文具ソムリエール 菅未里が2024年度に注目する文房具トレンドベスト3と注目アイテム7選

2024年もすでに大量の良品がリリースされている文房具ジャンル。「自腹買い文房具」連載でおなじみの文具ソムリエール・菅未里(かん・みさと)さんに、2024年度に注目すべき、もしくは現在進行形でトレンドとなっているキーワードをピックアップしてもらった。

 

文房具トレンドとトレンドを代表する注目商品は?

もうすぐ2024年度が始まります。身の周りの文房具は揃ってきたでしょうか? 身近な存在である文房具のトレンドは気になるところ。引き続き文房具業界を席巻しそうなトレンドをチェックしていきましょう。

 

1.ニュアンスカラーブームが継続

ここ数年来、継続しているのがニュアンスカラーブーム。やわらかな色合いでプライベートシーンでも堅くなりすぎず、一方ビジネスシーンではカジュアルになりすぎない好バランスで、使い勝手の良さを発揮します。

 

・ミニクリップココフセン

フィルム付箋のさまざまなスタイルを提案し続ける、カンミ堂の「ココフセン」シリーズ。2023年11月に発売された最新作ミニクリップココフセンは、小さなクリップとココフセンが一体となったアイテムです。

↑くすみのやわらかなカラーでビジネスでも浮かない

 

カンミ堂
ミニクリップココフセン
各440円(税別)

 

これまでもパステルカラーなど優しい色合いのアイテムが多かった、同社のフィルム付箋。ニュアンスカラーはかわいくなりすぎず、とはいえやっぱりかわいらしい、という絶妙なバランス。

↑短めで小ぶりのフィルム付箋2色がセットされている

 

クリップ付きなので簡単に移動させられ、付箋を紛失しにくいので探し物が減るメリットもありますね。

 

・Waai

世界累計41億本を売り上げる消せるボールペン「フリクション」シリーズ。2023年11月に、最新シリーズの「Waai(ワーイ)」が発売されました。フリクションといえばビジネスパーソンがメインユーザーとなっているシリーズですが、Waaiは大学生をターゲットにした事務用品感のないおしゃれなビジュアルに注目。

↑従来品よりも細身のボディでやわらかな色合い

 

パイロットコーポレーション
Waai
各230円(税別)

 

また、インク色は赤、青といった一般的なカラーではなく、「ベルベットレッド」「ターコイズ」「チークピンク」などおしゃれなニュアンスカラーのラインナップ。発売当初は売り切れの店舗も出るほどの人気で、2024年も注目が続きそうです。

 

・awaii marker

2024年2月に発売されたばかりの新作。名前の通り「淡い」カラーのパッケージとニュアンスカラー8色展開のマーカー。

↑乳白色のボディ。インクごとに色が違うロゴもアクセントになっている

 

サンスター文具
awaii marker
各円(税別)

 

韓国コスメのような見た目がかわいらしく、ペン先がしなるタイプのマーカーで、分厚い参考書など曲面にもぴたっとフィットするペン先が特長です。

 

2.ノートや手帳は手のひらサイズが今らしさ

デジタルか? アナログか? と選択する時代は終わり、「デジタルもアナログも」どちらも上手く取り入れるのが、今の使い方。スマホの機能も使いながらアナログも上手に使うため、文房具のサイズにも変化が現れています。

 

・EDiT 手帳用紙を使った小さな方眼ノート

人気の手帳、EDiTシリーズは手帳だけでなくノートタイプも人気。特に今年の注目はB7サイズでしょう。

マークス
EDiT 手帳用紙を使った小さな方眼ノート B7変型
各1200円(税別)

 

タブレットやスマートフォンのスケジュール管理・メモ機能を使う人が増えるなか、必要最小限だけ紙の手帳やノートに記録したい人に人気です。

↑コンパクトで持ち運びやすい

 

・ポケットログ・ダイアリー(ラコニック)

今シーズンから発売が開始された日付フリーのダイアリー。日付がないので、年始だけでなくいつからでも日記や手帳として使用できます。小ぶりなポケットサイズのみの展開でメモ帳のようにさっと取り出してメモできる気軽さがいいですね。

↑左バンド付、右バンドなし

 

ラコニック
ポケットログ・ダイアリー
各1400円〜2500円(税別)

 

チェキの写真が入るポケットがついたものなど全14種類で、趣味別で記録を分けることもできます。チェキタイプは推し活にもぴったりなのだとか。

 

3.文房具メーカーがつくる防災グッズ

文房具という身近にあるアイテムを手がけてきた文房具メーカーは、コンパクトで使いやすい製品、縫製品が得意。オフィス用品とも相性がよく、文房具メーカーが作る防災グッズに注目が集まっています。

 

・災害常備ポーチ

「スーパードッチファイル」や「テプラ」などオフィスで使う文房具を手がけるキングジムからは、オフィスに備える防災用品の他、日常的に持ち運べるポーチタイプも販売。

↑バッグに入れられるサイズのポーチに非常時に使えるグッズがおさまる

 

キングジム
災害常備ポーチ
1900円(税別)

 

東日本大震災の後、防災意識が高まりオフィス用、車載用、個人用などシーンにあった防災グッズが揃っています。

 

・防災サコッシュ

オフィスのラベル用品で有名なヒサゴからは、サコッシュタイプの防災アイテムが販売されています。

↑サコッシュタイプは肩からかけられるので便利

 

ヒサゴ
防災サコッシュ
2850円(税別)

 

サコッシュの肩紐は光を反射し暗い場所でも目立ち、取り外してロープとしても活用できる優れもの。防寒アルシートや携帯トイレ、ホイッスル、マスク(大人用)など非常時に必要なものがコンパクトに入っていて安心です。

 

2024年度も文房具豊作の予感!

新型コロナウイルスの感染拡大防止のためオンライン授業やオンライン会議などデジタルツールが広い世代で活用されるようになりました。アナログの文房具は使わなくなるのでは? という声も聞かれるなか、トレンドは「デジタルとアナログ、どちらも使う!」です。

 

膨大な情報をコンパクトに持ち運べるデジタルの強みと、自由度が高く電源がない場所でも使えるアナログの強み。どちらもかしこく使い分け、2024年度も快適な文房具ライフを送りましょう。

 

[文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具]キャップ式なのに片手で開くだと? イージーな蛍光マーカーが10年間も愛される理由

情報番組などメディアやイベントへの出演、新作文房具のプロモーションなど、文房具業界で依頼が引きも切らない“文具ソムリエール”の菅未里(かん・みさと)さん。新商品からロングセラーまで文房具を知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れたお気に入りの文房具とは?

 

発売から早10年、知る人ぞ知る蛍光マーカー

「片手で使えるペン?きっとノック式でしょ?ノック式は信用していないんだよね」という声が聞こえそうです。

 

ペンをノックしてペン先を出した状態のままにしたり、ペンケースや鞄の中で何かにぶつかった拍子にノックされてしまったり。ノック式で苦い思いをした経験があるなら、「どうもノック式は心配。その点、キャップ式なら安心!」となりますよね。

 

そんなキャップ式を愛する人へおすすめしたいのが「蛍光オプテックス2EZ」です。

ゼブラ
蛍光オプテックス2 EZ
各100円(税別)
10色展開

 

2013年に発売されてから早10年。すっかり定着したかと思いきや、まだまだ知らない人も多い、キャップを“押して”開ける蛍光ペンです。

 

どのようにキャップを押すのか、よく見てください。キャップに切り込みがありますね。

↑一般的なキャップにはない切れ込みがあることがわかる

 

キャップを指でつまんで両側から切り込みの内側を軽く押すと、ペン本体からキャップが外れます。

↑親指と人差し指でつまんで軽く押す

 

ぎゅっと強い力でつまむ必要はなく軽くキャップを押すだけです。

 

一般的なキャップ式の蛍光ペンの場合、キャップを外す際に力が必要だったり、キャップを外す際に手首が捻じれたり、手首に衝撃を受けるのがつらい方もいますよね。しかし、「オプテックス2 EZ」は“つまんで押すだけ”なので衝撃はありません。

 

オプテックスシリーズには太字だけの「蛍光オプテックス1 EZ」と太字と細字を使える「蛍光オプテックス2 EZ」の2種類があります。私はほぼ太字の方しか使わないのですが、なんとなく細字もあったほうがお得な気がして「2」のタイプを使っています。

↑両端にペン先がある「蛍光オプテックス2 EZ」

 

お値段なんと、税込110円のハイコスパ!

さりげなく便利な蛍光ペン、いったいいくらなのかお値段が気になりますよね。なんと1本110円(税込)です。カートリッジ式のため本体を捨てずに繰り返し使うことができ、カートリッジは3本入りで132円(税込)と文句のつけようがありません。試さない理由があるでしょうか?

 

さらに全10色展開でマイルドカラーではないパキッとした色の蛍光ペンとしては色数も豊富です。

↑「蛍光オプテックス2 EZ 10色セット」(税別1000円)。バラ売りも用意されている

 

↑手帳やイラストにも使えそうなカラー展開

 

資料整理や調べ物のお供である蛍光ペン。あまり意識せずに買っている人も少なくないでしょう。しかし、快適に使える隠れた名品があるのです。この機会にぜひ蛍光ペンも良い物を選んでみてください。

 

[文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具] 実はビジネスでこそ使うべき!「筆タッチサインペン」を金封の表書き以外に活用する方法

情報番組などメディアやイベントへの出演、新作文房具のプロモーションなど、文房具業界で依頼が引きも切らない“文具ソムリエール”の菅未里(かん・みさと)さん。新商品からロングセラーまで文房具を知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れたお気に入りの文房具とは?

 

ボールペン慣れした現代人にこそおすすめのペン

デジタル化が進んでいる世の中ですが、ご祝儀袋やお礼状など手書きをするシーンはまだまだありますよね。特に、筆で書いたような文字で書くことがよしとされる金封は、自分の字に自信がない人にとってはハードルが高い! そもそも慣れない筆ペンをたった一回のご祝儀袋のためだけに購入し、結局納得がいく文字を書けずに残念な気持ちになったという人も少なくないでしょう。

 

今回おすすめする「筆タッチサインペン」は、私が友人に「筆で書いたような文字を書きたい」と言われた時には必ずおすすめする“名品”です。

 

一見よくあるサインペンのようにも見えるこのペンは、2011年に発売が開始された「筆タッチサインペン」。筆ペンではなく、「筆タッチ」のサインペンなので普段ボールペンを使い慣れた方でも使いやすいんですよ。

↑筆タッチサインペン(左の二本)とサインペン(右の二本)

 

ぺんてる
筆touch サインペン 165円(税込)
筆touch サインペン 6色セットA/B/C 各990円(税込)
筆touch サインペン 24色セット 3960円(税込)

 

↑筆タッチサインペンで書いた文字(左)と、通常のサインペンで書いた文字(右)

 

名前を書き比べてみると、筆タッチサインペンで書いた文字は強弱があり、ハネやハライなどが見えてどっしりとした印象があります。一方、サインペンは安定した筆記線ではありますが強弱は出ないため、ややのっぺりとした印象です。

 

秘密は、ほどよくしなるペン先

強弱がある文字が書ける秘密は、このペン先にあります。筆タッチサインペンはペン先の形が変わっていますよね。

↑筆タッチサインペン(左)とサインペン(右)

 

筆タッチサインペンは、ペン先の黒い部分がほどよくしなるようにできています。

 

金封に名前を書く場合、筆で文字の強弱を出したいところですが、普段ボールペンになれているビジネスパーソンにとって柔らかい穂先をコントロールするのは簡単なことではありません。そこで“ほどよく”しなる筆タッチサインペンの出番です。

↑紙に押し当てると、ペンの先端が曲がっていることがわかる

 

柔らかすぎず硬すぎないペン先なので、力を入れても文字が太くなりすぎてバランスが崩れることがなく、しかしハネやハライなど強弱がある文字を書くことができるのです。

 

文字の太さを調整できるので太い線と細い線どちらも書くことができます。会社の書類の直しや書き込みにも使えますよ。

↑同じペンで太さが異なる文字を書ける

 

ペン先を斜めにすることで塗りつぶしも簡単なので、文字だけでなくノートの隅に色を塗ってページの振り分けをする際にも使用できます。

↑ページの隅を5mmほど色づけすると見やすい

 

付箋を付けるほどでもないけれど、後から見直すことがあるかもしれないというページに、目印として色を付けておきます。「アイデア」「TODO」などテーマごとに色分けした印をつけると、ページをめくった時に目的の場所を開きやすくなってさらに便利です。

 

ビジネスにも趣味にも対応する24色

2022年には新色6色が追加され、充実の全24色展開になりました。実用の黒と赤から使い始めて色を徐々に足していくもよし、セットでまとめ買いするもよし。また、お子さんのプレゼントにもいいですね。

↑筆タッチサインペン24色セット。バラ売りも用意されている

 

↑実用から趣味までカバーできる豊富なカラー展開

 

セットはしまいやすいケースが魅力なので、私は黒と赤のばら売りをあらかじめ購入していましたが、24色セットも購入しました。書き残しておきたい思い出も、手帳にカラフルに残せそうです。

 

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】「マルチ定規」と出会って2年…早く使わなかったことを後悔した理由

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

早く使わなかったことを後悔したマルチな多機能定規

2001年に発売されてから20年以上のロングセラー製品であるミドリの「マルチ定規」。私も毎日使っています。

 

愛用者が多いこの「マルチ定規」ですが、ユーザーの中には「マルチ」の由来にもなった多くの機能を知らない人もいるのではないでしょうか? ただの折りたたみ定規ではない「マルチ定規」の魅力を見ていきましょう。

↑写真のペールグリーンはミドリブランド70周年を記念して発売された限定バージョン。通常カラーは透明、ピンク、青、不透明の黒が販売されている

 

ミドリ(デザインフィル)
マルチ定規
16cm:286円(税込)
30cm:330円(税込)
50cm:968円(税込)
アルミ 30cm:1430円(税込)

 

マルチ定規のメイン機能は「定規を折りたたんで半分のサイズで持ち運べる」という折りたたみ機能です。写真の30cmタイプのほか、16cmタイプと50cmタイプの3サイズがラインナップしています。

↑持ち運びはコンパクトでもA5サイズのノートに一度で線を引くことができる

 

多くの方がこの折りたたみ機能をきっかけにマルチ定規を手に取るでしょう。私もそうでした。

 

しかし、折りたたみタイプの定規は様々なメーカーから発売されているので、私はこのマルチ定規を購入する前に安価な折りたたみ定規をいくつか買い、その度に失敗を繰り返していました。

 

繋ぎ目でガタつきがなく、キレイに引ける!

↑継ぎ目のがたつきが少なく線をスムーズに引ける

 

折りたたみ定規のもっとも気になるポイントは、継ぎ目の部分のがたつきがないかどうかですよね。

 

いくつか他社製の折りたたみタイプ定規を購入したものの、その度に継ぎ目の部分のガタつきが原因できれいに線を引くことができず、いらだちを覚えていました。そこで330円のマルチ定規を購入したところ、なんともスムーズに線を引けるではありませんか! 数百円をケチらずに最初からこの定規を買っていればよかった! と後悔しました。

 

長さを測るだけじゃない、機能いろいろのマルチぶり!

さらに定規をよく見てみると、10mmごとに穴が開いています。ノートや手帳などを等間隔に分割したい時に目印をつけられるのです。

↑10mm間隔で開けられている穴

 

また定規の目盛りは、外側の30cmだけでなく内側にもあり、奥行きや高さを測る際に使用できます。商品サンプルや小箱の高さなど意外に使うこの目盛りが便利なんです。

↑左側面だけでなく右側面にも目盛りが。この端部から目盛が刻まれた「グランドポイント」によって、定規の端からサイズを測ることができる

 

長さだけかと思いきや、実は角度も測れます。折りたたんだ定規は結合部で15度ずつ角度を測れるようになっているのです。

↑開く際にカチカチと手応えがあり使いやすい

 

折りたたみ定規はパーツが外れてしまうといったトラブルが多い商品ですが、「マルチ定規」は2021年から使い続けて壊れる気配もありません。結合部はしっかり金具でとめられているので安心ですよ。

 

その名の通り「マルチな1本」!

こんなに機能がついて330円(税込)とは、お得ですよね。普段から30cm定規を持ち歩きたいという人は、これ1本あると何かと便利で活躍する「マルチ定規」。折りたたみ定規でこれまで残念な思いをしてきたなら、こちらを使ってみてください。

 

ちなみにカッターを使う人には、同社のアルミタイプのマルチ定規もおすすめです。

 

ジェットストリームにフリクション…2022年にリピート買いしたボールペンを文具ソムリエールが厳選

文房具に関するイベントやメディアへの出演、新商品のプロデュースなど、年を追うごとに活躍の幅を広げる文具ソムリエールの菅未里(かんみさと)さん。新作からロングセラーまで文房具を知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具を1点ずつ紹介する連載「文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具」を、毎月お届けしています。

 

2022年最後の回では、この1年で自腹買いしたボールペンの中から、リピート買いするほど気に入ったものをピックアップ。

 

2022年にリピート買いしたボールペン5選

日常的に最もよく使う文房具といえば筆記具でしょう。なかでも、社会人にとってボールペンは必須アイテム。筆者が2022年にリピート買いした、間違いないお気に入りボールペンを紹介します。

 

1.グロッシーなブラックが魅力「ジュースアップ クラシックグロッシーカラー」

「ジュースアップ」とは、細書きでも滑らかで心地よい書き味を実現したゲルインキボールペン。“シナジーチップ”という、一般的な三角錐形のコーンチップとも細長いパイプチップとも違う、特殊なペン先を搭載していることが特徴です。

 

自宅に専用の引出しを作り絶対に切らさないようにしているほどの愛用ボールペンで、過去にブラックやレッドなどの通常カラーについて記事にしたことがあります

 

その「クラシックグロッシーカラー」は、書き心地のよさはそのままに、ツヤ感のあるちょっと大人なダークカラーなインク色のシリーズです。

↑ボール径は0.4mmと0.5mmがある

 

ただの黒に飽きた大人がビジネスでも使える“黒っぽいカラー”は、筆記具業界のトレンドですが、ジュースアップのダークカラーも見逃せません。

↑黒っぽいカラー展開は手帳にも使いやすい

 

↑ブラックと比較するとやや濃く見えるグロッシーブラック

 

ツヤ感があるためリッチな気分にもなるこのシリーズは、セットでダークカラー好きの知人にプレゼントしたこともあり、いつでも使えるように自宅には2セット用意しています。普段の色に飽きたけれどカラフルすぎる色は使いづらい、という人におすすめです。

 

パイロット
ジュースアップ04/05 クラシックグロッシーカラー
200円(税別)

 

2.押し間違いを防ぐ多色ペン「ジェットストリーム新3色ボールペン」

2021年12月に発売された「ジェットストリーム」の多色バージョンに登場した新シリーズで、一時は完売するお店も出るほど注目されました。

↑ベーシックな黒からベリー色、アイスブルーなど絶妙なカラー展開が人気

 

見た目のよさで複数買いをする方もいますが、多色ボールペンを使う際に、誰もが一度は経験したことがある“押し間違い”を防いでくれる機能に魅了されるユーザーが後を絶ちません。

 

一般的なボールペンは、黒・赤・青の3色すべて、ボールペンの側面についたスライドバーを下ろすようにしてペン先を出しますが、このボールペンは黒のみノック、赤と青は側面のスライドバーを下ろすように設計されています。

↑黒のみ後端部をノックする仕組みになっている

 

黒は“押す”、赤と青は“スライドさせる”という動作が違うため、「黒だと思って出したインクが青だった」という事故が起こりにくいのです。

 

リピート買いのきっかけは使い勝手が格段にいいこと、さらにボディーカラーの展開が絶妙でどれも欲しくなってしまったことです。機能と見た目、どちらもパーフェクトなボールペンと言っていいでしょう。

 

uni/三菱鉛筆
ジェットストリーム 新3色ボールペン SXE3-507 0.5/0.7
500円(税別)

 

【文房具総選挙2022】結果発表! 筆記具の頂点はジェットストリームの最新多色ペンが奪取

 

3.「フリクション」にも書き味のよさを求めたい!

最近、台本への書き込みに欠かせないのが「フリクションポイントノック04」。書き消しができるボールペン「フリクション」シリーズの0.4mmタイプです。

↑ブラック・ブルーブラック・レッドの3色を愛用

 

先に紹介した「ジュースアップ」でも使われているシナジーチップを搭載したフリクションペンで、0.4mmの細書きでもひっかかりなく滑らかに文字を書けます。

 

もともと「フリクションボールペンはあまり筆記感がよくない」というイメージを持っている人も少なくないのですが、そんなイメージは吹き飛ぶほどの書き心地のよさです。

↑一般的なコーンチップとは違う特殊なペン先になっていることがわかる

 

私はフリクションボールペンの書き心地があまり得意ではなかったのですが、シナジーチップペン先バージョンのフリクションが出たと購入してみると、あまりの書き心地のよさに、フリクションといえばこれしか使えなくなりました。

↑インクの供給量の影響か、見やすい筆記線もポイント

 

フリクションに苦手意識があるなら、店頭で試し書きしてみてください。そのままレジへ直行すること間違いなしです。

 

パイロット
フリクションポイントノック04
250円(税別)

 

4.細書きと言えばこれ!「ハイテックC」

1994年に発売され、一世を風靡した「ハイテックC」。2000年代には俳優の相武紗季さんが白衣を着て出演していたテレビCMを記憶している人もいるかもしれません。

 

激細ボールペンといえば「ハイテックC」ですが、私は実は、これを長らく使っていませんでした。

↑0.25mmのハイテックC025。現在はブラック・レッド・ブルー・ブルーブラックの4色展開

 

再びリピート買いするようになったきっかけは、「ジブン手帳」という約3mmの方眼罫が印刷された手帳でした。

 

あまりに細かいので、書き込むには細書きのボールペンでなければ文字が潰れてしまいます。そこであれこれボールペンを試した結果、最も文字が潰れにくく綺麗に書くことができたペンが「ハイテックC025」だったのです。

↑約3mmの方眼罫でも文字をしっかり書き込める

 

学生時代に流行った「ハイテックC」を大人になってこんなにもヘビーユースすることになるとは思いもしませんでしたが、今ではこれなしには生活できません。

 

パイロット
ハイテックC025
200円(税別)

 

5.36色を贅沢使い「サラサナノ」

2021年11月に発売されたゼブラの人気ボールペン「サラサ」シリーズの新ライン。0.3mmという細書きですが、ペン内部にスプリングを入れることで、筆記時のガリガリした感触を緩和したゲルインキボールペンです。

↑インキカラーとボディーカラーがリンクしていてカラフル

 

私はGetNavi web以外にもいくつか連載をもっているため、毎月連載のネタ出しをしたり構成を考えたりする必要があります。黒ではなんだか飽きてしまうので黒以外のカラフルなペンを使うのですが、そこで活躍するのが「サラサナノ」です。

↑筆者のネタ・スケジュール帳。毎月テーマカラーを選んでマンスリーページに書き込む

 

企画ごとに色を変えて書き込むため、カラフルで賑やかなネタ帳になり、仕事のノートに飽きません。

 

色展開の多さだけではなく、水性顔料インキで水がかかってもインクが滲んで読めなくなることがないため、キッチンや洗面所、お風呂などどこにネタ帳を持ち込んでも心配いらないところも魅力です。

 

読者の皆さんは、さすがにお風呂に持ち込むことはないかもしれませんが、雨天の屋外や川の近くなど、水濡れの心配がある場所でも文字が流れる心配をせずに使えるカラフルなボールペンだと聞いたら、使ってみたくなりませんか?

 

ゼブラ
サラサナノ
200円(税別)

 

ボールペンを1本に絞らない

多くの人が、使うボールペンは1本、または1種類と決めているでしょう。私はノートや手帳、資料など書くものによってボールペンを使い分けるため、普段使いするボールペンがいくつもあります。1本使いの人からすると面倒くさそうに見えるかもしれませんが、日常生活で出会う紙やメモ、ノートはそれぞれに特徴があり、ペンとの相性も違います。

 

毎日使うボールペンだからこそ書くものにあったものに変えるだけで気分良く書き物ができるのです。ボールペン数百円で快適な仕事環境に近づくと考えれば、とてもお得ですよね。

 

今使っているボールペンで満足していても、新しいシリーズが出ていたり、インクがバージョンアップしていることもありますから、2023年はぜひたくさんのボールペンを試してみてください。

 

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】「縁起のいい日手帳」を毎年目標を達成できない人にすすめたい

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

毎年目標を達成できない人におすすめしたい「何度も背中を押してくれる手帳」

お正月に毎年「今年こそ〇〇をしよう!」と目標を立てては、いつの間にやら昨年と同じ日々を送っていて目標達成に失敗……という人は少なくないはず。何を隠そう、私もその一人。毎年誕生日とお正月には目標を立てるものの、いつの間にか目標すら忘れて、そのまま一年が終わっています。(誕生日が12月下旬なので目標を立てるのはほぼ一年に一回といっていいでしょう。)

 

そんな時には、手書きの手帳の出番です。目標を目に見えるように書き出すことで思い出して行動できます……というほど簡単であれば、私のような目標をすぐに忘れて一年を過ごすような人だって、とっくに手帳を活用して成功していますよね。

 

金運、財運、仕事運、とにかく運という運すべてを上げたいなら

私が2023年に導入する手帳のもう1冊が、「縁起のいい日手帳 2023」。

新日本カレンダー
暦のプロがつくる 縁起のいい日手帳 2023 マンスリー
1000円(税込)

 

最近SNSで「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」や「天赦日(てんしゃにち)」など“新しいことを始めるといい日”をたびたび目にしますが、それらの“暦の上で縁起がいいとされる日”が記載されている手帳です。

↑カバーを外すと……ゴールドの表紙が運気を上げてくれそうだ

 

↑大安、天赦日、一粒万倍日の説明も掲載

 

私はインドア派かつ怠け者ですが、SNSで「今日は縁起がいい日ですよ」という投稿を見ると休日でも一日ただ家にいるのももったいないように感じて、「どこかに行こうかな、何かしようかな」と少し活動的になります。

 

しかし、思い返してみればSNSさえ開かずに一日過ごし、次の日に「昨日は縁起がいい日だったんだ!」と後悔する日もありました。

 

普段使いの手帳に吉日が書いてあるから見落とさない!

↑見開きの月間ブロックで縁起がいい日もスケジュールも書き込める

 

毎月やりたいことを書き込むスペースがあるので、目標を忘れることはありません。マンスリーページで縁起のいい日がいつ来るのかがわかるので、その日が来る度に目標ややりたいことをやってみようと何度も取りかかるきっかけを与えてもらえます。

↑月初めのスペースには、「縁起のいい日に始めよう! 今月のやりたいこと」と、今月の目標を書き込める欄がある

 

目標を立ててはその度に忘れてしまい、毎年自分に嫌気がさしてしまう人も前向きになれる手帳ですね。

↑2022年の12月24日と25日は一粒万倍日が二日つづくクリスマスだった

 

さらに縁起のいい日だけでなく季節のコラムつき。慌ただしく過ぎていく日常に季節の移ろいを感じられます。

↑QRコードを読み込んで日替わりのコラムをスマホで読むこともできる

 

買い物のタイミングも縁起のいい日を狙って

ちなみに、私は毎年春頃にある「天赦日」「一粒万倍日」「寅の日」が重なる開運日にお財布を新調するのですが、2023年のその日は3月21日の火曜日。前倒しで気になるお財布をチェックしなければいけません。(この日にお財布を購入する方が多いので人気の物は品薄になってしまうのです。)買い物計画も、「縁起のいい手帳2023」でばっちりできそうです。

↑2024年の1月1日は天赦日と一粒万倍日、さらに甲子まで重なる開運日! 再来年の元旦が楽しみになる

 

なんだか手帳を開くのも楽しみになってきました。「縁起のいい手帳」で2023年も運気を上げていきたいですね!

 

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】不動人気の「ジブン手帳」1日1ページ版がライフワークバランスを整える

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

夜勤ありのビジネスパーソンにおすすめしたい、
「ライフワークバランスを整える手帳」

私は毎年、手帳を複数冊購入します。「手帳は一冊で十分」と考えている方には驚かれると思いますが、スケジュール管理だけでなく目標管理や行動記録として役立ち、複数の手帳それぞれに役割があるのです。

 

2022年に、仕事とプライベートのバランスや睡眠時間の把握に役立った「ジブン手帳 DAYs mini」。これを2023年もリピートすることにしました。

 

「ジブン手帳 DAYs mini」とは、大人気シリーズ「ジブン手帳」の1日1ページタイプです。

↑2023年版は金運が上がりそうな黄色を購入

 

コクヨ
ジブン手帳 DAYs mini 2023(B6スリム)
3200円(税別)

 

特徴は、日付と曜日が横軸に、時間軸がページ中央の縦軸に配置されている点。横軸は前後の日付と曜日がわかりやすく、縦軸のほうは24時間表示になっています。

↑「ジブン手帳 DAYs・DAYs mini」は1日1ページの横軸と縦軸がポイント。左は月頭のページで右は1月1日のページ。休日なので赤字で印刷されている

 

時間軸は24時間均等にスペースが取られているので、夜間勤務や早出があるなど勤務時間が一定ではない仕事の方におすすめです。24時間軸を設けたタイプでも、早朝と深夜のスペースは小さく圧縮されている手帳もあるので、24時間が均等にスペースを取られていると夜勤でもしっかり書き込みができて便利ですよね。

↑横軸と縦軸をクローズアップ。平日は黒とグレーの配色。土曜は青、日曜は赤で平日と休日が視覚的にわかりやすい

 

1ページに仕事とプライベートの予定を対比させて記入

24時間軸を境に左右にスペースが分かれている「ジブン手帳 DAYs mini」。私は左側に仕事の内容、右側にプライベートの内容を書いています。

 

仕事の予定ばかりになっている時に家事が疎かになっていることに気付きやすく、仕事が進まずに落ち込んだ時には書き込んだ家事を見て「でも家事はこれだけやった!」と自分を励ましています。

↑左は仕事、右はプライベートの内容を書き込んで、ライフ・ワーク・バランスを見る

 

約3mmの方眼罫になっており、30分刻みで細かく予定や行動を記入できます。仕事中に集中力がないなと感じた時には30分ごとに行動を変えて手帳に書き込み、気分転換のきっかけにしています。

 

月単位で目標や習慣の進捗を確認

また、毎月の頭にはその月の目標ややりたいことを書き込むページがあるため、月単位の目標を立てることができます。「今年はあれをしよう」という大きい目標ではなかなか進まない事も、毎月に分解すれば意外に達成できるものです。

↑目標を書いたページは月末に見直して次の月の参考にできる

 

マンスリーページも機能的です。月間のスケジュールを一目で見ることができるだけでなく、左端にはチェックボックス、下部にも書き込みスペースがあります。

↑マンスリーページ全体

 

よく見るとマンスリーページも約3mmの方眼罫になっていて、細かく綺麗に予定を記入できます。私はこのページをスケジュール管理ではなく買い物記録一覧にして無駄遣いを防いでいます。

↑お金を使わなかった日は「ノーマネーデー」としてかわいいシールを貼っている

 

マンスリーページの下部にはハビットトラッカーとして使えるスペースがあるため、毎日行う小さな目標を決めて、その目標を達成できた日にシールを貼っています。(いずれ書かなくてもそれが習慣になっていることが目標!)

↑キムチが苦手な筆者だが、美肌を目指して毎日キムチを食べる目標を立てている

 

他にも目標ややりたいことを書くリスト、振り返りページなど毎日を充実させるコンテンツがたくさんあります。

↑「今年やりたい100のリスト」「今年の振り返り」のページもある

 

6か月ごとの2分冊で持ち歩きも楽

こんなにコンテンツが充実していると、重さを心配する方もいるでしょう。実はこの手帳、前半(1月~6月)と後半(7月~12月)の2冊に手帳がわかれているので、持ち運びも負担になりません。サイズは写真のminiタイプB6スリムとA5スリムタイプ(税別3800円)の2つから選べます。

↑6月が終わったら後半の手帳にビニールのカバーをかけ替えて使う

 

手帳で運命が変わるかも!?

気が付くと一年が過ぎているという忙しい人にこそ、この手帳を使って毎日、毎月の目標を立てて振り返り、2023年の終わりには「今年は充実していたな」と前向きな気持ちで手帳を眺めて欲しいと思います。

 

マザー・テレサが言ったとされる有名な言葉をご存知でしょうか?

 

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

 

手帳は行動や習慣を見直す大切なツール。いつか運命を変えるかもしれません。

 

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】トラベラーズノートの「クラフトファイル」が領収証管理に便利だった

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

領収証入れにぴったりの紙製ホルダー

少しずつ旅行や出張が増えてきました。新型コロナウイルスの感染対策で、この2〜3年は旅行を控えていたという人も多いはず。そこで、旅行や出張に付き物である大量の領収書やレシートを、楽に楽しく整理できるツールを紹介します。

 

楽しい旅ほど、毎日の食事やお土産のレシートでお財布がいっぱいになってしまいます。お財布からレシートを取り出した後、どこにしまったのかわからなくなって経費の精算期日に間に合わなかった、という経験もあるのではいでしょうか。(そして大抵期日が過ぎてからどこからともなくひょっこり出てきて悔しい思いをする……)

 

そんな思いを何度も経験した私が出張で使っているのは、デザインフィルの縦長ノート「トラベラーズノート」……ではなく、トラベラーズノートに取り付けられる「クラフトファイル」です。

↑新品(左)と、筆者が使用中のクラフトファイル(右)

 

デザインフィル
020 Kraft Paper Folder クラフトファイル
400円(税別)

 

トラベラーズノートと組み合わせて使うことを前提としている商品ですが、単体で使ってもとても便利。適度な厚みと強度があって、領収書管理にぴったりなのです。

 

クラフトファイルは開くと左右にポケットがあるので、それぞれ経費精算する領収書と、しないレシートで分けて収納すると、帰宅後に混乱することもありません。

↑縦長なので長めのレシートも楽に入れられる

 

新幹線の領収書やチケットは、ポケットの前面につけられた切れ込みにぴったり。帰りの新幹線のチケットを入れておくのにもよさそうです。

↑ポケットの前面の切り込みはショップカードや切符など小さな物にちょうどいいサイズ

 

さらに、背の部分に筋が入れられているので、レシートをたくさん入れて厚みが増しても、ファイルが勝手に開いてしまう心配はいりません。

↑中央の折り線の左右に薄く筋が入っているのがわかる

 

そしてカスタマイズ。トラベラーズノートシリーズといえば、さまざまなリフィルから必要なものを選んで組み合わせられる、カスタマイズが特徴ですよね。

 

私は立ち寄った京都のトラベラーズファクトリーでスタンプを押して、購入した「イノダコーヒ」のシールも貼りました。

↑旅先のご当地のスタンプを押してアレンジ

 

スタンプを押せるのは紙製ならでは。無地でシンプルなので出かけるほどに模様が増え、自分だけのクラフトファイルが完成していく様子を楽しめます。

 

領収書管理は旅の付き物。面倒だからこそ、旅を楽しみながら使えるツールで乗り切りましょう!

 

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】高機能ハサミの金字塔「フィットカットカーブ」にハサミのもうひとつの役割を知る

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

10周年の「フィットカットカーブ」が記念で発売した限定モデルが美しい

↑意味もなく刃を開いて見つめてしまいたくなる美しさ

 

見てください、この美しい刃! レインボーカラーの刃がきらめいていますね。思わずビジュアル買いしたこのハサミは、プラスの「フィットカットカーブ発売10周年記念モデル」です。

 

ハサミや包丁など刃物には、安価な商品から贈答用の高級品まで様々な種類がありますが、家庭用ハサミでこの高級感を醸し出す物が、今まであったでしょうか?

 

フィットカットカーブは2012年に発売されたハサミで、「従来品の約3倍の切れ味!」と謳い、実際その切れ味は話題になりました。現在ではシリーズ累計3900万丁以上を売り上げている、大ヒット商品です。

 

プラス
フィットカットカーブ シリーズ
300円〜2700円(税別)

 

↑10周年記念モデルのプレミアムチタン・ピュアホワイト

 

特長は「ベルヌーイカーブ刃」。刃の内側が曲線になっていて、物を切る際に刃の根元でも先でも、どの位置で切ってもしっかり対象物をキャッチしてくれます。

 

↑こちらはレインボーカラーではないタイプのフィットカットカーブ。内側部分が曲線になっているのがわかる

 

↑一般的なハサミと比較すると、刃がカーブを描いていることが見てとれる

 

フィットカットカーブは、この10年でフッ素コーティングモデルや洗えるチタンコーティングモデルなど、様々なバージョンが発売されました。なかでもこちらの「チタンコート」は、さびや汚れに強く、軽い切れ味を長持ちさせてくれます。

 

↑PREMIUMの文字がキラリ

 

ハサミは「買い換え時がわからない」「100円均一の物でも十分」というユーザーも多く、なかなか違いがわかりにくいと言われることが多いのですが、私がこのハサミを買った最大の理由は、レインボーカラーの刃がなんだか運気を上げてくれそうと思ったからでした。

 

以前、ある刃物屋さんに「ハサミには未来を切り拓くという意味もあるんですよ」と教えていただいてから、使うハサミの切れ味をより一層気にするようになり、加えて見た目も美しいものがいいと感じるようになったのです。

 

ハサミの切れ味が落ちた時だけでなく、ビジュアルや気持ちよく使えそうだという理由で買い足してもいいのではないでしょうか。

 

↑同時発売された「コンパクトはさみツイッギー」(左上)にもレインボーカラーがラインナップ

 

レインボーカラーの刃は一目で違いがわかるので、接客業などお客様に見える場所でハサミを使うシーンがあるならおすすめですよ。

 

今回紹介したはさみは発売10周年記念の限定モデルなので、気になったならすぐに手に入れてください。切れ味よく美しく未来を切り拓いていきましょう!

 

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】京都の老舗らしからぬ!? ダジャレ炸裂の評価印を大人買い

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

京都で見つけた、ユニークなダジャレ評価印

新型コロナウイルスの影響でなかなか立ち寄ることができなかった京都へ、数年ぶりに行ってきました。京都には魅力的な文房具店さんがたくさんあるため、一日では周りきれないほどです。

 

今回は数ある素敵な文房具店のなかでも、ユニークなハンコが揃う老舗を紹介します。

 

京都新京極にある田丸印房は、大正元年に創業した老舗ハンコ店です。創業時は雑貨店でしたが、時代の移り変わりとともに、印章を中心とした商品展開に変わっていったそうです。

 

↑新京極の通りの一角にずらりと並ぶハンコ

 

京都に長くお店を構えている雰囲気が漂う店頭には、ハンコがつまった商品棚が並びます。

 

↑店内には草花や歌舞伎など大小さまざまなハンコがある

 

地元の方はもちろん、観光エリアにあるため修学旅行で立ち寄る方もいるそうです。

 

↑店舗の入り口付近には、ひときわ鮮やかな棚が!

 

なかでも目を引いたのが、こちらの棚。

 

↑お店の入り口にある棚にカラフルなハンコがぎっしり!

 

この棚に入っているのは、教員や指導員が使う「評価印」と呼ばれるもの。評価印とは、一般的に「よくできました」「がんばりましょう」という文字とともに花のモチーフがあしらわれているものが多く、読者の皆さんも学生時代、成績表や宿題などに評価印が捺されているものを見たことがあるのではないでしょうか。

 

しかし、田丸印房の評価印は一風変わった絵柄とコメントが魅力なのです。

 

↑「やったねこ!」(猫柄)、「OK!」(桶柄)、「モ~すこし!」(牛柄)、「そうでスネーク」(蛇柄)などユニークな柄の数々

 

コメントには、動物や食べ物を掛け合わせたダジャレの連発! なかには「まっイッカ」(イカ柄)や「ソーダね」(ソーダ柄)など、使いどころの見当がつかない物もあります。

 

↑評価印シリーズの人気ベスト6。第1位「見ました」、第2位「ストロベリーグッド」、第3位「よくがばんバッタ」、第4位「まんてんとうむし」、第5位「wonderful」、第6位「済」(タコの墨柄)

 

どこに使うかはさておき、一目みると、なんだかどれも欲しくなってしまう不思議な魅力がありますね。

 

5個購入でケースもサービスとあれば、悩む理由はありません。たくさん購入してしまいました。

 

↑購入した評価印10個。5個ずつサービスの箱に入れていただいた

 

この評価印は人気商品で、40年ほど前からオリジナルの絵柄のスタンプを作り始め、現在では柄の数は3500種類を超えているのだとか。

 

↑手持ちのカラーインクと合わせると、より楽しい印象に

 

新作はあるかなと店頭へ探しに行くのも楽しそうです。

 

京都になかなか行けないという遠方の方は、田丸印房さんのサイトでも購入可能です。サイトでは「ほめる・たたえる(70〜100点)」、「ふつう(40〜70点)」、「しかる・はげます(0〜40点)」と用途別で見られるので便利ですよ。

 

これから手帳の季節ですから、手帳に日々の自己評価を捺していくなんて使い道もよさそうです。

 

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】ネジ? 実は磁石! 直径4.5mmの極小強力マグネットは控えめで美しいメイドインジャパン

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デザインや思い出を壊さない控えめなツール

小さなネジ・・・・・・の紹介ではありません。こちらは小さな小さな、マグネットです。

美術館や旅先で素敵なポストカードを買ったり、お気に入りの写真を現像したりした時、どこかに飾っておこうかなと考えたことはありませんか?

 

格好よくポストカードや写真を飾りたいと思っても、画鋲(がびょう)やテープを使うと飾る物を傷めてしまいそうで心配です。そんな時にマグネットを使ってボードに貼ることを思いつくでしょう。しかし、そのマグネット選びが難しい。

 

マグネットというと会社の会議室で使うような事務的なデザインだったり、サイズが大きすぎて飾る物よりもマグネットが目立ってしまったり・・・・・・なかなかピンとくるものがありません。

 

あくまで脇役として控えめに、でもしっかりサポートしてくれるマグネットはないものかと探してたどり着いたのがSOGUの「φ4.5 MAGNET」です。

 

SOGU
φ4.5 MAGNET
1500円(税別・10個)

 

↑一円玉と比べてもこの小ささ

 

↑パッケージもおしゃれ!

 

直径4.5mmという極小サイズながらしっかりとした磁力があり、ポストカードや写真はもちろん、A4用紙2~3枚程度であればまとめて貼り付けておくことも可能です。

 

何よりも存在を主張しないところがいい。

 

↑ポストカードの四隅を、このマグネットで固定

 

↑拡大してみましょう

 

ポストカードの隅につけてもこの通り。小さいので目立たず、ポストカードのデザインを壊しません。

 

↑使わない時にボードにつけておいても圧迫感がなく、控えめな印象です

 

眼鏡のネジと見間違えるほどに小さいマグネットですが、つまみ部分にネジを使用しているため、ネジ足のギザギザとした溝が滑り止めとなって、指でつまみやすいのも特長です。

 

一般的に男性は女性よりも手が大きいので、小さすぎると扱いにくいのではないかと心配になる人もいるでしょう。それが実はこのマグネット、1mm違いで試作をしては男性と女性、それぞれの手で評価を繰り返しこのサイズに決定したそうです。

 

マグネットの強さとつまみの扱いやすさ、どちらも徹底的に使い勝手を追求して決まったサイズなんですね。

 

 

インテリアに馴染む控えめマグネットで、格好良く思い出を残しましょう。

 

 

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【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】大容量ペンケース「エルガバ」はL字にガバっと開いて文房具以外も整理しながら収納できる

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

ガバっと開いて何でも放り込める大容量ペンケース

どんなに道具が優秀でも、それを収める容れ物が不便では、煩わしさが軽減されない・・・・・・私が常々感じていることです。特に使用頻度の高い筆記具をおさめるペンケースは、使う人にとって最適なものでなければいけません。

 

ペンケース、その名前の通りペンだけを入れている人もいるでしょう。しかし、なかにははさみ、クリップ、SDカード、イヤホン、常備薬などペン以外の物を入れている人も多いのではないでしょうか。

 

今回は何でもとりあえずペンケースに入れておきたい人におすすめのペンケースを紹介します。

 

↑シンプルな見た目のエルガバ。落ち着いたくすみカラーが使いやすい

 

クツワ
エルガバ
1500円(税別)

 

取っ手のように長く飛び出たジッパーが目立つ、このペンケースの名前は「エルガバ」。L字でガバっと開くので「エルガバ」です。

 

ジッパーを開くと手で支えなくても蓋が開いた状態を保ち、ペンケースの中身がしっかり見えるようになっています。

↑シンプルな見た目からは意外な三段構造

 

ペンケースの中はトレー、フラップ、蓋の三段構造になっていて、大きな物を入れるトレーと小物を入れる蓋、もしくはフラップと、入れる物のサイズによって収納場所を分けられるようになっています。

 

収納力抜群の三段構造

トレー部分にはペンはもちろん、ハサミなどスペースをとる文房具も入れられます。トレータイプは、ペンケースの中身を俯瞰して見られる一覧性があり、何が入っているのかすぐにわかって取り出しやすく効率的です。

↑三段構造の全体が見やすい

 

蓋とフラップには、メッシュのポケットがついているので、小物の収納に向いています。リモート会議で必要なイヤホンやデータを入れたSDカード、乾燥対策のリップクリームや常備薬なども入れられます。

↑トレー部分に入れるとごちゃごちゃしがちな小物を入れられる、メッシュポケット付き

 

快適な仕事環境を作るためには、文房具以外にも必要な物がたくさんありますから、使用頻度が高いものをすべてペンケースにまとめられるのは便利ですね。

 

外装にも工夫がいろいろ

そして気になるこの長く延びたジッパー、ただの飾りではないんです。

↑エルガバの特徴でもある側面に飛び出たジッパー

 

机の上のスペースをより広く使うために、フックに引っかけて使うこともできますし、社内を移動する時に手にかけることもできます。

 

会議室に行くために資料の上にペンケースを乗せて運んでいたら、バランスを崩してペンケースだけ滑り落ちてしまったという経験はありませんか? エルガバならスマートに社内移動できますよ。

 

さらに、エルガバはやや硬さがあるため、鞄の中で潰れてしまうということが起きにくいのも安心です。

↑セミハードで長方形。カバンの中ですっきり綺麗に収まります

 

カバンの中でペンケースがぺちゃんこに潰れてしまい、ペンケースが見つかりにくいといったこともなく、さっと取り出せるのも嬉しいですね。

 

このように、社会人にも使いやすいペンケース、メーカーのクツワによるとコスメポーチや工具入れにもおすすめだとか。使いやすいペンケースは、ペンを入れる用途以外でもさまざまに活躍しそうです。

 

 

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【菅未里の自腹買い文房具】「推し活」がはかどる尊いスタンプ&スタンプパッド

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

“推し活”がはかどる尊いスタンプ

人生にうるおいを与えてくれる「推し活(おしかつ)」。今や約5人に1人は推し活をしているとも言われていますが、読者の皆さんはそもそも、推し活をご存知でしょうか?

 

推し活とは、人に勧めたいほどに好きな人や物事に熱中し、情報を追ったり応援をしたりする“活動”です。好きなアイドルが「推し」だとすると「推し活」はそのアイドルが出ているテレビ番組を見たり、コンサートに行ったり、グッズを買ったり、公式SNSをチェックする行為などが挙げられます。

 

そんな推し活を盛り上げてくれるアイテムが、スタンプマルシェの「手帳スタンプmini 推し活」。私は“推し活スタンプ”と呼んでいます。

 

スタンプマルシェ
手帳スタンプmini 推し活
385円(税込)

 

舞台のチケットの当落日、入金〆切、ライブの日、動画が投稿される日など、推し活に必要な全30種類のスタンプが用意されています。なかには「推しが尊い」と書いてある、日々使えそうな柄もあります。

 

↑手帳のマンスリーページに使って推し活のスケジュールを管理

 

私は仕事柄、自分のメディア出演をSNSで告知する必要があるのですが、撮影が終わるとほっとして気が抜けてしまい、公開日を告知しないまま出演番組の放送が終わってしまうことがあります。告知までしっかりしなければと思いつつ、そこでどうにか楽しくスケジュール管理したいと思って購入したのが「雑誌掲載」「TV出演」「動画投稿」でした。(その他の印面は、今回の連載で皆さんに紹介するためにスタンプマルシェさんからお借りしました。)

 

本来の用途である推し活のために使うのであれば、スケジュールは推し活スタンプを使って把握して、ライブの遠征で立ち寄ったカフェや会場前で撮った写真などを後日手帳に貼っておきましょう。手帳が素敵な思い出がつまった“推し活アルバム“になりますよ。

 

また、推し活スタンプは黒インクでも楽しめますが、アイドルなどメンバーカラーを持つ“推し”がいるならば、スタンプパッドの色にこだわるとより楽しめるでしょう。スタンプパッドの色数は驚くほどに多いので、メンバーカラーがターコイズや深紅などニュアンスのある色でも、推しの色がきっと見つかります。

 

↑大きい長方形のスタンプパッド「シヤチハタ いろもよう」全29色、しずく型のスタンプパッド「ツキネコ バーサマジックデュードロップ」全36色、小さい正方形のスタンプパッド「ツキネコ アートニック」全96色

 

スタンプとインクを組み合わせて推し活をさらに盛り上げていきましょう! 私の推しは何かって? それはもちろん、この連載で紹介している文房具たちです。この連載も“推し活”ですね。

 

 

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【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】「CC」を体現!?「紙のメモ」の価値を見直すコクヨのメモパッド

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

“紙のメモ”の価値を再発見できるメモパッド

このデジタル化が進んだ時代に“紙のメモ”と聞くと、何をいまさらと思われるかもしれません。PCでもスマートフォンでも、メモを取る手段はいくらでもありますし、メールやSNSなら、遠くにいる相手にも一瞬で情報を送ることができます。文房具の仕事をしている私も同じで、日常ではPCやスマートフォンのおかげで便利な生活を送っています。

 

しかし私は、紙のメモも使っています。なぜなら、デジタル化のおかげで、逆説的に紙のメモの価値が見えてきたからです。

 

紙のメモなら相手に念を押せる

今回ご紹介するのはコクヨの「複写メモ」。見ての通りそっけないメモなのですが、これがとても便利なんです。

↑デジタル時代の紙のメモ。時代遅れのようですが、重要な存在意義があります。なぜなら…

コクヨ
複写メモ(134x91mm白上質紙50組入り)
190円(税別)

 

メールは便利です。たとえばCC機能などを使えば、多くの相手にもあっという間にメールを送れますよね。

 

しかしメールは、大量に飛び交うせいで見落とされるリスクが高いのも事実です。送ったメールが迷惑メールフォルダに入ってしまったり、CCに入っていたメールを見落としたりした経験が、誰にでもあるのではないでしょうか。

 

そんな時代だからこそ、物理的な紙のメモが存在感を発揮します。たとえばオフィスに何か伝言を残したい相手がいたとして、メールを送るよりも、紙のメモを相手の机の上に置いたほうが伝わる可能性が高いということもあるでしょう。机が乱れていない限りは見落とさないですから。

↑紙のメモは、現代ではむしろ見落とされにくいのが強み。物理的に“ある”ことのインパクトは大きいのです

 

カーボンコピーで楽に複写

この商品が「複写」メモなのは、メモを書くとバックカーボンによって下の紙に複写されるからです。要するに、1回メモを書くと2枚のメモが作られるというわけです。

↑この通り、カーボンによって複写されます

 

すると、相手に渡したメモの控えが手元に残ることになります。すると相手がメモを失くしたときのバックアップになりますし、自分に対しての記録にもなります。

 

これは非常に便利です。いちいち2枚書く必要がありません。オフィス内で伝言を伝える機会が多い人は、ぜひ使ってみてください。大量の複写を作ってしまわないようメモを書くときに下敷きを入れる必要はありますが、メモの最初に厚紙がついているので切り取って下敷き代わりに使うことができます。

 

繰り返しになりますが、見落とされにくさなら紙のメモのほうがデジタルよりも上である場合も多く、複写メモならバックアップもとれます。デジタルの方が優れていることが多そうなビジネスシーンでも、意外にアナログのメモが存在感を発揮することもあるので、デジタルとアナログをうまく使っていきましょう。

↑筆記する1枚目の紙の裏面にカーボンを印刷している、やや懐かしいメモ

 

ちなみに、「カーボンコビー」とは、メールの「CC」(Carbon Copy)の語源でもありますね。アナログなようでかえって便利な「元祖CC」で、情報伝達の漏れをなくしませんか?

 

 

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】マーキングに最適で指にも優しいダブルクリップが見た目に反して実用的!

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは? 今回は、こちら。

 

見た目もやさしさも併せ持つダブルクリップ

今回は、会社勤めの方にはおなじみの“ダブルクリップ”の名品を紹介しましょう。ダブルクリップとは、紙の書類をまとめる際に使う文房具です。下の写真のような、指でおさえる細いワイヤー状の持ち手に、黒色の四角い留め具がついている物が一般的ですね。

↑基本的な構造は同じですが、サイズはさまざまあります

 

デジタル化の波に押され消えていく道具かと思いきや、紙の書類を整理する時などには、まだまだ使用頻度が高い文房具です。

 

この、オフィスで使う“お硬い”イメージが強いダブルクリップですが、実は可愛らしい見た目のものも販売されています。

↑大阪の文房具メーカー、ベロスが販売。ハート型、星形、ほかにドーナツ型の計3種類があります

 

ベロス
モチーフクリップ
ハートクリップ/スタークリップ/ドーナツクリップ
各120円(税別)

 

レトロなデザインの「モチーフクリップ」は可愛らしいだけではなく、実はダブルクリップを使う時によくある、“あの悩み”を解決してくれる便利なクリップなんです。

 

ダブルクリップのネック……痛くない!

↑ダブルクリップは、ときに指先が変色してしまうほど力が必要なことも

 

ダブルクリップを使う時、多くの方が経験している不便さに“固さ”が挙げられます。ダブルクリップは100枚以上の紙をまとめて留める時に使われることが多く、留め具を開くには指の力が必要です。

 

力を込めても十分に留め具が開かず、なんて固いんだ! と思った経験はあるでしょう。比較的力が弱い女性やご年配の方には特につらい作業です。私もダブルクリップで資料を留める作業はあまり得意ではありません。

↑指でつまむ部分がモチーフで食い込みません

 

一般的なダブルクリップは、留め具を開く際にワイヤー状の持ち手が指に食い込みます。留め具を開くには強い力が必要なので仕方ありません。

 

しかし、ベロスの「モチーフクリップ」は一般的なダブルクリップとは異なり、持ち手の部分がワイヤー状ではありません。星型やハート型、ドーナツ型になっていて、指に接する面積がワイヤー状のものよりも広いため持ち手が指に食い込まないのです。

 

可愛らしいモチーフに惹かれて購入し、後から使い勝手のよさに気付く方も少なくないようです。ダブルクリップの固さに悩んでいた方には嬉しい誤算ですね。

 

モチーフクリップは冷蔵庫でも活躍中!

↑チューブ状の調味料整理にも便利です

 

私はモチーフクリップを書類整理だけでなく、冷蔵庫の整理で使うこともおすすめしています。チューブ状の調味料を整理する際に便利なんです。

 

私は身長が153cmと成人女性の平均身長よりも低く、冷蔵庫の扉の内側についているポケットの奥が見えません。

↑冷蔵庫のポケットに入れると見つけづらいチューブ入りわさび。右側中央に入っているのがわかりますか?

 

チューブ状の調味料は細長く冷蔵庫のポケットの中で倒れやすいので、私の身長では姿が見えず行方不明になってしまうのです。ストックがないと思って買い足したのに、冷蔵庫の奥底から一つ、二つ、と賞味期限切れのチューブわさびが出てきた……という方もいるのではないでしょうか。無駄な買い物をしてしまったとがっくりしてしまいます。

 

手帳にぴったりなミニサイズも登場

↑「ハートクリップミニ」「スタークリップミニ」「ドーナツクリップミニ」(各120円・税別)

 

2021年には、モチーフクリップよりもやや小ぶりなミニサイズが発売されました。手帳や参考書などのページを開いた状態で留めておく際に便利です。それぞれモチーフのイメージにあったカラー展開で、これまでのレトロポップなカラーと一味違うカラーリングも素敵ですね。

↑手帳のページを挟む場合にもぴったりなミニサイズ

 

仕事場でも自宅でも、一つ120円という価格で日頃のストレスを軽減できるのはお得です。まずは一つ試してみてください。

 

 

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】極細ボールペンのカリカリ筆記を解消しただけじゃない「サラサナノ」の意外なこだわり

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは? 今回は、書き味を克服する内部機構に加え、意外な部分のデザインにも気を配ったボールペン。

 

秘密は内部のスプリング。カリカリしない極細ボールペン「サラサナノ」

2021年11月、なめらかな書き味で知られるジェルインクボールペン「サラサ」シリーズ(ゼブラ)に、新作が加わりました。芯が0.3mmの「サラサナノ」です。すでに「サラサクリップ」に0.3mmの商品はあるのですが、新たに登場したサラサナノは新しい機構を備えていることで、話題になっています。

ゼブラ
サラサナノ 0.3
各220円(税込)

 

一般に、ペン先が細ければ細いほど書き味はカリカリしたものになりがちです。筆圧が小さいボールに集中し、紙の凹凸を拾ってしまうからですね。

 

この問題を、サラサナノは大胆な方法で解決しました。内部に、衝撃を吸収するサスペンションとなる小型スプリングを入れたのです。芯やペン先を改良するのではなく、自動車のサスペンションが路面からの振動を和らげるように、内部のサスペンションによって振動そのものを緩和する手に出たのですね。

 

ゼブラが「うるふわクッション」と呼ぶこの機構の効果は抜群です。実は、サラサナノの芯・ペン先はサラサクリップ0.3mmと同じものを使っているのですが、書き味はなめらかになっています。

 

もっとも、サラサナノは発売直後から話題になっていましたから、文房具好きの方々なら、ここまで書いたことはとっくにご存じでしょう。しかし、注目すべきポイントは書き味だけではないことをご存じでしょうか?

 

シックな色が増えた

まず注目したいのが、色数の多さです。0.3mmという、市場にはけっして多くない極細ボールペンにもかかわらず、32色ものインクカラーが用意されています。

↑極細にもかかわらず、色数が豊富。使い道が広がります

 

なかでも興味深いのは、近年需要が増している、大人っぽいビンテージカラーがたくさん用意されていることです。片手ですぐに書き始められるノック式で極細、しかもなめらかな水性顔料で32色ものカラーバリエーションを持つのは、サラサナノくらいです。

↑大人っぽいビンテージカラーが多いのも特徴。トレンドを抑えています

 

驚くほど細部まで作り込まれたデザイン

さらに、ビンテージカラーと呼応するように、デザインに高級感ただよう、落ち着いたものへと変わりました。

 

情報量が多かったクリップですが、そこに記されているのはサラサナノの名前と「.3」という太さを表す数字だけ。「0.3mm」ではなく、「0.3」ですらないのです。

↑上は従来のサラサクリップ。情報量が多いですね。一方、下のサラサナノでは情報量がそぎ落とされ、見違えるようになりました

 

このクリップは胸ポケットの縁などに挟みやすい可動式なのですが、動かすための金具も、サラサナノでは見えないように隠されています。上からのぞき込むと、スプリングがあるのがわかりますね。

↑クリップを動かすための金属は、正面からは見えないよう隠されています

 

このクリップ、不思議な透明感があるのですが、それは白っぽい樹脂の上に透明な樹脂を重ねているためです。さらにその上に文字が乗っているため、光に当てると微妙に影ができます。複雑かつ美しい作りです。

↑白っぽい樹脂の上に透明な樹脂を乗せ、さらに文字を乗せた複雑な構造。美しいですよね

 

↑並べて鑑賞したくなります

 

グリップ部分も変わりました。以下の写真の上が従来品で下がサラサナノなのですが、滑り止めの溝の形が変わっているのがわかるでしょうか。メーカーのゼブラに聞いてみたところ、デザイナーによりデザインされた、「細く書ける」ことを表現した模様とのこと。そういわれると、なんとなくそんな気もしてきます。

↑「細く書ける」ことを表現したグリップの溝(下)。性能には関係ありませんが、作り手のこだわりが伝わってきます

 

税込み220円とサラサクリップの倍のお値段ですが、性能面はもちろん、このデザイン面での作り込みを見れば納得なのではないでしょうか。手に入れたら、ぜひ細部までその美しさを味わってください。

 

 

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【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】ハンコ業界への逆風はやさしさで跳ね返す⁉️ 難読名字に対応した「ふりがな印」

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは? 今回は、逆風にさらされる業界のなかで、ちょっとした親切を形にした新しい試み。

 

難読名字のためのふりがなつきハンコ

ハンコを作っている印章業界が、逆風にさらされていると言われています。ペーパーレス・デジタル化の時代に、紙に捺(お)すハンコは時代遅れだというわけです。とくに昨今のコロナ禍では、「ハンコを捺すためだけに出社した」などというような話もあり、「非効率」「古い習慣」の代名詞になってしまっている感すらあります。

 

しかし、そんな逆風の下でも、ハンコが進歩し続けていることをご存じでしょうか?

名字を彫り込んだハンコは多くの場合、漢字だけですよね。しかし世の中には読みにくい名前を持っている人がいます。何を隠そう私、菅未里(かんみさと)がその一人でして、「すがみさと」「すがあかり」と読まれてしまうことがよくあるのです。

 

まあ私の場合、使用している漢字自体はそれほど難しくないのですが、どうがんばっても初対面では読めない名前の方も少なくありません。そういう方たちは、ハンコを捺したあとに名前を読み間違えられる(あるいは読めない)リスクがあるということになります。

 

私は読み間違えられることには慣れっこになってしまっていますが、少し困るのは、読み間違えを指摘すると、相手が必要以上に委縮してしまうことです。誰にも罪はないのですから、あまり謝らせてしまうのも申し訳ない。そこで最近、相手への気遣いとして、シヤチハタの「ふりがな印」を買ってみました。

シヤチハタ
クリエイティブ印「ふりがな印」
2365円(税込)

 

ふりがな印は、名前の漢字にふりがながつく画期的なハンコです。これでもう読み間違えられる心配はありませんね。

↑左がふりがな印。このように、漢字といっしょにふりがながふられています

 

私がおすすめする理由は、それだけではありません。本体はシヤチハタの超定番ハンコである「ネーム9」なのですが、ボディーのカラーバリエーションがとても豊富なんですね。私は「日本の伝統色」シリーズから「桜鼠(さくらねず)」を選びましたが、黒いボディのハンコに飽きている方にもおすすめできます。

↑私が選んだのは「日本の伝統色」シリーズの「桜鼠(さくらねず)」。淡くていい色です

 

また、文字のパターンも複数用意されています。縦書き・横書き以外にもふりがなの配置も変えられます。漫画のような吹き出しデザインまであります。

 

それから、文字数の上限は四文字なので、三文字の私のようにフルネームをハンコにすることもできます。前述のように、私は下の名前を読み間違えられることも多いので、フルネームである点は重要なのです。

↑私のように名前の文字数が少ない方なら、フルネームにふりがなをふれます

 

型にとらわれないハンコの使い方を

さて、このふりがな印、ハンコとして使いやすいのは言うまでもありませんが、ふりがながある点を活かして新しい使い方をしてみてはいかがでしょうか?

 

たとえば、名刺にふりがながない方も多いと思うのですが、そんな名刺の隅にポンと捺してはどうでしょうか。もし読みにくい名前であった場合、相手への親切になります。あるいは企画書や資料にサイン代わりに捺してもいいですね。

↑名刺に捺すと、相手は名前の読みに迷うことがありません

 

ちなみに、シヤチハタのハンコは5000回以上捺印できて、さらにインクの補充も可能です。私はハンコの薄さを上司に叱られたことがあるのですが、社会人のみなさまには早め早めのインク補充をお勧めしておきます。ただし、必ず専用品を使ってください。そうでないインクは不具合につながる恐れがあります。

↑インクは思っている以上に長く持ちますが、補充も可能。ただし専用品を使ってください

 

「古さ」の象徴のようにとらえられるハンコも、今回紹介したように進歩しています。ならば、使い方が進歩してはいけない理由はありません。ぜひ新しい使い方を探してみてください。

 

 

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文具ソムリエール・菅未里が振り返る2021年の「自腹買いアイテム」と「文房具トレンド」

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具を1品ずつ紹介する連載を毎月お届けしています。

 

2021年が終わったところで、この1年で紹介しきれなかった自腹買い文房具(の一部)を披露していただきながら、文房具トレンドを振り返ってみましょう。

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1.2つの要素がインクブームを後押し

↑自腹で買ったインクの数々。小瓶入りの商品が増え、気軽にさまざまな色を試せるようになりました

 

あらためて振り返ると、2021年はずいぶんたくさんの万年筆とインクを買いました。女性を中心としたインクブームが続いており、彼女たちが楽し気にSNSにインクをアップするので、その投稿を見るとつい買ってしまいます。

 

コロナの影響で、SNSを見る時間が増えたせいもあるかもしれませんね。これは私に限った話ではありません。インクブーム自体が、SNSに後押しされている感じがします。

 

印象に残っている商品には、「錦秋」(プラチナ万年筆)、「はちみついんく」(尚貴堂)、あとTono&Lims(トノアンドリムズ)によるインク、金木犀の香りがする「True Love~金木犀 香る街で~」などがありました。

 

さまざまな色を少しずつ楽しめるインクの“小瓶”が増えているのも、近年の特徴です。カナダ発の文具ブランド「Ferris Wheel Press(フェリスホイールプレス)」も選びきれないくらい魅力的なインクを出していますが、小瓶ですから場所をとりません。ということで、三色のセットを買ってみました(写真左上)。

 

気軽にさまざまな色を試せるようになったことで、インクブームはまだまだ続きそうです。

 

2.カスタマイズ文房具の盛り上がり

↑右上の片面バインダーは、ルーズリーフ専門店「ステッチリーフ」で好みの色のインデックスを入れてもらったもの。左のシャープペンは、グリップをカスタマイズできる「ドクターグリップCL プレイバランス」。右下はオリジナルのスタンプ台を作れる「いろづくり」(シヤチハタ)です

 

先日、前から行きたかったルーズリーフ専門店「ステッチリーフ」にようやく行けました。このお店は、ルーズリーフバインダーのカスタムを楽しめるのが特徴。私もしっかりオリジナルルーズリーフバインダーを発注してきました。

 

今は楽しみに完成を待っているのですが、ルーズリーフバインダーとは別に、その場で持ち帰れるプチカスタマイズとして、好きな色のインデックスを入れた片面バインダーも作ってもらいました(写真右上)。

 

カスタマイズの波は定番シャープペン「ドクタークリップ」(パイロット)にも及んでいます。私も、グリップの重さを好みにカスタマイズできる「ドクターグリップCL プレイバランス」を買いました。手の形は千差万別ですから、服のサイズを選ぶように、グリップも選べるのが理想ですよね。

 

3.ビジネスシーンでは「ハンコ離れ」でも……

↑左下に並んでいるのは、複数の色をグラデーションにした朱肉「わたしのいろ」。スタンプが、信じられないくらい美しくなります。右側に整列しているテープ「デコラッシュ」(プラス)も、手帳やノートのデコレーションに活躍してくれます

 

手帳デコレーションの需要が増したせいか、スタンプ関連商品も、今、熱くなっています。

 

カスタマイズの話題でも取り上げた、インクをパッドに垂らすことでオリジナルのスタンプ台を作れる「いろづくり」(シヤチハタ)もよかったですね。あまりに面白いので、専用インクは29色すべてを買ってしまいました。カスタマイズの波は収まるところを知りません。

 

同じシヤチハタから出た、複数の色をグラデーションにした朱肉「わたしのいろ」も、必ずチェックしてください。単色の朱肉では難しい、複雑な美しさを演出してくれます。ネットで即完売するだけあります。

 

実用から趣味、趣味からカスタマイズへ

さて、私が2021年に買った文房具を駆け足で見てきましたが、インクなどに見られる趣味性の追求と、カスタマイズ文房具の増加は、実は同じ現象の別の面を見ているだけなのかもしれません。

 

本来は実用品だった文房具がだんだんと趣味のアイテムに変化してきたのがこの10年ですが、どんな道具も、趣味性を追求すればするほど、個々人に合わせてカスタムするようになるからからです。自動車などの乗り物も、スポーツの道具も、服も、使い手によるカスタムが一般化しています。

 

遅ればせながら、文房具もその段階に入ったのかもしれませんね。この動きは2022年も続くに違いありません。

【菅未里の自腹買い文房具】学生時代に愛用した定番ボールペン「シグノ」に25年間で起きた変化とは

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

超定番ボールペン「シグノ」の最新事情

今回紹介したいのは、三菱鉛筆のロングセラーボールペン「ユニボール シグノ」(以下、シグノ)です。……といっても、読者のみなさんもご存知ですよね、シグノは。

 

言わずと知れた大ヒット作です。ゲルインクならではの滑らかな書き味や顔料によるくっきりとした発色が評価され、今やゲルインクを採用したボールペンの超定番商品になっています。日本中のオフィスのペン立てにシグノがささっているのではないでしょうか。私も、10年以上愛用しています。

↑筆者もずっと愛用しているシグノ

 

三菱鉛筆
ユニボールシグノ 0.38mm
150円(税別)

※ほかに0.5mm、0.28mmもラインナップする。

 

そのシグノを今回あらためて取り上げるのには理由があります。子どもの頃にシグノを知った世代は、最近のシグノの変化をきっと知らないだろうからです。

 

31色にまで増えたインクカラー

もともと1979年発売のボールペン「ユニボール」の別ラインとして1994年に作られたシグノ。私はその2年後に登場した極細の0.38mmを愛用しているのですが、発売当初は、インクの色は8色でした。しかし今や、この0.38mmは31色にまで増えています。

 

その歴史は、インクカラーへの需要の変化を物語っています。

↑発売当初から今に至るまで売られている6色(かつてあった蛍光黄と蛍光桃2色は廃番)

 

2003年に4色が追加されました。

↑2003年に追加された4色

 

続いて、2008年にもカラーを追加。

↑2008年に追加された6色

 

さらに、2017年にも追加されています。

↑2017年に追加された12色。微妙なニュアンスカラーも多いですね

 

色数がどんどん増えている様子がわかります。なかなか違いが理解されにくいピンク系のインクも、たくさん用意されています。

↑ピンクの微妙な差も表現されています

 

今、グリーンブラックやブルーブラックのような黒ベースの大人っぽいインクが流行っていることをご存じかもしれませんが、早い段階で、そういったインクをボールペンに採用したのもシグノでした。

↑ビジネスシーンでも活躍する黒系インク

 

こういったインクは厳密にいうと“黒”ではないのですが、落ち着いた色ですから悪目立ちせず、仕事でも使えるでしょう。だから黒に飽きたビジネスパーソンにも人気です。

 

そういえば、黒系のインクといえば2008年に「ラベンダーブラック」が廃盤になったことを覚えているファンもいるかもしれません。実は、ラベンダーブラックは海外では今も売られているのですが、国内では手に入らないのは残念です。微妙なニュアンスカラーが充実しているシグノらしいエピソードです。

 

文字にもイラストにも活躍

このように色への探求心が尽きないのがシグノの特徴です。書きやすいのは前述の通りですが、色数が豊富なので、文字を書くだけではなくイラストや図形にも向いています。私はアイデア出しの際にシグノを使っていますが、気分に沿ったさまざまなカラーのインクを使いたいので、シグノがぴったりなのです。

↑文字を書くにも、イラストを描くのにも向いているのがシグノです

 

学生時代にお世話になった方も多いであろうシグノですが、今は、ここまでラインナップが増えているのです。

 

仕事にも、趣味にも。ノートにも、手帳にも。懐かしいシグノを見直してみませんか?

 

 

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【菅未里の自腹買い文房具】透明なケースを2個くっ付けた奇抜なペンケースが実は理にかなっている理由

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

“クリア系文房具”が人気

ここ数年、透明で中身が見える“クリアボディの文房具”が人気です。ペンケースでは「Kept」(レイメイ藤井)、「クラシカルポーチ クリア」(コクヨ)などが有名です。ペンでは、おなじみの「フリクション」(パイロット)からも「透明ボディシリーズ」が発売されましたね。

 

クリアカラー人気は、ファッション業界の影響を受けたものかもしれませんし、さらに文房具メーカーの技術力アップも関係しているかもしれません。

 

そんな中で、クリアボディのペンケースには、複数の収納スペースを持つタイプが出てきています。「ピープ」(コクヨ)や「ミッテ」(サンスター文具)は、全体としてはクリアカラーなのですが、中に非クリアカラーの収納スペースが設けられており、外に見られたくない物を分けて入れられる作りになっています。

 

というわけで、今回紹介する「ツインペンケース」(キングジム)も、透明ながら2つの収納スペースを併せ持つペンケースです。

↑最近流行のクリアカラー。5色ラインナップしていますが、「ミドリ」は青みがかっていて涼しげですね

 

キングジム
チアーズ ツインペンケース
1250円(税別)

 

仕様頻度によって使い分ける

発売前に知る機会があったので、すぐに私がやっていたInstagramでのライブ用にサンプルを入手したのですが、色味が実にいいのです。全5色なのですが、どれもいい。私は悩みに悩んで「ミドリ」を購入しましたが、どの色を買っても正解だったと思います。

 

この商品、2つのペンケースがくっついているような、不思議な形をしていますね。この2つを持ってパカっと“割る”ようにすると、2つに分かれ、それぞれの中身にアクセスできるようになります。2つのスペースは、マグネットでくっついているんですね。

↑割るように90°開くと、それぞれのケースの入り口が現れます

 

↑すると、2つのペンケースからそれぞれ中身を取り出せるようになります

 

このようにスペースが分かれていることで何に役立つかというと、“使用頻度によって使い分けられる”ということです。クリアの方はファスナーで開閉しますが、クリアカラーの方(写真ではミドリの方のケース)にはファスナーがないので、すぐに中身を取り出せるのです。だから私は、こちらには普段よく使うペンを入れています。

 

↑色付きのケースには蓋がないオープンタイプのため、すぐに中身を取り出せます

 

もう一方の透明なスペースにはファスナーがついていますから、たまに使う付箋や修正テープ等を入れています。スペースはかなり大きく、マスキングテープなら通常の太さで10本が入ります。大容量も、この手のペンケースの魅力ですね。

↑この通り大容量でさまざまな文房具がたっぷり入りますが、スペースが2つに分割されているため、中身を整理し、取り出しやすいのです

 

↑15mm幅のマスキングテープもこの通り、すっきり入ります

 

大容量なのに取り出しやすい

一方、色のないクリアなケースは、ファスナーがきちんと側面まで来ているのもポイントです。こうなっていると口が大きく開くので、中身を取り出しやすいのです。コストダウンのためにファスナーが短いペンケースも少なくないので、ここは要チェックです。

↑ファスナーが側面まで来ています。取り出しやすさを考えたとき、見逃せないポイントです

 

さらに、ファスナーまで透明になっているのがわかりますか? 芸が細かいですね。

 

個性的なデザインはもちろん、大容量で、しかも2つのスペースがあるため無駄な出し入れも最小限。中身が見えるので取り出しやすいのもいいですね。「2つのペンケースをくっつけた」と聞くと奇想天外に思えますが、実は非常に理にかなっていて便利なのです。

 

 

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【菅未里の自腹買い文房具】コワモテなのに内面はペンへの優しさに溢れたペンケース

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

大切なコレクションを傷から徹底防御するペンケース

文房具店の伊東屋には、「ロメオ」というオリジナルブランドがあります。ボールペンが有名な高級ブランドなのですが、ペンケースもラインナップしていることをご存知でしょうか? 今回、私が個人的にお勧めしたいのはこのペンケースです。

ロメオ
クロコ型押し コレクションペンケース(6本用)
1万5000円(税別)

 

牛革にクロコの型押しを施したペンケースです。いかにも大人っぽく、高級感あふれるデザインですが、実はこの内側に、おすすめしたい特徴があるのです。

 

起毛加工がペンを傷つけない

↑内側には起毛加工が施されているため、ペンが傷つきません

 

内側が起毛になっているのがわかりますか? 収納したペンに傷をつけない作りになっているのです。このケースにふさわしいペンに、傷などつけたくないですよね。

 

ペンが傷つく原因は、おもに2つ。落としたりぶつけたりすることと、ペンケース内でベン同士がぶつかることです。前者は気を付ければいいのですが、後者は、ペンケースによっては避けられません。

 

しかし、このロメオのペンケースなら大丈夫。上記のとおり、ケースの内側がやわらかい起毛になっていることに加え、ペンを個別にベルトで固定するので、互いにぶつかることもありません。

 

しかもこのベルト、横から引っ張ると締め付けることができます。つまり、太さが異なるペンを一緒に収納することが可能だということです。

↑このベルトを引っ張ると、ペンを締めつけることができます。太さが異なるペンも収納できます

 

さらには、上下にはフラップが付いています。これも、ペンがファスナーとぶつかって傷がつかないようにするためでしょう。なんと厳重な守りなのでしょうか。

↑上下に同じ素材のフラップがつき、ペンのキャップ部分と、尻軸をカバーしてくれます

 

ペン好きな方への贈り物にも

傷から手厚くペンを守るこのペンケースは、大切なペンを安全に持ち運びたい方にお勧めです。12本入りのケースもあるのですが、私は持ち運びが現実的な6本ケースのほうをお勧めしておきます。

 

高級感があるだけではなく、ペンをしっかりと守る実用性もあります。持ち運びもしやすいですし、価格も税込1万6500円と、中に入れるペンのことを考えると高すぎるわけでもない。

 

大切なペンを収納するのはもちろん、ペン好きの方への贈り物にしても喜ばれるのではないでしょうか?

↑ケースを開くと大切なペンを一覧でき、自慢のコレクションを持ち歩く際にもぴったりです

 

 

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【菅未里の自腹買い文房具】手帳に必携! ニューノーマルな図柄を効率よく押せるミドリの回転印

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

場所をとらず、効率的な回転印

↑回転印の裏側。押す直前に、自動的にインクが印面につく構造です(写真ではインクパッドが見えるようスライドさせています)

 

私は回転印が好きです。回転印とは、数字や柄などいくつもの印面を回転させることで選べるスタンプですが、印面ユニット自体が“回転”し、インクパッドにタッチしたあとに捺せる(押せる)タイプもあります。

 

通常のスタンプは、押す際にいちいちインクを印面につけなければいけないのですが、つまり後者の回転印なら、自動でインクがつくのです。だから、とても楽です。インクをつけ損なうことも、逆につけすぎて滲むこともないですしね。

 

今回は私が気に入っている、ミドリのデコレーションスタンプ「ペインタブルスタンプ 回転印」(以下、回転印)を紹介しましょう。

 

ミドリ
ペインタブルスタンプ 回転印
1500円(税別)

 

回転印には10種類のモチーフがセットされているので、場所を取らないのも魅力です。これらを通常のスタンプで用意しようと思ったら、10個も必要になってしまいますから。

 

↑たくさんの柄が用意されているのも回転印の魅力です

 

ポンと押すだけで複雑な絵柄が現れる回転印。とても効率的なのがわかります。

 

コロナ時代の“ニューノーマル”を意識した印面

とくに今回ご紹介したいのは、「新しい日常」に対応したバージョンです。

 

これは以前からある回転印に新しく加わった商品。一年ほど前に発売した同シリーズは可愛らしいデザインといい押しやすさといい、「売れそうだな」と感じていたスタンプなのですが、やはり大変な人気で一時は品切れが続いていました。

 

↑たくさんの種類があるミドリの回転印を、いくつも購入してしまいました

 

その人気シリーズから出た「新しい日常」バージョンは、いったい何が「新しい日常」なのかというと、柄ですね。「在宅」「出社」「Takeout」といった、新型コロナウイルス感染拡大以降の社会で、しばしば耳にする単語やモチーフが揃っています。体温測定や、座りっぱなしの生活に欠かせないランニングの柄もありますね。

 

↑コロナ禍の下での生活に必要な柄が、このとおり揃っています

 

ノートや日記、手帳を彩ることができる

これを日記や手帳にポンと押せば、体調管理や日々の記録に便利だというわけです。もちろん手書きでもいいのですが、いちいち書くのは大変ですよね。

 

それから、これは油性インキを採用しているので、押したスタンプの上からマーカーで色を塗り重ねられるのも便利な点です。ノートを彩るのにも向いているでしょう。

 

↑コロナ禍での生活の記録に最適なスタンプです

 

細かいポイントですが、絵柄の線がとても細いのも素晴らしい点です。ここまで精緻な柄のスタンプは貴重です。一般的に精密な柄のスタンプは、インクをつけすぎると紙に印面を押したときに絵柄が潰れてしまうことがありますが、これは内蔵のスタンプパッドで適量がつくので、絵柄が潰れる心配がいりません。不器用な私でも写真のとおり、一度で綺麗に絵柄を押すことができました。

 

ミドリによると、付属のインキパッドで、10種類の柄を約2000回押すことができるそうです。インキがなくなっても補充用も販売されているので、使い捨てずに使い続けることができます。

 

スタンプが得意ではないという不器用さんにもおすすめしたい商品です。

 

 

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【菅未里の自腹買い文房具】キングジム「ハルファイル」は冷蔵庫に貼りたい書類をまとめてホワイトボードにもなるファイル

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

今回はキッチン、とくに冷蔵庫周りで散らかりがちな書類を、いつでも見やすくスッキリ整理できる高機能なファイル。

 

キッチン、とくに冷蔵庫周りの書類を片付けるには?

冷蔵庫の周囲が混沌(こんとん)としている人は多いのではないでしょうか? チラシやダイレクトメール、お子さんがいるなら学校からのお知らせなど、こまごまとした書類が集まりやすいのがキッチン、特に冷蔵庫周りです。

 

そういった書類を、冷蔵庫の扉にマグネットで貼っている人も多そうですが、あまりおすすめできる方法ではありません。紙が重なるので見づらいですし、めくろうとしてマグネットやまとめた書類が落ちてしまったり、とにかく混乱の元です。

 

とはいえ、キッチンに書類が集まるのは、そこでまとめれば便利だからですよね。それなら、何とかしてキッチンでの書類を整理し、使いやすく見やすくしよう……そんな文房具があるのです。

 

冷蔵庫に貼り付くファイル「ハルファイル」

それが、キングジムの「ハルファイル」です。一言で表現すると、吸盤で冷蔵庫などに貼り付けられるファイルなのですが、実際に使っている立場からすると、とても便利です。

↑キングジムの「ハルファイル」(写真は「ハルファイル スタンダード A4変形」)。冷蔵庫に貼り付けることができます

 

キングジム
ハルファイル
800円〜1400円(税別)

 

サイズ・形には4種類ありますが、いずれも書類を収納するポケットがサイズ違いで複数用意されているので、書類を分類して入れられます。ごちゃごちゃしません。とくに、小さめの葉書や領収書を入れるスペースもあるのは、重要な点です。

↑開くと、たくさんの収納スペースが現れます

 

また、4種類あるうちの「スタンダード」(1400円・税別)、「スリム」(800円・税別)、「クリップ」(1200円・税別)は見開き形式になっていて、ガバッと開いた状態で貼れるのもポイント。ハルファイルに入れた雑誌のレシピの切り抜きを見ながら料理をする……といった芸当もできます。

 

簡易ホワイトボードとしても使える

それなら、最初から見開きで貼っておいたほうがいいのでは? と思われるかもしれませんが、実は、閉じたときにしか使えないもう一つの機能があるのです。それが、ホワイトボード。

↑ホワイトボードとしても使える表紙。ちょっとしたメモに便利です

 

このように、表紙がホワイトボードになっているのです。買い物リストに入れるべき食品や、ちょっとしたTODO、家族への伝言など、キッチンでメモが必要になる場面は少なくないはず。そんなときに活躍してくれます。

 

しかも、小さい「ポケット」(1000円・税別)以外は、ペンホルダーまでついていますから、本当に文字通り、小さなホワイトボードとして活躍してくれるのです。

↑ペンホルダーまで用意されています(「ポケット」タイプを除く)。文字通りホワイトボードなのです

 

取り付け方も多様

吸盤で貼れると書きましたが、吸盤以外にも、別売りのマグネットを取り付ければ冷蔵庫や金属のドアなどに貼ることもできますし、紐を通す穴も開いていますから、壁掛けで使うこともできます。キッチンに限らず、家中のどこでも設置できそうですね。

↑付属の吸盤や、ひもを使って壁などに吊るしたり、貼り付けることも可能です

 

大小さまざまな書類が入れられて、ホワイトボードにもなる。これひとつを設置するだけで、その周囲が小さなオフィスになるような気の利いたアイテムです。

↑ごちゃごちゃしがちな冷蔵庫周りも、これでスッキリ整理できるでしょう

 

 

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