【意外と知らない温泉うんちく6選】温泉が恋しい今ですが、温泉のことどれだけ知っていますか?

寒い季節です。緊急事態宣言の真っ只中ではありますが、感染防止対策を万全にしながら、日頃の疲れを癒しに温泉に入り、身も心もリフレッシュされたくなる方は少なくないのではないでしょうか。

 

しかし、一口に「温泉」と言っても、実は細かい定義についてはわからないことも多いです。「『源泉かけ流し』と『天然温泉』は何が違うか」「温泉の泉質はいろいろあるけど、どれだけの種類があるのか」「その字の通り、温かくないと温泉と謳ってはいけないのか」など。

 

今回はこれら温泉にまつわる疑問を6つピックアップ。温浴施設の開発・運営を行う温泉道場の役員で、温泉ソムリエの資格を持つ斉藤綾子さんにうんちくとして解説していただきました。

↑温泉道場・斉藤綾子さん。広告代理店勤務中、温泉が好きすぎてダブルワークで、土日に温泉道場運営の温浴施設のアルバイトをしていたことから、そのまま同社に転職。同社が設定する「湯治休暇」(本社がある埼玉県以外へ2泊以上の旅行をすると、宿泊費用の半分を会社が負担してくれる福利厚生制度)を利用して、各地の温泉を巡っています

 

【温泉のうんちく・その①】「源泉かけ流し」と「天然温泉」は何が違うか

ーー今回は温泉にまつわる様々な疑問にお答えいただき、「温泉のうんちく」を紹介してもらいたいです。まず、よく温泉施設に掲げられている「『源泉かけ流し』と『天然温泉』は何が違うか」から教えてください。

 

斉藤綾子さん(以下、斉藤) まず「源泉かけ流し」ですが、文字通り湧出した温泉をそのままかけ流していることを表します。源泉が熱すぎたり、冷たすぎたり、成分が強すぎるなどの理由から、「加水」「加温」「ろ過・循環」などを行う場合があります。こういったことを行っても温泉には違いがありませんが、「源泉かけ流し」はこういった作業を加えず、源泉そのままの状態で提供していることを表しています。各施設の実施状況は、店頭に掲げられている温泉分析書に記載されているので、チェックしてみると良いでしょう。

また、源泉に対し「加水」「加温」「ろ過・循環」を行っていても「天然温泉」と謳う場合もあります。しかし「天然温泉100%」と謳う場合は、これらの運用をしていないことを表します。

 

【温泉のうんちく・その②】温泉の最低温度は何度なの?

ーー「加水」はわかりますが、「加温」ということは、温泉自体が冷たい場合もあるということですよね。必ずしも熱くなくても、温泉と謳って良いのでしょうか。

 

斉藤 「温泉」の定義は、温泉法という法律のもとに成り立っているのですが、次の①②を満たしていれば温泉と名乗ることができます。

①温度が25度以上であること
②含有成分に関する19の特定条件のうち、ひとつ以上規定値に達しているもの

 

上の「25度」ですが、実際触れても寒いし湯船に浸かるのも難しい温度です。ですので、例えば源泉が25度だった場合は、加温してみんなが入りやすくするようにする場合があるということです。

 

【温泉のうんちく・その③】日本で温泉が開拓されたのはいつから?

ーーそもそも日本で温泉が開拓されたのはいつからなのでしょうか。

 

斉藤 諸説あり「わからない」と言われています。ただ、日本書紀(720年)や風土記などの一部に、すでに温泉にまつわる記述があるため、これ以前ということになると思います。また、一般的に「有馬温泉」(兵庫県)、「道後温泉」(愛媛県)、「白浜温泉」(和歌山県)が「日本三古湯」と言われています。

↑「有馬温泉」(兵庫県)。江戸時代の温泉番付では、最高位の西大関に格付けされたこともある名湯

 

↑「道後温泉」(愛媛県)。万葉集や夏目漱石の『坊っちゃん』にも描かれた四国屈指の温泉

 

↑「白浜温泉」(和歌山県)。火山性由来ではなく、高温の地下水が滞留したものが源泉。写真は白浜温泉に属し、海沿いに面した名所「崎の湯」

 

【温泉のうんちく・その④】日本の温泉の種類はどれだけあるの?

ーーまた、各温泉施設を巡ると、様々な泉質があります。日本の温泉ではどれだけの泉質があるのでしょうか?

 

斉藤 大きく分けて以下の10種類の泉質があり、いずれも温泉法の基準に基づいて分類分けされています。また、泉質それぞれに対する適応症も、やはり温泉法に基づいて定義付けられています。

○単純温泉……[適応症]自律神経不安定症、不眠症、うつ状態
○塩化物泉……[適応症]きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
○炭酸水素塩泉……[適応症]きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
○硫酸塩泉……[適応症]きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
○二酸化炭素泉……[適応症]きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症
○含鉄泉……[適応症]なし
○硫黄泉……[適応症]アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症
○酸性泉……[適応症]アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常、表皮化膿症
○放射能泉……[適応症]高尿酸血症、関節リウマチ、強直性脊椎炎
○含よう素泉……[適応症]なし

 

これらも各施設店頭の「温泉分析書」で確認できます。温泉分析書は温泉のプロフィールのようなもので、その温泉の特徴を表しています。

↑温泉道場運営の「おふろcafe 白寿の湯」(埼玉県)。泉質は塩化物泉によるナトリウム・塩化物強塩泉

 

↑温泉道場運営の「昭和レトロな温泉銭湯 玉川温泉」(埼玉県)。泉質はアルカリ性単純温泉。ph7.5以上のアルカリ成分を含むものが「美人の湯」と謳えますが、こちらはph10.1もの値があります

 

↑温泉道場運営の「おふろcafe bijinyu(美肌湯)」(静岡県)。泉質はアルカリ性単純温泉のほか、硫黄泉のお風呂もある贅沢な施設です

 

【温泉のうんちく・その⑤】名前が怖そうな温泉、どれも本当に安全?

ーー上の温泉分類の中で特に気になったのが、浴用の[適応症]なしの含鉄泉や含よう素泉、それと、放射能泉です。なんか怖い感じもしますが……。

 

斉藤 いずれも怖い温泉ではありません。まず、含鉄泉は、その名の通り鉄分を含むもので、空気に触れ酸化すると不透明な褐色になります。飲用の[適応症]として「鉄欠乏性貧血」があります。一般的な貧血に適応されるものですが、「体が温まりやすい」という解釈で良いと思います。そして、含よう素泉は、非火山性の温泉に多いもので、その名の通り、よう素が含まれています。よう素は、うがい薬にも使われる殺菌効果の高いものですが、温泉自体の匂いや色も、うがい薬に似ています。

また、放射能泉は、天然由来の放射能が含まれるものです。よく「ラドン温泉」といった名前を聞くことがあると思いますが、これが放射能泉です。「放射能」に怖いイメージを持つ人も多いと思いますが、温泉中に含有されるものは、常温で気体となり、湧出されると空気中に飛散されるため心配はありません。

 

【温泉のうんちく・その⑥】「かけ湯」「上がり湯」の正しいやり方とは?

ーーあと、温泉に入る際の「かけ湯」と上がる際の「上がり湯(体を洗うことを含む)」の、正しいやり方をお聞かせください。

 

斉藤 まず「かけ湯」ですが、みんなが使う温泉なので、「ある程度体を綺麗にしてから入る」という目的もありますが、本来は、その「温泉の刺激に慣れる」こととヒートショック的なことを起こさないために行うものです。また、「上がり湯」は、温泉の成分が体から流れてしまうので、できればしないほうが良いです。

 

ーーそうなんですか。お風呂での汚れを取るために、必ず洗って出るようにしていました。

 

斉藤 体の表面に温泉の成分がついていれば、そのまま体に浸透されていくので、流さないほうが効果的です。ただ、酸性泉や硫黄泉など刺激の強い温泉や皮膚がピリピリする場合は、適宜流してくださいね。

 

「おふろから文化を発信する」温泉道場の試み

ーーこういったうんちくや知識のもと、温泉道場では様々な温浴施設の再開発を行っていますよね。

 

斉藤 はい。当社の代表は前職でレジャー施設、温浴施設などのコンサルティングを行っていました。そのうちに玉川温泉(埼玉県)、白寿の湯(埼玉県)の運営そのものを手がけるようになり、これをきっかけに各地の温浴施設を再生・運営する事業を始めることになりました。

 

ーー「大衆演劇の劇場×温泉」「フィンランド式サウナ×おふろ」「グランピング×おふろ」など、斬新なものが多い印象です。

 

斉藤 「おふろから文化を発信する」をテーマに、従来の温浴施設という業態のあり方を変えようと努力しています。これまでのスーパー銭湯は、スパッと入ってご飯を食べて帰るような使われ方が多く、滞在時間が限られていました。しかし、1日ゆったり過ごしていただけるように、「文化」と「温泉」の2つを楽しめるような施設の展開を行っています。各施設でターゲット層は違いますが、うんちくでもお話しさせていただいたような、温泉やおふろの入り方の正しい認識を持ちながら、新しい温浴施設のあり方を幅広く提案していきたいと思っています。

↑温泉道場のグループが運営する「四日市温泉 おふろcafe 湯守座」(三重県)。大衆演劇の劇場を併設した施設です

 

↑温泉道場運営の「おふろcafe utatane」(埼玉県)。フィンランド式のサウナ文化を伝える施設。露天風呂は同社運営の「白寿の湯」(埼玉県)からの運び湯とのこと

 

↑温泉道場運営の「おふろcafe bivouac」(埼玉県)。グランピングをコンセプトにした遊べる温浴施設(温泉はありません)。施設内にボルダリングウォールやキッズスペースがあります

 

↑温泉道場運営の「O Park OGOSE」(埼玉県)。宿泊、BBQ、温浴施設の複合リゾート(温泉はありません)。東京からヘリで直行できる宿泊プランや一棟貸しのサウナスイートキャビンが話題という事

 

週に4~5日は温泉に入る筆者ですが、今回の6つのうんちくはいずれも知らないものばかりで目から鱗が落ちました。また、温泉道場が展開する斬新な温泉の写真を見て、ぜひ利用してみたいとも思いました。まだまだ寒さが続くこの季節、感染防止対策を万全に、そして、今回のうんちくをしっかり頭に入れて、温泉でゆっくりリフレッシュされてみてはいかがでしょうか。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

「ひとり温泉」はひとりカラオケと似ている? 初心者でも心おきなく温泉を楽しむ53の方法とは?

温泉、行きたいですよね。コロナ前はほぼ月1で銭湯に行ったり、岩盤浴に行ったり、温泉が湧き出るスーパー銭湯を楽しんでいたりしたのですが、2020年はほぼ行くことができませんでした。悔しい……! 2021年はコロナが終息することを祈りながら、1回でも多く温泉や銭湯に行けたらいいなぁ〜なんて思っております。

 

この溜まりに溜まった「温泉行きたい欲」を満たしてくれるのが、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』(永井千晴・著/幻冬舎・刊)という温泉エッセイ。温泉オタク会社員である著者の永井千晴さんが、全国約500湯を巡った温泉を振り返りつつ、ひとりで温泉を楽しむ方法を紹介しています。

 

ひとり温泉旅行は、ひとりカラオケみたいなもの!?

本のタイトルにある「ひとり温泉」ですが、ちょっとハードルが高いなぁと感じる人もいるのではないでしょうか? 温泉に行く! と聞くと、ふら〜っとひとりで行くよりも、あらかじめ計画をみっちり立てて、友達と家族と恋人と行くようなイメージがありますよね。「ひとりでも楽しめるの?」と思ってしまうのですが、これがめっちゃ楽しくて、ヒトカラ(ひとりカラオケ)と似ている感覚なのだとか。

 

本題に入る前にお伝えしておきたいのが、「ひとり温泉旅行は、ヒトカラ(ひとりカラオケ)みたいなもの」だということ。ひとりで温泉旅行を計画して、ひとりきりで現地に向かい、湯船にじんわり体を沈める……。そこには、カラオケでよくある「上司の年代に合わせた曲」「友達と一緒に歌える曲」「全員で盛り上がれる曲」の忖度がありません。私はただここに来たくて、お金も時間もすべて自分で管理して計画して、やっと憧れの温泉に浸かれた……という、体中に満ち満ちる圧倒的な自己満足、高揚感、達成感があるものです。

(『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』より引用)

 

想像しただけで体がウズウズしてしまう(笑)。私もヒトカラが大好きで、ずっとTHE YELLOW MONKEYしか歌っていないのですが、それは誰かから文句言われたりしませんからね! う〜ん、ヒトカラにも行きたい(笑)。2020年は自分のために使う時間がほぼなかったなぁ〜なんて思い返しているので、自分のためのひとり温泉、ぜひとも体験してみたいものです。

 

とはいえ、どこへ行こう?

都内近郊に在住の人が「温泉行くならどこ?」と聞けば、熱海や箱根などメジャーな温泉地が思い浮かびますよね。でも日本国内には、約3000の温泉地と2万ほどの温泉施設があるのだとか。

 

え……そんなにいっぱいの中からなんて選べない! という時に役立つのがこちらのチャート。著者である永井千晴さんが、2019年の夏にTwitterで投稿し、現時点でも21万いいね! がついているほど話題になっているツイートです。

 

 

『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』の中には、巻末ふろくとして、「東京から1泊2日で行けるおすすめ温泉チャート」「大阪から1泊2日で行けるおすすめ温泉チャート」「全国版おすすめ温泉チャート」の3つも付いています。

 

私も「東京から1泊2日で行けるおすすめ温泉チャート」をやってみると「高湯温泉」という福島県の温泉地がヒットしました。聞いたことないな……。

 

高湯は「一切の鳴り物を禁ず」の、とても静かな山奥の温泉地。ほぼ旅館しかありません。硫黄のにおいが豊かな白濁の温泉は極上です。

(『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』より引用)

 

私自身、お恥ずかしながら福島に温泉があることすらも知らなかったのですが、色々調べてみると「じゃらん」の全国温泉地満足度ランキングでは、堂々1位を獲得。う〜ん! 気になるっっ!!

 

東京から福島は遠くに感じてしまうかもしれませんが、新幹線に乗れば1.5時間。熱海や箱根とほぼ同じくらいの感覚で行けると思うと、意外と近いですよね。またこの「高湯温泉」は、福島駅から送迎してくれる旅館もあるそうなので、事前に調べてお邪魔するようにしましょう(現在は、コロナの影響で営業時間が変更や休業があるのでご注意ください)。

 

今すぐは行けなくても、「ここ行きたいな〜」を探すことはできる!

これまでのように思い立って、温泉へ! なんてことができにくくなってしまいましたが、その分じ〜っくり温泉旅行の計画を立てることができるようになりました。例えば、車で行くなら〇〇温泉にしよう! とか、雪景色を楽しめる温泉に行くぞ! とか、ワーケーションできる温泉旅館をいくつか探すぞ! などなど、探すことまで自粛する必要はありませんよね。

 

『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』にはおすすめの温泉地も多数掲載されていますし、「ひとり温泉」が初めてという方でも「なるほど、こういうことに気をつけておけばいいのね」といったポイントがたくさん掲載されています。またどうやって旅程を考えるかなど基本的な疑問も細かく紹介されています。

 

1 行きたい温泉地をだいたい絞る

2 観光協会・旅館組合サイトで情報収集

3 クチコミサイトでネガティブチェック

4 おおよその旅程を決定

(『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』より引用)

 

温泉を探す方法も、旅行サイトだけで調べていましたが、観光協会や旅館組合のサイトをチェックするとは盲点でした。私も高湯温泉の観光協会の公式サイトを見てみましたが、もう目が癒されまくりでした……。コロナが明けたら絶対、行くぞっ!

 

これまでのようにグループでわいわいと行く温泉旅行が難しい状況ですが、ひとりで温泉を嗜むことにフォーカスを当ててみると、意外と近場でも「いい温泉」はたくさんあることに気づかされます。今すぐは難しいかもしれないけれど、こんな時だからこそたくさん情報を集めて、楽しみを積み重ねておくことならできるはず。

 

私も「いつか」のために『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』を暗記する勢いで! 日本の素敵な文化である温泉を楽しむ計画をじっくりと立てていきたいと思っています。あぁ〜1日もはやく、心おきなく温泉にのんびり浸かれる日常に戻って欲しいなぁ。

 

【書籍紹介】

女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

著者:永井千晴
発行:幻冬舎

訪れた温泉は約500湯。ヒマさえあれば女ひとりで温泉を巡りまくっている「温泉オタク会社員」による温泉偏愛エッセイ!

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2泊3日温泉付き! 実に楽しそうな「TRPGフェスティバル2018」が話題

2泊3日の温泉つきでTRPGを遊びつくすイベント「TRPGフェスティバル2018」の開催が決定。“TRPG&温泉三昧”という贅沢すぎる企画に早くも話題が集まっている。

出典画像:「TRPG フェスティバル」公式サイトより出典画像:「TRPG フェスティバル」公式サイトより

 

熱海の温泉旅館でTRPG三昧!

TRPG(テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム)フェスティバルとは、名前のとおり架空のキャラクターを演じ、架空の体験を楽しむTRPGの“お祭り”。熱海の温泉旅館大野屋を貸し切るという非日常空間が用意され、2泊3日の日程で開かれる。

 

日程は2018年8月31日~9月2日で朝夕食事つき。広大な大野屋をフルに活用して、TRPGセッションはもちろん各種イベントも盛りだくさんで、一度では遊びきれないほどの企画が用意されるという。

 

TRPG出版各社やデザイナー陣、関係者が集まって参加者と一緒に卓を囲む同イベント。大人数で同時に遊ぶライブRPGは大規模イベントならではの体験だが、開催場所の大野屋も負けてはいない。品揃え豊富なバイキングが用意されるほか、巨大ローマ風呂&露天風呂で熱海の空気を満喫できるのも魅力的だ。

 

この発表にTRPGファンは興奮を隠しきれないようすで、ネット上には「超楽しそうやん!」「なにこれ行きたい… 熱海への軍資金を貯めなきゃ」「食事つきでゲームして温泉入れるなんて… 神か?」「この夏はTRPGフェスに集中しよう」といった声が続出している。

 

大盛況だった第1回!

熱狂的ファンの多いTRPGを遊びつくす同イベントは今回で2回目。第1回は2017年9月に大野屋で2泊3日の日程で実施され、開会式前から物販やコスプレ撮影コーナーがオープンした。また、明け方の“30時”まで行われるTRPGや、俳優と参加者が役割を演じて物語を進める体験型公演も展開。同公演の2日目のスケジュールが7時から31時まで設定されるなど、“朝から朝まで”ゲームを堪能する「TRPGフェスティバル」を象徴する形となった。

 

参加者からも「めっちゃ楽しかったー!」「ひたすら楽しめた3日間で大満足です!!」「遊び倒して完全に燃え尽きました…」など好評を博した同イベント。2年連続の開催が決定し、ネット上には「今年も開催してくれるなんて嬉しい!」「前回の初日は酒と温泉で終わってしまったから、今年はもっとゲームするぜ!」「大野屋さんのご飯も美味しかったからほんと最高の企画」と期待の声が溢れ返った。

 

食事と温泉を楽しみながら、日常を忘れて趣味に没入する夢の空間。「TRPGフェスティバル」で夏休みを締めくくるのもいいかもしれない。

冬はやっぱり「いい湯だな」ニッポン湯巡りの旅に出てみたい

フランスで大学生活をしている娘がお正月に帰省した。成田空港に着くと開口一番「あ~、ニッポンだ~! 温泉に入りた~い!」と言った。赤ちゃんの頃から湯船につかるのが大好きな娘だが、あちらの暮らしではシャワー浴だけなので、お湯につかりたくてたまらなかったのだ。

37953259 - kusatsu onsen is one of japan most famous hot spring resorts and is blessed with large volumes of high quality hot spring water said to cure every illness but lovesickness.

 

 

日本人は水もお湯も使いすぎ?

日本人の留学生は真面目で礼儀正しいので、海外のホームステイ先ではとても歓迎される。ただ、特に女性留学生が現地に到着後、ホストファミリーからよく注意されるのがシャワーの使い方、そして洗濯だ。

 

毎日入浴し、毎日洗濯をするのが私たち日本人だが、外国の人々にとってそれはあまりに贅沢すぎることらしい。フランス人でもドイツ人でもシャワーは1日おき、しかもササッと済ませ、長い時間シャワーを出しっぱなしにすることはない。もっとも平熱が37度以上もある欧州人だからそれでよくても、彼らに比べると約1度も体温が低い日本人は、冬場それでは体が温まらない。しかし郷に入れば郷に従うよりほかない。

 

さらに洗濯機を回すのは週に1~2回というのも一般的だ。節水の意識があちらではとても高いので、水の豊かな国から来た日本人は、あちらの人からすると「お水もお湯も使いすぎ」となってしまうのだ。

 

というわけで、風呂好きのわが娘も我慢我慢の生活をしているので、帰省中の最大の楽しみは“温泉”となるのだ。

 

 

女子大生の日本湯巡り紀行がおもしろい!

今回は滞在日数が少なかったので娘も温泉三昧とはならなかったが、1冊の本を見つけ「次はこんな風に、外国人の友だちを誘ってニッポン温泉巡りをしてみたい」と言っていた。

 

それが、『ハタチのニッポン湯巡り紀行01 はじまりの関東・東海編』(高原千晴・著/学研プラス・刊)。20歳の女子大生が軽自動車で車中泊しながら、ひとりで全国各地の温泉を取材したルポルタージュ。高原さんは半年間、毎日、道の駅で車中泊をし、2万5800km、山も海も、稚内から屋久島まで、湯につかった記録だ。この本はシリーズになっていて、1冊目が東京を出発し、神奈川、静岡への西へ進んで行ったもの。

 

はじまりの不安な気持ちと、たくさんの出会いと、まだまだ不慣れな温泉ルポをまとめた一冊です。(中略)旅に出る前、「車中泊も温泉取材も楽勝~!」と本気で思っていました。お金も時間もないのにグルメと観光尽くしだと信じ切っていました。今考えるとかなりアホだったなぁと笑えるのですが、アホでなかったら旅には出ていなかったので結果良かったと思うことにしています。

(『ハタチのニッポン湯巡り紀行01 はじまりの関東・東海編』から引用)

 

楽しいばかりではない苦労と涙ありのひとり旅だったようだが、高原さんにとっては振り返ると「愛しくてたまらない日々」となったそうだ。

 

 

「楽しいだけならみんなやってる」

旅の面白さは人との出会いにある。高原さんは愛知県の知多の海沿いの食堂で、ひとりのおじさんと相席になった。気のいいおじさんは戸惑う彼女の注文も「おまかせでええよ」と店主にしてしまう。

 

「日本一周してんのか」

「楽しいですけど、大変ですよ」

「そら楽しいだけなら、みんなやってるわ」

 

運ばれてくる料理は優しい味付けでおいしく、箸が止まらなかったそうだ。おじさんはそんな彼女の様子を見て「よー食べてかわええなー」と言い、「がんばってなー」と声をかけて先に出て行ったそうだ。

 

少し経ってお会計をしにいったら、お店のおばちゃんが「あのおじさん、あなたの分まで払ってくれたのよ」と一言。帰り際、食堂のご主人にも「お姉ちゃん日本一周してるんやって? 東京から? どうりで言葉がきれいや思ったわ。がんばってな、またきてな」と車が出るまで手を振ってくれて。もう目頭がさ。

 

「楽しいだけならみんなやっている」というのは、この日本一周が終わるまで、わたしを支えてくれた言葉でした。旅が終わってからも、あのおじさんのことをよく思い出します。辛いときには特に。

(『ハタチのニッポン湯巡り紀行01 はじまりの関東・東海編』から引用)

 

 

女子大生おすすめの温泉

さて、本書には東京6ヶ所、神奈川4ヶ所、静岡9ヶ所、愛知県3ヶ所、三重県7ヵ所の温泉が紹介されている。どこも安い入浴料で気軽に入れるところばかりだ。

 

なかでも高原さんが特におすすめなのが以下。

 

*東京「武蔵小山温泉 清水湯」/都内では珍しい源泉100%。二つの湯が楽しめる。そのひとつである底が見えない真っ黒な天然温泉は200万年前の地層から溢れ出る重炭酸ソーダ泉は、アルカリ性のため美肌効果が抜群だそう。もうひとつが黄金の湯という療養泉でデトックス効果も得られる。

 

*静岡「黒根岩風呂」/伊豆半島の南、北川温泉。露天風呂で目の前に広がる海、波の音を聞きながら湯船でゆっくり温まれる。塩化物泉。

 

*三重「猪の倉温泉 しらさぎ苑」/全国から客が押し寄せるアルカリ性単純温泉。ぬるぬるとろとろした肌感が最高に気持ちいいそう。内風呂、露天風呂がある。

 

*三重「湯ノ口温泉 湯元荘」/約700年前、後醍醐天皇が金山発掘を命じた際に偶然発見されたという温泉。源泉かけ流しで、内湯と露天風呂がある。泉質はナトリウム、カルシウム、塩化物泉。

 

この他にも行ってみたい、つかってみたい温泉ばかりだ。二十歳の女性の素直な感想、そして旅先での「出会い」のコラムもとても心温まる。

 

 

【著書紹介】

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ハタチのニッポン湯巡り紀行01 はじまりの関東・東海編

著者:高原千晴
出版社:学研プラス

2013年の3月1日~8月31日まで、ハタチの娘は日本中を車ひとつで温泉求めて走っておりました。楽しいけど、ちょっと切ない……。そんな湯巡り紀行をお楽しみください。今回は、スタート地点の東京から、神奈川・静岡・愛知・三重の5都県をご紹介します。

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