ビタミンDを増量せよ! 全身にさまざまな影響を与える「骨」を丈夫にする方法

皮膚や髪と違い目に見えないため、普段から「骨」を意識することは少ないですよね。しかし、骨は全身にさまざまな影響を与える重要な組織。骨が持つパワーや骨を丈夫にするための方法を学び、骨の健康を保ってみては?

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ビタミンDで骨リスクを回避

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12月13日放送の「あさイチ」(NHK)では「骨」を特集しました。女性の骨密度は20歳頃にピークを迎え、閉経をきっかけに減少。そのため骨粗しょう症になるのは高齢者が中心だと思われてきましたが、最近では20代でも発症する可能性があります。若い時に骨密度がじゅうぶんに増えないことで、早い時期から骨が弱くなるリスクが高まることがあるそう。

 

女性の骨の健康を脅かす原因として考えられるのは、運動不足、ダイエット、アルコールの過剰摂取など。中でも注目が集まっているリスクがビタミンD不足です。ビタミンDは、骨をつくるカルシウムの吸収を助けたり、カルシウムが骨に吸着する時にも必要となる栄養素。8割以上の女性に不足していると考えられていますが、骨の健康を守るためにしっかりと摂取してくださいね。

 

ビタミンDは皮膚の中にある脂質の一種に紫外線が当たると反応してつくられます。日差しの強い夏場なら4~5分程度浴びればじゅうぶんな量が生成されますが、冬の北海道では300分も日光浴をしなければならない場合も。紫外線を浴びるだけでは必要なビタミンDをつくり出すことは難しいため、冬場は食事やサプリメントで補給しましょう。食事からとるには、1日あたり鮭なら1/2切れ、いわしやさんまは1尾、きくらげ(乾)だったら20gを食べるのがおすすめ。SNSでは「今の時期はアン肝もいいと思うよ!」「しらす干しもビタミンDが多いって聞いた」「しめじやエリンギもいける」といった声が上がっているので、参考にしてみてもいいかも。

 

 

“タテ”の動きでオステオカルシンを増やす

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北海道大学大学院の佐藤真理先生は、骨は体をつくる骨組みではなくもっと深い役割を持っていると説明します。佐藤先生が注目しているのは、骨の90%を占めている「骨細胞」。骨細胞が働かなくなると筋力や免疫力が低下し、栄養失調をきたすことも。また最新の研究では、骨から出る「オステオカルシン」というホルモンが筋肉や臓器などにも影響すると報告されています。さらに、オステオカルシンを肥満細胞に与えると中性脂肪が分解されるという実験結果も出ているため、肥満防止の効果も期待できるよう。

 

オステオカルシンは骨をつくる細胞からつくられるため、分泌を促すにはやはりビタミンDが重要。そして、階段の上り下りなど骨に負荷をかける運動も効果的だとされています。階段の上り下りが難しい場合は、踏み台昇降やかかとの上げ下ろしなど“タテ”の動きを取り入れましょう。

 

ビタミンDの摂取とタテの運動で骨を丈夫にし、いつまでもきびきびと動ける体でいたいものですね。

 

 

文/プリマ・ドンナ

 

 

 

骨が全身の健康を制御する!? 骨から生まれる「オステオカルシン」にイノッチも興味津々

健康のために、筋トレをしたり体操をしてみたりと、筋肉や内臓をケアしている人は多いはず。しかし、12月13日に放送されたNHK「あさイチ」では、骨が全身の健康を制御しているという意外な情報が報じられた。

※画像はイメージです※画像はイメージです

 

全身の健康は“骨”が司っていた?

40代女性の30人に1人、50代女性では4割が骨粗鬆症のリスクを抱えているといわれる昨今。その原因になるのがビタミンDの不足だ。紫外線を浴びることで体内で生成されるビタミンDだが、最近では日焼け対策などの影響で若い女性を中心に不足しているという。

 

女性の血中ビタミンD量を測定してみると、6割近くの女性がビタミンD不足。20代女性の8割がビタミンD不足の状態になっている。番組に登場した専門家によると、血中のビタミンD濃度が低いほど骨折のリスクも上昇。

 

しかし、骨の健康が大切なのは骨折を避けるためだけではない。北海道大学大学院の准教授・佐藤真理さんによると、骨は「色々な臓器を制御して私たちの健康を守っている“中心人物”」だそう。

 

骨の90%以上をしめる「骨細胞」は、これまでどんな働きをしているのかがよく分かっていなかった。しかし、“骨細胞だけが働かなくなる薬”をマウスに注射して様子を見てみると、筋力が低下し、栄養失調と免疫力低下の症状も発生。いわば老化が一気に進んだ状態になってしまった。

 

実は、骨から出るホルモン「オステオカルシン」には膵臓のインスリンの作用を高めたり、筋肉を丈夫にしたり、脂肪肝を抑制したりと様々なパワーがあるという報告が。さらに、中性脂肪を分解するパワーも持っている。

 

オステオカルシンを増やすためには?

スタジオの井ノ原快彦も興味津々で「何をどうやったらアレを体内に入れることができるんですか?」と質問。オステオカルシンは外部から取り入れて増やすというよりは、運動やビタミンDを取り入れることで体内で作るのが今のところベストだという。

 

運動としては、骨に重力をかけるような“縦の動き”が重要。階段の昇り降りや踏み台昇降、かかとの上げ下ろしや縄跳びが効果的とのこと。

 

食事でビタミンDをとるには、サケなら1/2切れ(50g)、イワシは1尾(50g)、サンマも1尾(100g)、そしてきくらげなら乾燥した状態で20gが目安。ビタミンDは日光に当たることで生成されるが、この量の食事をとっていれば“まったく日を浴びていない”状態でも一応ビタミンDが確保できる。

 

血液をサラサラにする「EPA」などでも注目を集めている魚類だが、「魚って栄養あるのは分かるけど料理めんどくさすぎる」という人は多い。「部屋で魚焼くと臭くなるからちょっと…」という声もあり、缶詰で食べるなどの工夫をしている人もいるよう。

 

もちろん日光浴も大切なビタミンD確保手段のひとつだが、厚生労働省の「『統合医療』情報発信サイト」によると「屋内で窓越しに日光に当たってもビタミンDは生成されません」とのこと。曇りの日や日陰、皮膚の色が黒い人も日光によるビタミンD生成量を低下させてしまう。ただし、直射日光に当たりすぎないようにも注意が必要。食事と日光浴のバランスを上手にとって、健康な骨と体を目指してみよう。