海とサーフィンとハンバーガーと。大磯「BESNUG」はハワイの風が吹く「ハンバーガーショップ」だ!

ハンバーガーストリート・松原好秀の「週末はハンバーガー」~「BESNUG」 [神奈川・大磯]

 

とんでもなく暑かった平成最後の夏の締めに、今回は海の店、湘南・大磯の「BESNUG(ビースナッグ)」をご紹介。

 

 

波乗りも納得! USビーフのマッチョなバーガー!

かつての東海道、現在の国道1号線が目の前を走る同店。ちょうど店の前に「日本橋から68km」という距離標が立っている。海水浴場発祥の地のひとつである「照ヶ崎海岸」まで歩いて3分。歴史ある景勝地のバーガー店だ。

 

店主柏原さんは日本サーフィン連盟湘南西支部長を務める波乗り。店の名を冠した「BESNUG CUP」を毎年開催している。店内ではTシャツやキャップと並んで、オリジナルのサーフボードやウェットスーツも販売。BGMはもちろんサーフミュージックだ。

 

↑ランチセット(324円~)に付いてくるビースナッグ名物、自家製「ハウピア」。ハンバーガーでお腹パンパンになった後でも食べたい、大人気スイーツ!

 

波乗り一家の柏原さん。ハワイへ行くたびにハンバーガーを食べるのがいつしか楽しみになり、経営していた雑貨屋をついにハンバーガー屋に変えたのが2007年のこと。そんな海と波と、そしてハワイをイメージした同店。ランチセットにはココナッツミルクで作ったハワイのデザート「ハウピア」が付いてくる。

 

↑店の名を冠した「ビースナッグバーガー」(1188円)。サルサにクリームチーズ、チェダーチーズ、フライドエッグが入った、「好きなもの全部乗せました」的なマッチョな一品!

 

バーガーメニューは22品。店名の焼印が押されたバンズは添加物不使用の全粒粉バンズ。パティはUSビーフ100パーセント、つなぎなしの130グラム。そこへケチャップとマスタードをかけて食べるのが基本だが、一方で、トッピングや野菜の量が豊富で、どのバーガーもボリューミー。モリモリのパンパンに具材が挟まったバーガーばかりだ。トマトとグリルドオニオンはパティとほぼ同じ厚みに切られ、きれいな層をなしている。その下のフリルレタスもフリッフリの大量。満腹になること請け合い!

 

海とバーガー、そしてサーフィンとバーガーの相性の好さを実感できる、海の近くのハンバーガーショップ。”Be snug”……意味は「心地よく過ごして」。

 

― shop data ―

所在地: 神奈川県中郡大磯町大磯1093

アクセス: JR東海道本線 大磯駅歩10分

オープン: 2007年4月10日

営業時間: 11:00~18:00

定休日: 火曜日(※要確認)

ヴィレヴァンダイナーを起ち上げた店主が作る「メキシカン」なバーガーにしびれろ!――「PANTRY COYOTE」

ハンバーガーストリート・松原好秀の「週末はハンバーガー」PANTRY COYOTE [千葉市・千葉中央]

 

この店も日本のハンバーガーの歴史に大きな影響を与えた店のひとつだ。千葉市にある「PANTRY COYOTE (パントリーコヨーテ)」はこの夏で9周年。店主福永さんは、あの「ヴィレッジヴァンガードダイナー」を起ち上げた人である。

 

香辛料なしで作る自家製サルサと古代小麦のバンズ

世のハンバーガーブームに先駆けて登場したヴィレヴァンダイナー。その企画が社内で通るまでに「5年かかった」と福永さんは振り返る。念願叶って2003年、阿佐ヶ谷に1号店がオープンしたのを皮切りに計6店の起ち上げに携わった後、ヴィレヴァンを離れ、09年にパントリーコヨーテをオープンさせた。

 

ヴィレヴァンにも通じるウッディな店内には「パントリー(貯蔵庫)」を思わせる梯子段の中2階。福永さんがその”ワールド”に絶大な影響を受けたという日本を代表するジャグバンド「バンバンバザール」のライヴが、同店の毎年秋の恒例行事になっている。

 

↑チェダーとゴーダのダブルチーズでコーティングしたパリッパリのトルティーヤチップに3種のディップ

 

福永さんはメキシカンの使い手でもある。”本来”の製法に則り、ササルサやチリを”本来”の製法に則り、香辛料を使わず、塩と唐辛子、野菜の旨味のみで作る。そうしてできたチリコンカン、サルサメヒカーナ、ワカモレの3種類の自家製ディップが乗った「ナチョス」は同店を代表する人気メニューだ。

↑バーガーは現在20品。「エル・コヨーテバーガー」(1390円)はサボテン入りのザワークラウトを乗せた一品。バンズは通常の胚芽バンズとスペルト小麦バンズの2種類あり

 

ハンバーガーにもメキシコ色が濃厚。サルサやチリのバーガーには”古代小麦”を使った専用バンズ、「スペルト小麦バンズ」が今年から登場した。パティはカナダ産の牛肩肉に和牛脂を混ぜた113グラム。注文を受けてから計量・成形する。野菜の一部は奥さんの地元、千葉の長生産。生野菜はじめ各種具材は鉄板の上で組み上げ。ここでしか食べられない、福永さん独自の“ワールド”が炸裂する。常時14~15種類を揃えるクラフトビールも人気。夫婦二人で営む、千葉県が誇る伝説の食糧倉庫!

 

 

― shop data ―

所在地: 千葉県千葉市中央区中央3-11-11 ニュー豊田ビル1F

アクセス: 京成電鉄 千葉中央駅歩8分

オープン: 2009年8月1日

営業時間: 11:30~22:30

定休日: 水曜日・第3火曜日(要確認)

10年越しの友情が叶えたハンバーガー店、潮見「Skippers’」は夜も楽しい!

ハンバーガーストリート・松原好秀の「週末はハンバーガー」「Skippers’」 [潮見]

 

京葉線の潮見にあるハンバーガー店「Skippers'(スキッパーズ)」は味はもちろん、眺めも良好。窓の外に運河を臨む「キャナルビュー」な店だ。

 

自家製バンズで作る全19種類のスライダーが魅力!

店内はゴージャス。通りから奥まった店舗は、入るとさらに奥に深く、長いカウンターの横を抜けてホールまで進むと、その先にキラキラと光る汐見運河が見える。何とも贅沢な空間が広がる。

 

店主東條さんら起ち上げメンバー3人は、潮見駅前のマクドナルド(現在は閉店)で働いていたバイト仲間。バイトを辞める際に「またハンバーガー屋やろうよ」「この潮見でやろう」と誓い合い、10年かけてその夢を叶えた――というのが同店誕生のストーリーだ。リーダーだった東條さんは千葉の「PANTRY COYOTE」でハンバーガー専門店の存在を知り、夢の実現のため、人形町「BROZERS’」に4年勤めてハンバーガーの基礎を学んだ。

 

↑全19品あるスライダーより、左から「豊田屋チャンプルー」「バルサミコ しいたけ」「マルゲリータ」(各540円)

 

看板メニューは全19品ある「スライダー」。パティの上に「しいたけ」を乗せたり、揚げた豆腐を使ったりなど、料理人の自由な発想から生まれたミニサイズのバーガー&サンドが1個540円で食べられるというので、「飲みの締め」ないし「一日の締め」に頼む客が多い人気メニューだ。

 

↑「スキッパーズバーガー」(1026円)にチェダーチーズ(162円)のトッピング。バンズは自家製。緑の葉はルッコラ。そのゴマのような風味がビーフパティと非常によく合う

 

通常サイズのハンバーガーはその上を行く完成度。パティは豪州牛の肩ロースを粗挽き肉半分、店でカットした角切り肉半分の割で合わせた120グラム。バンズは早朝5時半から焼いている自家製で、今では都内8店に卸してもいる。その裏にハニーマスタード、間に自家製のオニオンソースを挟み、にぎやかな味わいの中にもよく計算された、まとまりのよいバーガーだ。

 

国内外の「クラフトジン」を40種類以上揃えており、その飲み比べもできるという夜も楽しいバーガー店。暑い夏の夜におすすめ!

 

― shop data ―
所在地: 東京都江東区潮見2-1-10 メゾンデラメール1F
アクセス: JR京葉線 潮見駅歩2分
オープン: 2017年4月13日
営業時間: 7:00~23:00(LO22:00)
定休日: なし(要確認)

配達区域は23区全域!注文の9割がデリバリーの曙橋「FAITH」で、できたてのバーガーを堪能する

ハンバーガーストリート・松原好秀の「週末はハンバーガー」「FAITH」 [曙橋]

 

今週はデリバリーの話題を――。曙橋の辺りに「津の守坂」という坂がある。新宿通りへと至るその坂の途中にひっそり構える「FAITH(フェイス)」というバーガー店は、実はデリバリーのエキスパートだ。

 

 

プロが作るサンドイッチはクオリティが違う!

配達エリアは23区全域。すべての配達を自前のバイクと車両でこなす。業者は使わず。一般的な配達距離は店から2.5キロが相場なので、驚異の広域だ。

 

 

朝は6時半から注文受付。企業がランチミーティングなどで利用する。深夜2時の指定で銀座まで届けたこともある。最も遠くまで運んだのは千葉の幕張。展示会の会場勤務になった常連さんが呼び寄せた。最多の注文は映画のイベントのために作った550個のミニバーガー。

 

そんな同店オーナーの織居さんは大のバイク好きで、ハンバーガーとの出合いもバイクに乗っている途中見つけた本郷の「FIRE HOUSE」に寄ったことから。その後、五反田の名店「7025 Franklin Ave.」に8年勤めて腕を磨いた。

 

↑パーティーメニューのプレートが大人気。写真はB.L.T、ベジタブル、ベーコンエッグ、ツナの詰め合わせ (5100円)

 

サンドイッチは10品。食パンは「サンワローラン」製。野菜はすべて浄水を潜らせてから使用。カチッとキチッと整ったサンドで、しばらく置いてから食べても驚くほどよくまとまっている。その品質を維持するため、紙から箱から研究し尽くした。

 

↑バーガー1番人気「カリフォルニアバーガー」(1320円)。スパイシーなケージャンソースにアボカドが混ざり、直火焼きパティを一層包み込むような味わいに

 

バーガーは12品。一番人気は「カリフォルニアバーガー」。直火で焼いたUSビーフ118グラムパティに、新宿「峰屋」のバンズのやや「もちっ」とした生地感。そこへとろけたチェダーチーズとアボカド、特製のケージャンソースが絡む。

 

注文の9割以上がデリバリーというスペシャリストな一店。その出来立て・作り立てのバーガー/サンドが日中わずかな時間のみ店内で食べられる。普段デリバリーで食べている方もぜひ一度体験を。

 

 

― shop data ―

所在地: 東京都新宿区荒木町16 エスペロビル101

アクセス: 都営新宿線 曙橋駅歩3分

オープン: 2007年11月17日

営業時間:

デリバリー 6:30~19:00 イートイン/テイクアウト 12:00~14:00LO

定休日: 日曜日(要確認)

豚の「脂」で巻いた新宿御苑前「CHATTY CHATTY」のハンバーガーがフランス人観光客に大人気だという

ハンバーガーストリート・松原好秀の「週末はハンバーガー」CHATTY CHATTY [新宿御苑前]

 

新宿御苑前に外国人客7割のハンバーガー店がある。その多くが新宿御苑を訪れる観光客だ。花見シーズンのテイクアウト率は実に8割。みんな苑内でハンバーガーを食べるという。

 

フランス人YouTuber絶賛の「クレピネット」パティとは?

その店「CHATTY CHATTY(チャッティチャッティ)」の店主宇川さんは古着好き。下北沢の古着屋で働いていた時、ハンバーガーの名店「FIRE HOUSE」を雑誌で知り、食べてみたら「メチャクチャおいしくて」、就職。約4年勤め、デリバリー店の店長などを歴任した。そして14年の夏に独立。しかし開業後しばらくは不振続き。転機が訪れたのは昨年はじめ、フランス人向けに日本を紹介する旅行情報サイトに外国人YouTuberが同店をレポートしたことがきっかけだった。以来フランス人が続々押し寄せるようになる。

 

同店のバーガー最大の特徴は、ビーフパティを豚の”網脂”で巻いた「クレピネット」という調理法のパティである。牛挽肉の旨味に豚の脂の風味が混ざり、しっかりと焼き込んだ食べ口と相まって、ベーコンバーガーとも違う、独特の味わいを生んでいる。

 

↑クレピネットパティを2枚重ねた「ダブルチーズバーガー」(1580円)。食べごたえ十分! ハンバーガーとがっぷり四つに組み合って格闘しているかのような迫力の一品!

 

そこへ塩胡椒による大胆な味付け。レリッシュの酸味も「ぎゅるっ」と強く利いている。それらを「レタスサンドか」というぐらい大量に挟んだレタスが中和。なかなかクセの強いバーガーだ。いや、ハンバーガーでない、何か新しい食べ物を食べているようでもある。白いバンズは板橋「鈴木ベーカリー」製。パティは豪州牛の極粗挽き100グラム。豚は国産。バーガーメニューは全35品。

 

カクテルも種類豊富でお値段安め。平日は15時からハッピーアワー。店名はジャマイカの音楽「スカ」の古典的名曲より。アンティークな店内にゴキゲンなスカやレゲエが終日流れる、ちょっとオールドタイミーなハンバーガーショップだ。

↑サンドイッチも7品。トーストした胚芽パンにピーナッツバターとグレープジャムをサンドした「ピーナッツバタージャムサンド」(630円)は隠れた人気メニューだ

 

 

 

― shop data ―

所在地: 東京都新宿区新宿1-12-1 サンサーラ第三御苑1F

アクセス: 東京メトロ丸の内線 新宿御苑前駅歩2分

オープン: 2014年7月4日

営業時間: 1:00~23:00(フードLO22:00、ドリンクLO22:30)

定休日: 月曜日(要確認)

 

「うちの店はまだまだ旨くなる」――果てなき研究を続ける「CRUZ BURGERS」で最先端のバーガーを堪能せよ!

ハンバーガーストリート・松原好秀の「週末はハンバーガー」CRUZ BURGERS [四ツ谷]

 

「CRUZ BURGERS(クルズバーガーズ)」は都内でも最新・最先端を行くハンバーガー店のひとつだ。場所は東京・四ツ谷。新宿通りから2本入った、静かな三栄通りのなかほどにある。ハンバーガーとクラフトビールという大注目・大人気のフード&ドリンクをメインに据えた、まさに最先端の店だ。

 

トースト地のバンズと溶岩石で焼いたパティが奏でる重厚な味わい!

店内入って右手には大きな冷蔵庫。生ビールを注ぐタップが8本付いており、国内外のおいしいクラフトビールの樽生が常時4~6種類つながっている。店主野本さんのお気に入りは米国サンディエゴの醸造所「BALLAST POINT」の「SCULPIN」という、”India Pale Ale”というスタイルのビールだ。

野本さんのバーガー歴は長い。中野と高円寺の「フレッシュネスバーガー」に4年。さらに本郷の名店「FIRE HOUSE」に6年勤めて、店長や統括マネージャーとして活躍。クルズが2015年11月の開業だから、職人歴はもう12年を数える。そんな野本さんを一言で言うなら「研究熱心」。バンズから、肉から、その焼き方から、細かな工夫を重ね、果てなき研究を続けている。「うちの店はまだまだ旨くなる」と野本さん。

 

↑低温で8時間ローストして作る「BBQプルドポーク」(734円)。ソフトなトルティーヤにコールスローとともに巻いて食べると、やわらかな甘味が出て美味!

 

そんなクルズの”現在”のバーガーを紹介しよう。バーガーメニューは全14品。パティは豪州牛120グラム。いわゆる「ザブトン」と呼ばれる部位のカット肉が6割、別な部位の挽肉4割の配合。これを溶岩石のグリルで焼いている。バンズは名店「峰屋」作。フランス粉入りのトースト種を甘酒酵母で発酵させた110グラム。持つとズシリと重い。ヒール(下バンズ)にタルタル風のスプレッド。自家製BBQソースの甘味がしっかり硬めのパティに絡んで、なかなか重厚な味わいだ。

 

自家製のプルドポークもおすすめ。手間暇かけたアメリカ料理の数々が楽しめる、ハンバーガーとクラフトビールの名店!

 

↑絶品「ゴルゴンゾーラ・セロリ」(1490円)。歯応えが軽快なリンゴ酢漬けのセロリにゴルゴンゾーラチーズがクリーミーに絡んで、摩訶不思議な奥行きのある味わいに

 

 

 

 

― shop data ―

所在地: 東京都新宿区三栄町6 小椋ビル1F

アクセス: JR・東京メトロ 四ツ谷駅歩5分

オープン: 2015年11月25日

営業時間:
平日: 11:00~23:00(LO22:30)
土日祝: 11:00~21:00(LO20:30)
定休日: 火曜日(要確認)