炊飯器・最新5モデル「4つの結論」がコレだ! 8項目徹底テストまとめが導く「買い」のポイント

本稿は、最新高級炊飯器の主要5モデル(象印、パナソニック、三菱電機、タイガー、日立)を多角的に検証してきた連載企画をまとめたもの。これまで各モデルの「上質炊飯機能」(炊き立て・冷やごはん・冷凍ごはんの食感チェック)「食感炊き分け」「一合炊き」「保温」「操作性・メンテナンス性」「独自機能・設置性」の各項目をチェックしてきた検証結果をまとめ、各機種がどんなタイプのユーザーにオススメか考えていきます。どんな違いがある? どれを選べばいいの?…と感じている方、ぜひ参考にしてみてください!

 

【検証する機種はコチラ】

エントリーその1

発熱性・蓄熱性に優れた南部鉄器の羽釜を採用し大火力で炊き上げる

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象印

圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』

“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

実売価格10万2370円

発熱性・蓄熱性に優れた南部鉄器の羽釜を内釜に使用した炊飯器。大きく伸びた羽根で側面ヒーターの熱を釜内に伝え、最大1450Wの大火力と1.5気圧の圧力炊飯でごはんをふっくらモチモチに炊き上げる。また、前回炊いたごはんの感想を入力することで、121通りのなかから好みの食感に近づける機能「わが家炊き」の炊き分け範囲を拡大。従来機種より固めに、よりモチモチに炊けるなど、幅広い食感に炊き分けられる。

SPEC●炊飯容量:0.5~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:151wh●保温1時間あたりの消費電力量:17.1Wh●加熱方式:プレミアム対流●内釜:南部鉄器 極め羽釜●サイズ/質量:約W305×H245×D400mm/約11.5kg

 

エントリーその2

「Wおどり炊き」に「加圧追い炊き」を加え、甘みとモチモチ感がアップ

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パナソニック

スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器

Wおどり炊き SR-SPX107

実売価格8万2240円

IHの通電切り替えで激しい熱対流を生み出す「大火力おどり炊き」と、釜内を加圧状態から一気に減圧し激しい対流を生み出す「可変圧力おどり炊き」を組み合わせた「Wおどり炊き」を搭載。熱と水分を米に均一に行き渡らせ、ふっくらモチモチの銀シャリに炊き上げる。炊飯工程の終盤にさらに加圧して釜内を高温にする「加圧追い炊き」機能を新たに採用し、ごはんの甘みとモチモチ感がさらにアップした。50銘柄の銘柄炊き分け機能を搭載するほか、釜内を高温洗浄できる「お手入れ機能」も新採用。

SPEC●炊飯容量:0.5〜5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:160wh●保温1時間あたりの消費電力量:14.4Wh●加熱方式:6段全面IH●内釜:ダイヤモンド竃(かまど)釜●サイズ/質量:W266×H233×D338mm/7.0kg

 

エントリーその3

発熱効率が高い「本炭釜」と連続沸騰技術でかまど炊きの味を再現

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三菱電機

IHジャー炊飯器本炭釜

KAMADO NJ-AW108

実売価格10万2370円

IHの発熱効率が高い純度99.9%の炭素材を使った「本炭釜」採用モデル。内釜全体の発熱と噴きこぼれのない連続沸騰技術により、粒感のいいふっくらとしたかまど炊きの味を再現する。沸騰力の向上と高断熱構造の強化で火力をさらにアップ。蒸気口に新搭載した密封弁が蒸らし時の蒸気の流出を抑え、潤いたっぷりのごはんに仕上げる。15通りの食感炊き分け機能「炊分け名人」に加え、35銘柄に対応する「銘柄芳潤炊き」機能も持つ。

SPEC●炊飯容量:0.5~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:162wh●保温1時間あたりの消費電力量:17.2Wh●加熱方式:7重全面加熱+連続沸騰●内釜:本炭釜●サイズ/質量:W285×H249×D320mm/約5.7kg

 

エントリーその4 〔NEW!〕

土鍋に新成分を配合し、熱伝導が大幅に向上!

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タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPG-X100

実売価格13万8240円

陶器の本場・三重県四日市市 “四日市萬古焼”の本土鍋と本物の土のかまどを本体に搭載した炊飯器。土鍋に「炭化ケイ素」成分を新配合し、熱伝導が従来の約2.5倍に向上した。さらに土かまどの表面積も従来比で約11.4%アップし、高火力でふっくらごはんに炊き上げる。タッチパネル全体がスピーカーとして機能する新構造で、音声ガイドの音質もよりクリアに。

SPEC●炊飯容量:1〜5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:150Wh●保温1時間あたりの消費電力量:15.8Wh●加熱方式:土鍋圧力IH+可変W圧力IH●内釜:プレミアム本土鍋(四日市萬古焼)●サイズ/質量:約W261×H220×D325mm/約7.3kg

 

エントリーその5

内釜の底に鉄の粒子を打ち込み効率的な発熱と高い伝熱性を両立

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日立

圧力スチーム炊き

ふっくら御膳 RZ-AW3000M

実売価格7万2310円

水温を60℃以下で米にしっかり吸水させる「高温浸し」と独自の圧力スチーム技術を搭載。ふっくら艶やかで甘み豊かなごはんに炊き上げる。アルミ合金の内釜の底に発熱性の高い鉄の粒子を打ち込むことで効率的な発熱と高い伝熱性を両立し、内釜全体に素早く熱を伝えることで炊きムラを抑える。0.5合でもおいしく炊き上げる「少量炊き」機能も特徴。「蒸気カット」機能付きで、キッチン棚の中で使っても棚の天面が濡れず、設置場所の自由度が高い。

SPEC●炊飯容量:0.5~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:145wh●保温1時間あたりの消費電力量:13.7Wh●加熱方式:圧力スチーム炊き●内釜:高伝熱 打込鉄・釜●サイズ/質量:約W268×H237×D352mm/約6.6kg

 

【各機種の検証まとめ】

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高級炊飯器の購入動機は、何より「おいしいごはんが食べたい」ということ。従って、炊飯器選びの基本は、ユーザーの食感の好みになります。食感炊き分け機能があるとはいえ、炊き上がりの違いはどうしても出るため、各機種の“クセ”は事前に理解しておきたいところです。

 

一方、操作性やメンテナンス性は、各機種へのユーザーの向き不向きを判断する要因になります。特に内釜の材質はメンテナンス性に大きく関わってくるので、注意が必要。設置性も重要で、高級炊飯器はおしなべて大きく重いうえ、炊飯時に出る蒸気量も考慮し、実際に置けるか否かを確認する必要があります。以上に留意しながら、以下で各機種の特徴をまとめて見ていきましょう。

 

エントリーその1

象印

圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』

“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

「ふっくらもっちり」食感では全機種でトップクラス

ごはんの炊き上がりの特徴は、モチモチの弾力と豊かな甘み。「熟成」メニューで炊いた場合、炊き立ての香りが濃厚で、やや柔らかめに炊き上がりました。冷やごはんも冷凍ごはんを再加熱した場合も、もちもち食感をキープ。一方、1合を「熟成」メニューで炊いた場合、香りと甘みは豊かながら、やや粘りと弾力が少ない、硬めの食感になりました。

↑冷やごはん(おにぎり)。炊き立てごはんがまとっていたつやは、冷やごはんになってもしっかりキープされています。モチモチした弾力も相変わらずでした↑炊き立てごはんがまとっていたつやは、冷やごはんになってもしっかりキープされています。モチモチした弾力も相変わらずでした

 

本機の食感炊き分けは7通り。最も「しゃっきり」で炊くともちもち感を維持しつつ、ほどける食感が前に出てきます。最も「もちもち」で炊いた場合、粘り・弾力に加え、柔らかさが強まりました。さらに初期設定を変えると、「よりもちもち」「よりしゃっきり」の食感も可能です。

 

保温に関しては、ごはんの乾燥や変色を抑える「極め保温」を使用。保温6時間後では香りとみずみずしさは弱まりましたが、もちもちした食感と甘みは維持していました。

 

“わが家好み”のごはんに簡単に調整できる

本機の炊飯における独自機能は「わが家炊き」機能です。手動の食感炊き分けはパナソニックや三菱電機に比べるとやや物足りないですが、「わが家炊き」の場合、炊飯後にアンケートに答えることで、121通りの食感のなかから最適な食感に調整します。玄米をふっくらもっちりの食感に炊き上げる玄米の「熟成」メニューも搭載しています。

↑「わが家炊き選択」ボタンを押すと、上の画面に切り替わり。毎回炊飯したあとに、炊き上がりの「硬さ」と「粘り」の評価を入力すると、次回炊飯時にその評価が反映されます。これを何回か繰り返すことで、段々好みの食感に近づきます↑「わが家炊き選択」ボタンを押すと、上の画面に切り替わります。毎回炊飯したあとに、炊き上がりの「かたさ」と「粘り」の評価を入力すると、次回の炊飯時にその評価が反映されます。これを何回か繰り返すことで、段々好みの食感に近づく仕組み

 

ふたが自動で閉まる「スマートクローズ」機能が便利

操作性は、大型の液晶パネルに全炊飯メニューが表示されるのはわかりやすいですが、「進む/戻る」ボタンを何度も押してのメニュー選択はやや手間。メンテナンス性では、内釜がかなり重いのが難点で、本体も5機種のなかでは圧倒的に重く、持ち運びが大変でした。ちなみに、本機は炊飯器のふたを手で閉じる際に力を入れて押し込む必要があるため、ボタンを押すとふたが自動で閉まる「スマートクローズ」機能が搭載されているのが便利でした。

20170926-s2-27↑本体ふたの前側面にある「CLOSE(クローズ)」ボタン。炊飯器のふたが開いているときにこのボタンを押すと、ふたが自動で閉まります。力の弱い女性や年配の方は、これを押すことで確実にふたを締めることができます

 

上記をまとめると、以下の通りになります。

●とにかくもちもちの食感が好みの人。初期設定で最強の「もちもち」モードも選べる

●自分で食感設定を試行錯誤するのが面倒な人。「わが家炊き」機能で自分好みに調整可能

●玄米もふっくらもっちりに仕上げる。玄米で「熟成」メニューが利用可能

●その他、「スマートクローズ」機能はユニークだが実用性あり

 

エントリーその2

パナソニック

スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器

Wおどり炊き SR-SPX107

バランスのよいごはんに炊き上げ、多数の銘柄炊き分けに対応

上質炊飯の「銀シャリ」コースで炊いたごはんは、ふっくらしつつも柔らかすぎず、弾力と甘みに富んだバランスのよい炊き上がりです。冷やごはんはもちもち食感にしっとり感も加わり、おにぎりやお弁当に最適。冷凍ごはんの再加熱では、炊きたての味と食感がほぼ復活しました。1合炊きは「少量」モードで炊くとさっぱり食感に。銘柄炊き分けの「おすすめ」モードのほうがふっくらもちもちの食感になりました。

↑追い炊き時の高温スチーム投入によって、うまみ成分が米一粒一粒の表面にコーティング。つやつやと輝く炊き上がりは、見るからにおいしそうです↑追い炊き時の高温スチーム投入によって、うまみ成分が米一粒一粒の表面にコーティング。つやつやと輝く炊き上がりに

 

食感炊き分けは10種類。最も「しゃっきり」に炊くとほどける食感ながら硬さは柔らかめ。最ももちもちに炊くと粘りは強いが、ほどける食感も出てくるなど、どんな食感に炊いても食べやすさを感じます。また、50銘柄の炊き分けも魅力で、各銘柄のなかで3種類の食感炊き分けもできます。

↑銘柄米の特性に合わせた火加減をプログラム、米のうまみを引き出す炊飯をしてくれます。本機では従来機種より4銘柄増え、50銘柄の炊き分けが可能になりました↑銘柄の特性に応じた炊き分けを行う「銘柄炊き分けコンシェルジュ」の銘柄選択画面

 

保温の検証では、6時間経つとややモチモチ感が減退するものの、甘みがすっきりして雑味のない、おいしいごはんでした。

 

本機は液晶パネルが大きく、表示も階層式でスムーズに設定できます。米の銘柄の特徴やごはんをおいしく炊くコツをパネルに表示できるのも便利。内釜が軽くお手入れも快適で、圧力式炊飯器の割には内ぶたの手入れもそれほど面倒ではありませんでした。

↑パナソニックの「ダイヤモンド竃釜」はおいしいごはんが炊けるのに軽くて使いやすいとユーザーから高評価を受けています↑パナソニックの「ダイヤモンド竃釜」は軽くて使いやすいとユーザーからは高評価

 

独自機能は銘柄炊き分けや10種類の食感炊き分けなど、前述の通り。また本機はスチーム用の水容器を装備、保温中にスチームを投入してごはんのうるおいを維持、「再加熱」ボタンを押すと、ごはんに炊き立ての食感が戻ります。

 

以上をまとめてみると、以下の通りです。

●ご飯のバランスを重視する人。どんなメニューでも食べやすく炊き上げる

●多くのお米の銘柄を試したい人。50種類の銘柄炊き分けに対応

●お弁当や冷凍ご飯をおいしく食べたい人

●メンテナンスがラクなほうがいい人。内釜が軽く、減圧弁の採用で洗いやすい

 

エントリーその3

三菱電機

IHジャー炊飯器本炭釜

KAMADO NJ-AW108

ほろりとほぐれる食感が心地いい

本機は今回検証した5機種のなかでは唯一の“非圧力式”炊飯器。「銘柄芳潤炊き」の「ふつう」モードで炊飯したごはんは、噛むと口のなかでほどけつつ、しっかり弾力もある独特の食感です。また、香りのみずみずしさは特筆もので、米本来の風味が豊かに感じられました。冷やごはんはモチモチ感が強まり、炊き立てとひと味違うおいしさ。一方、冷凍・再加熱したごはんは、強いしゃっきり感がありつつ、かなり柔らかくなりました。ちなみに、同モードで1合を炊くと、ごはんの粒感はそのままですが、香りがやや控えめに。また、ご飯の場所によって食感にばらつきもありました。

 

食感炊き分けは15通り。最も硬めでしゃっきりな設定だと米の粒感は突出するも「ほどよく硬い」食感で、それほど食べにくさは感じませんでした。一方、最も柔らかでモチモチに炊くと、粘りはかなり強くなりますが、ほぐれる感じもあり、柔らかさもほどほど。この粒感のあるモチモチ加減が本機の特徴といえます。また本機は、パナソニックと同じく銘柄炊き分けが可能。対応銘柄はパナソニックより少ない35銘柄ですが、各銘柄で9通りの食感炊き分けができます。

20170828-s1-2-760x570↑「しゃっきり」モードで炊いたお米。粒感が際立っています

 

パネルの情報量はやや少ないが音声ガイドに安心感あり

保温性能は、温度低めの「たべごろ保温」で検証。6時間後のごはんは、香りは減退したものの、炊き立てごはんのハリや粒感はしっかり維持されていました。

 

操作性は、液晶パネルが象印やパナソニックに比べると小さく、一度に表示できる情報量が少ないのがやや難点。音声ナビが付いているため、特に炊飯器に慣れていない時期は使っていて安心感があると思います。

↑表示はすっきりして見やすいが、一覧性↑表示はすっきりして見やすいですが、一覧性はいまひとつ。ただし、音声ナビ付きなので、現在選択している内容を音声で知らせてくれます

 

内ふたが洗いやすく玄米や麦飯の炊飯メニューが豊富

メンテナンス性は“非圧力”式のため内ぶたが洗いやすいのが特徴。ただ、炭釜を使うため、取扱う際は割れないよう注意が必要です。サイズはそれなりに大きいですが、重さが約5.7kgと5機種中最も軽く、丸みを帯びたデザインも魅力的。設置性はまずまずという印象です。

↑丸みのあるかわいらしいデザイン。キッチンはもちろん、ダイニングテーブルの上に置いてもなじみます↑丸みのあるかわいらしいデザイン。キッチンはもちろん、ダイニングテーブルの上に置いてもなじみます

 

本機は15種類の食感炊き分けや、銘柄炊きでも9通りの食感に炊き分けできるのが特徴。「芳潤炊き(玄米)」「美容玄米」「麦飯(芳潤炊き)」など玄米や麦飯の炊飯メニューも豊富で、ごはんの食感にこだわる人にはオススメです。

 

以上をまとめると、本機にオススメな人は以下の通り。

●とにかくしゃっきりな食感が好きな人。特に米の粒感を重視する人にオススメ

●多彩な機能に慣れていない人。音声ガイドで操作をアシスト

●米の銘柄をいろいろ食べ比べたい人。35種類の銘柄に対応

●冷やご飯、玄米や麦飯を美味しく食べたい人

 

エントリーその4

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPG-X100

ごはんの香り、ふっくら感、おこげの香ばしさはトップクラス!

土鍋と土かまどの大火力で炊き上げる本機は、ふっくらもっちりの炊き上がりとおこげの香ばしさが楽しめるのが特徴。土鍋の素材を見直すなどして火力がアップし、香りとおこげのつき方がさらにアップしました。

 

「白米」モードで仕上がり標準、火加減「中」で炊飯したごはんは香りが濃厚。鍋肌にしっかりおこげを作りつつ、内側のごはんはふっくら柔らか。しかも弾力、甘みは強く、米の粒感も感じられ、食べ応え満点でした。冷やごはんにするとごはんが締まり、しっとりしつつもモチモチ感と甘みがアップ。冷凍・再加熱したごはんは、おこげの香りは弱まったものの、弾力と甘みは健在です。1合炊飯では、甘みは3合炊きと同等ながら、食感がより柔らかく、弾力も香りも少なめになりました。

 

食感炊き分けは従来の3段階から5段階に増え、より細かく食感設定できるようになりました。最も「しゃっきり」に炊くと柔らかながらほぐれる食感、最も「もっちり」に炊くとモチモチ度が前面に出てきます。「火かげん」キーでおこげの濃さも3段階に調整可能。特に、火加減「弱」にしたときに炊きたてごはんの香りが濃厚になり、味に深みが感じられるようになったのが斬新でした。

↑「火かげん:強」にするとよりおこげがしっかりできています。米粒にもしっかりとしたハリが見られます↑「火かげん:強」にするとよりおこげがしっかりできています。米粒にもしっかりとしたハリが見られます

 

保温性能が格段に向上し、シンプル操作で使いやすい

保温に関しては、保温6時間後でもまだおこげの香りを維持していたのが見事。モチモチ感もキープしており、5機種の中でも6時間までの保温性能は1、2を争う優秀さです。

 

操作性に関しては、炊飯設定は「進む・戻る」ボタンで行いますが、食感(仕上がり)と火加減を専用キーで設定するため、煩雑さはありません。「モーションセンサー」がスリープするまでの時間が20秒から60秒に伸び、実用性が格段に向上。音声ガイド機能も声が聞き取りやすく、使っていて安心感があります。ただし、炊飯器の外ぶたが時々締めにくくなるのはかなり困りました(たまたまテストした機種がそうだったのかもしれませんが)。

↑従来液晶の左側に2列4個並んでいたキーが1列3個になり、右側の「もどる・すすむ」キーも表示が「<|>」になってスリムに。これにより、液晶パネルが大きくなっています↑従来液晶の左側に2列4個並んでいたキーが1列3個になり、右側の「もどる・すすむ」キーも表示が「<|>」になってスリムに。これにより、液晶パネルが大きくなっています

 

土鍋をお手入れするときは丁寧に扱って

お手入れ面では、内ぶたに付いた調圧ボールと安全弁がやや洗いにくいです。土鍋も落として割れたりしないよう丁寧に扱う必要あり。ちなみに、掃除の手間は変わりませんが、新機種からスチームキャップが外ぶたの内側から着脱する方式になりました。サイズは5機種のなかではコンパクトなほうですが、重さがやや重く取っ手もないので、持ち運びがやや面倒です。

↑「プレミアム本土鍋」に炭化ケイ素成分を配合し、より高火力な炊飯が可能に。鍋底には「波紋底」を採用しており、沸騰時の泡立ちを均一にし、お米がムラなく炊き上がります↑「プレミアム本土鍋」に炭化ケイ素成分を配合し、より高火力な炊飯が可能に。鍋底には「波紋底」を採用しており、沸騰時の泡立ちを均一にし、お米がムラなく炊き上がります。お手入れの際は、割れないように注意を

 

まとめると、以下の通りになります。

●好みの食感が決まっていない人。しゃっきりでももっちりでも、香り豊かなふっくらごはんに仕上がる

●香ばしいおこげごはんが好きな人

●仕事の帰りが遅く、家族と食事時間がずれる人。数時間の保温機能が優秀

●多機能炊飯器の操作に慣れていない人。音声ガイドで操作をアシスト

 

エントリーその5

日立

圧力スチーム炊き

ふっくら御膳 RZ-AW3000M

ほどよい弾力や硬さのごはんに炊き上げ、少量炊飯が得意

本機の炊き上がりの食感は、ズバリ「中庸」。「極上炊き分け」の「ふつう」で炊いたごはんはふっくらしながら柔らかすぎず、弾力と粘り、米の粒感のバランスが取れています。

↑米粒のかたちはスリムで、しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります。食感と味のバランスの良さが、画像からも伝わってきます↑米粒の形はスリム。しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります

 

最初さっぱりしながら食べるうちに甘みが増してくる味わいも良好です。冷やごはんはややベタつきが出るものの、粒感のなかにモチっと感がもあり。冷凍ごはんを再加熱すると粘りが強くなり、やや硬めの食感に。1合炊飯では「少量」ボタンを使うことで、3合炊きとほぼ同じ味と食感を実現できました。

↑日立の「少量」ボタン↑視認性の高い縦型パネルを採用。パネルの左には「少量」ボタンがあります

 

食感炊き分けは3種類。「しゃっきり」は三菱電機に次ぐしゃっきり感で、「もちもち」で炊いた場合も、もっちり感は象印やパナソニック、タイガーの「標準」で炊いた場合より控えめでした。玄米を3種の食感に炊き分けられるのも特徴です。

 

保温性能は優秀で液晶パネルは視認性が高い

本機はパナソニック同様「スチーム保温」がウリ。保温温度の低いモードで検証したところ、保温6時間後は炊き立ての食感と味をほぼ申し分なく維持していました。

 

操作性では、本機は縦型の液晶パネルを採用。サイズも大きく、視認性は高いです。炊飯設定で、メニューを逆方向から選べるボタンがないのがやや不便でした。

 

「蒸気カット」機能の装備で設置の自由度は最優秀

メンテナンス性については、内ぶたが調圧ボール搭載の放熱板とプレート、蒸気口上ケースの3パーツ構成で洗浄がやや面倒。ただし、内釜が軽く丈夫で洗いやすいのは魅力です。一方、設置性は本機が最も優秀。他機種が炊飯中に大量の蒸気を放出するのに対し、本機は「蒸気カット」機能搭載で通常の炊飯なら蒸気がほとんど出ません。キッチン用収納棚などに置けるのはメリットです。

↑↑日立ふっくら御膳は「蒸気カット」機能により、設置の自由度が高いです

 

上記を踏まえた結果は以下の通りです。

●しゃっきり寄りの食感を好みつつ、バランス重視の人

●玄米を炊き分けて食べたい人。3段階の炊き分け機能や「炊込み」メニューあり

●少量炊飯することが多い人。専用モードあり

●設置スペースが限られている人。「蒸気カット」機能付きで置く場所を選ばない

 

本稿を参考に、条件やごはんの好みを勘案して最適な1台を選んでください。その先にはきっと、幸せな“絶品ごはん生活”が待っていますよ!

「惜しい点が1つだけ…だが、想像以上のデキ!」タイガー最新炊飯器「JPG-X100」、前モデルと徹底的に比べてみたら?

タイガーの高級調理家電ブランド「GRAND X(グランエックス)」シリーズから、新型炊飯器「JPG-X100」が発売されました。本機は、土鍋(内釜)の素材の見直しなどで火力がさらに向上し、音声アシスト機能など使い勝手も向上したといいます。とはいえ、前機種から何がどれだけ進化したのか、細かくその違いがわかる人は少ないはず。その点、筆者はつい先日、タイガーの前機種および他社メーカー4モデルのテストをみっちり行ったばかり。

 

そこで今回、前機種「JPX-102X」とまったく同じ8項目テストを実施し、徹底的に違いを明らかにしてみることにしました。その結果は、大きな不満が1つだけあったものの、炊き上がり、操作性が思った以上に進化していることが判明。以下でその詳細をチェックしてみてください!

 

 

 

【今回テストするのはコチラ】

土鍋に新成分を配合し、熱伝導が大幅に向上!

20171129-s4-(36)

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPG-X100

実売価格13万8240円

陶器の本場・三重県四日市市 “四日市萬古焼”の本土鍋と本物の土のかまどを本体に搭載した炊飯器。土鍋に「炭化ケイ素」成分を新配合し、熱伝導が従来の約2.5倍に向上した。さらに土かまどの表面積も従来比で約11.4%アップし、高火力でふっくらごはんに炊き上げる。タッチパネル全体がスピーカーとして機能する新構造で、音声ガイドの音質もよりクリアに。

SPEC●炊飯容量:1〜5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:150Wh●保温1時間あたりの消費電力量:15.8Wh●加熱方式:土鍋圧力IH+可変W圧力IH●内釜:プレミアム本土鍋(四日市萬古焼)●サイズ/質量:約W261×H220×D325mm/約7.3kg

 

【比較した前モデルがコチラ】

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPX-102X

20170926-s2-38

 

【検証内容はコチラ】

前回の炊飯器比較検証連載と同様、「上質炊飯機能」「食感炊き分け」「少量炊飯」「保温性能」「操作性」「メンテナンス性」「独自機能」「設置性」の8項目をチェックしていきます。

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPG-X100

【テストその1 食感・味の傾向は?】

炊飯モードは「白米」、火加減は「中」、仕上がりは「標準」を選び、米3合を炊飯。炊き上がりの香りや味、食感をチェックしました。お米は宮城県産ひとめぼれの新米(平成29年産)を使用。ごはんの甘みやモチモチ感などのバランスの取れた品種です。

 

<炊き上がり>

ごはんのふっくら感もおこげの香りも前機種をしのぐ炊き上がり

本機の特徴は、その高い蓄熱性を活かした香り高いごはんが炊けることと、特におこげごはんが楽しめること。今回、土鍋の熱伝導率が2.5倍になったことで、その香りとおこげのつき方が圧倒的に高まりました。

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ふたを開けるとすでにおこげの香ばしい香り、みずみずしい新米ごはんの香りが周りに広がります。ごはんをほぐそうと、土鍋の鍋肌に沿ってしゃもじを入れると、しっかりおこげができています。前回のJPX-102Xの火加減「強」で炊いたときのおこげが、今回は火加減「中」ですでに実現できている印象。

 

そのおこげの部分はもちろんパリパリですが、鍋肌以外の部分はふっくら柔らかな炊き上がり。ただし、ごはんの粘り・弾力はかなり強く、米の粒感もあって食べ応えのある食感です。お米がひとめぼれということもあり、最初はやや甘みが控えめだと感じましたが、食べるうちにどんどん甘みが増幅。おかずなしでも大満足のおいしさでした。

↑茶碗によそったごはんは、たっぷり水分をまとい、つやもたっぷり。うしろにはパリパリのおこげが↑茶碗によそったごはんは、たっぷり水分をまとい、つやもたっぷり。うしろにはパリパリのおこげが

 

<冷やごはん(おにぎり)>

もちもちかつしっとりした食感はおにぎりに最適

冷やごはんは炊きたてをラップに包み、室温で5時間ほど冷ましたものを試食。炊きたてでは柔らかい食感でしたが、水分が適度に飛んでモチモチ感がより強くなり、しかもしっとり感はたっぷり残っています。甘みもしっかり感じられ、塩むすびにしただけでも十分満足できると感じました。

↑おこげの香りは弱いものの、炊きたてより弾力が増しています。しっとり感も十分で美味!↑おこげの香りは弱いものの、炊きたてより弾力が増しています。しっとり感も十分で美味!

 

<冷凍・再加熱>

食感も味も炊きたてごはんの状態をかなり再現

冷凍ごはんは炊きたてをラップに包んで冷凍保存し、1日経ったものを電子レンジで再加熱しました。冷凍することで、おこげの香りは弱まりましたが、柔らかながらモチモチした粒感のある食感で、ごはんの甘みは健在です。ただし、おこげの部分は水分を含んで柔らかくなり、粘り気も出てきて、やや食べづらくなっていました。

20171129-s4 (9)↑冷凍・再加熱しても、ごはんのつやはかなり復活しています

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPG-X100

【テストその2 食感炊き分けの幅は?】

好みに応じた幅広い食感炊き分け機能の搭載は、高級炊飯器の大きな魅力のひとつです。JPG-X100は食感の炊き分けが、前機種の3通りから5通りに細分化。「仕上り」キーを押すことで「しゃっきり/ややしゃっきり/標準/ややもっちり/もっちり」と炊き分けられます。おこげのつき方は前機種同様、「火かげん」キーにより3通りに変えることができます。

 

今回は、その中から「仕上り:しゃっきり/火かげん:弱」と「仕上り:もっちり/火かげん:強」の2通りで炊飯し、食感と味の違いを比較しました。

 

「しゃっきり」ではほぐれる食感に加え米の繊細なうまみを体感

「仕上り:しゃっきり/火かげん:弱」で炊いたごはんは、おこげの香りがなくなりましたが、炊きたてごはんの香りが濃厚。ごはんの甘みがやや控えめになる代わりに、米の甘み以外の繊細な“うまみ”が感じられるようになったのが新鮮でした。食感は柔らかですが粘りは少なく、ふっくらしつつも口の中でほぐれてくれます。この食感は、しゃっきり食感の代表的な機種、三菱電機の「本炭釜 KAMADO NJ-AW108」に近いものがありますが、三菱電機がしゃっきり感の中に弾力があるのに対して、本機はより柔らかで食べやすい炊き上がりです。

↑「仕上り:しゃっきり/火かげん:弱」で炊いたごはん。「仕上り:標準」で炊いたときより、米粒表面の水分量がやや少なめです↑「仕上り:しゃっきり/火かげん:弱」で炊いたごはん。「仕上り:標準」で炊いたときより、米粒表面の水分量がやや少なめです

 

「もっちり」設定で弾力と甘みが、「火かげんアップ」でおこげの香ばしさがより強化

一方、「仕上り:もっちり/火かげん:強」で炊いた場合、おこげの香りがより濃厚になり、土鍋の鍋肌部分はおこげがパリパリに仕上がっていました。食感に関しては柔らかさが減退し(とはいえ「固い」わけではありません)、もちもち感が前面に出てきています。ごはんの甘みもさらに増していますが、それより香ばしさが主張する味わい。おこげ好きにはたまらないごはんだと思います。ただ、おこげの部分が固いと感じるのも事実。おこげをいきなりごはんに混ぜこむのでなく、まずはおこげ化していない柔らかいごはんを楽しみ、おこげの部分は別途お茶漬けやおこげスープで食べるといった、多彩な味わい方も堪能できます。

 

「しゃっきり」「もっちり」両方の炊き上がりを比較すると、その食感の幅は全機種JPX-102Xより大きくなった印象。おこげ好きだけでなく、幅広いユーザーに受け入れられるごはんの炊き分けが可能になったと感じました。

↑「火かげん:強」にするとよりおこげがしっかりできています。米粒にもしっかりとしたハリが見られます↑「火かげん:強」にするとよりおこげがしっかりできています。米粒にもしっかりとしたハリが見られます

 

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土鍋圧力IH炊飯ジャー

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【テストその3 少量炊飯の炊き上がりは?】

独り暮らしや夫婦2人世帯でも毎回炊きたてが食べたいという場合、少量炊飯でもおいしいごはんが炊けるかどうかは気になるところ。ここでは、「仕上り:標準/火かげん:中」でお米1合を炊いて、3合で炊いた場合との味と食感の違いをチェックしました。

 

香りと味はまずまずだがもちもち感がかなり弱まる結果に

炊き上がってふたを開けると、おこげごはんのいい香りが広がりますが、香り自体は3合炊いたときよりやや弱く感じます。食感は3合炊きより柔らかく、弾力も少なめに。味に関しては、最初やや弱くなったかなと感じましたが、口の中に残る味の余韻は3合炊きとほぼ同等でした。

 

結論としては、香りと味では健闘しているものの、食感、特にもちもち感が減退しており、もちもち食感が好みの人には、やや物足りない仕上りになるようです。

↑米の表面に水分をまといつつ、つやはやや弱め。おこげも3合炊きのときより弱くなっていました↑米の表面に水分をまといつつ、つやはやや弱め。おこげも3合炊きのときより弱くなっていました

 

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土鍋圧力IH炊飯ジャー

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【テストその4 保温性能は?】

メーカーが推奨する本機の最大保温時間は24時間。ここでは、炊飯後6時間経ったものと、24時間後のごはんの味をチェックしました。

 

6時間後も香ばしさが残る保温性能が見事!

6時間保温したごはんで驚いたのは、香ばしいおこげの香りがまだ残っていたこと。これは冷やごはんや冷凍ごはんにはないメリットです。甘みは炊きたて同様に強く、ごはんの劣化によるニオイも感じられません。柔らかさが炊きたてより少し増しましたが、もちもち感はしっかり残っています。全体にかなり炊きたてのクオリティを維持しており、6時間保温は十分に実用的だと感じました。前機種で試したときに比べると、6時間保温時の味わいは向上していると感じました。

↑つやはややなくなり、米の表面がぐずつき始めていましたが、味はほぼ問題なし。おこげ部分はさすがに蒸気で柔らかくなっていました↑つやはややなくなり、米の表面がぐずつき始めていましたが、味はほぼ問題なし。おこげ部分はさすがに蒸気で柔らかくなっていました

 

一方、24時間後のごはんは、ややごはんの劣化したニオイが立ち始め、おこげの香りもなくなっていました。ただ、ごはんのもちもち感はかなり残っていて、ふっくら感はありませんが、べちゃっとした食感までには至らず、甘みも十分感じられます。ただ、やはり24時間保温したものよりは、炊きたてを冷凍保存したもののほうが、炊きたてのおいしさに近い味と食感を楽しめます。

↑24時間保温後のごはん。見た目はみずみずしいつやをかなり保持しています↑24時間保温後のごはん。見た目はみずみずしいつやをかなり保持しています

 

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【テストその5 操作性/メンテナンス性は?】

炊飯器は炊飯性能や保温性能に注目しがち。ですが、毎日使うのもだけに炊飯設定のしやすさやお手入れのしやすさもしっかりチェックすることが肝心です。

 

<操作性>

操作パネルの配置変更と「モーションセンサー」の改良で操作の快適性が向上

JPG-X100は従来機から操作パネルのレイアウトを変更。液晶表示部の大きさを従来より大きく取れるようになり、視認性もアップしました。「仕上り」と「火かげん」の表示も、従来の操作キーの上部ではなく、液晶表示部内に収められています。一方、人が近づいたのを感知して自動で点灯する「モーションセンサー」は、操作なしで消灯するまでの時間が前機種の20秒から、今回60秒に延長。全機種で気になっていた、「操作に迷っている間に表示が消えてしまう問題」がほぼ解消されました。

↑従来液晶の左側に2列4個並んでいたキーが1列3個になり、右側の「もどる・すすむ」キーも表示が「<|>」になってスリムに。これにより、液晶パネルが大きくなっています↑従来液晶の左側に2列4個並んでいたキーが1列3個になり、右側の「もどる・すすむ」キーも表示が「<|>」になってスリムに。これにより、液晶パネルが大きくなっています

 

↑メニュー選択の場合、「<|>」キーでなく「玄米」などメニュー表示を直接タッチして選択することもできました↑メニュー選択の場合、「<|>」キーでなく「玄米」などメニュー表示を直接タッチして選択することもできました

 

音声ガイド機能も、液晶全体を使って音が出るようになり、音質も向上したとのこと。筆者は両方を交互に聞き比べたわけではないので、どの程度聴きやすくなったかはよくわかりませんが、音声が明瞭に聴こえるのは実感しました。また、タッチパネルに触れると振動が指に伝わり、従来では得られなかったタッチ感が実感できます。キーを押すとわずかに押し返すような刺激があり、クリック感を再現。操作感の向上に貢献する秀逸な工夫です。

 

ひとつ残念なのは、炊飯器の外ぶたが閉めづらいときがあること。圧力式のIH炊飯器は、ふたを閉めるときに内部の圧力を上げるため、ふたを閉めるのに力がいるのですが、本機は特に閉まりにくい場合があります。象印の最上位機種、NW-AT10のような、電動でふたが閉まるボタンの搭載をぜひ検討してほしいところです。

20171129-s4 (18)

また、ふたの閉まり方にムラがあり、軽い力で閉まるときと、強く押し込まないとうまく閉まらないときがあります。個体差があるのかもしれませんが、かなりストレスを感じました。

 

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<メンテナンス性>

土鍋の強度が上がったものの取り扱いにはなお注意が必要

お手入れするパーツは内釜(土鍋)と内ぶたとスチームキャップの3つ。本モデルから、スチームキャップが外ぶたの外側でなく内側に搭載されるようになりました。内ぶたを外すとその裏にスチームキャップが付いています。

↑写真右から土鍋、内ぶた、スチームキャップ。メンテナンスするパーツはかなり少なめです↑写真右から土鍋、内ぶた、スチームキャップ。メンテナンスするパーツはかなり少なめです

 

内ぶたは調圧ボールと安全弁が付いていて、汚れが付くと洗うのが面倒ですが、白米を3合炊きした限りでは、汚れが付くことはありませんでした。スチームキャップもスチームが凝結した水は溜まりますが、一瞬の水洗いでキレイになります。

 

土鍋の重さは1238g。土鍋を4度焼きすることで、強度も前モデルよりアップしているとのことです。ただ、それでも金属製と違って「割れない」というわけではないので、取り扱いには注意しましょう。

↑調圧ボールのすき間などに汚れがたまると、洗うのがやや大変↑調圧ボールのすき間などに汚れがたまると、洗うのがやや大変

 

↑内釜の重さは前モデルより100g重くなっています↑前機種は1138gで、本機は1238g内釜の重さは前モデルより100g重くなっています

 

フレームのお手入れに関しては、フレーム表面に細かいシボ(凹凸)があります。メーカーの説明では、このシボにより汚れが付いても落ちやすいとのこと。試しに米粒を擦り付け、乾かしたあと乾いた布巾で拭き取ってみたところ、確かに大部分の汚れは簡単に落ちます。わずかに凹凸のすき間に残った汚れも、濡れた布巾で簡単に取れました。

↑乾いた布巾で汚れをふき取ったあと。わずかに汚れのこびりつきがありました↑細かいシボのあるフレーム。乾いた布でこびりついた米粒をふき取ると、わずかに汚れのこびりつきが残りますが、大部分の汚れは落ちました

 

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【テストその6 独自機能/設置性は?】

「独自機能」は、ごはんのおいしさや炊飯のバリエーションアップにつながる、本機ならではの機能や技術をチェックします。使い勝手の向上やメンテナンスの手間を省く機能も見ていきます。「設置性」は横幅と奥行き、重さを確認。また、炊飯器の設置場所の自由度を左右する炊飯中の蒸気の出方もチェックしました。

 

<独自機能>

火力強化や操作性向上のための独自機能がチューンアップ

本機の最大の特徴であり、かつ前機種から進化した点は、熱伝導率が約2.5倍になったことによる火力アップ。これによりおこげごはんの香ばしさが大きく向上しました。また、内ぶたに親水加工を施し、水分がしずくになりにくく、炊き上がり後や保温中のつゆだれを抑制。また、保温中に内ぶたに水分の膜を作ることで、ごはんをしっとり保温できます。

↑「プレミアム本土鍋」に炭化ケイ素成分を配合し、より高火力な炊飯が可能に。鍋底には「波紋底」を採用しており、沸騰時の泡立ちを均一にし、お米がムラなく炊き上がります↑「プレミアム本土鍋」に炭化ケイ素成分を配合し、より高火力な炊飯が可能に。鍋底には「波紋底」を採用しており、沸騰時の泡立ちを均一にし、お米がムラなく炊き上がります

 

↑表面に親水性の高い塗膜をつけた「つや艶内ふた」を採用。加熱時には表面に付いた水分が素早く蒸発します。保温時には内ぶた表面に長く留まり、ごはんの乾燥を防ぎます↑表面に親水性の高い塗膜をつけた「つや艶内ふた」を採用。加熱時には表面に付いた水分が素早く蒸発します。保温時には内ぶた表面に長く留まり、ごはんの乾燥を防ぎます

 

本機では、ごはんの食感(粘り)も5通りに炊き分け可能になりました。これに火かげんキーで3通りのおこげのつき方が調節でき、多彩な香りや食感を楽しめます。火かげん設定を、さらに弱めや強めにシフトすることも、前モデル同様に可能です。

 

炊飯機能では2種類の「麦めし」モードを搭載しているのも特徴。今回、「もち麦」モードで炊飯したところ、もち麦独特の甘みと、プチプチもちもちした食感が楽しい絶品ごはんに炊き上がりました。

↑白米にもち麦3割を混ぜて炊飯。白米だけ炊いたときとは違う粘り気のあるつや、大麦独特の甘い香りが楽しめる麦ごはんができました。パサつきは皆無。日常的に使ってみたいモードです↑白米にもち麦3割を混ぜて炊飯。白米だけ炊いたときとは違う粘り気のあるつや、大麦独特の甘い香りが楽しめる麦ごはんができました。パサつきは皆無。日常的に使ってみたいモードです

 

そのほか、操作の快適さにつながる「モーションセンサー」や「音声ガイド」機能も前機種からさらに実用性がアップ。土鍋ふたも付属し、土鍋ごとおひつとして食卓に出すことができます。

 

<設置性>

前モデル同様、本体はコンパクトだがやや重めで設置場所を選ぶ

本体の横幅は26.1cmで、奥行きは32.5cm。前モデルと比べ、幅が0.4cm狭く、奥行きが1.6cm長くなっていて、大手メーカーの高級炊飯器の中でもコンパクトな部類に入ります。重さは約7.3kgでやや重め。取っ手がないので、移動時は両手で持つことになります。

 

火力がアップしていることで、水蒸気もかなりの量を放出します。上部に十分な空間のある場所かレンジフード(換気扇)の近くで炊飯するのがいいでしょう。

20171129-s4 (31)↑火力が強くなるにつれ、水蒸気の量も増加。特に炊飯中に減圧する際に、大量の蒸気が出ます

 

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【テストのまとめ】

おこげの香り以外にも多彩なおいしさを楽しめる製品に進化!

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タイガーの高級炊飯器「THE炊きたて」シリーズの魅力は、まず第一に「香ばしいおこげごはんが楽しめる」ことだと筆者は考えていました。が、今回最新モデルを使ってその考えが変わりました。本機は火かげん弱にすればおこげなし、炊きたての香り豊かでふっくらもちもちのごはんが楽しめます。また、そこから火かげんを強めることで、おこげの香ばしい香りをプラスすることが可能。「しゃっきり」と「もっちり」の食感の幅も、前機種の段階で最も大きな差が感じられましたが、今回さらにその幅が大きくなった印象です。

 

食感炊き分けも3通りから5通りに増加。柔らかめな炊き上がりの中で「しゃっきり」から「もっちり」までの食感の強弱がしっかりつき、いろいろ設定を変えるたびに、異なるおいしさが楽しめました。おこげだけでなく、より多彩な味わいが表現できるように進化したというイメージです。

 

冷やごはんはもちもち感がアップし、お弁当やおにぎりに最適。冷凍・再加熱したごはんは、炊きたてのふっくらもちもちした食感と甘みが蘇りましたが、おこげの部分はやや粘り気が出過ぎて食べづらく感じました。

20171129-s4 (40)

 

保温機能も6時間までなら極めて優秀!

本機は前機種と比べて保温性能も進化。6時間程度の保温なら、粒感を残したもちもち感や甘みはもちろん、おこげの風味まで維持できていました。ただし、24時間経つとさすがにやや劣化が目立ってくるので、冷凍・再加熱のほうがオススメです。

↑操作パネルやモーションセンサーの改良で炊飯設定がよりスムーズに↑操作パネルやモーションセンサーの改良で炊飯設定がよりスムーズに

 

操作性ではキーのレイアウトが変わったことで、液晶画面が大きくなったのが特徴。食感や火加減の表示も液晶画面内にまとめられました。音声ガイド機能付きで操作に安心感があるのも魅力。モーションセンサーの消灯までの時間が60秒に伸びたことで、操作中のストレスが大幅に軽減されました。ただし、外ぶたの閉めにくさは減点対象です。

 

メンテナンス面では内ぶたの調圧ボール、安全弁に汚れがついたときの手入れがやや面倒。土鍋は強度が増しましたが、そのためか重さも100g増加し、洗うときの扱いにも注意が必要です。

 

独自機能に磨きがかかって製品の魅力もアップ!

独自機能では、火力アップに加え、食感炊き分けのバリエーションが5通りに増加。おこげのつき方も好みや用途に応じて変えられます。また「麦めし」モードは従来機種からの継続機能ですが、パサつきもなく何度でも食べたいと思わせる炊き上がりでした。モーションセンサーの実用性アップも見逃せないポイントです。

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設置性の面では、各メーカーの最上位機の中では小さめなサイズですが、それでもかなりの場所を取ります。また、蒸気も出るので設置場所は相変わらず限定されます。これらの結果を踏まえ、本機がオススメな人を考察してみました。結果は以下の通りです。

●ふっくら柔らかめなごはんが好きな人

●おこげの香り豊かなごはんが好きな人

●好みの食感が決まっていない人、いろいろな食感のごはんを楽しみたい人。炊き分け機能が5通りに増え、より細かな食感の違いが楽しめます

●お弁当、おにぎりを作る機会の多い人

●多機能炊飯器の操作に慣れていない人。液晶パネルやモーションセンサーの改良と音声ガイドでさらに操作性がアップ

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JPG-X100は、前モデルよりもごはんの香りとふっくら感がアップ。「しゃっきり」と「もっちり」それぞれでよりおいしくなりました。炊飯設定もよりわかりやすくなり、ごはん好きにとって、満足感が極めて高い1台です。

日立のいいとこ全部出た! 8項目テストまとめで「ふっくら御膳」は「失敗したくない人」へのベストアンサーと判明

本サイトでは、主要メーカーのハイエンド炊飯器のなかでも人気の高い5機種を集め、徹底的に比較・検証した記事を連載してきました。今回は、日立「ふっくら御膳 RZ-AW3000M」の検証をまとめ、その個性に迫っていきます。検証によると、ご飯の味のバランスが良いほか、少量炊飯や保温など、細かい部分にも配慮が感じられ、あらゆる面でバランスが取れた良機ということが判明。以下で詳しく見ていきましょう!

 

【今回テストするのはコチラ】

内釜の底に鉄の粒子を打ち込み効率的な発熱と高い伝熱性を両立

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日立

圧力スチーム炊き ふっくら御膳

RZ-AW3000M

実売価格10万7780円

水温を60℃以下で米にしっかり吸水させる「高温浸し」と独自の圧力スチーム技術を搭載。ふっくら艶やかで甘み豊かなごはんに炊き上げる。アルミ合金の内釜の底に発熱性の高い鉄の粒子を打ち込むことで効率的な発熱と高い伝熱性を両立し、内釜全体に素早く熱を伝えることで炊きムラを抑える。0.5合でもおいしく炊き上げる「少量炊き」機能も特徴。「蒸気カット」機能付きで、キッチン棚の中で使っても棚の天面が濡れず、設置場所の自由度が高い。

SPEC●炊飯容量:0.5~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:145wh●保温1時間あたりの消費電力量:13.7Wh●加熱方式:圧力スチーム炊き●内釜:高伝熱 打込鉄・釜●サイズ/質量:約W268×H237×D352mm/約6.6kg

 

【テストその1 食感・味の傾向は?

最も上質な炊飯ができるコースで炊き上げ、その香りや味、食感を比較しました。お米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。コシヒカリの強い味わいと、ササニシキのさっぱりした味の中間にあたる、バランスの取れた味のお米です。米は3合で炊飯。今回は機種の味の傾向を知るために、中庸(ふつう)の食感設定を選択しました。

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また、食感と食味は炊きたてに加え、冷やごはんと冷凍・再加熱したものについてもチェックしています。冷やごはんは、炊きたてをラップに包んでおにぎりにし、室温で5時間ほど冷ましたものを試食。冷凍ごはんは、炊きたてをラップに包んで冷凍庫で冷凍し、1日経ったものを電子レンジで温めました。

 

<炊き上がり>

バランスのいい味と食感で噛むほどに甘みが増してくる

極上炊き分けの「ふつう」で炊飯。他機種と比べるとやや控えめながら、昔ながらの「炊き立て」のいい香りがしっかり広がります。ごはんのハリ、つやもまずまず。食感は柔らかくなりすぎず、ほどよい弾力と粘りがあります。口のなかで米がほどける食感もあり、バランスのいい炊き上がりだと感じました。味は最初甘さやや控えめに感じましたが、噛むほどにどんどん甘みが増します。

↑米粒のかたちはスリムで、しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります。食感と味のバランスの良さが、画像からも伝わってきます↑米粒のかたちはスリムで、しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります。食感と味のバランスの良さが、画像からも伝わってきます

 

<冷やごはん(おにぎり)>

ややベタつくが、ほどける食感と雑味のない味が堪能できる

冷やごはんは、ベタつきがやや感じられますが、口の中でほどける食感は健在。モチモチした食感がやや出てきたように感じました。雑味のない甘みも堪能できます。

↑冷やごはんになって、米のつやが一段と増した印象。冷めてもごはんの味と食感のバランスは健在でした↑冷やごはんになって、米のつやが一段と増した印象。冷めてもごはんの味と食感のバランスは健在でした

 

<冷凍・再加熱>

粘りが強く出てきたが、甘みが増してくる特徴は変わらず

一方、冷凍ごはんを温めると粘りがかなり強くなり、少し団子感が出てきました。表面の水分が飛んだせいか、やや固めに感じる部分もあります。最初はさっぱりでどんどん甘さを増すおいしさは、冷凍でもしっかり味わえます。

↑これも炊き立てと比べると、米のつや感とハリがだいぶなくなってしまいました。かたちもやや崩れ始めています↑これも炊きたてと比べると、米のつや感とハリがだいぶなくなってしまいました。かたちもやや崩れ始めています

 

日立

圧力スチーム炊き ふっくら御膳

RZ-AW3000M

【テストその2 食感炊き分けの幅は?】

その炊飯器で「最もしゃっきり硬めの食感に炊き上げるモード」と、「もっとももちもちに炊き上げるモード」で炊飯。それぞれの食感の違いを見ることで、その機種が実現できる食感の幅を確認しました。

さっぱりした食感がベースで、「もちもち」モードでももっちり度は控えめ

本機の白米の炊き分け機能は「極上ふつう」と「極上しゃっきり」「極上もちもち」の3種類のみ。ここでは、「極上しゃっきり」「極上もちもち」を試してみました。

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「極上しゃっきり」で炊いたごはんはその名の通りしゃっきり硬めの食感。わずかに粘り気がありますが、食べるとほろりとほぐれます。甘みはすっきりで、炊き立てのごはんの風味がありながら、粒感が立っている感じです。今回検証した5モデルの中では三菱電機に次いで、しゃっきり感を強く感じました。

米粒の周りにおねばをまとって、口に入れた瞬間は粘り気を感じますが、そのあとしゃっきり食感に変わります。他の機種にはない、独特のしゃっきり感です↑米粒の周りにおねばをまとっており、口に入れた瞬間は粘り気を感じますが、そのあとしゃっきり食感に変わります。他の機種にはない、独特のしゃっきり感でした

 

一方、「極上もちもち」で炊いたごはんのほうは、もちもち度は他機種ほど高くなく、口の中でほぐれる食感が感じられました。パナソニックや象印の食感設定を「ふつう」にして炊いた場合より弾力は弱く、柔らかさも他機種と比べると控えめ。ただし、ごはんの甘みはかなり強くなっていました。

↑見た目のつやは豊かですが、「もちもちモード」で炊いた割には、弾力や粘り気は他機種ほど強くなりませんでした。ただ、茶碗によそってしばらく経つと、少しもちもち感が上がりました↑見た目のつやは豊か。「もちもちモード」で炊いた割には、弾力や粘り気は他機種ほど強くなりませんでした。ただし、茶碗によそってしばらく経つと、少しもちもち感がアップ

 

日立

圧力スチーム炊き ふっくら御膳

RZ-AW3000M

【テストその3 少量炊飯の炊き上がりは?】

これまで同様、米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。米1合を標準(ふつう)の食感設定で炊飯し、3合炊きしたときのごはんの味・食感との違いをチェックしました。

「少量」ボタンで3合炊飯とほぼ変わらないおいしさに

本機の特徴は、0.5合〜2合の炊飯に適した「少量」ボタンを搭載していること。3合を炊いたときと同じ「極上ふつう」モードで少量1合を選択して炊飯しました。

 

炊き立てを食べた第一印象は、「3合炊飯とほとんど味と食感が同じ」だということです。香りは他機種と比べるとやや穏やかですが、炊き立てごはんのいい香りが広がります。食感は柔らかながら、適度な粘りがあり、食べると口の中でほどよくごはんがほどけます。最初は控えめながら、食べ進むうちにどんどん甘くなっていく味わいも前回と同じでした。

20170822-s3 (9)_R

↑炊き立てはおねばがつやつや光っていましたが、表面の水分がある程度飛ぶと、ツヤが落ち着いてきました。3合を炊いたときと見た目もほとんど同じです↑炊き立てはおねばがつやつや光っていましたが、表面の水分がある程度飛ぶと、ツヤが落ち着いてきました。3合を炊いたときと見た目もほとんど同じです

 

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圧力スチーム炊き ふっくら御膳

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【テストその4 保温性能は?】

最もオーソドックスなモードで、3合炊きしたごはんを24時間保温。炊飯6時間後の味と食感とニオイ、24時間後の味と食感とニオイをチェックしました。

保温6時間後の食感・食味は申し分なし

本機は、「スチーム40時間保温」を搭載しており、炊飯時に出た蒸気を水に変えて備蓄し、保温時に定期的にスチームとして釜内に送り込みます。保温モードは、ごはんの変色や乾燥を防ぐ「保温低」(40時間以内)と、高めの温度でふたの内側や内釜につゆがつくのを抑える「保温高」(12時間以内)の2種類ありますが、今回は保温時間の長い「保温低」で試してみました。

 

保温6時間後のごはんは、炊き立て時の米の弾力と粘り気が持続していました。甘みも変わらず、ニオイもまったくありません。全体の食味・食感は申し分ないです。

↑チェック時にはつやがだいぶなくなった印象でしたが、写真を見るとまだまだつやとハリをキープしています↑6時間の保温後もまだまだつやとハリをキープしています

 

24時間保温したごはんは、さすがにニオイが少し出始めていて、全体の食味はやや劣化した印象。食感もかなり柔らかくなっていますが、食べている間にほどける感覚と、米一粒一粒の弾力はまだ残っていました。

↑24時間経って、色はかなり黄色っぽくなっています。ごはんのハリ、つやもなくなってしまいました↑24時間経って、色は黄色っぽくなっています。ごはんのハリ、つやも少なくなりました

 

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圧力スチーム炊き ふっくら御膳

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【テストその5 操作性/メンテナンス性は?】

「操作性」に関しては、炊飯設定する際の液晶パネルの見やすさや、ボタン操作のしやすさをチェック。特に、目的の炊飯設定にするまでの工程に注目し、取扱説明書を見なくても炊飯設定がスムーズにできるかどうかを確かめました。「メンテナンス性」に関しては、炊飯後に洗うパーツの数や洗いやすさ、フレームに付いた汚れや露の拭き取りやすさをチェックしました。

<操作性>

「戻る」ボタンが欲しいが、見やすいパネルと「少量」ボタンは便利

高級炊飯器のなかでは貴重なタテ長の液晶パネルを採用。パネルのサイズが大きく、バックライト式で文字もくっきり表示されます。「お米」ボタンで米の種類や「調理モード」を選択。「メニュー」ボタンで炊飯メニューや調理メニューの選択をします。「お米」ボタンも「メニュー」ボタンも1回押すと右側のメニューに移動する方式で、「戻る」に相当するボタンがなく、特にメニューボタンで1回押しすぎるともう一周する必要があるのが面倒でした。

↑液晶パネルの左に「お米」「メニュー」「少量」ボタンを配置。「少量」ボタンが独立しているのは、少量で炊くことが多い家庭にはメリットです↑液晶パネルの左に「お米」「メニュー」「少量」ボタンを配置。「少量」ボタンが独立しているのは、少量で炊くことが多い家庭にはメリットです

 

↑「お米」「メニュー」ボタンを押すと、選択したメニューが点滅して表示されます。メニュー選択の際に「戻る」ボタンがないのがやや不便なので、時刻設定の左右キーを「戻る・進む」キーと共用できるよう、設定できるとよかったかなと思います↑「お米」「メニュー」ボタンを押すと、選択したメニューが点滅して表示されます。メニュー選択の際に「戻る」ボタンがないのがやや不便なので、時刻設定の左右キーを「戻る・進む」キーと共用できるよう、設定できれば良かったです

 

<メンテナンス性>

内ぶたは洗うパーツが多いが、内釜は軽量で毎日の手入れがラク!

炊飯ごとに洗うパーツは内釜と「給水レスオートスチーマー」(内ぶた)。「給水レスオートスチーマー」はさらにふた加熱板とプレート、蒸気口上ケースに分解して洗います。ふた加熱板の裏には調圧ボールが付いていて、これも丁寧に洗う必要があります。

↑写真左上が内釜、左下がプレート、右下がふた加熱板、右上が蒸気口上ケース↑写真左上が内釜、左下がオートスチーマープレート、右下がふた加熱板、右上が蒸気口上ケース

 

内釜は708gと、今回検証した高級炊飯器の5モデル中最軽量。軽くて丈夫で洗いやすく、扱いやすいです。また、フレームはステンレス製でフラット。つゆ受け部が窪んでいて、つゆが集まるようになっています。

↑内釜はアルミをベースに発熱効率の高い鉄を打ち込んだもの。高火力炊飯を可能にしながら、圧倒的に軽いのが魅力です↑内釜はアルミをベースに発熱効率の高い鉄の粒子を打ち込んだもの。高火力炊飯を可能にしながら、圧倒的に軽いのが魅力です

 

↑ふた可動部の下のつゆが溜まりやすい場所に窪みがある。つゆ受け部も含め、フレーム部表面にはステンレスが使われているので、汚れが拭き取りやすいです↑ふた可動部の下のつゆが溜まりやすい場所に浅い窪みが。つゆ受け部も含め、フレーム部表面にはステンレスが使われているので、汚れが拭き取りやすいです

 

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圧力スチーム炊き ふっくら御膳

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【テストその6 独自機能/設置性は?】

「独自機能」は各炊飯器に搭載されている、ごはんのおいしさにつながる独自の機能や技術、炊飯のバリエーションを広げる機能などをチェックします。また、使い勝手向上やお手入れの手間を省く便利機能も見ていきます。

 

「設置性」に関しては、横幅と奥行き、重さを確認します。また、炊飯中の蒸気の出方もチェック。さらに、設置性を高める独自の工夫があれば、それもチェックしていきます。

<独自機能>

玄米の3通りの食感炊き分けができ、「少量炊飯」モードも便利

本機は内ぶたに「給水レス オートスチーマー」を搭載。炊飯中の蒸気を水に戻して回収し、蒸らしや保温時に再びスチームにしてごはんに潤いを与えます。またこれにより、外に出る蒸気の量を少なくしているのも特徴です。

↑内ぶたに「オートスチーマー」を装備。ふた加熱板とプレートの間に貯めた水をヒーター加熱し、7つの穴からスチームとして放出します↑内ぶたに「オートスチーマープレート」を装備。ふた加熱板とプレートの間に貯めた水をヒーター加熱し、7つの穴からスチームとして放出します

 

食感炊き分けは3種類と少なめですが、玄米も3種類の食感に炊き分けられるのはメリット。玄米の「おかゆ」のほか、玄米の「炊込み」メニューを搭載しているのも特徴です。

 

さらに、少量炊き専用のボタンを搭載し、ボタンを押すだけで少量炊飯に適した炊き方に変えられる点は、1〜2人世帯にはうれしい機能です。

↑「少量」ボタンを1回押すと1合用に、2回押すと2合用に切り替わります。3回押すと少量モードが解除されます↑「少量」ボタンを1回押すと0.5~1合用に、2回押すと1.5~2合用に切り替わります。3回押すと少量モードが解除されます

 

ちなみに、内釜の白米(無洗米・雑穀米・発芽玄米)用の水位線には、「やわらかめ」「かため」に炊くための水位線も表示されていて、ユニークです。

↑「かため」の水位線はすしめしやカレー用のごはんに最適。新米を炊くときも「かため」の水位線を目安に少なめの水量にすると、炊き上がりのベタつきが抑えられます↑「かため」の水位線はすしめしやカレー用のごはんに最適。新米を炊くときも「かため」の水位線を目安に少なめの水量にすると、炊き上がりのベタつきが抑えられます

 

<設置性>

「蒸気カット」機能搭載で設置場所の自由度が圧倒的に高い!

本体幅は26.8cmで奥行きは35.2cmというサイズは、今回検証した5モデル中ではパナソニックに近い大きさ。重量は約6.6kgで、三菱電機に次ぐ軽さです。本体に取り付けた「しゃもじ受け」にしゃもじを挿しておけるのも便利です。

↑付属品の「しゃもじ受け」を本体後方下部のフックに取り付けて使用。しゃもじの置き場所に困らず、さっと使えてさっとしまえます↑付属品の「しゃもじ受け」を本体後方下部のフックに取り付けて使用。しゃもじの置き場所に困らず、さっと使えてさっとしまえます

 

他の機種にない設置性での優位点は「蒸気カット」機能を持っていること。これで設置の自由度が圧倒的に高くなります。

↑蒸気口は他機種よりかなり小さめ。白米の炊飯コースではほとんど蒸気が出ていませんでした。ただ、「おこげ」など「蒸気カット」しない炊飯コースもあるので、キッチン用収納棚などに置いて使うときは、注意が必要です↑蒸気口は他機種よりかなり小さめ。白米の炊飯コースではほとんど蒸気が出ていませんでした。ただ、「おこげ」など蒸気カットしない炊飯コースもあるので、キッチン用収納棚などに置いて使うときは、注意が必要です

 

日立

圧力スチーム炊き ふっくら御膳

RZ-AW3000M

【テストのまとめ】

ほどよい弾力や硬さのごはんに炊き上げ、少量炊飯が得意

本機の炊き上がりの食感は、ズバリ「中庸」。「極上炊き分け」の「ふつう」で炊いたごはんはふっくらしながら柔らかすぎず、弾力と粘り、米の粒感のバランスが取れています。

↑米粒のかたちはスリムで、しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります。食感と味のバランスの良さが、画像からも伝わってきます↑米粒の形はスリム。しゃっきり感を感じさせながら、つや感もしっかりあります

 

最初さっぱりしながら食べるうちに甘みが増してくる味わいも良好です。冷やごはんはややベタつきが出るものの、粒感のなかにモチっと感がもあり。冷凍ごはんを再加熱すると粘りが強くなり、やや硬めの食感に。1合炊飯では「少量」ボタンを使うことで、3合炊きとほぼ同じ味と食感を実現できました。

↑日立の「少量」ボタン↑視認性の高い縦型パネルを採用。パネルの左には「少量」ボタンがあります

 

食感炊き分けは3種類。「しゃっきり」は三菱電機に次ぐしゃっきり感で、「もちもち」で炊いた場合も、もっちり感は象印やパナソニック、タイガーの「標準」で炊いた場合より控えめでした。玄米を3種の食感に炊き分けられるのも特徴です。

 

保温性能は優秀で液晶パネルは視認性が高い

本機はパナソニック同様「スチーム保温」がウリ。保温温度の低いモードで検証したところ、保温6時間後は炊き立ての食感と味をほぼ申し分なく維持していました。操作性の面では、本機は大きめの縦型の液晶パネルを採用しており、視認性は高いです。炊飯設定で、メニューを逆方向から選べるボタンがないのがやや不便でした。

 

「蒸気カット」機能の装備で設置の自由度は最優秀

メンテナンス性については、内ぶたが調圧ボール搭載の放熱板とプレート、蒸気口上ケースの3パーツ構成で洗浄がやや面倒。ただし、内釜が軽く丈夫で洗いやすいのは魅力です。一方、設置性は本機が最も優秀。他機種が炊飯中に大量の蒸気を放出するのに対し、本機は「蒸気カット」機能搭載で通常の炊飯なら蒸気がほとんど出ません。キッチン用収納棚などに置けるのはメリットです。

↑↑日立ふっくら御膳は「蒸気カット」機能により、設置の自由度が高いです

 

上記を踏まえた結果は以下の通りです。

●しゃっきり寄りの食感を好みつつ、バランス重視の人

●玄米を炊き分けて食べたい人。3段階の炊き分け機能や「炊込み」メニューあり

●少量炊飯することが多い人。専用モードあり

●設置スペースが限られている人。「蒸気カット」機能付きで置く場所を選ばない

バランスの良いしゃっきりめのご飯が好みの方に本機はうってつけ。少量炊飯をするケースが多く、設置の自由度が高い蒸気カットタイプということで、少人数世帯にも好まれそうです。このほか、内釜が軽く、日常のお手入れがラクなのもポイントですね。

「おこげ加減」が選べるってスゴくない? タイガー炊飯器「JPX-102X」濃厚レビューで「ご飯の楽しさ」を堪能!

本サイトでは、主要メーカーのハイエンド炊飯器のなかでも人気の高い5機種を集め、徹底的に比較・検証した記事を連載してきました。今回は、炊飯器の老舗、タイガーの「THE炊きたて JPX-102X」を取り上げます。最新機種ではありませんが、そのぶん価格がこなれてきて買いやすくなったのは事実。炊き上がりの傾向をはじめ、操作性や独自機能など、以下で詳細をチェックしてみてください!

 

【今回テストするのはコチラ】

高温で炊き上げて高温で蒸らし、甘みと弾力の強いごはんに仕上げる

20170810-s1-4 (2)

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPX-102X

実売価格9万9802円

内釜に遠赤効果の高い釉薬を塗った土鍋を採用し、さらに本物の土のかまど「遠赤大土かまど」を本体内に装備。土鍋と土かまどの二重発熱構造と可変圧力によって高温で炊き上げ、200℃以上の「高温蒸らし」で、甘みと弾力の強いご飯に仕上げる。しゃっきりからモチモチまで、好みの粘り加減に調整できるほか、土鍋のおこげが味わえる3段階の火加減調節も可能。「押麦メニュー」と「もち麦メニュー」の2種類の麦めしメニューも搭載する。

SPEC●炊飯容量:1.0~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:148wh●保温1時間あたりの消費電力量:18.3Wh●加熱方式:土鍋圧力IH + 可変W圧力IH●内釜:プレミアム本土鍋(四日市萬古焼)●サイズ/質量:約W265×H233×D309mm/約7.4kg

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPX-102X

【テストその1 食感・味の傾向は?】

最も上質な炊飯ができるコースで炊き上げ、その香りや味、食感を比較しました。お米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。コシヒカリの強い味わいと、ササニシキのさっぱりした味の中間にあたる、バランスの取れた味のお米です。米は3合で炊飯。今回は機種の味の傾向を知るために、中庸(ふつう)の食感設定を選択しました。

20171115-s1-0

また、食感と食味は炊きたてに加え、冷やごはんと冷凍・再加熱したものについてもチェックしています。冷やごはんは、炊きたてをラップに包んでおにぎりにし、室温で5時間ほど冷ましたものを試食。冷凍ごはんは、炊きたてをラップに包んで冷凍庫で冷凍し、1日経ったものを電子レンジで温めました。

<炊き上がり>

おこげの香ばしさ、強い弾力と粘りがあって食べ応え満点

蓄熱性の高い土鍋とかまどを本体内に搭載した本機は、その蓄熱性を活かして香ばしい風味のごはんが炊けるのが特徴。おこげが手軽に楽しめるのも魅力です。今回は、「極うま白米」の仕上がり(食感)標準を選択。さらに、火加減は3段階のうちの「中」を選びました。

 

炊き上がってふたを開けると、ほのかなおこげの香りとともに、炊き立てごはんの香りが立ち込めます。やや柔らかめの炊き上がりながらごはんにハリがあり、強い弾力と粘りのある、食べ応え満点の食感。噛むほどに甘みが口のなかに広がります。実は別日に火加減「弱」でも炊いたのですが、これだとおこげがほとんどつきませんでした。なお、火加減「弱」より火加減「中」で炊いたほうが、ごはんのモチモチ感が増した印象です。

↑写真でも米の粘りと弾力がはっきりわかる炊き上がり。鍋肌でできた「おこげ」もうっすらと見えます↑写真でも米の粘りと弾力がはっきりわかる炊き上がり。鍋肌でできた「おこげ」もうっすらと見えます

 

<冷やごはん(おにぎり)>

食べ応えは健在で、水分が飛び引き締まった食感に

冷やごはんもモチモチ感がしっかり感じられ、甘みも強くて食べ応えがありました。ごはんの水分が適度に飛んで、炊きたてよりごはんが引き締まった感もあり、これはまたこれでおいしいです。

↑モチモチ感はそのままに、米一粒一粒が主張する感じが高まっていました。ただし、炊き立ての香ばしい香りは弱まっていました↑モチモチ感はそのままに、米一粒一粒が主張する感じが高まっていました。ただし、炊き立ての香ばしい香りは弱まっていました

 

<冷凍・再加熱>

わずかにベタつくが、独特の粘りとおこげの風味が復活

冷凍ごはんは、再加熱することで独特の粘りとおこげの風味が蘇りました。炊きたてに比べ、さすがにベタつき感が増えましたが、味は十分おいしく、炊きたての新鮮な香りも復活します。

↑ごはんのつや感は炊き立てに近く見えますが、よく見ると米粒同士がよりくっついているのがわかります↑ごはんのつや感は炊き立てに近く見えますが、よく見ると米粒同士がよりくっついているのがわかります

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPX-102X

【テストその2 食感炊き分けの幅は?】

その炊飯器で「最もしゃっきり硬めの食感に炊き上げるモード」と、「もっとももちもちに炊き上げるモード」で炊飯。それぞれの食感の違いを見ることで、その機種が実現できる食感の幅を確認しました。

「しゃっきり」では米の粒感が際立ち、「もっちり」では粘りと甘みがアップ

食感炊き分けは「極うま白米」モードの「しゃっきり/標準/もっちり」の3種類のみ。これに加えて、おこげの具合を調節する「火かげん」キーが3段階で変えられます。今回は「しゃっきり/火かげん弱」と「もっちり/火かげん強」で炊き比べました。

20170828-s1-(25)

「しゃっきり/火かげん弱」で炊いたごはんは、かなり米の粒感が立った炊き上がりでした。粘り気も少なく、甘みもすっきりした印象です。

↑おねばをまとってつやつやと輝く見た目ですが、食感はしゃっきり硬めです↑おねばをまとってつやつやと輝く見た目で、食感はしゃっきり硬めです

 

一方、「もっちり/火かげん強」で炊いたごはんは、標準モードよりもちもち感がさらにアップ。さらに、おこげの色こそ付きませんでしたが、表面の食感がパリッとなりかけていました。柔らかく粘りと甘みの強いごはんで、特に甘み強いと感じました。

↑米の表面にコーティングされたおねばの量がすごい。もちもち感が写真からも伝わってきます↑米の表面にコーティングされたおねばの量がすごい。もちもち感が写真からも伝わってきます

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPX-102X

【テストその3 少量炊飯の炊き上がりは?】

これまで同様、米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。米1合を標準(ふつう)の食感設定で炊飯し、3合炊きしたときのごはんの味・食感との違いをチェックしました。

弾力少なめのごはんにモチっと食感が混じる独特の炊き上がり

「極うま白米」の仕上がり(食感)標準を選択。火加減は3段階のうちの「中」を選びました。全体に3合炊きよりかなり柔らかめ、弾力少なめに炊けており、土鍋の鍋肌と接するおこげになりかけの部分のみ、かなり粘りの強いモチっとした食感になっています。この辺りは、「食感のばらつき」とも捉えられるため、好みが分かれそう。

 

ごはんの甘みは3合で炊いたときよりやや控えめで、香りもほのかにおこげが香る程度と、味・香りとも抑えられていた印象です。

20170822-s3 (7)_R

↑「おねば」をしっかりまとってつやつやした表情。全体的にはモチモチ感が弱くなっていましたが、ところどころにモチモチ感がかなり強い部分があります↑「おねば」をしっかりまとってつやつやした表情。全体的にはモチモチ感が弱くなっていましたが、ところどころにモチモチ感がかなり強い部分があります

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPX-102X

【テストその4 保温性能は?】

最もオーソドックスなモードで、3合炊きしたごはんを24時間保温。炊飯6時間後の味と食感とニオイ、24時間後の味と食感とニオイをチェックしました。

6時間保温でややベタつきが出始めるが味わいは悪くない

保温機能は連続して保温を行うモードと6時間で保温が切れるモードの2種類がありますが、保温温度は1種類です。

 

6時間保温したあとにごはんを試食すると、食感がかなり柔らかくなり、ベタつきも出てきていました。米粒同士がくっついて団子状態になりはじめていて、ほぐれる感じはありませんでした。ただ、香りに臭みはなく、甘みもあって、味は悪くないと感じました。

↑見た目は、つやがややなくなってきた印象。やや米粒の表面が糊化し始めています↑見た目は、つやがややなくなってきた印象。やや米粒の表面が糊化し始めています

 

保温して24時間後になると、食感はさらに柔らかく、米同士が団子のようにくっつく状態も進行。ごはんの量が少なかったためか、場所によってごはんがべちゃっとしている部分と、乾燥している部分があったのも気になりました。味はよく言えば「おこげの香ばしさが強くなった」とも言えますし、悪く言えば「臭みが出てきた」とも言えます。

↑ごはんは場所によって、乾き気味の部分が出てきています。色もやや黄色くなっていました↑ごはんは場所によって、乾き気味の部分が出てきています。色もやや黄色くなっていました

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPX-102X

【テストその5 操作性/メンテナンス性は?】

「操作性」に関しては、炊飯設定する際の液晶パネルの見やすさや、ボタン操作のしやすさをチェック。特に、目的の炊飯設定にするまでの工程に注目し、取扱説明書を見なくても炊飯設定がスムーズにできるかどうかを確かめました。「メンテナンス性」に関しては、炊飯後に洗うパーツの数や洗いやすさ、フレームに付いた汚れや露の拭き取りやすさをチェックしました。

<操作性>

タッチパネルと音声ガイド機能を搭載し、スタイリッシュかつ快適操作

本機はタッチパネルを採用。各ボタンに軽く触れるだけで操作ができます。液晶パネルは高級炊飯器のなかでも小さい部類で、文字のサイズも小さめですが、黒地に白い文字で、視認性は高いです。

↑液晶パネルの文字と操作ボタンが黒いボディに浮き上がって表示され、スタイリッシュです↑液晶パネルの文字と操作ボタンが黒いボディに浮き上がって表示され、スタイリッシュです

 

本機は「モーションセンサー」を搭載しているのも特徴。本体に人が近づくとパネルが自動で点灯します。約20秒操作をしないと消灯しますが、取扱説明書を見ながら操作中に20秒経って表示が消えることが多く、やや不便を感じました(ただし、センサー上に手をかざすと再点灯します)。消灯までの時間を設定できれば、と感じましたが、操作に慣れれば操作に20秒かかることも少なくなるでしょう。

↑約20秒操作しないと、すべての表示が消えます。「モーションセンサー」に手をかざすと設定途中の表示に戻ります↑約20秒操作しないと、表示が消えます。「モーションセンサー」に手をかざすと設定途中の表示に戻ります

 

ちなみに本機は音声ガイド機能も装備。炊飯までに必要な操作を音声で教えてくれるのは便利。「音声ガイド」ボタンを押すと、必要な操作を声で教えてくれます。音量は3段階から選択可能。音声ガイドをもう一度聞きたいときは、再度音声ガイドキーを押します。

 

炊飯設定は、「もどる・すすむ」ボタンで希望する設定を選びます。炊飯設定は11モードと多くはないので、「もどる・すすむ」ボタンのみの操作でも、それほど不便は感じませんでした。

↑「もどる・すすむ」ボタンで炊飯モードを選択。選択したモードの下に点線表示がつきます↑「もどる・すすむ」ボタンで炊飯モードを選択。選択したモードの下に点線表示がつきます

 

「極うま白米」モードでは「火かげん」「仕上がり」ボタンで好みの仕上がりの調整が可能です。また「炊き込み」モードでは、「火かげん」の調節のみ可能です。

↑「火かげん」ボタンではおこげのつき方を調整でき、「仕上がり」ボタンでは、ご飯の粘りを「しゃっきり/標準/もっちり」の3段階で調整できます↑「火かげん」ボタンではおこげのつき方を調整でき、「仕上がり」ボタンでは、ご飯の粘りを「しゃっきり/標準/もっちり」の3段階で調整できます

 

無洗米を炊飯するときは、設定の最後に「炊飯/無洗米」ボタンを2回タッチすると、パネル上に「無洗米」と表示され、炊飯が開始されます。

 

<メンテナンス性>

調圧ボールと土鍋を採用しており、手入れはやや大変

お手入れするパーツは内釜(土鍋)と内ぶたとスチームキャップの3つ。内釜と内ぶたは炊飯するたびに台所用洗剤で洗います。特に内ぶたは裏に調圧ボールと安全弁が付いているので、丁寧に洗う必要があります。一方スチームキャップは、通常それほど汚れないので、水で洗えば大丈夫です。

↑写真左が内釜(土鍋)。右下が内ぶたで右上はスチームキャップ(蒸気口)。スチームキャップは2つに分解して洗います↑写真左が内釜(土鍋)。右下が内ぶたで右上はスチームキャップ(蒸気口)。スチームキャップは2つに分解して洗います

 

↑調圧ボールが2個入っているので、汚れがちまったときは洗うのがやや面倒です↑調圧ボールが2個入っているので、汚れがたまったときは洗うのがやや面倒です

 

内釜の重さは1138g。土鍋はセラミックコートで丈夫にはなっていますが、それでも割れる可能性があるので、丁寧に扱う必要があります。

↑内釜の重さは三菱電機の本炭釜よりやや軽い程度です↑内釜の重さは1138g

 

フレームはフラットですが、表面がザラザラしていて、ステンレスよりやや拭き取りにくいです。

↑つゆ受け部の表面には細かな凹凸が入っています。おつゆが乾いて汚れがこびりつく前に拭き取った方が掃除がラクでしょう↑つゆ受け部の表面には細かな凹凸が入っています。つゆが乾いて汚れがこびりつく前に拭き取った方が掃除がラクです

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPX-102X

【テストその6 独自機能/設置性は?】

「独自機能」は各炊飯器に搭載されている、ごはんのおいしさにつながる独自の機能や技術、炊飯のバリエーションを広げる機能などをチェックします。また、使い勝手向上やお手入れの手間を省く便利機能も見ていきます。

 

「設置性」に関しては、横幅と奥行き、重さを確認します。また、炊飯中の蒸気の出方もチェック。さらに、設置性を高める独自の工夫があれば、それもチェックしていきます。

<独自機能>

おこげのつき方をカンタン調整&モーションセンサーでスタイリッシュに操作!

内釜に土鍋を採用するだけでなく、炊飯器の本体にも土を使ったかまどを内蔵し、高い発熱性と蓄熱性で香り高いごはんに仕上げるのが本機の特徴。「火かげん」キーを使っておこげの程度を調整することができるほか、「仕上り」キーでごはんの粘り調整もできます。

↑おこげの程度とごはんの粘りを設定する専用キーを搭載。直感的な操作で好みの味わいに仕上げられます↑おこげの程度とごはんの粘りを設定する専用キーを搭載。直感的な操作で好みの味わいに仕上げられます

 

「火かげん」キーを最弱にしてもおこげが付きすぎたり、最強にしてもつかなかったりする場合は、より弱めや強めに設定をシフトすることも可能です。

↑おこげの色をより強力に調整したいときは、「極うま白米」を選んでから「予約」キーを3秒以上タッチ、左の数字を「(モード)1」に設定します。右の数字は「2」〜「-2」に設定可能で、数字が大きいほど濃い色のおこげに、小さいほど薄い色のおこげに仕上げます↑おこげの色をより強力に調整したいときは、「極うま白米」を選んでから「予約」キーを3秒以上タッチし、左の数字を「(モード)1」に設定します。右の数字は「2」〜「-2」に設定可能で、数字が大きいほど濃い色のおこげに、小さいほど薄い色のおこげに仕上げます

 

さらに「麦めし」モードは押麦ともち麦の2種類に対応。それぞれの麦に合わせたプログラムでニオイを抑えて炊飯します。

 

ちなみに、本機が採用する内釜(土鍋)は三重県四日市市の萬古焼を使用。土鍋ふたも付属し、土鍋をおひつとして使うこともできます。また、人が近づくとタッチパネルを点灯させるモーションセンサーを搭載するのはタイガーのみ。未来的でスタイリッシュなイメージに貢献しています。「音声ガイド」で操作の確認ができるのも便利。

↑付属の土鍋ふたを使えば、土鍋ごと食卓に置いても炊き上がりの温かさをキープ。実際にテーブルに置く際は、つゆ取り用の市販の布巾と鍋敷きを使ってください↑付属の土鍋ふたを使えば、土鍋ごと食卓に置いても炊き上がりの温かさをキープ。実際にテーブルに置く際は、つゆ取り用の市販の布巾と鍋敷きを使ってください

 

<設置性>

コンパクトかつ落ち着いたデザインだが蒸気量は多く設置場所を選ぶ

本体の横幅は26.5cm、奥行きは30.9cmで、象印を除くとわずかの差ですが、最もコンパクトサイズになっています。一方重さは土鍋、土かまどを採用しているせいか、約7.4kgとやや重め。また、取っ手がないため、移動するときは両手で持つ必要があります。

↑天面がツヤあり、側面がツヤなしの黒の色使いで、取っ手のないシンプルなデザインには、落ち着きも感じられます。シニア世代の家族のオシャレなキッチンにも合いそうです↑天面がツヤあり、側面はツヤなし。取っ手のないシンプルなデザインが、落ち着いたイメージを与えます。シニア世代の家族のオシャレなキッチンにも似合いそう

 

炊き上がりのおいしさを最優先に考えているため、本機も水蒸気をかなり放出します。上に十分な空間がある場所か、レンジフード(換気扇)の近くでの炊飯がオススメです。

↑写真では分かりづらいですが、最も大火力で炊飯している時間帯は、蒸気口から大量の蒸気が出ています↑写真では分かりづらいですが、最も大火力で炊飯している時間帯は、蒸気口から大量の蒸気が出ています

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャー

THE炊きたて JPX-102X

【テストのまとめ】

最も食感の炊き分けの幅が大きく、おこげも楽しい

土鍋と土かまどの大火力で炊き上げる本機。ふっくらもっちりの炊き上がりとおこげの香ばしさが楽しめるのが特徴です。「極うま白米」の仕上がり標準、火加減中で炊飯したごはんは、食感はやや柔らかめですが、弾力、粘り、甘みが強く、食べ応え満点でした。冷やごはんにするとやや柔らかめのごはんが引き締まり、また別のおいしさが出てきます。冷凍・再加熱したごはんは、ベタつき感が出始めたものの、炊き立ての弾力とおこげの香りが復活。一方、1合炊飯では、食感がより柔らかく、弾力も香りも少なめに。おこげになりかけの部分のみモチっとした粘りがありました。

 

食感炊き分けは3段階と少なめ。炊き分けには「仕上がり」キーを使い、さらに「火かげん」キーでおこげの濃度も調整します。実際に炊き分けすると、ごはんは柔らかめながら、「しゃっきり」「もっちり」という設定通りの食感が強く現れ、食感の幅は5機種のなかで最も大きく感じました。本機の魅力は「火かげん」キーを専用につけるなど、おこげにこだわっていること。火加減は3段階ですが、初期設定を変えてより強いおこげも作れます。

↑写真でも米の粘りと弾力がはっきりわかる炊き上がり。鍋肌でできた「おこげ」もうっすらと見えます↑食感を「標準」、火加減「中」で炊いたご飯。中央にうっすらおこげが入っています

 

操作に煩雑な印象はなく、音声ガイドに安心感あり

保温に関しては、保温6時間後のごはんには米にベタつきが出始めていましたが、炊き立ての甘さと香りは維持できていました。

 

操作性に関しては、炊飯設定は「進む・戻る」ボタンで行いますが、食感(仕上がり)と火加減を専用キーで設定するため、煩雑さは感じませんでした。また、音声ガイド機能は使っていて安心感がありました。

20170828-s1-(25)↑「火かげん」と「仕上り」を各3段階で設定できます

 

タッチパネルとモーションセンサーでスマートな外観

お手入れ面では、内ぶたに調圧ボールと安全弁が付いていて、やや洗いにくいです。土鍋もやや重く、落として割れたりしないよう、丁寧に扱う必要があります。サイズは高級炊飯器のなかではコンパクトなほうですが、重さがやや重く取っ手もないので、持ち運びがやや面倒。落ち着いた黒のデザインはオシャレです。タッチパネルとモーションセンサー採用で、スマートな操作性を提示しているのも特徴です。

↑液晶パネルの文字と操作ボタンが黒いボディに浮き上がって表示され、スタイリッシュです↑液晶パネルの文字と操作ボタンが黒いボディに浮き上がって表示され、スタイリッシュです

 

まとめると、以下の通りになります。

●おこげの香ばしさが好きな人

●好みの食感が決まっていない人。炊き分けは3種類ながら、炊き分けの幅が広い

●多機能炊飯器の操作に慣れていない人。音声ガイドで操作をアシスト

●スタイリッシュなデザインが好きな人。タッチパネルとモーションセンサーですっきりとした外観

本機を手に入れれば、香ばしいおこげが楽しめるうえ、炊き分けの食感の幅が広いので、日によってまったく違う食感を味わうことも可能。お手入れはやや大変ですが、その手間を補って余りあるご飯の楽しみが味わえます。

【超濃厚レビュー】高級炊飯器の元祖は「ほぐれ感」がオンリーワン! 三菱電機「本炭釜 KAMADO」8項目詳細テスト

本サイトでは、主要メーカーのハイエンド炊飯器のなかでも人気の高い5機種を集め、徹底的に比較・検証した記事を連載してきました。今回は、高級炊飯器というジャンルを作り出した三菱電機「本炭釜」の最新機種を取り上げます。高級炊飯器の元祖だけに、その炊き上がりは強烈な個性を主張していました。以下で詳細をチェックしてみてください!

 

発熱効率が高い「本炭釜」と連続沸騰技術でかまど炊きの味を再現

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三菱電機

IHジャー炊飯器

本炭釜 KAMADO NJ-AW108

実売価格12万6310円

IHの発熱効率が高い純度99.9%の炭素材を使った「本炭釜」採用モデル。内釜全体の発熱と噴きこぼれのない連続沸騰技術により、粒感のいいふっくらとしたかまど炊きの味を再現する。沸騰力の向上と高断熱構造の強化で火力をさらにアップ。蒸気口に新搭載した密封弁が蒸らし時の蒸気の流出を抑え、潤いたっぷりのごはんに仕上げる。15通りの食感炊き分け機能「炊分け名人」に加え、35銘柄に対応する「銘柄芳潤炊き」機能も持つ。

SPEC●炊飯容量:0.5~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:162wh●保温1時間あたりの消費電力量:17.2Wh●加熱方式:7重全面加熱+連続沸騰●内釜:本炭釜●サイズ/質量:W285×H249×D320mm/約5.7kg

 

三菱電機

IHジャー炊飯器

本炭釜 KAMADO NJ-AW108

【テストその1 食感・味の傾向は?】

最も上質な炊飯ができるコースで炊き上げ、その香りや味、食感を比較しました。お米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。コシヒカリの強い味わいと、ササニシキのさっぱりした味の中間にあたる、バランスの取れた味のお米です。米は3合で炊飯。今回は機種の味の傾向を知るために、中庸(ふつう)の食感設定を選択しました。

20170810-s1-3-(5)

また、食感と食味は炊きたてに加え、冷やごはんと冷凍・再加熱したものについてもチェックしています。冷やごはんは、炊きたてをラップに包んでおにぎりにし、室温で5時間ほど冷ましたものを試食。冷凍ごはんは、炊きたてをラップに包んで冷凍庫で冷凍し、1日経ったものを電子レンジで温めました。

 

<炊き上がり>

自然な風味があり、口のなかで米粒がほどける絶妙な食感

本機は、高級炊飯器では貴重な圧力炊飯を行わないモデル。お米に負担をかけない1.0気圧で炊くことで、お米の一粒一粒が甘み・弾力・ツヤ・香りといったおいしさの成分を含む「保水膜」に包まれ、ふっくらと炊き上がるのだそうです。

 

今回は、「銘柄芳潤炊き」メニューで「ひとめぼれ」を選び、食感選択で「かたさ:ふつう」「粘り:ふつう」を選んで炊飯。ふたを開けてまず驚いたのは香りのみずみずしさ。他機種とは一線を画す爽やかさです。味わいもその香りと同様、自然なお米の風味が感じられ、甘さも上品。口のなかで米粒がほどけるしゃっきりめの食感ですが、ただ固いのでなく、噛めば十分な弾力も感じられるという絶妙な食感です。

↑見るからに透明感、しゃっきり感のある炊き上がり。香りも味も、単に保水率が高いだけでは感じられないみずみずしさがありました↑見るからに透明感、しゃっきり感のある炊き上がり。香りも味も、単に保水率が高いだけでは感じられないみずみずしさがありました

 

<冷やごはん(おにぎり)>

雑身が少なく、しゃっきりした粒感にモチモチ感が加わった

冷やごはんは、しゃっきりした粒感を残しつつも、モチモチ感が出てきたのが印象的。味は炊き立て同様、やや控えめですが雑味がなく、食べ飽きないおいしさです。ベタつきは少し出てきましたが、それがほどよい粘りになった印象。口の中でほぐれる感じが冷やごはんでもまだ残っているのがうれしいです。

↑写真を見ても、ごはんに粘度が生まれてきたのがわかります。モチッとしつつも口の中でさっぱりほぐれる食感は、ほかの炊飯器で炊いたごはんには感じられないものでした↑写真を見ても、ごはんに粘度が生まれてきたのがわかります。モチッとしつつも口の中でさっぱりほぐれる食感は、ほかの炊飯器で炊いたごはんには感じられないものでした

 

<冷凍・再加熱>

柔らかさが出たが、みずみずしさが残り炊きたての味に近い

冷凍ごはんでは、しゃっきり感はかなり少なくなり、柔らかくもなりましたが、それでもほぐれる食感は強いと感じました。甘さはやはり控えめで、みずみずしさが蘇っており、炊きたての味わいにかなり近づいていると感じました。

↑冷凍・再加熱すると、さすがに炊き立てのハリ感やみずみずしさは減退しました。ただ、雑味のない味はまだまだ維持できていました↑冷凍・再加熱すると、さすがに炊き立てのハリ感やみずみずしさは減退しました。ただ、雑味のない味はまだまだ維持できていました

 

三菱電機

IHジャー炊飯器

本炭釜 KAMADO NJ-AW108

【テストその2 食感炊き分けの幅は?】

その炊飯器で「最もしゃっきり硬めの食感に炊き上げるモード」と、「もっとももちもちに炊き上げるモード」で炊飯。それぞれの食感の違いを見ることで、その機種が実現できる食感の幅を確認しました。

 

もちもちモードでも「粒感の立ったもちもち」になるのが面白い

本機には「炊分け名人」という機能が付いていて、「硬さ5通り」×「粘り3通り」の計15通りに炊き分けできます。今回はそのうち、「最も硬めでしゃっきり」「最も柔らかでもちもち」の2つの食感で炊いてみました。

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まず、「最も硬めでしゃっきり」のほうは、噛んだ途端にほぐれる米の粒立ち感がすごいです。ただ、硬さはそれほどではなく、心地よく食べ進めることができます。甘さは通常モードよりさらに控えめで、すっきりした甘さだと感じました。

↑光の加減か、つやは通常モードより豊かな印象。米粒の膨張はやはりかなり少ないように見えます。食べてみると見た目よりは柔らかい食感でした↑つやは通常モードより豊かな印象。米粒の膨張はやはり少ないように見えます。食べてみると、見た目よりは柔らかい食感でした

 

一方、「最も柔らかでもちもち」のほうは、粘りがかなり強くなりますが、食べるとほぐれる食感も残っています。ごはんの柔らかさはパナソニックの「よりしゃっきり」に近い印象。全体に、三菱電機独特の「粒感の立ったモチモチ感」が楽しいです。甘みは控えめですが、これも噛むごとに甘みを増していきます。

↑「最も硬めでしゃっきり」で炊いたご飯と比べると、「吸水たっぷり」という感じで米がしっかり膨張しています↑「最も硬めでしゃっきり」で炊いたご飯と比べると、「吸水たっぷり」という感じで米がしっかり膨張しています

 

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【テストその3 少量炊飯の炊き上がりは?】

これまで同様、米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。米1合を標準(ふつう)の食感設定で炊飯し、3合炊きしたときのごはんの味・食感との違いをチェックしました。

 

しゃっきり感は増しながら3合で炊いた味に肉薄!

「銘柄芳潤炊き」メニューで「ひとめぼれ」を選び、食感選択で「かたさ:ふつう」「粘り:ふつう」を選んで炊飯。炊き立てのみずみずしく爽やかな香りが楽しめますが、香りの強さはやや控えめになった印象です。

 

全体のおいしさは、3合で炊いた場合に肉薄していました。食感はしゃっきり硬めで、3合で炊いたときよりさらにほぐれ感がアップ。口に含むとすっきりとした甘みが感じられます。唯一残念だったのは、食感にわずかにばらつきが出たこと。場所によってしゃっきりな部分と、やや粘りのある部分が出てしまっていました。

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↑透明感のあるツヤは、3合炊きの場合とほとんど変わりません。米の形もしっかり残っていて、非圧力式ならではの端正な炊き上がりです↑透明感のあるツヤは、3合炊きの場合とほとんど変わりません。米の形もしっかり残っていて、非圧力式ならではの端正な炊き上がりです

 

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【テストその4 保温性能は?】

最もオーソドックスなモードで、3合炊きしたごはんを24時間保温。炊飯6時間後の味と食感とニオイ、24時間後の味と食感とニオイをチェックしました。

 

24時間保温でも口の中でほどける粒感が残っている!

本機が搭載する保温機能は2つ。「たべごろ保温」は、低めの温度で保温し、ごはんの黄ばみや乾燥を抑えるそうです。「一定保温」はより高めの温度で保温します。「たべごろ保温」が12時間を超えると、自動的に「一定保温」に切り替わるようです。今回は「たべごろ保温」で保温し、6時間後のごはんと、「一定保温」に切り替わった24時間後のごはんをチェックしました。

 

保温後6時間経ったごはんは、ハリがしっかり残っていて、口の中でほどける粒感も健在。香りはやや弱くなりましたが、ごはんのみずみずしさはしっかり残っています。ごはんが柔らかくなった印象もそれほど感じず、炊き立ての味と食感を高いレベルで維持していると感じました。

↑ごはんのみずみずしさまでキープできているのは驚き。チェック時には米のつやがややなくなったようにも感じましたが、写真で改めて比べると、ほぼ遜色なく見えます↑ごはんのみずみずしさまでキープできているのは驚き。米のつやもほぼ遜色なく見えます

 

一方24時間保温のごはんは、米粒の形がやや崩れてきたところがあり、釜肌のごはんの量が薄い部分で乾燥して硬くなった部分も出ていました。全体として柔らかくなってはいますが、ニオイに関してはそれほど気にならず、味わいも甘みを保っていておいしいです。口の中でほどける粒感もまだ残っていました。

↑炊き立てと比べるとやや黄色くなった印象。ハリつやもなくなっていますが、食味に関しては、意外においしさを保っていました↑炊き立てと比べるとやや黄色くなった印象。ハリつやもなくなっていますが、食味に関しては、意外においしさを保っていました

 

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【テストその5 操作性/メンテナンス性は?】

「操作性」に関しては、炊飯設定する際の液晶パネルの見やすさや、ボタン操作のしやすさをチェック。特に、目的の炊飯設定にするまでの工程に注目し、取扱説明書を見なくても炊飯設定がスムーズにできるかどうかを確かめました。「メンテナンス性」に関しては、炊飯後に洗うパーツの数や洗いやすさ、フレームに付いた汚れや露の拭き取りやすさをチェックしました。

 

<操作性>

銘柄選択はやや大変だが食感炊き分けの設定はスムーズ

本機は「お米」ボタンと「上下」キーで白米や玄米、発芽米など米の種類を選び、「メニュー」ボタンと「上下」キーで炊飯メニューの設定をします。また、「銘柄芳潤」ボタンを搭載していて、米の銘柄炊き分けの選択画面にスムーズに入れるのは便利。ただし、35種類の銘柄を「上下」キーを何度も押して選ぶ必要があるのはやや大変だと感じました。ただ、一度設定するとその銘柄は記憶されるので、毎回違う米を楽しむ人でなければ、そこまで面倒に感じることもないかもしれません。また、各銘柄の特徴が左ボタンを押すと表示されるのも便利です。

↑液晶パネルの左にある「お米」「メニュー」「銘柄芳潤」ボタンとパネル下の十字キーで操作します↑液晶パネルの左にある「お米」「メニュー」「銘柄芳潤」ボタンとパネル下の十字キーで操作します

 

↑米の銘柄が35種類、50音順に並んでいて、銘柄によってはたどり着くまでが大変。ただ、一度設定するとその銘柄は記憶されるので、毎回違う米を楽しむ人でなければ、そこまで面倒に感じることもないかもしれません。また、各銘柄の特徴が左ボタンを押すと表示されるのも便利です↑米の銘柄が35種類、50音順に並んでいて、銘柄によってはたどり着くまでが大変

 

また、本機には「炊分け名人」機能が付いており、食感を15通りで炊き分けられます(銘柄芳潤炊きの場合は9通り)。炊き分け画面はチャート表示になっていて、上下+左右の十字キーで操作するため、スムーズに好みの食感を設定できます。

↑「炊き分け名人」のメニュー画面。ごはんの硬さ5通り×粘り3通りの合計15通りで炊き分けられます。銘柄芳潤炊きの場合は硬さ3通り×粘り3通りの計9通りです。選択した食感によって、どんなごはんのメニューに合っているかも表示してくれます↑「炊分け名人」のメニュー画面。ごはんの硬さ5通り×粘り3通りの合計15通りで炊き分けられます。銘柄芳潤炊きの場合は硬さ3通り×粘り3通りの計9通りです。選択した食感によって、どんなメニューに合っているかも表示してくれます

 

液晶パネルはバックライト式で見やすいです。画面の小さめですが、表示する文字を小さいと感じることはありません。ただ、そのぶん画面上に表示できる情報が少なく、米の設定やメニュー設定の全種類を一覧表示できないのが、やや残念でした。

↑写真は米の種類を選択しているところ。画面に表示されているほかに「分づき米」「玄米」があります。画面表示はすっきりして見やすい反面、一覧表示でないので、スクロールするまでほかの種類がわからないというデメリットもあります(ある意味、象印の液晶パネルとは真逆のタイプです)↑写真は米の種類を選択しているところ。画面に表示されているほかに「分づき米」「玄米」があります。画面表示はすっきりして見やすい反面、一覧表示でないので、スクロールするまでほかの種類がわからないというデメリットもあります

 

また、本機は音声ナビ付きで、現在選んでいる内容を声で知らせてくれるのがポイント。音量は3段階で選べますし、無音設定にすることも可能です。

 

<メンテナンス性>

内ぶたは洗いやすいが本炭釜の取り扱いには細心の注意を!

洗うパーツは内釜と放熱板セット(放熱板+プレート)の3種類。本機は圧力炊飯タイプではないので調圧ボールなどがなく、放熱板も洗いやすいです。

↑写真左が内釜。写真右下が放熱板で右上が住みコートが施されたプレートです↑写真左が内釜。写真右下が内ぶたで右上が「炭コート遠赤放熱板」です。内ぶたには調圧ボールや調圧弁がありません。プレートを引っ掛けるフック部が凸凹していますが、概ね洗いやすいです

 

内釜は本物の炭を使った本炭釜で、1178gとやや重いです。以前よりコーティング技術などが向上し、割れにくくなったそうですが、それでも割れたり欠けたりしないよう、気をつけて洗わなければいけません。

↑内釜の重さは1178g。炭でできているため、取り扱いは慎重に行う必要があります↑内釜の重さは1178g。炭でできているため、取り扱いは慎重に行う必要があります

 

フレームは他機種と比べると溝が深いので、やや拭き掃除がしにくい印象。ただ、今回3合炊いたときは、フレームにつゆが溜まらなかったので、掃除の頻度はそこまで多くはならないでしょう。

↑フレーム部の溝はやや深めで段差もあるため、サッとひと拭き、というわけにはいかないようです↑フレーム部の溝はやや深めで段差もあるため、サッとひと拭き、というわけにはいかないようです

 

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【テストその6 独自機能/設置性は?】

「独自機能」は各炊飯器に搭載されている、ごはんのおいしさにつながる独自の機能や技術、炊飯のバリエーションを広げる機能などをチェックします。また、使い勝手向上やお手入れの省手間につながる便利機能も見ていきます。

 

「設置性」に関しては、横幅と奥行き、重さを確認します。また、炊飯中の蒸気の出方もチェック。さらに、設置性を高める独自の工夫があれば、それもチェックしていきます。

 

<独自機能>

35種類の銘柄炊き分けと玄米の豊富なモードが目を引く

三菱電機KAMADOは、純度99.9%の炭釜と圧力をかけない炊飯にこだわった機種。そのしゃっきりとした食感は、今回検証した5モデルのなかでは極めて独自性が強いです。

 

また、新モデルから蒸気口下に「密封弁」を新採用。これはかまど炊きで使う重い木ぶたの役割をするそうで、沸騰時は弁が開き、蒸気を逃がして高火力沸騰を持続。蒸らし時は弁が閉じて、みずみずしく潤いのあるごはんに仕上げます。

 

炊き分け機能では、硬さ5段階×粘り3段階の15通りの食感を選ぶことができます。ちなみにここで「やわらか・もちもち」に炊飯しても、ふっくらもちもちした食感のなかに粒感を残しているのが、同社のこだわりを感じさせます。

↑白米と無洗米の炊飯時に「炊分け名人」機能を利用可能。ちなみに「かため」より「やわらか」の方が8割前後炊飯時間が長くなります↑白米と無洗米の炊飯時に「炊分け名人」機能を利用可能。ちなみに「かため」より「やわらか」の方が8割前後炊飯時間が長くなります

 

銘柄炊き分け機能の「銘柄芳潤炊き」モードでは35の銘柄に対応。さらにそれぞれの銘柄で、硬さ3段階×粘り3段階の計9通りの炊き分けができるのも、ごはんの味にこだわる人にはうれしいポイントです。

↑「銘柄芳潤炊き」の銘柄選択画面。右ボタンを押すと9通りの炊き分け設定画面に移動。左ボタンを押すと、その銘柄の味と食感の特徴が表示されます↑「銘柄芳潤炊き」の銘柄選択画面。右ボタンを押すと9通りの炊き分け設定画面に移動。左ボタンを押すと、その銘柄の味と食感の特徴が表示されます

 

↑内釜内の水加減の目盛が山型にデザインされていて、正確な水量調節を促しています。「おいしく炊くためにはこの水量をきちっと守ってください!」という無言の圧力を感じます↑内釜内の水加減の目盛が山型にデザインされていて、正確な水量調節をサポート。「おいしく炊くには水量をきっちり守ってください」という無言の圧力を感じます…

 

そのほか独自機能としては、「麦飯」モードよりじっくり吸水させてふっくら柔らかく炊き上げる「麦飯(芳潤炊き)」モードを搭載。麦飯のパサパサ食感が苦手な人も食べやすい炊き上がりになります。玄米の炊飯メニューも豊富で、柔らかく食べやすい食感に炊き上げる「芳潤炊き(玄米)」モード、ビタミンB1の残存量を増やす「美容玄米」のほか、玄米の「炊込み」も搭載しています。使い勝手の面では、「音声ナビ」機能が付いて、初心者でも安心して使えます。

 

<設置性>

流線型デザインがインテリアに映えるが蒸気対策は必要!

本体幅は28.5cmで奥行きは32cm、旬の果実など「実りの形」をイメージしたという流線型デザインが斬新です。重さは約5.7kgと5機種中最も軽量。取っ手が付いておらず、持ち運びには両手で持つ必要がありますが、取っ手を省略してすっきりさせたのはデザイン面では正解でしょう。

↑丸みのあるデザインがかわいい。キッチンまほか、ダイニングテーブルの上に置いてもカジュアルなインテリアになじむと思います↑丸みのあるかわいらしいデザイン。キッチンはもちろん、ダイニングテーブルの上に置いてもなじみます

 

炊飯中は、やはり蒸気がかなり出ます。レンジ棚のなかなどには置かず、上部に十分な高さがある空間やレンジフード(換気扇)付近で炊飯したほうがいいでしょう。

 

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【テストのまとめ】

ほろりとほぐれる食感が心地いい

本機は今回検証した5機種のなかでは唯一の“非圧力式”炊飯器。「銘柄芳潤炊き」の「ふつう」モードで炊飯したごはんは、噛むと口のなかでほどけつつ、しっかり弾力もある独特の食感です。また、香りのみずみずしさは特筆もので、米本来の風味が豊かに感じられました。冷やごはんはモチモチ感が強まり、炊き立てとひと味違うおいしさ。一方、冷凍・再加熱したごはんは、強いしゃっきり感がありつつ、かなり柔らかくなりました。ちなみに、同モードで1合を炊くと、ごはんの粒感はそのままですが、香りがやや控えめに。また、ご飯の場所によって食感にばらつきもありました。

 

食感炊き分けは15通り。最も硬めでしゃっきりな設定だと米の粒感は突出するも「ほどよく硬い」食感で、それほど食べにくさは感じませんでした。一方、最も柔らかでモチモチに炊くと、粘りはかなり強くなりますが、ほぐれる感じもあり、柔らかさもほどほど。この粒感のあるモチモチ加減が本機の特徴といえます。また本機は、銘柄炊き分けが可能。対応銘柄は35銘柄と多く、各銘柄で9通りの食感炊き分けができます。

20170828-s1-2-760x570↑「しゃっきり」モードで炊いたお米。粒感が際立っています

 

パネルの情報量はやや少ないが音声ガイドに安心感あり

保温性能は、温度低めの「たべごろ保温」で検証。6時間後のごはんは、香りは減退したものの、炊き立てごはんのハリや粒感はしっかり維持されていました。

 

操作性は、液晶パネルが象印やパナソニックに比べると小さく、一度に表示できる情報量が少ないのがやや難点。音声ナビが付いているため、特に炊飯器に慣れていない時期は使っていて安心感があると思います。

↑表示はすっきりして見やすいが、一覧性↑表示はすっきりして見やすいですが、一覧性はいまひとつ。ただし、音声ナビ付きなので、現在選択している内容を音声で知らせてくれます

 

内ふたが洗いやすく玄米や麦飯の炊飯メニューが豊富

メンテナンス性は“非圧力”式のため内ぶたが洗いやすいのが特徴。ただ、炭釜を使うため、取扱う際は割れないよう注意が必要です。サイズはそれなりに大きいですが、重さが約5.7kgと5機種中最も軽く、丸みを帯びたデザインも魅力的。設置性はまずまずという印象です。

↑丸みのあるかわいらしいデザイン。キッチンはもちろん、ダイニングテーブルの上に置いてもなじみます↑丸みのあるかわいらしいデザイン。キッチンはもちろん、ダイニングテーブルの上に置いてもなじみます

 

本機は15種類の食感炊き分けや、銘柄炊きでも9通りの食感に炊き分けできるのが特徴。「芳潤炊き(玄米)」「美容玄米」「麦飯(芳潤炊き)」など玄米や麦飯の炊飯メニューも豊富で、ごはんの食感にこだわる人にはオススメです。

 

以上をまとめると、本機にオススメな人は以下の通り。

●とにかくしゃっきりな食感が好きな人。特に米の粒感を重視する人にオススメ

●多彩な機能に慣れていない人。音声ガイドで操作をアシスト

●米の銘柄をいろいろ食べ比べたい人。35種類の銘柄に対応

●冷やご飯、玄米や麦飯を美味しく食べたい人