コスパ重視でセレクト! Amazon.co.jpの「即買い」オーディオ&ビジュアル製品6選

Amazon.co.jpで取り扱っているAVアイテムは、大手メーカーだけでなくややニッチなブランドによるリーズナブルな価格の製品のなかにも高品質な“お宝”がどっさり。ここ最近人気の高いワイヤレス製品を中心に、音質と使い勝手をチェックしました。

 

【レビューした人】

GetNavi本誌AV担当/川内一史

音質や画質だけでなく、日々の視聴でストレスがかからないよう使用感にこだわります。コスパも重視。

 

【01】IPX5相当の防水仕様&タッチ操作対応でランニング中も快適

Meilunz
NB7

3770円

8mm径ダイナミックドライバー搭載の左右独立型イヤホン。本体にタッチして、再生/停止、曲送り、通話開始/終了、着信拒否などの操作が行えます。イヤホン本体での連続再生は約4時間で、ケースから3~4回フル充電可能です。IPX5防水仕様。

SPEC●無線規格:Bluetooth 4.1+EDR●充電:約5時間●バッテリー容量:イヤホン(片耳)50mAh、ケース450mAh●付属品:イヤピース×2、イヤフック×1ほか●サイズ/質量:W25×H26×D17㎜/約5g(片耳)

 

↑サイズ違いのイヤピースと、しっかり固定できるイヤフックが付属。様々な耳の大きさと形にフィットします

 

↑イヤホン本体はIPX5防水仕様。ランニング中などに汗や雨で濡れても、気にせずに使えるのがうれしいです

 

ソフトタッチで操作できて耳にかかる負担が小さい

大手オーディオメーカー製の完全ワイヤレスイヤホンは、2万円台が相場。4000円以下の本機はまさに破格値ですが、使い勝手においては遜色がないと感じました。廉価モデルとしては珍しいのが、タッチパネルを搭載する点。物理ボタンと違って指で押し込む必要がないので、耳にプレッシャーがかかりにくい。また、左右どちらも同じ操作に対応するのが何気に便利です。

 

音は「高音質」とは言えませんが、騒音のある街なかで使うぶんには気にならないレベル。音切れも少なく、ストレスを感じませんでした。

 

【02】クリアなサウンドで低域の迫力も十分!

SoundPEATS
Q34 Bluetoothイヤホン

3280

首かけタイプのBluetoothイヤホン。IPX4防水&IP4X防塵仕様で、スポーツ中やアウトドアでも安心して使用できます。また、このクラスのモデルでは珍しく、高音質BTコーデックのaptXに対応する点にも注目。1万円前後のイヤホンに匹敵するほどのクリアなサウンドが楽しめます。

SPEC●無線規格:Bluetooth 4.1+EDR●連続再生:約7時間●充電:1〜2時間●付属品:イヤピース(XS/S/M/L)、イヤフック(S/M/L)ほか●サイズ/質量:W42×H72×D30㎜/130g

 

↑付属のイヤフックが耳にすっぽりと収まります。3サイズが同梱されており、あらゆる人の耳にフィットします

 

【03】IPX7防水・防塵仕様で水洗いもできる!

Anker
SoundCore Sport
Bluetoothスピーカー

2999

水洗いできるIPX7防水対応の充電式モデル。ホコリや砂、衝撃にも耐える仕様で、タフに使えます。軽量&コンパクトな設計でストラップも付属するため、持ち歩きに便利。3Wドライバーとパッシブ型サブウーファーによる音は力強く、屋外で鳴らしても“痩せる”ことがありませんでした。

SPEC●連続再生:約10時間●ハンズフリー通話:対応●スピーカーユニット:3Wドライバー、パッシブ型サブウーファー●サイズ/質量:約W85×H85×D45㎜/約231g

 

↑操作ボタンは電源、ペアリング、音量、通話の4つのみとシンプル。直感的に使えます

 

【04】「左右」と「前後」だけでなく「高低」の定位も再現

ヤマハ
YAS-107

2万4280

テレビの前に設置しても視聴の邪魔にならない、スリムなバー型スピーカー。「高低」の音場を再現するバーチャル3Dサラウンド技術「DTS Virtual:X」を世界で初めて採用し、映画などを臨場感たっぷりに楽しめます。

SPEC●実用最大出力:120W●接続端子:HDMI出力×1、HDMI入力×1、光デジタル入力×1、3.5㎜ステレオミニ入力×1、USB入力×1ほか●Bluetooth:対応●サイズ/質量:W890×H53×D131㎜/3.4㎏

 

 

↑バーチャル3Dサラウンドのイメージ。サテライトスピーカーから音が出ているような感覚を味わえます

 

↑リモコンはシンプルで使いやすいです。専用スマホアプリを使えば、より多くの機能を利用できます

 

ヘリのプロペラ音は上空、足音は床から聴こえた

薄型テレビのこもった音を改善して、自宅での映画鑑賞を堪能したい。でも、設置が面倒なのはイヤ……という人にピッタリなのが本機です。最新の仮想サラウンド技術により、1本のバースピーカーとは思えない音場感を実現。ヘリコプターのプロペラ音は上空から、迫りくる足音は後方の床から聴こえ、没入度が段違いです。

 

内蔵サブウーファーによる低音は、ズシンとした重みこそありませんが、迫力はまずまず。アクションやサスペンス映画では、いつも以上に手汗をかいてしまいました!

 

【05】竹を使った個性派デザインでインテリアとしても◎

ARCHEER
A320
ワイヤレススピーカー

8999

竹を生かしたデザインが特徴のBluetoothスピーカー。温かみのあるレトロな佇まいはインテリアとしても秀逸で、どんな部屋にも合います。2基のツィーターと1基のサブウーファーによるサウンドは低音重視。ナチュラルな外観からは意外なほどの、迫力ある音を鳴らしました。

SPEC●無線規格:Bluetooth 4.0●再生周波数帯域:80Hz〜20kHz●実用最大出力:25W●バッテリー容量:5200mAh●連続再生:約11時間●付属品:3.5㎜ケーブルほか●サイズ:質量:W279×H185×D131㎜/約1.7㎏

 

↑レトロな佇まいは存在感たっぷり。アンティークな部屋から和室まで、どんな場所でも映えます

 

【06】小型ながらフルHDに対応し最大176インチ投射可能

DBPOWER
PJ06
7399

1500ルーメンの明るさと、フルHD解像度に対応するプロジェクター。USB、HDMI、SDカードなどの端子を備え、PCやスマホのほか、BDプレーヤーやゲーム機などから出力できます。いつもは20V型のテレビでプレイしているゲームを、はるかに大迫力で楽しめて新鮮でした。

SPEC●投写画面サイズ:32〜176インチ(推奨120インチ)●投写距離:約1〜5m●アスペクト比:4:3、16:9●LEDライト寿命:5万時間以上●コントラスト比:最大2000:1●サイズ/質量:W187×H77×D149㎜/950g

↑片手大の小型サイズながら、明るさも解像度も十分。プレゼンのお供として活用できます

 

 

 

●「IPX5」や「IP4X」はJISで採用する、電気製品の防水・防塵性能を表す規格。IPの直後にくる数字はホコリなどの異物に対する保護性能0〜6の7段階で、そのあとの数字は水の浸入に対する保護性能を0〜8の9段階で示します。IPX5なら「噴流水に対する保護」、IP4Xなら「1.0㎜より大きい固形物に対する保護」となり、数字が大きいほど保護性能は高くなります。

●実売価格やサービス内容、ランキングは、2018年6月13日現在、編集部調べの情報です。最新の価格やサービス内容はAmazon.co.jpでご確認ください

●AmazonおよびAmazon.co.jpは、Amazon.com,Inc.またはその関連会社の商標です

テレビから家電を音声操作できる! Googleアシスタント対応のシャープ「AQUOS 4K AM1」

シャープは、独自のAIoTクラウドサービス「COCORO VISION」に対応した4K液晶テレビ「AQUOS 4K AM1」シリーズを発売します。発売日は60型「4T-C60AM1」と50型「4T-C50AM1」が8月31日、43型「4T-C43AM1」が6月30日を予定。実売予想価格は、C60AM1が26万円前後、C50AM1が18万円前後、C43AM1が15万5000円前後(いずれも税抜)。

↑AQUOS 4K AM1シリーズ

 

↑43型の「4T-C43AM1」

 

新モデルの特徴は、独自のAIoTクラウドサービス「COCORO VISION」がさらに進化し、AIが家族のよく見るテレビ番組や視聴する時間帯、さらに番組の録画予約状況まで分析・学習しておすすめの番組を音声で知らせてくれるほか、ホーム画面でその日の天気や番組情報なども教えてくれるようになったこと。

↑COCORO VISIONのホーム画面。背景の画像も季節に合わせて更新される

 

さらに、本体前面に搭載された人感センサーにより、家族がテレビに近づくと自動的に電源が入り「COCORO VISION」が起動。音声であいさつしたり、天気などの生活状況を教えてくれたりします。

 

また、Android 8.0 Oreoを採用しており、番組検索や天気情報などを音声検索できるほか、今後、Googleアシスタント対応のシャープ製家電製品などをテレビから音声操作できるようになります。

↑Googleアシスタントに対応するシャープの家電製品をテレビから直接音声で操作できる

 

画質面では、新4K衛星放送で採用されるHDR規格「HLG(Hybrid Log-Gamma)」方式に対応した新開発エンジン「AQUOS 4K Smart Engine PRO」を搭載。解像度や映像レベルを判別し、最適な高精細処理を行う「4K-Master アップコンバートプロ」により、地上波から新4K衛星放送まで高精細な映像で視聴できます。

↑映像の解像度などに応じて適切な高精彩処理を行う

 

↑音が聞き取りやすい前面開口設計のスピーカーシステムを採用

 

同社では、12月1日より放送開始予定の新4K衛星放送の受信が可能な外付けの「4Kチューナー」(2018年11月下旬発売予定)も開発中。今回発表されたAQUOS 4Kシリーズはもちろん、HDCP 2.2対応のHDMI端子を備えたアクオスシリーズや他社のテレビでも4K放送が楽しめます。

 

↑開発中の4Kチューナー。別途HDDを接続することで4K放送の録画も可能

 

↑アクオスシリーズと接続すれば、テレビのリモコンから4K放送を選局可能

 

AIとIoTを融合させた独自のAIoT機能により、テレビを再び家庭の中心に据えるようなビジョンを描くシャープの新AQUOS 4K AM1シリーズなら、スマートライフも身近になりそうですね。

2999円で買える汗に強い“夏イヤホン” Anker「Soundcore Spirit」

アンカー・ジャパンは、Soundcoreシリーズより、防汗・防水性を高めたBluetoothイヤホン「Soundcore Spirit」を6月12日に発売しました。価格は2999円。

 

「Soundcore Spirit」は、防汗・防水性能を高めるために、潜水艦に着想を得た内部構造と疎水性の多層ナノコーティングから成るSoundcore独自のSweatGuardテクノロジーを採用。通常の水よりも腐食性の高い塩分を含んだ汗もしっかり防いで、水濡れによる故障からイヤホンを守ります。

 

Bluetoothコーデックは、SBCのほかAACにも対応。iPhoneなどと組み合わせて高音質で音楽が楽しめます。また、耳にフィットするデザインで遮音性を高めており、騒音下でも音楽に集中することができます。

 

約1.5時間の充電で、約8時間の連続再生が可能。スポーツ時などの安定性を高めるイヤーウイングが付属しています。

 

汗をかきやすい夏や通勤・通学時、スポーツシーンなどで使える防水・防汗仕様のワイヤレスイヤホンを、ぜひ試してみてはいかがですか?

【500個限定2980円】cheeroのダンボーがワイヤレススピーカーに! 音と木目ボディに癒されます。

四角い顔に丸い目、三角の鼻。愛らしいデザインの「ダンボー」が、今度はワイヤレススピーカーに! cheeroは12日、「cheero Danboard Wireless Speaker」を発売します。

 

↑「cheero Danboard Wireless Speaker」。直販価格は3680円、初回500個は2980円で提供される

 

cheero Danboard Wireless Speakerは、筐体の素材にチェコ産のブナの木を採用。塗装なしの無垢材を使っているので、ひとつひとつ、違った木目を持っています。

 

↑100個あれば100通りの顔があります

 

同製品はスマートフォンなどとBluetoothで接続して、ワイヤレスで音楽を楽しめます。マイクを内蔵しているので、まるでダンボーに話しかけるような形で通話可能。

 

本機を2台用意してペアリングすることでステレオ音声での再生もでき、より臨場感のある音で楽しむこともできます。

 

↑2台並べてステレオ再生も楽しめる。なんだか絵面もキュート

 

Bluetoothではスタンダードの音質のSBCコーデックのみをサポートしてますが、音声入力用の端子も装備。有線で接続すればより高音質で再生できます。

 

大きさは約W70×H46×D50mm、重さは約105gと、机の端にちょこんと載っけておくにはちょうど良い大きさです。電源端子はmicroUSBで、モバイルバッテリーからの給電でも動作します。

 

見るだけでも癒され、音楽を聞くとさらに癒される、癒し効果は抜群です。ナチュラルウッドのダンボーを机の上に飾ってみませんか。

タムロンの新型標準ズーム「28-75mm F/2.8」はソニーユーザーにとって買いか?【実写レビュー】

話題のタムロンのフルサイズEマウント用レンズ「28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)」がついに発売されましたね。このレンズは28mmから75mmの焦点距離をカバーするF2.8通しの大口径標準ズームでありながら、実売価格で10万円を切る価格帯が大きな特徴となっています。何を隠そう実は筆者もEマウントユーザーでして、このレンズには注目していました。ということで、早速レビューしてみたいと思います。

↑タムロン「28-75mm F/2.8 Di III RXD」。実売価格は9万4500円

 

Gマスターと同等のF値と焦点距離をカバー

ソニーのフルサイズEマウントの標準ズームレンズと言えば、Gマスターの名を冠した「FE 24-70mm F2.8 GM(以下、SEL2470GM)」というレンズがフラグシップに君臨しています。筆者も愛用し、その画質には大いに満足しているのですが、実売価格が25万円前後と高額なため、いくら標準ズームと言っても最初の1本としてはなかなか手を出しづらいもの。

 

そこで、SEL2470GMと同じF値とほぼ同等の焦点距離をカバーしつつ、価格は半分以下という本レンズに注目しているEマウントユーザーも多いはず。まずは製品概要を見てみましょう。

 

α7シリーズのボディと相性ヨシ!

今回は筆者が普段から愛用している「α7II」に本レンズを装着。鏡胴は樹脂性素材を採用しているため、重量は550gで大口径ズームレンズとしては軽量な部類に入ります。SEL2470GMが1kg弱であることを考えると、機動力の高さを感じます。

↑ソニー α7IIに28-75mm F/2.8 Di III RXDを装着

 

↑レンズ先端側がズームリング、ボディ側がピントリング。SEL2470GMとは前後が逆となります。ロックスイッチなどは非搭載

 

↑花形のレンズフードが標準で付属

 

↑広角端である焦点距離28mmの状態

 

 

↑望遠端である焦点距離75mmの状態

 

サイズ感ですが、SEL2470GMと比較するとそのコンパクトさは一目瞭然。鏡胴だけでなくレンズ口径も大きく違うので、当然サイズ感も違ってくるのですが、普段からヘビー級とも言えるSEL2470GMを使用している筆者としては、その軽量さとコンパクトさがとても印象的です。

↑28-75mm F/2.8 Di III RXD(左)とSEL2470GM(右)。太さがまるで違います

 

↑28-75mm F/2.8 Di III RXD(左)とSEL2470GM(右)。レンズ口径も大きく異なります

 

重量が約600gのα7IIに約1kgもあるSEL2470GMを装着すると、明らかにフロントヘビーとなり、携行時や撮影時などバランスがやや悪く感じることがあります。その点、本レンズであれば重量バランスは良好。特に撮影時にカメラを構えた際のホールド感は違和感がなく、フットワークの軽い撮影ができる印象です。

↑バランス・ホールド感ヨシ!

 

一方、軽量コンパクトとはいえ、そこはF2.8通しの標準ズーム。それなりに迫力はあります。フィールドワークや三脚固定時などは、SEL2470GMにも勝るとも劣らない大口径レンズらしい存在感があり、撮影者をその気にさせる雰囲気を漂わせています。

 

広角側で4mm、望遠側で5mmの焦点距離の差はいかに?

本レンズのスペックを見たときに、SEL2470GMと比べて微妙にずれてるな? という印象でした。というのも、SEL2470GMは、24-70mmで、ニコンやキヤノンにも同じF2.8通しのレンズがラインナップされているほど、一般的な焦点距離です。ところが、本レンズは28-75mmと広角がわずかに狭く、望遠がわずかに長いという仕様。そこで、両者の画角の違いを比べてみました。

 

まずは広角側。両レンズの広角端で、同じ位置から撮影しています。

↑28-75mm F/2.8 Di III RXDの広角端28mm(上写真)とSEL2470GMの広角端24mm(下写真)

 

一見、大差ないように見えますが、注目していただきたいのは、24mmは左右にポールのようなものが画角に入っていること。28mmだと両サイドとも画角から外れてしまっています。広角4mmの差は数値以上に大きいと感じました。

 

一方の望遠側は、5mmの差があるのでもちろん画角に違いは出るのですが、広角側ほど大きな違いは感じられません。撮影スタイルにもよるとは思うのですが、70mmを使用していて「あと5mm足りない……」と枕を涙で濡らすシチュエーションはあまりないと筆者は感じました。

 

まとめると、筆者の感想としては、望遠の恩恵はあまり感じられず、逆にシーンによっては広角側が物足りなく感じることはありそうです。

彩度・ボケ感ともに合格点

やはりF2.8通しの大口径レンズといえばボケ感を試したくなりますよね。そこで、彩度やボケ感を試してみます。撮影当日は曇り気味の空模様でしたが、そのぶんしっとりとした写真が撮れました。

 

まず彩度ですが、少し明るくするために露出補正+1で撮影したところ、ビビッドな色合いに。カラフルさを強調したい被写体の場合は、これぐらい鮮明な彩度のほうが良作が生まれやすいでしょう。

↑75mm f2.8 1/1250秒 ISO400 EV+1.0

 

次にボケ感ですが、さすがF2.8と言ったところでしょうか、強調したい被写体以外を簡単にボケさせることができます。ただし、ボケが気持ちいいからといって、これみよがしに開放しまくっていると肝心なところまでボケてしまうという「大口径レンズ初心者あるある」に陥ってしまうので、ある程度の加減と慣れは必要です。

↑75mm f2.8 1/1250秒 ISO400 EV+0.33

 

暗い場所でもしっかり解像する

続いて、暗所の性能について試すべく、知人のライブにて作例を撮影させてもらいました。ライブ写真というものは「暗い」「派手なアクション」「ストロボ発光禁止」という三重苦。非常に悪条件のなかでの撮影になるので、レンズの明るさはもちろん、カメラの設定もシビアに。

 

今回は、ド派手なアクションにも追従できるシャッタースピードを軸に、ISO感度と絞りに負荷をかけて連写するというスタイルで撮影。ミスショットもありましたが、成功したショットではライブハウスの雰囲気を表現することができました。

↑59mm f2.8 1/200秒 ISO3200 EV+2.7

 

↑75mm f2.8 1/200秒 ISO3200 EV+2

 

毛1本まで解像する動物写真

最後に動物写真だけは外せません。作例をご覧いただければ一目瞭然ですが、SNSなどにアップされているスマホで撮影された写真とは一線を画す仕上がり。背景のボケもさることながら、毛や瞳の解像感が大満足の域に達しています。このあたりは、フルサイズセンサーの実力を遺憾なく引き出した絵づくりと言えるでしょう。

↑75mm f2.8 1/400秒 ISO400 EV+0.70

 

↑75mm f2.8 1/320秒 ISO400 EV+0.70

 

↑75mm f2.8 1/200秒 ISO400 EV±0

 

【まとめ】タムロン 28-75mm F/2.8 Di III RXDは買い?

さて、今回レビューした28-75mm F/2.8 Di III RXDですが、率直な感想として絵作りはSEL2470GMには及ばないものの、価格以上の性能は十分に有していると感じました。もし、話題のα7IIIを新調するなどして、フルサイズEマウントユーザーとしてデビューするのであれば、コスパや扱いやすさの面から最初の1本として特におすすめできます。

 

競合するレンズとして、カールツァイス銘の「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」(実売価格11万3000円)やソニーGレンズの「FE 24-105mm F4 G OSS」(実売価格16万1600円)なども候補に挙げられますが、どちらも明るさが開放F4。焦点距離に違いがあるとはいえ、コストパフォーマンスやそれらに勝るとも劣らない画質性能を考えると、本レンズを筆頭候補に挙げてもよいかもしれません。どれを選ぶにせよ、ユーザーの選択肢が広がるのは喜ばしい限りです。

 

低価格や軽量コンパクトなだけでなく、絵作りなどの扱いやすさも本レンズの優れている点。初心者から中級者まで幅広く支持されるレンズと言えるでしょう。

カメラ開発者はかく語りき――「カメラグランプリ2018」受賞カメラの誕生秘話

第35回を迎えた「カメラグランプリ2018」(カメラ記者クラブ主催)の贈呈式が、2018年6月1日に都内で開催された。ノミネート56機種のカメラと、72本のレンズのなかから、大賞を「ソニー α9」、レンズ賞を「オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」、WEB投票によるあなたが選ぶベストカメラ賞とカメラ記者クラブ賞を「ニコン D850」、同じくカメラ記者クラブ賞を「パナソニック LUMIX G9 PRO」が受賞。もちろんその一つひとつに誕生ストーリーがあるわけで、贈呈式では各社開発者の皆さんがそれぞれの開発秘話を語ってくれた。

 

カメラグランプリ2018 大賞

「ソニー α9」

ブラックアウトフリーが受け入れられるか心配だった

「開発は3年以上前から始まっていた」とソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社 デジタルイメージング本部第1ビジネスユニット シニアゼネラルマネジャーの田中健二さんは言う。ミラーレスにポテンシャルを感じ、動体に対する弱点、撮影枚数の少なさなど、いくつもの課題をクリアしてきた。その一つの形がα9だ。

 

また、「高速で大きなデータを処理するため、世界初のイメージセンサーが必須だった」と同本部商品設計第1部門設計1部3課統括課長の町谷康文さんは話す。センサーの開発と、カメラに組み込んでからのパフォーマンスの検証に多くの時間を費やした。常に被写体を見ながら撮影できるブラックアウトフリー技術は「新しい体験なので、開発側としてはユーザーに受け入れられるかが心配だった」と明かす。

↑ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社・田中健二さん(右)と、カメラグランプリ2018実行委員長・猪狩友則さん(アサヒカメラ編集部)

 

カメラグランプリ2018 レンズ賞

「オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」

ボケにくい構造は小ボケの範囲が広いことにつながる

今年もオリンパスがレンズ賞をさらい、史上初の3年連続受賞となった。

 

マイクロフォーサーズは焦点距離が短く、構造的にボケ味は出しにくい。「なぜ不利な中で戦わなければならないのか。当初、開発陣の中にはそんな声があった」とオリンパス株式会社 光学システム開発本部光学システム開発3部1グループ グループリーダーの宮田正人さんは明かす。研究部門からボケには大きなボケと、小ボケの二つがあり、小ボケの領域は光学的な設計で作り出せると指摘があった。「ボケにくい構造は、小ボケの範囲が広いことにつながり、開発の目的が見えた」と言う。

↑オリンパス株式会社・宮田正人さん

 

カメラグランプリ2018 あなたが選ぶベストカメラ賞・カメラ記者クラブ賞

「ニコン D850」

シャッター音に最後までこだわった

あなたが選ぶベストカメラ賞とカメラ記者クラブ賞をダブル受賞したD850。WEB投票によるあなたが選ぶベストカメラ賞では、投票初日から1位をキープしていた。

 

高画素化、高速化が特徴のD850だが、開発陣が最後までこだわったのはシャッター音だそうだ。「製造の直前まで部品の修正を続けた」と株式会社ニコン 開発統括部 総括部長の池上博敬さんは話す。電子シャッターによるサイレント撮影を新機能に加えつつ、音やシャッターの感触を重視した。「そこも撮影者の楽しみの一つであり、使う人の琴線に触れる製品開発をこれからもしていきたい」と言う。

↑株式会社ニコン・池上博敬さん

 

カメラグランプリ2018 カメラ記者クラブ賞

「パナソニック LUMIX G9 PRO」

歴史のあるカメラメーカーに近づきたいとチャンレンジしてきた

パナソニックは今年創業100周年を迎えたが、カメラ事業は18年目。「歴史のあるカメラメーカーに近づきたいとチャンレンジしてきた」とパナソニック株式会社 アプライアンス社イメージングネットワーク事業部 事業部長の山根洋介さんは話す。

 

「10年前にミラーレスを手がけ、一発で終わったコミュニケーションカメラCM10、動画機能を尖らせたGHシリーズと、亜流、ニッチなところを攻めてきた」と放ち、笑いを誘った。対して「LUMIX G9 PRO」は徹底的に画質、絵づくりを追求した。そのアイデンティティを表現したのが肩部のダイヤルに入れられたレッドラインだ。「今回受賞されたメーカーさんに比べ非常に控えめで小さいものだが、熱い想いは負けず劣りません」。

↑パナソニック株式会社・山根洋介事さん(右)と、カメラ記者クラブ代表幹事・福田祐一郎(CAPA編集部)

 

文:市井康延

写真:カメラ記者クラブ、市井康延

 

 

【2018夏版】ボーナス出 た ら買いたい「高付加価値一眼」ベスト5をプロが選出

本記事では、2018年の夏ボーナスに本命の一眼カメラをプロが実際に試してテスト。こだわった写真が撮れる各社の意欲作5製品+αを紹介、各項目を5点満点で採点しました。

 

【チェックした人】

カメラマン・永山昌克さん

写真スタジオ勤務を経てフリーに。写真や動画撮影のほか、カメラ誌やWEB媒体での執筆も多数。

 

【その1】

小型軽量ボディとハイスペックを両立したフルサイズミラーレス

ソニー

α7

実売価格24万4330円(ボディ)、26万9870円(ズームレンズキット)

人気α7シリーズの最新作。昨年発売のプロ向け高画素機α7R Ⅲから、防塵防滴ボディや高速連写を受け継ぎながら、画素数を2420万画素に抑えることで、一般ユーザーに手の届く価格を実現。全部入りともいえる中身の濃さを誇ります。

SPEC【画素数:2420万画素】【連写:秒約10コマ】【常用最高感度:ISO51200】【質量:約650g】●レンズマウント:Eマウント●モニター:3.0型約92万ドット、チルト、タッチ対応●EVF:約236万ドット●サイズ:W126.9×H95.6×D73.7㎜

新開発の裏面照射センサーを搭載し、常用最高感度ISO51200と低感度時の広ダイナミックレンジを実現。

 

上位機α7R Ⅲに勝る693点のAF測距点に対応。画面端の被写体にもスムーズにピントを合わせられます。

 

ほぼ無音で撮影できるサイレント撮影機能をα7R Ⅲなどから継承。最高約10コマ/秒の連写も上位機に匹敵します。

【作例】

フルサイズセンサーはボケ表現や高感度の強さに加え、発色が豊かで階調に深みがあるという利点があります。観覧車の鮮やかな色と金属感もリアルに再現できました。

 

【永山カメラマンのジャッジ!】

画質:☆×4

機能:☆×5

操作性:☆×4

交換レンズの豊富さ:☆×3

幅広い撮影シーンや被写体でオールマイティに活躍する性能

画質と機能、操作性と、いずれもハイレベル。動体から風景、人物、静物まで幅広いジャンルで役立つでしょう。交換レンズは急速に増えているものの、高価で大型のものが中心なので注意(永山さん)

 

【その2】

プロも愛用する高画素&高速フルサイズ

ニコン

D850

実売価格39万9600円(ボディ)

2014年に発売された「D810」の後継機。新センサーの採用によって高画質化を図ったほか、連写やAF、ファインダー、液晶モニター、動画機能などあらゆる部分が進化。AFは最上位機のD5と同じく153点測距に対応します。

SPEC【画素数:4575万画素】【連写:秒約7コマ】【常用最高感度:ISO25600】【質量:約1005g】●レンズマウント:ニコンFマウント●モニター:3.2型約236万ドット、チルト、タッチ対応●OVF:100%、0.75倍●サイズ:W146×H124×D78.5㎜

ファインダーには、同社製品では最大となる倍率0.75倍のペンタプリズムを採用。大きな表示で被写体をくっきりと見ることができます。

 

高感度に有利な裏面照射型の4575万画素センサーを搭載。大判印刷にも適した高精細な写りが得られます。

 

ボディは、悪条件での撮影に強い防塵防滴対応のマグネシウム合金製。グリップは深く、ホールド感も良好です。

 

【永山カメラマンのジャッジ!】

画質:☆×5

機能:☆×5

操作性:☆×4

交換レンズの豊富さ:☆×5

多彩なレンズを生かして本格撮影が楽しめる

画質にこだわりつつ、レスポンス面でも妥協したくない人にオススメ。ボディは大柄で重いため、気軽なスナップには不向きですが、大口径レンズとの相性はよく、本格スポーツ撮影やスタジオ撮影には好適です(永山さん)

【その3】

Kissシリーズが25周年を迎えてミラーレス化!

キヤノン

EOS Kiss M

実売価格8万10円(15-45キット)、10万890円(ダブルズームキット)

ファミリーカメラの定番「EOS Kiss」シリーズ初のミラーレス一眼。従来のKissに比べて一回り以上小さなボディに、デュアルピクセルCMOS AFなどの最新技術を凝縮。充実したビギナー向けガイド機能も搭載します。

SPEC【画素数:2410万画素】【連写:秒約7.4コマ】【常用最高感度:ISO25600】【質量:約387g】●レンズマウント:EF-Mマウント●モニター:3.0型約104万ドット、バリアングル、タッチ対応●EVF:約236万ドット●サイズ:W116.3×H88.1×D58.7㎜

 

高速AF技術デュアルピクセルCOMS AFに対応。ピント合わせは快適です。

 

上下左右に回転するバリアングル液晶によって、自分撮りなども楽しめます。EVFも搭載します。

 

【永山カメラマンのジャッジ!】

画質:☆×4

機能:☆×3

操作性:☆×4

交換レンズの豊富さ:☆×3

中級一眼レフ並の画質とAF

高画素APS-Cセンサーが生み出す画質は、中級一眼レフに匹敵するレベル。AFなどレスポンス面も快適です。交換レンズは、他社に比べるとまだ少なめ(永山さん)

 

【その4】

所有欲を満たすスタイリッシュなデザインも魅力

オリンパス

OM-D E-M10 Mark

実売価格8万6650円(ダブルズームキット)

フィルムの一眼レフを思わせるデザインを採用した、エントリー層向けのミラーレス一眼。E-M10シリーズの3代目であり、新たに4K動画に対応したほか、アートフィルターなどの撮影機能がいっそう向上しています。

SPEC【画素数:1605万画素】【連写:秒約4.8コマ】【常用最高感度:ISO25600】【質量:約410g】●レンズマウント:マイクロフォーサーズ●モニター:3.0型約104万ドット、チルト、タッチ対応●EVF:約236万ドット●サイズ:W121.5×H83.6×D49.5㎜

 

入門機ながら強力な5軸手ブレ補正を内蔵。薄暗いシーンでも手持ちで安心して撮れます。

 

新搭載したAPモード。星空を光跡として表現するモードなど、一段上の撮影が楽しめます。

 

【永山カメラマンのジャッジ!】

画質:☆×3

機能:☆×4

操作性:☆×3

交換レンズの豊富さ:☆×4

充実した撮影機能とレンズが◎

画質はクリアで見栄えがいいですが、最新モデルにしては画素数は控えめ。撮影モードはオートからマニュアルまで充実。交換レンズも数多く揃っています(永山さん)

 

【その5】

AF追従で20コマ/秒を誇る高速連写番長

パナソニック

LUMIX G9 Pro

実売価格21万4920円(ボディ)、29万5920円(標準ズームキット)

動画に強い同社のミラーレス一眼のなかでも、特に静止画を重視したハイエンド機。世界最速をうたうAFと超高速連写によって、動体の決定的瞬間も確実に捉えられます。ボディはやや大きめのマグネシウム合金製。

SPEC【画素数:2033万画素】【連写:秒約20コマ】【常用最高感度:ISO25600】【質量:約658g】●レンズマウント:マイクロフォーサーズ●モニター:3.0型約104万ドット、バリアングル、タッチ対応●EVF:約368万ドット●サイズ:W136.9×H97.3×D91.6㎜

 

AF固定60コマ/秒の超高速連写に加えて、連写を長時間続けられる4K&6Kフォト機能も搭載。用途に応じて選べます。

 

天面にはミラーレス一眼では希少なサブ液晶を搭載。各種の設定状態をひと目で把握できます。

 

【永山カメラマンのジャッジ!】

画質:☆×4

機能:☆×5

操作性:☆×4

交換レンズの豊富さ:☆×4

やや高めの価格に見合った高性能

シリーズ最大画素数とローパスレス設計によって、精細な描写を実現。機能は盛りだくさんで、交換レンズも豊富。あらゆる被写体に対応できる実力です。

 

アクションカメラ、コンパクトデジカメ、ビデオカメラも狙い目!

非一眼カメラの分野でも高付加価値モデルが続々と登場中。レンズ交換ができない代わりに機動力に優れ、動画や静止画をより自由に楽しめる3台をチェックしました。

 

【アクションカメラ】

定番アクションカメラの画質や手ブレ補正が進化

GoPro

GoPro HERO6

実売価格4万4820

【映像解像度:4K】【写真解像度:12MP】【防水:10m】【質量:約117g】

人気のHEROシリーズ最新作。手のひらサイズの小型ボディに新プロセッサーを搭載し、4K/60Pや高精細なスローモーション撮影に対応。手ブレ補正も強化され、使い勝手は上々です。

SPEC●モニター:2.0型●記録メディア:microSD●インターフェイス:USB-C、マイクロHDMI●サイズ:W62.3×H44.9×D33㎜

 

【コンパクトデジカメ】

コンパクトなボディにAPS-Cセンサーを搭載

キヤノン

PowerShot G1X Mark Ⅲ

実売価格12万1860

【画素数:2420万画素】【連写:秒約7コマ】【常用最高感度:ISO25600】【質量:約399g】

小型ボディにAPS-Cサイズの大型センサーと光学3倍ズームを搭載。一眼レフEOSから継承した明快な操作性や、安定感のある画質、自由度の高いバリアングル液晶なども魅力です。

SPEC●センサーサイズ:APS-C●レンズ:24〜72㎜(35㎜フィルム換算)●モニター:3.0型約104万ドット、バリアングル、タッチ対応●EVF:約236万ドット●サイズ:W115×H77.9×D51.4㎜

 

【ビデオカメラ】

カメラ内で編集ができる「あとから補正」が進化

 

パナソニック

HC-VX985M

実売価格5万4400円

【映像解像度:4K】【光学ズーム:20倍】【デジタルズーム:250倍】【質量:約395g】

光学20倍ズーム搭載のビデオカメラ。4K動画を編集する「あとから補正」が進化し、特定の被写体を追尾したり、アップにしたりできます。小型ボディやスマホとの連携機能も魅力です。

SPEC●センサーサイズ:1/2.3型●レンズ:30.8〜626㎜(35㎜フィルム換算)●モニター:3.0型46万ドット、タッチ対応●サイズ:W65×H73×D141㎜

通勤通学で使いたい軽量コンパクトなワイヤレスヘッドホン ソニー「WH-CH500」

ソニーは、iPhoneなどで採用されているAACコーデックに対応したBluetoothヘッドホン「WH-CH500」を6月23日に発売します。カラーはブラック、グレー、ブルーの3色を用意し、実売予想価格は7500円前後(税抜)。

 

WH-CH500は、コンパクトで持ち運びやすいオンイヤータイプのワイヤレスヘッドホン。iPhoneなどで採用される高音質なBluetoothコーデックAACに対応しており、ワイヤレスでも劣化の少ない音質で音楽が楽しめます。

 

本体は重量約140gの軽量設計で快適な装着感を実現。カバンなどに収納しやすいスイーベル機構を採用しているので、持ち運びやすく毎日の通勤や通学用としても最適です。

 

耳元のボタンで音楽再生/一時停止などの操作が行えるほか、SiriやGoogleアシスタントを呼び出せるボイスアシスタント機能も備えています。内蔵バッテリーで最大約20時間の音楽再生が可能。充電時間は約4.5時間となっています。

 

ケーブルから解放されたワイヤレスヘッドホンは、一度使うと手放せなくなる便利なアイテム。初めてのワイヤレスヘッドホンとしてWH-CH500を試してみてはいかがでしょうか?

イヤホンつけながら会話もOK! 高性能マイク内蔵の完全ワイヤレスイヤホン「IQbuds」

最近街を歩いていると、アップルの完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」を身に着けている人をよく見かけます。iPhoneとのペアリングは簡単だし、音切れが少なくコンパクトで持ち歩きやすい素敵なイヤホンですよね。でも、完全ワイヤレスイヤホンにはほかにも色んな個性派モデルが揃っていることをご存知ですか? 今回は、オーストラリアから日本に上陸した、“聴力サポート機能を搭載するイヤホン”「IQbuds」シリーズを紹介しましょう。

 

人の声だけを選り分ける「SINC」機能がウリ

「IQbuds」シリーズはオーストラリア西部の都市・パースに拠点を置くブランド、Nuheara(ニューヒアラ)が開発した完全ワイヤレスイヤホン。日本ではバリュートレードが販売取り扱い先になります。新製品のラインナップは2種類あり、「IQbuds BOOST/IQB-S2」はユーザーの聴力を診断するプログラムを内蔵した上位モデル。発売予定時期は8月末で5万8880円(税別)になります。弟モデルの「IQbuds/IQB-S1」は先に6月末に発売を予定。こちらは3万9880円(税別)です。

↑スタンダードモデルの「IQbuds/IQB-S1」。本体色はシルバー

 

どちらのイヤホンもBA型ドライバーを1基搭載しています。本体の左右に2基ずつ搭載する小型・高性能のMEMSマイクによって集めた音を解析。外の音の聞こえ方を調整したり、音楽を聴きながら必要な音だけを取り込むという機能がDSP処理によって実現されています。例えば環境音と人の声を選り分けながら、「ざわつく居酒屋のなかでも、会話相手の声だけをクリアに聞く」といったスマートな用途にも展開できるのが特徴。同社はこの機能を「SINC(Super Intelligent Noise Control)」と名付けて、iOS/Android対応のモバイルアプリと連携しながら様々なセッティングを調整できる機能をユーザーに開放しています。

↑側面に二つのマイクユニットを搭載。取り込んだすべての音を解析して、外部環境音とハンズフリー通話も含めた人の声に分類する

 

↑IQbudsシリーズの目玉機能「SINC(Super Intelligent Noise Control)」

 

プリセットは使用環境に合わせてスポーツ用の「ワークアウト」、騒がしい街中用の「ストリート」、自宅でのリスニング用の「ホーム」など7種類を用意。取り込んだ音を自動解析して、プリセットまで自動的に変更する機能は付いていませんが、「それぞれの効果に大きなギャップはないので、ロケーションが変わってモードを切り替え忘れても影響は少ない」(バリュートレード担当者)そうです。いったんスマホアプリで設定を決めたらメモリーに記憶されるので、あとは音楽を聴いていなくてもイヤホン単体でSINC機能を使うことができます。

↑7種類のロケーションプリセット。いったん設定しておけば、次はイヤホンをオンにするだけでスマホとのペアリングなしでも使えるようになる

 

外の音の聞こえ方を調整したり、音楽を聴きながら必要な音だけを取り込むという機能がDSPの効果によって選択できるのが特徴となっています。

 

もちろんSINC機能をオフにもできます。オフにした後は付属するイヤーピースでパッシブなノイズキャンセリング効果を調整しましょう。イヤーピースによる遮音性にも注力。通常のシリコン製のイヤーチップ以外にもComplyの低反発フォームチップが付属しています。室内の静かな環境で音楽リスニングに集中したい時にも最適です。

↑イヤーピースで遮音性を調節できる

 

ユーザーごとの聴こえ方を測定する「EarID」

上位モデルのIQbuds BOOSTの場合は、ユーザーの左右耳の聴力に合わせた“聴こえ方”を測定・分析して最適化できる「EarID」機能が搭載されています。測定・分析結果はプロファイルとして残して、イヤホンに内蔵されているメモリに書き込まれます。設定値は次に上書きされるまで残ります。測定は片耳ずつ行い、分析を含めてかかる時間は約15分前後。「特に聴くこえにくくなっている帯域を探し出して補正してくれます。35歳以降は誰でも聴力が落ちてくるものなので、常にベストコンディションで音楽リスニングを楽しめるイヤホンです」と語るのはニューヒアラのCEO/Co-Founderのジャスティン・ミラー氏。

↑上位モデルの「IQbuds BOOST/IQB-S2」。本体色はブラック

 

↑ニューヒアラのCEO/Co-Founderのジャスティン・ミラー氏

 

どちらの製品もアプリの指示に従いながら設定を進めていけば、誰でも手軽にBluetooth設定ができるスマートペアリングに対応しています。

 

ミラー氏は「製品やアプリケーションの使い心地を高めるために、約3か月に1回はファームウェアアップデートを実施しています」と説明。本体とスマホアプリの両方をアップデートすると新機能が追加されることもあるようです。

 

オーディオコーデックは上位機のIQbuds BOOSTがクアルコムのaptXと、一般的なSBCをサポートしています。動画再生のリップシンクを高める低遅延対応のコーデックaptX Low Latancyにも対応。もちろんハンズフリー通話も可能です。IQbudsはSBCのみ。本体内蔵バッテリーは専用ケースに入れてチャージが可能。IQbudsは本体だけで4時間の連続音楽再生が可能。聴覚補助機能だけなら約8時間の連続使用に対応します。充電ケースを使えば本体を3回までフルチャージ。最大約16時間の音楽再生、約32時間の聴覚補助機能を連続して使えます。

↑本体の充電ケース。4時間×4回の連続音楽リスニングに対応

 

ニューヒアラでは今後、ハイブリッド方式のアクティブNC機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホン「Live IQ」をリリース予定です。グローバルモデルの出荷は今年の9月~10月ごろが見込まれています。ラインナップ的にはローエンドでトラディショナルな末っ子モデルになりそう。日本での発売は未定ですが「他のノイズキャンセリング付の完全ワイヤレスイヤホンよりも安い価格で提供したい」(バリュートレード)とのこと。どんな音がするのか、NC性能は? と、いまから楽しみなモデルです。

↑秋にはノイズキャンセリング機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホン「Live IQ」が登場予定

 

【保存版】今さら聞けないカメラ用語の基本&ミラーレス一眼時代の写真の撮り方

デジカメや一眼を買ったら一度は聞くことになるカメラ用語たちを集めてみました。撮影モード/露出補正/AFなどなど。さらに、よい写真でもっとも重要な要素のひとつ、構図についてもまとめてみます。本記事では、現在カメラ市場で勢いのあるミラーレス一眼を機材として使いながら、ボーナスや行楽シーズンを前に一眼を購入する人/購入したけど使い方がわからない人に向けてわかりやすく解説していきます。

 

今さら聞けないカメラ用語①「撮影モード」

P,S,A,Mを使いこなしワンランク上の撮影表現に挑戦しよう

ミラーレス一眼は、フルオートで気軽に撮影できるだけでなく、狙いに応じて絞りやシャッター速度を細かく設定して撮ることも可能です。人に差をつけたワンランク上の写真を目指すなら、基本となる以下の4つの撮影モードを理解することから始めましょう。

【その1】P―「プログラムオート」

速写性を重視したスナップ用途などに便利で【絞りは自動】【シャッター速度は自動】

絞り値とシャッター速度の両方をカメラが自動的に決めてくれるモード。気軽なスナップショットや、タイミング重視で撮影したいときに役立ちます。

目に止まった光景をメモ感覚で気軽に撮りたいときはプログラムオートが◎

 

【その2】S/Tv―「シャッター速度優先オート」

子どもや電車など動きのある被写体を撮るときに使用し【絞りは自動】【シャッター速度は任意】

シャッター速度を設定すると、それに対応した絞り値が自動的に決まるモード。動きのある被写体を止めたり、ぶらしたりしたいときに役立ちます。

↑動く被写体を高速シャッターで写し止めたり、低速シャッターでぶらしたりできます

 

【その3】A/Av―「絞り優先オート」

背景をぼかしたいときに便利なモードで【絞りは任意】【シャッター速度は自動】

絞り値を撮影者が設定すると、それに対応したシャッター速度が自動的に決まるモード。前後をぼかした表現や、深いピントを得たいときに役立ちます。

↑絞り値を小さくすると被写体の前後がぼけます。逆に大きくするとくっきり写せます

 

④M―「マニュアル露出」

撮影者の意図を反映しやすい上級者向きのモード【絞りは任意】【シャッター速度は任意】

シャッター速度と絞り値の両方を撮影者が設定するモード。ボケの範囲や被写体の動感、明るさなどをすべて自分でコントロールしたいときに役立ちます。

↑カメラを三脚にセットして夜景を撮る場合など、じっくりと撮影したいときに便利です

 

今さら聞けないカメラ用語②「露出補正」

ダイヤル操作で容易に明暗をコントロール

P、A、Sの撮影モードでは、写真の明るさ(露出)をカメラが自動的に決めてくれます。その明るさを撮影者の狙いに応じて明るくしたり暗くしたりするというのが露出補正の役割です。軽やかな表現を狙うときは+側に、重厚な表現を狙うときは−側に補正するとよいでしょう。

【+1のとき】

 

【±0のとき】

【−1のとき】

 

 

今さら聞けないカメラ用語③「ピント合わせ」

ミラーレスならではの高機能化したAFを確実に使いこなそう

ミラーレス一眼が一眼レフカメラに勝るメリットのひとつは、AF機能が充実していること。AF測距点は画面の広範囲をカバーし、顔認識や瞳AFなどの付加機能も豊富です。そんな高機能を宝の持ち腐れにしないように、正しい使い方をマスターしましょう。AFモードはAFの動作特性を決める機能であり、AF-SやAF-Cなどが選べます。AFエリアモードは、どの測距点を使ってAFを作動させるかを決める機能。被写体や自分の使い方に応じて設定しましょう。

 

AFの種類①「AFモード」

被写体の動きに応じて選択

AF-Sはシャッター半押しでAFが一回だけ作動し、静物撮影用に適します。AF-Cは半押し中ずっとAFが作動し続けます。動体用に最適。

 

AFの種類②AFエリアモード

被写体や撮影スタイルに応じて選択

AFロックを利用してピントを合わせる場合は、1点を狙うAFエリアモードが便利。AFロックを使わない場合は、多点がベターです。

 

AFの種類③「タッチ&ドラッグAF」

モニター上をなぞってAF測距点を切り替える

ファインダー撮影時に背面モニター上をなぞって測距点を選べる機能。タッチ&ドラッグAFやタッチパッドAFなど、名称は機種によって異なります。

 

AFの種類④「タッチAF」

指先の直感操作でピントを合わせる

タッチパネル搭載のミラーレス一眼の多くは、タッチAF機能に対応。指先の操作で測距点を素早く選べます。合焦と同時に撮影することも可能。

 

AFの種類⑤「顔/瞳認識AF」

ポートレートの撮影用に好適

人物の顔を認識してピントを合わせるだけでなく、目にピントを合わせる瞳AF対応のカメラが急増中。右目か左目かを選べるものもあります。

 

今さら聞けないカメラ用語④「構図」

既存のパターンに当てはめる感覚で構図と被写体を探そう

人が見て美しいと感じる写真にはいくつかの構図のパターンがある。そんな写真を撮るには、前もってパターンを頭に入れておき、パターンに当てはめるような感覚で構図を決めたり、被写体を探したりするといいでしょう。特に使われることが多い4大構図を紹介します。

 

撮影に役立つ4大構図パターン①「三分割構図」

当てはめやすく活用度の高い構図パターン

水平方向と垂直方向のそれぞれに画面を三分割するラインを引き、そのラインが交わる点や線、面にポイントになる被写体を配置する構図。汎用性が高く、多くの被写体やシーンに役立ちます。

 

↑最も基本的な構図のパターン。画面に安定感とバランス、調和を与え、写真の見栄えを高めることができます

 

 

撮影に役立つ4大構図パターン②「日の丸構図」

被写体が弱いと平凡な写真になるが強い被写体には最適

メインの被写体を画面の真ん中に置いた構図。被写体に対する興味や関心がストレートに表現された構図であり、素直な写真になりやすいです。使う際は、被写体を大きく捉えるのがコツ。

 

↑この構図の注意点は、被写体が平凡だと単調な印象になること。インパクトの強い被写体には効果的です

 

 

撮影に役立つ4大構図パターン③「対角線構図」

道や並ぶものなどを当てはめると迫力や奥行きを表現できる

ポイントになる被写体を画面の対角線付近に配置した構図。対角線に沿って動きや迫力、スピード感を表現できるほか、視線の誘導効果もあります。また奥行きの表現にも役立ちます。

 

↑斜めのラインを生かします。静止している被写体でも、対角線を意識した構図にすると画面に動感が出ます

 

撮影に役立つ4大構図パターン④「曲線構図」

対角線構図よりやわらかい印象で道や川などに使う

画面内にS字やC字型を作り出すことで、優美さや穏やかさを感じさせる構図。見る人の視線を誘導し、奥行きや躍動感を強調する効果があります。道や川を撮る際によく使われます。

 

↑直線的な構図は硬くて緊張感があるのに対し、曲線構図ではやわらかくて開放的なイメージを演出できます

 

 

今さら聞けないカメラ用語⑤「グリッド線表示」「水準器表示」

ライブビューに重ねて表示して構図の目安にする

多くのミラーレス一眼が、画面上に格子線を表示するグリッド機能や、カメラの傾きを知らせる水準器表示に対応します。これらを利用することで、傾きのない安定した構図で撮りやすくなります。

 

↑グリッド線表示。カメラによっては数種類の格子パターンが用意されています

 

 

↑水準器表示。不自然な傾きを防止¥できます。建物や風景などを撮る際に欠かせない機能です

 

 

今さら聞けないカメラ用語⑥「レンズ交換」

カメラ操作だけじゃない!一眼カメラの醍醐味はレンズ交換にあり

広角や望遠など、多様な交換レンズを上手に使いこなすには、それぞれのレンズの特性を知ることが大切です。単に写る範囲が広いか狭いかの違いだけでなく、レンズによって被写体の遠近感やボケの表現にも大きな変化が見られる点に注目しましょう。

 

【レンズの特徴①】広角レンズは遠近感の強調や深いピントに有利

広角レンズとは、焦点距離が短く、画角(写る範囲を角度で表現したもの)が広いレンズのこと。目前の光景の広い範囲を一画面で捉えられるほか、遠近感を強調したり、背景までくっきりと写したりしやすい。スナップや風景の撮影用にも便利です。

↑28㎜相当のレンズを使い、F5.6で撮影。背景のボケが弱いのがわかります

 

↑左と同じレンズで撮影。欄干が長く伸び、遠近感が強調されています

 

 

【レンズの特徴②】望遠レンズは遠近感の圧縮やボケの表現に有利

望遠レンズとは、焦点距離が長く、画角(写る範囲を角度で表現したもの)が狭いレンズのこと。遠くの被写体をアップで引きつけて撮影できるほか、遠近感を圧縮したり、背景をぼかしたりしやすいです。ポートレートやスポーツ撮影用としても役立ちます。

↑160㎜相当のレンズを使い、F5.6で撮影。広角に比べて大きくぼけました

 

↑左と同じレンズで撮影。欄干や背景が圧縮されたように写っています

 

 

【参加費無料!!】最新カメラでプロレスをカッコよく撮ろう!! プロが教える撮影会参加者募集【6/17】

従来の格闘技ファンに加え、プ女子(プロレス女子)と呼ばれる女性ファンを新規に獲得するなど、近年再び大きな盛り上がりを見せるプロレス業界。なかでも数多くのスター選手を抱え、このプロレス人気をけん引し続けているのが「新日本プロレス」です。今回ゲットナビウェブでは、その新日本プロレス、そしてカメラ業界の老舗メーカー・富士フイルムとコラボした撮影会を実施することになりました!

 

舞台は6月17日(日)  の東京・後楽園ホール。使用するカメラは、今年3月に発売された富士フイルムのミラーレス一眼「FUJIFILM X-H1」です。

富士フイルム
FUJIFILM X-H1
実売価格21万8660円

従来から定評のあった“写真画質”に磨きをかけつつ、シリーズ初となるボディ内手ブレ補正やフリッカー低減機能を搭載したハイパフォーマンスモデル。防塵・防滴・耐低温構造の高剛性ボディもあいまって、これまで以上に難しいシーンでの撮影を可能としています。

 

「カッコいい、でもうまく撮るのは難しい」その悩みを最新カメラ&プロの指導で解決!

なぜプロレスで撮影会? と思われるかもしれませんが、その理由は「写真を撮りたいと思っている人は多いのに、うまく撮るのが難しいスポーツ」だから。普段プロレスを見に行かれる方ならご存知だと思いますが、慣れていないと読みづらい激しい動きや屋内ならではの照明のバランスなどによって、大きくぶれてしまったり、露出が定まらなかったりしてしまいます。

 

そこで今回は、スポーツカメラマンの山田高央さんを講師に迎え、事前におすすめの撮り方や設定などを解説。そのうえで、スポーツ撮影のプロも認める最新ミラーレス一眼を使い、思う存分、実際の試合でカッコいい写真を撮ってもらおうという企画になっています。後日、撮っていただいた写真をプリントして出場していた選手に見ていただく予定なので、もしかすると、あなたが撮った写真にコメントがもらえるかも!?

 

定員は3名、そして参加費は無料!! お席もこちらでご用意します。 本撮影会の様子は、顔写真や氏名、コメント、撮影いただいた写真などを使ってGetNavi webおよびCAPA CAMERA WEBにて記事化される予定ですので、こちらに同意いただける方のみご応募ください。プロレスが楽しめて最新カメラで撮影も学べる、このとっておきのチャンスをお見逃しなく!

 

【開催概要】

●日時:6月17日(日) 16:00~(試合終了まで)

●場所:後楽園ホール、および周辺の会議室

●定員:3名

●参加費:無料(※お席もこちらでご用意します。ただし、会場までの交通費は参加者ご自身のご負担となります)

●申込み方法:コチラの応募フォームより必要事項をご記入のうえ、ご応募ください

●申込み期間:6月5日(23:59)まで

※人数に限りがあるため、実際にご参加いただける方にのみ、6月8日(金)ごろまでに編集部よりメールまたはお電話にてご連絡させていただきます

 

【講師プロフィール】

山田高央(ヤマダ タカオ)さん

1968年/東京都出身/日本写真芸術専門学校卒

出版社写真部を経て2005年からフリーとして活動開始。週刊誌・月刊誌等でスポーツ・ポートレート等ジャンルを選ばず多方面で作品を発表している。日本スポーツプレス協会会員・国際スポーツプレス協会会員。

どこか懐かしい外観なのに中身は最新スペック! ティアックから新時代のオールインワンオーディオ「WS-A70」登場

ティアックは、NEW VINTAGEシリーズの第2弾として、「木」と「布」をテーマにしたハイレゾ対応のオールインワンオーディオシステム「WS-A70」を6月上旬に発売します。ライフスタイル提案型専門店や公式オンラインストアを中心に販売され、価格は18万5000円(税抜)。

WS-A70は、Wi-FiやBluetooth、AirPlayなどのワイヤレス再生に対応したスピーカー一体型オーディオシステム。「木」と「布」をテーマに、シンプルながら高級感のあるデザインに仕上がっています。特徴は、フロント部分に、テキスタイルブランド「NUNO」とコラボした布製グリルを装着できること。好みや設置環境に合わせた素材やデザインのグリル(別売)を自由に選んで取り付けることができます。

 

本体は、大量生産が難しい180度円形曲げ処理を行ったウォルナット木材を使用。木の風合いを生かしたオイル仕上げを施しています。スピーカーは、フロントに同軸2ウェイスピーカーを2基、背面にパッシブラジエーターを2基備えています。アンプにはICEpowerクラスDアンプを採用。シンプルなメニューボタンとロータリー式のコントロールダイヤルにより直感的な操作が可能です。

 

Chromecast built-inに対応しており、Google Play MusicやSpotify、世界中のインターネットラジオを無料で聴けるTuneInなど、様々なネットワークサービスが利用可能。

 

また、無料のiOS/Androidデバイス専用アプリ「TEAC HR AirCast」により、スマートフォンで聴いている音楽のワイヤレス再生や、同じネットワーク上のミュージックサーバー(NAS)やUSBメモリーに保存した音源など、様々なフォーマットの音楽ライブラリーを簡単に再生することが出来ます。

 

再生周波数帯域は55Hz~45kHzまで対応しており、USBメモリに保存したハイレゾ音源の再生も可能。DLNAを使い、同一ネットワーク内のPCやNASに保存したハイレゾ音源ファイルもワイヤレス再生することができます。再生可能なハイレゾフォーマットはPCM 192kHz/24bit、DSD 5.6MHzまで。

 

これ1台でハイレゾ音源やワイヤレス再生が楽しめるオールインワンタイプですので、誰でも手軽に高音質な音楽再生が楽しめますね。デザイン性に優れたオーディオをお探しの方は、ぜひチェックしてみて下さい。

350ml缶サイズに機能を凝縮! 360度スピーカー内蔵のAndroidプロジェクター「Anker Nebula Capsule」

アンカー・ジャパンは、最大100インチの鮮明な映像を楽しめる、Android搭載モバイルプロジェクター「Anker Nebula Capsule」を発売しました。価格は3万9800円。

 

本製品は、2017年秋に米国のクラウドファンディングサイト「Indiegogo」にて、約4700人のバッカ―から1.4億円以上の支援金を集めた、Ankerグループ初のスマートエンターテインメント・デバイスです。

 

最大の魅力は、350ml缶サイズのコンパクトボディに凝縮された充実の機能です。米国テキサス・インスツルメンツ社による先進的なDLPテクノロジーのIntelliBrightアルゴリズムを採用し、100 ANSIルーメンの明るさでPCやスマホ、タブレットなどから最大100インチの映像を投影可能。

 

さらに、本体に内蔵された360度スピーカーにより、あらゆる方向へパワフルなサウンドを、部屋のどこからでも楽しめます。

 

また、Andorid7.1が搭載されており、YoutubeやAmazonプライム・ビデオ、Netflixなどから動画コンテンツを直接映し出せ、内蔵バッテリーで約3時間連続で鑑賞することができます。持ち運んでアウトドアなどで大画面を楽しむこともできそうですね。

 

米クラウドファンディングで1.4億円以上の支援金を集めた、コンパクトなAndroid搭載モバイルプロジェクター。リビングやベッドルーム、アウトドアレジャーなど、本機があれば動画や映像の楽しみ方が広がりそうなアイテムです。

脱・有線イヤホン! クロスレビューでわかった初心者に本当にオススメなBluetoothイヤホン5選

iPhone 7の登場以降、iPhoneシリーズからイヤホンやヘッドホンを接続するためのステレオミニジャックが省かれ、従来のイヤホンを利用するためには付属の変換アダプターを利用するか、Bluetoothなどのワイヤレス接続を行わなければならなくなりました。その後、国内外のオーディオメーカーからBluetoothに対応したワイヤレスタイプのイヤホンが多数登場し、ワイヤレスオーディオ市場は活況を呈しています。

 

そこで今回は、初めてBluetoothイヤホンを購入する人にオススメな1万5000円以下の入門モデル5機種を紹介。各機種の音質や使い勝手をチェックしています。

 

【今回試した機種】

1.JVC「HA-FX33XBT」

2.オンキヨー「E300BT」

3.エレコム「LBT-SL100MP」

4.オーディオテクニカ「ATH-CKR55BT」

5.TaoTronics「TT-BH07」

 

レビューを行ったのは、オーディオライターの山本 敦さんと編集部オーディオ担当の一條 徹の2人。いずれも、普段使用しているオーディオプレーヤーやスマートフォンを持参し、聴き込んだ音源を試聴しています。

1.重低音好きにオススメなJVCのXXシリーズ

JVC
HA-FX33XBT

実売価格7730円前後

“重低音&タフ”をコンセプトとした「XX(XTREME XPLOSIVES)」シリーズのBluetoothイヤホン。安定した装着感のネックバンドスタイルと、約14時間の長時間再生が可能な大容量バッテリーを採用していることが特徴。また、XXシリーズならではの迫力ある重低音再生のため、低音を増強するバスブースト回路(オン・オフ切り替え可能)も搭載しています。

【SPEC】●対応コーデック:SBC ●連続再生時間:最大14時間 ●充電時間:約3時間 ●カラーラインナップ:ブラック&レッド、レッド、シルバー ●質量:約47g ●付属品:充電用USBケーブル、イヤーピースS/M/L各2個

 

 

 

2.高級感のあるアルミボディ

オンキヨー
E300BT

実売価格1万2290円前後

不要な振動を抑えてクリアな音を再生するアルミハウジング採用のBluetoothイヤホン。バッテリーを首の後ろに配置する事でハウジングを小型軽量化し、快適な装着性を実現しています。また、外部からの電磁ノイズの影響を減少させるツイストケーブルを採用。高音質なaptXコーデックにも対応しています。

【SPEC】●対応コーデック:SBC、aptX ●連続再生時間:最大7.5時間 ●充電時間:約2時間 ●カラーラインナップ:ブラック、ホワイト ●質量:約15g ●付属品:充電用USBケーブル、イヤーピースS/M/L各2個

 

 

3.アニソン好きなら迷わず選びたいアニソン向けモデル

エレコム
LBT-SL100MP

実売価格5260円前後

アニソンのリスニングに最適なチューニングを施したアニソン向けBluetoothイヤホン。迫力のある低音域とクリアで伸びやかなボーカルボイスで、アニソンの世界観を余すところなく再現します。製品のプロダクトデザインは、「アップルシード」や「攻殻機動隊」など世界的な人気を博す作品を生み出した漫画家・士郎正宗氏が担当。

【SPEC】●対応コーデック:SBC、aptX、AAC ●連続再生時間:最大6時間 ●充電時間:約2時間 ●カラーラインナップ:ブラック、レッド、シルバー ●質量:約14g ●付属品:充電用USBケーブル、イヤーピースS/M/L各2個

 

 

4.原音再生がコンセプトの高音質モデル

オーディオテクニカ
ATH-CKR55BT

実売価格8590円前後

「原音再生」や「高解像度」をコンセプトとした「Sound Reality series」シリーズ初のBluetoothイヤホン。耳の小さな人でもフィットするコンパクトサイズの10.7mmドライバーを搭載。制振性を高めて高解像度再生を実現する真鍮スタビライザーも備えています。バッテリーを首の後ろに配置したデザインにより、イヤホン部の小型化と装着感の向上を図っているのが特徴。

【SPEC】●対応コーデック:SBC、aptX、AAC ●連続再生時間:最大7時間 ●充電時間:約3時間 ●カラーラインナップ:スティールブラック、ディープブルー、シャンパンゴールド、ブリリアントレッド ●質量:約14g ●付属品:充電用USBケーブル、イヤーピースXS/S/M/L各2個、ポーチ、クリップ

 

 

5.3000円を切るお手ごろ価格が魅力

TaoTronics
TT-BH07

実売価格2999円前後

3000円を切る低価格ながら、高音質・低遅延のaptXコーデックをサポート。イヤホンのヘッド部分にマグネットを内蔵しており、使用しないときは、ヘッド同士をくっつけてネックレスのように首にかけておくことが可能。装着感を高めるイヤーフックにより、耳から外れにくくしっかりフィットします。

【SPEC】●対応コーデック:SBC、aptX ●連続再生時間:最大5時間 ●充電時間:約1.5時間 ●カラーラインナップ:ブラック、レッド、ブルー、グリーン、パステルピンク ●質量:約15g ●付属品:充電用USBケーブル、イヤーピースS/M/L各2個、イヤーウイングS/M/L各2個

 

 

いずれも個性的なモデルばかりですので、ぜひ店頭で音質や装着感をチェックしてみて下さい。

20万円超えでも大人気、ソニー「α7 III」はなぜ選ばれる? 約2か月使ったプロが語る7つの魅力

ソニー「α7 III」は、有効2420万画素のフルサイズセンサー搭載のミラーレスカメラです。20万円を超える価格にもかからわず、今年3月の発売以来、好調なセールスを記録中。その魅力は何でしょうか。約2か月間使用したユーザーの立場から、特に気に入った点と不満点を挙げてみました。

↑ソニー「α7 III」。同社オンラインショップでの価格はボディのみで税別22万9880円

 

フルサイズミラーレス「α7シリーズ」第3世代のスタンダード機

ソニー「α7シリーズ」は、35mmフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラのシリーズです。いまのところ8モデルが存在し、2013~2014年に発売された「α7」「α7R」「α7S」が第1世代で、2014~2015年に発売された「α7 II」「α7R II」「α7S II」が第2世代、2017~2018年発売の「α7R III」と「α7 III」が第3世代となります。

 

このうち最新モデルであるα7 IIIは、第3世代のスタンダード機という位置付け。高画質と高速性、高機能をバランスよく兼ね備えています。

 

α7 IIIの実売価格はボディ単体で20万円台の前半。決して手ごろとはいえませんが、昨年発売されたα7R IIIが30万円以上、最上位モデル「α9」が40万円以上もすることから考えると、不思議とα7 IIIの20万円台がリーズナブルに感じられます。もし発売の順番が逆だったら、価格から受ける印象は違ったかもしれません。

↑撮像素子には、有効2420万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを搭載

 

↑チルト可動液晶を備えた小型軽量ボディはシリーズ共通の特徴

 

そんなα7 IIIを私自身も入手し、これまでのところ仕事から作品、プライベートまで幅広く有効活用しています。特にお気に入りのポイントを以下の7点にまとめてみました。

 

【魅力その1】フルサイズ機では最小クラスのボディ

魅力としてまず挙げたいのは、フルサイズ機として抜きん出た機動力の高さ。正確には、α7 IIIだけでなく、α7シリーズに共通したメリットです。

↑レンズのサイズと重量については、高価な大口径レンズを使用する場合、一眼レフ機と大きな差はなくなります。とはいえ、α7 IIIのレンズキットに付属する標準ズーム「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」は比較的小さくて軽量。携帯性重視の用途では、おすすめです

 

α7 IIIの外形寸法は幅126.9×高さ95.6×奥行き73.7mm。初代機α7や2代目α7 IIに比べるとグリップが大型化したぶん、奥行きは増していますが、幅と高さはほとんど変わっていません。

 

バッテリーとカード込みで約650gという重量に関しては、2代目α7 IIよりも51gアップし、α7シリーズではα7R IIIに次いで2番目に重くなっています。ただ、それでも他社のフルサイズ一眼レフに比べると100g以上も軽量です。

 

一眼レフ機の場合、画質を重視してフルサイズ機を選ぶか、携帯性を重視してAPS-Cサイズ機を選ぶか、という二者択一になりがちですが、α7 IIIなら画質にも携帯性にも妥協せず、両方のメリットが得られます。

 

【魅力その2】撮影条件を問わずスムーズにピントが合う高速AF

性能面では、強力なAFが魅力です。像面位相差AFは693点、コントラストAFは425点もの測距点を備え、どちらも画面の広範囲をカバー。構図の真ん中でも端でも、静物でも動体でも、明所でも暗所でも、撮影条件を問わずスムーズにピントが合うのはとても快適です。

↑最上位機α9に搭載した動体予測アルゴリズムを最適化して搭載。動体に対するAF追従性は、α7 II比で約2倍。野鳥や乗り物、スポーツなどの被写体も、ストレスなく撮影できます

 

AFまわりの付加機能としては、目にピントを合わせる「瞳AF」や動きものの撮影に役立つ「ロックオンAF」に対応。背面に新設されたマルチセレクターによって、数多い測距点をダイレクトに選択できることや、被写体追従感度といったAF設定を細かくカスタマイズできる点も便利です。

 

かつて動体AFはミラーレスカメラの弱点と言われていましたが、α7 IIIでは、ほとんどのシーンで一眼レフ機に遜色のない動体AF性能を体感できるでしょう。

 

【魅力その3】シャッターチャンスを逃さない高速連写

連写は、最高で10コマ/秒に対応。α7シリーズではα7R IIIと並んで最速を誇ります。しかも連続撮影可能コマ数は、JPEG最高画質で約163枚、RAWで89枚と十分。人物や乗り物、スポーツなどの動きのある被写体を撮る際に重宝します。

 

あまりに快適なので、調子に乗って連写しすぎると、あとからの写真セレクトに時間がかかる点にはご注意を。軽快に作動する画像管理ソフトが欠かせません。

↑波打ち際で遊ぶ子どもたちを高速連写でスナップ。1人がジャンプした瞬間に約10コマを連写し、あとからシルエットのバランスが最もいい1枚をセレクトした

 

私の場合、本格的なスポーツ撮影というよりは、ポートレートやスナップがメインなので、Hi+(10コマ/秒)やHi(8コマ/秒)はほとんど使わず、連写のときは主にMid(6コマ/秒)を活用しています。つまり、私のふだんの用途では最高10コマ/秒はオーバースペック……。とはいえ、どんなシーンでも対応できるという安心感があります。

【魅力その4】シャッター音を消せるサイレント撮影機能

サイレント撮影とは、電子シャッターを利用することでシャッター音を無音にする機能のこと。他社のミラーレスではもはや当たり前の機能になりつつありますが、従来のα7シリーズの場合、サイレント対応はα7R IIIやα7R II、α7S II、α7Sなどの上位機種に限られていました。

 

そんななか、スタンダードモデルのα7 IIIでもようやく静音撮影が可能に。これは撮影の幅を広げる、ありがたい進化です。

↑サイレントモードで撮影。必要に応じて連写もできます

 

個人的には、子どもの寝顔のほか、舞台撮影やインタビュー撮影の際に重宝しています。注意したいのは、サイレント撮影をオンにしてシャッター速度を高速にすると、人工照明下では画像に帯状のムラが生じる場合があること。これについては、シャッター速度を下げることで低減できます。

 

【魅力その5】シリーズ最長を誇るバッテリー持久力

バッテリーには、リチウムイオン充電池「NP-FZ100」を採用。CIPA準拠規格の撮影可能枚数は、ファインダー使用時で約610枚、液晶モニター使用時で約710枚。α7 IIに比べて2倍以上であり、α7シリーズでは最多となっています。また、USB給電/充電に対応することもうれしいポイントです。

 

ただし、持久力があるぶん、フル充電までの時間は約4時間45分とやや長め。充電が待ちきれない人は、オプションの急速充電チャージャーを購入するといいでしょう。

↑側面の端子カバー内には、USB Type-C端子とマイクロUSB端子を装備。本体充電の場合、どちらを使っても充電時間は同じ。ケーブルを差す際に、端子カバーが邪魔になる点は気になります

 

【魅力その6】階調再現域が広い、同価格帯トップクラスの高画質

そして、大前提ともいえるα7 IIIの大きな魅力は、画質の美しさです。撮像素子には新開発した有効2420万画素のフルサイズ裏面照射型センサーを、処理エンジンには「BIONZ X」をそれぞれ搭載し、この価格帯のカメラではトップクラスともいえる高画質を実現しています。

 

特に気に入ったのは、暗部から明部までの階調再現域が広いことです。α7 IIIのプレスリリースによると「低感度時は、約15ストップ(※1)の広いダイナミックレンジを実現」しているとのこと。明暗差の大きなシーンでも、白とびや黒つぶれを最小限に防ぐことができます。

※1:1ストップは、1段分の絞り値に相当
↑花壇のチューリップにストロボを照射して撮影。しべの花粉を確認できるくらい細部まで精密に描写。クリアな発色や滑らかな広階調も確認できます

 

例えば上の写真は、一見すると背景が黒くつぶれているように感じるかもしれませんが、実際には暗部にも情報がきちんと残っています。その証拠に、オリジナルのJPEG画像をPhotoshopなどで明るく補正すると、暗い背景部分には、見えていなかった葉っぱや地面などが浮かび上がってきます。

 

画質に関する注意点としては、解像感が非常に高い反面、シーンによってはモアレ(※2)が生じる場合があること。モアレはRAW現像時に補正するか、あるいは構図やアングルを変えることで目立たなくすることができます。

※2:モアレとは、規則正しい模様がある被写体を撮影すると、被写体の本来の模様とは無関係に現れる、不自然な縞模様のこと。建造物の壁面や金網、フェンス、衣服などに生じやすい

 

【魅力その7】暗い撮影シーンで実感した「そこそこの高感度」の画質の美しさ

高感度画質の美しさも大きなメリットです。α7 IIIの最高感度は、常用でISO51200、拡張でISO204800に対応。これほどの高感度は、私の用途ではめったに使わないので、個人的には最高感度にはあまり興味がありません。むしろありがたいのは、ISO3200~ISO12800くらいの「そこそこの高感度」の画質が美しいことです。

 

例えば、室内でストロボを使わずに人物を撮る際は、ISO1600~3200程度を多用します。また、ライブや水族館といったさらに暗いシーンではISO3200~12800を利用します。そんなときに、高感度のありがたみを実感します。

↑ISO3200で撮影。拡大表示にしてもノイズはほとんど気になりません

 

もちろん、これまでのほかのカメラでも、同じくらいの高感度は使っていましたが、α7 IIIなら、よりノイズが目立たず、より階調が広く、低感度に比べたときの発色の低下も抑えられています。自分的に許容できる感度の幅が広がった、という印象です。

 

【不満点とまとめ】細かい操作性には改善の余地アリも、トータルとしての満足感は非常に高い

一方でα7 IIIに対する個人的な不満は、主に操作性に関する部分です。

 

例えば、シリーズの第2世代までは非対応だったタッチパネルに対応した点。これ自体は使い勝手を高めるうれしい進化といえますが、肝心のタッチの反応があまり快適ではありません。メニュー操作にタッチパネルが使えない点にも疑問が残ります。

 

背面ダイヤルについては、従来より少し改善されたとはいえ、まだ持ち運び時などに不用意に動いてしまうことがあります。そのほか、背面モニターの情報表示が多過ぎて邪魔に感じることや、AFエリアの表示がわかりにくいことなどもやや気になります。

↑操作のカスタマイズは比較的豊富。自分の撮影スタイルに応じて、ファンクションメニューやカスタムキー、マイメニューなどをきちんと設定しておくことが、使い勝手を高めるうえで欠かせません

 

こうした改善要望はありますが、トータルとしての満足感は非常に高いカメラです。価格に見合った価値は十分にあると感じました。特に小型軽量のフルサイズ機を求める人には、強くオススメできます。

↑人気の高倍率ズーム「FE 24-105mm F4 G OSS」を装着。Eマウントの交換レンズはここ数年、急速に増えていますが、他社の一眼レフ用レンズに比べるとまだ選択肢は少なめ。自分の用途に合う交換レンズがあるかどうかも要チェックです

録りおろし音声を45パターン収録! デノンから「コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道」コラボヘッドホン登場

デノンは、劇場版「コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道」とのコラボレーションにより誕生したヘッドホン「AH-GC20コードギアス 反逆のルルーシュ スペシャルエディション」を完全受注生産で発売します。予約受付は2018年5月25日12:00~8月31日23:59まで。取扱いは、ECサイトの「ebten」ほか、amazon.co.jpやアニメイトオンラインショップとなります。価格は2万9800円。

 

本製品は、デノンのノイズキャンセリング搭載Bluetoothヘッドホン「AH-GC20」をベースに、ここでしか聴けないファン必聴のルルーシュ(CV:福山潤)、C.C.(シーツー)(CV:ゆかな)、スザク(CV:櫻井孝宏)による録りおろし音声ガイダンスを収録。Bluetoothやノイズキャンセリング機能のオン/オフ、バッテリー残量などを知らせる音声ガイダンスを、各キャラ15パターン、計45種類収録しています。

【収録ボイス例】

ルルーシュ(CV:福山潤)「ルルーシュだ。よろしく頼む。」、「全力でBluetooth機器を探せ!」

C.C.(CV:ゆかな)「C.C.だ。よろしく」、「一度しか言わないぞ。ありがとう」

スザク(CV:櫻井孝宏)「枢木スザクです。よろしく!」、「残り1時間・・・補給に戻った方がいいな」

 

パッケージイラストは、AH-GC20を装着したルルーシュが描かれたこのコラボレーションのための新規描き下ろしとなっています。さらに、ハンガー部には赤いギアスマークがプリントされており、コラボアイテムならではの特別感を演出しています。なお、音声ガイダンス、パッケージ、ハンガー部以外の仕様は既発売のAH-GC20と共通です。

 

ECサイトebtenでは、限定特典としてAH-GC20を装着したルルーシュが描かれた特別仕様のパッケージイラストを使用したB2タペストリーを同梱。こちらも作品のファンなら見逃せないものとなっています。

 

コラボ作品である劇場版「コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道(おうどう)」は、 2018年5月26日より公開されます。

 

長年にわたりファンに愛されている人気アニメ作品とのコラボヘッドホンを、ぜひチェックしてみて下さい。

夏のレジャーに持っていきたい! 防水仕様になった小型BTスピーカー「JBL GO 2」

ハーマンインターナショナルは、JBLブランドから防水対応のBluetoothスピーカー「JBL GO 2」を5月25日に発売します。カラーは販売店モデルとして6色(ブラック、ブルー、レッド、グレー、オレンジ、グリーン)、HARMAN直販限定モデルとして追加で6色(ネイビー、シャンパン、シナモン、シアン、イエロー、ミント)の合計12色展開で、価格は3880円(税別)。

 

JBL GO 2は、JBLが展開するポータブルスピーカーのなかでも手軽さとコンパクトさから人気の「JBL GO」シリーズの最新モデル。「JBL GO」の性能を継承しつつ、万一の水没にも安心なIPX7防水対応となり、キッチンや浴室などの日常使いから、海辺やプールサイド、アウトドアなどにもぴったりなポータブルスピーカーに進化しました。

 

本体は手のひらサイズで184gの最軽量コンパクト設計ながら、JBL独自の40mm径フルレンジスピーカー(1基)とパッシブラジエーターを装備し、サイズを超えた広がりと奥行きがある高音質を実現。約2.5時間の充電で最大約5時間の連続再生が可能です。

↑JBL GO 2(オレンジ)

 

また、エコーキャンセリング機能を搭載したハンズフリー通話機能に対応し、スマホをBluetooth接続することで、音楽再生中の着信応答は通話ボタンひとつで簡単にハンズフリー通話に切り替えられます。クリアな音質のスピーカーホンにより、通話や電話会議も快適に使えます。

 

SNS映えする小物としても活躍しそうな、全12カラーを揃えた防水性能を搭載したBluetoothスピーカー。持ち運びにも便利なポータブルスピーカー「JBL GO 2」で、 ワンランク上のアウトドアシーンを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

【SPEC】
●サイズ/質量:W86×H71.2×D31.6mm/184g ●対応コーデック:SBC ●最大出力:3W ●ユニット:40mm径フルレンジスピーカー×1 ●周波数特性:180Hz~20kHz ●電池:リチウムイオン充電池 <充電:約2.5時間、再生:約5時間> ●付属品:充電用USBケーブル

“ブレ”を生かしたカッコいい写真が撮れる!! 「NDフィルター」の効果と使い方【いまさら聞けない】

写真を撮るときの失敗で最も多いのが「ブレ」による失敗です。その原因は、光の量が不足していて(つまり暗くて)、被写体や手ブレを止めるだけのシャッター速度にならなかったから……というのがいちばん多いケース。つまり、シャッター速度を速くできれば、ブレによる失敗のほとんどは解消できることになります。その具体的な解決法は、ISO感度(※1)を高くして、絞り(※2)の数値を小さく設定することです。

※1:撮像センサーの、光に対する敏感さの度合い。この数値が高いほど少ない光でも敏感に反応するようになりますが、そのぶんノイズも増えやすくなります
※2:レンズ内を通る光の量を調整するもので、通常、F+数字でその度合いが表されます。この数字が小さいほど、レンズを通る光の量が増え、シャッター速度が速くなります

 

で・す・が、今回は“あえてシャッター速度を遅くして被写体をぶらしてみよう!”というお話。うまくブレを使うと、ちょっと上級者のような写真が撮れますよ! 本稿ではそうした低速シャッターを生かした写真の撮り方や、便利アイテム「NDフィルター」について解説していきます。

 

「NDフィルター」っていったい何? どういうときに使うの?

シャッター速度を遅くするには、ISO感度をできるだけ低くして、絞りの数値をできるだけ大きくするということになります。ただ、明るい晴天時の日中などは光が強いため、ISO感度を下げて絞りを絞ってもシャッター速度がそれほど遅くならないケースも少なくありません。そうしたときに役立つのが、今回紹介する「NDフィルター」です。

↑NDフィルターは黒っぽい光学フィルターで、被写体の色を変化させずに光の量だけを減らすことができます。効果の度合いにより、数種類の濃さの製品が用意されています(写真はND8のフィルター)

 

NDフィルターはNeutral Density Filter(中立の濃度のフィルター)の略で、見た目にはただの黒っぽいフィルターですが、被写体の色に影響を与えずに光の量だけを減らすことができます。使い方は一般的なレンズの保護フィルターなどと同様に、レンズ先端にねじ込んで使用します。

 

NDフィルターは濃度により種類があり、製品のパッケージやフィルター枠に「ND8」や「ND16」といった数値が記されています。この数値は、入ってくる光を何分の1にするかを示しており、例えばND8であれば光を1/8にする効果があり、これをシャッター速度にすると3段分(※3)遅くすることができます。例えば、NDフィルターなしで1/15秒となる場合、ND8を使用すれば1/2秒で撮れるといった具合です。

※3:シャッター速度1段分とは、シャッターを用いて撮像センサーに光を当てる時間を2倍(あるいは1/2倍)にすること、あるいはその数値。例えば、1/30秒から1段明るくすると1/15秒、逆に暗くすると1/60秒となります。ちなみに2段だと4倍、3段だと8倍の露光時間が必要
↑ほとんどのNDフィルターには、上の写真のようにフィルターの枠にND8やND16といった数値が記されていて、光の量を何分の1にできるかがわかるようになっている

 

↑左がND8で右がND32。ND32のほうが濃度が濃くなっていることがわかります。ND8がシャッター速度にしておよそ3段分、ND32がシャッター速度にしておよそ5段分の効果があります

 

このように、NDフィルターは光の量を制限してくれるので、“シャッター速度を遅くしたいのに明るすぎてできない!!”という場面で活躍します。あるいは、より遅いシャッター速度を使用できるようになるので、その表現を強調できるという効果もあります。

 

シャッター速度を遅くすると、どんな写真が撮れる?

では、シャッター速度を遅くするとどんな写真が撮れるのでしょうか? 代表的なのが渓流や滝、噴水といった「流れる水」の写真です。例えば噴水は、高速シャッターで撮ると水が玉のようになって写り、シャッター速度が遅くなるとそれがぶれるために水が動いているように写ります。さらに低速のシャッター速度(概ね1/15秒以下)になると、白い糸が流れに沿ってあるかのような写りになります。実際の作例で見ていきましょう。

上の写真はシャッター速度を1/8000秒にして水の動きを止め、下の写真はシャッター速度を8秒にして水を大きくぶらしています。このように、特に水はシャッター速度の違いにより写りが変化し、同じ構図でも写真の印象が劇的に変わります。表現の意図に沿ったシャッター速度を選ぶようにしましょう。

 

続いて、NDフィルターの有無や濃度による違いを見比べて見ましょう。

いちばん上の写真は、ISO感度を下げて絞りの数値をできるだけ大きくして撮影。シャッターを1/4秒まで遅くすることができましたが、水の動きが中途半端に止まって写っています。2番目の写真は、同一条件でND8フィルターを使用。シャッター速度は約2秒。かなり水がぶれて、水か流れている様子がわかります。3番目は、ND32を使用。約8秒の露光で水の流れがなだらかに写り、糸が流れているかのような写りになっています。

 

このほか、街や雲などを撮る場合も面白い効果が得られます。街を撮ると、歩いている人やクルマが大きくぶれて、それらの動きが感じられ、その一方で街にある建物などの様子が際立って見えます。雲は動きが遅いので、長時間の露光が必要になりますが、空の雲が増えたかのような写真に仕上がります。

 

ちなみに、日中以外の夕景や夜景では、走るクルマの光跡を撮るといったことが可能です。この場合は、よほど低速で撮影するのでない限りNDフィルターは必要なく、ISO感度と絞りを調節して低速シャッターで撮ることができます。

↑夜の街並みなど、暗い条件ではNDフィルターは必要なく、ISO感度と絞りの調節だけで低速シャッターで撮影できます。上の写真では、感度をISO64に設定して絞りをF14まで絞り、30秒の長時間露光を行いました。それにより、道路を走るクルマのテールライトなどが光跡として写っています

 

同じブレでも大違い!! 失敗写真とカッコイイ写真の差

ブレを使った写真を撮る際に気をつけたいのが、シャッター速度が遅くなったことによる「手ブレ」。“ブレを生かす”といっても、手ブレによって写真全体がぶれてしまっては単なる失敗写真のようになってしまいます。基本的には三脚を使い、動いているものだけをぶらすようにするとよいでしょう。

120㎜相当の望遠でND32フィルターを使用して1/3秒で撮影。上の写真は手持ちで撮ったため、手ブレで水だけでなく岩もぶれてしまいました。三脚を使った下の写真は、水だけがぶれて糸のような流れに写っています。最近のカメラは、手ブレ補正が強化され、手持ちで撮れるシーンも増えましたが、1/15秒以下の低速シャッター撮影や、望遠レンズ使用時などは三脚を使ったほうが安心です。

【発売前レビュー】ほとんど真っ暗な「ND1000」って何に使うの?

通常のNDフィルターは、前にも記したようにND8~ND64程度までの濃さの異なる製品が用意されているのですが、3月に行われた「CP+2018」でマルミ光機が発表した「EXUS NDフィルター」(2018年夏頃発売予定)は、ND4~64までの製品のほかに「ND500」「ND1000」という製品を用意。ほとんど真っ暗なND1000ですが、いったいどんな場面に有効で、どんな仕上がりになるのでしょうか? 発売前の製品をお借りすることができたので、早速使ってみました。

↑ND1000フィルター。非常に高濃度で、フィルターの向こう側がわずかに見える程度です。そのため、光学式のファインダーではフィルターを装着したままでは構図の確認などが難しく、撮影時にレンズに着けて使用することになります

 

まずND1000の使用感ですが、とにかく濃度が濃く、一眼レフの光学ファインダーでは、視野を確認するのが難しくなります。そのためEVF搭載のミラーレスカメラか、ライブビューでの撮影がおすすめ。するとカメラの側で明るさを調整(ゲインアップ)してくれるので、AFを含めてほぼ問題なく撮影できます。どうしても光学ファインダーで撮るという場合は、フィルターなしで構図合わせやピント合わせを行い、撮影直前にフィルターを装着して撮るとよいでしょう。

 

今回はオリンパスのミラーレスカメラ「OM-D E-M1 MarkⅡ」にこのフィルターを使用して撮影しました。すると、自動露出ではやや暗めに写るケースはありましたが、その場合も露出補正やマニュアル露出を使用することで、問題なく撮影できました。

↑EVFや背面モニターでのライブビュー撮影では、ゲインアップして露出を合わせた状態での表示となるため、十分に明るい被写体であれば、問題なく視野を確認することができます。ただし、今回使用した限りでは、露出は多少暗めに仕上がる傾向がありました

 

このフィルターを使うと、日中でも15秒や60秒といった長時間露光が可能になります。具体的には、効果がシャッター速度にして約10段分なので、1/60秒の露光がフィルターの使用で15秒の長時間露光になるといった具合です。この長時間露光によって、水の流れは極めてなだらかな写りになりますし、大きく波打つ海は、凪の海のように写せます。

いちばん上の写真は、プログラムオートで撮影したもの。ISO感度設定もオートにしているため、感度が上がりシャッター速度は1/160秒で川が波打つ様子が確認できます。2番目の写真は、ISO感度を下げて絞りを絞って、シャッター速度を1/6秒にして撮影。波打つ水面がぶれているのがわかります。3番目は、ND1000フィルターを使用して、シャッター速度を60秒にして撮影。水面は波が無数にぶれ、かなり滑らかな状態で写っています。

 

↑上の比較写真と同じ場所で夕方に撮影。ND1000を使って60秒の露出にすることで、水面をなだらかにでき、夕方の静かな雰囲気を演出できました

 

ND1000を使った長時間露光なら、水の流れだけでなく、こんな使い方も可能。街を歩く人がかなり消えて、街並みそのものが際立ってきます。

上の写真は、NDフィルターなしでシャッター速度1/15秒で撮影しています。街行く人々が数多く写っています。下の写真はND1000を使用してシャッター速度は60秒。立ち止まっている人以外はほとんど消えてしまい、クルマもテールライトの光跡のみとなっています。このように、低速シャッター使えば、街を行き交う人が急にいなくなってしまったような不思議な描写も可能です。

 

NDフィルターの選び方と注意点

このように低速シャッターにより、変化に富んだ写真が撮れるNDフィルターですが、購入の際には少し注意点があります。

 

まず、使用するレンズに合ったフィルター径の製品を選ぶことは、ほかのフィルター類と同様。次に滝の撮影など水辺のシーンで使うことの多いフィルターなので、撥水コーティングや防汚コーティングが施され、水滴や汚れが素早く拭えるもにしておくと安心です。

 

このほか、フィルター枠などの光の乱反射を抑えたデジタルカメラ対応の製品だと、逆光などのシーンでもコントラストの低下が抑えられます。今回使用した、マルミ光機の「EXUSシリーズ」の製品などは、こうした条件をクリアしていておすすめです。

 

NDフィルターで表現の幅がグッと広がる!

低速シャッターでの撮影は、手ブレやカメラブレに気を付けて撮れば、肉眼では見ることのできないユニークなシーンを撮れるのが魅力。その際、NDフィルターがあれば、より長時間の露光が可能になって効果を強調できます。

 

また、一眼カメラで動画を撮影する際に滑らかな映りにするには、シャッター速度を概ね1/100秒以下に設定する必要があるのですが、そうした場合にもNDフィルターは活躍します。

 

そのほか、大口径レンズを絞り解放にして撮影する場合にシャッター速度を最高速(1/4000秒や1/8000秒)にしても、露出オーバーになってしまうケースが少なくありません。そうしたシーンも、NDフィルターが活躍します。

↑F1.4やF1.8といった大口径レンズを絞り解放(もっともF値が小さい状態)で使用する場合は、カメラのシャッター速度の上限を超えて、露出オーバーになってしまうことも少なくありません。そうしたときにNDフィルターを使用することで最適な明るさにすることが可能です

 

さすがにND1000のフィルターを常時持っておく必要はないと思いますが、ユニークな表現をしたい場合にはおすすめ。普段使いとしては、ND8~64のものを2種類程度持っておくと、低速シャッターによる写りの変化が手軽に試せて、写真撮影をより楽しいものにすることができます。

万能レンズの代名詞!! タムロン「高倍率ズーム」の系譜と魅力【レビューあり】

吉森信哉のレンズ語り~~語り継ぎたい名作レンズたち~~ 第3回「タムロン 高倍率ズーム」

 

広角域から本格望遠域までの広い画角をカバーする“高倍率ズームレンズ”は、それ1本でいろいろな被写体や撮影状況に対応できる、最も汎用性の高い交換レンズと言えるだろう。この高倍率ズーム、いまでこそポピュラーな存在だが、出始めのころは画角変化の大きさに驚かされたものだ。「なんと、このレンズ1本で、標準ズームと望遠ズームの画角がカバーできるのか!」と。

 

そんな高倍率ズームを得意とするのが、レンズメーカーのタムロンである。それまでの高倍率系ズームといえば、多かったのが35-135mmで、あとは一部メーカーが35-200mmを発売していたくらい。ところが、1992年にタムロンが発売した高倍率ズームの焦点距離は「28-200mm」。それまでの高倍率系ズームで不満だった広角域を35mmから28mmにワイド化しつつ、望遠域も本格望遠と呼べる200mmまでカバーしたのである。

 

この「28-200mm」の登場以降、高倍率ズームは前回に紹介した90mmマクロに並ぶタムロンの“看板商品”になった。今回はフルサイズ対応モデルを中心に、タムロン高倍率ズームの進化や変遷を、現行製品のレビューを交えながらお伝えしよう。

 

【今回ご紹介するレンズはコレ!】

小型化&高画質化を追求したフルサイズ対応の高倍率ズーム

タムロン
28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010)
実売価格5万530円

ズーム倍率10.7倍の、35mm判フルサイズデジタル一眼レフ対応の高倍率ズームレンズ。高速で静かなAFを可能にする超音波モーター「PZD(Piezo Drive)」と、高い効果で定評のある手ブレ補正機構「VC(Vibration Compensation)」を搭載。長年蓄積してきた技術を結集し、高画質化・小型軽量化を実現。従来モデル(AF28-300mm F/3.5-6.3 XR Di VC LD Aspherical [IF] MACRO (Model A20)から外観デザインも一新。ズームリングとフォーカスリングのグリップパターンは直線を基調としたシャープなものになり、タングステンシルバーの化粧リングの採用などで、端正で高級感のある外観に仕上げられている。

●焦点距離:28-300mm ●レンズ構成:15群19枚(LDレンズ4枚、ガラスモールド非球面レンズ3枚、複合非球面レンズ1枚、XRガラス1枚、UXRガラス1枚) ●最短撮影距離:0.49m(ズーム全域) ●最大撮影倍率:約0.29倍(300mm時) ●絞り羽根:7枚(円形絞り) ●最小絞り:F22-40 ●フィルター径:67mm ●最大径×全長:74.4mm×96mm ●質量:540g ●その他:※全長と質量はニコン用の値

↑フルサイズ対応の高倍率ズームながら、コンパクトな設計。レンズ単体を手にすると、その小ささを実感する

 

作例を撮ろうと歩いていると、川沿いの植え込みに咲く、真っ赤なシャクナゲの花を見つけた。その花と周囲の様子を広角端28mmで写し込んだ状況写真(上)と、状況を撮影した場所から数歩だけ近づいて望遠端300mmの画角で一房の花を大きく切り取った写真(下)を見比べてもらいたい。本レンズなら、こうした倍率10.7倍の高倍率ズームらしい“画角と視点の切り替え”が行える。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ タムロン 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010) 絞り優先オート F6.3 1/320秒 WB:太陽光 ISO400

 

高倍率ズームのパイオニア――タムロン「高倍率ズーム」の系譜

タムロンの高倍率ズームの歴史は、1992年に発売された「AF 28-200mm F/3.8-5.6 Aspherical(Model 71D)」から始まる。前述のとおり、それまでのズームレンズは高倍率な製品でも35-135mmや35-200mmだったので、広角側の画角に不満が感じられた。そう、28mmと35mmでは、広角効果(画角の広さ、遠近感の強調、など)が結構違うのである。

 

この「AF 28-200mm F/3.8-5.6 Aspherical(Model 71D)」は、2枚の非球面レンズを使用した最新の光学設計と、トリプルカムズームシステムの採用などで、画質を維持しながらコンパクト化を実現した。発売されたこの高倍率ズームは、最初は欧米から人気に火がついた。そして、日本でも人気が広がって、高倍率ズーム人気が一気に高まったのである。これ以降、タムロンは“高倍率ズームのパイオニア”と称されるようになる。

AF 28-200mm F/3.8-5.6 Aspherical (Model 71D) 発売:1992年

↑ズーム倍率「7.1倍」の、コンパクトな高倍率ズーム誕生

 

ただ、画期的だった初代モデルにも弱点があった。それは“最短撮影距離2.1m”という仕様である。これは200mmの望遠レンズとしてはそう不満のない値だが、標準や広角レンズとしては不満の残る値である。そのため、この高倍率ズームの専用アクセサリー(クローズアップレンズと同等の働きをする)も用意されていた。

 

ということで、その後のモデルでは“最短撮影距離の短縮”が重要な改良点になる。

 

まず、1996年発売の「AF28-200mm F/3.8-5.6 LD Aspherical IF Super(Model 171D)」では、200mm時80cm、135mm時52cm、という最短撮影距離を実現。そして、2000年発売の「AF 28-200mm F/3.8-5.6 LD ASPHERICAL[IF] SuperⅡ-Macro(Model 371D)」では、ズーム全域49cmという最短撮影距離を実現したのである。

AF 28-200mm F/3.8-5.6 LD Aspherical [IF] Super(Model 171D) 発売:1996年

↑新開発のインテグレイテッド・フォーカス・カムにより、最短撮影距離の短縮と画質の向上を図る

 

AF 28-200mm F/3.8-5.6 LD Aspherical [IF] Super Ⅱ MACRO (Model 371D) 発売:2000年

↑ズーム全域で最短撮影距離49cmを実現。鏡筒がもっとも短くなる28mmの位置でズームリングを固定する「ズームロック機構」も採用された

 

1992年に初代の28-200mmが発売されたわけだが、それ以降は前述の“最短撮影距離の短縮”や、光学設計や機構の見直しなどが施され、高倍率ズーム28-200mmは完成度を高めていった。

 

その流れとは別に、1999年には望遠側を伸ばした「AF 28-300mm F/3.5-6.3 LD Aspherical [IF] MACRO(Model 185D)」も発売された。そのズーム倍率は、7.1倍から二桁に届く10.7倍になった。これ以降、タムロンの高倍率ズームは、28-200mmと28-300mmの2本立てとなる。

AF 28-300mm F/3.5-6.3 LD Aspherical [IF] MACRO (Model 185D) 発売:1999年

↑特殊低分散(Low Dispersion)ガラスに複合非球面加工を施した「LD-非球面ハイブリッドレンズ」を採用。高倍率ズームレンズの設計で問題になる様々な収差を補正

 

2005年には、普及してきたAPS-Cサイズデジタル一眼レフ用の18-200mm(画角はフルサイズの28-300mmに相当)が発売され、以降は高倍率ズームの主流はそちらに移っていく。しかし、フルサイズ対応の28-300mmも地道に進化を続けていた。2004年発売の「AF 28-300mm F/3.5-6.3 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO(Model A061)」では、コーティングの見直しや、解像性能規格の底上げなどにより、デジタル一眼レフに相応しい高倍率ズームにリニューアルされた。

AF 28-300mm F/3.5-6.3 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (Model A061) 発売:2004年

↑この製品が発売されたのは、まだフルサイズのデジタル一眼レフが普及していないころ。だから、35mmフィルム一眼レフ用や、APS-Cデジタル一眼レフの“標準~超望遠撮影用”として使用されることが多かった

 

そして、2007年発売の「AF 28-300mm F/3.5-6.3 XR Di VC LD Aspherical [IF] MACRO(Model A20)」では、独自開発の手ブレ補正機構VC(Vibration Compensation)が搭載された。その補正効果の高さは当時、“ファインダー画面が張り付く”と表されたほど。また、小型化への取り組みも見逃せない。各鏡筒部品の役割分担を見直すことで、VC機構を搭載しながら、従来製品(A061)と比較しても、全長で約17.8mm・最大径で約5mmのサイズアップに抑えている。

AF 28-300mm F/3.5-6.3 XR Di VC LD Aspherical [IF] MACRO (Model A20) 発売:2007年

↑デジタル一眼レフカメラでは、撮像センサーの影響による内面反射が心配される。それに対処するため、レンズ面の反射を徹底的に抑えるマルチコートや、インターナル・サーフェイス・コーティング(レンズ貼り合わせ面へのコーティング)を積極的に採用

 

※一部、ここで紹介していない製品もあります

現行モデルを使い倒し! 基本性能や操作性は?

フルサイズ対応の高倍率ズームの現行モデルは、冒頭でも紹介した2014年6月発売の「28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD(Model A010)」だ。光学系に採用される特殊硝材は、LD(Low Dispersion:異常低分散)レンズ4枚、ガラスモールド非球面レンズ3枚、複合非球面レンズ1枚、XR(Extra Refractive Index:高屈折率)ガラス1枚。さらに、XRガラスよりも屈折率が高いUXR(Ultra-Extra Refractive Index:超高屈折率)ガラスを1枚。これらの特殊硝材を贅沢に使用することで、従来製品(Model A20)以上の小型化を実現しながら、画質劣化につながる諸収差を徹底的に補正して、高い描写性能を実現している。

↑望遠端300mmの設定で、鏡筒を伸ばし切った状態。かつての高倍率ズームはズームリングの動きにムラがあった(途中に重くなるポイントがあった)。だが、本製品も含め、最近の高倍率ズームのズームリングの動きは結構スムーズだ

 

↑ズームリングには、広角端で固定させる「ズームロックスイッチ」が装備されている。これにより、移動時の自重落下(重力や振動でレンズ鏡筒が伸びる)を防ぐことができる

 

対応マウントは、キヤノン用、ニコン用、ソニー用(Aマウント用)の3タイプ。ちなみに執筆時点で、ニコンには28-300mmの製品があるが、ソニーにはない。キヤノンの28-300mmは、画質重視の設計のためサイズが大きく高価である。それゆえに、このタムロン28-300mmの存在価値は大きいと言えるだろう。

↑シックで上品な外観デザインに一新された「タムロン 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD(Model A010)」。その外観やサイズは、各メーカー(対応マウント)の、いろいろなフルサイズ一眼レフボディにマッチする

 

↑鏡筒側面に設置された、AF/MF切替スイッチ(上)と、VCスイッチ(下)。SPシリーズのスイッチほど大きくはないが、視認性や操作性に問題はない

 

スナップ~本格望遠まで幅広い撮影がコレ1本で楽しめる!

ここからは、本レンズを使って撮った作例をもとに、その描写について語っていこう。

 

目の前にそびえる、新緑に覆われた山。その山の端にあった1本の針葉樹が目を引いたので、300mmの画角で切り取った。こういった“近づけない被写体”では、高倍率ズームの本格望遠画角が威力を発揮する。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ タムロン 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010) 絞り優先オート F11 1/250秒 -0.7補正 WB:太陽光 ISO200

 

蕎麦屋の店先に置かれた、味わいのある大黒様。その石像に接近して、28mmの広角域でスナップ感覚で撮影した。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ タムロン 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010) 絞り優先オート F11 1/80秒 WB:オート ISO100

 

寺院の門の脇にあった小さめの銅像。高い台座の上に設置されているので、近づいての撮影はできない。そこで200mm弱の望遠画角で、銅像の上半身を切り取った。また、手前の植え込みと背後の樹木の“新緑”を大きくぼかし、画面全体を華やかに演出する。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ タムロン 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010) 絞り優先オート F6.3 1/200秒 +1補正 WB:太陽光 ISO320

 

山頂に向かうケーブルカーの駅。そのホーム端の棒に、駅員の帽子が掛けてあった。その様子を、駅の入口近くから300mmの望遠端で切り取った。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ タムロン 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010) 絞り優先オート F8 1/60秒 -0.3補正 WB:太陽光 ISO1600

 

山頂に向って遠ざかるケーブルカー。300mmの望遠端近くで撮影すれば、標準ズームの望遠端(70mmや100mm前後)では得られない、遠くの被写体を大きく拡大する“引き寄せ効果”が堪能できる。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ タムロン 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010) シャッター優先オート F6.3 1/500秒 WB:オート ISO1250

 

22.2倍のAPS-Cサイズ用ズームレンズも登場。それでも褪せない「28-300mm」の魅力

革新的な高倍率ズーム「AF 28-200mm F/3.8-5.6 Aspherical Model 71D」が発売されてから20余年。タムロンの高倍率ズームは、2017年発売のAPS-Cサイズデジタル一眼レフ専用「18-400mm F/3.5-6.3 Di Ⅱ VC HLD Model B028」において「22.2倍」という驚異的なズーム倍率を実現した。

↑昨年登場し、「22.2倍」という驚異的なズーム倍率で大きな話題となったAPS-Cサイズ用の「18-400mm F/3.5-6.3 Di Ⅱ VC HLD(Model B028)」。実売価格7万3880円

 

そんな超高倍率な製品と比べると、フルサイズ対応の「28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD(Model A010)」は、地味な存在に思えるかもしれない。だが、以前よりもフルサイズデジタル一眼レフが普及してきた現在では、このポピュラーな28-300mmは、これまで以上に存在感を増しているように思う。高感度性能やボケ効果に優れるフルサイズデジタル一眼レフの特徴を生かしながら、レンズ交換なしで広角から本格望遠の撮影が楽しめるのだから。

 

前述の、特殊硝材を贅沢に使用した光学設計。高速で静かなAFを実現する超音波モーター「PZD」や、定評のある手ブレ補正機構「VC」の搭載。絞り開放から2段絞り込んだ状態まで、ほぼ円形の絞り形状が保たれる「円形絞り」の採用。マウント部分やレンズ各所に施された「簡易防滴構造」。これらの機能や仕様も魅力的だ。

 

“高倍率ズームのパイオニア”が、これまで蓄積してきた技術やノウハウを結集させて作り上げた、この「28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD(Model A010)」。カメラボディに装着して操作、あるいは実際に撮影してみると、その完成度の高さに感心させられる。

 

ワイヤレスも高音質時代へ! 新生オラソニックから高音質Bluetoothスピーカー「IA-BT7」登場

インターアクションは、Olasonic(オラソニック)ブランドのハイレゾ対応Bluetoothスピーカー「IA-BT7」を6月8日に発売します。カラーはウォルナットとシルクホワイトの2色で、実売予想価格は3万円前後。

↑IA-BT7(ウォルナット)

 

オラソニックは、2010年に発売された卵型のUSBスピーカー「TW-S7」をはじめ、CDジャケットサイズのオーディオシステム「NANOCOMPO」シリーズなどでヒットを飛ばしたオーディオブランド。2017年10月に東和電子からインターアクションに事業移管され、新生オラソニックの第一弾となる製品が「IA-BT7」となります。

 

IA-BT7は、世界最高音質のBluetoothスピーカーをめざし、SOZOデザインの技術協力のもと開発されました。ワイヤレス再生の肝となる自社開発のBluetoothモジュールにはクアルコム製CSR8675を採用し、ワイヤレスでもハイレゾ相当の音質で伝送できる「aptX HD」(24bit/48kHz)、「LDAC」(24bit/96kHz)の2つの高音質コーデックに対応。そのほか、SBC、AAC、aptXといったコーデックもサポートしています。

↑基板の設計なども自社で行っている

 

本体は、Bluetoothスピーカーとしては異例となる木製キャビネットを使用。リアルウッドならではの豊かな響きが楽しめます。カラーは、木目が美しいウォルナットと、四重にピアノ塗装を重ねたシルクホワイトの2色をラインナップしており、インテリアになじむ高いデザイン性も特徴です。

 

↑木製キャビネットを採用

 

スピーカーは、左右に57mm径のフルレンジユニット、中央に大口径110mm径のサブウーファー、背面に低音を強化するパッシブラジエーターを搭載。さらに、スピーカー同士の相互干渉のないバイアンプ構成により、コンパクトなサイズからは想像もできないほど臨場感のあるサウンドを再生します。

↑実際のスピーカーユニット

 

↑背面にはパッシブラジエーターを備える

 

また、Bluetooth入力のほか、ステレオミニ接続によるアナログ入力端子も搭載。すべての入力音源をレートコンバーターにて波形成形するとともに、24bit/96kHzまでアップコンバートして再生します。これにより、ケーブル接続したAIスピーカーやその他のオーディオ機器などの音源もハイレゾ相当の高音質で楽しむことが可能です。本体はAC電源駆動でバッテリーは備えておらず、屋内での据え置き使用を想定しています。

 

最終的な音質のチューニングは、安室奈美恵や福山雅治、今井美樹など数多くのトップアーティストのレコーディングに携わるミキサーズラボが担当。レコーディングスタジオの空気感を感じられるマスタークオリティのサウンドに調整されています。

 

【SPEC】

●対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX HD、LDAC ●最大出力:10W×2(高音用)+20W(低音用) ●サイズ/重量:W275×H144×D65mm/2.2kg ●付属品:AC電源アダプター、AC電源ケーブル

 

コンパクトボディからは想像できない豊かな響き

新製品発表会では、初めにインターアクションの代表取締役副社長 木地伸雄さんが登壇。スマホやデジタルカメラのイメージセンサー向け光学精密機器市場において国内外で高いシェアを誇る同社が、オラソニックブランドを受け継いでオーディオ製品市場に参入したことについて説明しました。同社では、IA-BT7のような高音質デバイスとAI、AR/VRのような最新技術を融合させ、高音質な仮想現実技術の創出を目指すとしています。

↑インターアクションの木地伸雄 代表取締役副社長

 

また、音質の最終的なチューニングを行ったミキサーズラボの内沼映二会長や、技術協力を行ったSOZOデザインの山本喜則CEOも来賓として招かれており、開発時のエピソードを披露しました。

↑左からインターアクションの木地伸雄 代表取締役副社長、SOZOデザインの山本喜則CEO、ミキサーズラボの内沼映二 会長

 

会見途中では実機によるデモンストレーションも行われましたが、コンパクトなサイズからは想像できないほど豊かでクリアなサウンドが響き、広い会場にもかかわらず、その空間を十分に満たす高音質な音色に思わず参加者からは驚きの声が。大音量で再生しても音が割れることなく、大口径サブウーファーが繰り出す低音がしっかり感じられました。

 

同社のオラソニック事業部 マーケティング部長を務める清水潤一さんによれば、今後IA-BT7用のインシュレーターなどのアクセサリー展開も検討中ということで、オーディオファンの期待に応えるワイヤレススピーカーの今後の展開に期待が膨らみます。

パナ、10年目のミラーレスは入門&中級とも侮りがたし!! 超本気2モデル詳細レビュー

ミラーレス一眼のパイオニア的存在であるパナソニックは、第1号機の発売から10年目を迎える2018年、積極的に新製品を発表しています。ここでは、前作から大幅進化を遂げた「LUMIX GF10/GF90」と「LUMIX GX7 Mark Ⅲ」の2モデルに注目。その実力をチェックしました!

 

コンパクトボディながらユニークな撮影機能が満載

パナソニックは、プロ仕様の上級機からビギナー向けの初級機まで、幅広いミラーレス一眼のラインナップを展開。そして、昨年末から今春にかけて、意欲的なミラーレス新製品を数多く投入しました。

 

なかでも注目は、手のひらサイズの小型軽量ボディを誇るローエンド機「LUMIX GF10/GF90」です。小型ながら撮影機能が豊富で、4K動画や高速連写、22種類のフィルターなどに対応。自分撮り機能として、美肌効果や背景ぼかしが選べる点もユニークです。

 

さらに一段上の高機能を求めるなら中級機「LUMIX GX7 MarkⅢ」が狙い目。コンパクトなボディに独自のチルト式ファインダーや5軸手ブレ補正などを搭載します。白黒フィルム風の粒状効果を加えられるなど、マニア心をくすぐる作画機能も充実しています。

 

【今回テストしたモデルはコレ!】

自分撮り機能がいっそう充実した小型ミラーレス

パナソニック
LUMIX GF10/GF90
実売価格7万4800円(ダブルレンズキット)

【1600万画素】【秒約6コマ連写】【常用最高ISO25600】【約270g】

2017年発売の「LUMIX GF9」の後継機。自分撮り対応のコンパクトボディを継承しつつ、撮影機能がいっそう充実。4K解像度で撮影した秒間30コマの連写画像から自分のベストな表情の1コマを切り出せる4Kセルフィー機能は、従来よりも広範囲を撮影可能になりました。夜景セルフィーも新搭載です。

SPEC●撮像素子:有効1600万画素4/3型Live MOSセンサー ●レンズマウント:マイクロフォーサーズ ●液晶:3.0型、104万ドット ●メモリ:microSDXCほか ●サイズ:W106.5×H64.6×D33.3mm

↑ファインダーやホットシューを省くことで小型軽量ボディを実現。操作ボタンも少なめ

 

【特徴01】

右手でも左手でも自分撮りがしやすい

液晶を180度回すと自分撮りモードが起動。左肩のフォーカスセレクトボタンでの撮影が可能に。美肌やスリムなどの効果も適用できます。

 

【特徴02】

素早く4K連写ができる専用ボタンを装備

4Kフォト機能を素早く呼び出すための専用ボタンを天面に搭載。通常の4K連写のほか、4K連写(広角)や4Kプリ連写なども選べます。

 

 

LUMIX GF10/GF90の実力を画質・休日力・旅行力の3分野でチェック!

<評価内容>

●画質

色味:オート撮影時の色味を判定。偏りや、実際と記憶のどちらに近い色味かをチェックしました。

高感度:各機種の最高感度まで、同一条件でテスト。ノイズと解像度のバランスを確認しました。

※テスト条件:色味は、屋外にて感度を最低感度に設定し、そのほかの機能を揃えて撮影。高感度は、屋内にて条件を揃えて撮影。掲載カット以外にも、全感度で撮影して評価しました

●休日力

AF:AFの範囲や速度、精度。子どもやペットなど動き回る被写体を追えるか注目しました。

フィルター機能:画像をデジタル加工して個性的な描写にするフィルター機能。数と効果をチェック。

スマホ連携:撮影中のリモコン機能や、撮影後の転送機能などの使い勝手を判定。対応機能もまとめました。

 

●旅行力

軽さ:撮影時、携帯時ともに重要なフルセットでの質量を実測。軽いほど持ち歩きはラクです。

バッテリー性能:ミラーレス一眼の泣き所のバッテリー持ちを比較。USB充電への対応も確認しました。

モニターの見やすさ:屋外で撮ることの多い旅先。晴天下での背面モニターの見やすさをチェックしました。

 

【画質】8/10

色味:☆×5

クリアな発色に好印象を受ける

濁りのないクリアな発色で、青空や樹木、赤レンガなどの色を正確に再現できました。オートの露出やホワイトバランスも的確です。

 

高感度:☆×3

高感度でもくっきりとした写り

オリンパス製品と同じく、センサーサイズは小さめ。ISO6400を超えると暗部ノイズが目立ちはじめ、同時に解像感が低下します。シャープネスは強めで、高感度でもくっきりとした描写です。

ISO6400

 

ISO25600

 

【休日力】13/15

AF(測距点の数&範囲):☆×4

独自の「空間認識AF」が快適

コントラストAFの一種である独自の「空間認識AF」に対応。測距点は49点と少なめですが、実写では動体にもしっかりと追従できました。

 

フィルター機能:☆×5

22種類のフィルターが選べる

フィルターは、オールドデイズやクロスプロセスなど22種類と非常に豊富。フィルターなし画像の同時記録ができる点も便利です。

 

スマホ連携:☆×4

【Bluetooth:×、NFC:×、QRコード:○、自動転送:○】

リモート撮影や自動転送に対応

リモート撮影では、カメラ側/スマホ側のどちらからでも、撮影や細かい設定変更が可能。撮影直後の自動転送にも対応します。

 

【旅行力】12/15

軽さ(※):☆×5

小さな記録メディアを採用

記録メディアにmicroSDを採用しており、354gの軽量ボディを実現。サイズも非常に小さく、日常的に持ち歩いても苦になりません。

※:ボディ+キットレンズ+カード+バッテリー+ストラップの合計(編集部調べ)

 

バッテリー性能:☆×3

持久力は不満だがUSB充電は便利

CIPA準拠の撮影可能枚数は、約210枚。もの足りない枚数ですが、USB充電への対応は便利。モバイルバッテリーでの充電も可能です。

 

モニターの見やすさ:☆×4

細かいカスタマイズも可能

屋外での見やすさはまずまず。輝度のほか、コントラストと彩度、赤み、青みをそれぞれ細かくカスタマイズできる点もありがたいです。

 

LUMIX GF10/GF90の総合評価は?

小型バッグに入れて気軽に持ち歩き、自分撮りした写真などを素早くSNSにアップする用途にピッタリ。ターゲット層は女性ですが、圧倒的小型ボディは男性のホビーユースにも役立ちます。ワンタッチで設定を初期化できるリセットボタンなどを備え、細部の使い勝手も良好。

ストリートフォト用ならコッチがおすすめ! 携帯性と使い勝手を両立した薄型グリップ&ツインダイヤル

パナソニック
LUMIX GX7 Mark Ⅲ
実売価格11万3250円(ズームレンズキット)

【2030万画素】【秒約6コマ連写】【常用最高ISO25600】【約450g】

2016年に発売されたLUMIX GX7 Mark Ⅱの後継機。センサーの高画素化による画質向上を図ったほか、メリハリ感のあるモノクロ表現「L.モノクロームD」やフィルム風の「粒状」効果に新対応。ボディ内手ブレ補正の搭載や外部フラッシュの採用など一段上の高機能も魅力です。

SPEC●撮像素子:有効2030万画素4/3型Live MOSセンサー ●レンズマウント:マイクロフォーサーズ ●液晶:3.0型、124万ドット ●メモリ:SDXCほか ●サイズ:W124×H72.1×D46.8mm

 

【特徴01】

構図の自由度をいっそう高める2つのチルト機構

チルト可動式の液晶モニターを搭載。また、前モデルでは省かれたファインダーのチルト可動機構も復活しました。マクロやローアングルでの撮影時に役立ちます。

 

【特徴02】

4K動画を応用した多彩な撮影機能

レンズ画角をフルに生かせる「4K連写(広角)」や、深いピントが得られるフォーカス合成、動きを捉える軌跡合成などに対応。4Kを利用した付加機能が充実しています。

 

【GF10/GF90とココが違う!】

ワンランク上の画素数や利便性が魅力

晴れた日の屋外撮影のほか、望遠レンズ使用時に便利な電子ファインダーの搭載が魅力。またセンサーの画素数が多く、風景などの細部表現で有利になります。

 

 

ライカブランドの名玉から携帯重視の薄型まで揃う交換レンズ

パナソニックのミラーレス一眼は、オリンパスと同じくマイクロフォーサーズシステムを採用。この2社にサードパーティ製品を加えた多数の交換レンズが利用できます。なかでも特に相性がいいのは、独自の強力な手ブレ補正「Dual I.S.」などが使えるパナソニックの純正レンズです。

 

大きなボケが欲しいならコレ!

 

パナソニック
LUMIX G 25mmF1.7 ASPH.
実売価格1万8640円

【焦点距離50mm相当】【フィルター径46mm】【全長52mm】【約125g】

昔ながらの標準レンズにあたる焦点距離50mm相当の単焦点レンズ。人間の視覚に近い自然で素直な画角で撮影できるほか、開放F値が明るいので暗所でのノーストロボ撮影にも役立ちます。

 

ワイドもテレも1本で撮りたいならコレ!

 

パナソニック
LUMIX G VARIO14-140mm F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S
実売価格6万5860円

【焦点距離28〜280mm相当】【フィルター径58mm】【全長75mm】【約265g】

手ブレ補正を内蔵した10倍の高倍率ズーム。ステッピングモーターによる高速AFや、動画用にも適した静音駆動に対応。LUMIX GX7 Mark Ⅲとの組み合わせでは「Dual I.S.」が利用できます。

 

 

文・作例撮影/永山昌克

広瀬すずも大満足の富士フイルム「チェキ」新作。20代女子にリアルな感想を聞いてみた

富士フイルムは5月15日、スクエアフォーマットのフィルムに対応したインスタントカメラ“チェキ”の新モデル「instax SQUARE SQ6」(以下「SQ6」)を発表。発表会では同社のイメージキャラクターを務める広瀬すずさんが登壇し、その魅力を語りました。

↑発表会に登壇した、広瀬すずさん。右手に持っているのが今回の新製品「instax SQUARE SQ6」、左手に持っているのが広瀬さんが実際にSQ6で撮影したというチェキプリント

 

↑シンプルでスタイリッシュな外観デザインが特徴的なSQ6。カラーは写真左からパールホワイト、ブラッシュゴールド、グラファイトグレイの3色展開で、いずれも落ち着いた雰囲気を感じさせます。発売は5月25日、実売想定価格1万7000円前後

 

スマホの存在が逆風どころか追い風に!?

発表会ではまず、富士フイルムの代表取締役社長・COO、助野健児氏が登壇し、インスタントフォト分野における事業戦略を語りました。なかでも興味深かったのは、チェキシリーズが2017年度に過去最高の販売台数を記録したという点です。欧米での販売が好調なことに加え、国内や中国、東南アジアなどでも堅調に推移しているとのこと。スマホカメラに押されるカタチで苦戦を強いられているカメラ業界において、なぜチェキはこれほどまでに好調を維持しているのでしょうか?

↑2017年度の販売台数は、過去最高となる770万台を達成。今後はさらなる増加を見込み、2018年度は900万台を目標に掲げています

 

続いて登壇したイメージング事業部長、岩﨑哲也氏の話のなかに、そのヒントがありました。曰く、「思い出として残すだけでなく、スマホやSNSの普及によって写真はコミュニケーションの手段としても使われるようになっている」(岩﨑氏)とのこと。その点、その場で手軽にプリントできるチェキはコミュニケーション手段としてはぴったり。さらに、ちょっと懐かしさを感じさせるようなフォトジェニックな仕上がりも、デジタルネイティブ世代から人気を集めているそうです。

↑デジタルネイティブ世代にとってはチェキのアナログな雰囲気が逆に新鮮で、そこに価値を見出しているとのこと

 

岩﨑氏は、これまでは昔を懐かしむような一過性の人気なのではないかという声もあったとし、「最近では写真を撮った際の雰囲気・背景まで表現できる新たなジャンルとして確立しつつある」と今後のさらなる飛躍に自信を見せました。

20代女子の本音は?

続いて、新製品の詳細についてご紹介していきたいところなのですが、チェキのメイン購買層は10~30代女性。SQ6は男性が持っていも違和感のないメタリックなデザインとはいえ、やはり女性の購入者のほうが多いと予想されます。筆者(男/フォトジェニックとは縁なし)のレビューでは、肝心なところで外してしまう可能性が……。

 

ということで、ちょうど編集部に研修で来ていた新入社員のTさん(20代女性/チェキ愛用歴あり)に発表会に同行してもらい、率直な感想を聞いてみました。

 

SQ6の話に入る前に、そもそものチェキの魅力についてはどう感じているのでしょうか。

「学生のときに友だちとの旅行などで写真を撮影すると、印刷して配るのが大変でしたが、チェキならその場で簡単に写真を共有できるのでとでもお手軽だと思います。また、遠くに住んでいる親戚に会ったときや結婚式などのイベントのように、通常すぐに写真そのものを渡せないような場合でも、チェキならその場で写真をプレゼントできるのは素敵だと思いました」(Tさん)

 

確かに、友人との旅行はチェキが大活躍する定番シーンですよね。やはり、思い出をカタチとして残せる、しかもその場でプリントして共有できる、というのは大きな魅力です。

↑SQ6は前面のレンズ横(矢印部分)にミラーを装備し、さらに専用の撮影モードを用意するなど自分撮りが簡単に行えます。本体底面に設けられた三脚穴やセルフタイマー機能を使用して、集合写真なども撮影可能

 

また、チェキの仕上がりや描写については、こんなコメントも。

「じんわり現像する感じが、お手軽なのに“カメラで作品を作っている感”があってオリジナリティが出せると思います。仕上がりも、インスタみたいな加工をわざわざしなくてもオシャレになって便利」(Tさん)

 

やはり、チェキの独特な風合いは好評なようです。今回のSQ6には、そんなオリジナリティを出すための機能が満載。2つの画像を重ねることができる「二重露光モード」や、最短30cmまでの近距離撮影が可能な「マクロモード」、風景スナップに適した「遠景モード」など豊富な機能を備えるほか、発光部に取り付けてフラッシュの色を変えられる「フラッシュカラーフィルター」を同梱しています。

↑フラッシュカラーフィルターはオレンジ、パープル、グリーンの3色を用意。手軽に写真の雰囲気を変えることができ、いち早く使ってみたという広瀬すずさんも「何をしてもオシャレになる」と話していました

 

では、SQ6の最大のポイントでもあるスクエアフォーマット(真四角プリント)についてはどうでしょう? 昨年11月に発売されたデジタルイメージセンサー搭載のハイブリッドインスタントカメラ「 instax SQUARE SQ 10」で初採用されたこのスクエアフォーマットですが、今回は新たにフレーム部分を単色無地のブラックとしたフィルムもあわせて発表されました。

「スクエアだと、より一層インスタっぽくなってかわいいと思います。黒いフレームは少し大人っぽいので、比較的年齢が上の大人の女性は白フレームより黒を好みそう。または、鮮やかな写真と黒フレームのコントラストをチョイスするなど、白と黒を使い分けたりするのも楽しいと思います」(Tさん)

 

岩﨑氏によると、SQ6の開発の狙いとして「自己表現に最適なスクエアフォーマットを、もっと多くの人に楽しんでもらいたい」という想いがあったそう。想定価格も約3万円だったSQ10から半分近くになっており、黒フレームの追加も含め、スクエアフォーマットはチェキの新定番としてさらに浸透していきそうな予感がします。

↑同時発売予定の「instax SQUARE Film」BLACK(左)。写真をより引き立たせた表現が可能です

 

では、逆に不満な点はあるのでしょうか? 忖度なしのリアルな意見を聞いてみました。

「サイズ感は鞄に入れられるくらい、もう少し小さいとうれしいです。チェキをおしゃれアイテムとしてお出かけに持っていく人も多いと思いますが、首や肩に鞄と一緒にぶら下げるのは面倒ですし、天候や服装によっては持って歩くことに制限が出そうだと思いました」(Tさん)

 

確かに、SQ6の大きさは、118.7mm×128.1mm×58.1mm(突起部除く)で、決してコンパクトというわけではありません。ただ、重くはないので、アクセサリー類を活用し、その存在感を生かしてファッションの1つとしてコーデに取り入れやすいとも言えます。一方、Tさんの言う「鞄と一緒にぶらさげたくない」という“収納派”の意見もごもっとも。スクエアフォーマット対応のミニサイズ版が登場するとおもしろいかもしれませんね。

↑新発売のアクセサリーのなかで特に注目したいのは、速写ケースです。革製のケースはよく見かけますが、こちらは珍しいスエード製。触り心地がたまりません!

 

↑広瀬すずさんも登壇時、上の速写ケースを使用しており、トータルコーデの一部として違和感なく機能していました

 

発表会で提示された資料やこうしたリアルな声を聞く限り、現代の写真文化や需要と合致したチェキの人気はまだまだ続きそう。季節問わず楽しめるチェキですが、これからの行楽シーズンには特におすすめです。スマホ撮影もいいですが、チェキで思い出をカタチにしてみませんか?

 

 

(C)富士フイルムinstax“チェキ”新製品発表会

有機ELは黒の表現だけじゃない! 明るい映像も美しく再現する4K有機ELテレビ ビエラ「FZ1000」

パナソニックは、「VIERA(ビエラ)」ブランドより4K有機ELテレビ「FZ1000」「FZ950」と、4K液晶テレビ「FX780」の3機種を6月8日に発売します。

 

明るい映像も美しく再生する有機ELテレビ「FZ1000/FZ950」

FZ1000およびFZ950は、ビエラブランドのフラッグシップに位置づけられる4K有機ELテレビ。両機種の主な違いはスピーカーで、FZ1000はテクニクス開発チームと新設計した“Tuned by Technics”のスピーカーシステムを搭載し、低音の迫力と音のクリア感を大幅に向上。FZ950は、シンプルなデザインの「ダイナミックサウンドシステム」を搭載しています。

↑FZ1000

 

↑FZ950

 

また、2017年モデルではEZ1000のみ、明るい部屋でも光の反射を抑えて黒の締まりを良くする「ブラックフィルター」を採用していましたが、2018年モデルではFZ1000/FZ950の両モデルで採用しています。

 

FZ1000/FZ950は、有機ELパネルの性能を引き出してハイコントラストな映像を実現する「有機ELパネル制御技術」を搭載。独自の高画質化技術「ヘキサクロマドライブ プラス」により、色や輝度を忠実に再現しながら細部のディテールまで美しく描写します。また、黒の表現を得意とし、暗いシーンでの色/階調表現が優れる有機ELパネルの特性はそのままに、新たにシーンの明るさに応じて動的に補正量を変化させる3次元カラーマネジメント「ダイナミック 3D-LUT(ルックアップテーブル)」を搭載し、明るいシーンでの色/階調表現も大幅に進化させています。

 

FZ1000は、スピーカーの容量を前モデル比約1.4倍に拡大したテクニクスチューニングの新スピーカーシステムを搭載。映像コンテンツを迫力のサウンドで楽しめるだけでなく、ディーガで再生したCDなどの音楽も高音質で聴くことができます。FZ950は、ダブルウーファーとクアッド・パッシブラジエーターを備えた「ダイナミックサウンドシステム」により、臨場感のあるサウンドを再生します。

↑FZ1000のスピーカーシステム

 

テレビ台に合わせてスタンド位置を変えられる「FX780」

FX780は、広い視野角の「4K高輝度IPS液晶パネル」を採用した4K液晶テレビ。設置するテレビ台の幅にあわせて、付属スタンドの取り付けを外側と内側の2か所から選択できることが特徴です。

↑FX780

 

↑スタンドを2つのスタイルから選べる

 

映像面では、独自の高画質化技術「ヘキサクロマドライブ」に加え、LEDバックライトの光を分割駆動するバックライトエリア制御と画像の信号処理を細分化するエリアコントラスト制御を組み合わせた「Wエリア制御」を採用し、高精彩でハイコントラストな映像を再現します。そのほか、地デジやBDなどの映像を4K相当にアップコンバートする「4Kファインリマスターエンジン」や、スポーツシーンなどの動きのある映像もなめらかに再生する「倍速表示」、「クリアモーション」機能も搭載しています。

 

いずれも、12月から放送開始される「新4K8K衛星放送」対応チューナーは搭載していませんが、パナソニックでは外付けの4Kチューナーを放送開始までに発売する予定としています。いよいよスタートする4K放送に備えて、いまから4Kテレビを準備しておくのもいいかもしれませんね。

 

画質は最高評価!! 富士フイルムの実力派ミラーレス「X−E3」を徹底チェック!

富士フイルムは、そもそもフィルムや銀塩カメラを数多く発売していたメーカーであり、デジタル時代のいまでも画質や操作性へのこだわりを強く感じさせます。ここでは、同社のミラーレスカメラ中級機「X−E3」の実力を、画質・休日力・旅行力の3分野で判定。あわせて、おすすめの交換レンズや入門機についても解説します。

 

高機動な小型ボディと直感的ダイヤル操作を両立

富士フイルムのミラーレス一眼は、絞りリングやシャッター速度ダイヤルを備え、フィルムカメラのようなアナログ操作ができることが特徴。最初は戸惑うこともありますが、慣れればスムーズにカメラをコントロールできます。

 

なかでも昨秋発売の「X−E3」は、メカダイヤルによるアナログ操作と小型軽量ボディを両立。機能面では、位相差AFや高速連写モードに新対応したほか、タッチパネルやジョイスティックによる直感操作が可能になりました。趣味として写真撮影を楽しみたい人に最適なモデルに仕上がっています。

 

また今年2月には、ビギナー向けに一般的な操作性を採用したエントリー機「X−A5」を発売。こちらは180度回転するチルト背面モニターや美肌モードを備え、自分撮りなどが気軽に行えます。

 

【今回テストしたモデルはコレ!】

325点のAFで14コマ/秒の高速連写に対応

富士フイルム
X-E3
実売価格12万4790円(レンズキット)

【2430万画素】【秒約14コマ連写】【常用最高ISO12800】【約337g】

上位機「X-T2」などと同等のセンサー&エンジンを搭載しつつ、レンジファインダーカメラ風の薄型軽量デザインを採用。前モデル「X-E2」と比べた場合、連写やAFが大きく進化し、電子シャッターによる14コマ/秒の連写と、325点の位相差AFに対応しました。内蔵ストロボや液晶の可動機構は非搭載となります。

SPEC●撮像素子:有効2430万画素APS-C型CMOSセンサー ●レンズマウント:Xマウント ●液晶:3.0型、236万ドット ●メモリ:SDXCほか ●サイズ:W121.3×H73.9×D42.7mm

↑般的な十字ボタンはなく、ジョイスティックとタッチパネルで各種設定を行います

 

【特徴01

スティックやスワイプで直感操作ができる

AF測距点の選択は、背面スティックまたはタッチパネルで直感的に行えます。さらに液晶上のスワイプ操作に、様々な機能を割り当て可能です。

 

【特徴02

フルオートに設定できる専用レバーを搭載

電源レバーの後ろに「オートモード切換レバー」を装備。細かく機能を設定したあとでも、即座にフルオート撮影に移行できるのが便利です。

 

画質・休日力・旅行力の3分野で実力を判定!

<評価内容>

●画質

色味:オート撮影時の色味を判定。偏りや、実際と記憶のどちらに近い色味かをチェックしました。

高感度:各機種の最高感度まで、同一条件でテスト。ノイズと解像度のバランスを確認しました。

※テスト条件:色味は、屋外にて感度を最低感度に設定し、そのほかの機能を揃えて撮影。高感度は、屋内にて条件を揃えて撮影。掲載カット以外にも、全感度で撮影して評価しました

 

●休日力

AF:AFの範囲や速度、精度。子どもやペットなど動き回る被写体を追えるか注目しました。

フィルター機能:画像をデジタル加工して個性的な描写にするフィルター機能。数と効果をチェック。

スマホ連携:撮影中のリモコン機能や、撮影後の転送機能などの使い勝手を判定。対応機能もまとめました。

 

●旅行力

軽さ:撮影時、携帯時ともに重要なフルセットでの質量を実測。軽いほど持ち歩きはラクです。

バッテリー性能:ミラーレス一眼の泣き所のバッテリー持ちを比較。USB充電への対応も確認しました。

モニターの見やすさ:屋外で撮ることの多い旅先。晴天下での背面モニターの見やすさをチェックしました。

 

【画質】10/10

色味:☆×5

晴天らしさが伝わる鮮やかな色

クリアな青空と鮮やかな緑が表現され、晴天らしさが伝わる気持ちの良い発色となりました。忠実とはいえないが記憶色に近い仕上がりです。

 

高感度:☆×5

クラストップの高感度性能

独自のセンサーとエンジンによって、高感度ノイズを目立たないように低減。APS-Cセンサーではトップ級の高感度性能といってよいでしょう。ISO12800でも汚い印象はなく、実用的な画質です。

ISO6400

 

ISO25600

 

休日力:11/15

AF(測距点の数&範囲):☆×5

豊富な測距点と便利なジョイスティック

像面位相差AFに対応。測距点は325点と豊富で、ジョイスティック操作で素早く選べるのが便利。快適に合焦する性能を実感しました。

 

フィルター機能:☆×3

フィルターの種類はやや少なめ

ミニチュアやポップカラー、パートカラー、ハイキーなど8種類のフィルターを用意。連写や動画撮影との併用ができないのは残念です。

 

スマホ連携:☆×3

【Bluetooth:○、NFC:×、QRコード:○、自動転送:○】

多機能だが使い勝手には課題も

Bluetooth接続に対応し、画像の自動転送ができます。リモート撮影の際、カメラ側にライブビューが表示されない点はやや使いにくいと感じました。

 

旅行力:10/15

軽さ:☆×3

キットレンズはやや重い大口径タイプ

撮影時の質量は669g。ボディはミラーレス一眼として比較的軽量ですが、キットレンズが大口径タイプであるため、総質量はやや重め。

 

バッテリー性能:☆×4

持久力は普通だが、USB充電が便利

CIPA準拠の撮影可能枚数は約350枚で、ミラーレス一眼としては標準的なバッテリー性能。USB充電に対応している点は何かと心強いです。

 

モニターの見やすさ:☆×3

晴天の屋外では見えにくくなる

初期設定の状態ではやや暗く、晴天屋外では見えにくいです。明るさは±5段階に調整できるので、見えにくい場合は+側に設定したいですね。

 

X-E3の総合評価は?

同社独自のセンサー&映像エンジンが生み出す豊かな発色と、フィルムを換える感覚で絵作りを楽しめるフィルムシミュレーションを小型軽量ボディで味わえる点が魅力。やや重くなるものの、明るく切れ味の鋭い標準ズームが付属することも描写にこだわるユーザーには◎。

チルト液晶を求めるならコッチがおすすめ! 雑貨的なデザインと一般的な操作系を併せ持つ入門機

富士フイルム
X-A5
実売価格6万8460円(レンズキット)

【2424万画素】【秒約6コマ連写】【常用最高ISO12800】【約361g】

2016年に発売されたエントリー向けモデル「X-A3」の後継機。自分撮り対応のチルト背面モニターを受け継ぎながら、新たに像面位相差AFや4K動画、かすみ除去フィルター、Bluetooth機能などに対応。キットレンズが沈胴式の薄型タイプに変更されたことも見逃せません。

SPEC●撮像素子:有効2424万画素APS-C型CMOSセンサー ●レンズマウント:Xマウント ●液晶:3.0型、104万ドット ●メモリ:SDXCほか ●サイズ:W116.9×H67.7×D40.4mm

 

【特徴01

人肌を滑らかに補正できる美肌モード

自分撮りの際は、瞳AFで目にピントを合わせられるほか、自動美肌モードによって人肌を明るく滑らかに再現できます。その効果は3段階から選択可能です。

 

【特徴02

超高速シャッターや無音撮影ができる電子シャッター搭載

エントリー機ながら電子シャッター機能を搭載し、最高で1/32000秒の高速シャッターが使えます。また、電子シャッターによる無音での撮影にも対応。

 

【X-E3とココが違う!】

チルト式液晶やストロボ搭載でビギナーにうれしい

両機とも薄型ボディですが、チルト可動式の背面モニターや内蔵ストロボを備えることはX-A5の大きなメリット。ただし、外装の高級感や画質ではX-E3に及びません。

 

 

描写に優れた単焦点や防塵防滴レンズなど多彩

富士フイルムのAPS-Cミラーレス一眼は、Xマウントレンズに対応。超広角から超望遠まで20本以上のレンズラインナップが用意されている。特に、描写性能に優れた単焦点レンズが充実しています。製品名に「WR」があるものは防塵防滴に、「OIS」があるものは手ブレ補正に対応。

 

ワイドもテレも1本で撮りたいならコレ!

 

富士フイルム
XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR
実売価格8万5870円

【焦点距離:27〜206mm相当】【フィルター径:67mm】【全長97.8mm】【約490g】

27〜206mm相当の焦点距離を持つ高倍率ズーム。世界最高をうたう効果5段分の手ブレ補正を内蔵し、薄暗いシーンでも手持ちでの撮影ができます。防塵防滴ながら軽量なことも魅力。

 

大きなボケが欲しいならコレ!

 

富士フイルム
XF50mmF2 R WR
実売価格4万7590円

【焦点距離76mm相当】【フィルター径46mm】【全長59.4mm】【約200g】

200gの軽量を誇る中望遠の単焦点レンズ。ポートレートのほか、部分を切り取る感覚のスナップ用にも最適です。ほぼ無音で高速作動するAFや、適度なトルク感のあるMF操作も使いやすいです。

 

 

文・作例撮影/永山昌克

Astell & Kernの第4世代は個性派揃い! 新ハイレゾプレーヤー「SE100」と「SR15」が初お披露目

ポータブルオーディオファンにおなじみのブランドAstell & Kern(アステル&ケルン)が、ドイツのミュンヘンで開催されたオーディオショウで最新のハイレゾ対応プレーヤー「A&futura SE100」「A&norma SR15」の2機種を発表しました。イベント会場から新製品の体験レポートを速報します。

 

今回筆者が取材のために訪れた「HIGH END MUNICH 2018」は、その名の通り世界最大級のハイエンド・オーディオの祭典として注目されているイベントです。世界各国から名うてのオーディオブランドが参加するなか、アステル&ケルンは昨年このイベントで現在発売中のフラグシップモデル「A&ultima SP1000」を発表して存在感をアピールしました。今回発表された2機種は、このSP1000と同じアステル&ケルンにとっての“第4世代”のハイレゾ対応プレーヤーです。一気に2つのモデルが加わったことで世代交代が加速しました。SE100はAK300シリーズの後継機、SR15はAK70MkIIの後継機としてラインナップが入れ替わります。

↑新製品が発表されたドイツ・ミュンヘンのハイエンドショー会場。大勢の熱心なファンで会場が埋め尽くされました

 

据え置き機にも使われるICチップを搭載した「SE100」

A&futura SE100はヨーロッパでの販売価格は1799ユーロ(約23.5万円)、発売時期は5月末を予定しています。“futura”はラテン語で“未来”という意味。本体を側面上から見ると斜めにカットしたサイドパネルのデザインには未来感があふれています。ボディの素材はアルミニウム。色はチタンシルバー。

↑新しい上位モデルの「SE100」。UIもSP1000と同じ最新世代の仕様です

 

↑カーボン+ガラスの背面パネル。ボディは落ち着いたチタニウムシルバー

 

380g台だった重量級のSP1000に比べると、SE100は241gとかなり計量化されています。オクタコアのCPUを内蔵しているので、片手持ちでの5型液晶タッチパネルの操作がとても快適。縦横スワイプを積極的に採り入れた、SP1000と同じ第4世代のUIデザインとしています。

 

本体に搭載したDAコンバーターはESSテクノロジーの「ES9038PRO」という8ch対応のハイエンドなICチップ。据え置きタイプのオーディオコンポーネントに使うために設計されたハイパワーなICチップを、アステル&ケルンのエンジニアが音質に惚れ込んでSE100に採用しました。元々駆動時の消費電力も大きいICチップなので、シングル構成で使うことによってバランスを取っています。

 

イヤホン端子は天面に3.5mmのシングルエンドと2.5mm/4極のバランス出力をSP1000と同様に搭載しました。Bluetooth再生はaptX HD対応。128GBの内蔵メモリーのほか、microSDカードスロットを1基搭載しています。

↑2.5mmバランス接続に対応

 

↑本体の底面にUSB Type-C端子とSDカードスロットを配置

 

小型サイズの新スタンダード「SR15」

A&norma SR15はヨーロッパでの販売価格が749ユーロ(約9.8万円)、発売時期は6月から7月ごろを予定。ラテン語で“norma=普遍的な”という意味を名付けられたプレーヤーはブランドの新しいスタンダード機になります。3.3型の液晶タッチパネルを斜めに傾けた大胆なデザインとしていますが、クアッドコアCPUと新しいUIによる操作感はとても快適。AK70MkIIに近いサイズ感のプレーヤーです。ボディの素材はアルミニウム、色はダークグレー。

↑新しいスタンダードモデルの「SR15」。斜めに配置された画面のインパクトは大

 

↑片手持ちに心地よくフィットするサイズ感はAK70MkII譲りです

 

DAコンバーターにシーラス・ロジックの「CS43198」を2基搭載するデュアルDAC構成。リニアPCM系は最大192kHz/24bitまで、DSDも2.8MHzまでのネイティブ再生をサポートしています。DSD5.6MHzもリニアPCM変換再生によって楽しむことが可能。

 

イヤホン端子は2.5mm/4極のバランス出力にも対応しており、64GBの内蔵メモリーとmicroSDカードスロットが1基搭載されています。BluetoothはaptX HD対応。

↑本機もシングルエンドとバランス接続の両方に対応します

 

AK第四世代はキャラクターの違いに注力

アステル&ケルンのハイレゾ対応プレーヤーの開発を長年指揮するアイリバーのJames Lee氏に、先行しているSP1000を含めた3つの“第4世代モデル”のキャラクターを尋ねてみました。

↑アイリバーのJames Lee氏に新しいラインナップへの意気込みを伺いました

 

「第4世代では3つのモデルに最新のDACチップを搭載して、音のキャラクターにもメリハリの効いた“違い”をつけることに力を入れました。特にSE100に搭載しているESSのチップは元がとてもハイパワーなので、ポータブル機としてのバッテリーライフをはじめとした使い勝手を確保しながら搭載するための工夫には時間をかけてきました。おかげさまでそれぞれに個性豊かな3つのモデルが出そろったと自負しています。音のイメージを“食”に例えるなら、フラグシップのSP1000が“懐石料理”、エネルギッシュなSE100は“松”グレードの”とんかつ”、SR15は“新鮮なフルーツ”に近いと思います」(James Lee氏)

 

イベント会場ではフラグシップのSP1000も含めて、新しいSE100とSR15をアステル&ケルンのAK T1pにつないで聴き比べることができました。SP1000のスムーズで上質なサウンドに対して、SE100は活き活きとした力強さを色んな音楽ソースから引き出せるパフォーマンスを備えていました。SR15はAK70MkIIと同じバランスのよいマルチプレーヤーとしてのキャラクターを引き継ぎながら、さらにワイドレンジで解像度の高いサウンドに仕上がっている印象でした。

↑フラグシップモデルのA&ultima SP1000も会場に並べられ、それぞれの音の違いを比較することができました

 

↑エネルギッシュなサウンドのSE100

 

今回発表された新製品を含むアステル&ケルンの最新第4世代のプレーヤーから、コンパクトなファイルサイズで高品位なハイレゾ再生が楽しめることで注目されているMQA音源の再生に対応することになりそうです。今回のイベント会場ではMQA再生に対応した試作機によるデモンストレーションも紹介されていました。アステル&ケルンの担当者は「MQA対応の時期は未定ですが、準備ができたらソフトウェアアップデートなどによってすぐに対応したいと考えています」とコメントしていました。

↑MQA再生にも対応予定

 

↑会場にはターンテーブルのシャーシ「CUBE48」の試作機も登場。商品化はただいま検討中だそう

 

アステル&ケルンの新製品が日本で出そろう日はいつになるのか、楽しみですね!

 

決して割高では…ない? AI特化の完全ワイヤレス「Xperia Ear Duo」一週間身につけ続けてジャッジ

ソニーモバイルは「Xperia Ear Duo」を4月に発売しました。同製品は、耳をふさがないことで周囲の音が聴けるという完全ワイヤレスイヤホン。どんな機能があるのか、どんなシーンで便利なのか、実際に1週間使ってみた筆者が、その使い勝手や気づいたことをお届けします。なお、本記事では同機をGalaxy Feel SC-04Jとペアリングして検証しました。

 

秘密は穴の開いた構造

Xperia Ear Duoの最大の特徴は、耳の穴に入れる部分がリング状になっていること。この構造により、再生する音楽と周囲の音の両方が聴こえます。音楽を聴いていても、インターフォンの音、家族や同僚の声を聞き逃しません。

 

↑穴の開いたイヤーピースが特徴的

 

また、音声操作にも対応。ソニーのアシスタント「Assistant for Xperia」を呼び出し、声で操作できます。アシスタントは、設定で「Googleアシスタント」や「Siri(iOS端末の場合)」に変更可能です。

 

Xperia Ear Duoは平たく丸いケースに入っています。大きさは手のひらからほんの少し余る程度。ズボンのポケットなどに入れるにはやや苦しいサイズです。マグネット式のふたをパカッと開けると、イヤホンが左右の並びで収まっています。

 

↑ケースのサイズは直径約89mm、厚さ約25mm、重量は約76g

 

ペアリングには専用の「Xperia Ear Duo」アプリが必要です。AndroidはGoogle Playストアから、iOSはAppstoreからインストールしておきましょう。画面指示に従って右のイヤホンを取り出すと、自動でペアリング設定が始まります。ペアリングが成功したら、イヤホンを装着。使用する言語やニックネームを登録したら、初期設定は完了です。

 

↑特徴的な下掛けスタイル。耳たぶを下からはさむように装着。走ってもズレないほど安定感は抜群

 

音楽を聴きながらでも問題なし!

まずは、会社でラジオを聴きながら仕事をしてみました。「radiko.jp」をインストールし、Xperia Ear Duoアプリで「機器の設定」→「アシスタント」→「声で起動するアプリ」と進んだら、radikoを選んで起動するワードを設定。

 

↑「ラジコ」と設定

 

起動方法は、まず右のイヤホンのタッチパッドを長押し。「お話し下さい」と音声が聞こえたら、「ラジコを起動して」と言います。これでradikoが起動しました。

 

使ってみるとすぐにデュアルリスニングを実感。ラジオの音とともに、周囲の声も聞こえました。相手が何を話しているかはっきりとわかるので、コミュニケーションに支障はありません。電話やインターフォンが鳴っても聴き逃すことはありませんでした。さすがに音量を最大まであげると聴き取りづらいですが、それでもたいていの音は聴き取れました。

 

穴の開いた構造にもかかわらず、音漏れがほとんどないことも魅力。約50cmの距離で音量を最大にすると、わずかに聴こえる程度でした。

 

次に、今日の予定をチェックしました。カレンダーアプリと連携していれば、直近の予定を知らせてくれます。機能を呼び出すには、タッチパッドをタップすればOK。タッチパッドに割り振る機能の設定は、Xperia Ear Duoアプリの「機器の設定」→「タッチパッドの設定」から変更可能。どの機能を割り当てるか、自分の使い方に合わせてカスタマイズしましょう。

 

↑左右と、タップの仕方によって機能を割り当てられる

 

メールやSNSのメッセージ通知も読み上げてくれます。わざわざスマホを取り出さなくても、予定やメッセージを確認できるのは非常に便利でした。通知するアプリは個別に設定できるので、たとえば、業務連絡用に使っている「Slack」アプリを追加してもよし。反対に、仕事中煩わしいLINEの通知をオフにしてもよいでしょう。

 

↑読み上げるアプリの設定画面。オン/オフ、追加が可能

 

屋外ならではの機能

屋外でも使ってみました。車通りの多い道や人混みの中、駅のホームなどでは、室内よりも周囲の音が大きいためにイヤホンの音も聴き取りづらくなりました。

 

実はXperia Ear Duoには、周囲の環境に合わせて自動的に音量を調節できる「アダプティブボリュームコントロール」機能が備わっています。そこで、こちらをオンにした状態でも検証してみました。

 

↑「機器の設定」から変更できる

 

同機能を有効にすると、交通量の多いところや踏切の近くだと音量は大きく、静かな場所に移ると小さくなりました。

 

筆者の体感では、イヤホンの音量と周囲の音の割合は通常2:8ほど。車や電車が通った瞬間は、イヤホンの音はほぼ聴こえません。屋外では、周囲の状況に注意しなければならないため、安全面から音量のバランスも配慮されているかもしれませんね。

 

そのほか、ナビゲーション機能との連携も検証してみました。タッチパッドを長押ししてから、「ナビして」と伝えます。目的地と移動手段を順に聞かれるので、それぞれ答えると、スマートフォンでGoogleマップが起動し、経路を案内してくれます。しかし、音声案内ではなく最終的にスマホを取り出す必要があるので、これなら最初からスマホで設定した方が早そうです。

 

↑ケースの充電は付属のUSBケーブルを接続して行う

 

イヤホンのバッテリーは、4時間ほど使ったところで切れました。これはメーカーの公称値と一致します。ケースに収納すると充電される仕組み。3回分の充電が可能なので、こまめに充電すれば、丸一日使えるでしょう。バッテリー残量はXperia Ear Duoアプリから確認できますし、「バッテリー残量は?」と聞けば、「アクセサリー○%、スマートフォン○%です」と音声でも答えてくれます。

 

ちなみに、iPhoneでもペアリングして使ってみました。iOSでは利用できるボイスアシスタントがSiriのみであったり、タッチ操作のカスタマイズ、読み上げ機能が利用できないなどの制限がありました。そのため、Xperia Ear Duoを最大限活用したい場合には、Androidスマホとペアリングする方がよいでしょう。

 

Xperia Ear Duoの実売価格は3万2270円。完全ワイヤレスイヤホンの相場を考えると、やや高価な部類ではありますが、周囲の音との両立や、アシスタント機能の充実度、操作の簡単さを考えれば満足いく製品です。あなたもXperia Ear Duoで新しいリスニングを体験してみてはいかがでしょうか。

完全ワイヤレスイヤホンの買いモデルはどれ? 人気8機種を「音質」「使い勝手」「通信安定性」でガチ比較

2015年に登場した初代EARINや、世界的な人気となったAppleのAirPodsに続くように、オーディオメーカー各社からも完全ワイヤレスタイプのBluetoothイヤホンが続々発売されています。そこで今回は、7社の完全ワイヤレスイヤホン8機種を集め、音質から使い勝手、ワイヤレス接続の途切れにくさまで徹底比較を行いました。この春ワイヤレスイヤホンの購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

 

【今回試した完全ワイヤレスイヤホン】

1.ソニー「WF-SP700N」
2.ソニー「WF-1000X」
3.JVC「HA‐ET900BT」
4.ボーズ「SoundSport Free wireless headphones」
5.パイオニア「C8 truly wireless」(SE-C8TW)
6.GLIDiC「Sound Air TW-5000」
7.EARIN「EARIN M-2」
8.NUARL「NT01-MB」

 

【レビュアー】

なお、試聴はiPhoneを使い、AAC対応の機種はAACで、非対応の機種はSBCコーデックで伝送しています。また、ワイヤレス通信の切れにくさは、多くの人が集まる夕暮れ時のJR新宿駅南口改札前にてテストを行いました。

 

1.ソニー「WF-SP700N」

ソニー
WF-SP700N

実売価格2万3000円前後(税抜/2018年4月28日発売)

スポーツシーンでも汗や小雨などを気にせず使えるIPX4相当の防滴性能を備えていることに加え、周囲の騒音を低減するノイズキャンセリング機能も搭載。アンビエントサウンド(外音取り込み)モードにも対応しているので、周囲の音も聴き取りながら音楽を楽しめます。耳のくぼみに合う形状に改善されたアークサポーターと、重心の位置を工夫した設計で運動時も快適に装着可能。

 

【SPEC】●対応コーデック:SBC、AAC ●連続再生時間:最大3時間(NC ON/OFF) ●充電時間:本体約1.5時間、充電ケース約3時間(フル充電) ●カラーラインナップ:ブラック、ホワイト、イエロー、ピンク ●質量:本体のみ(左右各)約7.6g、充電ケース約45g ●付属品:ハイブリッドイヤーピースロングSS/S/M/L(各2個)、アークサポーターM/L(各2個)、充電用USBケーブル

 

 

【接続安定性】 ◎ 「人通りの多い新宿駅の改札前でも、まったく途切れませんでした」(山本)

 

2.ソニー「WF-1000X」

ソニー
WF-1000X

実売価格2万3350円

業界最高クラスのノイズキャンセリング性能を備えた完全ワイヤレスモデル。専用アプリ「Headphones Connect」を使えば、周囲の音を聴きとれる「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」の切り替えや、サウンドエフェクトのカスタマイズが可能。「アダプティブサウンドコントロール」機能により、ユーザーが歩いている/走っている/乗り物に乗っているなどの状態を判断して、あらかじめ設定しておいたNCのON/OFFや外音取りこみパターンに切り替えてくれます。また、ハイブリッドイヤーピースに加え、2種類の硬度のシリコンゴムに独自開発のシリコンフォーム素材を組み合わせた「トリプルコンフォートイヤーピース」も同梱。高い遮音性と快適な装着性を実現しています。

 

【SPEC】●対応コーデック:SBC、AAC ●連続再生時間:最大3時間(NC ON/OFF) ●充電時間:本体約1.5時間、充電ケース約3時間(フル充電) ●カラーラインナップ:シャンパンゴールド、ブラック ●質量:本体のみ(左右各)約6.8g、充電ケース約70g ●付属品:ハイブリッドイヤーピースロングSS/S/M/L(各2個)、トリプルコンフォートイヤーピースS/M/L(各2個)、フィッティングサポーターM/L(各2個)、充電用USBケーブル

 

 

【接続安定性】 △ 「スマホを手に持っていても途切れることがあり、電波の飛び交う場所は苦手のようです」(一條)

 

3.JVC「HA‐ET900BT」

JVC
HA‐ET900BT

実売価格1万2800円

JVC初の完全ワイヤレスモデル。回転構造によりさまざまな耳の形や大きさに合わせてフィットさせることができる独自の「ピボットモーションサポート」や、装着性を高めるオーバル形状ハウジングに加え、耳の形に沿うフラットな形状で上下の揺れに強い縦型デザインによる3点支持構造を採用。ランニングなどの激しい動きのある場合でも外れにくい安定した快適な装着性を実現しています。イヤホンは水洗いも可能なIPX5相当の防水仕様で、いつでも清潔に保つことが可能。スマホアプリ「JVC Headphones Manager」(無料)を使えば、バッテリー残量の確認やサウンドモードの切替(Flat/Bass/Clear)も行えます。

 

【SPEC】●対応コーデック:SBC、AAC ●連続再生時間:最大3時間 ●充電時間:本体約2時間、充電ケース約3時間(フル充電) ●カラーラインナップ:ブルー、ブラック、レッド、イエロー ●質量:本体のみ(左右各)約6.5g、充電ケース約35g ●付属品:標準イヤーピース(S/M/L)各2個、低遮音イヤーピース(S/M/L)各2個、充電用USBケーブル、充電ケース、クリップ付キャリングポーチ

 

 

【接続安定性】 ○ 「スマホをズボンのポケットに入れた状態だとたまに途切れることがありましたが、ほとんどの場面で安定して使えました」(一條)

 

4.ボーズ「SoundSport Free wireless headphones」

ボーズ
SoundSport Free wireless headphones

実売価格2万9160円

独自のデジタル信号処理や、音量に合わせてバランスの取れたサウンドに最適化するイコライザーを搭載。クリアで迫力のあるサウンドを楽しめます。また、円錐形のノズルが耳にやさしくフィットする「StayHear+ Sportチップ」と独自のウィングにより、運動時でも安定した装着感を実現。オープンポートに撥水性のあるメッシュ素材を採用することで、内部への水の浸入を防ぎ、汗や雨を気にせず使用できます(IPX4相当)。

 

【SPEC】●対応コーデック:非公表 ●連続再生時間:最大5時間 ●充電時間:本体約2時間(15分の充電で約45分使用可能な急速充電対応) ●カラーラインナップ:ミッドナイトブルー、ブラック、ブライトオレンジ ●質量:本体のみ(ペア)約18g、充電ケース約80g ●付属品:StayHear+ Sportチップ(3サイズ)、充電用USBケーブル

 

 

【接続安定性】 ◎ 「非常に途切れにくく、人通りの多い場所でも安心して使えます」(山本)

 

5.パイオニア「C8 truly wireless」

パイオニア
C8 truly wireless(SE-C8TW)

実売価格1万6070円

強磁力マグネットを使用した6mm径の小型ドライバーを搭載。SBCのほか、AACコーデックにも対応しており、手軽に高音質なサウンドを楽しめます。イヤホン本体は、約2mmピッチの細かい凹凸がついたシリコン製で、耳にフィットしながら長時間装着しても蒸れにくく快適に使用可能。スマートフォンに届いたメール、SMS、さまざまなメッセンジャーサービス、さらにカレンダー、ニュースを読み上げてくれるAndroid用アプリ「Notification App」に対応し、スマホが取り出せない状況でもメッセージなどを音声で確認することができます。

 

【SPEC】●対応コーデック:SBC、AAC ●連続再生時間:最大3時間 ●充電時間:本体約1時間、充電ケース約3.5時間(フル充電) ●カラーラインナップ:ブラック ●質量:本体のみ(ペア)約12g、充電ケース約125g ●付属品:イヤホンチップ(シリコン)S/M/L、充電用USB Type-Cケーブル(0.25m)

 

 

【接続安定性】 ○ 「スマホを手に持った状態だと安定していますが、ポケットなどにしまうとまれに不安定になることも」(一條)

 

6.GLIDiC「Sound Air TW-5000」

GLIDiC
Sound Air TW-5000

実売価格9810円

ジュエリーケースをイメージしたコンパクトな充電ケースと、女性の耳にも馴染みやすい小型イヤホンが特徴の完全ワイヤレスモデル。優れた装着感と洗練されたデザインを両立した「ウルトラ・マルチ・フィッティング」により、使用時の耳へのストレスを軽減します。コーデックはSBCのほかAACにも対応。

 

【SPEC】●対応コーデック:SBC、AAC ●連続再生時間:最大3時間 ●充電時間:本体約1.5時間、充電ケース約2時間(フル充電) ●カラーラインナップ:ブラック、ホワイト ●質量:本体のみ(左右各)約5g ●付属品:イヤーピース(XS/S/M/L)、充電用USBケーブル、かんたんガイド

 

 

【接続安定性】 ○ 「ほとんどの場面で安定していて途切れにくかったのですが、新宿駅の混雑時にはまれにノイズが入ってしまうことがありました」(一條)

 

7.EARIN「EARIN M-2」

EARIN
EARIN M-2

実売価格3万2180円

初代EARINの軽量、小型のコンセプトはそのままに、新たにNXP Semiconductorsの「MiGLOテクノロジー」を採用し、信号が途切れるのを抑え、より安定したステレオサウンドを実現。また、スマホ接続時の通話機能を追加装備したほか、周囲の音も聴きとれる外音取りこみ機能も搭載しています。専用アプリより、バッテリー残量チェック、左右のバランス設定、ベースブースト機能の切り替えのほか、外音取りこみモード設定も行えます。

 

【SPEC】●対応コーデック:SBC、AAC、aptX ●連続再生時間:最大4時間(ステレオ)、最大10時間(モノラル) ●充電時間:本体約75分、充電ケース90分 ●カラーラインナップ:ブラック、(アルミシルバーも展開予定) ●質量:本体のみ(左右各)約3.6g、充電ケース約56g ●付属品:充電用USBケーブル、シリコンチップ、フォームチップ

 

 

【接続安定性】 ◎ 「非常に安定しており、新宿駅でのテスト中に途切れたのはほんの1、2回程度。抜群の安定性です」(山本)

 

8.NUARL「NT01-MB」

NUARL(ヌアール)
NT01-MB

実売予想価格1万4750円(マットブラック:2018年4月27日発売予定、ブラックシルバー:5月25日発売予定)

歪みを抑えクリアで立体感のあるサウンドを再生する独自技術HDSS(High Definition Sound Standard)に対応した同社初の完全ワイヤレスモデル。最新のBluetooth 5.0規格に対応しているほか、左右のイヤホンの接続には独自のMCA(Mutual Coupling Antenna)テクノロジーと「Qualcomm TrueWireless Stereo」テクノロジーを組み合わせることで、ワイヤレス接続の安定性と低ノイズ化を両立しています。音質や装着感など好みに合わせて選べる2種類のイヤーピースに加え、装着安定性を高めるイヤーループも同梱。イヤホンはIPX4相当の耐水性も備えています。

 

【SPEC】●対応コーデック:SBC、AAC ●連続再生時間:最大5時間 ●充電時間:本体約1.5時間、充電ケース約3時間(フル充電) ●カラーラインナップ:マットブラック、ブラックシルバー ●質量:本体のみ(左右各)約5g、充電ケース約26g ●付属品:イヤーピース(Fitting Type、Plug-in TypeともS/M/L各3サイズ)、イヤーループ(S/L)、ポーチ、充電用USBケーブル

 

 

【接続安定性】 ○ 「通信はとても安定していますが、スマホをポケットにしまうとまれに途切れてしまうことがありました。混雑する場所ではスマホを手持ちしておくと安心です」 (一條)

 

各社の個性が光る完全ワイヤレスイヤホンを、ぜひ店頭などでチェックしてみて下さい。

 

オリオン電機がSOZOデザインと業務提携――高音質テレビ「極音」などを展開

オリオン電機とSOZOデザインは、2018年5⽉1⽇正式に業務提携を⾏い、最新の⾼⾳質技術を生かしたAV機器などを展開すると発表しました。

 

オリオン電機では、ハイレゾ⾳源の普及やアナログレコードの⾳質が再評価を受けるなど音質に対する関心が高まるなか、テレビ製品においては製品コストや薄型化の制約により高音質を追求する製品が少ないことに着目。新進気鋭のSOZOデザインと技術協力を行い、音質改善プロジェクトを立ち上げました。

 

2017年10⽉には、その成果の第1弾として液晶テレビ「極⾳(きわね)」シリーズ「RN-32SH10」(32型)および「RN-24SH10」(24型)を商品化。同モデルは、自然で豊かな音を実現するために、クラス最大級の長方形大型マグネットを搭載した40×100mmのフルレンジスピーカーを配置。32型のみ、高分子材料を使用した軽量振動板とボイスコイル一体構造の35mm径バランスド・ドームツィーターを搭載し、本格的な2Way構成としています。

 

オーディオアンプ回路には、高級ハイファイオーディオ製品にも使用される高音質用フイルムコンデンサーを採用するとともに、電源回路・アース回路などを見直し、ニュース番組やドラマのセリフ、音楽番組の楽器の音など明瞭感を向上。また、映像シーンに合わせてオーディオエンジニアがチューニングした4つの⾳場モード(おすすめ、ミュージック、はっきり音声、お好み設定)を選択可能となっています。

 

両社によれば、購入したユーザーより「映画をいままで以上に楽しめた」、「オーディオスピーカー代わりにCDを聴いて楽しんでいる」との声が届いているとのこと。

 

オリオン電機とSOZOデザイン両社は、このプロジェクトを⼀層推進すべく正式に業務提携を⾏い、お互いの経験と特徴を生かした商品⼒強化と市場拡⼤を⽬指すとしています。

液晶の弱点だったアレを克服!? ソニー ブラビアから4K液晶テレビ「X9000F」登場

ソニーは、「BRAVIA(ブラビア)」ブランドより4K有機ELテレビ「A8F」と、4K液晶テレビ「X9000F」、「X8500F」、「X7500F」の計4機種を6月9日に発売します。

↑4K有機ELテレビ「A8F」

 

テレビ台に置きやすくなった新スタンドを採用

有機ELテレビA8Fは、発売中のA1と同等のスペックながらテレビ台などに置きやすいスタンドを採用。テーブルトップ設置時の奥行を約255mmまで抑えています。さらに、スタンドを取り外して壁掛け設置も可能。

↑A8F

 

↑A8F(左)は床置き型のA1(右)に比べ、奥行きを抑えてテレビ台にも置きやすくしたスタンドを採用

 

↑別売の壁掛けユニット「SU-WL450」を使用

 

A1と同様、フラグシップモデルのために開発された映像エンジン「X1 Extreme」を搭載しており、有機ELパネルの最大限まで引き出した高いコントラストを実現。超解像技術「4K X-Reality PRO」により、4Kや地デジなどの映像も高精彩に再現します。また、HDR10やHLG、ドルビービジョンなどのHDR映像に対応するほか、非HDRの映像をHDR相当のコントラストに引き上げる「HDRリマスター」機能も備えています。

 

さらに、画面を振動させて音を再生する独自の「アコースティック サーフェス」も搭載。画面から音を出すことで映像との一体感を高め、臨場感のあるサウンドを演出します。バーチャルサラウンド技術「S-Force フロントサラウンド」や、すべての音源を48kHz/24bit相当までアップコンバートする高音質化技術「DSEE」も搭載しています。

 

Android TV機能を備え、ネット動画再生アプリなどを使用可能。好みのコンテンツを音声で簡単に検索できます。さらに、「Google アシスタント built-in」にも対応予定で、会話形式で情報検索が行えるようになります。

 

液晶の弱点である“残像感”を低減した「X9000F」

液晶テレビは「X9000F」、「X8500F」、「X7500F」の3機種をラインナップ。X9000Fは直下型LED/倍速駆動パネルを搭載し、4K液晶テレビのフラッグシップ「Z9D」に次ぐ上位モデルという位置づけ。Z9DやA1/A8Fなどの上位モデルと同様、高い画像処理能力の映像エンジン「X1 Extreme」を搭載するほか、高コントラストを実現する「X-tended Dynamic Range PRO」技術も採用しています。

↑X9000F

 

新たに、LEDバックライトとフレーム間の黒色の挿入をエリアごとに制御して、従来、液晶の弱点といわれていた残像感を低減する「X-Motion Clarity」技術を搭載。画面の明るさを維持したままなめらかな動きを再現します。

↑X-Motion Clarityの概要

 

X8500Fは4K高画質プロセッサー「HDR X1」を搭載し、超解像技術「4K X-Reality PRO」によりクリアで高いコントラストの映像を再生します。また、倍速駆動にも対応しており、残像感の少ないなめらかな動きを実現しています。

↑X8500F

 

43型~85型まで幅広いサイズをラインナップしており、43型/49型はブラックとウォームシルバーの2色を用意。インテリアに合わせてカラーを選べます。

↑X8500Fの85型

 

↑43型/49型は2色を用意

 

X7500Fは、4K/HDRに対応したスタンダードモデル。超解像技術「4K X-Reality PRO」に対応し、地デジやBDなどの映像も4Kにアップコンバートして精細な映像を楽しめます。X8500Fとの主な違いは、4K高画質プロセッサー「HDR X1」や広域色対応「トリルミナスディスプレイ」を採用しておらず、倍速駆動にも非対応となっていること。X8500F/X7500FともAndroid TV機能は搭載しています。

↑X7500F

 

2018年春モデルはいずれも当初はAndroid 7.0(N)で出荷されますが、年内にAndroid 8.0(O)にアップデートされる予定。それに伴いホーム画面なども変更になるとのこと。また、いずれも4K放送対応チューナーは搭載していませんが、ソニーでは外付けの4Kチューナーを年内に発売する予定としています。

 

日本の住宅事情に適したスタンドを採用した4K有機ELテレビと、画質をさらにブラッシュアップしたソニーの4K液晶テレビで高精細な4K映像を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

2018年春の最注目カメラの実力は? “王者”キヤノンの「EOS Kiss M」徹底検証!

一眼レフの分野でトップシェアを誇るキヤノンは、最近、急激にミラーレス一眼に力を注ぎ始めました。なかでも最新作の「EOS Kiss M」は、同社の技術力を集結した今春最大の注目モデルです。今回は、そんな同モデルの実力を画質・休日力・旅行力の3分野で判定。休日力は家族の週末などにおける使い方での実力を、旅行力は旅先での使い勝手について評価しました。

 

Kissブランド初のミラーレスが早くも人気

キヤノンは、フィルム時代から続く入門者向けレンズ交換式カメラの定番シリーズ「Kiss」の名を冠した初のミラーレス一眼「EOS Kiss M」を今年3月に発売。ブランド力の高さに加えて、気軽に持ち運べる小型軽量ボディや充実した高機能が評価され、早くも人気機種となっています。

 

特に注目は、連写とAFが進化したこと。これまでの一眼レフのKissシリーズに遜色ない動体撮影性能を備えているのです。激しく動き回るペットや子どもの撮影用にもうってつけといえます。

 

また既存モデルでは、コストパフォーマンスに優れた「EOS M100」も狙い目。電子ビューファインダーは非搭載ですが、よりビギナー向けのシンプル操作やオプションのカバーを付けて着飾れる薄型ボディが特徴になっています。

 

【今回テストしたモデルはコレ!】

一眼レフを上回る高速連写と広範囲AFを実現

キヤノン
EOS Kiss M
実売価格9万4620円(15-45キット)、11万8560円(ダブルズームキット)

【2410万画素】【秒約7.4コマ連写】【常用最高ISO25600】【約387g】

新エンジン「DIGIC 8」の採用によって連写やAFが高速化したほか、無音で撮影できるサイレントモードや、目にピントを合わせる瞳AF、4K動画などの機能に新対応。また、モニターが前モデルのチルト式からバリアングル式に変更になり、初級者向けのガイド機能もいっそう充実しました。

SPEC●撮像素子:有効2410万画素APS-C型CMOSセンサー ●レンズマウント:EF-Mマウント ●液晶:3.0型、104万ドット ●メモリ:SDXCほか ●サイズ:W116.3×H88.1×D58.7mm

↑電子ファインダーと背面モニターを光軸上に配置。撮影時の視線移動が最小限で済みます

 

【特徴01】

同社ミラーレスでは初のバリアングル背面モニター

上下左右に可動するバリアングル液晶を搭載。ラクに自分撮りができるほか、カメラの横/縦位置を問わず、自由なアングルから撮影しやすいです。

 

【特徴02】

AFエリアが広くなり構図の自由度が大きく向上

独自の技術「デュアルピクセルCMOS AF」がさらに進化し、測距点は画面のほぼ全域をカバー。画面端にある被写体にもスムーズに合焦します。

 

 

画質・休日力・旅行力の3分野で実力を判定!

<評価内容>

●画質

色味:オート撮影時の色味を判定。偏りや、実際と記憶のどちらに近い色味かをチェックしました。

高感度:各機種の最高感度まで、同一条件でテスト。ノイズと解像度のバランスを確認しました。

※テスト条件:色味は、屋外にて感度を最低感度に設定し、そのほかの機能を揃えて撮影。高感度は、屋内にて条件を揃えて撮影。掲載カット以外にも、全感度で撮影して評価しました

 

●休日力

AF:AFの範囲や速度、精度。子どもやペットなど動き回る被写体を追えるか注目しました。

フィルター機能:画像をデジタル加工して個性的な描写にするフィルター機能。数と効果をチェック。

スマホ連携:撮影中のリモコン機能や、撮影後の転送機能などの使い勝手を判定。対応機能もまとめました。

 

●旅行力

軽さ:撮影時、携帯時ともに重要なフルセットでの質量を実測。軽いほど持ち歩きはラクです。

バッテリー性能:ミラーレス一眼の泣き所のバッテリー持ちを比較。USB充電への対応も確認しました。

モニターの見やすさ:屋外で撮ることの多い旅先。晴天下での背面モニターの見やすさをチェックしました。

【画質】8/10

色味:☆×4

やや赤っぽいが見栄えのする色

わずかにマゼンタに寄った発色で、実際よりもレンガの色が赤っぽく感じます。コントラストはやや高めで、適度なメリハリがあります。

 

高感度:☆×4

ISO6400まではノイズが目立たない

ISO12800では暗部ノイズがやや目立ちますが、それでも小さな印刷やウェブ用途なら十分に使えるレベル。ISO25600では、ノイズリダクション処理の影響で細部の解像感が低下します。

ISO6400

 

ISO25600

 

【休日力】14/15

AF(測距点の数&範囲):☆×5

スピーディなAF性能を実感

デュアルピクセルCMOS AFの測距点は143点で、横88×縦100%の範囲をカバー。実写では高速で正確なAF性能を確認できました。

 

フィルター機能:☆×4

撮影時または撮影後に適用可能

油絵風や水彩風、ソフトフォーカスなど7種類のフィルター効果と4種類のHDR効果を用意。撮影時だけでなく、撮影後の適用も対応可能です。

 

スマホ連携:☆×5

【Bluetooth:○、NFC:○、QRコード:×、自動転送:○】

撮影直後に自動転送できるのがラク!

スマホやタブレットからのリモート撮影や画像確認、撮影直後の画像自動転送が可能。QRコードはアプリダウンロード用のものは有り。

 

【旅行力】11/15

軽さ(※):☆×4

Kissシリーズでは最小軽量ボディ

総質量は540g。EVF付きでこの軽さは見事です。ボディだけでなく、キット付属の標準ズームが約130gと軽量なことも特筆に値します。

※:ボディ+キットレンズ+カード+バッテリー+ストラップの合計(編集部調べ)

 

バッテリー性能:☆×2

予備バッテリーを用意したい

CIPA準拠の撮影可能枚数は、ファインダー撮影でも背景モニター撮影でも約235枚。少々心もとない枚数です。USB充電非対応も残念。

 

モニターの見やすさ:☆×5

屋外でも視認性は良好

十分な輝度があり、屋外でもくっきり見られます。モニターを一時的に明るくする機能をカスタムボタンに割り当てられる点も便利です。

 

EOS Kiss Mの総合評価は?

ビギナーでも扱いやすいEOS Kissシリーズの伝統と、最新技術満載のEOS Mシリーズの高機能が融合した、小型軽量で使い勝手に優れたミラーレス一眼です。樹脂外装のボディにあまり高級感がないことと、バッテリー持久力の低さは惜しいですが、実用性は極めて高いです。

コスパ最重視ならコッチがおすすめ! 上位機と同じセンサーを備えたローエンドモデル

キヤノン
EOS M100
実売価格6万1630円(15-45キット)、6万9800円(ダブルズームキット)

【2420万画素】【秒約4コマ連写】【常用最高ISO25600】【約302g】

EOS Mシリーズのローエンドに位置するモデル。センサーやエンジンは上位モデル「EOS M5」や「EOS M6」と同等のものを搭載し、49点測距のデュアルピクセルCMOS AFにも対応。より薄型軽量なボディと、よりシンプルな操作系、おしゃれに着飾れるアクセサリーなどが魅力です。

SPEC●撮像素子:有効2420万画素APS-C型CMOSセンサー ●レンズマウント:EF-Mマウント ●液晶:3.0型、104万ドット ●メモリ:SDXCほか ●サイズ:W108.2×H67.1×D35.1㎜

 

【特徴01】

ファッション感覚で着せ替えが楽しめる

アクセサリーとして9種類のフェイスジャケットが同社オンラインショップで限定発売中。3色のボディカラーと組み合わせて、27通りのスタイルが選べます。

 

【特徴02】

ビギナーでも迷わず扱えるシンプルな操作性

ボタンやダイヤルの数は最小限に抑えられ、ほとんどの操作をタッチパネルによって直感的に行えます。ビギナーでも安心!

 

【EOS Kiss Mとココが違う!】

電子ビューファンダーはオプションでも非対応

標準でもオプションでも、電子ファインダーには非対応。液晶モニター撮影に限られるので、望遠レンズ装着時はやや安定感に欠けます。またAFや連写の性能も控えめ。

 

 

【レンズも注目】

この1本で写真が変わる! 軽量コンパクトで描写性能に優れたEF-M

キヤノンのミラーレス用「EF-Mレンズ」は現状では6製品。他社に比べて少なめであり、特にボケを楽しめる明るいレンズがあまりないのが残念です。ただ、描写力と携帯性はいずれも良好。ここでは、比較的ボケに有利な単焦点レンズと、利便性に優れた高倍率ズームを紹介しましょう。

 

大きなボケが欲しいならコレ!

キヤノン
EF-M22mmF2 STM
実売価格2万4060円

【焦点距離35mm相当】【フィルター径43mm】【全長23.7mm】【約105g】

焦点距離が短いため、あまり大きなボケは期待できませんが、圧倒的な薄さと軽さを誇り、描写性能にも優れたパンケーキタイプの単焦点レンズ。最短撮影距離は0.15mと短く、マクロ表現も楽しめます。

 

ワイドもテレも1本で撮りたいならコレ!

キヤノン
EF-M18-150mmF3.5-6.3 IS STM
実売価格5万2740円

【焦点距離29〜240mm相当】【フィルター径55mm】【全長86.5mm】【約300g】

EF-Mレンズでは最大となる約8.3倍の高倍率に対応しながら、質量わずか約300gの軽量コンパクトを実現。0.25mまで寄れる近接性能や、シャッター速度換算で約4段分の手ブレ補正も魅力です。

 

 

文・作例撮影/永山昌克

e☆イヤホン監修! U-3000円のフルメタルハウジングイヤホン「AUGLAMOUR E100-J」

イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」は、「AUGLAMOUR(オーグラマー)」ブランドからエントリーモデル「AUGLAMOUR E100-J」を5月11日よりe☆イヤホン全店(買取&クリニックを除く)で販売を開始します。価格は2480円。

 

E100-Jは、e☆イヤホンが音質(チューニング)から筐体・外箱のデザインまで総合監修を行ったダイナミック型ドライバー搭載のイヤホン。3000円を切る低価格を実現しながら、筐体には亜鉛合金のフルメタルハウジングを採用し、不要な振動を抑えた高品質なサウンドを再生します。

 

ドライバーは複合繊維を使用した10mm径の振動板を採用。イヤホン内部の構造にもこだわっており、豊かな低音を実現しています。

↑複合繊維を使用した振動板

 

↑内部構造にもこだわった仕様

 

ケーブルは耐久性の高いヘリカルコア構造を採用。保護被覆にはTPEを使用し、銅線をしっかり保護するとともにケーブルが絡まりにくくしています。

↑ケーブルはヘリカルコア構造

 

低価格ながらこだわりの仕様を採用したAUGLAMOURのエントリーモデル「E100-J」は、初めてのイヤホンにも最適。ぜひチェックしてみて下さい。

 

【SPEC】
インピーダンス:16Ω
再生周波数:20Hz~20KHz
感度:105dB
ケーブル長:120㎝

ハイブリッド方式で強力に消音! JBLのノイズキャンセリングヘッドホン「EVEREST ELITE 750NC」

ハーマンインターナショナルは、JBLブランドからアクティブノイズキャンセリング機能を搭載したBluetoothヘッドホン「EVEREST ELITE 750NC(エベレストエリート750エヌシー)」を5月18日に発売します。カラーはガンメタルとシルバーの2色展開で、価格は2万9880円(税別)。

↑ガンメタル(左)、シルバー(右)

 

本製品は、EVEREST ELITEシリーズの最上位となるBluetoothヘッドホン。独自のサウンドテクノロジーにより開発された高性能40mm径ダイナミックドライバーを採用し、ワイドレンジ再生を実現するほか、パワフルで躍動感あふれるJBLサウンドを楽しめます。

 

ノイズキャンセリングの方式には、騒音集音用マイクをハウジング本体外側に配置するフィードフォワード方式と、鼓膜に近いドライバーユニット側に配置するフィードバック方式の両方式を採用した「ハイブリッド方式ノイズキャンセリング」を採用。また、周囲の音の聞こえやすさを調整できる「アンビエントアウェア機能」を搭載しています。アンビエントアウェア機能は、アプリ(My JBL Headphones)からも調整することが可能。

 

さらに、ヘッドホンのハウジング部のボタンを押すと「オートキャリブレーション機能」が作動します。これはひとりひとりの耳の形状をスキャニングし、その形状に応じて自動的に最適な音をセットアップできるので、自分の耳に最適な音で音楽を楽しめます。

 

ワイヤレス音楽再生時間は、約3時間の充電でノイズキャンセリング機能をオンにした場合は最大15時間、ノイズキャンセリング機能をオフにしたワイヤレスモードでは最大20時間の再生が可能。また、バッテリー切れの際も付属のケーブルを接続すれば、ワイヤードヘッドホンとして使用ができるので、旅行や外出時にも最適です。そのほか、電源が入った状態で一定時間操作がない場合に、自動で電源が切れるオートパワーオフ機能を搭載。ハウジング部分にはマイクを内蔵し、高品質なハンズフリー通話もできます。

 

本体は、イヤカップ部分で内側に折りたためる仕様になっており、コンパクトに収納が可能なため持ち運びに便利。また、高品質の専用キャリングケースが付いているので、本体を傷つけることなく安全に持ち歩けます。

 

音の豊かさやリスニングの快適さを追求した「EVEREST ELITE 750NC」で、JBLのフラッグシップモデルが誇るサウンドを体験してみてはいかがでしょうか。

 

オリンパスのおしゃれミラーレス「PEN E-PL9」を画質・休日力・旅行力の3分野で徹底分析!

オリンパスのミラーレス一眼は、美しいデザインや充実した機能が魅力です。エントリー層向けの主力商品としては、女性や若年層に人気の高い「PEN」シリーズの新作「PEN E-PL9」と、一眼カメラ風スタイルの入門機「OM-D E-M10 MarkⅢ」を発売中。個性的なデザインが光る2台です。今回は、その実力を画質・休日力・旅行力の3分野で判定。休日力は家族の週末などにおける使い方での実力を、旅行力は旅先での使い勝手について評価しました。

※テスト条件:色味は、屋外にて感度を最低感度に設定し、そのほかの機能を揃えて撮影。高感度は、屋内にて条件を揃えて撮影。掲載カット以外にも、全感度で撮影して評価しました

 

ユーザーの所有欲を満たす高品位なボディデザイン

オリンパスのミラーレス一眼は、外観デザインへのこだわりが見どころのひとつ。今年3月に発売された入門機「PEN E−PL9」は、薄型ボディに高品位な革調素材を巻き付け、クラシックカメラを思わせるレトロな雰囲気と、手になじむ上品な質感を生み出しています。

 

また、昨秋発売の「OM−D E−M10 MarkⅢ」では、一眼レフ風の正当派カメラデザインを採用。低価格ながら適度な高級感があり、装着レンズを問わず、しっかりカメラを支えて撮影しやすい形状となっています。

 

機能と操作面では、両モデルに共通して搭載された「アドバンストフォトモード」に注目。このモードでは、多重露出やHDR、ライブコンポジットといったワンランク上の撮影機能が簡単操作で活用できるよう工夫されています。

 

【今回テストしたモデルはコレ!】

夜景や星空などワンランク上の撮影も手軽!

オリンパス
PEN E-PL9
実売価格9万5300円(ダブルズームキット)

【1605万画素】【秒約4.8コマ連写】【常用最高ISO25600】【約380g】

2016年に発売された「E-PL8」の後継機。持ち運びに便利な薄型ボディを受け継ぎながら、ストロボの内蔵やグリップ形状の改善によって使い勝手が向上。新機能としては、懐かしさと現代風の雰囲気が融合したアートフィルター「ネオノスタルジー」や4K動画、ハイスピード動画などに対応しています。

SPEC●撮像素子:有効1605万画素4/3型Live MOSセンサー ●レンズマウント:マイクロフォーサーズ ●液晶:3.0型、104万ドット ●メモリ:SDXCほか ●サイズ:W117.1×H68×D39mm

↑モニターは下に最大180度まで可動するチルト式。電子ファインダーには非対応です

 

【特徴01

装着する全レンズで作動する手ブレ補正内蔵

望遠撮影時に生じやすい「角度ブレ」と夜景撮影で生じやすい「回転ブレ」を補正するボディ内手ブレ補正を内蔵。手持ちでも安心して撮れます。

 

【特徴02

凝った撮影が簡単にできるAPモード

アドバンストフォトモード(AP)では、星空を光跡として記録するライブコンポジットや、無音で撮れるサイレント撮影などが行えます。

画質・休日力・旅行力の3分野で実力を判定!

<評価内容>

●画質

色味:オート撮影時の色味を判定。偏りや、実際と記憶のどちらに近い色味かをチェックしました。

高感度:各機種の最高感度まで、同一条件でテスト。ノイズと解像度のバランスを確認しました。

 

●休日力

AF:AFの範囲や速度、精度。子どもやペットなど動き回る被写体を追えるか注目しました。

フィルター機能:画像をデジタル加工して個性的な描写にするフィルター機能。数と効果をチェック。

スマホ連携:撮影中のリモコン機能や、撮影後の転送機能などの使い勝手を判定。対応機能もまとめました。

 

●旅行力

軽さ:撮影時、携帯時ともに重要なフルセットでの質量を実測。軽いほど持ち歩きはラクです。

バッテリー性能:ミラーレス一眼の泣き所のバッテリー持ちを比較。USB充電への対応も確認しました。

モニターの見やすさ:屋外で撮ることの多い旅先。晴天下での背面モニターの見やすさをチェックしました。

 

【画質】7/10

色味:☆×4

やや黄色っぽいがバランスのいい発色

ほどよく彩度が強調された見栄え重視の発色。ごくわずかに黄色っぽいのが惜しいですが、ほかのシーンではバランスのいい色が得られました。

 

高感度:☆×3

高感度ノイズはそれなりに見られる

センサーサイズがあまり大きくないため、ISO6400以上では中間調から暗部にかけてザラザラとしたノイズが目立ちました。シャープネス強調は控えめで、誇張のない自然な描写です。

ISO6400

 

ISO25600

 

【休日力】12/15

AF(測距点の数&範囲):☆×3

動体に課題があるが、測距点数は十分

ミラーレス入門機で一般的なコントラストAFを採用。測距点121点と比較的多く、瞳AFにも対応。動体に対するAF性能はやや不満。

 

フィルター機能:☆×5

多彩なフィルターとオプション効果が◎

全16種のアートフィルターを搭載。ピンホール効果やホワイトエッジ効果、上下ぼかし効果などもフィルターに重ねて適用できます。

 

スマホ連携:☆×4

【Bluetooth:○、NFC:×、QRコード:○、自動転送:○】

電源オフ後に自動転送ができる

リモート撮影時、スマホ画面にライブビューを表示するとカメラ側は表示されないのが不便。Bluetoothの自動転送機能は便利です。

 

【旅行力】12/15

軽さ(※):☆×4

軽さと利便性を併せ持つ標準ズームがいい

撮影時の総質量は505gと軽め。沈胴式の標準ズームは、本体の電源オンによって自動的にせり出すタイプで、速写性の面でも有利です。

※:ボディ+キットレンズ+カード+バッテリー+ストラップの合計(編集部調べ)

 

バッテリー性能:☆×4

小型モデルでは良好なバッテリー性能

CIPA準拠の撮影可能枚数は、約350枚。小型のミラーレス一眼としてはまずまず良好なレベル。USB充電に非対応な点はやや残念。

 

モニターの見やすさ:☆×4

屋外でも画像チェックは問題ナシ

明るい屋外でも液晶の視認性は、大きな問題のないレベル。モニターの調整機能としては、輝度と色温度のカスタマイズに対応します。

 

E-PL9の判定結果は……?

撮影意欲を刺激する高品位なボディに、全レンズ対応の手ブレ補正や多彩なアートフィルター、アドバンストフォトモードといった高機能を凝縮。高感度画質と動体AFにはやや課題はありますが、それ以外はバランスの良い総合性能といえます。豊富な交換レンズも魅力。

EVFで撮りたい人にはコチラがおすすめ! 

オリンパス
OM-D E-M10 Mark
実売価格9万7020円(ダブルズームキット)

【1605万画素】【秒約4.8コマ連写】【常用最高ISO25600】【約410g】

ボディ天面に電子ビューファインダーを備えた「OM-D」シリーズのローエンドモデル。1605万画素センサーや121点AF、高速連写、4K動画、多彩な撮影モードといったスペックは「E-PL9」とほぼ同等で、そのうえでより強力なボディ内5軸手ブレ補正に対応しています。

SPEC●撮像素子:有効1605万画素4/3型Live MOSセンサー ●レンズマウント:マイクロフォーサーズ ●液晶:3.0型、104万ドット ●メモリ:SDXCほか ●サイズ:W121.5×H83.6×D49.5mm

 

【特徴01

素早くモードを切り替えられる専用ボタンを新搭載

ボディ左肩部分にショートカットボタンを装備。そのときに選択している撮影モードに応じて、モード選択画面や撮影設定画面をワンタッチで呼び出せます。

 

【特徴02】

明快に整理されたメニューUIで素早く操れる

シーンモードのメニューデザインが従来モデルから一新。ジャンル別にシーンが整理されているので、使いたいモードに素早くアクセスできます。

 

【E-PL9とココが違う!】

ファインダーの有無と液晶の可動角度が異なる

電子ビューファインダー(EVF)を標準装備することが大きな違い。そのぶん、ボディはやや重いです。また、背面モニターが下に最大180度まで可動するE-PL9に対し(上には約80度)、本機は上に約85度、下に約45度。自分撮りには非対応です。

 

 

【レンズも注目】

この1本で写真が変わる! 魚眼から広角、望遠まで豊富な種類を誇るレンズ群

オリンパスのミラーレス一眼は、マイクロフォーサーズシステムに準拠し、同システム用の豊富な交換レンズすべてが利用できます。高級レンズだけでなく、財布に優しい低価格レンズも選べる点は心強い。ここではポートレートに適した単焦点と利便性抜群の高倍率ズームを紹介します。

 

大きなボケが欲しいならコレ!

 

オリンパス
M.ZUIKO DIGITAL 45mmF1.8
実売価格2万6790円

【焦点距離90mm相当】【フィルター径37mm】【全長46mm】【約116g】

背景をぼかしたポートレート撮影に最適な中望遠の単焦点レンズ。気軽に持ち運べる軽量コンパクトさや、無音でスムーズに作動するAF性能も魅力。カラーはブラックとシルバーから選べます。

 

ワイドもテレも1本で撮りたいならコレ!

 

オリンパス
M.ZUIKO DIGITAL ED14-150mmF4.0-5.6Ⅱ
実売価格6万2200円

【焦点距離28〜300mm相当】【フィルター径5mm】【全長78mm【約285g】

28mm相当の広角から30mm相当の望遠までを1本でまかなう10.7倍の高倍率ズーム。レンズ先端から約33cmまで寄れる近接能力の高さや、悪条件に強い防塵・防滴対応もポイントです。

 

 

文・作例撮影/永山昌克

スマートスピーカーの音質に満足してる? パナソニックから高音質スピーカー「SC-GA10」登場

パナソニックは、Googleアシスタント搭載のスマートスピーカー「SC-GA10」と、Chromecast搭載の一体型ミニコンポ「SC-HC2000」の2機種を順次発売します。実売予想価格はSC-GA10が3万円前後、SC-HC2000が3万5000円前後(いずれも税抜)。発売日はSC-GA10が5月25日、SC-HC2000が6月22日を予定しています。

 

音にこだわったスマートスピーカー

SC-GA10は、Googleアシスタントを搭載したスマートスピーカー。Google製のスマートスピーカー「Google Home」と同様に、ストリーミング音楽の再生や天気情報・ニュースの確認などを音声で操作できます。

 

本体には、デュアルボイスコイルを採用した8cm径ウーファー1基と、シルクダイヤフラムのディフューザーを備えた2cm径ツイーター2基を搭載。また、背面パネルに低音を増強するバスレフポートを備え、小型ながら広がりのある迫力のサウンドを再生します。

 

BDレコーダーのディーガに保存した音楽ファイルをワイヤレスで再生できる「サウンドジャンプリンク」に対応するほか、Chromecast built-in対応スピーカーと組み合わせれば、複数の部屋で音楽を再生できる「マルチルーム機能」も備えています。

 

最大出力は40W(20W+20W)。BluetoothコーデックはSBC/AACに対応し、3.5mmステレオミニケーブルによるアナログ入力も可能です。サイズ/重量はW100×H284×D100mm/約1.7kg。

 

業界初のCheromecast搭載ミニコンポ

SC-HC2000は、業界初となるCheromecast搭載のスピーカー一体型ミニコンポ。CDやFM/AMラジオ、Bluetoothによる音楽再生のほか、AndroidスマホやGoogleアシスタント搭載のスマートスピーカーから、SpotifyやGoogle Play Musicなどの音楽ストリーミングアプリのデータを伝送し、高音質で再生することができます。また、Googleアシスタント搭載機器から音声によるワイヤレス操作も可能。

 

本体には大型マグネットを採用した大口径スピーカーユニットを搭載。低音を増強する「ツイステッドポート」により、薄型ボディながら豊かな低音を再生します。このほか、クリアで自然な音場を実現する「クリアサラウンド」機能や、デジタルデータのアナログ変換処理を省いて音質の劣化を防ぐ「フルデジタル伝送方式」、Bluetooth伝送された音声データを補完処理する「Bluetoothリ.マスター」などの高音質化技術を搭載しています。

 

本体に4GBの録音用ストレージメモリを内蔵しており、お気に入りCDを5枚まで録音可能。さらに、CDを入れ替えるようにワンボタンで録音音源を選択できる「デジタル5チェンジャー」も備えています。また、SC-GA10同様、ディーガとの組み合わせで「サウンドジャンプリンク」に対応するほか、Chromecast built-in対応スピーカーを使った「マルチルーム機能」にも対応しています。

 

最大出力は40W(20W+20W)。USBメモリ内のMP3音源を再生できるUSBポートのほか、3.5mmステレオミニのヘッドホン出力端子を搭載。サイズ/重量はW420×H225×D102mm/約2.5kg。

これからカメラを趣味にしたい人へ――パナソニック「LUMIX GX7 Mark III」という“バランス重視”の選択

入門機から上級機まで幅広いラインアップを誇るパナソニックのミラーレス一眼。なかでも高機能と携帯性をバランスよく両立させた、“ツウ好み”の中級機が「LUMIX GX7 Mark III」です。本稿では前モデルとの比較を交えながら、その実写レビューをお伝えしましょう!

 

【今回紹介するカメラはコレ!】

パナソニック
LUMIX GX7 Mark III
実売価格9万4780円(ボディ)

パナソニック「LUMIX GX」シリーズは、レンジファインダーカメラを思わせるスリムな横長ボディを採用したミラーレス一眼です。初代「LUMIX GX7」は、ボディ内手ブレ補正やチルト可動式ファインダーといった高機能を凝縮したモデルとして2013年に発売。さらに2016年には、手ブレ補正の改良やセンサーのローパスレス化を図った2代目「LUMIX GX7 Mark II」が発売されました。

 

そして今回取り上げるのが、2018年3月に登場した3代目「LUMIX GX7 Mark III」です。機動力と速写性を重視した「ストリートフォト一眼」という基本コンセプトを受け継ぎながら、センサーの高画素化や撮影機能の強化を実現しています。

SPEC●撮像素子:有効2030万画素、4/3型MOS センサー ●常用感度:ISO200~25600 ●連写:約9コマ/秒(AF固定)、 約6コマ/秒(AF追従) ●モニター:3.0型、 約124万ドット、可動式(チルト式)、タッチ対応 ●ファインダー:約276万ドット ●大きさ・重さ:約124×72.1×46.8mm・450g

 

「速写性」に優れたスリムな横長ボディに可動式ファインダーが復活

まずは、GX7 Mark IIIの外観を前モデルGX7 Mark IIと比較しながら、その進化点をチェックしていきましょう。

 

GX7 Mark IIIの外形寸法は、幅124×高さ72.1×奥行46.8mm。前モデルよりわずかに大型化していますが、実際に手にしたときのサイズ感はほとんど同じ。バッテリーとカードを含めた重量は24g増して450gで、これは電子ビューファインダー搭載のミラーレスとしては比較的軽量です。

↑左が既存モデルGX7 Mark IIで、右が新モデルGX7 Mark III(以下も同じ)。グリップの形状が変化したほか、前面右下の「L」マークが省かれています

 

外見上の大きな違いは、GX7 Mark IIでは固定式だった電子ビューファインダーが、上に最大90度動くチルト可動式になったこと。初代モデルの仕様が復活したことになります。ファインダーをのぞきながらローアングルで撮るときに役立ちます。

↑GX7 Mark III(右)ではチルト可動式の電子ビューファインダーが復活。下を向いた姿勢で、目の前の風景を撮ることができます

 

↑GX7 Mark III(右)では、天面の右端に露出補正ダイヤルが追加され、直感的に露出を変更できるようになりました。それにともなって電源スイッチの位置が移動しています

 

液晶モニターについては、ドット数を104万画素から124万画素へと高精細化しています。液晶モニターのチルト可動は上に約80度、下に約45度に対応。タッチパネルによってAF測距点を素早く選択できる点はこれまでと同じです。

↑背面では、フォーカスモードレバー(フラッシュボタンの左)が追加された点が大きな変化です。それ以外のボタン類の基本レイアウトは継承。液晶は高画素化し、メニューUIは1画面あたりの情報量が増えるよう一新されました

 

↑細かな点ですが、側面の端子カバーも改良。GX7 Mark III(右)では、カバーを押しながらスライドさせることで、本体内部にカバーが格納されるユニークな仕掛けを新採用しています

 

操作面では特に、フォーカスモードの採用によってAFS(一度ピントを合わせるとフォーカスが固定される、静止した被写体向けのAFモード)とAFC(シャッターボタンを半押ししている間ピントを合わせ続ける、動く被写体向けのAFモード)をダイレクトに切り替え可能になったことと、露出補正ダイヤルによって明るさ調整をスムーズに行えるようになったことが便利に感じました。液晶が精細化し、メニューの1画面により多くの情報を表示可能になった点もうれしい改良です。

 

フィルムを思わせる、深みのあるモノクロ表現が全3種類

次に、撮影機能を見ていきましょう。機能面での注目は、発色傾向を調整できるフォトスタイル機能が進化し、新たに「L.モノクロームD」が追加されたこと。これはディテールを残しつつ、ハイライトとシャドウをいっそう強調したモノクロ表現です。従来からある通常の「モノクローム」や「L.モノクローム」と合わせ、3種類のモノクロを狙いに応じて使い分けることができます。

↑フォトスタイル「モノクローム」。一般的なモノクロ表現を得たいときはこれを選択します

 

↑フォトスタイル「L.モノクローム」。より豊かな階調表現を狙うときなどにおすすめです

 

↑フォトスタイル「L.モノクロームD」。コントラストを高めに描写したいときなどに役立ちます

 

さらに、これらのモノクロのフォトスタイルには、オプション設定として「粒状」が追加されました。画像にザラザラとした粒状感を与え、白黒フィルムのような質感を作り出す効果です。手っ取り早く、雰囲気あるモノクロ作品に仕上げたいときに役立つでしょう。

↑アナログライクなランダムノイズを加える「粒状」の設定画面。効果は「弱/中/強」の3段階から選べます

 

細かな使い勝手が向上! おなじみ4Kフォトにも新機能

LUMIXではお馴染みの4Kフォト機能については、「オートマーキング」と「軌跡合成」に新対応しました。オートマーキングとは、4Kフォトによって秒間30コマ連写で撮影している間、被写体の動きや人物の顔をカメラが自動検出し、画像選択時に自動的にその位置にマーキングを行う機能です。これにより、画像選択がスムーズに行なえます。

↑軌跡合成では、4Kフォトで撮影した連写画像を1枚に合成することで、被写体の動きを軌跡として表現することができます

 

そのほかには、新たにBluetooth 4.2(Bluetooth Low Energy)に対応し、スマホやタブレットと常時接続が可能になったことや、よく使う機能を登録できるマイメニューを搭載したことなども、使い勝手を高める進化といえます。

↑Bluetooth接続に新対応。リモート起動をオンにしておくと、カメラの電源がオフの状態でもスマホ側から起動して画像閲覧や転送などが素早く行えます

 

↑電源はリチウムイオン充電池「DMW-BLG10」。撮影可能枚数は、液晶モニター使用で約260枚(ファインダー使用で約250枚)。高画素化したため、前モデルよりやや少なくなったのは残念ですが、引き続きUSB充電対応である点は便利

高画素化&ローパスレスセンサーが生み出す精密描写

撮像素子には、4/3型有効2030万画素のLive MOSセンサーを搭載。ローパスフィルターレス(※)という仕様を継承しつつ、前モデルの有効1600万画素よりも高画素化したことで、被写体の細部までをより精密に表現可能になっています。感度は引き続きISO100~25600に対応(ISO100は拡張感度)。高画素化しつつも、高感度ノイズは目立たないように低減されています。

※ローパスフィルターとは、撮像素子の前に取り付けられたフィルムで、画像情報として必要な光の波長だけを通すことで「モアレ」や「偽色」を防ぐためのもの。解像感を低下させてしまう副作用があり、近年ではモアレや偽色を高画素化や画像処理エンジンの進化によって抑え込むことで、ローパスフィルターを搭載しない“ローパスフィルターレス”仕様のカメラも増えている

 

<高感度画質を従来機と比較>

では、実際に高感度画質をチェックしてみましょう。

 

ISO400/GX7 MarkII

 

ISO400/GX7 MarkIII

 

ISO3200/GX7 MarkII

 

ISO3200/GX7 MarkIII

 

ISO25600/GX7 MarkII

 

ISO25600/GX7 MarkIII

GX7 Mark III単体で見た場合、ISO400を超えるあたりから暗部ノイズが徐々に目立ちはじめますが、等倍鑑賞をしないのであればISO3200でも十分に実用的。最高感度のISO25600については、ノイズに加えて彩度の低下がやや気になりますが、かなり暗い場所で動きを写し止めたいときなど特殊な条件下では役立つこともあるでしょう。なお、前モデルとの比較では、高感度での彩度低下は気になりますが、ノイズ低減に関しては向上しています。

 

新生“ストリートフォト一眼”の実力を実写チェック!

ここからは、実際の作例を見ながらその描写や使い勝手を検証していきましょう。

↑ローパスフィルターレスのセンサーによって、遠景のディテールまでをくっきりと描写。曇天ながらクリアで抜けのいい写りが得られました

 

↑低ノイズの高感度画質に加え、「Dual I.S.」対応のボディ内手ブレ補正を搭載しているので、薄暗いシーンでのスナップ撮影も快適に行なえます

 

↑斜め後ろから光を当てることで周辺部を暗く落とし、花の色彩感を強調。暗部はつぶれることなく、シャドウからハイライトまでを滑らかに再現できています

 

↑小さなシワやキズ、指紋までをはっきりと確認できるくらいシャープに解像。立体感や質感の表現も十分に満足できるレベルです

 

↑フォトスタイル「L.モノクロームD」を選択。適度に強調されたコントラストによって、車体の金属感を際立たせています

 

↑フォトスタイル「L.モノクロームD」を選択。レスポンスの速さを生かし、路上のパターンと自転車の影が重なった瞬間をスナップしてみました

 

【結論】旅行はもちろん、日常的に持ち歩きたいスナップカメラ!

今回の試用では「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」と「LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.」という2本のレンズを使いました。どちらも小さくて軽いレンズであり、GX7 Mark IIIとの相性は良好。軽いフットワークでスナップ撮影を満喫できました。

↑レンズキットに付属する標準ズーム「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」を装着。この状態でも総重量は約517gと軽量です

 

個人的に気になったのは、機械式のシャッター音がやや長めで、音に高級感や切れ味が感じられないこと。一方、電子シャッター選択時の疑似シャッター音については、比較的シャープで心地いい音です。

 

執筆時点で10万円弱という実売価格については、前モデルの発売当初と大差ないものの、個人的にはやや高めに感じます。とはいえ、携帯性と高画質、高機能を兼ね備えたモデルを求める人や、可動式ファインダーに魅力を感じる人、ストリートスナップに取り組みたい人にはおすすめできます。

 

休日や旅行での使用はもちろん、日常的に持ち歩いて、例えば通勤や通学の帰りに趣味の写真撮影を楽しむのもいいでしょう。

日本初の4Kチューナー内蔵! 東芝レグザから有機EL/液晶の4Kテレビ3機種登場

東芝映像ソリューションは、「REGZA(レグザ)」ブランドより日本初となる4Kチューナー内蔵テレビ3機種を6月6日より順次発売します。ラインナップは、4K有機ELテレビ「X920」シリーズ(7月下旬発売予定)、重低音バズーカ搭載の4K液晶テレビ「BM620X」シリーズ(6月下旬発売予定)、4K液晶テレビ「M520X」(6月6日より順次発売予定)を用意。

 

いずれも、別送される「BS/CS 4K視聴チップ」を装着することで、12月1日より開始される新4K8K衛星放送がテレビのみで視聴可能となります。チップの発送は10月以降の予定となっていますので、12月の放送開始時から4K放送を視聴できます。

↑4K放送用のチューナーを内蔵した視聴チップを装着することにより、4K放送が視聴可能となる

 

↑「BS/CS 4K視聴チップ」はテレビ購入後に申し込み手続きを行うことで、別送される

 

新世代4K有機ELパネル搭載の新フラッグシップ機「X920」

X920は、「新世代4K有機ELパネル」を採用したレグザの新フラッグシップモデル。新たに開発された映像エンジン「レグザエンジン Evolution PRO」により、最新有機ELパネルの表現力を引き出して4K放送を高画質で楽しめます。

↑新世代4K有機ELパネル搭載の「X920」シリーズ

 

↑新開発の「レグザエンジン Evolution PRO」を搭載

 

また、ノイズを抑えた高精細な4K画質を実現する超解像技術「BS/CS 4KビューティX PRO」や、立体感のある質感を再現する「HDRリアライザ― PRO」、地デジのノイズを抑えて高精細に4Kアップコンバートする「地デジビューティX PRO」、肌の質感を美しく再現する「美肌リアライザ―」などの最先端技術を惜しみなく投入し、従来の地デジ放送やBD・ネット配信動画などあらゆる映像を高画質に再現します。

 

さらに、新開発のスピーカーシステム「有機ELレグザオーディオシステム」を備え、高品位なサウンドを再生。東芝独自の録画システム「タイムシフトマシン」(※)にも対応し、放送済みの過去の番組表から見たい番組がすぐに再生できます。もちろん4K放送も録画可能。地デジ・BS/CS用チューナーは3基で、W録画も行えます。

※:利用には別売のタイムシフトマシン対応USB HDDが必要

↑「有機ELレグザオーディオシステム」を備え音質も強化

 

このほか、画面を2分割して同時に2つの映像を再生する「ダブルウインドウ」機能も搭載。4K放送と地デジ放送、BDレコーダーからの外部入力映像など2つの映像を1画面で同時に視聴することができます。

 

4K液晶はバズーカオーディオ搭載の「BM620X」に注目

4K液晶テレビの「BM620X」と「M520X」は、画質などの基本性能は同等ですが、BM620Xのみ「バズーカオーディオシステム」を搭載。「クリアダイレクトスピーカー」と「重低音バズーカウーファー」により、迫力のサウンドを楽しめます。

↑M520Xシリーズ

 

↑サウンド強化モデルの「BM620X」シリーズ

 

↑重低音を再生するBM620Xの「バズーカオーディオシステム」

 

2モデルとも4K放送のための新エンジン「レグザエンジン Evolution」を搭載するほか、高精細な映像処理を行う「BS/CS 4KビューティX」や地デジ放送も高画質で楽しめる「地デジビューティX」、立体感のある質感を再現する「HDRリアライザ―」、肌の質感を美しく再現する「美肌リアライザ―」といった技術を採用。きめ細かく高精彩な映像を再生します。

 

4Kチューナーのほか、地デジ・BS/CSチューナーを各3基ずつ備え、W録画も可能。2つの番組を同時に表示する「ダブルウインドウ」機能も備えています。

 

外付け4Kチューナーも秋に登場予定

また、東芝では既存の4Kテレビに接続して4K放送を視聴できる外付け4Kチューナー「TT-4K100」(実売予想価格4万円前後)も秋に発売予定。レグザ以外のテレビにも接続して使えますが、レグザ接続時のみノイズを抑えてクリアな画質を楽しめる「レグザコンビネーション高画質」機能が働きます。外付けHDDをつなぐことで4K放送の録画も可能。4Kチューナーのほか、地デジ・BS/CSチューナーも各2基備えています。

↑外付け4Kチューナー「TT-4K100」

 

↑4Kテレビのほか、フルHDやHD解像度のテレビにも対応

 

いよいよ12月から始まる4K放送は、4Kチューナー内蔵テレビや外付け4Kチューナーを用意すれば、既存のBSアンテナでも最大6チャンネルが視聴可能。4K放送にいち早く対応した東芝レグザなら、いまのうちに購入しても安心して高精彩な4K放送が楽しめます。そろそろテレビの買い替えを……と検討されていた方は、ぜひチェックしてみて下さい。

 

カメラ界の生ける伝説!! プロが愛してやまないタムロン「90mmマクロ」の魅力とは?

吉森信哉のレンズ語り~~語り継ぎたい名作レンズたち~~ 第2回「タムロン 90mmマクロ」

 

マクロレンズは、一般のズームレンズや単焦点レンズでは不可能な高倍率撮影が可能なレンズである。そのなかでも、焦点距離が100mm前後(35mm判フルサイズ換算)の中望遠マクロレンズは、高倍率時でも被写体との距離が適度に保て、大きなボケ効果を得ることもできる。そのため、いろんな撮影ジャンルに活用できる“定番マクロ”とされているのだ。そんな中望遠マクロレンズにおいて、フィルムカメラの時代から“伝説のマクロ”と呼ばれ、多くのカメラマンに愛用されてきた製品がある。それがタムロンの「90mmマクロ」シリーズである。

 

【今回ご紹介するレンズはコレ!】

手ブレ補正やAF性能などが向上した、シリーズ最強モデル


タムロン
SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)
実売価格6万8980円

マクロレンズに求められる高解像力と同時に、滑らかで美しいボケ描写も得られる。それこそがタムロンの90mmが“伝説のマクロ”と呼ばれ続けてきた所以である。そして、その現行モデル(Model F017)では、手ブレ補正機構「VC」にシフトブレ補正機能が追加され、マクロ域での手ブレ補正性能が向上している(一般のレンズ内手ブレ補正はマクロ域ほど補正効果が低下してしまうのだ)。また、超音波モーター「USD」の制御ソフトの改善により、AF時の合焦速度や精度も向上。さらに、従来よりも高レベルの防塵防滴構造が採用され、屋外撮影時の信頼性も高まっている。

SPEC●焦点距離:90mm ●レンズ構成:11群14枚(LDレンズ1枚、XLDレンズ2枚) ●最短撮影距離:0.3m ●最大撮影倍率:1倍 ●絞り羽根:9枚(円形絞り) ●最小絞り:F32 ●フィルター径:62mm ●最大径×全長:79mm×117.1mm ●質量:610g ●その他:防塵防滴構造 ※全長と質量はキヤノン用の値

↑優れた光学性能や手ブレ補正機構「VC」だけでなく、金属製外装を採用した高品位なデザインも魅力の「タムロン SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)」

 

次の写真は、赤いチューリップのシベ部分を大きくクローズアップ。肉眼では確認しにくい雌シベの細部やそこに付着した花粉までハッキリ確認できる。こういった本格的なマクロ撮影では、シフトブレ補正対応になった手ブレ補正機構「VC」が心強い。このほかの作例については、記事後半でたっぷりお届けしよう。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ/タムロン SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017) 絞り優先オート F5.6 1/80秒 +1補正 WB:太陽光 ISO800

 

伝説はこうして始まった――タムロン「90mmマクロ」の系譜

90mmマクロの初代モデルが発売されたのは、いまから40年近く前の1979年である。それまでのマクロレンズは、文献の複写などを想定した“近接撮影時の解像力を重視した光学設計”になっていた。そのため、人物撮影などに使用すると硬調な描写になりやすく、ピント位置前後のボケ描写も滑らかさに欠けていた。

 

だが、タムロンは、普通の中望遠レンズの光学系を拡張して近距離補正を行い“マクロ域でも使えるレンズにする”という独自の設計方針を採用する。これによって、中望遠としてもマクロとしても活用できる、“ボケ描写が滑らか、かつシャープで立体感のある描写”が得られる「90mmマクロ」が誕生した。そして、この革新的な中望遠マクロレンズは、人物撮影や自然撮影など幅広いジャンルのカメラマンに支持されることになる。

 

これが“伝説”の始まりである。

SP 90mm F/2.5 (Model 52B) 発売:1979年

↑記念すべき初代モデル。無限遠から39cmのマクロ域(0.5倍)まで、高コントラストで鮮鋭な画質が得られる。また、SP2倍テレコンバーターの使用で、等倍(1倍)のマクロ撮影も可能

 

その後、外観デザインや内部構造、またレンズ表面のコーディングなど、微妙な部分の改良を重ながら、この「最大撮影倍率0.5倍のMF中望遠マクロレンズ」は、多くのカメラマンに支持され続けてきた。なお、MFタイプの90mmマクロレンズは、いずれもマウント部が交換できる「アダプトール2」マウントが採用されていた。

SP 90mm F/2.5 (Model 52BB) 発売:1988年

↑ロングセラーレンズとなった初代モデル(Model 52B)の外観デザインを一新したモデル

 

しかし、カメラ市場がMFからAFに移行すると、単にフォーカス機構をAF化するだけでなく、“最大撮影倍率を等倍に引き上げる”ことも求められるようになってきた。そこで、1990年に発売された最初のAFモデル「SP AF 90mm F/2.5 (Model 52E)」から6年後、最大撮影倍率を等倍(1倍)に高めた「SP AF 90mm F/2.8 MACRO[1:1] (Model 72E)」が発売された。この際、マクロ撮影領域の拡大と小型軽量設計を両立するため、開放F値は長年守り続けた2.5からF2.8に変更されている。

SP AF 90mm F/2.5 (Model 52E) 発売:1990年

↑AF化された最初のモデル。通常撮影側と近距離側の距離範囲が設定できるフォーカスリミッター機構を採用

 

SP AF 90mm F/2.8 MACRO[1:1] (Model 72E) 発売:1996年

↑最大撮影倍率1倍を実現したモデル。また、マクロ撮影で多用するMFの操作性を向上させるため、新開発の「フォーカスリング・クラッチ機構」を採用。幅広フォーカスリングの滑らかな作動で、快適なフォーカシングを実現

 

そして、2000年ごろからのデジタル化の流れに対応すべく、2004年に発売された「SP AF 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 (Model 272E)」では、デジタル対応のコーティングを採用。デジタルカメラで問題になる「面間反射」を最小限に抑えるための策である。乱反射するフィルム面の内面反射とは違い、CCDやCMOSの表面が鏡のようになっているデジタルカメラでは、レンズ側の反射防止対策が不可欠なのだ。

SP AF 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 (Model 272E) 発売:2004年

↑フィルムでもデジタルでも、変わらぬ高画質を得るため、レンズコーティングを改善した光学設計“Di”を採用。さらに、フォーカスリングのラバーパターンも、指掛かりのよい形状に変更

 

SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F004) 発売:2016年

↑タムロン独自開発の手ブレ補正機構「VC」を搭載。また、超音波モーター「USD」の採用により、AFによるスピーディーなピント合わせが可能。光学系も、XLDレンズ2枚やLDレンズ1枚を採用してリニューアル

 

※一部、ここで紹介していない製品もあります

最新モデルを使い倒し! まずは新デザイン採用の外観をチェック

ここからは、現行モデルである「SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)」をより詳細に見ていこう。

 

まず、製品名の頭に付いている「SP」とは、MFタイプの時代からタムロンの高性能レンズに与えられてきた称号である。2015年にそのSPシリーズが刷新された。光学性能の優秀さはもちろん、高品位な金属外装を採用し、マウント部の周囲にはルミナスゴールドの「ブランドリング」があしらわれた。このリングの存在は、ユーザーとタムロンの繋がりを“記念の指輪”に見立ててイメージした、新しい「SP」の象徴となる。そして、新しいデザインのスイッチ類や、見やすい文字表記などを採用し、操作性や視認性も向上させたのである。

↑現行モデル、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)に専用の丸型フード(HF017)を装着したところ。金属外装のレンズ鏡筒とは違い、このフードはプラスチック製。だが、レンズとの外観バランスは良好だ

 

↑金属鏡筒に埋め込まれた「SP」のエンブレム。高品位な操作感や描写性能を約束する証である

 

↑従来よりも大型化された表示窓(距離表示)を採用し、視認性を向上させている

 

↑使用される条件を考慮して形状やトルクが改善されたという、各種の切替スイッチ。被写体までの距離に応じて、フォーカス(AF)の移動量を制限できるフォーカスリミッター(上のスイッチ)を活用したい

 

光学系に関しては特殊硝材XLD(eXtra Low Dispersion)レンズ2枚と、LD(Low Dispersion : 異常低分散)レンズを1枚を使用して色収差を補正するなど、先進の光学設計で諸収差を徹底的に補正し、解像性能が高くてシャープな画質を実現。そして、円形絞りの採用によって、タムロン90mmマクロの伝説を引き継ぐ良質なボケ描写を可能にしている。これらの仕様は、基本的に前モデル「SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F004)」を踏襲したものである。

 

さらに、ほぼ可視光全域で秀逸な反射防止性能を誇る「eBANDコーティング」に従来からのコーディングを用いたBBARコーティングを組み合わせ、フレア(画面全体が白っぽくかすんで写る現象)やゴースト(本来は見えないはずの光が写ったもの)を大幅に抑制してクリアでヌケのよい画像を実現している。また、最前面レンズには、撥水性・撥油性に優れ耐久性にも優れる「防汚コート」も採用。これによって、レンズ表面に付着した汚れを簡単にふき取ることができる。

 

美しいボケ味に感動!! 最新モデルを実写チェック

ここからは実際の作例を見ていきたい。

 

まずは鮮やかな柄のチューリップの花弁をクローズアップ。風で花弁が微妙に揺れていたので、カメラのAFモードを「AIサーボ」(シャッターボタンを半押ししている間、被写体にピントを合わせ続けるAFモード)に設定。超音波モーター「USD」は作動音が気にならないので、小刻みなピント調節が繰り返されても快適に撮影できる。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ/タムロン SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017) 絞り優先オート F5.6 1/80秒 +1補正 WB:太陽光 ISO100

 

続いて、20mくらい離れた位置から、1本のサトザクラを狙う。木の前後をぼかすため、絞りは開放F2.8に設定。マクロレンズは接写で使用するレンズというイメージがあるが、本レンズであればこのように中望遠レンズとしても優秀な描写を得ることができる。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ/タムロン SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017) 絞り優先オート F2.8 1/800秒 WB:太陽光 ISO100

 

こちらは赤いストライプ模様が印象的だった黄色のチューリップ。開放絞りによって、その花の前後を大きくぼかした。とろけるようなボケ描写が美しい。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ/タムロン SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017) 絞り優先オート F2.8 1/400秒 +1補正 WB:太陽光 ISO100

 

花の時季にはまだ早いバラだが、逆光に映える若葉がみずみずしい。その背後に光の輝き(光沢のある葉の反射)があったので、その点光源を美しい形にぼかしたい。このレンズには、円形絞りが採用されている。だから、絞り開放時に画面周辺の点光源ボケが楕円に歪む口径食を避けるために1、2段絞り込んでも、絞り羽根の角が目立たない美しいボケが得られるのである(通常は絞る=F値を大きくすると、ボケの形が角張ってくる。そうならないよう、構造を工夫したのが円形絞りである)。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ/タムロン SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017) 絞り優先オート F4 1/100秒 +0.7補正 WB:太陽光 ISO125

 

赤みを帯びた夕方の光を背景に、白いリンゴの花が可憐な姿を見せてくれる。ピントを合わせた部分のシャープな描写と、自然にボケていく前後の描写が見事だ。

キヤノン EOS 6D MarkⅡ/タムロン SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017) 絞り優先オート F2.8 1/640秒 +0.3補正 WB:太陽光 ISO100

 

受け継がれていく“伝説のマクロ”

筆者は、MF一眼レフの時代から、タムロンの90mmマクロを使い続けてきた。最初に使ったのは、2代目の「SP 90mm F/2.5 (Model 52BB)」である。そのころから、フォーカスリングのスムーズな動きや、自然なボケ描写に感心し、マクロレンズというよりも“優秀な中望遠単焦点レンズ”として信頼を寄せていた。

 

そして時代の流れに合わせてタムロンの90mmマクロはMFレンズからAFレンズに移行し、最大撮影倍率も0.5倍から1倍に拡大。MF/AF切り換え機構もより迅速で快適なタイプに進化していった。また、近年のモデルでは、最新のレンズ硝材や優れたコーティング技術によって、シリーズ共通の特徴である“美しいボケ”を継承しながら、よりシャープでクリアな描写が得られるようになっている。

 

さらに、現行モデル「SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)」では、金属鏡筒や新デザインの採用で各段に高品位な製品に生まれ変わり、手ブレ補正機構「VC」もマクロ撮影域にも強くなるなど、これまで以上に魅力的な中望遠マクロレンズに仕上がっている。ちなみに、この現行モデルも所有し、常用している。

 

長年愛されるレンズには理由がある。このように、“伝説”は進化し、受け継がれてゆくのだ。

 

覚えるべきはコレだけ!! いますぐ使える料理&スイーツ撮影の「5つのキホン」をプロが解説

昨今はブログやインスタグラムなどのSNSに、料理やスイーツの写真をアップする人が増えている。その多くはスマートフォンで撮った写真だが、一眼カメラを使うと、より一層、美味しそうに写せるのだ。ここでは、スマホからさらにワンランクアップした料理&スイーツ写真を目指す、一眼カメラでの撮影テクニックを紹介しよう。

↑一眼カメラなら、高画質かつボケを生かした写真が撮れる
↑一眼カメラなら、高画質かつボケを生かした写真が撮れる

 

スマホとはここが違う! 一眼カメラのウリは「高画質&ボケ描写」

一眼カメラとスマホで撮った写真の大きな違いは、「画質」と「ボケ」だ。一眼カメラの撮像素子はスマホの何倍もある大きさなので、被写体の細部もシャープに写すことができる。被写体が細部まで描写されると、素材の質感や立体感、色合いなども美しく再現され、より美味しそうに写せるのだ。昨今のスマホのカメラもかなりシャープに写せるようになったが、画面サイズ以上に大きく拡大していくと、どうしても粗さを感じてしまう。

↑(左)スマホで撮影。スマホの画面上で見るとシャープに見えたが、拡大すると粗さを感じるほか、エビの質感もイマイチ。(右)一眼カメラで撮影。スマホと同じ条件だが、メインのエビはシャープに写り、前後の食材が大きくぼけているので、主役が明確。また、一眼カメラのほうが色や質感の面でも美味しそうに見える
↑(左)スマホで撮影。スマホの画面上で見るとシャープに見えたが、拡大すると粗さを感じるほか、エビの質感もイマイチ。(右)一眼カメラで撮影。スマホと同じ条件だが、メインのエビはシャープに写り、前後の食材が大きくぼけているので、主役が明確。また、一眼カメラのほうが色や質感の面でも美味しそうに見える

 

一眼カメラの撮像素子の大きさはボケにも関わってくる。料理写真で背景をぼかすメリットは、主役を目立たせることと立体的な描写が得られることにある。撮像素子が大きいほど、大きなボケが作りやすいのだ。

 

スマホでも背景をぼかすことは可能だが、クローズアップしないとボケは作れないし、雑誌で見るような大きなボケには程遠い。その点、一眼カメラはそれほどクローズアップにしなくても背景をぼかせるうえ、レンズの絞りを開けたり、焦点距離の長いレンズに変えたりすれば、よりぼかすことが可能だ。またボケ具合を細かく調整できるので、自由度の高い撮影が行える。

↑左の写真のようにフルーツタルトを斜めから撮影すると、背景が離れるので大きくぼける。これはスマホでも同様だが、一眼カメラだとボケの大きさが違う。また右のように真上から撮ると、ピントを合わせた部分と背景が近いのでぼけにくいが、一眼カメラならほんのりとぼかせる
↑左の写真のようにフルーツタルトを斜めから撮影すると、背景が離れるので大きくぼける。これはスマホでも同様だが、一眼カメラだとボケの大きさが違う。また右のように真上から撮ると、ピントを合わせた部分と背景が近いのでぼけにくいが、一眼カメラならほんのりとぼかせる

料理撮影、5つのキホン

(1)正確にピントを合わせる

(2)明るく写す

(3)外光の入る窓辺で撮る

(4)斜め上からのアングルで狙う

(5)料理を大きく捉える

 

一眼カメラ、スマホを問わず、料理撮影では上にあげた5つが基本となる。明るさや色合いはあとから加工をすればいくらでも変えられるが、ピンボケは救えない。料理のなかで主役に当たるものにしっかりとピントを合わせよう。また、料理が暗いとまずそうに見えるので、露出補正を行って明るさを調整する。写真映えするカフェ飯やスイーツなどは、見た目よりも少し明るいくらいのほうが美味しそうに見える。

 

そして、写真は光が重要だといわれているが、料理撮影に適する光は「やわらかい光」と「逆光」である。特に日中の窓から差し込む自然光がやわらかくておすすめだ。光が強いときはレースのカーテンで遮光したり、光が直接当たらない部屋の奥まで入ったりすれば光を弱くできる。さらに、逆光だと陰影によって立体感が出るほか、背景が明るくなって奥行きも出せる。

 

斜め上から狙うメリットも同様で、奥行きが出るので背景をぼかしやすい。ピントを合わせた主役がはっきりと写り、料理に立体感が出てくる。また、大きく捉えることで迫力が出て印象的に写る。カメラを近づけたり、スーミングしたりして、画面いっぱいにメインの料理を写してみよう。

 

色合いは素材重視か雰囲気重視かで決める

料理を美味しそうに撮るポイントとして忘れてはいけないのが色合いだ。色合いは光源によって変化する。日中の窓辺で撮影すれば光源は太陽だが、人工照明下では電球や蛍光灯、LEDと複数の光源があり、それらが混ざっていることもある。

 

料理本来の色を再現するにはホワイトバランス(以下、WB)を「オート」にするのが基本だが、機種によって補正後の仕上がりが違うので、まずは撮って確認するのがいちばんだ。おかしな色味と思ったら、WB「電球」やWB「蛍光灯」など、光源に合わせた設定にしてみよう。より詳細に色味を調整するには色温度設定が有効だ。

 

このほか、室内の雰囲気を生かした撮り方もおすすめだ。レストランでのディナーなどは、そのムーディー感を写真に盛り込むと印象的に仕上がる。この雰囲気を出すには、しっかり色味を補正してしまうよりも、少し赤みなどを残したほうが室内っぽく写る。WB「オート」で赤みが残る場合もあるが、「オート」で完全に白く補正されてしまう場合は、WB「太陽光(晴天)」や色温度設定を活用して好みの色合いを探っていきたい。

↑白い皿を見ると色の補正具合がよくわかる。機種によって差はあるが、ここではWB「オート」では完全に色味が補正されず、少し赤みが残った。ロウソクの温かみのある雰囲気が感じられて、ディナータイムらしい仕上がりになった
↑白い皿を見ると色の補正具合がよくわかる。機種によって差はあるが、ここではWB「オート」では完全に色味が補正されず、少し赤みが残った。ロウソクの温かみのある雰囲気が感じられて、ディナータイムらしい仕上がりになった

 

↑WB「電球」で撮ると赤みが完全に補正されて、白い皿が真っ白に写った。被写体本来の色が再現されている。料理の色を正しく写すには最適な結果だが、ロウソクの温かな雰囲気はあまり感じられない
↑WB「電球」で撮ると赤みが完全に補正されて、白い皿が真っ白に写った。被写体本来の色が再現されている。料理の色を正しく写すには最適な結果だが、ロウソクの温かな雰囲気はあまり感じられない

 

このほか、薄暗い室内での撮影では、カメラブレと高感度ノイズが大敵になる。ISOオートなら感度が自動的に上がってブレを抑えることができるが、高感度になると特有のノイズが発生する。感度が上がるほど画像がざらつき、色の冴えも失われるのだ。三脚を使用して低感度で撮るのが最も有効な手段だが、使えないレストランなどでは、手ブレしないぎりぎりの感度で撮影しよう。

 

逆光撮影での便利アイテム、レフ板を使おう

料理は半逆光気味に撮るのがいいが、ケーキなど立体的な被写体では手前側の暗さが目立ってしまう。そんなときはレフ板を使って、陰になった部分を明るくしよう。レフ板とは光を反射させるための写真用品で、板や布でできている。しかし、レストランでレフ板を広げるのは気が引けるという人もいるだろう。そんなときは、白い紙やおしぼり、紙ナプキンなどをレフ板代わりに使おう。色があると影響するので、必ず白い物を使うこと。

 

使い方は下の写真のように、光が入る方向と向かい合うようにレフ板を置くというのが基本。すると、入った光がレフ板に反射して、陰を照らすという具合だ。光が強いときは離して置き、弱いときは近づけるといった具合に距離で反射光の強弱を調整するといい。角度もいろいろ変えながら、ベストな位置を決める。あまり強く当てると不自然なので、レフ板を使ったのがわからないぐらいなのが理想だ。これは一眼カメラに限らず、スマホでも使えるテクニックなので、ぜひ試してほしい。

↑右から光が入ってくるので、その反対側にレフ板を置いた。レフ板に光が反射して、ケーキの手前側をほんのりと明るく照らしている
↑右から光が入ってくるので、その反対側にレフ板を置いた。レフ板に光が反射して、ケーキの手前側をほんのりと明るく照らしている

 

↑この2枚を比べると、レフ板の効果は一目瞭然。右はケーキの陰になった部分だけが明るくなっているのがわかるだろう。露出補正では写真全体が明るくなってしまうが、レフ板を使うとケーキの上部分や背景はそのままに、手前の側面だけを明るくすることができる
↑この2枚を比べると、レフ板の効果は一目瞭然。右はケーキの陰になった部分だけが明るくなっているのがわかるだろう。露出補正では写真全体が明るくなってしまうが、レフ板を使うとケーキの上部分や背景はそのままに、手前の側面だけを明るくすることができる

 

 

風景撮影の必需品!! カメラ初心者にもわかる「PLフィルター」の効果&選び方

カメラや写真の「フィルター」というと、カメラを買ったときにセットで売られることの多い「保護フィルター」やカメラに搭載されている「デジタルフィルター」機能を思い浮かべる人も多いと思います。このうち、保護フィルターはレンズの先端に物理的に取り付けて使用する、いわば“アナログフィルター”で、レンズなどと同様に光学ガラスなどで作られた「光学フィルター」です。

 

フィルムカメラの時代には、数多くの効果が得られる光学フィルターが用意されていました。しかし、デジタルカメラの時代になって、前出のデジタルフィルターや画像加工で同様の効果が得られるものが増え、保護フィルター以外は注目されにくくなってしまいました。

 

とはいえ、デジタルカメラでも光学フィルターを使用しないと同様の効果が得られないものもあります。その代表格といえるのが「PLフィルター」で、これからの季節、海や山など風景を色鮮やかに撮るのに必須のフィルターです。ここでは、PLフィルターの使い方や効果、適したシーンなどについて、カメラ初心者にもわかりやすく解説します。

↑PLフィルターは、数ある光学フィルターの中でも高価な部類に入り、写真の72㎜径の製品の実売価格で1万2210円程度。しかしながら、写真の仕上がりが劇的に変化するため、風景写真家を中心にプロ・アマ問わず高い人気を誇ります

 

イチからわかる「PLフィルター」の仕組みと使い方

PLフィルターは、Polarized Light Filterの略で「偏光フィルター」とも呼ばれ、光による被写体のテカリや空中で乱反射した光をカットし、被写体本来の色を引き出したり、被写体のコントラストをアップさせたりする効果を持つフィルターです。

 

使い方は、フィルターをレンズの先端に取り付ける点は保護フィルターなどと同様ですが、フィルターの枠が2重になっており、枠を回転させることで効果の強弱が変化する仕組みになっています。そのため撮影時には、手で枠を回転させながら、その効果をファインダーや背面モニターで確認し、最適な効果が得られる位置で枠を止めて撮影します。

↑フィルター枠が二重になっており、使用時は上の写真のように前枠を指で回転させ、ファインダーやモニターで効果を見ながら、最適な位置にセットして撮影します

 

PLフィルターの構造は、ガラスとガラスの間に「偏向膜」と呼ばれる特殊な膜を挟み込んだものとなっています。偏光膜は極細かい“すだれ”状となっていて、一定方向の光(偏光)のみを透過させます。これにより、被写体から反射してくる余計な光(偏光)をカットしたり、反射光を強調したりできるようになっています。

 

あり・なし画像比較で丸わかり! PLフィルターが役立つシーン

どういったシーンでPLフィルターが有効かというと、例えば木の葉に光が反射して白っぽく写ってしまうのを本来の葉の色に写したり、空気中の水蒸気やチリに光が反射して白っぽく写ってしまう青空を濃い青色に写す場合に有効です。そのため、風景写真の愛好家の間で多用される傾向にあります。

 

では、具体的な活用シーンを見ていきましょう。まずは、次の2枚の写真を見比べてみてください。


PLフィルターを使用せずに撮影した上の写真は葉にテカリが出ているのに対し、PLフィルターを使用した下の写真はテカリが除去され、葉の本来の色で写っています。ただし、テカリを除去すると立体感は弱くなりがちなので、ケースバイケースで使い分けましょう。

 

次の2枚も同様に、1枚目がPLフィルターなし、2枚目がPLフィルターありで撮影したものです。

PLフィルター不使用の上の写真では、空気中の水蒸気や細かいチリなどに光が乱反射して、空が白っぽく写っています。また、木の葉も多少沈んで見えます。一方、PLフィルターを使用した下の写真では、空の色が濃くなり、木の葉のテカリも除去されて葉が浮き上がって見えるのがわかります。結果、画面全体のコントラストが上がって、色鮮やかな写真に仕上がっています。

 

このほか、湖や池などの水面の光の反射を取り除いて水中の様子を鮮明に写したり、ガラスに反射した光を取り除いてガラスの奥にある被写体を鮮明に写したり、といったことが可能です。

 

次の写真は池に浮かぶスイレンの花を撮影して比較したものです。

PLフィルターなしの上の写真では、水面や葉に光が反射して白っぽくなり、花の印象が弱く感じられます。一方、PLフィルターを使用した下の写真では、水面や葉に反射した光が除去され、花や葉が引き立って見えるます。

 

PLフィルターというと風景撮影に使用するイメージが強いかもしれませんが、次の写真のようにショーウィンドウなどのガラスの反射を取り除きたい場合にも有効です。

PLフィルターなしの上の写真では、ガラスの反射によりガラスの奥にある被写体がくすんで見えますが、PLフィルターを使った下の写真では、被写体を鮮明に写すことができました。

便利だが万能ではない――PLフィルター使用時の注意点

このように風景などを撮る際に非常に効力を発揮するPLフィルターですが、デメリットもあります。それは、一定方向の光以外をカットするため、光の総量が少なくなり、撮像素子に届く光が一般に2~3段程度暗くなってしまう点です。そのため、保護フィルターのように常用するには向かないフィルターといえます。

 

また、一定方向の光のみを透過させるため、角度の異なる光が複数存在する場合には、必ずしも効果が得られません。特に広角レンズで広い範囲を写すような場合には、PLの効果にムラが出てしまうことがあります。そのため撮影時には、効果を試してみて思いどおりの効果が得られない場合には、使用しないほうが良い結果が得られるといったケースもあります。

 

同じようで全然違う!! 失敗しないPLフィルターの選び方

一見、どれも同じように見えるPLフィルターですが、購入する際はいくつかの注意点があります。

 

①使用するレンズのフィルター径に合ったものを選ぶ

まず1つは、当然ながら使用するレンズのフィルター径に合ったものを選ぶこと。特にレンズの径よりも小さなものは、物理的に取り付けることができません。

 

ただ、フィルターとしては高価な部類に入るものなので、複数のレンズで共用したいというケースもあると思います。そうした場合は、いちばん径の大きなレンズに合ったものを選んでおけば、「ステップアップリング」というフィルター径を変換するリングを併用することで使用することが可能です。この場合も、広角レンズにステップアップリングを使用すると、画面の四隅がけられて暗く写る場合があるので、注意が必要です。

↑ステップアップリングは、レンズとフィルターの間に取り付けることで、レンズのフィルター径よりも大きな径のフィルターを取り付けることができます。様々な組み合わせの製品が用意されているので、使用するレンズとフィルターの径に合ったものを購入しましょう

 

②「サーキュラーPL」を選ぶべし

次の注意点としては、必ず「サーキュラーPL」と呼ばれるタイプのものを用意すること。PLフィルターには、通常のPLフィルターとサーキュラーPL(円偏光)フィルターの2種類があり、通常のPLフィルターを使用すると構造上AFなどが正確に機能しない場合があります。そのため、購入の際はサーキュラーPLと記されているか確認するようにしましょう。

↑サーキュラーPLかどうかは、多くの場合、製品のパッケージやフィルター枠に記載されています。「CIRCULAR P.L」「C-PL」などと記載されている場合もあります

 

③広角レンズで使うなら「薄枠タイプ」がベター

こちらは必須ではありませんが、特に広角レンズで使用するフィルターは、できるだけ「薄枠タイプ」と呼ばれるものを使用すること。これは、前に記したステップアップリング使用時と同様の理由で、フィルター枠の太いものを使用すると画面の四隅がけられてしまう(暗く写る)場合があるためです。ちなみに、この薄枠タイプのフィルターは、多少強度の面で弱い製品もありますが、標準や望遠レンズに使用しても問題はありません。

 

④防汚コート・撥水コート仕様ならお手入れ簡単!

最後も必須とはいえないものの、フィルター表面が防汚コートや撥水コートされたものを選ぶことです。特にPLフィルターはフィルターの枠を手で回転させて使用するため、フィルター表面をうっかり指で触ってしまうことも少なくありません。また風景撮影では、土ぼこりが舞っていたり、雨に降られたりするケースもあります。

 

そうしたとき、防汚コートや撥水コートがされていると、レンズクリーニングクロスなどでフィルター表面を軽く拭うだけで撮影を続行することができ、フィルターも傷みにくいため長い間使用することができます。

↑防汚コートや撥水コートされた製品は、汚れや水を弾く性質があり、これらの除去も簡単。油汚れにも強いので、万が一フィルター面に触って指紋などが着いてしまっても安心です

 

以上のような注意点を高いレベルで実現している製品は多くはなく、マルミ光機の「EXUS サーキュラーP.L」など、フィルターメーカー各社の看板商品になっています。決して安価ではありませんが、寿命も長い製品なので購入して損することはないでしょう。何より、撮影中の安心感が抜群に高いのが魅力です。

↑マルミ光機の「EXUS サーキュラーP.L」。同社の最上位グレードの製品で、防汚コートや撥水コートの採用はもちろん、静電気が発生しにくく、光の透過率が高くてファインダーの視野が明るいなど、数多くの利点を備えた使いやすい製品です

 

PLフィルターを使ってワンランク上の写真を撮ろう!

フィルターの構造などを考えてしまうと、少しとっつきにくい印象もあるPLフィルターですが、その使い方は簡単で、フィルター枠を回転させるだけで景色が劇的に変化していく様子はちょっと感動的ですらあります。

 

特に春から秋にかけては、風景が刻一刻と変化して写真を撮るのが楽しい季節。そうした風景をより鮮やかに印象的な写真に残すには、PLフィルターは必須アイテムです。ぜひ、今年はPLフィルターを使用して、ワンランク上の写真を狙ってみましょう。

意外と手軽!?「新4K8K衛星放送」見るのに“本当に必要なもの”はなにか

2018年12月1日から、「新4K8K衛星放送」が始まる。色々準備も必要なものだが、本当に視聴に必要なものはなんなのだろうか? そして、どんなものが見られるのだろうか? ここで改めてまとめておきたいと思う。最終的に「すべてを見よう」とするとなかなかにハードルが高いものなのだが、ちょっと視点を変えると、別の姿も見えてくる。

 

8Kより「高画質な4K」が主軸、録画もOKに

「新4K8K衛星放送」は、現在の衛星放送のうち、いわゆるBS放送と、110度CS放送を再編、付加価値を追加するために生まれるものだ。スカパー!向けに、2015年3月より124/128度CS放送で「スカパー! 4K」という4K放送が始まっているが、それとは別のものである。いま、4K放送といえば、「新4K8K衛星放送」のことと考えてもいいだろう。現状、地上波では4K放送を導入する予定はなく、放送における最高画質の放送は「新4K8K衛星放送」になる、と思っていただいてかまわない。

↑ひと足先に本放送を開始した「スカパー! 4K」

 

4Kテレビが普及しつつあることから、「次は8K」というイメージを持つ人も多いだろう。そこに「新4K8K衛星放送」が登場するので、この放送の主軸を8K、と思っている人も意外と多い。

 

だが、そこは明確に違う。

 

今回の新放送の主軸は「4K」であり、8Kについては、NHKが1つのチャンネルで放送を行うに過ぎない。コンテンツ制作の現場では8Kの利用も増えていくだろうが、「4Kでのコンテンツ体験がようやく定着する」のがいまのフェーズ、といっていい。

 

特に、今回の4K放送は「画質」が非常に良い、という点が重要だ。意外に思われるかもしれないが、過去のデジタル放送は、同じ解像度のコンテンツの中では必ずしも「高画質」とはいえなかった。映像を伝送するために必要な帯域が狭く設計されていたからだ。しかし今回の4K放送は、ビットレートが「最大33Mbps」とかなり高い。ディスクメディアであるUltra HD Blu-ray(最大108Mps)にはかなわないが、ネット配信の4K(一般的には十数Mbpsで、もっとも恵まれた環境の場合でも25Mbps程度)よりはずっと高く、しかも品質が安定している。この点は利点といえる。

 

こうした高画質コンテンツを「録画できる」のもポイントである。スタートした段階ではハードディスクへの録画が中心で、ディスク記録はまだだが、これまでのBS放送と同じく、ダビング10もしくはコピーワンスでの録画記録が可能になっている。(実際の運用は放送局に委ねられている。この点も現状と変わらない)新4K・8K放送は規格策定の段階で各社の思惑が錯綜し、一時は「録画できなくなる」との話が出たこともある。だが、結果的には、消費者視点で見ると、ディスク記録が遅れていること以外は、これまでと似た形に落ち着いた。

 

ちなみに、暗号化と契約管理に使う「CAS」という仕組みには、これまで使われてきた「B-CASカード」とは違う、「ACAS」という仕組みに変わる。基本的には、ICカードではなく、本体に内蔵するICチップ形式になるが、当初は取り外し可能な子基板のような形で提供される場合もあるという。CASそのものの存在や、ダビング10の存在に関する問題はあるものの、4K放送だからその点が変わったわけではなく、継続されたような形になっている。

 

NHK+民放キー局の4K放送は意外とお手軽!?

もうひとつのポイントは、放送のほとんどが「CMによる無料モデル」である、ということだ。要は、民放キー局がこれまでの放送モデルをそのまま採用する、ということである。これには功罪両面があるが、消費者から見た場合、「追加費用を払わずに最新の4K映像を見れる」ことは、大きなポイントといえる。

 

では、見るためになにが必要なのか?

 

4Kテレビはあったほうがいい。HDR対応の放送もあるので、4K+HDR対応テレビであることが望ましい。ただし、チューナーをつなげれば従来のフルHD(2K)テレビでも見れるし、画質向上はわかるはずだ。

 

放送の方式が変わるので、4K放送対応のチューナーは必要になる。既存の衛星放送用チューナーでは視聴できない。当面はテレビに外付けのチューナーを付ける形が主流だろう。2018年中には4K放送対応チューナー内蔵のテレビも出てくるだろう。録画については、過去のレコーダーではできない。4K放送対応のチューナーやテレビがそれぞれ対応することになる。当面はUSB接続のハードディスクなどに記録することになるはずだ。

↑東芝は2018年3月に4K放送用チューナーの開発を発表。2018年秋に発売予定としている

 

ちょっと分かりづらいのが「アンテナ」である。新4K・8K放送では、衛星が使う電波帯こそ同じであるものの、一部のチャンネルで「左旋円偏波」という電波が利用される。これまでは「右旋円偏波」だったので、新たに対応が必要だ。

 

ただ、ここがポイントなのだが、「すべての新4K・8K放送が左旋ではない」。以下の図でおわかりのように、NHKおよび民放キー局が提供する4K放送については、これまでと同じ「右旋」が使われる。左旋に対応していないアンテナでも問題なく受信できるのだ。将来的に左旋アンテナへの対応は必要となるが、今すぐに変えないと4K放送が一切見られない、というわけではない。

↑従来のアンテナ設備でもNHK・民放6チャンネル分の視聴が可能(出典:東芝映像ソリューション)

 

↑左旋対応のアンテナを含む新しい設備を導入すると11チャンネルもの4K放送が視聴可能になる(出典:東芝映像ソリューション)

 

すなわち、(8Kでなく)4K放送を見たいのであれば、これまでの衛星放送が見れる環境に加え、「新4K放送対応チューナー」さえあればいい、ということになる。もちろん、できれば4K+HDRに対応しているテレビがあることが望ましい。また、すでに4Kテレビを買った人であっても、チューナーさえ用意すれば、テレビを買い換える必要はない。

↑開発中の東芝の4Kチューナー。外付けHDDへの4K放送録画機能も搭載する

 

4K放送にどれだけのコンテンツが集まるかは、まだわからない部分もある。しかし、4Kでのコンテンツ製作と調達が当たり前になっている一方で、日常的に見る地上波は2K、それもかなり画質の劣るものだった。だとすれば、付加価値のあるものから4K放送に移っていくのはある意味必然でもある。映画やスポーツ中継などは、4K放送がひとつの軸になっていくのではないだろうか。

 

4K放送は「未来のもの」ではなく、目の前にやってきた。大規模な投資が必要であるなら消費者としても二の足を踏むが、「BS放送のアップデート」という形に鍵っていえば、そこまでの出費ではない。だからこそ、4Kテレビに興味がある人は、正しい情報を理解した上で年末を待っていて欲しい、と思うのだ。

 

Ankerの新ブランド「SoundCore」新12製品発表! コスパ良すぎの新スピーカーは2台持ちも検討したい

アンカージャパンは4月27日、スピーカーのシリーズ名だった「SoundCore(サウンドコア)」をブランドに昇格化。従来「Anker(アンカー)」および「Zolo(ゾロ)」ブランドとして展開してきたオーディオジャンル製品について、新ブランドで一本化して取り扱うことを明らかにしました。また、イヤホン・ヘッドホン、スピーカーなどの新商品、計12点が展示されました。

 

スピーカーは6製品が登場!

まずはスピーカーの6製品を紹介しましょう。コンパクトな「Soundcore Mini」シリーズから1製品、従来のアンカー製品の特長を引き継ぐ「Soundcore Motion」シリーズから2製品、底面にライトを搭載する「Soundcore Flare」シリーズから2製品、高音質を追求した「Soundcore Model」シリーズから1製品が出ます。

 

1.Soundcore Mini 2

↑出力は6Wで、連続再生時間は約15時間。IPX7相当の防水性能を備える。想定価格は3999円。5月2日に発売予定

 

2.Soundcore Motion B

↑四角い形状が特徴的だ。出力は5W×2で、連続再生時間は約16時間。IPX7相当の防水性能を備える。想定価格は3299円。夏頃に発売予定

 

3.Soundcore Motion Q

↑ストラップも付けられる。出力は8W×2で、連続再生時間は約10時間。IPX7相当の防水性能を備える。周囲360度にむけて音が出るのが特徴。想定価格は4999円。初夏に発売予定

 

4.Soundcore Flare

↑出力は6W×2で、連続再生時間は約12時間。IPX7相当の防水性能を備える。専用アプリから底面のライトのカラーなどを変更可能。想定価格は5999円。夏頃に発売予定

 

5.Soundcore Flare+

↑「Soundcore Flare」の上位機種。出力が25Wになり、連続再生時間も約20時間にアップ。IPX7相当の防水性能を備える。USB経由で他のデバイスへの給電が可能だ。想定価格は1万2150円。夏頃に発売予定

 

6.Soundcore Model Zero

↑出力は60Wで、連続再生時間は約12時間。IPX7相当の防水性能を備える。有線接続ではハイレゾ再生が可能。想定価格は1万9800円。夏頃に発売予定

 

どのスピーカーも「BassUP」テクノロジーを採用しており、小型ながらも大音量と重低音を確保。歪みの少ない音質を維持できるのが特徴です。

 

イヤホン・ヘッドホンからも6機種登場!

続いて、イヤフォン・ヘッドフォンの6製品もご紹介。「Soundcore Space」シリーズから1製品、「Soundcore Vortex」シリーズから1製品、「Soundcore Lifre」シリーズから1製品、「Soundcore Liberty」シリーズから1製品、「Soundcore Spirit」シリーズから2製品が登場しました。

 

7.Soundcore Space NC

↑ワイヤレス接続時の連続再生時間は約20時間、アクティブノイズキャンセリングをサポートする。タッチパッド操作に対応。想定価格は1万4300円。初夏に発売予定

 

8.Soundcore Vortex

↑連続再生時間は約20時間、aptXをサポートする。耐衝撃性能も備える。想定価格は5999円。初夏に発売予定

 

9.Soundcore Life NC

↑首にかけるタイプのイヤフォン。連続再生時間は約12時間。aptXをサポートする。複数のマイクを搭載し、アップリンクノイズキャンセリング機能がある。想定価格は1万4300円。夏頃に発売予定

 

10.Soundcore Liberty Lite

↑完全ワイヤレスイヤフォンで、充電ケース使用時の連続再生時間は約12時間。想定価格は6599円。夏頃に発売予定

 

11.Soundcore Spirit

↑汗に強いスポーツ向けカナル型イヤフォン。連続再生時間は約8時間となる。想定価格は2999円。初夏に発売予定

 

12.Soundcore Spirit X

↑汗に強いスポーツ向けイヤーフック型イヤフォン。連続再生時間は約12時間となる。想定価格は2999円。5月8日発売予定

 

アンカージャパンは、新ブランドの強みは「性能、品質、デザインに優れていて、価格のバランスがちょうどよいこと」といいます。多くの製品が夏頃の発売を予定しますが、「Soundcore Mini 2」と「Soundcore Spirit X」の2製品は、5月上旬には発売されます。

 

なお、筆者は「Soundcore Mini 2」を試しましたが、最大音量にすると、リビングでは煩すぎるくらいのボリュームになります。とは言え、音割れはなく、重低音もしっかり響くので、アウトドアレジャーや、イベント会場でのBGM再生、あるいはストリートダンスの練習などにも使えそうな気がしました。 ちなみに2個つなげてステレオ再生も可能とのこと。価格も3999円とお手頃なので、予算に余裕があればダブルで購入するのもオススメです。

 

コスパが高い製品が欲しいという人はぜひチェックしておいてください。

春のヘッドフォン祭 2018

春のヘッドフォン祭り 2018が4月28日に中野サンプラザで開幕した。ゼンハイザーの「HD 820」、Chord Electronicsの「Quetest」など、注目機種が目白押し。ASCIIでも会場の様子などを中心にレポートを掲載してく予定だ。