音質と通話品質も進化! デザインが目を引く完全ワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeBuds 6」

連日のように新製品が登場する完全ワイヤレスイヤホンですが、耳の穴に入れ込むインナーイヤー型だと見た目の印象は同じになりがち。そんな中、デザイン性で違いがわかりやすいのが「HUAWEI FreeBuds」シリーズです。

 

ファーウェイ・ジャパンはシリーズ最新モデル「HUAWEI FreeBuds 6」を発表しました。市場想定価格は2万1780円(税込)で、発売は6月3日。発表会で製品の概要を見てきたので、レポートしていきます。

↑ホワイト、パープル、ブラックと3色をラインアップするHUAWEI FreeBuds 6。

 

HUAWEI FreeBuds 6は、ほかのイヤホンにはないデザイン性、音質、通話品質の3つを特徴とする製品です。デザインは前モデル「HUAWEI FreeBuds 5」から引き続き、水滴を連想させる形状を採用。それでいてイヤホン本体が前モデルから約9%軽くなったうえに、約12%小さくなっています。

↑水滴デザインは公式でもアピールしています。

 

↑小型軽量を実現したイヤホン本体。

 

また、人間工学に基づいて約1万回のシミュレーションを実施して設計することで、フィット感を高めています。付属のイヤーチップでよりフィットするよう調整もできます。

 

音質面では、11mmのデュアルマグネットドライバーユニットに加え、独自開発のマイクロ平面振動板ドライバーユニットを搭載。これにより、14~48000Hzの幅広い再生周波数帯域を実現しました。デュアルマグネットドライバーも構造を見直し、前モデルに比べて低域の駆動力が約77%向上しているといいます。コーデックはL2HC/LDAC/AAC/SBCに対応しています。

↑迫力のある低音を鳴らすデュアルマグネットドライバーユニット。

 

通話は、トリプルマイクと高性能な音声認識を実現する骨伝導センサーによって、ノイズリダクション性能が進化。イヤホンを装着している人の声をピックアップし、AIのアルゴリズムが周囲の雑音と声を切り分けることで、騒がしい環境下でも相手にクリアではっきりとした声を届けるとしています。

 

アクティブノイズキャンセリング機能も搭載。トリプルマイクが周囲の雑音と外耳道内のノイズを検知するうえに、装着状態や外耳道内の状態を把握することで、最適な音量やノイズキャンセリングを調整するとのこと。ノイズキャンセリングのモードは、騒音のレベルに合わせて自動で変更されるため、シーンに合わせて最適なモードになるとしています。

↑イヤホンをタップするとアクティブノイズキャンセリングのオンオフが可能。

 

↑人差し指から親指より少し上の位置あたりまでがタッチ操作に対応。アクティブノイズキャンセリングのほか、音楽再生や送り、前の曲に戻る、ボリュームの上げ下げが可能です。

 

バッテリーはイヤホン単体で最大6時間(アクティブノイズキャンセリングオフ時)、充電ケースと組み合わせれば最大36時間の再生が可能です。また急速充電に対応しており、充電ケースに戻して5分間待つだけで約2.5時間(アクティブノイズキャンセリングオフ時)使用できます。

 

このほか、マルチポイント接続やIP54の防じん防水、独自アプリによるイコライザー調整などに対応しています。

↑Bluetooth接続は充電ケースを開いた状態からケースサイドにあるボタンを押してペアリング。

 

一番の特徴はやはり目を引くデザインですが、音質や通話品質も高められており、全体的な製品のレベルが上がった印象です。人とは違う完全ワイヤレスイヤホンがほしい、でもデザインだけじゃない、イヤホンとしてのパフォーマンスも求めたい、なんて人にはうってつけでしょう。

 

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健康測定の精度もGPSの精度も進化! 「HUAWEI WATCH 5」など新スマートウォッチ発表会レポート

ファーウェイ・ジャパンから一気に3製品のスマートウォッチが登場しました。それぞれ特徴が違うため、スマートウォッチを手にしたい人にとって選択肢が広がりそうです。

 

今回は製品の発表会を取材したので、取材の様子を交えてそれぞれの製品についてレポートしていきます。まずは製品のラインアップと市場想定価格を見ていきましょう。

↑HUAWEI WATCH 5。

 

HUAWEI WATCH 5

46mm/ブラック/7万1280円(税込)

46mm/パープル/7万6780円(税込)

42mm/ベージュ/7万6780円(税込)

 

HUAWEI WATCH FIT 4 Pro

フルオロエラストマーベルト/ブルー・ブラック/3万7180円(税込)

ナイロンベルト/グリーン/3万9380円(税込)

↑HUAWEI WATCH FIT 4 Pro。

 

HUAWEI WATCH FIT 4

フルオロエラストマーベルト/ブラック・ホワイト・パープル/2万3980円(税込)

ナイロンベルト/グレー/2万5080円(税込)

↑手前に映っているのがHUAWEI WATCH FIT 4。

 

指を当てるだけで複数の測定が可能。デザイン性と使い勝手も高い

HUAWEI WATCH 5は、デザイン性の高さと最新テクノロジーを両立させたスマートウォッチです。デザインはボディ全体を見ると、滑らかな流線型を採用。またカラバリによってボディの素材を変えており、ブラックは316Lステンレス、パープルはチタン合金、ベージュは904Lステンレスを使用しています。

↑パープルのHUAWEI WATCH 5。

 

↑パープルのベルトは表面に立体織物加工を施したフルオロエラストマーを採用。ホワイトも同じで、ブラックは加工なしのフルオロエラストマーです。

 

さらに、ファーウェイ製スマートウォッチのなかで最も狭いベゼル幅となっており、画面を見たときの没入感を高めています。ディスプレイにはサファイアガラスを採用。高い耐擦傷性を備えつつ、球面によって流線型デザインをさらに印象付けます。このほか、466×466ドットの有機EL、約80.4%の画面占有率、ファーウェイのスマートウォッチ史上最高輝度の3000nitsと、高いディスプレイ性能を実現しています。

 

最新テクノロジーにおいては、本体右側に圧力センサー、心電図に使用する電極、PPG光電式センサーが一体化した新たなセンサーモジュール「HUAWEI X-TAP」を搭載。HUAWEI X-TAPに指を当てるだけで、健康管理機能「Health Glance」が起動し、心電図、心拍数、血中酸素レベル、体表面温度、ストレスレベルをリアルタイムで測定します。加えて、一定期間ウォッチを装着していることで、心拍変動、情緒、睡眠時呼吸乱れも測定結果としてまとめて知ることができます。

↑りゅうずの左となり、2つの丸いくぼみが付いている部分がHUAWEI X-TAP。ここに人差し指を当てます。

 

↑これらの測定結果は単にまとめて確認できるだけでなく、それぞれの健康モニタリング機能の精度も上がっているそうです。

 

ワークアウトにおいては、ファーウェイのフラッグシップに位置づけられる「HUAWEI WATCH GT 5 Pro」とほぼ同等のモニタリング機能を搭載しました。フルカラーマップを画面に映しながらのランニングやウォーキング、日本の99%以上のゴルフ場で利用できるゴルフナビ機能などに対応しています。5ATMやIP69の防水性能、ダイビングアクセサリー規格のEN13319に対応しているため、40mのフリーダイビングでも使用できます。

 

使い勝手においても新機能に対応。ファーウェイのスマートウォッチとして初めてNPUを搭載したことで、ウォッチを装着した方の指でジェスチャー操作が可能になりました。かかってきた電話を取ったり、アラームを止めたりできます。ジェスチャーを使ったゲームも楽しめます。

↑パソコンなどでAIの処理を担うNPUを搭載。

 

↑指をつまんだり、親指で人差し指の側面をなでたりするジェスチャーでスマートウォッチを操作できます。

 

このほかeSIM対応や最大11日間のバッテリー駆動時間も特徴です。

 

せっかく身に着けるスマートウォッチだから最新テクノロジーに触れたい、でも時計らしいデザインも捨てたくないという人に応える製品といえます。そのなかでも健康管理面の機能は充実しているため、体に気を使いたい人にはピッタリでしょう。また、数年ぶりにスマートウォッチを買い替える人にとっても、測定精度の高さに満足できそうです。

 

多くのスポーツに対応したFITシリーズのフラッグシップモデル

HUAWEI WATCH FIT 4 ProはFITシリーズの4世代目にあたり、シリーズのなかでフラッグシップに位置付けられる製品です。大きな特徴としては多種多様なスポーツに対応していることが挙げられます。

↑HUAWEI WATCH FIT 4 Proのグリーンモデル。

 

↑グリーンモデルは通気性に優れたナイロンベルトを採用。

 

新たに気圧計を搭載したことで、登山やトレイルランニングに活用可能。スマホアプリ「HUAWEI Health」から等高線入りのフルカラーマップをダウンロードしておけば、ウォッチ画面で確認できます。

 

また、別のアプリで作成した登山やトレイルランのルートをGPXファイルとして読み込めるため、オフラインでもウォッチ上でルートを見られます。ルートから外れると音声で知らせる機能のほか、残りのルート距離や上昇距離、自分の心拍数や血中酸素レベルも確認できるので、安心して登山やトレーニングに臨めそうです。

 

こうした屋外のワークアウトでも活用できるよう、深い山中でも安定した位置測位が可能になるなど、ルート精度を高めているとのこと。本体に搭載された「ヒマワリ型アンテナ」と独自のアルゴリズムにより、ウォッチがどの位置・どの向きにあっても、常に衛星の方向を自動で認識。これにより、GPS精度は「HUAWEI WATCH FIT 3」に比べて約20%以上高くなっているそうです。

↑GPS精度の向上を実現するヒマワリ型アンテナシステム。

 

HUAWEI WATCH GT 5 Proと同等のゴルフ機能も搭載。2400以上のゴルフ場マップをHUAWEI Healthからダウンロードしてウォッチで見られます。グリーンはもちろん、バンカーや池といった距離が一目でわかるほか、グリーンの方向と距離がコンパス画面で確認可能。コースを外れてもリカバリーできます。

 

さらに、ダイビングアクセサリー規格のEN13319に対応するため、40mのフリーダイビングでも使用できます。専用のワークアウトモードを起動すれば、水深や時間に関するリマインダー/アラームの設定も可能。

↑ダイビングにも使用可能。もちろん、ほかのマリンスポーツでも使えることになります。

 

これらのスポーツシーンで活用できるようにするため、ボディにもこだわったそうです。ディスプレイは耐摩耗性と耐擦傷性に優れたサファイアガラスを採用。ボディは航空グレードのアルミニウム合金、ウォッチのフチはチタニウム合金を使用しました。

 

ディスプレイは480×408ドットの有機ELで、サイズは1.82インチ。最大輝度は3000nitsを実現しています。

 

健康モニタリングも充実しており、心電図のほかに「快適」「普通」「不快」で判断する「情緒モニタリング」、ストレス測定、血中酸素レベル、睡眠測定が可能です。

 

バッテリーは最大で約10日間使用できる容量を備えています。またシリーズで初めてワイヤレス急速充電に対応し、約60分でフル充電できます。

 

多くのスポーツシーンで活躍できるポテンシャルを持ちながら、3万7000円台からとお手頃な価格に抑えられているのは魅力。アクティブな趣味が多い人にとってはいい選択肢となりそうです。

 

手に取りやすい価格ながら新機能をしっかり搭載

HUAWEI WATCH FIT 4は、より手に取りやすいモデル。約1.82インチのディスプレイを搭載するほか、本体は前モデルのHUAWEI WATCH FIT 3より薄くなっています。

↑HUAWEI WATCH FIT 4。

 

また、上位モデルのHUAWEI WATCH FIT 4 Pro同様、気圧計を搭載したため、登山やトレイルランニングにも対応。ヒマワリ型アンテナとデュアルバンド5種衛星システムにより、GPSの精度も向上しています。

 

健康管理においては、新たに情緒モニタリングに対応したうえ、心拍変動などが追加された睡眠モニタリング機能も搭載しました。

 

どの製品も前モデルから順当に進化しており、間違いなく買い替えて損はないでしょう。特にスポーツにおけるGPS精度や健康管理における測定精度の向上はうれしいところ。またこれからスマートウォッチを手にする人にとっても新しい3モデルから選べるのはうれしい悩みになりそうです。もちろん、すでに発売されているGTシリーズやBandシリーズも含めて選ぶ楽しみもあります。それぞれデザインから特徴、価格帯まで違うので、気になる人は店頭やWebで見比べてみてください。いずれも予約は5月27日からスタートで、発売は6月3日です。

 

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健康測定の精度もGPSの精度も進化! 「HUAWEI WATCH 5」など新スマートウォッチ発表会レポート

ファーウェイ・ジャパンから一気に3製品のスマートウォッチが登場しました。それぞれ特徴が違うため、スマートウォッチを手にしたい人にとって選択肢が広がりそうです。

 

今回は製品の発表会を取材したので、取材の様子を交えてそれぞれの製品についてレポートしていきます。まずは製品のラインアップと市場想定価格を見ていきましょう。

↑HUAWEI WATCH 5。

 

HUAWEI WATCH 5

46mm/ブラック/7万1280円(税込)

46mm/パープル/7万6780円(税込)

42mm/ベージュ/7万6780円(税込)

 

HUAWEI WATCH FIT 4 Pro

フルオロエラストマーベルト/ブルー・ブラック/3万7180円(税込)

ナイロンベルト/グリーン/3万9380円(税込)

↑HUAWEI WATCH FIT 4 Pro。

 

HUAWEI WATCH FIT 4

フルオロエラストマーベルト/ブラック・ホワイト・パープル/2万3980円(税込)

ナイロンベルト/グレー/2万5080円(税込)

↑手前に映っているのがHUAWEI WATCH FIT 4。

 

指を当てるだけで複数の測定が可能。デザイン性と使い勝手も高い

HUAWEI WATCH 5は、デザイン性の高さと最新テクノロジーを両立させたスマートウォッチです。デザインはボディ全体を見ると、滑らかな流線型を採用。またカラバリによってボディの素材を変えており、ブラックは316Lステンレス、パープルはチタン合金、ベージュは904Lステンレスを使用しています。

↑パープルのHUAWEI WATCH 5。

 

↑パープルのベルトは表面に立体織物加工を施したフルオロエラストマーを採用。ホワイトも同じで、ブラックは加工なしのフルオロエラストマーです。

 

さらに、ファーウェイ製スマートウォッチのなかで最も狭いベゼル幅となっており、画面を見たときの没入感を高めています。ディスプレイにはサファイアガラスを採用。高い耐擦傷性を備えつつ、球面によって流線型デザインをさらに印象付けます。このほか、466×466ドットの有機EL、約80.4%の画面占有率、ファーウェイのスマートウォッチ史上最高輝度の3000nitsと、高いディスプレイ性能を実現しています。

 

最新テクノロジーにおいては、本体右側に圧力センサー、心電図に使用する電極、PPG光電式センサーが一体化した新たなセンサーモジュール「HUAWEI X-TAP」を搭載。HUAWEI X-TAPに指を当てるだけで、健康管理機能「Health Glance」が起動し、心電図、心拍数、血中酸素レベル、体表面温度、ストレスレベルをリアルタイムで測定します。加えて、一定期間ウォッチを装着していることで、心拍変動、情緒、睡眠時呼吸乱れも測定結果としてまとめて知ることができます。

↑りゅうずの左となり、2つの丸いくぼみが付いている部分がHUAWEI X-TAP。ここに人差し指を当てます。

 

↑これらの測定結果は単にまとめて確認できるだけでなく、それぞれの健康モニタリング機能の精度も上がっているそうです。

 

ワークアウトにおいては、ファーウェイのフラッグシップに位置づけられる「HUAWEI WATCH GT 5 Pro」とほぼ同等のモニタリング機能を搭載しました。フルカラーマップを画面に映しながらのランニングやウォーキング、日本の99%以上のゴルフ場で利用できるゴルフナビ機能などに対応しています。5ATMやIP69の防水性能、ダイビングアクセサリー規格のEN13319に対応しているため、40mのフリーダイビングでも使用できます。

 

使い勝手においても新機能に対応。ファーウェイのスマートウォッチとして初めてNPUを搭載したことで、ウォッチを装着した方の指でジェスチャー操作が可能になりました。かかってきた電話を取ったり、アラームを止めたりできます。ジェスチャーを使ったゲームも楽しめます。

↑パソコンなどでAIの処理を担うNPUを搭載。

 

↑指をつまんだり、親指で人差し指の側面をなでたりするジェスチャーでスマートウォッチを操作できます。

 

このほかeSIM対応や最大11日間のバッテリー駆動時間も特徴です。

 

せっかく身に着けるスマートウォッチだから最新テクノロジーに触れたい、でも時計らしいデザインも捨てたくないという人に応える製品といえます。そのなかでも健康管理面の機能は充実しているため、体に気を使いたい人にはピッタリでしょう。また、数年ぶりにスマートウォッチを買い替える人にとっても、測定精度の高さに満足できそうです。

 

多くのスポーツに対応したFITシリーズのフラッグシップモデル

HUAWEI WATCH FIT 4 ProはFITシリーズの4世代目にあたり、シリーズのなかでフラッグシップに位置付けられる製品です。大きな特徴としては多種多様なスポーツに対応していることが挙げられます。

↑HUAWEI WATCH FIT 4 Proのグリーンモデル。

 

↑グリーンモデルは通気性に優れたナイロンベルトを採用。

 

新たに気圧計を搭載したことで、登山やトレイルランニングに活用可能。スマホアプリ「HUAWEI Health」から等高線入りのフルカラーマップをダウンロードしておけば、ウォッチ画面で確認できます。

 

また、別のアプリで作成した登山やトレイルランのルートをGPXファイルとして読み込めるため、オフラインでもウォッチ上でルートを見られます。ルートから外れると音声で知らせる機能のほか、残りのルート距離や上昇距離、自分の心拍数や血中酸素レベルも確認できるので、安心して登山やトレーニングに臨めそうです。

 

こうした屋外のワークアウトでも活用できるよう、深い山中でも安定した位置測位が可能になるなど、ルート精度を高めているとのこと。本体に搭載された「ヒマワリ型アンテナ」と独自のアルゴリズムにより、ウォッチがどの位置・どの向きにあっても、常に衛星の方向を自動で認識。これにより、GPS精度は「HUAWEI WATCH FIT 3」に比べて約20%以上高くなっているそうです。

↑GPS精度の向上を実現するヒマワリ型アンテナシステム。

 

HUAWEI WATCH GT 5 Proと同等のゴルフ機能も搭載。2400以上のゴルフ場マップをHUAWEI Healthからダウンロードしてウォッチで見られます。グリーンはもちろん、バンカーや池といった距離が一目でわかるほか、グリーンの方向と距離がコンパス画面で確認可能。コースを外れてもリカバリーできます。

 

さらに、ダイビングアクセサリー規格のEN13319に対応するため、40mのフリーダイビングでも使用できます。専用のワークアウトモードを起動すれば、水深や時間に関するリマインダー/アラームの設定も可能。

↑ダイビングにも使用可能。もちろん、ほかのマリンスポーツでも使えることになります。

 

これらのスポーツシーンで活用できるようにするため、ボディにもこだわったそうです。ディスプレイは耐摩耗性と耐擦傷性に優れたサファイアガラスを採用。ボディは航空グレードのアルミニウム合金、ウォッチのフチはチタニウム合金を使用しました。

 

ディスプレイは480×408ドットの有機ELで、サイズは1.82インチ。最大輝度は3000nitsを実現しています。

 

健康モニタリングも充実しており、心電図のほかに「快適」「普通」「不快」で判断する「情緒モニタリング」、ストレス測定、血中酸素レベル、睡眠測定が可能です。

 

バッテリーは最大で約10日間使用できる容量を備えています。またシリーズで初めてワイヤレス急速充電に対応し、約60分でフル充電できます。

 

多くのスポーツシーンで活躍できるポテンシャルを持ちながら、3万7000円台からとお手頃な価格に抑えられているのは魅力。アクティブな趣味が多い人にとってはいい選択肢となりそうです。

 

手に取りやすい価格ながら新機能をしっかり搭載

HUAWEI WATCH FIT 4は、より手に取りやすいモデル。約1.82インチのディスプレイを搭載するほか、本体は前モデルのHUAWEI WATCH FIT 3より薄くなっています。

↑HUAWEI WATCH FIT 4。

 

また、上位モデルのHUAWEI WATCH FIT 4 Pro同様、気圧計を搭載したため、登山やトレイルランニングにも対応。ヒマワリ型アンテナとデュアルバンド5種衛星システムにより、GPSの精度も向上しています。

 

健康管理においては、新たに情緒モニタリングに対応したうえ、心拍変動などが追加された睡眠モニタリング機能も搭載しました。

 

どの製品も前モデルから順当に進化しており、間違いなく買い替えて損はないでしょう。特にスポーツにおけるGPS精度や健康管理における測定精度の向上はうれしいところ。またこれからスマートウォッチを手にする人にとっても新しい3モデルから選べるのはうれしい悩みになりそうです。もちろん、すでに発売されているGTシリーズやBandシリーズも含めて選ぶ楽しみもあります。それぞれデザインから特徴、価格帯まで違うので、気になる人は店頭やWebで見比べてみてください。いずれも予約は5月27日からスタートで、発売は6月3日です。

 

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LOHACO(ロハコ)がアスクルと共催した5年ぶりのリアルイベントを回想。「いい明日がくる展」が示す未来と注目商品とは

昨年東京・二子玉川で、法人向け通販「ASKUL」と個人向け通販「LOHACO」が合同で、商品体験イベント「いい明日(あす)が来る展」を開催。会場には、47社ものメーカーとコラボした限定販売商品やオリジナル商品、合計59商品が集結。いま買える商品と、イベント前日に開かれた記者向け内覧会の様子とともにレポートします。

 

5年前より“未来”に目を向けたイベントに変化

「ASKUL」と「LOHACO」はアスクル株式会社が展開する通販サービスで、前者は法人向け、後者は個人向けに展開しているという違いがあります。この2つのサービスが一緒にイベントを開催するのは、今回が初。ちなみにLOHACOは過去に5回( 2015年のTOKYO DESIGN WEEK 2015も含めた回数)リアルイベントを行なっていますが、今回、5年ぶりの開催となりました。

↑写真は内覧会前に行われた商品説明会に登壇するアスクル株式会社の執行役員・マーチャンダイジング本部長の竹久美月さん。

 

この5年を振り返ると、コロナ禍はもちろん、SDGsの浸透、AIをはじめとしたテクノロジーの進化など、私たちの暮らしは大きく変化しました。それらを踏まえ、5年前までは「暮らしになじむLOHACO展」とされていたイベント名も「いい明日がくる展」に、さらにメインテーマやコンセプトも変更されました。

↑メインテーマは「デザイン」から「よりよい未来へ」、ターゲットは「くらし」から「仕事場とくらし」に変更。元々のテーマが「デザイン」だったのは、オリジナルデザインの商品を多数展開している点がLOHACOの特徴のひとつだからです。

 

↑今回のイベントのコンセプトは、SDGsをより意識した内容に。

 

今回、2サービスが合同でイベントを行ったのは、テレワークの普及を筆頭に働き方が変化し、仕事と暮らしの境目が以前よりもあいまいになったことで、使うアイテムもシームレス化してきたためだといいます。

 

実際に会場では、業務向けのASKUL、生活向けのLOHACOといった形で商品を分けることはせずに展示されていました。また、ワークスペースや打ち合わせスペース、キッチン、トイレ、介護施設などを再現したスペースが用意されており、たとえば打ち合わせスペースとキッチンの両方に同じ商品が置かれるなど、ほぼすべての商品が複数箇所に置かれていたのも特徴です。

 

イベント会場で見つけた注目商品10選

それでは会場に展示されていた商品から、筆者が「お!」と思った商品をご紹介しましょう。

 

●バスタイム革命! シャワーヘッドからボディソープの泡が出る

花王「ビオレ ザ ボディ『泡で出てくるボディウォッシュ シャワーヘッド 今治タオル付』」
1万4080円(税込)
アスクル取扱ロハコ取扱

 

会場で多くの記者の目を引いていたのが、この泡が出るシャワーヘッドです。最近はマイクロバブルなど超微細な泡状のお湯が出るシャワーヘッドが増えていますが、これはお湯ではなく洗浄剤がシルキーな泡になって出てくるという、シャワーヘッド界の革命児。

 

浴びるだけで全身の汚れを落とすことができ、手が届きにくい背中も手軽に洗えます。さらにゴシゴシこする必要がないため、肌への摩擦はほぼゼロ。もちろん泡を洗い流すためにお湯だけを出すことも可能。普段の入浴だけでなく、介護や育児における入浴補助でも活躍しそうなアイテムです。

 

ビオレは、固形石鹸が当たり前だった時代にボディソープを開発し、ボディ洗浄の常識を変えたブランド。再び、新時代を切り開く商品となりそうです。

 

●個人情報保護スタンプがインテリア性をアップ!

プラス「ローラーケシポン スリムフィット」
478円(税込)
アスクル取扱ロハコ取扱

 

郵便物等の個人情報を隠せるローラー型スタンプシリーズ「ケシポン」の新モデル。「ケシポン」は筆者も愛用しているシリーズで、個人情報の隠蔽力の高さは身をもって体感済み。本品では新たにソフトな捺印面が採用されており、ダンボールの凹凸面であってもかすれにくいとのこと。残念ながら会場には試し捺しができなかったのですが、ローラーを往復させる回数を減らせる可能性を鑑み、買い替え候補に浮上しました。

 

また本品は、ボディが紙素材でできていて、プラスチック使用量が少ないのも特徴。紙ならではのやわらかな風合いのおかげで事務用品感がなく、従来品よりもインテリアに馴染む点も魅力です。口紅をひとまわり大きくしたようなスリムなサイズ感は、子どもなどの小さな手でも握りやすそうだと感じました。

 

●打ち合わせにピッタリ容量で持ち帰り時の負担も少ない

アスクル「LOHACO Water 210㎖ ラベルレス(20本入り)」
1160円(税込)
アスクル取扱ロハコ取扱

 

地味ながらも見た瞬間に、「これこれ!」と思ったのが本品です。というのも筆者は、90%ぐらいの確率で、打ち合わせ先で出されたペットボトルの水やお茶を中身がほぼ残った状態で持ち帰っていたからです。帰ったあともバッグに入れっぱなしで、数日後に発見し、「もったいないなぁ」と思いつつ処分する……なんてことを繰り返す日々。

 

本品の210mlは、コップ1杯より少し多いぐらいの量。夏場であれば1時間の打ち合わせ中に、飲み切るのは難しくありません。ちなみに今回の内覧会で一本いただいたところ、(秋だったこともあり)飲み切れず持ち帰ることになりましたが、このサイズと重さのおかげでバッグ内での存在感はないに等しい印象でした。

 

季節に応じて、350mlや500mlと使い分けても良いかもしれません。ちなみにボトル自体には、100%リサイクルペットボトルが使われています。

 

●くるくる剥がして中身を繰り出す新設計のリップクリーム

(※写真はアスクル株式会社提供)

ロート製薬「メンソレータム グリーンネイチャー リップスティック」
1078円(税込)
アスクル取扱ロハコ取扱

 

今回、ビジュアル的に最もインパクトが強く、それでいて実用性の高さを感じたのがこのリップクリームです。文房具好きや絵を描く人なら知っているであろう三菱鉛筆の「ダーマトグラフ」のように、紙をくるくるはがしながら使う斬新なアイテム。

 

紙容器にすることでプラスチック使用料を削減したエコなアイテムですが、それ以上に実用性が高い気がしました。というのも筆者はよくポケットにリップクリームを入れて持ち歩いているのですが、そうするとポケットの中で中身が繰り出され、先端がキャップの内側でぐちゃっと押しつぶされてしまうからです。実際には試せていませんが、本品ならそういったアクシデントが起きにくい気がします。

 

また、残量が少なくなったときに、フタを開けたときに中身がボディから抜け落ちてしまったり、キャップ側にくっついていしまったりといった心配もいらなさそうです。

 

●おしゃれなだけじゃなく環境にやさしい日本初のアルミホイル

東洋アルミ「抗菌 サンホイル」
328円(税込)
アスクル取扱ロハコ取扱

 

一見、従来の「サンホイル」を出しっぱなしにしても気にならないデザインにしただけのように思えますが、実はこれ、日本初のアルミホイル。何が日本初かというと、二酸化炭素の排出量が少ない再生可能エネルギーを活用して作られたアルミニウム「グリーンアルミ」を100%使っている点です。

 

さらに素材自体に抗菌性があるため、付着した菌の増殖を抑制することも可能。化学抗菌剤が使われていないので、安心して食品に使うことができます。

 

●廃棄された切れ端を袋に詰めてアップサイクル

KINCHO「サッサの耳 ホコリ取り」
ASKUL:660円/LOHACO 598円(ともに税込)
アスクル取扱ロハコ取扱

 

発売から50年以上経つロングセラーのおそうじシート「サッサ」。その製造工程でどうしても生まれてしまい、これまでは廃棄されていた「耳(切れ端)」を袋詰めにして商品化したアップサイクル商品。

 

割り箸に巻きつけてすきま掃除に活用したり、数本束ねて割り箸などにゴムやテープで留めてハタキにしたりと、アイデア次第で様々な使い方ができるのが魅力です。素材自体は丈夫で水にも強い三層構造。

 

実際に自宅で使用したところ、不揃いかつ切りっぱなしのまま袋にギュウギュウに詰まっているおかげで、いい意味で適度にヨレヨレになっており、例えばケーブルが集まっている場所や凹凸面のホコリ取りに使う場合は、シート状のサッサより、ホコリがしっかり付着する気がしました。

 

●一度に4枚同時に流してもトイレが詰まらず時短&節水に

レック「こころ想い トイレに流せるおしりふき」
348円(税込)
アスクル取扱ロハコ取扱

 

介護の必須アイテムともいえる大人用のおしりふき。トイレットペーパーと同じ水へのほぐれやすさを持つ本品は、従来品が一度に1枚しかトイレに流せなかったのに対し、4枚まで流すことができます。どうしてもニオイが気になってしまう使用済みのシート。それを短時間で処理することができ、介護施設や家庭で介護をしている人の負担を減らせます。

 

またトイレの水を流す回数が減ることで、節水にも貢献。部屋の中にそのまま置いてもウェットティッシュやフローリングのお掃除シートにも見えるデザインで、介護用品感がないのも嬉しいポイントです。

 

●すべての花粉症患者へ。備蓄用にもぴったりなコンパクト大容量ティッシュ

王子ネピア「ネピア GUUTOO!詰め替え用圧縮ティシュ」
880円(税込)
アスクル取扱ロハコ取扱

 

筆者は春と秋、両方の花粉に反応する花粉症重症患者。そのため、我が家はティッシュ消費量が多く、常にストックが欠かせません。そこで気になるのが、とにかく場所を取ること。そんなプチストレス解消にぴったりな商品がこちらです。

 

なんと「鼻セレブ」などの大型箱ティッシュの1.5倍くらいのサイズでありながら、通常のティッシュ5箱分(1000組)が名前の通り“グッ”と圧縮されているんです。必要なぶんだけ取り出してティッシュボックスに入れたら、残ったぶんが入った袋は開封時に口を留めていたシールで封できるのもありがたい。災害時のための備蓄としてもおすすめです。ゆくゆくは、ぜひ鼻セレブでもこのタイプを出していただきたい!

 

ちなみに容積を少ないことで、配送トラックへの搬入数が増え、二酸化炭素排出の削減にもつながります。

 

●廃棄米が原料のサステナブルなおしゃれ歯ブラシ

ラピス「エコデント ライスレジン歯ブラシ」
1398円(12本入)(税込)
アスクル取扱ロハコ取扱

 

グレイッシュなカラーリングで、シンプルな洗面スペースにもマッチするおしゃれ歯ブラシ。かと思いきや、なんとハンドルが廃棄米でできているというエコな商品です。従来の歯ブラシの原料であるポリプロピレンに「ライスレジン」というバイオマスプラスチックを20%混ぜていているため、石油系プラスチックの含有量が少ないのが特徴。

 

それにより使い終わったあとの焼却処分時に発生する二酸化炭素削減に貢献できます。毛の部分の色もシックで、商品としてもおしゃれ。歯ブラシ自体も歯科医推奨となっており、実用性も十分です。

 

●陶器のようなやわらかな質感の定番ハンドソープの新デザイン

↑右は2017年に発売された「ポーセリンデザイン お花」。今回新たに左の「ポーセリンデザイン」が仲間入り。

花王「ビオレ u 泡ハンドソープ ポーセリンデザイン 無香性」
382円(税込)
アスクル取扱ロハコ取扱

 

アスクル限定デザインの代名詞的存在でもあるハンドソープに、新たにジェンダーレスなデザインが追加されました。有田焼の窯元で絵付け・釜焼きした原画をパッケージに施すことで生まれたぬくもり感ある見た目で人気の本シリーズ。

 

マットな手触りで、一見、本物の陶器のように見えます。新デザインは、同シリーズならではのやわらかな雰囲気を引き継ぎながらも、ナチュラルからシックまで、様々なテイストのお部屋で悪目立ちしない雰囲気に仕上がっています。

 

実際に本シリーズは、長く大切に愛用する人が多く、買い替えスパンが長くごみの削減にもつながっているそうです。

 

LOHACOのイベントを定点観測し見えた
商品作りのネクストステージ

筆者は、6年前に開催されたLOHACOの単独展示会も取材する機会がありました。当時は、パッケージに商品名や用途、特徴を記載しなくとも、商品ページの文章で商品の特徴を訴求できるというECの強みを生かし、既存ブランドからおしゃれで暮らしになじむLOHACO限定デザインの商品が発売され始めたころで、それがとても新鮮かつ実際にどれも見た目が素敵で、家中を会場に並ぶ商品にすべて切り替えたいと感じたものです。

 

しかし今、ドラッグストアなどを見渡したときに、以前よりもスタイリッシュなパッケージの商品が増えたと感じる機会が増えました。この6年で、「部屋に置きたくなるデザイン」までが商品作りの一部となり、それが一般化したのでしょう。

 

となると、商品作りの次のステージはどこになるのか?

 

その答えは、今回のイベントに並んだ多くの商品に共通し、イベントコンセプトにも書かれている「社会の役に立つものはみんなが喜んで買うものになる」にある気がします。事実、ASKUL・LOHACO以外にもサステナブルな商品は急速に増加しています。

 

5年前と今を比較したときに「デザインされていること」が当たり前となったように、5年後の未来には「サステナブル」であることが当たり前となり、それをテーマとする必要がなくなっているかもしれません。

 

アンカー発表会をレポート! 大ヒットイヤホンのノイキャン性能がさらに進化したし、バッテリーや掃除機も登場

アンカー・ジャパンは、大規模な新製品発表会「Anker Power Conference 2025 Spring」を開催しました。この発表会では、スマートホームブランドのEufy、オーディオのSoundcore、プロジェクターなどのNebulaといった同社のブランドから多数の新製品が登場し、さらには同社初のカフェがオープンすることもアナウンスされました。

 

本稿では、本発表会で登場した主な新製品の概要や、タッチアンドトライでのインプレッション、カフェのプレオープンの模様をレポートします。

 

国内150万台突破のイヤホン後継機「Soundcore Liberty 5」

発表会の目玉ともいえる製品が、シリーズで国内150万台の販売を突破した完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty 4」の後継機「Soundcore Liberty 5」です。特徴のひとつは、ノイズキャンセリング性能が大きく進化していること。環境の変化と装着状態を検知して最適な状態に調整する新技術を搭載し、特に環境音のノイズキャンセリング性能は前モデルの2倍に達しています。タッチアンドトライで試聴したところ、ノイズキャンセリング性能の高さに加えて、外音取り込みモードの秀逸さを感じました。まるでオープンイヤーイヤホンをしているかのような自然な音が聞こえるので、違和感がありません。

↑Soundcore Liberty 5。

 

音質については、音のバランスを一から見直しました。9.2mmのダイナミックドライバーを搭載し、スピーカーに使われるバスレフ構造を採用。従来機で指摘されていた高音域が刺さる感覚を改善すると同時に、豊かな中高音域を実現しています。また、Soundcoreの完全ワイヤレスイヤホンとしては初めて、Dolby Audioに対応。BluetoothコーデックのLDACとDolby Audioの併用も可能です。

↑カラーは5色展開です。

 

防水防塵はIP55に対応。バッテリー最大持続時間はイヤホン単体で12時間、ケース併用で48時間。ノイズキャンセリングをオンにしても、イヤホン単体8時間、ケース併用32時間なので、かなりのロングスタミナといえます。性能面でも、使いやすさの面でも、前機種から順当な進化を果たしました。

 

大容量を維持しつつ世界最小クラスの1550W出力ポータブル電源

バッテリーなどを扱うAnkerブランドからは、ポータブル電源の新モデル「Anker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station」が登場。好評を博した従来機が、さらなる進化を遂げました。1000Wh以上の大容量を維持しながら、小型化・軽量化に成功。世界最小クラスをうたうボディは、前モデルから約7%小さくなり、約12%軽いものとなっています。

↑Anker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station。ACコンセントを5基装備しています。

 

↑左が新型機で右が従来機。高さが抑えられたことで、収納しやすくなりました。新型機の重量は11.3kgで、従来機より1.6kg軽くなっていますが、持ってみるとそれなりのズッシリ感があります。

 

また、本体への充電速度が大幅に向上しているのも魅力。アプリから「超急速充電モード」に設定すると、満充電までにかかる時間はわずか54分です。

 

出力は、定格1550Wとなっています。アンカー・ジャパンによれば「一般家庭で使われるAC100V対応家電製品の99%以上を動かせるパワーがある」といい、ドライヤーと電子レンジなど、大きな電力を消費する家電の同時利用にも対応できます。

↑新型機と従来機の比較表。小型化に伴って容量がほんの少し減りましたが、それ以外の点は順当に進化しています。

 

寿命の長さも特筆に値します。安全性にも優れるリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、4000回の充放電サイクル後でもバッテリー容量の80%を維持。「毎日使用しても10年間バッテリーの劣化を心配する必要がない」そうです。

 

充電方式は、家庭用コンセントに加え、ソーラーパネル、車のシガーソケットにも対応。災害への備えやアウトドア、車中泊など、幅広いシーンで活躍します。

 

バッテリー持続時間が長いポータブル冷蔵庫など多数の新製品

Ankerブランドからは、バッテリー持続時間が世界最長のポータブル冷蔵庫「Anker Solix EverFrost 2」も発表されました。40Lと23Lの2モデルが用意され、40Lは最大105時間、23Lは最大52時間の連続使用が可能です。ただし、40Lモデルを105時間稼働させるためには、別売りのバッテリーとの併用が必要で、同梱バッテリーのみで動かす場合は最大52時間の連続稼働となります。

 

冷却性能も高く、庫内温度を25度から4度まで冷やすのにかかる時間は15分。天面のファンからの送風により、庫内をムラなく冷却します。

↑上が40Lモデル、下が23Lモデル。価格差はおよそ1万円で、容量が2倍近く違うので、40Lモデルの方がコスパが高く見えます。

 

そのほか、モバイルバッテリーや充電コードの新製品が多数登場。なかでも筆者がおもしろいと感じたのは「Zolo Power Bank(10000mAh MagGo, Built-in USB-Cケーブル)」です。MagSafeに対応し、自立も可能なモバイルバッテリーながら、USB-Cケーブルが本体に内蔵されているのが特徴。有線と非接触の両方に対応しているのは非常にユニークです。

↑Zolo Power Bank(10000mAh MagGo, Built-in USB-Cケーブル)。容量が10000mAhあるので、非接触充電対応のモバイルバッテリーとしては、厚みがあります。その点を考えると、自立し、有線接続にも対応するのは、メリットがありそうです。

 

ポータブル電源から家庭の照明・コンセントへ放電できる新システム

2025年1月に家庭用蓄電池に参入したアンカー・ジャパンですが、発表会では“蓄電池とポータブル電源の中間”にあたるシステムを発表しました。それが「Anker Solix Power Link System」です。

↑Anker Solix Power Link Systemの概念図。

 

本システムは、マンションなどの集合住宅への設置が難しいという家庭用蓄電池の課題を解決するべく開発されました。その内容を一言で表すと「ポータブル電源に貯めた電力を、家庭のコンセントや照明向けに放電できるようにする」というものです。

↑Anker Solix Power Link Systemを介して、左側のポータブル電源から、家庭用コンセントに接続したドライヤーに電力を供給しているところ。

 

コンセントを差し込むことでさまざまな家電を利用できるポータブル電源ですが、利用する機器を電源に直接接続する必要があります。ですから、家の照明に電力を供給することは不可能でした。本システムでは、家庭にある分電盤に新たな機器を取り付け、それとポータブル電源を接続することで、家庭向けの放電を可能にします。防災のために購入されることの多いポータブル電源ですが、本システムを導入すれば、その備えがより万全なものとなります。

↑Anker Solix Power Link Systemに対応した分電盤。システム導入にあたり、右側の機器を新たに取り付ける必要があります。

 

モップが常に清潔なAnker史上最高峰の全自動ロボット掃除機

家電などを扱うEufyブランドからも、多数の新製品が発表されました。そのひとつが、全自動クリーニングロボット掃除機「Eufy Robot Vacuum Omni E25」。本機は、同社のロボット掃除機史上最高峰に位置づけられるモデルです。

↑Eufy Robot Vacuum Omni E25。ステーションは一般的なサイズですが、掃除機本体はやや大きめに見えます。

 

その特徴は、ローラーモップを採用した「HydroJet」システムです。拭き掃除をすると同時に掃除機内部でモップを洗浄するため、常に清潔なモップで床を拭き上げることができます。また、拭き掃除時に床にかける圧力は1.5kgと強力で、頑固な汚れもしっかり除去できます。

 

吸引力は、Eufyのロボット掃除機史上最強となる20000Paを実現。フローリングはもちろん、カーペットに挟まったホコリも強力に吸い取ります。また、「デュオスパイラルブラシ」により、髪の毛をブラシの中央に集約し、絡みつくことを防いでいます。

↑掃除機本体の底面。上がデュオスパイラルブラシ、下がローラーモップです。

 

ロボット掃除機の基礎性能である障害物回避機能も最高峰。フロントに搭載されたAIカメラによって、小さな障害物も正確に検知して回避します。

↑掃除機前面のAIカメラ。

 

タッチアンドトライでは、掃除機本体のサイズがやや大きめな印象を受けましたが、その分充実した機能と高い性能を備えていると思えば納得できる範囲内でしょうか。やや高さがあるので、ベッドやソファの下のスペースにしっかり入り込めるかなど、チェックしてから購入した方が良さそうです。

 

防犯カメラは夜間撮影が得意なハイエンド機&360度撮影対応のエントリー機

家庭向け防犯カメラ2機種も新登場。なかでもハイエンド機の「Eufy eufyCam S3 Pro 2-Cam Kit」は、「自宅にAI警備員を配置しているような安心を届ける」というコンセプトで設計された製品です。4K撮影に対応した2機のカメラと、ストレージ付きの通信機がセットになっています。

↑Eufy eufyCam S3 Pro 2-Cam Kit。カメラの上面に設置されたソーラーパネルで発電して稼働するため、充電は基本的に不要です。

 

本機について特筆すべきは、夜間の撮影性能と人物の認識力です。従来の防犯カメラでは、夜間の撮影時には不鮮明になることを許容するか、スポットライトを当てる必要がありました。しかしスポットライトを照らすと、車のナンバーや人物の顔といった重要部分が白飛びしてしまうという問題が発生します。そこで本機は、F値を下げて得られる光量を増やし、AIによる色付け処理を施すことで、ライトなしでもクリアな映像の撮影を可能にしました。暗闇を撮影する様子を実際に見ましたが、明るいところを撮っているのとほとんど変わらないような印象でした。

 

また、従来の防犯カメラは赤外線センサーによって熱を検知することで、人の存在を認識していました。本機はそれに加えてレーダーを搭載したことで、人や物体の動きまでしっかり検知できます。さらに、AIによる顔認識で、誰が来たかを自動で検知。見知らぬ人が来た場合に、スマートフォンへ通知を送る機能も搭載されています。

 

一方の「Eufy SoloCam E30」は、防犯カメラのエントリー機としておすすめできる製品です。本機は、水平方向360度撮影に対応し、垂直方向にも70度の旋回が可能。画角も120度をカバーします。広い範囲を撮影できるので、最初の1台として導入する防犯カメラにはぴったりです。

↑Eufy SoloCam E30。ソーラーパネルで発電するため充電不要です。ソーラーパネルとカメラ本体を接続するUSB-C延長ケーブルの長さは3mあります。

 

F1.6の大口径レンズを採用し、夜間の映像もくっきり。人や車の動きを検知して、自動で物体を追いかけて撮影するAIモーショントラッキング機能も搭載しています。

 

またEufyブランドから出た製品として、「これはうれしい!」と思ったのが、Androidの「デバイスを探す」機能に対応したトラッカーです。Ankerのトラッカーは、これまで同社のアプリまたはiOSおよびMacの「探す」アプリにしか対応していなかったため、Androidに対応するのは今回が初となります。タグ型の「Eufy SmartTrack Link (Android用)」と、カード型の「Eufy SmartTrack Card (Android用)」がラインナップされています。

↑左がEufy SmartTrack Link (Android用)、右がEufy SmartTrack Card (Android用)。

 

凹凸の表現も可能な世界最小の3Dテクスチャ対応UVプリンター

発表会に並んだ製品のなかで、独自性が際立っていたのが、世界最小の3Dテクスチャ対応UVプリンター「EufyMake UV Printer E1」です。UVプリンターはインクを紫外線ライトで硬化させるので、ガラスやアクリル、金属などの多彩な素材に対応します。ですが、従来のUVプリンターは大型で、使うにも専門知識が必要なものばかりでした。一方の本機は小さいうえに専用アプリによるサポートがあるため、初心者でも手軽に使用できます。

↑EufyMake UV Printer E1。左手前に写っているのは、曲面にプリントするためのアタッチメントです。

 

印刷にあたって高度な3Dデータの作成は不要で、アプリに印刷したい画像を読み込ませると、AIがそれに合った3Dデータを自動生成してくれます。アプリにはポートフォリオ機能もあり、自分の作品を公開したり、他人の作品を印刷したりすることも可能です。

↑本機で印刷した品々。油絵に見紛うようなイラストもありました。

 

本機の革新性はすでに高い評価を得ており、「Kickstarter」で海外向けに行なったクラウドファンデングでは、開始1時間での記録として同サイト史上最高となる7億円を達成。Kickstarterにおける日本国内向けのクラウドファンディングもすでにスタートしています。

↑最大5mmの凹凸も表現できます。

 

音も映像も映画館クラス! Anker初のホームシアターシステム

Nebulaブランドからは、初となるホームシアターシステム「Nebula X1」が発表されました。プロジェクターとしては、Anker初となるRGB3色のレーザー光源を搭載しているのが特徴です。色の再現性が高いうえ、その明るさは3500ANSIルーメンを実現しています。さらに、同社史上最高となる5000:1のコントラスト比を実現し、画質はもちろん4K。その映像品質は、国際的な画質認証機関であるISFの認証も取得しています。

↑Nebula X1。左右に写っているのは付属のサテライトスピーカーです。

 

スクリーンからわずか2mの距離で100インチの大画面投影が可能。25度の電動ジンバルを搭載しているので、狭い場所にも設置できます。

↑電動ジンバルによって上向きになったレンズ。ボタンタップひとつでスクリーンを検知し、適切な角度に自動補正してくれます。

 

スピーカーは、プロジェクターに内蔵されたものに加えて、2台のサテライトスピーカーが付属。本体と合わせて最大200Wのハイパワーかつ、4.1.2チャンネルの立体音響を奏でます。なお、Dolby Audioにも対応しています。デモでは、前後から迫るような音の迫力を感じられました。

 

ロスレス転送に対応したWi-Fi通信により、高品質なワイヤレス接続が可能。25ms以下の超低遅延も実現しており、映像鑑賞にとどまらず、ゲームも快適にプレイできます。Google TVを搭載しているので、Netflixなどの多彩な動画配信サービスをプロジェクター単体で利用することも可能です。

 

初のカフェが汐留にオープン。独自のメニューを楽しめる

Anker初のカフェ「Anker Store & Cafe」が、5月24日から汐留にオープンすることも発表されました。新橋駅・汐留駅から直通の、カレッタ汐留の地下に店舗を構えます。筆者は5月23日に開催されたプレオープンにお邪魔しました。

↑Anker Store & Cafeの外観。地下道から見える場所にあります。名称の通りストアも併設されており、新たに発表された製品も陳列されていました。

 

↑カフェの内観。木目を基調にしながら、カウンター奥の壁面は鏡面になっており、オシャレな空間です。

 

このカフェのコンセプトは「チャージ」。テーブル・カウンター全席にQi2対応の非接触充電機が内蔵されており、さらにUSB Type-CとLightningの充電ケーブルまで備わっています。発表会に登壇したAnker Japan CEOの猿渡 歩さんは「カフェほど充電ニーズが高い場所はないが、満足に充電できるカフェは少ない」という分析から、今回のオープンに至ったと語りました。

↑テーブルに内蔵された非接触充電機と充電ケーブル。ケーブルは電源につながっているので、すぐに充電可能で、65Wでの急速充電に対応しています。なお、各席の床には、2口のコンセントが備わっています。

 

↑店舗の奥には会議室があり、Ankerの会議用スピーカーなどが完備されています。Web会議に使える個室もあるので、ビジネスにも活用できます。

 

メニューにもこだわっており、独自メニューが盛りだくさん。オリジナルのスパイスを調合したというカレーや、クラフトビール「Anker 休息充電エール」などを楽しめます。

↑メニューは、すべて1000円以下にすることにこだわったそうです。

 

筆者はカレーを試食しましたが、辛口のチキンカレーは辛さのなかにもしっかりとした甘みがあり、濃厚な味わい。甘口のバターチキンカレーは全く辛さはないものの、エスニックを思わせるような深みがあり、飽きのこない味でした。具もたっぷり入っており、デバイスのバッテリーだけでなく、お腹も満たせるカフェになりそうです。

↑バターチキンカレーと休息充電エール。休息充電エールは、苦味控えめのセッションIPAです。グラスには「ANKER CAFE」の文字が入っていました。

 

店内のWi-Fiも爆速で、仕事が非常に捗りそうなこのカフェ。筆者の家の近くにできたら、入り浸ってしまいそう。この店舗を皮切りに、各地に広がることを期待したいところです。

 

【製品の価格・販売情報】

※価格はすべて税込

・Soundcore Liberty 5 1万4990円

・Anker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station 9万9990円

・Anker Solix EverFrost 2 10万9900円(40Lモデル)、9万9990円(23Lモデル)

・Zolo Power Bank(10000mAh MagGo, Built-in USB-Cケーブル) 7990円

・Anker Solix Power Link System 19万9900円(工事費込み)

・Eufy Robot Vacuum Omni E25 14万9900円/2025年夏頃発売予定

・Eufy eufyCam S3 Pro 2-Cam Kit 5万9990円

・Eufy SoloCam E30 1万7990円

・Eufy SmartTrack Link (Android用) 2990円

・Eufy SmartTrack Card (Android用) 3990円

・EufyMake UV Printer E1 32万9900円/クラウドファンディング実施中

・Nebula X1 44万9900円

有機ELもMini LEDも輝度が高い! シャープが4KテレビAQUOS最上位モデルを含む多くの製品を一気に発表

今年もシャープは有機ELとMini LEDでフラッグシップを用意。どちらもさらなる高画質化を遂げています。

 

シャープは4K有機ELテレビ3シリーズ/8機種と、Mini LEDテレビ2シリーズ/5機種を発表。これに合わせて新製品の説明会が開催されました。まずはラインアップおよび発売日、市場想定価格(税込)を見てみましょう。

 

有機ELテレビ「AQUOS QD-OLED」

HS1ライン

4T-C65HS1(65V型)/5月31日発売予定/60万5000円前後

4T-C55HS1(55V型)/5月31日発売予定/44万円前後

↑65V型の4T-C65HS1。

 

有機ELテレビ「AQUOS OLED」

HQ1ライン

4T-C65HQ1(65V型)/6月21日発売予定/44万円前後

4T-C55HQ1(55V型)/6月21日発売予定/35万2000円前後

↑55V型の4T-C55HQ1。

 

HQ2ライン

4T-C65HQ2(65V型)/6月21日発売予定/38万5000円前後

4T-C55HQ2(55V型)/6月21日発売予定/28万6000円前後

4T-C48HQ2(48V型)/6月21日発売予定/25万3000円前後

4T-C42HQ2(42V型)/6月21日発売予定/24万2000円前後

 

Mini LEDテレビ「AQUOS XLED」

HP1ライン

4T-C75HP1(75V型)/5月31日発売予定/57万2000円前後

4T-C65HP1(65V型)/5月31日発売予定/44万円前後

4T-C55HP1(55V型)/5月31日発売予定/35万2000円前後

↑75V型の4T-C75HP1。

 

HP2ライン

4T-C50HP2(50V型)/6月21日発売予定/25万3000円前後

4T-C43HP2(43V型)/6月21日発売予定/24万2000円前後

↑50V型の4T-C50HP2。

 

注目は4K有機ELのフラッグシップモデルであるHS1ラインと、Mini LEDのフラッグシップとなるHP1ラインが同時に出てきたことです。

 

ピーク輝度が約2倍になった有機ELのフラッグシップ

HS1ラインは、2024年に登場した前世代のフラッグシップ「GS1ライン」からさらに高画質化しました。パネルには発光効率の高い、最新世代の量子ドット有機ELパネルを採用。このパネルの性能を最大限に引き出すべく、シャープ独自の放熱構造とパネルの駆動回路を取り入れたことで、GS1ラインに比べてピーク輝度が約2倍に向上したとのこと。

 

また、有機ELが発する光を色純度の高い赤/緑/青に変換する量子ドット層を搭載することで、豊かな色彩を再現するといいます。これによって有機ELテレビ特有の漆黒と、そこに浮かぶきらめきを鮮明に映し出すことが可能。ピーク輝度と相まって、AQUOS史上最高の輝きと色彩を実現したそうです。

↑最新世代の量子ドット有機ELパネルの採用などでAQUOS史上最高の輝きと色彩を実現。

 

AIを採用した画像処理エンジンは「Medalist S6X」に進化。新たに、各被写体の前後関係を認識して、明暗と精細感を自動補正する「空間認識AI」を搭載しました。たとえば画面内で近くに映る人物はくっきりと表現し、遠くの風景は少しぼやけ感を出すことで、奥行きのある映像にします。

↑新たに奥行きを復元する画像処理エンジン Medalist S6Xを搭載。

 

ほかにも、画面内の人や空などを認識してそれぞれに最適な処理を施す「AIオブジェクト識別」や、輪郭を判別してよりリアルに見えるよう復元する「AI超解像」などの高画質技術が採用されています。加えて、部屋の明かりや自然光の状態などから色温度を検知して、映像を見やすいよう自動で調整してくれます。

 

ピーク輝度を高めながらも、省エネを実現しているのもHS1ラインの特徴。必要なエリアだけを発光させる有機ELパネルに加え、緻密に輝度をコントロールすることで、省エネ目標基準値100%を達成したそうです。

 

音質については引き続き合計出力100Wのスピーカーシステムを搭載しています。構成はツイーター2基、ミッドレンジスピーカー4基、サブウーファー1基、ハイトツイーター2基、ハイトミッドレンジスピーカー2基とGS1ラインと同じです。

 

また、Medalist S6Xは音質面でも効果を発揮し、コンテンツが映画なのか音楽なのかニュースなのかなどを判別し、瞬時に最適な高音質処理を施すとしています。AIによるこれらの高画質・高音質化はコンテンツ内容や視聴環境に合わせて自動で調整するため、「AIオート」と名付けられています。

↑ユーザーが自分で調整しなくても最適な映像と音にしてくれるAIオート。

 

複数の便利機能も新たに搭載されました。タイパを意識し、2倍速の早見/早聞き再生が可能。セリフなどはAIオートによって聞き取りやすく調整されます。また、テレビ番組などの放送時に緊急情報を伝えるL字放送を、録画で視聴する際にカットする「L字カット機能」も搭載。加えて2番組を同時に視聴できる「よくばり視聴」は、ハードディスクに録画した番組と放送番組の同時再生に対応しました。この機能では、サブ画面扱いの放送に字幕も表示されるようになっています。

↑録画であればL字放送をカットしてお気に入り番組を観られる「L字カット機能」。

 

↑よくばり視聴は録画番組と現在放送している番組の同時再生に対応。

 

Mini LEDモデルも従来に比べて輝度が約1.5倍に

Mini LEDのフラッグシップとなるHP1ラインも、高い輝度による高画質化を実現しました。パネルには高輝度・広色域な「N-Black Wideパネル」を採用。Mini LEDバックライトを細かく制御するうえに、高効率な光反射シートを新たに搭載することで、ピーク輝度が従来モデル「GP1ライン」に比べて約1.5倍に向上したそうです。

↑独自設計の量子ドットMini LEDの採用によって、輝度が約1.5倍に向上。こちらもAQUOS史上最高の輝きと色彩を実現したそうです。

 

また、量子ドットシートによってバックライトの光を純度の高い赤/緑/青に変換するため、豊かな色彩を再現可能。さらに画像処理エンジンのMedalist S6Xを搭載するため、空間認識AIを含む、AIオートによる高画質・高音質処理を施します。

 

省エネ性能も高く、Mini LEDバックライトの細かな制御に加え、光反射シートによる効率的な輝度のコントロールによって省エネ目標基準値100%を達成したといいます。

 

音質は、合計出力80Wのスピーカーシステムを搭載。75V型モデルと65V型モデルの構成はツイーター2基、ミッドレンジスピーカー4基、サブウーファー1基、ハイトツイーター2基、ハイトミッドレンジスピーカー2基です。55V型モデルのみハイトミッドレンジスピーカーが非搭載となっていますが、合計出力は上位モデルと変わりません。ただし、従来モデルが合計100W出力だったので、比べると控えめなスピーカーシステムといえます。その分、AI自動調整強化などで音質の進化を図っているとのことです。

 

有機ELのHS1ラインに搭載された、2倍速再生やL字カット機能などの便利機能も踏襲しています。

 

業界屈指のラインアップでユーザーのニーズに応える

シャープは有機ELテレビとMini LEDテレビを「高付加価値テレビ」と位置づけ、これらのテレビは年々、販売が増加傾向にあるとしています。

 

そのなかで、独自の調査によると高付加価値テレビの購入者が、購入時に重視するポイントは画質、明るさ、色合い、視野角、音質の順に高いと指摘。こうした傾向を踏まえて、有機ELとMini LEDそれぞれのフラッグシップを投入することに至ったと説明しました。

 

また、有機ELとMini LEDで幅広いサイズを展開することも強調。「業界屈指のラインアップをそろえる」としており、ユーザーが視聴したいコンテンツや環境に合わせて最適なテレビを選べるといいます。

↑サイズにフォーカスすると、42V型から75V型までをラインアップ。またフラッグシップで見ると、それぞれ55V型と65V型を用意するなど、さまざまなニーズに応えられるようにしています。

 

フラッグシップの高画質化以上に、豊富なラインアップでユーザーのニーズをくみ取るのが今年のシャープAQUOS全体の特徴といえそうです。

 

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部屋中移動させて動画などを楽しめる! 「LG Smart Monitor Swing」のMakuake先行販売が5月20日スタート

LGエレクトロニクス・ジャパンは、PCやスマホを接続することなくネット動画などが観られるLG Smart Monitorシリーズの新モデルとして、ホイール付きのフレキシブルスタンドを備えた「LG Smart Monitor Swing」を発表しました。2025年5月20日(火)から6月29日(日)まで、「Makuake」にて先行販売されます。

↑LG Smart Monitor Swing。

 

ホイール付きのスタンドで部屋中を移動させての視聴体験が可能

LG Smart Monitorシリーズの製品は、LG独自のwebOSを搭載しており、ディスプレイ単体でYouTube、TVer、Netflix、Disney+、Prime VideoやApple TV+、DAZNなど、多彩なVODサービスの視聴が可能。600以上のコンテンツを楽しめます。

↑WebOSのトップ画面。多数のVODサービスが表示されています。

 

本シリーズのなかでも、LG Smart Monitor Swingはとりわけ独自色の強い製品です。デスク上ではなく床に置いて使い、部屋中を自由に動かせるという体験は、従来の製品にはなかったもの。それを可能にしているのが、ホイール付き可動式フレキシブルスタンドです。このスタンドのおかげで、ディスプレイを好きな場所に移動させることができます。

↑スタンドの脚部。底面に5つのホイールを内蔵しています。小さな力でもスムーズな移動が可能です。

 

またこのスタンドは、329mmの高さ調整、前20度/後50度のチルト、左60度/右90度のスイーベル、90度のピボットに対応しており、視聴する姿勢や目線に合わせて自由に調整できます。デスクのそばに置いて仕事に使う、ソファに座って映画を観る、キッチンでレシピの動画を見ながら料理をするなど、さまざまな用途に対応します。

↑スタンドを操作すれば、画面の高さや角度を自在に調整可能。

 

↑ピボットにより、画面を縦向きにできます。WebOSも、縦向き表示に対応しています。

 

スマホやタブレットとの連携も充実しており、iOSのAirPlay 2と、AndroidのMiracastに対応。さらに、ScreenShareやGoogle Castにも対応し、Bluetooth接続もできます。ワイヤレスでの外部接続手段が豊富です。

 

またディスプレイ背面には多数の端子を備えます。特に、3基装備しているUSB Type-C端子は、最大65WのPDに対応。ケーブル1本で、映像出力と給電が同時に可能です。

↑本機の外部接続端子。USB Type-Cのほか、HDMIを2基装備しています。一番下に接続されているのは電源ケーブルです。

 

タッチ操作に対応した31.5インチ・4K・IPS液晶を搭載

LG Smart Monitor Swingの液晶は、広視野角なIPSパネルを採用。サイズは31.5インチで、解像度は4K(3840×2160ドット)です。デジタルシネマ規格の色域「DCI-P3」を95%カバーするほか、HDR10にも対応しており、精緻な映像を映し出します。

↑ディスプレイは非常に美しいものの、ベゼルはやや厚めです。

 

画面はタッチ操作が可能です。しかも、WebOSに搭載されているアプリだけでなく、外部接続したPCやスマートフォンのタッチ操作にも一部対応(※)。なお、リモコンも付属しています。

 

※Windows PCをUSB Type-C接続した場合および、AndroidデバイスをMiracastで接続した場合のみ対応

↑WebOSには、いま放送されているスポーツの中継を一覧化してくれる機能も。これらの操作はすべてタッチでできます。

 

背面には5W+5Wのステレオスピーカーを内蔵しており、外付けスピーカーなしでも十分なサウンドを楽しめます。加えてBluetoothでスピーカーやイヤホンを接続することも可能です。また、SpotifyやAmazon Musicなどの音楽アプリにも対応しています。

↑本機の背面。左右にスピーカーが見えます。マウントには、LG独自のワンクリックマウントシステムを採用しており、ワンタッチでの着脱が可能です。

 

Makuake先行発売で、最大30%以上お得に買える

LG Smart Monitor Swingは、2025年5月20日(火)から6月29日(日)まで、Makuakeで先行販売されます。ディスプレイとホイール付き可動式フレキシブルスタンドがセットになった32U889SA-Wに加え、ディスプレイとデスク用スタンドがセットになった32U880SA-W、ホイール付き可動式フレキシブルスタンド単品のSTA32Fの3製品が用意されています。

 

STA32Fのマウントは、ワンクリックマウントシステムではなく、100×100mmのマウント規格を採用しています。対応するディスプレイは最大34インチで、耐荷重は4〜6.5kgです。

↑本機の価格。Makuakeでの先行販売で購入すると、最大30%以上お得になります。

 

ディスプレイを通して、新たなライフスタイルを提案する本機。これが一台あれば、ダイニング、リビング、ベッドルームなど、家のさまざまな場所で新たな楽しみが得られそうです。

 

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有機ELビエラがフルモデルチェンジ! パナソニックの大画面テレビが画質音質で驚きの進化

パナソニックは、6年ぶりのフルモデルチェンジとなる有機ELビエラの新フラッグシップモデル「Z95Bシリーズ」をはじめ、レイアウトフリーテレビやゲーミングネックスピーカー新モデルの体験セッションを実施しました。

↑6年ぶりのフルモデルチェンジとなる4K有機ELビエラの新フラッグシップ「Z95Bシリーズ」。

 

会場で発表されたテレビシリーズは、有機ELテレビ2シリーズと液晶テレビ3シリーズの計5シリーズ。ラインナップと発売時期は以下の通りです(価格はすべて税込)。

 

フラッグシップ 4K有機ELビエラ「Z95Bシリーズ」 6月下旬発売予定

・TV-65Z95B(65V型)……53万円前後

・TV-55Z95B(55V型)……38万円前後

 

ハイグレード 4K有機ELビエラ「Z90Bシリーズ」 6月下旬発売予定

・TV-65Z90B(65V型)……41万円前後

・TV-55Z90B(55V型)……29万円前後

・TV-48Z90B(48V型)……27万円前後

・TV-42Z90B(42V型)……26万円前後

 

Mini LED 4K液晶ビエラ「W95Bシリーズ」 6月下旬発売予定

・TV-75W95B(75V型)……38万円前後

・TV-65W95B(65V型)……30万円前後

・TV-55W95B(55V型)……24万円前後

 

ハイグレード 4K液晶ビエラ「W90Bシリーズ」 6月下旬発売予定

・TV-65W90B(65V型)……24万円前後

・TV-55W90B(55V型)……20万円前後

・TV-50W90B(50V型)……17万円前後

・TV-43W90B(43V型)……16万円前後

 

スタンダード 4K液晶ビエラ「W80Bシリーズ」 6月下旬発売予定

・TV-50W80B(50V型)……15万円前後

・TV-43W80B(43V型)……13万円前後

 

新パネルの搭載などで高画質化、Prime Video向けのユニーク機能も

2024年モデルからの位置付けとしては、有機ELテレビでは「Z95A」の後継機がZ95B、「Z90A」および「Z85A」が統合されてZ90Bになります。液晶テレビは「W95A」からW95B、「W90A」からW90B、「W80A」からW80Bへとそれぞれ世代交代する格好です。

 

このなかで注目すべきは、やはりCES 2025で発表された有機ELテレビのフラッグシップ、Z95Bでしょう。今回、2019年から2024年モデルまで踏襲してきたデザインを一新、6年ぶりのフルモデルチェンジを果たしていますが、これは画質と音質の進化に必要な「意味のあるフォルム」であるとアピールされています。

 

まずは画質面での進化ポイントをチェックすると、新世代の有機ELパネル「プライマリーRGBタンデム」が挙げられます。

 

従来の有機ELパネルでは発光層を青/黄(赤+黄+緑)/青の3層構造としていたのに対し、プライマリーRGBタンデムでは赤/濃青/緑/濃青の4層構造を採用し、光の波長を最適化。これによって発光効率が40%向上し、輝度がアップしました。さらに青/緑/赤の光の純度が高まり、広色域化を実現したとのことです。

 

続いてのポイントが、放熱構造の進化です。

 

パネルからの放熱を効率よく逃がすことが、発光性能を引き出すうえでは欠かせません。Z95Bでは、独自の筐体・内部構造としてパネル空冷技術「サーマルフロー」を投入することで、放熱性能を高めました。

 

サーマルフローでは、レーシングカーの設計でも活用される、空気の流れをコントロールする「エアロダイナミクス」技術を応用。空気の流れを見える化する流体シミュレーションを駆使して、何度も施策・検証を繰り返して空気の流れを最適化することに成功したそうです。従来は放熱にあたり空気の乱流が発生してしまっていたところ、通気口の位置と内部構造物の配置を見直すことでスムーズな気流を実現し、その結果として有機ELセルの発光性能が向上しています。

↑煙によって空気の流れを視覚化したデモンストレーションでは、従来モデルのZ95A(写真手前)に対して、Z95B(写真奥)の方が素早く空気が流れていくことがわかります。

 

AI映像エンジンは2024年モデルに搭載された「HCX Pro AI Processor MK IIプロセッサ」をベースとしながら最適な画質チューニングを行なうとともに、新たに高画質機能「ダイナミックディテールエンハンサー」を搭載しました。この機能では、独自の映像処理アルゴリズムによって、映像のガンマを微細なエリアごとに調整し、解像感の高い映像を実現します。

 

さらにパネル制御においても、パネルの発光性能を最大限に引き出す「Bright Booster」を新搭載しました(Z95BおよびZ90Bの65V型/55V型のみ)。仕組みとしては、3次元映像信号解析と温度センサーにより、パネルの発光状態を画素ごとに管理。これを新開発された熱解析シミュレーションの結果をリアルタイムで参照・反映し、独自の電流制御アルゴリズムで有機ELパネルを駆動、高コントラスト化を実現するというものです。

 

おもしろいところでは、映像モードに「Prime Videoキャリブレーションモード」が追加されました。これは「クリエイターの意図を忠実に再現する、Amazon Prime Videoの視聴に最適なモード」と説明されており、実際にPrime Videoの映像チームが監修したとのこと。映画はもちろん、ライブ、スポーツといったビデオコンテンツに最適な画質に自動調整してくれるので、国内での利用者も多いPrime Videoユーザーには朗報といえそうです。

 

ゲーム向け機能も充実しており、4K/144Hz VRRやDolby Vision 144Hz対応で、激しい動きもちらつきの少ない滑らかな映像で再現することが可能です。

 

スピーカー構成は前モデルと同じものの、新デザインで広がりある音場を実現

音質面の進化もトピックです。ラインアレイスピーカー/ワイドスピーカー/イネーブルドスピーカー/ウーファー+パッシブラジエーターという構成はZ90Aと同じですが、Z95Bは新デザインによってこれまで配置できなかった場所にスピーカーを配置することができるようになりました。イネーブルドスピーカーは従来の約2倍となる左右間隔が確保でき、より広がりのある音場を実現しています。

↑イネーブルドスピーカーの左右間隔を従来よりも広く取ることで、立体音響効果を高めています。

 

またスピーカーユニットが刷新され、ウーファーは20Wから30Wへと出力アップ&パッシブラジエーターの数を2個から4個(対向配置)とすることで低音を強化しています。

 

こうしたスピーカーユニットの搭載も相まってか、近年のテレビとしては超薄型ではありませんが、レイヤー構造によって薄く見えるフルフラット薄型デザインとなっています。そのおかげで、テレビを斜めから見ても厚みは気になりませんでした。テレビスタンドはパナソニックが得意とする転倒防止設計で、安心して使用できるのもポイントです。

↑フロント下部やサイドなどはファブリックで覆われています。

 

高次元の映像描写、サウンドは驚くほどの進化を遂げた

実際にZ95Bを視聴することができたのですが、Z95Aと比較しても明るさが向上し、黒が引き締まっていることがわかります。また、色彩が豊かで、グラデーションも鮮やかなのも進化点として見て取ることができました。

 

高画質なデモ映像だけでなく、地上波放送の映像でも明るさや解像感の向上が感じられます。メジャーリーグの中継では、Mini LEDの液晶テレビにも匹敵するような明るさを実感できました。一方で、暗い映像になると有機ELテレビらしさが表れます。液晶テレビでは暗部が潰れてなにも見えなくなってしまうようなシーンでも、Z95Bではディテールをしっかり描き出してくれました。明暗の表現を高い次元で両立したモデルといえそうです。

 

もちろん高いレベル同士での比較であり、単独で見ればZ95Aでも満足のいく画質ですが、比べると違いがあることは間違いありません。

 

そして音質については、画質以上の進化を実感しました。Z95Bは中低域に量感があり、とてもクリアなサウンドに仕上げられています。またサラウンド感も向上しており、画面サイズを超えた広がりある音場を体験できました。これならオーディオシステムを追加しなくても、テレビ単体で十分に楽しめるはずです。

 

有機ELテレビのハイグレードモデルは前向き設置のスピーカーで高音質に

有機ELビエラのハイグレードモデルとなるZ90Bシリーズでは、最新世代の高輝度有機ELパネルが採用されました(65V型/55V型のみ)。パネル内部の配線構造を見直し、発光性能を向上することで高コントラスト化を実現しています。そして上述のAIエンジンによる画質最適化、ダイナミックディテールエンハンサーの搭載はZ90Bにおいても共通の進化点となっています。

↑2024年モデルのZ90AとZ85Aを統合し、4サイズ展開となったZ90Bシリーズ。

 

またZ90Aではメインスピーカーが下向きに設置されていたのに対して、Z90Bでは前向きにスピーカーを設置する「フロントパワースピーカー」構造を採用。これにより音が床やテレビ台に反射せず、ダイレクトにユーザーの耳に届くようになりました。さらに、低音を強化すべくウーファー出力を20Wから30Wにアップ、パッシブラジエーターも2個から4個(対向配置)へと増加しています。

 

Z90AとZ90Bを見比べてみると、コントラストが向上してパキッとした映像になっている印象を受けます。また、こちらも音質の進化が大きく、重心の低いリッチなサウンドが楽しめました。

 

Mini LED液晶ビエラはエリア分割の細分化で高コントラスト化

4K液晶テレビの新フラッグシップは、Mini LEDバックライトを搭載したW95Bシリーズです。

↑Mini LEDバックライト搭載のW95Bシリーズ。サイズ展開は55V型、65V型、75V型に拡充されました。

 

最大のポイントとして、バックライトエリア制御と信号処理によるコントラスト制御を行なう「Wエリア制御」の進化が挙げられます。W95Bでは、Mini LEDバックライトのエリア分割数を最大で約2.5倍に細分化しており(従来比、画面サイズで異なる)、これまで以上に光らせたい範囲だけを光らせることができるようになりました。コントラストが高まり、コンテンツが意図していた光の表現により近い再現が可能です。

↑バックライトのみ点灯する状態でW95A(写真左)とW95B(写真右)を比較すると、W95Aの方が必要のない範囲まで光が広がっていることがわかります。

 

そして、広色域バックライトシステムの性能を最大限に引き出すために、独自アルゴリズムで把握したパネルの色温度を、パネル制御にリアルタイムに反映する「リアルタイム色チューニングシステム」を導入。これによりバックライトの色温度に左右されない、正確な色表現を実現するとしています。

 

また、パナソニックのMini LEDバックライト搭載4K液晶テレビはこれまで65V型のみのサイズ展開でしたが、W95Bでは75V型と55V型が加わりました。ビエラ最大サイズとなる75V型、そして需要の高い55V型がラインナップされるのは、サイズが原因で液晶テレビを選択肢から外していた消費者にとって喜ばしい拡充といえるでしょう。

 

W90BおよびW80Bシリーズにおいても、映像エンジンによる画質の最適化、ダイナミックディテールエンハンサーの搭載、そしてPrime Videoキャリブレーションモードへの対応と、2025年モデルとして変更が加えられました。

↑サイズ展開も豊富なW90Bシリーズ。

 

↑4K液晶ビエラのスタンダードモデルに位置付けられるW80Bシリーズ。

 

くらしスタイルシリーズが配線レスでますます設置自由度アップ

体験セッションの会場では、4月20日に発表されたレイアウトフリーテレビウォールフィットテレビの新モデルも展示されました。

↑新色マットダークグレーのレイアウトフリーテレビ「TH-43LF2L-H」。

 

↑65V型の大型ウォールフィットテレビ「TH-65LW2」。

 

くらしスタイルシリーズとして展開される両シリーズは、アンテナ線とつなぐボックス型チューナーとディスプレイが分かれていて、それぞれをワイヤレス接続する仕様を採用しています。そのため、アンテナ線の位置に縛られない設置が可能となり、これまでのテレビとは異なるライフスタイルを実現できるとして好評を得ているとのこと。

 

一方で、チューナーにHDMI端子がないため、レコーダーやゲーム機を接続すると結局は設置位置が限定されることや、レイアウトフリーテレビは色が白しか選べないこと、ウォールフィットテレビは65V型の大画面サイズがないことなどが要望点として寄せられていたそうです。

 

そこで両シリーズの新モデルでは、チューナー部にHDMI入力を搭載して、接続機器の映像・音声をディスプレイにワイヤレス伝送する新機能「Wireless Connect」を搭載しました。これによりディスプレイ側には追加で配線をすることなく、幅広いコンテンツを楽しむことができるようになりました。

↑TH-43LF2L-Hのチューナー部には、HDMI入力を1系統搭載。レコーダー、ゲーム機、セットトップボックスなどを配線レスで楽しめます。

 

また近年、グレー系インテリアの人気が上昇しており、家電のカラートレンドとしてダーク系の品揃えが増加しているという背景を受け、レイアウトフリーテレビの新色としてマットダークグレーを追加。株式会社アクタス 店舗事業本部 プランナーの山本さら氏は、「ライフスタイルの変化にともない、テレビの位置を変えたり、追加したりする場合があります。そんなとき、レイアウトフリーテレビであれば位置を自由に動かせるため、生活にフィットした使い方ができます。最近は家具や内装材にグレーが使われることが増えてきたように感じますが、マットダークグレーの登場で、インテリアにマッチしやすくなったと思います」とビデオメッセージを寄せました。

 

ラインナップは「TH-43LF2」(21万円前後/税込)、「TH-43LF2L」(17万円前後/税込)、そしてマットダークグレーの「TH-43LF2L-H」(18万円前後/税込)の3モデル。LF2はチューナー部に2TBのHDDを内蔵し、HDMI入力をディスプレイ×2、チューナー部×3で搭載。LF2LおよびLF2L-HはHDDを内蔵せず、HDMI入力はディスプレイ×2、チューナー部×1で搭載しています。

 

そしてウォールフィットテレビには、従来の55V型に加えて、65V型が新たにラインナップされました。サイズはアップしましたが、これまで通り大掛かりな工事は必要なく、自身で設置が可能。専用金具を固定するピンの数を2本増やすことで、落下しないように支える設計となっています。

↑写真は55V型の専用金具。65V型ではこのピンの数を増やして、安定性を向上させているとのこと。

 

ラインナップは65V型の「TH-65LW2」(48万円前後/税込)、55V型の「TH-55LW2」(38万円前後/税込)と「TH-55LW2L」(32万円前後/税込)。LW2はチューナー部に2TBのHDDを内蔵し、HDMI入力をディスプレイ×2、チューナー部×3で搭載。LW2LはHDDを内蔵せず、HDMI入力はディスプレイ×2、チューナー部×1で搭載しました。

 

ゲーミングネックスピーカー新モデルは映画視聴にも使いやすい

首掛けスタイルで使用するゲーミングネックスピーカー「SOUND SLAYERシリーズ」にも、新モデルが追加されました。

↑HDMI・Bluetooth対応でテレビやスマートフォンとも接続できる「SC-GNW30」。

 

現行モデル「SC-GNW10」は、ヘッドホンやイヤホンと違って耳をふさがず、臨場感のあるサウンドが楽しめるなどユーザー評価も上々。その独自性がウケてヒットを飛ばすことができたそうです。しかし、ゲームの低遅延性を重視するあまり、接続をUSBのみに限定したことで、パソコンやゲーム機でしか使えないことが課題となりました。

 

同社の調べによると、サラウンドネックスピーカーの使用用途として「ゲーム以外で使わない」という人は1%しかいなかったとのこと。大多数は映画や音楽ライブ、アニメにドラマなど、「ゲーム以外のコンテンツも楽しみたい」というニーズが圧倒的に高かったそうです。

 

そこで新モデルの「SC-GNW30」(4万円前後/税込)では、映像コンテンツ全般を楽しめるデバイスとしてゲーマーにアプローチ。新たに送信部にHDMI入力を2系統(うち1つはARC対応)装備しました。さらにBluetooth接続にも対応し、テレビやスマートフォンとの接続が可能となりました。

 

ネックスピーカーのハード設計は従来モデルの仕様を踏襲しており、4つのスピーカーによる4chサラウンド環境を構築できます。たとえば音声信号が5.1chのものであれば、4chのリアルサラウンドで再生します。またテレビなどから2chの音声信号が入力された場合は、アップコンバートによる疑似サラウンドで再生が可能。こちらはオン/オフを切り替えることもできます。

 

イコライジングアプリ「SOUNDSLAYER Engine」も強化されました。これまではWindowsでのみ使用可能でしたが、macOS、Android、iOSにも新たに対応し、簡単に操作することができるようになりました。サウンドモードもグレードアップしているので、よりさまざまなコンテンツにマッチしそうです。

↑「SOUNDSLAYER Engine」はスマートフォンでも使用可能に。より手軽に設定を変更できるようになりました。

 

さらに、シアター向けネックスピーカーとしてニーズある2台目接続にも対応しています。これまで送信機とネックスピーカーは1対1の接続でしたが、SC-GNW30では1対2の接続が可能となりました。従来モデルのSC-GNW10を同時接続して、2人で映画を楽しむといった使い方ができるわけです。

 

なお、SC-GNW10の後継機種として「SC-GNW10S」(3万円前後/税込)もアナウンスされています。従来モデルからの変更点は、SOUNDSLAYER EngineアプリをmacOSでも利用可能(スマートフォンは非対応)なこと、サウンドモードが強化されていることです。発売はともに6月中旬を予定しています。

 

会場ではSC-GNW30を体験できました。2chからの疑似サラウンドだと、音に包みこまれるとまではいきませんが、位置感がしっかり表現されています。セリフがクリアで聞き取りやすく、低音も十分に迫力があります。同じような迫力をテレビのスピーカーで再現しようとすると、近所迷惑になるようなボリュームが必要になることでしょう。

 

ゲームで4chのリアルサラウンドを聴くと、立体感が大きく向上しました。どの方向から音がしているかが掴みやすくなり、リアリティが増すため、より世界観に没頭できそうです。

↑ネックスピーカーを同時接続して、2人でひとつのコンテンツを一緒に楽しむことができるのもポイントです。

 

ライフスタイルの変化を見定め、ソリューション提案を向上していく

新製品の紹介のほか、会場では「テレビ市場のトレンド」の分析と、それを踏まえた今後の対応について語られました。まず、AV機器やカメラなどを取り扱うパナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社では、4月より「テレビ事業部」が誕生。「エンターテインメントの力で人々に新しい『感動と安らぎ』を提供することを目指していく」と表明されました。

↑テレビ事業の2024年度の振り返りと、2025年度の展望について語られました。

 

コロナ禍は多くの業界に影響を与えましたが、テレビ市場においては外出自粛にともない「おうちエンタメ」の需要が高まり、特に50V型以上の大画面テレビの出荷台数が増える結果に。その後は安定化しましたが、2024年で見ると出荷台数は約450万台、そのうち50V型以上が約4割を占めています。

 

同時に映像配信サービスも浸透し、その利用率は現在も増加傾向にあります。コンテンツが多様化すると同時に、再生デバイスもスマートフォンやタブレットが比率を高めるなかで、テレビには新しい価値が求められるようになりました。

 

そんななかで、パナソニックではFire TVの導入、くらしスタイルシリーズの展開、お部屋ジャンプリンク機能の提供といったソリューションを提案。コンテンツや視聴場所、視聴デバイスの多様化に対応してきました。

 

アマゾンジャパン合同会社 Amazonデバイス Fire TV事業部の西端明彦事業部長は、「2024年は大きな節目の年になりました」と振り返ります。「日本初となるFire TV搭載有機ELテレビをはじめ、パナソニック製の高品質なモデルを届けることができました。また、パナソニックの専門店を含む8500の販路に流通が拡大。テレビの視聴時間が増えたという意見もいただいています」と、手応えを得ている旨をコメント。

 

今後の方向性としては、さまざまなコンテンツと出会いやすいようにUIを改善するなどしてユーザーエクスペリエンスを高めるほか、品揃え強化に向けて動いているそう。2025年もパナソニックとアマゾンジャパンの協業に期待できそうです。

 

そして、パナソニックとしては新たな価値にばかり目を向けず、根本的なクオリティを提供することも疎かにしません。テレビの大画面化にともない増加するテレビ転倒のリスクに備えて、耐震技術を高めるなど「安心してテレビが楽しめる」ことに真摯に向き合う姿勢が改めて語られました。

 

そのうえで、「高画質・高音質・使いやすさといった本質機能を追求する」「新たなくらし空間を提案する」「コンテンツソリューションを連携させる」という3つを軸に取り組んでいくとして、これらを具体化した上述の新製品群を発表しました。

 

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“令和の眠活”に“睡眠メシ”って? 楽天が「2025年 睡眠トレンド予測」を発表

楽天が運営するインターネット・ショッピングモール「楽天市場」の購買データや一般消費者へのアンケート調査などをもとに、睡眠関連市場の動向をまとめた「楽天グループ 2025年 睡眠トレンド予測」が発表されました。今回は発表内容のほか、会場で展示された快眠アイテムや、心地よい睡眠のための3つのポイントなどの情報も合わせて紹介します。

↑発表会場には楽天市場で扱う様々な睡眠グッズが展示されていました。

 

楽天が実施したアンケート調査(※)によると、回答者の約8割が睡眠の重要性を認識している一方で、約半数が睡眠に何らかの不満を抱えており、また約6割が寝付きにくさを感じているという結果となり、多くの人が睡眠の質に課題を感じていることがわかりました。

※10代~60代男女1000人を対象に、2025年4月に実施したインターネット調査(調査機関: 「Freeasy」)

 

また、「楽天市場」では、40万点以上の睡眠関連商品を取り扱っており、2024年の流通総額はコロナ禍前の2019年と比較して約6.4倍に拡大しているそう。その需要拡大の背景には、コロナ禍における健康やウェルネスへの意識の高まりに加えて、近年のライフスタイルの変化や多様化に伴い、質の良い睡眠へのニーズの高まりがあるとしています。

 

そこで同社では、2025年の睡眠トレンドのキーワードとして、1.令和の眠活、2.睡眠メシ、3.スリープツーリズムの3つを挙げています。

 

「令和の眠活」とは、快適に寝るための寝具やナイトウェア、サプリ、エアコンなどの空調機器といった従来型の快眠アイテムに加え、スマートフォンアプリや指輪型デバイス、センサーなどの最新技術を取り入れた「スリープテック」市場が拡大していることを表現したもの。

↑肌触りがよく通気性に優れた綿100%素材のパジャマや、リラックス効果のあるナイトウェア。

 

↑入浴剤やアロマ関連アイテムなども根強い人気。

 

↑注目アイテムのひとつ「枕」。自分に合ったものを探すことが重要です。

 

エアコン本体のセンサーではなく、枕もとの「ベッドサイドセンサー」が温度・湿度を検知し、快適な睡眠環境をつくるパナソニックのエアコン「エオリア CS-PX282D」や、独自のアルゴリズムを取り入れ、いびきのボリュームや寝る向き、寝返りの回数などを測定し、最適な睡眠環境をサポートする「ブレインスリープ コイン」などが紹介されています。

↑最適な睡眠環境をサポートするスリープテックアイテム「ブレインスリープ コイン」。

 

また、楽天が運営するオンライン書店「楽天ブックス」では、睡眠をテーマにしたレシピ本やダイエット関連本の2024年における売り上げが前年比約1.3倍に伸長していることに加え、楽天が実施した調査で回答者の約7割が「睡眠改善に寄与する食事を食べたい」と回答していることから、睡眠の質を高めるとされている栄養素を含む食材を活用した食事「睡眠メシ」への関心が高まると予想しています。

↑睡眠をテーマにした書籍が売り上げを伸ばしているそう。特に「快眠のための食事」をテーマにしたレシピ本が注目を集めています。

 

さらに、海外を中心に、良質な睡眠を目的とした旅行の形態「スリープツーリズム」が注目を集めており、5つ星ホテルなどを中心に、休息をサポートする機能性の高いベッドを導入するなどの動きがみられることに着目。旅行予約サービス「楽天トラベル」においても、「睡眠」や「快眠」のキーワードを含む2024年における宿泊プラン数が2019年比で約1.5倍に増加しており、日本国内においても「スリープツーリズム」の拡大が期待されるとしています。

↑快適に眠れることをアピールするホテルや宿泊施設も増えています。

 

寝つきをよくする3つの心がけたいこと

発表会には、今回楽天市場の睡眠特集ページの監修も務めた睡眠コンサルタントの友野なお氏が登壇。睡眠の重要性や快適な睡眠のためのコツなどを解説しました。

↑睡眠コンサルタントの友野なお氏のプロフィール。

 

友野氏によれば、日本人は世界のなかでも睡眠時間が短く、寝不足の人が多いといわれているとのこと。睡眠不足は思考力や判断力、記憶の低下につながるとされ、ビジネスの場でもパフォーマンスが下がる原因になるそう。

 

そこで、快適に眠るためのポイントとして、3つの心がけたいことを紹介してくれました。まず、寝る1時間前にはスマホやテレビを見ないようにすること。ディスプレイから出るブルーライトが睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制して寝つきが悪くなるほか、視覚から入ってくる情報が刺激となって脳を興奮状態にしてしまい、入眠の妨げになってしまいます。

 

続いて、帰宅後はなるべく外出を控えることも重要だそう。明るい繁華街などを歩くと体に活動スイッチが入り目が冴えてしまいます。また、帰宅途中でスーパーやコンビニなどに寄るのも、あまり好ましくないそう。店内は商品を見せるために明るく照らされているので、脳が昼間と勘違いしてしまい活動スイッチが入ってしまいます。

 

最後に、寝る数時間前に湯船に浸かって入浴をすると、入眠時に自然と体温が下がりやすくなり寝つきがよくなるそうです。時間がないときは、足湯やレッグウォーマーなどで足元を温めるだけでも効果が見込めます

 

睡眠不足を感じている方や眠れなくて悩んでいる方は、上記の3つを心がけてみるとよいでしょう。また、楽天市場の睡眠アイテムの特集ページでは、睡眠コンサルタントの友野氏による快眠グッズの選び方や快眠のポイントなども解説されているのでチェックしてみてください。

一人暮らしが待っていた! ハイセンスから5.5kgタテ型洗濯機で日本初となる「洗剤・柔軟剤自動投入」搭載モデルが登場

ハイセンスといえば世界で高い家電シェアを誇るグローバルメーカー。そんな同社の日本法人・ハイセンスジャパンが、日本向けに開発した縦型洗濯機の新製品「Lシリーズ」を7月上旬に発売します。新製品は5.5kg~7kgという単身・少人数世帯向けサイズながら液体洗剤・柔軟剤自動投入機能を搭載。しかも、市場想定価格が4万5000~5万5000円前後と価格も手ごろです。世界のハイセンスが「日本向け」に開発した洗濯機はどのようなものなのか? 実機をチェックしてきました!

↑ラインナップは洗濯容量5.5kgの「HW-G55XL-W」(実売予想価格4万5000円前後)、6kgの「HW-K60XL-W」(同5万円前後)、7kgの「HW-G70XL-W」(同5万5000円)の3モデル。本体サイズや外観は3モデル共通です。

 

5.5kgの縦型洗濯機で国内で初めて洗剤自動投入機能を搭載

いま人気の洗濯機といえばドラム式。ですが、設置スペースのコンパクトさや手頃な価格設定から「縦型洗濯機しか設置できない」という家庭も多いでしょう。ところが、これまでに発売されたコンパクトな縦型モデルは、価格を抑える代わりに機能がシンプルになりがちでした。

 

今回発表された「Lシリーズ」は、単身・小世帯向けにぴったりの小容量コンパクトタイプながら、一般的な小容量縦型洗濯機にはあまり搭載されない「液体洗剤・柔軟剤自動投入機能」を搭載。なかでも、5.5kgモデルの縦型洗濯機にこの機能を搭載したのは、HW-G55XL-Wが国内初とのことです(ハイセンス調べ。2025年4月15日現在)。

↑衣類投入口奥にある液体洗剤・柔軟剤自動投入用タンクを引き出したところ。

 

↑自動投入タンクの横には柔軟剤の手動投入口も。「いつもと違う柔軟剤が使いたい」という場合も安心です。写真下洗濯槽内に見えるのは液体洗剤・漂白剤の手動投入口。

 

実は、洗濯において意外と面倒なのがこの洗剤の計量。液体洗剤は「水30Lにつき洗剤15ml」など、洗濯する衣類の量によって適切な洗剤量が変わります。洗剤量が少なすぎると汚れ落ちが悪くなり、多すぎるとすすぎ残しや、水道・電気のムダのもと。しかし、Lシリーズなら自動投入機能によりこの計量の手間を解消できるのです。5.5kg~7kg洗濯機といえば、一人暮らし世帯にも選ばれやすいサイズ。忙しい一人暮らしだからこそ、少しでも家事手間をラクにしたいと考えている人にはうれしい機能です。

↑ハイセンスによる調査では、洗濯機に洗剤・柔軟剤を投入する際の悩みのトップが「計量が面倒」だったそう。

 

なお、洗剤と柔軟剤のタンク容量は各550ml。月に1~2回の補充で済むので、こまめな詰め替えも不要です。液体洗剤や柔軟剤の置き場所に困ることもなくなり、洗濯スペースをすっきり利用できるのもうれしいメリットですね。

↑商品管理部の今井氏。日本向けの製品を開発した理由について、「日本は洗濯機を木の床の上で使う特殊な状況。さらに、洗剤も数多くの種類が発売されており、それに対応しなければなりませんでした」と語りました。

 

必要十分な洗浄機能を持ち、コースに追加できる「+機能」も便利

Lシリーズの最大の特徴はコンパクトな本体サイズと液体洗剤・柔軟剤自動投入機能にありますが、もちろん洗濯性能も妥協はしていません。

 

洗濯機能には勢いのある立体シャワーを採用し、衣類をしっかり循環させる激流パルセーターV3、ステンレス槽側面に施されたダイヤモンド形状などで汚れ落ちをサポート。発表会では実際に白いTシャツを洗濯するデモンストレーションもありましたが、標準コースで10分洗浄しただけで汚れがきれいに落ちている様子が確認できました。「コンパクト」で「手間なし」「高コスパ」なだけではなく、洗濯機としての洗浄性能にも期待できそうです。

↑立体シャワー水流、激流パルセーターV3、ダイヤモンド形状のステンレス層を搭載するなど、洗浄機能も充実。

 

↑発表会では、ファンデーションと醤油をべったりと付着させたTシャツ(左)を洗濯するデモを行いました。標準コースで約10分洗濯後に取り出したTシャツ(右)は、短い洗濯時間にもかかわらず汚れがスッキリ落ちています。

 

「標準」以外にも「おいそぎ」「つけおき」「おしゃれ着」といった一般的な運転コースをしっかり搭載。そのほか、一般的な洗濯コースに1つの機能を追加できる「+機能」も便利です。柔軟剤の香りを際立たせる「香&消臭」、洗剤洗いを2回する「2度洗い」、そして室内干し臭がしないようにしっかり脱水する「部屋干し」を追加することが可能です。生活スタイルに応じた洗濯ができる点も、本製品の魅力といえるでしょう。

↑新製品の操作パネル。多くの洗濯機は操作パネルが本体手前側にありますが、本製品は投入口の奥に配置。これにより投入口手前がスッキリして衣類の出し入れがしやすく、掃除もラクになりました。なお、運転中でも洗濯槽の中身が見える透明窓も特徴です。

 

↑背の低い女性でも洗濯槽の底まで手が届きやすくなっています。

 

機能・手軽さ・価格のバランスが「ちょうど良い」製品

市場のプレミアム縦型洗濯機と比較すると、本製品は特別高機能とはいえません。しかし、「ちょうど良いサイズ」と「ちょうど良い便利さ」、そして「手に取りやすい価格」が三拍子揃っていて、とてもバランスが取れたモデルだと感じました。増えつつある一人暮らしや共働きの少人数世帯にとって、この「ちょうど良さ」はうれしいところ。発売は7月以降になりますが、これから一人暮らしを予定している方、コンパクト洗濯機の買い替えを考えている方は、本製品をチェックしてみてはいかがでしょうか。

↑写真左はハイセンスのファミリー向け縦型洗濯機で洗濯容量8/10kgのHW-DG80XH/HW-DG1001。右側にある新製品Lシリーズがかなりコンパクトなのがわかります。Lシリーズの本体サイズは幅540(排水ホースを除いた場合は500)×奥行530×高さ960mm。

伝説のサワーが缶で家庭へ!サッポロ「氷彩サワー1984」が96%に「飲みやすい」と評価された背景にあった開発者の執念が凄い

居酒屋でよく飲む人なら、「あ、あのお酒だ!」と気づいたかもしれません。それが、2月18日に発売された「サッポロ 氷彩サワー1984」。開発者も参加した体験会にて、味のレビューはもちろん、製法へのこだわりや開発の裏話を取材してきました。

サッポロ
サッポロ 氷彩サワー1984/サッポロサワー 氷彩1984 素
350ml缶 148円/500ml瓶 650円(税抜)

 

 

適度な甘みや酸味が調和。軽やかで奥深い爽快サワー

商品名に「1984」とあるように、「サッポロサワー 氷彩 1984」のルーツは、1984年に発売された蒸留酒「サッポロホワイトブランデー 氷彩」にあります。のちに飲食店向けの「氷彩サワー」として進化し、今もなお全国の居酒屋で支持されているロングセラーです。

↑こちらは体験会が開催された、東京・恵比寿「民家」。なお、現在飲食店で提供されている樽詰の氷彩は、12月以降に「サッポロサワー 氷彩1984 樽詰(プレーン・レモン)」へリニューアル

 

氷たっぷりで香る、フレッシュな香味と絶妙なバランス

「サッポロ 氷彩サワー 1984」はワインを蒸留したホワイトブランデー仕立てであることが特徴。まずはどんな味かをレビューしましょう。氷をたっぷり入れたグラスに注ぎ、飲んでみました。

↑レモンサワーやグレープフルーツサワーのような、ダイレクトなまでの香りではないものの、フレッシュな柑橘フレーバーが印象的。

 

まず、香りの第一印象はみずみずしい柑橘系。レモンサワーのような直球の香りではなく、ふんわりと自然に立ちのぼるアロマが心地よいです。炭酸は強すぎず、適度なガス圧が爽快さを引き出しつつも飲み疲れしにくい仕立て。味わいの軸には、すっきりしたまろやかさがあり、ほんのりとした甘みが全体をまとめています。

 

↑アルコール度数は7%と十分なボディ感。しかしながら、違和感のあるお酒の香りや重さはない、すっきり爽やかな飲み口。

 

アルコール度数は7%としっかりめ。しかし、重たさやクセはなく、口当たりの良さが際立ちます。パッケージに「軽やかで奥深い」と記されている通り、甘み・酸味・アルコール感の三要素が高い次元でバランスされており、「飲みごたえがあるのに軽い」という絶妙なギャップを実現。飽きずにおかわりしたくなるおいしさです。

 

和洋中どれとも合う。“料理に寄り添う”サワーとしての完成度

↑単体のおいしさはもちろん、料理との相性も幅広いとのことでフードペアリングをお試し。写真は「民家特製! 牛すじ煮」550円(試食用の小ポーション)。

 

この「氷彩1984」は、どんな料理とも相性が良く、特に居酒屋のおつまみとは抜群のペアリングを発揮します。牛すじ煮のような甘辛い料理から、いくらや揚げ物まで、さまざまな味付けと見事に調和。甘みや酸味が料理の味を引き立てつつ、炭酸のキレが脂っぽさをさっぱりと流してくれます。

↑手前が「鮭のイクラ盛り」(480円)、右が「レバカツ」(150円)。ともに「民家」の人気メニューであり、「氷彩」との相性も抜群。

 

飲食店文化とともに育った“万能サワー”という設計思想

やはり、居酒屋を主戦場としてきたDNAはさすがの一言。外食シーンに「氷彩サワー」が親しまれていった昭和~平成は、ファミレスや総合居酒屋チェーンの黄金時代。おつまみは、和洋中にエスニックとなんでもアリだったわけで、そうした多彩な味付けの料理と幅広く合うよう味が設計されているのです。「サッポロサワー 氷彩1984」のストライクゾーンの広さにも納得です。

 

なぜホワイトブランデー? 開発者が語るこだわりのルーツ

今回の体験会には、「氷彩サワー1984」の開発を担当したブランドマネージャー・森田隆文さんも参加。

↑ブランドマネージャーの森田隆文さん。

 

筆者が気になったことを聞いてみました。なぜ「氷彩」はホワイトブランデー(ウォッカと一部ブランデー)を特徴としたのでしょうか?

 

というのも、サッポロの定番である「濃いめのレモンサワー/グレフルサワー」や「ニッポンのシン・レモンサワー」のベースはウォッカ。その他市場の缶チューハイも多くは、ウォッカ、または甲類焼酎というのが主流。約40年前から振り返っても、スタンダードなブランドにホワイトブランデーを使うのはかなり珍しい気がするのです。

 

「当時の詳細が残っておらず、正確なことはわからないのですが、ひとつはブランデーへの新たなチャレンジがあったと考えています。例えば、王道のブランデーは樽熟成が生む重厚な香りや味が特徴のひとつですよね。ただ、『氷彩』は木樽ではなくステンレスタンクで仕込んだホワイトブランデーですから」(森田さん)

 

ホワイトブランデーは、まろやかでありながらもクリアでフレッシュな香味が魅力のひとつ。40年以上前、「氷彩」を生み出した開発チームは、木樽熟成のブランデーとは異なるこの味わいに新奇性を見出し、他の商品との差別化として打ち出したのかもしれません。

 

ちなみにこの味わいについて発売前に行った試飲調査では、プレーンサワーの味に対して73%の人が「ギャップがあった」と回答。それは悪いギャップではなく、73%のうち96%の人が「思ったよりも飲みやすくておいしい」と答えたとか。

 

他の3倍以上の試作回数。試行錯誤の末にたどり着いた味

同じく参加した開発担当の岩佐拓幸さんには、味づくりについて聞きました。今回、飲食店で愛されてきた味わいを缶の「サッポロサワー 氷彩1984」として発売するにあたり、難しかった点を挙げるなら?

↑開発担当の岩佐拓幸さん。

 

「やはり味覚バランスですね。レモンや梅といった明確な味素材がありませんから、例えば甘みを落としていくと酸味が際立ってくるなど、バランスを考えながら調整する必要があります。そのうえ缶は缶で独自のアルコール度数や炭酸の強さで設計しますし、とにかく丁寧なチューニングが必要でした」

 

岩佐さんは、『濃いめ』ブランドや『男梅サワー』なども担当してきたそう。

 

「いままで担当した商品と比較すると、この『サッポロサワー 氷彩1948』は缶のほかに樽や素のビンも含めて3倍以上の試作回数に上ったと思います。それだけ細かく検証し、商品化に至りました」(岩佐さん)

↑「氷彩」は、楽しみ方の幅広さを表現したネーミングでもあり、「氷」はロックやソーダ割りなど、「彩」はカクテルなど多彩な飲み方を訴求。写真のように、きゅうりのスライスをあしらうのも意外なおいしさ。

 

店主が語る“甘み”の意義と、うまみとの関係

飲食店という顧客接点から長年「氷彩」ブランドに親しんでいる、「民家」の店主、大和田政晴さんにも「サッポロサワー 氷彩1984」の感想を聞きました。

↑恵比寿の「民家」は創業1972(昭和47)年で、政晴店主は二代目。サッポロビール認定の、パーフェクト黒ラベル第1号店でもあるレジェンド店だ。

 

「『“氷彩”の魅力は、その甘みにあると思います。そもそも甘みはうまみに含まれるもので、料理のおいしさにも欠かせないものなんですね。私も調理において、甘みは最も大切にしています。そして甘みがないと、酸味や辛味やすっきりしたキレなども演出できません。『サッポロサワー 氷彩1984』の爽快感の奥に感じるうまみも、甘みが出してくれているのだと思います。だからこそ料理にも合うのだと思いますし、ぜひうまみとの調和を感じてほしいですね」(大和田さん)

↑大和田さんは、この日のためにオリジナルメニューも考案。それが、アジアンテイストのピリ辛に仕立てた「鮭のちゃんちゃん焼き」。

 

奇しくもサッポロで「1984」といえば、同社が1984年に開発し、いまや世界中のブリュワーから人気となっている伝説のホップ「ソラチエース」を使った「サッポロ SORACHI 1984」もあり、「サッポロ 氷彩サワー 1984」にも熱量を感じます。

 

また、4月15日からはさっそく限定品で「サッポロサワー 氷彩1984 晴れやかライム仕立て」が発売に。今後も新フレーバーなどが登場する可能性は高そうで、目を離せません。

 

ルンバがラインナップを一新! 大注目は「お腹の中にヘラ内蔵」で「60日ゴミ捨て不要」なエントリーモデル

ロボット掃除機といえば「ルンバ」を思い浮かべる人も多いでしょう。そんなルンバを発売するアイロボットジャパン合同会社(以下、アイロボット)は、4月18日に製品ラインナップを一新。なんと、エントリーモデルからフラッグシップモデルまで、6モデルの新製品が登場しました。新しいルンバはどのように変わったのか? 新製品発表会にて実機をチェックしてきました。

Roomba 205はコンパクトな充電器ながら約2か月もゴミ捨て不要!

今回の全面リニューアルで、ルンバシリーズは大きく3つのグループに分けられるようになりました。それが普及モデルの「Roomba」、ミドルクラスの「Roomba Plus」、そしてプレミアムモデルとなる「Roomba Max」です。

 

従来のルンバはセンサーを駆使した賢い走行が特徴でした。新製品はエントリーモデルからフラッグシップまで6モデル共通で新しくレーザーによる距離計測機能(ClearView LiDAR)を搭載。カメラだけでは難しかった素早いマップ作成や、暗い場所での位置把握に強くなりました。

↑本体上部に飛び出ているのがレーザー照射部(一部製品はレーザーが本体内に内蔵されています)。

 

↑新製品はアプリも「iRobot Home」から「Roomba Home」に変更。新モデルではエントリーモデルでも「進入禁止エリア」などをアプリ上で設定できるようになるなど、さまざまな違いがあります。

 

今回6モデルもの新製品が発表されましたが、個人的に注目したいのが普及モデルの「Roomba 205 DustCompactor Combo ロボット」(以下、Roomba 205)です。最近のロボット掃除機は、掃除のたびに充電ステーションでゴミを回収する「自動ゴミ収集機能」搭載モデルが増えています。ところが、こういったステーションはどうしても充電台のサイズが大きくなりがち。一人暮らしなどの狭い住宅では置く場所に困ることも多々あります。そこで、Roomba 205は本体のダストボックスのなかにアームを配置。物理アームでゴミをギュギュッと圧縮することで、なんと本体内に約60日分のゴミを溜めておくことができます。

↑手のひらサイズのコンパクトな充電台ながら、約60日ゴミ捨て不要な「Roomba 205 DustCompactor Combo ロボット」(公式オンライン価格5万9200円・税込)。家具の下に設置できそうな充電台のサイズです。

 

↑Roomba 205はダストボックス天井部分に付いている緑のアームでゴミを機械的に圧縮(写真左)。横にある綿は一度に吸引できるゴミの量です。

 

普及クラスはRoomba 205のほか、ゴミ圧縮機能を搭載しないシンプルな機能の「Roomba 105 Combo ロボット」をラインナップ。また、オンライン限定モデルとしてRoomba 105 Combo ロボットに自動ゴミ収集機能搭載のステーションを付属した「Roomba 105 Combo ロボット+ AutoEmpty 充電ステーション」の全3モデルをラインナップしています。

↑Roomba 105 Combo ロボット(写真左・公式オンライン価格3万9400円・税込)とRoomba 105 Combo ロボット+ AutoEmpty 充電ステーション(写真右・同5万9200円)。こちらは本体上面からレーザー部が飛び出ているデザインを採用しています。

 

ミドルクラスはルンバ初となる円形モップを採用した全自動モデル

もうひとつの注目製品は、水拭きモップの自動洗浄・乾燥まで可能な全自動モデル「Roomba Plus」シリーズです。いままでのルンバだと、吸引も水拭きもできるモデルには、モップにシート状のパッドを採用していました。そんななか、Roomba Plusシリーズはルンバ初となる円形回転タイプのモップパッドを採用しています。

 

Roomba Plusは2モデルあり、上位モデルとなる「Roomba Plus 505 Combo ロボット + AutoWash 充電ステーション」(以下、Roomba Plus 505/公式オンライン価格12万8400円・税込)はモップが外側に伸びる可動式モップを採用しています。これにより、壁際ギリギリまでしっかり水拭きができるのです。

↑自動ゴミ収集機能はもちろん、水拭きモップの自動洗浄・乾燥機能まで搭載したRoomba Plusシリーズ。Roomba Plusシリーズは2モデルとも外観はほぼ同じです

 

↑上位モデルであるRoomba Plus 505(写真右)は本体右後方のモップが外側に伸びる可動式モップを採用。写真左が下位モデル。

 

なお、下位モデルである「Roomba Plus 405 Combo ロボット + AutoWash 充電ステーション」(公式オンライン価格9万8800円・税込)は、この水拭きモップが外側に伸びる機構を搭載していません。また、上位モデルは温風でモップを自動乾燥させるのに対し、Roomba Plus 405は温風乾燥ではなく送風乾燥機能のみ搭載。また、下位モデルのRoomba Plus 405はオンライン限定モデルとなります。

 

生活スタイルに合わせた製品が選びやすいラインナップに

フラッグシップモデルとなる「Roomba Max 705 Vac ロボット + AutoEmpty 充電ステーション」(以下、Roomba Max 705/公式オンライン価格9万8800円)は、今回発表された製品のなかで、唯一吸引掃除のみに対応したモデルです。水拭き掃除はできないものの、そのぶん吸引力はルンバ史上最大。今回発表されたRoombaとRoomba Plusは過去発売された「Roomba 600」の最大70倍の吸引力がありますが、Roomba Max 705のみ最大180倍という断トツの吸引力を誇ります。

↑プレミアムモデル唯一の新製品である「Roomba Max 705 Vac ロボット + AutoEmpty 充電ステーション」。新製品で唯一水拭き掃除ができないモデルです。

 

↑Roomba Maxのみ本体裏側に2本のゴム製デュアルアクションブラシを搭載し、ゴミのピックアップ率を強化。実は、今回発表されたRoomba Max以外の5製品はすべてシングルブラシタイプです。

 

今回6モデルの新製品が登場しましたが、RoombaとRoomba Plusは吸引力は同じであるもののRoombaは機能がシンプルで充電台がコンパクト。このため、コスパを重視している方や、部屋が広くない単身世帯などではRoombaが向いていると思います。一方、Roomba Plusは吸引掃除だけではなく水拭き性能も重視。さらにモップの自動洗浄・乾燥にも対応しているので、忙しい子育て世帯や広い間取りの家に便利でしょう。そして、フラッグシップモデルであるRoomba Maxは圧倒的な吸引力により、抜け毛が気になるペットオーナーやカーペットが多い家庭に最適。ラインナップを一新したことで各製品の特徴がわかりやすくなり、ライフスタイルに合わせて製品が選びやすくなったと感じました。

「有機ELの画質を超える」ハイセンスの大画面 Mini LEDテレビ「U9R」「U8R」「U7R」

ハイセンスジャパンは4月24日、Mini LEDテレビのフラッグシップモデル「U9R」、ハイエンドモデル「U8R」、エントリーモデル「U7R」を発表しました。今回、事前に製品を見る機会がありましたので、その様子をレポートします。新製品はいずれも高画質、AIエンジン、独自のVIDAA OSなど、優れた技術を惜しむことなく投入しています。

 

まずは3モデルそれぞれの製品名や想定価格、発売予定日から見ていきましょう。

 

製品名/画面サイズ/想定価格(税込)/発売予定日

85U9R/85V型/64万8000円/6月6日

75U9R/75V型/44万8000円/6月6日

65U9R/65V型/33万8000円/6月6日

 

100U8R/100V型/89万8000円/5月15日

85U8R/85V型/44万8000円/5月15日

75U8R/75V型/29万8000円/6月6日

65U8R/65V型/23万8000円/5月15日

55U8R/55V型/19万8000円/6月6日

50U8R/50V型/16万8000円/5月15日

 

75U7R/75V型/25万8000円/5月15日

65U7R/65V型/18万8000円/5月15日

55U7R/55V型/15万8000円/5月15日

 

U9Rは、有機ELの画質を超えるテレビとして企画開発したという製品です。新たに「ダイナミックXディスプレイ」を搭載することによって、昼間のリビングでも見やすい高輝度、高純度な色再現性、有機ELに匹敵する黒の表現などを実現しています。

↑フラッグシップモデルのU9R。

 

ディスプレイは、従来モデルに比べて画面の映り込みを50%低減した「ARコート低反射フィルム」、斜めから見ても色あせない「広視野角シートPRO」、発光効率を上げつつも光漏れを抑えた「Mini-LED X」バックライト、豊かな色彩を実現する「量子ドットダイナミックカラー」を組み合わせています。

↑最高級とうたう低反射フィルム。

 

↑斜めから見ても楽しめる広視野角シート。

 

↑ダイナミックXディスプレイに搭載された新開発のバックライト。

 

また、最新のAIエンジン「HI-VIEW AIエンジン PRO」を採用。ネット動画で発生しがちなバンディングノイズを抑える「AIピクチャー」や、前後のフレームを学習して補完する「AIクリアモーションPRO」、シーンに応じで画面を最適化する「AIシナリオ」といった機能を備えています。

↑画質と音質を調整するHI-VIEW AIエンジン PRO。

 

音質面では最大出力110Wの音響システムを搭載しました。構成はトップスピーカー×2、サブウーファー、サイドスピーカー×2、センタースピーカー、フルレンジスピーカー×2。さらにHI-VIEW AIエンジン PROの、シーンに応じて音を調整する「AIサウンド」によって最適な音質を楽しめるそうです。

↑Dolby Atmosにも対応する音響システム。

 

このほか、快適な操作性を実現するという「VIDAA OS」、ネット動画サービスにアクセスできる12個のダイレクトボタン、ゲームを楽しむためのゲーミングメニュー、デバイスとの接続性を高める「AirPlay」などを搭載しています。

↑リモコンには12個のダイレクトボタンが配置。

 

↑独自のVIDAA OS。

 

U8Rは、ハイセンスジャパンが主力と位置付けるモデルです。低反射フィルム、広視野角シートPROに加え、従来モデルから最大輝度が67%向上したうえにエリアコントロールの分割数も4倍以上となったバックライトパネルを搭載。クラスを超える輝きとコントラストを実現したとうたいます。

↑U8R。

 

↑輝度が格段に上がったバックライトを搭載。

 

スピーカーは最大出力60Wで、本体下部に左右1基ずつのほか、サブウーファー、トップスピーカー2基を搭載しています。またAIエンジンは上位モデルと同じHI-VIEW AIエンジン PROを採用しました。

 

U7Rは、Mini LEDバックライト、広色域量子ドット、輝度強化フィルム、広視野角の液晶パネルを搭載したエントリーモデル。サウンドは最大出力40Wで、左右のメインスピーカーとサブウーファーの構成となっています。また、U7RにもHI-VIEW AIエンジン PROを搭載しました。

↑U7R。

 

世界をリードする技術と日本基準の品質でシェアを伸ばす

ハイセンスジャパンはテレビにおいて、2024年の実績で国内シェア3位につけており、着実にシェアを伸ばしています。製品が売れている理由として同社は「高画質、操作性、手ごろな価格からくるコストパフォーマンスといった理由があるかもしれないが、そこだけではない」といいます。

 

グローバルで見ると、CESで発表したRGB Mini LEDテレビやマイクロLEDテレビなど、日本に導入していない製品があり、そうした製品のベースには「世界をリードする技術」があると説明。加えて日本基準の品質も持ち合わせており、その両方を持つ唯一の海外ブランドがハイセンスであるとしています。こうした背景から、製品に自信があるため、テレビ製品ではメーカー3年保証もつけています。日本でも人気を得ている理由はこの技術と品質にあるというわけです。

 

今後は技術と品質に裏打ちされた製品がシェアをどこまで伸ばせるかが注目でしょう。

 

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TCLの大画面Mini LEDテレビ新モデルは見どころ大アリ! バックライトの精密制御で超高コントラストだしB&Oのスピーカーも搭載

TCL JAPAN ELECTRONICSは4月24日、量子ドットMini LEDの4Kテレビ2シリーズ4モデルを含む、新製品を大量に発表しました。事前に製品の説明を受けたので、その様子をレポートしていきます。まず主な製品ラインアップは下記のとおりです。

 

X11K/フラッグシップモデル 量子ドットMini LED4Kテレビ(98V型)

C8K/プレミアム量子ドットMini LED 4Kテレビ(98V型、85V型、75V型、65V型)

C7K/量子ドットMini LED 4Kテレビ(98V型、85V型、75V型、65V型、55V型)

C6K/量子ドットMini LED 4Kテレビ(98V型、85V型、75V型、65V型、55V型)

 

価格はX11Kが200万円前後、C8Kは36万円前後~(65V型)、C7Kは20万円前後~(55V型)、C6Kは14万円前後~(55V型)です。

 

新製品のなかでも注目なのは、プレミアムモデルに位置づけられるC8Kです。フラッグシップのX11Kと同等の高画質技術を搭載しながら、65V型で36万円前後とお手頃な価格におさまっています。また、テレビの非表示領域をほとんどなくしたベゼルレスデザインもポイントです。

↑プレミアムモデルのC8K。

 

フラッグシップ以外にも採用されたユニークな高画質技術

高画質技術についてのトピックは、映像内の明るい部分で光が暗い部分にもれてしまって輪郭がにじむ「ハロー現象」を抑える「全領域ハロー制御テクノロジー」を搭載。X11KとC8K、C7K、C6K(Cシリーズ)共通で内蔵された技術です。

 

この全領域ハロー制御テクノロジーを実現するために、2024年モデルに比べて53.8%明るくなった発光チップや、チップが発光する光を均一に調光してパネルに送るマイクロレンズ、明暗のディテールを強化するアルゴリズムなど、7つの技術を採用しています。

↑新しくなった発光チップ。

 

↑パネルは蝶の羽のように配列された液晶分子が電界に対して垂直に並ぶことで、光の遮断性能が向上し、最大で7000:1 のコントラスト比を実現しているそうです。

 

また、バックライトをゾーンレベルではなく、ピクセルレベルで制御する「プレサイスローカルディミング」も搭載。それぞれのバックライトで光の干渉を抑えることができるため、ゾーン制御よりも自然なコントラストを実現したそうです。こちらもX11KとCシリーズで共通。

↑バックライトをピクセルレベルで制御するプレサイスローカルディミング。

 

さらにAI映像エンジン「AiPQ Proプロセッサー」を内蔵し、画質と環境に応じて映像を最適化します。シーンに合わせて明瞭やコントラストを調整する「Aiシーン」やSDR映像をHDRにアップコンバートする「Ai-HDR」、映像と視聴環境の明るさを分析して適切なコントラストにする「Aiコントラスト」など、6つの高画質化機能をそろえました。これもX11KとCシリーズ共通です。

 

音質においては、大画面テレビでは珍しいBang&Olufsen(B&O)と共同開発した音響システムを搭載しました。今回の製品に合わせて、スピーカーの設計からチューニングまでをB&Oが担当しています。そのためか、詳細なスピーカー構成や出力などは非公開です。B&OのスピーカーはX11K、C8K、C7Kに搭載されています。

↑B&Oのスピーカーは背面の真ん中より少し上の位置に配置。

 

テレビの非表示領域をなくしたC8K、フラットデザインに仕上げたX11K

注目のC8Kにおいて、独自のポイントとして挙げられるのは「Virtually ZeroBorder」です。通常テレビ画面の端に黒い非表示領域があるものですが、C8Kではこの非表示領域をほとんどなくしています。これによって、たとえば壁掛け設置をした際に、映像が浮いているかのように見え、高い没入感を得られます。Virtually ZeroBorderはフラッグシップのX11Kにはない仕様です。

↑左がC8Kで、右がC7K。C7Kの画面隅にはわずかに黒い非表示領域を確認できますが、C8Kでは確認できません。

 

ではX11Kの独自ポイントはなにかというと、本体背面の曲線をなくし、完全なフラットデザインを実現したことです。さらに本体の厚さは29.9mmとかなり薄くしています。

↑フラッグシップのX11K。

 

↑背面はフラットで、本体がとても薄いデザイン。

 

また、C8KとX11Kで明るさとプレサイスローカルディミングで制御するピクセルの個数に違いがあります。C8Kは5000nits/3600個以上の制御で、X11Kは6500nits/1万個以上の制御なので、見比べるとおそらく画質に違いが出てくるでしょう。

 

テレビにいち早く量子ドットを使うなど、独自の技術で高画質化を進めてきたTCL。今回の新製品もハローを抑える技術やバックライトをピクセルごとに制御する技術など、ほかでは押し出さない特徴をメインに据えています。またB&Oの音響システムも見どころでしょう。

 

それでいて、Cシリーズは大画面でも手が届きやすい価格を実現しています。高画質・高音質・大画面なテレビを少しでもオトクに手にしたいと考えるのであれば検討したい1台です。

 

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ゲーミングPCもここまで来たか! ギガバイトがAI搭載PCや世界初ディスプレイなどで情報量多すぎ

GIGABYTEは、ゲーミングブランド「AORUS」「AERO」シリーズの新ゲーミングノートPC、および新ゲーミングディスプレイの2025年新製品発表会を実施しました。

 

今回の発表会で紹介・展示されたのは、ゲーミングノートPC5製品、ゲーミングディスプレイ2製品の計7製品です。今年1月に米ラスベガスで開催された「CES 2025」で発表・展示されていたモデルも多く、「AORUS MASTER 18」「AORUS MASTER 16」といった一部製品はこの発表会に先行して販売開始されています。

 

 

音声コントロールも可能な独自AIアシスタントを搭載する初の試み

GIGABYTEは、マザーボードやグラフィックスカードといった自作PCパーツの開発・販売で有名な台湾の老舗PC・周辺機器メーカーです。近年はゲーミングPC市場の盛り上がりを受け、完成品のPCやディスプレイといった分野にも手を伸ばしており、ハイスペックなゲーミングPC、クリエイターPCなどで日本でも人気を博しています。

↑GIGABYTE独自開発のAIエージェント「GiMATE」を搭載。

 

同社ゲーミングノートPCの2025年モデルは、いずれも筐体デザインを一新したうえで、GIGABYTE独自開発のAIエージェント「GiMATE」(ジーメイト)を搭載するのが従来モデルと大きく異なる特徴です。

↑従来から用意されていたCPU・GPUまわりのパフォーマンス調整やファン回転数の変更なども「GiMATE」内に統合されています。

 

↑AIを利用した便利機能も用意。

 

GiMATEの導入にあたり、PCの負荷状況を反映してのCPU・GPU性能や冷却性能、ファン回転数(静音性)の変更といったパフォーマンス調整項目はGiMATE内の「G-Cellコントロールセンター」に統合されました。たとえば高負荷時に本体性能をブーストする、低負荷時に本体温度を見ながらファンの回転を止めるといった判断を、AIベースで実行してくれます。加えて、聴取環境をAIが判断してのオーディオ最適化、マイクのノイズキャンセリング、画面の前を他人が通りがかった際に警告表示や画面暗転によりプライバシーを守る「AI Privacy」などの機能も利用可能となっています。

↑複数の画像生成AIを統一UIで利用できるツール「GiMATE Creator」も内蔵しました。

 

また専用ツールとして、Stable DiffusionやFlux.1 AIといった生成AIモデルをシンプルな統一UIで操作できる「GiMATE Creator」も内蔵。AI開発プラットフォーム「Hugging Face」の個人アカウントとの連携が必要ですが、ノートPCで複数の生成AIモデルを使って画像生成を頻繁に行なう人にとってはうれしい機能でしょう。

 

GiMATEが一際ユニークなのは、独自の大規模言語モデル(Large Language Model、LLM)を活用してのテキスト・音声コントロールにも対応している点です。PCのタスクバー上にはツールの立ち上げボタンが用意されているほか、キーボードにも専用のホットキーを用意。起動したアシスタントにテキストチャットや音声で「ゲームがしたい」「ファンの音を落としたい」などと話しかけるだけで、簡単に本体のパフォーマンス調整が可能となっています。

↑テキストチャットや音声でアシスタントに指示を出せば、簡単に動作モードを変更できます。

 

↑本体キーボードに用意された「GiMATE」ホットキー。

 

AIエージェントのコントロール範囲はハードウェアのパフォーマンス変更のみに限定されており、「ChatGPT」のように幅広い用途に使えるわけではありませんが、音声コントロールに関しては競合メーカーでも採用されていない試みです。なお、これらのAI機能はすべて端末上で動作するため、インターネットに接続していない状態でも利用できます。

 

 

GeForce RTX 5000シリーズ搭載でゲームもクリエイティブも快適

発表された5機種のうち、「AERO X16」はクリエイティブ用途も考慮したマルチタスクユーザー向けとなりますが、基本的にはいずれの製品もグラフィックス描画性能が高いNVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 5000」シリーズのモバイル版を搭載するゲーミングを意識したスペックが魅力のひとつです。

↑発表会にはNVIDIA テクニカルマーケティングマネージャーの澤井 理紀氏も登壇。最新世代のGPUで利用できるDLSS 4や4:2:2デコード/エンコードなどの技術について解説しました。

 

モデルごとの最大スペックに関して言えば、コアゲーマー向けのAORUS MASTER 18とAORUS MASTER 16がRTX 5090搭載モデルをラインナップするほか、ミドルゲーマー向けの「AORUS ELITE」および先述のAERO X16がRTX 5070搭載モデルを用意。カジュアルゲーマー向けの「GIGABYTE GAMING A16」に関しては前世代のRTX 4000シリーズ搭載モデルもあるものの、こちらも最上位モデルではRTX 5070を搭載しています。

 

フレームレート(1秒あたりの画面描画回数)を向上させるNVIDIAの超解像技術「DLSS 4」も活用すれば、フルHD~WQHDクラスの描画解像度はもちろん、タイトルによっては4Kでのゲームプレイも快適にこなせるだけのポテンシャルを備えていると言っていいでしょう。もちろん、比較的持ち運びやすい画像・動画編集向けPCとしても適性があります。

↑日本AMD 代表取締役副社長の関 路子氏。「RyzenはゲーミングとAIとのコンビネーションで高い性能を実現できる」と、AEROシリーズなどに搭載されるAMD製CPUの性能をアピールしました。

 

CPUは機種によりAMDのRyzen AI 300/200シリーズやインテルのCore Ultra(シリーズ2)などを採用。コスパを重視するため旧世代CPUを採用したGIGABYTE GAMING A16を除き、CPU内蔵のNPU(Neural Processing Unit。AI処理を得意とするプロセッサー)でAI処理能力を担保しているのも重要なポイントです。

 

総じて、どのモデルもヘビーに使い倒せる性能・機能の高さを備えており、AIのトレンドもおさえた”長く使いやすい”製品と言えそうです。

 

 

ゲームもクリエイティブも楽しめるGIGABYTE AERO X16

↑GIGABYTE AERO 16X。価格は27万円~

 

ゲームもクリエイティブも楽しみたいマルチタスクユーザー向けモデル。従来の「AERO」シリーズはクリエイティブモデルとしてプッシュされる側面が強かった印象ですが、この世代からはコスパや筐体の可搬性も意識した薄型製品という立ち位置に落ち着いています。

↑カラバリはスペースグレー、ルナホワイトの2色をラインナップ。

 

複数スペックをラインナップしており、CPUは「Ryzen AI 9 HX 370」「Ryzen AI 7 350」、GPUにはRTX 5070を搭載。メモリーは最大で64GB(DDR5)、ストレージは最大4TBまで搭載可能です。マイクロソフトの「Copilot+ PC」に準拠するほか、NVIDIAのクリエイター向けプラットフォーム「NVIDIA Studio」認定も取得しています。近年のゲーミングPCに搭載されることが多い、ゲームプレイ時などのGPU性能を最大化できる「MUX Switch」もサポートします。

↑ゲーミングPCとしては軽量・コンパクトで可搬性が高いのも特徴です。

 

本体重量は約1.9kg、本体厚16.75mmと、ハイスペックながら薄型・軽量の持ち運びやすい筐体が特徴。ディスプレイは16インチ、画面解像度はWQXGA(2560×1600ドット)で、アスペクト比16:10とやや縦に長い液晶パネルを採用しています。液晶パネルのリフレッシュレートは最大165Hzを確保しつつ、クリエイティブもカバーできるモデルらしく、色域はsRGB 100%カバーに加え、Pantoneのカラー認証を取得しています。

 

画面占有率92%、4辺スリムベゼルの狭額縁仕様に加え、Dolby Atmosのサラウンドサウンドに対応するデュアルスピーカーを搭載することも考えれば、エンタメコンテンツの視聴PCとしても優秀でしょう。

 

価格は27万円~で、発売は5月上旬を予定しています。

 

 

フラッグシップらしい性能と質感のAORUS MASTER 16、AORUS MASTER 18

↑AORUS MASTER 18。価格は64万円前後~。

 

GIGABYTEのゲーミング向けフラッグシップモデルが、AORUS MASTER 16およびAORUS MASTER 18です。冒頭でも述べましたが、両モデルともすでに発売済みとなっています。

 

どちらもCPUにIntel「Core Ultra 9 275HX」、GPUはRTX 5090またはRTX 5080(AORUS MASTER 16のみRTX 5070 Ti搭載モデルあり)を採用するなど、内部スペックは似通っています。メモリーは最大で64GB(DDR 5)、ストレージは最大4TBまで搭載可能といった点も同様です。

↑マルチレイヤー成型の天板を採用した、複雑な質感が特徴です。

 

一方で、両モデルの大きな違いは液晶パネルと本体サイズ、冷却システムの構造、スピーカーとなっています。18インチのAORUS MASTER 18はリフレッシュレート240Hz・応答速度3msのmini LEDディスプレイを採用しており、解像度はWQXGA(2560×1600ドット) 、輝度は最大1200nits、色域はDCI-P3 100%をカバーするなど、極めて高い性能が特徴です。

↑冷却システム「WINDFORCE Infinity EX」の内部分解図。2~4基の内蔵ファンとベイパーチャンバー、新設計のエアフローデザインで強力に本体を冷却します。

 

また、底部に配置されているファンは4台構成で、大面積のベイパーチャンバーや気流を整えるラテラルハウジングの併用により、最大270Wの排熱処理が可能であるとしています。ちなみにこの世代から、冷却システムの名称が「WINDFORCE Infinity EX」に変更されているとのこと。内部スピーカーは6台構成で、Dolby Atmosをサポートします。

↑サイズ違いの「AORUS MASTER 16」。価格は46万円前後~。

 

16インチのAORUS MASTER 16は、リフレッシュレート240Hz・応答速度1msの有機ELディスプレイを採用。解像度はWQXGA(2560×1600ドット) 、輝度は最大500nits、色域はDCI-P3 100%カバーとなっています。こちらは本体サイズを抑えていることもあり、底部に配置されているファンは2台構成で、最大230Wの排熱処理に対応できます。スピーカーはDolby Atmosをサポートする4台構成です。

 

そのほか、天板にはナノインプリント・リソグラフィ(NIL)による12層の光学素材を重ね合わせたAORUSロゴを採用するなど、外観にもこだわっています。余談ですが、2モデルともUSB PD 3.0に対応するThunderbolt 5ポートを備えているのも注目です。あまり外に持ち出すPCでもなさそうですが、いざというときには役立つでしょう。

 

AORUS MASTER 16の実売価格は46万円前後~、AORUS MASTER 18の実売価格は64万円前後~。

↑発表会では詳細に触れられなかったものの、会場には下位モデル「AORUS ELITE 16」が展示されていました。

 

 

カジュアルユーザー向けのGIGABYTE GAMING A16

↑GIGABYTE GAMING A16。実売価格は13万9800円前後~。

 

GIGABYTE GAMING A16は、コスパ志向のカジュアルユーザー向けモデルです。1世代前のGPUである「RTX 4050」を搭載したモデルはすでに発売済みで、RTX 5070を搭載した新モデルが5月中旬から販売開始される見込みです。

 

複数スペックをラインナップしており、CPUは「Ryzen 7 260」「Core i7-13620H」、GPUはRTX 4050またはRTX 5070を搭載。メモリーは最大で64GB(DDR5)、ストレージは最大4TBまで搭載可能です。CPUの世代が最新ではないこともあり、Copilot+ PCには準拠していません。

 

コスパ重視モデルながら本体厚19.4mm、重量2.2kgと、ゲーミングノートPCとしてはまずまずのコンパクトさを確保。ディスプレイは16インチ、画面解像度はWQXGA(2560×1600ドット)で、液晶パネルのリフレッシュレートは最大165Hzです。また、本モデルに採用されている「ゴールデンカーブキーボード」は、従来モデルから押下圧を55~60gまで引き下げており、打鍵による疲労感の軽減をうたっています。

 

実売価格は13万9800円前後~。

 

 

世界初のWQHD・500Hzゲーミングディスプレイも発表

↑ディスプレイ2製品も発表。いずれもハイスペックさに特徴のあるゲーミング向けモデルです。

 

発表されたディスプレイ製品は、世界初のWQHD(2560×1440ドット)解像度でリフレッシュレート500Hzを達成した27インチディスプレイ「AORUS FO27Q5P」に加え、27インチで4K(3840×2160ドット)・240Hz表示が可能な「GIGABYTE MO27U2」の2モデルです。いずれも高速なゲーム向けの仕様が特徴で、現時点では発売日が確定していないとのことですが、コアゲーマーにとっては今から登場が楽しみなモデルと言えます。

 

AORUS FO27Q5P

↑AORUS FO27Q5P。発売時期、価格は未定です。

 

1秒間に500回もの画面更新を実現する、最大リフレッシュレート500Hzを実現可能なモデルです。実際にゲームなどで500Hzを最大限活用するには相応のPCスペックが必要となりますが、現時点では世界最速のWQHDディスプレイと言えます。

↑リフレッシュレート500Hzと超高速な画面更新が可能ですが、スペック要求の高いゲームで利用する場合はPC側にもかなりの性能が求められます。

 

パネルは有機EL製で、応答速度は0.03ms(GtG)と超高速。色域はDCI-P3 99%をカバーするほか、Pantoneのカラー認証を取得。さらに、輝度性能と暗部のディティール表現を保証する「DisplayHDR 500 True Black」、動画表示の鮮明さを評価する「ClearMR 21000」といった認証を取得するなど、単に高速なだけでなく、画面表示の美麗さも特徴と言えます。インターフェイスに関しては、伝送速度80Gbpsを実現するDisplayPort 2.1 UHBR20をサポート。有機ELパネルで懸念されがちな画面の焼き付きを防ぎ、ディスプレイの寿命を延ばすAI ベースのパネル保護システム「GIGABYTE OLED Care」を搭載しています。

↑本体背面にはRGB LEDを搭載。5W×2のスピーカー内蔵で、スタンドはチルト、スイーベル、ピボットに対応します。

 

↑上辺および左右辺のベゼルが狭額縁設計となっています。

 

↑パネルの焼き付きなどを防止する「GIGABYTE OLED Care」機能を採用。

 

↑ゲーミングディスプレイらしいサポート機能も搭載します。

 

そのほか、ゲーミングディスプレイらしいサポート機能も複数用意。FPSゲームなどでフラッシュグレネードの激しい発光を自動的に調整して目の不快感を軽減する「フラッシュ調光」、ハードウェア上で画面サイズを24インチモードに縮小したり、アスペクト比を4:3や5:4に変更できる「タクティカルスイッチ 2.0」、暗部表現を調整する「ナイトビジョン」「ブラックイコライザー2.0」などを利用可能です。

 

発売時期・価格は未定です。

 

 

GIGABYTE MO27U2

↑GIGABYTE MO27U2。発売時期は未定ながら、価格は15万円前後を予定しています。

 

27インチサイズながら4K(3840×2160ドット)解像度に対応することで、166PPIと精緻な画面を実現しているのがGIGABYTE MO27U2です。リフレッシュレートが最大240Hzと高速なため、ハイスペックPCと組み合わせれば、4K解像度で滑らかなゲーム描画を堪能できるでしょう。

↑スタンド部分のデザインを刷新。マウスやキーボードの置き方に制限がかかりにくいデザインです。

 

パネルは有機EL製で、応答速度は0.03ms(GtG)。色域はDCI-P3 99%をカバーし、Pantoneのカラー認証に加えて「DisplayHDR 400 True Black」「ClearMR 13000」認証を取得するなど、こちらも十分に美麗な画面表示が可能と言えます。また、AORUS FO27Q5Pと同様にパネル保護システム「GIGABYTE OLED Care」を搭載しています。

 

発売時期は未定ですが、価格は15万円前後となる見込みです。

 

ゲーミングPCにもAI時代到来!

冒頭でも少し述べましたが、ゲーミングノートPCに専用のAIエージェントを搭載したのはおそらくGIGABYTEが初めてでしょう。音声コントロールなどの機能にどれだけ利便性があるのかは試してみないとなんとも言えないものの、いよいよゲーミングPCにもAI時代が到来しつつあり、その嚆矢となるのが今回発表された新製品群である、ということは言えるのではないでしょうか。各モデルはもちろん、GIGABYTEの今後の展開にも期待したいところです。

 

撮影/ヒゲ企画

会場に響く謎の絶叫…「Nintendo Switch 2体験会」レポート! 24人対戦のマリカー新作や、マウス機能を先行体験

「Nintendo Switch」発売から8年、待望の後継機種「Nintendo Switch 2(以下、Switch 2)」が登場です。発売は6月5日ですが、一足先に実機に触れることができました。任天堂が4月3日に国立代々木競技場 第一体育館で開催した、メディア関係者向け体験会「Nintendo Switch 2 Premiere」での新機能・新作ゲームの試遊レポートをお届けします。

 

任天堂
Nintendo Switch 2
メーカー希望小売価格(税込):49980円(日本語・国内専用)
5万3980円(日本語・国内専用 マリオカート ワールド セット)*年内限定生産
6
9980円(多言語対応 マイニンテンドーストアでのみ購入可能)

 

対戦相手が多すぎ……!マリカーって12人でのレースじゃなかった?

今回展示されたタイトルは20本以上。そのため会場内はいくつもの試遊ブースがありましたが、最も目を引いたのはSwitch 2 ソフト「マリオカート ワールド」のブースでした。いわゆる「マリカー」シリーズとしては実に約11年ぶりとなる新作で、Switch 2 と同日発売します。

 

……たまにどこかから雄叫びのような声が響いてくるのですが、マリカーで白熱しすぎた人が出している悲鳴、ではない模様。この声は一体?

↑「マリオカート ワールド」ブースにて、24人で順位を競う「グランプリ」を試遊しました。テレビ使用時は4K出力に対応。

 

コントローラーである「Joy-Con 2」を「Joy-Con 2 充電グリップ」に取り付けた、グリップ型のコントローラーでプレイ。握った瞬間、「Joy-Con」よりも手なじみが良く、これは操作がしやすそうだと直感。「Nintendo Switch (以下、Switch)」よりもSwitch 2 のほうが、ひと回りほど大きくなった兼ね合いで、Joy-Con 2もサイズアップして大人の手によりフィットするようになったためでしょう。

↑カラーは、ちょっとマットな質感でおしゃれなブラック。

 

↑Joy-Con 2 は、磁石を使って本体に「ピタッ」と装着する形になりました。本体背面の取り外しボタンを押せば、簡単に外せます。

 

肝心の「マリオカート ワールド」は、草原に街、海、火山など、すべてがつながった世界での、仁義なき24人対戦。レース画面に切り替わった瞬間、周囲にいる対戦相手の多さに思わず笑ってしまいました。

 

差がつきにくい序盤は特に大混戦で、順位変動が目まぐるしいだけに、そこから単独トップに躍り出る喜びは格別! しかも走行ルートの自由度も高いので、とっさの判断で相手を出し抜いたり、逆に出し抜かれたりと、駆け引き感があって楽しめます。

 

並みいるライバルを押しのけ、筆者は途中まで首位を独走していましたが、ゴール直前で出し抜かれて結果は二位。行く手を照らす夕日の美しさに目を奪われた――ということにしました。

 

実際、レース中の描画は始終なめらかで美しく、光や水の表現がとてもリアル。周りにライバルが複数いて、画面がゴチャついている時でも、画質に乱れはなかったように感じました。いかに処理速度やグラフィック性能がアップグレードしたか、よく伝わってきました。

 

続いて、Switch 2 本体を使って「マリオカート ワールド」を携帯モードでプレイ。

↑携帯モードになっても、同じように快適で楽しいゲーム体験ができました。

 

操作感は変わらず良好、映像もキレイです。携帯モード時の解像度は1920×1080ピクセルで、フルHDに対応しています。Switchとの差はそこまでないかと思いきや、臨場感がたっぷりで、より没入できました。Switchから厚みは変わらない(13.9mm)のに、液晶ディスプレイが1.7インチも大きくなった(7.9インチ)おかげのようです。

↑Switch(上)と、Switch 2(下)。並べてみると画面の大きさの違いが歴然!

 

↑Switch 2(左)、Switch(右)。画面が大きくなっても薄さが変わらないのが、すごいところです。

 

レースに白熱していてプレイ中は気づきませんでしたが、ゴールした後で両手にやや疲れを感じました。Switchよりも100gほど重さが増しているので、携帯モードで長時間遊ぶのは難しい人もいそうです。

 

ゲームが苦手な人も、マウス操作なら取っ付きやすい?

今回新たに追加された「マウス機能」を体験できるブースもありました。Joy-Con 2をSwitch 2 から取り外し、光学センサーが搭載された側面を下に向けて、パソコンマウスのように滑らせます。R/ZR・L/ZLボタンでクリック操作も可能。左右どちらのJoy-Con 2も問題なく使えて、利き手を選ばないのがうれしいポイントです。

↑パソコンマウスよりも幅が狭いものの、扱いはほぼ同じ感覚。誰にでも直感的な操作ができそうです。

 

↑Joy-Con 2。この部分(Switch 2 との接地面)を下に向け、マウスとして使います。

 

Switch用ソフト「スーパー マリオパーティ ジャンボリー Nintendo Switch 2 Edition + ジャンボリーTV」を通じて、マウス機能の面白さを実感できました。ブースでは4人向け、2対2で競う6つのミニゲーム「コウラホッケー」「キノピオレスキュー」「激突プルバックカー」「ぬいぐるみタワー」「クッパからのメール」「おめかしボムへい」が用意され、うち4つを試遊。いずれも、これまでにない操作が楽しめました。

 

例えば、「キノピオレスキュー」は「クリック」と「ドラッグ」でクリアを目指します。スタート地点にいるキノピオをクリックでつまみ、触れると電流が走る壁面にぶつからないよう、ドラッグでゴールまで運ぶゲーム。

↑操作はわかりやすいですが、内容は簡単すぎず、夢中になって遊べます。

 

「ぬいぐるみタワー」もクリックとドラッグができればOKです。カラフルなブロックや、ヨッシー、ミドリこうらのぬいぐるみなどをクリックでつまみ、Joy-Con 2をひねって角度をつけたり、置き場所を調整したりしながら、制限時間いっぱいまでに少しでも高く積み上げていきます。どこに何を、どう置くべきか、ペアを組む人との連携力が問われますね。

↑急いで高く積み上げても、バランスが悪いと崩れてしまいます。焦らず、じっくりと土台を作るのがコツかも。

 

ミニゲームごとに最低限のルールを把握する必要はありますが、操作自体はどれも直感的に理解でき、あまり考えることなく手指を動かせるのでストレスフリーでした。「普段はゲームをせず難しい操作は苦手なものの、家族や友人と集まった時にはパーティーゲームで遊ぶかも……」なんて人にとっては、ゲームへのハードルが一気に下がるのでは! もちろん「マウスを使用するPCゲーム」においても有用なので、今後Switch 2 で遊べるPCゲームのラインナップがますます充実しそうです。

 

遂に「雄叫び」の出所が判明!

マウス機能と並んで注目したいのが、「カメラ体験」ブース。ここではSwitch 2 内蔵のマイクに加え、別売りのカメラも使い、まさに自分がゲームの中に入ったかのようなユニークな体験ができました。

↑右が別売りのSwitch 2 カメラ。価格は5980円(税込)

まずはプレイヤーの登録からスタート。正面の壁掛けモニターの下に置かれたSwitch 2 とカメラの前に、Joy-Con 2を持ったプレイヤーが4人が横並びで立って、撮影するだけです。カメラと、筆者たちプレイヤーの間は2~3m程度。モニターに映った自分の姿を見ながら、示された枠の中に顔や体が入るよう位置を微調整します。

 

登録が終わると、画面が切り替わって「クッパオンステージ」というゲームが始まりました。7月24日発売予定の「スーパー マリオパーティ ジャンボリー Nintendo Switch 2 Edition + ジャンボリーTV」で遊べるコンテンツです。

 

マリオシリーズではおなじみ「土管」から出てきてみるとそこは……大観衆が熱狂するステージ! プレイヤーは赤と青それぞれのチームに2人ずつ割り振られ、3つの種目で体を張ってクッパと会場を盛り上げねばなりません。実際にジャンプして「ハテナブロック」を叩き、獲得したコインの数を競ったり、降ってくる「ちびクリボー」をバランスよく頭上に積み上げて高さを競ったり、さらには身振りと声量の大きさをアピールしたりと、まさに全身運動です。……会場に入った時から聞こえた雄叫びの正体はこれでした!

↑ラグなどはなく、ゲームへの没入感MAX! ただ全力で飛び跳ねたり、大声を出したりするので、近所への影響が気になるかも。

 

そのほか、Switch 2 用の完全新規タイトルで、本体にまつわる機能や仕掛けが遊びながら学べる「Nintendo Switch2 のひみつ展」(ダウンロード専用ソフト)や、7月17日発売の「ドンキーコング バナンザ」といった任天堂作品の目玉に加え、海外タイトルやPS5からの移植作の試遊もできました。あらゆるゲーマーのニーズに応える、強力な布陣です。

↑ Switch 2 と同日発売「Nintendo Switch 2のひみつ展」。Switch 2 本体が、そのまま歩いて回れるマップになっています。

 

Switchで育んだ絆は、そのままSwitch 2 へ

いくつかのブースを回り、Switch 2 から特に感じたのは「人やソフトとのつながり」への配慮でした。

 

紹介した「マウス機能」、「カメラ機能」だけでなく、フレンドからのボイスチャットに簡単に応じられる「Cボタン」、Switchのソフトも遊べる「後方互換性」、ゲームソフトをおすそわけできる「おすそわけ通信」。これらの新しい機能が、これまで一緒に楽しんできたプレイヤーとの絆、遊んできたSwitchソフトとの思い出を切り捨てさせることなく、Switch 2 を通じてますます大事にさせてくれるようです。

↑「Joy-Con 2 (R)」にある「Cボタン」で始められる、「ゲームチャット」。ゲームをプレイしながら、最大12人でボイスチャットしたり、プレイ中のゲーム画面を共有できたりします。

 

なお「おすそわけ通信」とは、一人がSwitch 2 と、「おすそわけ通信」に対応したソフトを持ってさえいれば、他の人は自分のSwitch 2 あるいはSwitchを持ち寄ることで、そのソフトをおすそわけしてもらって一緒に遊べる機能。公式サイトにはサラッと書いてありますが、「ソフトを持っていないせいで、ゲームの輪に入れなかった」なんて苦い経験を持つ人にとっては、夢みたいな話では?

 

Switchから、あらゆる面で正当に進化を重ねたといえそうなSwitch 2。日本においては、日本語・国内専用と多言語対応の2種類が発売され、価格が異なるので注意が必要です。4月16日午前11時まで「マイニンテンドーストア」で予約販売を受け付けていますが、応募にはいくつかの条件を全て満たしている必要があります。詳細は応募ページにて。

 

4月24日以降には、全国のゲーム取扱店やオンラインショップで順次予約、または抽選の受付を開始する予定だとしています。

 

(c) Nintendo
Nintendo Switchは任天堂の商標です。

さまざまなシーンに対応! オニツカタイガーの新シューズは「ハイファッションとパフォーマンスの融合」がテーマ

「ONITSUKA TIGER(オニツカタイガー)」は3月25日、「ハイファッションとパフォーマンスの融合」をテーマにした新たなスニーカーシリーズ「(ULTI RS SERIES)(アルティ アールエス シリーズ)」を発表しました。

 

ライフスタイルに寄り添うスポーツシューズ

アルティ アールエス シリーズは、トレイルシューズをベースにした「ティグトレイル アールエス」、ランニングシューズをベースにした「ティグラン アールエス」、バスケットボールシューズをベースにした「ティグコート アールエス」の3モデルで構成。いずれも都市生活になじむデザイン性と機能性の両立を追求した点が特徴です。第一弾となる、ティグトレイル アールエスを3月28日に全国の店舗と公式オンラインで発売。ほか2モデルについては、今年秋以降発売予定で価格は未定。

↑「ティグトレイル アールエス」。価格は2万9700円(税込)。カラーは、先行発売するホワイト、オイスターグレー、クラシックレッド、ブラックの4色のほか、ピンク、イエロー、ブラウンも今後登場予定。

 

↑ランニングシューズをベースにした「ティグラン アールエス」。

 

↑バスケットボールシューズをベースにした「ティグコート アールエス」。

 

登壇したオニツカタイガー デザイン開発マネジャー 国分大輔氏が言うには、「同シリーズは、トップアスリートのためのシューズを開発してきた同社のスポーツ工学研究所の持つノウハウを最大限に活用した。異なる素材の組み合わせで、トレイル、ラン、バスケそれぞれのシーンに求められる機能性と履き心地を追求しています」とのこと。

↑オニツカタイガー デザイン開発マネジャー 国分大輔氏。

 

“ティグトレイル アールエス”でいうと、凹凸のある地面を走行しやすいような耐久性と安定性、コントロール性を高める工夫を凝らしている。ミッドソールには、軽量かつ反発性に優れた“フライトフォーム(FLYTEFOAM)”を採用。前足部分はこれを薄く配したことで、足裏で地面を捉える感覚を実現。足の中央部分に配した硬い“トラスティック”と呼ばれるパーツは、足のねじれを防ぎ安定性の向上に貢献しています。またアウトソール部分は、菱形状のラグを斜めに配置し、全方向にグリップ力を発揮できるよう設計。かかと部分には、緩衝材“ゲル(GEL)”を搭載しています。

↑3モデル全てに採用した“ゲル”は外に大きく飛び出した形が特徴で、衝撃緩衝性を高めると同時に、アイコニックな見た目もデザイン性として取り入れています。

 

アッパーは目の細かさが異なる2つのメッシュ素材を重ね、砂などの異物がシューズに入るのを防ぎつつ、絶妙なシアー感があり、ファッション性を高めています。また、シューレースの締め付け具合を調整しやすいループ状のアイレットを採用。日常のシーンから運動時のスタイルの変化をスムースに行えるようにしています。

↑スポーツシューズでは多くない落ち着いた色味でそろえることで洗練された印象に。ロゴは“オニツカタイガーストライプ”をベースに、主張を控えめにしつつ、躍動感のある表現でリデザイン。

 

25日に開かれた記者発表会でアシックスの庄田良二副社長執行役員オニツカタイガーカンパニー長は、「近年のお客さまのライフスタイルの変化を踏まえ、旅行やアウトドア、街歩きまでシームレスに履けるシューズが求められている。加えて、旅行や運動といったレジャー体験こそがラグジュアリーな価値を生むようになった。そうした体験価値を内包するプロダクト開発を“レジャースポーツ戦略”と名付け、新時代のスポーツシューズを開発しようと考えた」と、創業100周年を見据えた新たな挑戦になると意気込みを語りました。

↑アシックスの庄田良二副社長執行役員オニツカタイガーカンパニー長。

 

「オニツカタイガー」の2024年12月期のグローバル売上高は、前年比58.3%増の954億円で過去最高を記録した。日本地域では前年比131.2%の407億円だった。店舗数は14か国で185店舗を展開。さら独自発し世界共通用しつなぐ提供することで、グローバルで存在感を高めています。今年7月にはパリのシャンゼリゼ通りに新たな旗艦店をオープン予定と、創業100周年を迎えるオニツカタイガーの動向からは目が離せません。

 

 

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大型ビールブランド「アサヒ ザ・ビタリスト」誕生! キレある辛口、泡はクリーミー、柑橘感ある芳香…隙なしの仕上がりでこの価格とは

徐々に気温が上がり、ゴールデンウィークを過ぎれば初夏に突入。つまり、冷たいビールがいちばんおいしい季節がやってきました。そんな春、アサヒビールから注目の新ブランドが誕生。この「アサヒ ザ・ビタリスト」を中心に、今シーズンの同社の施策に迫ります。

↑4月15日発売の「アサヒ ザ・ビタリスト」。

アサヒビール
アサヒ ザ・ビタリスト
店頭想定価格(税込):350ml 237円前後/500ml 310円前後

 

アサヒとして7年ぶりの大型スタンダードビールが登場

筆者が参加したのは、アサヒビールの事業方針説明会。ビール類や缶チューハイを中心に、2025年の新商品や取り組みが紹介されました。なかでも驚いたのが、「アサヒ ザ・ビタリスト」です。

↑「アサヒ ザ・ビタリスト」のキービジュアル。通年販売の商品で、同社では7年ぶりとなるスタンダードビールだ。

 

ビール類の市場全体を見ても、2023年秋の酒税法改正により、発泡酒や第3のビールとの価格差が縮まりました。さらに2026年秋には酒税が一本化される予定で、ビール(狭義のビール)にとっては追い風が吹いている状況です。

↑経済産業省の資料より。

 

こうした流れを見越して、各社は「サントリー生ビール」や「キリンビール 晴れ風」といったスタンダードビールを新たに発売。スタンダードビールでいえばアサヒも、2023年10月に「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を発売しましたが、さらなる大型ブランドが登場するとは……これがひとつ目の“驚き”です。

↑虎ノ門ヒルズ駅では、発売約1週間前から「アサヒ ザ・ビタリスト」の広告が大量掲出。

 

もうひとつの“驚き”は、その印象的な黒いパッケージデザイン。深みのある漆黒で、視覚的インパクトは抜群。製造方法もユニークで、個性的なホップによるシャープかつフルーティーな苦みが特徴。さらに「アサヒスーパードライ」と同じ酵母で発酵させている点にも注目です。

↑副原料には米、コーン、スターチを使用。これら3つを使う製法は、日本のスタンダードビールに多く見られ、「アサヒスーパードライ」も同様。アルコール度数は6%。

 

使用されている酵母は「アサヒスーパードライ」と同じく、“辛口酵母”の愛称をもつ「318号酵母」。シャープなキレと繊細な香味を生み出す、アサヒの代表的な酵母を新ブランドに採用していることからも、本気度がうかがえます。

 

クラフトビール級の個性を、手頃な価格で

会場では試飲もできたのですが、これまた驚き。ホップの個性がしっかりと感じられる味わいに、思わず「こうきたか!」とニンマリ。柑橘感のあるフルーティーな苦みは、ホップの品種によるもので、「タラス」と「ヘルスブルッカー」が一部使用されています。

↑「アサヒスーパードライ」譲りのクリーミーな泡と、キレのある辛口。香りは柑橘を思わせる心地よいグラッシーなアロマ。

 

「ヘルスブルッカー」とはドイツの伝統的なホップで、日本のクラシカルなビールにも使用されていますが、苦みの中にスパイシーさや冷涼感を感じるのが特徴。一方「タラス」はアメリカ産の比較的新しい品種で、柑橘の皮やハーブのような爽快感ある香りと苦味が魅力です。

↑アサヒビールの資料より。

 

クラフトビールのような香味の秘密は? 担当者に話を聞いたところ、まずキーとなっているのが「ホップの使用量」だそう。複数使われているなかでも「タラス」の使用比率が高いとのこと。ビアスタイルはIPL(インディア・ペール・ラガー)で、下面発酵を採用。これは「アサヒスーパードライ」や「マルエフ(アサヒ生ビール)」と同じ発酵方法です。

 

なお、IPLやIPA(インディア・ペール・エール)など香りの強いビールでは「ドライホップ」という手法が用いられることが多いのですが、「アサヒ ザ・ビタリスト」ではこれを採用していないとのこと。

 

↑黒と金の配色で、味わいや世界観を表現したというデザイン。

 

伝統的な製法をベースにしながら、現代的な個性をまとった「アサヒ ザ・ビタリスト」。クラフトビールのような風味を持ちつつ、価格は一般的なスタンダードビールと同等というのも、大きな魅力でしょう。

 

「スーパードライ」は“冷たいウマさ”を体験できる企画を展開

「アサヒスーパードライ」からも今シーズンの注目企画が発表に。辛口のキレをより強調するため、「アサヒスーパードライ 示温(しおん)インキ デザイン缶」と「スーパードライ キンキン冷感タンブラー」を展開します。どちらも“キンキンに冷えた温度”がキーポイントです。

↑5月20日発売予定の「アサヒスーパードライ 示温インキ デザイン缶」。価格や販売店舗は通常商品と同様だが、数量限定のため取扱いがない可能性も。(アサヒビールの資料より)

 

「示温インキ デザイン缶」は、温度で色が変化する特殊インキを採用。冷蔵庫でしっかり冷やすと、缶の「辛口カーブ」が氷をイメージした青に変化し、一目で“冷えたスーパードライ”とわかる仕様です。

 

また「キンキン冷感タンブラー」は、冷えたビールを注ぐと、側面に描かれた「辛口カーブ」の色が変化。アルミ素材を使用することで冷たさが手に伝わり、五感で冷えを体験できます。

↑会場で試すことができた「スーパードライ キンキン冷感タンブラー」。ロゴ背景の「辛口カーブ」が青く変化。

 

 

春とはいえ、すでに夏日を記録する日もあり、これから猛暑・酷暑が続くことでしょう。そんな季節にぴったりなのが暑気払い。冷えたおいしいビールで夏を楽しんでみては。

 

Nothing「Phone (3a)」が国内で発売。「あんまりよくない」から「非常にいいカメラ」に

Nothing Japanは4月8日、スマホの新モデル「Phone (3a)」を発表しました。4月15日に発売します。ラインアップは2モデルで、12GBメモリー/256GBストレージモデルが5万9800円(税込)、8GBメモリー/128GBストレージモデルが5万4800円(税込)です。

 

Phone (3a)は3月に海外で発表された、「Phone (2a)」の後継にあたるモデルです。今回の発表で日本でも発売されることが決定。これに合わせて発表会が開催されました。

 

デザインにおいては、Nothing Phoneの特徴であるシースルーデザインを踏襲しつつも、Phone (3a)ではガラス製の背面パネルを採用。また、本体の四隅も前モデルに比べて鋭角になり、シャープな印象を与える見た目となっています。

↑ガラス製の背面パネルによって見た目の印象が変わりました。

 

カメラはPhone (3a)の新たな特徴で、光学式手ブレ補正搭載のメインカメラ(50MP)、最大30倍のデジタルズームを備えた望遠カメラ(50MP)、ソニー製センサーを搭載した超広角カメラ(8MP)の3眼構成。加えて画像処理エンジン「TrueLens Engine 3.0」によって高精細な写真撮影が可能です。

↑3眼のカメラは横に並ぶデザイン。

 

↑AI処理なども実行するTrueLens Engine 3.0。

 

処理を担うプロセッサーはSnapdragon 7s Gen 3。Dimensity 7200 Proを搭載するPhone (2a)に比べて最大33%高速化したほか、AI処理性能は92%向上、省電力設計によって日常的なタスクにおける消費電力は8%削減したといいます。また、バッテリー容量は5000mAhで、50Wの急速充電にも対応しています。

 

ディスプレイは6.77インチで、解像度はフルHD+、最大輝度は3000nit、リフレッシュレートは120Hz駆動。

 

独自の機能としては、気になるコンテンツや思いついたアイデアをAIが自動で整理・提案・要約し、アクションプランまで作成してくれる「Essential Space」を搭載しました。本体右側面の「Essential Key」を押してコンテンツやアイデアを保存でき、Essential Keyの長押しでボイスメモの録音、2度押しでEssential Spaceに保存・整理された一覧にアクセスできます。Essential SpaceはPhone (3a)を購入したユーザーに「Essential Space先行アクセス」という形で提供されます。

↑思いついたことをメモ代わりに残しておけば、自動で整理などをしてくれるEssential Space。

 

このほか、日本向けの機能としてFelicaやeSIMに対応します。

 

販売においては、楽天モバイルでの展開も開始。さらに楽天モバイル専売カラーとしてブルーカラーのモデルが販売されます。

↑楽天モバイル専売カラーモデル。

 

カメラも含めてオールラウンダーなスマホになった

発表会ではNothing Japan代表の黒住 吉郎さんが登壇。Phone (3a)について「Nothingのスマートフォンって何? と聞かれたときに、デザイン・パフォーマンス・コストのバランスが取れたオールラウンダーと言っています。今回はそこにカメラも加わった、4方向に対するオールラウンダーになっています」と紹介しました。

 

さらに、「残念ながら『Nothingの(スマホの)カメラってどうなの? あんまりよくないよね』という声をSNSであったり、友人だったりから聞くことがありました。ただ、今回Phone (3a)で搭載するカメラは非常にいいものになりました」と自信をのぞかせます。

 

こうした自信どおりのカメラ性能であれば、デザイン性の高さと不足のないスペックに、5万円台と手に取りやすい価格もあいまって、魅力ある1台といえそうです。なお、楽天モバイルのショップで実機を触ることもできます。製品が気になる人はぜひ店頭で試してみるといいでしょう。

テレビ好調のハイセンス、今度はエアコンで本気出す! 高コスパかつ「日本基準」の3モデルで白物家電に本格参入

ハイセンスといえば、テレビ事業で世界トップクラスのシェアを誇る総合家電メーカー。2024年におけるテレビ出荷台数では世界2位、同年の「100V型以上のテレビの出荷台数」に限れば、世界1位となっています。

 

同社はテレビにとどまらず、実はエアコン事業もグローバルで展開しており、160を超える国・地域にて、年間1300万台以上を販売しています。そのハイセンスが2025年、グローバルでの実績と技術力を踏まえつつ、日本における白物家電事業を本格始動し、日本独自のニーズに対応した製品開発とマーケティングに力を入れるとのこと。その第1弾としてエアコン3モデルを4月中旬に発売します。

↑ハイセンスジャパンが2025年に発売するエアコンの新モデル。

 

本社ショールームにて行われたメディア向け内覧会では、お掃除機能を搭載した「Mシリーズ」、ベーシックモデルの「Sシリーズ」、そしてスポットエアコンの3機種がおひろめされました。

↑フィルターお掃除機能を搭載し、清潔さを保つ「Mシリーズ」。

 

↑「Sシリーズ」ブラックモデル。

 

テレビ事業の知見を活かし、世界基準×日本品質のエアコンを提案

内覧会冒頭、ハイセンスジャパン・山本 一人 副社長が挨拶に立ちました。日本のエアコン市場は国内メーカー12社による約900万台(年間販売台数)である点を踏まえ、「我々は世界全体で、これより多く作って販売しているところが非常に強み」と語り、その実績に自信を見せました。

 

同社のテレビは、「上位モデルだけではなく、ミドルクラスや下位モデルも『非常に画質が高い』と評価を頂いている」と山本副社長。ハイセンスであれば他社と同じ予算でワンランク上のテレビが買えるコストパフォーマンスの良さが武器であるようです。テレビ事業を通じて培ってきた知見を活かし、エアコンにおいてもコストパフォーマンスを高めてより魅力的な製品を提案したいと意気込みます。

↑ハイセンスジャパン・山本 一人 副社長

 

もう一つのカギが、「日本基準の品質」。JRDという日本のR&Dセンター(研究開発センター)を神奈川県川崎市で立ち上げ、冷蔵庫や洗濯機、エアコンについて、日本のユーザーのための製品設計と要素開発を行ってるとのこと。外気温が50℃になっても安全に動作するかどうかといった耐久性や安全性の確認はもちろん、静音性や省エネ性など、日本ならではのニーズに応えるための試行錯誤が日々重ねられているそうです。

↑エアコン事業でも、テレビ事業での成功例を踏襲しています。

 

「どっちも解凍洗浄」など省エネにも貢献する清潔機能が充実

ユーザーの手に届けやすくするために、コスパは欠かせない要素であるのは当然としつつ、「それだけだと、もっとコスパが良いものが出てきたときにとって代わられてしまう」として製品の魅力を語ったのは、同社商品管理部の本堂 仁彦さん。エアコン3モデルについて「清潔性」「利便性」「品質へのこだわり」という3つのコンセプトに基づいて生み出したと説明し、製品への自信をにじませました。

↑ハイセンスジャパン・商品管理部の本堂 仁彦さん。

 

「清潔性」を担保する代表的な機能として、ルームエアコン「Mシリーズ」「Sシリーズ」いずれにも搭載されているのが、「どっちも解凍洗浄」。室内機と室外機の熱交換器を-19℃に冷やし、凍らせた後に一気に溶かして汚れを洗い流す仕組みです。内覧会でデモ運転を見ることができました。霜が降りたように熱交換器が徐々に真っ白になり、あっという間に解凍されるのがよくわかります。

↑「どっちも解凍洗浄」の早回し動画。約12分のうちに、エアコン内部の熱交換器部分を凍らせて溶かし、汚れを一気に洗い流します。

 

表面についた汚れをサッと水で洗い流せる抗菌はっ水フィルターも搭載。フィルター樹脂にはっ水素材を練り込んでおり、デモではこぼした水滴が即座に球状になって転がるほどのはっ水性能を見せていました。また、SIAA(抗菌製品技術協議会)認証済の無機系銀抗菌加工により、雑菌の繁殖を抑制。こちらもMシリーズとSシリーズ、いずれにも備わっている機能です。

↑サッと水洗いできる抗菌撥水フィルター。撥水加工されているので、コップの水をこぼすと球状になって転がりました。

 

そのほか、上位モデルのMシリーズではプレフィルターのホコリを自動で掃除し、溜まったホコリも簡単に捨てられる「フィルターお掃除機能」、冷房や除湿運転後のエアコン内部を乾燥させてカビやニオイの発生を抑制する「内部クリーン」機能、室内熱交換器のプレコート剤にニオイを吸着しにくいもの(潤滑親水コーティング)を採用するなど、随所に工夫が凝らされています。

 

なお、「どっちも解凍洗浄」と「フィルターお掃除機能」は電気代のカットにも貢献するとのこと。定期的に作動させることで、年間の無駄な電気代を約15%削減するといいます。

↑フィルターの汚れを自動で掃除する「フィルターお掃除機能」の仕組み。フィルターを巻き取って表面のホコリをブラシでかき取ります。その際の運転音もわずか23dBと小さいのも特徴。

 

リモコンに「体感温度センサー」を搭載して利便性も向上

ただし、自動で清潔性を保つ機能はあっても、ダストボックスやフィルターはどうしても人力で着脱し、ゴミを捨てたり汚れを洗ったりする必要があります。その点、Mシリーズならカバーを外し、ストッパーを外して引き出す程度でOK。着脱の仕方がわかりやすいので、ついお手入れを先送りにしてしまう……なんてことも少なくなるはず。

↑フィルターやダストボックスを感覚的に着脱できる、わかりやすい構造。ダストボックスを外す作業は片手で済むので、女性でもお手入れしやすいです。

 

↑ダストボックスは十分な容量で、10年分のゴミを溜めておけます。「今年はゴミを捨て忘れてた!」ということがあっても安心です。

 

このほか、風の向きを上下左右に連続的に自動スイングさせて部屋の温度を均一に保つ「立体気流」を搭載。スマートフォンのアプリでエアコンのON・OFF切り替えや詳細な操作が可能な「Wi-Fi機能」、バックライトや蓄光ボタンの搭載により高齢者でも使いやすいリモンコンなどを採用しており、利便性を向上させています。

 

また、リモコンに「体感温度センサー」を搭載するのも特徴。一般的なエアコンは室内機の中に温度センターがついています。温かい空気は上部に溜まりやすいため、「エアコン付近は温かいが、ベッドで眠っている人は寒い」といったズレが起きることも。ただMシリーズなら、体感温度センサー付きリモコンをユーザーが手元に置いておけるので、「自動的により体感温度に近い温度コントロールをしてくれます」と本堂さん。通年で頼れる機能ですね。

 

「Mシリーズ」製品概要

型番 畳数のめやす 店頭想定売価
HA-M22HE5-W 6畳 10万円前後
HA-M28HE5-W 10畳 12万円前後
HA-M40H2E5-W 14畳 14万円前後

 

ベーシックモデルでは貴重なブラックカラーを用意

基本性能を押さえつつ、価格も抑えたベーシックモデルであるSシリーズは下記のような特徴があります。

  • どっちも解凍洗浄:Mシリーズ同様、室内機と室外機の熱交換器を凍結洗浄
  • 内部クリーン:冷房・除湿運転後の内部を乾燥させる
  • 抗菌撥水フィルター:雑菌の繁殖を抑制する、汚れが落ちやすい清潔なフィルター
  • パワフル冷暖:6段階での風量調節が可能
  • 立体気流:上下左右自動スイングで、部屋の温度を均一に保つ
  • リモコン:0.5℃単位での温度設定、入/切タイマー、おやすみモード、ECOモード、バックライト&蓄光ボタンを搭載

 

特筆すべきは、Sシリーズに「ブラックモデル」があること。本堂さんによると、「例えば炊飯器などは今、2台に1台が黒が売れていて、白ばかりではなく、選択肢として黒が入ってきている」とのこと。今回のように、求めやすいベーシックモデルの価格帯でブラックカラーを展開した点も、他社ではなかなか例を見ない試みだといいます。なお、Sシリーズの標準機(ホワイト)にはついていない、「Wi-Fi機能」を搭載しているのも見逃せないポイントです。

↑モノトーンの部屋にもマッチする「Sシリーズ」ブラックモデル。

 

↑エアコン本体のみならず、リモコンもブラックカラーです。

 

「Sシリーズ」製品概要

型番 畳数のめやす 店頭想定売価
HA-S22H-W 6畳 8万円前後
HA-S25H-W 8畳 9万円前後
HA-S28H-W 10畳 10万円前後
HA-S40H2-W 14畳 12万円前後

 

「Sシリーズ」ブラックモデル製品概要

型番 畳数のめやす 店頭想定売価
HA-S22H-B 6畳 9万円前後
HA-S28H-B 10畳 11万円前後
HA-S40H2-B 14畳 13万円前後

 

自力でカンタンに取り付けられるスポットエアコン

エアコンが取り付けられない場所を快適にしたいというニーズに応える、パワフルでコンパクトなスポットエアコンも登場。エネルギー効率が良い冷媒「R32」を採用し、環境に配慮しています。「R32」は、従来の冷媒(R410A)と比べて地球温暖化係数が3分の1程度と小さいのが特徴です。

↑キャスター付きで移動も簡単なスポットエアコン「HPAC-22H」。

 

また、いろいろな長さに対応できる窓パネル(60~154センチ)を採用しているため、施工業者に依頼しなくても、購入したその日のうちに自力で簡単に取り付けられるそう。厳しさが増す昨今の日本の夏は、エアコンが一日使えないだけでも死活問題。買ってすぐ使えるのはありがたいですね。

↑スポットエアコンがあれば、設置工事が難しい場所も快適にできます。

 

スポットエアコン製品概要

型番 店頭想定売価
HPAC-22H 4万5000円前後

 

パーツにこだわり、専用ラインを設けて日本基準の品質を実現

これら製品を形作る「品質へのこだわり」について、本堂氏が説明しました。まず、製品には信頼できる日系メーカー製の部品を数多く採用していること。さらに、製造現場では、「優秀な作業者しか携われない日本専用ラインを設け、配管と配管を繋ぐはんだ付け(ロウ付け)作業を熟練者が担当している」とのこと。ガス漏れや傷の有無、部品やラベルに誤りがないかといった確認はAIで行い、人の目では見落としかねないような部分まで精密にチェックしているといいます。

↑電子膨張弁は鷺宮製、ファンモータはNIDEC(日本電産)製など、日系メーカー製造の部品を多数採用。

 

また、世界の各認定機関の認証を獲得している試験室を用いて、品質確認試験を実施。例えば、電気・電子機器が電磁波によって誤動作しないか確認する「EMC試験」内での雷サージ試験基準において、グローバルだと2KVのところを日本向けエアコンの場合は6.5KVに厳しくし、3倍以上の電圧に耐えられるかどうかを確かめているのだとか。

↑日本冷凍空調工業会の研究所でのテストも実施し、日本の性能基準の達成を確認しました。

 

また、同社は全国に300拠点ほどの出張修理サービスネットワークを構築し、問い合わせを365日受け付けています。この体制は、同社前社長である李 文麗氏が継続的な投資を重ねて築き上げたそう。

 

「海外は壊れたら交換という文化がありますが、日本の場合はそういうことで信用されるのが難しい、と李 前社長がずっと言っていました。また、エアコンは壊れてもすぐには交換が難しく、止まるとまずいということで、品質を上げないといけない。そのうえでいざという時にはやはり、いち早く対応できる体制を整えていかないといけません」(山本副社長)

↑全国にサポート体制を築き、「約14年かけ、ハイセンスは日本になじんできた」と山本副社長

 

エアコン3モデルの発売を皮切りに、5月には大型冷蔵庫・洗濯機の発売やテレビCMの展開も予定しているというハイセンス。山本副社長は、24年からアンバサダーに起用している横浜流星さんの活躍に触れ、「我々もあやかって、一緒に成長していきたい」と意欲をにじませていました。同社はFIFAクラブワールドカップ2025の公式パートナーシップに就任し、横浜DeNAベイスターズとのスポンサーシップ契約を締結するなど、スポーツイベント支援を通じた認知拡大にも努めていくそうです。

 

日本の白物家電市場への本格参入を明言し、エアコン3モデルを投入してきたハイセンス。日本の厳しいユーザーの目を意識して清潔機能や利便性を充実させ、品質を高めてきた点にその本気度がうかがえます。サービスネットワークがしっかりと構築されている点も安心で、これから日本の白物家電市場での存在感が増すことは間違いありません。ユーザーとしても、高品質・高コスパな選択肢が増えるのはうれしいところ。今後の展開にも注目です。

ゴンチャの激ウマ新フレーバー、もう飲んだ? 日本初のコンセプトストア「原宿神宮前店」に行ってみた

台湾発祥の人気ティーカフェ「ゴンチャ(Gong cha)」が、日本初のコンセプトストア「ゴンチャ 原宿神宮前店」を3月14日にオープンしました。店舗限定ドリンク「フルーツミルクティー」や、種類豊富なフードメニュー、コンセプトストア限定のオリジナルグッズなどを展開しています。

↑アクセスしやすい路面店「ゴンチャ 原宿神宮前店」。

 

「おしゃべり歓迎」を掲げる「1.5席」などもあり、楽しいポイントが満載のコンセプトストアへ足を運び、ドリンクやフードを試食しました。

↑ブランドカラーの「ゴンチャレッド」を基調とした店内。

 

フルーツミルクティー、「ドリンク無糖派」でもおいしく飲める?

店に入ると、右手にはフードメニューのショーケースがずらり。ドリンクと一緒に楽しめるサンドイッチ「カフェサンド こだわりの3種ミート」、「カフェサンド 低温調理チキン&彩り野菜」や、「宇治抹茶ショートケーキ」、「マロン モンブラン」といったスイーツなど、約15種類が用意されています。


↑ドリンクとどんなペアリングにしようか悩んでしまうほど、豊富なラインナップ。

 

ドリンクメニューの中で見逃せないのは「フルーツミルクティー」シリーズ。

 

SNSで話題になるほど人気で、2024年10月に期間限定で販売された「マンゴー阿⾥⼭ウーロン ミルクティー」と「ストロベリーアールグレイ ミルクティー」がリクエストに応える形で復活したほか、新フレーバー「ピーチジャスミングリーン ミルクティー」が加わりました。「ジャスミンの花を重ねて香りをつけた、さわやかな風味のジャスミングリーンティーに、濃厚な⻩桃の甘みがぎゅっと詰まったピーチソースを合わせた」ドリンクだそう。

 

フルーツミルクティー(価格は全て税込)
ピーチジャスミングリーン ミルクティー(ICED):S 480円、M 530円、L 620円
マンゴー阿⾥⼭ウーロン ミルクティー(ICED):S 520円、M 570円、L 660円
ストロベリーアールグレイ ミルクティー(ICED):S 520円、M 570円、L 660円

↑左から、「ストロベリーアールグレイ ミルクティー」、新フレーバー「ピーチジャスミングリーン ミルクティー」、「マンゴー阿⾥⼭ウーロン ミルクティー」

 

さっそく「ピーチジャスミングリーン ミルクティー」と、「カフェサンド 低温調理チキン&彩り野菜」のペアリングを頂きました。ただ筆者は甘すぎるものが苦手で、ドリンクは基本的に無糖派。ボリュームたっぷりのフルーツミルクティーを、おいしく飲み切れるでしょうか……。

 

ドリンクを恐る恐る一口含んだ瞬間、「これは好きな甘さだ」と確信。むしろ、意識してセーブしないとあっという間にゴクゴク飲み干してしまいそうなくらいでした。ちゃんとピーチの甘さと優しいミルクの味わいを感じますが、いつまでも口の中にもったりと残らず、さわやかな風味です。アロエをトッピングすると、みずみずしさが増してよりジューシーな味わいを楽しめるそうですよ。

 

ゴンチャ ジャパン広報によると、同社の開発メンバーも「フルーツミルクティーはかなり良い出来」と、仕上がりに太鼓判を押しているとのこと。以前、期間限定で販売した際は「短い期間しか売らないので、認知が取れないかなと思ったら、『常設メニューにしてほしい』というお声を多数頂戴して驚いた」と言います。そうした声に応えてレギュラー化されたドリンクメニュー、ファンは必見ですね。

 

カフェサンドも、軽食としてちょうどよいボリューム。4種類の野菜と、低音調理でしっとり仕上げたチキンを摂れるので、栄養バランス的にもありがたいです。筆者は比較的小食なので、ドリンクとあわせてかなりお腹が満たされました。

 

「原点回帰」の思いを込め、原宿から再スタートを

筆者が食事をしたのは、向き合って座るタイプの二人掛けテーブル席でしたが、「1.5人席」という珍しいタイプの座席もあります。正方形のミニテーブルと、横並びのソファ席から成るスペースです。

 

1人で座れば、荷物を脇に置いてゆったり使えますが、2人だとちょっと距離が縮まるので、おしゃべりにもってこいです。

↑座席の下にはコンセントもありました。

 

席だけでなく、インテリアにもこだわりが見て取れます。視線を上げると、丸みを帯びたライトが目に入りました。パール(タピオカ)をイメージとしたデザインになっているそう。

 

同社広報は「ティーを通じて楽しい空間・体験を提供していきたい」という思いがあると言い、そのコンセプトを体現しているのがこの「ゴンチャ 原宿神宮前店」だとしています。メニューに内装、座席などあらゆる要素を通じて、来る人をワクワクさせたいのだとか。

 

現在は閉鎖してしまっていますが、同社の日本1号店(ゴンチャ 原宿表参道店)が出店したのも、原宿。日本上陸10周年という節目を迎え、「初心に帰るつもりで、原点の原宿から再スタートを切る」という気持ちも、コンセプトストアに込められているようです。

↑インバウンドも多く訪れる立地のため、セルフオーダーは多言語対応。

 

おいしいメニューを食べて満足したら、帰る前に出入口そばのグッズコーナーでお土産選び。ゴンチャオリジナルキャラクター「ゴンチャム」のキーチェーン付きぬいぐるみ(全4種)や、ティーバッグ/フルリーフティー(全3種)など、約25種類を販売しています。自分用にはもちろん、ちょっとしたギフトにするのも良さそうですね。

 

ラインナップは下記のとおりです(価格は全て税込)。

 

ゴンチャム キーチェーン付きぬいぐるみ(全4種):各890円
ゴンチャ ステッカー(全6種):各250円
ティーバッグ(2.5g ✕ 8包):阿⾥⼭ウーロン 2,000円、クラシックブラック 1800円、ジャスミングリーン 1800円
フルリーフティー(⽸/40g):阿⾥⼭ウーロン 2400円、クラシックブラック 2200円、ジャスミングリーン 2200円

 

アクセスは、最寄りの明治神宮前〈原宿〉駅から歩いて約3分程度で、ふらっと立ち寄りやすい場所にあります。近くには商業施設も多数あるので、ショッピングの合間に喉を潤しに覗いてみては?

 

ゴンチャ 原宿神宮前店
所在地:東京都渋⾕区神宮前4-31-11 re-belle HARAJUKU 1F
営業時間:10:00-21:00
店舗面積:76.86m2(23.25坪)
客席:18席(ティーカフェ)

ちゃんとジャンクな味がする! 日清食品「完全メシ 汁なしカップヌードル」を試食

日清食品の「完全メシ」から新商品が登場。これに合わせて『日清食品「完全メシ」大試食会』が開催されました。

 

日清の完全メシは、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」で設定された33種類の栄養素と、おいしさのバランスを追求したブランドです。たんぱく質、脂質、炭水化物のほか、ビタミンやミネラル、必須脂肪酸をバランスよく整えつつも、栄養素にありがちな苦みやエグみを抑えているのが特徴。発売から2年半で累計4000万食を突破し、人気を集めています。

↑完全メシは栄養とおいしさを追求した「最適化栄養食」とうたっています。

 

↑2025年度には100億円規模のブランドになるそうです。

 

3月24日には「完全メシ 汁なしカップヌードル」「完全メシ トムヤムライス」を発売。完全メシ 汁なしカップヌードルは、インスタントラーメンの代表ともいえる「カップヌードル」の味わいを、湯切りして作る “汁なし焼そば” で表現したといいます。

 

試食の場では、完全メシ 汁なしカップヌードルのほか、「冷凍 完全メシ DELI やわらかロースかつ丼」や「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」などが用意されました。

 

ジャンクさも楽しめる完全メシ 汁なしカップヌードル

完全メシ 汁なしカップヌードルは、ウェーブしたノンフライの麺に、しょうゆのコクと香りを引き立たせたソースが絡んだ一品。具材にはカップヌードルでおなじみの謎肉(味付豚ミンチ)、たまご、エビ、ネギが入っています。また、アクセントとしてメンマの風味を加えています。

↑完全メシ 汁なしカップヌードル。画像は試食会ではなく、編集部で撮影したものです。

 

食べてみると汁なし麺特有の、「油が絡んだ麺」が印象的です。また麺の食感はもちもちで、味は塩味やうまみをしっかりと感じられます。栄養素を加えたことによって変わった味がする、なんてことはなく、ちゃんとカップヌードルを汁なしにした味で、ジャンクフードを食べている感覚もあります。

↑お湯を入れて5分待ち、お湯を捨てて付属のオイルと粉末を混ぜてできあがり。

 

↑油が絡むので麺の見た目はツヤツヤ。

 

日清食品によると麺は三層構造になっており、たんぱく質や食物繊維、カルシウムなどを含んだ麺を、小麦の麺で挟むことで栄養素が逃げるのを防ぐとともに、エグみや苦みを感じにくくしているそうです。また、ソースはジャンクさを表現するためにいろいろと研究を重ねたとしています。

 

謎肉やエビもカップヌードルと同じ味わい。こうした具材もフレーバーなどを工夫しているとのことです。

 

ロースかつ丼もカレーも食事として楽しめるおいしさ

続いて試食したのは、冷凍 完全メシ DELI やわらかロースかつ丼。冷凍 完全メシ DELIのなかでは最も人気がある商品です。

↑冷凍 完全メシ DELI やわらかロースかつ丼。

 

ロースかつは肉をしっかり噛んでいる感じがやや薄いものの、柔らかさがあって口当たりがいいです。揚げ衣にしょうゆの風味と甘味がちゃんと付いているため、ごはんもしっかり進むでしょう。ごはん自体にもかつを煮込んだタレが染みています。それでいてべちゃべちゃになることはなく、粒たちのよさを楽しめます。

↑試食はこの量。想像にはなってしまいますが、味わいからすると一食分は食べ応えがありそうです。

 

もうひとつ試食したのは、完全メシのシリーズで最も売れている完全メシ カレーメシ 欧風カレーです。食べ始めは少し甘めのカレーといった印象ですが、食べ進めるとやや強めな辛味を感じました。特にスプーンで大きめの一口を食べると甘さよりも辛さが引き立ちます。スパイスの風味もあり、香りと味の両方を楽しめるでしょう。

↑完全メシ カレーメシ 欧風カレー。

 

↑ほんの少量を食べると甘みを感じ、やや大きく一口食べると辛さを感じました。

 

またカレーとごはんが混ざっているにも関わらず、お米がべちゃっとなることなく、一粒一粒を噛むことができます。

 

どちらの商品もおいしさが十分にあるため、食事として楽しめそうです。

 

完全メシは多面的な展開を検討

日清食品は完全メシについて、「多面的な展開が可能」としています。これまで販売してきたパッケージ商品に加え、お弁当やお惣菜としての販売、さらには企業の社員食堂や自販機の導入、医療現場への提供、スマートシティや海外への展開も考えているそうです。

↑今後への期待が感じられる多面的な展開。

 

すでにファミリーレストランや宅配ピザチェーンとのコラボも進行中。近いうちに、おいしいうえに栄養のバランスも整っている外食を楽しめるようになりそうです。栄養食というとどうしても「味はおざなりなのでは」と思ってしまいがちですが、店頭の商品や外食など、好きな場で試しに食べてみて、味を確かめてみるといいかもしれません。

SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレーブルワリー)リブランディングの狙いと意外にも変えなかったこと

キリンビールがチカラコブで推し進める“クラフトビール”事業。その缶ビール商品の大看板「スプリングバレー」が、新たに「スプリングバレーブルワリー」となり、伝説の第二章が幕を開けた。実は、中味は変えずにパッケージだけ変更したという。その「なぜ?」を探るべく、発表会場へ突入した!

 

国内クラフトビール市場が成長鈍化……その原因は?

キリンという大手が「クラフトビールやります!」と狼煙(のろし)を上げたのは2014年のこと。東京・代官山の「スプリングバレーブルワリー東京」を旗艦店に掲げ、ビールづくりと仲間づくりを展開。そして2021年には待望の缶製品を発売。今回の発表会は、この缶製品のリブランディングを発表する場であった。

↑キリンビール クラフトビール事業部マネージャーの久保育子さん。

 

国内におけるクラフトビール販売量は直近10年で4倍に伸長しているが、若干の足踏みも見られる。「国内でのクラフトビール販売量の半数に迫る『スプリングバレー』の果たす役割は大きく、スプリングバレーの伸び悩みが足踏みの一因だと感じています」とは、2024年キリンビールに新設されたクラフトビール事業部のマネージャー、久保育子さんだ。

↑「スプリングバレー」リブランディングの背景。発表会資料より。

 

クラフトビールをメジャー化する挑戦を託されたもう一人は?

クラフトビールとは、作り手の顔が見える“流派”のようなもの。いつでも安定した味わいを手頃に楽しめるレギュラービールに敬意を払いつつ、いつもとちょっと違う味わいを望むファンの“わがまま”(笑)を叶える存在である。

 

だから“クラフトビールをメジャー化する”というのは、実はかなりの無理難題。そこに風穴を開けようとするのが、“スプリングバレーという挑戦”なのである。

 

発表会では久保さんがリブランディングの概要を語ったのち、新CMに出演する俳優・坂東龍汰さんが登壇。ヘッドブリュワー(醸造責任者)の辻峻太郎さんとともに、3種のスプリングバレーブルワリーの特徴や注ぎ方、グラス選びの楽しみを軽快なトークで紹介。会場を沸かせた。

 

特に坂東さんの【うわ、美味しそう~。でも仕事中だから飲んじゃいけないよね。だめだめ自分】という表情がひどく印象的(笑)で、そんな本当のビールファンがスプリングバレーブルワリーのCMに登場するとは、これぞ最高の巡り合わせ!

 

とはいえ仕事は仕事。大規模なリブランディングを任された久保さんの両肩にかかる責任は大きい。

 

「2021年の缶製品発売から4年経ちますが、クラフトビール市場の難しさを痛感しています。当初は量販店で一気に展開して、テレビCMを大量投下する“垂直立ち上げ”を狙いました。でも結果として、クラフトビールにはもっと密なコミュニケーションが必要だとわかりました。今回のリブランディング以降は、そこを徹底していきます!」(久保さん)

 

一部のクラフトマニアからは、この大々的なPR手法に疑問の声もあるだろう。しかし、キリンが本気でクラフトビールに取り組む背景には、「たくさん売って儲けられるから」という打算以上に、ビール=ピルスナーと思ってきたビールファンに、もっと違うビール、もっとユニークなビール、そしてもっと新しいビールがあることを知ってほしい! というキリンビールの“想い”があったはずだ。そのため、大規模な店頭展開やCMを通じてのPRは、実はごく真っ当な選択肢だった。

 

↑シドニーで撮影されたCMのひとコマ。見て下さい、坂東さんの笑顔ったら! スプリングバレーにちなんで、しあわせが「湧きあがる」ワケです。

 

クラフトビールの真骨頂は?

初代「スプリングバレー」缶発売から4年。そこでつかんだ”何か”を活かした新しい「スプリングバレーブルワリー」が、いま船出した。キャッチフレーズは「しあわせ湧きあがるクラフトビール」。坂東さん出演CMのロケ地はシドニーだが、クラフトビールカルチャー盛んな彼の地で「スプリングバレーブルワリー」を楽しむ面々の笑顔がもう、タマラナイ! クラフトビールというとつい蘊蓄を語りがちだが、もっと楽しく、新しく、そしてTPO(時間・場所・機会)をまるごと味わうのが、クラフトビールのトリセツなのだ!

 

キリン
SPRING VALLEY BREWERY
(スプリングバレーブルワリー)
JAPANエール 香/豊潤ラガー 496/シルクエール 白(左から)
350ml各245円(500ml缶もラインナップする)

 

「定番の3本に加え、季節ごとの楽しさを新提案する『シーズナルビアコミュニケーション』を夏と冬に実施します。そして4月1日~5月31日まで、代官山の『スプリングバレーブルワリー東京』でビアガーデン『SVBピクニックテラス』を開催しますので、ぜひ足をお運び頂き、クラフトビールの魅力を新発見して下さい!」(久保さん)

 

ビール大国NIPPONに全力でクラフトビールを定着させようとするキリンビールの至宝「スプリングバレーブルワリー」。「ブランド始動から11年。缶製品発売から4年。今回のリブランディングをあらためての自己紹介の機会として活かしていきます!!」という久保さんの細腕繫盛記に期待、アンド乾杯だ!

↑これまでマーケティング部で「淡麗プラチナW」「グリーンフリー」ほか機能系飲料に携わってきた久保育子さん。「SVBの中でイチオシはJAPANエール 香です!」とのこと。また、それなりにアイドル好き、らしいです。

 

なぜ中味を変えなかったのか?

最後にタイトルの「実は……」について。「なぜ中味を変えなかったか?」への回答で、「実は……2024年に出品したビアコンペティションで合計24個、発売以来累計だと60個もの受賞メダルを頂いております。つまり、味についての評価が非常に高いため、敢えての不変なのです」と久保さん。小鼻を膨らませてえっへん、胸を張ったのでした。

 

あらゆるメガネに装着できる4gのハンズフリーマウス!障がい者のPC操作を助ける「JINS ASSIST(ジンズ アシスト)」

手を使わず、頭の小さな動きだけでPCなどのデバイスを操れるハンズフリーマウスが登場しました。ジンズ(以下、JINS)が2月26日に発売した、「JINS ASSIST(ジンズ アシスト)」です。

↑メガネに装着し、コネクタを PCと接続するだけで使えるハンズフリーマウス「JINS ASSIST」

 

現代はITが生活に不可欠。それだけにIT を利⽤できる⼈とできない⼈との間に⽣じる格差「デジタルデバイド」が深刻な社会課題にもなっています。

 

JINS ASSISTはメガネにサッと装着し、USB-CケーブルでPCとつなぐだけですぐに使えるので、障がいがある人や高齢者にとってIT利用のハードルが下がりそうです。基本的なマウス操作はもちろん、補助ソフトの拡張機能によってショートカットキーやスクロールなどの操作もできる代物です。

 

発売日当日に行われた発表会にて、タッチアンドトライしてきました。

 

基本動作は「うなずき」と「首振り」

タッチアンドトライでは、JINS ASSISTの取り付けから、左クリック、右クリック、ダブルクリックの操作まで試すことができました。

 

実物を見て、小ささと軽さにびっくり。本体であるデバイス部分はわずか4gです。それをメガネのテンプル(左か右か、好きな方につける)に平行になるよう装着し、PCと接続すれば準備完了です。JINS製でなくとも、ほぼすべてのメガネに取り付けられるのがうれしいポイント(※)。

 

装着感は薄く、「なんとなく、つけた側のテンプルに微かな重みを感じるかも」といった程度で、首肩に負担がかかる感じはありませんでした。

↑筆者のメガネはJINS製ではないものの、問題なく装着できた

 

接続から数秒待つと、操作をサポートする補助ソフトがPC側で立ち上がりました。チュートリアルを通じ、操作方法を習得していきます。と言っても特別な知識や技術は必要なく、基本動作は「うなずき」や「首(頭)振り」です。

 

JINS ASSISTを付けたメガネをかけてうなずくと、PC画面上のカーソルを動かせるようになります。頭を前後左右に小さく振ってカーソルを操作し、次の動作を行いたい場所で止めます。

 

すると、下図右部分の「クリックする種類を選択できるコマンド」が表示されます。そのまま下を向けば「左クリック」、右を向けば「右クリック」、上を向けば「ダブルクリック」、左を向けば「ドラッグ&ドロップ」が実行されます。

↑通常モードにおける基本操作。よく使うキー⼊⼒やマウス操作、便利な機能をショートカット設定で割り当てられる

 

最初こそ、止めたい場所へカーソルを持っていくのが難しかったですが、頭とカーソルの動き幅がシンクロするようになれば、操作が途端にスムーズになります。トラックボールマウスの使い始めに似た感覚……と表現すると伝わるでしょうか?

 

5分ほど利用しましたが、ほんの小さな動きでカーソル移動やクリックができるので、肉体的な疲労感はありませんでした。コツさえつかめば、パワーポイントなどのクリエイティブ要素がある資料も作れるようになりそうです。

↑JINS ASSISTチュートリアル中の筆者。メガネ、マスク、イヤリングの重ね付けでも、耳への負担感は普段と変わらず

 

手に取りやすく、使いやすいように

本製品が世に送り出されるまでには、4年の開発期間がかかり、しかもその間に3回ほど⼀から作り直しを⾏ったといいます。

 

もともとJINSは、心身の状態を知ることができるメガネ型ウエアラブルデバイス「JINS MEME(ジンズ ミーム)」を2015 年に開発していました。そこに搭載された独⾃のセンサー技術を、コントローラー(操作デバイス)として活⽤する⽅法を研究するなかで、障がいを持つ人やその家族から「JINS MEMEでマウス操作ができるようにならないか」「デジタルデバイスを使って、家族ともっと⾃由にコミュニケーションをとりたい」という声が届き、JINS ASSISTの誕生につながったそう。

 

発表会冒頭、挨拶に立ったジンズホールディングスの田中 仁 代表取締役CEOは、JINS ASSISTとはデジタル庁が掲げる「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を」の実現に向けて生み出されたものだと説明。手などに障がい持ち、これまでのマウス操作に難を覚えていた人、メール送る・文章を書く・ネット検索するなどのアクションを諦めていた人たちに、「頭でマウスを操作する」という新たな選択肢や、「諦めていた可能性をもう一度広げるきっかけ」を提供できると思う、と語りました。

↑ジンズホールディングスの田中 仁 代表取締役CEO

 

続いて登壇したジンズのJINS ASSIST プロジェクトマネージャー・菰田泰生さんは、開発初期からコストと性能のバランスを意識して製品設計してきたと明かしました。

 

本製品の価格は1万5000円(税込)。JINSで初めて100%内製でソフト開発を⾏って費用を抑えたり、製品をアイウェアではなくアタッチメントにすることで、部品や基盤を小さくするためのコストをかけないようにしたとのこと。

 

Bluetooth接続(無線)ではなく有線にしたのも「低コスト」である点に加え、「安定性がある」「充電が切れる心配がない」など、使いやすさに配慮した結果だと説明。また、「メガネにバッテリーを乗せるのは想像以上に難しい。重さも、10g以上には確実になる」とも語っていました。

↑発表会冒頭で、製品の使い方説明に立った、ジンズのJINS ASSISTプロジェクトマネージャー・菰田泰生さん

 

価格面、使いやすさだけでなく、「必要な人にどう届けるか」にもこだわっています。本製品はJINSオンラインショップに加え、利用者数が40万人を超えるスマホ用アプリのデジタル障がい者手帳「ミライロID」内のオンラインストア「ミライロストア」でも発売(数量限定)。障がい者とその家族に情報が届くように、という狙いがあります。

 

発表会終盤に講演したミライロの垣内俊哉代表取締役社長は、JINS ASSISTを「障がいがあっても、クリエイティブな作業を行える画期的なツール」と太鼓判を押しました。こうしたプロダクトを通じて新たな雇用が生まれれば、人手不足解消にもつながりそうですね。

↑体操の⼤会中の事故により⾞いす⽣活になった、本間未来さん。JINS ASSISTを使い始めて、ドラッグやスクロール、ショートカットキーの操作など、これまでの苦労がうそのように楽になったという(JINS ASSIST Web動画より)

 

細部に渡って趣向が凝らされた製品だと感じましたが、JINS ASSIST自体の価格も抑えられている点に加え、やはり「手持ちのメガネ」に使える点は大きいのではないでしょうか。開発過程でも多くのテストユーザーの声を製品に反映させてきたJINSが、発売後の反響を今後のモノづくりにどう生かしていくのか、動向に注目です。

 

なお初回入荷分は2月28日に完売しており、次回入荷は3月中旬を予定しています。

 

JINS ASSIST(ジンズ アシスト)
価格:1万5000円(税込)
対応OS:Windows 10 以降(x64, ARM64)、macOS 13 以降(Apple silicon, intel)
質量:約13g(本体 4g、ケーブル 9g)
(※)テンプルの厚さが0.8mm以下、4mm以上/縦幅が2mm以下/断⾯形状が円形、または平⾯部分が無い場所には装着できません。

売り上げ前年同期比約110%伸長! コスパが高いコメリのアウトドアブランド「ナチュラルシーズン」のアイテムを紹介

ホームセンターのコメリがオリジナルアウトドアブランドを展開していることを知っていました? その名も「Natural Season(ナチュラルシーズン)」。「コメリアウトドア新商品体験会2025」にて見つけた、ナチュラルシーズンの注目アイテムを紹介します。

 

これからキャンプをはじめてみたいという初心者の方にもおすすめ

まずはナチュラルシーズンについて説明します。2002年より設立したブランドで、今年で23年目を迎えます。総アイテム数は300アイテムを超え、キャンプ、バーベキューなど、幅広い商品を販売中。一番の特徴はシンプルで使いやすく、リーズナブルな価格設定です。豊富なラインナップで、これからキャンプをはじめてみたいという初心者の方にもおすすめでしょう。昨年はブランドコンセプトを「自然は、すぐそこにある。」と改め、新たなCMを公開しました。

↑ナチュラルシーズンの売上(2024年4月~12月)は、前年同期比約110%と伸長しているとのこと

 

まず紹介するのは、フレームを使用せず空気を入れるだけで簡単設営できる「エアーフレームタープ付きテントセット」! 付属の空気入れを使って約2分程度で設営が可能。片づける際には、バルブの排気スイッチを押すだけで数秒で空気が抜けるので、あとは畳んでキャリーバッグに入れるだけと簡単です。定員4~5名対応。こちらの商品は、あくまでキャンプ場などの整備された場所でキャンプを楽しむための使用を前提に企画、製造されています。常設用、山岳用としては使用しないよう注意してください。

↑Natural Season「エアーフレームタープ付きテントセット」4万9800円(税込)。5月上旬頃から販売開始予定です

 

続いて紹介する「真空パネルクーラーボックス」は冷蔵庫に使われる真空断熱パネルを底と四方の五面に設置したクーラーボックスです。真空断熱パネルと高密度発泡ウレタンのおかげで、高い保冷性能を実現。また、簡易的なテーブルとしても使えるようフラットトップ仕様となっています。もちろんドリンクホルダー付きです。夏のキャンプだけでなく、普段のイベントなどにも使えそう。

↑Natural Season「真空パネルクーラーボックス 22L/36L」1万2800円(税込)、1万4800円(税込)。3月中旬発売予定

 

最後に紹介するのは、「タフクーラーバックパック 25L」。リュック、ショルダー、手提げの3WAYで使用できるバックパックとなっています。2Lのペットボトルが8本収納可能です(500g保冷剤4個使用)※収納本数は目安。ちなみに昨年発売し、人気となった「タフクーラーバッグ」に新色(モカ)も登場します。

↑Natural Season「タフクーラーバックパック 25L」4980円(税込)。サイズ:約幅32×奥行22×高さ38cm。3月中旬発売予定

 

ナチュラルシーズンからは他にも2025年新作アイテムが登場しているので、気になった方は公式オンラインストアをチェックしてみてください。

 

 

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TCLがオリンピックのデジタル体験を変えるか?中国・北京で目撃した戦略的提携の背景

トヨタ、ブリヂストンなど、2024年末ですべての日本メーカーがIOCの“最高位スポンサー”としての契約を終了したのは記憶に新しいところ。なかでも話題になったのは、松下電器産業(当時)が1987年に締結(パラリンピックは2014年から契約)して以来、37年間継続してきたパナソニックが、この“枠”から撤退したことだろう。パナソニックはAV機器や生活家電を提供してきたが、この枠に次はどこがおさまるのか? その答えが出たようだ。

 

現地の様子

2月20日、青空が広がる北京。日陰では体感気温1〜2度と厳しい寒さの中、北京国家水泳センターには総勢450名の関係者・報道陣が集まった。その目的は、TCLグループ(以下、TCL)がIOCと新たなスポンサー契約を締結するという、同社にとって歴史的な瞬間に立ち会うことである。

2008年の北京オリンピックでは競泳会場として、2022年の北京冬季オリンピックではカーリング会場として使用された施設であり、現在もスポーツイベントの舞台として活用されている。

 

2008年の北京オリンピック時に建設された通称「鳥の巣」の向かいに建つ。

 

TCLとは?

まずはTCLについておさらいしておこう。TCLは1981年に設立され、現在は世界46カ所の研究開発(R&D)センターと38の製造拠点を有し、160以上の国・地域で事業を展開するグローバルブランドである。主要事業は「家電」「ディスプレイ技術」「クリーンエネルギー」の3分野で、2024年のテレビ出荷台数は前年同期比14.8%増の2,900万台。2年連続で世界シェア第2位の座をキープした。なかでも、強みとするMini LEDテレビの世界出荷台数は前年比194.5%増という急成長を遂げている。

 

イベントの模様

イベントは少数民族の少年少女による合唱団のパフォーマンスで幕を開けた。その後、TCLの創業者であり会長を務める李東生(リ・トウセイ)氏が登壇し、続いてIOC会長のトーマス・バッハ氏がスピーチを行った。また、オリンピアン・パラリンピアンによる座談会が開かれたのち、契約締結式と記念品交換が行われた。(写真はTCL提供)

 

↑バッハ会長もオリンピアンだ。現役時代はフェンシングのフルーレ競技で活躍し、1976年のモントリオールオリンピックでは西ドイツ代表として金メダルを獲得した。任期は2025年6月までで、本イベントが最後の公式登壇となる見込み。(写真はTCL提供)

 

↑李東生氏は、フランス・トムソン社のテレビ事業やアルカテル社の携帯電話事業を買収するなど、同社のグローバル展開を牽引してきた。第10回から第13回全国人民代表大会の代表を務めるなど、中国の政治・経済界における重鎮である。(写真はTCL提供)

 

TCLがオリンピック最高位スポンサーになるとどうなる?

今回の契約締結によりTCLは、今後8年間、つまり2026年冬のイタリア・ミラノ/コルティナ・ダンペッツォ大会、2028年夏のアメリカ・ロサンゼルス、2030年冬のフランス・アルプス地域大会、2032年夏のオーストラリア・ブリスベンの4都市におけるオリンピック・パラリンピックをスポンサードすることになる。

 

同期間中、TCLはスマートディスプレイ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、スマートロック、オーディオシステム、ヘッドホン、プロジェクター、TCL RayNeoスマートグラス(AR&VR)といった多岐にわたる製品をオリンピック・パラリンピックに向け、提供する予定だ。

 

↑会場ではオリンピック、パラリンピックで提供される製品を展示。ディスプレイは、2025年の最高画質モデルである「TCL X11K」、世界最大のQD-Mini LEDテレビ「TCL X955 Max」と、「TCL A300シリーズ」が対象。(写真はTCL提供)

 

↑エアコンやビルトイン冷蔵庫など、生活家電も展示されていた。

 

特に注目すべきはやはり、ディスプレイ技術である。今回TCLが提供するディスプレイに採用される「QD-Mini LED技術」は、量子ドットの優れた色再現性とMini LEDの精密な制御技術を融合したもので、卓越した映像体験を実現するものだ。従来のLCDに比べてローカルディミングゾーン(バックライトの制御エリア)が5184と細かくなるため高精彩な上、最大5000ニットもの高輝度を局所的に出すことでハイライトがより強く、また映像の暗い部分をより深い黒で表現できる。また、青色LED光源を高精度な赤・緑の光に変換する量子ドットにより、従来のMini LEDよりも広色域で表現。さらに低消費電力で、有機ELに比べ焼きつきも少ないという、先端のディスプレイ技術である。

 

↑左が「RayNeo V3」、右が「RayNeo Air 3」。

 

さらに、次世代のAR&XRスマートグラス「RayNeo X3 Pro」も提供するという。発表会場には、左右に備えた2つのカメラでメガネで見たままの写真を撮影しBluetooth接続したスマホへ送れる「RayNeo V3」、第5世代のマイクロ有機ELディスプレイを備え、映画視聴やゲームのプレイなどが楽しめる「RayNeo Air 3」が展示されていた。

 

このようにTCLは、オリンピックの舞台を単なるスポンサーシップの場としてだけでなく、技術革新を世界に示す機会と捉え、最先端のディスプレイ技術やスマートグラスを提供することで、オリンピックの視聴体験そのものを変えようとしている。

 

↑最新製品も同時展示。これは視野角178度を誇る「HVA Pro」を搭載した98インチ4Kテレビ。

 

↑車載用のディスプレイ。メーターなどの表示のほか、映像も同じパネルでシームレスに表示する。木目パネルの表面に薄いディスプレイを貼り付けており、映像の奥に木目が浮かび上がる。

 

↑ノングレアで明るい場所でも見やすいディスプレイ。スマホカメラを通して見ると、チラつきもないことがわかる。

 

TCLとスポーツ支援の歴史

TCLとスポーツの縁は意外と長い。30年以上にわたりスポーツ支援を続けており、サッカーや競馬、eスポーツなど幅広いジャンルでスポンサー活動を行ってきた。最近では、連日の快進撃で日本代表初のオリンピック出場を決めた、FIBAバスケットボール・ワールドカップにも協賛。今後IOCとの協力により、さらに大規模なアスリートサポートと、マーケティング効果を期待している。

 

日本市場におけるTCLの存在感

↑日本で販売されている「TCL 115X955MAX」「TCLX955」。(写真はTCLサイトより)

 

一方、世界的な家電メーカーがひしめく日本でのTCLの存在感はどうか? レグザ、シャープ、ハイセンスで過半を占める日本市場において、現在、TCLの販売シェアは金額ベースで約8%、第6位の位置にある。

 

「日本は技術革新の最前線である、と捉えている。日本市場向けに144Hz Mini LEDテレビや98インチの超大型スクリーンテレビをいち早く導入し、日本市場の高いニーズに対応。これによってグローバル市場での同カテゴリー展開のベースを構築した」とTCLは回答している。

 

また、グローバルブランドイメージ向上の鍵となる市場ととらえているようだ。「日本市場は、高い技術基準と厳格な品質管理が求められるため、TCLが日本市場で成功することは、グローバル市場におけるブランドの信頼性を大きく向上させることにつながると考えている」という。

 

日本市場に対する効果は?

TCLは現在、例えば同じく中国から日本へ進出しているハイセンスよりは知名度で劣る。だが、オリンピックスポンサーになることでブランドの認知度向上は確実。特にブランドの信頼性を重視する高齢者層へのアプローチが可能となるほか、量販店との関係強化にもつながると見られている。

 

 

TCLに限らず、中国メーカーはスポーツマーケティングに積極的である。例えば、上記ハイセンスはFIFAワールドカップやクラブワールドカップの公式スポンサーを務めている。一方、オリンピックスポンサーから撤退した日本メーカーは、今後どのようなグローバル戦略を展開するのか、その動向にも注目が集まる。

 

累計10億台販売! 55周年の「トミカ」が仕掛ける4つの挑戦と注目の新製品とは?

手のひらに乗るミニカーの代表格「トミカ」が、今年で55周年を迎えた。各方面から祝福の声が上がる中、タカラトミーが次々と新たな施策を発表。財布の中身を気にするのは後回しでOK。ちなみに、あの「オッパッピー」の人がキーパーソン⁉ その詳細も本稿後半で明らかに!

↑自動車メ―カーコラボプロジェクトのひとつ「スズキジムニートミカ55周年記念仕様」。ミニカーとして販売するのはもちろん、実車を製作してイベントなどで展示する予定だ。

 

 

トミカ55周年記念! 自動車メーカーとのコラボプロジェクト

トミカは誰もが、免許なしに手にできるマイカーだ。振り返れば、車やバイクへの興味は、トミカとの第一次接近遭遇があればこそ。そしてそれはたぶん、的を射ている。日本を代表する車メーカーはトヨタではなくトミカかも知れない……なんて冗談、いや本気?

 

1970年発売の「黒箱」から始まった55年の歴史

↑1970年発売の最初の6車種。黒い背景の大人びたパッケージは通称「黒箱」。ドア開閉、スーパースピードサスペンションなど可動ギミックは現在に通じる内容だ。

 

筆者にとっての「お初トミカ」は、日野ダンプトラックだったか、古河ホイールローダーだったか…。どちらにしても“働く車”だった。発表会場でトミカのスタッフはこう話してくれた。

 

「最初は働く車に興味を持ち、その後マイカーや街で見かける車へと関心が広がり、最終的にはスポーツカーなどの趣味性の高い車種へと移っていく傾向があります」

 

子どもたちには手にして、走らせて、動きを楽しむおもちゃとして。保護者世代ならコミュニケーションツールとして。シニア世代には懐かしくも、安心してあげられるプレゼントとして。トミカは世代を超えて愛される「小さな傑作品」と言っても過言ではない。

 

↑発表会場を飾った55周年特製ディスプレイ。白と赤のトミカ953台を使用している。なお中央上の「トミカ」ロゴ部分はちょうど55台分のスペース。これまた55周年にかけたこだわりなのか、もしかして⁉

 

そのトミカが今年、55周年を迎え、大々的な取り組みを複数実施するという。原宿で開催された発表会には“キーパーソン”としてお笑い芸人の小島よしおさんも登場。トークと独特の動きで場を盛り上げた。

↑1980年生まれの小島よしおさん。同級生となるクラウンパトカー(右手)と、現行クラウンパトカーを手に。「この感触。手がトミカを覚えています」と小島さん。

 

55周年記念の取り組みは4つ!

順を追って紹介しよう。

 

1. トミカ55周年自動車メーカーコラボプロジェクト

これは各自動車メーカーがトミカのためにデザインを考案し、そのデザイントミカの発売と、イベント展示用実車の製作が行われるという豪胆なプロジェクト! 5台の車をあちこち運ぶことを考えるだけでも「お疲れ様です!」と担当者をねぎらいたい気分だ。

 

 

2.「TOMICA OWNERS MEETING」開催

トミカには熱心なコレクターも多くいる。従来メーカーとコレクターの直接交流はあまりなかったが、55周年でとうとう実現。コレクター、マニアも楽しめるよう、ヒストリー、工場見学ほか分厚い内容を予定し、開催は12月だ。記念イヤーを締めくくる大感謝祭の詳細は、続報を待て!

 

3. 待望の新製品登場

・「トミカ・プラレールブロック」
トミカやプラレールと一緒に遊べるブロック玩具、という初提案が「トミカ・プラレールブロック」。

 

・「グランドモールトミカビル」
次いでトミカ随一のロングセラー「トミカビル」最新版「グランドモールトミカビル」爆誕!(いまどきの子どもたちにはスーパーよりもモールの方が通りがいいのだ!)

↑下段中央が「グランドモールトミカビル」。こりゃ子供たち狂喜乱舞間違いなし! 保護者の皆様におかれましては、おさいふ覚悟の上、モールのおもちゃコーナーへ!

 

↑会場に展示された1970年代のトミカビル。「懐かしい~」うんうん、激しく同意!

 

・「tomica+(トミカプラス)」
そしてゲットナビウェブ読者も刮目すべき新シリーズは、大人の遊び心をくすぐるキダルト(遊び心をもつ大人)向け新ブランド、その名も「tomica+」(トミカプラス)。大人も手を動かして遊びたくなる、トミカの新たなる魅力の提案だ。

↑「tomica GARAGE」はコレクションをニンマリ飾ることができるガレージで、照明のオンオフ、シャッターの電動開閉が可能とこだわり満タン! 写真の特色NSX(1台)が付属する。また付属のシートによって、ガレージ内壁面と床面のデザイン変更も可能なのも涙ちょちょぎれ! 税込6600円。ランボバージョンもあり。

 

↑「トミカプレミアムunlimited DRIFT TURN TABLE」。基本はターンテーブル。しかしてその実態は、ミニカーがドリフトしながらタイヤの摩擦煙(実際は水蒸気)とBGM、そして7色LEDで走りを演出するニクいやつ! 頭文字D仕様、ワイルド・スピード仕様の2種展開。各税込6600円。

 

4. テレビでトミカ!

この4月から小島よしおさん等がMCを務める『トオミプラワールド のりのりタイムズ!!』がテレ東系列で放映開始! 大好きな乗り物を通じて子供たちの社会性や冒険心、夢をはぐくむと同時に、トミカやプラレールの魅力を伝えるぞ。

 

トミカの未来と世界展開

ゲットナビウェブ読者諸兄にとって、特に気になるのがモノ、つまり(3)だろう。なかでもオトナ世代の注目が新ブランド「tomica+」。筆者は当初、この”キダルト向け新商品”はより精密なトミカだと予想していたのだが、それは見事に裏切られた格好だ。

 

同社グローバルトミカ事業室トミカ事業部ブランドマーケティング課課長の吉原有也さんを直撃した。

↑タカラトミーグローバルトミカ事業室トミカ事業部ブランドマーケティング課課長の吉原有也さん。

 

「tomica+は、トミカを末永く愛して頂きたいという思いから生まれたブランドです」(吉原さん)

 

とはいえ、いま現在でも末永く愛してもらえていると思いますが?

 

「はい。子どもたちはもちろん、長じてコレクターやマニアととなった方々にも愛されています。しかしその“中間”には、たすきをつなぐ大人たちがいます。そういった大人たちがトミカで遊びたくなるような商品としてtomica+を提案しました!」(吉原さん)

 

なるほど! 確かに保護者世代になれば子供たちとの共通言語としてトミカを手にしても、あくまで道具。今回はその一歩先、大人自身がトミカを遊び続けるための商品化なのだ。この点で精密な作りを標榜する「トミカプレミアム」や、トミーテックの「トミカリミテッド ヴィンテージ」とは意味合いが異なる。

 

「元トミカっ子のおとなたちにも、ミニカーを手で動かして、トミカで遊び続けて頂きたい。そのため、精密なミニカーにふさわしい「tomica GARAGE」や「unlimited DRIFT TURN STAGE」を企画したのです」(吉原さん)

 

トミカはシンプルな玩具だ。同時に、遊び方を、遊び手に考えさせる玩具でもある。55年という歩み自体立派だが、より重要なのは、子供から大人~シニアまでが、自分事として見られるポジションにトミカが輝き続けていること。

 

↑登壇者勢ぞろい、で「はいトミカ!」

 

今回の55周年プロジェクトは、コンテンツの充実により、より幅広い子どもたちの興味関心を喚起し、大人たちに対してはコレクターやマニア対象にとどまらない広いファンを創出する。これは、野球などスポーツのファン創出に似ている。世代を問わず楽しむ(観戦、応援)ことができ、プレイする人もしない人も熱中し、長くファンであり続ける……。

 

トミカはいま世界中でファンを獲得し続けている。なにしろトミカシリーズは「1.8秒に1台売れている」世界標準ミニカーなのだ!

 

↑いまや世界中の観光客が集う東京駅一番街 東京キャラクターストリートの「トミカ・プラレールショップ東京店」(写真)が2025年2月19日(水)リニューアルオープン! 昨年には初の海外オフィシャルショップ「トミカブランドストア」を上海にオープンするなど、その歩みは止まらない。

 

「架空商品モール」はメーカーの救世主となれるか?「消費者の声×生成AI」で企画力不足のお悩み解決!

NTT DXパートナーは、メーカーの新商品開発を成功体験へと変える「新商品プロデュース事業」の一環として、生活者の「あったらいいな」をもとに生成AIが新商品アイデアを生み出す「架空商品モール」を2024年12月16日より開始しました。

 

架空商品モールから実際に商品が生まれるかも

架空商品モールの特徴は3つです。メーカーの技術力や特許をAIに事前に学習させることにより、技術力/特許を活用したアイデアを生み出せる「AI学習機能」。「生活者のよくある悩み」と「AI」を掛け合わせ、社内だけでアイデアを考えるよりも新規性の高い架空商品を数多く生み出せる「AIチャット機能」。生み出された架空商品のどれに多くの“欲しい”が集まるのかをランキング形式などで検証できる「テストマーケティング機能」。架空商品モールから生成された結果をもとに商品化の検討ができるため、需要予測が立てやすくなります。

↑はじめに架空商品モールの機能について、NTT DXパートナー「架空商品モール」プロデューサー(事業責任者)の朴 在文さんから説明がありました

 

↑架空商品モールは「AI学習機能」「AIチャット機能」「テストマーケティング機能」の3つの機能からなります

 

架空商品モールの仕組みは、まずメーカー側が作りたい商品ジャンルの決定、プロジェクトページの作成などをします。生活者はその掲載キャンペーンを確認し、架空商品の生成や投票を行います。そして架空商品モールは、生活者からの架空商品と定性情報をメーカー側へ提供。最後に、抽選や審査によってメーカーからAmazonギフトカードをキャンペーンに参加した方々へプレゼントします。

↑架空商品モールの仕組み

 

当日は「架空商品モール」に参加したメーカー4社が登壇しました。メトロ電気工業(愛知県安城市/こたつ用のヒーターユニットなどの製造・卸売メーカー)、福光屋(石川県金沢市/酒造メーカー)、ヤマトエスロン(大阪府八尾市/プラスチック総合メーカー)、森永製菓の4社。実際プロジェクトに参加してみると、企画力不足の解決、本当に需要があるのか検討する時間の削減などに役に立ったという声が上がりました。社内起点でのアイデア創出やアイデア創出までの時間が、生活者やAIによってアイデアの真新しさ・量、そして創出の時間が削減されることは、メーカー側にとってメリットはかなり高いです。

↑左からメトロ電気工業、福光屋、ヤマトエストロン、森永製菓。各社3つの新製品候補が上がっている状況でした。どのプロダクトが実際発売されるのか楽しみです

 

提供プランは4つ。生活者には謝礼も

架空商品モールが提供するプランは「トライアルプラン」「研修プラン」「総選挙プラン」「企画会議プラン」の4つです。

 

トライアルプランは、生成AIチャットボットを活用したメーカー社内向け商品開発の体験プラン。料金は25万円/2週間で、社内最大100アイデアまで。研修プランは、メーカー社内で商品開発会議をワークショップ形式で実施するプラン。料金は60万円~/回。

 

そして総選挙プランは、生活者から架空商品を募り、代表的な商品を選定のうえ、架空商品モールサイト上やXなどでの生活者による総選挙で需要検証まで実施するプラン。料金は90万円~/回で、2025年1月末まではキャンペーン価格の50万円~/回で提供します。

 

生成されたアイデアの知的財産権は、トライアルプラン、研修プランの場合はメーカー帰属。総選挙プラン、企画会議プランの場合はNTT DXパートナー帰属となります。総選挙プラン、企画会議プランで生成されたアイデアの知的財産権をメーカー帰属にする場合は、別途費用が発生。メーカーが希望する3アイデアまで50万円になるとのこと。

 

一方、架空商品モールに参加してくれた生活者には、「ものづくりの一端に参加できる」「自分のアイデアが商品化される可能性がある」などの体験価値を提供するほか、NTT DXパートナーより以下のAmazonカードの謝礼(3000円〜5万円)が渡されるとのこと。

 

新商品開発には、アイデア創出やテストマーケティングなど、どうしても膨大な時間を費やしてしまうもの。この架空商品モールを利用することは、消費者ニーズの理解やアイデア創出の時間などがスピーディーになることは間違いなさそうです。生成AIによって、一般消費者の生活が豊かになる商品開発を期待したいところです。

今こそデータ保存に”NAS回帰”もアリ?UGREENが「NASync DXP」シリーズ3製品を国内販売

モバイルバッテリーやポータブル電源の販売で知られるUGREENが、新製品群となるNASキット「NASync DXP」シリーズのクラウドファンディングによる先行支援受付を2月14日から開始します。

↑NASync DXP4800 Plus

 

自宅やオフィスのネットワークに接続し、複数デバイスで共有可能なデータ保存場所として活躍するのがNAS(Network Attached Strorage)です。近年は手軽に利用できるクラウドストレージが使われる機会も多いですが、クラウドはセキュリティやランニングコスト、アクセス権といった課題があることから、手元に大量のデータを置いておきたい、家族で共有したいといった場合には依然として便利な選択肢と言えます。

↑製品発表会で展示されていた各モデル。製品ごとにHDDの搭載可能数が異なります。組み込むHDDの組み合わせで容量を柔軟に調整できるのが嬉しいポイント

 

NASync DXPシリーズは別売のHDDを組み込んで使用するNASキットで、完成品のNASと異なり、用途に合わせた拡張が可能なのがメリットのひとつ。同シリーズは海外ではすでに発売中で、米国のクラウドファンディング「Kickstarter」において10億円以上の支援金を集めたとのことです。

↑クラファン利用なら早割で40%オフに

 

国内では6ベイタイプで最大容量160TBの「NASync DXP6800 Pro」、4ベイで最大容量112TBの「NASync DXP4800 Plus」、2ベイで最大容量64TBの「NASync DXP2800」の計3モデルを展開。価格は「NASync DXP6800 Pro」が16万9880円、「NASync DXP4800 Plus」が9万9880円、「NASync DXP2800」が5万5880円ですが、クラウドファンディングを利用すれば早割価格となり、最大40%オフで購入できるとしています。

↑背面にはLANポートのほか、USBポートやHDMIポートなど複数のインターフェースを用意

 

発表会では同シリーズのメリットとして、セットアップの手軽さやデータ処理能力、AI機能に代表されるUIの使い勝手の良さといった点が挙げられました。「難しそう」という理由でNASの導入が敬遠されることは多そうですが、セットアップに関しては「HDDのセット、電源ケーブル・LANケーブルの接続、アカウント登録」の3ステップで完了するほか、「初心者ガイドも用意している」と手軽さをアピール。

↑発表会の会場ではデモも実施。6ベイタイプの最上位モデル「NASync DXP6800 Pro」はノートPC向けのCore i5を搭載していることもあり、閲覧やAI機能の利用も極めてスムーズでした

 

データ処理能力については、3モデルともIntelのノートPC向けプロセッサーを採用することで担保しています。特に最上位の「NASync DXP6800 Pro」は、ミドルグレードの「Core i5-1235U」を搭載するなど、ちょっとしたPC顔負けの処理性能を発揮できると言ってよさそうです。

↑データはPCやスマホからアクセスすることで閲覧できますが、UIはシンプルで操作も簡単でした

 

ちなみに保存した画像の閲覧や管理には、同社独自の「UG AI」によるスマート写真認識・分類機能を利用可能。たとえば写真フォルダに「犬」「猫」といったワード指定で検索をかければ、AIが保存されている画像を分析・整理し、関連する写真のみを一覧表示してくれます。重複保存されている画像を抽出して削除する、といった機能も利用できるようです。AI機能はクラウドを利用せずローカルで完結しているため、セキュリティ上の懸念も低減できるとしています。

 

クラウドファンディングのプロジェクトは「GREEN FUNDING」で公開され、4月以降順次発送となる見込みです。長く使えるデータ保存方法を検討しているなら、この機会に導入を考えてみてはいかがでしょうか?

 

サントリーの「ドリンクスマイル」がスタート。人気のビールや酎ハイを1杯200円で飲めるイベント開催でわかること

毎年11月10日から16日は厚生労働省が定める「アルコール関連問題啓発週間」。サントリーは11/6(水)に、東京ミッドタウン日比谷で発表会「新たな適正飲酒啓発活動に関する説明会」を実施した。2024年2月に厚生労働省から「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」が発表されるなど、近年お酒にまつわる話題のひとつとしてにわかに注目を浴びる概念“適正飲酒”に対して、同社はどのように向き合い、活動につなげていくのか? この発表会の模様と同会場で11/10(日)まで開催されるイベント概要を中心にお伝えする。

 

「ドリンクスマイル」が意味すること

サントリーは、適正飲酒の大切さとお酒の魅力を伝える「ドリンクスマイル」活動を11月6日(水)から開始。2025年から2030年までの6年間で、日本国内で延べ20万人を目標に「ドリンク スマイル」セミナーを開催するという。

 

登壇者はサントリー株式会社 代表取締役社長 鳥井信宏(とりいのぶひろ)氏とサントリーホールディングス株式会社 執行役員グローバルARS部長 宮森洋(みやもりひろし) 氏。まず鳥井氏から「ドリンク スマイル」の取り組みが発表され、後半では、宮森氏からサントリーが実践するアルコール関連問題への取り組みが発表された。

↑サントリー株式会社代表取締役社長の鳥井信宏氏

 

↑サントリーホールディングス株式会社の執行役員でグローバルARS部長を務める宮森洋氏

 

「ドリンクスマイル」では、適正飲酒啓発による「お酒との共生社会実現」に「お酒文化の継承」を加えることで、正しく多様なお酒の楽しみ方を発信するという。鳥井氏は、「お酒のある席でお酒を飲む人、飲まない人が分け隔てなく、お酒やノンアル・ソフトドリンクなど、それぞれのドリンクを持って幸せな時間を過ごせるように、また笑顔のある場を共有できるお酒ならではの価値を大切にしていきたいという意味を込めた」と語る。

 

本活動の目玉となる「ドリンクスマイルセミナー」では、企業、自治体、大学を中心に、2025年から年間30,000名に実施予定。2025年から2030年までの6年間で、日本国内で延べ20万人の啓発活動を目指していくという。

 

セミナーのコンテンツは大きく分けて2つ。1つがお酒の価値と適正飲酒について学べる動画コンテンツだ。俳優の吉高由里子さんを起用し、若い世代にも親しみやすい形でお酒の適切な付き合い方を学ぶことができる。

↑サントリーのブレンデッドウイスキーブランド、トリスのCMキャラクターを務める俳優の吉高由里子さんを、ドリンクスマイルセミナーのナビゲーターに指名。幅広い世代からの認知と支持を評価し、起用を決めたという。(サントリー資料より)

 

もう1つは体験型のコンテンツ。サントリーが提供するビール、ハイボール、ジン、ノンアルコールドリンク等の試飲を通じてお酒の楽しみ方を実際に学べるほか、VR技術を用いて山崎蒸溜所内の施設見学を疑似体験できるコンテンツも提供される。

 

↑サントリーのノンアル・ローアルを含むお酒ラインナップ。(サントリー資料より)

 

飲酒中・飲酒後のNG行為は?悪酔いせずお酒を楽しむ“適正飲酒”の基礎知識

 

それぞれの“1杯”の楽しみ方を探求できるイベント開催

発表会が実施された東京ミッドタウン日比谷の1階イベントホールでは、11/10(日)までの期間限定で「SUNTORYドリンクスマイルBAR」が開催。ドリンクに含まれる純アルコール量から、自分に合ったドリンクを楽しめる。

↑会場内のバーカウンター

 

↑バーカウンターでは、200円(税込)でお好きな1杯を提供。ほかに、サントリー天然水と、おつまみとしてグリコ「クラッツ」、アルコール体質測定ジェルパッチ、小冊子「ほどほどBOOK」、特製コースターがつく。

 

↑お酒と“いい関係”でいられるための楽しみ方も掲示。

 

「SUNTORYドリンクスマイルBAR」
11/6(水) 13:00〜21:00
11/7(木) 11:00〜21:00
11/8(金) 11:00〜21:00
11/9(土) 11:00〜20:00
11/10(日) 12:00〜21:00
※ドリンクのラストオーダーは終了1時間前。(11/9のみ30分前)
利用は20歳以上。1人1回まで。提供数量限定。

 

実は、啓発活動は1986年から

“適正飲酒”への取り組みというと、アサヒビールが2020年から積極展開している「スマドリ(スマートドリンキング)」を想起するが、実は同社も1986年から適正飲酒に関する啓発活動を取り組んできたパイオニアでもあるという。「お酒は何よりも適量です」というメッセージを盛り込んだモデレーション広告を展開し、これまで1年も欠かさず新聞に広告を出稿している実績がある。「当初は(お酒を悪者にしかねないと)社内でも反対意見はあったが、当時の社長であった佐治敬三によって推進された」と質疑応答で宮森氏が答えた。

 

会場壁面のパネルには、過去のモデレーション広告に加え、お酒の価値や適正飲酒に関する展示物が多数掲載されている。

↑いままで展開されてきた広告と、“お酒の価値”をパネル展示。

 

↑これからシーズンとなる忘年会をテーマに、適切なお酒の楽しみ方を学べる展示も。

 

ほかの大手ビールメーカーの“適正飲酒”への取り組みをおさらい

先述のように、ビールメーカーを中心に、“適正飲酒”の概念を推進する動きは昨今盛んだ。代表的な取り組みを紹介する。

 

・アサヒビール

2020年12月から、お酒を飲む人も飲まない人も楽しめる「スマドリ(スマートドリンキング)」を提唱。日々の飲酒量を可視化する「飲酒量レコーディング」をブラウザで提供。2022年1月にはアサヒビールと電通デジタルでスマドリ株式会社を設立し、渋谷センター街への「THE 5th by SUMADORI-BAR」のオープン、ファンコミュニティを開設するなど、消費者を巻き込む創意工夫に溢れる。

↑飲んだお酒の量を記録して、摂取した純アルコール量を把握できる。

 

・キリンビール

2019年から、お酒を飲む際の雰囲気や流れる時を楽しんでもらう「スロードリンク」を提唱。適正飲酒の啓蒙活動もより積極的に実施。2024年5月からは、団体向けに正しいお酒との付き合い方を学ぶ「適正飲酒セミナー」の展開もスタートしている。

↑飲んだお酒の純アルコール量や、アルコールが消失するまでの時間を計算できる「飲酒習慣診断」

 

・サッポロビール

アルコール関連問題対策のグローバルスローガン「Promote Responsible Drinking」を掲げる。飲酒に関する正しい知識を習得し、健康的にお酒を楽しむために「適正飲酒啓発セミナー」を2015年から主に首都圏の大学と企業にて開催。また、20歳未満が飲酒してはならない理由や誘われたときの断り方、大人が果たすべき役割などを掲載した小冊子を、2009年から2022年末までに約180,000冊、希望する小・中学校などへ配布している。

 

取材・文/和田史子(GetNavi web編集部) 編集協力/鈴木和成