多様なIOT測定工具を開発してきた「Magpie Tech」が、Makuakeで“ハイテクメジャー”を開発するための支援を募集。これまでのメジャーの概念を覆すプロジェクトに注目が集まり、目標金額を大幅に上回る支援が殺到した。
出典画像:「21世紀のハイテクメジャー。あらゆる空間をレーザーで簡単測定『VH-80』」Makuake サイトより
動かなくても距離を測れるハイテクメジャー
出典画像:「21世紀のハイテクメジャー。あらゆる空間をレーザーで簡単測定『VH-80』」Makuake サイトより
今回「Magpie Tech」が支援を募ったのは、両端レーザー距離計「VH-80」の開発費。手のひらサイズの計測器の両端からpulse波というレーザーを照射して、反射したpulse波を受光するまでの時間を計測。対象物との距離を算出してくれる。
この計測器のミソは“両方向から”レーザーが射出されるということ。これまで人類が使ってきたあらゆる物差しは、単一方向への測定が基本だったため“自身が距離測定の中心になれない”という限界があった。どういうことかというと、例えば30mの距離を計測する場合、“メジャー”にせよ“物差し”にせよ測定器を30m持ち歩かなくてはならない。
出典画像:「21世紀のハイテクメジャー。あらゆる空間をレーザーで簡単測定『VH-80』」Makuake サイトより
しかし「VH-80」の場合、利用者から見て両方向の距離を測るので、その場から一歩も動かずに測定が可能。最大約80mというサッカーコートと同じくらいの距離を、たった1秒で測ることが出来る。算出される数値は、左右の距離とその合計値。直進性を持つレーザーを使っているので、正確な測定ができ、距離測定の正確性は±3mmだ。
観測者が移動しなくても良いという画期的なメジャーはたちまち話題になり、ネット上では「両側からのレーザーは考えたなぁ」「ありそうでなかった両側メジャー! 建築とかやってる訳じゃないけど無駄に欲しくなる!」「これがあれば1人で測量できそう」「脚立とか使わなくても“高さ”が測れるのか… これはアイデアの勝利」との声が。目標金額100万円を軽々と達成し、10月30日現在で約530万円の支援が集まっている。
痒い所に手が届く様々な便利機能
出典画像:「21世紀のハイテクメジャー。あらゆる空間をレーザーで簡単測定『VH-80』」Makuake サイトより
「VH-80」には、“距離を測る”というもの以外にも様々な機能を搭載。まずスマートフォン専用アプリケーションを利用すれば、Bluetooth4.0通信でデータのやり取りが可能になる。測定結果をスマホ内に保存・管理するのはもちろんのこと、測定したデータを写真に重ね合わせ図面を作成するという機能も。
そして高い建物の高さを計測する際は「ピタゴラスモード(辺測定)」が便利。測定している人物から対象物までの“底辺”と“斜辺”を測定することで、3角形の“高さ”を算出することが出来る。
その他、一方向へのレーザー照射に切り替えたり、測定単位を「m」や「yd」に変更出来たりと、細かい機能も搭載した「VH-80」。2018年2月に出荷予定とのことだが、計測の常識を変えてくれる商品になるかもしれない。