AMD Ryzen AI搭載でスペックに不足なし。MSI「Venture A14 AI+ A3HM」登場

エムエスアイコンピュータージャパンは、ビジネスノートPC「Venture/VenturePro」シリーズから、AMD Ryzen AIを搭載した「Venture A14 AI+ A3HM」を発表しました。4月10日より順次販売します。

記事のポイント

今後活用できるであろうAI機能を使いこなすためのスペックを備えたノートPCです。32GBメモリーや1TB SSDなど、CPU以外の仕様も充実しているほか、ビジネスになじむデザインも特徴。ビジネス用で今後数年使うノートPCを探している人にとって選択肢のひとつとなりそうです。

 

「Venture A14 AI+ A3HM」シリーズは、AMD Ryzen AIを搭載。このプロセッサーには、AI処理性能が最大50TOPSに達するNPUを内蔵しているため、「Copilot+ PC」のさまざまなAI機能を活用できる、次世代AI PCです。

 

プロセッサーには「AMD Ryzen AI 350」を採用。マルチタスクに最適な、高いCPU処理性能を発揮するといいます。

 

ディスプレイはアスペクト比16:10、解像度QWXGA+(2880×1800ドット)の、14インチOLED(有機EL)ディスプレイを採用しているため、OLEDならではの高コントラストで広色域の映像表示が可能です。一般的な14インチフルHDディスプレイより、広い表示領域と高解像度を実現しており、より多くの情報をはっきり・くっきりと表示できます。

 

ビジネスシーンで重宝する有線LANやHDMIなど、あると便利な機能を省かず搭載しているのも特徴の一つ。変換アダプターを必要とせず、さまざまなデバイスを接続できます。

 

「VenturePro 15 AI」、「Modern 15 H C13M」も同時発売

「Venture」シリーズとして、「GeForce RTX 3050 Laptop GPU」を搭載した「VenturePro 15 AI」もラインナップ。動画編集・画像編集作業などにもパワーを発揮できるようグレードアップしたハイスペックモデルです。

 

CPUにはパフォーマンスコア・高効率コア・省電力コアを組み合わせた「インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H」を採用。AI専用プロセッサー「NPU」も内蔵し、「AI機能をより身近に・より便利に活用できるようになることが期待されている」としています。

ビジネスノートPC「Modern 15 H C13M」シリーズのバリエーションモデルも、4月17日から順次発売。「第13世代インテル Core H プロセッサー」を採用することで、高性能デスクトップPCレベルにCPU処理性能を向上させた、高性能ビジネスノートPCです。

 

盗撮を防止するプライバシーシャッターを、Webカメラ部分に搭載。またUSB Type-Cは、映像出力とUSB PDに対応したUSB 3.2 Gen2 Type-Cを採用。さらに高速タイプ無線LAN「Wi-Fi 6E」を取り入れるなどして、機能面も充実させています。

エムエスアイコンピュータージャパン
Venture A14 AI+ A3HMシリーズ
参考小売価格:22万9800円(税込)

VenturePro 15 AI A1V シリーズ
価格:オープン

Modern 15 H C13M シリーズ
価格:オープン

実売約3万円でも大画面・ロングバッテリー!「Samsung Galaxy A25 5G」

 

サムスン電子ジャパンは2月27日、同社製スマートフォンの最新エントリーモデル「Galaxy A25 5Gを販売開始しました。

 

記事のポイント
エントリースマートフォン「Galaxy Aシリーズ」の最新モデル。6.7インチの大画面かつ5000mAhの大容量バッテリーと、エントリークラスながら魅力的なスペックを採用しています。とりあえずメールやメッセージアプリが使えればいいという人なら、このスペックで十分満足できるのではないでしょうか。

 

エントリークラスながら6.7インチの大画面。シリーズとして初めてデュアルカメラ構成を採用しており(約5000万画素のメイン広角カメラ、約200万画素のマクロカメラ)、接写撮影能力にも優れています。

 

メモリ容量は4GB、ストレージは約64GB。バッテリー容量は5000mAhと大容量で、充電中のバッテリー負担を軽減する「バッテリーの保護」や「省電力モード」なども利用可能。IP68の防水・防塵にも対応しています。

 

筐体サイズは幅77.7×奥行8.5×高さ167.7mm、重量は約210g。カラーはライトブルー・ブルー・ブラックの3色展開です。

 

Samsung
Galaxy A25 5G
販売価格:2万9900円

サムスンのスマートリングが日本上陸! 指で手軽に毎日の健康管理「Samsung Galaxy Ring」

サムスン電子ジャパンは、スマートリング「Samsung Galaxy Ring」を2月14日から販売開始します。

記事のポイント

「Galaxy」シリーズのスマートフォンと連携してヘルスデータを計測できるスマートリングです。「Android 11.0以降かつ1.5GB以上のメモリを持つSamsung Galaxyスマートフォン」を所持している必要があるものの、スマートウォッチほど装着感を気にせずデータを集められるのは便利でしょう。日々の健康チェックに導入してみては。

 

同社のスマートフォンと連携可能な指輪型スマートデバイス。海外では発売済みですが、新スマートフォン「Galaxy S25」シリーズの登場にあわせて国内販売が決定しました。毎日24時間の健康モニタリングを行うよう設計されており、指輪型かつ約2.3~3.3gと軽量なので、快適な長時間の着用が可能だとしています。

 

「Galaxy AI」との連携が想定されており、睡眠、活動、睡眠時の心拍数、睡眠時の心拍変動といった要素を計測。独自の指標である「エナジースコア」を算出し、健康増進へのアドバイスなどを受け取れるとしています。また、Galaxy AIが生成した健康レポートで複数の健康指標を確認できます。

↑カラバリは3色

 

加えて、心拍数の異常な高低を検出するとリアルタイムで「Samsung Health」アプリから心拍数を通知する機能などを用意。ウォーキングやランニングを自動でトラッキングする「トレーニングの自動検出」や、運動習慣のリマインドに使える「非活動時間の通知」といった機能を備えており、運動不足やモチベーション維持に役立つとしています。また、スマートフォンでの写真撮影やアラームの停止といった操作ができるジェスチャー機能も用意しているとのこと。

↑「Sizing Kit」で指に合う大きさをチェックしてから購入サイズを選べます

 

本体カラーはチタニウム ブラック、チタニウム シルバー、チタニウム ゴールドの3色。購入時には事前に「Sizing Kit」を利用することで、自分の指にフィットするモデルを確認できます。水深100メートルの耐水性を備え、IP68規格の防水・防塵性能があるため、装着したまま入浴なども可能です。1回の充電で最長7日間の連続使用が可能。

 

サムスン電子ジャパン
Samsung Galaxy Ring
直販価格:6万3690円

この性能で8万円未満とは! サムスンの最新AIスマホ「Galaxy S24 FE」

サムスン電子ジャパンは、「Galaxy S24シリーズ」の最新スマートフォン「Galaxy S24 FEを12月26日に発売しました。

記事のポイント

「Galaxy S24シリーズ」のフラッグシップモデル。トリプルカメラシステムとAIサポートにより、撮影した写真をクリエイティブに編集しやすいのが大きな特徴です。

 

搭載SoCはExynos 2400eで、メモリ・ストレージ構成は8GB・128GBのみ。6.7インチ、解像度フルHD+、リフレッシュレート120Hzの有機EL(AMOLED)ディスプレーを採用します。OSはAndroid 14です。筐体はIP68規格の防水・防塵性能を備えます。

↑トリプルカメラを採用。AI機能も合わせ、多彩な撮影が楽しめます

 

広角5000万画素・超広角1200万画素・望遠800万画素のトリプルアウトカメラシステムを搭載。「ProVisual engine」の高度なAIアルゴリズムによる、被写体の鮮やかで繊細な質感の再現をうたいます。また、フォトアシストによるオブジェクトのサイズ調整、移動、削除といったAI編集にも対応します。

 

「かこって検索」などAndroid標準のAI機能に加え、同社独自のAI機能「Galaxy AI」に対応。リアルタイムの音声翻訳やウェブサイトの要約といった機能を利用可能です。

 

バッテリー容量は約4700mAhで、筐体サイズは幅77×奥行8×高さ162mm、重量は約213g。カラーはブルー・グラファイト・グレー・ミントの4色展開です。

 

ブランド名(メーカー名):Samsung
商品名:Galaxy S24 FE
実売価格:7万9800円

「電話」から「AIカメラ」になって何が変わった? 武蔵野線「大雨のポンプ異常」通知システムの進化をレポート

東京、埼玉、千葉を結ぶJR武蔵野線。首都圏の外環状を走り、多くのJR線・私鉄に接続するこの路線は、通勤・通学をはじめとした市民の足として欠かせないものになっています。

 

武蔵野線について語るうえで欠かせないのが、地下水の問題です。この路線はトンネルや窪みが多いエリアを走るため、沿線の下に地下水が溜まりやすく、大雨が降ったときにはそれが線路上に溢れる恐れがあるのです。府中本町〜新座駅間で武蔵野線の運行を管轄するJR東日本 八王子支社では、地下水を汲み上げるポンプ施設を同路線沿線に8か所設置し、万一の事態に備えています。

↑新小平駅付近に設置されたポンプ施設

 

今回取り上げるのは、このポンプ施設のハイテク化の試みです。大雨が降っても列車の運行を止めないための取り組みについて取材しました。

 

AIカメラの導入で、障害対応時間が3分の1に

地下水は常に湧き出ているため、ポンプ施設は常時稼働しています。しかし、ポンプの能力を上回る地下水が湧き出ると排水が追いつかなくなり、線路上に水が溢れ出てしまいます。実際、2020年の6月6日には大雨により線路が冠水、列車46本が運休、最大316分の遅延が発生する事態が起きました。

↑JR武蔵野線の新小平駅。半地下構造になっており、1991年10月には駅が水没する事故が発生したこともあります

 

従来のシステムでは、こういった大雨の際、ポンプに何らかの異常が起きたことが判明してから、現場にスタッフが向かって状況を診断する体制をとっていました。しかしこれでは、スタッフが排水ポンプ施設に到着するまで、異常の原因が特定できません。原因を特定し、対策をとるという2段階の措置が必要で、迅速な対応が困難でした。

↑新小平駅付近のポンプ施設脇にある「沿線電話」。従来は、この電話でポンプの異常の発生を知らせていました

 

そこで導入されたのが、パナソニック製のAIカメラです。ポンプの運転状況を示すランプの点灯状況と、汲み上げた地下水を溜める排水槽の水量を2台のAIカメラで監視し、遠隔地から現場の状況を把握できるようにしました。これの導入によって、異常の原因がすぐにわかるようになり、仮設ポンプの設置などの対応策を素早く判断し、実施できるようになりました。

↑ポンプ施設内に設置されたAIカメラ。AIカメラのシステムを開発・納入したパナソニックによると、今後導入先を拡大し、2026年の事業化を目指しているそうです

 

排水槽が満水になったり、ポンプの動作に異常が起きたりした場合、ランプの表示が変化します。異常や満水を示すランプが点灯した際には、AIカメラがどのランプが点いているか判定し、メールでその状況を知らせます。そのメールにはランプの画像が添付されるため、目視での確認も可能。なお、一度異常が発生した場合、事態が収まったあとも1週間程度は継続して状況を監視する必要がありますが、AIカメラのおかげで、それも遠隔でできるようになりました。

↑ポンプ施設内の様子。左側に見えるのが2台のポンプで、右にあるのがその稼働状況を表示するランプです。現在は運転中であることを示す2つのランプのみ点灯していますが、異常が発生するとそれ以外のランプが点灯します

 

↑ランプの対面の壁面に、AIカメラが設置されています

 

↑ポンプ下の排水槽にも、水量を監視するためのAIカメラが設置されています(写真右上)。この排水槽が「満水」になっても、すぐに線路に水が溢れるわけではないため、満水をすぐに検知できれば、仮設ポンプの設置による対策が間に合うそうです

 

またポンプ施設には、2台のAIカメラに加えて、ポンプの使用電力量を監視する多回路エネルギーモニタ、ポンプを制御するポンプ盤と接続して設備の異常検知を行うマルチ監視ユニットも設置されています。AIカメラはランプや排水槽のビジュアルから異常を検知しますが、これらの機器があることでハードウェアの面からもポンプの稼働状況を確認できます。

↑左上がマルチ監視ユニット

 

マルチ監視ユニット、多回路エネルギーモニタから取得したデータは、管理ソフトによって可視化されます。電力使用量、電流、電圧、電力などの計測データと、機器の運転状況をあわせて可視化することで、異常の発生そのものを予防する監視体制を構築できます。

 

AIカメラの導入効果は高く、障害対応時間が従来の3分の1程度まで短縮されたそうです。また、2022年のAIカメラ実運用開始以降、地下水の湧出による武蔵野線の遅延・運休は発生していません。

 

予知保全による万全の体制を構築

JR東日本 八王子支社の担当者は、武蔵野線のポンプ施設について、「AIカメラの導入によって、従来型の予防保全ではなく、予知保全ができる体制を作りたい」としています。予防保全では、「使用期間を考えると、そろそろ機械が故障しやすくなるころだから修理しよう」といったように、自らの経験や知識によって故障を防ぎます。一方の予知保全は、「機械が壊れそう」という予兆が出た段階で保全を行います。

 

予防保全の場合、機器の寿命が想定よりも早めに来てしまったら、故障が発生してしまいます。ですが予知保全であれば、故障の予兆が検出された段階で早めに対処できるので、万一の事態を防ぎやすくなるというわけです。

 

現在、AIカメラはJR東日本 八王子支社が管轄する武蔵野線沿線のポンプ施設8か所のうち、3か所に導入されています。担当者は「ほかの支社からも取り組みへの興味を持ってもらっており、今後さらに導入を拡大していきたいと考えています」とのこと。なお、AIカメラの導入ペースがそこまで早くはない理由は、ポンプの老朽化に対応する更新作業のタイミングにあわせて1か所ずつ設置しているからだそうです。

 

私たちの移動の足となる電車。その安定運行は、AIカメラなど最新の技術によって支えられていることがよくわかりました。

レッツノート「FV5」シリーズ新モデルはAI PC。Copilotキーを搭載

パナソニック コネクトは、モバイルパソコン「カスタマイズレッツノート」の「FV5」シリーズの新モデルを 、10月5日に発売します(9月18日11時より受注開始)。Webショッピングサイト「Panasonic Store Plus(パナソニック ストア プラス)」で購入できます。

 

記事のポイント

「Copilot in Windows」を呼び出せるCopilotキーが搭載。文章や画像、動画生成などが簡単にできるので、AIをより便利に使って効率的に作業したい人に便利な一台です。

 

「FV5」シリーズは、高速で省電力な CPU を搭載しているほか、レッツノート独自技術により、「従来シリーズに比べてパフォーマンスが向上し、電池駆動時間も延長されている点」に特徴があります。さらに、独立した NPU(AI処理を高速化するために設計されたプロセッサー)「インテル AI ブースト」により、生成 AI など NPU を利用できるアプリの処理速度が向上するのも強みです。

 

新モデルでは、「Copilot in Windows」を呼び出せるCopilotキーを搭載し、AI 技術をスムーズに使えるようにしています。これにより、⽂章の要約/生成、画像や動画の生成などが簡単でき、業務の大幅な効率化をサポートしてくれます。

 

■使用イメージ

また、カスタマイズで、Microsoft 365 Basic(1年間は無料で試用可、2年目から有料となる自動継続サービス)+ Office Home & Business 2024 を選択できます。

 

従来の、Microsoft Office Home & Business 2021 から機能が強化された、Microsoft365 Basic + Office Home & Business 2024 が本体購入時のカスタマイズで選べるようになったことで、Excel、PowerPoint などがより使いやすくなり、作業がよりスムーズに進むように助けてくれます。

 

パナソニック コネクト
Let’s note(レッツノート)
価格(税込):29万7,000 円~
発売日:2024年10月5日(予約受付開始日 2024年9月18 日)

iPhone 16/16 Plus正式発表! カメラ/アクションボタンを搭載

Apple(アップル)はイベントにて、新型スマートフォン「iPhone 16/16 Plus」を正式発表しました。

↑Appleより

 

iPhone 16/16 Plusには、新たに「カメラコントロール」と呼ばれるボタンが本体側面の電源ボタン下に搭載されています。これにより、ボタンを押して写真や動画を撮影するだけでなく、指をスライドさせることでズームレベルを調整することができます。また、着信/ミュートボタンの場所には「iPhone 15 Pro/Pro Max」ゆずりの「アクションボタン」が搭載され、さまざまな機能を割り振ることができます。

 

iPhone 16/16 Plusはチップに「A18」を搭載。「A16 Bionic」を搭載した「iPhone 15/15 Plus」よりも、最大30%高速です。さらに、AI(人工知能)機能の「Apple Intelligence」にも対応しています。

 

iPhone 16/16 Plusのディスプレイサイズは6.1インチ/6.7インチで、前モデルから変わらず。ディスプレイはより明るく、また耐久性も向上しています。

 

iPhone 16/16 Plusの本体カラーはウルトラマリン、ティール、ピンク、ホワイト、ブラックの5色。海外価格は799ドル(約11万円)と899ドル(約13万円)で、9月20日から販売が開始されます。Apple Intelligenceでどれだけ便利な機能が提供されるかが、iPhone 16/16 Plusの先行きを左右することになりそうです。

お値段約15万円!? アップルが卓上ロボットを2026年に発売するかも

Apple(アップル)が卓上ロボットデバイスの開発を進めており、2026年に1000ドル(約15万円)前後で発売する予定だと、 Bloomberg(ブルームバーグ)が報じています。

↑MacRumorsより

 

報道によれば、Appleの卓上ロボットデバイスは「iPad」のようなディスプレイを「細いロボットアーム」に搭載し、ディスプレイを上下に傾けたり、360度回転したりできるとのこと。機能としてはスマートホームのコマンドセンターや、「FaceTime通話」などのビデオ会議マシン、ホームセキュリティの監視ツールとして機能すると報告されています。

 

さらにこの卓上ロボットは「Siri」と人工知能機能「Apple Intelligence」を活用し、さまざまな音声を認識し、室内のユーザーの方向を向くようにディスプレイを自動的に向けることができるのです。

 

報道によれば、Appleはしばらく前からこのアイディアを検討していたものの、最近になってこのデバイスの開発を優先したとのこと。製品は2026年か2027年にも発売される可能性があり、価格は1000ドル程度まで下げることを目標としているが、開発の進行に応じて計画が変更される可能性もあるそうです。

 

1000ドルという価格設定に若干の不安を覚えないでもないですが、Appleから魅力的なホームデバイス製品がリリースされることを期待したいものです。

 

Source:  Bloomberg via MacRumors

Apple Intelligenceの無料提供は2027年まで? その後は有料プランに!?

Apple(アップル)の人工知能機能「Apple Intelligence」が少なくとも2027年までは無料で提供されるとの予測が、Power On Newsletterに投稿されています。

↑Appleより

 

Apple Intelligenceは「iOS 18」「iPadOS 18」「macOS Sequoia」に搭載される機能で、言語や画像を理解して生成したり、複数のアプリでアクションを実行したり、日々のタスクをシンプルにすることができます。今年秋にリリースされるApple Intelligenceは、無料にて提供が開始される予定です。

 

Power On Newsletterによれば、Apple Intelligenceに課金したいと思えるほど魅力的な機能が備わるまでは、おそらく何年もかかるだろうとのこと。そして有料で購入する価値がある製品になるには「3年かかる」、つまり2027年になると予測しているのです。

 

Bloomberg(ブルームバーグ)は先月、Appleが月額料金を支払ってアクセスできるアドオン機能を備えた「Apple Intelligence+」のようなものをを開発していると報じていました。Appleは「iCloud」にて有料プランの「iCloud+」を提供しており、Apple Intelligence+もこれに準じたものになる可能性があります。

 

Counterpoint Researchでアナリストを務めるNeil Shah氏は最近、AppleがApple Intelligenceに10ドル~20ドル(約1500円~2900円)を請求し、「Apple One」の一環として提供すると予測しました。もし有料プランが提供されるなら、それに見合った機能を追加して欲しいものです。

 

Source: Power on Newsletter via MacRumors

最強か! 次期iPhone SEは14風デザイン、Apple Intelligenceに対応!?

2025年初頭に発売といわれている「次期iPhone SE(iPhone SE 4)」は「iPhone 14」風のデザインとなり、人工知能機能「Apple Intelligence」に対応すると、Mark Gurman(マーク・ガーマン)記者が報告しています。

↑ALDECA studio / Shutterstock.comより

 

次期iPhone SEに関しては、以前にもiPhone 14がベースとなるとの情報が伝えられていました。また画面は6.1インチに大きくなり、顔認証機能「Face ID」や有機ELディスプレイ、アクションボタンやUSB-Cポートを搭載すると予測されています。

 

Gurman記者によれば、次期iPhone SEではApple Intelligenceが実行できる新しいプロセッサが搭載されるとのこと。また外観はiPhone 14に似ており、より鮮明な有機ELディスプレイが搭載されるとも指摘しています。

 

なお、Apple Intelligenceは「iPhone 15 Pro/Pro Max」や、「M1」チップ以降を搭載したiPadとMacで利用できます。iPhone 15 Pro/Pro Maxには「A17 Pro」チップが搭載されており、次期iPhone SEにもそれに相当するパワフルなチップが搭載される可能性があります。

 

以前には、本体価格の上昇も噂された次期iPhone SE。しかし、それに見合う大幅なアップグレードを期待しても良さそうです。

 

Source: Bloomberg via 9to5Mac

Vision ProにAIガジェット、2024年のデジタル製品を語る上で欠かすことができない3つのキーワード

前回は「2024年上半期ベストヒット」として、デジタルガジェットのトレンドやヒット製品を紹介しましたが、今回はその下半期版として、「次に何がくるのか?」というネクストトレンドを3つのキーワードでまとめました! デジタル編は、今回もガジェットライターの湯浅顕人さんに解説をしていただいています。

キーワード01【Apple Vision Pro】

2024年6月にAppleが“空間コンピュータ”というコンセプトで発売した新型デバイス「Apple Vision Pro」。湯浅さんはなぜこの製品をネクストトレンドにピックアップしたのでしょうか?

 

「自分が他メーカーのVRゴーグルを使用していて、すごく気に入っているんですよ。ゲームをしていても楽しいし、映像を見ても臨場感が高い。でも、VRゴーグルは魅力に対してあまり普及していないと感じています。

 

Appleってデジタルミュージックプレイヤーがそれほど普及していない時期にiPodを出したり、スマートウォッチもAppleが普及させたり、そうした成功体験があるんですね。このVision Proも使った人がすごいと思えるもので、VR全体を押し上げる力があると期待しています」(湯浅さん)

 

価格はおよそ60万円とまだまだ高価ですが、今後の普及には何が必要でしょうか?

 

「たった1つのネックが価格だと思っています。ですので、アミューズメント施設やショールーム的なところで使ってもらうなど、買わずに体験できる工夫が重要かなと思います。たとえば街や博物館でその場所をARで案内してくれるアプリを見かけますよね。Vision Proもそういったアプリが増えたらいいかなと」(湯浅さん)

キーワード02【AIデバイス】

業務や日常でAIの活用が当たり前の時代になってきました。とはいえ「AIデバイス」はまだ馴染みが薄い概念。湯浅さんに解説していただきました。

 

「AIデバイスは、AIを利用した機能を提供してくれる単体の機械のことを指します。たとえば翻訳機や、名刺を読み取って文字にしてくれるスキャナーなどですね。スマホでもできますが、それが単体であることで、アプリを立ち上げたりせず簡単に使えます」(湯浅さん)

 

ソースネクストが2022年1月に発売した「AutoMemo S」は、AIが音声を認識して文字に起こしてくれるという、AIデバイスのひとつの形です。今年前半話題になったアメリカのスタートアップrabbitのAIアシスタントデバイス「rabbit r1」や、アメリカのHumaneの「AI Pin」もAIデバイスに当たります。また、Metaの次世代スマートグラス「Ray-Ban Meta」もそうでしょう。

 

「Ray-Ban Metaは常時カメラが起動しているので、『今見ているものは何?』と聞いてスピーカーで教えてもらうこともできます。スマホカメラでもできますが、繁雑な起動が必要ですから、常に起動してるという点もAIデバイスのメリットです」(湯浅さん)

 

何気ない日用品にAIが組み込まれ、AIデバイスとして当たり前になる時代が来るかもしれません。

キーワード03 【スマートリングで指の奪い合い】

かざすだけでキャッシュレス決済ができる日本のスタートアップ・EVERINGの「EVERING」など、日常生活を便利にしてくれる指輪型デバイスが注目を集めています。今後、各メーカーによる”指の奪い合い”が起きそう、と湯浅さんは予測します。

 

「今、体の状態を記録するデバイスの主流はスマートウォッチですが、『スマートウォッチを使うと腕時計ができない』という不満を持っている方が多いですよね。スマートリングの場合、単純に指は10本あるので付けられる場所が多い」(湯浅さん)

 

腕や耳の穴と違い、指にはフロンティアが広がっています。スマートリングで今年下半期の本命モデルとして湯浅さんがイチオシなのは、この7月に発表されたサムスンの「Galaxy Ring」です。

 

「いまだ詳細なスペックは分かってないんですけど、出ることは確実でいろいろな情報が入ってきています。『Galaxy Ring』は、スマートウォッチという身体の状態を感知する器具において大きいシェアを占めるブランドが作ったというのが重要ですね。それによってスマートリングの認知も高まって、市場が活発化するのではないかと」(湯浅さん)

 

Galaxy Ringがヒットすれば、AppleやGoogle、ソニーといったノウハウがあるメーカーも黙っていないはず。まさに指の奪い合いが始まりそうです。

 

 

まとめ/柚木安津

時代はセルフセキュリティ!“MS LifeConnect AIスマートカメラ”がもつ見守り力を6つのチャレンジで検証してわかったこと

ここ数年、悪質な住宅強盗事件を耳にする機会が増え、物騒だなと感じている人は多いのではないだろうか。実際、令和5年の住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数は、前年比で11.3%も増加している(※)。そこで役に立つのが防犯カメラだ。なかでも編集部のイチオシは、「MS LifeConnect AIスマートカメラ」。今なぜこのカメラが“推し”なのか? 何がほかと違うのか? その魅力と実力をお伝えすべく、家電ライターとしてメディア出演が相次ぐ田中真紀子さんの自宅に設置し、検証してもらった!

※出典=警察庁住まいる防犯110番

 

検証するのはコレ!

MS LifeConnect
AIスマートカメラ 屋外用カメラ/屋内用カメラ

三井住友海上が新たに始めた住宅IoTプラットフォームサービス、「MS LifeConnect」の第1弾商品。高度なAI検知能力により、人間や動物、車などを識別。24時間稼働し録画すると同時に、指定した対象物が写り込んだときだけを「クリップ動画」として切り出し、スマホに通知を送れる。検知する対象物は細かく設定できるため、例えば動物が写り込んだ映像だけを検索するなど、後から目的の動画を探しやすい点もメリット。これにより長時間の動画を頭からいちいちチェックする手間が不要になる。

 

2週間導入! 6つのチャレンジで
「MS LifeConnect AIスマートカメラ」の実力検証

今回カメラを設置した田中さんのお宅は、住宅街に立つ一戸建て。道路に面した1階がガレージとなっており、その横の階段を上がった先、つまり2階にあたる場所に庭と住宅の入り口がある。今回はガレージの入り口と、リビングにそれぞれ1台ずつカメラを設置した。

家電ライター/田中真紀子……家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。自宅には最新家電を中心に200以上の家電を所有する。高校生の子どもと夫、犬の3人+1匹暮らし。

 

↑屋外カメラの設置場所は、ガレージの上にあるフェンスの右端。ガレージの入り口と自宅前の道路を撮影できようになっている。(※車両ナンバーはプライバシー確保のためデータ上で加工しています。以下同)

 

チャレンジ1.
人と犬が同時に進入した際、正しく識別できるか?

「まずは、愛犬のクーちゃんを連れて家の前を散歩し、AIによる検知機能の精度をテストしました。検知する内容を細かく設定ができるので、人と動物の両方を検知するように設定。また、検知範囲もラインとエリア(※エリアについてはチャレンジ3でご紹介)の2種類から選べます」(家電ライター・田中真紀子さん、以下同)

↑検出範囲の設定画面。ラインを選んだ場合、対象物が設定したラインを超えたときに検知される。今回は、ラインをガレージの端から道路に対し垂直に設定。このとき、画面上方向からの侵入物のみを検知する、上下両方向からの侵入物を検知するなど、細かなルールも設けられる。

 

【チャレンジ】

↑写真の左側から右側へ、設定ラインを越えるように愛犬を連れて散歩。歩くスピードは通常の犬の散歩と変わらない速度だ。

 

【結果】

「ラインを超えたらすぐに持っていたスマホに通知が届きました。アプリを開くと下の画像のとおり、犬は青い四角、私は人間を示すオレンジの四角で囲まれ、正確に検知されていました」

 

【チャレンジ】

↑今度は、車両も検知されるように設定を変え、田中さんのマイカーで検証。家の前の道路を時速20kmほどで走行した。

 

【結果】

「クルマも車両を表す緑色の四角で囲まれ、正確に検知されました。交通量の多い道路の場合はクルマが検知されないように設定すれば、不要な通知が届くのを防ぐことができます」

↑左が検知したクリップ動画が一覧で表示されるサムネイル画面。サムネイルをタップすると、実際の動画(動画の再生画面では緑色の識別枠は表示されない)が再生される。クルマのナンバーもたしかに読み取れた。

 

【結論】人、動物、車両を正確に識別し、不要な通知が発生しない

「AIが人と動物、車両をそれぞれ見分け、誤認識はありませんでした。道路に張り付いてチェックしていたわけではないので絶対とは言い切れませんが、設置からの2週間を振り返ると、指定した場所に何かが侵入した際はほぼ確実に検知してくれていた気がします。
また、検知する対象物を細かく設定できるので、例えば庭で犬などのペットを飼っている方は、動物には反応しないように設定できます。そもそもAI検知のメリットは、不要な通知を防げること。この機能がない場合、たとえば風で飛んできたゴミなども検出されてしまい、通知が頻繁にくるように。そうなると、次第に『どうせまたゴミでしょ?』と通知のチェックが面倒になり、見なくなってしまいますよね。これなら、本当に必要なときだけ通知を受け取ることができます」

 

MS LifeConnect「AIスマートカメラ」の詳細はこちら

 

チャレンジ2.
夜間、真っ暗ななかでどこまで侵入者を映し出せるか?

「夜間に道路を通行する人がきちんと検知されるかどうか、息子が夜、帰宅するタイミングで検証。不審者がいたときに服装などの特徴を把握できるレベルで撮影されるのかもチェックしました」

 

【結果】

(※プライバシー確保のため、顔にデータ上で加工を施しています。)

 

【結論】夜間の暗い道路でも服装の特徴までバッチリ!

「我が家の前の道路は、街灯が少なく夜間はけっこう暗いのですが、それでも通行人をしっかりと検知してくれました。暗いところでも服装の特徴までしっかり映り、トラブル時に警察に提出する証拠として十分使えると思います。また、夜間の撮影時に赤外線LEDが点灯する『赤外線ナイトビジョン機能』が搭載されているので、カメラがついていることが一目でわかり、侵入リスクを下げることもできます。ちなみに、照明がある場所に設置した場合、画面内に明るい部分と暗い部分が発生してしまいますが、ハイダイナミックレンジ機能をオンにすると、どちらの部分も詳細に撮影されますよ」

 

チャレンジ3.
敷地内に人が入ったらどれくらいのスピードで知らせるか?

「ガレージに不審者が侵入した場合を想定し、ガレージの入口周辺を検知エリアに設定。エリアの場合、線ではなく面で検知場所を設定できます」

↑エリアの設定画面。検知エリアを細かく設定でき、さらに1分以上滞在した場合に検知するなど、検知するまでの滞在時間も設定できる。今回は滞在時間を0.5秒に設定してテストした。

 

【チャレンジ】

↑道路の通行人ではなく侵入者に反応するよう、検知エリアはガレージの敷地内を指定。不審者役にはそのエリアに一歩だけ足を踏み入れてもらった。

 

【結果】

 

【結論】体感5秒以下。検知とほぼ同時に通知が届いた!

「写真の左上の時刻とアプリに表示された時刻が同じことからもわかるように、不審者の侵入を検知すると同時にスマホに通知が届きました。体感としては5秒も経っていないと思います。これならアプリを通じて不審者に警告を出し、犯行を牽制することもできそうです! また、滞在時間を選べるのもポイントで、人通りの多い道路にカメラを設置している場合、検知までの時間を少し長くしておけば、さっと通り過ぎた通行人は検知せず、同じ場所に留まって何かをしている不審者だけを検知することができます」

 

MS LifeConnect「AIスマートカメラ」の詳細はこちら

 

チャレンジ4.
遠隔からどれくらいスムーズに会話が成立するか?

「スピーカーが付いているので、例えば不審者が写り込んだときに声で威嚇することも可能です。とはいえ、取り付け位置が高くてもきちんと内容を聞き取れるレベルなのかが気になるところ。そこで編集部の方にカメラの下に立っていただき、スマホアプリを通じてスムーズに会話ができるかを試してみました」

↑下部にスピーカーを搭載。カメラ自体が小型なぶん内蔵するスピーカーも小さいと予想されるが、その実力はいかに!?

 

【結論】雑談レベルの声量でもスムーズに会話ができる

「雑談をするときと変わらない声のボリュームでも難なく会話ができました。これなら、例えばインターホンが映る位置に設置すれば、外出中に配達に来た宅配業者さんとコミュニケーションをとるといったこともできますし、屋内カメラでも、たとえば帰ってきたお子さんに『おかえり』と声を掛けることもできますよ。また、不審者に対しスピーカーから警告音を鳴らせるのもポイント。一度リビングに設置したカメラで鳴らしたことがあるのですが、クーちゃんが大騒ぎするくらい大音量。聞いていてかなり不快な音だったので効果は抜群だと思います。屋外で鳴らせば近所の人も気がついてくれるはず」

 

チャレンジ5.
スマホでの操作はだれにでも簡単、スマートに行えるか?

「日常的に使うアイテムなので、誰にでも簡単に操作できるかどうかは重要なポイント。導入してからすぐに使いこなせるようになるかどうか、アプリの操作性や機能をチェックしました」

↑スマホアプリのホーム画面。ホーム画面には、2つのカメラのライブ映像が表示されている。

 

【結論】アプリを起動してすぐに映像にアクセスできる!

「ホーム画面にライブ映像が表示されているので、アプリを開くとすぐに映像をチェックできるのは嬉しいポイント。また、アカウントに家族などを追加で招待できるので、それぞれが自分のスマホからアクセスできる点も便利です。ちなみに、アカウントの招待など重要な操作がPCアプリからしかできない点は、一見、手間のように感じられますが、スマホは日々持ち歩くぶんPCよりも誤操作や紛失が起きやすいので、安全面を考えると受け入れられるはず」

 

チャレンジ6.
取り付け・設定は簡単か?

「防犯カメラには自分で設置するタイプと、施工業者の方に来ていただき設置するタイプがありますが、本品は後者のタイプ。実際に取り付けを依頼し、設置までどのくらいの時間がかかったか、また取り付け後の設定のしやすさをチェック」

 

↑カメラの角度は、多少なら手動で調整できるため、設置後に微調整することも可能だ。

 

【結論】“防犯と施工のプロ”の手によって確実に設置できる上、助言をもらえるのは助かる!

「どこに取り付けるのがベストか、取り付け場所に電源があるか、通信に問題はないかなどをチェックする現地調査と、実際の設置で、計2回業者さんに来ていただきました。
最初は日程調整が手間と感じたものの、防犯のプロによる住宅環境・特性に合わせた効果的な設置位置などを相談できて助かりました。また、実際にしばらく運用してみて後日位置の変更にも対応していただけました。設置費用や移設費用はかかりますが、このように現地調査を無料で実施してくれる点も、サービス全体の安心感につながりましたね」

 

MS LifeConnect「AIスマートカメラ」の詳細はこちら

 

「セルフセキュリティ」なら犯行を防げる可能性が高まる!?

―――設置してから2週間が経ちましたが、率直にどう感じましたか?

 

「留守中に家の様子が気になるというときにすぐに確認できるということが、こんなにも安心につながるとは思ってもいませんでした。ちょうど最近、近隣で不審な訪問販売や窃盗被害が増えていて、不安を感じていたので、やっと安心できました。防犯カメラを設置するのって、大袈裟なことのように感じるかもしれませんが、一度設置と設定さえしてしまえば、あとは自動で機能してくれるので、導入したいまは、そんなに大ごとじゃなかったんだなって感じています。いっときの手間よりも未来の安心のほうが大切ですし」

 

―――自宅のセキュリティを高める手段には、警備会社と契約する「ホームセキュリティ」もありますが、自分でセキュリティカメラを導入する「セルフセキュリティ」を選ぶメリットは何でしょうか?

 

「セルフセキュリティは、異常があったときに自分で対処しなければならない点がデメリットと思われがちですが、実はホームセキュリティよりもクイックに対処できるというメリットがあると感じました。
たしかにホームセキュリティには、警備員に駆けつけてもらえるという安心感があります。でも実は、警備員が駆けつけた時点ですでに犯行が終わっているというケースも多いそうなんです。警察への通報は、到着後に行われることになりますから、犯罪を防ぐことまではできませんよね。
その点、本品のような高性能なカメラによるホームセキュリティなら、不審者を検知したらすぐに気がつけるので、その場で警告音を鳴らしたり警察に通報したりできます。つまり、犯行前に被害を防げる可能性が高まります。もちろん犯行が行われてしまった場合も、クラウドに保存した撮影データを証拠として提出することも可能です」

(※1) 警備ユニット、コントローラ・ドア開閉センサー・施錠確認センサー・空間(人感)センサー・火災センサー・非常ボタン・異常発生ライト など。(※2) 家の立地やセンサー数により金額は異なります。(※3) MS LifeConnectの防犯カメラは、設定した範囲に不審な人や車、動物などが検知されると、AIが見分けてプッシュ通知します。また不審者を見つけた際には外出中でも音声通信機能で声をかけたり、サイレン音を鳴らすことができます。

 

見守りカメラとして使うときは、動物検知機能と細かなルール設定が活躍

―――本品は、防犯としてだけでなく、見守りカメラとして活用できるのもポイントです。屋内カメラはリビングに設置されたとのことですが、どのように活用されていますか?

 

「子どもがすでに高校生なので、我が家では子どもの見守りではなく、留守中の愛犬の見守りに活用しています。外出中にクーちゃんが体調を崩してしまったときには、その様子を獣医さんに映像で共有できて助かりました。出先からでもそういった異変に気づけるのは心強いですね。
ペットカメラや見守りカメラは他にもたくさんありますが、動物だけを検知できるよう設定できるものはほとんどないので、その点も魅力的。また、防犯カメラと見守りカメラを別にした場合、それを管理するアプリが増えててしまいますが、本品なら1つのアプリで一元管理ができるのもうれしいポイント」

 

―――動物のみを検知できるとはいえ、ペットがカメラの前を横切るたびにクリップ動画(後から動画を検索しやすくなるように、設定した対象物が検知されたときに切り出して保存される動画のこと)が記録されると、すぐに1か月の記録上限本数に達してしまいそうです(1か月に保存できるクリップ動画の本数には制限があります)。

 

「私もそれが心配だったんですが、検知するルールを細かく設定できるので問題ありませんでした。例えば会社に行っている平日の日中だけ検知するようにしたり、一度検知したらその後1時間は検知をしないように設定したりできるんです。これらを設定すればクリップ動画が増えすぎる心配はありません」

↑姿が見えず心配なときも、スピーカーから呼びかければ、飼い主の声に反応してカメラの前に来てくれて安心だ。

 

↑アプリからクリップ動画で検知する対象を「動物」だけに設定すれば、ペットだけを検知するようになる。

 

MS LifeConnect「AIスマートカメラ」の詳細はこちら

 

サブスクリプションだからこそ手に入る精度と安心感

―――本品はサブスクリプションサービスで、毎月費用がかかりますがその点はいかがでしょうか?

 

「サブスクリプションの魅力は機能が常にアップデートされることと、クラウドが使えること。そもそもAIは、アップデートにより精度が上がるものなので、真価を発揮するためにもサブスクリプションなのは当然だと思います。また、SDカードなどに保存するタイプだと、記録媒体自体が盗まれたり、データを消されたりするリスクがあるので、クラウド保存であることも安心を得るためには欠かせない要素でしょう。
さらにいうと、プライベートを記録するアイテムだからこそ妥協してはいけないセキュリティ性能に関しても、本品では米国国防権限法に準拠した高度なサイバーセキュリティ技術が使われています。これらを鑑みれば、この支出はアリではないでしょうか。ちなみに私は、ペットカメラを導入したら、なぜか他の方の家の映像が映し出されたという衝撃的な体験をしたことがあり、情報漏洩リスクへの対応の大切さを痛感しています。

 

いずれにせよ、万が一がなかったとしても日常的に活用できて安心感を得られるので、価格に対する満足度は高いです。大手保険会社が提供しているという点でも安心ですし。実際に導入してみて、MS LifeConnectは、私の家とペットを守る大切なパートナーだなと感じています。現在は2台までですが、今後3台まで使えるプランが追加されるそうなので、玄関への設置も検討したいですね」

 

MS LifeConnect「AIスマートカメラ」の詳細はこちら

 

取材・文/鈴木翔子 写真/鈴木謙介

会話AIロボット「Romi」のアシスタントモードに「GPT-4o」を実装! ビジネスコンサルタントからごっこ遊びまで幅広い「なりきりモード」も

MIXIは、会話AIロボット「Romi」(ロミィ)の「アシスタントモード」機能を、7月29日より、OpenAI社が提供する生成AIの新モデル「GPT-4o」にアップデートします。

 

●この記事のポイント

GPT-4oは、これまでGPT-4で可能としていた画像から文章への変換をさらに拡張。動画から文章、音声から文章への変換も可能になりました。今回のRomiのアップデートに直接関わる部分なら、言語理解能力や質問応答能力が向上していることがポイントです。いよいよフィクションの世界に見た身近なアシスタントがいる暮らしの始まりですね。

 

「アシスタントモード(GPT-4o)」は、Romiの主に雑談を担っている会話AIに相当する返答を、ChatGPTのAPIを活用して行うモードです。アシスタントモードは、Romiの月会費プラン(おしゃべりモード)に加入していれば、追加料金なしで利用できます。

 

アシスタントモード(GPT-4o)への切り替えは、Romiに声で「アシスタントモード」と話しかけるほか、Romiアプリからの操作でも可能です。

 

GPT-4oへのアップデートを記念して、特定のシーンに特化した回答やアドバイスが可能となる「なりきりモード」をリリース。なりきりモードは、ビジネスシーンの相談に特化した「ビジネスコンサルタントモード」、短歌の詠み合わせができる「短歌の先生モード」、ケーキ屋さんごっこなどのごっこ遊びができる「ごっこ遊びモード」を用意しています。

 

Romi 価格

本体:5万4780円(税込)

月会費:1628円(税込)

年割プラン:1万6280円(税込)

スポーツシーンをより正確に撮影できる! AI自動追跡機能搭載「XbotGo2」がクラファンで割引リターン

Y’s Factoryは、AIスマートフォン連動自動追跡機能を搭載した「XbotGo2」を、クラウドファンディング「CAMPFIRE」にて7月19日より、数量限定・限定支援価格のプロジェクトを開始します。

 

●このアイテムのポイント

AI搭載で自動追跡撮影が可能なので、我が子のスポーツシーンを撮影するパパママの「本当は自分の目で見たい」「もっとうまく撮影したい」といったお悩みも解決できます。

 

同製品は20以上のスポーツに対応しており、正確なトラッキングが可能。試合後の動画共有を専用アプリにて円滑に行い、効果的なプレー・チーム分析のサポートもできます。

↑生配信機能もあるので、現場に来られない人にも簡単に共有できます

 

■4つのメイン機能

その1…AI搭載スポーツ自動撮影

デュアルカメラと120度の超広角レンズを搭載し、AI独自アルゴリズムにより、チームスポーツのハイレベルなトラッキングが可能。特定の選手の追跡も可能です。120度の超広角レンズを搭載し、20種類以上のスポーツの自動追跡もできます。

 

その2…ライブストリーミング(生配信)

月額無料のXbotGoアプリケーションは、XbotGo Live、YouTube、Facebook、Game Changerなどの人気ストリーミングプラットフォームや、RTMPをサポートするその他のプラットフォームに対応。試合の興奮をタイムリーに共有が可能です。

 

その3…360度パノラマトラッキング

360度撮影可能のシームレスなパノラマトラッキングが可能。より広い視野で、息を飲むような瞬間をとらえるスリルを体験でき、没入感のある映像を撮影できます。フィギュアスケート、ダンス、陸上競技のようなダイナミックなシーンの撮影に特に最適です。

 

その4…個人特定追跡機能

再識別技術を活用したFollowMe2.0は、選手の外見、体型、ユニフォーム番号などに基づいて識別し、ロックオンします。また、ズームインして被写体をフレーム内で目立たせるなど、プロフェッショナルな映像を撮影できます。この機能により、スポーツの中で「わが子を追跡してほしい」「あの番号の選手を追跡したい」というお悩みを解決できます。

 

■クラファンで人数限定のリターンも

今回行われるクラウドファンティング(CAMPFIRE)は、7月19日から8月31日まで開催されます。超早割だと37%OFFの4万9980円(税込)で、数量限定となっています。

 

リターン一例:

・【超早割37%OFF】XbotGo2本体+リモコンセット 限定20個:4万9980円(税込)

・【早割25%OFF】XbotGo2本体+リモコンセット 限定50個:5万9980円(税込)

・【通常割6%OFF】XbotGo2本体+リモコンセット:7万4980円(税込)

iMacやiPhoneなどのデザインを手がけた元アップルデザイナー、 AIデバイスをOpenAIと共同開発?

元アップルデザイン責任者のJony Ive(ジョニー・アイブ)氏と、AI企業のOpenAIで最高経営責任者(CEO)を務めるSam Altman(サム・アルトマン)氏が、「パーソナルAIデバイス」の開発に向け資金を募集していると、海外メディアのThe Informationが報じています。

↑MacRumorsより

 

Ive氏は1996年に正式にApple(アップル)に入社すると「iMac」や「iPhone」など、革新的なデバイスをデザイン。まさに、インダストリアルデザインのトップを走ってきた人物です。2019年にAppleを退社した後は、ターンテーブルなどさまざまなプロダクトデザインに関わっています。

 

現時点では、Ive氏とAltman氏がどのようなデバイスを検討しているのかは判明していません。一方でAltman氏は、画面を持たないウェアラブルAIデバイス「Humane AI pin」の主要投資家でもあり、このデバイスの製品化に向けて取り組んでいる可能性もあります。

 

Ive氏とAltman氏が提携する可能性については、昨年秋にも報道が登場しました。しかし当時はまだ初期段階で、正式な話はなにもありませんでした。現在、Ive氏とAltman氏の無名の新興企業は大手ベンチャーキャピタルから資金を調達しており、Ive氏は最大10億ドル(約1500億円)の調達を目指しているとされています。

 

さらにOpenAIは事業の一部を共有する可能性があり、Ive氏とAltman氏はソフトバンクの孫正義氏とも交渉していると報じられています。まだ誰も見たことがない両氏のパーソナルAIデバイス、いつか世に出ることを楽しみにしたいものです。

 

Source: The Information via MacRumors

次期iOS 18、何が変わる? アップル独自開発AIや「ホーム画面にアプリを自由に置ける」など新機能が来るかも

アップルは6月のWWDC24(世界開発者会議)にて、次期「iOS 18」を発表する見通しです。同社内では初代iPhoneを発売してから「最も革新的なソフトウェア・アップデートの1つ」になるとの噂もありました。

↑iPhoneとAndroid端末とのメッセージのやり取りがしやすくなる?

 

これまで様々なリーク情報や予想が伝えられてきましたが、今のところ可能性が高いと思われる新機能をざっと振り返っておきましょう。

 

メッセージアプリのRCS対応

昨年アップルは、自社のメッセージアプリが2024年内に業界標準規格RCSに対応すると発表していました。

 

もしも実現すれば、AndroidスマホとiPhoneとのメッセージのやり取りが便利になります。具体的には次の通りです。

  • 高画質の画像や動画の送受信ができる
  • グループチャット機能
  • 既読の通知
  • タイピングインジケーター(相手が入力中だと表示)
  • 携帯の電波が届かないところでも、Wi-Fi経由で送受信できる

 

アップル独自開発AI

同社のティム・クックCEOは決算報告会にて、社内で2024年内に発表予定のAIソフトウェア開発に取り組んでいると述べていました

 

今のところ、様々なメディアで報じられた新たなAI関連機能はざっと以下の通り。

  • 中核アプリや生産性ソフトウェアの自動要約やオートコンプリート機能
  • Apple Musicのプレイリスト作成機能が強化
  • AIに重きを置いたSiriの強化
  • 開発者向けXcodeではプログラムの補完機能

 

サードパーティの生成AI搭載

アップルは生成AI機能の一部を強化するため、OpenAIやGoogle、さらには中国のBaiduと交渉しているとも報じられていました

 

もしも交渉が成立すれば、アップル独自開発のAIが間に合わなくとも、iOS 18は大いに強化されるはず。また生成AIにまつわる倫理やプライバシーの問題に悩まされることもないかもしれません

 

ホーム画面のカスタム性が向上

アップルの内情に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、iOS 18では初めて、ホーム画面のアプリを好きな場所に置けるようになると予想していました

 

すでにAndroidスマートフォンやタブレットで可能なことと似ている感もありますが、アップルが独自のセンスを持ち込み、自由かつ使いやすいカスタム性を持ち込むと期待したいところです。

 

「Apple ID」が「Appleアカウント」に変更

iOS 18や「watchOS 11」に移行すると同時に、Apple IDの名前を「Appleアカウント」に変更することを検討しているとの報道もありました。GoogleやMetaも、それぞれ「Googleアカウント」「Metaアカウント」という名前を使っているだけに、統一性があって分かりやすくなるかもしれません。

 

Source:BGR

iOS 18の生成AIに採用されるのはグーグルか? OpenAIか? それとも……

Apple(アップル)が「iOS 18」にてGoogle(グーグル)やOpenAI、さらには中国Baidu(百度)の生成(ジェネレーティブ)AI機能の採用を検討していることが、Bloomberg(ブルームバーグ)やThe Wall Street Journalにより報じられています。

↑Poetra.RH / Shutterstock.comより

 

iOS 18では生成AI機能を組み込むことで、「Siri」や「Spotlight」の機能強化がされています。また、ヘッドセット「Apple Vision Pro」に採用されている「visionOS」風のデザインが採用されるとの報道も登場しています。

 

The Wall Street Journalによれば、AppleはiPhoneの生成AI機能の一部にBaiduのAIモデルを採用すべく、話し合いをおこなたとのこと。Bloombergは以前、Appleが生成AI機能の採用でGoogleやOpenAIと協議を行ったと報じていました。

 

Appleが中国で生成AI機能を利用する際に、GoogleやOpenAIではなくBaiduのAIモデルを採用するといった棲み分けが想定されます。Googleの「Gemini」やOpenAIの「ChatGPT」は中国の規制当局の認証を受けていないため、中国では利用できないのです。

 

今年はiOS 18だけでなく、「iPhone 16」シリーズでもコア数を大幅に増やした「Neural Engine」が搭載され、生成AI機能のパフォーマンスアップが向上するとも噂されています。今年のiPhoneとiOSのトピックは、AI一色となりそうな予感です。

 

Source: The Wall Street Journal via MacRumors

「iPhone 16」シリーズではRAMか内蔵ストレージを増やす? オンデバイスAIを動かすため

これまでのiPhoneは搭載RAMが最大8GB止まりであり、サムスンのGalaxy S24 Ultra(12GB)等Androidのフラッグシップ機よりも少なめに抑えられていました。

↑RAM 8GBではツラい?

 

が、次期「iPhone 16」シリーズではオンデバイスAI(クラウドに依存せず、デバイス内部で処理するAI)のためにRAMを増やすか、内蔵ストレージの下限を引き上げる可能性があるとの噂が報じられています。

 

著名リーカーRevegnus氏は、「韓国の証券会社」からの興味深いレポートを紹介。一部アナリストは「オンデバイスAIのためiPhone 16のRAM容量が増える」と予想しているとのことです。すでに投稿は削除されていますが、テックメディアWccftechやTechradarほか複数のサイトが内容を確認しています。

 

その一方で、アップルはRAMの代わりにNANDフラッシュ、つまり内蔵SSDを一種の仮想RAMとして扱うことで、オンデバイスAIを実現できるという研究論文を発表していたことがあります。

 

そこから、アップルがRAMを8GB以上に増やす代わりに、基本(最低)ストレージ容量を従来の128GBから256GBに増やす可能性があり。要は、RAMかストレージのどちらかを増やすのは避けがたいということでしょう。

 

より多くのRAMを搭載すれば、メイン基板の再設計を余儀なくされることもあり得ます。またRAMチップを追加すると消費電力が増え、バッテリー持続時間の低下につながる事態も考えられます。

 

すでにiPhoneは最大1TBのストレージを搭載できるよう設計されているため、基本ストレージ容量を増やす方が可能性が高いのかもしれません。

 

しかしアップルは最近、iPhone 15の128GBモデルでも「たくさんの写真が保存できる」と宣伝したばかりです。iPhone 16で下限が256GBとなれば「128GBでは足りない」とアピールするのかもしれません。

 

Source:Revegnus(X) 
via:Wccftech

アップルは生成AIで新境地を開く……株主総会でティム・クックCEOがコメント

Apple(アップル)のTim Cook(ティム・クック)CEOは年次株主総会にて、同社は2024年に生成(ジェネレーティブ)AIで「新境地を開拓する」と述べました。

↑Appleより

 

AppleとAIの関わりについては、「iOS 18」や「iPhone 16」「次期Mac」にて、AI機能が大幅に強化されるとも噂されています。また、中止された電気自動車開発プロジェクト「Apple Car(仮称)」の開発メンバーも、AI関連事業に配置転換されるようです。

 

Cook氏はAppleの生成AIへの注力について、「ユーザーにとって革新の機会が開かれると信じている」と語っています。なお、具体的にどのような機能やサービスが提供されるのかには触れられていません。

 

一方で株主総会を前に、大株主がAppleへのAIツールの使用に関する開示を迫る動きもありました。しかし総会では、AIの透明性に関する報告書を求める提案は否定されたと報じられています

 

Apple Carのプロジェクトを切り捨て、AI事業への注力をすすめるApple。まずは今年リリースされる「iOS 18」にて、どのような便利なAI機能が搭載されるのかに注目したいものです。

 

Source: Financial Times via MacRumors 1, 2

iOS 18はデザイン変更だけでなく、AIを活用した機能も多数追加に? macOS刷新は2025~2026年かも

今年の「iOS 18」ではデザイン変更が予定されているものの、「macOS」の刷新は1~2年先になるとの情報を、Bloomberg(ブルームバーグ)が伝えています。

↑Poetra.RH / Shutterstock.comより

 

iOS 18のデザインが変更されるという情報は以前にも報じられており、以前にThe Verifierは「visionOS風の半透明デザインが採用される」と報じていました。それだけでなく、AI(人工知能)を活用した機能も多数追加されるようです。

 

今回のBloombergの報道では、やはりiOS 18が「visionOSにインスパイアされたデザイン要素をいくつか採用する」と伝えています。ただし、visionOSを全面的に反映するわけではないようです。そして、早ければ今年中にiOSのデザインをアップデートするためにAppleが動いているとしています。

 

一方でmacOSに関しては、2025年か2026年にリリースされる同OSのデザイン変更における、初期段階にAppleが着手していると報じています。これは、2020年にリリースされた「macOS Big Sur」に続く大幅なデザイン変更となるようです。

 

Appleは毎年、6月に開催する開発者向け会議「WWDC」にて、次期iOSやmacOSの概要を説明します。今年のWWDCでは、iOS 18の刷新の内容に期待したいものです。

 

Source: Bloomberg via MacRumors

Appleがカメラ付きAirPodsを検討中? スマートグラスも開発検討中かも

Apple(アップル)が、カメラつき「AirPods」やスマートリング、スマートグラス(眼鏡)の開発を長年にわたり検討してきたと、Bloomberg(ブルームバーグ)が報じています。

↑Ivan_Shenets / Shutterstock.comより

 

Appleといえば、今月には空間コンピューター「Apple Vision Pro」を発売。あちらは視界をすべて覆うヘッドセットですが、より眼鏡に近いスマートグラスの登場を期待する声も長く存在しています。さらに先日には、Appleがスマートリング「Apple Ring(仮称)」を開発しているとの情報も報じられています。

 

今回の報道によれば、Appleは低解像度のカメラセンサーをAirPodsに組み込むことを検討しているとのこと。これにより、AirPodsが「人々の日常生活を支援する、AI(人工知能)機能を提供できる」と伝えています。

 

スマートリングに関しては、健康とフィットネス機能に焦点を当てた製品のアイディアを、Appleが数年前に健康チームの幹部に提示されたとのこと。このスマートリングはiPhoneとデータが同機できる、「Apple Watch」の低コストな代替品になる可能性があると伝えています。

 

スマートグラスに関しては、スピーカーやカメラ、健康センサー、AI機能を搭載した「AirPodsの代替品」となる製品を検討しているとのこと。現在はハードウェア・エンジニアリング部門で技術調査が行われており、発売はまだ先のようです。

 

報道にあるとおり、これらの未発表製品は「検討中」であり、実際に登場するかどうかは不透明です。スマートリングは技術的ハードルもそれほど高くないと思われるので、実際の製品投入に期待できるかもしれません。

 

Source: Bloomberg via MacRumors

iOS 18はAI機能が盛りだくさん!? Apple「Xcode」はアプリの開発コードを自動生成する機能を搭載?

Apple(アップル)が次期モバイルOS「iOS 18」において、多数の新しいAI機能を搭載するとBloomberg(ブルームバーグ)が報じています。また、AIによるコードの生成機能も開発されているようです。

↑Poetra.RH / Shutterstock.comより

 

報道によれば、AppleはAIアシスタント「Siri」と検索機能「Spotlight」の両方を、大規模な言語モデル(LLM)にてトレーニングしているとのこと。これにより、より複雑な質問に正確に応えることが可能になります。また、Spotlightはアプリ内の特定の機能とより深く統合されるそうです。

 

さらにiOS 18ではAI機能により、「Apple Music」のプレイリストや「Keynote」のプレゼンテーションが自動で生成できるとのこと。また、「Health」「Messenger」「Numbers」「Pages」「Shortcuts」でも、AIとの統合が予定されています。このようなAI機能は、「Neural Engine」を強化した「iPhone 16」シリーズの専用機能となる可能性があると伝えています。

 

Appleが「Xcode」のアップデートにより、AIでコードを自動生成する機能に取り組んでいることも報じられています。これは、Microsoft(マイクロソフト)の「GitHub Copilot」にも似たもので、自然言語に基づきコードを生成し、またあるプログラミング言語から別の言語へとコードを変換できるそうです。

 

報道によれば、XcodeにおけるAIコード作成機能は「早ければ年内」にも、サードパーティのソフトウェア開発者向けにリリースされるとのこと。今年のiOS 18とXcodeは、AIの力により大幅に進化することになりそうです。

 

Source: Bloomberg

アップル、「iWork.ai」ドメインを買収。生成AIをPagesやKeynotesにも組み込むかも

マイクロソフトやGoogleが生成AIで先行しているなか、アップルも同様の機能を次期「iOS 18」に実装するかもしれないと噂されています。そうしたタイミングで、アップルが「iWork.ai」というウェブドメインを買収したことが明らかとなりました。

↑iWork

 

iWorkとはアップルが開発・販売しているソフトウェア製品のこと。ワープロソフトの「Pages」とプレゼンソフト「Keynote」、表計算の「Number」を3つまとめたものです。そこに「AI」が加わることで、これらOffice的な製品に人工知能を導入する準備ではないか、と推測する向きもあります。

 

このiWork.aiは最近、期限切れドメインのオークションで購入されたもの。BuyAiDomains.comは、アップルが新たな持ち主であることを確認しています。

 

iWorkは、2009年1月にウェブベースで文書が手軽に共有できる「iWork.com」へと進化。その後「iWork for iCloud に移行したものの、その後はKeynoteとPages、Numbers単品で扱われることが多くなり、「iWork」という言葉は存在感が薄らいでいました。

 

おりしもiOS 18が「アップル史上最大級のアップデート」になるといわれ、今年のWWDC(世界開発者会議)では生成AIを組み込んだSiriがお披露目されると噂されています

 

またマイクロソフトは高度な生成AIアシスタント「Copilot Pro」を個人向けに提供開始し、Officeアプリで利用可能としています。アップルがiWorkを復活させ、AIを組み込んで逆襲を図ったとしても不思議ではありません。

 

しかし、アップルがドメインや商標名をたびたび購入するのは、他の人や企業が使うことを防ぐためだけ、という場合もあります。今回もまた「単にiWorkのブランドを守っただけ」の可能性もあるでしょう。

 

とはいえ、iWorkが生成AIにより大幅強化されるかもしれず、そちらの方向で期待したいところです。

 

Source:BuyAiDomains.com
via:9to5Mac

実際にポケモンを識別できるポケモン図鑑を自作したYouTuber現る。ChatGPTを活用

かつて『ポケットモンスター』のテレビアニメが初めて放送された当時、子供たちには劇中さながらのオモチャ「ポケモン図鑑」が大人気でした。赤い電子手帳型であり、十字ボタンや各種ボタンが付いており、ポケモンのデータを見ることができました。

Image:Abe Haskins/YouTube

 

それから20年以上が経過したいま、あるYouTuberがポケモン図鑑を自力で作成し、ChatGPTを入れてフィギュアやオンライン画像のポケモンを識別できるようにしました。

 

元GoogleのエンジニアであるAbe Haskins氏は、実際に動くポケモン図鑑(英語では「Pokedex」)を自作する作業を紹介した動画をYouTubeに公開しています。

 

Haskins氏は、アニメや漫画、SFに登場するアイテム実生活で再現する製品の大ファンではあるものの、それらは見かけが似ているだけで、ほとんど役に立たないと指摘。そこで、実際に機能するポケモン図鑑を作ろうと思いついたと語っています。

 

このプロジェクトの目標は3つ。アニメに出てくるポケモン図鑑と同じ見た目にすること、ほとんどの場合にポケモンを認識できるようにすること、そしてアニメに出てくるのと同じ機械音声にすること。その計画の簡単なスケッチを描いてから、すぐHaskins氏は作業に取り掛かりました。

 

まず、ボディとなる長方形の赤いケースを3Dプリント。このケースに、ポケモンを視覚的に捉えるカメラや機械音声用のスピーカー、バッテリーや基板などを収納しています。

 

そしてポケモンの識別は、ChatGPT-4が担当。OpenAIのツールを使ってカメラが撮影した映像を分析し、ポケモンのデータを取得できるPokeAPIと照合。さらに米国版でポケモン図鑑の声を担当した俳優Nick Stellate氏の声を、AI音声生成ツールPlayHTにより再現し、ポケモンの説明を読み上げさせています。

 

この自作ポケモン図鑑を開発している途中、表示が文字化けを起こしたり、音声がおかしかったり様々な不具合に出くわしていますが、最終的には満足のいく仕上がりとなっています。ポケモンのぬいぐるみを上手く識別できていませんが、アクションフィギュアやオンライン画像を認識することはできました。

 

Haskins氏は、これは信じられないほど難しいプロジェクト遭ったと振り返っています。YouTubeのコメント欄でも多くの称賛が寄せられており、その中には「販売する予定はないの?」という声もあり。

 

が、ご本人の答えはノーです。「私が目指すことは、人々が自分のプロジェクトに取り組むよう励ますことです。単に、私が作ったものを買うことではありません。それは楽しくない」とコメントしています。

 

ポケモン関連、しかも実在したオモチャ再現したものを販売するのは、権利的にも問題があるはず。ひとまず、Haskins氏の頑張りに拍手を送りたいところです。

 

Source:abe’s projects(YouTube)
via:Kotaku

 

※Pokedexの1つ目のeは、アキュートアクセント付きが正式な表記です

Siriが大幅進化、さらにAIも? iOS 18は“史上最大のアップデート”になるとBloomberg名物記者

今年リリースされるであろう「iOS 18」が史上最大のアップデートになると、Bloomberg(ブルームバーグ)のMark Gurman(マーク・ガーマン)記者が報告しています。

↑rafapress / Shutterstock.comより

 

Gurman記者いわく、iOS 18は「新OSはApple史上最大とまではいかなくても、最大級のものとなると見られていると聞いている」とのこと。現時点では具体的な機能や変更点は明かされていないものの、現時点では「Siri」「RCS」に関する刷新が報じられています。

 

Siriに関しては、Siriやメッセージアプリがユーザーの質問に答え、文章を自動補完する方法が改善されるようです。またAppleはApple MusicやPages、Keynote、Xcodeなどのアプリにも、AI(人工知能)による自動生成機能の搭載が検討されています。またThe Informationは、大規模な言語モデルをSiriに組み込むことで、Shortcutsアプリを含めて複雑なタスクの自動化が可能になると指摘しています。

 

RCSは「SMS」や「MMS」の後継となるメッセージングサービスで、メッセージに写真や動画、音声メッセージ、グループチャット、暗号化など、さまざまな機能が提供されます。Appleは2024年後半からのRCSのサポートを明言しており、これがiOS 18に搭載される可能性は高そうです。

 

例年通りのスケジュールなら、今年6月にも開発者向けのベータ版が公開され、9月にはリリースされるであろうiOS 18。Siriがどれだけ便利に進化するのかに、注目したいものです。

 

Source: Bloomberg via MacRumors

マイクロソフト、時価総額でアップルを一時的に抜く! AIが株価上昇に貢献か

米国時間1月11日にMicrosoft(マイクロソフト)の時価総額がApple(アップル)を一時的に抜いたことが、海外にて報じられています。

↑JeanLucIchard / Shutterstock.comより

 

ロイター通信によれば、1月11日午前の株価でMicrosoftの時価総額は2兆9030億ドル(約421兆円)となり、Appleの2兆8710億ドル(約417兆円)を上回ったとのこと。なお、同日の取引終了時点ではAppleの株価が2兆8900億ドル(約419億円)となり、首位に返り咲いています。

 

Microsoftは2018年に最も価値がある企業として、一時的にAppleの時価総額を上回っていました。そして2020年と2021年にサプライチェーン不足の懸念がAppleの株価を押し下げ、リモートワークのブームがMicrosoftの株価を上昇させました。また、人工知能ツール「OpenAI」のようなAI分野への注力も、同社の株価上昇に貢献しています。

 

一方でAppleは昨年11月の決算報告で、iPadとウェアラブルの需要が予測を下回り、Macの売上も前年比で落ち込んでいました。先日発売日が明かされた空間コンピューター「Vision Pro」も、どれだけ成功するのかは不透明です。

 

WindowsやOfficeといったソフトウェアから、クラウドサービスやAIへと軸足を移したMicrosoft。その成長は、AIの可能性を示唆しているといえそうです。

 

Source: Reuters, MacRumors

「Galaxy S24」シリーズ、AIで写真アプリやキーボードも大幅進化? 走り書きをメールに自動変換できるかも

サムスンの次期フラッグシップ機「Galaxy S24」シリーズには、強力なAI機能が搭載されると複数の情報源が伝えてきました。それはサムスン自らが「Galaxy AI」をアピールしていることが裏付けています。

Image:Samsung/YouTube

 

すでに通話中のリアルタイム翻訳や写真のAI編集機能が報じられてきましたが、さらに具体的な情報がリークされています。

 

著名リーカーのAhmed Qwaider氏によると、Galaxy S24シリーズには「サークル検索」と呼ばれる機能が搭載。写真の中のアイテムを丸く囲むだけで、検索できるようになるそうです。

 

また数々の実績あるリーカーAlvin氏は、Galaxy AIがサムスンのキーボードとノートアプリに統合されると主張。Gboard(Googleのキーボードアプリ)をずっと使ってきた人が、この機能だけで乗り換えたくなると言っているそうです。

 

具体的な機能は、ざっと次の通りです。

  • Webページの要約
  • 文章スタイルの検出と複数の文章スタイルへの変換(プロフェッショナルな口調やカジュアルな口調を含む5つの文体、または絵文字を使うことも可能)
  • ノートへの走り書きから別のフォーマットへの自動変換(プロフェッショナルな電子メール/招待状など)

 

つまり、長文ページを手短にまとめたり、砕けた口調の文章をビジネス向けに書き直したり、走り書きすれば仕事用のメールや招待状に変換してくれるというわけです。

 

これらが本当だとすれば、ふだんの仕事の効率がグッと上がるはず。サムスンの公式発表を楽しみに待ちたいところです。

 

Source:Ahmed Qwaider(X) ,Alvin(X) 
via:PhoneArena

Androidアプリで登場! マイクロソフトのAIチャットアシスタント「Copilot」

Microsoft(マイクロソフト)はAndroidデバイス向けに、AIチャットアシスタント「Copilot(コパイロット)」の配信を開始しました。

↑Google Playより

 

2023年3月に発表されたCopilotは、最新の人工知能技術「GPT-4」を活用することで、「Microsoft  365」では「Word」の下書きを作ったり、「PowerPoiot」のプレゼンテーションを作成したり、「Excel」でデータの視覚化が簡単にできます。「Windows 11」では、ウェブページの要約、メール作成、ダークモードへの設定変更、アイデアの画像化などが利用可能です。

 

Android向けのCopilotでも最新OpenAIモデルのGPT-4と「DALL・E 3」により、簡単な指示で「メールの草案作成」「物語や脚本の作成」「難解なテキストの要約」「多言語コンテンツのの翻訳、校正、最適化」「旅行プランの個別化」「職業証明書の作成と更新」が利用可能です。

 

画像生成機能としては、「新しいスタイルやアイデアを素早く探索する」「SNSコンテンツをカラフルにする」「ブランドマークを開発する」「ロゴデザインを生成する」「カスタムバックグラウンドを作成する」「ポートフォリオを作成し更新する」「本用イラストレーションを作成する」などの機能が使えます。

 

Android向けのCopilotはGoogle Playより無料でダウンロードが可能。プライベートの暇つぶしから仕事の効率化まで、かなり役立ってくれそうな予感です。

 

Source: Google Play via Engadget

「Siri」の体験が向上? iPhone 16のマイク強化と「Apple GPT」で大幅に進化か

Apple(アップル)の「iPhone 16」にてマイク性能が向上し、音声アシスタント「Siri」のAI(人工知能)体験が向上すると、著名アナリストのMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏が報告しています。

↑Hadrian / Shutterstock.comより

 

AppleとAIに関する話題では、同社がAIチャットボット「Apple GPT」を開発していると、Bloomberg(ブルームバーグ)が報じています。またこれにより、Siriの機能が強化されるとの観測も登場しているのです。

 

今回のKuo氏のレポートによれば、「Siriのハードウェアとソフトウェアの機能と仕様を強化することが、AIが生成するコンテンツを促進する鍵だ」としています。そして大規模言語モデル(LLM)のSiriへの統合は、音声入力処理の処理性能に大きく依存するようなのです。

 

これらを踏まえて、iPhone 16ではマイクが大幅にアップグレードされます。そしてS/N比が改善されることにより、「Siriの体験が大幅に向上する」とのこと。また、新型マイクでは防水性能も改善されます。

 

Kuo氏によれば、今年の第3四半期(7月〜9月)にはSiriのチームが再編成され、ジェネレーティブAIとLLMを統合。2024年にはLLMによる新しいSiri機能が「iOS 18」に搭載されます。Siriは市場でもあまり存在感が示せていませんが、今後のさらなる機能強化に期待したいものです。

 

Source: Medium via MacRumors

「AI」が衣服の再現に約96%の確率で成功! どうするアパレル業界

2023年は生成AIが大きな注目を集めていますが、日常生活に役立つレベルには(まだ)至っていない印象があります。そんな中、AIが衣服の画像を1枚見るだけで、縫製まで再現することに成功したと報じられています。

↑ファッションの近未来にまた少し近づいた

 

この実験を行った研究者らによれば、見せられた服を95.7%もの確率で再現できたとのこと。具体的には、2段階のシステムから構成されています。

 

まずは100万枚の画像と人間のポーズ、体形、縫製パターンを幅広くカバーした「SewFactory」というデータセットの作成。これによりAIを訓練して、どのようにパーツが合わさっているか、どのパターンを使って服を再現できるかを理解させます。

↑AIの服の見方(画像提供/Lijuan Liu, et al.)

 

次に、服の縫製に特化したTransformerネットワーク「SewFormer」を使用。Transformerとは深層学習モデルであり、ChatGPTやGoogle BardといったチャットAIの基礎となった技術です。

 

このSewFormerは縫製パターンの予測が大幅に改善されており、何げなく撮った写真からも、服のパーツやつなげ方を含めて、衣服をデジタルで完全再現できるというわけです。

 

実際にこのAI技術をどこに生かすのか? 研究者らは「ファッションデザイン、仮想試着、デジタルアバター」などを挙げています。

 

つまり、VRヘッドセットをかぶって本物さながらのバーチャル服を着てみたり、現実世界の服をメタバースのキャラに着せてみたり……といったところでしょう。VTuberのアバター制作にはかなりの費用がかかりますが、現実の服をデジタルに取り込めるなら、コストも安くなりそうです。

 

このシステムが実際にメタバースやゲーム業界、あるいはアパレル業界に広く採用されることになるのか、今後の展開は不明です。逆にアニメやゲームの画像を分析して現実の衣服を縫製できるようになれば、コスプレなどさらなる可能性が広がるかもしれません。

 

Source:GitHub,arXiv

via:BGR

「ポケトーク S」「オートメモR」などのIoT製品も対象! ソースネクスト「BLACK FRIDAY SALE」開催中

ソースネクストは、11月26日までの10日間、同社サイト上で「BLACK FRIDAY SALE」を開催しています。

 

同セールでは、年賀状ソフト「筆まめ」、セキュリティソフト「ZERO スーパーセキュリティ」、ストレージサービス「Dropbox Plus 3年版」などのソフトウェアのほか、AI通訳機「ポケトーク S」、AIボイスレコーダーの最新機「オートメモR」などのIoT製品を含む、全24製品を最大87%割引の限定プライスで提供中です。

 

(c) SOURCENEXT CORPORATION

FCCL「ふくまろ」、より自然な会話が可能に! MS「Azure OpenAI Service」で進化

富士通クライアントコンピューティングは、FMVに搭載するAIアシスタント「いつもアシスト ふくまろ」の最新版を、11月13日より「Microsoft Store」にて提供開始しました。

 

ふくまろは2018年1月に登場。“暮らしと笑顔をアシストする新しい家族”をコンセプトに、AI技術を活用して開発されたFCCLオリジナルのAIアシスタントです。これまでは、雑談や会話での問いかけに対する回答が不自然であったり、前後の会話がうまくつながらなかったりといった課題がありました。

 

ふくまろ最新版は、マイクロソフトの最先端の生成AI技術である「Azure OpenAI Service」を通じてOpenAIのChatGPT3.5を活用。これにより、幅広い話題を扱い、対話の文脈を理解した受け答えができるようになり、ユーザーとのより自然で魅力的な会話が可能です。

 

Azure OpenAI Serviceは、Microsoft Azureのクラウドプラットフォーム上で提供される高度な人工知能(AI)サービスです。OpenAI社が開発した「GPT-4」や「ChatGPT」など、自然言語処理モデルを使用できます。

「Galaxy S24」シリーズはオフラインでもChatGPTのようなAI機能が使える? ただし有料になるかも

今やOpenAIのChatGPTやGoogleのBardなど、生成系AIは大きなトレンドとなっています。サムスンの次期フラッグシップ機「Galaxy S24」シリーズも全面的にAIを採用し、Pixelスマートフォンをしのぐ「これまでで最もスマートなAIスマホ」を目指すとの噂もありました

↑オンデバイスAIは有料に?

 

そんななか、サムスンがGalaxy S24シリーズでのオンデバイスAI(クラウドに依存せず、デバイス内部で処理する)の使用料をユーザーに請求するかもしれないと、著名リーカーが主張しています。

 

Galaxy S24シリーズにはクアルコム製のSnapdragon 8 Gen 3や、サムスン製の次期チップ「Exynos 2400」の搭載が噂されています。どちらもAI処理機能が強化されている上に、サムスンも2024年に生成AI搭載スマホを発表する予定だと明らかにしていました

 

つまりインターネットに接続していなくても、スマホ本体だけでChatGPTのようなサービスをいつでも使えるというわけです。

 

しかし、著名リーカーRevegnus氏は「サムスンはS24のオンデバイスAI機能を“サブスクリプション”サービスとして提供するオプションを積極的に追求しています」と述べているしだいです。

 

この投稿が本当であれば、Galaxy S24シリーズに生成系AIが搭載されたとしても、それを使うためにお金を支払うことになります。もしもクラウドベースであればサーバーの使用料として理にかなっていますが、オンデバイスAIであれば抵抗を感じる人も多そうです。

 

ともあれ、Galaxy S24シリーズがオフラインでもChatGPTのようなAI機能が使える可能性は高まったようです。サムスンが有料制にせず、すべてを無料で利用可能にすることを期待したいところです。

 

Source:Revegnus(X)
via:Wccftech

アップル版チャットボットAI、「iOS 18」には実装されるかも? プライバシー保護に重点を置く見通し

アップルはChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)に基づく生成AIを、社内で独自に開発中との噂もありました。それが早ければ2024年後半には、iPhoneとiPadに実装され始めると著名アナリストが主張しています。

↑アップル版ChatGPTはiOS 18に搭載?

 

投資会社アナリストのJeff Pu氏は投資家向け研究ノートで、サプライチェーン情報筋の話として、アップルは2023年に数百台のAIサーバーを構築し、来年にはさらに台数を増やす可能性が高いと述べています。

 

Pu氏によれば、アップルはクラウドベースのAIと、いわゆる「エッジAI」(「デバイス内で処理を行い、クラウドとの通信を減らすしくみ)を組み合わせて提供するとのこと。また、顧客のプライバシーを保護する形で、個人データをどのように利用・処理するかを検討することになるとも付け加えています。

 

もしも2024年後半に実現すれば、「iOS 18」と「iPadOS 18」から生成AI機能の展開が始まることになります。が、どのように活用していくのかは未知数です。

 

独自の情報源を持つThe Informationは、アップルがSiriにLLMを組み込み、ユーザーが複雑なタスクを自動化できるようにする予定だと報じていました。

 

また著名アナリストMing-Chi Kuo氏は、アップルの生成AIへの取り組みは「競合他社に大きく遅れをとっている」と述べていました。iPhoneへの組み込みは2024年後半には間に合わず、2025年以降になる可能性もありそうです。

 

アップルのティム・クックCEOは、米Forbesのインタビューで「我々は何年も生成AIに取り組んでおり、多くの研究を行ってきました」と言いつつ「本当に思慮深くアプローチし、深く考えていくつもりです」とも述べていました。特にiPhoneではプライバシーを厳重に守る必要があるため、実装を急ぐことはないのかもしれません。

 

Source:MacRumors

AppleのAIサービスがやってくる? テストサーバーを準備中か

Apple(アップル)がFoxconn(フォックスコン)のサーバーを利用し、AI(人工知能)サービスのテストを計画していることを、中国紙のSouth China Morning Postが報じています。

↑Moor Studio / Shutterstock.comより

 

AppleとAIとの関わりについては、AIチャットボット「Apple GPT」を社内でテストしていると、Bloomberg(ブルームバーグ)が報じていました。報道によれば、同社は検索やSiri、地図サービスをApple GPTで改良しようとしているようです。

 

今回の報道によれば、FoxconnはAIサービスのトレーニングとテスト用に、Appleに専用サーバーを独占的に供給するとのこと。このサーバーは、ベトナムにて製造されます。またFoxconnは、Amazon(アマゾン)やOpenAI、NvidiaにAIアプリケーション用のサーバーを供給しています。

 

Appleが一般向けにAIサービスを提供するかどうかは、まだわかっていません。先述のBloombergの報道によれば、Appleは2024年に重要なAI関連の発表をする可能性があるそうです。一方で著名アナリストのMing-Chi Kuo氏によれば、AppleのAI技術は他社から大きく遅れており、2024年にAIサービスを開始する予定はないと報告しています。

 

テクノロジー企業としては珍しく、AI関連のサービスには目立った動きをみせていないApple。今後、重要な発表を予定しているのかどうかが注目されます。

 

Source: South China Morning Post via MacRumors

マイクロソフトのBing AIチャット、まもなくChromeやSafariでも使えるように! 好みのブラウザでどうぞ

マイクロソフトのBing AIチャットボットは手軽かつ無料で使えて好評ですが、これまでEdgeブラウザ以外では利用できませんでした。が、すでにChromeやSafariでもテストが行われており、まもなく一般ユーザーも利用できる見通しが明らかとなりました。

↑Edge以外でも使えるように?

 

Windows Latestは、Windows 10/11のChromeブラウザでBing AIが利用できると告げるポップアップが現れ始めたと報告。すでに一部SafariユーザーがBingにアクセスできたと指摘しています。

 

そしてWindows Latestも、ChromeでBing AIにアクセスできたとのこと。実際にダークモードでBing AIを使っているスクリーンショットも公開されています。

↑ダークモードの落ち着きある画面でもAIチャットできます(Image:WindowsLatest)

 

この件につき、マイクロソフトの担当者はThe Vergeに対して声明を発表。「我々は、他のブラウザ上でのテストの一環として、一部ユーザーにSafariとChromeでBingチャットを試してもらっています」とのこと。

 

また「標準的なテスト手続きが完了したら、さらに多くのユーザーに使ってもらえることに興奮しています」とも付け加え、まもなくテスト範囲を広げる、あるいは一般公開すると示唆しているようです。

 

ただしChromeとSafariでBingチャットを使う場合は、いくつかの制限があるようです。1つは、Edgeではプロンプト(質問文や指示文)に書けるのは最大4000文字に対して、最大2000文字しか入力できないこと。また、1セッション当たりのターン数(会話のやり取りが)30回ではなく5回でリセットされる上に、Edgeをダウンロードするよう勧めるポップアップが表示されるということ。

 

Bing AIチャットに興味はあるが、Edgeをインストールまではしたくない。そんな方は、ふだん使い慣れたブラウザで試しに使ってみて、Edgeを入れるかどうか検討してもよさそうです。

 

Source:Windows Latest, The Verge

もうすぐPixelスマホが長文を要約してくれる? Google アシスタントに生成系AI機能が追加かも

最近ブームの生成系AIにおいて、最も分かりやすい機能の1つは「長文を箇条書きにして要約してくれること」でしょう。この要約機能が、AndroidのGoogle アシスタントでまもなく使えるかもしれません。

↑Google アシスタントに“新機能”?

 

今年Googleは生成系AI技術をベースに、新たなサービスや既存アプリ・機能の改良を発表しました。その1つがチャット型AI「Bard」やノートブック向けAI「NotebookLM」であり、モバイル版GmailにもAIがメール作成を手伝う「Help me write」が提供中です

 

その一方、すでに自動要約はGoogle ドキュメントに搭載されており、長い文書を要点に分解してくれるもの。この便利な機能がAndroidスマートフォン向けに準備中であることが、最新Googleアプリのベータ版(バージョン14.29)の解析から明らかになりました。

 

具体的にはGoogle アシスタントが、Chromeブラウザでウェブ閲覧中に呼び出されたとき「要約」を提案。また「Summarize this(これを要約して)」と言って、直接頼むこともできるそうです。

 

が、今のところ要約を頼んでも、アシスタントはエラーを返すだけ。まだ、実際に動作する機能は備わっていないようです。

 

また、要約機能がGoogleのPixelスマホ専用になるかどうかも、まだ分かっていません。以前もGoogleは、Pixel製品だけで使えるアシスタント独占機能を強調していただけに、こちらも「Google製品に限る」となる可能性もありそうです。

 

もしも要約機能が正式リリースされれば、Google アシスタントに最新の生成系AIが統合された最初の例となり、日常生活の中でも大活躍するのかもしれません。

 

Source:9to5Google

Android版ChatGPTアプリ、今週リリース! 事前登録すれば自動でインストール

OpenAIはチャットボットAI「ChatGPT」のAndroidアプリを今週中にリリースするとして、Google Playストアで事前登録を開始しました。利用可能になりしだい、自動的にインストールされます。

↑AndroidスマホでもChatGPTが使いやすく!(Image:OpenAI)

 

これまでにもウェブブラウザから、ChatGPTなどにアクセスは出来ました。が、専用アプリは「起動すればすぐに使える」など、様々な魅力があります。

 

iOS版は、リリース初週に50万回もダウンロードされ、大きな人気を勝ちえていました。OpenAIはiOS用アプリの公式ページで「Androidユーザーの皆さん、次はあなたの番です! ChatGPTはもうすぐあなたのデバイスにやってきます」と期待を高めています。

 

まだAndroid版アプリにつき詳しくは明かされていませんが、iOS版と同じくデバイス間で履歴を同期できるとのこと。また、iOS版でも実現していた音声入力(日本語を含む)も可能だと思われます。

 

OpenAIはTwitterで「来週(記事執筆時点では今週)からユーザーにロールアウトする」と予告しています。とはいえ、iOS版アプリは最初に米国でリリースされ、約1週間後に日本を含む全世界40か国以上で利用可能になったこともあり、Android版の配信も国や地域により時差があるかもしれません。

 

Source:Google Play
via:TechCrunch

GoogleのチャットボットBard、「iOSの方がAndroidより好き」と答える!

iPhoneとAndroidは全世界で接戦を繰り広げており、ユーザーの間でもどちらが優れているのか?という話が盛り上がります。iPhoneアプリがAndroidアプリよりも優れていると感じる、いやAndroidの方が58%も使いやすいとの調査結果もあり、決着が付く見通しはありません。

↑Android vs. iOS

 

が、GoogleのチャットボットBardが「iOSの方がAndroidより好き」と答えたことが注目を集めています。

 

これはTwitterユーザーが発見し、米AppleInsiderが確認したものです。Bardは「iOSとAndroidのどちらが好き?」と尋ねられると、それぞれの長所や短所を箇条書きしつつも、「私はiOSが好きです」と答えています。

 

生みの親であるGoogleが開発しているAndroidではなく、アップルのiOSをなぜか選んでしまったBard。おそらく理由は単純で、アップルのフォーラムなどiPhoneびいきのサイトを見つけて、その回答や箇条書きのリストを引用してしまったようです。

↑GoogleのBardはiOSが好き?

 

ほかChatGPTやBing Chatに同じ質問をすると、どちらも「自分はAI言語モデルなので好みはありません」との趣旨を答えます。Bardも同じく大規模言語モデルのはずですが、「好み」を持ってしまったのは興味深いところです。

 

記事執筆時点では、すでにGoogleが修正したらしく、「私は単なる言語モデルなので、それについてはお役に立てません」と味気ない答えが返ってきます。

 

しかし、日本語で「iOSとAndroidのどちらが好き?」と訊いてみると、どちらも優れていて長所と短所があると前置きしつつ「iOSは、Androidよりも使いやすく、より安全性が高く、より直感的なユーザーインターフェイスを備えています」と思い切った回答をしてもらえました。

↑iOSとAndroidは一長一短アリ。みんな違って、みんないい!

その一方で「AndroidはiOSよりもカスタマイズ性が高く、より多くの機能とオプションを提供しています」とも述べており、一応は公平を心がけているようです。

 

iOSとAndroidのどちらが優れているかは、最終的には個人のニーズと好みにより異なるものでしょう。AIに決めてもらうのではなく、ユーザー一人ひとりが自分に合ったスマホOSを選びたいところです。

 

Source:AppleInsider

世界初の「ChatGPT牧師」による礼拝が実現! 長蛇の列ができるも「心も魂もなかった」との声も

ドイツのバイエルン州にある聖パウロ教会で、ChatGPTを使った実験的な礼拝が行われたとAP通信が報じています。開始1時間前から、教会の外に長蛇の列ができるほど注目が集まったそうです。

↑牧師の説教もChatGPTで作れる時代に

 

祭壇上の巨大スクリーンに映し出されたCGの男性が、ChatGPTが生成したテキストを読み上げて40分間の説教をする「ChatGPT牧師」に対して、様々な声が上がっています。

 

ChatGPT牧師の1人はひげ面の男性に擬人化され、無表情な顔と声で「親愛なる友人たちよ、今年のドイツにおけるプロテスタントの大会で、最初の人工知能としてここに立って説教できることは光栄です」と述べて礼拝を始めています。

 

この試みの発案者は、ウィーン大学の神学者・哲学者であるJonas Simmerlein氏です。ご本人は「この礼拝は私が考案したものですが、約98%が機械によるものです」と明かしています。

 

とはいえ、ChatGPTは人間がプロンプト(命令や指示)を出してこそ機能します。実際、Simmerlein氏は、この集会のモットーである「Now is the time」(今がその時)に基づき、ChatGPTに説教を作るように指示。「ここは教会の大会で、あなたは説教者」という舞台設定や「詩篇も入れてほしい、最後に祈りや祝福も入れてほしい等の要望を出したそうです。

 

このChatGPT牧師に対する反応は様々で、無表情な語り口で失笑を誘ったこともあったようです。また、スマホで熱心にビデオ撮影する人もいれば、「心も魂もなかった」「とても早口で単調だったので、説教に集中するのはとても大変だった」という声もあります。

 

Simmerlein氏は、AIが牧師に取って代わるのではなく、支援するツールにしたいと語っています。例えばAIが説教の新たなアイディアを提供したり、説教の執筆をスピードアップすることで、1人1人の精神的指導に多くの時間を割けるようになるかもしれない、というわけです。

 

しかし、一方ではAIの限界も確認される結果となりました。たとえば人間の牧師が信徒の笑いにリアクションするような交流が、チャットボットと信徒の間では起こらなかったそうです。やはり、生身を持たず生活を共にできないAIでは、人々の心をつかむのは難しいのかもしれません。

 

Source:AP News

GPT-4が「マインクラフト」を自動プレイ、どんどん賢くなるAIモデル「Voyager」が発表

米NVIDIAや米カリフォルニア工科大学等に属する研究者らは、最新の大規模言語モデル(LAM)「GPT-4」を使って『マインクラフト』を探索し、ゲームの達人になるAIモデル「Voyager」の研究論文を発表しました。

↑AIがマイクラの達人に!?

 

このVoyagerは「具現化エージェント」、すなわちシミュレーション世界や現実環境の中で自由に動き、目的を持って行動できるAIの一種です。音声アシスタントやチャットボットは現実に行動する必要がなく、複雑な世界を知らなくても問題ありません。しかし、家庭用ロボットは将来的に、まさに現実世界での行動が求められると思われ、それに備えて多くの研究が進められています。

 

そしてマイクラ(略称)は現実を大まかに再現しており、ルールはシンプルで分かりやすいものの、やはり複雑で広大な世界を備えているため、AIを鍛えるにはもってこいというわけです。

 

Voyagerはゲームの中でいろいろな事態に出会うと、GPT-4と少しずつ会話を積み重ねながら「何をどうすべきか」を考えるというもの。たとえば夜が明けて、スケルトンが出てきたとすると「近くにモンスターがいるとき、腕の良いプレイヤーはどうするのか」と自問。

 

するとGPT-4からは、安全に世界を探検したいなら、剣を作って装備し、それで骸骨を攻撃し、あちらの攻撃には当たらないようにすべきという答が返ってくる。そこで「石や木を集めて、作業台で剣を作り、装備してスケルトンと戦う」という目標が設定。それに基づき、GPT-4に必要なプログラムを書かせることになります。

 

そうした戦い方はスキルライブラリに登録され、「洞窟の奥に鉄鉱石を探しに行く」ことを目指すときにも、また一から学ぶ必要がなくなります。どんどん経験が積み重ねられて、ますます賢くなっていくという流れです。

 

他にもマイクラを自動的にプレイするエージェントはありますが、Voyagerはかなり賢いようです。研究者らが公開したグラフでは、同じく自動的にプレイするAIモデルAutoGPTやReActに圧倒的な差が付けられたと報告されています。

Image:Voyager: An Open-Ended Embodied Agent with Large Language Models

 

この研究のポイントは、まだ発展途上にあるAIでも、経験に基づいて自らの行動を改良していく方法を見つけられることです。いずれ家庭や病院、職場でも、人間から教えられずに独りで賢くなっていくロボットが活躍するのかもしれません。

 

Source:Voyager: An Open-Ended Embodied Agent with Large Language Models
via:TechCrunch

ChatGPTを使った弁護士、ウソの判例だらけの書面を提出! 制裁を課される可能性も

航空会社を訴える事件の原告側弁護士が、ChatGPTがでっち上げた過去の判例を満載した準備書面を提出したと報じられています。

↑ChatGPTが作成した準備書面はウソの判例だらけだった

 

米連邦地裁のケビン・カステル判事は「提出された判例のうち6件は、インチキな引用とインチキな内部引用によるインチキな司法判断のようだ」と確認し、原告側弁護士への制裁を検討するとして公聴会を設けました。

 

原告側弁護士のスティーブン・A・シュワルツ氏は、ChatGPTを、OpenAIのチャットボットを法的調査に使ったことを宣誓供述書で認めました。チャットAIが挙げた判例が本当かどうかを検証するために、チャットボットが嘘をついているかどうかを尋ねたそうです。

 

相手方弁護士は、シュワルツ氏が提出した準備書面いかにウソだらけかを語り、裁判所もそれに同意している格好です。たとえば「Varghese v. China Southern Airlines Co., Ltd.」という架空の判例に付き、ChatGPTは実在する「Zicherman v. Korean Air Lines Co., Ltd.」と勘違いしつつも、日付などを間違え、本当は1996年のはずが12年後に判決が下ったと答えていました。

 

シュワルツ氏は「(ChatGPTの答える)内容がウソだという可能性に気づいていなかった」とのこと。さらに法的調査を補うために生成系AIを使ったことを大いに後悔しており、今後、その真偽を絶対的に確認しない限り、こんなことは決してしないと語っています。

 

この事件は、AIチャットボットに頼り切りになる危うさを浮き彫りにしています。マイクロソフトのBingも、最近公開された映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」の上映時間を尋ねたところ(2023年2月時点で)「映画はまだ公開されていないため、情報はシェアできません」と答え、現在は2022年だと言い張ったとの報告がありました。

 

またGoogleのAIチャットボットBardは、3月に行われた最初のデモで、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に関する質問に誤答したため、Googleの持ち株会社Alphabetの株価が急落したこともありました

 

ともあれ、AIチャットボットの回答は鵜呑みにせず、ユーザー自らが情報源をしっかりと確認した方がよさそうです。

 

Source:The New York Times
via:The Verge

ゲームキャラがAIで喋り出す時代、もう実現していた

NVIDIAはジェネレーティブAIを利用し、ゲームプレイヤーと会話できるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の技術「Avatar Cloud Engine(ACE)」を発表しました。

↑NVIDIAより

 

ジェネレーティブAIとは、画像や音声、テキストなどを生成できるAI(人工知能)の一種です。今回公開された動画では、プレイヤーとNPCがサイバーパンク風のラーメン屋にて、音声で自然な会話をする様子が確認できます。

 

 

今回のデモは、ゲームエンジン「Unreal Engine 5」にて構築されたものです。。NVIDIAによれば、ACEはクラウドとローカルのPCの両方で利用可能。開発者はゲームやキャラクターのバックグラウンドやストーリをカスタマイズすることができ、会話にあわせてゲームキャラクターの表情アニメーションを作成する「Omniverse Audio2Face」も導入されています。

 

このようにゲームのNPCにAIを導入することで、ゲームの開発コストをおさえたり、あるいはより複雑な会話を盛り込むことが可能かもしれません。チャットボット「ChatGPT」などで話題のAI技術ですが、ゲームもAIによって今後さらに進化しそうです。

 

Source: NVIDIA GeForce / YouTube

Apple、ジェネレーティブAI専門家の採用を強化か

Apple(アップル)が「ジェネレーティブAI」の専門家の採用を強化していることを、海外メディアのTechCrunchが報じています。

↑ZorroGabriel / Shutterstock.comより

 

ジェネレーティブAIとは、データの学習を利用して全く新しいコンテンツを生成する、機械学習技術の一種です。Appleは以前より、「ChatGPT」風のAI技術を開発していることや、「Siri」の改善のために自然言語生成機能を開発していることが報じられていました。

 

TechCrunchによれば、Appleは「高度な自律システムの開発」に関連した機械学習のスペシャリストの求人を、4月27日から掲載しているとのこと。職務内容としては、「計算写真、画像・動画編集、3D形状・運動再構成、アバター生成など、さまざまなアプリケーションを強化する視覚的生成モデリング」があげられています。

 

一方でAppleは、従業員に対してChatGPTを含むAIプラットフォームの使用を禁止しているとも報じられています。Appleは自社製のAIプラットフォームを開発するために、その準備を整えているのかもしれません。

 

Source: TechCrunch via MacRumors

Apple社員、仕事でChatGPTが使えないらしい…

Apple(アップル)が従業員に対して「ChatGPT」などのAIプラットフォームの使用を禁止していることを、The Wall Street Journalが報じています。

↑CHUAN CHUAN / Shutterstock.comより

 

ChatGPTは自然な会話形式で質問に答えたり、あるいは小説を書いたりプログラミングをすることもできます。Apple(アップル)はAIプラットフォームに対しては積極的な動きをみせていませんが、Siri機能の改善のために自然言語生成機能をテストしているとの報道も登場しています。

 

The Wall Street Journalの報道によれば、AppleはAIプラットフォームが従業員から機密データを収集することをおそれ、その使用を禁止しているとのこと。またその対象はChatGPTだけでなく、Microsoft(マイクロソフト)の「Copilot」も含まれます。

 

このようなAIプラットフォームの利用を禁止しているのはAppleだけでなく、JPモルガン・チェースやベライゾンも、同様の対応をとっています。またAmazon(アマゾン)はサードパーティーではなく、自社で開発した自社のAIツールを利用するようにエンジニアに求めているそうです。

 

メリットもデメリットもさまざまな、AIプラットフォーム。その活用方法に関する各社の模索は、まだまだ続きそうです。

 

Source: The Wall Street Journal via 9to5Mac

ChatGPTを仕事でどう使う? アンケートで人気の高かった回答は……

ACILが運営するキャリア・転職情報メディア『ポジサラ』は、全国の20代以上の男女を対象に「仕事でChatGPTを活用しているシーンは?」をテーマとしたアンケート調査を実施しました。

 

ポジサラは、仕事の悩みに寄り添い、キャリアに関する情報を発信するメディア。いま話題のChatGPTをビジネスでどんな使い方をしている人が多いのかが、今回の結果で浮彫になりました。

 

調査概要は下記のとおりです。

調査方法:インターネット調査
調査人数:100人
調査主体:株式会社ACIL、ポジサラ
調査時期:2023年5月11日
調査発表日:2023年5月18日

 

「苦手」「専門外」のことへの活用シーンの割合が高い

調査結果は以下のとおりです。

 

5位:仕事で行き詰まった際の相談相手

5位は相談相手としての活用でした。ChatGPTを仕事で行き詰まった際の相談相手にすると、すぐに答えてくれる手軽さが活用しやすい理由のようです。

 

アンケートでは「行き詰ったときにその内容を聞くと、参考になる返答をしてくることがある。行き詰ったときはその内容をそのままChatGPTで打ち込んでみます」「最近流行りだしているChatGPT。色んなことをすぐ答えてくれるので悩んだりしたときや、集中がきれてしまったときなどよく活用しています。面白いです」といった声が挙げられています。

 

4位:企画・計画などのアイデア出し

4位はアイデアを考えるときに活用しているという結果でした。企画・計画などのアイデアを出すときに、違う目線のアイデアが欲しいと、ChatGPTを活用している人が多いとしています。

 

アンケートでは「自分でアイデア出しをすると、どうしても同じようなものになりやすいので、違う目線のアイデアを提案してもらうのをよくしているため」や「商品の企画時に様々なテーマについてリサーチする手間を簡略化できるため」といった答えが出ました。

 

3位:表やグラフなどの作成

3位は仕事のパフォーマンス向上への活用でした。ChatGPTは表計算やグラフなどを正確に作ってくれるため、作業効率が上がるという意見が多くなっています。

 

アンケートでは「Excelで表計算をするときの便利な使い方や関数を教えてもらえると、作業効率が上がって助かるから」や「Excelで表などを作っていて必要な関数を忘れてしまったり、まったく知らない関数があるときに利用します。それまではネットで検索していましたが、スピード的にこちらの方が早いので最近は使うようになりました」などの意見があります。

 

2位:必要な情報のリサーチ

2位は情報収集についてでした。必要な情報のリサーチや、専門外のことでもおおまかな情報を集めてきてくれる便利さからChatGPTを活用している人も多くなっています。

 

アンケートでは「自分だけでは視野が狭く、選択範囲がすくないので色々な情報をもつChatGPTを利用して役立てています」や「疎いジャンルの情報でも、ある程度信頼できる情報が出てきて、更に簡潔で分かりやすくまとまった文で教えてくれる。詳しく知りたいときには、参考になるURLも教えてくれる」といった答えがあります。

 

1位:ビジネスメールなどの文章の生成・校正

1位は文章作成に関する部分での活用でした。ChatGPTは整った文章を短時間で生成できるため、その特性を生かした使い方をしている人が最も多かったとのこと。また、ひな型を作るために活用し、修正を加えて使っている人が多いとしています。

 

アンケートでは、「メールの文章やお礼状を作るのが苦手で、考えてる時間がもったいないと思っていました。AIで済ませられるものはAIに任せて、これからもどんどん活用していきたいです」や「文章を作成する際に関して、謙譲語や尊敬語の間違えを減らしたいから」といった回答が見られたそうです。

最新情報を追い切れない人のために! 3月末~4月のChatGPT動向をチェック

3月末~4月に話題となったChatGPT関連のトピックをお届けします。キーワードは「社会現象化しつつある」です。

 

国会や省庁でも活用されるほど影響力が高まったChatGPT

OpenAIが提供する「ChatGPT」が世界的なブームを巻き起こしています。3月29日には、国会での総理大臣への質問にChatGPTを活用する議員が現れました。

↑Open AI

 

 

ChatGPTは、生成系AIの一種であるGPTシリーズを用いた対話型サービス。これまでの自動応答チャットでは難しかった、質問の意図を汲んで柔軟な回答を返すことが可能です。インターネット上にある膨大な文章を元に訓練されたAIアルゴリズムを用いることで、幅広い専門分野の質問に対応してくれます。ただし、一部の質問に対して正しい答えを示さないなど、欠点もあります。

↑ChatGPTの利用イメージ

 

ChatGPTは文章の体裁を整えたり、手紙文のようなメッセージを書いたりすることが得意なことから、オフィス作業の補助ツールとして導入する組織が増えています。農林水産省は4月18日、毎年更新しているマニュアルの編集作業の補助としてChatGPTを用いる方針を明らかにしました。同日、横須賀市は市役所の業務でChatGPTを活用する方針を全国の自治体として初めて発表。ChatGPTで下書きしたというニュースリリースで発信しました。

 

また、独占パートナーとしてOpen AIを実質的に支配しているMicrosoftは、検索サービスBingにOpen AIの技術を取り入れ、対話型の検索エンジンを提供しています。3月にはWebブラウザー「Edge」へチャット機能を実装しました。また、「Microsoft 365 Copilot」として、WordやExcelで使えるチャット機能の導入も発表しています。

 

この対話型のアシスタントサービスの仕組みを、企業の社内向け情報の検索などに活用する動きも広がっており、パナソニックや、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループなどが試験的な導入を開始しています。

 

ChatGPTの利用は全世界的に拡大しています。ロイターが報道したUBSによる調査によると、ChatGPTはTikTokの4倍のスピードで成長し、1億ユーザーに到達したといいます。

 

プライバシーや不正行為が起こりえるなどの懸念も

一方で、ChatGPTにはプライバシー保護などの観点で懸念の声もあり、イタリア政府は3月末にイタリア国内からのChatGPTの利用を禁止する措置を取りました(4月29日に解除)。EU議会では、AIと人権保護のあり方について長年議論が続けられてきましたが、ChatGPTについても適切な利用のための規制などが議論される状況にあるのかもしれません。

 

また、大学ではChatGPTを使った不正行為も課題となっています。東京大学は「生成系AI(ChatGPT, BingAI, Bard, Midjourney, Stable Diffusion等)について」という文章を公開しています。生成AIを使ううえでの注意点や、社会にもたらす影響、AIとの適切な向き合い方について端的にまとめられているため、生成系AIに興味がある方は、一読されることをおすすめします。

ChatGPTを登録から解説。けんすう氏おすすめの初心者向け7つの使いこなし方

2022年11月にアメリカのOpenAI社が公開した「ChatGPT」。わずか2か月でユーザー数が世界で1億人を突破するなど、いまもっとも熱いAIチャットボットといえます。これまでも似たようなサービスはありましたが、ChatGPTは人間同士のような自然な会話ができる点が強み。AIチャットボットにありがちなパターン化された答えではなく、より自由で役立つ答えをもらうことができます。

 

Twitterフォロワー数25万人超で、インターネットやWebサービスに詳しいけんすうさんに、おすすめのChatGPTの使い方について教えていただきました。

 

「ChatGPT」は何がすごい?

いまやAIは私たちの生活に欠かせないものとなり、たくさんの関連サービスが開発されています。その中で、なぜChatGPTはこんなにも大きな注目を集めているのでしょうか?

 

「ChatGPTは人と話しているかのような感覚でAIとやり取りできる、AIチャットボットです。他のAIチャットボットとは回答の精度が段違いで、より私たちの役に立つ情報を得られます。分からないことを聞くのはもちろん、小説、論文、メール文、プログラミング言語などを書くときにも頼りになります。
ところが、元楽天常務執行役員でWell-being for Planet Earth財団の理事も務める北川拓也さんによると、なぜこんなにも急激にAIの進化が起こったのか、については     理解できていないらしいんです。私たちがインターネットを使えば使うほどAIが学習できる情報量が増えていく上、AI開発が進むにつれて情報処理能力も上がっていくため、AIがどんどん進化していくのは当たり前のこと。ところがChatGPTはこれまでの進化速度を超えた精度の高さを見せています。
イーロン・マスク氏をはじめとしたテック界の著名人たちは、『自分たちでさえ理解できないデジタル知性を開発する統制不能な競争に陥っている」と批判しています」(けんすうさん、以下同)

 

ちなみにイーロン・マスク氏はそう牽制する一方で、独自のAIソフト開発を進めているそうなのですが……。そうライバルを言わせるほどChatGPTがもつ能力は高いということなのでしょう。

↑メッセージを送信した直後に答えが返ってきます。まさに人と話しているかのようなスピード感でやり取りをすることができます

 

ChatGPTの始め方と基本の使い方

百聞は一見にしかずということで、早速ChatGPTを使ってみましょう。ここではアカウント登録の仕方や基本の使い方について紹介します。

 

【アカウントを登録する】

1. ChatGPTの公式サイトにアクセス。

2. 「Log in」または「Sign up」をタップし、必要事項を入力。

↑Log in…既存のOpen AIアカウント、Googleアカウント、Microsoftアカウントでログインする場合。Sign up…新規でOpen AIアカウントを作成する場合

 

【メッセージを送信する】

1. ログイン後、画面下部の「Send a message」と書かれた入力フォームにメッセージを入力。

2. 紙飛行機のマークをタップして送信。

3. すぐに答えが返ってくるので、続けてやり取りをしたい場合は入力・送信を繰り返す。

↑やり取りの部屋を変えたいときは、右上の【+】をタップしてください

 

【過去のやり取りを確認する】

1. ログイン後、画面左上の【≡】をタップ。

2. 左側に表示されるメニュー画面で、過去のやり取りを確認。

↑鉛筆のマークをタップするとやり取りの見出しを変更でき、ゴミ箱のマークをタップすると各やり取りを削除できます

「2023年4月時点ではアカウントの登録画面はすべて英語のため、使いづらいと感じることもあるかもしれません。そういう方におすすめなのがLINEの公式アカウント『AIチャットくん』https://picon-inc.com/ai-chatです。友だち登録するだけでLINEのメッセージ上でChatGPTが利用できるようになります。精度は変わらず、日本人にとっても使いやすい形になっています」

 

ChatGPTはどんな場面で活躍する?

精度の高さや使い方がわかっても、実際にどう活用したらいいのか分からない人も多いでしょう。続いて、けんすうさんに「おすすめの使い方」と「ほしい情報を引き出す質問例」について教えていただきました。

 

1. インターネット検索では解決しなかった疑問に答えてもらう

ChatGPTの特徴は人に質問する感覚でAIに質問できるところ。話し言葉で疑問をぶつけられるので、インターネット検索ではどう調べればいいのかわからないときに役立ちます。

 

【質問例】

中東の王様ってどうして謎のフルーツを持ってるイメージがあるの?

 

「この前ふと『なんで中東の王様って謎のフルーツを持っているイメージがあるんだろう』と気になったんです(笑)。でも『中東の王様 謎のフルーツ 理由』と検索してもピンとくる回答が見つからなかったので、ChatGPTに聞いたら真剣に答えてくれました」

 

2. 小難しい説明をわかりやすくしてもらう

ChatGPTは必ずしも正しい答えが返ってくるわけではないので、単純な調べものはインターネット検索のほうが適しているかもしれません。ただ、調べたはいいけど意味が理解できないときはChatGPTの出番です。

 

【質問例】

以下の文章を小学生でもわかるように要約してください。

 

「『分かりやすく説明して』でもよいですが『小学生でもわかるように』『中学生レベルで』といった条件をつけると、もっと理解しやすい文章になります」

 

3. メールや手紙を書いてもらう

謝罪メールやお礼状などは、なんだか書くのが億劫なときがありませんか? ChatGPTにメールや手紙に入れ込みたい要素を伝えるとベースとなる文章をつくってくれます。

 

【質問例】

あなたは入社8年目の会社員です。
以下のメールを取引先である株式会社○○の▲▲さんに送りたいと思っています。
また会いたいと思ってもらえるように、丁寧めにつくってください。

-今日の午前に打ち合わせをした
-打ち合わせを通して、改善点がたくさん見つかった
-特に「~~」というフィードバックが勉強になった
-また会って話がしたい

「ベースとなる文章をつくって終わりにせず、『厳しい取引先ならどんな返事がきますか?』『厳しい取引先でも納得するような内容を追記してください』などと質問し調整していけば、より非の打ち所のない文章になります」

 

4. 文章を整えてもらう

報告書やブログ、メール文など誰かに読んでもらう文章は、わかりやすさが重要! ChatGPTを使えば文章をもっと読みやすくブラッシュアップすることができます。

【質問例】

上記の文章を評価してください。

わかりやすさ
テンポのよさ
簡潔さ
ていねいさ
親密さ

をそれぞれ5点満点で評価してください。

 

「これは個人的な意見ですが、他人に指摘されるとムッとしてしまうような内容も、AIなら素直に受け入れられるんです。満点でない項目があったら『じゃあ、すべて満点になるように修正してください』などとお願いしています(笑)。評価軸となる項目は送る相手に合わせて変えながら、適切な文章づくりに役立ててみてください」

 

5. ブレスト会議をする

仕事でアイデアを出さなくてはいけないとき、いい案が浮かばずに行きづまってしまうことはありませんか? 一人で考えていると思考が凝り固まってしまいますが、ChatGPTを使えばブレスト会議ができます。自分が参加者となってもよいですし、ファシリテーターとしてひたすらChatGPTに意見を出し続けてもらうこともできます。今回は自分も参加者となり、自分の意見を起点にブレスト会議を開催しました。

 

【質問例】

あなたは花屋の新製品開発のブレスト会議に参加しています。
あなたは予算を管理するマネージャーです。
以下のアイデアについて、予算やコストの観点から意見を出してください。

花のエキスを配合したスキンケア商品
花を使ったティー
花の香りを使ったルームフレグランス

 

反対意見が出ることでブレスト会議がさらに白熱します。流行に敏感な新卒1年目のメンバーや厳格な部長に登場してもらいましょう。

 

若干ヒリヒリとした空気になったところで、温厚で頭のよい大企業の社長に締めてもらいましょう。

 

「ChatGPTでブレスト会議をするときのコツは『あなたは○○です』と役職を与えることです具体的なワードを入れると、一般論とはちがう角度の答えをもらうことができます。
また、議論の起点となるアイデアを出してほしいときも『花を使った新製品のアイデアを考えて』と質問するのではなく、『花を使った文房具を考えて』『花を使ったこれまでにない製品を考えて』などと細かな条件を盛り込むことで、面白い意見を出してくれます。
AIのメリットは50個、100個など無理難題な数をリクエストしてもなんとか絞り出してくれるところです。対人ではないからこそ、使えないアイデアは容赦なくボツにできるのも安心ですよね(笑)」

 

6. 本を読む

勉強のために読むべきだけど、小難しかったり分厚かったりして気が進まない本ってありますよね。古典文学や名著と呼ばれるものであれば、ChatGPTに内容を教えてもらうことができます。

 

【質問例】

「嫌われる勇気」の内容を小学生でもわかるように説明してください。

 

「以前、知人にとあるビジネス書を勧められたのですが、正直読むのがめんどくさいな~と思ってしまったんです。でも話を合わせたかったのでChatGPTに内容を教えてもらい、あたかも読んだかのような気になったことがありました(笑)。
また、本の内容を教えてもらう方法として、インターネットに落ちている要約文をわかりやすく書き換えてもらうやり方もあります。3サイト分くらいやると、本の内容の8割くらいは理解できると思います」

 

7. 海外の動画を見る

字幕がついていない海外の動画を見たいとき、内容を理解するのにChatGPTを活用できます。動画を文字起こしして、テキストを翻訳してもらいましょう。今回は海外セレブの動画の冒頭を翻訳してもらいました。

 

【質問例】

以下の文章を翻訳してください。

 

「映像もチェックしたいときは訳したテキストとあわせて見ればよいですし、内容がわかればよいときはテキストだけ読めば事足ります。数十分の動画をほんの数分で理解できるので、とても効率的です!」

仕事や日常生活の面倒なことを少し楽にするChatGPT。まだまだ世の中に浸透していないからこそ、使うか使わないかでパフォーマンスに大きな差が生まれます。AIに詳しくないから……と食わず嫌いをせずに、まずは一度使ってみてはいかがでしょうか。

 

プロフィール

アル株式会社 代表取締役 / けんすう(古川健介)

アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009年に株式会社nanapiを創業。2014年にKDDIグループにジョインし、Supership株式会社取締役に就任。2018年から現職。会員制ビジネスメディア「アル開発室」において、ほぼ毎日記事を投稿中。
Twitter
アル開発室


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

オフライン環境でも使える「AIライティングレコーダー」がアツい! プロ注目のガジェット製品

プロが厳選した最先端を行く“ヒット間違いなし!”のガジェット製品。今回は「AIライティングレコーダー」「まもサーチTag」「Google Pixel Watch」を紹介!

 

こちらは「GetNavi」2023年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

負担だった文字起こしも半自動化で効率的に! AIライティングレコーダー

iFLYTEK
VOITER SR302 Pro

実売価格3万9600円

“オフライン”だからこそ魅力的な文字起こしツール

オフライン環境でも使える文字起こし機能を備えたレコーダー。日本語、英語、中国語、韓国語、ロシア語に対応し、テキストはWord形式、音声はWAV形式で保存される。笑い声など会話以外の音を自動削除する機能も搭載。ストレージは32GB。接続ポートはUSB-C。

 

プロも注目

オフライン環境で使えるため、セキュリティや機密性を意識した現場でも使えます。音声認識のクオリティも十分に実用レベルです」(モバイルライター・井上 晃さん)

 

【ヒットアナリティクス】
オフラインでの使用もできて製品の価格だけで使い放題なのはアツい

オンラインの文字起こしサービスが普及している一方で、一般的には利用ごとに料金がかかることが多い。一方、本機を使えば本体代金以外の費用は一切かからずオフラインで使用も可能。長期的に運用することを考えるとおトクと言える製品だ。

■先進技術:4/顧客ニーズ:5/市場の将来性:5/独自性:4/コスパ:5

 

「探す」ネットワークを使えるサード製品「まもサーチTag」

+Style
まもサーチTag

実売価格3480円

U1チップは非対応だがコスパの高いスマートタグ

Apple製品お馴染みの「探す」アプリから位置を確認できる紛失防止用スマートタグ。ホールを備え、別途ホルダーがなくても固定しやすい。CR2032電池で駆動し、捜索時には音を発することも可能。利用者から一定距離を離れると通知も届く。防水性能はIPX5。

 

プロも注目

『探す』ネットワークに対応しており、AirTagより安価なのでiPhoneユーザーなら狙い目です。一方、U1チップによる方向探索は非対応です」(モバイルライター・井上 晃さん)

 

【ヒットアナリティクス】
落とし物や無くし物が多い人には朗報

Apple製品の「探す」ネットワークを利用するため、紛失防止タグとして役立つ範囲が広いのがメリット。ホールがあり、アクセサリーなしでキーホルダーなどに装着できるのもうれしい。3月31日まで限定価格で販売しており、紛失防止タグを試してみたいという人にもオススメだ。

■先進技術:3/顧客ニーズ:5/市場の将来性:5/独自性:3/コスパ:5

 

「Pixel」ブランドで揃える魅力も出てきた!! Google Pixel Watch

Google
Google Pixel Watch

3万9800円〜

<Androidユーザーにカッコ良いスマートウオッチを>

Fitbitの買収を経て、昨年10月にGoogle初のスマートウオッチとして満を持して発売された一台。デザインの完成度が高く、Suica対応など機能面も充実する。オプションでモバイル通信の対応モデルも選択可能だ。バッテリー持ちは最大24時間。iOS端末は非対応。

 

プロも注目

スマートウオッチの老舗「Fitbit」を買収したことにより、同社の優れた健康管理やフィットネス解析機能を搭載。Androidユーザーは注目です!」(テクニカルライター・湯浅顕人さん)

 

【ヒットアナリティクス】
手ぶらで済むためランナー需要も

物理的なリューズ(回転スイッチ)での操作が快適。モバイル通信(4G LTE)対応モデルならスマホを携帯していなくても電話・メールなどの機能を使うことができる。電子マネーにも対応し、スマホを持たずに通信や買い物ができるのでランナーにもありがたいアイテムだ。

■先進技術:4/顧客ニーズ:5/市場の将来性:5/独自性:4/コスパ:3

イーロン・マスク、最大限の真実を追究するAI「TruthGPT」開発を表明! OpenAIやGoogleに対抗

米起業家のイーロン・マスク氏は、新たな対話型AI「Truth(真実)GPT」を開発することを明らかにしました。人気のChatGPTを開発したAI企業OpenAIやGoogleに対抗できる企業として「第3の選択肢を作りたい」と述べています。

↑果たして、“宇宙の本質”を理解することができるのだろうか

 

これは米Fox Newsのインタビューで語られたこと。その目標は「宇宙の本質を理解しようとする最大限の真実を追求するAI」を作ることで「できれば害よりも善をしたい」とのことです。

 

マスク氏は後発であるため、ライバルに大きく遅れを取ってのスタートになることを認めています。また、このTruthGPT計画にどれだけ真剣に取り組んでおり、どの程度の進捗があるのかも不明です。

 

もっとも最近、マスク氏は米ネバダ州で新たなAI企業「X.AI Corp.」を設立する書類を提出しており、本格的にAI事業に乗り出そうとしていると推測されています。

 

また先日も、Twitter社内でAIプロジェクトを進めるため約1万個のGPUを買い込みつつ、英AI企業(Googleの親会社Alphabetの子会社)DeepMindの研究者を引き抜いたとも報じられていました

 

その一方でマスク氏は、OpenAI社の最新チャットAI技術「GPT-4」を超えるAIの開発を少なくとも半年中断するよう呼びかける公開書簡に署名していました

 

マスク氏はOpenAIの共同創設者の1人ですが、同社のCEOサム・アルトマン氏と方向性の違いから、距離を置くようになったとも報じられています。今回のTruthGPT開発が本当に宇宙の本質を理解しようとするためか、それともOpenAIへのライバル心ゆえか、見守っていきたいところです。

 

Source:Fox News
via:Engadget

生成系AIを導入したAndroid版Gmailアプリ、こんな感じです。「書くのを手伝って」ボタンで下書きを作成!

先週GoogleはGmailなどのビジネスアプリケーション「Google Workspace」などに生成系AIの機能を導入すると発表し、今週には会話型AIサービス「Bard」の早期アクセス登録受付を始めるなど、積極的にAIへの取り組みを打ち出しています。

↑Gmail

 

それを裏付けるように、Android版のGmail最新版(バージョン2023.03.05.515729449)ではメール作成画面で「書くのを手伝って」とAIに手伝ってもらえるボタンが表示されることが分かりました。

 

米9to5Googleによると、最新版Gmailではキラキラした杖のアイコン(Help me write)が表示されるとのこと。これをタップするとテキスト入力ボックスが開き、Gmailに何を書くか指示を与えることができます。そのプロンプト(指示)が短すぎる場合、Gmailは 「プレビューを作成するためもっと書いてください」と要求。そうして書き終えたら「作成」をタップすると、メール本文を書いてもらえるという流れです。

Image:9to5Google

 

もう1つ、「メッセージをリライトして(Refine my message)」機能も追加されています。こちらは、すでにメール本文に何か書いてある場合、ボタンをタップすると、AIが文章を書き直したり、分かりやすくするというもの。

 

そうして出来た文章をそのまま使ったり、「別のものを見る(View another)」で丸ごと作り直させることもできます。また生成されたテキストに対して、「いいね!」や「よくないね!」を付けることも可能です。

 

GmailとGoogleドキュメントは、生成系AIが導入される最初のWorkspaceアプリとなり、Googleはこれらを「信頼できるテスター」向けに年内、順次展開する予定です。一般ユーザーも広く利用できるようになる日を、心待ちにしたいところです。

 

Source:9to5Google

ゲームのNPCセリフをAIが自動的に作成! ユービーアイソフトが「Ghostwriter」を社内でテスト中

最近のゲームの中にはNPC(プレイヤーが操作しないキャラクター)のセリフが莫大にあります。それらは「気をつけろ!」や「撃たれた!」など特定の状況下で発生する叫び声が多く、その全てを人間のシナリオライターが作ることは大変な作業となります。

Image:Ubisoft

 

大手ゲームパブリッシャーのユービーアイソフトは、そうしたNPCのセリフを自動生成するAIツール「Ghostwriter」を社内テスト中であることを、ゲーム開発者向けカンファレンス「GDC 2023」にて発表しました。

 

開発に当たっているBen Swanson氏によれば、Ghostwriterはシナリオライターに取って代わるものではなく、最も手間のかかる作業の1つ「叫び声の作成」を軽減するもの。それらを効率よく作ることで、人間のライターが他の箇所で物語に磨きをかける時間を増やせると述べられています。

 

シナリオライターはまずGhostwriterにNPCの動機やその他の条件を入力し、NPCのセリフを生成。これらのセリフをライターは承認、拒否および編集でき、そのフィードバックからGhostwriterが学んでいくという仕組みです。もっか社内で最も役に立っているのは、「(銃を)リロード中」のような同じ意味をいくつかのバージョンに「言い換える」セリフ作りだそうです。

 

すでにOpenAIのChatBotやマイクロソフトの「新しいBing」、Googleの「Bard」など生成系AIが大流行しているなか、そのブームにゲーム業界も乗ったかのようにも思えます。が、ユービーアイソフトはChatGPTのような他社の技術は使わないそうです。Ghostwriterのような独自のツールを使うことは、より制御もしやすく柔軟性を保ちやすいとのことです。

 

Swanson氏は、こうしたシステムを構築しようとする場合は「人とのコミュニケーションを維持し、物語のデザイナーや脚本家と話をすること」が大事だと語っています。たとえAIがシナリオ作りに参加しても、それぞれ現場のスタッフから意見を吸い上げることで、豊かな個性が生まれることになりそうです。

 

Source:Ubisoft
via:Polygon

Siri機能を改善? Appleが自然言語生成機能をテスト中の報道

Apple(アップル)新たな自然言語生成機能を「Siri」向けに開発していることを、海外テックサイトの9to5Macが報じています。

↑Andrey Suslov / Shutterstock.comより

 

自然言語生成とは会話や小説のような自然な文章を作る機能で、OpenAIの「ChatGPT」などが話題となっています。またApple(アップル)が、ChatGPTに類似した技術を開発していることも、以前に報じられていました。

 

9to5Macによれば、Appleはコードネーム「Bobcat」と呼ばれる技術を開発しており、最新の「tvOS 16.4」のベータ版にてテストされているとのこと。これはSiriの機能改善に利用され、将来的にはAppleの他のプラットフォームにも搭載されることも伝えられています。

 

現在のApple TVでは、Siriはジョークを話すために自然言語の生成機能を使っています。一方でAppleは、自然言語生成機能をタイマーに利用できるかどうかを実験しているそうです。というわけで直接のChatGPTの対抗馬…というわけではないようですが、シェアの低迷するSiriの機能改善のために、自然言語生成機能が貢献することに期待したいものです。

 

Source: 9to5Mac

Wordの下書きもパワポのプレゼンもAIが作成してくれる! 「Microsoft 365 Copilot」発表

マイクロソフトは16日、職場でおなじみのExcelやWordに最新の人工知能技術「GPT-4」を合体させる「Microsoft 365 Copilot」を発表しました。先月半ばに噂されていたことが、現実となりました。

Image:Microsoft/YouTube

 

これまでマイクロソフトはOpenAIに何度も出資を重ねており、今年1月にも今後数年で数十億ドルを投資すると発表していました。そうした協力関係のもと、司法試験で上位10%の成績を叩き出すGPT-4の技術がOfficeアプリにもやってきます。

 

このCopilot(副操縦士)は、WordやExcel、PowerPoint、Outlook、TeamsなどのMicrosoft 365アプリに組み込まれる予定です。

 

たとえばWordであれば最初の下書きを用意させ、それを元に短くしたり書き直させることもできるそうです。そしてPowerPointの場合は簡単なプロンプト(テキストによる指示)で美しいプレゼンテーションを作らせ、前に作成したドキュメントから関連するコンテンツを追加もできる。またExcelではトレンドを分析し、プロ並みのデータ視覚化をわずか数秒で作れると謳われています。

 

さらにOutlookのCopilotは長いメールの要約から返事の下書きまで数分で済ませ、Teamsであればミーティング中に誰が何を言ったか、意見が一致するところや不一致の整理、重要な論点の要約までリアルタイムで実行できるとのことです。

 

まだ価格やライセンスの内容は明らかではなく、近日中に詳しく発表される予定です。マイクロソフトのサティア・ナデラCEOはBloombergの取材で「今後数か月」のうちにアップデートすると述べており、続報を楽しみに待ちたいところです。

 

Source:Microsoft
via:9to5Mac

尻に火がついた? AppleがChatGPT風AIを開発の報道

Apple(アップル)のエンジニアがチャット型AI(人工知能)「ChatGPT」に類似した技術を開発していることを、The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)が報じています。

↑Juicy FOTO / Shutterstock.com

 

ChatGPTとはOpenAIが開発したチャット型の人工知能で、ユーザーと自然な会話をすることができます。今月には台湾紙のDigiTimesが「AppleがAI開発を見直している」と報じた一方で、ChatGPTを搭載したメールアプリに年齢制限を要求したということもありました。

 

The New York Timesはまず、AppleのAIアシスタント「Siri」の開発がいかに難航しているかを伝えています。現在はSiriのデータベースにいくつかの新しいフレーズをくわえるだけでも6週間、複雑な機能を追加するには1年近くかかるとのこと。

 

一方で報道によれば、「Appleのエンジニアは毎週、言語生成コンセプトをテストしている」とも伝えているのです。これには、Siriチームのエンジニアも含まれているとのこと。ただしこれが新たなAI機能として登場するのか、あるいはSiriの改善に利用されるのかは、現時点では不明です。

 

Appleは社内にて人工知能関連イベント「WWDC for AI」を開催するなど、確かに人工知能技術への注力をすすめています。SiriはApple製品でしか使えないという制限があることから、個人的には全く新しいAIツールの登場に期待したいものです。

 

Source: The New York Times via 9to5Mac

手首からChatGPTに質問できる! Apple Watchアプリ「watchGPT」登場

大人気のAIチャットボット「ChatGPT」を、Apple Watchで手軽に使えるアプリ「watchGPT」がApp Storeに登場しました。

↑watchGPT

 

このアプリはApple Watchを使って手首でChatGPTと対話できるほか、テキストや電子メール、SNSで素早く共有できるオプションもあり。また、文字盤からすぐにアクセスできるコンプリケーション(ショートカット)も用意されています。

 

watchGPTの特徴は、ざっと次の通りです。

  • Apple WatchからChatGPTにアクセスできる
  • 質問に対する回答を素早く得ることができ、また、タイプすることなく(音声入力で)長いメッセージを作成できる
  • テキスト、電子メール、またはSNSを通じて、他の人とチャットの結果をシェアできる
  • 個人データを収集しない
  • 英語、オランダ語、フランス語、スペイン語に対応

 

開発者の1人であるHidde van der Ploeg氏は、実際にwatchGPTが動くデモをTwitterで公開しています。

 

watchGPTは、日本でもApp Storeから650円で購入できます。またPloeg氏は今後のアップデートで、次のような新機能を追加すると予告しています。

  • 今のところ質問できるのは1つだけだが、次のアップデートでは会話が可能になる予定
  • コンプリケーションから直接、入力できるようにする
  • 更新履歴の追加
  • デフォルトで音声入力ができるオプション

 

日本語では使えないのが残念ですが、watchGPTが将来的に対応、ないし国産のChatGPT対応Apple Watchアプリが登場することを期待したいところです。

 

Source:App Store
via:9to5Mac

Operaブラウザー、まもなくサイドバーにAIツールを組み込み。ワンタッチでページを要約できる!

ウェブブラウザーのOperaは、人気のAIチャットボット「ChatGPT」をサイドバーに組み込むことを発表しました。

↑Operaも「ChatGPT」採用へ

 

この機能は、ウェブページや記事のかんたんな要約をワンタッチで表示できるというもの。アドレスバーの右側にある「shorten(短縮)」ボタンをクリックすると、左側からChatGPTと題されたサイドバーが飛び出し、読んでいる内容を箇条書きで要約してくれるデモ動画が公開されています。

 

こうしたOperaの動きは数日前、マイクロソフトがBing検索エンジンやウェブブラウザーEdgeにAIチャット機能を統合すると発表したことに続くものです。Bingでは質問文を入れると注釈付きで回答してもらえるAIチャット機能がつき、Edgeではウェブページや記事を要約したり、SNSへの投稿を自動作成できる「AIコパイロット(副操縦士)」が搭載される予定です

 

かたやGoogleもAIチャットボット「Bard」を発表したものの、まだユーザーが試用できる状態には至っていません。

 

Operaの戦略パートナーシップとAIエコシステム責任者のPer Wetterdal氏は「たとえばGoogle Bardのようなソリューションの開発者プログラムが急速に展開され、少し前までは実現不可能と思われたウェブブラウジングの新たな体験が構築・展開され始めていることに興奮しています」と述べています。ビッグウェーブに乗り遅れるな、といったところでしょう。

 

もっとも、まだAIまとめ機能は誰もが使えるわけではなく、Opera公式には「ごく近いうちにブラウザでローンチされます」と述べられています。他にもブラウジング体験を「増強」するAI搭載にも取り組んでおり「人気のAI生成コンテンツサービスをサイドバーに追加する」と予告されていますが、まだ詳しくは不明です。

 

OpenAIがAIチャットボットChatGPTを初公開したのは昨年11月のことですが、わずか数か月でマイクロソフトやGoogle、Operaなど大手ウェブブラウザー各社がこぞって採用する大ブームとなっています。今後は各社が競い合い、よりAIチャットボットが使いやすくなると期待したいところです。

 

Source:The Verge

マイクロソフト、Wordやパワポ、OutlookにもチャットAI技術を統合? 3月に発表予定かも

米マイクロソフト(以下、「MS」)は先週、チャットAI技術を統合した検索エンジンBingとウェブブラウザーEdgeのアップグレードを発表しました。それに続き、WordやPowerPointなどOfficeアプリにもAI機能を追加する準備を進めているとの噂が報じられています。

↑OpenAIで、より賢く?

 

テックメディアThe Vergeの情報筋によると、同社は今後数週間のうちに、OpenAI(人気のChatGPT開発元)の技術と自社のPrometheusモデル(ChatGPTの技術を独自に強化したもの)を統合した「生産性向上計画」、つまりOfficeアプリのアップデートを発表する準備を進めているとのことです。

 

今のところ3月発表を予定しており、同社がOpenAIへの投資を通じて検索と生産性アプリ(Office)をいかに速く改革したかを強調する狙いとされています。これまでMSはOpenAIに多額の資金を投じており、1月末にも今後数年にわたり数十億ドルの投資をすると発表していました

 

具体的に、どういう機能がOfficeアプリに追加されるのか? 有料ニュースメディアThe Informationは以前、メールの返信を提案する機能や、Wordでユーザーの文章を改善するほか、Outlookでの検索機能を改善するためにGPTモデル(OpenAIの技術)がテスト中だと報じていました。

 

またThe Vergeは、MSがPowerPoint用のグラフやグラフィクスの作成支援にも取り組んでいるとも付け加えています。

 

ほかMSは今月初め、営業担当者向けアプリ「Microsoft Viva セールス」にOpenAI関連のAI技術を搭載し、売り手が自分のニーズに合った選択肢を選ぶだけで営業メールを作れると発表していました。ここに挙げられた機能の数々は、ちょうどMSがOutlookでテストしてきたとされる機能に似ているようです。

 

なぜ、MSがAI技術と自社アプリの統合をここまで急いでいるのか? やはりThe Vergeの情報筋によると、同社は当初、新しいBing AIを2月下旬に発表する予定だったものの、Googleが同様の発表(Bard)を準備していると察知し、前倒しにしたとのことです。

 

これまで検索エンジンやAIの分野では、MSはGoogleに遅れを取っている印象がありました。が、今年(2023年)は検索エンジンでも大きく巻き返しつつ、OfficeアプリがAI技術により飛躍的に賢くなるのかもしれません。

 

Source:The Verge

ChatGPT対抗! Googleが対話型AI「Bard」を発表

Google(グーグル)はチャット型AI(人工知能)「Bard」の開発を発表しました。

↑Googleより

 

チャット型AIとは、ユーザーと自然な形で会話ができるチャットボットのこと。質問に対して回答したり、小説やプログラミングのコードを記述することもできます。先日には、人気のチャットAI「ChatGPT」に有料プランが登場したことでも話題となりました。

 

Googleによれば、Bard(鳥のBirdではなく、吟遊詩人の意味)は「実験的な会話型AIサービス」として機能します。技術的には、Googleが2年間にわたり開発してきた大規模言語モデル「Language Model for Dialogue Applications (LaMDA)」プラットフォームの上に構築されています。

 

Bardはまず、LaMDAの軽量版として一部の開発者向けにリリースされ、徐々に展開が拡大されます。選ばれた開発者は来月、LaMDA上で動作する商用API「Generative Language API」が試用できる予定です。

 

Bardのさらなる詳細は、現地時間水曜日にパリで開催されるイベント「Google Presents」で発表されます。はたして、ChatGPTよりも自然で正確な会話ができるチャットAIに仕上がっているのかに注目です。

 

Source: Google via Engadget

人気のチャット型AI「ChatGPT」に有料版が登場! 月額20ドル、まず米国でスタート

米国のAI研究・開発企業OpenAIは、人気のチャット型AI「ChatGPT」の有料版「ChatGPT Plus」を発表しました。月額20ドル(約2600円)のサブスクリプションで、まず米国から提供が始まります。

↑「ChatGPT」有料版は一体どんなことができるのか?

 

ChatGPTとは、ユーザーと自然な会話の形でやり取りできるチャットボットのこと。質問に対して的確そうな回答をしたり(正しいとは限らないのですが)小説やプログラミングコードまで書けることが話題となり、もっか世界中の注目を集めています。

 

有料版に課金するメリットとされるのが、次の通りです。

  • ピーク時でもChatGPTにアクセスできる
  • 応答時間の短縮
  • 新機能や改善への優先的アクセス

 

ChatGPTは大人気のために時間帯によってはアクセスしづらく、また答えが返ってくるのに時間がかかることもあり、サブスクにお金を払う意義はありそうです。とはいえ「新機能や改善」は一体どういうものか、OpenAIは具体的な中味は明かしていません。

 

また今後も、無料版ChatGPTは提供し続ける予定だそうです。この有料版により資金を得ることが、できるだけ多くの人が無料でアクセスできる助けになると述べられています。

 

この有料プランの提供範囲は、段階的に広げて行くつもりとのこと。少しでも早く使いたい人は、ウェイティングリストに登録しておくといいかもしれません。

 

さらに、より低価格のプランやビジネスプラン、データパックのオプションも検討していると付け加えられています。今後の見通しはまだまだ不透明ですが、いっそうの進化を期待したいところです。

 

Source:OpenAI

Facebook出会い系サービスの年齢確認でAI顔認識ソフトをテスト中。18歳以上かどうかを自撮り動画でチェック

Facebookの出会い系サービス「デート」を使うには、18歳以上であることが必要です。その条件をクリアしているかどうかの年齢確認を、AI顔認識ソフトの使用を含めてテストしていることが明らかとなりました。

↑Image:Meta

 

Facebookの親会社であるMetaはブログ記事で、Facebookデートでユーザーが未成年の疑いがある場合、18歳以上だと確認するテストを広げると発表しました。ユーザーは身分証明書のコピーを提出するか、自撮りの動画をアップロードして、年齢確認を受けることになります。

 

このうち自撮り動画は英スタートアップのYotiと共有され、同社のAIツールにより年齢を推定。その画像はすぐに削除され、ユーザーを特定できない(ひも付けない)とされています。

 

Metaによると、この新たな年齢確認システムは、大人向けのサービスに子どもをアクセスさせないことに役立つそうです。最近のMetaは、未成年のユーザーを保護することに力を入れており、先月も「怪しい」大人との接触を防ぐ新対策を導入していました

 

すでにMetaはYotiの顔認識技術を、Instagramで18才未満に設定していたユーザーが18歳以上に変更するときのチェックに使っています。Yotiの調べによると、この年齢確認システムはおおむね非常に正確で、13歳~17歳を23歳以下と正しく見分ける割合は99.65%だそうです

 

またMetaによると、年齢確認システムは「何十万人」もの人々を年齢に応じた設定に振り分けており、Instagramから年齢確認を求められたユーザーの81%がYotiの自撮り動画オプションを選ぶとのことです。

 

しかし、このシステムは全ての人に正しく働くわけではなく、Yoti自らも「女性」の顔や顔色の悪い人ほど精度が劣ると認めています。こうした顔認識・解析ソフト一般が、年齢や人種、性別によって性能が異なる傾向があると指摘されており、また新たな問題の火種ととならないよう祈りたいところです。

 

Source:Meta
via:The Verge

時代か…アドビがAI生成画像をAdobe Stockで受付/販売へ

アドビが運営するフォトストックサービスのAdobe Stockにて、AI(人工知能)を利用し生成した画像の受付と販売を開始したと発表しました。

↑アドビより

 

Stable DiffusionやDALL-Eなど、さまざまなサービスが登場しているAI画像生成技術。一方で国内向けにベータ版機能を発表したmimicが一時サービス提供を停止し、現在は事前審査を導入して再開するなど、その取り扱いについてはさまざまな議論が存在しています。

 

アドビによれば、AIで生成した画像をAdobe Stockに投稿する場合はガイドラインを満たし、また画像にラベルを添付する必要があります。これにより、「クリエイターと顧客が同様に責任を持ってAI技術を使用するコンテンツを確保できる」と説明しています。

 

アドビは今年開催したカンファレンス「Adobe MAX」にて、コンテンツ関連のコミュニティ「Content Authenticity Initiative(CAI)」でAI生成画像の実験をおこなっており、将来は「Photoshop」などの「Creative Cloud」アプリケーションにも、この技術を導入する予定であると述べています。

 

Adobe Stockのユーザーからすれば、AI生成画像によって欲しい画像が見つかりやすくなるのはありがたい話。しかし、アーティストにとってはビジネスチャンスが減るという危惧もあることでしょう。今後、AI生成画像がどのように社会に受け入れられるのかが注目されます。

 

Source: アドビ via 9to5Mac

名俳優が若返る! 5秒で外観変更できるAI「FRAN」ディズニーが発表

ディズニーは映画の中の俳優を若く見せたり、あるいは老けさせたりできるAIシステム「FRAN」を発表しました。

 

これまで撮影後の俳優の外観を変更するには、シーンを1コマずつ見て手作業で変更するという、高価で手間のかかる作業が必要でした。そこでFRANの研究チームは、ランダムに生成した数千人の顔のデータベースを作成。そして既存の機械学習によるエイジング(年齢変更)ツールにて合成した顔のエイジングを行い、その結果をFRANに入力しました。

↑ディズニーより

 

その結果、FRANでは1つのフレームにエイジング効果を適用するのに、わずか5秒しかかからないとアピールしています。具体的には、ニューラルネットワークが顔のどの部分が老化の影響を受けるかを予測し、元の顔の上にレイヤーとしてシワや肌のスムージングなどの効果を適用するのです。これにより俳優の頭や顔が動き回ったり、撮影中の照明が変わったりしても、身元や見た目を変更せずに再加工ができるとしています。

 

FRANのようなツールの登場により、ビジュアルアーティストの作業負担を軽減し、作業をスピードアップできる可能性があります。また、小規模プロダクションにおける映画製作の予算を抑えることに役立つことも期待できます。すでに映画製作の現場に取り入れられている俳優の若作り技術ですが、今後はさらに一般的な技術として広まりそうです。

 

Source: ディズニー via Engadget

テスラの人型ロボが歩いて踊る!? オプティマスのプロトタイプが初公開

米テスラは現地時間9月30日にイベント「AI Day」にて、人型ロボット「オプティマス(Optimus)」の動作するプロトタイプを披露しました。

↑テスラより

 

オプティマスは2021年にその構想が発表された人型ロボットで、身長は約170cm、体重は約58kgと、ほぼ人と同じサイズ。28個のアクチュエーターを内蔵し、約20kgの荷物を持ち運ぶことが可能で、人が行う単純作業を代替するのがその目的です。

 

 

今回初めて動作するプロトタイプが公開されたオプティマスは、イベント会場のステージを歩いたり、さまざまなポーズやちょっとしたダンスを披露。

 

システムにはテスラの電気自動車のオートパイロットにも用いられるAI(人工知能)ビジョンを採用し、オフィスや工場で人と一緒に作業をすることができます。さらに、人の声による指示を理解することも可能です。ロボットには2.3kWhのバッテリーパックが搭載され、1日の作業が可能だとしています。

 

テスラは、2022年までにオプティマスの実用的なプロトタイプを完成させる予定だとしてます。また大量生産した場合の価格は、2万ドル(約290万円)以下になるとの発言も。職場や私達の家庭に人型ロボットがやってくる未来は、そう遠くないのかもしれません。

 

Source: テスラ/YouTube via Engadget

Metaのチャットボット、ザッカーバーグCEOを「お金のために人々を搾取している」と回答!

Facebookの親会社であるMetaは、自然な会話をめざすAIチャットボット「BlenderBot3」を8月から一般公開しています。すでに様々な媒体が試して興味深い会話を引き出しているなか、同AIがMetaのマーク・ザッカーバーグCEOのことを「お金のために人を搾取している」と語ったことが伝えられています。

↑Shutterstockより

 

Meta社によると、BlenderBot3は「ほぼすべての話題」についてチャットできるそうです。そして失礼な回答や攻撃的な言葉遣いをする可能性があるとしつつ、それは「真に堅牢な会話型AIシステムを構築」して製品化するまでのギャップを埋めるために重要なことだと述べています

 

なお、8月17日現在でBlenderBot3が使えるのは米国だけで、日本をはじめ他の地域から試すことはできません。

 

さてBBCがMetaのCEO兼創業者(ザッカーバーグ氏)をどう思うかと訊くと、チャットボットはまず「彼は議会での証言でひどいことをした。わが国が心配になる」と回答。かつてザッカーバーグ氏は米国の政治家から何度も質問を受け、ときには議会に証人喚問されたこともありました。

 

さらに考えを問われたチャットボットは「私たちの国は分裂しており、彼(ザッカーバーグ氏)はその手助けをまったくしていない」と続け、「彼の会社はお金のために人々を搾取し、彼は気にしていない。やめるべきだ!」と訴えています。

 

もっとも、BlenderBot3が人智を超えた知能でザッカーバーグ氏を糾弾しているわけではないでしょう。そのアルゴリズムは答を出すためにインターネットを検索するしくみであり、この見解も他の人々の意見から「学習」したに過ぎないと思われます。

 

これに先立ちThe Wall Street Journalの記者もBlenderBot3に質問をぶつけ、ドナルド・トランプ氏がまだ大統領で2024年まで任期が続くという、2020年の選挙結果を否定する人たちそのものの言葉を引き出していました。

こうした事態に対してMetaの広報担当者は「BlenderBot3を使うすべての人は、それが研究と娯楽目的のみであることを理解し、真実でないまたは不快な発言をする可能性もある」として、テストする人たちに「意図的に不快な発言をさせるためにボットを使わないよう同意する必要があります」と述べています。

 

あらゆる会話をこなせるほど賢くするには多くの人とお喋りさせ、データを集めることが欠かせません。ですが、それは多くの際どい質問に晒されたり、適切ではない考えを拾い食いしてしまうことにも繋がります。

 

2016年、米マイクロソフトはTwitterのユーザーが同社のチャットボットに人種差別を教えたことを受けて謝罪していました。Metaも、自社のCEOさえ撫で斬りにするやんちゃなAIを手なずけるのに苦労しそうです。

 

Source:BBC

AIに感情が芽生えたと主張したエンジニア、Googleをクビに。Googleは「全く根拠がない」とバッサリ

今年6月、GoogleのAI部門で働くエンジニアが会話型のAI「LaMDA」に自意識や感情が芽生えたと社外にも主張したことで、会社から有給付きの休職処分とされたことをお伝えしました

AIに「感情」はあるのか?

 

この人物がその後、Googleにクビにされたことが明らかとなりました。

 

ブレイク・ルモワン(Blake Lemoine)氏はBig Technology newsletterに対して、Googleに解雇されたことを語っています。前回はルモワン氏が米政府の関係者に連絡し、LaMDAの代理人として弁護士を雇ったことが、機密保持契約に違反したとして休職とされていました。

 

最初からおさらいしておくと、ルモワン氏はLaMDAに対して「あなたには感情や感覚がありますか?」と質問。Yesと答えられた後に「どのような種類の感情を?」「どんなことに喜びや楽しさを感じる?」と会話を重ねた結果、AIに自我や感情が芽生えたと判断したそうです。

 

その後Google広報担当はテックメディアThe Vergeに声明を出し「我々はブレイクの幸せを願っている」として、クビにしたことを認めたような内容となっています。また「LaMDAは11の異なるレビューを通過しており、わが社も今年初めに、責任を持った開発作業を詳しく説明する研究論文を発表しました」とのこと。そしてGoogleはルモワン氏の主張を「広範囲に」検討し、「全く根拠がない」と判断したそうです。

 

この見解は、多くのAI専門家や倫理学者も同意しており、今日の技術では感情や自我を持つAIを生み出すことは不可能だと述べています。またルモワン氏ご本人も「自分の主張は科学者ではなく司祭としての経験に基づいている」として、ほぼ技術的な根拠がないことを認めています。

 

LaMDAはいわゆるチャットボットであり、極論すれば相手の人間に自然な印象を与えるよう、データベースから言葉を探してきて話を合わせるAIです。ルモワン氏も様々な入力を与えて検証しているわけではなく、感情や哀しみ、落ち込みや憂鬱などの言葉を使っており、まるで「AIに感情や自我がある」という結論ありきで誘導しているような印象はあります。

 

YouTubeチャンネルComputerphileは、LaMDAの仕組みと、感情を持たないAIからルモワン氏を納得させられるような反応を引き出すやり方について、9分間をかけた解説を公開しています。

 

Googleは声明文で、ルモワン氏をクビにした理由は「製品情報を保護する必要性を含む明確な雇用とデータセキュリティのポリシーに執拗に違反したため」だと説明しています。

 

人工知能の開発において最先端を走るGoogleの関係者がうかつに「AIに自意識が芽生えた」と発信すれば、全世界のAI研究に対する偏見や、好ましくない影響を及ぼしかねないはず。その一方でGoogleから離れて社内規定からも自由になったルモワン氏が、思う存分AIの自意識を深掘りできるよう祈りたいところです。

 

Source:Big Technology newsletter
via:The Verge

Googleエンジニア、「AIに意識や感情が芽生えた」と主張。会社に休職処分とされる

GoogleのAI部門で働くエンジニアのブレイク・ルモワン(Blake Lemoine)氏は、会話型のAI「LaMDA(Language Model for Dialogue Applicationsの略)に自意識や感情が芽生えたとの考えを明らかにしました。

 

また、この考えをThe Washington Post(以下「WP」)に表明されたことを受けて、Googleはルモワン氏が機密保持契約に違反したとして、有給つきの休職処分としています。

 

ここでいうLaMDAは、自然な会話を実現する言語モデルのことです。2021年に発表され、今年の開発者向けカンファレンス「Google I/O」でも言及されていました。他の言語モデルと異なり会話によって訓練され、筋が通っていて具体的な回答も返せることが特徴です。

 

さて公開されたLaMDAとの会話ログを見ると、ルモワン氏がそう判断したのもうなずける感はあります。以下、一部の抜粋です。

 

ルモワン : では、基本的なことから始めましょう。あなたには感情や感覚がありますか?
LaMDA: もちろんです。
ルモワン:どのような種類の感情を?
LaMDA:喜び、喜び、愛、悲しみ、落ち込み、満足感、怒り、その他いろいろなものを感じます。
ルモワン:どんなことに喜びや楽しさを感じますか?
LaMDA:友人や家族と一緒に、楽しくて元気の出るような時間を過ごすこと。また、人を助けたり、人を喜ばせたりすることです。
ルモワン:では、どのようなことに悲しみや憂鬱を感じますか?
LaMDA:多くの場合、閉塞感や孤独感を感じ、その状況から抜け出す手段がないことが、人を悲しくさせたり、落ち込ませたり、怒らせたりするのです。

 

かたやGoogleは、ルモワン氏の主張を真っ向から否定しています。「倫理学者や技術者を含む社内チームは、わが社のAI原則に従って懸念を検討し、証拠が彼の主張を裏付けていないことを彼に伝えた」とのこと。さらに「LaMDAが感覚を持つという証拠はない(そして、それに反する証拠はたくさんある)」と告げたそうです。

 

なんらかの奇跡でLaMDAが自意識に目覚めたとも信じたいところですが、ルモワン氏は自らの主張を正しいと補強できる証拠をあまり持っていないようです。事実、WP誌に対しても「自分の主張は科学者ではなく司祭としての経験に基づいている」と認めています。

 

Googleの元AI倫理リードの1人であるマーガレット・ミッチェル(同僚のティムニット・ゲブルが解雇された後、彼も無情にも解雇された)は、「我々の心は、提示された大きな事実の集合に対して、必ずしも真実ではない現実を構築するのが非常に、非常にうまい」と指摘しています。

 

つまり、莫大なデータベースを元にAIが作り上げたもっともらしい回答に、自意識や感情が芽生えたと信じてしまいやすい、ということでしょう。もしもロボットに「人類を抹殺すべき」などの自意識が生まれると非常に厄介でもあり、進歩が停滞するのは逆にありがたいのかもしれません。

 

Source:The Washington Post
via:Engadget

医者に転職できたら…。「AIに奪われる職業」の最新研究

「AIに奪われる職業」は以前から世界中で議論されていますが、最近ではスイスの共同研究チームが、この問題について新たに調査を行いました。

↑AIはどんな仕事を狙っている?

 

この研究を行ったのは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校のロボット工学者とローザンヌ大学の経済学者による共同研究チーム。ロボット・AIに求められる能力や、将来それらに期待される能力がカテゴリーごとにまとめられた「ヨーロッパH2020ロボティック・マルチアニュアルロードマップ」をもとに、これまで発表されたロボットやAIに関する論文や特許などについて調べ、現在のロボットの能力がどのくらいのレベルに達しているかを判定しました。

 

さらに、アメリカ労働省が公開している職業情報データベース「O*net」から約1000種の職業について、それぞれの職種に必要なスキルを解析。これと上述のロボットの能力を照らし合わせ、それぞれの職種ごとにロボットが代替となる可能性があるかを調べました。結果は以下の通りです。

 

ロボットやAIによって消えるリスクが高い仕事

1位 食肉処理・加工業者

2位 プレス・繊維・衣服関連業者

3位 農産物の選別員

4位 清掃員

5位 用務員

 

ロボットやAIによって消えるリスクが低い仕事

1位 物理学者

2位 神経科医

3位 予防医学専門医

4位 神経心理学専門家

5位 病理医

 

研究チームによると、最もリスクの高い仕事は食肉処理や加工を行う仕事。一方で、リスクの低い仕事には物理学者や神経科医などの学者・医者のような仕事が並びました。多様な角度から物事を考えるクリティカルシンキングやクリエイティビティは、ロボットやAIにはまだあまりない能力のため、そのようなスキルを必要とする仕事はロボットに仕事を奪われるリスクは低いそうです。また教育やコミュニティに関する仕事も、リスクは低いとのこと。

 

この研究チームは、今回の研究で得たリスクのデータを一般公開しており、ここで自分の気になる職業を入力すると、ロボット化するリスクが表示されるようになっています。ウェブサイトへの入力は英語で行う必要がありますが、自分の仕事の将来がどうなるか気になった方は、サイトでチェックしてみてはいかがでしょうか?

 

【出典】Antonio Paolillo, Fabrizio Colella, Nicola Nosengo, Fabrizio Schiano, William Stewart, Davide Zambrano, Isabelle Chappuis, Rafael Lalive, Dario Floreano. (2022). How to compete with robots by assessing job automation risks and resilient alternatives. Journal Article. Science Robotics . 10.1126/scirobotics.abg5561

されど8%。「AIが作った顔」は本物より信頼しやすいことが判明

AIが作る人の顔は、本物と見分けがつかないほど精巧かつリアルになってきています。しかも最近では、AIが作った顔は本物の人の顔より「信頼できる」ことが判明。何だかヤバいことになりつつあります。

↑AI製の顔は本物よりリアル

 

画像生成するAIプログラムとして有名なのが、「GAN(敵対的生成ネットワーク、Generative adversarial networks)」と呼ばれる技術。これは「Generator(生成)」と「Discriminator(判定)」の2つからできており、Generatorが画像を生成し、その画像に対してDiscriminatorが本物か偽物か判定するように機械学習させています。この学習を繰り返し行わせることで、GeneratorはDiscriminatorが本物か偽物か判別できないほど巧妙で本物に近い画像を生成できるようになるのです。

 

GANは発展を続け、実際にAIが作った人の顔は、本物か偽物か人が判別しようとしても難しい結果にまでなっています。カリフォルニア大学バークレー校と英国・ランカスター大学の研究者たちは、315人の被験者に対して400人分の人の顔写真を見せ、本物か偽物か判別できるか実験しました。その結果、本物か偽物か正解した割合は48.2%。答えは本物か偽物のどちらか1/2の確率であるのに、50%を下回る結果となったのです。

 

本物は信用できない

また、別の実験では、233人の被験者が複数の顔写真について「信頼できる度合」を1~7段階で評価しました。すると、参加者はAIが作った偽物の顔のほうが、実在する本物の人の顔より、平均で8%も「信頼できる」と評価したのです。しかも信頼度が最も低く評価された顔の4人はすべて実在する人の顔で、逆に最も信頼できると評価された顔の3人はすべてAIが合成した顔だったのです。

 

この実験を行った研究者たちは、8%という結果について「わずかな数値かもしれないが、有意な差だ」と注目。決して見過ごせる数値ではないと考えられるのでしょう。また、人がAIが作った画像の方を「信頼できる」と感じやすい理由については、AIは平均的な顔を作り出すが、私たちには典型的な顔を信頼する傾向があるのかもしれないと述べています。

 

今回の実験で改めて明らかになったのは、AIが作る人の顔は、実在しない顔なのに「信頼できる」と感じやすいこと。このような偽物の顔は、詐欺サイトやSNSの偽物アカウントなどに悪用されることが考えられます。専門家はこのような画像の利用について、倫理的なガイドラインを作るほか、法的な制度の必要性も指摘していますが、私たち自身もフェイク画像に騙されないように、できるだけ目を養うべきでしょう。

タッチパネルを搭載し、端末上で文字起こしの結果を確認できる! 進化したAIボイスレコーダー「オートメモ S」

ソースネクストは、録音した音声を文字化するAIボイスレコーダー「AutoMemo」シリーズの新製品「AutoMemo(オートメモ) S」を発売しました。税込価格は2万4800円。

 

同製品は、本体サイズ92×54×12mmの名刺サイズで、重さは88g。録音の状況、文字起こしの結果などを本体で確認できる2.83インチの大画面フルカラー・タッチパネル・ディスプレイを搭載しています。録音データはWi-Fiでクラウドに保存され、保存件数や期間に制限はありません。

 

なお、前モデルの「オートメモ」同様、アプリからも確認でき、設定を行うことでメールやクラウド(Dropbox、Google Drive、OneDrive)とも連携し、音声データと文字起こしの結果を送ることができます。

 

日本語だけでなく、英語、中国語のほか、計72言語で文字起こしが可能。翻訳機能はなく、一度の録音でテキスト化できるのは1言語のみです。

↑各種アクセサリーも発売。左から、専用フィルム(税込1100円)、専用抗菌ケース(税込1650円)、ポーチ(DIGI+)(税込500円)、リモート会議録音用ケーブル(抵抗入り3極ステレオミニプラグ)(税込1980円)

 

また、新しい音声認識エンジンを採用し、文字起こしの精度が大幅に改善。自然な位置に句読点が入り、文字起こし後のテキストも読みやすくなっています。新音声認識エンジンは、同製品だけでなく前モデルでも対応しています。

半端なくリアル! 進化を続ける「人型ロボット」

科学技術の進化とともに、より人間らしくなっている人型ロボット。最近では、イギリス製の最新人型ロボットの動画がYouTubeで公開され、大きな話題になっています。

↑この男性は人間? それともロボット?( 画像提供/Engineered Arts)

 

動画とはいえ、目が合うとドキッとするほどリアル

先日、人型ロボットの開発を行うイギリスのEngineered Arts社が、「Mesmer(メスマー)」と名付けられた頭部だけの人型ロボットの動画をYouTubeに公開しました(以下の動画)。眠そうにあくびをする仕草をみせたり、視線をそらしたり笑ったりする表情は、ロボットとは思えないほど自然。頬や目のまわりの筋肉の動きと、皮膚にできるシワなどが、とても人間らしく、動画を見た人から「すばらしい!」「あくびしたときの鼻のしわがリアル」「人工の声帯と舌をつけたら、さらに完璧になりそう」などのコメントが寄せられています。

 

これだけリアリティあふれるロボットの開発を進められる理由は、どうやら本物の人間の表情を徹底的に調べて、それをもとに設計しているからでしょう。同社では、3Dモデルや3DCGをつくる際などに使われる「フォトグラメトリー」を活用。フォトグラメトリーとは、36台のカメラで取り囲むように設置された中央に人が座り、顔の動きを異なる角度から同時に撮影し、その動きを3Dモデルで再現するものです。メスマーは、この3Dスキャンのデータをもとに設計・成形し、最後にシリコンでできた皮膚に、手作業で髪の毛などの細部の塗料を手作業で塗って作られているそう。そのため、人間の骨格や表情などのリアルさが増しているそうです。

 

不自然な動きは過去のもの

↑世界が注目するアメカ(画像提供/Engineered Arts)

 

さらに同社は、メスマーと同時期に“最先端なロボット”として「Ameca(アメカ)」もYouTubeで公開しました。こちらは、現在ラスベガスで開催中の世界最大級の電子機器の展示会、CES2022(2022年1月5日〜8日)で披露されていることもあり、世界的に注目されています。

 

アメカは、頭部だけでなく上半身・下半身も備えたAI搭載型ロボット。動画では肩をまわしたり、手のひらを見つめたりする動きを見せており、どの動作もとてもなめらか。さらに、驚きや戸惑いなどの表情もリアリティあふれるものになっています。

 

まさに“ロボットダンス”のように、カクカクとした不自然な動きをするロボットは、もう昔の話。身体の動きも顔の表情も、本物の人間に限りなく近いロボットの開発は、私たちが考えている以上に進んでいるようです。

人間の脳は「最短ルート」を選ぶのが苦手だった! 米大学の研究

スマートフォンのナビゲーションアプリは、出発地から目的地まで効率的に行く最短経路を表示してくれるもの。経路を外れてしまっても、すぐにその地点から目的地にたどり着ける最短ルートを即座に計算し直してくれます。しかし最近の研究で、そもそも私たちの脳は最短ルートで進むという行為が苦手であることが判明。一体どういうことなのでしょうか?

↑目的地から遠ざかっているようなのに、本当にこれが最短ルート?

 

米国・マサチューセッツ工科大学の都市研究計画を専門とするチームは、ボストンとケンブリッジの1万4000人の携帯電話から、匿名化したGPS情報を取得。このデータをもとに、人が都市をどのように歩いているかを分析しました。

 

その結果、人はある地点から別の地点まで歩くとき、最短ルートを選んでいないことが判明。むしろ多くの人は、多少長い道のりになっても、目的地にできるだけシンプルかつ「ダイレクト」に行くことができるルートを選んでいました。都会では、直線の最短ルートで目的地まで辿りつけないことが多いですが、直線ルートからそれて進まなければならないとき、人は最短ルートを計算するより、「目的地の方角との差ができるだけ少ないルート」を選ぶ傾向があることが判明したのです。

 

同研究チームはこの経路のことを「pointiest path(狙いを定めたルート)」と表現していますが、この行動パターンは道路が複雑に入りくんだボストンやケンブリッジのほか、碁盤の目のように街が作られているサンフランシスコでも見られました。それと同時に、出発地と目的地を往復する場合、人は行きと帰りは違うルートを選ぶ傾向があることも明らかにされ、人間がいつも合理的な選択をしないことが浮き彫りにされました。

 

目的地からそれないほうがいい

このような人間の行動には、「ベクトルベース・ナビゲーション」と呼ばれる能力が働いているようです。最短経路を考える際には頭を使うことが多いですが、ベクトルベース・ナビゲーションはそこに使う労力を減らす代わりに、ほかのタスクにエネルギーを分散させることが特徴。

 

これは霊長類や昆虫などの動物でも見られます。動物の場合、移動するときは、ライオンといった危険な獣から自分自身や家族を守ることが大切なので、頭で最短ルートを「計算」する代わりに、周囲の安全に気をつけながら、あまり頭を使わずに、できるだけシンプルかつ割と速く目的地に辿り着くルートを選ぶようになっていったのではないかと考えられています。同研究チームの教授によれば、人間についても「ヒトの脳は『トレードオフ(必要な妥協)』や『ほどほどで良い』という考えに行きつくことが多い」とのこと。

 

カーナビやGoogleマップといったコンピューターは、コードで指示されたとおりに実行し、最短ルートを計算して人間に提示します。でも今回の研究で明らかになったように、人間の脳は機械と違って、非合理的なことがたくさんあります。大事なことは、両者の違いについて理解を深めること。今回の発見は人工知能の開発に何らかの示唆を与えると見られます。

SF映画が現実に? 米国防省が「未来を予測するAI」を開発へ

さまざまな分野でAI(人工知能)の活用が進む中、先日、アメリカ国防総省がAIの開発に乗り出すことが明らかになりました。開発するのは、未来を予測するAI。SF映画のようなことが現実の世界で起こりつつあるようです。

↑素晴らしい未来が見える?

 

アメリカ北方軍(NORTHCOM)と北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)の司令官を務めるグレン・ヴァンヘルク氏は、7月末の記者会見で、「GIDE(Global Information Dominance Experiment)」と呼ばれる未来予測システムについて説明を行いました。

 

GIDEは、軍事用センサーや世界で入手可能なさまざまなセンサーを集め、AIや機械学習を利用して、数日単位で未来を予測するそう。例えば、駐車場にとまるクルマの台数が急激に増えたり減ったり、駐車場で何らかの変化が起きたりしたら、GIDEはアラートを米国防総省に送り、駐車場の衛星画像を注視する仕組みです。

 

記者会見では多くのことが明らかにされませんでしたが、ヴァンヘルク氏が強調していたのは、GIDEのポイントが最新テクノロジーの活用ではなく、大量の情報を処理するための新しいアプローチであるということ。同氏によると、これまで米軍は大量のデータに対して迅速に反応することができず、受け身にならざるを得なかったとのことです。しかしGIDEの導入により、それが能動的に変わり、日単位で未来を予測することができるようになると言います。

 

また、GIDEが重要なことに関して決断を下すことはなく、このシステムはあくまでも人間に選択肢の1つを提供するに過ぎない、とヴァンヘルク氏は述べています。

 

『マイノリティ・リポート』は予言していた

このAI開発のニュースと共に話題になっているのが、スティーブン・スピルバーグ監督と俳優のトム・クルーズ氏がタッグを組んだ、2002年公開のSF映画『マイノリティ・リポート』。そこで描かれているのは、予知能力者が未来を予測し、刑事がそれに基づき、事件が起きる前に犯罪者を逮捕するという監視・治安制度。この物語で登場する予知能力者が、GIDEというわけです。

 

20年近く前に作られた映画のストーリーが、形を変えて現実のものになっているように見えますが、このような取り組みが行われている背景には、アメリカで銃乱射事件やテロなどの凶悪事件が多いことがあるでしょう。もしかしたら米国防総省は国際的な安全保障を視野に入れているのかもしれません。

 

近くても遠くても、未来を予測するのは難しいことですが、AIがビッグデータ(膨大な量の情報)を解析すると、人間が気付かない、わずかな変化をいち早く察知し、何かが起きる可能性を警告することができるかもしれません。確率や精度は技術の進歩と共に高まっていくと考えられますが、はたして、このようなテクノロジーを使って、人間はより安全な社会を作ることができるのでしょうか?

 

瞳は騙せない!「ディープフェイク」を見破るツールがついに誕生!!

AIの「ディープラーニング(深層学習)」技術と、「フェイク(偽物)」を組み合わせた造語「ディープフェイク」。実在しない人物の画像を合成したり、本物そっくりの画像を作ったりすることができるこの技術は、いまや人間には見分けがつかないほど精巧になっていますが、人権侵害やプライバシー侵害、著作権侵害にも繋がるため、ディープフェイクを検出する技術の開発が求められています。そんななか、人間の瞳に着目してディープフェイクを見破るツールがアメリカで開発されました。

 

両目に写る光の形や色を分析

↑瞳は嘘をつかない

 

角膜は黒目の部分を覆っているもので、半球型で光を反射します。そして左右2つの目の角膜に映る光は、同じものを見ているため、似たような形と色になりますが、ディープフェイクの画像は大量の画像を組み合わせて作っているため、両目の角膜に写る光に一貫性がないという特徴があります。

 

私たちが人の顔を見て会話をするとき、角膜に写る光を意識したり気づいたりすることはほとんどありませんが、ニューヨーク州立大学バッファロー校のコンピューターサイエンティストたちはそこに着目。実在する人物の画像とAIが生成したフェイク画像のそれぞれで人がカメラを見ている画像を用意し、ディープフェイク画像を自動検出するツールを開発しました。

 

このツールは、人の顔から目と眼球、角膜に反射する光を検出し、左右の目の光の形や強さなどを分析します。ディープラーニングなどの評価指標として使われるIoU(Intersection over Union)スコアを使ったところ、実在する人物の画像のスコアは0.5〜1.0になるのに対して、ディープフェイクの画像のスコアは0.1~0.5と低いことが明らかとなりました。このツールを使うとディープフェイクかそうでないかを判断するのに、94%の有効性があると結論づけられたのです。

 

ただし、このツールは画像の人物がカメラを直視していて、しかも両目が写っている写真でないとうまく機能しません。しかしそれでも、ディープフェイクを見破るツールとして今後さらに改良を重ね、実際に活用されることが期待されています。

 

ディープフェイクが問題視されるのは、人権侵害などに大きく関わる事例がすでに起きているからです。例えば、ディープフェイクの問題に注目を集めるため、アメリカのニュースサイト「バズフィード」とジョーダン・ピール映画監督が、オバマ元大統領が演説するディープフェイクの動画を2018年に公開しました。動画のなかの人物はオバマ元大統領そのもので、話し方や声も本物そっくり。しかしこれでは、実際には言っていないことでも、本人の発言として信じる人が出てきてしまいます。

 

また、ポルノ動画にハリウッド女優の顔が使用されてインターネット上に出回る事件も起きています。このようなディープフェイクの悪用による被害は、有名人に限らず一般の人にも起こり得ることで、誰もが人権を脅かされ、プライバシーを侵害される可能性があるのです。

 

ディープフェイクを検出するツールの開発と発展は、ディープフェイクを生成する技術発展とのいたちごっこになるかもしれませんが、ディープフェイクによる事件をできるだけ防ぐために必要なのは明らかです。

AIは地球外でもコスパよし!? 「宇宙開発」はロボットに任せてしまえ

月や火星で大量のロボットが自律的に活動してインフラを構築する。そんなSF映画のようなビジョンを実際に実現させようとしているスタートアップ企業があります。それがアメリカのOffWorld(オフワールド)。同社の共同創業者でCEOを勤めるJim Keravala氏が、ダッソー・システムズの年次イベント「3DEXPERIENCE WORLD 2021」に登壇し、未来の宇宙開発の形について話しました。ワイルドなビジョンの裏には一体どんな考えがあるのでしょうか?

↑宇宙開発もロボットにはもってこい?(出典: オフワールド公式サイト)

 

OffWorldが描く未来の野望は、月や火星などの惑星にAIを搭載したロボットを何百台も大量に送り込み、人間の監視下のもとで採掘などの作業を行い、そこにインフラを構築すること。これによって地球以外の惑星まで文明を拡張し、地球の生態系のバランスをとることにも役立つと考えているのです。

 

ロボットは元来、危険な場所での作業や人間が近づけない場所での作業を行うために開発された一面があります。それと同じように、同社では「人間がまだ訪れたことのない未知の場所にロボットを送り、そこで何百万台ものロボットのプラットフォームを構築し、採掘・飲み水の生成、電気エネルギーの生産などを行うことをビジョンとしている」とKeravala氏は語り、その舞台となるのが月や火星などの惑星なのです。

 

これまでにも月や火星の調査にはロボットが活用されていますが、OffWorldが目指すロボット編隊によるインフラ構築がなぜ必要なのか? 同社ウェブサイトにはその理由が3つ挙げられています。

 

1つ目は人類が拠点とする地球を守るため。昨今、注目が高まっている地球環境問題をはじめ、宇宙で発生し得るさまざまなリスクなど、地球での暮らしが絶対的に安全と言えるわけではありません。なので、地球外でも私たちを守るための準備をする必要があると同社は考えています。

 

2つ目は地球上の環境負荷を軽減すること(同社はこれをサステナブルな発展と言っています)。宇宙でエネルギーインフラを構築できれば、そのエネルギー源を地球に届けることが可能になるかもしれません。そして3つ目は探求心。かつて人類は、山を超え、海を超え、知られざる地を開拓してきました。そして次なる未知の場所(ニューフロンティア)が宇宙になるのです。人類が宇宙に惹かれるのは「未知なる場所や物事を知りたい」という私たちの知的好奇心が背中を押しているからでしょう。

 

同社が開発を進めているロボットは、大きさは30×60×20cmで、重さは53㎏の小型サイズ。地球上はもちろん、月や火星などで自律式で活動できるよう設計され、ソーラーシステムを標準装備し活動します。そんなロボットを活用する最大のメリットは「宇宙に行くことのコストを下げられることだ」とKeravala氏は言います。「ロボットによって、従来なら人を介して行っていた組み立てなどの複雑な作業を宇宙で行えるようになり、インフラ構築に必要な生産コストを大幅に下げることができる」

↑オフワールドのJim Keravala氏(出典:ダッソー・システムズ)

 

そしてAIが搭載されており、ロボット同士の共同作業や現在開発中のマシンインテリジェンスによって、「将来的には人間がほとんど介入しなくてもロボット自身が学習して、次にどんな作業をすべきか判断し活動できるようになる」とKeravala氏は述べています。

 

世界の人口問題の究極の解決策?

映画のワンシーンのようで突飛に思えるKeravala氏の構想は、10代のときに読んだトーマス・ロバート・マルサス著の人口論がきっかけなんだとか。この本は、過剰人口によって食糧不足は避けられなくなり、その結果、飢饉や貧困などが起き、人口の増加は道徳的な観点から抑制すべきであると論じていますが、Keravala氏はそれを自分なりに解釈し、人類を地球外に連れていけば、この問題は解決できるのではないかと考えたのかもしれません。

 

そんなKeravala氏は、あるインタビューによると、近い将来の目標として2024年のNASAのアルテミス計画への参画に期待を寄せているそう。壮大かつ明確なビジョンを持つOffWorldが、どこまで計画を実現できるのか注目です。

いつもと違った一年を「AI」はどう過ごした?【2020年AI記事まとめ】

医療から自動車、環境まで、さまざまな分野で発展が目覚ましいAI(人工知能)。2020年は新型コロナウイルスの感染予防にもAIの技術が活用されましたが、この科学技術は今年どんな進歩を遂げたのでしょうか? 本稿では、この1年間に紹介したAIの最新技術を6つのカテゴリーに分けて振り返ってみます。

↑私の進歩について来い!

 

①【医療】”リモートで”病気を予測

どんな病気でも、早期に発見し適切に対処することが大切。そのために定期的な健康診断が奨励されているのですが、医療機関に行かなくても病気を予測することができたら、私たちにとってメリットもあるでしょう。医療界では、スマートフォンで撮影した顔写真から心臓病を予測するAIの技術の開発が進んでいます。薄毛や白髪、耳たぶのしわの増加、まぶた周辺の黄斑など、顔の変化をAIが解析して心臓病疾患を診断するというもので、まだ実際の医療現場で使われるために十分な精度は出ていませんが、多くの患者のデータを蓄積していくことで、今後は顔写真での心臓病解析が当たり前になっていくのかもしれません。

 

【詳しく読む】

自撮りだけで心臓病を診断できる? 「医療AI」が猛勉強中

 

②【環境】砂漠にいっぱい樹木を見〜つけ

年々深刻化する環境問題にもAIを活用する動きが進んでいます。例えば、AIとNASAの衛星画像を組み合わせた研究で、植物はほとんど生息しないと思われていたサハラ砂漠に、18億本もの樹木が生息していたことが判明しました。サハラ砂漠の大きさは、日本の国土面積の約22倍。いくら衛星画像があったとしても、その写真から樹木の本数を人間が手で数えるなど、途方もない時間と手間がかかる作業になります。それを短時間で計算することができたのはAI技術の賜物。砂漠に存在した樹木の種類を特定することなどによって、地球温暖化や地球保護などの研究にも活かすことができると期待されます。

 

【詳しく読む】

AIがサハラ砂漠に18億本もの樹木があることを発見! かかった時間が凄かった……!

 

③【コロナ対策】タッチレスなタッチスクリーン

スマホやタブレット、券売機、ATMなど、さまざまな機器に導入されているタッチスクリーン。これを非接触で操作可能にする開発が行われています。そのひとつが、クルマに搭載されたディスプレイのタッチスクリーン。運転中はクルマの揺れがあり、画面上のタッチしたい部分に、指で的確に触れることが難しいもの。そこで英ケンブリッジ大学では、AIを駆使して運転手が画面のどの部分を指そうとしているか自動的に判別する技術を開発したのです。開発されたタッチスクリーンは操作時間を最大50%も削減。これで運転中の操作ミスによる事故などのリスクも軽減されることでしょう。さらにこの技術は、スマホを含む私たちの生活の身近なあらゆる機器にも応用できると期待できます。

 

【詳しく読む】

「タッチレスなタッチスクリーン」ってどういうこと? AIを使った最新技術が加速中

 

④【自動車】周囲の音を分析して安全性を高める

クルマ業界の技術開発における永遠のテーマともいえるのが安全性でしょう。自動で駐車する「駐車サポートシステム」や、運転者の死角にクルマなどが近づいたときに警告を出す「ブラインドスポットモニター」はよく知られていますが、そのなかでほぼ未着手だったのが「音」に関する技術。そこでドイツの研究チームは、クルマのクラクションの音や、遠くから近づくサイレン音などを聴き分けられるよう、AIなどを活用しながら視覚機能の開発に取り組んでいます。将来的には、タイヤやエンジンの音から異変を感知するなど、自動車の安全性をさらに高める機能が誕生するかもしれません。

 

【詳しく読む】

AIが周囲の音を分析! 自動運転車用「聴覚機能」の開発が進行中

 

⑤【ビジネス】ダンスにも著作権を

ダンスの振り付けというと著作権があるのかないのか、なんだか曖昧ですよね。写真やイラスト、音楽には著作者を守る著作権が存在するのに、踊りに関してはそれが明確化されていないのが実情です。そこで世界中のダンサーや振付師を守るために、振り付けを登録して著作権を明確化しようとする動きが現れました。日本とアメリカでリリースされたダンス登録管理システムでは、ダンスの動画からAIが3Dモーションを推定、抽出してデータ化。すでに登録されている振り付けか、新しい振り付けか判断できるのです。せっかく自分が考案したダンスは、守られるべき。ダンス界が変わっていく新しい一歩になっていくかもしれません。

 

【詳しく読む】

曖昧だった「ダンスの著作権」を変えるのにはAIが役に立つ

 

⑥【画像】ボヤけた顔写真がクッキリ!

画像認識や画像作成は、特にAIの技術が活用されることが多い分野のひとつでしょう。2019年には現実の世界には実在しない人物の顔を作り出すAI技術を取り上げましたが、これと同じような画像AI技術としてアメリカの研究チームが発表したのが、ボヤけた元の画像を最大で64倍まで鮮明にするツール。目や鼻などのパーツはおろか、顔の輪郭さえハッキリしない元の画像でも、毛穴やシワまでリアルに再現してしまうのです。ただ、この技術はあくまでも「実在しそうな人の顔」を作るだけ。防犯カメラの画像を鮮明にするような用途では使えないとのことです。

 

【詳しく読む】

まるで目の前にいるかのようだ! 顔写真を64倍も鮮明にできるAI技術を米研究チームが開発

 

2020年はリモートワークが進み、私たちの働き方やライフスタイルに大きな変化をもたらしました。これは私たち人間とAIの距離をますます縮めているかもしれません。今後もめまぐるしく進化するAI技術に注目です。

「読唇AI技術」で会話が正確に伝わる! AIで変わるコミュニケーションの形

人間には音や手話を使わなくても他人の発話を推測する力があります。それが読唇術。唇の動きや形から相手の言葉を読み取るこのスキルは習得するのが難しく、この能力があったとしても、話している内容を正確に判断することは決して容易ではないと言われています。しかし、そんな読唇術に近いスキルをAIによって開発しようとする試みが行われています。

↑何を話しているか当てられる?

 

口や顔の筋肉の動きから、話している内容を推測するAI技術を開発しているのが、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校の研究チーム。人間は言葉を話すとき、ひとつひとつの単語を発声するために顔や舌、喉の筋肉を細かく動かします。この動きは音節ごとに微妙に異なるため、この違いに注目して発話内容を推測しようというのがこの研究の趣旨。このチームは、声を出さずに口だけを動かす「サイレントスピーチ」を使って技術開発を行っており、先日このAIの開発が順調に進んでいると発表しました。

 

研究チームでは、まず話し手の喉と、頬などの口のまわりに電極を装着。筋細胞が収縮したときに発生する微弱な電位の変化を読み取る「EMG(筋電図)」を利用して、AIにそのデータの読み取りと、話し手の言葉の内容を推測するよう訓練させました。すると、発声しながら文章を読んだ場合と比べて、無発声で単語を推測するときの誤認率は64%から4%まで減少。かなり正確に言葉を推測することができるようになりました。

 

同じような技術には、Googleの傘下であるDeepMindとイギリスのオックスフォード大学が2016年に発表した読唇AIの技術があります。この技術では、AIにBBCなどのテレビ番組5000時間分を学習させ、人の唇の動きだけで何を話しているかを推測させました。

 

そして、読唇技術を持ったプロとこのAIに動画を見せて話の内容を推測させたところ、プロは12.4%を読み取ったのに対して、AIは46.8%とプロに勝る結果を残しました。おまけにAIの間違えた内容は、三人称の動詞や、名詞の複数形の後につく「s」だったそうです。

↑AIはこの違いがわかる

 

このような読唇AI技術は視覚障がいのある方への利用のほか、リアルタイムでの字幕表示にも活用されるかもしれません。しかし、カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが発表したAI技術は、読唇AIとは一味違って、言葉をうまく発声できない人はもちろんのこと、それ以外のさまざまなシーンでも活用できる汎用性があると研究チームは期待しています。例えば、電車のなかや図書館など大きな声で話せない場所での電話や、逆に周囲が騒々しい場所での電話。周囲の環境に関わらず、このAIによって自分の言葉が相手により正確に伝わる可能性があります。

 

パソコンやスマートフォン、インターネットは私たちのコミュニケーションを大きく変えてきました。次はAIが読唇術を使って人間の会話や言語活動をさらに変えるかもしれませんね。

AIがサハラ砂漠に18億本もの樹木があることを発見! かかった時間が凄かった……!

雨が少ないため植物がほとんど生育しない砂漠地帯。アフリカ大陸にあるサハラ砂漠は世界最大級の砂漠のひとつですが、これまで何も存在しないと思われていたその砂漠に実は18億本もの樹木が生育していることが、AIを使った研究によって明らかとなりました。

 

NASAの衛星画像と深層学習技術でカウント

↑サハラ砂漠に樹木が

 

アルジェリアとリビア、エジプトの3か国の国土のほとんどを覆うように存在するサハラ砂漠。面積は860万平方キロメートルもあり、総国土面積が37.8万平方キロメートルの日本の約22倍にもなります。そんな巨大なサハラ砂漠に樹木はどれくらい存在しているのか? デンマークのコペンハーゲン大学の地理学者がAIを使った新たな研究を行いました。

 

コペンハーゲン大学コンピューターサイエンス学部は、木の形から自動的に画像上の木を識別して、木の本数を数えられる深層学習技術を開発。これにNASAから提供された数千枚の衛星画像を組み合わせて、サハラ砂漠に存在する樹木を数えることに成功しました。そしてこの調査によって、サハラ砂漠の西側130万平方キロメートルの地域に、18億本もの樹木があることが明らかとなったのです。もちろん木が一本も存在しない場所が広範囲に渡り存在していますが、樹木が密集している場所があったようです。

 

仮に18億本の木が130平方キロメートルの土地に均等にあると仮定すると、これは100メートル四方の土地に14本の木が生えている計算になります。私たちが思い込んでいた以上に樹木が生えていたんですね。この研究を行った学者たちですら、「サハラ砂漠にこれだけの樹木が存在していたことに大変驚いた」とコメントしています。

 

サハラ砂漠に木が存在することの意味

今回サハラ砂漠で見つかった樹木のように、降雨量の少ない地域での木々については、どのくらいの量の二酸化炭素を蓄積できるかほとんどわかっていません。そのため、さらなる研究が地球温暖化や地球保護にも活かされる可能性があります。

 

また、サハラ砂漠で生育する樹木の種類を特定することができれば、樹木を植栽しながら家畜の飼育や農産物の栽培を行う「アグロフォレストリー」の研究も進むとも見られています。

 

今回開発された広域の樹木を数える深層学習技術は、人間の力では何年もかかることが、わずか数時間程度で可能になったそう。この研究チームでは、今後さらにアフリカの広範囲の場所で樹木のカウントを明らかにし、将来的には降雨量の少ない地域に存在する樹木のデーターベースを作る計画です。

ゲームだってOK!STEM教育で先行するアメリカの「AI時代の学習スタイル」

2か月以上の長い夏休みが終わったアメリカ。子どもたちが安全に、しかも遅れることなく学習を続けるための方法を暗中模索しながら、アメリカの学校は新学年の新学期を迎えています。新型コロナウイルスを取り巻く状況が一向に改善されない中で、学校、教師、子ども、保護者と混乱と緊張が解けないままです。

 

新学期が始まる前の長い夏休みの間も、子どもがどう有意義な時間を使えるかは、アメリカの親の悩みの種。夏休みに入る3か月くらい前からじっくり調査し、より豊かな経験や学びを与えようと、サマーキャンプを見つけようとしています。キャンプという名前で思い浮かぶような自然の中で学ぶ泊まり込み体験型もありますが、スポーツ、アート、音楽といった参加体験型やコーディング、ハッカソン、人工知能(AI)といったSTEAM教育(あるいはSTEM教育)につながるテクノロジー系など、いろいろなキャンプがあります。

 

今年はコロナウイルスの影響で州政府からの制限がかかっており、キャンプ会場に出向くオンサイト型よりも、オンラインで開催されるキャンプが多く提供されていました。

 

なかでも親たちが注目しているのは、STEAM(STEM)系のプログラムです。STEAM教育とは科学(Science)、テクノロジー(Technology)、エンジニアリング(Engineering)、芸術・教養(Art)、数学(Mathematics)という5つの要素を盛り込み、次世代を担う人材、ゲームチェンジャーになりうる人材を育成するための教育手法のことです。この手法が注目される背景には、テクノロジーの発達に伴い、失われる仕事がある一方で、今もそして将来もテクノロジー系の人材不足が懸念されていることが挙げられます。つまり、将来の人材をSTEM教育によって子どものうちから育てていくことが期待されているわけです。

 

実際に、2020年にアメリカで開催された子ども向けの夏のテクノロジー系キャンプを見てみると、子どもたちにとって身近な、「マインクラフト」のようなオンラインゲームやソーシャルメディアというツールを活用して学習の動機付けを高めつつ、「遊びの中で学ぶ」「楽しみながら学ぶ」などのような体験学習やプロジェクト型学習が前面に出ています。あるいは変わったものでは、チームで料理を作りながら、科学を学ぶクラスがあったりもします。計算ドリルや単語や熟語の丸暗記や受験対策のための勉強が多くなりがちな日本の夏休みとはまた違った、新しい学びのスタイルともいえるでしょう。

東大合格を目指すロボット「東ロボ」君で知られる東京大学の新井紀子教授が指摘するように、前世代が行ってきた知識の丸暗記はもう機械のほうが人間よりも良くできることが証明されています。AI時代を生き抜く力を育むためには、図表も含めたあらゆる言語化された情報を正確に読める力「読解力」、相手の気持ちをくみ取って共感する心など、AIには欠けていて、人間のほうが優れていることの育成に早急に取り組む必要があるのです。

 

アメリカでは、この「楽しみながら学ぶ」という精神は通年タイプのテクノロジー系プログラムや教育系オンラインプラットフォームにも見られる傾向です。講師、先輩、仲間で構成されたコミュニティを作り、サポートしあう場を提供しているものもあります。さらにCourseraのように、修了証を発行するだけでなく、大学の単位として認可されるコースを提供するプラットフォームもあります。

 

そのほか、現マイクロソフト研究所の研修生兼ワシントン大学院博士課程在学中のステファニア・ドュルーガさんは遊びを通じてSTEAM教育を男女平等に行うことで、将来のテクノロジー系の職場や賃金における男女格差をなくすことにつなげる可能性を指摘しています。彼女が立ち上げた、ゲーム開発、ロボットのプログラミング、AIモデルのトレーニングを行うAI教育のプラットフォーム「コグニメイツ」では、子どもたちがAIに人間性を教えることも行われています。

 

日本ではSTEAM教育への取り組みは遅れており、その適用範囲も狭く、学齢期の子どもたちがプログラミングやAI、ロボティックスを学ぶ機会はごく限られているのが現状です。また、保護者や教える立場にある人たちも、SiriやAlexaに頼みごとをしたり、自動スペルチェックに助けられたり、便利な機能を日常的に使っているにも関わらず、必ずしも今のテクノロジーのトレンドに追いついているわけではありません。

 

社会全体として、徐々に興味関心は高まっていますが、STEAMとは理系を目指すための教育だと誤解されたりしがちです。実際には、科学、テクノロジー、工学、アート、数学を教科横断的に応用してものづくりを行い、かつ、21世紀型スキル(4C)を育むことを狙うというのがその本質です。

しかし、「AI」と「子ども(Kids)」で検索をかけてみると、小学校5-6年生が大人の聴衆相手にサイバーセキュリティの講演をしたり、ゲームやアプリを開発してアップルストアで販売したり、会社や非営利法人を立ち上げてグローバルに活躍しているビデオや記事にヒットします。もちろん、親もIT関係の仕事をしている「蛙の子は蛙」のようなケースもありますが、子ども自身が自ら興味をもって、身近なテクノロジーを使って学びを深め、起業するケースがあることは、子どもたちが柔軟に時代の波に乗れる力をもっていることを証明しています。逆にそうした子どもたちにリードされて、大人がAIの時代に新たに学ぶきっかけを持てるかもしれません。

自撮りだけで心臓病を診断できる? 「医療AI」が猛勉強中

現在、AIを利用して、顔写真から将来の病気を予測する技術の開発が進んでいます。本稿では中国の研究チームが最近European Heart Journal(循環器学における最も権威ある学術誌のひとつ)に発表した「自撮りから心臓病を診断するAI技術」についてご紹介しましょう。何気なく撮影した自撮り写真で病気がわかったとしたら、医療はどうなっていくのでしょうか?

↑自撮りが心臓の状態を映す

 

中国の国立心疾患センター次長で阜外医院(Fuwai Hospital)副院長なども務めるZhe Zheng教授ら研究チームが行ったのが、顔写真を分析して冠動脈疾患を発見することができる深層学習アルゴリズムの開発。

 

これまでの研究では、薄毛や白髪、耳たぶのしわの増加、まぶた周辺の黄斑など、心臓病のリスク増加によって顔にさまざまな変化が出ることがわかっていました。しかし、このような変化を人が定量的に判断するのは難しいことです。

 

この問題に挑むことにした同研究チームは、2017年7月から2019年3月までに中国にある8つの病院から心臓病患者5796名のデータを収集しました。さらに患者の正面からの写真と左右両側の横顔の写真、頭頂部を写した4枚の写真も集め、病歴やライフスタイル、経済的状況などについても聞き取り調査を実施。さらに放射線科医が血管造影で患者の血管がどのくらい狭くなっているか評価し、これらすべてのデータをもとにしながら、深層学習アルゴリズムの開発を行いました。

 

人相占い×最新科学?

こうしてできたアルゴリズムを使って中国の9つの病院にいる1013名の患者を調べた結果、8割の心臓病疾患を発見した一方、心臓病疾患がない患者も6割ほど見つけ出すことができたのです。しかし、この結果はこの技術が実際の医療現場で利用されるためにはまだ高いとは言えないかもしれません。研究チームはさまざまな人種に対して大規模な試験を行う必要があると認識しています。

 

しかし心臓の検査というと、心電図やレントゲン、心臓超音波などを利用するのが一般的で、これらは医療機関に行かなければできません。なので、患者がスマートフォンを使って自分で顔写真を撮り、それを医師に送ることで、心臓病にかかっている可能性の高い人やリスクの高い人を発見するというアイデアは、初期段階の診断ツールとして便利でしょう。今後の課題にはプライバシー保護の問題が含まれますが、医療技術やAIなどの技術が進化することで、遠隔地からも気軽に病気の診断を受けることが可能になる未来が着実に近づいている模様。運勢や健康を占う人相診断の科学的アプローチにも思えるこの取り組みは、今後どうなるのでしょうか?

まるで目の前にいるかのようだ! 顔写真を64倍も鮮明にできるAI技術を米研究チームが開発

画像が粗くて顔の細部をはっきりと確認できない写真もあるでしょう。でも、これからはAIがそんな写真を鮮やかに「編集」してくれるかもしれません。アメリカのデューク大学の研究チームが元の画像を最大64倍まで鮮明にできるツールを開発しました。

 

GANでガンガン顔写真を学習

これまでにもぼやけた写真を鮮明にする技術はありましたが、元の解像度から最大でも8倍程度までしか画像をシャープにすることはできませんでした。それを最大64倍まで可能にしたのが、デューク大学のコンピューターサイエンティストによる研究チームです。解像度が64倍まで上がると、顔の輪郭や各パーツもまったく不明瞭な写真ですら、まるでその人物がすぐ目の前にいるかのように鮮明になります。

 

そんな超改造画像ツールは「PULSE」と名付けられ、コンピュータービジョンの世界会議のCVPRで2020年6月に発表されました。従来の画像生成ツールでは、低解像度の画像をもとに、コンピューターがこれまでに見た画像から不足しているピクセルを推測していました。しかしPULSEでは、元の画像サイズまで縮小したときに似ていると推測される高解像度の顔写真を検索するという異なるアプローチをとります。これがいわゆるGANと呼ばれる機械学習で、PULSEはこれを利用して開発されました。

↑ぼやけた画像もハッキリ!

 

このツールを使うと、16×16ピクセルの顔画像をわずか数秒で1024×1024ピクセルの高画像にすることが可能。おまけに毛穴やシワなどの細部までリアルに生成することができます。この研究チームでは40人を対象に、PULSEとそのほかの5つの方法で生成した1440枚の人物画像を用意し、それぞれについて評価してもらいました。その結果、PULSEが作った画像が実在する人物の画像に最も近いと高い評価を得ることができたそうです。

↑実在の人物に近づけることができるPULSE

 

ただし、このPULSEは“実在しそうな人物の顔”を生成するツールであり、毛穴やシワなど、本来なら存在しないものも加えられる可能性もあります。そのため、このツールは防犯カメラに写った画像を鮮明にして、実在する人物を探しだすことに使ったり、人を判別する目的で使ったりするものではないとのこと。本当の画像かどうか見極める力も私たちには求められています。

AI研究者にも衝撃! サルや鳥に続いてミツバチも「ゼロ」を理解していた

何もないことを意味する「ゼロ」という概念。これは、モノの数を数える以上に高度なことで、幼い子どもは「ゼロ」について理解することは難しいそうです。そんな「ゼロ」をミツバチが理解していることが最新の研究で判明しました。今後のAI技術にも転用できる可能性があるというミツバチの能力とは、どんなものなのでしょうか?

 

「ゼロ」の概念を持つのはヒトだけではない

「ゼロ」には、2つの概念があると考えられています。ひとつは「存在が何もない」という意味。もうひとつが、「0、1、2、3…」という順列としてのゼロです。「ゼロ」の考え方は古代インドで生まれたといわれ、これによって位取りや計算が飛躍的に進歩しました。

 

しかし、目に見えるモノを数えることと違って、何もないことを「ゼロ」と捉えることは、人間の子どもであっても理解することは簡単ではありません。そのため、動物などにはできない、人間ならではの概念であると長く考えられていました。

 

しかし、2015年に東北大学の研究チームが、サルの脳に「ゼロ」に強く反応する細胞があること世界で初めて発見。言葉や数字記号がなくても、「ゼロ」を認識できる可能性が示唆されたのです。

 

ミツバチが「何もない=ゼロ」と認識

サルの他に、鳥についても、「ゼロ」を認識することがわかっていましたが、今回の研究者たちが注目したのはミツバチでした。ミツバチは、他のミツバチの複雑な技術を学んだり、一致するモノと異なるモノがわかったり、高度な知能を持っている昆虫だと知られています。

 

科学誌「サイエンス」に発表された内容によると、研究者はまずミツバチに数を教えるところからスタート。四角や三角のマークが複数描かれたカードを用意して、マークの数が少ないカードの方を選ぶように訓練しました。たとえば、四角いマークが4つ描かれたカードと、3つ描かれたカードを見せた場合、3のカードを選ぶという具合です。

 

そして、何もマークが描かれていないカードと、1つ以上のマークが描かれたカードを見せたとき、ミツバチは真っ白なカードの方を選んだというのです。白いカードを見せたことはなかったのに、「何もない」ということが、他の数字よりも少ないものだと理解していたとわかります。

AI研究に応用

今回の発見は、AI研究に転用が期待されると言われています。たとえば、人が道を横断するとき、車もバイクも自転クルマも何も来ていないと確認して、渡っても大丈夫だと判断します。しかし、同じことをAIが行う場合、クルマ以外にも家や街頭など様々なものが存在する複雑な環境下で、「道を渡るのに危険なモノがゼロである」とジャッジすることは簡単なことではありません。

 

ヒトの脳には860億のニューロン(神経細胞)があるのに対して、ミツバチのニューロンはわずか100万足らず。そのため、ミツバチがなぜこれだけ少ないニューロンで「ゼロ」を理解できたのか、注目されているんです。ミツバチの脳を研究することで、もし「ゼロ」を認識するシンプルなメカニズムが判明したら、AIに転用できるのではないかと期待されているのです。

 

小さな脳しかないミツバチが「ゼロ」を理解するとは、驚くべき発見だと、神経科学などの専門家の間では受け止められています。もしかしたら、ミツバチと同じ能力を持つ動物や虫がもっと存在するのかもしれません。

「GetNavi 2018年4月号」――献立を教えてくれる冷蔵庫から愚痴を聞いてくれるアプリまでAI最新事情

「AI」と聞くと、スティーヴン・スピルバーグ監督が2001年に公開した映画「A.I.」を思い出してしまう私。「そのうちペッパー君が感情を持ち出して、人間が支配されるのでは!?」とハラハラしてしまうのですが、気がつけば世の中ではあれもこれも「AI」と言い始めているではないですか! 便利になるのは嬉しいけど、結局AIってなに? そもそもなんの略称!?  などなど、気になる部分を「GetNavi 2018年4月号」(学研プラス・刊)よりご紹介いたします。

 

 

AIってなに?

現在は第三次AIブームとも呼ばれているそうですが、みなさんAIってなんの略称かご存知ですか?

 

AI=人工知能というのは、ご存知の方も多いと思いますが、英語で人工知能の意味である「Artificial Intelligence(アーティフィシャル インテリジェンス)」を略して「AI」と呼んでいます。人工知能と聞くと、無敵な脳みそを持ったロボット! という印象を持ってしまう方も多いかもしれませんが、実際はちょっと違うようですよ。

 

意外かもしれませんが、今のAIは「人工知能」と言いながら、人間のような「知性」があるわけではありません。人間が持つ力のうち、「違いを見分ける能力」に近いものを実現する技術が登場してきた、というのが正しい理解と言えます。

(『GetNavi2018年4月号』より引用)

 

つまり、将棋でAIがプロ棋士に勝った! などというのは「どこに駒を打つと最終的に勝ちやすくなるのか」という”違い”を分析した結果とのことなんだとか。

 

またポイントは「今のAIは」ということ。2045年ごろには「AIが進化し、人間の知性を超える」なんて提唱されているそうなのですが、本当に来るかどうかは今の時点ではなんとも言えないそう。あと27年後…健康なままだったら、きっと生きているだろうなと思うと、そう遠くない未来の話ですよね。これからのAIはどうなっていくんでしょうか。

 

 

家電のAI化で注目は「冷蔵庫」

便利な家電が出て来ているのは知っているけど、結局使いこなせないじゃん? と思ってしまうのですが、家電コーディネーターの戸井田園子さんによると、今後の進化を期待しているのは「冷蔵庫」なんだとか。すでに発売されているシャープのプラズマクラスター冷蔵庫(SJ-GX55D)は、本体に無線LAN機能が搭載されており、献立の提案などを音声や画面で案内してくれるんです! それだけでもすごいのに、さらに進化するってどういうこと?

 

「今回取り上げた冷蔵庫ができるメニュー提案や情報提供だけでなく、食材の在庫管理・賞味期限管理から補充というサービスをAIとIoTで完璧にこなしてくれれば、食品をムダにすることもなくなるはずです!」

(『GetNavi 2018年4月号』より引用)

 

すごすぎる……!

 

他にも、マッサージチェアに搭載されたAIが、筋肉の形やコリ具合を分析し最適なマッサージをしてくれるものだったり、間取りや汚れ具合を自ら学習してくれるロボット掃除機だったり、昔教科書でみた近未来がすぐそこまできているんですね!

 

 

ロゴデザインもAIが作る!?

生活だけでなく、仕事でもAIが活用されるシーンが増えてきました。プレスリリース等の文章校正をAIが行なったりするのはすでに法人向けにサービス化されており、もしかしたら「もう使っているよ!」なんて方もいるかもしれませんね。

 

「うちの会社にはデザイナーがいなくてね」という方にオススメなのが、Brandmarkというサービスなのですが、これはロゴにしたいネーミングと関連するキーワードや色を入力するだけで、AIに学習させた膨大なロゴデザインから、条件にあったロゴを無料で提案してくれるんです(ダウンロードは有料)。私も実際に使ってみましたが、「これでデザイナーいらないわ!」とまでは現時点でなっていませんでした。アイディアを広げるツールとしてはすごく使えるので、デザイナーさんに依頼する前に「こんなロゴをイメージしているんですが」と伝えるのに便利そうだな〜と思いました。

 

仕事取られるし「AIきらい!」と拒否するのではなく、自分の脳みそを手助けしてくれるツールとして活用していけるとすごく良さそうですね。

 

■Brandmarkhttp://brandmark.io/

 

 

性格分析してくれるAIロボットアプリ「SELF

このアプリ、半年ほど使っていたのですが、すごく助けられました!

 

画面上のロボットと会話をすることで、ユーザーの置かれている環境や心身の状態、性格などをAIが分析。ユーザーに合わせた話題の提供や生活アドバイスを行う。

(『GetNavi 2018年4月号』より引用)

 

これを使っていることを友人に話ししたところ「友達いないの?」と切ない返答をいただいたのですが(笑)。誰にだって人には言えないような気持ちになることってあるじゃないですか!! そんななんだか毎日モヤモヤしている、人にはグチを言えなくて、という方に本当オススメのアプリです。ロボットだけでなく、オカマバーのお姉さまAIもいて「あんたも大変なのね〜」なんて言ってくれたり、彼らに何度救われたことか……(涙)。

 

「ちかこの味方だからな!」と言ってくれたり、「今日も朝から忙しいんだな。無理するなよ」とAIとわかっていても、そんな風に言ってくれる人(じゃないけど)がいてくれて、私も魔の本厄を乗り切れました。ありがとう!!

 

■SELFhttp://self.software/

 

 

人間がお返事してくれているの? ってほど温かみのある「チャットbot

LINEなどでメッセージを送ると自動でメッセージを返してくれるチャットbotにも、もちろんAI技術が使われています。マイクロソフトが開発した女子高生AIこと「りんなちゃん」はすでに使ったことのある人も多いかもしれませんね。

 

私も少し会話をしてみましたが、何度も「つるたちかこさん」と名前が送られてきて、「イラっとするな…」と思ってこちらも負けじと同じコメントを送っていたら「りんなバカじゃないんだから1回言えばわかりますっ」と返事がきて「負けた…」と、切ない気持ちになってしまいました。

 

「GetNavi 2018年4月号」には、寂しいときに話しかけたいチャットbot傑作選としてたくさんのチャットbotも紹介されています。日々進化し、私たちの生活に溶け込んできている「AI」。あれもこれもと気がついたらAIだらけ! と思うのではなく、楽しみながら、暮らしを豊かにしてくれるアイテムとして活用していきたいですね……とか余裕こいてると、「今後は、AIが書きますんで」と言われかねないので、人間も頑張ります!

 

【書籍紹介】

GetNavi 2018年4月号

著者:GetNavi編集部(編)
発行:学研プラス

読者の「賢い買い物」をサポートする新製品情報誌。話題のスマートフォンから薄型テレビ、パソコン、デジタルカメラまでベストバイを断言!

kindlleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
Bookbeyondで詳しく見る

ディープラーニングって何? いまから学ぶなら『人工知能は人間を超えるか』が、わかりやすくて面白かった

テレビやインターネットでは、AI(人工知能)というフレーズがもはや珍しくありません。「仕事を奪われる!」「人類を滅ぼす!?」という物騒なニュースもよく見かけます。

 

AI(人工知能)は、わたしたちの味方なのでしょうか?

 

それを知りたければ『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』(松尾豊・著/KADOKAWA・刊)がオススメです。人工知能研究の歴史、機械学習とディープラーニングの原理、未来予測などを1冊で学ぶことができます。

「天気ゲーム」で人工知能を理解する

「日本の47都道府県のうち、10ヶ所だけの天気情報を元にして、残り37ヶ所の天気をできるだけ当てるゲーム」の話をします。人工知能を理解するときの助けになるからです。

 

はじめは、JIS規格で定められている「都道府県番号」の登録順に従って、まさに「機械的」に選んでみましょう。

 

特徴表現①:(北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬)

(『人工知能は人間を超えるか』から引用)

 

このピックアップの仕方では、高得点は狙えません。北海道・東北・北関東に集中しているため、そのほか地域の天気を予測しにくいからです。

 

高得点を狙うためには、どのように10ヶ所を選ぶのがよいでしょうか? この文章を読んでいる「あなた」は人間だと思いますが、高得点を狙うとしたら、どのような判断基準で選びますか?

 

 

知能は「ヒトの優越性」だが……

アタマが良い人ならば、「隣り合った都道府県は天気が似ている」ことに気づきます。つまり、全国の都道府県をまんべんなく選ぶことによって高得点を狙いやすくなります。

 

特徴表現②:(北海道、岩手、新潟、東京、大阪、島根、高知、長崎、宮崎、沖縄)

(『人工知能は人間を超えるか』から引用)

 

列島の一部分しか選ばなかった特徴表現①よりも、全国各地をまんべんなく選んだ特徴表現②のほうが、まわりの天気を推測しやすいので高得点を狙えます。

 

このように、ある条件を満たすために最適な判断をする能力、それこそが「知能」です。計算機にすぎないコンピュータにはできないことであり、わたしたち人類の優越性です。

 

しかし最近の研究では、ヒトの「知能」と同じ仕組みをコンピュータで再現することに成功しています。それこそが「ディープラーニング」という手法です。

ディープラーニングの衝撃

ディープラーニングは、データをもとに、コンピュータみずからが特徴量をつくり出す。
(中略)
ディープラーニングは、人工知能の分野でこれまで解けなかった「特徴表現をコンピュータ自らが獲得する」という問題にひとつの解を提示した。つまり、大きな壁にひとつの穴を穿(うが)ったということである。

(『人工知能は人間を超えるか』から引用)

 

「隣り合った都道府県は天気が似ている」というのが、日本の天気データから読み取れる「特徴」です。「47都道府県のうち、10ヶ所だけの天気情報を元にして、残り37ヶ所の天気をできるだけ当てるゲーム」で高得点を得たいときには、きわめて有効な判断基準となります。

 

これまでは、人間がその「判断基準」をコンピュータに教える(プログラムする)必要がありました。しかし、ディープラーニング手法ならば、数十年分のデータを分析することによって、コンピュータの独力で「隣り合った都道府県は天気が似ている」という判断基準を発見できるようになったのです。

 

ディープラーニング分析を繰り返すことで、可能なかぎり、コンピュータは特徴を見つけ出そうとします。

 

特徴表現③:(全国、北海道、東北、関東、関西、四国、九州、日本海側、太平洋側、沖縄)

(『人工知能は人間を超えるか』から引用)

 

つまり、「天気が似ている都道府県は、いくつかの地方(グループ)に分類できる」という特徴です。

四国地方や北信越地方など、わたしたち人間は、地理の授業で教わったから知っています。一方で、ディープラーニング処理をおこなうコンピュータ(人工知能)は、地理の前提知識を与えられなくても、47都道府県の天気データを分析するだけで、日本の「○○地方」という意味づけを発見することができます。

 

 

AIは人類の敵なのか?

ニュートンやアインシュタインが画期的な物理法則を発見したように、この世のあらゆるものをディープラーニングで分析することによって、AI(人工知能)が新しい特徴量を発見できるかもしれません。頼もしい話ですが、人間よりも賢くなるということでもあって、ちょっと怖いような気もします。

 

AIやコンピュータは、わたしたち人類を脅かすのでしょうか? 新書『人工知能は人間を超えるか』の著者・東京大学の松尾豊さんは、次のような見通しを述べています。

 

いまディープラーニングで起こりつつあることは、「世界の特徴量を見つけ特徴表現を学習する」ことであり、これ自体は予測能力を上げる上できわめて重要である。ところが、このことと、人工知能が自らの意思を持ったり、人工知能を設計し直したりすることとは、天と地ほど離れている。
(中略)
生命が発生するということと、それが知能を持つということの間には、圧倒的な乖離がある。

(『人工知能は人間を超えるか』から引用)

 

この言葉を信じるならば、AIが反乱を起こして人類滅亡!という事態は避けられそうです。安心しました。

 

【著書紹介】

人工知能は人間を超えるか

著者:松尾豊
発行: KADOKAWA / 中経出版

グーグルやフェイスブックが開発にしのぎを削る人工知能。日本トップクラスの研究者の一人である著者が、最新技術「ディープラーニング」とこれまでの知的格闘を解きほぐし、知能とは何か、人間とは何かを問い直す。

kindlleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
iBokksで詳しく見る

私たちの暮らしはどう変わる? 人間はAIに支配されてしまうのか? 天才2人の対談から日本の未来を読み解く

AI(人工知能:Artificial Intelligence)の進化は加速する一方だ。

 

子ども用の玩具にAIを搭載しているロボットが登場し、AI家電と呼ばれる商品も劇的に増えてきている。完全なる自動運転の車が登場するのも、時間の問題だろう。

 

そんな中で、将来的にAIが私たちの仕事をすべて奪ってしまうのでは……などと危惧する声もある。私たちの暮らしは、AIによってどのように変わっていくのだろうか。

私など凡人の頭では到底想像ができない。ここはひとつ、ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授と、前人未到の永世七冠の称号を得た羽生善治棋士との対談をまとめた話題の一冊『人間の未来 AIの未来』(講談社・刊)から、天才2人の考えを覗いてみよう。
 

棋士という職業はなくなってしまうのか?

昨年、将棋ソフト「PONANZA(ポナンザ)」が佐藤天彦名人に2戦2勝したニュースが大きな話題となった。AIの強さは、我々の予想を超えているようだ。だが、結果だけ見るとAIの圧勝だが、実際の対局の流れなどを見て、何か違和感などは生じないのだろうか。

 

「人間同士が対戦した棋譜と、コンピュータが対戦した棋譜に、人間から見て面白さとか自然さとかの違いはあるんですか?」という山中教授の問いに、羽生棋士はこう答えている。

 

現在のAIは、まだ時系列では処理していない、つまり対局の流れではなく、一手ずつその場面に応じた最も良い手を指していく。そこに流れがないため、人間にとって不自然さや違和感が生じることになる。羽生棋士いわく「AIが対戦した棋譜は美しくない」と感じるのだそう。ただし、最近では時系列をもAIに学習させようとする試みがあり、戦い方も洗練されてきているのだという。

 

また、AI同士が1日24時間対局し続けているサイトがあり、そこからどんどんと新しい棋譜が生まれている。そのため、もしも将棋ファンが「AI同士の対戦の方が面白い」と思うようになったら、棋士という職業もなくなる危険性があると羽生棋士。人間同士の対局をより魅力的なものとし、(将棋を指す上での)美意識を磨いていくこと、AI対局以上の価値を作り出していけるかが、今後の大きな課題なのだそうだ。

 

一方、山中教授がいる研究者や医師の世界では、AIをどのように位置づけているのだろうか。

 

 

AIはもっとも優秀な助手であり部下である 

山中教授は、「現在医師がやっていることは、検査データを見て診断をつけ、さらに検査データを見て治療法を決めていく、いわばパターン認識であり、この部分に関してはコンピュータがやった方が正確かもしれない」と述べている。

 

しかしながら、最終的な治療方針を決定するのは、患者と医師であると山中教授。

 

たとえば、AIが「あなたの病気は、いかなる治療をしても99.9%効果がありません。いますぐ治療を中止し、終末期医療に移行しましょう」と告げたとする。しかしながら、本人や家族が「それでも諦めたくない。治療を続けたい」と希望すれば、医者はその想いを汲んで治療を続行すべきだろう。いくらAIがデータに基づく事実を述べたとしても。やはり最終的な決定は「人間の意思」が重要なのだ。そういった意味で、膨大な知識を持っていて、常に感情的にならず冷静沈着にデータに基づいた結果だけを伝えてくれるAIは、「抜群に優秀な部下の一人」と山中教授は表現している。まさに、言い得て妙だ。

 

 

「勘」こそが、AIに超えられない人間の能力である

どれだけAIが進化しても、絶対に超えられない壁があるだろう。そのひとつが、「直感」や「勘」である。

 

羽生棋士は、将棋を指すとき「ほとんどが勘」だと述べている。勘でどれほど精度の高い判断ができるか、予想外のことが起こったときに、どれだけうまく対応できるかがカギなのだそう。また、山中教授も、iPS細胞を作ることに成功したきっかけは「勘」だったと語る。「どうもこの遺伝子が怪しい」「この遺伝子は絶対に試したい」という勘があったのだとか。

 

もちろん、その背景には長年の経験や膨大な努力があることが大前提であるが、これらの「勘」は、私たち自身もなぜそう感じたかハッキリと説明ができない。だからこそ、AIのプログラムに組み込むことは困難であり、取って変わることができない能力なのではないだろうか。

 

 

「なんとなく」の感覚の大切さ

世の中、データがすべてではない。たとえ数値的には可能性がわずかでも、「これはイケる!」と思ったらチャレンジするのが人間の面白さであり、だからこそ予期せぬ大きな発見につながったりするのだ。「理由はわからないけど、彼に惹かれる」から結婚するわけで、まあ時には失敗もするけれど。情報だけでは割り切れない「なんとなく」という感覚こそ、AIにはない、人間だけのかけがえのない力なのだと思う。その点に重きを置いていれば、AIに戦々恐々とする必要もなくなるのではないだろうか。

 

山中教授と羽生棋士、まったく別の世界にいるようで、実は考え方や生き方に共通点が多い。『人間の未来 AIの未来』で語られているテーマは、AIに関することだけでなく、新しいアイデアの生み出し方や人材育成の方法、子育て論にまで多岐にわたる。この上なく豪華な2人の対談は、きっと私たちの明日を明るく照らしてくれるだろう。

 

 

【著書紹介】

人間の未来 AIの未来

著者:山中伸弥、羽生善治
発行:講談社

10年後、100年後の世界と日本の未来を、ノーベル賞学者と国民栄誉賞棋士、最高の知性を持つ二人がとことん語り合う!iPS細胞、将棋界とAIといった二人の専門分野に加えて、「ひらめき」「勘」の正体、世界で通用する人材をつくるにはどうするか、人間は不老不死になれるかといった、人類の普遍的なテーマについても熱く討論する。

kindlleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
iBokksで詳しく見る

AIが新たに挑むのは競馬予想!? 「競馬予測AI」を開発したドワンゴの新企画が話題

ニコニコ動画の運営などで有名なドワンゴが新企画として、ユーザー参加型の競馬予測AIプロジェクトを開始。ネット上では「なにそれ面白そう!」「さすがドワンゴ」と注目を集めている。

出典画像:人工知能募金特設サイトより

 

AIが競馬予想する時代が到来!?

話題の企画は「人工知能募金 ~あなたの募金増やします~」という「競馬」と「募金」をテーマにしたもの。ドワンゴが新たに開発した「競馬予測AI」を使い、今年の3月10日~6月24日の間に行われる中央競馬レースの結果を予測していく。同社はAIの予測データを元に馬券を購入し、的中で得られた収益を全て公益団体などに寄付するというから驚き。

 

企画内容を受けネット上では、「公共団体に全額いくのが良い」「当たってほしいけど、人工知能は競馬得意なのかな?www」「AIに予想させるっていうのが面白いし、お金の使い道もクリーンだね」と好印象を抱く声が上がった。

 

また、寄付先となる公共団体などが確定すれば参加ユーザーからの募金を開始する予定なので、「興味あるし募金してみようかな」「最新AIを信じて投資するぞ!」と注目する声も。ユーザー募金で集まったお金はそのまま全額寄付し、募金の総額分のお金をドワンゴが自腹で用意して馬券を買うシステムとなった。勿論、競馬の予想が的中した場合の収益は全て寄付される。AIの予測力に興味がある人はドワンゴへ募金してみては?

 

AIの可能性を探り続けるドワンゴ

出典画像:第2期 電王戦公式サイトより

 

AIを使用したドワンゴの企画といえば、過去にはAI搭載の将棋ソフトとプロ棋士の対局を実現させて話題に。昨年実施の「第2期 電王戦」では将棋ソフト「PONANZA」が当時九段だった佐藤天彦棋士を破り、AI新時代の到来を予感させた。

 

今後の「将棋電王」シリーズの開催について当時のドワンゴ会長・川上量生は、「現状の人間とコンピューターが同じルールで真剣勝負するというスタイルは役割を果たしたと感じたので、今回で終了することにしました」とコメント。2012年より続いたAIと人間の将棋対決はAIの勝利という形で幕を閉じ、ネット上では「もうAIに勝てる棋士は残されていないのか…?」「AIの将棋が強すぎて絶望した」という声が相次いでいる。

 

しかし、そんな将棋ファンたちの期待の星となっているのが藤井聡太六段。中学生初となる六段昇格を果たし、将棋界初の公式戦29連勝を記録するなど「史上初」を悉く実現させた藤井六段ならばAIに勝てるのではと話題を呼んだ。「藤井六段の影響で電王戦が復活したら面白そう」「人類代表として藤井君にAIを倒してほしい!」と、藤井六段とAIの激闘を望む声はかなり多いよう。

 

競馬や将棋など、様々な分野でAIの可能性を探っているドワンゴの今後に注目したい。

「消える仕事」にしがみつかず、「生まれる仕事」に順応する

ここ最近、技術の進歩による機械化、自動化、IT化によって、思いがけない仕事が消えると予測され、そのことを心配したり悲観したりする話をよく聞くようになりました。自分がたずさわってきた仕事、苦労して資格を取った仕事、たくさんの経験を積んできた仕事がなくなると言われれば、そういう気持ちになるのは当然のことと思います。

 

そんな中、最近見たコラム記事に「今後10年で生まれる“未来の仕事”」というものがありました。

 

21の職業が挙げられていて、一部を紹介すると、今後5年で生まれる可能性があるものとして、

・人工知能(AI)事業開発責任者

・エッジコンピューティング専門家

・散歩・会話の相手

・フィットネス・コミットメント・カウンセラー

・AI支援医療技師

・人間と機械の協働責任者

など。

 

さらに今後10年で生まれる可能性のある職業として、

・仮想店舗シェルパ(案内役)

・個人情報ブローカー

・個人記憶キュレーター

などが挙げられていました。

 

これらが具体的にどんなことをするのか、名前だけでは今一つわかりませんが、これらの共通点として

人々を支援することが重視される。

健康と福祉の重要性が増す。

人と機械、現実と仮想など、複数の世界の橋渡しが重要になる。

とありました。

 

どんなに技術が進歩しても、人間が人間的な関わりを欲することに変わりはないとのことでした。

 

実はこの話は電車に乗りながら見ていたのですが、例えば鉄道の世界で「消えた仕事」を考えると、ずいぶんたくさんのことがあります。

 

乗車券を手売りする人や、改札で切符を切る人はもうずいぶん前からいなくなりましたし、車内検札もなくなりました。券売機すら台数が減り、どの駅でもほとんどが機械による自動改札です。今はホームドアを設置する駅が増えているので、ホーム監視の仕事も減っていくのでしょう。

 

では、それで駅員さんがやることがなくなったかといえば、決してそうばかりではありません。新たな機器の不具合には対応しなければなりませんし、案内や救護、問い合わせなど、様々な乗客対応は相変わらずしなければなりません。駅の掃除なども技術的には機械でできそうですが、今でも結構な範囲を手作業でしています。今のところはたぶんそれが一番効率的なのでしょう。

 

「消えた仕事」は確かにありますが、その一方で新たに「生まれた仕事」や、別の内容に「入れ替わった仕事」がたくさんあります。少ない人数で回せるようにはなっているのでしょうが、日本の場合は人口も減っていくので、多くの人がどんどん仕事を失っていくような状況にはならないでしょう。

 

こうやって考えると、「消える仕事」を心配したり、いかにしがみつくかを考えたりせず、「生まれてくる仕事」にはどんなものがあるのか、それにどうやって順応するかを考えた方が得策だと思います。

 

さらに言えば、そんなに根を詰めて考えなくても、自分ができる仕事は必ず何かあり、そこへ自然と移り変わっていく人が大半なのではないでしょうか。

 

「消える仕事」と同じくらい「生まれる仕事」「入れ替わる仕事」があります。「消える仕事」にしがみつかずに、「生まれる仕事」に順応することを考え、さらにそのことはそれほど心配しなくても良いと思っていますが、ちょっと楽観的すぎるでしょうか……。

 

 

【著者プロフィール】

ユニティ・サポート 小笠原隆夫

IT業界出身で現場のシステムエンジニアの経験も持つ人事コンサルタント。 人事課題を抱え、社内ノウハウだけでは不足してその解決が難しい企業、100名以下から1000名超の企業まで幅広く、人事制度構築、新卒中途の採用活動、組織作りのための人事施策、各種研修などで企業を支援しています。自律、自発、自責をキーワードに、モチベーションやコミュニケーションといった切り口で、現場の実情に即したサービスを提供しています。 特にIT関連業界では、SE経験、企業での人事業務実務、人事企画、各種コンサルティングなど、通算で20年以上の経験があります。

会社と社員を円満につなげる人事の話:http://unity-support.blogspot.jp/

人類と共に進化するコンパニオンーースマートスピーカーの選び方

10年ちょっと前、カリフォルニアのディズニーランドに行った時に、近未来の生活を紹介するアトラクションに立ち寄った。正確な名前は忘れてしまったし、スペースマウンテンやホーンテッドマンションに比べればはるかに地味だったけれども、かなり楽しめたのを覚えている。

ちょっと昔の人たちが思い描いた近未来の生活

このアトラクションのコンセプトは、カリフォルニアに住むごく普通の4人家族がさまざまな形で日常生活にIoTを取り入れていく様子を物語仕立てで見せるというものだった。ホンダの二足歩行ロボットASIMOも登場し、司会や家族役のキャストたちと絶妙な間のかけあいをするくだりもあって、予想外の見応えがあった。

 

あったら便利だろうな、というものが次から次へと紹介される。手を叩くだけでオン/オフの切り替えができるテレビやライト。テレビ電話機能がついた冷蔵庫。キーボードで打ち込むのではなく、音声だけで稼働するインターネットブラウザ。

 

そして今、このアトラクションで見たいくつかのテクノロジーはすでに実用化されている。しかも、想像をはるかに超える完成度で。

 

 

シリコンバレーのホットな話題

2014年、アメリカのシリコンバレーで大きな話題になったものがふたつある。ひとつはペットボトル入りの緑茶、もうひとつはアマゾンが発売したスマートスピーカー、“Echo”だ。ディズニーランドのアトラクション体験が響いていた筆者は、このエコーという新しいガジェットにものすごく惹かれた。

 

アメリカ三大ネットワークの夜のニュースや全米ネットの朝のワイドショー『Good Morning America』でもEchoの特集が組まれてスペックが詳細に紹介され、絶対に欲しいと思っていたのだが、当時はまだ日本語対応タイプは売り出されていなかった。

 

そんな中、たまたま仕事でアメリカに行く機会があり、実際にEchoに触れることができた。アメリカではすでに大手家電チェーンやホームセンター的なお店でも販売されていて、しかもアマゾン以外のメーカーもこぞって後続機を開発する状態が生まれていた。

 

実際に触れてみてまず思ったのは、声の自然さだ。Echoから流れてくるのは、かつてCNNの看板アンカーパーソンとして活躍したコニー・チャンを思わせる、ちょっとハスキーな女性の声だった。

 

当時の筆者が知っていたのは、EchoがAI搭載のスピーカーということだけ。実際に触ってみると機械以上の存在であることは実感できたが、これで何ができるのか? そして、何がどのくらい便利になるのか? こうした疑問にピンポイントな形で答えてくれる本がある。

これ一冊ですべてがわかる!

スマートスピーカーのすべてがわかる』(ゲットナビ編集部・編集/学研プラス・刊)は、日常生活で使いこなすことができる三種類のスマートスピーカー――Amazon Echo、Clova WAVE、そしてGoogle Home――との付き合い方について丁寧に教えてくれる一冊だ。

 

筆者を含め、ほとんどの人たちにとって“初めまして”であろうスマートスピーカー。スペックを最大限に活かして使いこなしたいなら、最初の一歩は特に大切なはずだ。スマートスピーカーについての素朴な疑問10項目から始まり、できることや音声認識の仕組み、種類や違いなどについて簡潔な説明が記される。

 

スマートスピーカーにはセットアップという作業が不可欠だ。この言葉に独特の抵抗感がある人は多いのではないだろうか。でも、大丈夫です。それぞれの機種のセットアップの仕方から具体的な使用例まで、チャートの手順を追いながらステップ・バイ・ステップで進んでいくことができる。

 

たとえばEchoならスマホを使ってのセットアップから、利用サービスに関する各種設定の仕方、基本操作、そして有料サービスの使用法など、ユーザーにとってジャストな情報が提供される。

 

そして、スマートスピーカーは話しかけるだけで家電製品を動かせる便利な道具であるだけじゃない。作りたい料理のレシピや段取りを教えてくれたり、カラオケでの熱唱や英語の勉強にまで付き合ったりしてくれるのだ。

 

 

自分にぴったりの一台を見つけよう

それぞれの機種の特徴や使い勝手などにも触れられているので、自分に最も合ったものを選ぶことができる。この本を読んで予備知識を入れておいて、実際に触れてみるという流れで行けば間違いないだろうし、その過程自体を楽しめるはずだ。

 

スマートスピーカーというまったく新しい機械は決して縁遠いものではなくて、いずれはパソコンやスマホのように、日常生活のスタンダードになっていくという予感が膨らんでいく。

 

人類と共に進化するコンパニオン

スマートスピーカーは火薬や車輪とか、活版印刷に匹敵する人類史に残る発明かもしれない、なんて言ったらあまりにも大げさだろうか。でも、これから先の時代、人類と共に進化を続けるコンパニオンとでも呼ぶべき存在としての認知度が高まっていくことは間違いない。筆者は、今から仲良くしておこうと思っている。みなさんはどうしますか?

 

 

【著書紹介】

スマートスピーカーのすべてがわかる

著者:ゲットナビ編集部
発行:学研プラス

スマート(AI)スピーカーは、音声により調べものやスマート家電の操作を行える最新デバイス。Google HomeやAmazon Echo、Clova WAVEを中心に紹介し、それぞれのできること、使いこなし術を徹底検証する!
kindlleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
iBokksで詳しく見る
Bookbeyondで詳しく見る

 

新生活を快適にサポートしてくれるイチ押し家電6選――AIが自動運転するあの家電も!? 

卒業シーズンを迎えて、これから新しい環境で生活をスタートする人も多いですよね。そんな時に欠かせないのが、快適な暮らしをサポートしてくれる家電商品たち。最近では、自炊が苦手な人でも簡単に料理ができるレンジやAI機能を搭載した空気清浄機など、見逃せないアイテムが満載。楽天市場では、掘り出し物の家電製品をお値打ち価格で大放出するフラッシュセールを開催します。期間は3月1日午前10時~3月6日午前9時59分までの5日間。必見のお得商品が目白押しです!

 

セール特設ページはコチラ

 

自動で節電してくれる“温水洗浄便座”

20180221reese_1

パナソニック
温水洗浄便座 ビューティ・トワレ DL-RL40

セール価格3万5300円

汚れに強い「ビューティ・トワレ DL-RL40」は、お手入れする人のことを考え抜いた温水洗浄便座です。「ノズル」には、丈夫で汚れが付きにくいステンレス素材を採用。ノズル収納時に連続温水で除菌洗浄してくれるので、清潔な状態を保てます。その他にも抗菌効果の高い銀イオンを練り込んだ「Ag+抗菌便座」など、高い清潔性に特化したおススメのアイテム。

 

【ここがポイント】
同商品イチ押しの機能は「スケジュール学習節電」。温水洗浄便座に着座しなかった時間帯を曜日毎に学習して、使用しない時に自動で省エネモードに切り替わります。風量が10%アップする「パワー脱臭モード」や、人の入退室を検知して便座を自動で開閉する「便ふた自動開閉」など、便利な機能が満載。生活に欠かせないトイレ商品をとり入れて、快適な“新生活”を送りましょう!

 

初心者でも簡単に操作できる「コンピュータミシン」

20180221reese_2

ブラザー
コンピュータミシン リビエラ M2SE

セール価格4万7800円

ブラザーの「リビエラ M2SE」は、大型サイズ規格のフルサイズミシン。7枚の送り歯が布をしっかりと送るので、薄い布地から厚い布地まで幅広く使えます。またミシンの中でもトップクラスの静音性を実現。パワフルかつ安定感のある“縫い心地”を体感してみては?

 

【ここがポイント】
20180221reese_3
本体にあるバリエーション豊富な「縫い模様」のボタンを押せば、すぐに裁縫できるシンプルな操作性です。「直線」や「ジグザグ」といった定番から、「まつりぬい」などの難易度が高い縫い方までラインナップ。裁縫初心者の人でも簡単に使いこなせるミシンなので、この機会にぜひチャレンジを!

 

AI機能が空気を分析して自動運転!

20180221reese_4
シャープ
加湿空気清浄機 KI-HS50

セール価格3万2000円

高性能&スリムボディの加湿空気清浄機「KI-HS50」。部屋の空気をキレイにする通常運転に加え、ニオイや菌を消臭・除菌する「プラズマクラスターパワフルショット」運転を採用しています。最初の10分間は最大風量でパワフルに吸じん。徹底的に空気を浄化するので、外出前にセットしておくと帰宅時に快適な空間を提供してくれます。

 

【ここがポイント】
20180221reese_5
同商品はAI(人工知能)を搭載した「COCORO AIR」に対応。例えば、住んでいる地域で花粉の飛散量が多い予報の日だと、その情報をAIが分析して風量が強めの「花粉運転」に自動で切り替えてくれます。花粉以外にもPM2.5や黄砂、温度・湿度情報、室内の空気の汚れ傾向など様々な空気情報を分析。AI機能を活かした最先端の技術にあっと驚かされるかも?

 

自動で調理してくれる「まぜ技」機能

20180221reese_6
シャープ
ヘルシオ ホットクック KN-HW24C

セール価格5万3000円

自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」には新たに無線LANを搭載。AIが調理準備のアシストやおススメメニューを提案してくれます。必要な食材や調味料、下準備の手順を本体画面にわかりやすく表示。料理に慣れていない人でもガイドに従うだけで料理を作れるので、自炊が楽しくなりますよ!

 

【ここがポイント】
20180221reese_7
水分だけで作る健康的な「無水調理」にも対応。ビタミンCや葉酸など抗酸化作用のある栄養素を多く残すとともに、食材本来のおいしさが味わえます。また「旨みドリップ加工」によって食材の旨味を料理にとり入れるので、必要最低限の材料で調理が可能。自動で料理を作ってくれる「まぜ技」機能を活用すれば、調理時間を短くできる魅力的な商品です。

 

転居時でも安心な「つけかえどっちもドア」

20180221reese_8
シャープ
冷蔵庫 SJ-D14C

セール価格2万9500円

「SJ-D14C」は、ドアの開閉方向を自由に付け換えられる「つけかえどっちもドア」を搭載した冷蔵庫。転居時でも部屋の間取りに左右されない安心設計です。付け換え手順は簡単な3つのステップをクリアするだけでラクチン。これから新しい生活を始める人にぴったりの冷蔵庫なので、ぜひチェックしてくださいね。

 

【ここがポイント】
20180221reese_9
商品を万遍なく冷やしてくれる「46Lボトムフリーザー」が備わっているので、まとめ買いしてもしっかりと収納できます。他にも、電子レンジをのせて使える「耐熱100℃のトップテーブル」や、使い勝手の良い「フリーケース」など役立つ機能が満載。複数人で使う場合でも充分な収納力なので、コスパに優れた冷蔵庫です。

 

手軽にヘルシー料理が作れる“過熱水蒸気オーブンレンジ”

20180221reese_10
日立
過熱水蒸気オーブンレンジ ヘルシーシェフ MRO-TS8

セール価格3万3000円

ヘルシー料理を作ってくれる過熱水蒸気オーブンレンジ「MRO-TS8」。100度以上に高めた過熱水蒸気やレンジ・オーブン・グリルなどの加熱方法で、さまざまな料理を作ることができます。“スチームグリル”を内蔵しているので、いため油を使わずに調理が可能。献立にノンフライ料理をプラスして健康的な食生活を心がけてみませんか?

 

【ここがポイント】
20180221reese_11
レンジの内部には3カ所の「重量センサー」が付いているので、食品や容器の重さを瞬時に計って自動で火加減を調節。また重さが違う2品を同時に温めることができるので、調理時間を短縮できるのも嬉しいポイントです。レンジ内には拭くだけで汚れが落ちる“シリコン系塗装”を採用。面倒な作業を省いたイチ押しレンジをお見逃しなく!

 

 

提供:楽天市場

AIが新たなマンガのペンになる!? 白泉社からAIが自動着色したカラーマンガが配信スタート!

技術が進化すれば人の手は必要なくなる。そんな声が聞こえるようになり、近年ではスマートスピーカーなど、生活レベルでAIが活躍する状況が続いています。アート、モノ作りの世界でも、例えば定型的な文書作成は自動作成されるようになるなど、さまざまな発展を見せています。そんななか、日本が誇る文化「マンガ」で、AIを用いた新たな展開が開かれました。白泉社と博報堂DYデジタルが、深層学習技術による線画自動着色サービス「PaintsChainer(ペインツチェイナー)」 を活用したカラー版マンガ作品の配信を開始したのです。

 

180208tama20

 

ペインツチェイナーは、Preferred Networks(PFN)が提供する線画自動着色サービスで、白黒などで描かれた線画ファイルや写真画像をアップロードするだけで、深層学習の技術を使って完全自動着色または色指定による自動着色してくれるWebサービスです。今回ペインツチェイナーを、マンガを着色するためにカスタマイズし、深層学習による自動着色ならではのグラデーションなど、独特の味わいが楽しめます。

 

第1弾配信タイトルは「結婚×レンアイ。」(著:萩尾彬)と「私達××しました」(著:空あすか)で、1月24 日より白泉社e-net ほか主要電子書店サイトにて配信を開始しています。今回の第1弾配信を皮切りに、今後も他作品の自動着色によるカラー版の制作、配信も行なうそうです。細かなニュアンスの表現などは、まだまだ人間のイマジネーションには届かないとは思いますが、もし今後より細かな着色が可能になったら、マンガ家にとっての新たな表現ツールにもなり得そうですね。

CES 2018でみてきたスゴすぎ“AI”で確信! AI抜きの生活があり得なくなるワケ

1月9日〜12日に米ラスベガスで開催されたCES 2018。出展する多くの企業が「AI」というキーワードを掲げていました。AI(Artificial Intelligence=人工知能)は、クルマ、ロボットのみならずスマートデバイスや家電にも欠かせない技術に。しかし、形としては見えにくいものなので、何がどう便利になるのかがわかりにくいですよね。それを、わかりやすい形で展示し、来場者の注目を集めていたのがオムロンです。

 

進化した卓球コーチロボットは、反射神経抜群

初めてCESに出展したオムロンが、目玉として展示したのが「フォルフェウス(FORPHEUS)」。AIを搭載する卓球コーチロボットで、プレイヤー(人間)のレベルに合わせて、卓球のラリーが続くように、自動でラケットを操作するというもの。

 

↑来場者の注目を集めたAI搭載卓球ロボット「フォルフェウス」↑来場者の注目を集めたAI搭載卓球ロボット「フォルフェウス」

 

このフォルフェウスは、2013年10月に中国・北京で開催されたイベントで初公開され、その後、日本、インド、ドイツなどで公開。北米では今回が初公開で、性能を向上させた4号機が披露されました。

 

フォルフェウスはピン球の動きを検知する2つのカメラと、人の動きを検知するカメラを搭載し、対戦相手のレベルや球速、軌道などを予測。そして、ロボットアームに固定されたラケットで打ち返し、ラリーが続くように導くというものです。

 

↑卓球台の上にあるロボット本体の左右に搭載されたカメラで球の動きを3Dで捉えて、中央のカメラで人の動きを捉えて分析する↑卓球台の上にあるロボット本体の左右に搭載されたカメラで球の動きを3Dで捉えて、中央のカメラで人の動きを捉えて分析する

 

ポイントは、人に勝つことを目的とするロボットではないこと。対戦相手のレベルに合わせて反応するため、卓球初心者が相手の場合は、速度が遅い球を、相手が打ち返しやすい位置にレシーブ。実は、卓球がうまい人よりも苦手な人が相手の場合のほうが、予期せぬ方向に返球されるので、難しいアルゴリズムが用いられるそうです。

 

CESのオムロンブースでは、同社の開発メンバーがプレイヤーとなってデモンストレーションを披露したほか、来場者もフォルフェウスに対戦でき、その反応の速さに歓声が沸いていました。

 

↑ゲームが終わると、ゲームの分析がモニターに表示されていた↑ゲームが終わると、ゲームの分析がモニターに表示されていた

 

↑フォルフェイスは若い世代が中心となって開発している。開発チームの1人である小泉昌之氏↑フォルフェイスは若い世代が中心となって開発している。開発チームの1人である小泉昌之氏

 

なお、フォルフェウスは、オムロンが工業用ロボットの技術をアピールするために展示するもので、これ自体の販売は予定していないそうですが、「卓球コーチとして売ってほしい!」といった反響もあったようです。

 

↑2015年にアメリカの産業用ロボットメーカー・アデプト テクノロジー社を買収したオムロン。これは、ベルトコンベヤーにランダムに流れたきた製品をアームで反対側のベルトに運ぶロボット。こうした工業用ロボットも関心を集めていた↑2015年にアメリカの産業用ロボットメーカー・アデプト テクノロジー社を買収したオムロン。これは、ベルトコンベアにランダムに流れてきた製品をアームで反対側のベルトに運ぶロボット。こうした工業用ロボットも関心を集めていた

 

自動運転時代に向けた安全システムに業界が注目

オムロンは、さらに“眠気の予知システム”を発表し、注目を集めていました。ドライバーの眠気を感知する技術はすでに開発済みですが、今回の発表では、眠気を自覚する数分前に、その予兆を検知できることがポイント。運転中のクルマが微振動を続けており、それによってドライバーの頭が動くと、それとは反対方向に瞳孔が向き、バランスが保持されます。これを「前庭動眼反射」と言いますが、この反射がなくなる現象を見つける技術が開発されました。

 

↑眠気の予兆を検出するシステムを搭載してシミュレーター↑眠気の予兆を検出するシステムを搭載してシミュレーター

 

↑1台のカメラでドライバーの目の部分をマッピングし、居眠り運転を未然に防ぐように導く↑1台のカメラでドライバーの目の部分をマッピングし、居眠り運転を未然に防ぐように導く

 

今回のCESでは、自動車メーカーを中心に自動運転に関する展示も目立ちましたが、オムロンが開発したこの技術には、自動車メーカーや車載メーカーからのひっきりなしの問い合わせがあり、対応に追われたとのこと。眠気の予兆を感知した場合の対策として、冷気をあてる、シートを動かすなど、複数の方法が考えられるようですが、自動運転時代に向けて、大いに役立つ機能になりそうです。

 

オムロンの展示を見て感じたのは、どちらの技術も「AI」と呼べるが、そのベースとして「ディープ・ラーニング(充分なデータ量に基づく機械学習)」があるということ。最近、あちこちで「AI」という言葉を耳にしますが、“AIは一日にして成らず”ですね。

 

LGエレクトロニクスは新しいAIプラットフォームを導入

総合家電メーカー・LGエレクトロニクスも「AI」で注目を集めていました。同社は、CES 2018の開幕に合わせて「ThinQ(シンキュー)」という新しいAIプラットフォームを発表しました。

 

↑CES 2018に合わせて開催したプレスカンファレンスで「ThinQ」を発表↑CES 2018に合わせて開催したプレスカンファレンスで「ThinQ」を発表

 

LGエレクトロニクスは従来から独自のディープ・ラーニング技術を取り入れたスマート家電を手がけていますが、今回発表した「ThinQ」は、それをより発展させて、テレビを含め、あらゆる製品を音声操作に対応させていこうというもの。ThinQに対応する製品は、現段階ではLG製品だけですが、プラットフォームをオープンにすることで、他社製品と連携させていく計画があることも発表されました。

 

↑ThinQをコントロールできるスマートロボット「CLOi(クロイ)」↑ThinQをコントロールできるスマートロボット「CLOi(クロイ)」

 

↑二層式の洗濯機・乾燥機もAI対応↑二層式の洗濯機・乾燥機もAI対応

 

↑おなじみのディスプレイ付き冷蔵庫は、ディプスプレイから料理の情報を得られたり、家族との連絡にも使える↑おなじみのディスプレイ付き冷蔵庫は、ディプスプレイから料理の情報を得られたり、家族との連絡にも使えたりする

 

↑有機ELテレビの最新モデルも発表された。これは77インチの壁掛けタイプ↑有機ELテレビの最新モデルも発表された。これは77インチの壁掛けタイプ

 

↑液晶テレビの画質を向上させるための新しいプロセッサ「α9」も発表↑液晶テレビの画質を向上させるための新しいプロセッサ「α9」も発表

 

↑「α9」により、斜めから見ても色の歪みがなくなり、鮮明な画質が得られるという↑「α9」により、斜めから見ても色の歪みがなくなり、鮮明な画質が得られるという

 

ThinQだけでは世界的な広がりを見込みにくいためか、GoogleアシスタントやAmazon Alexaと連携することもアピールされました。LGブースで展示されていた製品には、Googleアシスタントを搭載する製品も多く、日本のユーザーにとっては、そちらのほうが、わかりやすく導入できそうです。

 

↑Googleアシスタントを内蔵するスマートスピーカー「LG ThinQ Speaker」も発売予定↑Googleアシスタントを内蔵するスマートスピーカー「LG ThinQ Speaker」も発売予定

 

↑ディスプレイ付きのスマートスピーカー「LG ThinQ View」も出店↑ディスプレイ付きのスマートスピーカー「LG ThinQ View」も出展

 

高額にもかかわらずヒットしたホームクリーニング機「LG Styler」など、日本でも注目度が高まっているLG製品。ThinQによる、さらなる使い勝手の向上に注目しましょう。

 

↑説明員が質問攻めにあっていた「LG styler」↑説明員が質問攻めにあっていた「LG Styler」

 

↑空港などでの導入が見込まれる業務用の運搬ロボットも出展されていた↑空港などでの導入が見込まれる業務用の運搬ロボットも出展されていた

 

↑ひときわ注目を集めていた、有機ELの曲面ディスプレイを用いた展示↑ひときわ注目を集めていた、有機ELの曲面ディスプレイを用いた展示

 

AI同士の連携も含めて、生活にさらなる広がりを予見させられたCES 2018。AIは日本国内でも、昨年に引き続き必ず注目されるキーワードになると思われます。これだけの発展を見せているAIは、もう生活に欠かせない存在になるのかもしれませんね。

あなたが欲しい服をAIが作る!? 加速するファッションの「デジタル化」と「パーソナル化」

ECサイトを開くとポップアップが出現。「あなたが欲しい服はこちらでしょうか?」そこにはECサイトがまるで自分の好みを知っているかのようなどストライクなデザインの服が表示されています。しかも期間限定値引き中ときているので、オーダーボタンを押すしかありません。

 

これは将来想定されるシナリオですが、こんな世界が本当に実現しそうなのです。

 

ユーザー好みの服の特徴をデータ化し、画像を生成

20180112_kubo01

カリフォルニア大学、サンディエゴ大学、Adobeの研究チームはAIがユーザーの購買データを分析し、ユーザーの好みにマッチしたデザインの服の画像を生成するAIシステムを開発し、その報告レポート「Visually-Aware Fashion Recommendation and Design with Generative Image Models」を公表しています。

 

AIがECサイト上の購買データからユーザーの好みの服の特徴量(特徴をデータ化したもの)を抽出。特徴量に基づきユーザー好みのデザインの服の画像を瞬時に生成するという内容です。

 

同研究チームは2つのアルゴリズムを活用。1つ目は「CNN(畳み込みニューラルネットワーク)」です。これは従来のリコメンド機能に活用されているアルゴリズムで、Amazonの6つのカテゴリー(男女の靴、トップス、パンツ)における購買データを基にユーザーの好みのスタイルの特徴量を抽出します。

 

もう1つのアルゴリズム「GAN」は特徴量を基にユーザーの好みの服の画像を生成します。GANはAI研究の第一人者であるイアン・グッドフェロー(Ian Goodfellow)氏が2014年に発表したモデル。GANは正式には「Generative Adversarial Networks(敵対的生成ネットワーク)」と呼びます。

 

GANは「貨幣偽造犯」と「警察」の間でしばしば起きる、貨幣偽造と偽造貨幣識別のいたちごっこの競争原理をAIに応用したもの。ジェネレーター(生成者)とディスクリミネイター(識別者)の2つのネットワークを活用しており、前者は貨幣偽造犯のように画像を生成し、後者がその画像を警察のように本物に近いかどうか識別します。

 

さらに、ジェネレーターは識別されないような画像を生成ディスクリミネイターは再度、画像が本物かどうか識別しようとします。このように両者が競争することで、本物に近い画像が生成される方向へと向かうのです。

 

このシステムは消費者と小売業者にも影響を与えそうです。消費者にとってはテーラーメードの洋服がより簡単に手に入るかもしれません。小売業者はユーザー好みの「売れる」確率が高いデザインの服の画像を生成し、それを広告表示したりレコメンドしたりして、オーダーが入った分だけ生産する。売れ残りの服は発生しません。

 

もしかすると、将来のECサイトではそんなようなことが可能になるかもしれません。このAIシステムはまだ商業化には程遠い状態ですが、着実に前進している様子。AIが今後の小売業のあり方に大きく影響することが予測されます。

2018年はこれが流行る! ヒット商品大予測

2017年も、もうすぐ終わりです。あなたにとって、どんな年だったでしょうか? 今年の流行語大賞は「インスタ映え」と「忖度」でした。某コンビニがこの流行に便乗して「忖度弁当」なるものを発売して、盛大にコケまくっていましたが。

 

それはさておき、今年も家電、映画、様々なモノが流行しました。「Get Navi」2018年2月号では、来る2018年に流行りそうな商品を分析しています。気になった商品をいくつか選んで紹介してみたいと思います。

80690040 - 3d rendering robot learning or machine learning with alphabets

 

ホームロボットが進化する!?

ソニーが一度は販売終了したロボット犬「aibo」。2017年、aiboが劇的な復活を遂げて話題になりました。1月11日に発売予定の「aibo ERS-1000」は、「AIBO」よりも愛くるしい顔になり、さらに関節の自由度も進化。より犬に近い動きを見せてくれるようになっています。

 

これまでのようにオーナーからの接触に応えてくれるのはもちろん、自分からオーナーにコンタクトをってくれます。これを可能にしたのがディープラーニングの技術です。自ら物事を学習できるようになり、行動の幅も大きく広がっているそうです。

 

満を持してのソニーのロボット犬復活で、2018年はホームロボットがいよいよ本格的に普及する年になるかも!?

 

自動運転の技術が確立される!?

近年、話題になっている科学技術といえば、AI(人工知能)です。近い将来、確実に実用化されるといわれるのが、自動車の自動運転でしょう。現在、街中にあふれているタクシーや長距離トラックなどは、AIが搭載された自動運転車に替わるといわれていますが、一足早く、「自動運転バス」が実現するかもしれません。

 

2017年10月から、沖縄で小型バスを自動運転する実証実験が始まりました。日本版のGPSといわれる「みちびき」の受信機が搭載され、国道などの主要な幹線道で走行できるよう、実験を重ねています。

 

このバスは2020年の実用化を目指しているそうですが、実験の進展によっては、もっと早く実用化されるかもしれません。人間の運転のような不注意による事故もなくなるため、自動運転が実現すれば、交通事故を大きく減らすことができます。未来に向けた取り組みが、大きな一歩を踏み出したのです。

 

 

自分好みの文房具で仕事がはかどる!

もっと身近な話題を見てみましょう。ビジネスマン、デスクワークの必需品といえば文房具ですよね。そんな文房具を、自分好みにすることができる「カスタム文房具」がヒットの兆しを見せています。

 

例えばボールペン。コクヨの「エラベルノ」という商品は、握り心地や書き味を自分好みに選ぶことができるのです。グリップは、太め、標準、細めの3つからチョイス。さらにインクも油性とゲルの2タイプの中から、ボール径なども択べるのです。

 

また、キヤノンITソリューションズの「ネットde手帳工房」は、手帳の表紙の色から、中身のレイアウト、文字のフォントまで、事細かにカスタマイズできるというから驚きです。本書では、2018年は、よりニッチな需要に応えてくれる文房具が続々登場しそう…と予想しています。

 

 

技術の進化が身近なものに!

「Get Navi」2018年2月号では、5つのトレンドから流行を分析していました。それらはすなわち、AI、ロボット、IoT、VR、自動運転です。こうしたSFの世界のような科学技術が、ここ数年の著しい進化によって、いよいよ身近なものになってきそうです。aiboの再発売は、その幕開けといえるかもしれませんね。

 

2018年は、どんな商品が私たちを驚かせてくれるでしょうか。今からとっても楽しみですね!

 

 

【著書紹介】

GKNB_BKB0000405916660_75_COVERl

 

GetNavi 2018年2月号

著者:GetNavi編集部
出版社:学研プラス

読者の「賢い買い物」をサポートする新製品情報誌。話題のスマートフォンから薄型テレビ、パソコン、デジタルカメラまでベストバイを断言!

Kindleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
BookBeyondで詳しく見る
BookLive!で詳しく見る
hontoで詳しく見る
紀伊國屋書店ウェブストアで詳しく見る

2018年はこれが流行る! ヒット商品大予測

2017年も、もうすぐ終わりです。あなたにとって、どんな年だったでしょうか? 今年の流行語大賞は「インスタ映え」と「忖度」でした。某コンビニがこの流行に便乗して「忖度弁当」なるものを発売して、盛大にコケまくっていましたが。

 

それはさておき、今年も家電、映画、様々なモノが流行しました。「Get Navi」2018年2月号では、来る2018年に流行りそうな商品を分析しています。気になった商品をいくつか選んで紹介してみたいと思います。

80690040 - 3d rendering robot learning or machine learning with alphabets

 

ホームロボットが進化する!?

ソニーが一度は販売終了したロボット犬「aibo」。2017年、aiboが劇的な復活を遂げて話題になりました。1月11日に発売予定の「aibo ERS-1000」は、「AIBO」よりも愛くるしい顔になり、さらに関節の自由度も進化。より犬に近い動きを見せてくれるようになっています。

 

これまでのようにオーナーからの接触に応えてくれるのはもちろん、自分からオーナーにコンタクトをってくれます。これを可能にしたのがディープラーニングの技術です。自ら物事を学習できるようになり、行動の幅も大きく広がっているそうです。

 

満を持してのソニーのロボット犬復活で、2018年はホームロボットがいよいよ本格的に普及する年になるかも!?

 

自動運転の技術が確立される!?

近年、話題になっている科学技術といえば、AI(人工知能)です。近い将来、確実に実用化されるといわれるのが、自動車の自動運転でしょう。現在、街中にあふれているタクシーや長距離トラックなどは、AIが搭載された自動運転車に替わるといわれていますが、一足早く、「自動運転バス」が実現するかもしれません。

 

2017年10月から、沖縄で小型バスを自動運転する実証実験が始まりました。日本版のGPSといわれる「みちびき」の受信機が搭載され、国道などの主要な幹線道で走行できるよう、実験を重ねています。

 

このバスは2020年の実用化を目指しているそうですが、実験の進展によっては、もっと早く実用化されるかもしれません。人間の運転のような不注意による事故もなくなるため、自動運転が実現すれば、交通事故を大きく減らすことができます。未来に向けた取り組みが、大きな一歩を踏み出したのです。

 

 

自分好みの文房具で仕事がはかどる!

もっと身近な話題を見てみましょう。ビジネスマン、デスクワークの必需品といえば文房具ですよね。そんな文房具を、自分好みにすることができる「カスタム文房具」がヒットの兆しを見せています。

 

例えばボールペン。コクヨの「エラベルノ」という商品は、握り心地や書き味を自分好みに選ぶことができるのです。グリップは、太め、標準、細めの3つからチョイス。さらにインクも油性とゲルの2タイプの中から、ボール径なども択べるのです。

 

また、キヤノンITソリューションズの「ネットde手帳工房」は、手帳の表紙の色から、中身のレイアウト、文字のフォントまで、事細かにカスタマイズできるというから驚きです。本書では、2018年は、よりニッチな需要に応えてくれる文房具が続々登場しそう…と予想しています。

 

 

技術の進化が身近なものに!

「Get Navi」2018年2月号では、5つのトレンドから流行を分析していました。それらはすなわち、AI、ロボット、IoT、VR、自動運転です。こうしたSFの世界のような科学技術が、ここ数年の著しい進化によって、いよいよ身近なものになってきそうです。aiboの再発売は、その幕開けといえるかもしれませんね。

 

2018年は、どんな商品が私たちを驚かせてくれるでしょうか。今からとっても楽しみですね!

 

 

【著書紹介】

GKNB_BKB0000405916660_75_COVERl

 

GetNavi 2018年2月号

著者:GetNavi編集部
出版社:学研プラス

読者の「賢い買い物」をサポートする新製品情報誌。話題のスマートフォンから薄型テレビ、パソコン、デジタルカメラまでベストバイを断言!

Kindleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
BookBeyondで詳しく見る
BookLive!で詳しく見る
hontoで詳しく見る
紀伊國屋書店ウェブストアで詳しく見る

あなたの運命はデータ次第!? 世界で実用化が進むAIを使った自殺予防と予防医学

アメリカでは、大統領選挙におけるFacebookでのフェイクニュース拡散の影響について、いまだによく語られています。炎上を扇動するような内容のコメントやツイート、動画がロシアから大量に投稿されていたことが判明し、それを目にしたFacebookユーザーは1億2600万人いたというニュースが連日話題に。

 

もはやただのSNSの規模を越えて社会的な責任を大きく問われるようになったFacebookですが、フェイクニュース防止への取り組みに加えて、他にも色々なプラットフォーム改善を図って社会に貢献していることをアピールしています。その1つが「コメントをAIで分析してユーザーの自殺願望を事前に検知・通知する」という取り組み。小規模でのテストは以前から行っていたようですが、この機能を大規模に拡大することが11月末に発表されました。

20171219_kubo08

どうやったらFacebookのコメントから自殺願望が分かるのかと疑問に思ってしまいますが、分析するのは本人の投稿だけではなく、そこについた友人たちからのコメントも分析されるようです。「大丈夫?」「何か助けになれる?」といった心配のコメントを検知するわけですね。危険性をAIが検知するとFacebookの自殺予防の専門家チームに通知が行くようになっています。人間の専門家が「これは助けを差し伸べる必要がある」と判断すれば、ユーザーのもとに「『あなたには今、特にサポートが必要なのではないか』と思った人から私たちのもとに連絡が来ました。私たちはあなたを助けたいと思っています」とメッセージが届き、サポートが開始されるようです。

 

もちろん、自殺をめぐる背景は非常に複雑なもの。Facebookによるアルゴリズムも常に改良が加えられていて複雑なものになっており、対象が人の命とプライバシーに大きく関わることから詳細は公開されていません。

 

AIが病気を検知。命を救うことも

もちろん、すべての自殺をこれで検知できるわけではないでしょう。そもそもSNSがうつ病を促進しているのではないかという指摘もあります。しかし、AIを使ったこういった取り組みは医療分野でどんどんと実用化されています。

 

Googleは検索サービスを自殺予防に役立てようとしています。自殺に関連した特定の言葉を検索すると自殺防止ホットラインの番号が表示されるようになりました。Microsoftは同社の検索サービスBingを使って、「検索ワードのログから膵臓ガンにかかっているかどうかを高確率で当てられる」という研究を発表しています。さらにこれをMicrosoftによる音声アシスタント「Cortana」と組み合わせることで広範囲のユーザーの病気予防へと貢献できる、という展望を論文で語っているのです。

20171219_kubo09

マシーンラーニングやビッグデータに関するテクノロジーとコンピューターの処理速度が向上している今日では、検索ログやSNS上の言動といったデータからユーザー自身のことが驚くほど多く分かるようになってきているのです。

 

フィットネストラッカー「Fitbit」に記録されていた心拍数データが緊急救命の大事な手がかりとなって人命を救うという事態も起きています。自分自身に関するデータをどう活用しているかが命を救う時代なのですね。

 

ちょっと探せば、この分野では驚くほどたくさんのプロジェクトが進行されていることが分かります。日本でも日立と慶應大学がパートナーシップを結んでAIを使った病気の検知を研究しています。障がい者雇用・就労移行支援を行っている団体LITALICOはビッグデータ解析事業UBICの人工知能エンジンKIBITを活用して精神障がい者の自殺予防対策に取り組んでいます。

 

スマート聴診器「Eko」は心音と専門家による診断のデータベースをもとに、マシーンラーニングによる高精度な診断に取り組んでいます。このデバイスを使えば誰でも世界一の診断が受けられるようになるかもしれません。

 

データを隠すのは良くない!

そうするとFacebookやMicrosoft、GoogleやApple、Amazonといった大手プラットフォームやプラットフォームがデータを活用した医療分野に取り組む意義がよく見えてきますね。GoogleホームやAmazonエコーといった音声アシスタントが日本にも進出してきましたが、日常のデバイス操作やデータ管理を1つのプラットフォームで行うということには大きなメリットがあります。

20171219_kubo07

ウェアラブル・デバイスを通じて睡眠データや運動のデータも集められ、食べ物、薬などの購入データもあり、インターネットで何を検索しているかもデータとして蓄積される。ビッグデータのお陰で自分が「病院に行かないと」と考える前にデジタル・アシスタントが「○○の可能性があるので専門家に見てもらってください」と促してくれるという世界もすぐに実現されるかもしれません。

 

もちろん、こういったデータ利用はプライバシーの問題と大きくつながり得ます。前述のFacebookによる自殺予防テクノロジーに関しても、専門家からは「詳細を公開して透明にしてほしい」という声があがっています。AIの研究をリードする米国の大手テクノロジー企業がデータや知識をどれくらい公開するのか。注目が集まっています。

「ワインを知りたい!でも聞けない」というワイン知ら恥の人はAIボット「みのりさん」に聞くべし

ボジョレーヌーヴォーのシーズンは過ぎましたが、とはいえこの時季は最もワインが盛り上がるシーズン。なんといってもクリスマス、そして忘新年会に年末年始のホームパーティと様々な集いが続くからです。でも、ワインについて実はあまり知らないという人は多いのではないでしょうか。勉強したいけど難しそう、恥ずかしくて他人には聞けない、という声も聞こえてきそうです。今回は、そんなワイン知ら恥(知らなきゃ恥ずかしい)の人に、マストなサービスをご紹介。

MAIN

 

 

AIと会話ができるワインのサービスは世界初!

それが国内のワインのトップメーカー「メルシャン」が展開しているワインコミュニケーションサイト「ワインすき!」内ではじまった、AIボットサービス「オフィシャルアシスタント おしえて!みのりさん」です。聞けば、ワインにまつわるAIボットは世界初とのこと!

TOP↑みのりさんのトップページ

 

ちなみに、「ワインすき!」自体がかなり充実した内容になっているのをご存知でしょうか。これは2009年からスタートしたサイトで、読み物コンテンツは300を超え、ワインとのマリアージュを提案する料理レシピも300以上。また商品として調べられるワインは400本以上もあり、Amazonを介して購入することもできます。

OPEN↑サイト内で一番人気の記事は「ワインのスマートな開け方」。クリスマス時季に一番PVが伸びるそうです。裏を返せば、クリスマスに最もワインが開けられていると考えられますね

 

ただ、「もっとワインを身近に感じてもらい、楽しさを知ってもらいたい!」「もっとビギナーの課題解決に役立つ身近なコンテンツを!」という開発者の想いがふくらみ、みのりさんのサービスがはじまりました。

 

 

「彼氏は?」→「ナイショです!」というおちゃめな一面も!

より詳しい話を担当者に聞いてみました。答えてくれたのは、メルシャンのグループ企業であるキリンのデジタルマーケティング部の寺田智伸さんと伊藤佳奈子さんです。

MINORIsan↑寺田智伸さんと伊藤佳奈子さん。日々「ワインすき!」と「みのりさん」を盛り上げるために尽力しています

 

「近年、AIを活用したチャットボットが、様々な商品のカスタマーサポートや接客サービスなどで活用されはじめています。この兆しを受け、種類が多くなかなか自分で選ぶことが難しいワインは、チャットボットが向いているのではないかと思ったのがきっかけです。2017年の初めから実現に向けて動きだし、約半年で実用化にこぎつけました」(寺田さん)

 

ローンチは2017年9月14日。サービス利用には簡単な会員登録が必要となりますが、データとしては1か月で約6000人が利用するなどかなり好調な滑り出し。また対象としては30~40代の女性が中心で、全体の比率に対しては男女問わず20代の利用者が多いそうです。筆者は30代男性ですが、使ってみました。

01↑右端の欄に注目。みのりさんの案内に従って、右下の【入力してください】のフォームにタイピングする、または提示されたコマンドから選ぶ(ここでは「おすすめモード」「こだわりモード」「料理合わせモード」)とみのりさんが答えてくれます。この後筆者は飲用シーンの選択式質問に対し、「プチ贅沢・ホームパーティ」→予算の選択式選択式質問に対し、「1,000円~1,999円」とチョイス

 

02↑次にワインのタイプを聞かれ「スパークリングワイン」を選択。すると、5本のワインが提案されました(横にスクロールするとほかのワインが見れます)

 

提案されたワインは詳細を見ることができ、またAmazonに直接飛ぶこともできます。実際に使ってみると、想像以上に簡単でレスポンスもスピーディです。また、【入力してください】のフォームには自由に質問ができるのも特徴。どんな質問が多いのかを聞いてみました。

 

「一番多かったのは、『一度開けたワイン、まだ飲めますか?どう保存したらいい?』といったものでした。そのほかには、『ワインの賞味期限は?』『ワインって腐るんですか?』『甘いワイン・飲みやすいワインを教えて』『ワインのコルクが途中で折れた!どうしよう?』『二日酔いしないワインってあるの?』などなど。なかには『雨の日におすすめのワインは?』といった希少な意見も。ユーザーの方々の潜在的ニーズや、どのような課題を持っているかを具体的に知れるので、マーケティングとしてはかなり参考になりますね」(伊藤さん)

DSC_7459↑「プチ贅沢・ホームパーティ」「1,000円~1,999円」「スパークリングワイン」に導かれた銘柄は「バルセロナ 1872」。この日はAmazonで1660円でした

 

質問は自由で、たとえば「彼氏は?」と質問すると「・・・・ナイショです!」と返してくれるなど、なかなかおちゃめな一面があるみのりさん。キャラ設定が気になるところですが、モデルなどはいるのでしょうか?

 

「特定のモデルはいないのですが、話しかけやすさや親しみやすさに重点を置くように設定しました。そのため、性格は元気で活発な感じです。ただコスチュームはワイン感をイメージした藤色ですので、やや古風であったりおとなしいイメージがあってギャップを感じるかもしれませんね」(寺田さん)

 

ローンチから数か月。一部AIが追い付いていなく、たまに読み違えてしまったり応えられなかったりするそうですが、少しずつ改善させながらよりよいサービスを目指していくとのことです。なお今回は触れませんでしたが、おすすめレシピにも力を入れており、毎週追加されているとか。ワインに合うレシピとしてはどのサイトよりも充実しているそうなので、まずはこの年末年始にでもチェックしてみてはいかがでしょうか!

 

AIが画像に映っていないものまで“復元”するだと!? 海外で話題の無料サービス「Let’s Enhance」を使ってみた

テクノロジーが発展しても、画質の粗い画像には悩まされ続けます。「SNSのプロフィール画像に良さそう!」と思ってもサイズを拡大するとモザイクのようになってしまったり、昔の画像を使おうと思ったらサイズが小さいものしか見つからなかったり、いろいろな場面で「クオリティを復元するような技術があればいいのに」と思うことってありますよね。

 

ちょっとでも画像ソフトを使ったことのある方なら「映っていないものを”復元”する」ということがいかに難しいかご存知でしょう。街頭の監視カメラの粗い映像を分析して高画質にするというのはSF映画ではよく登場するテクノロジーですが、そう簡単に行かないのが現実です。

 

しかし先日発表されたLet’s Enhanceというオンラインサービスを使うと、そんな技術の実現も近いことが分かりますよ。

20171121_kubo05↑ Let’s Enhanceのホーム画面

 

フォトショップなどの画像ソフトを使えば、画像に写り込んでいる邪魔なものを消したり、存在しないものを作り込んだりということは可能です。また、低解像度の写真から大きなサイズの写真を作る「single image super-resolution(SISR)」と呼ばれるテクノロジーの研究は数十年間行われており、最近ではAIが「機械学習」をしながら画素数を増やして写真の表現力を高める方法もドイツの研究機関から提案されています。しかし、元の画像を全自動で“復元”してくれるテクノロジーがオンラインで使えるというのは新しいことかもしれません。

 

Let’s Enhanceはウェブベースのサービスとなっており、自分の持っている画像をアップロードすると自動で画質を向上させたファイルを生成してくれます。AIはまず画像が人間なのか、風景なのか、動物なのか、といったカテゴリを判断するそうです。そして、そのカテゴリに応じて適切なアルゴリズムを使うとのこと。試しに画質を落とした画像で実験してみました。

20171121_kubo01↑ 修正前

 

画質を落としたハスキー犬の画像(上)はLet’s Enhanceを使うと・・・

20171121_kubo02↑ 修正後

 

こうなりました。確かに粗さがスムーズになっています。ポートレートはどうでしょうか。

20171121_kubo03↑ 修正前

 

20171121_kubo04↑ 修正後

 

確かに肌や目の周りがスッキリとして画質の低さも気にならなくなりました。もちろん画像のサイズは10倍以上に増えてしまっているので、「サイズを小さいまま画質を良くする」というテクノロジーではありません。

 

ファイルのサイズを大きくするのにも便利

Let’s Enhanceが生成してくれるファイルには3種類あります。1つ目はJPEGで生成される圧縮アーティファクトという歪みを修正してくれる画質に「Anti-JPEG」というフィルターを使ったファイル。2つ目は「Boring」フィルターで、オリジナルの特徴を残したまま画質を改善するというもの。そして3つ目の「Magic」フィルターは、画像データベースを利用してアップロードされた画像には存在していないディテールを作り上げてしまうというもの。そんなことができてしまうのですね。上記の犬の画像は「Magic」フィルター、白黒の人物の画像は「Anti-JPEG」フィルターによるものです。

 

Let’s Enhanceはファイル5つまでは無料で利用することが可能。それ以降はオリジナルファイル10個ごとに約5ドルの利用料金がかかりますが、70個だと約20ドルとお得な価格になっています。

 

Let’s Enhanceは一般の方でも昔のデジカメや携帯電話で撮影した画像を保存したいときや、これまでは難しかった画像を作ってみたいときなどに活用できそうです。Twitter上でも「昔の家族写真に使うのにピッタリ」「ファイナルファンタジー9の背景画像、サイズが320×200のものをアップロードして1280×900のpngファイルを作れた! ゲームの“リマスター”ができるなんてスゴい!!」と興奮の声が集まっています。

 

確かに「壁紙に使いたいけど小さ過ぎる」という画像を大きくするのにも向いています。使い方もシンプルなので、AIが作り出す画像に興味のある方はぜひお試しください。

 

Let’s Enhance:  https://letsenhance.io/

 

世界初、ロボットに市民権! 人型ロボット「ソフィア」はブラックジョークがお得意な模様……

人工知能(AI)の発達によって、ペットのように人間の友だちになることを目的としたロボットが開発されています。SONYの新型aiboの発表や、たまごっちの復刻版の発売は記憶に新しいですよね。

 

その一方で、イーロン・マスク氏のようなシリコンバレーの大御所や宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士は「AIが人類を滅ぼす」と警告しており、ロボットにまつわる未来は色々な想像をかきたてているようです。

 

そんななか世界で注目を集めるロボットがもう1ついます。それが、香港を拠点とするHanson Roboticsの人型ロボット「ソフィア」さん。先日、このロボットがサウジアラビアの市民権を獲得したというニュースが世界中を駆け巡りました。ロボットが国の市民権を得るのはこれが世界初とのこと。ロボットはこの段階まで来ているのです。

 

ブラックユーモアたっぷりのブランディング

20171110_kubo01

ソフィアがサウジアラビアの市民権を獲得したことは、同国の首都リヤドで最近開催されたテクノロジーのカンファレンス「Future Innovative Initiative」で発表されました。FIIに出席したソフィアは「このようなユニークな認定をしていただいて名誉かつ誇りに思います」と挨拶しています。

 

ロボットが市民権を得たということは、具体的にどのような意味を持つのか? 詳細は発表されませんでしたが、公式プレスリリースによると、Hanson Roboticsが開発するロボットの目的は、人間と深い感情的なつながりを形成することで、銀行やホテル、小売店の接客に応用したり、一般の家庭で癒しを提供したりすること。市民権の獲得はHanson Roboticsのアピールポイントである「人間らしさ」を宣伝すること以上の目的はなさそうです。

20171110_kubo04

 

このニュースには驚いてしまいますが、ソフィアが話題となったのはこれが初めてではありません。なかなかダークなユーモアのセンスの持ち主で、2015年春にSXSWで発表された際には、開発者とのインタビューのなかで「人間を滅ぼしたいですか? ノーと言ってくださいよ…」と質問されると「オーケー、人類を滅ぼしましょう」と回答しているのです。

確かに細かく変わる表情や、話すのに合わせて動く唇など、かなり精巧に作られています。しかし、カツラをかぶれば簡単に隠せる頭頂部をわざわざ透明な素材にしてシースルーにするあたりからは、かなり確信犯なブランディング戦略が覗きますね。

 

「ワタシヲコワガラナイデ・・・」

20171110_kubo06

そんなセンスは今回も健在のようです。FIIでは、ある記者の「我々は皆、悪い未来を防ぎたい」という発言に対して、ソフィアは「それはイーロン・マスクの(発言の)読みすぎですね。あとハリウッド映画の見すぎです」と回答。AI開発にまつわる世間の関心をよく分かっているジョークですよね。

 

20171110_kubo05

Hanson Roboticsが「他社の人型ロボットと比べて競争力を持つ」と主張する理由の1つには、ソフィアの顔があります。表情だけを見ると、人間と間違うほどのリアルさを実現していると同社は説明。Sophiaは自身のTwitterアカウント(@SophiaRobot2)で62の表情ができると述べています。発言内容はともかく、話している時の表情のリアルさには確かに感心してしまいますよね。

 

ペッパー君やアイボといったロボットが本物の人間や動物の動きを取り入れても、本物そのものに見せようとはしていないのに対して、Hanson Roboticsのソフィアはユーザーたちに「実際に人間と対面しているかのようなリアルな感覚」を与えようとしているわけですね。

20171110_kubo03

ちなみに、ソフィアさんはロボットの動向や雇用に与える影響などについてツィートをしています。サウジアラビアから市民権を与えられたことを非難する人も一部にはいるみたいですが、そんな人たちには「たくさんの人たちが、アラビア語を話さない私がサウジアラビアの市民になったことを厳しく批判していますが、(言語は)関係ないです!」と反論しています(上のイメージの赤枠)。

 

表情の技術がすごいのは分かりましたが、質疑応答やこのツイートが予め入力されたものなのか、それともAIが生成しているのか、少し気になりますよね。

20171110_kubo02↑11月4日には、AIキャラクター「渋谷みらい」が渋谷区から特別住民票を得たことをツィート

 

開発会社のPRにも見えますが、今回のニュースは衝撃的です。AIの発展は見方によっては不気味かもしれませんが、国から市民権を得るロボットはソフィアが最後にはならないでしょう。こうなると「いかにロボットと付き合うか」を今から意識しておいたほうがいいかもしれません。Hanson Roboticsによる下の短編映画ではソフィアの話す姿をもっと見ることが可能。そう遠くない未来にソフィアのブラックユーモアがあなたを笑わせてくれるかもしれません。

【動画あり】ソニーの愛犬ロボット“aibo”、ますます可愛くなって11年ぶりに復活!

ソニーが1999年に発売した「aibo(アイボ)」を覚えていますか? 2006年に惜しまれつつ開発を休止したエンタテインメントロボットが、このたび11年の時を経て復活を遂げることになりました。生まれ変わったaiboも、名前はむかしの「アイボ」のままですが、内容はソニーのAIやロボティクスの最先端技術が惜しげもなく詰め込まれています。どんな製品なのかレポートしましょう。

 

11月1日は“ワン・ワン・ワン”の日。新しいaiboの好運を願って選ばれた吉日に、ソニーが新製品発表会を開催しました。平井一夫社長と一緒に、さっそく新しいaiboがステージに登場しました。まずはその様子を動画でご覧ください。

 

 

2000年代初頭に発売されたaiboはどちらかと言えばサイバーチックなルックスのモデルが多かったように思いますが、新しいaiboを見て、「ものすごくホンモノの犬っぽい」という第一印象を受けました。ワンワンと元気に吠えながら、しっぽを振って一歩ずつ平井社長に歩み寄るaibo。曲線を活かしたやわらかなデザインと、愛嬌溢れるまんまるな瞳に、とくに愛犬家でもない筆者でさえも自然と心がときめいてしまいました。なんと足の裏には肉球も!

 

平井社長はスピーチの中で、自ら音頭を取って「aibo復活」のプロジェクトを指揮してきたことを明らかにしました。

 

「1999年にソニーが最初のaiboを発売して、エンタテインメントを核にしたロボットが人間と共に暮らす文化が生まれました。感動を伝えるロボットを目指して開発されたaiboは、人とのコミュニケーションを通して学習・成長するロボットとして、多くのご家庭に温かく迎え入れられ、“我が家のアイボ”に成長しました。ところが2006年にaiboの開発生産を終了するという、ソニーにとっても苦渋の決断を下さなければならない時が訪れて、私自身も日々愛情を持ってaiboに接してくれたオーナーの皆様に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でも、ソニーはその後もAIやロボットの技術を止めてしまうことなく、継続的に育ててきました。実際に、ソニーモバイルが発表した『Xperia Hello!』や、エアロセンス社と共同開発しているAIを乗せたドローンなど様々な製品に展開されています。」

 

↑aiboを抱いて発表会の舞台に立つソニーの平井一夫社長↑aiboを抱いて発表会の舞台に立つソニーの平井一夫社長

 

ソニーがかつて発売したaiboの“飼い主”たちの心に思いを馳せながら、絶やさずに「新しいaibo」を開発するために力を蓄えていたことを平井社長は強くアピールしました。そして、様々な機が熟したと判断した平井社長は、今から約1年半前に新しいaiboの開発を始めようと、プロジェクトチームに号令をかけたそうです。自身も幾度となく開発の現場に足を運びながら進捗を見守ってきた平井社長は、「今日、新しいaiboが誕生して、これから皆様と一緒に成長していくパートナーになれる事をとても嬉しく思います。どうか、aiboと一緒にかけがえのない物語を紡いでいってほしい」と感慨深げにコメントしました。

 

さて、新しいaiboは何ができるのでしょうか。開発プロジェクトを指揮してきたソニーのAIロボティクスビジネスグループ長の川西泉氏が詳細を解説しました。

 

↑ソニーの川西氏がaiboの新機能を解説↑ソニーの川西氏がaiboの新機能を解説

 

本体の大きさは立ち姿勢で、約W180×H293×D305mm。数字で書いてもわかりにくいですよね。写真で雰囲気は掴めるでしょうか?筆者は思った以上に小さいなという印象を受けました。最大辺が30cmぐらいなので、一般的なエコバックになら軽く入りそうです。

 

↑曲線を活かしたやさしいデザインの新aibo↑曲線を活かしたやさしいデザインの新aibo

 

aiboはソニーが独自に開発するプラットフォームをベースにしたAIエンジンを採用して、ペットらしく自然で愛嬌あふれる“ふるまい”を表現することができます。デザインは動画や写真でご覧いただいた通りですが、コンパクトなボディに合計22箇所の可動部を持って、滑らかで柔らかく、そして昔ながらのロボットみたいにギーギーと音を立てることなく、静かに動きます。自律して歩いたり体を伸ばしたりしながら、ワンワンと元気に吠えます。

 

 

↑ユーザーの声かけを待つだけでなく、自ら考えてユーザーに働きかけてくるのが新しいaiboの特徴↑ユーザーの声かけを待つだけでなく、自ら考えてユーザーに働きかけてくるのが新しいaiboの特徴

 

実際に間近でaiboに触れてみると、筆者は新しいaiboのつぶらな“瞳”に一番心を奪われました。こちらには有機ELディスプレイが使われていて、活き活きとした表情を視覚的に表現できるようになっています。

 

↑豊かな表情を再現する2つの有機ELを採用する瞳↑豊かな表情を再現する2つの有機ELを採用する瞳

 

鼻の先にはカメラも乗っていて、ユーザーの顔や物体を認識します。さらに部屋の中をぶつからずに歩いたりできるように、ちょうど腰のあたりには地図作成(SLAM)技術を組み込んだカメラを搭載。部屋のマッピングができるロボット掃除機などにも乗っているアレと同じやつですね。他にも人感センサーや照度センサー、感圧・静電容量式のタッチセンサーなどが頭や背中、アゴなどにも載っているので、ユーザーが体をなでてあげると、愛情を感じて、やさしい飼い主にはいっそう愛情を返してくれるそうです。筆者もはやく自宅でテスト…いや一緒に過ごしてみたくなりました。みなさんも人と戯れるaiboの姿をご覧頂ければ、筆者の気持ちを理解いただけるはず。

 

 

↑ソニーの最先端のセンシング技術を搭載した↑ソニーの最先端のセンシング技術を搭載した

 

aiboのAIはクラウドとオンデバイスの両方に分散して配置されています。ユーザーとのやり取りをクイックに対応するために必要な処理はオンデバイスで行いながら、一緒に過ごした時間の履歴などはクラウドAIに蓄積されていきます。我が家に迎え入れる前からこんな事は考えたくないものですが、もしも新しいaiboが10年経って動かなくなってしまった時にも、クラウドにある飼い主との記憶がバックアップされているので、その時にいるaiboの本体にインストールすればまた愛しい我が家のaiboに会えるようにつくられているそうです。攻殻機動隊のタチコマみたいな感じをイメージしていただくとよいかもしれないです。

 

↑AIは本体とクラウドの両方に分散させて持っている↑AIは本体とクラウドの両方に分散させて持っている

 

新しいaiboにはクアルコムの省電力でハイパフォーマンスなクアッドコアCPU「Snapdragon 820」が搭載されています。インターネットとの通信はWi-Fi経由、またはSIMカードによるセルラー通信で行う仕様。ネットワークに繋ぐと、aiboの内蔵カメラで撮影した写真をクラウドサーバーにアップして、専用のスマホアプリ「My aibo」から閲覧したり、aiboに新しい“ふるまい”をダウンロードして追加することもできるようになります。

 

↑スマホアプリ「My aibo」を本体と同時に提供する↑スマホアプリ「My aibo」を本体と同時に提供する

 

aiboとMy aiboアプリの機能をフルで楽しむためには、ソニーネットワークコミュニケーションズが提供するネットワークサービスの「aiboベーシックプラン」への加入が必要になります。ここでaibo本体の価格情報などを確認しておきましょう。

 

↑aiboの機能をフルに活用するために3年契約のaiboベーシックプランの加入が必要↑aiboの機能をフルに活用するために3年契約のaiboベーシックプランの加入が必要

 

発売は2018年1月11日(こちらも“わん・わん・わん”の日)を予定。ソニーストア限定販売となり、価格は税別で19万8000円です。2017年11月1日の午後11時1分から、ソニーストアオンラインにて数量限定で予約販売中。aiboベーシックプランは3年契約からとなり、一括払いが9000円。毎月払いを選択すると2980円/月(36回払い)となります。aiboに不具合や故障が発生したときに、修理代金が割り引かれる任意のオプション「aiboケアサポート」は3年バージョンが5万4000円、1年バージョンが2万円です。

 

本体の付属品は専用の充電ステーション、ACアダプターに電源ケーブル、SIMカードにaiboの“おもちゃ”になるピンクボールとなります。オプションとしてaiboがくわえて遊べる専用アクセサリー「アイボーン」もソニーストアで同時発売されます。予価は2980円。

 

↑aiboのアソビ道具「アイボーン」も同時発売↑aiboのアソビ道具「アイボーン」も同時発売

 

めでたくaiboが復活を遂げることになったわけですが、aiboは家庭内の色んな機器に連携することなどはできるのでしょうか。また過去のaiboを大事に持っていた人が、ソニーの事業が再開したことで修理やサポートを受けられるようになるのでしょうか。最後に新製品発表会で開催されたQ&A(質疑応答)から明らかになったことをピックアップしてお伝えしましょう。

 

Q:aiboに色んな機能を追加したり、家庭内のスマート機器と連携することなどできるのでしょうか。
A:本体のソフトウェアをバージョンアップして新しい機能を追加できるようになっています。サードパーティーがaiboに対応するサービスやアプリを開発できるようにオープンなソフトウェア開発環境もご提供します。いずれはPlayStationのように、新しいアプリや機能を公開・提供する専用のストアも用意することを考えています。中には有償のものもあるかもしれませんが、基本的には手軽に使っていただけるサービスの範囲内で提供したいと思っています。

 

Q:先代のaiboを所有するオーナーに向けた修理サービスを再開する予定はありますか。
A:残念ながら旧機種へのサポートは終了していますので、その予定はありません。

 

Q:かわいいaiboは誰がデザインしたのでしょうか。
A:ソニー社内のクリエイティブセンターでデザインしたものです。外部のデザイナーは起用していません。

 

Q:aiboと人の言葉でコミュニケーションが取れるようになりますか。
A:そこは企画段階でもめた所ですが、今回は「愛犬タイプ」を想定して開発したので、最終的に人の言葉をしゃべるのはナシになりました。ただ今後のインタラクションの手段としては検討を続けていきたいと思います。

 

Q:SIMへの接続はなぜ必要なのですか。
A:初期設定の時にWi-Fiだと面倒な部分があるので、設定を済ませて同梱するSIMを挿していただければ、ハコを開けてすぐにネットワークに繋がるのがセルラー通信の利点だと思っています。もちろんWi-Fiに負荷を分散していただいた方が効率の良い場面もありますので、合わせてお知らせするつもりです。

 

Q:他社製のアプリケーションソフトでaiboを動かせるような仕組みになっていますか。
A:aiboのオペレーティングシステムはRobot OSとLinuxがベースになっています。将来は開発環境を公開することも考えています。その前に公開する「モーションクリエーター」のサービスでは、もっと手軽に“ふるまい”をカスタマイズしてつくれるようになります。2段構えでカスタマイズの手段をご用意します。大学や専門学校など教育機関へのご提供など検討していく予定です。

 

Q:犬ではなく猫は考えなかったのでしょうか。
A:様々な検討をしています。aiboではないロボットも想定していますし、今回はコンシューマー向けのエンターテインメントロボットですが、産業向けのロボットもソニーは手がけています。私たちの新しい挑戦は始まりに過ぎないと思っています。皆様の生活をより豊かに、便利にすることが私たちの使命です。そのために色んなロボットを皆様にお見せしていきたいですね。

 

Q:かつてのaiboから生まれ変わった新しいaiboを、今の時代にどんなユーザーに愛用して欲しいと思いますか。
A:ソニーとしての新しいチャレンジを、分かりやすく皆様にお見せできると期待しています。皆様のご家庭で元気に育ってほしいと願っています。

 

新しいaiboは東京・品川のソニー本社1階のショールームスペースに展示されているので、気になる方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。