【今日の1冊】松岡修造は「決して残さない」「美味しかったらおかわりをする」――『おいしい記憶』

フジテレビ系列のミニ番組「くいしん坊!万才」のリポーターといえば、だれを思い浮かべますか?

 

現在のリポーターを務めているのは、元プロテニスプレーヤーの松岡修造さんです。食リポーターを第十代目である”宍戸開さん”から引き継いだのは、2000年1月のことでした。じつは、歴代1位の出演回数(800回以上)を記録しています。

 

エッセイ集『おいしい記憶』(松岡修造、上戸彩ほか・著/中央公論新社・刊)では、松岡修造さんが「くいしん坊!万才」について熱心に語っています。

 

「くいしん坊!万才」の舞台裏

松岡修造「自分でプレゼンした『くいしん坊』」

収録に入れば、三食ロケになるわけですが、出されたものはやはり全部平らげているんですよ。カメラの前でちょっと箸をつけて終わりなどということは、僕の現場ではありえません。

(『おいしい記憶』から引用)

 

松岡さんによれば、「くいしん坊!万才」のロケは、9回分をまとめて収録するそうです。1日3食×3日間。けっして短時間で収録せずに、1食をしっかり味わうためのスケジュールです。

 

そのほかにも、松岡修造の「こだわり」があります。出されたものを「残さない」ことはもちろん、おいしいものは「おかわり」をするそうです。だから食材が足りなくなって、現場スタッフが慌てることもあったり。松岡さんらしいエピソードです。

 

スポーツ解説者(キャスター)を務めている松岡さんは、海外で活躍しているアスリートの取材に出かけることも多いです。だからこそ、日本の郷土料理を食べられる「くいしん坊!万才」のロケを、いつも新鮮な心がまえで楽しんでいます。

 

 

上戸彩は「消え物」が大好き

上戸彩「母のおこわ」

うちの母親は、仕事場に突然「皆さんでどうぞ」と、お手製のおこわを持って来ることがあります。単に「娘をよろしく」の挨拶のつもりなのか、何か「ここが正念場」と感じるものがあるのか、そのタイミングは謎。

(『おいしい記憶』から引用)

 

女優の上戸彩さんは、収録現場の「消え物」が大好きであると告白しています。

 

「消え物」とは、ドラマや映画などの食事シーンで使われる「お料理」のことです。上戸さんは、自他ともに認める「食いしん坊」であり、一流のフードコーディネーターが作った「ごちそう」をいつも楽しみにしています。

 

上戸彩さんの母上が「おこわ」を差し入れするのは、共演者や支えてくれるスタッフへの気づかいであると同時に、多忙に働いている「食いしん坊」な我が娘のためかもしれません。愛を感じます。

 

親から子への情愛を示すもの。それは「お弁当」という形であらわれます。

母と娘をつなぐもの

和田佑美子さん「ふたつのお弁当箱」

ある時台所の片付けをしていると、私が高校生の時に使っていたお弁当箱と、色の違う同じ形のお弁当箱が出て来た。なぜ二つの色違いのお弁当箱があるのだろうと不思議に思い、母に聞いてみると(中略)「実はね、あなたのお弁当を作る時、お母さんの分も時々一緒に作っていたの」

(『おいしい記憶』から引用)

 

和田さんの学生時代。お昼どきになると、お母さんから携帯メールが届いたそうです。メールの内容は「お弁当の批評」でした。

 

当時は、メールの意図がわかりませんでした。じつは、娘と「おなじ時間帯」に「おなじ弁当」を食べることによって、離れていてもまるで同席しているようなランチタイムを過ごしていたわけです。母の遊び心であり、娘恋しさでもあり、涙腺をくすぐられるエピソードです。

 

家族のだれよりも早起きして、朝食を作って、さらに昼食(お弁当)の支度をする。とてつもない労力です。学生のとき、手づくりのお弁当を食べていたのなら、それこそが「愛」を証明するものです。

 

 

忘れられない「しあわせの味」

紹介したエッセイ集『おいしい記憶』は、キッコーマンが協賛する「あなたの『おいしい記憶』をおしえてください。」コンテストの入賞作品をまとめたものです。著名人による「12本の描きおろしエッセイ」も併録しています。

 

綴られている「おいしい記憶」は、ほとんどが「家族」と過ごした思い出です。なにげない食事であっても、気持ちの通じた人たちと食べるほうが「おいしい記憶」として残るのでしょう。

 

ちなみに、松岡修造さんがリポーターを務める「くいしん坊!万才」は、キッコーマンの1社提供番組です。もはや「仕事を越えたライフワークである」と熱く語っています。

 

上戸彩さんは、キッコーマンの製品である「わが家は焼肉屋さん」「濃いだし 本つゆ」などのコマーシャルに出演しています。今回のエッセイでは、上戸さんの意外な一面や、子ども時代〜デビュー直後のこと、共働きだったお母さんの得意料理など、ほかでは読めない貴重なエピソードを語っています。お試しください。

 

【書籍紹介】

おいしい記憶

著者:上戸 彩ほか
発行:中央公論新社

人には誰にも、「おいしい記憶」があります。食の幸せ「おいしい記憶」にまつわる作家・著名人による珠玉の書き下ろしエッセイ12本を収録。そして、キッコーマン株式会社が毎年公募している「あなたの『おいしい記憶』をおしえてください コンテスト」の入賞作品10本をちりばめ、構成されたアンソロジーです。カバーと本文には、けしごむはんこ画家・とみこはんの温かくおいしそうなイラストをちりばめ、食の思い出を彩ります。誰にでもある「おいしい記憶」を呼び覚ます、そして、読めば誰かと食事をしたくなる1冊です。

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朝のみそ汁と昼のコーヒーが決め手!? 睡眠の質を上げる食事のコツ

1日の中で食べるものや飲むものが、大きく睡眠にも関わってきます。
食事と睡眠が関わっているの?と不思議に思う人もいるかもしれませんが、ちょっとした食事の工夫で睡眠の質も変わってくるのです!
睡眠の名医・白濱龍太郎先生の著書『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム刊)よりそのメソッドをご紹介します。

 

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朝食が睡眠を大きく左右する

睡眠の質は、日々の食事によっても左右されます。なかでも朝食は、非常に重要です。
「朝、日光を浴びることで体内時計が調節される」というのは知られていますが、同様に「毎日規則正しく朝食をとることで、体内時計が調整される」ことが、最近の研究で明らかになっています。

 

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みなさんの中には、「朝早く起きて朝食をとるよりも、できるだけ長い時間寝ていたい」「朝は食欲がわかないので、食べない」という人もいるでしょう。

 

しかし、「ぐっすり眠れていない」と感じているのなら、朝食は必ずとってください。
そして朝、目が覚めたら日光を浴びると同様に、1時間以内に朝食をとるようにしましょう。

 

 

朝食で味噌汁を食べて心地よい眠りへと導く

質のよい睡眠を得るためには、「朝食で何を食べるか」も重要です。
特に、朝食でとってほしいのが「トリプトファン」という栄養素。このトリプトファンは必須アミノ酸のひとつで、人は必要な量のトリプトファンを体内で合成することができないため、食品からとらなければなりません。

 

トリプトファンは体内に入ると、精神を安定させる働きのある「セロトニン」というホルモンに変わります。
日中、人の体内ではセロトニンが分泌されますが、セロトニンは夜になると酵素の働きを受け、自然な睡眠を促すホルモンである「メラトニン」に。

 

つまり、トリプトファンを多くとることで、セロトニンやメラトニンが多く分泌され、眠りにつきやすくなるのです。

 

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なお、トリプトファンは大豆製品や赤身の魚、牛肉や豚肉、卵、乳製品、ナッツ類に多く含まれています。

 

ただどうしても時間がなかったり、食欲がわかなかったりして、しっかりと朝食をとれない日もあるでしょう。
そんなときでも、できれば味噌汁1杯は飲むようにしてください。大豆製品である味噌には、トリプトファンが多く含まれているからです。

 

時間がないときにはインスタントでもOK。もし自分で作る余裕があるときには、卵や豆腐などをプラスするといいでしょう。

 

 

いい昼寝にはコーヒーが欠かせない!?

コーヒーというと、眠気をなくすというイメージがありますよね。実は、いい昼寝をするために欠かせないものなのです。

 

昼寝の前には、ホットでもアイスでも構わないので、必ず一杯のコーヒーを飲みましょう。
こういわれると、「眠る前にコーヒーを?」と不思議に思うと思います。
しかし、これが「賢い昼寝」をするための大きなポイント。

 

コーヒーの香りには、副交感神経を優位にする効果があるといわれています。そのため、若干ではあるかもしれませんが、催眠作用が期待できます。

 

一方、コーヒーに含まれるカフェインには、みなさん知っているように交感神経を刺激して眠気をなくし、気分をすっきりさせるという効果が。

 

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胃でカフェインが吸収され、体をめぐって脳で作用するまでに約20~30分かかると考えられています。
この時間差をうまく使い、飲んだ後から昼寝を始め、カフェインが効き始める時間におきるようにするといいのです。

 

コーヒーの香りによる催眠作用とカフェインが脳に働きかけるまでのタイムラグをうまく使うことによって、昼寝をしてもすっきりと目覚め、仕事を再開することができるはず。
なお、昼寝をするには午後1時がおすすめですが、どんなに遅くても昼寝をするのは午後3時までとし、20分以上は眠らないようにしましょう。

 

3時以降に昼寝をしたり、20分以上眠ってしまったりすると、夜の睡眠の妨げになってしまうので注意してください。

 

参考書籍
『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(白濱龍太郎著)
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文/FYTTE編集部