寝る前のたった1分でOK!育爪セラピストが教えるサロンに行かずに縦長ピンクの美爪を手に入れる方法

手の爪は、他人も自分も、見ていないようで実は意外と視界に入るパーツ。美は細部に宿るという言葉もあるように、爪の美しさにこだわると、周りにきちんとした印象を与えることができ、自分自身も視界に入るたびに気分があがります。

 

爪のケアと聞くと、ネイルサロンが思い浮かぶかもしれませんが、育爪セラピストの嶋田美津惠さんによると、セルフケアでも縦長の美しいピンクの爪を育てられるそう。その方法とおすすめの育爪アイテム、そして気をつけたい日常習慣を教えていただきました。

 

爪とその周りの皮膚が
うるおっていると美しく見える

そもそも美しい爪の条件とは、なんなのでしょうか。

 

「まず大切なのは、爪とその周りの皮膚がうるおっていることです。それだけで、指先は美しく見えます。さらに爪のピンク色の部分が指の先端まであると、より美しく感じられますね」(育爪セラピスト・嶋田美津惠さん、以下同)

 

[美しい爪の特徴]
・爪とその周りの皮膚がうるおっている
・爪のピンク色の部分が指の先端まである
・爪先が緩やかなカーブを描いていて、10本とも揃っている

 

生まれつき形がいびつ、ネイルや日々の水仕事でボロボロになっているなど、爪に自信がない人もいるでしょう。でも、ご安心を。嶋田さんは、「しっかりとケアすれば、爪は必ず変わる」と言います。

 

「毎日ケアをしていると、早い場合で1〜2日、遅い場合でも1ヶ月くらいで変化を実感できると思います。手の爪の生え替わりのスピードは、3ヶ月で半分ほど。そのため、3ヶ月間しっかりとケアすれば、ピンク色の部分が伸びて、手の印象が大きく変わります」

 

爪のトラブルの大半は
乾燥と摩擦が原因

縦線ができたり、二枚爪になったり、ささくれができたり、爪にはさまざまなトラブルが起こります。それぞれ何が原因なのでしょうか?

 

爪の縦線や二枚爪は、乾燥が原因である場合がほとんどなので、保湿をしっかりと行えば改善します。また、ささくれや小爪(爪のささくれ)も乾燥と摩擦が原因。健康的な爪を手に入れるには、予防と日々のケアが大切です。
また、稀ですが、手の爪に横線が入ってしまうことがあります。これは、ぶつけるなど直接的な衝撃を受けたことが原因。横線が入っている場合は、日常生活での指の使い方を変えるだけで、見た目が変わっていきます」

 

摩擦と聞くと、激しい作業を想像してしまいますが、「洗濯物をたたむだけでも、指先には摩擦が生じます」と嶋田さん。

「衣類をたたむときに、爪と布がこすれると摩擦が生じ、爪はどんどん乾燥していきます。そしてこの乾燥が、縦線やささくれの原因に。衣替えなど、たくさんの衣類に触れるときはとくに注意が必要ですね。ポリエチレンの手袋をつけるだけでも摩擦予防になるので、日常的にささくれや小爪に悩まされている方は、洗濯物をたたむときに試してみてください。これだけで大幅に改善されるはずです」

 

正しい「爪の整え方」と
寝る前1分でできる「乳化保湿」ケア

ここからは、基本の爪の整え方と毎日できるケア方法をご紹介します。

 

準備するもの

・爪やすり
・食用油
・水道水

 

爪切りは、湾曲した爪に対して一方向に大きな力がかかり、その衝撃でピンクの部分がはがれやすくなるのでNG。代わりに、爪やすりで整えましょう。また日々のケアは、水道水で乳化させたオイルで『乳化保湿』を行います。オイルは食用油でOK。100円ショップにある、オイル用のドロップポンプや化粧品の詰め替えボトルに移し替えると使いやすくなります」

 

[おすすめの食用油]
・ごま油(焙煎されていない色が薄いものがおすすめ )
・亜麻仁油
・ココナッツオイル
※ 品質をごまかせないよう、原材料が1種類だけのものがおすすめです
※ アレルギー反応が出たらすぐに使用を中止してください

 

爪の整え方

1.白い部分を1〜3mm残すように、爪やすりで長さを整える

2.「アークスクエア」を目指し、カーブをつくる

イラストは、アークスクエアの見本

 

3.角を整える

4.ぬるま湯に指先を10秒つけて、バリ(断面の繊維カス)を浮かび上がらせる

5.目の細かい爪やすりで、断面をきれいにする

「慣れてくると『やすりで整えたほうが爪がきれいに仕上がる』ということを実感できると思います。指先を見るのが愛おしくなりますし、指先だけでなく手全体が美しく感じられるので、誰に見られても恥ずかしくなくなります。まずは、爪切りを使わないことから始めてみてください」

 

乳化保湿の仕方

1日1回、寝る前に行うだけで効果をすぐに実感できるケアが、オイルと水を使った乳化保湿です。指先の乾燥を防げるだけでなく、爪に弾力が生まれ、丈夫で欠けにくい爪になります。

 

1.爪の裏側と指の間にオイルを垂らす

 

2.両手の指先をすり合わせオイルをもみこみ、爪全体にオイルを行き渡らせる

 

3.片方の手のひらに1円玉くらいの量の水をたらす

 

4.指先についたオイルと水を混ぜ合わせて乳化させる

 

5.乳化したオイルを指の間や手のひらなど、手全体に馴染ませる

「乳化保湿を1日1回続けていると、爪や手が乾燥しているのか、それともうるおっているのかが、自然とわかるようになってきて、もっと保湿したくなっていきます。そんなときは1日3回、食事の前の『いただきます』のときにもやってみてください」

 

乳化保湿のついでに「爪もみ」を

「爪の生え際には自律神経のバランスを整える『井穴(せいけつ)』というツボがあり、そこを刺激すると、リラックスできたり、免疫力が高まると言われています。乳化保湿をしたあとに、親指から人差し指、中指……の順番に爪の生え際を指の腹で挟んで押しもみすると、健康にもなって一石二鳥です」

 

指の使い方を工夫するだけで「美爪」に

毎日ケアをしていても、指の使い方を間違えるとその努力が水の泡になってしまうことも。日々の生活のなかでとくに気をつけたい、指の使い方も教えていただきました。

 

ボタンの押し方

エレベーターのボタンや照明スイッチを指先で押すと、爪と指がはがれてピンクの部分が減ってしまいます。一方、指の関節で押すと、爪と指がはがれず、ピンクの部分が伸びやすくなります。

 

缶のプルタブの開け方

缶コーヒーやお酒など、プルタブを開ける際に「爪の先」を使っていませんか? それだと爪と指がはがれてピンクの部分が減ってしまいます。痛めないためには、プルタブの下に10円玉などの硬貨を挿し込んで開けるようにしましょう。

 

ラベルのはがし方

ペットボトルのラベルや宅配便の宛名ラベルを、爪でガリガリと引っかくようにはがしている人も多いのではないでしょうか。実はこれも、ピンクの部分が減る原因に。それを避けるためには、まず、爪をラベルの下にもぐり込ませるようにして、ラベルの端を指でつまめるぐらいまではがします。そのあと、指の腹と関節の側面を使ってゆっくりはがしましょう。

「ほかにも髪の毛を洗うときにシャンプーブラシを使ったり、ドライヤーで乾かすときに手ぐしではなくブラシを使ったり、ちょっと意識を変えるだけで爪のピンクの部分が減るのを防げます。できるところから実践してみてください」

 

揃えておきたい育爪アイテム3選

最後に、嶋田さんお墨付きの育爪アイテムを3つ教えていただきました。

 

1すっぴん爪専用のやすり

IKUZUME「爪育やすり
1540円(税込)

「洗って何度も使える育爪専用の紙やすりです。黒いやすりで長さを整え、ピンクとさらに目の細かいグレーで仕上げます。消耗品なので、削りにくくなったら買い換えましょう」

 

2育爪専用オイル

IKUZUME「育爪セサミ・デオドライズド(脱臭/20ml)
3080円(税込)

「フェアトレード契約を結んだ農家さんたちが栽培した有機ごまで作られたオイル。水蒸気で脱臭してあるので、周りを気にせず使えます。1日5回の使用で約4週間分です」

 

3育爪専用シアバター

IKUZUME「育爪カリテ(シアバター)
5830円

「乳化保湿のあとにシアバターを塗ると、保湿効果が長続きします。ささくれ、硬くなった皮膚、肌荒れといった爪周りのケアだけでなく、ボディバームや日焼け止めとしても使えます。水蒸気で脱臭してあるので香りが苦手な方にもおすすめです」

 

「すっぴんの爪がきれいになると、手全体が美しくなり、自信が持てるようになる」と嶋田さん。乳化保湿は寝る前のたった1分でできてしまうケアです。1日頑張った自分を癒す時間として「セルフ育爪」を始めてみてはいかがでしょうか。

 

Profile

育爪セラピスト / 嶋田美津惠

育爪株式会社 代表。「育爪サロン」を東京と大阪で2店舗経営。これまで施術した人数は1万人を超える。著書に『女は爪で美人になる』(SBクリエイティブ)、『育爪のススメ』(マガジンハウス)がある。
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