冬の新作スマホで“買い”なのは? 価格帯別オススメ3選

今冬の家電市場では、例年以上に魅力的な新製品が続々と登場している。ここでは、なかでも注目を集めるジャンルを取り上げて、価格帯別にトレンドと“買い”のポイントを解説。さらに、各価格帯でプロが認めたイチオシのアイテムも紹介していく。今回取り上げるのは、スマホ。国内では5Gサービスのスタートから半年以上が経過。新型iPhoneの発売を機に、不十分だった5Gエリアの整備の加速も期待されている。今日では、中級機以上のスマホであれば5G対応は当たり前といえる。

※こちらは「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

★最新スマホ、“買い”のポイント

新型iPhoneは全機種が対応! いまや5Gは常識

「とりあえずハイエンド」はNG。コスパ抜群の中級機が狙い目

低価格帯の端末でもカメラはデュアル構成以上が望ましい

 

私たちが解説します!

フリーエディター

有馬真一さん

スマホはSIMフリーモデルを中心にチェックする。5G対応製品が想定していたよりも安かったため5Gへ移行を検討中。

モバイルライター

まきはらとよかずさん

モバイルギア全般を愛するフリーライター。スマホは国内製品だけでなく、海外向け製品の動向も日々追いかけている。

 

端末価格が高まるなか狙い目はミドルクラスに

国内では2020年3月にスタートした5G(第5世代移動通信)サービス。各キャリアがサービスエリアの整備を進めるなか、5Gに対応するスマホも続々と登場している。

 

「10月には“大本命”のiPhone 12シリーズが発表されました。新たに発表された4機種すべてが5G対応モデルとなったこと、そしてiPhone 12が予想よりも手ごろな価格だったことを機に5Gエリア整備が加速すると期待しています」(まきはら)

 

さらに各キャリアの端末展開も5G普及を後押ししていく。

 

「今日では中級機も5G対応が当たり前になり、まだ4Gでいいと考える人でも買い替え時は5Gを検討せざるを得ない状況です。5Gは使い放題プランが主流で、動画配信サービスなどを利用しやすいため、画面サイズの大きなRakuten BIGやバッテリー持ちの良いPixel 5なども人気機種になるでしょう」(有馬)

 

【《松》クラス】予算額10万円以上

各メーカーのフラッグシップ端末が揃う価格帯。5Gへの対応や高いカメラ性能は当たり前で、注目すべきは、その機種ならではの「個性」だ。新型iPhoneでは「Pro」と「Pro MAX」が10万円を超える。

 

【No.1】カメラ性能がさらに向上した5G対応の最上位モデル

Apple

iPhone 12 Pro Max

12万9580円〜

最新のA14 Bionicチップを搭載し、演算能力やカメラ性能が大きく向上した6.7インチモデル。背面カメラと並ぶ形で、照射したレーザーの反射から空間情報を高精度で計測できるLiDARスキャナを搭載。これより、ナイトモード時のポートレート撮影にも対応している。

SPEC ●OS:iOS14 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素、望遠約1200万画素 ●サイズ/質量:W78.1×H160.6×D7.4mm/約226g

CPU A14 Bionic
ストレージ 128GB 256GB 512GB
質量 約226g
ディスプレイ 6.7インチ

 

↑MagSafeシステムに新対応。端末背面にマグネットを内蔵し、ケースやカードポケット、ワイヤレス充電器などを吸着できる

 

↑Proシリーズは共通で、落ち着いたトーンのカラバリ4色をラインナップ。最注目は、新色となるパシフィックブルー(写真右)だ

 

↑iPhone 12 Pro Maxの画面サイズは6.7インチ。12 Proは6.1インチで、ひと回り大きい。側面のエッジが立った新デザインも魅力

 

↑ディスプレイのカバーガラスに「セラミックシールド」を新採用。従来の4倍という耐落下性能を確保し、画面が割れにくくなった

 

<クロスレビュー!>

耐久性がアップしておりもしものときも安心

「長期間使うことを考えると、セラミックシールドの採用で、耐久性は従来機から大きく向上した点が魅力。ただ、ディスプレイがゲームで有利な高速駆動に対応しなかったのはやや残念です」(まきはら)

 

リセールバリューが高く次の買い替え時に有利

「光学2.5倍ズームに新対応しており、カメラ機能重視ならオススメ。価格は高めですが、iPhoneはリセールバリューも高いので、次の機種変時の下取りまで考慮すると、この価格も許容できます」(有馬)

 

【No.2】手書き派も納得できる高精度なペン入力がイイ!

Galaxy

Galaxy Note20 Ultra 5G

14万5728円(ドコモ)

手書き入力が可能なSペンを収納できる「Galaxy Note」シリーズの最新作。ディスプレイがリフレッシュレート120Hzの高速駆動をサポートしたことで、書き心地がさらに自然に。パワフルなCPUに大容量のメモリ&バッテリーを備えており、ゲームプレイも快適だ。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1億800万画素、望遠約1200万画素 ●サイズ/質量:W77.2×H164.8×D8.1mm/208g

CPU Snapdragon 865+
ストレージ 256GB
質量 208g
ディスプレイ 6.9インチ

 

↑背面カメラは1億800万画素の広角を含む3眼仕様。光学5倍ズームが可能なほか、最大50倍の超解像ズーム撮影にも対応する

 

↑イヤホン「Galaxy Buds Live」(実売価格2万2740円)も用意。ANC対応で、人間工学に基づいた装着感の良さが魅力

 

<クロスレビュー!>

処理性能が非常に高く効率重視派も満足

「パワフルな最新のオクタコアCPUを搭載するほか、メモリは12GBと大容量で、バッテリーも4500mAhと十分です。急速充電やワイヤレス充電にも対応し、とにかく高性能!」(まきはら)

 

メモにも動画視聴にもSペンが大活躍!

「スマホとしてはほぼ本機のみが対応する高精度のペン入力が何より魅力。手書きと相性の良い6.9インチの大画面は、動画視聴にも便利です。Sペンを各種リモコンとして使用できるのも◎」(有馬)

 

【No.3】映画もゲームも音楽もOK! エンタメに強い国産スマホ

ソニー

Xperia 5 2

10万9425円(au)

縦横比21:9の6.1インチ有機ELディスプレイを搭載。ディスプレイ上にノッチやパンチホールがなく、動画視聴時は映像に集中できる。リフレッシュレートは120Hzで、タッチ検出レートは240Hzと高速駆動に対応し、ゲームとの親和性も高い。オーディオ端子も装備。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1220万画素、標準約1220万画素、望遠約1220万画素 ●サイズ/質量:W68×H158×D8.0mm/約163g

CPU Snapdragon 865
ストレージ 128GB
質量 約163g
ディスプレイ 6.1インチ

 

↑一般的な端末より縦長なデザインで、大画面と片手での持ちやすさを両立。2つのアプリを同時に使う画面分割機能との相性も良好だ

 

↑ゲーム中の動作を最適化できる「ゲームエンハンサー」に対応。動作パフォーマンスや通知表示の設定などを細かく変更可能だ

 

<クロスレビュー!>

静止画も動画も美しく撮れる高いカメラ性能

「リアルタイム瞳AFに対応するなど、超広角・標準・望遠で構成される3眼カメラに、デジタル一眼『α』シリーズで培ったノウハウを注入。ツァイスレンズを搭載する点も魅力です」(まきはら)

 

場所を選ばずエンタメを楽しみたいなら有力候補

「ハイレゾヘッドホン装着時に高音質再生できるDSEE機能に対応したほか、内蔵ステレオスピーカーも高音質で、エンタメ用途に最適。スリムで軽い点も魅力で気軽に高音質を持ち運べます」(有馬)

 

【《竹》クラス】予算額5万円〜10万円

価格性能比に優れたミドルクラス機が揃う価格帯。近年、市場全体が盛り上がりを見せており、iPhone 12やGoogle Pixel 5 などの人気製品も含まれる最注目ゾーンだ。

 

【No.1】有機ELを新採用しさらにお買い得になった王道モデル

Apple

iPhone 12

9万4380円〜

A14 Bionicチップを備え、5G通信をサポートしたほか、6.1型ディスプレイが有機ELへと変更されるなど大きく進化した新型iPhone。磁力を用いて安定したワイヤレス充電が可能なMagSafeシステムに対応した点も「Pro」と同様だ。

SPEC ●OS:iOS14 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素 ●サイズ/質量:W71.5×H146.7×D7.4mm/約162g

CPU A14 Bionic
ストレージ 64GB 128GB 256GB
質量 約162g
ディスプレイ 6.1インチ

 

↑カメラは前期種同様、超広角と広角の2眼仕様。広角カメラのF値がF1.8からF1.6へ明るくなっている

 

↑「Pro」同様、エッジの立った新デザインに。筐体素材はアルミニウムを使用する。カラバリは全5色だ

 

<クロスレビュー!>

ズーム性能が不要なら格段にハイコスパ

「上位モデルの『Pro』との大きな違いはカメラ性能。iPhone 12は、望遠カメラを搭載しないため、ズーム性能では不利があります。逆に言えば、それ以外はほぼ同等。非常に高コスパな一台です」(まきはら)

 

さらに小さなminiも用意されたのが◎

「これまで不満だったディスプレイが改善されたのは魅力大。大きさとバッテリー容量以外はほぼ差がない5.4インチモデルの『mini』が登場したことで、好みに合わせて選べるのもうれしいです」(有馬)

 

【No.2】使い勝手を最重視したGoogle初の5G端末

●画像提供:Google

Google

Google Pixel 5

7万4800円〜

5Gに対応したGoogleのフラッグシップ端末。超広角と広角で構成される背面カメラは、機械学習を活用しており、シーンを問わずキレイに撮れる。IPX8の防水設計で、おサイフケータイやワイヤレス充電に対応するなど、使い勝手に優れる。

SPEC ●OS:Android 11 ●カメラ:超広角約1220万画素、広角約1600万画素 ●サイズ/質量:W70.4×H144.7×D8mm/151g

CPU Snapdragon 765G
ストレージ 128GB
質量 151g
ディスプレイ 6.0インチ

 

<クロスレビュー!>

3年のアップデートが保証されており長く使える

「Google製だけあって、3年間のOSアップデートが保証される点が魅力。5Gにも対応しており、長く安心して使えます。指紋認証対応なのも便利」(まきはら)

 

丸1日安心して持ち歩ける優れたバッテリー性能がイイ

「消費電力を抑えたミドルレンジ向けCPUを搭載。賢いバッテリー自動調整機能に対応するほか急速充電も利用可能で、高いスタミナが魅力です」(有馬)

 

【No.3】約6.9型ディスプレイにカメラを内蔵した5G対応モデル

楽天モバイル

Rakuten BIG

6万9800円

インカメラと指紋センサーを6.9インチ有機ELディスプレイに内蔵した5G端末。IP68の防塵防水に対応するほか、おサイフケータイも利用可能。背面には、超広角、広角、マクロと深度測定からなる4眼で構成されたカメラを搭載する。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約800万画素、広角約6400万画素、マクロ約200万画素 ●サイズ/質量:約W80×H174×D9mm/約227g

CPU Snapdragon 765G
ストレージ 128GB
質量 約227g
ディスプレイ 約6.9インチ

 

<クロスレビュー!>

安価に入手・運用できる大画面機として注目

「約6.9インチ有機ELを搭載しながらこの安さは破格。5Gプランも使い放題月額3278円と安価で、1年間無料キャンペーン中と、とにかく安い!」(まきはら)

 

SIMカードスロットがないeSIM専用な点には注意

「本機は、スマホ利用に必要な情報を電子的に書き込むeSIM専用設計。ほかの格安SIMに乗り替えようとしたとき選択肢が限られる点に注意を」(有馬)

 

【《梅》クラス】予算額5万円未満

このクラスは、安さを重視したエントリーモデルが中心。5Gに対応したモデルはまだごく一部のみだが、十分に実用的な4Gモデルはある程度の数が出揃っている。

 

【No.1】 AI処理を生かした高画質なカメラを楽しめる廉価機

●画像提供:Google

Google

Google Pixel 4a

4万2900円

Pixelシリーズで最廉価の5.8インチモデル。機械学習を活用して暗所でも明るくキレイに撮れるシングルカメラを備える。おサイフケータイにも対応し、発売から3年間のアップデートが保証される。5G通信や防水には非対応だ。

SPEC ●OS:Android 11 ●カメラ:標準約1220万画素 ●サイズ/質量:W69.4×H144×D8.2mm/143g

CPU Snapdragon 730G
ストレージ 128GB
質量 143 g
ディスプレイ 5.8インチ

 

↑カメラの高画質は上位モデル譲り。夜景モードで撮る写真は明るく低ノイズで、5万円未満の機種としては十分すぎる実力だ

 

↑純正ケースにはリサイクルプラスチックを原料とするファブリック素材を使用。洗濯機で洗うことも可能だ

 

<クロスレビュー!>

いち早く最新のOSにアップデートされる

「低価格モデルですが、Googleの純正端末なので、発売から3年間、OSなどのソフトウェアについてはいち早く最新の内容が提供されます。OSの進化を体感したい人にもオススメです」(まきはら)

 

ディスプレイやカメラなどトレンドを押さえたつくり

「安価ながら5.8インチ有機ELディスプレイを搭載するなど、トレンド機能を押さえたつくりです。ステレオミニ端子を備えており、有線イヤホンを使用できる点も地味にうれしいポイント」(有馬)

 

【No.2】シリーズ出荷台数300万台を突破した人気の4Gモデル

シャープ

AQUOS sence3

3万1680円

5.5インチIGZO液晶ディスプレイを搭載した廉価モデル。4000mAhという大容量バッテリーを装備しており、指紋認証にも対応。お風呂でも使えるIP68の防塵防水設計が採用されたほか、おサイフケータイもサポートするなど、機能が充実。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:広角約1200万画素、標準約1200万画素 ●サイズ/質量:W70×H147×D8.9mm/約167g

CPU Snapdragon 630
ストレージ 64GB
質量 約167g
ディスプレイ 5.5インチ

 

<クロスレビュー!>

後継モデルが登場してさらなる値下げに期待も

「5Gに対応した後継モデルなどが先日発表され、間もなく型落ちに。機能的にはさほど古びてはいないのに、さらなる値下がりが期待できます」(まきはら)

 

安価でも必要十分な機能は揃っているのが人気の理由

「低価格で必要十分な機能を備えるというコンセプトを体現した点が人気の理由。2年間のOSバージョンアップ保証されており、まだ現役です」(有馬)

 

【No.3】この価格で5G対応を実現した高コスパモデル

シャオミ

Mi 10 Lite 5G

4万2740円

約6.6インチ有機ELディスプレイを搭載し、5Gにも対応したハイコスパ端末。背面カメラは4眼設計で、夜間撮影から超広角撮影、マクロ撮影、ポートレート撮影と幅広く対応する。家電を操作できる赤外線リモコン機能を備える点も魅力だ。

SPEC ●OS:MIUI 11 ●カメラ:超広角約800万画素、標準約4800万画素、マクロ約200万画素 ●サイズ/質量:W75×H164×D8.7mm/約193g

CPU Snapdragon 765G
ストレージ 128GB
質量 約193g
ディスプレイ 約6.6インチ

 

<クロスレビュー!>

性能的には極上だが国内向け機能はやや不足

「この価格で5Gに対応しただけでなく、端末の処理能力やディスプレイの性能なども優れています。ただ、防水やおサイフケータイは非対応です」(まきはら)

 

世界的メーカーの実力が存分に発揮された買い得機

「世界シェア3位のシャオミとして国内キャリアでは初採用となる端末ですが、その完成度の高さは見事。コスパの高さでは他の追随を許しません」(有馬)

 

【Topic1】高価でも気になる「折りたたみスマホ」のいま!

大画面と持ち運びやすさを兼備したのが折りたたみスマホ。まだまだ高価な存在だが、日本にも特徴の異なる5G対応モデルが上陸している。

 

【No.1】

Galaxy

Galaxy Z Flip 5G

18万5835円

縦向きに折りたためてコンパクトに持ち歩ける5G対応スマホ。開くと約6.7インチのフルHD+ディスプレイが現れ、“普通のスマホ”と同様に扱える。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素 ●サイズ/質量:W73.6×H167.3×D7.2mm/約183g

CPU Snapdragon 865+
ストレージ 256GB
質量 約183g
ディスプレイ 約6.7インチ

 

【No.2】

Galaxy

Galaxy Z Fold2 5G

25万9980円

タブレット級に大きい約7.6インチの画面を横向きに折りたためる5G対応スマホ。背面にもディスプレイを備え、折りたたんだ状態でも操作可能だ。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素、望遠約1200万画素 ●サイズ/質量:W128×H159×D6.1mm/約282g

CPU  Snapdragon 865+
ストレージ 256GB
質量 約282g
ディスプレイ 約7.6インチ

 

【Topic2】急速充電に対応! USB Type-Cアダプターのすすめ

スマホの充電ケーブルは本格的にUSB Type-Cへ統一されつつある。急速充電が可能なUSB Type-C端子付きアダプターへ切り替えよう。

 

【No.1】

RAVPower

PD対応 90W 2ポートUSB-C×2 急速充電器

4844円

USB Type-Cポートが2口ついたアダプター。USBケーブルも付属する。出力90Wと余裕があるので、スマホだけでなくUSB PD対応のPCなども充電できる。

 

【No.2】

ANKER

PowerPort III 65W Pod

2990円

USB Type-Cポートは1口のみだが、筐体が小さいため、他のコンセントと干渉しにくく、場所をとらないことが最大の利点。PCの充電などにも活用できる。

 

【No.3】

ANKER

PowerPort I PD – 1 PD&4 PowerIQ

3499円

USB Type-Cポート1口に加えて、Type-Aポートも4口ついている。コンセントへの接続はコードを介するタイプのため、ほかの機器とも干渉しにくいのが◎。

価格、性能も肉薄するiPhone 12とiPhone 12 Proーー「あえてPro」を選ぶべき理由を探った

iPhone 12シリーズ4機種のラインナップの中でも、特に迷いそうなのが「iPhone 12にするか、iPhone 12 Proにするか」の選択です。小型のiPhoneがほしいならiPhone 12 miniが最有力候補になり、大画面や最高峰の性能を重視するなら、iPhone 12 Pro Maxを選ぶことになるでしょう。

↑iPhone 12 Pro

 

今回のiPhone 12は性能上はProとほとんど差がない、これまででもっともProラインに肉薄したモデルです。その中であえて「Proを選ぶ理由」があるのかにフォーカスしてiPhone 12 Proを観察してみました。

↑背面はマット仕上げ

 

仕上げ:渋さとともにギラギラ感も

iPhone 12 ProはiPhone 12と共通のボディ形状を採用しつつ、カラーバリエーションで大きく変化を付けて、差を出しています。ボディはiPhone 4世代のような角張った形状となり、画面枠は若干細くなりました。画面サイズは6.1インチでiPhone 11と同じサイズ。iPhone 11 Proと比べると若干、大型化したことになります。

↑左から、iPhone 11、iPhone 12、iPhone 12 Pro、iPhone 11 Pro

 

カラーラインナップはiPhone 12が11シリーズを、12 Proは11 Proシリーズを踏襲しています。iPhone 12 Proのカラバリの1つ「グラファイト」は、磨りガラス調の背面仕上げが象徴的な渋いデザインです。iPhone 11 Proのミッドナイトグリーンを引き継いだカラーと言えるでしょう。

↑上が、iPhone 12 Pro グラファイト、下はiPhone 11 Pro ミッドナイトグリーン

 

デザインは、iPhone 12にするかそれともProを選ぶか決める上で、重要な要素になりそうです。側面の光沢のギラギラ感が増したことで、iPhone 12 Proのデザインには、角張った形状になったことから光沢処理がより引き立ち、渋みとともに独特のアクの強さも際だつようになりました。

↑MagSafe対応のシリコンケース。iPhone 12/12 Proの両方で使えます

 

ちなみに今回、iPhone 12とProはカメラユニットを除いて同じ形状になっています。そのため、ケースや保護フィルムは両機種で共通のものが使えます。

 

【iPhone 12 Proのデザインをフォトギャラリーで見る】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSでは表示できません。

●GetNavi webでフォトギャラリーを見る

 

ディスプレイの特徴:HDR 10+Dolby Vision対応

今回のiPhone 12シリーズは、4モデルすべてが有機ELディスプレイ搭載となりました。iPhone 12とiPhone 12 Proは同じ6.1インチの「Super Retina XDRディスプレイ」を搭載します。

 

有機ELディスプレイは従来のiPhoneで多く採用されている液晶ディスプレイよりも、画面を明るくできます。黒色表示が美しいことから、ダークモードとの相性も良好です。

↑明瞭に表示するディスプレイ

 

有機ELディスプレイは、以前はiPhone Xのような上位モデルのみの採用でしたが、今回はスタンダードモデルのiPhone 12もサポートしています。iPhone 11 Proと見比べてもあまり違いを感じませんが、iPhone 11からの買い替えなら画面の明るさは印象的に思えることでしょう。

 

ただし、通常使用時の最大輝度が異なり、iPhone 12では最大625ニト、iPhone 12 Proは最大800ニトで表示できます。

 

実際に見比べて見ると、iPhone 12の最大輝度でも、屋内や日陰なら十分すぎるほど明るく感じます。屋外で直射日光に照らされるような環境なら、iPhone 12 Proの最大輝度も必要になってくるでしょう。

 

HDR動画の再生時は、最大1200ニトで表示されます。明るい部分の白飛びや暗い部分の黒潰れを防げるため、特にダークな描写が多い海外ドラマのような映像をくっきりはっきり表示できます。

 

MagSafeワイヤレス充電:カシャとはめて簡単充電

iPhone 12シリーズは新たなワイヤレス充電機構「MagSafe」に対応しました。背面に磁力でくっつくワイヤレス充電器で、高速なワイヤレス充電が可能なiPhone専用アイテムです。MagSafeはMacBookの充電器でお馴染みの名前ですが、iPhoneのMagSafeはそれとは全くの別物。磁石でくっつくという仕組みが同じだけで、互換性はありません。

 

iPhoneの背面にカシャとくっつけてそのまま充電が始まる使い心地は実に軽快でした。脱着の操作はケーブルをつなぐよりも快適に感じます。

 

ただし、アップル純正のMagSafe充電器は税込4950円と高価で、しかも急速充電器は別売となっています。その性能をフルに発揮するには20WのUSB Type-C充電器をつなぐ必要があるため、きちんとした充電環境を揃えるために、iPhone本体代に加えて、ある程度の支出は覚悟しておいた方が良いでしょう。

 

今回のiPhone 12シリーズからイヤホンと充電器の同梱もなくなりました。同時に同梱ケーブルの端子がLightning~USB Type-Cに変更されたため、MagSafeを使わないにしても、持っていないなら新たにUSB Type-C充電器を購入する必要があります。

 

カメラ:動画撮影が劇的に進化。Pro限定の機能も

iPhone 12と共通の進化ポイントですが、iPhone 12 Proでは動画撮影の性能が劇的に強化されています。最大で4K 60fpsのHDR動画を撮影できるようになりました。このHDR撮影では、「Dolby Vision」という映画業界で広く用いられている規格に準拠しています。

↑街中でテストショットしてみました

 

実際に撮影してみても、暗所でのビデオ撮影性能の劇的な向上は確認できました。iPhone 11 Proでは歯が立たなかった夜の街中を撮ってみても、iPhone 12シリーズなら暗い道路や街路樹の色が明確に分かるほどくっきり写ります。日常的に動画を撮る人なら、これだけでもiPhone 12に買い替える価値があるのではないかと思ったほど、HDR撮影機能は印象的でした。

 

iPhone 12 Proで撮影した4K動画。ズーム時のカメラの切り替えも前世代モデルよりスムーズになっています

 

もちろん、静止画撮影の品質も向上しています。動画撮影ほど劇的な進化ではありませんが、特に暗所撮影では明確に進歩しています。たとえば夜景や夕方のシーンでは細部のディテールを潰さず描写します。暗めの室内で食事を取るときも、iPhone 12シリーズの方がシズル感のある写りになります。

 

iPhoneではここ数年、AI技術をカメラに取り入れた「計算写真」のアプローチで写真の画質改善を続けてきました。数世代前のiPhoneから買い替えるなら、「数年でここまで進化したのか」と性能向上を実感できるでしょう。

 

ここまではiPhone 12/12 Pro共通の進化について紹介しました。ここからは、Proのみの機能について見ていきましょう。iPhone 12 Proでは11 Proに引き続き、広角、超広角、望遠の3眼仕様となっています。iPhone 12にはない望遠カメラが差別化のポイントです。

 

35mm換算で、標準画角は焦点距離26mm相当。超広角は0.5倍の13mm相当です。iPhone 12 Proではさらに望遠レンズとして2倍相当の52mmが追加されています。Proラインではデジタルズームも最大倍率が向上しています。iPhone 12が5倍の130mm相当が最大倍率となっているのに対して、iPhone 12 Proは10倍(260mm相当)までズーム可能です。

 

Androidでは“100倍ズーム”を謳うスマホまで存在するのに対して、iPhone 12 Proの10倍は物足りないようにも見えますが、デジタルズームでは画質の劣化が著しいことを踏まえれば、実用性を考えても10倍程度に抑えた方が賢明かもしれません。

 

筆者としては望遠はそこまで重要ではないように思えます。普段良く使う「ちょっとズームしたい」という程度の用途なら3倍くらいまでのズームで十分賄えます。望遠カメラがないiPhone 12でも鑑賞に堪える写真は撮れるでしょう。そうした意味で望遠カメラは、あくまでカメラにこだわりたい人向けの追加要素と言えます。

 

さらに今回、ProラインにはiPhoneで初めて「LiDARスキャナ」を搭載しました。これはiPhone 12 Pro/Pro Max限定の新機能です。LiDARはレーザー光を用いるセンサーで、自動運転車などにも使われています。周囲にあるものの立体的な形状を瞬間的に把握するには欠かせない技術です。LiDARの恩恵は、2つの形で生かされています。ひとつはオートフォーカスの精度向上。周囲が暗い状況下で、フォーカス速度が最大6倍まで改善されるとしています。

 

試用した際には、室内で小物を撮るときにiPhone 12 Proのピント合わせの速さが実感できました。小さなものにピントを当てると、iPhone 12がピント合わせに迷って1〜2秒かかるような状況で、iPhone 12 Proは迷わずキリッとピントを合わせてきます。

↑LiDARはARアプリを動かす際に活躍します

 

LiDARの性能がより求められるのは、ARアプリを使うときです。周囲の空間を正確に認識して、3Dモデルを表示する際に、立体的な空間把握は欠かせません。現在ではARアプリは多くはありませんが、「ポケモンGO」や「マインクラフト Earth」のようなAR対応ゲームや、3Dモデルを作成できるアプリが登場しています。iPhone 12 ProのLiDAR対応によって、ARアプリはより充実していくことになるでしょう。

 

また、2020年末までにはProライン限定の新機能として「Apple ProRAW」が提供されます。ProRAWは写真家にはお馴染み「RAW(ロウ)」と呼ばれるデータ形式です。JPEG写真の前段階の情報量が多いデータを直接編集できることから、レタッチの腕さえあれば自動で生成されるJPEGよりも意図した写真表現にマッチした写真が作れます。以下、iPhone 12 Proの写真作例をご覧ください。※無加工のものになります。

 

【iPhone 12 Proの写真作例をフォトギャラリーで見る】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSでは表示できません。

●GetNavi webでフォトギャラリーを見る

 

パフォーマンス:iPhone 12とメモリ容量が違うが、体感は変わらない

iPhone 12は、これまでで最も「Pro」に近いiPhoneです。中核となるチップセットはシリーズ全4モデルで共通の「Apple A14 Bionic」を搭載しています。iPhone 12とiPhone 12 Proを使い比べたとしても、たとえばブラウザーでのWebサイト表示や、動画再生など一般的な使い方で差を感じることはないでしょう。

 

ただし、ベンチマークアプリを使うと、処理性能に差があることが分かります。筆者が試用したiPhone 12/12 Proではマルチコア処理の性能でProの方が秀でているという結果がでました。

↑ベンチマークアプリ「Geekbench 5」ではiPhone 12 Pro(右)がiPhone 12よりもやや高性能という結果に

 

この結果はメモリ容量の差が反映されているものと思われます。アップルはiPhoneのメモリ容量についての情報を公開していませんが、ベンチマークアプリ「Geekbench 5」の表示をみると、筆者が試用したiPhone 12 Pro 512GB版はメモリ6GB、iPhone 12 256GB版はメモリ4GBを搭載していることが分かります。

 

数字上はiPhone 12と12 Proの間で処理性能の差がありますが、実用上はあまり関係ありません。試用した範囲では、高負荷な3Dゲームを同時に遊んでみても、表示性能は同等程度と感じました。

 

差が出るとすれば、マルチコア処理が重要となる動画編集で待ち時間が変わる程度でしょう。とはいえ、iMovieで1分ほどの4K動画をつなげて書き出し処理したところ、iPhone 12 Proの方が数秒程度高速に処理できた程度にとどまっており、Proの性能が必須と感じるには至りません。

 

5G対応:実感するのはまだまだこれから

5G対応については、「今後に期待」というしかありません。iPhoneを発売する大手3キャリアは、現時点では揃ってきわめて限定された5Gエリアしか持っていません。東京・山手線内に限ってみても、エリアマップ上でも「点」として表示されるような範囲でしか展開していない上、実際にエリアに行っても数メートルずれるとつながらないといったような貧弱な展開状況となっています。

 

5GエリアはiPhone発売を契機に拡大が加速していくものと思われますが、全国どこでも使えるという状況に至るまでには、1年半から2年はかかるものと見ておくのが良いでしょう。

↑5Gスポットを確認

 

なお今回、日本で発売されるiPhone 12シリーズは5Gの中でも「ミリ波」には対応していません。ただミリ波に対応していないことの影響は、そこまで深刻ではありません。ミリ波は高速な通信が期待できる周波数帯ですが、つながる範囲がより狭くなりがちという性質も併せ持っています。5Gがつながらない、という現状は、日本版iPhone 12が対応しているサブ6周波数帯でも同じです。ミリ波の方がよりつながりにくい性質を持つため、対応していたとしても実用に影響するほど改善されるかは疑問が残るところです。

 

いずれにせよ、全国で4G LTEが使えるため、5Gを求めてiPhone 12シリーズを買うという視点は現状必要はありませんが、iPhone 12シリーズでは4G LTEの速度も向上しています。また、大手キャリアが用意する5G向けの料金プランは無制限に近いプランが多く、iPhone 12 Proをバリバリ使いこなすのにも適していますので、そういった点でiPhone 12 Proには優位性があるでしょう。

 

ちなみに、4G LTE契約のSIMでも原則としてiPhone 12シリーズを利用できます。その場合は5Gを利用できず、4G LTEスマホと同様のネットワークで通信可能です。MVNOでもIIJmioやmineoなどがSIMフリー版で動作確認したことを報告しています。ただし、auの4G LTE契約の場合は利用不可で、au 5Gへの契約変更が必要となります。

 

まとめ:あえて「Pro」を選ぶなら…やはりカメラ性能を吟味すべし

iPhone 12と12 Proは、ほとんどの仕様が共通しています。その一方で、価格設定はiPhone 12 Proの方が割高となっています。この2機種の違いはデザイン、カメラ性能や一部の処理のパフォーマンスなど、わずかな差に留まっています。この必要な機能に応じて、選ぶと良いでしょう。

 

【iPhone 12と12 Proで共通の主な特徴】

・高速なA14 Bionicチップセット

・明るいDolby Vision対応のディスプレイ

・四角いボディにリニューアルされた新デザイン

・高速なワイヤレス充電機構MagSafe

・5G網(サブ6周波数帯)の高速通信

・広角カメラと超広角カメラ

・劇的に進化した動画撮影機能

・Apple Pay

・防水、防じん

 

【iPhone 12 Proだけの主な特徴】

・側面がきらめく渋いカラーのボディ

・望遠カメラ

・Apple ProRAW(年内提供)

・LiDARによる高速オートフォーカスと高速AR処理

・マルチコア処理がやや性能高め

 

これらの特徴の中でも、12と12 Proの性能差を確実に感じることができるのは、カメラ関連です。望遠カメラはiPhoneで写真撮影にこだわる人なら有って損はない機能ですし、Apple ProRAWも写真家には期待の機能と言えます。また、ARアプリを使いこなせるならLiDAR搭載のProラインをおすすめします。パフォーマンスの差は大きくはありませんが、特に動画をたくさん撮影する人で、編集もiPhoneでするなら容量大きめで動画処理の性能の高さも期待できるiPhone 12 Proをおすすめします。

 

【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。

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(PRODUCT)REDとパシフィックブルーを隅まで眺める! iPhone 12と12 Proのさくっとインプレ&フォトギャラリー

10/23(金)に発売されたiPhone 12/12 Pro。みなさんはもうゲットしましたか? 編集部では発売日に早速インプレッションをSNSでお見せしました。

 

 

 

↑手前がiPhone 12、奥がiPhone 12 Proになります

 

本記事では、実機を触ってみた感想のまとめとSNSではお見せしていない写真の数々を展開していきたいと思います!

 

iPhone 12 (PRODUCT)REDは鮮やかな色合い! 12 Proは「持ってる感」高め

触ったiPhone 12は(PRODUCT)RED! 12では発色が良くかなりポップな印象でしたね。発表時点から「5シリーズを思い出す!」と話題だったエッジ部のデザインですが、実際に触ってみると手にすっと馴染む感覚がしました。

 

 

12 Proの新色・パシフィックブルーは、実物は画像で見るよりも深い色合いで高級感高し! 12よりもほんのわずかに「ずっ…」とくる重量感があるんですが、重いのではなく「持ってる感」って表現がしっくりきます。12との違いは、ステンレスのエッジとマットな背面の手触り。見比べると最上位モデルにふさわしい品格がありました。

 

【iPhone 12/12 Proのデザインを写真で見る】

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iPhone 12と12 Proのカメラも撮り比べました!

実機のテストもかねて軽く撮影もしてみました。両機はカメラに大きな差があり、特に12 Proは望遠も備えてスマホカメラとしては抜群のスペック・機能性を持ったモデルとして進化しています。

 

iPhone 12だとポートレート、料理写真でその実力が発揮された印象です。高い解像度で木々の細かな描写を実現し、料理と夜景のコントラストもくっきり描かれていました。12 Proは望遠との使い分けが楽しかったです。特徴としては、iPhone 12よりもぼけがくっきりしているのが印象的でした。撮っている楽しさはやはり12 Proでしょう。

 

【iPhone 12/12 Proのフォトギャラリー】

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カンタンなインプレッションでしたが、iPhone 12/12 Proを迷われている方はぜひ写真を眺めつつ検討してみてください。

 

iPhone 12、カメラが進化したらしいけど何がすごいの? カメラマンに聞いてみた

10月14日深夜に発表されたiPhone 12シリーズ。今シリーズでは初の7枚レンズカメラを採用するなど、画像・映像の撮影機能が向上しました。でも、実際どういうメリットがあるのかは一般ユーザーには分かりにくい部分があるでしょう。そこで、嬉しい進化ポイントを編集部のカメラマンに聞いてみました。

 

①物理的な良さ

まずは、ハード面の性能向上について。カメラは、iPhone 12、12 mini が広角・望遠の2基、12 Pro、12 Pro Maxは広角・超広角の3台に加えてLiDERスキャナも搭載しています。広角レンズの集光力は従来より27%アップ(12、12 mini、12 Pro、12 Pro MAXは暗所での画質が87%上昇)しており、光が少ないシーンでも明るい写真を撮れるようになりました。

 

 

 

「iPhone 12の性能を見てナイトモードの強化も含めて、暗所での撮影に力を注いでいるようで、どんどん夜の撮影に強くなっている印象があります。たとえば、夜景を撮れば、美しい画を引き出してくれると思います。望遠レンズが更に望遠かつ、センサーサイズが大きくなったうえ、LiDERスキャナで深度を正確に測れるようになったので、本格的にポートレートらしい絵が撮れそうです」(編集部カメラマン)

 

また、進化したのはレンズだけではありません。外装が角型のデザインになったことで、写真撮影に嬉しいポイントがあるそうで……

 

「実をいうと、僕がiPhoneで撮影したときに手ブレしたこといままでないんです。が、iPhone 12ではセンサーシフトの手ブレ補正が搭載されたので、さらにブレに強くなっていますね。また、外側が四角くなったためグリップしやすく、写真撮影でブレに悩まされることはないと思います」(編集部カメラマン)

 

②ソフト的な良さ

iPhone 12 Pro、12 Pro Maxでは、RAWでの撮影・データ編集機能が搭載されることがアナウンスされました。動画の精彩さが向上したこととあわせて、クリエイターにとっては心強い味方になるようです。

 

 

「写真をRawデータで撮れるようになったので、iPadに登場したPhotoshopと組み合わせれば、写真撮影の仕事がモバイル装備のみで解決しそうです。動画はHDRで10ビットで撮れるし、カラコレ(色彩補正)が出来ると本格的に映画っぽいムービーが作れるでしょう。動画で色の調整するのは、一眼でやるととても面倒な作業なので、これは本当にありがたいと思います。YouTuberや個人制作レベルなら、場合によっては編集までiPhoneで完結できる時代がきたのではないでしょうか」(弊社カメラマン)

 

 

発表会では、ドローンにiPhoneを装備し、ムービーを撮影するシーンも公開されました。新しいiPhoneは、一般用途はもちろん、プロのクリエイティビティをも支える存在になりそうです。

 

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「iPhone 12 Pro/Pro Max」を検討する上で、絶対に知っておきたい3つの「違い」

2020年10月14日深夜2時(日本時間)から開催されたAppleの発表会。そこでアナウンスされた注目の新製品について、GetNavi webでは速報をお送りします。本記事では、iPhone 12の上位モデルあたる、12 Pro、12 Pro Maxの詳細を振り返ります。この2機種がiPhone 12と主に異なっているのは、画面のサイズ、外装、カメラ性能です。

 

【違いその1】画面サイズ

画面サイズは12 Proが6.1インチ、12 Pro Maxが6.7インチ。11 Proは5.8インチ、11 Pro Maxは6.5インチだったので、それぞれ大型化していることがわかります。

 

 

【違いその2】外観デザイン

一方で、ベゼルを極力小さくまた厚みを従来機種より薄くしたことで、大型化を防いでいます。重量にいたっては、全機種と同等レベルに抑えました。外装にはステンレススチールを採用しており、iPhone 12のアルミニウムとは異なっています。カラーバリエーションはゴールド・シルバー・グラファイト・ブルーの4種が用意されており、どれもiPhone 12とは異なった風合いです。

 

 

 

【違いその3】カメラ性能

11 Pro登場時に話題となった”タピオカカメラ”は健在で、性能がさらにアップ。しかも広角・超広角・望遠の3つに加えて、LiDERスキャナも搭載しました。このスキャナは空間の深度を正確に測定し、ピント調整を高速化、ポートレート写真のクオリティを上げ、一眼レフレベルの写真を撮影できます。おまけにRAWにまで対応し、写真の詳細情報を閲覧しながら微妙な調整をできるようになりました。

 

 

 

加えて、12 Pro Maxでは12 Proよりも高性能なカメラを搭載しており、集光性能などが上昇しています。画面が大型であり、画像・映像の編集が行いやすいことまで考慮すると、クリエイター向けの色が強いモデルとなりそうです。

 

映像撮影では、10ビットのダイナミックレンジで撮影できる、HDR撮影を初めて搭載。映画スタジオで使われている映像規格・Dolby Visionにも初めて対応し、アプリケーション上から動画の編集が可能です。また、12 Pro Maxでは暗い場所でビデオの画質が87%向上しており、色彩・明暗により豊んだ映像を撮れるようになっています。

 

 

なお、処理速度が大幅向上したA14 Bionicチップ、iPhone 11の2倍のピクセル数を誇るSuper Retina XDRディスプレイ、耐落下性能がiPhone 11の4倍になった表面ガラス「セラミックシールド」、背面に内蔵した磁石「MagSafe」といったiPhone 12シリーズの目玉装備はiPhone 12と同様に搭載し、5G通信にももちろん対応しています。

 

 

価格は12 Proが11万7480円、12 Pro Maxが12万9580円(すべて税込)。発売日については、12 Proが10月16日予約開始・10月23日発売、12 Pro Maxが11月6日予約開始、11月13日発売とそれぞれ発表されています。

 

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