1台4役のアウトドア専用ARグラス! 実用性ありすぎ、しかも軽量「LAWK ONE」

LEAGUEは、アウトドア専用ARグラス「LAWK ONE」のクラウドファンディングを、GREEN FUNDINGで2025年1月29日から実施しています。

 

記事のポイント

アウトドアアクティビティには、できるだけ身軽に臨みたいものの、「あれもこれも必要で、結局大荷物に」なんてことになりがちです。デバイスを持っていくことを諦めるのではなく、「機能を一つにまとめてしまおう!」というアイデアが形になったのが、「LAWK ONE」です。2月28日までのプロジェクトなので、チェックはお早めに。

 

同製品は、「4種のデバイスを1台に集約」している点に特徴があります。サングラス、スマートウォッチ、カメラ、イヤホンといったデバイスの機能をひとまとめにしたARグラスでありながら、重さは80gと軽量です。

 

装着すれば、視界がAR化。ナビや通知、測定データがリアルタイムで表示されます。

 

スマホと接続することで、時速(MPH)、運動距離、消費カロリー、運動時間などの運動データの測定や、ナビゲーションとしても活用できます。

 

また、スマホに届いたメッセージはリアルタイムで表示可能。端末をわざわざ開かなくても、ARグラスをタップするだけで内容を確認できます。

 

生活を便利にするデバイス機能も備えています。120度の広角レンズがその一つです。一人称視点で、文字通り「見たままの瞬間」を捉えられます。

 

録画時間は15秒、30秒、または60秒から選択可能。LAWK ONEからアプリへのデータ転送が完了したら、自動的に映像を削除してメモリースペースを節約するとのこと。

 

また、ステレオスピーカーも内蔵。耳を塞がないオープンイヤー構造なので、周囲の音を聞き取って安全を確保しながら、屋外でのワークアウトにも打ち込めます。IPX4の防水性能なので、汗をかいたり、雨に突然降られたりしてしまっても安心して使えます。

 

最長8時間の連続使用が可能です。

LEAGUE
LAWK ONE
サイズ :高さ 53.5mm×長さ 191.51mm×幅 157.5mm
重量  :80g
対応OS:Android、iOS
視野角 :30°(FOV)
カメラ :120°広角レンズ、800万画素 + FF
Bluetooth:Bluetooth5.3
バッテリー容量:300mAh
価格 :超早割 11万6000円(税込、42%オフ)、早割 12万4000円(税込、38%オフ)など

Apple Vision Pro廉価版は来年発売? アップルのスマート眼鏡も登場するかも

Apple(アップル)がスマートグラス(スマート眼鏡)の開発を継続していることを、 Bloomberg(ブルームバーグ)が報じています。また、空間コンピューター「Apple Vision Pro」の廉価版も来年発売されるようです。

↑eduardonunez / Shutterstock.comより

 

今回の報道によれば、AppleのスマートグラスはMeta(メタ)とRay-Ban(レイバン)のコラボレーションによる「Ray-Ban Meta Smart Glasses」に似ているとのこと。つまりレンズへの画面表示機能はなく、音声で操作するデバイスとなるようです。

 

一方で、レンズに情報を表示できるスマートグラスについては「真のAR(拡張現実)メガネを作るというアイディアは、技術的な課題のため棚上げになっている」とも付け加えています。

 

さらに、Apple Vision  Proの廉価版も「おそらく来年早々に」出荷する予定だと指摘しています。これについて報道では、「このカテゴリのデバイスはまだ消費者の心を掴んでおらず、廉価版が1500ドル(約22万円)未満にならない限り、ニッチな製品のままでしょう」と、懐疑的な見方をしています。また第2世代のApple Vision  Proの開発も継続しているものの、リリース時期は不明だと伝えています。

 

Apple Vision Proは国内価格が59万9800円と極めて高価な製品でしたが、廉価版はせめてその半額程度で発売されて欲しいものです。

 

Source:  Bloomberg via 9to5Mac

最新ARグラスを購入するとアクセサリをプレゼント! 人気ARグラスもキャンペーン価格に……「XREALブラックフライデー」11月18日から

日本Xrealは、「XREALブラックフライデーキャンペーン」を11月18日0時から12月3日23時59分までの16日間開催します。

 

キャンペーン期間中は「XREAL Air」を特別価格の4万1980円(税込)で販売。Nintendo SwitchやPlayStation 5などのゲーム機や、iPhone 14シリーズ以前のiPhoneとの接続が可能な「XREAL Adapter」も、特別価格の5980円(税込)で販売します。

 

「XREAL Air 2/Air 2 Pro」を購入すると、もれなく「XREAL Kaleido Kit」1枚をプレゼント。グラスのフロントのフレームに貼り付けることで、色を変えながらXREAL Air 2/Air 2 Proを使うことができます(XREAL Kaleido Kitの色は選べまません)。

 

「XREALブラックフライデーハッシュタグキャンペーン!」として、X(旧Twitter)で抽選キャンペーンを開催します。「XREAL Japan」公式アカウント(@XREALJapan)をフォローし、ハッシュタグ「#XREALブラックフライデー」をつけて、ARグラスを何と繋げたいかを投稿すると、抽選で3名に、XREAL Air 2 Pro(1台)+Amazonギフトカード1万円分のセットが当たります。

【西田宗千佳連載】Meta Quest 3がMRで本気を出すのはいつなのか?

Vol.132-4

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはMetaが発売を開始したVRデバイス「Quest 3」。発売当初、Mixed Realityの注目機能がない理由と、本気を出してユーザーに提供する時期はどれくらいなのかを探る。

 

Meta

Quest 3

実売価格7万4800円〜

↑Quest 2よりも処理速度が大幅に向上したが、それ以上に進化したのがデュアルRGBカメラと奥行きセンサー(デプスプロジェクター)による高度な Mixed Reality(MR)表現。高度な操作が可能なコントローラーも付属する

 

Metaの「Meta Quest」シリーズの特徴として“ソフトウェアアップデートが頻繁である”という点が挙げられる。しかも、アップデートのほとんどは機能アップであり、セキュリティアップデートなどではない。そのため、ハードウェアの出荷時と1年後、2年後では、機器の機能や使い勝手が大きく変わってしまう。

 

このような「ソフトで進化するハード」は、過去から存在した。古くはPlayStation 3あたりがそうだし、いまのスマートフォンやPCも、OSのアップグレードで機能が変わる。

 

ただ、いま一番「劇的なアップグレードが立て続けに出てくるハード」と言えば、やっぱりMeta Quest 3ということになるだろう。MetaのCTO(最高技術責任者)であるアンドリュー・ボスワース氏によれば、すでに「発売から30日・60日・90日・120日で行なうアップデートの内容は決まっている。どれも機能アップ」とのことなので、期待して良い。

 

特に注目して欲しいのが、「発売120日後」以降のアップデートとして、Mixed Reality機能の大幅な拡張も用意されている点だ。

 

このアップデートでは「オーグメント」という機能が追加される。オーグメントとは、簡単に言えば「現実の空間に、ウインドウや3Dオブジェクトを好きに配置する」もの。壁に音楽アプリや写真を貼っておいたり、棚の上に現実にはない3Dの物体を置いておいたり……といったことが可能になる。

 

MRは「周囲が見える」機能だと思われているが、本当はそうではない。現実の空間にコンピューターが生成した画像やウインドウ、オブジェクトなどを配置し「現実とコンピューターの世界を混ぜる」ものだ。

 

こうした要素は、マイクロソフトの「HoloLens」が実現していたもので、2024年にアップルが発売する「Vision Pro」にも搭載されている。ヘッドセットをかぶったまま「現実とコンピューターの世界が混ざった世界」で暮らしたり仕事をしたりするには必須の要素、といってもいい。

 

Meta Quest 3は発売時にそんな必須要素を搭載していないのだが、2024年1月から2月にかけてオーグメントを搭載するアップデートが実行されると、また状況が変わるだろう。

 

ではなぜMetaは、そんな必須機能を搭載しないで出荷したのだろうか? 理由は「動作検証が大変だから」だそうだ。

 

MRは利用者の環境によって精度が変わる。Meta Quest 3は、Metaにとっては初めての「高機能なMRが搭載された機器」なので、家庭での利用状況はわからない。そこでまずMeta Quest 3を出荷し、一般家庭でどう使われたかを検証してからオーグメントをチューニングして搭載したかった……ということのようだ。

 

そして、来年春までには、アップルがVision Proをアメリカで出荷することになる。いよいよ、両者が同じ市場で激突するわけだが、Metaとしてもそれまでにオーグメントを搭載し、「MR機器としてアップルと対抗できる状況」にしておきたいのではないか、とは考えてしまう。どちらにしろ、来年になるとMeta Quest 3は大きく変わることになるだろう。

 

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【西田宗千佳連載】MRは「長い時間着ける」のが本質、でもMeta Quest 3には迷いが見える

Vol.132-3

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはMetaが発売を開始したVRデバイス「Quest 3」。MRの本質を掘り下げていく。

 

Meta

Quest 3

実売価格7万4800円〜

↑Quest 2よりも処理速度が大幅に向上したが、それ以上に進化したのがデュアルRGBカメラと奥行きセンサー(デプスプロジェクター)による高度な Mixed Reality(MR)表現。高度な操作が可能なコントローラーも付属する

 

Meta Quest 3のMixed Reality(MR)機能は、多くの人にとって驚きのものだろう。周囲の状況が自然にわかるので、動画やWebを見ながら部屋の中を歩いたり、ちょっとした家事をしたり……といった使い方ができる。

 

ただ周囲が見えればそれでいいか、というとそうもいかない。安全に、快適にVR機器を使うには、MRがあったほうが望ましい。目を覆ってしまう機器なので、周囲の状況が一切わからないのは危険だし、飲み物を飲んだりするときに毎回ヘッドセットを外すのも面倒だ。

 

また、MRを使った「現実空間の中で遊ぶゲーム」は楽しいだろう。だが、ゲームは没入する部分の多いものなので、すべてのゲームがMR対応にはならないし、MRに向かないものも多い。

 

一方で、Meta Quest 3を仕事に使うとしよう。VRを使ったシミュレーションや講習のような特殊な用途ではなく、もう少し一般的な作業だ。

 

空間に大きく複数のディスプレイを表示して作業をしたり、誰かと仮想空間の中でミーティングをしたりという使い方は、もう十分に可能となっている。ただそのような使い方をするなら、何時間も着け続ける可能性が出てくる。その場合、周囲の状況がわかったり、キーボードやマウスが見えたり、着けっぱなしでスマホの通知を確認したりできないと不便に感じるはずだ。

 

すなわち、MRの本質は「周囲の状況を確認できること」なのだ。体験自体の新鮮さ・おもしろさも非常に重要だが、それ自体はそのうち当たり前のものになる。

 

すなわちMRとは、ゲームをしているときだけヘッドセットをつけるのではなく、いろいろな作業をするときや映像を見るときなど、「日常のなかでできるだけ着けっぱなしになる時間が長くなる」ようにするための必須機能と考えていいのだ。逆に言えば、これまでのVR用ヘッドセットは、そういう必須機能が欠けた状態で使われていたので利用頻度が上がりづらかった……いうこともできるだろう。

 

一方で、Meta Quest 3には多少「Metaの迷い」も見える。

 

Meta Quest 3が標準で採用しているバンドは、安価ではあるが頭を絞め付ける構造になっている。そのため長時間の利用にはあまり向かない。長時間着け続けるなら、Meta Quest Proのように「頭を締め付けず、顔にもパッドを当てずに負担を感じさせない」構造が望ましい。

 

だが、頭や顔に負担をかけない構造は、スポーツ的に激しく動くゲームと相性が悪いうえに、ハードウェアコストも高くなりがちだ。Meta Quest 3は本質的にゲーム機であり、同時にMRを使った未来のPC的なデバイスでもある。

 

Metaはそこでどうしても、Meta Quest 3を、いまのビジネスである「ゲーム」の方に向けざるを得なかった。価格を抑え、ゲームが快適に遊べることが、まず商品として重要であるからだ。

 

そのため、Meta Quest 3を長時間使う場合は、社外品を含めた別のバンドを使うのがオススメになっている。Meta自身がもっと使い勝手のいいバンドを用意してくれてもいいのでは……とも思う。

 

なお、発売時点でのMeta Quest 3のMR機能はまだ完全ではない。毎月アップデートし、2024年以降により本格的な機能が公開されることになっている。それはどういうもので、どう変わるのか? その辺は次回のWeb版で解説する。

 

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【西田宗千佳連載】簡単そうに見えて難しい、「リアルなMR」を実現するまで

Vol.132-2

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはMetaが発売を開始したVRデバイス「Quest 3」。開発までの経緯、特にMR機能の実現にいたるまでを解説する。

 

Meta

Quest 3

実売価格7万4800円〜

↑Quest 2よりも処理速度が大幅に向上したが、それ以上に進化したのがデュアルRGBカメラと奥行きセンサー(デプスプロジェクター)による高度な Mixed Reality(MR)表現。高度な操作が可能なコントローラーも付属する

 

Meta Quest 3の最大の特徴は、外部の様子をカラーかつ立体感のある形で見られる「Mixed Reality(MR)」を重視したことだ。

 

MetaのMRへの取り組みは、2021年から始まる。Meta(旧Oculus) Questは外部認識のために搭載されているセンサーを使い、自分の周囲の様子を表示する、「パススルー」するところからスタートした。もともとはカメラとして搭載されていたものではなく、あくまで「センサー」であり、モノクロで解像度も低い。それを複数組み合わせ、ディスプレイ側にはモノクロによる周囲の映像が見えるように工夫した……という流れだ。

 

その後、Metaが採ったアプローチはスタンダードなものになり、多くのVR用HMDで使われた。そもそもMetaの発想自身、完全なオリジナルというわけではなく、いろいろな企業や研究者が試したものでもある。

 

コストをかけずに「周囲の安全を確認したい」というニーズを満たすには良いやり方だが、一度「外の様子もわかる」となれば、カラーかつ自然な表示を求めたくなるもの。そこで、多くのHMDがカラーカメラの搭載によるMR機能の搭載へと進んだ。

 

ただ、カラーで画質が良く、さらに立体感が自然なMR機能となると、ハードルは一気に高くなる。

 

理由のひとつはもちろんコスト。きちんとした立体感を実現するには、前提条件として、カラーで画質の良いカメラを「目に近い位置に2つ」搭載する必要がある。モノクロで解像度の低いセンサー向けよりもパーツのコストは当然上がる。

 

だが問題はそれだけではない。2022年秋に発売された「Meta Quest Pro」は、発売当初22万円(1500ドル)と高価だった。カラーカメラを搭載しても問題ない価格であり、実際カラーのパススルー機能を搭載してはいたが、画質も立体感もいまひとつだった。

 

その理由は「処理能力」にある。ただし、CPUやGPUの性能だけが問題なのではない。それらとカメラ、メモリーをつなぐ経路である「バス」の性能も重要だ。

 

VR機器とPC、スマートフォンの最大の違いは、つながっているセンサーの数にある。

 

たとえばPCの場合、カメラはついていてもせいぜいひとつか2つ。スマートフォンは2つから5つくらいに増えるが、どれも常に動いているわけではなく、必要なときに使うだけだ。

 

だがVR機器の場合、カメラ(センサー)は5つから6つ搭載されている。それがほぼ常に動作しているので、CPU・GPU・センサーとの間では、大量の情報が「流れ続けている」ことになる。経路であるバスが太く、コントロールも容易な形になっていなければ、いくらCPUやGPUが速くても、クオリティの高いMR機能は実現できないのである。

 

Quest Proに使われていたプロセッサーである「Snapdragon XR2+ Gen 1」では、カラー+3DのMR機能をコントロールするには性能が足りなかった。そのため、モノクロの立体映像に解像度の低い色映像を乗せるような形で再現されていた。

 

一方Quest 3では「Snapdragon XR2 Gen 2」が採用され、性能が劇的に向上した。最も目立つのはGPU性能の向上なのだが、カメラを複数コントロールするためのバス性能なども上がっている模様だ。そのため、クオリティの高いMR機能が実現できている。

 

なお、アップルが2024年に発売を予定している「Vision Pro」は、Quest 3よりもさらに高画質で自然なMRが実現されている。カメラは5つ搭載されていて、どれも高画質なものと見られる。Vision Proはカメラとディスプレイのコントロールのため、メインのプロセッサーである「M2」とは別に「R1」という、カメラやディスプレイをコントロールする専用の新プロセッサーが搭載されている。だから高画質なのだが、それは35万ドル(約52万5000円)という高価なハードウェアだからできることでもある。

 

では、MR機能はどんな可能性を持っているのか? 次回はそこを解説していく。

 

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【西田宗千佳連載】MRでアップルに先行する「Meta Quest 3」

Vol.132-1

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはMetaが発売を開始したVRデバイス「Quest 3」。アップルのVision Proとほぼ同時期に発表したMetaの思惑は何か。

 

Meta

Quest 3

実売価格7万4800円〜

↑Quest 2よりも処理速度が大幅に向上したが、それ以上に進化したのがデュアルRGBカメラと奥行きセンサー(デプスプロジェクター)による高度な Mixed Reality(MR)表現。高度な操作が可能なコントローラーも付属する

 

アップルを意識してほぼ同時期に発表

Metaは10月10日から、新しいVRデバイス「Meta Quest 3」を発売した。

 

9月27日にMeta米国本社で行なわれた発表会にて、同社のマーク・ザッカーバーグCEOは、「いままでにないものを発表することでイノベーションを起こすこともある。だが時には、素晴らしいが超高価なものを、誰にでも手が届くように、あるいは無料で提供できるようにすることで、イノベーションを起こすこともできる」と語った。

 

このフレーズは、アップルの「Vision Pro」を意識してのものだ。

 

Quest 3は、外界の様子を本体に搭載したカメラで取り込み、そこにCGを重ねる「複合現実(MR)」技術を搭載する。

 

Vision ProもMRを搭載し、“空間コンピューティング”としてアピールしている。筆者はデモを体験しているが、圧倒的に高画質で、時に“装着していることを忘れる”ような体験ができる。

 

ただし、Vision Proは価格が3500ドル(約52万円)と非常に高価だ。多くの人がすぐに買えるものではない。

 

一方、Quest 3は499ドル(日本では7万4800円から)と、7分の1の価格で買える。「誰にでも手が届く」とザッカーバーグCEOが強調するのは、この安さがゆえだ。しかも、来年まで待たずともすぐ買える。

 

まず期待されるのはゲーム機としての成功

もちろん、価格が違うのには相応の理由がある。

 

MRの品質・精度では、Vision Proの方がはるかに上だ。だがそれは、高価なパーツと凝った構造という、高価な製品だからできる要素の積み重ねがあって実現できるものだ。一方Quest 3は、画像の荒さや立体感の歪みなどもあり、Vision Proほどのリアルさは実現できていない。

 

とは言うものの、Quest 3が実現しているMRの品質もまた“ほかの機器では体験できなかったレベル”のものであることに変わりはない。価格を抑えつつ、いままでにない体験を実現しようとしているのがQuest 3の美点だ。

 

差別化したのは価格だけではない。“発売タイミング”も相当気にした様子が見える。

 

Quest 3のウリであるMR機能だが、発売当初からすべての機能が実装済みというわけではない。30日単位で機能をアップデートしていき、デモ映像などで出てくる機能がひととおり実装されるのは2024年になってからと見られる。

 

その理由について同社は、「消費者の利用環境を見ながら、慎重に実装するため」としている。

 

一方で、商戦期の関係も大きいのは間違いない。Quest 3は「VRゲーム機」でもあるので、クリスマス商戦を外すわけにはいかないのだ。

 

VRを使ったゲーム機として、一定以上の成功を収めているメーカーはMetaくらいしかない。MetaのQuest向けアプリストアは20億ドル以上を売り上げており、Quest 3もMR以上に“ゲームでの成功”がまず期待されているのだ。

 

では、Quest 3はどう開発されたのか? 同社の過去製品とどう違うのだろうか? そうした部分は、次回以降解説していく。

 

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「将来は1億台規模に」新ARグラス「XREAL Air 2」発表会で見せたXREALの自信

日本Xrealは、ARグラスの新モデル「XREAL Air 2」シリーズを発表しました。ARグラスとして注目度の高い本製品の発表会の様子をレポートしながら、ARグラスで何ができるのか、さらにはXREALが考えるARグラスの展望は何かまでをご紹介します。

↑XREAL Air 2の限定色レッド

 

XREAL Air 2:5万4980円(税込)、予約受付中、10月16日から順次出荷

XREAL Air 2 Pro:6万1980円(税込)、10月17日から予約受付(発売日は未定)

 

現実世界にスマホやPCの画面を大きく表示できるARグラス

XREAL Air 2シリーズはいわばサングラス型のディスプレイのような製品で、スマホやPC、ゲーム機などの映像を、視界の中に表示できます。たとえばスマホの動画を寝転がりながら見たり、飛行機や新幹線などで仕事をするときに活用したりと、便利に使える製品です。

↑XREAL Air 2のダークグレー

 

実際にかけてみた感覚を端的に表現すると「目の前に37インチのテレビが生えてきた」という感じ。現実世界に重ね合わせるようにして、大きな画面を表示できます。精細も十分で色味も申し分ありません。PCの画面を表示して細かいマウス操作をしたり、シューティングゲームの緻密な操作をしたりするときも、一般的なディスプレイやテレビを使用するのと同じ感覚で利用できます。

↑メガネのレンズに小さな画面を装備している

 

ARグラスはプロジェクターと似ている性質があり、周囲が明るい環境では画面が見えづらくなります。その点、XREAL Air 2は画面輝度を高めに設定できるので、リビングルームぐらいの明るさでも問題なく使えそうです。

 

そしてARグラスの良いところは、メガネの感覚で、気軽に装着できることです。XREAL Air 2は72gと軽く、長時間装着しても疲れません。見た目も「少し太縁なサングラスです」と言い張れるくらいの格好です。なお、実際に画面を表示するときは、メガネの縁にケーブルの接続が必要となりますが、周りからは有線イヤホンを使っている人のように見えるくらいで、そこまで目立たないでしょう。

 

日差しが差し込むで使いたいときや、作業に集中したいときは、付属のプレートを装着して視界を遮ってしまえば、よりくっきりと表示できます。ただ、視界をさえぎったARグラスは、VRゴーグルに近い状態になりますが、視野角は広くないです。そのため、視界全体に映像が広がって、没入感のある体験をするのにはあまり適していません。

↑視界をさえぎるとVRゴーグルのような感覚で使える

 

スマホやPCはケーブル1本で接続。PS5などのゲーム機にも対応

XREAL Air 2の映像入力端子は、USB Type-Cを採用しています。スマホやPCがDisplayPort出力対応のUSB Type-Cを備えていて、ある程度の処理能力がある場合は、ケーブル1本で接続可能です。

 

より具体的には、2022年発売のGalaxy S22以降のハイエンドスマホなら、ケーブル1本をつなぐだけで画面を表示できます。さらに、22日に発売されたiPhone 15シリーズについても、USB Type-Cケーブル1本でつなげるとしています。

↑TGS 2023で展示されていたXREAL Air 2のデモ機。くっきりと映像が映っている

 

別売のHDMI変換アダプターを装着すると、だいたい何でもつなげるようになります。たとえば、Nintendo SwitchやPS5のようなゲーム機の画面も表示可能。

 

さらに、XREAL Beamという周辺機器を併用すると、画面の表示機能をより強化できます。テレビ番組の小窓表示のように、スマホの映像を視界の端に固定したり、小さな揺れを吸収して見やすくしたりといった機能を利用できるわけです。

 

なお、通常の画面出力では1つの画面しか表示できませんが、専用アプリ「Nebura」を併用すると、最大で3つのウインドウを空間内に表示できます。つまり、ケーブル1本でつなぐだけで、目の前に3面モニターを召喚できることになります。Neburaアプリは現在、Macと一部のAndroidスマートフォン向けに提供中。Windows PCとSteamDeckには近日対応予定となっています。

 

新モデルは画面がより明るく鮮やかに。上位モデルは何が違う?

XREAL Air 2では、画面の表示能力が強化されています。ソニー製の0.55型マイクロOLEDディスプレイを搭載し、より明るく、鮮やかに表示できるようになりました。また、駆動速度は120Hzに向上し、シビアなアクションを求められるゲームにも使えるようになっています。解像度はフルHD、輝度は最大500ニト、画素密度は4032ppi、3DoF対応です。

↑サングラスのように、たたんで持ち運べる

 

メガネとしてのデザインは従来モデルとほとんど変わりませんが、細かな部分で改良が加わっています。鼻当ての部分は柔らかいエアクッションを採用し、長時間装着しても肌を痛めにくい設計にしています。また、眼鏡のツルの部分には、指向性の高いスピーカーを新搭載。イヤホンなしで、周囲への音漏れを気にせず使えるようになりました。

 

上位モデルのXREAL Air 2 Proはさらに、「エレクトロクロミック調光技術」を搭載しています。これは、サングラスの透過率を電気的に切り替えることができるというもの。XREAL Air 2 Proでは、ボタン操作で透過率0%(クリアな表示)、35%(サングラス状態)、100%(真っ黒)の3段階で切り替えられます。XREAL Air 2を明るい場所で使うには、視界を遮るプレートのつけ外しが必要となりますが、Proモデルならそれをボタン操作1つで行えるため手軽だというわけです。

 

ARは1億台規模の市場になると期待

XREAL Air 2の日本での発表会は、東京ゲームショウ2023の会期初日の9月21日に実施されました。中国のXREAL本社から、創業者兼CEOのチー・シュー氏が来日し、会場でARデバイスの現状と、将来像を語りました。

 

XRという大きなくくりで見ると、普及が進みつつあるVRに対して、ARデバイスの普及は進んでいないようにも見えます。これについてチー氏は、「AR市場と比べると、VR市場はざっくり5倍大きいが、今後はAR市場が急激に拡大して、VRを追い抜く瞬間が来るだろう」という見方を示しています。

↑XREAL Air 2を装着するチー・シューCEO

 

VRは、MetaとHTCという2大メーカーが存在し、ゲーム機として定着しています。また、アップルが6月に発表した「Vision Pro」も(空間コンピューティングという独自の呼び方をしていますが)表示手法としてはVRヘッドセットの発展系と言えます。

 

一方でARデバイスは、マイクロソフトの「HoloLens」やMagic Leap社などが知られていますが、両社ともここ数年は産業向けの高機能な製品に開発の方向を絞っています。スマホのように気軽に入手できるARデバイスの選択肢は、意外と多くありません。

 

その中で、XREAL(旧Nreal)は、多くの人が使えるARグラスにこだわって製品を投入してきました。2019年に軽量スマートグラス「Nreal Light」を発売し、2022年の「Nreal Air(現XREAL Air)」ではスマホと直接つなげるように進化させた経緯があります。

↑初代XREAL Airは1年間で20万台を出荷しています

 

その結果、XREAL Airは発売以来、累計20万台を販売しており、2023年上半期にはAR市場シェアの3割以上を獲得するトップメーカーとなっています。XREALが実施したユーザー調査によると、ユーザーの70%が週に5日以上XREAL Airを利用し、47%のユーザーは毎日利用するなど、実際に利用率も高いといいます。

 

XREALのARグラスは現時点では、物体がない外部ディスプレイのような使い方にとどまっていますが、今後は現実空間の物体と連動するMRデバイスとして進化させていく方針です。チー氏は「インターネットはPCやスマホから、実在空間と連動する『空間インターネット』に移り変わってくる。5年以上はかかるが、将来的には1億台が出荷される市場になる。XREALはこの市場に挑んでいきたい」と野心を示しました。

アップル史上最もレア? ヘッドセットが極端に出回らないらしい

まもなくアップルが長年掛けて開発したAR/VRヘッドセットが発表されると噂されていますが、その価格は約3000ドル(約40万円)とみられています。そうした高価格もあり、2023年内の出荷台数はわずか10万台未満になる可能性があると、台湾の市場調査会社TrendForceが報告しています。

↑発表間近と言われているアップルのヘッドセット

 

アップル初のヘッドセットは、高いコストや製造の難しさのほか、主に開発者向けとされるため「今年の販売は予約販売に限られる」と主張しています。公式オンラインストアでの予約申込みのみで、店頭での一般販売はないと仄めかしているようです。

 

このヘッドセットは、AR/VR製品カテゴリーでの新たな需要を掘り起こす可能性はあるものの、やはり3000ドル程度とされるお値段の高さは、より広い市場に育てる上で大きなカベとなるようです。その結果、年内の出荷台数は10万台に及ばず、アップルも生産を30万台以下に留めるかもしれないとのことです。

 

昨年初め、アップルはサプライヤー向けに、初年度のヘッドセット販売台数を700万~1000万台を想定しておくように通達したと報じられていました。しかし最近では、300万台に引き下げられたようです。

 

昨年秋、アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は、アップルが2023年内に約150万台の出荷を計画していると発言していました。が、数か月後には「50万台以下」に下方修正しています

 

またアップルの社内事情に詳しいMark Gurman記者は、アップルは直営店で1店舗あたり、1日1台しかヘッドセットを販売しない可能性があり、年間販売台数は18万台強だと予想していました。本製品は、史上最もレアなアップル製品の1つとなるのかもしれません。

 

Source:Trendforce
via:MacRumors

Appleのヘッドセットが発表間近? 複数の商標が出願

Apple(アップル)が「AR/VRヘッドセット」に関連すると思われる、「xrProOS」「realityproOS」「realOS」といった商標を出願していたことが、海外報道により判明しています。

↑MacRumorsより

 

AppleのAR/VRヘッドセットは6月の開発者向け会議「WWDC 2023」での発表が期待されています。またこれまでにも、「realityOS」「xrOS」といったOS内の文字列や商標出願が確認されています。

 

まずxrProOSという商標は、デラウェア州のDeep Dive LLCという会社をとおして出願されたものです。同社はアルゼンチン、トルコ、フィリピンにてxrProOSを出願しており、また以前にはxrOSを出願したこともあることから、Appleのシェルカンパニー(ペーパーカンパニー)であることが予測されます。

 

そしてrealityproOSとrealOSは、ニュージーランドにてImmersive Health Solutions LLCという会社から出願されたものです。この会社も以前に「Reality One」や「Reality Pro」といった商標を出願しており、その背後にAppleがいると考えられているのです。

 

このようにさまざまな商標が出願される背景には、AppleのAR/VRヘッドセットの発表や販売が近いことが予測されます。関係者業界の重鎮が「素晴らしい出来だ」と語る、同製品の登場を楽しみにしたいものです。

 

Source: MacRumors 1, 2

AppleのAR/VRヘッドセットのコストは約21万円前後に?

Apple(アップル)からの投入が噂される「AR/VRヘッドセット」の製造コストが1500ドル(約21万円)前後になることを、海外ニュースサイトのXRDailyNewsが伝えています。

↑MacRumorsより

 

Appleのヘッドセットは、来月に開催される開発者会議「WWDC 2023」での発表が期待されています。また両目に4K解像度ディスプレイを搭載し、アイトラッキング/ハンドトラッキングが可能な一方で、販売価格は3000ドル(約41万円)とかなり高価になるとも噂されています。

 

XRDailyNewsが伝えるAppleのAR/VRヘッドセットの製造コストによれば、一番高価なmicro LEDディスプレイが280ドル~320ドルになるとのこと。そして14個のカメラモジュールも160ドルと、高価な部品となります。2個のプロセッサは120ドル~140ドルで、組み立て費用は110ドル~120ドル。これらを合計すると、その総コストは1400ドルで、送料などを含めると約1600ドルになると伝えているのです。

 

また別の中国筋の報道では、AR/VRヘッドセットの総コストは1509ドルになるとの情報や、約1290ドル~1300ドルになるとの情報もあります。また製品の名称は「Apple Reality Pro」になるとも伝えられています。

 

かなり革新的なAR/VRヘッドセットとなりそうな本製品ですが、その製造コストもかなりお高いものとなりそうです。

 

Source: XRDailyNews via MacRumors

いよいよアップル製AR/VRヘッドセットの発表準備? 文字商標「xrOS」の登録が発見される

アップルは来月6月、同社初のAR/VRヘッドセットを発表すると噂されています。とてもリッチな仕様となり、価格は3000ドル~4000ドル(約40万円~54万円)などのリーク情報は伝えられていますが、製品名などは依然として不明なままです。

↑文字商標「xrOS」を発見!?

 

そんなななか、今年初めに“xrOS”を商標登録したアップルが、今度は同じ名前のワードマーク(文字商標)を登録したことが明らかとなりました。

 

このxrOSとは、アップル製ヘッドセット専用OSの名前として有力視されているものです。数年前にはrealityOSだと推測されていましたが、同社の内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者は「社内では最近、OSの名前を“realityOS”から“xrOS”に変更したと聞いた」と報じていました。

 

xrOSの「XR」とは、拡張現実を意味しているとのこと。一般的にXRとはAR(拡張現実)やVR(仮想現実)、MR(複合現実)などの総称であり、これら全てを実現するというアップル製ヘッドセットには相応しい名前かもしれません。

 

さてTwitterユーザーのParker Ortolani氏によれば、ニュージーランド知的財産局は今月初め、”xrOS “というワードマークの登録を受け付けたとのこと。申請したのは、おそらくアップルの持つシェルカンパニー(実体のないペーパーカンパニー)。同じ会社が、今年1月にニュージーランドで「xrOS」の商標を登録していました。

 

アップルは秘密主義ゆえに、未発表製品の商標や特許を登録するために、複数のシェルカンパニーを持っています。そうすることで、アップルとリーク情報を結びつかないようにするためです。

 

しかし、今回の「xrOS」というワードマークには、アップルが作ったSan Franciscoフォントが使われています。これはiOSやmacOS、watchOS、tvOSといった他のアップル製OSのロゴと一致しているのです。

 

アップルが6月5日(米現地時間)に開催する世界開発者会議WWDCまで、あと1か月を切りました。有名アナリストMing-Chi Kuo氏は、同社が「新型デバイスの発表に向けて、十分な準備を整えていると思います」と述べていましたが、アップルとしては珍しく見切り発車に近いとの趣旨も報じられており、正式発表後も色々と起こるのかもしれません。

 

Source:Parker Ortolani(Twitter) 
via:9to5Mac

Appleの第2世代ヘッドセットは2モデル、販売台数が大幅増加?

Apple(アップル)が2025年にハイエンド版とローエンド版の「第2世代ヘッドセット」を投入すると、著名アナリストのMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏が報告しています。

↑MacRumorsより

 

 

Appleが第2世代の廉価なヘッドセットを開発していることは、Nikkei Asiaも以前に報じていました。これは、6月に開催される開発者向け会議「WWDC 2023」での発表が期待されている、「AR/VRヘッドセット」の後継製品に位置づけられるようです。

 

Kuo氏によれば、Appleの第2世代のヘッドセットにはハイエンド製品とローエンド製品が存在し、その出荷台数は第1世代の10倍程度になると予測しています。これは、iPhoneに「Pro」モデルとそうでない標準モデルが存在するように、より幅広い顧客層へとアピールするという狙いがあるのかもしれません。

 

一方で第1世代のAR/VRヘッドセットについては、小売店1店舗につき1日で1台の販売しか想定されておらず、1年間で700万台〜1000万台の販売が予測されています。これは、製品が3000ドル(約41万円)と高額なこと、そして製品が開発者などのプロフェッショナル向けに設計されていることが原因のようです。

 

もしAppleの第2世代ヘッドセットに廉価版が登場すれば、私達でも気軽に購入できるようになるかもしれません。第2世代ヘッドセットの登場が実現するためにも、第1世代ヘッドセットの成否が注目されそうです。

 

Source: MacRumors

Appleのヘッドセット、来月の発表に向け準備万端か

Apple(アップル)からの投入が期待されている「AR/VRヘッドセット」について、その発表に向けて十分に準備が整ったことを、著名アナリストのMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏が報告しています。

↑MacRumorsより

 

AppleのAR/VRヘッドセットについては、両目に4K解像度ディスプレイを搭載し、アイ/ハンドトラッキング機能を採用するなど、非常に高性能な製品になることが予測されています。また製品は、6月に開催される開発者向けイベント「WWDC 2023」にて発表されるようです。

 

Kuo氏によれば、AppleがAR/VRヘッドセットを来月発表することは、サプライチェーンの株価にとって「良い兆候だ」としています。また4KマイクロOLEDディスプレイはソニーが、「M2」ベースのデュアルプロセッサはTSMCが、ヘッドセットの筐体はEverwin Precisionが、ハンドトラッキング用の12個のカメラはCowellが、外部電源はGoertekが提供すると伝えています。

 

なおAppleのAR/VRヘッドセットは3000ドル(約41万円)となることから、一般消費者向けではなく、開発者やコンテンツ制作者、プロフェッショナル向けのデバイスとなることが予測されています。すでに高い完成度が噂されている同製品ですが、私達の生活をどのように変えるデバイスとなるのかに注目です。

 

Source: MacRumors

アップル製AR/VRヘッドセット、VR業界の大物が「とても良い」と激賞!

アップルが開発中と噂されるAR/VRヘッドセットは、6月の開発者会議WWDCにて発表されることがほぼ確実だとみられています。そんななか、あるVR業界の重鎮から「とても良い」とお墨付きをもらいました。

↑VR業界の大物もベタ褒め!?

 

アップル製ヘッドセットは実際に体験した社内のテスターから「圧倒的な体験だった」との証言はあるものの、同社の秘密主義のためか社外の人間が試してみたとの証言はほとんどありません。

 

しかし、かつて存在したVRテクノロジー企業・Oculusの創業者であるパルマー・ラッキー氏が「アップルのヘッドセットはとても良い」と簡潔にツイート。同氏はそれ以上何も言っておらず、フォロワーからの返信にも応えず、発言はこれだけです。

 

ラッキー氏はVRヘッドセットを世に送り出した後、Oculus Rift社をMeta(当時はFacebook)に売却し、Meta Quest 2やMeta Quest Pro2の基礎を築き上げた人物です。実際にアップルのヘッドセットを手に取ってみたか、頭に被って体験してみたかは不明ですが、これまでの業績がこの言葉に重みを与えています。

 

また、ラッキー氏はFacebookに在籍した当時、自社のVRヘッドセット対応につきハイエンドGPUを搭載した「良いコンピューター」を優先し、それまではMacをサポートしないとも語っていました。つまりアップルに対して甘いわけでもなく、技術的には率直な物言いをする人物と思われます。

 

このアップル製ヘッドセットは、スキーゴーグルのような形で外付けバッテリーが必須、高解像度8Kディスプレイ2枚と、手の動きや目線を追跡するため外側に多くのカメラやセンサーを搭載し、価格は3000ドル(約40万円)以上になると予想されています。

 

これほど高価な製品を買う人はそう多くはなさそうですが、何百万ものiPadアプリが動くとの噂もあり、買った人には大きな満足感をもたらしそうです。

 

Source:Palmer Luckey(Twitter)
via:AppleInsider

Appleのヘッドセットは「競合製品を圧倒する」らしい……

Apple(アップル)からの近日のリリースが期待される「AR/VRヘッドセット」について、「ライバル機をはるかに上回る」との感想を、The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)が伝えています。

↑MacRumorsより

 

AppleのAR/VRヘッドセットは、両目に4K解像度ディスプレイを搭載し、アイ/ハンドトラッキングが可能など、高性能かつ高価な製品になることが報告されています。また腰にバッテリーを装着するなど、意欲的な設計も取り入れられるようです。

 

The Wall Street Journalによれば、WWDC 2023ではAR/VRヘッドセット向けのソフトウェア開発に関連したセッションが多く行われるとのこと。一方で製造の遅れにより、製品の量産は9月までは開始されないようです。またヘッドセットには外向きのカメラが搭載され、内部スクリーンにオーバーレイ表示する「Mixed Reality」と呼ばれる機能も利用できます。

 

AR/VRヘッドセットでは「FaceTime」「Apple Fitness+」「ゲーム」が、主な使用例になると述べています。そしてMeta(メタ:旧フェイスブック)のVRヘッドセット「Quest Pro」のような競合デバイスよりも、「より高いレベルのパフォーマンスと没入感」を提供するといわれているのです。

 

一般向けにはなかなか製品が普及しない、VRヘッドセット。AppleのAR/VRヘッドセットがどのようなアプローチで、市場へと切り込むのかが注目されます。

 

Source: The Wall Street Journal via MacRumors

Appleのヘッドセット、外部バッテリーは専用コネクタで装着?

Apple(アップル)からの投入が噂される「AR/VRヘッドセット」では、新型の独自充電コネクタが外用されるとの情報を、Bloomberg(ブルームバーグ)が報じています。

↑MacRumorsより

 

AppleのAR/VRヘッドセットに関しては、以前にも腰に装着する外部バッテリーの存在が、海外メディアのThe Informationにより報じられていました。同サイトによれば、外部バッテリーはマグネット式の「MagSafe」により電源ケーブルを接続し、1回の充電で2時間の利用が可能だと伝えられています。

 

Bloombergによれば、AppleのAR/VRヘッドセットにはデータ転送用のUSB-Cインターフェイスと、外部バッテリー用の新しい独自充電コネクタを含む、2個の外部ポートが搭載されているとのこと。この充電ケーブルは先端が丸く、やはり磁石で接続すると報じられています。

 

外付けバッテリーについては、iPhone向けの純正モバイルバッテリーこと「MagSafe」のような外観で、iPhoneのような大きさと厚みがあるとしています。またUSB-C経由で充電できるように設計されており、MacBook Proの電源アダプターが利用可能です。

 

1個のバッテリーではAR/VRヘッドセットを約2時間駆動することが可能で、2個のバッテリーを交換しながら連続で使用することも可能。追加のバッテリーパックは別売もされるようです。

 

バッテリーを外部接続すれば、本体重量が減り疲労感の軽減が期待されます。AppleのAR/VRヘッドセットがどれだけスタイリッシュな外観に仕上がるのか、注目したいものです。

 

Source: MacRumors

アップルのAR/VRヘッドセット、実際に体験したテスターが「圧倒された」と証言! 6月に発表の見通し

アップルは長年かけて開発したAR/VRヘッドセットを、6月5日(現地時間)に開催される世界開発者会議WWDCにて発表すると予想されています。このヘッドセットを実際に使った経験のあるテスターが「圧倒された」という証言が伝えられています。

↑圧倒的体験!?

 

このヘッドセットについては、先日BloombergのMark Gurman記者が詳しい情報を述べていました。すなわちスポーツやゲーム、ウェルネス体験アプリが開発されており、VR読書やビデオ会議も可能、高度な視線およびハンドトラッキングも実現されるとのこと。これほどの高性能だけに、価格も3000ドル(約40万円)もするといわれています。

 

そうしたハードウェアやソフトウェアの情報は数多くありましたが、これまで「実際に使ってみた」という感想はまったく聞こえてきませんでした。

 

そんななか、有名リーカーEvan Blass氏のツイートによると、アップルの第1世代XR(ARやVRなどを統合した概念)ヘッドセットのデモを何回か体験した知人がいるとのこと。すでにBlass氏のアカウントには鍵がかけられていますが、米AppleInsiderはスクリーンショットを公開しています。

↑当該ツイートのスクリーンショット

 

その知人は、以前はヘッドセットの能力にガッカリしていたものの、最新のハードウェア/ファームウェアがもたらす体験に「圧倒される(blown away)」ようになったそうです。

 

これはアップルが初めてAR/VRヘッドセットの分野に足を踏み入れ、試行錯誤を重ねてきたと考えると、非常に理に叶っています。同社がまもなく発表する最終的な製品にいたるまで、様々な試作機を作ってきたことは間違いないでしょう。あるテスト機は、小さなクレーンで吊り下げながら着用しなければならないほど重かったとの報告もありました

 

今のところ本製品はWWDCで発表されるものの、外部の開発者にアプリを作る時間を与える必要があるため、実際の発売は数か月先になると見られています。それでも今回の証言が本当であれば、待つ価値は十二分にありそうです。

 

Source:Evan Blass(Twitter) 
via:AppleInsider

Appleのヘッドセットはスポーツやゲーム、フィットネスに焦点?

Apple(アップル)からの投入が期待されている「AR/VRヘッドセット」が、スポーツやゲーム、フィットネスに焦点をあてられていると、Bloomberg(ブルームバーグ)が報告しています。

↑MacRumorsより

 

6月に開催される開発者会議「WWDC 2023」での発表が予測されている、AppleのAR/VRヘッドセット。ハイスペックで高価なだけでなく、将来は目が不自由な人を助けることができるとも噂されています。

 

Bloombergの報道によれば、AppleはAR/VRヘッドセット向けの魅力的な体験を提供するために、スポーツやゲーム、ウェルネス、コラボレーションなどの専用アプリを開発しているとのこと。まず「Fitness+」アプリでは、VRの中でインストラクターを見ながらエクササイズができ、「Health」アプリではVRによるグラフィックやサウンド、ボイスオーバーにより瞑想へといざないます。また、VR上で動画を見るための専用TVアプリが用意され、MLBやMLSのコンテンツも提供されます。

 

AR/VRヘッドセットではiPadのアプリを調整し、3Dインターフェイスを通じてApp Storeにアクセスできるそうです。またSafari、カレンダー、連絡先、ホーム、ファイル、メッセージ、メモ、写真、音楽、リマインダーなどがヘッドセット向けに最適化され、搭載されます。複数のアプリを同時に実行したり、ユーザーが別の部屋にいるときにアプリを切り替えることも可能です。

 

というわけで、スペックだけに終わらない、かなり高機能な製品になりそうなAppleのAR/VRヘッドセット。一般ユーザーでも、かなり楽しめそうな製品となりそうです。

 

Source: Bloomberg via MacRumors

Appleのスマートグラス、早ければ2026年にも登場?

Apple(アップル)がARスマートグラス「Apple Glasses(仮称)」を早ければ2026年から2027年に発売する予定だと、著名アナリストのMing-Chi Kuo氏が報告しています。

↑Maxx-Studio / Shutterstock.comより

 

Appleのスマートグラスに関しては、以前にはBloomberg(ブルームバーグ)が「計画は無期限に延期された」と報道したことがありました。その理由については、iPhone並みの性能と十分なバッテリー駆動時間の両立が難しいことがあげられていたのです。

 

Kuo氏によれば、Appleが新しい「メタレンズ」の技術を開発することができれば、早ければ2026年から2027年の発売が可能になるとのこと。メタレンズとはメタサーフェスを利用して光を集光する平面レンズ技術で、平らなレンズ表面と厚みの減少が可能になるとされています。

 

報告によれば、Appleはまず「iPad Pro」、そして2025年から2026年にはiPhoneの「Face ID」機能のために、2024年にメタレンズを量産するとのこと。そして開発が順調に進めば、スマートグラスにも採用されると伝えているのです。さらに2028年から2030年には、メタレンズが通常のプラスチックレンズにとって変わられるとも報告しています。

 

Appleは6月に開催される「WWDC 2023」において、AR/VRヘッドセットを発表すると期待されています。一方でスマートグラスに関しては、その登場時期はまだまだ遠そうです。

 

Source: Medium via MacRumors

大丈夫? Appleヘッドセット、一筋縄ではいかぬ。組み立てメーカーが契約解除

Apple(アップル)からの投入が噂される「AR/VRヘッドセット」で、独占契約を結んでいた組み立てメーカーのPegatronが契約を解除されたと、台湾紙のDigiTimesが報じています。

↑画像はMacRumorsより

 

報道によれば、AppleはPegatronに対してAR/VRヘッドセットの組み立てを別メーカーのLuxsharaに引き渡すように要請したとのこと。なおこの手続きは、3月に終了しています。変更の理由については、Pegatronが生産能力の一部を中国から他地域に移管し、上海工場をLuxshareに売却したことがあげられています。

 

Luxshareは中国を拠点とするメーカーで、一部のiPhoneやApple Watch、AirPodsを生産しています。これまでのAppleの新製品は台湾メーカーが生産を担当していたので、AR/VRヘッドセットは最初から中国企業が生産を担当する、初の製品となりそうです。

 

一方で、AppleのAR/VRヘッドセットはその生産量が少量とみられているため、今回の組み立ての移管は、Pegatronにとっても痛手ではないことが予測されています。

 

WWDC 2023で発表され、3,000ドル(約39万円)とかなり高価になりそうなAppleのAR/VRヘッドセット。そのデビューは、一筋縄ではいかないようです。

 

Source: DigiTimes via MacRumors

なんと…WWDCではAppleのヘッドセットは披露されない?

Apple(アップル)の「AR/VRヘッドセット」が開発者会議「WWDC 2023」では発表されず、また量産が延期されたことを、著名アナリストのMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏が報告しています。

↑MacRumorsより

 

AppleのAR/VRヘッドセットに関しては、両目にそれぞれ4K解像度ディスプレイを搭載し、アイ/ハンドトラッキングが可能など、ハイエンドな製品となることが予測されています。また、以前にはWWDC 2023での発表の可能性も報告されていたのです。

 

Kuo氏によれば、AppleのAR/VRヘッドセットは量産時期が2023年第3四半期の半ばから終わりにまで延期されたとのこと。またそれにともない、WWDC 2023での発表も不確実となったと報告しているのです。さらに製品の出荷台数の予測も、50万台から20~30万台へと減らされています。

 

現在AppleのAR/VRヘッドセットに関しては、景気後退をきっかけとした市場からの反響の悪さ、ハードウェアのスペックの妥協、デバイスの重量、エコシステムとアプリケーションの準備不足、価格の高さが懸念材料となっています。そして製品価格も3000ドルから4000ドル、あるいはそれ以上になるだろうと予測されているのです。

 

AppleのAR/VRヘッドセットについては以前にも、その投入時期を巡って社内が二分されているとの報道が登場してます。同社にとってAR/VRヘッドセットという新たな市場への参入は、それなりのリスクを伴うものとなりそうです。

 

Source: MacRumors

Appleがヘッドセットを幹部にお披露目? 従業員からは疑問の声も…

Apple(アップル)が「AR/VRヘッドセット」を幹部に披露したことを、Bloomberg(ブルームバーグ)が報じています。一方で、そのリリースに関しては社内から疑問の声もあがっているようです。

↑MacRumorsより

 

Bloombergの報道によれば、Appleは2018年からAR/VRヘッドセットのデモを社内向けに実施してきたとのこと。しかし今回のデモは「洗練され、華やかで、エキサイティング」な、非常に重要なものだったそうです。

 

一方でAppleのAR/VRヘッドセットは、「明確なキラーアプリがなく、コンテンツが限られ、外部バッテリーを数時間ごとに交換する必要があり、一部のテスターは不快と感じるデザイン」といった、潜在的な問題を抱えているとのこと。さらに、その価格も3000ドル(約39万円)とかなり高額になるようです。

 

そしてThe New York Times(ニューヨーク・タイムズ)によれば、Appleの一部の社員はAR/VRヘッドセットの有用性や価格について、懸念を表明しているとも報じています。さらに、実用的なiPodやiPhoneとは異なり「問題点を洗い出すためにリリースされるのではないか」という疑問の声もあがっているそうなのです。

 

さらにAppleの従業員だけでなく、幹部のなかにもAR/VRプロジェクトの将来性を疑問視する者がいるとも報じられています。たしかにARやMRヘッドセットはまだ十分な市場を開拓するには至っておらず、Appleの製品がそんな風潮を変えることができるのかどうかが気になります。

 

Source: Bloomberg, The New York Times via MacRumors 1, 2

XRの夢いずこへ…Google Glass EEの販売が終了

Google(グーグル)はAR(拡張現実)ヘッドセット「Google Glass Enterprise Edition(EE)」の販売を終了すると発表しました。

↑Google Glass

 

Google Glassは通常の眼鏡の縁にコンピューターとディスプレイが搭載されており、検索や翻訳、写真や動画撮影、メッセージ送信が可能です。2013年に開発者向けバージョン「Explorer Edition」が発売され、2017年には法人向けの「Enterprise Edition」が登場し、2019年には「Enterprise Edition 2」が投入されました。

 

Googleが更新したサポートページによれば、3月15日には製品の販売が終了し、9月15日まではサポートが継続されます。なお、今後はソフトウェア・アップデートは配信されません。サポート終了後も製品は通常どおりに利用できますが、「Meet on Glass」アプリは動作しなくなる可能性があります。

 

2022年10月には「Pixel」スマートフォンと組み合わせたAR機能のテストも始まっていた、Google Glass。一方でGoogleはヘッドセットにも利用できる「microLED」技術のスタートアップを買収しており、市場への再参入を期待したいものです。

 

Source: 9to5Google

ややっ!? 「realityOS」文字列がApple公式からまたも発見

Apple(アップル)が公式に提供するソースコードに「realityOS」への言及があったことが、海外テックメディアの9to5Macにより報じられています。

↑9to5Macより

 

realityOS(あるいはxrOS)は、Apple(アップル)からの投入が噂される「AR/VRヘッドセット」に搭載される予定のOSです。以前にはWindows向けのApple公式アプリからも「Reality OS」「xrOS」の文字列が見つかっており、その正式発表が近づいていることが予測されています。

 

今回のrealityOSという文字列は、AppleがGitHubにて開発者向けに公開しているソースコードから発見されました。コードには「iOS」「macOS」「watchOS」といったプラットフォームとともに、realityOSや「Reality Simulator」「Wolf(プラットフォームのコードネーム)」が併記されていました。

 

両目に4K解像度ディスプレイを採用し、アイトラッキング/ハンドトラッキングや多数のカメラ、M2チップなどの搭載が噂される、AppleのAR/VRヘッドセット。3000ドル(約40万円)とかなり高価になるという噂もありますが、あるかもしれないWWDCでの発表を楽しみにしたいものです。

 

Source: Aaron / Twitter via 9to5Mac

Apple「AR/VRヘッドセット」部品、ついに初リークか 

Apple(アップル)の「AR/VRヘッドセット」のものとされる部品画像がリークされたと海外メディアが報じています。なおリークアカウントのMr.White氏がTwitterでリークしたとみられていますが、現在アカウントは非公開です。

ARVR-headset
↑画像はMacRumorsより

 

AppleのAR/VRヘッドセットは、2023年6月のWWDCでの発表と、年内の発売が噂されていました。製品は4K解像度ディスプレイやハンド/アイトラッキング、M2チップや多数のカメラを搭載するなどかなりハイエンド志向で、3,000ドル(約40万円)での発売が予測されています。

 

今回リークされた画像は、ユーザーの目の周りに設置されるリボンケーブル状のものです。おそらく、ディスプレイ部品を接続するために利用されるものとおもわれます。

↑画像はMacRumorsより

 

もう1つは、ケーブルに沿って何らかのセンサー、あるいはカメラを搭載するためのもののようです。

 

残念ながらAR/VRヘッドセットの全貌を知ることは、今回の画像からは難しいでしょう。しかし年内の発売に向けて、着実に製品開発が進められているようです。今後もさらなる製品リークや情報公開がすすむことを期待したいものです。

 

Source: MacRumors

Appleのヘッドセット、投入時期を巡り社内が二分?

Apple(アップル)からの年内の投入が噂される「AR/VRヘッドセット」について、その発売時期をめぐりCEO(最高経営者)や重役、そしてデザインチームの意見が別れていたことを、Financial Times(ファイナンシャル・タイムズ)が報じています。

↑9to5Macより

 

AppleのAR/VRヘッドセットに関しては、Bloomberg(ブルームバーグ)によれば6月の開発者会議「WWDC」にて発表され、年内にも発売される見込みです。また製品は高解像度ディスプレイやハンド/アイトラッキング、M2チップや多数のカメラを搭載し、3000ドル(約40万円)とかなり高価になると予測されています。

 

今回のFinancial Timesの報道によれば、幹部のJeff Williams(ジェフ・ウィリアムズ)氏が率いるオペレーションチームは、たとえデバイスが高価であっても、先進的なヘッドセットをできるだけ早く出荷したいと考えていたそう。一方でデザインチームは、軽量な「ARスマートグラス(メガネ)」が実現可能になるまで、製品投入を待ちたかったそうなのです。

 

そしてAppleを率いるTim Cook(ティム・クック)CEOは、Williams氏による製品の早期投入を支持。たとえ製品が高価であり、また消費者へのアピールが大きくなかったとしても、今このタイミングで市場に参入すべきだと判断したようなのです。

 

これまでの噂が正しければ、AppleのAR/VRヘッドセットは消費者向けというよりも、業務での使用を意識した製品となりそうです。はたして同社の賭けが吉と出るか凶と出るか、今後を見守りたいものです。

 

Source: Financial Times via 9to5Mac

アップルのヘッドセット、ジェスチャーでiPhoneの操作を引き継げる?

アップルからの投入が期待される「AR/VRヘッドセット」にて、「Continuity」「Handoff」といった機能が利用できる可能性を、海外テックサイトのPatently Appleが伝えています。

↑9to5Macから

 

ContinuityとはMacやiPhoneによる複数の連携機能を意味します。ワイヤレスファイル転送機能「AirDrop」やテザリング機能「Instant Hotspot」、アプリの作業内容をほかのデバイスに引き継ぐ「Handoff」などがこれに相当します。

 

アップルが出願した特許によれば、ユーザーはMacでドキュメントを作成し、その内容をAR/VRヘッドセットに引き継ぐことができます。また、視線とジェスチャーだけでオーディオのHandoffを操作する方法も説明されています。

 

具体的には、AR/VRヘッドセットでiPhoneを見るもしくは何らかのジェスチャーで、開かれているドキュメントがiCloud上で共有され、ヘッドセットでも開かれるというのです。また、iPhoneから「HomePod」でオーディオを転送する操作でも、ヘッドセットが活用できるとしています。

 

以前の報道によれば、AppleのAR/VRヘッドセットは空中タイピングが可能だったり、あるいは目が不自由な人を助けることができたりするとも伝えられています。同社のヘッドセットは、産業用に終わらない未来を実現しようとしているのかもしれません。

 

Source: Patently Apple via 9to5Mac

アップル、目が不自由な人々を助けるAR / VRヘッドセット新機能を開発中か

アップルは初代AR / VRヘッドセットを開発し、早ければ年末までに発売すると予想されています。その後も第2世代などシリーズ化していくと思われており、将来のバージョンでは目の病気を持つ人を助けることができるかもしれません。

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↑スマートグラスでARアプリケーションを使用する図

 

アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者によると、同社内には最重要機密を扱うグループXDG(Exploratory Design Group)があり、そのエンジニアが次世代ディスプレイ技術や人工知能、そして視覚的な問題を抱える人々を支援するAR / VRヘッドセットの機能などに取り組んでいるそうです。

 

それ以上の詳細は不明ですが、アップルにとってアクセシビリティ(どんな人でも同じように利用できること)は常に重要な分野です。同社は誰もが自社製品を使えることを目指しており、iPhoneやiPad、Macでもさまざまな視覚、聴覚、身体機能につき支援するアクセシビリティ設定が用意されています

 

アップルの初代AR / VRヘッドセットは、10以上のカメラを内蔵し、その一部は周囲のマッピングに使われると噂されています。これにより、目の不自由な方に周囲の状況を音声案内できる可能性がありそうです。

 

また米MacRumorsは、加齢黄斑変性症(AMD)のような視界に死角ができる病気の人を対象にした機能があるかもしれない、と指摘。例えばARグラスの「Oculenz for AMD」は、すでにAMD患者の視界を補う仕組みが取り入れられています。

 

今のところアップル製AR / VRヘッドセットにつき、具体的なアクセシビリティ設定の情報はないようです。が、将来的にiPhoneに取って代わるほどの普及率を狙うなら、「誰しも使えること」は何よりも重視されるはず。アップルならではの独創性あるアプローチを期待したいところです。

 

Source:Bloomberg
via:MacRumors

Appleのヘッドセットは「空中タイピング」が可能かも

Apple(アップル)からの投入が予測されている「AR/VRヘッドセット」において、空中でのタイピングが可能だと、Bloomberg(ブルームバーグ)のMark Gurman(マーク・ガーマン)記者が報告しています。

↑MacRumorsより

 

AppleのAR/VRヘッドセットに関しては、今年6月に開催されるWWDCでの発表が予測されています。また「SiriでARアプリが作成できる」など、かなり意欲的な新機能が盛り込まれるようです。

 

今回の報道によれば、AppleのAR/VRヘッドセットには目の動きとハンドジェスチャーを利用したテキスト入力方式「In-air typing」が搭載されているとのこと。これによりiPhoneとペアリングをしなくても文字が入力できるのですが、一方で「まだ、iPhoneのタッチスクリーンでのキーボードを使用したくなるかもしれない」と、その完成度の低さも指摘しています。

 

AppleのAR/VRヘッドセットはセットアップに「iPhone」を必要とせず、「iCloud」のユーザーデータを独立してダウンロードすることができます。また2024年には第2世代のAR/VRヘッドセットや、廉価なAR/VRヘッドセットも投入されるようです。

 

ヘッドセットを装着し、空中で文字が入力できると聞くと、まるで映画のワンシーンのようにも感じられます。入力の快適さも含め、製品リリースまでにその完成度が高まっていてほしいものです。

 

Source: Bloomberg via MacRumors

アップルの廉価ヘッドセット、2025年にハイエンドモデルと同時登場?

アップルが2025年に第2世代となるハイエンドヘッドセットとローエンドヘッドセットを投入するとの予測を、著名アナリストのミンチー・クオ氏が報告しています。

↑MacRumorsより

 

アップルが廉価版のヘッドセットを開発していることは、以前にも海外テックサイトのThe Informationにより報じられていました。またNikkei Asiaによれば、この廉価版ヘッドセットはフォックスコンが開発しており、大量生産と生産効率の向上に焦点が当てられているようです。

 

今回のクオ氏の報告によれば、第2世代のハイエンドヘッドセットとローエンドヘッドセットはそれぞれLuxcaseictとフォックスコンにより製造されるとのこと。そして、両製品の投入時期は2025年になると伝えているのです。

 

アップルの第1世代となるハイエンドヘッドセットに関しては、3000ドル〜5000ドル(約40万円〜67万円)とかなり高価になることが予測されています。一方で第2世代のローエンドヘッドセットは「ハイエンドMacと同等の価格」となるようです。現在のiPhoneのように、第2世代では通常モデルと「Proモデル」が登場するのかもしれません。

 

アップルの第1世代ヘッドセットは、今年6月の開催が期待される「WWDC」での発表が予測されています。デュアル4K解像度ディスプレイや十数個のカメラ、高度なアイトラッキングとハンドトラッキング機能の搭載が期待される同製品ですが、はたして私達一般消費者にもメリットのあるプロダクトとなるのかどうかが気になります。

 

Source: Medium via MacRumors

アップルの廉価な第2世代ヘッドセットはフォックスコン製?

↑画像提供/MacRumors

 

フォックスコンが、アップルの廉価な第2世代ヘッドセットの開発をしていると、Nikkei Asiaが報じています。

 

アップルのヘッドセットといえば、6月に開催される開発者向け会議「WWDC」にて、「AR/VRヘッドセット」を発表するとの予測があります。一方で、プロセッサーやディスプレイ解像度をおさえた廉価なヘッドセットが2024年〜2025年に投入される、との報道も出ているのです。

 

Nikkei Asiaの報道によれば、アップルの最初のヘッドセットは3000ドル〜5000ドル(約40万円〜67万円)と「非常に高価」な製品になるとのこと。一方で第2世代のヘッドセットは「ハイエンドなMac」と同等の、より手頃な価格帯になるようです。

 

アップルの第2世代ヘッドセットでは価格をおさえるために、大量生産と生産効率の向上に焦点があてられるとしています。なお、具体的なスペックや価格に関する情報は報じられていません。

 

まだ最初の製品が発表されていないにもかかわらず、第2世代の廉価モデルが噂される、アップルのヘッドセット。それだけアップルがXR(ARやVR)分野に真剣なのか、あるいはまだまだ計画が定まっていないのかは、気になるところです。

 

Source: Nikkei Asia via MacRumors

約40万円のアップル製ヘッドセット、実は大人気? 関連企業が「需要の急増」に備えている噂

アップルが開発中と噂のAR/VRヘッドセット発表が、6月のWWDC(世界開発者会議)まで延期されるとの予想が報じられたばかり。そんななかで、約3000ドル(約40万円)するとも言われているこの高額ヘッドセットについて、なんとアップルのサプライヤーは需要の急増に向けて準備を整えているそうです。

↑アップルのヘッドセットは6月の登場が噂されています

 

台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesの有料記事によれば、光学コンポーネントとモジュールサプライヤーは、新型の拡張現実(XR)デバイスによる需要の急増に備えているとのこと。また、アップルが「今年(2023年)後半」に複合現実(MR)ヘッドセットを発売するとも述べています。

 

ちょうど先週の半ば、アップルの内部情報に詳しいMark Gurman記者が「当初は4月にヘッドセット発表イベントを開催する予定だったが、6月のWWDCまで延期された」と報じていました

 

「WWDCで新型ヘッドセットを発表し、今年後半に発売」というスケジュールは、実はとても理に叶っていることです。つまり、WWDCでヘッドセットとともに開発ツールを公表し、サードパーティの開発者たちがアプリを作る準備を整える。そして数か月後、ヘッドセット本体がお店に並ぶ頃には各種のアプリも揃っている……という状況が理想的なためです。

 

アップルのAR/VRヘッドセットは「Reality Pro」と呼ばれ、左右の目ごとに4Kディスプレイを搭載、度付きメガネの装着にも対応するとの噂話もありました。また側面にはApple Watchのようなデジタルクラウンがあって回すだけでデジタル世界と現実を行き来できるほか、Mac並みの強力なプロセッサーも搭載。それだけにバッテリーの消耗も激しく、1回の充電につき2時間だけ使えるといわれています

 

これだけリッチな仕様であれば、3000ドルという高価格も避けにくいはず。しかし、業界筋が「需要の急増」を予想しているとすれば、その価格を超えた素晴らしい体験をもたらすのかもしれません。

 

Source:DigiTimes
via:iMore

どんな形状に? SamsungがXRデバイスの開発を表明

Samsung(サムスン)は「Galaxy Unpacked」イベントにて、Qualcomm(クアルコム)のプロセッサとAndroid OSを搭載した「XR(VRやARの総称)デバイス」を開発していると明かしました。

↑Samsungより

 

先日には、新型スマートフォン「Galaxy S23」シリーズと新型ノートパソコン「Galaxy Book3」シリーズを発表した、サムスン。同社は以前に、Galaxyスマートフォンを差し込むタイプのVRヘッドセット「Galaxy Gear VR」を販売していたこともあります。

 

SamsungのTM Roh氏はThe Washington Post(ワシントン・ポスト)の取材に対し、同社がXRデバイスの開発に取り組んでおり、「そう遠くないうちに実現する」と語りました。なお、製品が具体的にどのようなものになるのかについては、明かされていません。

 

Roh氏によれば、SamsungのXRデバイスでは「ウェアラブルディスプレイなどのデバイスに特化した、未発表バージョンのAndroid OS」が動作するとのこと。Googleの広報は「私たちはパートナーと協力して、次世代のイマーシブ・コンピューティング体験を構築することに興奮しています」と語っています。

 

SamsungのXRデバイスには、4nmプロセスで製造されるARデバイス向けプロセッサ「Snapdragon AR2 Gen1」が採用されると予測されています。また、Meta(メタ)やMicrosoft(マイクロソフト)とも提携してサービスを提供する予定です。

 

現時点ではわからないことだらけのSamsungのXRデバイスですが、ライバルのApple(アップル)とともに、今後の業界を盛り上げてほしいものです。

 

Source: The Washington Post via 9to5Google

アップルのAR/VRヘッドセット、Siriで誰でもARアプリが作成可能に?

アップルからの投入が噂される「AR/VRヘッドセット」について、音声アシスタント「Siri」経由でARアプリが作成できるとの情報を、海外テックサイトのThe Informationが報じています。

↑MacRumorsより

 

アップルのAR/VRヘッドセットは、年内の発表とリリースが噂されています。スペックとしては両目に4K解像度ディスプレイを搭載し、アイトラッキングなど高度な機能を搭載するものの、3000ドル(約39万円)とかなり高額なデバイスになることも予測されています。

 

今回の報道によれば、アップルのAR/VRヘッドセットは開発者と顧客の両方が、ARアプリケーションを作成できるように設計されているとのこと。具体例として、Siriを利用することでグラフィックのデザインやアニメーションをプログラムし、バーチャルな動物が現実の物体の上を動き回る……といったアプリを作れるというのです。

 

アップルは2017年に、モントリオールを拠点とするFabric Softwareを買収しており、ARアプリの開発には同社の技術が活用されます。ただし今回のレポートは、2021年に同ツールを見たというレポートを元にしているため、現在はその内容に変更が加えられている可能性もあります。

 

アップルはiPhoneやiPad向けに、AR作成ツールとして「Reality Composer」などをすでに提供しています。その拡張として、AR/VRヘッドセットでも敷居の低い開発ツールが提供されるのかもしれません。

 

Source: The Information via MacRumors

AppleのAR/VRヘッドセットはMacの画面になり、映画鑑賞モードも搭載!?

Apple(アップル)からの投入が期待されている「AR/VRヘッドセット」について、AR/VRの切り替えやMacのディスプレイとしても使えるとの情報を、Bloombergが報じています。

↑MacRumorsより

 

すでに数多くの情報が登場しているAppleのAR/VRヘッドセットですが、いよいよ今年の春の発表秋の発売が期待されています。一方で片目4K解像度のディスプレイを搭載するなどハイエンドなスペックとなり、3000ドル(約39万円)とかなり高価になる、との予測も伝えられているのです。

 

Bloombergによれば、AppleのAR/VRヘッドセットはやはり約3000ドルにて投入され、Meta(メタ)のライバル製品のおよそ2倍の価格になるとのこと。そして、「視線と手の追跡機能が大きなセールスポイントとなる」と報じているのです。これは外部カメラによるユーザーの手の分析や、内部センサーによる目の動きの読み取りが可能になることを意味します。そしてユーザーは画面上のアイテム(ボタンやアイコン、リストの項目)を見て、選択することができるのです。ユーザーは親指と人差し指のピンチ動作でデバイスを操作し、手ぶら(コントローラーなし)での利用が可能です。

 

Digital Crown(デジタルクラウン)を利用してAR/VRを切り替え、ARモードではユーザーは現実世界に囲まれたような体験ができます。バッテリーは加熱を防ぐためにポケットに入れて利用し、ヘッドセット本体とはケーブルで接続することになります。さらにヘッドセットの加熱を防ぐため、冷却ファンも搭載される予定です。バッテリー1個では約2時間の利用が可能で、バッテリーのサイズは「iPhone 14 Pro Max」を2台重ねたくらいのサイズ、ともしています。

 

Macのディスプレイ機能は、仮想現実でMacの画面表示を見ながら、トラックパッドやマウス、キーボードでコンピューターの操作が可能。ブラウザやメール、Apple TVなどさまざまなアプリが対応します。文字入力にはAIアシスタント「Siri」か、近くにあるiPhone、Mac、iPadを利用。手を使って入力をする機能も開発中です。本体外部には装着者の目を表示する曲面ディスプレイを搭載。ディズニーやドルビーなどがパートナーとして参加し、巨大なスクリーンで映画を楽しめる「ビデオ鑑賞専用機能」も用意されているようです。

 

このように、かなり先進的な製品になりそうなAppleのAR/VRヘッドセット。ビデオ機能やコンテンツ開発にも力を入れていることから、もしかすると一般消費者でも楽しめる製品になるのかもしれません。

 

Source: Bloomberg via 9to5Mac

もう? アップルのAR/VRヘッドセットのレンズが2月出荷の報道

アップルのAR/VRヘッドセット向けのレンズが早ければ2月にも出荷されるとの情報を、台湾紙のDigiTimesが報じています。

↑MacRumrosより

 

AppleのAR/VRヘッドセットの情報に関しては、今年の春に発表されて秋にも発売されるとの情報があります。また、公式アプリには「Reality OS/xrOS」の文字列も登場。一方で、廉価なAR/VRヘッドセットが開発されているとの報告も伝えられています。

 

DigiTimesによれば、Genius Electronic Optical(GSEO)というメーカーが「Reality Pro」とも呼ばれる、アップルのAR/VRヘッドセット向けのレンズモジュールを来月から出荷するとのこと。GSEOはアップルのAR/VRヘッドセットのレンズモジュールを供給することになります。

 

アップルのAR/VRヘッドセットに関しては、BloombergのMark Gurman記者が「6月のWWDC前に製品が発表される」と報告していました。そして続くWWDCでは、先述のxrOSの詳細が開発者向けに紹介され、秋にヘッドセットが出荷されるとしているのです。

 

開発者やプロフェッショナルを対象とし、3000ドル前後(約39万円)と高価でニッチな製品になるとも予測されている、アップルのAR/VRヘッドセット。今後のARやVRを含めた「メタバース業界」がどのように発展するのかを占うという意味でも、大事なプロダクトとなりそうです。

 

Source: DigiTimes

Apple StoreにARショッピング機能が追加? ヘッドセット体験を先行か

Apple(アップル)が世界各地の直営店「Apple Store」にて、ARショッピング機能を導入するとの情報を、Bloombergが報じています。

↑Urbanscape / Shutterstock.comより

 

報道によれば、このARショッピング機能はiPhoneの「Apple Store」アプリにて利用できます。そしてApple StoreでMacなどの製品にiPhoneを向けると、価格や仕様などの詳細情報が画面にオーバーレイ表示されるというのです。

 

Appleは少なくとも2020年からARショッピング機能に取り組んでおり、ここ数か月は店舗でのテストをおこなっているとのこと。ただし、この機能がいつ一般に公開されるかは不明だとしています。またAppleは他の小売店でもARショッピング機能が使えるように、開発者向けにAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)を公開する予定のようです。

 

さらにBloombergは、「ARショッピング機能は、AppleのAR/VRヘッドセット体験のさきがけとなります」とも報じています。年内の発表と発売が期待されている同ヘッドセットですが、その機能の一部がiPhoneでも体験できるとすれば、なかなか楽しそうです。

 

Source: Bloomberg via MacRumors

ヘッドセットが登場間近? 「Reality OS/xrOS」文字列をApple公式アプリで発見!

Apple(アップル)の公式アプリの内部に「Reality OS」「xrOS」の文字列が含まれていたことが、開発者のAaron氏によって報告されています。これは、近日の登場が噂される「AR/VRヘッドセット」の投入が近いことを示唆しているのかもしれません。

↑MacRumrosより

 

AppleがAR/VRヘッドセットの投入を準備していることは、以前から何度も報じられてきました。最新の報道では今年の春に発表され、秋にも発売されるとの情報も。また、そこで動作するOSの名称が「xrOS(仮称)」になることも、Bloomberg(ブルームバーグ)によって報じられていました。

 

今回文字列が見つかったのは、Windows向けアプリ「Apple Devices Preview App」のプレビュー版です。このアプリはWindowsパソコン上でAppleデバイスを管理するためのもので、このことからも新たなAR/VRヘッドセットの投入が近いことを期待させるものです。

 

2000ドル(約26万円)以上の高価な価格になることや、高解像度ディスプレイに高度な表示機能、調整機能を搭載するとされているAppleのAR/VRヘッドセット。また、腰に装着するバッテリーが用意されるなど、なにやら一般向けというよりも業務用の製品になりそうな様子です。今は、同ヘッドセットがどのように既存のApple製品と連携して動作するのかに期待したいものです。

 

Source: Aaron / Twitter via MacRumors

AppleのAR/VRヘッドセット、発表は今春にも!?

Apple(アップル)の「AR/VRヘッドセット」の正式発表が、毎年6月に開催される開発者会議「WWDC」に先駆けて春にも開催される可能性を、Bloomberg(ブルームバーグ)のMark Gurman(マーク・ガーマン)記者が報告しています。

↑AppleのAR/VRヘッドセット予想図(画像提供/MacRumors)

 

AppleのAR/VRヘッドセットに関しては、著名アナリストのミンチー・クオ氏が「生産の遅れにより、投入が今年秋に遅れる」と報告していました。また2000ドル(約26万円)を超えるかなりのハイエンド製品になることや、腰に巻きつけるためのバッテリーが登場するとの報告も登場しています。

 

Gurman記者によれば、AppleのAR/VRヘッドセットに関してはプロトタイプのハードウェアが、すでに少数の開発者向けに配布されているとのこと。しかしデバイスの完成度は低く、ハードウェアとソフトウェアの連携に関する改善が必要だと指摘しています。さらに、他の部門から開発者やリソースが投入されているようです。

 

一方で発表スケジュールについては、以前は今年の1月が予定されていました。しかし、その予定は変更されたとしています。また春に正式発表した後、6月のWWDCでは開発者向けの詳細やリソース、ツールを提供するようです。

 

というわけで、もしかすると数か月以内にもお披露目となるかもしれない、AppleのAR/VRヘッドセット。業務用のハイエンド製品なのか、あるいは私達でも購入できるような製品となるのかに、注目したいものです。

 

Source: Power On newsletter via 9to5Mac

アップルのAR/VRヘッドセット、開発遅れで投入は今年秋に?

Apple(アップル)からの投入が噂される「AR/VRヘッドセット」について、その投入が今年の秋に遅れる可能性を、著名アナリストのミンチー・クオ氏が報告しています。

↑AppleのAR/VRヘッドセット予想図(画像提供/MacRumors)

 

AppleのAR/VRヘッドセットに関しては、これまで2023年前半の投入が噂されてきました。また最新の報道では、本体に「Digital Crown(デジタルクラウン)」が搭載され、腰に巻き付けるタイプのバッテリーが登場するとの報告も登場しています。

 

今回のKuo氏の報告によれば、AppleのAR/VRヘッドセットではソフトウェア開発ツールや落下テストの問題から、デバイスの発表は毎年6月開催される開発者イベント「WWDC」を含めた、春か夏になるとのこと。そして製品のリリースは今秋になると予測しているのです。

 

またKuo氏は、開発者がAR/VRプラットフォーム向けのアプリケーションを作成できるように、Appleがソフトウェアツールの仕上げに取り組んでいるとも報告しています。一方で、アプリケーションの配布は製品発表から遅れて実施される可能性もありそうです。

 

もしAppleが参入すれば、まさにゲームチェンジャーとなりそうなヘッドセット業界。一方でAppleの製品は2000ドル(約26万円)にもなると噂されており、その価格が若干心配でもあります。

 

Source: Ming-Chi Kuo / Tiwtter via 9to5Mac

2023年内にはiPadやAirPods、Apple Watchの大幅なアップデートなし? AR/VRヘッドセットに集中するため

アップルは2023年内にiPad、AirPods、Apple TVおよびApple Watchの大幅なアップデートは予定していないとの有力情報が届けられています。

↑AR/VRヘッドセットに注力?

 

この情報の発信源は、アップル社内の事情に詳しいBloombergのMark Gurman記者です。そのニュースレターPower On最新号によると、同社は噂のAR/VRヘッドセット「Reality Pro」を6月のWWDC(世界開発者会議)前に発表し、今年秋には出荷予定とのこと。そちらに力を入れるため、ハードウェアおよびソフトウェアの技術者を集めており、他のプロジェクトに支障が出ていると伝えられています。

 

まずiPadについては、直近の新製品は2024年前半の11インチおよび13インチiPad Proになるとのこと。また2023年内にはiPad mini、iPad Air、そして無印iPadの小幅なアップデートがあるかもしれないそうです。

 

またAirPodsシリーズも、今年は「特筆すべき」アップデートはないでしょう、とのこと。第3世代AirPodsは2021年10月、第2世代AirPods Proは2022年9月にリリースされたことから、最上位モデルのAirPods Maxは最も古いAirPods製品となっています。つまり、暗に「AirPods Max後継モデルは2023年には出ない」と仄めかしていると推測されます。

 

そしてApple Watchについても、若干の性能アップを除けば大きな変更はないそうです。こちらは昨年春、やはりGurman氏が「今後2年ほど、新型Apple Watchには注目の健康関連センサー(血圧や血糖値など)が搭載されそうにないと述べていたことの再確認ではあります。

 

とはいえ、「Apple Watch Series 9(仮)」やApple Watch Ultraのマイナーアップデートは期待できそうです。ほか、2023年内に新型Apple TVもないと予想されていますが、逆にいえば現行のアップル製品が型落ちになる心配なしに使っていけるかもしれません。

 

Source:Bloomberg
via:MacRumors

2022年は「耳を塞がないイヤホン」が大ヒット! 2023年につながるポータブルオーディオ最前線をチェック

2022年もポータブルオーディオの新たな可能性に道が拓き、音楽リスニングや音声によるコミュニケーションのトレンドがいくつも生まれました。そこで、本記事では来る2023年にもつながる「ポータブルオーディオ最前線」を振り返ってみたいと思います。

 

2022年に最もヒットしたオーディオは「ながら聴きイヤホン」

まずはワイヤレスイヤホンの話題から。今年も左右独立型のいわゆる“完全ワイヤレスイヤホン”の新製品が数多く発売されました。2020年頃から、アクティブノイズキャンセリングと外音取り込み機能を搭載するモデルがずっと好調な売れ行きをキープしていますが、2022年に割って入ったのは「耳を塞がないイヤホン」でした。

 

外殻である「ハウジング」に小さな孔を設けたり、頭蓋骨を振動させて音を聴く骨伝導方式のイヤホンが登場したりと、耳を塞がないイヤホンにもさまざまな種類の製品があります。

↑ソニーのLinkBudsは2022年に発売された耳を塞がないイヤホンの代表格

 

耳を塞がないイヤホンは音楽や通話音声を聴きながら、外の環境音にも同時に注意を向けやすいことから人気を博しています。主な用途は屋外でのジョギングなどのワークアウト、オンライン会議、そしてオーディオブックを聞きながら家事をこなすといった、「ながら聴き」です。

↑外耳に挟み込むように装着するワイヤレスイヤホン「ambie sound earcuffs/AM-TW01」

 

耳を塞がないイヤホンと相性のいい新エンタメ「Sound AR」

個人的に、耳を塞がないイヤホンは、屋外を歩きながら安全に使える点で優れていると感じます。そのメリットを活かせる、新しいスタイルのエンターテインメントが2022年に大きく成長しました。ソニーが提案する「Sound AR」です。

 

街の中、屋内施設など現実世界のロケーションに「音によるイベントスポット」を重ねて、現実世界の風景の上に音のエンターテインメントや音声情報によるデジタル仮想空間を再現します。ソニーのアプリ「Locatone(ロケトーン)」と、スマホとペアリングしたイヤホン・ヘッドホンを使って、各スポットに配置された音を聞きながら、仮想世界のイベントにのめり込めるところが、Sound ARの醍醐味です。

↑街の中に張り巡らされたSound ARイベントを楽しむソニーのアプリ「Locatone」

 

LocatoneによるSound ARはさまざまなイヤホン・ヘッドホンで楽しめますが、屋外を歩きながら聞くコンテンツが多めなので、耳を塞がないイヤホンと相性が良いと感じています。ソニーが2022年春に発売した「LinkBuds」シリーズも、斬新なドーナツ型のデザインが話題を呼び、「ながら聴き」にベストなワイヤレスイヤホン。そういったイヤホンを耳に着けて、足を使い、体を動かしながら音を聞いて楽しむSound ARの新たな展開に、2023年も要注目です。

 

新AirPods ProにGoogle Pixel Buds Proのアプデで、空間オーディオに広がりが

2022年は約3年ぶりにノイズキャンセリング機能を搭載するアップルのワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」の新世代機が発売を迎えました。ノイキャン効果が高くなり、サウンドもより力強い低音を出せるイヤホンに進化しています。細かなところでは、充電ケースに入れたまま「探す」アプリからリモートでイヤホン本体を探せる機能が秀逸だと思います。

↑3年ぶりにリニューアルされたアップルのノイキャン機能付きワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」

 

AirPods Proといえば、ドルビーアトモスによる「空間オーディオ」の立体音楽体験と相性の良いワイヤレスイヤホンとしても注目されています。特に最新のiPhone、iPadなどアップルのデバイスと組み合わせると、顔や体の動きに対して空間オーディオの音が連動して、よりリアルな没入体験が味わえる「ダイナミックヘッドトラッキング」を利用できます。

 

空間オーディオという立体音楽体験そのものはアップルだけのものではなく、ソニーの「360 Reality Audio」もまた同じカテゴリーのエンターテインメントに分類されます。また、グーグルも2023年1月のソフトウェアアップデートにより、Pixelシリーズのスマホとワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds Pro」の組み合わせで、空間オーディオ体験をサポートすることを予告しています。

 

グーグルのデバイスではどんなコンテンツが、どのプラットフォームと連携して楽しめるようになるのか気になりますが、2023年は空間オーディオが大いに盛り上がりそうです。

↑グーグルのワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds Pro」も空間オーディオ再生対応を予告しています

 

Bluetoothオーディオの新技術「LE Audio」で注目は「Auracast」

少し立ち上がりが遅れていますが、Bluetoothオーディオの新世代技術である「LE Audio」に対応するスマホ、オーディオ製品が2023年から少しずつ出揃うことも期待されています。LE Audioはハイレゾワイヤレス再生、Bluetoothオーディオを使ったVoLTEなみの高品位な音声通話などの体験が可能。個人的には、スマホなどの1台のBluetooth機器から、同時に複数のワイヤレスイヤホン・ヘッドホンへ同じコンテンツを同期させて送り出す「Auracast(オーラキャスト)」という技術が筆者は最も気になっています。

 

LE Audioに対応するデバイス、Auracast対応のサービスが出揃うと、たとえばテーマパークに出かけて、Sound ARや空間オーディオのような音響系エンターテインメントを大勢の参加者と一緒に楽しめるようになります。音楽ライブや、映像と音を組み合わせたアート作品などにも新しい可能性が見えてきそうです。2023年は「Auracast」というキーワードにぜひ注目してください。

↑Bluetooth LE Audioに対応するイヤホン・ヘッドホンなどのオーディオ機器を身に着けた複数のユーザーが、同じオーディオコンテンツを一斉に楽しめるようになる「Auracast」に注目です

 

2023年はポータブルオーディオプレーヤーが来る!?

最後に、筆者が2022年に買って「大満足のオーディオ」をひとつ紹介しようと思います。オーディオテクニカのポータブル・アナログレコードプレーヤー「サウンドバーガー」です。

 

本体にアナログレコードをハンバーガーのように挟み込んで聴くデザインがとてもユニークな製品ですが、音はBluetooth対応のヘッドホンやスピーカーで聴ける、とても実用的な製品でもあります。アナログレコードをジャケ買いしてしまったけれど聴く機械を持っていない方には、大がかりなコンポを揃えなくていいサウンドバーガーがおすすめです。……が、残念ながら本機は世界で台数を限定して販売した製品だったので、現在は好評につき完売。2023年の再販、またはレギュラー商品化を願うばかりです。

↑レコード再生が手軽に楽しめる画期的なポータブルプレーヤー「サウンドバーガー」。Bluetoothヘッドホン・イヤホンで“アナログの音”が聴けます

 

今は音楽配信サービスが広く普及していますが、アナログレコードを持ち歩きながら聴けるサウンドバーガーが注目を浴びたことで、ポータブルオーディオプレーヤーがまた勢いを盛り返すのかもしれません。2023年も年初から、私たち音楽ファンをあっと言わせるような製品が登場することを期待しましょう。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

「観光DXの切り札」は歴史遺産にアリ。VR&ARで加速する「歴史DX」の最前線

金融、医療、物流、防災……。幅広い分野で「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が叫ばれるなか、観光の切り札として俄然注目を集めているのが「歴史DX」。失われた城や建物、かつての街並みなど観光資源である歴史的資産をデジタル技術で精密に再現し、VRやARで体感してもらうという「過去」と「現在」を結びつける新しいツールです。

 

観光立国のカギを握る「歴史DX」とは?

近年、文化庁では文化芸術のDX化を推進しており、令和5年度予算の概算要求の柱として「文化芸術のグローバル展開、DXの推進、活動基盤の強化」(令和5年度要求・要望額:301億円+事項要求/前年度予算額:223億円)が掲げられています。また、歴史的な文化財をDX化によって積極的に活用していくことを観光庁が推進している流れとも合わせ、歴史再現系のデジタルコンテンツは、2030年に訪日外国人旅行者数6000万人を目指す「観光立国」のカギともなるでしょう。

↑文化庁が公表している令和5年度予算の概算要求では、文化芸術のグローバル展開、DXの推進、活動基盤の強化などに力を入れていることがわかる(文化庁資料より)

 

今回のインタビューでは、歴史DXをいち早く手掛けてきた株式会社キャドセンター(以下、キャドセンター)の担当者、綱木 俊博さん、宮下 真一さん、岡本 小夏さんに、歴史的資産を再現する意義や、歴史DXを成功させる秘訣について伺いました。

↑株式会社キャドセンターの綱木 俊博さん、宮下 真一さん、岡本 小夏さん

歴史的資産のデジタル化はいつから盛んになったのか?

そもそも、デジタル化によって歴史的資産の観光価値を高めようという試みは、「Oculus Rift」や「PlayStation VR」といったヘッドマウントディスプレイが市場に出揃い「VR元年」と呼ばれた2016年頃から盛んになってきました。キャドセンターの場合、従来からの技術の蓄積があって参入がスムーズだったといいます。

 

「歴史関連のコンテンツでしたら、弊社は20年以上前から扱っています。メイン事業は建築のCGですので、基本的に建物が完成した後の未来の姿を描くことが多いのですが、それは“今ないものを描く”という意味で歴史の再現とも親和性が高いんです。また、デジタルアーカイブという技術も、ちょうど20年ほど前に確立されました。物体をレーザー計測して点の集合体『点群』を取り、形状そのものをデジタル化して残すという技術です。例えば、点群データから新薬師寺の仏像をデジタル化し、さらに現在色が落ちている部分の彩色を再現するといったコンテンツも手掛けていました」(綱木さん)

 

特に大手の印刷会社など、歴史的な建物や造形物のデジタル化を手掛けてきた企業は同様の傾向が見られるそう。さらにキャドセンターの場合、VRコンテンツのノウハウも蓄積していたとか。

 

「実は20年以上前から今で言うVR的なものはあったんですよ。要はゲームと同じようなもので、PCでリアルタイムにレンダリングしていくインテラクティブ性のあるCGのことです。そういったVR的なコンテンツを、20年以上前から手がけていたことが技術の蓄積に大いに役立ちましたね」(綱木さん)

 

「みえない世界遺産」を見える化せよ!

それまで学術的・学問的なニュアンスが強かった歴史資産のデジタルアーカイブ化に、VRで楽しむというエンタメ色が加わっていく先駆けとなったケースが、2015年から公開された佐賀県三重津海軍所跡の「三重津タイムクルーズ」です。

 

「私たちが関わった歴史系デジタルコンテンツで、非常にエポックメーキングとなったのが『三重津タイムクルーズ』という事例です。今は地中に埋まってしまった明治の海軍所をCGで復活させ、賑わっていた当時の様子もVRで体感できるという仕掛け。この「三重津タイムクルーズ」の試みは、文化庁のガイドブック「文化財の観光活用に向けたVR等の制作・運用ガイドライン」(2018年)にもモデルケースとして取り上げられ、評価されました。これ以降、自治体や施設からのVRやARを使ったコンテンツへの問い合わせが、圧倒的に多くなりましたね」(綱木さん)。

↑2015年から公開された産業革命遺産 佐賀県三重津海軍所跡の「三重津タイムクルーズ」。今は地中に埋まってしまった海軍所の往年の様子をVRでリアルに体験することができる

 

これをきっかけに、同じく世界遺産の平泉の文化遺産を体感できるVRコンテンツ「平泉タイムスコープ」など、さまざまな自治体から歴史系デジタルコンテンツの依頼が舞い込むようになったといいます。

 

「平泉は、中尊寺の金色堂以外にも世界遺産の構成資産が実は7か所ほどあります。それらはほぼ現存しておらず、回遊してくれる人も少ないのでなんとか増やしたいとのことで、平泉町から依頼を受けました。「平泉タイムスコープ」は、無量光院跡というお寺があった場所などを巡ってVRゴーグルを覗いて、平安時代の平泉を体験できるコンテンツになっています。」(綱木さん)

 

この「平泉タイムスコープ」では、コンテンツ内で平安時代の雰囲気をリアルに再現するために、地元の方々の協力を得て時代衣装を身にまとった人物を撮影してモデリングをするといったこだわりもあります。撮影には、キャドセンターのグループ会社である立体造形工房の技術である、360°ぐるりと設置した100台のカメラを使い、瞬時に3Dデータ化する3Dスキャンシステム「瞬撮」が用いられています。

↑100台のカメラを使い瞬時に3Dデータ化する3Dスキャンシステム「瞬撮」での撮影風景。モデルとして参加したのは地元の人たちだ

 

「私は学芸員資格を持っているのですが、歴史学を専門にしている監修の先生と細かくお話ししたうえで、京都の老舗の貸衣装屋さんにも相談して、きちんとした平安時代の衣装を用意していただきました」(宮下さん)

 

建築物や衣装はもちろんのこと、こうした当時の光景の再現には、これまでの歴史研究の結果とのすり合わせが重要となってきます。

 

「監修の研究者の方に、『今はこうだけど、実際の道幅はもっとこうでしたよ』と詳細な地図をいただいて、それをインプットしていきました。建物に関しても、研究が進んだデータをお持ちの先生がいらっしゃって、それをもとにさらに作り込んでいくというケースもあります。建築学の先生、民俗学の先生、さまざまな研究者の方と関わりながら進めています」(宮下さん)

 

「人物の動きに関しては、たとえば実際の雅楽を継承されてる方の動きをモーションキャプチャーしています。バーチャルではありますが、極力リアルに見せる努力をする。まるでそこにいるような体験をしていただきたいと思っています」(綱木さん)

↑「平泉タイムスコープ」では、当時の暮らしぶりはもちろん、道幅まで緻密に再現されている

 

高いモデリング技術に基づいたリアルな3Dデータがあるからこそ、VRによって臨場感の高い体験が可能になる。そして、現在と過去を比べることで、そこにかつて何があったのかを認識でき、時代の移り変わりもイメージできる。単なる歴史文化財の再現に留まらない、これぞタイムトリップといえるのではないでしょうか。

 

プロジェクトの制作期間は意外と短い!?

デジタル上とはいえ、現存していない建物や施設を作り出したうえに、当時の風景や空気感も再現するプロジェクトには、一体どのくらいの期間がかかるのでしょうか。

 

「ほとんどのプロジェクトは1年未満ですね。公募があってから納品までがほぼそれくらいです。ただ、多くの場合、監修の先生が入られて、さまざまな部分に監修が及ぶので、その期間も待たなければなりません。そうなると実際の制作期間は半年ほどですかね」(綱木さん)

 

「最初の半年で、どういったものを見せるか、シナリオのようなものを監修の先生と決めて、そこからデータを作っていく作業に移ります」(宮下さん)

 

史実と照らし合わせながら入念な計画を立て、その後精密なCGを半年で仕上げる。これはまさに職人芸と言えるでしょう。そして何より、コンテンツを作るうえで忘れてはならないのが地元の方との協力だそうです。

 

VR化することがゴールではない

これまでの話からもわかるように、歴史DXと一口にいっても、歴史資産をただVR化することがゴールではありません。VRにする意義や、VRにすることで何を楽しんでもらいたいのか? そうした視点がないと歴史DXは上手くいかないと岡本さんは言います。

 

「文化財を観光資源化するということは、観光に来た方にとっても、地元の方たちにとっても、その場所にある歴史や文化を深く理解できる状況を作るということなのです。エンタメ系の演出がそれを手助けする場合もありますし、シリアスな用途で歴史体験を行いたいというケースもあります。ただ当時を再現するだけでなく、そこに意味を付与する。そのコンテンツがどういった意味を持っているかという部分を意識して常に制作しています」(岡本さん)

 

たとえば広島市の平和記念公園をVRで巡る「広島 PEACE PARK TOUR VR」では、被爆経験を語る証言者の高齢化による歴史の伝承という課題解決に挑みました。ただし、VRがもたらす臨場感はそれを体験する人によっては刺激が強すぎる場合があるため、開発に際しては被爆者の方の証言や過去の写真などの史実をベースに再現しつつも、2つの異なるバージョンを用意したそうです。

↑「広島 PEACE PARK TOUR VR」では、被爆当時の状況や復興に向けて立ち上がる広島市民の想いを体験できる

 

「VRでリアルに再現したい』という思いだけが目的化してしまうわけですけど、そこになるべく人間味を付与しつつ作るということをキャドセンターではやっていけたらと思っています」(岡本さん)

 

歴史的な事実、地元の方々、観光に訪れる方、それぞれが持つ背景を理解しながら、再現という枠を飛び出さないように体験コンテンツとして仕上げていく。デジタル技術だけでは成立しない中身の濃さが歴史DXの真髄なのでしょう。

 

2022年12月17日~18日には国内最大級のお城ファンの祭典「お城EXPO 2022」にて、「仙台城VRゴー」、そして初となる「お城バンジー」などのVRコンテンツを出展予定というキャドセンター。

 

「「お城バンジー」はエンタメに振った話題性の高いコンテンツになっていると思います。CGデータがあれば、観光向けにこうしたインパクトのあるものも作れるんだという方向性を見せられれば嬉しいですね」(綱木さん)。

 

お城の新しい楽しみ方として「お城バンジー」は今後定着していくのか。ぜひとも体験してみたいコンテンツです。

 

【関連記事】

過去にも未来にも、名画やアニメの世界にも行けるーー「観光DX」は時空と次元を超える深みがある

 

まとめ/卯月鮎 撮影/中田悟(人物)

まだまだ先? アップル製AR/VRヘッドセットに出荷遅れの噂

アップルによる開発が噂されているAR/VRヘッドセットについて、その出荷が2023年後半に延期さる可能性があるとの情報を、著名アナリストのミンチー・クオ氏が報告しています。

↑9to5Macより

 

アップルのAR/VRヘッドセットについては、これまで2023年のリリースを示唆する情報何度か伝えられてきました。ただし、その出荷時期の予測はたびたび後送りされてきたという経緯もあります。

 

クオ氏によれば、アップルのAR/VRヘッドセットでは「特定できないソフトウェア関連の問題」が発生しており、その量産時期が延期される可能性があるとのこと。ヘッドセット用の部品製造は2023年前半に始まる可能性が高いのですが、製品の組み立てと出荷はやはり2023年後半になるだろうと予測しているのです。

 

クオ氏は以前、アップルが来年1月のメディアイベントでAR/VRヘッドセットを発表し、第2四半期(4月〜6月)に発売するだろうと主張していました。もし製品出荷が2023年後半になるとすれば、発表から発売までの時期がずれてしまい、売り上げに影響する可能性も指摘されています。

 

3000ドル(約41万円)のハイエンド向けデバイスになるとも噂される、アップルのAR/VRヘッドセット。その開発も、一筋縄ではいかないようです。

 

Source: 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) / Twitter via MacRumors

アップルのAR/VRヘッドセット、動作するのは「xrOS」?

アップルによる開発が噂されるAR/VRヘッドセットでは「xrOS(仮称)」が動作するとの情報を、ブルームバーグのMark Gurman記者が報じています。

↑9to5Macより

 

アップルのAR/VRヘッドセットについては、2023年のリリースを示唆する情報何度か登場しています。また製品は3000ドル(約41万円)のハイエンド向けデバイスとなり、虹彩認証機能が搭載されるとの情報もあります。

 

今回の報道によれば、アップルはAR/VRヘッドセットのOSの名称を「realityOS」からxrOSに最近変更したとのこと。また、xrOSの「xr」は「Extended Reality(拡張現実)」だとも説明されています。このことは、アップルのヘッドセットがAR(拡張現実)からVR(仮想現実)までを含めたMR(複合現実)に対応することを示唆しています。

 

アップルのAR/VRヘッドセットの開発にはPages、Keynote、Numbers、Notes、Apple Newsなどの開発責任者が関与しているとのこと。このことから、アップルがハードウェアだけでなくアプリやサービスの開発も重視している可能性があります。

 

VR業界ではメタが「Meta Quest Pro」を発表した一方、3次元コミュニケーション空間「メタバース」関連事業の失速も伝えられています。アップルが本当にAR/VRヘッドセットをリリースするのなら、どのような業界を狙って投入するのかが気になるところです。

 

Source: ブルームバーグ via 9to5Mac

アップル、AR/VRヘッドセットのOS開発を一旦完了?

アップルがAR/VRヘッドセット向けのOS開発を一旦完了したことを、ブルームバーグが報じています。

↑hilalabdullah/shutterstock.comより

 

アップルのAR/VRヘッドセットについては、2023年のリリースを示唆する情報何度か登場しています。また、3000ドル(約42万円)もするハイエンド向けの製品になるという噂もあります。

 

ブルームバーグの報道によれば、アップルはAR/VRヘッドセット「Oak(コードネーム)」で動作するOSの最初のバージョンの開発が「内部で終了している」とのこと。そのため、「来年の新ハードウェアに対応できるはずだ」と指摘しているのです。

 

さらにアップルはARやVR技術に取り組むチーム「TDG(Technology Development Group)」の採用を引き続き強化しており、新規採用だけでなく昨年退社したエンジニアの採用なども行っていると指摘しています。

 

また求人情報によれば、アップルはデバイスにおけるコンテンツを強化する作業に力を入れているようです。具体的には3Dコンテンツ関連のビデオサービスやサードアプリの参入、そして「メタバース」的な展開も想定しているようです。

 

ということで、現時点ではさまざまな将来がありえそうな、アップルのAR/VRヘッドセット。いつの日か、私達が気軽に購入できる価格帯の製品につながることに期待したいものです。

 

Source: 9to5Mac

スマホで撮った「チェキ」をARでデコれる! スマホプリンター「INSTAX SQUARE Link」

富士フイルムは、スマホの画像をスクエアフォーマットのチェキフィルムに出力できるスマホプリンター“チェキ”「INSTAX SQUARE Link」を、11月17日に発売します。

 

「INSTAX Link」シリーズは、専用アプリからBluetoothでスマホの画像をチェキフィルムにプリントできるスマホプリンター。今回発売となるSQUARE Linkは、AR(拡張現実)エフェクトでチェキプリントを彩る機能やメッセージ付きチェキプリントを楽しめる機能を搭載した、シリーズ最新モデルです。

 

「AR Print」は、専用アプリを用いて、同製品で出力したチェキプリントをARエフェクトで彩る新機能。ARエフェクトを重ねたチェキプリントを表示したり、その表示画面を動画や静止画として保存し、SNSで簡単に共有できます。

 

新たに搭載される「INSTAX Connect」は、専用アプリで、スマホの画像にチャットのメッセージを重ね合わせてプリントできる機能。メッセージ付きで送ったスマホの画像に、相手からの返信メッセージもあわせてプリントすることで、そのときの気持ちを写真で共有することが可能になります。

 

本体のカラーバリエーションは、アッシュホワイトとミッドナイトグリーンの2色展開。本体カラーに合わせた専用ハードケースと、スクエアフィルム用アルバムも同時発売します。価格はいずれもオープン。

旅のガイドはARキャラクター!? アゴーラ ホテル アライアンスで「ARで旅する観光フォトプラン」販売開始

アゴーラ ホスピタリティーズは、AR(拡張現実)でアゴーラ ホテル アライアンスのオリジナルキャラクターが登場し、写真撮影できる宿泊プラン「ARで旅する観光フォトプラン」を、11月30日までアゴーラ ホテル アライアンスのホテル10施設で販売しています。各施設の公式サイトより予約が可能。料金は施設により異なります。

 

同プランはオリジナルキャラクターと一緒に旅する気分を体験でき、ARにはアプリのインストールが不要なウェブARを導入。スマートフォンで二次元コードを読み取ることで、画面上にARのキャラクターが出現します。ARで撮影した写真は保存ができ、家族や友人とシェアしたり、SNSに投稿したりして楽しめます。

 

期間中は「ARで旅する美しい日本 アゴーラフォトコンテスト」も実施。応募方法は、Instagram「@inst.agora」をフォローし、ARで撮影した写真をハッシュタグ「#ARで旅する」付きでInstagramに投稿するだけで、エントリーが完了します。投稿者の中から、優秀賞1名に無料宿泊券とアゴーラオリジナルグッズ、入賞5名にアゴーラオリジナルグッズをプレゼントします。応募期間は11月30日23時59分まで。

「観光DX」が進まないのは、「ただのデジタル化」がゴールになるからである

も“観光立国”を目指す日本。政府は計画として、「2030年の訪日外国人6000万人、旅行消費額15兆円」という具体的な数値を掲げています。そうしたなか、「観光DX」もキーワードとして取り上げられることが多くなってきました。「DX」とは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、デジタル技術によって製品やサービス、ビジネスモデルを変革すること。

 

観光庁の予算も観光DX関連は年々増額され、ポストコロナを見据え、旅行者の体験価値向上やリピーター層の定着などを図るため、令和4年度予算では「DXの推進による観光サービスの変革と観光需要の創出」に7.81億円が割り当てられています。しかし、観光DXのジャンルはまだノウハウの蓄積が少なく、取り組みが難しいのが現状です。

 

↑こちらは令和3年度のDX事業採択案件。「顧客管理」「移動・物流」「リアルタイムデータ取得」「周遊促進」「消費促進」「決済」「観光コンテンツ・体験」など、観光DXの領域は多岐にわたることがわかる(観光庁資料より)

 

そこで今回は観光DXのなかでも特にコンテンツ領域のDX化にいち早く取り組み、様々な事例を蓄積している株式会社キャドセンターの担当者、岡本小夏さん、綱木俊博さんに観光DXの現状と今何をすべきかについてお話を伺いました。

岡本小夏さん、綱木俊博さん。このほかに同社でさまざまな観光DX案件に取り組む川上晋也さんにも話を聞いた

 

「コンテンツ型観光DX」が切り札になる

上記の通り、観光DXにはいくつかのジャンルがあります。一般的には予約検索ツールの導入による効率化といった事例が目立つなか、キャドセンターでは観光コンテンツ型のDXを手掛けています。

 

「旅行は、わかりやすくいうと旅前・旅中・旅後の3つに分けられます。主に手掛けているのは旅中のコンテンツの部分ですね」(川上さん)

 

事前に観光情報などを収集して準備する「旅前」、旅先を印象深いものにする「旅中」、体験したことをSNSなどでシェアする「旅後」、それぞれモチベーションを高めたり、リピート率を上げたりと、コンテンツ領域の観光DXでは重要な位置づけにありますが、観光地側が何をするべきか正解が見出しづらいDXともいえます。

 

一方で、キャドセンターが得意とするのは自治体が持っている観光コンテンツをVR(バーチャルリアリティ)やAR(拡張現実)などでDX化すること。

 

「たとえば、かつてお城があって今は跡地だけの場所に、VRやARで当時お城が建っていた姿を見せることができます」(岡本さん)

↑2020年9月から11月まで公開された、NTTコミュニケーションズ株式会社が実施した「首里城VRゴー」。消失した首里城正殿などをVRとARで再現。キャドセンターはコンテンツ制作を担当、同社のxRソリューション「旅するトビラ」がベースになっている

 

観光資源が現物としては残っていない場所や公開時期が限られている文化財、季節や天候に左右される自然現象もVRやARによっていつでも体験可能になるのです。「旅中」にこのような特別な体験ができるコンテンツを用意することで、自治体や事業者にとっては「旅前」のプロモーションに活用できるうえ、旅行を検討している人にとっては参考にもなります。また、「旅後」にシェアしたくなる思い出となり、拡散されることで新しい観光客へとつなげていくことが可能。

 

しかし、「闇雲にDX化しても上手くいかない」とキャドセンター側は捉えています。自治体や観光施設が行うDX化は、思うような成果が上げられないケースがあることも。そこには陥りやすい5つの落とし穴があるといいます。

①DXではなくて単なるデジタル化に留まっている

②人材の担い手がいない(DXおよびVRやARへの知見が少ない)

③コンテンツ不足(デジタルとリアルの融合になっていない)

④予算の不足

⑤長期的な戦略の欠落(点の施策に留まっている)

観光DXを手がけてきた経験が長いキャドセンターとしては、①と③と⑤の問題が特に大きいと考えているようです。

 

「自治体が持っている情報や伝えたいことが、実施するDXとかみ合ってるかどうかが重要です。基本情報をそのままデジタルに落とし込むのが正解なのか、違う形で見せたほうがいいのか。とにかくDX化をしてみたいということで、単純にVRにして、VRであること自体にコンテンツ性があると考えていると厳しいでしょう」(岡本さん)

 

デジタルに落とし込むことだけを目的とした場合、そこで止まってしまい、一番大事な「観光客に伝える」という部分が抜け落ちてしまいがちです。「自治体のほうでも、観光資源をよりよく見せる方法はないか相談していただくと、対応しやすいと思います」とキャドセンター。観光資源を分析し、DXでその魅力をどう高められるか。DXにすることで“化ける”観光資源は日本中にあるはずです。

 

成功した観光DXのビジネスモデルとは?

では、上記の課題点をクリアしている成功事例には、どのようなものがあるのでしょうか。キャドセンターが手掛けた例としては、あべのハルカスと東京タワーに設置され、ビジネス的にも成功しているVRコンテンツ「バンジーVR」が挙げられます。

↑東京タワーバンジーVRのイメージ映像。東京タワーからの風景を3DCGで再現。VRゴーグルを装着し、専用の機器に乗ることで本物さながらバンジージャンプを体験できる。サービス企画開発運営を株式会社ロジリシティが行い、キャドセンターはVR制作を担当

 

「『ハルカスバンジーVR』は今年7月20日にオープンして、弊社のサイトへのアクセスも2か月間非常に高い状況でした。運営側からも常に人が並んでいるというご報告がありました。1日で多いときは約200人の方に体験していただけたそうです。9月末までの開催予定でしたが、大変好評のため、12月11日まで期間延長が決定しました。同じく東京タワーでの『東京タワーバンジーVR』も人気のアトラクションとなっています」(綱木さん)

 

「あべのハルカスも東京タワーも展望台自体に入場料があり、さらに追加で料金を払っていただけているので、体験したいと強く感じていただけたのだと思います」(岡本さん)

↑ハルカスバンジーVRの映像を切り出したもの。地上300mの風景がリアルに映し出されている

 

リアルなバンジージャンプは1回の料金が1万円を超えるものも多いなか、緻密な3D都市グラフィックを使い、1000円ほどでビルが密集する都市のなかをバンジー体験できる。椅子に座ったままでも可能で、高齢の方も挑戦できるとあって人気が集まっています。「今後はダムを持っている都道府県などに、バンジーVRを設置して集客するといった方向性に展開していきたいと考えています」(川上さん)。

 

また、他社の事例では観光バスの窓をモニターとして活用し、DX化したケースもあるそうです。

 

「バスツアーなんですが、車窓がモニターになっているんです。そこにVRやARが映し出され、景色が面白く演出されたり、タレントの方が同行してくれたりする。アトラクション感覚があって、既存のバスツアーが発展したケースですね」(岡本さん)

 

バスツアーではもともと乗務員がガイドを行い、旅行の価値を高めることは行われてきました。それがVRやARを駆使して一気に進化。当たり前と思っていた観光や体験のスタイルがコンテンツのDX化によって劇的に変わった瞬間でしょう。

 

「コンテンツは一様に同じものを導入すればいいというわけではないので難しい面はありますが、さまざまな領域で工夫のしがいがあるのがコンテンツ型の観光DXの特徴といえます」(岡本さん)

 

現状そのままを観光客に提示するのではなく、ここで何を伝えたいのか、どう楽しんでもらいたいのか、その本質をARやVRで補完して価値を高めていく。今後コンテンツ型の観光DXは、観光立国の切り札になりそうです。

 

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まとめ/卯月鮎 撮影/鈴木謙介(人物)

アップルやメタのAR/VRヘッドセット、サムスン製マイクロLEDディスプレイが入ってる?

米アップルとメタ(旧:フェイスブック)による開発が噂されるAR/VRヘッドセットに、韓国サムスンのマイクロLEDディスプレイが搭載されるとの情報を、韓国語ニュースサイトのThe Elecが伝えています。

↑Ground Picture/Shutterstock.comより

 

マイクロLEDとは、微細なLEDをディスプレイの一つ一つの画素として利用する技術。これにより、従来の液晶ディスプレイや、LEDをバックライトとして利用する「ミニLED」と比べて、さらなる発色の良さや薄型化が期待されます。また以前にメタは、現在開発中のVRヘッドセットの試作機を多数公開するなど、新製品の投入への期待が高まっています。

 

今回の報道によれば、サムスンによるマイクロLEDディスプレイの利用に意欲をみせているのはアップルやメタだけでなく、サムスン(親会社のサムスン電子)も含まれるとのこと。また、部品はガラス基板ではなくシリコン基板を利用することになります。

 

一方で収益性の低さが予測されるために、サムスンはマイクロLEDディスプレイの部品製造を避けてきたという経緯も伝えられています。これはAR/VRヘッドセットの市場規模が、スマートフォンと比べて非常に小さいことも要因の一つです。

 

現時点での噂では、アップルは来年末までにAR/VRヘッドセットを投入するとされています。またこちらは独自開発の「M2」チップを搭載するなど、かなり高性能な製品となるようです。さらに、メガネ型の「ARスマートグラス」や、AR/VRヘッドセットの第2世代モデルの噂も伝えられています。

 

「メタバース」という言葉に代表されるように、これからの発展が期待されるVR/ARヘッドセット。近いうちに、より使いやすくて高性能な製品が登場することを期待したいものです。

 

Source: The Elec via 9to5Google

ほぼ日の“AR地球儀”に新モデルが登場! 世界が飛び出す「ほぼ日のアースボール ジャーニー」

ほぼ日は、タブレットやスマートフォンで専用アプリをかざすと世界の様々な情報が飛び出すAR地球儀「ほぼ日のアースボール」のラインナップに、新モデル「ほぼ日のアースボール ジャーニー」を追加。7月1日11時より、ほぼ日ストアやAmazonなどのECサイトで発売するほか、全国の書店や文具・玩具店などでも販売します。税込価格は1万1000円。

 

同製品は、地球そのままの青い姿をしたメインモデル(直径15cm)に対し、径20cmの本体に、見やすくわかりやすく精緻な地図を記載。世界の国をカラフルに色分けした本格地球儀モデル。メインモデル同様、地球儀を固定するアームや軸がなく、丸い地球儀をボールのように手に取り、好きな角度から好きなように眺められます。天然木を使用した台座も付いています。

↑左が「ほぼ日のアースボール ジャーニー」、右がメインモデル

 

また、同製品の発売を記念して、旅気分を味わえるコンテンツ「世界をジャーニー」も、専用アプリ「ほぼ日のアースボール」で公開。パッケージイラストを担当した福田利之さんの描いたイラストたちが、地球儀のうえでにぎやかに動き出します。

 

発売日の7月1日から、アプリで“世界”が飛び出す様子を実際に体験できる店頭イベントも開催。丸善ラゾーナ川崎店と有隣堂横浜西口店で7月1日~7月3日、丸善日本橋店で7月15日~7月17日、有隣堂ららぽーと海老名店で8月5日~8月7日に実施予定です。

アップルのAR/VRヘッドセット、大手有機ELメーカーが受注争い? 韓国LGが製造準備を始めたウワサ

アップルが開発中と噂されるAR/VRヘッドセットは、先日のWWDC 2022(世界開発者会議)でも姿を現しませんでした。しかし、「韓国のLG Display(以下「LG」)が、そのメイン画面用のマイクロOLEDパネルの受注を目指している」という、いよいよ量産が近づいていることを裏付けるサプライチェーン情報が届けられています。

 

韓国の電子業界情報誌The Elecによると、LGはSunic SystemにマイクロOLED(OLED=有機EL)を製造するための蒸着機を発注する見通しとのことです。その目的は、アップルのMR(複合現実/ARとVRを合わせ持つ)ヘッドセット向けにマイクロOLEDパネルを供給することだそうです。

 

アップルがマイクロOLEDパネルにつきソニーと緊密に協力していることは、数年前から噂されていたことです。The Elecによれば、アップル製ヘッドセットではそれがメイン画面に使われる一方で、外側の画面(またはインジケーター)にはLGが通常の有機ELパネルを提供する見込みとのことです。

 

そこでLGは外側の画面だけではなく、内側のメイン画面も受注するため準備を始めた、というわけです。

 

マイクロOLEDパネルは従来のガラス基板を使う有機ELと異なり、シリコン基板を使うもの。もっぱらアップル製ヘッドセットのようなVRやAR、MRデバイスに広く使われていくことが期待されている技術です。

 

The Elecいわく、ソニーもマイクロOLEDをPlayStation方面に使う可能性があるため(ちなみにPlayStation VR2は通常の有機ELパネル)アップルは将来的にLGの技術を好んで使う可能性があるとのことです。

 

有機ELパネル製造の大手であるLGも動き出したとなれば、アップルのAR/VRヘッドセットが量産に向かっていることも確実と思われます。また2024年後半にはメガネ型のARグラスが発売されるとのアナリスト予想もあり 、やはり新型のMRヘッドセットを準備中のMetaとアップルがメタバースで激突する日も遠くはなさそうです。

 

Source:The Elec 
via:9to5Mac

メタのハードウェア戦略に異変? ARメガネもPortalも計画変更の噂

米メタ(旧フェイスブック)の初のARスマートグラスの発売を2024年よりも後に延期し、スマートディスプレイ「Portal」シリーズもビジネス向けに移行すると、海外テックメディアのThe Informationが伝えています。

↑9to5Googleより

 

VRヘッドセット「Meta Quest」シリーズを販売し、今後はMRヘッドセット「Project Cambria」のリリースも予定しているメタ。さらに同社がARスマートグラスを2024年に投入することも、海外にて報じられていました。

 

これまでの噂によれば、現在メタはARスマートグラス「Project Nazare」を開発しています。その見た目は普通の黒フレームのメガネ風ですが、その本体は100gと普通のメガネの4倍ほど。またスマートフォンなどにワイヤレス接続し、連動して動作します。なお、搭載OSは独自のカスタムOSはではなく、Androidが採用されるようです。

 

しかし今回の報道によれば、Project Nazareは市販されず、デモ製品として取り扱われます。そして現在は、より軽く洗練されたデザインの第2世代ARスマートグラス「Artemis」に注力しているというのです。なお以前の報道によれば、ArtemisはProject Nazareの2年後に登場するとされています。

 

さらにスマートディスプレイのPortalシリーズについても、「これ以上コンシューマー向けのデバイスは作らない」と決定したとのこと。現在はリモートワークなどによりスマートディスプレイ製品が人気ですが、Portalシリーズは思ったような売上を達成できていなかったのかもしれません。

 

現在はメタだけでなく、米アップルやグーグルからのスマートグラスやヘッドセットの投入が噂されています。しかしこれらの製品が勢揃いするのは、もう少し先の話となりそうです。

 

Source: The Information via 9to5Google

アップルのAR/VRヘッドセット、まもなく発表? 取締役会でデモを行ったとの噂

アップルは長年にわたりAR(拡張現実)/VR(仮想現実)ヘッドセットを開発中と噂されており、その間にiPhone向けの安いVRヘッドセットを諦めたとの報道もありました

 

そんな苦難の道のりを経て、ついにアップルの取締役会で次期AR/VRヘッドセット製品のデモが行われたと報じられています。

 

米Bloomberg報道によれば、このことはプロジェクトが「進行した段階」にあり、一般向けの製品発売も間近に迫っているようです。同誌は前に、ヘッドセットの発売は過熱やソフトウェアの問題があるために2023年まで遅れるかもしれないと報じていましたが、前倒しになっている模様です。

 

また今回の記事では、ここ数ヶ月でヘッドセット用OSの開発が急ピッチで進められているそうです。そういえば数か月前、アップルのオープンソースコードやApp Storeのアップロードログから、それらしき「realityOS」に関する記述が見つかっていました

 

またBloombergいわく、アップルはヘッドセットの中核となるiPhoneアプリのAR版だけでなく、「没入型コンテンツのストリーミングや仮想会議の開催などのタスクを処理する新しいアプリに取り組んできた」そうです。先進的なヘッドセットも、役立つアプリがなければただのかぶり物ですが、買ったその日から使いものになるのかもしれません。

 

アップル製ヘッドセットの「第1世代」は、8Kディスプレイ×2枚や高性能チップを搭載(14インチ/16インチMacBook ProのM1 Proと同等になるとの説も)、高度なセンサーを備えつつ、かなりかさばる高価な製品になると予想されています。具体的には1000ドルをはるかに超えるとの噂もあり、主にAR/VRに熱心な人達や開発者コミュニティ向けの製品になるのかもしれません。

 

もっとも、有名アナリストMing-Chi Kuo氏は、すでに後継モデルが開発中とも述べていました。アップルの長期的な目標は、ふだん使いできるほど軽いARメガネ(通称「アップルメガネ」)を作ることと見られていますが、おそらくあと数年は実現できないと思われます。

 

もしかすると、6月6日(米現地時間)から開催される世界開発者会議WWDCにて、AR/VRヘッドセットが発表されるのかもしれません。もし仮にそうだとしても、単なるお披露目だけで、発売は数か月~半年後という初代Apple Watchのようなパターンになりそうです。

 

Source:Bloomberg
via:9to5Mac

ARで楽しむ新感覚折り紙「パピるんず」で遊んでみた! 対象年齢3歳以上の玩具に隠されていた意外な難しさとは

日本生まれの遊び・折り紙。一説によれば、そのルーツは平安時代まで遡るといいます。当時の紙は非常に貴重なものでしたが、貴族の間で供物や贈り物をきれいに包装しようとする試みが発展し、さらに長い時を経て、今日のような折り紙が誕生したそうです。

 

長い歴史と伝統を持つ折り紙の遊びはいかにも”アナログ”な存在ですが、現代ではデジタルと融合したものも登場しています。この記事で紹介するのは、まさにそんな現代の折り紙「パピるんず」(1キット税込440円)。今春バンダイが発売したこの製品は、完成した折り紙をスマホでスキャンし、AR(拡張現実)のなかで楽しむというユニークなものです。

 

対象年齢が3歳以上だから簡単と思いきや……

パピるんずの遊び方は、ハサミやのりを使いながら折り紙を組み立てて完成品をスマホでスキャンすると、それが画面のなかで動き出す、というもの。製品のキャッチコピーに「クラフトフレンズ」とある通り、その製作工程は折り紙とペーパークラフトを足して2で割ったような感覚です。その対象年齢は3歳以上。パッケージに印字されている主なターゲットの年齢も小学校低学年であり、それを見ただけでは簡単に作れそうな印象を受けます。

↑パッケージ。現在、仮面ライダー関連のキットが3種類ラインナップされています

 

↑パッケージにある対象年齢の表示。「クラフトレベル」は、製作の難易度を表しており、キットによって微妙に異なります

 

しかしこのパッケージを開けてみると、幼稚園児が一人で作るにはさすがに厳しそうな材料が出てきます。そして、実際に作ってみたところ、そのイメージ通りの印象を受けました。パピるんずの難しさの理由は、指示の細かさと、“判定”の厳しさです。

 

パピるんずの材料となる小さな紙には、それぞれ番号が振られた「はさみ」「やまおり」「たにおり」の指示が並んでいます。そのなかから若い番号を探しては、指定された作業を行なっていくと、キャラクターができあがるというわけです。なかには非常に小さいスペースに詰め込まれたような指示もあり、筆者が製作してみた限りでは「これ、小学3年生には難しいのでは?」と感じました。手先が器用な子ども向けといえそうです。あるいは、大人が一緒になって、ときには助けながら作り上げる必要があるでしょう。

↑仮面ライダー1号、ショッカー戦闘員のキットを開封。すると、1号の顔の材料が姿を現しました

 

↑紙に記された番号と指示

 

↑顔部分だけ作るとこんな感じです

 

↑こちらは、仮面ライダーオーズ / OOO タトバ コンボに含まれるキットの脚部分のパーツ。かなり細かい指示があるのがわかります

 

↑完成した仮面ライダーオーズ / OOO タトバ コンボ。パッケージには、作業時間60分との記載がありましたが、筆者がトライした際はだいたい45分くらいでした

 

また、完成品をアプリでスキャンする際の”判定”は、かなりシビア。少しでも折り方を間違えていると、ちゃんとスキャンしてくれないのです。なので、子どもが「せっかく作ったのに、なかなかスキャンできない!」なんてことも起こりそう。たとえば、仮面ライダー1号の、マフラーの向きがちょっと違うだけでNG。もしスキャンが成功しないならば、パッケージにある見本と見比べて、ちゃんと合っているか確認する作業が発生します。もしこれを子ども一人で完成させたのなら、その子は高い水準の問題解決能力を持っていそうです。

↑筆者が作った仮面ライダー1号。間違っている箇所がひとつあり、当初はうまくスキャンできませんでした

 

↑間違っていたのは、マフラーの向き。上の写真との差異をご確認ください

 

なお、パッケージの裏面には、折り方の説明が印字されています。公式サイトには各製品の折り方を説明した動画の用意もあるので、いざスキャンをしようとして頓挫したときには、これらが参考になります。また、動画を見ながら作るのもおすすめです。

 

難しいぶん、ちゃんとスキャンできたときの喜びは大きい

ここまで書いてきたように、パピるんずを“ちゃんと”完成させるのはなかなかに大変。だからこそ、スキャンに成功し、画面の中で動いてくれたときの喜びはひとしおです。大人の筆者ですら「やっと動いてくれた」という感覚だったので、子どもなら、それも仮面ライダーが好きな子であれば、達成感はより大きくなるでしょう。

↑「パピるんず」のアプリを通して、仮面ライダー1号を読み込む様子。カメラがパピるんずを認識しているときに、スキャンボタンを押せばスキャンできます

 

↑パピるんずがARの世界に登場!(写真右がAR)画面の左右下部には、動画・写真撮影のボタンがあります

 

画面内のパピるんずは、タップすることで独自のアクションをしてくれます。また、画面を別の方向に向けたり、自身が移動したりしても追従してくれるため、好きな場所に移動して遊ぶことも可能。現実の背景のほかにも、アプリ内に複数の背景が用意されているため、それを使って遊ぶこともできます。

↑夜景のなかを漂うパピるんず。デスク上でスキャンしてから、窓の外の世界に移動してもらいました

 

↑アプリ内にある背景を使用してみました。パピるんずをタップしながら撮影したので、独自のアクションをしています

 

 

夏にラインナップ追加予定! 無料のお試し版も

パピるんずには、家庭のプリンターで印刷できる無料のお試し版も用意されています。新感覚の玩具なので、どのようなものか知りたいという方は、まずはそれを手に取るのがおすすめです。また、現在は仮面ライダーシリーズのみとなっているラインナップも、この夏以降、続々と追加されていくことが決まっています。

 

キャラクターの魅力も相まって、子どもに大きな達成感を与えてくれるであろうパピるんず。仮面ライダー好きのお子さんをお持ちの方は、手に取ってみてはいかがでしょうか?

元FacebookのMeta社、メタバースではなく現実の店舗を5月にオープン。VRゲームをプレイできる大画面ディスプレイもあり

元FacebookのMeta社は、5月9日(米現地時間)に同社初の実店舗をオープンすることを発表しました。同社が熱く推進しているメタバースの中ではなく、米カリフォルニア州バーリンゲームにあるキャンパス内にて物理的なショップが営まれることになります。

 

これはMeta社が仮想世界に軸足を置きながらも、ハードウェア事業の比重が増していることを表す動きでもあります。「Meta Store」はReality Labs(AR(拡張現実)とVR(仮想現実)を研究する部門)の近くにあり、同社のVRヘッドセット製品であるMeta Quest 2や、スマートグラスの「Ray-Ban Stories」 のほか携帯デバイスが展示され、お客は従業員とビデオ通話したりVR体験をしたりとインタラクティブなデモが楽しめる予定です。

 

Meta社にとって実店舗は、単にハードウェアを売るだけでなく、より多くの人にVRとARの技術を知ってもらうための位置づけです。店頭でのVRデモは「壁から壁までの」巨大なLEDディスプレイで行われ、たとえばヘッドセット内に表示されている『ビートセイバー』のゲーム画面などが現実の視界いっぱいに広がるというぐあいです。

Meta

 

また、マーク・ザッカーバーグCEOも、自らのFacebookページにてMeta Storeを予告しています。「私たちの製品が人々をつなぎ、メタバースを構築していくなかで何が起こるかが分かる素晴らしい体験です」とのことです。

 

最初の店舗は1550平方フィート(約144平方メートル)という控えめなものですが、米The New York Timesは昨年秋、Meta社が世界中にリアル店舗を開くことを検討していると報じていました。同社のメタバース部門は2021年に100億ドルの損失を出していましたが、粘り強い努力を期待したいところです。

 

Source:Meta

軽量で普段使いもイケる! ARグラス「INMO Air」5月上旬Makuakeで先行販売開始

ルタワジャパンは、超軽量ARグラス「INMO Air(インモ エアー)」を、応援購入サイト「Makuake」にて、5月上旬より先行販売を開始予定です。

 

同製品は、スマートフォンとミラーリング可能で、アプリを経由してスマートフォンの画面をそのままグラスに映し出すことができます。また、スマートフォンに触れることなく、写真や動画を一人称視点で撮影することができます。

 

 

本体の側面のフレームを指でタッチしたりスライドすることで、アプリを操作できます。モーションセンサーも搭載されており、頭の動きを感知して操作も可能です。レンズに映し出される映像は、全面ではなく、右上に表示されます。

 

通知機能も搭載し、目立たないインターフェイスを使って、様々な通知を受信可能です。

 

そのほか、ナビゲーション機能も搭載しており、目的地を設定すると、目の前にリアルタイムで詳細な道順が表示されます。ミュージックプレイヤー機能では、レンズの中で音楽を再生したり、歌詞を読んだりすることができ、スワイプで音量や再生を調整可能。動画の再生もできます。

 

本体はバッテリーを搭載し、ワイヤレスで最大4時間の連続使用が可能です。

2022年のバズワード「メタバース」とは何か――メタバースとVR・ARとの違いって?

メタバースとは、自分のアバター(分身)を作って自由に活動できる仮想空間のことだが、いまいちピンとこない人が多いだろう。“メタバース”はフワッとした言葉であり、実態がわかりにくい。どのような世界をメタバースと言うのか。VRやARとは何が異なるのか。普及に向けてどんな要素が必要なのかを明らかにしていく。

※こちらは「GetNavi」 2022年3月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

メタバースとは何か

↑VRを使った会議サービスの様子。しかし、こうしたサービス=メタバースそのものではない

 

私が解説します!

ジャーナリスト

西田宗千佳さん

得意ジャンルはPC、デジタルAV・家電。そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。

メタバースとは新しい生活圏を作ること

いきなり結論なのだが、メタバースに明確な定義はない。色々な人が多様な観点からメタバースについて述べているが、これが正解という話があるわけでもないのだ。だが、あえて定義をするなら「デジタル空間に人間の新しい生活圏を作ること」と言えるだろうか。

 

メタバースというと我々は、3DCGで作られた空間に、ヘッドマウントディスプレイを装着して入り込む姿を想像する。それも確かにメタバースのひとつではある。VR技術を使うと、我々の視覚や聴覚を簡単に奪うことができるからだ。自宅のリビングにいたはずなのに広大な砂浜に移動していたり、たくさんの人々と一緒にコンサート会場にいたりという体験をするには、VR技術の活用が不可欠だ。

 

一方で、もっとシンプルな話もある。メタバースを「人工の生活圏」と定義するのであれば、いまのSNSだって十分に「人工生活圏」なのだ。日常の何割かをそこで過ごし、人々と交流し、ときにはショッピングもする。これが“生活”でなくて何なのだろう?

 

ただ、さすがにテキストメインのSNSでは新しさに欠けるし、できることの限界も大きい。だが、VR技術を使ってコンピュータのなかに空間を作り、そこを生活の場として活用するのであれば、可能性ははるかに大きくなる。

 

土地の広さや重力の有無など、現実世界の制約から解き放たれ、自分の姿をはじめ、性別も容姿も違う、別のキャラクターとして時間を過ごすことができるなら、それは「新しい生活の場」と言える。

 

SNS最大手であるフェイスブック社が「メタ」に社名変更し、メタバース事業への注力を始めたことから、「メタバース」という言葉は一気にブーム化したわけだが、これも新しい生活圏をいち早く作ることが目的だ、と考えると納得しやすい。彼らは、フェイスブックやインスタグラムといったSNSの先にある存在としてのメタバースを重視しているのだ。

 

↑2021年10月に、Facebookがメタバース事業への注力を宣言し、社名をMetaへと変更。毎年100億ドルの開発投資を行うと発表した

 

重要なのは「相互接続性」だがいまはまだまだ道半ば

一方で、いまの「VR」や「AR」とメタバースの関係はわかりづらくなっている。VRやARにより、我々は“現実とは違う世界”を体験できるが、それだけでメタバースと言えるわけではない。

 

例えば、メタが提供している「Horizon Workrooms」はVRを使った、非常に実用性の高い会議サービスである。だが、Horizon Workroomsがメタバースか、というとそうではない。あくまでひとつの会議サービスだ。同じように、VRでコミュニケーションを行う「VRChat」もあくまでコミュニケーションのためのサービスに過ぎず、メタバースそのものではない。各種ゲームも同様だ。

↑Metaが提供する「Horizon Workrooms」。自分のアバターで参加し、バーチャル上の同じ空間で会議を行うことが可能となっている

 

なぜメタバースと言えないのか? 理由は、メタバースの「メタ」という言葉の部分にある。メタとは“上位の”という意味を持ち、複数のサービスが相互につながっている様を表している。

 

ゲームやコンサート、会議室などのサービスがそれぞれバラバラに存在していても、大きな成長は難しい。アバターを共通で使えたり、ゲームからコンサートへシームレスに移行できたりすることで、VRサービスの集まりは、本当の意味での生活圏になっていく。それぞれのサービスがつながれば、着飾るようにアバターのアイテムを集めておいたり、友人を呼んでチャットするためにメタバース内に“家”を持ったりと、各サービスの主たる目的とは異なる要素が出てくる。その部分が出来上がってはじめて、我々はコンピュータの世界に新たな生活空間を持ったと言えるのである。

 

それを実現するには、どこかが1社サービスを作れば良い、という話ではない。相互接続性や金銭のやり取りなどの仕組みは出来上がっておらず、検討すらこれから始まる段階だ。メタをはじめとして、メタバースに真剣に取り組んでいる企業は、5年先、もしくは10年先に向けた開発を進めている。インターネットの次の段階としてメタバースが生まれるには、まだそのくらいの時間が必要であり、各社の協力体制も必要だ。いまのブームはその一部がようやく見えた段階に過ぎないのである。

 

メタバースはVRやARと何が違うのか

 

「VR(仮想現実)」とは…

VRゴーグルを装着して現実に近い世界に没入

VRは「Virtual Reality」の略。VRゴーグルを装着すると、限りなく現実に近い世界に没入できる感覚が得られる。ゲームやライブなどのエンタテインメントの世界が先行しているが、教育分野や、遠隔地から手術や治療を支援する医療や介護などにも活用が広がっている。

 

↑没入するためにはVRゴーグルが必須。初期のモデルは映像と音声の遅延による“酔い”が課題だったが、最新モデルでは改善されている

 

「AR(拡張現実)」とは…

実風景に視覚情報を重ねて目の前の世界を拡張する

ARは「Augmented Reality」の略。VRが作られた映像などの世界に没入されるのと異なり、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を“仮想的に拡張する”というもの。代表的なものに「ポケモンGO」がある。

 

↑ARは家具やファッション業界が注目。スマホアプリを利用してバーチャルで導入イメージをつかむことができ、購入前の検討に役立つ

 

「メタバース(仮想空間)」とは…

アバターを作って生活する人工的な生活空間

「Meta」と「Universe」を組み合わせた造語。自身のアバターを作成し、ネット上に構築された人工的な生活空間で行動するのが基本。相互にコミュニケーションしながら買い物をしたり、メタバース内で商品を製作・販売したりといった経済活動を行うこともできる。

 

↑自分が設定したアバターを仮想空間のなかで自由に動かせる。現在はゲームの世界が一歩リードしているが、ビジネスシーンなどにも活用可能

 

メタバースの世界でよく出てくるワードを解説

 

【Word 1】アバター

メタバースの世界では自分の姿は自由に選べる

自分の分身として活動するキャラクター。メタバースの世界では、自分のアバターを作成することが第一歩となる。自分の姿をリアルに再現する必要はなく、顔や肌の色、服装なども自由に選べ、仮想空間での“自分”となる。

 

↑メタバースプラットフォーム「cluster」でのアバター作成シーン。顔のパーツは細かく選ぶことができる。服装も自由に設定可能だ

 

【Word 2】プラットフォーム

メタバースの土台となる基本的な実行プログラム

メタバースの世界を構築するために必要なプログラム。Metaやマイクロソフトなども参入し、その覇権争いは激化中。ただしメタバースが普及するには、特定のプラットフォームに頼らないオープンソースのサービスが必要にもなる。

 

↑プラットフォームのひとつであるVRChatを使用した、バーチャルマーケット。好きな空間で他のアバターとの交流が楽しめる

 

【Word 3】XR

VRやARなどを統合したメタバースに必須の技術

XRとはクロスリアリティの略で、VR、ARに加えてMR(複合現実)の総称。デバイスの進化による解像度の向上や5G回線などによる高速通信により、現実の映像とバーチャルの世界の融合が進んでいる。メタバースには欠かせない技術だ。

 

↑XRがより進化すれば、実物と見分けがつかない立体映像をホログラムで表示できるようになる。メタバースの発展に欠かせない要素だ

 

【Word 4】デジタルツイン

現実世界の環境をコピーし仮想空間のなかで再現する

リアル(物理)空間にある情報をIoTなどで集め、送信されたデータを基に仮想空間でリアルの空間を再現する技術。現実世界の環境を仮想空間にコピーする鏡のなかの世界のようなイメージで、“デジタルの双子”の意味の通りだ。

 

↑デジタルツインの導入効果が期待されるのが製造業。物理空間の情報を反映した仮想空間のなかで製品を試作することが可能だ

メタがXRの覇権を目指す! ARスマートグラスを2024年リリースへ 廉価モデルの予定も

画像引用元:メタ

 

米メタ(旧フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグCEOは、同社が2024年に投入する2種類のARスマートグラス(スマートメガネ)の概要を、海外メディアのThe Vergeに対して説明しています。

 

メタは社名を「メタバース(XRによるユーザーコミュニケーション空間)」に由来する言葉に変更するなど、XR(ARやVR、MRの総称)の活用に注力しています。また傘下ブランドの「Meta Quest」では、VRヘッドセットや仮想空間関連のサービスを展開。

 

ザッカーバーグ氏によると、現在メタは「プロジェクト・ナザレ(Project Nazare)」と呼ばれるARスマートグラスを開発しています。本体にはマイクロLEDプロジェクターを搭載し、レンズに投影される他人のホログラムをつうじて、対話することが可能です。

 

本体の外観は黒いフレームの通常のメガネのようなデザインで、重量は100gと通常の眼鏡の4倍ほど。本体にはアイトラッキングと前面カメラ、フレーム内にステレオオーディオを搭載。視野角は70度を目指していましたが、おそらくは無理だろうとも伝えられています。

 

システムとしては独自のコンピューターを搭載することで、スマートフォンに依存せずに動作することが可能。OSにはAndroidをベースにしたものが搭載されるとしています。

 

さらに2024年には、より廉価なスマートグラスの「ハイパーノヴァ(Hypernova)」も投入予定とのこと。こちらは着信通知のためのヘッドアップディスプレイを搭載し、スマートフォンと連携して動作。そして2年後には「より軽量かつ洗練された」第2世代モデルが登場し、2028年には第3世代モデルのスマートグラスが投入されるというのです。

 

スケジュールどおりに計画がすすめば、一気にARスマートグラス分野へと進出することになるメタ。すでに成功を収めているVRヘッドセットとあわせて、順調にXR分野での覇権にむけて駒を進めているようです。

 

Image: メタ

Source: The Verge via 9to5Google

レノボ、「Snapdragon XR1」搭載スマートグラス「ThinkReality A3」を発売! エンタープライズ向けに展開

レノボ・ジャパンは、エンタープライズ向けAR/VRソリューションブランド「ThinkReality」シリーズから、スマートグラス単体の「ThinkReality A3 PC Edition」、ARソリューションセット「ThinkReality A3 Industrial Edition」を発売しました。

 

ARスマートグラス「ThinkReality A3」は、CPUにQualcomm Snapdragon XR1を搭載。片眼1080pの高解像度ディスプレイに、トラッキング用のデュアルフィッシュアイ、8MPカメラを採用しています。防水規格のIP54に準拠。ステレオスピーカーと3つのマイクを備えています。6DoFに対応し、ルームサイズの空間トラッキングが可能。重さ130gで、折りたたんで持ち運ぶことが可能です。

 

ThinkReality A3 PC Editionは、「Virtual Display Manager」をインストールした、グラフィックチップ搭載のハイエンドなノートPCと接続することで、バーチャルモニターとして利用できます。最大5つの画面を表示でき、スペースが限られた場所でも広い画面領域で作業が可能。周囲の人に画面を見られることがないので、秘匿性が高いデータを扱う際にも活用できます。

 

ThinkReality A3 Industrial Editionは、主に生産現場での作業支援やリモートアシストにより、フロントラインワーカーの業務サポートを目的としたモデル。ThinkReality A3と、スマートフォンmotorola edge30 PRO、アタッチメントパーツのIndustrial Kit、Industrial Frameのハードウェアに加え、2つのソフトウェアソリューション「ThinkReality Cloud Portal」「holo one sphere」、オンラインサポートがセットとなっています。

 

税込価格は、A3 PC Editionが19万2500円、Industrial Editionが54万4500円です。

スマホで手軽に3Dスキャンできる「RealityScan」発表。まずiOSで1万人のベータテスト

Epic Games

 

超人気ゲーム『Fortnite』の開発元であるEpic Gamesは、現実世界の物体をスキャンして仮想空間の3Dオブジェクト化できるアプリ「RealityScan」を発表しました。

 

Epicが公開した47秒のデモ動画では、女性がiPhoneを使って自分の椅子を様々な角度から撮影し、3Dオブジェクトとしてスマホ内に取り込み。その取込まれたデータを使って椅子の色を変えたり、ARアプリにより部屋のあちこちに(仮想的に)置いていることが確認できます。

 

Epicは、基礎となった「RealityCapture」技術を「画像やレーザースキャンからあらゆるサイズのオブジェクトやシーンを再構築できる、最先端の写真測量ソフトウェアであり、比類のない精度とメッシュ品質を備えた3Dスキャンを、競合ソフトウェアの何倍もの速度で生成できます」と説明しています。ざっくりいえば「複数の2D写真から、精密な3Dスキャンを作れます」ということです。

 

もともとRealityCaptureは写真測量スタジオCapturing Realityが開発したものですが、昨年3月にEpicが買収して傘下に収めています。そして今回のRealityScanアプリは、その特徴である「高速で簡単な3Dスキャン」を手のひらで実現するものです。

 

この仕組みが秀逸なのは、「取込んだ後」のフローも手厚く用意されていることです。写真から生成された3Dオブジェクトは「Sketchfab」にアップロードされ、ARや3D、VRコンテンツとして容易く公開や共有、販売できるしくみです。

 

Epicは4日からTestFlight(公開前のベータ版iOSアプリを配信するアプリ)を通じて、1万人のiOSユーザーに先着順でテストに参加できることを告知しています。また春以降にはiOSユーザー向けに早期アクセスが展開され、今年後半にはAndroidユーザー向けにも提供される予定と付け加えています。

 

このアプリでスキャンした画像は、現実世界の中でARオブジェクトとして使ったり、EpicのUnreal Engineを使って開発したゲームに追加することもできます。「どのiPhoneモデルで利用できるか」は書かれていませんが、2D画像を使うRealityCaptureを元にしているため、おそらく3Dセンサー=LiDARを搭載したiPhone 12 Proや13 Proでなくとも使えるはず(保証の限りではありません)。

Source:Epic Games
via:PhoneArena

コンテンツを130インチの大画面で楽しめる! ドコモ、軽量&コンパクトなARグラス「Nreal Air」を発売

NTTドコモは、Nreal Ltd.が開発したARグラス「Nreal Air(エンリアル エアー)」を、3月4日に、全国のドコモショップなどで発売します。価格は3万9800円。

 

ドコモショップ97店舗と、ヤマダデンキ「LABI1 LIFE SELECT高崎」「LABI1 LIFE SELECT池袋」「LABI新宿西口館」「LABI渋谷」の4店舗では、同製品の体験コーナーを期間限定で設置するほか、「kikito」で同製品のデバイスレンタルを、3月4日に開始します。

 

また、同製品を事前に予約した購入者を対象に、dポイント3000ポイントをプレゼントするキャンペーンも実施します。

 

同製品は、小型・軽量を極限まで追求したARグラスで、重量約79gでコンパクトなデザインが特徴。日常に溶け込む違和感のないデザインに仕上がっており、プライベートだけでなく、ビジネスシーンなどでも幅広く使用できます。

 

対応するスマートフォンなどと接続し、ミラーリングすることで、動画やWEBブラウザなどのコンテンツを、130インチの大画面で閲覧できます。一部対象となるAndroidスマートフォンは、Nreal社が開発した3Dインターフェースアプリケーション「Nebula」も使用できます。ARグラス内に生み出される仮想3次元空間上で、複数のコンテンツを同時に映し出す「MR Space」機能も利用可能で、「動画を見ながら友人とコミュニケーション」といったマルチタスクが効率的に楽しめます。

 

Display Port出力に対応していないスマートフォンを利用中でも楽しめるよう、オプション品として「Nreal Streaming Box」の取り扱いも開始します。Nreal Streaming Boxの発売日は未定で、後日ドコモ公式サイトで発表予定です。

↑Nreal Streaming Box

渋谷の街で不可能なミッションに挑戦! 「新感覚ARイベント」に参加してみた

7月13日って、ミッション:インポッシブルの主人公である「イーサン・ハントの日」って知っていました? 13だからイーサンって語呂合わせなんですけど、これって日本でしか通用しませんよね。まあ、そんなことは些細なことで、そのイーサン・ハントの日に、渋谷で「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」(8月3日全国ロードショー)の公開を記念した大規模なイベント“渋谷フォールアウト”が催されました。

 

渋谷フォールアウトは、約150人の参加者が、イーサン・ハントが所属する米国諜報機関の特殊作戦部IMF極東支部の諜報員の一員となって、渋谷の街に仕掛けられた時限装置の解除を行うイベントです。11時、14時、17時開始の3回の公演が用意されており、それぞれの回で150名もの諜報員が参加しました。

↑各回150人が参加

 

参加者はスマートフォンと専用イヤホン、サングラス、ベストが貸し出され、スマホから聞こえる指令に沿って行動します。イヤホンは、音楽を聴きながら周囲の音も聴くことができる“ながら聴き”に適したambieのワイヤードイヤホンを使用。装着しながら街中を歩いても危なくありません。

↑IMF極東支部の諜報員となるべく、某有名スマホにそっくりな専用端末とサングラス、イヤホン、ベストが渡されました

 

↑端末に諜報員の情報として顔写真とコードネームを入力します。これで晴れて諜報員になれました

 

渋谷の街に仕掛けられた時限装置を解除せよ

渋谷の街には100箇所以上に時限装置が仕掛けられており、スマホを近づけることで解除することができるという設定。複数のスマホをかざすことで、解除速度があがるので、仲間との協力が指令クリアの鍵となります。

↑参加した女性諜報員の方も意気揚々です

 

↑ちなみに筆者も参加しました。黒い帽子かぶってくればよかったなぁ

 

↑時限装置の解除に向かう諜報員たち。イーサン・ハントとは似ても似つかぬ目立ちっぷりです。同じエージェントでも、「マトリックス」のエージェント・スミス的な印象

 

街を歩いていると、イーサン・ハントと一緒に活動しているベンジー・ダンから絶えず指令が届きます。近くに時限装置があるとか、傭兵が近づいてくるとか。これはスマホの位置情報からさまさまな音声が届くようになっており、いわゆる音声によるARといえるシステムです。

 

↑アドアーズのデジタルサイネージには、ベンジー・ダンによるメッセージが流れていました

 

また、敵であるテロリストもただ黙って、時限装置を解除されるのを見ているのではなく、諜報員の邪魔をする傭兵も存在します。傭兵に捕まってしまうと、イベントの参加資格が剥奪されてしまうので、傭兵に捕まらないように気をつけながら、時間内に時限装置を解除しなくてはならないわけです。

↑傭兵が近くにいると、ベンジーの警告の知らせとともに、スマホが一時的に時限装置の解除ができなくなってしまいます

 

↑傭兵が辺りを徘徊しています。捕まってしまうとそこでゲーム終了です

さらに制限時間も設定されており、1時間以内にクリアしないと、ミッションは失敗となってしまいます。「ミッション・インポッシブル」にふさわしい内容なのではないでしょうか。

 

仲間と協力しながらミッションを攻略

さっそく自動販売機の下に時限装置を仲間の諜報員が発見。すでに解除が終わりそうなので、ほかの解除装置へ向かいます。

 

すぐ近くに別の時限装置を発見しました。仲間と協力して解除に当たります。スマホを近づけると解除モードに入るので、画面をタップして解除開始。

↑時限装置の解除を開始

 

↑見事に成功しました!

 

その後、傭兵が近くにいるという連絡に警戒しつつ移動していましたが、いきなり画面が「MISSION FAILED」に。なんと、傭兵に捕まってしまいました。残念ながらここでゲーム終了。あとは他の仲間に託します。

↑傭兵に捕まってしまうとそこで終了です

 

最後の時限装置は他の時限装置すべてを解除しないと解除できないようになっています。最後の時限装置のある場所に諜報員が続々集まります。

↑最後の次元装置に集結する諜報員たち

 

無事解除に成功! ミッション・コンプリート!11時の回は残念ながら、ミッションクリアとなりませんでしたが、14時の回と17時の回では、見事ミッションクリア。

↑無事すべての時限装置を解除してミッション・コンプリート

 

↑ミッションを達成して記念撮影。みなさまお疲れさまでした

 

筆者が参加した17時の回には、「ポケモンGO」や「Ingress」などARゲームアプリを開発したナイアンティックのスタッフも参加していました。暑いなかお疲れ様でした!

↑ナイアンティックのスタッフの方々

 

渋谷の街を広域に使って、150人もの大人数で行ったイベントは、思いのほか楽しめ、ほぼ初顔合わせの参加者もゲームに参加しているという共通項により、気軽に話をしながら、協力しあっていたのも、良い体験ではないでしょうか。

 

渋谷のような雑多な街でやったからこその面白さがありましたけど、定期的に行うには許可とかいろいろ大変そうな感じではあります。でも、ARイベントとしては完成度が高く、かなり楽しめたので、また開催して欲しいところです。

 

なぜこうまで人を惹きつけるのか――Ingressリアルイベントに見る「ARゲーム」のポテンシャル

4月7日、福岡でARスマホゲーム「Ingress(イングレス)」のリアルイベント「ミッションデイ福岡」が開催されました。Ingressは、 2つの陣営に分かれたプレイヤーが現実世界を動きまわりながら拠点を奪い合う陣取りゲーム。同ゲームやポケモンGOを手掛けるナイアンティックのCEO、ジョン・ハンケ氏も参加し、大いに盛り上がった本イベントを振り返りつつ、ARゲームの今後について見ていきたいと思います。

 

ご当地ものコラボも! ARゲームとリアルイベントは好相性

「ミッションデイ」とは、ポータルを順番に回ってアクセスしていく、いわばオリエンテーリングのような、スタンプラリー的な遊び方ができるミッションをみんなで回っていこうというものです。ポータルはポケモンGOで言えばポケストップのようなもので、順番にポケストップにアクセスしていくイメージ。しかもそのミッションは今回のミッションデイのみに設定された特別なもので、期間限定でしか遊べません。さらにそのミッションを3つ以上クリアすると、特別なメダルを貰えてしまうのです。

↑ミッションデイ福岡には3000人を超える参加者が訪れました

 

今回のミッションのテーマは黒田官兵衛でした。黒田官兵衛ゆかりの地を回りながら、Ingressのミッションもクリアするというものです。そもそもIngressはその場所に行ってプレイするというポケモンGOの基礎となったゲームだけに、そういったご当地ものとのコラボはしやすいゲームです。これまでにも多くのリアルイベントを開催し、仙台、熊本などの被災地での復興にもひと役買っています。

↑黒田官兵衛にまつわる場所にポータルがあり、そこを順番に回っていくミッションをいくつも用意。Ingressを遊んでいるだけでなんとなく黒田官兵衛のことや福岡のことが感じ取れる仕組みです

 

Ingressは青チーム(レジスタンス)と緑チーム(エンライテンド)の2陣営に分かれて、拠点を奪い合う陣取りゲームとなっているので、さまざまな人と協力しあってプレイするほうが効果を発揮できます。ポケモンGOはレイドバトルなどを抜かせば基本的にソロプレイで遊べるので、IngressではポケモンGO以上にコミュニティが重要になるわけです。もちろんソロでも遊べるのですが、人とコミュニケーションを取りながらプレイすればIngressの楽しさは倍増すると言っても過言ではありません。

 

今回のミッションデイも全国各地から参加者が訪れており、その数は3000人以上とのこと。地域を越えてお互いが協力しあい、一緒の目的を達成するのはIngressならではの光景です。この状況に近いものがあるとしたら、プロスポーツチームのファンが地方遠征で一緒について行って応援する感じでしょうか。

 

「VRは自分のなかではあまり好ましいものではなかった」――ナイアンティックCEOが語るARのポテンシャル

こうしたリアルイベントには、ナイアンティックCEOのジョン・ハンケ氏が高確率で参加している点も見逃せません。ナイアンティックは「Adventure on foot with others」という理念を掲げており、ユーザーが参加するだけでなく、スタッフ自らも参加。ジョン・ハンケ氏がイベント時に参加者にサインや握手を求められても時間が許す限り対応しているのは、まさにコミュニティを重視しているというのを体現しているわけです。

↑参加者に囲まれるジョン・ハンケ氏。サインや握手に気軽に対応していました

 

ちなみに今回の福岡にもジョン・ハンケ氏は来日。せっかくなので、IngressやARゲームの今後についての話を聞いてみました。以下、ジョン・ハンケ氏のコメントです。

 

「Googleの社内ベンチャーとして発足したナイアンティックラボから8年が経過し、多くの実験的なことをしてきました。世の中的にはVRに注目が集まっていた時期がありましたが、それがARにシフトしつつあるのは嬉しく思います。周りと遮断され、その場に居続けるVRは自分のなかではあまり好ましいものではありませんでした。ARのほうが潜在的にポテンシャルがあると考えています。

ただ、ARも技術的なほうにフォーカスしているという懸念があります。ポケモンGOでは技術的なことよりも、ARの体験と手段を示すことができました。もちろん、ARのプラットフォームはより強化していく予定です。同時の多くの人が体験、共有するものを提供していきたい。すでにポケモンGOのレイドバトルやIngressで実現はしているのですが、ARグラスなどが当たり前になったときに、先行していけるようには考えています。

また、AR関連ではプラットフォームを越えたARマッピングをナイアンティックの新たな目標としています。ゲームだけでなく、地域の歴史が分かるようになるサービス、フィールドトリップなどを融合していく可能性があります」(ジョン・ハンケ氏)。

↑ナイアンティックCEOジョン・ハンケ氏

 

AR技術の向上やその技術そのものではなく、現状の技術でどういうことができるのか、ARはどんなことをできるのかを示してきたのが、Ingressであり、ポケモンGOであるということですね。ARって何?って言われたら、ポケモンGOかIngressをやってみて!って答えるのが1番手っ取り早いわけです。

 

続編「Ingress PRIME」やアニメも――今後も楽しみな展開が続々

今回のミッションデイでは、もう1つのイベント「シャード戦」を開催していました。シャード戦はポータル同士を結ぶリンクを使って、かけらを運ぶゲームで、より一層プレイヤー同士の協力が必要となります。さらに夜にはアフターパーティーが用意され、ステージ上でさまざまな発表が行われました。

 

そのアフターパーティーでは、Ingressの続編となる「Ingress PRIME」や夏放映予定のアニメ「イングレス」の新情報が飛び出しました。アニメ「イングレス」では、プロデューサーの石井友彦氏、監督の櫻木優平氏が登壇。

↑19時より行われたアフターパーティー。4月初旬の気温とは思えないほどの寒さでしたが、多くの人が参加しました

 

↑アフターパーティーに登壇したアニメ「イングレス」の櫻木監督。イベント終了後にはアニメで登場するキャラクターのBIOカード(キャラクターの名刺みたいなもの)を直接ファンに手渡していました

 

IngressはポケモンGOに比べて取っつきにくい印象があります。ゲーム画面状にはゲームキャラクターが登場せず、地図とポータルが表示されるスキャナーの画面になっています。ゲーム進行についてもあまり解説されておらず、ストイックな表現でSF感を出している反面、ゲームとしての不親切さも感じてしまいます。

 

しかし、そういった面はIngressの1つでしかなく、コミュニティを介して多くの人と出会い、多くの場所に訪れることができるそんなツールであることが重要だったりします。興味を持った人は、とりあえず周りにIngressをプレイしている人がいないか探してみてください。きっと、その不親切さを取り除いてくれるほど丁寧に教えてくれるハズです。それがIngressです。

 

近々ローンチ予定のIngress PRIMEは、ポケモンGOのノウハウを生かして、初心者でも入りやすいわかりやすさを提供するとのことなので、そこで参入するのも良いですね。

専門知識がなくても大丈夫? 誰でもVR/ARアプリを開発できる Amazonの「Sumerian」って何だ?

自社のVRヘッドセットをリリースしていたFacebook(傘下のオキュラス)、マイクロソフト、そしてGoogle。IT企業各社のVR/ARへの参入が本格化するなかで、もう1つのテクノロジー業界の巨人Amazonがどう動くのか注目されていました。

 

そんなAmazonは2017年11月、VR/AR開発向けアシストツール「Sumerian」を発表。このサービスは同社が提供するクラウドコンピューティングサービスのAmazon Web Service(AWS)の1つとして提供されます。

 

Sumerianには既存の3Dオブジェクト(建物、家具、3Dキャラクターなど)が用意されているほか、独自の3Dオブジェクトをアップロード可能。それらのオブジェクトを組み合わせることでVR/ARのアプリケーションを作成します。3Dグラフィックスやプログラミングなどの専門知識も不要とのこと。業界に大きなインパクトを与えています。

 

「Sumerian」利用の流れ

まず、エディターで新たなシーンを作成します。

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次にシーンが現れます。

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Sumerianには様々なオブジェクトが用意されています。ここでは部屋オブジェクトを選択。

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部屋に椅子や机などのオブジェクトを設置できます。

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キャラクターも作成できます。VR内で3Dオブジェクトを見たり触ったり、キャラクターと会話も可能(※音声認識技術のAlexaを活用)。キャラクターの行動を規定してプレゼンをさせるといったこともできます。

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SumerianはVRヘッドセットのOculus Rift、HTC Vive、およびiOSデバイスに対応しています。後々ではARCoreを搭載したAndroidデバイスにも対応予定。

 

Sumerianはビジネスで活用できます。人事部の方や消費者にとって便利かもしれません。

 

従業員研修

VRで実際の業務環境を再現でき、従業員は体験しながら業務を覚えることが可能。機械の操作方法や修理方法を覚えることもできるでしょう。

 

商品の利用体験の提供

VRで商品の利用体験を提供できます。ユーザーは商品を家に置くとどのようになるのか、商品を実際にどのように利用できるのかなど、より具体的なイメージを持つことができます。

 

Sumerianで開発されたアプリではありませんが、すでに小売業者はVRやARを活用し始めています。BOLD METRICS社はVR内で衣類を試着できるようなソリューションを開発。Sumerianで開発されたアプリはこれに近いものとなるでしょう。

Sumerianの利用料金そのものは無料。データを保存するためのストレージ「Sumerian scene storage」の利用に毎月1GB約6セント、シーン再生によって発生した通信量「Sumerian scene traffic」に毎月1GB約38セントの課金がなされます。

 

現在、Sumerianはプレビュー期間。前述の小売業界をはじめVRを活用したいと考えている企業は企業規模を問わず多いことでしょう。今後そういった企業が数多く利用するようになった場合、莫大な利益をAmazonにもたらすことになるでしょう。SumerianがVR/ARをより広く普及させるのかどうか、注目です。

 

【2018年クラウドファンディング予測】デジタルデバイスは3つのコンセプトを中心に動く!

日本でもすっかり耳慣れた「クラウドファンディング」。GetNavi webではKickstarterやIndiegogoといったアメリカのクラウドファンディングで大きな注目を集めているデジタル・デバイスを紹介してきました。

 

2017年はAmazon EchoやGoogle Homeなどスマートスピーカーが続々と登場した年だったこともあり、KickstarterやIndiegogoでもたくさんのスマートホーム関連のプロダクトが企画されました。

 

音声で操作できる照明や空調はもちろんのこと、既存のブラインドを遠隔操作またはタイマー操作できるデバイスから、ガスコンロのハンドルを取り替えることで火力を自動で調整してくれるスマートノブまで、デジタルでも何でもない一般家庭の家具をスマートホームの一部にしてくれる色々なアイデアが輝いた年でした。

 

これまでに見たことのないプロダクトが飛び出してくる面白さもある一方、その年のトレンドとなるテクノロジーに合わせてクラウドファンディングも動きます。そんな視点から2018年のデジタル・デバイス分野におけるクラウドファンディング予想をしてみたいと思います。

 

【トピック01】スマートホームの一部となりそうな「ワイヤレス充電」

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以前から一部のAndroidフォンで実装されていたワイヤレス充電。アメリカではスターバックスをはじめ色々なカフェやチェーン店で、スマホを置くだけで充電ができるワイヤレス充電パッドが目につくようになっています。そんななかでワイヤレス充電を標準装備したiPhone 8/Xが登場しました。この流れを受けて、ワイヤレス充電関連のデバイスは今後たくさん開発されるでしょう。

 

ワイヤレス充電が標準で実装されたスマホがどんどん増えることで、街中には充電パッドがどんどんと増えることが予想されます。それを見たクリエイターたちが何か面白いことを思いつくことは間違いなしです。

 

2018年はワイヤレスで充電できるスマホ以外のデバイスや、自宅のワイヤレス充電を一層便利にしてくれるプロダクトが飛び出してくるのではないでしょうか。ワイヤレス充電を機能の一部として取り入れたプロダクトはすでに出てきており、IKEAはスマホをワイヤレス充電するランプ「VARV」などを販売しています。ワイヤレス充電未対応のスマホをワイヤレス充電できるようにする「NillkinのiPhone6/6Sケース」もあります。そして、今年は接触しなくても複数のスマホをワイヤレスで充電できるデバイス「Pi」も販売される予定。アメリカでは音声アシスタントを中心としたスマートホーム拡張がどんどんと進歩していくと考えられますが、ワイヤレス充電との組み合わせは無限大です。

 

【トピック02】革命前夜のVR/AR技術

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2017年、大きく普及したのが主要メーカーによるゲーム機が出揃って一気に普及したVR(仮想現実)と、Appleによるディベロッパー向け開発キットARKitで様々な応用アプリが登場したAR(拡張現実)です。

 

iPhone 8/Xには3Dカメラが標準装備され、より高度なAR技術が使えるようになりました。VRもARもソフトウェア面での発展はまだまだこれからというところですが、MicrosoftのMixed Reality、FacebookのOculus、ソニーのPlayStation 4、HTC Viveと大手メーカーが大きく力を入れていることからも今後存在感を放ってくることは間違いありません。

 

さてこのVR/AR、面白いのはゲームやアプリなど特定の目的だけに特化するのではなく、コンピューターの操作を変えてしまうほどの新しいプラットフォームとしての側面も見せ始めている点です。

 

昨年12月にβ版として公開されたOculus Riftの新しいインターフェースは、まるでマトリックスのように空中に浮いているウィンドウを手で自由に操作するというもの。VR技術がどんどん従来のデスクトップのような機能を取り込みつつあるのはMicrosoftのMixed Realityでも同じです。

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一方、VRヘッドセットほど大きくなく、メガネのようなデザインを使って実際の視覚とディスプレイ表示を混ぜた「VUZIX」のようなスマートグラスも発表されてきています。

「これはGoogleグラスで失敗したんじゃなかったっけ?」と思った方は記憶力が良いですね。でも実はGoogleもGoogleグラスの開発を2017年に再開させているのです。

 

こうやって並べてみると革命的なイノベーションが起きる前夜のような盛り上がりを感じます。クラウドファンディング業界で果たして新しいハードウェアが登場するのか、それともサポートするための周辺プロダクトが姿を見せるのか注目です。

 

【トピック03】終わりなき睡眠追求

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最後に、アメリカのクラウドファンディングで何度も何度も登場するのが「睡眠改善デバイス」。現代人がいかに快適な睡眠をとれずに苦しんでいるかが伝わってきます。カップルのためにベッドの半分で分けて温度調節をしてくれるシーツから、LEDライトを使ってゆっくりと快適に起こしてくれるアイマスク、さらには夢をコントロールできるようになるなんてデバイスもクラウドファンディングからは飛び出してきています。

こうやって記事を書いている最中にもKickstarterやIndiegogoではいびきを軽減してくれるアイマスク、ベッドの下に設置して睡眠の邪魔にならずに睡眠パターンをトラッキングしてくれるデバイスなどが開発資金を集めています。この分野では2018年も引き続きたくさんのプロダクトが開発されることでしょう。

 

2018年のトレンドを予測してみましたが、Oculus RiftがKickstarterで登場し、一気にVRゲーム競争に火を付けたように、誰も想像していなかったプロダクトが世界をアッと驚かしてくれるかもしれません。それがあるから、クラウドファンディング・ウォッチングはやめられません。

ARでこんなに便利になっちゃうの!? 暮らしを激変させそうな期待のAR対応iOSアプリ5選

最近耳にすることが増えた「AR(Augmented Reality)」は、日本語にすると「拡張現実」。簡単に言ってしまえば、スマホのカメラに写した景色に、情報を重ねて表示させる技術です。従来もAR機能を持つアプリがなかったわけではありませんが、機能を独自に開発する手間があったり、ARマーカーを使用しなくてはならない、という提供側の負担・制限がありました。

 

しかし、iOS 11を搭載するiPhone・iPadでは「ARKit」というフレームワーク(アプリケーション開発の土台となる枠組み)を利用できるようになりました。これにより、続々と精度の高いARアプリが登場してきています。今回は、日本国内の開発者が提供する注目のARアプリを5つご紹介します。AR技術で一体どんなことが実現されつつあるのか、チェックしておきましょう。

 

 

1)「アメミル」は情報を視覚的に捉える新機能を搭載

「アメミル」と言えば、天候情報を調べる定番のアプリ。雨雲の接近をレーダー表示やアラートで確認できる機能を搭載します。機械学習に関する新機能「Core ML」にも対応しており、降雨パターンを解析し、気象予報士による解説を組み合わせて表示することもトピックです。

 

同アプリがAR機能を使用するのは、2つの「3Dモード」にて。1つ目はカメラをかざすことで、実際の景色と近い未来の天候情報を重ねることができる「気象レーダーAR」。2つ目は日本地図を衛星視点で眺めるような画面を表示させ、地図上に降雨情報が表示される「サテライトアイ」です。ちなみにARKitは主に後者で使われています。

20171127_ashida202↑「アメミル」で画面を横にすると表示される「気象レーダーAR」の画面

 

アプリを起動すると、まず「2Dモード」で起動。ここでは、通常のマップ上に降雨情報が重なって表示される状態に。端末を横画面にするか、あるいは画面上の「3D」ボタンをタップすると、「気象レーダーAR」画面に切り替わります。周囲360度にカメラを向けると、実際の景色と周囲10kmの降雨情報がアニメーションになって表示されます。なお、月額120円の会員の場合には、先1時間の雨量予測も確認可能になります。

20171127_ashida203↑同じく「サテライトアイ」の画面。降雨量が3Dの棒グラフとして現れる

 

そして、3D画面で衛星マークが描かれたボタンをタップすると、サテライトアイ画面に切り替わります。日本を上空から眺められるほか、棒グラフで立体的に降雨量が表示されるので、近づいてくる雨の状況が視覚的に分かりやすいのがメリット。出張や旅行で訪れる地域が、どのくらい雨が降っているのか、と確認するのにも役立ちそうですね。

 

2)身体も使って楽しく学習する「算数忍者AR」

学習アプリもAR機能の恩恵を受けやすいジャンル。「算数忍者AR」では、算数の問題を解く際に、カメラを使って回答を立体的に探すという工夫を凝らしています。

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↑「算数忍者 AR」の画面。難易度は3種類から選択

 

同アプリを起動したら、「かんたん」「ふつう」「むずかしい」の3段階でレベルを選択。続いて「平面を見つけてタップしてください」の文字が表示されるので、実際の平面をカメラに写してタップします。すると、画面上にステージが表示されて、ゲームスタートという流れに。

20171127_ashida205↑ステージのサイズを調整する画面

 

ゲームのルールは簡単。足し算や引き算といった算数の問題がステージ中央に表示されるので、その答えを持った人物を探していきます。建物の陰に隠れていたりするので、iPhoneやiPadを持って身体を動かしつつ、角度を変えて解答を探しましょう。10問正解するとステージクリアとなります。

20171127_ashida206↑プレイ中の画面。数字を出しているキャラから正解を探す

 

ステージをクリアするたびに仮想のカードがゲットでき、「これくしょん」の画面に追加されていきます。同画面もARで表示され、立体的に確認できるのがユニークです。

20171127_ashida207↑ご褒美のカードもARで確認

 

今後は、算数以外にも様々な科目で展開することが期待されます。

 

3)測定アプリ「LIFULL HOME’S」で内見した部屋をメモできる

部屋の広さを計測するメジャーアプリも定番です。「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」は、物件を検索できるアプリですが、ARを利用して部屋の計測を行う機能も新たに追加されました。

 

同アプリでARを活用するには、「便利機能」タブの「見学メモ」をタップしましょう。見学メモの機能は「部屋を計測」と「写真を撮る」の2種類となっていて、前者がARを利用しています。

20171127_ashida208↑LIFULL HOME’Sのアプリ画面。測定画面には「ホームズくん」が登場

 

計測画面を起動すると、「部屋でぼくを探してね」とのメッセージが表示されます。しばらくカメラを部屋内の床に向けていると、イメージキャラクターの「ホームズくん」が画面内に登場。部屋の間取りを測定するためのポインタをタップすると、その場所までホームズくんが走ります。息をゼイゼイと切らす細かい演出も楽しめます。

20171127_ashida209↑写真と併せて測定結果を保存できる

 

ARKitを活用したメジャーアプリは数多く出ていますが、キャラクターを表示させる点がユニークです。機能も、位置情報で写真と測定結果が連動してメモできるようになっていて実用的。1日に数件の内見を行う場合に、大まかな広さを手軽に控えられます。ちなみに、正確に測定するコツは「使用者も移動しつつ、測定ポイントの近くまで寄ってポインタをタップすること」とのこと。

 

4)複数ブランドの家具を選んでそのまま買える「RoomCo AR」

家具を画面上に配置して、サイズ感や色合いをシミュレーションできるアプリも増えてきています。中でも「RoomCo AR」は、複数のブランドが提供する家具を一気に表示できること、複数のアイテムを同時に表示できること、の2点でユニーク。各メーカーが提供しているARアプリだと、自社製品しか表示できないことも多々ありますので、いろいろ比較検討したい人にはこちらの方がオススメです。

20171127_ashida210↑RoomCo ARの画面。まずは「アイテムを配置」をタップ

 

同アプリを起動したら「アイテムを配置」を選択。「カテゴリ」か「ブランド」から検索してアイテムを選びましょう。

20171127_ashida211↑「カテゴリ」で検索しているイメージ。価格やサイズを指定して絞り込むことも可能

 

選択後にアイテムを表示し、目的の位置に配置すれば、実際に設置した際の圧迫感や色のバランスなどを確認できます。気に入ったら、そのまま各メーカーの直販サイトへのリンクにアクセスして、購入すればOK。

20171127_ashida212↑ラグマットにソファ、ペンダントライトをARで配置

 

また、実際にウェブで購入しなくても、家具の目星をつけておいて、お店に行って確認するという使い方もできそうですね。店舗まで何度も足を運ぶ必要がなくなるという点もメリットです。ちなみにソファーやインテリアのほか、仏壇やピアノ、家電、パソコンなども表示できますよ。

 

5)健康促進アプリ「Standland」では成果をリアル画面に並べて楽しむ

「Standland」は“座りっぱなし”を防ぐ健康促進アプリ。1時間に1分間歩けば、スタンドしていた時間として記録されます。スタンドを繰り返すことで、ゲーム内に表示させられるキャラクターを増やしていけます。ねこ、うさぎ、ふくろう、ひよこなど、全14種類の仲間をゲットするのを目標に、コツコツと立つ時間を作るわけです。

20171127_ashida213↑「Standland」の画面。かわいいキャラのそばに立った回数を表示

 

同アプリに追加されたのが、こうしたキャラクターをAR表示させて記念撮影する機能。雲に乗っている「雲ジェミー」をタップすると、AR画面が表示されるので、キャラクターを配置して、静止画や動画で撮影して共有できます。

20171127_ashida214↑獲得したキャラクターをARで表示

 

一見ARとは関係ないアプリでも工夫次第でAR機能を面白く活用できる良い例ですね。

 

以上、今回は5つのアプリを紹介しました。AR対応アプリが増えれば、私たちの習慣も少しずつ変わってくるかもしれません。iPhone 6s以降をお持ちの方は、まずは気になるアプリを試してみてはいかがでしょうか。