A4サイズで収納できる衣類乾燥機!? 仕組みも実力も謎すぎるので検証してみた

冬は日照時間が短く外気温も低いので、外干しの洗濯物がなかなか乾きません。朝から外に干していたのに、夕方取り込んでみたらなんとなくしっとりしていてイヤ~な感じ……。かといって、そのあと部屋干しすれば臭いが気になるし、邪魔になるしで、できることなら今すぐ乾かしたい!

 

そんなときオススメしたいのが、プラスマイナスゼロから2022年12月に発売された「コンパクト衣類乾燥機 XRC-G010」です。わずかA4サイズのコンパクトなボディからは想像しにくいですが、ハンガーラックや室内の物干し竿にかけて、衣類を吊るしたまま乾燥できるというとってもお手軽なアイテム!

仕様から速乾性まで謎多き本製品を、筆者が自宅でイチから使ってレポートしていきます!

 

A4サイズで場所を取らず、隙間にスッキリ収納

まず驚くのが、その名の通りのコンパクトさ。折りたたんだ状態の本体サイズは、幅82×高さ290×奥行き210mmで、表面積はジャストA4サイズ。棚の隙間にスッと収納したりラックに吊るしておいたりできるので、一人暮らしのワンルームや物が多い洗面所に置いても邪魔にならないのがうれしいところ。

↑質量は約1.7kg(乾燥ケース含む)で、コードは約3mと長め。本体カラーは、ホワイト、グレー、レッドの3色展開で、お部屋のインテリアに合わせて選べます

 

↑500mlペットボトルと比べてもこの大きさ。隙間にすっぽり収まっちゃいます

 

使うときはサッと広げるだけ

使用する前に、まずは組み立てからスタート。吊り下げフックを開いてハンガーやパイプに吊り下げたら、フラップを両サイドにパカッと開きます。中央部には風の吹き出し口があり、そこから温風が出てくる仕様です。

↑吊り下げたところを下から見た図。フラップの中央に風の吹き出し口があり、その真下にハンガー掛けが設置されています

 

使い始めは、このフラップ周囲の溝に乾燥ケース上部のフレームをはめ込む作業が発生します。ガチッとはめ込むには少し力が必要ですが、ここでしっかり装着しておかないと、乾燥中にケースごとズサッと落下してしまう可能性もあるので注意です。

↑乾燥ケースを装着した状態。ケースの丈は、衣類や下着など乾かすもののサイズに合わせて3段階に調節可能です

 

吊り下げフックをセットするとフラップが開いた状態で固定され、準備完了。運転モードは「HIGH(温風運転)」「LOW(送風運転)」「ダニ対策モード」の3種類から選べます。ダニ対策モードではダニの繁殖を防ぐことができるので、ベビー衣類や寝具などに使用するのがオススメです。

 

温風の温度は高めの約70℃で、風がぶぉ~っと吹き出してきます。期待できるパワーです。「HIGH」にすると多少音も大きくなりますが、ドライヤーのような轟音ではないので日常生活をする上で気にならない程度。

↑シンプルな操作パネル。タイマーは最大で7時間までセットできます

 

忙しいときでもサクッと乾燥。吊るしたままだから衣類が傷まない

さて本題。実際に洗濯物を乾かしてみたいと思います。今回は、脱水までしたメンズの長袖シャツ2枚とヒートテック1枚を「HIGH」モードで乾燥させていきます。ちなみに、一度に乾燥できる目安はTシャツ3~4枚程度だそうです。中央のハンガー掛けに間隔を空けつつ衣類を干し、ケースのファスナーを閉じたらタイマースタート。

30分経過したところで、一度乾き具合をチェックしてみると……なんと7~8割方乾いていました! 乾きムラもなく全体が均一に乾いている感じで、これはすごい。生乾き臭さもありません。そのまま乾燥を続けていくと、約1時間で完璧に乾燥完了。脱水後の乾燥でこのスピード感。これなら”あと少し乾かしたいとき”の仕上げ乾燥はもっと速乾を実感できるでしょう。とにかく急いで乾かしたいときには、かなり役に立ってくれそうですね。

↑ハンガー掛けには9着分の凹みがありますが、風通しが良くなるので1個飛ばしでセットするのがオススメです。耐荷重は約10kg

 

個人的に良いと思ったのは、ハンガーにかけたまま乾燥できるので、シワを防げて、衣類が傷みにくい点です。気に入っている服をどうしても着ていきたい日に限ってまだその服が乾いていなかったりするのですが、ドラム式乾燥機に放り込んだら、シワシワになってしまうし、おしゃれ着の場合はそもそも使用できないことも少なくありません。本製品なら送風モードもあるので、デリケートなおしゃれ着や下着類なども優しく乾かすことができます。乾燥後、アイロンをかけなくて済むのもラクで良い!

 

乾きにくいパーカーはどうなの?

続いて、冬場は特に乾きにくい洗濯物の問題児、厚手のパーカーで検証してみました。編集部の担当さん曰く、浴室乾燥機でさえ3時間では乾かないとのこと。フード裏とか袖口とか、しっとり感が手強いですよね。

シャツよりも時間がかかること必至なので、タイマーは3時間に設定してスタート。途中、1時間ほどしたところでチェックしてみると……吹き出し口に近い襟元の大部分は乾いているのですが、パーカーのフードが重なっている部分と裾のリブ付近はまだまだ湿っている様子。やはり手強いぞ! そこで、フードの部分を開くように洗濯ばさみで止めて乾燥再開。30分おきに確認しつつ、結果的に3時間でほぼ全体が乾燥できました。これはもしかしたら浴室乾燥機と同等、もしくは優秀と評価してもいいかも!?

 

とはいえ、やはり厚手の衣類やジーンズなどのボトムスは乾くまでに時間が必要なので、衣類の中を開いたり単独で乾かしたりとちょっとした工夫が必要だとわかりました。また、吹き出し口に近い方が乾きやすい性質もあるので、裾部分も上にたくし上げて干すと良いかもしれませんね。

 

日常的に活用できてコスパ◎用途で使い分けても良し

本製品の実売価格は、1万6500円。オーソドックスな衣類乾燥機が5万円前後だとすると、かなり手を出しやすいお値段で、一人暮らしで少量の乾燥でOKという人にはベストマッチ。さらに電気代も1時間使用で約13円と、一般的な乾燥機の半分以下に抑えられるそうです。

 

「家族の洗濯物を一気に乾かしたい」というニーズには向いていませんが、すでに乾燥機を持っている家庭でも、おしゃれ着やリクルートシャツの乾燥は本製品が向いているかもしれません。

 

冬の気温が低い時期も、梅雨の湿度が高い時期も一年中活躍してくれそうなアイテムですので、ぜひ今のうちにゲットしてみてはいかがでしょうか。

 

執筆 kitsune

見た目ベイマックスか! 「アイロンいら~ず」は1か所を除いて想像以上に便利だった

アイロンがけは面倒です。アイロン台を出す準備も大変ですし、前身ごろ、袖、後ろ身ごろ、襟……と、動かしながら、シワにならないようにプレスしていくのは、本当に面倒くさい。この作業からなんとか解放されたいと思っている人は間違いなく多いでしょう。

 

しかし、まさかこんな方法でシワを伸ばそうとは……(笑)。今回ご紹介するのは、今年8月の発売以来、世間をざわつかせているサンコーの乾燥機、「シワを伸ばす乾燥機 アイロンいら~ず」です。

20171102-s2 (1)↑サンコーの乾燥機「シワを伸ばす乾燥機 アイロンいら~ず」。こんなものが家で稼働していたら、家族は何ごと? と思うはず

 

乾燥バッグを温風で膨らませてシャツのシワを伸ばす

商品名にもあるように、これは基本的には乾燥機。1枚の衣類のシワを伸ばしつつ、短時間で乾かしてくれるというものですが、そのアプローチがとても斬新! というか、むしろ原始的なのです。百聞は一見にしかず、というわけでさっそく使ってみましょう。

↑まずはセット内容をチェック。温風を出す乾燥機本体(左)。ウインドブレーカーのような形の乾燥バッグが大小2枚付属しています(右)↑まずはセット内容をチェック。温風を出す乾燥機本体(左)。ウインドブレーカーのような形の乾燥バッグが大小2枚付属しています(右)

 

この乾燥バッグを乾燥機に取り付け、乾燥バッグの中に自前のハンガーを入れて吊り下げれば準備は完了。タイマー設定のダイヤルを30分~180分以内でセットすると、上の黒い部分から、約70~80℃の温風を吹き出します。

↑乾燥バッグの裾部にある丸い穴に本体の温風吹き出し口を取り付け、ハンガーに吊り下げます↑乾燥バッグの裾部にある丸い穴に本体の温風吹き出し口を取り付け、ハンガーに吊り下げます

 

↑タイマーのダイヤルを「切」から「連続」または180分以内で設定すると、温風が吹き出てきます↑タイマーのダイヤルを「切」から「連続」または180分以内で設定すると、温風が吹き出てきます

 

すると、どうなるのでしょうか。動画で撮影した様子がこちらです。

温風が入り始めてわずが3秒で、乾燥バッグがパンパンになり、まるで人が両手を広げたような姿になったのです。その姿は、大ヒット映画に登場する「ベイマックス」を彷彿とさせます。

 

約15分でほぼ乾く! シワは伸びるが1つだけ惜しい点も…

では実際にシャツを乾燥させてみます。用意するのは、洗濯、脱水まで終えたシャツ。脱水によるシワが残っています。このまま乾かしても、シワが残ってしまうので、アイロン掛けは必須。これを、先ほどの乾燥バッグに着させるようにセットし、タイマーをセットして稼働させます。

↑乾燥バッグに着させて、襟元までしっかりボタンを留めます。袖の中にもきちんと通して装着完了! まずは30分ほど乾燥させてみましょう↑乾燥バッグに着させて、襟元までしっかりボタンを留めます。袖の中にもきちんと通して装着完了! まずは30分ほど乾燥させてみましょう

 

ダイヤルをセットして数秒後に、バッと一気に膨らみます。なんともマッチョ(笑)ダイヤルをセットして数秒後に、バッと一気に膨らみます。なんともマッチョ(笑)

 

見た目はシュールですが、中には70~80℃の温風が充満しているため、乾燥バッグも徐々に温かくなってきました。前側はもちろん、背中側にもしっかり空気がまわっているのが分かります。そして15分後に触ってみると、厚みのある襟やボタン回り、カフス部分はしっとりしているものの、そのほかの部分はほぼ乾いていました。

↑袖や身ごろなど、生地の薄い部分はすっかり乾いています↑袖や身ごろなど、生地の薄い部分はすっかり乾いています

 

さらに15分乾燥させたところ、先ほど乾いていない部分もほとんど乾きました。ただし完全に乾かしたい場合は、あと15分ほどの追加が必要です。肝心の仕上がりはというと……。

↑全体的にシワが入り、よれっとしたワイシャツ(左)が乾燥前。乾燥後(右)は、そのまま乾かした場合に比べ、だいぶシワが少ない印象です↑全体的にシワが入り、よれっとしているのが乾燥前(左)。乾燥後(右)は、そのまま乾かした場合に比べ、だいぶシワが少ない印象です

 

結果、満足度は80%! 30分程度で乾いて、アイロン掛けが不要な程度にシワを伸ばしてくれるのは、非常にありがたい! ただ1つだけ惜しいのは、普通に乾かした場合にはつかない、特有のシワがついてしまったことです。

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↑ボタン回りから横に向かって、引っ張ったあとのようなシワができた(上)ほか、背中周りにも微妙なシワが……(下)↑こちらが特有のシワ。ボタン回りから横に向かって、引っ張ったあとのようなシワができた(上)ほか、背中周りにも微妙なシワが……(下)

 

個人的に経験があるのですが、昔に比べて太ったにも関わらず、昔から着ていたシャツを無理して着ると、生地が引っ張り合って、変な場所にシワができてしまいます。この場合もシャツのサイズに比べ、乾燥バッグが膨らみすぎたため、シワになってしまったようです。

 

それを少しでも防ぐためには、乾燥バッグが膨らんだ時点でできたシワを伸ばしたり、大小2種類ある乾燥バッグから小さいものを選んだりするのがよいでしょう。またストレッチ性の高い素材のほうがシワが伸びやすく、特有のシワがつきにくい傾向にあるようです。

 

素材によってはより強く効果が実感できる

次に乾燥させたワイシャツは、脱水後のシワがひどかったぶん、より効果を感じることができました。それが以下の写真の例です。

↑乾燥前(左)は、シワになりやすい素材だったため、全体的にシワが目立っています。乾燥後は、シワは残っているものの細かいシワは少なく、自然なシワの範疇といえる完成度↑乾燥前(左)は、シワになりやすい素材だったため、全体的にシワが目立っています。乾燥後は、シワは残っているものの細かいシワは少なく、自然なシワの範疇といえる完成度

 

↑上写真と同じシャツの裏。乾燥前は、形も崩れるほどにシワがついています(左)。乾燥後(右)との違いは一目瞭然!↑上写真と同じシャツの裏。乾燥前は、形も崩れるほどにシワがついています(左)。乾燥後(右)との違いは一目瞭然!

 

↑いつも洗濯すると、手に負えないほどシワシワになるデニムシャツは、すっきりシワが伸びました。この満足度は100%!↑いつも洗濯すると、手に負えないほどシワシワになるデニムシャツは、すっきりシワが伸びました。この満足度は100%!

 

数日使ってみた結果、最初は「何なのコレ?」と訝しげに見ていた夫も、すっかり気に入った様子。毎朝、洗濯物を干すときに、ワイシャツだけ「アイロンいら~ず」にセットしておけば、出かける前には乾いているので、「アイロンを掛けるより断然ラク」と感じたようです。加えて、これからの季節は、ホカホカの温かいシャツを羽織れるという幸せも楽しめますね(笑)。

 

もうひとつ、個人的に思いついた使い方が、帰宅後のジャケットのお手入れ。ジャケットに全体的にシワがついてしまったら、消臭スプレーを吹きかけて湿らせてから乾燥させると、シワが軽減しました。ただし生地を傷めないため、そして特有のシワをつけないためにも、短時間に留めています。

 

ちなみに、アイロンいら~ずの消費電力は1000W。30分の使用で、計算上の電気代は13.5円(1kWh当たり27円で計算)になりますので、毎日1枚のシャツを乾燥させると1か月の電気代は405円です。シャツ30枚のアイロン掛けをしないで済むと思えば、安いものではないでしょうか。

↑ジャケットに使うやり方もオススメ。消臭スプレーで消臭&湿気をプラス。あとは短時間乾燥させて、シワを軽減させます。アイロンが面倒なら、毎日少しずつやるのがいいかも↑ジャケットに使うやり方もオススメ。消臭スプレーで消臭&湿気をプラス。あとは短時間乾燥させて、シワを軽減させます。アイロンが面倒なら、毎日少しずつやるのがいいかも

 

最初は見た目に引いてしまい、あまり性能は期待していなかった(失礼!)「アイロンいら~ず」ですが、使い慣れるほどに便利さを実感。家事をラクにしてくれるアイテムとして、活躍すること間違いなしです。

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サンコー

アイロンいら~ず

●7980円●本体サイズ/質量:W22×D14 ×H32㎝/1400g●乾燥バッグサイズ(小)※シャツS〜Mサイズ:衿回り46/肩幅50/胸回り112/胴回り110/腰回り109/着丈67/裄丈86(cm)、乾燥バッグサイズ(大)※シャツMサイズ以上(〜3L推奨):衿回り46/肩幅55/胸回り120/胴回り118/腰回り117/着丈84/裄丈95(cm) ※乾燥バッグサイズは膨らんだ状態●消費電力:1000W●タイマー:連続30〜180分●内容:本体、シャツ乾燥バッグ(大/小)、吊り下げ用ベルト、接続・送風口カバー、日本語取扱い説明書