スマホで振り返る2017年――1年を彩った印象的なプロダクト&サービスの数々(後編)

2018年も始まり、およそ一週間後には世界最大のエレクトロニクス製品・サービスの見本市「CES 2018」が開幕されますが、ますます我々の日常生活においてテクノロジーがめまぐるしく進化していくでしょう。本記事では、そんな新たな年の進化を見逃さないために、生活必需品とまで言えるまでに普及してきたスマートフォンを始め、タブレット、スマートウォッチといった通信関連の商品・サービスに注目して、2017年がどんな1年だったのかを探っていきたいと思います。年中モバイルを追い続ける筆者が昨年で「印象的だったな」と感じた20のネタをピックアップ!本記事では前編に続き、後半の10個をご紹介します。

 

前編はこちら

 

(1)「iPad Pro」に10.5インチサイズが登場し、普及のきっかけに

iPad Proは12.9インチモデルと9.7インチモデルの2種類が展開されてきましたが、2017年に9.7インチが10.5インチモデルへと刷新されました。従来よりもベゼルが薄くなり、旧9.7インチとさほど変わらないサイズ感のまま大画面化した同モデルに人気が集中。

 

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筆者も、空港などでiPad Proを持ち歩いている人をよく見かけるようになりました。

 

(2)LINEの「Clova」が発表され、次第にスマートスピーカー祭りへ

「スマートスピーカー」の先陣を切ったのはLINEClovaでした。7月から先行体験版の受付が始まり、8月から順次発送に。10月の正式版発売では「LINE MUSIC」がセットになったお得なパックも展開されました。

 

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その後、10月にGoogleが「Google Home」関連デバイスを、翌11月にAmazonが「Alexa」とEcho関連デバイスを発売。様々なメディアにスマートスピーカーの比較記事が掲載されるようになり、その実力が次第に明らかになってきましたね。あとはAppleの「Home Pod」がいつ日本市場に参入するのかが気になりますね。

 

(3)久々のSペンにファンが歓喜した「Galaxy Note 8」リリース

サムスンは8月に、スタイラスペンを内蔵するスマホ「Galaxy Note8」を発表しました。国内で取り扱われるNoteシリーズとしては、NTTドコモが2014年10月に発売した「Galaxy Note Edge SC-01G」から3年ぶりとなる新モデルとなります。

 

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同機は、「S8/S8+」に採用された縦横18.5:9のインフィニティディスプレイを踏襲するほか、トレンドであるデュアルレンズの背面カメラを搭載。また、Sペンを使ってアニメーションを描く機能など、新機能がふんだんに追加されています。国内未発売の「Galaxy Note7」で生じた発火問題を見事乗り越え、安全性にもしっかりと配慮した同機。2017年を代表する名機の一つに仕上がりました。

 

(4)シリーズの象徴であるホームボタンを撤廃――「iPhone X」に衝撃走る

新設された社屋「Apple Park」にあるスティーブ・ジョブズ・シアターにて、スペシャルイベントが開催されました。やはり、注目はシリーズ10周年を迎えたiPhone。ホームボタンを撤廃した「iPhone X」のデザイン変更は大きな話題となりました。

 

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象徴的な変化は、ホームボタンがなくなったこと。画面下部には、ホームインジケーターバーが表示され、ここをスワイプアップすると、ホーム画面に戻ります。また従来シリーズでは、ホームボタンに指紋認証機能が搭載されていましたが、これも廃止。そのかわりTureDepthカメラシステム(インカメラ)に組み込まれた「FaceID」機能で、顔認証を利用するように変わりました。

 

(5)ついにセルラー通信機能を搭載した「Apple Watch Series 3」も話題に

iPhone Xと同日に発表された「Apple Watch Series 3」も大きな進化を遂げました。リューズにある赤丸が目印の「GPS+セルラーモデル」では、ウォッチ単体で通信を利用することが可能に。つまり、iPhoneが手元になくても、通話などの機能を利用できます。ただし、通信を利用するには大手3キャリアとの専用プランを契約する必要です。

 

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また、小さな変化ですが、気圧高度計を内蔵したことも改良点の一つ。ランニングなどの際にどのくらいの高度変化があったのかを測定できるようになりました。ちなみに、ディスプレイ内部にアンテナを忍ばせることで、従来デザインをほぼ変えずに通信機能の追加が実現されていることもポイント。

(6)Androidベースのコミュニケーションロボット「Xperia Hello!」登場

ソニーのスマートプロダクトから、コミュニケーションロボット「Xperia Hello!」が登場。瞬き、首をかしげるなどのジェスチャーによる感情表現が可能で、胸部にはタッチディスプレイが搭載されています。

 

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「ハイエクスペリア」と呼び掛けて、音声コマンドにて操作。ディスプレイをタッチする必要があることもあります。どことなくスマートスピーカーっぽいですが、あくまでもコミュニケーションロボットという扱いです。卓上に置けて扱いやすいサイズ感がポイント。そして、顔認識により、登録者を見かけると、ニュースや交通情報などをガンガン話し掛けてきます。能動的に発話できることは、同機ならではの特徴です。

 

(7)NTTドコモから2つ折りのスマホ「ZTE M」が発表される

NTTドコモが冬春モデルとして発表したZTE製のスマホ「M Z-01K」は、2つ折りにたためるディスプレイを搭載。

 

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普通のスマホとして使うときの「通常モード」、広げて1枚のディスプレイとして表示する「大画面モード」、各画面を別々に使用する「2画面モード」、同じ画面を表示する「ミラーモード」の4つを切り替えて使用できる。同機は2018年1月以降に発売予定。気になる人は年明けからチェックしておきましょう。

 

(8)トレンドはAIチップ内蔵のCPU! SIMフリーでは「HUAWEI Mate 10 Pro」が先行搭載

今年発表されたiPhoneでは、チップセットに機械学習処理を行うための「ニューラルエンジン」が組み込まれました。また、SIMフリースマホでもHUAWEIが提供するハイエンドモデル「Mate 10 Pro」がAI対応チップセットを搭載しています。

 

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こうしたチップセットの恩恵は利用者には直接的に見えづらいものですが、大きな部分では、機械学習的な処理の負荷を低減・効率化しています。それにより、どうやらレスポンスのアップや、電池持ちの向上が期待できるらしいです。

 

Mate 10 Proでは、カメラにもAI対応チップセットを上手く活用しています。具体的には、被写体を自動的に認識し、花や食べ物など、被写体に合わせた撮影モードの調整を実行可能。2018年のハイエンドモデルには、こうしたAIチップセットを活用した端末が増えるかもしれませんね。

 

(9)「Xperia XZ Premium」がMVNOでセット販売開始へ

HUAWEIを筆頭に、ASUSやモトローラなど、海外メーカーが中心を担っているSIMフリー市場。日本メーカーからは、目立った端末がしばらく登場していませんでした。そんな中、11月にソニーがXperia XZ PremiumをSIMフリーモデルとして販売すると発表。国産ハイエンドモデルの取り扱いは非常に稀なので、「おっ……」と目に留まります。

 

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しかし、複数キャリアで販売されるわけではなく、あくまでも「nuroモバイル」限定のセットプランで購入できるというものに留まりました。

 

(10)GoogleのVRプラットフォーム「Daydream」が日本上陸へ

Googleは12月、日本においてVRのプラットフォーム「Daydream」の提供を開始しました。また、Googleストアにて、VRヘッドセットの「Daydream View」も販売しています。

 

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なお、ラインアップはチャコールブラックの1色のみ。ちなみに、Daydreamをサポートしている端末は、限られており、既存の全てのスマホで利用できるわけではないので注意が必要です。NTTドコモでは、LGのV30+を購入する場合には、Daydream Viewがプレゼントされるキャンペーンも実施しています。なくなり次第終了となるので、お得に試したい人は早めに。

 

2017年を振り返り–2018年はAIの普及に注目

こうして振り返ってみると、2017年は多くのメーカーにとって「変革」が求められた1年だったのかもしれませんね。2018年はこうした変革が受け入れられて、洗練されていくのか、または新たな変化が求め続けられるのか、気になるところです。また、AIがスマートフォンやスピーカーなど、私たちの身近な場所に進出してきた1年でもありました。こちらは2018年も増々私たちの生活に深く関わってくることになるでしょう。少しずつAI任せになっていく生活は、少し怖くもありつつ、同時に楽しみでもあります。

iPhone X、Galaxy Note 8と並んだ! 「HUAWEI Mate10 Pro」のスゴみを超濃厚レビュー

ファーウェイ・ジャパンは、同社の最上位シリーズに位置付けられるMateシリーズの最新モデル「HUAWEI Mate10 Pro」を発売しました。実売価格は9万6984円。筆者の記憶に誤りがなければ、日本で発売されるSIMフリーのAndroidスマホの中では最高クラスの額です。しかし、従来ファーウェイのスマホは、ハイスペックながら他メーカーのスマホよりもお手頃で、コスパが高いという印象がありました。Mate 10 Proには、その価格にふさわしい性能を備えているのか? むしろお買い得なのか? 発売間もない注目端末をしっかりとレビューしていきたいと思います。

 

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6インチの大画面だけど、持ちやすい

Mate 10 Proは約6.0インチのOLED(有機EL)ディスプレイを搭載。画面アスペクト比は18:9で、解像度は2160×1080ドット。フルHD(1920×1080ドット)の横幅はそのままに、縦に伸ばした印象です。

 

サイズは約H154.2×W74.5×D7.9mmで、重さは約178g。ちなみに、5.5インチ画面のiPhone 8 Plusの横幅は78.1mmで、5.8インチ画面のiPhone Xは70.9mmなので、ちょうどその中間くらい。ファーウェイによると、Mate 10 Proの画面占有率は81.61%でiPhone X(81.36%)より高く、画面の面積も16%ほど広いそうだ。大画面と持ちやすさを両立させたサイズ感といっていいでしょう。

 

02↑6インチの有機ELディスプレイを搭載

 

03↑背面にはデュアルカメラと指紋センサー

 

04↑5.8インチ画面のiPhone X(右)に比べると、かなりディスプレイ面積が広い

 

手にしただけでリッチ感を味わえる

筆者は、昨年来、HUAWEI P9 → HUAWEI P10 Plusと、ファーウェイの歴代ハイエンドモデルを使っていますが、新モデルのMate 10 Proで、個人的に高く評価しているのがデザインです。背面パネルはフィルムとガラスを5層に重ね、シックな色合いながら美しい光沢を生み出しています。

 

ここ最近、ミドルクラス以上のスマホは、プラスチック素材を用いることが減り、ガラスやアルミニウム合金の使用が増えています。ハイエンドモデルでは、さらにリッチ化が進み、独特の手触り感や深い色合いなど、高級品だけが持つ質感を競うフェーズに入っているように思います。Mate 10 Proは、落ち着いた色合いながら、鏡のように反射し、触れているだけで心地よい手触り感が得られます。そのまま使いたいところですが、汚さないようにケースに入れようかと悩むことになりそう。

 

ボタン配置はベーシックなので、他メーカーのスマホから乗り換えた人にもわかりやすく作られています。指紋センサーは背面に搭載。IP67等級の耐水・防塵に対応させたためか、イヤフォンジャックは搭載されておらず、USB-C端子を兼用しています。最大384kHz/32bitのハイレゾ音源の再生にも対応しており、ハイレゾ対応のイヤホンも同梱されていますが、手持ちのイヤホンで聴きたい場合は、同梱の変換アダプタを使う必要があります。

05↑右サイドに電源ボタンと音量ボタン

 

06↑左サイドのSIMスロットには、nanoサイズのSIMを2枚セットできる。microSDには非対応

 

07↑下部のUSB接続口はType-C。キャップレスだが、IP67の耐水・防塵に対応

 

08↑Type-Cに接続できるステレオイヤホンを同梱。Type-Cと3.5mmの変換アダプタも付属

 

09↑背面に指紋センサーを搭載

 

↑指紋センサーをシャッターとして使ったり、下になぞって通知パネルを表示したりできるのが便利↑指紋センサーをシャッターとして使ったり、下になぞって通知パネルを表示したりできるのが便利

 

11↑キーボードのサイズを変えたり、画面全体を縮小するなどして、片手でも操作可能

 

最大の特長は、AIプロセッサ内蔵のチップを搭載したこと

OSはAndroid 8.0で、CPUはKirin 970(2.36GHz×4 + 1.8GHz×4)。このKirin 970には、AI専用のNPU(Neural-network Processing Unit)が組み込まれています。これにより、AIの演算力において、パフォーマンスは従来比で約25倍、電池効率は従来比で約50倍を実現しているとのこと。わかりやすく言えば、いろいろな場面でスピーディーに操作でき、電池も長持ちするというわけです。

 

Mate 10 Proは、そもそも4000mAhの大容量バッテリーを搭載しているので、電池持ちは良いのだが、筆者が実際に使った印象では、ネットを見たり、写真を撮ったりすることが多いヘヴィユーザーでも余裕で1日持つのではないかと感じました。

 

↑簡単にシステムを最適化できる機能を備えているが、使わずとも快適に操作できそう↑簡単にシステムを最適化できる機能を備えているが、使わずとも快適に操作できそう

 

↑省電力モードも搭載しているので、旅行や出張時にも安心↑省電力モードも搭載しているので、旅行や出張時にも安心

 

F1.6の明るいレンズ&AIプロセッサで、カメラ性能が飛躍的に向上

Mate 10 Proは、ライカ製のダブルレンズを搭載し、ライカが認める画質で撮影できることもアドバンテージです。

 

ファーウェイ製のスマホの中では、PシリーズとMateシリーズ(ただし、liteモデルを除く)がライカのレンズを搭載しています。新モデルが出るたびに、性能のアップデートが図られており、Mate 10 Proのカメラの仕様は、1年前に発売された前モデル・Mate 9よりも、今夏に発売されたHUAWEI P10 Plusに近いです。P10 Plusと同様に、背面のメインカメラは1200万画素のカラーセンサーと2000万画素のモノクロセンサーで構成され、デジタル一眼で撮ったかのように、背景をぼかしたり、奥行きが感じられる画質で撮影できます。

 

従来モデルからの進化点は、まず、レンズのF値が1.6になったこと。ちなみに、Mate 9はF2.2で、P10 PlusはF1.8だったので、1年間で飛躍的に明るくなったといえます。実際に撮影してみると、明るいレンズの威力は絶大。これまで苦手としていた夜景も明るく撮れて、しかも、速いシャッタースピードが得られるので手ブレも起こしにくい。P10/P10 Plusから引き続き、「ポートレート」モードも搭載されているが、薄暗い場所でも、わずかな光を効率的に取り込み、人物の肌を明るく撮れるようになりました。

↑薄暗い夕暮れ時に「ポートレート」モードで撮影

 

↑あとで背景ボケを調整できる「ワイドアパーチャ」を有効にして撮影

 

↑「モノクロ」で撮影

 

↑手持ちでもブレずに夜景を撮れる

 

↑料理写真もインスタ映えしそうだ

 

↑「ワイドアパーチャ」を有効にして撮影すると、絞り値が0.95〜1.6の範囲で、ボケ味を調整できる↑「ワイドアパーチャ」を有効にして撮影すると、絞り値が0.95〜1.6の範囲で、ボケ味を調整できる

 

そして、Mate 10 Proならではの特長といえるのが、AIプロセッサによる機能追加です。1億枚以上の画像学習により、被写体や撮影シーンを瞬時に検知して、最適な設定が自動的に行われる機能が加わり、プロフェッショナルモード(手動モード)を使わずとも、プロが撮ったかのように、いい感じで撮れるようになりました。これまでのスマホにも被写体によって選択できる「シーンセレクト」的な機能を備える機種はあったが、Mate 10 Proは独自のAIアルゴリズムを採用しており、単純に13パターンのプリセットがあるわけではなく、撮影状況によって、背景のボケ度合いなども変わるそうです。

 

↑夜景にカメラを向けると、画面左下に月のアイコンが表示され、被写体を正しく検知したことがわかる↑夜景にカメラを向けると、画面左下に月のアイコンが表示され、被写体を正しく検知したことがわかる

 

↑料理を撮ろうとすると、食器のアイコンが表示。フィルムモードを「鮮明な色」や「ソフトな色」に変えて、色味を変更することも可能↑料理を撮ろうとすると、食器のアイコンが表示。フィルムモードを「鮮明な色」や「ソフトな色」に変えて、色味を変更することも可能

 

23↑13の被写体&シーンをAIで検知。犬と猫は、それぞれ別の被写体として認識し、動きも予測するという

 

800万画素のフロントカメラにも、ライカのレンズを採用。F値は2.0で、シングルレンズながら、背景を美しくぼかす「ポートレート」モードでの撮影が可能。美肌の度合いを設定することもでき、男子にも役立ちそうですが、不自然な仕上がりになることもあるので、やりすぎは危険だと感じました。

 

↑フロントカメラの「ポートレート」で「芸術的ボケ味」を有効にして、「ビューティーレベル」を「5」に設定して撮影

 

↑夜景を背景にしたセルフィーも明るく撮れた

 

翻訳アプリを使って、AIの恩恵を実感!

Mate 10 Proを使っていて、最もAIチップのすごさを実感できたのが翻訳アプリ。「Microsoft翻訳」をファーウェイ向けにカスタマイズしたものがプリインストールされているのですが、その使い勝手は「神」と呼びたくなるレベル。マイクボタンをタップして、日本語を話すだけで、設定した外国語に瞬時に翻訳され、ちょっとした言い間違いも補正してくれます。翻訳結果は、リアルタイムで画面に表示され、音声が流れるので、海外旅行などで重宝すること請け合いです。

 

↑プリインの「Microsoft翻訳」アプリの使い勝手が抜群↑プリインの「Microsoft翻訳」アプリの使い勝手が抜群

 

↑日本語を話すると、ほぼ瞬時に翻訳される印象↑日本語を話すると、ほぼ瞬時に翻訳される印象

 

外国語表記にカメラをかざして翻訳することもでき、反応もびっくりするほど速い。テキスト入力で翻訳したりでき、まだ試していないが会話モードもあるので、外国人へのインタビューにも活用できるのではないかと期待しています。

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↑ファーウェイの英語版サイトにカメラをかざして翻訳してみた結果。同様の機能は「Google翻訳」にもあるが、それよりも圧倒的に速い

 

約10万円の価値はあるのか?

1週間ほどMate 10 Proを使ってみて、毎日のように活用できたのは、やはりカメラ。筆者は、同じくライカのダブルレンズを搭載するP10 Plusを使っていますが、Mate 10 Proの明るさは段違い。カメラが苦手とするシチュエーションでも、効率よく光を取り込むので、実際よりも明るく、しかもナチュラルな色味で撮れるのが魅力。P10 Plusの発売時の実勢価格は7万8624円(税込)だったので、1万8360円高くなりましたが、その差額以上の価値があるように感じました。

 

Mate 10 Proは「DSDV」に対応していることも注目されています。これは「デュアルSIM・デュアルVoLTEスタンバイ」の略。これまで、SIMフリースマホのハイエンドモデルは、DSDS(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)が主流でした。DSDSは2枚のSIMを挿せて、1枚は2G・3G・4Gに対応し、もう1枚は2G・3Gに対応する仕様。データ通信に4GのSIMを使い、音声通話は4Gと3Gの両方で待ち受けするという使い方が一般的でした。日本だけでなく、海外でも4Gが普及しており、今後、DSDVが主流になっていくことは間違いありません。海外に出かける機会が多い人や、スマホを長く使う想定の人は重視すべき機能でしょう。ただし、日本国内で使う場合、ソフトバンクのVoLTEにしか対応していないので注意が必要です。

 

↑日本国内ではNTTドコモとソフトバンク回線での利用に適している。通話中に4Gでネット接続することも可能↑日本国内ではNTTドコモとソフトバンク回線での利用に適している。通話中に4Gでネット接続することも可能

 

30↑カラバリは、チタニウムグレー(左)とミッドナイトブルー(右)の2色

 

今冬買えるスマホとしては、Mate 10 ProがiPhone XやGalaxy Note 8と並ぶ超ハイエンドモデルであることは間違いありません。MVNOでのSIMとのセット販売では割引が適用されることもあります。お得な格安SIMで、長期的に使うのであれば、妥当な価格設定といえるでしょう。

シェア拡大で大躍進のファーウェイ新モデル、「Mate」2機種&新タブの最大ポイントをさくっと解説!

ファーウェイ・ジャパンは11月28日、「Mate」シリーズの最新SIMフリースマホ2機種と、「MediaPad」シリーズの最新タブレットを発表しました。各機は12月上旬より順次発売されます。なお、今回発表された3機種は、どれも新たにIP67相当の耐水・防塵性能を備えました。

 

SIMフリースマホの市場では近年クオリティの高いモデルを次々と投入し、高い期待度を常に集めるメーカーとなった印象の同社。現在、複数のブランドでSIMフリースマホを展開していますが、今回投入した「Mate(メイト)」シリーズは最上位グレードに位置します。「HUAWEI Mate 10 Pro」と「HUAWEI Mate 10 lite」の2機種の概要と、大きく注目すべき点をまとめたのでご覧ください。

 

上位モデル「Mate 10 Pro」はデュアルVoLTE待受けに対応

上位モデルに相当するHUAWEI Mate 10 Proは、約6.0インチ、アスペクト比18:9の有機ELディスプレイ(2160×1080ピクセル、402ppi)を搭載。左右の縁が狭く、大画面でコンテンツを表示できるようになっています。

20171129_ashida002↑HUAWEI Mate 10 Pro。想定実売価格は9万6984円(税込、以下同)で、12月1日(金)に発売

 

背面はガラス素材で、緩やかにラウンド。ガラスとフィルムを重ね合わせた5層構造で、上品な光沢感があります。デュアルカメラを搭載しており、その付近に帯状の横線が1本通るデザインもポイント。なお、カラーは、「ミッドナイトブルー」と「チタニウムグレー」の2色を展開します。なお、充電はUSB Type-Cケーブルで行い、イヤホンジャックは非搭載。

20171129_ashida003↑背面カメラはF値1.6になり、暗いシーンでも明るく撮影できるようになった

 

処理性能面では、NPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を搭載し、AI演算による性能効率化を図りつつ、演算に消費電力を抑えています。特にカメラの撮影は、被写体を認識し、自動的に最適な撮影方法を選択できるようになるなど、NPUの恩恵を大きく受けています。

20171129_ashida004↑SIMカードは2枚挿入可能。どちらも4G LTEおよびVoLTEに対応する

 

そのほか、2枚の4G LTE対応SIMを利用できること、急速充電の安全性に関して認証試験(※)を突破したこと、などトピックが尽きません。同モデルに関しては、別途記事で詳細レビューをお届けする予定です。

※ドイツの第三者検証・認証機構「テュフ・ラインランド」の信頼性試験を世界で初めて突破(ファーウェイ・ジャパン調べ)

 

9万越えの価格は、決して安くはありませんが、とにかく端末の性能にこだわりたい人はMate 10 Pro一択でしょう。楽天モバイルやIIJmioなど、MVNOとのセット販売も行われます。

 

「Mate 10 lite」はインカメラもダブルレンズに

より手ごろなモデルとして「HUAWEI Mate 10 lite」も展開します。同機は、5.9インチのワイドディスプレイ(2160×1080ピクセル、407ppi)を搭載していて、ベゼルも薄めです。

20171129_ashida005↑HUAWEI Mate 10 lite。想定実売価格は4万6224円で、12月8日(金)に発売

 

メタルユニボディのデザインを採用。背面はサラサラした手触りで、ややマットな光沢感があります。左右対称のデザインを採用している点にも注目です。なお、充電はmicro USBで行い、イヤホンジャックを搭載する点も、Mate 10 Proと異なるポイント。

20171129_ashida006↑カラーは「オーロラブルー」と「グラファイトブラック」の2色展開

 

最大の特徴は、背面・前面ともにダブルレンズであること。どちらもサブレンズは200万画素で、被写界深度(ODF)情報を収集するのに用いられます。これにより、背景を正確にぼかせるメリットが生まれます。

20171129_ashida007↑インカメラで背景をぼかした作例。「ポートレート」モードを有効にしてから、背景ぼかしを有効にすると撮影可能。ぼかし加工はリアルタイムに確認できないが、撮影後に施される仕組みだ

 

前面カメラのメインレンズは、1300万画素、F値は2.0となっています。ポートレートモードでは、美肌加工が可能。目が大きく肌の質感は滑らかに、そして輪郭は細くなります。もちろん、補正の度合いは調整可能です。

20171129_ashida008↑インカメラでの撮影時にはライトを付けることもできる。フラッシュのメニューから「ソフトフラッシュ」を選択しよう

 

背面カメラのメインレンズは1600万画素。同社おなじみの「ワイドアパーチャ」モードや、「ポートレート」モードで撮影できます。

 

4万円台半ばという価格は、Mate 10 Proのおよそ半額に相当。「とりあえずボカシ撮影ができればよい」という人はこちらを選択するのもアリです。なお、販路はECサイトや家電量販店に限られており、いまのところMVNOでのセット販売は予定されていません。

 

「MediaPad M3 10 Lite wp」はフルセグ・ワンセグチューナー対応

MediaPad M3 10 Lite wpは、Wi-Fiモデルのタブレット。ディスプレイは10.1インチ(1920×1200ピクセル)で、片手でも容易に持ち上げられます。下部には、指紋センサーも搭載。カラーは「ミスティックシルバー」1色です。

20171129_ashida009↑MediaPad M3 10 Lite wp。6660mAhの大容量バッテリーを搭載していて、約半日の動画再生が可能

 

フルセグ・ワンセグチューナーを内蔵しているため、同梱のアンテナケーブルを装着すれば、地デジ放送の視聴も可能に。前述の通り、IP67の耐水・防塵性能を備えるため、キッチンなどの水回りでも安心して使用できます。

 

また、harman/kardonブランドの音響チューニングは従来のシリーズから踏襲。4つのスピーカーから発せられるサウンドで楽しめます。

20171129_ashida010↑水に濡らしても壊れにくくなったので、安心して使用できる

 

ペアレンタルコントロール機能もあり、子どもが使えるアプリを保護者が制限できるのも特徴です。想定実売価格は4万824円で、11月28日(火)より先行予約受付中。12月8日(金)に発売となります。ウリは、シンプルなデザインと、機能のバランスの良さ。家族で使うAndroidタブレットを探している方にはピッタリな製品です。

 

同日、2017年において国内SIMフリースマートフォンでシェア1位を獲得したと発表したファーウェイ。同社が満を持して投入する3機種は、今後しばらく注目の的となりそうです。