「やっぱりレンジは必要でした」とライター痛感! “先祖返り”したシャープ「ヘルシオ グリエレンジ」そのメリットは?

16年10月にシャープから登場したウォーターオーブン専用機「ヘルシオ グリエ」。見た目も大きさもほぼオーブントースターと同等で、トーストはもちろんのこと、買ってきた揚げ物などのお惣菜や冷凍食品などを、出来たてのように美味しく温められるとして、瞬く間に話題になりました。

 

せっかく単機能化したものを、また多機能化するのか?

20171204-s3-(27)↑「ヘルシオ グリエ」に比べて一回り大きくなった「ヘルシオ グリエレンジ」。サイズ/質量はW470×D405×H280mm/約13kgです

 

そして今回、ヘルシオ グリエに電子レンジ機能を加えた「ヘルシオ グリエレンジ AX-HR2」(実売予想価格5万9270円)が、12月中旬に登場すると発表されました。えっ? ヘルシオ グリエは、もともとウォーターオーブン「ヘルシオ」から電子レンジ機能を省いたものだったはず。せっかくわかりやすく単機能にしたのに、また多機能化しちゃうの? そうなると、いったいどんなメリットが? 大きさや使い勝手は? …といろいろと疑問に思ったため、ひと足先に自宅で使わせてもらいました。

 

通常の熱風に比べて約8倍もの熱量がある過熱水蒸気で温める

さて、まずはそもそも従来機の「ヘルシオ グリエ」はどんなものか、確認していきましょう。ひとことでいうと、こちらは過熱水蒸気調理のみができる「ウォーターオーブン専用機」。100℃で気化した飽和水蒸気をさらに加熱した「過熱水蒸気」を熱源として調理するもので、通常の熱風に比べて約8倍もの熱量で温められます。

サイズ/質量:W412×D315×H218mm/約6.3kg↑従来機のヘルシオ グリエ AX-H1。サイズ/質量はW412×D315×H218mm/約6.3kg

 

そのため、食材の表面だけでなく、中までしっかり熱が入り、買ってきた天ぷらや唐揚げの衣はサクッと、中はふっくら、まるで出来たてのように美味しく温められるわけです。さらに食材の脂が外に浮き出し、余分な油が水とともに落ちるため、よりヘルシーに調理できるのも特徴です。

 

しかし、従来機のヘルシオ グリエは「ウォーターオーブン専用機」ゆえ、できるのは過熱水蒸気調理だけで、普通にお弁当や料理などを温めたい場合は、別途、電子レンジが必要でした。そこで一人暮らしや、子どものいない共働きの夫婦世帯など、「買ってきた惣菜や冷凍食品などを温めて食べることが多い」というユーザーから、「冷凍ごはんや煮物なども温められたらいいのに」との要望があり、今回、「レンジ機能」を搭載した「ヘルシオ グリエレンジ」の発売に至ったわけです。

20171204-s3-(26)↑ヘルシオ グリエレンジには「レンジ」ボタンが追加になりました

 

↑トレイは、過熱水蒸気調理とレンジ機能に使えるセラミックトレイ(右)と、過熱水蒸気専用のホーロー焼き網が付属↑ト過熱水蒸気専用のホーロー焼き網(左)に加え、過熱水蒸気調理とレンジ機能の両方に使えるセラミックトレイ(右)が付属

 

大きさは「小型の電子レンジ」で、手軽なレンジ機能はやはり便利

本機の大きさは、従来機のヘルシオ グリエに比べて幅約6cm、奥行9cm、高さ約6cm大きくなったため、オーブントースターというよりは、「小型の電子レンジ」に近い大きさになりました。

 

レンジ用のボタンは「オート」「500W」「600W」「解凍」の4つから選んで使用します。レンジ機能を搭載したことで、過熱水蒸気だけでは難しかったごはんなどの温めや冷凍食品の解凍も可能になったのはうれしい点。また、コンビニ惣菜を温めるときも、通常のお弁当はレンジ機能で、パリッ、サクッとさせたいから揚げやギョーザは過熱水蒸気で、と1台で使い分けることができるようになりました。素早く温めたいときはレンジ、時間がかかってもおいしく食べたいときは過熱水蒸気、と時間に応じて使い分けられるのも便利です。

↑ヘルシオ グリエに比べ、幅約6cm、奥行9cm、高さ約6cm大きくなったため、オーブントースターより小型の電子レンジに近い大きさです

↑大きさは「小型の電子レンジ」というイメージに

 

実際に市販の冷凍チャーハンを温めてレンジ機能をチェックしてみました。熱ムラが出やすいレンジだと、外はアツアツなのに中はまだ冷たい…なんてこともありますが、こちらはしっかり中まで温まっており、レンジ機能はまったく問題ありません。

↑冷凍チャーハンもしっかり↑冷凍チャーハンも70℃近くまでしっかり温められています

 

過熱水蒸気でパンの焼きたての風味が蘇る!

さて、次に過熱水蒸気調理の魅力も、改めてしっかりと見ていきましょう。過熱水蒸気調理を行う場合は、天板部分にはめ込まれた水タンクに入れ、ぐっと押し込みます。これにより過熱水蒸気調理のボタンが操作できるようになるため、水の入れ忘れを防げるというありがたい配慮です。

↑水タンクに水を入れます。この水は、調理温度や時間にもよりますが、一回の調理でだいたい使い切る量です↑水タンクに水を入れます。この水は、調理温度や時間にもよりますが、一回の調理でだいたい使い切る量です

 

↑タンクをぐっと押し込むことで、今まで点いていなかった過熱水蒸気調理用ボタンが点灯。火力を弱(約180℃)、中(約200℃)、強(約250℃)の3段階から選び、ダイヤルで時間をセットします↑タンクをぐっと押し込むことで、今まで点いていなかった過熱水蒸気調理用ボタンが点灯。火力を弱(約180℃)、中(約200℃)、強(約250℃)の3段階から選び、ダイヤルで時間をセットします

 

まずはクロワッサンを焼いてみました。焦げやすいクロワッサンは、弱でじっくり4.5~6分焼けばOKです。過熱水蒸気で焼いたクロワッサンの美味しいこと! 周りは軽くサクサクしながら、中はフワッとバターの風味もたっぷり。一方、トースターで焼いたものは表面が焦げてしまったのに、中は膨らみ切らず、風味も引き出せていません。

↑主なメニューの加熱時間の目安は天板に書いてありまするので、それを参考に加熱。弱で5分焼いたところ、バターの溶けるおいしそうな香りが充満しました↑主なメニューの加熱時間の目安は天板に書いてありまするので、それを参考に加熱。通常のトースターで焼いたクロワッサン(左)は、短時間焼いただけで表面が焦げてしまいましたが、本機で焼いたクロワッサンは表面が焦げず、中まで熱が通ってふっくらしていました

 

さらに過熱水蒸気は、フランスパンも上手に焼いてくれます。レシピには、3~4cmの厚さに切ったもの、とありますが、個人的には丸ごと焼いたほうが、焼きたてを買ってきたようなおいしさが味わえるので気に入っています。肉まんも生地はふっくら、中のお肉はジューシーに美味しく温められました。

20171204-s3 (11)↑フランスパンを丸ごと焼くと皮がパリッと、中がふっくらと焼けます

 

↑肉まんも生地はふっくら、中のお肉はジューシーに美味しく温められました↑肉まんもしっとりジューシーで最高の仕上がり

 

また、温度や食材が違うものを同時に焼くのも過熱水蒸気の得意ワザ。過熱水蒸気には、温度の低いものから先に熱を与えるという性質があるため、最終的に複数の食材を、同じくらいの温度に焼き上げることができるのです。この性質を利用して、モーニングセットを一度で作ることができます。

↑食パンや生卵、野菜をトレイに並べ、火力「中」で8分。身支度などを済ませているうちに、一人前のモーニングセットが完成! 一度で調理できるのは、やっぱりラク↑食パンや生卵、野菜をトレイに並べ、火力「中」で8分。身支度などを済ませているうちに、一人前のモーニングセットが完成! 一度で調理できるのは、やっぱりラク

 

サックサクかつヘルシーな揚げ物の仕上がりに感心しきり

続いて、過熱水蒸気が得意とする揚げ物の温めをやってみました。スーパーで買ってきた天ぷらやコロッケなどの揚げ物は、電子レンジで温めると衣がしんなりしてしまい、もはや別物。正直、揚げ物ならではの美味しさは半減してしまいます。しかし過熱水蒸気で温めれば、中までしっかり温めつつ、表面もしっかり焼けるため、まさに外はサクサク、中はふっくらと焼き上げることができるのです。今が旬のエリンギを使った天ぷらを電子レンジでチンすると、エリンギもしぼんでしまい硬くなってしまいますが、過熱水蒸気で調理すると、外はサクサク、中にジューシーに仕上がりました。コロッケやとんかつも同様、揚げたての味わいが復活!

↑エリンギの天ぷらは外がサクサク、中はジューシーで風味がしっかり閉じ込められています↑エリンギの天ぷらは外がサクサク、中はジューシーに仕上がり、風味がしっかり閉じ込められています

 

↑とんかつもお店で食べるような味になり、家族も家で揚げたのかと思い込んだほど↑とんかつもお店で食べるような味になり、家族も家で揚げたのかと思い込んだほど

 

機会があるごとに揚げ物を買っては温めてみましたが、どれも美味しく温めることができました。いままで、「揚げ物は美味しく温め直せないから…」と敬遠していた人には、ぜひ試してほしいです。さらにヘルシオ グリエレンジは温め直しだけでなく、ノンフライ調理もできます。鶏のから揚げを作ってみたところ、さすがに揚げたほどにパリッとはしませんでしたが、ジューシーなノンフライから揚げが完成! 油もたっぷり落としてくれるので、しつこくなく、これが「ヘルシオ」の実力か、と感心させるヘルシーな仕上がりでした。通常の揚げ物と違って、つきっきりにならずに作れるのもありがたいですね。

↑火力「中」で12~15分。揚げ物と違って、つきっきりにならなくていいのもありがたいです↑ノンフライ調理でから揚げを調理。火力「中」で12~15分ほど。トレイに落ちた油の量にも驚きです

 

価格の面でもスペースの面でもメリットは大きい

…と、今回あらためて過熱水蒸気調理を使ってみて、その魅力を再認識しました。そして、今回追加された電子レンジ機能も、やはり必要な機能だということがよくわかりました。ヘルシオ グリエと違い、マグカップのミルクやちょっとした煮物などの温めが「オート」だとワンボタンでできますし、冷凍ごはんの温めやひき肉などを解凍できるのは便利です(電子レンジだから当たり前なのですが…)。特に、本家のウォーターオーブン「ヘルシオ」ほどの高機能が不要で、よりコンパクトでリーズナブルなものが欲しい…、また、キッチンのスペースの都合上、電子レンジとヘルシオ グリエ(またはオーブントースター)を並べておくのは厳しい…本機が、そんなユーザーのニーズに応えるのは間違いありません。

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「置いただけ…?」のデザインを払拭! 「サーキュレーター衣類乾燥除湿機」がスタイリッシュに進化した

アイリスオーヤマは、除湿機とサーキュレーターの一体化により短時間で衣類を乾燥できる「サーキュレーター衣類乾燥除湿機」を12月1日に発売します。価格は2万4800円(税別)です。

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冬場に強いデシカント方式を採用し、デザインの一体感も向上

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サーキュレーター衣類乾燥除湿機は、サーキュレーターにより業界最大クラスの風量を実現。デシカント式除湿機のヒーターの熱を利用した乾燥風を、サーキュレーターで室内に循環させ、効率的に洗濯物の湿気を取り除くことが可能。これにより、70分のスピード衣類乾燥を実現しました。

 

なお、デシカント式とは、ゼオライトという乾燥剤に水分を吸着させ、吸着した水分はヒーターの熱で取り除くという方式。低温での除湿力が大きく、冬場でも安定した除湿能力を発揮します。また、ヒーターの利用による発熱があるため、部屋が暖かくなるという効果も得られます。

 

また、自動首振り機能を搭載しており、左右の首振り角度は50°、70°、90°の3段階にボタンひとつで切り替え可能。上下の角度は水平から90°の範囲を手動で調節することができます。洗濯物の量が多いときは広範囲に、少ないときは角度を絞って集中的に乾燥風を当てるなど、洗濯物の量に合わせて使用できるのが便利です。

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さらに、除湿機とサーキュレーターはそれぞれ単独でも使用でき、季節に応じて1年中いつでも活用できます。たとえば、サーキュレーター単体でエアコンと併用することにより、部屋全体の空気を循環させ室内の温度ムラを解消するといった使い方も可能。設置面積は約A4サイズと省スペースで設置ができるのも便利です。

 

運転音は29dB(※)と静かで、就寝中でも音を気にせず使用できます。また、切タイマー機能も搭載しており、外出中や就寝中などでも切り忘れを気にせず衣類が乾燥できます。

※騒音(dB)の目安:40dB…図書館内、30dB…深夜の郊外、ささやき声、20dB…木の葉の触れ合う音

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ちなみに、本機のベースとなったのは、同社の従来機「DCC-6515C 衣類乾燥除湿機(ヒーター付き)(※)」(上写真左)。従来モデルは、「(除湿機の上にサーキュレーターを)置いただけではないのか?」と言われかねないデザインでしたが、今回は除湿機とサーキュレーターの一体感が高まり、デザインも洗練されています。

 

また、サーキュレーターと除湿機がそれぞれ単独で使用できる点、上下左右に首振りが可能な点、ボタン一つで左右の角度を自動で調節できる点など、使い勝手も従来機より大幅に向上しています。今回の進化により、さらに幅広い層に受け入れられることは間違いありません。

※従来機(DCC-6515C)は、高温時の除湿力が大きく、室温上昇が少ないコンプレッサー式を採用

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アイリスオーヤマ

サーキュレーター衣類乾燥除湿機 DDC-50

●発売:12月1日●価格2万4800円(税別)●サイズ/質量:W287×H640×D234㎜/7.8kg●電源電圧:AC100V、50/60Hz●消費電力:590W●タンク容量:約2.5L●使用温度:0~40℃●コードの長さ:約1.6m