[5月6日まで]「国際宇宙ステーション」がGW中に肉眼で見える! 星と区別するコツはこちら

地球や宇宙の観測のほか、宇宙空間でさまざまな研究や実験が行われている国際宇宙ステーション(ISS)。そんな国際宇宙ステーションが、本日4月30日から5月6日頃まで日本の上空で見ることができるんです。しかも、望遠鏡などを使う必要がなく、肉眼で――。

 

とは言っても、ISSは90分間で地球のまわりを1周しており、その速さは時速2万8000kmと驚異的。そこで、ISSを地球から確認するためのコツを3つご紹介しましょう。

 

[その1] ISSを見れるのは明け方か夕暮れどき

ISS自体は光を放ちながら、軌道をまわっているわけではなく、太陽や月の光が当たってそれが反射すると、地球上の私たちにはきらりと光る物体となって見えるわけです。そのため、昼間の明るい時間は、ISSにも太陽の光は当たっていますが、よく見えません。また、真夜中もISSに光が当たらないため見えません。ISSをしっかり確認できるのは、ISSに太陽または月の光が当たり、なおかつ地球上では空が薄暗い時間帯で、朝方や夕方頃がベストなタイミングなのです。

 

[その2] 光る点に注目

地球上で私たちがISSを見るときは、小さな光の点のように見えます。それがゆっくりと空を横切っていきます。流れ星であれば光りが見えるのは一瞬ですが、それよりも長い時間をかけて、飛行機よりも早い動きで、空を通過していきます。ISSのウェブサイトによれば、肉眼で確認できるのは、わずか1分~数分間程度のことだそうです。名古屋市科学館ではその模様を動画で公開しています(2014年10月撮影)。

[その3] ISSのウェブサイトでスケジュールをチェック

いくら90分に1度の頻度で、地球を回っていようと、日本上空をISSが通過していなければ見ることはできません。そこでチェックしたいのが、ISSのウェブサイト。ここで、自分がいる都市を入力すると、直近でいつ何時頃ISSが現れるか確認することができるのです。しかもEメールアドレスなどを登録しておくと、アラートメッセージが届くというサービスもあります。ISSのウェブサイトは英語になりますが、宇宙航空研究開発機構のウェブサイトなら日本語で、同様にISSの通過スケジュールを知ることができます。ちなみに、ISSは頻繁に軌道修正が行われるため、月間や年間のスケジュールはありません。

 

ISSのウェブサイトによると、直近で東京からISSを見られるのは4月30日から5月6日。特に、5月2日午前3:44に南南西から北東にかけて移動するISSは観察しやすいそうです。周囲に「ISSを見たことがある」という人の話はそれほど耳にすることはありませんから、この機会に空を見上げてみてはいかがでしょうか?

えっ、NASAが雲の写真を募集中? スマホから送るだけで解析に協力できる

アメリカ航空宇宙局(NASA)というと、世界トップクラスの秀才が集まり、一般人には到底理解しがたい難解な問題に取り組んでいる……と思われるかもしれませんが、現在、一般人でも気軽にNASAのプロジェクトに参加できるものがあるんです。それが、スマートフォンで雲の写真を撮って、NASAに送るというもの。

 

人工衛星だけでは認識しにくい雲の形状を把握

現在NASAが一般市民に広く協力を呼びかけているのが、スマートフォンで雲の写真を撮影し、送信する「Citizen Science Cloud Observation Challenge」。NASAでは、「雲及び地球放射エネルギー観測装置(CERES)」という人工衛星を利用した機器を使って、地球規模で雲の観察を行っています。しかし、最新テクノロジーを駆使していても、CERESですべての雲のタイプを認識していくのは簡単ではないのだとか。特に冬から春に季節が移り変わる今の時期は、雲の形状も大きく変化するシーズンなのだそう。

 

そこで、市民に雲の写真を送信してもらい、CERESから送られる衛星画像と、地上から撮影した画像が合致するか解析し、CERESの精度を確認する等研究に利用されるのです。

 

ちなみに、現在あるCERESは全部で6台で、最新のものは2017年11月18日に打ち上げられ、2018年1月5日からデータの測定を開始したばかりです。

 

市民参加型プロジェクト

このプロジェクトはNASAが呼びかけているものですが、「GLOBE(グローブ)」と呼ばれるプログラムの一貫です。GLOBEは、一般市民や学生たちにデータ収集に参加する機会を作り、地球環境や地球のシステムについて理解を深めることを目的に1995年に発足したプログラムで、日本を含めた世界120か国が参加しています。

 

今回の雲の観察のような気候に関するものの他にも、このプログラムは水質や土壌など様々なものを調査しています。2017年には、ジカ熱やテング熱などの媒介となる蚊について、蚊がいる場所や蚊の幼虫の有無などを世界で一斉に調べるプロジェクトも実施。市民が参加することで、研究者だけでは限界があった広範囲のデータ収集が可能になり、地球環境や生活環境改善などに生かされているのです。

 

NASAへ雲の写真を送る方法は?

では、「Citizen Science Cloud Observation Challenge」に参加し、雲の写真をNASAに送るにはどうしたらいいでしょうか。方法はいくつかありますが、専用アプリ「GLOBE Observer」を利用するのがとても簡単。アプリを起動して「GLOBE clouds」を選択し、指示に従って一日最大10枚の写真をアップロード。雲の形状や撮影日時、場所などを入力するだけです。

 

NASAでは「雲を観察する専門家である必要はありません。とにかく外に出てみてください。雲を観察すればするほど、データ収集も気軽にできるようになるでしょう」と呼びかけています。

 

このプロジェクトによる雲の写真の応募期間は2018年4月15日まで。参加者の年齢制限はありません。アプリは英語での表示になりますが、NASAの世界規模のプロジェクトに参加してみたい方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。