に付いたホコリの除去のみです。

 

戸井田’s CHECK 

空気清浄できる涼風・暖房機器として大活躍!

「いち早くIoTに対応した機種。純粋な空気清浄機としてより、きれいな空気で涼風・暖房できるのがうれしい。設置性も群を抜いています」

 

番外編

デザインで選ぶ加湿器

2017年下半期は、加湿機能が充実しているうえに洗練されたデザインの製品が続々と登場しています。部屋に置いて使うものだからこそ、インテリア性も十分に考慮して選びたいですね。

 

デザインで選ぶ加湿器その1

上から水を注ぐだけのタンクレス構造!

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バルミューダ

Rain Wi-Fiモデル

実売価格4万9680円

上から水を注いで給水できる加湿器。本体に取り入れた空気を酵素フィルターで分解し、清潔な蒸気で加湿します。操作は本体上部のリングを回して押すだけ。スマホ操作も可能です。●サイズ/質量:φ350×H374㎜/約5.7㎏ ●加湿方式気化式 ●適応床面積※プレハブ住宅洋室の場合・約17畳 ●最大加湿量600㎖/h ●給水ボウル容量4.2ℓ

 

デザインで選ぶ加湿器その2

大容量の流線型ボディで給水の手間が省けて便利

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シロカ

5L加湿器 SD-C111

実売価格5980円

たまご型ボディがインテリアとしても楽しめる加湿器。容量5ℓで、最大加湿量でも約12時間加湿できる。超音波式なのでミストが熱くならず、子どものいる家庭でも安心。●サイズ/質量:約φ230×H300㎜/約1.3㎏ ●加湿方式超音波式 ●適応床面積※プレハブ住宅洋室の場合・約10畳 ●最大加湿量350㎖/h ●タンク容量約5.0ℓ

 

デザインで選ぶ加湿器その3

除菌とカルシウム除去性能が大幅に向上した超音波式

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カドー

超音波式加湿器

STEM620

実売価格4万5900円

床や壁が濡れないマイクロミストで部屋全体を加湿。特殊抗菌プレートが水槽内のカビや雑菌を99.9%以上除菌します。水道水内のカルシウム成分除去性能も大幅アップ。●サイズ/質量:φ270×H855㎜/4.3㎏ ●加湿方式超音波式 ●適応床面積※プレハブ住宅洋室の場合・27畳 ●最大加湿量600㎖/h ●タンク容量2.3ℓ

 

デザインで選ぶ加湿器その4

のびやかなラインで床濡れを軽減する加湿器

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ドウシシャ

ハイブリット式加湿器

実売価格1万7150円

インテリア性の高いデザインを採用したハイブリット式。高さ89㎝の吹出口からミストを放出することで床濡れを防ぎます。加湿量を4段階で調整可能です。●サイズ/質量:約φ200×H890㎜/約2.2㎏ ●加湿方式ハイブリッド式 ●適応床面積※プレハブ住宅洋室の場合・約10畳 ●最大加湿量350㎖/h ●タンク容量約3.0ℓ

炊飯器・最新5モデル「4つの結論」がコレだ! 8項目徹底テストまとめが導く「買い」のポイント

本稿は、最新高級炊飯器の主要5モデル(象印、パナソニック、三菱電機、タイガー、日立)を多角的に検証してきた連載企画をまとめたもの。これまで各モデルの「上質炊飯機能」(炊き立て・冷やごはん・冷凍ごはんの食感チェック)「食感炊き分け」「一合炊き」「保温」「操作性・メンテナンス性」「独自機能・設置性」の各項目をチェックしてきた検証結果をまとめ、各機種がどんなタイプのユーザーにオススメか考えていきます。どんな違いがある? どれを選べばいいの?…と感じている方、ぜひ参考にしてみてください!

 

【検証する機種はコチラ】

エントリーその1

発熱性・蓄熱性に優れた南部鉄器の羽釜を採用し大火力で炊き上げる

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象印

圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』

“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

実売価格10万2370円

発熱性・蓄熱性に優れた南部鉄器の羽釜を内釜に使用した炊飯器。大きく伸びた羽根で側面ヒーターの熱を釜内に伝え、最大1450Wの大火力と1.5気圧の圧力炊飯でごはんをふっくらモチモチに炊き上げる。また、前回炊いたごはんの感想を入力することで、121通りのなかから好みの食感に近づける機能「わが家炊き」の炊き分け範囲を拡大。従来機種より固めに、よりモチモチに炊けるなど、幅広い食感に炊き分けられる。

SPEC●炊飯容量:0.5~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:151wh●保温1時間あたりの消費電力量:17.1Wh●加熱方式:プレミアム対流●内釜:南部鉄器 極め羽釜●サイズ/質量:約W305×H245×D400mm/約11.5kg

 

エントリーその2

「Wおどり炊き」に「加圧追い炊き」を加え、甘みとモチモチ感がアップ

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パナソニック

スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器

Wおどり炊き SR-SPX107

実売価格8万2240円

IHの通電切り替えで激しい熱対流を生み出す「大火力おどり炊き」と、釜内を加圧状態から一気に減圧し激しい対流を生み出す「可変圧力おどり炊き」を組み合わせた「Wおどり炊き」を搭載。熱と水分を米に均一に行き渡らせ、ふっくらモチモチの銀シャリに炊き上げる。炊飯工程の終盤にさらに加圧して釜内を高温にする「加圧追い炊き」機能を新たに採用し、ごはんの甘みとモチモチ感がさらにアップした。50銘柄の銘柄炊き分け機能を搭載するほか、釜内を高温洗浄できる「お手入れ機能」も新採用。

SPEC●炊飯容量:0.5〜5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:160wh●保温1時間あたりの消費電力量:14.4Wh●加熱方式:6段全面IH●内釜:ダイヤモンド竃(かまど)釜●サイズ/質量:W266×H233×D338mm/7.0kg

 

エントリーその3

発熱効率が高い「本炭釜」と連続沸騰技術でかまど炊きの味を再現

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三菱電機

IHジャー炊飯器本炭釜

KAMADO NJ-AW108

実売価格10万2370円

IHの発熱効率が高い純度99.9%の炭素材を使った「本炭釜」採用モデル。内釜全体の発熱と噴きこぼれのない連続沸騰技術により、粒感のいいふっくらとしたかまど炊きの味を再現する。沸騰力の向上と高断熱構造の強化で火力をさらにアップ。蒸気口に新搭載した密封弁が蒸らし時の蒸気の流出を抑え、潤いたっぷりのごはんに仕上げる。15通りの食感炊き分け機能「炊分け名人」に加え、35銘柄に対応する「銘柄芳潤炊き」機能も持つ。

SPEC●炊飯容量:0.5~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:162wh●保温1時間あたりの消費電力量:17.2Wh●加熱方式:7重全面加熱+連続沸騰●内釜:本炭釜●サイズ/質量:W285×H249×D320mm/約5.7kg

 

エントリーその4 〔NEW!〕

土鍋に新成分を配合し、熱伝導が大幅に向上!

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タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPG-X100

実売価格13万8240円

陶器の本場・三重県四日市市 “四日市萬古焼”の本土鍋と本物の土のかまどを本体に搭載した炊飯器。土鍋に「炭化ケイ素」成分を新配合し、熱伝導が従来の約2.5倍に向上した。さらに土かまどの表面積も従来比で約11.4%アップし、高火力でふっくらごはんに炊き上げる。タッチパネル全体がスピーカーとして機能する新構造で、音声ガイドの音質もよりクリアに。

SPEC●炊飯容量:1〜5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:150Wh●保温1時間あたりの消費電力量:15.8Wh●加熱方式:土鍋圧力IH+可変W圧力IH●内釜:プレミアム本土鍋(四日市萬古焼)●サイズ/質量:約W261×H220×D325mm/約7.3kg

 

エントリーその5

内釜の底に鉄の粒子を打ち込み効率的な発熱と高い伝熱性を両立

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日立

圧力スチーム炊き

ふっくら御膳 RZ-AW3000M

実売価格7万2310円

水温を60℃以下で米にしっかり吸水させる「高温浸し」と独自の圧力スチーム技術を搭載。ふっくら艶やかで甘み豊かなごはんに炊き上げる。アルミ合金の内釜の底に発熱性の高い鉄の粒子を打ち込むことで効率的な発熱と高い伝熱性を両立し、内釜全体に素早く熱を伝えることで炊きムラを抑える。0.5合でもおいしく炊き上げる「少量炊き」機能も特徴。「蒸気カット」機能付きで、キッチン棚の中で使っても棚の天面が濡れず、設置場所の自由度が高い。

SPEC●炊飯容量:0.5~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:145wh●保温1時間あたりの消費電力量:13.7Wh●加熱方式:圧力スチーム炊き●内釜:高伝熱 打込鉄・釜●サイズ/質量:約W268×H237×D352mm/約6.6kg

 

【各機種の検証まとめ】

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高級炊飯器の購入動機は、何より「おいしいごはんが食べたい」ということ。従って、炊飯器選びの基本は、ユーザーの食感の好みになります。食感炊き分け機能があるとはいえ、炊き上がりの違いはどうしても出るため、各機種の“クセ”は事前に理解しておきたいところです。

 

一方、操作性やメンテナンス性は、各機種へのユーザーの向き不向きを判断する要因になります。特に内釜の材質はメンテナンス性に大きく関わってくるので、注意が必要。設置性も重要で、高級炊飯器はおしなべて大きく重いうえ、炊飯時に出る蒸気量も考慮し、実際に置けるか否かを確認する必要があります。以上に留意しながら、以下で各機種の特徴をまとめて見ていきましょう。

 

エントリーその1

象印

圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』

“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

「ふっくらもっちり」食感では全機種でトップクラス

ごはんの炊き上がりの特徴は、モチモチの弾力と豊かな甘み。「熟成」メニューで炊いた場合、炊き立ての香りが濃厚で、やや柔らかめに炊き上がりました。冷やごはんも冷凍ごはんを再加熱した場合も、もちもち食感をキープ。一方、1合を「熟成」メニューで炊いた場合、香りと甘みは豊かながら、やや粘りと弾力が少ない、硬めの食感になりました。

↑冷やごはん(おにぎり)。炊き立てごはんがまとっていたつやは、冷やごはんになってもしっかりキープされています。モチモチした弾力も相変わらずでした↑炊き立てごはんがまとっていたつやは、冷やごはんになってもしっかりキープされています。モチモチした弾力も相変わらずでした

 

本機の食感炊き分けは7通り。最も「しゃっきり」で炊くともちもち感を維持しつつ、ほどける食感が前に出てきます。最も「もちもち」で炊いた場合、粘り・弾力に加え、柔らかさが強まりました。さらに初期設定を変えると、「よりもちもち」「よりしゃっきり」の食感も可能です。

 

保温に関しては、ごはんの乾燥や変色を抑える「極め保温」を使用。保温6時間後では香りとみずみずしさは弱まりましたが、もちもちした食感と甘みは維持していました。

 

“わが家好み”のごはんに簡単に調整できる

本機の炊飯における独自機能は「わが家炊き」機能です。手動の食感炊き分けはパナソニックや三菱電機に比べるとやや物足りないですが、「わが家炊き」の場合、炊飯後にアンケートに答えることで、121通りの食感のなかから最適な食感に調整します。玄米をふっくらもっちりの食感に炊き上げる玄米の「熟成」メニューも搭載しています。

↑「わが家炊き選択」ボタンを押すと、上の画面に切り替わり。毎回炊飯したあとに、炊き上がりの「硬さ」と「粘り」の評価を入力すると、次回炊飯時にその評価が反映されます。これを何回か繰り返すことで、段々好みの食感に近づきます↑「わが家炊き選択」ボタンを押すと、上の画面に切り替わります。毎回炊飯したあとに、炊き上がりの「かたさ」と「粘り」の評価を入力すると、次回の炊飯時にその評価が反映されます。これを何回か繰り返すことで、段々好みの食感に近づく仕組み

 

ふたが自動で閉まる「スマートクローズ」機能が便利

操作性は、大型の液晶パネルに全炊飯メニューが表示されるのはわかりやすいですが、「進む/戻る」ボタンを何度も押してのメニュー選択はやや手間。メンテナンス性では、内釜がかなり重いのが難点で、本体も5機種のなかでは圧倒的に重く、持ち運びが大変でした。ちなみに、本機は炊飯器のふたを手で閉じる際に力を入れて押し込む必要があるため、ボタンを押すとふたが自動で閉まる「スマートクローズ」機能が搭載されているのが便利でした。

20170926-s2-27↑本体ふたの前側面にある「CLOSE(クローズ)」ボタン。炊飯器のふたが開いているときにこのボタンを押すと、ふたが自動で閉まります。力の弱い女性や年配の方は、これを押すことで確実にふたを締めることができます

 

上記をまとめると、以下の通りになります。

●とにかくもちもちの食感が好みの人。初期設定で最強の「もちもち」モードも選べる

●自分で食感設定を試行錯誤するのが面倒な人。「わが家炊き」機能で自分好みに調整可能

●玄米もふっくらもっちりに仕上げる。玄米で「熟成」メニューが利用可能

●その他、「スマートクローズ」機能はユニークだが実用性あり

 

エントリーその2

パナソニック

スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器

Wおどり炊き SR-SPX107

バランスのよいごはんに炊き上げ、多数の銘柄炊き分けに対応

上質炊飯の「銀シャリ」コースで炊いたごはんは、ふっくらしつつも柔らかすぎず、弾力と甘みに富んだバランスのよい炊き上がりです。冷やごはんはもちもち食感にしっとり感も加わり、おにぎりやお弁当に最適。冷凍ごはんの再加熱では、炊きたての味と食感がほぼ復活しました。1合炊きは「少量」モードで炊くとさっぱり食感に。銘柄炊き分けの「おすすめ」モードのほうがふっくらもちもちの食感になりました。

↑追い炊き時の高温スチーム投入によって、うまみ成分が米一粒一粒の表面にコーティング。つやつやと輝く炊き上がりは、見るからにおいしそうです↑追い炊き時の高温スチーム投入によって、うまみ成分が米一粒一粒の表面にコーティング。つやつやと輝く炊き上がりに

 

食感炊き分けは10種類。最も「しゃっきり」に炊くとほどける食感ながら硬さは柔らかめ。最ももちもちに炊くと粘りは強いが、ほどける食感も出てくるなど、どんな食感に炊いても食べやすさを感じます。また、50銘柄の炊き分けも魅力で、各銘柄のなかで3種類の食感炊き分けもできます。

↑銘柄米の特性に合わせた火加減をプログラム、米のうまみを引き出す炊飯をしてくれます。本機では従来機種より4銘柄増え、50銘柄の炊き分けが可能になりました↑銘柄の特性に応じた炊き分けを行う「銘柄炊き分けコンシェルジュ」の銘柄選択画面

 

保温の検証では、6時間経つとややモチモチ感が減退するものの、甘みがすっきりして雑味のない、おいしいごはんでした。

 

本機は液晶パネルが大きく、表示も階層式でスムーズに設定できます。米の銘柄の特徴やごはんをおいしく炊くコツをパネルに表示できるのも便利。内釜が軽くお手入れも快適で、圧力式炊飯器の割には内ぶたの手入れもそれほど面倒ではありませんでした。

↑パナソニックの「ダイヤモンド竃釜」はおいしいごはんが炊けるのに軽くて使いやすいとユーザーから高評価を受けています↑パナソニックの「ダイヤモンド竃釜」は軽くて使いやすいとユーザーからは高評価

 

独自機能は銘柄炊き分けや10種類の食感炊き分けなど、前述の通り。また本機はスチーム用の水容器を装備、保温中にスチームを投入してごはんのうるおいを維持、「再加熱」ボタンを押すと、ごはんに炊き立ての食感が戻ります。

 

以上をまとめてみると、以下の通りです。

●ご飯のバランスを重視する人。どんなメニューでも食べやすく炊き上げる

●多くのお米の銘柄を試したい人。50種類の銘柄炊き分けに対応

●お弁当や冷凍ご飯をおいしく食べたい人

●メンテナンスがラクなほうがいい人。内釜が軽く、減圧弁の採用で洗いやすい

 

エントリーその3

三菱電機

IHジャー炊飯器本炭釜

KAMADO NJ-AW108

ほろりとほぐれる食感が心地いい

本機は今回検証した5機種のなかでは唯一の“非圧力式”炊飯器。「銘柄芳潤炊き」の「ふつう」モードで炊飯したごはんは、噛むと口のなかでほどけつつ、しっかり弾力もある独特の食感です。また、香りのみずみずしさは特筆もので、米本来の風味が豊かに感じられました。冷やごはんはモチモチ感が強まり、炊き立てとひと味違うおいしさ。一方、冷凍・再加熱したごはんは、強いしゃっきり感がありつつ、かなり柔らかくなりました。ちなみに、同モードで1合を炊くと、ごはんの粒感はそのままですが、香りがやや控えめに。また、ご飯の場所によって食感にばらつきもありました。

 

食感炊き分けは15通り。最も硬めでしゃっきりな設定だと米の粒感は突出するも「ほどよく硬い」食感で、それほど食べにくさは感じませんでした。一方、最も柔らかでモチモチに炊くと、粘りはかなり強くなりますが、ほぐれる感じもあり、柔らかさもほどほど。この粒感のあるモチモチ加減が本機の特徴といえます。また本機は、パナソニックと同じく銘柄炊き分けが可能。対応銘柄はパナソニックより少ない35銘柄ですが、各銘柄で9通りの食感炊き分けができます。

20170828-s1-2-760x570↑「しゃっきり」モードで炊いたお米。粒感が際立っています

 

パネルの情報量はやや少ないが音声ガイドに安心感あり

保温性能は、温度低めの「たべごろ保温」で検証。6時間後のごはんは、香りは減退したものの、炊き立てごはんのハリや粒感はしっかり維持されていました。

 

操作性は、液晶パネルが象印やパナソニックに比べると小さく、一度に表示できる情報量が少ないのがやや難点。音声ナビが付いているため、特に炊飯器に慣れていない時期は使っていて安心感があると思います。

↑表示はすっきりして見やすいが、一覧性↑表示はすっきりして見やすいですが、一覧性はいまひとつ。ただし、音声ナビ付きなので、現在選択している内容を音声で知らせてくれます

 

内ふたが洗いやすく玄米や麦飯の炊飯メニューが豊富

メンテナンス性は“非圧力”式のため内ぶたが洗いやすいのが特徴。ただ、炭釜を使うため、取扱う際は割れないよう注意が必要です。サイズはそれなりに大きいですが、重さが約5.7kgと5機種中最も軽く、丸みを帯びたデザインも魅力的。設置性はまずまずという印象です。

↑丸みのあるかわいらしいデザイン。キッチンはもちろん、ダイニングテーブルの上に置いてもなじみます↑丸みのあるかわいらしいデザイン。キッチンはもちろん、ダイニングテーブルの上に置いてもなじみます

 

本機は15種類の食感炊き分けや、銘柄炊きでも9通りの食感に炊き分けできるのが特徴。「芳潤炊き(玄米)」「美容玄米」「麦飯(芳潤炊き)」など玄米や麦飯の炊飯メニューも豊富で、ごはんの食感にこだわる人にはオススメです。

 

以上をまとめると、本機にオススメな人は以下の通り。

●とにかくしゃっきりな食感が好きな人。特に米の粒感を重視する人にオススメ

●多彩な機能に慣れていない人。音声ガイドで操作をアシスト

●米の銘柄をいろいろ食べ比べたい人。35種類の銘柄に対応

●冷やご飯、玄米や麦飯を美味しく食べたい人

 

エントリーその4

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPG-X100

ごはんの香り、ふっくら感、おこげの香ばしさはトップクラス!

土鍋と土かまどの大火力で炊き上げる本機は、ふっくらもっちりの炊き上がりとおこげの香ばしさが楽しめるのが特徴。土鍋の素材を見直すなどして火力がアップし、香りとおこげのつき方がさらにアップしました。

 

「白米」モードで仕上がり標準、火加減「中」で炊飯したごはんは香りが濃厚。鍋肌にしっかりおこげを作りつつ、内側のごはんはふっくら柔らか。しかも弾力、甘みは強く、米の粒感も感じられ、食べ応え満点でした。冷やごはんにするとごはんが締まり、しっとりしつつもモチモチ感と甘みがアップ。冷凍・再加熱したごはんは、おこげの香りは弱まったものの、弾力と甘みは健在です。1合炊飯では、甘みは3合炊きと同等ながら、食感がより柔らかく、弾力も香りも少なめになりました。

 

食感炊き分けは従来の3段階から5段階に増え、より細かく食感設定できるようになりました。最も「しゃっきり」に炊くと柔らかながらほぐれる食感、最も「もっちり」に炊くとモチモチ度が前面に出てきます。「火かげん」キーでおこげの濃さも3段階に調整可能。特に、火加減「弱」にしたときに炊きたてごはんの香りが濃厚になり、味に深みが感じられるようになったのが斬新でした。

↑「火かげん:強」にするとよりおこげがしっかりできています。米粒にもしっかりとしたハリが見られます↑「火かげん:強」にするとよりおこげがしっかりできています。米粒にもしっかりとしたハリが見られます

 

保温性能が格段に向上し、シンプル操作で使いやすい

保温に関しては、保温6時間後でもまだおこげの香りを維持していたのが見事。モチモチ感もキープしており、5機種の中でも6時間までの保温性能は1、2を争う優秀さです。

 

操作性に関しては、炊飯設定は「進む・戻る」ボタンで行いますが、食感(仕上がり)と火加減を専用キーで設定するため、煩雑さはありません。「モーションセンサー」がスリープするまでの時間が20秒から60秒に伸び、実用性が格段に向上。音声ガイド機能も声が聞き取りやすく、使っていて安心感があります。ただし、炊飯器の外ぶたが時々締めにくくなるのはかなり困りました(たまたまテストした機種がそうだったのかもしれませんが)。

↑従来液晶の左側に2列4個並んでいたキーが1列3個になり、右側の「もどる・すすむ」キーも表示が「<|>」になってスリムに。これにより、液晶パネルが大きくなっています↑従来液晶の左側に2列4個並んでいたキーが1列3個になり、右側の「もどる・すすむ」キーも表示が「<|>」になってスリムに。これにより、液晶パネルが大きくなっています

 

土鍋をお手入れするときは丁寧に扱って

お手入れ面では、内ぶたに付いた調圧ボールと安全弁がやや洗いにくいです。土鍋も落として割れたりしないよう丁寧に扱う必要あり。ちなみに、掃除の手間は変わりませんが、新機種からスチームキャップが外ぶたの内側から着脱する方式になりました。サイズは5機種のなかではコンパクトなほうですが、重さがやや重く取っ手もないので、持ち運びがやや面倒です。

↑「プレミアム本土鍋」に炭化ケイ素成分を配合し、より高火力な炊飯が可能に。鍋底には「波紋底」を採用しており、沸騰時の泡立ちを均一にし、お米がムラなく炊き上がります↑「プレミアム本土鍋」に炭化ケイ素成分を配合し、より高火力な炊飯が可能に。鍋底には「波紋底」を採用しており、沸騰時の泡立ちを均一にし、お米がムラなく炊き上がります。お手入れの際は、割れないように注意を

 

まとめると、以下の通りになります。

●好みの食感が決まっていない人。しゃっきりでももっちりでも、香り豊かなふっくらごはんに仕上がる

●香ばしいおこげごはんが好きな人

●仕事の帰りが遅く、家族と食事時間がずれる人。数時間の保温機能が優秀

●多機能炊飯器の操作に慣れていない人。音声ガイドで操作をアシスト

 

エントリーその5

日立

圧力スチーム炊き

ふっくら御膳 RZ-AW3000M

ほどよい弾力や硬さのごはんに炊き上げ、少量炊飯が得意

本機の炊き上がりの食感は、ズバリ「中庸」。「極上炊き分け」の「ふつう」で炊いたごはんはふっくらしながら柔らかすぎず、弾力と粘り、米の粒感のバランスが取れています。

↑米粒のかたちはスリムで、しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります。食感と味のバランスの良さが、画像からも伝わってきます↑米粒の形はスリム。しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります

 

最初さっぱりしながら食べるうちに甘みが増してくる味わいも良好です。冷やごはんはややベタつきが出るものの、粒感のなかにモチっと感がもあり。冷凍ごはんを再加熱すると粘りが強くなり、やや硬めの食感に。1合炊飯では「少量」ボタンを使うことで、3合炊きとほぼ同じ味と食感を実現できました。

↑日立の「少量」ボタン↑視認性の高い縦型パネルを採用。パネルの左には「少量」ボタンがあります

 

食感炊き分けは3種類。「しゃっきり」は三菱電機に次ぐしゃっきり感で、「もちもち」で炊いた場合も、もっちり感は象印やパナソニック、タイガーの「標準」で炊いた場合より控えめでした。玄米を3種の食感に炊き分けられるのも特徴です。

 

保温性能は優秀で液晶パネルは視認性が高い

本機はパナソニック同様「スチーム保温」がウリ。保温温度の低いモードで検証したところ、保温6時間後は炊き立ての食感と味をほぼ申し分なく維持していました。

 

操作性では、本機は縦型の液晶パネルを採用。サイズも大きく、視認性は高いです。炊飯設定で、メニューを逆方向から選べるボタンがないのがやや不便でした。

 

「蒸気カット」機能の装備で設置の自由度は最優秀

メンテナンス性については、内ぶたが調圧ボール搭載の放熱板とプレート、蒸気口上ケースの3パーツ構成で洗浄がやや面倒。ただし、内釜が軽く丈夫で洗いやすいのは魅力です。一方、設置性は本機が最も優秀。他機種が炊飯中に大量の蒸気を放出するのに対し、本機は「蒸気カット」機能搭載で通常の炊飯なら蒸気がほとんど出ません。キッチン用収納棚などに置けるのはメリットです。

↑↑日立ふっくら御膳は「蒸気カット」機能により、設置の自由度が高いです

 

上記を踏まえた結果は以下の通りです。

●しゃっきり寄りの食感を好みつつ、バランス重視の人

●玄米を炊き分けて食べたい人。3段階の炊き分け機能や「炊込み」メニューあり

●少量炊飯することが多い人。専用モードあり

●設置スペースが限られている人。「蒸気カット」機能付きで置く場所を選ばない

 

本稿を参考に、条件やごはんの好みを勘案して最適な1台を選んでください。その先にはきっと、幸せな“絶品ごはん生活”が待っていますよ!

日立のいいとこ全部出た! 8項目テストまとめで「ふっくら御膳」は「失敗したくない人」へのベストアンサーと判明

本サイトでは、主要メーカーのハイエンド炊飯器のなかでも人気の高い5機種を集め、徹底的に比較・検証した記事を連載してきました。今回は、日立「ふっくら御膳 RZ-AW3000M」の検証をまとめ、その個性に迫っていきます。検証によると、ご飯の味のバランスが良いほか、少量炊飯や保温など、細かい部分にも配慮が感じられ、あらゆる面でバランスが取れた良機ということが判明。以下で詳しく見ていきましょう!

 

【今回テストするのはコチラ】

内釜の底に鉄の粒子を打ち込み効率的な発熱と高い伝熱性を両立

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日立

圧力スチーム炊き ふっくら御膳

RZ-AW3000M

実売価格10万7780円

水温を60℃以下で米にしっかり吸水させる「高温浸し」と独自の圧力スチーム技術を搭載。ふっくら艶やかで甘み豊かなごはんに炊き上げる。アルミ合金の内釜の底に発熱性の高い鉄の粒子を打ち込むことで効率的な発熱と高い伝熱性を両立し、内釜全体に素早く熱を伝えることで炊きムラを抑える。0.5合でもおいしく炊き上げる「少量炊き」機能も特徴。「蒸気カット」機能付きで、キッチン棚の中で使っても棚の天面が濡れず、設置場所の自由度が高い。

SPEC●炊飯容量:0.5~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:145wh●保温1時間あたりの消費電力量:13.7Wh●加熱方式:圧力スチーム炊き●内釜:高伝熱 打込鉄・釜●サイズ/質量:約W268×H237×D352mm/約6.6kg

 

【テストその1 食感・味の傾向は?

最も上質な炊飯ができるコースで炊き上げ、その香りや味、食感を比較しました。お米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。コシヒカリの強い味わいと、ササニシキのさっぱりした味の中間にあたる、バランスの取れた味のお米です。米は3合で炊飯。今回は機種の味の傾向を知るために、中庸(ふつう)の食感設定を選択しました。

20171115-s2-0

また、食感と食味は炊きたてに加え、冷やごはんと冷凍・再加熱したものについてもチェックしています。冷やごはんは、炊きたてをラップに包んでおにぎりにし、室温で5時間ほど冷ましたものを試食。冷凍ごはんは、炊きたてをラップに包んで冷凍庫で冷凍し、1日経ったものを電子レンジで温めました。

 

<炊き上がり>

バランスのいい味と食感で噛むほどに甘みが増してくる

極上炊き分けの「ふつう」で炊飯。他機種と比べるとやや控えめながら、昔ながらの「炊き立て」のいい香りがしっかり広がります。ごはんのハリ、つやもまずまず。食感は柔らかくなりすぎず、ほどよい弾力と粘りがあります。口のなかで米がほどける食感もあり、バランスのいい炊き上がりだと感じました。味は最初甘さやや控えめに感じましたが、噛むほどにどんどん甘みが増します。

↑米粒のかたちはスリムで、しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります。食感と味のバランスの良さが、画像からも伝わってきます↑米粒のかたちはスリムで、しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります。食感と味のバランスの良さが、画像からも伝わってきます

 

<冷やごはん(おにぎり)>

ややベタつくが、ほどける食感と雑味のない味が堪能できる

冷やごはんは、ベタつきがやや感じられますが、口の中でほどける食感は健在。モチモチした食感がやや出てきたように感じました。雑味のない甘みも堪能できます。

↑冷やごはんになって、米のつやが一段と増した印象。冷めてもごはんの味と食感のバランスは健在でした↑冷やごはんになって、米のつやが一段と増した印象。冷めてもごはんの味と食感のバランスは健在でした

 

<冷凍・再加熱>

粘りが強く出てきたが、甘みが増してくる特徴は変わらず

一方、冷凍ごはんを温めると粘りがかなり強くなり、少し団子感が出てきました。表面の水分が飛んだせいか、やや固めに感じる部分もあります。最初はさっぱりでどんどん甘さを増すおいしさは、冷凍でもしっかり味わえます。

↑これも炊き立てと比べると、米のつや感とハリがだいぶなくなってしまいました。かたちもやや崩れ始めています↑これも炊きたてと比べると、米のつや感とハリがだいぶなくなってしまいました。かたちもやや崩れ始めています

 

日立

圧力スチーム炊き ふっくら御膳

RZ-AW3000M

【テストその2 食感炊き分けの幅は?】

その炊飯器で「最もしゃっきり硬めの食感に炊き上げるモード」と、「もっとももちもちに炊き上げるモード」で炊飯。それぞれの食感の違いを見ることで、その機種が実現できる食感の幅を確認しました。

さっぱりした食感がベースで、「もちもち」モードでももっちり度は控えめ

本機の白米の炊き分け機能は「極上ふつう」と「極上しゃっきり」「極上もちもち」の3種類のみ。ここでは、「極上しゃっきり」「極上もちもち」を試してみました。

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「極上しゃっきり」で炊いたごはんはその名の通りしゃっきり硬めの食感。わずかに粘り気がありますが、食べるとほろりとほぐれます。甘みはすっきりで、炊き立てのごはんの風味がありながら、粒感が立っている感じです。今回検証した5モデルの中では三菱電機に次いで、しゃっきり感を強く感じました。

米粒の周りにおねばをまとって、口に入れた瞬間は粘り気を感じますが、そのあとしゃっきり食感に変わります。他の機種にはない、独特のしゃっきり感です↑米粒の周りにおねばをまとっており、口に入れた瞬間は粘り気を感じますが、そのあとしゃっきり食感に変わります。他の機種にはない、独特のしゃっきり感でした

 

一方、「極上もちもち」で炊いたごはんのほうは、もちもち度は他機種ほど高くなく、口の中でほぐれる食感が感じられました。パナソニックや象印の食感設定を「ふつう」にして炊いた場合より弾力は弱く、柔らかさも他機種と比べると控えめ。ただし、ごはんの甘みはかなり強くなっていました。

↑見た目のつやは豊かですが、「もちもちモード」で炊いた割には、弾力や粘り気は他機種ほど強くなりませんでした。ただ、茶碗によそってしばらく経つと、少しもちもち感が上がりました↑見た目のつやは豊か。「もちもちモード」で炊いた割には、弾力や粘り気は他機種ほど強くなりませんでした。ただし、茶碗によそってしばらく経つと、少しもちもち感がアップ

 

日立

圧力スチーム炊き ふっくら御膳

RZ-AW3000M

【テストその3 少量炊飯の炊き上がりは?】

これまで同様、米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。米1合を標準(ふつう)の食感設定で炊飯し、3合炊きしたときのごはんの味・食感との違いをチェックしました。

「少量」ボタンで3合炊飯とほぼ変わらないおいしさに

本機の特徴は、0.5合〜2合の炊飯に適した「少量」ボタンを搭載していること。3合を炊いたときと同じ「極上ふつう」モードで少量1合を選択して炊飯しました。

 

炊き立てを食べた第一印象は、「3合炊飯とほとんど味と食感が同じ」だということです。香りは他機種と比べるとやや穏やかですが、炊き立てごはんのいい香りが広がります。食感は柔らかながら、適度な粘りがあり、食べると口の中でほどよくごはんがほどけます。最初は控えめながら、食べ進むうちにどんどん甘くなっていく味わいも前回と同じでした。

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↑炊き立てはおねばがつやつや光っていましたが、表面の水分がある程度飛ぶと、ツヤが落ち着いてきました。3合を炊いたときと見た目もほとんど同じです↑炊き立てはおねばがつやつや光っていましたが、表面の水分がある程度飛ぶと、ツヤが落ち着いてきました。3合を炊いたときと見た目もほとんど同じです

 

日立

圧力スチーム炊き ふっくら御膳

RZ-AW3000M

【テストその4 保温性能は?】

最もオーソドックスなモードで、3合炊きしたごはんを24時間保温。炊飯6時間後の味と食感とニオイ、24時間後の味と食感とニオイをチェックしました。

保温6時間後の食感・食味は申し分なし

本機は、「スチーム40時間保温」を搭載しており、炊飯時に出た蒸気を水に変えて備蓄し、保温時に定期的にスチームとして釜内に送り込みます。保温モードは、ごはんの変色や乾燥を防ぐ「保温低」(40時間以内)と、高めの温度でふたの内側や内釜につゆがつくのを抑える「保温高」(12時間以内)の2種類ありますが、今回は保温時間の長い「保温低」で試してみました。

 

保温6時間後のごはんは、炊き立て時の米の弾力と粘り気が持続していました。甘みも変わらず、ニオイもまったくありません。全体の食味・食感は申し分ないです。

↑チェック時にはつやがだいぶなくなった印象でしたが、写真を見るとまだまだつやとハリをキープしています↑6時間の保温後もまだまだつやとハリをキープしています

 

24時間保温したごはんは、さすがにニオイが少し出始めていて、全体の食味はやや劣化した印象。食感もかなり柔らかくなっていますが、食べている間にほどける感覚と、米一粒一粒の弾力はまだ残っていました。

↑24時間経って、色はかなり黄色っぽくなっています。ごはんのハリ、つやもなくなってしまいました↑24時間経って、色は黄色っぽくなっています。ごはんのハリ、つやも少なくなりました

 

日立

圧力スチーム炊き ふっくら御膳

RZ-AW3000M

【テストその5 操作性/メンテナンス性は?】

「操作性」に関しては、炊飯設定する際の液晶パネルの見やすさや、ボタン操作のしやすさをチェック。特に、目的の炊飯設定にするまでの工程に注目し、取扱説明書を見なくても炊飯設定がスムーズにできるかどうかを確かめました。「メンテナンス性」に関しては、炊飯後に洗うパーツの数や洗いやすさ、フレームに付いた汚れや露の拭き取りやすさをチェックしました。

<操作性>

「戻る」ボタンが欲しいが、見やすいパネルと「少量」ボタンは便利

高級炊飯器のなかでは貴重なタテ長の液晶パネルを採用。パネルのサイズが大きく、バックライト式で文字もくっきり表示されます。「お米」ボタンで米の種類や「調理モード」を選択。「メニュー」ボタンで炊飯メニューや調理メニューの選択をします。「お米」ボタンも「メニュー」ボタンも1回押すと右側のメニューに移動する方式で、「戻る」に相当するボタンがなく、特にメニューボタンで1回押しすぎるともう一周する必要があるのが面倒でした。

↑液晶パネルの左に「お米」「メニュー」「少量」ボタンを配置。「少量」ボタンが独立しているのは、少量で炊くことが多い家庭にはメリットです↑液晶パネルの左に「お米」「メニュー」「少量」ボタンを配置。「少量」ボタンが独立しているのは、少量で炊くことが多い家庭にはメリットです

 

↑「お米」「メニュー」ボタンを押すと、選択したメニューが点滅して表示されます。メニュー選択の際に「戻る」ボタンがないのがやや不便なので、時刻設定の左右キーを「戻る・進む」キーと共用できるよう、設定できるとよかったかなと思います↑「お米」「メニュー」ボタンを押すと、選択したメニューが点滅して表示されます。メニュー選択の際に「戻る」ボタンがないのがやや不便なので、時刻設定の左右キーを「戻る・進む」キーと共用できるよう、設定できれば良かったです

 

<メンテナンス性>

内ぶたは洗うパーツが多いが、内釜は軽量で毎日の手入れがラク!

炊飯ごとに洗うパーツは内釜と「給水レスオートスチーマー」(内ぶた)。「給水レスオートスチーマー」はさらにふた加熱板とプレート、蒸気口上ケースに分解して洗います。ふた加熱板の裏には調圧ボールが付いていて、これも丁寧に洗う必要があります。

↑写真左上が内釜、左下がプレート、右下がふた加熱板、右上が蒸気口上ケース↑写真左上が内釜、左下がオートスチーマープレート、右下がふた加熱板、右上が蒸気口上ケース

 

内釜は708gと、今回検証した高級炊飯器の5モデル中最軽量。軽くて丈夫で洗いやすく、扱いやすいです。また、フレームはステンレス製でフラット。つゆ受け部が窪んでいて、つゆが集まるようになっています。

↑内釜はアルミをベースに発熱効率の高い鉄を打ち込んだもの。高火力炊飯を可能にしながら、圧倒的に軽いのが魅力です↑内釜はアルミをベースに発熱効率の高い鉄の粒子を打ち込んだもの。高火力炊飯を可能にしながら、圧倒的に軽いのが魅力です

 

↑ふた可動部の下のつゆが溜まりやすい場所に窪みがある。つゆ受け部も含め、フレーム部表面にはステンレスが使われているので、汚れが拭き取りやすいです↑ふた可動部の下のつゆが溜まりやすい場所に浅い窪みが。つゆ受け部も含め、フレーム部表面にはステンレスが使われているので、汚れが拭き取りやすいです

 

日立

圧力スチーム炊き ふっくら御膳

RZ-AW3000M

【テストその6 独自機能/設置性は?】

「独自機能」は各炊飯器に搭載されている、ごはんのおいしさにつながる独自の機能や技術、炊飯のバリエーションを広げる機能などをチェックします。また、使い勝手向上やお手入れの手間を省く便利機能も見ていきます。

 

「設置性」に関しては、横幅と奥行き、重さを確認します。また、炊飯中の蒸気の出方もチェック。さらに、設置性を高める独自の工夫があれば、それもチェックしていきます。

<独自機能>

玄米の3通りの食感炊き分けができ、「少量炊飯」モードも便利

本機は内ぶたに「給水レス オートスチーマー」を搭載。炊飯中の蒸気を水に戻して回収し、蒸らしや保温時に再びスチームにしてごはんに潤いを与えます。またこれにより、外に出る蒸気の量を少なくしているのも特徴です。

↑内ぶたに「オートスチーマー」を装備。ふた加熱板とプレートの間に貯めた水をヒーター加熱し、7つの穴からスチームとして放出します↑内ぶたに「オートスチーマープレート」を装備。ふた加熱板とプレートの間に貯めた水をヒーター加熱し、7つの穴からスチームとして放出します

 

食感炊き分けは3種類と少なめですが、玄米も3種類の食感に炊き分けられるのはメリット。玄米の「おかゆ」のほか、玄米の「炊込み」メニューを搭載しているのも特徴です。

 

さらに、少量炊き専用のボタンを搭載し、ボタンを押すだけで少量炊飯に適した炊き方に変えられる点は、1〜2人世帯にはうれしい機能です。

↑「少量」ボタンを1回押すと1合用に、2回押すと2合用に切り替わります。3回押すと少量モードが解除されます↑「少量」ボタンを1回押すと0.5~1合用に、2回押すと1.5~2合用に切り替わります。3回押すと少量モードが解除されます

 

ちなみに、内釜の白米(無洗米・雑穀米・発芽玄米)用の水位線には、「やわらかめ」「かため」に炊くための水位線も表示されていて、ユニークです。

↑「かため」の水位線はすしめしやカレー用のごはんに最適。新米を炊くときも「かため」の水位線を目安に少なめの水量にすると、炊き上がりのベタつきが抑えられます↑「かため」の水位線はすしめしやカレー用のごはんに最適。新米を炊くときも「かため」の水位線を目安に少なめの水量にすると、炊き上がりのベタつきが抑えられます

 

<設置性>

「蒸気カット」機能搭載で設置場所の自由度が圧倒的に高い!

本体幅は26.8cmで奥行きは35.2cmというサイズは、今回検証した5モデル中ではパナソニックに近い大きさ。重量は約6.6kgで、三菱電機に次ぐ軽さです。本体に取り付けた「しゃもじ受け」にしゃもじを挿しておけるのも便利です。

↑付属品の「しゃもじ受け」を本体後方下部のフックに取り付けて使用。しゃもじの置き場所に困らず、さっと使えてさっとしまえます↑付属品の「しゃもじ受け」を本体後方下部のフックに取り付けて使用。しゃもじの置き場所に困らず、さっと使えてさっとしまえます

 

他の機種にない設置性での優位点は「蒸気カット」機能を持っていること。これで設置の自由度が圧倒的に高くなります。

↑蒸気口は他機種よりかなり小さめ。白米の炊飯コースではほとんど蒸気が出ていませんでした。ただ、「おこげ」など「蒸気カット」しない炊飯コースもあるので、キッチン用収納棚などに置いて使うときは、注意が必要です↑蒸気口は他機種よりかなり小さめ。白米の炊飯コースではほとんど蒸気が出ていませんでした。ただ、「おこげ」など蒸気カットしない炊飯コースもあるので、キッチン用収納棚などに置いて使うときは、注意が必要です

 

日立

圧力スチーム炊き ふっくら御膳

RZ-AW3000M

【テストのまとめ】

ほどよい弾力や硬さのごはんに炊き上げ、少量炊飯が得意

本機の炊き上がりの食感は、ズバリ「中庸」。「極上炊き分け」の「ふつう」で炊いたごはんはふっくらしながら柔らかすぎず、弾力と粘り、米の粒感のバランスが取れています。

↑米粒のかたちはスリムで、しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります。食感と味のバランスの良さが、画像からも伝わってきます↑米粒の形はスリム。しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります

 

最初さっぱりしながら食べるうちに甘みが増してくる味わいも良好です。冷やごはんはややベタつきが出るものの、粒感のなかにモチっと感がもあり。冷凍ごはんを再加熱すると粘りが強くなり、やや硬めの食感に。1合炊飯では「少量」ボタンを使うことで、3合炊きとほぼ同じ味と食感を実現できました。

↑日立の「少量」ボタン↑視認性の高い縦型パネルを採用。パネルの左には「少量」ボタンがあります

 

食感炊き分けは3種類。「しゃっきり」は三菱電機に次ぐしゃっきり感で、「もちもち」で炊いた場合も、もっちり感は象印やパナソニック、タイガーの「標準」で炊いた場合より控えめでした。玄米を3種の食感に炊き分けられるのも特徴です。

 

保温性能は優秀で液晶パネルは視認性が高い

本機はパナソニック同様「スチーム保温」がウリ。保温温度の低いモードで検証したところ、保温6時間後は炊き立ての食感と味をほぼ申し分なく維持していました。操作性の面では、本機は大きめの縦型の液晶パネルを採用しており、視認性は高いです。炊飯設定で、メニューを逆方向から選べるボタンがないのがやや不便でした。

 

「蒸気カット」機能の装備で設置の自由度は最優秀

メンテナンス性については、内ぶたが調圧ボール搭載の放熱板とプレート、蒸気口上ケースの3パーツ構成で洗浄がやや面倒。ただし、内釜が軽く丈夫で洗いやすいのは魅力です。一方、設置性は本機が最も優秀。他機種が炊飯中に大量の蒸気を放出するのに対し、本機は「蒸気カット」機能搭載で通常の炊飯なら蒸気がほとんど出ません。キッチン用収納棚などに置けるのはメリットです。

↑↑日立ふっくら御膳は「蒸気カット」機能により、設置の自由度が高いです

 

上記を踏まえた結果は以下の通りです。

●しゃっきり寄りの食感を好みつつ、バランス重視の人

●玄米を炊き分けて食べたい人。3段階の炊き分け機能や「炊込み」メニューあり

●少量炊飯することが多い人。専用モードあり

●設置スペースが限られている人。「蒸気カット」機能付きで置く場所を選ばない

バランスの良いしゃっきりめのご飯が好みの方に本機はうってつけ。少量炊飯をするケースが多く、設置の自由度が高い蒸気カットタイプということで、少人数世帯にも好まれそうです。このほか、内釜が軽く、日常のお手入れがラクなのもポイントですね。

「ウチの冷蔵庫…クサっ」とならないために! 最新5モデルの冷蔵・冷凍「以外」の機能を家電のプロが徹底チェック

冷蔵庫は10年前の製品と比べて驚くほどの進化を遂げています。でも、いざ買い替えるとなると、どれも同じように見えて迷ってしまう人も多いはず。そこで今回は、主要5社の2017年新モデルのうち、4~5人の家庭で一般的な500Lクラスをピックアップ。家電選びのプロ、戸井田園子さんが5項目にわたって徹底検証していきます。「冷蔵・冷凍」「野菜室」などを検証した前回に引き続き、今回は、「清潔性・脱臭機能」「設置性・デザイン」 「省エネ性能」をチェック。併せて各モデルがどのような家庭に向いているか、結論を導き出していきます!

 

【今回のガイド】

家電コーディネーター

戸井田園子さん

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雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

検証モデルその1

省エネ性能もアップした、スリムな幅65cmの大容量冷蔵庫

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三菱電機
WXシリーズ
MR-WX52C(517L)
実売価格36万7070円

高性能真空断熱材の採用でさらなる省エネ性が図られた、「置けるスマート大容量」シリーズの新モデル。「クリーン朝どれ野菜室」は、世界初の「ハイブリッドナノコーティング」を使用した抗菌トレイを導入し、清潔さもアップしました。

【SPEC】●サイズ/質量:W650×H1821×D699mm/約118kg●容量:517L(冷蔵室 277L/野菜室 98L/製氷室 23L/瞬冷凍室 30L/冷凍室 89L)●ドア開閉タイプ:両開き(フレンチ)●ドア数:6ドア

 

【三菱 WXシリーズ 検証03 清潔性・脱臭機能】

汚れ防止の「クリーントレイ」はお手入れ簡単!

「野菜室の底に汚れ防止の『ハイブリッドナノコーティング』を施したトレイ『クリーントレイ』が追加され、お掃除のしやすさがアップ。エアコンにも使われている技術で、その力は立証されています。トレイは薄型なので簡単に取り出せて、キッチンのシンクで洗えます。ただ、トレイがあるのは後方の大きいスペースのみ。できれば、前面スペースにもセットして欲しかったですね」(戸井田さん)

↑大きなボックスを取り外して洗わなくてすむので、手入れが簡単です↑大きなボックスを取り外して洗わなくてすむので、手入れが簡単です

 

【三菱 WXシリーズ 検証04 設置性・デザイン】

大容量コンパクトで狭いキッチンでも効率的

「三菱は断熱材の薄型化で、いち早く大容量・コンパクトに着手したメーカーです。この機種は、65cm幅で容量517Lを達成していて、諦めていたスペースにも大きな冷蔵庫が置けると人気に。デザイン面では、ガラスドアがすっきりとした印象を演出。ガラスから透けてみえる地の模様は、ステンレスのヘアラインを思わせ、落ち着いた印象を醸し出しています。シックで重厚感があるブラウン系、ベーシックで空間に馴染みやすいベージュ系、シンプルで爽やかなホワイト系の3色展開で、どんなインテリアにも合わせやすいですね」(戸井田さん)

↑カラーは3色展開。キッチンの雰囲気に合った色が選べます↑カラーは3色展開。キッチンの雰囲気に合った色が選べます

 

【三菱 WXシリーズ 検証05 省エネ性能】

三菱のみの全室独立設計で部屋別に省エネ

「冷凍室(大)・冷凍室(小)・製氷室が、完全に仕切られた全室独立設計なのは三菱のみです。『瞬冷凍室』と『冷凍室』で違う温度帯にできるのは独立設計だからこそ。また、独立設計は、部屋ごとの使用状況に応じて適切な運転ができるのもメリット。扉の開閉による温度上昇が他の部屋に影響しない、使わない部屋だけ冷却を止めることができる、など省エネにもつながっています」(戸井田さん)

 

【結論 三菱 WXシリーズはどんな家庭にオススメ?】

買いだめをして少量ずつ使いたい家庭向き

「共働きなど、頻繁には買い物に行かない、買いだめスタイルのご家庭に向いています。食材の鮮度が維持しやすいので、食材管理を担当する主婦(主夫)にとっては、先々の献立を考えて材料を買わなくてすむのは大きな魅力。『食材を早く使わなくちゃ!』と焦ることが減り、ストレスも軽減されます。

 

また『瞬冷凍』は、食材を少量だけ使う家庭にもおすすめ。たとえばお弁当作りのときや、少人数世帯なら、冷凍保存してある肉や魚を必要な量だけカットして使えるのでとても便利です」(戸井田さん)

 

検証モデルその2

プラス50Lの大容量化を実現した「微凍結パーシャル」搭載モデル

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パナソニック

HPXタイプ

NR-F503HPX(500L)

実売予想価格35万4240円

新たに開発された新形状の薄壁筐体を採用し、本体幅はそのままに冷却部品をコンパクト化した「微凍結パーシャル」搭載冷蔵庫の新モデル。初搭載の「フラット冷却システム」と新「エコナビ」で省エネ性能も向上しています。

【SPEC】●サイズ/質量:W650×H1828×D699mm/約118kg●容量:500L(冷蔵室 258L/野菜室 105L/製氷室 17L/新鮮凍結ルーム 28L/冷凍室 92L)●ドア開閉タイプ:フレンチドア●ドア数:6ドア

 

【パナソニック HPXタイプ 検証03 清潔性・脱臭機能】

「ナノイー」が全室に行きわたって庫内を除菌!

「微粒子イオン『ナノイー』が全室に行きわたり、壁面に着いている菌や庫内に浮遊している菌を除菌し、清潔な状態をキープ。また収納量センサーで、庫内に食材がたっぷり入っているときは、スピーディーに除菌してくれる『パワフルモード』に切り替わります。ナノイーは脱臭効果もあって、庫内のニオイも取り除いてくれるのがうれしいですね」(戸井田さん)

↑ナノイーのイメージ。↑ナノイーのイメージ。全室に行きわたって除菌するため、食品を新鮮に、かつ庫内を清潔に保ちます

 

【パナソニック HPXタイプ 検証04 設置性・デザイン】

新モデルは幅のコンパクト化を実現!

「今年の新モデルは、機械室のコンパクト化、ボディの薄壁化、奥の収納スペースの拡大によって大容量ながら幅のコンパクト化に成功。幅650mmで500Lを達成しました。カラーはシックで上品なゴールド系、落ち着いた重厚感のあるダークブラウン系、シンプルなホワイト系のほかミラータイプも展開。取っ手の部分が目立たないデザインでスッキリとした印象です」(戸井田さん)

↑カラバリは3色のほかに、写真のミラータイプ「オニキスミラー」もあります↑カラバリは3色のほかに、写真のミラータイプ「オニキスミラー」もあります

 

【パナソニック HPXタイプ 検証05 省エネ性能】

省エネ技術「エコナビ」がきめ細かくムダを省く!

「さまざまなセンサーを採用した、パナソニックの省エネ技術『エコナビ』が優秀。光で収納量の変化を検知する独自の『収納量センサー』は、片側のみから検知する仕様から、左右で検知する仕様に進化して精度がアップしました。また、扉の開閉回数と時間まで検知し、使い方に合わせて霜取り運転の間隔を最適化する機能も搭載されています。生活リズムに合わせてきめ細かくエコナビで運転してくれるので、ほったらかしで省エネはバッチリです」(戸井田さん)

↑食品が減ってくると、「エコナビ」ランプが点灯して冷やしすぎのムダを省きます↑食品が減ってくると、「エコナビ」ランプが点灯して冷やしすぎのムダを省きます

 

【結論 パナソニック HPXタイプはどんな家庭にオススメ?】

小分けせず、一気にしまいたい清潔重視の家庭向き

「野菜室や冷凍室など引き出し収納のスペースが大きく収納がラクなので、一度にたくさんの買い物をして、がばーっと入れておきたいおおらかなご家庭向きです。食材を微凍結で少しずつ使えるので、作り置きしてお弁当作りをしている家庭にもおすすめ。『ナノイー』があるので、庫内の除菌・消臭をしたい清潔派の人も満足できそう」(戸井田さん)

 

検証モデルその3

約0.8気圧の「真空チルド」と炭酸ガスで食材の鮮度が長持ち!

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日立
「真空チルド」XGシリーズ

R-XG5100H(505L)

実売価格34万3440円

真空の効果で鮮度を保つ日立だけの「真空チルド」を搭載した冷蔵庫の新モデル。炭酸ガス生成能力を向上させた新「プラチナ触媒(ルテニウム配合)」により、食品表面の酵素の働きを抑えておいしく保存します。

【SPEC】●サイズ/質量:W685×H1818×D699mm●容量:505L(冷蔵室 269L/野菜室 94L/冷凍室 142L)●ドア開閉タイプ:フレンチドア●ドア数:6ドア

 

【日立「真空チルド」XGシリーズ 検証03 清潔性・脱臭機能】

製氷皿は外して洗えていつでも清潔

「特に目立った特殊な機能はないのですが、外して洗える製氷皿は清潔感があっていいですね。また、冷蔵室最下段が左右に2分割されているので、一枚の棚の幅が小さくなり、取り外しやすく、お手入れがしやすいのは他社より有利です」(戸井田さん)

 

【日立「真空チルド」XGシリーズ 検証04 設置性・デザイン】

デザインに関してはトレンドリーダー的存在!

「コンパクト化の面ではやや出遅れていますが、デザインに関してはトレンドリーダー的存在。ガラス扉、ミラー扉ともに、いち早く展開したのが日立です。また、扉の蝶つがい側をラウンド形状にすることで、扉の開閉時に角が出っ張らず、ギリギリまで壁に寄せて設置できる『スッキリ設置』も機能的。色は、クリスタルブラウン、クリスタルシャンパン、クリスタルホワイトの3色展開。地模様のない仕上げでスッキリ見えます」(戸井田さん)

↑クリスタルブラウンの設置例(写真はR-XG6700H)↑クリスタルブラウンの設置例(写真はR-XG6700H)

 

【日立「真空チルド」XGシリーズ 検証05 省エネ性能】

霜を利用した独自技術の「フロストリサイクル冷却」

「冷却器につく霜を利用して冷蔵室・野菜室を冷やす独自技術『フロストリサイクル冷却』を搭載。これにより、霜取り時間も短縮でき省エネにも貢献しています。ドアの開閉状況から冷蔵庫の使用パターンを学習し、深夜や留守中にヒーターを使う霜取りをするなど、庫内の温度上昇をできる限り抑えて省エネにつなげています」(戸井田さん)

↑運転時に冷却器に付着する霜を利用して、冷蔵室や野菜室を冷やすという逆転の発想がスゴイ!↑冷却器に付着する霜を利用して冷蔵室や野菜室を冷やし、コンプレッサーを止めるという逆転の発想がスゴイ!

 

【結論 日立「真空チルド」XGシリーズはどんな家庭にオススメ?】

鮮度のいい食材で毎日料理を作りたい家庭向き

「冷凍しなくて済む『真空チルド』は、生鮮食材を長持ちさせるだけでなく、食材を調味料に浸けておくと下味が染み込みやすく、下ごしらえの時短にもつながって本当に便利! 休日にまとめて下ごしらえや作り置きをするスタイルではなく、その日の食事はその日に作るというご家庭におすすめしたいです。デザイン面では、扉に地模様がない単一色なので、硬質な素材感やシンプルな印象が好きな方に向いています」(戸井田さん)

 

検証モデルその4

野菜の鮮度にこだわった、野菜室が真ん中の「ベジータ」シリーズ

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東芝
「べジータ」FWXシリーズ

GR-M510FWX(509L)

実売価格33万2640円

冷蔵庫の中段に使用頻度の高い野菜室をレイアウトした「ベジータ」の新モデル。野菜の乾燥を防いでうるおいを閉じ込める「ミストチャージユニット」を採用した「もっと潤う 摘みたて野菜室」で、野菜の保存性が高まりました。

【SPEC】●サイズ/質量:W650×H1833×D699mm/117kg●容量:509L(冷蔵室 260L/野菜室 112L/製氷室 20L/冷凍室 117L)●ドア開閉タイプ:両開き(フレンチ)●ドア数:6ドア

 

【東芝「べジータ」FWXシリーズ 検証03 清潔性・脱臭機能】

汚れがちな野菜室は「Ag抗菌ボックス」で清潔

「野菜室の内側のボックスはAg抗菌仕様で、腐敗の原因となる微生物の増加を抑制してくれます。また、野菜室のボックスの底には『お掃除口』が設置され、ケースを外すことなく野菜クズや泥を捨てることができるようになりました。野菜室が真ん中にあるので、下にゴミ箱を持ってくればお手入れもラクラク。さらに光触媒『ルネキャット』で、庫内の冷気を除菌・消臭してくれるのも便利です」(戸井田さん)

↑野菜室の底に穴が空いていて、そこから野菜くずなどを捨てられます↑野菜室の底に穴が空いていて、そこから野菜くずなどを捨てられます

 

【東芝「べジータ」FWXシリーズ 検証04 設置性・デザイン】

新モデルも大容量・コンパクト化を追求

「東芝は、三菱に次いで大容量コンパクトを実現したメーカーです。今年もさらに冷蔵庫の壁面を薄くすることで、大容量を進化させています。幅650mmで509L達成は、三菱に続く大容量です。扉カラーは高級感のあるダイヤモンドミラーです」(戸井田さん)

↑高級感のあるダイヤモンドミラー↑高級感のあるダイヤモンドミラー

 

【東芝「べジータ」FWXシリーズ 検証05 省エネ性能】

真ん中にある野菜室は省エネの面でも貢献

「2つの冷却器がある東芝独自の『ツイン冷却』で、プラスの温度帯とマイナス(氷点下)の温度帯それぞれに適したぶんだけ冷やすことで、省エネを実現しています。冷蔵庫はその構造上、プラスとマイナスの温度帯には仕切りにヒーターを入れているのが基本。そのため、冷凍室が中央だと、その上下がプラスの温度帯になるため、2本のヒーターが必要になります。その点、野菜室が中央だと、プラスの温度帯とマイナスの温度帯が上下に分かれるため、ヒーターがひとつで済むのです。ということで、野菜室が真ん中なのも、実は省エネには有利。新モデルは、断熱性能の向上もあって昨年モデルより10%の省エネになりました」(戸井田さん)

↑ツイン冷却」イメージ↑「ツイン冷却」イメージ

 

【結論 東芝「べジータ」FWXシリーズはどんな家庭にオススメ?】

野菜料理にこだわるヘルシーな家庭向き

「『野菜室は絶対に真ん中希望』というご家庭なら一択! また、大きなチルド室、野菜そのまま冷凍、高湿度の野菜室など、手間をかけずに食材維持管理がしやすい機能が多いので、『休みの日まで作り置きするためにキッチンに立つなんてイヤ!』という人にもぴったり。特に野菜の保存は、冷蔵・冷凍いずれにしても独自機能があるので、野菜料理を重視するご家族には大いにオススメできます」(戸井田さん)

 

検証モデルその5

献立を提案してくれるIoT時代を象徴するIoT冷蔵庫

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シャープ

SJ-GX50D

実売価格37万5840円

チルドルーム内を清潔に保つ高密閉構造の「プラズマクラスターうるおいチルド」を新たに採用。人工知能とIoTを組み合わせたクラウドサービス「COCORO KITCHEN」に対応し、献立や食品保存方法などを教えてくれます。

【SPEC】●サイズ/質量:W685×H1833×D699mm/109kg●容量:502L(冷蔵室 259L/野菜室 73L/冷凍室 170L)●ドア開閉タイプ:フレンチドア●ドア数:5ドア

 

【シャープ SJ-GX50D 検証03 清潔性・脱臭機能】

扉を閉めたあと「プラズマクラスター」を一気に放出

「シャープならではの『プラズマクラスターイオン』を庫内に充満させるため、浮遊菌や付着菌の除菌ができます。冷蔵室のドアを閉めた直後は、集中的にプラズマクラスターを放出してくれるのもキレイ好きには好評ですね。他社もそうですが、冷蔵室の棚はオールガラス棚でお手入れがラク。野菜室は、底に敷いてあるプレートだけ取り外して洗えるので、こちらも手入れが簡単です」(戸井田さん)

↑チルドルーム内を清潔に保ち、乾燥を抑える「プラズマクラスターうるおいチルド」↑チルドルーム内を清潔に保ち、乾燥を抑える「プラズマクラスターうるおいチルド」も搭載しています

 

【シャープ SJ-GX50D 検証04 設置性・デザイン】

「本体幅のコンパクト化はまだ対応していませんが、取っ手やフレームが一切ないデザインでスッキリ感はバッチリ。扉カラーには、下方に行くほど色が濃くなる『グラデーションレッド』と『グラデーションブラウン』があり、こちらは高級感と安定感あり。『ピュアホワイト』はシンプルなインテリアにおすすめです。扉に軽く触れると開く電動アシストドアで、両手がふさがっていてもドアの開閉ができるのが便利!」(戸井田さん)

20170914-s3-1-1↑上に行くほど淡い色になっていくグラデーションレッド(写真はSJ-GX55D)

 

【シャープ SJ-GX50D 検証05 省エネ性能】

人工知能が25項目にわたって節電をアシスト

「人工知能を利用した25項目の省エネ技術『節電25』を搭載。生活パターンに応じた省エネ運転をしてくれるモードで、通常運転より最大25%も節電できます。また、半ドアだと自動でドアが閉まる『オートクローズドア』機能も搭載。扉は得意のネイチャーテクノロジーを生かし、合わせ目にホタテ貝ようなの凹凸形状を施すことで、空気の流出入を減らし、断熱効果を向上。さらに省エネ性をアップしました 」(戸井田さん)

↑「節電25」の25項目の省エネ技術↑「節電25」の25項目の省エネ技術

 

【シャープ SJ-GX50D その他・IoT機能 】

IoT対応で冷蔵庫が献立を決めてくれる!

「他モデルの検証項目にはありませんが、本機でぜひ触れなければいけないのがIoT機能。IoT機能搭載は業界初の機能で、その目玉は献立相談ができること!  中に入れている食材を登録して冷蔵庫に話しかけると、おすすめのメニューを提案してくれます。また、食材の購入サイク ルを冷蔵庫が学習して買う時期を知らせてくれたり、天気予報や生活パターンに応じた情報を知らせてくれたりと、本当に賢い モデルです。新モデルでは、扉にスマホのような操作パネルが搭載されたので、スマホのアプリを使わなくても、冷蔵庫だけでも使えるIoT機能が拡大しました。今後の進化が楽しみです!」(戶井田さん)

液晶では「COCORO KITCHEN」のメニューを表示。右下に「聞いて」というアイコンがあり、これを押すと、献立のアドバイスや食材の買い忘れ通知や省エネのヒント、食材の保存テクニックなどを音声でアナウンスパネルでは「COCORO KITCHEN」のメニューを表示。右下に「聞いて」というアイコンがあり、これを押すと、献立のアドバイスや食材の買い忘れ通知や省エネのヒント、食材の保存テクニックなどを音声でアナウンスしてくれます

 

【結論 シャープ SJ-TF49Cはどんな家庭にオススメ?】

食材管理を徹底したい新しモノ好きな家庭向き

「なんといっても最先端のIoT技術をいち早く試したいというご家庭向きです。また、スマホとの連携で食材管理ができるので、ついつい二重買いをしてしまいがちな人や、夫婦それぞれ食材の買い物をするご家庭にも合っています。シャープ製だけに、独自のプラズマクラスターで庫内の除菌ができて、清潔好きな人にも向いています。メガフリーザーで冷凍食品の買いだめもできるので、共働きなど忙しいご家庭にもオススメです」(戸井田さん)

この気遣い、さすがは日本メーカー! 小回り重視のロボット掃除機「minimaru」が新モードを追加して登場

日立アプライアンスは、ロボットクリーナー「minimaru(ミニマル)」RV-EX1を11月25日から発売します。実売予想価格は、10万円前後(税抜)です。本機は、本体幅25cm、高さ9.2cmの小さいボディにより、ダイニングテーブルやイスの脚の間などの狭い場所や、ソファやベッドの下など高さの低い場所、家具の間や部屋の隅などに入りやすく、掃除しにくいところをしっかり掃除します。この「小さい」という機能は、高密度実装技術による独自の車輪構造やサスペンション機構のコンパクト化、および吸込口・ダストケースなどの効率的なレイアウトにより実現したものです。

 

小さいボディが特徴のロボット掃除機に「マナー」「おこのみ」モードを追加

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また、素早い方向転換できびきびと賢く動くことで、こまめに丁寧に掃除するのも特徴。走行制御「minimaru AI」は、複数のセンサーにより周囲状況を素早く判断し、状況に合わせて100以上の行動パターンから選択して運転します。

↑↑コンパクトなボディにより、掃除しにくい場所もしっかり掃除します

 

こうした従来からの特徴に加え、今回、ごみの多い場所を判断し、そのエリアに戻って掃除する新走行制御「ごみハンター走行」を追加。掃除モードについては従来の「自動」「念入り」「スポット」にのほか、在宅中などに運転音を抑え、時間をかけてゆっくり掃除する「マナー」モードや、家具の配置など状況に合わせて走行パターンを選べる「おこのみ」モードを新たに採用しました。「おこのみ」モードでは、「壁ぎわ走行重視」「反射走行重視」「足周り走行重視」が選択可能で、家具などの配置に合わせて選ぶことができます。

↑「おこのみモードで選べる走行パターン↑「おこのみモード」で選べる走行パターン

 

このほか、小型で送風機の効率向上を図った「小型ハイパワーファンモーターR」を新たに搭載し、高い集じん力を実現。吸込口には床面のごみをかき出す「回転ブラシ」、カーペットの綿ぼこりをかき出す「かきとりブラシ」を組み合わせた独自の「ダブルかきとりブラシ」を採用し、さまざまな床面に対応してしっかり集じんします。

 

また、強い気流でダストケース内のごみを圧縮することでごみを捨てやすくする「ごみプレス」運転、回転ブラシを逆回転させブラシについたほこりをクリーニングするお手入れ機能「ブラシ自動おそうじ」も引き続き採用しています。

 

小回りの利くコンパクトボディはそのままに、ごみの多い部分を察して念入りに掃除するほか、生活を邪魔しない静かなモードを搭載し、最適な走行も選べるようになった新「minimaru」。より細やかな運転が可能になったあたり、気遣いを重視する日本人の精神と重なる部分があります。そんな「日本人的」なロボット掃除機を、冬ボーナスで家族として迎えてみてはいかがでしょうか。

 

日立

minimaru RV-EX1

●発売:11月25日●実売予想価格:10万円前後(税抜)●サイズ/質量:W250×H92×D250mm/2.3kg●掃除時間:最長60分(自動モード時)●充電時間:約3時間●稼動面積:最大約32畳●集じん容積:0.25L