スイーツのトレンドを反映。2022年クリスマスケーキの見逃せない傾向をスイーツなかのさんが解説

バスクチーズケーキにマリトッツォと、スイーツのトレンドは移り変わっていきますが、その傾向はクリスマスケーキにも。では、最新事情は? さまざまなメディアで活躍するスイーツ芸人、スイーツなかのさんに、近年、そして2022年のクリスマスケーキのトレンドを聞きました。

 

小型化とフォトジェニック化が顕著に

大前提として、「その年のスイーツトレンドがクリスマスケーキに反映される傾向がある」となかのさんは言います。例を挙げて教えてくれました。

 

“第四のチョコレート”として業界を驚かせた、ルビーチョコレートの発売は2018年(発表は2017年)。この年はルビーチョコレートを使ったクリスマスケーキが多かったですし、バスクチーズケーキが一世を風靡した2019年は、チーズタイプのクリスマスケーキが増えました」(スイーツなかのさん/以下同)

↑「ルビーカカオを原料とする、ピンク色のチョコレートがルビーチョコレートです」となかのさん

 

なかのさんによると、年々存在感を増している素材がピスタチオ。もともと定番ではあったものの、近年はプチブレイクしていてクリスマスケーキにも多用されていると言います。また、長期的なトレンドでは、社会の変化がクリスマスケーキにも影響を及ぼしているとか。

 

「ひとつは小型化。これは家族形態の変化や少子化、おひとり様の増加、数種類を少しずつ食べたいというニーズが増えたことなどが関係しています。ほかには、お取り寄せグルメの浸透によって、クリスマスケーキを手掛けるプレイヤーが増え、バラエティ豊かになったことも挙げられます。とくに2020年以降はコロナ禍によって、お取り寄せスイーツが急増しました。あとは映えのトレンド。『インスタ映え』が流行語大賞に選ばれたのは2017年ですが、SNSもより進化していますし、年々華美になっていると感じますね」

 

フォトジェニック化が進む一方、クラシカルなスイーツにも脚光が当たっているとなかのさん。近年のカヌレドーナツブームは、定番スイーツのリバイバルといえる現象。ケーキでいえば、いちごのミルフィーユであるナポレオンパイに注目しているとのこと。

 

「定番スイーツのリバイバルには、古典喫茶のプリンアラモードやクリームソーダが注目されるなど、レトロ回帰のトレンドも関係していると思います。なかでもナポレオンパイは、いちごをふんだんに使ったラグジュアリーなルックスも魅力。専門店を新規オープンする動きも見られますし、目が離せないスイーツといえるでしょう」

↑余談ですが、なかのさんのアイコンであるパンケーキハット。上から見せてもらうと……上にもフルーツがぎっしり!

 

2022年の最新トレンドはエンタメ感の最大化

では、2022年のクリスマスケーキにおけるトレンドは? そこで、ケーキとスイーツの専門通販サイト「Cake.jp」の代表的な最新商品を例に、特徴を教えていただきましょう。

 

1.“映え” 重視の豪華ケーキ

アルノー・ラエール パリ「Bonnet de premier(ボネ・ド・プルミエ)」1万4000円(税込)

 

フォトジェニック化については前述しましたが、ただ映えるだけでなく、斬新かつ繊細なデザインの高級ケーキに人気が集まっているのがひとつの傾向。なかのさんは、「高級品種を使ったスイーツも、ここ最近でとくに増えたと感じます」と言います。

 

「品種は、いちごなら『あまおう』や『とちおとめ』、ぶどうなら『シャインマスカット』など。街のパティスリーやホテル以外のコンビニスイーツなどでも、こうした高級フルーツを使ったケーキを見る機会が増えました。スイーツの芸術性を高めた存在としては、今年『アジアの最優秀女性シェフ賞』に輝いた『été(エテ)』の庄司夏子さんが革命を起こしたと思います」

 

2.動画映えするケーキ

blanctigre~due~(ブランティーグル~ドゥ~)「お菓子が飛び出す!ギミッククリスマスショートケーキ 5号」6500円(税込) ※オーナメントが写真のものとは変更されています。

 

“映え” を求めるムーブメントは、フォトジェニックからムービージェニック(動画映え)へ。「TikTok」を筆頭に動画のSNSが台頭するなか、動きを楽しめるクリスマスケーキの人気が高まっているのだとか。

 

「『Cake.jp』では、カットすると中から粒状のチョコレートが出てくるケーキが注目されています。クラシカルなスイーツではフォンダンショコラが近しい特徴を持っていますが、こうしたサプライズ感のあるスイーツは、SNSでの発信はもちろん、パーティーを盛り上げる意味でも重宝されているんでしょうね」

 

【関連記事】フルーツサンド、テリーヌ…フルーツサンド王子が教える「萌え断スイーツ」を美しく作るコツ

 

3.ひと手間かけるラストワンマイルケーキ

Milkymoco「くまちゃんサンタのセンイルケーキ」6792円(税込)

 

パティスリーラヴィアンレーヴ「みんなで飾ろう!ピスタチオクリームのクリスマスツリーケーキ」4500円(税込)

 

動画映えケーキに関連するトレンドが、仕上げのデコレーションを楽しめるケーキ。付属の粉砂糖を粉雪に見立てて振りかけたり、オーナメントの形をしたトッピングでクリスマスツリーのように飾ったり。こうした商品も「Cake.jp」では脚光を浴びているといいます。

 

「ケーキにプラスするエンタメ要素といえば、昔はロウソクやケーキ用花火が定番でしたが、作り手の工夫は進化しています。とくにこちらは、数人で一緒に楽しむ要素が強いですよね。その点、小さいお子さんがいるファミリーに重宝されるのではないかと。前述した動きがあるスイーツもしかりですが、遊び心をもったクリスマスケーキは、今後より増えていくと思います」

 

4.個食に対応するミニサイズケーキ

Cake.jp ORIGINAL「10 Mineets White Christmas Cake」3800円(税込)(左)

 

最後はミニサイズのクリスマスケーキ。こちらは家族形態の変化おひとりさま需要だけでなく、嗜好の多様化も関係しています。たとえば、家族のなかでも好みが分かれる場合、小さなケーキのアソートタイプを選ぶことで個々のニーズにフィット。また、ひとりで数種のケーキを楽しみたいという需要にも、ミニサイズのアソートはマッチしています。

 

ホールケーキは小型化が進んでおり、2人用や3人用サイズも近年多く見かけるようになりました。クリスマスには大きなホールサイズの代わりに、こうした小型のケーキを2つ以上買うというケースも少なくありません。また1人用は昔からありましたが、小型のスイーツ数個をアソートにしたタイプは増加傾向にあります。嗜好に合わせてスイーツも多様化し、バラエティー豊かになったことを感じますね」

Cake.jpにはほかにも、会話がはずみそうな楽しいクリスマスケーキがたくさん。

 

2022年を象徴するスイーツは「生ドーナツ」!

最後に、クリスマスとは別に2022年を象徴するスイーツと、イチオシのスイーツ店を教えていただきました。

 

「トレンドでいえば、やはり『生ドーナツ』でしょうね。福岡発のベーカリー『アマムダコタン』とその姉妹店『アイムドーナツ』が火付け役です。前者は2021年10月に東京進出。後者は1号店を2022年3月に中目黒へ、5月に2号店を渋谷へオープンし、どこも大行列の人気店となりました」

 

そして、なかのさんが2022年オープンでもっとも印象的だった新店は、1月に開業した東小金井の「パティスリー ブーランジェリー アルタナティブ」だそう。

 

「こちらは保谷『アルカション』のスーシェフを経て、自由が丘の『パリ・セヴェイユ』など名パティスリーを渡り歩いた方の独立店です。渡仏経験もあり、本場仕込みの力強い焼き加減や味わいといった、フランス伝統菓子の良さを感じられ、そこにシェフの独創性あふれるセンスがプラス。都心からやや離れた東小金井にあって、開店前から行列ができるうえに閉店時間前に完売することも珍しくないという、実力派のニューフェイスです。行くなら午前中がオススメですよ」

 

【関連記事】もはやアートの域!行列ができるスイーツ店の美しいパフェ

 

クリスマスケーキを中心に、さまざまなスイーツトレンドを紹介しました。人気の商品は本番数日前に予約が終了してしまうこともあるので、早めにチェックすることをおすすめします。ぜひ思い出に残るクリスマスパーティーを楽しんでください。

 

プロフィール

スイーツ芸人 / スイーツなかの

東京都立川市生まれ。早稲田大学卒業後に芸人の道へ進み、子どもの頃から好きだったお菓子を独学で勉強。特注のパンケーキハットをトレードマークに、唯一無二のスイーツ芸人として活動をはじめる。老舗からコンビニまで多ジャンルの和洋菓子を1万種類以上食べ歩き、その確かな知識で多数メディアに出演。イベントの企画や商品監修なども行う。合言葉は「よろスィーツ!」

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提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

これぞ待っていた進化! ギザ刃が痛いクラフトテープのカッターが安全スマートに生まれ変わった

文房具マニアもこじらせてくると、「地味な文房具の地味な進化にグッとくる」ようになる。何を持って“地味”と呼ぶかは人によるだろうが、例えば「ホワイトボード用イレイザーが汚れたら積層シートを剥がしてリフレッシュ可能」とか「カッティングマットが裏返すと粘土板になる」なんていう進化は、誰しも「わー、地味だなー」と感じるものだろう。

 

こういった例を目にする度に「メーカーは、こんな地味なものまで開発コストをかけて進化させるのか!」という感動に近い感情がこみあげてきて、嬉しくなってしまうのである。

↑例えば、誰もが見たり使ったりしたことのある、このギザギザのテープカッターも進化しているのだ

 

最近では、ガムテープ(クラフトテープ)に装着して切るための金属製のギザギザが、安全かつスムーズにテープが切れるよう進化した、という。

 

わー、すっごい地味! 地味だが、でもシンプルなあのギザギザがどう進化したのかは、気になるところだ。

 

ギザギザが剥き出しだったガムテープ用カッターがどう進化した?

その進化型クラフトテープ用ギザギザというのが、2022年11月にミドリ(デザインフィル)から発売された「クラフトテープカッター」である。名前も地味だ。

 

ただ見た目に関しては、シンプルながらギミックの存在を感じさせるデザインがなかなかに格好いいと思う。

ミドリ(デザインフィル)
クラフトテープカッター
900円(税別)

 

下部にはアームが備わっており、これをテープの巻芯を挟み込むように装着する。アームの根元にはバネが付いているので、テープの消費によって全体の直径が変わるのにしたがってアームも移動し、がっしりとしがみつき続けるという仕組みだ。

 

↑バネ付きのアームをぐいっと開いて、クラフトテープの巻芯に挟み込む

 

↑クラフトテープにテープカッター装着完了

 

そもそも従来のギザギザカッターのなにが良くなかったかといえば、それはもう端的に「危険だった」のである。頑丈なクラフトテープを切り裂くための鋭い金属(だいたいブリキ製)ギザ刃が露出しており、使用中にこれでひっかき傷を作ったり、衣服を鉤裂きにするなんてことがよくあったのだ。

 

↑従来の一般的なテープカッター。尖った刃が剥き出しなので、どうしたって安全とは言い難い。しかもけっこう切りづらい

 

↑新しい「クラフトテープカッター」はスパッとテープが切れるが、よく見ると刃が露出していない!?

 

対して「クラフトテープカッター」の刃部分は安全性が高い。そもそも通常時は、刃がガードパーツに覆われて露出していないのだから、うっかり傷つきようもない。ガードパーツを指でグイグイ押しても、刃が出てこないのである。

 

それがテープを切ろうとすると、軽い力でサクッと切れる……いったいどういうことだ?

 

ギザギザ刃が安全な理由とは?

↑指でガードパーツを後退させると、細かな金属のギザ刃が出てくる

 

このガードパーツ、「少し持ち上げながら押し込むと後退して刃が露出する」という、ちょっと変わった機構になっている。そう聞くと何やら面倒くさそうに感じるが、実はテープをめくり上げつつ刃に押し当てようとすると、ほぼ自動的に「ガードパーツを持ち上げながら押し込む」動作になるのだ。

↑意識してクラフトテープを切るように動かさないと刃が出てこない、ユニークな機構だ

 

↑指で押しただけでは切れないため、安全性は非常に高い

 

だから、ユーザーは何も考えなくても、テープを切ろうとすると勝手に刃が出て切れる。でもそれ以外にはガードパーツが動かないので安全、という仕組み。

 

これはめちゃくちゃ良くできている!

↑左の従来型に比べ、テープの切り口はかなりフラットだ

 

もうひとつ気に入ったのが、テープの切り口に関するところ。ギザギザカッターは文字通り切り口もギザギザとしてしまうが、このギザの尖った部分を足がかりにしてテープが剥がれてしまう、ということがある。

 

切り口がフラットであればもちろんそんなトラブルは起きづらいので、このフラットさだけでも充分に使う価値はあると思う。あと、見た目もスマートだ。

 

刃は交換にも対応している

↑金属刃はひっくり返して再利用できる高コスパな仕様

 

ちなみにこの金属刃は、本体上面のネジを外してやるだけで簡単に交換できる。クラフトテープのネチャネチャした粘着剤が付着すると切れ味がガクンと落ちてしまうので、多用するなら、刃の交換はおそらくマストとなるはず。

 

ただ、刃そのものが左右対称の設計となっているため、一度外した刃をひっくり返して装着すれば再利用が可能。1枚の刃が2回使えるようになっているのは、ありがたいポイントだ。一度刃をひっくり返したタイミングに合わせて替刃を購入すれば、いざという時に慌てずに済む。

 

↑単にテープが切りやすいというだけでも、梱包作業の効率は確実にアップする

 

実際に使ってみると、ユーザーは従来のギザギザよりも格段の切れ味と安全性を享受できているのは間違いない。しかも、そのために何かを意識することはなく、いつも通りサクサク切るだけ。

 

これは確実に便利で、素晴らしい進化と言えるだろう。特に昨今は、フリマアプリのためにダンボール梱包を行うケースが増えていることだし、家庭・職場を問わず1個は備えておくべきアイテムだと思う。

 

玄関のマストツール認定! サンスター文具「シュット」は段ボールも封筒も中身を傷つけずシュッと開封

ダンボールの開梱ツールは、文房具のなかでも、ここ数年で非常に人気の伸びたジャンルと言えるだろう。以前は流通の現場で使われるプロツールだったのが、通販を利用する機会やコロナ禍の巣ごもり需要などもあって、一般家庭で使われる率が急速に高まっているのだ。

 

もちろん開梱ツール自体もいろいろと発売されており、それぞれに特長がある。

 

例えば、ダンボール梱包に無類の強さを発揮するのが、小型セラミック刃で効率的に梱包テープが切れる「ダンボールカッター」(ミドリ)。「カイコーンPRO」(オルファ)は、レターパックや紙袋梱包にも対応できる万能さが魅力だし、「ローラーケシポン 箱用オープナー」(プラス)は、個人情報保護スタンプ兼用なのが大きなポイントだ。

↑筆者宅で運用中の開梱ツール群。用途に合わせて使い分けているが、妻からは「似たようなツールが多すぎる!」と怒られる……

 

どれを使っても間違いないので、逆に「結局、どれを買えばいいの?」と迷うこともあるだろう。実際、筆者もいまだにどれをメインに使うか決めかねてるところがあるし……。

 

そこへ、さらなる“気になる開梱ツール”が仲間入り。正直、これ以上同じような道具を増やしてどうするんだ? という気もしないではないが……ひとまず試してみよう。

 

荷物も郵便もこれひとつでシュッと開く最新ツール

その“気になる開梱ツール”とは、サンスター文具の「SHUTTO」だ。パッと見は、なにをする道具か分からない地味な雰囲気なのが、実はなかなか実用性の高いマルチツールなのである。

サンスター文具
SHUTTO(シュット)
700円(税別)

 

まずメインの機能が、ダンボールオープナー。梱包テープをサクッと切って開梱できるカッターだ。

 

使う際はまず本体を挟むように持って、人差し指で上部のボタンを押し込む。すると安全ロックが解除されるので、そのまま本体下カドをテープに押し込むと、刃ガードがスライドして金属刃が露出する仕組み。

↑ダンボールのアイコンで示されている部分(刃ガード)が後退して、刃が出てくる

 

この金属刃はかなり鋭いが、長さはたった3mm弱。つまり一般的な輸送用ダンボールの厚み以下なので、梱包の中身に刃が触れる危険はほぼないだろう。刃ガードも含めて、安全性が高いシステムと言えそうだ。

 

あとはダンボールの合わせ目に沿ってスーッと引いていけば、テープが切れて開梱完了である。

 

使ってみて特に印象的だったのは、金属刃の切れ味が非常に鋭い、という点。刃が当たってさえいればテープはほぼ抵抗なしに切れるし、なんならダンボールまで切れてしまう。

↑少し強めに当てないと刃が出てこないので、グイッと押し込む感じで使いたい

 

ただし刃長がかなり短いので、合わせ目から脱線してダンボールに切り込んでしまいがち。こうなるときれいに開梱できなくなるので、少し丁寧にコントロールしてやる必要はありそうだ。

↑力を加減すれば、一枚切りの要領でシュリンクフィルムだけを切り開くことも可能(ただしちょっとコツが必要となる)

 

逆側には「レターオープナー」の機能が備わる

さて、もうひとつ機能として備わっているのが、レターオープナーだ。ダンボールオープナーと逆側にスリットがある(封筒のアイコンで示された場所)ので、ここに封筒を通すと、内蔵の金属刃で開封できる。

 

封筒タブの合わせ目から刃を入れて切る構造なので、カット幅はほぼゼロ。つまりこちらも中身にダメージを与える危険はないタイプだ。

↑封書は本体のスリットに差し込んで引くと……

 

↑切り屑もなく簡単に開封できる。レターオープナーはあると地味に便利なので、できれば備えておきたい

 

実のところ、ダンボールオープナーとレターオープナーが一体化したツールは、これが初! というわけでもないのだが、どちらも不満なく使えるレベルにあるのは珍しいかもしれない。実用性はかなり高いぞ、コレ。

 

さらに本体にマグネットを内蔵しているので、使わないときは金属面に固定しておけるのもありがたい。

↑冷蔵庫でもどこでも場所を決めて貼り付けておけば、ツール自体が紛失する危険性はかなり減らせる

 

例えば玄関ドアに貼り付けておけば、届いたものを受け取ったその場でサクッと開けて処理できるわけで、とても便利なのだ。

 

ダンボールと封書、自宅に届くものがだいたいこれ1つで開けられてしまうのは、どう考えても効率的だろう。特に、現時点でオープナーの類を持っていないという人は、導入すれば確実にQOLが上がるんじゃないだろうか。ぜひお試しあれ。

 

住所不明でも贈れる「ソーシャルギフト」の活用法とおすすめギフトをギフトコーディネーターが解説

もうすぐやってくるギフトシーズン。コロナ禍でオンラインでのお付き合いが増えた今だからこそ、オンラインで注文できる「ソーシャルギフト」を活用し、お世話になったあの人にクリスマスギフトを贈ってみませんか? ギフトコーディネーターの冨田いずみさんに、ソーシャルギフトのサービス内容やギフト選びのポイント、おすすめのサービスやギフトについて教えていただきました。

 

デジタル時代の新しいギフトの形、
「ソーシャルギフト」とは?

ソーシャルギフトとは、届け先の氏名や住所を知らなくても、LINEやメールなどを通してギフトを贈ることができるサービスのこと。オンライン上で知り合った友人や、個人情報の管理が厳しくなっている職場の関係者など、「ギフトを贈りたいけど、贈り先がわからない!」といったシチュエーションでも気軽に利用できることから、その需要は高まっています。

 

ギフトの贈り方もとても簡単です。決済を済ませたら、発行されたURLをSNS等でプレゼントしたい相手に送るだけ。相手側は、専用フォームに必要情報を入力するとプレゼントを受け取れる仕組みとなっています。また、よりカジュアルなギフトとして、カフェやコンビニエンスストアで使用できる電子チケットを贈るサービスも多く存在しています。

 

「いまでこそSNSで気軽にギフトを贈れるサービスとして定着している『ソーシャルギフト』ですが、当初は、企業が取引先やお客様に対して贈る法人向けサービスを『ソーシャルギフト』と呼ぶことが多かったように思います。SNSが社会に浸透してからは、よりパーソナルなサービスが続々登場。なかでも2010年に設立し、ソーシャルギフト事業を開始した『giftee』の登場は、カジュアルに贈れる新しいギフトの形として世間に認知されるようになったと思います。

さらに昨今は、新型コロナ禍にあって『非接触』が新しい生活様式として定着してきました。お礼や感謝の気持ちを直接やり取りする機会が減ってしまったからこそ、オンライン上で気軽に贈ることができるソーシャルギフトの需要が高まっているのです」(冨田いずみさん、以下同)

 

相手に直接届くものだからこそ、注意も必要。
ソーシャルギフトのメリット・デメリット

とても便利なソーシャルギフトですが、「気を付けなければならないこともある」と、冨田さんは言います。ソーシャルギフトのメリットだけでなく、注意すべき点についても教えていただきました。

 

「最大のメリットは、接触なしでスマートにギフトが贈れること。特に『お礼の品を贈りたい』といった、できるだけ早い対応が求められる場合、その場でさっと贈れる点はとても便利ですよね。

ただ、ネットでの買い物全般に言えることですが、やはり画像だけでは色味やサイズ、質感、味や香りなどの判断はしづらいもの。ブランドやメーカーを信じるしかないので、馴染みのある商品に頼りがちになってしまいます。自分へのプレゼントであればいいかもしれませんが、ソーシャルギフトは直接相手に届いてしまいます。はじめて購入するものであれば、掲載されている情報をきちんと確認し、より信頼できるサービスや商品を選ぶ必要があります」

 

ギフトコーディネーターが教える、
ソーシャルギフト選びのコツ

それでは、どのようなポイントを意識してプレゼントを選べばいいのでしょうか。これまで数多くのギフトをコーディネートしてきた冨田さんに、ギフト選びのコツを伺いました。

 

1.素材や産地を参考に

「自分が購入したことのない会社やブランドの商品を買うときは、まずは素材や産地の情報をしっかり見てみるといいでしょう。カシミヤ100%のマフラーだったり、北海道で作られた食べ物だったり。作り手の情報までしっかり載せているサイトが多いので、自分が信頼できる商品を見つけてみてください」

 

2.その人が一番好きなものより、それに関連したギフトをチョイス!

「家族や仲のいい知人やであれば好みを把握していると思うので、その人のライフスタイルに合わせたものを贈るのがいいですね。ですが、『その人が一番好きで精通しているもの』を贈るのは避けたほうがいいでしょう。例えば、通と言えるほどワイン好きな人であれば、ワインそのものよりむしろグラスやおつまみなど、ワイン周りで楽しめるものを選ぶのがベターです」

 

3.好みがわからない相手には、シンプルなものを

「好みがわからない相手には、シンプルなギフトが無難です。色味も白や黒、グレーやベージュなど、どんな人の暮らしにも馴染む落ち着いたものがオススメです。

それでも、クリスマスらしい赤や緑のものを贈りたい場合は、スノードームやミニツリーなど、デスク周りにおけるくらいの小物がいいと思います。もしくは、消え物。この時期はかわいいパッケージに包まれたお菓子が多数登場するので、そうしたものを選ぶのもいいかもしれませんね」

 

4.贈る相手に合わせてサービスの選定を

「ソーシャルギフトは、カフェやコンビニエンスストアで使える電子チケットのようなスモールギフトや豪華なギフトセット、電子カタログと、その種類も様々。同僚へのちょっとした差し入れに使う時、目上の人やお世話になった人へのお礼を贈る時など、贈る相手やシチュエーションに合わせてサービスを選ぶべきだと思います。

また、どうしても住所入力などの操作が必要になる場合が多いので、目上の人に贈る際は、その手間をかけてしまうということもきちんと頭に入れておくべき。自分よがりの“贈りつけ”にならないよう、配慮は必要です」

 

お気に入りの一品が見つかるかも!
個性豊かなソーシャルギフトサイト 5選

ここ数年で新たなサービスが多数登場し、さらなる需要の拡大を見せる「ソーシャルギフト」。今回は、数あるサービスの中から冨田さんおすすめのソーシャルギフトサービスを教えていただきました。

 

1.クリスマスの日の「ねぎらいギフト」に。カジュアルギフトサービス「giftee」

giftee

日本のeギフト(ソーシャルギフト)の火付け役と言っても過言ではない「giftee」。1400 種類以上※と、豊富な人気ブランドのギフトを取り揃えているのが特徴です。そのジャンルも、コンビニエンスストアやファーストフード店で使えるカジュアルな電子チケットから、オンライン動画配信サービスの利用権、高級グルメまで多種多様。クリスマスはもちろん、様々なギフトシーンで利用できそうです。
※2021年9月末時点

 

「gifteeの魅力は、何と言っても数百円のものから気軽にプレゼントできるところ。もちろん本格的なギフトセットもありますが、やはり仲のいい友人や同僚などへのスモールギフトを贈る際にとても便利です。クリスマスの夜も仕事で忙しそうにしている同僚に、ちょっとした『ねぎらい』として、ドリンクチケットなどを贈ってみてはいかがでしょうか?」

 

【おすすめギフト】

Starbucks Coffee Japan「ドリンクチケット」500円
「普段使いできるスタバのドリンクも、期間限定のレアなテイストやトッピングのものがある時期に贈られると嬉しいものですよね。プチギフトでも特別感増し増しになります」

 

2.知り合いの子どもたちへのプレゼントにも! LINEで簡単やりとり「LINEギフト」

LINEギフト
※利用の際はLINEのアプリをダウンロードする必要があります。

2015年4月からサービス提供を開始し、2021年6月にはLINEユーザーの約6人に1人が利用するほどの人気を誇る「LINEギフト」。LINEユーザーであればトーク画面で簡単にギフトを贈ることができます。商品ラインアップも、気軽に贈れる数百円のギフトから、特別な日に贈りたくなるギフトまで様々です。また、クリエイターの個性が光る豊富なメッセージカードも魅力の一つ。全190種以上※の中から、贈る相手のことを想ってカードを選んでみてはいかがでしょうか。
※2021年11月時点

 

「LINEはいまや欠かせないコミュニケーションツール。こちらも気軽にギフトが贈れるので、親しい間柄でやり取りするスモールギフトに向いています。中高校生くらいの子どもたちもLINEを使っている子が多いので、知り合いのお子さんへクリスマスプレゼントを贈るツールとしても活用できそうです」

 

【おすすめギフト】

ショコラティエ マサール「おふたりさま マリアテレサ」3996円(税込・送料込み)
「LINEギフトには、本格的なギフトも並んでいます。お友達同士や彼女彼氏でいつもより、ほんの少しリッチなものの美味しさを楽しく分け合って欲しい時に最適ですね」

 

3.高級感のあるクリスマスプレゼントを選ぶなら 「MOO:D MARK by ISETAN」

MOO:D MARK by ISETAN

老舗百貨店の三越伊勢丹が運営するオンラインギフトサイト「MOO:D MARK by ISETAN」。1,000円以下の商品から数万円の高級品まで、伊勢丹のギフトコンシェルジュが厳選したギフトが揃っています。また、ソーシャルギフトのおまとめ注文にも対応。おまとめ注文を検討している方には、伊勢丹のギフトコンシェルジュが商品選びからサポート。さらに現在は、贈る相手別でおすすめのクリスマスギフトを紹介する特設ページが用意されているので、参考にしてみるのもいいかもしれません。

 

「おしゃれなサイトで写真も見やすいだけでなく、検索カテゴリーが豊富でギフト選びがしやすいのも特徴です。伊勢丹というブランド力と高級感のあるギフトが揃っているので、目上の人へのギフトはもちろん、食通の友人やトレンド志向の方にもおすすめです」

 

【おすすめギフト】

チーズケーキホリック「ケーキ・アイス ギフト」4104円(税込)
「『CheesecakeHOLIC』の新感覚チーズケーキ。贈り物に、真新しさや希少性は高ポイント! 北海道産『月のチーズ』に仏産チーズを複数ブレンド。またレモンを使わず、ライムなど国産柑橘類を使用するなど、垂涎の人気です」

 

4.洗練されたお洒落なギフトを選ぶなら「HYACCA」

HYACCA

トレンドを押さえたお洒落ギフトが揃う「HYACCA」。ブライダルギフトでお馴染みですが、全商品がソーシャルギフトに対応しており、クリスマスはもちろん様々なお祝いシーンで活用できます。

 

「扱っているブランドやメーカーも厳選していて、とてもお洒落なものばかりです。ギフトボックスに特化しているのも魅力ですね。引出物や内祝いなどのギフトを取り扱っているからこそ生まれた、上質で誰もが使いやすいギフトボックスが多いと感じています。また、ラッピングも美しく、箱を開けた時の感動はひとしお。女友達や恋人へのクリスマスプレゼントとしてもおすすめです」

 

【おすすめギフト】

「URBAN TABLE WARE BOX(ホワイト)」2万2990円(税込)
「人気のカトラリーとシンプルなお皿、上質なリネンのセット。ホワイト&ゴールドで食卓を飾るだけでクリスマス感が上がります。お洒落なだけでなく、使い勝手も良く、リピートしたくなる非日常の演出は嬉しいギフトに」

 

5.人気ギフトブランドからも登場!「Afternoon Tea」ソーシャルギフト

Afternoon Tea Social Gift

今年で40周年を迎えたAfternoon Tea。オリジナリティ溢れる生活雑貨を豊富に取り揃え、ギフトとして人気のブランドです。そんなAfternoon Teaの公式オンラインストアでは、今年9月にソーシャルギフトのサービスがスタート。約3000点以上の商品が、より気軽にプレゼントできるようになりました。

 

「Afternoon Teaのデザインや雰囲気が好きな人は多いと思いますので、ソーシャルギフトで贈れるようになったのは嬉しいですね。Afternoon Teaはギフトカタログもとても充実しているので、好きなものが選べるカタログを贈るだけでも喜ばれると思います。また、公式オンラインストア限定で販売しているギフトセットが豊富で、迷った方はそちらをチョイスするのもよさそう。なかにはギフトコンシェルジュが考案したギフトセットもありますので、相手の好みに合わせて選んでみてはいかがでしょうか」

 

【おすすめギフト】

「ディフューザーセット/ギフトコンシェルジュセット【店舗ギフトコンシェルジュ考案/オンラインストア限定】」4510円(税込)
「シックでフェミニンな香りとフォトスタンド、使う方次第でクローゼット周りやデスク周りが華やぎます」

 

だんだんと対面コミュニケーションの機会が増えてきていますが、今年のクリスマスもまだまだおうちで楽しむことになりそう。おうち時間が増えたからこそ、贈る相手のことを想って、ソーシャルギフトでじっくりとプレゼントを選んでみてはいかがでしょうか。

 

【プロフィール】

ギフトコーディネーター / 冨田いずみ

広告、映像および音楽制作プロダクションに従事し、コピーライター、作詞、構成、プランナー、プロデューサー業を経験しフリーに。食品・ファッション・インテリアなど多岐に渡る商品を紹介していく中で、メディアや企業・メーカー等からのギフト需要に応える機会が増え、様々な場面や人にふさわしいギフトを選び提案する「ギフトコーディネーター」としての仕事が定着。著書に「心から喜んでもらえる 贈りもののマナー(高橋書店)」、「センスがいいと思われる 贈りもの美人の作法(KADOKAWAメディアファクトリー)」などがある。

通販に必須の傑作オープナーが刷新!「ダンボールカッター」の地味だけどジワジワ効いてくる改善点とは

ライターなどという“自宅引きこもり系”の仕事をしていると、忙しいほど外へ出る機会が失われる。結果、なにが起きるかというと、通販のダンボールがやたらと届くのである。

 

なにしろ買い物にも出られないのだから、欲しいものは通販で手に入れるしかないし、これまで紹介している文房具も、ほぼ通販で買っているし。問題なのは、妻も自宅仕事の自営業者ということ。つまり、届く荷物が単純に2倍になるのだ。

 

そして、荷物が大量に届くことで、筆者宅は「開梱用オープナーのテストフィールド」と化している。とにかく日夜いろいろなツールで片っ端から梱包を切り開いているのだ。

 

そうやって選りすぐられたもののなかで、現時点で一線級として活躍しているのが、オルファの「カイコーン」と、デザインフィルの「ダンボールカッター」の2点。どちらも機能的かつ汎用性があり、家庭用オープナーとしてはとても優秀である。

 

2点とも、すでにこの連載で紹介したものだが、実はその「ダンボールカッター」がこの秋にリニューアルしたという。すでに相当に便利なオープナーではあるが、それがリニューアルしたとなると、どう変わったのか気になるぞ。

【2018年モデル】スッと切れるが中身は無傷! 通販ラヴァー喝采の「カッター」があったー!
https://getnavi.jp/stationery/279206/

 

新「ダンボールカッター」は前モデルの不満点をスパッと解消!

ということで早速入手したのが、デザインフィルがプロダクトブランド、ミドリから発売する「ダンボールカッター」である。リニューアルなので名称は変わらず、今後は店頭でも順次新しい方に切り替わっていくはずだ。

 

本体をカパッと開いて、中にある小さなセラミック刃で梱包テープの合わせ目を切る、という基本的な機能は変わらない(ので、使い方の詳細は前回の記事を参照して欲しい)。まあ、ちょっと大きめのコインみたいな形をしている、というパッと見の印象も一緒だ。

ミドリ(デザインフィル
ダンボールカッター
980円(税別)

 

↑刃をダンボールの合わせ目に挿し込んで切り開くと、簡単に開梱完了。ハサミやカッターより使いやすいし、安全性も高い

 

いや、よく見ると新モデル(2020年版)には「表面のシボ加工が無くなった」「外周全体に凹凸のモールド追加」という変更点はあるようだ。

 

そして実は、この2つの外見変更は、リニューアルされた最大のポイントに端的につながっているのだ。その最大のポイントというのが、ズバリ、開けやすくなった! というところ。

↑リニューアルによる外見の変更点。表面のシボの有無と、側面の凹凸だけで、見た目的にはあまり変わった感は無いが……

 

この「ダンボールカッター」は、コイン型のボディをパカッと割り開くことで、中からセラミック製の開梱刃が露出する……のだが、実は前モデル(2018年版)は、この開閉が少々固くてやりづらいことが、数少ない難点のひとつだったのだ。

 

この固さは、保安上のチャイルドロックとして機能していたようなのだが、グッと指に力を入れて開けるためには、表面のシボ加工(=滑り止め)が必須だったというわけ。

↑内蔵スプリングの弾力で、軽い力でも開くように。これは使いやすさの大幅アップポイントだ

 

対して新モデルでは、開閉機構にスプリングを内蔵。開けていくと最初は少し抵抗があるが、90度近くまで開くと、今度は弾力でスイッと自動で開くようになったのだ。ちょっと開いたぐらいでは、逆にスプリングの弾力で閉じてしまうので、これもある種のチャイルドロックになるのだろう。

 

もちろん前モデルだって、慣れれば別になんてことはなく開閉できるが、それでも軽くスイッと開ける方が、気軽に使えるに決まっている。その際は表面をつまむのではなく、外周に新造された凹凸モールドに指をかけることで、片手で開くことも可能だ。うーん、これはめっちゃラク!

↑少し慣れれば片手でもこの通り。前モデルでは考えられなかったラクさ

 

この簡単オープンだけでもリニューアルとしては充分すぎるぐらいだが、実はまだ改善ポイントはある。

 

「ダンボールカッター」はボディに磁石を内蔵しており、冷蔵庫ドアなど金属面にペタッと貼っておけるのだが、前モデルはコイン型の裏面にしか磁石が効いていなかった。そのため、貼る際はいちいち裏表を確認する必要があり、それがもうひとつ難点に思えていたのである。

 

しかし、新モデルは磁石を大型化して磁力アップ。表裏どちらでも気にせず金属面に貼ることができるようになった。それによって、貼る収納が簡単になった→使用後、元の位置に戻しやすい→紛失の確率が減らせる、ということになる。改善はささやかながら、運用上では確実に扱いやすくなったわけ。

↑裏表を確認せずにホイッと金属面に貼れるのもラク。これだけでも買い替える価値があると思う

 

もうひとつ、セラミック刃も左右対称の形状にリニューアル。もし刃が欠けるなどした場合は、カバーを外して刃を反転させることで、新しい刃として再利用が可能になった。

 

正直、この刃はかなり頑丈かつ小さいので、よほど無茶な使い方をしないかぎり欠けたり割れたりすることなんてないだろうと思っていたのだが、もしかすると実際に刃を欠けさせたユーザーからの要望があったのかもしれない。

 

ただ、万が一のときにすぐ新しい刃が手に入ると思えば損はないが(さらに替え刃も別売り化)、個人的には交換可能な構造にしたことで刃のガタツキが大きくなったのは、いささか惜しい気もする。

↑ネジの固定をひとつ外せば、このように刃が取り出せる。左右対称形なので、裏返してハメなおせば新しい刃として使えるのだ

 

ともあれ、実用性の高いツールにあったわずかな不満点が、リニューアルでスパッとまとめて解消されたのは素晴らしいことだ。デザインフィル、これはお見事!

 

我が家では、開梱する場所に合わせて3個(自室・リビング・玄関前)の「ダンボールカッター」を運用していたのだが、もうすべて新モデルに交換決定である。また、前モデルを悩んでまだ買っていなかった人に対しては、あらためて新モデルを猛プッシュしておきたい。通販を使う機会が多いなら、持っていて絶対に損はしないから。

 

 

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フリマアプリで売れた後の面倒な梱包に“手で圧着するだけ”のスコッチ「梱包ロール」

“モノ系のライター”という仕事をしていると、メーカーや出版社等メディアと、日常的にいろいろと小物をやりとりすることがある。ちょっと前なら「あ、じゃあ明日そっちの方へ行く用事があるので、ついでに持っていきますね」というような気軽さで持参したりもしていたのだが、昨今ではそれがなかなか難しくなってしまった。そのため、いちいち小物を梱包して発送して……という作業が、日常的にかなり増えている。

 

クッション材入りの封筒に入るようなら、手間はそんなにかからないのだが、ちょっと厚みのあるやつだとそれも難しい。そうなると、適度なサイズの空きダンボールや宅配用のマチ付き袋を探して、梱包用のプチプチを切って巻いて、テープで封をして……という作業が発生。うーんコレ、正直かなり面倒くさい。

 

また、コロナ禍の昨今、自宅にいると不要品が目につく→フリマアプリやネットオークションに出品、という流れによって、取引件数はかなり増えているらしい。出品して売れてしまえば、そこでもやっぱり面倒な梱包しての発送作業はすることになるわけで。

 

そこで今回は、そういった面倒がかなり減らせる最新の梱包材を紹介したい。なんと、これ一つで梱包用のパッケージと緩衝材と封かんを兼ねて、サイズも自由自在、パッキングもラクラク、という超優れモノ! マジでこれいいわー、という代物だ。

 

包んで圧着、即発送! やたらと手軽な梱包シート「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」

ということで使ってみたのが、3Mから発売されたばかりの「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」だ。通販大国にしてフリマアプリの利用も盛んなアメリカで、昨年発売され、すでにかなりの人気となっている商品である。

3M
スコッチ フレックス&シール 梱包ロール(380mm×3m)
オープン価格(実勢価格:税別1680円)

 

なんとなくキャンプ用のシートやヨガマットのようなルックスだが、先にも述べた通り、これひとつあればダンボールもプチプチも梱包テープも不要! というオールインワンの梱包材なのだ。

 

手で圧着するだけ! 梱包の仕方を見てみよう

使い方は簡単で、まずシートを引き出して、送りたいモノを裏面(灰色面)に置く。このとき、シートの長さはモノの幅の2倍ちょっと出しておくといい。

 

あとは適当なスペースをとってカットして、シートを折り返すようにして包んで、余ったフチ全周をギュッと手で押さえつける。

↑裏側の灰色面に送りたいモノを置いて……

 

↑包んだ端を手で圧着させたら、梱包完了

 

ハイ、これだけで梱包作業は完了! あとは送り状を貼るなり、宛先をシート表面に直接書き込むなりして発送すればOKだ。

 

今までの梱包作業におけるあれやこれやと比較したら、ほぼ一瞬であり、実質ノータイムと感じるほどの簡単さ。

↑複数の小物もまとめて包んで……

 

↑隙間を潰すように圧着梱包。これなら輸送中に中身がぶつかり合う心配もなさそうだ

 

驚きのスピードは、シートの構造にあった!

実はこのシート、①表側の青い面 ②中面の気泡層 ③裏側の灰色面、の3層構造になっている。

 

まずポイントとなるのは、③のモノを置いた灰色の面。この全体が接着面になっているのだが、くっつくのは「灰色面同士が、ギュッと圧着された場合」のみ。中身には貼り付かず、ベタベタもしない。しかも、一度圧着したらまず剥がれることはないため、輸送中に中身が飛び出すなんて心配もほぼないだろう。

 

とはいえ、接着強度を担保するにはある程度の面積が必要なので、あまりシートギリギリになるサイズのモノを送るのには向いていないかもしれない。

↑押し付けるだけで圧着されて、簡単には剥がれない。なかなか不思議な素材だ

 

↑3層構造を横から見た図。気泡層は厚くないが、頑丈なシートでサンドされているため、それなりの耐久性はありそうだ

 

さらに②の中面の気泡層によって、輸送中の衝撃から中身をガード。これによってプチプチ不要というわけだ。

 

ただし、気泡層はさほど厚みがあるわけではないので、割れ物や精密部品を包むだけで送るのはNG。基本的には、ゲームソフトやDVDを何本かまとめて包むとか、書籍、布製品といった用途がマッチするだろう。厚すぎてクッション封筒には入れづらいパッケージ箱入りの小物なんかにも便利だ。

↑クッション封筒には入れづらい角柱型の箱も、簡単に包むことができる

 

表面(青い面)は、手で破るのはほぼ不可能なぐらい頑丈で、さらに耐水性もある。多少の雨濡れなんかはまったく問題にならない。さらに、筆記具での書き込みもできるので、送り状のない定形外郵便なんかも、送り先を表面に直書きで大丈夫。この場合、視認性を考えて油性マーカーなどを使うと良さそうだ。

↑宛名は表面に直接書き込める。これくらいのサイズなら、定形外郵便で発送可能だ

 

ということで、筆者もすでにあれこれ送るのに使っており、早くも2ロール目を使っている最中だ。梱包作業がラクなのに加えて、発送コストを減らすのにも役立っているように思う。

 

なにしろ、梱包がほぼ現物サイズぴったりで済むのだから、無駄がない。本来なら宅配便の60サイズ(縦横高さの合計が60cm以内)で済むところが、たまたま大きめのダンボールしかなくて80サイズになっちゃった、なんてトラブルが起きえないのだから当然だろう。

 

単純なコストで考えれば、100均のクッション封筒と比較すれば割高かもしれない。だが、封筒に入らないサイズのモノも包んで送れる安心感、梱包作業の時間短縮、ダンボールやプチプチのロールをストックしておくスペースの経費などを含めて考えれば、使って損なし、と判断したい。

 

もちろん破損などの危険性も考えて使い分ける必要はあるだろうが、今後は、送れるモノは全部フレックス&シールで送っちゃおう、と目論んでいる次第である。

 

 

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フリマアプリで売れた後の面倒な梱包に“手で圧着するだけ”のスコッチ「梱包ロール」

“モノ系のライター”という仕事をしていると、メーカーや出版社等メディアと、日常的にいろいろと小物をやりとりすることがある。ちょっと前なら「あ、じゃあ明日そっちの方へ行く用事があるので、ついでに持っていきますね」というような気軽さで持参したりもしていたのだが、昨今ではそれがなかなか難しくなってしまった。そのため、いちいち小物を梱包して発送して……という作業が、日常的にかなり増えている。

 

クッション材入りの封筒に入るようなら、手間はそんなにかからないのだが、ちょっと厚みのあるやつだとそれも難しい。そうなると、適度なサイズの空きダンボールや宅配用のマチ付き袋を探して、梱包用のプチプチを切って巻いて、テープで封をして……という作業が発生。うーんコレ、正直かなり面倒くさい。

 

また、コロナ禍の昨今、自宅にいると不要品が目につく→フリマアプリやネットオークションに出品、という流れによって、取引件数はかなり増えているらしい。出品して売れてしまえば、そこでもやっぱり面倒な梱包しての発送作業はすることになるわけで。

 

そこで今回は、そういった面倒がかなり減らせる最新の梱包材を紹介したい。なんと、これ一つで梱包用のパッケージと緩衝材と封かんを兼ねて、サイズも自由自在、パッキングもラクラク、という超優れモノ! マジでこれいいわー、という代物だ。

 

包んで圧着、即発送! やたらと手軽な梱包シート「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」

ということで使ってみたのが、3Mから発売されたばかりの「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」だ。通販大国にしてフリマアプリの利用も盛んなアメリカで、昨年発売され、すでにかなりの人気となっている商品である。

3M
スコッチ フレックス&シール 梱包ロール(380mm×3m)
オープン価格(実勢価格:税別1680円)

 

なんとなくキャンプ用のシートやヨガマットのようなルックスだが、先にも述べた通り、これひとつあればダンボールもプチプチも梱包テープも不要! というオールインワンの梱包材なのだ。

 

手で圧着するだけ! 梱包の仕方を見てみよう

使い方は簡単で、まずシートを引き出して、送りたいモノを裏面(灰色面)に置く。このとき、シートの長さはモノの幅の2倍ちょっと出しておくといい。

 

あとは適当なスペースをとってカットして、シートを折り返すようにして包んで、余ったフチ全周をギュッと手で押さえつける。

↑裏側の灰色面に送りたいモノを置いて……

 

↑包んだ端を手で圧着させたら、梱包完了

 

ハイ、これだけで梱包作業は完了! あとは送り状を貼るなり、宛先をシート表面に直接書き込むなりして発送すればOKだ。

 

今までの梱包作業におけるあれやこれやと比較したら、ほぼ一瞬であり、実質ノータイムと感じるほどの簡単さ。

↑複数の小物もまとめて包んで……

 

↑隙間を潰すように圧着梱包。これなら輸送中に中身がぶつかり合う心配もなさそうだ

 

驚きのスピードは、シートの構造にあった!

実はこのシート、①表側の青い面 ②中面の気泡層 ③裏側の灰色面、の3層構造になっている。

 

まずポイントとなるのは、③のモノを置いた灰色の面。この全体が接着面になっているのだが、くっつくのは「灰色面同士が、ギュッと圧着された場合」のみ。中身には貼り付かず、ベタベタもしない。しかも、一度圧着したらまず剥がれることはないため、輸送中に中身が飛び出すなんて心配もほぼないだろう。

 

とはいえ、接着強度を担保するにはある程度の面積が必要なので、あまりシートギリギリになるサイズのモノを送るのには向いていないかもしれない。

↑押し付けるだけで圧着されて、簡単には剥がれない。なかなか不思議な素材だ

 

↑3層構造を横から見た図。気泡層は厚くないが、頑丈なシートでサンドされているため、それなりの耐久性はありそうだ

 

さらに②の中面の気泡層によって、輸送中の衝撃から中身をガード。これによってプチプチ不要というわけだ。

 

ただし、気泡層はさほど厚みがあるわけではないので、割れ物や精密部品を包むだけで送るのはNG。基本的には、ゲームソフトやDVDを何本かまとめて包むとか、書籍、布製品といった用途がマッチするだろう。厚すぎてクッション封筒には入れづらいパッケージ箱入りの小物なんかにも便利だ。

↑クッション封筒には入れづらい角柱型の箱も、簡単に包むことができる

 

表面(青い面)は、手で破るのはほぼ不可能なぐらい頑丈で、さらに耐水性もある。多少の雨濡れなんかはまったく問題にならない。さらに、筆記具での書き込みもできるので、送り状のない定形外郵便なんかも、送り先を表面に直書きで大丈夫。この場合、視認性を考えて油性マーカーなどを使うと良さそうだ。

↑宛名は表面に直接書き込める。これくらいのサイズなら、定形外郵便で発送可能だ

 

ということで、筆者もすでにあれこれ送るのに使っており、早くも2ロール目を使っている最中だ。梱包作業がラクなのに加えて、発送コストを減らすのにも役立っているように思う。

 

なにしろ、梱包がほぼ現物サイズぴったりで済むのだから、無駄がない。本来なら宅配便の60サイズ(縦横高さの合計が60cm以内)で済むところが、たまたま大きめのダンボールしかなくて80サイズになっちゃった、なんてトラブルが起きえないのだから当然だろう。

 

単純なコストで考えれば、100均のクッション封筒と比較すれば割高かもしれない。だが、封筒に入らないサイズのモノも包んで送れる安心感、梱包作業の時間短縮、ダンボールやプチプチのロールをストックしておくスペースの経費などを含めて考えれば、使って損なし、と判断したい。

 

もちろん破損などの危険性も考えて使い分ける必要はあるだろうが、今後は、送れるモノは全部フレックス&シールで送っちゃおう、と目論んでいる次第である。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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フリマアプリで売れた後の面倒な梱包に“手で圧着するだけ”のスコッチ「梱包ロール」

“モノ系のライター”という仕事をしていると、メーカーや出版社等メディアと、日常的にいろいろと小物をやりとりすることがある。ちょっと前なら「あ、じゃあ明日そっちの方へ行く用事があるので、ついでに持っていきますね」というような気軽さで持参したりもしていたのだが、昨今ではそれがなかなか難しくなってしまった。そのため、いちいち小物を梱包して発送して……という作業が、日常的にかなり増えている。

 

クッション材入りの封筒に入るようなら、手間はそんなにかからないのだが、ちょっと厚みのあるやつだとそれも難しい。そうなると、適度なサイズの空きダンボールや宅配用のマチ付き袋を探して、梱包用のプチプチを切って巻いて、テープで封をして……という作業が発生。うーんコレ、正直かなり面倒くさい。

 

また、コロナ禍の昨今、自宅にいると不要品が目につく→フリマアプリやネットオークションに出品、という流れによって、取引件数はかなり増えているらしい。出品して売れてしまえば、そこでもやっぱり面倒な梱包しての発送作業はすることになるわけで。

 

そこで今回は、そういった面倒がかなり減らせる最新の梱包材を紹介したい。なんと、これ一つで梱包用のパッケージと緩衝材と封かんを兼ねて、サイズも自由自在、パッキングもラクラク、という超優れモノ! マジでこれいいわー、という代物だ。

 

包んで圧着、即発送! やたらと手軽な梱包シート「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」

ということで使ってみたのが、3Mから発売されたばかりの「スコッチ フレックス&シール 梱包ロール」だ。通販大国にしてフリマアプリの利用も盛んなアメリカで、昨年発売され、すでにかなりの人気となっている商品である。

3M
スコッチ フレックス&シール 梱包ロール(380mm×3m)
オープン価格(実勢価格:税別1680円)

 

なんとなくキャンプ用のシートやヨガマットのようなルックスだが、先にも述べた通り、これひとつあればダンボールもプチプチも梱包テープも不要! というオールインワンの梱包材なのだ。

 

手で圧着するだけ! 梱包の仕方を見てみよう

使い方は簡単で、まずシートを引き出して、送りたいモノを裏面(灰色面)に置く。このとき、シートの長さはモノの幅の2倍ちょっと出しておくといい。

 

あとは適当なスペースをとってカットして、シートを折り返すようにして包んで、余ったフチ全周をギュッと手で押さえつける。

↑裏側の灰色面に送りたいモノを置いて……

 

↑包んだ端を手で圧着させたら、梱包完了

 

ハイ、これだけで梱包作業は完了! あとは送り状を貼るなり、宛先をシート表面に直接書き込むなりして発送すればOKだ。

 

今までの梱包作業におけるあれやこれやと比較したら、ほぼ一瞬であり、実質ノータイムと感じるほどの簡単さ。

↑複数の小物もまとめて包んで……

 

↑隙間を潰すように圧着梱包。これなら輸送中に中身がぶつかり合う心配もなさそうだ

 

驚きのスピードは、シートの構造にあった!

実はこのシート、①表側の青い面 ②中面の気泡層 ③裏側の灰色面、の3層構造になっている。

 

まずポイントとなるのは、③のモノを置いた灰色の面。この全体が接着面になっているのだが、くっつくのは「灰色面同士が、ギュッと圧着された場合」のみ。中身には貼り付かず、ベタベタもしない。しかも、一度圧着したらまず剥がれることはないため、輸送中に中身が飛び出すなんて心配もほぼないだろう。

 

とはいえ、接着強度を担保するにはある程度の面積が必要なので、あまりシートギリギリになるサイズのモノを送るのには向いていないかもしれない。

↑押し付けるだけで圧着されて、簡単には剥がれない。なかなか不思議な素材だ

 

↑3層構造を横から見た図。気泡層は厚くないが、頑丈なシートでサンドされているため、それなりの耐久性はありそうだ

 

さらに②の中面の気泡層によって、輸送中の衝撃から中身をガード。これによってプチプチ不要というわけだ。

 

ただし、気泡層はさほど厚みがあるわけではないので、割れ物や精密部品を包むだけで送るのはNG。基本的には、ゲームソフトやDVDを何本かまとめて包むとか、書籍、布製品といった用途がマッチするだろう。厚すぎてクッション封筒には入れづらいパッケージ箱入りの小物なんかにも便利だ。

↑クッション封筒には入れづらい角柱型の箱も、簡単に包むことができる

 

表面(青い面)は、手で破るのはほぼ不可能なぐらい頑丈で、さらに耐水性もある。多少の雨濡れなんかはまったく問題にならない。さらに、筆記具での書き込みもできるので、送り状のない定形外郵便なんかも、送り先を表面に直書きで大丈夫。この場合、視認性を考えて油性マーカーなどを使うと良さそうだ。

↑宛名は表面に直接書き込める。これくらいのサイズなら、定形外郵便で発送可能だ

 

ということで、筆者もすでにあれこれ送るのに使っており、早くも2ロール目を使っている最中だ。梱包作業がラクなのに加えて、発送コストを減らすのにも役立っているように思う。

 

なにしろ、梱包がほぼ現物サイズぴったりで済むのだから、無駄がない。本来なら宅配便の60サイズ(縦横高さの合計が60cm以内)で済むところが、たまたま大きめのダンボールしかなくて80サイズになっちゃった、なんてトラブルが起きえないのだから当然だろう。

 

単純なコストで考えれば、100均のクッション封筒と比較すれば割高かもしれない。だが、封筒に入らないサイズのモノも包んで送れる安心感、梱包作業の時間短縮、ダンボールやプチプチのロールをストックしておくスペースの経費などを含めて考えれば、使って損なし、と判断したい。

 

もちろん破損などの危険性も考えて使い分ける必要はあるだろうが、今後は、送れるモノは全部フレックス&シールで送っちゃおう、と目論んでいる次第である。

 

 

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スッと切れるが中身は無傷! 通販ラヴァー喝采の「カッター」があったー!

【きだてたく文房具レビュー】段ボールの梱包テープを安全確実にカットするカッター

我が家はとにかくやたら段ボールが届く。これは夫婦ふたりして、通販およびネットオークションに過剰依存しているのが原因であり、最近では届く段ボール箱が、週に平均して10個を下回ることはない。

 

そういうこともあって、開梱作業用の梱包オープナーで「新製品が出た」という情報には、敏感にならざるを得ない。なにせ毎日1~2個はバリバリと開けてるわけだから、ちょっとでも使いやすい道具が欲しいのだ。

 

そこで今回は、先の4月に発売されたデザインフィルのオープナー「ダンボールカッター」を1か月間使ってみての評価をしてみたいと思う。

↑デザインフィル「ダンボールカッター」928円

 

いきなり結果から言えば、評価は「とても良い」だ。

 

運用においてやや気になる点がないでもないが、それでも今後我が家における開梱作業の柱としてバリバリ働いてもらおう、と考えているぐらい性能の良いオープナーである。

↑使う際は、コインの両端を持ってパカッと開くと刃が露出する

 

まず使い方だが、コイン形のボディを中心からパックマンのように開くと、中からセラミック製の刃が現れる。

 

この開閉するときの動作がやや固い(開けづらい)のが、先に述べたやや気になる部分なのだが、これは家庭内で頻繁に使われる刃物であることから、チャイルドロック的な意味合いでこうなっているのだろう。単にヒンジの締め付けが強すぎるだけで、使ってるうちに開きやすくなるかな……とも思っていたのだが、少なくとも1か月程度の使用では、変化はなかった。やはりこういう仕様らしい。

↑刃を突き立てると、サクッと鋭く食い込む感触がある

 

で、現れた刃を段ボールの口を留めているテープ部に突き刺し、そのまままっすぐ滑らせるとテープがきれいに切れて開梱できるというもの。作業的には、これまでの梱包オープナーとさほど変わることはない。

 

では、このダンボールカッターのどの部分が「とても良い」かと言うと、まずこのセラミック製の刃がとても「ちょうどいい」のだ。

↑三角刃の底辺から頂点までの高さが、約4㎜。これが中身を傷つけず、気持ちよく開梱できるちょうどいい長さだ

 

刃が段ボールに刺さり込む深さは約4㎜。この4㎜というのがちょうどいい。

 

刃先が1~2㎜ではやや物足りない。刃が短すぎると、段ボールの綴じ口の隙間にうまく入り込まず、上滑りをおこすこともある。かといって10㎜以上も刺さるようでは、段ボールの中身を傷つけるかもしれないという怖さもぬぐえない。

 

そもそも段ボールの厚さは規格が決まっており、日常的に宅配用梱包として多用されているのが「Bフルート」と呼ばれる厚さ3㎜のもの。引っ越し用や家電などを梱包する頑丈な「Aフルート」で5㎜厚。つまり刃先が4㎜というのは、中身を傷つける心配がほぼゼロで使えて上滑りもしにくい、ちょうどいい長さというわけだ。

↑海外からの荷物にありがちなミイラ巻き。ビニールテープも頑丈なものを使っているのか、プラ製のオープナーでは手こずることもある

 

さらにこの4㎜の刃は、海外からの荷物にも使いやすい。

 

海外便は途中で箱が開く危険性を考慮してか、ビニールテープでやたらとぐるぐる巻きに梱包されていることが多い(一般的に“ミイラ巻き”などと呼ばれる)。むろんしっかり梱包してくれることはありがたいのだが、厚手のビニールテープが重なった部分には、安全性を考慮したプラスチック刃の梱包カッターでは歯が立たない、なんてこともある。

 

対してこのダンボールカッターの刃は、切れ味もちょうどよく、刃先を指でなぞって皮膚が切れるほど鋭くはないが、テープには気持ちよく刺さるので、金属製のカッターを使うほどおっかなびっくりせずに、グイグイと多重ビニールテープに切り込めるのがとても気持ちいいのだ。

↑使用時のフォルム。刃のついた方の山に人差し指を乗せると力をかけやすい

 

また、使う際のフォルムも“ちょうどいい”感が高い。コイン型を開いて山がふたつ連なったような形で使うのだが、この山の丸みが指をかけるのになかなかしっくりと来るのである。

 

つまり力をかけやすいということで、先の海外から届いたミイラ巻きも切りやすい。さらに刃がセラミック製の頑丈なものということで、多少はねじり込んだりひねったりという無理な動きも、フォルムとの合わせ技で効いてくるという寸法だ。

↑磁石で貼れると収納場所に困らない。意外と重宝する機能である

 

ちなみにボディ裏面には磁石を内蔵しており、冷蔵庫や玄関ドアに貼り付けることもできる。玄関先やキッチンというのは開梱作業をしがちな場所だけに、これも地味にありがたい機能だ。

 

こういう細かく気の利いた感じも含めて「とても良い」ので、開梱ツールに迷っている通販ヘビーユーザーは、一度試してみてほしい。サクサクと効率よく段ボールが開けられるので、ほんとに快適なのだ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

米国は文具だってマッチョだぜ! 100℃の蒸気噴射にも耐えるエクストリームな付箋

【きだてたく文房具レビュー】雨にも風にも負けない付箋

先日、知人がSNSで「これ、欲しいな。誰かアメリカで買ってきて」と、埃まみれで屋外にべったりと貼られたふせんの写真を投稿していた。粘着力の強さとタフな環境でも使えるのが売りの、アメリカ製の付箋らしいのだが、どうもコレ、3Mの「ポスト・イット」シリーズのひとつのようだ。

 

ポスト・イットなら日本でも買えるんじゃないの? と思って製品検索をかけてみたのだが、出てこない。やはり、日本未発売の製品なのか。

 

こちらも探しているうちにどうしても欲しくなってきたので、結局アメリカのAmazon.comから取り寄せてみたのだが、確かにコレ、すごく面白い。日本でも早く発売して欲しい! という要望込みで、こちらで紹介してみよう。

↑3M「Post-it Extreme Notes」(45枚×3色パック)4.99ドル(日本未発売)

 

その製品というのが、3Mの「Post-it Extreme Notes」。

 

3Mが開発した“Dura-Holdペーパー”と耐水性の強力な粘着材を組み合わせたもので、とにかく貼る環境を選ばない超タフな現場系付箋である。

↑パッケージには、タフさを謳う表示が並ぶ

 

そもそもパッケージに「Use Indoor/Outdoor」「WOOD」「BRICK」「HOT/COLD」「WET」と列挙されている通り、まず屋外/屋内どちらでもOK。木材やレンガといった、普通の付箋ではすぐ剥がれてしまう凹凸のある素材にも貼り付けられる。さらに暑さ・寒さに耐え、濡れても問題なし。

 

とにかく「自分、タフさには自信あるッス!」というアピール圧がすごいのだ。

↑手触りは、“ユポ”や“ストーンペーパー”などの耐水紙よりも紙らしい質感がある

 

使用されているDura-Holdペーパー、手触りと見た目は繊維が太く、和紙に近い感じ。3Mのサイトではどういう紙なのかが明記されていなかったが、強く引っ張るとやや伸びる感触があり、樹脂を使った耐水性の紙なのかな、とも思う。

↑どんな筆記具でも、ほぼ違和感なく筆記が可能

 

ちなみにゲルインクや油性、水性、鉛筆でも写真の通りきれいに書ける(少し鉛筆のノリが悪いかな、ぐらい)ので、筆記具を選ぶことはなさそうだ。もちろん、ウェット面に使うなら、油性インクか鉛筆でないと全部流れてしまうだろうが。

↑凹凸磨りガラスへも、指で真下に強く引っ張って剥がれないぐらいの強度で貼れる

 

貼れる面に関して言うと、フラットな面は言うに及ばず、普通の付箋ではすぐに剥がれてしまう畳表や、ザラザラの凹凸磨りガラスにもしっかりとくっつく。

 

これなら、引っ越し作業の際に業者さんに荷物を置く場所の指示を貼っておく、みたいな使い方もできるだろう。

 

逆に粘着力が強すぎて、壁紙などは剥がすときに粘着材に持って行かれないかという怖さはあったが、こちらも普通のふせんのように端からめくるようにすればキレイに剥がれた。雑に勢いよくベリッと引っ張り剥がす、みたいなことをしなければ大丈夫そうだ。(ただし、経年劣化した壁紙などは破れる可能性があるかもしれない)

↑濡れた面に貼って、さらに上から水道を流しても剥がれない

 

もちろん、耐水性を謳っている通り、水濡れも問題なし。貼った上から水をジャバジャバとかけ続けても、剥がれてしまう気配はない。

 

ちょっとすごいなと思ったのが、濡れた面にもそのまま貼れてしまうこと。これはガムテープなどの粘着系でもだいたい禁忌で、建材用の養生テープぐらいしか対応できない機能だ。

 

続いて、耐久テストもしてみたい。

 

自宅マンションで、ベランダの壁面と外手すりに貼って一週間様子を見た。期間中は残念ながら雨こそ降らなかったのだが、都内でも最大風速23.2m/sという台風並みな風が吹いた日に加えて、最低気温6℃から最高気温26℃の寒暖差もあり、テストにはなかなか悪くない気候条件だった。

 

で、結果がこちらだ。

↑通常の付箋(左)と、台風並みの強風や寒暖差にも負けず、1週間そのままだったExtreme Notes (右)。タフすぎる!

 

さすがにあの強烈な風ではダメだろうなー、と思っていたのだが、Post-it Extreme Notesは最初に貼った場所にそのまま残っていた。正直なところ、これはさすがに驚いた。

 

ちなみに比較用に貼った強粘着ふせんの方は、貼った翌日にはもう剥がれ落ちていた。そもそも屋外利用は推奨されていない製品なので、これは当然だし、逆に「無理させてごめんね」といったところだ。

 

ここまでタフさを見せつけられると、こちらとしてもややムキにならざるを得ない。最後にボイラー式スチームクリーナーで高温の蒸気を吹き付けてみた。耐水+耐熱試験である。

↑ケルヒャーのスチーム噴射でも剥がれない付箋って、どうなの。もちろん、手でめくれば普通に剥がせる

 

マジかー。換気扇の油汚れでもスルッときれいに取れてしまう、100℃の蒸気でも剥がれないのか! いくらタフ自慢とは言え、限度ってのがあるだろう。

 

さすが、伊達にエクストリームを名乗ってない、といったところか。ここまでタフなら、屋外の建築現場や厨房の水場などでも何の心配もなく使えるだろう。

 

アメリカに限らず日本でもいくらでもエクストリームな使用環境はあるだろうし、やはりいずれは国内販売もしてもらいたいものだ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

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【きだてたく文房具レビュー】中国の宇宙開発技術によって? 強制的に姿勢矯正されるペン

最近のマイブームは、中国の通販サイト『AliExpress』(アリエクスプレス)での買い物だ。

 

基本的に料金後払い(商品到着後に確認ボタンを押すと支払いが確定する)だわ、送料もかなり安いわで、日本からでも意外なほどに安心して買い物ができるのがすごい。とはいえ通販にトラブルはつきものなので、あくまでも自己責任で。

 

文房具なんかも、「ハンドスピナーになるペン」とか「磁石でブロック玩具のように組み立てるペン」など、日本では買えないようなヘンなモノがいっぱいあって、見ているうちに気付くとサクサクと購入ボタンを押している次第である。

 

中でも最近で一番のヒットだったのが、「正姿護眼筆」(※護は、この簡体字である「手」偏に「戸」)というペン。これが、“ユーザーが書いている際の姿勢を検知し、姿勢が悪いと書けなくなる”という機能を備えたハイテク筆記具なのだ。

↑福州林文光電子科技有限公司「正姿護眼笔」3145円

 

で、そもそもどういう機構で“書いている姿勢を検知”するのかというと、(中国語の説明書を翻訳カメラアプリなどで読み解くに)後軸に内蔵したカメラユニットで使用者の姿勢を常時チェックしているらしいのだ。

 

そして、使用者の姿勢が正しければ普通に書くとができるが、猫背になるなど、いわゆる悪い姿勢を検知すると、ペン先が引っ込んでしまって筆記不可能になる、とのこと。それが本当なら、かなり未来!な筆記具である。

 

姿勢の悪い子供の矯正・近視予防用に開発されたというが、筆者だって年季の入った相当な猫背+ド近眼だ。なにより、大人だってそんなハイテクなやつ、使ってみたいじゃないか。

↑やたらとオプションが入っているのは、中国人がオマケ大好きだから。もちろん日本人だってうれしい

 

中国から届いた箱を開けてみると、中には正姿護眼笔の本体に加えて油性ボールペンユニット(青・黒 各2)、ゲルボールペンユニット(青・黒 各2)、0.7㎜シャープペンシルユニット+替え芯、電池が収まっていた。

 

ちなみにスイッチ的な物はなにもなく、本体軸にどれでもお好みのペンユニットを挿したら、あとは電池を入れるだけで自動的に機能するようになっている。

 

では、実際にちゃんと姿勢を監視してくれているのか、試してみよう。

↑背筋を伸ばした姿勢だと、この通りペン先は出たまま

 

まずは背筋をスッと伸ばした正しい姿勢で書いてみると……書ける。まったく普通。

 

筆記時に微妙なガタつきは感じる(ペンユニットが引っ込むギミックが入っているからだろう)が、とにかく書くことはできる。

↑机に頭を近づけると、本当に書けなくなった!

 

次に、頭をぐっと机に近づけた悪い筆記姿勢で書こうとすると……紙に触れた瞬間にフニャッとペン先が軸の中に入ってしまった。

 

正確に言うと、ペンユニットを内部で支えていたテンションがオフになり、ペン先が軸の中に戻ってしまう感じ。なるほど、これは確かに書くことができない。

↑後軸に内蔵されたカメラユニット。これでユーザーの姿勢を常時監視している

 

姿勢を元に戻すと、またペン先はテンションを取り戻し、書くことができる。どうやら姿勢を常時検出している、というのは間違いないようだ。といってもさほどたいした話ではなくて、カメラに大きく影がかかるとオフ、ぐらいのざっくりした処理だろうと思われるが。

 

ともかく、姿勢の悪い人というのは、だいたい無意識にそういう姿勢を取ってしまうものだ。いちいちペンの方で「この姿勢のまま書いちゃいけないよ」と警告を出してくれるというのはありがたい。これを使い続ければ、おそらく実際に姿勢矯正も可能だろう。

 

しかも特に機械的な動作音がするわけでもないので、学校の授業などで日常的に使っても問題はなさそうだ。

↑「30日使えば斜視・近視・猫背も完全に治る!」など華々しく謳われた裏面の惹句(じゃっく)

 

ちなみに、改めて箱書きの惹句を読むと、「人工衛星のリモートセンシング・マッピング技術を応用した360度全方位カメラを使い、常に正しい姿勢で書くように監督する」みたいなことまで書いてある。

 

リモートセンシング技術云々の真偽はさておき、360度全方位カメラはどうかというと、軸内のカメラユニットは素通しの軸でくるくる回転するようになっており、重量バランスによってレンズらしきものが常に上(使用者側)を向くようになっていた。

 

つまりここで言う360度全方位カメラとは、リコー「THETA(シータ)」のような全方位カメラで能動的に360度全周を撮影して、ユーザーの姿勢を監視するというわけではなく、単に「カメラが360度全方位をクルクル向くことができる」ということのようだ。嘘は言ってないからセーフだろう。

 

惹句の華々しさと現実のギャップは愛嬌として、しかし実際に名前通り「姿勢を正して目を護る」効果はきちんと発揮してくれた正姿護眼笔。これは間違いなく未来な筆記具である。純粋に驚いた。すごい。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

乾かない&段ボールが開く!? アスクルの新作マーカーにグッとクル

【きだてたく文房具レビュー】かゆいところに手が届いたオフィス通販の新製品

“オフィス通販”と聞くと、どうしても“まったく普通のアイテムを安く早くお届け”というイメージがある。

 

もちろんそういう一面もあるだろう。だが、実は最近のアスクルやカウネットなどオフィス通販会社は“まったく普通じゃない”機能を持ったオリジナル文房具の開発なんかもやっているのだ。なにせ、彼らはユーザーに直接製品を手渡す立場。製品のここがイヤ、ここを改良しろ、という文句もダイレクトに聞いている。開発にあたって、これほど役に立つものはない。

 

以前にも、そうやって開発された便利文房具を紹介したが、また新たにアスクルのカタログで面白いものが出ているのを見つけたので、さっそく紹介したい。

 

「キャップ開けっぱなしで3日間」に耐えるラインマーカー

アスクルとシヤチハタが共同開発したのが、「乾きにくいラインマーカー」。

 

名前そのものズバリ、キャップを開けたまま放置しても、ペン先チップが乾きにくいラインマーカーである。わかりやすさ前提のオフィス通販アイテムらしいネーミングだ。

↑アスクル/シヤチハタ「乾きにくいラインマーカー」1箱(10本入り/5色アソート)840円

 

ラインマーカーの書き込みは、ペン筆記のついでにやることが多いので、いちいちキャップを開閉するのが面倒くさい。とはいえ、うっかり開けたままにしておくとそのままキャップを閉め忘れて、結果、半日後に気付いた時にはもうペン先がカスカスに……ということも、筆者は経験している。

 

「そんなだらしないこと、しないよ!」という生真面目タイプの人であっても、キャップの開閉という作業自体には手間がかかるし、面倒だと感じているはず。キャップを閉めなくても問題ない、というのは、作業効率化に直結する便利さなのだ。

↑作業中、いちいちキャップを閉めずに済むというだけで、マーキングがかなりサクサク進む

 

シヤチハタは以前に、インクが乾燥時にペン先チップで薄い膜を張ることで乾燥から守る油性マーカー「乾きまペン」を出していた。今回のもそれと同じ仕組みかな? とはじめは思ったのだが、どうやら聞いてみると違うらしい。

 

今回のラインマーカーは新たに“水分を保持する特殊なインク”を搭載。これにより、ペン先で水分を失った顔料の粒子が目詰まりを起こす“ドライアップ”を防ぐようになっているそうだ。

↑放置3時間後でも5日後でも、ほとんど変わりのない線が引ける

 

実際に試してみたところ、確かに3日間キャップ開けっぱなしでもペン先がかすれた感じもなくスムーズにマーキングできた。5日後、1週間後でもこの通り。色が煮詰まって濃くなるということもなく、平常通りの筆記感だ。

 

もちろん、夏場ほど気温が高くないという現在の状況もあるだろうが、それでも能書きに偽りなし、といった感じである。

 

続いて、もうひとつの新製品が「書く」と「開ける」を合体した現場ワーク専用マーカーである。

「書く」と「開ける」が合体! 現場ワーク専用マーカー

もうひとつ紹介したいのが、お馴染み油性マーカーのド定番、ゼブラ「マッキー」の新アイテムとして登場した「マッキーワーク」だ。

 

こちらはアスクル限定ではなく、2018年8月までの先行販売という形になっている。

↑アスクル/ゼブラ「マッキーワーク」149円

 

流通センターや倉庫、引っ越し業者など物流の現場で作業する人が絶対に手放せないのが、油性マーカーと段ボールの開梱用オープナー。その二大アイテムが悪魔合体した!ということで、不便な要素が全く感じられない製品なのである。

↑黒々と視認性の良い、いつものマッキー。流通の現場での使用率は非常に高い

 

マッキー要素は従来の「ハイマッキー」と同じ、使い切りのツインマーカータイプだという点。

 

段ボールやビニールパッケージ、プラスチックまで素材を選ばずガシガシ書ける油性マーカーの代名詞として、現場ワーカーには欠かせない筆記具である。全世界の累計販売数8億本以上という、お馴染み過ぎるぐらいに手馴染みのある製品だけに、こちらに関してはもう今さら何も言うことはないだろう。

↑見慣れたキャップから生えた、見慣れない鍵型のパーツ

 

対してお馴染みでないのが、キャップから10㎜ほど伸びた黄色い樹脂パーツ。これがマッキー“ワーク”という名前の元になっている、段ボールオープナーだ。

 

先端が鍵のようになっており、尖ったカドの部分から梱包テープに突き刺してズバババッと切り引くと開梱できる。

↑横の少し尖ったところから突き刺すと、スムーズに開梱しやすい

 

刃はついていないので、ビニールテープ梱包だと切り開くのに少し力が必要だが、その代わりに中の荷物にダメージを与える危険性は少ない。また、ポケットにそのまま突っ込んでも安全だ。

 

あと、ラベルにも「使用上の注意」として記載されているが、使うときは軸だけでなくキャップまでしっかり持つこと。力を入れすぎてパコッとキャップが外れると、だいたい握っていた手の方に黒々と油性インクが付いてしまう。何度か試しても外れるようなことはなかったが、念のためそこは注意しておいた方がいい。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

次は「酒屋さん」が食われる…? Amazonが切り拓くネット酒販の地平

Amazonは、2017年10月20日(金)~29日(日)の10日間、期間限定の『Amazon Bar』を銀座にオープンしました。ずらりと並んだ約5000本のお酒から、来店客の気分に応じて専用端末がお酒をすすめる『メニューのないBar』です。これが連日大行列の盛況ぶりで大きな話題になりました。酒類の取扱数日本最大級を自負するAmazonは、お酒の小売業界をどう変えるのでしょうか。

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■酒販とECは相性抜群

Amazonはよく使うけどお酒は買わない。そんな人も多いのではないでしょうか。Amazonは今、急速に酒類のラインナップを充実させています。2014年4月に『お酒ストア』をオープン。17年6月には、ボタンを押すだけで注文できる『アマゾン ダッシュボタン』に酒類を追加し、同7月に『定期オトク便』でもお酒を買えるようにしました。お酒ストアの16年度売り上げはオープン当初から約2.7倍に増え、着実に売り上げを伸ばしています。

 

酒類の取扱数日本最大級を自負するお酒ストアは、定番のビール、日本酒、ワイン、焼酎、梅酒、チューハイ、洋酒・リキュールだけでなく、Amazonが各国のワイナリーから直輸入したワインも取り揃えています。専属の『Amazonソムリエ』が電話やメールを通じて無料でワインの相談に乗ってくれるサービスや、毎月違うワインが定期的に届く頒布会などのサービスも整えています。このようにAmazonは、消費財の中でも成長著しいカテゴリーのひとつとして、酒類の販売に力を入れているのです。

 

日本酒やワインなど瓶入りのお酒やケース入りの缶ビールなど、持ち歩くには重い酒類は、ネット通販に適しています。また、実店舗より多く、さまざまな種類を揃えられるところもネット通販に適していると言えます。世界中の珍しいお酒を自宅まで届けてくれるのは、消費者としてはとてもありがたいこと。

 

筆者も、店頭での取り扱いがほとんどないオレゴンワインをネットで買ったり、晩酌のお酒が無いことに気付いて『Amazon Prime Now(プライム ナウ)』の1時間便で購入したりと、お酒を買うときもネットの恩恵を最大限に受けています。ちなみに、プライム ナウでは11月16日0時に解禁されるボジョレー・ヌーヴォーを前日22時から注文受付開始し、早ければ解禁と同時の0時に届けてくれるというから驚きです。

 

■「地域の酒屋さん」がAmazonと勝負するには…

消費者にとって便利なお酒のネット通販。それでも、手がける業者は多くありません。『なんでも酒屋 カクヤス』『やまや』などの大型酒販店は、それぞれ独自の強みを打ち出してネットでも気を吐いていますが、Amazonのライバルと言える企業はまだまだ限られていると言ってもいいでしょう。このままAmazonが酒販に力を入れると、酒の小売業界も家電小売業界のようにAmazonの「独り勝ち状態」になってしまうのではないか、と危惧する人も多いのではないでしょうか。すでに数が減っている地域の酒屋さんはもちろん、大型スーパーやディスカウントストア、コンビニなど酒類を取り扱う店舗は、危機感を覚えているでしょう。

 

酒の小売業界がAmazonの独り勝ちを食い止め生き残るには、Amazonにない「きめ細やかな」サービス、独自性が求められます。たとえば、セブン&アイ・ホールディングスは、アスクルと提携して生鮮食品宅配サービス『IYフレッシュ』を始めると発表しています。これは4月に始まった同様のサービス「Amazonフレッシュ」への対抗策でしょう。『IYフレッシュ』はセブン&アイ・ホールディングスが全国に張り巡らせた流通・販売網を活かすとされており、筆者としては酒類のネット販売でもこうした持ち味が活かされることを期待します。

 

消費者として選択肢が増えるのは大歓迎。小売業界もAmazonに対抗すべくさらなる切磋琢磨を続け、より良いサービスが増えるといいですね。

 

【著者プロフィール】

ECアナリスト/ネット通販コンシェルジュ・遠藤奈美子

ネットショップの運営に携わり、自身でも日常生活のほぼ全ての買い物をオンラインで行っていることから、ユーザー目線かつ運営者としての厳しい視点で情報を発信。EC事業者と消費者の橋渡し役を目指す。

流通の常識が変わるかも!?“謎の箱”販売プロジェクトのクラウドファンディングに支援者続出!

11月7日、ユーザーに“謎の箱”が届く新事業のクラウドファンディングが「CAMPFIRE」に登場。流通の常識を覆すかもしれないプロジェクトに注目が集まっている。

出典画像:「あなたに『謎の箱』が届く!【特別お試し版】フォーチュンボックスお届けプロジェクト」CAMPFIRE サイトより出典画像:「あなたに『謎の箱』が届く!【特別お試し版】フォーチュンボックスお届けプロジェクト」CAMPFIRE サイトより

 

「謎の箱」が届く斬新な通販

出典画像:「あなたに『謎の箱』が届く!【特別お試し版】フォーチュンボックスお届けプロジェクト」CAMPFIRE サイトより出典画像:「あなたに『謎の箱』が届く!【特別お試し版】フォーチュンボックスお届けプロジェクト」CAMPFIRE サイトより

 

出典画像:「あなたに『謎の箱』が届く!【特別お試し版】フォーチュンボックスお届けプロジェクト」CAMPFIRE サイトより出典画像:「あなたに『謎の箱』が届く!【特別お試し版】フォーチュンボックスお届けプロジェクト」CAMPFIRE サイトより

 

同プロジェクトを開始したのは、今年3月に設立したばかりの新企業「フォーチュンファクトリー」。同社の事業内容は「フォーチュンボックス」の販売で、サービス開始に先立ちクラウドファンディングという形で「お試し版」をリリースした。

 

「フォーチュンボックス」とは、様々なメーカーのこだわり商品が入った“箱”のこと。利用者は箱を開けるまで中にどのような商品が入っているのかわからないため、開封までのドキドキ感を楽しむことが出来る。まさにユーザーが“選ぶ権利”を手放すという、新しい形の通販だ。

 

またCAMPFIRE上にある特設サイトに書かれた説明によると、「フォーチュンボックス」は「メーカーさんのチャレンジを応援できる新しい流通の形」とのこと。現在日本には数多くの製造メーカーがあるが、せっかく作ったこだわりの製品が宣伝不足で日の目を見ないことも。同プロジェクトはそんなマイナーで素敵な商品を、“偶然の出会い”で人々と結びつけるという目的も持っている。

 

そのため箱の中に入っている商品は、いずれもこだわりの商品ばかり。「ありふれたものは売らない」「品質実感が難しい、品質が低いものは売らない」「自己満足で熱くなって冷静になったら後悔するようなものは売らない」「自分が知らないだけでみんなが知っているものは売らない」「理由もなく売れ残りや在庫処分品は売らない」「法律違反や公序良俗違反になるものは売らない」「宗教や思想、個人的趣味が強いものは売らない」という7つのルールにのっとって、品物を厳選してくれるという。

 

同プロジェクトには「とても面白い企画! プレゼントとかにいいかも!」「成功したら流通が変わる… かもしれないプロジェクトだと思う」「こういったユニークな事業がもっと増えて欲しい」との声が寄せられ、支援者が続出。目標金額3万9900円に対して、67万3880円(11月16日時点)の金額が集まった。

 

気になる「フォーチュンボックス」の中身は?

リターンとして支援者に贈られるお試し版「フォーチュンボックスNo.00」には、合計6000円相当の商品が封入されている。気になる中身は当然明かされていないのだが、「一度はお召し上がりいただきたい、ちょっと変わったおいしい食品」や「届いたその日から使っていただき感動していただけるような生活雑貨」などが、5点から8点ほど入っているとのこと。

 

さらに、まだ一度も世に出たことのない謎の箱「フォーチュンボックス」を購入した勇気を称える「スペシャルな表彰状」も贈られる。ゆくゆくは“フォーチュン通販”という市場が出来ることも視野に入れているという同プロジェクト。“選べない通販”がどのように流通を変えるのか、期待は膨らむばかりだ。