え、これがシェーバー? ドーナツ型のコンパクトな「マイクロタッチシェーバー〈EGO-501〉」

ロイヤルは新ブランド「EGONIA」から、マイクロタッチシェーバー〈EGO-501〉を12月6日に発売しました。一見、シェーバーに見えないスタイリッシュなデザインが特徴です。

 

記事のポイント

持ち運びに便利な大きさで約122gと、男女問わず使いやすいアイテムです。 USB充電式(Type-C)で、 約1時間でフル充電になるとのこと。日常使いはもちろん、出先での大事なイベント前にサッと身だしなみを整えたい時にも活躍してくれそうです。

 

ドーナツ型のデザインになっている中央部にタッチセンサーが付いており、そこに触れると可動します。コンパクトながらも、9000RPMと十分なパワーのモーターを使用しているので、スムーズにケアできます。

 

3D デュアルヘッドと二重リングブレードが、顔の曲面にもピッタリと密着します。刃の部分を上に引っ張って取り外し、サッと水洗いできるので、お手入れも簡単です(IPX4)。

 

専用ケースも付属しているので、セカンドシェーバーとして通勤時のカバンの中や、出張や旅行時などに気軽に持ち運べます。大事な商談やデート前に、身だしなみを整えるのに役立ちますね。

 

EGONIA
マイクロタッチシェーバー〈EGO-501〉
希望小売価格:9900円(税込)
カラー   : M.BEIGE/M.BLACK/SLIVER

新ラムダッシュPRO 6枚刃の「深剃りと肌へのやさしさの両立」はなぜ実現できた? シェーバーへの「深すぎるこだわり」を開発者に聞く!

提供:パナソニック株式会社

2024年9月1日、パナソニックの電動シェーバー「ラムダッシュPRO 6枚刃 ES-L690U」が発売されました。「ラムダッシュAI ナビ」という新機能を搭載し、大幅な進歩があったとのことですが、いったいどれほどのものなのか……? 実際に使って試してみました!

↑「ラムダッシュPRO 6枚刃 ES-L690U」。サイズ/質量はW7.2×H18.1×D5.8cm/約230g(いずれもキャップを除く)。全自動洗浄充電器とセミハードケースが付属します

 

剃り味の良さとデザインに感動!

使ってみると、剃り味がすごくいい。気持ちよく剃れて肌はツルツルになるのに、ヒリヒリしないんです。ヘッドが快適に曲がるので、取り回しも軽快そのもの。

新機能「ラムダッシュAI ナビ(※1)」も楽しいですね。ラムダッシュAI ナビは、「ラムダッシュAI+(※2)」と「ナビLED」「ナビモニター」で構成される機能。自動でヒゲの状態を検知し、ヒゲが濃いところではナビLEDがオレンジ色に光って「BOOSTモード」でパワフルに剃るのを実感できます。ヒゲが薄くなっているところは白色に点灯し、「SOFTモード」でやさしく駆動。

※1:ヒゲの濃さや、シェーバーヘッド内部のヒゲクズによって、センサーが反応(駆動音や光の色の変化)しない場合がありますが、異常ではありません

※2:ヒゲの濃さや、シェーバーヘッド内部のヒゲクズによって、センサーが反応(駆動音の変化)しない場合がありますが、異常ではありません

 

光の色で表示してくれるので「しっかりコントロールしてくれているな」という安心感があります。シェービング後は、ナビモニターでBOOSTモードとSOFTモードの割合を確認できるのも面白いですね。

↑ヒゲの濃い部分を剃る場合は「BOOSTモード」となり、ナビLEDがオレンジに点灯(左)。ヒゲの薄い部分を剃る場合やヒゲがカット済の場合は「SOFTモード」となり、白色に点灯します(右)

 

↑こちらがナビモニター。BOOSTモードとSOFTモードの割合が表示されます

 

デザインにも驚きました。すべてが上質で、チープなところがどこにもない。なんだろう、この見たことのない表面の質感……。絶妙なシボ(凹凸)と独特の色味が印象的で、ヘアライン加工の金属パーツと相まって威厳すら感じます。さすがはラムダッシュPRO6枚刃の最上位モデル、なんとも男心をくすぐるデザインですね。

↑全自動洗浄充電器にスッキリと収納できます

 

 

「ラムダッシュAI ナビ」はなぜ開発に至った? 開発担当者に聞いてみよう!

しかし、今回の新「ラムダッシュPRO 6枚刃」はなぜこのような気持ちのいい剃り心地が実現できたのでしょう。また、独創的な新機能「ラムダッシュAI ナビ」はなぜ開発に至ったのか? そして、信じられないくらいカッコいいデザインの秘密も知りたい……。だったらもう、開発した当事者にお話を聞くのが一番でしょう! というわけで、新「ラムダッシュPRO」の商品企画を担当した池田建太さんにお話をうかがいました。

↑今回お話を聞いたパナソニック株式会社くらしアプライアンス社 ビューティ・パーソナルケア事業部の池田建太さん

 

――今回はよろしくお願いします! まずは、新製品の大きな特徴であるラムダッシュAI ナビの開発の経緯について教えてください。

 

池田 このラムダッシュPROの6枚刃は当社シェーバーの最高級ライン。こういう高級シェーバーを使われるお客様が求めるのは、「深剃り」と「肌へのやさしさ」の両立。それを実現するのが、ヒゲの濃さを検知して最適なパワーを自動制御する「ラムダッシュAI+」です。ラムダッシュAI+はヒゲの多い部分はしっかりパワーを上げて深剃りし、ヒゲが少ない部分は肌を傷めないようパワーを抑えるわけです。

 

いままでのラムダッシュにも「ラムダッシュAI+」は搭載していましたが、実感するのは難しかった。だから、これを可視化できれば6枚刃の本来持っている高いポテンシャルをより多くのお客様に知ってもらえる。「深剃り」と「肌へのやさしさ」の両立を実感してもらえると考えたんです。この「可視化」を実現するために搭載したのが「ラムダッシュAI ナビ」ですね。

――可視化することで、やめどきの目安がわかるのもいいですよね。

 

池田 そうですね。ヒゲの濃さにもよりますが、まだたくさんヒゲが残っているのか、仕上がりに近いところまで来ているのか……光の色で確認が可能なので、お客様の判断に役立つと思います。ただ、やはり一番のポイントは「最後までシェーバーが最適なパワーを選択しているので安心ですよ。お任せください!」ということです。

 

開発で特に苦労したのは「ナビLED」

――ちなみに、このラムダッシュAI ナビは従来になかった新しい機能ですが、開発に苦労した点はどこですか?

 

池田 この光のラインの部分、ナビLEDは特に苦労した部分です。グリップの中央あたりにある基盤の上にLEDチップが載っているんですが、その光をここまで導く設計が難しくて。基板やチップは防水しながら、光だけは外側に引っ張ってくるという最適形状の検討が難しいんです。あとは、光の形状や色味、光らせ方、光の広がり方にもこだわりました。たとえば、バチッと光らせるんじゃなくて、ラインの真ん中からじわっと光が広がるような表現を目指しました。

↑特に苦労したというナビLEDを指さす池田さん

 

――たしかに、光がやさしいというか、高級感がありますね。

 

池田 一方で、濃いヒゲを剃ってBOOSTモードに入るとオレンジに力強く光らせるようにしました。この黒いボディだとインパクトが出ますからね。こうした点を踏まえ、結果的に材料の選定と形状の検討を含めて20種類以上の試作を行いました。検証とシミュレーションを繰り返し、何十回も解析を行っていまの形にたどり着いています。

 

3つの機能と極薄深剃り刃が「格別な剃り心地」に貢献

――続いて、剃り心地も格別だと感じたのですが、なぜ格別なのか、技術的な根拠とともに教えてください!

 

池田 ポイントは3つ。1つ目は、2枚のアゴ下トリマー刃と4枚の新・極薄深剃り刃が連携する6枚刃システム。さまざまな長さのヒゲを、それぞれが連携してしっかり剃り切ることができます。

↑新ラムダッシュPROの6枚刃システム。金色のアゴ下トリマー刃2枚と銀色の新・極薄深剃り刃4枚が連携してさまざまなヒゲにアプローチ。肌にやさしい深剃りを実現します

 

池田 そして、2つ目が高速リニアモーター。外刃で肌を押し下げて、露出したヒゲの根元を内刃でカットするわけですが、シェーバーはこのカットするタイミングがとても大事。モーターが速いほうが、より根元に近いところをベストのタイミングでカットできるわけです。3つ目はヘッドが360°全方位に傾く「密着5Dヘッド」。顔の形状に合わせてヘッドが動くため、肌にぴったり密着するんです。密着5Dヘッドと6枚刃システム、高速リニアモーター。剃り心地については、この3点が大きいですね

↑新ラムダッシュPROはシリーズ史上最速(※)の約1万4000ストローク/分を実現した高速リニアモーターを搭載。6枚刃×約1万4000ストローク/分=約8万4000カットアクション/分の高速駆動を実現しました ※:パナソニック シェーバー ラムダッシュにおいて。2024年7月30日時点

 

――極薄深剃り刃も進化したとのことですが、こちらはどう変わったんですか?

 

池田 極薄深剃り刃には小さい刃穴がたくさん空いていて、いかにここへヒゲを効率的に取り込むかが大事。そこで、斜めに生えている条件の悪いヒゲでも取り込めるよう改良しました。斜めに生えたヒゲは横幅が大きくなるため、刃穴に入りづらくなります。その点、新しい極薄深剃り刃では刃穴の配列を傾けたため、最初の穴に通らなくても、次の穴がずれて構えているので、以降の刃穴に入るしくみ。あえて斜めにすることで、いずれかの刃穴で取り込める確率を高めたわけです。

↑従来の深剃り刃(左)に対して、「新・極薄 深剃り刃」(右)は配列を変えて刃穴のカバー範囲を拡大。1枚あたりのカット効率を向上しました

 

 

感性に訴えかけるデザインへの深いこだわり

――デザインについて聞かせてください。単純に「超カッコいい!」と感動したんですが、かなりこだわったのではないですか?

 

池田 ありがとうございます。やはり、いままでのシェーバー以上に、男性の感性に訴えかける部分を磨き上げないと。本当にいいモノを選びたい方にはすぐ見透かされてしまうので、そこはすごくこだわりました。たとえば、ナビモニターの表示内容。ディスプレイは必要な情報をシンプルに直感的に伝えるのが重要。そのうえで、最上位モデルにふさわしい色使いや動き、フォントのイメージなどを絞り込んでいます。UI(ユーザーインターフェイス)専門の社内デザイナーやソフトの担当者と何度もすり合わせをして決めていきました。

 

たとえば、手に取ったときロゴの起動アニメーションが出るんですが、長すぎず、パッと見て印象に残る表示時間を追求して、ロゴが止まる時間を0.1秒単位で調整しました。あとは、このディスプレイって、シェーバー自体が曲面になっているので、ディスプレイのカバーも曲面がついているんです。ですから、実は画像がちょっとだけ歪む。だから、画像を最初から逆方向にゆがませて、映った時に真っ直ぐに見えるように元の画像を調整しているんです。あとは、中の部品や液晶の端が見えないよう、カバーの暗さや内側の液晶の輝度の限界を試しながら開発しています。

↑起動時にディスプレイに映るロゴ

 

塗装では「男の道具感」を表現したかった

池田 デザインでいえば、先進テクノロジーを訴求しながらも、「クラフトブラック」という世界観を持たせて、工芸品のように1個1個を丁寧に作り込んだイメージを大事にしました。通常の商品だと、品番の後ろにK(黒)などの色品番がつくだけのパターンが多いんですが、この商品ではそのまま「クラフトブラック」というカラー名を採用しています。

 

具体的には、従来モデルより色を漆黒の方に振ったうえで、塗装では不揃いの粒を吹き付ける「プロット塗装」という手法を使いました。よく見ると粒の分布が均一ではなく、不規則なのがわかりますか? 黒の下地を塗ってから、クリアの塗料を塗り重ねて質感を作っていくんですけど、塗装条件が難しくて、距離を離しすぎると均一になるし、近すぎてもダメ。そこは何度もやり直しました。サンプルが上がってきても、3~4回は却下したと思いますね。一眼レフカメラのような「男の道具感」というか、最高のグレードにふさわしい重厚感を出したかったので、安易に決められなかったんです。

↑本体表面の微妙なシボ(凹凸)は、よく見ると大きさが不規則になっていて、それが唯一無二の味わいを生んでいます

 

――塗装ひとつ取っても、技術を尽くして完成させたんですね。

 

池田 はい。でもデザインに関してはそれだけじゃないんです。中央のボタンは周囲と一体感を持たせるよう工夫しましたし、肩部分には本物の金属素材を使って、一番これに合う色を選んで染色。ヘアラインの質感も最適化して他のグレードとの差をつけています。あと、グリップ裏の滑り止め形状も従来モデルより溝を細かくしました。とはいえ、あまり溝が目立つと野暮ったいので、グラデーションのように前に回ってくるにつれて目立たない仕様にしています。

 

新「ラムダッシュPRO」で驚きやワクワク感を感じてもらいたい!

――では、最後にシェーバーを検討している方にメッセージをお願いします!

 

池田 もちろん、ヒゲの濃い方、肌が弱くて困っている方のお役に立ちたいという思いはありますが、それだけではなくて、「シェーバー選ぶのってあんまり面白くないな」と思っている方や、なんとなく同じブランドをずっと買い続けている方に手に取ってもらいたいです。ラムダッシュAI ナビによって、いままでと違う刺激を得られるようにしているので、シェービングをただの“作業”と捉えていた方にこそ見ていただきたい。お店で実物を見ていただいて、こだわった部分に共感いただけたら。驚きやワクワク感を感じていただき、「カッコいいな!」と思ってもらえたら一番うれしいですね。

と、ここまで見て頂いた通り、開発担当者にお話を聞いてみたら、こだわりが出るわ出るわ……。これはもう、量産品のレベルを超えている。まさに「クラフトブラック」の名にふさわしい、「工芸品」だと感じました。深剃りと肌へのやさしさを両立したい方はもちろん、シンプルに「カッコいいモデル」が欲しい方、ぜひ「ラムダッシュPRO 6枚刃 ES-L690U」を手に取ってみてください!

撮影/湯浅立志(Y2) 取材・文/小林史於(GetNavi web編集部)

ユーザーの不満を軽減。切れ味5年の電気シェーバー「everedge IZUMI PREMIUM」

マクセルイズミは、切れ味が5年間持続し、刃と本体の5年保証がついた6枚刃シェーバー「everedge IZUMI PREMIUM」シリーズ2機種を10月25日に発売します。

 

everedge IZUMI PREMIUMは、電気シェーバーユーザーが抱える、剃り味が落ちて替刃の買い替えが必要になってしまう不満を軽減する製品。両立が困難だった切れ味と耐久性を実現した、長寿命な「サステナブルな刃」を「サステバ」と名付けています。5年間変わらないとうたう切れ味を実現した外刃・内刃と本体に加え、5年保証がつきます。

 

刃の材質はオーステナイト系ステンレス鋼を外刃、内刃に採用。頑強な材料を曲げ、肌に効率よく密着させる広角90度のカット角を実現させるとともに、切れ味と摩耗の耐久試験を繰り返し、5年間の耐久性を持たせました。

 

また、毎秒62.5回ヒゲの濃さを検知し、瞬時にヒゲの濃さに応じたカットスピードに制御する「シェービングAI」を搭載しています。これにより、ヒゲが多く濃い場所でもカットスピードが落ちず、安定した切れ味が持続するとのこと。

 

ヘッドには、ヘッド部と6枚の刃が可動し、肌に吸いつくようにピタッと肌に密着する「6枚密着ピタヘッド」搭載。ヘッド部が前後20度、左右13度、刃が独立で上下3mm稼働します。ヘッド部の前後左右の動きに加え、外刃と内刃の一体構造の複数サスペンションにより、刃が上下に浮き沈みし、肌にやわらかく、ピタッと密着するそうです。

 

バッテリーはリチウムイオン電池を搭載し、約1か月間充電不要とのこと。また、充電切れでもスイッチをもう1度押すと約3分のシェービングが可能。加えて、電池残量を1%ごとにLEDで表示します。なお、本体にはUSB Type-Cを搭載しており、Type-C経由での充電も可能。充電時間は約2時間となっています。

 

本体サイズは約幅63×奥行き49×高さ172mm、重さは約250g。カラバリはブラックニッケルとシルバーの2色展開です。

在宅勤務で伸び放題のヒゲも大丈夫! 肌に密着するマルチフィットヘッド搭載の「イズミVシリーズ」で一気剃り

↑左から「イズミ Vシリーズシェーバー」IZF-V991-N(6枚刃、洗浄器付き)、IZF-V951-H(6枚刃)、IZF-V931-S(4枚刃)、 IZF-V571-R(5枚刃)、IZF-V571-S(5枚刃)、IZF-V551-A(4枚刃)、IZF-V551-H(4枚刃)、IZF-V531-K(3枚刃)

 

マクセルは、イズミ Vシリーズシェーバー全8機種を10月22日より発売します。2020年8月に業界で初めて市場投入した6枚刃シェーバーと比べ、「早剃り」「肌への追従性」が向上しました。

 

6枚刃のイズミVシリーズ「ハイエンドシリーズ」の実売予想価格は、洗浄器付きのIZF-V991-Nが3万5800円(税込・以下同)、本体のみのIZF-V951-Hで2万5800円。3枚・4枚・5枚と刃数を選べる「ソリッドシリーズ」は、3枚刃モデルのIZF-V531-Kが4380円、4枚刃モデルのIZF-V931-Sが1万4080円、IZF-V551-A・IZF-V551-H6580円、5枚刃モデルのIZF-V571-R・IZF-V571-Sが9880円となっています。

 

生活様式の変化がヒゲ剃りの頻度に直結

同社の調査の結果、週に1回以上在宅勤務をしている男性の約60%が、新しい生活様式に変わる前と比べてヒゲ剃りの頻度が減っているとのこと。また、回数についても1週間に1回~3回と頻度が少ない人の割合が約30%から約40%へと増加しており、生活様式が変わる前と比べて2mm~3mmほど長く伸びたヒゲを剃っていることもわかったそうです。

 

そんな長く伸びたヒゲの「一気剃り」ニーズにこたえ、今回発売される「ハイエンドシリーズ」の6枚刃シェーバーには、3種の刃からなる6枚刃と、刃が上下に動きヘッドも前後左右に動くマルチフィットヘッドを搭載。これにより、肌の凹凸への密着度を高めて、「一気剃り」と剃り残し防止を実現するとのこと。2020年に発表した6枚刃シェーバー同様、5枚刃シェーバーと比較して、剃り効率が130%と、Vシリーズで最高峰の剃り効率で早剃りを実現したといいます。このほか、「ハイエンドシリーズ」は3間替刃交換不要、4週間続く電池持ちなど、従来モデルからの特徴も踏襲。従来モデルに比べコンパクになった洗浄器付きのモデルもラインアップしています。

 

↑ハイエンドシリーズに搭載されている、肌の凹凸に密着するマルチフィットヘッド

 

幅広い層に受け入れられているスタンダードモデルの「ソリッドシリーズ」は、シャープな印象のソリッドカラーに刷新。同シリーズは、持ちやすく手になじむスリムなデザインが特徴です。

コストをかけずに「清潔感」を出す!! 「格安身だしなみ家電」の実力をプロがチェック

価格が安い、安すぎてちょっと心配になってしまうくらいの格安アイテムを、プロ・専門家が徹底的にチェック!今回のテーマは、ヘアードライヤーや電動歯ブラシ、衣類スチーマーなどの「身だしなみ家電」です。 独自機能やおすすめポイントなど、良いところも悪いところも含めて惜しみなくレビューをお伝えしていきます。

 

【○×判定した人】

家電ライター・平島憲一郎さん

調理家電から掃除機、美容・健康家電まで、生活家電記事全般を担当。検証企画も多数手掛けています。

 

その1

カセット式タンク採用で給水の煩わしさが激減したスチーマー

アイリスオーヤマ

衣類スチーマー KIRS-01

実売価格5518

ハンガーにかけたまま服のシワが伸ばせるスチーマー。水タンクが着脱式で給排水が簡単です。スチームは連続約5分半使えるほか、本体底面のかけ面でアイロンがけもでき、頑固なシワもしっかり伸ばせます。

SPEC●消費電力:950W ●注水量:約60mℓ ●立ち上がり時間:35秒 ●連続スチーム時間:約5分30秒 ●アイロンかけ面温度:中温(約160℃) ●コード長:約2.5m ●サイズ/質量:W70×H130×D165㎜/約790g

 

【Check!】

機能性:○

かけ面付きで簡易アイロン可

「『かけ面』があり、付属のミトンを使ってハンガーにかけたままプレスすることも可能。ただ、面積は小さくあくまで簡易的です」(平島さん)

 

給・排水:○

カセット式で給・排水が簡単

「給水タンクが取り外せ、水道からの給水が簡単。使用後もタンクだけ外して残った水を捨てられ、タンク内を清潔に保てます」(平島さん)

 

操作性:×

ボタンを押したまま長時間使うと疲れる

「親指でボタンを押し続ける方式なので、長時間のスチームはやや疲れます。本体が少し重いのも、長く使うと負担になるかも」(平島さん)

 

総評

「タンクが着脱式なのは、給水が簡単なうえ本体に水もかからず、実はポイントが高い。スチームが均一に出るなど、基本性能もしっかりしています」(平島さん)

 

 

その2

4枚刃やコーム付きトリマー刃など価格帯以上のハイスペック機

IZUMI

A-DRIVE IZF-V757

実売価格4690

広い接触面で肌にやさしくシェービングできる4枚刃モデル。トリマー刃に高さ3段調節可能なコームを搭載し、ヒゲを好みの長さに調整できます。米国国防総省の調達基準「MIL-SPEC」準拠で風呂剃り可。

SPEC●刃枚数:4枚刃 ●内刃駆動方式:往復式 ●電源:充電・交流式 ●充電時間:約2時間 ●使用可能時間:約28日(1日1回3分使用) ●耐久性:MIL-SPEC準拠 高防水設計 ●サイズ/質量:W61×H156×D45㎜/約184g

↑MIL-SPEC準拠で水深1.5mに30分浸けてもOK。耐振動・耐衝撃性もあり、過酷な使用に耐えます。タフなデザインも◎

 

【Check!】

剃り味:○

4枚刃で爽快に深剃り

「4枚刃により、広い接触面積で肌への圧力を分散。ややヒリつきは残りましたが、肌に押し付けることなく深剃りができました」(平島さん)

 

機能性:○

コーム付きトリマー刃を搭載

「トリマー刃のグルーミングコームは高さを2/4/6㎜に3段調節。操作性は専用機に劣りますが、ヒゲやモミアゲを手入れできます」(平島さん)

 

使いやすさ:×

トリマーのコームが鼻に当たる

「鼻の下を剃る際に、トリマー刃のコーム部分が鼻に当たる。本体の表裏を返せば剃れますが、いちいち持ち変えるのはやや面倒」(平島さん)

 

総評

「この価格で4枚刃の快適なシェービングを体感できるのは魅力。肌が特別に弱い人でなければ、十分オススメできる深剃り性能です」(平島さん)

 

 

その3

パワフルな風と速乾ノズルでスピーディにヘアドライ!

パナソニック

ヘアードライヤー イオニティ EH-NE59

実売価格3230

1.9㎥/分の大風量で、髪を素早く乾かす軽量ドライヤー。「速乾ノズル」が生み出す強風と弱風が濡れた毛束をほぐし、髪を効率よくドライします。マイナスイオンが髪の表面をコートし、艶やかな仕上がりに。

SPEC●消費電力:1200W(ターボ時) ●温風温度:約85℃(ターボ時)/約105℃(ドライ時) ●風量:1.9㎥/分 ●コード長:約1.7m ●サイズ/質量:W208×H215×D89㎜/約475g

↑「速乾ノズル」はノズル中央から縦型の強風、外側から弱風を放出。これにより髪の内部まで風が届き、髪を短時間で乾かせます

 

【Check!】

風量:○

パワフルな風と軽量設計で快適に乾かせる

「1.9㎥/分のパワフルな風でスピーディに髪を乾かせます。約475gと軽く、機能もシンプルなので片手で操作できて快適です」(平島さん)

 

トレンド機能:○

マイナスイオン機能を装備

「マイナスイオン機能で髪のツヤがアップ。温風とマイナスイオンの吹出口を分け、マイナスイオンが含む水分を熱から守ります」(平島さん)

 

温度切替え:△

温度がもの足りないかも

「ターボモードにし続けると、やや温度が低くなる印象。一定の高温を保って乾かしたい場合は、ドライモードがオススメです」(平島さん)

 

総評

「マイナスイオンなどのトレンドも押さえてこの価格なので、人気なのも納得です。消耗品と捉えるなら高級モデルよりコレ、という選択もあり」(平島さん)

 

 

その4

わずか2分で手磨きの約2倍歯垢除去する電動歯ブラシの入門機

ブラウン

オーラルB すみずみクリーン やわらか

実売価格2980

丸型ブラシが特徴の電動歯ブラシ「ブラウン オーラルB」の入門モデル。毎分約7600回の左右反転運動により、2分間で手磨きの約2倍の歯垢除去力を実現します。付属の「やわらか極細毛ブラシ」は、0.01㎜の毛先で歯茎にもやさしいです。

SPEC●駆動方式:回転式(左右反転式) ●回転数:約7600回/分 ●電源方式:充電式●充電時間:約16時間 ●使用可能時間:約5日(1日2回、各2分間使用した場合) ●サイズ/質量:W31×H220×D31㎜/115g

↑極細毛と通常ブラシの毛を組み合わせた「やわらか極細毛ブラシ」。「マルチアクションブラシ」など、ほかのブラシも本機に装着して使えます

 

【Check!】

操作性:○

丸型ブラシで効率よく歯垢除去

「歯科クリーニング器具に発想を得た独自の丸型ブラシを採用。毛先を歯の表面に軽く当てるだけで、効率よく歯垢が取れます」(平島さん)

 

歯垢除去力:○

歯と歯のあいだもアプローチ

「毎分約7600回の高速反転運動で、奥歯や歯茎のキワの汚れも逃さず除去。ブラシを押し付けず、やさしく歯に当てるように磨くのがコツ」(平島さん)

 

メンテナンス性:×

充電器に水が溜まりやすい

「充電器に溝があり、洗面所に置くと水が溜まりやすく、水汚れが心配。水まわりで充電するときは、こまめに水分を拭く必要あり」(平島さん)

 

総評

「オーラルBシリーズはブラシ回転数などスペックの差はあれ、基本技術はほぼ同じ。これを使って気に入ったら、より上位のモデルを使うのもオススメ」(平島さん)

 

 

監修/戸井田園子

コレ、読まずに選んでホントにいいの? 電気シェーバー「ビッグ3」の違いがわかる「6項目徹底比較」を総まとめ

本稿は、電気シェーバーの主要3メーカー(ブラウン、パナソニック、フィリップス)の高級モデルを比較する連載(全3回)の最終回。第1回では、「シェービングの速さ」「深剃り」「肌への負担」を検証し、第2回では「操作性」「メンテナンス性」「付加機能」を比較検証してきました。今回はそれらの検証結果を踏まえ、各モデルがどんなユーザーにピッタリなのかを考えていきたいと思います。

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【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

人工知能と多彩なカットシステムであらゆるヒゲを逃さず剃る!

20171227-s4

ブラウン

シリーズ9 9295cc

実売価格3万3700円

人工知能がヒゲの濃さを読み取り、自動でパワーを調整するモデル。5種類の独自のカットシステムが寝たヒゲやくせヒゲなど様々なタイプのヒゲを捕らえて剃り切ります。毎分1万回の音波振動でヒゲを外刃に取り込みやすくし、肌にやさしい深剃りが可能。お風呂剃りに対応し、使用後は水道で丸洗いもできます。

SPEC●刃の枚数:4枚刃●駆動方式:往復式●充電時間:60分●連続稼働時間:約50分●サイズ/質量(本体):約W66×H168×D44mm/約210g

 

エントリーその2

肌への密着度が増し、肌にやさしい深剃りができる5枚刃モデル

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パナソニック

ラムダッシュ ES-LV9CX

実売価格4万5772円

肌への密着度が増したヘッドで剃り残しを防ぐ5枚刃モデル。従来型ヘッドの前後・左右・上下の動きに、ツイストと前後スライドの動きを加え、アゴ下の密着度が約10%アップしました。くし状の突起でヒゲの下に潜り込みやすいスリット刃も進化し、長い寝たヒゲの除去率が従来比約200%に向上。また、グリップを持つと自動でロック解除し、手を離すと約60秒後に自動でロックされる機能を搭載し、誤作動を防止します。

SPEC●刃の枚数:5枚刃●駆動方式:往復式(リニアモーター駆動)●充電時間:60分●連続稼働時間:約42分(1日1回約3分間の使用で約14日間使用可)●サイズ/質量(本体):W72×H167×D59mm/約215g

 

エントリーその3

肌にやさしい深剃りにこだわり、他機種の約5分の1の力でシェービング

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フィリップス

Shaver series 9000 ウェット&ドライ電気シェーバー

S9731/33

実売価格4万5155円

一般的な電気シェーバーの最上位機種と比べ、約5分の1の力で肌にやさしい深剃りができる機種。8方向に動く輪郭検知ヘッドで顔や首のあらゆる凹凸に密着し、滑らかな深剃りを実現します。外刃のスリット形状と内刃の形状をV字型にした「ダブルVトラック刃」を採用し、より少ないストロークで最大深剃り30%アップを実現。モーター駆動のスピードは好みに合わせて3段階から選べる。

SPEC●刃の枚数:3枚刃●駆動方式:回転式●充電時間:60分●連続稼働時間:約60分(1日1回約3分間の使用で約20日間使用可)●サイズ/質量(本体):W59×H164×D70mm/約169g

 

【検証のまとめ】

20171227-s2-16

電気シェーバーで誰もが第一にチェックする項目はシェービングの性能。前回までのテストではそれを「シェービングの速さ」「深剃り」「肌への負担」の3項目に分けて検証しました。今回はその結果をもとに、各モデルを選ぶべきユーザーのタイプを考えていきたいと思います。

 

また、切れ味維持に重要な役割を果たすシェーバーの「メンテナンス性」に関しては、どの機種も高い清浄能力を持っていた一方、ランニングコストや手洗いをする場合の快適性に差が出ました。そこでメンテナンスについても、各モデルとユーザーの相性を考えていきます。

 

さらに、毎日使い続けるうえで重要な要素である「操作性」と、利用シーンが広がる「付加機能」の種類も、改めて整理していきましょう。

 

<シェービング性能(シェービングの速さ/深剃り/肌への負担)>

「シェービング」に関しては、今回テストした3機種はどれもトップクラスの性能を誇っています。それを前提としたうえで、より厳密に各モデルとユーザーの相性を考えていきます。

 

とにかく深剃りしたいならパナソニック

まず肌に負担をかけずに高い深剃り性能を求めるなら、パナソニックがオススメ。同機は3種5枚の外刃であらゆるタイプのヒゲを捕らえられ、毎分1万4000ストロークの高速駆動で濃いヒゲもスパッと剃り切るうえ、「5Dアクティブサスペンション」であらゆる形状の肌にピタッと密着。肌への摩擦抵抗を抑えたシェーピングができます。

↑ヘッドは、前後・左右・上下の動きに加え、ひねりやスライドの動きも可能な「5Dアクティブサスペンション」を採用。ヘッドを指で動かしても本当にグネグネと可動します。このフレキシブルな動きで肌にピタッと密着↑ヘッドは、前後・左右・上下の動きに加え、ひねりやスライドの動きも可能な「5Dアクティブサスペンション」を採用。ヘッドを指で動かしても本当にグネグネと可動します。このフレキシブルな動きで肌にピタッと密着

 

実際のところ、他機種でシェービングしたあとに本機を使うと、「チリチリ」とヒゲが剃れる音がしました。本機の使用後に他機種を使った場合も、音がする箇所はありましたが、本機を後に使ったときの方が「チリチリ」と音がする頻度が高かったです。

↑頬などで、肌にほとんど押しつけていない状態でシェーバーを動かしても、しっかりとヒゲが剃れていました↑パナソニックは、頬などで、肌にほとんど押しつけていない状態でシェーバーを動かしても、しっかりとヒゲが剃れていました

 

また、同機はシェービングの速さも秀逸。3機種の中でも最もバランスの取れた機種だと言えます。ただし、お風呂剃りには非対応。その意味では、シェービングフォームなどは使わず、ヒゲ剃りをさっさと済ませたい人に最適です。

 

肌にやさしい速剃りを求めるならフィリップス

一方、深剃りはある程度のレベルでいいのでとにかく手早くシェービングを済ませたい人はフィリップスが最適。可動域が広い3つの丸型ヘッドが独立して動くことで、顔のあらゆる部分で肌の広い面積に接触。ヘッドを円を描くように動かしてシェービングすることで、外刃の「くの字」スリットにあらゆる角度からヒゲを導きカットします。

↑9000シリーズは外刃の形状にも工夫が。外刃は外側に「くの字」型のスリットが施され、このカーブに沿ってヒゲが内側に導かれ、しっかり捕らえてカットされます↑9000シリーズは外刃の形状にも工夫が。外刃は外側に「くの字」型のスリットが施され、このカーブに沿ってヒゲが内側に導かれ、しっかり捕らえてカットされます

 

また、敏感肌の人など、最も肌にやさしいシェーバーを探している人もフィリップスがオススメとなります。お風呂剃りやフォーム、ジェルを使ったシェービングにも対応し、「深剃り」以外はどれもトップクラスの性能を示しています。

20171227-s2 (15)↑フィリップスは、やや強めに押し付けても、頬全体に圧力が分散しているのがわかります

 

深剃り&お風呂剃りならブラウンがオススメ

深剃りでなおかつお風呂剃りやシェービングフォームを使ったヒゲ剃りを希望するならブラウンがオススメ。様々なヒゲに特化した5種類のカットシステムを搭載。毎分1万回の音波振動で普段皮膚の下に隠れたヒゲまで引き出してカットします。また、クッション性の高い4個の外刃がそれぞれ独立して可動し、顔の曲面に追随。また、本機は運転中の振動(運転音)は3機種中最も大きかったですが、振動によって網刃がよりヒゲを捕らえやすくなっている印象がありました。肌への負担はパナソニックと同レベルというイメージです。

↑2つの網刃の間に挟まれた部分が「人工知能デュアル連動刃」。2つの刃が連動して効率よくヒゲを剃ります↑2つの網刃の間に挟まれた部分が「人工知能デュアル連動刃」。2つの刃が連動して効率よくヒゲを剃ります

 

↑ヘッドのクッション性はやや強め。シェーバーを肌に押し付けると、ブラウンは圧力がよりピンポイントに掛かる印象です↑ヘッドのクッション性はやや強め。シェーバーを肌に押し付けると、ブラウンは圧力がよりピンポイントに掛かる印象です

 

<メンテナンス性>

メンテナンスの手間に関しては、洗浄充電器を使う場合は、各モデルともシェーバーをセットして洗浄ボタンを押せば終了。ほかに必要なのは定期的な洗浄液(カートリッジ)の交換だけです。洗浄機能についても3機種とも遜色ない性能を見せました。違いが出てくるのがランニングコストです。

↑各社の洗浄充電器。左から↑各社の洗浄充電器。左からブラウン、パナソニック、フィリップス

 

「週1でいい」なら洗浄コストが最も安いのはフィリップス

まず、最もコストが安く、かつ洗浄液カートリッジの交換も少なくて済むのはフィリップス。週に1度洗浄した場合のコストは年間3000円で、カートリッジの交換も3か月に1回で済みます。ただし、この数字はメーカーが推奨する「週に1度の使用」という前提があってのもの。これを他機種の洗浄充電器と同じ1日1回の使用で計算し直すと、年間ランニングコストが約7倍=約2万1000円となり、交換頻度が約13日に1回になります。メーカーも推奨しない毎日の洗浄は必要ないかもしれませんが、「週に1度」という洗浄頻度は、毎日清潔な状態でシェービングしたい人には物足りないかもしれません。

↑本体が後ろ向きになるようにセット。上部キャップを押し下げてシェーバーをロックすると充電モードに入ります。その後、洗浄充電器のON/OFFスイッチを押すと洗浄を開始します↑本体が後ろ向きになるようにセット。上部キャップを押し下げてシェーバーをロックすると充電モードに入ります。その後、洗浄充電器のON/OFFスイッチを押すと洗浄を開始します

 

コストを抑えて毎日洗浄したいならパナソニック

シェーバーを毎日洗浄したい人で、洗浄のランニングコストを安く抑えたいなら、パナソニック・ラムダッシュES-LV9CXがオススメです。年間ランニングコストは約3200円。同機はカートリッジ交換式でなく、専用カップに水道水と洗浄剤を混ぜ入れて使うタイプで、洗浄液の交換目安は1か月に1回です。

↑充電乾燥器は、本体を差し込むと自動的に「充電コース」に入ります。「SELECT」ボタンを押すと洗浄・乾燥・充電を行う「全自動コース」に、もう一度「SELECT」ボタンを押すと「乾燥+充電コース」に移行します↑充電乾燥器は、本体を差し込むと自動的に「充電コース」に入ります。「SELECT」ボタンを押すと洗浄・乾燥・充電を行う「全自動コース」に、もう一度「SELECT」ボタンを押すと「乾燥+充電コース」に移行します

 

高い除菌率にこだわるならアルコール洗浄採用のブラウン

毎日洗浄して、除菌にもこだわりたい人は、アルコール洗浄システムを採用し、除菌率99.9%のブラウンが最適。毎日使った場合、洗浄液カートリッジは3週間に1度の交換が目安で、ランニングコストは年間8660円程度になります。ちなみに、2日に1度の洗浄なら年間4330円になり、パナソニックにだいぶ近づきます(洗浄液のアルコールが気化する関係で、2か月以上の使用は推奨されていません)。

↑ブラウンの洗浄充電器↑ブラウンの洗浄充電器

 

ヘッドを駆動させる手軽な洗浄を望むならパナソニックかブラウン

一方、洗浄のランニングコストを限りなくゼロに近づけるならヘッドを水洗いするという選択になります。この場合のオススメはパナソニック。「音波洗浄モード」を搭載し、市販のハンドソープを使って汚れを落とせます。また、同機の洗浄充電器には「乾燥+充電コース」が搭載されているので、洗浄のみ自分で行い、乾燥と充電は機械任せ、という使い方もできます。またブラウンも、ヘッドに液体洗剤やハンドソープをつけてスイッチを入れながら洗浄&水洗いが可能です。

↑音波洗浄モードになると液晶画面がイルミネーション表示に。ON/OFFスイッチを2秒以上長押しすると約20秒間音波振動で泡立てします。その後外刃フレームを外し、外刃と内刃を流水ですすぎ洗いすれば、細かいヒゲくずもすっきり除去できます↑パナソニックは音波洗浄モードになると液晶画面がイルミネーション表示に。ON/OFFスイッチを2秒以上長押しすると約20秒間音波振動で泡立てします。その後外刃フレームを外し、外刃と内刃を流水ですすぎ洗いすれば、細かいヒゲくずもすっきり除去できます

 

一方フィリップスは、シェーバーを駆動させながらヘッドの水洗いはできません。同機の洗浄充電器はジェルやフォームの洗浄力が高いので、特にシェービングフォームやシェービングジェルを使う人は、通常は水洗いでケアし、週に1〜2回は洗浄充電器でしっかり汚れ除去するのがオススメです。

 

替刃のコストが最も安いのはフィリップス

ちなみに、替刃のコストがもっとも安いのは、交換目安が約2年で替刃の実売価格が5770円のフィリップス。次いで、網刃と内刃の交換目安が約18か月で、替刃の実売価格9980円のブラウン(2年に換算した場合は1万3306円)。最も高いのは、外刃(交換目安は約1年)の実売価格6804円、内刃(交換目安約2年)の実売価格は2916円パナソニックとなります(2年換算で1万6524円)。

 

<操作性>

操作性に関しては、毎日の使用感にも関わる重要項目。使い始めて「こんなはずでは……」とならないよう、ぜひチェックしておきたいところです。

 

ホールド感の高さで選ぶならパナかフィリップス

ブラウンは、他の2機種、特にフィリップスと比べると手に持ったときの重量感があり、デザインも無骨で、どちらかというと手が大きな欧米の人向けのサイズ感かなと感じました。ただ、シェービングしながら親指操作でヘッドの固定/解除ができるのは便利です。

↑グリップのラバー部分には独自のドット模様が施されています。この凹凸でホールド感がアップ↑ブラウンのグリップのラバー部分には独自のドット模様が施されています。この凹凸でホールド感がアップ

 

パナソニックは、重さはブラウンと同等で、サイズ感はブラウンよりやや細め。ただ、手に持つとホールド感の高いデザインで、ヘッドに重心があることもあり、ブラウンより操作感が軽く感じられました。親指が当たる部分にラバー素材を使うなど、きめ細かなデザインの配慮も伺えます。

↑本体を順手で持つと、人差し指に重心が乗ります。また、手の平と中指、薬指、小指にラバー製のグリップがすっぽり収まって、握りしめなくてもしっかりホールド可能↑パナソニックの本体を順手で持つと、人差し指に重心が乗ります。また、手の平と中指、薬指、小指にラバー製のグリップがすっぽり収まって、握りしめなくてもしっかりホールド可能

 

フィリップスは3機種の中で最も軽く、グリップも細身。手で持ったときにホールド感のあるデザインで、手が小さめな筆者は、最もスムーズにシェービングが行えました。このモデルのみ、ヘッドを固定する機能が付いていなかったので、鼻の下などを剃りにくく感じる人もいるかもしれません。

↑グリップは適度な太さで、本機が手の平にすっぽり収まります。親指と人差し指だけで、ヘッドを自在に操作できます↑フィリップスのグリップは適度な太さで、本機が手の平にすっぽり収まります。親指と人差し指だけで、ヘッドを自在に操作できます。なお、逆手での操作も快適

 

いずれにしても、手に持ったときの感触は個人差が大きいので、機会があれば、購入前に量販店などで1度手に取ってみることをオススメします。

 

バッテリー重視なら長持ち&表示が細かいフィリップス

充電に関しては、3機種とも1時間で充電が終了。万一バッテリーがなくなっていても数分で1回シェービングできるのも助かります。洗浄充電器を使った充電はどれも充電器にセットするだけと手間いらず。バッテリーの持ちは、1日3分の使用でフィリップスが約20日、ブラウンが約17日、パナソニックが約14日持ちます。シェービング後毎回洗浄・乾燥・充電する人にはあまり関係ないスペックですが、長期出張が多い人は、覚えておいてもいいかもしれません。

↑本体が動くとセンサーが反応、バッテリー残量が表示されます。ただし、一定時間が経つとセンサーがスリープするようで、運転スタートするまで、残量表示は行われません↑フィリップスのバッテリー表示。本体が動くとセンサーが反応、バッテリー残量が表示されます。ただし、一定時間が経つとセンサーがスリープするようで、運転スタートするまで、残量表示は行われません

 

またバッテリー残高表示は、ブラウンが5段階表示、パナソニックは0〜100%を10%単位で表示、フィリップスが0~100%を1%単位で表示します。これも常に洗浄充電器を使う人にはあまり問題にならない差ですが、手洗い派で、使用中にバッテリーがなくなってしまわないか気になる人は、表示が細かく変わるモデルのほうが安心できるでしょう。

↑バッテリー残量は「%」と6分割の円形バーの2種類で表示。毎回のシェービング後に、そのときのシェービング時間も表示されます ↑パナソニックのバッテリー残量は「%」と6分割の円形バーの2種類で表示。毎回のシェービング後に、そのときのシェービング時間も表示されます

 

↑シェーバーの液晶に、しずくマークが点灯したら洗浄のタイミングです↑ブラウンのバッテリー表示は5段階。シェーバーの液晶に、しずくマークが点灯したら洗浄のタイミングです

 

<付加機能>

ブラウンはキワ剃りしやすく、フィリップスは洗顔用アタッチメントが付属

追加機能も購入条件としての優先順位は低いとはいえ、知っておいて損はない情報です。付加機能で差が出たのはキワ剃り刃とお風呂剃り対応。ブラウンとパナソニックがキワ剃り刃を内蔵しています。使いやすさでは、キワ剃りしながら刃の先端が見やすいブラウンのほうが優秀でした。

↑キワ剃り刃リリースボタンを押しながらキワ剃り刃を上部にスライドさせて使います↑ブラウンのキワ剃り刃は先端が見えて便利。リリースボタンを押しながらキワ剃り刃を上部にスライドさせて使います

 

フィリップスは、キワ剃り刃は内蔵していませんが、アタッチメントでヒゲスタイラー(ヒゲトリマー)と洗顔ブラシヘッドが付いています。ヒゲスタイラーはヒゲの長さを5段階で揃えられ、洗顔ブラシヘッドは極細毛で毛穴に詰まった皮脂や角質をやさしく除去できます。シェービングだけでなく、フェイスケア全体への興味を喚起するフィリップスの独自の戦略が伺えます。

↑洗顔ブラシヘッドは、シェーバーと同じように、円を描くように顔の上を滑らせながら洗うとよいそうです。また、肌の洗いすぎ防止のため、ひとつの箇所を洗う時間は20秒以内にするよう推奨されています↑フィリップスの洗顔ブラシヘッドは、シェーバーと同じように、円を描くように顔の上を滑らせながら洗うとよいそうです。また、肌の洗いすぎ防止のため、ひとつの箇所を洗う時間は20秒以内にするよう推奨されています

 

一方お風呂剃りについては、「シェービング性能」の項でも触れましたが、ブラウンとフィリップスが対応し、パナソニックが非対応。パナソニックはお風呂剃り対応の3枚刃ラムダッシュも発売していますが、残念ながら、極上の剃り味が味わえる5枚刃はお風呂剃りモデルは発売されていません。朝シャワーを浴びるときにヒゲも剃りたいという人も多い昨今、お風呂剃り対応の5枚刃ラムダッシュの登場が待たれるところです。

 

高級電気シェーバー3モデルの検証企画は以上で終了。どの機種もシェーバーとしての実力は折り紙つきながら、細かく見ていくと様々な“違い”があることがわかりました。本稿を参考に、自分の肌質やシェービングの好み、お手入れスタイルに合った1台を選んでください!

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電気シェーバーの「年間メンテ代」って知ってる? 「ビッグ3」最新モデルの「剃り味以外」を徹底比較!

本稿は電気シェーバーの「ビッグ3」、ブラウン、パナソニック、フィリップスのフラッグシップモデルについて、性能や使いやすさを徹底検証する連載企画。「シェービングの速さ」や「深剃り」「肌へのやさしさ」をチェックした前回に続き、第2回となる今回は、「操作性」「メンテナンス性」と「付加機能」について検証していきます。

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【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

人工知能と多彩なカットシステムであらゆるヒゲを逃さず剃る!

20171227-s4

ブラウン

シリーズ9 9295cc

実売価格3万3700円

人工知能がヒゲの濃さを読み取り、自動でパワーを調整するモデル。5種類の独自のカットシステムが寝たヒゲやくせヒゲなど様々なタイプのヒゲを捕らえて剃り切ります。毎分1万回の音波振動でヒゲを外刃に取り込みやすくし、肌にやさしい深剃りが可能。お風呂剃りに対応し、使用後は水道で丸洗いもできます。

SPEC●刃の枚数:4枚刃●駆動方式:往復式●充電時間:60分●連続稼働時間:約50分●サイズ/質量(本体):約W66×H168×D44mm/約210g

 

エントリーその2

肌への密着度が増し、肌にやさしい深剃りができる5枚刃モデル

20171227-s2 (2)

パナソニック

ラムダッシュ ES-LV9CX

実売価格4万5772円

肌への密着度が増したヘッドで剃り残しを防ぐ5枚刃モデル。従来型ヘッドの前後・左右・上下の動きに、ツイストと前後スライドの動きを加え、アゴ下の密着度が約10%アップしました。くし状の突起でヒゲの下に潜り込みやすいスリット刃も進化し、長い寝たヒゲの除去率が従来比約200%に向上。また、グリップを持つと自動でロック解除し、手を離すと約60秒後に自動でロックされる機能を搭載し、誤作動を防止します。

SPEC●刃の枚数:5枚刃●駆動方式:往復式(リニアモーター駆動)●充電時間:60分●連続稼働時間:約42分(1日1回約3分間の使用で約14日間使用可)●サイズ/質量(本体):W72×H167×D59mm/約215g

 

エントリーその3

肌にやさしい深剃りにこだわり、他機種の約5分の1の力でシェービング

20171227-s2 (3)

フィリップス

Shaver series 9000 ウェット&ドライ電気シェーバー

S9731/33

実売価格4万5155円

一般的な電気シェーバーの最上位機種と比べ、約5分の1の力で肌にやさしい深剃りができる機種。8方向に動く輪郭検知ヘッドで顔や首のあらゆる凹凸に密着し、滑らかな深剃りを実現します。外刃のスリット形状と内刃の形状をV字型にした「ダブルVトラック刃」を採用し、より少ないストロークで最大深剃り30%アップを実現。モーター駆動のスピードは好みに合わせて3段階から選べる。

SPEC●刃の枚数:3枚刃●駆動方式:回転式●充電時間:60分●連続稼働時間:約60分(1日1回約3分間の使用で約20日間使用可)●サイズ/質量(本体):W59×H164×D70mm/約169g

 

【テストの内容はコチラ】

操作性」では、シェーバーの持ちやすさやボタン操作のしやすさ、運転モード数を確認。充電時間と連続稼働時間、バッテリー残量表示なども合わせて検証します。「メンテナンス性」はシェービング後のヘッド部分のお手入れの手間をチェック。特に、最上位機の売りである自動洗浄充電機の使い勝手を吟味していきたいと思います。さらに「付加機能」では、キワ剃り刃やアタッチメントなど、ヒゲ剃り以外の機能の有無と使い勝手を見ていきます。

 

【検証結果はコチラ】

エントリーその1

ブラウン

シリーズ9 9295cc

<操作性>

グリップはやや太く重めだがホールド感は良好

本機のグリップはかなり太めで、しっかり持って操作する必要があります。背面にはラバー素材が使われていて、ホールド感は良好でした。

↑グリップのラバー部分には独自のドット模様が施されています。この凹凸でホールド感がアップ↑グリップのラバー部分には独自のドット模様が施されています。この凹凸でホールド感がアップ

 

充電時間は1時間で約50分間の使用が可能で、1日3分の使用だと約17日、といったところです。バッテリーはリチウムイオン電池で、5分の急速充電で1回のシェービングが可能。毎回使用後の充電も問題なしです。

 

洗浄充電器での充電は、ヘッドを下向きにして充電器に置くだけ。充電ボタンを押すということもなく、自動で充電が始まります。また、本体に直接電源コードをつないでの充電も可能です。

 

本体のバッテリー残量表示は5段階で、残量がわずかになるとバッテリーマークが赤く点滅します。この状態でも1回分のシェービングは可能です。

↑スタートボタンを押すと5段階の目盛りでバッテリー残量が表示されます↑スタートボタンを押すと5段階の目盛りでバッテリー残量が表示されます

 

ちなみに、本体正面のスタートボタンの上には、ヘッドの首振りを固定できるスライドスイッチを付属。鼻の下を剃る際に、シェーバーを肌に当てたまま操作できるのは便利でした。

↑ON/OFFボタン上部のスライドスイッチが上側だとヘッドが可動↑ON/OFFボタン上部のスライドスイッチが上側だとヘッドが可動

 

↑スイッチを下にスライドすると、ヘッドが固定されます↑スイッチを下にスライドすると、ヘッドが固定されます

 

<メンテナンス性>

アルコール洗浄システムを採用し、除菌率が極めて高い

本機は、1台で充電、洗浄、刃の潤滑化、除菌、乾燥が行える「クリーン&リニューシステム」(洗浄充電器)を付属。“機械にお任せ”でシェーバーのメンテナンスが行えます。特に本機の洗浄充電器はアルコール洗浄システムを採用していて、99.9%という高い除菌率。実際に使ってみると、洗浄成分と循環システムのおかげか、ヒゲくずがキレイに落ちていました。

↑シェーバーの液晶に、しずくマークが点灯したら洗浄のタイミングです↑シェーバーの液晶に、しずくマークが点灯したら洗浄のタイミングです

 

↑洗浄充電器のカートリッジ交換用ボタンを押すと本体が上がるので、そこにカートリッジをセットして、再び本体を下に押し下げます。洗浄液が汚れてくると洗浄液残量表示ランプが赤く点灯して、交換時期を知らせてくれます↑洗浄充電器のカートリッジ交換用ボタンを押すと本体が上がるので、そこにカートリッジをセットして、再び本体を下に押し下げます。洗浄液が汚れてくると洗浄液残量表示ランプが赤く点灯して、交換時期を知らせてくれます

 

洗浄時間の目安は約3分。その後40分程度乾燥運転します。また、シェーバーは「クリーン&リニューシステム」を使わず、洗面所で水洗いも可能です。付属のブラシを使って、シェーバーヘッドの台座部分の掃除も可能です。

↑ヘッドの洗浄時に研磨剤を含まない液体洗剤を使うと、汚れが落ちやすく、内刃・外刃も傷めません。泡を完全に洗い流したあとも、数秒間シェーバーをONのままにして水滴を除去します。その後、ヘッドから網刃と内刃を外して、乾燥させます↑ヘッドの洗浄時に研磨剤を含まない液体洗剤を使うと、汚れが落ちやすく、内刃・外刃も傷めません。泡を完全に洗い流したあとも、数秒間シェーバーをONのままにして水滴を除去。その後、ヘッドから網刃と内刃を外して、乾燥させます

 

なお、洗浄液カートリッジの交換は、毎日洗う場合は3週間に1度が目安。カートリッジの実売価格は2個入りで1000円前後なので、毎日洗浄する場合は年間8700円程度のランニングコストがかかる計算になります。網刃と内刃は約18か月ごとに交換することが推奨されており、こちらは9980円(F/C92S ※網刃・内刃一体型カセットタイプ)です。

 

<付加機能>

キワ剃り刃でもみあげなどを整えられるほかお風呂剃りにも対応

本体背面のキワ剃り刃で、もみあげや口ヒゲ、あごヒゲなどを整えることができます。スライド式で、使用時も刃がしっかり安定するのが魅力。また、刃がヘッドの上までくるため、剃っている部分が見やすくなっています。

↑キワ剃り刃リリースボタンを押しながらキワ剃り刃を上部にスライドさせて使います↑キワ剃り刃リリースボタンを押しながらキワ剃り刃を上部にスライドさせて使います

 

また、本機は耐水設計が施され、浴室での使用が可能。シェービングフォームやシェービングジェルを使い、肌にやさしいシェービングもできます。

 

エントリーその2

パナソニック

ラムダッシュ ES-LV9CX

<操作性>

人差し指に重心が乗る独自のフォルムで安定して剃れる

グリップはブラウンに比べるとやや細めですが、フィリップスに比べるとかなり太く感じます。ただ、本体を順手で持ったときに人差し指にヘッドの重心が乗る形状になっているため、シェービング中の操作感はかなり高いです。T字カミソリのように逆手で持つ場合も薬指と小指がこのラウンド形状にうまくかかって、軽快に操作できます。グリップ部分はラバー製でホールド感も十分。

↑本体を順手で持つと、人差し指に重心が乗ります。また、手の平と中指、薬指、小指にラバー製のグリップがすっぽり収まって、握りしめなくてもしっかりホールド可能↑本体を順手で持つと、人差し指に重心が乗ります。また、手の平と中指、薬指、小指にラバー製のグリップがすっぽり収まって、握りしめなくてもしっかりホールド可能

 

↑驚いたのは順手で親指が当たる位置にもシボ加工(シワ模様)のラバー素材が使われている点。細部まで配慮が行き届いていると感心しました↑驚いたのは順手で親指が当たる位置にもシボ加工(シワ模様)のラバー素材が使われている点。細部まで配慮が行き届いていると感心しました

 

本体は3機種中最も重い(とはいえブラウンとはわずか5g差)ですが、重心がヘッドのほうにあるぶん、操作感は軽く感じられます。

 

充電は1時間で、1日3分のシェービングが約14日間可能。ブラウン同様、洗浄充電器に本体をセットすれば、自動で充電が始まります。また、本体に電源コードを直接挿して充電もできます。バッテリー残量表示は100%~0%を10%単位で表示されます。残量が10%以下になるとバーが赤い点滅表示になるため、充電し忘れが防げて便利。

↑バッテリー残量は「%」と6分割の円形バーの2種類で表示。毎回のシェービング後に、そのときのシェービング時間も表示されます ↑バッテリー残量は「%」と6分割の円形バーの2種類で表示。毎回のシェービング後に、そのときのシェービング時間も表示されます

 

ちなみに、本機は「スマートロック機能」を搭載し、グリップを握ると、それを感知してロックを解除。手を離して約60秒後にスイッチが自動でロックされるため、旅行中にカバンの中でON/OFFスイッチが押されて誤作動する、という事態が防止できます。

 

<メンテナンス性>

本体に「音波洗浄モード」を搭載し手洗いでもしっかりケアできる

本機も付属の洗浄充電器を使って、シェーバーヘッド部の洗浄、乾燥、充電が行えます。洗浄に10分、乾燥に80分(室温が約15℃以下の場合170分)かかり、その後充電に移ります。洗浄後は内刃、外刃ともにヒゲくずがすっきり除去されていました。

↑充電乾燥器は、本体を差し込むと自動的に「充電コース」に入ります。「SELECT」ボタンを押すと洗浄・乾燥・充電を行う「全自動コース」に、もう一度「SELECT」ボタンを押すと「乾燥+充電コース」に移行します↑充電乾燥器は、本体を差し込むと自動的に「充電コース」に入ります。「SELECT」ボタンを押すと洗浄・乾燥・充電を行う「全自動コース」に、もう一度「SELECT」ボタンを押すと「乾燥+充電コース」に移行します

 

本機の洗浄液は水道水と専用洗浄剤を混ぜて使います。洗浄剤は3袋入りで実売価格800円前後。目安として、1日1回の使用で1袋約30日使えるので、年間のランニングコストは約3200円になります。また、外刃の交換目安は約1年で、実売価格は6804円(ES9177)。内刃の交換目安は約2年で、実売価格は2916円(ES9170)となっています。

 

ヘッドを手洗いする場合は、「音波洗浄モード」が便利。別売のクリーニング液のほか、市販のハンドソープが使えて経済的です。

↑音波洗浄モードになると液晶画面がイルミネーション表示に。ON/OFFスイッチを2秒以上長押しすると約20秒間音波振動で泡立てします。その後外刃フレームを外し、外刃と内刃を流水ですすぎ洗いすれば、細かいヒゲくずもすっきり除去できます↑音波洗浄モードになると液晶画面がイルミネーション表示に。ON/OFFスイッチを2秒以上長押しすると約20秒間音波振動で泡立てします。その後外刃フレームを外し、外刃と内刃を流水ですすぎ洗いすれば、細かいヒゲくずもすっきり除去できます

 

なお、本体液晶画面にはバッテリー残量のほか、「洗浄催促マーク」と「刃点検催促マーク」も表示。「洗浄催促マーク」は刃のメンテが必要なときに点灯、「刃点検催促マーク」は本機の使用開始から約1年の使用で点灯します。

 

<付加機能>

切れ味のいい跳ね上げ式のトリマー刃を搭載

ブラウン同様、本機にもキワ剃り刃(トリマー刃)が搭載されています。45°鋭角刃を採用し、切れ味は文句なし。ヘッドの裏側に設置されているため、剃っている部分がやや見えづらいのが残念です。

↑本体背面のノブを押しながら櫛のマークが「●」マークと同じ位置にくるまで押し上げると、トリマー刃が跳ね上がります↑本体背面のノブを押しながら櫛のマークが「●」マークと同じ位置にくるまで押し上げると、トリマー刃が跳ね上がります

 

エントリーその3

フィリップス

Shaver series 9000 ウェット&ドライ電気シェーバー

S9731/33

<操作性>

スリムなグリッブと軽量設計で扱いやすさも文句なし

3機種の中で最もグリップが細くて持ちやすいのが本機。重さも約169gと軽く、T字カミソリのように逆手で持ってのシェービングもスムーズに行えます。

↑グリップは適度な太さで、本機が手の平にすっぽり収まります。親指と人差し指だけで、ヘッドを自在に操作できます↑グリップは適度な太さで、本機が手の平にすっぽり収まります。親指と人差し指だけで、ヘッドを自在に操作できます

 

本体背面にはラバー素材が貼られ、ホールド感も十分。グリップ上部のラウンドした部分に人差し指(逆手の場合は中指)が乗って、安定感のある操作が可能です。

↑本機をT字カミソリのように逆手で持ってみました。グリップのくぼみに中指を置くように持つと操作しやすいです↑本機をT字カミソリのように逆手で持ってみました。グリップのくぼみに中指を置くように持つと操作しやすいです

 

充電時間は1時間。1回の充電で合計約60分のシェービングができます。これは1日約3分間の使用で約20日間使用可能ということです。

 

洗浄充電器での充電は、シェーバーを後ろ向きにセットし、洗浄充電器上部のキャップ(ホルダー)を押し下げてシェーバーのお尻と接続。他機種と比べるとひと手間かかる仕組みになっています。また、電源コードを本体につないでの充電も可能です。

↑本体が後ろ向きになるようにセット。上部キャップを押し下げてシェーバーをロックすると充電モードに入ります。その後、洗浄充電器のON/OFFスイッチを押すと洗浄を開始します↑本体が後ろ向きになるようにセット。上部キャップを押し下げてシェーバーをロックすると充電モードに入ります。その後、洗浄充電器のON/OFFスイッチを押すと洗浄を開始します

 

バッテリー残量は100%~0%を1%刻みで表示されます。また、パナソニック同様本機もセンサーを装備、本体を持ち上げるとバッテリー残量が表示されます。

↑本体が動くとセンサーが反応、バッテリー残量が表示されます。ただし、一定時間が経つとセンサーがスリープするようで、運転スタートするまで、残量表示は行われません↑本体が動くとセンサーが反応、バッテリー残量が表示されます。ただし、一定時間が経つとセンサーがスリープするようで、運転スタートするまで、残量表示は行われません

 

<メンテナンス性>

洗浄充電器でシェーバーについたジェルまでしっかり落とせる

付属の洗浄充電器を使い、シェーバーの洗浄、乾燥、刃の潤滑化、充電を自動で行えます。洗浄時間は約10分で、乾燥時間は約4時間が目安。洗浄後はヒゲくずがしっかり除去できていました。皮脂汚れやシェービングフォーム、ジェルも効率よく洗浄できます。

 

洗浄液カートリッジ交換の目安は週に1度の使用で約3か月。クリーニングカートリッジ交換ランプが赤色に点滅したら交換時期です。カートリッジは2個入りで実売価格は1500円前後。年間ランニングコストは3000円前後というところです。替刃の交換目安は約2年で、替刃(SH90/51)の実売価格は5770円です。

↑洗浄充電器側面の着脱ボタンを押して本体を上部に上げ、クリーニングカートリッジを前面から装着します↑洗浄充電器側面の着脱ボタンを押して本体を上部に上げ、クリーニングカートリッジを前面から装着します

 

ヘッドを水洗いする場合は、シェービングユニットを本体から外し、ユニットから上部ホルダーを外して洗います。

 ↑シェービングユニットの分解は最初少し戸惑いましたが、慣れれば簡単に取り外せます。シェービングユニットは細かく分解も可能↑シェービングユニットの分解は最初少し戸惑いましたが、慣れれば簡単に取り外せます。シェービングユニットは細かく分解も可能

 

シェーバー本体の液晶画面にはクリーニングや充電、ヘッド交換の催促表示など、様々な情報を表示。メンテナンスのし忘れを防げます。

 

<付加機能>

ヒゲトリマーと洗顔ブラシの2つのアタッチメントを付属

本機にはヒゲスタイラーアタッチメント(ヒゲトリマー)と洗顔ブラシヘッドを付属。ヒゲスタイラーはあごヒゲ、口ヒゲ、もみあげのケアに使います。使う際は。本体からシェービングユニットを外し、ヒゲスタイラーを装着。スタイラーコームを取り付けると、ヒゲの長さを1~5mmの5段階に刈り揃えることができます。コームなしでは、長さ0.5mmに仕上がります。

 

洗顔ブラシヘッドが付属しており、顔と毛をぬるま湯で濡らしたあと、毛に洗顔料をつけて回転させて洗顔が可能です。肌当たりはソフトで皮脂や古い角質を効果的に除去。洗い上がりもさっぱりで、手洗いよりも洗顔後の皮脂量の増加が抑えられるとのこと。

↑スタイラーの長さ調節レバーを左右に動かすと、スタイラーコームが前にせり出す長さを変えられます↑スタイラーの長さ調節レバーを左右に動かすと、スタイラーコームが前にせり出す長さを変えられます

 

↑洗顔ブラシヘッドは、シェーバーと同じように、円を描くように顔の上を滑らせながら洗うとよいそうです。また、肌の洗いすぎ防止のため、ひとつの箇所を洗う時間は20秒以内にするよう推奨されています↑洗顔ブラシヘッドは、シェーバーと同じように、円を描くように顔の上を滑らせながら洗うとよいそうです。また、肌の洗いすぎ防止のため、ひとつの箇所を洗う時間は20秒以内にするよう推奨されています

 

また、本機はお風呂剃り対応で、シェービングフォームやシェービングジェルをつけてシェービングもできます。肌の滑りが良くなり、摩擦も少なくなるので、肌が弱い人には特にオススメです。

 

【今回のテストのまとめ】

<操作性>

軽さと細身グリップで最も操作感が軽いのはフィリップス

今回試した中で最も操作感が軽いのはフィリップスでしょう。重さ約169gは他の2機種より40g以上軽く、細身で順手でも逆手でもスムーズに扱えます。

↑逆手で持ったフィリップス↑逆手で持ったフィリップス

 

パナソニックは本体が215gと重めで、グリップもやや太めですが、重心がヘッド側にあり、また手に持ちやすいグリップ形状と素材を採用しているため、操作感は良好です。

 

一方、ブラウンは重さではパナソニックより5g軽いものの、手に持ったときの重量感はパナソニック以上。色々な角度でシェービングするときのホールド感も、他の2機種よりやや劣ります。ただし、シェービングしながらヘッドの動きをロックできる機能は、鼻の下などピンポイントのシェービングの際に便利でした。

 

充電時間に関しては3機種とも1時間と急速充電が可能。運転時間に関してはフィリップスが約60分と最も長く、ついでブラウンが約50分、パナソニックが約42分という順番でした。充電の仕方は、ブラウンとパナソニックは洗浄充電器にシェーバーを置くだけと簡単。フィリップスのみ、キャップを押し下げるひと手間がかかりますが、それで決定的に充電が面倒になるということはありません。

 

ちなみにパナソニックとフィリップスはセンサーが搭載されており、本体を手に持ったときにバッテリー残量が表示されて便利です。

↑パナソニックのバッテリー表示↑パナソニックのバッテリー表示

 

<メンテナンス性>

除菌力と乾燥の速さならブラウン、ランニングコストならパナとフィリップス

今回試した3機種は最上位機だけあって、どれも洗浄充電器が付属。洗浄、除菌、乾燥、刃の潤滑化、充電を全自動で行え、毎回清潔にシェービングできます。特にアルコール洗浄システムを採用したブラウンは、99.9%の高い除菌率が魅力。また洗浄性能についても、3機種とも問題なく汚れが落ちていました。

↑ブラウンの洗浄充電器↑ブラウンの洗浄充電器

 

乾燥時間に関しては、ブラウンは洗浄液にアルコールが含まれているせいもあり、乾燥が40分と早く済みます。逆に乾燥に一番時間がかかったのがフィリップスで約4時間。ただ、ヒゲ剃りはほとんどの人が1日に1回、多くて2回だと思うので、朝シェービングしてそのまま洗浄乾燥して翌日また使う、あるいは夜剃ったあと洗浄乾燥して翌朝使う、という使い方なら、乾燥時間はそれほど問題にならないと思います。

 

洗浄液のランニングコストは、ブラウンが年間8700円前後なのに対し、パナソニックが3200円、フィリップスが3000円前後と安く済みます。また、フィリップスは交換が3か月に1回とパナソニックの3倍長持ちし、交換頻度が少ないのもメリット。ただし、フィリップスの清浄液カートリッジは週に1度の使用を推奨しています。メーカー推奨の使用法でのランニングコストを考えると、フィリップスが最も安く、交換の手間も少なくなりますが、毎回清潔なシェービングを望むなら、パナソニックやブラウン、という選択肢に変わってきます。

 

替刃のコストがもっとも安いのは、交換目安が約2年で替刃の実売価格が5770円のフィリップス。次いで、網刃と内刃の交換目安が約18か月で、替刃の実売価格9980円のブラウン(2年に換算した場合は1万3306円)。最も高いのは、外刃(交換目安は約1年)の実売価格6804円、内刃(交換目安約2年)の実売価格は2916円パナソニックとなります(2年換算で1万6524円)。

 

 

手洗いでは「音波洗浄モード」がついたパナソニックが有利。市販のハンドソーブが使えるので、余計な買い物が不要なのも魅力です。せっかく最上位機を買ったのなら、洗浄充電器を使うのがオススメですが、ランニングコストを少しでも節約したい人は、「音波洗浄モード」で手洗いして、その後「乾燥+充電コース」を使うのもいいでしょう。

20171229-s1 (5)↑パナソニックの音波洗浄モード

 

ブラウンも専用モードこそついていませんが、電源スイッチを入れながら水洗いすることで、効率よく洗浄が可能。その際に液体洗剤を使えば、汚れ落ちがアップします。一方フィリップスはシェービングユニットを本体から外して洗うため、内刃や外刃を振動させながら流水洗いできないのがデメリット。特にシェービングジェルを使う人は、洗浄充電器を利用するのがオススメです。

 

ちなみにパナソニックとフィリップスは本体に充電催促や洗浄催促、ヘッド(刃)の催促表示出ます。こうしたメンテナンスのアシスト機能が豊富なのも、毎日清潔で快適なシェービングを望む人にはメリットとなるでしょう。

 

<付加機能>

機能の多彩さならフィリップスが一歩リード

付加機能に関しては、ブラウンとパナソニックはキワ剃り刃のみと標準的。実際の使い勝手は、筆者は刃先が見えやすいブラウンの方が使いやすいと感じました。

 

一方フィリップスは、ヒゲスタイラーと洗顔ブラシヘッドが付いているのが魅力です。ただし、本機では他機種で可能なキワ剃りができないのが残念。どうせならキワ剃り用のトリマーも付けてほしかったところ。

↑フィリップスのヒゲスタイラー↑フィリップスのヒゲスタイラー

 

お風呂剃りに関しては、パナソニックのみ残念ながら非対応。同社はお風呂剃り対応モデルを別途発売しています。浴室での使用を希望する人やシェービングフォーム、シェービングジェルを使いたい人は、ブラウンかフィリップスという選択肢になりるでしょう。次回はこれまでの検証を踏まえて、各モデルがどんな人に向いているかを考えていきたいと思います。

深剃りNo.1はどれだ? 最新電気シェーバー「ビッグ3」の剃り味を3項目で徹底比較!

「シェービングは手早く済ませたい」「でもしっかり深剃りしたい」という人には、何といっても高級電気シェーバーがオススメです。近年のモデルは深剃りだけでなく、肌への負担軽減にも配慮したものが多いのが特徴。また、専用の洗浄液を使って使用後のヘッド(刃)のケアも自動で行え、毎日清潔に使えるのも魅力です。

 

さて、高級電気シェーバーといえば、まずはブラウン、パナソニック、フィリップスが挙げられるのではないでしょうか。とはいえこの「ビッグ3」、名前は知っていても、いったいどれを選べばいいのか、わからない方も多いはず。そこで本稿では各ブランドの最上位機種を集め、性能と使い勝手を徹底的に比較検証。各ブランドの個性を洗い出していきます。第1回目となる今回は、ヒゲ剃りで最も気になる「シェービングの速さ」「深剃り度合い」「肌への負担」をチェックしていきます。

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【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

人工知能と多彩なカットシステムであらゆるヒゲを逃さず剃る!

20171227-s4

ブラウン

シリーズ9 9295cc

実売価格3万3700円

人工知能がヒゲの濃さを読み取り、自動でパワーを調整するモデル。5種類の独自のカットシステムが寝たヒゲやくせヒゲなど様々なタイプのヒゲを捕らえて剃り切ります。毎分1万回の音波振動でヒゲを外刃に取り込みやすくし、肌にやさしい深剃りが可能。お風呂剃りに対応し、使用後は水道で丸洗いもできます。

SPEC●刃の枚数:4枚刃●駆動方式:往復式●充電時間:60分●連続稼働時間:約50分●サイズ/質量(本体):約W66×H168×D44mm/約210g

 

エントリーその2

肌への密着度が増し、肌にやさしい深剃りができる5枚刃モデル

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パナソニック

ラムダッシュ ES-LV9CX

実売価格4万5772円

肌への密着度が増したヘッドで剃り残しを防ぐ5枚刃モデル。従来型ヘッドの前後・左右・上下の動きに、ツイストと前後スライドの動きを加え、アゴ下の密着度が約10%アップしました。くし状の突起でヒゲの下に潜り込みやすいスリット刃も進化し、長い寝たヒゲの除去率が従来比約200%に向上。また、グリップを持つと自動でロック解除し、手を離すと約60秒後に自動でロックされる機能を搭載し、誤作動を防止します。

SPEC●刃の枚数:5枚刃●駆動方式:往復式(リニアモーター駆動)●充電時間:60分●連続稼働時間:約42分(1日1回約3分間の使用で約14日間使用可)●サイズ/質量(本体):W72×H167×D59mm/約215g

 

エントリーその3

肌にやさしい深剃りにこだわり、他機種の約5分の1の力でシェービング

20171227-s2 (3)

フィリップス

Shaver series 9000 ウェット&ドライ電気シェーバー

S9731/33

実売価格3万9090円

一般的な電気シェーバーの最上位機種と比べ、約5分の1の力で肌にやさしい深剃りができる機種。8方向に動く輪郭検知ヘッドで顔や首のあらゆる凹凸に密着し、滑らかな深剃りを実現します。外刃のスリット形状と内刃の形状をV字型にした「ダブルVトラック刃」を採用し、より少ないストロークで最大深剃り30%アップを実現。モーター駆動のスピードは好みに合わせて3段階から選べる。

SPEC●刃の枚数:3枚刃●駆動方式:回転式●充電時間:60分●連続稼働時間:約60分(1日1回約3分間の使用で約20日間使用可)●サイズ/質量(本体):W59×H164×D70mm/約169g

 

【テストの内容はコチラ】

「シェービングの速さ」は、顔のヒゲを、これ以上ほぼ剃れない状態(シェービング中の「チリチリ」という音がほとんどしない状態)までシェービングし、その時間を計測しました。ちなみに、筆者はもともとヒゲが濃いほうではなく、生えている場所も口の周りとあご下だけで、シェービング時間は一般の人より短めです。あくまで、比較の目安と考えてください。20171227-s2 (16)

「深剃り度合い」はシェービング終了後のヒゲの残り具合を見た目と手で触った感触で判断しました。「肌への負担」は同じくシェービング後の肌のひりつきの有無をチェックしました。

 

【検証結果はコチラ】

エントリーその1

ブラウン

シリーズ9 9295cc

<シェービングの速さ>

顔のより広い面積に密着し効率よくシェービング

本機でほぼシェービングを完了するまでの時間は134秒で、その後、口元などややザラつきのある場所を追加で剃りました(筆者の場合、普段のシェービングでも、口元が最も剃り残しの多い場所です)。筆者が所有するシェーバー(1万円前後の普及モデル)よりずいぶん早く終了したというのが実感です。

 

本機のヘッドを、形状の似ているパナソニックと比較すると、一番の長所は外刃部分のクッションの深さ。見た目ではパナソニックの倍近く深く沈み込みます。

↑ヘッド部の外刃を押し込むと3mmほど沈み込みます。見た目にもパナソニックの2倍程度沈み込んでいるように見えます↑ヘッド部の外刃を押し込むと3mmほど沈み込みます。見た目にもパナソニックの2倍程度沈み込んでいるように見えます

 

さらに、4枚の外刃が独立して動くことで、上唇の上やあご付近など緩やかに隆起している場所で、肌に密着する面積がパナソニックより広く感じました。一方、ヘッドの動きは前後のみのため、シェービング時はヘッドの角度を手で細かく調整する必要があります。1か所のヘッド走行回数は3~4回というところ。ゆっくり肌の上を移動しながらの、効率の良いシェービングでした。

 

<深剃り度合い>

4枚の多彩な外刃で頑固なくせヒゲまで捕らえて深剃り

ヘッドの外側に配置された2枚の「ディープキャッチ網刃」には900種類の異なる形状の穴が組み合わされ、さまざまな毛質のヒゲを捕らえられるとか。さらに網刃に毎分1万回の音波振動を加えることで、ヒゲを穴の中に呼び込みやすくなっています。本機は運転中の振動(運転音)は3機種中最も大きかったですが、振動によって網刃がよりヒゲを捕らえやすくなっている印象はありました。また、シェーバーを意識的にゆっくり動かすことでも、外刃がヒゲをキャッチしやすくなり、より剃り残しのない深剃りに繋がるようです。

 

シェービング後の剃り具合は、後述のパナソニックにわずかに及ばないものの、十分以上の深剃りに感じられました。筆者が普段使う電気シェーバーだと毎日のシェービングが不可欠ですが、本機だとそれが2日に1回でも大丈夫だと思わせる深剃りでした。

↑2つの網刃の間に挟まれた部分が「人工知能デュアル連動刃」。2つの刃が連動して効率よくヒゲを剃ります↑2つの網刃の間に挟まれた部分が「人工知能デュアル連動刃」。2つの刃が連動して効率よくヒゲを剃ります

 

<肌への負担>

通常のシェービングなら肌のひりつきはほとんどなし

本機は3機種の中ではシェービングの振動が最も大きく、一見肌への負担が気になります。ですが、実際にシェービングし終わると、ヒリヒリ感もほとんど感じられませんでした。

 

本機の刃の部分のクッション性は他の2機種と比べるとやや強め。肌に強く押し付けても弱く押し付けても剃り味にはまったく影響がなかったので、肌のためには、シェービングの際はあまり強く押し付けすぎないように気をつけましょう。

↑ヘッドのクッション性はやや強め。シェーバーを肌に押し付けると、ブラウンは圧力がよりピンポイントに掛かる印象です↑ヘッドのクッション性はやや強め。シェーバーを肌に押し付けると、ブラウンは圧力がよりピンポイントに掛かる印象です

 

エントリーその2

パナソニック

ラムダッシュ ES-LV9CX

<シェービングの速さ>

ピタッと密着するヘッドによりわずか93秒でシェービング完了!

本機で顔のヒゲをほぼ剃り終えるのに要した時間は93秒。その後、口元などをケアしました。ヘッドの動きも、5枚刃のクッション性も3機種の中で最も滑らかで、肌に当てた瞬間からピタッと密着する感覚があります。シェービングではヘッドをかなりゆっくり移動させましたが、あご下など凹凸の大きな場所も2~3往復で剃り終えた印象です。

↑ヘッドは、前後・左右・上下の動きに加え、ひねりやスライドの動きも可能な「5Dアクティブサスペンション」を採用。ヘッドを指で動かしても本当にグネグネと可動します。このフレキシブルな動きで肌にピタッと密着↑ヘッドは、前後・左右・上下の動きに加え、ひねりやスライドの動きも可能な「5Dアクティブサスペンション」を採用。ヘッドを指で動かしても本当にグネグネと可動します。このフレキシブルな動きで肌にピタッと密着

 

↑5枚刃の間にチタンコーティングを施した金色の「スムースローラー」を設置。これで肌への摩擦が約3分の2になり、すべりの良いシェービングが行えます↑5枚刃の間にチタンコーティングを施した金色の「スムースローラー」を設置。これで肌への摩擦が約3分の2になり、すべりの良いシェービングが行えます

 

ちなみに、本体背面にはヘッドの動きをロックするスイッチが付いていて、鼻の下などをシェービングするときに便利。ただ、筆者の場合はその機能を使うまでもなく、きれいに剃り切れていました。

↑本体背面、ヘッド下のノブを押しながら、「LOCK」と書かれたマークを外側の「●」マークと同じ位置にくるまで押し上げると、ヘッドが固定されます↑本体背面、ヘッド下のノブを押しながら、「LOCK」と書かれたマークを外側の「●」マークと同じ位置にくるまで押し上げると、ヘッドが固定されます

 

<深剃り度合い>

見た目でも手触りでもその優秀な深剃り具体がわかる

一度で剃れる深さは3機種中トップ。シェービング後に肌を触り、鏡を見て深剃り具合を確認しましたが、わずかな差ながら、これも一番深く剃れている印象でした。

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また、他機種でシェービングしたあとに本機を使うと、「チリチリ」とヒゲが剃れる音がします。本機の使用後に他機種を使った場合も、音がする箇所はありましたが、本機を後に使ったときの方が「チリチリ」と音がする頻度が高かったです。

 

最も感心したのは、肌にヘッドを押し付けずに、当てただけの状態でもしっかり深剃りできること。3種5枚の外刃であらゆる形状のヒゲを捕らえる技術の高さを実感しました。

 

<肌への負担>

ほとんど圧力をかけなくてもしっかり深剃りできている

このように圧倒的な深剃りができると、肌への負担が気になりますが、筆者の場合はブラウン同様ほとんどひりつきを感じませんでした。

 

深剃りの項でも書きましたが、肌に押し付けずに深剃りできることで、肌への負担も明らかに軽くなっています。本機を使えば、シェービング時につい肌に圧力をかけてしまう人も、軽く肌に当てるシェービングが習慣づけられるでしょう。

↑頬などで、肌にほとんど押しつけていない状態でシェーバーを動かしても、しっかりとヒゲが剃れていました↑頬などで、肌にほとんど押しつけていない状態でシェーバーを動かしても、しっかりとヒゲが剃れていました

 

エントリーその3

フィリップス

Shaver series 9000 ウェット&ドライ電気シェーバー

S9731/33

<シェービングの速さ>

独特の3ヘッドは円を描くようにゆっくりシェービングすると効率よくヒゲが剃れる

特徴的な3つのヘッドを備えた本機は、シェーバーを円を描くように動かしてシェービングすることが推奨されています。実際、この動きでより多くの方向からヒゲが捕らえられるようで、わずか76秒でほぼシェービングを終了しました。またヘッド自体も滑りやすく、他の2機種よりスピーディーに肌の上を移動できる印象。ちなみに、本機を他機種のように上下に動かしてシェービングすると、終了までより長い時間が必要でした。

 

ヘッドの可動域を手で確認してみると、まず3つの丸型ヘッドを備えたシェービングユニットが前後左右に動きます。さらに、丸型ヘッドのひとつひとつが左右・内側の3方向に動き、顔のあらゆる形状に柔軟に対応。特に、内側への沈み込みが大きく、あごの先端も包み込むようにシェービングが行えます。また、ヘッド全体の幅が大きいのも、効率のよいシェービングができる要因でしょう。

↑3ヘッドの真ん中を押すと、間に大きな窪みができます。この窪みをあごの先端に沿わせて動かすとあごヒゲをヘッド全面で剃ることが可能↑3ヘッドの真ん中を押すと、間に大きな窪みができます。この窪みをあごの先端に沿わせて動かすとあごヒゲをヘッド全面で剃ることが可能

 

<深剃り度合い>

他の2機種にはやや劣るが、十分な深剃り力を持つ

本機はモーター駆動音がとても静か。使い始めは、本当にヒゲが剃れているのか心配になりますが、上にも書いたように、シェービングに要した時間は最も短かったです。

↑9000シリーズは外刃の形状にも工夫が。外刃は外側に「くの字」型のスリットが施され、このカーブに沿ってヒゲが内側に導かれ、しっかり捕らえてカットされます↑9000シリーズは外刃の形状にも工夫が。外刃は外側に「くの字」型のスリットが施され、このカーブに沿ってヒゲが内側に導かれ、しっかり捕らえてカットされます

 

ただ、深剃りに関しては、他の2機種にいま一歩の印象。ブラウンやパナソニックの剃り上がりと比較すると、やや手で触ったときにザラつきを感じます。これは、ヘッドのクッションが極めて柔らかいためではないかと推測します。シェーバーを肌に押し付けても、他の2機種に比べて圧力が弱く感じるような、圧力が外に逃げるような感覚があるのです。

 

本機は後述する「肌への負担を軽減する」目的には最適ですが、かなりの深剃りが好みの人は、少々物足りなく感じてしまうかも。とはいえ、電動シェーバーとしては十分な深剃りの実力は備えているので、後述の通り、肌荒れが気になる人にはこちらが第一候補になります。

 

<肌への負担>

肌へのやさしさは文句なしでよりやさしいモードも搭載

一方、「肌へのやさしさ」という意味では、本機は文句なしでNo.1です。また、3機種の中では唯一、刃の回転数を3段階で変えられ、肌が極端に弱い人はセンシティブモード(弱モード)でのヒゲ剃りも可能です。

↑ON/OFFスイッチの左右の「+/-」のボタンでヒゲ剃り強度を3段階調節できます。普段使いに最適な「ノーマルモード」のほか、敏感肌の人に最適な「センシティブモード」、素早くシェービングしたい人向けの「ハイスピードモード」が搭載されています↑ON/OFFスイッチの左右の「+/-」のボタンでヒゲ剃り強度を3段階調節できます。普段使いに最適な「ノーマルモード」のほか、敏感肌の人に最適な「センシティブモード」、素早くシェービングしたい人向けの「ハイスピードモード」が搭載されています

 

【今回のテストのまとめ】

<シェービングの速さ>

どれも優秀だが特にフィリップスが秀逸!

シェービングの速さは、どの機種も十分速いというのが実感ですが、なかでも速かったのがフィリップス。3つに分かれた丸型ヘッドがあごの周辺でもより広い面積に密着できるのが、効率的なシェービングを生み出しているようです。

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一方、パナソニックは、少ない走行で着実にヒゲを剃り切る印象。シェービングではヘッドをかなりゆっくり移動させましたが、あご下など凹凸の大きな場所も2~3往復で剃り終えた印象です。ブラウンは鼻と口の間やあご付近など、緩やかな隆起がある場所での肌への密着度が大きく、一度に広い面積をシェービングできると感じました。

 

<深剃り度合い>

深剃り性能ではトップのパナソニックにブラウンが迫る状態

深剃りではパナソニックが優秀という結果に。これは、5枚刃と「5Dアクティブサスペンション」が、深剃りにも大いに寄与しているようです。

20171227-s2 (19)

ブラウンは見た目や手で触った感覚では、ほとんどパナソニックと変わらぬ深剃り度合い。ただ、シェービング後にパナソニックを使うとまだ剃れている音がするので、パナソニックのほうがより深剃りできると推測します。

 

フィリップスはパナソニックやブラウンに比べると、シェービング後のザラつき感がわずかに残ります。とはいえ、これはあくまで3機種を比較した結果であり、フィリップスも十分深剃りできていると感じました。ブラウンの項では、筆者の手持ちのシェーバー(1万円台の普及モデル)だと毎日のシェービングが不可欠だったところ、本機だと「2日に1回でも大丈夫に思えた」と書きましたが、それはフィリップスも同様(もちろんパナソニックも)です。

 

「少しでも深剃りできる機種がほしい」という人にはパナソニックがオススメ。そうでなければ、どの機種も満足できる深剃り性能を持っていると思います。

 

<肌への負担>

肌へのやさしさはフィリップスが優秀だが他の2機種も負担は少ない

今回検証した3機種は、どれも「深剃り」と「肌へのやさしさ」を両立できているといえます。なかでも特に肌への負担が少ないのはフィリップス。通常の使用では多少長時間シェービングしても、肌がひりつくことはありませんでした。

20171227-s2 (15)↑フィリップスは、やや強めに押し付けても、頬全体に圧力が分散しているのがわかります

 

他の2機種に関しても、「十分剃れた」と思うところまでシェービングを続けても、ほぼ肌にひりつきは感じませんでした。かなり肌が弱い人以外は、フィリップス以外の2機種でも問題なく使えると思います。次回は「操作性」「メンテナンス性」「拡張性」をチェックしていきましょう。