スマホで振り返る2017年――1年を彩った印象的なプロダクト&サービスの数々(後編)

2018年も始まり、およそ一週間後には世界最大のエレクトロニクス製品・サービスの見本市「CES 2018」が開幕されますが、ますます我々の日常生活においてテクノロジーがめまぐるしく進化していくでしょう。本記事では、そんな新たな年の進化を見逃さないために、生活必需品とまで言えるまでに普及してきたスマートフォンを始め、タブレット、スマートウォッチといった通信関連の商品・サービスに注目して、2017年がどんな1年だったのかを探っていきたいと思います。年中モバイルを追い続ける筆者が昨年で「印象的だったな」と感じた20のネタをピックアップ!本記事では前編に続き、後半の10個をご紹介します。

 

前編はこちら

 

(1)「iPad Pro」に10.5インチサイズが登場し、普及のきっかけに

iPad Proは12.9インチモデルと9.7インチモデルの2種類が展開されてきましたが、2017年に9.7インチが10.5インチモデルへと刷新されました。従来よりもベゼルが薄くなり、旧9.7インチとさほど変わらないサイズ感のまま大画面化した同モデルに人気が集中。

 

20171231tama11

筆者も、空港などでiPad Proを持ち歩いている人をよく見かけるようになりました。

 

(2)LINEの「Clova」が発表され、次第にスマートスピーカー祭りへ

「スマートスピーカー」の先陣を切ったのはLINEClovaでした。7月から先行体験版の受付が始まり、8月から順次発送に。10月の正式版発売では「LINE MUSIC」がセットになったお得なパックも展開されました。

 

20171231tama12

 

その後、10月にGoogleが「Google Home」関連デバイスを、翌11月にAmazonが「Alexa」とEcho関連デバイスを発売。様々なメディアにスマートスピーカーの比較記事が掲載されるようになり、その実力が次第に明らかになってきましたね。あとはAppleの「Home Pod」がいつ日本市場に参入するのかが気になりますね。

 

(3)久々のSペンにファンが歓喜した「Galaxy Note 8」リリース

サムスンは8月に、スタイラスペンを内蔵するスマホ「Galaxy Note8」を発表しました。国内で取り扱われるNoteシリーズとしては、NTTドコモが2014年10月に発売した「Galaxy Note Edge SC-01G」から3年ぶりとなる新モデルとなります。

 

20171231tama13

 

同機は、「S8/S8+」に採用された縦横18.5:9のインフィニティディスプレイを踏襲するほか、トレンドであるデュアルレンズの背面カメラを搭載。また、Sペンを使ってアニメーションを描く機能など、新機能がふんだんに追加されています。国内未発売の「Galaxy Note7」で生じた発火問題を見事乗り越え、安全性にもしっかりと配慮した同機。2017年を代表する名機の一つに仕上がりました。

 

(4)シリーズの象徴であるホームボタンを撤廃――「iPhone X」に衝撃走る

新設された社屋「Apple Park」にあるスティーブ・ジョブズ・シアターにて、スペシャルイベントが開催されました。やはり、注目はシリーズ10周年を迎えたiPhone。ホームボタンを撤廃した「iPhone X」のデザイン変更は大きな話題となりました。

 

20171231tama14

 

象徴的な変化は、ホームボタンがなくなったこと。画面下部には、ホームインジケーターバーが表示され、ここをスワイプアップすると、ホーム画面に戻ります。また従来シリーズでは、ホームボタンに指紋認証機能が搭載されていましたが、これも廃止。そのかわりTureDepthカメラシステム(インカメラ)に組み込まれた「FaceID」機能で、顔認証を利用するように変わりました。

 

(5)ついにセルラー通信機能を搭載した「Apple Watch Series 3」も話題に

iPhone Xと同日に発表された「Apple Watch Series 3」も大きな進化を遂げました。リューズにある赤丸が目印の「GPS+セルラーモデル」では、ウォッチ単体で通信を利用することが可能に。つまり、iPhoneが手元になくても、通話などの機能を利用できます。ただし、通信を利用するには大手3キャリアとの専用プランを契約する必要です。

 

20171231tama15

 

また、小さな変化ですが、気圧高度計を内蔵したことも改良点の一つ。ランニングなどの際にどのくらいの高度変化があったのかを測定できるようになりました。ちなみに、ディスプレイ内部にアンテナを忍ばせることで、従来デザインをほぼ変えずに通信機能の追加が実現されていることもポイント。

(6)Androidベースのコミュニケーションロボット「Xperia Hello!」登場

ソニーのスマートプロダクトから、コミュニケーションロボット「Xperia Hello!」が登場。瞬き、首をかしげるなどのジェスチャーによる感情表現が可能で、胸部にはタッチディスプレイが搭載されています。

 

20171231tama16

 

「ハイエクスペリア」と呼び掛けて、音声コマンドにて操作。ディスプレイをタッチする必要があることもあります。どことなくスマートスピーカーっぽいですが、あくまでもコミュニケーションロボットという扱いです。卓上に置けて扱いやすいサイズ感がポイント。そして、顔認識により、登録者を見かけると、ニュースや交通情報などをガンガン話し掛けてきます。能動的に発話できることは、同機ならではの特徴です。

 

(7)NTTドコモから2つ折りのスマホ「ZTE M」が発表される

NTTドコモが冬春モデルとして発表したZTE製のスマホ「M Z-01K」は、2つ折りにたためるディスプレイを搭載。

 

20171231tama17

 

普通のスマホとして使うときの「通常モード」、広げて1枚のディスプレイとして表示する「大画面モード」、各画面を別々に使用する「2画面モード」、同じ画面を表示する「ミラーモード」の4つを切り替えて使用できる。同機は2018年1月以降に発売予定。気になる人は年明けからチェックしておきましょう。

 

(8)トレンドはAIチップ内蔵のCPU! SIMフリーでは「HUAWEI Mate 10 Pro」が先行搭載

今年発表されたiPhoneでは、チップセットに機械学習処理を行うための「ニューラルエンジン」が組み込まれました。また、SIMフリースマホでもHUAWEIが提供するハイエンドモデル「Mate 10 Pro」がAI対応チップセットを搭載しています。

 

20171231tama18

 

こうしたチップセットの恩恵は利用者には直接的に見えづらいものですが、大きな部分では、機械学習的な処理の負荷を低減・効率化しています。それにより、どうやらレスポンスのアップや、電池持ちの向上が期待できるらしいです。

 

Mate 10 Proでは、カメラにもAI対応チップセットを上手く活用しています。具体的には、被写体を自動的に認識し、花や食べ物など、被写体に合わせた撮影モードの調整を実行可能。2018年のハイエンドモデルには、こうしたAIチップセットを活用した端末が増えるかもしれませんね。

 

(9)「Xperia XZ Premium」がMVNOでセット販売開始へ

HUAWEIを筆頭に、ASUSやモトローラなど、海外メーカーが中心を担っているSIMフリー市場。日本メーカーからは、目立った端末がしばらく登場していませんでした。そんな中、11月にソニーがXperia XZ PremiumをSIMフリーモデルとして販売すると発表。国産ハイエンドモデルの取り扱いは非常に稀なので、「おっ……」と目に留まります。

 

20171231tama19

 

しかし、複数キャリアで販売されるわけではなく、あくまでも「nuroモバイル」限定のセットプランで購入できるというものに留まりました。

 

(10)GoogleのVRプラットフォーム「Daydream」が日本上陸へ

Googleは12月、日本においてVRのプラットフォーム「Daydream」の提供を開始しました。また、Googleストアにて、VRヘッドセットの「Daydream View」も販売しています。

 

20171231tama20

 

なお、ラインアップはチャコールブラックの1色のみ。ちなみに、Daydreamをサポートしている端末は、限られており、既存の全てのスマホで利用できるわけではないので注意が必要です。NTTドコモでは、LGのV30+を購入する場合には、Daydream Viewがプレゼントされるキャンペーンも実施しています。なくなり次第終了となるので、お得に試したい人は早めに。

 

2017年を振り返り–2018年はAIの普及に注目

こうして振り返ってみると、2017年は多くのメーカーにとって「変革」が求められた1年だったのかもしれませんね。2018年はこうした変革が受け入れられて、洗練されていくのか、または新たな変化が求め続けられるのか、気になるところです。また、AIがスマートフォンやスピーカーなど、私たちの身近な場所に進出してきた1年でもありました。こちらは2018年も増々私たちの生活に深く関わってくることになるでしょう。少しずつAI任せになっていく生活は、少し怖くもありつつ、同時に楽しみでもあります。

流行語大賞・年間大賞に輝いた「インスタ映え」する秘訣を、人気フォトグラファーに教わってきた!

ピンクや紫で彩られたカラフルなスイーツ、光り輝くボールや貝殻のチェアが浮かぶナイトプール--”インスタ映え”を目指して出かけた人も多いでしょう。2017年はまさに”インスタ映え”の年。ユーキャン新語・流行語大賞で年間大賞を受賞したことで、インスタ映えブームはさらに加速していきそうです。

 

gala00

 

とはいえ、Instagram全体の傾向は少しずつ変わりつつあります。Instagramを運営するフェイスブックジャパンによると、アートやデザインに特化したハイセンスな投稿よりも、日常的な風景を写した投稿が増えてきているとのこと。

 

Instagramのフォロワー数が12万人以上というフォトグラファーの6151さんも、日常の一コマを撮影している一人。どうやって日常の中から”インスタ映え”を作り出し、いいねやフォロワーを集めているのでしょうか。本記事では、Galaxy Studio Roppongi Hillsで開催された「Galaxy Media Day」で行われた、6151さんによる「インスタフォト講座」で学んだ、インスタ映えに重要な秘訣をお伝えしたいと思います。

 

秘訣1:構図を決めるときはスマホの位置を変える

スマホのカメラで写真を撮るとき、まず悩むのが構図でしょう。どの角度でどのようにモノや風景を配置すると良い写真になるのか、そのヒントを6151さんは教えてくれました。

 

「私たちは3Dの世界に生きていますが、私は写真に撮ると2Dになることを意識して写真を撮っています」と6151さん。目の前の光景を丸や四角、線に置き換えて考えると、美しいと評価されやすい写真ができるとのこと。縦や横に「まっすぐ」な線がいくつか入るようにするのもコツだそうです。

 

 

SONY DSC↑立体ではなく、平面を意識して構図を決める

 

SONY DSC↑平面はこのようにイメージするとわかりやすい

 

 

また、スマホを上に掲げたり、地面すれすれに下げたりすると視点を変えるのと新鮮なシーンが撮影できます。作例では、道ばたの小さな水たまりに映った風景と実際の風景を上下で撮影した画像が紹介されました。

 

 

SONY DSC↑スマホを足下に下げて水たまりに映った風景を撮影した例

 

美しいボケを作るには、被写体と背景の距離をできるだけ長くすること。壁に近いものは、壁から遠くに動かし、離してから撮ると良いそうです。

 

SONY DSC↑スイーツを撮るときもまっすぐな線を意識して真横から撮影

 

そして、もっとも質問されるという「室内のレストランで食べ物を撮るときにライティングの影が映る」問題には、「ライトが当たると必ず影ができるので、できるだけ自然光で。室内でライトが避けられないときは、思いっきり(食べ物に)寄って撮る。食べ物の質感を表現することで乗り切っています」と話していました。

 

秘訣2:アプリで色味を加工して仕上げる

「目には見えない空気を表現する」ことも大切だと6151さんは続けます。ドーナツショップの暖かさ、かき氷の冷たさ、匂いなどを写真に込めるように工夫しているとのこと。暖色系は暖かさ、寒色系は冷たさを感じるので、色をうまく使うのがコツ。被写体や背景の色も活かしつつ、仕上げにカメラアプリを使ってフィルターを重ねているそうです。作例では、カメラアプリ「Foodie」とInstagramの加工を重ねた画像が紹介されました。撮影時にカメラの明るさを手動で調整することも大切だそうです。

 

SONY DSC↑アプリ「Foodie」で色味を加工しているところ

 

秘訣3:いいねを増やすにはタグをフル活用する

良い画像を投稿したら、一人でも多くの人に見てもらえるような工夫も必要です。「いいね」を増やすには、タグをフル活用して検索されるようにしましょう。Instagramのタグは現在、「ハッシュタグ」、「ユーザータグ」、「ジオタグ」の3つがあると6151さんは言います。ハッシュタグは「#写真撮ってる人と繋がりたい」など、「#」を付けるタグです。「ユーザータグ」は「@ユーザー名」、「ジオタグ」は位置情報です。

 

ハッシュタグは、投稿に関連性のある言葉を並べます。関連タグから現在のトレンドをチェックして付けるのも良い方法です。良い写真をピックアップしてアカウントを紹介してくれる「フィーチャーアカウント」の専用タグを付けると、爆発的にいいねやフォロワーが増えることもあります。ハッシュタグは最大30個まで記載可能とのことです。

 

おまけ:画像と手描きで動くクリスマスカードも作れる

インスタ講座のあとは、Galaxy Note8を使って6151さんが撮影した写真が紹介されました。6151さんは「Galaxy Note8は広角なので周りの風景がギュッと詰まったような写真が撮れました。色味と明るさが調整できたり、レンズが明るかったりで楽しくてシャッターが止まらなかった」と語っていました。Galaxy Note8のメインカメラのレンズは、望遠がF値2.4、広角がF値1.7です。

 

SONY DSC↑6151さんが撮影した写真。夜景でも手ぶれしなかったという

 

また、Galaxy Note8の「ライブメッセージ」機能の実演も行われました。会場では、6151さんがその場で撮影した写真にイラストレーターのスヨンさんがSペンで絵を描きました。線を書いた軌跡がそのまま動画(GIFファイル)になるため、動くメッセージカードとして活用できます。

SONY DSC↑6151さんとスヨンさんのコラボによるクリスマスカード

 

SONY DSC(左から)フォトグラファー6151さん、イラストレータースヨンさん、Galaxy製品担当・増田夏恋さん

 

私もGalaxy Note8をお借りして写真に絵を描きましたが、Sペンは約0.7mmとペン先が細く、筆圧も4,096段階で感知するとのことで、細かな表現ができると感じました。「ノート」でメモを取ることも試してみましたが、紙に文字を書く感覚ですらすらと文字を書くことができました。本体サイズは高さ約163mm、幅約75mm、厚さ約8.6mmとホールドしやすく、Sペンで書くときもぐらつくことがありませんでした。ディスプレイサイズは約6.3インチです。

 

gala-09↑「ライブメッセージ」で使えるペンの種類

 

また、12月20日よりステーショナリーブランド「STEADTLER」との共同企画で「STEADTLER Noris digital」が発売されます。鉛筆のようなデザインは外観の良さだけでなく、持ちやすさやデスクから転がりにくいというメリットもあります。付属のSペンのように収納はできませんが、Sペンをよく活用している方は検討しても良いかもしれません。

 

gala-10↑Sペン「STEADTLER Noris digital」

 

”インスタ映え”する写真の秘訣は、カメラ講座でも取り上げられる基本的かつ大切なポイントでした。どこにでも持ち歩いているスマホなら、いつでも撮影の練習ができますね。ぜひ最高の「いいね」数を狙ってみてください。