下ごしらえから保存まで1つのボウルで完結!時短調理でき、洗い物も減らせる真空保存機

ツヴィリング J.A. ヘンケルスジャパンは、真空保存機「FRESH & SAVE」の新シリーズ「フレッシュ&セーブ 真空保存ボウル」を3月20日に発売します。公式オンラインショップでは3月13日から先行販売し、19日までの7日間はツヴィリング会員のみ10%オフの割引が適用されます。

 

記事のポイント

せっかく買った・作ったのに、保存が甘くて食材や料理をダメにした時のガッカリ感たるや……。ワンプッシュで真空保存が叶うボウルがあれば、いつでも新鮮さを保てて安心です。「フレッシュ&セーブ」共通で使えるツヴィリングアプリに対応しているので、スマホでラベルをスキャンすれば、消費期限つき食材リストを簡単に作れて食べ忘れや二重購入を防いでくれます。

 

「フレッシュ&セーブ」は、専用の電動真空ポンプで手軽に真空保存ができる人気シリーズ。今回登場する「真空保存ボウル」は、下ごしらえからテーブルサービング、保存までを1つのボウルで完結できます。

下ごしらえの時短:食材をまとめてカット。使うまで真空保存することで、いつでも新鮮な状態で調理できます。

 

そのままテーブルへ:サラダなどをボウルから皿へ移し替える手間がなく、洗い物も減らせます。残ったらそのまま真空保存すればOKです。

 

また、フタがストウブのセラミックボウルにフィットするので、真空保存容器として活用できます。

 

素材はガラスとステンレスの2種類です。

 

ガラス製: 透明感があり、丈夫で傷つきにくいのが強み。オーブンや電子レンジでの使用も可能です。

 

ステンレス製:耐久性があり軽量で扱いやすいのが特徴。熱が伝わりやすいので、温めながら、冷やしながらの作業に最適です。

 

 ツヴィリング J.A. ヘンケルスジャパン
フレッシュ&セーブ 真空保存ボウル
サイズ: S、M、L

超初心者が自炊する前に知っておくべき火加減・食材の切り方・分量の計り方など基本を一人暮らしアドバイザーが解説

一人暮らしは、自分らしい生活を楽しむ第一歩。新生活への期待に心が躍る一方で、初めての環境には不安や疑問がつきものです。この連載では、「一人暮らしの○○の基本」をテーマに、一人暮らしの衣食住にまつわるさまざまなヒントをジャンル別にまとめ、紹介していきます。

 

最初のテーマは「料理の基本」。自炊を始める前に準備すべき道具や調味料、食材の買い出しのコツを紹介した前編につづき、後編となる今回は、一人暮らしアドバイザーで料理家の河野真希さんに、いよいよ料理をするにあたって知っておきたい基礎知識について解説していただきます。

 

 

一人暮らしの自炊にまず必要なものは?絶対用意すべき調理器具・調味料と買い出しのコツ

 

料理をする際に
衛生面・安全面で気を付けたいこと

料理には食中毒や事故といった、さまざまなリスクが潜んでいます。安心・安全に自炊を楽しむためには、衛生面・安全面の管理を徹底することが重要です。料理を始める前に、事前に注意事項を確認しましょう。

 

1.清潔を心がけ、こまめに手洗い・消毒を

「食中毒予防の基本となるのが手洗いです。食材や道具類に触れる前に必ず手を洗い、雑菌をしっかり落としてから調理を始めましょう。調理中も生ものやスマホなどの雑菌の多いものに触れたときはその都度手を洗ってください。
使用した道具類は洗剤などを使って丁寧に洗浄し、よく乾かします。アルコール除菌スプレーを持っておくと、道具類や作業台なども手軽に殺菌消毒ができるのでおすすめです」(一人暮らしアドバイザー・料理家、河野真希さん、以下同)

 

2.食材の管理を徹底する

「冷蔵や冷凍が必要な食材を購入した際は、できるだけ早く帰宅してすぐに冷蔵室や冷凍室に入れましょう。とくに湿度や気温の高い時期は雑菌が増殖しやすいため、常温での放置は非常に危険です。
また、常温で保存できるものであっても、高温多湿を避け、日が当たらない通気性の良い場所に保管しましょう。開封・開栓した食材を開けっ放しのまま放置すると、虫が湧く原因になります。チャックや蓋をしっかり閉めて保存します」

 

3.刃物の扱いに気を付ける

「調理中は包丁やピーラーなど、刃物を使う工程も多くあります。刃物を使う際は、細心の注意を払ってください。包丁を適当な場所に放置すると、刃に触れてしまったり、落下してしまったりと大きな怪我に繋がります。包丁を置く際は安定した場所に、刃先を自分と反対の方向に向けて置くようにしてください」

 

4.調理中の火災に注意

「調理中、鍋やフライパンを火にかけているときに、インターホンが鳴るなど急ぎの対応に追われることも。その際、火を点けたままその場を離れてしまうと、火災の発生につながる恐れがあります。調理中は火のそばから離れないこと、コンロから離れるときはいったん火を止めることを徹底しましょう」

 

「また、コンロの周りには、燃えやすいものは置かないようにしてください。DIYでコンロ周りの壁紙を変える方もいると思いますが、なかには燃えやすい素材のものもあるため、耐火性のある壁紙を選びましょう。また、調理中に衣類の袖などから引火してしまう『着衣着火」にも注意が必要です。もこもこしたニット素材やフリース素材はとくに引火しやすいので、調理中はそのような素材を使用した衣類の着用は避けた方が良いでしょう」

 

まずはこれだけ!
食材の基本の切り方

食材の切り方は、素材の性質や調理法によってさまざまです。同じ食材でも、切り方次第で味や食感が大きく変化します。レシピによく登場する野菜の基本の切り方を、引き続き河野さんに教えていただきましょう。

 

・千切り

 

野菜を1mm程度の幅で細かくカットします。とくに千切りキャベツはサラダにしたり、市販の惣菜の付け合わせとして添えたりするだけで、手軽に野菜を摂取できます。

 

「キャベツの場合は外側から葉を2~3枚はがし、繊維が横向きになるように重ねて巻いて、端から細かく切っていきます。繊維を断ち切るように切ることで、ふわふわとした柔らかい口当たりになります」

 

・乱切り

 

にんじんやごぼうなど、細長い棒状の野菜をくるくると回しながら不規則な形にカットします。カレーやシチュー、肉じゃがなど、煮込み料理に適しています。

 

「切り口が増えることで火が通りやすく、味が染み込みやすくなります。形は一つひとつ異なりますが、大きさはなるべく揃えましょう」

 

・いちょう切り

 

大根やにんじん、れんこんなど、円柱状や球状の野菜を、いちょうの葉のような形にカットします。豚汁などの汁物や、炊き込みご飯などにも使われる万能な切り方です。

 

「皮をむいたら縦半分に割り、かまぼこのような半月型にしたら、切り口を下にして置きます。それをさらに縦半分に割り、端から一定の厚さでカットしていきます。厚さは作る料理に合わせて調整してください」

 

・くし形切り

 

トマトや玉ねぎ、じゃがいもなど球状の野菜を、櫛(くし)のような形にカットします。中央から放射線状になるように切っていくイメージです。サラダに添えるトマトや、フライドポテトなどにも適しています。

 

「まず縦半分にカットしたら、切り口を上にして半分に切り、さらに半分に切ります。トマトの場合、縦半分にカットしたらV字に切れ込みを入れてヘタを取り、同じように切っていきます」

 

大さじ、小さじ、カップ……
分量の計り方いろいろ

料理初心者であれば、最初はレシピ通りに作ることを心がけましょう。とくに調味料の分量は、料理の味を大きく左右する大事なポイント。レシピに書かれた手順や分量を守って調理することで、失敗も少なくなります。

 

調味料を計る際は、計量スプーンや計量カップを使ってきちんと計るようにしましょう。慣れてくると、目分量でも料理が作れるようになります。

 

計量スプーンを使った計量方法

計量スプーンには大さじと小さじの2種類があります。大さじは15ml(cc)、小さじは5ml(cc)なので、大さじ1杯=小さじ3杯分と覚えておくと、どちらかしか手元にない場合でも計量が可能です。

 

・液体の場合

「醤油やみりんなどの液体を計る際は、計量スプーンを水平に持ち、表面張力で盛り上がるくらいまで液体を入れます。半量(1/2杯)を計る場合は、スプーンの7分目程度の深さまでが目安です」

 

・粉末の場合

「砂糖や塩などの粉末を計る際は、粉末を山盛りにすくい上げ、箸や他のスプーンの柄などを使ってフチに沿うように粉末を落とし、表面を平らにします。このような状態を『すりきり』といいます。半量(1/2杯)を計る場合は、すりきりの状態から半分に区切り、印をつけたところまで半量をかき出します」

 

計量カップを使った計量方法

「レシピには『1カップ』と書かれていることがあるので、1カップ=200ml(cc)と覚えておきましょう。平らな場所に計量カップを置き、目盛りを見て量を調節します。粉末の場合は、トントンと打ちつけながら平らにならして目盛りに合わせます」

 

なお、米を計量する場合は、1カップの容量が異なるため注意が必要です。

 

「米は1カップ(1合)=180ml(cc)です。通常の1カップの量と混同してしまうと、炊飯時に水量が合わず、炊き方にムラができてしまうので、計量カップを使用する際は注意が必要です。米を計る際は炊飯器付属のものなど、なるべく米専用の計量カップを使うようにしましょう」

 

料理によって使い分けよう
火加減の違いをチェック

分量と同様に、料理の出来栄えのカギを握るのが火加減。火加減の調節をおろそかにしてしまうと、食材が焦げてしまったり、反対に生焼けになってしまったりと、失敗の原因につながるため、こまめに調節する必要があります。

 

基本的には、レシピに書いてある通りに調節しましょう。ガスコンロの場合、火力はコンロの火の先端で見分けることができます。

 

・強火

「火が鍋底の全体をなめるように広がっている状態です。火の先端が鍋底からはみ出ないよう、サイズに応じて調節しましょう。サッと焼き目をつけたいときや、お湯を沸かすときなどに使います」

 

・中火

「火の先端が鍋底に少し触れる程度の状態で、煮る・焼く・茹でる・揚げるなど幅広い調理に適しています。レシピで火加減が指定されていないときは、中火に設定しておくと良いでしょう」

 

・弱火

「鍋底に火の先端が当たらない程度の火力で、中心部分のみを熱している状態です。火力が弱いので、中身が吹きこぼれることがありません。長時間じっくりと煮込みたいときなどに適しています」

 

無理なく自炊を続けていくには?

料理の土台となる基本知識を理解したら、気に入ったレシピなどを参考にしながら料理に挑戦してみましょう。初めは簡単な料理から始めて、少しずつレパートリーを増やしていきます。

 

前編でもお伝えしたように、河野さんのおすすめは「ご飯と汁物、おかず一品の一汁一菜スタイル」。よりバランスの良い食生活を送るために、汁物やおかずには、一人暮らしで不足しがちな野菜を意識的に取り入れると良いでしょう。

 

とはいえ、日々の忙しさや献立を考える煩わしさで、時には”自炊疲れ“に陥ってしまうことも。節約や健康を意識して自炊に取り組むのは良いことですが、初めからフルスロットルで頑張りすぎた結果、早々に挫折してしまっては元も子もありません。河野さんによると、自炊を続ける上でもっとも大切なのはやはり「無理をしないこと」だそう。

 

「最初は、毎日ご飯を炊くだけでも十分です。料理を始めたばかりのときや、作る気力がないときは、レトルト食品や冷凍食品、お惣菜に頼っても大丈夫。週末など余裕のある日だけ料理をしてみるのも良いと思います。継続していくことが大事なので、ハードルを高く設定せず、できることから一歩ずつ始めてみてください」

 

自炊継続のコツは、頑張りすぎず、自分のペースで楽しみながら料理をすること。程よく手を抜きながら少しずつ習慣化して、楽しく健康的な自炊ライフを送りましょう。

 

一人暮らしの自炊にまず必要なものは?絶対用意すべき調理器具・調味料と買い出しのコツ

 

 

Profile

一人暮らしアドバイザー・料理家 / 河野真希

自らの一人暮らし体験を元に取材や研究を重ね、2001年からWebを中心に各種メディアで暮らしに関する情報を発信。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、始めるためのライフスタイル提案を行う。『ひとり暮らしで知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)、『きほんから新発想まで 家事ずかん750』(朝日新聞出版)ほか、執筆や監修本多数。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な、自分らしい暮らしづくりを応援している。2016年4月からは『料理教室つづくらす食堂』も主宰。
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トングやレードルから絞り器まで、鍋料理を快適にする進化した“鍋”グッズ12選

寒さが増し、おでんや寄せ鍋など“鍋”がおいしい季節になりました。友人や親族を家に招いて楽しむ予定もあるでしょう。そんなときは、スマートにサーブしたり楽しく鍋を囲めるようにおもてなししたいもの。

 

そんなニーズを汲むように、保温性の高い鍋や使い勝手のいいトングなど、工夫を凝らした調理グッズの進化は止まりません。鍋料理を快適にしてくれる、便利で見た目も美しいキッチン用品を、生活雑貨に詳しいフリーライターの納富廉邦さんに紹介していただきました。

楽しみ方さまざま!
鍋料理のトレンドは?

「最近は鍋料理の種類が豊富になり、より自由度が増してきたことを実感します。SNSではさまざまな鍋料理が紹介され、和風、洋風、エスニック風、また創作に富んだオリジナルレシピなど多種多様な鍋料理を、みなさん楽しんでいますね。
ひと昔前のように『キムチ鍋』や『豆乳鍋』といった分かりやすいものではなく、自己流にアレンジした多彩な鍋料理が多く存在しています」(ライター・納富廉邦さん、以下同)

 

と、まずは鍋料理のトレンドを教えていただきました。

 

・薬味や調味料にこだわる
「大根おろしや柑橘類など、薬味を入れて楽しむ鍋料理や、こだわりの柚子胡椒や七味唐辛子などの調味料を効かせた鍋料理が多く見られるようになりました」

 

・市販の鍋の素が豊富になった
「手軽においしい鍋が楽しめる市販の鍋つゆのバリエーションが増えました。これによって圧倒的に鍋料理がしやすくなったのは言うまでもありません。定番のスープから変わり種の味まで、さまざまな味が揃っているので頻繁に鍋料理をしても飽きることなく食べることができます」

 

・アンテナショップでご当地鍋を楽しむ
「都心部では全国の食材が揃うアンテナショップが多く存在し、ご当地の絶品鍋料理を自宅でも楽しめるようになりました。また、その土地ならではの食材を活かした調味料も手に入るので、新しい発見があるのも魅力的です」

 

・具材は数種類とシンプルにする
「スープや薬味、スパイスが充実してきたこともあり、さまざまな種類の野菜をたくさん入れるスタイルから、お肉と野菜を2〜3種類に厳選したシンプルな鍋料理が主流になっています」

 

・鍋料理は家庭で楽しむ料理に
「新型コロナウイルスの流行で、複数人で鍋を囲むことは随分と減ってきました。さらに外食費の高騰もあり、今後、鍋料理は外食ではなく、家庭で楽しむ料理となっていくと思います」

 

進化するおでん…料理家おすすめのタネ10選と基本のだしからカレーチーズおでん、串おでんまでレシピ3種

 

鍋から箸まで!
鍋料理を快適にするキッチン用品12選

鍋料理のトレンドに合わせて、キッチン用品にも変化が見られるそう。

 

「使う前に米を入れて煮込む『目止め』をする必要のない土鍋など、手入れしやすい鍋が出てきています。また、おたまやトングなども使いやすい形状にデザインされていたりと、一見、マイナーチェンジに見えますが、実際に使ってみるとその効果を実感することが多くあります。
とくに私が実感しているのは、『鍋にはトングが便利』ということです。菜箸でも事足りますが、トングを使ってみると、その使い勝手の良さを手放すことはできません。最近のトングは先端が食材を掴みやすくなっており、力を入れなくても自在に挟むことができます。ぜひ一度試してもらいたいですね」

 

ここからは、納富さんが実際に使って効果を実感したキッチン用品を紹介していただきましょう。

1.遠赤外線で食材にしっかりと熱を伝える「鍋」

旭工業「Sumi Nabe」
6万6,000円(税込)

 

カーボングラファイトでできており、遠赤外線による調理が可能な鍋です。食材に均一に、かつ速やかに熱を伝えることにより、食材の旨みをぎゅっと凝縮します。鍋料理として「煮る」ほか、ステーキなどの「焼く」料理にも効果を発揮します。

 

「すべてが炭でできているので、土鍋よりもはるかに遠赤外線効果が高い名品です。この鍋で煮込めば高価なお肉でなくとも、なかがほろっとして柔らかく美味しい仕上がりになります。鍋以外の調理でも活躍するので、我が家では週に3回くらいは使用しています。半永久的に使えるので、我が家でも一生モノのアイテムとして重宝しています」

 

2.手にしっくりと馴染むトング

conte「おてがる薬味トング」
13cm 1,430円/15cm 1,650円(ともに税込)

 

薬味の入っているクチの細い瓶に使うことを想定して作られたこちらのトングは、先端が細くなっていて薬味を掴みやすいのが特徴です。力を入れなくても食材を挟むことができるので、まるで自分の手の代わりのように扱うことができます。

 

「私は13cmと15cmの両方のサイズを使っています。どちらのサイズもあった方が便利ですが、どちらか一つであれば、15cmのものをおすすめします。先端が細くなっているので、薬味のような細い瓶にも入れやすいトングです。鍋料理以外でも、サラダを取り分けるシーンなど、食卓に置いてあるだけで何かと活躍してくれます。サッと手に取れて、テーブルに置いてあっても邪魔にならない小ぶりのサイズ感は使い勝手が抜群です」

 

3.スープをすくいやすいレードル

ichibishi「すくいやすく注ぎやすいレードル」
2,090円(税込)

 

すくう部分がカーブを描く三角形になっているので、鍋底のカーブに添いやすく、食材のすくいやすさが抜群です。また、お椀にスープを入れたいときは、注ぎぐちが狭まっているため、液だれしにくい点もポイントです。左右対象なので、利き手を選びません。

 

「鍋のなかの具材をすくうためには先端は平たいことがとても大切なんですよね。持ち手の長さも通常のレードルより短く設計されていて、とても使いやすいです。円形のおたまが使いにくいと感じたことのある方にぜひ試してもらいたいです」

 

4.多様な働きをしてくれるスプーン

Three Snow「新越ワークス/クックスプーン」
1,210円(税込)

 

おたまとヘラのいいとこ取りのような万能スプーン。これ一つで、炒める、煮る、すくうができるので、洗い物を少なくすることができます。また、先端がナイロン樹脂になっているので、鍋の表面を傷つける心配が入りません。

 

「持ち手が23.5cmと通常のおたまより短く、カトラリーのスプーンと同じように手軽に扱うことができます。おでんの卵をすくいたいときにも、汁をよそわずに、卵だけをお椀に移すことができます。使ってみると、使い勝手の良さを心から実感できると思います」

 

5.グッドデザインなステンレスのレンゲ

ヨシタ手工業デザイン室「racco レンゲスプーン」
1,100円(税込)

 

レンゲスプーンの先端は普通のスプーンよりも広いですが、ボウル部が浅いため口を大きく開けることなく、食材をたっぷりのせて口に運ぶことができます。また、大皿料理の取り分け用に使用する、ポテトサラダを作るときに潰しながら和える、など工夫次第で使い方が広がります。

 

「従来のレンゲって本当に使いにくいと思いませんか。こちらのレンゲは、柄の長さや口に運ぶときの形状など本当によく考えられています。スープを飲むときにも、具材を食べるときにも、どちらでも使い勝手が良く便利です。水餃子などもとても食べやすいですよ」

 

6.箸置き要らずのシンプル箸

アッシュコンセプト「+d 木の浮き箸」
3,300円(税込)

 

箸の先端が浮き上がっているため、テーブルに接地することがなく衛生的です。もともとは樹脂素材でできた「+d ウキハシ」がありましたが、このデザインを踏襲しながら、天然素材を使用した商品にするために、形状を保つよう素材や技術など改良を重ね作られました。

 

「やはり木製の箸は雰囲気があって良いですね。浮き箸は箸置き要らずでさっとテーブルにおくことができるのが気に入っています。鍋料理の際にはさまざまなキッチン用品がテーブルに並ぶので、少しでもアイテムを絞りたいと思ったときにこちらの箸を選びました」

 

料理道具研究家が愛用する料理の厳選7つ道具と便利グッズ

 

7.おろす角度に技ありのおろし金

シゲル工業「おろし金17°(ジュウナナド)」
9,900円(税込)

 

メーカーが試行錯誤して導き出した、極力、力を加えずにおろすことができるおろし金です。その秘密は、おろす角度にあります。傾斜がついているので、少しの力でスムーズにおろせるのです。オールステンレス製で、衛生面でも安心。使用後におろし金に残った食材も水でさっと流して洗い落とすことができます。

 

「大根おろしが水っぽくなく、ふわふわでおいしく仕上がります。しかもマイルドな味になるので、大根おろしが辛くて苦手な方にも使っていただきたいですね。滑り止めもしっかりとしているのでラクにおろすことができます。みぞれ鍋のような、大根おろしをたっぷりと作りたいお鍋のときにもおすすめ。ギフトとしても大変よろこばれます」

 

8.刃当たりが心地よいカッティングボード

RUBBER Rubber「カッティングボード」
Sサイズ 5,720円/Mサイズ 6,820円(ともに税込)

 

木製のまな板のような心地のよい刃あたりと、プラスチック製まな板の優れた衛生面を両立したまな板です。業務用合成ゴムまな板を作り続けてきた実績のある老舗日本メーカーが、家庭になじむ色と大きさを考え作りました。

 

「鍋料理を楽しむときは、テーブルに小さなまな板があると便利です。大きめのお肉を小分けにしたり、もう少し野菜を食べたいときに少しだけ野菜を切ったりすることができるなど、さまざまなシチュエーションで役立ちます」

 

9.手にしっくりと収まるサイズのすり鉢

EAトCO「Sulu mortar and pestle」
3,850円(税込)

 

卵形のデザインが目を引くすり鉢です。シリコーン製のフタはすりおろすときには滑り止めマットに早変わり。しまうときはすり玉が転がらないようにフタをして一緒に保管することができます。コンパクトな大きさなので、すり鉢とすり棒のように場所をとりません。すり玉には国産檜を使用しています。

 

「その場ですりおろしたゴマはとても風味がいいですよね。こちらは見た目もとてもかわいらしく、鍋料理の食卓を華やかにしてくれます。卵のような楕円形がとても手になじみやすく、そして力を入れずにすりおろせるところもポイントです。ゴマを使いたい分だけ少量をすり下ろしたいのであれば、こちらがおすすめです」

 

10.細い瓶にも使えるスリムなサジ

EAトCO「サジ」
1,430円(税込)

 

細身のスプーンで瓶の調味料や、袋入りの粉物を取り出すときにも引っかかりが少なく、簡単に取り出すことができるサジです。持ち手が長いので、深さのあるグラスを混ぜるときにマドラーのようにして使うこともできます。さまざまな用途に細やかに対応する一品です。

 

「わが家では、柚子胡椒やマスタードを使いたいときに使っています。普通のスプーンで薬味をお椀に乗せるときに、スプーン側に薬味が残ってしまうことは少なくありません。このサジなら、薬味のほとんどをお椀にしっかりと移すことができます。鍋だけでなく、ジャムをパンに塗るときなどにも使っています」

 

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11.柑橘類を絞るなら持っておきたい絞り器

家事問屋「レモン絞り」
1,320円(税込)

 

小鳥のようなフォルムに癒されるレモン絞りです。手を汚さずに柑橘類を絞ることができて便利。口ばしの部分が注ぎ口になっていて種が出にくい仕組みになっているのもポイントです。テーブルに置くとゆらゆらと揺れる姿もまたかわいらしいです。

 

「鍋にレモン、かぼす、すだちなど柑橘系を使うならこちらの商品がお勧めです。オールステンで食材がひっかかることなく絞れます。唐揚げやチューハイなどを作る時にも使えるので柑橘系を絞る習慣がある方にはぜひ持っていてもらいたいものです」

 

12.シャープでスタイリッシュな鰹ぶし削り器

貝印「Kai House SELECT 鰹ぶし削り器(カバー付)」
4,620円(税込)

 

大きくてしまうところにも悩む鰹ぶし削り器をスタイリッシュかつコンパクトに仕上げた逸品。サッと取り出していつでも使え、フタがあるため収納に困りません。削った鰹ぶしはカンナを取り外さなくても取り出すことができます。

 

「おだしからしっかりと取ろうと思う本格派の人、または、鰹ぶし削りはハードルが高いけれどやってみたいと思う人におすすめの品です。従来の鰹節削り器だと力の入れ具合が難しいですが、こちらはむしろ力を入れない方が上手に削ることができます。本格的な鰹ぶしの風味を手軽に味わうことができますよ」

 

使うツールを見直すだけで、今までの鍋料理がグンと快適になり、楽しくなるはずです。鍋をする機会も増えることでしょう。これからの季節に、温かなお鍋と便利なキッチン用品で鍋時間を楽しんでください。

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Profile

フリーライター / 納富廉邦

主に文具、生活雑貨、装身具、バッグや革小物といったグッズのほか、日本茶、中国茶、紅茶、コーヒーを中心に飲み物全般と茶器や食器、伝統芸能全般などに関するレビューや評論、書評、音楽評論、美術評論などを書籍や雑誌、Webなどで執筆。著書として2023年後半に『二十一世紀の名品小物101』『逆光写真集』(ともにKindle ダイレクト・パブリッシング)、共著に『ローリング・ストーンズ完全版』『ボブ・ディラン完全版』(ともに河出書房新社)などがある。
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片付けのプロが実践する、キッチンの“吊り下げ”収納術

キッチンは、フライパンなどの調理器具をはじめ、調味料、布巾や鍋つかみといった布モノなど、細々したアイテムが多く雑然としがち。すべてを扉の中にしまってしまえば見栄えは良くなる反面、使い勝手は悪くなります。見た目にも衛生面でもきれいに、そして使いやすくするための整理収納術とは?

 

昨今ますます注目される「吊り下げ収納」について、整理収納アドバイザーとして活躍する「暮らしやすさラボ」のサチさんに教えていただきました。

 

SNSでも注目を集める「吊り下げ収納」とは

(写真提供=山崎実業「tower 戸棚下まな板&布巾ハンガー」)

 

「以前から吊り下げるタイプの収納法はありました。でも、あくまでも効率性を上げるものであり、見た目を意識するものではありませんでした。それが7〜8年ほど前から、山崎実業の『tower(タワー)』シリーズが販売されるようになると、その実用性もさることながらデザイン性にも注目が集まり、インスタグラムなどでも多くのユーザーが紹介するように。それがきっかけで“おしゃれな吊り下げ収納”が広がっていったように思います。

 

吊り下げ収納の代表格であるS字フックのみならず、強い磁力のマグネット付きのフックをキッチンパネルやレンジフードにピタッとつけてぶら下げる収納アイテムなど、アイテムが充実してきています。外にそのまま出しておいても見栄えの良いアイテムが増えてきたこと、さらに取り出しやすく料理の効率も良い点で、人気となっています」(整理収納アドバイザー・暮らしやすさラボ サチさん、以下同)

 

この吊り下げ収納は、収納のプロからすると良いところもある反面、デメリットになることもあるそう。メリットとデメリットの両面、そしてデメリットの解消法を解説していただきました。

 

『吊り下げ収納』のメリット

『吊り下げ収納』のメリット

 

・調理道具を取り出しやすくしまいやすい

「吊り下げ収納の最大のメリットは、効率の良さにあります。料理をする上で、作業効率を高めることはとても大切ですよね。手に届く範囲でサッと取れる。洗った後もすぐに元の場所に戻せることは、家事の時短につながります。スムーズな作業動線が整っていれば、お料理するのもいくぶん楽しくなりそうですね」

 

・食料品や消耗品の残量が分かりやすい

「吊り下げ収納の良い点として、目に止まりやすいこともひとつのポイント。ふりかけなど積極的に使っていきたい食材をクリップで止めてぶら下げておくことで、食べ忘れを防ぐことができます」

 

・家族もしまい場所を把握でき家事分担ができる

「出してぶら下げておくことで、どこに何があるのかを把握しやすいため家族全員で保管場所を認識することができます。家事をシェアしたいご家庭では便利な収納方法ではないでしょうか」

 

『吊り下げ収納』のデメリット

・ホコリっぽく、油汚れも付きやすい

「キッチンは油はねが多い場所。また、ずっと物を置いておくと油と合わさり、埃も付着しやすくなってしまいます」

 

【解決策】
「物をできるだけ少なくし、こまめに掃除しやすい環境作りを心がけましょう。出しっぱなし収納にしておくのに値するモノなのか、使用頻度を考える必要があります。そして、拭きやすいように、凹凸のないシンプルな形を選ぶようにすれば、簡単に拭き掃除することができます」

 

・インテリア性に欠ける

「考えなくぶら下げていくと乱雑になりがちです。インテリア性を保ちたい場合は工夫が必要になります」

 

【解決策】
「収納アイテムを同じメーカー、シリーズでそろえれば統一感が出せます。色も多用せず、白、黒、シルバーなどキッチンに合った色で統一することも大切です。例えば、S時フック一つにしても同じ形に揃えることですっきりとした印象になります。初期費用としては大きくなりますが、効率性と見栄えを大切にしたいのであれば重要なポイントです」

 

・つい物をぶら下げ過ぎてしまう

「よくあるのが、エコバックをひとつのフックに何枚もかけてしまっている状態。これは非常に使いにくいです。一つのバッグを取りたくとも、重なったほかのエコバッグもつられて出て落としてしまうなど、使い勝手も悪いうえ、見た目も雑多になってしまいます」

 

【解決策】
「『1つのフックに1つだけ』と決めて収納することが大切です。このフックは鍋つかみ用、こちらは布巾用など、あらかじめ物をしまう場所としてルールを決めておくことが、溜め込み吊り下げを予防する方法です」

 

収納のプロが実践する、キッチンの吊り下げ収納アイデア

(写真提供=サチさん)

 

では、サチさんはどのように吊り下げ収納を実践しているのでしょうか? アイテム別に紹介していただきました。

 

・洗えるキッチンペーパー、スプレーボトル、布巾

→コンロ下キャビネットに引っ掛け、いつでもサッと使えるように

左からキッチンペーパー、スプレーボトル、布巾(写真提供=サチさん)

 

「洗って繰り返し使えるキッチンペーパーは、洗った食器を拭いたあと調理の邪魔にならない場所で干しながら収納しています。セスキ炭酸ソーダのスプレーボトルは、主に油汚れの掃除に使います。コンロ近くぶら下げておくことで、すぐに掃除に取り掛かることができます。布巾は、洗ったあとすぐに干しながら収納。常に空気に触れて衛生面でも安心です」

 

・鍋つかみ

→コンロ下キャビネットに引っ掛け、いつでもサッと使えるように

鍋つかみ(写真提供=サチさん)

 

「毎日使う鍋つかみは、シールで貼り付けるタイプのフックを用いてコンロ下に掛けて収納しています。埃や油が気になっても、すぐに洗って使えるようシリコン素材の鍋つかみを選んでいます」

 

・キッチンペーパー

→動線を重視! フードの手前に配置して浮かせて収納

キッチンペーパー(写真提供=サチさん)

 

「作業スペースの邪魔にならないように、浮かせて収納しています。こちらであれば、水に濡れることを気にする必要がないので安心です」

 

・フライパン

→レンジフード横に強力マグネットでぶら下げる

フライパン(写真提供=サチさん)

 

「ほぼ毎日、朝食用に使っているフライパンは、使用サイクルも短いのでレンジフードにかけてしまっています。洗ったあとにそのままぶら下げて乾かせるので、忙しい朝でも、フライパンを拭く工程を省略することができます」

 

・エコバッグ

→壁に取り付けたフックにかけて忘れ物防止に

エコバッグ(写真提供=サチさん)

 

「つい持っていくのを忘れてしまいがちなエコバッグは、買い物したモノをすべて出したあと、次の買い物までの一時置きとしてフックに掛けておいています。あえて出しておくことで、買い物に持っていくことも忘れなくなりますよ」

 

「自分のライフスタイルや作業の動線を見直しながら、どこに何があるかを考えることで家事がぐっと楽になります。役割をはっきりさせることで、考えずにパッと手に取れるぶら下がり収納をぜひ工夫してみてください」

 

見た目良く家事効率もアップ!
吊り下げ収納におすすめのアイテム 5選

続いて、サチさんにシンプルで使いやすい収納アイテムを紹介していただきました。

 

1.扉の表と裏にかけられる一台二役のハンガー

山崎実業「tower シンク扉ゴミ袋ホルダー タオルハンガー付き」
2,860円(税込)

「内側にはゴミ袋やキッチンツール、外側にはタオルを掛けられるアイテムです。
観音開き扉、引き出し式の扉どちらにも対応可能です。取り外しのできるフックがついているので収納したいアイテムに合わせてフックの数や位置をカスタマイズできます。掛けるだけで新たな収納スペースを生み出すことができるので、原状回復が基本の賃貸キッチンでも使えるのがいいですね」

 

2.コンロ前の調理動線がスムーズになるフード用フック

山崎実業「tower マグネットレンジフードフック」
1,870円(税込)

「レンジフードの整流板にマグネットで取り付けられます。毎日使うおたまやフライパン返しなどのキッチンツールを、使うときにサッと手に取ることができます。また、キッチンツールだけでなく、ふきんや鍋つかみ、輪ゴムなど、よく使うものをまとめて収納するのもおすすめ。等間隔に固定して配置されているフックなので、見た目にもすっきりしています」

 

3.縦向き横向きどちらにも配置できるキッチンペーパーホルダー

家事問屋「壁付けキッチンペーパーホルダー」
3,190円(税込)

「マグネットとネジ留めの二通りの固定方法があるので、冷蔵庫パネルや壁、さまざまな場所に取り付けることができます。ステンレス製なので、サビに強く劣化しにくいところも頼もしい。また、モノトーンの収納用品が多い中、本商品はシルバーなので、流行のグレーインテリアとの相性もバッチリ。色の選択の幅を広げてくれる商品です」

 

4.こまめな掃除に一役買ってくれるマグネット式スプレーボトル

山崎実業「tower マグネットスプレーボトル」
1,990円(税込)

「手の届きやすいところに掃除アイテムを配置すると、掃除の習慣がつきやすくなります。こちらのスプレーボトルはマグネット式なので、汚れが気になったときにサッと使えて、戻すときもポンとつけるだけ。とても使い勝手がいいアイテムです。よく使うスプレータイプの掃除用洗剤や、除菌用のアルコールを入れておきたいですね。私ならば、冷蔵庫の側面に取り付けて使いたいと思います」

 

5.狭いキッチンでも素敵に収納場所を増やしてくれる調味料ラック

山崎実業「tower 戸棚下調味料ラック」
2,640円〜(税込)

「空間として有効活用できる吊戸棚の下に調味料棚を生み出せるラック。調味料を空中収納にすることで作業スペースを広く使え、水はねや油汚れも防げます。小さいお子さんに触ってほしくない調味料を退避できるという点でも秀逸。底面にゴム製マットが敷かれているので、振動で置いてあるボトルが動きにくい仕様になっています」

 

今回紹介いただいた5商品のうち、4商品が山崎実業のtowerシリーズ。その魅力を「ぶら下げ収納に多用されるマグネットの磁力の強さ、本体の劣化のしにくさ、そして何よりもインテリアを損なわない点がtowerシリーズの良さ。多少の力では動かないマグネットで、ストレスフリーに使えます」とのこと。

 

使いやすさはもちろんのこと、色や形を揃えるなど、工夫次第で高見えするキッチンにチェンジできるぶら下がり収納。まずは、どこに何があると使いやすいかをチェックしながら、浮かせて収納する手段を考えてみましょう。動線やインテリアの好みにあったアイテムを見つけてキッチンスペースを充実させてください。

 

Profile

整理収納アドバイザー / 暮らしやすさラボ サチ

育児と仕事との両立を考え、第3子妊娠中に家中を整え、片づけを仕組み化。家中を整え仕組み化することにより、暮らしの見積もりを立てやすくなり、効率的に動けることを体感する。2016年に整理収納アドバイザー1級を取得し、2018年に片づけのプロとして開業。現在まで、延べ200件以上のお客様宅で整理収納サポートや収納コンサルティングを行う。
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料理道具研究家が愛用する料理の厳選7つ道具と便利グッズ

料理には道具が欠かせません。良質で使い勝手がいい道具が、料理上手にしてくれます。今キッチンに、なんとなく “間に合わせ” で買ってしまったものや、壊れないから買い換えていないだけのものなどで溢れているなら、見直してみませんか? 料理道具研究家・荒井康成さんのキッチンにお邪魔して、料理道具を見せていただきました。

 

長く愛用したい7つの料理道具

はじめに紹介するのは、毎日自炊しなくても必要になる包丁やまな板のほか、 “これが揃っていれば料理に困らない” という視点で選んでいただいた7つ道具。

 

「いずれも高価なものを選ぶ必要はありません。長持ちするものやメンテナンスして使い続けられるものを選ぶと、買い換えなくてすむのでお財布にも優しいですし、廃棄など無駄にしなくていいメリットがあります。一方で、メンテナンスに時間がかかったり毎回やらなくてはならなくなってしまったりすれば、なかなか手が出ません。メンテナンスを気負わずにできて、ずっと使い続けられる、そんな道具を選ぶのがポイントです」(料理道具研究家・荒井康成さん、以下同)

 

1.木製の「まな板」

まな板には、さまざまな素材でできたものがあります。サクラやヒノキ、オリーブなどの木製をはじめ、樹脂製やゴム製のもの、さらに大きさやデザインもさまざまですが、荒井さんがもっともおすすめするまな板とは、やはり木製のものだそう。

 

木のまな板は、劣化しても削ればきれいになるのが最大のメリットです。本来は食材それぞれに適したまな板がありますが、家庭に何枚も置けないですし、 “この一枚” と決めるなら、サクラヒノキで作られたものがおすすめです。サクラは油なじみがいいので肉料理向き、ヒノキは湿気に強くて匂いを吸収してくれるので魚調理に向いています。どちらも安価とは言えませんが長く使えるものなので、よく食べる食材から選んでみてください。また、イチョウのまな板は木が柔らかく、包丁の刃を傷つけないので、野菜料理に向いていますオリーブは硬いので、パンやチーズなどを切るといいでしょう」

 

2.研ぎやすいステンレス製の「包丁」

包丁は、「三徳包丁」といって刃先が尖っていないタイプのものが一本あれば、なんでも切ることができます。安いものから高いものまでありますが、こちらもやはりメンテナンスして長く使えるかがポイント。安価なものは刃が薄く、研いでも切れ味が長持ちしません

 

「我が家で使っているのは、平野レミさんのブランド『remy』のもの。『クロの包丁』という名前で刃が黒いので、食材が見えやすくて切りやすいのが特徴です。フッ素コーティングしてあり、切れ味のよさが長続きします。手入れもしやすいので、メンテナンスにも時間がかかりません」

 

ちなみに、もう一本なにか包丁を買うなら、パン切り包丁がいいでしょう。

 

「こちらのパン切り包丁は、岐阜県にある志津刃物製作所のものです。ステンレス製で柄と刃が一体型なので洗いやすくて劣化も少なく、シフォンケーキのような柔らかいものもきれいに切れる形をしています。パン切り包丁には刃渡り21cmくらいのものが多いのですが、こちらは16cmとかなり小ぶり。でも、実はこのくらいのサイズの方が収納に困りませんし、パンをカットするのにも充分なんですよ」

 

3.上から数字が見える「計量カップ」

料理に欠かせない計量カップは、oxo(オクソー)のアングルドメジャーカップです。

 

身を屈めるなどして横から見なくても計量でき、ml表記とtbsp(大さじ)表記があります。使いやすいのはもちろん、計量間違いも少ないので、料理に慣れていない人にはとくにおすすめです。ミニ・小・中・大の4サイズ展開で、大は1000mlまで測ることができます」

 

4.肉も魚も香ばしく焼ける鋳鉄製の「グリルパン」

メイン料理がおいしく作れるSKEPPCHULT(スケップシュルト)のグリルパンは、鋳鉄製のもの。重さはありますが、中華鍋のように振ることがないので気になりません。

 

「スウェーデンの老舗メーカー、SKEPPCHULTは、ヨーロッパでも人気のあるアイアンブランドです。鋳鉄は熱伝導率と蓄熱性が高いので、魚や肉がカリッと香ばしく焼けます。魚焼きグリルは洗うのが面倒で使いたがらない方もいらっしゃいますが、これなら熱いうちにざっと水洗いしてタワシでこするだけで、メンテナンスは終わりです。秋刀魚を焼いてもステーキを焼いても、おいしく仕上がります」

 

5.ひとつは持っておきたい「卵焼き鍋」

卵焼きの鍋には関西風と関東風の2種類あり、正方形のタイプは関東風。甘い厚焼き卵を焼くのに適している形です。フライパンよりもコンパクトなので、ちょっとした朝食のおかずもこれひとつで焼くことができます

 

「テフロン加工のものもありますが、銅製のものの方が短時間で加熱できて時短になり、ふっくらと焼き上がります。また、卵が滑らないのでひっくり返しやすいんです。価格もそんなに高くないので、ひとつあると便利ですよ」

 

6.シリコン製の「キッチンツール」

こちらは、鍋で有名なSTAUB(ストウブ)のしゃもじとペストリーブラシ。持ち手はアカシアの木でできていて、先端はシリコン製です。

 

「食品がくっつきにくく、見た目にもテンションを上げてくれるキッチンツールです。シリコン部分が柔らかいので盛りつけやすいですよ。ペストリーブラシの方は、先ほどのグリルパンにオイルを塗るときに使ったり、食材にソースやオイルを塗るときに使います」

 

7.グラスを拭きやすい「キッチンタオル」

7つ目に紹介するのは、Birdy(バーディ)のキッチンタオル。超極細マイクロファイバーにポリエステルを配合した布で、吸水性と耐久性に優れています

 

「一度これを使ったら他のものは使えないというくらい、優秀なタオルです。バーテンダーやソムリエの意見を聞いて開発したもので、グラスに毛羽や水垢が付着させることなく、ぴかぴかに拭けます。乾きも速く、お皿を拭いているうちにタオルがびしょびしょになる……ということもありません。長方形の大きなサイズは1枚2000円を超えるので、タオルとしては割高ですが、長く使えるのでぜひ持っておいていただきたいです」

 

できれば持っておきたい便利グッズ3種

続いて見せていただいたのは、荒井さんが使っていて便利だと感じている3つの道具です。なくても事足りるけれどあれば便利、という道具は、料理の時間を楽しませてくれるはず。

 

1.食材を集めやすい木製の「スクレーパー」

デザイナーの小泉誠さんがプロデュースするブランド、ambai(アンバイ)のスクレーパーは、国産のサクラでできています。

 

「パンの生地をまとめるときに使うこともありますが、細かく切った食材を集めるときにとても便利です。適度な厚みがあるので持ちやすく、食材をこぼさず鍋やボウルに運べます。残念ながら売り切れていて在庫が残っていないのですが、スクレーパーはひとつ持っておくといいと思います」

 

2.フライ返しの代わりに使う「パレットナイフ」

こちらは、本来はケーキにクリームをナッペするときに使うパレットナイフ。製菓でよく使われるものですが、荒井さんはフライ返しの代わりにしているのだそう。

 

「たまたま餃子店に入ったときに、パレットナイフで餃子をひっくり返しているのを見て、すごく使いやすそうだなと思って真似したのがはじまりです。刃がしなるので食材の底に入れやすく、餃子のほかにも切り身の魚などにも使えます。刃が薄いのできれいに食材をはがせますよ」

 

3.チンしたごはんが “炊きたて” になる「陶製の器」

最後に紹介するのは、陶器。ごはん用に作られたものではありませんが、荒井さんは残りもののごはんを電子レンジで加熱するときに使っているそう。

 

「陶器は電子レンジに強いので、レンジOKのもので蓋つきのものならなんでもいいと思います。プラスチック容器やラップのままチンするよりも蒸気がしっかりこもり、ふっくらと加熱することができます。何より、見た目にもおいしそうですよね。このまま食卓に出して、おひつのように使うことができます」

 

週に一度は行いたい、使用頻度が高い「包丁」と「まな板」のメンテナンス方法

料理をする上でもっともよく使う包丁とまな板は、いい状態で使い続けるためにも、こまめなお手入れが必要です。といっても、研ぎ石で研ぐのはなかなか大変。

 

「砥石を使わなくても、シャープナーを何度か通せば充分切れ味が復活します。毎日料理する方は週末に研ぐ、くらいの感覚でよいでしょう。それでも切れ味が悪くなってきたら、研ぎ屋さんにメンテナンスしてもらいますが、こちらは一年に一度も行えば問題ありません」

 

まな板は、オリーブオイルをキッチンペーパーに染み込ませて、全体を拭いてお手入れします。サラダ油を使うと乾かず、べたついてしまうので、オリーブオイルで行いましょう。

 

「とくにサクラやヒノキなどの硬い木は、食材の油が入りやすいのでしっかりメンテナンスが必要。こちらも週に一度くらいのお手入れでいいでしょう。全体をオイルで拭いたら乾燥させておきます。普段のお手入れはこれで大丈夫ですが、黒ずんできたり汚れが気になってきたりしたら、サンドペーパーで軽くこすると、カビや汚れを削ることができます」

 

キッチンツールは見せる収納で乾燥させる

キッチンアイテムの中でも、木でできたまな板や鉄のフライパンなどは、湿気を嫌うものです。引き出しやシンク下に入れてしまうと湿気がこもるので、見せる収納がおすすめ。

 

「いつも乾燥させておくとカビも生えにくく、いい状態を長くキープすることができますよ」

 

「鉄のフライパンも湿度があると錆びてしまうので、なるべく出しておきましょう。もししまう場合も、洗ったあとに加熱してしっかり乾燥させてからしまいます」

 

「包丁はマグネットにくっつけて収納するパターンもありますが、刃が出ているとうっかり手を切ってしまいそうで不安なので、包丁立てを使っています。お好みですが、危なくない収納の仕方を選んでみてください」

 

いつもきちんとメンテナンスされている、手に合った道具があるだけで、料理は格段に上手になり、それが時短にもつながります。忙しい毎日だからこそ、良質な道具で手軽においしいごはんを。道具を少しずつ見直して、揃えてみてください。

 

プロフィール

料理道具研究家 / 荒井康成

洋菓子店店長、和陶器店主を経て、フランス陶器エミール・アンリ社の日本法人設立に携わる。以後、日本初の「料理道具コンサルタント」として独立し、各食情報誌でのコラム執筆やスタイリング撮影、映像制作、専門学校講師など多岐に渡り活動中。著書に『ずっと使いたい世界の料理道具』(産業編集センター)。


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

ニンニクがあっという間にみじん切りに! 「王様のブランチ」で話題になった「ガーリックツイスト 3.0」レビュー

アメリカ・カリフォルニア州の企業「NexTrend Products」では、手を汚さずにニンニクをみじん切りにできる「ガーリックツイスト」を販売中。以前「王様のブランチ」でも紹介され、SNSで「これなら手に匂いが移らない!」「包丁よりも素早く作れて助かる」と話題になっています。「ガーリックツイスト3.0」は初期のモデルよりも握りやすい形状に改善されたもので、よりスピーディーにニンニクを加工することが可能に。どのように使うアイテムなのか、スマートなデザインにも注目しながらレビューしていきましょう!

 

●ねじるだけでニンニクをみじん切りにできる「ガーリックツイスト 3.0」(NexTrend Products)

ニンニクを使ったスタミナのつく料理は、寒い季節にもぴったりなメニュー。私もときどき自分で作る料理にニンニクをたっぷり入れることがあります。しかし調理の段階で手についた匂いは、しばらく取れなくてかなり気になることも。匂いを気にせず思い切りニンニクを使いたいと考え、ネットで見つけた「ガーリックツイスト3.0」(3036円/税込)を購入してきました。

 

ポリカーボネートで作られた、透明な歯車のような形状の同商品。大きさは約85(直径)×56mm(高さ)ほどで、上下2つのパーツに分かれています。

 

さっそくニンニクを2片ほど用意し、上部のパーツを外して中に投入。パーツを戻したら上下をしっかり持ち、中の突起をかみ合わせるように回転させましょう。

 

ニンニクが突起によって削られることで、あっという間にみじん切りにした時と同じ状態に。ほとんど力も必要なく、包丁で切るときよりも早い時間でカットが終わりました。ニンニク以外にも、ナッツ類やハーブ、スパイスなど様々な食材に使うことが可能。本格的な料理を手軽に作ることができますね。

 

 

実際に使っている人からも、「匂いがまな板や包丁につかないし刃物じゃないから安心して使える」「ニンニク用に買ったけど、今では生姜や胡麻などいろんなものに使ってます」といった声が。簡単に使える「ガーリックツイスト3.0」で、新しい料理にチャレンジしてみては?

 

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