大谷翔平が104年ぶりの偉業達成! 在米スポーツライターが解説する、大谷選手の凄さとメジャーリーグの楽しみ方

世界最高峰のプロ野球リーグ「メジャーリーグベースボール」(MLB)。野茂英雄さんやイチローさん、松井秀喜さんなど、そうそうたる顔ぶれの日本人選手が挑戦してきた中で、かつてないほど注目を集めている存在が、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手です。2022年8月9日(日本時間10日)、1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりに2桁勝利・2桁本塁打の歴史的偉業を達成しました。

 

今、わたしたちはこの先、数百年と語り継がれるであろう、名選手の活躍をリアルタイムで見られる幸運期に生きている、といっても過言ではありません。今回、ニューヨーク在住のスポーツライターとしてメジャーリーグを取材してきた杉浦大介さんに、メジャーリーグの楽しみ方と、大谷選手の記録の裏側にある凄さを、野球初心者でもわかるように教えていただきました。

 

あらためて知りたい、
大谷君が世界のオータニサンになるまで

インタビューを受ける大谷翔平選手。黄色い囲み内が杉浦さん。(写真提供=杉浦大介)

 

社会人野球の選手だった父とバドミントン選手だった母の間に、1994年7月5日に3人兄弟の末っ子として、岩手県水沢市で生まれた大谷翔平選手。小学3年生のときに、地元のリトルリーグで野球を始め、小学5年生の頃には、すでに中学生レベルの球速110kmを出すように。その後、岩手県を代表する高校野球の名門校・花巻東高校へと進学し、高校2年生の春に出場したセンバツ高校野球で球速150kmを出しています。そして、高校3年生では球速160kmを記録。これはアマチュア史上最速であり、投手・大谷翔平選手への注目が集まる出来事になりました。

 

「大谷選手は高校を卒業した2013年に北海道日本ハムファイターズに入団していますが、その当時からメジャーリーグ挑戦を表明していました。日ハムへの入団の決め手となったのは、投手としてだけではなく、野手としてのスキルも上げる“二刀流起用”の育成プランだったそう。その育成プランはすぐに結果として表れていきます」(スポーツライター・杉浦大介さん、以下同)

高校生ルーキーとして出場した開幕戦では、1960年以来53年ぶりの2安打1打点。一軍初登板では新人投手最速の157kmを記録。パ・リーグ史上最速の160kmを記録した後は、自分で記録を塗り替えていき、20歳のときには、日本プロ野球史上最年少で16奪三振の最年少記録を打ち立てます。

 

「高校卒業後、わずか3年で年俸1億円プレイヤーになったかと思えば、2018年には、ついにメジャーリーグへの進出のチャンスをつかみます。当時、まだプロ選手としての経歴条件として海外FA権の取得ができなかった大谷選手は、所属球団の許可とメジャー側の単独交渉で行う“ポスティング・システム”を使って、メジャーリーグへの移籍を希望し、二刀流への考え方や育成方針を大切にしているチーム『ロサンゼルス・エンゼルス』に入団しました」

 

日本の球団でトップレベルの活躍をしてきた選手でも、メジャー入団後、最低3年は育成期間が必要とされる中、入団1年目の3月29日の開幕戦で初打席初安打、4月1日には初登板初勝利を成し遂げる快挙ぶり。

 

「史上もっとも偉大な野球選手とされるベーブ・ルース(George Herman “Babe” Ruth, Jr)以来、100年ぶりの本格的二刀流選手が現れた、ということで、日本だけではなく、アメリカでも一大センセーショナルになりました。大谷選手は『歴史に残る選手』という表現ではチープすぎる、あり得ないレベルでの偉業を成し遂げています。そして、現在も成長を続けている大谷選手。今まで野球にそれほど関心を持ってこなかった方も、見て損はないことが伝わるのではないでしょうか」

 

メジャーリーグの過酷な環境と、
そこで結果を出す凄みとは?

2022年7月5日、28歳の誕生日を迎えた大谷選手。(写真提供=杉浦大介)

 

高校野球では、投手としても野手としても活躍する選手はたくさんいます。しかし、プロの世界、特にメジャーリーグという舞台においては、どちらかに絞らないとやっていけない世界。そのため、二刀流で活躍するというのは、驚異であり、神業とも言えることです。

 

「日本とアメリカのベースボールを比較したとき、その大きな違いはチーム数とパワーです。日本は12チームをセリーグとパリーグに分けていますが、アメリカは30チームをアメリカンリーグとナショナルチームに半々に分けています。

稼働シーズンは3〜10月で、どちらの国もほぼ同じ期間。日本に比べてアメリカは、国土も広いしチーム数も多いので、移動距離や試合数が増えることで、結果的にかなりハードワークになります。日本のプロ野球は基本的に月曜がお休みですが、アメリカはシーズン中にほとんど休みはなく、毎日のように試合があります。高い集中力を維持するためにも、コンディションを調整するためにも、本来であれば、打つのか守るのか、どちらかに絞らないとやっていけません。そんな中、大谷選手は打っても投げてもトップレベルの結果を叩き出しているのです」

 

MLBオールスターゲームが行われたロサンゼルスの空港。(写真提供=杉浦大介)

 

メジャー1年目に22本塁打を記録していますが、これは日本人メジャーリーガーのホームラン記録を塗り替えました。同じく1年目に10登板20本塁打10盗塁という、メジャー史上誰もなし得ていない記録を出しています。

 

「2021年5月11日のアストロズ戦では、2番投手として7回4安打1失点10奪三振後、ライトの守備につき、試合終了まで出場。『投げて、打って、守る』三刀流の活躍を見せています。2021年のオールスターゲームでは、メジャー史上初の投打両方スタメンとなり、同じ選手の名前が並ぶ異常事態を起こしました。スポーツライターとして、大谷選手のプレーを見続けているので、少し麻痺してきていますが、これは本当にすごいこと。

1920年代にアメリカで二刀流の快挙を成したといえば、ベーブ・ルース選手が知られていますが、大谷選手の活躍は、ベーブ・ルースと並び、超えていくレベルです。この先何年間も教科書に名を残すことはまちがいなく、何百年にも渡り語り継がれるはずです。数年前に大谷選手の3ランに興奮した現地実況が『ビッグフライ、オオタニサーン』と叫んだことがニュースになっていましたが、球場では、翔平ゆえに『ショータイム!』という掛け声で賑わっています」

 

メジャーリーグでは何が評価される? 日本との評価の違い

ニューヨーク・ヤンキースvsロサンゼルス・エンゼルスのスター対決。(写真提供=杉浦大介)

 

メジャーリーグで活躍する日本人選手には、和を尊んだり、緻密な戦略を駆使したりするような日本人らしいプレーというものが評価されているのでしょうか?

 

「基本的に日本人選手は“野球のIQ”が高く、戦略の理解度が高いと言えます。職人気質と言いますか、匠と言いますか。しかし、メジャーリーグで活躍する選手は、日本人らしいプレーという部分を期待されているわけではないし、そこが評価されるわけではありません。

イチロー選手はメジャーリーガーとしては華奢で小柄でした。でも、天才的なプレーと足の速さで活躍。そういう部分は、日本人らしいと言えるかもしれません。しかし、イチロー選手の後、何名か同じようなタイプの選手がメジャーに挑戦しましたが、うまくいきませんでした。イチローはやはり、イチローなのです。日本人だからというより、ひとりの天才プレーヤーとして評価されていました。

今やベテランクラスになっているダルビッシュ選手も、イチロー選手とは活躍シーンが違いますが、芸術的な技量が魅力です。狙った場所に投げられるし、多彩な球種でバッターを混乱させます。匠の技と言えますが、日本人らしい選手という視点で評価されているわけではありません。

どこの国から来た選手でも、基本はパワーが求められます。投手ならばより速い球が投げられて、野手ならばより遠くまで打てることが期待されています。つまり、見応えのあるプレーをしてくれる選手であれば、惜しみない賞賛が与えられる。プレーも評価もシンプルなのがメジャーリーグと言えます」

 

野球発祥の地と言われているニューヨーク州・クーパーズタウンの「アメリカ野球殿堂博物館」に展示されているイチローのユニフォーム。「イチローは匠のプレーで魅了してくれた天才プレーヤー。日本人らしいというよりも、唯一無二の存在として評価されています」(写真提供=杉浦大介)

 

大谷翔平選手のヘルメットやキャップも展示されています。「現役選手ですが、こうして野球殿堂博物館に展示されるところからも、彼がどれだけ評価されているのかがわかります。大谷選手の数ある構成のひとつに、2021年4月の先発投手として160kmの豪速球を投げたすぐ後の攻撃でホームランを打った名シーンがあります。YouTubeなどでも見られるので、チェックしてみてください」(写真提供=杉浦大介)

 

大谷選手以外にも注目!
今後の活躍から目が離せないメジャー選手とは?

(写真提供=杉浦大介)

 

大谷選手以外に、今、杉浦さんが注目しているMLB選手を教えてもらいました。

 

「日本人選手ならば、2021年からシカゴ・カブスに入団した鈴木誠也選手はこれからの飛躍が楽しみですね。彼はメジャーリーグに来てまだシーズン1年目なので、こちらの環境にコンディションを合わせる調整段階にいます。しかし、すでに5年契約を結んでいるので、こちらでも活躍できる選手に育っていくと思います。鈴木誠也選手は、足が速くて守備もしっかり、打者としても期待できる3拍子揃い。メジャーリーグで長く活躍できるのではと感じます」

 

(写真提供=杉浦大介)

 

日本人選手以外でも、一人ピックアップするなら?

 

「ニューヨークヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手の活躍はすばらしいですね。画像は7月31日、2回、右翼席に2ランを打ち、今季42号、通算200号に到達し、過去9試合で9本塁打したときのもの。7月の月間MVPに選ばれていますが、打者としての好成績でチームの勝利に貢献しています。メジャーリーグは、いかに速い球を投げるか、そして、いかに多くのホームランを打つかが大事なポイント。投げるのも打つのもパワーのあるプレーが評価されるし、期待されています」

 

最新情報はココから!
チェックすべきニュースアプリとSNS

メジャーリーグの最新ニュースをいち早く手に入れて楽しむには、ここをチェックして。

 

「日本語サイトならば、Yahooが運営している『スポーツナビ』はいいと思いますよ。『MLB』というカテゴリがあるので、そちらをクリックしてもらえれば、最新ニュースが確認できます。ほかには、選手の個人的なTwitterアカウントや僕のようなスポーツライターのTwitterアカウント。英語が読めるのであれば、MLB関連の媒体やライターのアカウントをチェックするといいでしょう。ダルビッシュ選手のようにインスタグラムのアカウントで積極的に発信している選手もいるので、気になる選手名でインスタグラムのアカウントがないかを確認してみるのもいいかもしれません」

スポーツナビ https://baseball.yahoo.co.jp/mlb

 

ロサンゼルスのドジャースタジアム(写真提供=杉浦大介)

 

大谷翔平選手の活躍は、野球好きを楽しませるだけに止まらない、と断言する杉浦さん。そのプレイをチェックすることで、元気や勇気をもらえるかもしれません。

 

メジャーリーグを楽しむ秘訣として、杉浦さんが力を込めて話していたのは、リアルでの観戦体験の価値。メジャーリーグが開催される球場は、場所によっての特徴があり、また、楽器に頼らない、歓声というエールの迫力に心が揺さぶられるそうです。歴史上、長く語り継がれるであろう日本人選手が活躍している今、メジャーリーグ観戦をこの先の実現したい夢の一つに掲げるのもよさそうです。

 

【プロフィール】

スポーツライター / 杉浦大介

高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。1999年に渡米し、現在はニューヨーク在住。 『スポーツナビ』『SPORTS COMMUNICATIONS』『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボールマガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』『NBA Japan』等、多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。
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テニスで身長差38cmの凸凹コンビが話題に。MLBでは史上最長身の211cm選手がデビュー!

日本時間5月10日、BNLイタリア国際のテニス大会に出場したジョン・イスナーとディエゴ・シュワルツマンの身長差38cmの凸凹コンビが話題になっているが、MLBではリーグ史上最長身の投手がジャイアンツでデビューするなど、スポーツ界では身長に関するニュースが反響を呼んでいる。

 

 

ダブルスの1回戦に登場したイスナーとシュワルツマンのペア。イスナーは身長208cmで、シュワルツマンは170cm。身長差38cmのこの凸凹コンビが1回戦を突破した。

 

イスナーは自身のインスタグラムに画像を投稿。コメントでは「チーム名お願いします! ローマのグランデ×ペケ!」と、イタリアでの大会らしく大きい(グランデ)と小さい(ペケーニョ)と表現した。

 

 

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ちなみにイスナーといえば、2010年のウィンブルドンのシングル1回戦で、史上最長となる11時間5分の試合を3日間かけて行い勝利したことが話題になった。それまでの最長試合は2004年全仏オープンの6時間33分だったので、この先、この記録は破られることはないだろう。

 

 

続いてメジャーリーグ(MLB)の話題を。日本時間5月7日、サンフランシスコ・ジャイアンツのショーン・ジェレがメジャー初登板。身長6フィート11インチ(約211cm)はジョン・ラウシュに並ぶメジャー最長身で注目された。ジャイアンツは過去には当時メジャー最長身だった208cmのランディ・ジョンソンが最後に所属したチーム。その名の通り、ジャイアンツに再び“巨人”が現れたことも話題となった。

 

 

ちなみに、ジャイアンツといえば日本の巨人も負けてはいない。古くはのちのジャイアント馬場が所属し、ジョンソンと同じ208cmだったエリック・ヒルマンも千葉ロッテマリーンズのあと、巨人でもプレーしている。

 

この最長身、実はMLBよりもNPBのほうが高い。NPB史上最長身は、2014年に東北楽天ゴールデンイーグルスで7登板した7フィート1インチ(約216cm)のルーク・ファンミル投手。アメリカではAAA級で投げたものの、メジャーデビューは果たせなかったからだ。

 

 

なお、MLBではヒューストン・アストロズのホセ・アルトゥーベ(168cm)とジェレの43cm差の対戦が楽しみだが、残念ながら今季レギュラーシーズンの対戦カードはない。ポストシーズンで対戦となれば、こちらも話題になるだろう。

MLBが「ピッチコム」を許可。試合時間の短縮へ

米メジャーリーグ機構(MLB)は日本時間4月6日、2022年のレギュラーシーズンにおいて、ピッチャーとキャッチャーが行うサインの伝達を電子化する「PitchCom(ピッチコム)」の使用をオプションで許可する方向であると各球団に通達したことを発表しました。

↑MLBが2022年レギュラーシーズンへの導入を進めている「PitchCom」

 

日本プロ野球(NPB)と同じように、MLBでもこれまでサインの伝達は手や腕の動きをくみあわせた物理的なサインで行っていました。しかし、このサインには相手チームから内容を読み取られる可能性があり、またそれを防ぐためにサインが複雑化し伝達に時間がかるなどの問題が発生しています。

 

今回、許可されたピッチコムとは、キャチャー(捕手)からピッチャー(投手)に対して無線で信号を送信するウェアラブルデバイス。捕手は腕にリモコンを装着し、9個のボタンで球種やコースをピッチャーに送信。ピッチャーは帽子の中のレシーバーにてサインを受信します。また、最大3人までの野手(通常はセカンドとショート、センター)も、サインを受信することも可能。

 

通信は暗号化されており、サインが盗まれることを防いでいます。さらに、多言語に対応していることも特徴で、「ファストボール(直球)」や「カーブボール」などの単語を英語以外の言語に変換することも可能です。

 

MLBにおけるピッチコムはすでに春のトレーニングにてテストが成功しており、今年のレギュラーシーズンでの利用が期待されています。今回の導入はMLBに限らず、日本のプロ野球などにも影響を与えるかもしれません。

 

Source/Image: MLB.com

2020年、日本人スーパープレーヤーたちの「輝きの一瞬」を振り返る

東京オリンピック・パラリンピックを筆頭に、あらゆる場面で新型コロナウィルスの大きな影響を受けた2020年のスポーツ界。そんな状況下においても、われわれ日本人の心をときめかせてくれた、日本を代表するスポーツ選手たちの輝いた一瞬(とき)を振り返ろう。

 

【01】

錦織圭:コロナ感染とケガを乗り越えて結婚を発表。再起の時が待たれる

2019年の右ひじの手術から復帰を図るも、2020年は新型コロナの影響で試合がなくなり、自身も8月にコロナに感染。9月になって、ほぼ1年ぶりでツアーに復活を遂げた錦織圭。

 

動画は2019年の全米オープン以来の勝利となったイタリア国際1回戦でのもの。“らしい”動きも見せていたが、まだ本調子ではなく、その後の全仏オープンに出場はしたものの、今度は右肩を痛め、以降の予定をキャンセルしている。

 

ただ新シーズンへの準備も進んでおり、12月には結婚も発表。この結婚に対する周囲の雑音を断ち切るためにも、再起の時を待ちたいところだ。2021年の初戦は、1月中旬以降となる模様。まずは2月初旬開催予定の全豪オープンで、どんな結果を残してくれるのか、注目したい。

 

【02】

八村 塁:確かな進歩を遂げたルーキーイヤー。新シーズンはスタープレーヤーとの共演に注目!

 

二度と来ない貴重なルーキーシーズンをコロナ禍に邪魔をされた恰好となったものの、着実な進歩を遂げたのが、NBAワシントン・ウィザーズの八村塁だ。

 

チームはシーズンを通して苦しい戦いが続いたものの、自身は今季1試合平均13.5得点、6.1リバウンド、1.8アシストを記録。2019-20シーズンのオールルーキーのセカンドチームの一員に選ばれ、その実力は多くのファンが認めるところとなっている。

 

2020-21シーズン、ウィザーズは大型トレードで2016-17シーズンのMVP、ラッセル・ウェストブルックを獲得。巻き返しに向け、勝負に出た。八村自身は、12月23日の開幕直前に流行性結膜炎のために3週間の欠場を余儀なくされ、出鼻をくじかれる格好となったが、復活後の共演が非常に楽しみだ。

 

【03】

久保健英:強いチームで新たなチャレンジ。19歳の若武者に訪れた試練の時

 

順風満帆と思われた久保建英の去就が揺れている。2020年8月、ビジャレアルに期限付き移籍を果たした久保。若きサムライの動向は日本のみならず、現地でも注目の的となっており、今度はどんな活躍を見せてくれるのか、期待が寄せられていた。

 

チームの歓迎会ではドラえもんの歌を披露。そのお茶目な姿は、日本でも大きく報道された。しかし、リーグ戦での先発はほとんどなく。いまだレギュラーポジションをつかめていない。

 

途中出場からでも、実績は残しているかに見えたものの、12月25日時点で、リーガへの試合出場も2試合途切れ、そのリーグ戦出場時間の少なさに、現地スペインではにわかに1月の移籍先が取りざたされることに。ただし、前所属のマジョルカとはチームの中身がまるで異なることも確かで、上位争いをするチームの中で、その真価が問われているともいえる。19歳の若武者にとっては試練の時。今後の展開に注目だ。

 

【04】

大坂なおみ:その名を世界に轟かせた“時の人”。さらなる高みに向けた成長に期待

 

2020年、その名が世界中で鳴り響いた。大坂なおみ。彼女がコロナ禍の中で見せた行動は世界中から賞賛を集め、一躍“時の人”となったことはご存じのとおりだ。しかし、彼女のテニスが長足の進歩を遂げた結果として、2度目の全米制覇という偉業が成し遂げられたことを忘れてはならない。

 

上記のダイジェスト映像を見てもわかるように、決勝では元女王のビクトリア・アザレンカを相手に、第1セットを落としてからの逆転勝利だった。劣勢を跳ね返した力強いサービスとストローク。そしてそれを可能たらしめたメンタルの強さに目を見張った。かつてはメンタルの弱さから自滅することも多かった以前の彼女の姿は微塵も残っていなかった。

 

年末には世界20カ国で発行されるファッション誌『VOGUE』の表紙を飾り、米国のニュース誌『TIME』が選出する「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた大坂。世界が目を向ける存在となったが、まだ23歳の彼女自身、現在の戦績で満足しているはずがないだろう。4回戦以上を経験していない全仏オープンやウインブルドン、さらにはオリンピックとビッグタイトルはまだまだ残っている。2021年、大坂のさらなる成長に期待したい。

 

【05】

ダルビッシュ有&大谷翔平:明暗分かれたMLB期待の日本人プレーヤー。新シーズンに真価が問われることに

2020シーズンは12試合に先発し、リーグ最多の8勝。リーグ2位となる防御率2.01をマークしたMLBシカゴ・カブスのダルビッシュ有。シーズン後にはサイヤング賞の有力候補として名があがり、惜しくも賞は逃したものの「オールMLBチーム」の先発投手の1人として、日本人として初めて選出されるなど、過去最高の活躍を示した。

 

動画は9月4日のカージナルス戦で見せた11奪三振の様子。その圧巻の投球ぶりをみると、2021シーズンもまだまだ期待が持てる。そして年末、サンディエゴ・パドレスへのトレードが正式決定したというニュースが急きょ報じられた。新天地でも昨シーズン同様、サイヤング賞級の戦績を残せるか、その真価が問われることになりそうだ。

 

一方で2020シーズンを残念なかたちで終えてしまったのが、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平だろう。7月26日、2年振りに公式戦マウンドに立ったものの、いきなりの5失点降板。2回目の登板も大乱調で、その後、前腕屈筋回内筋の損傷が判明し、打者として専念することに。

 

動画は7月29日に放った第1号HR。難しいボールを救い上げての一撃に多くの賞賛が寄せられたが、終わってみると打率.190、7本塁打と調子は持続せず。ただ、2021年に向けてケガの回復は順調との報道もされており、2021シーズンこそ投打の完全復活に期待がかかる。いや、むしろ2年続けて似たような成績は本人のプライドも許さないだろう。彼にとっても真価が問われるシーズンとなりそうだ。

 

【06】

井上尚弥:鮮やかなノックアウト勝利に世界が驚嘆。次の対戦相手の決定が待たれる

 

この男を忘れるわけにはいかない。最後を飾るのは、ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥だ。2020年10月31日、ラスベガスで行われたジェイソン・マロニー(オーストラリア)との一戦で見せた、まさに圧巻の7回KO勝利は、世界中の度肝を抜いた。

 

さて、この男の次なる対戦相手は誰になるのか。本来なら、2020年4月に対戦するはずだった同級WBO王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)との試合となりそうなところだが、当のカシメロは別の対戦相手との試合を望んでいるようで、再び井上尚弥の雄姿を見られるのは、もう少し先のことになりそうだ。続報を待ちたい。

大谷翔平の“二刀流”がアメリカを席巻中! 最強の「矛×盾」にMLBも注目

大谷翔平がメジャーを席巻している!

 

今年、北海道日本ハムファイターズからロサンゼルス・エンゼルスへ加入。念願のMLBの舞台でも“二刀流”を継続する23歳は、開幕からここまで、投手として2勝、打者としても3試合連続ホームランを記録。日本人最年少での週間MVPに選出された。

 

スプリングトレーニングでの不調から一転、この快進撃。3試合連続弾も見事ながら、現地時間8日のオークランド・アスレチックス戦で見せた、7回一死までパーフェクトの快投もインパクト抜群だった。

 

ボールのキレがスゴイ! この「ショータイム」を前に、開幕前から大谷に懐疑的な目を向けてきた現地記者も、公開謝罪を掲載せざるをえなかったという。

 

そんな大谷の驚異的な“二刀流”に対し、MLBがこんなツイートをしている。

投手・大谷vs打者・大谷! 日本人だけでなくベースボールファンなら誰でも見てみたい、まさに夢の対決だ。決して実現することがないのがとにかく残念……。

 

新天地で最高のスタートを切った大谷。当然これから各チームに徹底的に研究されていくことになるが、それを乗り越えてさらに大きく成長していく姿が本当に楽しみである。

これが大谷翔平!エンジェルスのメンバー発表でも一人“別枠”扱いでスゴイ

現地時間4月1日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)がオークランド・アスレチックス戦でMLB初先発。6回を3安打3失点、6奪三振で見事初勝利をあげた。

今年の日本スポーツ界でもっとも注目されている選手の一人である大谷。

 

23歳で念願のメジャー挑戦を実現。日本のオープン戦にあたるスプリングトレーニングでは相手に打ち込まれる試合が目立ったものの、“本番”ではきっちり結果を残してきた。まだ1試合の登板にすぎないとはいえ、今後に期待を抱かせるには十分のピッチングだ。

彼の名前をもじった「#ShoTime」のハッシュタグもエンジェルス名物となりそうである。

 

さて、大谷といえば、投手と打者の“二刀流”でお馴染み。初登板の2日前、現地時間3月29日に行われた開幕戦では、打者として記念すべきメジャー初出場を果たしている。この試合でのロースター発表がなかなか面白かった。

PITCHERS(投手)、CATCHERS(捕手)、INFIELDERS(内野手)、OUTFIELDERS(外野手)と並ぶなか、大谷は唯一のPITCHER/DH(投手兼指名打者)としてメンバー入り。しかも8番DHで出場すると、初打席でいきなり初安打を記録したのだ。さすがすぎる!

早くも話題の“二刀流”大谷。「ショータイム」が全米に知れわたるのは、そう先のことではないかもしれない。

これぞMLB捕手の神ワザ!「ノールック牽制死」の妙技を見よ

今年は3月29日に開幕するMLB。大谷翔平のメジャー挑戦、イチローのマリナーズ復帰、ダルビッシュ有のカブス移籍など、今シーズンも話題豊富だ。

 

そんなMLBで、開幕前から驚きのスーパープレーが飛び出した。

 

3月12日に行われたニューヨーク・ヤンキースとミネソタ・ツインズのオープン戦。この試合でツインズ捕手ウィリアンス・アストゥディージョが見せた“妙技”がこれだ。

1死一塁の状況でアダルベルト・メヒア投手の初球はストライク(空振り)。ここまでは何事もなかったのだが、アストゥディージョは視界に入ってきた“隙”を見逃さなかった。

 

おそらく横目で一塁ランナーの緩慢な動きを確認すると、正面を向いて座ったまま、持ち前の強肩で一塁へ送球。完全に虚をつかれたランナーを楽々と牽制死に追いやったのである。まさにノールック牽制球!

 

球技にはノールックパスを筆頭にいろいろなノールックがあるが、これはかなり珍しいといえる。

 

アストゥディージョはベネズエラ出身の26歳。これまでマイナーリーグのキャリアしかないが、昨シーズンはメジャーのすぐ下、AAAのリノ・エーシズでプレーしており、今回のスーパープレーが待望のMLBデビューにつながるかもしれない。

 

※日時はすべて現地時間

大谷移籍、イチロー古巣復帰でさらに注目度アップのMLB! 開幕前なのに「美技連発」でスゴイ

ダルビッシュ有(シカゴ・カブス)や田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)らに続き、今年から大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)がやってきたMLB。

 

さらに今週は、この選手の古巣復帰が大きな話題となっている。イチローが2012年途中まで在籍していたシアトル・マリナーズへ加入したのだ。

 

 

首位打者を2回(2001年、2004年)獲得し、そのうち2004年は、MLB新記録となるシーズン262安打を達成。入団初年度の2001年から10年連続でシーズン200安打以上を記録するなど、当時のイチローはとにかく桁外れだった。

 

その英雄が6年ぶりに帰ってきたのだから、さあ大変。マリナーズは彼の偉大さを伝えるこんな動画もツイートしている。

 

 

イチローの背番号は以前と同じ51番。マリナーズとエンゼルスは同じアメリカンリーグ西地区に属しており、大谷との対決が早くも楽しみである。

 

さて、MLBは現在日本のキャンプ&オープン戦に当たるスプリングトレーニングの真っ最中。開幕ロースター入りに向けてこの時期が勝負という選手は少なくなく、試合ではシーズン中のようなスーパープレーがいくつも飛び出しているのでご覧あれ!

 

 

いきなり美技2連発を披露したのは、昨シーズン王者ヒューストン・アストロズの外野手トニー・ケンプ。彼らをどのチームが止めるのかも注目される2018シーズンのMLBは、3月29日(現地時間)に開幕する。

 

大谷翔平が入団!MLBエンゼルスのスタジアムは他にはない“スゴイもの”がある

日本スポーツ界でこの冬、大きな注目を浴びていたプロ野球・大谷翔平の新天地が、ついに決まった。今回、彼がポスティングシステムで選択した移籍先は、ロサンゼルス・エンゼルス!

2015年までは「アナハイム・エンゼルス」と呼ばれていたチームで、カリフォルニア州ロサンゼルスから南東へ45kmほどのアナハイムに本拠地を置いている。アナハイムは元祖ディズニーランド・リゾートがあることで世界的にも有名な街だ。

 

大谷は現在23歳。2013年に入団した北海道日本ハムファイターズでチームを日本一に導く活躍をみせただけでなく、投打の「二刀流」も大きな話題に。2016シーズンにはNPB史上初の「10勝、100安打、20本塁打」を達成している。

 

そんな彼のエンゼルス入団。早くも新シーズンが楽しみだが、予習ということで彼らのホーム、エンゼルス・スタジアム・オブ・アナハイムを紹介。なんといっても有名なのは、外野スタンドにある“あれ”だ。

そう、巨大な岩のオブジェ!水が流れて滝のようになっている場所もあるほか、ホームランの際はここから花火が打ちあがる。

「ザ・ビッグA」の愛称で親しまれているこのスタジアムで、大谷は果たしてどんなプレーを見せてくれるのか。2018シーズンのMLBは、2018年3月29日に開幕する。