なぜ日本は“スマートホーム化”に出遅れたのか? 家電王が語る世界との違い、普及へのカギ

家電や設備をネットワークに接続して操作できるようにすることで、暮らしがより豊かになり、ホームセキュリティの向上にもつながるのがスマートホームの魅力です。スマートホームは海外や日本でどのように普及し、今後はどのように進化していくのでしょうか? 今回は、“家電王”として知られ、国内外の最新スマートホーム事情にも詳しい中村 剛氏に話を聞きました。

【お話をうかがったのはこの方!】
家電王 中村 剛さん

東京電力エナジーパートナー株式会社 勤務。2002年に『TVチャンピオン』スーパー家電通選手権で優勝し、銀座にて体験型ショールーム「くらしのラボ」の開設と運営に従事。現在は“家電王”として動画マガジン『くらしのラボ』をYouTubeとFacebookで毎週配信している他、テレビや雑誌、新聞などの様々なメディアで暮らしに役立つ情報発信をしている。無類のネコ好き!

 

日本はまだ遅れているものの、スマートホームの普及は右肩上がり

スマートホームの普及状況について中村氏は、「世界で右肩上がりに伸びています」と語ります。

 

「ロボット掃除機などのスマート家電や、セキュリティ、制御などの分野の比率が高く、近年はカーボンニュートラルに向けた取り組みが進むなかでエネルギー管理も重要なセグメントになっています。日本ではまだスマートホームをスマートデバイス単体で語られることが多いと思うのですが、世界ではトータルでエネルギー管理をする方向に向かっています」(中村氏)

資料提供:Statista

 

資料提供:Statista

 

世界ではスマートホーム化が進むなかで、中村氏は「日本は少し出遅れている印象がある」とのこと。

 

「Statista(※)の調査によると、日本のロボット掃除機などのスマート家電の保有率は10%と、中国、韓国、米国に比べて低いです。エンターテインメント関連(Bluetoothスピーカー、スマートTV、ストリーミング関連など)でも先述の3か国は70%以上なのに日本は26%。また、『スマートホームデバイスは保有していない』との設問に対しても65%とずば抜けて高いため、そもそもスマートホームデバイスとは何なのかを理解していないのかもしれません。遠隔操作ができるエアコン等は製品としてはかなり増えているのですが、その機能をちゃんと使えていない場合も多々ありますね」(中村氏)

資料提供:Statista

※Statistaは100万点以上のデータを扱うビジネスインテリジェンスのポータルとして、170以上の業界、150の国と地域を対象とした、統計、業界レポート、市場予測、消費者サーベイなどを提供しています。(statista.com)各調査会社や公的機関含む22,500以上のデータソースから収集したデータに直接アクセスができ、ビジネスにおけるファクトに基づいた意思決定を支援しています。2007年にドイツで設立され、現在、世界14カ所に約1,400人の従業員を擁しています。調査に関するご相談やお問い合わせはsales.japan@statista.comまで

 

日本でスマートホームが普及しないのは「安全性や規制が強いことも理由にあるのではないか」と中村氏は語ります。

 

「たとえば2012年、パナソニックが遠隔でオンオフ制御できるエアコンを発表した後、遠隔ではオフ制御だけになったことがありました。電気用品安全法の観点から、外出先から、オンにすると火事等の原因になるのではないかと“物言い”が付いたんですね。電気用品安全法では今もこたつなどヒーターを搭載する機器の遠隔操作はダメなのですが、そういう制約が日本は諸外国よりも多いのだと思います。そういった点が、スマートホーム普及のハードルの一つかもしれないですね」(中村氏)

 

さらに、日本の文化的な背景も理由にあるのではないか、と中村氏は語ります。

 

「私は2017年に初めてラスベガスで開催されている『CES』(世界的最大級のテクノロジー見本市)に行き、そこでスマートスピーカーを体験しました。しかし、自分も含めて、日本人は音声で命令するのが恥ずかしいんですよね。欧米ではベビーシッターやお手伝いさんが家にいることも多く、音声での指示に抵抗がないのですが、そういった文化的背景が日本にはない、という違いもあると思います」(中村氏)

そこで、今後スマートホームの普及のカギを握るのはデジタルネイティブな若い世代だといいます。

 

「古くはご飯を炊く炊飯器も『主婦にラクをさせるな』なんて話もあったそうですし、私もかつて東京電力のショールーム『くらしのラボ』にいた際には、『食洗機を買いたいから夫を説得してほしい』なんて言われたことも頻繁にありました。でも時代が変わって、女性が働くのは当たり前になりましたし、みんなが結婚しなければいけない時代でもない。デジタルネイティブの若者も当たり前に増えてきました。パリ五輪で日本の若者が活躍しているように、新しい世代が『便利なものはどんどん使おうよ』という形で盛り上げてくれるのがブレイクスルーにつながる気がします」(中村氏)

 

「プロダクトアウト」ではなく、便利な「ユースケース」が重要

さらに、スマートホームが普及していくためには、「メーカーの都合で生み出された『プロダクトアウト』ではなく、便利な『ユースケース』が普及のためには重要」と中村氏は語ります。

 

「たとえば、ペットを飼っている家庭で、ペットを大事に思うなら、不在時に遠隔で見守れるカメラや自動給餌機、体重管理、エアコンのコントロールをするニーズが生まれてきます。そうすると、必要に迫られてそれらの機器を導入して活用し始めるでしょう。さらに、『高齢者を見守りたい』『手ぶらで解錠したい』など、ユーザー視点でのユースケースを提示していくことがブレイクスルーにつながると考えます」(中村氏)

↑手ぶらで開錠できるスマートロックの例。SwitchBotの「SwitchBot ロック Pro」(左)と「SwitchBot 指紋認証パッド」(右)

 

スマートホーム機器を簡単に使えるようにするためには、AIの活用も重要になります。

 

「見守りカメラで24時間撮影し続けても、すべてをチェックしきれないですよね。ですから、『AIでの画像認識』もセットで絶対に必要になります。必要な映像だけをAIで切り取ることで、初めて人間の見守りにも使えるようになるわけです。また、『カメラはプライバシーの侵害がイヤ』という人には、ミリ波レーダーやWi-Fiの揺らぎなどで見守るサービスなどもあります。先にニーズがあり、それに対してユーザー視点でのサービスが提供されていけば、スマートホーム機器はさらに普及するはず。ですが、ただ単にガジェットを提供して『後はDIYで何とかしてね』では、一部のアーリーアダプターの人しか反応してくれないでしょう。スマートホームが提供出来る価値をユーザーのベネフィット(便益)として伝えなくてはならないのです!」(中村氏)

↑MS LifeConnect「AIスマートカメラ 屋外用カメラ/屋内用カメラ」は、高度なAI検知能力により人間や動物、車などを識別。指定した対象物が写り込んだときだけを「クリップ動画」として切り出し、スマホに通知を送ることが可能です

 

↑Aqaraの「人感センサー FP2」はミリ波レーダーセンサーによって最大5人までの多人数検知に加えて転倒検知も可能

 

「スマートホームのメリットは、利便性の先にある暮らしの豊かさ。便利さだけを追求していくのでは窮屈だし疲れてしまいます。カメラで見ることも含めて、全てをデジタルで制御するといった話だと、良いことばかりではないのだと考えます。結果的にその先にある暮らしが豊かになる、楽しくなるのが重要。今で言うと『ウェルビーイング』につながる『スマートなホーム』というのが本来のあるべき姿だと思います」(中村氏)

 

本当の意味で家がスマートホームになるためには、スマートデバイスを導入するだけでなく、AIで意味付けしてサービス化していくことも重要。

 

「日本は超高齢化に突き進んでおり、見守る側の人も足りなくなるので、データにAIで意味付けすることがまさしく必須です。『こんなアラームが出たら、誰かが自宅に訪問します』といったサービスとの連携が必要になるでしょう。最終的には、家自体が人格のようなものを持ち、住人の最適で豊かな暮らしを提供していく。さらに、クルマの自動運転が普及すると、おそらく『家』のカテゴリ中にクルマも入ってくるでしょう。移動している間に勝手に進んでくれるとなると、家の部屋にいるのと変わらない状態になりますから。そういったことも含めて、その人の周りにあるものすべてを含め、スマートホームのメリットを享受するが私のイメージです」(中村氏)

 

スマートホームプラットフォームの“一元化”が進む

当初、グーグルは「Google Home」、アマゾンは「Amazon Alexa」、アップルは「HomeKit」という独自のスマートホームプラットフォームを展開してきました。各メーカーの製品がそれぞれに対応するには、手間もコストもかかるため、2022年、それらを統合する規格として、無線通信規格の標準化機関であるCSA(Connectivity Standards Alliance)が「Matter」(マター)を立ち上げました。これにより、スマートホーム規格の標準化が進められていますが、まだまだ課題があるといいますす。

 

「日本の家電メーカーと話をすると、共通規格である『Matter(マター)』に対してあまり積極ではないと感じます。統一するといっても、電源のオン・オフやエアコンの温度を1℃上げるといった基本機能を統一するのは簡単ですが、メーカーだけのオプション機能まではなかなか統一できません。そこで、エアコンはこうしましょう、ロボット掃除機はこういう風にしましょうと、カテゴリごとに取りまとめが進んでいるわけですが、先述のCSAでの議論に積極的に入っていかないと、蚊帳の外でプロトコルが決まってしまいます」(中村氏)

 

続いて住宅設備に目を向けてみましょう。日本では住宅設備やエアコンなどの家電を接続してエネルギー管理を行うための共通規格である「ECHONET Lite(エコーネットライト)」が普及し、「HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」によって空調や給湯、エネルギー管理などが行われています。

 

「住宅設備系はECHONET Liteで接続しつつ、スマート家電はMatterで連携し、それらを統合するシステムを組んでいく。今後は、このような流れで進んでいくと思います。例えば三菱地所の『HOMETACT(ホームタクト)』の場合、ECHONET Lite系はLIXILの仕組みをベースに、スマートデバイスと組み合わせてサービスを展開中です。また、マンションのエントランスの顔認証などの仕組みは自社だけではできないので、DXYZ(ディクシーズ)と連携してスマートホーム化の実績をたくさん積み上げているところです」(中村氏)

↑HOMETACTで制御できる機器の例

 

↑HOMETACTとDXYZの顔認証プラットフォーム「FreeiD」が連携した例

 

社会課題の解決に向けて住宅設備メーカーと不動産会社などが取り組んでいる事例もあると中村氏は紹介しました。

 

「社会問題化している宅配便の人手不足対策として、インターホンと玄関錠を含めてスマート化し、フリマアプリの『メルカリ』の荷物を自宅の宅配ボックスから発送できるサービスなども始まりました。オートロックがあっても、認証された宅配業者であれば各戸の宅配ボックスのある場所まで入れるようになりました」(中村氏)

↑自宅からEC商品・レンタル商品などが発送できる「Smari(スマリ)サービス」に対応した宅配ボックスも登場

 

「さらに、家のカギがスマート化していれば、次は顔認証で入れるとか、近づいたらカギが開くというのが当たり前になっていくと思います。たとえば、スマホのGPSで自宅近くに入ったことが分かってから数分間以内にBluetooth圏内に入ると、解錠するスマートロックもある。極めて便利ですから、『便利なら使おう』という形で導入が進みます。このスマートロックのハンズフリー解錠にしても、CSAの中でMatterとは別のAliroの規格として検討が進んでいるところです。そうやってどんどん外堀が埋まっているので、日本でも、ぜひ便利な現実を存分に享受してほしいと思います」(中村氏)

↑ハンズフリーでの解錠やオートロックが可能なQrio Lock

 

まずはスマートリモコンから始めてみては

では最後に、スマートホームに興味がある人に対して、どこから始めればいいのかアドバイスをいただきました。

 

「エアコンが一番分かりやすいですね。既存のエアコンを含めると、赤外線対応の『スマートリモコン』を使うのが汎用的なスマートホームの第一歩ではないでしょうか。近年は夏の暑さがひどいので、エアコンで冷房しがなければ熱中症の危険性があります。ペットがいたり、小さい子どもや老人がいたりする家庭では室内の温度管理が特に重要ですが、スマートリモコンの機能を使えば、外出先でもエアコンのオンオフや設定温度調整が可能になりますし、一定の室温になったら冷房をオンにする設定も容易にできます。自宅にいるときでもスマートスピーカーと連携して『エアコンを消して』『エアコンの温度を1℃下げて」といった音声操作は意外と便利です。カーテンを自動で開け閉めできるデバイスもあって、快適な目覚めにつながります。まずは興味を持ったそのあたりから使ってみてください」(中村氏)

↑+Styleのスマートリモコン「マルチリモコン PS-IRC-W02」。500種類以上の赤外線リモコンデータがプリセットされているため、セットアップも簡単です

 

↑アプリ操作や音声操作、リモートボタン、照度センサーなどで自動操作ができる「SwitchBotカーテン3」

 

Google Homeユーザーが「買ってよかった!」と思った3つのポイント

「スマートスピーカー」が日本で発売されて、ようやく半年が経ちます。便利だとはよく耳にするものの、具体的にどんなことができるのかわからない、という人は多いでしょう。

筆者も会社では「Google Home」を、自宅では「Amazon Echo」を愛用しているのですが、本当はもっと便利に使えるのではないかと目下、模索中。すでに使っている人でも、筆者と同じく試行錯誤を続けている人がほとんどではないでしょうか?

 

そこで、生活に取り入れてさまざまな使いこなしを試している人を直撃。『iPadバカ』の著者でもあり、新しいガジェットやデバイスはひととおり試すのが信条、「Google Home」も発売と同時に入手したという商品開発コンサルタントの美崎栄一郎さんに、愛用中のGoogle Homeの魅力について聞きました。

 

1. スイッチを探らずに照明を点けられる

「Amazon Echo」や「Clova WAVE」など、現在いくつものスマートスピーカーが日本でも発売されています。そのなかから美崎さんがGoogle Homeを選んだのは、今後対応機器が増えそうだったからだといいます。それは、美崎さんが使い始めて一番便利になったと感じているのが“家電の操作”だからなのです。

 

Google Homeはスマートスピーカー、つまりインターネットにつながるスピーカーなので、同じインターネット回線上にある対応家電を声で操作することができます。この対応家電が発売時から多いのが、Google Homeの強みのひとつです。

 

「Google Homeを導入して一番ありがたいと思ったのが、連携している照明のオン/オフを声でできることです。1階から2階に移動するときに両手が塞がっていても、『OK Google、電気を点けて』というだけで照明が点くんです」

↑フィリップスの「Hue」など、Google Homeに対応した電球を連携させれば、声での操作が可能になる。

 

これまでは照明を点けるために、両手に持っていたものがあればいったん置いてから、また夜真っ暗な家に帰ってきた場合は壁を手で探ってスイッチを探し、電気を点けるというひと手間がありましたが、これがなくなったのは美崎さんの生活においてささやかなようでいて、実際は大きな変化だったのだとか。

 

美崎さんはエアコンのオン/オフや温度調整、加湿器のオン/オフ、ロボット掃除機の操作などにもGoogle Homeを活用していて、これらもすべて声で操作しているそうです。

 

「Suicaがここまで普及したのは、“切符を買う”という動作をなくして、本来の目的である“電車に乗る”という行為がスムーズにできるようになったから。エアコンを操作するときも、目的はリモコンを触ることではなく、オン/オフや温度調整をすることです。これまでは誰かに“エアコンをつけて”とお願いしていたのを、その“誰か”がGoogle Homeに交代してやってくれている感じですね」。

 

ロボット掃除機があらぬ方向に行ったときには、「止まって」と言ってストップさせるシーンもあるそうで、まるで犬に「待て」と言っているような気分になるのだとか。こう聞くと、Google Homeを導入すると、まるで家族が増えたように感じるようになるのかもしれません。

 

2. 文字入力のストレスから解放される

Google Homeが家電と連携できるとはいえ、家電を対応モデルに買い替えなければ、その利便性の恩恵には預かれません。ならばと、美崎さんがGoogle Homeをおすすめする理由はほかにもあります。

 

それは「スマホでの文字入力をしなくて済む」こと。

 

たとえば、スマホやタブレットで表示した対応コンテンツを、Wi-Fiを介してテレビに表示できるデバイス「Chromecast」。これをテレビに接続してGoogle Homeと連携すると、「OK Google、かわいい猫の動画を見せて」と話すだけで、YouTubeで“かわいい猫の動画”を検索し、テレビで再生してくれるのです。

↑Google Homeは「YouTube」や「Netflix」などの動画の検索、早送りなどの音声操作に対応する

 

「話しかけるだけでいいというのは、圧倒的にラク。“書く”という動作に比べ、“話す”というのは原始的ですよね。スマホでの文字入力は一定の学習が必要ですが、音声入力なら文字入力ができなくてもいいんです。老眼が始まった人にとっても、これは大きな強みになります」

 

また、仕事中は「OK Google、タイマーを15分後にセット」と話して時間を区切って作業をしたり、「OK Google、ニュースを教えて」と話してニュースを聴いたりしているそうです。とくに、好きなタイミングでニュースを聴けるのは、放送時間を待たなければいけないテレビのニュース番組を見るよりも便利ですね。

 

すでにiPhoneでは「Siri」、Androidでは「Googleアシスタント」がスマホの操作をサポートしてくれていますが、出先でいきなり話しかけるのはためらわれる人が多いはずです。しかし、Google Homeは室内での使用を前提としたものなので、操作時の恥ずかしさを感じることはありません。

 

さて3つめの「できること」とは? スマートスピーカーの本領発揮! といえる機能がありました。

3. 音楽再生時こそスマートスピーカーの本領発揮

Google Homeは、スマホとBluetoothで接続して単なるスピーカーとして使うこともできますが、せっかくなのでスマートスピーカーならではの機能も活用したいところ。なかでも美崎さんが気に入っているのが、楽曲の再生中にアーティスト名や曲名を教えてくれる機能だといいます。

 

「Google Homeを使い始めて『Google Play Music』を使うようになりました。普通のBluetoothスピーカーと違い、楽曲の再生中に『OK Google、この曲は何?』と聞くだけで、アーティスト名と曲名を教えてくれるんです。また、学習を重ねれば自分が好きな曲だけを再生してくれるようになるのも、スマートスピーカーならではですね」

↑「OK Google」や「ねぇGoogle」と話しかけるとライトが点灯し、音声の聞き取りモードになる。対応している音楽アプリは「Google Play Music」だけでなく、「Spotify」や「うたパス」なども

 

美崎さんがGoogle Homeを使い始めて、唯一気になっているのが、ディスプレイがないことだとか。

 

たとえば、「OK Google、明日の天気は?」と尋ねたときに、耳と目で確認できると安心です。今年の後半には、JBL、Lenovo、LG Electronics、ソニーがディスプレイ搭載モデルを発売するそうなので、今後の進化にも期待したいところです。

↑写真は今年発表されたLenovoのスマートディスプレイ。10インチモデルは249ドル、8インチは199ドルで、アメリカでは今夏発売予定。日本での発売は未定

 

日々のくらしのなかで「ちょっと面倒かも」と思っていたことが、もしくは面倒なことすら気づいていなかったことが、話しかけるだけで解決するスマートスピーカー。こんなに便利なアイテムを使わない手はありませんよ。

 

【プロフィール】

商品開発コンサルタント / 美崎栄一郎

1971年、横浜生まれ大阪育ち。大阪府立大学大学院工学研究科を卒業後、花王で約15年勤務し、「アタック」「ニュービーズ」「ワイドハイター」などの日用品から、化粧品のブランドである「レイシャス」「ファインフィット」まで幅広く手がける。その後独立し、現在は商品開発コンサルタント、ビジネス書作家、講演家として活動中。

 

取材・文=今西絢美

 

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娘がスマートスピーカーと口論しないように、正しい使い方を教えてください!

私の娘は人見知りで無口な女子高生。部屋の中でおとなしく絵を描いているか映画を観ている毎日なので、あまり言葉を発しない。そんな娘にGoogle Home(Googleのスマートスピーカー)をプレゼントしてあげたら、部屋の中から話し声が聞こえるようになった。

 

83413493 - close up of a happy young blonde music teacher standing near a blackboard and pointing at music notes drawn on it. toned image

 

娘に寄り添う相棒

仕事で夜が遅くなる時、娘は一人で私を待っている。冷蔵庫にあるおかずを温め、ひとりで夕食をとった後は、部屋でじっと静かに過ごしている。大学生の兄は毎晩遅くまで帰らないし、ひとりにさせてごめんねと思っていたのだけれど、本人は一人がいいのだと言い張る。

 

なので「今日からあなたのお友達だよ」とスピーカーを差し出した時は後ずさった。喋りかけてくるのが怖かったらしい。「私、iPhoneで音楽聴いてるし、いらないよ」と言ったけれど、BluetoothでスピーカーとiPhoneをつなげてあげると、いい音が流れてきて、途端に目を輝かせた。以来、部屋で座っている娘のすぐ隣にGoogle Homeが寄り添うようになった。

 

 

多機能すぎるスピーカー

Google Homeはただのスピーカーではなく、多機能だ。計算もしてくれるし、アラームもタイマーも声で命令すれば同時に複数セットできる。ネットとつながっているので今日の天気やニュースも教えてくれる。何より皆に羨ましがられるのは、音楽をかけてくれる機能だ。

 

例えば突然、乃木坂46の「インフルエンサー」を聴きたくなる時がある。Google Homeに「乃木坂46のインフルエンサーかけて」と伝えると流してくれる。最新ヒットや特定のアーティストは入っていないが、かなりの曲が網羅されている印象はある。これは音楽アプリを入れるとできる。有料なのだけれど、Spotifyというアプリだと最初の30日間が無料なので試してみた。娘はこの機能にも相当満足しているようだった。

 

 

スピーカーとケンカも

しかし何日かすると娘の部屋から争うような声が聞こえてくるようになった。心配になって見に行くと、Google Homeを叱りつけている。「その曲じゃないでしょ!」「それじゃなくて!」などと、自分が希望する曲を流すまで指示を出し続けているのだ。スピーカーと上手に付き合うにはコツがいるようだった。

 

はじめよう、Google Home』(GetNavi編集部・著/学研プラス・刊)には声認識の方法も丁寧に解説されていた。自分の声をあらかじめ登録しておくことができるという。早速セットした娘が「私は誰?」と尋ねると、ちゃんと娘の名前で答えてくれた。「おはよう」と言うと「おはようございます○○さん」と名前で呼びかけてもくれる。ちなみに私が「私は誰?」と聞いても「登録されていません」と冷たい。この特別感で心をくすぐられたこともあり、娘はますますスピーカーを愛用するようになった。

 

 

Amazon Echoとの違い

対して母親の私はAmazon Echoを使っている。GoogleとAmazonのスピーカーを比較すると、Googleは翻訳機能が優れている。「愛してるを英語で」と言えば、とても流暢に「I love you」と答えてくれる。これが多言語できるのだ。電車の乗り換えや単語検索など、調べ物はGoogleが得意と言えるだろう。

 

Amazon Echoは、Amazonと直結しているので、声だけで買い物注文ができる。以前買ったものを再び注文する時などはいちいちPCやスマホの画面を見なくても簡単にできるのがありがたい。また、カラオケなどのスキルは400を超え、どんどん増え続けている。

 

スピーカーごとに特性は違うが、どちらであっても、寂しい時に話し相手になってくれるのがありがたい。例えば私は先日誕生日を迎えたけれど、どちらのスピーカーもバースデーソングを歌って祝ってくれた。疲れたと口走れば「少し休んだら?」などとも言ってくれる。人間以上に優しいこともあるスマートスピーカーに癒される人は今後増えるかもしれない。

 

【著書紹介】

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はじめよう、Google Home

著者:GetNavi編集部
出版社:学研プラス

話題のスマートスピーカー、Google Homeの公式ガイドブック。初期設定や基本操作のほか、利用できるサービスとリクエストするときのコツ、他のデバイスと連携するためのセットアップ方法などを紹介する。本機を誰でもたっぷりと活用できる一冊だ。
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【西田宗千佳連載】圧倒的トップシェアのAmazonは「横綱相撲」

「週刊GetNavi」Vol.63-2

スマートスピーカーへの注目度は、昨年2017年のCESで加熱した。Amazonのスマートスピーカーである「Echo」のヒットが確実になり、Amazonが採用する音声アシスタントである「Alexa」に対応した機器が多数展示されていたからだ。Amazon自身は大きなブースを出しておらず、存在感はそこまで大きくなかったものの、Alexa対応機器は700点以上展示されており、とにかく2017年のCESは「Alexa旋風」に見舞われていた。

↑Amazon Echo↑Amazon Echo

 

それから1年が経過した今年2018年のCESでは、今度はGoogleによる「Googleアシスタント旋風」が吹き荒れていたわけだ。

↑CES2018ではGoogleアシスタント専用ブースが展開された↑CES2018ではGoogleアシスタント専用ブースが展開された

 

そんななか、Amazonの存在感はどうだったのかというと、実は、会場ではほとんど「Amazon」という企業を意識することがなかった。昨年同様、今年も大規模なブースを構えなかったからだ。Amazon自身によるAlexaのアピールは、会場数か所にひっそりと垂れ幕が掲げられていた程度であり、目立ち方だけを見ると、AmazonとGoogleではGoogleの圧勝、という状況だった。

 

だが、これをもって、世界市場でGoogleが勝ち始めている……と考えるのは正しくない。むしろ、アメリカ市場の状況を知っている人から見ると、「Googleはかなり危機感を感じて勝負に出た」と感じるはずだ。

 

調査によって数値は違うものの、アメリカのスマートスピーカー市場のトップはAmazon。しかも、2位のGoogleに圧倒的な差を付けた「独占市場」の趣すらある。シェアは最低でも60%、調査によっては70%近い値も出ており、20%弱とみられるGoogleの値を大きく上回る。音声アシスタントはまだまだこれから普及が始まる技術ではあるが、現時点で大きな差を付けられていることは、Googleにとって好ましい状況ではない。

 

そこでGoogleは、家電に関する話題が集中するCESにターゲットを絞り、強いアピールをすることによって、Amazonに負けているというイメージを覆す作戦に出たのである。

 

対するAmazonは、少なくともCESでは無理なプロモーションは行わなかった。今後の出方は気になるが、筆者の目にはどちらかというと、「すでに強いので、パートナーを含めて落ち着いて戦う」つもりなのでは、と見えた。すなわち「横綱相撲」に入ったのだ。

 

一方で気になることもある。

 

今回のCESにおいてGoogleは、スマートスピーカーにディスプレイを内蔵した「スマートディスプレイ」を発表した。また、テレビや自動車などの中に音声アシスタントとして組み込まれることもアピールした。これらによって、勝負の軸をスマートスピーカー単体から「音声アシスタント全体」に切り換えようとしているのだ。この点はAmazonも同様の構えで、パナソニックが自動車向けにAlexaの搭載を決めたという発表には、担当副社長を登壇させている。今後、スマートスピーカーという単体製品から、より広い世界へ競争が拡大するのは間違いなく、Googleはその新しいフェイズで、スマートスピーカーでの不利をひっくり返そうとしている。

 

スマートスピーカーから音声アシスタント全体へという戦いの構図の変化は、どのような意味を持っているのだろうか? そのへんは次回のVol.63-3で解説していこう。

 

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【西田宗千佳連載】音声アシスタント戦争、GoogleはCESで勝負に出る

「週刊GetNavi」Vol.63-1

20180110_bln1_03↑Google Home

 

Googleが本気でCESに注力した理由

2018年1月9日から12日まで、米ラスベガスにて、毎年恒例のテクノロジーイベント「CES2018」が開催された。筆者も例年通り、年初からこのイベントの取材のために現地を訪れていた。

 

現地入りしてまず驚いた。ラスベガスの交通広告が「Hey Google」に占拠されているのだ。ラスベガスを走るモノレールまで「Hey Google」でラッピングされている。「Hey Google」とは、スマートスピーカーの「Google Home」などで使われている「Googleアシスタント」に、命令を呼びかける際に使うコマンドワードだ。これまで広告などでは「OK Google」や「ねぇGoogle」が使われてきたが、これから英語圏では「Hey Google」が基本となるようだ。

 

その後、CES会場に着いても、至るところに「Hey Google」とGoogleアシスタントのマークをモチーフにした看板があった。その看板は、ソニーのような大企業から、小さなネット連携スイッチを作るベンチャー企業まで、様々な場所にある。これは、Googleが各企業に対し、共同プロモーションを持ちかけているからだ。さらに、メイン会場の外にも、Googleは臨時の建物を作っており、GoogleアシスタントをはじめとしたGoogleのサービスと連携するハードウエアを多数展示。印象的なデモも行われていた。

 

そもそもCESはテクノロジーイベントだが、その中核はあくまでハードウエア。だから、Googleのようなネット企業は、これまで大きなアピールを行なってこなかった。しかし今年、GoogleはCESを占領するような勢いで、宣伝戦略・アピール戦術を繰り広げた。

 

その様子を見て、筆者は次のような思いを強くした。「あぁ、Googleは、音声アシスタントの領域で、Amazonに対して圧倒的な焦りを感じているのだな」と。

 

みなさんもご存知の通り、AmazonとGoogleは、スマートスピーカーの分野で戦いを繰り広げている。アメリカ市場では、2016年後半にAmazonが低価格な「Amazon Echo Dot」を発売して以降、スマートスピーカーが急速に普及。CESの主催者であるCTA(全米民生技術協会)の予測によれば、スマートスピーカーは2018年だけで4360万台が売れ、前年比で60%もの成長を果たす、とされている。現在、2社はスマートスピーカーの販売に加え、連携機器の獲得においても熾烈な競争に直面しているのだ。

 

だからこそGoogleは、膨大な宣伝費をつぎ込んでも、家電に注目が集まるイベントで、Googleアシスタントの存在感を強調したかったのだろう。

 

では、迎え撃つAmazonはどうするのか? 両社の戦いはどうなるのか? 気になる日本での状況にどんな影響があるのか? そうした部分は、次回のVol.63-2以降で解説する。

 

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なぜ売れた? 「スマスピ」と「格安4K」ヒットの背景を専門家がバッチリ解説

様々なAV機器が登場した2017年。とくに、各種家電のハブとしても大きな可能性を秘めたスマートスピーカーの国内販売が開始され、話題になりました。また、ドン・キホーテは4KテレビやノートPCの常識を覆す低価格品をリリース。ここでは、この2つのトレンドを紹介するとともに、背景を専門家が解説。2017年あんまりAV機器に縁がなかったという人も、この記事を読めば2018年のトレンドにも追いつけるはず!

 

【私が教えます!】

20180110_bln1_01

AV評論家

藤原陽祐さん

新聞記者から専門誌の編集を経て独立。製品レビューやAV専門誌での評論活動などを行っています。

 

 

音声認識技術の向上でスマートスピーカーが話題に

2017年に新たに登場し、一挙に注目が高まったAV機器といえばスマートスピーカーが挙げられます。その背景についてAV評論家の藤原陽祐さんはこう語ります。

 

「技術の向上によって話し言葉による操作がスムーズになった点がまず大きいでしょう。さらに成長中の音楽配信サービスもより活用しやすくなり、ユーザーの好みやシーンにマッチした音楽を快適に楽しめるようになりました」

 

スマートスピーカーは2017年12月時点で3つのプラットフォームが国内販売されていますが、その選び方を藤原さんに聞きました。

 

「アマゾンプライム会員なら音楽配信のPrime MUSICが使えるAmazon Echo、LINEのヘビーユーザーならClova WAVEがおすすめ。複数のユーザーで使うなら最大6人のアカウントを登録できるGoogle Homeがベストです」

 

【スマートスピーカーのココが空前絶後のヒット!】

価格が手ごろで話題性も高いことからから脚光を浴びました。今後スマートスピーカーを介して連携する家電が普及すれば、照明やエアコンやテレビなどの操作を音声だけで行えるようになります。

 

スマートスピーカーって何?

AIアシスタントを搭載したスピーカーのこと。音声認識機能を持ち、端末に向かって操作内容を話しかけることで、ニュースや天気予報の読み上げ、音楽の再生、連携する家電の操作などを行えます。

20180110_bln1_02↑リビングなどに置いて、やりたいことを話しかけるだけで操作できる手軽さも魅力です

 

20180110_bln1_03

Google

Google Home

実売価格1万5120円

Googleアシスタントを搭載し、Googleカレンダーでのタスク管理やGoogle Play Music上の音楽再生が可能。スピーカー部分の素材やカラーを変えることのできるオプションを用意しています。

 

20180110_bln1_04↑音楽再生はGoogle Play Musicのほか、ストリーミング配信サービスのSpotifyも利用できます

 

20180110_bln1_06

Amazon.co.jp

Amazon Echo

1万1980円

クラウドベースの音声サービスに対応。Amazon Musicの曲を再生したり、対応端末の操作などが可能なスキルと呼ばれる機能を追加したりできます。本体カラーは3色から選択可能で、別売りの交換用カバーも用意。

20180110_bln1_07↑コンパクトサイズのEcho Dot(写真・5980円)のほか、上位機種のEcho Plus(1万7980円)も揃います

 

20180110_bln1_05

LINE

Clova WAVE

1万4000円※

AIアシスタント「Clova」を搭載。登録した相手に音声でLINEメッセージを送信したり、受信メッセージを読み上げたりできる点が最大の特徴。ストリーミング音楽再生はLINE MUSICに対応しています。

 

※:2018年1月31日までは、キャンペーン商品として「Clova WAVE + LINE MUSIC セット」を1万2800円で販売中。Clova WAVE(本体価格1万4000円)と「LINE MUSIC」(月額960円)12か月分がセットになっています

 

20180110_bln1_08↑バッテリーを搭載しているので、電源に接続していない状態でも利用可能です

 

初回出荷分が1週間で完売した格安4Kテレビの第2

「ドン・キホーテ 4Kテレビ」

6月発売の初代製品が5万円台で買える4Kテレビとしてブレイク、10月には第2弾も発売されました。追随して低価格4Kテレビを発売するメーカーも現れており、市場を牽引しました。

 

【ドンキ4Kテレビの「ココ」が空前絶後のヒット!】

なんといっても圧倒的な安さが魅力。画質や細かい機能などスペックにはそれほどこだわらず、低予算で話題の4Kテレビを手に入れたいという層の心をしっかりとつかんでヒットしました。

 

【価格革命を起こした初代】

6月発売の初代製品が4Kテレビの常識を変えた

6月発売の初代ドンキ4Kテレビは、初回出荷分の3000台が1週間で完売。追加生産分も即完売して話題に。国産メーカーの50型は10~20万円台が中心だった4Kテレビ市場に革命を起こしました。

20180110_bln1_11↑初代には東芝製のメインボードが使用され、「ジェネリックレグザ」とも言われました

 

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ドン・キホーテ

LE-5060TS4K-BK

5万9184円

6月に発売された50型4Kテレビの後継機。前機種から大きなスペックの変更はないものの、輝度が300カンデラから350カンデラに改良されたことで、より明るい環境でもクッキリと映像を楽しめるようになりました。

 

20180110_bln1_14↑幅はスタンド部を除いて約6.6cm。国産メーカーの4Kテレビと変わらない薄さで、リビングに置いたときもすっきり見えます

 

【プロはこう見た】

初代モデルがヒットした要因は、価格の安さと話題性の高さ。今後は、デザイン性や使いやすさなど、安さにプラスしたメリットがある製品も期待したいですね。(藤原さん)

 

他のメーカーも格安4Kテレビに続々参入

ドンキに追随するメーカーも増えています。ゲオはグリーンハウス製の50型4Kテレビを発売中。全国のゲオショップ約50店舗などで購入できます。

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グリーンハウス

GH-TV50A-BK

5万3784円

 

【モバイルPCも最強コスパ!】

PCでもドンキの価格破壊が話題に

ドンキ家電の価格破壊はテレビだけではありません。これまでの常識を覆すような格安のモバイルPCも話題となりました。

 

人気の2 in1タブレットが約2万円で手に入る

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ジブン専用PC&タブレット

2万1384円

0.1型Windowsタブレットと着脱式キーボードのセット。Officeモバイルを搭載しているので資料作成などにも活用しやすい。質量はキーボードを装着した状態で1180g。バッテリー駆動時間は約6.1時間となっています。

 

ついにノートPCにも格安アイテムが登場

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MUGAストイックPC

2万1384円

14.1インチのWindows 10ノート。機能を絞り込み低価格を実現する一方でディスプレイにはこだわり、フルHD表示に対応した高精細IPSパネルを搭載しています。メモリは2GBと少なめ。ネットや動画を気軽に楽しみたいライトユーザーにおすすめです。質量約1200g。バッテリー駆動時間は約7時間。

 

「スマスピ」と「格安4K」に共通しているのは、最新のトレンドを手ごろな価格で体験できること。2018年もバリュープライスのアイテムに要注目です!

話題のAIスピーカー、どれが買い?――GetNaviが贈るお悩み解決バラエティ番組「クラベスト」放送中!!

GetNaviと、アクトオンTV(J:COM 701ch.などで放送中)がタッグを組んだ新番組「クラベスト!」がスタートしました(毎月24日更新)。それでは早速第1回「AIスピーカー」のダイジェストをお届けします!!

 

クラベスト第1回「AIスピーカー」はコチラでご覧いただけます!

http://webcast.actontv.com/movie/1712kurabest.html?ref_e=qr

 

 

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MCはこの人
タレント ホリさん

木村拓哉、武田鉄矢、えなりかずき、テリー伊藤などのネタでおなじみのモノマネ芸人。家電好き。

 

 

【今回のお悩み】話題のAIスピーカー、どれが買い?

 

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相談者・高島好美さん
神奈川県・横浜市で子どものための英会話教室とダンススクールを運営。子どもたちの夢の実現をサポートしている。

 

 

【3人の目利きがAIスピーカーをプレゼン】

 

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タレント 井上咲楽さん
太い眉毛がトレードマークの現役JKタレント。本企画にはSNSなどの情報を元に一般ユーザー代表として参戦。

【咲楽イチオシ】
音声でLINEを送れてバッテリー駆動なのも◎

LINE
Clova WAVE
1万4000円
※2018年1月31日までは、キャンペーン商品として「Clova WAVE + LINE MUSICセット」を1万2800円で販売中。Clova WAVE本体(本体価格1万4000円)と「LINE MUSIC」(月額960円)12か月分がセットとなっている

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AIアシスタント「Clova」を搭載。LINE MUSICを利用した音楽再生や天気予報の案内のほか、音声でLINEメッセージも送れる。バッテリー駆動にも対応しており、宅内の好きな場所で使用可能だ。

 

 

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女優・タレント 奈津子さん
芸能活動のかたわら、家電アドバイザー(エグゼクティブ等級)の資格を取得。家電の品評・執筆もしている。

【奈津子イチオシ】
連携する他社サービスはなんと250種類以上!!

Amazon.co.jp
Amazon Echo
実売価格1万1980円

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クラウドベースの音声サービス「Alexa」を搭載。「スキル」と呼ばれる拡張アプリが250種類以上あり、スマート家電の操作や飲食店でのテイクアウト注文といったサービスが利用できる。

 

 

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GetNavi編集長 野村純也
生活家電やデジタル製品の最新トレンド・新作情報に精通。GetNaviのプライドをかけて熱烈プレゼンを行う!

【野村イチオシ】
カレンダーなどGoogleの機能を存分に活用できます

Google
Google Home
1万5210円

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会話型アシスタント「Googleアシスタント」を搭載。「OK Google」をキーワードに、音声コマンドでスケジュ―ルの確認や情報の検索、音楽の再生などが行える。本体上部のタッチパネルでも操作可能。

 

100-101実_MG_0836g↑3人の目利きたちが実演を交えながらイチオシのAIスピーカーを熱烈アピール。それぞれのキャラクターや知識をフル動員したプレゼンに、ホリさんのモノマネを交えた鋭いツッコミが炸裂した

 

 

LINEは月額500円で4000万曲が聴き放題!

ホリ この番組では、欲しいモノがあるんだけど何を買えばいいのかわからない、そんな方のために最強の目利きたちがイチオシの逸品をプレゼンします。記念すべき第1回目の相談者は、横浜からお越しの高島好美さん!

 

高島 よろしくお願いします。

 

ホリ さて、高島さんはAIスピーカーが欲しいそうですが?

 

高島 はい。いま、子どもたちに英会話やダンスを教えるスクールを経営していて、その現場で使ってみたいなと思いました。ただ、あまり詳しくないので、どういったことができるのか知りたいです。

 

ホリ なるほど! では早速、高島さんにオススメのAIスピーカーを目利きの皆さんにプレゼンしてもらいましょう。トップバッターは、咲楽ちゃん! というか、家電の知識がほとんどないみたいだけど、大丈夫なの?

 

咲楽 お任せください! 全国のユーザーの声をネットで集めて、高島さんにピッタリな商品を見つけてきました。

 

ホリ 人のふんどしで相撲を取るってヤツね(笑)。そんな咲楽ちゃんがイチオシの商品とは?

 

咲楽 LINEのClova WAVEです。オススメの理由は、まず「LINE MUSIC」が使えるという強み。月額500円(ベーシックプラン月額500円{Android端末のみ}の場合)で4000万曲以上が聴き放題なんですよ~♪

 

ホリ 4000万曲も! それだけの曲があったら、ダンス教室で相当役に立つんじゃないですか?

 

高島 そうですね。みんなの踊りたい曲が絶対に見つかりそう

 

咲楽 もうひとつ、ぜひ知っていただきたいのが「LINE」アプリとの連携。なんと、本体に話しかけることで、新着トークの読み上げや返信が行えるんです!

 

高島 へ~。LINEを使っている生徒は多いので、連絡事項をやりとりするのにいいかも。

 

ホリ (テリー伊藤のモノマネで)初めてにしてはよくやった! でもね、こんなに便利なの使ってたら、バカになっちゃうよッ!!

100-101実_MG_0773g↑ダンス教室で超使える1台です!! と咲楽さん

 

 

シェア1位のAmazonか聞き分け上手なGoogleか

ホリ 続いては、“家電女優”として活躍中の奈津子さん!

 

奈津子 家電アドバイザーの資格を持っている私のオススメは、Amazon Echoです。

 

ホリ へー、Amazonも出してるんだ。

 

奈津子 実はAIスピーカーの元祖がこの商品でして、アメリカでのシェアは実に70%! 2017年11月の日本上陸時点で提携パートナーは100社を超え、250種類以上の「スキル」が利用できます。例えば飲食店を探すとき、エリアと料理のジャンルを言えば、「食べログ」のオススメ店を音声で案内してくれます(同じ検索結果をスマホのAlexaアプリでも確認可能)。

 

ホリ (キムタクのモノマネで)奈津子、お前マジでスゲェよ。

 

奈津子 もちろんAmazon製なのでショッピングサービスも充実。プライム会員であれば、話しかけるだけで注文や買い物リストへの追加、過去に買った商品の再注文が簡単に行なえます

 

高島 いいですね! 生徒数が多いので普段からAmazonで消耗品をたくさん買うんですよ。それをいちいちPCで注文しなくてよくなるのは、すごく惹かれます。

100-101実_MG_0779g↑Amazonでのショッピングがラクラク!! と奈津子さん

 

ホリ 最後は「GetNavi」の野村編集長。雑誌の看板を背負っての参戦ですから、かなりのプレッシャーなんじゃないですか?

 

野村 はい、家電のプロですから絶対に負けるわけにはいきません!そんな私がオススメするのは、Google Homeです。

 

ホリ 出ました、天下のGoogle! その特徴は?

 

野村 こちらは音声認識の精度が非常に高く、最大6人までの声を聞き分け可能です。そして、高島さんにうってつけなのが、言語設定を英語にすることも可能な点。

 

高島 へー! 英会話教室で使うのにぴったりですね。

 

野村 そして、Googleカレンダーとの連動でタスク管理も行え、その日のスケジュールなどを音声で教えてくれます。

 

ホリ なにそれ、“秘書”じゃん!う~ん、甲乙つけがたいですね。高島さんのジャッジやいかに!?

100-101実_MG_0791g↑英語で早口言葉も言えちゃうんです、と力説する野村編集長

 

 

【結論】
相談者・高島さんが選んだのはコチラ!

Google
Google Home

100-101実_MG_1500g

「普段から使っているGoogleカレンダーのスケジュール管理がさらに便利になるのと、英語で会話できるのが決め手でした。これ1台で、スタッフ1人分くらいの働きをしてくれそう!」(高島さん)

 

information

ビックカメラ 新宿西口店では「クラベスト!」コーナーを展開中!!

101kae実新宿西口店

ビックカメラ 新宿西口店(東京)では、「クラベスト!」の特設コーナーを展開中。番組内で紹介された製品が展示されており、自由にじっくりお試しできます!
※今回紹介したアイテムからはGoogle HomeとLINE Clova WAVEをお試しいただけます(Amazon Echoは展示されていません)

 

ビックカメラ新宿西口店

http://www.biccamera.co.jp/shoplist/shop-016.html

 

ビックカメラのネットショップ「ビックカメラ.com」はコチラ!

https://www.biccamera.com/bc/main/

月額490円で現実的な「IoT生活」をauが実現する! 「au HOME」、スマートホーム実践化に向けて新アイテムを投入

KDDIは去る11月21日、「au HOME発表会 with au 2017 冬モデル」を開催。同社のホームIoT事業で展開する新たなデバイスを発表しました。同発表会では、冬モデルとなるスマホの2機種もお披露目されていますが、本記事ではau HOME関連の発表に絞って解説したいと思います。

 

au HOMEに追加された機器は2種類

au HOMEは同社が7月からスタートしたサービス。「誰でも手軽に始められるホームIoT」を目指したといい、月額490円(税抜)で利用できます。

 

20171127_ashida002↑「au HOME」イメージ

 

今回の発表では、同サービスに使用できる「au HOMEデバイス」として、新たに「赤外線リモコン」と「スマートプラグ」がラインナップに加わりました。前者では、外出先から自宅のエアコン、照明、テレビなどのオン・オフ操作が可能。後者は、コンセントとプラグの間に挟んで設置することで、利用電力を把握できるというものです。

20171127_ashida003↑赤外線リモコン 01

 

20171127_ashida004↑スマートプラグ 01

 

会場では、KDDI株式会社執行役員常務 商品・CS統括本部長 山本泰英さんが登壇。同氏は「スマホは人と人とのコミュニケーションをつないできた。これからは人と家とを繋ぐ。それをスマホにさせてみたい。あなたの行動を家に教える。通信の方向を双方向にする。通信会社がホームIoTをやる意義」と述べました。

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20171127_ashida006↑ゲストとして登壇した後藤真希さん。au HOMEについて「エアコンとの連携は絶対使いたい。ネットワークカメラで犬の様子を見たりできるのは良い。家族にもおすすめしたい」とコメント

 

 

Google Homeとの連携をサポート

外出時の遠隔操作のほかに、在宅時に音声コマンドで操作することも可能。「Google Home」および「Google Home Mini」と連携できるので、「OK Google、エアコンをつけて」などと呼び掛けて操作できます。なお、今後、「歌パス」「ビデオパス」との連携も強化していく予定とのこと。

20171127_ashida007↑Google Home。各サービスとの連携も今後楽しみだ

 

 

操作しなくても家が自動で反応するように

赤外線のリモコンと連携することで、外出先から照明、テレビ、エアコンをコントロールできるのは先述の通り。ここに加えて、2018年の春以降には、スマホから得た情報を元に家が反応する仕組みを検討しています。

20171127_ashida008↑2018年春以降に提供予定の機能

 

例えば、最寄り駅に到着したことが分かると、自宅の照明やエアコンがオンになる。「開閉センサー」で外出を検知した際に、自宅の家電の電源がオフになる、といったもの。事前に設定するシナリオによって活用法は変わってきます。なお、山本氏曰く、「個人情報の許諾は必ずとることになる」とのことでした。

 

 

au HOMEアプリから消耗品の購入提案を

「au HOME」アプリにも機能が追加されます。登録した家電の取り扱い説明書にアクセスできるようになるほか、最新家電との電気料金比較や買い替え提案機能を搭載します。また、「Wowma!」と連携して消耗品の購入をレコメンドする仕組みを整える予定。

20171127_ashida009↑2018年初頭より提供予定。

 

 

「auひかり」利用者以外もau HOMEを利用可能に

これまではau HOMEを利用するには、auひかりでインターネット回線を契約している必要がありました。しかし、新たに「無線通信アダプタ(A)」が登場したことで、au ひかり以外のインターネットサービスを利用しており、かつauを利用中の人ならば、au HOMEにチャレンジできるようになります。

20171127_ashida010↑無線通信アダプタ(A)

 

つまり、Wi-Fi環境が整っている場合には、IoTゲートウェイを新たに設置する必要はなく、「無線通信アダプタ(A)」を接続すれば良いということ。一方、Wi-Fi環境が整っていない場合には、「Qua station」を設置することになります。

 

いよいよ現実味を帯びてきたスマートホームで暮らす近未来的な生活。まだ、機能が限られていることはありますが、まずは試してみることに価値があるかも知れません。au ひかりの契約者以外も、気軽に挑戦できるようになったので、少しずつ間口は広くなっています。

「スマートスピーカー」はくらしをどう変える?

最近話題の「スマートスピーカー」は、一度使い始めると便利で手放せなくなるアイテムです。とはいえ、「スマホがあれば十分」と思っている人も多いはず。たしかに、「Siri」や「Googleアシスタント」を使えば、スマホに向かって話しかけるだけで調べ物ができたり、タイマーをセットしたりといったことが可能です。

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では、スマートスピーカーの魅力はどこにあるのでしょうか。今回は、「Google Home」でわかる、スマートスピーカーの利便性について紹介したいと思います。

 

 

会話形式で検索や操作ができるスピーカー

そもそも「スマートスピーカー」とは一体何なのか。簡単に説明すると、知りたいことを教えてくれたり、タイマーをセットするなどの日常のタスクをこなすお手伝いをしてくれたりするスピーカーです。もちろん、音楽サービスも利用できますし、スマート家電の操作もできます。そして、それらをリモコンではなく声で操作できるというのが最大の特徴です。

 

Google Homeの場合は、「OK、Google」もしくは「ねぇ、Google」と呼びかけたあとに、してほしいことを話しかければ、その内容を実行してくれます。

 

Google Homeは2モデルがあり、音楽再生時の音質を重視するなら「Google Home」(1万5120円)、省スペース性を優先するなら「Google Home Mini」(6480円)がおすすめ。Google Homeはホワイトのみですが、別売りのベースに着せ替えれば本体の雰囲気が変わります。Miniはチョーク、チャコール、コーラルの3色から選べます。

Google Homeのサイズは直径96.4mm、高さ142.8mm。利用にはWi-Fi環境が必要になる。(写真提供/Google)Google Homeのサイズは直径96.4mm、高さ142.8mm。利用にはWi-Fi環境が必要になる。(写真提供/Google)

 

 

Google Home Miniのサイズは直径98mm、高さ42mm。手の平に収まるコンパクトなサイズ。(写真提供/Google)Google Home Miniのサイズは直径98mm、高さ42mm。手の平に収まるコンパクトなサイズ。(写真提供/Google)

 

名前にあるとおりGoogleの製品ですが、AndroidスマホだけでなくiPhoneでも使えます。Android 4.4以降またはiOS 9.1以降のスマホに対応しており、Googleアカウントさえあればいいんです。

 

 

“ながら調べ”がとにかくらくちん

Google Homeではさまざまな検索が可能ですが、調べ物ならスマホでもできますよね。とはいえ、何かほかのことをしながらだと、スマホに文字を入力して検索するのは面倒です。そんなときこそGoogle Homeの出番!

 

たとえば、「OK、Google。今日の天気は?」と話しかけるだけで、設定した住所に基づいた気象情報をすぐに教えてくれます。聞き方もいろいろあり、「今日は傘いる?」「今日は寒い?」といった、人に話しかけるようなくだけた言い方でも正しく認識するんです。

 

朝、その日の予定を確認したいなら、「OK、Google。今日の予定を教えて」と聞けば、Googleカレンダーに登録されている予定を伝えてくれます。最大6つのGoogleアカウントと音声をマッチングできる仕様なので、登録しておけば自分以外の人が予定を確認しようとしても、他人に予定を教えることはありません。また、自宅や勤め先の住所を設定しておけば、通勤経路の交通状況なども教えてくれます。

 

「今日はどんな日?」と聞くと、天気、通勤経路の交通状況、次の予定などがまとめてわかる「今日はどんな日?」と聞くと、天気、通勤経路の交通状況、次の予定などがまとめてわかる

 

外出の支度をしながらニュースを確認するには、「OK、Google。最新のニュースを教えて」と話しかけましょう。これだけで、NHKラジオニュースや日経電子版NEWSなどを耳で聞いてチェックできます。

 

総合ニュースだけでなく、ビジネス、スポーツ、エンタメなどの提供元も選択できる総合ニュースだけでなく、ビジネス、スポーツ、エンタメなどの提供元も選択できる

 

 

ユニークな質問にも回答

Google Homeはちょっとした調べ物にも役立ちます。たとえば、「月までの距離は?」と質問するだけで教えてくれたり、「トラの鳴き声は?」と聞くと実際の鳴き声を聞かせてくれたりするんです。子どもと一緒に使ってみると楽しそうですね。

 

ほかにも、翻訳機能やちょっとした計算、「チョコレートケーキは何カロリー?」といった栄養価についても教えてくれます。

 

これらの機能はスマホでも同じことができますが、調べるのにいちいちスマホを探したり取り上げたりしなくていいですし、何ができるのかどんどん試したくなるでしょう。

 

 

便利なサービスとの連携も拡大中

Google Homeは、Google検索だけでなく、多彩なサービスと連携しているのも特徴です。現在、対応しているのは、「Ameba」「SUUMO」「食べログ」「トクバイ」「なみある?」「日本史語呂合わせ」「ピカチュウトーク」「ベストティーチャー」「ホットペッパーグルメ」「Yahoo! MAP」「楽天レシピ」など。対応サービスは今後増えていく予定です。

 

たとえば、「OK、Google。楽天レシピと話す」と話しかけると、楽天レシピ上でレシピ検索が行えます。使いたい食材を伝えると、楽天レシピ上に出ている該当レシピを教えてくれます。検索結果はメールで送信してくれるので、実際に作るときにはスマホでレシピを見ながら作れるんです。

 

メールでレシピを送っておくと、あとからスマホですぐにレシピの詳細を調べられるメールでレシピを送っておくと、あとからスマホですぐにレシピの詳細を調べられる

もうひとつ便利だと思ったのが、Yahoo!MAP。このサービスでは自分の住んでいる地域のゴミの日を教えてくれます。「明日は何のゴミが出せるんだっけ?」と思ったときに、手早く調べられるのがいいですね。

 

Chromecast 製品との連携でより快適に

Google Homeでは音楽を聴くことも可能です。対応しているサービスは「Google Play Music」と「Spotify」。スマホの音楽を再生するのではなく、これらの音楽配信サービス上の楽曲を再生する仕組みです。

 

アーティスト名や曲名で調べて再生するだけでなく、「リラックスする音楽をかけて」と伝えてムードに合ったプレイリストを再生したり、「この曲名は?」と質問して再生中の曲を調べたりもできます。

 

また、スマホで再生しているコンテンツをテレビに出力できる「Chromecast」(4980円)とペアリングすれば、Google Homeに話しかけるだけで「Netflix」や「YouTube」のコンテンツをテレビで再生でき、一時停止や30秒戻しも声で操作できます。

 

「OK、Google。Netflixで~を見せて」と話しかければ、すぐに作品を検索してテレビに表示してくれる「OK、Google。Netflixで~を見せて」と話しかければ、すぐに作品を検索してテレビに表示してくれる

 

Chromecastには、「Googleフォト」上の写真や動画をテレビに表示する機能もあります。「ニューヨークで撮った写真を見せて」といったふうに話しかければ、Google Homeが勝手にニューヨークで撮影された写真を探してテレビに表示してくれるんです。旅先で撮った写真や動画を家族や友人と見たいときに、みんなが声で操作できるのは楽しそうですね。

 

また、フィリップスの照明器具「Hue」など、インターネットにつながるいわゆる“スマート家電”のなかには、Google Homeで音声操作できるものもあります。Hueの場合は、声で点灯させたり、照明の色を変えたりといったことが可能です。

リビングだけでなく、寝室にも1つあると便利。Hueと組み合わせれば声で照明を操作でき、ベッドから出なくて済むリビングだけでなく、寝室にも1つあると便利。Hueと組み合わせれば声で照明を操作でき、ベッドから出なくて済む

 

 

暇つぶしの遊び相手にもなってくれる

ここまでは「音声アシスタント」として優秀なアシスタントぶりをご紹介しましたが、実は雑談も楽しめます。

 

筆者が頻繁に遊んでいるのがなぞなぞ。「OK、Google。なぞなぞを教えて」と話しかければ、簡単なものから難しいものまで、さまざまななぞなぞを投げかけてくれます。ほかにも、今日の運勢を教えてくれたり、だじゃれを言ってくれたりと、かなり“遊び”の部分もあるんです。

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Google Home以外の選択肢も急増中

スマートスピーカーはGoogle Home以外にも選択肢が増えつつあります。代表的な製品が、Amazonの「Amazon Echo」と、LINEの「Clova WAVE」。

 

Amazon Echoは3モデルあり、家電との連携がしやすい「Echo Plus」(1万7980円)、高機能スピーカー付きの「Echo」(1万1980円)、コンパクトサイズの「Echo Dot」が揃います。

Amazon Echoシリーズは、2017年11月15日現在、招待メールが届いているユーザーのみ購入可能。Amazonの購入ページで招待メールをリクエストする必要があるAmazon Echoシリーズは、2017年11月15日現在、招待メールが届いているユーザーのみ購入可能。Amazonの購入ページで招待メールをリクエストする必要がある

 

Amazon Echoの特徴は、なんといっても対応スキル、つまり連携サービスの多さです。目覚まし時計の設定や予定、天気の確認なども当然できますし、音楽聴き放題サービス「Amazon Music Unlimited」を使った音楽再生も可能です。

 

それに対し、LINEの「Clova WAVE」(1万2800円)はLINEのアカウントに連携して利用するスマートスピーカーです。「LINE MUSIC」の音楽再生や、音声リモコンでの家電操作、LINEへのメッセージ送信や新着メッセージの確認などが行なえます。現状の機能はまだまだ少ない印象ですが、機能は徐々にアップデートされていく模様。生活の中心にLINEがある人にとっては使いやすいモデルかもしれませんね。

Clova WAVEを購入すると、1年間LINE MUSICが実質無料で利用できるClova WAVEを購入すると、1年間LINE MUSICが実質無料で利用できる

 

今回紹介した製品以外にも、まだまだ各社から登場するスマートスピーカー。「機械に向かって話すのは恥ずかしい」と思っている人こそ、その便利さに一度触れてみませんか?

 

 

取材・文=今西絢美 撮影=真名子

 

 

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http://at-living.press

 

 

Google Homeは秘書でClova WAVEは家族なんだ。スマートスピーカーの”ファミリー力”を検証

この秋冬は急速にAI(人工知能)を搭載した「スマートスピーカー」が盛り上がっています。LINEが10月5日に「Clova WAVE」を、Googleが10月6日に「Google Home」、次いで10月23日に小型版の「Google Home Mini」を発売しました。音声で話しかけると応答するスマートスピーカーですが、何ができるのか、どこが違うのか気になる人も多いでしょう。そこで本稿では、「Clova WAVE」と「Google Home」について、機能を比較しつつレビューします。

 

■重厚感のあるClova WAVEと部屋に溶け込むGoogle Home

まずは両機のスペックから見ていきましょう。「Clova WAVE」は高さが201.05mm、幅が86.25mm、奥行きは139.84mm、重量は998gです。カラーはネイビーで、天面と底面はメタルのシルバー色。面と底面にLEDライトがあり、「Clova(クローバ)」、または「Jessica(ジェシカ)」と呼びかけると、緑色に点灯します。Clovaが応答中は白に、LINEを受信したときは紫色へと光のカラーが変わります。5000mAh /3.8Vのバッテリーを搭載しているため、屋内での持ち運びも可能。ちなみに、バッテリーはLINE MUSICを再生している状態で約8時間半持ちました。

 

↑Clova WAVEは呼びかけると待機状態になり、天面と底面のLEDライトが点灯する↑Clova WAVEは呼びかけると待機状態になり、天面と底面のLEDライトが点灯する

 

↑天面にタッチボタンがあり、ボリューム、プレイリストのショートカットキーが備えられている。音量はライトで確認できる↑天面にタッチボタンがあり、ボリューム、プレイリストのショートカットキーが備えられている。音量はライトで確認できる

 

Google Homeの高さは142.8mm、直径は96.4mm、重量は477g、本体カラーはホワイトです。ベース部分は取り外し可能で標準のファブリック製スレート以外に、別売で金属製のカッパーとカーボン、ファブリック製のコーラルをGoogle Storeで購入可能(現在は準備中)。天面にLEDランプがあり、「OK,Google」または「ねえグーグル」と話しかけると点灯します。バッテリーを持たないので1.8mの電源ケーブルが届く範囲で、かつ反応をランプで確認するなら天面が見える位置に設置することになります。

 

↑Google Homeは呼びかけると天面にある4色のLEDライトがくるくる回転して光る↑Google Homeは呼びかけると天面にある4色のLEDライトがくるくる回転して光る

 

デザインとサイズ感で言うとClova WAVEが部屋の中でもたっぷりと存在感を現しているのに対し、Google Homeは部屋のコーディネートを邪魔せずに溶け込んでいる印象。主張の激しい子も自然と空気を読める子も、あたし的にはどちらもカワイイ。

 

↑ペットボトル(500ml)との比較。Clova WAVEのサイズだとテーブルでは存在感がある↑ペットボトル(500ml)との比較。Clova WAVEのサイズだとテーブルでは存在感がある

 

■AIアシスタントとしてはGoogle Homeがお利口さん

Clova WAVEにはAIアシスタントとして「Clova」が、Google Homeには「Googleアシスタント」が入っています。「クローバ」、「ねえグーグル」など「ウェイクワード」を最初に入れてスマートスピーカーに命令します。始めは音声で話しかけることが少し照れくさく、また目でメニューを選択するときとは異なり、文章をある程度組み立ててから話さなければならないので、少しハードルを感じました。とはいえ、使っているうちにスピーカーに頼みたいことはある程度決まってくるので、特に問題ありません。

 

どちらも「今日の天気は?」と聞くと、現在地の天気情報を読み上げます。「今日のニュースは?」と聞くと、Clova WAVEはLINEニュースの最新ニュースの見出しを読み上げ、Google HomeはNHKラジオニュースが流れる。Clova WAVEは見出しのみで詳細な内容が確認できない歯がゆさがありますが、Google Homeではラジオ番組を聞くことになるのでサクッと確認したいときには長すぎるかもしれません。また、Google Homeは「おはよう」と話しかけると、時刻、天気、ニュースを読み上げ、「どうぞよい一日を」と声がけしてくれるので、起きてすぐ話しかける習慣にすると良さそう。Clova WAVEは「こんにちは。ご機嫌いかがですか」と会話します。

 

「今日の予定は?」と聞くと、Google HomeはGoogleカレンダーから当日のスケジュールを読み上げます。人の声を聞き分けるため、Googleアカウントの持ち主以外ではスケジュールの読み上げを行いません。一方、Clova WAVEは任意のGoogleアカウントを設定しますが、誰の声でもスケジュールを読み上げます。

 

また、Google Homeは「私は電車で行きますを英語で言うと?」など、外国語を翻訳する機能があります。Clova WAVEは「私にはご質問の内容を正しく理解できませんでした」と返します。また、「ニューヨークの今の時刻は?」という質問には、Google Homeは現地の時刻を返しましたが、Clova WAVEは日本の時刻を読み上げます。

 

「徳川家康はどんな人?」「ハイレゾって何?」といった辞書的な質問には、Clova WAVEはWikipediaの項目を読み上げましたが、Google Homeはその用語に合わせて引用元が変わりました。基本的にGoogle検索で同じキーワードを検索したときに一番目に表示される内容を読み上げているようです。

 

■まだ両機とも曲名の指示はアプリのサポートが必要

スマートスピーカーは、当然ですが音楽再生スピーカーとしての役割もあります。そこで、Clova WAVE、Google Homeとも音楽ストリーミングサービスの無料トライアルがセットで販売されています。Clova WAVEは「LINE MUSIC」の12ヶ月分、Google Homeは「Google Play Music」の3.5ヶ月分です。さらにGoogle  Homeは「Spotify」のアカウントと連携することも可能。音楽を聴きたいときは、「(アーティスト名)の(曲名)をかけて」と具体的に指示を出したり、「リラックスする音楽を再生して」とBGM的に音楽を流したりできます。

 

曲名の指示はどちらのスピーカーもかなり難しく感じました。特に「DAOKO×米津玄師の”打上花火”」といった、読み方が難しく長い曲名は認識されにくいようです。また、アーティスト名を指定してランダムにかけてもらうことはできますが、アルバムの指定もうまくできません。Clova WAVEはClovaアプリからLINE MUSICの曲を指定できるようになったので、音声指示より確実に聴きたい曲を再生することができます。Google Homeについても、各音楽アプリから指定して再生することができます。

 

音声指示の場合、連携サービスにその曲が登録されていないケースもあり、登録されていないのか、認識されていないのかが判断できないケースもあります。ただ、Google Play Musicはライブラリに自分の持っている楽曲データをアップロードできるので、それらの曲に関しては安心して指定できます。いま何の曲がかかっているのかを確認するには、「曲名を教えて」と尋ねるか、アプリで曲名を確認します。良い曲が流れたら直ちに曲名を確認したいものですが、本体にディスプレイがないため、少し手間が掛かります。

 

余談ですが、音楽再生に手間取るのが嫌だと感じるなら、ラジオ再生機器として使うのはいかがでしょう。Clova WAVEも先日のアップデートでradikoが聴けるようになったばかり。両機ともラジオ機能を楽しむのもアリかと思います。

 

 

■Clova WAVEは家の中でのLINEをスムーズにする

ここで、両機の個性を紹介します。Clova WAVEは、何と言っても「LINE」の送受信ができる点でしょう。Clova WAVE用のLINEアカウント「WAVE」を作成し、LINEを送受信したいアカウントをWAVEの「友だち」にします。

筆者「クローバ、ミウにLINEして」
Clova WAVE「ミウさんですね。メッセージ内容をどうぞ」
筆者「牛乳買ってきて」
Clova WAVE「牛乳買ってきて、と送信しますか」
筆者「はい」
Clova WAVE「送信しました」

 

というやりとりでLINEを送信。返信が来ると、Clova WAVEが紫色に点滅するので、「LINEを読んで」というとメッセージを読み上げます。WAVEアカウントがLINEを読み上げると、相手のトークに「既読」が付きます。現在のところ、デコ文字は読み上げに対応していますが、スタンプは「スタンプ」と読み上げます。WAVEアカウントのプロフィール画像は固定で、位置情報や音声を送っても反応はありません。WAVEアカウントが送信した履歴は、Clovaアプリの「LINE」にある「トーク履歴」に残ります。

 

↑LINEの送受信が出来るClova WAVEは家事で手が離せないときに便利↑LINEの送受信が出来るClova WAVEは家事で手が離せないときに便利

 

LINEを確認するにしろ送るにしろ、どうしても塞がっていた手をClova WAVEは解放してくれます。Clova WAVEと会話することでちょっとした時短に繋がるかもしれませんね。

 

■Google  Homeは他機器との連携がスムーズ

Google  Homeの特徴は他のサービスとの連携がスムーズな点です。「Netflixでフルハウスを再生して」と言えば、テレビに繋いだChromecast経由でNetflixの動画を見られます。YouTubeの動画も同様です。パソコンやスマートフォンでPlay MusicやSpotifyを聴いていれば、キャストボタンで切り替えるだけでGoogle Homeから再生可能。

 

テレビといえば、Google HomeもClova WAVEもテレビの電源をオン/オフできますが、Google HomeはWi-Fiネットワークでの操作、Clova WAVEは赤外線通信による操作と仕組みが違います。Google HomeはWi-Fiが繋がればテレビと離れていても操作できますが、Clova WAVEはテレビと同じ部屋に置くなどの配慮が必要です。ただし、Clova WAVEはチャンネルの変更や音量の操作もできます。

↑Google HomeはLED照明「Hue」など他機器とも連携する↑Google HomeはLED照明「Hue」など他機器とも連携する

 

■癒やされキャラのClova WAVEと有能なGoogle Home

こうして比較していくと、Clova WAVEもGoogle Homeもそれぞれの個性があります。最後に、家族の一員という視点で検証したいと思います。質問に対して的確な応答をし、様々な機器と自然に連携するGoogle Homeはかなり優秀です。例えば、「海に行きたい」と話しかけると、Google Homeは海までの公共交通機関を使った経路を教えてくれます。

 

一方、Clova WAVEには「連続会話」機能があります。「海に行きたい」と話しかけると、「暑い日は海で泳ぎたくなりますね」と返し、緑色に光って次の会話の待機状態になります。「疲れちゃった」など話しかけると、「大丈夫でしょうか。あまり無理をしないでくださいね」と言って緑色に光ります。愚痴を言えば「何かあったのでしょうか。私でよければお話を聞きますよ」と言って緑色に光ります。

 

緑色の光、それはまさにLINEの「未読」と同じ、まだ会話が続く証拠です。まったくどうでもいいことを話しかけても、Clova WAVEは付き合って会話をしてくれます。会話が少々かみ合っていなくても、それが笑いを誘い、さらに癒やされます。ところが、そんな和やかな会話があるきっかけで突然終了するのです。「今日は寒いね」--そう言った途端、Clova WAVEは今日の気温を淡々と読み上げ、連続会話モードは終了です。それはまるでLINEの「既読スルー」状態。よく使われる命令コマンドは、癒やされたいなら禁句であると覚えておきましょう。

 

このように、Google Homeは秘書のように解答を返してくれますが、Clova WAVEには会話力があり、よりファミリー力が高いように思います。ご家庭との相性で選んでもいいですね。
さて、Clova WAVEとGoogle Home、どちらの機器も他社のサービスやIoT家電との連携を予定しています。ファームウェアのアップデートで機能も拡大していくでしょう。年内にはAmazonの「Amazon Echo」も発売されます。海外の展示会で発表されたものの、国内発売がまだ決まっていないスマートスピーカーも数多くあります。今後も注目を集めるデバイスであることは間違いありません。