清水草一がホンダ N-BOX を徹底解剖!「機能に徹したこの雰囲気がイイ」

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回はいま日本で一番売れているクルマを取り上げます。

 

【登場人物】

永福ランプこと清水草一

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどで、クルマを一刀両断しまくっています。2018年になってペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今回のクルマ】ホンダ N-BOX

SPEC【G・L ホンダ センシング(FF)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1790㎜●車両重量:890㎏●パワーユニット:658㏄直列3気筒DOHCエンジン●最高出力:58PS(43kW)/7300rpm●最大トルク:6.6㎏-m(65Nm)/4800rpm●カタログ燃費:27.0㎞/ℓ●138万5640円〜227万4480円

 

機能に徹したこの雰囲気がイイ!

安ド「殿! この連載も今回でついに150回(※)です!」※本誌掲載時

清水「そうか」

安ド「月刊誌で150回ということはえーと、12年半です!」

清水「まだそんなものか」

安ド「えっ! 12年ってすごいじゃないですか!」

清水「いや、もっと長く続いているような気がしてな。私が少年のころから」

安ド「まさか。まだ免許すら持ってないじゃないですか!」

清水「そうだった」

安ド「ところで今回は、連載150回を記念して、日本一売れているクルマを借りてきました!」

清水「ホンダのN-BOXだな」

安ド「そのなかでも、いま最も売れているグレードだそうです!」

清水「意外にもカスタムではないのだな」

安ド「はい。この『G・L ホンダセンシング』が、僅差ながら一番売れているそうです!」

清水「ノーマルのN-BOXは、何だかホッとするな」

安ド「殿はカスタムがお嫌いですか?」

清水「うむ。あのギラギラしたヤンキーテイストがダメだ。しかしノーマルは枯れた感じでイイ。機能に徹したこの雰囲気、ほとんど商用だ」

安ド「それは良い意味ですか?」

清水「もちろんだ。例えればシトロエンのHトラックのような」

安ド「〝アラレちゃん〟に出てきたトラックですね。僕もノーマルのほうがオシャレだし、センスが良いと思います! この黄色と白のツートンカラーも良いですね。ツートンカラーは6〜8万円くらい高いそうですが」

清水「それだけで遊び心が感じられる。N-BOXを買う人は、意外とそういったオプションをバンバン付けて、総額200万円オーバーも普通だと聞く」

安ド「そうなんですか!?」

清水「これも車両本体価格が約150万円と決して安くはない。普通車コンパクトのパッソやヴィッツのエントリーグレードよりむしろ高いが、売れまくっておる」

安ド「どうしてでしょう?」

清水「一般ユーザーは、車両価格より維持費の安さを優先する傾向がある。軽ならとにかく維持費が安い。そして、なるべく長く乗りたいから装備はケチらない。結果、総額200万円のN-BOXが売れまくる。そういう流れなのだろう」

安ド「さすが殿、慧眼です!」

清水「まったくのあてずっぽうだ」

安ド「ガクー! でもN-BOXが販売台数1位になる前は、ずっとプリウスやアクアが1位だったわけですよね」

清水「その通り。N-BOXはどれだけオプションを付けても、プリウスやアクアよりはかなり安い」

安ド「つまり、“日本一売れるクルマ”が、前より安いクルマになったわけですね?」

清水「うーむ。そう考えると、まだまだデフレマインドは続いておるのかもしれぬな……」

 

【注目パーツ01】2トーンカラー

多彩なカラーから選択可能

4種類のおしゃれな2トーンカラーが設定されていて、さらに単色も12色用意しています。売れているクルマは他の人と同じになってしまって嫌という人も多いようですが、これならオリジナリティを出せることでしょう。

 

【注目パーツ02】エンジン

街中の通常走行で不満なし

キープコンセプトの二代目モデルながら、プラットフォーム(車体骨格)とエンジンは新開発されました。ターボとノンターボの2種類がありますが、こちらはノンターボ。といっても動力性能に不満はなく、十分キビキビ走ります。

 

【注目パーツ03】タイヤ角度モニター表示

車庫入れ時の心強い味方

車庫入れなどの際、メーターディスプレイの左側にタイヤの状態がデジタル表示されます。何度か切り返しをしていると、いまタイヤがどちらを向いているかわからなくなってしまう人も多いようですが、これならすぐわかりますね。

 

【注目パーツ04】テールゲート

独自設計で荷室の広さを確保

燃料タンクを後席下に置かない設計により、開口部の高さが先代モデルと比べて低くなりました。一方で、先代と同様に床が低くて天井は高いので、リアシートを前方へ倒すだけで、自転車を折りたたまずに積載することができます。

 

【注目パーツ05】助手席スーパースライドシート

ファミリー目線でうれしい超便利機能

最量販グレードには設定されていませんが、助手席のロングスライド機能が便利です。助手席を目一杯後方へ下げれば、後席の子どもの世話ができますし、後席と運転席との間の車内移動も可能となるのです。

 

【注目パーツ06】運転席アッパーボックス

小物を入れる場所が豊富

新型ではメーター搭載位置が上方へ移動されました。運転時の目線移動距離が少なくなることは安全運転につながります。そして、空いた場所には小物入れを搭載。収納はほかにもたくさんあり、小物の受け入れ体制は盤石です。

 

【注目パーツ07】ヘッドライト

ライトが眩しくないか自動判断

まるで目のようなリング状の可愛いLEDライトが全グレードで標準装備。また「ホンダ センシング」の機能のひとつ、オートハイビームが搭載されているので、前方の状況を考慮して自動でハイ/ロービームを切り替えます。

 

【注目パーツ08】ハンズフリースライドドア

手が離せないときでも開けられる

いまや同クラスの軽自動車では当たり前の電動スライドドア。さらに、N-BOXにはキーさえ携帯していればドアの下に足を踏み出すだけで自動開閉する機能がオプション設定されています。最初は上手くできませんが、慣れれば簡単です。

 

【注目パーツ09】Aピラー

視界をさらに広くする工夫

Aピラー(フロントウインドウとサイドウインドウ間の柱部分)が極細化されたことで、運転席からの視界が良くなりました。もちろん堅牢なボディ構造が採用されているので、衝突安全性能にはさほど影響ありません。

 

【これぞ感動の細部だ】ホンダ センシング

突入事故にも歯止めをかける

安全運転支援システム「ホンダ センシング」が、軽としては初めて、しかも全グレードに標準搭載されました。さらに衝突軽減ブレーキや車線維持支援といった従来の機能に加え、後方誤発進抑制機能を追加。これは真後ろに障害物がある状態でアクセルを踏み込んだ場合に、後方への急発進を抑制します。コンビニなどへの突入事故が減るかもしれませんね。

 

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税

清水草一がボルボ XC40を徹底解剖! 「日本の軽自動車のような使い勝手のいいインテリア」

ベテラン自動車ライターの永福ランプこと清水草一とフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載です。今回はボルボの新世代プラットフォーム(骨格)と先進安全装備が採用されたSUVをチェックしました!

 

【登場人物】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどで、クルマを一刀両断しまくっています。2018年になってペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいます。

【今回のクルマ】ボルボ XC40

SPEC【T5 AWD Rデザイン】●全長×全幅×全高:4425×1875×1660㎜●車両重量:1690㎏●パワーユニット:1968㏄直列4気筒DOHCターボエンジン●最高出力:252PS(185kW)/5500rpm●最大トルク:35.7㎏-m(350Nm)/1800-4800rpm●カタログ燃費:12.4㎞/ℓ●389万〜549万円

 

「日本の軽自動車のような使い勝手のいいインテリア」

安ド「殿! 今回はボルボの最新コンパクトSUV、XC40です!」

清水「それにしても不思議だな」

安ド「なにがです?」

清水「ボルボはなぜこんな良いクルマが作れるのか」

安ド「と言うと?」

清水「ボルボは規模の小さいメーカーだ。グローバル販売台数は三菱自動車の約半分」

安ド「たった半分ですか!?」

清水「親会社は、中国の民族系自動車メーカー・吉利汽車」

安ド「そうでしたっけ!?」

清水「なのに、こんなに良いクルマを作っている。このクルマ、カッコ良いし乗っても実に良い」

安ド「確かに!」

清水「スタイルは凝縮感が高く、それでいて遊び心もある」

安ド「クールさとかわいさを両立していると思います!」

清水「逆スラントしたこのノーズなんて、いまどき特徴的でステキじゃないか」

安ド「力強いですね!」

清水「ボディはレンガのようにしっかりしていながら、乗り心地も快適だ」

安ド「SUVなので車高が高いのに、コーナーで不安定感がまったくなく、スイスイ曲がって気持ち良かったです!」

清水「エンジンもパワフルだな」

安ド「2ℓターボですが、アクセルを踏むと、モリモリ力が湧いてきますね!」

清水「そして私が何より感心したのは、インテリアだ」

安ド「さすが北欧のクルマですよね!」

清水「いや、私が感心したのは、北欧家具みたいだとかいうことよりも、日本の軽自動車みたいだったことだ」

安ド「は?」

清水「まず、小物入れが多い」

安ド「そう言えば」

清水「ボルボと言えば、フローティング・センタースタックなど、オシャレだけれど使いづらいインテリアで有名だったが、XC40は違う。その部分がドーンと大きな小物入れになっている」

安ド「ですね!」

清水「しかもセンターコンソールのヒジ置き内にはボックスティッシュが入り、その前にはゴミ箱も装備されている」

安ド「僕もティッシュが入るのにはビックリしました!」

清水「グローブボックスには、レジ袋掛けまであるから恐れ入った」

安ド「確かに日本の軽自動車みたいです!」

清水「それでいて生活臭はなくオシャレさん」

安ド「内装のフェルト生地なんかもステキでした!」

清水「ボルボがフォード傘下のときは、こんな良いクルマは作れていなかったぞ」

安ド「そう言えばそうですね……」

清水「なぜ中国資本傘下に入った途端、こんな良いクルマを作るようになったのだろう」

安ド「……人海戦術ですか?」

清水「んなわけないだろう」

 

 

【注目パーツ01】フロントフェイス

ブルドッグのような顔つき

2016年に発表された「40.1」というコンセプトカーほぼそのままという、エキセントリックなデザインです。特にグリルの上部がなんとなく前方に突き出ているブルドッグみたいな顔つきは、オリジナリティに溢れていてオシャレ!

 

【注目パーツ01】Cピラー

モダンさを感じさせるライン

車体側面のウエストラインが、サイドウインドウとリアウインドウ間のCピラー(柱)の部分で一気に上へ向かっています。このあたりは先行モデルのXC90やXC60とは印象が異なりますが、モダンで挑戦的なデザインに好感が持てます。

 

【注目パーツ03】グローブボックス・フック

まるで国産車のような親切装備

助手席前のグローブボックス中央には、袋などをぶら下げられるフックが付いています。国産の軽やコンパクトカーのような親切装備で、お買い物の際にとても便利です。フックは収納しておくこともできます。

 

【注目パーツ04】フェルト生地

素朴な雰囲気を醸し出す

オレンジ色の部分には、触るとふわふわのフェルト素材が採用されています。ちなみにフェルトの発祥は中央アジアらしく、ボルボの祖国・スウェーデンとはまったく関係ないようですが、素朴なオシャレ感が好印象です。

 

【注目パーツ05】カード挿し

懐かしくも新しい2つのカード用スリット

運転席右前にはカード保管用のスリットを備えています。ひと昔前にはカード挿しがあるクルマもよくあったものですが、最近はすっかり見なくなりました。一体何のカードを挿しておくべきか悩みますが、ひと回りして新しい感じがします。

 

【注目パーツ06】大容量ドアポケット

スピーカー移設でスペース確保

収納が多くて便利ですが、ドアポケットも前後に長く、タブレットも収納できます。なぜこんなに大きくできたかといえば、ドア前方下部にたいてい備わっているはずのスピーカーがダッシュボード奥に移設されているからです。

 

【注目パーツ07】デコレーションパネル

グレードごとに車内のイメージを演出

ダッシュボードにはグレードごとに見た目の異なるパネルが設定されています。写真はその名も「カッティングエッジ・アルミニウム」で、シャープな印象。ほかにもウッド調や地図柄などがあり、室内のイメージが変わってきます。

 

【注目パーツ08】ダストボックス

あると便利なゴミ箱を標準搭載

ゴミ箱っぽい収納があるクルマはあっても、こうやってわかりやすくフタ付きのゴミ箱が付いているクルマは珍しいですね。後方のヒジ置き内にはボックスティッシュも収納できます。外から見てわからないのが美点です。

 

【注目パーツ09】スマホワイヤレス充電器

これなら置き場に迷わない

センターディスプレイの下部には、一部の国産車で見られるスマートフォンの“置くだけ充電”機能が採用されています。同機能の対応機種でないとしても、スマホをしっかり固定しておける置き場として重宝します。

 

【これぞ感動の細部だ】ラゲッジスペース

便利で多彩なアレンジ

容量もそれなりですが、アレンジにアイデアが溢れていて便利です。後席の左右分割可倒はもちろん、床板を折り曲げれば便利なフックが使えます。さらにフタ部分のトノカバーは床下に収納することもできる設計になっています。両手がふさがっていてもバンパー下で足を動かすだけでゲートが開閉するハンズフリー機能も魅力です。

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税

 

清水草一がトヨタ「ヴェルファイア」を徹底解剖!「マイホームのような安らぎを覚える一台」

ベテラン自動車ライターの永福ランプこと清水草一とフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載です。今回はトヨタの“フラッグシップミニバンブラザーズ”の弟分、ヴェルファイアに試乗しました。「なぜか心が安らぐ」というこの車の真価とは?

 

【登場人物】

永福ランこと清水草一

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどで、クルマを一刀両断しまくっています。2018年になってペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今月のクルマ】トヨタ ヴェルファイア

SPEC【ハイブリッド・エグゼクティブ ラウンジZ】●全長×全幅×全高:4930×1850×1950㎜●車両重量:2220㎏●パワーユニット:2493㏄直列4気筒DOHCエンジン+2モーター●エンジン最高出力:152PS(112kW)/5700rpm●エンジン最大トルク:21.0㎏-m(206Nm)/4400〜4800rpm●カタログ燃費:18.4㎞/ℓ●335万4480円〜750万8160円

 

マイホームにいるような安らぎを覚える

安ド「殿! 今回はマイナーチェンジしたヴェルファイアです!」

清水「アルファードではないのか?」

安ド「弟分のヴェルファイアです!」

清水「アルファードのほうが好きなのだが」

安ド「な、なぜですか!?」

清水「それは、あの銀歯を剥き出したような顔が好きだからだ」

安ド「ええ〜〜〜〜っ! エレガントなフェラーリを愛する殿が、あんなイカツい顔が好きなんですかぁ!?」

清水「フェラーリはクルマ界の究極形だが、アルファードの顔もまた究極。何ごとも究極は尊い。一方、ヴェルファイアの顔は従来の延長線上にあり、斬新さはない」

安ド「すいません、取材車がヴェルファイアしか空いてなかったもので……」

清水「なら仕方ないな」

安ド「今回はヴェルファイアのなかでも、一番ゴージャスなグレードの“ハイブリッド・エグゼクティブ ラウンジZ”ですので、ご勘弁ください!」

清水「うむ。実にゴージャスな装備だった」

安ド「運転席での乗り心地が良くてビックリしましたが、2列目はさらに快適だったのでは?」

清水「いや、あまり快適ではなかった」

安ド「ええ〜〜〜っ!?」

清水「このクルマは重心が高すぎる。だから少しの段差を乗り越えるときでも、大きく揺れる。クルマは重心が高すぎると乗り心地が悪くなるのだ」

安ド「ま、そう言われれば」

清水「バカデカいスライドドアのせいで、ボディ剛性も低い。これも乗り心地に悪影響を及ぼす」

安ド「僕はメチャメチャ乗り心地が良いと思ったんですが……」

清水「平坦な道を走っているときは、フワフワ快適なのだが」

安ド「考えて見れば、このクルマ、フェラーリ好きの殿の好みに合うはずないですよね!」

清水「いや、2列目はともかく、運転するのはわりと楽しかった」

安ド「ええ〜〜〜っ! 2列目でふんぞり返るよりですか?」

清水「うむ。このクルマを運転していると、なぜか心が安らぐのだ」

安ド「デカすぎて、杉並区の狭い道では、あまり心が安らぎませんでしたが……」

清水「いや、ボディが四角いため見切りが良く、狭い道でも大きな問題はなかった。宅配便のトラックのような感覚だ」

安ド「見切りが良いから安らぐんですか?」

清水「言うなれば、このクルマはヤドカリなのだ。ヴェルファイアに乗っていると、家ごと移動しているような感覚があるだろう?」

安ド「確かに、部屋が動いているようです」

清水「どこか、マイホームにいるような安らぎを覚える。人気があるのもうなずけるな」

安ド「こんなゴージャスなマイホームが欲しいです……」

 

【注目パーツ01】ラゲッジ床下収納

床板をはがすと隠し収納が出現

 3列目シートの下には大容量(148ℓ)の床下収納が隠されています。これだけ広いと漬物でも貯蔵したくなりますね。スライドレールの下にあるので、収納を開けない時は3列目シートを後ろのほうまで下げることもできます。

 

【注目パーツ02】シルバー木目加飾

 新感覚のメタリックなウッドデザイン 

インテリアのパネルには3Dプリント技術によって立体の陰影を組み合わせたシルバーの木目加飾が施されています。樹木のような細かな紋様がありながら、光が当たると金属的な輝きをみせる見応えのあるデザインです。

 

【注目パーツ03】リアサスペンション

ラグジュアリーな乗り味を演出

 

高級セダンなどに採用される「ダブルウィッシュボーン」という形式のリアサスペンションが搭載されています。コストはかかりますが、優れた乗り心地と操縦安定性を実現します。新時代の高級ミニバンとして象徴的な装備ですね。

 

【注目パーツ04】LEDルーフカラーイルミネーション

 車内をムーディな雰囲気に

天井にはライン状のイルミネーションが搭載されており、夜の車内空間にムードのある雰囲気を生み出してくれます。カラーは16色から選ぶことができますが、あまり派手な色にしておくと周囲から怪しい人だと思われそうです。

 

【注目パーツ05】ヘッドランプ&グリル

 押し出し感をアピール

 

豪華さや重厚感を特徴としてきた歴代ヴェルファイアですが、最新型ではさらなるインパクトを生み出すべく、二段ヘッドライトの下にビローンと伸びた盾のようなパネルを採用しました。何かがぶつかってもはね返しそうです。

 

【注目パーツ06】アシストグリップ

 バリアフリー対応もバッチリ

2列目シートの乗降時に便利な“取っ手”が備えつけられています。先代よりグリップが大型化したそうで、子どもから高齢者までうれしい装備です。ちなみに乗降口のステップも低くなっていて、やはり乗り降りしやすくなっています。

 

【注目パーツ07】トヨタ・セーフティ・センス

ステアリング操作もアシストしてくれる

 

カメラやミリ波レーダーを用いた衝突回避支援システムで、自転車の運転者や夜間の歩行者回避にも対応します。車線逸脱を避けるためのステアリング操作アシスト機能も追加されており、超常現象のように自動でぐいぐいハンドルが動きます。

 

【注目パーツ08】ウェルカムパワースライドドア

 近づくだけで開く自動ドア

 

事前に設定しておけば、スマートキーを持ったまま車両に近づくだけで、スライドドアが自動開錠して開くという、まるで手品のような新機能が搭載されています。開くスピードはゆっくりですがリッチな気分が味わえます。

 

【注目パーツ09】サイド&リアウインドウ

 ボディサイズを感じさせないデザイン手法

 運転席&助手席後方のピラー(窓間の柱)より後方のピラーがすべてブラックアウトされているので、フロントウインドウ以外のすべてのウインドウがつながっているかのよう。重厚なボディをスマートに見せるアイデアです。

 

【これぞ感動の細部だ】エグゼクティブパワーシート

広く柔らかく乗り心地も最上級

 

上級グレードにのみ設定される、ラグジュアリー仕様のエグゼクティブなシートです。シート幅は通常のものより広く、クッション性も高いので座り心地は抜群です。そのうえ、電動式のオットマンや温熱機能、ベンチレーション機能、格納式テーブルまで備えています。車高の高さからくる揺れは気になりますが、くつろいで乗っていられます。

 

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税

 

清水草一がスズキ「スイフトスポーツ」を徹底解剖!「普通のスイフトとはまるで別モノだ!」

ベテラン自動車ライターの永福ランプこと清水草一とフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は、スイフトのスポーツ仕様で、新たにターボエンジンを搭載したコンパクトスポーツをチェック!

 

PROFILE

永福ランプこと清水草一

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっています。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今回のクルマ】スズキ スイフトスポーツ

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スズキ

スイフトスポーツ

183万6000円〜190万6200円

SPEC【6速MT】 ●全長×全幅×全高:3890×1735×1500mm ●車両重量:970kg ●パワーユニット:1371cc直列4気筒DOHCターボエンジン ●最高出力:140PS(103kW)/5500rpm ●最大トルク:23.4kg-m(230Nm)/2500〜3500rpm ●カタログ燃費:16.4㎞/リットル

 

安ド「殿!新型のスイフトスポーツ、いかがでしたか!」

清水「スバラシイな!」

安ド「えっ!確か殿は、新型スイフトの通常モデルに関しては、あまり評価は高くなかったのでは?」

清水「その通り。ボディを軽量化しすぎた影響で、ペナペナ感があった」

安ド「なのにスイフトスポーツはスバラシイのですか?」

清水「スバラシイ!普通のスイフトとはまるで別モノだ!」

安ド「確かに、ボディもしっかり感じましたが……」

清水「実はスイフトスポーツは、普通のスイフトに比べると100kg以上重い。それはボディを強化したためだ」

安ド「そうだったんですね!」

清水「重くはなったが、エンジンは1.4リットルターボ。パワーがまるで違うので、加速も段違いだ!」

安ド「ビックリするくらい速く感じました!」

清水「理由は、本車がハイオク仕様である点にある!」

安ド「そうなんですか!?」

清水「このエンジンは、いわゆる直噴ダウンサイジングターボ。低い回転からのぶ厚いトルクと低燃費が特徴だが、レギュラー仕様だとガックリ元気が出なくなる」

安ド「な、なぜですか!?」

清水「ガソリンのオクタン価が低いと、ダウンサイジングターボはすぐノッキングしてしまうのだ」

安ド「へぇ〜……」

清水「しかしハイオク仕様なら、それを防止できる。欧州製のダウンサイジングターボも、すべてハイオク仕様だろう?」

安ド「ですね」

清水「しかし日本では、ハイオク仕様はゼイタク仕様。それこそが、国産車にダウンサイジングターボが普及しない壁なのだ。普通のスイフトにも、RStという1.0リットルターボモデルがあるが、レギュラー仕様のため、パワーもトルクも物足りなかった」

安ド「そうだったんですか〜」

清水「しかし、本車のようなスポーツモデルなら、ハイオク仕様でも買ってもらえる。この1.4リットルターボエンジンは、ハイオク仕様にすることで、ビックリするくらいパワフルで気持ち良い加速をしてくれる」

安ド「本当にビックリしました! 先代までのスイスポとは、普通のゴルフとゴルフGTIくらいの違いを感じます!」

清水「スイスポの走りはスバラシイ! しかも6速MT仕様がある。実用性も十分!」

安ド「このクルマなら、家族もクルマ好きも納得だと思います!」

清水「価格も、安全装備をフルに付けて約200万円。決して安くはないが、性能を考えれば納得だ」

安ド「デザインもいいですし、輸入車を買う必要がない感じです!」

清水「うむ。お前ももうイタリア車かぶれはやめて、次はコレを狙え。もちろん中古でな!」

安ド「そんな〜!」

 

カーボン調パーツ:戦闘力のありそうなルックス

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フロントグリルやバンパー、サイドアンダースポイラーなどにはカーボン調パーツが用いられています。ここが通常のスイフトとの外観上の大きな違いです。リアルカーボンかどうかは問題ではなく、断然見た目がスポーティになります。

 

17インチアルミホイール:大きくてデザインも特別感あり

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スイフトは16インチ&15インチサイズですが、スイフトスポーツでは17インチサイズの大きなタイヤ&ホイールが採用されています。アルミを削ったようなデザインだったり、一部ブラックに塗られていたり、ワイルドな印象です。

 

マフラー:太く、大きく、男らしく

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排気ガスは嫌われますから、エコカーではマフラーを目立たないようにするのがトレンド。スイフトもそうです。しかし、スイフトスポーツではこんなに太くてたくましいのが2本も、まるで大砲のように備わっています。

フロントサイドウインドウ:オールドポルシェを彷彿させる

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窓を開けたときに初めて気づくこと。窓枠は写真のように曲線なのですが、中のガラスは角が立っています。これ、実は古いポルシェの窓も同じようなつくりで、それだけでもクルママニアの心を奮い立たせてくれます。

 

リアドアハンドル&Cピラー:存在しないかのように配置

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リアドアの取っ手(ハンドル)部分をドア後方上部に配置して、2ドアクーペのように見せる手法は、近年のクルマでよく採用されています。スイフトスポーツではさらにリアピラーからリアウインドウまで同化させています。

 

6速MT:スポーツモデルはやっぱりMTが楽しい

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いまやATのほうがMTよりシフト操作が早いということで、F1でさえAT化されていますが、やっぱりMTは楽しい。歴代モデル同様、スイフトスポーツにはしっかりMT仕様が設定されていて、赤いステッチなど心憎い演出もあります。

 

先進安全技術:充実装備でスポーツモデルでも安心

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オプション装備扱いになりますが、「セーフティパッケージ」を付ければ、ブレーキサポートや車線逸脱抑制機能、誤発進抑制機能など先進安全装備が全搭載されます。コンパクトカーでもスポーティモデルでも、もう安全面で妥協する必要のない時代です。

 

260㎞/hメーター:180㎞/hより上まで刻まれた表示

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スイフトスポーツはヨーロッパでも販売されているグローバルモデルですから、スピードメーターはなんと260km/hまで記載されています。果たしてこんなにスピード出るのでしょうか!?日本ではサーキットじゃないと試せません。

 

グラデーション柄オーナメント:まるで高級スポーツカーのよう

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インパネ正面(エアコン吹出口下)やコンソール(運転席と助手席間の仕切り)、ドアのアームレストにも、赤から黒へと変化するグラデーション柄のオーナメントが付けられています。スポーティなのに高級感があります。

 

これぞ 感動の細部だ!

ブースタージェットエンジン:ターボエンジンらしからぬトルク性能

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現行型に搭載されるエンジンは1.4リットルターボになりました。人によっては従来のスイフトスポーツのようにNA(自然吸気)が良かったと言う人もいます。しかしこのエンジンは、ターボといっても昔のような急加速する“ドッカンターボ”ではなく、低い回転域でも十分なトルクを発揮するので、扱いやすく気持ち良い走りを味わえます。

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税

 

清水草一がBMW「X3」を徹底解剖!「ディーゼルエンジンの静かさに感服」

ベテラン自動車ライターの永福ランプこと清水草一とフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載です。今回は、高級クロスオーバーSUVの先駆けとして10年以上前に誕生したパイオニア的モデルの最新型をチェック。清水さんが注目した「ディーゼルエンジンの静かさ」とは?

 

【登場人物】

 永福ランプこと清水草一

 日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっています。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今回のクルマ】BMW X3

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SPEC【xDrive 20d M Sport】●全長×全幅×全高:4720×1890×1675㎜●車両重量:1860㎏●パワーユニット:1995㏄直列4気筒DOHCディーゼルエンジン●最高出力:190PS(140kW)/4000rpm●最大トルク:40.8㎏-m(400Nm)/1750〜2500rpm●カタログ燃費:17.0㎞/ℓ●639万〜710万円

 

「ディーゼルエンジンの静かさに感服!」

安ド「殿! 世界的なSUVブームですね!」

清水「うむ。よきにはからえ」

安ド「それはどうでもいいという意味で?」

清水「個人的にはな」

安ド「これまで47台もクルマを購入されてきた殿ですが、SUVは1台も買われていないとか」

清水「オフロード趣味がないのでな。が、もうひとつ理由がある」

安ド「スポーツカー好きの殿ですから、重心が高い、ですか?」

清水「いや、現代のSUVは重心の高さをまったく感じさせぬ。このX3も走りは抜群。実に安定していたぞ」

安ド「では何が?」

清水「SUVは背が高いぶん、重い。そして空気抵抗が大きい。よって燃費が悪くなる。節約を何よりも重視する私としては、SUVは選択外となる」

安ド「47台も買ってて、節約もないと思いますが」

清水「それを言うでない」

安ド「ははっ。言われてみれば確かにこのX3、2ℓディーゼル搭載モデルでしたが、今回の燃費は実質11㎞/ℓにとどまりました」

清水「であろう。何を隠そう現在の我が愛車は、同じく2ℓディーゼルを積むBMW 320D。そちらは平均で17㎞/ℓ走っておる」

安ド「それはロングドライブが多いからでは?」

清水「それを言うではない」

安ド「失礼しました。節約を優先するならセダンやステーションワゴンが有利ですよね。ただ私としましては、SUVのカッコ良さは捨てがたいです!」

清水「いや、この顔はブサイクである。あまりにもキドニーグリルがデカすぎる。これではまるでダッジラムだ」

安ド「そんなことはありません!新型は新鮮でイマっぽいです!」

清水「見解の相違であるな。ただ今回、この新型X3に心底感じ入ったことがある」

安ド「ジェスチャーコントロールのレスポンスが良くなった、とかですか?」

清水「そんなものは知らぬ。私が感服したのは、ディーゼルエンジンの静かさだ」

安ド「そう言えば、ガラガラ音がほとんど聞こえませんでした」

清水「私の320dは3年前の中古車。アイドリングでそれなりにガラガラ音が出るが、短期間でこれほど進化するとは驚きだ」

安ド「ディーゼルも進化してるんですね!」

清水「世の論調としては、ディーゼルはオワコンでこれからはEV一本だが、まだまだどうして。最新のディーゼルは、この重いSUVをわずか2ℓの排気量で軽々と加速させ、静かさもほとんどガソリン車と変わらず、燃費では大きくリードする。これがそう簡単に死ぬはずがない!」

安ド「なるほど!」

清水「私が新型X3で確信したもの。それはディーゼルの存続だ」

安ド「肝に銘じます!」

 

 

【注目パーツ01】コネクテッド・ドライブ

クルマが世界とつながるサービス

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ニュースや天気などの各種情報収集、より正確なナビゲーションなどが実現でき、スマホからエアコンの起動やロックの解除などもできるようになります。似たような機能は各社がやってますが、輸入車ではBMWが初でした。

 

【注目パーツ02】キドニーグリル

大型化で大きく表情を変えた

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BMWのフロントデザインを象徴するのが、2つのグリルを横並びにした“キドニーグリル”。新型では大型化されて、その存在感を高めています。ダイナミックで立体的にはなりましたが、個人的には繊細さがなくなりガッカリです。

 

【注目パーツ03】ラゲージ・アンダートレイ

自立したまま便利に使える

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荷室の床下にスペースがあるのは、スペアタイヤを必要としなくなった近年のSUVでは当たり前のこと。が、X3では床下のフタ部分にダンパーが付いていて勝手に下がってきません! 高級車のボンネットと同じです。金かかってます。

 

【注目パーツ04】ジェスチャー・コントロール

 空間上の手の動きを感知

 20180117_bln2_05

ディスプレイの前で指をクルクル回したり、手首を動かしたりといった所作をするだけで、電話やボリュームなどを画面に触れずに操作することができます。ちなみに手がディスプレイから30㎝くらい離れていても操作可能でした。

 

【注目パーツ05】ウェルカム・ライト

光が便利さと雰囲気を演出

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夜暗いなかでX3に乗ろうとすると、便利な照明が自動で2か所に灯ります。ひとつはドアハンドル(上)で、もうひとつは地面(下)。後者は「ウェルカム・ライト・カーペット」と呼ばれるもので、独特な模様で乗員を車内に導いてくれます。

 

【注目パーツ06】アンビエント・ライト

 室内の高級感を高める照明

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インテリアは、まるでおしゃれなバーのように間接照明で照らされます。ライトカラーは11パターンが設定されていて、気分に合わせて選択することができます。が、そのうち面倒になって変えなくなってしまうでしょう。

 

【注目パーツ07】ステアリング

 高級感と使用感を両立

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“ウォークナッパ”と呼ばれるレザーを表面に使った高級感あふれるステアリングです。このMスポーツだけは10時10分の位置に、親指を引っ掛ける出っぱり「サムレスト」が付いています。握ってみるとすごく太くてたくましいです。

 

【注目パーツ08】エア・ブリーザー

 SUVのアクティブ感を強調

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いかにもSUVらしいアクティブでワイルドな雰囲気を演出するのが、このフロントタイヤ後方に彫られたスリットです。よく見てみると穴は空いてなくてただのダミーのようですが、これでも空気抵抗を低減させる効果があるそうです。

 

【注目パーツ09】バックモニター

2画面2方向表示で車庫入れを簡単に

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車両後方を確認できるバックモニターや、真上から見た図が表示されるトップビューモニターなどは多くのクルマに付いていますが、X3は両者を同時に表示できます。ディスプレイが横に長いって便利ですね。

 

【これぞ感動の細部だ】ディーゼルエンジン

パワーアップしつつ、静かに

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新型X3は、ディーゼルとガソリン2種類のモデルが展開されています。今回テストしたのは先行販売されているディーゼル。ディーゼル自体の特徴でもある強大なトルクを発揮し、この大きく重いボディをものともせずグイグイ押し出すように走ります。実は私の愛車もBMWのディーゼルですが、やはり最新型は音も断然静かで、弱点がありません。

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税

 

清水草一が「シビック タイプR」を徹底解剖!「非日常のカタマリ。つまりフェラーリ的なのだ」

ベテラン自動車ライターの永福ランプこと清水草一とフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は、カーマニア垂涎の傑作スポーツモデル! シビック タイプRをチェックしました。

 

【PROFILE】

永福ランプこと清水草一:日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖です。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっています。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 

安ド :元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今回のクルマ】ホンダ シビック タイプR

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SPEC ●全長×全幅×全高:4560×1875×1435㎜ ●車両重量:1390㎏ ●パワーユニット:1995㏄直列4気筒DOHCターボエンジン ●最高出力:320PS(235kW)/6500rpm ●最大トルク:40.8㎏-m(400Nm)/2500〜4500rpm ●カタログ燃費:12.8㎞/ℓ  ●価格:450万360円

 

安ド「殿! このクルマ、まるでロボットアニメのマシンですね!」

清水「うむ。かつてランサーエボリューションが〝ガンダム系”の代表だったが、そのランエボもいまはない。ところがこのシビックタイプRは、かつてのランエボ以上のガンダム系デザインと言ってよかろう!」

安ド「顔もガンダムっぽいですけど、ルーフ後端についてるフィンがものスゴいです!」

清水「ものスゴいな!」

安ド「殿はこんな子どもっぽいデザインのクルマ、お嫌いですよね?」

清水「……いや、このクルマに関しては、決して嫌いではない。正確には、好きになってしまいそうだ」

安ド「マジですか!」

清水「なんだかんだいって、我々カーマニアは中身を重視する。どんなに『クルマはカッコ』と思っていてもな……」

安ド「つまり、中身がいいってことですか?」

清水「うむ。コイツの走りは本当にものスゴい。まさに非日常のカタマリ。つまりフェラーリ的なのだ」

安ド「えっ!美の化身であるフェラーリに似てるんですか!?」

清水「見た目は似ても似つかないが、中身の方向性は同じ。どこまでも速く、そして過剰に過激なのだ」

安ド「なるほど!」

清水「ボディのしっかり感、シャシー性能もとてつもないが、私が特に感じ入ったのは、2リットルターボエンジンのフィーリングだ」

安ド「乾いたいい音がしますね!」

清水「音も悪くないが、回せば回すほどターボパワーが高まる過激な特性にホレた。いまどきのダウンサイジングターボにはない、古典的なレーシングターボ。たとえれば、フェラーリF40のような」

安ド「殿!そんな神車の名前を口にしていいんですか!」

清水「低速トルクはたっぷりあり、実用性満点でありながら、本領を発揮するのは4000回転から上。そのまま7000回転まで、天井知らずにパワーが盛り上がる。思わず『このまま死んでもいい』と思ってしまうほどだ」

安ド「ええっ!フェラーリに命を賭けた殿が、ホンダ車で死んでもいいんですか!」

清水「ホンダはやはりエンジンメーカーだ。つまり、魂はフェラーリと同じ。ミニバンや軽では影を潜めたその本質が、このタイプRに込められている」

安ド「なるほど!ところで殿。限定モデルだった先代のタイプRのエンジンとは、かなり違いますか?」

清水「スペック的にはわずか10馬力アップなのだが、フィーリングは、はるかに澄んでいてピュア。フェラーリ的に感じたぞ」

安ド「スペックではなくフィーリングなんですね!そういえば6速MTも、ストロークが短くてコクコク入るし、メカニカルな感覚が心地良かったです!」

清水「まるでレーシングカーだな」

安ド「そうなんです。速すぎてアクセル全開にできません!」

 

【注目パーツ01】6速トランスミッション

回転数自動同期システム付き

歴代のタイプR同様、アルミ製シフトノブを備えた6速マニュアルです。変速時に回転数を自動で合わせてくれるので、ダウンシフトをカッコよく決められます。下部には、シリアルナンバー入りアルミ製エンブレム付きです。

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【注目パーツ02】カーゴエリアカバー

珍しく横から引っ張るタイプ

“トノカバー”と呼ばれる荷室上部のフタが、このクルマでは珍しく横からビヨヨーンと伸びてきます。おかげでハッチバックに連動して開閉はできませんが、ラッピングフィルムみたいで、出し入れすると楽しい気分になります。

20171226-yamauchi_15のコピー

 

【注目パーツ03】3本出しマフラー&ディフューザー

見た目と実力を兼ね備えたリアまわり

高出力モデルというと左右2本出しマフラーが定番ですが、これは中央3本出し。フェラーリF40や458イタリアを髣髴とさせ、攻撃的で素敵です。両脇の黒いフィンは整流板で、車体の下を流れてきた空気を整えます。

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【注目パーツ04】スリット

空気の流れを整えるエアロパーツ

ボンネットの上に空気を取り入れるためのスリット(穴)があります。この空気でエンジンを冷やすのかと思いきや、どうもフロントタイヤ後方のスリットから抜ける構造のようです。空気の流れを大切にしているのですね。

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【注目パーツ05】20インチ30扁平タイヤ

大径サイズ化により高性能を発揮

ひと目見たときの違和感はなんだろうと思ってよく見ると、ものすごくタイヤが薄いです。「30扁平」というと、ひと昔前はスーパーカー用だった超扁平サイズ。見た目に違わずスーパーカー並みのパフォーマンスを実現してくれます。

20171226-yamauchi_3のコピー

 

【注目パーツ06】フロントフェイス

メカニカルな雰囲気のロボ顔

どちらかといえばさっぱり顔だった先代モデルと違い、今作は戦闘的で“ロボット感”溢れる雰囲気となりました。このロボ顔が嫌な人は先代型をおすすめしますが、先代型の中古車も人気が高く、価格はなかなか下がりません。

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【注目パーツ07】ドライブモードスイッチ

その日の気分でモードを変える

「タイプRでもたまには気を抜いて走りたい!」人向けにコンフォートモードを備えました。逆に、「もっと速く! 誰よりも速く!」と望む人には+Rモードもあります。ハンドリングや乗り心地などの味付けが変わります。

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【注目パーツ08】タイプRシート

高いホールド性を実現する形状

やはりタイプR伝統の赤いバケット型(体を包み込む形状の)シートを備えています。体の大きい人にとっては窮屈そうですが、体重80キロ超えのぽっちゃりな安ドでもすっぽり入りましたので、大丈夫だと思います。

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【注目パーツ09】大型リアスポイラー&ボルテックスジェネレータ

抵抗を抑えて空気の流れを整える

先代モデルもリアスポイラーは大型でしたが、このようなデコボコは付いていませんでした。このリアウインドウ上部についているデコボコが、走行時にルーフ上に流れる空気を整えて効果的にリアスポイラーに導くのです。

20171226-yamauchi_8のコピー

 

[これぞ感動の細部だ! VTECターボエンジン]

レーシングカーのようなレスポンス

回せば回すほどパワーが溢れてくる超高回転型の高出力エンジンで、非常に官能的です。まるでピュアレーシングカーのような走りを実現しながら低速トルクもしっかりあって乗りやすい、近年まれに見る傑作エンジンであります。ちなみに北米では、モータースポーツに参戦する顧客向けに、このエンジンを単体で販売するのだとか。スゴい!20171226-yamauchi_12

 

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税

 

清水草一がプジョー3008を徹底解剖! 「殿、珍しく絶賛ですね!」

ベテラン自動車ライターのMJブロンディとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載です。SUVブームに先鞭をつけたプジョーの3008に試乗してみました!

 

[PROFILE]

永福ランプこと清水草一

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっています。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今月のクルマ】プジョー 3008

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SPEC【GTライン】●全長×全幅×全高:4450×1840×1630 ㎜●車両重量:1500㎏●総排気量:1598㏄●パワーユニット:直列4気筒DOHCターボ●最高出力:165PS(121kW)/6000 rpm●最大トルク:24.5㎏-m(240Nm)/1400〜3500rpm●カタログ燃費:14.5㎞/ℓ 357万〜429万円

 

「俺ならそれでもディーゼルにする」

安ド「殿! やっぱりフランス車はオシャレでカッコいいですね!」

清水「うむ。プジョーのデザインは長らく低迷していたが、この3008でかなり復活した印象だ」

安ド「どのあたりがいいですか?」

清水「デカすぎる『口』などの過度な小細工を廃し、適度に攻撃的なイメージを、こじゃれた細部で引き立てている」

安ド「インテリアもいいですね! 従来のプジョー車って、クオリティの足りなさをデザインでごまかしてた印象があったのですが(笑)、これは車格なりか、それ以上に質感が高いと思いました!」

清水「まさにドイツ車的なクオリティに近づいています。それでいてオシャレ感も高い」

安ド「特にステアリングやシフトまわりなどがいいです!」

清水「個人的には、楕円形の小径ハンドルがスバラシイ。車幅のあるSUVをクイクイと曲げてくれる」

安ド「メーターはハンドルの上から見えますね」

清水「近年のプジョー車の定番だな。これに違和感を覚える人も少なくないようだが、なにせハンドルが小さいので、ハンドルの中にメーターを収めるのはムリ。私は好きだぞ」

安ド「殿、珍しく絶賛ですね! 走りはどうですか」

清水「SUVを感じさせない軽快さがあり、乗り味も適度にフンワリしている。フランス車らしく、もう一段フンワリでもいいと思うが」

安ド「ボディも剛性感があって、いかにも力強いSUVという感じで、頼もしかったです。ドイツ車みたいでした!」

清水「世界中のクルマがドイツ車化しているからな。昔のプジョーとは似ても似つかぬ頼もしさだ」

安ド「エンジンはどうですか? 今回は1.6Lのガソリンターボモデルです」

清水「このエンジンは、愛車だったシトロエンC5で堪能したが、可もなし不可もなしだ」

安ド「燃費は約11㎞/Lでした!」

清水「うむ。SUVでそれだけ走れば問題なかろう」

安ド「きっとディーゼルはもっと速いと思いますが、これはこれで十分と言えます」

清水「ディーゼルは2L。断然速いし、燃費もいい。ただ価格がかなり高い」

安ド「429万円です」

清水「ガソリン車より30〜60万円高い。俺ならそれでもディーゼルにするが」

安ド「それとこのクルマ、プジョー車としては初めて、ドイツ車並みの高性能な自動ブレーキを搭載したんですよね!」

清水「しかも標準装備です。BMWなどと同様の単眼カメラ&ミリ波レーダーの組み合わせで、歩行者も検知できるのだから、これまでのフランス車とはまるで違うぞ」

安ド「ひょっとしてこのクルマ、フランス車の革命では?(笑)」

清水「それでいてオシャレ。オススメできる!」

 

【注目パーツ01】小径レザーステアリング

スポーティな走りを実現するハンドル

20171117-yamauchi_33

近年のプジョー車のトレンドですが、径を小さくすることで握りやすくし、ドライバーがスポーティに運転できるよう設計されています。また、上下面をフラットにして、視界と足元スペースが広く取れるようにしているのも特徴です。

 

【注目パーツ02】パノラミックサンルーフ

開ければ圧倒的開放感! ボタンひとつで電動開閉

20171117-yamauchi_35

この電動開閉機能付きの大型サンルーフは、プジョー初搭載の機能なんです。爽快な風を感じさせてくれるサンルーフをいままで開けずにいたとはもったいないかぎりです。サイドウインドウの面積が小さいだけに貴重な装備です。

 

【注目パーツ03】1.6リットルターボエンジン

トレンドを踏襲した小排気量仕様

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世界のトレンドは小排気量ターボ。3008も、ボディサイズのわりに小さ過ぎるんじゃないかと思わせる小排気量ターボエンジンを搭載しています。もちろん、想像以上にパワフルで軽快な走りを実現してくれます!

 

【注目パーツ04】ウエストライン

ワイルドな風合いを 醸し出すサイドライン

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ボディサイドの窓の下のライン、いわゆるウエストラインは、車高が低いわりに高い位置にデザインされています。ドライバーの見切りは多少悪くなりますが、マッチョな感じが増して、SUVとしては成功しているのではないでしょうか。

 

【注目パーツ05】デジタルヘッドアップインストルメントパネル

デジタル表示で近未来感をアピール

20171117-yamauchi_34

全面デジタルディスプレイになっていることから、デザインの異なる4つのディスプレイモードを選べます。ちなみにそのメニュー表示は、なんと日本語に対応!  プジョーも親日的になったものです。

 

【注目パーツ06】ヘッドライト

明るく見やすくハイデザイン

20171117-yamauchi_38

ヘッドライトの中央部分が、見てのとおりものすごくえぐれています。このような複雑な形状にするとコストがかかると思うのですが、デザインへのこだわりと先進性を感じさせます。もちろんフルLEDを採用しています。

 

【注目パーツ07】ATシフト

まるで飛行機のようなシフトノブ

20171117-yamauchi_32

トランスミッションは高効率な6速ATが採用されていますが、それを操るシフトノブは飛行機の操縦桿のような形をしています。プジョーはこのインテリアを「i-Cockpit」と呼んでいるので、このような形状になったのでしょうか。

 

【注目パーツ07】大型フロントグリル

顔の中心でこだわりを見せつける

20171117-yamauchi_39

プジョーは「大型グリル」と謳っておりますが、近年の大型グリルブームのなかでは比較的小型であります。特筆すべきはその独特な形状で、横から見るとえぐれており、このこだわりの造形がクルマファンを唸らせます。

 

【注目パーツ01】トグルスイッチ

ピアノの鍵盤のような美しさ

20171117-yamauchi_31

「トグルスイッチ」とはつまみ状のレバーを上下に倒す構造のものですが、プジョーのトグルスイッチは、このように近未来的な形状です。実用的でありながら、整然としていて工業製品ならではの美しさも備えています。

 

これぞ 感動の細部だ!安全運転支援システム

最新の運転支援デバイスを網羅

20171117-yamauchi_40

アクティブセーフティブレーキやレーンキープアシスト、アクティブブラインドスポットモニター、ドライバーアテンションアラート、アクティブクルーズコントロールなど、カメラ(写真左)とレーダー(写真右)をベースとした安全運転支援機能がてんこ盛り。もちろんその完成度は実用に値するレベルで、決して日本車やドイツ車にも負けてないです。

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税

 

清水草一がプジョー3008を徹底解剖! 「殿、珍しく絶賛ですね!」

ベテラン自動車ライターのMJブロンディとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載です。SUVブームに先鞭をつけたプジョーの3008に試乗してみました!

 

[PROFILE]

永福ランプこと清水草一

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっています。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今月のクルマ】プジョー 3008

20171117-yamauchi_43

20171117-yamauchi_42

SPEC【GTライン】●全長×全幅×全高:4450×1840×1630 ㎜●車両重量:1500㎏●総排気量:1598㏄●パワーユニット:直列4気筒DOHCターボ●最高出力:165PS(121kW)/6000 rpm●最大トルク:24.5㎏-m(240Nm)/1400〜3500rpm●カタログ燃費:14.5㎞/ℓ 357万〜429万円

 

「俺ならそれでもディーゼルにする」

安ド「殿! やっぱりフランス車はオシャレでカッコいいですね!」

清水「うむ。プジョーのデザインは長らく低迷していたが、この3008でかなり復活した印象だ」

安ド「どのあたりがいいですか?」

清水「デカすぎる『口』などの過度な小細工を廃し、適度に攻撃的なイメージを、こじゃれた細部で引き立てている」

安ド「インテリアもいいですね! 従来のプジョー車って、クオリティの足りなさをデザインでごまかしてた印象があったのですが(笑)、これは車格なりか、それ以上に質感が高いと思いました!」

清水「まさにドイツ車的なクオリティに近づいています。それでいてオシャレ感も高い」

安ド「特にステアリングやシフトまわりなどがいいです!」

清水「個人的には、楕円形の小径ハンドルがスバラシイ。車幅のあるSUVをクイクイと曲げてくれる」

安ド「メーターはハンドルの上から見えますね」

清水「近年のプジョー車の定番だな。これに違和感を覚える人も少なくないようだが、なにせハンドルが小さいので、ハンドルの中にメーターを収めるのはムリ。私は好きだぞ」

安ド「殿、珍しく絶賛ですね! 走りはどうですか」

清水「SUVを感じさせない軽快さがあり、乗り味も適度にフンワリしている。フランス車らしく、もう一段フンワリでもいいと思うが」

安ド「ボディも剛性感があって、いかにも力強いSUVという感じで、頼もしかったです。ドイツ車みたいでした!」

清水「世界中のクルマがドイツ車化しているからな。昔のプジョーとは似ても似つかぬ頼もしさだ」

安ド「エンジンはどうですか? 今回は1.6Lのガソリンターボモデルです」

清水「このエンジンは、愛車だったシトロエンC5で堪能したが、可もなし不可もなしだ」

安ド「燃費は約11㎞/Lでした!」

清水「うむ。SUVでそれだけ走れば問題なかろう」

安ド「きっとディーゼルはもっと速いと思いますが、これはこれで十分と言えます」

清水「ディーゼルは2L。断然速いし、燃費もいい。ただ価格がかなり高い」

安ド「429万円です」

清水「ガソリン車より30〜60万円高い。俺ならそれでもディーゼルにするが」

安ド「それとこのクルマ、プジョー車としては初めて、ドイツ車並みの高性能な自動ブレーキを搭載したんですよね!」

清水「しかも標準装備です。BMWなどと同様の単眼カメラ&ミリ波レーダーの組み合わせで、歩行者も検知できるのだから、これまでのフランス車とはまるで違うぞ」

安ド「ひょっとしてこのクルマ、フランス車の革命では?(笑)」

清水「それでいてオシャレ。オススメできる!」

 

【注目パーツ01】小径レザーステアリング

スポーティな走りを実現するハンドル

20171117-yamauchi_33

近年のプジョー車のトレンドですが、径を小さくすることで握りやすくし、ドライバーがスポーティに運転できるよう設計されています。また、上下面をフラットにして、視界と足元スペースが広く取れるようにしているのも特徴です。

 

【注目パーツ02】パノラミックサンルーフ

開ければ圧倒的開放感! ボタンひとつで電動開閉

20171117-yamauchi_35

この電動開閉機能付きの大型サンルーフは、プジョー初搭載の機能なんです。爽快な風を感じさせてくれるサンルーフをいままで開けずにいたとはもったいないかぎりです。サイドウインドウの面積が小さいだけに貴重な装備です。

 

【注目パーツ03】1.6リットルターボエンジン

トレンドを踏襲した小排気量仕様

20171117-yamauchi_37

世界のトレンドは小排気量ターボ。3008も、ボディサイズのわりに小さ過ぎるんじゃないかと思わせる小排気量ターボエンジンを搭載しています。もちろん、想像以上にパワフルで軽快な走りを実現してくれます!

 

【注目パーツ04】ウエストライン

ワイルドな風合いを 醸し出すサイドライン

20171117-yamauchi_44

ボディサイドの窓の下のライン、いわゆるウエストラインは、車高が低いわりに高い位置にデザインされています。ドライバーの見切りは多少悪くなりますが、マッチョな感じが増して、SUVとしては成功しているのではないでしょうか。

 

【注目パーツ05】デジタルヘッドアップインストルメントパネル

デジタル表示で近未来感をアピール

20171117-yamauchi_34

全面デジタルディスプレイになっていることから、デザインの異なる4つのディスプレイモードを選べます。ちなみにそのメニュー表示は、なんと日本語に対応!  プジョーも親日的になったものです。

 

【注目パーツ06】ヘッドライト

明るく見やすくハイデザイン

20171117-yamauchi_38

ヘッドライトの中央部分が、見てのとおりものすごくえぐれています。このような複雑な形状にするとコストがかかると思うのですが、デザインへのこだわりと先進性を感じさせます。もちろんフルLEDを採用しています。

 

【注目パーツ07】ATシフト

まるで飛行機のようなシフトノブ

20171117-yamauchi_32

トランスミッションは高効率な6速ATが採用されていますが、それを操るシフトノブは飛行機の操縦桿のような形をしています。プジョーはこのインテリアを「i-Cockpit」と呼んでいるので、このような形状になったのでしょうか。

 

【注目パーツ07】大型フロントグリル

顔の中心でこだわりを見せつける

20171117-yamauchi_39

プジョーは「大型グリル」と謳っておりますが、近年の大型グリルブームのなかでは比較的小型であります。特筆すべきはその独特な形状で、横から見るとえぐれており、このこだわりの造形がクルマファンを唸らせます。

 

【注目パーツ01】トグルスイッチ

ピアノの鍵盤のような美しさ

20171117-yamauchi_31

「トグルスイッチ」とはつまみ状のレバーを上下に倒す構造のものですが、プジョーのトグルスイッチは、このように近未来的な形状です。実用的でありながら、整然としていて工業製品ならではの美しさも備えています。

 

これぞ 感動の細部だ!安全運転支援システム

最新の運転支援デバイスを網羅

20171117-yamauchi_40

アクティブセーフティブレーキやレーンキープアシスト、アクティブブラインドスポットモニター、ドライバーアテンションアラート、アクティブクルーズコントロールなど、カメラ(写真左)とレーダー(写真右)をベースとした安全運転支援機能がてんこ盛り。もちろんその完成度は実用に値するレベルで、決して日本車やドイツ車にも負けてないです。

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税