東京競馬場内グルメ74店舗から厳選! 常連化確定の老舗人気“競馬メシ”5店

“競馬メシ”を楽しむのも、競馬場の醍醐味のひとつ。東京競馬場には74店舗ものレストラン・フードショップがあり、名物グルメが目白押しだ。なかには40年、50年以上にわたって味を引き継いできた、人気の老舗店もある。

 

編集部スタッフが体験した、東京競馬場おすすめグルメをご紹介!

 

老若男女問わず舌鼓を打つ! 東京名物の老舗立ち食いそば「馬そば 深大寺」

↑かき揚げそば580円

 

【うどん・そば】馬そば 深大寺
【出店場所】フジビュースタンド4F

40年以上親しまれている東京競馬場名物の立ち食いそば。鰹節、宋田節、鯖節と3種類の削り節と焼きアゴ、昆布などで出汁を取り、秘伝のかえしをブレンドしたつゆは絶品! 天ぷらはすべて店内調理している。

出汁の効いた関東風つゆ×そばのハーモニーが最高

「そばの風味がしっかりと感じられ、のどごしがイイ! 出汁はやや甘めの関東風だ。野菜たっぷりのかき揚げは可能な限り注文後に揚げるので、アツアツ。とりそばもオススメ!」

 

競馬場内でも二郎系ラーメンが食べられる!「俺の生きる道」

↑東京競馬場スペシャル 1400円

 

【ラーメン】俺の生きる道
【出店場所】フジビュースタンド1F ファーストフードプラザ (イースト)

 

二郎系ラーメン店「夢を語れ」で修行を積んだ店主が営業する人気ラーメンチェーン。豚骨醤油スープ&極太麺に超肉厚の炙りチャーシュー、そしてニンニクがガツンと効いたボリューミーな1杯で、そのビジュアルも食欲をそそる。朝から行列ができていることが多い。

豪華トッピングの競馬場限定メニュー

「野菜増し+ゆでたまご+ネギ+チャーシューをトッピングした「東京競馬場スペシャル」。量は多いが見た目ほどコッテリではなく、意外とスルスル食べられる」

 

ノスタルジックな雰囲気漂う、場内人気No.1のカレー「ハロンボウ」

↑ビーフカツカレーライス 950円

 

【カレー】ハロンボウ
【出店場所】メモリアル60 スタンドB1F

 

メモリアルスタンドの竣工前から存在した、東京競馬場イチの老舗カレー店。厳選した3種類のカレー粉を使って煮込み一晩寝かせたルーは、旨味とコクが凝縮されている。以前あった人気ラーメン店「ささや」のレシピを引き継いでおり、本格派のラーメンも味わえる。

一度食べるとリピーター化する、至高のカレー

「ダントツ人気のカツカレーのカツには、厚切りの国産豚肉を使用。じっくり煮込まれたコクと深みを感じるルーとよく合い、クセになるお味だ。重すぎないので朝からでも食べられる」

 

競馬場ならではの限定カクテルを味わえるバースタンドBAR2400@TOKYO

↑ジャパンカップ 1000円(ゼッケンコースター付は1800円)

 

【カクテル・ドリンク】BAR2400@TOKYO
【出店場所】フジビュースタンド3F

アルコール類を販売するバー。枠色カクテルを購入すると枠色カードがもらえて、当たれば人気のあまおうソフトなどがお得になる。開催期間に行われる重賞をイメージしたカクテルも販売。10〜11月は天皇賞(秋)、ジャパンカップ(JC)のカクテルを楽しめる。

 

オシャレなカクテルで重賞のウキウキ気分を演出!

「JC」は巨峰リキュール×特製みかんスカッシュの、フルーティーで飲みやすいカクテル。みかん果肉、ブルーベリー、オレンジスライス、琥珀糖のトッピングで馬の形が模されてるのがかわいい!

 

揚げたて・サクサク!シンプル イズ ベストな絶品フライドチキン「鳥千」

↑食べ比べ(骨付き、骨なし)セット 750円

 

【フライドチキン】鳥千
【出店場所】フジビュースタンド1F ファーストフードプラザ(ウエスト)

 

揚げ物系専門店で、特にフライドチキンは場内屈指の人気を誇る。店内調理なので、揚げ立て・アツアツだ。マヨネーズが練り込まれている鶏団子を揚げた「マヨネーズ風味チキンボール」もオススメの一品。


競馬場に行くとつい食べたくなる逸品

「フライドチキンは骨付き・なし共に胸肉を使用。シンプルな味付けの衣で、好みで塩、マスタードを付けて食べる。外はサクッと中はジューシーでビールが進む!」

 

TOPIC1:UMAJO SPOTでホッとひと休憩

↑【出店場所】フジビュースタンド5F

 

UMAJO SPOTは女性専用のリラックススペース(※1)で、フジビュースタンド5Fに2カ所ある。ワンドリンク無料サービスが受けられ、かわいいスイーツをいただきながらゆっくり座って休憩・予想するのに最適だ。店内にはコンシェルジュが常駐。馬券の買い方やマークカードの書き方も丁寧に教えてもらえるので、競馬初心者にもオススメのスポットだ。

↑SPOT内では、馬モチーフのオリジナルスイーツを販売。期間限定スイーツもある

 

↑オリジナルフレーバーのコーヒーや紅茶が楽しめる。パッケージもかわいい!

※1:男性は未就学児のみ利用可能。また、20歳未満のみの利用は不可。利用時間は、ひとり1日1回最長60分まで。

 

TOPIC2:期間限定グルメフェス開催

↑【出店場所】馬場内グルメエリア

 

本馬場の内側のエリア(内馬場)では、開催期間中さまざまなグルメフェアが開催される。エリアの中央には屋根付きの広いテーブル席を完備。フードコート感覚で利用できるので、ランチタイムなどはファミリーに人気のスポットだ。

 

東京競馬場

東京競馬場は3歳馬の頂点を決める競馬の祭典「日本ダービー」開催の地。日本最大の競馬場で、芝コースのゴールまでの直線距離は525.9mもある

所在地:東京都府中市日吉町1-1
競馬開催日:原則として9時00分~17時00分
公式サイト:https://www.jra.go.jp/

 

※「GetNavi」2024月12号に掲載された記事を再編集したものです

東京競馬場は一日中楽しめるアウトドアスポット!馬だけじゃなく“新幹線”まで走っているとは

緑がいっぱいの開放的な空間でのんびり過ごせる競馬場は、イチ押しのアウトドアスポットだ。一歩足を踏み入れれば広大な芝が眼前に広がり、気分がリフレッシュ!

 

颯爽と駆け抜けていくサラブレッドたちが美しく映え、その勇姿が非日常のワクワクを演出してくれる。特に東京競馬場はアミューズメントパーク感が強く、ほかの競馬場とは空気感がひと味違う。ぜひカップルやファミリーで訪れてみてほしい場所だ。そんな魅力たっぷりな東京競馬場のオススメスポット&グルメをご紹介!

 

東京競馬場ってこんなところ! 日本を代表する競馬場

館内は西洋の雰囲気

競馬の発祥・ヨーロッパの町並みが再現されたフジビュースタンドの館内。いわゆる“競馬場”のイメージと全然違う!

 

館内は西洋の雰囲気

 

日本を代表する競馬場

 

名馬の記念碑も

2019年に亡くなった名牝・ウオッカなど、名馬を讃える記念碑が点在。ファンによるお供えも後を絶たない

 

自然を楽しむ

緑の中をのんびり散策できるスポットも。バラの季節になると「ローズガーデン」は良い香りに包まれる

 

のんびり観戦

スタンドエリアにも広大な芝生が広がる。天気の良い日はのんびりピクニックしながらレース観戦ができる

編集部スタッフが体験! 東京競馬場アミューズメント

じつは、小さな子ども向けの遊具や、ファミリーで楽しめるイベントが多い東京競馬場には、アミューズメントパーク的な一面も。馬券は買わずに、公園に遊びに来るような感覚で来場する家族やカップルも少なくない。

 

大興奮の大型コンビネーション遊具に、キッズも大興奮!

キッズガーデン ●馬場内

大型すべり台やブランコ、アスレチックなどが合体したコンビネーション遊具があり、子どもがのびのびと遊べる。競馬場ならではの広大な芝生で走り回ることもできて、親子で有意義な休日が過ごせる穴場だ。

ほんものそっくりの新幹線でエリア内を一周。キッズも大喜び!

 

思い切り飛び跳ねて遊べる「ふわふわドーム」は、小学生から利用可

 

馬とのふれあいイベント

美しくてかわいい馬たちを、より身近に感じられる!/馬車の運行 ●けやき並木(ローズガーデン奥)

 

乗馬体験や馬とのふれあいのイベントがあり、馬を間近で見たり実際に触れたりすることもできる(※2)。また誘導馬には元重賞ウィナーの人気馬もいて、ふれあいや放牧に登場することも!? 公式サイトの「誘導馬紹介」も必見!

アトラクションホースショーも開催。サラブレッドとはまた違う、馬の魅力を発見! ●乗馬センター

 

推し馬グッズやかわいい馬雑貨が盛りだくさん

9冠女王・アーモンドアイの特大ぬいぐるみ(非売品)がお出迎え!

 

ターフィーショップ
●フジビュースタンド2階・3階、メモリアル60スタンド2階(フジビュースタンド3階は東京競馬場開催時のみ)

 

競馬場に来たらついつい吸い寄せられるように入ってしまうグッズショップ。GI、アイドルホースのぬいぐるみや勝負服ストラップ、馬モチーフの雑貨やバッグなどのオリジナルグッズを購入できる。GI開催週には限定アイテムも!

※2:馬車の乗車、体験乗馬のご参加には競馬場イベントアプリでの抽選が必要です。馬の体調や天候により、変更・中止の可能性あり

 

体験型の展示やアトラクションも充実

競馬博物館 ●東門近く

 

常設展示には発馬機でのスターター体験や、スクリーン上で自分が騎手になって出走できるアトラクションなどがある。2月24日まで特別展「JRA70周年記念 タイムスリップ to 1954」「キングカメハメハ・コントレイル顕彰馬選定記念展」を開催。

 

東京競馬場

東京競馬場は3歳馬の頂点を決める競馬の祭典「日本ダービー」開催の地。日本最大の競馬場で、芝コースのゴールまでの直線距離は525.9mもある

所在地  :東京都府中市日吉町1-1
競馬開催日:原則として9時00分~17時00分
公式サイト:https://www.jra.go.jp/

 

※「GetNavi」2024月12号に掲載された記事を再編集したものです

引退馬と猫が過ごす日々にほのぼのしちゃう! SNSでも話題のフォトブック『ボス猫メトとメイショウドトウ』

昨年末、GⅠレース6連勝を誇り最強馬とも言われたイクイノックスの引退に驚かれた競馬ファンも多いでしょう。毎年たくさんのドラマを見せてくれる競馬も必ず「引退」します。そんな引退した馬がどうなるかご存知でしょうか?

 

ボス猫メトとメイショウドトウ』(佐々木祥恵・著/辰巳出版・刊)は、引退馬が穏やかに余生を過ごせる北海道の牧場ノーザンレイクでの日々が記録されたフォトブック。この牧場のスタッフ、そして競馬ライターとしても活躍されている佐々木祥恵さんの文章が沁みます……。今回は、かわいい写真にほっこりしながら引退馬についてもじっくり考えたくなる『ボス猫メトとメイショウドトウ』をご紹介します。

 

牧場を開場した3日目に現れた、ボス猫のメト

『ボス猫メトとメイショウドトウ』の表紙から馬と猫の仲の良さが伝わってくるのですが、なんとこのメトさん、突然この牧場に現れたネコだったそう。

 

突然現れたその猫は、堂々と厩舎の廊下を闊歩して、私の目を真っ直ぐ見据えて大きな声で鳴いた。まるで仲間に入れてくれと訴えているようだった。去勢されていたので、以前は飼い猫だったのかも知れない。

(『ボス猫メトとメイショウドトウ』より引用)

 

運命的な出会いから、メトという名前がつき、馬や人間と仲良く過ごすようになったのだとか。メトはSNSでも大人気で、昨年には猫雑誌「猫びより」にも掲載されるほど! 『ボス猫メトとメイショウドトウ』の中でも、堂々とした態度が本当にかわいく、放牧地の中をお散歩したり、馬の背中に乗ったり、夜の厩舎を巡回したり、馬に猫吸いされたり(笑)、微笑ましい姿がたくさん掲載されています。

 

写真を見ていると引退馬に会いたいな〜なんて思ってくるのですが、馬はとっても臆病な性質のため、しっかりとルールを守って見学することが大切です。「競走馬のふるさと案内所」というウェブサイトにも詳しく詳細が書かれてあるので、よ〜く確認した上でお邪魔するようにしましょうね!

 

引退馬が穏やかに暮らす牧場、そして馬を看取るお仕事

たくさんの写真が掲載されている『ボス猫メトとメイショウドトウ』ですが、写真とともに佐々木さんの文章が綴られています。その中で、とっても驚いた文章がありました。

 

引退後、メイショウドトウやタッチノネガイ、アシゲチャンのように余生を送れる馬もいるが、多くは食肉用として屠畜に回る。乗馬として働けなった馬もほぼ同様の道を辿る。

(『ボス猫メトとメイショウドトウ』より引用)

 

牧場で穏やかな日々を過ごしたり、種牡馬として後世に遺伝子を残したりできる馬はほんの一部。その多くが肥育場に送られ馬肉になるのです。「え、お肉になるの!?」と私の中でいろんな感情が巡ってしまいました。

 

まだ整理ができていないくらいなのですが、まずはこの事実を知ることができてよかったと思います。良い・悪いということではなく、余生を過ごせる馬を一頭でも増やしたい、引退馬たちのことも知ってほしい、と自分なりに考える時間ができたからです。

 

ノーザンレイクにいる馬たちは、さまざまな事情からこの牧場にたどり着いています。ただし共通しているのは、この牧場で看取ってもらえるということ。レースで力を振り絞り、5〜6歳という若さで引退、種牝馬や繁殖牝馬として頑張った後、25〜30年ほどでその生涯を終える馬。同じ命あるものとして、生涯をともに過ごせる場が増えてほしい、支援していきたいと強く感じました。

 

フォトブックの売上の一部は、引退馬たちに使われる!

現実を知り、なんとかしたいと思っても、今日、明日で引退馬の環境が劇的に変えることはなかなかできません。飼育する場所や経費、人だって必要です。これまでクラウドファンディングやSNSでの呼びかけによって、少しずつ引退馬への支援が広がってきています。

 

『ボス猫メトとメイショウドトウ』を通じて、引退馬たちの余生を過ごせる場所を増やしてあげたい! と思ったら、さまざまな方法で支援することが可能です。『ボス猫メトとメイショウドトウ』の売上の一部も、ノーザンレイクで暮らす馬たちのために使われるとのこと。

 

写真を見るだけでも癒されちゃいますが、『ボス猫メトとメイショウドトウ』を読み終わった後、心に残る思いは本当に大切にしてほしいなと感じます。私もできることから……と、微力ですが認定NPO法人 引退馬協会に寄付してみました。いつの日か馬と人間が穏やかに暮らせる、そんな世界になったらいいな〜と思わせてくれる1冊です。

 

【書籍紹介】

ボス猫メトとメイショウドトウ

著者:佐々木祥恵
発行:辰巳出版

大人気のG1ホース・メイショウドトウをはじめ、5頭の競争引退馬たちが暮らす北海道新冠町の引退馬牧場・ノーザンレイク。牧場の窮地を救ったのはなんと1匹の猫! 突如現れた茶白のオス猫・メトは、牧場内での暮らしを謳歌し、馬たちとの交流を楽しみ、馬の背や人の肩に乗るのが大好きな自由猫。その愛らしさで多くの人を虜にし、ノーザンレイクをたくさんの人に愛される牧場へと導いています。メトと馬たちの交流を感じられる撮りおろし写真の数々から、ノーザンレイクで日々馬たちを世話する著者が綴る猫、馬たちのエピソード、メトの日常から引退馬についてまでを知ることができる充実の内容です。今は亡きプリサイスエンド、タイキシャトルも登場。

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騎手同志の対談でディープに迫る、競馬の楽しみ——『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』

自宅で過ごす時間が多くなり、色々なゲームに手を出しています。そんな中でも、めちゃくちゃ勉強になっているのがNintendo Switchの『ダービースタリオン』、そうダビスタ。ご存知の方もいるかもしれません。競走馬オーナーとなり、強い馬を育てていく競走馬育成シミュレーションゲームです。競馬の知識がほぼ0に近い私は、強い馬を育てられず、我がつるたファームは借金まみれですが(笑)、一攫千金を夢見て頑張っています。

 

競馬ってギャンブルの面が目立ってしまいがちですが、ダビスタをやっていると一頭の馬がレースに出るまでに、オーナー、飼育員、調教師、ジョッキー等、たくさんの「人」に支えられている競技なのだなぁと感じ、ゲームを始めてから日曜日の競馬中継を見る目が変わりました。

 

今回は競馬好き、ダビスタ好きにも読んでほしい『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』(藤岡佑介・著/イースト・プレス・刊)をご紹介します。

やっぱり、武 豊はすごかった!

競馬のジョッキーと聞いて思いつくのは、武 豊騎手ではないでしょうか? 前人未到のJRA 4000勝を2018年に達成し、誰もが知っている日本を代表するジョッキーです。

 

『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』は、競馬情報サイトnetkeiba.comで連載されている藤岡佑介騎手の対談コーナー「with 佑」をまとめたものなのですが、書籍だけのスペシャル対談として武 豊騎手との対談が収録されています。そこには負けてしまった時の心の保ち方、騎手という職業についてなど、競馬を知らない人が読んでも、言葉のひとつひとつからプロフェッショナルが溢れていて感動できる内容になっています。

 

数々のエピソードの中でも私が一番驚いたのは、騎手になる前のエピソード。ジョッキーになるためには競馬学校に入学するのですが、その時から武 豊は武 豊だったのです!!

 

―(中略)武さんの競馬学校時代の成績にも興味があります。「実はそれほど優秀じゃなかった」など意外すぎるエピソードがあったりして(笑)。

 

武 残念ながら優秀でした(笑)。卒業時は9人でしたが、入学当初は12人でスタートして、学科はだいたい3位か4位で中の上といったところでしたけど。実技は中間テストと期末テストがあって、3年間のうち一度だけ2位になってしまったことがありますが、あとは全部1位でしたね。

(『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』より引用)

 

小学5年生から乗馬を始めていたことや血筋もあるかもしれませんが、すごい成績ですよね! 「60歳でダービーを勝ちたい」と語っていたこともあるそうですが、現在51歳の武 豊騎手ならやってくれそう……と思ってしまいました。

 

「試合が終われば同士」と語る、外国人初の全国リーディングジョッキー

私は同じ公営競技の中でもボートレースが好きなのですが、日本と韓国にしか競技がないため、「外国人選手」がいません。しかし競馬はグローバル! 日本で活躍する外国人騎手も多く見られるようになってきました。

 

『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』には、フランス出身のクリストフ・ルメール騎手との対談が掲載されています。そんなルメール騎手は、日本ダービーという大舞台でたった8cmの差で一着を逃したことがあったそう。ゴール後「負けたけれど、いいレースができてうれしい」とコメントし、優勝した川田騎手に手を差し伸べたのだとか。その時を振り返り、このように語っていました。

 

ルメール うん、至って自然に手が出たよ。誰が勝ったとしても、自分の仲間がダービージョッキーになったわけだから、彼の美しい1日を心から喜ぶべきでしょ? 自分が勝ったときも、周りの人たちから「おめでとう!」と言われたいから、自分も仲間の勝利を喜べる人間でいたい。

(『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』より引用)

 

美しい……! 尊い……! 一戦一戦に魂を込めた、まさに命懸けの戦いを目にすれば、ギャンブルという枠を超えたスポーツとしての魅力やヒューマンドラマに出会える! と、忘れかけていたレース自体の楽しさを思い出させてくれました(もちろん、お金も欲しい! けれどギャンブルなので嗜む程度にしておきましょうw)。

 

ちょっと目線を変えると、競馬がもっと面白くなる?

最後に「競馬を通じて、ひとりでも多くの人と1頭でも多くの馬を幸せにしたい」と語る、著者である藤岡佑介騎手の言葉をご紹介します。

 

競走馬は、たくさんの人の思いを背負い、決して大げさではなく、本当に命を賭してレースに臨んでいます。そんな彼らの頑張りに精一杯の騎乗で応えるのはもちろんのこと、その走る姿や着順という結果により、ひとりでも多くの人に幸せをもたらすことができたら——。そんな思いが僕のモチベーションのひとつであり、馬に携わる仕事をさせてもらっている“ホースマン”としての大事な使命だと僕は考えます。

(『ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話』より引用)

 

誰よりも競馬が大好きで、誰よりも競馬の未来を考えている藤岡騎手との対談だから引き出せるジョッキーたちの想いがたっぷり掲載されている一冊でした。競馬や騎手という職業を詳しく知らない方はもちろん、週末は競馬をしている方も、私のようにゲームで楽しんでいる方も、騎手の胸の内やプライベートを知ることで、新しい競馬の楽しみ方と出会えるような気がしています。

 

私も藤岡騎手と11人の騎手が楽しそうに過去のレースを振り返り、そしてこれからについて語っている言葉に「競馬ってこんなに奥が深くて、幅も広くて面白い世界だったのか!」と感じました。ギャンブルだけじゃない面白さを多くの人に知ってもらいたい! そしてダビスタでは、藤岡佑介騎手で優勝したい! そんな思いで日々ゲームを楽しんでいきたいと思っています(笑)。

 

【書籍紹介】

ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話

著者:藤岡佑介
発行:イースト・プレス

武 豊騎手との特別対談を収録!! あのレースの真実、勝負に臨む覚悟、ライバル心…騎手同士だからこそ話せる“ここだけの話”!

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ジョッキー×ジョッキー トップ騎手11人と本気で語る競馬の話

「日本一当たらない予想屋」が語る競馬の悲喜こもごも−−『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、多くのスポーツ開催が中止、あるいは、無観客で行われるという事態になっています。残念なことではありますが、困難を乗り切るためです。仕方がありません。

 

無観客開催の競馬観戦

我が家は、35年近く、ほとんどの週末を競馬場で過ごしてきました。夫婦共通の趣味が競馬だからです。20年ほど前に競馬のコラムを書くようになってからは、競馬は趣味から仕事となり、競馬場に行くのは半ば義務となりました。

 

ところが、日本中央競馬会(JRA)も2月29日から無観客競馬の開催を決定し、私たち夫婦もテレビでの観戦となりました。最初はライブじゃないと物足りない気持ちがしていましたが、やがて、それはそれで楽しく、懐かしいと思うようになりました。競馬を始めたころはもっぱらテレビで観ていたので、過ぎ去った日々を思い出すのでしょう。

 

今まで何度も読んだ『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』(乗峯栄一・著/あおぞら書房・刊)をもう一度手にとり読み直したのも、競馬場での思い出が蘇ってくる一冊だからです。

 

著者の乗峯栄一は、筋金入りの競馬ファンで、『いつかバラの花咲く馬券を』など何冊かの競馬関係の著書があります。なかでもこの『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』は、競馬の魅力に取り憑かれた著者の思いが満ちたものとなっています。

 

本当の姿は繊細な少年

『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』は、著者が長年連載したものから60本のコラムを選び、そこにスポーツ新聞やウェブサイトなどに書いた原稿、さらに、新しい書き下ろしを加えたものです。結果として77の選び抜いたコラムが並び、渾身の一冊となっています。著者もその覚悟で出版したようで、自らこう述べています。

 

ちょっと大げさに言えば、競馬ライター乗峯栄一の集大成だと思っている

(『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』より抜粋)

 

ところで、著者は自分を面白おかしく語ろうとします。

 

読者からは「日本一当たらない予想屋」と言われ、調教師からは「あんたに本命にされたら勝てへん」とからかわれた

(『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』より抜粋)

 

こうして、自虐的に自らを紹介し「酔っ払いのおっさん」として周囲をなごませたりします。けれども、実は恥ずかしがり屋で、繊細で、傷つきやすく、「おっさん」どころか、少年のようなヒトだと私は思っています。この世を生き抜くために、もう少し図太くなってほしいと、願うほどです。

 

生まれながらの先生

『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』には、面白いエピソードがたくさんあります。有名人も登場します。誰だかわからないままに出た電話の相手が、武豊ジョッキーだなんて、普通はあり得ない話です。

 

「すごいな〜〜」と感心しながらも、私が一番面白いと思うのは、競馬のことを知らない人に競馬のなんたるかを教えようと必死になる乗峯栄一の態度です。「何もそんなに頑張らなくてもいいのに」と言いたくなるほど、彼は頑張ります。頑張って頑張って頑張り抜きます。そして、頑張っているうちに、「はて、競馬とは何なのだ? 俺、何、考えていたんだっけ?」と、自問自答したりしています。その姿が、たまらなく面白く、そして、哀しいのです。

 

だってそうでしょう? 誰かに頼まれたわけでもないのに、お給料をもらえるわけでもないのに、競馬の魅力について語ろうとするのですから。彼はきっと生まれながらの「先生」なのでしょう。教えたいと願うのは、もちろん「競馬」という特別科目です。

 

すべりにすべる二人の競馬場

例えば、「歓迎される客はどっちだ?」というタイトルのコラムがあります。競馬ライターの「おっさん」が、競馬を知らない女の子を競馬場に伴ったときのエピソードです。女の子の設定は「時々行くスナックに女子大を出たばかりの愛想のいい子が入ったとする」となっています。

 

ある日、二人は連れだって京都の淀競馬場に向かいます。淀は、豊臣秀吉の側室である淀殿のゆかりの地であり、歴史上、大変意味があるところです。当然、彼は女の子に歴史学的な講義をしたくなります。京都競馬場で淀殿を語るなんて、時を越えて今も続く愛を教えるようで、素晴らしい講義ではありませんか!

 

ところが、しかし……。女の子は、淀殿にも、壮大な歴史にも、肝心の競馬にも興味を持とうとしないのです。若いということは、時に残酷なものです。彼女にとって大事なことは、「目の前にある池の白鳥が可愛いね」だったり、「騎手は1日に何度も馬に乗るのに、なぜ馬は1日に1回しか走らないの〜〜」です。

 

当然、二人の話はかみ合わず、彼の話はすべりにすべります。そこがたまらなく面白いのです。

 

一緒に笑うしかない。誰も聞かない熱烈講義というのは大きな疲労を呼ぶ

( 『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』より抜粋)

 

ずれていく感覚

『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』には、長年にわたる乗峯栄一の競馬人生が詰まっています。まるでバウム・クーヘンのように、77のエピソードが層になっています。ある層は面白く、ある層はちょっと怖かったり、悲しかったりするのですから、とても不思議な本だと思います。

 

タイトルに「言いたいのはそこじゃない」と、あるのも不思議です。「では、あなたは何を言いたかったの? そこじゃないとしたら、どこなの?」と聞きたくなりますが、すぐには答えが出ません。著者の言いたいことを探しているうちに、つい笑ってしまい、自分が何を探していたのかわからなくなるからです。

 

そして、ふと気づくと、少しずつズレてしまっている自分自身に気づきます。この奇妙なズレ感こそが、『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』の魅力だと、私は考えています。

 

【書籍紹介】

競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない

著者:乗峯栄一
発行:あおぞら書房

読者からは「日本一当たらない予想屋」と言われ、調教師からは「あんたに本命にされたら勝てへん」とからかわれた。それでも明るく競馬を愛し続けた競馬コラムニストが、地の底・宇宙の果てからレース結果を左右する究極の競馬原理を追究。歴史、文学、生物学、物理学、心理学……怪しい知識を駆使したユーモア・コラム77 本。年季の入った競馬ファンから初心者まで、たっぷりお楽しみいただけます。

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「日本一当たらない予想屋」が語る競馬の悲喜こもごも−−『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、多くのスポーツ開催が中止、あるいは、無観客で行われるという事態になっています。残念なことではありますが、困難を乗り切るためです。仕方がありません。

 

無観客開催の競馬観戦

我が家は、35年近く、ほとんどの週末を競馬場で過ごしてきました。夫婦共通の趣味が競馬だからです。20年ほど前に競馬のコラムを書くようになってからは、競馬は趣味から仕事となり、競馬場に行くのは半ば義務となりました。

 

ところが、日本中央競馬会(JRA)も2月29日から無観客競馬の開催を決定し、私たち夫婦もテレビでの観戦となりました。最初はライブじゃないと物足りない気持ちがしていましたが、やがて、それはそれで楽しく、懐かしいと思うようになりました。競馬を始めたころはもっぱらテレビで観ていたので、過ぎ去った日々を思い出すのでしょう。

 

今まで何度も読んだ『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』(乗峯栄一・著/あおぞら書房・刊)をもう一度手にとり読み直したのも、競馬場での思い出が蘇ってくる一冊だからです。

 

著者の乗峯栄一は、筋金入りの競馬ファンで、『いつかバラの花咲く馬券を』など何冊かの競馬関係の著書があります。なかでもこの『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』は、競馬の魅力に取り憑かれた著者の思いが満ちたものとなっています。

 

本当の姿は繊細な少年

『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』は、著者が長年連載したものから60本のコラムを選び、そこにスポーツ新聞やウェブサイトなどに書いた原稿、さらに、新しい書き下ろしを加えたものです。結果として77の選び抜いたコラムが並び、渾身の一冊となっています。著者もその覚悟で出版したようで、自らこう述べています。

 

ちょっと大げさに言えば、競馬ライター乗峯栄一の集大成だと思っている

(『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』より抜粋)

 

ところで、著者は自分を面白おかしく語ろうとします。

 

読者からは「日本一当たらない予想屋」と言われ、調教師からは「あんたに本命にされたら勝てへん」とからかわれた

(『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』より抜粋)

 

こうして、自虐的に自らを紹介し「酔っ払いのおっさん」として周囲をなごませたりします。けれども、実は恥ずかしがり屋で、繊細で、傷つきやすく、「おっさん」どころか、少年のようなヒトだと私は思っています。この世を生き抜くために、もう少し図太くなってほしいと、願うほどです。

 

生まれながらの先生

『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』には、面白いエピソードがたくさんあります。有名人も登場します。誰だかわからないままに出た電話の相手が、武豊ジョッキーだなんて、普通はあり得ない話です。

 

「すごいな〜〜」と感心しながらも、私が一番面白いと思うのは、競馬のことを知らない人に競馬のなんたるかを教えようと必死になる乗峯栄一の態度です。「何もそんなに頑張らなくてもいいのに」と言いたくなるほど、彼は頑張ります。頑張って頑張って頑張り抜きます。そして、頑張っているうちに、「はて、競馬とは何なのだ? 俺、何、考えていたんだっけ?」と、自問自答したりしています。その姿が、たまらなく面白く、そして、哀しいのです。

 

だってそうでしょう? 誰かに頼まれたわけでもないのに、お給料をもらえるわけでもないのに、競馬の魅力について語ろうとするのですから。彼はきっと生まれながらの「先生」なのでしょう。教えたいと願うのは、もちろん「競馬」という特別科目です。

 

すべりにすべる二人の競馬場

例えば、「歓迎される客はどっちだ?」というタイトルのコラムがあります。競馬ライターの「おっさん」が、競馬を知らない女の子を競馬場に伴ったときのエピソードです。女の子の設定は「時々行くスナックに女子大を出たばかりの愛想のいい子が入ったとする」となっています。

 

ある日、二人は連れだって京都の淀競馬場に向かいます。淀は、豊臣秀吉の側室である淀殿のゆかりの地であり、歴史上、大変意味があるところです。当然、彼は女の子に歴史学的な講義をしたくなります。京都競馬場で淀殿を語るなんて、時を越えて今も続く愛を教えるようで、素晴らしい講義ではありませんか!

 

ところが、しかし……。女の子は、淀殿にも、壮大な歴史にも、肝心の競馬にも興味を持とうとしないのです。若いということは、時に残酷なものです。彼女にとって大事なことは、「目の前にある池の白鳥が可愛いね」だったり、「騎手は1日に何度も馬に乗るのに、なぜ馬は1日に1回しか走らないの〜〜」です。

 

当然、二人の話はかみ合わず、彼の話はすべりにすべります。そこがたまらなく面白いのです。

 

一緒に笑うしかない。誰も聞かない熱烈講義というのは大きな疲労を呼ぶ

( 『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』より抜粋)

 

ずれていく感覚

『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』には、長年にわたる乗峯栄一の競馬人生が詰まっています。まるでバウム・クーヘンのように、77のエピソードが層になっています。ある層は面白く、ある層はちょっと怖かったり、悲しかったりするのですから、とても不思議な本だと思います。

 

タイトルに「言いたいのはそこじゃない」と、あるのも不思議です。「では、あなたは何を言いたかったの? そこじゃないとしたら、どこなの?」と聞きたくなりますが、すぐには答えが出ません。著者の言いたいことを探しているうちに、つい笑ってしまい、自分が何を探していたのかわからなくなるからです。

 

そして、ふと気づくと、少しずつズレてしまっている自分自身に気づきます。この奇妙なズレ感こそが、『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』の魅力だと、私は考えています。

 

【書籍紹介】

競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない

著者:乗峯栄一
発行:あおぞら書房

読者からは「日本一当たらない予想屋」と言われ、調教師からは「あんたに本命にされたら勝てへん」とからかわれた。それでも明るく競馬を愛し続けた競馬コラムニストが、地の底・宇宙の果てからレース結果を左右する究極の競馬原理を追究。歴史、文学、生物学、物理学、心理学……怪しい知識を駆使したユーモア・コラム77 本。年季の入った競馬ファンから初心者まで、たっぷりお楽しみいただけます。

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「日本一当たらない予想屋」が語る競馬の悲喜こもごも−−『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、多くのスポーツ開催が中止、あるいは、無観客で行われるという事態になっています。残念なことではありますが、困難を乗り切るためです。仕方がありません。

 

無観客開催の競馬観戦

我が家は、35年近く、ほとんどの週末を競馬場で過ごしてきました。夫婦共通の趣味が競馬だからです。20年ほど前に競馬のコラムを書くようになってからは、競馬は趣味から仕事となり、競馬場に行くのは半ば義務となりました。

 

ところが、日本中央競馬会(JRA)も2月29日から無観客競馬の開催を決定し、私たち夫婦もテレビでの観戦となりました。最初はライブじゃないと物足りない気持ちがしていましたが、やがて、それはそれで楽しく、懐かしいと思うようになりました。競馬を始めたころはもっぱらテレビで観ていたので、過ぎ去った日々を思い出すのでしょう。

 

今まで何度も読んだ『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』(乗峯栄一・著/あおぞら書房・刊)をもう一度手にとり読み直したのも、競馬場での思い出が蘇ってくる一冊だからです。

 

著者の乗峯栄一は、筋金入りの競馬ファンで、『いつかバラの花咲く馬券を』など何冊かの競馬関係の著書があります。なかでもこの『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』は、競馬の魅力に取り憑かれた著者の思いが満ちたものとなっています。

 

本当の姿は繊細な少年

『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』は、著者が長年連載したものから60本のコラムを選び、そこにスポーツ新聞やウェブサイトなどに書いた原稿、さらに、新しい書き下ろしを加えたものです。結果として77の選び抜いたコラムが並び、渾身の一冊となっています。著者もその覚悟で出版したようで、自らこう述べています。

 

ちょっと大げさに言えば、競馬ライター乗峯栄一の集大成だと思っている

(『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』より抜粋)

 

ところで、著者は自分を面白おかしく語ろうとします。

 

読者からは「日本一当たらない予想屋」と言われ、調教師からは「あんたに本命にされたら勝てへん」とからかわれた

(『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』より抜粋)

 

こうして、自虐的に自らを紹介し「酔っ払いのおっさん」として周囲をなごませたりします。けれども、実は恥ずかしがり屋で、繊細で、傷つきやすく、「おっさん」どころか、少年のようなヒトだと私は思っています。この世を生き抜くために、もう少し図太くなってほしいと、願うほどです。

 

生まれながらの先生

『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』には、面白いエピソードがたくさんあります。有名人も登場します。誰だかわからないままに出た電話の相手が、武豊ジョッキーだなんて、普通はあり得ない話です。

 

「すごいな〜〜」と感心しながらも、私が一番面白いと思うのは、競馬のことを知らない人に競馬のなんたるかを教えようと必死になる乗峯栄一の態度です。「何もそんなに頑張らなくてもいいのに」と言いたくなるほど、彼は頑張ります。頑張って頑張って頑張り抜きます。そして、頑張っているうちに、「はて、競馬とは何なのだ? 俺、何、考えていたんだっけ?」と、自問自答したりしています。その姿が、たまらなく面白く、そして、哀しいのです。

 

だってそうでしょう? 誰かに頼まれたわけでもないのに、お給料をもらえるわけでもないのに、競馬の魅力について語ろうとするのですから。彼はきっと生まれながらの「先生」なのでしょう。教えたいと願うのは、もちろん「競馬」という特別科目です。

 

すべりにすべる二人の競馬場

例えば、「歓迎される客はどっちだ?」というタイトルのコラムがあります。競馬ライターの「おっさん」が、競馬を知らない女の子を競馬場に伴ったときのエピソードです。女の子の設定は「時々行くスナックに女子大を出たばかりの愛想のいい子が入ったとする」となっています。

 

ある日、二人は連れだって京都の淀競馬場に向かいます。淀は、豊臣秀吉の側室である淀殿のゆかりの地であり、歴史上、大変意味があるところです。当然、彼は女の子に歴史学的な講義をしたくなります。京都競馬場で淀殿を語るなんて、時を越えて今も続く愛を教えるようで、素晴らしい講義ではありませんか!

 

ところが、しかし……。女の子は、淀殿にも、壮大な歴史にも、肝心の競馬にも興味を持とうとしないのです。若いということは、時に残酷なものです。彼女にとって大事なことは、「目の前にある池の白鳥が可愛いね」だったり、「騎手は1日に何度も馬に乗るのに、なぜ馬は1日に1回しか走らないの〜〜」です。

 

当然、二人の話はかみ合わず、彼の話はすべりにすべります。そこがたまらなく面白いのです。

 

一緒に笑うしかない。誰も聞かない熱烈講義というのは大きな疲労を呼ぶ

( 『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』より抜粋)

 

ずれていく感覚

『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』には、長年にわたる乗峯栄一の競馬人生が詰まっています。まるでバウム・クーヘンのように、77のエピソードが層になっています。ある層は面白く、ある層はちょっと怖かったり、悲しかったりするのですから、とても不思議な本だと思います。

 

タイトルに「言いたいのはそこじゃない」と、あるのも不思議です。「では、あなたは何を言いたかったの? そこじゃないとしたら、どこなの?」と聞きたくなりますが、すぐには答えが出ません。著者の言いたいことを探しているうちに、つい笑ってしまい、自分が何を探していたのかわからなくなるからです。

 

そして、ふと気づくと、少しずつズレてしまっている自分自身に気づきます。この奇妙なズレ感こそが、『競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない』の魅力だと、私は考えています。

 

【書籍紹介】

競馬妄想辞典 言いたいのはそこじゃない

著者:乗峯栄一
発行:あおぞら書房

読者からは「日本一当たらない予想屋」と言われ、調教師からは「あんたに本命にされたら勝てへん」とからかわれた。それでも明るく競馬を愛し続けた競馬コラムニストが、地の底・宇宙の果てからレース結果を左右する究極の競馬原理を追究。歴史、文学、生物学、物理学、心理学……怪しい知識を駆使したユーモア・コラム77 本。年季の入った競馬ファンから初心者まで、たっぷりお楽しみいただけます。

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最高額は2億9000万円! 2018年セレクトセールの高額落札馬トップ5はこれ

日本最大の競走馬セリ市「セレクトセール2018」が7月9日と10日に苫小牧のノーザンホースパークで行われた。

 

日本競走馬協会(JRHA)主催で1998年に創設された同セール。名前の通り“セレクト”(厳選)された良質なサラブレッドが上場されることで知られており、ここから数々のG1ホースが生まれていった。世界トップクラスとなった日本の良血馬が集まるため、海外のバイヤーからも注目されている。

 

2日間の売上は、史上最高となった昨年を上回る179億3200万円を記録した今年のセレクトセール。気になる落札額上位5頭はこちら!(※価格はすべて税抜)

5位は2億円の「ソーメニーウェイズの2017」(牡、父ハーツクライ)。落札者は「ダノン」の冠名で知られる(株)ダノックス。

 

4位は2億3000万円の「ライフフォーセールの2017」(牡、父ハーツクライ)。落札者の近藤利一氏は「アドマイヤ」の冠名で有名だ。

 

父のハーツクライは毎年安定して活躍馬を出しており、今年もすでにスワーヴリチャードが大阪杯(G1)、海外ではヨシダがターフクラシックステークス(G1)を制覇。また、代表産駒であるジャスタウェイは今年が初年度産駒のデビューで、ハーツクライの“孫”たちの活躍も期待される。

3位は2億4000万円の「ミスセレンディピティの2017」(牡、父キングカメハメハ)。落札者は「ホウオウ」が冠名の小笹芳央氏。今年のセールで存在感を見せた馬主の一人だ。

 

2位は2億5000万円の「キングスローズの2017」(牡、父ディープインパクト)。落札者は再び登場の(株)ダノックス。

 

そして1位は「リアアントニアの2018」(牡、父ディープインパクト)。上位5頭ではこの馬のみ今年誕生した当歳馬である。価格は2億9000万円!今年もやはりディープインパクト産駒が人気だった。

 

落札したのは昨年から馬主事業を法人化した里見治氏の(株)サトミホースカンパニー。おそらく2年後、「サトノ〇〇」という馬名で競馬場に現れることになるだろう。

米競馬で41年ぶりに無敗の三冠馬が誕生! ジャスティファイの快挙達成レースを見よ

現地時間6月9日、アメリカ競馬のクラシック3冠レース最終戦となる第150回ベルモントステークスがニューヨーク州のベルモントパーク競馬場で行われ、圧倒的1番人気に推されたジャスティファイ(Justify)が逃げ切りで優勝。1977年のシアトルスルー以来史上2頭目となる「無敗の3冠」を達成した。

5戦5勝の成績で運命のレースに臨んだジャスティファイ。

 

アメリカのクラシック3冠は、5月最初の土曜日に行われるケンタッキーダービー(ダート10ハロン※約2,000メートル)を皮切りに、中1週でプリークネスステークス(ダート9ハロン1/2※約1,900メートル)、中2週でベルモントステークス(ダート12ハロン※約2,400メートル)と、約1か月で3つG1レースを戦い抜かなければならない“タフさ”で知られている。

 

また、3戦目のベルモントステークスは2戦目から距離が2ハロン1/2も長くなることから、数々の名馬たちが“距離の壁”を前に3冠の夢を打ち砕かれてきた。2015年にアメリカンファラオが史上12頭目の3冠に輝くまで、実に37年もの間3冠馬が誕生しなかった大きな理由の一つである。

しかし今回、アメリカンファラオの快挙からわずか3年、しかも歴史的名馬であるシアトルスルー以来となる無敗の3冠馬が誕生。

 

ジャスティファイという新たなアイドルホースの誕生に、アメリカ中が沸いている。

ディープインパクト産駒が驚異の日仏ダービー制覇! 快挙達成のレースを見よ

先日の日本ダービーに続き、ディープインパクト産駒がやってくれた。しかも今度は海外! フランス版ダービーのジョッキークラブ賞を制したのだ。

 

レースが開催されたのは6月3日。アイルランド生まれのディープインパクト産駒であるスタディオブマン(Study of Man)は、3戦2勝2着1回という戦績でシャンティイ競馬場での大一番に臨んだ。実際のレース映像がこちら!

 

2番人気のスタディオブマン(※白い帽子)は中団内側でレースを進め、直線に入るとステファン・パスキエ騎手が馬群の開いた中央に進路を取り、一気に加速。最後はライバルたちの追走を振り切り見事先頭でゴール板を駆け抜けた。

 

こちらは珍しい競馬のオンボード映像。3着に入ったルイドールの騎手アントワーヌ・アムランが着けていたカメラによるものだ。

 

音も入っているので臨場感というか迫力がスゴイ……。ちなみに、左に見える10番の馬が勝利したスタディオブマンである。

ディープインパクト産駒の海外ダービー制覇は初めて。

 

今年はイギリスでもディープの仔サクソンウォリアーが着順こそ4着に終わったものの、ダービーで断トツの人気を獲得。日本が誇る歴史的名馬の“血”は今後、ますます世界に広がっていきそうである。

福永家の悲願……ダービージョッキーとなった福永祐一のレース後インタビューが沁みる

5月27日、競馬の第85回日本ダービー(東京優駿)が行われ、5番人気のワグネリアンが皐月賞馬エポカドーロを押さえて優勝。世代の頂点に立った。

 

 

前走の皐月賞では1番人気に推されながら7着に敗退したワグネリアン。これにより今回は人気を落としていたが、父ディープインパクトらしい力強い伸びで見事初のG1制覇を達成した。

 

そして、初制覇といえばワグネリアンに騎乗していた福永祐一騎手。

 

競馬界を代表するスタージョッキーにとっても、これが初のダービー制覇!19度目の挑戦で成し遂げた“悲願”について、レース後のインタビューで語った内容が印象的だった。

「(父・洋一さんにどのような報告をなさいますか?)

ほんと、いい報告ができると思います。福永家にとっての悲願でしたから。良かったです」

 

福永祐一は、「天才」と言われながら落馬で騎手生命を絶たれた福永洋一元騎手の長男。1996年にデビューを果たすと、初年度からJRA賞最多勝利新人騎手を受賞するなど大活躍。これまで数々のG1タイトルを手にしてきた。

 

ただ、競馬人の“夢”であるダービーには親子2代続けて縁がなく、1番人気のワールドエースで臨んだ2012年のレースも4着に終わっていた。

 

「このままもうダービーに勝てないんじゃないかと思うときもありました」という言葉に象徴されるように、苦しんできたなかでようやく手にしたダービージョッキーの称号。福永祐一の成長を見てきた多くの競馬ファンにとって胸が熱くなるレースだったに違いない。

ディープインパクト産駒のサクソンウォリアーが快挙! 無敗で英3冠初戦を制覇

日本競馬史上に残る名馬として知られているディープインパクト。

 

種牡馬となった後もその偉大さは変わらず、毎年G1馬を世に送り出している、そして、海外でもついにその“血”が本領を発揮し始めた。

 

5月5日、イギリスのニューマーケット競馬場で行われたG1の英2000ギニーにおいて、ディープ産駒のサクソンウォリアーが優勝したのである。

サクソンウォリアーは牡の3歳馬。世界的な競走馬生産牧場であるクールモアスタッド(アイルランド)がメイビーという名牝を日本へ送り誕生させた馬だ。

 

昨年、名門エイダン・オブライエン厩舎からデビューすると、3戦目でG1レーシングポストトロフィーを制覇。そして今回、年明け初戦となった2000ギニーを制し、無傷の4連勝を達成した。

2000ギニーは200年以上の伝統を誇り、日本の皐月賞のモデルとなったレース。この後、ダービー、セントレジャーと続く英国のクラシック3冠路線の初戦だ。それを無敗で制した馬が現地でどのような評価を受けているかは想像に難くないだろう。

 

ちなみに、日本産馬の英クラシック制覇は初めてのこと。これだけでも快挙といえる。

ダービーでも間違いなく人気を集めるはずのサクソンウォリアー。海の向こうのディープ産駒が今年の競馬界を盛り上げてくれそうだ。

馬の部位からパドックでの見方まで! これ1冊で競馬丸わかり――『そうだったのか!今までの見方が180度変わる知られざる競馬の仕組み』

私はこの25年ほど、ほとんどの週末を競馬場で過ごしてきました。

 

ボクシング観戦以外、とくに趣味がなかった夫が、突如として競馬ファンになったからです。彼は馬券を買うことは買うのですが、レースを現地で観戦するのが何より好きなので、競馬ファンというより競馬場のファンなのかもしれません。

 

 

私はといえば、子供の頃から、競馬に縁が深い環境で育ちました。通っていた小学校と中学校が競馬場のすぐそばにあって、クラスメートの中には競馬場で働く家庭の子供もたくさんいました。

 

 

ゴージャスなレジャーランド

たまには競馬場以外のところで週末を過ごしたいと思うこともあります。けれども、競馬場が秀逸な遊び場であることに間違いがありません。200円の入場料さえ払えば、何億円もするサラブレットのなめらかな肌をすぐ近くで見ることができるのです。

 

馬主さんや有名人を眺めることもできますし、運がよければお話もできます。北島三郎さ んに声をかけることができる空間なんて、そうはないでしょう?国民的な歌手であるサブちゃんは、キタサンの冠名を持つサラブレットのオーナーです。ファンの声援に応えて、素晴らしい笑顔を見せてくれます。

 

 

パドック周辺の風景

競馬を始めて、私は様々なことを学びました。競馬の世界だけで通じる特殊な用語も多いので、勉強しないとついていけないのです。何よりも、馬券でもうけようと思ったら研究が欠かせません。

 

競馬新聞を熟読し、天気や馬の調子やジョッキーの顔色まで、チェックすべきことだらけです。競馬場には、レース前に馬の状態を観客に見せるパドックという場所があります。下見所とも呼ばれる柵に囲まれた楕円形の空間ですが、多くの競馬ファンが集まり、馬の動きを厳密にチェックする場所となっています。

 

そうだったのか!今までの見方が180度変わる知られざる競馬の仕組み』の著者・橋浜保子さんも、競馬場に朝早くから通い、パドックを周回する馬に熱心なまなざしを注いでいます。

 

彼女は競馬専門紙「競馬サイエンス」に入社し、坂路の調教と厩舎の取材を担当していたといいます。そして、今はJRDB(Japan Racing Data Bank)に所属し、競馬ファンに向けて情報を提供しています。

 

 

競馬の教科書?

『そうだったのか!今までの見方が180度変わる知られざる競馬の仕組み』は、著者のこれまでの研究が惜しむことなく披露されている本です。これを読めば、複雑でわかりにくい馬の世界が私たちに近づいてくれることでしょう。

 

まず最初に、サラブレッドの部位の名称が、写真と共に示されていてとても便利です。競馬を始めたばかりの頃、私はパドックを見ながら「ほら、あの、足の内側に削れたみたいなところあるでしょ? 蹴ったのかな?」「どこ?」「ほら、3本目の足」「3本目って? 前なの? 後ろなの?」「前の右の、ほれ」などと、言っていたのですが、この本があれば、写真を指させば万事解決できます。不思議に思っていた削れたように見える部分が「夜目」と呼ばれ、拇指(おやゆび)が退化した痕跡であることも書いてあります。

脚が大事

走るために生まれてきたサラブレッドですが、いつも絶好調というわけにはいきません。生き物ですから、その日の調子というものがあるのです。
では私たちは何を基準に、馬の調子を知ればよいのでしょうか?

 

チャプター1では脚元と調教から馬のサインを読み取る方法について、専門家ならではの意見が開陳されます。馬を苦しめる脚の病気、たとえば蟻洞(ぎどう)についても、その恐ろしさや治療法について、詳しい写真付きでレポートされています。

 

蟻洞は蹄の角質層の中に空洞ができてしまう病気です。私は長い間、蟻洞はアリに食われたことが原因だと誤解していましたが、乾燥や疲労など様々な要素がかみ合って発症するもので、アリは関係ないといいます。馬とその関係者にとって深刻な病気です。闘病には長い時間とお金が必要となることも知りました。

 

 

パドックでの馬の見方

馬券を当てようと思ったら、パドックで馬の様子を検証するのはとても大切な作業です。もっとも、私は何年かかっても、よくわからず「私には観馬眼がないんだわ」と、思っていました。けれども、見ている場所が間違っていたのかもしれません。

 

『そうだったのか!今までの見方が180度変わる知られざる競馬の仕組み』によると、仕上がりの見方の1つとして、まずは腹回りのチェックが必要だといいます。お腹の周辺の皮膚がほどよく張っている、つまり「実が入っている」馬を探しましょう。次に、腰回り、気配、毛づや、汗など、順番に注意していく必要があるとのことです。私もこれからは、あきらめることなく自分の眼力を信じようと思います。

 

当てるのはあなた!

競馬は推理で成り立っているゲームだと私は思います。ある馬が、今日、勝利できるかどうか?それは天候や体のコンディション、今までのレースの様子や、騎手との相性、そして、もちろんその馬が生まれながらに持つ才能など、数え上げたらきりがないほどたくさんの要素を検証し、筋道を立て、勝ち負けを推理していくものでしょう。その意味で、競馬ファンは全員が探偵なのかもしれません。

 

『そうだったのか!今までの見方が180度変わる知られざる競馬の仕組み』には、どの要素をどのように考えるべきか、専門家のヒントが満載されています。私たちの強い味方になってくれるでしょう。ただし、勝ち馬はこれだ!とは書いていません。それは私たちが自分で考えるべきことだからです。

 

推理小説も結末を知っていたら、つまらないでしょう? それに、あくまでも探偵はあなたなのですから。

 

【書籍紹介】

 

そうだったのか! 今までの見方が180度変わる知られざる競馬の仕組み

著者:橋浜保子
発行:ガイドワークス

ひとえに馬体といっても、見なければいけない部分は細部にわたります。馬体全体の形はもちろん、脚の長さや繋ぎの角度、蹄の形など。実はこれらの要素は馬を知る意味でも、馬券を獲る上でも非常に重要なこと。知らなければ損してしまうことばかりなのです。しかし、大方の競馬ファンは、馬体を“難しいもの”と捉えて、蔑にしてしまいがちです…。ただ、この一冊があればもう大丈夫!

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有馬記念で「終わり」じゃない!今年はもう一つG1があるって知ってた?

12月24日に行われた第62回の有馬記念は、キタサンブラックが1番人気にこたえて快勝。引退レースで見事“有終の美”を飾った。

歌手の北島三郎氏がオーナーを務めていることもあり、競馬ファン以外からの人気も高いキタサンブラック。

 

この勝利でG1の勝利数を「7」とし歴代最多記録に並んだほか、獲得賞金は18億7684万3000円に到達。あの名馬テイエムオペラオーを抜いて歴代トップに立った(※「秋古馬三冠」の褒賞金などを含めるとオペラオーが上)。

 

さて、有馬記念が終わると「今年も一年お疲れ様でした」という気分になってしまうが、実はまだ、大きなレースが存在する。

 

といっても、地方競馬の総決算、今年も12月29日に大井競馬場で開催される東京大賞典の話ではない。今年からG1に昇格したホープフルステークスのことだ。

同レースは、1984年にラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークスとして創設され(※現在の馬齢表記でいう2歳)、1991年からは牡馬・騸(セン)馬限定の2000m戦に(※現在は牡馬・牝馬限定)。年末の時期に2歳馬を対象とした2000mのグレードレースは珍しいことから、翌春の皐月賞やダービーを狙う有力馬が毎年のように出走している。

 

そうしたこともあって、2014年に「ホープフルステークス」と改称されていたこのレースが、今年からG1に昇格! 12月28日の木曜日、中央競馬における“最後のG1”として開催されることになったのである。

今回のレースでは、デビューから2戦2勝、母はG1馬ビリーヴという良血のジャンダルムなどが人気を集めそうだ。果たして今年最後のG1を制するのはどの馬?

有馬記念とモンハンがコラボした特設サイト「MONSTER HUNTER:ARIMA」が「両者とも本気出しすぎだろ…」と話題

JRAが主催する「第62回グランプリ 有馬記念」が、「MONSTER HUNTER WORLD」とコラボを実施。コラボにあたって特設された公式サイト「MONSTER HUNTER:ARIMA」が、「凝りすぎてやばい」「本気出しすぎ」とネット上で話題になっている。

出典画像:「MONSTER HUNTER:ARIMA」公式サイトより出典画像:「MONSTER HUNTER:ARIMA」公式サイトより

 

有馬記念とモンハンがコラボ!

忘年会、クリスマス、年末年始など様々なイベントが目白押しの12月。そんな一年の締めくくりとして挙げられるのが「有馬記念」。投票によって選ばれた人気馬が出場し、熱い戦いを繰り広げるG1レースとして、毎年大盛り上がりを見せているビッグイベントだ。

 

そんな有馬記念と今年コラボするのが、大人気ゲーム「MONSTER HUNTER」シリーズの最新作「MONSTER HUNTER WORLD」。1月26日に発売予定の「PlayStation 4」用ゲームソフトで、数多くのモンハンファンから「はやくプレイしてぇ」「クリスマスプレゼントはこれに決まり」と心待ちにする声が相次いでいる。

出典画像:「MONSTER HUNTER WORLD」公式サイトより出典画像:「MONSTER HUNTER WORLD」公式サイトより

 

そんな中、「凝りすぎだろ」「両者の本気度が伝わってくる」と話題になっているのが特設サイト「MONSTER HUNTER:ARIMA」。「モンハン」と「有馬記念」の魅力を詰め込んだ公式サイトで、モンスターを狩って素材を集める「MONSTER HUNTING」や、強化した馬でレースに参加する「MONSTER RACING」など様々なコンテンツが楽しめる。

 

充実した内容は「モンハン」「有馬記念」双方のファンから好評で、「競馬やったことないけど興味出てきた」「逆にゲームは全然やったことなかったけどなかなか面白そうだな」といった声が続出。「両者にとって新たな顧客をつかめるよいコラボレーションなのでは?」と分析する声も見られ、お互いにとってよい相乗効果を上げられるかもしれない。

 

ルパンやシン・ゴジラともコラボしてた!?

有馬記念は、過去にも様々なコラボレーションを実施している。「第60回有馬記念」では、国民的アニメ「ルパン三世」とコラボ。「ルパン編」「次元編」「銭形編」といった3種類のCMが放映され、「ルパンと競馬は似合うwww」「ルパンなら競馬の賞金全部かっさらっていきそうだけど大丈夫なのwww」と話題になった。

出典画像:「Umabi」公式サイトより出典画像:「Umabi」公式サイトより

 

また、「第61回有馬記念」では大ヒット映画「シン・ゴジラ」とコラボし、「シン・アリマ」と銘打ったWEBコンテンツを展開している。上陸したゴジラを阻止するゲームなどが話題を呼び、ネット上では「馬に乗ってゴジラから逃げる世界観半端ない」「ゴジラと馬なら絶対ゴジラが勝つんじゃ…?」といった声が続出。「若い人も競馬に関心を持ってくれそうだからこういうコラボもアリ」など新たなターゲット拡大に期待する声も見られ、「競馬=おじさんがハマるもの」と今まで抱かれてきたイメージの払拭にも一役買っている。

 

人気コンテンツとのコラボレーションによって、さらなる盛り上がりが期待できる有馬記念。今年の開催は12月24日のクリスマスイブなので、馬券を購入して一攫千金という夢を自分にプレゼントしてみては?