【ムー神秘体験談】歌人・笹公人の眼前に出現した黄金の大黒天像の謎

1999年7月といえば、本誌読者ならずともノストラダムスの終末予言を想起するだろう。だがこのとき、笹公人氏の眼前に出現したのは恐怖の大王でなく、金の大黒天像であった。

黄金の大黒天像。

 

本誌連載「オカルト短歌」の主宰者であり、短歌界を起点に活動の場を特異に広げている歌人・笹公人を世に送り出したのが、この大黒天なのだ。

 

「小金井市の実家で暮らしていたときのことです。『短歌』(角川書店)で特選を取ったものの、短歌の世界は厳しく、自分が歌人としてやっていけるのか、これからどう生きていくか、考えていました。そんなとき突然、部屋の中がピカッと光り、何かが降ってきたような気がしたんです」

 

その後の記憶はあいまいだというが、気が付いたとき、目の前に金の大黒天が置かれていたそうだ。その部屋どころか、家のどこにもなかったものが、まばゆい光とともに突如出現した、ということになる。

現物を見せていただくと、大きさは1センチほどだが、米俵にまたがり、打ち出の小槌を掲げて大きな袋をかつぐ姿がはっきりとわかる。まぎれもなく大黒天である。物質の組成までは調査されていないが、金属片が偶然にこのような形になることは考えにくいし、なにより、突然に出現したことは物質化現象としか思えない。

 

ともあれ、大黒天はあふれんばかりの財や富の到来を示唆する。驚きをもって受け止めた笹氏は、これを「生活やお金のことは気にせず、短歌の道へ進め」というメッセージだと直感した。ここが、歌人・笹公人が誕生した瞬間である。

 

事実、大黒天の出現から半年もたたないうちに歌集「念力家族」シリーズが見出され、2003年には書籍化されている。「念力家族」は短歌業界の内外で話題となり、オカルト、超能力、霊能力、地球外生命体なども包括する笹氏独特な短歌世界を象徴する作品集となった。当時にしても歌集が一般書籍として刊行されるのは稀なことだが、2015年にはNHKドラマの原作にもなっている。そのような展開に恵まれた歌集は例がない。

 

「調べてみたら、私の産土神社は出雲系で、祭神が大黒天と同一の大国主命でした。自分の原点から支援を受けているのかと思います」

 

現在も大黒天像を大切に保管しているという笹氏だが、大黒天の出現依頼、3~4年周期で歌人としての転機を迎える富貴のサイクルに恵まれているという。オカルト短歌人・笹公人の神秘的な活動領域はまだ広がるのだろうか。笹氏は今後、大黒天像について物質面、霊的な面の鑑定を行い、その神通力の深淵を覗こうとしているそうだが、その結果については、また時期を見て報告しよう。

『短歌』1999年8月号(角川書店)。『短歌』1999年8月号(角川書店)。

 

(ムー2017年12月号 「歌人・笹公人の眼前に出現した黄金の大黒天像の謎」より抜粋)

 

文=松雪治彦
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