パワポは文字と構造が9割! 初心者のための “伝わる” スライド作成術

「パワーポイント」といえば、言わずと知れたマイクロソフトのプレゼンテーションツール。ところが、実際に使い方をしっかり学ぶ機会は少なく、企画書やプレゼン資料作りは結局自己流という人は多いはず。

 

そこで「伝わるスライド」を作るための理論やテクニックを、パワポ芸人としてスライド作成に役立つノウハウやネタを発信し続けている、シリョサク株式会社・代表取締役の豊間根青地さんに教えていただきました。

 

パワーポイントの役割とは?

多くの人が何気なく使っているパワーポイント。豊間根さんに、あらためてその特性や役割を伺いました。

 

「パワーポイントは、情報を一目で相手に伝える道具のひとつです。情報伝達の手段は口頭で説明したり、ワードで説明書を作ったりとさまざまですが、パワーポイントは図解や写真などを使い、ビジュアルでぱっと目を引く資料を作る際に便利な道具だと思っています。極論を言うと、エクセルやワードでもパワーポイントと同じようなことができますし、Adobeのイラストレーターやフォトショップは、パワポよりも魅力的な表現が可能です。そのなかでもパワーポイントは、勉強しなくとも誰もが何気なく操作できる、ビジネスパーソンに最も身近なビジュアライゼーションツールなんです」(豊間根青地さん、以下同)

 

具体的に、パワーポイントはどんな場面での活用が適しているのでしょうか?

 

「商談や大勢を前にしたプレゼンテーションなどには効果的です。たとえば商談では、説明が難しい情報を自分に対してあまり興味を持っていない人に魅力的に説明する必要がありますよね。その際は文字だらけのワード資料よりも、一目で商品サービスの利点や特徴を伝えることができるパワーポイント資料が実力を発揮すると思います。
逆に言うと、相手がじっくり情報を読み込んでくれることがわかっていたり、複雑な情報を短時間でインプットする必要なかったりする場合には、むしろ使わないほうがいい。情報の量や目的によって、適したツールを選定することも大切だと思います」

 

「伝わるスライド」を作る、8つのポイント

それでは実際に、「伝えるスライド」を作るために大切なポイントを解説していただきましょう。

 

1. 箇条書きで情報を整理する

「スライドを作り始める前に、情報を整理してしっかり構成を練ることが大切です。資料で説明したい情報をいくつかのかたまりに分解し、ワード等のツールに箇条書きしてみてください。

 

たとえば提案資料であれば、

 

・課題喚起

・解決策の提示

・安心信頼

・行動喚起

 

という、基本的な流れがあります。この場合、流れにそって情報を4つのかたまりに分解。その後に、それぞれのかたまりのなかで一番伝えたいこと、説明すべきこと階層をつけて書き出していくことで、軸の通った資料を作ることができます。私はよく『資料じゃなく説明を作れ』というのですが、資料とはつまり説明を分かりやすくするための道具。ですので、構成がなにより大切だと思います」

 

2. スライドパターン(テンプレート)を決める

「スライド全体のパターンを決めておく、というのも重要です。ビジネスシーンのスライドは、『タイトル』『キーメッセージ』『コンテンツ』の3つの要素で構成するのが一般的。タイトルは、『このスライドではこういう話をします』という内容を一言で示したもの。キーメッセージは、一番いいたい主張を書き入れます。タイトルとキーメッセージのところだけ読んでも伝わるスライド意識して作ると、より伝わる資料を作ることができます。そして『コンテンツ』は、図やグラフなど、情報に説得力を持たせるための補足情報です。

 

ここで注意してほしいのは、タイトルとキーメッセージを混同しないこと。たとえば『被害額の推移』を説明する上のスライドでは、キーメッセージの部分に『被害額の推移』というタイトルを書いてしまう人も多いです。ですがここには、『被害が急増していてソリューションが求められています』という主張を書かなければいけません。入れ込む場所と情報の定義をしっかり考えることが、スライドの読みやすさを左右します」

 

3. 見出しをつけてメリハリを!

「スライドを作成する際は、 “メリハリ” を意識してみてください。資料は『6割文字で決まる』と言っても過言ではありません。しかし、同じ書体の大きさ、同じ太さの文章が続いていては、結局どこを見ていいかわからず重要な点もぱっと把握できないですよね」

 

「そうならないためにも、まず見て欲しいところはどこなのかを明確にして、太く大きく書いてあげることが大切。見出しを付けて、この文章は結局どんな話をしているのか示すことで、ぐっと見やすいスライドになります。よくスライドをわかりやすくしようと、図解やイラストに気をとられてしまう方が多いのですが、資料の本質は『文字と構造』だということを忘れないでほしいです」

 

4. 書体はゴシック体が基本

「書体は基本的に、シンプルで見やすいゴシック体を使用しましょう。ゴシック体にもさまざまありますが、スライドのメリハリをつけるためにも『太字にできるかどうか』は重要なポイントです。おすすめは『游ゴシック』『メイリオ』『BIZ UDPゴシック』の3つ。標準フォントとして一般的なパソコンに搭載されているので、まずはこの3つから選んでみてはいかがでしょうか」

 

5. 表には、一目でわかる工夫をいれよう

「表を作る時は、多くの人が文字だけを並べがちです。この表は、泉の女神から提示されたそれぞれの斧の特徴をまとめたもの。この場合、『資産価値が推定1,200万円』である『金の斧』は誰が見ても魅力的です。ですが、文字だけ書いてあるとその魅力が一目でわかりにくいですよね」

 

「そこで、注目してほしい箇所に色や記号を加えてみましょう。それだけでどこが重要な点なのかをぱっと提示することができました。つまり、表や図解を作る際は、どこが重要で、どこに着目すべきなのかをわかりやすく示すことが大切なのです。さらに、メッセージとして『最終的にどうするべきか』という文言を入れ込む工夫も。表から何を読み取るべきなのかを示唆することで、より納得感のあるスライドになります」

 

6つめのポイントは、色使い。目立たせたい一心で、パワポをカラフルにしてしまいがちではないでしょうか? 色を効果的に配するコツを解説していただきます。

6. 色は重要なところだけ!

「色は、なるべく使わないほうがいいと思います。SmartArt(図表を簡単に作成できるパワーポイントのツール)やグラフをデフォルトで作るとカラフルになりがちですが、これでは前述の表と同じように、どこを見ればいいのかよくわからないスライドになってしまいます」

 

「スライドを見やすくするためには、まず一度全てをグレーにしてみてください。そこから重要なところにだけ色を付ける。そうするだけで、注目すべきポイントが一目で把握できる、わかりやすい資料を作ることができるのです」

 

7. 属性は、濃淡や塗りつぶしで差をつける

「私たちが色を付けたくなるのは、基本的に属性の違いを示したいときだと思います。たとえば、AとBという要素があるとしましょう。その2つがコカ・コーラかペプシといったものであれば赤と青の色を付ける意味はありますが、特に色に意味がない場合は、色で分ける必要はないと思っています。

 

おすすめのテクニックは、グレーをベースに『濃淡』や『枠線』、『塗りつぶし』などで属性の差を示すこと。少しの違いだけでも十分差を出すことができます。重要な要素を目立たせるためにもこうったところにも色は極力使わず、グレーの濃淡、塗りつぶしの有無で表現することを考えてみてください」

 

8. 企業のパワポ資料から学ぶことも大切

「スライドを作るには、事例を見て学ぶことはやはり大事です。かっこいいスライドを作ろう! と事例を探す際、『パワポ デザイン』といったワードで検索する人が多いと思いますが、そうすると出てくるのは、使えそうで使えない海外風のテンプレートばかり。実例ではないので、あまり参考にならないんです。

 

おすすめの検索ワードは『成長可能性に関する説明資料』。これは企業が東証マザーズに上場するときに、東証に提出が義務付けられている資料です。本物の情報が載っていて、デザイン性の高い資料も多いので、参考にしやすいと思います。『採用ピッチ』というワードもおすすめ。これは、特にベンチャー企業などが、自社のカルチャーや採用要件をまとめて、採用ページに掲載したりする資料です。企業の世界観が現れていたり、参考になる図解の表現があったりします。いい事例を見て学ぶことで、より『伝わるスライド』に近づくことができると思います」

 

スライド作成の根底にあるのは「サービス精神」

豊間根さんがパワーポイントを使い始めたきっかけは、ツイッター。ツイッターで面白いネタを発信したいという思いから、より注目を集めやすい画像データをパワーポイントでつくり始めたのだと言います。

「最初は架空の本の表紙など、面白い画像を作って投稿していたのですが、ある時、パワーポイントで作ったプレゼン資料が大バズり。それをきっかけに、パワーポイントのお役立ち情報やノウハウなどを発信するようになり、起業するまでに至りました。

 

そんな私がスライドを作る根底にあるのは『サービス精神』。面白いネタでウケたい! という想いがきっかけなのですが、ウケるためにはネタを理解してもらわなくてはいけません。だからこそ、いかにわかりやすくネタ伝えるにはどうすればいいか。そこを突き詰めてきてきたからこそ今の自分がいるのだと思います。これからもサービス精神を持って、パワーポイントというツールを通し『伝わる楽しさ』を発信していきたいですね」

 

パワーポイントのテクニックは、ここで紹介した以外にもまだまだたくさん。みなさんも是非、パワーポイントの機能やノウハウを学び、自己流だったスライド作成を見直してみてはいかがでしょうか。

 

プロフィール

パワポ芸人・シリョサク株式会社 代表取締役 / 豊間根 青地

東京大学工学部卒業後、サントリーに入社。同社在籍時、趣味で作っていたスライドがTwitterで反響を呼び、フォロワー数11万人以上の絶大な支持を得るまでに。現在はビジュアルコミュニケーションをサポートする会社を立ち上げ「くだらないけど、ためになる」をモットーに、講演活動や企業へのアドバイス等を行っている。著書に、『秒で伝わるパワポ術』『秒で使えるパワポ術』(KADOKAWA)などがある。
Twitter

 

『秒で使えるパワポ術』(KADOKAWA)

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

タスク管理に役立つExcel(エクセル)の便利機能を業務効率化のプロが解説

仕事をするうえで欠かすことのできないタスク管理。メモなどで簡単に羅列しておくだけでも十分ですが、より自分にあった管理ができれば、業務効率の向上にもつながります。

 

そこで今回は、誰もが一度は使ったことがある「Excel」でのタスク管理術を紹介。「業務効率化のちゃんりょう」としてYouTubeなどで活躍する原田亮さんに、タスク管理表に使える便利機能について教えていただきました。Excelならではのさまざまな機能を使って、自分だけのタスク管理表をつくってみましょう。

 

Excelでタスク管理をするメリットとは?

 

メモや手帳、アプリなどタスク管理にはさまざまな方法があります。その中でExcelを活用するメリットとは何なのでしょうか?

 

・自分好みのフォーマットがつくれる
「既存のタスク管理ツールを使うと『必要以上に機能がついていて、慣れるまでが大変』と感じる方も多いと思います。Excelであれば自分に必要な項目や機能だけがついた管理表をつくることができます」(原田亮さん、以下同)

 

・フォーマット作成を安価で依頼できる
「たとえ自分で思い通りのフォーマットがつくれなかったとしても、今はさまざまな代行サービスを使うことができます。Excelはユーザー数が多いため、比較的安価に依頼できる点が魅力的です。また、無料のテンプレートもたくさんあるため、表を1から自分でつくったり外部に依頼したりせずとも、Excelでタスク管理を始めることができます」

 

タスク管理表をつくる前にやっておきたい4つのこと

↑Excelを立ち上げると表示される画面。上部にある検索ボックスで「タスク」などと検索すると、タスク管理に使える無料のテンプレートが出てきます。これらをベースとして活用することで、自分好みのフォーマットを簡単につくることができます。

 

Excelでタスク管理表をつくる際に気をつけるべきポイントとして、原田さんは「いきなり表づくりをしないこと」と話します。では一体何から始めるべきなのでしょうか?

 

1.Excelで何ができるのかを知る

「Excelにはたくさんの機能があるものの、ただのメモ帳になっている人が多くいます。例えば、計算式の機能があるのにExcelに書いたデータを電卓で計算していたり、Aという機能があることを知らず、Bという機能をアレンジして無理やりAに寄せていたり……。
たとえ自分では機能を活かした表がつくれなかったとしても、機能の存在さえ知っていれば誰かに頼むことも可能です。そのため、まずはExcelで何ができるのかを知るようにしましょう」

 

2. タスク管理表で何を確認したいのかを考える

「確認したいことを明確にしないと、タスク管理表にどんなデータが必要なのかが判断できません。『期限が短いものを知りたい』『各タスクのステータスを知りたい』など、まずは目的を明確にしましょう。そして設定した目的に合わせて『期日』や『ステータス』などの表の項目を洗い出しましょう」

 

3. 選択肢を考える

「ステータスやカテゴリーなどの項目を設ける場合に『同じ意味を表す別の言葉』(例:着手中と進行中)があると、正しく集計したり並べ変えたりすることができません。場合によってはタスクの確認漏れなどにもつながるので、入力するデータの内容が限られている項目はあらかじめ選択肢を決めてしまいましょう」

 

4. ベースとなる表をつくる

「1~3が済んだらベースとなる表をつくりましょう。あらかじめ洗い出しておいた項目を、表の見出しとして並べていきます。右にいけばいくほど見づらくなるので、重要度の高いものはできるだけ左に配置することをおすすめします。また、項目名が書かれたセルは薄い色で塗りつぶして分かりやすくしておきましょう」

↑このタイミングで罫線を入れたりテキスト位置を統一したりしても、機能を追加する段階で徐々に崩れてしまいます。そのためベース段階ではデザイン的な調整はしなくてOKです。

 

タスク管理表に使える便利機能7選

タスク管理表を使いやすくする便利な機能について、原田さんに教えていただきました。必要な機能を追加して、自分らしくアレンジしていきましょう。

 

便利機能1. 「ウィンドウ枠の固定」で項目名を見やすくする

【操作方法】
固定したい行(2行目)の1つ下の行(3行目)を選択→[表示]→[ウィンドウ枠の固定]

 

「ウィンドウ枠を固定することで、画面をスクロールしても固定された行が表示されたままになります。行数が増えてもタスク管理表を見やすい状態に保つことができます」

 

便利機能2. 「データの入力規則(リスト)」で選択肢を登録

【操作方法】
選択肢を表示したいセルを選択→[データ]→[データの入力規則]→[入力値の種類]から[リスト]を選択→[元の値]に「○○,○○,○○」と選択肢を入力

 

「セルの右下にある[▼]をクリックすると、リストが表示されます。登録した単語以外の言葉が入るとエラーメッセージが表示されるので、同じ意味を表す複数の言葉が混在するのを防げます」

 

便利機能3. 「フィルター」で並べ替え・絞り込みをする

【操作方法】
見出しを含めた表全体を選択→[データ]→[フィルター]

 

「項目名の右下に表示される[▼]をクリックすると、並び替えや絞り込みができます。並び替え機能は辞書順(数字の場合は数字順、文字列の場合は文字列順)のため、選択肢の頭に数字を入れておくと狙い通りの順番(1.未着手→2.着手中→3.完了)にすることが可能です。入力順にタスクが並んだ状態に戻したい場合は、『タスクNo.』を昇順に並び替えてください」

※数字が二桁になる場合には、01、02、03、10、11…とする必要があります。

 

「絞り込み機能によって、チェックボックスのチェックをつけたり外したりすることで一部の選択肢だけを表示させることができます。全表示に戻したい場合は[クリア]を押してください」

 

便利機能4. 「シリアル値」の考え方を応用して、残り日数を表示する

■そもそも「シリアル値」とは?

「実はExcelの日付は数字で管理されています。設定によって異なりますが、大体1900年1月1日から順に1、2、3…と番号が設定されており、これをシリアル値と呼びます。通常、日付を入力すると[ホーム]の[数値]内にある数値の書式が『日付』と表示されますが、それを『標準』に変えることで、その日のシリアル値を知ることができます」

 

「シリアル値の考え方を応用すると、残り日数を計算することができます。期日のシリアル値から今日のシリアル値を引けばいいのです

 

【操作方法】
残り日数のセルに「=IF(期限のセル=””,””,期限のセル-TODAY())」と入力→数値の書式を[標準]に変更

 

「頭についているのは『期限のセルが空白の場合は空白に、空白ではない場合は残り日数を表示する』というIF関数です。
これをつけず『=期限のセル-TODAY()』でも残り日数は表示できますが、期限のセルが空白だと『0-今日のシリアル値』という計算式になり、残り日数が「-○○○○○」と表示されてしまいます。
なお、他のタスクにも残り日数を表示したいときは、残り日数が表示されているセルの右下にある黒い[+]を押し、表の2行目以降をドラッグで選択してください」

 

便利機能5. 「条件付き書式」で、選択肢を色分けする

【操作方法】
色分けしたいセルを選択→[新しいルール]→[指定の値を含むセルだけを書式設定]→[セルの値]と[次の値に等しい]を選択し「○○」と選択肢の1つを入力→[書式]をクリックしてフォントや塗りつぶしの色を設定する

 

「複数の選択肢がある場合は、この設定を何度か繰り返してください。なお、選択肢以外に『残り日数が○日以下の場合』なども色をつけることができます。基本的な操作は同じですが、[次の値に等しい]ではなく[次の値以下]を選択し「3」など何日以下の場合に書式を変えたいのかを入力してください」

 

便利機能6. 「条件付き書式」で、完了したタスクをグレーアウトにする

【操作方法】
タスクNo.1のセルを起点に表全体を選択→[数式を使用して書式設定するセルを決定]→「$[ステータスのセルの列名][表の先頭の行番号]=“○○(完了を表す選択肢)”」と入力→[書式]をクリックしてグレーで塗りつぶす設定をする

 

■ほかのルールが適応されて、完全にグレーアウトにならない場合は?

「便利機能4でご紹介した選択肢の色付けなど、すでにほかの項目に条件付き書式を設定している場合、完全にグレーアウトにならないケースがあります。これはグレーアウトの優先順位が下になっているため起こります。
設定したルールは[ルールの管理]から確認・修正ができるので、表全体を選択し、[ルールの管理]内にある[▲][▼]のボタンで優先順位の高いものが上にくるように調整してください」

 

■優先順位を変えたのに、フォントの色が変わらない場合は?

「優先順位を変えたのに、フォントの色だけが変わらない場合があります。これはグレーアウトの条件付き書式でフォント色が[自動]になっているのが原因です。[自動]は他のルールの文字色に合わせる設定なので、フォントの色を黒に変更してください」

 

便利機能7.「COUNT関数」で、残り件数を確認する

「COUNT系関数は、対象のデータ数を自動で数えてくれる機能です。ただタスクの数を数えるだけではなく、着手中のタスクのみを数える、残り日数が3日以内の完了していないタスクを数えるなど、細かな条件を設定することもできます」

 

=COUNTA(範囲)
対象の範囲内でテキストが入力されているセルの数を数える

 

COUNTIF(ステータスのセル全体, “○○”)
「ステータス」内で「○○」と入力されているセルの数を数える

 

COUNTIFS(残り日数のセル全体, “<=3”,ステータスのセル全体, “<>○○”)
「残り日数」内で「3」以下の数字が書かれたセルのうち、「ステータス」内で「○○」と書かれていないセルの数を数える

※「○○」に完了を示す選択肢を入れることで、完了以外のタスクのみを数えることが可能

 

便利機能8. 「テーブル」で行数を追加しやすくする

【操作方法】
見出しを含めた表全体を選択→[挿入]→[テーブル]→「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックを入れて[OK]をクリック

 

「単に行を挿入するだけでも問題なく行数を増やせる場合もあります。ただ、ときに条件付き書式や数式が崩れてしまうことがあるので、テーブル設定をおすすめします。テーブルの場合、『タスクNo.』の列に数字を追加するだけで新たに行が追加されるうえ、条件付き書式や数式など、設定済みのルールも自動で適用されます

 

タスク管理表に使える機能はまだまだたくさんあります。少しでも業務効率を上げられるように、原田さんのYouTubeなども参考にしながら自分に合ったタスク管理表へとアレンジしてみてください。

 

プロフィール

 

エンジニア・コンサルタント / 原田亮

中学生のときに友人の勧めでプログラミングに出会い、作りたいものを自由に作れて遊べるうえ、無料で利用できる点に感動を覚える。その後、プログラミングの考え方「アルゴリズム」に興味を持ち、情報系の大学を卒業してシステムエンジニアへ。現在はフリーのエンジニア・コンサルタントとしてSNSを中心に「アルゴリズムを広げる活動」を行っている。
Twitter
YouTube

セルは結合しちゃだめ!?最低限押さえておくべき「Excel(エクセル)」の基本と便利機能

経理やIT系に限らず、どんな職業でも一度は触れるであろう表計算ソフトウェア「Microsoft Excel」。きちんと使いこなせている自信はありますか? 正しい使い方を知らないと業務効率が悪くなってしまうだけでなく、重大なミスにつながることも……。

 

ここであらためて、Excelの基本をおさらいした上で、知っておくと便利な機能やショートカットキーを紹介します。教えていただいたのは『Excel医の見るだけでわかる! Excel最速仕事術』(宝島社)の著者で、普段は医師として病院に勤めているExcel医さんです。

 

Excelを正しく使うメリットとは?

Excelはとても汎用性が高い業務ソフトですが、詳しい使い方を学ぶ機会がないまま、なんとなく自己流で作業しているという人も多いのではないでしょうか? しかし、正しい知識がないままExcelを使い続けていると、本来5分で終わるはずの作業が何時間もかかってしまうといった事態を招きかねません。Excelを基本から学ぶことで、業務時間を大幅に短縮し、本来の業務に集中して取り組めるようになるのです。

 

「業務の短縮を図るためにも、まずは大前提としてExcelとはそもそもデータを集計・加工し、表やグラフにするためのものであることを覚えておいてください。Excelは、特に勉強しなくても時間をかければある程度力業で表が作成できるため、学ぶ機会を逃してしまっている人が多いのだと思います。初心者の方が陥りがちなミスは、表の見た目にこだわりすぎて、セルや関数などをかえって複雑な作りにしてしまうというものです。

もちろん他人に見せるため、最終的に見た目を整える必要はありますが、初心者の方はまず、入力したデータは必ず再利用することを念頭に置いて、正しい入力方法で表を作成することを最優先にするといいでしょう」(Excel医さん、以下同)

 

Excelの使い方は、どうやって学べばいい?

書店に行くとExcel関連のコーナーがあるほど、たくさんの教本が出版されています。ネット上には動画やブログがあふれ、いったいどれを見ればいいのかわからない、という事態に。また、学んでも実際に使う時には忘れてしまうということもあるでしょう。そこで、Excel医さん流の「Excelの学び方」についても教えていただきました。

 

「まず大切なのは、Excelでできることをある程度知っておくことです。操作をすべて覚える必要はありませんが、そもそもの機能を知らないと使い方を調べることもできません。基本的に『こんなことができれば入力作業が楽になる』という機能は、備わっているものだと考えましょう。

おすすめの学び方は、薄めの教本を買って一冊読みきること。その教本をマスターしなくてもいいので、新しい知識や使える機能を1つでも増やし、小さな成功体験を得ることが第一歩です。次の段階として、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)(※)の試験対策をしてみましょう。基礎を体系的に学べます。受験時期を設定して、学ばざるを得ない状況を自分に課すというのも手段の一つですね。

さらに高度な操作をマスターしたいという方は、本や動画のほかにセミナーを受けるという方法もあります。勉強を進めていくうちに、自分に合った学び方が確立していくはずです」

 

(※)MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)とは、ExcelやWordなどのOfficeソフトの利用スキルを証明するMicrosoft公式の資格。

 

[基礎編]これだけは覚えておきたい! 便利なショートカットキー5選

普段行っている操作でも、ショートカットキーを使えばポインターを動かす手間もなく、一瞬で完了します。小さな時間削減の積み重ねが大切です。今回は誰もが頻繁に利用する代表的なショートカットキーを5つ教えていただきました。

 

・「Ctrl+S」……上書き保存

「集中しているとついつい忘れてしまいがちな上書き保存。ショートカットを覚えておいて、こまめに保存する癖をつけておきましょう」

 

・「Ctrl+Z」……元に戻す

「左上の矢印アイコンと同じ機能で、誤った編集、入力、操作をした際に1つ前の状態に戻すことができます」

 

・「F2」……セル編集

「セルの数字や文字を編集したい時、マウスでダブルクリックしていませんか? F2キーを使えば値の末尾にカーソルが現れます」

 

・「F4」……直前の処理を繰り返す

「離れた位置にある複数のセルに同じ色を付けたい時や、文字の色、太さを変える時に使える機能です」

 

・「F12」……名前を付けて保存

「【名前を付けて保存】ダイアログボックスが一発で表示されます。名前を変えて保存する際や、PDFなど異なる形式に出力する時にも便利です」

 

[基礎編]やってはいけなかった!? 実はNGな処理4選

前述の通り、「自分が作成した表を誰かが再利用する可能性があること」を念頭に置いてExcel表を作りたいところ。ところが、よかれと思って行った処理が、相手にとっては扱いづらい表になっているということも……。そうした事態を防ぐためには、どうすればいいのでしょうか?

 

「誰かが再利用しやすい表を作るためには、数値や文字を正しい形式で配置することが重要です。ここで言う“正しい形式”とは、機械判読に適した表のつくりになっているかどうかということです。参考として、総務省が2020年に公表した統計表における機械判読可能なデータ 作成に関する表記方法が非常に分かりやすいので、ぜひ読んでみてください」

 

今回はそのなかでも、とくにやってしまいがちな編集作業をいくつかピックアップして紹介します。

 

NG1.1つのセルに複数のデータを入力する

画像=総務省「統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルール」より

 

「1セルに複数のデータが⼊⼒されていると、計算やデータの並べ替え、コピーペーストなど、編集する際に手間がかかります。1セルには1データを意識して作成しましょう」

 

NG2.数値にカンマや単位を付ける

画像=総務省「統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルール」より

 

「円や▲(マイナス表記)、カンマを手打ち入力すると、そのセルのデータが数値ではなく文字列として認識され、関数計算ができなくなってしまいます」

 

NG3.セルを結合する

画像:総務省「統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルール」より

 

「セルを結合するとすっきりとして見やすいように感じますが、並べ替えができなくなってしまうなど、実は機械判読に適さない形式になってしまいます。最終的に提出する際、見た目を整えるために使用することはありますが、それ以外での利用は基本的におすすめできません」

 

NG4.スペースや改行でセル内の体裁を整える

画像:総務省「統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルール」より

 

「こちらも見た目を整えるためにやってしまいがちですが、機械にはスペースや改行の意図を汲み取ることができません。計算式が崩れてしまったり、セルの幅を変えたりする際に体裁が崩れる可能性があります」

 

参照=総務省「統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルール

 

[応用編]覚えておくと便利な機能3選

最後に、これをしておくと作業がはかどる便利な機能を教えていただきました。

 

便利機能1.ウィンドウ枠の固定

「画面をスクロールしても、固定した行や列を表示したままにできるというもの。固定したい行や列を選択したままで、表示タブから『ウィンドウ枠の固定』をクリック。列数・行数が多い表がわかりやすくなる機能です」

 

便利機能2.新しいウィンドウを開く

「画面をスクロールしても、固定した行や列を表示したままにできるというもの。固定したい行や列を選択したままで、表示タブから『ウィンドウ枠の固定』をクリック。列数・行数が多い表がわかりやすくなる機能です」

 

便利機能3.リボン(ツールバー)の表示/非表示を切り替え

「画面上部のリボンを見えないようにすると、表示されるスペースが広くなるので、作業しやすくなります。[ファイル]以外のタブをダブルクリックするか、Ctrl+F1でリボンの非表示/表示を切り替えられるので、知っておくと便利な機能のひとつです」

 

Excelのスキルは、ライフワークバランスにまで影響する!

Excelのスキルは、時間短縮、作業効率アップ、ひいてはワークライフバランスにまで関わってくるものだと言えます。私がExcelを学び始めたのは、職場で使う臨床データ集計がきっかけでした。そのExcelファイルは、これまで多くの医師の先生がたの独自のやり方が継ぎ足されて伝わってきたもので、いわば『秘伝のタレ状態』。ただでさえ忙しい日常臨床に加え、Excelの入力・編集作業にもかなりの時間を費やしていたのです。

そんなさかなに、入力作業を担っていた医師の一人が抜けることになり、このままではまずいと、Excelに詳しい医療秘書さんに聞いて、学ぶようになったのが始まりです。これまでExcelを“学ぶもの”と認識していなかった自分にとっては、非常に新鮮な体験で『これほどまでに便利なソフトだったのか』と感動すら覚えました。

やはり便利なものだからこそ、正しく使わないともったいない。多くの人にExcelを活用して、仕事や私生活を充実したものにしてもらいたいと思います」

 

【プロフィール】

Excel医

30代、内科医。職場で使用しているデータベースを改善するためにExcelを学びはじめる。MOSを取得し「人びとのExcelリテラシー向上」を目指して、SNSやブログで初心者向けのExcel活用術を発信している。Twitterのフォロワー数は12.4万人(2022年7月時点)。著書に『Excel医の見るだけでわかる! Excel最速仕事術』(宝島社)。
Twitter=Excel医@デザイン勉強中
ブログ=「Excel医ブログ

【エクセル】ひと手間かけてでもやるべき! グラフ縦軸の「単位表示」で理解度が段違い

エクセルでグラフを作ると、縦軸に数値の単位がなく困ったことはないでしょうか。特に「千単位」「百万単位」など、数値の桁数を減らしている場合は、単位の表示は必須。手間をかけても縦軸ラベルを追加しましょう。

 

縦軸に軸ラベルを追加する

縦軸に単位を表示するには、軸ラベルを追加します。

143-01
↑グラフを選択し、「デザイン」タブの「グラフ要素を追加」ボタンをクリックし、メニューから「軸ラベル」の「第1縦軸」を選択します。エクセル2010では、「レイアウト」タブの「軸ラベル」ボタンから「主縦軸ラベル」の「軸ラベルを垂直に配置」を選択します

 

縦軸に回転した縦軸ラベルが表示されます。

143-02
↑縦軸ラベルを選択し、「ホーム」タブの「方向」ボタンをクリックし、「左へ90度回転」を選択してオフにします

 

縦軸ラベルが横書きに変わります。

143-03
↑縦軸ラベルに文字を入力し(ここでは「単位:千円」)、縦軸ラベルを縦軸の上部に移動します

 

縦軸の左に余白が表示されます。

143-04
↑グラフをクリックしてプロットエリアを選択し、左中央の○をドラッグします

 

プロットエリアのサイズが拡張します。

143-05
↑縦軸ラベルが追加されたグラフが完成しました

 

縦軸ラベルの追加はいかがでしょうか。自動では調整されないので、焦らず手動で追加します。お試しください。

【エクセル】グラフの項目名がナゼか斜めに!? あるあるトラブル対処法

エクセルでグラフを作成した際、横軸の項目名が斜めになってしまったことはないでしょうか。これは文字数が多くて横書きで表示できないためなのですが、ちょっとした工夫で読みやすくできます。今回は、グラフの横軸の項目名が斜めになってしまった場合の対処法を4つご紹介します。

142-01↑グラフを作成すると項目名が斜めになり、読みづらくなることがあります。

 

【方法1】

グラフエリアの幅を広げる

グラフエリアの幅を広げるには、右中央の○をドラッグします。グラフエリアが横長になり、横書きで表示されます。

142-02↑右中央の○にポインターを合わせドラッグして幅を広げます

 

文字が横書きになります。

142-03↑文字が横書きになります

 

【方法2】

文字サイズを小さくする

文字サイズを小さくするには、項目名を選択し「フォントサイズ」ボタンを使います。

142-04↑項目名を選択し、「ホーム」タブの「フォントサイズ」ボタンで小さいサイズを指定します。直接入力することもできます

 

文字が小さくなり、横書きで表示されます。

142-05↑文字が縮小され、横書きになります

 

【方法3】

縦書きに変える

縦書きに変えるには、項目名を選択し、「方向」ボタンから「縦書き」を選択します。

142-06↑項目名を選択し、「ホーム」タブの「方向」ボタンをクリックし、「縦書き」を選択します

 

項目名が縦書きに変わります。

142-07↑項目名が縦書きに変わります

 

【方法4】

セル内で改行する

表のセル内で改行して複数行にすると、横書きで表示されます。

142-08↑表のセル内でAlt+Enterキーで改行します

 

項目名が改行され、横書きで表示されます。

142-09↑項目名が改行され、横書きで表示されます

 

項目名の斜めを解消するワザ、ぜひお試しください!

「グラフが小さい!」こんなとき、どうする? いまさら聞けないエクセル基本テク

エクセルでグラフを作ると、自動でグラフの大きさが決まりますよね。少し小さいと感じたら、プロットエリアやグラフエリアを拡大してみましょう。あるいは、凡例を消したり、グラフの下から右に移動したりしても大きさは変わります。今回はグラフの大きさを変えるワザを紹介します。

 

【方法1】

プロットエリアを拡大する

グラフの大きさを変えるには、プロットエリアを拡大します。

141-01↑グラフ周囲で何もない場所をクリックし、プロットエリアを選択します

 

グラフが枠で囲まれます。

141-02↑四隅の○をドラッグします

 

プロットエリアが拡大します。

141-03↑グラフの大きさが変わります

 

【方法2】

グラフエリアを拡大する

グラフの大きさは、グラフエリアを拡大しても変わります。

141-04↑グラフエリアの○をドラッグします

 

グラフエリアが拡大し、グラフも拡大します。

141-05↑グラフエリアとグラフが拡大します

 

【方法3】

凡例を消す

凡例を消したり、グラフの下から右に移動したりすると、グラフの大きさが変わることがあります。

141-06↑グラフを選択し、「デザイン」タブ → 「グラフ要素を追加」ボタンをクリックし、メニューから「凡例」 → 「なし」を選択します

 

グラフから凡例が消えます。グラフによっては、大きさが変わります。

141-07↑凡例が消え、グラフの大きさが変わります

 

グラフの大きさを変えるワザは、いかがでしょうか。自動で作成されるグラフが小さいとき、ぜひお試しください。

2017年の人気エクセル記事Top5を総復習!! これで2018年もスタートダッシュだ!

2017年は「働き方改革」が大きく叫ばれた年でした。ゲットナビウェブでも日々のオフィスワークの一助となるようなTIPS記事を定期的に配信。そのなかでも特に好評だったのが、エクセルに関するテクニック記事です。そこで本稿では、2017年に公開したエクセル人気記事をランキング形式で一挙に振り返っていきます!

 

 

【第1位】膨大なエクセルデータに潜む半角・全角の「表記の不ぞろい」を統一する画期的ワザ!

商品リストや住所録などは、入力を手分けすれば作業がスピードアップして効率的ですよね。しかし、複数人での作業には、半角・全角やひらがな・カタカナなどの表記が統一されないというリスクもあります。こうした表記の不統一も、関数を使えば一発で変換可能です。今回は、「表記の不ぞろい」を統一する方法をご紹介します。

 

■英数字の全角を半角に変換する

英数字の全角を半角に変換するには、ASC関数を使います。

107-01↑半角・全角が混在して入力されている商品コードを、半角の英数字に統一したい

 

「=ASC(A2)」と入力することで、商品コードのセル・A2の英数字を半角に変換しました。

 

■ふりがなを全角カタカナに統一する

全角・半角のカタカナやひらがなで入力されたふりがなを、全角カタカナに統一するには、PHONETIC関数を使います。

107-02↑カタカナ・ひらがな、全角・半角が混在するふりがなを、全角カタカナに統一したい

 

PHONETIC関数を使ったことで、全角カタカナ、半角カタカナ、ひらがなが混在していたB列をC列で全角カタカナに変換できました。

 

■全角カタカナのふりがなをひらがなに変換する

PHONETIC関数で変換した全角カタカナをひらがなに変えるには、「ふりがなの設定」画面で「ひらがな」に設定します。この設定は、関数の参照元のセルで指定するのがポイントです。

107-03↑ふりがなが入力されているセルを選択し、「ホーム」タブ → 「ふりがなの表示/非表示」の「▼」ボタン → 「ふりがなの設定」をクリックします

 

「ふりがなの設定」画面が表示されます。

107-04↑「ひらがな」を選択し、「OK」ボタンをクリックします

 

ふりがながひらがなに変わります。このあと計算結果のふりがなをほかのセルにコピペして文字列に変換しましょう。貼り付けオプションで「値」を選択すれば文字列になります。

107-05

オフィスワークでは必ずといってよいほど必要なテクニックです。ぜひお試しください!

 

【第2位】数字を並べるだけじゃセンスがない! 表を劇的に見やすくするレイアウトワザ4選

数字がたんたんと並ぶエクセル表ってとっつきにくいですよね。見やすくするには「テーブル機能」が便利です。例えば、表に縞模様をつけて見やすくしたり、データバーを使ってセルに横棒グラフを表示できたりします。今回は、見やすい資料作りに必須な表のレイアウトワザを紹介します。

 

1.表に縞模様を付ける

表に縞模様を付けるには、テーブル機能を使います。レイアウトを残したままテーブル機能を解除するには、「範囲に変換」を使います。

311-01↑表を選択します

 

311-02↑「ホーム」タブ → 「テーブルとして書式設定」ボタンをクリックし、メニューからスタイルを選択します

 

「テーブルとして書式設定」画面が表示されます。

311-03↑内容を確認し、「OK」ボタンをクリックします

 

テーブルのスタイルが設定されます。

311-04↑テーブル機能が設定され、フィルターボタンが表示されます

 

フィルターボタンなどのテーブル機能を解除する場合は、表を選択し「範囲に変換」を実行します。

311-05↑「デザイン」タブ → 「範囲に変換」ボタンをクリックします

 

確認の画面が表示されます。「はい」ボタンをクリックします。

311-06↑テーブル機能が解除されます

 

2.セルに横棒グラフを表示する

セルに横棒グラフを表示するには、条件付き書式のデータバーを使います。ここでは、数値を表示しないで横棒グラフのみを表示します。

311-07↑横棒グラフを表示するセルを選択します。ここでは、数値を参照するセルを選択します

 

311-08↑「ホーム」タブ → 「条件付き書式」ボタン → 「データバー」 → 「その他のルール」をクリックします

 

「新しい書式ルール」画面が表示されます。

311-09↑「棒のみ表示」にチェックを入れ、「OK」ボタンをクリックします

 

セルの数値が消え、横棒グラフのみが表示されます。

311-10↑横棒グラフのみが表示されます。ほかのセルも同様に横棒グラフを表示してみましょう

 

3.増減を矢印で明示する

増減を矢印で明示するには、アイコンセットを使います。アイコンに適用されるパーセントや数値の範囲が自動で決まるので、手動で設定する場合は「新しい書式ルール」画面で設定します。ここでは、105%以上で↑、95~104%で→、95%以下で↓を表示します。

311-11↑セル範囲を選択します

 

311-12↑「ホーム」タブ → 「条件付き書式」ボタン → 「アイコンセット」 → 「その他のルール」をクリックします

 

「新しい書式ルール」画面が表示されます。

311-13↑「アイコンスタイル」でスタイルを選択し、1行目の「種類」欄で「数値」を選択してから「値」欄に「1.05」と入力します。2行目も同様にして「値」欄に「0.95」を入力します。ここでは、セルの数値が%表示されているので、1/100で値を指定しています。最後に「OK」ボタンをクリックします

 

増減が矢印で表示されます。

311-14

 

4.セルに折れ線グラフを表示する

セルに折れ線グラフを表示するには、スパークラインを使います。折れ線の変化をわかりやすくする場合は、行の高さを広げます。

311-15↑折れ線グラフを挿入するセルを選択します

 

311-16↑「挿入」タブで、「スパークライン」の「折れ線」ボタンをクリックします

 

「スパークラインの作成」画面が表示されます。

311-17↑「データ範囲」をクリックし、グラフにする範囲をドラッグして選択します。最後に「OK」ボタンをクリックします

 

折れ線グラフがセルに挿入されます。

311-18

表を見やすくするワザは、いかがでしょうか。数値だけの表をわかりやすくすることができます。ぜひ試してみましょう。

 

【第3位】コピペしてもレイアウトが崩れない! 別々のシートにある表を1枚の用紙に印刷するワザ

売上表と来客者数表が複数のシートに分かれている場合、印刷するとそれぞれが別の用紙に印刷されてしまいますね。2つの表を1枚の用紙に印刷すれば用紙を節約でき便利ですが、表をコピペすると列幅が同じでないため、レイアウトが分かりづらくなったり、複数ページにわたったりします。作成したレイアウトのまま1枚の用紙に印刷するには、「リンクされた図」で貼り付けましょう。今回は、複数のシートの表を1枚の用紙に印刷するワザを紹介します。

130-01↑他のシートから表をコピペすると、レイアウトが崩れ、1ページに収まらないことがあります

 

■同じレイアウトでコピペする

表を同じレイアウトのままコピペするには、「リンクされた図」で貼り付けます。「リンクされた図」の表は図形扱いになりますが、元の表でデータを編集すればその内容が反映されます。

130-02↑コピー元の表を選択し、Ctrl+Cキーを押します

 

130-03↑「ホーム」タブ → 「貼り付け」の「▼」ボタンをクリックし、メニューから「リンクされた図」を選択します

 

表がリンクされた図として貼り付けられます。

130-04↑表が同じレイアウトのまま貼り付けられます

 

このあと印刷すると、1枚の用紙に2つの表が印刷されます。

 

手順は簡単ですが意外と知られていないエクセルの達人ワザです。ぜひ使ってみましょう。

 

【第4位】PDFファイルをExcelに取り込むには? 実はWordさえあれば大丈夫!

PDFファイルの表をエクセルに取り込んで利用したい、なんてこともありますよね。エクセルでは直接PDFファイルを読み込むことはできませんが、Adobe Acrobat Proなどの専用アプリを使えば取り込むことが可能です。また、ワードを介してエクセルにデータを取り込むという方法もあります。データによってはレイアウトが変わりますが、列幅を調整したりすれば表として利用できます。

 

■PDFファイルをワードを介してエクセルに取り込む

PDFファイルをエクセルに取り込むには、ワードで開き、エクセルにコピーします。取り込んで文字や数字として扱えるのは、ワードやエクセル、パワーポイントで作成したPDFファイルです。PDFファイルによっては正しく取り込めないファイルもあります。

124-01↑ワード画面で「ファイル」タブをクリックし、「開く」 → 「参照」ボタンをクリックします

 

「ファイルを開く」画面が表示されます。

124-02↑PDFファイルを選択し、「開く」ボタンをクリックします

 

変換の確認画面が表示されます。

124-03↑しばらく待つと変換の準備が終了します。「OK」ボタンをクリックします

 

PDFファイルがワード文書に変換され、PDFファイルの内容が表示されます。ファイルによっては変換に時間がかかったり、レイアウトが変わったりします。

124-04↑エクセルに取り込みたい表を選択し、Ctrl+Cキーを押します。すべてを選択する場合は、Ctrl+Aキーを押します

 

表のデータが記録されます。次にエクセルを起動します。

124-05

記録したデータが貼り付けられます。取り込まれた表を確認します。

 

今回ご紹介したワザは、Word 2013/2016で実行可能です。また、この方法で文字や数字を取り込んで利用できるPDFファイルは、ワードやエクセル、パワーポイントで作成したファイルのみ。画像編集アプリで作成したPDFファイルやスキャニングしたPDFファイルなどは対象外なのでご注意ください。

 

【第5位】文字がハミ出たとき、どうしてる? セル幅を巧みに調整する達人テクニック

エクセルで入力したデータに対してセル幅が狭いと、文字列の一部が欠けたり、数値が「####」と表示されたりしますね。こんなとき、どうしていますか。多くの場合は列幅を手動で調整していると思いますが、実はほかにもいろいろと調整の方法があります。今回は、セル幅を調整する方法を紹介します。

 

■列幅を手動で調整する

まずは一般的な列幅を手動で調整する方法をおさらいしておきましょう。

 

最初に列の境界線をドラッグします。

313-01↑調整したい列の境界線にポインターを合わせドラッグします

 

列幅が変わります。

313-02↑指定した列幅に変わります

 

■列幅を自動調整する

列幅を自動調整するには、列の境界線をダブルクリックします。

313-03↑調整したい列の境界線をダブルクリックします

 

セルに入力されているデータをすべて表示される列幅に自動で調整されます。

313-04↑データすべてが表示される列幅に自動調整されます

 

■複数列の列幅をまとめて手動で調整する

複数列をまとめて手動で同じ列幅に調整するには、列を選択し、いずれかの列の境界線をドラッグします。

313-05↑複数の列を選択し、いずれかの列の境界線をドラッグします

 

選択した列の列幅が同じ幅に調整されます。

313-06↑選択した列が指定した列幅に変わります

 

■複数列の列幅をまとめて自動調整する

複数列の列幅をまとめて自動調整するには、列を選択し、いずれかの列の境界線をダブルクリックします。

313-07↑複数の列を選択し、いずれかの列の境界線をダブルクリックします

 

選択した列に入力されているデータがすべて表示される列幅に自動で調整されます。

313-08↑列のデータに合わせて列幅が自動調整されます

 

■見出しを除いて列幅を自動調整する

見出しが長いセルのある列では、境界線をダブルクリックすると、自動で長い列幅になります。見出しを除いて自動調整する場合は、「書式」ボタンの「列の幅の自動調整」を選択します。

313-09↑自動調整したいセルを選択します。見出しのセルは除きます

 

313-10↑「ホーム」タブ → 「書式」ボタン → 「列の幅の自動調整」をクリックします

 

選択したセルのセル幅が自動で調整され、データが表示されます。

313-11↑選択したセルのデータがすべて表示される列幅に変わります

 

以上、2017年のエクセル人気記事Top5でした。これらのテクニックをきっちりマスターして、2018年もスタートダッシュを決めちゃいましょう!

脱・訴求ポイント迷子!! ほんのひと手間でエクセルのグラフが見違える基本ワザ3選

エクセルでグラフを作成すると自動でデザインされますが、そのままでは訴求ポイントが不明確なことがあります。そんなときは、データを1つだけ色を変えれば目立たせることができますし、グラフに数値を表示すれば具体的な違いが明瞭になります。また、数値の場所を変えれば、グラフに変化が生まれ、目を引くでしょう。今回は、グラフのデータをわかりやすく強調するワザを紹介します。

 

【その1】

データを1つだけ目立たせる

グラフのデータを1つだけ目立たせるには、データ要素を選択し、図形の塗りつぶしで色を変更します。データ要素の選択は、データ系列をクリックして選択してからデータ要素をクリックします。

140-01↑データ系列をクリックします

 

すべてのデータ要素が選択されます。

140-02↑目立たせたいデータ要素をクリックします

 

データ要素が1つだけ選択されます。

140-03↑「書式」タブで「塗りつぶしの色」の「▼」ボタンをクリックし、色を選択します

 

グラフ要素の色が変わります。

140-04↑データの色が1つだけ変わりました

 

【その2】

グラフに数値を表示する

グラフに数値を表示するには、データラベルを追加します。グラフの内側や外側に表示できます。

140-05↑グラフをクリックします

 

グラフが選択されます。

140-06↑「デザイン」タブ → 「グラフ要素を追加」ボタンをクリックし、メニューから「データラベル」 → 「外側」を選択します

 

グラフ上部に数値が表示されます。

140-07↑グラフに数値が表示されます

 

【その3】

数値の場所を変える

グラフに表示した数値の場所を変えるには、数値をドラッグします。

140-08↑数値をドラッグします

 

数値の場所が変わります。

140-09↑グラフの数値の場所が変わります

 

グラフのデータを強調するワザ、いかがでしょうか? ひと手間を加えるだけでわかりやすいグラフに変えることができます。ぜひ試してみましょう。

【エクセル】デキる人は使っている! 知る人ぞ知る“ツウ”なエクセル技3選

エクセルといえば表計算やグラフに目がいきがちですが、実はそれ以外の部分にも便利な機能がたくさんあります。今回は便利で手軽なのにあまり知られていない“ツウ”な機能を3つご紹介します。

 

【その1】

デキる人の資料でよく見る「会社のロゴ」ってどうやって挿入するの?

外部に提出する表や文書では、用紙の上部に会社のロゴを印刷する場合が多いですね。エクセルでロゴを使う場合、余白の上部(ヘッダー)に画像を入れます。余白は作成したシートに表示されないため、ページレイアウト表示や「ヘッダー」画面で画像を挿入します。挿入した画像は印刷プレビューで確認しましょう。

 

■用紙上部に画像を挿入する

用紙上部(ヘッダー)に画像を挿入するには、「ページ設定」画面から「ヘッダー」画面を表示します。

135-01↑「ページレイアウト」タブ → 「ページ設定」ボタンをクリックします

 

「ページ設定」画面が表示されます。

135-02↑「ヘッダー/フッター」タブで、「ヘッダーの編集」ボタンをクリックします

 

「ヘッダー」画面が表示されます。

135-03↑「右側」欄をクリックし、「図の挿入」ボタンをクリックします

 

「画像の挿入」画面が表示されます。

135-04↑「ファイルから」をクリックします

 

「図の挿入」画面が表示されます。

135-05↑画像を選択し、「挿入」ボタンをクリックします

 

画像が指定され、元の画面に戻ります。

135-06↑「&[図]」の表示を確認し、「OK」ボタンをクリックします

ヘッダーに画像が挿入され、「ページ設定」画面に戻ります。

135-07↑画像を確認し、「印刷プレビュー」ボタンをクリックします

 

「印刷」画面に切り替わり、印刷プレビューに画像が表示されます。ヘッダーに画像を入れると、全ページに印刷されるので、手間がかかりません。お試しください。

 

【その2】

フッター/ヘッダーってどう使う? 意外と知らない「ページ番号」の付け方

エクセルで表や文書を印刷する際、ページ番号を用紙の下部に入れたい場合がありますよね。ページ番号はフッターやヘッダーで設定します。フッターとは用紙の上下左右にある余白のうち下部を、ヘッダーは上部を指します。余白は作成したシートに表示されませんが、ページレイアウト表示ならワードと同じように余白を表示してページ番号を設定できます。「ページ設定」画面で設定することも可能です。指定したページ番号は印刷プレビューでチェックしましょう。ここでは、「ページ設定」画面でページ番号を設定します。

 

■ページ番号を印刷する

ページ番号を印刷するには、フッターやヘッダーにページ番号を挿入します。ページ番号の形式は、「1ページ」や「1/?ページ」(?は総ページ数)などから選択します。

134-01↑「ページレイアウト」タブ → 「ページ設定」ボタンをクリックします

 

「ページ設定」画面が表示されます。

134-02↑「ヘッダー/フッター」タブの「フッター」欄で、ページ番号の形式を選択し、「印刷プレビュー」ボタンをクリックします

 

「印刷」画面に切り替わり、印刷プレビューが表示されます。

134-03↑印刷プレビューで、用紙の下部中央に表示されるページ番号を確認します

 

■ページ番号を用紙の右下に印刷する

ページ番号をフッターに挿入すると、用紙の下部中央に表示されます。用紙の右下に印刷するには、「フッター」画面で指定します。

134-04↑「ページ設定」画面で、「ヘッダー/フッター」タブ → 「フッターの編集」ボタンをクリックします

 

「フッター」画面が表示されます。

134-05↑「右側」欄をクリックし、「ページ番号の挿入」ボタンをクリックします。「&[ページ番号]」が表示されたら、その右に「ページ」を入力し、「OK」ボタンをクリックします

[ページ番号]ではページ番号のみが表示されるので、「ページ」を追加して「1ページ」とします。ページ番号が用紙右下に挿入されます。戻った「ページ設定」画面の「印刷プレビュー」ボタンをクリックし、印刷プレビューで表示を確認します。

 

■先頭ページにページ番号を入れない

表紙にページ番号を入れないで、2ページ目に「1ページ」と印刷したい場合は、「先頭ページのみ別指定」を設定し、「先頭ページ番号」で「0」を指定します。

134-06↑「ページ設定」画面の「ヘッダー/フッター」タブの「フッター」欄でページ番号の形式を選択し、「先頭ページのみ別指定」にチェックを入れます

 

先頭ページの指定が解除され、空白になります。2ページ目には「2ページ」が表示されます。

134-07↑「ページ」タブをクリックし、「先頭ページ番号」欄に「0」を入力します。そして「印刷プレビュー」ボタンをクリックします

 

印刷プレビューに切り替わり、2ページ目に「1ページ」と表示されます。

 

設定したページ番号は印刷プレビューやページレイアウト表示で確認するのがポイントです。

 

【その3】

「Ctrl+C」&「Ctrl+V」よりもさらに速い!? 入力済みデータをコピーする超速ワザ

データの入力では、同じデータを入力することが多いですね。特に同じ行や列で入力済みのデータは「またか」と嫌気もさします。同じデータはコピーすることもできますが、入力のショートカットキーならさらに速く複製できます。Alt+↓キーでは、同じ列に入力された履歴からデータを選択できます。分類など決まったデータから入力する場合に便利です。Ctrl+D(Down)キーなら一つ上のデータが、Ctrl+R(Right)キーで一つ左のデータがコピーできます。今回は、入力済みのデータを素早くコピーする方法を紹介します。

 

■同じ列のデータから選択する

同じ列に入力済みのデータから選択する場合は、Alt+↓キーを押します。

307-01↑セルを選択し、Alt+↓キーを押します。入力済みのデータが表示されるので選択します

 

データが入力されます。

307-02

 

■一つ上のデータをコピーする

一つ上のデータをコピーするには、Ctrl+D(Down)キーを押します。

307-03↑セルを選択し、Ctrl+Dキーを押します

 

一つ上のデータがコピーされます。

307-04

 

■一つ左のデータをコピーする

一つ左のデータをコピーするには、Ctrl+R(Right)キーを押します。

307-05↑セルを選択し、Ctrl+Rキーを押します

 

一つ左のデータがコピーされます。

307-06

 

エクセルの“ツウ”な機能、いかがでしたでしたでしょうか? これらを使いこなせればきっとあなたもエクセル職人の仲間入り! ぜひお試しください。