旅行・レジャーと防災を両立! フェーズフリースーツケース「テオフィールド」に新色と大型サイズ追加

バッグ&ラゲージブランド「ace.」を展開するエースは、避難時の使用を想定したフェーズフリースーツケース「テオフィールド」の新型となる容量95Lの預け入れモデル、および各モデルに新色「オリーブドラブ」のラインナップを追加し、1月23日に販売開始しました。

 

記事のポイント

身のまわりにあるモノやサービスを、日常時と非常時のどちらでも役立てようという考え方が「フェーズフリー」。近年の防災意識の高まりもあって注目を集めていますが、本製品は防災用品の保管・旅行やレジャーのどちらでも使えるのが特徴。大きなスーツケースは旅行がなければ放置してしまいがちですが、こうした製品が1台あると便利に使えそうです。

 

テオフィールドは、旅行やアウトドアレジャーに加え、避難時の使用も想定したフェーズフリー仕様のスーツケース。従来は飛行機内への持込を想定した容量32Lモデル、預け入れを想定した64Lモデルの2製品を販売していましたが、今回新たに長期旅行に適した容量95Lの預け入れ最大サイズをラインナップに追加しています。

 

また、これまでのカラバリ「ブラック」「サファリベージュ」「レイクブルー」に加え、ミリタリーライクな新色「オリーブドラブ」も各モデルに用意しました。

↑新色の「オリーブドラブ」

 

通常のスーツケースと異なり、アウトドアシーンや避難所では外装が簡易机代わりになるようなデザインを採用。

 

アウトドアアイテムや防災用品といった、かさばる荷物を収納できる「フロントオープン(1気室収納)」と、旅行時のパッキングに便利な「センターオープン(2気室収納)」の2通りの開閉方法を選択可能です。

 

ケース外側には小物を取り付けられるスリット入りテープが付いているほか、キャスターは悪路にも強い大型60Φ双輪仕様となっています。下部には開閉時などに指をかけやすいアシストハンドル付き。

 

エース
テオフィールド
市場想定価格:3万7400円(税込)~

防弾ベストと同じ素材のインソール! 釘を踏んでも貫通しない、日常使いできる防災スリッパ「ルッツプラス」

パラデックは、防弾ベストと同じ素材のインソールが入った防災スリッパ「ルッツプラス」を1月16日に発売します。

 

記事のポイント

屋内にいる時に地震が起きると、割れた食器やガラスなどが床に散乱する可能性があります。そうした時にこの一足があれば、釘を踏んでも貫通させずに足を守ってくれます。スリッパでありながら、かかと部分に太いゴムがあるおかげでホールド感があり、靴のような感覚で歩けます。

 

インソールに軽量で強度が高い「アラミド繊維」を使用しており、ガラスの破片や釘を踏んでも貫通しないとのこと。日本工業規格による正式な踏抜き試験もクリアしています。

 

かかと部分の太めのゴムが足をホールドし、靴のような感覚で歩けます。アウトソールにはゴム底を使用しているので、すぐに外に逃げないといけない場面でも、靴を履き替える必要がありません。

 

パラデック
「ノイエ ルッツプラス」防災携帯リッポン
価格:4980円(税抜)

・参考サイズ
S:21.0~23.0cm
M:23.0~25.0cm
L:25.0~27.0cm

「備えない防災」が新トレンド。揃えたいのは日常生活やアウトドアでも役立つ防災アイテム

災害時にだけ役立つアイテムを備えるのではなく、日ごろの暮らしやアウトドアで便利に使えるモノを揃える「備えない防災」という流れが生まれている。コスパも高まる、省スペース化につながるなど、良いことばかりだ。

 

「備えない防災」という新潮流

在宅避難時に役立つ、多彩な明るさを実現

パナソニック 多機能でかランタン BF-BL45M/実売価格5630円

↑パナソニック 多機能でかランタン BF-BL45M

 

無段階調光、調色機能付きのランタンとしても懐中電灯としても、屋内や屋外で使い勝手が良い。防滴対応、停電時自動点灯、単1形乾電池3本駆動、USB入出力搭載など普段からいざというときまで役立つ機能をしっかり備えている。

↑明るさは最大で約800lm。やや広めのリビングでも明るく照らせる。ハンドル付きで懐中電灯としても使いやすい

 

多孔式バーナーを採用。風に強い頼れるコンロ

イワタニ カセットフー タフまる Jr./実売価格7590円

↑イワタニ カセットフー タフまる Jr.

 

ソロキャンにも適したダッチオーブンOKのコンパクトなカセットこんろ。多孔式バーナーの採用、独自の“ダブル風防ユニット”搭載で風を防ぎ安定した燃焼を実現。専用キャリングケース付きで非常時の持ち出しもスムーズだ。

↑外側と内側、二段階の風防で多孔式バーナーをプロテクト。耐荷重10㎏、8インチのダッチオーブン、直径20㎝の鍋に対応

 

ゴミも掃除の軌跡も“見える”クリーナー

日立グローバル ソリューションズ パワーブースト サイクロン PV-BH900SM/実売価格8万7780円

↑日立グローバル ソリューションズ パワーブースト サイクロン PV-BH900SM

 

見えにくいゴミまで見える“3方向ごみくっきりライト”に掃除の軌跡を可視化する“ARおそうじ”を搭載し、無駄なくムラなく掃除が可能。コードレス&バッテリー駆動で停電時や災害時の後片付けもスムーズに行える。

↑掃除した経路をスマホで確認できるのでロスなく掃除ができる。時短はもちろん体力の温存にもウレシイ機能だ

 

手かざしでオン/オフOKの実力派ヘッドライト

サンワサプライ LEDヘッドライト LED-HL1/実売価格4320円

↑サンワサプライ LEDヘッドライト LED-HL1

 

手かざしでオンオフできるモーションセンサー付きLEDヘッドライト。専用充電バッテリーだけではなく単4形乾電池でも使える。スポットからワイドまで照射範囲の調節や点灯モードの切り替えに対応し、活躍の場は広そうだ。

↑軍手をしていても手が汚れていても問題なし。何より両手をフリーにできるのは最大のメリット。非常時には特に重宝するはずだ

 

アイデア次第でさらにマルチに使える!

ビクトリノックス フィールドマスター/実売価格5500円

↑ビクトリノックス フィールドマスター

 

鋸やハサミも付いた15機能搭載のスイス製マルチツール。災害時には栓抜きや缶切りなど、ちょっとしたツールが必要になるケースが出てくるかもしれない。アイデア次第でそんな窮地をも切り拓いてくれる心強いアイテムだ。

↑たとえば缶詰のフタを開けにくいときは、この“マルチフック”が便利。オールマイティに役立つ、気の利いた相棒だ

 

ベッドサイドに置いて安心な、多機能目覚まし時計

リズム 多機能型防災クロック 4RQ002-003/実売価格1万1550円

↑リズム 多機能型防災クロック 4RQ002-003

 

ラジオが聴ける、スマホなどに充電できる、内蔵充電池へは手回し発電でも充電できる、非常時に重宝する機能が揃ったユーティリティが特徴。普段は多機能な目覚まし時計として、ベッドサイドに安心を置いておける。

↑スマホへの充電は内蔵充電池のほか単3形乾電池4本でもOK。充電池への充電は手回し発電機で行えるのも安心感が高い

 

※「GetNavi」2024月11号に掲載された記事を再編集したものです

断水生活はコレで乗り切る! 無印良品でも手に入る、水ナシでもキレイを保つ防災アイテム

電気とともに生活に欠かせないのが水。だが特に地震発生後は給水設備の損壊により断水になる確率が高い。普段から水を貯めておく、そして水なしでも衛生的な環境を守れるアイテムを備えておくことが重要となる。

 

水のない生活に備えて、貯水と衛生衛生用品の備蓄が重要

東京都水道局の「東京水道経営プラン2016」では首都直下地震などの大規模地震の際、一部地域では断水率が60%を超えると想定している。一概に比較することはできないが、能登半島地震では実際に約3か月以上も断水した地域が発生したという報道も。飲料用の水はもちろんのこと、常日ごろから生活用水のストックにも意識を向けることが求められるのだ。

 

水が出ないことによる衛生環境の悪化を回避するために、風呂の残り湯があればカラダを洗ったり、入浴剤などが入っていなければちょっとした洗い物もできるだろう。水と空気はタダなどと冗談を言ってはいられない。我が家の水習慣を見直してみよう。

飲み水はひとり1日3L。人数ぶんの備えが必須

人にもよるが多少我慢すれば一日2Lのペットボトル1本で凌げるかもしれない。季節によっても必要な水分量は変動するので、この3Lを目安にしておきたい。

 

バスタブに水をためておけば、生活用水として使える

サイズは様々なので一概には言えないが、0.75坪タイプのバスタブで200L程度貯水しておくことができる。急場凌ぎの生活用水として活用したい。

 

断水時に衛生を保つアイテムを備えよ!

消臭性能がアップし、処理頻度を減らせる

ファンデクセル 超強力消臭Qbit いつでも簡単トイレ/6990円(100回ぶん)

↑ファンデクセル 超強力消臭Qbit いつでも簡単トイレ

 

最高グレードのヤシ殻活性炭を採用することで凝固剤の消臭性を大幅にアップ。消臭効果は1週間以上持続するので排泄物などを捨てる頻度も減らせる。災害防止研究所主催“防災グッズ大賞2023”大賞受賞商品。

↑長期保管に適したアルミパッケージを採用。ポリエチレン製手袋100組と便器カバー2袋が付属するので衛生管理、廃棄も安心だ

 

水でカラダを洗えない際に、十分拭ける厚手のシート

大王製紙 アテント からだふき 30枚/416円

↑大王製紙 アテント からだふき 30枚

 

1枚で全身拭ける厚手、シートサイズ300×300㎜の大判タイプ。アロエエキス+ヒアルロン酸配合、無香料、ノンアルコール、パラベンフリーで肌にやさしいのもポイント。風呂に入れなくてもしっかりと清潔感をキープできる。

 

洗濯できない下着の汚れ問題を解消!

アミー 災害時 パンツに貼る布シート(使い捨てタイプ)/1980円

↑アミー 災害時 パンツに貼る布シート(使い捨てタイプ)

 

断水が起こっているような状況下では当然、洗濯もままならない。毎日同じ下着着用時の汚れ問題を解消してくれるのが、パンツに貼る使い捨て布シート。違和感のない新品のような履き心地で急場が凌げる。

 

クリーンな水の確保が困難なときに重宝する

かりはな製作所 Mizu-Q PLUS/実売価格4070円

↑かりはな製作所 Mizu-Q PLUS

 

高精度中空糸フィルターと繊維状活性炭で病原菌やウィルス、ニオイなどの有害物質をカットして、安全な飲料水に変えてくれる軽量コンパクトな携帯型浄水器。ただし浄水しても飲用に適さない水もあるので、その点はしっかりと確認したい。

↑ストロー上の中空糸の壁面にある微細な孔から浄水のみを抽出。0.1μ以上の有害物質、細菌を通さない

 

無印良品で手軽に買える「断水対策グッズ」

無印良品では災害発生時に衛生を保てるグッズが販売されている。保存が利くレトルト食品も多く、併せて備えておきたい。

 

再生紙トイレットペーパー 5倍巻 シングル/599円

↑再生紙トイレットペーパー 5倍巻 シングル

 

紙芯なしの1個あたり長さ250m長巻タイプ。一般的には114mmの紙幅を107mmにすることで自然と使用量を削減、環境負荷が小さいのもポイントだ。場所を取らないストックのしやすさも備蓄に最適。

 

水のいらないシャンプー/890円

↑水のいらないシャンプー

 

水が不足しているときに髪を洗いたいとは言い出せないもの。水のいらないシャンプーは、髪と頭皮を水で洗い流さずとも(気になる時はタオルで拭くだけで)すっきりと保ってくれる。保湿成分配合。

 

指型歯みがきシート(12枚入)/350円

↑指型歯みがきシート(12枚入)

 

水が出ずに歯を磨けないのも相当ストレスになるのは間違いない。そこで準備したいのが指に装着して歯が磨ける歯磨きシート。口臭対策、口腔内のコンディションを保つためにも歯磨きは重要だ。

 

※「GetNavi」2024月11号に掲載された記事を再編集したものです

「防災セット」から始める、待ったなしの災害対策! 防災士おすすめアイテム

元日に発生した能登半島地震を始めとして、台風、豪雨、洪水など、次々と災害が発生した2024年。いつ起こるかわからないからこそ、普段からの備えがもう待ったなしで必要な状況だ。

 

命と暮らしを守るために知っておきたい知識と備えておきたいアイテムを、防災収納インストラクターで防災共育管理士、防災士の松永りえさんが紹介する。

 

防災の備えに対する意識はまだまだ低い

↑有効回答数500人(女性343人/男性157人) 株式会社AlbaLink調べ

何をどれだけやれば十分と感じられるのかは人によって様々なので一概には言えないが“備えていない”と回答している人が4割もいるというのはちょっと問題かも。転ばぬ先の杖、備えはできるだけしたいものだ。

 

地震や台風、大雨も!日本は災害の危機だらけ

南海トラフ地震や首都直下型地震の発生危険度が増している。ただ、いつ起こるかわからないからこそ、普段からの備えが必要不可欠だ。最近は地球温暖化の影響によって、台風や豪雨による洪水での浸水被害も毎年起こるようになってきているのが実状である。

 

「50年に一度とも言われる大雨による被害が毎年発生している状況ですし、特に夏季はゲリラ豪雨もほぼ毎日どこかで起こっている状態。これからの日本では、私たちが自然災害に対してうまく対策して暮らしていくしかない時代と言えます」(松永さん)

 

今後、災害は増えることはあっても減ることはない現在、災害とともに生きていく覚悟が必要だ。

 

「いつ起こるかがわからないのが災害の怖さ。早めに知識を備え、モノを準備して安心を手に入れるのがベストです!」(松永さん)

 

<2024年に日本を襲った災害>

1月:能登半島地震
1月1日、16時10分に発生したM7.6(最大震度7)の内陸地殻内地震。地震発生日が元日だったこともあり、帰省や観光客など、普段はそこにいない人も多く、一時は避難所が十分に機能できない、混乱した状況に陥った。

7月・8月:日本各地で記録的豪雨
中国・東北地方はもちろん、全国的にゲリラ雷雨が増加。太平洋沿岸から日本海側にかけての広範囲の線状降水帯の発生、動きの遅い台風10号による九州〜関東の大雨など、日本各地が記録的な大雨の脅威に晒された。

8月:宮崎県日向灘でM6.1の地震発生
8月8日、日向灘で発生したM6.1(宮崎県日南市で最大震度6弱を記録)の地震。南海トラフ巨大地震との関連から、その運用以来初めての“南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)”が発表され注意喚起が促された。

備えるモノがわからなければ、防災セットから始めてみる

災害時は、命を守るのが最優先。自宅内の安全対策をして避難するための備えを。地震の際は家の中で被災することが多いので、棚は倒れないか、家電は移動しないか、落ちて割れるものはないかなど、室内をチェックして安全対策するところからスタートしよう。

 

「もし自宅が危険な状態にある場合は『防災リュック』を背負って避難します。備えるモノがわからなければ、避難時に必要なモノが揃っているセットも数多くあるので、まずはここから始めるのも良い方法。定期的に中身をチェックすることが大切です。どのルートで避難するかもシミュレーションしておいてください」(松永さん)

 

アイリスオーヤマ 防災リュック NBS1-40 1人用 40点
実売価格:1万4500円前後

↑アイリスオーヤマ 防災リュック NBS1-40 1人用 40点

 

雨天でも安心のターポリン生地+止水ファスナー採用大容量リュックの中に防災マニュアルから保存食(一日二食3日分)まで計40点をパッキング。厳選された防災アイテムが満遍なく揃っている。質量約6.2㎏。

 

LA・PITA 防災セット SHELTERプレミアム 2人用
実売価格:2万900円

↑LA・PITA 防災セット SHELTERプレミアム 2人用

 

大きさを感じさせないスッキリしたフォルムの大容量リュックに、必要十分な防災アイテムを詰め込んだコストパフォーマンスに優れたセット。アイテム毎に収納できるポーチが付属するので、リュックの中をスマートに整理できる。セット質量約8.5㎏。

 

<防災セットを備える際のポイント>

自分が必要なモノが揃っているかチェック
過去の経験を踏まえたうえで吟味厳選されたアイテムがパッキングされているが、必ず中身はチェックしよう。不足やお気に入りがあるのならカスタマイズも必要となる。

避難場所まで背負って行ける重さかシミュレーションする
一般的に男性なら15㎏、女性なら10㎏までがスムーズに背負って歩けるとされる限界。災害時は身軽さも大きな武器、詰め込めば良いわけではない。バランスには気を付けたい。

避難時に取り出しやすい場所に保管しておく
玄関近くなど、持ち出しやすい場所に置いておくのが基本。ただ災害時は玄関から出られるとは限らないので、別に避難用出口を決めておいて、そこに保管しておくのも良い。

幸いにも家は無事!「在宅避難」で気をつけること

安全が確保できるのであれば自宅で在宅避難したい、という人が増えている。2023年に積水ハウスが行った「防災に関する調査」によれば、在宅避難を希望する人の割合は84.8%にものぼる。

 

「様々な人が集まる避難所と違って、プライバシーが確保できますし、住み慣れた安心感があります。自宅の備えもそのまま使えます。在宅避難者が増えれば、避難所など本当に支援が必要な人に支援物資が届きやすくなる効果もあります」(松永さん)

 

自宅で過ごせるとしても、電気や水道、ガスといったライフラインの寸断は避けられない場合も。そのために多めの備蓄をしておくことが必須となる。

 

「飲用水や食料などは最低でも1週間以上ぶんを確保しておくことが必要。そのためには普段食べているものを多めに備えながら、食べる→買い足すを繰り返す『ローリングストック』が有効です。常に備蓄を切らさないようにすることが重要になります」(松永さん)

 

在宅避難で気を付けたいポイント

1 在宅避難ができるよう、普段から家具や家電などの安全対策を行う

在宅避難を考えるならば、まずは家屋の安全性を確かめることが基本。そのうえで自宅内の被害を最小限に抑えるよう、家具の転倒や割れ物の飛散、家電製品の移動を防ぐなど、普段から対策をしておくことが必要だ。

 

2 ライフライン(電気・ガス・水道)の代替品・備蓄は最低1週間ぶん確保

 

復旧にどれだけ時間が掛かるのかは地域や状況によって大きく差が出るので、最低一週間ぶんを目安に考えたい。ポータブル電源やソーラーパネル、カセットコンロ、水のペットボトルなど、収納スペースも確保しておきたい。

 

3 マンション高層階の人は、より多くの備蓄が必要

 

いわゆるタワマンでなくとも高層階に住んでいるならば、エレベーターが使えなくなることを想定する必要がある。物流が復旧するまでは自力で高層階まで物資を運ばなければならなくなるかもしれない。そんな事態に備えて備蓄には余裕を。

 

ポイントはまだある!
自宅周辺のリスクを知って家では安全なスペースを作る

まずは自宅周辺のハザードマップで、リスクを知ることが必要。

 

「川の氾濫での浸水や津波のリスクがある場合は避難しなければなりません。知らないと正しい対策はできません」(松永さん)

 

そのうえで、家の中の備え(片付けや安全対策、備蓄)を進めることが重要になる。

 

「特に寝ている場所に倒れたり、落ちてくるモノがあると命に関わるのでいますぐ見直して欲しいです。1995年に発生した阪神淡路大震災では、死因のほとんどが家屋の倒壊や家具の転倒による圧迫死、さらに死亡推定時刻が当日の午前6時までになっており(地震発生は午前5時46分)、ほぼ即死だったと言えます。このような事態を避けるためには、家の中に何も倒れない・落ちてこないような『安全スペース』を作っておくことが必要です」(松永さん)

 

松永さんが挙げるポイント

1 自宅や職場周辺のハザードマップは必ずチェック!
国土交通省や、各自治体が公開しているハザードマップで、自宅周辺で危険とされている地域はどこなのかを必ず確認しておきたい。またマップには避難場所も記載されているので、把握しておくことが必要だ。

2 ベッドまわりは要注意!
寝室を見渡してみて、倒れてきたら潰されそうなモノ、落ちてきたら怪我をしそうなモノは対策しておく必要がある。就寝中はどんな人でも必ず無防備になる。だからこそリスクはできる限り排除しておきたい。

3 家の中に「安全スペース」を作っておく
倒れたり落ちてきたりするものがない、窓から離れられる、地震が発生したら、ひとまずやり過ごせる、安全なスペースを家の中に持っておこう。防災備蓄品もその場所にあれば本格的な避難にも迅速に対応できる。

 

防災収納 インストラクター:松永りえさん

防災共育管理士、防災士。思考・モノ・防災の3つを整理して、暮らしの土台をつくる整理収納コンサルタントを務めている。

 

※「GetNavi」2024月11号に掲載された記事を再編集したものです

畳むと手のひらサイズのソーラーパネル! 災害時の電力確保に「LUM POCKET」

「よろず兎」は、折り畳み式ソーラーパネル「LUM POCKET」を、「CAMPFIRE」で2025年1月31日まで販売しています。

記事のポイント

「どんな環境でも、どこでも活躍できるソーラーパネル」として設計された製品。アウトドア活動や自然災害時の電力供給の不安を解消することを目的に開発されたそう。特徴はなんといっても携帯性の高さ。軽くて丈夫で、畳むとiPad13インチの半分サイズになるので、荷物にサッと忍ばせておけると安心ですね。

 

エネルギーの変換効率は23.5%。スマートフォン、タブレット、Nintendo Switch、ポータブルバッテリー、USB対応LEDライトなど、幅広いデバイスに対応します。

 

IP64の防塵・防水設計なので、アウトドアシーンはもちろん、災害時にも安心して使える仕様です。

 

重さは750gで、折りたたむと手のひらサイズ(27.0cm×12.5cm×6.0cm)になります。また、バッテリー非搭載設計なので長期間保管でき、停電時にもすぐ利用できます。

 

よろず兎
LUM POCKET
定価:2万5800円

冬場の被災への備え、足りてる? フェリシモから、15の防寒・衛生アイテムまとめた防災グッズが登場

フェリシモは、「みんなのBOSAIプロジェクトもしもしも」より新作を発表し、12月17日よりウェブ販売を行っています。能登半島地震での経験と声を生かして生まれた、「防寒」と「衛生」アイテムを圧縮バッグに詰めて、さっと持ち出せる「ふだんから意識する 7つのあたため習慣の会」です。

↑全アイテムをひとまとめに収納・保管できる圧縮バッグ(写真左上と右上)。寒さ対策にもなる軍手(写真左下)。災害時の必須アイテムの簡易トイレ(写真右下)

 

記事のポイント

防寒アイテムを揃えていても、避難時に持ち出せなければ備えの意味がなくなってしまいます。衛生用品と防寒具を効率的に持ち出せるよう、全アイテムを圧縮して1つのバッグにまとめ、玄関に置けるようにしたアイデア商品です。「3つの首(首、手首・足首)」を中心に効率よく体を温められるアイテムをそろえつつ、内側から体を温めるためのアイテムもラインナップしています。

 

全15の防寒・衛生アイテムが、圧縮バッグによってコンパクトにひとまとめされています。真ん中のファスナーを閉めるとスリムに圧縮され、撥水加工で雨の日でも安心です。セット内容の一部をご紹介します。

 

非常用トイレ(3回分):非常用袋&抗菌凝固剤。バケツや洋式トイレに袋をかけ、使用後は凝固剤でゲル状に。においもれを抑える、消臭機能付きです。

ヘッドライト付きニットキャップ:頭部全体をあたためる、締めつけ感のない耳ボア付きキャップ。額のLEDライトは停電時や夜間の移動に便利。予備の電池を用意しておくと安心です。

 

↑頭部全体をあたためる、耳ボア付きキャップ

 

ドライシャンプーミトン(3回分):洗い流しやふき取りがいらない、ミトン型のドライシャンプー。入浴ができない時でも、髪や頭皮を清潔に保てます。

↑水分を含んだ厚手シート(外側)と、さらりとした薄手シート(内側)の二重構造で、手がベタつかないのもポイント

 

ポケット付きあったかベストマフラー:寒さを感じた時、さっと羽織れる中わた入りのマフラー。軽量でもあたたかく、寒さで冷えやすい首や肩甲骨まわりを効率的にあたためてくれます。

↑首~肩甲骨に当たる部分にカイロが入るポケット付き。太い血管が通る肩甲骨まわりをあたためると効果的(写真左)。大きくて開けやすいフラップ付きポケット。ウェットタオルや簡易トイレを入れてポーチ代わりにできます(写真右)

 

アームウォーマー:指先フリーでムレにくく、着けたまま家事やスマホ操作もできます。手首をすっぽり包み、袖口から入り込む冷気をカットします。

ブランケット:ストールのように、肩からかけたり腰に巻いたり、手軽に体をあたためられます。ふんわりとした起毛素材で、車内やデスクでも使いやすいサイズ。

↑親指を出して使えるサムホールも付いており、指先フリーのアームウォーマー

 

↑ふんわりとした起毛素材のブランケット(写真左)。60×30㎝で大判の厚手のウェットタオル(写真右)

 

シューズカバー:雨や雪、泥の侵入から足を守る生活防水のシューズカバー。急な雨でも靴の上からさっと装着でき、使わないときは畳んでバッグに入れられるサイズです。

↑ゴムひもで、すそからの浸水をブロックでき、スナップベルトでしっかり足にフィット。足のサイズは3サイズから選べます

 

マルチウォームバッグと発熱剤セット:少量の水と発熱剤だけで、湯沸かしや食材のあたためができるマルチパックです。発熱に使う水は雨水や川の水でもOKで、貴重な水を無駄にしません。

↑簡易的な給水袋として最大1.8Lの水が入れられる。安全に使うための箱付き

 

湯たんぽ&湯たんぽカバー:使い勝手の良い、小さめサイズ。カバーはポーチとしても使えます。湯たんぽに70度くらいの湯を注ぎ、カバーに入れたら、おなか→太もも→腰→おしりと移動させてあたためていくと、下半身全体がぬくもります。

腹巻き:伸縮性のある薄手素材で、服の上に重ね着してもモタつきにくい腹巻きです。汗などの水分を吸収し、熱として放出する吸湿発熱素材のため、ムレにくく、おなかをしっかりとあたためます。カイロが入るポケット付き。前後に回しておなかと背中を交互にあたためられます。

↑湯たんぽ&湯たんぽカバー(写真上)。伸縮性のある薄手素材で、やさしい手ざわりの腹巻き(写真下)

 

フェリシモ
みんなのBOSAI ふだんから意識する 7つのあたため習慣の会
月々:2900円 (+10%  3187円 ) ⇒ 発売記念価格 7か月ずっと月々2280円( +10%  2505円 )

「におい」を徹底的に閉じ込める! 元救急救命士が考案した「非常用トイレ(防災・備災)」

Flightは「元救急救命士が企画!実体験をもとに製作した新たな非常用トイレ【防災・備災】」を、「Makuake」にて予約販売中。11月29日まで。

 

元救急救命士が作る、被災した人々の心に寄り添う防災・備災ブランド「ヨカレカシ」の、Makuake第1弾の商品です。

 

記事のポイント

日本であっても、災害時はトイレが使えなくなることがあります。Flightの発表資料によると「人の平均トイレ回数は、1日に約5回」。生理現象なので、我慢するのは難しい……。
そうした時に悩まされるのが「におい」。この「非常用トイレ」は、においを閉じ込めることを徹底しています。11月19日は「世界トイレの日」なので、ぜひ防災・備えについて考えを巡らせてみては。

 

Flightの田中謙二代表取締役が救急救命士として働いていたころ、現場活動をする上で困ったことの1つが「におい」でした。便の処理をせず、放置したままの現場では、鼻を突くような強い異臭が……。一般的な袋やポリバケツのみでは、臭いの封じ込めは出来なかったと言います。

 

この非常用トイレは、そうした実体験をもとに、ストレスの原因となる「におい」を閉じ込めることに徹底してこだわり、制作されました。

 

国産杉を活用した、杉木粉配合の凝固剤「木粉凝固パウダー」でにおいを抑え、さらに「特殊構造フィルムの防臭袋」でブロックします。排泄後、パウダーを投入すると約20秒程度でさっと固めてくれます。

↑家庭用の袋では使うことがない樹脂(エンジニアリングプラスチック)を使用した特殊フィルム

在宅避難をする上で、必要な備えは最低でも3日分(可能であれば1週間分)とのこと。人の平均トイレ回数は、1日に約5回なので「ヨカレカシ」非常用トイレ(50回分)が1箱あれば、ひとまず安心だと言います。

 

サイズは大きめの書籍ほどで、トイレの棚にもなじみます。グレーとブルーの2色は「救急救命士の制服」をモチーフにしています。

 

Flight
ヨカレカシ「非常用トイレ」
価格:5253円(税込、非常用トイレ50回分×1の場合)

防災グッズの保管場所問題はこれで解決! ワンタッチで持ち出せる「ゲーミング防災バッグ」

防災用のラジオライトの企画や製造販売を行うスターリングプロダクトは、ゲーミングチェアの脚部に装着する「ゲーミング防災バッグ」を発表しました。

 

記事のポイント

置き場所に困りがちな防災グッズの問題を、イスの脚部分に装着するという新発想で解決した防災バッグ。ゲーミングという名称の通り、7色の光を反射するリフレクター生地を採用しているのがユニーク。防災バッグとしてだけでなく、身の回りの小物を整理・保管する物入れとしても活用できそう。

 

防災グッズは買ってからの保管場所が問題になることが多く、いざというときにすぐ持ち出せる場所に保管するのが理想とされています。

 

そこで同社では、ゲーミングチェアなどのイスの脚部分にバッグを装着することで、日常でも邪魔にならずに保管できるバッグを開発。バッグ部分はワンタッチで取り外しが可能で、取り外し後はウエストバッグやボディバッグとしてすぐに持ち出せます。

 

 

バッグにはゲーミングカラーに反射する日本製のリフレクター生地を使用することで、ゲーミングチェアとの親和性を高めたデザインとなっています。

 

容量はコンパクトな小サイズ(5L)と大サイズ(8L)の2種類を用意。必要な防災グッズの量に応じて選ぶことができます。

↑使用イメージ(中の防災グッズは製品に含まれません)

 

なお製品は、2024年9月26日(木)から9月29日(日)まで幕張メッセで行われる「東京ゲームショウ2024」の同社ブース内に展示されるほか、10月9日(水)から10月11日(金)まで東京ビッグサイトで行われる「RISCON危機管理産業展2024」にも展示される予定です。

 

スターリングプロダクト
ゲーミング防災バッグ
サイズ:小(5L)/大(8L)
発売日未定

防災の日までに知っておきたい! 地震・落雷・火災に備えるための家庭向け防災機器

9月1日は防災の日です。8月8日に南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されたのもあって防災への関心が高まっているいま、できる備えはしておきたいものです。そこで、この記事では地震の際の火災や雷による電気製品の故障を防ぐ機器、より早い避難を可能にする住宅用火災警報器を紹介します。

 

地震後の火災の過半数を占める電気火災を防ぐ感震ブレーカー

電線から供給された電気を家中に分配する分電盤は、どの家庭にも欠かせない装置です。分電盤には、漏電が検知されたときにブレーカーを落として電源を遮断する機能がついており、火災などのリスクを防いでいます。

 

地味な存在の分電盤ですが、着実な進化を遂げており、近年ではさらなる防災機能を持った機種が登場しています。そのひとつが、パナソニックが販売している「地震あんしん ばん」です。感震ブレーカーを搭載した「地震あんしん ばん」は、震度5以上の揺れを検知した際、メインの漏電ブレーカーを自動でオフにし、電気火災の発生を防ぎます。

↑「地震あんしん ばん」(左)と感震ブレーカー

 

それも、ただ単純にブレーカーを落とすだけではありません。地震感知後3分以内に停電した場合は、電気の復旧を検知してからブレーカーをオフに。停電がなかった場合は、3分間待ってからブレーカーを落とします。

 

停電した場合にもブレーカーをオフにするのは、電気が復旧した際に起きやすい通電火災を防ぐため。倒れたり損傷した電気製品に急に電気を通すと発火する危険があるため、それを未然に防いでいるというわけです。

 

また、停電しなかった場合に3分間待つのは、避難の時間を確保するためです。いざ避難をしようとしても、照明のない暗がりのなかでは、素早い対応が難しくなります。「地震あんしん ばん」には、効率的な避難を実現しつつ、火災のリスクも抑えるという、二重の工夫が施されているのです。地震の際に起こる火災の過半数は電気関連によるものなので、それを防げることは大きな安心感につながります。

↑パナソニックの感震ブレーカーに関する問い合わせ・FAQアクセス件数の推移。2024年1月の能登半島地震以降に激増しています

 

分電盤に避雷器をつければ、雷が落ちても家電の故障の心配なし

ゲリラ豪雨が増えた近年、増えているのが雷による電気製品等の故障です。特に日本海側では雷が多く、最多の金沢では1991〜2020年の平均で、年に45.1日の落雷が観測されています。雷は、日本人にとってかなり身近な災害といえるでしょう。地震ほどの恐怖はないかもしれませんが、雷による被害は日本全国で頻発しています。パナソニックが1000名を対象に行ったアンケートによると、雷によるなんらかの被害を受けたことがある人の割合は、16%にも及んだそうです。

 

雷がもたらす災害のうち、99%を占めるのが、雷サージによるものです。雷サージとは、落雷があった地点から地表・建物・電線などを通じて、大きな電流が家庭内の配線に侵入してくる現象。数キロ離れた落雷地点からでも、雷サージは家庭内に侵入して電気製品の内部を破壊、故障を引き起こします。

↑雷サージで家庭に侵入した電流と、それに対する避雷器(後述)の役割

 

それを防ぐために開発されたのが、避雷器を装備した分電盤「かみなりあんしん ばん」です。分電盤に取り付けられた避雷器は、雷サージによる電流を地表に逃し、家庭内の電気製品に過電圧がかかることを防ぎます。雷サージの入り口となる分電盤で電流をシャットアウトすることで、被害をほとんど防止できるといいます。

↑パナソニックの避雷器。感震ブレーカーと同様、分電盤に取り付けて使用します

 

パナソニックでは、感震ブレーカーと避雷器を兼備した「地震かみなりあんしん ばん」も販売。また、同社製の一部の分電盤に、感震ブレーカーや避雷器をあとから取り付けることも可能です。特に感震ブレーカーの設置には補助金を出している自治体もあるので、新築やリフォームなどの際にはチェックしてみるとよいでしょう。

 

住宅用火災警報器は10年ごとの交換が必須。おすすめはワイヤレス連動型

身近な防災機器のひとつに、住宅用火災警報器が挙げられます。温度や煙によって住宅内での火災を検知し、警報を鳴らしてくれる機器です。消防法によって、原則として戸建・共同問わず500m2未満の住宅の寝室と階段に設置が義務付けられており、台所や居室にも設置が推奨されています。台所や居室への警報器設置を義務とする条例を制定している市町村もあります。

 

2006年6月に上記の通り設置が義務化され、一気に普及が進んだ住宅用火災警報器。近年では、複数の警報機がワイヤレス通信によって連動するモデルも登場しています。ワイヤレス連動型の警報機が住宅内で火災を検知すると、火元となっている部屋に加え、家中すべての警報機が鳴動するので、家のどこにいても火災の発生を早く知ることができます。また、火元の場所を音声で知らせる機能が搭載されたモデルであれば、火から離れながら避難できます。

↑ワイヤレス連動型の住宅用火災警報器。火災を検知するとLEDが点灯し、照明としての役割も果たします

 

ワイヤレス連動型の住宅用火災警報機には、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)と連動するものもあります。たとえばパナソニックの場合、同社製のHEMS「AiSEG2」と連携し、火災検知と同時に家中の照明をオンにして、火災による死者数が特に多い夜間の避難を助ける機能を搭載するモデルが発売されています。

 

そして、住宅用火災警報器を語るうえで外せないのが、10年ごとの交換が必要だという点。内蔵している電池の寿命切れ、部品劣化による火災検知性能の低下といった事態が起きてしまうため、交換は必須とされています。しかし、交換が必要であることの認知度は低いのが現状。日本火災報知機工業会の調査によると、交換時期を知っているという人はわずか29.9%にとどまっています。実際に交換をしていないという人の割合は、69.8%にものぼるそう。防災への関心度が高まっているいまだからこそ、ご自宅の警報器をチェックしてみてはいかがでしょうか。住宅用火災警報器の設置に補助金を出している自治体もあるため、検討の際はぜひ確認してみましょう。

 

日本は災害大国です。地震などの災害は、この国に住む以上どうしても避けられません。もしものときの備えとして、ご自宅の防災機器を、いま一度ご確認することをおすすめします。

↑住宅用火災警報器の10年という交換時期は認知が進んでおらず、実際の交換もされていないという問題があります

 

非常時は手回し発電でスマホ充電も。USB-Cでも充電できる多機能防災クロックが発売

リズムから、普段はめざまし時計、非常時にはラジオとして活躍する多機能型防災クロック「4RQ002-003」が登場します。8月上旬からの発売で、価格は1万6500円(税込)。

 

本機はシチズン製のめざまし時計、ラジオ機能のほか、USB Type-Aポートを搭載しスマホや携帯電話の充電が可能。停電時には、単3アルカリ乾電池から直接充電する方法と、手回し発電機によって蓄電した内蔵充電池から充電する方法があります。

 

ちなみに通常時の本体への充電は、搭載するUSB Type-Cポートへ手持ちのケーブルをつなぎ、家庭用電源やパソコンなどから行えます。

 

また、ワイドFM付きなのでAM電波が入りにくい場所でも、FM放送の周波数を使用してAMラジオを聴くことができます。その他、同調ランプ、懐中電灯など、非常時にありがたい機能が備わっているので、一家に一台持っておきたい商品と言えるでしょう。

 

各方法での使用時間の目安は以下のようになっています。

乾電池 充電池 手回し発電
時計 約3時間 約170日 約6日
ライト 約120時間 約17時間 約25分
ラジオ 約60時間 約8時間 約13分
携帯電話通話 約1時間40分 約30分 約2分
携帯電話待受 約100時間 約30時間 約2時間
スマホ通話 約1時間 約20分 約2分
スマホ待受 約18時間 約6時間 約40分

 

リズム
4RQ002-003
価格:1万6500円

もしもの時に備える。カナリアをモチーフにしたお守りのような防災用ホイッスル

アッシュコンセプトが2022年に開催したデザインコンペティションの受賞作品が製品化! 備える気持ちを後押しする、カナリアをモチーフにしたお守りのような防災用ホイッスルです。7月19日よりアッシュコンセプトの直営店KONCENT(コンセント)をはじめ、全国のライフスタイルショップなどで発売予定。

 

ふと心を和ませてくれます

「カナリアホイッスル」は、非常用の荷物にしまっておいたり携帯したりする防災グッズではなく、部屋に飾る備えという形のアイテム。羽をたたんで休んでいるようにも見えるあたたかみのあるカラーのカナリアたちが寄り添います。

↑各1870円(税込)。ライトピンク、イエロー、ライトグレー、ブルーの4色

 

止まり木に付いたマグネットで、玄関やキッチン、シェルフの柱などに自由に設置でき、小さなカナリアがインテリアに彩りを添えます。 照明スイッチの近くなど、わかりやすい場所もおすすめです。

↑玄関に

 

鉄製の画びょうを壁に留めれば、様々な場所でカナリアと過ごせます。設置場所によって製品が回転したり不安定な場合は、付属の滑り止めシールを使用すると安定します。

↑どんな壁でも大丈夫

 

約2m離れた位置で約90dB・4000Hzの音が出ます。防犯ブザーやガス警報器よりも大きな音圧で、人の可聴域20~20000Hzのなかでも小さな音を聞き取りやすいとされている3000~4000Hzの周波数。日常から有事に備え、そっとそばに置いておきたいアイテムです。

↑防犯ブザーやガス警報器よりも大きな音圧

 

+d(プラスディー)
カナリアホイッスル
1870円(税込)

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

一台で懐中電灯、卓上ライト、スタンドライトに早変わり。最大77時間、連続使用できる高輝度ランタン

BougeRV Japanは、スタンド付きランタン「BougeRVランタン」を2024年7月11日に発売しました。価格は1万4980円(税込)です。

 

高輝度かつ1万3400mAhの大容量バッテリーを備えており、最大約77時間の連続使用が可能です。充電時間は5.2時間。USB-A出力ポート付きのためスマホの充電などができるほか、懐中電灯機能やSOSモードも搭載しているので、災害時の防災グッズとしてはもちろん、停電時にも頼れます。

 

ライトは柔軟に角度調整ができ、広範囲を照らせます。

 

伸縮自在で、高さは39cmから110cmまで調整可能。これ一台で、懐中電灯や卓上ライト、スタンド型ライトの役割を果たします。金属に吸着させることもできるので、活躍の幅が広いです。

 

明るさは9段階調節。さらに3つの色温度から選べます(1600K/2700K/6000K)。

 

IPX5クラスの防水性能」により、大雨や雪、強風でも使えます。キャンプはじめ、夜間の釣りやスポーツといったアウトドアシーンでも安心ですね。重量は約0.98kgなので、携行に難がありません。

デザインも機能も優れた「防災グッズ」選びと保管方法を雑貨コーディネーターが解説

日本は地震の多発国。さらに気候変動の影響もあり、台風や豪雨による災害も毎年のように発生しています。全国どこに住んでいても、災害に備えて防災グッズは準備しておく必要があります。一方で、防災グッズはいざというときにすぐ目につくよう、インテリアには“あえて馴染まない”色や形状のものが多くなっています。インテリアにこだわる人がそれを理由に準備を躊躇しては本末転倒。

 

そこで、インテリアの邪魔にならない、むしろ部屋に置いておきたくなるようなおしゃれな防災グッズを、雑貨コーディネーターとして活躍するオモムロニ。さんに教えていただきました。

 

インテリアにこだわる人が選ぶべき
“防災グッズ”の考え方

(写真提供=南海工業)

 

インテリア性を損なわずに防災グッズを身近に置く工夫とは? まずは、オモムロニ。さん自身が防災グッズ選びでこだわっている点をうかがいました。

 

「大前提として、防災アイテム自体はデザイン性より実用性が第一だと考えています。わが家で使っているものも、ホームセンターなどで取り扱っている実用性の高いグッズです。私自身は大きな震災を体験したことがありませんし、防災のプロでもありません。そのため、できるだけ実際に被災した方の経験をもとに開発されたグッズを進んで選ぶようにしています。

 

とはいえ、防災グッズは見栄えが悪いからと、納戸や押入れの奥底にしまっていては意味がありません。置き場所としては、使用頻度の高いメインスペースに置く必要はないけれど、本当に必要になったときにはすぐに取り出して使える状態にあることが理想です。

 

そのためにも、ある程度インテリアに馴染むように工夫することが大切だと思います。インテリア性の高いグッズやユニークなアイテムなら、暮らしのなかに積極的に取り入れたいと思えますよね」(雑貨コーディネーター・オモムロニ。さん、以下同)

 

では、オモムロニ。さんが防災グッズを日々の暮らしに取り入れる際のポイントは?

 

・実用性の高いケースにまとめて入れる

(写真提供=オモムロニ。さん)

 

「防災グッズをいろいろと揃えると、細々としてかさばりやすいですよね。それらを散逸しないようにまとめて収納しています。その収納ケースは、常に目のつくところに出して置けるよう、気に入ったものを選ぶようにしています。私が現在使っているのは、アウトドア用の蓋付きの大きな収納ボックスです。頑丈で持ち運びができ、椅子や踏み台としても使えるボックスに防災グッズの大半を入れて、玄関先に堂々と置いています」

 

・色の配分を考える

「最近では、インテリアに馴染むようにと白やグレーの防災グッズも出てきていますが、やはり非常時に認識できることは大切です。『インテリアとしての調和性』と同時に、『いざというときに目につく』必要があり、両立するためにあえて“インテリアのポイントや差し色”としてビタミンカラーのグッズや収納グッズを選んでみる、というのも面白いのではないでしょうか」

 

・日常的に使用するものはデザインも大切にする

「スマートフォンの充電器などいつも携行するものは、気に入っていて見栄えも良いものの方が普段から持ち歩きたいと思えますね」

このように、『見せる収納』『隠す収納』をバランスよく工夫することなどで、防災グッズも気持ちよくインテリアとして置いておくことができると、オモムロニ。さんは言います。

 

どこにしまうのが正解?防災グッズの保管場所

ひとまとめにすると、かさばる防災グッズ。どこに保管すればいいのでしょうか?

 

「防災グッズの置き場所は、家の間取りや、住んでいる人の使い勝手など、それこそさまざまです。『これがベスト』と言うものではなく、暮らしていく中でそのときのライフスタイルにあった場所を考えていく必要があります」

 

・家族みんなが把握している場所

「せっかく用意周到に準備していても、家族がどこにあるのかを把握していなければ、もしものときに使うことができません。地震が起きたときは慌てていて冷静に行動することは難しいもの。日頃から保管場所について話し合ったり、普段目につきやすい場所に、どこに何をしまっているかが分かる保管場所リストを貼っておくなど、工夫が必要です」

 

・定期的にメンテナンスしやすい場所

「非常食の賞味期限が切れていたり、使用期間が切れていることは防災グッズにはありがちです。定期的にメンテナンスするためには、取り出しやすくモノの交換がしやすい場所がおすすめです」

具体的な保管場所を教えていただきました。

 

・玄関付近

(写真提供=オモムロニ。さん)

 

「間取りにもよりますが、我が家では玄関横に少し広いスペースがあります。ここに、外へ避難する時のための防災リュックをアウトドア用のふた付きの大きな収納ボックスに入れて置いています。ここならば、出入りするたびにチラチラと目に入るので、“防災グッズの存在”を認識しやすいのです」

 

・キッチン

「食材だけは、分けてキッチンに置く人も多いのではないでしょうか。私は、吊り戸棚の上部に3年〜5年くらい保存の効くパウチの食材をストックしています。普段は手に届かないけれど、台に乗れば簡単に取り出せる位置です。毎年9月1日の防災の日に合わせて、賞味期限の確認や買い替えなどをするようにしています。パントリーがあれば、一角を防災食スペースとして設けることもできます」

 

・ベッドサイド

「ベッドサイドに運動靴やヘルメットを置くようにしています。サイドテーブルを置いておけば、収納場所にすることもできます。テーブルとして上にメガネや本などを置き、引き出しには非常時に使うものをしまっています」

 

・クローゼットや押し入れ

「防災グッズの定番の保管場所です。大きなスペースにしまっている人も多いはず。一方で、次々にほかのものを入れていく中で、防災グッズが奥に追いやられていませんか? 今一度確認してみましょう。また、クローゼットや押し入れであれば扉がありインテリアに影響がないので、こちらではとにかく目につく色柄の防災ボックスに入れるなど、あえて目立たせて日頃から忘れないようにするのもおすすめです」

 

インテリアとしても申し分なし!デザイン性の高い防災グッズ5選

オモムロニ。 さんに部屋に飾っておきたい、あえて目立つ場所に置いておきたい、インテリア雑貨としても際立つ防災グッズを紹介していただきました。

 

1.モダンでおしゃれなこけしフォルムの懐中電灯

East Japan Project「Naruko Kokeshi Light(鳴子こけしライト)
15,400円(税込)/designshop

「建築家の隈研吾氏が中心となり立ち上げられた東北復興支援プロジェクト『East Japan Project(EJP)』によるデザイン。この『鳴子こけしライト』は、一つひとつが、宮城県鳴子温泉のこけし職人の持つろくろ引きの技術によって作られている伝統工芸品です。頭の部分をくるっとひねるとライトが点灯します。抽象的なこけしの形がインテリアとして置くにもちょうどよく、リビングや玄関などにあえて置いておきたくなるLEDライトです」

 

2.ゴミ箱にも簡易トイレにも変身するアウトドア用折りたたみ椅子

SOLCION 「PATATTO350+」
6,380円(税込)

「災害時に簡易トイレとして使うことができる折りたたみの椅子。耐荷重は100kgまであるにもかかわらず、たためば厚さ4cmととてもコンパクトです。3色展開もうれしいポイント。インテリアに馴染みやすいネイビーを選べばいつでもお部屋においておけますし、オレンジは押し入れにしまっておいてもすぐに見つけることができます。災害時、座って用を足せることは精神的にも大きな安心感を与えてくれますし、高齢の方やお子さんも使いやすいと思います」

 

3.災害時の必需品! 水をおしゃれに保存するタンク

DOD 「ジミニータンク」
4,400円(税込)

「災害時には飲み水だけではなく、トイレや食器洗いなど、さまざまな場面で生活用水が必要になります。水はありすぎて困るものではありません。しかしながら、場所をとるため保管場所に困るモノ。アウトドア用のタンクならシックな色合いのモノも多く、インテリア性をそこないません。また、下部に蛇口がついているので、古い水を蛇口から出し、上部から新しい水を入れ替えやすい設計です」

 

4.必要最低限の充電に便利なスタイリッシュなバッテリー

BAREBONES 「Power Bank new 10000mAh」
10,560円(税込)

「部屋に置いてあってもスタイリッシュなバッテリー。スマートフォンなど、どうしても充電したいものを充電するのに適した容量です。キャリーハンドルがついているので持ち運びもスムーズです。また、懐中電灯もついているすぐれもの。付属のUSB-Cケーブルで充電する仕様。黒と白の2色展開があり、部屋のインテリアに合わせて選ぶことができます」

 

5.防災グッズの入れ場所をあえて見せるインテリアに

IF「WALLシリーズ」
23,100円〜(税込)

「『もしもの備えを日常に』をコンセプトに、限られた空間の中にもスッキリと防災グッズを収納できるアイテムです。インテリにも馴染むオーク材の天板で、キッチン横のサイドテーブルとしたり、壁際においてお気に入りの置物などを飾ったりと使い方自由自在です。家族の人数に合わせて大きさを選べる2サイズ展開です」

 

防災グッズをインテリアの一部として据えることは、防災を身近なものにしてくれます。防災グッズを収納するケースを洗練されたデザインにしてみたり、機能性の高いアウトドアグッズを防災用にできないかと考えてみたりすると、新しい発見があるでしょう。日常の暮らしの中に溶け込む防災グッズは、フェーズフリーアイテムとして、災害時だけでなく平常時にも、役に立ってくれるはずです。

 

Profile

雑貨コーディネーター / オモムロニ。

日用品、家電、文具、グッズ、手みやげ、贈りものなど、あらゆる“モノ”にまつわるセレクトやコラムの執筆、商品企画などを手がける。グッドデザインかつ実用的なアイテム選びが得意。雑誌『&Premium』にて連載中。著書に『DAILY GIFT BOOK気持ちが伝わる贈りものアイデア』 (文藝春秋)がある。
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DAISOだけで防災バッグが完成! 100円から始める「防災グッズ9選」をプロが伝授

DAISOは1972年に広島で産声を上げてから今年で50周年を迎え、いまや国内外で店舗を展開。ここでは、地震学者としての知見を生かし防災教育に取り組む大木聖子先生に、防災バッグのいろはを教えてもらった。自分や家族の命を守るため、DAISOのアイテムを駆使して、いつ来るかわからない災害に備えよう。

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が解説します

地震学者

大木聖子先生

慶應義塾大学准教授。災害発生時を想像して書く「防災小説」など、“自分ごと”の防災意識を高める活動に注力。

防災バッグ三箇条

一、すぐに持ち出せる形で準備しておく

二、耐震性があるなら在宅避難が望ましい

三、LEDライトと笛は常に持ち歩く

 

波や大雨での浸水域に入っている場合や火災が発生した場合など、自宅を離れて避難しなければならないときにすぐに持ち出せるような準備が必要です。一方、自宅に耐震性があって浸水域でない場合は、避難所での感染症のリスクを抑えるためにも、在宅避難が望ましいでしょう。避難所・在宅避難いずれにせよ、「電気や水道が使えない」「不足のものを買い足すことができない」という状況は同じ。“キャンプで山奥に数日間籠もる”という想像を膨らませて準備することが重要です。

 

今回紹介する商品以外では、水・食料は十分な量の確保を。給水ステーションに水を汲みに行くときには、給水タンクも必要になります。また、LEDライトや笛は、キーホルダーにつけて日常的に携帯しましょう。ライトは水を入れたペットボトルと併せれば、乱反射で明るいランタンに早変わりです。

 

防災グッズ9選+αを紹介!

 

【その1】天然由来の綿100%で吸水性と肌触りに優れる

フェイスタオル(グレー)

110円

サイズ約W34×H82cmのフェイスタオル。綿100%で吸水性に優れ、手触りも柔らか。写真のグレーのほか、ホワイトやネイビー、ベージュなど普段使いしやすいカラバリを豊富に用意。

 

【CHECK】自宅で普段使っているモノでOK

「タオルは、自宅で普段使っているもので構いません。身体を拭く以外にも、敷物や風呂敷、包帯など様々な用途に活用できます」(大木先生)

 

【その2】ノンアルコールなので口腔やデリケートな肌にも使える

やさしいノンアルコールウエットティッシュ

110円

約W18×H15cmのシートを70枚封入。ノンアルコール・無香料なので、デリケートな肌でも安心して使える。メッシュタイプでしっかりとした厚めのシートは引っ張っても破れにくい。

 

【CHECK】水道が使えない状況で清拭に使える

「水が使えなくなるのでウエットティッシュは必須。感染症対策としての消毒を考慮すると、アルコール含有のモノも選択肢に」(大木先生)

 

【その3】3層構造のフィルターを備え飛沫感染を予防

不織布マスク(ふつうサイズ、30枚)

110円

3層フィルター構造を採用し、飛沫をおよそ99%カット。「小さめサイズ」「子供用」もラインナップする。同社創業50周年の増量キャンペーン対象商品なのでお見逃しなく! (詳細は公式ホームページを参照)

 

【CHECK】避難所では一層の感染症対策が不可欠

「世界的にマスクが不可欠な時代。衛生環境が整っているとは限らない状況での避難生活が長期化する可能性も想定しましょう」(大木先生)

 

【その4】使い方もわかりやすく すぐに使えて後処理簡単

緊急簡易トイレ 1回分

110円

汚物袋、凝固剤、処理袋の3点セット。便器と便座の間に汚物袋の口を挟み込んで固定すればすぐに使え、凝固剤で後処理もしやすい。洋式トイレがない場合はバケツなどでも代用可能。

 

【CHECK】最低でも3日ぶんほどは用意する

「被災時は下水も流せなくなります。1回ぶんだけではどう考えても足りないので、最低3日ぶんほどは用意しておきましょう」(大木先生)

 

【その5】広げて全身を覆えば過酷な寒さを軽減する

緊急簡易ブランケット

110円

広げると約W140×H210cmになる簡易ブランケット。軽量で保温効果を発揮するアルミ蒸着PETフィルムを採用している。体を覆えば厳しい環境下でも風雨をしのぎながら体温を保てる。

 

【CHECK】携帯性に優れ防寒性能を発揮する

「被災時は暖房設備や温かい寝具を利用できるとは限りません。本品はコンパクトで持ち運びやすく、保温性に優れています」(大木先生)

 

【その6】地震発生後などに有用な防災グッズ3点セット

軍手・ロープ・笛3点セット

110円

災害時に有効な軍手(1双)、ロープ、ホイッスルを同梱。瓦礫が散乱していても、軍手があれば心強い。ロープは荷物を縛ったり、柱に固定したりするのに必要十分な全長3mだ。

 

【CHECK】ものが散乱するなか軍手でケガを防げる

「家の中にものが散乱するので軍手は不可欠。ガラスの破片などを通さない、素材が固くてしっかりしたものがベストです」(大木先生)

 

【その7】2段階調光可能な置いて使えるライト

2WAYランタン

110円

スイッチ切り替え式のLEDライト。前面のランタンモード(COB/100ルーメン)と、側面の懐中電灯モード(1LED/70ルーメン)の2Wayで使い分けできる。単3形乾電池を3本使用。

 

【CHECK】ハンズフリーな置き型ライトが便利

「置いたまま使えるライトや装着できるヘッドライトがオススメ。暗所での作業時に手が塞がらないライトを選びましょう」(大木先生)

 

【その8】キーホルダーで携行しやすい非常用ホイッスル

非常用呼子笛 IDカード付

110円

携行に便利なキーリングを備えるホイッスル。付属のIDカードに身元や緊急連絡先を記入して、丸めてホイッスル内部に収納できる。紐付きなので、発災時には首掛けで使用できるのも便利。

 

【CHECK】声が届きにくい状況でも情報伝達可能

「発災後はヘリコプターの音や倒壊音などで、声による情報伝達が困難。救助を求めるときや、仲間を呼ぶときに活用しましょう」(大木先生)

 

【その9】必要十分な容量を備えるスウェット素材のリュック

リュック(スウェット生地)

550円

2ポケット搭載のリュック。本体サイズ約W27×H35×D8cmで、今回紹介する商品をすべて収納してもまだペットボトルなどを入れられる。まずは家族の人数ぶん揃えて備えを進めよう。

 

【CHECK】両手が塞がらないリュックを準備

「避難するときに両手が塞がらないリュックがオススメ。押入れの奥などではなく、すぐに持ち出せるような場所に備えましょう」(大木先生)

 

【小さい子どもがいる人はコレもオススメ】

2WAYレインコート

550円

ダッカーを装備し、乳幼児を抱っこしたまま着られるレインコート。妊娠期間にもゆったりと着られる設計で、産前産後のママにうれしい。畳んで入れられる収納袋付属で携帯に便利。

 

【CHECK】雨対策はもちろん授乳の際にも重宝する

「雨対策には携帯しやすいレインコートが便利。避難先での着替えや、乳児がいる場合は授乳の場面でも重宝します」(大木先生)

 

●店舗によって品揃えが異なり、在庫がない場合がある。掲載商品については予告なく廃盤、仕様変更等が発生する場合があるので予めご了承ください

あなたの存在を“光って”知らせる! 手軽に貼れる「リフレクターシール」

ヤマトは、高度な反射性能を備えたシール「リフレクターシール」を、6月16日に発売します。税込価格は495円。

 

同製品は、クルマのライトや懐中電灯等の光を受けると、光源に向かって反射光が戻る「再帰性反射」シールで、遠くからでも自分の存在を知らせることができます。

 

夜間だけでなく、昼間もあらゆる環境下で輝くので、身に着けるものなどに貼ることで、交通安全や防災の目印として利用できます。コロナ禍で増えつつあるウォーキングやアウトドアシーンのほか、通学、習い事など、子どもの持ちものにも使えます。

 

カラーバリエーションは、カラフルで目立つネオンオレンジ、ライトグリーン、イエローの蛍光色に加え、普段は目立たせたくないというときにも使える、ホワイトとブラックの全5色をラインナップ。

↑左から、ホワイト、ネオンオレンジ、ライトグリーン、イエロー、ブラック

 

シールなので台紙からはがしてすぐ使うことができ、貼るものに合わせて選べる5種類の形状で、レイングッズ、ランドセルやヘルメット、自転車、靴などへの貼付や、デコラティブにも使えます。

いつどこで起こるかわからない災害に備える! いざというときに役立つ“乾電池式”モバイルバッテリー「電池でGO!!」

最近、体に感じる地震の頻度が、増えたような……?

 

大きな地震は津波の不安だけでなく、停電の発生も恐ろしいですよね。また、地震による停電のほか、台風や突発的雷雨による停電も、近年では増えている印象です。災害はいつ起こるのかわかりません。そこで……

 

非常用持ち出し袋の中にひとつ入れておきたいのが、オウルテックの「電池交換でくり返し使える! 乾電池式 モバイルバッテリー 電池でGO!!(OWL-DB8U1-WH)」です。

 

某“鉄道シミュレーションゲーム”のような名前にツッコミを入れたくなりますが、同製品は、単3形アルカリ乾電池があれば繰り返し使うことができる、乾電池式の充電器です。

 

いざというときのためにローリングストックしている人も多いであろう乾電池を8本、もしくは4本使用することで、一般的なモバイルバッテリーのように利用できます。USB Type-Aを1ポート搭載しています。

 

「既存品で乾電池4本タイプがありますが、スマートフォンのバッテリーの大容量化に伴い、乾電池4本では充電容量が追い付かなくなってきました。そこで、昨今のスマートフォンバッテリーの容量に合わせ、乾電池を8本まで使えるようにしました」(オウルテック担当者)

 

8本使用するとスマートフォンを約1.4回充電できますが、緊急事態で電池を8本も用意できない! というときでも、4本あれば充電ができます。4本使用の場合は、約0.7回スマートフォンを充電可能。少ない本数でも使えるのが嬉しいポイントですね。

 

電池を含まない本体重量は約88gと、一般的なモバイルバッテリーに比べて非常に軽く、非常用持ち出し袋の中に入れっぱなしでも問題ない重さといえるでしょう。旅先でのアクシデントやトラブルに備え、旅行用のバッグに入れておくのもアリ。本体にはON/OFFスイッチも付いているので、使わないときはOFFにして電池の消費を抑えることができます。

 

税込価格は1980円で、乾電池や充電用のUSBケーブルは別売りです。「モバイルバッテリーは劣化や自然放電が気になる……」という人にも断然オススメ。「備え有れば患い無し」というわけで、ひとつ持っていると、ありとあらゆる非常事態に役に立つアイテムといえます!

芯を潰した粘着テープの究極系? カードタイプになった3Mの梱包テープの使い勝手は群を抜いている!

先日、生活用具を収納する棚の整理をしていて気付いてしまったのだが、我が家、梱包テープが多すぎる。

 

まずクラフトテープと布テープとPPテープがあって、さらに手で切れるPPテープだの、両フチに粘着材がなくてめくって剥がしやすい布テープだのと、あれこれ機能を付加したタイプもあって、もはや棚に収まりきらなくなっている。荷物のやり取りが多いモノ系ライターという仕事柄、ある程度しょうがないとはいえ、困ったなー、と。

 

↑工具とかテープ類を突っ込んである自宅の棚。数えてみたら、梱包用だけで18本もあった。「空母でも梱包するつもりか」と妻に怒られた

 

だが冷静に考えると、こういった梱包テープの類にだって、非はあるんじゃないか? 実際に使うテープ部に対して、芯の間に空いたあの無駄な穴はなんだ。あの空間さえなければ、もっとすんなり収納できるだろう。

 

例えば都内で家賃15万円50平米の家として、一般的な梱包テープの穴の面積が約0.045m2なので、ざっくり計算であの空虚な穴1つあたり毎月135円がコストとして払われ続けることになる。(もちろん、棚などを使えば収納効率も違うので、そんな単純な計算はできないが。)これ、許せることだろうか!?

 

「スコッチ 透明梱包用テープ」は超薄型だから邪魔じゃない!

と、上記はさすがに言いがかりに近い話ではあるが、梱包テープが意外と場所をとって邪魔、という点に関しては同意いただけるんではないだろうか。もうちょっとスッキリ収納できてもいいのでは?

 

まさにそういう部分で最強なのが、3M(スリーエム)から発売された「Scotch(スコッチ) 透明梱包用テープ ポータブルタイプ」(以下、ポータブル梱包テープ)である。

 

3M
Scotch(スコッチ) 透明梱包用テープ ポータブルタイプ
7m
オープン価格(実勢300円前後)

 

なにがポータブルかというと、一目瞭然、あの穴がない! 2mm厚の紙板を芯として、そこに48mm幅のPPテープを巻き付けてあるというもので、とにかく薄くてスッキリ。感覚的には“カードサイズ”と言いたくなるくらいなのだ。

↑指で挟んで持てる梱包テープ、という新ジャンルだ。新品の状態で厚さは約5.5mm

 

↑50m巻のテープと比べると、サイズ差は歴然

 

並べて見ると、とにかく“収納面積の無駄にならなさ”が圧倒的。従来のPPテープ1個分のスペースがあれば、ポータブル梱包テープがどっさり積み重ねて置けるわけで、それはもうありがたいとしか言いようがない。テープ長は7m(従来品はだいたい50m巻)しかないが、そこを考えてもやはり相当な省スペースだろう。

 

なにより普通の家庭であれば、50m巻テープを使い切るのもなかなか大変。それならスリムな7m巻を備えておけば充分、という考え方もできるのではないか。

 

↑紙管のロールと比べるとややぎこちない動きになるが、使いづらいと感じるほどじゃない

 

使う時は紙板の芯を表、裏、とひっくり返すようにしてテープを伸ばしていくので、やはり紙菅芯から伸ばしていくのとは作業感が違う。とは言っても、まぁそういうものかと思って使えば、特に不具合は感じないはず。

 

テープ自体は0.06mm厚と、PPテープとしてはやや厚手という範囲。粘着もしっかりしているので、梱包だけでなく、ちょっとした補修作業にも充分に使えるだろう。

 

↑PPテープは、やはり手で切れる方が、圧倒的に面倒がない

 

さらに、テープが手でスパッと切れるというのもポイントだ。ちなみに、手で切るときは最初からグイッと力を入れて引き切るのがコツ。じわじわ力を入れると、テープが端から伸びていって切れなくなってしまう。ここは慣れが必要かもしれない。

 

とはいえ、「カッターやハサミが不要」+「ポケットに入れても邪魔にならないぐらいの薄さ」という組み合わせは、引っ越し作業などには最適ではないだろうか。

 

↑このサイズ感なら、ポケットに入れて持ち歩いても違和感なし。DIYでも役立ちそうだ

 

以前、この連載でも薄型の布テープ「アウトドアテープ」(ヤマト)を紹介したことがある。登山やキャンプの荷物にスルリと入るスリムさで、こちらも非常に優秀な製品だ。

“潰れたガムテ”がこんなに便利なんて! ヤマト「アウトドアテープ」がキャンプでも災害時も活躍する理由
https://getnavi.jp/stationery/537788/

 

すべてのテープ類が薄型になればいい、という極論を言うつもりはもちろんないが、こういった“収納に場所を取らないテープ”という選択肢がもうちょっと増えると、いろいろと便利だと思う。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

アウトドアでも働く現場でも! ライト付きボールペン「ライトライトα」の本気を感じる進化とは

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を1点ずつピックアップしている。第8回となる今回は?

 

第8話

ゼブラ
ライトライトα
660円(税込)

ペン先にライトを搭載したボールペンの新モデル。暗い場所で使っても目にやさしい、赤いライトが新たに加わった。暗い場所で長時間過ごす夜間の仕事や、天体観測などの趣味のシーンで活躍する。

 

ライト付きボールペンとしてのさらなる進化形

文房具史上初の、「本気の」ライト付きボールペン。

 

これまでも暗闇で書くためのライト付きボールペンはあるにはあったが、どれも使い勝手や書き心地がイマイチで実用に耐えるものはほとんどなかった。

 

そこに2018年、突如登場したのがゼブラの「ライトライト」。ペン先に明るいLEDライトを搭載し、インクはゼブラの主要インクである油性インクを採用。海外メーカーに通ずる無骨でシンプルなデザインと、基本的なスペックの高さからその「本気」が伝わってきた。

 

ペン先の出し入れとライトのオンオフをノックで切り替えられるから両手が塞がらないし、灯りがいらない場面では普通のペンとしても使える。ペン先が光った状態での筆記にはやや慣れが必要なので、最初はペンとライトを別々に使うのも良いだろう。クルマの中や非常用持ち出し袋に入れておく一本としても安心感がある。

 

そして2021年3月、その改良版「ライトライトα」が登場した。ペン先に蓄光パーツを使い、ライトに目が眩むのを防ぐ赤色LEDライトモデルも用意するなど、ライト付きボールペンとしてのさらなる進化形を見せてくれている。

 

同社の調査によれば、医療、運送、建設業などで働くおよそ4割の人が日常的に暗い場所で筆記しているという。「本気」で必要とする人がいるから本気で応えた、その応答が気持ちの良い一本である。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第6話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第7話】万年筆入門にうってつけ!丸くカーブしたペン先が特徴のミドリ「MD万年筆」
https://getnavi.jp/stationery/582979/

【防災編】話題のポータブル電源は「一家一台」にあるべき。ママインフルエンサーと考えた「防災活用術」4選

ポータブル電源は大容量のバッテリーを積み、様々な電源プラグを搭載しているデジタル周辺機器です。引き続くキャンプ&車中泊ブームで需要が拡大中。GetNavi webでも人気カテゴリのひとつとなっています。

 

そんな背景のなかでGetNavi webで現在注目しているのが、2021年5月に発売されるオウルテックの「PORTABLE POWER STATION」。短期連載の第3回となる今回は、【キャンプ編】【車中泊編】に続いて【防災編】をお届けします。

 

【関連記事】キャンプ編/車中泊編はこちらから

話題の「ポータブル電源」選ぶならオウルテック「PORTABLE POWER STATION」一択! アウトドア通・桐島ローランドと考えた活用術【キャンプ編】

今、ベストバイ・ポータブル電源はオウルテック「PORTABLE POWER STATION」だ! アウトドア通・桐島ローランドと考えた活用術【車中泊編】

 

本稿では防災用途ということもあり、デジタル機器にあまり詳しくない方向けに、本機の製品概要を紹介しながら使いこなし術を解説。家で過ごす時間が増えたいま、在宅中に停電などが起きた際はどのように役立つのかを、ママインフルエンサーを招いてGetNavi webが一緒に考えました。

 

ママインフルエンサー 堀江佑佳さん

旦那さんとお子さんの3人暮らし。インスタグラムのアカウントは@yuka_horie

 

【今回紹介するモデル】

まずは、「PORTABLE POWER STATION」の基本的な性能について紹介していきましょう。同シリーズには2つのモデル「OWL-LPBL112001」と「OWL-LPBL172801」があり、主な違いはバッテリー容量です。たとえばiPhone 12の場合、前者は約21.5回、後者は約33回の充電が可能。容量にともなってサイズや重量も若干異なり、前者は約5kg、後者は6.8kgとなっています。

 

●SPEC(右)●内蔵バッテリー:リチウムイオン電池 3.6V 112000mAh/403.2Wh●充電時間:付属AC充電器=約6時間、付属AC充電器+PD100W充電器=約3時間、120Wソーラーパネル=約8時間●サイズ (本体):約240(W) × 196(D) × 192(H) mm/約5.0kg  ●SPEC(左)●内蔵バッテリー:リチウムイオン電池 3.6V 172800mAh/622Wh●充電時間:付属AC充電器:約9時間、付属AC充電器+PD100W充電器:約5時間、120Wソーラーパネル:約8時間●サイズ (本体):約290(W)×210(D)×205(H)mm/約6.8kg

オウルテック OWL-LPBL112001(右)

合計400Wまでの家電やデジタル製品に給電できるポータブル電源。400Wは一般的にコーヒーメーカーなどが作業時に消費する電力で、小型の家電製品に対応します(消費電力は製品によって異なります)。一般的な家庭用電源であるACコンセント(2つ)のほかに、USB Type-C(PD100W対応/ひとつ)、USB Type-A(3つ)、クルマに搭載されているDCシガーソケット(ひとつ)を搭載しており、様々な端子を差して製品に給電することができます。背面にはLED照明を搭載し、足元や手元を照らすことが可能。

 

本体の充電はDCプラグを使って付属のAC充電器(90W)のほか、USB Type-C(PD100W対応)、別売のソーラーパネル(120W)が使えるなど様々な手段が利用できます。AC充電器(90W)を使った際の充電時間は約6時間、AC充電器(90W)とPD100W対応USB Type-Cを併せて充電したときは約3時間で充電が完了。

 

↑本体正面。上部中央には現在のバッテリー残量がわかるディスプレイを搭載。現在使用している電力も表示されます

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オウルテック OWL-LPBL172801(左)

112000mAhモデルと同じ出入力ポートやLED照明を搭載しながら、バッテリー容量を1.5倍以上にしたモデル。600W以内の家電やデジタル製品に対応します。AC充電器(90W)を使った際の充電時間は約9時間、AC充電器(90W)とPD100W対応USB Type-Cを併せて充電したときは約5時間で充電が完了。112000mAhモデルと同様、異常を感知した場合には、自動で動作を停止するため、安全面でも安心です。

↑本体正面は112000mAhモデルと同じ構成

 

↑背面にLEDライトを搭載。低/中/高の3段階で明るさを変えられます

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「PORTABLE POWER STATION」が活躍する4つのシーン

災害となったら「PORTABLE POWER STATION」はどのように活躍してくれるのでしょうか?4つのシーン別に、堀江さんと編集部・山田による対談形式でお伝えします。

【オウルテック「PORTABLE POWER STATION」の使い方をギャラリーで先見せ!(画像をタップすると詳細が表示されます】

 

【その1】1週間以上分のスマホ充電を確保

「モバイルバッテリーより大容量で安心」(堀江)

「ファミリー世帯で重宝する」(山田)

家族や知人とのコミュニケーションはもちろん、情報収集や懐中電灯代わりになるなど生活必需品ともいえるスマートフォン。停電で自宅のコンセントから充電できない場合はモバイルバッテリーが重宝しますが、パワフルな蓄電量でその何倍も充電できるのがポータブル電源です。

山田「スマホの機種にもよりますけど、iPhone 12の場合、112000mAhモデルなら約21.5回、172800mAhモデルなら約33回充電可能。家族3人全員がスマホ持ちという構成でも、1週間はなんとかなりますね」

堀江「一般的なモバイルバッテリーの充電回数は最大5回とか10回ですよね。ポータブル電源をスマホ充電だけに使うということはないと思いますけど、これだけ大容量だと安心です」

山田「複数台を同時に充電できる点も便利です」

堀江「我が家にも小型のポータブル電源があるのですが、シガーソケットが付いているタイプは初めて見ました。我が家では子ども用に使っている家電があるので、複数あると助かります」

山田「お子さん用の家電は、どんなものがありますか?」

堀江「例えば、おしりふきウォーマーです。あとは、赤ちゃん用ミルクを作るときに、温度設定できる電気ケトルなど。停電時の湯沸かしはカセットコンロがメインになると思うので、保温用に使う形になると思います」

山田「コンロの直火やアツアツのヤカンは子どもにとっては危ないので、できればケトルを使いたいですよね。非常時でも子どもにはいつもと同じ環境を構築してあげたいので『PORTABLE POWER STATION』の活躍の場は広いです」

 

【その2】停電時の緊急照明に

「両手が使えるのはありがたい」(堀江)

「子どもが寝るまでのナイトライトに」(山田)

夜に停電となったときに欠かせないのが周囲を照らす明かりです。スマホには懐中電灯のように光る機能もありますが、緊急時のスマホの電力消費は抑えたいところ。「PORTABLE POWER STATION」はLED照明を備えていて、安定的に広範囲を照らしてくれます。懐中電灯を用意することは大前提ですが、ママ目線で本製品があると様々な面でメリットがあるといいます。

堀江「例えばおむつ交換は、赤ちゃんの足を持ちながらお尻をふいて、という作業。片手ではできないのですよね。両手が使えるというのは、かなりうれしいです」

山田「子どもは、暗いところが苦手ですよね。しかも停電時でいつもとまったく違う環境。お子さんが不安にならないよう安眠できるまで照明を点けておく使い方もできます。3段階で明るさも変えられますし」

堀江「私はアウトドア用のLEDランタンをもっていないのですが、『PORTABLE POWER STATION』があれば停電時の明かりはひとまずなんとかなりますね」

山田「もしLEDランタンを使う場合、12Wの明るさなら172800mAhモデルで約41時間も使えます。バッテリー式のランタンであればケーブルレスで使えるので、部屋の高い位置に設置して、部屋全体を照らすことができます。様々な照明インフラを持てる点で『PORTABLE POWER STATION』はオススメですね」

↑足元を照らして安心させてくれたり、避難道具などを探すときに役立ったり。懐中電灯としてスマホを使うと手がふさがってしまいがちですが、固定できる「PORTABLE POWER STATION」は使い勝手も良好です

 

【その3】夏場の停電時の暑さ対策に

「熱中症対策には必須」(堀江)

「子どもはもちろん高齢のご家族がいる家庭でも心強い」(山田)

蒸し暑い日本の夏は、熱中症を防ぐためにも温度調整が大切です。停電の場合、高電力のエアコンを使うのは難しいですが、比較的電力の低い扇風機なら大丈夫。172800mAhモデルの場合、30W扇風機を約16.5時間使えます。

山田「夏場の停電は暑さ対策が要となります」

堀江「エアコンが使えなくても、扇風機の有無で快適さは全然違います。夏の停電時は気力も体力も落ちるでしょうから、扇風機の風でもすごくありがたいはず」

山田「現在の住宅は、密閉性が高いのでどうしても熱がこもりやすくなります」

堀江「熱中症が気になるのは、やっぱり子ども。汗をたくさんかきますし、大人より体力もないですから」

山田「寝ているときとか、すごく汗をかきますよね。首振りやリズム風で涼しくしてあげたいです」

堀江「はい。とにかく子どもにはできるだけ快適に過ごしてほしいので、小さいお子さんがいる家庭にはぜひ『PORTABLE POWER STATION』を、と思います」

山田「子どもだけでなく、高齢のご家族がいる世帯でも重宝します。特に高齢者層は、屋外よりも屋内で熱中症になる傾向がありますから」

 

【その4】持ち運び容易で避難生活にも活用

「持ちやすい取っ手で問題なく動かせる」(堀江)

「しまえる取っ手は収納面でも優秀」(山田)

ポータブル電源は、携帯性の容易さも大切な要素のひとつ。「PORTABLE POWER STATION」には取っ手が付いていて持ち運びがしやすく、112000mAhモデルは約5kg、172800mAhモデルは6.8kgとなっています。堀江さんによると、112000mAhモデルであれば、女性でも持ち運びできますとのこと。

山田「堀江さんのご家庭は現在、夫婦どちらも在宅勤務ですか?」

堀江「はい。いまはふたりとも、基本的に在宅です。ふだんは夫が力仕事をしてくれるのですが、もしいないときに停電となったら、私がポータブル電源を運ぶことになりますね」

山田「『PORTABLE POWER STATION』の重さや取り回しはどうでしたか?」

堀江「大きな問題はないですよ。取っ手が持ちやすい形ですし、両手を使えばなおさらです」

山田「取っ手が本体にしまえて、フラットになるので収納面でも優秀だと思います」

堀江「そうですね。角がとがっていなくて、子どもがぶつかってもケガになりづらいのもうれしいです」

 

↑女性でも取り回しできると言う堀江さん

 

GetNavi web編集部が考える「PORTABLE POWER STATION」の日常活用術

災害時やアウトドア以外の、普段の日常生活でもポータブル電源は大活躍。最後に、「PORTABLE POWER STATION」の、眠らせておくにはもったいない活用術を提案します。

 

【その1】在宅勤務の電源コンセント不足問題を解消

山田「堀江家は在宅勤務だとおっしゃっていましたが、電源コンセントが足りなくなることはありませんか?」

堀江「ありますよ! PC・スマホ周辺機器をつなぐと、コンセントは取り合いになります。ノートPCをつなごうと思ったら、すでに夫のスマホとPCで埋まってるとか」

山田「そんなときは『PORTABLE POWER STATION』の出番です。ポータブル電源は使っていなくても少しずつ放電するので、3か月に1回は充電したほうがいいですから。その意味でも、日常的に使っていくのは効果的な活用方法です」

堀江「なるほど。在宅勤務あるあるですと、夫がWEB会議中のときや、気分転換したいときにはベランダでPCワークをするんですけど、そこでポータブル電源が役立つと思いました」

山田「これからの季節、気持ちいい天気の日によさそうですね」

堀江「肌寒い日でも、ポータブル電源に電気毛布をつなげば使えそうですし、電気毛布は子どもとのピクニックでも重宝しますね」

 

【その2】ホームパーティでの電源コンセント不足問題を解消

山田「もうひとつは、ホームパーティでの電源コンセント不足の解消です。友人がスマホを充電したいというのはよくあるシーンですよね」

堀江「Bluetoothスピーカーを出したら、ふだん使っていなくて電池が切れていたということもありますよね」

山田「はい。友人がモバイルプロジェクターを持ってきたら電池が切れていた、なんてケースも」

堀江「延長コードを出すという方法もありますけど、ポータブル電源のほうが床がごちゃごちゃしなくていいかもしれませんね」

山田「はい。日常的なシーンでもいざというときに役立つので、『PORTABLE POWER STATION』は実にコストパフォーマンスが高いアイテムなんです。もっていて損はありませんよ」

 

4つの停電時と2つの日常的なシーンで、「PORTABLE POWER STATION」の活用法をレポートしました。一家に一台あると便利であることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。本企画では、ガジェットもアウトドアも大好きなフォトグラファー、桐島ローランドさんをゲストに迎えた【アウトドア編】や【車中泊編】もあります。より多彩な使い道を紹介したこちらの記事も、ぜひ参考にしてください。

 

【関連記事】キャンプ編/車中泊編はこちらから

話題の「ポータブル電源」選ぶならオウルテック「PORTABLE POWER STATION」一択! アウトドア通・桐島ローランドと考えた活用術【キャンプ編】

今、ベストバイ・ポータブル電源はオウルテック「PORTABLE POWER STATION」だ! アウトドア通・桐島ローランドと考えた活用術【車中泊編】

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撮影/福永仲秋(ANZ) 取材協力/中山秀明

防災バッグに何を入れる?“防災散歩”って何? 防災アドバイザーが教える「防災バッグ」の作り方

2011年3月11日に発生した、東日本大震災。甚大な被害をもたらしたこの震災は、日本人の防災意識をより高めるきっかけとなりました。ところが徐々に当時の記憶は薄れ、防災に対する意識も、3.11以前に戻ってしまった人もいるかもしれません。

 

今回は、備え・防災アドバイザーとして活動する高荷智也さんに、防災バッグの重要性や作り方などについてあらためて教えていただきました。機能性重視で考えがちな防災バッグですが、実は何より重要なのは「楽しく取り組み、長続きさせること」なのだそう。これを読めば、防災バッグに対する考え方が変わるかもしれません。

 

「非常用持ち出し袋」と「インフラ代替セット」の違いとは?

防災バッグを準備する際、どのような目的で荷物を詰めていますか? 実は、災害対策として準備すべき荷物には2種類あり、それぞれ用途が異なります。緊急避難の際、命を守る役目を果たすのが「非常用持ち出し袋」、いわゆる防災バッグと呼ばれるものです。そして災害が起こった後、生活を維持するために役立つのが「インフラ代替セット」になります。

 

・非常用持ち出し袋

津波、地震火災、土砂災害、洪水などから逃げる際に持ち出す荷物のこと。あくまで避難所にたどり着くまでに必要なものだけを入れるので、水や食料は1日分にとどめ、素早く動けるよう両手の空くリュックを使用しましょう。

 

・インフラ代替セット

避難所での生活や在宅避難の際に必要な水・食料・日用品を入れておきます。行政の支援が行き渡り始めるまでの3日分を目安に準備するため、大きめの手持ちバッグやキャリーバッグの使用がおすすめです。

 

「避難しなくてはならない時が来たら、“非常用持ち出し袋”だけを背負って逃げる、と覚えてください。ただ、台風が来る前の事前避難や道路が無事な状態での避難など、比較的余裕がある場合には、同時に“インフラ代替セット”を持っていってもかまいません。もちろん、避難所までの道中で津波が迫ってきたり、道路が冠水したり、『死ぬかもしれない』と感じた時には、即座にインフラ代替セットを手放してください」(高荷智也さん、以下同)

 

見た目へのこだわりも“防災”!
家の雰囲気に合う防災バッグを目指す

防災バッグを作る一番の目的は、家を素早く飛び出せること。だからこそ、玄関での保管がマストになります。しかし、防災バッグにありがちな銀色の袋が玄関の目につきやすい場所にあると、なんだか気が滅入ってしまうのではないでしょうか。

 

「気合を入れて実用性重視の防災バッグを準備しても、1週間くらい経つと棚の奥底に追いやってしまうことがほとんどです。それでは、いざという時に役目を果たさずまったく意味がありません。気に入らないデザインは避け、好みのデザインのリュックや保管用のかご、目隠しなどを活用して、できるだけ家の雰囲気に溶け込ませるようにしてください。見た目へのこだわりはわがままではなく、防災を長続きさせるための重要なポイントなのです」

 

玄関の目につきやすい場所で保管するため、他のインテリアとの調和がカギとなる防災バッグ。オシャレで自分が気に入ったデザインだということを前提に、どのようなバッグを選べばいいのか、機能面についても教えてもらいました。

 

「避難時の浸水や火事に耐えられるような、防水素材、難燃素材のものが防災バッグには適しています。チェストベルト・ヒップベルトが付いているものも、走った時に揺れにくいのでおすすめですね。また、雨に降られた場合を想定すると、リュックの上部はふたで覆われている方がいいと思います。

逆に、できれば避けてほしいのは、ナップザックのようなショルダーストラップが紐でできているものです。走っている最中に肩が痛くて捨てたくなるなんてことは、絶対にあってはなりません」

 

これらの条件を高確率で満たしているのが、アウトドアショップに売っているバックパックなのだそう。どこでどういったものを買うべきか迷ったら、アウトドアショップへ行き、気に入ったデザインのものを探してみましょう。

 

防災バッグを準備しよう

保管場所やバッグ選びのポイントを学んだところで、早速防災バッグを作ってみましょう。高荷さんによると、「体の一部」「避難をサポート」「素早い行動をする工夫」の3つが、防災バッグ作りのポイントなのだそう。それぞれの観点から、必要なアイテムを確認していきます。

 

1. 体の一部となる物(これがないと避難はおろか、日常生活すら困難になるもの)

「あなたが今、裸の状態で部屋に閉じ込められたとします。最低限の衣服と食事は提供されますが、それ以外のものは何も用意してもらえません。その時に『ないと困る!』と感じたものこそ、“体の一部”に該当するアイテムになります」

□ 眼鏡、コンタクトレンズ

□ 補聴器

□ 杖

□ 医療機器の予備バッテリー

□ 持病の薬、お薬手帳

□ ペット用品

□ アレルギー対応食品

□ 生理用品……「極力コンパクトに」という気持ちから、タンポンなどの普段使いしていない商品を入れる人もいるかもしれません。しかし、避難所に行ってから初めて使おうとすると、使いづらかったり自分には合わなかったりと、思わぬ落とし穴にはまることがあります。普段から愛用する商品を入れるか、試しに一度使ってみるようにしましょう。

□ ベビー用品……粉ミルクを作る場合、消毒や温めに必要な道具をすべて持っていく必要があります。また、避難所で粉ミルクを作ったり、消毒したりする余裕があるかも分からないため、できるだけ液体ミルクを準備するようにしましょう。

 

「消耗品については、最低3日分を目安に準備してください。というのも、水や食べ物などの全員が必要とするものは避難所にも備蓄がありますが、人によって必要性が異なるアイテムは、そう簡単に手に入りません。また、大きな災害が起こった場合、最初の3日間は人命救助が優先されます。避難してきた人に対する行政からの支援が本格化するのは、早くとも4日目以降のため、数日間は防災バッグに入っている分でまかなえるようにしましょう。

それから、避難所ではゴミ回収が機能していないと考えてください。消耗品を持っていく際には、ゴミ袋などの破棄する道具もセットで持っていくことが鉄則です」

 

2. 避難をサポートする物(主に身の安全を守るアイテムのこと)

□ 身に付ける物(レインウェア、ヘルメット、ヘッドライト、軍手、防寒着など)…リュック同様、両手を空けて避難できるアイテムを準備しましょう。ポンチョや傘ではなくレインウェア、懐中電灯ではなくヘッドライトがおすすめです。

□ 情報収集、安全確認のための物(ハザードマップ、充電器、携帯ラジオ、メモとペンなど)…充電器・ライト・ラジオなどは、全て同じサイズの乾電池にしておくことで、避難中に電池が切れても替えがききます。できるだけ、手に入りやすい単三電池で揃えるようにしましょう。

□ 簡易トイレ、応急手当用品、衛生用品(マスク、消毒液、ウェットティッシュなど)

□ 水と食料

 

「防災バッグは、その家庭の誰が背負っても走れる重さが基準となります。山登りが趣味などの大きな荷物に慣れている方であれば登山リュックいっぱいに詰め込んでも問題ないですが、体力のない方が同じ荷物を持つことは困難です。そのため、誰が持ち出すことになっても大丈夫なように、家庭内の一番体力のない方に合わせておいてください。もし、それではすべてのアイテムが入りきらないということであれば、防水・防寒用のレインウェアや暗闇を進むためのライト、応急手当用品などの『命にかかわるアイテム』を優先して入れてください。

また、防災リュックの中に、避難所で羽織るものや寝袋、ブランケットなどを入れる場合は、色選びに注意が必要です。残念ながら、避難所では女性や子どもを狙った犯罪が生じることもあります。ひと目で若い女性と分かるようなかわいらしいデザイン・色だと、犯罪に巻き込まれるリスクが高まってしまうのです。自分が気に入ったアイテムを選ぶことが大切ですが、一番上に羽織るもの・就寝時に使用するアイテムなどに関しては、男女兼用や地味目な色のものを選ぶことをおすすめします」

 

3. 素早い行動を取る工夫

□ 思い出のデジタル化……避難時に持っていきたい写真やビデオがあったとしても、アルバムごと持ち出すのは非常に大変。移動の妨げになる可能性も否定できません。だからこそ、定期的にUSBメモリ・SDカードなどでデータ化し、防災バッグに入れておくようにしましょう。

□ 避難直前に貴重品を入れることを見越した準備

 

「現金、通帳、パスポートなどの貴重品は、避難時に持っていくべきアイテムではあるものの、玄関の近くで保管すると空き巣に狙われてしまいます。そのため、普段は防災バッグに入れず、部屋の分かりにくい場所などで保管し、避難時にのみ持ち出すようにしましょう。とはいえ、災害が起きるとパニックになり、高確率で何を入れるべきなのかが分からなくなってしまいますよね。

そこでおすすめなのが、必要なもののリスト化です。リュックの中や玄関の分かりやすい位置にメモを残しておくことで、パニックの中でも必要なものを忘れずに持ち出すことができます。また、貴重品を入れることを見越してあらかじめポケットを1つ空けておくことで、よりスムーズに避難することができます」

 

でも、防災バッグを作っただけで満足してはいけません。完成した後の「防災散歩」と「定期点検」こそ、忘れてはならない作業です。次のページで、そのポイントを教えていただきましょう。

防災バッグは詰めて終わりじゃない
「防災散歩」と「定期点検」を忘れずに!

防災バッグを作っただけで満足してはだめ。完成した後の「防災散歩」と「定期点検」こそ、忘れてはならない作業です。

 

「防災散歩」とは、完成したリュックを背負い、避難所までのルートを歩いてみること。実際に歩くことで「意外と重かった……」「もう少しいけそう!」など、使い勝手を確かめることができるのです。また、避難時に危ないポイントがないかを確かめる機会にもなります。

「チェックするポイントは大きく分けて2つあります。まず1つが、ブロック塀や自販機、擁壁のない崖など、地震が起きた時に倒れたり崩れたりしそうなものがないかどうか。もう1つが、手すりの付いていない用水路や外れかけのマンホールなど、浸水して足元が不安定な時に落ちそうな場所がないかどうかです。これらに注意しながら歩いてみて、もし見つけたらハザードマップに印をつけておきましょう。

そうすることで、災害が起きた際、危険を避けながら避難所に向かうことができます。また、今回は晴天時の昼間、次回は夜間、その次は雨の日などと条件を変えることで、それぞれの状況に応じた注意ポイントを確認できます」

そして2つ目の「定期点検」について、高荷さんは「少なくとも1年に1回。できれば半年に1回は点検をしてほしい」と話します。

 

「半年おきの点検では、電池を使ったアイテムが正常に動くかどうかを確認していただければ十分です。そして1年に1回、賞味期限切れの食料はないかなどの全体的な点検を行うようにしてください」

 

しかし実際のところ、「定期点検」と聞くと急に腰が重くなり、ついつい点検を怠ってしまう人も多いのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが、普段から食べている間食を非常食として入れ、点検をルーティーン化するという方法です。

 

「普段から食べている栄養補助食品やチョコレート菓子などを、非常食としてリュックに入れておきます。市販の食料品は賞味期限が1年くらいなので、切れる直前に入れ替え、そのついでに防災バッグを確認するというわけです。また、防災専用の食べ物は賞味期限が長いものの、なんせお金がかかります。防災を長続きさせるという意味でも、安価で済むこのやり方はおすすめですね」

 

外出時は「ライト」と「ホイッスル」をおともに

子どもがいる家庭の場合、災害時の行動について親子でしっかりと話し合っておく必要があります。その際、高荷さんがぜひ心がけてほしいと話すのが、「枕元ポーチ」づくりです。

 

「“枕元ポーチ”とは、その名の通り枕元に置くポーチのことです。子どもが気に入ったぬいぐるみのリュックやポーチを準備し、中に小型ライトとホイッスルを入れておきます。そして、『避難する時にはこれを持ってね』『停電で部屋が真っ暗になった時には、このライトをつけてお母さんを待っていてね』などと話しておくんです。そうすることで、いざという時に取るべき行動を確認できます。

また、いざ避難所に行った際、毎日枕元に置いていたぬいぐるみやポーチがあるだけでも、子どもはすごく安心します。愛用品を持っていける上に防災にもなる一石二鳥のアイデアです」

 

実は「ライト」と「ホイッスル」は、大人が普段外出する際にもぜひ持ち歩いてほしいアイテム。暗闇の中で身動きをとりたい時や助けを呼ぶ時、それらが必ず役に立ちます。カバンの取り出しやすい位置につけたり、ポーチに入れたりして、お出かけのおともにしておきましょう。高荷さんにおすすめアイテムを教えてもらったので、『どれを買ったらいいのか分からない』という方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

・人の耳に届きやすいホイッスル

コクヨ
「防災用救助笛〈ツインウェーブ〉」(黒・白・オレンジ)
500円+税

人間の耳に聞こえやすい高さの音が出るよう設計されているため、広範囲の人に音を届けられるホイッスル。キャップが付いており、常に清潔に保てるよう配慮されています。

 

・8時間点灯するキーライト

GENTOS(ジェントス)
「SK-8GWH 」
770円+税

質量わずか8gながら、8時間の点灯が可能なキーライト。GENRTOSはLEDライト専門メーカーで、国内メーカーならではの高品質・高性能が特徴のひとつ。ヘッドライトや懐中電灯など、高荷さんの防災バッグに入っているライトも、すべて同メーカーのものだとか。

 

何より大切なのは、長続きさせること

「皆さんにお伝えしたいのは、『物を買うのは死なない準備ができてから』ということです。防災バッグの準備はしていたが入れていた棚が倒れてしまった、防災バッグを持って外に出たはいいがどこに避難したらいいのか分からない、などでは、まったく意味がありません。家の中に固定されていない家具などの危険箇所はないか、避難場所はどこなのかなどをしっかりと確認した上で、防災バッグを準備するようにしましょう。

また、繰り返しにはなりますが、防災において何よりも大切なことは『長続きさせること』です。気合を入れ過ぎたり、お金をかけすぎたりすると、必ずいつか息切れしてしまいます。そして災害は、息切れした直後に起こり、命を奪っていきます。だからこそ、好きなデザインのリュックを準備したり、自分の好きなお菓子を非常食にしたり、長続きさせるために必要なことは積極的に行うようにしてください」

 

【プロフィール】

備え・防災アドバイザー / 高荷智也

「自分と家族が死なないための防災」と「企業の実践的BCP策定」をテーマに活動するアドバイザー。自身が運営する総合防災情報サイト「備える.jp」や各種メディア、セミナーなどを通じて、防災に関する賢い知識を伝えている。

備える.jp https://sonaeru.jp/
Twitter https://twitter.com/sonaeru
YouTube https://www.youtube.com/c/sonaerujp-tv

 

何を準備しておくべき? 防災のプロが指南する“もしもの備え”と防災用品の選び方

2011年3月11日に起こった東日本大震災を機に、防災意識が高まった人も多いのではないでしょうか。あれから10年。災害への備えは万全か、あらためて見直してみませんか?

近年は大震災だけでなく、大雪や豪雨による被害が各地で多発しています。場合によっては10日以上、電気がない暮らしも想定しなくてはいけません。そんなときにあると役立つものは何か、考えていきましょう。

 

今回は、防災のプロを実際の個人宅に招いて、どのような“もしもの備え”をしたらいいか、備品を中心に解説していただくとともに、パナソニックが過去の災害からさまざまな知見を得てこだわりぬいた、“もしもの備え”に加えたいアイテムを紹介します。

 

山田編集長の家を防災のプロが突撃査定!

まず、防災のプロで、マンション防災士として活動する釜石徹さんが、GetNavi webの山田佑樹編集長の自宅を訪問。山田家の防災対策をチェックしていただくとともに、災害時や停電時に備えてふだんから心掛けておくべきことは何か、教えていただきました。

【防災のプロ】
マンション防災士/釜石 徹さん

金融機関に勤務しながら防災対策の研究を続けていたが、防災コンサルタントとして独立後、大地震でも死傷者を出さない備えや長期在宅避難の覚悟と備えに重点をおいて、防災講演やセミナーを通して防災対策の普及に取り組んでいる。近著に『マンション防災の新常識』(合同フォレスト)がある。

 

判定1. 防災備品は必要なものが揃っているか?

まずは、山田編集長が用意している「非常用持出袋」の中身を見せてもらいました。それに対する釜石さんの反応は?

 

山田「最初は、一通りの防災アイテムが入っていたのですが、賞味期限が切れそうなものを出したり、防災時に使えそうだと思ったものを追加したり、少しずつ入れ替えています」

 

釜石「ちなみにこれを持って、どこに避難しようとお考えですか?」

 

山田「避難所に指定されている小学校ですね。1~2日したら、自宅に戻るつもりですが」

 

釜石「そうすると具体的に役に立ちそうなのは……モバイルバッテリーと羊羹ぐらいでしょうか(笑)」

↑一見、非常用持出袋に入っていると安心に思えるものばかりですが……。必要なものはどこに避難するか、何日避難するかで変わってくるそう

 

山田「え! 言われてみれば、ガスボンベはあるけどカセットコンロはなかったり……」

 

釜石「何かの役には立つかもしれませんが、具体的な使い道が見えないものも多いですよね。非常用持出袋を整備するポイントは、「どこで使うか」を考えることです。山田さんの場合、自宅が耐震性の高いマンションですし、避難所に行くより自宅にいたほうが安心です。ならば、非常用持出袋より、「非常用持ち出さない袋」、つまり自宅の備蓄を充実させたほうがいいでしょう」

 

とくに地震では、震度6弱以上の場合は外に出ることは危険! 倒壊してしまったりそのおそれがないなら、“家にとどまる”という選択をすべきだそう。では、その“在宅避難”用の備蓄はどうかというと……?

↑GetNavi webの山田佑樹編集長。自宅は、都心の高層マンションの中層階にあり、大きな窓がある見晴らしのいい部屋だが、釜石さんは開口一番、「気になるところがたくさんありますね!」

 

判定2. 備蓄は万全か? “ローリングストック”って何?

自宅が築年数が浅く高耐震性のマンションのため、「災害時は、自宅にいたほうが安心」とアドバイスされた山田編集長。停電などで自宅に籠城することになった場合、まず用意しておきたいのが食料です。山田家では、どのような食料備蓄をしているのでしょうか?

 

山田「実は、わが家ではふだんから、保存できるものを常に備蓄しながら消費する“ローリングストック”を実践しているんです。レトルトカレーや缶詰は定期的に食べては補充し、米も5㎏の袋を開けたら次の5㎏を注文するように。水は2Lペットボトルを1ダース備蓄し、定期便を利用して毎月届くようにしています」

 

釜石「それは素晴らしいですね! これこそが正しい防災備蓄です。よく非常食として特別に用意している人もいますが、長年しまい込んで賞味期限が切れていたり、食べてみたらまずかった、なんてことも少なくないんです。考えてみたら、卵や納豆、豆腐も意外と賞味期限が長いですよね。わざわざ非常用に作られた特別なものを備蓄するのではなく、日常的に食べているものを切らさないようにすることこそ理想的なんですよ。

ワークショップで、みなさんに『今日、災害が起きたとして、今自宅にある食料で何が作れるか、献立を考えてみてください』と言うと、みなさん3~5日くらいは思いつきます。そこでアイデアが尽きても、ほかの人が考えた献立例を見せてもらって新しいアイデアが湧いてきたり、『鯖缶があると便利なのね』と気づいて今後の買い物リストに加えたりしています。“非常食”を用意するのではなく、ふだんの食生活がどのように応用できるかが大切なんです。自宅での籠城生活が何日になるか分かりませんが、まずは、家族が10日間〜2週間は食べていけるだけのストックをしておき、半分なくなったら半分買い足すようにするといいですね」

ローリングストックしたい食品・飲料

□ 米や餅、乾麺(パスタ、うどん、そば、そうめん など)
□ ホットケーキミックス粉(水を入れて湯煎すると蒸しパンになります)
□ 乾物(切り干し大根、高野豆腐、乾燥ひじき など)
□ ドライパック(大豆、ひじき、コーン、ミックスビーンズ など)

□ シリアル食品
□ 缶詰(ツナ缶、サバ缶、トマト缶、豆缶、コーン缶、果物の缶詰 など)
□ レトルト食品
□ 水などの飲料
□ その他、調味料など平時から使用しているもの

 

判定3. 家具が飛ぶ!? 地震に備えてしっかり固定されているか?

そのほか、山田家の家具や家電の防災で気になったことをご指摘いただきました。

 

釜石:家具や家電が固定されていないのが気になりますね。特に高層マンションは大きく揺れます。

 

山田:そうなんです。先日、東北で震度6弱の地震があったとき、東京は震度3でしたが、うちはペンダントライトが振り子のように大きく揺れて……。

 

釜石:たとえばこの冷蔵庫は、扉に水など重いものを入れていると扉が開き、その重みで前に倒れてきますね。扉が簡単に開かないようにチャイルドロックを取り付けたり、突っ張り棒をしたりするだけで、強い地震でも倒れにくくなりますよ。またパソコンのモニターやテレビ、花瓶なども飛び跳ねて、壊れるだけでなく人に当たってケガをさせる場合があります。阪神淡路大震災では、家具や家電が直撃して亡くなった人も少なくないですから……。そういった家具や家電には、下にジェル状の耐震パッドのようなものを敷けば、安定して倒れにくくなります。

↑たとえば電球もガラス製だと割れて危険ですが、最近のLED電球は樹脂製カバーがついているので割れにくくなっています。「これは大丈夫そうですね」と言われ、山田編集長も一安心

 

判定4. 停電を想定した備えはしているか?

さらに山田編集長は、どのような災害時にも発生しやすい停電に備え、“防災訓練”も行っていると言います。

 

山田「実は以前、停電になったことを想定して、1日電気を使わない生活をしてみよう、とやってみたことがあるんですが、これが難しくて(笑)。トイレすら電気で流れるタイプで、もはや用を足すこともできないのかと。それで取扱説明書を読んだら、実は停電時でも手動で流す方法が分かりました」

 

釜石「試してみたからこそ、その方法が分かったわけですよね。備品も、いざ使おうとしたら上手に使えなかったりしがちですから、平常時の今のうちに試しておきましょう」

停電時に備え最低限用意すべきもの

□ 懐中電灯
□ ランタン(各部屋に1〜2個)
□ ヘッドライト

□ 停電時自動点灯ライト
□ ラジオ
□ 乾電池
□ モバイルバッテリー
□ バッテリーチェッカー

□ 食事の備え(上記のローリングストック)
□ トイレ対策(携帯トイレ など)
□ 水の確保対策(ウォーターサーバー、保存水、水道水の汲み置き など)
□ 寒さ対策(ブランケットなど)

 

プロの防災マストハブは?

では防災のプロである釜石さんはふだん、自宅にどのようなアイテムを準備しているのかというと、やはり「日常的に使っているものを応用して災害時の備えとしているものが多い」とのこと。ただし停電時の備えは充実していました。

 

釜石「災害時にもっとも困るのは停電です。私の場合、自宅のリビングや寝室、廊下のコンセントに停電時自動点灯ライトを設置してあり、停電になると自動で点灯するので、まず足元の安全が確保できます。そして、この停電時自動点灯ライトをコンセントから引き抜いて懐中電灯として使いながら、ほかにもっと明るい懐中電灯やスリッパを探したり、着替えを行ったりするんです。

また、できるだけスマートフォンの電源を切らないよう、モバイルバッテリーも用意しています。各キャリアの携帯電話基地局は、発電用エンジンによる無停電化や大容量バッテリーにより24時間は稼働する態勢になっているため、情報収集や安否確認も24時間が勝負。少なくともその間はスマートフォンの充電は切らさないようにしたいですね」

 

さらに外出時に常に持ち歩いているものも教えていただくと、自宅に備えているものとほほ同じ。やはり災害時は、停電への備えと情報収集が重要であることが分かります。

↑釜石さんが日常的に持ち歩いている防災グッズがこちら。懐中電灯とモバイルバッテリー、充電用ケーブル、携帯ラジオ。いずれも軽量で荷物にならないサイズを選んでいます。一方、自宅に常備しているのは、大ぶりの懐中電灯とモバイルバッテリー、バッテリーチェッカー、停電時自動点灯ライトだそう

 

乾電池さえあればなんとかなる! パナソニックの電池防災グッズが心強かった

釜石さんが防災用に備えているものから見ても、やはり停電時の備えが大切であることが分かりました。冷蔵庫や洗濯機など、家電製品でおなじみのパナソニックでも、もしものときに備え、乾電池で稼働する防災グッズを開発しています。

 

代表的なものが、電池で稼働する「電池がどれでもライト」と「電池式モバイルバッテリー」。いずれも大震災の経験を生かして誕生しました。具体的にどのような製品で、いったいどのようなシーンで活躍するのか、チェックしてみましょう。

 

●単1形〜単4形乾電池の、どれか1本だけでいい!

パナソニック
電池がどれでもライト BF-BM10-W
オープン価格

単1形~単4形の電池がどれでも1本で使用できる懐中電灯兼ランタン。パナソニックの乾電池エボルタNEOを使えば、最長97.5時間使用可能(単1形~単4形全サイズ使用時)。

 

↑単1形~単4形まで、4タイプの電池がどれでも使えます。使い方は電池を入れ、使いたい電池の表示マークを本体のスイッチマークに合わせるだけ。子どもでも持ちやすい大きなハンドルが特徴です

 

↑立てて置けばランタンとしても使え、食事のときに便利。停電時の暗闇の中に明かりが灯るだけで、安心感が得られますね

 

単1形、単2形、単3形、単4形とそれぞれ1本ずつ入れられ、どのサイズの電池でも通電するのが特徴。東日本大震災の際、多くの懐中電灯に使われていた単1形、単2形の電池が入手できず、困っている人がいるのを見て「家庭でよく使われている単3形〜単4形電池1本でも使える究極の防災ライトを!」と開発されました。万一、電池のストックがなくなっても、リモコンや時計、子供のおもちゃなど、家庭内のどこかで使われている電池が使えます。

 

●充電池と乾電池を混ぜて使える!

パナソニック
USB入出力付急速充電器(電池式モバイルバッテリー
BQ-CC87L
オープン価格

USB入出力機能を備え、パナソニックの充電池「エネループ」単3形2本を約2.3時間で急速充電するほか、スマートフォンを充電するモバイルバッテリー、LEDライトとしても活躍します。

 

↑アルカリ乾電池とニッケル水素電池など、種類や容量が異なる乾電池や充電池を使ってスマートフォンに給電。乾電池のストックがなくなっても、リモコンなどの使いかけの乾電池を入れて使うこともできます。

 

↑付属のアタッチメントを付ければ、LEDライトとしても使えます。明るさは35lmで、充電池「エネループ」を使えば約11時間点灯(満充電のエネループ4本使用時)。

 

この「電池式モバイルバッテリー」が便利なのは、単3形充電池・乾電池であれば、種類や容量の違いを問わず使えること。従来、複数の電池を同時に使う場合は、種類や容量が違うものを混在させると先に残量が少なくなった電池に過放電のリスクがあるため、推奨されていませんでした。

 

しかし、大阪北部地震や北海道胆振東部地震での停電時に、スマホが充電できずに困っている多くの人を見てモバイルバッテリーの必要性を感じ、家にあるどの単3形乾電池でも使えるように、と開発されたのがこの製品。電池の状態を1本ずつセンシングし、まんべんなく効率よく出力できるほか、自動停止機能で電池を過放電や漏液リスクから守ります。

 

※BQ-CC87をモバイルバッテリー・LEDライトとしてご使用いただく場合に限り、個別制御機能(電池の状態を個別に判別・制御する機能)が搭載されていますので、乾電池や容量・種類・銘柄の違う電池を混ぜて使用できます。他の機器でご使用いただく場合、電池の混合使用はお控えください。

 

このように万一の停電のときは乾電池が非常に役立つことがよく分かりました。実際、防災のプロ、釜石徹さんも「乾電池のストックは災害への備えの大前提」とし、ローリングストックの一環として、単3形や単4形を各20本、単1形、単2形を各5本は切らさないようにしているといいます。さらに災害時の備えとして考えるなら、「性能がよく長もちする乾電池が安心」とも。

 

そこで編集部がおすすめしたいのが、パナソニックの乾電池「エボルタNEO」です。

 

保存時も液もれしにくい、⽇本が誇る長もち乾電池

パナソニックの乾電池「エボルタNEO」は、パナソニック独自の技術をさらに進化させ、同社のアルカリ乾電池や乾電池「エボルタ」を上回る長もち性能を実現しています。

パナソニック
乾電池 エボルタNEO
オープン価格

単3形アルカリ乾電池において世界一長もちするとして、ギネス世界記録(TM)に認定。10年保存ができ、液もれも抑えるので、防災備蓄としてもおすすめ。パナソニックの乾電池は1931年の自社生産開始以来、グローバルでの累計出荷数量が2020年9月末をもって2000億本を達成するほど、世界でその信頼性が認められています。

 

このように信頼できる乾電池と、電池で給電できる便利な防災グッズを用意しておくことで、もしものときだけでなく、日頃の安心感までも得られます。東日本大震災から10年という時機に、あらためて家の備えを見直してみましょう。

 

取材・文=田中真紀子 写真=下城英悟

危険箇所をチェック!マンション防災士が教える、賃貸物件にも使える「地震対策」

日本列島全体の地殻に大きな影響を与えた2011年の東日本大震災を境に、全国で地震活動が活発化しています。今年4月〜5月に発生した震度3以上の地震回数は昨年と比べ2倍以上となっており、専門家からは、「日本は『大地変動の時代』に入った」という声も聞かれます。

 

「ここ数年間は北海道から九州までいろいろな場所で地震が起きており、日本列島のどこで地震が起きるかわからない状況です。また、歴史的にみて首都直下地震や南海トラフ地震などの巨大地震災害が近い将来に起きることは間違いありません」と語るのは、マンション防災士の釜石 徹さんです。

 

迫りくる巨大地震を見越して、大切な命を守るために、私たちはどのような備えをするべきなのでしょうか。“死傷者を出さない備え”を柱に減災対策を展開している釜石さんに、自宅で行うべき地震対策について聞きました。

 

住まいでの地震被害から身を守る上で最も重要なことは?

ジャストシステムが行った「新型コロナウイルスと、地震対策に関する実態調査」(調査期間 2020年6月19日〜21日・調査対象 20歳〜69歳の男女1000名)によると、自宅で何らかの地震対策を行っている人の割合は5割に届かず、43.7%という結果に。では地震対策を行っている人に自宅で実施している地震対策を聞くと、もっとも多かったのが「非常食や飲料水の備蓄」で64.8%、次いで「家具の転倒防止対策」が57.7%、「非常用持ち出し袋・リュックの用意」が51.5%でした(複数回答あり)。

 

上記の地震対策はどれも大切なことですが、住まいで命を守るために最も大切な対策はどのようなことでしょうか?

 

もっとも重要なのは、耐震性のある家に住むことです。せっかく防災対策を備えていたとしても、耐震性のない家が倒壊したら防災対策は何の役にも立ちません。耐震性がない家は、耐震性がある家と比べて揺れが格段に違います。賃貸アパートやマンションの場合、『震度6~7でも倒壊しないこと』という新耐震基準を満たしている建物を選ぶことです。1982年までに建築された建物は要注意です。賃貸契約の前に、必ず『この建物は新耐震基準を満たしていますか?』と聞いて耐震性のある建物を選んでください」(マンション防災士・釜石 徹さん、以下同)

 

家の中で死傷しないためにまずすべきことは?

次に、家の中ではどのような対策を行うべきなのでしょうか?

 

「まず、各部屋の家具や家電の転倒・落下防止を行ってください。冷蔵庫や本棚などが頭や胸の上に倒れてくると、頭部打撲や胸部圧迫により重症を負う可能性があるからです。阪神淡路大震災のときには、大型タンス、食器棚、冷蔵庫や書棚の転倒、大型ブラウン管テレビ、パソコン本体やモニター、電子レンジ等の落下、ピアノの暴走衝突もありました。普段の生活の中で、リビングなど長い時間いる場所と寝ている場所に転倒・落下するような家具や家電があれば、そこが危険な場所になります」

 

また、大型家電や家具の転倒は、震度で決まるものでないと釜石さんは続けます。

 

「震度4でも10階以上の高層階では家具や家電は転倒・落下します。また、地震の揺れ方や床や台の滑り具合でも変わります。したがって、震度6強くらいの震度でも転倒落下しないように固定しておくことが必要になります。家電の転倒・落下防止以外にも、食器棚などガラスを使った家具へのガラス飛散防止フィルム貼付、冷蔵庫など開き扉への耐震ラッチの設置、ガラス照明などの非ガラス化などの対策が重要です」

 

首都直下地震では家具が跳ね上がる!?

首都直下地震は、緊急地震速報が鳴ったと同時か鳴る前に、突然大きな揺れが襲ってきます。

 

「首都直下地震の揺れはとても激しいもので、自分の身を守ることで精一杯となるでしょう。そして停電、断水、ガス停止などがいっせいに起こると思われます。揺れがおさまれば家の中はグチャグチャとなり、足の踏み場もない状態になっているでしょう。さらに首都直下のような巨大地震では、テレビや家庭用プリンタ、電子レンジなどが飛び跳ねて、頭に当たれば大けがをします。あるいは体が吹っ飛ばされるかもしれません。一歩も動けずにしゃがみ込むしかできない状態かもしれません。

 

このため、賃貸物件であっても、家電の転倒・落下防止を中心とした、家の中の地震対策が重要なのです。近頃は賃貸物件でも壁や床、天井を傷つけずに対策できるグッズが充実していますので、そういったものを使いながら、対策していきましょう」

 

プロが伝授!具体的な家具の転倒・落下防止対策

ここからは、神奈川県内の7階建賃貸マンションの2階に家族4人で暮らす岡本さんのお宅のキッチン、リビング&ダイニングを例に挙げ、すべき地震対策について、マンション防災士・釜石さんにポイントを解説いただきながら、必要な家具の転倒・落下防止グッズを紹介します。グッズはいずれも、部屋を傷めずに使えるものです。

 

●キッチン

旦那さんが転勤族ということもあり、自宅の地震対策はほとんどしていないと話す岡本さん。まずはキッチンをチェック。釜石さんが最初に目をつけたのが、ガスコンロの背後にある冷蔵庫です。

 

「大きな地震では冷蔵庫の扉が開き、バランスが悪くなって冷蔵庫本体が倒れてきます。冷蔵庫が倒れると大けがする心配があるだけでなく、食品が飛び出たり、配置によっては通路を塞いだりと、地震後の被災生活にも支障をきたします。そのため、冷蔵庫の転倒防止と冷蔵庫の扉に自動ロックを取り付ける必要があります」

 

【冷蔵庫の転倒防止対策 1】
家具や天井を傷つけずに設置できる伸縮棒

アイリスオーヤマ「家具転倒防止伸縮棒2本セット(3S~L)」
参考価格1408円~1865円(税込)

「冷蔵庫をはじめ、本棚や食器棚、タンスなど背の高い家具と天井とをガッチリ固定し、転倒を防止します。工具を使わずに簡単に取り付けできますし、天井にも傷がつきにくいので、賃貸でも安心して使えます。使用にあたっては、天井までの距離が100㎝未満であることが条件です。ただし突っ張り棒が長くなれば強度が弱まるため、天井までの距離は、60cm以下であることが望ましいですね」

 

↑「伸縮棒は、壁側いっぱいに、2本が並行になるように取り付けます。伸縮棒の使用には、取り付ける天井に突っ張っても大丈夫な強度があることも条件になっています。もし天井がブヨブヨとした柔らかい素材であれば、次に紹介する『ガムロックnewBB』で固定してください」

 

【冷蔵庫の転倒防止対策 2】
最大300kgに対応!大型家電や大型家具の転倒&滑り防止に

アイディールブレーン「ガムロックNew BB」
実売価格:6050円(税込)

「強粘着ゲル剤が変形し、家電や家具、壁への衝撃を1/4に低減し、転倒を防止します。家具や家電の種類によって選べるガムロックシリーズの中でも、こちらのNew BBは、シリーズ最大の300kg対応で、冷蔵庫のような大型家電に最適です。前述の通り、天井の材質で、冷蔵庫の転倒防止に突っ張り棒が使えないご家庭へもオススメしています」

 

↑「なるべくベルトが水平になるよう注意しながら、冷蔵庫の天面と壁に、プレートをそれぞれ貼り付けます。ポイントは、ベルトがわずかにたるむ程度に固定することです。尚、冷蔵庫の両サイドにつけてくださいね」

 

【冷蔵庫の扉開放防止対策】
地震を感知して自動で扉をロックする耐震ラッチ

リンテック21「ロックヤモリ」
実売価格:1650円(税込)

「大きな揺れで冷蔵庫の扉が開くと、中の食品が一斉に飛び出すのは前述の通りです。それを防ぐために扉開放防止策が必要です。こちらは、震度5以上の地震を感知すると、自動的に扉をロックする耐震ラッチです。強力接着パッドによる設置で、冷蔵庫を傷つける心配なく簡単に取り付けることができます。電源は不要なので、電池切れや停電の心配がいらないのもポイントです。もちろん、通常の開閉で作動することはなく、普段は何の支障もなく使用できます」

 

↑「片扉の冷蔵庫の場合は1個、両扉の場合は写真のように2個をそれぞれの扉に設置してください。台座付きの本体部を冷蔵庫の天板に、扉用ラッチを冷蔵庫扉に接着固定して使います。冷蔵庫の食料品は、被災時の食生活を支えます。ご自宅の冷蔵庫を食料備蓄庫として考え、非常時にも使える備えをしておきましょう」

 

次に釜石さんが指摘したのが、シンクの背後にある、食器棚の上に置かれた電子レンジです。

重量もあるので、岡本さんも気になっていたのだとか。「洗い物をしているときに大きく揺れたら、電子レンジが飛び跳ねて頭や体に当たれば、大けがをする危険性があります。ネジを使わない転倒&滑り防止器具による固定が必要です」

 

【電子レンジの転倒防止対策】
強力接着パッドで簡単に設置!

リンテック21「リンクストッパーT型(4本入り)<LS-484>」
実売価格3080円(税込)

「電子レンジなど家電製品の側面に強力固定し、地震による転倒と落下を防止します。電子レンジのように、底面に隙間がある家電に向いています。電子レンジを置いたキッチンボードや食器棚を固定していても、そこに置いた電子レンジは固定していないというご家庭が見受けられます。必ず両方を固定してください」

 

↑「電子レンジの側面四隅に接着して使います。別売りの専用剥離工具でキレイに剥がすことができるで、気軽に使えます」

 

電子レンジが置かれた食器棚は、ガラス戸になっています。

「大きな揺れでは、食器棚の中の食器が、食器棚が倒れる前に前面のガラスを破ってガラスと食器の破片が飛散してケガをする可能性があります。ですから、まずは食器棚が倒れないように、壁に固定しましょう。また、食器棚自体は倒れなかったとしても、中の食器が飛び出してケガをする可能性があるので、ガラス面にはガラス飛散防止フィルムを貼ることが大切です」

 

【食器棚の転倒防止対策】
壁も対象物も傷つけずに転倒を防止!

サンワサプライ「耐震ストッパー(2個入り)<QL-78>」
標準価格3278円

「特殊素材ポリウレタンフォームが振動を吸収し、キャビネットなどの転倒を防止する耐震ストッパーです。ネジなどを使いませんから対象物も壁を傷つけずに転倒
&滑りを防止する設計なので、賃貸にお住まいの方でも安心して使えます。繰り返し使える特殊粘着素材という点もポイントです」

 

↑「ストッパーの小さい方の面を対象物の角から5cmくらいのところに貼り付け、もう一方の面は壁側に貼り付けます。いずれも3〜4回押し付け、しっかり固定してください。ストッパーは左右2箇所に貼ります。食器棚を壁面から20cmほど離すと、固定しやすいですよ」

 

【こちらもおすすめ!】
食器棚専用のガラス飛散防止シート

ニトムズ「食器棚用ガラス飛散防止シート<M6130>」
実売価格638円(税込)

UVをカットしながら地震や台風によるガラスの飛散を防止する、ニトムズのガラス飛散防止シート。5種類のバリエーションがあるうちの、こちらはキャビネットや食器棚のガラス面の幅に合わせやすいサイズの食器棚用です。キレイに貼れる専用ヘラ付きで、初心者でも気泡が入りにくく、キレイに貼れると定評があります。

 

ほかにも、キッチンで釜石さんが気になった場所があります。

「シンク上、観音扉の作りつけ棚の観音扉ですね。揺れると扉が開いて中のものが飛び出します。特に炊飯器が危険です。最も有効な対策は、耐震ラッチを取り付けて、揺れたらロックがかかり、開かないようにすることです。加えて、使わない炊飯器は処分するか別の場所に移動することをおすすめします」

 

続いて、リビング&ダイニングをチェックしてみましょう。

●リビング&ダイニング

首都直下地震のような巨大地震では、ダイニングの写真に写っているものすべてが跳ね上がることが予想されると話す釜石さん。

 

「跳ね上がって飛んでくれば、それが頭や体に当たって大けがをします。残念ながらテーブル椅子を確実に固定する器具がありません。揺れがそれほど大きくなければ机の下にもぐって机の脚をつかんでいれば飛んでくるものから身を守ることができますが、首都直下地震の場合は、テーブルごと飛ばされるでしょう。また、電球がガラスである場合、大きく揺れて天井に当たると電球が割れてガラスの欠けが部屋中に飛散する危険性があります。照明器具を非ガラスのLED照明に交換することをおすすめします」

首都直下地震では、液晶テレビ、テレビボードが跳ね上がり、テレビを見ている人に向かって飛んでいくことが予想されます。「万が一、それが頭や体に当たってしまったら、大けがかそれ以上のことが起こる可能性が高いです。ご自宅の中でもリビングは、お子さんをはじめご家族が長く過ごすことの多い場所ですから、液晶テレビもテレビボードも、壁にしっかり固定していただきたいと思います」

 

【テレビとテレビボードの転倒防止対策】
壁から離れた家具や家電をしっかり固定

アイディールブレーン「ガムロック SB」
実売価格6600円(税込)

「バックル付きベルト2本とゲルパッドがセットになっています。40cmのベルトで壁から離れた家具、家電の転倒防止に役立ちます。パイプラック支柱のループ固定にも使えます。青いバッドは、家電等の滑り防止に使います。台の部分に貼り付け、液晶テレビをテレビボードの上にしっかりと固定しましょう」

 

↑「強粘着ゲル剤のプレートに付いたベルトで液晶テレビの後ろ側と壁をつないで固定します。前からは見えませんので、景観を損ねない点も魅力です。また、バックルでの取り外しができるので、掃除のときに邪魔になりません」

 

↑「テレビボードの固定には、食器棚の転倒防止対策でご紹介した、耐震ストッパーを使います。こちらのご家庭のテレビボードは前面がガラス戸になっていますが、テレビボード自体を固定させればガラスが割れる可能性が低くなります。また、テレビボードの隣にある絵本棚も、耐震ストッパーで固定してください。絵本棚は重そうなので、耐震ストッパーを上部と側部に取り付けて壁に固定させましょう」

 

キッチンとダイニングを仕切る壁には飾り棚が取り付けられ、キッチンカウンターにはドライフラワーや雑貨類が並びます。

リビングの窓辺には、青々としたグリーンが置かれていました。

インテリアをおしゃれに演出し、暮らしを豊かにするアイテムは、私たちの生活に欠かせませんが、どのような地震対策をすればいいのでしょうか?

「キッチンカウンターの上にあるもので、飛んで頭に当たってケガをする物は、次に紹介するガムロックPLのようなでゲルパッドで固定します。窓辺の植木鉢や、ソファ周辺の地球儀、音楽プレーヤーも飛んできて、当たったらケガをしますので、同様にゲルパッドで固定してください」

 

【グリーンや小物の転倒防止対策】

アイディールブレーン「ガムロック PL」
実売価格2200円(税込)

「大きな揺れによる衝撃を吸収し、対象物の滑りを防止するゲルパッドです。小物類だけでなく、プリンタや背の低い家具、家電などの下に敷いて使うこともできます。5cm弱と小さいですが、200kgの重さのものまで対応します」

 

↑「対象物の底面に貼り、建物にしっかり固定された家具の上などに貼り付けます」

 

↑「ソファの横に置いてあるガラス製の花瓶は、台と一緒に飛んできて当たってケガをしますし、割れてガラスの破片が散らばってもケガの原因になるため、固定できない台の上に置くことは避けましょう」

 

↑「花瓶は、グリーンを置いた窓辺の棚やキッチンカウンターなど、作りつけの家具や建物にしっかり固定された家具などにゲルパッドで固定することをおすすめします」

 

後悔しないためにも家庭の防災対策の徹底を

「“地震国”に住みながら、ほとんどの方は、自分や家族が地震で死傷するとは思っていません。ところが、内閣府・防災情報サイトの『一日前プロジェクト』では、大災害で大ケガをしたり、家族を亡くしたりした人が、“災害の一日前に戻れるとしたらあなたは何をしますか”という問いに答えています。

『地震のことをもっと知っておきたかった』『タンスを固定しておけばよかった』『テレビが飛ぶことを教えてくれればテレビの前では寝させなかった』『寝ている子どもの上に本棚が倒れるとは、置き場所を変えておくべきだった』など、そこには防災対策をしておけばよかったという反省の言葉ばかりが並んでいます。

みなさんには、大切な家族を失ってから後悔することがないことを願います。また、お子さんが、将来経験する大災害にもしっかりと対応ができるように、みなさんが防災対策を実践しながらぜひ伝えていただきたいと思います。人生に悔いを残さないために、家族みんなが笑顔で無事で生きていけるように、家庭の防災対策を今一度見直していただくことを切に願います」

 

いつ来るかわからない地震への備えは、おろそかになりがちです。しかし、「家具や家電の転倒防止をしていてもけがをしますが、重症になる可能性は低くなります」と釜石さんは言います。まずは、1日のうちで最も長く過ごす場所から、転倒や落下の危険があるものを取り除いていきましょう。

【プロフィール】

マンション防災士 / 釜石 徹

金融機関に勤務しながら防災対策の研究を続けていたが、防災コンサルタントとして独立後、大地震でも死傷者を出さない備えや長期在宅避難の覚悟と備えに重点をおいて、防災講演やセミナーを通して防災対策の普及に取り組んでいる。

 

地震に台風…危機管理アドバイザーが教える、女性のための防災講座

防災と聞くと、「災害時のために食品の備蓄をしておく」とイメージする人もいるかもしれません。しかし実は食料のことだけでなく、他にもさまざまな準備が必要です。命を守れるよう準備することはもちろん、実際は命の危険がなくなったあとも、多くの困難が待ち受けることを想定しておく必要があります。

 

特に女性は、避難所での性犯罪被害など二次被害を受けるケースが後を絶たず、災害のたびにニュースで報じられています。また、衛生面が保たれない状態で過ごす日が続くなど、精神的な苦痛も。命の危険に比べたらそのくらい、と思えるかもしれませんが、何週間、何ヶ月と続いたり、終わりが見えなかったりしたらどうでしょうか。備えは万全にしておきたいものです。

 

今回は、女性の防災に詳しい危機管理教育研究所代表の国崎信江さんに、女性がすべき防災準備について教えていただきました。

 

災害が起こる前に考えておきたい4つのこと

災害が起こったとき、冷静な判断をするのはなかなか難しいものです。そこで、ゆとりのある日常を過ごしているときに、自宅や通勤路などに目をやり、災害時のことを想像してみましょう。ここでは日頃から意識しておきたいことを紹介します。

 

1.持って行きたい荷物をリストアップ

非常食をはじめ避難生活で必要となるアイテムが入った非常持ち出し袋を備えている人はいても、衣類や洗面用具、さらにどうしても持って行きたい大切なものまで用意している人は少ないでしょう。災害時は当然、そこまで気がまわりません。そこで、普段から数日分の宿泊セットと、どうしても持って行きたい大切なものを、旅行鞄に詰めて置いておくか、リストアップしておくと慌てずにすみます。

 

「服や下着などは2〜3日分の準備をしておきましょう。動きやすく、そのままでも眠りやすいものがよいと思いますが、どうしても失いたくない大切な服を詰めるのがよいでしょう。お金を出せば買えるものは諦めて、代わりのきかないものを持って行きます。また、契約書などの重要書類はいつもひとまとめにして置いておき、何かあったらすぐ持ち出せるよう準備しておいてください。荷物は、地震で扉が開かなくなってしまう可能性がある場所ではなく、ベッドの下などすぐに取り出せる場所に置いておきましょう」(国崎さん、以下同)

 

2. 自宅や会社の地盤や耐震性は?

自宅や会社など、よくいる場所の地盤や耐震性を確認しておくことも重要です。同じ程度の耐震性のある物件でも、どんな土地に建っているかで被害状況は違いますし、地盤や耐震性を知ることで、会社にいるより自宅の方が安全、あるいはその逆、といったことが判断できるようになります。

 

海や川などに近い土地では、その場所が海抜何メートルなのか、川が氾濫した場合の避難場所なども調べておきます。最近は台風被害も多いので、浸水しやすい場所も知っておきましょう。

 

「土地の安全性や地盤については調べるとすぐにわかりますし、建物の耐震性は、賃貸であれば不動産業者やオーナーに電話一本で確認することができます。自分のいる場所がどのくらい危険なのか、どこに行けば安全なのかは常に周りを見渡して確認しておきましょう」

 

3.外で被災したときに避難できる場所は?

外にいると、家にいる家族やペットのこと、自宅のことが気にかかって、何時間歩いてでも自宅に帰ろうとするものです。しかし、徒歩で帰宅することで命の危険にさらされる場合もあるのです。

 

「歩いている最中に火災や地割れなどに遭遇したり、ガラスが降ってきたり、混乱した人混みの中では怪我や事故が起こる心配もあります。夜な夜な暗くなった道を歩き続けるのも不安です。無理に帰ろうとせずに、近くのホテルやデパートなど、寝食やトイレに困らなさそうな場所に飛び込んで避難させてもらい、事態が落ち着いてから行動しましょう。和室がある公民館や、個室がありプライバシーが守られる漫画喫茶などでも構わないので、日頃から避難できそうな場所をいくつも考えておいてください」

 

4.被災地から出る「震災疎開」の方法は?

災害が起こると、ライフラインに影響が出るのはもちろんのこと、地震の場合はいつまで続くのかわからない余震や、減っていく食料への不安など、精神的な苦痛がたくさんあります。被災したらまず避難所、ではなく、代替輸送機関を利用する手段も考えながら交通機関が麻痺しないうちに、その場を離れるのもひとつの手。

 

「被災地に留まっていると、不安を感じたまま日々を過ごさなくてはなりませんし、東京など大都市では避難所に人が入りきらない可能性があるとも言われています。仕事のことなど、考えなくてはならないことがいろいろあるとは思いますが、まずは自分の命を守ること、精神的ストレスがなるべくなく過ごせることを第一に、『震災疎開』という考え方をしてみましょう。疎開先にできる親戚や友人の家など、すぐに身を寄せられる場所をリストアップしてみてください。安く泊まれるカプセルホテルやウィークリーマンションなどもありますから、動けるならば早いうちに、通常の生活を送れる土地に疎開しましょう」

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日常的にできる、命の危険がない部屋づくり

災害が起こったとき、考えるべきことは「プライバシーの守られた場所で、いつも通りの生活ができるかどうか」だと国崎さんは言います。

 

「女性は避難所に行くよりも、できれば慣れた自宅で過ごせるよう、日常的に被害の少ない部屋づくりを心がけましょう。ガラスや陶器、重い木でできた家具などは、どんなものも凶器となりますから、日頃から防災に意識を向けて、ものを選ぶときはなるべく“割れないもの”“軽いもの”“柔らかいもの”を意識して購入します。たとえば我が家では、壁掛け時計も紙製のものを使用したり、食器類も割れないセラミックやアルミ製のものを揃えたりしています」

【すぐにできる防災準備】

・食器や部屋の装飾品はガラスや陶器のものを避けて、割れないものにする
・壁に飾る絵は落ちたり飛んできたりするので、ウォールシールにする
・花瓶や雑貨などを飾るときは、滑り止めシートを使う
・食器棚には必ず滑り止めシートを使い、ロックを忘れない
・本棚の本は、地震のとき落ちてこないよう、隙間なくびっしり詰める
・本棚の本は、手前だけに滑り止めシートを貼る(全面に貼ると本が取り出せなくなってしまう)
・大きな家具はすべて固定する
・キャスターつきの家具は、動きにくいよう対角線上にロックをしておく
・トイレや風呂場など閉じ込められやすい場所には、笛やペットボトル飲料を常備しておく
・入浴中の被災に備えて、風呂場にはワンピースなど、すぐに着られる服を備えておく
・生理用品を常に3枚ほどハンドバッグに入れておく
・普段から缶詰の食品やレトルトのものを買い置きし、保存食も2日分くらい準備しておく

横浜岡田屋のおいしく食べられる保存食「HOZONHOZON」

かわいいパッケージとおいしい非常食として人気のあるHOZONHOZONは、鯛めしやトマトごはんなど、種類も豊富。「非常食は、残念ながらおいしいものがとても少ないなと感じます。ストレスフルな環境のときこそ、おいしい食事に救われますし、賞味期限が近くなってきたら食べることを考えると、なおさら、非常食を買うときは味についても吟味したいものです」

 

避難所に行ったら早く仲間をつくり協力体制を

学校の体育館や役所などを開放した避難所は、多くの被災者を受け入れてくれる大切な場所です。しかし一方で、停電した広い体育館で、見ず知らずの大勢の人と隣り合わせでずっと過ごさなくてはならない環境は、女性にとって過酷でつらいもの。

 

「女性の場合は特に、真っ暗闇で誰に何をされるか不安でたまらない時間が続くと思ってください。レイプ被害などの他にも、眠っているとき毛布の中に手が入ってきたとか触られた、ということも大変多く聞きます。そのような状況下では、眠れないばかりか正気を保っていられなくなるので、まずは同じような境遇の方に声をかけ、協力し合える関係をつくりましょう。男性と一緒にいる方が性被害に遭いにくいとも言われていますので、数名の女性が集まったところで、信頼できそうな男性にサポートをお願いすると安心です」

 

ここまで、災害への備え、また災害時に気をつけるべきことをまとめましたが、続いて、外出先でも対応できるよう、いつもバッグに入れておきたい「防災7つ道具」をご紹介します。

バッグにいつも入れておきたい7つ道具

外出先で被災したとき、ちょっとの備えがあるとその場をしのげるものです。いつもバッグに携帯しておきたいものを、国崎さんに伺いました。

 

1.止血パッド
「外出先で怪我をしたとき、『助けて』と周囲に言っても聞いてもらえる余裕はありません。ガラスなどでざっくり切ってしまうことを考えて、持っておくと安心です」


昭和技研「止血パッド」/危機管理教育研究所
8000円(小サイズ・10枚)

 

2.携帯トイレ
「被災すると、トイレはどこも長蛇の列だと思ってください。ハンドバッグにも入るサイズの携帯トイレを持っていれば慌てず我慢しなくてすむでしょう」(国崎信江さん)


マイレット「マイレットmini-1」
170円

 

3.携帯電話の充電器
「ソーラーパネルつきのモバイルバッテリーがオススメです。また、万が一閉じ込められたときにSOSを発信できるアプリをスマホに入れておくと役立ちます」

 

4.マスク
「できれば粉塵用のマスクがいいですが、普通のものでも構いません。ビルの倒壊などで粉塵を吸い込む可能性もあるのでマスクは必須でしょう」

 

5.ウェット手袋
「手袋の形をしたウエットタオルで、頭皮を揉むように洗うことができます。泡も出ませんし拭き取りも不要なのにすっきりと落ちるのでおすすめです」


四国紙販売「水のいらない泡なしシャンプー「ウェット手袋」
3000円(10枚)

 

6.水電池
「水を入れるだけで発電する道具で、飲料用水だけでなく、雨水や尿でも発電できる優れものです。懐中電灯や携帯電話などの充電ができるよう常備しておきましょう」


ナカバヤシ「NOPOPO」
648円

 

7.レインポンチョ
「雨天だけでなく寒さ対策や粉塵から身を守るなどのときにも使えるので、小さく折りたためるものを持っておくとよいでしょう」(国崎信江さん)

 

今年6月18日には大阪府北部を中心に最大震度6弱の地震が発生しました。そして9月6日には、最大震度7を観測し41名の犠牲者を出した北海道地震が発生。この北海道地震では、一時道内全世帯に停電が及びました。また、南海トラフ地震が起こる確率を政府や研究機関は「30年以内に80%」と発表しており、来るべき震災のための備えが急がれています。

 

災害時、女性は特に二次被害に遭わないためにも、プライバシーが守れる環境を手に入れることが大切です。少しでも安心して過ごせるように日頃から周囲の環境をよく知り、安全を確保することが命を守ることにつながります。

 

【プロフィール】


危機管理アドバイザー / 国崎信江

危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。地震調査研究推進本部政策委員会などの国や自治体の防災関連の委員を務める。
http://www.kunizakinobue.com/

 

GetNavi webがプロデュースするライフスタイルウェブメディア「@Living」(アットリビング)

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誰でも目にしたことがある避難器具「オリロー」で実際に降りてみた

本日9月1日は「防災の日」。様々なメディアで防災グッズが紹介されていますが、GetNavi webでは少し視点を変えて身近なあるものに注目してみました。それがマンション、ビル、ホテルなどでよく設置されている避難器具メーカー、「オリロー」。わかりやすくかわいい名前と、徹底した安全機能で、避難器具全体での国内シェアはなんと6割オーバーだそうです。

 

誰でも一度は目にしたことがあるこのオリローですが、しかし、実際にこの避難器具を使って降りたことがある人は少ないはず。

 

今回は、そのオリローの知られざる歴史と真実を、同社・家崎典久さん、山越 貢さんにお聞きしながら、実際に避難器具を体験させてもらいました。

 

 

↑オリロー株式会社広報部・家崎典久さん(左)、営業部・山越 貢さん(右)。同社の避難器具、安全基準を熟知されたお2人

 

 

オリローの名のルーツには、箱根駅伝と関係があった!

――マンション、ビル、ホテルなどでオリローの避難器具をよく目にします。ただ、「災害の当事者になっていない」ということで言えば幸いですが、実際にどういった歴史、避難器具の種類があるのかはあまり知りませんでした。

 

家崎典久さん(以下:家崎) もともと弊社は松本製作所という、消火器や農業衛生噴霧器を作る会社が始まりです。やがて松本機工という会社になり、そこから避難器具を作るようになり、今日に至っています。

 

ちょうど、最初の松本製作所から今年で90周年になのですが、これを機に“オリロー株式会社”と、社名変更をしました。

 

――それまで“オリロー”は避難器具の商品名で、企業名ではなかったんですね。

 

山越貢さん(以下:山越) そうです。最初は避難器具以外も作っていましたが、避難器具が会社の主流になっていきました。そこで社名も商品名と同じ“オリロー”にしたんですね。

 

おかげさまで現在では避難器具全体での国内シェアは6割以上となりました。

 

――この名前は「降りる」が語源ですよね?

 

家崎 はい。ただ、これには裏話があります。弊社の松本という顧問が昔、立教大学の応援団をしていたのですが、学生時代、箱根駅伝を応援しに行ったところ、雪が降ってしまい、乗っていたバスが雪で滑ってしまい立ち往生したことがあったそうです。

 

その際、松本顧問が応援団の後輩に「バスを降りろ! 降りてバスを押せ! 降りろ! 降りろ!」と叱咤したらしいのですが、この「降りろ!」を、商品名「オリロー」とし、採用したようです。

 

 

一口に“避難器具”と言えど、8種類ものカテゴリが

――そんなオリローですが、一口に避難器具と言っても、様々な種類がありますね。

 

家崎 国家検定に準じると、8種類あり、避難はしご、固定はしご、救助袋、緩降機、滑り台、滑り棒、避難ロープ、避難橋です。

 

――ということは、あらかじめ国が定めた基準に応じて開発をしていくということですね。

 

山越 そうです。国が提示する厳しい基準を受けて、開発をし、検定を受けるという流れです。

 

――そうなると、奇想天外な避難器具、斬新な避難器具は開発しにくそうですね。

 

家崎 そうです。ただ、その基準内であっても、より使いやすく安全性の高い避難器具を日々研究しています。設置する建物自体もどんどん変わっていっていますから、当然避難器具も日々進化させないといけないわけです。

 

■折りたたみ式スライドはしご

↑緊急時、降下地点に万一障害物があっても避難可能な工夫がなされています

 

■固定はしご

↑どの階からも避難が可能。さらに沿岸地域などでは津波対策として上階へと避難することもできます

 

■救助袋

↑袋本体にらせん状に降下する滑降布を縫着。安全に地上へと避難することが可能

 

■緩降機

↑使用者が他人の力を借りずに自重により自動的に連続交互に降下することができる機構を有するもの

 

■滑り台

↑病院、学校、幼稚園、老人ホームなどで採用されている。馴染みのあるカタチなので、誰でも簡単に避難することが可能

 

■避難ロープ

↑その名もオリロープという器具で、取り付けが簡単で軽くて使いやすいもの

 

■避難ハッチ

↑チャイルドロックを付け、日常での安全性を高めながら、万一の際には簡単に開けられます

 

■滑り棒

映画「ゴーストバスターズ」でも登場した、垂直固定の棒をつたって避難します。

 

半年に一度はメンテ会社が避難器具を点検しなければいけない

――国の基準をクリアし、日々進化も続けるオリローですが、ただ、器具自体を実際に使ったことがある人は少なそうです。

 

家崎 たとえばマンションなどでオリローの設置登録をしていれば半年に一度、必ずメンテナンス会社、運営会社が点検し、一定期間内に消防署へ報告するという義務があります。

 

本来、こういった点検の際に合わせて、住民の方や、万一の際に使うであろう方々の避難訓練もやっていただきたいですね。万一の際、せっかくの避難器具の使い方がわからない……となったら意味がありませんので。

 

――ということで、今回はその体験をさせてください。

 

家崎 もちろんです。本当は高さ50メートルの緩降機をはじめ、すべての避難器具を体験していただきたいですが、今回は救助袋型の避難ハッチをやってみましょう。

 

↑これが救助袋型の避難ハッチ。実際の体験動画はさらに下をご参照!

オリローで実際に降りてみた

――ハッチを開けた瞬間、袋がありますね。

 

家崎 この袋の中に入って避難します。まず、ハッチのフチに腰掛けていただき、膝から足を先に入れます。そしてハッチのフチの両脇を掴み、腕力で体を支え、態勢を整えた後、上のベルトに手を移します。その後、手を離し、一気に体を救助袋の中に入れていく……という流れです。

 

――救助袋に入った後、そのまま体が下へストンと落ちていきそうで、すごく恐いんですけど。

 

家崎 大丈夫です。この救助袋はらせん状の構造で、下にそのまま落ちるわけではなく、袋の中で体を緩やかに回しながら、地面に着地し、逃げられる構造になっています。

 

――では恐いですが、実際に手を離してみますね。

 

↑一連の流れを家崎さんに解説していただきながら、筆者も体験。袋の中に身体を入れた後、最後のベルトから手を離すのが恐いですが、見ての通り、体は緩やかに下降していきます。

 

――恐かったですが、確かに救助袋の中で安全に着地することが出来ました。

 

家崎 これは実際に体験したことがあるとないとでは、万一の避難時に大きく影響しますから、本当はもっと多くの人に体験していただきたいんです。

 

――他の避難器具ももちろんそうですね。火災などの際、そうでなくても頭がパニックになっていると思いますから、こういった機会はもっと多くあったほうが良さそうです。

 

山越 ただ、個人的に勝手に使うのはダメです。必ず保安会社の方、メンテナンス会社をされる方など、有資格者や識者と一緒に避難訓練をしてください。そういった避難訓練の場で、避難器具に触れ、構造を知っていただくだけで、万一の避難時のスピードが大きく変わると思いますから、これはぜひお願いしたいです。

 

↑避難はしごの開閉も体験しました。片手で簡単に開閉が行えます

 

↑はしご型の避難ハッチも体験しました。ご覧の通り、短時間で気持ち良いほどにはしごが伸びます

 

 

オリローの実例データは!?

――実際に、なんらかの災害の際、オリローが活躍したという事例はありますか?

 

家崎 この話はよく聞かれますし、実際どこかで必ず役立っているはずなのですが、こういったデータは国が発表しないので、わからないんです。

 

――しかし、6割以上のシェアということですから、やはり現場レベルでは、なんらかの口コミがありそうですが。

 

家崎 例えば、口コミレベルの話で「オリローが設置されているビルで火災が起き、全員避難出来て無事だった」と聞いても「オリローで避難出来たから」と言い切れません。だから、こういったデータは全く持っていないのが現状ですね。

 

――そうであっても、他社製品よりもオリローが優れていて、多くの支持を受けている理由は何だと思いますか?

 

山越 やはり、常に開発を繰り返し、安全性を高めているところだと自負しています。

 

家崎 本当は火災が絶対に起きないような世の中になれば良いと思います。でも、それは難しいでしょうから、常にそれまでよりも使いやすい器具を開発し、より安心して避難していただける器具をご提供できるよう、これからも研究、開発を重ねていきたいと思っています。

 

 

↑避難器具の素人にもわかりやすく解説してくださった家崎さんと山越さん。どうもありがとうございました!

 

オリローのストイックで実直な避難器具開発は、家崎さん、山越さんのお話からも随所に感じられました。お話の通り、実際に避難器具に触れたことがあるかないかでは、万一の際に大きく変わります。避難訓練などで、器具に触れられることがあれば、ぜひあなたもご参加されてください!

 

「防災の日」を前にプロに聞いた「防災グッズ」の選び方&地震への正しい備え方

9月1日は防災の日。東日本大震災以降、世間的に防災意識は高まっています。その一方で、何も対策していないという人もまだまだ多いでしょう。ここでは防災のプロに、地震への正しい備え方や、ホムセンでの防災グッズの選び方を教えてもらいました。

 

【教えてくれた人】

防災のプロ・国崎信江さん

危機管理教育研究所代表。危機管理アドバイザー。国や自治体の防災関連の委員を務めるか、被災地での支援活動も行っています。

 

持ち出し品よりも在宅避難を想定した備えのほうが重要

日本は近い将来、南海トラフ地震などの巨大地震に見舞われるといいます。これを受け、各自治体などでは防災意識を高める取り組みがなされていますが、ホームセンターでも近年防災用品が充実しています。そこで、防災に詳しい危機管理教育研究所の国崎さんに、防災用品購入時のポイントを聞きました。

 

「これまで地震対策といえば、すぐに避難するための非常持ち出し袋の用意が通説でした。しかしいまは違います。特に都心部では避難所は人で溢れるし、帰宅困難者を助長させる。建物の耐震化も進んでいるため、在宅避難となる場合が多いでしょう。つまり、被災時に必要なのは“自宅で不便なく過ごすための準備”です。そこでオススメなのが“おうちDEキャンプ(本稿2ページ目を参照)”。簡単に言うと、被災生活の疑似体験です。この体験で、家にあって利用できるもの、必要なのに家にないものが明確になるので、足りないものを無駄なく揃えられます」(国崎さん)

 

ところで地震のような非常事態では、命の危険があるなかで物理的にも心理的にも大きな荷物を背負って避難するのは困難。まずは本当に持ち出す価値があるか、を考えるべきだと国崎さんは言います。

 

「皆さんの家に“2万円の非常持ち出し袋”と“普段使いのカバン”があって、ひとつしか持っていけないとしたらどちらがいいですか? この質問に、8割以上の方は普段使いのカバンと答えます。それは携帯電話、現金、免許証、社員証など、日ごろ自分にとって必要なものが入っているから。であれば、普段から愛用しているカバンに必要最小限の応急手当用品や携帯トイレなどを入れておくのも一案ですね」(国崎さん)

 

いざというときに困らないために!意外と大事な防災グッズ

食料や水は誰もが気にしますが、もし「ケガをしたら」「寒さが厳しかったら」どうするか。様々な状況を想定して備えましょう。

 

[栄養補給飲料]

「トイレが不便になる非常時は、利尿作用の低いゼリー飲料がオススメです。また栄養が不足しがちなので、水以外にも野菜ジュースや果物ジュースなども用意しておきましょう」(国崎さん)

カインズ

ドリンクゼリー エネルギー補給

180g×30個

2880円

疲労を感じたときなどにエネルギー補給ができるマスカット味のゼリー飲料。11種類のマルチビタミンを配合したグレープフルーツ味もあります。セット販売がおトクです。

 

 

[防寒グッズ]

「雨や寒さ対策として、軽くてコンパクトな羽織りものが1枚あると良いでしょう。テーマパークで水濡れ防止のために配られる、ビニール製のミニポンチョなども便利です」(国崎さん)

 

カインズ

オカザキ 金銀2wayレスキューシート(左)/レスキューシート(右)

198円(左)/148円(右)

気温の変化や雨風から守る保温断熱シート。折りたたんでコンパクトに収納でき、レジャー用品としても活用できます。金銀2wayレスキューシートは寒冷時にも炎天下にも対応。

 

 

[応急手当用品]

「震災時は転倒などでケガをするかもしれません。出血や骨折に備え、応急手当用品はなにより大事ですね。子どもや高齢者なら簡単に使える止血パッドやエアギブスが良いでしょう」(国崎さん)

 

カインズ

玉川衛材 救急セット BOXタイプ

980円

消毒液、衛生ウェットナップ、絆創膏、傷あてパット、綿棒、ホームガーゼ、ホームコットンがまとまったボックス。コンパクトな軽量タイプで持ち運びにも便利です。

 

 

[衛生用品]

「水を使って歯を磨けないときは洗口液が役立ちます。歯のほかにもトイレやお風呂などの衛生用品は、非常時用のアイテムを揃えておくと身体の不快感を軽減できるでしょう」(国崎さん)

 

DCMホールディングス

マウスウォッシュF フレッシュミント 1000㎖

429円

口腔内を清潔に保つマウスウォッシュ。爽やかなフレッシュミント味でスッキリ感が得られる。歯にやさしい天然甘味料・キシリトールを配合し、口臭予防にも役立ちます。

 

【震災時の状況を疑似体験!】

“おうちDEキャンプ”でわかる本当に必要なモノ

人それぞれ、年齢や住む環境などにより「ないと不便なもの」は異なります。それを明確にするために国崎さんが推奨するのが“おうちDEキャンプ”です。

 

“おうちDEキャンプ”とは?

自宅で非常時に近い環境を再現すること。「9〜17時までの間、電気・ガス・水道を止める」など、ライフラインが途絶えたことを想定して過ごしてみる。これにより以下のようなことに気づき、何を購入すれば良いかがわかるという。ホムセンに行く前に行うのがオススメ!

 

【POINT】

  • 食事や飲料の消費量、あると便利な調理器具
  • 排泄処理の手間やニオイ問題
  • ふとんで寝られないときの対処法
  • 灯はハンズフリーで使えるものが必要
  • スマホの充電ができない  etc…….

 

【手を使わず灯を照らしたいときに!】

これひとつで部屋全体を照らせる!電池不要でいざというときも安心

DCMホールディングス

ソーラーライト ミニランタン G-SL10

1077円

コンパクトなソーラー式ランタン。日中、ソーラーパネルに太陽光が当たると内蔵電池に蓄電します。緊急時にも電池切れの心配がなく、手を使わずに部屋全体を照らすことができます。

 

 

【寒さが厳しいときに!】

優れた保温性とクッション性! 1枚あると便利

コーナン

アルミロールマットL

シルバー STI23-5479

950円

アルミマットは保温性に優れ、冷気や湿気をシャットアウトする。クッション性もあるので、身体の負担を軽減して就寝時なども快適に。バンドが付属し、普段は丸めて保管できます。

 

 

【入浴できないときに!】

ノンアルコールで肌に優しいウェットティッシュ

カインズ

大人用からだふき/大人用おしりふき

各98円

入浴できないときに役立つ、身体やお尻の汚れ拭き専用ウェットティッシュ。ふんわりソフトな肌触りのノンアルコールタイプなので、肌にやさしく安心して使えます。

 

 

【こんな便利アイテムも!】

回転式で的確に照射!ハンズフリーで使える

DCMホールディングス

LEDハンディライト PRO ブラック

1077円

クリップ、磁石、ストラップが付いた、明るさ300Lmのライト。約16㎝とコンパクトなサイズですが、本体は約180度回転し、明るくしたい場所を的確に照らします。

 

 

【こんな便利アイテムも!】

ガスや電気がなくてもOK!水を注ぐだけでお湯が沸く

カインズ

フジ 簡易スチーム

GOODスチーム

1780円

火気や電気を使わず、水だけでお湯を沸かせるセット。付属の発熱剤とともに加熱したい食品を加熱袋に入れ、水を入れて20分待てば完成。1袋で6回分使えます。

 

 

ケガを防ぐために!避難時の服装CHECK

地震直後は余震などにも注意が必要。自宅以外の場所に避難する際は、極力肌の露出を避け、頭や手をしっかり守って外出しましょう。

 

【頭を守る】

携帯性を考慮した折りたたみ式ヘルメット

カインズ

CAINZ PRO DIC IZANO オレンジ KP IZANOAA13OKP

4968円

ワンタッチで装着可能な折りたたみ式のヘルメット。厚生労働省の保護帽の規格「飛来・落下物用・墜落時保護用」にも認められています。

 

 

【手を守る】

手の切創防止に役立つ超高強度素材の手袋

DCMホールディングス

耐切創 手袋 HI06-T14M

861円

カッターの刃でも切れにくい超高強度ポリエチレン糸を使った耐切創用手袋。摩擦や切る・裂くに強い耐久性により、手のケガを防げます。

 

 

自宅でのケガを防ぐ! 「安全グッズ」にも注目

地震が起こったときに注意しなければならないのが、ガラスの飛散や落下物によるケガです。自宅を安全な“避難所”にするため、事前の対策を心がけましょう。

 

ガラスの飛散防止に!傷がつきにくいシート

カインズ

防災フィルム 46×185㎝ CZHO

780円

傷がつきにくい、ガラス用の透明保護フィルム。窓ガラスやドアガラスなどに貼っておけば、災害時のガラスの飛散防止に役立ちます。屋内貼り用。

 

 

食器棚や本棚からの物の飛び出しを防ぐ!

カインズ

滑り止めシート 30㎝×5m

SS-30500

298円

食器棚や本棚の棚板に敷くシート。災害時にケガの元となる、食器や書籍の飛び出しを防ぎます。敷く場所の長さに合わせ、カットして使用できます。

 

 

※本記事の内容は、2018年3月時点のものです。商品や価格は予告なく変更されたり、店舗によってはお取り扱いがなかったりする場合があります。

 

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【備えの1冊】防災バッグの中に何を入れる? 命を守る5点セットとは――『りすの四季だより』

これまで幾度となく言われてきているが、日本は災害大国である。今や、日本中どこに居ても安全は確保できない。最近では北大阪地震、西日本豪雨。竜巻だって起こる。いまこの瞬間に被災するかもしれない。

 

だからこそ、日頃から備えておくことが大切だ。

 

「そんなこと、何百回何万回と言われてるから、わかってるって!」というそこのあなた。では、いざというときに持って逃げるためのバッグに何を入れたらいいか、ご存知だろうか?

 

 

 

命を守るために、バッグに入れておきたい5アイテム

コラムの冒頭だが、いきなり答えを言ってしまおう。

 

1.スマホや携帯電話

緊急地震速報や情報収集のための必須アイテム。手動タイプの充電器があると、なお良し。

 

2.ホイッスル

軽く吹いても大きな音が出せて、中に玉が入っていない、壊れにくいものがベスト。子どもたちにも、防犯ブザーより電池要らずのホイッスルを持たせたい。

 

3.LEDライト

イマドキ電球タイプの懐中電灯はナンセンス。LEDタイプの、できればヘッドライトが◎。

 

4.ピンセットや小型ナイフなどがついたマルチツール

日常生活の中でも役立つものが多いので、ぜひ携帯を。ただし、銃刀法に触れない刃渡り5.5cm未満のものでも、正当な理由なくしては持ち歩けない。「子どもの爪を切るため」「今からキャンプで使う」などはOKだが、「防災・防犯のため」は正当事由にならないのでご注意を。

 

まずは、この4点。すでにお手元にあるだろうか。

 

実は先日、アウトドア防災ガイド・あんどうりすさんの防災講座に参加したのだが、内容が本当に目からウロコというか、「お~!!!!」と感動することしきりだったため、すぐにりすさんの著書を購入。いまご紹介した4アイテムは、『りすの四季だより』(あんどうりす・著/新建新聞社・刊)からピックアップした。

 

もちろん、自宅に非常用の持ち出し袋を用意、水やレトルト食品などを常備しておくことは大前提だが、それらすべてをバッグに入れたため荷物が重すぎて逃げられないなんて、本末転倒で悲しすぎる。

 

着の身着のまま逃げるとき、また外出先で被災した場合のために、普段から持ち歩ける防災用のバッグも用意しておきたい。

 

アウトドア用の軽いリュックを普段使いしてもいいし、スーツに合わないのであれば、ビジネスバッグの中に折りたたんで入れておいてもいい。毎日の外出時から、軽いバッグと上記4点を入れて持ち歩くことがおすすめだ。

 

 

何より大切なのが「知恵のある自分自身」!

さて、では最後の1アイテムは何だろうか。答えは5.知恵のある自分自身

 

今回りすさんの講座を受け、著書を読み、もっとも大きな気づきだったのが、「マニュアルに頼りすぎていること」を自覚したことだ。

 

たとえば、東日本大震災以降、スーパーのレジ袋でおむつを作る方法が広まった。私も子育て講座で教えてもらったことがある。レジ袋の左右の端を切って広げ、中に布などをあてるというものだ。けれど、自分の子どもたちが大きくなり、おむつが必要なくなったので、この知識はもう自分には不要だと思っていた。頭の片隅に追いやっていた。

 

だが、このおむつの知識から得られることは、スーパーのレジ袋がなければ作れない! ではなく、赤ちゃんがいないから関係ない! でもなく、防水素材と吸収素材の組み合わせが非常時に役立つということだ。

 

おむつの外側はポリエチレンなどの防水素材を探せばいい。それさえ知っておけば、レジ袋だろうがラップやポケットティッシュの外袋だろうが、撥水のガムテープだろうが、すべてOKなのだ。

 

その防水素材の内側に、吸水できる素材のものをあてればいい。この組み合わせは、赤ちゃんのおむつに限らず、生理用品にだって、非常時のトイレにだって活用できる。

 

「○○と○○を使って△△を作る」というマニュアルだけを頭に入れるのではなく、仕組みを理解することで、いくらでも自分で活用していけるというわけなのだ。

 

以前「ツナ缶でろうそくができる」という災害時のアイデアが話題になったが、「ツナ缶とこより」とだけ丸暗記していると、水煮のツナ缶を用意してしまうという事態が起こりうる。「油をティッシュなどのこよりに染み込ませて燃やす」という仕組みを理解していれば、ツナ缶でなくても、オイルサーディンでもいいと気づけるのである。

 

仕組みを知れば、臨機応変に行動できる。今後、様々な防災のアイデアを目にしたときは、ぜひその「仕組み」に着目することをおすすめしたい

 

「防災用」をあえて揃えるのではなく、日常でも使えるものをチョイスしよう

もうひとつ、りすさんの教えで気づいたことは、「防災は日常生活の延長線上にあってこそ、役立つ」ということ。

 

たとえば雨を伴う非常事態の場合、レインウエアがあるとかなり助かる。だが、100均のものでは心もとない。

 

おすすめは、透湿防水素材でできているアウトドア用レインウエア。普段使いにも便利で、そのまま災害用としても使えるからだ。お手入れすれば10年はもつので、確かに初期投資は必要だが、結果的には良いものを長く使うことの方がお得なのではないだろうか。

 

さて、ここで迷うのが、子ども用だ。すぐにサイズアウトしてしまうことを考えると、上下セットで6000円は高すぎないだろうか?と悩む人も多いだろう。

 

そこで、りすさんはこうひらめいた。

 

アウトドア用レインウエアは、世界中どのメーカーでもYKKのファスナーが使われていることが多い。そのため、製造番号が同じであれば、大人用と子ども用をジョイントできるのだ。

 

赤ちゃんを前で抱っこするときは、ママと子どものコートをジョイントして、ママコートに。歩けるようになったら、上だけ着せてレインコートに。もっと背が伸びたら、上下で着せる、といったように、120cmサイズの子ども用レインウエアを0~6歳まで使い倒したとのこと! このアイデアならば、1000円程度のすぐに濡れてしまうようなものを成長にあわせて買い換えるよりも、ずっと経済的だ。

 

災害用をあえて用意するのではなく、普段使いできる自分のお気に入りを揃えておくこと、そしていろいろなアイデアを持って活用することが、何より大切なのである。

 

 

「やらなきゃいけない」が「やってみたい」に。楽しみながら防災対策をしよう

『りすの四季だより』には、子どもでも大人を助け出せる古武道を使った救出術や、川遊びに必須の滑りにくい靴の作り方、寒さ暑さに対応する着こなし術、災害直後のトイレ問題、部屋の中の耐震化と家具固定法などなど、ぜひ家族で一度読んでおいてほしい内容が満載である。実際、私も実家の両親に1冊送ったほどだ。

 

ポイントは、いつ起こるかわからない災害に恐れるが故に「防災対策は嫌なこと」とネガティブに捉えるのではなく、「ちょっと試してみたい、普段から楽しみながら挑戦できるポジティブな防災アイデア」ばかりだということ。

 

もちろん、この本さえ読んでいれば必ず助かる!のではなく、りすさんから学んだ知識を応用できる知恵を身につけることが最大の目標だ。

 

備えあれば憂いなし。楽しみながら備えて防災を日常にし、心にゆとりを持って毎日を送りたい。

 

 

【書籍紹介】

りすの四季だより 家族の笑顔を守る暮らしの知恵

著者:あんどうりす
発行:新建新聞社

「やらなければ」が「やってみたい」に変わる! 口コミで年間100回以上の講演依頼がある伝説の防災講座、初の本格書籍化! 本書では、防災をマニュアル化するのではなく、アウトドアの知恵と技術を使って「読者と生き延びるための『知恵』を分かち合う」ことを目指しています。

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安全! 美味い! 防災にも! 良いことづくめのウォーターサーバーを選ぶには?

季節を問わず、おいしく安全な水が飲めるウォーターサーバー。普段の水分補給にはもちろん、料理に使ったり洗顔したりするほか、ボトリングされた状態で常備しておくことができるため、防災対策にも役立ちます。かつては病院や企業などに置かれていましたが、美容や健康に関心のある人を中心に流行した上、東日本大震災など災害時の教訓もあいまって、今では自宅に設置している人も多くなりました。

 

一方で、ウォーターサーバーを扱っている企業は多く、その水質やサービスの内容にもさまざまあり、どのように選べばよいのかわからない、という人は少なくないでしょう。そこで、日本におけるウォーターサーバーの実情を知る一般社団法人日本宅配水&サーバー協会の芹澤卓道さんに、ウォーターサーバーに関する基本知識や選び方、おすすめブランドについて聞きました。

 

「天然水」と「RO水」の2種類がある

ウォーターサーバーのボトルに入っている水には、ふたつの種類があります。ひとつは「天然水」といって、天然の成分が含まれた水のこと。南アルプスや阿蘇など、特定の水源から採取した原水を濾過などし、化学処理を行わずにボトリングしたものです。もうひとつは「RO水」といい、逆浸透膜を通して水道水や地下水を濾過した水のことで、徹底的に不純物を除去しています。

 

「一般的に、天然水は宅配便を使用して全国展開している企業が多いです。たいていは使い捨てのボトルに入っていて、飲み終えたら捨てられるワンウェイ方式をとっています。反対に、RO水は製造工場を中心に従業員が配達している場合が多く、回収して再利用するリターナブルなボトルを使用しています。完全に不純物を除去しているのがRO水で、蒸留などの加工をしていない自然のままの水が天然水ですが、水の味や特徴はさまざまです」(芹澤さん)

 

日本人に合うのは軟水

水には「硬度」といって、その硬さを示す数値があります。水質を表す基準のひとつで、水に含まれているカルシウムとマグネシウムの量によって硬度が決まり、用途によって適している硬度があります。

 

たとえば、まだ胃腸の発達が未熟な乳児期は、カルシウムやマグネシウムが消化できないため、赤ちゃんのミルクづくりには軟水が適しています。一方、ヨーロッパでは飲料水が硬水のため、西洋料理には硬水が向いています。肉の煮込み料理に使うとアクがしっかりとれたり、肉を柔らかくしてくれたりする効果があるほか、ハードパンを焼くときの仕込み水を硬水にすると、パリッとした食感のパンが焼けるのです。

 

「日本の水はほとんどが軟水で、日本人の体や口に合うと言われていますから、国内では現在、硬水のウォーターサーバーの取り扱いはありません。ただ、同じ軟水でも硬度の差はあるので、口にしやすい味のものを選ぶといいと思いますよ」(芹澤さん)

 

生活スタイルで選ぶ、ウォーターサーバーの<方式>

ウォーターサーバーを選ぶときに重視すべきことのひとつが、水のボトルが回収式なのかワンウェイ方式なのか、でしょう。回収式は、野菜などの定期宅配と同じように、不在でも玄関口に置いておいてもらえるメリットがありますが、回収の日まで空になったボトルを保管しておく必要があります。一方ワンウェイ方式では、宅配便での受け取りなので、不在のときの受け取りに手間がかかる場合がありますが、飲み終わったらボトルを小さく潰しゴミとして捨てられます。

 

「転居時や妊娠、出産、ご結婚など生活に変化があったとき、新規に加入される方が目立ちます。お酒を割るときやコーヒーを淹れるときなど、熱いお湯をすぐ使いたい方や、飲料用に水を購入していらっしゃる方には、ウォーターサーバーをお使いいただくと便利だと思います」(芹澤さん)

 

特徴から選ぶ、ウォーターサーバーの<種類>

ウォーターサーバーがあると、日々の料理やお茶などの味に満足できるだけでなく、水をマグボトルに入れて持ち歩くこともできます。

 

「小さなお子さまがいらっしゃるご家庭では、ペットボトルのジュースやお茶の代わりに、おいしいお水で水分補給してほしいと考えられている方が多いようです。出かけた先で喉が渇いたとペットボトル飲料をいちい購入するより、ご家庭のサーバー水を水筒に入れて持って行くことで、経済的にも健康的にも大きなメリットがあると思います」(芹澤さん)

 

それでは具体的に、宅配の方法や水質の違うウォーターサーバーの種類を見ていきましょう。

 

1.安曇野の上流から来た天然水

「信濃湧水」(ワンウェイ方式)
https://shinanoyusui.jp/

自然豊かな長野県大町の工場で詰められた、標高1220mの北アルプスでとれた「信濃湧水」。水源は、わさび栽培で有名な安曇野の上流に位置しています。険しい山の中なので関係者以外入ることができず、自然環境が荒らされる心配がありません。ボトルは使い捨てタイプで、関東圏内に限り配送スタッフが配達してくれます。

 

「硬度が16と超軟水で、雄大な北アルプスが育んだ天然水の味が楽しめます。スタンダードタイプのサーバーはレンタル料が無料で、お水代のみでご利用できるので、安心してお使いいただけると思います」(信濃湧水販売店/トーエル)

 

2.ホタルのいる群馬県榛名山の天然水


「スイークレイ」(回収方式)
http://www.032014.com/

四季を通して15℃程度と水温が安定していて、ホタルが生息するために必要な酵素がたっぷり含まれた湧き水を採水した100%天然水。ミネラルや風味を損なわないよう加熱殺菌せず、高性能フィルターで無菌化しているので安心です。回収タイプのボトルは定期宅配なので、水が足りないと毎回注文する手間がかかりません。

 

「サーバーやボトル回収・宅配などはすべて無料で、水が足りない場合は追加することができ、余っていたら次回の配達で調節していただくことができます。温水と冷水の出るサーバーのほかに、常温のみで使っていただける木製サーバーがあり、お子さまが触ってしまう心配のあるご家庭に人気があります」(スイークレイ販売店/いずみや・平野さん)

 

3.ハワイ採取の天然水を徹底濾過したRO水


「ピュアハワイアン」(ワンウェイ方式)
https://www.hawaiiwater.co.jp/

ハワイの大自然で生まれた天然水の不純物を極小フィルターで濾過したピュアウォーター。ハワイはどの大陸からも数千キロ離れていて、各国が天文観測所を設置するほど空気が澄んでいると言われています。また、ウミガメやハイビスカスをあしらったボトルは、インテリアにも映えそうです。

 

「サーバーには温水と冷水の機能があり、温水のほうはチャイルドロックを二重にかけられるようになっていますので、お子さまのいたずらややけどなどを防ぎます。また、温水を循環させて自動で内部をクリーニングすることもでき、いつも清潔なまま使っていただけます」(ピュアハワイアン販売店/トーエル)

 

4.北アルプスの天然水を磨き上げたRO水

「アルピナウォーター」(回収方式・ワンウェイ方式)
https://www.alpina-water.co.jp/

北アルプスの天然水をRO浸透膜で濾過し、不純物を99.9%除去したピュアウォーターです。徹底的に磨き上げたことで、だれでも安心して飲める水に仕上がっています。また、ボトルは回収式と使い捨てのワンウェイ、どちらでも選べるようになっているのがおすすめのポイントです。

 

「回収式のボトルのほうは量が多く、業界最安価格というお得な価格でお求めいただけます。使い捨てタイプは8Lの小さなボトルで設置しやすいため、ひとり暮らしの方や外出の多い方、重たいボトルを持ち上げるのが大変な方などにおすすめです」(アルピナウォーター製造元/トーエル)

 

インテリアに合わせて選ぶ<デザインとサイズ>

一般的なウォーターサーバーは、直に床に置いて使う床置きタイプのものが多いのですが、限られたキッチンのスペースに幅をとるものを置けない、という方には、卓上タイプのものがおすすめです。また最近では、インテリアの邪魔にならないデザイン性に富んだサーバーもありますから、好みのものを探してみましょう。

 

1.床置き型と卓上型を選べる

「フレシャス」
https://www.frecious.jp/

シンプルなサーバーで人気のブランド「フレシャス」では、富士、朝霧高原、木曽の3種類の天然水を用意しているので、サーバーによって好みの採水地を選ぶことができます。水は使い捨てのボトルのほかに軽量のパック詰めされたものがあり、力のない方にもセットしやすいのがポイントです。

 

「床置きタイプはリビングに置いていただくとご家族で使いやすく、卓上型はスペースを取らないので、キッチンのシンクやカウンターなどに置いていただくのに適しています。ウォーターパックは、飲み終わったら小さく畳んで捨てることができるので場所をとりません。デザイン面では、シンプルでスタイリッシュなサーバーとしてグッドデザイン賞を受賞しています。世界的に有名なプロダクトデザイナーの安積伸氏にデザインしていただきました」(富士山の銘水・横山さん)

↑「床置きタイプdewo」は、インテリアと馴染みやすいデザインが人気。電気の節約モードで、従来のサーバーと比べて70%以上の電気代をカットできます

 

↑「卓上型dewo mini」は、小さいながらも4.7Lのウォーターパックが入ります。コンパクトで場所をとりません

 

2.デザイン家電ブランドとのコラボレーション


「プレミアムウォーター」
https://premium-water.net/

富士吉田、南阿蘇、金城の3カ所から採水し、非加熱処理を行った天然水。国際味覚審査機構(iTQi)やモンドセレクションを受賞するなど、そのおいしさは世界的に認められています。

 

「非加熱で処理することで、お水のおいしさに関わる溶存酸素量が減少しにくく、自然本来のおいしさを味わっていただけます。サーバーは、デザイン家電で大変人気のあるamadanaによるものや、性能やデザインが人気の家電ブランドcadoとのコラボレーションで製作した『cado×PREMIUM WATERウォーターサーバー』など、さまざまなご用意をしています」(プレミアムウォーター・與風さん)

↑「amadanaデザインサーバー」は、日本ならではの美意識を大切にしたエレクトロニクスブランド、amadanaがデザイン。木製の置き台で、北欧系インテリアにも和室にも合うよう考えられています
↑「cado×PREMIUM WATERデザインサーバー」は、大手メーカー出身者が立ち上げた家電ブランド、cadoとのコラボレーションで誕生。省エネや安全ロックなどを備えながらもスタイリッシュです

 

汗をかくことが多くなるこれからの季節、水分補給が欠かせなくなります。水質やデザインなど、生活スタイルや好みに合わせて選ぶことのできるウォーターサーバーで、おいしい水を取り入れてみませんか?

 

【プロフィール】
一般社団法人 日本宅配水&サーバー協会/芹澤卓道

80社もの宅配水企業等が加盟する団体で、通称「JDSA」。宅配水業界の発展を目指して、宅配水に関する消費者からの相談窓口の役割を果たすほか、製造工場内の除菌・殺菌のマニュアルなど、業界内のガイドラインを策定している。
http://www.jdsa-net.org

 

取材・文/吉川愛歩 構成/Neem Tree 写真提供=トーエル

 

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