オシャレな人は飾ってる! “枝もの”を長持ちさせるコツと季節別のおすすめ品種をフローリスト・前田有紀さんが伝授

緑が芽吹き、景色が色鮮やかに変わっていく季節がやってきました。植物の楽しみ方の定番といえば切り花ですが、今年は、近年じわじわと人気を集めている「枝もの」を飾ってみるのはいかがでしょうか。

 

農林水産省のデータによると、2011年から2021年の10年間で生花全体の産出額が4%落ちているなか、枝ものは87%も増加。最近では、定期的にお花が自宅に届くサブスクサービスにも、枝ものに特化したものが登場するなど、人気が高まっています。

 

そこで、ご自身も自宅によく枝ものを飾るというフローリストの前田有紀さんに、枝ものの魅力や、長持ちさせるためのコツ、季節ごとのおすすめの品種などを教えていただきました。

 

いま話題の「枝もの」とほかの植物、何が違う?

切り花、鉢植え、観葉植物など、自宅で楽しむ植物にはさまざまな種類があります。そのなかで近年話題の「枝もの」にはどのような特徴があるのでしょうか。

 

枝ものとは、お花が咲いたり、葉がついたりした木の枝全般の総称です。切り花と大きく異なるのは、その季節にしか手に入らないところ。切り花の場合、日本ではビニールハウス栽培が盛んなので、冬に夏のお花を手に入れることが可能です。
それに対し枝ものは、実際にその枝が見ごろを迎える季節にしか市場に出回りません。つまり、真夏に桜を飾りたいと思っても手に入れることはできないということです。
いつでも好きなお花を楽しめる切り花ももちろん素敵ですが、楽しめる季節が限られている枝ものには、四季を存分に味わえるという、ほかにはない魅力があります」(フローリスト・前田有紀さん、以下同)

 

「四季」を感じられ
「長持ちする」のが人気の理由

さまざまな植物があるなかで、どうしていま「枝もの」に人気が集まっているのでしょう。

 

「一番の理由は、先ほどお伝えした通り、季節を感じられることかと思います。そして、切り花よりも長持ちする点も魅力です。
生花の多くは、買ってきて1週間ほどで枯れてしまいますが、枝ものは長ければ1ヶ月ほど、ものによってはもっと長く楽しめるものもあります。たとえば、ドウダンツツジや馬酔木(アセビ)などは、1ヶ月ほど、その緑を楽しめます。
お花がつぼみの状態で買ってくると、飾っているあいだに少しずつ開花していきます。ひとつのお花が咲き終わっても、また次のつぼみが開いたり、花材によっては葉が生えてきたりすることも。生花よりも格段に長く、かつ、飾りながら変化を楽しめるのも、人気の理由かもしれません」

 

枝物ならではの花瓶の選び方

いざ枝ものをお家に飾るとなれば、まず必要なのが花器です。花器には、大きさも素材も形もさまざまなタイプがあります。

 

「枝ものは切り花よりも重さがあるので、土台が軽いと倒れてしまう可能性があります。そうならないために、土台がしっかりしていて安定感のある花瓶を選ぶことが大事
そう言われると、大きな花瓶を用意しなくちゃと思われるかもしれませんが、丈を短くすれば、生花用の小さな花瓶に入れることもできます
雪柳(ユキヤナギ)や小手毬(コデマリ)など、春の枝ものは比較的軽いものが多いので、枝によっては小さめの軽い花瓶で対応でき、初心者でも飾りやすいでしょう

枝ものの花瓶というと、以前は透明でシンプルなものが主でしたが、最近はそれも変わってきているそう。

 

「最近はカラーリングを楽しむ方が増えているので、さまざまなデザインの花瓶が登場しています。私自身も、花瓶に彩りがあればあるほど、コーディネートをするときのワクワク感が高まると感じています。
たとえば、ピンクの花瓶には、桃や梅、桜といったピンク系の花が咲く枝を入れるととてもかわいく仕上がりますし、反対に、グレーなどのシックな色合いの花瓶には、緑が鮮やかな夏の枝ものを入れるととても爽やか。季節ごとに花瓶を変えるのも、枝ものを飾る楽しみのひとつです」

 

このひと手間で失敗しらず!
日持ちさせるためのテクニック

切り花よりも長く楽しめる。とはいえ植物なのでもちろん終わりはあります。できるだけ長く飾るためにはどうしたらよいのでしょうか?

 

水をこまめに変えるのは基本中の基本。できれば毎日変えてあげましょう。また、飾るときにひと手間かけると日持ちしやすくなるので、今回は桜の枝を使ってその方法をご紹介します。まずはお手入れの道具を揃えましょう」

 

【用意する道具】

・ハサミ
「鉄製のハサミは、使い込むと味が出て素敵ではありますが、定期的に研ぐなどメンテナンスが必要なので、初心者の方はメンテナンスの手間が少ない樹脂製のものがおすすめです。写真のハサミも樹脂製です。私は、刃が汚れてきたら、『激落ちくん』などのメラミンスポンジで汚れを落としています。この方法なら、家の掃除をするときについでに洗えるのでラクですよ」

 

・フローリストナイフ
「枝ものには、フローリストナイフが必須。お花屋さんではあまり取り扱っていないので、アウトドアグッズのお店やインターネットなどで探すのがおすすめです」

 

【お手入れの手順】

1.花瓶に入れたときに水に浸かる部分の木の皮を、フローリストナイフで削ぐようにして取る

「枝ものには、木の皮がついたままの状態で売られているものが多くあります。皮を取って、水を吸いやすくしてあげましょう」

 

2.根元の部分に、ハサミで縦に切り込みを入れる。枝が太い場合はもう一度ハサミを入れ、切り込みが断面に対し十字になるようにする。

「切り込みを入れることで、給水面が増えるので、枝が水を吸い上げやすくなります。枝ものが水をあまり吸わなくて困っている方も、ぜひやってみてください」

 

3.水に浸かる位置にある小枝を切り落とす

「小枝をそのままにしておくと、水に浸かっているうちに腐ってしまうので、最初に取ってしまいます。切り落とした枝は、小さな花瓶やジャムの空き瓶などに挿すと、食卓や洗面所などを飾りたいときに重宝しますよ」

↑お花屋さんでは、切り落とした枝は破棄されることが多いそう。余すところなく隅々まで堪能できるのは、お家ならではです。

 

4. 水を入れた花瓶に入れて完成

「環境が整っていれば、切り花よりも多く水を吸うので、水の減りが早く、気付くと花瓶が乾いていたなんていうことも。とくに暖房の効いた部屋の場合は、お水をたっぷりあげてくださいね」

生きているからこそ終わりがある。
枯れてしまったらどう片付ける?

長く楽しめるとはいえ、ほとんどの枝ものは、切り花同様にやがては枯れてしまいます。楽しみ終わったらどのように片付けるとよいのでしょうか。

 

「枝ものは大きいので、地域によっては棄てるのが大変な場合がありますし、棄てるよりもほかの植物の栄養になったほうがいいと思うので、我が家では庭にまいて土に返しています。お庭がなければ、鉢植えの土の上にまいてもいいでしょう。飾るときに削ぎ落とした皮も同じように、土に返しています」

また、枝物のなかには、終わりがなくずっと飾り続けられるものもあるのだとか。

 

「雲竜柳(ウンリュウヤナギ)や赤目柳(アカメヤナギ)などの柳類、ドラセナなどの葉物系は、水に浸かった部分から根が生えてくることがあります。もしそうなったらすごくラッキー。運が良ければ土に植え替えるとうまく育つこともあります。もちろん、そのまま水の中で育てても構いません」

↑購入してから半年近く経っているという「ドラセナコンシンネレインボー」。花瓶の中で根が伸びてきたので、前田さんはそのまま育てているそうです。

 

春夏秋冬を楽しむ!
フローリスト・前田さんの季節別おすすめ品種

四季に恵まれた日本では、季節とともに、見ごろを迎える植物の移り変わりも楽しめます。

 

買ってきた枝のつぼみを、『いつ開くかな』と待つのも楽しい時間。とくに春へ向かういまの季節は、少しの温度変化にも反応し、お花が咲くので目が離せません。
今回の記事では、なるべくたくさんのお花が咲いている写真を撮っていただきたいと思ったので、前日の夜に寒いリビングから暖かい寝室へ移動させ、『咲きますように』と願いながら一緒に眠りました。
春は枝ものの種類が豊富になるので、はじめて枝ものをお迎えするのにもピッタリな季節です」

 

ここからは、季節ごとにおすすめの品種をご紹介します。

早春〜春(2〜5月)……小手毬、雪柳、木蓮(モクレン)、桜、桃、ハナミズキ など

↑左上から時計回りで桃、雪柳、木蓮、小手毬。(桃の写真:前田さん提供)

 

「早春から春に出回る枝ものには、美しい花を咲かせるものが多くあります。外の景色が色づくよりもひと足先にお家に迎え入れれば、ワクワクしながら春の訪れを待つことができます」

夏(6〜8月)……ドウダンツヅジ、馬酔木(アセビ)、スモークツリー など

↑左からドウダンツツジ、スモークツリー、アセビ。(スモークツリー以外の写真:前田さん提供)

 

夏場は花瓶の水が濁りやすくなるので、長持ちする枝ものを選ぶのがおすすめ。綿のようにモクモクとした風合いで人気のスモークツリーは、名前こそツリーですが、実は夏の枝ものなんです」

秋(9〜12月)……野ばらの実、鈴ばらの実、ツルウメモドキなど

↑左から野ばらの実、鈴ばらの実、ツルウメモドキ。(野ばらの実以外の写真:前田さん提供)

 

「秋は、赤く色づく実ものがかわいく、色も映えてきれいです。野ばらの実は、秋が深まるにつれ、緑から赤に変化するので、そのグラデーションとともに季節の変化を感じることができます」

冬(12〜2月)……針葉樹、スギ、ヒノキ、もみの木 など

↑左からスギ、ヒノキ。

 

「冬は、クリスマスツリーに使われるようなものや、温もりを感じさせるものがおすすめです。ホリデーシーズン感が出て、寒い冬を温かい気持ちにしてくれます」

季節を問わず気軽に挑戦するなら

↑左からユーカリ、パンパス。

 

水を変えたり、メンテナンスを続ける自信がない方は、まずはドライにした状態のものから取り入れてみるのはいかがでしょう。ドライのものであれば季節を問わず手に入れられます。なかでもおすすめはインテリアとしてもよく使われるユーカリとパンパスです
ドライから始めて、ゆくゆく生花に挑戦するというのもいいでしょう。ちなみにユーカリは丈夫で育てやすく、生花でも1年中流通しています。パンパスの生花は晩夏から秋頃に出回りますよ」

お家時間を豊かにしてくれる枝もののある暮らし

都会や街中で暮らしていると、自然が遠い存在になりがちですが、枝ものを飾れば、家にいながらにしてその季節ならではの自然と触れ合うことができます。

 

「冒頭でもお伝えしてきたように、枝ものは土で育てるよりも扱いやすく、切り花より長持ち。さらに季節も感じられる。まさにいいことづくめなので、植物のなかでも暮らしに取り入れやすいジャンルだと思います。まだ切り花ほどには知られていないので、ハードルが高く感じるかもしれませんが、一度、お家に迎え入れてみればきっとその虜になると思います。ぜひ、初心者の方にも気軽に取り入れていただきたいです」

自宅にいながらにして、日本の豊かな四季を楽しめる「枝もの」。この春は、ぜひお家に迎えてみてはいかがでしょうか。

 

Profile

フローリスト・株式会社スードリー代表 / 前田有紀

10年間のテレビ局勤務後を経て、2013年イギリスへ留学。見習いガーデナーとして働いた後、都内のフラワーショップで3年の修業を積む。「人の暮らしの中で、花と緑をもっと身近にしたい」という思いから、様々な空間での花のあり方を提案。11年目。2018年、自身のフラワーブランド「gui」を立ち上げ、2021年には実店舗「NUR」をオープン。2025年4月10日に、新店舗「gui flower design」を鎌倉にオープン予定。
HP
Instagram

gui flower design
住所:神奈川県鎌倉市御成町9-42
Tel:0467-33-5838
営業時間:9:00-17:00(プレオープン期間の4月中のみ)
定休日:水・木

オシャレな人は飾ってる! “枝もの”を長持ちさせるコツと季節別のおすすめ品種をフローリスト・前田有紀さんが伝授

緑が芽吹き、景色が色鮮やかに変わっていく季節がやってきました。植物の楽しみ方の定番といえば切り花ですが、今年は、近年じわじわと人気を集めている「枝もの」を飾ってみるのはいかがでしょうか。

 

農林水産省のデータによると、2011年から2021年の10年間で生花全体の産出額が4%落ちているなか、枝ものは87%も増加。最近では、定期的にお花が自宅に届くサブスクサービスにも、枝ものに特化したものが登場するなど、人気が高まっています。

 

そこで、ご自身も自宅によく枝ものを飾るというフローリストの前田有紀さんに、枝ものの魅力や、長持ちさせるためのコツ、季節ごとのおすすめの品種などを教えていただきました。

 

いま話題の「枝もの」とほかの植物、何が違う?

切り花、鉢植え、観葉植物など、自宅で楽しむ植物にはさまざまな種類があります。そのなかで近年話題の「枝もの」にはどのような特徴があるのでしょうか。

 

枝ものとは、お花が咲いたり、葉がついたりした木の枝全般の総称です。切り花と大きく異なるのは、その季節にしか手に入らないところ。切り花の場合、日本ではビニールハウス栽培が盛んなので、冬に夏のお花を手に入れることが可能です。
それに対し枝ものは、実際にその枝が見ごろを迎える季節にしか市場に出回りません。つまり、真夏に桜を飾りたいと思っても手に入れることはできないということです。
いつでも好きなお花を楽しめる切り花ももちろん素敵ですが、楽しめる季節が限られている枝ものには、四季を存分に味わえるという、ほかにはない魅力があります」(フローリスト・前田有紀さん、以下同)

 

「四季」を感じられ
「長持ちする」のが人気の理由

さまざまな植物があるなかで、どうしていま「枝もの」に人気が集まっているのでしょう。

 

「一番の理由は、先ほどお伝えした通り、季節を感じられることかと思います。そして、切り花よりも長持ちする点も魅力です。
生花の多くは、買ってきて1週間ほどで枯れてしまいますが、枝ものは長ければ1ヶ月ほど、ものによってはもっと長く楽しめるものもあります。たとえば、ドウダンツツジや馬酔木(アセビ)などは、1ヶ月ほど、その緑を楽しめます。
お花がつぼみの状態で買ってくると、飾っているあいだに少しずつ開花していきます。ひとつのお花が咲き終わっても、また次のつぼみが開いたり、花材によっては葉が生えてきたりすることも。生花よりも格段に長く、かつ、飾りながら変化を楽しめるのも、人気の理由かもしれません」

 

枝物ならではの花瓶の選び方

いざ枝ものをお家に飾るとなれば、まず必要なのが花器です。花器には、大きさも素材も形もさまざまなタイプがあります。

 

「枝ものは切り花よりも重さがあるので、土台が軽いと倒れてしまう可能性があります。そうならないために、土台がしっかりしていて安定感のある花瓶を選ぶことが大事
そう言われると、大きな花瓶を用意しなくちゃと思われるかもしれませんが、丈を短くすれば、生花用の小さな花瓶に入れることもできます
雪柳(ユキヤナギ)や小手毬(コデマリ)など、春の枝ものは比較的軽いものが多いので、枝によっては小さめの軽い花瓶で対応でき、初心者でも飾りやすいでしょう

枝ものの花瓶というと、以前は透明でシンプルなものが主でしたが、最近はそれも変わってきているそう。

 

「最近はカラーリングを楽しむ方が増えているので、さまざまなデザインの花瓶が登場しています。私自身も、花瓶に彩りがあればあるほど、コーディネートをするときのワクワク感が高まると感じています。
たとえば、ピンクの花瓶には、桃や梅、桜といったピンク系の花が咲く枝を入れるととてもかわいく仕上がりますし、反対に、グレーなどのシックな色合いの花瓶には、緑が鮮やかな夏の枝ものを入れるととても爽やか。季節ごとに花瓶を変えるのも、枝ものを飾る楽しみのひとつです」

 

このひと手間で失敗しらず!
日持ちさせるためのテクニック

切り花よりも長く楽しめる。とはいえ植物なのでもちろん終わりはあります。できるだけ長く飾るためにはどうしたらよいのでしょうか?

 

水をこまめに変えるのは基本中の基本。できれば毎日変えてあげましょう。また、飾るときにひと手間かけると日持ちしやすくなるので、今回は桜の枝を使ってその方法をご紹介します。まずはお手入れの道具を揃えましょう」

 

【用意する道具】

・ハサミ
「鉄製のハサミは、使い込むと味が出て素敵ではありますが、定期的に研ぐなどメンテナンスが必要なので、初心者の方はメンテナンスの手間が少ない樹脂製のものがおすすめです。写真のハサミも樹脂製です。私は、刃が汚れてきたら、『激落ちくん』などのメラミンスポンジで汚れを落としています。この方法なら、家の掃除をするときについでに洗えるのでラクですよ」

 

・フローリストナイフ
「枝ものには、フローリストナイフが必須。お花屋さんではあまり取り扱っていないので、アウトドアグッズのお店やインターネットなどで探すのがおすすめです」

 

【お手入れの手順】

1.花瓶に入れたときに水に浸かる部分の木の皮を、フローリストナイフで削ぐようにして取る

「枝ものには、木の皮がついたままの状態で売られているものが多くあります。皮を取って、水を吸いやすくしてあげましょう」

 

2.根元の部分に、ハサミで縦に切り込みを入れる。枝が太い場合はもう一度ハサミを入れ、切り込みが断面に対し十字になるようにする。

「切り込みを入れることで、給水面が増えるので、枝が水を吸い上げやすくなります。枝ものが水をあまり吸わなくて困っている方も、ぜひやってみてください」

 

3.水に浸かる位置にある小枝を切り落とす

「小枝をそのままにしておくと、水に浸かっているうちに腐ってしまうので、最初に取ってしまいます。切り落とした枝は、小さな花瓶やジャムの空き瓶などに挿すと、食卓や洗面所などを飾りたいときに重宝しますよ」

↑お花屋さんでは、切り落とした枝は破棄されることが多いそう。余すところなく隅々まで堪能できるのは、お家ならではです。

 

4. 水を入れた花瓶に入れて完成

「環境が整っていれば、切り花よりも多く水を吸うので、水の減りが早く、気付くと花瓶が乾いていたなんていうことも。とくに暖房の効いた部屋の場合は、お水をたっぷりあげてくださいね」

生きているからこそ終わりがある。
枯れてしまったらどう片付ける?

長く楽しめるとはいえ、ほとんどの枝ものは、切り花同様にやがては枯れてしまいます。楽しみ終わったらどのように片付けるとよいのでしょうか。

 

「枝ものは大きいので、地域によっては棄てるのが大変な場合がありますし、棄てるよりもほかの植物の栄養になったほうがいいと思うので、我が家では庭にまいて土に返しています。お庭がなければ、鉢植えの土の上にまいてもいいでしょう。飾るときに削ぎ落とした皮も同じように、土に返しています」

また、枝物のなかには、終わりがなくずっと飾り続けられるものもあるのだとか。

 

「雲竜柳(ウンリュウヤナギ)や赤目柳(アカメヤナギ)などの柳類、ドラセナなどの葉物系は、水に浸かった部分から根が生えてくることがあります。もしそうなったらすごくラッキー。運が良ければ土に植え替えるとうまく育つこともあります。もちろん、そのまま水の中で育てても構いません」

↑購入してから半年近く経っているという「ドラセナコンシンネレインボー」。花瓶の中で根が伸びてきたので、前田さんはそのまま育てているそうです。

 

春夏秋冬を楽しむ!
フローリスト・前田さんの季節別おすすめ品種

四季に恵まれた日本では、季節とともに、見ごろを迎える植物の移り変わりも楽しめます。

 

買ってきた枝のつぼみを、『いつ開くかな』と待つのも楽しい時間。とくに春へ向かういまの季節は、少しの温度変化にも反応し、お花が咲くので目が離せません。
今回の記事では、なるべくたくさんのお花が咲いている写真を撮っていただきたいと思ったので、前日の夜に寒いリビングから暖かい寝室へ移動させ、『咲きますように』と願いながら一緒に眠りました。
春は枝ものの種類が豊富になるので、はじめて枝ものをお迎えするのにもピッタリな季節です」

 

ここからは、季節ごとにおすすめの品種をご紹介します。

早春〜春(2〜5月)……小手毬、雪柳、木蓮(モクレン)、桜、桃、ハナミズキ など

↑左上から時計回りで桃、雪柳、木蓮、小手毬。(桃の写真:前田さん提供)

 

「早春から春に出回る枝ものには、美しい花を咲かせるものが多くあります。外の景色が色づくよりもひと足先にお家に迎え入れれば、ワクワクしながら春の訪れを待つことができます」

夏(6〜8月)……ドウダンツヅジ、馬酔木(アセビ)、スモークツリー など

↑左からドウダンツツジ、スモークツリー、アセビ。(スモークツリー以外の写真:前田さん提供)

 

夏場は花瓶の水が濁りやすくなるので、長持ちする枝ものを選ぶのがおすすめ。綿のようにモクモクとした風合いで人気のスモークツリーは、名前こそツリーですが、実は夏の枝ものなんです」

秋(9〜12月)……野ばらの実、鈴ばらの実、ツルウメモドキなど

↑左から野ばらの実、鈴ばらの実、ツルウメモドキ。(野ばらの実以外の写真:前田さん提供)

 

「秋は、赤く色づく実ものがかわいく、色も映えてきれいです。野ばらの実は、秋が深まるにつれ、緑から赤に変化するので、そのグラデーションとともに季節の変化を感じることができます」

冬(12〜2月)……針葉樹、スギ、ヒノキ、もみの木 など

↑左からスギ、ヒノキ。

 

「冬は、クリスマスツリーに使われるようなものや、温もりを感じさせるものがおすすめです。ホリデーシーズン感が出て、寒い冬を温かい気持ちにしてくれます」

季節を問わず気軽に挑戦するなら

↑左からユーカリ、パンパス。

 

水を変えたり、メンテナンスを続ける自信がない方は、まずはドライにした状態のものから取り入れてみるのはいかがでしょう。ドライのものであれば季節を問わず手に入れられます。なかでもおすすめはインテリアとしてもよく使われるユーカリとパンパスです
ドライから始めて、ゆくゆく生花に挑戦するというのもいいでしょう。ちなみにユーカリは丈夫で育てやすく、生花でも1年中流通しています。パンパスの生花は晩夏から秋頃に出回りますよ」

お家時間を豊かにしてくれる枝もののある暮らし

都会や街中で暮らしていると、自然が遠い存在になりがちですが、枝ものを飾れば、家にいながらにしてその季節ならではの自然と触れ合うことができます。

 

「冒頭でもお伝えしてきたように、枝ものは土で育てるよりも扱いやすく、切り花より長持ち。さらに季節も感じられる。まさにいいことづくめなので、植物のなかでも暮らしに取り入れやすいジャンルだと思います。まだ切り花ほどには知られていないので、ハードルが高く感じるかもしれませんが、一度、お家に迎え入れてみればきっとその虜になると思います。ぜひ、初心者の方にも気軽に取り入れていただきたいです」

自宅にいながらにして、日本の豊かな四季を楽しめる「枝もの」。この春は、ぜひお家に迎えてみてはいかがでしょうか。

 

Profile

フローリスト・株式会社スードリー代表 / 前田有紀

10年間のテレビ局勤務後を経て、2013年イギリスへ留学。見習いガーデナーとして働いた後、都内のフラワーショップで3年の修業を積む。「人の暮らしの中で、花と緑をもっと身近にしたい」という思いから、様々な空間での花のあり方を提案。11年目。2018年、自身のフラワーブランド「gui」を立ち上げ、2021年には実店舗「NUR」をオープン。2025年4月10日に、新店舗「gui flower design」を鎌倉にオープン予定。
HP
Instagram

gui flower design
住所:神奈川県鎌倉市御成町9-42
Tel:0467-33-5838
営業時間:9:00-17:00(プレオープン期間の4月中のみ)
定休日:水・木

おろし金が花瓶に?ミニブーケを最後まで楽しみきる!フラワーロスを出さない選び方と飾り方

春になると街やお店のいたるところに花があふれ、自宅でも玄関やリビングに花を飾りたくなります。ただし、自分で花を選んでコーディネートするとなると、センスに自信がない……そんなニーズから、あらかじめミニブーケに仕立てて店頭で販売されるのが、いまでは当たり前になりました。1000円前後の手ごろな価格で販売されているミニブーケは、季節の花が取り入れられ、彩りもバランスよくまとまっているので、花やカラーコーディネートに詳しくなくても手軽に取り入れられるアイテム。

 

では、このミニブーケをどう選び、家でどう飾ればいい? さらに長持ちさせるには? 「ロスフラワー」を提唱する株式会社RIN代表取締役の河島春佳さんに教えていただきました。

 

花一輪で部屋は変わる! 花と花器の選び方と飾り方をフローリストが解説

 

 

花も“サステナブル”がトレンドの時代

 

サステナブルを重視する考え方が広がり、花を扱うお店やオンラインストアでも「いまある花を、ある分だけ」売り切るスタイルがトレンド。買う側が一本ずつ選ぶのではなく、生花店が仕入れ状況によって売りたい花をアレンジし、ミニブーケにして販売するなど、サステナブルにつながる販売方法も注目されています。

 

「ほかにも、最近は売れ残った花をドライフラワーにして販売するお花屋さんを見かけるようになりました。また従来、花は生産者から農協、仲卸を通してお花屋さんで販売するのが一般的でしたが、コロナ禍で一時的に花の流通が少なくなる問題が起こったことを発端に、生産者自らがインターネットを通して販売する形態も最近目立っています」(株式会社RIN代表取締役 河島春佳さん、以下同)

 

生産者がインターネットで販売することで産地直送のフレッシュな花が届くので、消費者としてもうれしい変化です。一方、消費者側の変化については、サステナブルに意識を向ける人が増えたそう。これにより、「ロスフラワー」についての認知度も上がっているようです。

 

「ロスフラワーとは、さまざまな事情で捨てられてしまう花のことです。以前は花好きの人たちにしか知られていない言葉でしたが、コロナ禍を経た2023年に日本人1000人にアンケート調査を行ったところ、認知度は50%に上ったという調査結果もあります」

 

ロスフラワーについて語る河島さん。

 

河島さんたちは、ロスフラワーを回収し、「フラワーサイクルマルシェ」という名前で、オフラインとECサイトを通してロスフラワーを販売する取り組みをされています。

 

「茎が曲がってしまうなど生産段階で流通できない花や、仲卸で売れ残ってしまった花、イベントで1度しか使われずに捨てられてしまう花などを回収し、ロスフラワーとして販売しています。
実は身近なところでロスフラワーは手に入るんです。例えば、スーパーに売られている見切り品になってしまった花など、売れ残りの花を見かけることがあると思います。また、閉店間際のお花屋さんにもロスフラワーに近い、入荷から時間が経った廃棄間際の花があります。お花屋さんで見切り品を販売していたり、店舗の片隅でひっそりと置かれた花を見つけたりした時は、その背景を聞き、花の状態を理解した上で購入することも一つの方法ですね。お店のブランディングなどで見切り品を売りづらいお花屋さんも多いと思うので、すごく喜んでくれるはずです」

 

廃棄花“ロスフラワー”は無くせる!フラワーサイクリストが教えるドライフラワーの作り方

 

長く楽しむための、
花選びのポイントとは?

 

長く花を楽しむために、選ぶ時点からポイントはあるのでしょうか? 2段階で教えていただきました。

 

1.素直に“飾りたい”花を選ぶ

「まずは率直に、ご自身が好きな花やピンときた花、かわいいなと思った花を選んでみてください。花は本当に“癒し”だと思うので、自分が癒されるものやときめくものを選ぶことが大切です」

 

2.長持ちする種類を選ぶ

「さらに『長く楽しむ』という観点で加えるのであれば、花の種類に着目してみてください。春の花なら、カーネーションは比較的長持ちします。ドライフラワーにする場合も、カーネーションであれば花が開ききるまで楽しんで、それから吊るして乾燥させることで、美しいドライフラワーに仕上がりますよ」

 

カーネーションのほかに、長く楽しめる春の花は?

 

カスミソウは長持ちしてくれます。あとは、バラシャクヤクも花が開ききるまで生花として飾り、そのあとドライフラワーにすることで長く楽しめますね」

 

河島さんがパリのマルシェを訪れた時の一枚。

 

種類によって差はあるものの、大体の花は日持ちが1週間程度だそう。この1週間のサイクルを活用して、ヨーロッパでは毎週末に花を買う習慣が根付いているそうです。

 

「ヨーロッパでは、毎週末マルシェに行き、チーズとパン、肉、野菜を買うついでに花を買う文化があります。買い物リストの中に花がある、という感じですね。自宅に持ち帰ると、部屋ごとに花を飾ります。『リビングには季節感のある花を飾って、寝室には落ち着いた色の花、子ども部屋には明るい色の花を飾ろう』という具合です。ヨーロッパだけでなく、アメリカでも花を飾る家は多いですね。違いは、マルシェではなくスーパーで花を買う点でしょうか。アメリカは車社会の国なので、車で大型スーパーに行って食材といっしょに花も買う、というイメージです。アメリカを訪れた際、スーパーの入り口に比較的広いスペースで花が売られているのを見て、アメリカでも花を飾ることが日常なのだなと実感しました」

 

花を長持ちさせるためには心がけたい
日々のお手入れ

 

買った花を長く大切にするために、こまめにお世話することもロスフラワーへの取り組みの一つです。河島さんに、花を長持ちさせるポイントをうかがいました。

 

・毎日水替えをする

「毎日水を変えてあげるだけで、日持ちがとてもよくなります。これだけで全然違いますよ。あとは、水換えをする時に茎も一緒に洗ってあげてください。花を水につけていると、茎にぬめりが出てきてしまうことがありますが、これはバクテリアが付着しているからなんです。長ねぎを洗う要領で、ぬめりがなくなるまでしっかりと洗うことがポイントです。洗った後に、茎の先を1~2cm切る『切り戻し』を行うことで、再び水を吸い上げてくれます

 

・水替えの際に花瓶も洗う

花を挿す花瓶も清潔に保つことが大切だそう。

 

「花瓶にもバクテリアが付いてしまうので、水換えの時に花瓶も洗うとさらによいですね。ポイントとしては、食器用洗剤で泡立てながらゴシゴシと洗うこと。洗剤が殺菌してくれるのできれいな状態が保てるんです。一輪挿しなど口が細いものは、水筒を洗うようなブラシを使うとよいと思います」

 

・部屋の涼しい場所に置く

「花は野菜と一緒で、涼しい方が喜びます。ですが、冷蔵庫に入れるわけにはいかないので、部屋のなるべく涼しい場所に置いてあげてください。暖房の下に置いたり、暖房の風を当てたりしないように気を付けましょう。あとは、直射日光が当たらない、明るい場所に置いてみてください。光の加減で花びらが透き通って見え、花の美しさがよりわかって楽しめますよ」

 

・枯れ始めてきたらお手入れする

「たとえばバラのような花びらが層になっている花であれば、茶色くなってしまった外側の花びらを1枚取り除いてあげることで、きれいな見た目に戻ります。これを私たちは『お掃除する』と呼んでいるんです。葉っぱも茶色い部分だけハサミで切ってきれいにしてあげるといいですね。花1本1本を大切にしてあげることで、思っていた以上に美しい状態が長く続きますよ」

 

ドライフラワー作りのコツと意外なNGとは? ハンギング法で「ナチュラルドライフラワー」を作る方法

 

小さなブーケを
もっと楽しむための飾り方

ミニブーケはそのまま花瓶に飾るだけでも美しいですが、いつもと違った飾り方で楽しみたい時のアレンジ方法をうかがいました。

 

・空き瓶を活用してみる

「花の色や形に合わせて花瓶を変えるのも、花の楽しみ方の一つです。アンティークショップで販売している空き瓶は、ミニブーケの花の背丈にぴったりのものが多くておすすめです」

 

ブーケから一輪取り、アンティークの空き瓶に入れるおしゃれなアレンジ。

 

「ほかにも、自宅にあるものを使って素敵に飾ることができます。たとえば、ラベルがかわいいワインボトルやビール瓶の空き瓶を取っておき、一輪挿しにするとおしゃれに見えます。ワインボトルの場合、ミニブーケの花だと背丈が足りないかもしれませんが、背の高い花を一輪購入した際に活用すると格好よく飾れます。シックなインテリアのお部屋にも合いますよ」

 

RINで取り扱っているロスフラワーのチューリップをワインボトルに。

 

・自宅にある“意外なもの”で生けてみる

「ちょっと変わったものですと、プラスチックのおろし器も活用できます。おろし器の穴の中に一輪ずつ挿して生けてみると、面白いアレンジに仕上がります」

 

水を入れたおろし器の穴の中に一輪ずつ挿していくと……。

 

おろし器を使っているとは思えない、素敵なアレンジに!

 

「ほかにもお子さんがいらっしゃるご家庭であれば、サイズアップしてしまった小さな長靴を花瓶にしてもかわいいと思います。長靴には生花だけでなく、ドライフラワーを飾っても素敵なインテリアになります」

 

・小さくなった花をお皿に入れてみる

「切り戻しをしていくことで、花もだんだん小さくなっていくと思います。そんな時に使えるのが小さめの器です。花瓶に挿せないほど小さくなってしまっても、捨てずに小皿に浮かべたりして、最後まで楽しんでみてください」

 

小さめの器に入れ替えた花。テーブルにちょこんと置いておくだけで癒されます。

 

ボタニカルデザイナーに教わる、初心者がセンスある「ハーバリウム」を手作りする方法

 

フラワーサイクルアートで、
花を最後まで楽しみきる

 

花を最後まで楽しみ切る方法として河島さんが提唱されている「フラワーサイクルアート」についても教えていただきました。

 

「『フラワーサイクルアート』のコンセプトは、生花として楽しんだあと、ドライフラワーや押し花を作り、最後はアートにして楽しむこと。最後の最後まで花を楽しみ切るための方法です。ドライフラワーも、生花をそのまま乾燥させてドライにしてもよいですが、しばらくすると退色してしまいます。そこで、退色防止効果のある染色剤を使うのがおすすめです。
水の代わりに染色剤を花瓶に入れ、そのまま花を生けると、茎から染色剤を吸い上げて花びらが少しずつ着色されていきます。花を着色することでドライにした時の色抜けが遅くなるため、より長く楽しむことができるのです。染色剤には赤や青、黄色などさまざまな色があるので、自分好みの色のドライフラワーに仕上がります」

 

染色剤を切り花に吸わせることで、徐々に色が付いていきます。

 

小さなブーケを自宅に迎えたら大切にお手入れし、自分らしいアレンジを加えながら、花との暮らしを楽しんでみてください。

 

 

Profile


フラワーサイクリスト / 河島春佳

株式会社RIN代表取締役。生花店で短期アルバイトをしていた時、廃棄になる花の多さにショックを受けたことから、フラワーサイクリストとしての活動を始める。2019年に創業した株式会社RINでは、ロスフラワーを回収し、ECサイト及び出張販売を行う「フラワーサイクルマルシェ」で花を販売するほか、空間装飾、スクール事業などを展開。農林水産省との取り組み「花いっぱいプロジェクト」にも掲載され、生産者と消費者の架け橋にもなる。ロスフラワーを活用するとともに、ロスフラワーへの認知を広める活動を行っている。

 

※「フラワーサイクリスト」「ロスフラワー」は株式会社RINの登録商標です。

 

 

河島さんの著書『おうちでフラワーサイクルアート』(光文社)には、生花からドライフラワー、押し花まで、花を長く楽しむためのノウハウがぎっしり。ドライフラワーを作ってみたい人は、新著の『染色ドライフラワー図鑑』(X-Knowledge)を参考に。

ドライフラワー作りのコツと意外なNGとは? ハンギング法で「ナチュラルドライフラワー」を作る方法

インテリアにシックな彩りをもたらす「ドライフラワー」。フラワーショップや雑貨店などでも比較的簡単に手に入れられる一方で、飾っていた切り花を自分の手でドライフラワーに仕上げてみたいと思う人も多いのでは? でも実は、 “飾った後の生花から、きれいなドライフラワーを作ることはできない” のだとか。

 

では、ドライフラワーを失敗せずに美しく作るには、どのような点に注意すべきなのでしょうか? 今回は、さまざまあるドライフラワーの作り方から「ハンギング法」をピックアップ。完成までの手順やコツ、ドライフラワーにおすすめの花など、ナチュラルドライフラワー作家の吉本博美さんに教えていただきました。

 

「ナチュラルドライフラワー」とは?

 

ドライフラワーには、見栄えが良くなるよう人工的に着色や退色されたものと、自然のままに乾燥させたものがあります。後者の「ナチュラルドライフラワー」は、自然でありながら鮮やかな色彩といきいきとした表情が魅力です。

 

「市販のドライフラワーの多くに、着色や漂白などが施されています。一見鮮やかですが、自然界には存在しない色になってしまったり、茎も不自然にまっすぐに伸びてしまったりして、本来の魅力を失ってしまっていることが多く、残念ですね。ドライ=枯れている、という印象があるせいか、ナチュラルドライフラワーは色彩が乏しいと思われがちですが、実はまったくの逆。ナチュラルドライフラワーだからこそ、深みを帯びた美しい色彩を出すことができるんです」(ナチュラルドライフラワー作家 吉本博美さん、以下同)

 

↑ナチュラルドライフラワー作家の吉本博美さん

 

その美しさは飾った後の鮮度が悪くなった花では出せない、と吉本さん。きれいなドライフラワー作りには、花の鮮度も欠かせません。また、湿度以外に直射日光も、花を傷める原因になるため、適切な手順と場所を選ぶ必要があります。正しい方法で乾燥させてこそ、色鮮やかで美しいドライフラワーを楽しむことができるのです。

 

ドライフラワーの作り方はさまざま

ドライフラワーには、ほかにもグリセリン法、シリカゲル法、ドライインウォーター法などがあります。たとえば、花の形を絵のように固定させて乾燥させたいときなどにはシリカゲル法、花瓶に飾ったまま徐々に乾燥させていきたい場合はドライインウォーター法などを選ぶことも可能ですが、花の自然な形を残すためにはハンギング法が最も適しています。さらに、ナチュラルドライフラワーには、人工着色料などを一切使用していないので環境への負担も少ない、というメリットもあります。

 

【ドライフラワーの製作方法 4種】

■ ハンギング法
束ねた花を逆さにし、吊るしてドライにする方法。手軽に作れて、乾燥中もインテリアとして楽しむことができます。

 

■ ドライインウォーター法
花を少量の水に挿し、少しずつ蒸発させながら花をドライする方法。花瓶に飾りながら作ることができます。

 

■ シリカゲル法
ドライフラワー用の「シリカゲル」を使用して花をドライにする方法。シリカゲルをたっぷりと容器に敷きつめ、その上に花が重ならない様に置いたら、花の上からもシリカゲルをそっと被せて埋め、てドライフラワーになるまで置いておきます。色や形が鮮やかに残りますが、茎は切らないといけないためアクセサリーやハーバリウムなどに使うドライフラワーにおすすめ。

 

■ グリセリン法
グリセリン溶液を使用して花をドライにする方法。花を溶液のなかに「漬ける方法」と挿して「吸わせる方法」があり、特に繊細な花や葉を落ちにくくしたい場合に選ぶ方法です。

 

高温多湿と直射日光を避けて吊るす

 

ドライフラワーと切り花との大きな違いは、保存期間です。切り花は1~2週間しか楽しめませんが、正しい手順で作ったドライフラワーなら半年ほど楽しむことができます。今回はナチュラルドライフラワーの作り方の手順とコツを教えていただきましょう。

 

まず、ドライフラワーは湿度を避けることが必須。制作に適した時期は、夏を除く1月~5月・10月~12月です。自宅に湿度計があるなら、50%以下を目安にすると良いでしょう。梅雨時や夏に作りたいなら、エアコンや除湿機を活用し、高温多湿を避けることが重要です。

 

「湿気がこもりやすいバスルームなどに吊るすと、花が蒸れて傷んでしまいます。通気性を重視して窓際を選ぶ人もいると思いますが、直射日光に当たるときれいな色に仕上がらなくなってしまうため、窓際から少し離れた場所を選ぶようにしてください」

 

例えば、ドアの上部分や、上枠にハンガーで引っかける、もしくは窓際でもカーテンで遮光するのが良いでしょう。

 

「エアコンや除湿機、サーキュレーター(扇風機)を活用するのも効果的ですが、エアコンや扇風機の送風が強すぎると、生花の花弁が散ってしまったり、形が崩れてしまったりすることも。送風を花に直接当てるのではなく、吹き出し口などから少し離れたところに吊るすことをおすすめします。避けて欲しいのは、浴室乾燥機。花を乾燥している間中、ずっと浴室を使わないのであれば有効かもしれませんが、基本に浴室は常に湿気がある場所ですので花が傷んで、これも失敗の原因になってしまいます」

 

【ナチュラルドライフラワー作りのポイント】

・高温多湿を避ける(湿度50%以下が目安)
・直射日光の当たらないところに吊るす
・エアコンや扇風機の送風を直接当てない
・浴室乾燥機で花を乾燥することは避ける

 

ハンギング法の手順

道具から確認していきましょう。

 

【準備するもの】

・生花(好きな花。今回は、バラ、ユーカリグニー、レモンリーフ、ホワイトレースフラワー、エリンジウムを使用)
・花切バサミ
・ハンガー
・小型ピンチハンガー(1本ずつ吊るすとき)
・輪ゴム
・S字フック

【作り方】

1.生花の前処理を行い不要な葉やトゲを取り除く。

茎についているとげや葉を取り除いていきます。葉はハサミでも手でも、やりやすい方法でかまいません。

 

ユーカリなどの葉ものも、下の方の葉を取り除きます。厳密なルールはないので、好みのバランスで調整してください。

 

必要な長さに切っていきます。短めに切れば乾燥も早くなります。スワッグを作るなら飾るときをイメージして切っておきましょう。

 

2.同じ種類の花をまとめる

同じ種類の花を束ねていきます。このとき、まとめてたくさん束ねるのではなく、数本ずつ束ねていくことがポイントです。花同士が当たってしまうと、傷んでしまったりカビてしまったりする原因になるので、束ねる高さを調節してみてください。

 

3.輪ゴムで束ねる

茎を交差させたまま1本の茎に輪ゴムをかけて支点にし、外側から巻いていきます。

 

しっかりと、茎が抜けないように輪ゴムを巻きつけたら、最後に輪ゴムをかけていない方の茎に、輪ゴムの端を引っかけて固定します。巻き方が緩いと乾燥でしぼんだ茎が滑り落ちてしまうので、まずはしっかりと輪ゴムで束ねておくことが大切です。

 

4.ハンガーに掛けて吊るす

ハンガーの間に片方の花を入れて、そっと吊るします。

 

5.湿度と直射日光を避けられる場所に吊るす

湿気が少なく、直射日光が当たらない場所を選んで吊るします。複数の花を吊るす場合には、それぞれの花が当たらないよう間隔を開けてハンガーにセットしてください。壁に当たると茶色く変色したり、壁面に染みがついてしまったりすることも。そのため、壁面近くに吊るす場合には、なるべく壁に花が直接当たらないよう気をつけましょう。

 

一本ずつ吊るす場合は、小型ピンチハンガーに挟みます。このときも、花同士が当たらないよう、間隔を開けるようにしてください。また、麻ヒモを引っ張ってピンなどで張って、そこにS字フックを引っかける方法もあります。室内に引っかける場所が無い場合は、突っ張り棒を使って吊るす場所を作りましょう。

 

6.完成

↑完成したナチュラルドライフラワー。左から、エリンジウム、バラ、ホワイトレースフラワー(上)、レモンリーフ、ユーカリグニー(下)

 

約1週間~2週間かけて乾燥させると、ナチュラルドライフラワーが完成します。

 

「完成を見極めるときには、花首(茎の先の花を支えてる部分)を指で触ってみてください。まだぐらぐらしているようだったら乾き切っていないサインです。花の種類によって乾燥させる期間は異なりますが、一般的には約1~2週間。例えば、バラは1か月近くかかるものもあります。よく早く乾かしたいからとドライヤーを使用する人もいるようですが、花の形が崩れてしまう恐れがあるのでおすすめしません。焦らずじっくりと乾燥させてあげてください」

 

美しいドライフラワーを長く楽しむためのメンテナンスのコツ

せっかく作ったナチュラルドライフラワーだからこそ、できるだけ長く楽しみたいものです。完成したあとのメンテナンスや替え時についても教えていただきました。

 

【メンテナンスのコツ】

1.害虫対策
梅雨や夏には、ドライフラワーにも害虫が出やすくなります。あらかじめ花の中心部にノズル式の殺虫剤を塗布しておくと、繁殖を防ぐことができます。

 

2.ホコリの除去
ドライフラワーに積もったホコリは、ドライヤーの弱風で払ってあげましょう。その際、直接風を当てないように気を付けてください。

 

3.ナチュラルドライフラワーの寿命
鮮やかな色彩を保てるのは約3~6か月です。高温多湿となる梅雨や夏は、さらに脱色する時期が早まり、約1~3か月。色褪せた状態が好みであれば無理に処分する必要はありませんが、これらのタイミングを替え時の目安にするとよいでしょう。

 

南アフリカやオーストラリア原産のタフでエキゾチックな花がトレンド

基本的にはどんな花でもドライフラワーにならないことはありません。とはいえ、なかにはドライフラワーにするのに適した花とそうではないものがあるそう。

 

「花に含まれる水分量が少なく、変色しにくい種類がドライフラワー作りには向いています。例えば、バラや千日紅、アネモネなど。逆に、チューリップやカーネーションなど、茎の水分が多い種類や花弁が少なく繊細で取れやすい種類は、きれいにドライフラワーにしづらいものもあります」

 

とくに、水分が多い花は乾燥に時間がかかるために、きれいな色味が出ないことも。そうしたなか、ドライフラワーの花材として昨今人気を集めているのが、南アフリカやオーストラリア原産の花なのだとか。

 

「南アフリカ原産のリューカデンドロンやプロテア、オーストラリア原産のバンクシアやカンガルーポーなど、エキゾチックな花が人気です。水分量が少なくて丈夫な花なので、ナチュラルドライフラワーにするのにも適しているんです。最近では、 “アンティーク調” のインテリアが人気なので、これらの花を使うと落ち着いた色合いに仕上がることも人気の理由のひとつだと思います」

↑上から、南アフリカ原産のプロテア・ナナ、プロテア・カーニバル、リューカデンドロン・ネブロッサム、リューカデンドロン・ジェイドパール

 

↑同じく南アフリカ原産のセルリア。オーストラリア原産のカンガルーポー、バンクシア

 

「今回お教えしたハンギング法には、特別な道具や技術がいらないので、ポイントさえ押さえれば初心者でも自宅できれいにドライフラワーを作れます」と吉本さん。自然乾燥のものは機械などで作られたものに比べて長く持つ、というのもメリットのひとつだといいます。

 

日々の暮らしの中で気持ちを落ち着けたいときなどには、ぜひ自然に移ろいゆく花の様子を眺めながらナチュラルドライフラワー作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

プロフィール

ナチュラルドライフラワー作家 / 吉本博美

大手アパレルメーカーでデザイナー、プレスを務めた後、雑貨ブームや高感度なライフスタイルを牽引するDepot39に入社。2005年、東京・奥沢にて「libellule」ドライフラワーショップと教室を開始し、2015年に府中に転移して「Rint-輪と-」をオープン。現在、広島、長崎でも定期講習会を開催するほか、各地で展示会を開催。テレビや雑誌などさまざまなメディアで作品を発表する。著書に、『はじめてのナチュラルドライフラワー』(家の光協会)がある。
Instagram

 

Rint-輪と-

所在地=東京都府中市片町3-18-1
TEL=042-310-9615
不定休
営業時間はInstagramに随時掲載
HP

 

はじめてのナチュラルドライフラワー』(家の光協会)

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

花一輪で部屋は変わる! 花と花器の選び方と飾り方をフローリストが解説

家の中に花があるだけで、明るくやさしい気持ちになります。そんな憧れの “花のある暮らし” を、まずは花一輪を飾ることから始めてみましょう。 フローリストの小野木彩香さんに、初心者でもすぐに取り入れられる、花を生けるコツや楽しみ方を教えていただきました。

 

部屋に花を生けることは丁寧に暮らす第一歩

↑フローリストの小野木彩香さん。

 

「季節の花や自分の好きな花を選んでもいいですし、お気に入りの花器を飾りたい、という理由からでもかまいません。最初は簡単に、1本の花を飾ってみましょう。気負わず楽しんでみてください」と、小野木さん。

 

「花を飾ることは、心を癒すだけでなく、季節を家の中に取り込むことでもあります。花をきっかけにして四季の移り変わりを意識するようになると、自然と旬の食べ物を選んだり、季節に合わせた食器や洋服を選んだりすることにつながっていきます。暮らしに丁寧に向き合うようになります。花を生けることは自然に寄り添った丁寧な暮らしの第一歩なのです」(フローリスト・小野木彩香さん、以下同)

 

花のボリュームや形状に合わせて花器を選ぶ

花を飾るときには、ボリュームや花のつき方など、形状に合わせた花器を選ぶことが大切です。具体的に見ていきましょう。

 

・スプレー咲きの小花は、花と等しい幅の花器に生ける

↑華奢な小花も安定感のある印象に

 

「アストランティアのように、茎が枝分かれして小さな花がたくさんついている “スプレー咲き” の花は、花全体の大きさ(幅)と花器の底の幅の大きさが近いと安定感が生まれ、バランスよくまとまります」

 

・縦のラインに咲く花は、口径が細く、高さのある花器に生ける

↑上に伸びる個性的な茎のラインを活かして

 

「ルピナスのように縦のラインに咲く花は、口径が狭い花器に生けるとふらつかず、伸びやかなラインを楽しむことができます。花器の高さとのバランスは、1:1か1:2くらいが最適です」

 

・上向きに咲く大きな花は、口径が広めの花器に斜めに生ける

↑少し視線を外した佇まいも素敵

 

「バラのように上向きに咲いている大きな花は、口径が茎より広めの花器を選び、斜めに挿して飾るのがポイントです。花の顔が下に少し傾くことで、奥ゆかしさも演出することができます」

 

同じ花を生けても陶器とガラスの花器では印象が変わる

↑同じミヤコワスレをガラスの花器を陶器の花器に生けてみると、違いが明らか

 

主な花器の素材にガラスと陶器がありますが、飾ったときにどのような違いがあるのでしょうか?

 

「ガラスの花器(左)では、茎の様子までよく分かり、植物が持つ躍動感も感じることができます。陶器の花器(右)では、陶器と花の一体感がより強調された印象になります。そのほか、ガラスは夏らしい涼やかな印象をもたらし、陶器はほっこりと温かい和のイメージに。季節に合わせてガラスの花器と陶器の花器を使い分けてみるのもいいですね」

 

“いつも花を飾る場所” を決めて習慣化。広めのスペースなら一輪挿しを寄せて飾っても

左から、ナズナ、ミヤコワスレ、ラグラス、ステルンクーゲル、クレマチス

 

「棚の一角など、 “いつも花を飾る場所” を決めておくと、花を飾ることが習慣化します。少し広めのスペースがあれば、もっと変わったアレンジも楽しめます。このような場合も、まず小さな花を花器に1輪ずつ生けましょう。生ける花や花器の形がさまざまでも、自然とまとまって見えるポイントはグリーンです。花だけでなく、グリーンを生けた花器も織り交ぜることで、全体に統一感が生まれます」

 

花器から選ぶ飾り方もおすすめ。1つあると便利なボトル型花器

↑小野木さんお気に入りのボトル型花器。雑貨店で購入したものだそう

 

「お気に入りの花器から飾りたい花を選ぶ方法もおすすめです。一つ持っていると重宝するのが、口径2cm、高さ23~25cmくらいのボトル型の容器。1輪から3輪くらいの花を飾るのにぴったりで、枝ものもセンスよく飾ることができます。素材はガラスでも陶器でもOK。お気に入りの花器を持っていると花を飾る楽しみがもっと広がります」

↑左はユリ、右はライラック。バランスをとるのが難しい花も安定して生けられます

 

「茎がスッと伸び、大きな花としっかりした葉がつくボリュームのあるユリは、ボトル型花器に生けるとバランスがよく、落ち着いた印象になります(左)。また、ライラックのような枝ものも、ボトル型花器と相性抜群です(右)。枝ものは枝のしなり具合により重心がとりにくいのですが、ボトル型花器なら安定感も抜群です」

 

皿やボウルに花を飾り、テーブルまわりのおもてなしにも。

↑皿にツル性のモッコウバラを

 

↑ボウルに張った水に花を浮かべて

 

「モッコウバラのようなツル系の植物は、水を張ったトレイの縁に沿わせて生けても(上)。皿のふちに沿わせることで、自然な雰囲気にまとまります。水を浅めに張るので切り口がしっかり水につかっている状態を保てるように注意します。

 

また、飾っていた花の元気がなくなってきてしまったら、花の部分をカットしてボウルなどに浮かべて飾っても(写真下)。夏には涼を感じるおもてなしにもなります。最後まで花を楽しむ方法としてもおすすめです」

 

ブーケを飾るときは、花器の細くなった部分に束ねてあった部分がくるように

↑バラ、ニゲラの実、アゲラタム、カモミール、レモンリーフのブーケ

 

「ブーケは紐などで束ねられている場所が、ちょうど花器の細くなったあたりにくるように、茎の長さを調整するのがポイントです。飾ることきは、まず周りのセロハンや薄紙は除き、束ねてある紐なども外します。そして、水に挿す前にそれぞれの花の茎を切ることを忘れずに」

 

最後の「花を長持ちさせる3つのPoint」も参考にしてください。

↑口径のサイズを調整できる留め具がセットになった花器も、生花店や雑貨店で売られています。一つあるとさまざまなサイズのブーケに対応できて便利

 

花を長持ちさせる3つのPoint

花を長持ちさせるには花を生ける前の準備と日頃のお手入れが大切です。押さえておきたい3つのポイントを確認しましょう。

 

1.茎を切る

花を生ける前に下から1cmくらいのところで茎を斜めに切ると水の吸い上げがよくなります。毎日水を替えるときにも切るようにしましょう。

 

2.水の量は多すぎず少なすぎず

水は切り口がしっかり水につかっていることが鉄則です。数本まとめて生けるときは茎が絡み合って水から出てしまわないように注意を。茎がやわらかいガーベラやカラーなどは茎が腐りやすいので水を少なめにします。

 

3.水替えは1日1回

1日1回、新しい水に取り替えます。細菌が繁殖すると茎が腐りやすくなります。

 

「花のお手入れを楽しむことができるようになると花との暮らしがもっと楽しくなります。水やりを忘れそう、ちょっと面倒かもと思う人は、まずキッチンや洗面所など、すぐに水が取り替えられる水回りに飾るのもおすすめです」

 

気負わずに、まずは1輪から。今日から花との暮らしを始めてみませんか?

 

プロフィール

フローリスト / 小野木彩香

夫婦で営む北中植物商店の「花部門」を担当。ウエディング・店舗装飾のほか、アトリエでアレンジの販売や教室を開催。近著は『毎日、一輪。はじめて花・葉・枝を生ける人のための手引帖。』

 

北中植物商店
・所在地=東京都三鷹市大沢6-10-2
・TEL=0422-57-8728
・営業日=土曜、金曜、日曜
・営業時間=土曜13:00~17:00(予約不要)、金曜・日曜11:00~17:00(完全予約制)
HP

 

毎日、一輪。はじめて花・葉・枝を生ける人のための手引帖。』(エクスナレッジ)

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

観葉植物で開運! 風水師が解説する【部屋別・運気別】開運する植物と育て方

家にいる時間が増えると、ひとり暮らしの場合はとくに“生き物”の気配が恋しくなるもの。ペットを飼ったりアクアリウムを楽しんだりする人が増えているというのも、その影響でしょう。同じ理由から、観葉植物を部屋に置く人もまた、今まで以上に多くなっているとか。

 

観葉植物はそもそも、インテリアのアクセントとなるだけでなく、部屋にプラスのエネルギーを生み出す“開運アイテム”。せっかくなら、そのパワーにあずかりたいものです。そこで、観葉植物のパワーを理解し、部屋に取り入れるにはどうしたらいいのか、@Livingでもおなじみの開運セラピスト・紫月香帆先生に教えていただきました。

 

観葉植物が持つ、風水のパワーとは?

風水における観葉植物のパワーは2つ。

 

「まず、空気の浄化作用です。植物は二酸化炭素を吸って酸素を出すという“呼吸”をすることで、部屋の中のよどんだ空気を浄化して、乱れた気のバランスを整えてくれるもの。部屋や階段の隅など、暗くて悪い気が溜まりやすい場所に置くと、気の流れを良くしてくれるのです。生花を飾っても同様の効果は得られますが、土に根を張った状態の観葉植物の方が、はるかにパワフルなエネルギーを生み出してくれます。

また、植物の存在感やグリーンの色味から癒しを得られることもポイントです。緑色は、“安心して前へ進む”気持ちを生み出すとされています。信号機の“青”が緑がかっているのはこのためだという説もあります。

こうした2つのパワーをもつ観葉植物は、どんなインテリアにもなじみやすく、ストーンや鏡などの風水グッズよりも親しみやすい開運アイテムとして、ぜひ取り入れたいですね」(開運セラピスト・紫月香帆先生)

 

どのような観葉植物を置けばいい?

観葉植物には、日光や水をたくさん必要とするものをはじめ、日陰や乾燥を好むものなど、さまざまな種類、品種が存在します。自分にぴったりの観葉植物を選ぶコツはあるのでしょうか?

 

「観葉植物は、葉の形や植物の性質によって、風水パワーが異なります。それに加え、発育環境への配慮も重要です。例えば玄関や洗面所、トイレなどに日が入らない家であれば、その場所に日光を好む観葉植物は置かない方がいいでしょう。環境に気をつけさえすれば、基本的には好みで選び、部屋に置くことで気分が上向きになるものを選べばいいのです」(紫月先生)

 

つまり、常にその植物が生き生きと茂っていることでパワーを生む、ということ。さきほど「部屋や階段の隅など、暗くて悪い気が溜まりやすい場所に置けば、気の流れを良くしてくれる」とうかがいましたが、そこに置くのが薄暗い場所では生きられない植物ではだめなのです。また、もうひとつ注意点が。

 

「ただし、観葉植物を置いたことに満足し、葉にホコリが溜まっていたり水やりを忘れたりと放っておいては、お部屋のエネルギーが滞ってしまい、マイナス効果になりますよ」(紫月先生)

 

【関連記事】気温・湿度が高い季節は要注意! 観葉植物を害虫被害から守る方法

 

【部屋別】風水師が選ぶ、観葉植物の品種

それではさっそく、部屋別で、置くべき観葉植物とその風水パワー、さらに育て方を解説していきます。

 

【玄関】「パキラ」を置いて外からの邪気をブロックする

参考商品=「パキラ8号 ねじり ラスターポット付き」1万4850円(税込)

 

「人が出入りする玄関は、風水の中でもっとも重要視される“気の入り口”です。良い気が入りやすく、悪い気をブロックするような役割をしてくれるパワフルツリーの『パキラ』を置くといいでしょう。パキラは『発財樹(英名=money tree)』と呼ばれ、オープンするお店に商売繁盛の願いを込めて贈るギフトとしても人気があります。観賞用のパキラではなかなか見られませんが、白い糸を束ねたような花が咲きます。花言葉は『勝利』『快活』でパワフルな存在。家の中に入り込もうとする邪気を外に追いやる強さを期待できます」(紫月先生)

 

【パキラの育て方】
風通しがよく日光を好むので、玄関に日が当たらない場合は、週に2〜3日、外に出して日光浴をさせましょう。土の表面が乾いたタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいまでたっぷりと水を与えます。

 

【トイレ】耐陰性のある「ポトス」で空間の浄化を促す

参考商品=「ポトス 4号 ラスターポット付き」4950円(税込)

 

家の中でもっとも悪い気が溜まりやすい場所がトイレ。日が当たらない場合、観葉植物を置くことに躊躇してしまいますよね。その場合は、耐陰性がある『ポトス』を選びましょう。ただし、植物にとって日の光は欠かせないので、数日おきに光合成をさせてあげてくださいね。ポトスは光沢のある葉に黄色の斑が入ることから『黄金カズラ(英:aureum)』とも呼ばれています。めったに花は咲きませんが、花言葉は『華やかな明るさ』『永遠の富』で、金運をもたらしてくれる存在です。ハート型の垂れ下がった葉から、恋愛運アップも期待できます」(紫月先生)

 

【ポトスの育て方】
日光を好むものの耐陰性のある植物で、直射日光には弱い存在です。レースのカーテン越しくらいの光を半日くらい当ててあげましょう。15℃以上の季節は、毎日葉水を行い、土の表面が乾燥したら水やりをします。

 

【寝室】ユーモアある形状の「ガジュマル」で幸福な空間に

参考商品=「ガジュマル 6号 股仕立て プラスチック鉢」5775円(税込)

 

「丸くかわいい葉が下向きに生えるガジュマルは、根っこがユニークな形でかわいらしいですよね。幸福をもたらし、精霊が訪れる木とも言われています。気分を落ち着かせ、リラックス効果があり、寝ている間に幸せにしてくれると言われているので、寝室にぴったりです。人は目から得た情報が感情に直結するので、寝る前にシャープな印象の植物よりも、ガジュマルのようなフォルムを目にした方が安眠につながります。春には直径1cmほどの小さなつぼ状の花が咲きます。花言葉は『健康』。たくましい根を下に張る強さが由来です」(紫月先生)

 

【ガジュマルの育て方】
直射日光級の強い光を好みますが、丈夫な樹木なので日陰でも育ちます。寝室に日が入らない場合は、起きたら明るい窓辺に移動させるとよいでしょう。春〜夏は毎日水をやり、寒い時期は土の表面が乾いて数日後に水やりをします。

 

【書斎】テレワークスペースには“キレ”のある葉の「ユッカ」を

参考商品=「ユッカ 8号 ノーマル ラスターポット付き」1万4850円(税込)

 

「シュッと尖った細長い葉が上に伸びているユッカは、その逞しい生命力から『青年の木』とも呼ばれています。成長の早さとキレのある姿からアイデアが冴え渡るエネルギーを感じさせ、仕事運や金運アップに効果的です。男性へのプレゼントや開業祝いのギフトにも適しています。不定期に葉の間から茎を伸ばして鈴のような白い花を咲かせます。花言葉は『勇壮』『偉大』『颯爽』。邪気を払う勢いがあるので、気の淀んでいる場所に置くのは適していますが、エネルギーが強いので、リラックスしたい寝室は避けましょう」(紫月先生)

 

【ユッカの育て方】
日光を好み耐陰性が弱いので、日の当たる窓際に置きましょう。週末は屋外に出し、日光浴をさせてあげるのもオススメです。土が乾燥してきたらたっぷりの水をやり、寒い時期は土の表面が乾いて数日後に水やりをします。

 

【洗面所】水に強い「アイビー」で華やかさをプラス

アイビー。

 

「水耕栽培でも育てられ、耐陰性もあり丈夫なアイビーは、観葉植物初心者でも育てやすい品種です。100円ショップでも手に入るほどポピュラーで、小さな鉢を洗面所のコーナーに置いたり、棚上からつるを下にたらしたりして飾るのもおしゃれですね。成長が早く、どんどんつるを伸ばすことからお金を増やすエネルギーを持ち、金運アップに効果的。茎の長い植物は恋愛運にもよく、葉を多く茂らせることから夫婦仲をよくするとも言われています。伸びた部分をカットして花瓶にさして、生花として飾ることもできます」(紫月先生)

 

【アイビーの育て方】
耐陰性はありますが、日光不足になると葉を落としてしまいます。日当たりの悪い洗面所に飾る場合は、定期的な日光浴をさせてあげましょう。土が乾燥してきたらたっぷりの水をやり、寒い時期は土の表面が乾いて数日後に水やりをします。

 

【リビングルーム】幸福をもたらす「ドラセナ」で運気アップ

参考商品=「ドラセナ 幸福の木 8号 ノーマル ラスターポット付き」1万4850円(税込)

 

「ドラセナとはラテン語で『メスの竜』という意味を持ちます。種類が多くバリエーションが豊かで育てやすく人気がありますが、特に『マッサンゲアナ』という品種は幸福の木という名前で親しまれています。鋭くとがった細長い葉が上向きに生長することから陽の気を生み出し、仕事運が好調に。また、別名で『ミリオンバンブー』という名前もあり、お金の成功をもたらし、金運アップにも効果的です。ドラセナの花言葉は『幸福』『幸せな恋』『隠しきれない幸せ』の3つで、幸せを呼び込むエネルギーが溢れていますね」(紫月先生)

 

【ドラセナの育て方】
耐陰性は強く丈夫ですが、直射日光を避けた日当たりのよい場所が最適です。日陰に置く場合は、1週間に4〜5時間は日光浴をさせましょう。土が乾燥してきたらたっぷりの水をやります。寒さに弱いので、冬場は外に置かないように。

 

観葉植物を枯らしてしまうと運気はダウンする?

観葉植物を育ててみたいけれど、枯らしてしまうのでは、と心配に思う人もいるかもしれません。

 

「観葉植物は生き物なので、グングン育つことがあれば、枯れてしまうこともあります。枯らしてしまったからといって、運気ダウンになるわけでありません。風水の観点で観葉植物を取り入れるときには、プラスをもっとプラスに、マイナスをプラスにするという狙いがあります。気の滞りやすい部屋の隅や日当たりの悪い場所に観葉植物を置き、マイナスの気を減らす目的の場合は、観葉植物の寿命が短くなります。そのような状況で枯れてしまったときには、『悪い気を吸ってくれてありがとう』と感謝を伝えて処分し、また同じ場所に新たな観葉植物を置くようにします。見栄えの良い高価なものを選ぶ必要はありません。手頃な値段で買い替えしやすいものを選び、常に感謝の心を持って声をかけたりお世話をしたりしながら、観葉植物に部屋の浄化をサポートしてもらいましょう」(紫月先生)

 

適量やサイズ選びのコツは?

気が滞る場所に観葉植物を置くことで、マイナスエネルギーが減らせるとわかりました。では、たくさん、大きな植物を置いた方が、エネルギー効果は高くなるのでしょうか?

 

「観葉植物にはどの品種にも、プラスエネルギーを生み出す効果があります。だからといって、家中をジャングル状態にしては、人間の方が植物のエネルギーに負けてしまいます。家の主役はあくまで人であり、観葉植物はペットのように心を癒し、空気清浄機のように場を浄化してくれるサポーター役です。暮らしの中で無理なくお世話ができる量と、生活導線の邪魔にならない配置やサイズを心がけましょう。限られた住空間の中にどの観葉植物を置くのがいいか悩んだときは、マイナスの気が発生しやすい玄関とトイレを優先してください。自分が一番改善したい運気に合わせて選んでもいいですね。ただ、部屋別の解説でも触れていますが、仕事運を上げてくれるパワフルな種類を寝室に置くことや、耐陰性のないものを日の当たらない部屋に置くのは避けた方がベターです」(紫月先生)

 

次のページでは、金運や恋愛運など、強化したい運気別に、おすすめの品種を教えていただきます。

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

【運気別】部屋に置くべきおすすめの観葉植物

まだまだすばらしいメッセージを持つパワフルな観葉植物はたくさんある、という紫月先生。そこで次に、金運や恋愛運など運気別に、おすすめの品種についても教えていただきました。

 

仕事運を上げたい場合は、葉がシュッシュッと上に伸びていく種類が好ましいです。テレワークスペースで触れた『ユッカ』のほかには『サンスペリア』もいいでしょう。金運には『金のなる木(別名=ベンケイ草)』が欠かせませんね。そして、恋愛運には『ハートカズラ』。小さいハートの形の葉が助け合うという意味を持っています。さらに大きな愛を築くという意味で、家庭運にはハートの形や生命力がより大きい『ウンベラータ』がいいでしょう。人気運を上げたいときには、信頼やフレンドリーを意味する『ベンジャミン』を。オンラインミーティングで仲間との意思の疎通を円滑にしたいときや、YouTubeなどの動画を撮影するときにベンジャミンを映し込ませるのもオススメです。テレカンファレンスで事業報告などをするような場合は、『ユッカ』や『サンスペリア』の力を借りるといいかもしれませんね。健康運を上げたいときには、節目を作りながらもグングン上に伸びていくパワーの高い『ミニバンブー』や『シェロチク』がおすすめ。全体運を上げたいときには、オリンピックの象徴でも有名な『月桂樹』を。葉は乾燥させてローリエとして料理にも使えますよ」(開運セラピスト・紫月香帆先生)

 

【仕事運】葉が上に伸びていく「サンスペリア」

参考商品=「サンスベリア 4号 トラノオ プラスチック鉢」3575円(税込)

 

【金運】その名も「金のなる木」

金のなる木(別名=ベンケイ草)。

 

【恋愛運】小さなハート型の葉をつける「ハートカズラ」

ハートカズラ。

 

【家庭運】生命力が強くハート型の大きな葉をもつ「ウンベラータ」

参考商品=「フィカス ウンベラータ 8号 ノーマル ラスターポット付き」1万5675円(税込)

 

【人気運】信頼やフレンドリーを意味する「ベンジャミン」

参考商品=「フィカス ベンジャミン 8号 玉造り ラスターポット付き」1万4850円(税込)

 

【健康運】上へとぐんぐん成長する「ミニバンブー」「シェロチク」

参考商品=「ドラセナ ミリオンバンブー(幸運の竹)8号 ラスターポット付き」1万4300円(税込)

 

新築祝いや引越し祝いに贈るなら?
プレゼントに選びたいのは「モンステラ」

大切な人の門出を祝い、観葉植物をプレゼントするのも素敵ですよね。

 

「新しいスタートを祝福するならば、モンステラがいいでしょう。モンステラはハワイ語で『湧き出る泉』を意味し、ハワイアンジュエリーやキルトなどのモチーフとして使われています。葉の切れ込みから降り注ぐ光は希望の光を意味し、花言葉は『うれしい便り』、『壮大な計画』、『深い関係』。喜びごとのメッセンジャーであり、新しいスタートをサポートしてくれる存在です。英語の花言葉は『献身(dedication)』で、人々に寄り添い、未来を想像する象徴として、とても縁起がいい存在です。ギフトとして贈る際に、観葉植物が持つエネルギーやメッセージを伝えてあげると、その言霊が自分にも返ってくるので、贈る側にも祝福が訪れるでしょう」(紫月先生)

 

 

気に入った観葉植物を置いたら、「ここは気が滞っているのでよろしくお願いします」「良い気を出してくれてありがとう!」など、感謝の言葉をかけながら、葉を拭いたり水やりをしたりすることで、開運の効果はよりアップするそう。

 

「植物は生きているので、人間の思いは届きます。それに、植物にいい言葉をかけることで、その言霊が自分に返ってくる効果もあります。コロナ禍が続く今、大なり小なり誰もが不安を抱えています。良いエネルギーを増やしてくれる観葉植物との暮らしを楽しめたらいいですね」(紫月先生)

 

【プロフィール】

開運セラピスト / 紫月香帆(しづきかほ)

幼い頃より、占いや風水に親しんで育ち、高校在学中から芸能活動をスタート。独学で九星気学を学び、その後師事して本格的に手相を学ぶ。手相、人相から風水、四柱推命タロット、姓名診断と、豊富な知識を駆使した占術は、的中率の高さとわかりすいアドバイスに定評がある。さらに、四柱推命と風水をベースに研究を重ねた独自の「宿命カラー風水」、「十干風水」を確立。開運セラピストとして、雑誌やテレビ、携帯コンテンツなど各方面で活躍中。『神さまが教える風水の教科書』(ナツメ社)など、約25冊の著書を出版。『やってはいけない風水』(河出書房新社)は33万部を超える大ヒットになっている。オンラインスクール「光運塾」主催。

 

観葉植物で開運! 風水師が解説する【部屋別・運気別】開運する植物と育て方

家にいる時間が増えると、ひとり暮らしの場合はとくに“生き物”の気配が恋しくなるもの。ペットを飼ったりアクアリウムを楽しんだりする人が増えているというのも、その影響でしょう。同じ理由から、観葉植物を部屋に置く人もまた、今まで以上に多くなっているとか。

 

観葉植物はそもそも、インテリアのアクセントとなるだけでなく、部屋にプラスのエネルギーを生み出す“開運アイテム”。せっかくなら、そのパワーにあずかりたいものです。そこで、観葉植物のパワーを理解し、部屋に取り入れるにはどうしたらいいのか、@Livingでもおなじみの開運セラピスト・紫月香帆先生に教えていただきました。

 

観葉植物が持つ、風水のパワーとは?

風水における観葉植物のパワーは2つ。

 

「まず、空気の浄化作用です。植物は二酸化炭素を吸って酸素を出すという“呼吸”をすることで、部屋の中のよどんだ空気を浄化して、乱れた気のバランスを整えてくれるもの。部屋や階段の隅など、暗くて悪い気が溜まりやすい場所に置くと、気の流れを良くしてくれるのです。生花を飾っても同様の効果は得られますが、土に根を張った状態の観葉植物の方が、はるかにパワフルなエネルギーを生み出してくれます。

また、植物の存在感やグリーンの色味から癒しを得られることもポイントです。緑色は、“安心して前へ進む”気持ちを生み出すとされています。信号機の“青”が緑がかっているのはこのためだという説もあります。

こうした2つのパワーをもつ観葉植物は、どんなインテリアにもなじみやすく、ストーンや鏡などの風水グッズよりも親しみやすい開運アイテムとして、ぜひ取り入れたいですね」(開運セラピスト・紫月香帆先生)

 

どのような観葉植物を置けばいい?

観葉植物には、日光や水をたくさん必要とするものをはじめ、日陰や乾燥を好むものなど、さまざまな種類、品種が存在します。自分にぴったりの観葉植物を選ぶコツはあるのでしょうか?

 

「観葉植物は、葉の形や植物の性質によって、風水パワーが異なります。それに加え、発育環境への配慮も重要です。例えば玄関や洗面所、トイレなどに日が入らない家であれば、その場所に日光を好む観葉植物は置かない方がいいでしょう。環境に気をつけさえすれば、基本的には好みで選び、部屋に置くことで気分が上向きになるものを選べばいいのです」(紫月先生)

 

つまり、常にその植物が生き生きと茂っていることでパワーを生む、ということ。さきほど「部屋や階段の隅など、暗くて悪い気が溜まりやすい場所に置けば、気の流れを良くしてくれる」とうかがいましたが、そこに置くのが薄暗い場所では生きられない植物ではだめなのです。また、もうひとつ注意点が。

 

「ただし、観葉植物を置いたことに満足し、葉にホコリが溜まっていたり水やりを忘れたりと放っておいては、お部屋のエネルギーが滞ってしまい、マイナス効果になりますよ」(紫月先生)

 

【関連記事】気温・湿度が高い季節は要注意! 観葉植物を害虫被害から守る方法

 

【部屋別】風水師が選ぶ、観葉植物の品種

それではさっそく、部屋別で、置くべき観葉植物とその風水パワー、さらに育て方を解説していきます。

 

【玄関】「パキラ」を置いて外からの邪気をブロックする

参考商品=「パキラ8号 ねじり ラスターポット付き」1万4850円(税込)

 

「人が出入りする玄関は、風水の中でもっとも重要視される“気の入り口”です。良い気が入りやすく、悪い気をブロックするような役割をしてくれるパワフルツリーの『パキラ』を置くといいでしょう。パキラは『発財樹(英名=money tree)』と呼ばれ、オープンするお店に商売繁盛の願いを込めて贈るギフトとしても人気があります。観賞用のパキラではなかなか見られませんが、白い糸を束ねたような花が咲きます。花言葉は『勝利』『快活』でパワフルな存在。家の中に入り込もうとする邪気を外に追いやる強さを期待できます」(紫月先生)

 

【パキラの育て方】
風通しがよく日光を好むので、玄関に日が当たらない場合は、週に2〜3日、外に出して日光浴をさせましょう。土の表面が乾いたタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいまでたっぷりと水を与えます。

 

【トイレ】耐陰性のある「ポトス」で空間の浄化を促す

参考商品=「ポトス 4号 ラスターポット付き」4950円(税込)

 

家の中でもっとも悪い気が溜まりやすい場所がトイレ。日が当たらない場合、観葉植物を置くことに躊躇してしまいますよね。その場合は、耐陰性がある『ポトス』を選びましょう。ただし、植物にとって日の光は欠かせないので、数日おきに光合成をさせてあげてくださいね。ポトスは光沢のある葉に黄色の斑が入ることから『黄金カズラ(英:aureum)』とも呼ばれています。めったに花は咲きませんが、花言葉は『華やかな明るさ』『永遠の富』で、金運をもたらしてくれる存在です。ハート型の垂れ下がった葉から、恋愛運アップも期待できます」(紫月先生)

 

【ポトスの育て方】
日光を好むものの耐陰性のある植物で、直射日光には弱い存在です。レースのカーテン越しくらいの光を半日くらい当ててあげましょう。15℃以上の季節は、毎日葉水を行い、土の表面が乾燥したら水やりをします。

 

【寝室】ユーモアある形状の「ガジュマル」で幸福な空間に

参考商品=「ガジュマル 6号 股仕立て プラスチック鉢」5775円(税込)

 

「丸くかわいい葉が下向きに生えるガジュマルは、根っこがユニークな形でかわいらしいですよね。幸福をもたらし、精霊が訪れる木とも言われています。気分を落ち着かせ、リラックス効果があり、寝ている間に幸せにしてくれると言われているので、寝室にぴったりです。人は目から得た情報が感情に直結するので、寝る前にシャープな印象の植物よりも、ガジュマルのようなフォルムを目にした方が安眠につながります。春には直径1cmほどの小さなつぼ状の花が咲きます。花言葉は『健康』。たくましい根を下に張る強さが由来です」(紫月先生)

 

【ガジュマルの育て方】
直射日光級の強い光を好みますが、丈夫な樹木なので日陰でも育ちます。寝室に日が入らない場合は、起きたら明るい窓辺に移動させるとよいでしょう。春〜夏は毎日水をやり、寒い時期は土の表面が乾いて数日後に水やりをします。

 

【書斎】テレワークスペースには“キレ”のある葉の「ユッカ」を

参考商品=「ユッカ 8号 ノーマル ラスターポット付き」1万4850円(税込)

 

「シュッと尖った細長い葉が上に伸びているユッカは、その逞しい生命力から『青年の木』とも呼ばれています。成長の早さとキレのある姿からアイデアが冴え渡るエネルギーを感じさせ、仕事運や金運アップに効果的です。男性へのプレゼントや開業祝いのギフトにも適しています。不定期に葉の間から茎を伸ばして鈴のような白い花を咲かせます。花言葉は『勇壮』『偉大』『颯爽』。邪気を払う勢いがあるので、気の淀んでいる場所に置くのは適していますが、エネルギーが強いので、リラックスしたい寝室は避けましょう」(紫月先生)

 

【ユッカの育て方】
日光を好み耐陰性が弱いので、日の当たる窓際に置きましょう。週末は屋外に出し、日光浴をさせてあげるのもオススメです。土が乾燥してきたらたっぷりの水をやり、寒い時期は土の表面が乾いて数日後に水やりをします。

 

【洗面所】水に強い「アイビー」で華やかさをプラス

アイビー。

 

「水耕栽培でも育てられ、耐陰性もあり丈夫なアイビーは、観葉植物初心者でも育てやすい品種です。100円ショップでも手に入るほどポピュラーで、小さな鉢を洗面所のコーナーに置いたり、棚上からつるを下にたらしたりして飾るのもおしゃれですね。成長が早く、どんどんつるを伸ばすことからお金を増やすエネルギーを持ち、金運アップに効果的。茎の長い植物は恋愛運にもよく、葉を多く茂らせることから夫婦仲をよくするとも言われています。伸びた部分をカットして花瓶にさして、生花として飾ることもできます」(紫月先生)

 

【アイビーの育て方】
耐陰性はありますが、日光不足になると葉を落としてしまいます。日当たりの悪い洗面所に飾る場合は、定期的な日光浴をさせてあげましょう。土が乾燥してきたらたっぷりの水をやり、寒い時期は土の表面が乾いて数日後に水やりをします。

 

【リビングルーム】幸福をもたらす「ドラセナ」で運気アップ

参考商品=「ドラセナ 幸福の木 8号 ノーマル ラスターポット付き」1万4850円(税込)

 

「ドラセナとはラテン語で『メスの竜』という意味を持ちます。種類が多くバリエーションが豊かで育てやすく人気がありますが、特に『マッサンゲアナ』という品種は幸福の木という名前で親しまれています。鋭くとがった細長い葉が上向きに生長することから陽の気を生み出し、仕事運が好調に。また、別名で『ミリオンバンブー』という名前もあり、お金の成功をもたらし、金運アップにも効果的です。ドラセナの花言葉は『幸福』『幸せな恋』『隠しきれない幸せ』の3つで、幸せを呼び込むエネルギーが溢れていますね」(紫月先生)

 

【ドラセナの育て方】
耐陰性は強く丈夫ですが、直射日光を避けた日当たりのよい場所が最適です。日陰に置く場合は、1週間に4〜5時間は日光浴をさせましょう。土が乾燥してきたらたっぷりの水をやります。寒さに弱いので、冬場は外に置かないように。

 

観葉植物を枯らしてしまうと運気はダウンする?

観葉植物を育ててみたいけれど、枯らしてしまうのでは、と心配に思う人もいるかもしれません。

 

「観葉植物は生き物なので、グングン育つことがあれば、枯れてしまうこともあります。枯らしてしまったからといって、運気ダウンになるわけでありません。風水の観点で観葉植物を取り入れるときには、プラスをもっとプラスに、マイナスをプラスにするという狙いがあります。気の滞りやすい部屋の隅や日当たりの悪い場所に観葉植物を置き、マイナスの気を減らす目的の場合は、観葉植物の寿命が短くなります。そのような状況で枯れてしまったときには、『悪い気を吸ってくれてありがとう』と感謝を伝えて処分し、また同じ場所に新たな観葉植物を置くようにします。見栄えの良い高価なものを選ぶ必要はありません。手頃な値段で買い替えしやすいものを選び、常に感謝の心を持って声をかけたりお世話をしたりしながら、観葉植物に部屋の浄化をサポートしてもらいましょう」(紫月先生)

 

適量やサイズ選びのコツは?

気が滞る場所に観葉植物を置くことで、マイナスエネルギーが減らせるとわかりました。では、たくさん、大きな植物を置いた方が、エネルギー効果は高くなるのでしょうか?

 

「観葉植物にはどの品種にも、プラスエネルギーを生み出す効果があります。だからといって、家中をジャングル状態にしては、人間の方が植物のエネルギーに負けてしまいます。家の主役はあくまで人であり、観葉植物はペットのように心を癒し、空気清浄機のように場を浄化してくれるサポーター役です。暮らしの中で無理なくお世話ができる量と、生活導線の邪魔にならない配置やサイズを心がけましょう。限られた住空間の中にどの観葉植物を置くのがいいか悩んだときは、マイナスの気が発生しやすい玄関とトイレを優先してください。自分が一番改善したい運気に合わせて選んでもいいですね。ただ、部屋別の解説でも触れていますが、仕事運を上げてくれるパワフルな種類を寝室に置くことや、耐陰性のないものを日の当たらない部屋に置くのは避けた方がベターです」(紫月先生)

 

次のページでは、金運や恋愛運など、強化したい運気別に、おすすめの品種を教えていただきます。

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

【運気別】部屋に置くべきおすすめの観葉植物

まだまだすばらしいメッセージを持つパワフルな観葉植物はたくさんある、という紫月先生。そこで次に、金運や恋愛運など運気別に、おすすめの品種についても教えていただきました。

 

仕事運を上げたい場合は、葉がシュッシュッと上に伸びていく種類が好ましいです。テレワークスペースで触れた『ユッカ』のほかには『サンスペリア』もいいでしょう。金運には『金のなる木(別名=ベンケイ草)』が欠かせませんね。そして、恋愛運には『ハートカズラ』。小さいハートの形の葉が助け合うという意味を持っています。さらに大きな愛を築くという意味で、家庭運にはハートの形や生命力がより大きい『ウンベラータ』がいいでしょう。人気運を上げたいときには、信頼やフレンドリーを意味する『ベンジャミン』を。オンラインミーティングで仲間との意思の疎通を円滑にしたいときや、YouTubeなどの動画を撮影するときにベンジャミンを映し込ませるのもオススメです。テレカンファレンスで事業報告などをするような場合は、『ユッカ』や『サンスペリア』の力を借りるといいかもしれませんね。健康運を上げたいときには、節目を作りながらもグングン上に伸びていくパワーの高い『ミニバンブー』や『シェロチク』がおすすめ。全体運を上げたいときには、オリンピックの象徴でも有名な『月桂樹』を。葉は乾燥させてローリエとして料理にも使えますよ」(開運セラピスト・紫月香帆先生)

 

【仕事運】葉が上に伸びていく「サンスペリア」

参考商品=「サンスベリア 4号 トラノオ プラスチック鉢」3575円(税込)

 

【金運】その名も「金のなる木」

金のなる木(別名=ベンケイ草)。

 

【恋愛運】小さなハート型の葉をつける「ハートカズラ」

ハートカズラ。

 

【家庭運】生命力が強くハート型の大きな葉をもつ「ウンベラータ」

参考商品=「フィカス ウンベラータ 8号 ノーマル ラスターポット付き」1万5675円(税込)

 

【人気運】信頼やフレンドリーを意味する「ベンジャミン」

参考商品=「フィカス ベンジャミン 8号 玉造り ラスターポット付き」1万4850円(税込)

 

【健康運】上へとぐんぐん成長する「ミニバンブー」「シェロチク」

参考商品=「ドラセナ ミリオンバンブー(幸運の竹)8号 ラスターポット付き」1万4300円(税込)

 

新築祝いや引越し祝いに贈るなら?
プレゼントに選びたいのは「モンステラ」

大切な人の門出を祝い、観葉植物をプレゼントするのも素敵ですよね。

 

「新しいスタートを祝福するならば、モンステラがいいでしょう。モンステラはハワイ語で『湧き出る泉』を意味し、ハワイアンジュエリーやキルトなどのモチーフとして使われています。葉の切れ込みから降り注ぐ光は希望の光を意味し、花言葉は『うれしい便り』、『壮大な計画』、『深い関係』。喜びごとのメッセンジャーであり、新しいスタートをサポートしてくれる存在です。英語の花言葉は『献身(dedication)』で、人々に寄り添い、未来を想像する象徴として、とても縁起がいい存在です。ギフトとして贈る際に、観葉植物が持つエネルギーやメッセージを伝えてあげると、その言霊が自分にも返ってくるので、贈る側にも祝福が訪れるでしょう」(紫月先生)

 

 

気に入った観葉植物を置いたら、「ここは気が滞っているのでよろしくお願いします」「良い気を出してくれてありがとう!」など、感謝の言葉をかけながら、葉を拭いたり水やりをしたりすることで、開運の効果はよりアップするそう。

 

「植物は生きているので、人間の思いは届きます。それに、植物にいい言葉をかけることで、その言霊が自分に返ってくる効果もあります。コロナ禍が続く今、大なり小なり誰もが不安を抱えています。良いエネルギーを増やしてくれる観葉植物との暮らしを楽しめたらいいですね」(紫月先生)

 

【プロフィール】

開運セラピスト / 紫月香帆(しづきかほ)

幼い頃より、占いや風水に親しんで育ち、高校在学中から芸能活動をスタート。独学で九星気学を学び、その後師事して本格的に手相を学ぶ。手相、人相から風水、四柱推命タロット、姓名診断と、豊富な知識を駆使した占術は、的中率の高さとわかりすいアドバイスに定評がある。さらに、四柱推命と風水をベースに研究を重ねた独自の「宿命カラー風水」、「十干風水」を確立。開運セラピストとして、雑誌やテレビ、携帯コンテンツなど各方面で活躍中。『神さまが教える風水の教科書』(ナツメ社)など、約25冊の著書を出版。『やってはいけない風水』(河出書房新社)は33万部を超える大ヒットになっている。オンラインスクール「光運塾」主催。

 

気温・湿度が高い季節は要注意! 観葉植物を害虫被害から守る方法

おうちで過ごす時間が増え、家に観葉植物を置くようになったという人が増えています。生き生きと青く茂って、そこにあるだけで癒される存在ですが、湿気が多く気温が高い夏の時期には、部屋の中に置いていても害虫が発生してしまうことも。

 

虫がつくと、植物は弱ったり枯れてしまったり。そんなトラブルから観葉植物を守るためのコツを、東京都港区にあるグリーンショップ「REN」の店長・山田聖貴さんに教えていただきました。

 

観葉植物に害虫が発生するのはなぜ?

そもそも、部屋で育てている観葉植物に害虫が発生してしまうのはなぜなのでしょうか?山田さんは「観葉植物に害虫がついてしまうタイミングはたくさんある」と言います。

 

「害虫は、ドアや窓を開け閉めするときに外から入ってきたり、店頭で販売しているときからすでに葉の根本や幹の間に潜んでいたりするので、お部屋で育てていても発生する可能性は十分にあります。

なかでも、気温と湿度が高い夏は虫の活動が活発になる時期。お部屋では、湿度が上がりすぎたり空気がこもったりしやすいため、この時期はとくに注意が必要です」(REN店長 山田聖貴さん、以下同)

 

虫がついてしまうと、植物はどうなる?

↑葉が密集しているところはとくに害虫がつきやすいのだとか

 

「観葉植物に付く害虫でとくに多いのは、カイガラムシ、コナカイガラムシ、ハダニと呼ばれる虫などで、葉の裏側や根元の部分に付いていることがほとんどです。これらの害虫は、私たちプロでもじっくり見ないと気が付かないほど小さいですが、養分を吸いとって弱らせるなどの害をもたらします。

また、害虫が付きやすいかどうかは、品種によることも。例えば、害虫が付きにくい品種は『パキラ』『サンセベリア・ゼラニカ』『ドラセナ・コンパクタ』『モンステラ』『ペペロミア』など。逆に、害虫が付きやすい品種は『コルジリネ』『アイビー』などが挙げられます」

 

↑こちらは虫がついていない元気な葉

 

↑害虫が付いてしまった葉。上と見比べると、葉の色やツヤが違うことがわかります

 

「害虫は見えにくいところに潜んでいることが多いので、『きちんとケアをしているから大丈夫』と思っていても、普段行っているケアだけでは不十分な可能性があります。害虫の発生を防ぐためには、正しい方法で日々ケアを行う必要があるんです」

 

害虫発生を防ぐには、日々のケアがとにかく大切!

では、部屋で育てている観葉植物を害虫から守るためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか? 簡単に実践できるケア方法を山田さんに教えていただきました。

 

1. 濡らしたティッシュで葉を拭く

すぐにできるケアの一つが、水で濡らしたティッシュで葉を拭きとること。一枚一枚丁寧に拭くことで、葉に付いている害虫を取り除くことができます。

「拭きとりは、できれば毎日行うことが理想です。でもすべての葉を拭くのは大変なので、『今日はこの枝についている葉を拭こう』というように、エリアに分けて、毎日少しずつケアするのが良いと思います。それも難しいという方は、週に一回、月に一回行うだけでもずいぶん変わるので、ぜひできる範囲で行ってみてください。

また、ティッシュを使用することもポイントの一つ。繊維が荒い布などを使用すると葉を傷つけてしまうことがあります。そして、せっかく拭きとった害虫をまた葉に付けてしまわないためにも、使い捨てできるものを使って拭いてくださいね」

 

2. 霧吹きで葉に水をかける

続いて教えてもらったケア方法は、葉に直接水を与える「葉水」。こちらも毎日行いたいケアの一つです。

 

「葉を拭いたら、次は霧吹きを使って葉全体に水をあげてください湿らす程度に水を与えることで、葉の乾燥を防ぎ、ハダニの発生などをおさえることができます

水やりは、土には週一回程度で問題ありませんが、葉にはできれば毎日行うのが良いと思います。ただし、一回に与える水の量は『全体を湿らす程度』で充分です。やりすぎてしまうと別の病気になることもあるので注意してください」

 

3. 木酢液を使用すればさらに効果的!

さらに万全なケアを目指すなら、「木酢液(もくさきえき)」を使用するのが良いそう。木炭の煙から抽出した樹木のエキスである木酢液には、害虫予防の効果があります

 

「木酢液は水で薄めて、害虫が付きやすい葉の裏を中心に、霧吹きを使って吹きかけてください。こちらも与えすぎは逆効果で、目安は週一回程度です。

現在さまざまな種類の木酢液が販売されていますが、お部屋でも安心して使用したいという方にはオーガニックの木酢液がおすすめ。RENで販売しているものも天然素材からつくられています」

 

観葉植物にとって快適な環境を整えることも、対策になる

日々のケアに加え、観葉植物にとって“快適な環境”をつくってあげることも、害虫対策につながります。部屋にある観葉植物の置き場所などを、あらためて見直してみることも大切です。

 

「観葉植物は、閉め切った部屋ではなく風通しが良い場所に置いてください。また直射日光が当たらない明るい場所に置くのもポイント。明るさの目安は『日中、読書ができるくらいの日の光があるかどうか』です。直射日光に当たりすぎると、葉が焼けることにもつながるので、窓際に置く際にはレースのカーテンなどを付けて、光が当たりすぎないようにするのがいいと思います。

また、夏はお部屋でクーラーを使用することも多いと思いますが、クーラーの風が直撃する位置に観葉植物を置くのは避けましょう。『クーラーの風でずっと葉が揺れている』ということがないよう、位置を調整してみてください」

 

ケアしていたのに害虫が発生してしまったときの対処法は?

観葉植物を日々ケアし、快適な環境の中で育てていても、100パーセント害虫を防ぐのはなかなか困難なこと。山田さんは「害虫は小さいため気が付かないことも多いですが、『水やりの量が適正で、日光にもしっかり当てている』にも関わらず植物に元気がないときは、害虫のせいかも、と疑ってみてください」と言います。

 

もしも害虫が発生してしまったときにはどうすれば良いのか、その対処法を三段階に分けて教えてもらいました。

 

1. 被害が出ている場所を拭きとる

「まず第一段階の対処法は、葉の色が変わってしまっている部分など、害虫の被害を受けていると考えられる場所を中心に、水で濡らしたティッシュで葉を拭きとること。害虫の数が少なければこれだけで済むはずです」

 

2. 薬剤を使う

「改善されない場合は、第二段階として、拭きとりに加え、害虫を駆除するための薬剤を使用してみてください」

 

3. 枝ごとカットする

「それでも状態が悪化してしまうときには、最終手段として、被害を受けている部分を思い切って枝ごとカットしましょう」

 

葉以外の部位にも虫はつく?

葉以外にも付着する害虫はいます。

 

「『コナカイガラムシ』は葉の根本部分に、『カイガラムシ』は幹に付着することがあります。もし発生した場合には、葉と同様の方法で対処してください。

また、観葉植物に付く害虫とは別に、土の中から“不快害虫”が発生することもあります。植物には直接害をもたらさないものの、人を不快にさせる虫のことを不快害虫と言い、中でも湿気を好む『キノコバエ』は夏によく発生します。対処法としては、表面の土を新しいものに入れ替えたり、土が少し乾燥気味になるように管理したりすることが有効です」

 

悩んだらショップなど専門家に相談を!

「ご自身でどう対処して良いのかわからないときには、アフターサービスなどを行っているグリーンショップに相談して、プロに頼るのも有効な手段の一つだと思います。ぜひ、おうちにある観葉植物を長く大切に育ててくださいね」

 

観葉植物と長く付き合っていくためにも、「ケアは一時的な期間だけ行うのではなく、継続してほしい」と山田さん。今回紹介したケア方法はどれも簡単にできることばかりなので、ぜひ今から実践してみてください。

 

【プロフィール】

REN 店長・プランツケアマイスター / 山田聖貴

アフターサービスが手厚いRENで、プランツケアマイスターとしてお客の植物に関するあらゆる悩みに応え、植物との持続可能な暮らしをサポートしている。

REN プランツケア https://www.ren1919-shop.com/?tid=2&mode=f41

 

【店舗情報】

REN

所在地=東京都港区三田2-17-32 ハナモスタジオビル(※2021年8月12日(木)にリニューアルオープン。)
TEL=03-3456-0871 (旧店舗から継続)
HP https://www.ren1919-shop.com

 

稲垣吾郎は花が大好き! ブログの影響でファンが購入? 植物関連の商品がAmazonランキングの上位に!

世間で注目を集めている商品が一目でわかるAmazon「人気度ランキング」。さまざまなカテゴリの注目商品がわかる同ランキングだが、商品数の多さゆえに動向を追いかけられていない人も少なくないだろう。そこで本稿では、そんなAmazon「人気度ランキング」の中から注目の1カテゴリを厳選。今回は「DIY・工具・ガーデン」のランキング(集計日:1月17日、夕方)を紹介していこう。

出典画像:ハイポネックスジャパン公式サイトより出典画像:ハイポネックスジャパン公式サイトより

 

 

雑草対策にベストな時期は冬!?

●1位「アストロ 園芸用 防草シート 1×10m 敷くだけで雑草の成長を抑制! 除草剤や薬を使わず安心して使用できる! 水を通すため雨が溜まりにくい。必要に応じてハサミでカットできる。 602-20」

出典画像:Amazonより出典画像:Amazonより

 

除草剤や薬を使わず、雑草の対策が簡単にできる防草シートが人気急上昇。ハサミでカットして簡単にサイズが変えられるシートは家庭園芸や家庭菜園、庭の手入れなど様々な場面に対応できる。

 

雑草対策に最適な季節は春でも夏でもなく、冬だという。春夏に勢いよく伸びる雑草を刈りとるのは一苦労だが、冬場は勢いが弱くなるため雑草処理の手間が激減。雑草が生え始める前に対策をすることが大切なようだ。

 

ネット上では「防草シートを張ったら、ラベンダーでも植える予定!」「この時期になると雑草対策で防草シート敷かなきゃ!」と雑草対策に燃える声が続出している。同商品の購入者からは「軽いから作業がしやすかった」「切ってもほつれない素材で、使い勝手がかなり良い!」と評判のようす。

 

●2位「proster デジタル マルチメーター バックライトLCD付き電圧 電流 抵抗 導通 日本語説明書付き 18ヶ月保証」

●3位「KKmoon 2.4インチ TFT デジタル オシロスコープ ポケットサイズ DIYキット ケース SMDハンダ付け 学習セット 1MSa/ s 0-200KHz」

●4位「改良版 ソーラーライト 34LED 【Mothca】三つモード センサーライト 防犯防災ライト ガーデンライト 高輝度 省エネ 防雨 270度広角照明 壁掛け式 自動点灯 電源不要 屋外照明 軒先 駐車場 庭先 カーポート ベランダ 玄関周りなど対応」

●5位「オルファ(OLFA) 特専黒刃(大) 50枚入 LBB50K」

●6位「ワイヤレスチャイム Monmall 呼び出しチャイムセット 防水 防塵 玄関ドアベル インターホン 36メロディー 4段階音量調節 最高280Mの無線範囲 受信機2個 送信機1個【日本語取扱説明書付き】」

 

稲垣吾郎は花に夢中!

●7位「ハイポネックス ハイポネックス 観葉植物の肥料アンプル 35ml×10本入り」

出典画像:Amazonより出典画像:Amazonより

 

観葉植物を育てるための必須アイテム・肥料アンプルがランクイン。定番品だが、人気急上昇の背景は稲垣吾郎のブログにあるのかもしれない。

 

稲垣はブログ内でポインセチア、プリンセチア、アネモネなどの花を飾った部屋の様子をたびたびアップ。1月13日更新のブログでは「メランコリックな表情で健気に咲く花が僕の気分には合うことが多い」「ユニークで可愛らしいガーベラと睨めっこをしているとつい吹き出してしまう」など、花への愛情に溢れる文章を綴った。

 

ブログの内容に感化されたファンは、稲垣のお気に入りの花を入手しようと大奮闘。Twitter上では「プリンセチアの問い合わせが全国の園芸店やホームセンターに多く届いたようです」「展示会等での予約分の出荷時期が落ち着く頃でしたので、びっくりだよと皆さん話していました」といったツイートも拡散されている。プリンセチアの人気に火が点いた経緯を知った園芸業界は、「さすが国民的スターの稲垣吾郎さんだ」と納得したようす。

 

プリンセチアを手に入れたファンは、「吾郎さんのブログに載ってたプリンセチア買った!」「吾郎ちゃんと同じ花ゲット!」と大喜び。花の確保に続いて肥料アンプルの購入に走ったのでは!?

 

●8位「グリーンライフ ファミリーポスト スタンダードタイプ 18-0ステンレス PS-30H」

●9位「Enermall マキタ 充電器 DC18RC 急速充電 14.4V-18V 対応 BL1460 BL1860 対応 互換用 充電完了メロディ付き」

●10位「マックス(MAX) ステープル T3-6M」

 

植物関連の商品が上位に現れた今回のランキング。次回は一体どんな商品に注目が集まるのだろうか。