スズキのクーペSUVから、トヨタの新型クラウンまで!プロがヒットを確信する4台

2025年に流行するモノは何か、専門家が大断言する「GetNavi NEXTトレンド」。今回取り上げるのはクルマ部門。2025年ヒット確実の4台を紹介する。

スタイリッシュなデザインに4WDの走破性も好評!

スズキ
フロンクス
254万1000円〜282万7000円

 

グローバル展開するモデルが日本向け仕様になって上陸!

SUVらしい力強さとクーペの流麗なフォルムを融合した「クーペスタイルSUV」。世界70か国で販売されているグローバルモデルだが、日本仕様には悪路や雪道の走行を想定した4WDも用意される。10月末には受注台数が1万台を突破した。

 

SPEC【2WD】●全長×全幅×全高:3995×1765×1550mm ●車両重量:1070kg ●パワーユニット:1460cc直列4気筒DOHC ●最高出力:101PS/6000rpm ●最大トルク:135Nm/4400rpm ●WLTCモード燃費:19.0km/L

 

 

↑流麗なクーペスタイルに存在感のあるフロントマスクや独特のボディラインによる力強さを演出した足回りが印象的。最小回転半径は4.8mと市街地でも扱いやすいサイズだ。

 

↑コンパクトなボディながら、レイアウトの工夫やホイールベースを長くすることで後席も足元が広く、快適に過ごせる。

 

↑ブラック×ボルドーの配色となる内装は日本仕様専用。安全運転支援装備も充実しており、ヘッドアップディスプレイも備えている。

 

↑5名乗車時でも最大210Lの容量を確保するラゲッジルーム。取り外し可能なラゲッジボードを活用してアレンジもできる。

 

↑K15C型エンジンとマイルドハイブリッド、6速オートマチックを組み合わせる。力強くスムーズ、スポーティな走りを実現する。

 

【ヒット確定の根拠】コンパクトでも存在感は大! 4WDも選べる

「印象的な顔とクーペのようなフォルムによりコンパクトでも存在感が十分。装備が非常に充実していて走りもしっかりしています。それでいてお買い得な価格を実現しているのはさすがスズキです。海外にはない4WDが日本では選べます」(モータージャーナリスト・岡本幸一郎さん)

 

<コレも注目!>待望のスイスポが間もなくデビュー?

※写真は通常のスイフト

 

スズキ
スイフトスポーツ
価格未定

 

スイフトのコンパクトで軽い車体に強力なエンジンを積んで足まわりを強化した高性能版は、歴代モデルも低価格で楽しいクルマとしてもてはやされてきた。ベース車の登場から約1年、まもなく新型が登場する見込みだ。

↑機能的にまとめられたスイフトスポーツ(現行モデル)のインパネまわり。マニュアルトランスミッションが登場するかも注目だ。

 

クラウン4タイプの“最後の砦”はついに2025年発売!?

トヨタ
クラウン(エステート)
価格未定(2025年発売予定)

 

度々の発売延期を経てワゴン(エステート)スタイルが登場!

2022年に新しいクラウンシリーズが発表されてから2年経った現在、4タイプの最後の砦として発売が待たれるエステート。後席の背もたれを倒せばフルフラットなデッキが現れ、機能的なSUVとして使えるのがウリとなっている。

 

SPEC(開発目標値) ●全長×全幅×全高:4930×1880×1620mm

 

↑後席を倒した際に若干の傾斜は生じるが、凹凸のないフルフラットな空間が出現。後席の足元空間を埋める拡張ボードも設置することが可能だ。

 

【ヒット確定の根拠】高級な内外装と使い勝手に優れるトランクが武器

「現行クラウンシリーズの第4弾は、車体後部のトランク(荷室)がポイント。使い勝手に優れる広々としたトランクは並のSUVとは一線を画します。高級感のある内外装もクラウンならでは。完成度の高いPHEVもラインアップされます」(モータージャーナリスト・岡本幸一郎さん)

 

日本での登場が待たれる正統派AWD

※写真は北米仕様


SUBARU

フォレスター
価格未定

 

高い燃費効率を誇る「ストロングハイブリッド」採用!?

2023年のロサンゼルスモーターショーで世界初公開となり、北米で販売中の新型フォレスター。現行型よりもシャープなデザインとなり、同社のクロストレックで採用した「ストロングハイブリッド」も搭載される見込みだ。

 

SPEC【Tuoring(米国仕様】●全長×全幅×全高:4656×1828×1730mm ●車両重量:1662kg ●パワーユニット:2.5L水平対向4気筒DOHC ●最高出力:180PS/5800rpm ●最大トルク:178lb-ft/3700rpm ●WLTCモード燃費:非公表

 

↑「ストロングハイブリッド」は状況に応じて動力源であるエンジンとモーターを効率よく使い分ける新世代のハイブリッド方式だ。

 

【ヒット確定の根拠】スバルならではのこだわりに満ちた定番モデルの新型

「スバルならではの水平対向エンジン×シンメトリカルAWDや、このスクエアなフォルムがいいという大勢のファンが新型の登場を待っています。秋に発表された待望のストロングハイブリッドもラインナップに加わる見込みです」(モータージャーナリスト・岡本幸一郎さん)

 

輸入車販売台数No.1モデルはEVも加わり盤石!


BMW

MINI COOPER E(3ドア)
463万円〜531万円

 

約10年ぶりの全面改良でBEV(電気自動車)も追加

2023年の国内輸入車販売台数No.1に輝くMINI COOPERが約10年ぶりにモデルチェンジして4代目に進化。ガソリンモデルのほかBEV(電気自動車)も登場し、より幅広いラインナップから選べる。5ドアモデルも登場した。

 

SPEC【クーパー SE(3ドア)】●全長×全幅×全高:3855×1755×1460mm ●車両重量:1640kg ●パワーユニット:モーター×1 ●最高出力:218PS/7000rpm ●最大トルク:33.7kg-m/1000〜4500rpm ●一充電走行距離:446km

 

↑SUVタイプの「MINI Countryman」も同時にモデルチェンジ。ガソリンモデルのほかクリーンディーゼル、そしてBEVも選べる。

 

【ヒット確定の根拠】10年ぶりのモデルチェンジ!よりシンプルかつモダンに

「もともと日本でも大人気のMINIですが、新型はMINIらしさを継承しながらもガラリと雰囲気が変わり、とことんシンプルになりました。しかも中身は最新の装備が満載されていて、100%BEV版がついに設定されたのもポイントです」(モータージャーナリスト・岡本幸一郎さん)

 

モータージャーナリスト:岡本幸一郎さん
26台の愛車を乗り継ぎ、軽から高級車まで幅広く網羅。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。

 

※「GetNavi」2025月2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです。

ツラは個性派、中身はラグジュアリー。走りを極めたBMW「Mモデル」の最新作「BMW XM」をレビュー

今回は、走りを極めたBMWとしても知られるMモデルの最新作「BMW XM」を紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2023年12月号に掲載された記事を再編集したものです

 

これぞ電気と内燃機関のイイとこ取り?

BMW XM
SUV

SPEC●全長×全幅×全高:5110×2005×1755mm●車両重量:2710kg●パワーユニット:4394ccV型8気筒DOHC+ツインターボ+モーター●最高出力:489[197]PS/6000[6000]rpm●最大トルク:66.3[28.6]kg-m/1600〜5000[1000〜5000]rpm●WLTCモード燃費:8.5km/l
●[ ]内はモーターの数値

 

新時代の「M」らしい大胆な見た目と走りを実現

XMは、走りを極めたBMWとしても知られるMモデルの最新作。パワートレインには、Mモデル初のプラグインHVを採用。4.4l V8ツインターボに電気モーター、総電力量29.5kWhのリチウムイオンバッテリーの組み合わせで、100km超えのEV走行と0〜100km/h加速4.3秒(本国値)という速さを両立する。

 

その外観は、ご覧の通りかなりの個性派。特にフロントマスクは、最新BMWのなかでも押し出しの強さが際立つ仕立てだ。一方、室内は従来のMモデルとは一線を画するラグジュアリーなテイストが印象的。前後席、あるいは荷室の広さも申し分ない。

 

また、その走りは2.7t超えとなる重さを意識させない。加速感は8速ATを介した歯切れの良さを意識させる味付けで、操縦性も見た目以上に軽快。BMWいわく、XMは新時代のMモデル像を提案する1台とのことだが、実際に接するとその新鮮味は十二分と言える仕上がりだった。

 

新しさと豪華さを両立する仕立て

最新のBMWらしく、インパネ回りは電気駆動モデルらしい新しさを演出。その一方、間接照明のルーフやクラシックな風情のトリムなどでラグジュアリーな風情も十分。

 

新時代のMは後席の居心地も極上

Mラウンジと名付けられた後席回りは、上質な仕立てに加えてSUVとしての空間作りもボディサイズに相応しい広さ。前後席の居心地はすこぶる良い。

 

プラグインHVは速さとエコを両立

システムトータルのパワー&トルクは653PS&81.6kg-mに達するXMのパワートレイン。EV時の最大航続距離は103㎞と、日常的な使用環境をカバーできる。

 

細かい部分の作りもラグジュアリー

荷室も2130万円という高級車に相応しい作り。容量は527lを確保する。充電ケーブルを収める専用バックもしっかりとデザインされた上質な仕立て。

 

「M」では久々の専用モデル

Mシリーズとしては、ミッドシップスポーツのM1以来の専用モデルとなるXM。外観はSUVながら大胆な造形が目を引く。その走りは、Mモデルらしくスポーティだ。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

デザインはオラオラ、加速は気持ちよすぎ。BMWのフラッグシップSUV「XM」はゴージャスそのもの

ラグジュアリーブランドでありながら、いつの時代も「走りの愉しさ」を追求してきたBMW。その新時代のフラッグシップモデルとなる「XM」は、SUVでありながらスーパーカーのような斬新なスタイリングで、しかもPHEV(プラグインハイブリッドカー)。その全貌を清水草一がレポートする。

 

■今回紹介するクルマ

BMW XM(試乗グレード:Mモデル)

価格:2130万円

 

XMは現代のスーパーカー

メルセデス・ベンツ、BMW、アウディのドイツ御三家は、モデル数が天文学的に増えている。特にSUVは超売れ筋ゆえ、もはやクルマ好きでも観測不能というほど多くのラインアップが揃っている。

 

BMWのSUVラインアップは、従来X1からX7までの7モデルだったが、そこに今回新たにXMが加わった。これまで、1から7まで数字が大きいほど車体が大きく、奇数は実用的、偶数はスポーティという色分けだったが、X「M」はいったいどこに属するのか?

 

ズバリ「M」である。MとはBMW Mのこと。BMWのなかでも特別にスポーティなモデルを開発する部門で、これまで「M3」などの名車を送り出してきた。ただしXMは、M3やM4よりもさらに格上の存在だ。なぜなら、M専用モデルだからだ。

 

M3は3シリーズを、M4は4シリーズをベースに作られているが、XMはM専用ゆえにMしかない。1978年の「M1」以来のM専用モデルなのだ。M1と言えば、マンガ『サーキットの狼』にも登場したスーパーカー。現代のスーパーカーはSUVスタイルが妥当! ということなのだろう。

 

フラッグシップだけあって強力なオラオラ感

シルエットは、現代のスーパーSUVとしては控え目で、特別スポーティには見えない。正直、「これってX6がベース?」と思ったくらいだ。しかし実際のサイズはX7とほぼ同じで、シャシーベースになったのは新型7シリーズ。つまりXMはBMWの新しいフラッグシップモデルと言うこともできる。

↑サイズは全長5110×全幅2005×全高1755mm。また試乗モデルはケープ・ヨーク・グリーンのカラーで、ほかにもカーボン・ブラックなど、合計で9色のボディカラーを展開しています

 

さすが「M専用モデル」かつ「BMWのフラッグシップ」だけあって、デザインのディテールはもの凄い。キドニーグリルをはじめ、ボディ各所にゴールドがあしらわれ、強力なオラオラ感を醸し出している。ゴールドというとギンギラなイメージだが、XMのゴールドはシャンパン系のゴールドなので適度に上品。ギンギラギンではなく、上品に最大限オラオラしたいという富裕層にはピッタリではないだろうか。私は一目で気に入った。庶民ですけど。

↑ウィンドウを大きく囲むアクセント・バンドや、リア、ホイールなどいたるところにゴールドが

 

↑リアは横方向に伸びるスリムかつ大胆にデザインされたL字型LEDコンビネーション・ライトで力強さを表現

 

なかでもインパクト絶大なのが、新しいデザインのキドニーグリルだ。形状は以前より角ばった八角形で、サイズも最近のBMWらしくどデカいが、縁が二重になっているのが新しい。しかもこのキドニーグリル、照明機能が付いており、夜間には輪郭がくっきり浮かび上がる。バックミラーに映れば一目瞭然。今回の試乗は昼間だったが、夜見たらインパクトはさらに絶大になったことだろう。「オラオラすぎる!」という意見もあるだろうが、なにしろBMWの頂点に君臨するモデルなのだから、これくらいワクワクさせてもらったほうがうれしい。

↑キドニーグリルがヘッドライトの間に配置されたフロント。クロームで縁取ることで高級感を表現しているそうです

加速は強力無比。気持ちよすぎてついアクセルを踏みたくなる

BMWの新たなフラッグシップだけに、XMのパワートレインは強力そのもの。新開発のPHEVシステム「Mハイブリッド」を搭載している。4.4L V型8気筒ツインターボエンジンに、電気モーターを組み合わせ、最大出力653PS、最大トルク800Nmを発生させる。

↑4.4L V型8気筒ツインターボエンジンと、第5世代のBMW eDriveテクノロジーを採用した電気モーターを搭載

 

駆動方式は、PHEV専用の4WDシステム「M xDrive」。0~100km/hの加速が4.3秒というから、まさにスーパーカー級だ。しかもこのクルマ、車両重量が2.7トンもある。そんな重い物体をこれほど強力に加速するのだから、恐れ入るしかない。ただし、最高速は250km/h(リミッター作動)と控え目(?)だ。エコに配慮したのだろうか。オプションの「Mドライバーズパッケージ」を装備すれば、リミッターを270km/hに引き上げることもできる。日本では関係ない話ですが。

 

実際に走らせると、XMの加速は強力無比。ガソリンエンジンの伸びと、電気モーターのトルクのいいとこどりなのである。アクセルを踏めばスーパーEVのようにグワッと前に出るが、どこか温かみがあり、ムチ打ちにはならないギリギリの線に抑えてある。もちろん加速の伸びはV8ツインターボならでは。加速が気持ちよすぎて、ついアクセルを踏みたくなる。

 

ボディやサスペンションの仕上がりがまた凄い。基本的に超絶スポーティなのだが、超絶なボディの剛性感のおかげで、これだけ巨大なサイズでありながら、引き締まって小さく感じる。全幅2mを超えているのに5ナンバーサイズみたい……と言ったらおおげさだが、とにかくいっさいブレずにゴーカートにように走ってくれるので、そのぶん小さく感じるのは確かだ。

 

ちなみに搭載されているリチウムイオンバッテリーは、容量29.5kWh(正味容量25.7kWh)。EVモードでは、最大88km(WLTPサイクル)走行できるが、ドライブモードを「スポーツ」や「スポーツ+」に切り替えると、エコなんか一切忘れて加速レスポンスに徹することになる。さすがBMWのM専用モデルだ。

 

ナイトドライブはさらにゴージャス(と想像)

インテリアも豪華そのもの。オラオラしつつも、適度に上品にまとめられているのはエクステリアと同じだ。驚かされるのは天井部の造形で、音響室のように凸凹している。これはいったい何が目的か? と訝ったが、サウンドを美しく聞かせようというわけではなく、夜、ルーフサイドにあしらわれたアンビエントライトで、凸凹を怪しく浮かび上がらせる目的らしい。

↑ヴィンテージ調のレザーを取り入れ、エレガントな印象を持たせたインテリア

 

↑天井部の造形は「イルミネーテッド・ルーフ・ライニング」と称され、デザインと間接照明の組み合わせで空間を演出します

 

今後もしXMに乗る機会があれば、ぜひナイトドライブを体験してみたい。昼間よりもさらにゴージャスに突っ走るに違いなかろうて。

SPEC【XM】●全長×全幅×全高:5110×2005×1755mm●車両重量:2710kg●パワーユニット:4394ccV型8気筒エンジン+電気モーター●システムトータル最高出力:653PS(480kW)●システムトータル最大トルク:800Nm●WLTCモード燃費:8.5km/L

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

 

撮影/清水草一

デザインはオラオラ、加速は気持ちよすぎ。BMWのフラッグシップSUV「XM」はゴージャスそのもの

ラグジュアリーブランドでありながら、いつの時代も「走りの愉しさ」を追求してきたBMW。その新時代のフラッグシップモデルとなる「XM」は、SUVでありながらスーパーカーのような斬新なスタイリングで、しかもPHEV(プラグインハイブリッドカー)。その全貌を清水草一がレポートする。

 

■今回紹介するクルマ

BMW XM(試乗グレード:Mモデル)

価格:2130万円

 

XMは現代のスーパーカー

メルセデス・ベンツ、BMW、アウディのドイツ御三家は、モデル数が天文学的に増えている。特にSUVは超売れ筋ゆえ、もはやクルマ好きでも観測不能というほど多くのラインアップが揃っている。

 

BMWのSUVラインアップは、従来X1からX7までの7モデルだったが、そこに今回新たにXMが加わった。これまで、1から7まで数字が大きいほど車体が大きく、奇数は実用的、偶数はスポーティという色分けだったが、X「M」はいったいどこに属するのか?

 

ズバリ「M」である。MとはBMW Mのこと。BMWのなかでも特別にスポーティなモデルを開発する部門で、これまで「M3」などの名車を送り出してきた。ただしXMは、M3やM4よりもさらに格上の存在だ。なぜなら、M専用モデルだからだ。

 

M3は3シリーズを、M4は4シリーズをベースに作られているが、XMはM専用ゆえにMしかない。1978年の「M1」以来のM専用モデルなのだ。M1と言えば、マンガ『サーキットの狼』にも登場したスーパーカー。現代のスーパーカーはSUVスタイルが妥当! ということなのだろう。

 

フラッグシップだけあって強力なオラオラ感

シルエットは、現代のスーパーSUVとしては控え目で、特別スポーティには見えない。正直、「これってX6がベース?」と思ったくらいだ。しかし実際のサイズはX7とほぼ同じで、シャシーベースになったのは新型7シリーズ。つまりXMはBMWの新しいフラッグシップモデルと言うこともできる。

↑サイズは全長5110×全幅2005×全高1755mm。また試乗モデルはケープ・ヨーク・グリーンのカラーで、ほかにもカーボン・ブラックなど、合計で9色のボディカラーを展開しています

 

さすが「M専用モデル」かつ「BMWのフラッグシップ」だけあって、デザインのディテールはもの凄い。キドニーグリルをはじめ、ボディ各所にゴールドがあしらわれ、強力なオラオラ感を醸し出している。ゴールドというとギンギラなイメージだが、XMのゴールドはシャンパン系のゴールドなので適度に上品。ギンギラギンではなく、上品に最大限オラオラしたいという富裕層にはピッタリではないだろうか。私は一目で気に入った。庶民ですけど。

↑ウィンドウを大きく囲むアクセント・バンドや、リア、ホイールなどいたるところにゴールドが

 

↑リアは横方向に伸びるスリムかつ大胆にデザインされたL字型LEDコンビネーション・ライトで力強さを表現

 

なかでもインパクト絶大なのが、新しいデザインのキドニーグリルだ。形状は以前より角ばった八角形で、サイズも最近のBMWらしくどデカいが、縁が二重になっているのが新しい。しかもこのキドニーグリル、照明機能が付いており、夜間には輪郭がくっきり浮かび上がる。バックミラーに映れば一目瞭然。今回の試乗は昼間だったが、夜見たらインパクトはさらに絶大になったことだろう。「オラオラすぎる!」という意見もあるだろうが、なにしろBMWの頂点に君臨するモデルなのだから、これくらいワクワクさせてもらったほうがうれしい。

↑キドニーグリルがヘッドライトの間に配置されたフロント。クロームで縁取ることで高級感を表現しているそうです

加速は強力無比。気持ちよすぎてついアクセルを踏みたくなる

BMWの新たなフラッグシップだけに、XMのパワートレインは強力そのもの。新開発のPHEVシステム「Mハイブリッド」を搭載している。4.4L V型8気筒ツインターボエンジンに、電気モーターを組み合わせ、最大出力653PS、最大トルク800Nmを発生させる。

↑4.4L V型8気筒ツインターボエンジンと、第5世代のBMW eDriveテクノロジーを採用した電気モーターを搭載

 

駆動方式は、PHEV専用の4WDシステム「M xDrive」。0~100km/hの加速が4.3秒というから、まさにスーパーカー級だ。しかもこのクルマ、車両重量が2.7トンもある。そんな重い物体をこれほど強力に加速するのだから、恐れ入るしかない。ただし、最高速は250km/h(リミッター作動)と控え目(?)だ。エコに配慮したのだろうか。オプションの「Mドライバーズパッケージ」を装備すれば、リミッターを270km/hに引き上げることもできる。日本では関係ない話ですが。

 

実際に走らせると、XMの加速は強力無比。ガソリンエンジンの伸びと、電気モーターのトルクのいいとこどりなのである。アクセルを踏めばスーパーEVのようにグワッと前に出るが、どこか温かみがあり、ムチ打ちにはならないギリギリの線に抑えてある。もちろん加速の伸びはV8ツインターボならでは。加速が気持ちよすぎて、ついアクセルを踏みたくなる。

 

ボディやサスペンションの仕上がりがまた凄い。基本的に超絶スポーティなのだが、超絶なボディの剛性感のおかげで、これだけ巨大なサイズでありながら、引き締まって小さく感じる。全幅2mを超えているのに5ナンバーサイズみたい……と言ったらおおげさだが、とにかくいっさいブレずにゴーカートにように走ってくれるので、そのぶん小さく感じるのは確かだ。

 

ちなみに搭載されているリチウムイオンバッテリーは、容量29.5kWh(正味容量25.7kWh)。EVモードでは、最大88km(WLTPサイクル)走行できるが、ドライブモードを「スポーツ」や「スポーツ+」に切り替えると、エコなんか一切忘れて加速レスポンスに徹することになる。さすがBMWのM専用モデルだ。

 

ナイトドライブはさらにゴージャス(と想像)

インテリアも豪華そのもの。オラオラしつつも、適度に上品にまとめられているのはエクステリアと同じだ。驚かされるのは天井部の造形で、音響室のように凸凹している。これはいったい何が目的か? と訝ったが、サウンドを美しく聞かせようというわけではなく、夜、ルーフサイドにあしらわれたアンビエントライトで、凸凹を怪しく浮かび上がらせる目的らしい。

↑ヴィンテージ調のレザーを取り入れ、エレガントな印象を持たせたインテリア

 

↑天井部の造形は「イルミネーテッド・ルーフ・ライニング」と称され、デザインと間接照明の組み合わせで空間を演出します

 

今後もしXMに乗る機会があれば、ぜひナイトドライブを体験してみたい。昼間よりもさらにゴージャスに突っ走るに違いなかろうて。

SPEC【XM】●全長×全幅×全高:5110×2005×1755mm●車両重量:2710kg●パワーユニット:4394ccV型8気筒エンジン+電気モーター●システムトータル最高出力:653PS(480kW)●システムトータル最大トルク:800Nm●WLTCモード燃費:8.5km/L

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

 

撮影/清水草一

使い勝手の良さだけじゃない! これがスポーティステーションワゴンの矜持だ!【BMW 3シリーズ ツーリング】

セダンの利便性はそのままに、荷室スペースを拡大した2ボックスモデルがステーションワゴン。その魅力は使い勝手の良さがおもにクローズアップされがちだが、美しいデザイン、そして低い重心がもたらすスポーティな走りこそ真骨頂。そんなステーションワゴンのトレンドを専門家が紹介。今回は「BMW 3シリーズ ツーリング」をピックアップ!

※こちらは「GetNavi」 2023年6月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【私が選びました】

自動車ライター・海野大介さん

ウェブを中心に活動する自動車ライター。国内A級ライセンスと1級小型船舶という、趣味性の高い資格を保持。

 

スポーティかつ上質なBMWの主力モデル

BMW
3シリーズ ツーリング

664万円〜1104万円

SPEC【M340i xDrive ツーリング】●全長×全幅×全高:4725×1825×1450mm●車両重量:1810kg●パワーユニット:2997cc直列6気筒DOHC●最高出力:387PS/5800rpm●最大トルク:51.0kg-m/1800〜5000rpm●WLTCモード燃費:10.6km/l

BMWの主力モデルである3シリーズ。その魅力はスポーティさと上質さを兼ね備えている点だ。同ブランドの美点である正確なハンドリングはもちろん、最大1510ℓを誇るラゲッジルームは低い位置から開くので使いやすい。

 

↑ボタンやスイッチ類を最小限に抑えたインパネ。センターにはインパネに浮いて見えるフレームレスのカーブド・ディスプレイを採用する

 

↑セダン同様の快適性を持つリアシート。積載物によって多彩なシートアレンジを可能にする40:20:40の分割可倒式を採用している

 

↑ラゲッジルームは後輪の張り出しも最小限で使いやすいのが特徴。床下のサブトランクには取り外したトノカバーが収納できる設計に

 

【ココがスポーティな意匠】抜群の安定感と正確なハンドリングが身上

前後重量配分はセダンと同じ48:52。またホイールベースがセダンより少し長いぶん、高い直進安定性と安定したコーナリングは魅力だ。そこに気持ちの良いエンジンとはさすがBMW!

乗り味はロールス・ロイス「ファントム」超えだな! BMW「7シリーズ」と「i7」の試乗報告

1970年代からBMWのフラッグシップサルーンとして君臨してきた「7シリーズ」も、電気の時代を迎えたことで、シリーズとしては初のEVモデル「i7」を新たにラインナップ。最高級車としての実力は、ライバルブランドと比較してどうか? またエンジンモデルとEVモデルでどのような違いが味わえるのでしょうか?

 

■今回紹介するクルマ

BMW/7シリーズ & i7

※試乗グレード:740i Mスポーツ(7シリーズ)、xDrive60エクセレンス(i7)

価格:(7シリーズ)1460万円~1501万円、(i7)1670万円~

↑写真左から740i Mスポーツ(7シリーズ)、xDrive60エクセレンス(i7)

 

ロールス・ロイスを意識したデザインで、見た目の威厳的にすごくアリ

みなさんは、ロールス・ロイスを知ってますよね。恐らく「世界一の高級車」という認識だと思います。実はいまロールス・ロイスは、BMW傘下にあるのですね。ロールス・ロイスのラインナップの頂点に君臨するのが「ファントム」。その見た目は、「とにかく高そう」で「すごく怖そう」で、「ひたすら威厳のカタマリ」です。そしてロールス・ロイスのデザインを象徴するのが、フロントグリル。「パンテオン・グリル」と呼ばれており、円柱が並ぶローマ神殿を模しています。

 

実は私、アレは「パルテノン・グリル」だと思い込んでいました。パンテオンはローマの神殿で、パルテノンはアテネの神殿。円柱が並ぶ形状は同じですが、パンテオンのほうは、その上に三角形が乗っかってる(残ってる)。そっちがロールス・ロイスのグリルの元ネタだったわけです。知らなかった!

 

一方、BMWのグリルは「キドニー・グリル」です。キドニーとは腎臓のこと。楕円形が2個並んだ姿が腎臓に似ているので、この名が付きました。新型7シリーズでは、そのキドニー・グリルが左右合体して、まるでパンテオン・グリルみたいになりました! これ、どう見てもロールス・ロイスを意識してるだろ!

↑xDrive60エクセレンス。グリルだけでなく、全体のフォルムも、ものすごく古典的に角張ったセダン型で、ロールス・ロイスを意識したかのようです

 

BMWの最高級セダンである7シリーズは、従来、メルセデス・ベンツのSクラスに対して常にスポーティであり、デザインもその文法に則っていましたが、新型は逆張りで、ロールス・ロイスに寄せてきたわけです。ライバルのメルセデス・ベンツEQSが、スポーティな「謎の円盤」にリボーンしたのと正反対! お互いに逆張りしたことで、ポジショニングが完全に逆転しました。

 

しかしこの、ロールスみたいな7シリーズのデザイン、意外と悪くないです。これまでの7シリーズは、「しょせんSクラスにはまるでかなわない万年2位」でしたが、新型はなにしろロールス風味。見た目の威厳に関しては、EQSをはるかに凌駕しています。こういう最高級セダンに乗る方々は、たぶん最大限の威厳を求めているでしょうから、すごく「アリ」だと思います!

↑サイズは全長5390×全幅1950×全高1545mm。カラーは13色をそろえています

 

乗り心地はフワッフワ! それでいて超ダイレクトなハンドリングで新鮮

ところで新型7シリーズには、エンジンモデルとEV(電気自動車)とが併存しています。エンジンモデルは3.0L直6のガソリン/ディーゼルですが、今回はガソリンの740i Mスポーツに試乗しました。従来7シリーズと言えば、V8やV12の巨大なエンジンを積んでいましたが、ダウンサイジングの流れにより、3.0L直6に統一されております。

↑740i Mスポーツ。サイドには流れるようなラインが施され、軽やかさが感じられます

 

BMWの3.0L直6と言えば、「シルキー6」と呼ばれ、カーマニア垂涎の的ですが、7シリーズは2tを超える重量級。さすがにパワーが足りないのでは? と思ったのですが、450Nm(先代)から520Nmへと増強されたぶっといトルクが、低い回転からグイグイと車体を前に押し出します。回転も超なめらかでスバラシイ! BMW3.0L直6はここまで進化したのか!

 

「しかも乗り心地が凄い! とろけるようにフワッフワ! この感覚はまさにロールス・ロイスに近いっ!」

 

ロールス・ロイスの名前や形は知っていても、乗ったことのある方は少ないと思います。いったいどんな乗り心地なのかと言うと、「雲の上」です。雲の上のクルマだけに雲の上。そのまんまやないけ! ですが、運転していてもステアリングインフォメーション、つまりハンドルから伝わる路面情報がまったくゼロ! 本当に浮かんでるんじゃないか? って感じなのです。新型740i Mスポーツも、その感覚に近く、浮かんでいるかのような体験でした。

 

ただ、BMWだけに、ステアリング・インフォメーションはそれなりにあり、電子制御エアサスの恩恵で、ハンドルを切ってもまったく車体が傾かず、そのままズバーンとカートみたいに曲がります。フワッフワなのに超ダイレクトなハンドリングがものすごく新鮮! このクルマ、どーなってんの?

↑コックピットには、12.3インチの情報ディスプレイと14.9インチのコントロール・ディスプレイで構成されるBMW カーブド・ディスプレイを搭載

 

振動が完全にゼロ、加速はウルトラケタ外れ! もうロールス・ロイス超えだろ

ここまででもビックリですが、新型7シリーズのEV版であるi7のxDrive60エクセレンスは、さらにケタ外れでした。まずもって、パワーユニットの滑らかさが段違い。ガソリン直6でもウルトラスムーズなのに、さすが電気モーターだけあって、振動が完全にゼロ! 日産「サクラ」も振動ゼロのはずだけど、まったく感覚が違います。そんなのあるのか? いやいや、上には上がいるのですね。

↑「740i」のパワーユニットは3リッター直6ガソリンターボエンジンと48Vのマイルドハイブリッドシステムの組み合わせ

 

乗り心地もさらにフワッフワ! ガソリンモデルより車体が600kgくらい重いぶん、フワッフワさがものすごく荘重! 荘重なフワフワなんてあるのか? と思われるでしょうが、あるんですね。ビックリです。

 

加速もウルトラケタ外れ! 前後に2個搭載されたモーターは、合計745Nmのトルクを生み出し、アクセルを踏み込めば、宇宙船のように加速します。740i Mスポーツがお子様用に思えてしまうほどの、強烈な加速の差! こんなに速くてどうするの! って感じですが、「物凄いものに乗っている」感はハンパないです。もちろんコーナーでは、ロールせずにカキーンと直角に曲がります。そうか、電気自動車って、こんなにも高級車向きだったのか……。

↑xDrive60エクセレンスは静止状態から100km/hまでを4.7秒(ヨーロッパ仕様車値)で駆け抜けます

 

i7の乗り味は、ロールス・ロイス ファントムを超えたと言ってもいいでしょう。6.8L V12ターボ(BMW製ですが)でも、i7のモーターのパワーや滑らかさにはかなわない。ロールス・ロイス ファントムのお値段は、6050万円から。たったの1670万円で買えるBMWのi7は、猛烈にコスパが高いと思います! 以上報告終わり!

↑受注生産オプションの「エグゼクティブ・ラウンジシート」。そして、Amazon Fire TVを搭載した31.3インチのBMWシアター・スクリーン(オプション)は快適空間じゃ!

 

SPEC【740i Mスポーツ】●全長×全幅×全高:5390×1950×1545mm●車両重量:2395kg●パワーユニット:2997cc直列6気筒ガソリンエンジン●最高出力:381PS(280kW)/5500rpm●最大トルク:520Nm/1850-5000●WLTCモード燃費:12.8km/L

 

SPEC【xDrive60エクセレンス】●全長×全幅×全高:5390×1950×1545mm●車両重量:2965kg●パワーユニット:電気モーター●最高出力:前258+後313PS/前後8000rpm●最大トルク:前365+後380Nm /前0-5000+後0-6000rpm●WLTCモード一充電走行距離:650km

 

撮影/池之平昌信

 

 

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世界から愛されて50年超丸目の哲学を今に受け継ぐBMW「MINI」

近年、素材整形技術の進化とともに、シャープなデザインを特徴とする“ツリ目”ライトのクルマが増えてきた。一方で、古くから存在し続けているのは“丸目”ライトを持つクルマたち。ファニーな印象を与えがちな丸目ライトだが、その瞳の奥に秘めたトガった魅力を分析していこう。

※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです

 

ワタシが評価しました!

自動車評論家

清水草一さん

これまで50台以上のクルマを愛車としてきたベテラン評論家。専門誌でデザインに関する連載を持っていたほどクルマの見た目にはうるさい。

 

BMW/MINI

298万~516万円(税込)

長年にわたって販売されていたクラシック・ミニが、2001年にBMWによってリボーンさせられてからすでに3代目。独自の乗り味「ゴーカートフィーリング」はそのままに、メカは現代的にアップデートされている。

SPEC(クーパー・5ドア)●全長×全幅×全高:4025×1725×1445mm●車両重量:1260kg●パワーユニット:1498cc直列3気筒ターボエンジン●最高出力:100kW/4500rpmm●最大トルク:22oN・m/1480〜4100rpm●WLTC燃費:15.6km/L

 

生まれたのはまだ丸目しかなかった時代

59年に誕生した元祖ミニは、最小のサイズで最大限の居住性を追求した偉大なる大衆車で、極限までシンプルだったから、当然ヘッドライトは丸目だった。

 

現在のミニのデザインは、あくまで元祖ミニを出発点としている。サイズは大幅に大きくなったが、フォルムはあくまで元祖を彷彿とさせる。ミニは元祖ミニっぽくなければ、ミニじゃなくなってしまうのだ。

 

[ココはトガっている] クセの強い特別仕様車が続々登場!

ブランド力とファッション性の高さもあって、さまざまなカラーリングの特別仕様車が次々に登場している。写真は、英国のストリートアートの聖地の名を冠した「ブリックレーン」

 

↑ボディサイズは拡大されてきたものの、インパネ中央に丸い大型ディスプレイを配置したポップなデザインはいまも健在だ

 

↑伝統の3ドアハッチバックに加え、コンバーチブルやクロスオーバーSUV、ワゴン風のクラブマン、5ドアもあり

 

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実用的な最新EV! スポーティなBMW 「i4」とフレッシュなテスラ「モデルY」に試乗

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」で試乗したBMWの「i4」とテスラ「モデルY」は、実用的な一充電あたりの航続距離を確保する最新EV。しかしそのキャラクターは、両ブランドならではの持ち味が表れており対象的だ。i4はBMWらしいスポーツ性を、モデルYは新種のクルマらしい新しさを体感できる。

※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【その1】EVでもBMWらしいスポーティさは健在!

【EV】

BMW

i4

SPEC【i4 eDrive40】●全長×全幅×全高:4785×1850×1455mm●車両重量:2080kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:83.9kWh●最高出力:340PS/8000rpm●最大トルク:43.8kg-m/0〜5000rpm●一充電最大航続距離(WLTCモード):604km

 

高性能版のMモデルでは血の気が引く速さも体感

BMWのEVラインナップでは、「iX3」に続いて伝統的なエンジンモデルのイメージを色濃く残しているのが「i4」。ベースは4シリーズ・グランクーペで、遠目から眺める限りでは外観の違いはほとんどない。一方、室内に目を転じるとメーター回りはi4独自のデザインとなっており、EVらしさを実感できる仕上がりだ。床下にバッテリーを搭載する構造ゆえ、乗り込むとガソリン仕様より若干フロアが高くなった印象もあるが、4ドアモデルとしての実用性は上々。前後席は十分な広さを確保しており、荷室容量もガソリン仕様と変わらない。

 

その走りは、静粛にしてスムーズというEVらしさを実感させつつ、BMWに期待されるスポーツ性も兼ね備えている。電気駆動モデルらしいダイレクトなレスポンスは、モーターがリアのみとなるeドライブ40でも満足できるもの。フロントにもモーターが追加されるM50では、血の気が引くような衝撃的な速さも堪能できる。

 

[Point 1]メーター回りは専用デザインに

インパネ回りは、メーターとセンターディスプレイを一体化させたi4独自のデザインを採用して新しさを演出。前後席は、4ドアモデルとして実用的な広さが確保されている。

 

[Point 2]外観はあくまでさりげなく

遠目から見ると、外観は4シリーズ・グランクーペと見分けがつかない仕立て。スポーティな佇まいは、伝統的なBMWらしさが実感できる。写真はeDrive40のMスポーツ。

 

[Point 3]荷室容量はグランクーペと同等

後席を使用する通常時の荷室容量は470Lと4ドアモデルとしての実用性は十分。この数値は4シリーズ・グランクーペと同じだ。

 

[Point 4]M50ではフロントにもモーターを搭載

Eドライブ40のフロント(写真)は補器類のみとなる。最高出力が500PSを超えるM50では、この下にもモーターが収められている。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

i4 eDrive40:電気モーター/2WD/750万円

i4 eDrive40 Mスポーツ:電気モーター/2WD/791万円

i4 M50:電気モーター×2/4WD/1081万円

 

 

【その2】圧倒的に新しく、走りは楽しい!

【EV】

テスラ

モデルY

SPEC【RWD】●全長×全幅×全高:4751×1921×1624mm●車両重量:1930kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:非公表●最高出力:299PS●最大トルク:35.7kg-m●一充電最大航続距離(WLTCモード):507km

 

EV本来の実力に加えガジェット的な魅力も最強

高性能ゆえに高額なイメージがあったテスラだが、「モデル3」はグッと身近になって大ブレーク。日本でも目にする機会が多くなった。さらにファンを増やしそうなのが「モデルY」だ。モデル3と基本構造を共有しながら、人気のミッドサイズSUVとなれば、引く手数多になるのも当然だろう。

 

リア駆動のスタンダードは643万8000円で、一充電走行距離が507km。4WDは833万3000円で、その走行距離は595km。後者は0〜100km/h加速が3.7秒とスーパースポーツ並みの速さを誇る。

 

試乗したのはスタンダードだったが、それでも0〜100km/hは6.9秒でちょっとしたスポーツカー並みに速く、アクセルを踏み込めばモーター特有の太いトルクでグイグイと、しかも静かにスムーズに走っていく。乗り心地は少しだけ硬めなものの、その代わりに俊敏かつ安定性の高い超ハイレベルなシャーシとなっているので、SUVの背の高さを感じさせない。ハンドリングが楽しいのも、実はモデルYならではの魅力なのだ。

 

スマホ的なユーザーインターフェイスは、ユニークかつストレスフリーで一度使い始めるともう普通のクルマに戻れなくなりそう。ガジェットとしての魅力は、他の追随を許さないほど進んでいる。

 

[Point 1]モデル3同様シンプルで新しい

インパネ回りはモデル3と同様にシンプル。基本的な操作は、タブレットのようなセンター部分のディスプレイですべて行える。独創的なインターフェイスはテスラならではだ。

 

[Point 2]SUVでもシンプル&スポーティ

外観は兄貴分のモデルXをコンパクトにしたような仕立て。ただしリアドアの開き方は標準的な横開きになる。ミドル級SUVという位置付けだが、丸みを帯びた造形はシンプルにしてスポーティだ。

 

[Point 3]ユーティリティはハイレベル

荷室容量は5名乗車時でもトップレベルの広さを実現。モデル3と同じく収納スペースはフロントにも備わり、前後トータルでの容量は実に2100Lと、使い勝手にも優れる。

 

[Point 4]前後空間もSUVらしく広々

前後シートはたっぷりとしたサイズで、座り心地は上々。リアシートにはリクライニング機能も備わっている。内装のカラーは2タイプがラインナップされる。

 

[Point 5]スマホでの遠隔操作も可能

最新のEVらしく、専用アプリを活用すればスマホから各種機能(遠隔操作での車両の前進&後退も可能)をコントロールできるのはテスラならでは。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

RWD:電気モーター/2WD/643万8000円

パフォーマンス:電気モーター×2/4WD/833万3000円

 

文/石井昌道、小野泰治 撮影/篠原晃一、郡 大二郎

 

 

輸入クーペらしい2台! BMW「2シリーズ・クーペ」とボルボ「C40リチャージ」を試乗レポート

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」はBMWの新型2シリーズ・クーペとボルボのピュアEVクーペとなるC40リチャージを取り上げる。前者はBMWの伝統を守るコンパクト、後者はSUVとのクロスオーバーという違いはあるが、いずれも輸入車のクーペらしさを感じられるモデルだ。

※こちらは「GetNavi」 2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】4WDでも後輪駆動のBMWらしさを満喫!

クーペ

BMW

2シリーズ・クーペ

SPEC【M240i xDriveクーペ】●全長×全幅×全高:4560×1825×1405mm●車両重量:1710kg●総排気量:2997cc●パワーユニット:直列6気筒DOHC+ターボ●最高出力:387PS/5800rpm●最大トルク:51.0kg-m/1800〜5000rpm●WLTCモード燃費:10.9km/L

 

パワフルかつ爽快な伝統の操縦性は健在!

他の2シリーズとは異なり、引き続き伝統の後輪駆動レイアウトをベースとする2ドアクーペが登場。先代と比較すればボディは特に前後方向が拡大されているが、それでも現行BMWのなかでは最もコンパクトな後輪駆動モデルというポジションを保持している。

 

日本向けのパワーユニットは、4気筒2Lガソリンターボと3L直列6気筒ガソリンターボの2タイプ。トランスミッションはいずれも8速ATとなるが、駆動方式は2Lが後輪駆動なのに対し、3Lは4WDを組み合わせているのが先代モデルとの大きな違いだ。

 

今回はその最上級グレードとなるM240iに試乗したが、4WDとはいえ後輪駆動的なハンドリングを披露する点はいかにもBMW。現状先代モデルに用意されたMTの設定はないが、単にパワフルなだけではなく、吹け上がりに爽快さを感じられる6気筒ともども、伝統的なBMWらしい操縦性を味わうには、まさにうってつけの1台に仕上げられている。

 

[Point 1]伝統的なクーペのスタイルを継承

他の2シリーズはFF駆動を基本とした骨格を採用するが、この2ドアクーペのみエンジンを縦置きにするFRベースの骨格を採用。結果としてスタイリングはよりクーペらしさが強調されることに。

 

[Point 2]室内は兄貴ぶんの4シリーズ譲り

FRベースの基本骨格を採用するため、室内の作りも他の2シリーズとは別物。兄貴ぶんにあたる4シリーズに近い仕立てとなる。乗車定員は後席が2人掛けとなる4名だ。

 

[Point 3]クーペとしての実用性は上々

荷室容量はグレードを問わず通常時で390Lを確保。ドイツメーカーのクーペらしく、コンパクト級といえども実用性はハイレベルだ。

 

[Point 4]パワーユニットは2タイプ

日本仕様のエンジンは、これもBMWらしい直列6気筒の3Lターボ(写真)と4気筒2Lターボの2本立て。ミッションは、いずれも8速ATを組み合わせている。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/税込価格)

220iクーペ・スタンダード: 2.0L+ターボ/2WD/8速AT/508万円

220iクーペ・スポーツ:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/550万円

M240i xDriveクーペ:3.0L+ターボ/4WD/8速AT/758万円

 

 

【その2】ピュアEVでも走りはスポーティなクーペ級!

BEV

ボルボ

C40リチャージ

SPEC【ツインモーター】●全長×全幅×全高:4440×1875×1595mm●車両重量:2160kg●パワーユニット:電気モーター(交流同期電動機)×2●バッテリー総電力量:78kWh●最高出力:408PS/4350〜13900rpm●最大トルク:67.3kg-m/0〜4350rpm●一充電走行距離(WLTCモード):485km

 

EVらしい刺激も味わえる初の日本向けボルボEV

C40リチャージは、日本向けのボルボでは初となるピュアEV。ベースはコンパクトSUVのXC40だが、その外観はグラスエリアをコンパクトにまとめ、クーペとSUVのクロスオーバーモデルに仕立てられている。とはいえ室内や荷室回りの空間はSUVとしても十分に通用する広さを確保。車内を明るく演出するサンルーフが装備されることもあって、大人が後席に座る場合でも狭いと感じるようなことはない。

 

また、最新のボルボらしく室内はレザーフリーとして再生素材を積極採用するなど、環境にも配慮した作り。プレミアムなモデルらしい高級感を演出しつつ、高い社会性も兼ね備えている。

 

ピュアEVのパワートレインは、前輪を駆動するシングルモーター仕様と、後輪にもモーターを配したツインモーターの2種。今回の試乗車は後者だったが、その走りはスポーティなクーペ風の見た目に違わない刺激に満ちていた。最新のEVでは、エンジン車から乗り換えた際の違和感を排除する狙いからアクセル操作に対する反応を穏やかにしたものもあるが、C40リチャージは電気モーターの力強さをダイレクトに表現。EVが退屈なクルマではない、ということを実感するにはピッタリな1台に仕上げられている。

 

[Point 1]クーペボディはEV専用

クロスオーバーモデルとなるC40は、グラスエリアをタイトに仕上げてクーペらしさを演出。搭載するパワーユニットはEVのみ。7月にはXC40(コンパクトSUV)のピュアEV版もオンライン購入サイトがオープン。

 

[Point 2]室内はサステナブルな作り

Androidベースのインフォテインメントを標準搭載。サンルーフを装備して、開放感ある室内を実現した。レザーフリーで、再生素材のカーペットを採用するなど、環境にも配慮。

 

[Point 3]使い勝手はSUV級

荷室容量は通常時でも413L。最大で1205Lに拡大するなど、使い勝手はSUVとして満足できる水準。またフロントフード下にも収納スペースが備わる。

 

[Point 4]充電プラグは2か所

急速充電(写真)、普通充電プラグはボディ左側の2か所。パワートレインは前輪を駆動するシングルモーターと後輪にもモーターが備わるツインの2種類を用意。

 

 [ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/税込価格)

プラス・シングルモーター:電気モーター/2WD/599万円

アルティメート・ツインモーター:電気モーター×2/4WD/699万円

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

EVらしい刺激も味わえる初の日本向けボルボEV「C40リチャージ」

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」はBMWの新型2シリーズ・クーペとボルボのピュアEVクーペとなるC40リチャージを取り上げる。前者はBMWの伝統を守るコンパクト、後者はSUVとのクロスオーバーという違いはあるが、いずれも輸入車のクーペらしさを感じられるモデルだ。

※こちらは「GetNavi」 2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ピュアEVでも走りはスポーティなクーペ級!

BEV

ボルボ

C40リチャージ

SPEC【ツインモーター】●全長×全幅×全高:4440×1875×1595mm●車両重量:2160kg●パワーユニット:電気モーター(交流同期電動機)×2●バッテリー総電力量:78kWh●最高出力:408PS/4350〜13900rpm●最大トルク:67.3kg-m/0〜4350rpm●一充電走行距離(WLTCモード):485km

 

EVらしい刺激も味わえる初の日本向けボルボEV

C40リチャージは、日本向けのボルボでは初となるピュアEV。ベースはコンパクトSUVのXC40だが、その外観はグラスエリアをコンパクトにまとめ、クーペとSUVのクロスオーバーモデルに仕立てられている。とはいえ室内や荷室回りの空間はSUVとしても十分に通用する広さを確保。車内を明るく演出するサンルーフが装備されることもあって、大人が後席に座る場合でも狭いと感じるようなことはない。

 

また、最新のボルボらしく室内はレザーフリーとして再生素材を積極採用するなど、環境にも配慮した作り。プレミアムなモデルらしい高級感を演出しつつ、高い社会性も兼ね備えている。

 

ピュアEVのパワートレインは、前輪を駆動するシングルモーター仕様と、後輪にもモーターを配したツインモーターの2種。今回の試乗車は後者だったが、その走りはスポーティなクーペ風の見た目に違わない刺激に満ちていた。最新のEVでは、エンジン車から乗り換えた際の違和感を排除する狙いからアクセル操作に対する反応を穏やかにしたものもあるが、C40リチャージは電気モーターの力強さをダイレクトに表現。EVが退屈なクルマではない、ということを実感するにはピッタリな1台に仕上げられている。

 

[Point 1]クーペボディはEV専用

クロスオーバーモデルとなるC40は、グラスエリアをタイトに仕上げてクーペらしさを演出。搭載するパワーユニットはEVのみ。7月にはXC40(コンパクトSUV)のピュアEV版もオンライン購入サイトがオープン。

 

[Point 2]室内はサステナブルな作り

Androidベースのインフォテインメントを標準搭載。サンルーフを装備して、開放感ある室内を実現した。レザーフリーで、再生素材のカーペットを採用するなど、環境にも配慮。

 

[Point 3]使い勝手はSUV級

荷室容量は通常時でも413L。最大で1205Lに拡大するなど、使い勝手はSUVとして満足できる水準。またフロントフード下にも収納スペースが備わる。

 

[Point 4]充電プラグは2か所

急速充電(写真)、普通充電プラグはボディ左側の2か所。パワートレインは前輪を駆動するシングルモーターと後輪にもモーターが備わるツインの2種類を用意。

 

 [ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/税込価格)

プラス・シングルモーター:電気モーター/2WD/599万円

アルティメート・ツインモーター:電気モーター×2/4WD/699万円

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎

 

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パワフルかつ爽快な伝統の操縦性は健在! BMW「2シリーズ・クーペ」

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」はBMWの新型2シリーズ・クーペとボルボのピュアEVクーペとなるC40リチャージを取り上げる。前者はBMWの伝統を守るコンパクト、後者はSUVとのクロスオーバーという違いはあるが、いずれも輸入車のクーペらしさを感じられるモデルだ。

※こちらは「GetNavi」 2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

4WDでも後輪駆動のBMWらしさを満喫!

クーペ

BMW

2シリーズ・クーペ

SPEC【M240i xDriveクーペ】●全長×全幅×全高:4560×1825×1405mm●車両重量:1710kg●総排気量:2997cc●パワーユニット:直列6気筒DOHC+ターボ●最高出力:387PS/5800rpm●最大トルク:51.0kg-m/1800〜5000rpm●WLTCモード燃費:10.9km/L

 

パワフルかつ爽快な伝統の操縦性は健在!

他の2シリーズとは異なり、引き続き伝統の後輪駆動レイアウトをベースとする2ドアクーペが登場。先代と比較すればボディは特に前後方向が拡大されているが、それでも現行BMWのなかでは最もコンパクトな後輪駆動モデルというポジションを保持している。

 

日本向けのパワーユニットは、4気筒2Lガソリンターボと3L直列6気筒ガソリンターボの2タイプ。トランスミッションはいずれも8速ATとなるが、駆動方式は2Lが後輪駆動なのに対し、3Lは4WDを組み合わせているのが先代モデルとの大きな違いだ。

 

今回はその最上級グレードとなるM240iに試乗したが、4WDとはいえ後輪駆動的なハンドリングを披露する点はいかにもBMW。現状先代モデルに用意されたMTの設定はないが、単にパワフルなだけではなく、吹け上がりに爽快さを感じられる6気筒ともども、伝統的なBMWらしい操縦性を味わうには、まさにうってつけの1台に仕上げられている。

 

[Point 1]伝統的なクーペのスタイルを継承

他の2シリーズはFF駆動を基本とした骨格を採用するが、この2ドアクーペのみエンジンを縦置きにするFRベースの骨格を採用。結果としてスタイリングはよりクーペらしさが強調されることに。

 

[Point 2]室内は兄貴ぶんの4シリーズ譲り

FRベースの基本骨格を採用するため、室内の作りも他の2シリーズとは別物。兄貴ぶんにあたる4シリーズに近い仕立てとなる。乗車定員は後席が2人掛けとなる4名だ。

 

[Point 3]クーペとしての実用性は上々

荷室容量はグレードを問わず通常時で390Lを確保。ドイツメーカーのクーペらしく、コンパクト級といえども実用性はハイレベルだ。

 

[Point 4]パワーユニットは2タイプ

日本仕様のエンジンは、これもBMWらしい直列6気筒の3Lターボ(写真)と4気筒2Lターボの2本立て。ミッションは、いずれも8速ATを組み合わせている。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/税込価格)

220iクーペ・スタンダード: 2.0L+ターボ/2WD/8速AT/508万円

220iクーペ・スポーツ:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/550万円

M240i xDriveクーペ:3.0L+ターボ/4WD/8速AT/758万円

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎

 

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静粛性と力強さは究極の域に達したBMW「iX」

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」で取り上げるピュアEV。新世代BMWを象徴する「iX」。早くからピュアEV市場に進出していたメーカーの最新作だけに、いずれもその完成度の高さが光る。

※こちらは「GetNavi」 2022年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

早くからEVを手掛けてきたBMWの真骨頂的モデル

EV

BMW

iX

SPEC【xDrive50】●全長×全幅×全高:4955×1965×1695mm●車両重量:2530kg●パワーユニット:電気モーター×2●バッテリー総電力量:111.5kWh●最高出力(システムトータル):523PS●最大トルク(システムトータル):64.2kg-m●一充電最大航続距離(WLTCモード):650km

 

 

欧州の自動車メーカーは日本以上に電動化に注力しているが、なかでも早くから本格的に取り組んできたのがBMWだ。スポーティなイメージが強いブランドながら、2014年にはF1から撤退してまで、電動車ブランドの“i”を立ち上げ「i3」を発売。EVであってもBMWらしさを大切にするべく、量産車として初めて車体の大部分にカーボンファイバーを採用するなど、軽量化に取り組んだ。

 

その経験を踏まえてEV専用車の第2弾として送り出されたのが「iX」。フラッグシップでもあり、これ以上ないほどに気合いが入った開発を経て生まれたモデルだ。静かで滑らか、そして力強いのがEVの特徴だが、iXではそれが究極まで磨き上げられている。外界と切り離されているかのような静けさには、ショックを受けるほど。早くからEVを送り出してきたメーカーが本気を出すとここまでのレベルになるのか驚く。ライバルにとっては高いハードルになることは間違いない。

 

[Point 1] 静粛性と航続距離はピカイチ

プレミアムブランドのBMWらしく静粛性の高い走りが自慢。日本仕様はベーシックな40と最大航続距離650kmを実現する50(写真)に加え、まもなくスポーツ性を高めたM仕様もリリース予定だ。

 

[Point 2] ラグジュアリーかつ先進的!

ステアリングが自動運転時代を見据えた形状となるなど、随所で新しさをアピールするインテリア。BMW独自の操作系、iDriveも従来とは別モノ。もちろん高級感の演出にも余念はない。

 

[Point 3] SUV的な用途にも対応する広さを実現

荷室容量は、後席を使用する通常時でも500Lを確保。クロスオーバーモデルながら、SUVの用途としても十分な使い勝手を誇る。

 

[Point 4] 日本の充電規格にも完全適合する

普通充電と高速充電用のポートは1か所にまとめられる。一充電あたりの航続距離は、上級グレードではトップクラスだ。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

xDrive40:電気モーター×2/4WD/1070万円

xDrive50:電気モーター×2/4WD/1280万円

M60:電気モーター×2/4WD/未定

 

文/石井昌道 撮影/岡村昌宏(CROSSOVER)

 

 

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フロントグリルのようなパーツに仕掛けアリ! BMWのEVフラッグシップモデル「iX」を細部までチェック

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、古くからEVを販売してきたBMWが昨年末に発売したEVのフラッグシップモデル、iXを取り上げる。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】BMW/iX

SPEC【xDrive50】●全長×全幅×全高:4955×1965×1695mm●車両重量:2530kg●パワーユニット:モーター●最高出力:313PS(230kW)/8000rpm●最大トルク:40.7kg-m/5000rpm●WLTCモード一充電走行距離:650km

1070万円〜1280万円(税込)

 

世界最大級のバッテリーを搭載したゴージャスな1台だが、電費の伸びはイマイチ

安ド「殿! BMWの最新のEVを借りてきました! iX xDrive50です!」

 

永福「バッテリー容量111.5kWh。世界最大級だな」

 

安ド「世界最大級ですか! だから航続可能距離が650kmもあるんですね!」

 

永福「そのはずだが、私が200kmほど試乗した計算では、航続距離は450kmくらいという計算になった」

 

安ド「えっ!」

 

永福「それもバッテリーを使い切っての話だから、実質的には400kmくらいだ」

 

安ド「ずいぶん差がありますね!」

 

永福「あまりにも大きなバッテリーを積んでいるので、車両重量が2.5tに達しているのも原因だろう。加えて空気抵抗が大きいSUVタイプなので、高速巡行でも電費が伸びなかった」

 

安ド「エアコンを使ったからでしょうか?」

 

永福「私もそう思って消してみたが、考えてみたらこんなゼイタクなクルマに乗っていて、エアコンをケチるというのはどうなのかと思い直し、使うことにした」

 

安ド「言われてみれば……」

 

永福「世界最大級のバッテリーを積んだ、1300万円もするEVだ。エアコンをケチったりする必要がないように、というコンセプトのはずだろう」

 

安ド「豪邸に住んでいて電気代を節約するのは違和感がありますね!」

 

永福「つまり、豪邸という時点で、エコではないのだ」

 

安ド「言われてみれば……」

 

永福「こういうゴージャスなEVにも、エコだエコだと言って補助金を出すのはいかがなものか」

 

安ド「同感です! 補助金は僕のような貧乏人に出してほしいです!」

 

永福「お前が貧乏なのは浪費癖が原因だろう」

 

安ド「その通りです!」

 

永福「テスラのモデル3ロングレンジAWDなら、バッテリー容量79.5kWhで、もうちょっと長い距離を走れるぞ」

 

安ド「電費が良いんですね!」

 

永福「車両重量は1.8t。空気抵抗も小さいからな。テスラ モデル3がEVとして世界一売れている理由がよくわかる。しかもテスラは、世界じゅうに独自の充電ネットワークを設置している」

 

安ド「BMWはやってないんですか?」

 

永福「BMWディーラーにすら、急速充電器がほとんどない。これから整備するのかもしれないが、現状、国産メーカーのディーラーで充電しなければならない」

 

安ド「でも、このクルマで日産や三菱のディーラーに乗り付ければ、威張れそうですね!」

 

永福「私が三菱のディーラーで充電したときは、ほとんど無視だった。一方、レクサスのディーラーは大歓迎してくれた」

 

安ド「……なんとなく想像が付きます!」

 

永福「想像以上だった」

 

【GOD PARTS 1】ディスプレイ

ゆるやかな曲線を描く超大型ディスプレイ

インパネには「カーブド・ディスプレイ」と呼ばれる横長の曲面ディスプレイがあるだけで、開放感にあふれています。全情報がこのディスプレイに表示される仕組みですが、庶民としては、故障時の修理費用が高そうと考えてしまいます。

 

【GOD PARTS 2】センターコンソール

木目と組み合わされたキラキラ系コントローラー

「フローティング・センターコンソール」と呼ばれる運転席と助手席の間にあるひじ置き先端部に、操作スイッチが集中しています。BMWおなじみのiDriveコントローラーなどはクリスタル仕立てで、木目との奇妙な組み合わせが不思議です。

 

【GOD PARTS 3】リアシート

足元もフラットなゆったり快適空間

SUVらしく後席スペースは広く、赤茶色の上質な本革が採用されていて、豪華な空間になっています。BMWといえばFR(フロントエンジン・リア駆動)で足元に膨らみがあったものですが、iXにはそれもないので足元もゆったりしています。

 

【GOD PARTS 4】クリスタルフィニッシュ

キラキラ系のデザインアイコン

シート位置の調整つまみがドアに付いており、ここにもクリスタルのパーツが採用されています。運転者が決まっていれば頻繁に操作する部分ではないので、見栄え重視の設計なのでしょう。好みかどうかは別ですが……。

 

【GOD PARTS 5】ドアボタン

ワンボタンで開くが隠しドアノブもあり

ドアは未来のクルマっぽく、ボタンで開ける電子式になっています。押すと「ガチャッ」と少し開くので、あとは普通のクルマと同じようにドアを押して開けます。一度やってみれば怖いことはないのですが、電気が切れたときのことを考えてか(?)、ドアの下のほうには隠しドアノブも付いています。

 

【GOD PARTS 6】ゴールド加飾

豪華な雰囲気をさらに演出

ステアリングやインパネ中央の水平ラインなど、あちこちにゴールドのパネルが採用されています。ゴールドといえば高級感を演出する手法かもしれませんが、なんだか従来のBMWのイメージとは違うような気もします。

 

【GOD PARTS 7】カーボン素材

重量を下げるための軽量素材

大型バッテリーを搭載すると車体が重くなってしまいますが、iXではボディ素材に軽量かつ高剛性なカーボン素材を採用して軽量化を狙っているようです。バッテリーの重量を考えると焼け石に水でしょうけど。

 

【GOD PARTS 8】充電シーン

短時間で充電できる急速充電器が欲しい

EVに乗っていて一番気になるのは、出かけた先に急速充電器があるか否か。日産や三菱などのディーラーには置いてあることが多いのですが、BMWディーラーにはまだほとんど急速充電器は置いてないようです。インフラは重要ですね。

 

【GOD PARTS 9】ラゲッジスペース

広くて奥行きもあるので様々なシーンで活躍

最新SUVらしく大きなスペースが確保されていて、日常使用だけでなく、休日のアウトドアでも活躍することでしょう。ただハッチを開けた際、両脇に大きめな面積のボディ断面がむき出しになります。ココは未来っぽくありません。

 

【これぞ感動の細部だ!】キドニー・グリル

グリルのようでグリルでない

グリルは本来、エンジンルームへ空気を送るためにありますが、このiXのグリルには穴がありません。BMWのデザインアイコンである2つの大型グリルのように見せて、実はクリアパーツの裏側にはカメラやレーダーなど、センサー系メカニズムを搭載しているのです。さらにこの部分にはヒーター機能もあって、雪などでセンサー機能が妨げられないようになっています。

 

撮影/我妻慶一

 

 

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どれもハイレベルな完成度! ボディタイプの異なる新車3モデルに試し乗り

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」でピックアップするのはトヨタの新型「ノア/ヴォクシー」とBMWのピュアEVである「iX3」、そして新型フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」の3モデル。ミニバンにSUV、ハッチバックとボディタイプは異なるが、どれも人気モデルだけに完成度はハイレベルだ。

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】まさに横綱相撲! 使い勝手は究極の域に到達

SUV

トヨタ

ノア/ヴォクシー

SPEC【ヴォクシーS-Z(ハイブリッド2WD)】●全長×全幅×全高:4695×1730×1895mm●車両重量:1670kg●パワーユニット:1797cc直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:98[95]PS/5200rpm●最大トルク:14.5[18.9]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:23.0km/L

●[ ]内は電気モーターの数値

 

走りの面でオススメなのは最新世代のハイブリッド仕様

新型ノア/ヴォクシーは基本骨格を一新し、運転支援システムも最新モデルに相応しい充実ぶりを誇る。だが、実車に接してとりわけ印象的だったのは使い勝手に配慮した作り込みの徹底ぶりだ。パノラミックと表現したくなる前席の視界の良さや、電動スライドドアに装備できる機械式サイドステップ、そして開口位置を選べるバックドアなど、実用性に優れた細やかな配慮はもはや究極の域。ノアとヴォクシーでは前後の造形でキャラクターを差別化しているが、見た目の洗練度も先代より着実に進化している。

 

パワーユニットは、最新世代となるハイブリッドと2Lガソリンの2本立て。その動力性能は後者でも不足はないが、走らせて楽しいのは間違いなく前者だ。絶対的な力強さに加え、アクセル操作に対する自然な反応は先代より引き締まった足回りにもピッタリ。ハイブリッドは装備まで考慮すると事実上の値下げとなり、コスパの面でも絶対にオススメだ。

 

[Point 1] 先進装備と実用度はトップレベル

視界の良さが特徴のインパネ回りは運転支援システムや使い勝手もハイレベル。2列目シートは3人掛け仕様も設定された。電動スライドドアの助手席側には機械式サイドステップも装備できる。

 

[Point 2] ヴォクシーはノアよりもアグレッシブ

外観がノアよりアグレッシブになるヴォクシーは、基本的なグレード構成もS-ZとS-Gの2種に絞られる。価格はノアの同グレードよりも若干高めの設定だ。

 

[Point 3] 荷室の使い勝手も向上

バックドアの開口位置を選べる(電動と機械式の2タイプ)荷室は容量、形状ともに申し分ない。3列目シートの格納操作も先代より容易になったのはうれしい。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/税込価格)

X:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/267万円、(286万8000円)[305万円、(327万円)]

G:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/297万円(316万8000円)[332万円(354万円)]

Z:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/324万円(343万8000円)[359万円(381万円)]

S-G:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/304万円(323万8000円)[339万円(361万円)]

S-Z:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/332万円(351万8000円)[367万円(389万円)]

●[ ]内はハイブリッド車、( )内は4WD(E-Four)の価格

 

【その2】スポーティでありながら貫禄も旗艦級!

 

【その2】ピュアEVでも伝統的なBMWらしさが楽しめる!

EV

BMW

iX3

SPEC●全長×全幅×全高:4740×1890×1670mm●車両重量:2200kg●パワーユニット:交流電気モーター●最高出力:286PS/6000rpm●最大トルク:40.8kg-m/0〜4500rpm●WLTCモード最大航続距離:508km

 

走りの性能は最新EVに相応しいレベルを確保!

ほぼ同時期に上陸したBMWの最新ピュアEVでも、iXと比較すれば伝統的なBMWらしさが色濃いのがiX3。そのベースはSUVのX3で、内外装には随所に独自デザインを採用するが、一見する限りEVであることは意識させない。電気モーターはリアに搭載。組み合わせるバッテリーの総電力量は80kWhで、満充電時の最大航続距離は508km。最新のEVらしく高い数値となっている。

 

その走りは、見た目のイメージ通りだ。EVならではの静かさや滑らかな加速を実感させる一方、アクセル操作の反応やスポーティな身のこなしはBMWの伝統に通じる味付け。普段の生活においてEVを楽しみたい、というニーズにはピッタリの1台だ。

 

[Point 1] 内装はX3に準じたスポーティな仕立て

外観と同じく、内装も基本的な作りはX3と変わらない。BMWの内燃機関各車に通じるスポーティなテイストが持ち味となっている。

 

[Point 2] 外観は随所が独自の造形に

外観はMスポーツ仕様ということでスポーティ。随所にブルーのアクセントが入り、EVであることを主張する。税込価格は862万円。

 

[Point 3] 荷室は通常時510Lと十分な広さを確保

エンジンモデルのX3比には若干劣るが、荷室容量は通常時でも510Lと十分な広さ。後席をたたんだ最大時は1560Lまで拡大する。

 

 

【その3】軽快で力強い走りは伝統の旗艦ならでは

ハッチバック

フォルクスワーゲン

ゴルフ GTI

SPEC●全長×全幅×全高:4295×1790×1465mm●車両重量:1430kg●パワーユニット:1984cc直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:245PS/5000〜6500rpm●最大トルク:37.7kg-m/1600〜4300rpm●WLTCモード燃費:12.8km/L

 

積極的に操る魅力を備えた万能スポーツハッチバック

単に高性能というだけではなく、ゴルフのイメージリーダー的存在でもあったGTIが最新世代へとスイッチ。ベースとなる8代目はマイルドハイブリッドの投入でも話題を呼んだが、GTIは引き続きハイスペックな2Lのガソリンターボを搭載。駆動方式も先代と同じくFF方式を踏襲する。

 

その走りは、もちろんGTIの称号に相応しいレベルにある。2Lターボは、パワフルなだけではなく全域での扱いやすさを両立。トラクション性能にも優れるだけに、積極的に操る場面では能力を使い切る喜びも見出せる。また、先代比では身のこなしが一層軽快な点も持ち味のひとつ。快適性も上々とあって“万能なハッチバック”としての魅力度は高い。

 

[Point 1] 新しさと伝統が融合する

室内はメーターのグラフィックなどが専用仕立てとなるほか、伝統的なチェックのシート柄などでGTIらしさを演出。装備も充実している。

 

[Point 2] 走りはパワフルで軽快

GTIは“押し”の強いフロントマスクに加え、リアゲート中央の車名ロゴが「GOLF」ではなくなる(税込466万円)。軽快かつパワフルな走りが楽しめる。

 

[Point 3] パワーユニットは歴代でも最強レベル

一部例外を除けば、搭載する2Lガソリンターボのアウトプットは歴代GTIでも最強レベル。速さに加え、フレキシビリティの高さも魅力。

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎、市 健治

 

 

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ピュアEVでも伝統的なBMWらしさが楽しめる!

気になる新車を一気乗り! 今回はオフロードでの優れた走破性に加え、俊敏なスポーツ走行も可能としたBMWの電気自動車SUVである「iX3」を紹介します。

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

走りの性能は最新EVに相応しいレベルを確保!

EV

BMW

iX3

SPEC●全長×全幅×全高:4740×1890×1670mm●車両重量:2200kg●パワーユニット:交流電気モーター●最高出力:286PS/6000rpm●最大トルク:40.8kg-m/0〜4500rpm●WLTCモード最大航続距離:508km

 

ほぼ同時期に上陸したBMWの最新ピュアEVでも、iXと比較すれば伝統的なBMWらしさが色濃いのがiX3。そのベースはSUVのX3で、内外装には随所に独自デザインを採用するが、一見する限りEVであることは意識させない。電気モーターはリアに搭載。組み合わせるバッテリーの総電力量は80kWhで、満充電時の最大航続距離は508km。最新のEVらしく高い数値となっている。

 

その走りは、見た目のイメージ通りだ。EVならではの静かさや滑らかな加速を実感させる一方、アクセル操作の反応やスポーティな身のこなしはBMWの伝統に通じる味付け。普段の生活においてEVを楽しみたい、というニーズにはピッタリの1台だ。

 

[Point 1] 内装はX3に準じたスポーティな仕立て

外観と同じく、内装も基本的な作りはX3と変わらない。BMWの内燃機関各車に通じるスポーティなテイストが持ち味となっている。

 

[Point 2] 外観は随所が独自の造形に

外観はMスポーツ仕様ということでスポーティ。随所にブルーのアクセントが入り、EVであることを主張する。税込価格は862万円。

 

[Point 3] 荷室は通常時510Lと十分な広さを確保

エンジンモデルのX3比には若干劣るが、荷室容量は通常時でも510Lと十分な広さ。後席をたたんだ最大時は1560Lまで拡大する。

 

文/小野泰治 撮影/市 健治

 

 

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ドイツの代表的な自動車メーカーからBMW「グランクーペ」、メルセデス・ベンツ「Cクラス」の新車をレポート!

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」は、ドイツの代表的メーカーであるBMWとメルセデス・ベンツそれぞれの新作をピックアップする。4シリーズ・グランクーペの2代目は、スタイリッシュな外観と実用性を兼ね備えた1台。新型Cクラスは全方位的に進化した総合力の高さが魅力だ。

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】新生グランクーペは万能なモデルに進化!

4ドアクーペ

BMW

4シリーズ・グランクーペ

SPEC【M440i xDrive】●全長×全幅×全高:4783×1852×1442mm●車両重量:1900kg●総排気量:2997cc●エンジン形式:直列6気筒DOHC+ターボ●最高出力:374PS/5500〜6500rpm●最大トルク:51.0kg-m/1900〜5000rpm●WLTCモード燃費:10.8km/L

 

実用性とデザイン性、走りの3拍子が揃う万能モデル!

4シリーズのなかでは、実用性の高さも魅力のグランクーペが新型へとチェンジした。クーペを名乗るだけに、外観は変わらずスタイリッシュ。2ドア版と同じくBMW伝統のキドニーグリルが縦長のデザインになった効果もあって、フロントマスクは先代よりも押しが強まったのが印象的だ。

 

一方、4ドアということで後席の使い勝手などは3シリーズあたりと変わらない。荷室も十分な広さが確保されるので、ワゴン的な用途にも適するという先代の美点もしっかり受け継がれている。

 

現状、日本仕様のエンジンは2L4気筒と3L6気筒のガソリンターボという2種類。今回は後者に試乗したが、動力性能はさすがに強力だった。駆動が4WDとなるだけに安定性も高く、路面環境を問わず積極的に走らせられる。先代より格段に骨格の剛性感が向上したことも魅力のひとつ。新型は実用性とスタイリング、さらにスポーツ性も上々という万能な1台に仕上げられていた。

 

[Point 1]クーペでも実用性はセダン級

インパネ回りのデザインや装備は2ドアの4シリーズと基本的に同じ。運転支援系の機能は、もちろんトップレベル。クーペながら、後席の広さなどはセダンと同等の水準となる。

 

[Point 2]先代よりも存在感の強い造形に

繊細な風情だった先代と比較すると、新型の外観は骨太で存在感の強さを強調する仕立てに変化。一方ドアハンドルなどはフリップ式に変更して、スマートさも演出している。

 

[Point 3]使い勝手はワゴンと同等

荷室容量は、後席を使用する通常時でも470Lを確保。後席を完全に畳めば1290Lにまで拡大でき、ワゴン的な用途にも十分使える。

 

[Point 4]現状はガソリン仕様のみ

すでにEV版であるi4の先行予約も始まっているが、現状はガソリン仕様の2種のみ。3Lターボは直列6気筒らしい質感の高さも魅力だ。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/価格)

420i:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/632万円(税込)

420i Mスポーツ:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/673万円(税込)

M440i xDrive:3.0L+ターボ/4WD/8速AT/1005万円(税込)

 

 

【その2】スポーティでありながら貫禄も旗艦級!

セダン

メルセデス・ベンツ

Cクラス

SPEC【C200アバンギャルド】●全長×全幅×全高:4755×1820×1435mm●車両重量:1660kg●総排気量:1494cc●エンジン形式:直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:204PS/5800〜6100rpm●最大トルク:30.6kg-m/1800〜4000rpm●WLTCモード燃費:14.5km/L

 

新しいパワートレインは痛快な吹き上がりが魅力的!

旗艦のSクラスと見まがうような外観ながら、ボンネットのパワードームなどの細部でスポーティさも独自に演出するのが新型Cクラス。大きな画面を2つ並べたインパネは、とりわけ若い世代に強い訴求力を持つに違いない。充実した先進装備はもちろん、ホイールベースの拡大やパッケージングの改善が効いて、車内空間の余裕は先代より向上している。

 

走りもなかなか鮮烈だ。クイックレシオのステアリングや最大で2.5度の後輪操舵機構を備えたAMGラインは、タイトターンでの回頭性が驚くほど高く、引き締まった足まわりと相まってスポーティな性格を強調している。

 

動力性能もより強力になった。エンジンとモーターの出力が共に向上したC200の新しいパワートレインは、俊敏なレスポンスと痛快な吹き上がりを両立していて走る楽しさも十分。スムーズなエンジン再始動もマイルドハイブリッドならではの利点だ。

 

先代と同じく豊かな低速トルクと経済性を兼ね備えたディーゼルが選べるほか、新型ではクロスオーバーモデルのオールテレインが初めて選べるようになったこともトピックだ。先代と比べて価格がだいぶ高くなったように感じられるが、中身はそれ以上に充実していることは間違いない。

 

[Point 1]先進装備の充実ぶりはSクラス級

11.9インチのセンターディスプレイなど、Sクラスを彷彿させる室内。生体認証システムやARナビゲーションなどの先進装備も充実していた。先代より室内空間も拡大した。

 

[Point 2]後輪操舵などの採用で俊敏な操縦性を実現

クイックなステアリングレシオや後輪操舵の採用などで、走りはスポーティなキャラクターに仕上げられている。その一方、外観は旗艦のSクラスに通じる存在感を獲得。

 

[Point 3]ミドル級セダンらしい広さ

先代から拡大されていた荷室容量は455Lと、数値的にもミドル級のセダンとして十分な広さが確保。ただし、ボディ形状の関係から開口部の大きさは若干ながら控えめだ。

 

[Point 4]ガソリン仕様は着実に進化

現状のガソリン仕様は、先代と同じく1.5L4気筒+電気モーターのマイルドハイブリッドだが中身はアップデート。エンジンはこのほかに2Lクリーンディーゼルも用意されている。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/価格)

C200アバンギャルド:1.5L+ターボ/2WD/9速AT/651万円(税込)

C200 4MATICアバンギャルド:1.5L+ターボ/4WD/9速AT/ 681万円(税込)

C220dアバンギャルド:2.0Lディーゼル+ターボ/2WD/9速AT/ 679万円(税込)

 

文/小野泰治、岡本幸一郎 撮影/郡 大二郎

 

 

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BMW4シリーズ新生グランクーペは万能なモデルに進化!

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」は、ドイツの代表的メーカーであるBMWの新作をピックアップする。4シリーズ・グランクーペの2代目は、スタイリッシュな外観と実用性を兼ね備えた1台だ。

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

実用性とデザイン性、走りの3拍子が揃う万能モデル!

4ドアクーペ

BMW

4シリーズ・グランクーペ

SPEC【M440i xDrive】●全長×全幅×全高:4783×1852×1442mm●車両重量:1900kg●総排気量:2997cc●エンジン形式:直列6気筒DOHC+ターボ●最高出力:374PS/5500〜6500rpm●最大トルク:51.0kg-m/1900〜5000rpm●WLTCモード燃費:10.8km/L

 

4シリーズのなかでは、実用性の高さも魅力のグランクーペが新型へとチェンジした。クーペを名乗るだけに、外観は変わらずスタイリッシュ。2ドア版と同じくBMW伝統のキドニーグリルが縦長のデザインになった効果もあって、フロントマスクは先代よりも押しが強まったのが印象的だ。

 

一方、4ドアということで後席の使い勝手などは3シリーズあたりと変わらない。荷室も十分な広さが確保されるので、ワゴン的な用途にも適するという先代の美点もしっかり受け継がれている。

 

現状、日本仕様のエンジンは2L4気筒と3L6気筒のガソリンターボという2種類。今回は後者に試乗したが、動力性能はさすがに強力だった。駆動が4WDとなるだけに安定性も高く、路面環境を問わず積極的に走らせられる。先代より格段に骨格の剛性感が向上したことも魅力のひとつ。新型は実用性とスタイリング、さらにスポーツ性も上々という万能な1台に仕上げられていた。

 

【Point 1】クーペでも実用性はセダン級

インパネ回りのデザインや装備は2ドアの4シリーズと基本的に同じ。運転支援系の機能は、もちろんトップレベル。クーペながら、後席の広さなどはセダンと同等の水準となる。

 

【Point 2】先代よりも存在感の強い造形に

繊細な風情だった先代と比較すると、新型の外観は骨太で存在感の強さを強調する仕立てに変化。一方ドアハンドルなどはフリップ式に変更して、スマートさも演出している。

 

【Point 3】使い勝手はワゴンと同等

荷室容量は、後席を使用する通常時でも470Lを確保。後席を完全に畳めば1290Lにまで拡大でき、ワゴン的な用途にも十分使える。

 

【Point 4】現状はガソリン仕様のみ

すでにEV版であるi4の先行予約も始まっているが、現状はガソリン仕様の2種のみ。3Lターボは直列6気筒らしい質感の高さも魅力だ。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/価格)

420i:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/632万円(税込)

420i Mスポーツ:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/673万円(税込)

M440i xDrive:3.0L+ターボ/4WD/8速AT/1005万円(税込)

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎

 

 

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気になる新車を一気乗り! 個性と走りが際立つ日産・フォルクスワーゲン・BMWの新車をレポート

本記事では、個性と走りが際立つモデルをピックアップ。国産勢からは日産のプレミアムコンパクトであるオーラをベースとしたオーラ ニスモ、輸入車からはフォルクスワーゲン・アルテオン シューティングブレークと、BMW・M4クーペという、ドイツの2モデルだ。

※こちらは「GetNavi」 2021年11月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【No.1】その魅力はスポーティにして上質な走りにあり!

ハッチバック

日産

オーラ ニスモ

SPEC【オーラ ニスモ】●全長×全幅×全高:4125×1735×1505mm●車両重量:1270kg●パワーユニット:電気モーター+1198cc直列3気筒DOHC●最高出力:136[82]PS/3183〜8500[6000]rpm●最大トルク:30.6[10.5]kg-m/0〜3183[4800]rpm●WLTCモード燃費:23.3km/L

●[ ]内はガソリンエンジンの数値

 

しなやかな乗り心地は国際級と言える出来映え!

先代はノートをベースとしていたが、新型はノートの上位モデルに当たるオーラに、独自のチューニングを施すニスモ仕様に。ノート時代は走りとスタイリングが好評だったので、新型でもこの2点は入念に仕上げられた。外観は空力性能向上にも貢献する本格的なエアロパーツや、オーラよりリム幅を拡げた専用ホイールなどを装備。内装も、シックな装いのオーラから一転、スポーティな仕立てとなる。

 

シリーズ特有のハイブリッドのeパワーはニスモ独自の制御となり、足回りも独自セッティングを採用。それに合わせてボディもリア回りが強化されている。

 

その走りはスポーティでありつつも上質なライド感が印象的。特に日常域ではしなやかさを感じさせる足回りの動きや、一層の磨きがかかったアクセル操作に対するレスポンスは、オーラの特別モデルに相応しい。この完成度なら、ノート ニスモのオーナーだけでなく、輸入車コンパクトオーナーをも納得させるに違いない。

 

[Point 1] 空力パーツはモータースポーツ由来

ニスモ・レーシングと共同開発されたエアロパーツは、フォーミュラEを彷彿とさせる精悍なイメージだけでなく、実際の空力性能も向上。専用ホイールは、オーラよりリムが拡大された。オーラ ニスモの車両価値はモノグレード設定で286万9900円(税込)。

 

[Point 2] レッドのアクセントでスポーティな仕立てに

内装は、レッドのアクセントとダークトーンの組み合わせでスポーティに仕上げられた。多彩な表示機能を持つデジタルディスプレイのメーターも、ニスモ独自のグラフィックに。

 

[Point 3] レカロ製シートは日常での走行にも適する

オプションとなる専用仕立てのレカロシートは、スポーツ走行時のホールド性だけでなく日常域の走行にも配慮した作りとなっている。座り心地も上々だ。

 

 

【No.2】新作ワゴンはスタイリッシュな外観で勝負!

ステーションワゴン

フォルクスワーゲン

アルテオン シューティングブレーク

SPEC【TSI 4モーション Rライン・アドバンス】●全長×全幅×全高:4870×1875×1445mm●車両重量:1720kg●パワーユニット:1984cc直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:272PS/5500〜6500rpm●最大トルク:35.7kg-m/2000〜5400rpm●WLTCモード燃費:11.5km/L

 

エレガントな風情は4ドアクーペを凌ぐ個性

その最大の特徴は、やはりエレガントな風情を感じさせる外観だ。ボディサイズは4ドアクーペ版のアルテオンとまったく同じだが、このシューティングブレークでは伸びやかなルーフ形状が前後の長さを一層強調している。現行のフォルクスワーゲンでは、いま一番“攻めた”デザインであることは間違いないだろう。

 

シューティングブレークの導入を機に運転支援システムや内外装の細部こそアップデートされたが、2Lガソリンターボエンジンをはじめとする基本的ハードウエアは従来通り。駆動方式は4WDのみだが、それだけに走りは全方位的にソツのない仕上がりだ。ひと味違うワゴンとしても、狙い目の1台と言うことができる。

 

[Point 1] ワゴンとしての実用性も高い!

デザイン重視とはいえ、フォルクスワーゲンらしく実用度もハイレベル。荷室容量は通常時でも565L、最大では1632Lに達する。

 

[Point 2] 前後の長さと低さを強調する外観

外観は前後の長さと車高の低さが印象的。4ドアクーペ版(ファストバック)より大きく見えるが、ボディサイズは全高に至るまでまったく同じだ。

 

[Point 3] インパネ回りはワイド感を強調

インパネ回りは、マイナーチェンジでワイド感を強調する造形に。運転支援系の装備は、最新のフォルクスワーゲン他モデルと同じく最先端レベルだ。

 

[ラインナップ]

Rライン:2.0L+ターボ/4WD/7速DCT/587万9000円(税込)

Rライン アドバンス:2.0L+ターボ/4WD/7速DCT/644万6000円(税込)

エレガンス:2.0L+ターボ/4WD/7速DCT/644万6000円(税込)

 

 

【No.3】さらに研ぎ澄まされた武闘派BMWの急先鋒!

クーペ

BMW

M4クーペ

SPEC【M4クーペ・コンペティション】 ●全長×全幅×全高:4805×1885×1395mm●車両重量:1730kg●パワーユニット:2992cc直列6気筒DOHC+ツインターボ●最高出力:510PS/6250rpm●最大トルク:66.3kg-m/2750〜5500rpm●WLTCモード燃費:10.1km/L

 

ただ速いだけではなく走りの質感も楽しめる!

スポーツ性を極めるBMW Mモデルのなかにあっても、とりわけ“戦闘力”が高いことで知られる「M4クーペ」。今年上陸した最新版では、その資質に一層の磨きがかけられた。エンジンは引き続き直列6気筒の3Lツインターボだが、先代のそれとは別モノで、トランスミッションも専用の8速ATに。当然シャシーも独自のチューニングで、数々の制御システムにはドリフト走行の診断機能まで備わる。

 

その走りは、見た目のイメージ通りにシャープな味付けながら、快適性も納得できる水準を確保。また、先代比では特にエンジンの情緒溢れる吹け上がりも印象的だ。BMWらしさを味わうという点では、これだけでも乗る価値がある、と断言したい。

 

[Point 1] 6気筒エンジンらしい質感の高さも魅力

基本構造こそSUVのX3M用などと同じエンジンだが、味付けはクーペに相応しいもの。直列6気筒らしい、吹け上がりの質感も魅力だ。

 

[Point 2] 各装備がMモデルの専用仕立てに

ディスプレイやシフトレバー回り、シートなどがMモデル専用仕立てとなる室内。スポーティなのはもちろん、ラグジュアリーでもある。

 

[Point 3] まもなく4WDも選べるように!

現在の日本向けは6速MT仕様のみのベースモデルと8速ATを組み合わせるコンペティション、およびその軽量化版となるトラックパッケージの3モデル。間もなく4WD版も登場予定となっている。

 

[ラインナップ]

M4クーペ:3.0L+ツインターボ/2WD/6速MT/1298万円(税込)

M4クーペ コンペティション:3.0L+ツインターボ/2WD/8速AT/1348万円(税込)

M4クーペ トラックパッケージ:3.0L+ツインターボ/2WD/8速AT/1460万円(税込)

 

文/小野泰治 撮影/篠原晃一、小林俊樹、郡 大二郎

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

 

さらに研ぎ澄まされた武闘派BMWの急先鋒!

本記事では、個性と走りが際立つモデルをピックアップ。BMWのハイパフォーマンスクーペ「M4」がフルモデルチェンジしたので、試乗してみた。

※こちらは「GetNavi」 2021年11月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ただ速いだけではなく走りの質感も楽しめる!

クーペ

BMW
M4クーペ

SPEC【M4クーペ・コンペティション】 ●全長×全幅×全高:4805×1885×1395mm●車両重量:1730kg●パワーユニット:2992cc直列6気筒DOHC+ツインターボ●最高出力:510PS/6250rpm●最大トルク:66.3kg-m/2750〜5500rpm●WLTCモード燃費:10.1km/L

スポーツ性を極めるBMW Mモデルのなかにあっても、とりわけ“戦闘力”が高いことで知られる「M4クーペ」。今年上陸した最新版では、その資質に一層の磨きがかけられた。エンジンは引き続き直列6気筒の3Lツインターボだが、先代のそれとは別モノで、トランスミッションも専用の8速ATに。当然シャシーも独自のチューニングで、数々の制御システムにはドリフト走行の診断機能まで備わる。

 

その走りは、見た目のイメージ通りにシャープな味付けながら、快適性も納得できる水準を確保。また、先代比では特にエンジンの情緒溢れる吹け上がりも印象的だ。BMWらしさを味わうという点では、これだけでも乗る価値がある、と断言したい。

 

[Point 1] 6気筒エンジンらしい質感の高さも魅力

基本構造こそSUVのX3M用などと同じエンジンだが、味付けはクーペに相応しいもの。直列6気筒らしい、吹け上がりの質感も魅力だ。

 

[Point 2] 各装備がMモデルの専用仕立てに

ディスプレイやシフトレバー回り、シートなどがMモデル専用仕立てとなる室内。スポーティなのはもちろん、ラグジュアリーでもある。

 

[Point 3] まもなく4WDも選べるように!

現在の日本向けは6速MT仕様のみのベースモデルと8速ATを組み合わせるコンペティション、およびその軽量化版となるトラックパッケージの3モデル。間もなく4WD版も登場予定となっている。

 

[ラインナップ]

M4クーペ:3.0L+ツインターボ/2WD/6速MT/1298万円(税込)

M4クーペ コンペティション:3.0L+ツインターボ/2WD/8速AT/1348万円(税込)

M4クーペ トラックパッケージ:3.0L+ツインターボ/2WD/8速AT/1460万円(税込)

 

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎

 

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BMWのコンパクトモデルである2シリーズのニューカマー・グラン クーペ。その実力はいかに?

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は、BMWのコンパクトモデルである2シリーズのニューカマー、グラン クーペを紹介する。その実力はいかに?

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

PROFILE

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

安ド

元ゲットナビ編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカーは】
BMW
2Series GRAN COUPE
BMW/2シリーズ グラン クーペ

SPEC【218iグラン クーペ Mスポーツ】●全長×全幅×全高:4540×1800×1430㎜●車両重量:1420㎏●パワーユニット:1.5ℓ直列3気筒+ターボ●最高出力:140PS(103kW)/4600rpm●最大トルク:22.4㎏-m(220Nm)/1480〜4200rpm●WLTCモード燃費:13.8㎞/ℓ369万円〜673万円

 

「カッコ良すぎると人間、疲れてしまう。多少スキがあったほうが良い」(永福)

安ド「殿! 今回は殿の希望で、BMWの2シリーズ グラン クーペを取り上げました!」

永福「うむ。私はなぜかこのクルマに惹かれるのだ」

安ド「どこに惹かれるんですか」

永福「まず、小さめのセダンというところだ。いまや全世界的にセダンが不振。なかでも小型セダンは大不振で、モデルの消滅が相次いでいる」

安ド「そう言えば国産車でも、ホンダのグレイスや、トヨタのプレミオ/アリオン等、みんななくなってしまいましたね」

永福「そんななか、この2シリーズ グラン クーペは、新たに生まれた実に希少な小型セダンである」

安ド「でも名前はグラン“クーペ”なんですね」

永福「ただの小型セダンでは売れないから、スポーティなフォルムにした。その結果だろう」

安ド「フロントだけ見るとボリューム感があってカッコ良いし、リアだけ見るとクーペっぽくてカッコ良いんですけど、全体で見るとなんだか不恰好に見えるんですがが……」

永福「そこがまた良い」

安ド「そこが良いんですか!」

永福「スポーティなクーペ的フォルムなのに、全体でみるとなぜかイモ虫っぽい。そのダサカッコ良さが心に響く」

安ド「深いですね……」

永福「カッコ良すぎると人間、疲れてしまう。多少スキがあったほうが良いのだ。特にBMWのようなハイブランドは」

安ド「ますます深いですね……」

永福「私はいま先代BMW 320dを足にしているから、余計にこのダサカッコ良い2シリーズグラン クーペに惹かれる」

安ド「今回乗った218iは、エンジンが1・5ℓ3気筒のガソリンですね」

永福「うむ。実に軽くて小さなエンジンだ」

安ド「何も知らずに乗ったんですが、後から排気量を知って驚きました。スムーズだし、パワーもあるし、十分ですよね」

永福「たしかにな。しかし燃費が物足りない。リッター10㎞くらいしか走らなかった。やはりBMWはディーゼルに限る」

安ド「殿の先代320dは、燃費、どれくらいなんですか?」

永福「平均でリッター17㎞だ」

安ド「スゴいですね!」

永福「2シリーズ グラン クーペにも2・0ℓのディーゼルモデルがある。それなら文句ない」

安ド「じゃ、買い替えますか?」

永福「いや、買い替えないだろう」

安ド「ガクッ! それはナゼ?」

永福「せっかく買い替えるのなら、渋滞時ハンズオフ機能のついた現行320dが欲しいからだ。2シリーズ グラン クーペには残念ながらそれが付かない」

安ド「そういうところでクルマを選ぶんですか!」

永福「BMWはどれも走りは良い。自然、そういうところで選ぶことになるのだ!」

 

【GOD PARTS 1】
サッシュレスドア
サイドのデザインがスッキリまとまる

4ドアクーペが欧州プレミアムブランドで流行ったことで再注目されているのが、この2シリーズ グラン クーペも採用する、窓枠のない「サッシュレスドア」です。サイドのデザインがスッキリまとまるというメリットがあります。

 

【GOD PARTS 2】
エンジン
2種類のガソリンターボにディーゼルもプラス

エンジンラインナップは、この1.5ℓ直列3気筒ターボ(218i)のほか、2.0ℓ直列4気筒ターボに4WDを組み合わせた(M235i xDrive)、さらに2.0ℓ直列4気筒ターボディーゼル(218d)が追加されました。

 

【GOD PARTS 3】
フロントグリル

ファンにも受け入れられるBMWらしいデザイン

BMWといえば、2つのグリルを横に並べた「キドニーグリル」が有名です。4シリーズ クーペでは、これが縦長に巨大化されて議論を呼んでおりますが、2シリーズ グラン クーペでは横長。ファンにも受け入れられるデザインです。

 

【GOD PARTS 4】
ルーフライン

見た目も乗り味もスポーティなテイスト

8シリーズにもラインナップされるBMWの「4ドアクーペ」は、ベースが4ドアセダンなため実用性が高く、ルーフラインはクーペのようになだらかで美しいので、人気を博しています。乗り味も若干スポーティな味付けです。

 

【GOD PARTS 5】
トランクスペース
クーペと比較して+40ℓと容量をしっかり確保

430ℓの容量を誇るトランクは、(名称はクーペですが)4ドアセダンならではの装備で、2シリーズ クーペと比較して40ℓも増量されています。もちろん後席は前方に倒すことができて、それによりスペースを拡大させることも可能です。

 

 

【GOD PARTS 6】
インテリジェント パーソナルアシスト

言葉を理解する能力を向上させたAI機能

近年流行りの、声だけでカーナビやエアコンなどを操作できるAI機能は、もちろんBMWでも採用されています。「オーケー、BMW!」と呼べば反応してくれて、2シリーズ グラン クーペの最新バージョンでは、多少曖昧な発音でも理解してくれます。

 

【GOD PARTS 7】
リアコンビネーションランプ

独特な薄型形状になって“らしい”雰囲気に

天地方向に薄く、横に長いリアコンビランプは、2シリーズや2シリーズクーペにはなかったデザインテイスト。よく見ると両端が上がった「L」のような形状になっていて、どことなくBMWの「ワルっぽい」味付けやスポーティな雰囲気がさりげなく表現されています。

 

【GOD PARTS 8】
リバースアシスト

バックするのに操作はアクセルとブレーキだけ

「35㎞/h以下」「直近50m」という条件はありますが、それまで走ってきたルートを記録して、アクセルとブレーキ操作だけで(ハンドルは自動操作)バックできます。狭い道を戻らなければいけないときや、バック操作に不安があるときなどに便利ですね。

 

【GOD PARTS 9】
フロントシート
見た目だけでなく使い心地もスポーティ

ヘッドレスト一体型でデザインされたフロントシートは、形状からして「クーペ」っぽいイメージを放っています。また雰囲気だけでなく、サイドサポートも張り出しているので、多少スポーティな走りで攻めてもしっかり身体を保持してくれます。

 

これぞ、感動の細部だ!

GOD PARTS 神】
後席スペース
ボディはコンパクトだが足下の空間は十分広い

BMWのなかでは最もコンパクトなサイズの4ドアクーペながら、しっかりとした後席が設置されています。2シリーズで唯一FR駆動を採用する2シリーズ クーペと比較して、足下のスペースはそれなりに確保されています。ただし、デザイン上仕方がないのかもしれませんが、ドアの開口部は狭くなっているため、長身の人だと乗り降りに少々苦労するかもしれません。

 

新しいドライブ様式は300万円台から始められる! 価格帯別イチオシEVガイド

排出ガス抑制のための規制強化が進むなか、世界の自動車メーカーはこぞって新たなEVを登場させている。ここではいま日本で購入できるEVを価格帯別に厳選して紹介。さぁ、新たなドライブ様式を始めよう!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が紹介します

GetNavi編集部 クルマ担当

上岡 篤

EVに乗ってみて、その静かさと圧倒的な加速に驚くばかり。本気で欲しいと思うが、集合住宅住まいなので充電の方法に悩んでいる。

《300万円台》

最先端の技術や最新の素材の採用により、まだまだ“高嶺の花”と思われがちなEV。しかし新車で300万円台と比較的リーズナブルなモデルもあるのだ。もちろん実用性も問題ない。

 

【No.1】日本を代表するEVは電源としても活用できる

日産

リーフ

332万6400円〜499万8400円

2017年にモデルチェンジして2代目になったリーフ。40kWhと62kWhの2タイプのバッテリー容量が選べるが、いずれも一充電で300km以上の走行が可能。住宅に電気を供給する電源としても活用できるのが特徴だ。

SPEC【e+G】●全長×全幅×全高:4480×1790×1565mm ●車両重量:1680kg ●最高出力:218PS(160kW)/4600〜5800rpm ●最大トルク:340Nm(34.7kg-m)/500〜4000rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):458km

 

★ここがイチオシ!

日本を代表するEVであるリーフは、プロパイロットなど安全運転支援技術も充実。電源として使えるのはいざという時に安心だ。

 

【No.2】タウンユースにぴったりなコンパクトモデル

三菱

i-MiEV

300万3000円

i-MiEVは2018年に衝突時の安全性確保のため全長が8cm拡大し、それまでの軽自動車規格から登録車規格になった。満充電時の最長航続距離は約164km。タウンユースなら気兼ねなく使えるコンパクトさもメリットだ。

SPEC【X】●全長×全幅×全高:3480×1475×1610mm ●車両重量:1100kg ●最高出力:64PS(47kW)●最大トルク:160Nm(16.3kg-m)●一充電走行距離(JC08モード):164km

 

★ここがイチオシ!

ステアリングのパドルで回生ブレーキの強弱を操作すれば、スポーティな気分も味わえる。年内で生産終了のウワサもあるので注意。

 

《400万円台》

この価格帯から欧州のプレミアムブランドのエントリーモデルが選択可能に。満充電時の走行可能距離は350kmを超え、遠距離ドライブ時の充電場所の不安から大きく解放されるのも選択基準のポイントとなる。

 

【No.1】小型SUVながら高いトルクでグイグイ走る

 

プジョー

e-2008

429万円〜468万円

プジョーのEVの歴史は1941年のVLV(航続距離は約80km)から始まる。そんなプジョーが今年の9月に小型SUVタイプのe-2008を導入。ガソリンエンジンで2.6L相当の260Nmのトルクを誇るモーターを搭載する。

SPEC【GT Line】●全長×全幅×全高:4305×1770×1550mm ●車両重量:1600kg ●最高出力:136PS(100kW)/5500rpm ●最大トルク:260Nm(26.5kg-m)/300〜3674rpm ●一充電走行距離(JC08モード):385km

 

★ここがイチオシ!

小型SUVのEVということで話題性は抜群。ボディは大きく見えるが全高を1550mmに抑えており、立体駐車場も安心して駐車できる。

 

【No.2】バッテリー容量がアップし走行距離もアップ

BMW

i3

499万円〜608万円

i3は2014年にデビューしたRRの完全EV。昨年リチウムイオンバッテリー容量が、従来より30%大きくした120Ahに変更された。バッテリーに充電するエンジンを搭載したレンジ・エクステンダーモデルも選べる。

SPEC【i3 Edition Joy+】●全長×全幅×全高:4020×1775×1550mm ●車両重量:1320kg ●最高出力:170PS/(125kW)/5200rpm ●最大トルク:250Nm(25.5kg-m)/100〜4800rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):360km

 

★ここがイチオシ!

まずは個性的なデザインが◎。BMWの正確なハンドリングはEVでもしっかりと味わえる。希少となった観音開きのドアも魅力的だ。

 

《500万円台》

EVもこの価格帯になれば最新のインフォテイメントシステム、豪華な内装、力強いパワーユニットなどが魅力のひとつだったり、選ぶ決め手のひとつだったりする。来年発売予定のアリアに注目が集まっている。

 

【No.1】日本のデザイン意匠をふんだんに採用し急速充電性能も向上

日産

アリア

実売予想価格500万円強〜 2021年発売

アリアコンセプトのショーカーがほぼそのまま発売予定になった日産のニューフェイス。駆動方式も2WDと4WDが用意される。バッテリーは水冷式で細かな制御が可能となり、耐久性も向上。来年の発売が待ち遠しい。

SPEC【2WD 90kWhバッテリー搭載車】●全長×全幅×全高:4595×1850×1655mm ●車両重量:1900〜2200kg ●最高出力:242PS(178kW)●最大トルク:300Nm(30.6kg-m)●一充電走行距離(WLTCモード):610km(社内測定値)

 

★ここがイチオシ!

日本のDNAを表現したデザインは秀逸。急速充電への耐久性も向上し、30分の充電で375km走行可能。EVの充電としてはかなり早い。

 

【No.2】洗練されたインテリアに加え静粛性もポイント

DS オートモビル

DS3 CROSSBACK E-TENSE

534万円

PSAグループの高級車ブランド、DS オートモビルから初のEVが登場。DS3 CROSSBACKの上質感プラスEVならではの乗り心地と静粛性が味わえるのは大きな魅力だ。気になる最大航続距離も398kmと申し分ない。

SPEC【Grand Chic】●全長×全幅×全高:4120×1790×1550mm ●車両重量:1280kg ●最高出力:130PS(96kW)/5500rpm ●最大トルク:230Nm(25.4kg-m)/1750rpm ●一充電走行距離(JC08モード):398km

 

★ここがイチオシ!

低重心化と独特のサスペンションで上品な乗り心地が味わえる。ガラスも通常よりも厚いものや音響ガラスを使用するこだわりも◎。

 

《900万円台》

市場が大きく変わって輸入車が安くなったと言われても、この価格帯の輸入車はやはりブランド力を持っている。老舗ブランド初のEV、世界トップシェアが放つベンチャー企業の中核的モデルと好対照だ。

 

【No.1】テスラの中核的モデルは圧倒的な加速性能が自慢

テスラ

テスラ モデルS

989万9000円〜1699万9000円

テスラが最初に日本に導入したクルマがモデルS。駆動方式は4WDを採用。走行距離が610kmのロングレンジモデルでも100km/hに到達するまでにわずか3.8秒という、世界トップレベルの加速性能が自慢だ。

SPEC【ロングレンジ】●全長×全幅×全高:4979×1964×1445mm ●車両重量:2215kg ●最高出力:475PS(350kW)●最大トルク:750Nm(76.4kg-m)●一充電走行距離(WLTPモード):610km

 

★ここがイチオシ!

テスラの代名詞的存在の自動運転支援システムやEVパッケージによる室内の広さがウリ。またリモート駐車など新しい装備は魅力だ。

 

【No.2】スポーツカーに匹敵する加速性能をもちながら走行可能距離も十分

ジャガー

I-PACE

976万円〜1183万円

ジャガー初のEVはSUVスタイルで登場。200PSを誇るモーターを前後に2つ搭載し、スポーツカー顔負けの加速性能を持つ。それだけのパワーを持ちながらも満充電で438kmの走行が可能というスペックを誇る。

SPEC【S コイルサスペンション仕様】●全長×全幅×全高:4695×1895×1565mm ●車両重量:2230kg ●最高出力:400PS(294kW)/4250〜5000rpm ●最大トルク:696Nm(70.9kg-m)/1000〜4000rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):438km

 

★ここがイチオシ!

ジャガーの魅力である、キャットウォークと呼ばれる乗り心地とハンドリングは健在。前後重量のバランスも50:50と理想的だ。

 

《1000万円超》

この価格帯はメーカーの提案するEVのイメージリーダーでもある。高機能なデバイス、新しいプラットフォーム、贅を尽くしたインテリアなど、いずれもメーカーの威信をかけたフラッグシップモデルなのだ。

 

【No.1】800Vの電圧システムを採用し効率よく充電可能

ポルシェ

タイカン

1448万1000円〜2454万1000円

ポルシェ初となる完全EVモデル。前後にモーターを配しミドルグレードのターボで最大出力680PSを発生させる。他のEVが400Vなのに対してタイカンは800Vシステムの電圧を採用しており、より効率的に充電が可能だ。

SPEC【4S パフォーマンスバッテリー搭載車】●全長×全幅×全高:4963×1966×1379mm ●車両重量:2140kg ●最高出力:435PS(320kW)●最大トルク:640Nm(65.2kg-m)●一充電走行距離(独自基準値):333〜407km

 

★ここがイチオシ!

800Vシステム採用で、わずか22分で80%の充電量にまで到達。最大走行距離は約450km。十分に実用的なポルシェの哲学が生きている。

 

【No.2】ガルウィングドアを採用したテスラ初のSUV

テスラ

テスラ モデルX

1059万9000円〜1299万9000円

テスラ初のSUVとなるモデルX。ロングレンジモデルでの走行距離は507kmを誇る。後席ドアはガルウィングで、身長の高い人でも乗り降りがラク。もちろん最新自動運転支援システムやインフォテインメントも装備する。

SPEC【ロングレンジ】●全長×全幅×全高:5037×1999×1680mm ●車両重量:2459kg ●最高出力:422PS(311kW)●最大トルク:660Nm(67.3kg-m)●一充電走行距離(WLTPモード):507km

 

★ここがイチオシ!

上方に開く後部座席のガルウィングドアは注目度バツグン。3列シートで大人7人がゆったり乗れる余裕の室内スペースも自慢だ。

 

【No.3】メルセデス初のEVは走行状況を判断する頭脳派モデル

メルセデス・ベンツ

EQC

1080万円

メルセデスブランド初の量産EV。ベースはSUVのGLCで、後席も大人がゆったりくつろげるスペースのヘッドルームを確保している。前後にモーターを搭載する4WDだが、低負荷時はFFにもなり走行距離の延長に寄与する。

SPEC【400 4MATIC】●全長×全幅×全高:4770×1925×1625mm ●車両重量:2500kg ●最高出力:408PS(300kW)/4160rpm ●最大トルク:765Nm(78.0kg-m)/0〜3560rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):400km

 

★ここがイチオシ!

ロードノイズが抑えられており、Sクラスを超える静粛性能は秀逸。走行距離400kmも実用的。自動運転支援システムも魅力だ。

 

【COLUMN】名車チンクエチェントがEVになって復活!

↑↓バッテリーはフロントに搭載。5.5kWhと10kWhの2種類が用意されている。走行距離は前者が約40km、後者が80kmとなる

 

チンクエチェント博物館

FIAT 500 ev

506万円〜550万円

1957年に登場し1977年までに400万台以上が販売された2代目フィアット500。このモデルをベースにEVへと仕立て上げたのが、私設自動車博物館である、名古屋のチンクエチェント博物館。後部のエンジン位置に搭載されたモーターは約18PSと、エンジンモデルと変わらない出力にこだわった。名車がEVに変貌を遂げるという、クルマの保全の一端を担うという側面もある。

SPEC【ONE BATTERY】●全長×全幅×全高:2980×1320×1320mm ●車両重量:590kg ●最高出力:17.7PS(13kW)●最大トルク:160Nm(16.3kg-m)●一充電走行距離:約40km

“クルマは充電”が新しいドライブ様式になる! EVメーカーの現在地

世界各国でエンジン車への規制が強まるなか、自動車メーカーは近年こぞってEVを開発し世に送り出している。走行可能な距離が短い、充電スポットが少ないという不安は、もはや過去のもの。これからのクルマは“充電”が新たなドライブ様式となる。スポーツカーで有名なポルシェも、誰もが憧れるラグジュアリーカーのロールス・ロイスやアストンマーティンもEVを発表。もはやどのメーカーも避けて通れないクルマの電動化は、いまどうなっているのか。自動車ジャーナリストの川端さんに話を聞くとともに、世界の自動車メーカーの現在地を解説!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美さん

工学修士。エンジニアから自動車専門誌の編集部員に転身し、現在は、フリーランスのジャーナリスト。テクノロジーとエコロジーが専門。

 

排出ガス規制と政府の援助で着々と進むクルマの電動化

英語で“Petro Head”と言えばクルマ好きのこと。Petroとは石油のことだから、ひいてはエンジンとクルマは切っても切り離せない……というのはもう過去の話。多くの自動車メーカーがEVを発表する時代が来ている。その背景にあるのが、欧州委員会による「2050年までにカーボンニュートラル(※)を目指す」という発表だ。さらに、2030年までに自動車からの排出ガスによるCO²排出量を半分まで削減(2020年第3四半期比)し、2040年に新型車はほぼCO²を排出しないクルマだけになるというロードマップを描いている。

※ライフサイクルで見たときに、二酸化炭素の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロになる状態のこと。2017年にパリで開かれたワン・プラネット・サミットでカーボンニュートラル宣言が発出された

 

この動きは、中国やアメリカでも加速している。中国では政府が税の優遇などを設けて、電池を含めたEV産業全体を後押ししている。アメリカのカリフォルニア州では、2035年までに州内で販売されるすべてのクルマを排ガスゼロにするという意欲的な目標を打ち出している。世界は電動化に向けて、着々と進んでいるのだ。

 

世界EVメーカーシェアランキング】

テスラが約18%と圧倒的なシェア。これは2016年に発表され手ごろな価格で大人気となったモデル3の影響が大きい。日本メーカーがベスト10に入っていないのは残念。

● ウェブサイト「EV Sales」の2020年1月から8月までの販売台数ランキングデータより引用。

● 販売台数のなかにはPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド車)も含まれる

 

《アメリカ》

EVの世界シェアで断トツのトップを走るテスラが市場を牽引。シボレーのボルトEVは2021年に次期モデルが登場する予定だ。

 

【No.1】世界シェアでトップを走る気鋭のEVメーカー

テスラ

起業家イーロン・マスクを中心に「自分たちが乗りたいカッコいいエコカーを作ろう!」と一念発起。スポーツカー、セダン、SUVに続き手ごろなモデル3と、新車を連発中だ。

 

【No.2】転んでもタダでは起きない⁉ GM渾身のEVで巻き返す

シボレー

リーマンショックで倒産の憂き目にあったGMだが、政府から低利の融資を受けて電池とEVのボルトを開発。高級車ブランドのキャデラックでも、2023年にEVを発売予定だ。

 

《アジア》

政府の援助を受けられるなどEVの開発環境が整えられた中国は、多くのメーカーが参入。元々は電池メーカーなど、異業種企業も多い。

 

【No.1】商用EVのトップメーカーから乗用車へも進出

比亜迪汽車(中国)

電池メーカーとして創業し、EVメーカーを買収。いまEV商用車では世界一だ。アウディからデザイナーを招聘し、王朝シリーズで乗用EVにも進出。トヨタとの合弁も開始した。

 

【No.2】洗練されたデザインを武器に欧米市場への進出を目論む

広州汽車(中国)

2025年までに全車種をEV化すると宣言。心臓部には日本電産製モーターを積むeAxleを搭載し、スタイリングは欧州高級車メーカーから引き抜いてきたデザイナーが担当する。

 

【No.3】年内上場を目指す注目のEVスタートアップ

威馬汽車(中国)

コネクテッド・カーや購入後のアフターサービスなどをウリにした“スマートカー”として話題。「中国版Google Map」を提供する百度と手を組んで、自動運転や車載AIも提供する。

 

【No.4】中国版イーロン・マスクが起こしたEVメーカー

上海蔚来汽車(中国)

中国経済界の若手カリスマであるウィリアム・リー氏が創業。大気汚染を解決しようと、「青空の訪れ」を意味する「蔚来」を社名にした。自社工場を持たず、SUVのES8を委託生産。

 

【No.5】自社生産と提携を使い分け世界への販路拡大を続ける

上海汽車(中国)

第一汽車、東風汽車と並び、中国の三大自動車メーカーのひとつ。自社での生産も手掛ける一方、他国の企業と提携を結び拡大。イギリスの名門ブランドMGのEVをフランスで発売した。

 

【No.6】委託生産の依頼や出資と共に自社EVも発売する多様な戦略

長安汽車(中国)

今後10年で27車種ものEVを発売すると意気込む。自社ブランドを拡大すると同時にEVメーカーの蔚来に生産を委託したり、愛馳に出資したりと、多様なEV戦略を目論む。

 

【No.7】ボルボの親会社はEV専用ブランドも立ち上げた

吉利汽車(中国)

中国系大手であり、ボルボの親会社であり、ダイムラーの大株主。EV専用ブランド「ジオメトリ」を設立し、テスラのモデル3をライバルと目論む小型セダン、Aを発表した。

 

【No.8】EVのラインナップを拡充し自動運転技術も磨く

ヒュンダイ(韓国)

コンパクトハッチ・コナのEV版の登場に続き、SUVの45を発売予定。3月にジョイスティックで操作し、自動運転への切り替えも可能なコンセプト「Prophecy」を発表した。

 

《日本》

日産と三菱が日本のEVを牽引してきたが、ホンダとマツダも参入。日産は新型アリアの販売を予定し、やっちゃえシェア獲得となるか。

 

【No.1】ハイブリッド王国ニッポンでピュアEVの道を突っ走る

日産自動車

世界に名だたる“ハイブリッド王国”であるニッポンだが、日産は一貫してEV開発を貫いている。リーフは2017年に2世代目となり、なんと累計50万台(!)を販売している。

 

【No.2】小さいながらもグローバルでEVを展開

三菱自動車

EV開発の歴史は1960年代から。早朝の新聞配達に静かなクルマが欲しいと考えた結果、EVを開発することになったという。コツコツと開発を続け、2009年に世界初の量産EVを発売。

 

【No.3】電気駆動になってもホンダ独自の走りの魅力は健在

本田技研工業

電気の時代においても、ホンダは走って楽しいクルマを作ることを重視している。Honda eでは、走行距離を200㎞と割り切りつつ、コンパクトでキビキビ走るモデルに仕立てている。

 

【No.4】クリーンディーゼルだけじゃない EVにもしっかり着手

マツダ

昨今のマツダはクリーンディーゼルが有名だが、電動化にも着手している。第1弾となるMX-30はヨーロッパで販売開始。日本では2021年にリース形式での販売を開始する予定だ。

 

《ヨーロッパ》

EU各国でCO2排出規制が発出されたことで、続々とEVが登場。目標年度を定めてEVへシフトするメーカーも多く、その動きに注目だ。

 

【No.1】EVでも最善の性能と快適性を提供する

メルセデス・ベンツ(ドイツ)

「最善か無か」を旨とするメルセデス・ベンツだけに、EVでも高性能かつ快適なクルマを開発する姿勢を崩さない。EQCでは、パワフルなモーターと自社製電池を搭載している。

 

【No.2】次世代に向けてイチから刷新したEVを開発

BMW(ドイツ)

バイエルン・エンジン製作所を略した社名のBMW。徹底したエンジン屋のBMWがイチから刷新したEVブランドのiでは、EV特有の気持ち良い走りをBMW流に仕立てている。

 

【No.3】壮大な販売目標を揚げてEV市場の席巻を狙う

フォルクスワーゲン(ドイツ)

2025年までに300万台のEVを販売するという意欲的な目標を掲げるフォルクスワーゲンは、続々とEVモデルを発売している。第1弾となるiD.3に続き、iD.4も発売されている。

 

【No.4】電動化を推し進める国の牽引役となるメーカー

プジョー(フランス)

国を挙げて電動化を推し進めるフランス。プジョーはその牽引役となっている。日本上陸を果たしたe-208では、パワフルなモーターと大容量電池を組み合わせた心臓部を持つ。

 

【No.5】日本にもEVがお目見えしEVの販売比率拡大を目指す

アウディ(ドイツ)

アウディの電動シリーズe-tron Sportbackが待望の日本上陸を果たした。さらにe-tron SUVが続く。2025年までに20車種のEVを発表し、40%のEV販売比率達成を目指している。

 

【No.6】欧州最多のEV販売台数を誇る

ルノー(フランス)

30万台のEV累計販売台数を誇るルノー。一番人気の小型車・ゾエは販売台数を伸ばしており、累計販売台数は10万台を超える。今年はカングーのEV版コンセプトモデルも発表。

 

【No.7】「あのポルシェが!」と世界を驚かせた

ポルシェ(ドイツ)

世界有数のスポーツカーブランドも、量産EVであるタイカンを発売。最高250km/h、0-100km/h加速2.8秒というハイパフォーマンスを誇る。2021年モデルも欧州で発表された。

 

【No.8】レースで鍛えたEVの技術を量産モデルにも投入する

ジャガー(イギリス)

F1のEV版であるフォーミュラーEに参戦しているジャガー。量産EVでもI-PACEを発売した。最大696Nmもの大トルクを発揮するモーターによって、スポーティな走りを実現する。

7世代目のBMW「5シリーズ」発売。 新たなプレミアムスポーツのベンチマーク

BMW7世代目5シリーズが9月28日に発表。時代やビジネスシーン、そしてリーダー自身も変化が求められている未曾有のコロナ禍の中、「変わる準備は出来ていますか?」という投げかけと共に、披露されました。

 

次世代リーダーにこそ相応しい

ニュー5シリーズは、セダンおよびツーリングモデルが発売。ガソリン車とディーゼル車があり、気になる価格は678万円〜1319万円(税込)。PHEV車は4モデルあり、一番リーズナブルな「530e Luxury Edition Joy+」で815万円(税込)となります。

 

ボディサイズは全長4975mm、全幅1870mm、全高1485mmで、2975mmのロングホイールベースにより余裕のある後席室内空間を実現。一方で、ロングホイールベース化は狭い道などでの取り回しに影響が出ます。これに対し新型モデルでは、「インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング」を標準装備。後輪も向きを変える4輪操舵システムによって、取り回しの不安を払拭しています。

↑ニュー5シリーズのコンセプトを語るクリスチャン・ヴィードマン社長。幅と高さを増した大型のキドニーグリルに対して、2つのU字型(オプション装備の場合はL字型)のデイランニングライトを内蔵する細身に仕立てられたヘッドライトが特徴

責任者が語るデザイン

今回の5シリーズではフロントとリアのデザインを一新し、より贅沢なインテリアと最新のコネクティビティを備えています。一言で言えば存在感が増し、表情豊かになり、以前にも増して現代的にデザインがアップデートされたといったところでしょうか。

↑ツーリングモデルとM Sportセダンの間に立つのがデザイン責任者のドマゴイ・ジュケッチ氏

 

新しいキドニーグリルは、よりシャープな輪郭によってさらに幅が広がり、一層際立つ形に。そして、今回のフェイスリフトのハイライトはBMWレーザーライト ヘッドライト。L字型に鋭く前方を見据え、モダンな顔つきを作っているのです。もちろん、見た目だけではなく、その照射能力は従来のLEDヘッドライトの約2倍に相当する最長650m(ハイビーム時)にも及びます。

↑PHEVモデル530e M Sportパッケージ。最高出力はガソリンエンジンとモーターを合計すると294PSを発揮します

 

↑新デザインのBMW Individual 20インチホイールはダイナミックでアグレッシブさを感じさせます

 

また、大胆でモダンに組み合わされたリアコンビネーションランプも目を引くポイントです。一見クラシックなL字型のテールランプですが、大胆でモダンに組み合わされ、立体的にボディから現れています。ブラックの部分は強いコントラストを生み、リアシェイプを引き締めています。

↑「立体的にボディから現れる」と表現されたリアコンビネーションランプ

 

PHEVの530eをセダンに設定

プラグインハイブリッドシステムを採用した530eは、エンジンとモーター間がダイレクトに結ばれ、BMWの高い制御技術でお互いのパワーを無駄にすることなく、滑らかで効率の良い走りを実現させました。さらに特徴的なのが530eのバッテリー搭載位置。

 

約100kgの重量物であるバッテリーを極力車体の中央に収めるため、従来ガソリンタンクのあった後席下のスペースにバッテリーをレイアウトし、ガソリンタンクをトランク下に移設しました。これによって重量バランスの最適化が図られ、重心を下げ、重厚でスポーティーな走りを実現したのです。

↑充電用コネクターは左フロントフェンダー後ろのリッド内にあります

 

エンジンはエンジンルームの一番奥、車体の中心近くに収められています。これによりノーズ先端を軽くし、俊敏な動きを実現。さらに、車体の重心をドライバー席と近くすることで車との一体感を感じ、ドライビングの際に車が自分の手足のように動く感覚を味わえるようにレイアウトされています。セダンとは思えないスポーティーな走りが楽しめます。

 

ドライビングアシストシステムの標準装備

安全装備も見ていきましょう。3眼カメラと高性能レーダーを用いた運転支援技術「BMWドライビング アシストプロフェッショナル」を標準装備。20m、120m、300mの地点を3つの距離認識カメラで同時にとらえ、毎秒約2兆5000億回の解析能力を誇る最先端のプロセッサが高い危険予知性能と正確なレーンキープ性能を発揮します。これにより、高速走行時でもドライバーはハンドルに手を添えているだけでよく、ドライブ時の疲労を大幅に軽減させます。

 

さらに、渋滞時にはハンドルから手を離すことが可能なハンズオフ機能を備えています。これでBMWの3シリーズ以上の量販モデルすべてに標準装備が実現されました。高い安全技術を標準装備化することでより高次な運転支援技術の普及へとつなげていく。BMWは日本市場において、運転支援技術のリーダーであることを自負しているというメッセージを発信しています。

↑三眼カメラとレーダーにより異なる距離を同時に検知し危険予測します

 

ガジェットとの連携で面白いのが、AppleとBMWで共同開発されたiPhoneをクルマのデジタルキーとする技術。これによりiPhoneを持ってドアノブにかざせばドアが開き、スマートに乗り込むことができます。そして、そのiPhoneをセンターコンソールに置くことでキーとして認識。エンジンスタートが可能となります。普段通りにiPhoneを持っていれば、キーを探すことなくクルマに乗り込み発進が可能となるのです。日常生活からドライビングにスマートな移行ができるのです。

↑いつものiPhoneをデジタルキーとして使用することが可能

 

快適性と実用性も十分

5シリーズはエアベンチレーションやマッサージシートを選択可能。また、ツーリングモデルはラゲッジ・コンパートメント・パッケージの初採用により、ラゲッジルームの容量を通常の570Lから、リアシートを完全に倒すことなく最大10L広げられます。リアシートを完全に倒せば、ラゲッジルーム容量は1700Lに拡大されます。

↑ステッチを施し上質な質感を感じられる、エクスクルーシブ・ナッパ・レザー・シート

 

↑エクスクルーシブ・ナッパ・レザー・シートは、巧みの技による手の込んだ衣装となっています

サステナビリティなモビリティを実現する

BMWは2020年からは、世界中の生産拠点に供給される電力の100%がグリーン電力となります。さらに、自動車メーカーとして唯一、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックスに選定。このため、2020年5月に「Edition Joy+」と呼ばれる新たなグレードをラインナップ設定し、環境に優しく、魅力的な価格のモデルの提供をスタートしています。

これらの点を踏まえると、環境への配慮とスポーティーな走りの高次元バランスこそBMWニュー5シリーズの大きな特徴といえます。まさしく5シリーズは、次世代のリーダーに向けて発信されたものといえるでしょう。

 

 

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電気自動車(EV)で尾瀬と再生可能エネルギーの源を巡るエコな旅

「電気自動車(EV)で尾瀬に行きませんか?」 そんなお誘いを受けたのは6月下旬。子どもの頃から「夏の思い出」で尾瀬の名前は有名だったし、映像を通して尾瀬がどんなところなのかは認識しているつもりだ。しかし、一度も行ったことがないがないままいまに至ってしまった。そんなときに舞い込んできたこの話。入っていた仕事のスケジュールを変更し、この一泊二日のツアーに参加することにした。

 

再生可能エネルギー+EVでCO2排出が限りなくゼロのドライブへ

ツアーの誘い手は東京電力。なぜ目的地が尾瀬なのかは後述するが、今回の旅先には、再生可能エネルギーの1つである水力発電の元となっている丸沼ダムも含まれる。同社は以前から再生可能エネルギーの活用を模索していたが、そんな矢先、福島原発の事故が発生した。それ以降、人々の意識は脱原発、再生可能エネルギーへと一気に向き始めることとなる。しかし、東京電力が元々、水力発電にも力を入れていたことはあまり伝えられていないのではないだろうか。

 

一方、EVはBMWの「i3」を利用した。このクルマ、基本はモーターによってだけ走行する“ピュア”EVで、2016年に最初のマイナーチェンジでバッテリーの容量アップが図られ、満充電で390kmが走行可能となっている。 ボディにはカーボンフレームを採用したり、内装には再生可能な素材を多用したりするなどi3はエコなイメージで形成されている。つまり、このイメージが東京電力の水力発電を主としたクリーンな再生可能エネルギーの方向性とピタリ符合したというわけだ。

↑尾瀬までのドライブに利用したBMW i3 ロッジ エクステンダー付き

 

↑出発前の満充電の状況。バッテリーだけで167kmが走れ、レンジエクステンダーの分を加えるとトータル246kmを走れることを示している

 

ただ、EVと言えども、エネルギーの源である電力は、たとえばCO2を発生する火力発電を使う。単独でこそCO2が発生しないと謳いながら、使用するパワーソースはCO2を発生して生み出されている。それでは意味がない、という声が多かったのも確かだ。そこで東京電力が考案したのが「アクアエナジー100」という新プランである。これは水力発電100%のプランで、マイカーがEVであればこのプランによってCO2排出が限りなくゼロに近くなる。料金は通常プランよりも約2割増しになるが、このプランはそうした声にもしっかりと答えていこうという東京電力の意思の表れでもあるのだ。

 

もはや異次元の走り!! EVならではのドライブを体感

さて、尾瀬までのi3でのドライブはとても快適だった。EVならではの力強いトルクは、どの速度域からでも強力な加速力を発揮してくれる。長いことガソリン車に乗ってきた立場からすれば、これはもはや異次元の走り。しかも、回生ブレーキを併用することで、アクセル1つで相当な走行領域をカバーする。あらかじめ予想がつく範囲ならブレーキペダルを踏まずにクルマをコントロールできるほどだ。充電に30分ほどかかるけれど、休憩を取りながら計画的に充電していけば、疲れを取りながらドライブしていけるのだ。

↑出発は東京・お台場にある「BMW GROUP Tokyo Bay」。ここから約200kmを充電しながらEVとして走行した

 

↑i3は、EVならではの強力なトルクで、高速域でも力強い加速を発揮してみせた

 

こうして戸倉までi3で走行した。ここから先はクルマでの乗り入れができないため、尾瀬の玄関口である鳩待峠までは乗り合いバスを使って移動。そこから宿泊施設のある尾瀬ヶ原へ約1時間の道のりを徒歩で向かった。目的地までは遊歩道が整備され、それをたどっていけば迷うことは一切ない。途中のブナ林が木陰をつくってくれ、時折吹く風がとても爽やかで、尾瀬に来たことを感じさせてくれた。

↑宿泊に使った国民宿舎「尾瀬ロッジ」。環境負荷を抑えるため、身体を洗うにも石鹸は使えない

 

尾瀬の夜は更けるのが早い。なにせ歓楽街はホテル内のバーのみ。それも8時過ぎには店終いしてしまう。というのも、翌日の朝食が6時から7時という、普段の生活ぶりとはまったく違う時間軸で動いているからだ。とはいえ、時間には余裕があったのでちょっと外へ出てみると、驚き!そこには真っ暗で何も見えない世界が広がっていた。この日はあいにくの曇り空で星も見えない。つまり、眼に映るものがなかったのだ。もしかすると、こんな光景を見たのは初めての体験だったかもしれない。

そして尾瀬探索へ――元はダム建設の計画もあった!?

翌朝8時過ぎ、ツアーの一行は尾瀬探索へと向かった。実はここに今回の旅の狙いが隠されていた。というのも、実は尾瀬の約4割が東京電力の所有地なのだ。もともと水力発電のためにこの一帯を取得したとのことだが、観光客の増加や住民の反対などもあり、ダム建設は計画を断念。さらに国立公園特別保護地区に指定され、開発は事実上不可能となった。それでも、東京電力は土地を手放すのではなく、尾瀬の自然を保全するという立場で尾瀬の土地を守り続けてきたというわけだ。

 

ここで意外な話を聞いた。中高年の世代にとって尾瀬と言えば自然の宝庫として知らない人はいない。そう思っていたが、最近の若い人たちはこの尾瀬そのものをよく知らないのだという。というのも、筆者が音楽の授業で習った「夏の思い出」には水芭蕉を含む尾瀬の光景が歌われているが、最近の音楽の授業ではこの歌が歌われなくなってきているというのだ。つまり、尾瀬そのものを特に意識することがなくなれば、その知名度はどんどん下がる。最盛期には70万人が訪れていたが、いまでは30万人程まで減ってしまっているのもこうした背景があったのだ。

 

しかし、尾瀬ヶ原に入るとその風景は想像していた以上に素晴らしかった。広大な湿原のなかに木でできた遊歩道が延び、前後に燧ケ岳(ひうちがだけ)と至仏山(しぶつさん)がそびえる。周囲には池や白樺も点在し、時折吹く風が池の水面でさざ波や木々の揺れを作り出す。聞こえるのは風の音と鳥の囀りぐらい。その静けさは話す声もつい控えてしまうほどだ。この日はすでに尾瀬のシンボルとも言える水芭蕉は葉っぱが広がってしまい、本来のシーズンは終わってしまっていた。とはいえ、「ニッコウキスゲ」や「ヒオウギアヤメ」など、数々の花が咲いていたのは収穫だった。

↑尾瀬ヶ原から燧ケ岳を望む。標高は2356mで東北一の高さを誇る。燧ケ岳の噴火によって川がせき止められ、尾瀬湿原を作り出したと言われる

 

↑南に立つ至仏山。標高は2228mで山頂から眼下に見る尾瀬ヶ原は特に素晴らしいという

 

↑尾瀬ヶ原は湿地帯であるだけに小さな沼も数多く点在。これが尾瀬の風景を映し出して広がりを感じさせていた

 

↑7月ともなると水芭蕉の見頃はとうに過ぎていて、大きな葉っぱに育ってしまっていた。見頃は6月初旬だという

 

↑ニッコウキスゲ

 

↑ノアザミ

 

↑コオニユリ

 

↑カキツバタ

 

遊歩道に見る、自然環境への配慮

自然風景以外で注目したいのが、遊歩道に使われている木材だ。よく見ると1枚の木材ごとに、東京電力や群馬県、福島県、新潟県など設置した団体名と、設置年が刻印されている。木材である以上、一定期間が経てばやがては朽ちてくるのだが、長持ちさせるためのニスなどの化学薬品は一切使わない。環境に影響を与えないよう、最大限の配慮が徹底されているのだ。もし、尾瀬を訪れることがあれば、遊歩道の木材を確認してみるといい。

↑尾瀬ヶ原のなかを走る遊歩道はすべて天然木を無加工で使う

 

↑遊歩道に使われる板には1枚ずつ、東京電力や群馬県、福島県、新潟県など設置した団体名と、設置年が刻印されている

 

↑遊歩道のところどころには熊に存在を知らせるため、鐘を鳴らす設備が設置されている

 

↑遊歩道の途中には、パワースポットを思わせる自然の岩も見られた

国の重要文化財にもなっている「丸沼ダム」

尾瀬の魅力の一端を味わったあと、次は水力発電の元となっている丸沼ダムを目指す。来た道を戻るわけだが、帰る方向は途中から上り坂となり、最後は結構キツイ階段状の坂を上らなければならない。途中に休憩用ベンチがあるのがとてもありがたかった。ここで休みを取りながら何とか乗り合いバスの乗車口に到着。普段の体力のなさが露呈してしまった格好だ。

↑帰りはほぼ上りが続く。これがかなり堪えた

 

さて、いよいよ最後の目的地である丸沼ダムに到着。ここは普段は無人なんだそうだが、今回は我々の取材対応のため、扉を開けて施設内への立ち入りも許可していただいた。

↑昭和6年に完成した丸沼ダムは、一世紀近くに渡って水を溜めてきた。この堰堤の向こう側が上流側

 

丸沼ダムの正式名称は「丸沼堰堤(えんてい)」と呼ぶ。昭和39年に定められた河川法によって、高さ15mを超えるものを「ダム」と呼び、それを下回るものを「堰堤」と呼ぶのだそうだ。ただ、過去の河川法ではその区別が曖昧で、昭和39年以前に建設されたダムについてはダムと堰堤の名称が混在しているのだという。ここでは一般的に呼ばれている「丸沼ダム」としたい。

 

その丸沼ダムは昭和3年に建設が始まり完成は昭和6年。当時の資材不足を反映して、コンクリートが少なくて済む「バットレスダム」となっている。現在、日本には8か所でこの方式が採られ、実際に運用中のものだけに絞れば6か所。そのなかでも丸沼ダムは、「ぐんまの土木遺産」として指定され、国の重要文化財としても登録されている価値ある施設となっている。

↑丸沼ダムは近代産業遺産として評価され、国の重要文化財にも指定されている

 

ダムらしからぬ!? ユニークな放水方法

施設内に入り、そこで目にした光景はなかなかの素晴らしさ。丸沼を東西に分けるように堰堤が延び、ここで高低差を作り出している。面白いと思ったのは放水の仕方だ。ダムの放水と言えば、ダムの中腹から勢いよく放出する様子を思い浮かべるが、この堰堤では上流から水を取り込んで下流の沼底から排水する仕組みを採る。そのため、ダムらしい迫力は感じない一方、沼で釣りをしている人たちにとっても不安を感じさせることがない。これにより、丸沼堰堤の近くは絶好の釣り場として使うことが可能。青々とした水面が美しい。この日も大勢の人がボードに乗って釣り糸を垂れていた。

↑丸沼ダムの上流側

 

↑丸沼ダムの下流側。ワイヤーが横切る少し先付近で沼底からの放流は行われる

 

そしていよいよダムの中へと入っていく。施設内へ通じる扉を開けると目に飛び込んできたのは70段以上の階段。ダムの最下部まで階段が続き、その様子はまるでタイムトンネルのようだ。ここを慎重に降りていき、外へ出るとダムの全景を見渡せる場所へ到着。幅88.2m×高さ32.1mの施設を目の当たりにするとその迫力も十分。これが1世紀近くも延々と水を溜め続けてきたのかと思うと、その歴史の重みにも圧倒されてしまった。

↑70段もの階段を降りて、ダムの最下部へ進む

 

丸沼ダムの見学を終え、一通りの取材は終了。帰りに立ち寄った片品村役場では、観光案内所でダムの詳細なスペックが記載してあるダムカードを配布している。特に片品村内で宿泊を伴った場合は限定カードとなり、これはダムマニアの間では静かなブームを呼んでいるほどだという。訪れた日は村役場の一角に新たな道の駅「尾瀬かたしな」のオープンの準備している最中だった。ここにはもちろん、EV向けの充電施設も準備されている。尾瀬の魅力をたっぷりと堪能できた2日間だった。

↑片品村役場の一角に7月21日オープンした道の駅「尾瀬かたしな」

 

↑「尾瀬かたしな」の一角には片品湧水群からの水飲み場も用意(未消毒なため、飲用は各自の責任となる)

 

清水草一がBMW「X3」を徹底解剖!「ディーゼルエンジンの静かさに感服」

ベテラン自動車ライターの永福ランプこと清水草一とフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載です。今回は、高級クロスオーバーSUVの先駆けとして10年以上前に誕生したパイオニア的モデルの最新型をチェック。清水さんが注目した「ディーゼルエンジンの静かさ」とは?

 

【登場人物】

 永福ランプこと清水草一

 日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっています。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今回のクルマ】BMW X3

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SPEC【xDrive 20d M Sport】●全長×全幅×全高:4720×1890×1675㎜●車両重量:1860㎏●パワーユニット:1995㏄直列4気筒DOHCディーゼルエンジン●最高出力:190PS(140kW)/4000rpm●最大トルク:40.8㎏-m(400Nm)/1750〜2500rpm●カタログ燃費:17.0㎞/ℓ●639万〜710万円

 

「ディーゼルエンジンの静かさに感服!」

安ド「殿! 世界的なSUVブームですね!」

清水「うむ。よきにはからえ」

安ド「それはどうでもいいという意味で?」

清水「個人的にはな」

安ド「これまで47台もクルマを購入されてきた殿ですが、SUVは1台も買われていないとか」

清水「オフロード趣味がないのでな。が、もうひとつ理由がある」

安ド「スポーツカー好きの殿ですから、重心が高い、ですか?」

清水「いや、現代のSUVは重心の高さをまったく感じさせぬ。このX3も走りは抜群。実に安定していたぞ」

安ド「では何が?」

清水「SUVは背が高いぶん、重い。そして空気抵抗が大きい。よって燃費が悪くなる。節約を何よりも重視する私としては、SUVは選択外となる」

安ド「47台も買ってて、節約もないと思いますが」

清水「それを言うでない」

安ド「ははっ。言われてみれば確かにこのX3、2ℓディーゼル搭載モデルでしたが、今回の燃費は実質11㎞/ℓにとどまりました」

清水「であろう。何を隠そう現在の我が愛車は、同じく2ℓディーゼルを積むBMW 320D。そちらは平均で17㎞/ℓ走っておる」

安ド「それはロングドライブが多いからでは?」

清水「それを言うではない」

安ド「失礼しました。節約を優先するならセダンやステーションワゴンが有利ですよね。ただ私としましては、SUVのカッコ良さは捨てがたいです!」

清水「いや、この顔はブサイクである。あまりにもキドニーグリルがデカすぎる。これではまるでダッジラムだ」

安ド「そんなことはありません!新型は新鮮でイマっぽいです!」

清水「見解の相違であるな。ただ今回、この新型X3に心底感じ入ったことがある」

安ド「ジェスチャーコントロールのレスポンスが良くなった、とかですか?」

清水「そんなものは知らぬ。私が感服したのは、ディーゼルエンジンの静かさだ」

安ド「そう言えば、ガラガラ音がほとんど聞こえませんでした」

清水「私の320dは3年前の中古車。アイドリングでそれなりにガラガラ音が出るが、短期間でこれほど進化するとは驚きだ」

安ド「ディーゼルも進化してるんですね!」

清水「世の論調としては、ディーゼルはオワコンでこれからはEV一本だが、まだまだどうして。最新のディーゼルは、この重いSUVをわずか2ℓの排気量で軽々と加速させ、静かさもほとんどガソリン車と変わらず、燃費では大きくリードする。これがそう簡単に死ぬはずがない!」

安ド「なるほど!」

清水「私が新型X3で確信したもの。それはディーゼルの存続だ」

安ド「肝に銘じます!」

 

 

【注目パーツ01】コネクテッド・ドライブ

クルマが世界とつながるサービス

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ニュースや天気などの各種情報収集、より正確なナビゲーションなどが実現でき、スマホからエアコンの起動やロックの解除などもできるようになります。似たような機能は各社がやってますが、輸入車ではBMWが初でした。

 

【注目パーツ02】キドニーグリル

大型化で大きく表情を変えた

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BMWのフロントデザインを象徴するのが、2つのグリルを横並びにした“キドニーグリル”。新型では大型化されて、その存在感を高めています。ダイナミックで立体的にはなりましたが、個人的には繊細さがなくなりガッカリです。

 

【注目パーツ03】ラゲージ・アンダートレイ

自立したまま便利に使える

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荷室の床下にスペースがあるのは、スペアタイヤを必要としなくなった近年のSUVでは当たり前のこと。が、X3では床下のフタ部分にダンパーが付いていて勝手に下がってきません! 高級車のボンネットと同じです。金かかってます。

 

【注目パーツ04】ジェスチャー・コントロール

 空間上の手の動きを感知

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ディスプレイの前で指をクルクル回したり、手首を動かしたりといった所作をするだけで、電話やボリュームなどを画面に触れずに操作することができます。ちなみに手がディスプレイから30㎝くらい離れていても操作可能でした。

 

【注目パーツ05】ウェルカム・ライト

光が便利さと雰囲気を演出

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夜暗いなかでX3に乗ろうとすると、便利な照明が自動で2か所に灯ります。ひとつはドアハンドル(上)で、もうひとつは地面(下)。後者は「ウェルカム・ライト・カーペット」と呼ばれるもので、独特な模様で乗員を車内に導いてくれます。

 

【注目パーツ06】アンビエント・ライト

 室内の高級感を高める照明

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インテリアは、まるでおしゃれなバーのように間接照明で照らされます。ライトカラーは11パターンが設定されていて、気分に合わせて選択することができます。が、そのうち面倒になって変えなくなってしまうでしょう。

 

【注目パーツ07】ステアリング

 高級感と使用感を両立

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“ウォークナッパ”と呼ばれるレザーを表面に使った高級感あふれるステアリングです。このMスポーツだけは10時10分の位置に、親指を引っ掛ける出っぱり「サムレスト」が付いています。握ってみるとすごく太くてたくましいです。

 

【注目パーツ08】エア・ブリーザー

 SUVのアクティブ感を強調

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いかにもSUVらしいアクティブでワイルドな雰囲気を演出するのが、このフロントタイヤ後方に彫られたスリットです。よく見てみると穴は空いてなくてただのダミーのようですが、これでも空気抵抗を低減させる効果があるそうです。

 

【注目パーツ09】バックモニター

2画面2方向表示で車庫入れを簡単に

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車両後方を確認できるバックモニターや、真上から見た図が表示されるトップビューモニターなどは多くのクルマに付いていますが、X3は両者を同時に表示できます。ディスプレイが横に長いって便利ですね。

 

【これぞ感動の細部だ】ディーゼルエンジン

パワーアップしつつ、静かに

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新型X3は、ディーゼルとガソリン2種類のモデルが展開されています。今回テストしたのは先行販売されているディーゼル。ディーゼル自体の特徴でもある強大なトルクを発揮し、この大きく重いボディをものともせずグイグイ押し出すように走ります。実は私の愛車もBMWのディーゼルですが、やはり最新型は音も断然静かで、弱点がありません。

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税

 

【1分でわかる】X1のクーペ的位置づけ、BMW「X2」ってどんなクルマ?

本記事では、初夏に予定されている日本発売に先駆けて行われた、BMWの新型SUV・X2の試乗レポートをお届けします。

 

目指したのはBMW史上一番ポップなSUV

BMW

X2

SPEC【sDrive 20i】●全長×全幅×全高:4360×1824×1526㎜ ●車両重量:1460㎏ ●パワーユニット:1998cc直列4気筒DOHC+ターボ ●最高出力:192PS/5000〜6000rpm ●カタログ燃費:14.6㎞/リットル

 

いい意味でSUVらしくない快適さを堪能できる一台

BMWから、新型コンパクトSUVのX2が初夏に日本で発売されます(価格は未定)。SUVといえば、いま世界的に最もホットなジャンル。なかでもコンパクトなクーペスタイルがトレンドとなっていますが、新型X2はそのど真ん中を行きます。BMWのラインナップにおいては、最小サイズSUV・X1のクーペ版という位置づけ。ちなみに同社では、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)ではなく、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)としています。走りに妥協しない同社らしいこだわりと言えるでしょう。

 

日本発売に先駆けて、ポルトガルでX2の試乗会が開催されました。メカニズムはX1を踏襲していますが、きびきびしたスポーティさは同車を凌駕します。目線が高いためストレスを感じにくく、乗り味も良好。いい意味でSUVらしくない快適さを堪能できました。BMWのイメージを覆すポップでファンキーなデザインのなかに、“ザ・BMW”な性能を感じられる快作です。

 

フローズングレーカラーがアクセント

流行のクーペスタイル。イエローゴールドをベースに、フローズンシルバーのアクセントが特徴的です。

 

グリルはX1よりも大きめ

BMWの象徴であるキドニーグリルは、X1よりも少し大きくなりました。ちなみに、X2とX1とで共通しているパーツはドアノブのみだといいます。

 

Cピラーにエンブレ

Cピラーに備えるエンブレムは、50年前に発売されたBMWクーペの名車・3.0CSへのオマージュ。X2に特別な価値を与える意匠です。

 

コネクト機能も進化

Amazon Alexaと連動するなど、BMWコネクテッドドライブが進化。インテリアはX1より上質で、よりコントラストの効いたデザインに。

 

荷室はコンパクトに

X1よりも全長と全高が短くなっているため、荷室容量は少しコンパクトに。シートを倒さない状態で−35L、倒すと−195Lとなります。

次期型BMW3シリーズの走りを動画でチェック! ニュルブルクリンク高速テストをキャッチ

ドイツ・ニュルブルクリンクで高速テストを実施する、次期型BMW3シリーズが映像で捉えられた。

 

 

 

次期3シリーズは1.5リッター直3ターボと2.0リッター直4ターボエンジンがラインナップされる予定で、高性能バージョンの「M340i」には最高出力360psをマークする3.0リッター直6ターボも搭載されるとのことだが、注目はハイブリッド(HV)モデルとEV仕様モデルだろう。HVは、2.0リッター直4ターボにモーターを組み合わせた48VマイルドHVモデルで、EVは90kWhの大容量バッテリーを搭載し、航続距離は500kmとも言われる。

 

 

今回、ニュルブルクリンクでキャッチされたのは1.5リッターのモデルらしいとレポートされているが、このストレートでの加速はまさに”駆けぬける歓び”を具現化したものといえるだろう。

 

 

 

 

ワールドプレミアが待ち遠しい! これがBMW「Z4」の新型だ!

BMWがトヨタと共同開発するライトウェイトスポーツの新型「Z4」に関して、このほど最終デザイン・レンダリングCGを入手。コンセプトモデルと異なるハニカムメッシュのエアインテークが見られるなど、エアロダイナミクスを高めるスポーティなバンパーデザインとなっていることがわかった。

ヘッドライトはコンセプトモデルから継承した精悍なイメージだが、ノーズのキドニーグリルは直立したシルエットとなりそうだ。リアビューのCGはないが、L字型テールライトやスポイラー一体型トランクリッドを装備するはずだ。

パワートレインは、最高出力190ps及び250psを発揮する2リッター直4ターボエンジンと、最高出力385psとも噂される3.0リッター直6ツインターボエンジン搭載の「M40i」、パワーモードで最大204psを発揮するハイブリッドが予想される。

CGは直列4気筒モデルで、直6モデルのグリルはメッシュデザインが予想されており、今回初公開となる2台連なった画像は、先頭が「M40i」で、後ろが4気筒と思われる。

Courtesy of Apollo News Service

ブランパンGTアジア参戦のBMW M4 GT4が国内でシェイクダウン!

昨シーズンまでBMWの包括的なバックアップを受け、国内SUPER GT300クラスにM6 GT3で参戦してきた、BMW Team Studie(ビー・エム・ダブリュー・チーム・スタディ/監督:鈴木康昭)が、この2018年シーズンから欧州で人気の高いブランパンGTシリーズのアジア戦にエントリーを表明。昨年より世界各国に投入され始めたFIA GT4規定のマシンにスイッチして2台体制で新たなチャンピオンシップに挑戦する。

 

 

 

その参戦マシンとなるBMW M4 GT4は、BMWモータースポーツがカスタマーチーム/プライベーターに向けて開発したレース専用マシン。ご覧の通り、BMW M4クーペをベースにレース専用装備と軽量化技術が投入されているものの、ボディは全長4671×全幅1877×全高1369(可変)mmでホイールベースは2812mm、フロントに搭載する2979㏄の直列6気筒ターボエンジンは、レース規定によって制限されるが最高出力は431psと、ほぼ市販モデル相当のスペックが踏襲されているようだ。

 

 

去る2月28日に静岡県の富士スピードウェイに現れた2台のM4 GT4は上陸したばかりの模様。カラーリングも含めてほぼベーシックな状態のまま、SUPER GT300クラスのマシンらとともにシェイクダウン走行に臨んでいた。今回のテスト走行にはブランパンGTシリーズ・アジアの経験者であり、昨季まで同チームでM6 GT3を駆っていた荒 聖治選手をはじめ、ニュル24時間レースやツーリングカー等で経験豊富な木下隆之選手、全日本GT選手権で活躍した「塾長」こと砂子智彦選手ほか計6名のドライバーがステアリングを握り、タイヤセットやブレーキなどを慎重にチェックしつつ、時に大胆にマシンを操っていたようだ。

 

 

いま注目を集めるブランパンGTシリーズのGT4カテゴリー。すでにエントリーが発表されているヨーロピアン・シリーズでは、このBMW M4をはじめ、メルセデスAMG GTやアウディR8、ポルシェ・ケイマン、マクラーレン570S、マセラティ・グラントゥーリズモMC、アストン・マーティン・ヴァンテージといった魅力溢れるマシンたちが繰り広げる激しいバトルに期待が高まる。

 

 

 

そして、今シーズン全12戦となるブランパンGTシリーズ・アジアは、マレーシアのセパン(4/14-15)で開幕。タイのチャン国際サーキット(5/12-13)から鈴鹿サーキット(6/30-7/1)、富士スピードウェイ(7/21-22)、上海国際サーキット(9/22-23)をラウンドして中国の寧波国際サーキット(10/13-14)で最終戦となる。

 

 

 

この新たなチャンピオンシップに挑戦するBMW Team Studieの参戦体制は、来る3月12日(月)に発表予定とのこと。2台のBMW M4 GT4を駆るドライバーラインナップにも注目したい。BMW Team Studie公式サイト:http://teamstudie.jp/

 

 

BMW「7シリーズ」フェイスリフトモデル開発車両を捉えた!

BMWのフラッグシップサルーンとなる「7シリーズ」のフェイスリフトモデルが、北欧でのウィンターテストで捉えられた。

 

新型のプロトタイプにはダミーと思われるヘッドライトが装着され、キドニー・グリルやバンパーにフルモデルチェンジ級のカモフラージュが施されていたことから、フロントエンドは大きく変更される可能性がある。

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インテリアは「8シリーズ」や「Z4」コンセプトからインスピレーションを得たセンタースタックデザインで、「Live Cockpit」と呼ばれる次世代デジタルクラスターが採用されるかもしれない。またテクノロジー面では、レベル3相当の自動運転システムを備えると予想されている。

 

注目すべきは、プラグインハイブリッド「740e i Performance」の搭載パワートレインが、2.0リッター直4ターボエンジンとアップデートされた電動モーターの組み合わせによって最高出力は390psへ引き上げられる他、EV走行可能距離は60km以上になるとも言われている。

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ライバルとなるアウディ「A8」はフルモデルチェンジ、メルセデス「Sクラス」はフェイスリフトを終えており、改良版「7シリーズ」の開発は急務。おそらくワールドプレミアは2018年秋以降になりそうだ。

間もなくお披露目なるか!? 新型トヨタ「スープラ」とBMW「Z4」による奇跡の2ショット!

現在、トヨタとBMWが共同開発を進めているトヨタ「スープラ」とBMW「Z4」の両モデルの次期型プロトタイプがバックショットながら揃って捉えられた。

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「86」を彷彿とさせるテールライトが印象的な次期型「スープラ」は、トヨタのスポーツ系新ブランド「GR」ブランドから発売される可能性もあることから、いまだネーミングについては断定できないが、欧州の最新レポートによると、この「スープラ」をベースとして高性能な「GR」や「GRMN」モデルがラインナップされそうだ。

 

次期型「スープラ」のプラットフォームにはBMW製「CLAR」を採用して大幅な軽量化を実現する見込みで、搭載パワートレインは250psを発揮する2.0リッター直4ターボのほか、BMW製の3.0リッター直6ターボで最高出力340psのエンジンが予想されており、各々、販売価格は500万円~600万円、700万円~800万円とやや高めに設定されるようだ。

 

一方の次期型「Z4」は、最高出力190psと250psを発揮する 2.0リッター直4ターボと最高出力350psを発揮する3.0リッター直6ターボ、パワーモードで最大240psを発揮するハイブリッドがラインナップ予定という。

 

両モデルともに2018年3月のジュネーブモーターショーでのワールドプレミアとなるか?

次期型BMW「X5」はこれだ! シンプルなフロントエンドが特徴的

2018年9月のフルモデルチェンジが噂されている、BMWのミドルクラスSUV「X5」の次期型のレンダリングCGを入手。それによると、現行モデルよりもフロントエンドはかなりシンプルなデザインになる模様だ。

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この次期型「M5」のレンダリングCGはフルヌードに近い開発車両をベースに起こされているようで、ほぼ市販モデルの最終デザインと言ってもいいだろう。「X2」に近いアウトラインに、BMW最新世代のヘキサゴンLED、存在感のある大型キドニーグリルを装備。またルーフエンドには若干の傾斜を持たせているようだ。

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パワートレインは最大出力251ps、最大トルク350Nmを発揮する2.0リッター直4ターボエンジン、最高出力335ps、最大トルク450Nmを発揮する3リッター直6ターボエンジンや、プラグイン・ハイブリッドがラインナップされると見ているが、その頂点には4.4リッターV8ツインターボエンジンを搭載した「X5 M」が君臨し、そのパワーは600ps、800Nm以上を発揮するという。

正式デビューに先駆け、BMW8シリーズ・クーペのテスト模様が公開!

1月24日、BMWは現在開発を進めており2018年内に発表する予定となっている新型「BMW8シリーズ・クーペ」の、開発テストの模様を公開した。

 

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公開されたのはイタリア・アプリリアにある高速試験場での様子。エクステリアには偽装が施されているものの、スタリングはBMWの新世代旗艦クーペを名乗るにふさわしいスポーティでダイナミックな印象をもたらすフォルムを描いていることが確認できる。

 

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テスト内容は高速でのパフォーマンスのほか、制動性能やハンドリング性能など多岐にわたっているが、すでに新型8シリーズ・クーペは高い敏捷性や走りの精度が実現できているという。

 

なお、新型8シリーズは、高性能版の「M8」および、それをベースとするレーシング仕様「M8 GTE」も並行して開発が進められている。ちなみにM8 GTEは1月27〜28日に開催されるデイトナ24時間レースで実戦デビューを飾る予定だ。

 

 

 

新型BMW M5が笑えるギネス記録を達成!

BMWはこのほど、新型BMW M5を使って、あるギネス世界記録を達成した。なんと8時間におよぶ連続ドリフト走行を実現したのである。

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舞台は米国サウスカロライナ州にあるBMWパフォーマンスセンター。新型M5のステアリングを握るのはBMWのドライビングインストラクター、ヨハン・シュヴァルツだ。

 

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連続で8時間のドリフトとなると、懸念されるのが燃料の問題。そこでドリフトしている車両に、別の車両から給油するという大胆な手法を敢行。ドリフト走行車のリアピラーには特別仕立ての給油口を設置し、給油する車両から人間が身を乗り出して、直接その給油口にガソリンを注入するというのだ。ドリフト走行中の車両に給油するためには、給油側の車両もドリフトし、給油作業できる距離を一定時間保たなければならない。

 

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果たしてこの挑戦は見事に成功し、8時間にわたる連続ドリフト走行を実現。距離にして、それまでの記録89.55マイル(約144km)を大きく上回る232.5マイル(約374km)を記録したのである。

 

 

 

 

「エンジンのBMW」が電動化で着実な成果を残す!

BMWグループは2017年初頭に、次のような目標を掲げた。

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「年内、グローバルで10万台以上の電気駆動車を販売する」。

 

この目標を見事に達成したBMWはこのほど、その記念として、ドイツ・ミュンヘン北部にあるBMWグループ本社ビル「フォー・シリンダー・ビル」に光のインスタレーションでバッテリー風の装いを施し、モビリティの未来に向けた道筋を示した。

 

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BMW AG取締役会会長のハラルド・クルーガーは、次のようなコメントを発表した。

 

「当社はお約束を果しました。この高さ99mの光のインスタレーションは、エレクトロモビリティの時代に向けたサインです。年間10万台の電気駆動モデルを販売したことは記念すべき出来事ですが、これは当社にとっての始まりに過ぎません。2013年にBMW i3を導入して以来、当社は20万台以上の電気駆動モデルを販売しており、2025年までに電気駆動モデル25車種を取り揃える予定です。早い段階でエレクトロモビリティに注力したことが、この成功を呼び込んだのです。そしてエレクトロモビリティは、今後も当社の将来的な成功のための尺度となり続けることでしょう」

 

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BMWの新作、X7の「一部」が公開!

BMWは12月19日、現在開発を進めており、2018年末に発表を予定している新型「BMW X7」のプリプロダクションモデルの生産を開始したことを発表し、その模様を一部公開した。

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新型X7は、BMWのSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)である「X」シリーズの最上級モデルに位置付けられ、3列7名乗車のキャビンを備えることがすでに判明している。

 

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この新型X7は、X3やX4、X5、X6と同様に、米国サウスカロライナにあるBMWグループのスパルタンバーグ工場で作られる。公開された動画ではプリプロダクションモデルの生産の様子が確認できる。

 

 

ボディにカムフラージュが施されたプリプロダクションモデルは今後、開発部門に引き渡され、砂漠や氷雪地域を始めとする過酷な条件下を含めて厳しいテストが行なわれる。

 

 

 

【中年スーパーカー図鑑】本来のポテンシャルを誇示することなく消えた、悲運のBMW製スーパーカー

BMWモータースポーツは、世界メーカー選手権の制覇という目的を果たすために新しいグループ5マシンの開発を計画する。タッグを組んだのはイタリアのランボルギーニ。シャシー設計はダラーラが主導し、内外装デザインはイタルデザインが担当。パワートレインの開発はBMWモータースポーツ自身が手がけた――。今回はBMW初のスーパースポーツ、「M1」の話題で一席。

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【Vol.8 BMW M1】

1974年シーズンをもってヨーロッパ・ツーリングカー選手権(ETC)のワークス活動を休止していたBMWおよびBMWモータースポーツ(1993年に社名を「BMW M」に改称)。しかし、1976年になると新たなプロジェクトを始動させる。グループ5で行われる世界メーカー選手権(World Championship for Makes)への本格参戦だ。新規の専用マシンの開発コードは、“E26”と名づけられた。

 

■世界メーカー選手権の制覇を目指して――

BMWモータースポーツはニューマシンの車両レイアウトとして、戦闘力の高いミッドシップ方式の採用を決断する。しかし、社内ではこの分野のノウハウを持ち合わせていない。できるだけ早く、しかもスムーズにE26プロジェクトを進めるには――。BMWモータースポーツが選んだのは、ミッドシップスポーツカーの開発において優れた能力をもつイタリアの自動車メーカー、ランボルギーニとの提携だった。当時のランボルギーニは1973年に発生したオイルショックの影響をまともに受け、経営状態は逼迫。設計部門や生産ラインは半ば開店休業の状態にあった。新規のミッドシップスポーツの設計も、グループ4の規定である年間400台以上の生産も(グループ5とともにグループ4でのレース参戦も計画していた)、現状のランボルギーニなら可能だろう――BMWモータースポーツはそう考えたのである。

世界メーカー選手権の制覇のために生まれたM1。戦闘力の高いミッドシップ方式の採用するため、当初、この分野に長けたランボルギーニと提携して開発を進めていった世界メーカー選手権の制覇のために生まれたM1。戦闘力の高いミッドシップ方式の採用するため、当初、この分野に長けたランボルギーニと提携して開発を進めていった

 

BMWモータースポーツとランボルギーニによる共同プロジェクトは、当初順調なスケジュールで進行する。シャシー設計についてはランボルギーニと関係の深いダラーラが担当し、マルケージ製の角型鋼管スペースフレームに前後不等長ダブルウィッシュボーンサスペンションをセットする。ビッグシックスをベースとする専用エンジンを縦置きでミッドシップ搭載するというBMWモータースポーツ側の要件に対応し、ホイールベースはこの種のモデルとしては長めの2560mmに設定した。架装するボディについては、デザインと製作ともにジョルジエット・ジウジアーロ率いるイタルデザインに任される。ジウジアーロは1972年発表のコンセプトカー「BMWターボ」のイメージを取り入れ、ミッドシップカーならではのシャープで流麗なフォルムや空力特性に優れるフラットな面構成などでスタイリングを構築した。ボディパネルの主素材には軽量化や生産性を考慮してFRP材を採用。空気抵抗係数(Cd値)は0.384と優秀な数値を達成した。

 

肝心のパワートレインに関しては、BMWモータースポーツが開発を手がける。搭載エンジンは実績のある3.0CSLと同様、量産型の“ビッグシックス”直列6気筒ユニットのブロックをベースにチェーン駆動の4バルブDOHCヘッドを組み込むという手法を採用する。ボア×ストロークは93.4×84.0mmのオーバースクエアとし、排気量は3453ccに設定した。型式はM88。エンジン高の抑制とレース走行時の極端な重力変化に対処するために、オイル潤滑機構にはドライサンプ方式を導入する。さらに、点火機構にはマレリ製のデジタルイグニッションを、燃料供給装置にはクーゲルフィッシャー製の機械式フューエルインジェクションを組み込んだ。組み合わせるトランスミッションは専用セッティングのZF製5速MTで、ロック率40%のLSDを介して後輪を駆動する。また、操舵機構にはラック&ピニオン式を、制動機構には4輪ベンチレーテッドディスク(前対向4ピストン/後対向2ピストン)を採用した。路面との接点となるタイヤは前205/55VR16、後225/50VR16サイズを装着。トレッドは前1550/後1576mmに仕立てた。

 

■紆余曲折を経て「M1」の車名で市場デビュー

エアコンやパワーウィンドウといった快適アイテムも装備。この種のスポーツカーとしては異例の実用性を備えていたエアコンやパワーウィンドウといった快適アイテムも装備。この種のスポーツカーとしては異例の実用性を備えていた

 

初期段階のE26プロジェクトは順調に推移し、1977年夏には試作車も完成する。この流れを見たBMWモータースポーツは当初の予定通り、1978年春に開催されるジュネーブ・ショーで完成車を披露する計画を立てた。しかし、実際のショーではE26は出品されなかった。ランボルギーニの作業が遅々として進まなかったのである。また、どうにか完成したプロトタイプも、BMWモータースポーツが求める水準には達していなかった。業を煮やしたBMW本体は、プロジェクトを推進するためにランボルギーニの買収を目論むものの、ランボルギーニの下請け企業などがこれに強く反発した。結果としてBMWは、1978年4月にランボルギーニとの提携を解消することとした。

 

暗礁に乗り上げたE26プロジェクト。しかし、ここでBMWモータースポーツは意地のババリアン魂を見せる。生産工程を変えて、何とかE26を完成させようとしたのだ。FRP製ボディはスタイリングを手がけたイタルデザインが製作。一方、シャシーについては2002カブリオレなどの生産で提携の実績がある独シュツットガルトのバウア社に製造を委託する。そして、最終の仕上げを独ミュンヘンのBMWモータースポーツが行うという、複雑だが致し方ない手法をとった。苦労を重ねて完成したE26は、BMW Motorsportの“M”を意味する「M1」の車名を冠して、1978年秋開催のパリ・サロンにてワールドプレミアを果たす。BMW初の本格的なミッドシップスポーツで、しかもイタルデザインとダラーラ、そしてBMWモータースポーツという各分野のスター企業がタッグを組んだモデルだけに、M1はたちまちショーの主役に昇華した。

 

市販版のM1は、この種のスポーツカーとしては異例の実用性を備えていた。ボディサイズは全長4360×全幅1824×全高1140mm/ホイールベース2560mmに設定。また、エアコンやパワーウィンドウといった快適アイテムも装備する。M88エンジンの最高出力はロードバージョンが圧縮比9.0によって277hp/6500rpmを発生。さらに、グループ4仕様は11.5のハイコンプレッションから470hp/9000rpmを絞り出す。グループ5仕様は排気量を3153ccとしたうえでKKKターボチャージャーを組み合わせた結果、最高で850hp/9000rpmを発揮した。最高速度はロードバージョンが262km/h、グループ4仕様が310km/h、グループ5仕様が360km/hと公表された。

F1のサポートレースとしてワンメイクの「プロカーチャンピオンシップ(BMW M1 Procar Championship)」を開催。当時のF1パイロットらが中心となって参戦したF1のサポートレースとしてワンメイクの「プロカーチャンピオンシップ(BMW M1 Procar Championship)」を開催。当時のF1パイロットらが中心となって参戦した

 

意気揚々と市場に送り出されたM1。しかし、販売台数は伸び悩んだ。前述の複雑な生産工程は割高な車両価格(ポルシェ911の倍に近かった)につながり、しかも生産はBMWモータースポーツ本体がF1用エンジンの新規開発と製造に追われていたために月3台ほどがやっと。このままでは、グループ4の規定である連続12カ月に400台の生産をクリアすることは困難だった。打開策としてBMWモータースポーツは、シャシー製造を担っていたバウア社に最終工程の一部も委託する。また、M1がレースに参戦しないままで車歴を終える可能性があることを危惧して、ワンメイクの「プロカーチャンピオンシップ(BMW M1 Procar Championship)」を開催することとした。競技自体はF1のサポートレースとして催され、1979年と1980年にシリーズ戦を敢行。ドライバーは当時のF1パイロットらが中心となって参戦し、1979年シーズンにはニキ・ラウダ選手が、1980年シーズンにはネルソン・ピケ選手が年間チャンピオンに輝いた。プロカーチャンピオンシップに力を入れる一方、BMWモータースポーツはM1を駆って1979年開催のル・マン24時間レースのIMSAクラスに参戦する。使用マシンはポップアート界の巨匠、アンディ・ウォーホルがペイントしたBMWアートカー仕様のM1で、結果は総合6位と健闘した。

 

様々な努力の甲斐もあって、M1の生産台数は1980年暮れにどうにか400台をクリアする。本来は規定を満たすものではなかったが、モータースポーツにおけるプロカーチャンピオンシップでの貢献なども考慮して、FIAは特別に1981年以降のグループ4レギュレーションをM1に与えた。その後のM1は、世界各地のレースやラリーに地道に参戦。日本でもスピードスターホイールレーシングチームがM1を購入して耐久レースなどに出場し、その後オートビューレックモータースポーツに移動してスーパーシルエット・シリーズを制覇するなどの大活躍を果たした。

 

ようやく本格的なレース活動を行えるようになったM1。しかし、時のモータースポーツ界の環境がそれを拒んだ。レースの主役が、グループ5からグループCに移行しようとしていたのだ。また、BMWモータースポーツ本体も軌道に乗ったF1用エンジンの進化と製造に忙殺された。最終的にBMWモータースポーツは、1981年にM1の製造中止を決定する。本来のポテンシャルを誇示することなく、表舞台から姿を消した悲運のBMW製スーパーカー――。短い車歴における生産台数は、わずか453台(一説には447台)だった。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

BMW i8ロードスターはLAで正式デビュー!

BMWはロサンゼルス・オートショー2017において、プラグインハイブリッドスーパースポーツの新型「BMW i8ロードスター」をワールドプレミアするとともに、フェイスリフトを受けた「BMW i8」を発表した。市場導入は2018年5月からを予定している。

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プラグインハイブリッドシステムは、1.5リッター直3ターボエンジン(231ps/320Nm)とモーター(143ps/250Nm)の組み合わせにより、システム出力374psを引き出す。

 

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0-100km/h加速4.6秒をマークするi8ロードスターは、15秒でルーフの開閉が完了するほか、50km/h以下であればルーフ開閉操作が可能だ。EV後続距離は53kmで、ハイブリッド燃費は47.6km/L。なおEV時の最高速は120km/hをマークする。

 

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オープン時はソフトトップをキャビン後部に収納するものの、シートの背後には約100Lの収納スペースが設けられている点も、ロードスターの特徴だ。

 

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フェイスリフトを受けて、フロントマスクのデザインやボンネット中央のエアシャッターがi8ロードスターと共通のデザインとなったi8クーぺは、0-100km/h加速が4.4秒で、EV後続距離が55km。ハイブリッド燃費は52.6km/Lだ。

 

 

 

 

この手もアリ? BMW i8ロードスターの発表前アピール

11月14日、BMWは発表を間近に控えた「BMW i8ロードスター」の最終テストの模様を写真と動画で公開した。

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ドイツのライプツィヒ工場で最終プロトタイプ車両のテストが行われているBMW i8のオープンモデルは、コンパクトEVの「BMW i3」、プラグインハイブリッドスポーツの「BMW i8」に続く第3の「BMW i」モデルとして、2018年にデビューする予定だ。

 

このモデルのスペックは未発表だが、欧州複合モードのハイブリッド燃費で47.6km/L、CO2排出量で48g/kmとなることが発表され、プラグインハイブリッドモデルとしての高い資質をうかがわせる。

 

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この手のティザーは、完成車の一部分などを露出する場合が多いが、BMWはテスト中の模様を公開。これにより品質面での高さをアピールする狙いも透けて見える。いずれにせよ、i8ロードスターのデビューに期待は高まるばかりである。

 

 

 

BMWがM4に続きM3にも高性能版の「CS」を用意!

11月8日、BMWはM3の高性能モデルとなる「BMW M3 CS」を本国で発表した。受注開始は2018年1月からで、生産台数は1200台に限定される見通しだ。

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「CS」と言えば、今年4月にひと足先に「M4 CS」がデビューを果たしているが、このモデルは1988年に登場したE30型M3エボリューションに端を発するMスペシャルエディションの血統を受け継ぐモデルとなる。

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搭載される3リッター直6ターボエンジンは、M4 CS用と同様に、460ps/600Nmを発揮。標準モデルのM3に搭載されるものと比べ、プラス10psのエクストラを得ている。デュアルクラッチの7速M DCTを組み合わせ、0-100km/h加速はM4 CSと同じ3.9秒でこなす性能が与えられた。ちなみに最高速は280km/hでリミッターが作動する。

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アダプティブMサスペンションやアクティブMディファレンシャルを標準装備する点、フロント265/35R19、リヤ285/30R20サイズのミシュラン・パイロットスポーツカップ2タイヤを装着する点もM4 CSと同様だ。

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エクステリアでは3セクションに分けられた大型エアインテークを持つフロントエプロンやフロントスプリッター、リアディフューザーなどが専用タイプとなり、特別なモデルであることを主張。シルバーとブラックの2トーンカラーが用いられたインテリアではアルカンターラが多用されているほか、Harman Kardon製サラウンドサウンドシステムなどを標準で装備する。

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アマゾンが開発したAI音声サービス「アレクサ」をBMWとミニに搭載し、音声のやりとりで利便性を向上

日本でも2017年中の国内展開がアナウンスされたアレクサ(Alexa)。アマゾンが提供するこの音声会話サービスはクラウドを活用して対話方式で設定や案内ができる機能で、アップルが実用化しているSiriなどと似た機能を持つ。カーナビの音声ガイドにはピッタリのシステムだが、ここにきてBMWグループがこのアレクサをBMW車とミニに搭載すると発表。車内での音声コマンド活用の幅が広がることになる。

 

アレクサの活用例として、音声コマンドにより、上映映画のスケジュールを調べたり、プレイリストを呼び出したり、目的地の天気を調べたりすることが可能。↑アレクサの活用例として、音声コマンドにより、上映映画のスケジュールを調べたり、プレイリストを呼び出したり、目的地の天気を調べたりすることが可能

 

アレクサの活用例として、音声コマンドにより、上映映画のスケジュールを調べたり、プレイリストを呼び出したり、目的地の天気を調べたりすることが可能。

 

人工知能(AI)を活用したアレクサは、従来のカーナビの音声ガイドを超えた機能を持ち、車両状態を確認できるリモートサービスなどに加え、ショッピングやエンターテインメント機能も充実。BMWは2018年半ばにはドイツ、英国、米国でサービスを開始し、専用SIMカードを備えることで接続用スマートフォンなども不要だという。日本でのサービス開始はアナウンスされていないが、アマゾンが日本でのアレクサ導入を表明したということは日本語対応も進んでいるはずで、意外と早い時期に導入される可能性もある。

車両のコネクテッドサービスはより多コンテンツ化、複雑化が進んでおり、スムーズに使うには音声対話によるサービスが欠かせない。メルセデスもメルセデスmeでアレクサ導入を表明しており、今後はこうした音声対話サービスの使い勝手が重要なファクターとなってくる。まずは誰もが抵抗なく使えるサービスとなってくれることを期待したい。

 

 

 

新しいBMW M5は乗用車系Mモデル初の4WDに!

ビー・エム・ダブリューは10月24日、新型5シリーズ・セダンのトップパフォーマンスモデル「BMW M5」の受注を開始した。税込車両本体価格は1703万円で、2018年4月以降に順次デリバリーを開始する。

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6代目を数える新型M5は、Mモデルのセダンで初めてM専用4輪駆動システム「M xDrive」を搭載。約30年にわたる歴史のなかで守り続けてきたサーキットトラックで発揮される高水準の運動性能へのこだわりはそのままに、さまざまな路面状況で最大限のトラクション性能をサポートすることが可能となった。2WDモードも設定され、ユーザーは任意に選択することができる。

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エンジンは新開発のターボチャージャーを採用することによって、600ps/750Nmを引き出す4.4リッターV8ターボ。8速Mステップトロニック・トランスミッションと組み合わされ、0-100km/h加速を3.4秒でこなす加速性能を実現した。エンジン特性は、基本設定に加え、スポーツやスポーツ・プラスのモードが設定され、レスポンスを段階的に早めることが可能だ。

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存在感のあるフロントのエアインテークが特徴的なエクステリアは、現行型5 シリーズの一員でありながら独特のアピアランスを持つ。ボディ前後に貼られたM5バッジはもちろんのこと、CFRP(カーボンファイバー強化ブラスチック)製のルーフや、アルミニウム製エンジンフードなど、軽量化と高剛性化を両立させたディテールが高性能モデルらしい。リアディフューザーのデザインも従来型から刷新されている。

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新型M5は部分自動運転を可能とした運転支援システムの採用もニュースだ。ドライビング・アシスト・プラスを呼ぶこのシステムは、「ステアリング&レーン・コントロール・アシスト」や「アクティブ・サイド・コリジョン・プロテクション」、「後車追突警告」など、先進の安全運転サポート機能が盛り込まれている。

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ビー・エム・ダブリューでは、新型M5の発売を記念して、限定車「BMW M5ファースト・エディション」を発表。10月24日より、5台限定で販売。税込車両本体価格は1864万円だ。この限定車は、マット仕上げが施されたフローズン・ダーク・レッド・メタリックのボディカラーを採用しているほか、キドニー・グリルなどがハイグロス・シャドウにペイントされる。内装はレッドステッチを施すスモーク・ホワイトのフル・レザー・シートが特徴。Mスポーツ・エグゾースト・システムの標準搭載もこの限定車ならではの特色となっている。

東京モーターショー2017|BMWは「ストーリー・オブ・ラグジュアリー」でグローバル市場でのさらなる成長を狙う!

2017年も第四4半期を迎え、BMWグループの全世界における販売台数は180万台を越えて+3.7%の上昇を達成、BMWブランドの日本国内での成長率は+3.2%と年々伸びている。プレスカンファレンスに登壇したビー・エム・ダブリュー株式会社のペーター・クロンシュナーブル代表取締役社長は、数多くの重要で魅力的なニューモデルを導入してラインナップを拡充し続けてきたことが好調の理由とコメント。続けて、アジア・プレミアとして次世代BMWラインナップを担う5モデルを披露した。

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コンセプト8シリーズ
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Z8やi8といったラグジュアリーかつエモーショナルでスポーティなクルマにだけ与えられる「8」を冠した、8シリーズ・クーペを示唆したコンセプトモデル。新デザインのキドニーグリルや低くワイドなカーボン製シェルをはじめ、情報伝達能力を追求して円形のアナログメーターをリデザインしたメーターディスプレイなどすべてが未来的。

 

まずアンベールされたのが、サーキットでの厳密なテストを繰り返し公道用に改良を重ねることで、これまでにないラグジュアリーな装いながら、レーシング・マシンと同等のパフォーマンスを発揮するというコンセプト 8 シリーズ。そして、あらゆる点において未来的で新しいBMWを予感させる、流麗でエモーショナルなデザインを纏ったオープン2シーター・スポーツカーのコンセプト Z4だ。

 

コンセプトZ4

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ロー&ワイドを強調したスタイリングやミニマムな操作系でドライビングに集中できる環境が構築されたコックピットが独創的。ドライビングの歓びを満喫する運転席と優雅な走りを楽しむナビシートは異なるカラーだ。解放感を追求しサイドウインドーがないのがコンセプト・モデルらしい。

 

そして、0→100㎞/h加速3.4秒を実現したという最新世代Mモデルの新型M5。新しいラインナップとしては、5シリーズ・グランツーリスモの後継にあたる、6シリーズ・グランツーリスモとフルモデルチェンジを経て3代目にシフトしたSAVモデルのX3など。いずれも「駈けぬける歓び」がコアバリューに据えられておりブランドのさらなる躍進の原動力になるに違いない。

 

M5
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4.4リッターV型8気筒ツインターボエンジン(最高出力600ps/最大トルク750Nm)に、新型8速Mステップトロニック・トランスミッションとフルタイム4WDのM xDriveを組み合わせることで0→100km/h加速3.4秒を実現。ルーフをCFRP製にエンジンフードをアルミ製とするなど軽量化も徹底。

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(レポート:太田 輝)