ドリンクマシンの近年のトレンドは「ポッド式」。アメリカでは今、コーヒーの粉が入った丸くて小さな紙のパック(ポッド)を機械に入れて、スイッチを押すだけで美味しいコーヒーが淹れられるコーヒーポッドがどんどん普及しています。
以前に紹介したTEAMOSAも、実はお茶を超音波で入れてくれるポッド式のティーメーカーでした。また、自分好みのヨーグルトが作れるYomeeも同じくポッド式でしたね。
そして、ここに来て驚きのポッド式ドリンクマシンが登場。それは「水」です。「どういうこと?」と一瞬考えてしまいますが、このポッドは浄水用のミネラルポッドなのです。
これまでの方法では失われていたミネラルを補給
Kickstarterで目標金額の約3倍にもなる2700万円ほどを既に集めた大人気浄水器「Mitte」は、蒸留によって水から汚染物質を取り除いてくれるというもの。これまでの多くの浄水器は、水を浄化するプロセスで不純物だけでなく、本来なら水に含まれているべきミネラルまでも取り除いてしまうことが問題だったと開発者は述べています。
そこでMitteは水をきれいにした後にカルシウムやマグネシウムといったミネラルを補給することで、この問題を解決。純度が高い上に必要なミネラルが含まれる健康的な水が作れるようです。
専用のカートリッジ(ポッド)は3種類あります。カルシウム、マグネシウム、カリウムが入ってpH値は7から7.5の「mitte バランス」。上記の3つに加えて微量の鉄、マンガン、セレン、亜鉛などが含まれたpH値7から8の「mitte バイタリティ」。そして「バイタリティ」と同じミネラルに抗酸化物質が含まれたpH値8.5から9の「mitte アルカリ」。生活習慣や運動前後、就寝前・起床時など、さまざまなニーズに合わせてポッドを選べるということですね。
健康に気を遣っている人でも水を飲むことは忘れがち。かといって毎回ミネラルウォーターを買うのも馬鹿馬鹿しいですよね。Mitteなら自宅でもオフィスでも水道水を容量4.5リットルのタンクに入れるだけで、あとは毎時間0.5リットルずつ清潔な水を作り出してくれます。
Mitteは蒸発させた水を冷やすことで、不純物を極力取り除いた蒸留水を生み出します。これを使うと違いは歴然。水はフィルター式の浄水ピッチャーと比べると60倍、逆浸透式の浄水器と比べても3倍もきれいになるとのことです。
開発中の実験では、タンクに入れた水道水のうち3%は汚水として別タンクに残ったそうですが、これがかなり濃い茶色をしているのです。鉛だけでなく、なんと安全基準値の3倍の量のウランまでも開発者のオフィスの水道水から検出されたとか。ちょっとゾッとしますね。
アプリを使って温度と量を調整できる
これまでもGetNavi webはフレシャス・デュオ、フレシャス・スラットやウォーター・ダイレクトといったウォーターサーバーを紹介してきました。これらの容量が7リットルまたは9リットルだったのに対してMitteは4.5リットル。用途としては核家族か少人数のオフィスに適しているのではないでしょうか。
さらに、Mitteは大きな専用コンテナに入った水を定期的に注文する必要がありません。水道水を入れるだけで清浄かつ健康的なミネラルウォーターが作れるわけです。しかも、アプリを使って温度と量を設定でき、ポッドの交換や注文なども管理できます。
ただし、上記3つのウォーターサーバーは細長いタワー型で、ソファーの横やデスクの横に置かれても使いやすいのに対して、Mitteはコーヒーメーカーや電子レンジのように、ある程度高いテーブルや棚の上に置かなければなりません。キッチンがちょっと手狭なご家庭にとっては難点かもしれません。
人間の生命の源である水。Mitteは水道水から簡単に清浄かつ健康的な水を作り出すことができ、なおかつ経済的なマシンということで、クラウドファンディングでの大成功も納得ですね。Kickstarterでは1つ約4万円から予約が可能。発送は来年4月の予定です。