これで1万円台はおトク!人感センサーとLEDライト内蔵、ネットワーク防犯カメラ

サンワサプライは、人感センサーとLEDライトを内蔵したネットワーク防犯カメラ「400-SSA011」を3月25日に発売しました。IP65相当の防水規格を備えており、雨風にさらされる場所への設置にも難がありません。

 

記事のポイント

昨今、被害が相次いでいる闇バイトなどへの対策として、防犯アイテムを求める人が増えています。本製品は1万円ちょっとながら、さまざまな機能を備えているので、家の防犯レベルをしっかり高められそうです。

 
専用アプリ「Sanwa Connect」を通じて、いつでもどこでもスマホからカメラの映像を確認できます。最大6台のスマホで共有可能です。防犯用やみまもりカメラとして活躍させられますね。

動きを感知して自動で撮影します。650ルーメンの高輝度LEDライトにより、夜間でもカラー撮影が可能。300万画素の高画質で、細部まで鮮明に記録します。

 

また、動きを検知するとスマホに通知が届くため、いち早く異常を察知できます。カメラを通して、リアルタイムで音声のやり取りも可能。

 

サンワサプライ
ネットワーク防犯カメラ「400-SSA011」
直販価格: 1万1800(税込)

 

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冷凍野菜を手で砕いてそのまま調理!家電のプロがヒットを確信、冷やすだけじゃなく時短もする「個性派冷蔵庫」

2025年に流行するモノは何か、専門家が大断言する「GetNavi NEXTトレンド」。

 

今回は各家庭の使い方に合わせて作業効率を高めてくれる「個性派冷蔵庫」、需要が高まっている「防犯カメラ」など様々な家電のヒットの秘密を探る。

 

単に冷やす家電とは一線を画す【個性派冷蔵庫】

時短や節約を目的とした、まとめ買い需要が増加。作り置きして冷凍保存したり、便利な冷食をストックしたりするなど、昨今冷凍機能が見直されている。さらに、家具調デザインでインテリア性を高めるなど、単に冷やす家電とは一線を画した個性派モデルが増えている。

 

冷凍した野菜を手で砕いて調理できる!

三菱電機
MR-MZ54M
実売価格45万1000円

 

抜群の収納力と使い勝手を両立した「中だけひろびろ大容量」対応機。冷凍した野菜を手で砕いて調理ができ、野菜の使い切りや時短調理をサポートする「できちゃうV冷凍」を採用する。AIが部屋ごとに最適な運転を行うアシスト機能も搭載。

 

SPEC ●ドア:6(フレンチドア) ●定格内容積:540L ●省エネ達成率104%(2021年) ●年間消費電力量:276kWh/年 ●年間電気代(目安):7450円 ●サイズ/質量(本体):W650×H1833×D699mm/118kg

↑すべての部屋が仕切られ独立した「全室独立構造」を採用。部屋ごとの温度や扉開閉などを見張って冷気を循環し、ムダなくしっかり冷やす。

 

↑通常より低い温度で野菜を冷凍。調理の際、手でパリパリと砕いて鍋やフライパンに投入できるため、仕込みの手間が省ける。

 

【ヒット確定の根拠】凍ったまま調理できる独自機能で人気が上昇

「本機は生野菜を冷凍し、解凍することなく調理に使える機能を搭載。凍ったまま手で砕くことができるので、野菜炒めや餃子など、包丁いらずで調理可能。まとめ買いした野菜も腐らすことなく最後まで美味しく食べられます」(家電ライター・近藤克己さん)

 

冷凍容量比率52%を実現した「冷凍」特化型冷蔵庫

アイリスオーヤマ
冷凍冷蔵庫 IRSN-HF24A
直販価格6万9800円

 

235Lクラスの製品中、業界最大の冷凍容量比率52%の冷凍室を備えたモデル。中段と下段で全容量の約半分となる123Lの冷凍室を備える。中段は、冷蔵・ソフト冷凍・冷凍の3つのモードをボタン操作で切り替えが可能。

 

SPEC ●ドア:3 ●定格内容積:235L(冷蔵室112L/冷凍室123L) ●省エネ達成率100%(2021年) ●年間消費電力量:337kWh/年 ●サイズ/質量:W562×H1725×D563mm/約49kg

↑取り出しやすい上段トレイと、冷気が逃げにくい2つのクリアケースを採用。買い物かご約2.4個分の食品を収納できる。

 

【ヒット確定の根拠】ファミリー層の多くが大容量冷凍庫を待っていた

「一般家庭では、冷蔵庫の冷凍室がパンパンになりがち。冷凍食品のストックから余った料理の保存まで用途が広く、コロナ禍以降サブの冷凍庫を使う家庭も増えました。本機は全容量の半分が冷凍室で、しかも2段使えて便利」(家電ライター・小口 覺さん)

 

<コレも注目!>インテリアを彩るファニチャー冷蔵庫

アクア
家具冷蔵庫「LOOC」 AQR-FD7P
実売価格6万5930円

 

家具調の脚が付いたキャビネットのようなデザインの冷凍冷蔵庫。開閉スペースが気にならないフレンチドアで、右側に冷蔵室、左側に冷凍室を備える。グレージュウッドとブラウンウッドの2色をラインナップし、インテリアや置き場所に合わせたチョイスが可能。

↑本体および庫内はブラックで統一。内部のレイアウトは冷蔵室・冷凍室を縦に2分割するスタイルで、それぞれの容量を確保している。

 

強盗事件多発で、需要が急増【防犯カメラ】

自宅周りをしっかり見守り、防犯をさらに強化

パナソニック
モニター付き屋外カメラ VL-CV100K
実売価格5万4780円

 

屋外カメラとモニター親機がセットになったモニター付き屋外カメラ。スマホやインターネット環境がなくてもすぐに使用できる。2つの検知機能を搭載し、検知機能が働くと自動録画を開始するとともにモニター親機に音で通知する。

 

SPEC(カメラ)●撮像素子:400万画素CMOS ●サイズ/質量:W108×H108×D195mm/約620g
(モニター)●画面表示:約8型 カラー液晶ディスプレイ ●サイズ/質量:約W198×H131×D25.5mm(突起部除く)/約450g

↑新開発のスマホアプリ「いえモニ」と手持ちのスマホを連携可能(※モニター親機のネットワーク接続(有線LANにて)および、専用アプリ「いえモニ」のインストールが必要)。外出先から映像の確認ができる。

 

↑カメラとモニターの電源を入れるだけで、すぐに映像が確認可能。モニター親機はタッチパネルで直感的に操作できる。

 

【ヒット確定の根拠】Wi-Fi環境がなくても導入できる手軽さが◎

「強盗事件が多発していることから、防犯カメラの需要が急増。しかし、取り付けの際に、Wi-Fiが届かない、設定自体が難しいなど、ハードルがあります。本製品は、ネット環境がなくても導入できるのが最大のメリットです」(家電ライター・小口 覺さん)

 

たっぷりの水でパンの内部までおいしく焼き上げる【リベイクトースター】

独自の過熱水蒸気技術を用いて、好みの食感でパンを焼き上げる

シャープ
ヘルシオトースター AX-WT1-B
実売価格3万3000円

 

独自の過熱水蒸気技術を用いて常温・冷凍を問わず、様々な種類のパンを好みの食感に焼けるオーブントースター。約50mlの大容量水タンクの搭載により、たっぷりの水でパンの内部までしっかりと水分を与えながら焼き上げる。

 

SPEC ●定格消費電力:1410W ●水タンク容量:約50ml ●温度調節/時間調節(手動):約120〜260℃(20℃単位)/10秒〜30分 ●コード長:約1.4m ●サイズ/質量:W340×H270×D363mm/約5.0kg

↑液晶表示と大きなつまみを搭載し、直感的に操作できる。メニューや枚数を選んで決定を押せば、カンタンにふわふわ度や焼き加減を選択可能。

 

【ヒット確定の根拠】唯一無二の独自技術でトーストも冷食もおいしく調理

「おいしくリベイクできるオーブントースターのプチブームが到来していますが、ヘルシオは元祖のひとつ。過熱水蒸気を使う点で一線を画した焼き上がりで、ふわふわ・もっちり感が秀逸。オシャレなデザインも見逃せません」(家電ライター・田中真紀子さん)

 

モノトーン家電は終焉。いまや家電は新色の時代【くすみカラー家電】

大手家電量販店PB生まれのネオカラー家電シリーズ

エディオン
e angle カラーデザインシリーズ
実売価格4480円〜

 

家電量販店エディオンのPB商品「e angle」のアイテム。オーブントースター、グリル鍋、タンブラーミキサーからスタートし、いずれもティール・ピンクベージュ・モカホワイトのくすみカラーをラインナップする。

↑上からモカホワイト、ピンクベージュ、ティール。10月より、カーボンヒーターとセラミックヒーターが追加された。

 

【ヒット確定の根拠】ファッションに牽引され家電にもブームが到来

「若い女性を中心にくすみカラー(グレーがかったくすんだ色)が流行っており、家電にもその波が押し寄せています。昨今のレトロブーム、ファッション界での流行を受け、特に小型家電で今後さらに採用モデルが増えそうです」(家電ライター・近藤克己さん)

 

家電ライター:近藤克己さん
家電をはじめ、デジタル、防災、アウトドアまで幅広いジャンルを編集・執筆。特に家電は流通分野に詳しい。

家電ライター:田中真紀子さん
家電のトレンドや活用法を研究し、年間300以上の執筆監修に携わる。生活総合情報サイト「All About」白物家電ガイド。

家電ライター:小口 覺さん
ITから家電まで、業界のトレンドに幅広く精通。自慢したくなる家電を指す「ドヤ家電」の命名者としても知られる。

 

※「GetNavi」2025月2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです

スポットライト&サイレン搭載! 威嚇機能で侵入者を防ぐ防犯カメラ「G5 Pro」

スマートホームデバイスブランドAqaraは、フルカラーナイトビジョンにより昼夜問わず鮮明な映像クオリティを実現した防犯カメラ「G5 Pro Wi-Fi/防犯カメラG5 Pro PoE」を、2025年3月4日(火)に発売しました。

「G5 Pro Wi-Fi/防犯カメラG5 Pro PoE」

 

記事のポイント

闇バイトによる強盗事件が相次ぐなかで注目を集める自宅用防犯カメラ。こちらのG5 Proは防犯カメラとしてのスペックの高さに加え、スポットライトやサイレンなどセキュリティ強化に役立つ機能を備えているのがポイント。AI検出により認識した侵入者を威嚇することで、未然に犯罪を抑制します。

 

防犯カメラ「G5 Pro」は、400万画素の屋外防犯カメラです。最大133°の視野角、f/1.0の絞り値を備え、f/2.0レンズと比較して最大4倍の光を取り込むことができます。これにより、暗い夜でもカラーナイトビジョンで自宅の様子を確認できます。大きな1/1.8インチセンサーとグラフェン冷却技術により、夜間でも長距離から侵入者を識別できます。

 

内蔵NPU搭載により、顔認識、車両認識、さらには人物、ペット、荷物、障害物をAI検出することが可能。これらのAI検出はすべてローカルで行われるため、オフライン状態でも利用できます。

 

侵入者を威嚇するための調光可能なスポットライト、サイレン、双方向通話機能、100dBスピーカーを搭載しており、AqaraHomeで検出状態と自動化の設定を行なえば、セキュリティ強化に役立ちます。

 

ライブ映像および録画された映像はエンドツーエンドで暗号化され、利用者本人しかアクセスできないため、プライバシーを最大限に保護します。さらに、内蔵ストレージとクラウドだけでなく、NASなどのネットワーク接続したストレージにも同期可能で、録画したデータを記録することができます。

 

また、Apple Home(HomeKitセキュアビデオを含む)、Alexa、Google Home、SmartThingsなど、主要なスマートホームプラットフォームと互換性が高く、防犯カメラとしてだけではなく、AqaraデバイスとサードパーティのMatterデバイスを統合可能で、スマートホーム環境を屋外まで拡張できます。

 

IP65規格に対応しており、高い防塵・防水性を有しているだけではなく、最高50°C(122°F)の高温から最低-30°C(-22°F)の極寒まで耐えることができ、季節問わず幅広い地域で安心して利用できます。

 

G5 Proは、PoEバージョンとWi-Fiバージョンの2種類があり、自宅の環境に合わせて最適な接続方法を選択できます。PoEバージョンの場合、LANケーブル1本を電力供給とネット接続を実現できるため、より安定した接続が実現できます。Wi-Fiバージョンの場合、WPA3セキュリティを備えたデュアルバンドWi-Fi(2.4GHz/5GHz)接続が可能で、低コストで簡単に取り付けられます。どちらのバージョンも、電源供給のための5V2A USB-Cポートを搭載しています。実売価格はPoEバージョンが3万1580円、Wi-Fiバージョンが2万8380円(いずれも税込)。

 

Aqara
「G5 Pro Wi-Fi/防犯カメラG5 Pro PoE」
2025年3月4日発売
実売価格:PoEバージョン 3万1580円、Wi-Fiバージョン 2万8380円(いずれも税込)

電気代かからず、防犯に役立つ!コメリ「人感センサー付きソーラーライト」4種

ホームセンターのコメリは、人が近づくと自動で明るくなる「人感センサー付きソーラーライト」4種を、2025年2月19日に発売しました。コメリパワー、コメリハード&グリーン、オンラインショッピングサイト「コメリドットコム」で購入できます(一部店舗を除く)。

 

記事のポイント

近年、防犯意識の高まりから「センサーライトの需要が増加している」といいます。デザインがおしゃれなので庭の飾りになり、かつ灯りと防犯の役割も果たしてくれるので、かなりおトク感があるのでは。

 

本製品は、庭の装飾としても、防犯対策としても活用できます。暗くなると自動で点灯し、周囲を優しく照らします。半径5m以内の人の動きを感知すると、明るさが2.5~10倍にアップ。

 

電気代がかからず、環境にも優しいソーラー充電式です。電源不要なので、場所を選ばず簡単に設置できます。

 

今回発売する4種は、常夜灯時と探知時での明るさやデザインなどにそれぞれ違いがあります。

 

Breezy Green 人感センサー付きソーラーフラッシュライト KM35355
色:昼光色
明るさ:常夜灯時(5lm)/探知時(50lm)
価格:1480円(税込)

Breezy Green 人感センサー付きソーラークリスタルライト KM-21624-S
色:昼光色
明るさ:常夜灯時(20lm)/探知時(50lm)
価格:1980円(税込)

Breezy Green 人感センサー付き自動点灯ソーラーガーデンライト KM-21801-1
色:昼白色
明るさ:常夜灯時(30lm)/探知時(300lm)
価格:2980円(税込)

Breezy Green 人感センサー付き自動点灯ソーラー置型ガーデンライト 150lm KM-31830-1
色:電球色
明るさ:常夜灯時(30lm)/探知時(150lm)
価格:4980円(税込)

24時間お家を守る! 手軽に防犯力アップ、カメラ付きスマートドアホンキット「Tapo D235」

ティーピーリンクジャパンは、カメラ付きスマートドアホンキット「Tapo D235」を、オンライン限定で1月24日に販売開始します。

IP66準拠の防水・防塵性能で雨や風にも強い「Tapo D235」

 

記事のポイント

在宅中であっても、怖いトラブルに見舞われる可能性があります。「Tapo D235」は充電や配線を気にする必要がなく、設置も簡単なので、スマートセキュリティの第一歩として導入しやすそうです。

 

「Tapo D235」は、2K 500万画素の高解像度カメラ、180°の超広角レンズを搭載。訪問者の顔から手元、玄関前の状況まで、細部に渡って鮮明に映し出すといいます。

 

フルカラーナイトビジョンとスポットライトの組み合わせにより、暗闇でもクリアな映像を提供。電源方式は、10000mAh充電式バッテリーと8-24Vケーブル配線に対応しており(※)、利用環境や設定に応じて電源方式を選べます。

 

付属の角度調整パーツで設置場所に最適なアングルへ調整できるほか、AI技術によるスマート検知機能で、人物・ペット・車両・荷物を正確に識別するとのこと。

 

また、指定したアクティビティゾーン内の動きだけを通知する設定もできます。ドアホンが不正に取り外されそうな場合には、盗難防止アラームが警告音を鳴らします。

 

双方向通話機能で訪問者とリアルタイムに会話ができるだけでなく、録音済みの音声メッセージで応答することも可能です。

 

24時間連続録画が可能。訪問者や玄関周りの変化を、いつでも逃さず記録してくれます

 

※海外向け機能です。日本とは電圧が合わないため、絶対に家庭用のAC100V電源を接続しないでください。

 

ティーピーリンクジャパン
カメラ付きスマートドアホンキット「Tapo D235
想定販売価格:1万8800円(税込)

闇バイト強盗の「流れ」と「弱点」は? いま必要な「攻めの防犯対策」をプロが語った

闇バイトによる強盗や特殊詐欺といった犯罪被害が増えている昨今、「我が家は大丈夫か」と心配している方も多いでしょう。そんな悩みに応えるため、パナソニックがメディア向けに「防犯力スキルアップ体験会」を開催しました。体験会では、防犯アドバイザー・佐々木成三(なるみ)さんが登壇し、いまの犯罪の傾向やそれを防ぐための対策について、デモを交えた解説が行われました。

 

本稿ではその体験会の模様をリポート。佐々木さんが提唱する「攻めの防犯対策」とは何か? いま導入すべき防犯アイテムとその活用法についてお届けします。

 

手荒な手口の犯罪が増加。犯人を威嚇する「攻めの防犯対策」が必要

佐々木さんは埼玉県警察本部刑事部捜査第一課で10年勤務したのち、防犯アドバイザーとして、講演やコメンテーターなどの活動を行っています。近年急増する闇バイトによる強盗などの現場取材も重ねており、最新の犯罪の傾向に精通しています。

↑佐々木成三さん(写真中央)。犯罪を減らしたいとの考えから刑事を辞め、防犯アドバイザーに転向しました

 

その佐々木さんによると、闇バイト強盗の特徴は、犯罪の「素人」による犯行であること。遠く離れた指示役からの命令によって犯行に及ぶ彼らは、犯罪行為に慣れていません。

 

手慣れた犯人であれば、犯行の形跡を残さないよう慎重に行動しますが、闇バイトグループは素人ゆえに乱暴な手口をとることが多くなります。防犯カメラの設置などの対策を施している家であっても、犯人がそれに気付かないまま、被害の対象となってしまうことも。佐々木さんは「起こり得ないことが起こる時代」だと語ります。

 

ただし、闇バイトグループには弱点があります。それは、意志が弱いことです。闇バイトで募集されたメンバーは、その場で顔を合わせたばかりの者同士。仲間意識は希薄です。また、彼らは指示役の命令に従って動いているにすぎず、自らの強固な意志で行動しているわけではありません。それゆえ、その心をくじくことは難しくはないのです。

 

「録画するだけの監視カメラでは不十分です。人がカメラの近くにいることを人感センサーで検知して、照明や音でカメラがあることを伝える必要があります。実際、先日名古屋で、9台の防犯カメラを設置していた家が強盗に遭いました。これらの防犯カメラには人感センサーがついていたそうですが、この家ではそのセンサーを切っていました。犯人を威嚇する『攻めの防犯対策』が重要なのです」(佐々木さん)

 

電話機・ドアホン・カメラ、防犯アイテムの連動で犯罪を防ぐ

闇バイトのグループは、単身・または2人暮らしの高齢者の世帯を狙っています。その家の住人が高齢者であるか、世帯人数は何人か、あるいは金目のものを持っているか調査するため、犯人グループは事前に電話をかけるケースが多いそうです。佐々木さんは「闇バイト強盗には、事前の電話、宅配業者などを偽っての訪問、強盗という、一連の流れがある」と語ります。この流れを断ち切るためには、電話機、ドアホン、防犯カメラ、窓の開閉センサーといった防犯アイテムをセットで導入することが有効とのこと。

 

「電話、家周辺の下見、訪問、万一の侵入と、それぞれの行為に対応した防犯アイテムが必要です。迷惑電話防止機能がついた電話機で犯人グループからの電話を撃退したり、現場の下見に来た犯人を照明付きの防犯カメラで威嚇するなど、その段階に応じた対策を講じられます」(佐々木さん)

 

↑迷惑電話防止機能がついたコードレス電話機・VE-GD78DL(実売価格2万3760円・税込)。盤面左上に、迷惑電話防止機能をオンにするボタンがあります

 

体験会では、実際の闇バイト強盗の流れを再現した実演も行われました。まずは、迷惑電話防止機能を備えた電話機で、犯人からの電話を撃退。電話の冒頭に「録音します」という音声が流れるだけでも犯人は嫌がりますし、ボイスチェンジ機能を使えば、怪しい電話に対して自分とは違う声で応答することが可能です。

↑デモの様子。佐々木さんが闇バイト強盗の指示役に扮し、3年前に夫を亡くした一人暮らしの老婦人を狙うという状況を再現しました

 

家の下見に訪れた犯人には、人感センサーとLED照明を内蔵した防犯カメラで威嚇します。最新の機種なら、防犯カメラから音声を流すこともできます。また、宅配業者などを装って家を訪ねてきた犯人グループに対しては、広角レンズを備えたドアホンが有効。ドアホンの前を幅広く映せるので、相手が何人いるのか、確実に確認できます。

↑モニター付き屋外カメラ・VL-CV100K(実売予想価格5万4780円・税込)。人感センサーで点灯するLED照明を4つ内蔵し、屋内のモニターを通して、声を発する機能を搭載しています。2025年1月10日に発売予定

 

↑ワイヤレスモニター付テレビドアホン・VL-SWZ700シリーズ(実売価格5万9880円~・税込)。広角カメラを内蔵し、玄関前の隅々まで映像を撮影、録画できます。玄関の様子は、本機に付属するモニターのほか、スマートフォンからでも確認できます

 

↑VL-SWZ700の脇に佐々木さんが立ち(写真右)、その映像をスマートフォンに映し出したところ(写真左のモニター)。佐々木さんの立ち位置が隅であるにもかかわらず、広角カメラがその姿をしっかり捉えています

 

万一、犯人が窓などから侵入しようとした場合には、開閉センサーが活躍します。上階にいても、窓やドアが開閉したことを音で気が付けますし、電話機と連携させれば、どこのドア・窓が開いたのか、子機の画面に表示させることも可能です。犯人の侵入にいち早く気付き、内鍵のかかる部屋に避難することで、身の安全を確保できます。

↑開閉センサー・KX-HJS100(実売価格3880円・税込)。本機を設置した窓やドアが開くと本体が鳴動します。ドアホンや電話機を同時に鳴動させる設定も可能です

 

自分は大丈夫という考えを改め、厳重な防犯対策を

「私が見た強盗事件現場のなかにも、“攻める”防犯アイテムがあれば防げたであろう事件も多くありました。周囲の家々との距離が離れていて助けを呼びにくい環境にある住宅は強盗に狙われやすいので、特に注意してください」(佐々木さん)

 

↑留守中、空き巣に狙われないよう、在宅を偽装するのも有効な防犯対策です。パナソニックのLEDシーリングライト・ライフコンディショニングシリーズには、時間を設定して自動で点灯させたり、外出先からスマートフォンで照明を操作できる機能がついています

 

佐々木さんによると、犯罪から身を守るために重要なポイントは「危険を感じたら冷静に110番する」「自分は大丈夫という考えを改める」「最新の犯罪の手口を知っておく」の3点です。強盗以外の犯罪も手口が変わってきており、たとえば電話による特殊詐欺も、従来あったような「オレオレ詐欺」ではなく、弁護士や警察官を騙ったものが多くなっているそうです。いまでは所得税の「103万円の壁」が政治で話題になっていますが、これを利用した特殊詐欺も出てくるだろうと、佐々木さんは予想しています。

 

万一の事態が起きてからでは遅い防犯対策。いまのうちに、攻めの防犯アイテムを整えてはいかがでしょうか。

家のまわりの防犯を強化! パナソニックのモニター付き屋外カメラ「VL-CV100K」

パナソニックは、防犯を強化するモニター付き屋外カメラ 「VL-CV100K」を12月19日から販売します。

 

記事のポイント

防犯ニーズが急速に高まる昨今、住まいにカメラを設置したい方も増えているのではないでしょうか。自動録画機能やナイトモード、スマートフォン連携による外出先での映像確認といった豊富な機能があるため、しっかり防犯したい方におすすめです。

 

「VL-CV100K」は、屋外カメラとモニター用親機のセット商品です。カメラの設置には施工が必要ですが、インターネットやスマートフォンなしでも利用可能。インターネット環境があれば、スマートフォンアプリ「いえモニ」により、外出先から映像を確認できます。

 

カメラには「動作検知」と「人検知」の2つの検知機能を搭載。何らかの動作、もしくは人物を検知するとモニター親機にはリアルタイムで音で通知され、親機に内蔵されたマイクを使用して侵入者への警告や威嚇ができます。

 

加えて人物の侵入を検知した際は、約4秒前からさかのぼっての1分間の自動録画にも対応。カメラにはナイトビジョンモードを搭載しており、周囲が暗くなると屋外カメラ内蔵の赤外線LEDが点灯し、暗い状態でも周囲を確認できます。

 

別途、中継器を利用すれば、モニター親機と屋外カメラ間に障害物があり、電波が届きにくい場合でも通信距離を拡大できるとのこと。

 

パナソニック
モニター付き屋外カメラ「VL-CV100K」
メーカー希望小売価格:オープン

防犯対策に最適! 夜間でもしっかり撮れる赤外線カメラ「STR-MiNi800」

サイトロンジャパンは、夜間の撮影も可能な「赤外線無人撮影4KカメラSTR-MiNi800」を2024年11月15日に発売します。実売価格は1万7600円(税込)。

 

記事のポイント

赤外線ライトを搭載しており、夜間でもしっかり撮影できる点が特徴。赤外線センサーにより、人や動物の動きを感知したときだけ撮影するので、電池やマイクロSDカードを節約できます。自宅の防犯用や田畑の監視用などに最適なカメラです。

 

本製品は、防水仕様&乾電池採用で、屋内だけでなく屋外でも使用可能な赤外線無人撮影カメラです。昼間の撮影はもちろん、赤外線LED採用により夜間の撮影も可能。また、赤外線センサーが人や動物を感知した場合のみ撮影・記録するので、不要な電池の消耗を削減します。

 

従来のタイプSTR-MiNi300では使用可能なマイクロSDカードの容量が最大32GBでしたが、「STR-MiNi800」では最大256GBとなり、より長時間の撮影・記録を実現しました。

 

動画は最大4K(3840×2160P)、静止画は最大5000万画素(50MP)で撮影可能。動画撮影時は音声も録音するか選べます(ON/OFF設定)。

 

本体に2.0型液晶画面を搭載しており、撮影した動画や静止画は、すぐに再生してその場で確認できます。

 

本体はIP65規格の防水・防塵設計となっているので、屋外に設置することも可能です。木や柱に固定するためのバンドとブラケットが付属し、工事なしでも簡単に設置できます。三脚ネジ穴も備えています。

 

使用電源は単3電池×4本なので、コンセントが無い場所でも使用可能。電池寿命は待機状態で約6か月。

 

サイトロンジャパン
「赤外線無人撮影4KカメラSTR-MiNi800」
2024年11月15日発売
実売価格:1万7600円

不審者の侵入経路をがっちりガード!「防犯スマートホーム機器」のオススメをチェック

これまでスマートホームの魅力や導入方法、さまざまなライフスタイルにおけるニーズに合わせたスマートホーム機器の導入方法について紹介してきました。今回は、防犯対策に役立つスマートホーム機器を紹介します。

まずは“基本のキ”であるドア・窓施錠をしっかりと

窃盗犯などの侵入を防ぐためにまず大事なことは「施錠をしっかりすること」です。警察庁「刑法犯に関する統計資料」によると、2022年に発生した住宅における侵入窃盗の認知件数1万6524件のうち、約46.8%を占める7731件が「無締まり」、つまり玄関ドアもしくは窓を施錠していない状態で侵入されているという結果が出ています。筆者も窓を開けっ放しで扇風機で涼を取っている状態のまま出かけてしまったこともあり、「ドアのカギは閉めても窓は非施錠」という状態になってしまうことも多いのではないでしょうか。

 

こうした状態を防ぐためには、玄関ドアならカギの開閉を自動化できる「スマートロック」、窓なら「ドア・窓開閉センサー」を導入したいところ。

 

今回はおすすめ製品としてCANDY HOUSEの「SESAME(セサミ)」シリーズを紹介しましょう。指紋認証や暗証番号での解錠が可能なスマートロックに加えて、ドア・窓センサーなどをラインナップしています。

 

スマートロックの「SESAME 5 Pro」(実売価格7678円・税込)に「SESAMEタッチ Pro」(同4378円)を組み合わせることで、16桁までのパスワードと指紋認証、手持ちのSuicaや社員カードなどのICカード(FeliCa、MIFARE規格に対応)で解錠できるようになります。さらに別売のスマートリモコン「Hub3」(同2178円)を組み合わせることで、カギの開閉情報を離れた場所から確認したり、遠隔操作したりできるようになります。

↑CANDY HOUSEのスマートロック「SESAME 5 Pro」

 

↑指紋認証や暗証番号での解錠ができる「SESAMEタッチ Pro」

 

↑SESAME 5 Proを遠隔操作できるスマートリモコン「Hub3」

 

↑スマホ向け「セサミ」アプリの画面

 

もう一つ追加導入したいのが「オープンセンサー」(同1078円)です。SESAMEシリーズはほかのスマートロックと違って開閉センサーを内蔵していないので、ドアが万が一何かに引っかかって閉まっていない状態でも、そのままカギを締めてしまう場合があります。このオープンセンサーを追加することで、そういったトラブルを防ぐことが可能。他社製品と違い、ドア枠からカギのサムターンが離れていても難なく感知できるのが強みです。

 

オープンセンサーはドアだけでなく窓や引き出しなどにも使えるので、窓が開けっ放しのまま出かけたらお知らせするといった活用法もできます。

↑SESAME 5 Proをオートロック対応にできる外付け開閉センサー「オープンセンサー」

 

改行 改ページ

 

スマートリモコンやスイッチロボットなどで在宅を装う

先ほど紹介した「刑法犯に関する統計資料」によると、2022年の住宅侵入窃盗の認知件数1万6524件のうち、家人が留守中に侵入する「空き巣」が1万553件(約63.9%)、家人が就寝中に侵入する「忍び込み」が4162件(約25.2%)、家人がいる中で侵入する「居空き」が878件(約5.3%)と、圧倒的に留守中が多くなっています。そうなると、次の手段として考えられるのが「在宅を装うこと」です。

 

特に出張などで数日以上家を空けることが多い人は対策した方がいいでしょう。おすすめしたいのは、以下の方法です。

・スマートリモコンで照明を自動的につける
・スイッチロボットで壁スイッチを押して自動的に照明をつける

 

先ほど紹介したCANDY HOUSEの「ハブ3」のほか、「スマートホーム初心者が最初に買うべき!『スマートリモコン』選びの条件と使い道」で紹介したスマートリモコンでも照明のリモコンを学習することで遠隔操作できるようになります。

 

CANDY HOUSEは壁スイッチなどのボタンを遠隔操作できるスイッチロボット「セサミボット2」(実売価格2178円・税込)もラインナップしており、これを利用すればリモコンが使えない照明でも遠隔操作できるようになります。

↑壁スイッチなどのボタンを遠隔操作できるCANDY HOUSEのスイッチロボット「セサミボット2」

 

セキュリティカメラやスマートドアホンなどで万全対策

自宅のセキュリティを万全にするためには、やはりセキュリティカメラの導入がおすすめです。人感センサーで人や物の動きを検知して自動的に撮影できるのはもちろんのこと、アラート音を発生させることで侵入者を追い払う機能を持つものもあります。おすすめのアイテムとしてアマゾンの「Ring」シリーズを紹介しましょう。

 

スマホアプリで遠隔応答したり、動作を検知すると自動録画したりしてくれるスマートドアホンの「Ring Battery Doorbell Plus」(実売価格2万4980円・税込)や、屋内用の有線カメラ「Ring Indoor cam」(同4980円)、センサーライトとセキュリティカメラを一体化した屋外用カメラ「Ring Spotlight Cam Plus Battery」(同2万4980円)などをラインナップしており、玄関から室内、庭などの屋外まで家の内外をしっかり防犯できます。Ringのスマートドアホンや無線カメラはバッテリーが共通なので、予備を用意しておけばバッテリーが切れる前に交換でき、常に自宅のセキュリティを万全に保つことができます。

↑アマゾンのスマートドアホン「Ring Battery Doorbell Plus」

 

↑屋内用の有線カメラ「Ring Indoor cam」

 

↑センサーライトとセキュリティカメラを一体化した屋外用カメラ「Ring Spotlight Cam Plus Battery」

 

↑スマホ向け「Ring」アプリの画面。ドアホンや屋外カメラなど複数の映像を一覧で確認できます

 

そのほか、これまでにも何度か紹介してきた+StyleやSwitchBotなどのプラットフォームでも屋内用、屋外用のカメラをラインナップしています。1つのアプリで家電の操作のほか、カメラ映像も確認したいのであれば、自分が使っているプラットフォームの製品で揃えるのもおすすめです。

↑+Styleの「ホームカメラ PS-CMR-W03」(実売価格6480円・税込)

 

↑SwitchBotの「SwitchBot 屋外カメラ 3MP」(同1万2980円)

 

防犯対策としてセンサーライト付き屋外用カメラを導入するのが一般的ですが、屋内用の場合は同居する家族のプライバシーの課題もあります。家族がいる場合は、庭やベランダに出る掃き出し窓など泥棒の侵入経路になる場所を撮影するよう設定し、室内はほとんど映らないようにするなど、プライバシーの保護を検討したいですね。

スマートホーム化で外出先から自宅警備!防犯のプロが教える初心者向けの構築術とおすすめ機器

物騒な事件をニュースなどで頻繁に耳にするようになりました。旅行や出張などでいつもより長く自宅を不在にした際、「空き巣に入られていない?」「帰宅して、侵入者と鉢合わせしてしまったら?」など、不安を感じることがあるのではないでしょうか? とくに空き巣に狙われやすい秋の行楽シーズンや、夏・年末年始の帰省時には、事前の対策が大切です。

 

いま、住宅の防犯システムの分野でもにわかに注目されているのが「スマートホーム」。家のなかの家電や設備をインターネットに常時接続することで、自動化したり遠隔操作したりできるようにする仕組みです。

 

家を空けることが多いひとり暮らしなら、なおさら備えておくと安心。この「スマートホーム」による防犯対策について、警視庁から捜査協力の依頼を受ける防犯のプロであり、自宅でも実際に延べ300を超えるスマートホームデバイスを試しているという、公益社団法人 日本防犯設備協会 防犯設備士委員会 副委員長の松尾たけしさんにうかがいました。

 

この後編では、自宅の“スマートホーム化”による防犯対策を具体的に解説いただきます。

 

 

侵入窃盗の認知件数が再び増加!防犯のプロが教える初心者の防犯対策

 

犯罪を諦めさせる!
「スマートホーム」で行う先回りの対策

 

前編でもお伝えしたように、共同住宅や賃貸物件で大掛かりな防犯設備を後付けすることは難しいですが、原状回復しやすい防犯デバイスであればDIYで設置することが可能です。

 

そこでおすすめしたいのが、自宅の「スマートホーム」化。家を留守にしていても、外出先から家の状況をスマートフォンで確認・操作したり、自動でオンオフさせたりするなど、ひとり暮らしの強い味方となってくれます。

 

スマートホームとは?

「ひとことで言えば、インターネット回線を使って、自宅の家電やデバイスの状態を確認したり操作を行ったりするものです。具体的には、家電を動かすための赤外線を発信できるIoT(Internet of Things(モノのインターネット)の略)リモコンを自宅のWi-Fiと接続することで、外出先のスマ-トフォンから自宅の家電を操作できるようになります。電池式のデバイスはWi-FiではなくBluetoothで接続するため、それを外出先から操作するためには『ハブ』という中継器が別途必要になります」

 

手に入りやすい価格で、かつ取り付けも簡単なものが増えているそう。

 

「インターネットの普及やIoT機器の進化により、家電やセンサーなどのデバイスを手軽にスマートフォンに接続し、一括操作できるようになりました。また、普及にともない価格も安価になってきました。たとえば、窓や扉の開閉を知らせてくれるセンサーは、ハブと組み合わせても数千円程度と手頃な価格で、しかも両面テープで貼るだけなので取り付けも簡単です」

 

ただし注意点も。

 

「家庭用のWi-Fiルーターは同時接続が30台程度しかできないものも多いため、DHCPというIPアドレス自動取得機能を使う場合、スマートホームデバイスを買い過ぎるとIPアドレスを奪い合って、接続ができなくなる場合がある点に注意が必要です」

 

統一規格Matterの登場で普及する?「スマートホーム」の基礎知識と導入のしかた

 

ひとり暮らしのスマートホーム化
まず何が必要?

 

スマートホームの構築に向けて必要なものを見てみましょう。

 

・自宅のWi-Fi環境(ただしスマートホーム機器は5GHzに非対応なものが多いので注意)
・スマートフォン(OSの種類や世代によってはアプリが非対応な場合もあり)
・ハブ(IoT赤外線リモコン)やWiFi接続可能なスマートホームデバイス
・赤外線リモコン付き家電やBluetooth接続のスマートホームデバイス

 

「AC100V電源で、自宅のWi-Fiに直接接続が可能な防犯カメラや、コンセント、LED電球などは、それ単体ですぐに外出先からの監視や操作が可能です。
一方、電池式のスマートホームデバイス(玄関錠やカーテン開閉ロボット、ドア開閉センサーなど)は、電池の消費を抑える目的からBluetooth接続(電波飛距離約10m)しかできませんので、外出先から確認・操作したい場合はWi-Fiに接続されたハブを中継して行う必要があります」

 

電池式のBluetoothデバイス設置に必要な「ハブ」って?

「電池式のBluetoothデバイスは、直接Wi-Fiに接続することはできません。そこで、ハブとよばれる中継器を間に入れてインターネット接続を行います。ハブの多くは赤外線リモコン機能を有し、登録したエアコンやテレビ、照明といった家電を外出先から操作できます。
温度・湿度センサーや、スケジュール(週間タイマー)機能を備えた製品も多く、そうした機能を活用して家の照明や家電を自動的にオン/オフさせれば在宅を装うことが可能です。
ただし、赤外線信号が操作したい家電に届くようにハブを遠くに離し過ぎず、また遮蔽物がないように設置する必要があります。また、赤外線信号は学習できますが、FM信号などは学習することができませんので、操作したい機器のリモコンがFM信号の場合は注意が必要です。AIスピーカーと組み合わせれば、声で操作することも可能になり大変便利です」

 

空き巣対策に導入すべきスマートホーム機器

空き巣対策には、どんなスマートホームデバイスが有効なのでしょうか? 松尾さんは、長期不在時の空き巣対策には、以下の2つの視点でデバイスを揃えることができると言います。

 

・居留守ならぬ留守居(本当は居ないが居るふり)を装う
・侵入しようとする泥棒を威嚇する、もしくはリアルタイムで検知し、通報する

 

■ “留守居”で空き巣のターゲットになるのを防ぐ

実際は不在だが、スマートデバイスを使って“居る”ふりをすることで、空き巣のターゲットになるのを防ぎます。

 

1【スマート電球】タイマー(スケジュール)で照明のスイッチ管理が可能

「Wi-Fiに接続可能なスマート電球を使用すれば、リモコンがない照明器具でも外出先からスマホで照明のオン/オフができます。スケジュール機能を使って、毎日決まった時刻に自動でオン/オフさせることも可能。夜間に自宅が暗い状態が続くと不在を悟られてしまいますが、照明がつけば在宅を装えます」

 

2【スマートインターホン】外出先から来客に応答

「スマート電球のスケジュールによって照明がついていても、不在確認のためにインターホンを鳴らす泥棒もいます。スマートインターホンを利用すれば、外出先からでもスマートフォンでインターホンの呼びかけに応答可能。即時応答できれば、空き巣狙いの抑止力になります」

 

3【スマートカーテン】留守中も朝晩、自動で開閉

「スマートカーテンを利用すれば、不在時でも自動でカーテンの開閉ができるため、在宅を装うことができます。スケジュール機能や明るさで開閉のタイミングをあらかじめ設定することもできるので、旅行先で楽しい時間を過ごしているときに、開閉のし忘れを気にする必要はありません。ただし、カーテンレールが傷んでいるとうまく動作しない場面があります」

 

■ 侵入しようとする泥棒を威嚇する、もしくはリアルタイムで検知し、通報する

自宅が空き巣のターゲットになり、侵入されそうになった場合に役立つのが、通知機能のあるスマート防犯カメラ。即座に侵入者を検知し、動画で確認、音声や警告音により威嚇したり、撮影動画を警察に証拠として提出したりすることができます。

 

1【スマート防犯カメラ】侵入者をリアルタイムで確認

「動体検知機能と通知機能をオンにすれば、撮影画面内で何かが動いた瞬間にスマホへ通知が届きます。スピーカーを内蔵した製品が多く、スマホのマイクを介して侵入者に話しかけることもできます。最近は、犯人が防犯カメラの存在に気付いた上で犯行を行うケースも珍しくなく、侵入してすぐに防犯カメラを破壊したり向きを変えたりすることも。しかし、メーカーオプションの有料クラウドサービスに申し込めば、記録画像が常時クラウドにバックアップされるので、カメラを壊されてもその直前の画像がクラウド上に残る場合があります。外出先から記録画像を再生する際、製品によっては人体検知、動体検知がタイムライン上に表示されるため、簡単に検索できます。

 

そのほか、動きのある物体だけを追尾して撮影する自動追尾機能を搭載したものや、ID&パスワードが漏洩してアカウントが乗っ取られそうになっても2段階認証でブロックがかけられるものなど、さまざまな機能を搭載した製品があります。

 

夜間でも鮮明な映像を映し出すには、赤外線LED灯や高性能なレンズ、高解像度の撮像素子などが必要なため、買った後で『あまりキレイに映ってない』とならないためにも、撮影場所に応じた機器選定が行える防犯の専門家からアドバイスを受けるようおすすめします」

 

2【Bluetooth開閉センサー(扉・窓用)】侵入を見逃さない

「開閉センサーをドアや窓に両面テープで取り付けるだけ(※)で、ドアや窓が開いた瞬間にすぐさまスマートフォンに通知が届き、侵入者に気づけます。また、防犯カメラや照明を連動させることで、扉が開いたら自動的に撮影する、照明をつけるといった運用もできるようになります」※ 別途ハブが必要です。

 

3【Bluetooth人感センサー】人の動きを検知し知らせる

「人感センサーでその空間に入った人の動きを検知します。不審者を検知した瞬間にすぐさまスマートフォンに通知が届きます。屋内カメラと一緒に使用すれば、不審者を検知した際に自動で撮影することも可能です。スマ-トフォンから音声で泥棒に警告を送る音声機能付きのセンサーもあります」

 

編集部が選んだ
スマートホームセキュリティアイテム 5選

製品の機能や価格、使い勝手などを考慮し、スマートホーム初心者でも導入しやすいアイテムを紹介します。

 

1.すべての家電をスマホ1つで操作する「スマートリモコン」

Nature「Nature Remo 3(ネイチャー リモ 3)」
9980円(税込)

IoT機器の開発製造を行う日本企業、Natureのスマートリモコン。赤外線の届く範囲が10mと広く、部屋の広さや設置場所を気にせず使えます。また、温度、湿度、照度、人感の4種類のセンサーを搭載しているため、人が近づいたら照明をつけるといった自動化が可能です。

 

2.360°首振り!クリアな画像で細部まで映す「防犯カメラ」

TP-Link「パンチルト ネットワークWi-Fiカメラ Tapo C200」
3490円(税込)

低価格ながらも自動追尾機能を備え、フルHDで撮影できます。自宅のWiFiに直接接続可能なので、これ1台で外出先からスマートフォンで映像と音声を確認することができます。動体検知も行うことができるので侵入者を検知した瞬間に、スマートフォンにすぐ通知が届きます。オプションとしてクラウドサービスも用意されています。低照度環境でも撮影できる「ナイトビジョン」に対応しているので夜間の録画も可能ですが、屋外に設置する場合は屋外仕様のモデルを選びましょう。

 

3.ドアや窓の開閉を検知する「開閉センサー」


SwitchBot 「SwitchBot 開閉センサー」
2980円(税込)

貼るだけの簡単設置でドアの開閉状況を確認できます。ハブと連携すれば、開錠時にスマートフォンに通知が届きます。また同社の防犯カメラと連携することで、開錠された時点で防犯カメラを起動し録画します。

 

4.玄関に人が入ったら知らせる「人感センサー」


SwitchBot「SwitchBot 人感センサー」
2980円(税込)

卓上に置いたり、壁や天井に貼ったり、あるいはマグネットが内蔵されているので冷蔵庫へ設置したりすることも可能です。不審者を検知するとスマホへ通知が届きます。同社の防犯カメラと一緒に利用すれば、検知した不審者を自動で撮影できます。

 

5.簡単に“留守居”を装える「スマート LED ランプ」


TP-Link「スマート調光LEDランプ Tapo L510E」
2100円(税込)

単独でWiFi 接続が可能なため、ハブの必要がありません。スマートフォンでアプリを使って外出先から遠隔操作できます。価格もお手頃なので、まずはスマートデバイスを試してみたい方にぴったりのアイテムです。スケジュールやタイマー設定も可能です。

 

 

スマートホームと聞くと、何だか大掛かりで設置がむずかしい印象を受けますが、工事不要で取り付けでき、WiFiにつなげるだけで自動的にマッチングする製品も多く、意外とセッティングは簡単です。スマートホームを構築できれば、ひとり暮らしの強い味方になります。まずは導入しやすいスマート電球から試して、自宅のセキュリティ強化を図ってみましょう。

 

 

Profile

総合防犯設備士 / 松尾たけし

公益社団法人日本防犯設備協会 防犯設備士委員会副委員長 総合防犯設備士。カギと防犯設備、およびスマートホームに関する総合的なサービスを行う、株式会社目黒ロックサービスの代表取締役社長。公益社団法人日本防犯設備協会では防犯設備士テキストの編集に長年携わり、古今東西の防犯設備機器に精通している。本業では「安心してお客様に薦められる」商品のみを提供するべく、新製品はまず自宅に設置して徹底的に検証を行う。

侵入窃盗の認知件数が再び増加!防犯のプロが教える初心者の防犯対策

物騒な事件をニュースなどで頻繁に耳にするようになりました。旅行や出張などでいつもより長く自宅を不在にした際、「空き巣に入られていない?」「帰宅して、侵入者と鉢合わせしてしまったら?」など、不安を感じることがあるのではないでしょうか? とくに空き巣に狙われやすい秋の行楽シーズンや、夏・年末年始の帰省時には、事前の対策が大切です。

 

いま、住宅の防犯システムの分野でもにわかに注目されているのが「スマートホーム」。家のなかの家電や設備をインターネットに常時接続することで、自動化したり遠隔操作したりできるようにする仕組みです。

 

家を空けることが多いひとり暮らしなら、なおさら備えておくと安心。この「スマートホーム」による防犯対策について、警視庁から捜査協力の依頼を受ける防犯のプロであり、自宅でも実際に延べ300を超えるスマートホームデバイスを試しているという、公益社団法人 日本防犯設備協会 防犯設備士委員会 副委員長の松尾たけしさんにうかがいました。

 

前編ではまず、基本的な防犯対策について解説いただきましょう。

 

 

スマートホーム化で外出先から自宅警備!防犯のプロが教える初心者向けの構築術とおすすめ機器

 

SNSの投稿から不在を狙う!
現代の空き巣の手口

 

侵入窃盗の認知件数は、過去最多を記録した2002年の約34万件をピークに2022年の約3万6千件まで毎年徐々に減少してきました。ところが、2023年の認知件数は約4万4千件と、前年比で+約21%もの増加傾向に転じています。全国で1日に約121件の侵入窃盗が発生している計算になりますが、その手口にも変化が見て取れると松尾さんは話します。

 

「2003年に警察庁やメーカー団体などが集まって行われた官民合同会議によって、耐ピッキング性能に優れたシリンダーなどが誕生し、2004年から加速度的に普及したことにより、ピッキングによる侵入は激減しました。その一方で、最近は合鍵を使った侵入手口が目立っています。これは、鍵に刻印されたメーカー名と鍵番号の情報を盗まれるとインターネット通販で合鍵が注文されてしまうためであり、耐ピッキングシリンダーというだけでは安心できなくなってきました。
現在は、合鍵の注文時に鍵番号とペアとなる暗証番号等が必要なシリンダーもありますので、そういった鍵であれば安心ですが、そうでない場合は、シールを貼るなどして普段から鍵番号情報が盗み見られないようにする必要があります」

 

また、被害者側の盲点も。

 

「現代はSNSの普及により、アップした写真のデータやたまたま映り込んだ看板などで、居場所が特定されてしまう時代。たとえば、SNSでリアルタイムに“旅行中”をアピールすることで、“留守”を知らせてしまうことから被害に遭うケースも珍しくありません」(公益社団法人 日本防犯設備協会 防犯設備士委員会 副委員長松尾たけしさん、以下同)

 

長期不在時の空き巣対策に
覚えておきたい「走るカレー」

長期不在中の空き巣対策を構築するにあたり、まず参考になるのが「走るカレー」という防犯フレーズだそう。

 

出典=セコム

 

「『走るカレー』とは、警備サービス会社のセコムが作成した標語です。外出前に行いたい防犯対策がわかりやすくまとめられています」

 

長期不在時の防犯フレーズ

「は」いたつぶつ(配達物)を止めておく
「し」ょうめい(照明)のタイマー設定で在宅を装う
「る」すばんでんわ(留守番電話)の応答は「在宅中」。またはスマホ転送
「か」ぎ(鍵)をきちんと掛ける。1ドア2ロック/窓にも補助錠を
「れ」んらく(連絡)を親しい隣近所、近くの親族などに
「え」すえぬえす(SNS)はすべて事後投稿

 

外出時、理想的な家の環境は?
装うのは「居留守」ならぬ「留守居」

「長期不在時でも、居留守ならぬ“留守居”、つまり『本当は不在だが、まるで自宅にいるかのように装う』ことができれば、空き巣狙いには抑止力になります。
たとえば、ポストに新聞が溜まってしまうと不在を知らせているようなもの。このような不在を悟られてしまう状態をなくし、夜間に照明を付けることで在宅を装う。そして、非常事態が起きたときに対応が後手に回るのを防ぐため、ご近所さんや近くに住む親族に不在期間や旅先での連絡先を事前に教えておくのも対策の一つです」

 

プロがおすすめする防犯環境とは?

「公益社団法人 日本防犯設備協会では、防犯対策を講じるにあたって、犯罪者が犯行をあきらめるような物理的デザイン『防犯環境設計(CPTED)』に基づく対策を推奨しています」

 

1.領域性の強化
建物外構の門やフェンス、「部外者立ち入り禁止」の立て看板等で「なわばり」の意思表示を行い、部外者に近づくことを躊躇させるような環境づくりを行うこと。

 

2.接近の制御
壁や窓から侵入される時に利用されるような足場になるものを置かない、庭に玉砂利等を敷いて侵入時に音が出るようにする、侵入を知らせるライトやアラーム、通報装置を設置する、など、扉や開口部への容易な接近を妨げること。
※「マンションのオートロック」や、「防犯カメラ作動中」「警報(通報)装置設置」のステッカー等を貼って威嚇するのも一種の接近の制御と言えます。

 

3.監視性の確保
防犯カメラの設置や、ベランダの壁を見通しの悪い全面壁ではなく内側に人が入った時に外から分かるガラス壁や柵状のフェンスにするなどして、見通しをよくすること。

 

4.対象物の強化
1ドア2ロック、防犯サムターン、窓用の鍵、割れない防犯ガラスや防犯用ガラスフィルム、窓格子といった、物理的に侵入を困難にする設備を設置すること。

 

「ただ、こういった対策は自由に施工を行うことができる建物に限ります。マンションなどの共同住宅にお住まいの場合、補助錠や防犯カメラといった防犯設備を後付けすることは、マンション管理組合の規定などにより勝手に行えない場合が多いですよね。賃貸マンションの場合はなおさらです。そこで、全国の都道府県には、防犯対策が十分に施されたマンションを『防犯優良マンション(※)』として認定する制度がありますので、物件を選ぶ時にそういった認定を受けているかどうかを基準にするのもよいでしょう。最近では、防犯設備が数多く設置されていることを謳っている物件や、女性向けのセキュリティに特化した賃貸物件も存在しています」

 

※都道府県によっては「防犯優良アパート」「防犯優良戸建」「防犯優良駐車場」といった認定制度もありますが、その評価基準や細則は微妙に異なります。

 

後編では、自宅の“スマートホーム化”による防犯対策を解説いただきます。

スマートホーム化で外出先から自宅警備!防犯のプロが教える初心者向けの構築術とおすすめ機器

 

 

Profile

総合防犯設備士 / 松尾たけし

公益社団法人日本防犯設備協会 防犯設備士委員会副委員長 総合防犯設備士。カギと防犯設備、およびスマートホームに関する総合的なサービスを行う、株式会社目黒ロックサービスの代表取締役社長。公益社団法人日本防犯設備協会では防犯設備士テキストの編集に長年携わり、古今東西の防犯設備機器に精通している。本業では「安心してお客様に薦められる」商品のみを提供するべく、新製品はまず自宅に設置して徹底的に検証を行う。

時代はセルフセキュリティ!“MS LifeConnect AIスマートカメラ”がもつ見守り力を6つのチャレンジで検証してわかったこと

ここ数年、悪質な住宅強盗事件を耳にする機会が増え、物騒だなと感じている人は多いのではないだろうか。実際、令和5年の住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数は、前年比で11.3%も増加している(※)。そこで役に立つのが防犯カメラだ。なかでも編集部のイチオシは、「MS LifeConnect AIスマートカメラ」。今なぜこのカメラが“推し”なのか? 何がほかと違うのか? その魅力と実力をお伝えすべく、家電ライターとしてメディア出演が相次ぐ田中真紀子さんの自宅に設置し、検証してもらった!

※出典=警察庁住まいる防犯110番

 

検証するのはコレ!

MS LifeConnect
AIスマートカメラ 屋外用カメラ/屋内用カメラ

三井住友海上が新たに始めた住宅IoTプラットフォームサービス、「MS LifeConnect」の第1弾商品。高度なAI検知能力により、人間や動物、車などを識別。24時間稼働し録画すると同時に、指定した対象物が写り込んだときだけを「クリップ動画」として切り出し、スマホに通知を送れる。検知する対象物は細かく設定できるため、例えば動物が写り込んだ映像だけを検索するなど、後から目的の動画を探しやすい点もメリット。これにより長時間の動画を頭からいちいちチェックする手間が不要になる。

 

2週間導入! 6つのチャレンジで
「MS LifeConnect AIスマートカメラ」の実力検証

今回カメラを設置した田中さんのお宅は、住宅街に立つ一戸建て。道路に面した1階がガレージとなっており、その横の階段を上がった先、つまり2階にあたる場所に庭と住宅の入り口がある。今回はガレージの入り口と、リビングにそれぞれ1台ずつカメラを設置した。

家電ライター/田中真紀子……家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。自宅には最新家電を中心に200以上の家電を所有する。高校生の子どもと夫、犬の3人+1匹暮らし。

 

↑屋外カメラの設置場所は、ガレージの上にあるフェンスの右端。ガレージの入り口と自宅前の道路を撮影できようになっている。(※車両ナンバーはプライバシー確保のためデータ上で加工しています。以下同)

 

チャレンジ1.
人と犬が同時に進入した際、正しく識別できるか?

「まずは、愛犬のクーちゃんを連れて家の前を散歩し、AIによる検知機能の精度をテストしました。検知する内容を細かく設定ができるので、人と動物の両方を検知するように設定。また、検知範囲もラインとエリア(※エリアについてはチャレンジ3でご紹介)の2種類から選べます」(家電ライター・田中真紀子さん、以下同)

↑検出範囲の設定画面。ラインを選んだ場合、対象物が設定したラインを超えたときに検知される。今回は、ラインをガレージの端から道路に対し垂直に設定。このとき、画面上方向からの侵入物のみを検知する、上下両方向からの侵入物を検知するなど、細かなルールも設けられる。

 

【チャレンジ】

↑写真の左側から右側へ、設定ラインを越えるように愛犬を連れて散歩。歩くスピードは通常の犬の散歩と変わらない速度だ。

 

【結果】

「ラインを超えたらすぐに持っていたスマホに通知が届きました。アプリを開くと下の画像のとおり、犬は青い四角、私は人間を示すオレンジの四角で囲まれ、正確に検知されていました」

 

【チャレンジ】

↑今度は、車両も検知されるように設定を変え、田中さんのマイカーで検証。家の前の道路を時速20kmほどで走行した。

 

【結果】

「クルマも車両を表す緑色の四角で囲まれ、正確に検知されました。交通量の多い道路の場合はクルマが検知されないように設定すれば、不要な通知が届くのを防ぐことができます」

↑左が検知したクリップ動画が一覧で表示されるサムネイル画面。サムネイルをタップすると、実際の動画(動画の再生画面では緑色の識別枠は表示されない)が再生される。クルマのナンバーもたしかに読み取れた。

 

【結論】人、動物、車両を正確に識別し、不要な通知が発生しない

「AIが人と動物、車両をそれぞれ見分け、誤認識はありませんでした。道路に張り付いてチェックしていたわけではないので絶対とは言い切れませんが、設置からの2週間を振り返ると、指定した場所に何かが侵入した際はほぼ確実に検知してくれていた気がします。
また、検知する対象物を細かく設定できるので、例えば庭で犬などのペットを飼っている方は、動物には反応しないように設定できます。そもそもAI検知のメリットは、不要な通知を防げること。この機能がない場合、たとえば風で飛んできたゴミなども検出されてしまい、通知が頻繁にくるように。そうなると、次第に『どうせまたゴミでしょ?』と通知のチェックが面倒になり、見なくなってしまいますよね。これなら、本当に必要なときだけ通知を受け取ることができます」

 

MS LifeConnect「AIスマートカメラ」の詳細はこちら

 

チャレンジ2.
夜間、真っ暗ななかでどこまで侵入者を映し出せるか?

「夜間に道路を通行する人がきちんと検知されるかどうか、息子が夜、帰宅するタイミングで検証。不審者がいたときに服装などの特徴を把握できるレベルで撮影されるのかもチェックしました」

 

【結果】

(※プライバシー確保のため、顔にデータ上で加工を施しています。)

 

【結論】夜間の暗い道路でも服装の特徴までバッチリ!

「我が家の前の道路は、街灯が少なく夜間はけっこう暗いのですが、それでも通行人をしっかりと検知してくれました。暗いところでも服装の特徴までしっかり映り、トラブル時に警察に提出する証拠として十分使えると思います。また、夜間の撮影時に赤外線LEDが点灯する『赤外線ナイトビジョン機能』が搭載されているので、カメラがついていることが一目でわかり、侵入リスクを下げることもできます。ちなみに、照明がある場所に設置した場合、画面内に明るい部分と暗い部分が発生してしまいますが、ハイダイナミックレンジ機能をオンにすると、どちらの部分も詳細に撮影されますよ」

 

チャレンジ3.
敷地内に人が入ったらどれくらいのスピードで知らせるか?

「ガレージに不審者が侵入した場合を想定し、ガレージの入口周辺を検知エリアに設定。エリアの場合、線ではなく面で検知場所を設定できます」

↑エリアの設定画面。検知エリアを細かく設定でき、さらに1分以上滞在した場合に検知するなど、検知するまでの滞在時間も設定できる。今回は滞在時間を0.5秒に設定してテストした。

 

【チャレンジ】

↑道路の通行人ではなく侵入者に反応するよう、検知エリアはガレージの敷地内を指定。不審者役にはそのエリアに一歩だけ足を踏み入れてもらった。

 

【結果】

 

【結論】体感5秒以下。検知とほぼ同時に通知が届いた!

「写真の左上の時刻とアプリに表示された時刻が同じことからもわかるように、不審者の侵入を検知すると同時にスマホに通知が届きました。体感としては5秒も経っていないと思います。これならアプリを通じて不審者に警告を出し、犯行を牽制することもできそうです! また、滞在時間を選べるのもポイントで、人通りの多い道路にカメラを設置している場合、検知までの時間を少し長くしておけば、さっと通り過ぎた通行人は検知せず、同じ場所に留まって何かをしている不審者だけを検知することができます」

 

MS LifeConnect「AIスマートカメラ」の詳細はこちら

 

チャレンジ4.
遠隔からどれくらいスムーズに会話が成立するか?

「スピーカーが付いているので、例えば不審者が写り込んだときに声で威嚇することも可能です。とはいえ、取り付け位置が高くてもきちんと内容を聞き取れるレベルなのかが気になるところ。そこで編集部の方にカメラの下に立っていただき、スマホアプリを通じてスムーズに会話ができるかを試してみました」

↑下部にスピーカーを搭載。カメラ自体が小型なぶん内蔵するスピーカーも小さいと予想されるが、その実力はいかに!?

 

【結論】雑談レベルの声量でもスムーズに会話ができる

「雑談をするときと変わらない声のボリュームでも難なく会話ができました。これなら、例えばインターホンが映る位置に設置すれば、外出中に配達に来た宅配業者さんとコミュニケーションをとるといったこともできますし、屋内カメラでも、たとえば帰ってきたお子さんに『おかえり』と声を掛けることもできますよ。また、不審者に対しスピーカーから警告音を鳴らせるのもポイント。一度リビングに設置したカメラで鳴らしたことがあるのですが、クーちゃんが大騒ぎするくらい大音量。聞いていてかなり不快な音だったので効果は抜群だと思います。屋外で鳴らせば近所の人も気がついてくれるはず」

 

チャレンジ5.
スマホでの操作はだれにでも簡単、スマートに行えるか?

「日常的に使うアイテムなので、誰にでも簡単に操作できるかどうかは重要なポイント。導入してからすぐに使いこなせるようになるかどうか、アプリの操作性や機能をチェックしました」

↑スマホアプリのホーム画面。ホーム画面には、2つのカメラのライブ映像が表示されている。

 

【結論】アプリを起動してすぐに映像にアクセスできる!

「ホーム画面にライブ映像が表示されているので、アプリを開くとすぐに映像をチェックできるのは嬉しいポイント。また、アカウントに家族などを追加で招待できるので、それぞれが自分のスマホからアクセスできる点も便利です。ちなみに、アカウントの招待など重要な操作がPCアプリからしかできない点は、一見、手間のように感じられますが、スマホは日々持ち歩くぶんPCよりも誤操作や紛失が起きやすいので、安全面を考えると受け入れられるはず」

 

チャレンジ6.
取り付け・設定は簡単か?

「防犯カメラには自分で設置するタイプと、施工業者の方に来ていただき設置するタイプがありますが、本品は後者のタイプ。実際に取り付けを依頼し、設置までどのくらいの時間がかかったか、また取り付け後の設定のしやすさをチェック」

 

↑カメラの角度は、多少なら手動で調整できるため、設置後に微調整することも可能だ。

 

【結論】“防犯と施工のプロ”の手によって確実に設置できる上、助言をもらえるのは助かる!

「どこに取り付けるのがベストか、取り付け場所に電源があるか、通信に問題はないかなどをチェックする現地調査と、実際の設置で、計2回業者さんに来ていただきました。
最初は日程調整が手間と感じたものの、防犯のプロによる住宅環境・特性に合わせた効果的な設置位置などを相談できて助かりました。また、実際にしばらく運用してみて後日位置の変更にも対応していただけました。設置費用や移設費用はかかりますが、このように現地調査を無料で実施してくれる点も、サービス全体の安心感につながりましたね」

 

MS LifeConnect「AIスマートカメラ」の詳細はこちら

 

「セルフセキュリティ」なら犯行を防げる可能性が高まる!?

―――設置してから2週間が経ちましたが、率直にどう感じましたか?

 

「留守中に家の様子が気になるというときにすぐに確認できるということが、こんなにも安心につながるとは思ってもいませんでした。ちょうど最近、近隣で不審な訪問販売や窃盗被害が増えていて、不安を感じていたので、やっと安心できました。防犯カメラを設置するのって、大袈裟なことのように感じるかもしれませんが、一度設置と設定さえしてしまえば、あとは自動で機能してくれるので、導入したいまは、そんなに大ごとじゃなかったんだなって感じています。いっときの手間よりも未来の安心のほうが大切ですし」

 

―――自宅のセキュリティを高める手段には、警備会社と契約する「ホームセキュリティ」もありますが、自分でセキュリティカメラを導入する「セルフセキュリティ」を選ぶメリットは何でしょうか?

 

「セルフセキュリティは、異常があったときに自分で対処しなければならない点がデメリットと思われがちですが、実はホームセキュリティよりもクイックに対処できるというメリットがあると感じました。
たしかにホームセキュリティには、警備員に駆けつけてもらえるという安心感があります。でも実は、警備員が駆けつけた時点ですでに犯行が終わっているというケースも多いそうなんです。警察への通報は、到着後に行われることになりますから、犯罪を防ぐことまではできませんよね。
その点、本品のような高性能なカメラによるホームセキュリティなら、不審者を検知したらすぐに気がつけるので、その場で警告音を鳴らしたり警察に通報したりできます。つまり、犯行前に被害を防げる可能性が高まります。もちろん犯行が行われてしまった場合も、クラウドに保存した撮影データを証拠として提出することも可能です」

(※1) 警備ユニット、コントローラ・ドア開閉センサー・施錠確認センサー・空間(人感)センサー・火災センサー・非常ボタン・異常発生ライト など。(※2) 家の立地やセンサー数により金額は異なります。(※3) MS LifeConnectの防犯カメラは、設定した範囲に不審な人や車、動物などが検知されると、AIが見分けてプッシュ通知します。また不審者を見つけた際には外出中でも音声通信機能で声をかけたり、サイレン音を鳴らすことができます。

 

見守りカメラとして使うときは、動物検知機能と細かなルール設定が活躍

―――本品は、防犯としてだけでなく、見守りカメラとして活用できるのもポイントです。屋内カメラはリビングに設置されたとのことですが、どのように活用されていますか?

 

「子どもがすでに高校生なので、我が家では子どもの見守りではなく、留守中の愛犬の見守りに活用しています。外出中にクーちゃんが体調を崩してしまったときには、その様子を獣医さんに映像で共有できて助かりました。出先からでもそういった異変に気づけるのは心強いですね。
ペットカメラや見守りカメラは他にもたくさんありますが、動物だけを検知できるよう設定できるものはほとんどないので、その点も魅力的。また、防犯カメラと見守りカメラを別にした場合、それを管理するアプリが増えててしまいますが、本品なら1つのアプリで一元管理ができるのもうれしいポイント」

 

―――動物のみを検知できるとはいえ、ペットがカメラの前を横切るたびにクリップ動画(後から動画を検索しやすくなるように、設定した対象物が検知されたときに切り出して保存される動画のこと)が記録されると、すぐに1か月の記録上限本数に達してしまいそうです(1か月に保存できるクリップ動画の本数には制限があります)。

 

「私もそれが心配だったんですが、検知するルールを細かく設定できるので問題ありませんでした。例えば会社に行っている平日の日中だけ検知するようにしたり、一度検知したらその後1時間は検知をしないように設定したりできるんです。これらを設定すればクリップ動画が増えすぎる心配はありません」

↑姿が見えず心配なときも、スピーカーから呼びかければ、飼い主の声に反応してカメラの前に来てくれて安心だ。

 

↑アプリからクリップ動画で検知する対象を「動物」だけに設定すれば、ペットだけを検知するようになる。

 

MS LifeConnect「AIスマートカメラ」の詳細はこちら

 

サブスクリプションだからこそ手に入る精度と安心感

―――本品はサブスクリプションサービスで、毎月費用がかかりますがその点はいかがでしょうか?

 

「サブスクリプションの魅力は機能が常にアップデートされることと、クラウドが使えること。そもそもAIは、アップデートにより精度が上がるものなので、真価を発揮するためにもサブスクリプションなのは当然だと思います。また、SDカードなどに保存するタイプだと、記録媒体自体が盗まれたり、データを消されたりするリスクがあるので、クラウド保存であることも安心を得るためには欠かせない要素でしょう。
さらにいうと、プライベートを記録するアイテムだからこそ妥協してはいけないセキュリティ性能に関しても、本品では米国国防権限法に準拠した高度なサイバーセキュリティ技術が使われています。これらを鑑みれば、この支出はアリではないでしょうか。ちなみに私は、ペットカメラを導入したら、なぜか他の方の家の映像が映し出されたという衝撃的な体験をしたことがあり、情報漏洩リスクへの対応の大切さを痛感しています。

 

いずれにせよ、万が一がなかったとしても日常的に活用できて安心感を得られるので、価格に対する満足度は高いです。大手保険会社が提供しているという点でも安心ですし。実際に導入してみて、MS LifeConnectは、私の家とペットを守る大切なパートナーだなと感じています。現在は2台までですが、今後3台まで使えるプランが追加されるそうなので、玄関への設置も検討したいですね」

 

MS LifeConnect「AIスマートカメラ」の詳細はこちら

 

取材・文/鈴木翔子 写真/鈴木謙介

よく分からないQRコード、詐欺リンクの危険もあるのでスキャン厳禁! 米FTCが消費者に警告

最近のスマートフォンは、カメラアプリでQRコードを撮影すると、直ぐにリンク先を確認できるようになっています。そんななか、米連邦取引委員会(FTC)は消費者向けに、どんなに古いQRコードでも詐欺サイトに誘導される等のリスクがあるため、迂闊にスキャンしないよう警告しています。

↑不審なQRコードはスキャンしないで!

 

この警告は、セキュリティとプライバシーに関わるものです。悪質な業者は目立たない場所にQRコードを置いたり、電子メールで送りつけたり、パーキングメーターの中に隠したりして、銀行やログイン情報、その他の機密情報がやって来るのをじっと待っているというわけです。

 

またサイバーセキュリティ企業Trellix社の担当者は、今年第3四半期だけで「6万件以上のQRコード攻撃の例」を発見したと述べています。The New York Timesによれば、最も多かったのは郵便詐欺(米郵便公社を騙るもの)や悪質なファイル共有、給与計算や人事担当者のなりすましだったとのこと。

 

新型コロナ禍が起こって以降は、レストランのメニューから病院まで、日常生活でQRコードが広く使われるようになり、サイバー犯罪者にとって魅力的な道具となっているようです。

 

こうした悪質QRコードから身を守るため、FTCは次のような対策をお勧めしています。

 

  • 予期せぬ場所でQRコードを見かけたら、開く前にURLを確認する。見覚えのあるURLに似ている場合は、スペルミスや文字の入れ替えがないかなど、なりすましでないことチェックする。
  • すぐに行動するよう急かす場合は要注意。もしも本当のメッセージだと思われる場合は、会社であれば、電話番号やウェブから連絡すること
  • スマートフォンのOSをアップデートし、強力なパスワードと多要素認証でアカウントの守りを固めること

 

日常生活の至るところにQRコードがありふれているのは、日本でも米国でも同じことです。何でも手当たり次第にスキャンせず、もしスキャンした場合は正しいURLか、偽サイトへの誘導ではないかを念入りに確認した方がよさそうです。

 

Source:FTC, The New York Times
via:The Verge

マンション1階の防犯対策は? 女性が安全・快適に住む方法を防犯のプロが解説

日当たりや防犯面から、アパートやマンションでの1階暮らしを敬遠する人は少なくないでしょう。とくに女性が1階で暮らすには、何かと気にすることが多いもの。とはいえ、1階の物件にはメリットもあります。

 

不安やデメリットを解消し、1階ならではのメリットを享受するには? とくに女性にとって気になる防犯対策について、防犯設備士で株式会社COREgaE代表取締役の伊藤好子さんに教えていただきました。

知っておきたい、
1階に住むメリットとデメリット

はじめに、1階に暮らすメリットとデメリットを教えていただきました。

 

メリット

・家賃が相場より安い
・階下への騒音を気にしなくてよい
・エレベーターの点検時に階段の上り下りをしなくて済む
・災害時にエレベーターが故障する心配をする必要がない
・火災のときに逃げやすい

 

「同じ物件でも、高層階と1階とでは、1階にある部屋のほうが賃料が安い傾向があります。また、建物の外部に出やすく、入りやすいことは、火災など万が一のときに強みとなります」(防犯設備士・伊藤好子さん、以下同)

 

デメリット

・外に干している洗濯物で住人の性別が判断されやすい
・比較的男性の居住者が多いため、相対的に隣の住人が男性になる確率が高まる
・地面に近いことから底冷えをするため、女性の悩みである“冷え”の症状につながる可能性がある
・日当たりが良くなかったり、湿度が高かったりする傾向にある
・上階の人の足音や生活音が気になる場合がある

 

「外にアクセスしやすいという1階暮らしのメリットは、裏を返せば侵入者にとっても出入りしやすい環境ということ。同じ1階でも、オートロック付きの物件とそうではない物件では危険度に差が出ます。建物のセキュリティーの質は家賃に相対的に比例するため、そのあたりも考慮しながら1階暮らしについて考えてみると良いでしょう」

 

1階の物件を選ぶときに
確認しておきたいポイントとは?

やはり家賃の安さや外へのアクセスの良さは魅力。そこでこれから物件を探す際に1階を選ぶなら、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?

 

1.侵入口になりそうな場所の状況を確認する

・ベランダが設けられているか
「ベランダがあることにより、道路と部屋の間に間隔が空くため、容易に侵入できません。ベランダから侵入しようとしている人物がいたら、それこそ怪しいですよね。目撃されるリスクが高ければ高いほど、侵入者は避ける傾向にあります。逆に、塀などがなく、通りに窓が接している建物は、通りに人がいても不自然ではないため、侵入しやすくなります」

 

・物干しの位置が外から見えるか
「侵入者は、洗濯物によって、性別や家族構成をチェックしています。古い物件の場合、物干しざおを取り付ける位置が腰壁より高い場所にあることが多いため、外からも見えやすくなります。最近は、物干しざおの位置が腰壁より低く、洗濯物が通りを行き交う人の視線に入らない工夫がされている物件が多いです」

 

・窓に格子がついているか
「窓に格子があれば容易に侵入することができません。しかし、ネジで固定されている格子は力尽くで外されてしまう可能性も。ネジではなく、溶接によって取り付けられている格子のほうが安全です」

 

2.建物の防犯設備を確認する

「建物のエントランスや死角になる場所に防犯カメラ、センサーライト、オートロックなどの設備があるかどうかを内見のタイミングで確認しておきましょう。最近では、都心部の賃貸マンションでも、窓にシャッターが付いている建物が多くなってきました。シャッターをしっかりと閉めておけば、室内の様子は外から見ることはできませんし、ガラスを割られることもありません」

 

3.家の近くにある施設を確認する

「コンビニの明かりが届く距離の物件であれば、24時間明るく照らされているため、防犯の面では有利になります。交番が近くにあれば尚のこと安心です。
一方で、繁華街の近くや飲み屋が近くにある物件は、酔っ払って理性を欠いた人がいる可能性もあるため、控えるのが無難です。見通しの利かない公園や広い駐車場など、不特定の人が利用する場所の近くも避けた方がいいですね。そこに滞在しても不自然ではないため、下見しやすく狙われやすい状況を作ります」

 

防犯のプロが教える
1階に住むなら必ずやっておきたい防犯対策

1階に暮らす場合どのようなことに気をつけたほうが良いのでしょうか? 具体的な防犯対策について教えていただきました。

 

「1階暮らしに関わらず、まず女性にもっとも意識して欲しいことが、道を歩いている時は『背後に目を向ける』ことです。帰り道に人が後ろや横を歩いている場合、相手が男性女性に関わらず、誰が歩いているのだろう……とおもむろに振り返り、相手の性別確認をしながら先ずは真後ろより斜めに離れ、距離を置いて歩くことにより警戒心を強めることや自分自身のいざという時の逃げられる距離も保つように心がけましょう。歩きスマホやヘッドホンで音楽を聴きながら歩くこともやめましょう。
周囲に不審な人がいないことを確認してから、鍵を開け速やかに家に入ります。家に入ったら、すぐに戸締りしましょう」

 

また、空き巣とよく似た犯罪として、居空き(いあき)にも注意が必要といいます。

 

「空き巣は住人が家を留守にしている間に侵入するのに対し、居空きは住人が家にいる間に侵入してきます。侵入者に遭遇しないためにも、事前の対策が必要不可欠なのです」

出典=警察庁「住まいる防犯110番」

 

1.侵入するまでの時間がかかるようにする

「侵入者は入りやすく逃げやすい家を探しています。2分〜5分の間に侵入をあきらめるケースは7割にのぼります。つまり、多くの侵入者は5分以内に侵入できない場合はその家への侵入を断念する確率が高いのです」

 

出典=警察庁「住まいる防犯110番」

 

【対策】外出時は鍵を必ずかける
「『住まいる防犯110番』侵入窃盗の侵入手口によると、3階以下の共同住宅の場合、侵入者の侵入経路は、窓からが約70%、玄関などからが約30%だといいます(無締まり窓ドアなど51.5%ガラス破り18%)。侵入者は毎日同じ経路を歩き、侵入できそうな家を下見しています。たまたま鍵を閉め忘れたときに侵入者に入られてしまったという話は少なくありません。『ゴミを捨てに行くだけや近くのコンビニに行くくらいならいいだろう』という気持ちが思わぬ犯罪を招きます。少しの外出の際にも玄関の鍵をかけることはもちろん、ベランダもしっかり施錠しましょう」

 

出典=警察庁「住まいる防犯110番」

 

【対策】玄関は1ドア2ロックを心がける
「1つのドアに対し鍵は2ヵ所設置する(ピッキングされにくい鍵)のが防犯です。賃貸物件の場合は、鍵は1ヵ所のみ設置されていることがほとんど。ホームセンターなどで売られている補助錠を取り付けることが大切です。工事不要で原状回復できる補助錠であれば、賃貸物件でも気軽に導入できます。また、忘れてはならないのが室内からのチェーンロックです。就寝時には必ずかけるようにしてください」

編集部が選んだおすすめ防犯アイテム
iNAHO「SM-12 キーアウト」
7,980円(税込)

 

【対策】窓用の補助錠をかける
「通常、窓にはクレセント錠と呼ばれている窓を開け閉めする金具がついていますが、これだけでは防犯にはなりません。そこで、窓サッシ枠の上下に補助錠(防犯ロック)を設置します。たとえクレセント錠の部分のガラスを破られたとしても、上下の補助錠があれば開けられにくくなります。窓枠に差し込むだけなので賃貸物件でも使用することができます」

編集部が選んだおすすめ防犯アイテム
Nomura tec「ウインドロック ブロンズ 品番:N-1040」
1,210円(税込)

 

【対策】窓用の防犯フィルムを貼る
「窓ガラスはハンマーなどで簡単に割れます。割られても簡単に錠が開けられないように対策しましょう。窓に貼り付ける防犯シートをすれば、万が一、衝撃を与えてもヒビが入り、簡単に割ることはできません。賃貸物件の場合は、水で貼って剥がせるタイプのものがおすすめ」

編集部が選んだおすすめ防犯アイテム
Nomura tec「透明ガラス専用 防犯フイルム 40×50cm 2枚入」
1,860円(税込)

 

【対策】室内の窓の前にパイプラックを設ける
「侵入口になりそうな窓があるとき、そこに洗濯物を干さない場合は、窓の前にパイプラックの家具を設置し、部屋の中に格子の役割を作るのも一つの手です。タンスなどを置くと窓の開閉ができなくなってしまいますが、パイプラックであれば、隙間から窓を開けることができます」

 

2.音と光を利用する

「侵入者は音と光を嫌がります。また、犯罪を犯すときは少なからず緊張状態にあるため、侵入者は想定外のことが起きることを嫌がります」

 

【対策】家の外や内側を明るくしておく
「侵入者は目立ちにくい場所を好んで選びます。人感センサーにより人が通るとパッと照射されるセンサーライトがあれば、暗いところでも目立つため嫌がります。電気工事をしなくても済む乾電池式のものがあり、クランプ台による固定で細いパイプの柱などに固定することもできます。ただ、家の外側になるため賃貸の場合は許可をもらう必要があります。であれば、部屋の中、玄関付近の電球を人感センサー付きのものに交換するのもおすすめです。侵入したときに、灯りがつけば侵入を躊躇させる時間をかせげます」

 

【対策】ドアベルやウィンドチャイムを取り付ける
「侵入しようと玄関や窓を開けたときにベルが鳴れば居住者がいた場合気づかれてしまいますし、また驚いて侵入を諦めます。ドアベルは、マグネット式になっているのものが多く玄関に簡単に取り付けることができます。ベルが扉の開閉により揺れて鳴るとてもシンプルな作り、音色も美しく生活の邪魔にもなりません」

編集部が選んだおすすめ防犯アイテム
優凛(ゆうりん)「どありん」
8,800円(税込)

 

【対策】窓にガラスアラームを取り付ける
「窓ガラスが割られたり、居住者の留守中に窓が開けられた場合に速やかに警報音が鳴れば心強いです。両面テープで簡単に貼り付けられるため手軽に導入することができます。本体の厚さがとても薄型なので、ほとんどの窓で開閉に支障がありません。侵入者に窓ガラスに設置されていることが把握されるだけでも抑止力になります」

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ELPA「薄型スリムアラーム 衝撃&開放検知 2個入り ASA-W13-2P(PW)」
4,720円(税込)

 

【対策】想定外の仕掛けを作る
「防犯グッズを購入せずにできる防犯対策として、100円ショップでも売られているステンレス製の細いワイヤーに鈴を付け窓の両端にあるカーテンフックに取り付ける方法があります。侵入したときに侵入者の足が引っかかり音が鳴る仕組みです。予想をしていないだけに侵入者も驚くでしょう。就寝時や外出時につけておくと簡易的な防犯になります」

 

3.性別や生活スタイルなどの情報を漏らさない

「1階は通りとの距離が近いため、どんな人が住んでいて、帰宅時間や就寝時間は何時頃なのかなど、生活スタイルを知られてしまいがちです。生活の様子が外に漏れない工夫が必要です」

 

【対策】カーテンの選び方に気を付ける
「かわいらしい花柄のカーテンであればそこに女性が住んでいることをアピールしているようなもの。カーテンはできるだけシンプルに、性別を判断しにくいデザインを選びましょう。機能面では、日中光を反射することで室内から屋外は見えるものの、屋外からは室内が見えにくい防犯用のミラーレースカーテンや、照明が点灯しているかどうかを判断しづらい遮光カーテンを選びましょう」

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ニトリ「遮熱・防炎・遮像レースカーテン」(Nガード モエニクイ)
2,790円(税込)※一部店舗・ニトリネットにて取り扱い

 

【対策】窓に目隠しシートを貼る
「光を通しながらも外部に情報を漏らさないために目隠しシートは有効です。曇りガラスのように視界を遮る目隠しシート。霧吹きで水をつけて貼れるため賃貸でも取り外し簡単です。外の方が家より明るい日中は、中の様子が見えませんが、夜は見えてしまうため外が暗くなったならば、しっかりとカーテンやシャッターで視線をブロックしましょう」

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STYLE DART「ウィンドウフィルム Old English(オールドイングリッシュ)」

4,950円(税込)

 

【対策】洗濯物は室内に干す
「洗濯物は室内に干すのがベストです。浴室乾燥があれば、浴室に干しましょう。やむをえず窓の近くに干す場合は、下着類はハンガーの中央に下着をぶら下げ、その周りをタオルや洗濯ネットで囲むように干してください。ほかにも、ブラジャーの紐が見えないように干しましょう。レースカーテンは必ず閉めてください」

 

4.神経質な人が暮らす部屋だと印象づける

「きれいな部屋よりも、汚れた部屋の方が侵入されやすい傾向にあります。そもそも部屋が汚れていれば、足跡があっても汚い部屋なら気づきませんし、金品を盗んでも住人自体が盗まれたことを自覚しないことがあるからです」

 

【対策】すっきり片付いた玄関やベランダに
「玄関やベランダにものを多く置くことは絶対にやめましょう。ものが置いてあれば死角ができて侵入しやすい環境になります。また、侵入者は家の状況を見て、住人の性格を判断しています。玄関やベランダを整えることで、抜かりない建物であることをアピールします」

 

1階暮らしの最大のデメリットは「入りやすく逃げやすい」こと。少しの外出でも必ず施錠する、女性の一人暮らしを悟られない、といったことを徹底し、防犯グッズも取り入れながら入念な対策をしていくことが大切です。

 

Profile

防犯設備士 / 伊藤好子

株式会社COREgaE代表取締役。防犯関連講演、セキュリティエキスパート養成講座などを実施。防犯設備士の経験に基づき、独自の見識で『危険な場所の見分け方』『地域で守ろう「子どもの安全」』『犯罪者の意志決定距離』『危険回避決定距離』などの講演内で、犯罪者の心理を交えながら具体的に実践的に分かりやすく解説している。
HP

クランクイン玄関とは? 一級建築士が解説するメリット・デメリットとクランクインではない間取りでのプライバシー対策

ECサイトでオンラインショッピングすることが当たり前になりました。便利な反面、見知らぬ不特定の人が家を訪れることに、不安を感じることも多いのではないでしょうか。また、近年続発している広域強盗事件では、強盗犯はあらかじめターゲットを決めて犯行に及ぶといい、犯行前のリサーチは、宅配業者などを装って玄関先で行うという話も。

 

防犯意識が高まるなかで、玄関先の訪問者からプライバシーを確保できると、「クランクイン」の間取りに注目が集まっています。そのメリットと意外なデメリット、そしてクランクインのメリットを取り入れた、自宅のプライバシーを守る方法を、一級建築士のしかまのりこさんに教えていただきました。

 

「クランクイン」「クランクイン玄関」とは? 間取りの歴史

クランクとはそもそも、直角に右折と左折が配置され見通しがきかない狭路のことをいいます。では間取りにおける、「クランクイン」「クランクイン玄関」とは?

 

「入ったら正面に壁がある折れ曲がった廊下があり、直接リビングなどのプライベートスペースが見えない間取りを指します。この間取りが採用され始めたのは、ちょうど1980年代のバブル時期と重なります。これまでの住宅の間取りの歴史とともにお話ししましょう」(COLLINO一級建築士事務所 代表・しかまのりこさん、以下同)

↑玄関から直線上にリビングがある間取り。(画像提供=COLLINO一級建築士事務所)

 

↑玄関を入ると正面に壁のあるクランクイン玄関。(画像提供=COLLINO一級建築士事務所)

 

・ダイニングキッチンが生まれた1950年代

「戦後、焼け野原になった日本をとにかく整備しようと、日本住宅公団など国が主体となり住宅を早く普及させるために、広さ35m2(平方メートル)ほどの部屋で構成された団地を作り始めました。戦前の日本の住宅では、朝起きたら布団をたたみ、そこでちゃぶ台を出し、食事をする暮らし方が主流でしたが、新しい住宅を作るにあたって欧米の文化を取り入れられ、寝る部屋と食事をする部屋を分けた、いわゆる『食寝分離』の間取りが採用されるようになりました。これが、『DK(ダイニングキッチン)』の始まりです」

 

・間取りの効率化を重視する1970年代

「住宅をさらに普及させる『量の時代』です。団地よりももう少し広い60m2から70m2くらいの間取りの住宅が出現します。『DK』から『LDK(リビングダイニングキッチン)』へと発展させながら、引き続き限られたスペースに効率よく部屋を配置するかを模索した結果、玄関を入った直線状にリビングを設け、その両脇に個室を配置するプランが主流となりました。当時の3LDKの間取りは今のそれとほぼ変わりはありません。効率重視のレイアウトは現代もなお取り入れられています」

 

・クランクイン玄関の前身が登場。量から質へとシフトする1980年代

「住宅に暮らしの豊かさを求め始めた『質の時代』です。住宅の普及がある程度整い、高度経済成長を経た日本は好景気のバブル時代に入ると、人びとの価値観が量から質へと変換していきました。各ディベロッパー(不動産の開発会社)や不動産会社がさまざまなプランを作り、差別化を図るようになります。この時代は、戸建てのようなゆったりとした贅沢感を演出したい、プライバシーを確保したいとの要望から、クランクイン玄関の前身が生まれ始めました。当初は、『クランクイン』『クランクイン玄関』という言葉はなく、のちにそのように呼ばれるようになりました。住宅の面積も60m2から80m2とゆったりとした広さです」

 

・高級マンションでクラインクイン玄関を採用。邸宅感を演出する1990年代

「面積100m2を超えるタワーマンションが登場します。さらに高級仕様の住宅が求められるようになると、いっそうパブリックスペースとプライベートスペースを分ける間取りが評価されるようになり、ほとんどの高級マンションではクランクイン玄関を採用するようになりました。そして、現在のマンションでは、プラニングの棲み分けがうまくなされているように思います。70m2くらいまでのお部屋であれば玄関からリビングまでが一直線のプラン、80m2以上のお部屋ではクランクイン玄関を配置したプランと、おおまかに二極化しています」

 

【関連記事】部屋を広く、片付けやすく! 家具レイアウトのルールとNGを一級建築士が解説

 

暮らしにゆとりを演出する、クランクイン玄関のメリット

クランクイン玄関にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

 

1.プライバシーを確保できる

「近所の工事の挨拶や新聞の勧誘員、配達業者の来訪など、自宅にはいつどなたが来るかわかりません。そんなときに室内の様子が確認できないクランクイン玄関であれば、むやみに情報を与えることなく対応することができます」

 

2.高級感がある

「玄関を入った正面に壁がくる設計がクランクイン玄関の特徴です。このため、突き当たりのスペースに観葉植物やアート、クリスマスツリーなどの季節の飾りものを配置することによって、空間にゆとりを持たせることができます」

 

3.玄関から間取りが把握できない

「直線上にリビングがある間取りでは、廊下にある扉の数でだいたいの間取りが把握されてしまいます。これによって大まかな家族構成も想定されてしまうことに。玄関からは部屋数がわからない点もメリットです」

 

意外な落とし穴! クランクイン玄関のデメリットと対処法

では、クランクイン玄関にデメリットはあるのでしょうか?

 

「クランクイン玄関ならではのデメリットはあります。とはいえ、すでにクランクイン玄関の間取りにお住まいでも、工夫次第では改善することができます」

 

1.空間効率が悪い

「廊下面積が広くなるクランクイン玄関は、ゆとりのある空間と言える反面、デッドスペースができやすい間取りでもあります。各部屋の面積を広く取りたいか、邸宅感を演出することを重視するか、部屋を決める際には優先順位をつけることが大切です」

 

2.大型家具を搬入できない

「一体で納品されるソファやカウチは約2mを超える大きさの場合、部屋に入らない可能性があります。とくに海外製の家具は海外の広々とした住宅仕様で設計されているものも多く、注意が必要です。海外製のキッチンもシンクとコンロが一体となった台として納品されるので、玄関を通過できない可能性も。家具を購入する場合は、以下の点に注意しましょう」

【対策】
・納品後に組み立てを行えるよう細分化されたものを選ぶ
・搬入するときに必要な有効寸法を必ず確認する

 

3.窓がない場合は暗い、風通しが悪い

「リビングまで直線上につながる廊下の場合、だいたいはリビングに入る手前に扉があり、採光が取れるようにガラスがはめ込まれています。そこからの光によって真っ暗になることはありませんが、クランクイン玄関の場合は光が直線的に入って来ないので、照明をつけない限り、明るさを確保することが難しくなります」

【対策】
・鏡を設置し、照明の明かりを反射させ明るさを確保する
・白やベージュなど明るい色の壁紙や床材を使用する

 

「また同様にリビングから直接、風を通すことができないため、どうしてもニオイがこもりがちです」

【対策】
・消臭効果のある壁用タイルを設置する

 

「消臭効果のある壁紙もありますが、それほど効果が期待できるものではありません。消臭効果がないよりはあったほうがマシ程度に据えておくほうがいいでしょう」

4.掃除しにくい

「折れ曲がった廊下は角になるところが多くなり、掃除機がかけにくいです。先ほどお伝えしたように、風の抜けも少ないためホコリが溜まりやすくなります。コードレススティック掃除機などの小回りのきく掃除機で、こまめに掃除するように意識することが必要です」

 

5.車椅子の移動がしにくい

「車椅子を使う場合は、曲がり角を曲がるときある程度の空間にゆとりが必要となります。クランクイン玄関の場合、車椅子の使用が難しくなります」

 

「このように曲がり角を作ることによって生じるリスクもあります。建物の躯体を動かすことは極めて難しいため、入居前であれば、あらかじめ確認しておくと安心ですね」

 

【関連記事】暗い・寒い・じめじめ…を解決!北向きの部屋が快適になるインテリア術

 

一般的な玄関に “クランクイン玄関の発想” を取り入れる! 誰でもできるプライバシー確保の方法は?

今住んでいる部屋がクランクイン玄関の間取りではない場合、どのようにプライバシーを守れば良いのでしょうか?

 

「クランクイン玄関の大きな利点は『視線を遮れる』ことです。この利点を応用して、私たちが暮らしの中でできることをご紹介します」

 

・のれん・カーテンを廊下につける

「視線を遮るための簡単な方法として、のれんやカーテンがあります。のれんは、突っ張り棒に通して設置するだけですので、もっとも簡単です。訪問者がいないときには開けておきたいのであれば、布の位置を移動できる、突っ張り式のカーテンレールがおすすめです」

↑玄関廊下にのれんを設置したイメージ。(画像提供=COLLINO一級建築士事務所)

 

・ストリングカーテンを廊下につける

「ストリングカーテンとは、規則正しく直線上に並ぶ糸によって構成されたカーテンです。美容室の席と席との間の空間を柔らかく仕切るのに使用されたりします。のれんやカーテンほど視線を遮ることはないまでも、よくよく注視しないと中の様子を確認することができません。ほどよく視線を遮り、開放感も大切にしたい場合には有効です」

↑玄関廊下にストリングカーテンを設置したイメージ。(画像提供=COLLINO一級建築士事務所)

 

・突っ張り収納をつける

「下図のように玄関を入ってすぐにDKにつながる間取りには、突っ張り収納を設置すれば簡単に視線を遮れます。幅の短いものであれば、45cmくらいから展開しています。玄関先に、上着やバックなどちょっとした荷物をかける場所としても活用できます」

↑玄関とDKの間に突っ張り収納を設置するイメージ。(画像提供=COLLINO一級建築士事務所)

 

【関連記事】突っ張り棒で部屋中どこでも「見せる収納」に!「突っ張り棚」の取り入れ方

 

賃貸物件でも、間取りに合わせて視線を遮る工夫をすることによって、プライバシーを守ることができます。来訪者の立場に立ってみて、自分の部屋は玄関に入ったときに、どのようなことを把握されてしまうのか、それを防ぐためにはどうしたら良いのか、一度チェックしてみることをおすすめします。ぜひ、クランクイン玄関の良さを取り入れたレイアウトを考えるきっかけにしてみてください。

 

プロフィール

一級建築士・模様替えアドバイザー / しかまのりこ

COLLINO一級建築士事務所代表。「地球にやさしい 家族にやさしい」をコンセプトに、狭い・片づかない・不快などの住まいの問題を「家具配置・模様替え」によって解決する模様替えのスペシャリスト。近著に『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社刊)がある。
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男性の声できっぱり断るフレーズ収録「応答くん」、超絶人気になった理由に迫る!

『GetNavi』が選ぶ「2023年上半期売れたものSELECTION」。本記事では「家電編」から、男性の声で応答してくれる音声ボタン「応答くん」をピックアップ。予想を超えるヒットの秘密とは? 家電ライターの小口寛さんに注目のポイントを解説してもらいました!

 

世間の不安の声を拾い上げ予想を超えるヒットを生んだ

ライソンは独自の着眼点で数多くのアイデア家電を生み出し、ヒットを連発している気鋭の家電メーカー。「応答くん」は女性のひとり暮らしや高齢世帯などが、玄関先でドアを開けて対面することへの不安を汲み取った商品だ。「はい」「ありがとうございます」のほか、「いま、忙しいんで」「これ以上来たら警察呼びますよ」などのきっぱりと断るフレーズも収録し、迷惑なセールスへの対処にも心強い。ニッチな需要に思えるが、社会的な不安なども背景に、予想以上のヒットとなっている。

 

「白昼の押し込み強盗など、イヤな事件が立て続けに起こっている昨今、必然的に防犯・セキュリティへの意識が高まっています。本機は、女性が住んでいると知られたくないというニーズにマッチ。単体で使えるシンプルさに加えて、テレビで防犯アイテムとして紹介されたことが売れ行きを後押ししました」(小口さん、以下同)

 

ほかにも、自動検知やスマホ連携機能を搭載する、録画機能付きインターホンやセキュリティカメラなど、手軽に始められる防犯家電の裾野は広がっている。

 

「今後の防犯家電のトレンドとしては、IoTの製品にも注目。比較的安価で、ワイヤレス&バッテリー内蔵の工事が要らないアイテムが増えてきています」

 

対面が不安な女性や高齢者に代わり男性の音声で応答する

ライソン
応答くん
実売価格1980円
2022年11月発売

ボタンを押すと男性の声で応答してくれる音声ボタン。宅配便の受け取りやセールスへの対応時などにインターホン越しに使用することで、玄関先で対面することへのストレスや不安を軽減してくれる。全16種類の音声パターンを収録しており、様々なシチュエーションに対応可能。

 

↑しつこい迷惑電話にも対応可能。「ピンポーン(インターホンの音)」も収録されており、来客を理由に電話を切ることができる

 

↑壁面に設置するための専用ホルダーと両面シールが付属。インターホンの横に設置すれば、必要な時にサッと使いやすい

 

↑ボタンを押すとひろゆき氏の音声が流れる「ひろゆきの論破くん」(実売価格1980円)は4月に発売し、1万台出荷済みとこちらも売れ行き好調。録り下ろしを含む16種の音声で “論破” できる

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>家電ライター 小口 覺さん
ITから家電まで幅広く精通。自慢したくなる家電を指す「ドヤ家電」の名付け親でもある。

 

女性の不安や恐怖を 軽減するアイデアに拍手

「発売1週間で初回ロットの5000台が完売、半年で2万台突破と、発表時にはこんなにヒットするとは思わず。女性の不安や恐怖心を理解していなかったダメな男です……。今後のバリエーションにも期待ですね」

売れ行き:★★★★★
革新性:★★★
影響力:★★★★

 

【コレもチェック!】

自動検知機能を搭載したバッテリー駆動のドアベル

↑画像提供:Google

Google
Google Nest Doorbell
実売価格2万3900円

バッテリー式のスマートドアベル。人や荷物、クルマなどを検知して通知する。スマホからはリアルタイムの映像や録画の確認、訪問者に事前に設定したメッセージで応答することも可能。

 

↑スマホだけでなく、「Google Nest Hub」などとも連携。カメラ映像へ瞬時に切り替えて応答ができる

 

夜間でもフルカラーでしっかりと記録

TP-Link
Tapo C420S2
実売価格3万1450円

バッテリー内蔵型のワイヤレスセキュリティカメラ2台とハブのセット。AIによる検知機能や400万画素の高画質を備える。専用アプリでリアルタイム映像のチェックや管理が可能だ。

 

↑バッテリーは最大180日間持続。また、「スターライトセンサー」で夜間でもフルカラーで録画できる

撮影罪が施行…組織化する盗撮・盗聴から個人が身を守るには?

盗撮行為を直接取り締まることができる「撮影罪」が新たに施行されました。この背景には、近年、盗撮・盗聴の手口が巧妙になり、被害が拡大していることがあります。盗撮・盗聴は今や、誰もが被害に遭う可能性のある身近な犯罪になっているのです。

 

防犯アドバイザーの京師美佳さんに、盗撮・盗聴の実態や自分の身を守る方法について教えていただきました。

 

盗撮を取り締まる法律は存在しなかった! 「撮影罪」でどう変わる?

まずは、罪に問われる盗撮・盗聴行為や、現在どのように取り締まりが行われているのでしょうか? また、新設された「撮影罪」とは?

 

「実は『撮影罪』が新設されるまで、盗撮を直接取り締まる法律はありませんでした。これまで、裸の隠し撮りやスカートの中を撮るといったわいせつ目的の盗撮は、各都道府県が定める『迷惑防止条例』によって処罰されてきました。しかし迷惑防止条例は刑罰がとても軽く、例えば東京都では、非常習の盗撮で『1年以下の懲役又は100万円以下の罰金』とされています。都道府県ごとに懲役期間や罰金額が若干異なっており、過去には、飛行機内でCAが盗撮されたにも関わらず、どの自治体の条例を当てはめればいいのか判断できずに取り締まれなかった事例もあったのです」(防犯アドバイザー・京師美佳さん、以下同)

 

「こうした課題を解決すべく新設されたのが『撮影罪』です。これにより、性的な目的をもって、胸などの性的な体の部位や下着姿を撮影したり、写真を提供したりした場合、全国統一で処罰できるようになりました。被害が多かった飛行機内での盗撮も、取り締まることが可能になります。『条例』から『法律』になったことは大きな変化で、『撮影罪』では、『3年以下の禁固刑または300万円以下の罰金』と、処罰もこれまでと比べてかなり重くなります。しかし、着衣姿の盗撮は処罰の対象にならないことから、近年問題になっているアスリートへの盗撮は取り締まれないなど、まだ課題もあるのが現状です。

 

盗聴に関しても、現時点では直接取り締まる法律はありません。しかし、盗聴器を仕掛ける際に住居へ侵入すると不法侵入罪に問われたり、壁に穴をあけたり壊したりすると器物損壊罪に問われるケースはあります。また、固定電話の回線に盗聴器を仕掛けることは『有線電気通信法』違反にあたります」

 

昨今の盗撮・盗聴の多くは “商業目的” によるもの

「撮影罪」が新設されたものの、手口はより巧妙になり、被害も拡大しつづけている盗撮・盗聴。昨今の被害の傾向や、どのような手口で行われているのかを具体的に教えていただきました。

 

「スマホがなかった時代と今を比べると、盗撮・盗聴の被害件数は想像もできないほど増えています。その背景には、小型カメラや盗聴器がネットで簡単に手に入るようになったことがあります。対面販売よりも手に入れるためのハードルが下がったことが、被害状況を悪化させている一つの要因だと言えます」

「昨今の盗撮・盗聴の目的には大きく2種類あります。一つは、個人が趣味として行うもの。例えば『女性のスカートの中を覗きたい』と、靴の先やカバンにカメラを仕掛けたりスマホを差し込んだりして、電車やエスカレーターで盗撮するようなケースが多いです。

 

そしてもう一つが、商業目的によるもの。実は今、被害件数が圧倒的に多いのはこちらで、プロの犯罪グループなどが組織立って盗撮・盗聴を行うケースが増えています。手口としては、公共トイレや温泉といった人が集まるところにカメラが仕掛けられることが多く、データはネット上の会員サイトなどで販売されています。また、こうした商業目的の盗撮・盗聴は、今社会問題になっている『闇バイト』で雇われた女性たちが、女性しか入れない場所にカメラを仕掛けることも。男性だけではなく、女性も加害者になっているのです」

 

盗撮・盗聴の被害に遭いやすい場所と対策方法は?

プロの犯罪グループによる盗撮・盗聴が増えている今、「どこにでもカメラが仕掛けられている可能性がある」と京師さんは言います。では、日々の生活の中で盗撮・盗聴の被害から身を守るには、どうすれば良いのでしょうか?

 

「盗撮・盗聴のためのカメラが仕掛けられやすいのは、商業施設のトイレ、銭湯・温泉、フィットネスジムの更衣室など着替えたり裸になったりするところはすべて注意が必要です。そのほか、多くの人が利用する遊園地のトイレなどにも仕掛けられている可能性があります。

 

とはいえ、こうした場所を避けることはなかなか難しいと思います。そこで、まずできる対策として挙げられるのが、着替えたり裸になったりする場所に行くときには、時間や心に余裕をもつこと。とくにトイレは急いで入ることも多いと思いますが、入った後に不審なものがないかをしっかりと確認することが大切です。例えばトイレなら、ゴミ箱や芳香剤の中、便座の裏、換気扇の穴、置かれたままの荷物や飲みかけのコーヒーカップなどにカメラが仕掛けられていないかを目視で確認しましょう。また、100円ショップで売られているLEDライトを携帯しておくのもおすすめ。レンズがあれば照らした時に光るため、目視よりも探しやすくなります。

 

さらにトイレ内の盗撮で注意すべきなのは、カメラが複数仕掛けられている可能性が高いということ。加害者側は、より高額で販売するためにさまざまな角度で撮影したがります。特に多いのが、ドアを開けて入ったときの顔、下着をおろすところ、用を足している最中の3点です。最低限、顔を撮られないようにするためにも、深めにマスクをつけて個室に入るのもいいかもしれません」

 

「お風呂場や更衣室では、置きっぱなしになっている荷物やお風呂セットに注意。過去にはお風呂セットのシャンプーやリンスのボトルの口に小型カメラが仕掛けられている事例もありました。カゴなどを持ったままウロウロしている人を見かけたときには、気を付けるようにしてください。また、小型カメラは設置しっぱなしにしていると見つかるリスクが高いため、一日または数時間で回収していくことがほとんどです。人の多い時間帯が特に狙われやすいので、例えば温泉に行くときは、朝一や閉店間際に行くなど、混み合う時間帯を避けることも対策の一つだと思います」

 

カメラが仕掛けられていないか日頃から注意することは大切ですが、もし自分が盗撮・盗聴されていると気が付いたときには、どうすれば良いのでしょうか?

 

「盗撮用のカメラで撮影されている映像は、リアルタイムでネット配信されている可能性もあります。そのためカメラが入っている穴などを見つけたら、まずはふさぐことが大切です。その後、すぐに通報して警察が来るまでその場で待機してください。その間に万が一カメラを回収しに来た人がいた場合は、無理に証拠を残そうと思わず、渡してしまうのが安全だと思います。もし余裕があれば、その場の写真を残しておくといいでしょう」

 

自宅で注意すべき、盗聴・盗撮の被害は?

盗撮・盗聴は外出先だけでなく、自宅でも被害に遭う可能性があります。自宅ではどのようなところに気を付ければいいのでしょうか?

 

「自宅での盗撮・盗聴は、トラブルになっている元家族や元恋人など、関係者によるものがほとんどです。そのため、わいせつ目的というより、行動の監視が目的になっていることが多く、小型カメラや盗聴器はトイレやお風呂だけでなく、どこにでも仕掛けられている可能性があります

 

とくに小型カメラは植木の中や置物、クーラーの吹き出しやカーテンレールに仕掛けられやすいので注意が必要です。盗聴器はコンセントタップに仕掛けられていることが多いので、中を開けて黒い箱のようなものが入っていないかをチェックしてみてください。とはいえ、家中のコンセントタップを全て調べるのは大変なので、特に誰かとトラブルになっていない方は、引っ越しをして新居に荷物が入る前に、前の住人に仕掛けられたものがそのままになっていないかチェックするのがいいと思います」

 

今後、盗撮・盗聴の手口はますます巧妙になる?

今も拡大している、盗撮・盗聴の被害。これほど深刻な問題にも関わらずなかなか状況が変わらないのはなぜなのでしょうか? また、これからどのような対策が行われていくべきなのか、京師さんに伺いました。

 

「実は現時点で、盗撮・盗聴の対策として行われていることはほとんどありません。もちろん『撮影罪』は対策の一つですが、撮られてしまったものがどうなるのかというところまでは責任をもってもらえません。一度ネット上にアップロードされてしまうと、それを100%回収するのは残念ながら不可能です。もし自分が撮られたことが分かっても、警察に動いてもらったり弁護士に相談したりすることは時間もお金もかかり、被害者は精神的にも経済的にも大きな負担になります。そう考えると、まずは被害に遭わないように、自分の身を自分で守ることしかないのが現状だと思います」

 

では今後、期待される対策とは?

 

「今後の盗撮・盗聴対策として挙げられるのは、取り締まりをさらに厳しくすることです。特に、商業目的で盗撮・盗聴をする犯罪グループにとって、数年の実刑や数百万の罰金程度ではあまり影響がないのが正直なところです。今の刑罰ではまだまだ軽すぎるので、犯罪数自体を減らしてしていくには、法律的にもっと厳しくする必要があると考えています。

 

また、盗撮・盗聴の被害状況をかんがみて、『こういうケースは刑罰の対象になる』ということをもっと細かく考え、取り締まっていく必要もあると思います。そのほか、小型カメラを購入する際に身分証の提示を求めることなども、対策の一つになるかもしれません。

 

時代とともに技術が進化すれば犯罪も進化していくので、今後も盗撮・盗聴の手口はますます巧妙になり、被害も増えていくと考えられます。取り締まりはいたちごっこになってしまうと思いますが、その都度対応していくしかありません。盗撮・盗聴は、誰でも被害者になり得る犯罪です。他人事ではなく『自分も被害に遭うかもしれない』という意識を常に持っておくことが、何よりも大切だと思います」

 

プロフィール

防犯アドバイザー・犯罪予知アナリスト / 京師美佳

百貨店のエレベーターガール、商社の営業職を経て、トータル防犯アドバイザーを目指し、セキュリティ企業へ就職。法人営業部の責任者を務める中、2002年10月に防犯設備士取得。その後は、防犯ガラスメーカーに勤め、セキュリティ事業部長、そして防犯アドバイザーとして、防犯診断や電話での相談受付、セミナーなど、幅広く活動を行う。2005年5月独立。京師美佳セキュア・アーキテクトを設立し、2009年11月には一般社団法人全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構理事に就任。現在も講演、テレビ、新聞、雑誌など多方面で防犯の啓蒙活動を行っている。

炎上やネットストーキングを防ぐには? スマホ安全アドバイザーが教える「SNSでプライバシーを守る方法」

自分の「好き」を発信したり、友人の近況を知ったり、同じ趣味を持つ人とつながったり、さまざまな形で楽しめるSNS。とはいえ楽しみながらも、自分の個人情報やプライバシーが脅かされていると、不安を感じる人も多いのではないでしょうか? SNSの世界で自分自身を守るためにはどうしたらいいのか? ITジャーナリストでスマホ安全アドバイザーの鈴木朋子さんに教えていただきました。

 

主なSNSとその特徴を、あらためてチェック!

そもそも「SNS」とは、「ソーシャルネットワーキングサービス」の略称。人と人とのコミュニケーションを促進したり、ネットワークの構築を支援したりするオンラインサービスのことを言います。まずは現在よく利用されているSNSとそれぞれの特徴について、あらためて鈴木さんに解説してもらいました。

 

・LINE
「LINEは現在、メッセージツールとして多くの人が利用しています。特徴としては、見知らぬ人ではなく、親しい人や家族とコミュニケーションを取るためのツールであるということ。そもそもSNSに含まれるのか議論されることもありますが、写真などを投稿できる『タイムライン』は、SNSの機能を持っていると言えます」(ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー 鈴木朋子さん、以下同)

 

・Twitter
「Twitterは、140字以内の『つぶやき』を投稿して共有するサービスです。これまでは『自分の想いをつぶやく場所』という捉え方が主流でしたが、現在は、最新のニュースや電車の遅延情報など、リアルタイムの情報を得るためのSNSになってきています」

 

・Instagram
「Instagramは写真・動画の投稿に特化したSNSです。2017年に『インスタ映え』という言葉が流行語大賞に選ばれるなど、これまでは特別な一枚を投稿するイメージが強いSNSでした。しかし現在は、24時間で消えるストーリーズ機能やライブ機能が追加されたことによって、『映え』よりも日常のふとした瞬間を投稿する気軽な場所に変わりつつあります」

 

・Facebook
「Facebookは、プロフィールに実名や顔写真、出身校といった個人情報の登録が必要なSNS。最近の調査では、60~70代がLINEの次に愛用していることがわかっており、以前からの仲間との交流を深めていると考えられます」

 

・TikTok
「TikTokは、短時間の動画を投稿できるSNS。10代の女子がダンス動画を投稿しているイメージを持つ人も多いかもしれませんが、最近ではメイクやDIYのHow To動画、一発ギャグやモノマネを披露する動画など、多様化しています。AIによるレコメンド機能の性能が良く、ユーザーの多くは『おすすめ』というタイムラインをチェックしています」

 

知らない間に個人情報が流出!? SNSに潜む危険性とは?

使い方の変化や多様化が見られ、楽しみ方もますます広がるSNS。その一方で、個人情報流出や、プライバシー侵害によるトラブルは、ニュースでもたびたび取り上げられています。

 

2021年4月、Facebookのユーザー5億3000万人以上の個人情報が、ハッカー向けウェブサイトで閲覧可能になっていたことを、アメリカのニュースサイトが報じました。Facebookによると、ユーザーのスマートフォンから連絡先をインポートする機能を悪用して、プロフィールから情報をスクレイピング(保護されていない公開データを収集すること)されていたと言います。データは数年前のものと見られますが、氏名、生年月日、電話番号を含む個人情報が流出してしまったため、ハッキングへの悪用などが懸念されています。この事件のポイントを鈴木さんに解説してもらいました。

 

「実は、スクレイピング自体は違法行為ではないんです。そのためこの事件のポイントは、自分が『無難な情報』としてSNSに公開したものが、ハッカーによってデータ活用される可能性があるということ。これはFacebookに限った話ではありません」

 

自分自身のプライバシーを守るためにできることは?

気付かないうちに自分のプライバシーが侵害されていた! そんなトラブルに巻き込まれないためには、どうすれば良いのでしょうか? 自分自身のプライバシーを守るためにできることを「SNSをはじめるとき」と「SNSを利用しているとき」のそれぞれで教えていただきました。

 

・SNSをはじめるときにできる対策

 

1. 登録時に表示される文章を読み飛ばさない

SNSを始めるときにはどうしても「早くアカウントを作りたい」という気持ちが先走ってしまいがち。しかし登録時こそ、「自身の情報をどこまで提供するのか」を慎重に考える必要があります。

「表示される文章を読み飛ばして登録を進めていると、『知り合いを見つけやすくします』などと言ってアドレス帳のデータと紐づけさせるなど、自分が持つ情報を不用意にサービス側に提供してしまう可能性もあります。しっかりと確認して、拒否したい場合には『スキップする』『あとで登録する』などを選ぶようにしましょう」

 

2. アカウントを非公開にする

最近、未成年がInstagramでアカウントを作成する際には、非公開が推奨されるようになったそう。鈴木さんも「非公開にするのはかなりおすすめの方法」だと言います。

「アカウントを非公開にすることで、ある程度自分でフォロワーを選ぶことができるので、個人情報流出の可能性は低くなります。ただ、知らない人とつながることはSNSの醍醐味の一つでもありますよね。『同じ趣味を持つ人とつながりたい』『情報収集したい』など、自分がどうSNSを楽しみたいのか考えて、『どの情報を出してどの情報を隠すのか』ということをあらかじめ決めておくことが大切です」

 

3. 複数のアカウントを使い分ける(Instagram、Twitter)

特にInstagramとTwitterでおすすめだという複数アカウントの使い分け。その際の注意点も教えてもらいました。

「プライバシーを守りたいけど、SNSならではのコミュニケーションも楽しみたいという人は、メインアカウントは非公開にして、趣味用アカウントはオープンにするなどして使い分けるのがおすすめ。その際に、趣味用アカウントではメインアカウントの人とつながらないようにするなど、境界をはっきりさせて楽しむのが良いでしょう」

 

・SNSを利用しているときにできる対策

 

1. 写真や動画は投稿前に入念にチェック

たった一枚の写真から自宅や勤務先が特定されてしまうことも。写真や動画を投稿する前に確認しておくべきポイントを教えてもらいました。

 

「写真や動画を投稿する際には、場所が特定されるものや関係のない人物が映りこんでいないか入念に確認を。写真の場合は、少しでも不安な点はモザイクをかけたり、スタンプで隠したりするようにしましょう。動画の場合は音声をオフにしておくと安心です。

また、店の写真などを投稿するときには、『店を出た後』に投稿するようにしましょう。ただ、自分が行った店の写真を頻繁にアップしていると行動範囲がばれてしまうこともあるので注意が必要。ばれたくない場合は非公開アカウントで投稿するなどして、親しい人だけに見せるようにしてください」

 

2. タグ付けやコメントに注意!

良かれと思ってタグ付けをつけたりコメントを残したりしたつもりが、他人のプライバシーを侵害する可能性も。自分だけでなく他人のプライバシーを守ることも大切です。

 

「タグ付け機能を使用する際には、相手の許可を取ることを忘れずに。タグ付けは誰と誰がいつどこにいたという証拠にもなる機能です。トラブルを回避するためにも、あらかじめタグ付けはしないと決めておくのもよいかもしれません。

意外と油断してしまうのが、誰かの投稿に対してコメントをするとき。例えば友人の子どもの写真に対するコメントに、勝手に子どもの名前を出してしまってはまずいですよね。『コメントも不特定多数の人に見られている』ということを忘れないようにしてください」

 

3. アップデートはこまめに

使い慣れた仕様が変わってしまうことに抵抗があるためか、「若い世代ほどアップデートを嫌がる人が多い」と鈴木さん。

 

「ただ新しい機能が追加されるときだけでなく、脆弱性が見つかったり、プライバシー保護が強化されたりするときにもアプリはアップデートされます。よく使用するSNSほど、アップデート情報をチェックし、こまめに更新したほうが良いかもしれませんね」

 

プライバシーが侵害されてしまったときの対処法

できる限りの対策をしていたのにも関わらず、プライバシーが侵害されてしまったらどうすればいいのでしょうか? 対処法についても教えてもらいました。

 

「自分のある投稿によって個人情報が特定されてしまったり、炎上トラブルになったりしたときには、『アカウント停止』をするのが良いと思います。アカウント停止とは、完全な削除状態ではなく、ユーザー以外からは削除されているように見える状態のこと。この機能を利用して、ひとまず『隠れること』をおすすめします。

そのほか、特定の人から何かしらの嫌がらせを受けた場合には、そのアカウントを通報するようにしましょう。運営側が通報されたアカウントをチェックして、場合によっては削除をしてくれます。

もしもインターネットを離れ、ストーカー被害などリアルでのトラブルに発展した場合には、すぐに警察へ相談するようにしてください」

 

たとえ非公開アカウントにしたり、あとから投稿を削除したりしても、自分の投稿した写真などを誰かが保存している可能性は十分にあります。『SNSに一度あげたものは消えない』という意識は、常に持っておくことが大切です。

 

設定を見直して、万全の対策を!

最後に、プライバシーを守るための具体的な設定方法について、特に利用者が多いLINE、Twitter、Instagramの3つのSNSで、それぞれ教えていただきました。

 

・LINE

知らないうちに「友だち追加」されないための設定方法

「LINEは、不特定多数の人から自分のアカウントを知られることはあまりありません。しかし、設定によっては関係のない業者や知らない人と勝手につながってしまうこともあるので注意が必要です」

「設定」→「友だち」を選択すると、上記の画面が表示されます。「友だち自動追加」「友だちへの追加を許可」をどちらもオフにしておくことで、アドレス帳と紐づけされたり、自分が勝手に友だち追加されたりするのを防ぐことができます。

 

・Twitter

不用意に自分の居場所を漏らしていないか、位置情報の設定をチェック!

「ツイートと一緒に現在地を投稿している人をときどき見かけますが、自宅などからツイートするときには注意が必要。あらかじめ位置情報をオフにしておくことをおすすめします」

「設定とプライバシー」→「プライバシーとセキュリティ」を選ぶと上のような画面が表示されます。「正確な位置情報」を「無効」にしておけば、自分の位置を知らせることなく投稿することが可能です。

 

・Instagram

プライバシー侵害につながる可能性のあるタグ付けやコメントの設定を見直し!

「最初は、タグ付けやコメントが誰でもできる設定になっています。フォロワーのみに許可したり、手動で承認したりと、細かい設定が可能なのでぜひ一度見直してみてください」

「設定」→「プライバシー設定」→「投稿」を選ぶと上のような画面が表示されます。自分のタグを勝手に付けられたくない場合には、「タグ付けを許可する人」から設定の変更を! また「タグ付けを手動で承認」をオンにすると、自分のタグが付けられた投稿をその都度確認することが可能です。

 

↑アカウントを「非公開」にしているときには「コメント許可の対象」は表示されません

 

続いては、自分の投稿に対するコメントを制限する方法です。「設定」→「プライバシー設定」→「コメント」を選ぶと上のような画面が表示されます。この設定では、自分の投稿に対して全ての人がコメントできる状態になっています。

「コメント許可の対象」をタップすると上のような画面に。ここから、自分のアカウントにコメントできる対象を制限することが可能です。自身の使い方にあわせて設定してみてください。

 

SNSを思いきり楽しむためにも、ぜひ一度自身のSNSの使い方を見直して、プライバシーが守れているかチェックしてみましょう。

 

【プロフィール】

ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー/鈴木朋子

SNSなどスマートフォンを主軸にした身近なITに関する記事を執筆している。初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評があり、入門書の著作は20冊を越える。安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」としても活動中。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など多数。

 

防犯対策は万全? 家と我が身を守るポイント3点とオススメ防犯グッズ4選

自宅の防犯について、不安に思ったことはありませんか? 都市部では特に、近隣との付き合いが少なく、例えばエレベーターに乗り合わせた人が同じマンションの住人かどうか、わからないこともしばしば。集合住宅につけられた防犯カメラやオートロックが、きちんと機能しているのか知らない人もいるでしょう。

 

夏になると窓を開け放したままにする機会が多くなり、防犯への意識が低くなりがちです。物騒な事件があとをたたない中、家と我が身を守るにはどうしたらいいのか、日本防犯学校の桜井礼子さんに聞きました。

 

防犯意識を持つことがセキュリティの第一

「ホームセキュリティ」と聞くと、まず警備会社のセキュリティを思い浮かべる人が多いかもしれません。実際に賃貸物件でも、警備会社と契約し、インターフォンなどには施錠確認のセンサーがついていたり、火災感知器やボタンひとつで通報できるサービスが付帯していたりなど、安心して暮らせる機能が備わっている物件が増えてきています。ひとり暮らしの人や、子どもの留守番時間が長い家庭、高齢者がひとりでいる時間の多い家では、特にこのようなシステムがあると安心です。

 

「認知されている犯罪件数が大幅に増えているわけではありませんが、近年の傾向として、物を盗むだけの侵入窃盗が、暴行や脅迫をともなう侵入強盗に発展しているなど、犯罪の凶悪化が目立っています。何らかの防犯対策がなされているとわかると、侵入に時間がかかって入りにくさを感じるため、犯罪者のターゲットから外れる可能性が高まりますから、安心して暮らすためにも防犯対策することが重要です」(日本防犯学校・桜井さん、以下同)

 

しかし、セキュリティが施してある物件でも、注意すべき点はあるそうです。

「ここは大丈夫だからと、入居者自身の防犯意識が薄れてしまうことも。セキュリティシステムがあることはもちろん良いのですが、第一に大切なのは、防犯意識を持つことでしょう。たとえば、宅配業者や警察、警備会社などを装った押し込み強盗は、自ら鍵を開けて犯罪者を迎え入れてしまうことで発生します。ホームセキュリティが万全でも、防犯意識が薄いと犯罪被害にあう危険性が高まるのです」

 

安全な賃貸物件を選ぶための3つのポイント

物件を選ぶときにいちばんに気をつけなければならないのは、その物件がどれくらい安全か、でしょう。では、不安の少ない物件にはどのようなポイントがあるのでしょうか?

 

「街や自治体による、侵入犯罪者に狙われにくい住宅を推奨する『防犯優良住宅認定制度』という取り組みが始まってきています。いくつかの審査基準に達した物件が認定され、数年ごとに審査し直し更新されていくものです。このような物件を選ぶのもひとつの手だと思いますが、それ以外にも注意して見ていただきたいポイントが3つあります」

 

1.部屋までの通路は、見通しのよい場所を選ぶ

オートロックや管理人が常駐している集合住宅は、エントランスで人目につきやすいので比較的安全といえますが、そこから部屋にたどり着くまでの道のりに死角がないか、考えてみましょう。

 

「階段の場合、外から見える外階段ではなく、完全に室内になっている内階段がありますよね。内階段は道路などの人目があるところから完全に見えなくなるので、侵入者には好都合な場所と言えます。廊下についても同じことが言えるでしょう。また、集合住宅自体が高いブロック塀で囲まれている場合も、外からの見通しが悪くなるので注意が必要です」

 

2.施されている防犯対策が機能しているか確かめる

オートロック扉があるにもかかわらず、ゴミ集積場へのドアや裏口からは誰もが侵入できるようになっているなど、意味のある防犯対策になっているかどうかについては、確認が必要です。

 

「エレベーターやエントランスについているカメラがフェイクだったり、入口に警備会社のシールが貼ってあっても契約が終了していたり、防犯対策であるはずのものが見せかけだけだったという場合があります。それ自体が防犯になっていないと断言はできませんが、何か起きた場合には何の役にも立たないので、フェイクなのか稼働しているのか知っておくことが最低限必要です」

 

3.正面入口以外の侵入経路がないか確認する

集合住宅の正面が大通りに面していたり、人通りが多かったりして安全に見えても、別の侵入経路があると、犯罪者の目にとまりやすくなります。

 

「ベランダの横に雨どいがあったり、ベランダ越しに隣の部屋へ行ける構造だったり、また、屋上に簡単にあがれる物件は、犯罪者が侵入する経路になりますから、女性のひとり暮らしでは避けたほうが賢明でしょう。近隣の犯罪情勢をインターネットなどで調べて、犯罪が多発している地域は避けるなど、情報収集も必要です。また、玄関ドアに鍵がひとつしかないところ、窓のサッシのクレセント錠がダブルロックではない物件は、鍵つき補助錠をつけるなどの対策をしてください」

 

セキュリティシステムのある家に住むことだけでなく、自身で安心できる空間をつくることが大切です。次は、具体的におすすめの防犯グッズや防犯に対してできることをピックアップしていただきました。

 

自分でできるセキュリティ対策とは?

セキュリティについてできることは、セキュリティシステムのある家に住むことだけではありません。自分でできることを日々続けたり、備えつけられる防犯グッズなどを使ったりしながら、安心できる空間をつくることが大切です。ここでは具体的におすすめの防犯グッズや防犯に対してできることを、引き続き日本防犯学校の桜井礼子さんに聞きました。

 

1.玄関だけでなくポストも施錠する

玄関の鍵はもちろんのこと、外につながる出入り口はすべて施錠すること。

 

「玄関はドアチェーンもきちんとかけ、来訪者が来てもチェーンをかけたまま対応してください。荷物を受け取るときは、どこから何が届いたのかインターフォン越しに尋ねて、思い当たるときにだけ受け取るようにします。また、サッシや、ベランダの履き出し窓には、必ず補助錠をつけましょう」(日本防犯学校・桜井さん、以下同)

 

ポストについては2でも触れますが、ここも鍵は必ず施錠しましょう。ダイヤル式のポストは、数字を合わせたまま施錠せずにいる人も多く見受けられます。ポストには個人情報が詰まっていますから、どんな人物が何人で住んでいるのかなどの情報を犯罪者に与えないようにしましょう。

工具がなくても簡単に取りつけられるサッシ用の補助錠。振動があっても、内部の歯車が固定されているので、緩みません。「補助錠があると、開錠の時間が倍はかかると言われています。侵入というと玄関ドアのピッキングが思いつきますが、窓も入りやすい入口のひとつであることを忘れないようにしましょう」


ベッセル「まど番す(つまみ式)」
733円(編集部調べ)

 

付属の強力両面テープを使い、女性でも簡単に取り付けができる窓用補助錠。スライド式なのでロックをしながら窓を少し開けることも可能です。「鍵式なので、侵入者の手が届いたとしても、ロックを解除される心配がないタイプです」


日本ロックサービス「はいれーぬ 鍵つき」
2355円

 

2.個人情報が外部に漏れないよう注意する

個人情報がわかると、その家に住む人の生活パターンが見えやすくなり、犯罪者に侵入する機会を与えてしまうことがあります。

 

「ポストや玄関の表札は苗字だけにしましょう。女性のひとり暮らしなら、そうだと悟られないよう、玄関先に男物の靴や傘を置くのもおすすめです。玄関先のデコレーションや表札の文字などからも伝わってしまうものがありますし、ひとり暮らしであれば、女性らしい色のカーテンやレースものは避けるなど、外から見えるインテリアにも注意が必要です」

 

3. 近所の人との協力体制をつくる

集合住宅では、どんな人がどの部屋に住んでいるか知ることも大切な防犯対策です。

 

「マンション内で会う人の顔を覚えたり、積極的に挨拶したりすることが、犯罪者が侵入しにくい雰囲気づくりにつながります。町内会やマンションの自治会などがある場合はなるべく顔を出すのも良いでしょう。また、室内の様子がわかるようなホームネットワークシステムを導入しておくと、万が一侵入者があったとき、遭遇してしまう危険を回避することができておすすめです」

スマートフォンと連動して室内を見守るカメラ。会話もできるので、子どもとの会話やペットへの指示などにも使えます。「カメラに内蔵されたセンサーが温度や音を感知すると、スマートフォンに通知がいき、カメラの映像を見ることができます。カメラは最大4台つけられ、赤外線LEDで夜間でも映像を確認できて便利です」

パナソニック「ホームネットワーク システム KX-HJC200K-W」
2万8080円(編集部調べ)

 

4.外から見て留守であることがわからないようにする

出勤時間や帰宅時間などが外から見てわからないようにすることで、部屋への侵入をしにくくする可能性がありますから、留守のときでも人気があるよう装うことも大切です。

 

「外出時は、外から室内が見える部屋の照明をつけておくのも良いでしょう。リモコンつきで、照明の点灯時間がセットできるタイプのものもありますので、外が暗くなる時間に点灯するようセットするなどして使ってみてください」

普段はスイッチとして使用でき、留守のときは照明の留守番タイマーが設定できる仕掛けになっている防犯グッズ。「家にいないときに照明をつけておくと防犯にはなりますが、電気代が気になりますので、タイマー予約して生活パターンを悟られないようにするのが良いでしょう」

パナソニック「あけたらタイマ(2線式)」
7528円(税込)

防犯グッズは上で紹介したもの以外にも、お手軽なものから家全体を守れるようなハイスペックなものまで、さまざまな種類があるので、部屋のタイプに合わせて選んでみてください。

 

また、これから引っ越しを考えているならやはり、ホームセキュリティのある部屋や防犯優良住宅に認定された部屋をリクエストして物件探しをしてみるのは大事な対策です。例えばダイワハウスの賃貸物件「D-room」には、ホームセキュリティシステムを搭載した「防犯配慮型賃貸住宅」が用意されています。

↑センサーが異常を感知、あるいは非常ボタンを押すことでシステムが作動、ALSOKやSECOMといった契約する警備会社から警備員が駆けつけるので、外出時も在宅時も安心です

 

犯罪は、自宅にいるときでさえ、誰でも巻き込まれる可能性があります。常に防犯意識を持つことを心がけましょう。

 

【プロフィール】


防犯アナリスト / 桜井礼子

日本初の女性防犯アナリスト。一般社団法人日本防犯学校講師。防犯界の第一人者で予知防犯提唱者「梅さん」こと梅本正行氏に12年間師事し、事件現場の検証と取材に携わる。女性・母親・高齢者の親を持つ立場で、弱者を犯罪被害から守る予知防犯を提唱する活動を展開している。

 

取材・文=吉川愛歩 構成=Neem Tree

 

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これはマジで安心だ! 貴重品を隠す機能に特化した防犯グッズ4選

一人暮らしをしていると、家に誰もいない時間がどうしてもできてしまいます。「泥棒に入られてないかな…」と不安な人は最新の防犯グッズを。今回は、貴重品を隠す機能に特化した便利なアイテムを4品紹介します。コンセント型隠し金庫や仮装通貨を守る最新グッズなど、珍しい防犯グッズが登場します!

出典画像:プレスリリースより

 

洋服の中に隠してカモフラージュする金庫

出典画像:「くらふ」和気産業企画部ブログより

和気産業
ハンガー式隠し金庫 シークレットボックス VSB-001

和気産業の「シークレットボックス」は、ハンガーのように引っかけて使用する隠し金庫です。セールスポイントは、クローゼット内の洋服に同商品を隠せばカモフラージュできるところ。洋服が不自然に盛り上がったりしないため、ぱっと見ても違和感がありません。侵入者から発見されにくい画期的な防犯グッズをお見逃しなく。

 

<注目ポイント>
・洋服の中に忍ばせる「ハンガー式隠し金庫」
・通帳やカード類などの保管にぴったり
・取りつける際にネジやクギが不要

横140mm×縦180mmと小さめの設計で、通帳やパスポートなどの保管にぴったり。金庫を取りつける際、壁に穴を開ける必要がないので賃貸の部屋でも安心して使用できます。新生活で一人暮らしを始めた人は、万が一のトラブルに備えて“ハンガー式隠し金庫”を利用しましょう。

 

持ち運びがラクラクなポータブル金庫

出典画像:プレスリリースより

AquaVault
ポータブル金庫 FlexSafe(フレックスセーフ)

アメリカ企業の「AquaVault」が開発した「FlexSafe」は、持ち運びできるポータブル金庫。本体にはベルトに通して使う「ベルトループ」が備わっているので、同商品を腰に装着しながら外出もできます。ポーチのようなビジュアルですが、刃物に強い「防刃素材」や「ダイヤル式 ロック機能」が施されているためセキュリティ対策はバッチリ。外出した時の貴重品管理などに活用してくださいね。

 

<注目ポイント>
・持ち運びがラクチンのポータブル金庫
・刃物で切られてもダメージを受けない「防刃素材」
・外出した時の防犯対策にぴったり

室内に設置する場合は、クローゼット内のハンガーパイプに引っかけるだけでOK。また仕事場のロッカーでも活用できて、実際に同商品を利用した人からは「職場で財布を持ち歩かなくていいから便利」という声が寄せられています。ロッカーに貴重品を預けるのが不安だという人は、使ってみてはいかがでしょう?

 

仮想通貨を守る最新防犯グッズ

Ledger

Ledger Nano S

話題の仮想通貨ですが、不正アクセスによる流出が発覚して以来セキュリティ対策の不備が問題視されています。そこで登場したのが、仮想通貨を安全に保管できる「Ledger Nano S」。仮想通貨の送金に必要な暗号キー「リカバリーフレーズ」をネット環境の外で保管できるので、ハッキングされる心配がありません。

 

<注目ポイント>
・不正アクセスを防ぐ“ハードウェアウォレット”
・暗号キーをネット環境外で保管
・ビットコインやイーサリアムなどに対応

「Ledger Nano S」は、ビットコインやイーサリアムなどに対応。パスワードの「PINコード」を設定すれば、セキュリティがより強固になって外部からの不正アクセスを防いでくれます。第三者に暗号化キーが漏れてしまう可能性を徹底的に排除しているので、仮想通貨を保持している人は持っておいた方がいいかも。

 

アメリカで大人気のコンセント型隠し金庫

出典画像:「オンスクエア」公式サイトより

OnSUPPLY
隠し金庫 壁コンセント型 シークレットセーフ Hidden Wall Safe

アメリカで大人気の「シークレットセーフ Hidden Wall Safe」は、まるで本物のコンセントのような見た目の隠し金庫です。収納スペースは、小物や紙幣などが入るコンパクトなサイズ。さりげなくリビングなどの壁に埋め込めば全く違和感がないので、誰にも気づかれないはず。

 

<注目ポイント>
・リアルな見た目の「壁コンセント型」
・わかりやすい「日本語取扱説明書」付き
・鍵つきで万全セキュリティ

アメリカの製品ですが、わかりやすい「日本語取扱説明書」が同封されているので安心して使用できます。コンセントタイプ以外にも、本やマグカップ、スプレーなどの種類豊富な防犯グッズを用意。オシャレな見た目なので、部屋に飾っておけばインテリアとしても使えますよ。

手荷物に乗せるだけで置き引き対策に! 手のひらサイズの荷物番「TRENE(トレネ)」に大注目!

デジタルメモ「ポメラ」などでお馴染みのキングジムが、荷物を見守ってくれるデジタルツール「TRENE(トレネ)」を開発。10月11日より、同商品の“市場受容性の確認”などを目的に「Makuake」でクラウドファンディングを開始したのだが、目的金額を大きく上回る支援が集まっている。

出典画像:「一人での外出をもっと快適に!荷物を見守る小さなパートナー『TRENE(トレネ)』」Makuakeより。出典画像:「一人での外出をもっと快適に!荷物を見守る小さなパートナー『TRENE(トレネ)』」Makuakeより(以下:同)

 

簡単便利なモニタリングアラーム

「TRENE」は手のひらサイズのモニタリングアラームで、離席した際の手荷物などを管理してくれるアイテム。使い方は簡単で、ノートパソコンなどの荷物の上に乗せるだけ。スマートフォンとBluetoothで連携し、持ち主が一定以上離れた状態で荷物が動かされると、光とアラーム音を発する。

 

そして、持ち主が席に戻ってくると、自動的に“警戒状態”を解除。ユーザーの着席時に誤作動でアラームが鳴る事はなく、使用の際にいちいち再起動させたりといった煩わしい操作も必要ない。

 

 

また、アラームの強弱は「大」「中」「小」の三段階で調節可能。「カフェ」「ワーキングスペース」「セミナー」などの様々なシーンで活用できる。“置き引き”などの抑止力として使える便利なアイテムに、SNSなどでは「ちょうど良い防犯グッズが出たな… これは欲しい」「1人でノーパソもって出かけること多いから重宝しそう」「使用方法が簡単そうでいいな」「ネーミングが面白い! これを置かれたら“盗れねー”から“トレネ”なのかな?」との声が相次いだ。

 

「ポメラ」「テプラ」を生み出したキングジムの新たな挑戦

これまでは“電子文具”のメーカーというイメージが強かったキングジムが、なぜこのような防犯グッズを開発したのだろうか。「Makuake」の「TRENE」特設サイトによると、きっかけは商品開発部・渡部純平さんの実体験にあるようだ。

 

ある日、カフェで仕事をしていた彼の元に取引先から電話が。急なことだったので、荷物をまとめる暇もなく店外に飛び出し電話に出たのだが、1人でカフェを訪れていた彼は席に置きっぱなしの荷物が気になって仕方がなかったとのこと。そこで渡部は、このようなストレスを解消して仕事のパフォーマンスを上げるために「TRENE」の開発を企画した。

 

日常の“ちょっとした不安”をきっかけに作られた画期的な商品に、世のビジネスマンは大注目。目標金額は50万円に設定されていたのだが、残り85日を残した10月16日現在で既に250万を超える支援が寄せられている。色々な場面で頼りになりそうな、小さな荷物番「TRENE」。「ポメラ」や「テプラ」といった同社の先輩主力商品に負けず劣らずの人気を博すかも?