卒FITの環境価値を活用したい企業を東京電力が募集中! ご家庭と企業の橋渡しにかける深い思い

東京電力エナジーパートナー(TEPCO)が今年6月から開始した新サービス、「再エネ企業応援プラン」について、前回は一般家庭ユーザーの視点からのメリットを解説しましたが、今回は、企業側のメリットに触れます。本施策は東京電力エナジーパートナーとしても非常に力の入った取り組みとなっており、参画企業を積極的に募集しています。本プランで取り扱う環境価値は、付加価値の高い卒FIT電力由来であるため、企業メリットも多いはず。実務的なQ&Aを含めて紹介していきましょう。

 

【前回の記事】

「太陽光発電設置から10年 FIT買取期間が終了後どうする?」の最適解は東京電力「再エネ企業応援プラン」。卒FIT世帯注目の内容を詳説

 

まずはおさらいです。「再エネ企業応援プラン」は、卒FITユーザーが引き続き自宅で太陽光発電した余剰電力を東京電力エナジーパートナーに売る際「環境価値」を自分で選んだ企業に届けることで、その見返りとして企業側から謝礼品が年1回届くというものでした。ユーザーとしては、自分のお気に入りの企業の活動を応援できるとともに、企業から感謝の気持ちがもらえるというメリットがあります。

↑単なる一方通行ではなく、ユーザーと企業が双方向にメリットを受けられるのが新しい点。企業への環境価値のお届けは仮想的にお届けされます(発電した電気や価値が直接お届けされるわけではなりません)

 

一方で、同プランに参画する企業側にはどんなメリットがあるでしょう。東京電力エナジーパートナーの狙いとしては大きく3つのメリットがあります。

 

1つは、一般消費者との新たなつながりができること。

 

昨今、ユーザーとのコミュニケーションの形として、ファン化やコミュニティ化がトレンドになっています。今後、ユーザーがお気に入りの企業やブランドを選んで利用したり、その企業の活動を応援したりといった傾向が年々強くなってくると思われます。つまり、その企業のもともとのファンはもちろん、今回の環境活動に賛同して新たにファンになってくれたユーザーとのつながりが持てるのです。応援してくれたユーザーに感謝の気持ちを届けるため、ユーザーのメールアドレスなどを東京電力エナジーパートナーと連携することで、ユーザーとのつながりをより強固にでき、謝礼品以外にも、キャンペーン情報や新サービス・新製品情報などをユーザーに直接届けることができます。

↑日本生命保険相互会社の謝礼品の例。同社では再生可能エネルギー由来の電力の使用を増やしていく方向(引用:東京電力エナジーパートナーHP)

 

2つ目は、地球環境の保護に貢献できることです。一般家庭の太陽光発電は、もともと石炭・石油などの化石燃料を使っていない非化石電源です。本プランが対象としている卒FIT由来の電力から生まれる環境価値も、企業におけるCO2排出量削減に利用可能な「非化石証書」の対象となります。つまり、企業は「再エネ企業応援プラン」に参画し、卒FIT由来の電力から生まれる環境価値を購入し非化石証書を得ることで、RE100(使用する電力の100%を再エネで賄うことを目指す国際ビジネスイニシアチブ)などの達成に向けた1つの方法として活用することができます。

↑ロッテの謝礼品の例。同社では、ロッテ浦和工場(埼玉県さいたま市)および狭山工場(埼玉県狭山市)でお菓子やアイスクリームの製造に使用電力の一部をCO2フリー化にすること目指す(引用:東京電力エナジーパートナーホームページ)

 

もちろん、電気には色がついていないので、企業が自社で購入している電源が、どこでどのような形で発電されたものかは厳密には分かりません。しかし、「非化石証書」という形で環境価値を切り離し、それを購入することにより、企業としては自社が消費した電力を再生可能エネルギー由来とすることが可能となります。

 

さらに、「再エネ企業応援プラン」への参画が社会全体の再エネの普及へとつながることにもなります。多くの企業が本プランに参画すれば、卒FITユーザーにとって応援できる企業のバリエーションが充実し、謝礼品もよりどりみどりとなります。選ぶ楽しみ、余剰電力を売る楽しみが増えることにつながるだけでなく、ユーザーは企業を通じてより一層、地球環境に貢献できるということに気付き、「再エネ企業応援プラン」への加入が増えるという好循環も生まれます。これから太陽光発電を始めることを検討している一般家庭にとっても背中を押すきっかけとなり、太陽光発電を始める一般家庭が増えるというさらなる好循環に入っていく可能性もあるのです。

 

メリットの3つ目は、こうした活動によって企業価値が向上するということです。「再エネ企業応援プラン」に参画することでCO2の削減に貢献できるだけでなく、環境問題に積極的に取り組んでいる企業という姿勢を広く示すことができます。今後、「再エネ企業応援プラン」のユーザー側の楽しみやメリットが充実すれば、将来的に太陽光発電導入ユーザーが増え、より一層、CO2削減に貢献することができます。

 

具体的な手続きや効果をまとめてみた

企業側のメリットについて3つのポイントから説明しましたが、どんな取り組みでもスタートまでの手続きが煩雑だと、導入のハードルが上がってしまうことがあります。ここでは、企業の担当者が本プランを見て抱くことが想定される代表的な疑問を東京電力エナジーパートナー担当者にぶつけて、Q&A形式でまとめてみました。

 

Q:導入にあたって必要になる事務手続きは?

A:東京電力エナジーパートナーの電気需給契約に加えて、本プランの契約手続きが必要になります。

 

Q:導入にあたって設備投資は必要になるのか?

A:必要ありません。

 

Q:参画にあたって企業規模は関係あるのか?

A:企業の規模に制限はありませんが、「契約電力500kW以上で協議契約の企業」としています。

 

Q:国内排出量取引制度(キャップアンドトレード)との連動はあるのか?

A:特にありません。卒FIT電源由来の環境価値は「非化石証書」にあたるので、企業のCO2排出量削減やRE100にも活用できます。

 

Q:特定の建物(ビルや工場)のCO2排出量を削減するといった細かい設定はできるのか?

A:本プランのコンセプトは、あくまでも「企業」を応援することですので、電気の需要場所との紐付けはありません。ただし、本プランを通じて得た非化石証書を活用したい需要場所ごとに非FIT非化石証書付き電力としてお申し込みいただくことは可能です。

 

Q:創造できた環境価値を数値的に算出することは可能か?

A:非化石証書がもつ環境価値により、当社からお届けする電気と本プラン由来の非化石証書による排出係数は0.000kg-CO2/kWhになります。こちらを数的根拠として活用いただけます。

 

Q:東京電力エナジーパートナー側からはどのようなサポートを受けられるのか?

A:本プランのお申込みの受付以降、毎月の応援実績を集計し報告させていただきます。感謝のきもちのお届けについては企業のみなさまにご用意いただいております。

 

企業にとっては導入のハードルが低く、環境貢献が高い施策

↑太陽光発電住宅のイメージ

ここまで「再エネ企業応援プラン」の企業メリットおよび具体的な効果を紹介してきました。本プランは導入にあたってのハードルが高いものではなく、むしろ既に東京電力エナジーパートナーとの契約があれば事務的な手続きのみでスタートできる点で、かなり導入しやすいものだと感じてもらえたはず。

 

日本の狭い国土では、今後、新たにメガソーラーを建設することは難しいと言われています。しかし、太陽光発電に適した一般家庭の屋根は、まだその多くが活用されることなく眠っています。今後、一般家庭の屋根が日本のCO2削減の鍵を握っていると言っても過言ではありません。

 

前回も述べましたが、東京電力エナジーパートナーとしては将来的に「再エネの地産地消」を検討しています。企業が「再エネ企業応援プラン」で入手した非化石証書を用いて、事業所・工場単位でCO2排出を削減した電気を利用することが可能なため、よりユーザーに近い場所での再生可能エネルギー消費が可能となります。地元の企業を応援したい、地元の工場のCO2削減を応援したいというユーザーの気持ちとつながり、それが、ユーザーが住む地域の発展につながっていく。その一端を担えることも、企業価値の一つと言えるのではないでしょうか。

 

本プランに関してより詳細な問い合わせは、TEPCOサイト内の申し込みサイトをご覧ください。

https://www.tepco.co.jp/ep/renewable_energy/after-fit.html

「太陽光発電設置から10年 FIT買取期間が終了後どうする?」の最適解は東京電力「再エネ企業応援プラン」。卒FIT世帯注目の内容を詳説

東京電力エナジーパートナー(TEPCO)が今年6月から導入した「再エネ企業応援プラン」をご存知でしょうか。本プランは一般家庭の卒FIT世帯(自宅で太陽光発電を導入して10年が経過した世帯)が自宅で発電して余った電力の環境価値を、自分で選んだ企業に届けることができるプラン。しかも、その企業からは謝礼品が届くという、いわば“電気版ふるさと納税”とも言える、卒FIT世帯にとっては注目のプランとなっています。

 

「自宅の余剰電力で生まれた環境価値を企業に届ける」とは?耳慣れない言葉ですが、これが実にユニーク。今後こうしたプランが増えていく先駆けともいえるプランです。特に、ご自宅で太陽光発電を導入している方は必聴の内容かと。本稿では、本プランの魅力を東京電力エナジーパートナー担当者への取材も交えながら解説していきましょう。

 

【背景】固定価格買取期間が終了するユーザーがまもなく激増

本プランを理解するには、まず固定価格買取制度の現状について知る必要があります。2012年7月にスタートした再生可能エネルギー固定価格買取制度、いわゆるFITの前身である太陽光余剰電力買取制度がスタートしたのは2009年11月。FIT同様に買取期間が10年と定められているため(10kW未満の一般家庭用発電)、2019年11月以降は買取期間満了を迎えたユーザー、いわゆる卒FITユーザーが続々と生まれています。

 

全国累積では2023年までに約165万件が卒FITユーザーとなることが見込まれていますが、関東エリア内においても既に累積約26万件、2025年までには累積で60万件に達すると見込まれています。

↑太陽光発電の買取精度が終了する戸建てが増えている(写真はイメージです)

 

2009年11月に余剰電力の固定買取価格制度を利用し始めたユーザーは1kWhあたり48円の価格で買い取られていましたが、卒FIT後は電力会社毎に価格が異なり、1kWhあたり約7円~9円と、従来よりも大幅に下がります(東京電力エナジーパートナーの場合は8.5円/kWh)。そのため、ユーザーとしては発電し使いきれなかった電気を売らずに自家消費するという選択肢が生まれてくるのですが、昼間しか発電できない太陽光の電気を全て自家消費するためには蓄電池が必要になってきます。

 

災害時の停電に備えて蓄電池を導入するケースは増えていますが、まだまだ高価で気軽に購入できるレベルではないため、蓄電池の導入は一部のユーザーにとどまっています。そのため、卒FIT後もそのまま余剰電力の売電を続けるユーザーが多いのが実情です。

 

こうした卒FITユーザー向けに新電力会社各社も魅力的な買取価格を提示し、価格競争が激化していますが、卒FIT後も東京電力エナジーパートナーとの取り引きを継続するユーザーが多いのが実情です。その理由の1つは、10年来、取り引きを続けてきた安心感や信頼感にあります。しかし、東京電力エナジーパートナーとしては、そこに甘んじることなく、新たなプランをユーザーに提示して顧客満足度を高めたいと考えるのが自然の流れですよね。

 

そこで展開しているのが、「再エネ買取標準プラン」「再エネおあずかりプラン」の2つのプラン。「再エネ買取標準プラン」は、従来どおり余った電気を東京電力エナジーパートナーに売るものです。一方、「再エネおあずかりプラン」は、余剰電力を一旦、東京電力エナジーパートナーに預けたものとみなし、その後、ユーザーが使用した電気(東京電力エナジーパートナーから買った電気)料金に充当するもの。

 

いわば、東京電力エナジーパートナーを蓄電池のように使うことで、蓄電池を購入する費用をかけずに余剰電力を有効活用できるプランです。こうした形でユーザーの選択肢を豊かにする施策を増やしていますが、これら既存のプランに加わる形で新たにスタートしたのが、今回紹介する「再エネ企業応援プラン」となります。

↑前置きが長くなってしまったが、全体を図式化したイメージ。右側の緑の枠内が今回の新プランとなる

 

企業にクリーンエネルギーを届けることで環境への取り組みに貢献

再エネ企業応援プランは、太陽光発電というCO2を排出しないクリーンエネルギーの「環境価値」を企業に提供する仕組みです。環境価値を提供した一般家庭に対しては、企業側から感謝の気持ちが1年に1回届きます。例えば、既にこのプランに参画しているロッテの場合、ロッテグループの公式オンラインモールで使用できる1000円分のクーポンが届くなど、具体的なインセンティブが届くのが特徴。

 

地球温暖化防止のため、政府は「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と宣言しているため、そのためにはさまざまな経済活動においてCO2の削減努力が求められており、現在、日本国内でも多くの企業が脱炭素社会の実現に向けて積極的な環境活動に取り組んでいるところです。

 

今回、一般家庭で作り出す太陽光発電の「環境価値」を企業に提供することで、企業側としては自社の環境活動をより一層推し進めることができ、一般家庭ユーザーとしては謝礼が受け取れるという、双方にメリットのある仕組みとなっています。

 

↑単なる一方通行ではなく、ユーザーと企業が双方向にメリットを受けられるのが新しい点。企業への環境価値のお届けは仮想的にお届けされます(発電した電気や価値が直接お届けされるわけではなりません)

 

「一般の家庭のお客さまと企業をつなぎ、お客さまが企業の環境活動を応援できることで、お客さま自身が環境に貢献しているという意識を持つことができます」と、東京電力エナジーパートナー販売本部再エネ推進部の安保陽平グループマネージャーは説明します。一般家庭の一戸一戸が生み出す環境価値は小さいですが、たくさん集まれば大きな価値となり、地球環境保全活動に大きな貢献ができることとなります。

 

自分のお気に入りの企業、ブランドの環境活動を応援することで、その企業・ブランドの価値が上がり、さらに地球環境にも貢献できる。また、こうした活動が認知され、広まることで、これをきっかけに一般家庭で新たに太陽光発電を導入するきっかけにもなるかもしれません。つまり、クリーンエネルギーの普及拡大への貢献も期待できます。

東京電力エナジーパートナー販売本部再エネ推進部再エネ事業開発第一グループの安保陽平グループマネージャー

 

申し込みは簡単、今後参画企業の拡大も予定

卒FITユーザーが再エネ企業応援プランに加入するのはとっても簡単です。東京電力エナジーパートナーの専用ホームページに氏名・住所・電話番号・メールアドレス・受電地点特定番号(再生エネルギー固定価格買取満了の案内に記載)を入力するだけ。もちろん、応援したい企業も自分で選ぶことができます。

↑「再エネ企業応援プラン」は東京電力エナジーパートナーのホームページから簡単に申し込みできます

 

現在の参画企業はロッテと日本生命の2社ですが、今後続々と増えていく予定です。「多くの企業が参画に向けてご関心を持っていただいているところです。今後、ユーザーの地元に本社を置いていたり工場があったり、ユーザーが応援しているスポーツや娯楽施設に関連する企業などに参画してもらうことで、“環境価値の地産地消”にも貢献していきたいと思っています」(安保陽平グループマネージャー)。

 

10年前、世間に先駆けて太陽光発電を導入した一般ユーザーは、もともと環境に対する意識が高い人が多いことと思われます。もちろん、高い売電価格に魅力を感じた人も多いと思いますが、それだけを背景に当時とても高価だった太陽光設備の導入に踏み切れるはずもなく、高価な機器を購入してでも環境保護に少しでも貢献できればという意識が根底にあったはずです。

 

そうした人たちが卒FITを迎えたことで、自分で作ったクリーンエネルギーを純粋に地球環境に役立てることができたなら、と考えるのは当然の流れと言えるでしょう。実際、大きな告知をしていないにもかかわらず、既に100件を超える加入の申し込みがきています。

 

近年、日本だけでなく、世界各地で異常気象が相次いでいます。その一因とされているのが地球温暖化であり、それを食い止めることが世界的な課題となっています。政府まかせ、企業任せとするのではなく、われわれ一人ひとりが意識を高く持ち、小さいことから環境活動に取り組む必要があるでしょう。

 

既に太陽光発電というクリーンエネルギーを手に入れている卒FITユーザーも、もう一歩踏み込み、企業の環境活動を後押しすることで自身の環境貢献度を高めてはいかがでしょうか。

スマホが無料で充電できる! ファミマで「充レン」2万回分無料山分けキャンペーン

東京電力エナジーパートナーは、同社が提供するモバイルバッテリーレンタルサービス「充レン」を設置しているファミリーマートで、10月19日から11月18日まで、2万回分の無料レンタル山分けキャンペーンを開始します。

 

キャンペーン期間中は、ファミリーマートに設置されているレンタルスタンドからレンタルすると、通常330円の充レンを、無料で利用できます。

 

駅周辺など、生活導線を意識した利便性の高い約1500店舗のファミリーマートに設置されており、返却はファミリーマート以外の全国各地にあるレンタルスタンドでも可能です。
同キャンペーンは、対象店舗のレンタル総回数が2万回に達した時点で終了。実施状況は同サービス公式サイト、公式LINEアカウント、公式Twitterで随時告知されます。

 

無料レンタル期間はレンタル当日から翌日24時までの最大48時間で、バッテリーを返却しなかった場合は通常通り延長、買取料金が発生します。

年間で1万円以上得する! 東電の「とくとくガスプラン」が関西・中部でも使えるようになった!

東京電力エナジーパートナーは、関西エリア(大阪ガスの都市ガス供給エリア:大阪府、京都府、滋賀県、奈良県、兵庫県、和歌山県)と、中部エリア(東邦ガスの都市ガス供給エリア:愛知県、岐阜県、三重県)で、家庭向け都市ガスの料金プラン「とくとくガスプラン」の受付を11月16日に開始しました。

 

同プランは、大阪ガス・東邦ガスの「一般料金」と比べ3%程度おトクで、初年度特典「スタート割」を含めると最大6%程度おトクになるプラン。また、同社電気料金プランとのセット特典「ガスセット割」により、月額102円(年間1224円)を電気料金から割引します。

 

関東エリアに加え、上述の関西・中部エリア在住の利用者も同社のガスを選べるようになることで、既に同社と契約している利用者であれば、引越し先が上記3エリア間なら引き続き同社の電気・ガスを利用可能です。

 

例えば、関西エリアだと、同社「スタンダードA」+「とくとくガスプラン」と、関西電力「従量電灯A」+大阪ガス「一般料金」を比較すると、電気400kWh/月+ガス40立方m/月の利用者であれば、年間で約1万500円おトクとなります。

 

中部エリアの場合、同社「スタンダードS」+「とくとくガスプラン」と、中部電力ミライズ「従量電灯B」+東邦ガス「一般料金」を比較すると、電気 40A・400kWh/月+ガス40立方m/月の利用者ならば、年間で約1万1100円おトクです。

 

詳細は、以下「関西・中部エリアのガス料金プラン一覧」をご覧ください。

↑関西エリア「とくとくガスプラン(関西エリア)」

 

↑中部エリア「とくとくガスプラン(中部エリア)」

大泉 洋が童話の中の“おうちのトラブル”を解決! 「くらしTEPCO」新CM、10月23日よりオンエア

東京電力エナジーパートナーは、大泉 洋さん、メイプル超合金、3時のヒロインを起用した、「くらしTEPCO」の新TVCM『くらしTEPCO「ヘンゼルとグレーテル」』篇・『くらしTEPCO「3匹のこぶた」』篇を、10月23日から関東1都6県で放送開始します。

 

くらしTEPCOは、いつもの生活をもっと快適にするサービスから、もしものトラブル時の応急処置、修理のかけつけサービス、住まいの悩みをいつでも相談できるサービスまで、同社が豊富なサポートを行なうサービス群の名称。

 

今回放送開始する新TVCMでは、対象の電気またはガスプランに加入すると、無料で付いてくる「生活かけつけサービス」と「ガス機器・床暖修理サービス」を紹介。「おうち、まるごと、あんしん。くらしTEPCO」をキャッチコピーに、大泉さんが童話のおうちの中で起こる様々な暮らしのトラブルに対応。童話のキャラクター「ヘンゼルとグレーテル」に扮したメイプル超合金の2人と、「3匹のこぶた」に扮した3時のヒロインの3人に、無料であることを驚かれながらも、安心を届けるというストーリーになっています。

 

「ヘンゼルとグレーテル」篇では、コンロの火がつかず困ってるヘンゼル(カズレーザーさん)のところに、作業服姿の大泉さんが現れ、「直します。無料です!」とコンロの不具合を修理します。「無料」の言葉に2人は「タダ?」「あんた、おかしいよ」「おかしい」と少しネガティブなリアクションをする2人に、「ガスをTEPCOにしてくれたからですよ」と、修理スタッフの大泉さんがくらしTEPCOを告知します。

 

「3匹のこぶた」篇では、レンガの家でキッチンの蛇口まわりから水が噴き出し3匹のこぶたが慌てふためいているところに、作業服姿の大泉さんが現れ、「応急処置しました。無料です!」と、蛇口を修理します。“無料”の言葉に3匹のこぶたは「タダ?」「優しい!」「まさか、オオカミ?」と驚きのリアクションをすると、「電気やガスをTEPCOにしてくれたからですよ」と返す修理スタッフの大泉さんが、くらしTEPCOを告知して締めくくります。

「冷蔵庫は温めるためのヒーターを搭載している」って本当? 意外と知らない家電の仕組み

仕組みがわからなくても家電はいつだって便利だけれど、知っていれば家電を選ぶときに役立つこともあるし、「うちの家電はこうやって動いているのか!」と理屈を理解できれば単純に楽しい。東京電力エナジーパートナーが運営する動画マガジン「くらしのラボ」では、普段は聞けないような家電のイロハを映像でわかりやすく解説してくれる。前回の記事では過熱水蒸気を利用したオーブンの仕組みに関する実験をGetNaviプロデューサー・松井謙介が見学し、「水で食材を焼く」仕組みとメリットについて家電王・中村 剛さんに詳しく教えてもらった。

 

【関連記事】

パパ、「水で焼くオーブン」ってどういうこと? ――意外と説明できない家電の仕組みをマルっと解説!

↑過熱水蒸気に関する実験の様子。実際に水蒸気で紙が焦げる様は衝撃的だ。気になる詳細は前回の記事でチェック!

 

過熱水蒸気についてさまざまなことを知ることができ、大満足のGetNaviスタッフ一同。その帰り際、家電王から謎の言葉をかけられた。

 

「ところで松井さん、冷蔵庫ってヒーターを内蔵しているんですよ。ご存じですか?」

↑くらしのラボを取り仕切る、家電王・中村 剛さん。過熱水蒸気実験の撮影後に呼び止められ……

 

食材を冷やすべき冷蔵庫にヒーターを内蔵? なんとなく聞いたことがあるような気はするけれど、よくよく考えると実に不思議だ。これはぜひ家電王にしっかりと説明してもらわなければ!

 

冷やすはずなのに温めている!? 冷蔵庫がヒーターを内蔵しているワケ

冷蔵庫がヒーターを内蔵している理由について、冷蔵庫のカットモデルや模型などを使って解説してくれる家電王。なるほどなるほど、と聞いていたら最後にはなぜか藁を燃やしはじめて…?。気になる内容はぜひ次の動画でチェック!

 

松井:なるほど、冷凍室の温度を下げるための「エバポレーター(熱交換器)」が冷えすぎて凍ってしまうから、一定時間ごとにヒーターで溶かすんですね。いわゆる「霜取り運転」という機能ですが、ちゃんと仕組みを見るのは初めてです。

↑動画中にも登場した冷蔵庫のカットモデル。温度を下げるための「エバポレーター(熱交換器)」に霜がつくと冷却効率が落ちるため、定期的に霜を溶かすためにエバポレーターの下にヒーターが設置されている

 

中村:そうなんです。キンキンに冷えたエバポレーターで冷風を作るので、ここに霜がつくと冷却効率が悪くなり、最悪の場合、冷凍室が冷えなくなってしまいます。なのでタイミングよくヒーターで溶かす必要があるんですね。こちらは実際に稼動しているエバポレーターなんですが、青いエバポレーターに白い霜がつきはじめているのがわかるでしょう?

↑実際に稼動しているエバポレーター。白く見える部分が霜だ

 

松井:でも、ヒーターでこのエバポレーターについた霜を溶かそうとすると冷凍室内の温度まで上がってしまうんですよね。結果、今度は冷凍室内の食材に霜がついたり、味が悪くなったりする……。なかなか難しいものですね。撮影では霜取り運転中に庫内の温度が上がるのを抑え、食材に霜がつきにくくする機能を備えた冷蔵庫の話もしていましたが、霜のあるなしで実際そんなに味は違うものですか?

 

家電王:試してみましょう! こちらは左が普通の冷蔵庫で、右が霜がつかない冷蔵庫でそれぞれ3か月間冷凍保存した鰹で作った鰹のたたきです。

↑左が普通の冷蔵庫、右が霜がつきにくい冷蔵庫で3か月間冷凍保存した鰹で作った鰹のたたき。見た目ですでに身の色が違うことがわかる

 

↑この鰹のたたきは実際に撮影現場で藁焼きして作ったもの。すごい迫力だ…!

 

松井:あ、さっき藁焼きしていたものですね! 撮影を見ていてすごく食べてみたかったんですよ。うーん、それにしても見た目からして少し違いますね。霜がつきにくい冷蔵庫で冷凍保存したほうは色が新鮮そうだし、身が引き締まっている感じもする。これだけパッと出されたら、3か月も家庭用冷蔵庫で冷凍保存したようには見えないですね。

 

家電王:では味もチェックしてみましょう。

↑見た目で違いがわかってしまうので、アイマスクを着用して食べ比べに挑む松井。思いのほか似合ってしまって違和感がない

 

松井:これはすぐわかる! まず匂いが違いますね、霜がついていた鰹は口に入れると生臭い。あと、なんだかパサついている気がします。霜がつきにくい冷蔵庫で冷凍保存したほうのたたきは新鮮ですね。まったく臭みがないというわけではないけれど、ほとんど気にならない。それに身がプリッとしている。

 

家電王:そうでしょう? 冷蔵庫の違いだけでこれだけ味が変わるんです。たとえばお買い得セールの刺身を買って、冷凍室に入れて明後日食べようと思っても忘れてしまうことがありますよね。1か月後に見つけても、刺身には使えなくて捨ててしまったり。そういったことを繰り返しがちな人は、こういった長く美味しく保存できる冷蔵庫を買うことでかなりの節約になります。フードロスも防げますね。

 

松井:そう考えると地球規模で優しい冷蔵庫ですね!

 

本当は「美味しい」研究をしたわけじゃなかった?

今回の撮影で使用された“霜がつきにくい冷蔵庫”は、AQUAの「Delie シリーズ AQR-VZ43J」。カットモデルなども同社が協力したという。せっかくなので、機材の搬入やサポートにきていた技術者の方に、より詳しい仕組みについて話をうかがった。

↑AQUAの「Delie シリーズ AQR-VZ43J」。ちなみに、くらしのラボの動画では木村助手が「製品名を教えてください!」と家電王にたずねても、あの手この手でスルーされるというのが鉄板の流れになっている(Facebookのコメントなどで質問すれば普通に教えてくれるそうだ)

 

↑今回お話をうかがった、ハイアール アジア R&D株式会社 クリエーション本部 冷蔵庫先行技術グループ マネージャーの星野 仁氏

 

松井:「霜がつかない」冷蔵庫を開発した背景や機能の詳細について教えてください!

 

星野:冷蔵庫の冷凍室はエバポレーターの霜を溶かすためにヒーターを使用している、ということはおわかりいただけたと思うのですが、このとき実際にどれくらい冷凍室内の温度が変わると思いますか?

 

松井:冷凍室の温度ってだいたい-18℃くらいですよね。……うーん、3℃くらいは上がっちゃうのかな?

 

星野:実際にはヒーターの熱気が冷凍室まで届くことで10℃、製品によってはもっと温度が上がってしまうんです。

 

松井:10℃も! じゃあ-8℃くらいになるということですね。冷凍食材が完全に溶けるわけじゃないけど、冷凍というより微凍結に近い温度帯になりますね。

 

星野:霜を溶かすときに温度が上がると食材は乾燥しやすくなり、食材から水分が抜けてしまいます。そして食品から水分が出てしまうと、水分が抜けた部分に酸素が入り込んで酸化して劣化してしまう。うちで牛肉を使った実験をしたところ、旨みのもととなる「グルタミン」が、霜がつく通常の冷蔵庫だとかなり減っていました。もちろん、抜けた水分のぶんだけパサパサにもなります。食材は縮んでしまうし、食感も悪くなります。

↑AQUAによる冷凍機能の比較画像。下が霜がつきにくい冷蔵庫で冷凍保存したもの

 

松井:なるほど、当たり前ですけど食材に霜がついて良いことって全然ないんですね。このDelieではどうやって食材に霜をつきにくくしたんですか?

 

星野:そもそも霜取り運転中に冷凍室の温度が上がってしまうのは、ヒーターの熱がエバポレーターのエリアから冷凍室へと流れてしまうからです。なので、Delieでは霜取り運転中にエバポレーターのエリアを自動的にダンパーで塞ぎます。つまり、熱気がほかに漏れないようにしているのです。

 

松井:霜取り中はフタをするということですね。意外とシンプルな仕組み!

 

星野:そうなんです。説明されると「そんな当たり前のこと」と思われるかもしれないんですが、今まで思いついた人がいなかったんですよね。この仕組みをDelieでは「おいシールド冷凍」と呼んでいるんですが、なんとこれだけで温度上昇を5℃くらい抑えられます。結果は……先ほど鰹のたたきを食べ比べていただいたと思うので、おわかりいただけたかと思います。

 

松井:たしかにあの鰹は美味しかった! それにしてもすごい発明ですね。最初に思いついたときは「美味しく食材が保存できる冷凍革命だ!」って思いませんでした?

 

星野:実はこの技術、最初は美味しく食材を保存するために開発したわけではなかったんですよ。

 

松井:というと?

 

星野:我々は本当は省エネのためにこの技術を開発していたのです。冷凍室の温度が上がらなければ、そのぶん冷凍室を冷やすための余計な電気が必要なくなりますから。

ところが、実際においシールド冷凍を試してみると、もちろん省エネもできるのですが、保存した食材がビックリするほど美味しい状態で保存できました。あまりの違いに社内でも「これは省エネというより、食材が美味しく保存できるメリットのほうが大きいんじゃないか?」という話になったんです。

 

松井:そんな裏話があったとは!

 

「家電でしあわせ」になれる方法を伝えたい

松井:いやー、好奇心がかき立てられてついついメーカーさんにインタビューまでしてしまいました! 家電王、今日は本当にありがとうございます!

それにしても、今回の撮影は家電の技術について教えてくれるというものでしたが、これまでとはまた少し違った趣向ですよね。今までの「くらしのラボ」は家電の便利な使い方とか安全性能、あるいは最新家電の紹介といった内容でしたが。

 

中村:家電を購入する場合、家電量販店にいっても「どの製品が安いか」「どの製品が新しくて機能が多いか」といったことを説明されることが多いですよね。でも、私は家電で一番重要なのは基本の性能だと思っているんです。今の冷蔵庫だと、冷蔵庫内を自動で除菌・除臭するものもありますし、それは実際便利なんですが、冷蔵庫でもっとも重要なのは「食材を長く美味しく保存する」という基本的な機能だと思うんです。

今回の技術を解説するシリーズは、基本の機能の紹介をすることで、少しでも多くの人に家電の仕組みついて興味をもってもらえば、と思って始めました。

 

松井:今は家電が多機能になったぶん、家電の裏側にある技術がわかりづらいですよね。それを映像でわかりやすく解説してくれるのは魅力的です。特に、冷蔵庫やオーブンなどの「置きっぱなし」にする家電は技術の進歩がわかりにくい。今回紹介していた冷蔵庫なんかも、買い換えたら「霜がつかないと美味しい」ってわかるけど、古い冷蔵庫を使い続けている人は買い換えるまで「新しい技術があれば長く美味しい」なんてわからないですからね。

 

中村:そうなんです。知識がないことで損をしてしまう部分は絶対にある。なので、私はくらしのラボで「家電でしあわせ」になれる方法を伝えたいのです。暮らしの質があがります。あとは、単純にこういった技術は「こういう仕組みなんだ」とわかると面白いですよね。

 

松井:最近は家電にさまざまな技術が導入されていますが、これらの技術についてメディアが発信する重要性について再確認しました。うちの子どもは下が7歳。生まれたときからスマホがある世代で、iPhoneなんかの技術の塊を見ても「なんだかわからないけれどこういうもの」と思っている節があります。でも、親としては大きくなっても「どうしてこのオーブンは水で焼けるの?」といった疑問を自然にもてるような子どもに成長をしてほしいですね。くらしのラボを観ることでそういう感覚を養えるような気がします。

 

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撮影/我妻慶一

パパ、「水で焼くオーブン」ってどういうこと? ――意外と説明できない家電の仕組みをマルっと解説!

GetNaviプロデューサー・松井謙介。出世しても現場主義は変わらず、日々編集部員にゲキを飛ばす熱い男だ。そんな松井も家に帰れば二児の父親。子どもにいいところを見せようと、時には得意気に最新家電の知識を話すこともある。

 

「シャープのヘルシオっていうウォーターオーブンは、その名の通り水で焼いているから食材が美味しくなるんだ! すごいだろ~」

 

すると、子どもらしい直球の質問が飛んできた。

 

「ねえ、“水で焼く”ってどういうこと?」

 

・・・言われてみれば、もっともな疑問だ。いや、知識として原理的なところはわかる。しかし、子どもにわかりやすく伝えるにはどうしたらよいのか――。さんざん悩んだ末、頼った先は家電王・中村 剛さん。中村さんは自身が出演する東京電力エナジーパートナーの動画メディア「くらしのラボ」で家電に関する情報を発信しており、以前にその撮影現場にお邪魔した際には動画の迫力に大いに驚かされたものだ。動画なら、子どもにもわかりやすく伝えられるかも…?

<前回のくらしのラボ撮影現場レポートはコチラ>
https://getnavi.jp/life/444536/

 

なるほど、こうなっているのか! 仕組みが見えるってわかりやすい

「それなら、試しに実験をしてみましょうか」

 

家電王のそんな言葉に誘われ、足を運んだのは前回もお邪魔した廃工場スタジオ。一見スタジオとは思えないその佇まいに以前は躊躇したものだが、2回目ともなると余裕がある。安全に撮影するためにこの巨大スタジオが必要なことは以前の取材でもうわかっている。

↑約1年ぶりに訪れることになった廃工場スタジオ。前回はここで家電の安全性に関する動画の撮影を見学させてもらった

 

スタジオに入ると、すでに撮影は始まっているようだ。家電王の目の前にあるのは水を入れたフラスコとそれを熱するアルコールランプ。フラスコからは銅管が伸びており、逆側の先端からは水蒸気がシュウシュウと吹き出ているようだ。なんだかいかにも「実験」という印象だ。

↑昔の理科の実習授業を彷彿とさせる実験器具が並ぶ

 

どうやら、フラスコ内の水を沸騰させて水蒸気を発生させ、水蒸気の通り道である銅管をガスバーナーでさらに加熱することで「100℃以上の温度の水蒸気=過熱水蒸気」を作り出しているようだ。冒頭の「水で焼く」オーブンというのは、この過熱水蒸気を利用している。……という原理についてはわかっていたつもりだが、目の前で過熱した水蒸気によって紙が焦げていく様子を見ると驚かされる。実際の様子は次の動画をご覧いただきたい。

 

「水で焼く」の何がイイ? 過熱水蒸気はメリットだらけ

↑過熱水蒸気について話をする家電王・中村 剛さん(左)とGetNaviプロデューサー・松井謙介

 

松井:家電王、撮影お疲れ様でした! 最近はどのメーカーもオーブンレンジの上位機種には「過熱水蒸気」機能を搭載していますが、あの過熱水蒸気オーブンレンジのなかではこんな風に蒸気が加熱されていたんですね。一般家庭で実験道具をそろえるのは難しいので、こうやって動画にして配信してくれるのはありがたいです。

 

中村:ありがとうございます。ところで松井さん、過熱水蒸気で調理するメリットってわかりますか?

 

松井:うーん、たとえば今回撮影に使っているシャープの「ヘルシオ」シリーズは、水の力で余計な塩分や油分を落としてくれるから健康的だといわれていますよね。あと、たしか過熱水蒸気が冷やされて水に戻ろうとする力を利用するので、普通の熱風式オーブンよりも効率的に食材を加熱できるとか。

 

中村:さすがですね。そう、過熱水蒸気調理は蒸気が食材に触れて冷えることで水に戻るという「凝縮熱」を利用するんです。同じ温度の熱風式オーブンと比べると約8倍のエネルギー量があると言われているんですよ。

 

松井:8倍は凄いな!

 

中村:あと、先ほど「いろいろなメーカーから過熱水蒸気オーブンレンジが出ている」という話がありましたが、今回撮影で使ったシャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」シリーズはちょっと特殊なんです。実は、他メーカーの過熱水蒸気調理は過熱水蒸気とともにヒーターや電子レンジも併用して加熱するのですが、シャープは「過熱水蒸気だけ(※)」での調理ができるんですよ。

※レトルトの温めなど、一部機能では過熱水蒸気ではなく水蒸気を利用

↑今回の実験で使用されたのは、ヘルシオシリーズのなかでも2020年6月に発売されたばかりのハイグレードモデル「AX-XA10」

 

松井:へえ~、これだけ特殊なんですね。でも、なんで水蒸気だけで調理する必要があるんですかね? 感覚的には、ほかのメーカーみたいに加熱方式を複数併用したほうが早く調理できそうなのに。

 

中村:水蒸気だけで調理することで大きなメリットはふたつあるんです。ひとつは複数の食材を同時に加熱調理できること。過熱水蒸気というのは温度の低いほうに多くの熱を与えるという特性があるんですね。なので「冷凍しておいた食材と、冷蔵や常温の食材」など、温度の異なる食材も一度に調理できるんです。

また、庫内の密閉性が高いので、過熱水蒸気で満たすことで酸素を追い出して食材の酸化を抑えることもできます。

 

松井:普通に考えたら火の通りが早い食材が焦げたりしそうなもんですけどね。

 

中村:先ほど撮影で調理した食材があるので試食してみますか? 撮影では上下2段で常温の生野菜と調理済みのコロッケを過熱水蒸気で調理しました。普通のオーブンで調理すると、ニンジンが中まで柔らかくなるころにはコロッケが焦げてしまいますよね。

↑過熱水蒸気で調理した野菜や揚げ物を試食!

 

松井:うわ! ニンジンが中までホクホクで甘い! なのにコロッケは焦げてないし衣がサックサク! 撮影中にこんな美味しいもの食べていたんですか!

 

中村:水蒸気だけで調理するもうひとつのメリットは、なんといっても食材を選ばないことですね。たとえば、レトルトパウチのカレーはパウチごと温められますし、その横で市販のパックご飯も同時に温められる。さらに生卵を入れてゆで卵を作ることまでできます。これは他の加熱方式では絶対できないことですよね。

 

松井:食材を入れてボタンを押せば、あとは待つだけで調理できるということですね。子どもがいるうちみたいな家庭では大助かりだな。

 

スタジオに煙が!? 家電の実験はまだまだ続く!

松井:今回は過熱水蒸気の仕組みだけではなく、過熱水蒸気調理のメリットまで詳しく教えてもらい、かなり得した気分です。早速家に帰ったら子どもに教えないと。

それにしても、やっぱり動画の力は凄いですね! 自分も理屈は知っていたのですが、実験映像を観て仕組みを知ることで「知る」だけじゃなく「知識を自分のものにする」ことができた気がします。文章を扱う人間としては少し悔しいですが、やっぱり映像のインパクトは認めざるを得ません。

 

中村:多くの人にわかりやすく伝えたいので、そういってもらえると嬉しいですね。

 

松井:なんといっても映像なので子どもでもわかりやすい。うちの子はもう大きいですが、難しい言葉がわからない年齢でもこれなら理解できるんじゃないかな。あと、家ではできない実験を見るのは大人でも単純にワクワクしますね。

 

中村:「家電の勉強」だと感じさせずに楽しみながら見られる映像の工夫をしているので、そう感じてもらえたならよかったです。ところで松井さん、実はこのあともうひとつ実験をするんですが、せっかくだからそちらも見て行かれませんか?

 

松井:え! まだ実験があるんですか??

 

続く!

 

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<次回予告>

↑次回の撮影の様子をチラ見せ。ものすごい煙だが、いったい何をしているのだろうか…?

 

撮影/我妻慶一

まるでSFの世界!? 世界最大の完全人工光型植物工場の内部に初潜入して分かったこと

人口爆発、気候変動、森林の砂漠化、疫病の蔓延……これらによって来たる時代、世界は深刻な食糧難を迎えるとは、クリストファー・ノーランの『インターステラー』など、ずいぶん前からさまざまな作品で描かれてきたが、けっしてSF的絵空事ではなさそうだ。

 

2020年は目下、コロナ禍に異常気象、赤道近くではサバクトビバッタが大襲来と、まさに踏んだり蹴ったり。食糧危機はすぐそこまで来ている、とうすら寒く感じた人も多いのではないだろうか。実際、記録的な長雨や日照不足などにより、葉物野菜をはじめとする野菜の価格が、今夏は高騰した。

 

2019年4月に、東京電力エナジーパートナーら3社による合弁会社、彩菜生活(さいさいせいかつ)が発足したことはGetNavi webで既報のとおりだが、この危機に一矢を報いる存在になるかもしれない。

【関連記事】
東電ら3社が出資した合弁会社、世界最大の完全人工光型植物工場の操業開始……静岡・藤枝
https://getnavi.jp/life/510179/

 

彩菜生活は、葉物野菜の生産・販売を目的とする、完全人工光型の植物工場事業を展開。静岡県藤枝市に2020年6月末に竣工し、7月からリーフレタスの生産を開始、8月中旬には初出荷を果たした。

 

延べ床面積は約9000平方メートルを誇る生産現場を、今回この目で確かめて来た。人の手によって完全にコントロールされているという、SFさながらの“植物工場”とは、いったいどんな仕組みになっているのか? また、この取り組みにかける生産者、そして事業者の思いとは?

↑静岡県藤枝市に完成した彩菜生活の植物工場を訪れた(8月下旬)

 

光にあふれる衛生的な空間で青々と野菜が茂る

↑“植物工場”とは環境制御型の生産システムで、太陽光あるいは人工光を光源とし、土を使わない“水耕栽培”が主だが、一部土を使う“土耕栽培”も存在する。彩菜生活では、人工光LEDを光源とした水耕栽培を採用している

 

工場内へ一歩足を踏み入れると、衛生管理の厳重さに驚く。植物を健康に育てるため、虫や菌は大敵。工場の随所に、それらを持ち込まない工夫が徹底されている。髪の毛1本も露出させない厳重な衛生服に、虫除けのエアカーテン、手洗いや消毒の徹底はもちろんのこと、工場内の時計にはカバーがなかった。

↑カバーとなるガラスが取り去られている。万が一外れて落下するとガラスが飛散し、工場内に持ち込まれるおそれがあるからだそうだ

 

1.【育苗室】一粒ずつ種を植え、育苗を行う

では、植物の成長過程にのっとって工場内を見ていこう。最初に訪れたのは「育苗室(いくびょうしつ)」と呼ばれる、種から発芽させ苗床で苗を育てる部屋。専用のベッドに一粒ずつ種を植え、4時間に1度の間隔で散水すると、2日間程度で発芽する。

↑ベッドはしっかり水分を吸収するウレタン製。ほかにロックウールが多く使われるが、発芽率が高いものの藻が生えやすいため、採用していないという

 

↑種から発芽した状態

 

訪れた際は育苗室のLEDが切られていたが、それは露地栽培のように昼と夜を創出しているため。光を当て続ければどんどん育つが、細長く伸びてしまうため、一定時間休ませることで茎を太らせしっかり茂らせるのだという。

 

発芽するとベッドごと、栄養分が加えられた水“養液”で満たされたプールに移される。

↑苗が育ち、根を下ろし始めた時期。生育環境は一定の条件下で管理されているが、種の個体差によって発芽や生育状態にわずかに差が生まれる。生育が芳しくない苗は、次の部屋へ移される際に取り除かれる

 

↑循環ポンプによって養液を行き渡らせたプール

 

育苗室で発芽して一定の大きさまで育った苗は、次の「栽培室」へと移される。その際、苗は発育をチェックされた上で、ひとつひとつパレットに移植される。

↑パレットに間隔を置いて移植される苗。茂ってもなるべく葉の多くの面積にLEDを照射するために、光を反射しやすい白のパレットを採用している

 

↑移植された苗は、レーンに乗って栽培棚へと運ばれていく。高い位置のベッドには、垂直リフトを使って自動で持ち上げられ、並べられていく

 

2.【栽培室】育った苗を出荷できるサイズにまで育てる

パレットに移された苗は、再びLEDの下で育てられることになる。

↑栽培室でLEDを照射されるリーフレタス。みずみずしい葉が奥まで続く様は、圧巻の眺めだ

 

成長させる要素は、LEDの照射と養液の2点。また、最適な室温にキープするための空調も重要だ。オペレーションは基本的にプログラムで自動化されている。

↑LEDは植物の栽培に適した特有のもの。真下の野菜に効率的に照射できるよう、周囲に広がりにくい設計となっている

 

↑空気の循環を良くして、フロアの温度を一定に保っている

 

栽培室では、より大きく育つよう、さらにもう一度移植する“定植”が行われ、その後収穫まで育てられる。

↑定植の作業。根が養液に浸るようパレットに差し込んでいく

 

3.【梱包室】収穫したレタスを梱包する

続く工程が、収穫、計量、梱包。スタッフの作業が順調なあまり、収穫・出荷には間に合わず、残念ながらその作業の様子は目撃できなかったのだが、設備を見せてもらった。

↑LEDの下で育ったリーフレタス。農薬を使わずとも虫食いなどもなく、青々としてみずみずしく育っている。見るからにおいしそうだ

 

刈り取られたレタスは、5kgずつ箱に入れられ、梱包室へ運ばれる。金属探知機をくぐって異物混入をチェックされ、再度計量されたのちに、箱詰めされていく。

↑レーンに乗って運ばれて来た収穫済のレタスは、この金属探知機をパスしたあと、スケールで計量される

 

4.【冷蔵庫】出荷まで保管する

彩菜生活のロゴ入り段ボールに詰められたリーフレタスは、出荷まで冷蔵庫で過ごす。

↑冷蔵庫で出荷を待つ、前日に収穫されたリーフレタス

 

初出荷以降、取材した8月下旬まで全量が買い取られているという。品質と味に期待と信頼が寄せられていることが窺い知れる。

 

ちなみに、収穫されたリーフレタスは日々、工場長以下スタッフによって、味覚・嗅覚・触覚などで確認する検査が行われているそう。お味はどうですか? と工場長にうかがったところ(売り切れ続きで取材陣は味見できなかったのだ)、「おいしいです! サラダでお使いいただいても、ほかの食材を邪魔しない味です」とのこと。また「植物工場の葉物野菜は柔らかすぎることもあるようなんですが、お客さまには『しっかりしていますね』と味も食感も評価いただいています」。

↑「生産はいたって順調です!」と安堵するのは、工場内を案内してくれた柳田淳子工場長。東京電力ではコールセンターなどの組織長を長年務め、さまざまな職種・属性のスタッフを束ねて来た実績から、新しい取り組みを前向きに推進できる人材として白羽の矢が立ったそうだ

 

彩菜生活で収穫されたリーフレタスは、スーパーやコンビニエンスストアに製品を卸す食品加工会社に出荷、サラダなどに加工され、店頭に並ぶ。関東と関西という大商業圏の中間地に立地したことで、広域の出荷先に対応できるという。

※イメージ

 

“サステナブルな社会”の実現に、いかに役立てるか

植物工場を見せてもらった上で、東京電力エナジーパートナー常務執行役員法人営業部長であり、彩菜生活の社長でもある水口明希さんに、なぜ今、同社が植物工場を作り、野菜栽培事業に乗り出したのか、また今後の展望などを聞いた。

 

───まず、野菜栽培事業に乗り出した今の意気込みを聞かせてください。

 

「東京電力エナジーパートナーの法人営業では従来、企業のお客さまに対して電化や省エネルギーの提案をしてきました。新たに“食”という分野で、企業や社会のお役に立てる機会をいただいたと考えています。彩菜生活を通じて、社会に新たな貢献をしていきたいと思っています」(水口さん、以下同)

 

───彩菜生活は、東京電力エナジーパートナーのほか、芙蓉総合リース、ファームシップの3社による合弁会社ですね。各社はそれぞれどのような強みを持ち寄ったのですか?

 

「東京電力エナジーパートナーは、省エネ技術をはじめとしたエネルギーコスト削減の設備運用ノウハウを持っています。さらに、食品加工工場等とのネットワークも、営業面で強みとなっています。また、芙蓉総合リースは金融事業を通じて蓄積したファイナンスソリューション力とマネジメント力を、ファームシップは流通・人材事業を含めた植物工場事業全般に関わるノウハウをもっている点が強みで、お互いを補完し合い、強力なパートナーシップを発揮できると考えています」

 

───あらためて、人工光型植物工場のメリットを教えてください。

 

「天候など外部環境に左右されることなく、安定的に生産が行える上、衛生的な環境下で栽培できることで、無農薬ながら作物の病気や害虫を防ぎ、野菜の形や味、含まれる栄養素も一定の品質に保てます。さらに、高い鮮度を通常より長く保持できるため、食品ロスを減らすことにもつながります」

 

───東京電力エナジーパートナーはこの事業に、電力会社としての知見や技術をどのように生かしているのでしょうか?

 

「実は、電力と農業は古くから関係が深く、東京電力では50年も前から、農業の電化技術の開発・普及に努めてきました。近年ではハウス栽培での最適環境と省エネ実現のため、従来の重油等を使った燃焼方式の空調から、電気を使ったヒートポンプ方式へと熱源の転換を提案しています。

そこへ今回、自ら生産する側の世界へ飛び込んだわけです。植物工場というのは照明と空調が重要で、それは電気の塊なんですね。生産性と省エネ性を両立させながら最適な制御を行えるよう、実稼働とともに研究も進めてノウハウを蓄積していけば、我々の今後に生かせるだけでなく、お客さまにも還元できると考えています」

 

───近年、企業には「SDGs」を意識した取り組みが求められていますね。この事業は、消費者や地元、さらに社会にどのように貢献できるのでしょうか?

 

「日本の農業を取り巻く環境としては、昨今の天候不順によって野菜の出荷量や販売価格が乱高下していること、食に対する消費者の安心安全意識が高まっていること、高齢化などによって農業従事者が減少していることなどが挙げられ、日本の農業や食に関する課題だと認識しています。植物工場は、それらの課題を解決する手段のひとつになるはずです。

また、現時点ですでに60〜70名のパートさんを採用していますが、みなさん地元の方です。地元に雇用を創出するという面でも、お役に立てていると感じています。これらによって、SDGsの理念である『持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現』に貢献していきます」

 

───今日時点(8月下旬に取材)で、稼働する栽培室は4室あるなかの1室でしたが、計画ではいずれどのような規模感になるのでしょう? また、国内の生産量のなかでどれくらいの影響力があるのでしょうか?

 

「現在、植物工場で収穫されるリーフレタスは、日本国内で収穫されるリーフレタスの約2%に留まります。彩菜生活は、2021年夏までに1日あたり約5t、1株100g換算で約5万株相当の生産を計画していますが、それを達成すれば世界最大の生産量を誇る植物工場となり、よりいっそう安定的な食の供給に貢献できるようになります。

また、栽培する野菜も現在はリーフレタスのみですが、ニーズがあればほかの野菜も視野に入れるかもしれません。野菜を購入してくださるお客さまのニーズや事業環境などを見定めながら、判断していきたいと思っています。

まずは、2021年夏までに目標の生産量を達成できるよう邁進していきます。ご期待ください!」

 

世界の食糧危機を救う……までにはもう少し時間がかかりそうだが、まずは国内の食糧事情を支える大きな一歩を、着実に踏み出したことは間違いない。

 

 

取材・文・撮影/和田史子(GetNavi web編集部)

 

電気自動車(EV)で尾瀬と再生可能エネルギーの源を巡るエコな旅

「電気自動車(EV)で尾瀬に行きませんか?」 そんなお誘いを受けたのは6月下旬。子どもの頃から「夏の思い出」で尾瀬の名前は有名だったし、映像を通して尾瀬がどんなところなのかは認識しているつもりだ。しかし、一度も行ったことがないがないままいまに至ってしまった。そんなときに舞い込んできたこの話。入っていた仕事のスケジュールを変更し、この一泊二日のツアーに参加することにした。

 

再生可能エネルギー+EVでCO2排出が限りなくゼロのドライブへ

ツアーの誘い手は東京電力。なぜ目的地が尾瀬なのかは後述するが、今回の旅先には、再生可能エネルギーの1つである水力発電の元となっている丸沼ダムも含まれる。同社は以前から再生可能エネルギーの活用を模索していたが、そんな矢先、福島原発の事故が発生した。それ以降、人々の意識は脱原発、再生可能エネルギーへと一気に向き始めることとなる。しかし、東京電力が元々、水力発電にも力を入れていたことはあまり伝えられていないのではないだろうか。

 

一方、EVはBMWの「i3」を利用した。このクルマ、基本はモーターによってだけ走行する“ピュア”EVで、2016年に最初のマイナーチェンジでバッテリーの容量アップが図られ、満充電で390kmが走行可能となっている。 ボディにはカーボンフレームを採用したり、内装には再生可能な素材を多用したりするなどi3はエコなイメージで形成されている。つまり、このイメージが東京電力の水力発電を主としたクリーンな再生可能エネルギーの方向性とピタリ符合したというわけだ。

↑尾瀬までのドライブに利用したBMW i3 ロッジ エクステンダー付き

 

↑出発前の満充電の状況。バッテリーだけで167kmが走れ、レンジエクステンダーの分を加えるとトータル246kmを走れることを示している

 

ただ、EVと言えども、エネルギーの源である電力は、たとえばCO2を発生する火力発電を使う。単独でこそCO2が発生しないと謳いながら、使用するパワーソースはCO2を発生して生み出されている。それでは意味がない、という声が多かったのも確かだ。そこで東京電力が考案したのが「アクアエナジー100」という新プランである。これは水力発電100%のプランで、マイカーがEVであればこのプランによってCO2排出が限りなくゼロに近くなる。料金は通常プランよりも約2割増しになるが、このプランはそうした声にもしっかりと答えていこうという東京電力の意思の表れでもあるのだ。

 

もはや異次元の走り!! EVならではのドライブを体感

さて、尾瀬までのi3でのドライブはとても快適だった。EVならではの力強いトルクは、どの速度域からでも強力な加速力を発揮してくれる。長いことガソリン車に乗ってきた立場からすれば、これはもはや異次元の走り。しかも、回生ブレーキを併用することで、アクセル1つで相当な走行領域をカバーする。あらかじめ予想がつく範囲ならブレーキペダルを踏まずにクルマをコントロールできるほどだ。充電に30分ほどかかるけれど、休憩を取りながら計画的に充電していけば、疲れを取りながらドライブしていけるのだ。

↑出発は東京・お台場にある「BMW GROUP Tokyo Bay」。ここから約200kmを充電しながらEVとして走行した

 

↑i3は、EVならではの強力なトルクで、高速域でも力強い加速を発揮してみせた

 

こうして戸倉までi3で走行した。ここから先はクルマでの乗り入れができないため、尾瀬の玄関口である鳩待峠までは乗り合いバスを使って移動。そこから宿泊施設のある尾瀬ヶ原へ約1時間の道のりを徒歩で向かった。目的地までは遊歩道が整備され、それをたどっていけば迷うことは一切ない。途中のブナ林が木陰をつくってくれ、時折吹く風がとても爽やかで、尾瀬に来たことを感じさせてくれた。

↑宿泊に使った国民宿舎「尾瀬ロッジ」。環境負荷を抑えるため、身体を洗うにも石鹸は使えない

 

尾瀬の夜は更けるのが早い。なにせ歓楽街はホテル内のバーのみ。それも8時過ぎには店終いしてしまう。というのも、翌日の朝食が6時から7時という、普段の生活ぶりとはまったく違う時間軸で動いているからだ。とはいえ、時間には余裕があったのでちょっと外へ出てみると、驚き!そこには真っ暗で何も見えない世界が広がっていた。この日はあいにくの曇り空で星も見えない。つまり、眼に映るものがなかったのだ。もしかすると、こんな光景を見たのは初めての体験だったかもしれない。

そして尾瀬探索へ――元はダム建設の計画もあった!?

翌朝8時過ぎ、ツアーの一行は尾瀬探索へと向かった。実はここに今回の旅の狙いが隠されていた。というのも、実は尾瀬の約4割が東京電力の所有地なのだ。もともと水力発電のためにこの一帯を取得したとのことだが、観光客の増加や住民の反対などもあり、ダム建設は計画を断念。さらに国立公園特別保護地区に指定され、開発は事実上不可能となった。それでも、東京電力は土地を手放すのではなく、尾瀬の自然を保全するという立場で尾瀬の土地を守り続けてきたというわけだ。

 

ここで意外な話を聞いた。中高年の世代にとって尾瀬と言えば自然の宝庫として知らない人はいない。そう思っていたが、最近の若い人たちはこの尾瀬そのものをよく知らないのだという。というのも、筆者が音楽の授業で習った「夏の思い出」には水芭蕉を含む尾瀬の光景が歌われているが、最近の音楽の授業ではこの歌が歌われなくなってきているというのだ。つまり、尾瀬そのものを特に意識することがなくなれば、その知名度はどんどん下がる。最盛期には70万人が訪れていたが、いまでは30万人程まで減ってしまっているのもこうした背景があったのだ。

 

しかし、尾瀬ヶ原に入るとその風景は想像していた以上に素晴らしかった。広大な湿原のなかに木でできた遊歩道が延び、前後に燧ケ岳(ひうちがだけ)と至仏山(しぶつさん)がそびえる。周囲には池や白樺も点在し、時折吹く風が池の水面でさざ波や木々の揺れを作り出す。聞こえるのは風の音と鳥の囀りぐらい。その静けさは話す声もつい控えてしまうほどだ。この日はすでに尾瀬のシンボルとも言える水芭蕉は葉っぱが広がってしまい、本来のシーズンは終わってしまっていた。とはいえ、「ニッコウキスゲ」や「ヒオウギアヤメ」など、数々の花が咲いていたのは収穫だった。

↑尾瀬ヶ原から燧ケ岳を望む。標高は2356mで東北一の高さを誇る。燧ケ岳の噴火によって川がせき止められ、尾瀬湿原を作り出したと言われる

 

↑南に立つ至仏山。標高は2228mで山頂から眼下に見る尾瀬ヶ原は特に素晴らしいという

 

↑尾瀬ヶ原は湿地帯であるだけに小さな沼も数多く点在。これが尾瀬の風景を映し出して広がりを感じさせていた

 

↑7月ともなると水芭蕉の見頃はとうに過ぎていて、大きな葉っぱに育ってしまっていた。見頃は6月初旬だという

 

↑ニッコウキスゲ

 

↑ノアザミ

 

↑コオニユリ

 

↑カキツバタ

 

遊歩道に見る、自然環境への配慮

自然風景以外で注目したいのが、遊歩道に使われている木材だ。よく見ると1枚の木材ごとに、東京電力や群馬県、福島県、新潟県など設置した団体名と、設置年が刻印されている。木材である以上、一定期間が経てばやがては朽ちてくるのだが、長持ちさせるためのニスなどの化学薬品は一切使わない。環境に影響を与えないよう、最大限の配慮が徹底されているのだ。もし、尾瀬を訪れることがあれば、遊歩道の木材を確認してみるといい。

↑尾瀬ヶ原のなかを走る遊歩道はすべて天然木を無加工で使う

 

↑遊歩道に使われる板には1枚ずつ、東京電力や群馬県、福島県、新潟県など設置した団体名と、設置年が刻印されている

 

↑遊歩道のところどころには熊に存在を知らせるため、鐘を鳴らす設備が設置されている

 

↑遊歩道の途中には、パワースポットを思わせる自然の岩も見られた

国の重要文化財にもなっている「丸沼ダム」

尾瀬の魅力の一端を味わったあと、次は水力発電の元となっている丸沼ダムを目指す。来た道を戻るわけだが、帰る方向は途中から上り坂となり、最後は結構キツイ階段状の坂を上らなければならない。途中に休憩用ベンチがあるのがとてもありがたかった。ここで休みを取りながら何とか乗り合いバスの乗車口に到着。普段の体力のなさが露呈してしまった格好だ。

↑帰りはほぼ上りが続く。これがかなり堪えた

 

さて、いよいよ最後の目的地である丸沼ダムに到着。ここは普段は無人なんだそうだが、今回は我々の取材対応のため、扉を開けて施設内への立ち入りも許可していただいた。

↑昭和6年に完成した丸沼ダムは、一世紀近くに渡って水を溜めてきた。この堰堤の向こう側が上流側

 

丸沼ダムの正式名称は「丸沼堰堤(えんてい)」と呼ぶ。昭和39年に定められた河川法によって、高さ15mを超えるものを「ダム」と呼び、それを下回るものを「堰堤」と呼ぶのだそうだ。ただ、過去の河川法ではその区別が曖昧で、昭和39年以前に建設されたダムについてはダムと堰堤の名称が混在しているのだという。ここでは一般的に呼ばれている「丸沼ダム」としたい。

 

その丸沼ダムは昭和3年に建設が始まり完成は昭和6年。当時の資材不足を反映して、コンクリートが少なくて済む「バットレスダム」となっている。現在、日本には8か所でこの方式が採られ、実際に運用中のものだけに絞れば6か所。そのなかでも丸沼ダムは、「ぐんまの土木遺産」として指定され、国の重要文化財としても登録されている価値ある施設となっている。

↑丸沼ダムは近代産業遺産として評価され、国の重要文化財にも指定されている

 

ダムらしからぬ!? ユニークな放水方法

施設内に入り、そこで目にした光景はなかなかの素晴らしさ。丸沼を東西に分けるように堰堤が延び、ここで高低差を作り出している。面白いと思ったのは放水の仕方だ。ダムの放水と言えば、ダムの中腹から勢いよく放出する様子を思い浮かべるが、この堰堤では上流から水を取り込んで下流の沼底から排水する仕組みを採る。そのため、ダムらしい迫力は感じない一方、沼で釣りをしている人たちにとっても不安を感じさせることがない。これにより、丸沼堰堤の近くは絶好の釣り場として使うことが可能。青々とした水面が美しい。この日も大勢の人がボードに乗って釣り糸を垂れていた。

↑丸沼ダムの上流側

 

↑丸沼ダムの下流側。ワイヤーが横切る少し先付近で沼底からの放流は行われる

 

そしていよいよダムの中へと入っていく。施設内へ通じる扉を開けると目に飛び込んできたのは70段以上の階段。ダムの最下部まで階段が続き、その様子はまるでタイムトンネルのようだ。ここを慎重に降りていき、外へ出るとダムの全景を見渡せる場所へ到着。幅88.2m×高さ32.1mの施設を目の当たりにするとその迫力も十分。これが1世紀近くも延々と水を溜め続けてきたのかと思うと、その歴史の重みにも圧倒されてしまった。

↑70段もの階段を降りて、ダムの最下部へ進む

 

丸沼ダムの見学を終え、一通りの取材は終了。帰りに立ち寄った片品村役場では、観光案内所でダムの詳細なスペックが記載してあるダムカードを配布している。特に片品村内で宿泊を伴った場合は限定カードとなり、これはダムマニアの間では静かなブームを呼んでいるほどだという。訪れた日は村役場の一角に新たな道の駅「尾瀬かたしな」のオープンの準備している最中だった。ここにはもちろん、EV向けの充電施設も準備されている。尾瀬の魅力をたっぷりと堪能できた2日間だった。

↑片品村役場の一角に7月21日オープンした道の駅「尾瀬かたしな」

 

↑「尾瀬かたしな」の一角には片品湧水群からの水飲み場も用意(未消毒なため、飲用は各自の責任となる)

 

「廃炉の現場」を知る――東京電力、福島第一原子力発電所の「今」を伝えるWEBコンテンツを公開

東京電力ホールディングスは、より多くの方々に「廃炉の現場の今」をお伝えするWEBコンテンツ、福島第一原子力発電所のバーチャルツアー「INSIDE FUKUSHIMA DAIICHI~廃炉の現場をめぐるバーチャルツアー~」を3月29日より公開。

画像出展:INSIDE FUKUSHIMA DAIICHI~廃炉の現場をめぐるバーチャルツアー~公式サイトより

 

その目的として、事故から7年、原子炉・使用済燃料プールの安定冷却や汚染水対策、作業・労働環境の改善が進んでおり、今後、燃料取り出しなど本格的な廃炉作業が進んでいくことをきっかけに、より多くの方に廃炉作業や廃炉の現場を知っていただくことを挙げています。

 

このコンテンツでは、そうした廃炉作業の進捗状況を、一部を360度映像を使って閲覧できるほか、各現場や設備でのよくあるご質問にも回答。同社は、今後もホームページなどを通じて情報公開を積極的に行うとともに、廃炉作業の進捗をわかりやすく伝えていきたいとしています。

「電気+ガス」のセットプラン、東京電力と東京ガスではどっちがおトク? 5項目で比較してみた

2016年4月に電力が自由化され、2017年4月には都市ガスが自由化されました。電気とガス、どちらも自由化されたことで新規参入が可能となり、さまざまな企業がお得なプランを打ち出しています。そんななかで注目なのが電気とガスのセット販売。バラバラの会社で契約するよりもセットにしたほうが「セット割」が発生してお得になるのです。

 

そこで今回は、電気は東京電力エナジーパートナー(以下、東京電力)、ガスは東京ガスで契約しているというご家庭に向けて、東京電力の「電気+ガス」セットと東京ガスの「電気+ガス」セット、乗り換えるならどちらがお得かを検証してみました。割引額や付与されるポイント、オプションとして用意されているサービスなど、1つ1つをチェックしていきましょう。

※本稿の内容は、2018年2月現在発表のプラン・サービスに基づき検証しています。また、お住まいの地域や契約プランによって価格が異なる場合があります

 

それぞれのプランの概要

東京電力と東京ガスのそれぞれの「電気+ガス」のセットは以下のようになっています。

 

【東京電力】

電気:「スタンダードS」(もしくは「スタンダードL」)

ガス:「とくとくガスプラン」

「スタンダードS」プランは、ほとんどの家庭が現在契約している、10~60Aまでアンペア数が選べる「従量電灯B」に相当します。「電気+ガス」セットにするためには「従量電灯B」を「スタンダードS」契約に切り替える必要があります。

■東京電力のプランの詳細はコチラ

 

【東京ガス】

電気:「ずっとも電気1」(もしくは「ずっとも電気2」)

ガス:従来の「一般料金」契約(もしくは「ずっともガス」)

「ずっともガス」プランは、一般料金に比べ、ガスの使用量0~10㎥までの単価が高く、基本料金の区分けも変わるものの、ガス料金1000円につき5ポイントのパッチョポイントが付与されるプランです。

■東京ガスのプランの詳細はコチラ

 

では、ここからは利用世帯が多いであろう代表的なプランを例に、いくつかの項目にわけて、詳しく見比べていきましょう。

 

①電気料金

■東京電力「スタンダードS」

「スタンダードS」は2016年4月から始まった新しいプラン。昨年11月に料金改定されて、これまでの従量電灯Bとほぼ同一の料金体系となりました。違いは電気料金1000円につき5ポイント付与、毎月届く検針票が紙ではなくウェブ化されるという点です。

※大型冷蔵庫を使う店舗や家電が多い家庭向けの、60Aを超える「スタンダードL」プランも「電気+ガス」セット割を受けられますが、本稿では一般的な「スタンダードS」を紹介しています

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↑「スタンダードS」の料金表(※2018年2月現在)。東京電力ウェブサイトより

 

■東京ガス「ずっとも電気1」

「ずっとも電気1」は、30~60Aで電気を契約する家庭を対象にしたプランです。10A~60Aまで契約できる、電気使用量が少ない家庭向けの「ずっとも電気1S」というプランも2018年4月から新設される予定ですが、こちらは電気とのセット割・270円引きが適用されないので(※)、270円割引を狙うなら30A以上の「ずっとも電気1」になります。

※「ずっとも電気1S」とガスをセットで契約した場合は、基本料金および電力量料金の合計額(税込)の0.5%にあたる金額を割引

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↑「ずっとも電気1」の料金表(2018年2月現在)。東京ガスウェブサイトより

 

【比較】

1人暮らし・少人数世帯なら東京電力、電気をたくさん使うなら東京ガスがお得

両者の料金表を比較すると、東京ガスも東京電力も基本料はまったくの横並び。違うのは1段料金、2段料金、3段料金の区切りと各単価です。東京電力のほうが1段料金の単価が安く、一方、3段料金に入ると東京ガスのほうが安く設定されています。つまり、電気をある程度たくさん使う家庭では東京ガスの電気に切り替えたほうがお得、逆に1段料金でとどまっている1人暮らしや少人数世帯では東京電力のほうがお得という計算になります。

 

②ガス料金

■東京電力「とくとくガスプラン」

「とくとくガスプラン」は2017年4月に始まったサービス。基本料金、単価とも東京ガスの一般料金に比べて約3%ほど安く設定されているのが特徴です。いまなら開始から1年間、「スタート割」でさらにガス料金が5%引きになるキャンペーンも実施中です。

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↑「とくとくガスプラン」の料金表(2018年2月現在)。東京電力リリースより

 

■東京ガス「一般料金」/「ずっともガス」

東京ガスの「一般料金」契約は、いわゆる通常のガス契約。一方の「ずっともガス」プランはガス料金1000円につき5ポイントのパッチョポイントが付与されるものの、ガスの使用量が一定以下の場合、一般料金契約よりもガス料金が高くなる場合があるので、一度シミュレーションしてから選択するとよいでしょう。

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↑東京ガスの一般料金の表(2018年2月現在)。東京ガスウェブサイトより

 

【比較】

ガスの使用量に関わらず東京電力がお得

東京電力の「とくとくガスプラン」は、後発ということもあって東京ガスを意識した価格設定になっており、東京ガスの一般料金と比べるとどの使用量の段階でも約3%価格が安くなっています。そのためほとんどガスを使わない家庭でも、たくさん使う家庭でもお得になります。特に、ガス暖房を使っていたり、ガスコンロによる煮炊きが多かったり、ガス給湯器のお風呂に毎日入っていたり……といった家庭では、「とくとくガスプラン」に乗り換えると、「3%+スタート割5%割引」で年間にするとかなりの額が節約できるでしょう。

 

③セット割

■東京電力「ガスセット割」

電気の「スタンダードS」プランとガスの「とくとくガスプラン」をセットで契約することで、毎月の電気料金から100円引きされます。

 

■東京ガス「ガス・電気セット割」

電気の「ずっとも電気1」プランとガスのセット契約で、毎月の電気料金の基本料金から270円引きされます。

 

【比較】

東京電力は確実に毎月100円割引、東京ガスは条件付で毎月270円割引

どちらも電気とガスをセットにすることで割引が受けられますが、東京ガスは月額270円割引になるので、電気とガスをセットにするメリットがより大きいと言えます。ただし、東京ガスの270円割引を受けるには、契約アンペアが30A以上の「ずっとも電気1」プランへの加入が条件となっており、現在15Aや20Aなどを東京電力で契約している家庭では乗り換えるメリットは小さいでしょう(電気使用量が少ない家庭向けプラン「ずっとも電気1S」も4月に開始される予定ですが、その場合のセット割は電気代の合計額から「0.5%引き」になります)。

 

④ポイントサービス

■東京電力

電気の「スタンダードS」プラン加入で、毎月の電気料金1000円につき5ポイント付与。このポイントは、電気料金の支払いにも利用できます。

 

■東京ガス

電気の「ずっとも電気1」プラン加入で、毎月の電気料金1000円につき15ポイント付与。加えて、ガスが「ずっともガス」プランの場合は毎月のガス料金1000円につき5ポイント付与。さらに、2019年3月までは「ずっとも電気」+「ずっともガス」で契約した場合に、毎月のガス料金1000円あたり+10ポイントされます。

 

【比較】

ポイント量では東京ガスに軍配

付与されるポイントに関しては東京ガスに軍配が上がります。どちらのポイントも1ポイント1円相当で、Pontaポイント、Tポイント、WAONポイント、nanacoポイントなど主要なポイントに交換できます。

 

⑤そのほかのサービス

■東京電力

・「ガス機器修理サービス」(無料)

・「生活かけつけサービス」(月額300円・税別)

・「家電修理サービス」(月額200円・非課税)

東京電力の「とくとくガスプラン」を契約すると、もれなくついてくるのが「ガス機器修理サービス」。ガスコンロ、ガス給湯器、ガスファンヒーターなどが故障した際に、無料の修理が受けられます。新品設置から10年以内の機器なら最大50万円(税込)の修理まで費用自己負担がありません。何台でも何回でも修理OK、しかも24時間365日修理を受付けてくれるという非常に頼もしいサービスです。

 

そのほか、電気設備や水まわり、カギ、窓ガラスのトラブルなどがあった際に24時間365日いつでもかけつけてくれ、応急処置費用は上限2万円(税込)まで無料の「生活かけつけサービス」(月300円・税別)や、新品購入から10年以内のエアコンや冷蔵庫、洗濯機などの家電を最大50万円まで自己負担なしで修理してくれる「家電修理サービス」(月200円・非課税)などのオプションが用意されています。

 

■東京ガス

・「生活まわり駆けつけサービス」(基本無料)

・「電気トラブルサポート」(基本無料/2018年4月よりサービス開始)

・クックパッドのプレミアムサービスの機能「人気順検索」が利用可能(無料)

ガスと電気をセットで契約すると、水まわり、玄関鍵、窓ガラスのトラブル時に駆けつけて対応してくれる「生活まわり駆けつけサービス」が月会費無料で受けられます。24時間365日受付し、一次対応の出張費・30分以内の作業費が無料。ただし、設備取替などの二次対応での費用や、部品代・特殊作業代といった別料金が発生する場合もあります。

 

また、「ずっとも電気」の契約者は「電気トラブルサポート」も月会費無料で受けられます(2018年4月よりサービス開始)。これは「停電」「分電盤やブレーカーの不具合」「照明器具の不点灯・チラつき」などのトラブルが起きた場合、専門スタッフが応急対応を行うサービス。無料の範囲は一次対応の出張費・60分以内の作業費となっています。

 

ほかには、レシピサイト「クックパッド」のプレミアムサービス「人気順検索」が同社のWEB会員サービス「myTOKYOGAS」内で無料で利用可能になるという面白いサービスも。料理好きには見逃せませんね。

 

【結論】東京電力か、東京ガスか? それは月々の電気代&ガス代が決め手!

これまで細かくチェックしてきましたが、東京電力と東京ガス、どちらのセットに乗り換えるのがお得なのかは、それぞれの家庭の電気とガスの使用状況で変わってくるため一概には言えません。本稿で紹介しきれていない料金プラン含め、両社のサイトで細かいシミュレーションができるので、片方だけではなく双方の試算を出して比較・検討するのがオススメです。

 

ただ、ざっくりまとめると、電気をたくさん使っていて、電気代が高いと感じている人は東京ガスの電気に乗り換えれば、3段料金に突入した場合の単価が安く、セット割も270円引きなのでメリットも大きいです。逆に電気は節約していて電気代はそれほどではないものの、ガスファンヒーターや、ガスオーブン、ガス給湯器などを使用していてガス代が高いという家庭では、「スタート割」の恩恵が大きいため東京電力のガスに乗り換えたほうがお得になる可能性が高いです。

 

どちらにせよバラバラの契約よりも、大部分の家庭で「電気+ガス」のセットに変えたほうがお得なことは確か。4月の新年度スタートを機に、家計の見直しを検討してみては?

 

東京電力、東京ガス以外の「電気+ガス」セット

ちなみに東京電力、東京ガス以外にも「電気+ガス」のセット契約で割引になるサービスを行っている企業がいくつかあります。以下に例を挙げてみました。

 

■京葉ガス 「マイホームあかり」

千葉県北西部で都市ガスを供給している京葉ガスのサービス。電気とガスの「ペア割」で毎月の電気基本料金から170円が割引になります。

 

■ニチガス 「プレミアム5+プラン」

関東近県にプロパンガスや都市ガスを供給するガス大手のニチガス。「プレミアム5+プラン」では、提携している東京電力の「スタンダード」プランとの「電気セット割引」で月額料金が100円割引になります。ほかにも「ビットコイン割引」などユニークな割引もあります。

 

■青梅ガス「ガスセット割引」

東京都青梅市を中心としたガス会社・青梅ガスでは電気料金プラン「OGプランB」を提供しています。ガスとのセット契約「ガスセット割引」は、電気使用量1kWhあたり1円が電気料金から割引となります。