生成AIが生活や娯楽を快適にサポート!プロがヒットを予見するデジタル製品6選

2025年に流行するモノは何か、専門家が大断言する「GetNavi NEXTトレンド」。今回は日々進化を続けるデジタル部門。「生成AIデバイス」や「XRデバイス」などを6つ紹介する。

 

【生成AIデバイス】スマホやPCなしに、身に着けて持ち歩けるデバイスが続々登場

生成AIはこれまでスマホやPCを介して利用するものが多かったが、2025年はウェアラブルなど“単体”あるいは“連携”して使えるデバイスが増加。マイクやスピーカー、カメラなどを搭載し、それらが周囲環境を把握・分析してヒトをアシストしてくれるように。

 

AIとコミュニケーションしながらユーザーをサポートしてくれる

シャープ
ウェアラブルデバイス AI SMART LINK
2025年実用化予定

 

首にかけるだけで、音声による生成AIとの自然なコミュニケーションが実現するウェアラブルデバイス。ユーザーの問いかけに対し、内蔵のマイクとカメラで周囲環境を把握して、音声で応答。利用者の生活を様々なシーンでサポートしてくれる。

↑カメラ搭載モデル(非搭載モデルもあり)。約100gの軽量首掛けタイプデザインで、ハンズフリーで長時間快適に利用できる。

 

【ヒット確定の根拠】実用化が進む生成AIは、“身に着ける”時代が到来

「スマホやPCで身近になった生成AIですが、24年には既にイヤホンやネックバンド型などウェアラブル化した生成AI活用デバイスの話題も増加。シャープがこうした機器の実用化を25年に目指すとしており、期待は募ります」(モバイルライター・井上 晃さん)

 

ラウンド中にAIが正しい打ち方などをアドバイスしてくれる

ソースネクスト
BirdieTalk(バーディ・トーク)
3万9600円

 

GPT技術を利用し、音声でアドバイスを提供する日本初のゴルフ専用デバイス。プレー中にボタンを押しながら話しかけるだけで、AIからの音声アドバイスを受けられる。ライの状況や残り距離、不調の改善法、ルールなども聞ける。

 

SPEC ●アプリ動作環境:iOS16以上、Android OS 10以上 ●充電時間:約2時間でフル充電 ●連続使用時間:約8時間 ●防水・防塵:IP55 ●サイズ/質量:W60×H33×D18mm/30g

 

↑ライの状況や不調の改善法、ルールなどをボタンを押しながら質問すると、AIが音声でアドバイス。ゴルフ理論は東京大学ゴルフ部が監修した。

 

【ヒット確定の根拠】スイングからルールまで教えてくれる専属コーチ

「ショットのたびにスマホを取り出すことなく、キャップやバイザーのひさしに着けておけば、質問したいときすぐに使えてとても手軽。テクニックだけでなく、残り距離やルールまで教えてくれるのでまさにキャディいらずです」(テクニカルライター・湯浅顕人さん)

 

<コレも注目!>GoogleのGeminiアプリがiPhoneでも使えるように!

Google
iOS版Gemini
無料

 

Googleは、AIアシスタント「Gemini」のiOSアプリを提供開始。iPhoneでもGoogle Live(日本語に対応)を使って、質問したり、Google検索やYouTube、Googleマップなどと連携し、チャットでGeminiと会話したりできる。

 

【XRデバイス】“普及版”の登場で、いよいよVRブーム本格化

上位モデルとほぼ同等の性能で、3万円以上もリーズナブル!

Meta
Meta Quest 3S
実売価格4万8400円〜

 

Quest 3と同等のMR体験が可能で、Quest 2の4.5倍の解像度とカラー性能を誇る。Snapdragon XR2 Gen 2チップセットにより、視界がさらに鮮明になり、さらに読み込み時間も短縮、パフォーマンスがよりスムーズになった。

 

SPEC ●ストレージ:128GB/256GB ●解像度:1832×1920ピクセル(片目) ●視野角:水平96度×垂直90度 ●リフレッシュレート:72/90/120Hz ●質量(ヘッドセット):514g

 

↑上位モデルQuest 3と同等のMR(複合現実)を実現。解像度とカラーはQuest 2の4.5倍で、圧倒的な没入体験ができる。

 

【ヒット確定の根拠】本格的なVR/MRヘッドセットが5万円切りで手に入る!

「高価なモデルが話題になっている一方で、本製品は5万円を切る購入しやすい価格ながらハイクオリティなXR体験ができます。『Quest 3』と性能はほとんど変わらず安価になったことで、さらに購入者が増えることでしょう」(テクニカルライター・湯浅顕人さん)

 

【固体電池ポータブル電源】安全性の高い固体電池搭載で、ポータブル電源がさらに盛り上がる

“もしも”のときに安心して使える、新時代のポータブル電源

YOSHINO
ポータブル電源 B300 SST
実売価格5万4900

 

海外の高級電気自動車にも採用されている、新世代の固体電池を使用したポータブル電源。小型軽量化に加え、高出力化を実現し、容量に対しての出力の高さも美点だ。同時にソーラーパネル(実売3万4900円〜)も発売。

 

SPEC ●容量:241Wh ●定格AC出力:300W ●充電サイクル:4000回(初期容量の80%を維持) ●充電時間:2時間(80%) ●出力端子:8ポート ●サイズ/質量:W255×H242×D156mm/4.5kg

↑容量241Wh、602Wh、1326Wh、2611Whの4種をラインナップ。2024年10月より、全国のビックカメラ・コジマにて発売中だ。

 

【ヒット確定の根拠】防災意識の高まりから多くの人に支持される

「23年秋発売ですが、24年秋からはビックカメラ・コジマなど大手家電量販店での取り扱いが開始され、認知度を高めていく段階に。安全性重視の選択肢として、防災・レジャー等で検討候補に挙がる機会も増えるでしょう」(モバイルライター・井上 晃さん)

 

【紛失防止トラッカー】手軽に貴重品紛失を回避できると注目度アップ!

「探す」アプリを活用してロストバゲージ対策できる

アンカー・ジャパン
Eufy SmartTrack Card E30
実売価格4990円

 

薄さ約2.6mmのクレジットカードサイズで、財布やカードケースにスッキリと収まる紛失防止トラッカー。iPhoneやiPadなどAppleの「探す」アプリに対応し、世界中の「探す」ネットワークにより、登録した本製品の位置を確認できる。

 

SPEC ●駆動時間:最長1年間(充電1回につき) ●最大接続距離:約80m(スマホを鳴らす場合) ●音量:約85dB(1m距離の最大値) ●防水性能:IPX4 ●サイズ/質量:約W85×H54×D2.6mm/約15.4g

 

↑充電はUSB-Cケーブルに付属のマグネット式充電器を接続して行う。本体に充電式バッテリーを内蔵しており、1回の充電で最大1年間使用できる。

 

【ヒット確定の根拠】“スマホを探す”を利用したアイデアで忘れ物を撲滅

「スマートウオッチの普及で“スマホを探す”の便利さを知り、これをほかのモノにも活用できたら、と考える人が出てきました。海外旅行や外飲みの機会が増え始めており、ロストバゲージや忘れ物対策の需要も高まっています」(テクニカルライター・湯浅顕人さん)

 

モバイルライター :井上 晃さん
PCやスマホを軸に、最新ガジェットやITサービスなどを精力的に取材。多くの雑誌やウェブメディアに寄稿する。

 

テクニカルライター:湯浅 顕人さん
PCやAV製品、ガジェットなどデジタル全般をカバー。週末にはアウトドアをエンジョイするアクティブ派でもある。

 

※「GetNavi」2025月2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです。
この記事のリンクから商品を購⼊すると、売上の⼀部が販売プラットフォームからGetNavi webに還元されることがあります。
※価格などの表示内容は掲載時点のものです。在庫切れなどによって変更の可能性もありますので、詳細は商品ページを確認してください。
 

「Ray-Ban Meta」、次期モデルで画面を搭載!? 先進性とコストの兼ね合いに注目

スマートグラスの「Ray-Ban Meta」には画面がなく、もっぱらカメラやスピーカー、マイクを内蔵し、写真撮影やSNSへの動画配信、音楽再生などに割り切っています。しかし、次期モデルでは何らかの画面を搭載すると報じられています。

↑どんな画面を搭載するの?

 

英Financial Timesによると、Metaは早ければ2025年にも画面を搭載したRay-Banスマートグラスを発表する予定とのことです。主に画面は、Metaのバーチャルアシスタント(AI)からの通知や応答を表示することに使われるそうです。

 

Metaは9月、先進的な画面を搭載したスマートグラス「Orion」を発表していました。同社が「真のARグラス」と呼ぶほど素晴らしい機能を披露しましたが、実際に発売するには高価すぎると言われています。そのためか、本製品ではあまり技術レベルの高くない画面を搭載する可能性が示唆されています。

 

ちょうど先日、GoogleとサムスンがAndroid XR構想を披露し、XRヘッドセットのほかスマートグラスの試作機を公開していました。今回の報道はその後のことです。すでにRay-Ban Metaは好評を勝ち得ていますが、画面付きの強化型モデルを早めに投入すれば、さらに多くのユーザーを獲得できそうです。

 

Source: Financial Times
via: 9to5Google

「Ray-Ban Meta」に新機能! その場で使えるAIと翻訳を搭載してどんどん先へ

Metaはスマートグラスの「Ray-Ban Meta」にライブAIやライブ翻訳などの新機能を追加したと発表しました。前者は内蔵カメラが捉えた映像をAIが分析して情報を表示し、後者はリアルタイムで異なる言語を話す人と会話できます。

↑どんどん先へ進む「Ray-Ban Meta」

 

公式リリースによると、この新機能はハンズフリーで食事の準備や庭いじり、初めての場所の探索など、さまざまな場面で役に立つとのこと。

 

ユーザーは「ヘイ、メタ」というウェイクワード(AIを起動する言葉)を前置きせずに質問できる一方、AIは会話の文脈も理解できるそうです。最終的にはAIから「質問する前に役立つ提案ができる」ようになるとも述べています。

 

ライブ翻訳機能は、英語とスペイン語、フランス語、イタリア語の間でリアルタイムに翻訳できるというもの。これら3つの言語(英語以外)のどれかが話されると、メガネは内蔵スピーカーから音声、または接続したスマホの画面に文字を表示することで英語に翻訳。その逆もできるそうです。

 

さらに、街角で流れている音楽をShazamアプリを使って特定できるとのこと。「ヘイメタ、この曲は何?」と尋ねると、曲名を教えてくれると言います。

 

これらの機能は、Ray-Ban Metaグラスのユーザーであれば、誰でも参加できるアーリーアクセスプログラムの一環です(本製品は今のところ日本では販売していません)。

 

その一方、アップルもMetaのようなスマートグラスを開発中と噂されています。Meta製品に対する競争力を上げるため、アップルも同じようなAI機能を実装すると期待したいところです。

 

Source: Meta
via: MacRumors

Meta、AI搭載スマートグラス「Orion」を新発表!

フェイスブックを運営するMeta(メタ)が、「史上最も先進的なAR(拡張現実)グラス」とされるスマートグラス「Orion」を発表しました。

↑新登場「Orion」(画像提供/Meta)

 

「Orionはこれまでで最も小さなARグラスでありながら、最大の視野を備えています。この視野により、マルチタスクウィンドウや大画面のエンターテイメントから、実物大の人物のホログラムまで、真に没入感のある体験が実現します。これらは全て物理的な世界の視界とシームレスに統合できるデジタルコンテンツです」とMetaは言います。

 

Orionはややゴツい形をしていますが、軽量であり、屋内でも屋外でも使用可能。

 

そんなOrionは「コンテキストAI(人工知能)」を組み込むことで、ユーザーの周囲の世界を「検知して理解」し、ユーザーのニーズを「予測して積極的に対処」することができます。例えば、冷蔵庫の中にあるものからレシピを作ったり、ユーザーが食器を洗っている間に友人に電話をかけられたりするそう。

 

残念ながらOrionは消費者向けの製品ではなく、Metaの従業員と「選ばれた外部ユーザー」に提供されます。今後、同社はARディスプレイを改良してビジュアルをより鮮明にし、本体をスリムな形状に進化させ、より手ごろな価格にするために大幅なブラッシュアップを予定しているそうです。

 

Source: MacRumors

メタ、Apple Vision Proの機能と似た特許を出願

日本でも発売が開始されたアップルの空間コンピューター「Apple Vision Pro」。その機能を連想させる特許をメタが出願しています。

↑メタに影響を与えるApple Vision Pro(画像提供/アップル)

 

もともとメタはヘッドセットの分野で先行している企業で、現在はVRヘッドセット「Meta Quest 3」やハイエンドモデル「Meta Quest Pro」を販売しています。

 

今回メタが出願した特許は、ヘッドセットに埋め込まれたセンサーで顔の表情を検知し、ユーザーのアバターをリアルタイムで表示することができます。センサーは顔の筋肉の動きを信号でキャプチャーし、それを機械学習アルゴリズムで処理することで、ユーザーの顔の表情を判断するというもの。

 

この説明を聞くと、アップルの「EyeSight」に非常に近いアイデアだと感じられます。Apple Vision Proにはユーザーの顔の形状をスキャンし、外側のディスプレイに映し出して対話時の違和感を軽減するEyeSightという機能が搭載されています。

 

しかし、メタが出願した特許によれば、心電図(ECG)、脳波(EEG)、光電式容積脈波(PPG)などのさまざまなセンサーで、ユーザーの心臓や血管の健康状態をモニターすることもできるとのこと。これらの機能は、メタのヘッドセットをApple Vision Proと差別化するのに役立つかもしれません。

 

Apple Vision Proは価格の高さもあって販売が苦戦していると伝えられています。メタがコストを押し上げるEyeSight風の機能を採用するかどうかは、Apple Vision Proの売り上げ次第ともいえそうです。

 

Source: Patently Apple via MacRumors

【西田宗千佳連載】Meta Quest 3がMRで本気を出すのはいつなのか?

Vol.132-4

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはMetaが発売を開始したVRデバイス「Quest 3」。発売当初、Mixed Realityの注目機能がない理由と、本気を出してユーザーに提供する時期はどれくらいなのかを探る。

 

Meta

Quest 3

実売価格7万4800円〜

↑Quest 2よりも処理速度が大幅に向上したが、それ以上に進化したのがデュアルRGBカメラと奥行きセンサー(デプスプロジェクター)による高度な Mixed Reality(MR)表現。高度な操作が可能なコントローラーも付属する

 

Metaの「Meta Quest」シリーズの特徴として“ソフトウェアアップデートが頻繁である”という点が挙げられる。しかも、アップデートのほとんどは機能アップであり、セキュリティアップデートなどではない。そのため、ハードウェアの出荷時と1年後、2年後では、機器の機能や使い勝手が大きく変わってしまう。

 

このような「ソフトで進化するハード」は、過去から存在した。古くはPlayStation 3あたりがそうだし、いまのスマートフォンやPCも、OSのアップグレードで機能が変わる。

 

ただ、いま一番「劇的なアップグレードが立て続けに出てくるハード」と言えば、やっぱりMeta Quest 3ということになるだろう。MetaのCTO(最高技術責任者)であるアンドリュー・ボスワース氏によれば、すでに「発売から30日・60日・90日・120日で行なうアップデートの内容は決まっている。どれも機能アップ」とのことなので、期待して良い。

 

特に注目して欲しいのが、「発売120日後」以降のアップデートとして、Mixed Reality機能の大幅な拡張も用意されている点だ。

 

このアップデートでは「オーグメント」という機能が追加される。オーグメントとは、簡単に言えば「現実の空間に、ウインドウや3Dオブジェクトを好きに配置する」もの。壁に音楽アプリや写真を貼っておいたり、棚の上に現実にはない3Dの物体を置いておいたり……といったことが可能になる。

 

MRは「周囲が見える」機能だと思われているが、本当はそうではない。現実の空間にコンピューターが生成した画像やウインドウ、オブジェクトなどを配置し「現実とコンピューターの世界を混ぜる」ものだ。

 

こうした要素は、マイクロソフトの「HoloLens」が実現していたもので、2024年にアップルが発売する「Vision Pro」にも搭載されている。ヘッドセットをかぶったまま「現実とコンピューターの世界が混ざった世界」で暮らしたり仕事をしたりするには必須の要素、といってもいい。

 

Meta Quest 3は発売時にそんな必須要素を搭載していないのだが、2024年1月から2月にかけてオーグメントを搭載するアップデートが実行されると、また状況が変わるだろう。

 

ではなぜMetaは、そんな必須機能を搭載しないで出荷したのだろうか? 理由は「動作検証が大変だから」だそうだ。

 

MRは利用者の環境によって精度が変わる。Meta Quest 3は、Metaにとっては初めての「高機能なMRが搭載された機器」なので、家庭での利用状況はわからない。そこでまずMeta Quest 3を出荷し、一般家庭でどう使われたかを検証してからオーグメントをチューニングして搭載したかった……ということのようだ。

 

そして、来年春までには、アップルがVision Proをアメリカで出荷することになる。いよいよ、両者が同じ市場で激突するわけだが、Metaとしてもそれまでにオーグメントを搭載し、「MR機器としてアップルと対抗できる状況」にしておきたいのではないか、とは考えてしまう。どちらにしろ、来年になるとMeta Quest 3は大きく変わることになるだろう。

 

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【西田宗千佳連載】MRは「長い時間着ける」のが本質、でもMeta Quest 3には迷いが見える

Vol.132-3

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはMetaが発売を開始したVRデバイス「Quest 3」。MRの本質を掘り下げていく。

 

Meta

Quest 3

実売価格7万4800円〜

↑Quest 2よりも処理速度が大幅に向上したが、それ以上に進化したのがデュアルRGBカメラと奥行きセンサー(デプスプロジェクター)による高度な Mixed Reality(MR)表現。高度な操作が可能なコントローラーも付属する

 

Meta Quest 3のMixed Reality(MR)機能は、多くの人にとって驚きのものだろう。周囲の状況が自然にわかるので、動画やWebを見ながら部屋の中を歩いたり、ちょっとした家事をしたり……といった使い方ができる。

 

ただ周囲が見えればそれでいいか、というとそうもいかない。安全に、快適にVR機器を使うには、MRがあったほうが望ましい。目を覆ってしまう機器なので、周囲の状況が一切わからないのは危険だし、飲み物を飲んだりするときに毎回ヘッドセットを外すのも面倒だ。

 

また、MRを使った「現実空間の中で遊ぶゲーム」は楽しいだろう。だが、ゲームは没入する部分の多いものなので、すべてのゲームがMR対応にはならないし、MRに向かないものも多い。

 

一方で、Meta Quest 3を仕事に使うとしよう。VRを使ったシミュレーションや講習のような特殊な用途ではなく、もう少し一般的な作業だ。

 

空間に大きく複数のディスプレイを表示して作業をしたり、誰かと仮想空間の中でミーティングをしたりという使い方は、もう十分に可能となっている。ただそのような使い方をするなら、何時間も着け続ける可能性が出てくる。その場合、周囲の状況がわかったり、キーボードやマウスが見えたり、着けっぱなしでスマホの通知を確認したりできないと不便に感じるはずだ。

 

すなわち、MRの本質は「周囲の状況を確認できること」なのだ。体験自体の新鮮さ・おもしろさも非常に重要だが、それ自体はそのうち当たり前のものになる。

 

すなわちMRとは、ゲームをしているときだけヘッドセットをつけるのではなく、いろいろな作業をするときや映像を見るときなど、「日常のなかでできるだけ着けっぱなしになる時間が長くなる」ようにするための必須機能と考えていいのだ。逆に言えば、これまでのVR用ヘッドセットは、そういう必須機能が欠けた状態で使われていたので利用頻度が上がりづらかった……いうこともできるだろう。

 

一方で、Meta Quest 3には多少「Metaの迷い」も見える。

 

Meta Quest 3が標準で採用しているバンドは、安価ではあるが頭を絞め付ける構造になっている。そのため長時間の利用にはあまり向かない。長時間着け続けるなら、Meta Quest Proのように「頭を締め付けず、顔にもパッドを当てずに負担を感じさせない」構造が望ましい。

 

だが、頭や顔に負担をかけない構造は、スポーツ的に激しく動くゲームと相性が悪いうえに、ハードウェアコストも高くなりがちだ。Meta Quest 3は本質的にゲーム機であり、同時にMRを使った未来のPC的なデバイスでもある。

 

Metaはそこでどうしても、Meta Quest 3を、いまのビジネスである「ゲーム」の方に向けざるを得なかった。価格を抑え、ゲームが快適に遊べることが、まず商品として重要であるからだ。

 

そのため、Meta Quest 3を長時間使う場合は、社外品を含めた別のバンドを使うのがオススメになっている。Meta自身がもっと使い勝手のいいバンドを用意してくれてもいいのでは……とも思う。

 

なお、発売時点でのMeta Quest 3のMR機能はまだ完全ではない。毎月アップデートし、2024年以降により本格的な機能が公開されることになっている。それはどういうもので、どう変わるのか? その辺は次回のWeb版で解説する。

 

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【西田宗千佳連載】簡単そうに見えて難しい、「リアルなMR」を実現するまで

Vol.132-2

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはMetaが発売を開始したVRデバイス「Quest 3」。開発までの経緯、特にMR機能の実現にいたるまでを解説する。

 

Meta

Quest 3

実売価格7万4800円〜

↑Quest 2よりも処理速度が大幅に向上したが、それ以上に進化したのがデュアルRGBカメラと奥行きセンサー(デプスプロジェクター)による高度な Mixed Reality(MR)表現。高度な操作が可能なコントローラーも付属する

 

Meta Quest 3の最大の特徴は、外部の様子をカラーかつ立体感のある形で見られる「Mixed Reality(MR)」を重視したことだ。

 

MetaのMRへの取り組みは、2021年から始まる。Meta(旧Oculus) Questは外部認識のために搭載されているセンサーを使い、自分の周囲の様子を表示する、「パススルー」するところからスタートした。もともとはカメラとして搭載されていたものではなく、あくまで「センサー」であり、モノクロで解像度も低い。それを複数組み合わせ、ディスプレイ側にはモノクロによる周囲の映像が見えるように工夫した……という流れだ。

 

その後、Metaが採ったアプローチはスタンダードなものになり、多くのVR用HMDで使われた。そもそもMetaの発想自身、完全なオリジナルというわけではなく、いろいろな企業や研究者が試したものでもある。

 

コストをかけずに「周囲の安全を確認したい」というニーズを満たすには良いやり方だが、一度「外の様子もわかる」となれば、カラーかつ自然な表示を求めたくなるもの。そこで、多くのHMDがカラーカメラの搭載によるMR機能の搭載へと進んだ。

 

ただ、カラーで画質が良く、さらに立体感が自然なMR機能となると、ハードルは一気に高くなる。

 

理由のひとつはもちろんコスト。きちんとした立体感を実現するには、前提条件として、カラーで画質の良いカメラを「目に近い位置に2つ」搭載する必要がある。モノクロで解像度の低いセンサー向けよりもパーツのコストは当然上がる。

 

だが問題はそれだけではない。2022年秋に発売された「Meta Quest Pro」は、発売当初22万円(1500ドル)と高価だった。カラーカメラを搭載しても問題ない価格であり、実際カラーのパススルー機能を搭載してはいたが、画質も立体感もいまひとつだった。

 

その理由は「処理能力」にある。ただし、CPUやGPUの性能だけが問題なのではない。それらとカメラ、メモリーをつなぐ経路である「バス」の性能も重要だ。

 

VR機器とPC、スマートフォンの最大の違いは、つながっているセンサーの数にある。

 

たとえばPCの場合、カメラはついていてもせいぜいひとつか2つ。スマートフォンは2つから5つくらいに増えるが、どれも常に動いているわけではなく、必要なときに使うだけだ。

 

だがVR機器の場合、カメラ(センサー)は5つから6つ搭載されている。それがほぼ常に動作しているので、CPU・GPU・センサーとの間では、大量の情報が「流れ続けている」ことになる。経路であるバスが太く、コントロールも容易な形になっていなければ、いくらCPUやGPUが速くても、クオリティの高いMR機能は実現できないのである。

 

Quest Proに使われていたプロセッサーである「Snapdragon XR2+ Gen 1」では、カラー+3DのMR機能をコントロールするには性能が足りなかった。そのため、モノクロの立体映像に解像度の低い色映像を乗せるような形で再現されていた。

 

一方Quest 3では「Snapdragon XR2 Gen 2」が採用され、性能が劇的に向上した。最も目立つのはGPU性能の向上なのだが、カメラを複数コントロールするためのバス性能なども上がっている模様だ。そのため、クオリティの高いMR機能が実現できている。

 

なお、アップルが2024年に発売を予定している「Vision Pro」は、Quest 3よりもさらに高画質で自然なMRが実現されている。カメラは5つ搭載されていて、どれも高画質なものと見られる。Vision Proはカメラとディスプレイのコントロールのため、メインのプロセッサーである「M2」とは別に「R1」という、カメラやディスプレイをコントロールする専用の新プロセッサーが搭載されている。だから高画質なのだが、それは35万ドル(約52万5000円)という高価なハードウェアだからできることでもある。

 

では、MR機能はどんな可能性を持っているのか? 次回はそこを解説していく。

 

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【西田宗千佳連載】MRでアップルに先行する「Meta Quest 3」

Vol.132-1

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはMetaが発売を開始したVRデバイス「Quest 3」。アップルのVision Proとほぼ同時期に発表したMetaの思惑は何か。

 

Meta

Quest 3

実売価格7万4800円〜

↑Quest 2よりも処理速度が大幅に向上したが、それ以上に進化したのがデュアルRGBカメラと奥行きセンサー(デプスプロジェクター)による高度な Mixed Reality(MR)表現。高度な操作が可能なコントローラーも付属する

 

アップルを意識してほぼ同時期に発表

Metaは10月10日から、新しいVRデバイス「Meta Quest 3」を発売した。

 

9月27日にMeta米国本社で行なわれた発表会にて、同社のマーク・ザッカーバーグCEOは、「いままでにないものを発表することでイノベーションを起こすこともある。だが時には、素晴らしいが超高価なものを、誰にでも手が届くように、あるいは無料で提供できるようにすることで、イノベーションを起こすこともできる」と語った。

 

このフレーズは、アップルの「Vision Pro」を意識してのものだ。

 

Quest 3は、外界の様子を本体に搭載したカメラで取り込み、そこにCGを重ねる「複合現実(MR)」技術を搭載する。

 

Vision ProもMRを搭載し、“空間コンピューティング”としてアピールしている。筆者はデモを体験しているが、圧倒的に高画質で、時に“装着していることを忘れる”ような体験ができる。

 

ただし、Vision Proは価格が3500ドル(約52万円)と非常に高価だ。多くの人がすぐに買えるものではない。

 

一方、Quest 3は499ドル(日本では7万4800円から)と、7分の1の価格で買える。「誰にでも手が届く」とザッカーバーグCEOが強調するのは、この安さがゆえだ。しかも、来年まで待たずともすぐ買える。

 

まず期待されるのはゲーム機としての成功

もちろん、価格が違うのには相応の理由がある。

 

MRの品質・精度では、Vision Proの方がはるかに上だ。だがそれは、高価なパーツと凝った構造という、高価な製品だからできる要素の積み重ねがあって実現できるものだ。一方Quest 3は、画像の荒さや立体感の歪みなどもあり、Vision Proほどのリアルさは実現できていない。

 

とは言うものの、Quest 3が実現しているMRの品質もまた“ほかの機器では体験できなかったレベル”のものであることに変わりはない。価格を抑えつつ、いままでにない体験を実現しようとしているのがQuest 3の美点だ。

 

差別化したのは価格だけではない。“発売タイミング”も相当気にした様子が見える。

 

Quest 3のウリであるMR機能だが、発売当初からすべての機能が実装済みというわけではない。30日単位で機能をアップデートしていき、デモ映像などで出てくる機能がひととおり実装されるのは2024年になってからと見られる。

 

その理由について同社は、「消費者の利用環境を見ながら、慎重に実装するため」としている。

 

一方で、商戦期の関係も大きいのは間違いない。Quest 3は「VRゲーム機」でもあるので、クリスマス商戦を外すわけにはいかないのだ。

 

VRを使ったゲーム機として、一定以上の成功を収めているメーカーはMetaくらいしかない。MetaのQuest向けアプリストアは20億ドル以上を売り上げており、Quest 3もMR以上に“ゲームでの成功”がまず期待されているのだ。

 

では、Quest 3はどう開発されたのか? 同社の過去製品とどう違うのだろうか? そうした部分は、次回以降解説していく。

 

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元ツイッター対抗アプリThreads、今週中にウェブ版がリリース? ユーザー急減を食い止められるかも

MetaがX(旧Twitter)対抗アプリ「Threads」のウェブ版を今週中に立ち上げると、米The Wall Street Journalが報じています。

↑Threadsが再び盛り上がるかも?

 

Threadsはわずか5日間でユーザー1億人を突破していたものの、最小限の機能しかなかったためか、DAU(デイリーアクティブユーザー。実際に使っている、1日当たりのユーザー)が激減していました。ローンチから1週間後にはAndroid版アプリのDAUが半減、8月にはピーク時から82%減ったとの調査結果もあります

 

そうした人気急落を受けて、マーク・ザッカーバーグCEOは今月初めにより良い検索機能やウェブ版を「今後、数週間以内に追加する」と約束していました

 

今のところThreadsの投稿をウェブ、つまりPCのブラウザで確認できるものの、投稿したりフォローするなどアプリにある機能は使えません。そのため不便だとの声も多く、対応が急がれていた印象があります。

 

しかしWSJは情報筋の話として、この機能の「ローンチ計画は最終的なものではなく、変更される可能性もある」とも但し書きを付けています。Instagram責任者でThreadsも担当するAdam Mosseri氏は先週、社内で「初期バージョンを1〜2週間テスト」しているが、広く公開する前に「いくつかの作業が必要」だと述べていました

 

先週末、Xオーナーのイーロン・マスク氏は「ブロック機能はDM以外は削除する」と述べて物議を醸していました。競合するThreadsが機能を充実させていけば、そちらに引っ越すユーザーが増えるのかもしれません。

 

Source:The Wall Street Journal
via:The Verge

マスク VS. ザッカーバーグの金網マッチ、マスク氏が「手術するかも」のため無期限に延期?

テスラのCEOでX(元Twitter)オーナーのイーロン・マスク氏と、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、金網マッチを約束しています。一度はザッカーバーグ氏が「話が纏まるかどうか分からない」と語って見送られる可能性が高まったものの、その数日後にマスク氏が「Xでライブ配信する」と述べたことで再燃しました。

↑まだ実現は遠い?

 

ようやく大金持ち同士の殴り合いが見られるかと思いきや、マスク氏は「試合前に手術が必要かもしれない」と述べ、再び雲行きが怪しくなってきました。

↑ザッカーバーグ氏は「8月26日にやろうぜ!」と提案したが…(Image:Threads)

 

ザッカーバーグ氏はマスク氏の「Xで実況する」「一日中、ウェイトリフティングして試合に備えている」との発言を受けて、8月26日を提案しています

 

これに対してマスク氏は直接の回答をしませんでした。が、しばらく後に「正確な日付はまだ流動的だ。明日、首と背中のMRIを撮る。試合前に手術が必要になるかもしれない」と言い出しました。

 

手術は試合の無期限延期だけでなく、マスク氏が関わる様々な会社の経営に影響を与えかねません。実際、この発言後にテスラの株価は2%以上も下落しました。ほか、マスク氏はスペースX社のCEOも務めています。

 

マスク氏もザッカーバーグ氏も、対決に備えてトレーニングを積んでおり、公の場で互いをけん制し合っています。

 

たとえばマスク氏は、試合の収益はすべて退役軍人のチャリティーに寄附すると発言。これに対してザッカーバーグ氏は「チャリティーのために実際に資金を集められる、もっと信頼できるプラットフォームを使うべきでは?」とツッコミを入れ、XよりFacebookの方が向いていると示唆しています。

 

もしも金網マッチが無期延期となっても、2人の舌戦がネットで繰り広げられ続けるのかもしれません。

 

Source:Elon Musk(X)
via:Engadget

マスク VS. ザッカーバーグの大金持ち金網マッチ、実現しない可能性が濃厚に

大金持ち同士の殴り合いファンには悲しいお報せですが、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOとテスラCEOでありX(元Twitter)のオーナーであるイーロン・マスク氏の金網マッチが実現しない可能性が高まりました。

↑金網マッチは実現せず?

 

ことの始まりは、International Blockchain Consultingの創設者兼CEOのマリオ・ナウファル氏が「MetaがTwitter(当時)のライバル“Threads”リリースへ」とツイートしたこと。Threadsとはテキスト会話アプリであり、真っ向から元Twitterと競合するものです。

 

このツイートにマスク氏が反応したところ、フォロワーが「気をつけた方がいい。彼は今柔術をやっているらしい」とリプライ。それに対してマスク氏は「彼が応じるなら、ケージマッチに向けてアップしてやるよ(笑)」とコメントしました。ケージマッチとは、金網に囲まれたリングで戦う試合のこと。

 

それに続き、ザッカーバーグ氏がInstagramにて「場所を送れ」と言ったとThe Vergeの編集者がツイート。これにマスク氏は「Vegas Octagon」つまりラスベガスにあるオクタゴン(総合格闘技UFCの試合が行われることで有名)を指定し、両者の合意が取れた格好でした。

 

しかし、米Reutersによると、ザッカーバーグ氏は社内のタウンホールミーティング(経営陣と従業員が直接に話し合う場)で「話がまとまるかどうかは分からない」と語ったとのこと。ちなみに同氏は最近ブラジリアン柔術に励んでおり、柔術のトーナメントで優勝経験があります。

 

ザッカーバーグ氏は完全に試合が中止されたと言ったわけではありません。とはいえ、「私には“セイウチ”という素晴らしい技がある。これは相手の上にただ横たわって、何もしないというものだよ」と述べていたマスク氏は、ホッとしているのかもしれません。

 

Source:Reuters
via:Engadget

Threadsがようやく「フォロー中」のタブを追加! 使いやすさはTwitter並み?

Metaが7月初めにリリースした「Threads」が、ようやく「フォロー中」のタブを追加しました。マーク・ザッカーバーグCEO自らが、Threads上で明らかにしています。

↑もっともっと使いやすく!

 

これまでThreadsは、「フォローしている人の投稿だけ」のタイムラインを表示できず、AIが選んだ有名人らの投稿が混じった「おすすめ」だけに限られていました。しかし、これからはようやくフォローしている人からの投稿のみを読めるようになります。

 

この「フォロー中」のタブを表示するには、まず下部のツールバーにある「ホーム」ボタンをタップ。それから上部にあるThreadsのロゴ(@のようなマーク)をタップすると、「おすすめ」と「フォロー中」の2つのタブが表示されます。このタブは時系列順、つまり「新しい投稿が上に表示」ということで、元Twitterと同じ感覚で読むことができます。

 

もし「フォロー中」タブが表示されなければ、アプリを再起動するといいでしょう。また、ユーザーによってはアップデートの反映に時差があるかもしれません。

 

しかし、「フォロー中」のタブに切り替えていても、アプリを再び立ち上げると、「おすすめ」タブに戻っています。Metaとしては、ほとんどの人には有名人がいる「おすすめ」タブを見てもらい、パワーユーザーには「フォロー中」を選ぶ自由を与える、といったところでしょう。

 

ほかにも、タイムラインを更新しても、全体がリセットされなくなりました。その代わり、新しい投稿が一番上に追加され、どこまで読んだかが分かりやすくなっています。

 

ザッカーバーグCEOは「Threadsのウェブ版も実現しますか?」と尋ねられて「もうすぐ来るよ」と答えています。ウェブブラウザからも読み書きできるようになれば、かつてのTwitter並に使いやすくなりそうです。

 

Source:zuck(1),(2) 
via:9to5Mac

Instagram、Twitter対抗アプリ「Threads」を7月6日リリース! 引越先にいいかも?

MetaのTwitter対抗アプリ「Instagram Threads」が7月6日にリリースされることが明らかとなりました。すでにApp StoreにはiPhone用バージョンの予約が始まっており、Google PlayストアにもAndroid版のページが公開されています。

↑すでに予約受付中。Twitterにソックリ?

 

このThreadsは、Meta傘下のInstagramが準備中と数か月前から噂されていたものです。6月には、Metaの全社会議で従業員に披露されたというプレビュー版の画像が流出していました

 

App Storeに掲載された公式説明によれば、このアプリはInstagramのテキストベースの会話アプリ。「コミュニティが集い、関心のあるトピックから次に来るトレンドまで何でも話し合える場です」と謳われています。

 

また「興味・関心のジャンルが何であれ、お気に入りのクリエイターや自分と同じ興味・関心を持つ人をフォローし直接つながることができます。あるいは、自分の熱心なファンを増やし、世界に向けて自分のアイデアや意見、クリエイティビティを発信することができます」とのこと。要するに、Twitterと同じようなしゃべり場を目指しているようです。

 

このThreadsは、Instagramと同じユーザー名とパスワードでログインでき、ハンドル名やプロフィール等の情報も引き継ぎ可能。そして500字までのテキストが投稿でき、リンク、写真や動画も添付できると予想されています。

 

今回のニュースは、ちょうどTwitterが大変な事態になっている最中のことです。先週末、オーナーのイーロン・マスク氏はユーザーが1日に読めるツイート数を一時的に制限すると発表

 

それから何回か修正されましたが、今のところ認証済みアカウント(有料プラン加入者)は1日あたり1万件、未認証アカウントは1000件、未認証の新規アカウントは300件までとされています。

 

そのため分散型SNS「Bluesky」に多くのTwitterユーザーが殺到し、負荷が急増。やむなく、新規登録を1日以上停止する事態となっていました

 

そうしたタイミングだけに、TwitterユーザーはThreadsの利用を検討してみてもいいかもしれません。

 

Source:App Store
via:The Verge

Instagram、Twitter対抗アプリを早ければ6月にリリース? 噂の分散型SNSかも

米Meta傘下のInstagramは、Twitterと対抗するテキストベースのアプリを開発しており、早ければ6月にリリースする可能性があると報じられています。

↑Instagram vs. Twitter?

 

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でSNSを教えるLia Haberman氏は、ICYMI Substackのニュースレターに、Instagramのマーケティング用スライドらしき資料を公開しています。これまでInstagramがTwitterと競合するアプリを開発しているとの噂はありましたが、その詳細や画面イメージが現れたのは今回が初めてのことです。

 

この資料ではアプリに名前は付けられず、「Instagramの新しいテキストベース会話用アプリ」とだけ書かれています。Haberman氏によると、このアプリの開発コード名は「P92」または「Barcelona」とのこと。ユーザーはInstagramのユーザー名とパスワードでログインでき、フォロワーやハンドルネーム、プロフィール等はInstagramアプリから引き継がれるそうです。

 

新アプリではフィード(スクロールできるコンテンツ)が表示され、(英語で)500字までのテキスト投稿ができ、リンクや写真、動画も添付できます。リークされた画像を見るかぎり、InstagramとTwitterを混ぜ合わせたようなデザインになるようです。

 

また、最初からモデレーション(投稿の規制)機能を備えており、「誰があなたに返信できるか、メンションできるかをコントロールする設定を備えている」との記述もあります。さらにInstagramでブロックしたアカウントは、すべて引き継がれるとのことです。

 

最も注目すべきは、「まもなく我々のアプリは、Mastodonのような特定の他のアプリと互換性を持つようになります」と書かれていることでしょう。これはMetaが分散型SNSサービスを開発中であり、コード名は「P92」という噂話とも符合しています。また同社は、Mastodonなどに使われている標準プロトコル「ActivityPub」にも深く関わっていたりもします。

 

今回Meta社はコメントを拒否していますが、イーロン・マスク氏が買収した後のTwitterはサードパーティ製クライアントを禁止するなど方針変更も激しく、一部のユーザーが離れる動きもあるようです。これまでのフォロワーも引き継げるのであれば、Instagramの新アプリは有力な引越先になるのかもしれません。

 

Source:Lia Haberman(Twitter) 
via:The Verge

Metaの次期ヘッドセット、製品名は「Quest 3」? Proモデルの半額以下でMR体験を実現かも

Metaの次期ヘッドセットは今年(2023年)後半に発売予定であることは、公式に発表されています。これまで仮名で呼ばれていたデバイスの製品名が、本当に「Meta Quest 3」である手がかりが発見されました。

↑ヒネリのない名前に?

 

海外のVR関連ニュースサイトUpload VRは、「突然、全てのQuestストアVRアプリでサポートされていると表示されるようになった」と報告しています。おそらくMetaは今年秋の「Connect」イベントでまで情報を出さないと見られていたので、驚きを持って受け止められています。

 

たしかにQuestストアのVRカテゴリーには、右から左にスクロールする文字列のなかに、「Quest 3」というテキストが確認できます。

 

現行モデルも「Quest 2」と呼ばれているので、次のヘッドセットが「Quest 3」になっても意外ではありません。すでにMetaはQuest Proも投入していますが、これはクリエイティブのプロ向けヘッドセットであり、一般ユーザーへの普及を意識したモデルではありません。

 

そしてQuest 3の価格は300~500ドル(約4万1,000円~6万9,000円)だと、ザッカーバーグCEO自らが予告していたこともあります。Meta Quest Proは当初の1,499ドルから999ドルに値下げされましたが、その半額以下ということです。

 

Quest 3に関しては、現行のQuest 2より2倍薄く、少なくとも2倍の性能を持ち、前面カメラで現実世界を取り込んで複合現実(MR)体験を実現するとMeta社内で公表されたとの報道もありました。また、新たなMR体験を含めた41の専用アプリとゲームも準備中だとも噂されています。

 

アップルも6月の世界開発者会議WWDCにてAR/VRヘッドセットを発表すると予想されていますが、そちらは3,000ドル(約40万円)以上とみられています。そちらの方が高性能であることは間違いありませんが、お手ごろ価格のQuest 3の方が普及しやすそうではあります。

 

Source:UploadVR(Twitter) 
via:BGR

Apple Watch用メッセンジャーアプリ、5月末に廃止? Metaが一部ユーザーに通知か

Apple Watch用のFacebookメッセンジャーアプリは、いつでもすぐに返事ができて便利だと好評を呼んできました。ですが、Metaがこのアプリを今月(5月)末に終了すると一部ユーザーに伝えていることが明らかとなりました。

↑Apple Watch用のメッセンジャーアプリ

 

今のところMetaは、メッセンジャーアプリを廃止することを公式には発表していません。しかし、複数のユーザーがApple WatchやiPhoneアプリ内で通知を受け取ったと報告しています。

 

Apple Watch用のメッセンジャーアプリが廃止されても、新着メッセージの通知は受信できます。ただし返信はできなくなり、iPhoneのアプリを使う必要があります。その場合、以前よりも時間を取られて面倒な作業となりそうです。

 

またApple Watch専用アプリの長所は、iPhoneが近くにない場合でもメッセージを受信できることです。専用アプリがなくなれば、これは不可能となります。

 

なぜMetaがwatchOS向けメッセンジャーアプリを廃止するのか、理由はわかっていません。とはいえ、TelegramのApple Watch専用アプリもApp Storeから姿を消していました。

 

もしかすると、Apple Watchのアプリ市場は、あまりうまくいっていないのかもしれません。たとえばヨーロッパにおけるApple WatchのApp Store月間利用者数は、iPhoneの1億100万人に対して100万人というアップル公式発表もありました。

 

次期「watchOS 10」は、Apple Watch史上最大のアップデートになるとの噂もあります。そのテコ入れで、Apple Watch用のApp Storeも盛り返すことを期待したいところです。

 

Source:Amanda Nova(Twitter)
via:Cult of Mac

Meta、FacebookとInstagramのNFTサポート終了。わずか1年足らず

Metaは2022年から自社のFacebookとInstagramでNFTへの対応を始めましたが、今後NFTサポートを終了すると発表しました。

meta-nft
↑2022年からNFT対応をはじめていたMeta

 

この決定は、Metaのコマース&フィンテック責任者であるステファン・カスリエル氏がTwitterで述べています。クリエイターやユーザー、ビジネスを助ける他の方法に注力するため、NFTとの関わりは縮小するとのこと。2022年5月、Instagramで自分のプロフィールにNFTアイコンを表示可能となりましたが、それから1年足らずでの幕引きとなりました。

 

カスリエル氏は、なぜNFTの方針を転換したのか詳しく説明していません。Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは2022年3月、将来的にNFTがメタバースで活躍するであろうことを伝え「メタバースでアバターが着る服は基本的にNFTとして鋳造され、異なる場所とも行き来できるようになるといい」と語っていましたが、その実現はかなり厳しいものとなりました。

 

NFT事業終了の背景を推察すると、ザッカーバーグCEOが3四半期連続で減収したことを受けて、2003年のテーマを「効率化」とした(コストカットや不採算部事業の整理)一環のようです。2022年1月には暗号通貨「Diem」を、9月にデジタルウォレット「Novi」も終了させていました

 

さらにMetaは2022年末に、メタバース事業を担うReality Labsを含む従業員1万1000人を解雇しました。また、まもなく新たに数千人規模のレイオフをするとも報じられています。生き残るためにあらゆる手段を探っているようです。

 

Source:Stephane Kasriel/Twitter
via:The Verge

MetaからTwitter対抗の分散型SNSサービスが登場する?

Meta(メタ)がTwitter(ツイッター)の対抗となる分散型SNSをリリースする可能性を、海外メディアのMoneyControlとPlatformerが報じています。

↑Michael Vi / Shutterstock.comより

 

TwitterはElon Musk(イーロン・マスク)氏の買収後、突如サードアプリの禁止を発表したりと、その方向性を大きく変えようとしています。一方でTwitterクライアントの「Tweetbot」の開発元は分散型SNS「Mastodon(マストドン)」向けクライアントを発表。Apple(アップル)の幹部も、TwitterからMastodonに乗り換えています。

 

今回の報道によれば、Metaは将来MastodonのようなTwitterの代替アプリの提供を検討しているとのこと。この計画はコードネーム「P92」と呼ばれており、「ActivityPub」と呼ばれるマストドンのプロトコルをサポートする予定です。つまり、Mastodonとの相互運用が可能となる可能性もあります。

 

P92はInstagram(インスタグラム)のブランドを冠しており、Instagramの認証情報を使って登録やログインができるとのこと。またその場合、ユーザープロファイルにはInstagramのアカウント情報が表示されます。またP92は分散型SNSなので、ユーザーが自分のサーバーを立ち上げ、コンテンツの制御に関するルールを独自に設定できます。

 

MoneyControlによると、Metaがすでにアプリの構築を開始しているのか、それともまだ開発の計画段階なのかは、まだわかっていません。しかしTwitterの後釜になるべく、各社が動きを活発化させているのは間違いないようです。

 

Source: MoneyControl and Platformer via Engadget

Meta、VRヘッドセット向け定額制ゲームサービス「Quest Pass」を準備中かも

MetaのVRヘッドセット向けに、マイクロソフトのXbox Game Passのような定額制ゲームサービスが準備中かもしれない手がかりが発見されました。

↑Metaに新たな噂が

 

TwitterユーザーのShiny Quagsire氏によると、Android版Meta Questモバイルアプリの奥深くには、コード名「Project Apollo」というMeta版ゲームパスらしき「Quest Pass」のページが隠されていたそうです。

 

この「Quest Pass」ページは、URI(統一資源識別子)リンク「oculus://view/platform_subscription」を通じてアクセスできるとのこと。もっとも、ハイテク情報サイトTom’s Guideほか、このページにたどり着けない人がほとんどのようです。

 

またShiny Quagsire氏も、実際に購読を申し込むことができたわけではないようです。「Project Apollo」つまりアポロ計画(人類初の有人宇宙飛行計画)という名前からすると、まだまだ実現は先のことかもしれません。

 

ちょうどMetaは、ヘッドセットの値下げを発表したばかり。Meta Quest 2(256 GB)は3月5日から7万4400円→6万4405円(以下、すべて税込)、Meta Quest Proは3月15日から22万6800円→15万9500円と、かなりお求めやすくなります。そこに定額制ゲームサービスもやって来れば、普及が加速することになりそうです。

Source:Shiny Quagsire(Twitter)
via:Toms’s Guide

Messenger機能がFacebookアプリにようやく帰ってくる

Facebookを運営するMetaは、チャット機能「Messenger」をFacebookアプリから利用できるようにするためのテストを始めていると発表しています。

↑Jakraphong Photography/Shutterstock.comより

 

2014年に単体のMessengerアプリをリリースし、Facebookアプリから同機能を削除したMeta。当時、Metaは「Messengerを最高のモバイルメッセージングアプリにし、Facebookのモバイルメッセージング体験との混乱を避ける」と説明していました。

 

最新のブログ発表によれば、MetaはFacebookアプリでMessengerの受信トレイにアクセスする機能をテストしており、近々このテストを拡大するとのこと。そして今後1年で、FacebookにMessenger機能を統合すると明かしています。

 

Metaによれば、「MessengerアプリでもFacebookアプリでも、人々が繋がり、簡単に共有できるようになることを望んでいます」としています。FacebookアプリとMessengerアプリを行き来する必要がなくなることは、ユーザーにとってもうれしい改善といえそうです。

 

Source: Meta via Engadget

2027年までにメタバースで何が起きる?「Meta」のロードマップがリーク

Meta(メタ)のヘッドセットに関する今後数年のロードマップを海外テックサイトのThe Vergeが報じました。

↑2027年までの計画は…

 

「Meta Quest 2」や「Meta Quest Pro」など、VRヘッドセット事業に注力するMetaは、2023年後半に次期VRヘッドセット「Meta Quest 3」を投入することが予定されています。

 

The Vergeによれば、Metaは複数のヘッドセットや「ニューラル・インターフェイス」を備えたスマートグラス、そしてスマートグラスとペアリング可能なスマートウォッチの投入を予定しているとのこと。

 

まず、2023年のQuest 3では本体がより薄く、よりパワフルになります。前面カメラのMR(複合現実)にも対応しますが、本体の価格は若干高くなる模様。2024年には、Quest 3とQuest Proの中間に位置づけられる新型ヘッドセット「Ventura(コードネーム)」が登場するそうです。

 

2025年には、第3世代のスマートグラスとスマートウォッチが登場するとのこと。スマートグラスでは「ビューファインダー」にテキストメッセージを表示したり、QRコードをスキャンしたり、リアルタイム翻訳したり、さまざまことができるそうです。さらに「ニューラル・インターフェイス」と呼ばれるバンドでは、手の動きでスマートグラスを操作することが可能とのこと。

 

2027年には、真のARスマートグラス「Orion(コードネーム)」が発売されます。これは「技術的に非常に高度で、現実世界に高品質なホログラムを使ってアバターを投影できる」とのこと。この製品は8年前からプロジェクトがスタートしており、2024年から社内テストが始まる予定です。

 

さらに発売時期は決まっていませんが、「La Jolla(コードネーム)」と呼ばれるヘッドセットの投入も予定されているそう。メタバースで世界を変えようとするMetaは、計画通りに物事を進めることができるのでしょうか?

 

Source: The Verge via 9to5Mac

Twitter Blue対抗? Instagram/Facebook向け有料バッジが発表

Meta(メタ)は2月19日、Instagram(インスタグラム)やFacebook(フェイスブック)で利用できる月額制の有料バッジ「Meta Verified」を発表しました。

↑Jadid Omit / Shutterstock.comより

 

有料の認証バッジといえば、Twitter(ツイッター)が有料サービス「Twitter Blue」の一環として、すでに提供を開始しています。Meta VerifiedはそのMeta版ともいえそうです。

 

Meta Verifiedでは政府発行のIDでアカウントを認証し、InstagramやFacebookのアカウントに認証バッジを表示するというもの。これにより、自分を名乗る「なりすまし」を防げるとアピールしています。さらにアカウントに対する一般的な問題について、実際の担当者が対応。検索やコメント、レコメンデーションなどでの知名度やリーチが向上します。

 

Meta Verifiedの月額料金はウェブ版が11.99ドル(約1600円)、iPhoneやiPad版が14.99ドル(約2000円)。今週からオーストラリアとニュージーランドにて展開され、その後にその他の国でも利用できるようになります。正直安くはない金額ですが、両プラットフォームでビジネスをされている企業や個人事業主には、ありがたいシステムとなるのかもしれません。

 

Source: Meta via MacRumors

Metaはスマウォを諦めない? 新バージョンの本体画像がリーク

Meta(メタ)の新バージョンのスマートウォッチのものとされる画像が、開発者のKuba Wojciechowski氏によってリークされています。

↑Kuba Wojciechowski / Twitter

 

Metaといえば、2022年6月には開発中とされるスマートウォッチの実機画像が流出。本体にデュアルカメラを搭載するなど、意欲的な設計でした。一方で昨年11月には、大規模レイオフによりスマートディスプレイ事業とスマートウォッチ事業が打ち切りになったことも報じられています。

 

今回リークされた画像からは、Metaの新バージョンのスマートウォッチのデザインが、以前のリーク画像からほぼ変わっていないことがわかります。ただし新バージョンのスマートウォッチの本体外周はプラスチック素材となっており、金属ケースを採用した最初のデザインから高級感は落ちているようです。さらに、腕時計のバンドをつけたまま手首からはずすこともできるとしています。

 

OSにはGoogle(グーグル)の「Wear OS」ではなく、Android OSのカスタムバージョンを搭載。プロセッサには、Qualcomm(クアルコム)のものが利用されていました。なお「V1」と呼ばれた前世代のスマートウォッチは、カメラと神経信号によるジェスチャーに問題があったと伝えられており、この問題が解決されているのかも気になります。

 

関係者によると、Metaはスマートウォッチを「Metaverse(メタバース)関連デバイスを使用する前に、ユーザーがフォームファクタに慣れるために」顧客に出荷するつもりだそうです。現時点では販売情報が一切不明な同社のスマートウォッチですが、いずれ単体の製品として発売されることはあるのでしょうか?

 

Source: Kuba Wojciechowski / Twitter via 9to5Google

メタ、トランプ前大統領のFacebookアカウントを復活へ

Meta(メタ:旧Facebook)は、米国のドナルド・トランプ前大統領のFacebook(フェイスブック)とInstagram(インスタグラム)のアカウントを数週間以内に復活させると発表しました。

↑Make Trump Post Again(トランプに再び投稿させろ〔?〕)

 

トランプ前大統領は、2021年に議会議事堂乱入を扇動したとして、Twitter(ツイッター)やFacebook、Instagramのアカウントを停止されていました。しかし、2022年末にはTwitterがトランプ前大統領のアカウントを復活させるなど、潮流が変わりつつあります。

 

Metaによれば、トランプ前大統領のアカウントを復活させる代わりに、同アカウントには「再犯を防止するために新たなガードレール」が設けられるとのこと。また、今後トランプ前大統領や停止処分から復帰した公人が違反行為をすれば、少なくとも1か月間の新たな停止処分が下されます。さらに「今度の選挙を委縮させるような内容やQAnon(Qアノン)に関連した内容」を投稿した場合、その公開範囲を制限するとのこと。

 

トランプ前大統領は大手SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)から締め出された後、自身が立ち上げたSNS「Truth Social」で投稿を続けていますが、Twitterなど大手SNSへの復帰を計画しているとの報道もあります。いまだに大きな影響力を持つトランプ前大統領は、はたして大手SNSに戻ってくるのでしょうか?

 

Source: Meta via Engadget

2022年のガジェット業界を振り返り! 来年見逃せない「ウワサ」と共に。

2022年ももう間もなく終わり! 今年のデジタル業界にもさまざまな新製品やサービスが登場しました。本記事ではグローバルで話題となったガジェット関連のトピックスと2023年以降の噂を、日々海外の最新ニュースに触れている筆者の視点で振り返ってみます。

 

本格化するGoogleの多デバイス展開

↑Googleより

 

2022年のデジタル業界で、最も多くの話題をさらったのはGoogleでしょう。同社は今年、初となるスマートウォッチ「Pixel Watch」を発表。さらに2023年には、久々となるタブレット「Pixel Tablet」の投入も予定しています。スマートフォンにくわえてスマートウォッチ、タブレットとラインナップを広める同社は、サムスンやAppleとシェアの取り合いをする準備を整えています。

 

さらに現時点では未発表ですが、Googleが2023年に折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」を投入するという情報もあります。また、2025年には横折りスマホと縦折りスマホの2機種が登場するという噂も…。今後も、Googleのハードウェアビジネスには大いに注目する必要がありそうです。

 

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折りたたみスマホも着実に世代交代

↑サムスンより

 

今年は数多くの折りたたみスマートフォンが各社から登場しました。折りたたみスマホのカテゴリーを牽引するサムスンの「Galaxy Z Fold4」「Galaxy Z Flip4」だけでなく、モトローラシャオミOPPOからも新モデルがデビュー。どの製品もスペックが向上しただけでなく、ヒンジ構造やディスプレイ素材を進化させることで、折り目が目立たなくなるなど使い勝手が向上しています。

 

さらに2023年には、ファーウェイOnePlus、またGoogleから折りたたみスマートフォンが登場するという噂も。また、Appleが折りたたみタブレットを準備しているという情報もあります。近い将来、折りたたみスマートフォンはますます身近な存在となりそうです。

 

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MetaはVR市場を拡大できるか?

↑Metaより

 

今年、さまざまな分野で導入への試みが見られた「メタバース」。そんなメタバース業界を牽引するMetaから新たに投入されたのが、ハイエンド向けの「Meta Quest Pro」です。どちらかといえば開発者向けの製品ではありますが、より求めやすいオールインワンVRヘッドセット「PICO 4」も登場するなど、選択肢が増えるのはいいことです。

 

そして来年に向けて最も登場が期待されているのは、ソニーのPlayStation 5向けVRヘッドセット「PlayStation VR2」でしょう。こちらはゲーム機向けながら本格的なVR表示やコントローラーが付属するなど、かなり気合の入った出来になる模様。さらに、Metaから次期VRヘッドセット「Meta Quest 3」も登場予定です。また、もしAppleからもAR/VRヘッドセットが投入されれば、業界が盛り上がること間違いなしですが…はたして、どうなることやら。

 

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巻き返しなるか、Androidスマホのプロセッサー

 

↑クアルコムより

 

Androidスマートフォン業界を下支えする、クアルコムの「Snapdragon」シリーズ。今年はハイエンド向けとなる「Snapdragon 8+ Gen 1」から「Snapdragon 8 Gen 2」、ミドルレンジ向けの「Snapdragon 6 Gen 1」や「Snapdragon 782G」、そしてスマートウォッチ向けの「Snapdragon W5」など、多様なプロセッサーを投入。長らく放置されていたスマートウォッチ向けのプロセッサーを刷新されたので、Googleの「Wear OS」を搭載したスマートウォッチのさらなる新機種の投入に期待したいものです。

 

別の大きな流れとして、サムスンが独自プロセッサーの開発に乗り出したという情報も。Googleも「Pixel」スマートフォンに独自プロセッサー「Tensor」を採用していますし、今後はAndroidメーカーによるさらなるクアルコム離れが進むのかもしれません。

 

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衛星通信がさらに身近に

↑Appleより

 

2022年に何度も聞いた、「衛星通信」という言葉。ロシアによるウクライナへの侵攻でも、インフラが破壊された現地にてSpaceXの衛星インターネット「Starlink」が活躍しました。さらに、「iPhone 14」でも衛星通信による緊急通報が追加され、2023年には対象国が拡大される予定です。

 

さらに2023年には、サムスンのフラッグシップスマホ「Galaxy S23」にも衛星通信機能が搭載されるという噂も。また次期OS「Android 14」でも衛星通信が標準サポートされるという情報も伝えられており、来年はさらに多くの衛星通信対応スマートフォンが登場するのかもしれません。

 

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Meta Quest 2のグラフィック処理がよりパワフルに! GPU周波数を引き上げるアップデートを実施

MetaはVRヘッドセット「Quest 2」のGPU処理能力が7%向上するアップデートを行ったことを発表しました。

↑アップデートでGPU処理能力強化!

 

アプリ開発者にとっては、このパワーアップにより「目標フレームレートを達成するために解像度を大幅に下げることなく、より高いピクセル密度を活用する能力が向上します」とのこと。要するに「解像度の品質を犠牲にせず、アプリのビジュアルがさらに良くなる」ことだと説明されています。

 

こうしたグラフィック能力の改善は、GPU周波数がこれまでの490MHzから525MHzに上がることで可能となるもの。特に開発者がコードを修正する必要はなく、Meta社の「動的クロッキングシステム」により、アプリが利用できることを検知すると自動的に周波数が上がる(処理能力がアップする)とのことです。

 

もっとも、しばらくは少し使い勝手が悪いかもしれません。なぜなら現状の「v47」ビルドでは、電源オフ/オンか電源ボタンを2回クリックしないと有効にならないため。しかし、今後の「v49」アップデートからは、ヘッドセットを起動すれば手動の操作は必要なくなるそうです。

 

GPUの周波数が上がれば、引き換えに消費電力が大きくなり、バッテリー持ちが悪くなることも心配されます。

 

しかしMeta広報によれば、バッテリー持ちへの「顕著な影響」は予想していないとのこと。あくまで「増える電力消費は小さく、追加のGPUコンピューティングが積極的に必要となる場合にのみ限られる」ため、と述べられています。

 

なぜQuest 2の発売から2年以上も経った今のタイミングで? とも思われますが、Metaは「消費者と開発者の利益を評価し理解するために、このロック解除/機能の実験に数か月を費やした」と答えています。これに先立ち、Quest 2はソフトウェア更新で音声コマンドを追加したり、画面リフレッシュレートを90Hzから120Hzに引き上げられたこともありました。

 

次世代の「Meta Quest 3」は2023年後半に発売が予告されており、あと1年以上も待つことになります。が、Quest 2も少しだけパワーアップしたことで、しばらく第一線で活躍し続けられそうです。

 

Source:Meta
via:The Verge

Facebook出会い系サービスの年齢確認でAI顔認識ソフトをテスト中。18歳以上かどうかを自撮り動画でチェック

Facebookの出会い系サービス「デート」を使うには、18歳以上であることが必要です。その条件をクリアしているかどうかの年齢確認を、AI顔認識ソフトの使用を含めてテストしていることが明らかとなりました。

↑Image:Meta

 

Facebookの親会社であるMetaはブログ記事で、Facebookデートでユーザーが未成年の疑いがある場合、18歳以上だと確認するテストを広げると発表しました。ユーザーは身分証明書のコピーを提出するか、自撮りの動画をアップロードして、年齢確認を受けることになります。

 

このうち自撮り動画は英スタートアップのYotiと共有され、同社のAIツールにより年齢を推定。その画像はすぐに削除され、ユーザーを特定できない(ひも付けない)とされています。

 

Metaによると、この新たな年齢確認システムは、大人向けのサービスに子どもをアクセスさせないことに役立つそうです。最近のMetaは、未成年のユーザーを保護することに力を入れており、先月も「怪しい」大人との接触を防ぐ新対策を導入していました

 

すでにMetaはYotiの顔認識技術を、Instagramで18才未満に設定していたユーザーが18歳以上に変更するときのチェックに使っています。Yotiの調べによると、この年齢確認システムはおおむね非常に正確で、13歳~17歳を23歳以下と正しく見分ける割合は99.65%だそうです

 

またMetaによると、年齢確認システムは「何十万人」もの人々を年齢に応じた設定に振り分けており、Instagramから年齢確認を求められたユーザーの81%がYotiの自撮り動画オプションを選ぶとのことです。

 

しかし、このシステムは全ての人に正しく働くわけではなく、Yoti自らも「女性」の顔や顔色の悪い人ほど精度が劣ると認めています。こうした顔認識・解析ソフト一般が、年齢や人種、性別によって性能が異なる傾向があると指摘されており、また新たな問題の火種ととならないよう祈りたいところです。

 

Source:Meta
via:The Verge

Meta、大規模レイオフでスマートディスプレイ事業とスマートウォッチ開発を打ち切り?

Facebookの親会社Meta社はスマートディスプレイ「Portal」事業を終了し、スマートウォッチ(未発表)の開発を打ち切るとの噂が報じられています。

↑Meta

 

Meta社は先週、全社員の13%に当たる約1万1000人を解雇すると発表していました。今回のハードウェア事業の縮小は、この大がかりなレイオフに続くものです。

 

米Reutersによれば、Meta社の幹部はタウンホールミーティング(経営陣と従業員が直接に話し合う場)でPortalスマートディスプレイ事業から撤退し、スマートウォッチプロジェクトの作業を終了すると発表したとのこと。テックメディアThe Vergeも、独自の情報源から裏付けを取ったと述べています。

 

まずPortal製品については、Metaは6月に消費者向けとしては生産中止を決めたと伝えられていました。今後は電話会議など企業向けに焦点を当てた製品ラインアップに移行すると見られていましたが、そちらも立ち消えとなるようです。

 

かたやスマートウォッチ(コード名「Milan」。2023年春に349ドルで発売予定、ビデオ通話用に2つのカメラ内蔵)に関しては棚上げされたと報じられていましたが、結局は完全終了となった模様です。

 

Metaが解雇した約1万1000人のうち、半分近くが技術職だったとの報道もあります。つまり、Portalやスマートウォッチ開発スタッフがいなくなるため、プロジェクトも自然終了とも推測されます。今後はスマートデバイスから撤退して経費を節約し、ハードウェア開発の投資はARとVR方面に絞っていくのかもしれません。

 

Source:Reuters
via:The Verge

シリコンバレーに解雇の嵐? Metaも大規模レイオフの噂

Meta(旧フェイスブック)が大規模なレイオフ(整理解雇)を予定しているとの情報を、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。

↑rafapress / Shutterstock.comより

 

シリコンバレーにおける大規模なレイオフといえば、Twitterが現在進行系で大規模な整理解雇を実施中。同社の従業員の50%が解雇されたとの情報もあります。一方でMetaは現在力を注いでいる「メタバース」関連事業がふるわず、減収と大幅な株安に見舞われています。

 

今回の報道によれば、Metaは「数千人」の従業員の削減を計画しているとのこと。計画は、早ければ今週の水曜日に発表されるそうです。さらにこの人員削減は、今年にテック企業が行った最大規模の人員削減となる可能性があるとも伝えています。

 

実はMeta、決算発表の場において「2023年、我々は少数の優先順位の高い成長分野に投資を集中させるつもりです。つまり、そのほかのほとんどのチームは来年にかけて現状維持、あるいは縮小させることになります」と明かしていました。報道されている人員削減は、この方針に沿ったものとなりそうです。

 

Metaは2021年以来、メタバース事業に150億ドル(約2兆2000億円)を費やしていますが、ほとんど成功していません。一方で、同社は2023年に同プロジェクトでさらに大きな損失を出すと予想していることから、今後も同事業への投資は続くことになりそうです。

 

Source: The Wall Street Journal via Engadget

トラッキングが進化? Meta Quest 3は来年後半に登場へ

メタ(旧フェイスブック)CFOのDave Wehner(デイブ・ウェナー)氏は決算説明会にて、次期VRヘッドセット「Meta Quest 3(仮称)」を2023年後半に投入すると発表しました。

↑rafapress / Shutterstock.com

 

メタが展開するVRヘッドセット「Meta Quest」シリーズでは現在通常モデルの「Meta Quest 2」と、ハイエンドモデルの「Meta Quest Pro」が販売されています。また、以前に同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、次期モデルのMeta Quest 3は300〜500ドル(約4万4000円〜7万3000円)で2022年より後に登場し、顔と目のトラッキング機能が大きな特徴となるとも発言していました。

 

今回の決算発表の場での発言では、Meta Quest 3の発売時期が2023年後半に確定したことになります。メタはこれまで秋のイベント「Connect」にて新しいVRヘッドセットを発表しており、同ヘッドセットも同時期の発表が期待できそうです。

 

なお今回は、Meta Quest 3の価格情報は明かされていません。現行モデルのMeta Quest 2が最初は299.99ドル(約4万4000円)、その後値下げされ399.99ドル(約5万9000円)で販売されたことを考えると、Meta Quest 3もそれに近い価格になるのかもしれません。

 

アップルがメタバースに消極的な発言をするなど、将来を予測するのが難しいVRヘッドセット。個人的には、あまり値上げをせずに気軽に購入できる製品になってほしいものです。

 

Source: Engadget

アップル幹部、「メタバースという言葉は絶対に使わない」と発言。Meta社への当てつけ?

アップルがAR/VR(拡張現実/仮想現実)ヘッドセットを開発しているのは、同社は正式に認めたことはないものの、ほぼ公然の秘密となっています。そんななか、アップルの幹部が「メタバース」という言葉は絶対に使わないと発言したことが注目を集めています。

↑Image:WSJ

 

これはアップルのワールドワイドマーケティング担当上級副社長グレッグ・ジョスウィアック氏と、ソフトウェア担当上級副社長クレイグ・フェデリギ氏が、米The Wall Street Journalが開催したイベントに参加したときに述べられたことです。ちなみに同社が事実上、今後iPhoneへのUSB-C採用を認めたのと同じ場です。

 

そこで2人は、WSJのジョアンナ・スターン記者からインタビューを受けました。話の流れでスターン氏は、噂のアップル製ヘッドセットについて彼らに尋ねましたが、当然ひと言も答えてもらえませんでした。

 

それからスターン氏は2人に「the metaverse is(メタバースとは)」のフレーズを完成させるように頼みましたが、ジョズウィアック氏はすぐに「a word I’ll never use(私が絶対に使わない言葉だ)と答えています。

 

アップル幹部が将来の製品について話を避けるのは、いつものことです。しかし、メタバースについては言葉を濁すどころかバッサリと否定。今月初めに同社のクックCEOが「メタバースは一般人に理解できないと思う」と言ったこともあり、メタバースを推進するために社名まで変えたMeta社(元Facebook)に当てつけているようだと話題を呼んでいる次第です。

 

まさに数日前、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは自社のVRエコシステムがオープンだと主張。そして噂のアップル製ヘッドセットは逆の方法に進みそうであり、競合他社とユーザーの両方に損害を与えかねないと述べたばかりです。

 

アップルとMetaの関係はあまり良好ではないことが知られていますが、アップルがAR/VRヘッドセットを正式に発売すれば、ますますギスギスするのかもしれません。

 

Source:WSJ Tech Live 2022(YouTube) 
via:9to5Mac

「Meta Quest 3」は300~500ドル、2023年に登場? ザッカーバーグCEOが明かす

10月12日の「Meta Connect」イベントでは高級VRヘッドセット「Meta Quest Pro」が発表されたものの、安価なQuest 2の後継モデル「Quest 3(仮称)」は姿を現しませんでした。

↑Imge:Bradley Lynch

 

しかしMetaのザッカーバーグCEO本人が、Quest 3の価格は300~500ドルで、2022年内に出ることはないと述べたことが明らかとなりました。

 

これはザッカーバーグ氏がマイクロソフトのサティア・ナデラCEOとともにインタビューを受けた際に、発言したことです。いきなり同氏は「今年ではないが、Quest 3が登場し、その価格は300ドル、400ドル、500ドル、そのあたり」と言い放っています。

 

ここから、おそらくQuest 3は次のMeta Connect(年次開発者会議で10月頃に開催)、ないしは別の単独イベントで登場する可能性が高いと推測されます。

 

ちょうど先日、VR関連リーカーのBradley Lynch氏がQuest 3の「CAD画像」をYouTubeで公開したばかりです。

 

Lynch氏も2023年発売の可能性が高いと言っており、ザッカーバーグ氏の発言で裏付けが取れた感があります。Quest Proが高価なために廉価モデルに期待が集まっていましたが、あと1年待ちになるかもしれません。

 

Lynch氏が語っていたQuest 3のハードウェア仕様は、ざっと以下の通りです。

 

  • Quest 2のような布ストラップ、背面バッテリー非搭載
  • 6自由度トラッキング用カメラ×2
  • 外部カメラはBW(白黒)×2とRGB×2
  • 深度センサー
  • LCDディスプレイ×2
  • メカニカルIPD調整
  • パンケーキレンズ
  • アイトラッキングとフェイストラッキングは非搭載
  • 冷却用にシングルファン搭載
  • SoCはクアルコム社製「Snapdragon XR2(第2世代)」
  • ドック充電用コネクター

 

米国で300~500ドルであれば、日本では4万5000円~7万5000円といったところでしょう。「だいたいPS5と同じ価格」に留まるなら、VRヘッドセットの中では人気機種となりそうです。

 

Source:Stratechery
via:UploadVR

Meta、高級VRヘッドセット「Meta Quest Pro」を正式発表!10月26日発売、22万6800円から

Metaは10月12日未明の「Meta Connect」イベントで、新型VRヘッドセット「Meta Quest Pro」を正式発表しました。日本では10月26日発売予定で、価格は22万6800円(税込み)から。すでに予約受付を開始しています。

↑Image:Meta

 

Meta Quest Proは従来モデル「Meta Quest 2」のハイエンドモデルに当たる製品。前モデルよりも高性能・高画質・薄型化を実現し、エンタメやメディア消費だけではなく、ビジネス用途やクリエイティブな作業も想定されています。またMeta Quest 2との後方互換性があり、Meta Quest 2用のゲームやアプリを最初から使えます。

 

本製品はAR(拡張現実)とVR(仮想現実)を合わせたMR(複合現実感)機能を持ち、高解像度と薄型化を両立する「パンケーキレンズ」を搭載。フレネルレンズを使ったMeta Quest 2よりも40%も薄くなっています。

 

プロセッサーには、VR用に最適化されたクアルコム製の「Snapdragon XR2-Plus」を採用。これによりMeta Quest 2の1.5倍高い動作性があり、放熱性も改善されているため、大幅に性能が向上したとうたっています。搭載RAMも前モデルの6GBから12GBに増やされたほか、ストレージは256GBを搭載。

↑Image:Meta

 

ディスプレイは片目1800×1920、最大90Hzのリフレッシュレート。Meta Quest 2と比べて、1インチあたりの画素数が137%、1度あたりの画素数が110%に向上したとのこと。さらに視覚的な鮮明さは中央部分で125%、周辺部で150%に向上し、色域は1.3倍に拡大しています。

 

また外部カメラも高解像度化し、高精細でフルカラーのパススルーを実現。Meta Quest 2では白黒に見えた外界にフルカラーがつき、しかも4倍の画素を取り込むとのこと。

 

そして「アイトラッキング」と「自然な表情機能」も利用可能。これによりユーザーの笑顔や眉の動きなどの表情をリアルタイムにアバターに反映でき、メタバース内でも本物の自分を表現できるそうです。この2つはプライバシーに配慮してデフォルトではオフになっており、オンにした場合も目と顔の画像はヘッドセット内に留まり、処理された後に削除されるとのこと。

 

新型コントローラー「Meta Quest Touch Proコントローラー」は、左右それぞれに3つのセンサーとSnapdragon 662プロセッサーを搭載し、バーチャル空間で360度の移動を実現します。また「TruTouchハプティクス」により、VRを直感的に感じられるとのことです。

↑Image:Meta

 

Meta Quest Proの登場後も、従来モデルのMeta Quest 2は併売され続け、今後もアップデートが提供される予定です。この2つの製品ラインは互いに補完し合う関係であり、将来的にはそれぞれ後継モデルが投入されながら、メタバースの構築を支えていく見通しです。

Source:Meta

Metaのアバターに足が生える。Xbox Cloud GamingやTeamsにも対応へ

米メタは開発者向けイベント「Meta Connect 2022」にて、VRプラットフォーム「Horizon Worlds」の改善のほか、VRヘッドセットによる「Xbox Cloud Gaming」や「Microsoft Teams」への対応などを発表しました。

↑メタより

 

これまで、Horizon Worldsでユーザーが使用するアバターは上半身だけが地面から浮かぶという、ちょっと不自然なものでした。しかし来年度のいずれかのタイミングにて、上画像のようにアバターに下半身が実装されます。

 

メタによれば、表情豊かでより写実的なアバターの導入も検討しているとのこと。さらにInstagramの「Reels」や「Messenger」、「WhatsApp」でアバターが利用できるようになるとも明かしています。また今年後半には、VRのアバターストアが公開され、服や特定の外観が購入できるようになります。

↑メタより

 

さらにVRヘッドセット「Meta Quest」シリーズに、米マイクロソフトのクラウドゲームサービスのXbox Cloud Gamingが今後対応します。これにより、VRヘッドセットの大画面で高画質なゲームを楽しむことが可能になります。ただし、こちらの機能のリリース時期は発表されていません。

↑メタより

 

また、メタのコラボレーションツール「Horizon Workrooms」では、TeamsやOffice、Windowsも利用できるようになります。これにより、Meta Questはビジネスでもさらに活用できるようになりそうです。

 

イベント発表されたハイエンドVRヘッドセット「Meta Quest Pro」とともに、大幅に強化される同社のVRプラットフォーム。ゲームから事務作業までVR上でこなす時代がくるのか、注目したいものです。

 

Source: The Verge 1, 2, 3

メタ、社員すら自社メタバースアプリをあまり使っていないらしい…

米メタ(旧フェイスブック)が開発をすすめるメタバースアプリ「Horizon Worlds」について、バグが多く社員すらもほとんど利用していないことを、海外テックサイトのThe Vergeが報じています。

↑Mark Zuckerberg / Metaより

 

昨年には社名をフェイスブックからメタに変更するなど、メタバースへと全力投球を続けるメタ。Horizon Worldsとは、利用者がVRヘッドセットを装着して自分のアバターを操作し、他人と交流するサービスです。

 

The Vergeが入手した社内メモによると、メタにてメタバース部門の担当副社長となるVishal Shah氏は、「Horizon Worldsをより多くのユーザーに開放する前に、品質とパフォーマンスの問題を確実に修正するため、年内はチームは『クオリティロックダウン』になる」と述べています。また、モバイル版アプリのリリースも延期される可能性があるとしています。

 

さらにShah氏は「社員がまだ十分にHorizon Worldを使っていない」と述べ、チームに少なくとも週に1回は同アプリを使わせる計画を立てています。「この組織の全員が、Horizon Worldsを好きになることを自分の使命とすべきです。そのために、まず使ってみる必要があるのです」とのこと。

 

以前にはCEOのマーク・ザッカーバーグ氏があまりにも低品質な自撮りを披露したことでも話題となった、Horizon World。メタは10月11日に「Connectカンファレンス」の開催を予定しており、アバターグラフィックの大幅改善を予定していますが、はたして問題はグラフィックだけなのかが気になるところです。

 

Source: The Verge

Meta社、FacebookとInstagramアカウントを簡単に切り替えられる新機能をテスト中!

Meta社は26日(米現地時間)、FacebookとInstagramアプリのアカウントを簡単に切り替えたり、新規に追加できる機能をテストしていると発表しました。2つのアプリで様々なアカウント間を行き来している人や、私生活とビジネスを切り離すために複数のアカウントを使い分けている人にとって便利に使えそうです。

↑Image:Meta

 

すでにInstagramでは異なるアカウントを切り替えできましたが、新システムでは(同じアカウントセンターに登録している場合)Facebookのアカウントにも切り替えられます。

 

またFacebookとInstagramのプロフィールを、1つのアプリで確認できるとのこと。さらに、それぞれのプロフィールに通知も表示され、Instagramアプリを使いながらFacebookでコメントが付けられていないか、Facebookアプリ側でインスタへのDMがないかも確認できるわけです。

 

この新たな切り替え機能は、iPhoneやAndroidスマートフォン、さらにウェブ版で全世界的にテスト中とのことです。Metaの広報担当者は、具体的に何人のユーザーが利用できるか数字は出さないとしつつ、「今後数か月で利用できる範囲を広げ続けるでしょう」とコメントしています。

 

さらにiOSとAndroidアプリでは、新規アカウントとプロフィールの作成方法もテストしているとのこと。すでにFacebookを使用している場合Instagramを使い始めること(その逆も)がより簡単になるそうです。

 

Metaは以前からアカウントの相互連携に取り組んでおり、同社のVRヘッドセットでも「Metaアカウント」が導入され、InstagramやFacebookのプロフィールとの連携も可能となっています。逆にいえば、それ以前は「VRヘッドセットを使うためにFacebookアカウント必須」とされ、それがきっかけでFacebookアカウントが凍結されるトラブルが起きたこともありました。

 

複数のアプリや機器を連携させるため、その過程で試行錯誤があるのは仕方のないことでしょう。今後は、Meta社のサービスがいっそう使いやすくなると期待したいところです。

 

Source:Meta
via:The Verge

【西田宗千佳連載】10月発売の「Project Cambria」でMetaは「次世代のPC」を目指す

Vol.118-4

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはFacebook改めMetaが手がけるVRヘッドセット。現在開発中のハードウェア「Project Cambria」に迫る。

↑Meta Quest 2。実売価格5万9400円(128GB)から。Meta社が買収したことにより、それまでのOculus Quest 2から名称を変更したVRヘッドセット。完全ワイヤレスによる操作が可能で、ゲームやフィットネスで展開されるVR空間、さらに昨今注目されているメタバース空間での移動もより自由度を増すデバイスとなっている

 

前回解説したように、Metaは「メタバースを毎日使う」ことを目的に、PCのようにビジネスシーンで使う用途の開拓に取り組んでいる。Meta Quest 2でもその片鱗は体験できるのだが、ゲーム機として使うことも想定し、価格を抑えて開発したものなので、多少無理があるのも、また事実だ。

 

そこでMetaは現在、「Project Cambria」と呼ばれるハードウェアを開発中だ。噂では、製品版は「Meta Quest Pro」になる、とも言われている。8月25日、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、アメリカの人気ポッドキャスト番組に出演し、「10月に新デバイスが登場。カンファレンス”Connect”の場で詳細を説明する」とコメントした。彼のいう「新デバイス」こそがProject Cambriaだ。

 

Project Cambriaはカラーのカメラを内蔵し、外界の風景を「カラー画像」として捉え、3D CGを重ねて表示する機能を持つ。いわゆるARが実現できるわけだが、いままでのAR機器と違い、視界全体を覆う映像になるので、より自然でわかりやすい表示になる。実用的なARが実現すると、周囲を見つつ安全に作業もできる。カメラを使うARの場合、必要ならカメラをオフにして「VRとして没入する」こともできる。

 

また、視線や表情を認識する機能もあり、それも自然な表現にはプラスだ。アバターに自分の表情を反映させることにも使える。

 

それでいて、Meta Quest 2よりも小さくつけやすくなると想定されており、毎日仕事のために使うにはMeta Quest 2より良いものになるのでは……と期待している。

 

ただし、これはMeta側も公言していることなのだが、Project Cambriaは「高くなる」とされている。Meta Quest 2はゲーム機として売れる・普及する価格帯を目指して作られたが、Project Cambriaは業務向け・ビジネス市場向けなので、そこまで安くする必要はない。ハードウェアの中身も単純なMeta Quest 2の後継機的な路線ではなく、業務に使える最新の要素を備えたものになるので、高くなるのが必然なのだ。

 

現在は発表前なので正確な価格はもちろんわからない。だが噂では、千数百ドルになると予想されている。ゲーム機・単体のHMDとしては高額な部類だが、PCや業務用機器の代替としては納得できる価格帯である。それどころか、マイクロソフトの「HoloLens」など、過去の業務用AR機器は3000ドルから5000ドルといった価格なので、本当に1000ドル代で出てくるならバーゲン価格、といっても良いくらいである。利益率も確保しやすいので、Metaの「長期戦略でメタバースビジネスを開拓する」という戦略とも合致する。アップルなどの他社に先駆ける意味でも、ここで競争力のあるデバイスを出すことは重要だ。

 

円安が直撃する日本では、かなり高めの値付けがされそうな予感はするものの、10月が楽しみになってきた。

 

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【西田宗千佳連載】なぜMetaはVRやメタバースをビジネスで使うPCのようにしたいのか

Vol.118-3

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはFacebook改めMetaが手がけるVRヘッドセット「Meta Quest 2」。ビジネスツールとして可能性を感じているMetaの思惑にせまる。

↑Meta Quest 2。実売価格5万9400円(128GB)から。Meta社が買収したことにより、それまでのOculus Quest 2から名称を変更したVRヘッドセット。完全ワイヤレスによる操作が可能で、ゲームやフィットネスで展開されるVR空間、さらに昨今注目されているメタバース空間での移動もより自由度を増すデバイスとなっている

 

前回、MetaがVRデバイス「Meta Quest 2」を、VRを使ったゲーム機として販売しつつも、ビジネスで使う「PCの代替」のような存在に育てようとしている……という説明をした。

 

では、なぜ、ビジネスツールとしてのVRデバイスを育てる必要があるのか? そこには2つの理由がある。

 

ひとつは、ビジネスツールは大きなお金が動くからだ。PC市場を見ても、コンシューマ向けよりも企業向けの方が数量・金額ともに多い。企業が働くための道具として買うようになれば、そこにはハードウェアとソフトウェアのサービスに加え、システム構築などのビジネスもついてくる。オフィスにPCが普及して30年が経過し、マイクロソフトなども新しいワークスタイルとして、メタバースの活用を検討している。見ているところは皆同じなのだ。

 

もうひとつの大きな理由は「VRやメタバースを毎日使う理由になる用途が必要」だ、ということがある。

 

VR用HMDを買ったが、それを毎日つけている人はまだ少数派だ。現状HMDを毎日つけているのは、「VRChat」のようなコミュニケーション・サービスにハマってしまった人が大半ではないだろうか。ただ、あのような世界に全員がハマるわけではなく、よりシンプルでわかりやすい用途も必要になる。

 

ゲームはなかなか難しい。毎日ゲームをするような熱心なゲーマーであっても、毎日VRゲームだけをするわけではない。多くの人は、気になるゲームがあるときや、週末にプレイするくらいではないだろうか。ゲームに絡めて「フィットネス」もアピールされているが、これはそもそもニーズ・効果が高いというだけではなく、「フィットネスならば毎日使ってもらえる」という考えがあるからだという。

 

では、仕事の道具ならどうか? PCのようなデバイスになるなら、当然毎日使うことになるだろう。そのことは、Metaを含むメタバース・サービスを展開する企業にとってプラスであり、新しいサービスの種となる。PCも、仕事の一部で使われたり、家庭で年賀状の印刷に使われたりするだけならここまで普及しなかった。インターネットが一般化し、文書作成やコミュニケーション、エンターテインメントの道具として「毎日あたりまえに使う」ものになって、はじめて大きな成功を収めた。

 

現状、メタバースにしろVRにしろ、最大の課題は「毎日使う理由が希薄である」点にある。次の段階にブレイクするには、まずこの課題をクリアする必要があり、そのためにも、ビジネスで毎日使う路線を開拓していくことは、必須であり急務であるとも言える。

 

とはいうものの、いまのMeta Quest 2がすぐにPCの代わりになるか、というとそうではない。現在できるのは「Webアプリをいくつか同時に使う」「良いネット会議システムとして使う」「マルチディスプレイの代わりに使う」くらいのものだ。

 

実は、Metaがそのあたりを見据え、先の世界を考えて作っているのが「Project Cambria」と呼ばれるデバイスである。それがどのようなものになるかは、次回解説する。

 

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「Quest Pro」画像がリーク? メタ待望の次期VRヘッドセットか

米メタ(旧:フェイスブック)の次期VRヘッドセット「Quest Pro」のものとされる動画を、FacebookユーザーのRamiro Cardenasが共有しています。

↑Ramiro Cardenas/Facebook

 

メタは10月11日に「Connect」イベントの開催を計画しており、その場でQuest Proの発表が期待されています。このVRヘッドセットは「開発コード:Project Cambria」と呼ばれており、より高級路線の製品になることが予測されています。さらにメタCEOのマーク・ザッカーバーグ氏によれば、「アイトラッキング」や「フェイストラッキング」といった機能が搭載されるようです。

 

ホテルの部屋においてあった(?)とされる今回のQuest Proは、現行モデルの「Meta Quest 2」から本体とコントローラーのデザインが刷新され、ヘッドセットの前面には3個のカメラが搭載されています。またパッケージには、「Meta Quest Pro」のラベルも存在します。

 

今回のQuest Proが発見された経緯は若干不自然ではありますが、以前にも発売前の「iPhone 4」がバーに置き忘れられていたり、「Pixel 7」がeBayで販売されていたりと、前例がないわけではありません。

 

仮想空間を活用したメタバースビジネスにおいて、必要不可欠なVRヘッドセット。社名をフェイスブックから変更したメタによる、次期ヘッドセットに期待が高まります。

 

Source: Ramiro Cardenas/Facebook via The Verge

【西田宗千佳連載】MetaがVRでゲーム以上に可能性を感じている部分とは?

Vol.118-2

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはFacebook改めMetaが手がけるVRヘッドセット「Meta Quest 2」。Metaはこの製品、ひいてはVRのどこに可能性を感じているのか。

↑Meta Quest 2。実売価格5万9400円(128GB)から。Meta社が買収したことにより、それまでのOculus Quest 2から名称を変更したVRヘッドセット。完全ワイヤレスによる操作が可能で、ゲームやフィットネスで展開されるVR空間、さらに昨今注目されているメタバース空間での移動もより自由度を増すデバイスとなっている

 

Metaが主力VRハードウェア「Meta Quest 2」を値上げしたこと、そして同社の第2四半期売上高が上場以来初の減少となったことから、「Metaは、すぐに売上のたたないメタバース事業を減速するのではないか」との観測がある。

 

だが、実際に彼らが展開していることを見ると、そうでないことはわかる。決算説明でも投資自体を減らす、という言及はしていない。ハードウェア事業の赤字を減らし、より安定的なビジネスを考えるようになったのだろう。これは、9月15日から値上げされるPlayStation 5とはかなり事情が異なる。

 

PS5は急速な「ドル高」の影響からアメリカ以外の国での販売価格が極端に安いものになり、需給バランスをさらに崩す可能性があったために価格を変えた。日本人からすると「売っていないうえに値上げ」な訳でかなり微妙な話なのだが。

 

話をMetaに戻そう。彼らは「東京ゲームショウ」など多くのイベントでMeta Quest 2をアピールする予定であり、ゲーム機としてのHMDも展開する。

 

ただ、いまのVRを考えた場合、ゲーム以外にも大きな可能性があり、Metaはそこにも目を向けている。むしろ、将来的なビジネス規模としては、ゲーム以外の方が大きいと思っている節がある。

 

その方向性とは「ビジネスツール」としての価値、別の言い方をすれば、PCと同じように仕事で使う道具としてのVR機器だ。

 

Meta Quest 2はゲーム機として使えるが、ほかのゲーム機と違う点として、「システムソフトウェアが恐ろしい勢いで進化している」ということが挙げられる。現在のソフトウェアを使うと、机とその上に置かれたキーボードを認識し、複数のWeb画面を開いて「HMDを被ったまま」仕事をすることや、スマホの通知を把握したり、メッセンジャーで他人と会話したりすることも可能になっている。

 

Metaがテスト中の会議サービス「Horizon Workrooms」も、現状ではMeta Quest 2を使う前提で開発されたサービスだ。

 

Metaのメタバース投資はハードウェアだけに限ったものではない。むしろ、ソフトウェアやサービスに関わる部分の方が大きいくらいだ。Meta Questはよくできたハードウェアだが、決して高性能ではない。Metaはそのハードウェアに独自開発したAI技術を加え、「ビジネスに使えるVR機器とはどんなものなのか」を世の中に示すテストベッドとして活用しているわけだ。

 

ガジェット目線で言えば、ゲームやVRそのものにあまり興味がなくても、「OSのアップデートで進化し続けるガジェット」のひとつとしてチェックしておいて損はない。

 

では、なぜMetaは「ビジネスでの活用」に大きな可能性を感じているのか? そして、その路線でのこれからの武器は何になるのだろうか?そのあたりは、次回解説しよう。

 

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いよいよ高級VRヘッドセット「Quest Pro」発表? Metaが10月11日にイベント開催を発表!

かつてのFacebookがMetaに改名してから約1年、同社は10月11日に2回目の「Connect」イベントを開催することを発表しました。どのようなハードウェア製品やサービスを公開するかは明かされていませんが、以前から予告していた高級ヘッドセット「Project Cambria」をお披露目するのは確実とみられています。

 

Meta公式アカウントは「メタバースの構築と拡張現実および仮想現実の未来を探求する1日限りのバーチャルイベント」と説明しています。今のところ予定セッションや、登壇する出演者についての情報はありません。

しかし、先月ザッカーバーグCEOは著名ポッドキャスターのジョー・ローガン氏の番組に出演し、そこで「10月に出る予定の次期デバイス」と公式に(?)漏らしたことで、高級ヘッドセットが発表されることは分かっています。この製品の名前は、おそらく「Meta Quest Pro」になると噂されています

 

ザッカーバーグ氏は番組のなかで、新デバイスは視線と顔をトラッキングして「VR空間でアイコンタクトのようなこと」ができると述べていました。つまりユーザーの表情を追跡して「笑ったり、顔をしかめたり、口角を上げたり、どんな表情でもリアルタイムで」(VR空間での分身である)アバターに反映されるというわけです。

 

さらにザッカーバーグ氏は、本製品は400ドル(米国価格)のMeta Quest 2よりはるかに高価で、複合現実感のある機能を搭載すると言っていました。ちなみにMeta公式には「800ドルよりかなり高くなるはずだ」と回答したことがあり、1000ドル(約14万円)近くになる可能性もうかがわれています。

 

同社はメタバース関連技術に数十億ドルを投じているため、これまでの進捗と次にやって来るものを話すはず。それをVRアバターにしゃべらせるかもしれませんが、また「2002年のゲームソフトみたい」と言われないように祈りたいところです。

 

Source:Meta Newsroom(Twitter) 
via:TechCrunch

【西田宗千佳連載】Meta Quest 2大幅値上げの背景は円安だけじゃない

Vol.118-1

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはFacebook改めMetaが手がけるVRヘッドセット「Meta Quest 2」の価格引き上げ。この改定にはどんな思惑があるのか。

↑Meta Quest 2。実売価格5万9400円(128GB)から。Meta社が買収したことにより、それまでのOculus Quest 2から名称を変更したVRヘッドセット。完全ワイヤレスによる操作が可能で、ゲームやフィットネスで展開されるVR空間、さらに昨今注目されているメタバース空間での移動もより自由度を増すデバイスとなっている

 

円安だけが背景ではない全世界での価格改定

Metaは同社のVR対応ヘッドセット「Meta Quest 2」を、8月1日から値上げした。理由は材料費・製造コストの高騰と円安だ。

 

円安による値上げはアップルがiPhoneで発表しており、シャオミも日本での値上げを発表した。だからMetaが同じことをしても不思議ではない、ということもできる。

 

だが、違う点が2つある。

 

円安のために日本だけで値上げされるなら、日本人としては微妙な気持ちだが、ある意味仕方がない。だが今回は、すべての国での値上げだ。アメリカでは価格が100ドル上がり、日本では2万5000円近くも値上げ。値上げ前には3万7180円(税込み)で買えたものが、8月以降は5万9400円(税込み)になってしまった。世界じゅうで値上げされた、という点が大きい。

 

もうひとつは、Mata Quest 2は実質的に家庭用ゲーム機であり、家庭用ゲーム機が発売後に大幅に値上げした例はほとんどない、ということだ。

 

ゲーム機は時に赤字で売られる。ソフトなどからの収益で利益を得られるからだ。もちろん、ずっと赤字のゲーム機は成功しない。技術の進化や量産効果で“できるだけ素早く赤字の時期をくぐり抜ける”ために、初期は赤字であることを許容しつつ、とにかくたくさん普及させて早急に利益水準を高めるのが、ビジネスモデルの根幹である。

 

メタバース事業の普及により注力する手法を探る

今回のMata Quest 2のように値上げをすると、当然普及にはブレーキがかかる。Metaもそのことはわかっていての価格改定だったはずだ。価格改定に関する発表文のなかでMetaは次のように述べている。

 

「価格を調整することによって、Metaは革新的な研究と新製品開発への投資をさらに進めることができます」

 

現状Metaのハード事業は赤字とされている。長期的な開発が続くなか、赤字幅を圧縮していかないと厳しい、という判断なのだろう。同社の第2四半期売上高は288億ドルで、上場以来初の減少となった。主因はメタバース事業ではなく、FacebookやInstagramからの広告売り上げ減少だ。メタバースからの売り上げが短期で急拡大するとも思えない。

 

ここまでの投資を生かすためにも、このあとに構築されるであろう市場をリードするためにも、多少計画を練り直し、赤字拡大のペースを緩める必要があると同社は判断したのだろう。製造コストが上がっているのも確かだが、他社と異なり価格を据え置く判断を下せなかった、という点が重要だ。

 

こういう話をすると“メタバース自体の可能性が怪しい”と思う人もいそうだ。だが少なくとも、Metaはそう考えていない。今年の秋には新製品「プロジェクト・カンブリア(コード名)」の発表も予定しており、メタバースへの投資は継続される。ただ、VRゲーム機としてのビジネスを主軸としつつも、無理な普及は目指さず、ビジネス向けを含めたより堅調な市場が短期に見込めるところへ先進性を武器に切り込もうとしているのだ。

 

それはどのような点からなのか? ほかの「メタバース向け機器」は今年どうなるのか? その予測は次回以降で解説する。

 

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Meta、カスタマーサポート部門を新設? やっとFacebookアカウント復活に対応してもらえるかも…

元FacebookのMeta社には、実は社内にカスタマーサポート部門がありませんでした。一応はヘルプセンターや、アプリメニューに「ヘルプとサポート」は用意されているものの、さっぱり対応してもらえないとの声が相次いでいました。

↑カスタマーサポート部門、今までなかったのか…

 

そんな事態を改善するため、もっかMetaがカスタマーサポート部門の構築を計画しており「予期せず投稿やアカウントが削除された」ユーザーを助けられる見通しだと報じられています。

 

米Bloombergによれば、この計画はまだ「初期段階」だそうで、いつから利用できるようになるかは不明です。

 

なぜ計画が動き始めたかといえば、部分的にはFacebook監督委員会(Meta傘下のSNSにつきモデレーションに関する判断・決定を行う機関)の意見に基づいているとのこと。同委員会は、前からMeta社がユーザーとコミュニケーションをとる方法につき、透明性を高めるべきだと主張してきたと伝えられています。

 

Facebookでトラブった人は思い当たるはずですが、運営側と連絡を取ることは困難を極めます。たとえばハッキングを受けたり身に覚えのない処分によりアクセス権を失ったユーザーには、アカウントを取り戻すための選択肢はほとんどありません。

 

一応は不服申し立てのメニューや自動化されたツールがありますが、どちらも操作が難しく、また効果がないことも多いもの。そのため困り果てたユーザーは、法律事務所やハッカーに依頼するなど、他の手段に訴えてアカウントの回復しようとすることもあります。またSNSを通じて、有名人にアカウント回復の手助けを頼み込むことも珍しくありません。

 

そこに、実際にユーザーと話してくれるカスタマーサービス担当者が加われば、多くの人にとって頭痛の種が解決されるかもしれないと期待されています。

 

とはいえ、Metaプラットフォームの日間アクティブ28億8000万人、Facebookだけで19億7000万人という膨大さです。もしもカスタマーサービスが開設されても、苦情を聞き届けてもらうには相当な時間がかかるのかもしれません。

 

Source:Bloomberg
via:Engadget

MetaザッカーバーグCEOのVR自撮り画像、素朴すぎて話題に。「2002年のゲームソフトみたい」との声も

元FacebookことMeta社のマーク・ザッカーバーグCEOのVRアバター画像が素朴すぎたことが話題となり、後にクオリティをアップした画像を公開することなりました。

↑Image:Meta

 

ことの始まりは、ザッカーバーグ氏がメタバースアプリ『Horizon World』をフランスとスペインで開始することを発表するFacebookの投稿に付けたスクリーンショットでした。そこでは虚ろな表情のVRアバターが、素朴すぎるエッフェル塔やサグラダ・ファミリアの前で自撮りしており、まるで10年以上も時代が遡ったかのようです。

 

この画像がツイッターなどに拡散して一人歩きし、メタバースの未来に何十億ドルも注ぎ込んだうえに社名までMetaに変えた本人のアバターが、なぜこんなに無表情で生気がないのかと話題をかっさらったしだいです。

 

これではメタバースではなく2012年の(Wii Uや3DSのネットワークサービス)Miiverseのようだなどと、たとえ話も時を遡っていき、2002年の任天堂ゲームキューブ用ソフトみたいだとの声も飛び出しました。

 

その声に応えて、Wii用の『World Baby』(空想上のゲーム)パッケージ画像を自作する人まで現れました。

 

ザッカーバーグ氏はこれらの批判に言及はしていませんが、前に投稿した写真が急いで撮ったため「かなり簡素」だったと言い、改めて表情もありライティングもされた自分のVRアバターや、リアルに描かれた古代遺跡のCGを投稿。そしてHorizonのVRグラフィックにつき「大きなアップデート」を計画していると述べています。

 

さらにザッカーバーグ氏は「Horizonのグラフィックはヘッドセット(自社のMeta Quest 2など)でももっと多くのことができますし、非常に速やかに改善しています」と付け加えています。懐かしすぎる作風のVRアバター画像が、将来性あるメタバースと真逆の方向だったと気づいたのかもしれません。

Source:Mark Zuckerberg(Instagram)
via:Engadget

Metaのチャットボット、ザッカーバーグCEOを「お金のために人々を搾取している」と回答!

Facebookの親会社であるMetaは、自然な会話をめざすAIチャットボット「BlenderBot3」を8月から一般公開しています。すでに様々な媒体が試して興味深い会話を引き出しているなか、同AIがMetaのマーク・ザッカーバーグCEOのことを「お金のために人を搾取している」と語ったことが伝えられています。

↑Shutterstockより

 

Meta社によると、BlenderBot3は「ほぼすべての話題」についてチャットできるそうです。そして失礼な回答や攻撃的な言葉遣いをする可能性があるとしつつ、それは「真に堅牢な会話型AIシステムを構築」して製品化するまでのギャップを埋めるために重要なことだと述べています

 

なお、8月17日現在でBlenderBot3が使えるのは米国だけで、日本をはじめ他の地域から試すことはできません。

 

さてBBCがMetaのCEO兼創業者(ザッカーバーグ氏)をどう思うかと訊くと、チャットボットはまず「彼は議会での証言でひどいことをした。わが国が心配になる」と回答。かつてザッカーバーグ氏は米国の政治家から何度も質問を受け、ときには議会に証人喚問されたこともありました。

 

さらに考えを問われたチャットボットは「私たちの国は分裂しており、彼(ザッカーバーグ氏)はその手助けをまったくしていない」と続け、「彼の会社はお金のために人々を搾取し、彼は気にしていない。やめるべきだ!」と訴えています。

 

もっとも、BlenderBot3が人智を超えた知能でザッカーバーグ氏を糾弾しているわけではないでしょう。そのアルゴリズムは答を出すためにインターネットを検索するしくみであり、この見解も他の人々の意見から「学習」したに過ぎないと思われます。

 

これに先立ちThe Wall Street Journalの記者もBlenderBot3に質問をぶつけ、ドナルド・トランプ氏がまだ大統領で2024年まで任期が続くという、2020年の選挙結果を否定する人たちそのものの言葉を引き出していました。

こうした事態に対してMetaの広報担当者は「BlenderBot3を使うすべての人は、それが研究と娯楽目的のみであることを理解し、真実でないまたは不快な発言をする可能性もある」として、テストする人たちに「意図的に不快な発言をさせるためにボットを使わないよう同意する必要があります」と述べています。

 

あらゆる会話をこなせるほど賢くするには多くの人とお喋りさせ、データを集めることが欠かせません。ですが、それは多くの際どい質問に晒されたり、適切ではない考えを拾い食いしてしまうことにも繋がります。

 

2016年、米マイクロソフトはTwitterのユーザーが同社のチャットボットに人種差別を教えたことを受けて謝罪していました。Metaも、自社のCEOさえ撫で斬りにするやんちゃなAIを手なずけるのに苦労しそうです。

 

Source:BBC

元FacebookのMeta、メタバースで成人向けコンテンツを解禁! ワールドに18禁のタグが追加

元FacebookのMeta社はVR(仮想現実)プラットフォーム「Horizon Worlds」について、ポリシーを改訂し、これまで禁止されていた成人向けコンテンツを提供できるようにしました。「成熟した視聴者」を対象とした新たなレーティングシステムが導入され、各クリエイターが作成したワールドに「18歳以上(Mature)」というタグが付けられるようになります。

↑メタバース上で成人向けコンテンツが解禁に

 

MetaがHorizonユーザーに送ったメールによれば、クリエイターは自分のワールドが全年齢向けか、それとも18歳以上向けかを意思表示しなければならないそうです。もし何もしない場合は、自動的に18歳以上に制限されるとのことです。

 

今年4月時点でのポリシー更新後のそれを見比べると、禁止されていた成人向けコンテンツが許されるようになったとわかります。

 

以前のHorizonでは、裸に近い状態など性的なものを示唆する内容や、マリファナやアルコール、タバコや賭博など年齢制限のある活動、血のりなどを含む暴力的な表現は禁止されていました。しかし今では「18歳以上」とマークすれば、それらを含めても問題ありません。

 

ただし完全なポルノはダメで、「ヌードや露骨な状態の描写、性的に挑発的だったり暗示的な内容や世界観」はやはり禁止されています。また「違法薬物や処方箋薬の乱用」を勧めることもできません。また、激しいまたは過度に暴力的な「フィクション」はOKですが、現実の暴力を見せることもNGです。

 

とはいえ、性的に“示唆する”ものと“挑発的”な表現の違いはどこにあるのか。また米国ではマリファナも違法薬物とされている地域が多く、どこで線引きするかについてMetaとクリエイターが議論する余地は残されていそうです。

 

Metaは、Horizonが「誰にとっても安全で歓迎される環境」にするために、さまざまな工夫を重ねています。たとえばベータ版でセクハラまがいの行為があったと苦情を受けて、VRアバター同士が近づきすぎないようにするシステムを導入。またフレンドではない人の声を聞こえなくして、バーチャルな公共空間での嫌がらせを封じたというぐあいです。

 

そもそもVRヘッドセットが広まり始めたのも、アダルトVRが充実してきたからとの声もあります。個人で楽しむ分には問題なさそうですが、現実の人と人とが交流するメタバース空間では困ったトラブルが起きないよう、運営側がひどく苦労することになりそうです。

Source:UploadVR
via:The Verge

インスタグラムの15分未満の動画、全部リールになりますよ

画像SNS「インスタグラム(Instagram)」を運営するメタ(Meta、旧フェイスブック)は、同プラットフォームに投稿される15分未満の動画をすべて「リール(Reels)」として取り扱うと発表しました。

↑Ascannio/Shutterstock.comより

 

リールは2019年にインスタグラムに追加された機能で、ユーザーはショート動画を投稿することができます。現在では投稿できる動画が90秒にまで拡大され、フェイスブック(Facebook)からの動画投稿も可能となっています。

 

インスタグラムのヘルプセンターに掲載された案内によれば、今後は15分未満の動画はすべてリールとして取り扱われる一方で、以前に投稿された動画はビデオとして残ることになります。この変更は、今後数週間をかけて展開される予定です。また、ユーザーのプロフィール上でのリール/ビデオセクションも、1つのタブに統合されます。

 

ユーザーが動画コンテンツと自分のリアクションを同時に記録できる「デュアル(Dual)」機能も導入されます。ここでは、スマートフォンのフロントカメラとバックカメラを使って同時に録画し、リール動画を共有することもできます。

 

リールの「テンプレート」機能もアップデートされ、カメラ撮影画面から様々なテンプレートを閲覧し、動画と写真をアップロードして既存のフォーマットやオーディオと組み合わせ、リール動画を作成することができます。

 

リールのデュエット機能の「リミックス(Remix)」も拡張され、独自のコメントを追加するためにグリーンスクリーン、水平/垂直画面分割、ピクチャーインピクチャーのレイアウトが利用できます。また「リミックス・フォー・フォト(Remix for photos)」では、ユーザーは公開されている写真をリミックすることができるようになります。

 

このように、今後は大きな進化が予定されているリール。ショート動画プラットフォームがますます拡大する中、メタもその改革に本腰を入れているようです。

 

Source: Instagram Help Center via TechCrunch

元Facebookのメタが経営難? 管理職にリストラ準備を指示か

旧FacebookのMeta社が、今後いっそうの事業縮小にそなえて、管理職にクビにする従業員を特定せよと解釈できそうな指示をしているとの噂が伝えられています。

↑Meta Logo On Smartphone Being Held/Shutterstock

 

有料ニュースメディアThe Informationによると、Metaのリモートプレゼンス担当副社長のMaher Saba氏はマネージャーらに、チーム内で「サポートが必要」な人を特定するよう指示したとのことです。また成績の悪い「軌道に乗れない人」を「退場させるように」と通達したとも述べられています。

 

Meta社は同誌のコメント要請に応じなかったため、これらの指示が本当に意味するところは不明です。

 

またThe Washington Postの情報源によれば、従業員らはこれが「業績改善計画」の作成に使われ、結局は大量の首切りに繋がるのではないかと心配しているそうです。またSaba氏は「直属の部下が惰性で仕事をしていたり、成績が悪かったなら、その人は我々が必要としている人材ではなく、この会社を失敗させる者だ」とも書いたと伝えられています。会社にとってマイナスどころかプラマイゼロでも許されない、ということでしょう。

 

Meta社のマーク・ザッカーバーグCEOは、今月初めの質疑応答で、同社が「最近の歴史の中で最悪の不況の一つ」に直面していると従業員に警告していました。5月には今年の採用を減速すると言っていましたが、その場では新規エンジニアの採用目標人数を約30%減らすことを明らかにしています。

 

またザッカーバーグ氏は従業員への期待を高め、よりアグレッシブな目標を与えることも宣言しています。「この会社は自分には合わないと思う人もいるだろうし、それはそれでいいんだ。現実的には、この会社にいるべきでない人たちがたくさんいるのでしょう」と語ったと報じられていました。

 

SNS企業でありメタバースの旗振りをするMeta社は、アップルがiOS 14.5以降に導入したATT(異なるアプリやウェブをまたいでユーザーを追跡するときには、明示的な許可が必要)によりターゲティング広告の有効性が落ち、大幅に収益が落ちると見込んでいました。またVRヘッドセット「Meta Quest 2」は安さを強みに普及台数を伸ばしてきましたが、景気後退のリスクが一因となって、VRへの投資を減速しているとの観測もあります

 

Meta社の今後はさておき、次世代VRヘッドセット「Meta Quest Pro」は無事に発売されることを祈りたいところです。

 

Source:The Information,Washington Post

via:Engadget

Meta Quest、8月からFacebookアカウント不要に。ザッカーバーグCEOの約束が守られる

Meta社は2022年8月から同社のVRヘッドセット「Qeust」シリーズでFacebookアカウントを使わなくてもよくなると発表しました。今後は新たな「Metaアカウント」が導入され、Facebookへのサインアップが必要なくなるとのことです。

Meta Quest、8月からFacebookアカウント不要に

 

Metaアカウントは、新規および既存のQuestユーザーを対象に来月から展開される予定です。これまでQuestヘッドセットでFacebookアカウントを使っていた人は(以前のOculusアカウントと統合されたFacebookアカウントを含む)、同月中にMetaアカウントと関連プロフィールを作る必要があります。Oculusアカウントでログインしていた場合は、以前の約束通り2023年1月1日まで使い続けられます。アカウントを移行すれば、購入済みのVRアプリ全てを引き続き使えるそうです。

 

この新たなオプションは、昨年MetaのザッカーバーグCEOがしていた約束を果たすものです。2020年10月からOcculusデバイスにログインするにはFacebookアカウントが必須とされたときは、ユーザーから非難囂々となっていました。

 

しかし旧Facebook社がMetaに改名するにともない、メタバース事業に注力するため「Occulus Quest」も「Meta Quest」と名前が変えられ、使用にFacebookアカウントの紐付けが要らなくなると予告されていたしだいです。

 

なぜFacebookアカウントとの紐付けが大不評だったかといえば、そちらが一時停止されることでヘッドセットも使えなくなるからです。誰かからの嫌がらせでFacebookアカウントが凍結されたり、事務局の手違いで停止される事態も珍しいことではなく、なぜ道連れに……と不満が溜まっていたわけです。

 

そしてOculusアカウントをFacebookアカウントとリンクしていた人も、設定中にFacebookアカウントを切り離すことができるそうです。逆にFacebookやInstagramアカウントと紐付けもでき、一緒にゲームしてくれるInstagramのフォロワーを見つけたり、Messengerで友達とチャットしたりも可能とのことです。

 

MetaアカウントもFacebook並みに要件が多く、利用者の名前、メールアドレス、電話番号、支払い情報、および年齢認証のための生年月日が含まれます。とはいえ、複数のMetaアカウントを作成でき、それぞれにHorizonプロフィールを用意できるため、VRゲームやVRチャット、仕事など状況に応じて他人からどう見えるかを使い分けしやすくなりそうです。

 

Source:Meta Quest
via:The Verge

性能アップに期待! メタの次期VRヘッドセットは「Quest Pro」になるかも

米メタの次期VRヘッドセットの名称が「Quest Pro」になるとの情報を、ブルームバーグが報じています。

↑Abel Brata Susilo/Shutterstock.com

 

Project Cambria」として開発がすすめられている、メタの次期VRヘッドセット。その外観や仕様はまだ公開されていませんが、メタによれば800ドル(約11万円)よりも大幅に高い、プレミアム市場(あるいは開発者)向けの製品になるとのこと。さらに、リーク情報として3Dレンダリング画像予測スペック情報も報じられています。

 

さてブルームバーグの報道によれば、Quest Proという名称はOculus(フェイスブックのVR向けの旧ブランド)のモバイルアプリのコードから発見されたそう。なおメタは、Quest Proという名称が実際に製品に採用されるかどうかについては、コメントを拒否しています。

 

現在メタはVRヘッドセット「Meta Quest 2」を販売しており、その上位モデルの名称は「Quest 2 Pro」になると予測されていました。ブルームバーグが伝える情報によれば、Quest Proではフルカラー表示のパススルーカメラや深度センサーを搭載することで、周囲のものをよりわかりやすく把握できるようになるとされています。

 

フェイスブックがメタへと名称変更をしてから、初の製品リリースとなる予定のQuest Pro。フェイスブックは将来的に「視覚的チューリングテスト」、つまり仮想現実と現実の境目をなくすことを目標としており、Quest Proはそのための第一歩となるのかもしれません。

 

Source: Bloomberg via TechCrunch

Instagram、iOSアプリからアカウント削除ができるように! ウェブでの手続きが不要に

ついにiOS版のInstagramアプリ内から、アカウントが削除できるようになりました。これまではWebブラウザからInstagramのサイトにアクセスして「アカウントの削除」ページから手続きする必要がありましたが、それが不要となりました。

Instagram

 

この変更は、最近App Store Reviewガイドラインが変更されたことを受けて行われたものです。具体的には5.1.1データの収集および保存のうち(v)アカウントへのログインであり、「アカウントの作成に対応したAppの場合は、App内でアカウントの削除もできるようにする必要があります」に沿ったかっこうです。

 

つまりInstagramの親会社Metaは、この機能をアプリに追加するか、ないしはApp Storeからアプリを削除されるリスクを負うか、二択を迫られていたわけです。

 

この新ルールについては特設ページが公開されており、そこでは「アカウント削除オプションは、App内の分かりやすい場所に配置する」ことや「アカウントのレコード全体および関連する個人データを削除するためのオプションを用意する」ことが義務づけられています。

 

以前のiOSアプリではアカウント削除はできず、「利用解除(一時停止)」だけできました。しかし、アップルは「アカウントを一時的に無効化するオプションだけでは不十分です」と言っており、Metaも今回の対応を迫られたようです。このルールは、6月30日から正式に施行されました。

 

これまでの「利用解除」では、Instagramのサーバーから自分のデータが削除されるわけではありませんでした。それに対して「アカウントの削除」は、ユーザーデータがすべて削除されることになります。

 

どうやってアプリ内からアカウントを削除するのか。その操作は、次の通りです。

  • iPhoneまたはiPadでInstagramのアプリを開く。
  • 右上のメニューボタン(横線3本)をタップする。
  • 「設定」→「アカウント」→「アカウントを削除」と進みます。
  • 「アカウントを削除」ボタンをタップし、「アカウントの削除を続行」ボタンで削除することを確認します

 

手続きが完了してから、実際にアカウントが削除されるまでに30日間かかります。その間にアプリに再ログインすると、削除プロセスは取り消されるそうです。そしてアカウント削除後は、プロフィールや写真、コメントやお気に入り、フォロワーもすべて消されます。

 

いざという時には便利そうですが、うっかりアカウントを削除すると取り返しが付かないため(手続きのキャンセルは簡単ですが)慎重に考えたいところです。

 

Source:TechCrunch

Instagram、米国で「自撮りの動画をAIで分析」など年齢確認テストを開始

元FacebookのMeta社は傘下のInstagramにつき、いったん18歳未満と登録していたユーザーが18歳以上に変更する際に、年齢を確認する機能のテストを米国で開始したと発表しました。ユーザーは3つの方法から選ぶことができ、そのうち1つは自撮り動画をアップロードさせて人工知能で分析するというものです。

Instagram

 

これは英スタートアップのYotiが開発した、顔をスキャンするだけで年齢を推定できるAIツールを使うとのことです。データはMetaからYotiに送られるものの、個人は特定されず、年齢確認が終われば両社ともデータを削除すると約束されています。

 

年齢確認方法の2つ目は、18歳以上の友人3人に年齢を保証してもらうというもの。確認リクエストを受け取った友人は、3日以内に対応する必要があります。

 

そして3つ目は、パスポートや運転免許証などIDカードの写真をアップロードすることです。このデータはMetaのサーバーに30日間保存された後、削除されると述べられています。

 

Instagramでは13歳未満の使用は原則として禁じられていますが、同社はこのルールを守る努力をほとんどしていませんでした。2019年までは生年月日を尋ねることも、その情報を確認しようともしていなかった有様です。しかし、プライバシーや児童保護の専門家から批判が相次ぎ、ようやく対応したしだいです。

 

Instagramがユーザーの年齢推定にAIを使うことは、今回が初めてではありません。2021年には自動化ツールにより誕生日のお祝いメッセージや友人らの年齢など情報をスキャンし、登録情報と一致しないと判断された場合は再確認すると説明されていました

 

Instagramは若年層、特に10代女子のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが明らかになったという社内文書を隠していたことがリークされ、批判を集めていました。社会の信用を取り戻すまでには、かなりの時間がかかりそうです。

 

Source:TechCrunch

次世代VRヘッドセット「Meta Quest 2 Pro」は16個のカメラ搭載で価格は約11万円? 有名アナリストがツイート

元FacebookことMeta社が次期VRヘッドセット「Meta Quest 2 Pro」を年内に投入するとの噂話は、数か月前から囁かれています。それに続き、使用するディスプレイの種類や価格など、より詳細なアナリスト予測が報じられています。

 

アップルの未発表製品に詳しいことで知られるMing-Chi Kuo氏は、Meta Quest 2 Proの最新情報をツイートしています。そもそも、この製品名(まだ仮称ですが)を提唱したのもKuo氏ご本人でした

 

さて新たなツイートによれば、本製品には2Pパンケーキレンズ(パンケーキのように薄いレンズ)とともにミニLED技術を採用し、ビジュアル品質を向上させる見通しだそうです。

 

ミニLEDとは、従来の液晶画面のバックライトにより微小なLEDを組み合わせて省電力や高輝度を実現するものです。対してアップルが開発中と噂のAR/VRヘッドセットにはマイクロ有機EL、つまり「素子そのものが(通常の有機ELと同じく)光るパネルの採用が噂されています。

 

ざっくり言えばマイクロ有機ELのほうが優秀かつ高コストですが、ミニLEDもこれまでの液晶よりは高画質が期待できます。

 

またQuest 2 Proには、ヘッドセット側に10個、左右のコントローラーに各3個、合計16個のカメラを搭載。これにより視線追跡や顔の表情を認識したり、3Dセンシングにも対応するとのことです。多くのカメラを積むことで、いくつもの機能を一体的に実現し、ARとVRアプリを途切れなく(カメラで撮影した映像をデジタル画像と重ね合わせるビデオシールスー方式)体験できるというわけです。

 

さらにKuo氏によれば、Quest 2 Proの価格は799ドル(約11万円)以上になるそうです。これは販売中のMeta Quest 2の倍以上となりますが、アップルのARヘッドセットが噂されている価格(3000ドル以上)よりも控えめなようです。

 

また搭載プロセッサは、クアルコム製のSnapdragon XR2とのこと。このチップは同社製ARグラスのリファレンスデザインにも使われていますが、あちらは「スマホとの連携ありき」なのに対して、こちらはヘッドセット単体で動くはずのため、少し力不足かもしれません。

 

ちなみにアップル製ヘッドセットは、16インチMacBook Pro(2021)にも搭載されたM1 Proと同等のチップが載ると予想されています 。そうした性能や価格の違いを考えれば、Metaとアップル製品とは競合せず、棲み分けることになりそうです。

 

このQuest Pro 2は量産が2022年の第3四半期から始まり、年内には発売される見通しとのこと。出荷台数は約200万台に達すると推定されており、おそらく買う人が限られるアップルの高級ヘッドセットに“数”で対抗することになりそうです。

 

Source:Ming-Chi Kuo(Twitter)
via:Wccftech

元FacebookのMeta、VRヘッドセットの試作機を一挙に公開! 目標は「バーチャル世界と現実の区別が付かなくなる」こと

Metaは17日(米現地時間)、Metaの研究開発部門についての情報公開イベント「Inside the Lab」をメディア向けに開催しました。その場で、数々のVRヘッドセット試作機を公開するとともに、マーク・ザッカーバーグCEO自らが最終的な目標は「視覚的チューリングテスト」、つまり仮想現実が現実世界と見分けが付かなくなることだと述べています。

Meta

 

ザッカーバーグ氏と研究部門Reality Labs(旧Oculus)のチーフサイエンティストであるマイケル・エイブラッシュ氏によれば、完ぺきなVRヘッドセットに必要な条件は、まず処方メガネなしに20/20のVR視力が得られるような高い解像度。さらに可変焦点深度や視線追跡が必要で、近くにも遠くにも簡単に焦点を合わせたり、現在のレンズに付きものの光学的歪みも修正できる、という具合です。

 

さらに、これらの要素をすべて軽くて装着しやすいヘッドセットに入れ込む必要があります。今回のイベントで日の光を見たプロトタイプも、その目標をめざすまでの道のりであり、どれだけ進歩してきたかが示されたわけです。

 

まず網膜に近い解像度、つまり人の目レベルの解像度をテストした試作機が「Butterscotch」です。これは視力検査表の一番下を、VRで読み取ることができるというもの。しかし、そのためにはMeta Quest 2の水平視野角を半分にする必要があり、実用には耐えないとの判断だったようです。

Meta

 

そして「Starburst HDR」は、HDRをVRで実現しようとするものです。電源ケーブルやファンなどを束ねた電子機器の集まりであり、最大2万ニトの輝度を実現できるとのこと(Quest 2は100ニト)。これは頭に装着するには大きすぎて重すぎるようで、取っ手を持って双眼鏡のように覗き込まれていました。

 

これらの機能をなるべく(全てではない)詰め込みつつ、かなり洗練されているのが「Holocake 2」です。これまでで最も薄い上に完全に機能する実機であり、PCに接続した状態であらゆるVRゲームをプレイできるそうです。

Meta

 

さらに次世代製品のコンセプトとして紹介されたのが「Mirror Lake」です。ホログラフィックレンズやHDR、機械式バリフォーカル(可変焦点)レンズ、視線追跡などを搭載した実機はまだないものの、Metaが数年がかりでめざす理想像が確認できます。

Meta

 

この「Mirror Lake」はハイテクなスキーゴーグルのような見かけで、レーザーバックライト付きのLCD画面を搭載する予定とのこと。また、前側に外部ディスプレイを搭載し、目線や表情を外に見せる方法も開発しているそうです。

 

Metaが年内に発売予定の高級VRヘッドセット「Project Cambria」は年内に発売される予定ですが、「顔にかぶるノートPC」として仕事もできるとの噂話もありました。そちらは10万円以上になると見られていますが、より高度な「Mirror Lake」はそれどころではないはず。メタバースの野望を叶えるためにも、コストダウンが実現できるよう祈りたいところです。

 

Source:Engadget

バレンシアガも! Metaが服を買えるアバターストアオープンへ

米Meta(旧Facebook)は自社のSNSプラットフォーム向けに、衣類などのデータを購入できるアバターストアを立ち上げました。

↑メタより

 

2021年にFacebookからの社名変更を発表したMetaですが、FacebookやInstagram、WhatsAppなどのSNS事業は同社の基幹事業として継続されています。また今年には、InstagramのプロフィールにNFT(non-fungible token:非代替性トークン)が設定できるようになると発表しました。

 

Metaが開設したアバターストアは、FacebookやInstagram、Messenger向けのものです。最初に登場したブランドとしてはプラダやバレンシアガ、トム・ブラウンがあり、モトクロス用の服、ロゴ入りパーカー、スーツなどを購入できます。さらにMetaのCEOことマーク・ザッカーバーグ氏は、近日中にさらに多くのブランドが追加されるとも述べています。

 

このようなファッションブランドとテック企業の連携はますます強化されており、昨年にはゲーム『フォートナイト』でバレンシアガのスキンが導入。またゲーミングプラットフォーム『Roblox』には、グッズ購入などが可能なグッチタウンが登場しました。

 

記事執筆時点ではアバターストアがいつオープンするのか、あるいはユーザーがどのようにしてアイテムを購入できるのかの詳細については、明かされていません。しかしオンライン上でもファッショナブルにアバターを着飾りたい人にとっては、魅力的なオファーとなりそうです。

 

Source: Meta Newsroom / Twitter via The Verge

Metaのザッカーバーグ、アップルは嫌いだがMacBookは大好き? リンゴのロゴを消したことが話題に

アップルと旧FacebookことMetaの関係が良くないことや、トップのティム・クック氏とマーク・ザッカーバーグ氏の仲が悪いことは広く知られています。たとえばクック氏はFacebookがプライバシー情報を扱う姿勢を痛烈に批判して「我々は顧客を商品とは思っていない」と述べたとき、ザッカーバーグ氏は激怒して幹部らに「Androidだけ使え」と命じたことも報じられました(表向きには「AndroidはiPhoneよりはるかにユーザーが多いから」という理由)。

 

アップルを憎んでいるらしいザッカーバーグ氏ですが、それでもMacBookを使っている写真を公開。そこで、わざわざアップルのロゴを消していることが話題を呼んでいます。

 

先週末、ザッカーバーグ氏はFacebookへの投稿で、マクドナルドの食べ物に囲まれた自分の写真をシェアしました。これはどうやら、マクドナルドがMetaの企業向けSNS「WorkPlace」を世界規模で導入したことを祝うもののようです。

 

ザッカーバーグ氏が唇を舐めていることより注目を集めたのは、その前に置かれたMacBookの天面にあるべきアップルのロゴがなくなっている点です。別にアップルのロゴがない一品ものを持っているわけではなく、Metaの広報がフォトショップで画像を加工し、リンゴのマークを消したと推測されます。

 

ご本人が大嫌いなアップルの製品を使っていることは、奇妙にも思えます。が、上記の「Androidを使え」命令が報道された後も、Facebook広報はAndroid携帯を「奨励」しているが、別にiPhoneを禁止していないとアピールしていたことを振り返れば、一応は矛盾していないのかもしれません。

 

なぜザッカーバーグ氏とクック氏の仲が、それほどこじれたのか。そのきっかけは2019年7月、ハイテク・メディア業界の大物が集まる会合でのことです。ちょうど英国の選挙コンサルティング会社Cambridge Analytica(以下「CA」)が約5000万人分のFacebookユーザーの個人情報を無断で流用していたと発覚して、クック氏がFacebookがプライバシー情報を扱う姿勢を批判した翌年でした。

 

その会合は、本当ならヒビの入った両社の関係を修復することが目的だったそうです。が、クック氏はCA問題につき助言を求めたザッカーバーグ氏に対して「Facebookはコアアプリ以外で集めた個人情報をすべて削除すべきだ」と刺々しく応えたとのこと。それは個人の嗜好などを基にしたターゲティング広告を主な収入源とするFacebookにとってはビジネスを止めろというに等しく、2人の関係は決定的に悪化してしまったと伝えられています

 

クック氏と仲違いする数年前にも、ザッカーバーグ氏はInstagramが月間5億人ユーザーを達成したときのお祝い写真で、MacBookのウェブカメラとマイク端子にテープを貼っていることから、アップルにスパイされることを心配しているのでは? と指摘されていました

↑9to5Macより

 

それから数年後の今日でも、MacBookを使い続けるザッカーバーグ氏の心境は気になるところです。さておき米9to5Macの掲示板では写真に面白いセリフを当てはめたりしているので、興味のある方はチェックされてはいかがでしょう。

Source:Facebook

via:9to5Mac

メタのハードウェア戦略に異変? ARメガネもPortalも計画変更の噂

米メタ(旧フェイスブック)の初のARスマートグラスの発売を2024年よりも後に延期し、スマートディスプレイ「Portal」シリーズもビジネス向けに移行すると、海外テックメディアのThe Informationが伝えています。

↑9to5Googleより

 

VRヘッドセット「Meta Quest」シリーズを販売し、今後はMRヘッドセット「Project Cambria」のリリースも予定しているメタ。さらに同社がARスマートグラスを2024年に投入することも、海外にて報じられていました。

 

これまでの噂によれば、現在メタはARスマートグラス「Project Nazare」を開発しています。その見た目は普通の黒フレームのメガネ風ですが、その本体は100gと普通のメガネの4倍ほど。またスマートフォンなどにワイヤレス接続し、連動して動作します。なお、搭載OSは独自のカスタムOSはではなく、Androidが採用されるようです。

 

しかし今回の報道によれば、Project Nazareは市販されず、デモ製品として取り扱われます。そして現在は、より軽く洗練されたデザインの第2世代ARスマートグラス「Artemis」に注力しているというのです。なお以前の報道によれば、ArtemisはProject Nazareの2年後に登場するとされています。

 

さらにスマートディスプレイのPortalシリーズについても、「これ以上コンシューマー向けのデバイスは作らない」と決定したとのこと。現在はリモートワークなどによりスマートディスプレイ製品が人気ですが、Portalシリーズは思ったような売上を達成できていなかったのかもしれません。

 

現在はメタだけでなく、米アップルやグーグルからのスマートグラスやヘッドセットの投入が噂されています。しかしこれらの製品が勢揃いするのは、もう少し先の話となりそうです。

 

Source: The Information via 9to5Google

メタのデュアルカメラスマートウォッチがリーク。でも買えないの?

米メタ(旧フェイスブック)のデュアルカメラ搭載スマートウォッチ「Milan:コードネーム」とされる画像を、ブルームバーグが掲載しています。なお、このスマートウォッチはすでに販売計画が中止されているそうです。

↑Bloombergより

 

メタ(当時はフェイスブック)がスマートウォッチの販売を計画していることは、昨年にも海外メディアによって報道されていました。当時の報道では、このスマートウォッチはデュアルカメラと心拍数計を搭載し、2022年夏に発売されると伝えられていたのです。

 

しかし今回のブルームバーグの報道によれば、2023年春に349ドル(約4万7000円)にて発売予定だったMilanは技術的な問題、そしてメタ社内でのコスト削減により、販売が中止されたというのです。

 

なお開発されていたMilanは、ビデオ通話用の500万画素カメラを前面に、そして手首から外した時のために1200万画素の写真/ビデオ撮影用カメラを搭載していました。しかし報道では、後者のカメラが「手首からの神経信号を拾う機能」を阻害するという問題があったと伝えています。このスマートウォッチは、手首からの信号神経をARスマートグラスやメタバースデバイス向けのコントローラーとして利用することが、計画されていたようです。

 

その他に伝えられているMilanの機能としては、1回の充電で18時間のバッテリー駆動が可能だとしています。また他の企業と協力し、バックパックに取り付けるカメラとして使うためのアクセサリなども検討していたようです。

 

このデュアルカメラを搭載したメタのスマートウォッチは計画が中止されてしまいましたが、ブルームバーグによれば現在も同社は、その他のいくつかの手首に装着するウェアラブルデバイスの開発に取り組んでいるとのこと。SNSサービスをバックボーンとするメタが、どのような革新的なハードウェアを世に送り出すのかに注目したいものです。

 

Source: Bloomberg via The Verge

外部カメラの際立つ性能!「MetaのMRヘッドセット」をアナリストが予測

2022年5月、Meta(旧Facebook)は、新型のハイエンドMR(複合現実)ヘッドセット「Project Cambria」の実物を初公開しました。マーク・ザッカーバーグCEO自らが被って実演したものの、ヘッドセット本体にはモザイクがかけられて、その姿を確認できませんでした。

↑Brad Lynch氏が予想する「Project Cambria」

 

しかし最近、XR(AR/VR/MRを統合した外面)関連アナリストのBrad Lynch氏(SadlyItsBradley)が、Project CambriaのCADファイルと思しき画像を公開しました。

 

2022年4月、Lynch氏はCambriaの製品版とされる予想レンダリング画像をTwitter上で公開しましたが、その詳細の一部について解釈を間違っていたと述べています。今回の新たな流出ファイルでは、これまで不明だった重要な箇所にいくつか気づいたとか。

 

まず、デバイスの右側にあるワイヤーは、ヘッドストラップの裏側にあるバッテリーと前面のHMD(ディスプレイ)を繋ぐ電源ケーブルとのこと。ストラップを一番短く設定すると自動的に折り曲げられ、逆に長くするとまっすぐに伸びると推測されています。

↑デバイスの右側の構造(画像提供/Brad Lynch)

 

また、ヘッドセットの左側のヘッドストラップに取り付けられているクリップはUSB-Cケーブル(製品に同梱)用かもしれないとも指摘。つまり、完全ワイヤレスではなく有線ケーブル式である可能性も浮上したわけです。とはいえ、Lynch氏はWifi-6Eを搭載することがほぼ確実だとして、完全ワイヤレスに対応する希望も繋いでいます。

↑オレンジ色がクリップ(画像提供/Brad Lynch)

 

瞳孔間距離(IPD/目の中心間の距離)の調節はホイールを回すのではなく「レンズ自体をつかんで動かす」方式になるため、Quest 2よりもスムーズな調整が可能になり、使い心地がもっと良くなるとも述べられています。

↑レンズの構造(画像提供/Brad Lynch)

 

Cambriaがほかのヘッドセットと最も異なる点は、外部カメラの仕様。前方の左右には2つの「glacier」モノクロカメラ、中央に「teton」高解像度RGBカメラが1つあり、後者が前者の色づけに使われるとのこと。さらに、中央のRGBカメラの下には赤外線プロジェクターがあり、環境マッピング用の深度データを取得できるとも推測されています。

↑Project Cambriaの前面(画像提供/Brad Lynch)

 

Lynch氏によるスペック予想は以下の通り。

・プロセッサ: Snapdragon XR2+ Gen 1

・搭載RAM: 12GB

・内蔵ストレージ: 256GB SSD

・ディスプレイ解像度: 2160 x 2160のミニバックライト付きLEDディスプレイ×2枚

・バッテリー容量: 5000mAh

 

Project Cambriaの発売時期や価格に関する正式な発表はまだありません。が、Metaは800ドル(約10万7000円※)よりも「大幅に高くなる」予定であり、主に開発者やマニアをターゲットにしているとの趣旨を回答していました。それでも、3000ドル(約40万円)との噂もあるアップル純正MRヘッドセットと比べれば、手が届きやすいと思えるかもしれません。

※1ドル=約133.7円で換算(2022年6月9日現在)

 

Source:Patreon
via:Road to VR

Facebookが雇用凍結した「4つの要因」を発表。アップルによるiOS 14.5以降のアプリトラッキング透明性導入の影響も示唆

世界的な大手SNSのFacebookは大規模な「雇用凍結」(一時的に社員の採用を停止すること)を発表しています。この決定につき親会社のMetaが、背景には4つの要因があり、その1つがアップルによるアプリトラッキング透明性(ATT)の導入だと従業員に説明したと報じられています。

 

 

これは米Business Insiderが入手したという、Metaの最高財務責任者デイビット・ウェーナー氏が全社員に送ったメモに基づいた報道です。それによると収益の伸びの鈍化とコスト増の原因は4つあり、1つ目がATTだと語られているそうです。

 

アップルはiOS 14.5以降にATTを導入し、異なるアプリやウェブをまたいでユーザーを追跡するときには明示的な許可(追跡していいですか?とポップアップを表示)を求めることを義務づけています。これによりターゲティング広告が難しくなり、Facebookもクライアントに「わが社の広告は効果的です」と証明しにくくなっています。

 

これまでもFacebookは、自社の広告ビジネスにATTが与える影響を繰り返し訴えながらも、それは中小企業のことを心配しているからだと主張してきました。が、今回のメモではFacebookの経営につき「年初に予想したよりも収益の伸びが鈍化するなど逆風にさらされている」とした上で、原因の一つとして「iOSの変更に伴う信号の喪失(ユーザー追跡が難しくなった)」が挙げられているかっこうです。

 

もっとも、他に「ウクライナ戦争から来るビジネス上の課題」や「一般的なマクロ経済環境」および「新型コロナ禍の規制が解除されたことで、オフラインで過ごす人が増え、感染拡大前の消費パターンに戻りつつある」などの要因も並べられています。つまり、アップルのATTのせいだけにしているわけではありません。

 

ただし、Facebookのグローバル採用責任者のミランダ・カリノウスキー氏が「エンジニアリング職が大きな打撃を受ける」とのメモを出しているそうです。機械学習の上級職を除いて、ほとんどのエンジニアの採用は直ちに一時停止され、これ以上の内定は出ないだろうとも述べており、やはりATTにより(おそらくネット広告に関わる)技術職は難しい立場に置かれているようです。

 

その一方でウェーナー氏は、「iOSの変更による信号損失(ATT)を克服するための広告システムへのAIの組み込み」やメタバースの実現を通じて、成長を再加速できることをも語っています。

 

MetaのザッカーバーグCEOもアップルのプライバシー対策がビジネスに「悪影響を及ぼしている」と何度も発言しています。が、その一方でターゲティング広告に使える個人データが減ったことを補えるよう広告インフラを「再構築」しているとも明らかにしていました

 

これから数年はメタバースで利益を出すことは難しいとも予想されますが、ザッカーバーグ氏の夢を叶えるためにも、プライバシーを侵害しない範囲で広告で稼げるよう努力が注がれることになりそうです。

Source:Business Insider
via:9to5Mac

Metaの高級VRヘッドセット、「顔にかぶるノートPC」として仕事もできる? お値段は10万円以上かも

元FacebookのMeta社は、ハイエンドVRヘッドセット「Project Cambria」を年内に発売する予定です。同社からは公式な続報はありませんが、「顔にかぶるノートPC」といった目標や、いくつかの詳細なリーク情報が伝えられています。

Meta

有料ニュースメディアThe Informationによると、Cambriaは社内では「顔のためのラップトップ(ノートPC)」または「顔のためのChromebook」と呼ばれているそうです。すなわちChromebookに近いスペックを持ち、AndroidをベースにしたMeta独自のVR向けOSを採用すると見られています。

 

さらにWebベースのツールやサービスのほか、一部のMeta Quest(旧Oculus Quest)アプリにも対応する見込みであり、Meta社としては未来の仕事用デバイスとして売り込むつもりだそうです。

 

搭載されるディスプレイは高解像度であり、ヘッドセットを着けたままテキストをはっきりと読むことができ、電子メールを送ったり、コードを書いたり(プログラミング)できるかもしれない。つまり、プロフェッショナルな用途に使える可能性があると述べられています。

 

またCambriaは外向きカメラを通じて周囲の景色を見ることができるとのこと。この機能は「フルカラーパススルー」と呼ばれ、複合現実感のある体験が可能になるそうです。現行のMeta Quest 2にも4つの外部カメラがあり、一応は外の景色を見られますが、低解像度の白黒にすぎません。

 

そしてMetaがCambriaを発表した際に約束した「視線トラッキングと顔の表情を認識する機能」も実現する模様です。ソーシャルVRサービス『Horizon Worlds』やビジネス会議用VR『Horizon Workrooms』等では、アバターにユーザーの表情や見ている場所が反映されると伝えられています。

 

本製品には大容量バッテリーが搭載されるため、Quest 2よりも重くなる見込み。ただし、バランスを保つためにバッテリーは後部に配置されているそうです。ちなみに現在のQuest 2向けにも、バランス改善も兼ねて後部に着けるサードパーティ製の外付けバッテリーパックが発売されています。

 

このCambriaは、9月頃に店頭に並び、価格は799ドル(約10万円)以上になるとのことです。はじめは昨年に発売する予定だったものの、新型コロナ禍によりサプライチェーンが混乱したため延期されたそうです。

 

さらにMetaは今後、メタバースの野望を推進すべく、数年以内に(Cambriaとは別の)3つのヘッドセット製品を投入する予定だとされています。まず2023年と2024年にQuestヘッドセットを発売し、翌2024年にはCambriaの後継機(社内コード名は「Funston」)をリリースする見通しとのことです。

 

ほかテックメディアThe Vergeは、Metaが2024年に同社初のメガネ型ARデバイスも発売するとの噂を報じていました。同社は9日にメタバースではなく現実の店舗をオープンする予定ですが、将来的に自社ハードウェア製品をズラリと並べるつもりかもしれません。

 

Source:The Information
via:Engadget

約19億人もの個人情報はどう管理されるべき? Facebookの「プライバシー規制」に関する社内文書がリーク

世界最大手SNSのFacebookは、約5000万人分の個人情報が不正に流用されたり、かと思えば自社アプリが個人情報をかき集めていることが明らかにされたり、プライバシー関連については評判がいいとは言えません。

 

そして実際、Facebook社内でユーザーデータが何に使われているのか、どこにあるのかを把握しておらず、そもそもプライバシーに関する規制を守る能力があるのか疑わしいことを示す内部文書がリークされたと報じられています。

 

このリーク文書は昨年、Facebookの広告・ビジネス製品チームのプライバシーエンジニアが上層部が読むことを想定して作ったというものとのこと。そこでは世界各国で新たなプライバシー関連の規制が強まるなかで、Facebookが推定19億人もの個人データについて、いまなお手探りを続けているプラットフォームだと述べられています。

 

さらにFacebookが個人データの扱いに関して、各国に約束することは難しいと警告しています。なぜなら同社のシステムがどのようにデータを利用するか、適切なレベルの管理や説明できる能力に欠けているため、たとえば「XデータをYの目的に使用しない」といった対外的な約束を自信を持ってできないためだ、とされています。

 

が、それこそが規制当局がFacebookに期待していることのため「ミスや虚偽表示のリスクを高めている」とのことです。データの使い方をよく分かっていないまま約束してしまうと、結果としてウソをついたことになるというわけです。

 

何がユーザーデータの追跡(社内のどこに行っているか)を難しくしているかといえば、Facebookが「閉じた形」のシステムを持っていないため。つまりFacebook自らが集めたユーザーデータ、サードパーティーのデータや機密データが混じり合う「オープンボーダー」がある、ということです。特定のデータ追跡がいかに難しいかは、「インクの瓶を湖に注いでから、瓶に戻そうとする」というたとえ話がされています。

 

もっともFacebookの広報担当者は「この文書には、プライバシー規制を遵守するための当社の広範なプロセスや制御が書かれていないことを考えると、規制を守っていないと結論づけるのは単に不正確です」と反論しています。

 

上記のデータ流出問題が発覚した直後、マーク・ザッカーバーグCEOはEU公聴会に出席して釈明を迫られていました。またFacebookがMetaに改名した後も、EUからユーザーデータを米国に移転できなくなれば撤退するぞと警告したことに、仏独の経済担当相らは「どうぞどうぞ」と応じていたことがあります。今後のMetaとEUの関係性も注視したいところです。

Source:MotherBoard

元FacebookのMeta社、メタバースではなく現実の店舗を5月にオープン。VRゲームをプレイできる大画面ディスプレイもあり

元FacebookのMeta社は、5月9日(米現地時間)に同社初の実店舗をオープンすることを発表しました。同社が熱く推進しているメタバースの中ではなく、米カリフォルニア州バーリンゲームにあるキャンパス内にて物理的なショップが営まれることになります。

 

これはMeta社が仮想世界に軸足を置きながらも、ハードウェア事業の比重が増していることを表す動きでもあります。「Meta Store」はReality Labs(AR(拡張現実)とVR(仮想現実)を研究する部門)の近くにあり、同社のVRヘッドセット製品であるMeta Quest 2や、スマートグラスの「Ray-Ban Stories」 のほか携帯デバイスが展示され、お客は従業員とビデオ通話したりVR体験をしたりとインタラクティブなデモが楽しめる予定です。

 

Meta社にとって実店舗は、単にハードウェアを売るだけでなく、より多くの人にVRとARの技術を知ってもらうための位置づけです。店頭でのVRデモは「壁から壁までの」巨大なLEDディスプレイで行われ、たとえばヘッドセット内に表示されている『ビートセイバー』のゲーム画面などが現実の視界いっぱいに広がるというぐあいです。

Meta

 

また、マーク・ザッカーバーグCEOも、自らのFacebookページにてMeta Storeを予告しています。「私たちの製品が人々をつなぎ、メタバースを構築していくなかで何が起こるかが分かる素晴らしい体験です」とのことです。

 

最初の店舗は1550平方フィート(約144平方メートル)という控えめなものですが、米The New York Timesは昨年秋、Meta社が世界中にリアル店舗を開くことを検討していると報じていました。同社のメタバース部門は2021年に100億ドルの損失を出していましたが、粘り強い努力を期待したいところです。

 

Source:Meta

VR体験の敷居を下げる可能性? メタ、ウェブ版「Horizon Worlds」の開発と販売手数料に言及

米Meta(旧Facebook)でCTOを務めるAndrew Bosworth氏は、同社がVR(仮想現実)アプリ「Horizon Worlds」のウェブ版を開発しており、また同サービスでのコンテンツ販売手数料が廉価に抑えられるとの見通しを発表しています。

 

画像引用元:shutterstock

 

Horizon Worldsは以前は「Facebook Horizon」と呼ばれていたサービスで、ユーザーはアバターを利用してVR空間にて他人と交流したり、ゲームやショッピングを楽しむことができます。また現時点では、Horizon Worldsの利用にはVRヘッドセットが不可欠です。

 

 

しかしBosworth氏はツイートにて、将来的にウェブ版のHorizon Worldsがリリースされることに言及。ただしその詳細は明かしておらず、VRヘッドセットが必要なのか、あるいは通常のパソコンやスマートフォンからアクセスできるのかは不明です。

 

Horizon WorldsのようなVRワールドはユーザーが仮想空間を楽しむためにも、VRヘッドセットが不可欠。これがウェブ版としてパソコンの2次元的なディスプレイに表示されるとすれば、その体験は損なわれてしまいます。一方で、高額かつ装着の負担が大きいVRヘッドセットを用意しなくていいのは、ユーザーにとって大きなメリットでもあります。

 

またBosworth氏はウェブ版のHorizon Worldsでは、コンテンツの販売手数料が25%となり、他のプラットフォームに比べて大幅に抑えられるとも言及しています。これはVR版のHorizon Worldsにて47.5%もの手数料を徴収することへの批判に応えたもので、ウェブ版Horizon Worldsのリリースはコンテンツ提供者にとってもメリットのあるものとなりそうです。

 

Image: rafapress / shutterstock.com

Source: Boz / Twitter via Engadget.com

Metaの「47.5%のメタバース手数料」を巡ってアップルから痛烈なツッコミが…

元FacebookのMeta社は、いわゆる「メタバース」内でのデジタル資産販売に対して47.5%もの手数料を取る予定であることを明らかにしていました。これに対してアップルが、「わが社のApp Store手数料(15~30%)に文句を言ってきたのに偽善的だ」とツッコミを入れています。

 

画像引用元:shutterstock

 

まずMetaはクリエイターの売上から、Quest Store(VRヘッドセットMeta Quest用のアプリストア)手数料を30%差し引きます。さらに残りの70%から25%を徴収するため、合計すると47.5%もの「メタバース税」になるわけです。ちなみにMetaのザッカーバーグCEOは、「市場ではかなり競争力のある手数料だと思います」と自信たっぷりに述べていました

 

この計画に対して、アップルの広報担当Fred Sainz氏は「Metaは、アップルがApp Storeでのアプリ内課金で30%の手数料を取っていると繰り返し非難し、ことあるごとに中小企業やクリエイターをスケープゴート(身代わり)にしてきました」と前置き。その上で「Metaは同じクリエイターに、他のどのプラットフォームよりも段違いに高い手数料を課そうとしているのです」と皮肉っています。

 

さらにSainz氏は「Meta社の発表は、偽善を暴露している。自分たちは無料でAppleのプラットフォームを使おうとしながら、自らのプラットフォームを使うクリエイターや中小企業から喜んで搾取するのです」と語っています。

 

実際、Facebookやザッカーバーグ氏は、アップルのApp Storeが15~30%の手数料を取ることが反競争的で独占的だと繰り返し批判してきました。そして2020年6月には、2023年まで有料オンラインイベントやファン向けサブクリプションなどFacebookのクリエイター向けツールの手数料を無料化し、それ以降は「アップル等が取る30%よりも低い手数料」を発表すると述べていたことがあります

 

しかし、その後に「低い手数料」は発表されることなく、逆にメタバースでの47.5%もの手数料を発表した次第です。今回のアップルの批判はもっともなことかもしれません。

Source:MarketWatch
via:MacRumors